逓信委員会 第5号
- 発言数
- 84 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1955/12/10
会議録
○松前委員長 これより会議を開きます。 郵政事業に関する件、郵政監察に関する件、電気通信に関する件、電波監理及び放送に関する件、以上四件について調査を進めます。 この際質疑の通告がありますので、これを許します。森本靖君。
○森本委員 それではこの前の委員会のときに問題になりました米子の自衛隊におけるその後の調査の内容について、防衛庁の方から人事局長が来ておられるようですから、御説明願いたいと思います。
○加藤説明員 前回お尋ねがございました米子駐も部隊の郵便法違反事件につきまして、その後の調査によりまして明らかになりましたところを御説明いたします。事件は前回も郵政省の方から御説明がございましたが、十月十五日と十月十九日及び同二十日の三回、米子部隊から発送いたしました小包の中に封書が入っておったということ、及び十一月の九日に、これは第三管区総監部の方から米子部隊あてに送りました小包の中に封書が入っておったということに関するのでございます。大体のことは、前回も監察局長の方から申し上げられましたので、要点だけを申し上げます。三等陸尉の矢吹武治君は、十一月の十一日に米子郵便局に出頭いたしました。その際彼は米子駐も部隊の同僚である某一尉の紹介を受けまして、その一尉の学校友だちである米子郵便局の某事務官に紹介をしていただきました。その紹介によって、米子郵便局に参っております。そこで郵便法違反の事件につきましての関係者の住所、氏名、年令等を尋ねたのでございます。その際尋ねましたのは、私が今申し上げました十月十五日、十九日及び二十日の三回の事件についてであったのでございます。そこで矢吹君はその後になりまして、さらに十一月九日の事件につきましても、関係者を調査する必要を認めまして、十一月の十四日に米子郵便局に電話をいたしまして、さきに自分の同僚から紹介を受けました某事務官に連絡したのであります。ところがたまたまその日は、その事務官の方は休暇でございまして、郵便局に出ておられなかった。そこで本人は急いで調査を取りまとめたく、その事務官の私宅までたずねたのでございます。私宅をたずねまして、十一月の九日の事件につきましての関係者の住所、氏名、年令等を聞いておるということでございます。 この前お尋ねがございました点は、いま一つは郵便局におきまして、この郵便局内に偏向思想を持っておる者がないかということを言うた事実があるかどうかということでございますが、これは本人はそういう事実はないと申しております。あとはお尋ねによりましてお答えいたします。
○森本委員 その問題の前に、ちょっと大臣にお聞きしておきますが、この間防衛庁長官に対して厳重に抗議をするということでございまして、肩をほんとたたいて一つ頼むというようなことではいけない、厳重に郵政大臣として抗議を申し込むということになっておりましたが、その後長官に対してどういうふうに交渉して参られたか伺いたい。
○村上国務大臣 そういう違反のないように今後注意してもらいたいということは、口頭で私申し入れております。ただ文書にして申し入れるのには、もう少し事の真相がはっきりした上で文書をもって申し入れをしたい、かように思っております。
○森本委員 防衛庁長官に対して違反のないようにという申入れをされたということですが、どういう違反のないようにという申し入れをされたのですか。
○村上国務大臣 今の私の方から見た場合、それからこの委員会におけるいろいろな質疑応答でこういうことがあるらしい、従ってもしそういうことがありとすれば、今後注意してほしい、こういう申し入れをいたしております。
○森本委員 その申し入れば二つあるわけですね。まず自衛隊が郵便法の違反という問題について犯しているので、将来こういう問題については厳重に注意してもらいたいということと、もう一つは、もう一つの件が重大ですが、こういうふうにそれを摘発をした事務官になり事務員の住所、氏名あるいは年令、生年月日等尋問をして、威圧を加えるというふうなことを将来絶対にやってはならぬ、この二つが重要な問題ですが、そういうことも具体的に防衛庁長官に対して厳重に抗議をされたのですか。この前も松井委員の方からちょっと注意をしてありましたように、単にこういうことがあったからだめですぞということでなしに、正式に口頭でもかまいませんが、今言った二つの問題を厳重に抗議をされたかどうかということをお聞きするわけです。
○村上国務大臣 あらゆる面を含んだものを私は口頭で話してあります。
○森本委員 それで長官はどういう回答をされましたか。
○村上国務大臣 長官は別にこれに対して、まだ長官としての事の真相がわかっていないらしいので、よく承知いたしましたということでありました。
○森本委員 防衛庁の方にお聞きしますが、この問題については上の方まで報告をしていないのですか。
○加藤説明員 大臣まで申し上げてございます。
○井手委員 議事進行について。本日は防衛庁の長官のおいでをお願いしておきましたが、どういうふうになっておりますか。この問題はきわめて重要一でございまして、すでに政府委員、説明員の問題ではなくして、責任者である長官がどうしても出てもらわなければならぬのであります。いやしくも思想調査をしている。ただいまはそういう事実はないと現地からの報告が参っているということではございましたけれども、私どもの調べでは思想調査を行なっているし、また防衛庁の報告の中にも、自宅まで行っている、行き過ぎがあるということを認めている。この問題に対しては最高責任者がどうしてもここに出てもらわなくちゃならぬのであります。すみやかに防衛庁の長官の出席を要求いたします。お取り計らいを願います。
○松前委員長 防衛庁長官の出席を御要求になっておられますが、これは委員会からその要求をしてございますけれども、今予算委員会に出席しておられるそうであります。重ねて出席を要求することといたします。待って下さい。
○井手委員 防衛庁の長官が十一時半ころになるそうですから、自衛隊の問題はあと回しにいたしまして、その前に本委員会で何回も問題となりました草津局のことについて若干お尋ねいたしたいと思います。問題が起りましてからすでに四ヵ月間にもなっておりますし、当委員会が取り上げましてからもすでに一週間以上経過いたしておるのであります。事の重要性については大臣を初め関係局部長においても十分御認識があろうかと存ずるのでありますし、同時にその処分を含めた処置についても、すでに対策が立っておろうかと存ずるのであります。先般私は、この人権じゅうりんの問題に対しては特に人権擁護週間でもありますし、週間中に解決をしてもらいたいということを特に強調いたしておったのであります。まず大臣に、郵政省はこの草津局の人権じゅうりんの問題に対してどのような処置をなさったのか、その点を承わりたいと思います。
○村上国務大臣 郵政省としてはまだ別に結論的な措置はいたしておりません。しかし事の重大性にかんがみまして、本省からも別途に監察第一課長を現地に調査に昨日派遣いたさせました。
○井手委員 新任の郵政大臣はなかなか事を処するには敏であり、人情に厚い人だと私はかねがね敬意を表しておったのであります。いやしくもこれだけの問題になっておる事柄に対して、なお本省からの調査がまとまっていない、こういうことでははなはだ了解いたしかねるのであります。先般人事局長が報告いたしましたものの中にも、相当数の労働問題に対する違反事項があげられておる。なお若干については私どもの申し上げましたこととあなたの方の機関の報告とは食い違いがありますけれども、郵政省当局が認めてあるものについても相当の違反事件がある。一方労働問題の主管省である労働省における当委員会の報告においては、明らかに強制労働であるということを指摘されておるのであります。これだけの大きな問題について、今なおその処分の方法がきまらないというのは、はなはだ私は理解に苦しむのであります。何のために政府は人権擁護週間を設けて、人権を擁護しなければならないことを強調されておるのか。あげられた事実だけでもそれははっきりしておるじゃございませんか。私のみならずほかの委員からも、すみやかに処分を願いたいということは、繰り返しここで要望されておるのであります。それが耳に入らなかったはずはないのであります。重ねて処分についてのお考え方をお願い申し上げます。
○村上国務大臣 この問題につきましては、きわめて慎重に取り扱う必要があろうかと思いまして、特に労働省並びに法務省等におきましても、その真相を究明しておるような次第でありまして、郵政省だけで直ちにこれを処断するということは、私は少し早計でないか、かように思っております。
○井手委員 慎重も事によりけりであります。場合によってはすみやかに処置をすることこそほかを戒め、あるいは人権を擁護する道でもあると私は考えておる。なるほど労働問題については労働省、法務省において調査はされておるでありましょう。しかし国家公務員として許すことのできないことをやっておるならば、郵政省範囲の者だけについてもすみやかに処分をして、法務省あるいは労働省の見解を待って、あらためてその責任を追及することも私はいいと思う。いつまでも便々と労働省や法務省の結論を待つということでは、行政の機能を発揮させるゆえんではないと考えます。もし今の当局のようなことになりますならば、法務省や労働省の見解が一ヵ月おくれ、二ヵ月おくれ、それまで待たなくちゃならない。それではあれほど大きな問題、全国の郵政省関係職員に与えたあの問題について、当局は何をしておるのか、人権問題についてどのように考えておるのかという疑惑を招くでありましょう。とりあえず郵政省に関する限りの処分をしておいて、労働省や法務省の結論を待ってあらためてその責任を追及する、その行き方こそ当面郵政省がとるべき手段ではないでしょうか。その点についてあらためて大臣の御見解を承わりたいのであります。
○村上国務大臣 きわめてごもっともな御意見でありますけれども、そのいずれも人権に関する問題でありますので、慎重を期したいと思っております。
○松井委員 ちょっと大臣にお伺いします。この問題は毎委員会を開くたびに議論になっていることなんです。それから委員会においての真相に関する調査というのは、労働省からもおいでになって説明をお伺いしているのです。これ以上われわれが調査を進めようとするならば、やはり当該出先の局長さんにここにおいでになってもらうか、委員会の決議において、われわれがみずから出かけて現地調査を行うか、それを尽さなければならない段階に来ていることは御承知だと思う。そうなって参りますと、さらにこの委員会で同じような調査と説明を聞いているだけでは済まないことになろうと思うのです。そこで、郵政省当局のこの種の問題に対する一貫した方針がないと思う。ということは、前の郵政大臣、たとえば松田さんのときでも塚田さんのときでも、あるいは与党の方々が多く政務次官になりましたが、その当時においては、特定局長を、これと違った問題でも、われわれの知らざる間に遠慮なく更迭をしている実例がある。草津の局長だけ、なぜあなた方の方は明確なる従来の方針通りの態度をとらないのか。この点についての明確なお答えが願いたい。 もう一つは、労働省関係が基準法違反で調べて、それを法的に処置するというのは、司法上の問題です。司法上の問題が明らかにならなければ、行政上の問題として郵政省は粛正ないしは綱紀を守ることができないのか。できるとするならば、行政上の問題については今はやらないが、この段階にはこうするのだという一定の方針がなければならないはずである。その方針は、郵政省の事務当局も大臣も次官も示されておらない。そういう問題に対する確固不動の行政上の綱紀に関する方針がおありになるならば、この際はっきり示していただきたい。なぜ草津の局長の問題だけこだわるのか。これを明らかにしていただかないと結末がつかない。そうでなければ、委員会はやはりそれ以上の調査を進めなければきまりがつかないのでありますから、その点の見通しもっけられて、どういうお考えであるか。今の二点についてこまかく、しかも具体的に説明をしてほしいと思います。
○村上国務大臣 決してこだわっておるわけではありません。しかし、先ほども一申し上げましたように、労働省並びに法務省においても、慎重にこれが調査審議をしておりましたので、その結論が出て、われわれの方と協議して、その上でもし片われるごときことであれば、必ず処置いたします。
○松井委員 処分の問題を議論しているのではないのです。われわれ委員の見解では、処分する段階になっているということを表明しているのであって、処分が問題じゃないのです。要するに郵政省当局の確固不動の方針を聞いているのです。われわれの知らざる間に、これよりもっとささいな事件で局長を更迭した事実があったじゃないか。なぜ草津の局長だとこだわらなければならないのか。不動の方針がないと言わなければならないじゃないか。もっと明らかにこまかく、二年、三年間にわたる特定局長のやめた事実、あるいは依願でやめさせられた事実を、実例をあげて今の事件と比較対照して御説明が願いたい。問題は、それに対する不動の考え方がないということになるのじゃないか。 それともう一つは、大臣も今答弁なさったけれども、要するに労働省や司法上の罪状が明らかになってから相談するとは、一体どういうわけなんだ。それならば、極端な例だけれども、局長が明らかに窃盗を犯した。直ちに刑法上の問題になった。その場合大臣としては、行政上の問題として、罪名が明らかにならなければ処分しませんか。そんなばかな行政上の法規の取扱いはないと思う。もしそういう考え方で郵政省が一貫しているならば、もう綱紀もくそもあったものじゃない。行政上の規律も何もあったものじゃない。だからその行政上の確固不動の規律と綱紀の建前を堅持しつつ、この問題に対する結論をどうするかという不動の方針を聞いているのです。もし不動の方針がなくて、その場その場で、御都合主義で、気に入った局長なら悪いことをしても残す。ところが上司にたてつく局長ならば、いいことをやってもこれを処分する、こういう考え方であるならば、われわれはこれについてまた今後の調査を続ける。確固不動の規律と綱紀を守ろうとする気持があるならば、その不動の考え方に照して草津の局長の問題をどうするかということを明らかにしてほしい。
○村上国務大臣 先ほど申し上げました通りでありまして、非常に慎重を要する問題であります。この段階ですぐ結論を出すということは、少し早計であろうと思っております。
○松井委員 まだ答弁が足りません。今まで三年間にわたり特定局長がやめられた事実、更迭をした事実、処分した事実、その事件の内容、それと草津の局長の犯した事件との比較対照を明らかに説明してほしい。
○村上国務大臣 まことに恐縮ですが、事務当局から一つ。
○大塚説明員 ただいま直ちに過去三年の特定局長の処分例をちょっと持ち合わせておりませんので、正確な比較判断と言うことは申し上げかねるのでありますが、大体において今までのわれわれの判定からいたしますと、免職というような措置に該当する事項ではないというふうに考えております。ただこの問題は、国会でこれほど取り上げられるような大問題になっておりますので、特にわれわれとしては慎重を期して、各方面の公正な判断その他を待って、厳正な処分をいたしたいというつもりであるわけでございますし、一方現に問題になっております局長が病気で休んでおりますので、特にこれを行政的にどうこうというのも酷でもあり、またその必要もない。いずれ病気がなおって局に出られるようになりたとき考えてもおそくはないというような点もございますし、いろいろの点を考え合せまして、目下本省から調査に出直行ってもおりますので、その調査の結果等を待ちまして、また厳正な処置を考えたいというふうに考えております。
○松井委員 病気をなさっているので酷だという理由で、綱紀と規律が保てますか。病気でお休みになっているならば、時と場合には病気の理由で依願退職になることでございましょう。郵政省当局は、従来の局長クラスの異動でも、局長クラスの退職でも、その例を多くとってきたではありませんか。要するに酷だということで紀律と綱紀が守れますか。それで実際に郵政省当局は、人事部長はみずから恥だと思いませんか。郵政省当局の問題について、労働省が基準法を発動して、司法上の問題になっていることを、郵政省当局の恥だと思いませんか。われわれは逓信委員会で議論することすら、私が逓信委員になっていることすら恥だと思うのです。われわれの所管になっている行政官庁にそういう問題が起ったことを恥だと思っておるが、あなたは恥だと思わぬのか。しかも酷だとか、それだけの問題じゃないとか、大臣の答弁のようなことを人事部長は毎回の委員会で続けておる。それで人事部長、恥だと思いませんか。労働省が調査する、刑法上の問題になっているということは、郵政省全体の恥じゃないですか。もし恥でないという根拠があるならば、この際明らかにしてほしい。
○大塚説明員 われわれも、いろいるの点において特定局長に違法あるいは被疑事項があったということは認めておるのでございまして、その点はまことにわれわれの監督指導の至らなかったところと思いまして、おわびを申し上げる次第でございます。従って、あくまで厳正な処分をすることによって、ほかへのみせしめ、あるいは指導のかてにしたいということでありますけれども、とにかく非常に大きな問題となっておりますので、中途半端にいいかげんな点で措置をするということは、われわれとしては非常にできにくい、またやるべきでないというふうにも考えますので、とにかく本省直接からも調査に行っておりますから、一応その結果だけでも待って、また省内で相談をしたいというふうに考えております。
○松井委員 これはまあ私は正式の席で言いたくなかった。言いたくなかったから、いろいろ私個人的には申し上げておったのです。というのは、ただいま申し上げたように、かりにこれが司法上の問題として決定してから処分しただけでも、郵政省は恥の上塗りですぞ。別の理由があろうじゃないか。あるいは他の、労働省なら労働省、あるいは司法上の問題としてきまりのつく前に、やはりいろいろ考慮されて、長いこと、とかくの議論のないうちに御処置なさる方がよろしいじゃないか、その処置の程度、それから処分の方法等についてはわれわれ干渉すべきじゃないからという意見も、私は非公式には申し上げておるつもりなんです。にもかかわらず、なおかっこういう状態が続いて、議論が続いて、御答弁は調査中だということで、時期が延びて、それで郵政省一は名誉だとお考えになりますか。これは一つ大臣から答えていただきます。
○村上国務大臣 結論がおくれておりますことは、まことに遺憾でありますけれども、ただいままで申しましたように、私どもとしては各方面の公平な結論を待って、これに対して適当な処置をしたい、こう思っておる次第であります。
○森本委員 関連質問ですから簡単にやります。今大塚人事部長の方から、この草津の局長は病気だからということを言われましたが、この局長は病気じゃないですよ、大臣。ただ、あれだけの非常に大きな心労があったので、二、三日休養したらよろしいということで、宏に閉じこもっておったので、す。それを郵政局の方から当分出勤を見合せたらよかろうということで、家におったわけです。だからこの人は、病気じゃない。その点、大臣はどういう報告を受けておるか知りませんが、人事部長さん、その通りでしょう。
○大塚説明員 われわれの方は、過労で倒れたという報告を受けております。
○森本委員 そういう報告を真に受けて、その通り国会で答弁をせられるから問題になる。この前あたりから、私たちの調査の内容とあなた方の調査の内容が食い違うというのは、そういうところにある、現に私はこの間大阪郵政局に行って、一郵政局長とも組合とも会ったが、そのとき郵政局の方では、はっきり、当分出勤停止をさせると言っている。明らかに病気ではない。けれども、この処分が決定されるまで一応出勤の停止をさせる、こういうことになっているわけです。だから、あなた方が本委員会においてそういう答弁をせられると、全然信用がならぬという、ことになる。下から報告が来たのをありのまま正直にそのままここで答弁をせられるならば、本委員会でどんどんやってもよいけれども、あなた方が、今言ったように事実と食い違う答弁をせられるなら、この委員会で幾らやってもだめだから、先ほど松井委員、この前井出末女員も言っておったように、郵政局長を呼んで、あるいは当該部長を呼んでやる以外にない。もう少し調査をして報告されて、ほんとうの内容をここで答弁せられるように、今後は気をつけてもらいたいと思っているのですが、どうですか。これは現に私大阪に行って現実にちゃ、んとその話も聞いているのだから、間違いない。これは病気で引っ込んでいるのではない。郵政当局の方から出勤を見合わせた方がよかろうということで出勤を見合しているのです。これは間違いない事実です。そういうふうな答弁をこれから先もずっとせられるとしたら、委員会の権威にかかわるので、これははっきりしてもらいたい。
○村上国務大臣 委員会で、大阪郵政局だけでは信用ならないというような御意見も承わりましたので、そのために監察第一課長を現地に調査にやりましたから、これはいずれ近日はっきりすることと思います。それから先ほどの病気云々につきまして、罪があるならば、あるいはその結論が出るならば、病気中であろうが何であろうが、そういうことに対しては差しつかえないと思います。ただ、病人を引っぱり出すとかなんとかについては、これはできないことで考慮しなければなり、ませんが、もしも結論が出るならば、病気であろうがどうであろうが、そういうことは何ら意に介するところではない、かように考えます。
○森本委員 私はそういう問題よりも、事実を事実として明らかにしておきたいので言っているのです。先ほど人事部長さんの方から、本人は病気で休んでいるというふうに解釈できるような答弁があったが、そうではない。初めの一日か二日は過労であったけれども、その後は、本省の方において結論がはっきり出るまで、当分病気ということで自宅に引っ込んでおった方がよろしいという、郵政当局のサゼスチョンによって休んでいるわけです。こういう事実と違った答弁を将来はしないように。そういう答弁をせられるから食い違いが出てくるわけです。私たちの追求とあなた方の答弁は、明らかに食い違いがあるわけです。そういう点はもう少し大臣も事実を調査されて、事実を聞かれてありのままにここで答弁をせられるようにしてもらいたい、こういうことです。 もう一ぺんこの問題は人事部長さんに言っておきたいと思いますが、人事部長さんは全国の労働行政、人事関係をつかさどる方でありますので、大体私が今申し上げたようないきさつは御承知であろうと思う。だから本委員会においては、これから先事実をありのままに率直に答弁願いたい。今の病気の点も、人事部長さんはその内容を知っていると思う。だからこれから先はやはりありままに、答弁についてはやはり私はありのままに答弁をするようにお願いをしたいのですが、この点はどうですか。
○大塚説明員 私は初めからそういうつもりでおりましたが、間違いがもしありましたならば、なお十分に気をつけまして、直一実のままをお話しいたしたいと思っております。
○井手委員 今の問題ですが、郵政省から出されたこの報告には、数多く労働基準法違反の事実が指摘されております。また労働省の方からは、明らかに強制労働であったということがこの委員会で述べられております。この事実に対して、郵政大臣は慎重にしなくてはならないほど、労働省の決定を待たねばならないほど、考慮を要するのでございましょうか。これだけ強制労働をやった、違反をやったこの郵便局長は、あなたの部下として、国家公務員として、置かねばならない好ましい人でしょうか。この事実だけでも国家公務員としての資格がございましょうか。この点をお尋ねいたします。
○大塚説明員 いろいろ確かに間違いをいたしておりまして、その限りにおきましてわれわれは責任をもってこれを矯正させなければならぬと考えておりますが、これだけで国家公務員としての資格並びに見込みが全然ないと断定するまでには至らぬのではないかというふうに考えております。
○井手委員 国家公務員として、いささかでも職分にはずれたり、綱紀に疑いを持たれるような行動は、絶対してはならないのであります。従ってあなたの方では、今日まで局員のわずか百一円そこそこの横領問題についても、すみやかに処分されておる。この局員を指導監督すべき立場にある局長がこれだけの事実を、違反を犯してまでも、あなたの方では処分しなければならないかどうかまだわからない、そういうことが言えますか。人権擁護週間において、これだけの違反を犯し、人権をじゅうりんした者を処分し切れないで、どうして人権が守れますか。どうして二十数万の郵政従業員を指揮監督し、綱紀を粛正していくことができますか。もし公金横領の事実があったり、基準法違反の事実が明瞭になったならば、そういう場合にはあらためて司法事件として追及すべきである。あなたの方は郵政の従業員として、国家公務員として好ましいか好ましくないか。あなたがおっしゃったように、人事部長がおっしゃったように、他を戒める意味においてと申しますならば、それだけあなたが御存じであるならば、なぜこの十日まで処分ができなかったのか。もしこのままに労働省の決定を待つという態度でありますならば、おそらく国民全般から郵政省の綱紀が疑われるでありましょう。大臣、よくこの点をお考え下さい。あなた自身でさえかなりの部分を認められておる、違反の事実を認められておる、それでも処分ができない。どこの省においても、こういう事実があった場合には、とりあえず依願退職か停職か何か知りませんけれども、一応処分をしておいて、司法処分の決定を待ってその責任を追及するというのが、各官庁における建前ではないですか。これほど委員会において追及されておりながら、なお人権擁護週間に処分ができないとは、何たる綱紀の紊乱ではございませんか。大臣はいつまでも労働省の決定を待たなければ処分ができないのか。あるいは今監察局の課長がおいでになっているそうでございますが、そのお帰りを待って協議の上に決定をされる御意思であるのか、その点をお尋ねいたします。
○村上国務大臣 ごもっともでありますが、ただいま調査に参っておりますし、各方面の公正な意見を参考として私は処理したいと思います。
○井手委員 私がお尋ねしておりまするのは、今おいでになっておる監察局第一課長の報告を待って、いろいろ各方面の意見を聞いてすみやかに処分をなさる御意思であるのか、あるいは労働省、法務局の司法処分の決定を待っておやりになる御意思であるのか、いずれ、であるかということをお尋ねいたしておるのであります。
○村上国務大臣 監察局の第一課長が現地に行っておりますし、これが基準局やあるいは法務局等の意見をいろいろと調査して参ります。実体をつかんで帰ると思います。その結果を待って、そしてすみやかに私は処置いたしたいと思います。
○井手委員 そこで人事部長に、小さな問題ですけれども、御参考までに私も申し上げ、私も参考までにお聞きしたいと思うのです。先般のあの公金の問題で、定員外の臨時雇に対する給与の問題ですが、私どもの調べでは、昭和二十八年の三月十七日に採用された臨時雇二名に対する給与を、半ヵ月さかのぼって、三月二日から二名分の金を局長は郵政局から取られておる。これはおそらく公金であると思うのです。三月二日から雇うべきものを、実際は三月十七日から採用なさっておる。そうしますと、あなたはこの前、余った金は将来に備える意味で金庫の中に入れておったということでございましたが、大体どこの役所でも、臨時雇を採用する場合には、まず上司の許可を受けて——言葉は適切であるかどうか知りませんが、人数なり期間なりの許可を受けて採用なさる。そうでありますならば、実際採用していない期間のものについては、すみやかに返還すべきが当然ではないでしょうか。これが公金であるのか、あるいはすみやかに返還すべきが正当ではないか、この二点についてお尋ねいたします。 〔委員長退席、松井委員長代理着席〕
○久保政府委員 お尋ねの非常勤賃金の問題につきましてお答え申します。監察官の調べによりますと、お話の分は、昭和二十八年の三月の四日から非常勤を二名だけ雇う賃金が出たとなっておったのでございます。現実に人間を採用しまして使役いたしましたのは、御説の通り三月の十七日からでございまして、従って四日から十七日までの十三日間、この分の賃金というものは実際使用にならなかったものでございます。この草津の局におきまして、この年度末に使わなかったものは、御説の通り当然返還しなければならないものでございます。しかし局長、主事等は、当時四月に年度が変りますと、非常勤の引き続いての使用というための予算の配算がなかなか円滑にいかないということもありますので、一応年度末にこの金をさかのぼって使役したごとくいたしまして、現金化して、これを封筒に入れて金庫に保管しております。そうして後日にこれを使役いたしたいということに処置をしたわけでございます。この二名分のうち、本人たちは二十八年の六月一日付で本務になっております。ところがそのときに前に働きまして残っております金がちょうど二人分あって四千八百四十円、一人二千四百二十円の額になりますが、たまたまそのうちの一人が本務でおりましたが、事故がありまして退職をいたしましたが、その退職したあとで非常動として十三日間使いまして、その分の賃金として前にとっておきました一人分の二千四百二十円というものをこれに対して支払っております。残りました一人の分二千四百二十円というものは、今度調査に参りましたときに、封筒に入ったままそれが保管されておりました。こういう不適正な処置はすべきでない、至急返還の処置をすべきだ、そうして関係者からも始末書を徴しまして処分をするよう、郵政局に申し入れたわけであります。これがこの件に関して調査いたしました事実であります。
○井手委員 あとの方はこの前も承わったのでありますが、実際は使役せずにそのまま保管しておる。もちろんあなたの方では、後日戒告でございますか、注意でございますか、あっているようではありますけれども、そういうことが許されるものでしょうかな。明らかに公金である。何月何日から何日まで何日間何名使いたい、こういう許可を受けて、令達を受けて採用されておる。それを実際は使役しなかったならば、すみやかに返還すべきではないですか。しかもその後あなたの方からは四回も監察があっているようですが、これは発見されていない。その上に、あとで一名使ったという斎藤某とかいう者は、何十人かおる局員は一人もそういう者を使ったことは知らないと言っておる。公金横領−もしある時点について調査するならば横領になりませんか。
○久保政府委員 今の横領かという問題につきましては、私どもは、それは個人としてその公金を私のふところに入れてしまうという事実がはっきりいたしません以上は、これを刑法のいわゆる横領罪として立件いたすことはできません。
○井手委員 なおお聞きしたいことがありますが、今防衛庁の長官もお見えになっておるようでありますから、あとにいたしたいと思います。
○松井委員長代理 それでは防衛庁長官が見えましたので、その問題についての質疑を許します。森本君。
○森本委員 まず防衛庁長官に聞きたいことは、米子の自衛隊における郵便法違反、さらに郵便局員に対する思想調査の問題についての報告が、長官に対してあっておりますか。
○船田国務大臣 米子の事件につきましては、一応の報告を受けておりますが、なお詳細なことは目下取調べております。
○森本委員 もう一点は、郵政大臣の方からあなたに対して厳重なる警告がありましたかどうですか。
○船田国務大臣 郵政大臣から、口頭をもってこういう事件があった、将来郵政関係の法規に違反するようなことのないようにというお話は伺っております。私としてもまことに遺憾な事件と思いますから、将来を十分戒めていきたい、かように考えております。
○森本委員 長官は、今簡単な報告があって、まだあと調査をさせておるというふうな回答でありましたが、先ほど来あなたの方の人事局長の答弁では、全部調査が完了しておるようであります。それでこの事件の概要については、あなたも大体お聞きだと思いますけれども、まず一つの問題は、自衛隊が大体郵便法の内容をほとんど知っておらない。きわめて普通のような状態で違反を全国でやっておるというような状態である。こういう問題については、自衛隊としても特に今後注意を要する問題でありますが、もう一点非常に重要な問題は、そういうふうな自衛隊が郵便法の違反を犯しておったにもかかわらず、それを摘発をした郵便局の局員なり郵政事務官に対して思想調査を行い、あるいはまた生年月日、住所まで聞いて、そうして自衛隊として大きな威圧をその摘発した郵政事務官に加えるという非常に忌まわしい事件が、今回の事件の概要でありますが、こういうふうな事件に対して特に私たちが神経過敏になりますのは、私も過去戦時中にも、郵便局の一局員として勤務をしておったのでありますが、実際当時戦時中に憲兵が郵便局に来て、郵便法違反もへったくれもなしに、まな信書の秘密もへったくれもなしに、勝手にそれを押収して勝手に開封したということが、全国で至るところにあったわけであります。自衛隊がたまたまこういうふうな郵便局の局員に対して生年月日、それからこういうものを聞く、調査をするということ、こう一いうことを私たちは非常に神経過敏に考えるのは、過去の郵便行政について、昔そういう問題があったわけでありまして、非常に私たちとして重要に考えておるわけであります。そういう観点から今回のこの事件については非常に遺憾であるというだけでは、実際に了承ができない。これは将来絶対にこういう問題を起してもらっては困りますし、また一般世間が自衛隊に対してとやかくの批判の目を持っておりますし、またぞろ昔の憲兵隊の二の舞ではないかという気もするわけであります。そういうことからいたしましても、今回こういう事件を起した本人に対しては、将来の問題もありますので私は厳重なる処分を望みたい、こういうふうに考えておるわけであります。−そういう点について特に今回の事件に一対する長官の見解を一つお嗣ぎしたいと思います。
○船田国務大臣 私の聞いておりますところでは、ただいまお話のような思想調査をしたというようなことについては聞いておりませんが、しかし先ほども申し上げます通りに、自衛隊の者が郵便法違反をやったことがありといたしますれば、それはまことに遺憾なことでありまして、将来を厳重に戒めます。またただいま御指摘のようなことが事実あったかどうかということについては、なお詳細な取調べをいたしました上で、適当な処置を講ずるようにいたしたいと存じます。
○森本委員 その思想調査云々の問題については、人事局長も先ほど答弁されましたけれども、その問題はさらにあなたの方が調査をせられるというなら調査をせられてもけっこうでありますが、ただあなたの方の人事局長が答弁をせられた内容でも、この一点だけは明確になっております。その一点の内容というのは、要するにこの郵便法の違反の摘発をした局員に対して、矢吹三等陸尉という方が米子の郵便局に行って、その摘発をした人間の生年月日、住所、さらに年令というものも尋問をして、これを調査しておる。さらにこの人の自宅まで行ってその内容を聞いておる、こういうことは事実なのです。だから郵便法違反の問題とこの問題とは別なのです。家庭まで行ってそれを調べたということと、郵便局へ行って調べたということは事実なのです。だから偏向的な思想を持っておるかどうかということについては、われわれの方ではそういうことを自衛隊の方が来て聞いたということは聞いておりますけれども、この問題については人事局長はそういうことはないというふうに否定しておる。その問題は問題としても、住所なり生年月日なり年令を聞いたということは事実なのです。これはあなたの方の局長が答弁しておるのですから、これは明らかなのです。この問題についてはどう考えるか。郵便法違反と言う問題については、当然あなたの方は将来厳重に戒める必要がある、その次の問題として今言った問題をどう考えるかということなのです。
○船田国務大臣 自衛隊員が特に自宅まで行って思想調査をしたというふうに私は聞いておりません。従いましてただいま御指摘のような事実が果してあったのかどうかということについては、今まで私の受けております報告と違っておりますから、それらにつきましては詳細に調査した上で善処することにいたしたいと思います。
○森本委員 詳細に調査して善処するというよりも、調査は一応完了したということを人事局長は言っておるわけです。だから人事局長もその思想調査を行なった云々の問題については——これははっきりしておきたいが、私たちの方はそういう偏向的な思想を持った者はおらぬかということを、自衛隊の者が来て聞いたということを聞いておる。ところが人事局長はそういうことは明確でないということははっきり言っておるわけです。けれどもその問題は別として、ともかく自衛隊の矢吹三等陸尉なる者が郵便局に行って、摘発した人間の生年月日と住所、年令を聞いたことは事実なのです。これは人事局長は認めておるわけであります。それから家庭にまで行ってそれを調査したということを事実認めておるわけであります。だからその問題をどう考えるかということを言っておるわけです。大体自衛隊が何の必要があって、こういうことまで調査しなければならぬのか。郵便局員は郵便法によって法を執行した、その執行した者に対して自衛隊が威圧を加えるような、こういう調査をするということは明らかに行き過ぎであり、人権の侵害ではないかということを私たちは言っておるわけであります。そのことは調査も十分に済んでおりますから、それに対する見解をお聞きするわけです。
○船田国務大臣 自衛隊員が外部に出ましたときに、いろいろな事故を起した、たとえば交通事故を起したというような場合におきましても、その事故につきまして相手の者がどういう者であったか、その姓名あるいは年令等を聞いて上司に報告する、こういうことに平素取扱っておるのであります。今度の事件につきましても、それらの交通事故の起った時やその他の場合と同じように事故の報告をいたしたのに、姓名や住所——どこに住んでどういう人で相手はどういう者であるかということを聞いたものと私は報告を受けております。それ以上思想調査をして威圧を加えるというようなことがあったと私は聞いておりません。
○森本委員 あとからそういう答弁の材料をつけ加えたかどうか知りませんけれども、これは郵便局の局員が郵便法というものを適正に執行したまでです。そういう問題を、あなたの方が事故を起しておる問題について交通事故と同じように考えるということは、はなはだもって郵便法に対する侮辱だと思う。何もそういうことを調べる必要はない。これは明らかに自衛隊の方が悪いことをしておって、その悪いことをしたあげく、なぜこういうふうな摘発をしたか、けしからぬじゃないかというようなことを言っておる。これを交通事故と同じように考えて報告してもらったら困る。たといそれが交通事故の問題と同じように報告する意思でありて、そういう報告をしたにしても、自衛隊がこういうことをやるということは、あなたがいかなる答弁をされても、世間一般に大きな誤解を招くことは事実であります。だからその点に対してのあなたの見解を聞いておる。単なる交通事故として調査をしたというような答弁では納得はできません。
○加藤説明員 これは前会も申し上げましたが、結果において誤解を招くようになりましたことは私は遺憾だと思います。ただし当人といたしましては、交通事故や演習場の中における事故と同じようなつもりで調査をいたしました。自衛隊といたしましても、交通上の事故や演習場の中における事故を起しました際は、自後の措置のこともありますし、他の部隊に対する警告の意味もございまして、官憲と連絡をとり必要な手続をしておりますので、それが習慣的になりまして、この事件につきましても矢吹君が郵便局にお尋ねに行ったということだろうと思います。
○森本委員 私が言っておるのは、その交通事故とかそういう問題と、事いやしくも信書の秘密をつかさどるところの郵便法というものを預かっておるところの郵政省の従業員の問題とは、全然別個なんです。いやしくも国民のその信書の秘密というものを預かっておる、非常に機密を預かっておるところの郵政省の従業員が、郵便法の執行を適正に行なったことなんです。これはかえって郵政大臣はほめてやらなければならぬ。表彰してやらなければならぬ。それにもかかわらず自衛隊の方が、それを逆に自分の悪いことをたなに上げておいて、何でこういうものを摘発したかというような威圧を加える、生年月日、年令を聞くということは非常にけしからぬものだ。だから巷間今非常に自衛隊の問題についていわれておる今日においてこういう問題を起すということは、非常に世間に対しても大きな疑惑を招く。私が先ほど言ったように、昔の郵便局の問題と憲兵のあり方の問題を考えて、今日の鳩山内閣の実際の政策のあり方を見ておると、非常に寒心にたえぬ。だからこういう問題が小さな問題であったにしても、将来の問題を考えて、私は郵便の信書の秘密ということを考えてみると非常に私は心配になりますので、特に長官の御意見を聞いておるわけです。だからあなたは交通事故云々というふうに簡単に答弁せられたけれども、事は簡単な交通事故の問題じゃありません。国民の信書の秘密を預かっておるところの郵政省の従業員に対して、こういうふうな思想調査に似たようなことを行うということは、自衛隊として私はもってのほかであるということを言っておるわけです。それに対する長官のはっきりした見解をお聞きしたい、こういうことなんです。
○船田国務大臣 非常に誤解を受けるような行動があったということは、まことに遺憾でございます。ですから将来のことを十分戒めまして、そういう事故を繰り返すことのないように努めて参りたいと思います。
○井手委員 ただいま防衛庁の長官は誤解を招いたとおっしゃいましたが、決して誤解じゃございませんよ。先般のことをちょっと繰り返しますが、郵便局の窓口では十分な調べができなかったからさらに自宅まで行った、これは先般人事局長でしたかだれでしたか、はっきりお認めになりました。それではもし、交通事故云々のお話がありましたが、上司に報告する必要上、ほんとうに必要があると思うならば姓名、姓くらいは必要であるかもしれぬが、自分が郵便法違反を起しておる、これは悪かった、かりに善意にとりまして悪かった、上司に報告する場合に相手の名前を言わなくてはいかぬだろう、だから郵便局に行ってあなたは何という人ですかと名前を聞かれる、これまではあの場合は了承できるかもしれません。それ以上に住所、年令、国家の公務員に対して——国家の公務員ですよ。国家の公務員に対して住所、年令まで聞く必要がどこにあるかと私がお尋ねいたしましたところ、いやそれは確かに行き過ぎでございます。その行き過ぎの上にさらに自宅まで行ってやる。これは確かに行き過ぎも行き過ぎです。人権の侵害ですよ。それは長官、決して誤解じゃございません。そんなものを誤解などと思うものはございません。あなたの方が行き過ぎであるものを相手に誤解を受けた、以後注意しますくらいでは、これは絶対に済まされません。一つ長官、よくお考えを願いたい。自分が悪いことをしたならば、率直にあやまるべきものであります。だれしも同じことです。自分が悪いことをして、そうして相手に名前を聞くならば、相手としては報復を考えるでしょう。いかに正しいことを、公務を執行しておっても、なるほど今は名前こそ違ってはおるけれども、軍隊と何ら変りはない。憲兵政治を知っておった者にとって、相手から住所、氏名、年令を聞かれる、その上に自宅まで行かれる、これは明らかに人権の侵害でございますよ。その人権を侵害した自衛隊員に対して、郵便法も知らない、礼儀も知らない人権をじゅうりんした自衛隊員に対して、どのように処分なさるつもりか。明らかにこれは人権の侵害である、行き過ぎである。私は先刻来きょうまでが人権擁護週間であるということを繰り返し申しました。きようでおしまいですから、この人権を侵害した当の陸尉ですか、そういう人はおもしろくない。そのように人権を侵害をした者が、あなたの部下であってはならぬはずです。きょうは最後の日ですから、この際はっきりとその人たちに対する処分並びにその上司に対する責任の追及、これを明らかにしていただきたい。
○船田国務大臣 自衛隊の隊員が、特に人権じゅうりんをするようなことをいたしたというふうには私は考えておりません。なおその調査を詳細にいたしましてどういう措置をとるかということは、ここで今直ちに申し上げることはできませんが、またさようなことのないように善処いたしたいと思います。
○井手委員 長官は人権じゅうりんしていないとおっしゃいますが、局長が述べられた点だけでも、これははっきりしておるではございませんか。十一月の十一日午前九時半ごろ、その陸尉の人が米子の郵便局に見えて、まず冒頭にどうも自衛隊の郵便物が紛失しておる、この郵便局に思想的に偏向しておる者はないかというようなことを聞いておるのであります。残念ながらそのときには速記者がいなかった、だから今ここに記録はございませんので水け論になるかもしれませんけれども、これを聞いておった人は決して一人や二人ではございません。名前も私は承知しておりますが、必要によっては私はここに呼んで、言うたか言わなかったか喚問してもいいと思う。十人ばかりの人が思想的に偏向しておる者はないかと言ったことを聞いておる。これはあなたの方では調査をしておらぬから、それを肯定なさることはできないかもしれません。しかし少くともこういうふうに局員が脅威を受けておる、自宅まで調査をされておる、それでもなお人権が侵害されていないとおっしゃるのか。自衛隊員として正しい公務の執行であるとお考えになっておるのか。私は船田さんは前からよく存じておりますが、こういうことについては厳正になさる人であると尊敬いたしておるのであります。少くとも思想調査は別にいたしましても、行き過ぎたこの行動に対してでも、私は即時処分するだけの十分に価値があると思う。しなくてはならないものであると考えております。重ねて長官の御所見を承わります。
○船田国務大臣 ただいま御指摘されたような事実が事実ありといたしますれば、それはまことに遺憾なことでございます。しかし私の今まで受けております報告では、人権じゅうりんの意一思を持ってやったものとは考えておりません。しかしかような事件をしでかしたことは、まことに遺憾でございます。以後さようなことのないように善処していきたいと思います。
○井手委員 思想的偏向問題はともかく別にいたしましても、氏名以上に住所、年令を聞いたことは、行き過ぎであるとは長官お考えになりませんか。さらにまた自宅にまで行ったことは、これは自衛隊員としてなすべからざることであるとお考えにはなりませんか。
○船田国務大臣 まあ姓名、年令を聞いたということでございますが、その者は前にも知り合いで会っておるというような関係にありますので、そこで自宅にも行ったというような報告を受けておりますが、その事実だけをもって人権じゅうりんの意思があったものというふうには、私どもといたしましては判断いたしかねます。しかしかような事件が起ったということは、先ほど来申し上げている通りまことに遺憾に存じます。自衛隊員に十分厳重に警告をいたしまして、さような事件を再び繰り返さないよべに善処して参りたいと思います。
○井手委員 長官はどうも結論をお急ぎになるようでありますが、この点やはりはっきりしておかなくちゃならぬと思う。自分に人権をじゅうりんする意思がなかったならば差しつかえないというような印象を私は受けた、そういう御答弁のようであった。人権じゅうりんとは、意思があったとかなかったとかいうことでなくて、事実の問題なんです。相手の受ける印象であると思う。どんなことをしても、相手がいかに人権を侵害されても、やった人間が私はそういう意思がなかったということで済まされるなら、人権じゅうりんというものはないかもしれません。もしこのままで自宅まで行ったということが不問に付されることになれば、一つの判例のようなものになって、どんどん今後行かれることを私は非常に心配しておる。だから私はくどいようですけれども、自衛隊員が、小学校の児童でも知っている小包の中に信書を入れてはならないということを知らなかった。それだけでも自衛隊員の陸尉としてふさわしからぬものがあると思うのです。相手に対して住所、氏名を聞くということはいいのでございましょうか、差しつかえないことでございますか。
○船田国務大臣 ただいま井手委員のおあげになったような事実につきまして、私はここに詳細な材料をもって答弁申し上げるわけには参らぬのであります。私の受けておりまする報告では、特に人権じゅうりんというような考えを持っておりませんことはもちろんでありますが、知り合いの者を訪問し、そして十月何日かに事故が起った、そのときの関係者はだれであったというようなことを聞いた。こういう事実をもって直ちに人権じゅうりんがあったというふうには、どうも私には判断できません。しかしとにもかくにもかような郵便法違反ということから、相手の者にそういう誤解という言葉は悪いかもしれませんが、誤解なりあるいは心配をさせたというような事件がここに起ったということは、私はまことに遺憾に存じますから、さようなことの再び起らないように厳重に警戒して善処して参りたい、かように考えます。
○井手委員 くどいようてすけれども、これは非常に重要なことでございますから、私はいま少しくお聞きをしておきたい。そこに集まっておる報告あるいは局長の耳打ちで判断のできない船田さんではないはずです。あなたはおわかりになっておるはずである。戦前に法制局の長官をなさった人が、自衛隊員のどこに行き過ぎがあるか、そのくらいのことがわからぬはずはないと思う。自分が法を犯しておって国家の官署に、郵便局に行って相手の住所、生年月日を聞く、これは行き過ぎじゃありませんか。私はあえて人権じゅうりんとは申しませんが、行き過ぎではございませんか。局長は先般そのようにおっしゃった。局長がおっしゃったことが長官に言えないはずがない。名前くらいは報告なさる必要があるかもしれません。私どもは必要ないと思っておりますけれども、百歩譲って自衛隊には必要であるかもしれませんが、住所、生年月日を聞く必要がございますか。行き過ぎではございませんか。そしてまたいかに知り合いでも、なるほど知り合いといえぱ知り合いでしょう。毎日往復しておったときにどんな顔をしておるか、そのくらいの知り合いはあるでしょう。その知り合いだからといって自宅を訪問する、それは知り合いというのは詭弁ですよ。いわゆる必要以上に聞いた上に自宅まで行った、これは行き過ぎとお思いになりませんか。
○船田国務大臣 この詳細なことにつきましては、加藤人事局長から答弁されたところが事実であると思います。それ以上の行き過ぎがあったかどうかということは、なおもう一ぺんよく調べてみなければ、結論を出すわけには参らぬと思います。ただいままで私が報告を受けており、人事局長から聞い範囲内におきましては、人権じゅうりんというような事実は私は考えられないと思います。しかしいずれにいたしましてもかような事件が起ったということは、たびたび申し上げる通りまことに遺憾なことでございますから、今後さようなことのないように努めて参りたいと思います。
○小泉委員 議事進行について。もう十二時を過ぎましたし、井手君御自身がくどいようですがと言われている通り、また速記録をごらん願うと御自身もよくおわかりと存じますが、この問題については全く同一の言葉を数回にわたってわれわれは聞かされておる。聞いている身にもなっていただきたいと私は思うのであります。また質問の中にも、いろいろと断定されたこともたくさんございます。一々私は具体的には触れませんが、組合の報告が厳然たる事実であるという断定は、何者もなし得ないのであります。また政府側の答弁が事実と相違しておるという断定も、何人もなし得ないのであります。たとえば人名、住所、年令を聞いたことが、これが直ちに人権じゅうりんであるというのも推理の飛躍であり、今流行のノイローゼのきらいなしとしないというふうに私どもは伺っておる。委員長も多年本委員会における大先輩、ベテランであります。こういう問題で三日も四日も同じことを繰り返されては、ほんとうに聞く身にもなっていただきたいのであります。適当に整理を いたしまして、本日は散会の措置に出られんことを希望いたします。
○松井委員長代理 ただいま議事進行で小泉君から散会の発言がございましたが、きょうは土曜日でありますから、午前中に散会をしたいと思いますが、やはり質疑の処理だけはしておかないと委員会の権威にもかかわりますから、その処理だけはしておきたいと思います。 そこで政府側にも私の方から申し上げますが、たとえば郵政事業に関する問題では、当委員会では草津局の問題とただいまの問題が毎日続けられております。これは委員諸君の方がその責めを負うべきじゃなくて、政府の方が明快なる御答弁ができないから、同じことを続けている向きもありますから、これは委員諸君だけの責任ではないのです。その点については明瞭にお答えを願いたいことを委員長から政府側にお願いをいたします。そこで政府側の答弁も、ただいまの問題につきましては委員長として、十日にこれとこれとこれの答弁を用意して、はっきりしていただきたいということを要求したはずなのです。ところが加藤人事局長の当初における答弁は、その通りの順序を追ってやっておらない。そこで長官のおいでを願ったわけです。 委員長がこの前申し上げたことでありますから、私から長官にお伺いをしますが、十日に明瞭にお答えを願いたいというその内容は、自宅調査の必要がどこで生じたか、自宅調査の理由を明らかにすることが第一点。それから自衛隊法第何条による職務に一よって自衛隊員が自宅調査をしたのか、これが第二点。それから第三点はそういうことが行き過ぎであることを局長も認められておったのでありますが、それが行き過ぎであり、自衛隊の職分としてあるまじき行為だとするならば、その責任の所在を明らかにすること。よろしゅうございますか、長官。本日はこれについての明快なる御答弁をいただくということで、この前の委員員会は散会をいたしておるのです。この点についての順序を追うた組織的な御答弁が局長からなされていなかったために、同じような質問が繰り返されておる。この前の委員会の最後に委員長として要求をいたしましたこの内容について、長官は局長からつまびらかに伺っておられるかどうか。伺っておられるならば、この内容についての御答弁を、本日は一つ長官みずからやっていただきたい、こう考えますので、御答弁を願います。
○船田国務大臣 ただいまの御質問は事実についてのことでございますから、局長から答弁をいたさせます。
○加藤説明員 最初に、なぜ十一月の十四日に本人のうちまで行ったかということにつきましては、私は明快な御答弁をしておるつもりでございます。最初申し上げたのでございますが、十一月十一日に米子郵便局に参りました際には、十月十五日と十九日と二十日の事件について矢吹三筆陸尉が関係者の名前を調べに行った。しかしながら十一月九日の事件については聞き漏らしたので、十一月十四日にさらにあらためて電話をいたしまして、そのことについて聞きたいと言ったところが、当人が不在で届かなかった。そこで急いで報告を取りまとめたいと思って本人に聞きたいと思った。これは開封した方ではなしに、矢吹三等陸尉の友人から紹介を受けた郵便局のある事務官でございます。その事務官のうちへ私が参りましたということを申し上げております。 処分の点につきましては最初に申し落しまして、まことに恐縮でございます。これは今までの長官の御答弁でも明らかになったのでありますけれども、行き過ぎというか、必要以上のことを聞いたということは私はあると思います。しかし人権を侵したというふうには判定できないと思います。なぜかと申しますと、矢吹がたずねた事務官は、前に自分の友人の紹介で会ってるので、当人といたしましては翌日また郵便局で聞けばよかったのでしょうけれども、前にお会いしていることでもありまするし、うちへ行って聞けばよいと思って、うちへ行ったのであります。結果的に事件を招いたということは申しわけないと私どもは思いますけれども、人権を侵したということまではならぬと思いますので、本人に対しましても厳重に注意をいたしますが、懲戒処分というようなことは考えていないという状況でございます。
○松井委員長代理 先ほど委員長は処分の問題についてはお伺いしていないのです。自衛隊法何条の自衛隊員の職分において自宅調査をしなければならなかったか、その根拠を明らかにしてほしいということで、処分についてはお伺いした覚えはないのです。だから、要するに要求した事柄について明快な御答弁をなされば、委員会の進行もまことにうまくいくわけです。私は処分の点をお伺いしたのではなくて、自衛隊法何条に基く隊員の職分として自宅調査を行わなければならなかったか、こういう点を明らかにしてほしい、こういうわけであります。それで自宅まで訪問したことが行き過ぎだとするならは、その行き過ぎの責任の所在を明らかにして下さい、こういうことですから、一つ明快にお答えを願いたいと思います。
○加藤説明員 法規の根拠といたしましては、自衛隊法にございます職務を執行するということに結果することであろうと思うのであります。これは私が申し上げるまでもなく、自衛隊はその隊務を執行するわけでありまして、その中で報告を要する事項につきまして、上の方から報告をしろということが一般的に参っておりますると、一般的な指令に基いて調査をするということに相なるであろうと思います。 処分の点は、委員長からは御要求がなかったかとも思いますが、これは井手委員でございましたか御要求がございました。
○松井委員長代理 再度ですが、あなたは注意をします。行き過ぎであったということを申されましたが、その責任の所在はどういう考えか、これまた落しております。
○加藤説明員 本人に対しましては、懲戒処分をいたしませんければ、厳重に注意をいたします。関係者に対しましては、部隊長はすでに陳謝の意を表しております。さらに私どもは今後そういうことのないように、部隊長に対しましても注意をいたします。
○松井委員長代理 ただいま、この前の委員会の最後の質問の要求についてのお答えがございました。さらにこの問題についての疑義がございますならば、次会において調査を進めることにいたしたいと存じます。本日は実は放送、電波関係、それからさらに早稲田柳右ェ門君からの質疑要求等もございましたが、だいぶん時間をとりましたので、すべて次会に譲って、本日は散会をいたしたいと存じます。 〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○松井委員長代理 ではさよう取り計らいます。 次会は公報をもってお知らせいたします。本日はこれにて散会いたします。 午後零時二十七分散会