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23回国会衆議院1955/12/12

地方行政委員会 第8号

発言数
77
登壇者
13
会派数
2
開催日
1955/12/12

会議録

大矢省三日本社会党

○大矢委員長 これより会議を開きます。  まず理事の補欠選任についてお諮りをいたします。理事でありました門司亮君が去る十日委員を辞任せられましたので、理事の補欠選任を行わねばなりませんが、これは先例に従って委員長より指名することに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大矢省三日本社会党

○大矢委員長 御異議がなければ、従前の通り理事には門司亮君を御指名いたします。     —————————————

大矢省三日本社会党

○大矢委員長 次に門司亮君外九名提出にかかる地方交付税法の一部を改正する法律案を議題として、提案者より提案理由の説明を聴取いたします。門司君。

門司亮日本社会党

○門司委員 ただいま議題になりました地方交付税法の一部を改正する法律案につきまして御説明をいたしたいと思います。本来なら説明の要旨を御配付申し上げますことが順当でございますが、大体皆さんも十分おわかりになっている内容だと思いますので省略させていただきまして、口頭で申し上げることによって御了承を得たいと思うのでございます。  この法律案の内容は、現在の地方交付税の第六条中の「百分の二十二」とありますものを「百分の二十七」に改めるということでございます。なおこの法律の実施は交付の日から施行いたしまして、昭和三十年度分の地方交付税から適用する、こういうことになるのでございます。さらに交付税及び譲与税配付金特別会計法(昭和二十九年法律第百三号)の一部を次のように改正するのでございます。  この第四条中の「百分の二十二」を「百分の二十七」に改めるというのでございます。  提案いたしました最も大きな理由といたしましては、御承知のように地方財政の憂慮すべき現状にかんがみまして、毎年度分として交付すべき地方交付税の総額を増額する必要があると認めたからでございます。すでに皆さんも御承知のように、昭和三十年度の地方の財政状況を見て参りましても、財源不足と思われるものが、いろいろの見方はございますが、たとえば地方における財政調査会、いわゆる地方財政調査会の調査等の内容を見て参りましても、不交付団体並びに交付団体を入れて参りますと、全額大体六百八十億ないし九十億、約七百億に近い財源不足があると言われておりますし、さらにこれを交付団体だけに見て参りましても五百四億という数字が一応出ておるのでございます。しかしこの数字は必ずしも全部これが財源不足であるかということ等につきましては、多少異論もあるかと思うのであります。その中には少くとも二百億あるいは二百七十億と言われておりますような地方公務員の給与の問題等が含まれておりますが、しかしこの給与の問題は実質的にはまだその差額がどういう形で処理さるべきであるかということについては、いろいろ給与の実態調査等に待たなければならないということも考えられるとは思います。しかし現実の問題としては、地方ではこれを給与していることに間違いがないのであります。従って現段階におきましてはやはりそれらのものも全然勘案しないわけには参りませんので、従ってこれらを勘案いたして参りますと、少くともこの法案で増額されますものが、ちょうど三百十二億ぐらいになると思います。そのくらいの財政処置はぜひ本年度交付団体分としてなさなければ、地方財政の今日の窮状を打開することはできないと私は思います。これは政府もお考えになっておりますように、昭和三十一年度の財政計画の上において、地方財政の完璧を期しようといたしますには、少くとも本年度においてこのくらいの財源処置をしておきませんと、結局赤字というか、財源不足を持ちながら三十一年度の完全なる計画は立ち得ないと私ども考えておりますので、こういう提案をいたした次第でございます。  なお交付団体、不交付団体を通じて本年度の財政不足分として考えられますいわゆる期末手当の問題が出て参ります。これは新たなる一つの処置でございまして、国が法律をもって〇・二五の期末手当の増額をきめました以上は、地方の公共団体におきましてもこれに準ずるということが当然でございまして、従ってこれからくる地方の新たなる財源所要額の五十八億あるいは五十一億とも言われますが、いずれにいたしましても五十億をこえます額がさらに必要になるかと存ずるのでございます。しかしこの問題につきましてはいずれ別途新たなる法案を御提示いたしまして御協議を願うことといたしまして、とりあえず本年度の不足額と思われる三百十二億をここに補填していただきたいというのが、本法案を提案いたしました趣旨でございます。  すでに地方財政の逼迫と今日の窮状には十分御理解とさらに御同情を願っております各位におきましては、おそらく反対はないと私は確信いたしておりますが、なお念のためこの法案に対して皆さんの御賛同を願いまして、すみやかに法案を可決していただきますことをお願いを申し上げまして、本法案の提案の趣旨の説明にかえたいと思うのでございます。

大矢省三日本社会党

○大矢委員長 本日は説明聴取のみにとどめて質疑は次会に譲りたいと思います。     —————————————

大矢省三日本社会党

○大矢委員長 次に昭和三十年度の地方財政に関する特別措置法案を議題とし、前会に引き続き質疑を行います。通告がございますので、順次これを許します。加賀田君。

加賀田進日本社会党

○加賀田委員 鈴木次長にお尋ねをいたしたいと思いますが、地方公務員に対する増額分として今問題になっております〇・二五ヵ月分の増額の財源の問題ですが、御存じのようにすでに国家公務員の期末手当の増額に対しましては、本日の本会議で衆議院を通過するという段階に立ち至りました。従って地方公務員におきましても〇・二五の問題が、今地方におけるいろいろの交渉の過程を通じて理事者側と問題をかもし出しているという状態です。  そこで先般の本会議における長官の答弁あるいは本委員会における鈴木次長の答弁等を聞きますと、三十年度に通常国会において何とか財源処置を講じたい。もし困難であれば三十一年度の地方財政の抜本的な改革の中に含めて解決したいという抽象的な答弁でございますが、地方公共団体といたしましては、そういう抽象的な政府の態度に基いてわれわれが将来赤字をさらに累積するような〇・二五の増額を支給することはできないというような態度を現在とっております。従って地方団体では労働組合と理事者側とがいろいろ団交を続けておるという状態であります。そこで自治庁としては三十年度あるいは三十一年度にその財源処置を講ずるという抽象的な話ではなくして、大蔵省とその後具体的な処置に対してお話になったかどうか。もし具体的な処置が明示されないとするならば、今後期末手当は地方公務員としてはいろいろな問題を起すであろうとわれわれは想像するので、それを危惧いたしまして自治庁としてどういう財源処置を講ずるかということを明確にしていただきたいと思います。

鈴木俊一自治庁次長

○鈴木(俊)政府委員 〇・二五の財源措置の問題につきましては、私どもも先般申し上げましたように、その経費の性格上財源措置をしてもらいたいということを強く主張いたして参ったわけでございますが、先般の閣議で決定になりました方針においては、御承知のように、その点はいずれとも義務教育費関係の国庫負担分以外は明らかになっていないわけであります。私どもといたしましてはその後大蔵当局とも話し合いはいたしておりますが、三十一年度の問題については、まだ国の予算の編成方針というものがこれからきまる段階でございますし、それから本三十年度の予算の補正の問題は、今回の百六十億の財源処置に関連をしてこれを行うということは明らかでございますけれども、その際の問題としてどういう問題を見るかということもこれまた明らかになっていないわけであります。事務的にいろいろ折衝をいたしましても、根本のそういう方針に触れる大きな問題でございますので、そういう方針がやはり最終的にきまりますのは、まだ少し時間をかしませんと、今日の段階におきましてそこまではっきりすることは事務的に見ましてどうも少し困難ではないか、こう考えております。ただし自治庁といたしましては、この問題は今後とも引き続いて大蔵省側に、折衝して参りたいという考え方でございます。

加賀田進日本社会党

○加賀田委員 聞きますると先般来の長官並びに鈴木次長の答弁と何ら変ってないと思いますが、実際問題として地方公共団体は新たに起った財源不足に対して、この赤字累積の現状から捻出は困難だ、従って国家公務員がそういう状態で〇・二五増額されても、地方公務員としては支給することはできないというような態度をとっておる地方団体が相当多いわけであります。  そこで私はさらにお尋ねをいたしたいのは、そういう状態で捻出不足のところだけ短期・融資をするといっても、短期・融資そのものは将来何らかの裏づけを明確にしなくては赤字の累積になるわけでございます。そこで大蔵省といろいろ折衝努力されていると思いますが、大体その財源処置が明確になるのはいつごろであるか。明確にならなければ地方公共団体としては出すということを明確に言わないというのが現状なんです。だから自治庁としては努力されて、その点が三十年度にはこういう処置を講ずる、あるいは三十一年度ではこういう処置を講じて、三十三億の財源を捻出するというような明確な線が出るのはいつごろか、その点を明らかにしていただきたい。

鈴木俊一自治庁次長

○鈴木(俊)政府委員 御心配の点も十分理由があることと存じますが、今申し上げましたような事情でございまして、しからば、先般来大臣が、三十年度あるいは三十一年度の予算の補正あるいは予算編成の際の問題として解決するよう最善の努力をする、こう言われましたが、その努力の結果はいつ現われるかということは、今ここでちょっといついつまでにと時を限って明らかに申し上げることは非常に困難な事情と考えます。できるだけこれはすみやかにはっきりいたしませんければ、お話のような問題がありまして、地方としては非常にやりにくいと思うのでございますが、政府といたしましては、とにかく資金上必要なる短期融資の措置はする、こういう建前でございまするので、自治庁といたしましては、とりあえず地方がそれぞれの支給の計画を立てまして、それに伴う資金需要がございました場合に、全体の他の財政需要とにらみ合せて、どうしてもこれは必要であるというものにつきましては、大蔵省側に対してとくと協力方を強く要請いたしたい、とう考えておるのであります。

加賀田進日本社会党

○加賀田委員 短期融資をするといいますけれども、短期融資はやはり年度内に返還しなければならない問題で、実際に地方団体としては、やはり政府がその点を明確にせなくては支払わないと言っているのです。そういう状態が起った場合に、政府としてはどう支払うような努力をするかというような具体的な問題が起ると思うのです。先般もいろいろ話がありましたように、警察におきましては警視正以上は国家公務員と同じように一・五〇もらう、警視正以下の方々は一・二五という現状が起ってくる。あるいは学校の教職員におきましても、半額は政府が支給するといっていますが、これは実際の支出した金額の半額ということになるので、もし地方団体が支給しないといえば、政府としてはそういう半額を支給する必要がないというような現状になってくる。こういう形で地方団体はほんとうに赤字の現状で短期融資をしてもらっても、これは赤字をさらに大きくするだけであって、政府としては今までの地方団体に対する財政上の非常な冷たい態度から、そういう抽象論ではわれわれとしては信用しない。だからもっと早く明確にしてもらえば—地方公務員に対しては一・五〇は支給しょう、こういう態度をとっているのですから、やはり自治庁としては早くその態度を明らかにしなくては、今ようやく国家公務員を通じての労働問題が少し平穏になったのが、今度は労働問題が全部地方に移るという問題が起るわけです。地方の公共団体はそのために非常な混乱を来たして、年末を控えて業務の支障が起ってくるのではないかと、われわれとしては危惧するわけです。そういう意味で、早くそういう明確な財源処置をどうするかということを明らかにしていただきたいと希望いたしまして、私の質問を終ります。

大矢省三日本社会党

○大矢委員長 北山君。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 この前の委員会で、たしか中井委員からお尋ねがあったと思うのですが、今度の年末手当〇・二五増額分百十八億円によって所得税はどのくらいはね返るか、資料を出してくれという要求をやったわけですが、大体どのくらい所得税がはね返るでしょうか。

柴田護総理府事務官(自治庁財政部財政課長)

○柴田説明員 この間御質問のあったのは、私の方の所管でございませんので、大蔵当局に確かめましたが、大体三分の一くらいのものだろう、こういうような返事でございまして、正確な計数は示し得ないような状況にございます。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 三分の一というと、百十八億で三十五億くらいですか。

柴田護総理府事務官(自治庁財政部財政課長)

○柴田説明員 ちょっと訂正いたします。大蔵当局の説明では、通常の場合はそれくらいだけれども、大ざっぱな数字が二十五億くらいじゃないか。それで正確な計算は、どのくらい出るのか、具体的には地方公務員の問題等があるものだからわからないけれども、およそ二十五億くらいと考える、こういうことでありました。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 通常の場合には三分の一くらいだが、この場合には二十五億くらいというのはどういうわけなんですか。

柴田護総理府事務官(自治庁財政部財政課長)

○柴田説明員 源泉徴収のはね返りの計算上の問題だと思いますけれども、そのくらいじゃないだろうかというような話から大体二十五億程度、こういうことで、その間の経緯は私は詳細存じておりません。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 通常の場合よりもこの際が少いという特別な事情についての御説明がはっきりいたしません。ですが、これはまた大蔵当局の方からお伺いをすることにしますが、ともかくも今度の期末手当の増額についての所得税の増徴増収というものは、国、地方を通じて一応節約ということになれば、既定予算の中からまた歳入の方にこれを振り向けるというか、既定予算の節約によってやるということになれば、歳出の方から歳入を生み出す結果になるわけだと私は思うんです。また同時に地方公務員については五十八億、これの三分の一というと、どの程度になるか計算してみなければわかりませんが、これを政府は財源措置をしないということになれば、これは当然地方財政の苦しい中から国税をそれだけとってしまうという結果になる。少くともこの分は地方団体を国が搾取するというか、そういう結果になると思うんですが、この前もこの点に触れたんですけれども、それが適当であるかどうであるか。こういう点から考えてみましても、地方公務員に対する期末手当の増額の分については、やはり国としても財源措置というものを考えてやる必要があるのじゃないか。何も考えないでおいて、国は節約でやるから地方も節約でやれというて、税金だけは遠慮なくちょうだいするというのは、まことに冷酷な話ではないかと思うんですが、鈴木さんはこの点をどういうふうにお考えですか。

鈴木俊一自治庁次長

○鈴木(俊)政府委員 従来ともベース・アップがありましたり、あるいは期末手当の増額というようなことがありますれば、御指摘のように国はそれの二割五分なり三割なりというものが所得税としてはね返って、当該年度の収入になってくるわけであります。これに反して地方の方は、道府県民税にいたしましても市町村民税にいたしましても、前年所得を基礎にいたしておりますから、来年でなければそのはね返りがない、しかし来年になればそのはね返りはあるわけであります。そのことからして財源措置をすべきであるとか、結果的に事実上国が地方の給与分についてもとるのだから、財源措置をすべきであるという議論には、ちょっと直接にはつながらないのじゃないかと思うのでありますが、ただ国がとういう制度を改正いたしまして、法律上支給できるような建前にいたし、それに対する財源措置は、国も既定経費の節約でいくんだから、地方も既定経費の節約でいってもらいたい、こういうのは一応それ自体の理屈といたしましては、私は一つの理屈だと思うのであります。従ってそういう立て方でいくというならば、これは一応やむを得ないという結論も出てくると思うのであります。そういう意味で閣議決定が行われたわけでございます。ただ非常に地方財政の窮迫の現状において百六十億の手当をしなければ、今年度何としてもやっていけない、こういう情勢のもとにおきまして、さらに制度の改革によって地方に支出を必要とする、こういう事態を生ずるわけでございますから、従ってその財源についてはやはり考えるべきであるというのが、私どもの主張であったわけでございます。しかし国の財政全体としてもとうていそういう余力がない、こういう見解であったわけでございまして、従ってとりあえずの資金的な必要のあるものは満たそう、こういう考え方からとりあえず資金措置をする、こういうことだけがきまったわけであります。その資金措置をしまして、それが財源措置の裏づけがございませんならば、先ほども御指摘がございましたように赤字に転化する危険が多いわけであります。しかし地方といたしましても非常に苦しい中ではございますし、また特殊な団体によってはとうていそういう節約の余地がないというところもあることを私ども存じておりますが、しかし総体といたしますと、地方としましても国がそういう節約で参りますならば、やはりある程度は節約でやっていただかなければならぬと思うのであります。総体から観察いたしまして何としてもこれ以上の財源措置ができず、節約ができず赤字に転化するというようなものがいずれにしても出てくるであろうと思うのでございます。そこで私どもといたしましては、事柄の性質上も地方財政の実態上も、三十年度の予算補正の際、あるいは三十一年度の当初予算の編成の際に、何らかこれが打開の道を開きますように最善の努力をいたしたいというのが私どもの今日の考え方であり、立場でございます。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 このことは単に年末手当の問題ばかりではないと思うのです。地方の給与については御承知の通り政府の地方財政計画と給与の実態とでは相当食い違いがある。かりに四百億食い違いがあるとするならば、政府はその分については何らの財源措置をしないでおいて、その四百億はみ出ておる分についてやはり税金を三分の一くらいに取っておるのでしょう。ですから出すことがいいか悪いかは別として、現実に国税、所得税の方は地方団体の犠牲において取っておるという現実があると私は思うのです。この問題は年末手当ばかりではなくて、政府が財源措置をしないものについて、地方の団体の犠牲において国税をそれだけ増徴しておる。その金額は四百億の三割とするならば百二十億、それだけ年々取っておるのではないか、こういうふうな議論も出てくるので、それについての御意見を承わりたいと思います。  それからなお節約が可能かどうかという問題になりますけれども、今度の百六十億の配分について、政府は地方財政計画をお直しになった。その際の修正された地方財政計画を見ますと、いわゆる消費的経費の面におきまして当初の地方財政計画の無理な節約というものを若干補正しておるわけであります。緩和しておるわけであります。当初の地方財政計画の節約を要求した額には非常に無理があったので、それを今度の修正によっていくらか緩和しておるのです。そうしておいて今度はまた期末手当についてはさらにその節約額をまたふやせ、こういう結果になって、一向方針が一貫していないのじゃないかと思うのですが、どうなんですか。この表を見ると、消費的経費の方において八十億ばかりの補正をしておるのですが、その大部分というか、半分くらい、三十六億六千二百万円というのは、旅費、物件費、寄付金等の節約の当初計画を緩和されておるのですから、これによってみると、当初の地方財政計画はこの面においてやはり無理があった。だから今度の百六十億は、これを若干緩和するという措置だろうと思うのですが、もしも今度の期末手当の三十三億というものを節約によってやれということになれば、結局こういうところから出さなければならぬ、一たん直した財政計画をまた修正する場合には、ここの分からまた元に戻さなければならぬということで、まことに矛盾きわまる話だと思うのですが、これについての明確な御答弁を承わりたい。

鈴木俊一自治庁次長

○鈴木(俊)政府委員 第一の先ほどの御議論について重ねてお尋ねがございまして、地方団体が給与の支払いをする、その給与額に対する所得税というものは国が搾取しているのではないか、こういうお話であります。搾取という言葉が果して適当かどうかはわかりませんけれども、とにかく地方団体の職員が給与をもらいますれば所得税を納めるというのは、国の根本の制度でございますから、これはむしろ当然税金として納めなければならぬ一国民としての義務であって、地方公務員であるから特に納めなければならぬというものではないと思うのであります。これは会社の職員でも国家公務員でも一様に納税義務者として納めておりますので、搾取と申しますのは少し言葉がきつ過ぎるのではないかと思います。もちろん納めているのは事実でございますから、その事実を否定するわけではありません。  それから第二点の節約でございますが、今回の制度は、理論的に申し上げますと、かねて御説明申し上げましたように、各省、各庁の長が〇・二五の範囲内で定めた率のものを増額して支給することができるというのでありまして、これは要するに予算の範囲内でそういうことができるところではやってよろしい、こういう考え方でございまして、地方の場合も要するに今の法律上の制度としては三十年度においては節約をやってやれるところはやってよろしい、こういう建前になっているわけであります。でございますから全体といたしましては、やはりそういう国、地方を通ずる一つの立て方から申しまして、地方の場合におきましても、そういう立て方が地方の場合だけはいかぬ、こういう理論上の理由は出ないのであります。ただ実際問題としては御指摘にもございましたように、確かに苦しいがゆえに百六十億の特別の財源措置をやったわけでございますから、そういう状況に対してもし節約ができないのにやる、あるいは節約ができてもやる、こういうことになりますと、それだけ地方財政として苦しくなるということは、これは御指摘の通りであろうと思います。

柴田護総理府事務官(自治庁財政部財政課長)

○柴田説明員 ちょっと訂正をさしていただきます。先ほど国税のはね返りを三分の一と申し上げましたが、これは私の思い違いでございまして、四分の一程度、それで大体二十五億程度、こういうことでございますから、訂正さしていただきます。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 具体的に地方財政計画が今度の期末手当〇・二五増給によってさらに修正される、こういうことをこの前言われたのですが、そうすると大体どういうふうに修正されるのですか。

鈴木俊一自治庁次長

○鈴木(俊)政府委員 今回の制度の建前といたしまして〇・二五を一律支給する、こういう建前で制度を作り、それに対する財源措置を全然していない、こういうことでございますならば、現在の地方財政計画を歳出の面におきまして〇・二五分だけふやしまして、それに対する財源というものは積極的な財源がございませんから、さらにそれに相当する節約を歳出の面において立てる、こういうふうに修正をいたさなければならぬのでございますけれども、今回の制度は先ほど来申し上げますように、あくまでも任意決定で、団体の既定経費の中で任意にきめていく、こういう建前でございますので、従って制度上は国として強制的にやるという格好になっておらぬものでありますから、そこで特に今の建前だけでありますならば財政計画を修正する必要はない、こういうふうに考えております。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 この前の鈴木次長の答弁とちょっと違ってきたのです。この前は確か法律でも正式に国家公務員についての給与法ができれば。そのあとで地方財政計画の修正がされるようなふうな御答弁であったと私は承わっておるのです。しかしそういうふうに地方で任意ということになれば、単独事業などはほとんど任意なのだから、これまた地方財政計画から取ってしまった方がいいのじゃないですか。地方団体が任意でやるようなものは財政計画に載せないという建前ならば、なぜ一体単独事業なんかを財政計画に載せるのですか。大体強制的なものではないにしても、地方団体としてはいろんな事情あるいは権衡上やるようなものを見積って載せるのが、地方財政計画ではないのですか。その単独事業なんかについてと今の問題は違いますか。

鈴木俊一自治庁次長

○鈴木(俊)政府委員 単独事業につきましても、これは一定の標準的な支出額というものを従来地方財政計画においてずっと見てきておるわけでございまして、その標準的な支出額というものを節約するか、あるいは節約を復活するか、こういう問題はこれは国が計画的に、またさらに考えた場合に、これを調整するわけであって、地方団体が任意に単独事業を節約するという場合に、その全部の修正したものを財政計画において落す、こういうことはいたさないのであります。今度の場合でも理論上の建前としては、そういう地方団体が任意に支出するものであるから、従って今回の三十年度の地方財政計画の中には取り入れない、こういう考え方であります。しかし三十一年度以降は恒久的な制度として〇・二五を支給するというふうに明確に制度化し、画一的に処理するわけでございますから、その場合には積極的な財源も考え、歳出の方も当然にその増額分を立てる、こういうふうになろうかと思います。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 それはあまりに法律論といいますか、それだけの考え方であって、鈴木さんみたいに法律の解釈だけで行政をやろうというような人だけが今の政府の部内におるのであったら、これは内政省なんかとんでもない、危険なものになると思う。そういうような頭の人だけで今の中央政府があって、しかも内政省などというものができたならば、これは昔の内務省の再現になってしまうに違いない。これはどこから考えましても、理論的に申しましても、国家公務員において〇・二五の増給をした場合に、地方公務員法第二十四条の規定によって、やはり地方公務員に対しては権衡上地方団体としては同様な措置をとるということが、直ちに直接に義務づけられはしないけれども、これは条理上そうすべきが理論的にも当然なんでありまして、それだからこそ自治庁はこういう措置の場合には、地方団体に対しても同様な、国に準じてやるような措置をとれというように、今まででもやっておられるはずなんです。そういう頭で行政をやっておいでになると私は思っておったところが、今のような御答弁ではまことにこれは、心外なんです。それは一応の理屈であって、それならば閣議決定で地方公務員について一言もしやべる必要はないのです。何も地方公務員のことなどは閣議決定する必要はない。なぜあそこの中に地方公務員についての条項を設けて、一応そういうことが書いてあるかということは、やはり国家公務員について出せば、地方公務員もこれに準ずる措置をするのが条理上当然である。これが普通の常識に基いた理論なんです。だからして今のお話の任意であるということは、いわゆる法律的に厳格な意味においては義務づけられていないという意味なので、そういう点においては単独事業といえども同じなんです。何も単独事業をやれというようなことは、ものさしがあるといいけれども、それは従来この程度という、単独事業を地方団体がやっている一応の実績なり、そういう基準に基いた見積りにしかすぎない。そういう意味からするならば、今度の期末手当についても、地方団体においては出すのも相当あるでしょう、かりに出さないところがあるにしても、五十八億全部は要らないにしても、あるいは四十億なり五十億が要るでしょう。そういうものは見積って地方財政計画に載せなければならぬと私は思うのです。そういうものは財政計画に載せなくてもよいというならば、単独事業だってほとんど今までのやり方を変えてしまわなければならぬ。こういうふうになってしまうのですが、どうなんでしょう、自治庁はそういう考え方でおったのですか。

鈴木俊一自治庁次長

○鈴木(俊)政府委員 理屈だけを言っておるというおしかりでございますが、今回の閣議決定の建前から申しますと、たとえば旅費、物件費の節約を今度元通りに解除いたしまして、財政計画をそういうふうに直したわけであります。これは国家公務員について、要するに国において行われておる節約以上の節約を、財政計画上地方に強要いたしておったものですから、その部分を解除して、国家の官庁並みのものに戻したわけでありますが、従来の旅費物件費を国が一割五分節約するという本年度の建前の場合におきましては、国の予算もそれだけ切っておるわけであります。ところが地方はそれ以上に切ったというところに問題があるわけであります。ところで今回の措置の場合に、それでは国が予算を〇・二五だけ一律にふやしておるかと申しますと、そういう予算補正はいたしておりません。あくまでも既定予算の範囲内でやる、こういうことになっておるのであります。そういう場合にはどうも地方財政計画におきましても、それを直すということは困難でございます。ただし先ほど申し上げましたように今年の予算補正の際におきま参して、あるいは来年度になりますと少し計画上の直し方が違って参りますが、三十一年度の予算編成の際におきまして、何らかの財源措置が行われるということになりますと、その財源措置が行われました限度において、この地方財政計画を直すということになるのであります。ただ今日の段階におきましては先ほど来申し上げましたように、理論上節約というものに国も地方もよっておるわけでございますので、財政計画を修正をしてふくらませるという段階ではないのであります。

大矢省三日本社会党

○大矢委員長 五島君。

五島虎雄日本社会党

○五島委員 それでは今の節約の問題から伺います。なるほど、鈴木次長が言われるように国も節約をし、節約の中から〇・二五を支出するという決定に基いて、地方の方も同様な趣旨を一応現わさなければ、閣議決定の線がちょっと工合が悪いというような従来の説明があったわけです。ところが現実に短期融資の面で地方団体がどうしても節約は困難である、従って短期融資をお願いしたいということで、全部の地方団体が短期融資を願い出た場合には、自治庁はこれについていろいろの審査をやられるのですか。あるいはその申し出について全部の措置をするということですか。これは具体的に現実の面からはっきり聞いておけばよいと思うのです。申し出に従って全部それに措置をしてやるのかどうかということを、現実の面で聞いておきたいと思います。

鈴木俊一自治庁次長

○鈴木(俊)政府委員 地方が〇・二五をやろうといたします場合の資金需要について、短期資金の融資をするということは、結局地方団体が資金運用部資金、あるいは簡易生命保険の積み立て資金というものから、必要なる財政資金として、財政調整資金のワクの中から融資をしてもらう、こういうことになるわけであります。そこで財政調整資金という短期融資の方式は、地方団体がたとえば今月末においてどれだけの資金需要がある。しかしながら歳入は交付税が幾ら来、起債が幾ら参って、結局歳出の見込みと歳入の見込みとをプラス、マイナスしてみますと幾ら足りないか、こういう計算を出しまして、これだけ足らないからこれだけ一つ金を貸してくれという話になるわけであります。  そこで今回の〇・二五分につきましても、そういうふうな見方をいたします場合の資金の需要、歳出の方の要素として〇・二五の相当額を計算の上で出しまして、そうして歳入の方のものと引き合いをいたしまして、結果においてこれだけ足りない、だから融資をしてくれ、こういう申し出になるわけであります。これは自治庁の方に直接来るのではございませんで、それぞれ大蔵省の資金運用部、郵政省の簡易保険の地方の出先、こういう筋を通して持ってくるわけでございまして、自治庁としましては、いわばこの短期資金の融資につきましては、わき役でございます。直接の権限はないのでございます。そういう意味で、自治庁は極力大蔵省に対しまして、この団体はこういう状況であるから、これは金を貸してやるべきである、こういう助言を積極的にいたしたい、こういうことを申しておるわけでございます。一体それではそういう額が幾らになるか、これはお話のごとく、この短期融資の額がまるまるそっくり財政調整資金の中から出るということは、これは今申しましたような制度の建前から困難でございますが、しかし今の計算次第でございまして、そしてまたそれの容認され次第でございまして、総体としては、あるいはそれにより近い数字になるかも存じませんし、どうしても節約できないということでございますれば、そういうことになるかもしれませんが、しかもすべての団体がそういう状況であるとは考えられませんので、やはりその総額よりは、若干減じた額が短期融資の額になるであろうというふうに想像されるわけであります。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 融資のお話に移ったんですが、その場合に、先ほど私が申し上げたように、地方団体においては国が財源措置をしてやらない、四百億くらいの給与の、よけい出しておる分についての税のはね返り、百億なり百二十億というものをよけい取っておるわけなんです。これは給与をもらえば税金を納めるのは当然でありますが、支給団体の方の財源負担という点から見れば、これはやはり地方団体がそれだけ税を負担していることに、結果はなるわけであります。しかもその財源措置を国がしておらないという問題にはね返ってくるわけだ。従ってその分については少くともこのごろはやりのリベートですね。国は、そういう地方団体が地方財政計画に見えない分の給与、それはいい悪いは別として、やはり現実に出しておるとするならば、これはすぐにカットして下げるというわけにももちろんいかぬでしょう。ですからその余分のものについてのリベートを地方に与えるといいますか、何らかの形においてそれに相当見合う分についての財源措置をしてやるというようなことを大蔵省等に交渉する意思はないか、これをお伺いしておきます。  それから今、期末手当についての融資、金繰りの問題が出ましたが、閣議決定は短期融資のことをうたっております。ただ私は変に思いますのは、短期融資が必要な団体に対しては金を貸してくれる。ところがその分についてあとで始末をしてくれるような話もあるのですけれども、短期融資をした分についてだけあとでめんどうを見てやるということはやはり不公平ではないだろうか。この期末手当の増額分に対する財源については、やはり何らかの一定した基準に基いて政府は考えるべきであって、たまたま金を貸したからその分だけあとでめんどうを見るというのは、これはいささか不公平な措置ではないかと考えるのですが、この前自治庁長官あるいは政務次官は、三十年度ないし三十一年度のおしまいの措置において、何らか跡始末をするために努力をするということを言われましたが、その点についてはどういうお考えであるか、お伺いをしておきたいのであります。

早川崇自由民主党自治政務次官

○早川政府委員 北山委員の前後のはね返りの財源というものをも含めまして、昭和三十年度の補正または昭和三十一度の補正でできるだけ財源措置をするように全幅の努力をいたしたいということは、前から申し上げておる通りであります。ただここで一つ私は思うのでありますが、たとえば交付団体で三十三億円まるまる国家で抱きかかえろ、節約は一文もやらないのだ、こういう地方団体側の国費によるまるがかえ論というものに対しは、私は賛成できないと思うのです。少くとも国家公務員の場合にも全幅の努力をして節約あるいは超過勤務の繰り上げ支給ということに努力をしておるのですから、従ってまるがかえということは、私は賛成できないが、できるだけの節約をして、なお捻出不可能な部分については、何とか見ようという努力を今後とも続けたい、かように考えております。  それから第二番目の御質問の趣旨は、全く同感でございまして、融資をしたものだけしりぬぐいをするように努力をするのではなくて、節約をしたものがばかを見るというようなことは、もちろん考えておりませんので、そういう不公平な取扱いの御心配は要らない。むしろ節約しない地方団体はそれだけ財源の面で節約しなかった分だけ損するというくらいの方が、公平の原則に合うと私は思いますので、北山委員の御質問の趣旨は、もし財源措置ができたらという場合の話でありますが、御心配要らないような措置を講じたいと思っております。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 まるがかえは賛成できないというのですが、今まででもまるがかえはしておらないのですよ。三分の一か半分くらいのところでいっておる。それだから膨大な赤字が出ておる。そういうふうなマイナスがもうなんぼかあるのです。その際においてこの三十三億についてのみまるがかえに反対だというのはいささかおかしい。ほかの方は十分まるがかえで見ておるのだから、三十三億の方は地方に努力せよというのなら話はわかるのですけれども、ほかの方もまるで十分な措置をしておらないで、しかも節約の余地などはないということは、もう自治庁においてはよくおわかりになっておる点だと思う。そういう事態をよく見て知っておりながら、さらにまるがかえはいかぬというお考えは、ちょっと私は受け取りかねるのであります。  さらにもう一点確かめておきたいのは、今度の措置による地方財政計画の修正を見ますと、百六十億の中で消費的経費については八十億、それから投資的経費の方には八十億、まあ五〇%ずつの配分になっておるわけであります。従ってもしも地方団体が今度の〇・二五の増給分について、この地方財政計画の通りであり、また政府のお示しになる通り節約でいくというようなことになりますれば、あるいは投資的経費もあるかもしれませんが、やはり消費的経費の節約分でありますから、その場合においては十分政府が金を貸してくれでもすればいいでしょうが、今度の百六十億はこれは〇・二五とは全然別個なんだ、その金は一文たりといえども〇・二五には使ってはならぬのだ、こういうようなことでなく、やはり地方財政計画にも示されておりますが、この配分等も投資的経費、消費的経費にも配分されているといいますか、結果的に配分されているような格好もありますから、やはり金繰り上からいえば、今度の年末の金繰りから見て、百六十億は〇・二五とは別箇に使えというような厳格な措置は必ずしもおとりになるのじゃない、かように了解されるのですが、いかがでしよう。

鈴木俊一自治庁次長

○鈴木(俊)政府委員 今回の財政計画の修正は、御指摘のように消費的経費約八十億、投資的経費約八十億、財政計画上はそういうふうになっております。消費的経費の方をふやしました分は、先ほど申し上げましたように旅費、物件費、庁費等の国の節約並み以上の節約を、もとに引き戻した、こういうことであります。ただし交付税の単位費用の方におきましては、今年度の当初の地方交付税の単位費用におきまして、その差し引いただけを、要するに国より以上に節約した分だけ単位費用を落していなかったのであります。ですから単位費用の関係では、この点は財政計画が直って、ちょうど単位費用とマッチするようになったので、特に直しておりません。従って単位費用で直しましたのは、消費的経費の残りの部分の増額いたしました恩給費の関係だけであります。従って単位費用との関係から申しますと、今回の百六十億の財源措置の分は、給与とは恩給費以外においては直接結びついていないのであります。ただしこれは金でございますからへ地方団体としては総体の、先ほど申し上げましたように財政資金全体の資金繰りの上で、短期融資を受けるにいたしましても、そういう建前で足らないということで要望をいたすわけでございますから、資金的にはこれを使ってはいけないという理由は立ちません。ただ財源措置的に考えますと、今回の財源措置の性格は、単位費用において現わされておりますような投資的経費並びに恩給費等に主点を置いたものである、こういうふうに御了解いただきたいと思うのであります。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 よくわかりましたが、これは地方交付税法の建前上において一応算定の基礎になるわけです。単位費用としても、補正経費としても……。ですからどの費用がどの分だ、あるいは今回の分はどれに見合う分だということでなしに、やはり年度全体として、またそれで計算されて出てきたトータルというものをどういうふうに使うかということは、やはり地方団体の自主性がある、これは確かめるまでもないと思うのであります。そういう点で先ほど申されたように、金そのものにしるしがついているわけじゃないから、これは〇・二五とは別個の金だぞというようなことは、まさかそういうわけのわからないことは自治庁は言わないと思うのでありますけれども、さらに理論的にいってもこれは交付税法の建前上、今度の補正についてもやはり既定の分と全部トータルをして、そしてその団体の自主的な判断なり計画に基いてこれを使用するのである、かように了解してよろしいか確かめておきたいのであります。

鈴木俊一自治庁次長

○鈴木(俊)政府委員 地方交付税の制度上から申しまして、いわゆるひもつきの補助金と違うのでありますから、その意味におきましてはお話の通りであります。

川村継義日本社会党

○川村(継)委員 一つお聞きしておきたいと思うのです。昭和三十年度の地方財政に関する特別措置法案参考資料の下の方に図解をしてありますが、この中で現行法で行けば特別交付税は八%の六十九億と出ておりますが、たばこ配付金の四十五億というのが加わって百十四億ですかが特別交付金の金になっておるのですか。

柴田護総理府事務官(自治庁財政部財政課長)

○柴田説明員 ミスプリントでございます。六十九億円と四十五億円の両方足したものが千四百十九億の八%になる、点線が間違っております。

川村継義日本社会党

○川村(継)委員 百十四億くらいになりますね。そうすると今度新しい特別法によって配付しますと、上の方に書いてあるように百二十七億というのが特別交付金のワクになるわけですね。ところでお聞きしたいのは、二十八年度、二十九年度の特別配付金のワクが幾らずつあったかということ交付税法の十五条にいろいろ特別交付金の配分基準と申しますか、そういうものが示してあると思うのですが、それによって大体でいいですが、二十八年度、二十九年度どういうような配付がなされたのか、それをまずお聞きしたいと思います。

柴田護総理府事務官(自治庁財政部財政課長)

○柴田説明員 数字を実は正確に記憶しておりませんが、大体の数字でよろしゅうございましょうか。

川村継義日本社会党

○川村(継)委員 大体でいいです。

柴田護総理府事務官(自治庁財政部財政課長)

○柴田説明員 昨二十九年度は特別交付税はたしか百十億円くらいだったと思います。その中で四十億円は警察費の当初の計画の算定不足額を補うためのものであります。配分は市町村が全部入れまして三十七・八億、残りが県であります。その県の中の四十億は警察費を補うのであります。  それから二十八年度は概数でございまして、恐縮でございますが、たしか災害の特例債を一緒にいたしまして配分いたしました。そのときは本来の特別交付税がやはり百十億円前後ございまして、災害の特例法の特別起債の分を入れましてたしか百五、六十億だったと記憶いたします。配分は市町村が五十五、六億、残りが県だったと考えます。なお正確な計数は後ほど御説明申し上げたいと思います。それから特別交付税を配付いたします場合の基本方針は、大体特別交付税と申し上げましてももちろん交付税でございますので、普通交付税の算定の際に算入漏れをいたしましたもの、あるいはその後事情の変更によりまして状態が変って参ったものというものを中心に従来から見ております。まず第一には税金でございますが、基準財政収入の算定漏れ及びその後の変化、主として災害による税の減収、それからたとえば法人事業でございますとか、あるいは法人税割とかあるいはたばこ消費でございますとかこういったような税金で、年度当初見込みました額と、その後に各団体の徴収状況等を見て参りまして事情が変って参ったもの、この増減を計算いたします。それから基準財政需要額の方は主として災害の関係経費、それから最近では失業対策事業費あるいは生活保護費、あるいは生活保護費、こういった社会労働関係の経費、それから基準財政需要額にうまく算入されておりませんもの、いわゆる基地等の特別財政需要、こういったものであります。

川村継義日本社会党

○川村(継)委員 大体昭和二十八年度、二十九年度が今の説明によりますと百十億程度のものであって、今の基準財政の収入の面からの算定漏れである、あるいは財政需要の変更である、そういう面から配分された。それは十五条のそれによって配分されたと思うのですが、そうしますと、三十年度は幸いにして災害などというものがあまり、心配されたほど起らなかったと思うのですが、ことしの特別配付金を配付する場合、大体の見通しというものは、どういうふうに考えられておりますか。

柴田護総理府事務官(自治庁財政部財政課長)

○柴田説明員 まだ方針は、これから各団体の財政状況、それから配分の結果、つまり普通交付税の算定の後におきまして生じた、いろいろの変動の事由を調べておりますので、今のところこういう基本方針でやるのだという具体的な細目はきまっておりませんけれども、従来の方針に加えまして、投資的経費の算入不足というものが、最近非常に地方団体の財政を圧迫しておる。言いかえれば、公債費の累増といろものと、基準財政需要額におきまする投資的経費との算定のズレ、これが圧迫しておるわけであります。このような状況を加味いたしまして、公債費の関連をある程度特別交付税の配付の際に考慮いたしたい、かように考えております。

川村継義日本社会党

○川村(継)委員 ことし百二十七億というもののワクが出てきそうなのでありますが、さっきから問題になっております年末手当の資金というものが地方に必要だ、こういう場合には、この十五条のあれからいたしまして、特別交付金の配付の一体該当項目になるのか、そういうものとの関係はどうなりますか。

鈴木俊一自治庁次長

○鈴木(俊)政府委員 ただいまの段階におきましては、特別交付税の趣旨は、要するにどうしても法律上見なければならないものが見られるに至らなかった。要するに算入漏れであった、あるいは当初全然予想しなかったものが必要なる義務的経費としてあとから出て参った、そういうようなものを歳出の面においてみて参る。また当初から当然予想されるべき収入が、その後災害等の事情で入らなかった、こういうようなものを見ることになっておりますので、今回のような給与制度の建前から申しますと、それがただちに特別交付税の算定需要の中に入ることは困難ではないか、こう考えます。でありますから私どもといたしましては、三十年度なり三十一年度の際に、この財源措置の問題をさらに打開するよう、最善の努力を払う、こう申しておるのであります。

川村継義日本社会党

○川村(継)委員 特別交付金の算定の基準の中に入れることは困難である。もちろん今度の年末手当に要した資金を、こういう特別配付金等で配付されたら、地方財政そのものがまた大きな混乱を生ずると思う、これは考えてはならぬ問題だと一応思うのです。ところがもしも自治庁の努力によって補正予算等に、こういう資金が全然見られないというような結果が生じた場合には、やはりこういう一つの給与関係の費用というものは、これは当然地方財政計画でも考えなければならぬ問題でもありましょうし、一つの予想されなかった財政需要というような点で、絶対に特別交付金で考えられないものか、財政措置の問題は別にして考えてもいいのではないかというような気持がするのですが、そういう点について次長の考えをもう少しはっきりお聞かせ願いたい。

鈴木俊一自治庁次長

○鈴木(俊)政府委員 特別交付税の問題は、自治庁といたしましても、さらに最終的に研究しまして、結論を出す問題でございますから、今ここで結論がこうである、こういうことをはっきり申し上げることは困難でございますけれども、ただ従来とても給与費の関係では、相当に御承知のようにズレがあるわけであります。そういう給与費というものは、まことに義務的な経費でございますし、またたとえば恩給費のごときに至ってはこれをはっきりと当該団体といたしましては、それだけのものを出さなければならぬわけであります。そういうようなものにつきましても、従来特別にこれを見ておるというようなこともなかったわけでございまして、今回のような建前上二次的なものになっておりますのは、ことに財源措置が今行われていない段階において、これを特別交付税において見るということはどうしてもむずかしい。また無理なことである。やはりこの問題は、将来の財源措置とにらみ合せて考えていくべき筋のものではないかというふうに考えております。

川村継義日本社会党

○川村(継)委員 次長の見解はわかりました。それではさっきからたびたび論議になっておりますように、北山委員からもいろいろ質疑がありましたように、年末の金融問題につきましては、もうくどく申し上げるまでもなく御承知の通りでありまして、一般職の金繰りの問題にせよ、それに臨時雇であるとか、そういうような関係に置かれておる職員の問題であるとか、非常に地方団体としては苦しい状態に今度の措置を前にして陥っておるようであります。たびたび努力する、こう言っておられます。これはわれわれは財源措置をする、こういうようにぜひ言っいただきたいのでありますけれども、自治庁の今の立場からすると、なかなかそれ以上言明されないようでありますから、そういう意味においても今度の年末手当の資金については、ぜひ財源措置をやっていただきたい。でなければ今のような見解をあわせ聞きましても、これは地方財政を大きく圧迫する結果になるのではないか、それだけだということを思うわけでありす。  それから小さい問題でありますが、これは課長の方からちょっと聞かせていただきたいのですが、計画表の昭和三十年度修正額の内訳に関する調べの、歳入の地方債の項でありますが、そこに総額七億と書いてありますが、こ財源措置が今行われていない段階におれはいわれておるように、市町村の起債分を一般財源で見るというものだと思うのです。ところがその次の欄の交付団体の四十二億、不交付団体の三十五億となっておる。これらの関係をちょっと説明していただきたい。

柴田護総理府事務官(自治庁財政部財政課長)

○柴田説明員 これは少し資料が不備でございまして、おわかりにくかったと思いますが、総額の七億円の問題は御指摘の通りであります。交付団体の四十二億減といいますのは、交付団体、不交付団体の割り振りを実情に合うように直したのであります。言いかえますならば、歳出におきまして既定経費の是正というものを百六十億を財源にして行いましたのと合わせまして、歳入につきましては、既定経費の是正を行なっておるわけであります。四十二億の内訳で、七億を引きました三十五億というものが、従来の計画では不交付団体の予定しておった起債を交付団体にまわしたわけであります。これは本年の地方債の配分状況等をも考えますと無理なんであります。言いかえますならば、不交付団体にはもっと起債がいくわけであります。そこでそれを実情に近いように直したのであります。

門司亮日本社会党

○門司委員 私はこの機会にさっきの次官の答弁について、ちょっとお聞きをしておきたいと思います。鈴木次長もよくそういうお話をしておるのですが、地方財政計画と今度の〇・二五との関連性ですが、それで国も節約をするから、地方も節約ができるんだという、あるいはするのだということは、一応政府の言分としてはそういうことは言えるが、しかし自治庁としてはそういうことは言えないはずだ。政府としてそういうことが言えるのなら、理論としては言えるが、実際上の問題としてこれを受けて立った自治庁としては、それなら今まで地方財政計画というものが完全なるものであったかどうかということになると、私はそうじゃないと思う。補助金など見てごらんなさい。これは明らかに地方財政計画にはありますが、その単価というものは、国からきたものを受けて立っておる。従って実体に即しない単価がやはり私は見てあると思う。これらは地方の持ち出しなんです。これは私は本会議で申し上げましたように、ここのうしろに茨城県の知事さんがおいでになれば一番よくわかるのだが、茨城県の財政白書を見てみますと、国から来た補助金に対する県の超過負担額というのは、昭和二十八年度の決算で大体一億五千万円出ております。これから推察していけば、こういうものが全国的には大体七十億から百億あるでしょう。ちゃんと当初計画のときに、国の計画の中にはそういうものを少く地方財政計画が受けて立っているのであります。従って今度の場合に地方に財政上の節約を要求するということは、大蔵省はそういうわからぬことを言うかもしれませんが、自治庁の立場としてはそれを言ってもらっちゃ私は困ると思ろ。自治庁はやはり自治庁の立場として、地方の自治体というものに対する新しい角度で出た〇・二五だけはぜひこれを獲得するという自治庁としての立場を次官としては答弁願いませんと、われわれはなかなか承服するわけにはいかぬのであります。その点はどうなりますか。

早川崇自由民主党自治政務次官

○早川政府委員 理論的には一文も残さず節約し尽したというのがほんとうであろうと思いますが、私の申し上げたのは、三十三億なら三十三億まるまる努力する、その主観的な努力というものは今後とも続けますが、建前上一文も節約できないということは無理じゃないか、さらに現在の政府与党その他の客観状勢から見て、三十三億まるがかえというのは、はっきり申し上げますとむずかしい。しかしぎりぎりこれだけはどうしても財源不能という数字が出た場合に、現状よりも何らかのプラスーアルファというものは現情勢下において可能だというこの気持を申し上げたので、中央がとにかく全部節約していこうという際、地方においても超過勤務手当なり旅費なりというものの繰り上げ支給とかいう方法が全然とられないということが、実際問題として私は突っ込まれるところなんで、私の申し上げるのはそういう意味で、でき得べくんば地方において中央と同じように、できるだけの節約あるいは旅費その他の繰り上げの実を示してもらいたい。今三十三億まるがかえで出すと言ってしまえば、私は節約する面もあっても実際問題としてしないと思います。それではあの閣議決定の趣旨にも反しますしいたしますので、三十三億まるがかえできる見通しが今あれば別の表現をいたしましたが、現状においてはなかなかむずかしい、しかしプラス・アルフアするためには、私はそれは努力さえすれば可能性があるということの現段階の客観情勢をもとにして申し上げたので、まるまる三十三億とるために全幅の努力をいたすという主観的な気持は毛頭自治庁としては変っておりません。

門司亮日本社会党

○門司委員 私が今申上げましたように、自治庁としてはもう少しこの際地方の自治体の実態というものを十分把握した上で一つ処置をしてもらいたい。たとえば節約の問題にいたしましても、年々地方の自治体には大体節約が当初の財政計画の中に入っておるわけです。数字ははっきり覚えておりませんが、本年度は少くとも五十億以上百億近いものが当初の財政計画の中にちゃんと入れてあったと思う。財政計画の中に年々そういう処置をとっておりまする上に、今申し上げましたように、国の方には大体既定計画で行けることになっておるが、地方はそういう負担分がよけいにくっついているのであって、この負担分を国が負担してくれるなら、三十三億どころじゃない、ことしは百億くらい節約ができると私は思います。国がそういうものを負担しないでおいて、そうして地方に再度節約をしいる、同時にそうしなければという全体的の政治的の一応の表現としては、あるいは政府はそういうことを言わなければ都合が悪いかもしれませんが、自治庁としては、私が今申し上げましたことを一つよくお考え願いまして、そしてできるだけこの問題については、はっきりした態度を一つとっていただきたいと思います。  次に聞いておきたいと思いますことは、単位費用の測定の問題でありますが、これは話に聞きますと、詳しくはわかりませんが、今度改めたところによると、割合に人口の稠密なところであるとか、あるいは施設その他の関係で、都会地と申しますものには比較的いいが、農村関係においてはあまりよくないというような話が実はあるのであります。そういう懸念から陳情に来ておる県もあるのでありますが、これは実際そういうことになっておりますか。

柴田護総理府事務官(自治庁財政部財政課長)

○柴田説明員 必ずしもさようになっておりません。むしろ私たちは逆の結果が出てくると思っております。

門司亮日本社会党

○門司委員 逆の結果が出てくればいいのでありますが、現在鹿児島県等においては一億くらいのもの、あるいは一億五千万程度のものが予期したものよりも少くなりはしないかというような懸念があるということを陳情に参っておりますので、一応今申し上げたのでありますが、懸念がないというなら、私はそういうことのないように一つぜひ処置するよう考えてもらいたいと考えております。  それから同時にここで聞いておきたいと思いますのは、この単位を測定いたしまする基準は、一体どこに置いておるのかという一つのことであります。これはいずれこの税法全体を通じて話さなければならぬ問題でありますが、この場合にごく簡単に聞いておきたいと思いますのは、測定単位の基礎を一体どこに置いておるかということであります。特に都市の問題であります。一体十万の都市を考えておるのか、十五万、二十万の都市を考えておるのか、一体どの辺を大体基準にして考えられた測定の数字であるかということを、一応聞いておきたいと思います。

柴田護総理府事務官(自治庁財政部財政課長)

○柴田説明員 県の場合は人口百七十万の県を基礎として計算しております。市町村の場合は人口十万の市町村を基礎にいたしております。

門司亮日本社会党

○門司委員 今お答えのございました市町村の十万でありますが、私はこれは測定単位の基準をきめる場合に非常に矛盾が出てくると思う。なるほど十万という単位は一応政令の市としての単位ということも言えるかと思いますが、しかし政令の市といっても、単に実態が必ずしも同じような形を持っておるわけじゃございませんで、問題になりますのは、十万を中心にいたして参りますと、大都市との不均衡であります。御承知のように、五大都市あるいは六大都市といわれております都市等につきましては、いろいろな面で不均衡が必ず出てくるのです。たとえば一番大きな問題として、ごく卑近の例で一つだけ申し上げてみましても、屎尿の処理というような問題は、十万の都市でありまする場合には、近郊が相当広うございますから、大体自家処理がかなりできるわけでありまして、そう市が費用を持ち出さなくてもやれるのであります。ところが大都市になればなるほどこれらの問題、どうしても処理しなければならない範囲というものは逆比例して非常に大きな数字になって現われてきます。全体の面で考え方が少し間違っておるといっては語弊があるかもしれませんが、取り方に不公平がありはしないか。これは学校の問題についてもすべてそうです。だから、その点は自治庁は一体将来これを改める御意思があるかどうかということを一応聞いておきたい。

柴田護総理府事務官(自治庁財政部財政課長)

○柴田説明員 現在の交付税の算定方法の中におっしやるような矛盾があることは私たちは認めております。それは結局補正係数をどういう形で直していくか、あるいはその単位費用の基礎になる標準団体を、合併がとんなに進んで参ったときにおいても、なお十万を単位にすべきかどうかというような問題につながる問題だと言えるのであります。できるだけ早い機会に直したい、かようなつもりで目下作業をいたしております。

門司亮日本社会党

○門司委員 委員長にちょっと聞いておきたい。午後はどうですか。これから先の補正の問題については、大蔵大臣に聞かなければ、大体自治庁を相手にしてやっていても似たようなものだと思いますが、大蔵大臣が出てくる確信がありますか。

大矢省三日本社会党

○大矢委員長 ちょっと申します。本日は本会議が定刻一時から開かれて、本会議が済み次第、自治庁長官並びに大蔵大臣が出席するということであります。そこで本会議が終り次第、大蔵大臣に出席していただいて継続したいと思います。  午前中の会議はこの程度にいたして、今申しました本会議の直後、ここであらためて開くことにいたします。  暫時休憩いたします。     午後零時三十一分休憩     —————————————     午後六時十九分開議

大矢省三日本社会党

○大矢委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  昭和三十年度の地方財政に関する特別措置法案を議題として、質疑を終了することに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大矢省三日本社会党

○大矢委員長 それでは質疑を打ち切ることにいたします。  次に討論に入ります。討論の通告がございますので、これを順次行うことにします。鈴木直人君。

鈴木直人自由民主党

○鈴木(直)委員 私は自由民主党を代表して、本法案に対し賛成の意を表するものであります。  その理由については、本日の本会議における補正予算案の討論の際、わが党を代表して床次徳二君が詳しく申し述べた趣旨と同様でありますので、ここでは省略いたします。  ただこの際特に明らかにいたしておきたいことは、本法案については後に付帯決議が行われることになっておりますので、この付帯決議を含めて賛成するものであるということを、特に申し添えておく次第であります。

大矢省三日本社会党

○大矢委員長 北山愛郎君。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 私は日本社会党を代表いたしまして、昭和三十年度の地方財政に関する特別措置法案に対しまして、反対の意見を表明するものであります。  現在の地方財政の窮乏の段階にあたりまして、その責任が国にあるか地方にあるかというようなことで云々するのは、もはややぼと申すべきでございましょう。従いまして日本社会党としましても、去る二十二国会以来の地方財政の赤字対策並びに本年度の財源不足に対する対策につきまして、当委員会を中心として論議をせられたわけであります。その後その当時において当時の鳩山内閣は、二十二国会に提案をしました地方財政再建促進法並びに地方自治法の一部改正、これをもって本年度は間に合うというような方針でございましたが、われわれがそれでは今年でも六百億になんなんとするような財源不足があるような地方財政に対しては、そのような措置では足りない、こういうことを主張して参ったのであります。そして同時に地方交付税法の改正案によりまして、地方交付税を三百十二億増額するというような法案を前国会においても提案をしたわけであります。と同時に当時の自由党においても、われわれと同調しまして交付税の繰り入れ率を本年は二五%、来年から二八%に引き上げるというような法案を出して参ったのであります。このままに進むならば、おそらくこの臨時国会におきましては少くとも自由党の案が通過したであろうと想像されるわけでありますが、その後保守合同によりまして、この国会が第三次鳩山内閣の手によって開かれ、地方財政を中心として今度の提案がされるに至ったのであります。この現在の日本の国家財政の困難な条件のもとで、ともかくもこのような交付金を年度中途においてひねり出して地方に出すという御努力に対しましては、われわれといえども決してこれに対して敬意を惜しむものではございません。  しかしながら今回の措置は、たとい暫定的な臨時的な措置としてもはなはだしく不十分でありまして、地方の自治体の要請と相去るところが遠いのであります。すでに地方制度調査会や地方財政審議会の答申によりましても、本年は四百億ないし五百億あるいは六百億というような財源不足が指摘されておりまして、少くとも給与を別としても二百億くらいの措置が必要であるという答申になっておるわけであります。従ってわれわれとしては文字通り、少くとも地方交付税の三%、百八十八億の特別交付金の増額を今の内閣に期待したいのでございましたが、出てきたものはそれとはかけ違って、国民に向っては百八十八億の措置をするといいながら実質は百六十億である。あとの二十八億というものは、これは明らかに欺満的な財政措置である、こういうような点においてわれわれははなはだしく不満を覚えるものであります。  またこの措置にいたしましても借入金というような非常に異例な措置をとっておるわけであります。借入金というのはこれは公債に準ずるものでございまして、本年年度をまたいでこの百六十億は必ずしも本年でもって一般会計から繰り入れなくてもよろしい、少くとも予算と法律の上だけから見れば、そういうような赤字公債みたいな格好になっておるわけであります。実質は一時借入金でありながら、これを公債に準ずるような借入金という形式をとっておるというような、財政法の原則を乱すようなやり方に対しましては、われわれは賛成することができないのであります。われわれはこのような不十分にしてしかも実体の合わない政府の措置に対しまして、この国会におきましても、御承知のように、地方交付税率を五%引き上げる、同時にたばこの消費税は百分の三十に引きあげる補正予算、こういう補正予算の組みかえ動議を提案をしたわけでございます。もちろんわれわれの案といえどもことしの地方財政の窮乏を全面的に救うということはできません。けれども現在置かれておるまさに破局の一歩手前というような地方財政を、たとい来年度において根本的な解決をする、救済をするといたしましても、その前に本年においては適切な措置をあらかじめとっておかなければならない。これがためにわれわれは今申し上げたような措置を政府に要求をしたのでございまして、これに比べてわずかに百六十億の今回の政府の措置というものは、まことに不十分きわまるものであると言わなければならぬのであります。でわれわれの提案した予算の組みかえ動議に対しまして、先般の予算委員会あるいは本日の本会議等におきましても、与党からのいろいろな批判があったのであります。しかしながらそれならば一体政府あるいは与党は来年の地方財政に対して、どのような対策をとらんとするのであるか。われわれはわずかに地方交付税を百分の二十七に引き上げようとし、また地方制度調査会が答申しておる通り、たばこ消費税率においては百分の三十に引き上げるという法案を出そうとしておる。これに対して批判を加える与党というものは、一体来年度において地方交付税を上げないというのであるか、たばこ消費税を百分の三十に上げないというのであるか。それでもって地方財政がどうして立ち直ることができるというのであるか、こういう点を考えますならば、与党の批判は当らない。われわれは少くとも来年度においてはいろいろな行政機構の問題、あるいはその他の財政的な、あるいは政治的な処置とからみ合せて、同時に地方財政の問題をその中で処理していくのでございますけれども、少くとも交付税の引き上げ、あるいはたばこ消費税率等はこの程度まで引き上げることが絶対に必要であるという見地から、かように提案をいたしておるのでございまして、おそらく通常国会において政府が地方財政の来年度抜本的な解決案としてどのような案をとるか、与党がどういう政策、方針をとるかということは、われわれ非常に興味をもって見ておるところでございます。いずれにいたしましても、今回のこの政府の特別措置は、たとい現在参議院で継続審査中の地方財政再建促進法と両方通過いたしたといたしましても、六百五十億の赤字に対して二百億の再建債、差引四百五十億の過去の赤字が残るわけであります。また本年度五百億の財源不足に対して百六十億の特別措置でありますから、三百四十億が残り、合せて八百億が、この二つの措置によってもなおかつ地方財政の責任と負担に残るということになるわけでございまして、今年度のおしまいにおきましては、このこそくな一時的なごまかしの措置によって、おそらく地方財政はますます窮乏に陥るであろうということをわれわれは予言してはばからない次第でございます。いずれにいたしましても、先ほど申し上げました通り、政府のあるいは与党のこの臨時措置に対する御努力に対しまして、敬意はもちろん表しますけれども、しかし実態とあまりに隔っておるという意味におきまして、私はこれに対して賛成することができないという趣旨を申し上げまして反対の討論といたします。

大矢省三日本社会党

○大矢委員長 これにて討論は終局いたしました。  次に、採決いたします。昭和三十年度地方財政に関する特別措置法案に対して賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

大矢省三日本社会党

○大矢委員長 起立多数。よって、原案通り可決すべきものと決しました。  ただいま吉田重延君より、本案に対して附帯決議を付すべしとの動議を提出いたしたいとの申し出があります。この際、これを許します。吉田重延君。

吉田重延自由民主党

○吉田(重)委員 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま可決されました法案に対し、附帯決議をいたしたいと思います。まず案文を朗読いたします。    附帯決議  今回の地方財政に対する一八八億円の財源措置の中、地方起債引当分一四億円並に地方公務員に対する期末手当の財源捻出不能分については、通常国会において必要な財政上の調整措置を講ずべきである。   右決議する。  今回昭和三十年度地方財政に対する特別財源措置として、地方交付税率の三%に相当する百八十八億円の財源付与の措置を講ずることになったのでありますが、そのうち百六十億円は交付税及び譲与税配付金特別会計における一時借入金にて処理し、残余の二十八億円に対す措置については必ずしも明確でないのであります。すなわち、政府はこれを国の公共事業費の節減に伴う地方負担の不用額で処理する方針とのことであり、特に道府県における不用額の十四億については起債財源引当ての計画となっておりますが、これは将来その償還のための負担を残すものでありますから、財源措置としてはきわめて不徹底なものといわなければなりません。また地方公務員の期末手当の増額による必要な財源について、これを地方経費の節約に求めようとしていることは、地方財政窮乏の現状から見て、事実上きわめて困難と認められるのであります。これではせっかくの本法案もその効果を上げ得ないうらみがありますから、政府はこれらの問題に対し、通常国会において必要な財政上の調整措置を講ずべきであると信ずるものであります。これが本決議案を提出する理由であります。  何とぞ満場一致御賛同あらんことを切にお願い申し上げます。

大矢省三日本社会党

○大矢委員長 ただいまの吉田重延君の動議について発言がありますれば承わります。ございませんようですから、吉田重延君提案の動議について採決いたします。本動議に賛成の諸君の起立をお願いたします。     〔総員起立〕

大矢省三日本社会党

○大矢委員長 起立総員。よって、吉田重延君提出の動議のごとく本案に附帯決議を付することに決しました。  ただいまの附帯決議に対して、政府の所信をこの際承わることにいたします。太田国務大臣。

太田正孝自由民主党自治庁長官

○太田国務大臣 附帯決議の御趣意につきましては、とくと了承いたしました。私といたしましては、御趣意に対しまして極力力を尽したいと考えております。

大矢省三日本社会党

○大矢委員長 一萬田大蔵大臣。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 御決議は了承いたしました。十分検討の上、御趣旨に沿いますよう努力いたします。(拍手)

大矢省三日本社会党

○大矢委員長 なおお諮りいたします。本案に対する委員会の報告書の作成につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じまするが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大矢省三日本社会党

○大矢委員長 御異議なきものとしてさよう取り計らいます。  なおこの機会に私から特に政府の大臣にお願いを申し上げます。先ほど来決議もございましたように、地方財政の現状はよく御理解を願ったと思います。この趣旨を十分実現するよう努力されんことを私からも特にお願いを申し上げておきます。  それでは、次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれをもって散会いたします。     午後六時三十八分散会

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