文教委員会 第4号
- 発言数
- 128 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1955/12/08
会議録
○佐藤委員長 これより会議を開きます。 前会に引き続き学校教育に関する件及び教育制度に関する件について文部大臣並びに政府委員に質疑を許します。 なお本日は参議院の委員会から大臣の出席を要求されておりますので、質疑はなるべく正午までにお願いいたします。加藤精三君。
○加藤(精)委員 本日は文部省の会計課長に特に御出席をお願いしたのでありますが、公共事業費に準じて、三十年度の財政処理の措置として、文教施設費の面におきまして削減をやるということでございますが、これの決定は正式に政府から文部省が指令を受けているかどうかということについて、まずお尋ねしたいと思います。
○小林説明員 文書による指令という意味で、正式ということになるとわかりませんけれども、毎年同じように大蔵省から各省に連絡がございまして、私受けて交渉に参りました。
○加藤(精)委員 文部省の予算も各省予算のように、ことに公共事業費的な性質を有する経費は、その支出の認証という制度が現在あるかどうか、その点をお尋ねしたいのであります。またそういう制度に類したものがあるといたしますれば、その制度のもとにおいて年々年度末までにどういうふうな順序で、大体何割くらいを予算配賦の当初において留保するように政府の方から指令を受けているようなことが通例であるかというような、実務的な点について御説明をいただきたい。
○小林説明員 文教施設の予算につきましては、現在今御質問の中にございました認証というような言葉の仕事はやっておりません。ただ府県から事業計画を出してもらいまして、それの厳重な審査をして、その資格があると認められるものに対して予算の配賦を行うということでやっておるわけでございます。なおこれはほかの省でもおそらく同じことと思いますが、年度の当初におきましてある部分について大蔵省の方で一応留保する部分がございまして、文教施設費につきましては大体一億六千万程度の大蔵省の留保分になっておるわけでございます。
○加藤(精)委員 大蔵省が国会できまった予算の配賦を留保するということなんでございますが、そういう権限が一体大蔵省にあるのかどうか。その点どうも疑問に思いますが、何のために留保するのか、また何の権限に基いて留保するのか、その点を政務次官から教えていただきたいと思います。
○竹尾政府委員 これは法律上の問題ではございませんで、災害その他不慮の事態を考えまして留保しておく、こういうふうに承知いたしております。
○加藤(精)委員 ただいま政務次官から承わりますれば、法律上の問題ではない、慣行上例年災害その他不慮の支出のために留保しておくのだということでございますが、その留保に対しましては、文部省が大蔵省の申し入れに同意してやっておるわけでございますか、それとも大蔵省の圧迫によってやっておるのでございますか、その点について承わりたいと思います。
○小林説明員 ここ数年、ことに戦後ほとんど慣行的な事例になっておりますが、ただいま申し上げましたように、予算の技術上の問題といたしまして留保というものがございます。これにつきましては大蔵省の方から話がありまして、これは各省ともおそらく全面的に賛意を表してやるということではないと思いますけれども、やむを得ない措置として同意をいたしておるわけでございます。
○加藤(精)委員 私の従来の考え方によりますれば、閣議で実行予算を決定するような場合以外にはそういうことはなし得ないもののように思うのでありますが、各省が予算を大蔵省に要求してもなかなかくれない。大蔵省のきげんをとっておかないと将来予算がもらえないからというので、一種の大蔵省に対する遠慮から大蔵省の申し入れに同意しておると思うのでありますが、こういう慣習は断然改めて、各省大臣の権限において、各省に配賦になるために議決され成立した予算は、各省大臣が自主的にこれを使うということに改められたらどうかと思うのですが、その点についての政務次官の御見解をお伺いいたします。
○竹尾政府委員 これは財政全体の問題でございまして、必要があれば解除されるようなことになっておりますので、やむを得ない措置だと思っております。
○加藤(精)委員 いろいろ政務次官もお立場がございましょうと思いますが、私の考えといたしましては、かかる処置は大蔵省の各省支配というような弊害を生ずるので、はなはだおもしろくないことでありまして、新しい内閣におきましては、新しい大臣の御意図によりまして、こういう悪弊を一掃して、各省予算は全部各省に配賦させて、そうしてその配賦されました全予算を、各省大臣の権限によって適切に便っていくということに改むべきものではないか、大臣の御見解をお願いいたします。
○清瀬国務大臣 加藤さんの御説を拝聴いたしまして、新たなる眼識でよく研究いたします。
○加藤(精)委員 現在文教施設費の予算で、配賦にならない分が一億五千万円くらいある。それ以外のものはみな各府県当局と打ち合せまして内定してしまっているかどうかということですね。各府県に予算を配分するにあたって、計画上の残余はないかどうか。そういう点について具体的に管理局長にお尋ねいたします。
○小林説明員 公立文教施設費の配分の点でございますが、これは事業費につきましては大体十月の中旬に一応の額を予定いたしまして、各府県に通知をいたしております。しかしまだいわゆる補助指令と申しますか、事業費の指令はいたしておりません。この配分を通知いたしましたのは、先ほど申しました大蔵省の保留の一億六千万円を除いて、ほとんど大部分が内定済みでございます。
○加藤(精)委員 私のお聞きしておりますのは、大蔵省から配賦を受けた予算総額のうちの何割くらいはすでに内定通知済みであるか、それから内定通知をしないで留保しているのはどのくらいあるかという問題でございますが、その点御説明いただきたいと思います。
○小林説明員 本年度は従来と異なりまして、できるだけ何回にも分けて配分するということをいたしませんで、すでに二回の配分で九八%くらいは配分済みであります。ただしまだ補助の指令は出しておりません。
○加藤(精)委員 九八%くらい内定済みである。内定通知というものは、各地方庁におきましては予算をもらったと同じように考えておるのであります。それに基いて計画を進めるわけでございますが、その九八%のうち、敷地の決定等がどうしても年度内に解決困難であるとか、あるいは年度内に県は勧奨しておるけれども、市町村の方の議会がまとまらぬとか、そうした絶対年度内に着手不可能な分が、すでに配分を内定いたしました九八%の五十何億のうちどれくらいあるかということをお尋ねしたいと思います。
○小林説明員 例年の事例から考えますと、たとえば校地にいろいろ問題があって、なかなかまとまらぬというような事例もございます。また市町村におきまして、この負担分の予算がまとまらないという事例が幾つかございます。本年度のこの配賦すべき公立文教施設費の予算に対するほとんど執行不可能になるであろうと予想される事例について、まだ私どもとしては調査いたしておりません。今回の地方財政対策としての文教施設費の節約あるいは繰り延べ等に関連いたしまして、最近においてその実情をよく調査したいと考えております。
○加藤(精)委員 全国何千という市町村の学校でございますので、なかなか調査が十分できないということは大体想像できるのでございますが、そうしたような年度内に執行不可能というような条件にある部分は、毎年内定通知をいたしましたもののうち何割ぐらいになる慣例であるか、その点不用額というものの取扱いにつきまして重要な関係がございますので、例年の例をお尋ねいたします。
○小林説明員 予算の執行上御承知の通り繰り越しという制度がございます。公立文教施設費におきましては、この繰り越しが例年実はかなりあるのでございます。この繰り越しの中には、全然手つかずにやったものと、あるいはそうでなしに、七割あるいは八割という工合に工事が進行しておるけれども、残余が繰り越されるという事例があるのでございます。全然工事が着工されていないというもののパーセンテージにつきましては、現在的確な数字を持っておりません。もし必要でございますれば、後刻調べてお答えいたします。
○加藤(精)委員 それは非常に必要でございますから迅速に文教委員会に御報告いただきたい。 それから次に申し上げます。この与党の方での百六十億の中の八十八億の節約については、一般経費の節約のほかに、賠償費の節約削除及び公共事業費の削除を考えておるわけでありますが、これはどこまでも公共事業費の不用額ということになっておるのでありまして、交教施設費はこれは公共事業費の中に入っていないと理解しておるのでありますが、文教事業費が公共事業費に含まれた時代があると思います。その点につきまして、どういういきさつで昭和何年度から公共事業費の中に入って、どういういきさつで昭和何年度から公共事業費のワクからはずされたか、その経緯を一つお知らせいただきたい。
○小林説明員 正確な年度は覚えておりませんが、戦後経済安定本部がございました時代には、この教育施設の補助事業も公共事業として取り扱われたことがございますが、ここ最近数年におきましては、公共事業費的な経費であるけれども、言葉の厳格な意味から公共事業ではないというふうな取扱いでございます。
○加藤(精)委員 公共事業費的な経費であるとか、あるいはそうでないとかいう判断の基準は、どういうことに置かれたものであるか、これは文部省経費の大半を占める非常に大切な経費でありますので、そういう問題につきましては、局長さんといたされましても非常な深い御研究と御見識を持っておられると思いますが、そういう点につきまして一つ詳細にお聞かせをいただきたいと思います。
○小林説明員 これは予算の取扱いの上の問題でございまして、公共事業費とはいかなるものであるかというような定義的なものは、実は私はないと考えております。戦後アメリカが占領しておりました時代にパブリック・ワークというような言葉で表現された内容のものが、いわゆる公共事業として取り扱われたものであると考えております。現在においては先ほど申し上げましたように、教育施設に対する補助金はある程度公共事業費的なものとしての取扱いはいたしておりますけれども、たとえば建設関係あるいは農林関係のような公共事業とは、性格としてはそのように取り扱われていないわけであります。
○加藤(精)委員 公共事業費として公立文教施設費が扱われることが正しいか正しくないか、パブリック・ワークという範疇の中に入るか入らないかということは、これは文教行政において重要な意味を持つことだろうと思うのであります。そこでその公共事業という概念規定について御研究になっておらないはずがないと思うのでありますが、その公共事業費という概念規定を御研究になったことがあるかどうかということをお尋ねしているのであります。
○小林説明員 私はまだ不勉強でございまして、私自身は深く研究しておりません。もちろん本省としてはやっておると思いますが、私自身はまだその点研究していないのでございます。
○加藤(精)委員 そういう点が不勉強でいらっしゃるので今度の公共事業費に巻き添えを食って削減されるということになるのじゃないか。もう少し御研究になって、そういう問題について見識を持っていただきたいと思うのであります。 なお、現在不用額を文部省はどういうふうな基準によって算出しようとしておられるか、その点の管理局の御態度を一つ御説明いただきたい。
○小林説明員 これは閣議で御決定になりました線は、北海道は七%、それから北海道以外の地域においては一〇%という基準で算定されまして、公立文教施設費については五億四千八百万という数字でございます。文部省としましては、そのうち大蔵省の保有分を差し引きました三億六千万程度のものを一応財源捻出をしなければならぬという立場でございますけれども、これはやはり工事の実施状況を詳細に調査して、その結果に基いて各府県と十分お話し合いの上で、それぞれ各府県の額をきめたいと思っております。先ほど申しましたように、例年から申せば一応この五億を上回るような繰り越し分があるのでありますけれども、この繰り越しの中には全然未着手のものもあり、またそうでなくてある程度工事が進行しておりますが、その残部分について残っておるものもございますので、工事の実施状況を各府県とよく相談の上で調査いたしまして、そうしてその上で額の決定をいたしたい、こういうふうに考えておるのであります。
○加藤(精)委員 ただいま承わりますと、不用額の各府県ごとの決定は、北海道が七%、それから各府県が一〇%という基準が閣議で決定されたようにお話でありますが、果してそういう事実があるのかないのか大臣にお尋ねしておきます。
○清瀬国務大臣 あれは大体切り捨てるのじゃありませんで、一割程度不用じゃないか、年度内に使われないものがあるだろうから、それを目途としてやってくれ、こういうことに相談はなっております。非常に厳格なものじゃございません。
○加藤(精)委員 ただいま大臣の御説明によりますと、切り捨てるのではなしに事業繰り越しをすることになるような気がするのであります。予算面で削除をいたしますれば事業繰り越しにならぬのであります。年々の各省予算のそれぞれの費目の予算の大きさというものは、その年度々々にきまるものでございまして、翌年度に事業費が繰り越されるような場合におきましては歳入も同時に繰り越されるわけであります。文教施設費の予算の規模を縮小するのであるか、それともその事業繰り越しになった分は優先的に次の年度で必ず確保される、そうして三十一年度のあるべき姿の予算の規模は何らそれによって縮小されない、すなわち三十一年度の文教施設費の予算の規模が六十億であるならば、今回切り捨てますところの部分、すなわち六億足らずの予算というものは、明年度のあるべき姿の事業費の六十億の上にプラスして三十一年度の公立文教施設費の予算が決定されるものと了解してよろしゅうございますか。
○清瀬国務大臣 大体そういうふうに私了解しております。これがきまったわけは、ことしの予算のきまるのがおそかったがために工事の着手がおくれておる。そうでなくとも毎年幾らか年度内にできない工事があるのでありますが、それは切り捨てるのではなくして、そういうものを融通するというので、次年度には優先的に確保することは閣僚間に明約があります。現に北海道の率を下げたのは、あそこは寒い国だというので比較的に早く着手しておるのですね。それゆえに残りが少なかろうという思いやりであります。結局は年度内に当りまえのコースでやっても残るだろうから、同じ国であって片一方では残しておいて片一方では赤字というのは公平を失するから、そうはやらない、次年度には優先的にこれは計上するということでございます。
○加藤(精)委員 いよいよぎりぎりのところへ参ったのでございますが、これは八十八億の節約が閣議決定した後におきまして、党との調整によりまして、無理な削減はしない、しかも一般会計の節約と賠償予算の削減とそれから公共事業費の節約によって財源を生み出すけれども、しかしながら公共事業費の節約については特に問題が起りまして、これは一般的な削減はしない、不用額の出る見込みのものを削減するということに変更になったと解釈いたしております。そういう関係におきまして私の理解するところによれば、党の方では公共事業費だけを問題にしているので、公共事業費にあらざる文教施設費は削減の対象にしていないのであります。昨日も私、党の政調会長と打ち合せましたところが、政調会長はそういうことは何ら予想してないと言っている。なお、その点につきましては党内の内輪のことでございますが、特にこれは事義務教育に関する重大事項でございますので、当委員会全体といたしましても重要関心事でございますので、文部大臣におかれましても特にその点につきまして閣内におきまして十分御尽力をしていただきまして、できるだけ文教施設費の年度の予算としての削減を最小限度に押えることにしていただきたい。年度内にどうしても敷地の決定が困難であって年度内着手の不可能なもの、あるいは負担の関係におきましてどうしてもその市町村で県の予想するような議決ができないというようなものは、これは実害はないものだと思うのでありますが、それ以外の文教施設費の削除は、私たちは二部教授、危険校舎等の非常な困難に直面している文教施設といたしましては、とうてい黙視することができないのであります。また同時に年度内着工の全然見込みのないものは、他に非常に多くの希望市町村があるに違いないのでございまして、各府県の地方団体の公立文教施設の改善の何分の一も政府予算は充足しておらないのでありますから、他に振りかえまして文教施設改善の促進をはかっていただきたい、こういうふうに考えております。これは単に当委員会の一部の要望ではないと考えております。超党派的な要望だと考えておりますので、大臣も閣内のお立場から種々困難があるかと思いますが、当委員会とともに極力御努力を願いたいと思いますが、大臣の御所見をお伺い申し上げます。
○清瀬国務大臣 加藤さんのお話の全体を通じてお心持はよくわかりました。微力ではありますが、その心構えで進めでいきたいと存じます。
○吉田(賢)委員 ただいまの御質問につきまして関連事項を一、二伺ってみたいと存じます。 政府は地方財政赤字対策の一環として文教施設費の三十年度予算の一割を切り捨てるのではなくて、何か支払いができないものを取りのけるような御説明があったのでございますが、どうもはっきりいたしませんので伺いたいのです。 まず第一に聞きたいことは、金額の見込みは六億円ということでございますが、それを伺っておきたいと思います。
○清瀬国務大臣 六億円よりは少いのです。五億四千万円くらいになるかと思います。
○吉田(賢)委員 それは施設費と申しますと、大体校舎その他のものかと存じますが、もう少し具体的に申しますとどういうことになるのでございましょうか。
○清瀬国務大臣 あれをきめるときは非常にとっさのきめ方で、多分腰だめが入っておるのですが、大体施設費の一割くらいを見ておるのです。しかしながら必ずしも施設費からのみではなく、省の方でほかの方に年度内に使われない金額があるならばそれと振りかえてもよろしい。そうしてこれは打ち切りじゃなくて、多少誤解を生ずるおそれがありまするが、幾らか流用的な意味なんです。それでこっちに使いますけれども、次の年度においては必ず優先的に補てんする、工事を打ち切るなんということはちっともないのであります。御了解願いたいのであります。
○吉田(賢)委員 そういたしますと、いずれにいたしましても六十億円前後というものは、これは国会におきまして議決されました三十年度予算であり、目下予算執行の期間中であります。ところで予算執行の期間中に行政府がその予算を年度末に至らぬのにあらかじめこれを使用しない。——繰り延べるということは使用しないということです。あなたから打ち切りでないという御説明がありましたが、打ち切りということは予算財政観念としてどういうことになりますかはっきりいたしませんが、とにかくいずれにいたしましても使用しないということに帰着するのであります。議会が承認して議決した予算を行政府が使用しない趣旨を内容とする意思表示をするということは、国会に対する越権ではないか、国会がこれを補正する、あるいは削減する、あるいは増額するという議決は可能でありますけれども、国会がきめました一定額の金額の予算を使わない、また他に流用するという意思表示は、政府としてはそういう権限がないと思いますが、法律学者でありまする文部大臣はいかにお考えになりますか。
○清瀬国務大臣 財務当局においては何らかの形で国会の御承認を得る手続きをとらないような手段でやればこれは違法で、会計検査院からの批難も受けましょうが、何らかの形式で国会の御同意を得る手段をとればそれでいいと存じます。
○吉田(賢)委員 それならもう一ぺん元へ戻って聞きますが、これは明許繰越しに属するものですか、事故繰越に属するものですか。
○清瀬国務大臣 このことは財務当局できめまして国会の御承認を得ると思います。今どういう手段によるかは閣議でもきめておりませんし、大蔵省からの通知は受けておりません。可能な合法的な手段を考えると思います。
○吉田(賢)委員 予算というものは、予算執行中の期間におきまして、あらかじめ使わないという趣旨を内容とする意思表示を政府がすることはできません。それなら予算を組まねばよいのであります。いやしくも予算は国会で議決しました以上は、その趣旨に従う以外に政府は権限はないのであります。そこで何らかの手段によりまして国会の承認を得ますというような、そういう無確定なあいまいなことでこの際財政措置の手段はとられないものと思うのであります。今もし政府が同僚の御質問に対して予算の打ち切りではないので、一種の繰り延べのほうなことをするということを具体的に言われる以上は、これはやはり何らかの財政法に根拠のある御答弁がないと納得できないのであります。また打ち切りというようなことは意味が明確でない言葉でありますから、繰り延べとは一体何ぞやということになってくるのであります。途中で繰り延べするんだというようなことは、行政府としては言えません。何らかの形で国会の承認を得るのだとおっしゃっていますけれども、そういうことは実に筋の通らない御発言と申さねばなりません。こういうことはできるのですか、一体どうお考えになっているのですか。
○清瀬国務大臣 打ち切りとか、繰り延べとかいうのは、これは政治的に言った話であって、これを財政法上いかに調整するかは追って措置をとられることと存じます。
○吉田(賢)委員 繰り延べと言ったのは政治的の表現であるということですが、政府は憲法、財政法その他の財政法規によらざれば予算の執行はできないのでありますが、それならば法律的にはどういう趣旨に解したらいいのですか。
○清瀬国務大臣 財務当局でその方法をきめ、皆様に申し上げる機会があろうと思います。文部省できめてしまうだけのことではないと思います。
○吉田(賢)委員 私の聞かんとするのはそうじゃないのです。そうじゃなくして(「了解心々」と呼ぶ者あり)了解と言ったってわけのわからぬ答弁だ。繰り延べとおっしゃるのは政治的な表現であるとおっしゃっているのだから、それならば法律的に——法律によってのみ行い得るのだから、法律的にはどういう趣旨にわれわれは御答弁を理解すればよいのか、こう聞いているのです。
○清瀬国務大臣 これは今日の地方財政の赤字解消といって一連の政策なのです。所管は大蔵省と自治庁の所管でありますが、これらの両責任大臣が合法にきめて発表し、御了承を得る機会があろうと思います。私からとやかく申し上げることはかえって誤解を生ずると思います。
○吉田(賢)委員 これはますますわからない。大蔵大臣は大蔵大臣の権限がありますけれども、文部大臣は予算が一たん国会で議決されました以上は、予算の配賦を受けて執行する権限と責任があるのであります。だから文部省予算に関する限りは、文部大臣が責任者で、大蔵大臣ではありません。大蔵大臣は大蔵大臣でほかの所管事項があるのでありますから。そこで文部省予算として一たん国会が議決しました予算を、予算執行の途中において繰り延べしますという政治的表現をなさったならば、その法律的な趣旨内容はどうなりますかということがお尋ねの趣旨であります。これは予算執行の途中において政府は国会にあらかじめ諮ることなくして、つまり正確にいうならば、予算の補正をすることなくしては、減額する、使用しないということは私はできないと思います。そこで一体その趣旨はどういうふうに法律的に解すべきなのか。これは何も大蔵大臣とか財政所管大臣の問題じゃありません。文部省予算は文部大臣が御執行になるのであります。そして配賦を受けた以上は執行の責任者はあなたでございますから、まことに就任御早々でこうお伺いするのは恐縮かと存じますが、これは一般論として明快に御答弁ができる問題なのであります。財政法上まことに私は不穏当なる御答弁と思います。一体そういうような一たんきまった予算を行政当局が国会に諮ることなくして減らすというようなことを言明することは、財政法上違反であると思うのです。だから伺っているのです。これははっきりしておいてもらわねばなりません。
○清瀬国務大臣 国会に諮ることなくではなくして、諮るのです。今言うているのは閣議決定を新聞に出しているだけのことです。これはひとり文部省だけでなく他の省も同様にやろうという申し合せが新聞に出ているのです。国会に諮りますよ。地方財政の赤字解消という大きな国家問題でありますから諮りますよ。しかしながら日本の財政計画をどうするかということは文部省がきめるものではなくして、大蔵省、自治庁がきめるものなのです。私からこの席でとやかく言うことはかえって誤解を生ずると思います。
○吉田(賢)委員 わかりませんな。なるほど閣議でおきめになったやつを新聞社が勝手に発表した。だからまだ国会の承認を得ていないのだから、その数字について責任がない。あるいはそうかもしれません。しかし当委員会におきましては文教に関する重要な質疑応答が行われているのでございます。そうして予算の執行上これを打ち切るの、繰り延べるの、文教施設を減らすのというような御答弁が出ておりますので、それは予算の内容に関することになって参ります。予算の内容を減らすということは、いやしくも行政府としては越権ではありませんか。なぜならば国会におきまして政府提案の予算をかくかくの費目に使用すべきことを認めて、そして予算は議決せられたのであります。それを国会がまだ意思決定しない前に減らすの打ち切るの使わないのということは、行政府としては越権であって、そういうことはできないはずであります。あらかじめ国会においてこれを承認するということが先決の問題でなければならぬのでございます。従ってそういうような表明をせられること自体が財政執行の行政府といたしましては財政法の趣旨をじゅうりんすることになります。それであなたのお立場を御追及している次第なんです。
○清瀬国務大臣 今の御質問には少し誤解があると思うのです。予算というものはその金額だけぜひ使えという命令を含んでいるものじゃない。一種のアロケーションであって、予算の範囲内なれば文部大臣は使えるというのです。そうして自然残るものをぜひ使わなければならぬじゃないのです。まただれもこれを打ち切ると言っているのじゃない。使うなという命令を出すのじゃないのです。おのずから余るものができそうだからそれを使おうというので、法律上の問題になるのは残る方が問題でなくして、使う方だけが問題なんです。この残ったやつをよそへ使えるか、それをお聞きになれば法律問題です。私の方が自然残るということは何ら責任ないことです。その残ったものを自治庁が一体使うことができるかできぬか、これは問題になります。それについては大蔵大臣なり自治庁長官が適当な方法を講じて皆さんに諮ることと思います。そのときに御質問下さればいい。残る方は何でもない。
○吉田(賢)委員 それはあなたの財政観念は古いのであります。そういうような予算というものはその範囲内で使っても使わぬでもいいというような考え方は昔の財政の考え方なんであります。今日におきましては流用もそれぞれの制限をいたしております。移用につきましても制限をいたしております。繰り延べにつきましてもそれぞれの制限をいたしております。ことに明許繰越しにつきましてはあらかじめ国会の承認を経なければならぬことになっております。そのように使わない予算というものは財政法によっては厳重に制限をしてワクをはめてあるわけです。だから事故繰り越しにいたしましても申すまでもなくいろいろと厳重な制限をしてあるわけなんです。でありますから繰り越すことは幾ら繰り越してもいいんだ、使わないことは政府の自由だというような乱暴なことは政府として許されていないのであります。国会の承認を得ております憲法、財政法の趣旨というものはそういう趣旨ではないのであります。予算は適正に執行してもらわねばならぬのでございます。でありますからあらかじめこれを減らすということを閣議で決定せられる——閣議決定ということはやはりこれは内閣法によりましても一つの重要な行政行為でございますから、単に私談ではないのであります。従ってそういう場合に、一たんきめました財政法の趣旨をじゅうりんするような行政行為、閣議決定ということは財政法の趣旨に反すると思うのであります。まあこれ以上あなたと問答しても仕方がありませんから、その点につきましてなお重ねて伺いまして、はなはだしき財政法じゅうりんではないかということを伺いまして、私は質疑を終ります。
○清瀬国務大臣 これが使うな、一割残せという命令をすればあなたのおっしゃる通りです。しかしながら工事の遅延とかあるいは天災とかいろいろなことで金が残るということを批難したものは一人もない。ひとりごとしだけではない。毎年どこの省でも支払い残りというものがあるのです。これをどうも違法だというような会計検査院の批難は一ぺんもないのです。それを政府から一割天引くということになれば、これは問題になる。それはやらない。ただおのずから残る見込みがあるだろう、国家で非常に重要な地方の赤字解消だから、一方の方で残りそうなものをそのまま温存しておいて片つ方で赤字々々というのも知恵のない話だからしてそれを使う、こういうことなんです。常識的にわかったことです。ただそれを使うということに幾らかの措置を必要とすると思いますけれども、それは私のすることでなくして自治庁長官、大蔵省でなさることだからして、その方で質疑応答して国家のために合法的な措置を御研究願いたい、こういうのです。
○吉田(賢)委員 私は質問を終ろうと思いましたけれども、あまり大臣がおわかりになって下さらないのでやむを得ませんから、もう一ぺん伺っておきます。そうじゃないのです。予算の執行といもうのは余ったから批難するということはない、そんなばかなことはありません。余った場合には何ゆえに予算の執行ができなかったか、行政府の行政の怠慢ではないかということは一応は検討しなければならぬのであります。特に残るであろうから、それを使わないことを行政府は決定する、そうして閣議できめてそれを他へ流用することをあらかじめきめていこう、こういうような考え方は、年度末になってからのことであるならば別でありまして、年度末になりまして、余剰金が出た、繰り越しになった、どういう原因で繰り越したのか、こういうことは厳密に検討せられます。しかし今日はまだ予算執行の途上なんです。年度は済んでおらぬのです。済んでおらぬときに、各省見渡してどの省にもよう使わないものがあるだろう、使い切れぬものがあるだろうから、それをしぼり出して赤字補填に回してはどうだというお考え方なんです。そういうお考え方は行政府としての責任を解しないもはなはだしい。あなたのおっしゃる議論は、それは三月末以後のことなんです。今予算執行の途上であります。途上におきましてそういう考え方をなさることは、予算を執行しなければならぬ行政府といたしましては財政法の精神に反することは明白な事実であります。これ以上は議論いたしませんが、あなたの御議論は三月末の議論です。今はその議論は通りませんことを申し上げておきます。
○佐藤委員長 野原貴君。
○野原委員 大臣に二、三お尋ねをいたしたいと思います。 まず第一点は、地方公務員である教職員の年末手当でございます。大臣は地方公務員である教職員に対しましても国家公務員並みの年末手当が出されなければならぬ、国家公務員並みの保障は、これをしてやらなければならぬという点で非常に御努力なさっておるということを、私どもはいろいろな方面から承わっておるのでございますが、一体地方公務員である教職員の年末手当の問題は結局どういうことになる見通しでございますか、お伺いいたしたいのであります。
○清瀬国務大臣 そのことは昨日内閣では決定しております。いずれ国会の同意を得なければならぬことを含んでおります。 まず第一に、〇・二五カ月分に相当する金額を年末手当に増加せよという人事院の勧告はこれを承認するつもりであります。つきましてはこのたび関係法律を改正いたします。これも今吉田君からおっしゃったことと同じことが起こるのでありますが、国家財政今日の状況で補正予算などは出さないでいこう。各省に、なお財源としては相当の節約を自発的にいたし、また流用をいたして、急を要することでありますからそれで財源を見出そう、しかしながら義務教育費の負担の分は何分金額が大きいので、とても流用とか節約でいけませんので、これは次の四半期に渡す中から繰り上げて使おう、それから政府関係機関はやはり国家公務員に準ずる、地方公務員に対しては国家公務員の場合に準じて地方で同様なことをしてもらいたい、すなわち節約、流用をしてもらいたい、こういうことであります。ただしかし今日の現状では地方で繰り延べ、流用などが事実上不可能なところがあることはわかっておるのです。そういう府県においてはお申し出があれば短期融資を政府は与えるつもりであります。こういう組み立てでございます。
○野原委員 政府が例年にない御努力をされた点は、卒直にいって私どももこれは認めなければならぬかと思うのです。しかしながら国家公務員に一・五の年末手当は確実に出せることになったかと思いますが、ただいま大臣も半ばお認めになられておられますように、地方財政が非常に逼迫いたしておりますから、政府の方針によるような、そういうやり方で実は国家公務員並みの年末手当が出されるとは私ども考えられぬのであります。政府としては短期融資ということでありますけれども、短期融資は、御承知のように借金でございますから、今日まですでに莫大な借金を背負い込んでおる地方に、またお前借金をしないか、但しその借金は利子もつけて、しかも短期間に払ってもらわなければ困るのだ、こういうようなことでは地方の都道府県の首長としてはおそらく応じないのではなかろうか。こうなって参りますと、結局義務教育費半額国庫負担法によって十二億円教員については考えておられましても、現実に都道府県が出さなければ、その十二億円は出ていかないことになろうかと思う。こうなりますと、結局一・五どころか、うっかりすれば一・二五すらも危ないというのが今日の地方の実情ではなかろうかと思うのでございますが、この点に対して、これは大臣としても御努力されておるとは思いますけれども、いまどういうようにお考えでしょうか。これはやむを得ないのだ、一カ月しか出なくてもしようがないのだ、そう言われれば、そういうようなお気持でありましょうか、重ねて大臣としてはいろいろな点を考慮されるようにお考えでございましょうか、お尋ねいたします。
○清瀬国務大臣 政府としては地方公務員も国家公務員も不平等な待遇をすべきものでないことはよく存じております。それゆえに地方においても何らかの方法で平等の待遇をして下さることを切に希望しておるのであります。いずれ自治庁なり文部省でしかるべき意思表示なり通達でもあることと思います。
○野原委員 これは重ねて私お願いいたしたいと思います。どうか一つ国家公務員並みの年末手当が出されるように、文部大臣としては自治庁、大蔵省と何らかの財源措置ができるような御努力をお願いいたしたいと思うのであります。 そこでこの点について、これは事務当局でけっこうでございますが、お尋ねいたします。いわゆる富裕都府県と呼ばれておる都府県には、一・五以内であれば、これは法によって当然半額国庫負担の金が出されるものと私は思うのですが、新聞を見ると富裕都府県を除く十二億円と、こう書いておりましたからお尋ねいたしますが、これはどういうことになりますか。
○緒方政府委員 その新聞の、富裕都府県を除くという件は、私はよくわかりませんけれども、御承知のように、富裕都府県に対しまする国庫負担金につきましては、義務教育費国庫負担法第二条のただし書きによりまして、最高限度を定める政令がございます。この政令によりまして、国が負担する最高限度がきめられておるわけでございます。しかして現在の政令の定めでは、これは現行法の建前でございますが、二カ月分という規定になっております。従いまして、この政令の改正を待たなければならぬ順序になると思います。私どもはさような点につきまして十分研究いたしておる次第でございます。
○野原委員 最後のところがちょっと聞き取りにくかったのですが、もう一度、一番最後の点……。
○緒方政府委員 地方におきまして、〇・二五カ月分を増加をして支出をする根拠は、法律改正によってできます。しかしながら国が負担をする限度というものにつきましては政令できまっておりますから、政令の改正を待たなければならぬ、こういうことになります。
○野原委員 そうすると結論としては、たとえば大阪が年末手当を一・五カ月分出すという場合には、その〇・二五分について、その半額を文部省としては出さないということになりますね、政令をそのままにしておけば。そういうことですか。
○緒方政府委員 政令がそのままでありますれば、これは出せないわけでございますけれども、政令の改正を待って出すように努力をいたしたいと存じております。
○佐藤委員長 ちょっと野原君にお願いしたいのですが、大臣は時間がありませんし、予算委員会からも引っぱりに来ているので、大臣に対する質問は大臣だけにやって、あとは局長に残ってもらいますから……。
○野原委員 大臣にお尋ねいたしますが、この前、一番最初の文教委員会で大臣から、今後の日本の教育のあり方その他を考えるためにも、内閣に文教調査審議会を設置したい、こういうお話があったわけでございます。そうなりますと、この文教調査審議会の会長は内閣総理大臣ということになるわけでございますか。
○清瀬国務大臣 所管は総理大臣になっております。
○野原委員 そうなると、これは何か法律をお作りになって設置される機関でございましょうかどうか、お尋ねします。
○清瀬国務大臣 前会にもお答えしたと思いまするが、この前提案した憲法調査委員会のように、全体を法律でこしらえた会議にいたしまするか、あるいは今政令でこしらえておる審議会が多数ありますが、設置をするということだけは審議会の表に加入して、内容は政令で作るということになりますかは、まだ未定で、研究中でございます。
○野原委員 しかしながら、文教調査審議会を設置するという方針が、もうこれは閣議決定であるという点から、私は重ねてお尋ねしたいのですが、そういうことが閣議で決定された以上は、この文教調査審議会は何をするのか、つまりその性格、それから一体どういう構成でこの会を発足させるのかというような事柄も、文部大臣としてはお考えであろうかと思うのであります。私どもは、この問題についてはもっともなようにも思うし、うっかりするとこれは大へんなことになるようにも考えて、私どもとしてもこの審議会に対しては今日検討を進めておるわけでございますが、率直にお尋ねしたい点は、つまり自由民主党の文教政策を実現するためにこの審議会が置かれるのかどうかという点であります。
○清瀬国務大臣 何をするかは明白になっておるのであります。すなわち教育に関する国の責任と監督の明確化、学制、特に大学制度の再検討、教育行政組織の改革、これが目的であります。委員は有力なる政治家、学界の長老耆宿、また民間の有力者といったようなものに依頼したい考えであります。人数等はいまだ明確にきめておりません。
○野原委員 大臣がお急ぎのようですからもう一点だけ。そうなると、中央教育審議会はやはりあなたの諮問機関として存置されますか。もし調査審議会が発足したら中教審というものは廃止されるというお考えでございましょうか。
○清瀬国務大臣 今申し上げたことと中教審のやっておることと相当重複するところもあります。そこで中教審をこれに吸収してしまいますか、あるいはまたあのまま存置するかは、これも研究中でございます。大体は中教審は今の制度の範囲内で文部大臣の諮問に応じておられます。今度は今の制度を変えようというのです。野原さん御承知の通り、今日の制度は、占領中の指令に基いておりますね。独立しましても、聞いておるところによりますと、その範囲内で教育制度を立てておるのですけれども、独自の考えで一つ日本の教育を考える時期にも達しております。一方日本の行政組織を簡素化せよという要求があるのです。それゆえに似たような——同一ではありませんけれども、類似の目的の審議会、委員会が多数並列することも忌むべきことでありますから、これを一つにしょうか、それともやはり二つ並置するかは、これまたまだ決定をいたしておりません。
○野原委員 同僚議員の御質問もありますから、大臣に対してはこの一点でやめまして、あとでまた事務局にお尋ねしたいと思います。 残りの一点というのは、校舎施設の問題でございますが、これは大臣も御承知のように、なおまたこの前の私の質問に対して、この点はあまりにも当然であるから、実は緊急対策にも、それから特に努力する点としてもお話はしなかったのだ、こういう御説明があったくらいに、実はあまりにも当然でしかもあまりにも重大な問題であろうかと思うのです。そこで私が大臣にお尋ねしたい点は、御承知のように、小学校、中学校の義務制の学校で、今日たくさんの二部授業がなされております。それから五十人しか入れることのできない教室、に六十人、七十人という生徒が一ぱいぎっしり入れられた授業、これは圧縮授業とでもいいましょうか、こういうことがなされておる。その数は相当なものであります。私が調査した五大市の、これは一例でございますが、大阪市に例をとってみますと、本年の四月不足教室が七百八十六でございましたけれども、これは文部当局の非常な御努力もあり、市自体が相当力を入れまして、残り四百五十七というところまで解消することに成功をしたわけであります。ところが来年の四月に、入学児童が非常に増加をし参りますから、その上に五百七十一足らなくなる。そうなると合計一千教室ばかりのものがまた来年度は不足となるのだ、これは大阪市の一例でありますが、このことは全国至るところで大へんな問題となってこようかと思うのであります。そこでこのような二部授業、圧縮授業の解消のために、大臣としてはどういう一体緊急措置を考えておられますか。これはほうっておくとゆゆしいことになりますが、緊急にこの解消のための大臣としての御決意御所信を承わりたいのであります。
○清瀬国務大臣 前会にもお答えしましたが、この問題は非常に重要と考えております。前年においても私は党員として文部当局の要求されるよりも増加して、そのときの野党でありました人とともに相当の増額を計上してもらいました。本年は、今考えておるところは、去年の倍くらいに一つしたい。国家財政がこの通りでありますから、私の要求がうまく通りますかどうか知りませんが、ともかくこれはやっていきたいと思っております。
○野原委員 私この前の文教委員会で来年度の文部予算、それを一つお示し願いたいということを要求いたしておきましたが、それをこの委員会に本日御提出になられるかどうか、お尋ね申し上げます。
○清瀬国務大臣 これは重要なる委員会でありますから、われわれの考えも申し上げ、皆様の御意見も伺いたいのでありますが、まだ実は数字的に申し上げる域に達しておらぬものが非常に多いのです。打ちあけて申し上げますならば、私は教育の機会均等、それから社会教育、それから科学技術、こういう三点について力を入れたいということを考えております。これらのことについてはこの日曜明けくらいにさらに検討を加えたい。あなたのおっしゃったことは、委員長の御命令によって調べはしておりますけれども、数字で何百万円とか、何千万円とかを事務当局から明言することはできません。各項目についての見当だけは誠意をもって会計課長も出席しておりますので申し上げたいと思います。これはちょっとノートのために、資料というほどではありませんけれども、鉛筆でお書き取りは不便と思いますから、印刷しておきました。これは資料ではありません。非公式のものでありますが、ごらん願いたいと思います。
○佐藤委員長 その前に文部大臣は予算委員会から再三の催促がありますから、この説明を終りましたら河野君から二、三点簡単な質疑をいただきまして、あとは政務次官、局長が残っておられますから、そのつもりでお願いいたします。それでは天城会計課長。
○天城説明員 ただいま大臣が仰せられましたような前提で、明年度要求事項のおもな点の内容の概要を御説明申し上げます。 最初に義務教育費国庫負担金でございますけれども、これは御存じの通り児童生徒の増が来年度もまだございまして、この自然増に伴う教員の増を見込むことに考えております。それからこれには教材費が入っておりますので、合せて大体今のところ七百九十億くらいという見当をつけておりますけれども、これを具体的に申し上げますと、地方財政との関連がございまして、人数的にまだ最終的のものはきまりませんので、非常に大ざっぱな見込みだけいたしております。 第二番目に準要保護児童対策という言葉を使いましたけれども、前々から委員会でも使っておりますので、そういたしました。従来やっておりました一年生に対する入学祝いとしての教科書の無償配布の方法を変えまして、全義務教育児童を対象といたしまして、生活保護法の対象家庭並びにこれに準ずる貧困家庭の児童に教科書を贈呈いたそう。これは大体四%くらいの見当をいたしております。同じように学校給食費につきましても、同じ段階の児童生徒を対象にいたしまして給食費の補助を出そう、こう考えております。 それから三番目に初等中等教育の振興という形にいたしましたけれども、中身といたしましては、御承知の理科教育振興法、あるいは学校図書館法、産業教育振興法、高等学校の定時制教育及び通信教育振興法、へき地教育の振興法等一連の初等、中等教育の振興法がございます。これはそれぞれに規定したものについての一定基準を前提としての補助金でありますが、総額本年は十五億ほどございます。大体それぞれの項目について倍額ほどの要求をいたしておるような状況でございます。 それから第四番目に特殊教育。これは就学奨励の法律がございますが、前前から国会の附帯決議などもございますし、現場の要求も強いので、できれば高等学校の分までそれを拡大したい。特に最近点字教科書などの問題で、高等学校の方について要求が非常に強いものでございますので、その点をこれに含めて考えていきたい。なお昨年度若干頭を出しました特殊教育の施設関係についてもこれに取り込みまして、全体としてこれも大体倍額ほどの見当をつけております。 それから育英事業等という第五番目でございますが、これは育英会の事業とそのほか学生援護会等を含めての一つのワクでございますが、育英会は明年度は対象の学生の採用率の引き上げを考えたい。学生寮につきましても今年度非常に拡張をはかっておりますので、明年度引き続いて拡張していきたい、こう考えております。 第六番目の科学振興でございますが、これは中身が非常に複雑でいろいろございますが、科学研究費を中心にして広くいろいろなものが入っておりますが、大体本年度十三億ほどの総ワクがございます。来年度もこの線を伸ばしていきたいと考えております。特にこの中に特殊研究として特殊なものをこれに加味していきたい、こう考えております。 それから七番目に国立大学、大学の付属病院、研究所、この一連の経費でございますが、予算として三百九億本年度ございますが、明年度は基礎的な基準の経費の引き上げをしたい。特に学科、学部をふやすというよりむしろ基準の経費を引き上げるという方向に重点を置きたい、こう考えております。時代の進運や学問の需要から特に必要なものについては、これに触れてありますように、航空学、原子関係、あるいは生物関係のヴィールス研究こういうものについての研究をいたしたいと思っておりますが、全体としては基準を上げる、こういう考え方をいたしております。 それから第八番目の南極探険の費用でございますが、これも新聞その他で御案内かと思います。三十年から三十四年にわたりまして全体としては五カ年計画になるわけでございますが、総額でここに十四億といたしましたけれども、これはまだ最終的にきまりませんで、特に三十三、四年の分がわかりませんので、あるいはこれより上回る額になるかもわかりません。十四億を越えまして十五、六億になるかもしれませんが、これは最終的のことは申し上げかねるのですけれども、大体十四億ほどを見当づけております。それから敷衍いたしますと、これは全部文部省経費ではございませんので、このうち文部省経費は——これもまだ最終的にわかりませんが、四億前後ではないか、あとは関係各省の分として計上されることになるのではないかと思います。 それから文教施設でございますが、これは本年度公立で五十七億、国立で二十一億でございましたが、両方とも従来の年次計画に基いて進めていきたい、大体金額としては倍額ほどを見当つけております。 それから私学振興の一連の経費でございますが、私学振興会、私立学校教職員共済組合、これに対しまして国の支出金あるいは補助金等がございますが、これは法律がありまして、従来の方針を伸ばしていくという意味で金額的には大体これも倍額程度を予定しております。 それから第十一番目の社会教育でございますが、これは中身が非常に豊富でございまして、青少年の教育とか青年学級、社会教育施設、スポーツでは国民体育大会初めもろもろの事業、あるいは教育放送、芸術祭等たくさんございます。この中身は目下一応の検討はいたしたのでありますが、再検討の段階でございますので、数字的にまだきまっておりません。 それから文化財保存事業関係といたしまして、お城の改築とかあるいは防災施設等、従来の線を伸ばして参りますが、特に国立劇場の設立という問題をこの中に含めて約九億ほどを計上いたしております。 備考に本年度文部省予算は千二百三十七億とございますが、これに対して今のところ大ざっぱなところで、大体二割五分くらい増のところで要求金額が最終的にまとまる形になろうと思っております。 なお教科書制度、教育委員会制度につきましては、制度そのものについての検討が進められておりますので、数学的にはこれがきまり次第追加要求するということで留保しております。 以上簡単でありますが、概要を御説明いたしました。
○佐藤委員長 この質疑につきましては次会にいたしまして、なお河野君から前の質問の関係上文部大臣に一、二件質問がございますので、簡単に願います。河野正君。
○河野(正)委員 大臣も時間がおありのようでありますから、一、二件お尋ねいたしまして明確にしておきたいと思います。それは、先日も私御質問申し上げまして、大臣の答弁をいただいたのでございますが、私どもは今日の教育の民主的な制度につきまして、非常に慎重な態度をとって参っておるわけでございまして、そういった立場から、先般大臣が御発表になりました教育に関する国の責任と監督の明確化というような点につきまして、いろいろと大臣の御答弁をお願いしたわけでございますが、少くとも私どもは、先日の大臣の答弁の中からは、今後日本の教育のいろいろな面におけるところの責任と監督権の明確化を確立していきたいというふうな御答弁を承わったのでございます。ところがたまたま新聞で問題になっておりますが、監督権の強化ということは勧説勧奨だというふうなお言葉の御指摘がありまして、その勧説勧奨がどうだこうだということで問題になっておるようでございますが、私は少くとも委員会の権威を保って参るためにも、この点は一つ明確にしておきたいと考えます。と申しますのは、少くとも私は、先般大臣の答弁の中から受けました印象というものは、監督権の明確化ということでございますから、少くとも勧説的に勧奨するという言葉は、むしろ私は新聞でとります勧説的に勧奨するという言葉よりももっと強い印象を印象づけられて参ったのでございます。ところが新聞によりますると、その勧説的な勧奨というものはひざ詰め談判で話し合うのだというような意味の釈明が行われているのでございますけれども、しかしながら少くとも私どもが委員会で、しかも文教委員といたしまして公的立場から受けました印象というものは、先ほどから申しますように、勧説的な勧奨というよりも、むしろ監督権の強化だというふうな言葉も承わっておりますから、少くとも勧説的に勧奨するというよりもさらに強い印象を受けて参っておるのでございます。ところがたまたまそういった問題が物議をかもしまして、ひざ詰め談判で話し合うのだというふうなへんてこな勧説勧奨というような言葉が用いられております。しかしながら少くともこういった問題は、私ども委員会の権威を保って参るためにも一つ明確にいたしておきたいと思いますので、その点につきまして大臣の御所感をいま一度お伺い申し上げたいと思います。
○清瀬国務大臣 そのことは私からもきょうの会議の秩序を見て、適当なときに申し上げようと思っておったところでした。あれはいずれ速記録も出て参ると思いますが、監督権のことじゃなく、あなたのお問いの教育者の中立性の保持、あのときのことだと思うのです。それに対して教育二法案を改正するのかどうかというふうな御論が出て、それは必ず改正するという腹を今持っておりませんが、改正しないということでもないので、しかし中立の保持というものは、必ずしも法律とか行政措置とか、そればかりにたよらないで、勧奨し、または勧説する、そういうことでも保持する場合が非常に多いのでございまして、そういうことを言うたつもりであります。私は——勧奨は勧めるという字ですね。勧告というとちょっと強過ぎるのです。勧告、ウォーニングを発することは今の制度ではできませんから、勧告まで至らぬ、一ぺん文部省へでも来てもらって、茶飲み話に、君、こういうことを聞いておるが、これはどうだろうといったような勧奨とか、あるいはほかの言葉でいえば勧説とか、そういうことで解決ができるのだ、私はこういう表現をしたのでありまするが、この文字は近時あまりお使いにならぬ文句で、誤解を生じたことは私の用語の選択の誤まりでありますから、その意味においては陳謝いたします。つまり非公式のお勧め、話し合いという意味でございます。それから勧奨も勧説も同じ意味を二つくっつけたのです。勧奨なり勧説なりそういうふうなことで解決しよう、こういう意味でございまして、英語でいうインターフェアランス、干渉する、そういうこを政府がお答えをするはずがありません。そういうことをお答えすればすぐに不信任を受けますから、それを私は使っているのではないのです。正直に話し合い、お勧め合いという意味で、どっちの文字を先に使いましたか、勧説とか勧奨とかそういうことでいこう、こう言ったのでございます。物議をかもしたことは私の不手際でありますから、この点謝意を表します。
○河野(正)委員 そこで念を押しておきたいと思いますが、少くとも先般の委員会におきまする印象というものは、これこれこういった実例もあるので、われわれも黙っておるわけに参らぬ、こういうようなことが指摘されたと考えております。そういった中で私どもが理解いたしますことは、やはり何とかしなければならぬ、ということでありまするから、私ども少くとも干渉するのだというふうな意味に理解して参ったのでありますけれども、たまたまただいま大臣がさような答弁でございますが、そういったことは「かんせつかんしょう」という言葉が音称でございますから、文字がどういう意味で言われたということはわれわれはそれぞれの感じ方があるかと思いますけれども、少くとも私ども文教委員として受けました印象というものは、どこまでも前回の委員会におきましては間接に干渉してくるのだというような意味に受け取れたわけでございます。しかしながらただいまおっしゃるような御趣旨であるとするならば、私どもも大臣が多少反省されてそういったお気持になられたものと理解せざるを得ないのであります。 さように理解することにいたしまして、あと一点大臣にお尋ねを申し上げまして、あとは事務当局に御質問申し上げます。それは今日本会議におきましても予算委員会におきましても問題になりましたが、最近非常に国際的なあるいは国内的な重大な問題になって参りました問題といたしまして、李承晩ラインの問題があるのでございますが、私はそういった国際上の問題につきましていろいろ取り上げませんけれども、しかしながら文教委員の立場から取り上げてみたいという点が一点ございます。それは福岡県の水産学校の学生がいわゆる卒業前にインターンと申しますか、数カ月の実習をしなければならぬというようなことで、漁船に委託演習と申しますか、漁船に委託されまして演習に出かけて参りましたところが、たまたま拿捕されたというようなことで、今日まで韓国に抑留されておるという実情がございます。こういった点につきまして、具体的には事務当局にお尋ねしたいと思いますが、大臣として、これは全国的にいえばこういったケースはあるかないかわかりませんけれども、しかしながら、たとい例が少いといたしましても、これは文教上の立場から申しますときわめて重大な問題でございますので、一つまず大臣の御所感を承わりまして、後ほど詳しく事務当局にお尋ねをいたしたいと思います。
○清瀬国務大臣 韓国の大統領李承晩氏が、公海に李承晩ラインと称するものを設けて、不法にわが国の漁夫あるいは船員を拿捕することは、実に乱暴十万なことで遺憾と思っております。練習の生徒が乗り合せて拿捕されたということも聞いてはおるのでございますが、これを一体どう処置すればいいか、わが国の威信にも関するし、学生個人の御損害も非常に私は同情いたしております。損害というよりも人権の問題でございまするから、関係の他省とも協議いたしまして、何とか適切の方法をとりたいと思っております。文部省単独で今どうしようかということの結論には遺憾ながら達しておりません。あれが船員でございまするというと船員保険等もあるのでありまするけれども、学生でありましてそれにも均霑しませんし、何とかあなた方のお知恵も拝借いたしまして適切な措置をとりたいと思っております。
○佐藤委員長 今予算委員会を開いているので簡単に願います。並木芳雄君。
○並木委員 これは大事な問題なのですが、簡単に申し上げます。 学校給食の問題で大臣決裁のところになっている問題なのです。例の綿花、余剰農産物としてのあれは、学校関係として非常に心配して、せっかくの綿製品の配給がだめになっては大へんだということで問題になっております。おそらく大臣のところで最後の決をとるところまできておると思いますが、われわれとしてはぜひ一つ国で負担してでもこれを配給のルートに乗せてもらいたい、こういう要望的見地からお願いをするのです。 それとこれに関連して脱脂粉乳の問題が、中にちょっと不良なのがあるということでこれも昨今問題になりましたが、このことでまた脱脂粉乳その他の学校給食が阻害を受けるようでは大へんだと思いますので、ぜひ学校給食が円満に遂行できるようにという見地から、大臣のはっきりした答弁をお伺いしたいと思います。
○清瀬国務大臣 これは非常に重要なことでありまして、せっかく綿花をくれようというのであります、ただ財務当局では、それを糸につむぎ機に織り洋服に裁縫するというと相当な金がかかるので、それを出し渋っておりまするから、今せっかく折衝中でございます。あなたの御希望の点、また脱脂粉乳の点も御意見を伺いまして早急にこれは解決しなければならぬと思っております。外務省の方からも督促を受けておるのであります。そのうちなるべく早く解決するようにいたします。またいい御思案がありましたらどうぞ御教示を願いたいと思います。
○河野(正)委員 大臣の御所感につきましてはただいま御質問申し上げましたところでございます。つきましては、今日まで文部当局におきましてこの問題をどのように処理して参られましたか、その経過について一つ御説明を願いたいと思います。
○緒方政府委員 先ほど大臣からお答えがありましたように、福岡水産高等学校の学生が、実習のために民間の船に乗り組んでいて、その船が李承晩ラインにひっかかりまして拿捕された、まことに遺憾な事件でございます。先ほど大臣もお話のように、われわれといたしましても、その学生の心情あるいはその両親あるいは学校の先生方の御心配のほどをお聞きいたしまして、まことにお気の毒に存じておる次第でございます。そこで文部省といたしましては、これは文部省直接の事項ではないのでございますけれども、水産庁あるいは外務省等と連絡をいたしまして、この釈放方につきまして現に努力をいたしております。さような状況でございます。これは昨年山口県にも同じような事件がございました。その当時私の方としましても、こういう事件の続いて起りますことを憂慮いたしまして、都道府県の教育委員会に対しましては、出漁の場合に十分注意をして、危ないことのないようにということを念を押して乗せてもらうように、実は書面で指導の通達をいたしたわけでございます。現在水産学校におきまして漸次自分の水産実習船を建造いたしておるわけでございますが、なお福岡県のごときは今ちょうど建造中でございまして、現在はまだでき上っておりませんので、今度の事件のように民間の船に乗せて実習せざるのやむなきに至ったわけでございましょうが、自分で船を持って自分でこれを運営するということになりますと、こういう危険も自分自身で注意ができますので、こういう事件も防圧ができると存ずるのでありますが、ただいまこういうようなことがございますので、さらに各県に対しましては十分注意をしていただくようにいたしていきたいと思っております。その具体的な拿捕の事件につきましては、ただいま申しましたように水産庁あるいは外務省等とよく連絡をいたしまして善処いたしたい、こう考えております。
○河野(正)委員 善処されたという点はわかるわけでございますが、善処した結果今日どういう事態になっておるかという点について、一つ御報告を願いたい。
○緒方政府委員 まだ具体的に向うの様子はよくわかっておりません。山口県の昨年の例によりましてもなかなかはっきりした事実もなく、また返事が、釈放するであろうというニュースが伝わりましてからも相当長くこなかったようなわけでありますので、よほど努力をいたさなければならぬと考えております。まだ向うからの反響はよくわからない事情でありますので、十分注意をしていきたいと思っております。
○河野(正)委員 もちろん文部省がいわれましたように、出漁に対しては深甚なる注意をやって行えといったような点もわかるのでございますけれども、それはどこまでも消極的な面でありまして、やはり何といいましても水産学校が練習船を持たなかったというところに一番大きな問題があったものと確信いたします。そこでやはり今度起りました事件の責任というものは、県なり国がそういった水産練習船というものを建造しなかったというところに根本的な原因があったわけでございますから、その責任の所在というものは明らかに当局にあるものと私ども確信しておりますが、そういった責任についてはどのようにお考えになっておるか、その点を一つ明確に御答弁願います。
○緒方政府委員 これは各学校で自分で練習船を持つということは一番いいことでございます。しかしながら御承知のように船は非常に金がかかるのでございますので、各県の財政の状況からいたしましてそれぞれそう右から左にはいかぬというのが実情であろうと思うのです。福岡県におきましてもようやくただいま建造をしておるような状況でございます。これも御承知でございましょうが、文部省といたしましては地方財政を助ける意味で産業教育振興法に基きまして、水産実習船を建造いたしますものに対しましては三分の一の国庫負担金を出すことになっております。こういう制度によりまして漸次整備しつつあるのでございます。ここで今詳細な状況を申し上げますことは省略いたしますけれども、漸次さようにして建造が進みますと、こういう事故の発生も漸次防圧することができると存じます。ただ責任問題でございますけれども、これは一般的に申せば乗せた側の問題であるかもしれませんけれども、しかしながらどういう工合にその事件が起って、その拿捕が果して適法なものであるかどうかというよな点にも関係するのじゃないかと思います。従いましてちょっと一律にどこに責任があるということは言えないのじゃないか、かように考えます。
○河野(正)委員 財政力の問題でなかなか練習船を建造するということは困難だというようなお話でございますけれども、しかしながら水産学校が設置されました以上は、当然練習はしなければならぬ。そこで水産学校と練習船の問題というものはこれは不即不離な立場にあるわけでございます。ところがもう卒業生が出てくるというのに今日まで練習船で建造されておらないというところに非常に大きな問題があったと確信いたします。その点に対する政治的の責任を私は申し上げておるわけでございますが、その点を一つ明確に御答弁願います。
○緒方政府委員 でございますから、私もただいま申しましたように、水産学校に実習船がなければならぬということはその通りであると思います。しかしながらそれを作らなかったことに対する責任ということはどういうことであるかよくわかりませんけれども、この事件が起ったということにつきましては、これは責任云々ということは一概には言えないのじゃないかということを今申し上げたわけであります。
○河野(正)委員 問題になりますのはいろいろあると思いますが、今度拿捕されました学生というものは、普通の船員と違いまして漁撈に従事する人間でもございませんし、いろいろ利害には関係ないのでございますが、しかしながらこういった学生が拿捕されまして、しかも同窓生はすでに卒業を間近にひかえておるというような事態にもおかれておるわけでございます、そういった意味で本人も非常に心痛しておることでございましょうし、家族もまた大きな心痛があると思いますが、そういった学生がそういった不慮の事態の中で抑留される、しかも卒業の時期がくるということに相なって参るわけでございますが、そういった点については文部省としてはもうとにかく抑留されて学校に行っておらぬのだからもう一年やれということになるのか、あるいは結局実習でございまするから、そのまま卒業というふうな事態が生じてくるのか、この点に対する御見解を一つお伺いをしておきたいと思います。
○緒方政府委員 その学生を卒業させるかどうかということは学校長の認定の問題でございます。従いまして私文部省としてこれを申し上げることは適当でないと存じます。実習の途中でつかまったということでございますならば、そしてお話しの通りの状況でござ いますから、私は、おそらく学校長の認定としては、いつかわかりませんけれども帰ってきて卒業ができるようになるのじゃないかと存じます。しかしまだ実習が足りないというようなことでございますれば、その補習等の方法もございましょうし、その点はもちろん学校長の適当な処置でうまくいくのじゃないかと考えております。
○河野(正)委員 これはお願いでございますが、こういった事態を一つ契機とされまして、禍を転じて福となすと申しますか、そういう意味で、今後水産学校の練習船の建造の問題についてはできるだけ積極的な援助をしていただきたいということと、拿捕されました学生に対しまして一日もすみやかに帰国ができるような処置を積極的に推進していただきたい、この点はくれぐれもお願い申し上げておきます。 最後に一点お尋ね申し上げたいのは、いろいろ法的な疑義もあると思いますけれども、現実の問題としましては、東京でもそうであると聞いておりますが、福岡地方におきましても、夜間中学という問題が起って参っております。今日まで主として定時制高校の問題につきましていろいろ論議されましたけれども、今日の段階におきましては経済情勢が非常に楽になったというような事態も伴って参りまして、法的な疑義がございましても各所で夜間中学の創設という問題が非常に真剣に取り上げられております。ところが今日、いろいろ法律的にも疑義がございますので、実際夜間中学は作ったがなかなかその運営が困難である。たとえば定員定額に縛られておりますので、学校の先生方が昼間も授業をするが夜も授業をしなければならぬというようなこと、あるいはまたおそらく夜間中学へ通学いたします子供たちも、昼間はそれぞれ、主として零細企業でございますが、零細企業の仕事場で勤労して、夜は出かけていくというようなことで、いろいろ不便もあり、あるいはまた精神的圧迫も受けておるようでございますが、いずれにいたしましても、今日の段階は社会情勢の険悪に伴いまして、定時制高校の問題からすでに夜間中学の問題に移って参っておるものと私ども考えております。そこでこの点は次官の方にまず御所見を承わりまして、具体的には事務当局にお尋ね申し上げたいと思います。
○竹尾政府委員 お答えを申し上げます。われわれが中等教育の振興につきまして相当の努力をしておることは御了解下さるだろうと思いますが、定時制の中学に対しましてもいろいろと法律などもできまして、定時制の教育の振興に尽しておることを御了解下さると思います。そこでお尋ねの夜間中学と申しますのは、昼と同じような資格を与えるところの夜間の中学ということに了解しておりますけれども、そういう点につきましても、これは文部当局といたしましてはできるだけその振興に努力するように努めたいと考えております。しかしいろいろ条件がございますので、その要求全部を満たし得るかどうかということはいろいろ条件に左右されることと思いますが、御趣旨を体しましてできるだけその振興に努める考えであります。
○河野(正)委員 事務当局にお尋ね申し上げたいと思いますが、ただいま次官から夜間中学の育成については十分趣旨に沿うて協力したいというようなお話でございますから、その点は了承するといたしまして、いずれにいたしましてもこの問題は定員定額等につきましていろいろと問題が起ってくるものと思いますが、そういう点につきまして事務当局でどのようにお考えになっておりますか。
○竹尾政府委員 ただいま私御答弁を申し上げましたが、私ちょっと勘違いしておりまして、高等学校と中学とちょっと間違えました。中学の方は御承知のようにこれは義務教育なんで、義務教育には夜間ということはできないことになっておるので、その点なお十分検討いたしまして詳細な点は事務当局上り答弁いたきせます。
○緒方政府委員 ただいま農務次官からお答えがございましたように、中学校は義務教育でございますので、夜間でやることは変則には間違いないのであります。ただしかし御説のように現実の問題として全国で相当夜間中学校をやっております。と申しますのは、やはり昼間働いたり、あるいは家事の手伝いをしたりして、どうしても時間がない、そういうことが事実現実の問題としてありますので、その一つの何と申しますか、窮余の手段として夜間に中学をやっておる、これが現状でございます。そこで文部省といたしまして、今政務次官からお話の通りこれを認めていくという立場は率直に申しましてとれないわけであります。そこでこれに対する対策としましては、やはりそういうものを解消していくということであろうと思います。今年でございますが、文部省、厚生省、労働省の三省が集まりまして夜間中学にも行けない長期に欠席している義務教育の子供が三十万もあるという実情でございまして、これに対する対策を実は三省協議をいたしましていろいろ対策を立てておるのであります。この対策につきまして三省の次官名をもって地方へ通達を出しておりますけれども、その方法といたしましては、やはり厚生省所管の生活保護による社会保障あるいは貧困対策が第一になってくると思います。従って厚生省所管の生活保護法に基く教育扶助の徹底、これを十分にやってもらう。やはり学校問題にいたしましても、教育費問題にいたしましても、手続が十分わからなかったり、いろいろの連絡か十分にいかなかったりいたしまして、せっかくのこういう制度が活用されていない面も事実あるのでありまして、これを十分地方の教育機関で連絡を密にやっていくように努めております。そのほか一般的な長欠の問題としては、これはほかの原因もたくさんあります。個人的な原因もたくさんありますし、からだが弱いという原因もあります。従って学校教育機関におきましては家庭訪問を十分にやってそういう生徒を早期に発見するように努力しております。労働省関係につきましては、年少者の労働保護という建前からいたしまして、これも努力しております。こういうことを今やっているところでございます。 しかし今おっしゃいましたような夜間中学の問題はそう急速にそれらの点を解消することは現実としてはむずかしかろうと思います。従いまして文部省としてはこれは認めていくわけには参りませんけれども、率直に申しましてそういう現状であるとすれば、やはりそれ相当に何とかやっていけるように方法を講じなければならぬのではないか。かような程度は考えておりますが、なおよく研究いたしまして、いい方法を考えたいと存じております。
○河野(正)委員 夜間中学の問題は法律的にみて参りましても、いろいろ疑義があるということをわれわれも十分了承いたしております。しかしながら現実の問題といたしましては、先ほど申し上げましたように、当局間におきましても、あるいは各県におきましても、相当数夜間中学が創設されたというふうに承わっておりますし、私ども特に注意しなければならぬ点は、もちろん長欠の学童をどうするかという問題もございますけれども、いずれにしましても、少くとも昼間は働いて夜間学校に行こうというような学問に対する意欲の旺盛な学童たちばかりでございますので、この点は多少長欠の児童とはおのずから性格なり内容なりが違ってくるだろうと考えているわけであります。そういった点で単に法律的に疑義があるから認めるわけには参らぬというようなことだけでなくて、やはり現実にそういった機関なり施設が存在しているのでありますから、そういう中で学問の意欲の旺盛な子供たちをどうして救っていけるかという点を尊重して、施策を具体的に進めていくように最後に申し添えて私の質問を終ります。
○佐藤委員長 並木芳雄君。
○並木委員 私、先日からお伺いしたいと思っておったのでございますが、なかなか時間がありませんでしたので、きょうは竹尾次官に初質問をいたします。 それは中学校、小学校の先生の給与の問題、つまり三本立を是正して二本立にすべしという問題でございます。この三本立というものを二本立にする建前については賛否両論がございましたが、前にも松村文部大臣はその根本的な建前を今直ちに変更することはむずかしいけれども、その中で同資格の同じ条件の先生に対しては給与の面で是正をしていって、職場における不均衡を是正したいという御意思の発表があったわけです。われわれ全文部委員一同それが具体化することを待望しておったのでございますが、来年度の予算には当然これが計上をされて実施に移るものと確信もし、期待もしておりますが、どういうふうになっておりますか、次官からはっきり説明してほしいと思います。
○竹尾政府委員 この間まで私は野党におりまして、攻防そのところを変えてまことにどうも複雑な気持になっているのであります。 お尋ねの件につきましてはお答え申し上げますが、高等学校の先生の給与三本立につきましては、御承知の通り、ああいうような現行の制度を私どもは作りましたけれども、その後小、中学校に勤務されておりまする、高等学校と同資格の先生、いわば学歴の高い、経歴の長い、成績のよろしい、こういうものを給与三本立の制度をこわすということでなく、別に一つ考慮してみたいというような趣旨で、前松村文相はいろいろ御心配になったと思いますが、清瀬文相もその意を体されたと思いますけれども、この点につきましては、非常に心配をされまして、私どもも大臣をお助けする意味におきまして、いろいろと御相談に応じておるのですが、この優秀なる小、中学校の先生方に対しましては、何らか次の三十一年度におきまして優遇の道を講じたい、こういう意味合いで、すでに予算も——この詳細の点については事務当局より答弁させますが、一億何千万かの予算も計上しておるような次第でございます。
○並木委員 正確な数字を事務当局の方から……。
○緒方政府委員 これはまだ概算要求をいたしておる段階でございますので、大蔵省に折衝中だという段階であるということで御承知願いたいと存じます。数字は国庫負担金てございますが、一億三千万円を計上要求しておる、かようになっております。
○並木委員 非常に期待通りの答弁を得られて、私は満足に思います。その予算はどうしても通さなくちゃならぬと思いますが、今の一億三千万円の金額を、大体学校の人数割くらいにしてみると、中学校で何パーセントとか、小学校で何パーセントとか、大体の見当はつきませんか。
○緒方政府委員 これも念を押して、前提をつけて申し上げてはなはだ恐縮でございますけれども、まだ大蔵省と折衝中でございますが、大体の率といたしましては、学歴あるいは経歴等から申しまして、小学校に割に少い。小学校はほんのわずかなものでございます。一%かそこらであります。中学校の方は相当多いのでございます。もう少し多い率になると思うのであります。
○並木委員 それではこれは別の問題ですが、次官にお尋ねいたします。実は飛行場周辺の学校の騒音ということが、非常に大へんな問題なんです。これは主管はたしか調達庁だと思うのですけれども、私の近くでも例の立川基地、横田基地がありますが、行ってみると学校の生徒はほんとうに授業を受けられない。これは東京の周辺ばかりじゃないと思う。全国にまたがっている大問題であろうと思いますが、防音装置の壁を作る、ああいう暫定的なやり方ではやはりだめなんです。ことに暑くなりますと窓をあけなければなりませんし、冷房装置があるわけではございません。そこで私はこの機会に文部当局でイニシアチブをとって、抜本的な、つまり学校、教育の遂行という見地から大きな手を打ってもらいたい。調達庁では、あるいは一種の損害補償というような意味合いでめんどうを見ているだけですが、それではだめだと思うのです。ぜひ一つ清瀬文部大臣、竹尾次官の名コンビができたのですから、これを契機として飛行場周辺の学校教育が支障なくいくように、何らか建築様式をコンクリートに改めるとか、木造建コンクリートに改めるとか、そういったような抜本的な対策をとっていただきたいと思うのですが、いかがでございますか。
○竹尾政府委員 まことにごもっともなお尋ねでございまして、私もこの飛行場その他の周辺にありまする義務教育諸学校につきましては、私自身各地を見たこともありまして、東京のみならず、あるいは茨城であるとか大阪だとか、たくさんございます。非常にこれは困っておる問題でございまするので、何とか早く解決したいと思っておりますが、大体これは駐留軍ですか、向うの関係もございまして、そうした交渉は今まで調達庁の方でもっぱらやっておりまして、調達庁の方では防音の装置をする、こういうことであるのでございますが、具体的にはこういう学校は鉄筋で作りかえなくちゃならぬというような問題が起ってくると思うので、そういう個々の問題につきましてはなお慎重に考えまして、御要望の通り善処いたしたいと思っておりますが、なお詳しいことは必要があれば事務当局からお答えいたさせます。
○小林説明員 飛行場周辺の学校施設の防音対策でございますが、政務次官からお話申し上げました通り、従来は木造の校舎に対して防音の工事を行うというのを主として実はやっておるわけでございます。ところがこれでは必ずしも完全な教育が行われるという事態に立ち至っておらない。相当騒音の程度は低くなってきましたけれども、まだ学校の授業が妨げられるというのが実情でございます。できればこれを鉄筋にいたしてもらいたいという御要望もございまして、文部省といたしましても調達庁の方にすでに何回かかけ合っておりますが、この防音工事費のワクの関係等もございまして、なかなか思うようにいっておりません。文部省としましてもこれは個々の具体的な事例を調査しなければなりませんけれども、ものによっては鉄筋化ということで話を進めたいと思っております。但し鉄筋に改造するというような場合には、現在の場所において改造するということでなしに、できるだけ飛行場周辺から離れた場所に移転して改築してもらいたいというような希望も文部省としては持っておるわけでございます。できればそういった方向に向って努力をしたいと考えております。
○並木委員 時間もありませんから、もう一問だけにきょうはとどめておきますが、先ほどの米国の余剰農産物、学校給食に関して、大臣が急いでおったために、要点だけの答弁しか得られませんでしたが、もう少し突っ込んで答弁をしておいていただきたい。次官、あれはなんですか、もし予算が通らなければだめになっちゃうのですか。そういう場合にもう一ぺんアメリカに交渉してみる余地はもう全然ないのですか。どうしても無償でなければいかぬとがんばっているのですか。
○小林説明員 最近米国からの覚書によりますと、全部の学童服を無償にするようにということを強く言って参っております。文部省といたしましては、従来二部分を無償にし、他の大部分は相当安い値段で買ってもらうというような考えでやっておったのでありますが、これを全部無償にするということになりますと、実は非常に巨額の金がいるわけでございます。この財源の調達につきまして、大蔵省等とも話し合っておりますが、現在のところ、これを全部無償にするということについては、非常に実は見通しが暗いのでございます。アメリカの方といたしましては、無償にならなければやめるか、あるいはこれを学校給食に切りかえるかというような提案もいたしておりますので、その点について現在まだ研究中でございます。
○並木委員 脱脂粉乳の点ですが、不良なものがある。アメリカから受けた脱脂粉乳の中に大膓何とかいう菌が発見されたというのですが、まだ報告はありませんか。それがあったら調べて間違いないようにお願いいたします。
○佐藤委員長 最後に小牧次生君。
○小牧委員 時間もだいぶ経過しておりますので、簡単に竹尾政務次官にお伺いいたします。実は先ほどの同僚議員の質問に関連いたしまして、来年度の文教関係の予算に関するごく大まかな非公式な資料を配付されたのでありますが、これに関連いたしまして簡単にお伺いいたしたいのは、実は新生活運動の問題であります。本年度五千万円の予算が成立いたしまして、これに基いて松村前文部大臣が新生活運動を展開せられるということに相なりまして、今日まで及んでいるわけでありますが、実はこの新生活運動の問題につきましては竹尾次官におかれましても前々から文教委員とされて十分御承知のところであります。現在三十一年度の予算の編成期に入っておりますので、特にこの点についてお伺い申し上げるわけでありますが、その後新生活運動の状態と申しますか経過と申しますか、まずこれがどのように相なっているか、就任早々でありますので、詳しく御存じかどうか存じませんが、まずこの点をお伺い申し上げたいのであります。
○竹尾政府委員 新生活運動につきましては私も文部委員当時から相当関心は持っておりましたのですけれども、何と申し上げてもこの運動は対象がはっきりしておらぬというような点で、私政務次官という立場でなく、議員といたしましてはこれはいろいろ批判しなくちゃならぬ点も私自身にはあるのであります。しかし立場上政府の方でやるということになれば、玄あやらなくちゃならぬということになろうかと、こう私はっきり申し上げますが、そこでこの新生活運動も五千万円の予算をとりまして、ちょっとおそくなりましたけれども、十一月から新生活協議会という一つの外郭団体と申しましょうか、こういうものができ上りまして、職員も大体きまり、これから大いに一つ仕事をしていこう、こういう段階に到達しております。そこで三十年度におきましては御承知の通り文部省がこの予算の要求をしたのでありますが、来年度におきましては文部省の手を離れまして、総理府の方で相当多額の予算を請求している、こういうような現状でございます。なお詳しいことは一つ事務当局から答えてもら’ます。
○小牧委員 簡単なご報告があったわけでありますが、私が知る限りにおきまして、ただいま御答弁にありました通りなるほど十一月から新生活運動協議会というものが設置されまして、発足をいたしているようであります。またその協会で作ったものと考えますが、予算の内容と申しますか区分、そういったものも若干私は聞いているのであります。十一月からと申しますと年度末までもう幾らも期間がないわけでありますが、この期間に応ずる運動の内容といたしまして作られたものと考えますが、その予算の内容につきましていろいろ私も私なりの疑問と申しますか批判を持っているのであります。と申しますのは、創設費に約四百六十万、事務費として約七百万、事業費としておよそ三千八百万、合計五千万円とこういうことに相なっているのでありますが、まず第一には人件費約三百二十万あるいは役員の車馬費約百八十万あるいはまた協力団体あるいは報道関係あるいはまたその協議会の費用として約二百万、こういうようないろいろな名目の費用が計上されておりまして、相当程度人件費的なものがこれに費やされる、こういうふうにうかがわれるのであります。もとよりこの予算の内容について竹尾文部政務次官がどの程度御存じであるかどうか、あるいはまたこれに意見を述べられたことがあるのかどうかよく存じませんが、今私が申し上げましたような点についてまず次官の御意見を伺ってみたいと思います。
○天城説明員 新生活運動の予算は御承知の通り初め文部省に五千万円、科発足してその実施機関がきまれば、具体的にその予算処理については協会自身できめる。政府においてこの中身をあらかじめきめるということはこの運動の方向を官製的にするきらいがあるからという、こういう原則で進んで参りまして、先ごろ協会が発足することになりまして、一応協会の方から中身を作られて私たちの方に新たに科目の設定と予算の執行の御要求がございました。当初発足前に会の準備費とかそれから事業費を除きます基礎的な事務費等につきましては、大体お世話をしておりました内閣の方で草案を作られて、現実に発足早々金が要るものでございますので、大綱的な分け方でもって御要求がございまして、最初は五千万円のうち約一千万円弱だけを科目設定をして協会の方にお金は渡してございます。それによって委員会も発足して、あらためてこの全体の予算の中身を決定するという運びになりまして、最近になりましてこの中身が決定される運びになっているということを私伺っております。事務的でございますが、ただいままでの経過を申し上げました。
○小牧委員 すでに協会が発足いたして動いておりますので、政府といたしましても多少のこれに対する予算の配賦と申しますか、それをしなければならないということは一応わかりますが、実は前々から今回の地方財政の窮迫打開のために、相当今政府とされても苦慮されているようであります。朝からこの問題に対していろいろ論議もあったようでありますが、新生活運動そのものが決して悪いということではないのであります。いろいろ終戦後における今日のわが日本の状態を考えますときに、私どもの生活の周辺において、大いに改めていかなければならない問題も多々あり、そういったことを推進するための新生活運動ということはもとより当然でございますが、こういった予算を計上して、今できておる新生活運動協会と申しますか、このような協会が、政府の方から金の支出を受けて、その大部分が——ここにいろいろ資料がございますが、ただ会議費とか、あるいは車馬賃とか、あるいは人件費とか、こういうものに費されて、果してこの大きな新生活運動というものを強力に展開できるかどうかということにつきましては、大きな疑問を持っております。また竹尾新文部政務次官におかれましても、決して私は皮肉を申し上げるわけではございませんが、前に文教委員をしておられましたときに、たびたびこの問題を取り上げて、松村前文部大臣に対しまして、こういった運動は大して意義がないので、できるだけ早く打ち切って、できるものならば新生活運動を展開するための根拠としての公民館運動、またその基本をなすところの公民館の施設の拡充、こういった方面に予算を使った方が妥当であるというような意見を述べられまして、当時私も心から同感、賛成をいたしておった一人であります。先ほどの点に関しまして、次官としてでございますか、委員としてのお話でございますか、若干御意見の開陳がありましたが、でき得べくんば政府委員になられましても、前に委員としていろいろ持っておられました御意見を貫いていただきまして、新しい清瀬文部大臣ともよく話をされまして、来年度は、先ほどのお話では内閣の方の手で予算の要求がなされるというふうに承わりましたが、同じ政府部内の問題でありますので、それぞれの機会におきまして、今申し上げたような意見を強力に展開されまして、もしこういった関係の予算が計上されるというような意見が出ました場合には、思い切って公民館その他これに関連する方面の費用へその予算を向けてもらいたい、こういう希望を私は持っておるのでございますがこれに関しましてもう一度次官の御意見をお伺いいたしてみたいのであります。
○竹尾政府委員 まことにごもっともなお尋ねでございまして、所が変ったからその抱いておる考えを豹変させるというような気持は私個人としては持っておらないつもりでございます。 そこでお言葉でございましたが、私は松村前文相には、この新生活運動こそは、当時の民主党内閣の最大の黒星であるということを申し上げたので、その気持においては実は変っておりません。民主党内閣と自由民主党の内閣は同じ保守党ですが、少し違いますから、その保守党の中で悪いと思った政策は直していかなければなりません。そういう意味合いで私も一つ内閣と大いに渡り合って所期の目的を達するほど強力なものではございませんけれども、しかしできるだけ私はこの運動については今申し上げました通り対象がないので、今この費用を公民館の方に振り向けろ、こういうようなお話でございましたが、私はそう申し上げた覚えは実はないのです。公民館に振り向けるか、大体社会教育が御承知のようになかなかむずかしい問題でございまして、そのむずかしい問題にさらに輪をかけたような運動でございますから、予算をとっても今仰せられた通り人件費とか、車馬賃とか、そういうようなものに相当費されておるので、そういうことは直さなければならぬと私は個人としては大いにそういう考えを持っております。しかしこの運動は政府の方ではできるだけ触れるな、タッチするなと、いうような考え方を持っておるようでございますけれども、私も就任早早で清瀬文相ともじっくりお話しする機会がございませんが、私の従来抱いておる気持を十分吐露披瀝いたしまして、私は私なりに一つ初志を貫きたい、こういう考え方でおるのでございます。
○小牧委員 ただいま御答弁をいただきましたが、私は決してこういった運動の展開、その趣旨は決して反対ではありませんが、ただ当時松村前文部大臣も申されました通り、天下り的な、強制的なものであってはならない、下から盛り上るところのほんとうの民意による新生活運動の展開でなければ成果は期し得られない、こういう立場から申し上げておるのでございまして、文部次官におかれましてもまた同様のお気持であろうと考えます。従いましてそういった天下り的なものになるかならないか、これが大いに私ども考えなければならない点でございまして、ほんとうに各地方におけるそれぞれの実情に即した運動を展開させるように持っていかなければならない、それをただいまのお話でもわかりますように、内閣の方にこれを移して、内閣の方から来年度の予算の請求をする、こういうことになるような話でございますが、私は先ほど竹尾さんも申されました通りに、松村前文部大臣の提唱されたこれは民主党内閣の黒星である、こういうことから、願わくば新しい自由民主党内閣におきましても、これが黒星にならないように一段の文部政務次官の御奮闘をお願い申し上げまして質問を打ち切ります。
○佐藤委員長 次会は火曜日に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時十九分散会