P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
23回国会衆議院1955/12/13

農林水産委員会 第9号

発言数
81
登壇者
7
会派数
2
開催日
1955/12/13

会議録

村松久義自由民主党

○村松委員長 これより会議を開きます。  理事小枝一雄君より理事辞任の申し出がございます。これを許可するに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

村松久義自由民主党

○村松委員長 その補欠選任の手続に入りますが、慣例によって委員長に一任をいただきたいと思います。御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

村松久義自由民主党

○村松委員長 それでは吉川久衛君を指名いたします。     —————————————

村松久義自由民主党

○村松委員長 この際お諮りをいたします。去る十日付託になりました芳賀貢君外十三名提出の農産物価格安定法の一部を改正する法律案を議題に供します。御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

村松久義自由民主党

○村松委員長 ではその提案の趣旨を説明をいただきます。芳賀貢君。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 ただいま議題になりました農産物価格安定法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を御説明申し上げます。  御存じのように米麦に次いで重要な農産物としてイモ類及び菜種は、生産者が零細多数の農家であり、また需要の変化に即応して生産を調節することが困難である事情及び季節により、また豊凶により相当な価格の変動を示すものとして、これを正常な価格水準から低落することを防ぐために昭和二十八年に農産物価格安定法を制定し現在に至っているわけでありますが、最近におきましては、これまた重要な農産物であります大豆が諸種の原因により異常なる価格の低落を来たし、農家経済に深刻な影響を与えつつありますことは、各位のすでに十分御承知のところであります。  この大豆を栽培いたしております農家はほとんどが、開拓者か、積雪寒冷地帯あるいは僻遠の地域の零細畑作農家であるのであります。従いまして、大豆価格の異常な低落は、これらの農家に対して容易ならぬ打撃を与えるものであります。  政府は、最近の事態に対処し、大豆価格のこのような低落を防止するため、行政的にその応急措置を講ぜられておりますが、これらの生産農家の経営安定をはかります基本的な措置としましては、農産物価格安定法を改正して、同法を大豆に適用し得る道を開くことが、農業政策上絶対に必要なことであると思うのであります。  以上が本法案を提出した理由であります。  以下その内容について、概略御説明申し上げますと、第一点といたしましては、本法の適用農産物であるカンショなま切りぼし、カンショ澱粉、バレイショ澱粉、菜種に大豆を加え、正常水準価格より低落した場合政府が買い入れることができるようにしたのであります。  第二点は政府の買入価格を定める方式については、菜種同様の政令の定める算式とするようにしたのであります。  その他につきましては、本法適用農産物と同様であります。  以上が、この法案の大要でありますが、何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決あらんことを切望いたす次第であります。

村松久義自由民主党

○村松委員長 質疑はあと回しにしてこの際休憩をして、おおむね午後一時より再開をいたします。  休憩いたします。    午前十一時十三分休憩      ————◇—————    午後二時三十一分開議

村松久義自由民主党

○村松委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  食糧問題について調査を進めます。この際質疑を許します。石田宥全君。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 食糧庁長官に米の集荷の問題について御質問申し上げたいと思うのでございます。政府は昭和三十年産米集荷に当りまして、従来の供出制度を予約制度に切りかえをいたしました。その際に大臣はしばしば三十年産の米の集荷は、予約以外のいかなる制度をも一用いない、予約一本で集荷をするということを言明されておったのであります。同時に当初の予定では二千三百五十万石集荷の予定であったのでありますが、幸いにして豊作のために二千七百万石以上の予約が集まった・さらにまた第二次予約の手続をされまして、これまた三百三十五万石以上の予約ができまして、三千万石以上の予約による集荷の見通しが立ったわけであります。これは政府の予約制度それ自体がよかったというよりは、むしろ今年の豊作に帰すべきものが多いと思うのですが、いずれにいたしましても予約制度というものが末端の農民にまで十分浸透いたしまして、農民がこれに好感を持ち、集荷機関が積極的な協力をしたたまものであろうと考えるのであります。しかるに最近になりまして、十一月十八日だと思いますが、河野農林大臣はさらに特殊米の制度を実施するということを言明いたしておるわけであります。政府は第一次並びに第二次の予約によって二千三百五十万石の予定のところへ三千万石以上の集荷の見通しが立っておる今日、この上にさらに特殊の制度の手続を果しておとりになるのかどうか、まずこの点を一つ伺っておきたいと思います。

清井正食糧庁長官

○清井政府委員 ただいまのお尋ねの点でございますが、ただいまの御指摘の通り、今年初めて実施いたしました事前売り渡し申し込み制度が、生産者のこれに対する理解と農業団体の協力並びに天候等の事情もございまして、非常な成績を見ておるのであります。お示しの通り最初やりました分については二千七百七十五万石という申し込みが集まりまして、その後実収が確定したのに伴ってさらに補正の申し込みを受け付けたのでありますが、その点を合計いたしまして三千百十一万石という申し込みが集まっておる状況でございます。なるほど私ども当初に計画いたしました二千三百五十万石に比較いたしますれば、相当な数量の増になっておるわけであります。この点はただいま私が申し上げましたような事情によっておるものと考えるのでありますが、ただ二千三百五十万石と申しましてもある程度その総計の前提といたしましては、平年作程度の作柄であろうということが想定になっておるわけであります。ところが本年の実収の見込みがただいまのところでは七千九百万石程度ということが言われておるのでありまして、かりにさような状況になって参りました場合に考えまするに、なるほど当初は二千三百五十万石ということを今までの配給の所要量を確保するという意味において一応目標を指示いたしたのでありますが、七千九百万石という生産増にかんがみてみますると、なるほど三千百万石という申し込みは当初より非常な数量増でありますが、生産増と比較いたしてみますれば、なおかつ計算上の余裕米ができるというふうに考えられるわけであります。申すまでもなく自家保有米として計算されますものは、土地の豊凶によって多少差がありますが、かりに三千八百万石と計算いたしましても約四千万石程度のものが一応計算上政府に売り渡し得べき米として出るわけであります。そこで三千百万石というものを計算いたしますれば相当の、千万石近い程度の政府に対して売り渡し得べき余裕の米がある、こういう計算になるわけであります。そういう事情を勘案いたしまして私どもといたしましては、さらに生産者方面の政府に対する売り渡し並びに農業系統団体のこれが政府に対する売り渡し促進をお願いすることにいたしたいと思うのでありますけれども、その状況によりましてはさらに能率的に政府がこれを集荷するといいますか、買い集めるといいますか、そういうような方法をとる必要があるのではないか、こういう考えから先般大臣が新聞紙上において御発表になったような制度を考えるように至った次第であります。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 ちょっと簡単に、七千九百万石程度の収穫が予想されるということでありまして、現在の配給所要量と保有量との数字をどの程度に見ておられますか、伺っておきたいと思います。

清井正食糧庁長官

○清井政府委員 お答え申し上げます。かりに七千九百万石生産があったといたした場合の農家保有の計算は、ただいまの計算では三千七百八十万石という計算が出ておるのであります。これは今までの所定の計算方式によって計算をいたしたわけであります。むろん御承知の通り生産がふえれば保有がふえるわけでありますが、そういうことであるので七千九百万石と三千七百万石との差が一応政府に売り渡し得べき数量という計算が出るわけであります。それから配給所要量でありますが、これは申すまでもなく二千三百五十万石と計算いたしましのは、内地米を生産地においては十五日、消費地においては八日という昨米穀年度の配給をそのまま継続するといたしました場合の所要量が二千三百五十万石であったのであります。それを当初事前売り渡し申し込み数量の集貨予定として申し上げた数字であります。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 なるほど豊作でありまするから、まだ三千百十万石程度の集荷では相当な余剰米がある。これを吸い上げるのに別に方法を考なければならないという答弁でありますが、余剰米というのはことしに限ってあるわけじゃございませんので、今までもやはり相当量あったわけであります。今日まで、昨年、一昨年の政府の推計による余剰米と三十年産米による余剰米とは、数字の上でどういうふうにお考えになっておりますか。

清井正食糧庁長官

○清井政府委員 こまかい数字はあるいは正確を欠くことはお許しを願いますが、二十九年産米にとってみますと、二十九年産米は推定実収高が六千七十五万五千石であります。法定の農家の保有量が三千五百四十三万三千石でございます。それと差し引きました数字が政府に売り渡すべき数量になるわけでございます。ところが供出の実積が二千二百六十九万石ということになっておりますので、一応計算をいたしますと、数字といたしましては二百六十三万石というものが一応残った数字として出るわけであります。もちろんこれは多少の差があることは当然考えなければならぬわけでございますけれども、計算はそういう計算になっておるわけでございます。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 余剰米がだぶついておるということは、結局やみ価格が暴落して農家経済に悪影響を及ぼすということはわかるのでありまして、この点はやはりできるだけ政府で多く集荷する、こういう考え方に私は反対ではありません。何と申しましても今ちょうど集荷の最中でありますので、第一次、第二次による予約の集荷の最中に、大臣が談話で発表されたように特集制度をとるのだというようなことになりますと、この特集制度というものは——これはあとでこまかく御質問申し上げたいと思いますけれども、かって昭和二十七年度に特集制度が行われまして、非常にこれは問題を生んだのでありますが、何といってもやはり一般の供出よりも、価格の面においても、あるいは操作の面においても農民にとって有利な条件になるということが予想されるわけであります。そういたしますと、今集荷の最中にこういう案が発表されたことによって、せっかく計画的に集荷が行われておるその集荷に混乱を来たすおそれがある。同時にまたそれがために概算金の精算等についても集荷機関は非常に混乱を起すおそれがある。また一面からいうと、農民も、もう終戦後しばしば正直者がばかを見るということで数回こりておるわけですが、ここへきてまた今申し上げたようなことになりますと、もう政府の言うことに対して農民は信頼しなくなる。そうしてその結果は、来年度以降はどんな方式をとるにしても、政府がどんなことを言っても、事実上米の統制制度というものは存続ができなくなる。統制制度というものが完全に崩壊するのではないか、こういうことをわれわれはおそれるのであります。そこでもうすでに大臣の談話が発表され、またその後において、つい二、三日前ですが、政府の特集についての案なども新聞紙上に発表されておるわけでありますが、私はどうしてもそれをやる意向であるとするならば、具体的にその内容をやはりお示し願った方が農民を安心させる上においてもよろしいのではないかと考えるのでありまして、一体この実施の時期を、いつごろにする御意思であるか。これはあるいは長官は予約の集荷が終った後にやるとおっしゃるかもしれませんが、もちろんこれは集荷の最中にこれを発表されるようなことになりますならば、今申し上げたように、大混乱に陥ることは必至であります。しかしながら集荷が完了したからといっても、政府が特集米の制度を実施するのだということが明らかになりますと、やはり商人はいろいろに手を回して、あらかじめやはり予約的にこれをやる、こういう危険性があると思うのです。そこでその時期をどういうふうにお考えになっておるか、この点を伺います。

清井正食糧庁長官

○清井政府委員 このたびの、普通余剰米対策と言われておりますが、必ずしも言葉は適切でないと思いますけれども、そういうものにつきましての私どもの根本的な態度は、先ほど申し上げました通り、政府並びに農業団体の努力によりまして、今よりもずっと上回った三千百万石の申し込みがあったわけでありますが、その点につきましては私ども非常に多としておるのであります。それが集まりましても、なお今年の生産状況におきましては相当の政府に売り渡すべき米がある、こういう特殊な状況でありましたので、私どももこの問題を考えたのでありますが、ただいま申し上げた通り、私どもの基本的態度といたしましては、あくまで生産者が正当の農業団体を通ずるところの政府に対する売り渡しというものをさらに促進していただくというところにあるわけであります。従いまして今後におきましても引き続きそれを実行していただくように私ども農業団体にお話をいたしておるのであります。農業団体の私どもに話を聞きに参りました方々にはそういうお話をいたしております。団体の方々もそれを了といたしまして、大いにこれから集めるということでお帰りになっている状況であります。ただその状況によりまして、極端に申しますと、あまり集まらないとか、あるいはもう少し集まっていいのじゃないかというようないろいろなことがその進行状況によって考えられることがあるかもしれません。そういうようなことがありますれば、ただいま申し上げましたような供出制度ということも考えていかなければならないということであります。あくまでも本旨といたしましては、農業協同組合を通ずるところの集荷にさらに力を尽して政府に集めていただくというところにあるのであります。その成果によってはこれを実施することがある、こういうふうに私どもは考えております。従いましてこれを実施いたします場合においても、こういう案であるとか、ああいう案であるとかいうことはまだ私ども決定していません。かりに実施いたすといたしましても、これは相当慎重な態度であるべきであります。かりに二十七年産米について行いましたいわゆる特集というような買い取り制をやるとか、あるいは特殊な制度をやるとかいうことは考え得べきものではないと私は考えておるのであります。しかしながらもしやるといたしますれば、ある程度能率的なことをやらざるを得ないと私は考えますけれども、いずれにいたしましてもこれは農業団体が本筋によって政府に売り渡していただくという今後の成果いかによってきまるべき性質のものであろうと思います。かりに実施いたします場合の、その方法、時期等は慎重に考えていかなければならぬ、こういうふうに考えているわけであります。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 そういたしますと、大体かりに特集制度を採用するといたしましても、従来の集荷機関を中心にして考えるというふうに了解してよろしいのですか。これは先般開かれました全糧連、全集連の大会等におきましては、やはり特別集荷指定業者というものを、従来の業者よりもそれ以外の人にも集荷の許可を与えるようにしてやるべきであるというような決議がなされておったようでありますが、今の長官の御答弁からいきますと、やはり従来の集荷機関、指定業者を通じておやりになるというふうに了解してよろしいかどうか伺っております。

清井正食糧庁長官

○清井政府委員 そこまでは私ちょっと申し上げかねると思います。と申しますのは、あくまでもこれは農業者並びに農業団体の従来の系統を通ずる政府に対する出荷というものを督励いたして実施していくのが建前でございます。しかし、かりにそれでもなおかつ不十分だということで、新しい能率的な集荷制度をやるという決意をいたします場合には、やはりそこに何らか能率的なものが入らなければならぬ筋合いのものだと私は考えております。しからばどうするかということでございますが、そこは工夫の問題でありまして、ただいまお話にありましたような従来の指定業者以外に、あるいは一部のものを入れるとか入れないとかいうことが研究の課題になるわけでございますが、やはりそのときの状況に応じて決定すべきものでありまして、私がただいまここで、そういうものは絶対に入れないというお約束はできないのでありまして、かりにするといたしますれば、そのときの状況によりまして、能率的に集荷するためにはどういう方法がいいかということを考えてきめるべきものである、こういうふうに考えております。

吉川久衛自由民主党

○吉川(久)委員 関連して長官に伺っておきたいのですが、食糧庁は従来の集荷団体に対して、現在やっておるところの集荷についてもっと積極的に成績の上るような方法を講ずべきであると思うがどうだというようなことについて、お話し合いか何かございませんでしたか。

清井正食糧庁長官

○清井政府委員 お尋ねの意味は、あらかじめ意見を聞いたかという御質問だと思いますが、その点につきましては、私どもは、あらかじめこういうふうにするがどうかということは、あの新聞発表が出る前には聞いていないのであります。ただその後の状況によりまして、ただいま申し上げた通り、さらに農業団体を通ずる集荷を本旨として促進していただくということを実施しておりまして、その後の成果によって考えたいというふうに考えておったわけであまりす。

吉川久衛自由民主党

○吉川(久)委員 私がそのことをお尋ねするのは、実は今石田委員との質疑の間に感じたことなんですが、今やっております集荷方式でなお余剰が残るというようなことになれば、何らか能率的な特集方法を考えなければならないというようなことを農林省が言われることによって、かえって現在行われておる集荷がにぶり、成果が上らないような結果になるのです。そういうことを顧慮すると軽々にそういう別の能率的な方法を考えなければならないというようなことは、今の段階では言うべきことではないのじゃないか。それについて長官はどういうふうに考えるのか。私はむしろ現在の集荷団体に対して、もっと能率的な集荷をやるについていろいろの誤解があるように思うのです。何かあまり集荷すると統制がはずされるのではないかというような誤解等もありますので、その点を現在の集荷団体と十分に話し合いをなさったならば、私は現在の集荷方法で相当の効果が上るのじゃないかと思うのです。そういう段階において今長官の言われたようなことを公表されますと、かえって今の集荷制度が最後にきてストップして、あとは長官の言われる能率的な特集方式というようなものに期待をかけるというようになるのじゃないかというおそれがありますので、念のために伺っておきたい。

清井正食糧庁長官

○清井政府委員 御心配の点は私どももわかるのでありますが、ただ先ほど来御説明申し上げた通り、私どもとしましては生産者並びに団体を通ずるところの従来通りの売り渡し方式に基いてできるだけ政府に出荷していただくということを本旨といたしておるのでありまして、それをさらに推進していただきたいということを私どもは全販あるいはその他の農業団体を通じてお願い申し上げておるのであります。各団体もその趣旨を了とされて帰られておるような次第であります。従いまして私の申し上げておるのは、そういう成果次第によっての問題でありまして、あくまでも私どもの本旨としましては、生産者の今後の売り渡しの申し込み並びにそれを上回るところの政府に対する売り渡しを促進していただきたい、こういうふうに考えておるわけであります。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 ただいま吉川委員からもお話があったのでありますが、その点が一番問題だと思うのであります。そこで、別な能率的な方法とおっしゃることは、従来の集荷業者以外にやはりお考えじゃないかと、今の御答弁ではとれるのです。農林省は昭和三十年八月三十一日付で特別指定集荷業者の指定の特例に関する省令の一部を改正する省令を出しまして、特別指定集荷業者の指定は昭和三十年八月三十一日を昭和三十一年八月三十一日に改められておるわけですね。そういうふうに省令を改めて特別指定集荷業者というものは限定されておったわけです。今の答弁からいうと、もっと、別に考えるということになると、われわれは昭和二十七年の経験があるものでありますから、そうするともっと別の業者の指定を行なって、県内なら自由自在に集荷ができるようなことを予想するのです。この省令について、これと関連してもっと能率的云々とおっしゃる長官のお考えと率直にお話し願いたい。

清井正食糧庁長官

○清井政府委員 ただいまの再度の御質問でございますが、実は今それをはっきり具体的に描いているわけではないのであります。そういうふうに今はっきりこういうことを考えておるということを申し上げることは、ただいま吉川委員から御質問がございましたように、かえってよくないのではないかという気持がございましたので、はっきりは申し上げていないのであります。要するに趣旨は、生産者並びに集荷団体を通じて今後集荷をやっていただきたいということを本旨とするということを申し上げたのでありまして、従ってその成果によってこの問題も考えるということを実は申し上げておるのであります。しかしやるときはどうするかという問題でございますが、私どもとしても、やる場合には何らとっぴなことを考えているわけではないのであります。さりとて現在の指定集荷業者そのままでやるかという御質問でございましたので、すぐそれだけでやるということは申し上げられない、やはり能率的なことを考えざるを得ないということを申し上げたのであります。しからば能率的とは何だということでございますが、すぐ考えられますことは、昭和二十七年にやりましたいわゆる特集制度の問題であります。そのときには産地の集荷をやった経験がある卸なり小売の事業団体をして新たに参加させたのであります。そういう例が二十七年の特集にあるのであります。確かにそういうことも一つの例だと思います。従いましてそういうことも頭に描かなければならぬ問題だと思うのであります。しかしながらとっぴなことを考えまして、さらにそれよりも広範囲にやることを考えておるわけでは決してないのであります。ただここではっきり申し上げること自体が、せっかく気負い立って、それでは自分たちも一生懸命にやるからと言って帰られた団体に対して、かえって影響が悪いのではないかという気持がいたしましたので、実ははっきりお答えできないのであります。ただ私がお答えできるのは、かりにやるといたしました場合には、現在の指定集荷業者だけでやるのだということをここではっきりお約束はできない。やはりそこに能率的なことを考えるということだけは申し上げられる。こういう意味において実は申し上げたようなわけでありますので、私の申し上げる御趣旨を十分御了承願いたいと考えるのであります。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 どうもますます農民に疑惑を抱かせるようなことになるのですが、一体集荷的に特集制度を採用するというような大臣の言明が、第二次予約を停頓させておると私は考えております。やらないならやらないではっきりしてもらいたい。政府が国会あるいは米価審議会において、もうこれ以外の制度にはよらない、予約一本で通すのだ、こう言った手前もあり、農民に対する信頼をつなぐ意味において、やはり特集制度というようなことはやるべきでない。むしろもう少し吸い上げる余裕がありそうだ、余剰米があるからこれはできるだけ集荷したいというなら、この余裕のものを来年の一月の末とか、あるいは二月の半ばごろまでその期間の延長をやって、予約制度それ自体の契約の期間延長をやって、同じ制度のもとにおいて従来の集荷機関と業者を鞭撻、激励して集荷をされるのが、正しいやり方であると私は思う。そこでなお念のためにお尋ねしておきますが、一体特集という——能率的なこととおっしゃると、ただ業者だけの問題ではございません。どうしてもこれは価格の面にも考慮が払われるということにならなければならないし、なると思うのです。そうしますと、価格については一体どういうふうに、どの程度にお考えになっておるのか、この点を伺いたい。

清井正食糧庁長官

○清井政府委員 たびたびの御質問でございますが、きわめて抽象的なことをお答え申し上げて恐縮でございますが、要するに私ども考えておる筋と申しますのは、先ほど申し上げた通りでありまして、これを実施いたします場合に、どういうふうなことでやるというふうなことはきめていないのであります。従いまして価格の方面につきましても、そのときにきめるわけでございますけれども、私どもの率直な考え方といたしましては、かりにこの能率的な特集制度を実施するにいたしましても、やはり秩序を混乱させるということは好ましくないのであります。ただそれに対する売り渡しにさらに一歩能率的な方法はどういう方法かということを考えておるのであります。従いまして価格についてあるいは特例を考えるとか、あるいはいわゆる委託でなくて買取制を考えるとかいうような特別なことは考える必要がないのじゃないか、こういうふうに考えております。せいぜい考えられるところは、先ほど御指摘になりましたように、今度はそういうものを新しく入れるかどうかということが考えられる、こういう感じを持っております。これはただ私の感じでありまして、あくまでもこれは生産者団体を通ずるところの、従来通りの集荷を促進していただく、こういうのが方針でございます。従いましてただいま私がお答え申し上げました通り、価格についてはこういう点、制度についてこういう点ということを、はっきり申し上げる用意はまだないのであります。この点御了承願いたいと思います。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 どうも長官は肝心なところをちっとも話しておらない。非常に無責任な答弁をしておられるのですが、長官もごらんになったと思うのですが、ちゃんと新聞に、余剰米対策の基本的な考え方というものが数項目になって出ておるのです。結論としては、最終的には来る十五日に行われる全国農業協同組合大会の結果を見て決定する、こういうことが出ておるのですね。そのうちの重要項目の中には、農家の売り渡しはすべて匿名とする、これは昭和二十七年に行われた制度と同じことです。それから集荷指定業者のうち商人系業者の数を若干増加する、登録制度を緩和し、集荷業者として登録を受けていないものでも集荷指定業者となり得る、これら集荷業者の活動範囲は若干拡大する、新しい集荷指定業者の業務は政府の委託によって集荷することとし、買取制は認めない、こういうふうにちゃんと重要なポイントが食糧庁の考え方として出ておる。これを長官は全然それは知らないのだ、こういうのは、あまりに白々しい話だと思うのです。ですからやはりある程度のことはここでお話になった方が、私は今後の集荷対策上むしろいいのじゃないかと思うのです。そこで大体特集ということになれば、今私がここで読み上げたような点がポイントになると思う。もう少し具体的に誠意のある答弁をしてもらいたい。全く今のところ何も言えない、そのときになって協議する、これでは答弁になっていませんよ。答弁ではないですよ。これ以上長官は答弁できないというのならば、大臣の出席を求めて大臣の腹を聞きましょう。もう少し腹を割って答弁していただきたい。

清井正食糧庁長官

○清井政府委員 ただいまお読み上げになりました点でございますが、私どもはまだそういう案を作っておりません。ただ検討しておることは事実であります。それで先ほど申し上げたような方向で私ども考えておるのでありまして、特集と申しますけれども、私は特集と言ったことはないのであります。特集ということは世間一般で言われておることでありまして、私ども二十七年度におきましても、特集をやるというようなことは一言も言ったことはないのであります。ただやるといたしますれば、やはり従来の指定業者以外に、ある程度の資格者を入れることは考えられるということは申し上げた通りであります。代表とか匿名でやるというようなことは、一言も言ったことはないのであります。ただ能率的な集荷方法をやりたいということを言っておるのであります。能率的な集荷方法の一番要点と申しますのは、従来の指定業者以外に新たな資格者をきめまして、それを集荷の中に入れることが、何といっても能率的な集荷の根本であろう、こういうふうに考えておるということを申し上げておるのであります。なお価格等についても、先ほど申し上げた通り、何ら特例を設けないというのが私どもの考え方でありまして、要するに筋は、現在の制度に対してなるべく改良を加えない、ただ能率的に何とかしたい、その他の点はなるべくいじらないようにしてやっていきたいというのが、私どもの考え方であります。やるにつきましても、ただいま申した通り、生産者団体並びにその集荷にお願いをいたしまして、その成果を見ながら、考えれば考えたい、こういうことを申し上げておるのであります。ただいまお読み上げになりましたようなことについては、具体的に認めていないのでありますから、これは御承知願いたいと思います。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 最後になお念を押しておきたいのですが、今の御答弁からいきますと、先ほど私が申し上げたように、ある一定の時期まで予約の期間延長ということにして、集荷機関並びに業者を鞭撻激励していくということで、十分目的が達せられると思います。それからこの新聞にも書いてありますように、明後日の農協大会の結果を見て最終的な態度をきめる、これは単なる新聞記事かどうか知りませんけれども、あれはやはり全販やらあるいは農協等と話し合いの上で明るい見通しがあるならば、今私が申し上げたようなことで、期間延長等によって、別な集荷の方法はとらないで差しつかえないと一体長官は考えておられるかどうか、この点一つ伺いたい。

清井正食糧庁長官

○清井政府委員 十五日の大会の結果を見てきめるということではございません。そういうことを私ども一考えたことはないのであります。先ほど申し上げた通り、今後の状況、もう来年になりますが、今後の農業団体の集荷の方法を見ながら、その必要に応じては考えていくという基本的態度をとっておるのであります。十五日の結果いかんによってどうこうということは考えていないのであります。そのほかあるいは予約の期限を延長するというようなことについてお話がございましたが、実は御承知の通り当初締め切りましたものを、さらにその後の実収の増に基きまして十一月十五日までにいたしましたものを、さらに集荷の状況あるいは雨天等によりまして調製もおくれておるということもありましたので、十一月末日まで延ばしたのであります。延ばした場合におきましても、私ども慎重に考えまして、さらに十二月以降まで延ばすべきかどうかということにつきましても、部内でいろいろ検討いたしたのでありますが、これは西の方の状況をもつぶさに見て参りまして、十一月末日まで延ばせば申し込みとしては十分だという判断をいたしまして、十一月末日で申し込みを締め切ったのでありまして、ただいまのところは今の申し込みの、いわゆる予約申し込みの期限を延長するということは考えていないのであります。先ほど申し上げました通り、申し込み以上の数量を大量に出していただきたいということをさらにお願いいたしたい、こういうふうに実は考えておるわけであります。

村松久義自由民主党

○村松委員長 川俣清音君。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 私はごく短かい三点にわたってお尋ねしたいと思います。食糧庁長官は目下食糧管理法を変更する準備または用意をしておられるか。臨時国会または通常国会において食糧管理法を変更する、改正するというような準備または用意をしておられるか。

清井正食糧庁長官

○清井政府委員 準備または用意という言葉の意味でありますが、これは私率直に申し上げますが、ただいま御承知の通り農林省に調査会を開いております。実はただいまも開催いたしておるのであります。麦の管理制度、米の管理制度についての検討をいたしていただいておるのであります。それに私ども出席いたしておりますから、ああいう資料を作れとか、こういう資料を作れとか、こういう案を考えろとかいうことにつきまして、いろいろ事務的なことをやっておることは事実であります。しかし根本的なただいまおっしゃったような意味において準備とか用意とかいうものにつきましては、まだいたしてないのであります。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 非常に抽象的に言ったので答弁しにくかったと思います。食糧管理法という原則の根拠を今かえようというようなことで相談をするとか準備をするということをされておるのかどうか、これを聞いておるのであります。いろいろ制度上のことについての諮問を受けておるということは聞いておりますが、管理法そのものを改正するような意図でやっておられるのかどうか。

清井正食糧庁長官

○清井政府委員 非常にむずかしい問題で何とお答え申し上げたらいいかわかりませんが、現在制度の御審議を願いまして、審議の結果が法律改正ということに向うことになれば、一つの準備だといえるかもしれません。私ども事務当局自体といたしまして、法律改正を前提としての準備というものはいたしていないのであります。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 それでは現行法のもとにおける集荷方法といいますか、むしろ出荷方法というものは妥当じゃないかと思うのですが、これは義務づけられておる、生産農民は政府に米穀を売り渡さなければならないということで規制を受けておる、出荷の義務を負わされておる。従って法的にいうと政府は買い取らなければならない義務を負っておると思うのです。この原則を変えられるような考え方がどこかに出ておりますか。

清井正食糧庁長官

○清井政府委員 現行法に基きますと川俣先生のおっしゃる通りでございます。それを変えるということは考えていないのであります。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 そういたしますると、世間で伝えられておりまするような特集制度とかあるいは能率的な制度というのも、やはり現行法規のもとにおける能率的な方法あるいは特集の方法、こういうふうに理解してよろしいですか。

清井正食糧庁長官

○清井政府委員 その通りであると私は考えております。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 そこでもう一つの問題をお尋ねいたしたいのですが、現行法のもとにおきましては、これは予約というようなことよりも、とにかく生産さしたものが、特別な許可を受けた保有米以外のものは、すべて政府に売らなければならない義務を負っておる。従いまして特集制度であろうと予約であろうと、あるいは予約をすまいと何であろうと、できたものは政府に売らなければならない。この場合に予約期間が過ぎたから買わないのあるいは特集機関を使わなければ買わないのなんていうわけにはいかないのだと思うのですが、この点はどうなのです。

清井正食糧庁長官

○清井政府委員 おっしゃる通りであります。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 そういたしますると、いわゆる予約の期間ができておるというようなことは、予約制度における一つの報奨制度であって、報奨以外の点では予約しようとしまいとこれを買い入れなければならない。そういたしますると、来年の二月二十九日までに納入したものは、予約しようとしまいとこれはやはり免税の対象になるのだと思いますがいかがです。

清井正食糧庁長官

○清井政府委員 その点については実は問題になっておるのであります。今川俣委員の御指摘の通り、本来の建前から申しますると、食糧管理法をその通りに解釈いたしました場合には、政府以外に売らないという制度である限りは、予約をしようがしまいが政府に対して売り渡すのは義務であるという御議論があるわけであります。その点が先般来御審議願いました今度の事前売り渡し申込制度につきまして、その申し込みをした者を経済的に優先させるという取扱いをいたしたのであります。従いまして減税の問題あるいは概算金の問題並びに百円だけ、予約したものにつきまして予約しないものよりも高く買うという措置をいたしたのであります。従いましてこの制度を実施いたします方の建前から申しますれば、この制度によって予約をして、その予約を実施いたしましたものとそうでなくてただ売り渡したものとの間に、それだけ差がつくことになっておるのであります。その点につきましては法律の建前はもちろんありますが、本制度を実施いたし、本制度を促進するという意味合いにおきまして、ただいま私が申し上げたような行き方で現在考えておるわけであります。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 それはちょっと私どもと見解が違う。たとえば予約申込金とかあるいは概算金とかいうのは報奨金ですからこれは別ですが、法律によって売り渡さなければならぬものを二月二十九日までに売り渡したものは、法律上の当然の保護を受けなければならないと思うのです。法律は差別があってはならないと思うのです。報奨ならば別です。減税は必ずしも報奨じゃないと思うのです。従って義務を負った者に免税の措置が加わらないということはおかしいと思う。片方は手続であるから、その手続を省略したために恩賞にあずからないということはあり得てもかまわないと思う。片方は法律上の義務を履行した者が免税されないということはおかしいと思う。それは恩賞じゃないと思う。この点はどうでしょう。

清井正食糧庁長官

○清井政府委員 減税が果して恩典と申すべきものであるかどうか、まあ概算は別でありますが、あるいは百円の格差をつけたものが、格差であるか奨励金であるかという解釈の仕方においてだいぶ意見が違うと思うのであります。川俣委員の御意見も十分私はわかるのであります。わかるのでありますが、この制度を実施いたしました場合には、なるべくこの予約売り渡し制度によって予約をよけい集めたいという一つの考え方がありますので、予約によって売り渡す場合と、そうでなく売り渡す場合に差をつけることによって予約申し込みを促進するという、行政的と申しては恐縮でございますけれども、なるべく政府に集めたいということを考えておったわけであります。もっともことしは豊作でありましたのでけっこうでありますが、かりに作が悪かった場合を想像いたしますと、実は非常な問題が起り得るのであります。私どもも心配に心配をいたしまして、なるべく生産者が本制度による申し込みを利用するということを促進いたしたいということで、百円の格差の問題並びに税金の問題等につきまして特例をつけたわけでございます。ただ、その法律の建前と申しますれば、全部出さなければならぬということは御指摘の通りでありまして、そこに差をつけるということは御議論のあるところもわかるのでありますが、私どもただいま申し上げたような趣旨からこれに差をつけて実施しているというわけであります。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 まあこれはこれ以上追究はやめておきましょう。しかしながら、なぜ私はこの点をつくかというと、予約制度というものはやはり現行法規下において許される範囲内における一つの方法だと思うのです。やはり食管法を改正してまでの制度じゃないと思うのです。従ってやはり原則としては食管法のもとにおける一つの方法であると思います。従って免税は当然講ぜられるべきものである。それまであなたが今度は苦心をして予約制度をやってこられた。これでもなお足りないということで、もっと能率的なことをやるというのですが、この予約制度というのは非常に能率が悪かったわけじゃないでしょう。三千百万石も集まるという予想でありますから、あまり能率が悪かったということは言えないのじゃないでしょうか。これ以上のいい能率の方法があれば、なぜもっと早くからやらなかったかという議論が出てくるのじゃないですか。そうすると、現行法規下におけるもっと能率的ないい方法というのはどういうことが考えられるのですか。

清井正食糧庁長官

○清井政府委員 これは御指摘の点ごもっともな点があるのでありまして、確かに当初は二千三百五十万石というものを今までの配給量を維持するということでお願いをいたしたのであります。それが実績として三千百万石集まっておるのであります。従いましてその面から考えまして成績が悪かったということは言えないのでありまして、むしろ私どもは、新しい制度に対する生産者の理解と、これに対する農業団体等の協力に対して感謝をいたしておるのであります。ただこれが実収と比べました場合に、先ほど申し上げた通り千万石ぐらいの差があるということであります。その点は先ほど川俣委員の御指摘になった通り、全部政府に売らなければならぬという建前になっておるのに、計算上千万石まだ余裕があるというようなことであって、現行法を堅持する建前からいってもこういうことにおのずから理屈上なるわけでございます。そこで三千百万石でむろん十分なんでありますが、こういうような計算上のこともあるから、さらに農業団体は協力してやってくれ、こういうことを実はお願いしておるのであります。なおかつ努力をした結果によりましてもこれが十分でないというような結果になるといたしますれば、そこに何らか能率的な集荷制度をやらなければならぬ。やるといたしましても、これは現行法規の許す範囲内においてやらなければならぬということは当然であります。そこで先ほど御指摘になりました特集というものを一応現行制度でやっておるのであります。あるいは昨年やりました代表者供出制度、いろいろあるのであります。そういうように現行法の許す範囲内において考えなければならぬということも起ってくるかもしれない、こういうことを申し上げているのであります。必ずやるということを申し上げているのじゃないのであります。今後の生産者の集荷の状況、少くとも増産による生産者の数字上の増加に伴う余裕がある、こういうことを考えていただきたいと思います。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 私のお尋ねしているのは、長官の答弁したことと違った意味のことをお尋ねしているのです。現行法の許す範囲では最大の範囲として予約制度をとった。これ以上もっと集めたいということになりますと食糧管理法がじゃまになるから、もっと別な方法でもって集めなければならないというふうに考えておられるのかどうかということを聞きたかったのです。繰り返して申しますと、これは長官もおわかりだと思いますが、保有米と政府への売り渡し米との比率は、大体平年作で五五の保有、四五の売り渡しというのが今までの大体の数だと思うのです。ところが凶作になりますと保有の率はさほど下らないまでも保有量は下ってくる、そういう事態になる。あるいは豊作の場合は保有率は下るけれども保有量は上る、こういうことが起ってくると思うのです。それで最大に保有量を見る場合に、戦前は逆の、売り渡しが五五で保有が四五であったと思うのです。自由制度であったときですから、売り渡したものでも納入したものでも、一応売り渡しと見ると五五で保有の方が四五というようなことも大体あったようでありますが、今日は逆になっておる。ところが豊作になりますと、いわゆる政府へ売り渡す米の数量もふえるかわりに保有量ももちろんふえて参る。そうして結果的には供出率は高まってきて保有率は減るけれども保有量はふえてくる、こういうことになるのではないかと思うのです。そういたしますと、三千八百万石よりもむしろ保有量に回されるものが四千万石を上回るのではないかと思う。もちろん保有の中には親戚やあるいは神社仏閣等に対する金の対象にならないような奉納も含まれておると思う。これは凶作のときになりますと、米でなくて現金で神社仏閣に奉納する。豊作でありますと、その豊作を神様の前に如実に現わすというようなことで、この保有米という中に、分けますとこういういわゆる神様に差し上げるもの、あるいはつき合いの現物量がふえてくる、こういうことになると思う。そこで保有米必ずしも食うものだという解釈はとれないのでありまして、おそらく四千万石を私は突破するのではないかと思う。長官は三千七百八十万石だということを言っておりますが、これは非常に甘く見過ぎていると思う。私はこれで議論はしませんよ。私の議論のために一応これはずっと並べたんです。これで論争しようとは思っておりません。そこでもしも総計にして一千万石はないと思いますけれども、六、七百万石を集めるとすれば、現行法下において一体能率的な方法として考えられる余地がないじゃないか、むしろ予約制度をもう少し巧みに活用して集める以外には、この制度を活用する以外には、能率的な方法というようなものはあるかどうか。これは食糧管理法をはずして、そして集めようというならできます。できないことはないでしょう。特別集荷をやり、特別配給をするというようなことをやるならば、これはやれないことはないと思う。これは神社仏閣に上ったものまでも特集の中に入れて、そうして一般の配給または特別配給といいますか、業務用米と申しますか、そういうような特別配給という方に回すということでいくならば、これはできないことはないと思います。だが、現行法規下においてはもう限度ではないか、従って予約制度を活用する以外に今日は考えられぬじゃないか。そこで私が一番最初に、現行法を改正する用意をしておるかどうかとお聞きしたのはこの点なんです。どうです。長官、あまり苦しめてはいかぬと思うからこれだけにしておきます。

清井正食糧庁長官

○清井政府委員 御質問の前段の御意見の点でございます農家保有の問題でありますが、それは御指摘の通りだと思います。計算上三千七百八十三万石ございますが、これは今まで通りの計算でいけばそういう計算になるというだけでありまして、これが豊作のために、あるいは他に隠し田があるとかその他のことでもって、保有米が計算以上にふえるということはあり得ることだと思っております。従ってこれが、計算いたすにつれましてあるいは四千万石から四千百万石ぐらいになるかもしれません。数字の問題はそういうことでございますが、そういうふうにいたしましても数百万石はどうしてもあるだろう、こういうような計算ができ、ますので、私も今申し上げたようなことでやってゆきたいというふうに考えておったのであります。ただそこで、現在の集荷制度以外にさらにやりいい方法があるかということになりますと、若干見解の相違と申しまするか、私どもといたしましては、何も今すぐやるということを申し上げておるのではないのであります。あくまでも農家の今までの正規のルートによる集荷をさらにお願いするということをやっておりまして、そのときに現行法の範囲において、それが不十分だというような点がありましたならば、現行法の範囲内において能率集荷というような制度を参考といたしまして、あらためて考えるということを実は申し上げているような次第であります。その点御了承を願います。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 別な観点からお尋ねします。方法はどうでもいいが、どのくらい一体さらに集めたいというねらいで方法を作られておるのですか。ねらいのない方法というのは無意味だと思うのです。五百万石か六百万石集まらぬのだったらば、そんな無理していろいろなことを考える必要はないと思うのです。一体どのくらい集めたいというねらいで案を練っておられるか、その点お尋ねします。

清井正食糧庁長官

○清井政府委員 目標が実はないのであります。計算上ある程度の数量はあるわけでありまするから、できるだけということであります。ただ御指摘の通り二十七、八、九といろいろな制度でもってやったのでありますけれども、実はあまり成績がよくないのであります。二十七年の集荷制度のときには百万石集まっております。二十八、九年の代表者供出制度では八十万石から六十万石程度であります。そういたしますとその程度の集荷のために片っ方に対して悪影響を及ぼすということは妥当でないのじゃないかと思うのであります。率直に申しますと、ただ私ども一定の数量を取り立てるとかどの程度押えたいからそういう制度をとるということではなしに、要は計算上余りが出るということであれば少しでも集めようということでいいのじゃないか、この点は実施の際に当りましての判断の問題でございます。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 判断の問題ではございません。五十万石か八十万石集めるのに全努力を払わなければならないなんという情ないことはないと思うのです。やはり相当まとまった数量を集めようとするところから出発しなければならぬと思う。こんな非能率的なことはない、経済効果の上らないことおびただしいです。やはり五百万石とか六百万石少くとも七、八百万石を集めるためにこれだけの努力を払うということならわれわれも決して一臂の力をかすにやぶさかではないのです。たった三十万石や二十万石集めるのにそんな方法を作らなくたっていいんじゃないか。それならばむしろ今の制度をもっと活用しただけでも、長官が二、三日歩かれただけでも二十万石や三十万石は集まると思います。これはわずかな旅費で集まります。あなたの方の全職員を動員してまで苦労しないでも、一日か二日行脚されただけでも二十万石や三十万石集まると思います。そのくらいの信用は食糧庁長官持っておられると思うのです。従って相当な量を期待しないいろいろな制度などというものは、制度のための制度を作ることであって混乱させるための努力だということになるのですが、長官はどうでしょうか。

清井正食糧庁長官

○清井政府委員 お話の通り、この制度を実施いたします場合におきましても、実施による積極面と実施による効果との判断の問題だと思います。この数字を申し上げましたが、これはそのときの作柄によることでありますから、この数字は必ずしも将来こうなってくるということはできないのでありまして、その年の豊凶の状態等によりまして判断しなければならぬのでありますから、必ずしもその通り参らないということは御承知の通りだと思います。しかし、申すまでもなく、根本的にはこの制度を敷くことによる影響と、それによって集め得る数量ということの判断の問題でありまして、かりに非常に数量が少いということがありますならばそれはやらなくてもよいじゃないかということになると思います。いずれにいたしましても私ども考えておりますことは、先ほど来御説明申し上げました通りの趣旨で考えております。御意見の点は十分私も拝承いたした次第でございます。どうぞよろしくお願いしたいと思います。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 制度を先に考えてその効果を目標に置かないということは、私は無責任だと思う。これだけの数量があるのをどうしても確保しなければならないというところからその方法として集荷方法が立てられるというならこれはわかりますよ。これを一つやってみたならば幾らか集まるかもしれないというような、制度を先に打ち出してやるということは非常に無責任だ、これだけやったけれどもできなかったというのだったならば、国家経済からいって非常に不遜なことだと思う。これだけ努力したのだからということなら別ですが、この制度を先に打ち出しておいて、この制度で集めてみました、集まりませんでした、それでは私は無責任だと思う。だから、どのくらい集めるという目標が先でなければならぬと思うのですが、長官どうですか。

清井正食糧庁長官

○清井政府委員 どのくらい集めるかと申しますと、むしろかりにそれを実施したらどうかという判断の問題が起ったときに、果してこの際実施したら一体どのくらい集まるだろうかという判断の問題だろうと思います。今申し上げた通り、ただいまのところは決して幾ら集めたいということじゃないのでありまして、かりに生産者の集荷が遅々として進まないということが来年になって起きまして、それでは今度は計算上なお相当の数量があるから新しい集荷制度をやってみようかということを考えました場合に、この制度によって果してどのくらい集まるだろうかという刷新をいたさなければならぬと思っておるのであります。そのときの判断のもととなる数量と、実施いたしたことによるマイナスの影響を比較考慮しなければならぬと思うのであります。ただいまのところでは、実は幾ら集めるという目標を持っておるわけではないのでありまして、ただそういうことも考えておるということであるのであります。その点一つ御了承願いたいと思います。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 責任の問題は、実は気の毒なのですけれども、長官として幾ら集めたいという目標を持っていないというのはおかしいと思うのです。これはあなたが集めなければならない義務を負わされていると思うのです。だから極力集めなければならない。集める方法は何であろうか、こういうことだろうと思うのです。これを逆に、この制度ならば集まるだろうなんていう無責任なことはやるべきではない、こう言っておるのです。集める方法としてこれが一番いい方法じゃないかという案を考え出されたならば、それは私は至当だと思うのです。そうじゃない。この制度を作ってみて集められるだけ集めてみようじゃ無責任じゃないか、こう言っておるのです。集めなければならない責任は長官にあるのですよ。農民にしてみれば売り渡さなければならない義務を負っておる、長官にしてみれば極力あらゆる方法を講じて集めなければならぬ義務を負っておられるのです。だから無理に集めようとは思わないというのじゃなくて、極力集めるのだ、その方法はこうだ、こうなっていかなければならないのに、どうも逆な感じがするのです。しかし今ここで清井長官をあまり苦しめてもあれだから、一応この程度で質問を打ち切っておきますが、一つよく大臣とも懇談されて、先に制度を打ち出してはったりをやるよりも、今までの経験と知能と努力を払えばどのくらい集められるか、その方法としては何があるか、そういう方法を講じてほしいと私は思うのです。最後のは意見ですから、よく御相談を願って、あらためて一つ質問いたしたいと思います。     —————————————

村松久義自由民主党

○村松委員長 原主計局次長が見えておりますから、農林水産公共事業費に関する質疑を継続いたします。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 この際大蔵主計局に公共事業費の、いわゆる世にいう削減問題について二、三お尋ねしたいと思います。  これは地方財政の縮減の結果、公共事業費が八十八億節約せられる、特に農林関係におきましては約三十五億ほどの節約を大蔵省が内示したとか、あるいは話し合いをしたとかいうようなことがうわさに伝えられておりますが、さようなことがあるのでしょうか。

原純夫大蔵事務官(主計局次長)

○原政府委員 地方財政の本年度の急を処置いたしますために補正予算をお願いし、それの財源として考えられますいろいろな財源を充てるということにいたすつもりであることは御存じの通りであります。その充てます財源の中にお話の公共事業系統の経費がいろいろございます。これをお願いいたします趣旨は、一つには本年度暫定々々ということでだいぶ事業もおくれておる、毎年ある程度繰り越し、不用というようなものが出るわけですが、本年度はそれが例年よりも多かろうということと、反面地方財政がやはりどうにもならぬということで、一部には公共事業返上論まで事実場所によっては出ておるというようなこともございます。そういうような観点から、やはり今年もおそらく相当資金的に不用になるであろうということを考えて、関係各省にそれを供出していただくようにお願いいたしております。ただこういうことは、一律に何割削減だということをいたしますと、もう年も押し詰まっておりますし、年度にしてもあと三、四ヵ月しかないというところでございますので、各省もよほど慎重にやらなければならない。とっくり御研究願うならば、所期の額はがむしゃらにやる場合に比べてはるかに摩擦少く出るであろうというようなことで、ただいま関係各省に、せっかくその見当をつけて実効の上ることをお願いしておるという段階でございます。従いまして、数字等につきましては、政府部内で意見一致しましたあかつき——おそらくそれは三十年度の補正予予算を御提出申し上げる時期だと思いますが、その時期までに部内の意見をまとめまして申し上げるようにいたしたいと思います。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 事務局の答弁より政治家的答弁であったわけですが、私が原さんにお尋ねしたいのは事務的なことなのです。それは譲与税の配付金の特別会計に穴があいたから、これを何とか埋め合せようという御意思も、私は必ずしも否定はしません。しかしながら公共事業費を節約するとか、削減をするということは、一体財政法の法規のどこに基いてそういうことの話をいたされたのかという点なんです。あなたは今まで財政法の建前であるとか、会計法だとかずいぶんやかましく言われておってもルーズになるということで、なかなかやかましいようであります。それはけっこうだと思うのです。ところが自分の方でやるときには非常にルーズにするというようなことになりますと、これはいかぬことではないかと思うのです。従って節約をするのか、節減をするのか、繰り延べをするのか、あるいは年度内に不用になる部分を見出せ、こう見通しをつけろ、こう言われるのが根拠がわからない。従って受ける方も、いや節減だと受けているところもあり、節約だと受けているところもあり、事業を中止しなければならないと受けているところもある。あるいは繰り越しだから繰り越しの明詳を受ければいいのだと考えているところもある、あるいはほんとうに節減を受けるならば、今工事を中途で少しずつ手ぬるくして仕事の切れないようにしなければならないと考えているところもある。国会に審議権のある予算を、一部の人々の自由な考えによって、行うべき工事が行われないというようなことになりましたならば、これは大へんだと思うのですが、この点についてお尋ねいたしたい。

原純夫大蔵事務官(主計局次長)

○原政府委員 年度もだいぶ経過いたしました現在でありますから、相当財源の捻出には困難があろうとは思いますが、これは各省にぜひお願いいたしたいと思っております。  さてそれがお話の節減になるか繰り延べになるか、何になるかということでございますが、まだ工事に着手してなくて、がまんしようというものがありますれば——よほど事情の変化でもないとありますまいが、これはわれわれの方の術語では節減と申しておりますが、そういうことをしていただくものがあるかもしれませんが、そういうものは非常に少かろうと思います。おそらく大部分は設計もでき、着工したものも多い。他の例で申しますれば、学校を十教室作ろうと思って始めたのを、何か財源が要るそうだから、それでは一教室はずせというようなことができるかどうか、おそらく大部分の工事は続けてやって、資金の手当の残りを三十一年度にやるというようなものが多かろうと思います。こういうものを広い意味の言葉では繰り延べと言ってもよろしいかと思いますけれども、何と申しますか、その場合三十一年度の予算でそれがどうなるかという問題がかなり御関心の的になるのだろうと思います。その点につきましては私ども今三十一年度予算をいろいろ研究いたしておりますけれども、関係方面といろいろ御議協の上まとまりますまで何とも申し上げられないのでございまして、大体そんなふうな筋合いに考えております。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 なるべく質問をはずそうということでやられると時間が長くなるのですが、大体大蔵省は、一つの考え方としては予算配分をしたものを最も経済効果が上るように使用させるということが主計局の建前でなければならないと思う。この原則はお認めでしょうねどうですか。

原純夫大蔵事務官(主計局次長)

○原政府委員 おっしゃる通りでございます。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 そういたしますと途中で仕事が切断をするような節減をするということになると、非常に能率が低下するということもまた御存じでしょうか。

原純夫大蔵事務官(主計局次長)

○原政府委員 おっしゃる通り計画してやっておりますことを実行上変えるということは能率が落ちると思います。ただ先ほど申したように、本年はそういう事情があるし、また公共事業は地方財政に非常に大きな関連を持つということも先ほど申した通りでありまして、若干の苦労、困難をしのんでもお願いいたしたいというつもりでございます。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 それは特別会計にできた穴を何か埋め合せしなければならぬ、これはわかりますよ。それを埋め合せしようとする努力に対して非難しているのではないのです。御存じの通り今あそこで工事をしております。一ぺんあれは予算が切れて工事をやめて、またやっている。セメントも層ができるでしょう。一ヵ月か二ヵ月間を置きますと相当危険だとさえ非難されております。鉄筋があるからいいじゃないかというが、もし地震のとき新しい層と古い層に癒着ができないで危険が生じた場合、経済効果が最も上らなかったことになる。もう一ぺん根本からやり直さなければならない、こういう工事が非常に多いと思う。たとえば農村の場合でありましても、排水路を掘って途中で切れますと、旧用水路も使えないし、新しい用水路も使えない。来年作付ができないということになる。予算からいえば、来年に繰り越したら続けて工事ができるじゃないかというが、ことしのうちに用水路を作り、排水路を作らなければ、用水路だけを作ったってだめです。排水路がなければ水浸しになる。従って来年の春なら春に何とかして完遂したいという努力を払う。暫定予算で非常に苦しかったけれどもということで、非常に能率を上げている。それで予算が切られると途中で終らなければならぬからずるずると延ばしていかなければならないというような、請負をする者も不経済であろうし、執行者も不経済だ、国も不経済のようなことを主計局が認めるということはあなたの原則に反するじゃないか。そういうことは予算の効率化の上から好ましくないというあなたのお考えだからして、そういうものは削減したり節約したりする御意思がないものと思ってよろしゅうございますか。

原純夫大蔵事務官(主計局次長)

○原政府委員 おっしゃる通り非常にやりたくないことであります。効率がある程度落ちるということはもう否定し得ないと思います。先ほど申しましたような事情でまあまああまり落さずにやれるのじゃないかというふうな気持で実はお願いしている。ちなみに効率に関しましてはたびたび申しますのですが、私ども公共事業費の効率的な使用については、今おっしゃられました言葉は常に私ども申しているようなことで、私どもから見ますと、川を七、八十本やっておりますが、できればこれを半分にして、先に仕上げるものから仕上げてほしいということは、もう何度も申し上げておるのでございますが、なかなか各方面みなやってくれという御要望が多い。これは当面の問題とは少し別でありますが、これは今後も大きく努力して参りたいと思いますので、この際は地方財政も急であり、また暫定予算で何とかいくだろうというようなことによって御かんべんを願いたいと思う次第であります。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 あなたは効率的な予算を初めから編成したいということですが、もしあなたのおっしゃるような予算の編成ができた場合には、節減や何かはできないでしょう。だから私の言う通りやらないで幾つもやったから、この際幾つか取りやめよう、こういうことなんですか。

原純夫大蔵事務官(主計局次長)

○原政府委員 決しておもしろいことではありませんし、あまり弁護的なことを申し上げる気持はありません。初めから非常に効率的なやり方をしておれば、少しぐらいは今年に比べていいのだということは言えるかもしれませんし、逆にまた総花が相当きついから、その上にこういう措置をやるのはますますいけないというふうにも言えましょう。いろいろ言えましょが、私どもといたしましては、先ほど来申しておりますように、本年度は事実相当スタートがおくれております。決してこれはそれ自体が喜ぶべきことじゃございませんが、ああいう暫定予算ということで現にそうなってきておる。ちょうどそういう際であるから、各省御工夫願えれば、全然落ちないということはないが、あまり効率を落さないでやれるのじゃないか。一番落さない方法を御専門の各省にお考え願うというふうに持って参っておるわけなんで、一つ各省が一生懸命やっていて下さっておるところですから、その結果をごらんいただいて、決しておもしろいことじゃございませんが地方財政のため特別な場合でございますから、お許しを願いたいと思います。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 原さんそれではお尋ねいたします。あなたは大蔵省で事業量を削減できるというふうにお考えですか。

原純夫大蔵事務官(主計局次長)

○原政府委員 大蔵省とおっしゃったのはどういう意味かよくわかりませんが、政府部内相談して事業量が多過ぎるから減らそうということにきまりますれば、削減ということもあり得ると思います。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 私が財政法から見て、これはやはり国会の承認を要するわけです。従ってあなたが通常国会に補正予算を出されるという意味はその意味だと思うのです。本来であればこの臨時国会に出さなければならぬ、穴をあけたのは臨時国会だからその臨時国会のときに穴埋めをしなければならなぬ、なぜこれをおやりにならないのです。人を責めるのに急だけれども、自分の方の責任は都合のいいときまで延ばすというわけにはいかぬと思う。

原純夫大蔵事務官(主計局次長)

○原政府委員 おっしゃる通り臨時国会にその分の補正をお題いするのがほんとうだったと思います。ただ何分地方財政の方が非常に窮迫している。そこで財源の措置については、ただいま申しまするように頭から一律こうだというようなやり方でぴしゃっとやるということになりますれば、実は急げば急遽予算書を作るということもできなくはなかったと思いますが、それはやはりいかんぞ、もうこの時期であるから、十分慎重に実情を見てもらって、そうしてある、工事は相当押える、ある工事はそのままやってしまうということは、やはり各省よく見てもらわなければいかぬじゃないか。何分その調整を十分見届けるいとまがないというようなことから、私どもとしましては、出す方は出してしまうという補正はお願いしておるのですから、かなり思い切ったつもりでございます。おっしゃる通りあわせて節約の分をお願いするのが常道であろうと思いますが、そういう事情でございますので、いずれ補正を組みましてお願いしたいと思います。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 おかしいですね。いつでも何か事業量をふやすような場合には健全財政だという。この穴埋めする場合も健全財政だということは、やはり持ち出して、この臨時国会中にやらなければならないと思うのです。それをやられないということは、おそらく無理だということなんですね。すでに事業が着手せられあなた方が査定する場合でも、相当暫定々々で組んだあとであるから、年度内にできるかできないかで、ずいぶん長い徹夜までして、だいぶ予算折衝をされたのじゃないですか。そうするとあの予算折衝は非常に甘かったということになるのですか。甘かったから事業量がまだ未完成で、年度末までに未完成の分がたくさん出る、こういうふうにお考えですか。どうですか。

原純夫大蔵事務官(主計局次長)

○原政府委員 要するに先ほど来申し上げましたように、お困りだろうが一つお願いするということで今お願いしておるわけであります。甘かったかどうか、そういうようなつもりでやったのではございませんので、地方財政は私どもとしては、ことしはやはり地方財政計画というものを自治庁と打ち合わせていろいろ節約をしていただく。こちらも出す金は年度当初の案には出したわけでございます。それが実行上非常に大きな穴があく、そのこと自体にも相当深い問題がありまして、いろいろ論議を戦かわすわけでありますが、とにかく困るのだからということでやっておりますので、たびたび申しますが、困難であろうが一応お願いしてということでありますので、一つ御了承いただきたいと思います。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 もう一点だけにしますが、それは大蔵省がお願いする、お願いするという問題じゃないと思うのです。これは大蔵省がお願いすべき問題じゃないと思う。また実施庁の行政官が大蔵省のお願いだからということで聞き届くべき問題じゃないと思う。各省の実施機関は、大蔵省から与えられたところの配分を受けた予算を、いかに誠実に、いかに能率的に執行するかということが任務なんですよ。その任務を怠れというようなことを大蔵省から頼まれたということで怠るなんてことが許されますか。私は断じて許されないと思う。与えられたところの職務をできるだけ能率をあげないようになんて大蔵省から頼まれて、さようでございますかというような日本の行政官があったら大へんなことですよ。やはり私はその任を負っている以上は、その任に対して忠実でなければならぬ。あなたが忠実である以上に、実施官庁の行政官もまた配分を受けた予算に対して十分その効率をあげるように、その効果の上るように、事業成績が上るように努めることが任務だと私は思う。それが最高の任務だと思う。大蔵省から頼まれたから、できるだけ少し仕事を延ばして予算を余そうなんて考え方は不都合きわまることです。あなたはそこまで強要できると思っていますか。私は法律に基かないでさようなことは強要できないと思うのです。

原純夫大蔵事務官(主計局次長)

○原政府委員 もちろん大蔵がそうせよとか、そうお願いするとかいいますのは、ごく感じと申しますか、雑駁な気持を申し上げましただけで、やはりそれは政府としてはっきり意思決定をし、また国会にも補正をお願いして最終確定になることであります。もちろんああいう措置をして金をこの際出すというについては、そのめどがなくちゃならぬ。そのめどはどうするという意味での政府部内の腹固めというものはある程度もちろんお願いしてございます。従いましてそういう意味で申しておりますので、決して大蔵省のものが指図とかお願いとかいうような筋合い、成り行きのものではございません。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 そういたしますると、政府が、とこういうのですが、河野農林大臣は、事業量を縮少するとか減らすとかいうことは、政府部内としては考えていない、年度末に不用額が出れば、それは使用未了分については考えなければならない、こういう答弁をなさっておる。未使用分は、これができた場合においては、事務が停滞したり、あるいはその他の天然的、自然的条件あるい人為的な障害によって遅滞ができて執行できなかった場合は、これは当然国庫に入るべきもので、あるいは繰り延べにするか、これはまた別問題だと思う、そういうことを考えているので、事業量の縮少などは毛頭考えていないというようなことを、この委員会ではっきり言っております。大蔵当局と大分答弁が違うのですな。この点どうでしょうか。

原純夫大蔵事務官(主計局次長)

○原政府委員 それはちょっとただいまのところはまだ何とも申し上げかねるということだろうと思います。先ほど申した通り、事情が全部変って、この工事はもうやらなくていいというようなことになったものは別として、大部分のものが工事自体としては、やはり資金的には来年度の資金を食うにしても、やることになりましょう。その場合に事業量を縮めないという考えは、おそらく来年度の予算で予想される公共事業費のワクと、そのほかにこの分をのっけてつけるのだという御意見かと思いますけれども、その辺のところは、三十一年度予算全般の中でどうなるかということは、これから数十日の間にきまって参ることなんで、どちらとも申し上げられないというふうにしか申せない段階でございます。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 今事務当局の答弁だと、政府の閣僚の答弁と大分違うわけです。あらためて大蔵大臣、農林大臣を対決してみなければ、氷解しないと思いますから、その手続をおとりになるようお願いいたしまして、私の質問はきょうのところはこれくらいで打ち切ります。あとは保留いたします。

村松久義自由民主党

○村松委員長 本日はこれにて散会して、明日の議事日程は、北洋漁業の問題と、ただいまの公共事業の残余の点を追加いたして上程いたします。時間は後に御相談の上、公報をもって御通知いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時九分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗