農林水産委員会 第1号
- 発言数
- 45 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1955/11/30
会議録
○綱島委員長 これより委員会を開会いたします。 この際新旧農林政務次官よりあいさつをしたいというお申し出がございます。発言を許すことにいたします。
○吉川久衛君 本年の三月二十三日から農林政務次官に就任をいたしまして以来まる八カ月間にわたって、ことに二十二特別国会においては格別皆様方の御協力、御支援をいただきまして、大過なきを得たことは、皆様方のあたたかい御芳情のたまものと深く感謝をいたしております。私は去る二十二日をもって退任をいたしました。在任中の御厚意に重ねて感謝の意を表する次第でございます。どうもありがとうございました。(拍手)
○綱島委員長 大石政務次官。
○大石政府委員 大石武一でございます。このたび吉川さんのあとを受けまして農林政務次官に就任いたしました。皆様もよく御存じのように、経験もきわめて浅く、農林行政についての知識もほとんど持っておらない者でございます。しかし一生懸命に勉強努力いたしまして、河野農林大臣を助けまして、日本の農民の生活を少しでも豊かな方面に持っていきたいと念願いたしております。何とぞ皆様のあたたかい御鞭撻と御協力によりまして、無事この任務を果しまして日本の農政に多少でも寄与することができますようにくれぐれもお願い申し上げる次第でございます。(拍手) 〔委員長退席、稲富委員長代理着席〕
○稲富委員長代理 次に国政調査承認要求の件についてお諮りいたします。御承知の通り委員会は議長の承認を得て、その所管に属する事項について、国政に関する調査をすることができることになっておりますので、この機会にその承認を求めることにいたしたいと思います。つきましては調査しようとする事項は前国会通りとし、その他衆議院規則第九十四条に規定する事項は委員長に御一任願いたいと思いますが、これに御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○稲富委員長代理 御異議なしと認めまして、さよう決定いたします。 それでは調査する事項といたしまして一、食糧に関する事項、二、肥料に関する事項、三、畜産に関する事項、四、蚕糸に関する事項、五、農地に関する事項、六、林野に関する事項、七、農業制度に関する事項、八、公海漁業及び沿岸漁業に関する事項、九、漁港及び漁船に関する事項、十、農林業団体及び水産業団体に関する事項、十一、農林災害及び漁業災害に関する事項、十二、農林水産金融に関する事項といたしまして承認を求めることにいたします。 —————————————
○稲富委員長代理 引き続き、これより今第二十三国会において、政府において提出を予定されている農林水産関係法案があれば、この機会にその概要並びに見通しを御説明願いたいと思います。谷垣官房長より御説明を願います。
○谷垣説明員 それではこの臨時国会に提出を予定いたしております農林省関係の法案について御報告いたします。実はこの法案は大蔵省所管の法案でございますが、食糧管理特別会計法の一部改正がございます。これは特別会計でございますし、この主管は大蔵の方の委員会になりますが、農林省にもちろん関係がございますので、御報告申し上げたいと思います。これは第四条の二の「本会計ノ負担ニ属スル証券、借入金及一時借入金ノ額ハ通シテ最高二千六百億円トス」とこのように現行法がございますのを、この借入金の限度を三千五百億に訂正する、こういうことでございます。改正点はそれだけでございます。これは米の買い入れが増加いたしておりますので、そのための措置としてこういうように改正いたしたい、かように存じているわけであります。それ以外にはこの臨時国会に対しまして農林省関係から法案を提出する予定は現在のところございません。ただし農林省と関係のあります法案で議員提案として継続審議中のものがございます。一つは、これはむしろ厚生委員会の方にかかっているわけでございますが、調理改善法案というものが継続審議中でございます。これはしかし議員提案でございます。それから参議院の方の議員提案でやはり中央卸売市場法の一部改正が継続審議をいたしております。その二つが農林省の関係がありといたしますならば関係があるものでございますけれども、今申しました通りにそれぞれ継続審議あるいはまたほかの方からの提案という格好になっております。当委員会に直接お願いをいたしますような法案は、現在のところ臨時国会に対しては予定をいたしておりません。
○稲富委員長代理 次に来年度予算の編成期にあたりまして政府においては種々準備中であると思いますが、時に農林省においては、来年度の農林水産行政に対し、いかなる計画をもってその事業を推進されようとしているのか、及びその裏づけとしての予算に、どれだけの額を要求されようとしておるのか、これらの点について、昭和三十年度の予算要求額と、その成立額との対比において、この機会に農林当局の御説明を承わりたいと思います。
○谷垣説明員 三十一年度予算でございますが、これは現在大蔵当局と折衝をいたしておるわけでございます。その概要を申し上げたいと思います。 お手元に資料といたしまして、「昭和三十一年度概算要求について」というやや薄いものと、それから「昭和三十一年度概算要求事項別一覧表」といたしまして、かなり部数の大きなものと、両方をお渡しいたしていると思います。便宜上それによりまして御説明をいたしたいと思います。 三十一年度における方針といたしましては、大体このように予算要求の方針を農林省としてはきめて参っております。一つには、農林水産経済計画の推進、これは現在審議会及び企画庁の方で、審議会等に対しまして諮問をいたし、審議をいたしているわけでございますが、この中に、農林水産経済計画がございます。それとにらみ合いましての計画を達成いたしていくための裏づけになる予算を要求いたしておるわけであります。それから試験研究機構の整備機構を強化いたしたい、かように考えております。三つには、農林水産物の輸出振興に関して力を入れていきたい。四つには、流通改善対策及び資材の対策を講じていきたい。五つには、国際協力事業の強化をいたしたい。六つには、草資源対策等を強化いたしまして、畜産生産の増強をいたしていきたい。七つには、災害復旧事業を促進いたしたい。八つには、補助金制度を改善いたしまして、新しく農業改良基金制度等を設けていきたい。九つには、農山漁村のいわゆる低位生産地帯の振興に関しまして、総合助成方式を拡充いたしたい。さらにこれらの予算等の問題と連関をとりまして、融資の積極的活用をはかっていきたい。大体このような大きな柱を重点の目標といたしまして、予算を編成して参りました。 かようにいたしまして、総額を申しますと、三十一年度要求は、いわゆる農林省関係予算の総額といたしまして、千六百四十七億の概算要求をいたしております。これに比較いたしまして、三十年度に成立、御協賛を受けました予算は、九百五十一億であります。概算要求といたしましては、成立予算に比較いたしますと、七三%の増ということになっております。これらの農林関係予算の中には、北海道庁の関係で総理府所管になりますもの、あるいは金融公庫に対する財源といたしまして、二百億の大蔵省所管に属しますもの、あるいは営繕関係で若干の建設省所管に属しますもの等、農林関係ではございますが、区分上そう持っていきますものがございますので、それを除きまして、純粋な農林省所管という格好になりますと、千三百五十五億の概算要求に相なります。これに対しましての三十年度の成立予算は八百八十一億、こういうことに相なっております。なおこのほかに食生活の改善、いわゆる学校給食等の経費が十七億程度、三十年度と同様のものがつけ加わることに相なっております。大体総額にいたしましてはそのような状況でございます。 これらの先ほど申しました大きな項目に関しましての内容につきましては、概略を申し上げますと、いわゆる農林水産経済計画の推進といたしましては、耕地の拡張及び改良等によりましてこの経済計画が触れております計画によりますと、六カ年間に八百五十四万石の増産を目途といたしております。これに対しまして昭和三十一年度におきましては百三十八万石の増産ということに相なるのでありますが、それを目途にいたしまして予算の裏づけをいたしていきたい、かように考えております。なおこの経済計画は現在審議中でございます。ほぼこの計画と相似た結論に相なるかと思いますけれども、現在それぞれ審議会あるいは企画庁の方で検討をいたしておりますので、その結果によりますと若干の変更があるかも存じませんが、予算要求といたしましては、従来六カ年計画として農林水産計画がございます。それによりまして要求をいたしております。耕種改善におきましては米麦合せまして六カ年間に約五百万石の増産を目途といたしまして、三十一年度予算には七十七万石の増産をはかる、こういう計画にいたしております。水稲の健苗育成とか、耕土培養等の諸施策を講ずることに相なるわけであります。それから治山治水関係に関しましては、三十年度から引き続きましての水源林の造林等の拡充をいたしますほか、奥地未利用林の積極的開発、あるいはまた治山事業の推進をはかっていきたいと考えております。 漁港整備につきましては、従来ありまする漁港整備計画に引き続いてこれを推進していく。 第二点の大きな柱にいたしておりまする試験研究機構の整備拡充でございますが、これはまだ仮称でございますが、農林水産技術最高会議というような機構を作りまして、現在ありまする試験研究のかなり基本的な計画あるいは試験研究機関相互間におきまする研究調整というようなことをいたして、農林関係の試験研究に関しましての積極的な推進をはかっていったらどうか、かように考えて要求をいたしておるわけであります。 そのほかにそれぞれ原子力関係の利用に関しまする研究を推進する必要がございますので、これらの施設整備をいたしますほか、これに関しまする技術者を海外に派遣いたしまして研究をさせたい、かように考えております。 なおそのほかに従来試験研究機関に対しまする経費等は、たとえば事務費、研究費と申しますか、そういうような関係は、半分以上が人件費に食われているというような状況でございましたので、来年度要求におきましては、それを人件費とそのほかの事務費、研究費というようなものの比率を引き直しまして、人件費が五割以上を占めるというような状況でなく、もっとそれを少くするような形において予算要求をいたしておるわけであります。なお施設等の拡充あるいは整備等に対しましても引き続いてやっていきたい、かように考えておるわけであります。 それから農林水産物関係の輸出振興の点でございますが、このためには従来やっておりましたような生産費低減をいたしますあるいは製品の品質改善をいたします諸施策を、引き続いて推進していきますほかに、輸出全般の需要増進あるいは海外市場の調査をいたしますために、ニューヨークとロンドンにその調査事務所を一つ設けたいというふうに考えております。特に生糸、サケあるいはマグロ等につきましてはそれぞれの国際的な機関がございますので、それらのものとも連係をとってやっていくように考えておるわけであります。なお輸出農林水産物におきましては、その生産が季節的に制約されておりますために、取引上の不利がほかのものに比べてあるわけであります。これらの不利を除去いたしますために、輸出農林水産物に関します信用基金を設置いたしまして、それらの業者が輸出農林水産物の取引をいたします際にそれぞれの金融機関から融資を受ける際の保証をやり得るようにやっていきたい、かように考えております。 それから四番目の大きな項目であります流通改善及び資材対策の問題でありますが、これに対しましては中央卸売市場の整備をはかっていきたい。あるいは枝肉市場——現在まで整備されておりませなんだ畜産物の流通改善のために枝肉市場の整備をはかって参りたい、かように考えて予算要求をいたしております。なお畜産物の流通改善におきまして、やはり同様の趣旨で流通改善のための必要なる信用を付与いたしますために、畜産物関係の信用保証制度を創設いたしたいと考えております。 それから肥料、農薬の需給安定の点でございますが、これは全購連あるいは県連等によりまする従来のやり方——保管事業をやりますやり方を引き続いてやりますほかに、購入飼料の対策としまして食管特別会計による操作数量の拡大と売り渡しの価格の適正化をはかっていきたいと考えております。 五番目の柱であります国際協力事業等の強化に関しましては、従来デンマークあるいはアメリカ等に派遣しておりました農村の青壮年を、もう少し派遣する国を広げましてスイス、あるいは西独あるいはまたブラジル等に派遣をいたしたい、かように考えております。 それから草資源の問題でございますが、これは御存じのようにすでに農林省の方といたしましては、畜産局内に、分課規程を改めまして草資源の改良をする課を置き、あるいはまた草資源対策のための調査会、協議会を開きまして、関係方面のいろいろな御意見を聞いておるわけでありますが、そのほかに予算措置といたしましては、草資源に関する試験研究あるいは草地改良事業の推進等を特にはかるために、それぞれの予算を要求しておるわけであります。 それから災害復旧事業の促進でございますが、これは要求といたしましては、二十九年度災害までは百パーセント復旧をいたしたいと考えまして、そのような予算要求をいたしておるわけであります。なおこれには従来いろいろと問題がありました災害の査定をいたします人間等が非常に不足いたしておりますし、そのために問題が起き、あるいは後ほど地元の方に御迷惑をかけるようなことも間々ありましたので、これの査定する機能を強化していきたい、かように考えております。 それから八番目には、いわゆる零細補助金と申しますか、主として農業改良局所管の問題でございますが、補助金のいろいろな零細なものその他につきまして議論がございます。これに対する対策といたしまして、この補助金制度の合理化をいたしますために新たに農業改良基金制度を設けたいと思うのであります。これは無利子で一定の金を貸すやり方と、それからその他の施設に関しましては低利な融資をいたしていく、あるいは損失補償を考えるという考え方でございます。従来あります補助金をよしてこれに全部切りかえるというわけではございませんが、要するに従来農山漁村に関します技術普及を目的としておったような補助金で技術的な要素の強いものは、従来の補助のやり方を初期の段階にとどめまして、そのあとこの新しい貸付金制度のやり方でもつていく、こういう考え方に立っております。従いまして従来補助金でありましても、数年たちましてある程度普及の効果をおさめた、危険度といっても若干パイロット的な役割をも果したというようなものに対しましては、この制度に乗りかえていくやり方をとりたいと考えております。 なおそのほかに人件費等の補助に関しましても、補助単価をふやしましてやっていきたい。あるいは土壌改良などの問題において機械の貸付制度を国有にいたしまして、国有貸付制度に切りかえたい、かように考えておるのであります。 なおそのほかに総合助成の方式を拡充していきたいと考えております。九番目の柱であります総合助成方式の拡充によりまして、低位生産地帯におきまする農山漁村の振興をはかっていきたいと考えております。これは従来ありました積寒地帯のみではなく、引き続きやるわけでありますが、そのほか特定の山村も加えましたやり方をやって、総合助成方式をやりたいと考えておるわけであります。なお沿岸漁村の振興のためにも同様のやり方をとって、総合助成方式をとっていきたい。単に漁業だけでなく漁村というものを対象にやっていきたい、かように考えております。 さようなわけで冒頭に申し上げましたような総額の要求をいたしておるわけでございます。 これをそれぞれの項目に申し上げまするとかなり長くなるかと思いますが、総額におきまして千六百四十七億、これは三十年度の九百五十一億に比べまして大体七割程度の増加になっております。なお三十年度予算の概算要求をいたしましたのは約二千五百億程度やったと思います。それに対しまして九百五十一億の三十年度の予算が成立した、こういうことになっておる。それに比較いたしますと、このたびの三十一年度の予算概算要求自体は相当に検討いたしまして、いわば圧縮をいたした形で要求をいたしておるわけであります。 なお農林漁業金融公庫の問題でございますが、この三十一年度の貸付計画は、一応四百五十五億の計画で要求をいたしております。その原資は一般会計から二百億、預金部の融資から二百五億、それから金庫自体の回収金が五十億、かような計画で四百五十五億という計画をいたしておるわけでございます。 五ページに今度入りたいと思います。五ページの主要事項別の説明でございますが、この一の食糧増産公共事業は先ほど御説明を大体いたしましたので御了承願いたいと思います。主要農産物の増産対策に関しましても、大体の数字を先ほど御説明したわけでございます。この施策といたしましては、先ほど申し上げましたような農業改良基金にかなりのものが吸収をされております。この水稲健苗の育成であるとか、西南暖地の生産力増強対策あるいは通し苗代の解消、耕土培養、イモゴやアカホヤの特殊土壌の対策等は農業改良基金に入っておるわけであります。 それから植物防疫でございますが、従来の国有あるいは県有の防除機具の整備のほかに、新たに三十年度から市町村段階における機具の整備が行われておるわけでありますが、これも三カ年計画、三十三年度終了を目途といたしましてやっていきたい、これがつけ加わっております。 それから土層の改良でございますが、これは先ほど申しましたように、火山噴出物の堆積地等に大型トラクターでやっていく、これは国有機械にいたしまして、貸付制度でやっていきたい、かように考えております。 原種圃関係は、従来のやり方をそのまま広めていく考えであります。 草資源の問題は、これも大体先ほど御説明をいたしたのでございますが、畜産生産の増強に関しましては、そのほかに畜産経営の改善合理化をはかりますために、中央畜産会及び都道府県畜産会によりまする畜産経営の診断をいたしまする指導体制の確立をはかっていきたいと考えております。さようにいたしまして現在ありまする四百万の有畜農家のうち、約二十万農家について三十五年を最終目標といたしまして経営診断を行なっていく。これで大体三十一年度におきましては四万戸の農家の経営診断を行いまして、乳牛の繁殖障害あるいはまた畜産に対しまする農家の経営全体につきましての指導をいたしていきたい、かように考えておるわけであります。 それから種畜の導入でございますが、これは六カ年計画にも、やはり家畜増殖の計画を立てておりますので、それによりまするほかに新しく従来ありましたジャージーの導入を、今度は新しく世銀の融資を利用いたしまする導入方式を設けていきたいと考えております。 養蚕振興に関しましては、従来ありまする稚蚕の共同飼育あるいは、共同桑園、共同防除等の施設を三十一年度をもって完了させたい、かように考えております。なお三十年度から始めております桑園改良のための改植展示圃の増設等をやっていきたい。それから桑苗の導入をいたしまして桑園の能率を増進するわけでありますが、これは新しく設けられました農業改良基金制度において融資の対象としてやっていきたい、かように考えております。 なお生糸の輸出振興のために品質の改善を急速にやる必要がございますので、蚕糸試験場、生糸検査所等の措置とともに、府県の試験場におきまする蚕品種の調査、それから繭検定所におきまする練成及びラウジネスの調査等をやっていきたいと考えております。 それから治山治水対策でございますが、これは従来やっておりましたやり方をさらに拡充してやりまするほかに、特定地域につきましては林道、造林事業を中心といたしまして集約的な開発方式をとりますために見返り円の利用を考えていきたい、かように考え ております。 それから山林の保続生産振興等は、従来ありまするやり方をいたしまするほかに、挿木造林の優良穂木を確保するための採穂園を設置いたしまして、これに助成を考慮したいと考えております。 漁港修築は、先ほど申し上げました通り、農林水産経済計画によりまして要求をいたしております。 水産の振興の問題につきましては、従来のものを引き続きにやりますほかに、新技術としましてノリの種場の造成事業を行うことにいたしております。さらに沿岸、沖合い漁業の転換を策しまして、機船底びき、まき網漁業の試験操業をさせるほかに、インド洋、太平洋におきますカツオ、マグロ漁業、それからベーリング海におきます底びき漁業等の調査を継続してやらせることにいたしております。なおアルゼンチンあるいはメキシコ等におきます漁業調査の問題は、その方面に対します漁業移民の問題とも関連をもちまして、三十年度より引き続きやっていきたい、かように考えております。 それから技術改良普及組織の強化の問題でございますが、これは先刻御報告申し上げました改良基金制度といわば非常に関連の多い形を考えていきたいと考えまして、そのためにも技術改良普及組織の整備強化をはかりたいと思いまして、各部門ともに普及員の増員あるいはまた補助単価の増額を考えておるわけであります。これは蚕糸、林業、水産等の問題におきましても、それぞれ職員、普及員の増員を考えたいと思っております。 試験研究事業は、先ほど申しましたような技術最高会議、仮称、等のものを設け、あるいはまた原子力の利用等の問題につきまして、それぞれ経費を上掲しますとともに、設備費等に重点を置いて参りたいと考えております。 資材対策につきましては、先ほど大体御説明を申し上げました点に尽きるかと思います。 十二の農畜水産物の消費流通改善、これは先ほど少し落しましたが、枝肉市場等の整備とともに、牛乳製品の消費を促進いたしますために、農協にクーラー・ステーションを設置いたしたい。これに対しまして補助を与えるというやり方を考えております。なお信用保証制度を創設して、それぞれの飼料の共同購入あるいは牛乳の集荷あるいは鶏卵の共同出荷、冷蔵あるいはまた羊毛の共同販売、これらの事業資金を円滑に調達いたしたいと考えております。 食生活の改善対策は、今年も引き続きまして学童給食を実施いたすやり方をとっていきたいと考えております。 輸出振興対策は、先ほど申し上げましたように、ニューヨーク、ロンドンに日本輸出農林水産物振興会の出先機関としての事務所を設けてやっていくやり方と、輸出農林水産物の信用基金を設置いたしましてやっていくやり方を中心に進めていきたいと考えております。輸出農林水産物の信用基金は二年計画で、政府の出資は二年とも三億、それから民間からは一億ずつの出資にいたしましてやっていきたいと考えております。 それから農山漁村の振興の総合対策、いわゆる低生産地帯の農山漁村に関しましては、先ほど申し上げました通りに、積寒地帯のみを対象としておりました従来のやり方は引き続きやるわけでありますが、さらにこれを広げまして特定山村に拡充したいと考えております。 移民及び入植の対策でありますが、三十一年度の新しい考え方といたしましては、海外移民におきましては、ブラジルならブラジルの受け入れをいたします受け入れ国で、向うの人で非常に熱心に日本の移民に対して活躍をしておられる人あるいはまた日本移民を受け入れる場合において非常に有力な方々、こういう方々があるわけでありますが、そういう人たちを日本に招待いたしまして、日本の現状をよく見ていただくというようなことを考えまして、その経費も要求いたしておるわけであります。そのほか現地調査事業等、あるいはまた海外移住協会の行いまするところの募集、講習等の事業に対しまして助成をはかっております。 国内の入植の問題に関しましては、特に開拓地の営農指導を強化いたしたいと思いまして、指導員の強化をはかっております。そのほかは開拓資金の特別会計の資金を増加し、あるいはまた開拓融資協会に対しまする政府出資を増額いたしまして、これによる資金の活用をはからしていく、あるいはまた不振開拓地がございますが、これらに対しましては総合的な営農指導あるいはまた建設工事等、総合的な指導を強化していきたいと考えております。なお特に上北、根釧等大規模の機械開墾をいたしまするところにおきましては、これの営農の確立をいたさねばならないと思いますので、現地に営農指導所と試験圃を作る、あるいはまた入植者のために必要な営農上の訓練、あるいは機械を使いますから、その機械開墾の技術者の訓練等を実施したいと考えております。 なお次の農業保険でございますが、この農業保険に関しましては、予算の要求は一応現行制度を維持するという建前で、その運営に必要な経費を要求いたしております。なおしかし町村合併等によりまして共済組合が整理統合をされておりますので、その整備強化をはかる必要がございます。従いまして事務費の国庫負担金を増額、あるいはまたそれぞれの職員を強化する等の措置をはかっていきたいと考えております。 災害対策でございますが、これは先ほど申し上げました通りに、二十九年度災害までは全部完了したい、こういう建前で予算要求をいたしております。なお査定業務を完全にやりたいために、これの査定官を増員、あるいはまた県の係官その他これに関しまする職員の講習を行うことは先ほど御報告申し上げた通りであります。 農林漁業団体でございますが、これは農業委員会制度につきましては、予算要求といたしましては、現行体制のままで所要の予算を要求いたしております。そのほか農協あるいは漁業組合等の再建整備事業は従来に引き続いてやることになります。なおその常例検査の増額をはかっておるわけであります。新たな問題といたしましては、協同組合につきましては調整勘定益金がありますが、調整勘定益金を財源にいたしまして、各府県の中央会に基金を設け、そしてその基金と信連の資金の供給とを結びつけまして不振組合の振興をはかっていきたい、不振組合対策として調整勘定益金を利用していきたい、かように考えております。 国際協力事業は、先ほど申し上げました通りでございますが、従来ありましたようなもの、また今後拡大していきますようなもの、国際会議の参加であるとか、あるいは賠償事務の処理でありますとか、あるいは漁業条約の交渉というように、国際関係の処理に必要な部門がかなり拡大されておりますので、これに必要な経費を計上いたしております。そのほか国連の技術援助計画に伴いまするエキスパートの受け入れ、あるいはまたそれに伴ってこちらからそれぞれの国々のところへ人を派遣する等につきましては、従来やりましたものを拡大して考えております。 なお農林水産業の生産性向上本部というものを作りまして、そしてその事業に必要な調査事業等につきまして委託をいたしたい、かように考えております。 統計調査事業に関しましては、従来やりましたものを継続あるいは整備いたしますが、特に被害調査の精度を上げる必要がございますので、講習をやりますほかに、その機動力を充実するものとして、オートバイでありますとか自転車でありますとかいうものを整備いたしたいと考えております。そのほか、米生産費の精度向上でありますとか、あるいは一般物価賃金調査をもう少し精度を高める、あるいはまた林業経済の調査をやりますとか、養蚕統計の地帯別推計を実施する等のことを考えまして、その裏づけの予算を要求いたしておるわけでございます。 大体の御説明は以上でありますがあともし各局別にいろいろございましたら、予算課長等が来ておりますので……。
○稲富委員長代理 それでは、ただいま御説明のありました来年度予算につきまして質問を許すことにいたします。——川俣君。
○川俣委員 ただいまの説明では、いろいろわかったようなわからぬような説明になっておるわけでありますので、資料の追加をお願いいたしたいと思います。 第一は、説明の中にいろいろ農産物の見返り円の活用というようなことが出ておりますが、この見返り円の活用の総額及び内容について資料をお出し願いたいと思います。 次には、いろいろ補助金の整理が行われるようであります。この説明は、新たに農業改良基金制度を設けて、農山漁村への技術の普及を目的とする補助金は、技術的な要素の強い初期段階にとどめ、ある程度の普及の効果の上ったものについては貸金制度に変えていく、こういうことでありますが、あとの方の内容になりますると、この説明と違ったような、土地改良事業にまで補助金の打ち切りが行われるようであります。そこでいよいよあいまいになってくるので、一体どういう補助金を打ち切るつもりか、この補助金の打ち切りの内容をもう少し具体的に説明してもらいたい。あとの方の説明によると、等ということでにおわせている。前の基本的なものと、あとの具体的なものになってくると——通し苗代の解消などは、これはわかるのです。あるいは健苗育成等もこれはわかるのですが、耕土培養とか、西南暖地の生産力の増強対策なんということになると、今までの常識から言うと、技術面のことだというようなことの説明にはならない。説明と具体的な内容と変ってきているので、一体どういうものを具体的に補助金整理の対象にしているのか、これがはっきりしてこないと、説明でちょろまかして内容でさらにごまかすようなことでは説明にならない。そこでこの点を明らかにしてもらいたい。 第三は、現行制度はある程度改正しないという建前で予算が組まれておるようでありますが、兼職の大臣の説明によると、公団とか公社とかそういうものも統合していく、あるいは団体の再編成も行うということになっておりますので、そういう点の見通しについてはどういうお考えでおるのか。さらに愛知用水公団ができておりますが、これらもまた公団法の整理によりましてこれの対象になるのか、現行通りだといたしますれば、この事業計画の内容も、前の国会で説明されたのが、その後においては変更されておるようでありまするから、本委員会としてはやはり無関心ではおられない点でありますので、しっかりとした事業計画をお示し願いたいと思うのです。 それからさらにいろいろな団体のことを現行通りということになっておりますが、おそらくこれは現行通りではないのじゃないかと思うので、どういうようなことが考えられておるかというだけでもよろしいです。これはきょうは無理だと思いますから、いずれあとの機会でもよろしいが、そうしたことについても、もう少し詳しく説明がなければならぬと思うのです。 それからもう一つ重要なことは、これらの予算提出に伴う概算要求を大蔵省にされておるのでありますが、これらに関連して当然法律の改廃が問題になってくると思います。その予算要求と法律の改廃の問題についてどのように考えておるか、あるいはこの臨時国会並びに通常国会に農林省としてはどういうような——これは予算要求に伴うものももちろんのことでありますが、その他の法律案の準備がありましたならば、概要でよろしいですから、要綱でもよろしいし、構想だけでもよろしいから、次の機会にお願いいたしたい。いずれ明日再開されますので、資料としては明日お昼ごろまでに御提出願いたい。委員長からも要求を願います。
○谷垣説明員 今川俣委員からお話がありました点、それぞれ手配をいたさなければなりませんが、今ここでわかっておりますることをちょっとお答え申し上げます。 余剰農産物の問題につきましては、これはまだ具体的な成案のところまで実は至っておりません。ただ今御要求のありましたワク等の問題がございますので、これは資料を提出いたすことになると思います。しかし内容的には関係各省の間でもまだ打ち合せが十分進んでおりません。 それから農業改良基金の問題でございますが、土地改良等に関してこれが改良基金に入っておるのはおかしいという御意見、これは大体三十二ほどの補助がここに吸収された形になっておると思いますが、これもいずれ詳しいことは各局から御説明する重要な問題であろうと考えておりますが、先ほどの西南暖地とそれからそのほかの土壌改良と申しますか、そういう問題でございますが、御存じの通りに西南暖地のこのやり方は、種もみでありますとか、油紙でありますとかあるいは農薬というようなものを購入いたします際の補助金というものが、実は従来のやり方であったかと思いますので、そういうような内容でありますので農業改良基金の方に加えるのが適当ではないかと考えたわけであります。 それからそのほかの土壌改良の問題があるわけでございますが、やはり九州南部あるいは四国等のアカホヤの土壌改良の問題を考えますと、これは炭カルあるいは燐酸等の資材を投入いたしまするそれの購入に対する補助、こういう格好になっております。その他この土層改良といたしましての火山灰の堆積いたしましたようなところを混層いたします問題でございますが、これはトラクターを今度は国有貸与してやって参りたい、貸与いたしますのでそれに必要な若干の金がかかるわけでありますが、そういうものを融資していきたい、こういう考え方でございます。たとえばいわゆるシラス地帯のようなすっかり土壌を取りはずしてやっておる、農林省の方からいうと、農地局の所管しておりますような土地改良事業、これはこの中に含めてございません。いずれこの農業改良基金全体におきます中のいろいろな問題を御審議願うことに相なるものと思いますが、そういうようなことでありますので、いわゆる土壌改良あるいは土地改良という概念の中で、大規模なものと申しますか、農地局所管のようなものはこれに入れておりませんので、一つ御了承願いたいと思います。 それからなお現行制度の変更の問題がございましたが、これはちょっと資料等の問題と違うかと思いますので、これまた御審議をしていただく問題ではないかと思いますが、これはたとえば農業委員会制度の問題等に関しましてもまだ諮問の答申等が行われていない、これは近く行われるかと思いますが、そういう状態でございますので、それらの答申を受けまして、そして今後研究を続けていく問題になろうかと思います。予算を要求いたしますのは時期的にどうしても無理があります。そういう格好で進めて参っておるわけでございます。これは共済問題につきましても、予算要求の段階ではそういう格好でせざるを得ないことで、これも今後の構想としましては十分検討いたさねばならぬのでありますが、予算要求のところではそういうふうに御了承願いたいと思います。 それから愛知用水等の公団の事業計画の問題でありますが、これは担当いたしております局の方からいずれ御説明をするようにいたしたい。資料等もお届けすることができるかと思いますが、そういうふうにお願いした方が適当ではないかと思います。 なお予算要求に伴います法律案その他予算を通します際に同時に通過しなければならない以外の法律案等の問題でございますが、先ほど申し上げましたように、臨時国会におきましては、あまり多くのものを考えていないのであります。通常国会におきましては、それぞれ関係いたします法案の御審議をお願いする仕儀に相なると思います。これはかなり広範に、たとえば予算に関しましても農業改良基金制度にしましても法律が必要でございますし、それから輸出農林水産物の基金も同様でありますし、その他それぞれあるわけでございますが、法案の概要、あるいはどの程度の数提出するかという問題につきましては、現在なお検討いたしております途中でございますので、もう少し時間をかしていただきまして、あしたの資料提出には今のところできておりませんので、一つ御了承願いたい。 以上大体ここで御答弁申し上げさせていただきます。
○川俣委員 今の説明で大体具体的にわかったようですが、第一の問題である余剰農産物の見返り円の利用につきましては、説明の中にはちょいちょい出てくるのだが、これはまだ固まっていない、こういう御説明なんです。固まっていないものを予算要求の中に説明されるのですか、おおよそのものはできているものだと思うのです。ですからその説明を願えればよろしいのですが、きょうは無理だと思いますから明日でもけっこうです。これがあるようでないようで、農林省関係においてはワクがきまったようであり、きまらぬようであり、何に使われるかということがはっきりしません。これはいずれ明日でも詳しく説明を聞きたいと思います。 それから改良基金制度については、農地局関係の土地改良については触れないということでございましたから、一応それで了承するのですが、あとの方の総合開発になってくるとこれまた土地改良に触れないわけにはいかないと思う。同じところで基金制度のところに出ているのですから。ところどころによってこの説明が変るような説明になるので、わかったようなわからないような問題が出てくる。これはいずれ具体的に説明されると了解がつくかと思いますので、もう少し詳しく内容を御説明願いたいと思います。
○谷垣説明員 先ほどの私の説明が不十分だったかと思いますが、総合対策と申しますか、それは改良基金の中には入れてございません。もちろんその総合対策をいたします場合にいろいろな改良基金を使いましてやることはあるかと思いますが、今ここでうたっております総合対策としていろいろな補助事業をやりたいと思っておりますが、そのことは直接には改良基金の中には入れておりません。そういう総合対策といたしましての対策にプラスしまして、農業改良基金制度を利用されるということがあるわけでありまして、従来やっておりました総合対策、積寒地帯、あるいは積寒地帯に似た方式を広げるわけでありますが、このことは改良基金の中に入れてございません。さように御了承願いたいと思います。それからなお予算に触れまして余剰農産物の問題が出てきたわけでありますが、これは奥地林開発の問題の点とそれから農業改良等の大規模な問題、予算に直接関係がありますのはこの二点だと思います。これらはこのお配りいたしました資料の十七ページをちょっと見ていただくといいかと思いますが、この中に農地関係だけでございますが、見返り円、世銀というふうに分けて書いてございます。大体この程度の金額も、最終的には先ほど申しましたように、見返り円の全体の計画がきまりませんと確定はいたさないわけでございますけれども、しかし前の国会以来非常に強く御要求がございましたように、見返り円を農林関係でできるだけ多く、半分程度扱えという御意見があったわけでございますが、そういう趣旨に従いまして交渉したあとそれぞれ出しておりますので、全体の額がきまらなければ最終的にはきまらないという筋合いではございますけれども、これらの点につきましては、かなり強くそれぞれ要求を関係の方面にもいたして、折衝しておるわけであります。というのは、これはかなり早く固まっておりますからで、また奥地林の問題等につきましても要求しておるわけであります。ところが見返り円全体はかなり方々に分れておりますので、それらの最終決定はかなりおくれましょうけれども、これらの今申しました土地改良であるとか奥地林というような問題につきましては、どうせ最終決定はあとになると思いますが、話が出るのではないか、こういう考え方でおります。
○川俣委員 この見返り円の四十六億八千七百万円ですが、これも大体内訳だけでもけっこうだと思いますが、最終決定がまだ固まっていないという御説明ですから、それは了承するけれども、予算に出しておられる内容だけでももう少し分類して資料を出してもらいたいと思います。
○稲富委員長代理 赤路友藏君。
○赤路委員 大体わかったのですけれども、今の特殊土壌関係は、このままではどうも一般的に誤解を受けるようですから、シラスとかボラとかコラというような土地改良分は別であるということを明確にしていただきたいと思います。それから漁港修築の説明書の中に外資の導入というものがあるのだが、これは一体どういう性質のものであるか、これが一点。それから水産振興でノリの種場を造成するということの新技術として、こういうふうにうたわれておるが、予算面を見てみると一向そういうものがないので、ただここへ書かれただけか、予算の裏づけがあるのかないのか、新技術というものは一体どういうものか、この点を伺いたい。それから農山漁村の総合対策なんですが、振興総合対策の中で希望村の振興施設ということがあるのだが、これは希望するところだけやっておるのかどうか、こちらの方で総合対策として新しいものは全然考えられていなかったのかどうか、以上三点だけお伺いしたい。 〔稲富委員長代理退席、委員長着席〕
○谷垣説明員 このアカホヤ等、ことに西南地帯におきます特殊土壌の問題につきましては予算課長の方から今詳しく御説明申し上げたいと思います。それから漁港の問題でございますが、これはやはり私たちの方としましてはある程度の見返り円を利用してやっていけるところがあればやっていきたいと考えております。しかしこれは全部使うわけではありません。それから総合対策の問題でありますが、これも予算課長の方から詳しく御説明をしたいと思います。
○昌谷説明員 先ほどからお話が出ております特殊土壌対策の関係の予算措置について、明年度の予算要求の補助金と基金制度との関係を申し上げたいと思います。 まず公共事業以外の従来一般の事業としてやっておりましたものにつきまして申し上げますと、シラス対策というのがございます。シラス対策につきましては、三十年度におきまして防災茶園と防災桑園をそれぞれ奨励をいたしております。この防災茶園防災桑園につきましては、施設の内容が種子代等のものに限定されておりますので、これは農業改良基金の貸付運用によって所要の種子なり苗なりを調達するというふうに変更いたします。それからヨナ対策につきましても、同様茶園、桑園の補助が三十年度において行われているわけでありますが、これも同様の趣旨におきまして五カ年計画の第三年目という意味におきまして、その計画目標面積を基金の貸付金によって行うことにしております。アカホヤの対策につきましては、従来ありましたもののうち、三十一年度におきましては効果確認補助の経費は引き続き補助で行うことにいたしております。他の事業は基金に繰り入れております。それからイモゴ地帯対策につきましては、トラクターを利用いたしまして土層の改良をやるわけでございますが、トラクターは六カ年計画の第二年目でございますが、三十一年度でもって予定台数の整備を終ることになっておりますので、主体を占めますトラクター購入費補助につきましては、従来の通り補助金として要求しております。基金の方に参りました経費は、このトラクターの運営に必要な油代でありますとか、その他いわゆる一時的な軽度の経費だけを基金の方で調達いたす、さように予定いたしております。 特殊土壌地帯の中で以上申し上げましたのが、従来改良局が耕種改善の一環としてやって参りました事業なんですが、このほかに御承知のように公共事業対策としてやって参ったものがございます。公共事業の方はシラス対策につきましても、ボラ、コラ、花崗岩地帯等につきましても、すべて従前通り補給金によりまして公共事業で実施して参る、さような考えで特殊土壌地帯対策につきましても、補助金と基金との明年度と今年度の予算の関連は、ただいま申し上げたようなことになっております。 それからノリ種揚の問題でございますが、新技術と申しますのは、ここでうたいましたのは、ブルトーザーを動員いたしまして、新規に種場造成をやる。それで貝がら等を置きましてそこにノリの種子の付着を人工的に促進いたしましてその胞子を竹に広げて参る。このブルトーザ一等の利用による人工的なノリ種場のやり方を新技術というふうに表現いたした次第でございまして、この関係は水産庁の水産増殖という関係の予算の中に盛り込んで要求をいたしております。 それから総合助成方式の問題でございますが、総合助成方式というのは先ほど来お話が出ておりますように、従来積寒地帯について行われておりました問題でございまして、希望云々という表現は、施設の行きます場所は特定いたしておりますが、ただその特定いたしました場所の町村で、いかなる施設によって振興をはかるかという、その補助対象の内容を特定いたしませずに、一カ町村に、百万円程度のそういった振興施設について、二分の一補助、つまり五十万円補助をいたしまして、その五十万円をもちまして何をやって参るかということにつきましては、ある程度のリストの中から希望に応じてと申しますか、現地の実情に応じてそれぞれ選択していただく、そういう一つの補助方式があったわけであります。この選択制のある総合補助方式がそういった特殊地帯におきましては地元の実情にも非常に適合するという状況でございますので、今後三十一年度におきましては、そのようないわゆる低生産地帯と積寒地帯のみに限らずに、その他の一連の特殊立法地帯とそれから特に従来十分補助の行き渡っておりませなんだ特定山村地帯と申しますか、特に林野率が非常に高いところを、一応予算で計算いたしましたときには林野率七五%以上の山村地帯といったものにつきましては、特に農山村としての総合的な助成をやっていきたいという意味から、従来のいわゆる積寒地帯についての総合助成方式をそこらまで広げて参った。これを町村数で申し上げますと継続地区が二百町村、新規に取り上げようといたしております一般地区が三百四町村、この継続の二百町村と申しますのは、これは旧制の町村の数であります。新規に取り上げて参ります三百四町村と申しますのは新制の合併後の新町村、従いまして、補助単価も従前の一町村五十万円を倍額に引き上げてやっていこうと思います。それから先ほど申し上げましたいわゆる林野率の高い特定山村地帯は、必ずしも全部がこの中に重複はして参りませんか、相当部分が今申しました継続二百、新規三百四の中に重複して出て参りますが、そこらの特定山村につきましても山村特有の施設を今申し上げました総合助成方式で付加してやって参る、大体一施設三十五万円ないし七十五万円のものを、今申しました一連の従前の施設のほかに、新規に付加して参る、さように考えておるわけであります。希望云々と申しましたのはそのような意味におきまして、具体的な施設は現地の希望によって選択の余地があるようにした、つまり何と申しますか選択制のある助成方式、そういう意味におきまして申し上げた次第であります。
○赤路委員 もう一点あるのですが、これは今の漁港修築の外貨導入ですね。これは外貨導入になっているのだが、どういうケースですか。
○昌谷説明員 漁港のところで実は外資と出ましたは、私ども文章が粗雑でございましてまことに申訳ないのでありますが、これはいわゆる外資ではございませんので、先ほど官房長からお答えいたしました意味の見返り円の利用でございます。見返り円と申しますのは、漁港の関連事業でありまして、従来公共事業費の補助が希望がありながら補助金としてなかなか実現しない、いつまでたっても補助の実現しないような関連施設でございます。そのようなものについて見返り円による融資によっての事業が可能であれば、それも考えてみたい、さような趣旨でございます。
○赤路委員 わかりました。 それから今の農山漁村の総合振興対策なんですが、特に積雪寒冷地帯の方にいろいろ従来とも重点を置いてやられておったと思うのでありますが、これは非常にけっこうだと思うのです。ただ問題は、今積雪寒冷地帯で一番困るのは、何といいましても裏作がやれないというところにあると思います。それで私の方からもあるいは水産庁の方からも改良局並びに経済局の方に積雪寒冷地帯の裏作としての養鱒事業に対するデータを出しておいたが、これを御検討願ったかどうか。御検討願ったとするならば、それをどういうふうにお取上げになったか、その点ちょっとお聞きしたい。
○谷垣説明員 それは内水面の養鱒でございますか。
○赤路委員 今までの養鱒事業というものは内水面養殖としていろいろやられてきたが、最近養鱒に対する技術が非常に進んで、そうして裏作として稲田に入れて養鱒をやっていくというケースが新しく現われてきているし、これは積雪寒冷地帯の裏作としての現金収入としては最も適切なものではないか。全部にそれを及ぼすということはなかなか困難であるが、少くとも三十一年度においては一つのモデル・ケースを作って、一カ所でも二カ所でもいいからおやり願いたいと思って、あらゆるデータを出しておいたのですが……。
○昌谷説明員 具体的に積雪寒冷地帯の裏作として養鱒事業ということでの取上げ方は予算面でいたしておりませんけれども、私ども今考えております実現の手段としては、先ほどもお話に出ました農業改良基金制度、あの中には、こまかく申し上げますと、従前いろいろ国が補助を継続しておったもの、あるいは補助の段階を過ぎたという意味で補助金の打ち切られたものをさらにもう一度貸付金あるいは奨励金にしておりますが、その中にそれぞれの地帯ごとの特殊な事情がございますので、全国的にこの事業というふうに取上げかねますが、特殊の局地的な要奨励事項が数々ございまして、それを充足する意味で改良基金の貸付金の中に県単事業という資金ワクを実は予定し要求いたしたわけであります。こういった形でそういうそれぞれの特殊事情に基く特殊の地帯的な奨励施策を改良基金のうちの県単事業という事業ワクの中でこなして参りたい。御指摘のような事業もそういう一連の事業としてやって参ったらいかがか、さように今考えております。 それから水産の方には、御承知のように内水面の問題としての養殖事業の奨励補助金がございますので、この方は御指摘の動き方とは従前必ずしも一致しておりませんけれども、これの運用によりましてある程度は考えられるのではないか、さように考えております。
○赤路委員 もうこの点はこれ以上は言いません。ただ先ほどの官房長の説明の中で輸出振興対策というものがあった、しかもその輸出振興対策のためにニューヨークとロンドンに駐在所を置くということ、これは農産物はもちろん水産物をも含めたもので、われわれもこれは最も望むところであり、けっこうなことであると思うが、これほど輸出ということに重点を置いて考えておられるのに、今日養鱒を見た場合、大きな需要の引き合いがあるにもかかわらず、年間四百トン程度しか——おそらく本年度あたりでも四百トンが最高だと思う。一つの見合いのケースが千トン単位なんです。それをまかない切れないというのが現在の日本の養鱒の実情なんです。これを単に養鱒事業家にやらすのではなくて、少くとも積雪寒冷地帯における農家の諸君が裏作ができない。その裏作として、ここで現金収入が二万でも三万でもできるということは、これは一つの大きな仕事じゃなかろうか。そのことは積雪寒冷地帯の特に零細な農民のふところを少しでも豊かにするという行政措置として最も適切なやり方じゃないか、こういうことで実はこの前からこの点を特に御研究を願いたいということを申し上げているのです。この輸出振興対策が出ましたので、特にそれとの関連において御考慮を願っておきたい、こういうことです。
○谷垣説明員 先ほどの養鱒事業は予算課長が御説明申し上げた通りなんですけれども、総合対策の場合は輸出の希望される施設に対しての補助金ということになっているわけであります。今の養鱒事業が、あるいはそういう意味の施設としてとられるかどうかということだと思うのです。もしも施設じゃなくて金の配付であるとかというような問題の形でありますと、先ほど予算課長が申しましたような改良基金なり、あるいは融資の問題があると思いますが、そういう格好でやられるんじゃないか、そういう意味合いでございますので御了承願いたいと思います。
○赤路委員 この点を私とやかく言いたくありません。ただこれを一覧して私の感じることは、非常にけっこうだ。全体を通じてよく考えていただいておるが、これは作文であっては困る。ほんとうに真剣に積雪寒冷地帯の農家の諸君の立場を考えて研究しておられるのかどうか。それは何ぼかの融資を受ける道はあるでしょう。そういうことではなくて、根本的にやはりそうした零細な農民の立場を一つ考えて、真剣になって取っ組んでもらいたい。これだけなんです。別段本年度でなければならぬという問題でもありません。十分御研究おきを願いたい。これだけを一つ希望いたしておきます。
○川村(善)委員 私は二点だけお伺いいたしたいと思います。その一点は資材対策の第二のところに農薬の需給安定をはかるために全購連等による保管事業を引き続き実施するほかに購入飼料対策として食管特別会計による操作数量の拡大及び売り渡し価格の適正化をはかるということがうたわれております。この購入飼料という問題でありますが、おそらくただいま考えておりますことは、牧草とかあるいは農産物による飼料といったようなことでございましょうが、もう一つ忘れてならないのは窒素飼料でございます。第一に漁業者は魚のかすと言っておりますが、その飼料であります。今まで飼料会社等がこれを買って混合飼料を作って、これを売っておるということになっておりますが、これらに農林省としては対策があるかどうかということをまずもって承わりたいと思います。と申しますのは、沿岸漁業も相当拡大しておりまして、特に本年は北海道から三陸にかけまして、サンマとイワシは相当大漁であったのであります。保管の関係とか、あるいは輸送費の関係とか、あるいは消費の関係とかで、それを全部消費し切れないために、かすにしております。しかしかすといいましても決して果実やあるいは農産の肥料でなくても、これは飼料に変るのがずいぶんあるだろうと思うのであります。これらのものをやはり相当の安定価格にするということは、漁村の振興対策にも大きな役割をなすので、ぜひともこれを取り上げなければならないということで、過般からわれわれは水産庁その他に要求して参りましたけれども、容易に実現ができなかったのでございますが、今度新たにこういう項目をわれわれに示して、購入飼料の対策として輸出をして価格の安定をはかるということを打ち出されたのでございますが、先ほど申し上げました窒素飼料の問題についても、農林省はお考えになって、この輸出対策をするかどうか、また考えておるかどうか、この問題を一点。 それから第二点は農山村漁村の振興対策でありますが、今年新たに沿岸漁村の振興のために、沿岸漁村振興総合施設助成を創設し、水田地開発整備事業の強化と相待って、低生産地帯の振興をする、こういうことを打ち出したのでありますが、これらは全体的にはやれないだろうと思いますけれども、特に凶漁地帯と漁業者が称しておる地帯、これらにもやはり水田を作って飯米の確保をするならば、やはり現在の生産でも十分生活の安定ができる。また漁村の振興もできるという地帯がたくさんあるのでございます。従ってここにあげました問題はいずれの地帯を考えておるか。それからさらにもう一つは、今年はどの程度の造田をする計画であるか、この点をお伺いいたします。
○昌谷説明員 資材対策のところで説明に触れております購入飼料の問題と申しますのは、実は飼料の需給安定法という法律がありまして、その飼料需給安定法に基きまして、食糧管理特別会計の操作いたします飼料の問題であります。従いまして飼料需給安定法は御承知かと存じますが、輸入されます飼料に限定して政府が操作をいたしております。品目は適宜追加が可能でございますが、今のところふすまとトウモロコシと大豆、要するにそういったものでありまして、明年度はさらに需給計画との関連から見まして、数量も思い切って必要数量を入れるし、売る値段も、従来のように財政事情に縛られずに農家のために必要な、適正な値段で売る。そういう本年度もやったやり方でございますが、それを数量等がふえました結果、おそらく約七億の経費を食管会計が損失をこうむるであろう、そういう状況でありますので、それに対する対策として一般会計から食糧管理特別会計にそれの差損を補填するという趣旨の経費を組んでおります。それの説明を実はいたしておりますが、御指摘の魚かすの問題につきましては、残念ながら特別の価格安定措置はここではまだ具体的に熟しておりません。今後も続けて研究いたさねばと思っておりますが、明年度の予算要求の段階では具体策がいまだ実っておりません。 それから沿岸漁村の総合助成でございますが、これは沿岸漁村についての総合助成でございますので、ここでの助成種目はやはり漁業の振興ということに重点が注がれておりまして、必ずしも漁村の半農半漁奨励的な意味にまでこの総合助成方式は具体的につながってはおりません。ただ御指摘のような意味における漁村の農村化を促進するための助成措置としましては、必ずしも漁村にひもはついてはおりませんけれども、先ほどもお話が出ました小団地の整備の補助金でありますとかその他一連の農地、あるいは改良系統の補助金を、いかに上手に漁村に結びつけていくかという問題にもなろうかと思いますので、それら特定の漁村を三十一年度におきましては約二百カ所考えておりますが、この二百の非常に生産力の低い漁村の振興策といたしまして、先ほど申しましたような漁業用の施設の総合助成をいたしますほか、漁村の積極的な振興計画を樹立して、小団地事業でありますとかその他の土地改良事業を積極的にその町村に結びつけて導入していくために、町村でそういう総合振興計画を樹立するための計画補助を考えております。
○川村(善)委員 御説明で大体わかりましたが、輸入飼料も大事なことでありますけれども、魚かすによる飼料ということも漁村にとりましては重要な問題でありますので、今後これらについても何らかの措置を講ずべきだと考えております。今予算の要求の段階では入っていないということでありますけれども、たとい予算に入っていなくても、流通面で緩和していく方法もとれると思うのであります。 それから第二の漁村の整備計画でございますが、これらもやはり俗にいう凶漁地帯、現に魚漁が低くて困っているというところでありますから、やはり水田とか畑地とかの土地を持っているものを先にして漁村の安定をはかるべきだというふうに考えておりますので、そのような措置をとられんことをお願いいたしまして私の質問を終る次第であります。 〔委員長退席、田口委員長代理着席〕
○淡谷委員 詳しいことについてはまたあらためて質問の機会もあろうと思いますので、基本的な点を二、三お伺いしたいと思います。 昨年以来日本農業の性質について、保護政策を徹底さすべきか、あるいは自由にさすべきか、これは主要食糧の統制撤廃の問題にも関連してしばしば本委員会で論議されましたが、今度の予算をお作りになりました基本的な方針として、一体日本の農業というものを将来どうもっていくのか、どの方面にその重点を置くのかという大まかな見通しが立てられたかどうか、その点をお伺いしたい。
○谷垣説明員 これは冒頭に私が申し上げましたように、三十一年度の農林予算の要求の方針につきしては、農林水産経済計画というものがございます。これは現在いわゆる長期計画と申しましてやっておるわけでございます。農林省におきましても、その企画室あるいは審議会等で議論をしておりまして、全体的な長期経済計画の一環としての農林水産経済計画を持っておるわけであります。これはもちろん全体計画の中の一部門ということに相なるわけでございますが、この農林水産経済計画の第二年次の目標を達成するために必要な予算の裏づけ、こういう形によりまして三十一年度の予算を要求いたします基本的な態度といたしたわけでございます。これはたとえば米麦等の生産におきましては六カ年間に千三百五十万石の増産を確保していく、これは人口の増加とかあるいは農民の所得の問題とか、また海外からの輸入の問題等を勘案して策定いたしたわけでございますが、それに相応じまする裏づけの予算という形において基本的には要求をいたした、かように御了承願いたいと思います。
○淡谷委員 農林水産経済の基本的なものがはっきりいたしませんので、実はお伺いしたのでございますが、これ以上は官房長にお伺いしてもむだと考えますので、大臣の出席の際に伺うことにいたします。 そこで具体的問題に触れますが、外資導入によって開発事業が行われると思いますが、一体、端的に申しまして愛知用水、根釧、上北等、大きな農地開発が行われたあとの営農についての基本的方針がきまっておるかどうか、またこれら開発された農地の価格その他を、営農の基準としてどの程度まで押えられておるか、この点なども今度の予算においてはお考えになったかどうかお伺いしたい。
○谷垣説明員 これはそれぞれの計画の中で御説明をする機会があろうかと思いますが、ことに大規模開墾をいたします場合に、あとの営農計画との結びつきは非常に大切な問題であろうと思います。三十一年度におきましては、とりあえず現地におきまする営農指導所と申しますか、それに付属する試験圃等の設備が必要かと思いますが、そういうものを設けてやっていく、こういう計画にいたしておるわけであります。 農地の価格の問題でございますが、これは農業経営全体の問題に関連があるわけでございまして、それぞれその計画の中に検討をいたしておるわけでございます。当面必要な問題としましては、あとの営農計画をどうするか、営農になじむやり方をするとか、あるいは機械開墾ということ自体が、機械の運用等について農民自体もある程度なれなければならないし、またそれと離れて機械開墾の技術者の養成も必要でございます。そういう施設を大規模開墾の地帯については考えておる次第でございます。
○淡谷委員 農地の開発がいかにたくさん行われましても、営農の面で失敗するならば、今までの開拓地に見るように、独立の営農ができないで生活扶助を受けておるというのが非常に多くなっております。こういう実態を見ても、日本の営農方針はこの際画期的な転換を見なければならぬということは明白でございます。今年度の予算の内容を見ましても、実は転落する農家をささえるという対症療法的な、当面の窮迫を見て何とかささえていきたいというような最小限度の方策は見られますけれども、もっと農業そのものの基本的なものに触れて大きく立て直そうということが少いように思われます。たとえば自作農維持創設資金融通法にいたしましても、没落する農家を助けようという方針は強く打ち出されておりますけれども、発展する農家に何とか資金を与えようということは非常に少い。ただ農地を増すというだけのことになっておる。資金制度などもその点でもっと大きな構想を持っていかれることが重要ではないかと思われます。それから流通改善の面等におきましても、本年度の農水産物の価格暴落の状態が非常にたくさんございます。この暴落の原因を見ますと、必ずしも需要が減ったわけではない。農水産物の特徴といたしまして、生鮮物が多いものでございますが、貯蔵、加工の設備が非常に少い。たとえば鮮魚その他の魚介にしましても、冷蔵するとか加工をする設備がほとんどない。また農村にしましても当然あるべき加工設備がない。畜産などでも、食肉、特に大形の家畜の食肉や、その他の副産物が全く利用されていないし、あるいは飼料問題なども、最も少い動物蛋白質に対して、屠殺場の廃血などの処理をする工場なども全然今はない。こういった方面についても新しい営農と結びつけての何か構想がございますか、その点をお伺いしたい。
○谷垣説明員 非常に広範ないろいろな問題にわたっての御質問でありますが、たとえば開拓地の問題につきましても、確かに既存の開拓地については非常に優劣の差がついているような状況がございます。これらの地帯につきましては、来年度の予算におきましても、営農技術の指導にもう少し力を入れる必要があると思いまして、技術指導員の増員をいたしまするほかに、営農計画と建設計画が継ぎ穂が合っていない、建設計画がおくれているようなところもかなりございます。そういうような問題につきましては、それらの地帯に対して、特に計画自体の遂行が調節のとれるようにやっていきたい。それに必要な指導員等をふやしていく必要があるのじゃないか、こういう考えでおるわけでございます。またその他の開拓資金の融通特別会計の増加をいたしまするとか、あるいは保証協会等の政府出資をふやしまして、そしてこれらのものに資金がもう少し豊富に、低利にいけるように、また金融その他の措置につきましても、保証制度によってもう少し円滑にいけるように、実は考慮を払っておるわけでございます。その他農水産物の流通過程の問題にもいろいろ問題がございます。それらの問題についても、いろいろな方法を考えなければならないと存じます。たとえば中央市場の問題に対しましても、いろいろ問題がございますのは御存じの通りでございまして、それらについては今三十一年度の予算におきましても、中央市場整備のための予算を要求しておるわけでございます。そのほかに中央市場の改善のための現在協議会を持ちまして、いろいろと御検討をお願いしておるような状況であります。畜産物等の問題はことにおくれておる問題でございまして、それらの取引の改善も、枝肉市場の問題につきましては、一応予算を要求してやっていくという態勢になっております。その他先ほどちょっと触れましたが、畜産物の融資保証制度というものを三十一年度からやりたいと考えております。これによりましていろいろな共同販売をいたしますとか、あるいは鶏卵の値下り等に対応いたしましてのストックをするとかいうような問題が生じてくるかと思いますが、それらの問題等にこれらの中央市場等が利用されまして、共同的な施設が進むように考えていきたいと思っております。これらは従来ありますいわゆる農林漁業金融公庫のいたしておりまする仕事に、さらにプラスされた形でやっていけるのであります。いろいろと方々からの施策が必要かと思いますが、今申しましたような点につきましては、三十一年度予算におきましても十分ではございませんが、それらの予算を組みまして、それぞれ御協議をお願いいたしたい、かように考えております。
○淡谷委員 最後に一点、災害対策についてでございますが、災害の起ったあとの対策はいろいろ論ぜられます。しかし凍霜害にしても、あるいは長雨にしても、不可抗力の点もございますが、あるいは燻煙による予防方法、あるいは人工的な乾燥方法等、こういう形においてもこれらの災害は若干緩和されると思います。この自然に対する人為的な災害予防の方法、あるいは長雨にぬれた米の乾燥室の設備であるとか、あるいは特別な嫌煙器の配付であるとか、こういった方面の考慮は払われましたかどうか、この点も一点お伺いいたします。
○谷垣説明員 これらの問題は、実はそれを指導いたしまする指導陣営の問題と非常に結びつきがあろうかと思います。それらの今御指摘になりますような施設は、中には農協の融資という形においてでき上る施設もあろうと思います。あるいは国の補助というような形、あるいは農業改良基金の無利子の貸付というような形において行われると思います。あるいは低利の借入金の貸付という形で行われておる普通の金融政策、あるいは金融以前の問題としても取り扱われるものが多かろうと思います。それらの点につきましては、それぞれ改良普及員の活躍等とまちましてやっていきたい、かように考えまして、いろいろ融資政策あるいは補助金の問題を考えておりますが、特に嫌煙のための政府の補助金の要求等は現在考えておりません。ただ防除機具その他の整備につきましては、これは先ほど御説明申し上げました通りに、県の段階あるいは村の段階に対しましても、数年の計画をもちまして整備をいたしたい、これに対しては補助金を与える、こういう格好で進んでいきたいと考えております。
○川俣委員 ちょっと関連して。今淡谷委員から長雨によるところの米の管理について質問が出たのですが、官房長官はあまり詳しくないと見えて、改良基金制度で活用していくということで答弁をのがれておりますが、かつて地主の盛んなころは、どうして一体小作料を確保するか、いわゆるぬれた未乾燥の米も集荷しなければ地主としての地位を保てなかったものですから、この集荷方法として、自分の自宅に大きな乾燥所を持っていたしておったのであります。それが振り変って、食糧管理法が制定されましてから、一粒といえども国がこれを集荷しなければならぬ責務を行政官が負っておるわけです。従いましてこれが相当湿度が高いものだから買わないというわけにはいかない。そこで当然これはもみの間において乾燥させるような設備を行なって、検査規格に合ったものを買い入れるか、または規格に合わないけれども、政府がこれを買い入れて乾燥して消費者に渡すかという、責任の限界点が出てくるわけであります。従ってこの限界点を明らかにしないで改良基金制度で片づけていくというわけにはいかないのであります。この点を一体どちらに責任をもって解決すべきものか。生産者側が規格に合うものを出せ、こういう場合においては補助をするとか、あるいは融資するとかいうことになる。あるいはかつての地主のように全部集荷しなければならない。これは地主の利益擁護のためにやったのでしょうが、国としても少量であれば別でありまして、大量になって参りますと、この集荷の責任は国が負わなければならぬ。従いまして、国でこれは設備をしなければならぬということもになるだろうと思います。これは十分検討しなければならぬ問題でありますから、そうそこで勝手に答弁されておったのでは困るのであります。総務部長がおられるから答弁をもらってもいいのですが、この際答弁をもらうことはちょっと無理だと思いますから、研究されて御答弁願いたいと思います。
○淡谷委員 大体の方針の御答弁を得ましたが、今川俣委員が言われた通り、実は非常に不満足なのであります。なお詳しい数字を検討し、大臣御出席の上であらためてこの問題は質問を続けたいと思いまするが、ただ私心配しますのは、乏しい予算のワク内で、きのうは東しきょうは西するようなふらふらする方針で予算を立てられるならば、たとい零細なる予算といえども、日本の農業には妨害こそすれ貢献することは少いと思います。やはりその点は太い筋を一本通しまして、日本の農業はいかにあるべきか、農政はいかにあるべきか、農民はいかにあるべきかという基本的な態度を画然とせられて、その上でどんなに小さい金額でも盛られるならば、金額だけでなくて大きな効果も出るだろうと思います。この点で私は特に冒頭日本の農政をどうするか、この問題に触れたのでありますが、これは官房長では無理だと思いますので、時をあらためて質問をいたします。きょうはこれだけにしておきます。
○赤路委員 これは予算と直接関係のない問題なんですが、農林省の大番頭である官房長がお見えになっているので、ちょっとお聞きしておきたいのでありますが、農業保険の問題であります。この説明書で大体了承するのですが、前国会で会計検査院と行政管理庁の方から、農業保険の流し方についてのいろいろな点が指摘されたのですが、その後何かお考えになったか、このあれを見てみますと「農業保険制度については、一応現行制度を維持することとし、」こう一応という言葉が入っております。それから備整強化をはかるために云々ということと、府県の監査職員の増加を企図する。従って前国会において会計検査院なり行政管理庁なりが指摘した点を考慮に入れて整備強化をするということは、これは町村合併による統合だと思うのですが、単に府県の監査職員を増加することにとどめたことが具体的な策対なのか、何かその後この保険制度に対する具体的な考慮が払われたかどうか、その点をちょっと承わりたい。
○谷垣説明員 現在までにおきます対策として考えておりましたのは、今御指摘のありまするような来年度補助金にそれぞれの町村合併に伴いまする職員等の強化をはかっていく、こういう問題でございまするが、一応と書きました気持は、これは当委員会におきましても前からいろいろと御意見をいただいておる。ただあの際にもいろいろ御議論があったわけでありますが、これは非常に及ぼすところが大きくて、むずかしい内容を含んでおります。農林省といたしましても、その後も引き続いて実は鋭意研究しておるわけであります。実は今日までこういう方向という基本的な厳格な方向は出ておりません。なお引き続いて検討も続けていきたい、成案が出れば、これはそれぞれまた御審議を願わなければならないわけでございますが、そういう現在検討を続けて参りたいという意味の気持を表わしまして、一応という表現にしたわけであります。私たちはこれで検討をよして現行のままでいくことが一番いいのだというふうに考えているわけじゃないので、いろいろと御意見のありましたことを十分頭の中に入れまして検討を続けておるわけです。ただ、今お願いする段階としては、実は荷物もかなり多いわけですから、そこまでとてもいかないというわけでございます。そういう一応という意味に御了承をお願いいたします。
○田口委員長代理 ほかに御質問ありませんか。——御質問もないようでありますから、本日はこの程度にとどめ、次会は公報をもって御通知申し上げます。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時五十六分散会