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23回国会衆議院1955/12/15

大蔵委員会 第6号

発言数
76
登壇者
10
会派数
2
開催日
1955/12/15

会議録

松原喜之次日本社会党

○松原委員長 これより会議を開きます。  まず金融に関する件について調査を進めます。質疑を許します。横路節雄君。

横路節雄日本社会党

○横路委員 理財局長にお尋ねしますが、この年末における地方自治体のつなぎ融資を大体どの程度お考えになっているか、具体的な数字について一つお尋ねをいたしたいと思います。

河野通一大蔵事務官(理財局長)

○河野政府委員 お尋ねの点につきましては、まだはっきりした結論、具体的な数字を申し上げるまでに至っておりませんが、大体年末における短期融資の総額は二百七十億余、二百七十四、五億くらいに相なるかと思います。これを去年の十二月の数字について申し上げますと、一般の短期融資が二百七十億、それに、去年は御承知のように災害の関係がございましたので、災害関係のつなぎが約三十億、これがありましたために、先般お答え申し上げましたように、加えて約三百億という数字に相なっておるわけであります。それが、今年は御承知のように災害が少うございましたので、災害関係のつなぎは二億余りという数字になっております。従いまして、災害を除きましたいわゆる財調資金といたしましては、去年の十二月よりも今年の方が数億多いという数字に相なります。その上にこの年末におきましては、先般御提案申し上げました補正予算の関係から出て参ります地方財政関係の約百六十億の特別の交付金、この関係の資金がおそらく大部分、ちょっと今はっきり金額はわかりませんが、少くとも百億をこえる金額が年内に支出される見込みであります。百数十億になると思いますが、少くとも百億をこえる金額が出ると思います。あれこれ考えますると、去年の十二月に比較いたしまして、資金繰り的には、地方公共団体に関する限りにおきましては、相当ゆとりのある資金繰りで越年できるというふうに見通しております。  先般横路さんからお尋ねがありました、年末における地方公務員関係の年末の手当〇・二五分に関する融資の問題、この問題は、以上申し上げましたような今年の十二月の地方公共団体の金繰りの様子等から見ますると、先ほど申し上げました、一般の財調資金二百七十数億のうちでもって、しかるべく個々の地方団体の金繰りを見た上で処置をいたしますならば、必要最小限度の。二五関係の資金繰りということは、まず支障なく行われていくものと私どもは考えておる次第であります。今後の運用といたしましては、この二百七十数億の資金を、出先の財務局あるいは財務部にこれを適当に配分をいたしまして、出先限りで、この問題は各地方公共団体の実情に即して必要なる措置をとっていく、一々本省におきまして個々の地方団体に対する貸し出しをきめていくという煩瑣な、しかも非常に手数のかかる手続を省きまして、各出先において臨機の措置がとれるようにいたして参りたい、この方がむしろ実情に即した迅速な処理ができると考えておりますので、そういうふうにいたしたいと考えております。従いまして、〇・二五関係にワクとしてどの程度を支出するかということは、今申し上げましたことによって、二百七十数億の一般の財調資金の中で必要に応じて処理されるものというふうに私どもは考えておる次第であります。

横路節雄日本社会党

○横路委員 今の二百七十数億の内容ですが、これが都道府県、五大市、市町村という、大別してもしもおわかりでしたら、一つその数字もお示しいただきたい。

河野通一大蔵事務官(理財局長)

○河野政府委員 まだできてないのです。

横路節雄日本社会党

○横路委員 そうですが。ほんとうは、都道府県というのがわかると非常に〇・二五の点について明らかになるのですが……。  次に、今のお話の二百七十数億について出先限りでやるというのは、どういう意味ですか。一々本庁の承認を得ないで出先でやるという場合には、出先に何か一定のワクを与えておかなければ、出先限りでやるといってもできないので、その点はどうなるのか。また各財務局にそれぞれワクをやるとするならば、それこそ全国のそれぞれの財務局にどういうワクをやるのか。その点について、もう少し詳しく話をしていただきたいと思います。

河野通一大蔵事務官(理財局長)

○河野政府委員 先ほどちょっとお断わり申し上げましたように、まだ数字がはっきりつかまっておらぬのであります。大体その程度のところでやりたい見込みだということを申し上げたのであります。従いまして、やり方は先ほどお答え申し上げました通りのやり方をいたすつもりでおりますが、具体的にそれではどこどこの財務局に幾ら、それからどこどこの財務部に幾らといったところまでは、まだこれから至急検討したい。しかし、これはそんなに日にちはかからないと思います。従来の実績等とか、いろいろなものは大体資料ができておりますから、そんなに時間は要しないと思いますが、現在はまだそこまで作業はできておりません。従いまして、申し上げた二百七十億という数字も、まだはっきり二百七十何億というとこうまで申し上げるまで参りませんので、そういった点はこれから至急措置をいたしまして、年末の金繰りに支障のないように、きまり次第早くその資金の金繰りをつけるというふうに努力をいたしたい、かように考えておる次第であります。

横路節雄日本社会党

○横路委員 二十日に通常国会が開かれますので、当然大蔵委員会も年内には一、二度おやりになるだろうと思います。それで今の二百七十数億について、都道府県、五大市、市町村で大体内訳はどの程度になっておるのか、それからもう二十日ないし二十二、三日になれば——現実には二十日から都道府県の議会、その他市町村の議会等も開くわけですから、そのときには、各財務局にどういうワクを与えたのか、その点も具体的に一つ資料を出していただきたいし、またぜひわれわれとしても、大蔵委員会でそれをお尋ねしたいと思うのです。  そこで今の昭和三十年度における地方財政の特別措置法での百六十億のうち、百億程度は年内につくであろうというのは、どういう根拠に基いてのお話ですか。

河野通一大蔵事務官(理財局長)

○河野政府委員 この点は、私実は直接の所管をいたしておりませんので、詳しいことは自治庁当局からお聞き取りを願いたいと思うのでありますが、自治庁当局から私の聞いておりますところでは、少くも百数十億のものが年内に出るように措置ができる見込みである、技術的に手続とかいろいろなことがありますので、詳しいことは存じませんが、そういうことを自治庁当局の責任者から聞いておる次第であります。その根拠その他については、自治庁当局からお聞き取りを願いたいと思います。

横路節雄日本社会党

○横路委員 この年末の短期融資の二百七十数億については、まだその当時は、地方公務員について〇・二五分だけ増額するという点がはっきりしていないときの要求分であっただろうと思うのですが、しかし理財局長は、これで十分地方公務員について増額分はまかなえるんだと言う。こういう根拠はどうなんでしょうか、私たちにもよくその点納得のできるように説明していただきたい。

河野通一大蔵事務官(理財局長)

○河野政府委員 この根拠と申しますと、私どもも、まだ個々の地方団体の金繰りの実情を一々押えておるわけではございません。従いまして、先般も申し上げましたように、一体〇・二五関係の必要最小限度の金繰りをつけるということの金額は総額でどのくらいになるかということは、なかなか押え切れないと私は申し上げたわけです。従いまして、この点は各財務局なり財務部におきまして、その金繰りとか実情をよく知っておるのでありますから、その方面において、政府において決定せられましたあの方針に従って、十分に個々に見た上で処置をする。私は、少し言い過ぎかもしれませんが、今年の年末に関する限りは、これは特別な交付金が相当程度出るということを含めて考えますれば、短期融資の二百七十億は、むしろそんなには実績としては出ないのじゃないかと実は思っております。その程度にゆったり見てあると私は考えておるのであります。従いましてその根拠といたしましても、必要な——もちろん必要でないものまでゆったり出す必要はないのでありますから、必要最小限度のこれらの資金の手当といたしましては、この範囲で十分やれる、しかしそれが何億になるかということは、私は今具体的に申し上げる材料は持っておらぬ、こういうことであります。

横路節雄日本社会党

○横路委員 今の点ですが、あなたの方では、財務局に対してどういう指示をなさるのですか。それは〇・二五を含んで、必要な地方公共団体のそれぞれの所要額については今年はめんどうをみてやれ、こういうのか、そのことを含んで言うのか含まないで言うのか、その点を一つはっきりしておいていただきたい。

河野通一大蔵事務官(理財局長)

○河野政府委員 年末の短期融資の資金で、各財務局に言ってやりますときには、そのうちから〇・二五関係の必要な最小限度の短期融資も含めて処置をするようにということは指令をいたしました。

横路節雄日本社会党

○横路委員 それでは、先ほど私から申し上げました二十日の通常国会からの中で、具体的に数字も出ましょうし、なお今の具体的な指示等につきましても、一つ大蔵委員会等においてあわせてお尋ねすることにして、私の質問はこれでやめます。     —————————————

松原喜之次日本社会党

○松原委員長 次に、横路節雄君外十二名提出にかかる昭和三十年の年末の賞与等に対する所得税の臨時特例に関する法律案並びに補助金等に係る予算の執行の適正化に関する件を一括議題といたします。質疑を許します。黒金泰美君。

黒金泰美自由民主党

○黒金委員 この間の特別国会でもって、最後の日に通過いたしました補助金等の適正化に関する法律がございます。この施行につきましてというよりは、この制定につきまして、いろいろと議論があり、こんなにやかましいことをして罪人ばかりできるんじゃないか、その運用については、政府の側でも非常に反省すべき点があるというようなことで、われわれやかましく批判をいたした次第でございます。これが通過し施行になりまして、かなりに各公共団体は自粛をいたして参りました。この点は非常にけっこうなことだと思うのでありますが、政府側におかれまして、その後周知徹底方についてどのような方策を講ぜられたか。また同時に、こういうようなことで罪人を作らなくて済むような機構の整備なりにつきまして、どんなことをなさったか、これをちょっと承わりたいと思うのであります。

村上孝太郎大蔵事務官(主計局法規課長)

○村上説明員 ただいま参議院の大蔵委員会に主計局の次長が出席しておりますので、それまで私から回答さしていただきます。ただいま黒金委員の御指摘になりましたように、過般の特別国会で通過いたしました補助金等の適正化に関する法律につきましては、その施行につきまして、各方面にいろいろな不安を与えるというふうなことも考えまして、何とか円滑にその法律の運用をいたしたい、こういうことで、九月二十六日の施行以来われわれも努力いたしております。その努力の具体的な現われといたしましては、十月二十二日でございましたか、閣議了解によりまして、中央及び地方に適正化の法律の運営協議会というものを設けることにいたしまして、この運営協議会には、補助金の交付の衝に当っておりますところの官庁と、それから第三者的な立場にございます会計検査院、あるいは大蔵省というふうな官庁、さらにあの法律の違反につきまして捜査その他に当る検察当局、あるいは警察当局というふうなものも網羅いたしまして、関係各省の連絡を密にいたしますとともに、法律の適用につきまして緩急、度合いを得て、何とか地方の方々にあまり不安を与えないで法律を円滑に運用して参りたい、こういうふうな意図から、すでに中央におきましては、三回ばかりその会議を開いておりますし、地方におきましても、すでに最初の会を開いておるはずであります。  その連絡協議会の使命と申しますものは、まずその第一といたしましては、あの法律がきわめて多種多様な補助金制度に対しまして、わずか三十三というふうな短かい法条によりましてこれを規律するという関係から、勢い抽象的にならざるを得ないということで、法律の趣旨と申しますか、法律の内容に無知なるために非常に不安を抱かれるという向きも相当あるようでございますので、まず法律の趣旨を徹底するということをこの連絡協議会の第一の目的として取り上げております。その具体的な活動といたしましては、全国にこの法律の解説会を開く。すでに財務局のブロックごとに、全国にわたって第一回の解説会は終了いたしておりますが、さらに各県ごとにというふうな単位に分けまして、今度は地方の財務局から法律の趣旨徹底ということに出向いていただきたい、こういうふうにわれわれは考えております。まずこの法律の趣旨をはっきりと周知徹底させることによりまして、現在あの法律に対して抱いておりますところの地方の補助金関係者の不安の一部は解消するのではなかろうか。もちろん非常にたくさんの方々が補助金制度には関係しておられるわけでありますから、その努力は今後も数カ月、あるいは半年というものをわれわれはもっと努力しなければならないと思っております。  それから第二の不安といたしましては、あの法律の趣旨はわかった、そこであの法律の趣旨通りに大いにやりたいと思うけれども、補助制度自体あるいは補助制度に関連するいろんな会計制度その他の行政諸制度というものに関連したいろんな障害がございます。その障害が撤廃できないというと、単に遵法の意欲だけでは、直ちにあの法律の庶幾するごとき状態になり得ないというふうなことから、不安を持たれておるという向きもあるようでございます。こういうふうな不安に対する解消策といたしましては、その不安のよって来たりまするところの前提となっておる他の制度的な客観的障害をまず除去してやらないと、あの法律の命じておりますところに直ちに補助金関係者が従うことができないわけでございます。たとえば雑部金による経理とか、支払い繰り延べ制度とか、あるいは補助職員に関する問題、こういう問題につきましては、いたずらに法律と現実との乖離というものを剔抉するというよりは、その矛盾が生じております原因となっておるいろんな客観的障害をまず打破しようということで、この連絡協議会におきましても取り上げまして、徐々にその一つ一つのケースについて、前提となる諸制度の矛盾を解決するという方向に踏み出しております。ただこの問題は、補助制度の現実というものがはっきり把握されなければならないわけでありまして、その関係から、先ほど申しました地方の連絡協議会の活動というものに大いにわれわれは期待を持っておるわけでございますが、何せ法律の内容を理解するということで手一ぱいというこの初期の段階におきましては、われわれは広範かつ徹底的に、こうした面におきますところの努力が実を結んでいないといううらみはございますけれども、これから数カ月にわたって、あるいは半年、一年というふうな期間、そうした面におきましても大いに努力をいたしたいと思っております。との二つの問題は、いわば周知徹底というふうなことが非常に先決問題と申しますか、まず解決を迫られておる問題なのでございまして、政府といたしましては、連絡協議会というふうなものを大いに活用して、今後その成果をみたいと思っております。何せ施行後まだ二カ月ちょっとしかなりません現在におきましては、ある方面におきましては、種々の御不満もあるかと思うのでございますが、一つ今後といえども最善の努力を尽して参りたい、こういうふうに考えております。

黒金泰美自由民主党

○黒金委員 ただいま承わってみますと、この法律の趣旨の普及徹底には一生懸命やっていらっしゃる。しかしこの問題は、予算の概算要求から始まって、その査定、決定、その後におきます予算の配付、またこの予算による補助事業の執行、この全般にわたってあらゆる地元のものと国なり府県がほんとうに協力いたしまして、仕事をしていかなければならない。これはわかり切ったことでありますが、その後にもいろいろと補助事業の決定もありましたでしょうし、またその工事も今着々と進んでおりますし、また来年度の概算要求もかなり出てきておる。今までと、実際問題として何か具体的に変ったことをしていらっしゃいますか、それとも旧態依然として、今まで通りの状態になっておるか、何らかその普及宣伝だけでなく、政府側としておやりになり得ることは幾らでもあるはずであります。今お話になったような、たとえば予算の繰り越し問題なんかは、雪国なんかでは非常な問題でございます。大体十月か十一月になって予算が参りまして、さあ工事をしようとしても雪になり、当然繰り越しになります。こんなことはわかっておりますが、そういうことについて、ほんとうに改正の案をお考えになり、次の通常国会にもお出しになるというようなお考えもあるのかどうか。今研究すると言っておられますけれども、そんなことでは、もう法律ができて着々と進めることのできる措置ができておるにもかかわらず、はなはだ心もとないのじゃないかと思いますが、具体的にどういうことをおやりになったのか、一つ承わりたいと思います。

村上孝太郎大蔵事務官(主計局法規課長)

○村上説明員 私の説明が足りなかったようでございますが、努力をいたしておると申しますのは、いろいろな課題がございましょうが、われわれが今つかまえて解決した課題はその一部であって、さらに、ほかのいろいろな課題をつかまえたいと思っておりますが、それは現実の補助制度の実態から浮び上っていくべき問題であって、先ほど申し上げましたような地方の連絡協議会というものが、そういう個々の問題を具体的に取り上げて、中央に解決を迫るという形になってこないと浮び上ってこないということを申し上げたのでありますが、すでにやりました問題としましても、たとえば先ほどちょっと触れました雑部金経理の問題、これは年度末になりますと、各地方団体が、補助事業がいまだ未完了であるにもかかわらず、これを完了したと虚偽の実績報告を提出いたしまして、補助金の交付を受ける、それを雑部金と申します。地方団体、特に都道府県のいわば保管金経理の勘定に入れて整理をしておる。そこからいろいろな弊害が今まで生まれて参りまして、国会の決算委員会等におきましても、いろいろ議論があったところでございますが、こういう雑部金経理というもの、これは実態というものを偽わって経理をしておるわけでありまして、こういうふうな制度をやめさせるためにどうしたらよろしいか、その対策といたしましては、まず先ほどおっしゃいました繰り越しの制度を活用するわけでございます。従来繰り越しにつきましては、相当にわれわれ中央の者といたしましては、これを十分に活用するようにという方針であったわけでございますが、現実には繰り越しをいたしますと、その年度の事業量が減る、そうすると翌年度の予算の査定の場合に、それだけしか仕事ができぬようでは今度の新しい予算の査定は減らすというふうな考え方もあったようでございます。こうした点から繰り越し制度というものが十分に活用されず、従って雑部金経理というふうな、実態を歪曲しましたような経理が行われるとするならば、まず中央におきます繰り越しに関する、こういう従来の誤まてる考え方というものを払拭しなければならぬわけでございまして、今後におきましては、はっきりと繰り越し制度にすべきものについては、十分この繰り越し制度を活用する。その結果、予算査定上あるいは予算配分上不利な取り扱いを受けるということは全部やめようじゃないか、そういうよう小乗的な考え方はこの際やめようじゃないかということで、この連絡協議会に取り上げまして、各省とも了解をいたしております。  それからさらに今申し上げました繰り越し制度というものは、いわば年度内に補助金を必要としないような場合でございますが、逆に補助事業そのものは年度内に終了をしない、しかしながら補助金は全額必要なんだというふうな事態が起りましたような場合には、前金払い、概算払いというような制度を十分に活用いたしましてこれをやっているということで、従来ある程度会計法上の疑義がございましたが、補助事業の繰り越しと補助金予算の繰り越しとは別だということで、この点についても、今後は会計上取り扱いをそういうふうにしてみようじゃないかということで、解釈上現在拡張できる範囲において、そうした誤まてる制度が発生しないような措置をとる等、いろいろな努力はいたしております。

黒金泰美自由民主党

○黒金委員 今いろいろと御努力になっておることはよくわかりましたが、来年度の予算につきまして、人員の増加とか、機構の整備とかいうような概算要求を何らかしておられますか。

村上孝太郎大蔵事務官(主計局法規課長)

○村上説明員 人員につきましては、行政整理等の声も毎年出ておりますような状態であります。従って、この法律の執行の関係から職員をふやすというようなことはできるだけ避けていきたい、こうわれわれは考えております。その他の活動経費につきましては、必要不可欠なものは組まねばならぬかと存じておりますが、人員につきましては、こういう時勢でもございますので、関係各省とも遠慮したい、こういうふうに考えております。

黒金泰美自由民主党

○黒金委員 私がなぜこういうことをきょう承わったかと申しますと、実は昨日私の県の議員が参りまして訴えて申しますには、このほど検察庁が市町村代表、府県代表、そういう連中を集めまして、この法律の御説明があった。しかも非常に御熱心のあまりに、いかにもすわっておりますと被告扱いで、今までお前たちは悪いことをしているんだ、こういう態度の御説明であったと承わっておるのです。同時に各省の概算要求をざっと拝見いたしておりますと、検察御当局だけ非常に張り切りまして、来年度この関係で検察官の増員要求をしておる。いつもこういう法律が出ますと、一罰百戒とか、当時の藤枝政務次官が仰せになったように、この法律を作りました目的が罪人を作らずに達成できますように、政府といたしましては最善の努力をして参りたい、いつもこうおっしゃるのでありますが、必ずこういう法律ができますると、行政御当局では、先ほどからるる御説明がありまするけれども、なかなか実績は上らない。その最後のこういう罪人を作らなくて済むようにする努力なり、また普及、徹底もなお半年もかかる、こういう事態におきまして、あとの始末をする検察官だけが張り切る。いつものことでございまするが、こういうことがわれわれの耳に入りましたので、そこであえて貴重な時間をちょうだいして質問しておるわけであります。こういったような点につきまして、ぜひ御当局の考え方を、まだあした実は委員会がもう一日ございますから、一つ各省の意見をまとめていただきまして、そして大蔵省で代表して一つ御答弁願いたい。今すぐに御答弁願うことも恐縮でありますから、一つ宿題といたしましてお願いしておきたいと思います。  それから平岡さんに大へんお待たせをいたしまして……。

松原喜之次日本社会党

○松原委員長 ちょっと待って下さい。関連質問があります。小川豊明君より関連質問の要求がありますので、これを許します。小川君。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 今補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律の問題で質問があったわけです。これに関して私もちょっとお尋ねしたいと思うのであります。  今お聞きすると、この法律ができてこの普及、徹底をはかるということ、さらに検事を増員してその取締りを強化する、こういうような趣旨でありますが、補助金を適正に使用するということは、これは当然であって、国民の血税が一銭たりともむだに使われてはならない、そのために法律はできたものだと思うのでありますが、これに対して趣旨の徹底をはかる、実施をはかるといわれても、現実にはこの補助、助成の事業内容には幾多の問題が起っているわけです。この根源、このもとである一つに、政府の補助なり助成なりの計画、この計画ないし交付に当って、その査定する単価は非常に安過ぎ、不当に切り下げられてある。その結果は、できないようなことを承知してもその事業を引き受けざるを得ないということが、今まで補助金、助成金に対する大へん大きな、いろいろな問題を出してきているわけであります。  そこで、この法律をして罪人をたくさん作らせないようにするためには、この査定なり交付なりに当ってその適正というものをまず考えなければ、私はこういう法律を作っても、これは強制になってしまうのじゃないかと思う。泥水を飲んではいけないという法律を作って水源でもって濁しておるならば、これは飲まざるを得なくなる。そこでそういう法律を作る、この法律の執行に当って査定に不当な、できないような査定をしいた場合には、その責任者は事業を執行する者ばかりでなく、そういう不当な査定をした者に対しても何らかの規定を設けることは、この法律をして最も不安のない法律たらしめるゆえんじゃないかと思うが、あなたはこれに対してどういうようにお考えになっておられるか、この点をお聞きしたい。

村上孝太郎大蔵事務官(主計局法規課長)

○村上説明員 ごもっともな御質問でございます。まあお話の中に検事を増員するということがございましたが、これはまだ法務省の要求という段階でございまして、その査定に対しまして、われわれまだ幾ら増員するのか、私が先ほど申し上げましたように、こういう時節でございますから職員を増加するということはおもしろくないし、またそういうことはないであろう。最終的に査定がきまっておりませんので、確定的なことは申し上げかねますが、そういうことを申し上げておきます。  それから補助金予算の執行につきまして、補助金の交付を受けるものの主観的な原因と申しますか、そうしたものを取り締ると同時に、補助制度自体、あるいは補助制度の中で最も重要な単価というような要素について、これを合理的なものたらしめなければ、いたずらに悪人というか、犯罪人を作るだけではないか。これは非常にごもっともだと思うのでありまして、現在の法律におきましても、たとえば法律の第六条の第三項という規定には、申請に対して単価その他の修正をいたしまして交付決定をいたします場合には、その修正によって事業の遂行を不当に困難にさせるようにしてはならぬというふうな規定もございます。それから第二十四条の規定には、補助金の交付に当る職員は、相手方に不当に干渉したり、あるいは不当に遅延をさせたりしてはいかぬというふうなことがございますので、こうした職務、義務違反というものは、当然公務員としても責任を負わなければならぬというふうになっておりまして、御趣旨のほどまことにごもっともでありますし、現在もその程度の規定は設けてございます。要するにこの補助制度の矛盾というものを実態的に矯正することにあるのでございまして、来年度の予算の編成期が近づいておりますので、われわれ財政当局といたしましても、補助金制度自体に矛盾があるものはこれを廃止するし、たとえばその中で単価という要素だけ取り上げてみて非常に不当だというふうなものにつきましては、これは単価の是正をするという方向に向って努力をすべきではないか。ただ主計局の査定をしました単価というものが直ちに実行されておるかというと、その実行はまた交付官庁のいろいろな意見が加わって修正されておるようなあれもございますので、先ほど申し上げました連絡協議会というものを使いまして、ほんとうに合理的な補助制度というものの運営がなされ、その補助制度の合理的な運営のもとにおいてこの法律を円滑に運営して参りたい、こういうふうに考えております。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 いま一言。今お聞きしてよくわかったわけですが、今の実情では、たとえば学校を作る、あるいは道路を作る、土地改良をやる、いろいろみな補助助成です。その場合に、これだけのことをやりたいというて申請してくる、これだけやる事業の分量は決して押えずに、ただその予算を切り下げていってしまう、そういうことから補助金、助成金の大へんな問題が幾つか起きておる。厳密にやったらみなそういうふうに起ってくるのじゃないか。だから、そういうことが継続している限りにおいては、いかに普及徹底をはかっても、検事を増員するかどうかはわからないけれども、その結果は続々出てきて、強制のような形になってきて、地方末端における事業執行者はほとんどひっかかってしまう。そういうことをなからしむるためには、まずこの査定を、必ずなし遂げられ得るのだという、この根拠に立って査定をしなければならぬ。そうした誤まった査定をして犯罪人等をこしらえた場合には、その誤まって査定をした人に対しても処罰の規定は設けられておるのがしかるべきではないか、こういう見解に立って質問をしたわけですから、どうかその趣旨をくみ取って、そういうことをなからしめるように御努力を願いたい、こう思うのです。

村上孝太郎大蔵事務官(主計局法規課長)

○村上説明員 御趣旨よくわかりました。

黒金泰美自由民主党

○黒金委員 大へんに平岡さんにお待たせしましたが、昭和三十年の年末の賞与等に対する所得税の臨時特例に関する法律案、これについて三、四点疑義をたださせていただきたいのであります。  第一に伺いたいことは、私はこの法案をまず拝見しまして、表題を続みますと「昭和三十年の年末の賞与等に対する所得税の」云々とございますので、賞与等というのは、賞与という名前がつけられていなくても賞与の実態を持つものを含むというのだろう、かように考えまして中を読んでみますると、どうもそうじゃない、賞与を全然受けない人までもこれでもって税の軽減をはかる。何か羊頭狗肉という言葉がありまするが、逆に小さなものだけ出しておいて人を安心させておいて、中では相当大きな減税額が出てくるというような案でございます。そこで一つ承おりたいのでありますが、御提案の説明を伺い、また刷りものを拝見してみましても、冬季におきまして各種経費のかさむ事情にあり云々とあって、いかにも年末年始に金がかかるからこの特例を行おうというかのごとくに読め、また同時に全体的に見まして、勤労者の税負担率が重いというようなこともあげておられる。これは一体何を目的としておられるのか、年末金がかかるから、そこで何らかの特例を考えたいというお考えなのか、それとも何か年末に際して、こういうことをすれば非常に人も喜ぶだろうということで、年末に際して全般的な勤労所得税の根本的な改善をしようというおつもりなのか、この趣旨が非常にぼけておるのです。そこでどちらなのかはっきりしたところを一つ承わりたい。

平岡忠次郎日本社会党

○平岡委員 黒金さんの質問はなかなか正鵠を得ているのです。しかしその点は、私の方としましても、今あなたの言われたようなことを吟味した上で、この提案をいたしております。一口に言いますれば、心理的には——心理的と申しましょうか、結果としては、勤労者の賞与の非課税ということになると思います。しかし本来の立場は、言いかえますれば純理論的に、給与所得者の現在の偏向重税を是正するという点が重点であります。

黒金泰美自由民主党

○黒金委員 それならば、かりに来年度勤労所得の控除率が二割になるとか一割八分になるとか、引き上げになって、そういう是正が行われたならば、毎年々々年中行事になっておりまするが、もう年末にこういう法案はお出しにならない、かように解釈してよろしゅうございますか。

平岡忠次郎日本社会党

○平岡委員 あなたにちょっと想起していただきたいことがあるのです。それは漱石の「草枕」にありまする有名な文句なのです。知に働けば角が立つ、情にさおさせば流される。この二つなのです。私は、この提案は理屈にも合い情にもかなう提案と考えております。それですから、今あなたは、来年度に勤労所得者の偏向是正が純理論的な立場において行われた暁において、年末非課税はもう再び出てこないかとおっしゃられますが、情の部分、日本の根深い慣習に根ざしている年末賞与というものが、それ自体としてまだあとを引くこともあり得ると思うのです。その程度にきりお答えできません。

黒金泰美自由民主党

○黒金委員 非常に文学的な表現で御回答になったのですが、それはあくまでも文学的な御回答であって、やはりこの基礎というものははっきりさせておきませんと審議に差しつかえるので、重ねて伺いたいと思うのです。  このほどの年末手当、例の一・五カ月の問題は、明らかに一般的な水準も低い、しかも年末手当というものが民間と比べて特に官庁は低いのだから、年末手当を直しなさい、そのゆえにあの法律を恒久的に直しておるのであります。こういう問題は、やはり年末の問題なのか、それとも根本的に給与所得の負担が重いということなのか、どちらかはっきりさせておかないとわれわれ審議に非常に差しつかえるので、重ねて承わりたいと思います。

平岡忠次郎日本社会党

○平岡委員 黒金さんにお答えします。先ほどの来年はこういう年末非課税の問題を出すことがないかというあなたの質問に対しまして、私は消極的ではありますけれども保留をつけたつもりなのです。しかしあくまでも現在の勤労所得者の源泉課税というものが百パーセント把握されているというような点と、それからもう一つは、戦前との比較からいいましても過当に重課であることは間違いないのです。ですから、あくまでも本流はこの給与所得者の偏向重税を是正するという点にわれわれのねらいもある、そのように御理解いただいてもよいと思います。

黒金泰美自由民主党

○黒金委員 私はなぜしつこく伺うかと申しますと、そういうふうな方向につきましては、わが党においても異存がないのであります。ただ、しかしそれを直していく行き方がいろいろある、給与所得というものは、年間通じて総額幾らというのが出て、これが累進課税を受けておるのでありますから、それを年末の賞与だとか、あるいは夏季手当だとか、そういう経費のかさむときに何らか考えてやって、そのほかのものをまた一括して考えるという行き方もありましょうし、全面的に総額として考えていく行き方もある。これに対する社会党の御意向を承わっておいて、これも十分に参酌してわれわれの考え方をきめていきたい、こういう気持があるので承わっておるわけです。今いかに承わってみても、漱石先生のお言葉を出ないようでありますから、この点は一応打ち切りまして次の疑問点に移りたいと思います。  第二の問題は、結局この問題は、実質的に言いまして、現在の勤労所得控除一割五分、この一割五分をプラス五千円だけ引き上げようということにほかならないと思うのでありますが、さようでありましようか。

平岡忠次郎日本社会党

○平岡委員 その通りです。

黒金泰美自由民主党

○黒金委員 そこで第二の疑問点に移るわけであります。今お話のようなことになりますると、今までは、勤労所得の控除というものは比例的に一割五分で行われておって、ただ六万円という頭打ちがあった。これはもう平岡さんとくと御承知だと思う。今度はそれにプラス五千円をすることによりまして、六万円という最低の頭打ちの額の中におきましてさえ、控除率は累退、逆に税の負担で申しますれば累進になっておる、かような結果になるわけであります。今まで給与の控除につきましては、申し上げるまでもありませんけれども、古くは税率までほかの営業所得等と変っておりました。その後に二割五分の比例的な控除になり、現在は一割五分の比例控除になっております。いまだかつてこのように勤労所得の控除率についてまで比例をやめて、累退的な形態に持っていこうという議論は起ったことがございません。同時にこの改正に際して、何回かありましたが、社会党の方々におかれましても、そういう議論をお出しになったこともないし、またその反対のあったことも調べてみましたがございません。今突如としてこのような案の中に急にこういう思想を盛っていらっしたのはどういうお考えによるものか、今後の皆様方のお考えというものがここに片鱗を示しておると思いますので、われわれこれから税制の改正その他調査する場合に非常に大きな問題と思いますので、一つこの点をとくとお教えいただきたいと思います。

平岡忠次郎日本社会党

○平岡委員 私どもは、租税における二つの柱は、一つは消費税、一つは所得税と考えております。しかもその所得税は累進課税であるべきだと考えております。この線は社会党において絶対にくずすことのできない線でございまして、社会党があたかも累退的な、むしろ非進歩的な考えをしておるんじゃないかというあなたの質問に対しましては、明確に私は以上の社会党の基本的な立場を申し上げておきたいと思います。

黒金泰美自由民主党

○黒金委員 今のはとんでもないあなたのお聞き違いであって、反対の御答弁です。その控除率が累退することは、このわずか六万円の頭打ちの範囲内においてさえ引かれるものが逆に減っていくのですから、税の負担は累進する。あなたのお考えから今承わりますと、その方が適当なんでしょうが、今こつ然としてそういうとんちんかんな御答弁をなさるくらいに研究不足であってこういうことをなさるのは一体どうか。われわれの今まで考えておりました体系というものは、今さら釈迦に説法でもございませんが、しかし基礎控除なり扶養家族の控除では定額にして、ここでもって最低の生活は保障したい。勤労控除というものは勤労に対する経費をある程度見ていこう、これが根本的な考え方だと思っております。従ってその地位その他によりまして、経費にも相違がある、六万円をこえたものならば、そこいらでストップさしてもいいかもしらぬ、そこまでというのは、大体比例的でいくのが当然だという理論で参りまして、しかもこれに対していまだかつてあなた方から御反対もなかった。こつ然として今そのように薄弱な根拠でもってお考えをお変えになったという点が解せないものですからお伺いしておるわけです。時間もございませんが、この点とくと伺いたい。

平岡忠次郎日本社会党

○平岡委員 私どもの建前は、財政学で一番新しい最小社会犠牲説をとっております。この最小社会犠牲説が現実の税制度に現われるときには、最小生活費は、まず第一番に課税せぬということです。あなたは、勤労所得控除率に対して、累退的たるべきか、比例たるべきかをなぜ考えぬかと言うけれども、五千円の足切りは、その問題以前のことなのです。五千円を足切りにせよというのは、最小生活費は課税せぬという基本的な命題であり、あなたの今の議論の前にある事柄と考えまして、この五千円足切り案を出しておるのです。おわかりですか。(笑声)

黒金泰美自由民主党

○黒金委員 けがの功名と申しますか、あまり研究もせず、答弁も初めとあととでだいぶお違いになる。その程度にここのところは研究不十分だったけれども、しかしこれはけがの功名でうまいところに持っていった。そこで、これからはそういうようなお考えで、勤労所得の控除その他につきましても、社会党のお考えは、その最新の卓説によって累進的に課税になるようにしょう、こういうお考えと了承してよろしゅうございますか。根本的な考えを一つお伺いしたい。

平岡忠次郎日本社会党

○平岡委員 それはあなた方が現在やっていることと同様であります。課税の各段階がございまして、現在三万円以下が一五%から発足しまして累進しております。社会党も当然その立場をとります。

黒金泰美自由民主党

○黒金委員 今の点はあまり御研究が足らぬようですから、これで終ります。  次に承わりたい点は、社会党の方も今度合同なさって、そしていたずらに勤労組織大衆だけを重点的にお考えになるというのでなく、国民全体をお考えになって国民大衆の党になった、かように世間の評判を聞いておったのでありますが、この法案を拝見しまして、なかなかそこまで実感がまだ出てこない。と申しますのは、年末に各種の経費がかさむ事情にあるというのは、あに勤労所得者のみならんやであります。中小企業もはなはだ苦しい。これはとくと御承知だと存じます。農村におきましても、豊作とはいうものの、決して楽ではございません。この際におきまして、なぜこの勤労所得者だけについてこれをお考えになるのか。少くとも苦しい年末の際に賞与が出るだけ、ほかよりもまだ恵まれております。それで、なぜこの点についてだけお考えになるのか。私は具体的に一つ申し上げてみたいと思います。十五万円の所得者を一つとってみましょう。独身者であります。今までは八千五十円の税がかかっておりましたものが、この案によりますと七千二百二十円で、八百三十円減ります。これは一〇・三%の軽減率であります。かなりの恩典でございます。しかるに十五万円の事業所得者が一体幾らの税金を納めておるか、これは申すまでもなくおわかりだと存じます。一万三千円の税金を納めております。これに対しては、おそらく把握率の問題をおっしゃいましょうが、このほかに事業税がかかっておることもとくと御承知だと思います。こういうような点を御承知になりながら、なぜこれだけについてこういう案をお出しになるか。ここまでの親心があるならば、事業所得の方々も恩典を受け得るようた案を一つなぜお考えにならなかったか。こういうことでは何か穏当でないような気がして私ども割り切れないのでありますが、この点について十分なる御説明を願いたいと思います。

平岡忠次郎日本社会党

○平岡委員 では反問いたしますが、(笑声)臨時税制調査会で二つの山を作って答申しておるわけであります。その一つは地方財政対策、その一つは勤労所得者の重税を是正するという、この二つであります。これは天下の世論なんです。黒金さんは木を見て森を見ざる枝葉の議論をされておるけれども、天下の世論は、ただ一人の黒金さんを例外として全部一致しておることなんです。しかもその臨時税制調査会の答申を大蔵大臣は是として、その線に沿うて自由民主党の来年度の予算を編成していく、こういうことを言っておられる。まあ以上ですな。(笑声)

黒金泰美自由民主党

○黒金委員 今の点は、われわれとてもこれはしたいのであります。しかし今の窮屈なとき忽如としてこういうことはなかなかできないということで慎重なのであります。  なおその次に一つ承わりたいことは、これによって拝見しますると、説明で七十億円になりますか、穴があくようになっております。この七十億円の補てんを一体どうなさるのか。あなたの提案のときの御説明では、その程度のものは政府で考えなさい、たしかこうおっしゃったと思います。私は、はなはだ無責任なる提案者である、かように思っていました。ところがあとで昭和三十年度の特別会計予算補正の編成がえを求めるの動議、これを見てみますると、あなたのような無責任なことでなくて安心いたしましたが、この内容について見てみますると、なかなか安心できない。承わりたいと思うのでありますが、歳入補正の部で本年度一般会計の歳入の自然増加百億、この根拠を承わりたい。

平岡忠次郎日本社会党

○平岡委員 あなたの御質問に答えるに先だちまして申し上げておきたいことは、補正予算の問題をめぐっての予算委員会で、野党側が回答の立場に立ち、与党側の人が質問するという先例を開いているのです。これは国民からとても歓迎されているのです。私はこの意味で、やはりただいまの法律案の審議が同様なケースであると考えております。もとよりこの質疑は、二大政党対立の議会運営として、野党側が責任ある法案を提出しているという意味におきましては、当然政策論争であります。ですから、いはばこの計数論争はサイド・ファクターなんです。(笑声、「とんでもない」 「そういうことじゃいかぬ」と呼ぶ者あり)ちょっと待って下さい。一応サイド・ファクター、一応です。一応大筋はそうだということを申し上げ、皆さんの御了解を得たいと思うのであります。(「了解できない」と呼び、その他発言する者あり)了解できないと言っても、一兆円予算のうち、専売益金を入れまして、租税印紙収入は九割、約九千億です。ですから、これは与党、政府が腹をきめれば、〇・六%とか〇・七%とかの問題は、大がい主計局なり主税局において捻出し得るのです。(「それがいかぬ」「ずさんだ」と呼ぶ者あり)いやずさんだと言っても、あなた方がしょっちゅうそれはやっていることなんです。要するに計数というものは魔術なんです。(笑声)一応そういうことを申し上げておきます。その上で黒金さんの質問にあえてお答えするとすれば、その百億につきましては、私直接の今の、社会党補正法案の方の作成者ではございませんから、その答弁はいたしかねますが、今当面の七十億の財源につきましては、私はサイド・ファクターであるけれども、一応御説明できると思うのです。それは、ことしの賞与は昨年の賞与に比較しまして、官公労関係で〇・二五は完全にふえる。それから民間がそれと比べて低いはずがございません。これは認めていただけると思います。そうしますと、年間の給与所得者の所得は二兆一千六百億円、大体そうですね。そうしますと、十二カ月にプラスすることの年間三カ月の賞与として、十五カ月でそれを割りますと、大体千四、五百億円が一カ月の給与所得者の所得であります。そこで〇・三カ月というものが昨年に比べて賞与において増額されておるとするならば、大体四百五十億円ほどの所得がふえまするから、それに対しまして上積みの課税としまして二割をかける、そうしますと大体九十億が出てくるのだ、ですから、はね返りだけで今の賞与の減税は十分補って余りある、かように考えております。そういうことで御了承いただきたいと思うのであります。

黒金泰美自由民主党

○黒金委員 今平岡さんからるる苦しい御答弁がありましたが、それはあなたは不勉強なんです。これは予算委員会におきまして、皆さんの代表の方は、年末調整と、ことに今あなたのおっしゃったのと違って三十五億しか見ておりません。それから今度は中小法人の給与がふえる、これも二十億しか見ておりません。そのほかに農業関係の所得税で二十億、砂糖が十万トン輸入がふえるというので三十億、物品税を七十億見積っておられて二百億、これに対して減の方を差し引きまして百億という答弁をしておられるのであります。もう少し勉強していらっしゃっていただきたいと思いますが、しかしこの案につきましては、もう否決になっておりますからあえて申し上げませんけれども、このように軽々にお出しになる点のずさんな点をつきたいために、一言だけ申し上げておきます。それは、この七十億のうちには、丁五カ月分に、〇・二五カ月分ふえた点を含めて計算しておられるかどうか。おそらくこちらでは計算せずに、収入がふえる方だけに見込んでおられるのだろう、かように思うのです。  それからもう一つでありますが、これは目立ちます点で気になりますから、この点だけを申し上げておきたいと思います。それは物品税の七十億の増であります。確かに物品税は最近収入がいいのであります。いいのでありまして、去年は十一月までに五五・一%入っておる、ことしは予算に対して六五・九%、一〇%の増であります。確かに自然増をお見込みになるのは正しい。しかしながら総税額おきまして二百三十億しかございません。一割ふえてと見て二十三億であります。一体どうしてこういう七十億が出てくるか私にはわからないのです。このように、この基礎というものはずさんなものであろうと思いますが、もう否決されてゼロなんでありますから、ゼロでこの法案を通すかどうかという判断しかわれわれにはできません。深追いはいたしません。  そこで今度は政府御当局に伺いたいと思いますが、このように財源がなくして七十億の軽減を行なって、果してやっていくことができるかどうか、これを一つ聞いておきたい。

渡邊喜久造大蔵事務官(主税局長)

○渡邊政府委員 本年度の自然増収がどれくらい出るかという問題でございますが、われわれ予算の編成に際しまして、昨年度の例もございましたので、相当僅少に考えまして、できるだけ決算と予算とが違わないことを目ざしていろいろな計数を整理しております。しかし現在の状態でありますと、税の方におきましては、ある程度の増収が期待し得る。先日大体八十億ぐらい期待できるのじゃないかというようなことを申し上げましたが、正直のところ、その後のいろいろな状態、ボーナスの工合がどんなふうになっておるか、われわれの方でもいろいろ検討しておりますが、〇・二五の役人の問題にしましても、かなり人件費をそちらの方に組みかえして使う。この分はいわば予算のときにもう見込んでいた数字でありまして、物件費を組みかえて使う場合もあるように聞いておりますが、その分は従来の予算で見ていなかったと言えるのじゃないかと思います。同時に、御承知のように今年は年末に減税がずっと固まりますので、これがどの程度になるか、この計数は、われわれとしましてもいろいろな試算をやっておりますが、見通しが非常に困難であります。しかし現在のところとしましては、やはり確実に見込めば八十億程度ということになるのじゃないか。ただこれは、お前に聞かないことだといって、この間横路さんからしかられましたが、御承知のようにたばこの方に相当の減収があるということを考えてみますと、なかなかこの七十億の減収をカバーしてどうなるかという点につきましては、少くとも現在の段階におきましては、われわれはちょっと困難じゃないか、かように考えております。

黒金泰美自由民主党

○黒金委員 まあ時間もだいぶ迫って参りましたので、簡単に申し上げたいと思いますが、前にも社会党の方々から何回かこのような案が出て参り、初めには二万円の案が出たりいろいろいたしまして、その当時からずっと検討いたして参りますと、今度の案には非常な進歩が認められる、非常によくできております。われわれとしても、これに対してはよほど協力いたしたいというような気持が多分にございます。ただこの案の提案者に先ほど来伺った通りに、何かこれは非常に急速に年末対策としてお考えになったのじゃないか、あまりに急がれたために、先ほど来伺ったように、これが一体恒久的なものなのか、年末手当に対するものなのか、それとも一般的な給与所得者の税軽減をねらっておるのか、この点につきましても実ははっきりいたしませんし、また勤労控除についてのお考え方、これも非常にとってつけたような御答弁であって、十分に練った案だとは思われません。また実際に困っておる事業所得の方々との権衡問題についても、われわれは幾多憂うるところがございます。  最後に、あなたは非常に軽視しておられますが、国家が予算を遂行していく上には、やはり財源措置があって初めてこういうことができる。しかるに政府の方におきましては、これは容易でない。こういうような点から考えますと、今直ちにこの問題を行うことは私は非常に無理じゃないか、かように考えておるのでございます。われわれの仲間でも何回かこれを議論いたしました。したいことはしたいけれども、どうも今としてはこれは無理じゃないか。またこの法案自体にも今申したような、考え方に相当大きな欠陥というと失礼かもしれませんが、まだ議論の熟していない点もございます。こういうような考え方であるのでありますが、しかしわれわれとしても、この前の予算の修正の際に、何とかして勤労所得の控除率を引き上げたいということは、当時われわれ自由党でありましたが、再三検討いたしました結果、財源が不足のために遂にできなかった、その後に旧民主党におかれましても、税制調査会を作って慎重審議の結果、この案とは違いますが、できるだけ早い機会に勤労所得の控除額を引き上げたい、かような中間報告が出ております。また旧自由党の税制調査会でも大体そのような意見が、これは中間報告までには至りませんでしたが、強かったのであります。同時に、先ほども御指摘になりましたが、税制調査会においても同じような御意見があり、大蔵大臣の談話というものも新聞に載っておりますので、われわれとしては何とかこれを近い機会に行なって参りたい。そこで、社会党の方にはまことに恐縮でありますが、今このように練れていない案はしばらくお預けにして、来年度の予算に、われわれと協力して何とかこの問題を根本的に解決したいという態度にお出になって、これをひっ込めて再検討するということにしていただいたらどうかと考えるのでありますが、一つ御意見を伺いたいと思います。

平岡忠次郎日本社会党

○平岡委員 これは党議によってきまることでございますから、今ここでの即答は避けさせていただきたいと思います。  それからはなはだずさんな提案だということでおしかりを受けておりますけれども、あなた方が地方財政対策としてお出しになった百八十八億も相当いいかげんのものである、これは知事とか、むしろ与党と利害関係の深い方々から推進されたために、ずざんを押して提出しておるのじゃないか。私どものこの七十億というものは、勤労所得税の総額が二千五十六億ですから、ちょうどその三%に見合っておる、また地方財政における百八十八億も、ちょうどその三%であるということと見合っておるのです。ですから、これは悪意とか、あるいは木を見て森を見ざるの議論からすればいろいろ難くせがつけられるけれども、これは天下の世論に沿う法律案であることに間違いありません。せめてこの年末に、重税に苦しむ勤労所得者の生活に幾分でもプラスになるようにということで出したものです。だから、計数的にこれを突っつくつもりなら幾らでも突っつけるかもしれないけれども、大筋からいってみれば、あなたの方で目くじらを立てて非難するにはあたらない、非難に値する提案だとは決して思っておりません。こういう点を積極的に御了承いただいて、むしろ今あなたのおっしゃったようなことをひっ込めて、逆にこの法律案を通していただきたい、かように考えるものであります。

黒金泰美自由民主党

○黒金委員 ただいまのお話の根本の議論については、われわれ異存がないのであります。ただしかし、どこに行くにしましても、方法、道というものは幾つもある。ただいま申しましたように、この内容についてはいろいろ新しい思想が頭を出してきている、こういう点を議論を尽して、なおかつ財源があるというならできましょう。できるだけ早い機会に、この問題についてはお互いにやっていきたい、こういうような意見でございますが、最後に政府御当局に承わりたいと思いますが、先ほど税制調査会の中間報告に対して、大蔵大臣は、できるだけの努力をしてこれを実現したい、こういうように言っておられますが、実際に来年度できるものでありましょうか、できないものでありましょうか、そのお見通しを一つ承わって私の質問を終ります。

渡邊喜久造大蔵事務官(主税局長)

○渡邊政府委員 大蔵大臣の意見が一応もう表明されておりますので、われわれ大蔵大臣の配下にある者はそれ以上に言うことはございません。結局大臣の意向を何とかわれわれも実現したい、その意味におきまして、同じように努力して参りたいと考えております。御承知のように、明年の予算編成は非常にむずかしい問題がありますので、まだはっきりお約束するということもできませんが、政党の方々の御意見なども十分伺いまして、われわれとしましても何らかそうした方向で税制を改正していきたい、こういうつもりでおります。

横山利秋日本社会党

○横山委員 この法案に関連をいたしまして、非常に興味のある質疑が行われましたが、私は法案の骨子をなしております勤労所得税の減税について、政府にお伺いしたいと思うわけであります。  昨日から始まりました勤労者諸君の五千円減税法案に対する街頭署名は、驚くべき成果をあげておるそうであります。もう押すな押すなで並んで署名しております。いかに勤労者諸君が、この法案の底をなす勤労所得税の軽減に対して、大きな関心を持っておるかということがわかると思うのであります。先ほど黒金委員は、これが勤労者だけに、こういうような印象を与えるという御質問をされました。しかしながら事実は、平岡委員が言われたように、全く今全日本の世論になりつつあります。そこで臨時税制調査会にいつも御出席なさったと思う主税局長に、臨時税制調査会はなぜこの中間答申案で勤労控除だけを特に中心に取り上げていくという結果になったか、その経緯を一つ具体的にお伺いしたい。

渡邊喜久造大蔵事務官(主税局長)

○渡邊政府委員 税制調査会では、いろいろ各委員の意見の開陳がございましたが、問題が非常に広範にわたっておりますので、時間もずいぶんかけましていろいろ議論して参りましたが、それぞれの部内におきましては、結論はまだ容易に出ない。ただ給与所得につきましては、それが源泉徴収で行われておるとかいろいろな関係も考慮いたしますと、どうも全体の負担が重いんじゃないかということはいなめない。計数的にどうだといろ点はなかなかうまくきまりませんが、しかしどうもそういうところは各委員の共通した一つの見方としてありました。それで税制全体の改訂という問題になりますと、これはちょっと三十一年にすぐやったらいいという意味の答申は出せないが、もう少し検討した上で、最終答申の際に税制全体についての答申は出す、ただ三十一年にとにかく予算編成があり、いろいろ税制改正の問題も出るから、その場合におきまして、国税に関する限りにおきましては三十一年において給与所得についてだけの負担軽減は何とか行いたい。来年度の予算を見ますと、御承知のように減税の平年度化することによりまして、国税、地方税を通じて約三百億円と減税の幅が来年は大きくなります。従って来年度において、自然増収を財源とする一般的減税はちょっと無理だろう、しかし負担均衡の是正という問題、これもいろいろあるけれども、とにかく給与所得に対する軽減だけは、控除率の引き上げなどによって何とかやった方がいいだろう、そのためには、必要があれば間接税の増徴でその財源をまかなっても、税負担全体としては減じないとしても、やはりその程度のことはやった方がいいんじゃないか、これが税制調査会で論議され、同時に一応の結論として中間報告されたわけであります。

平岡忠次郎日本社会党

○平岡委員 横山さんの御質問に関連しまして、これは仄聞したことですが、責任を持って申し上げ得ることは、二十数名の臨時税制調査会のメンバーが一人の例外もなしに勤労所得税の重税是正をなすべしという意見に一致している。答申において来年からということは、時間的なことを考慮して来年というだけの話で、来年からやるべしという答申だということに籍口することはない。あなた方は地方税制対策で現にただいまやっておられる。ですから私の言いたいのは、一人の例外もなしに、全委員がそのことを答申することに一致しておるということ、この点を特に申し上げておきたいと思います。

横山利秋日本社会党

○横山委員 今計数的なことを少し承わりたかったわけですけれども、先ほど黒金委員から一つの税制上の地位から事業税と勤労所得者とを比較されました。実態論からいいまして、私の愛知県の某郡部でありますが、こういうような数字が出ておるのであります。たとえば農家が五二%ある、給与所得者が三三%ある。ところが村民税としては、五二%の農家が三八%で、給与所得者が五〇・六%の村民税を納めておるということになっておるのでございます。もちろんこの点については、黒金さんのおっしゃる事業税なり固定資産税なり何なりの問題がございますが、しかしながらそれを勘定に入れましても、実態論としての不均衡というものは今やおおうべからざる事実であろうと思うのであります。その実態論について大蔵省としてどういうふうに把握されておりますか、一つ伺いたいと思います。

渡邊喜久造大蔵事務官(主税局長)

○渡邊政府委員 町村民税の数字に出ましたのは、いわば給与所得者が大体上位を占めている、そうした事績はわれわれの知ったサンプル調査においても出ております。これが内容につきましてわれわれいろいろ検討しておりますが、幾つかの理由がそこに出てくるようでございます。一つは法人成りの問題があるようです。これは二十四、五年ごろと比較してみますと、個人の大きな営業者がいずれも法人になりまして、かつては営業者として町村民税の上位になっておった、それが現在はいわば会社重役になっている。残っておりましても給与所得者になっている。あるいは法人成りになりますと、法人に対する所得税割と個人に対する所得税割との間で分解いたしますから、従いまして、そうした人は少くとも上位からは消えていく、こういうようなことが一つあります。  それからもう一つ農村についてはっきりいたします点は、供出免税の問題も一つございますが、主といたしまして、大体農家の所得というのは平面化しているといいますか、大きなところで六十万、小さなところでも、低い生業農家でございましても三十万くらい、その辺に押し詰まった姿でいく。従いまして、学校の先生などが七、八十万ということになりますと、大体その辺が一番上にいく、こういったところが町村民税のデータを見、同時に過去との移り変りなどを見まして出てくる一つの結論のように思います。しかし、なかなかその数字の外に出ない問題として、片方は源泉徴収されている、片方は申告納税になっている。いろいろな問題から考えてみまして、どうしても給与所得の方が重いのじゃないかという感覚はわれわれも持っております。調査会におきましても、皆さんがやはりそういう感じのようで、これをデータ的にはっきり出せといいますと、なかなか実はデータ的に出ません。しかしそういう感じは事実のようではないか。  そこで先ほど申し上げたように、調査会においての答申といたしまして、三十一年度において、給与所得についての何らかの格好における、勤労所得控除の控除率の引き上げなどによって軽減を行うべきじゃないかという答申が出たと思っております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 三十一年度の減税について私のお尋ねいたそうというゆえんのものは、今すでに予算編成が進行中でありましょう。この大蔵委員会で本格的にやるのは来年度になるでありましょうから、その意味において少し時間をさいていただきたいと思うのです。  まずお伺いをしたいのは、この前の選挙のときに、鳩山内閣が税制に関する三つの公約、中小企業の減税、低額所得者の減税、税制の簡素化、この三つの減税というものは、先般も国会において少し曲った形においてなされ、私の質問に対して、今回はできなかった、これから臨時税制調査会を開いて根本的にやる、こういうお約束でありました。今、臨時税制調査会を開いて得た結論というものは、三十一年度は、根本的な改正はむずかしいということであります。ところが一方、第三次鳩山内閣が税制の根本的改革をやろうというこの三大公約の一つの重大公約というものは、国民がもうすぐ目の前の問題として理解をいたしておるのです。そこに若干のギャップがありますが、事務当局としては、どういうふうにこの鳩山内閣の公約と臨時税制調査会とのギャップを埋めようとしておられるか、どちらに重点を置こうとしておられるか、承わりたいのであります。

渡邊喜久造大蔵事務官(主税局長)

○渡邊政府委員 私からお答えするのもどうかと思いますが、私の理解しておりますところによりますと、時期の問題が一つ大きくあると思っております。内閣において臨時税制調査会を設けまして、せっかく現在中央・地方を通じての税制全般について検討をしておるわけでございまして、従いまして、そうした検討を別にして、早急にこの際大きな改正をするということを考えているのじゃないかと私は実は考えております。臨時税制調査会でさらに引き続きまして検討を固め、当然最終答申が出ると思います。従いまして、その最終答申を一応参考にした上で、根本的な税制改正に対する案が立案される、かような順序と考えております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 そうしますと、明確に一つお伺いをしたいのですが、鳩山内閣の税制の根本的改訂という意味のものは、三十一年度においてはしない、こういう意味に理解してよろしゅうございますか。

渡邊喜久造大蔵事務官(主税局長)

○渡邊政府委員 事務当局の私がそこまで政府を代表して御答弁するのはどうかと思いますが、現在われわれの方で考えておりますところは、先ほど申し上げた通りでございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 関連をして、給与所得税のこまかい点について少し伺いたいと思うのです。この間うちからあなたのお書きになっている日本経済新聞の「税の理論と実際」によりますと、今勤労所得税の問題に入っておりますが、この中で、勤労者の方から、渡邊さんの原稿を見てちょうど気がついたから、ぜひとも言うてくれという話があったわけであります。それといいますのは、とかく勤労所得税というのは忘れられがちでありまして、他の税に比較して負担の軽減というものが非常におそきに失するわけであります。この勤労者に対するこまかい——こまかいと言うと語弊がありますが、その恩恵の中で、たとえば実費支弁の交通費の問題がございます。御存じのように、最近京都、名古屋等々の大都市が市電を値上げいたしました。それから大阪も最近値上げをした。東京都でも間もなく上るということであります。御存じのように、今五百円が交通費の免税点になっておりますが、もうすでに定期券が五百円を突破いたしておるのであります。あれをお書きになったときに、渡邊さんも気がついておられたと思うのでありますが、この市電の値上けが実施されたというような傾向に対して、実費支弁の五百円の免税点を引き上げるべきだと思うのですが、御用意のほどをお伺いしたいと思います。

渡邊喜久造大蔵事務官(主税局長)

○渡邊政府委員 私が日本経済新聞に書きました事項につきましていろいろお触れになったようでありますが、私があそこに書きましたのは、現在国税庁におきまして取扱い通達としてやっておることで、同時に御承知のように、この通達は公表されております。それをできるだけ理解しやすく書いたつもりでございまして、それ以上のことを書いたわけではございません。従いまして問題は、現在国税庁でやっておる五百円までは一応しいて課税しないといったあの線が再検討される時期にありやいなやという問題についての御質問だと思います。この点につきましては、われわれまだ材料を十分持っておりませんので、ああした問題は常に一応検討し、直す必要があれば直す、直す必要がなければ直さぬ、こういう態度でいくべきだと思います。お話のような点につきましては、さらに検討を進めてみたいと思っております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 非常に抽象的なお話でありますが、直すべき必要があれば直すという、その直すべき必要が客観的にすでに生じてしまっておるのであります。五百円の免税点ができましたが、すでに五百円を突破しておるのであります。あの趣旨は、定期券が実費支弁される場合においてはこれを免税点とするという意味でありますから、この客観的条件というのは生まれておるのであります。そういう点において、あなたのおっしゃる直すべき必要があればというのはどういう意味なのか。もう少し御親切に聞かせてほしいと思います。

渡邊喜久造大蔵事務官(主税局長)

○渡邊政府委員 五百円をどういうふうにきめたかという点については、私どもまだはっきりここでお答えするだけのものを持っておりませんが、結局一応五百円という線が出ているわけでございます。それに基きまして、今横山委員のおっしゃいましたように、ある都市においての市電が上った、こういう問題があるようでございます。全国的に一応施行されておる五百円の数字でございまして、局部的に、たとえば定期券の動きがあったということが、すでに全国的に施行されておるものを動かすべき事実になるかならぬか、こういう問題になると思います。従いまして、それがほとんど大部分そうだといったことになった場合とそうでない場合と、いろいろあるわけでありまして、そういう意味においてとくと検討をすべきではないか、かように考えておるわけであります。

横山利秋日本社会党

○横山委員 この問題であまりやり合う気持はありませんが、その点はちょっとあなたの方が不勉強だと思います。二十六年以来免税点はきまっているが、その後四年余りの間に値上げしてきた各都市の市電というものは、その当時の標準を突破しておる時期であります。従ってもう少し一つ御検討下さって、この五百円の免税点を引き上げていただくよう御検討をわずらわしたいと思います。あわせてその検討をされるときには、先般の国会でも問題になりました免税点七百円の現物支給、すなわち食事代の免税、あの額についても同じような時期になっていると思うのであります。従って二の額についても、あわせて物価の上昇状況、その他各民間会社なり何なりの現物支給の状況が拡大いたしておりますから、その状況を見計らって検討を願いたい、こう考えるわけであります。  さて、本日問題になりました五千円の免税の問題でありますが、私は先ほど来の与野党の討論をお伺いいたしまして、とにかく根本的には双方とも、また政府を含んで三者とも、勤労所得税を減税すべき段階にあるということについては一致いたしておるように思うのであります。ただ意見の分れるところは、今日すべきであるかどうか、その方法はいかがあるべきかというような点であります。従って私は、政府当局においても、その趣旨とするところはもはや否定しがたいところではなかろうかと思うのであります。この根本的なものの考え方、法案の趣旨について政府の意見を一つお伺いいたしたい。

渡邊喜久造大蔵事務官(主税局長)

○渡邊政府委員 給与所得控除等の引き上げによって給与所得に対する所得税を軽減したいという気持は、われわれの方には十分ございます。従いまして年度の途中において、同時に今御提案になっておるような形においてやるべきかという点については、われわれは消極的な考え、反対の考えを持っておりますが、明年度の税制改正におきまして、その点実現する方向にわれわれは十分努力して参りたいということは申し上げられるだろうと思います。

横山利秋日本社会党

○横山委員 これは、与党の人に質問するということはおかしいと思うのですが、一言希望を申し上げておきたいと思います。  先ほどの御質問の中で、与党としても、来年は一つ何とかしようじゃないかという意見がありました。しかしうかがい知るところによりますと、その上げようではないかという意味は、少くとも臨時税制調査会において強調しておる文句とやや違った感じにおいてなされておるようであります。もし間違いであるならば御説明願いたいと思うのでありますが、私の聞くところによりますと、わずか一五%を二%か三%上げて、それで臨時税制調査会ないしは全国民の、税制不均衡を是正せよという声にこたえるというふうな感じを受けておるようであります。それであるならば、まさにそれは意味がない。黒金さんが、これによって五千円をあきらめたらどうだろうというような意味では、それはいささか穏当を欠くと思うのであります。もし私のこういう言い方が間違っておれば、まことに幸いでありますが、間違いがあるならば、御説明を願いたいと思うのです。政府においても、この法案は別といたしましても、来年度の勤労所得税の軽減について、もし本格的にあなたの所信を貫くというのであるならば、また大蔵省がこの趣旨を貫くというのであるならば、少くともこの根本的改訂のうちの重点は、ここに置かれるようにお願いしなければなりません。特に大蔵大臣は予算委員会においても、本年は特に所得税、直接税、そのうちでまた特に所得税、そのうちでまた特に勤労所得税と、私の勘定しただけでも、特を三べん言っておられるのであります。この三べんも特にと言ったのがわずかに三%です。そうすると一つが一%なんだ。(笑声)世間に与えておる印象なり、勤労所得民が期待しておりまする希望というものにこたえていただくことを私は特に要望してやまないものであります。  最後にもう一つだけお伺いしたいのは、やはり前国会で、旧自由党の方、旧民主党の方、それから政府、そこにいらっしゃる藤枝さんも含めて二党と政府の代表者が、増税をしない、こういうことを明言されました。今回の政府の考えております税制の根本的改訂の中には、増税というものを含むのかどうかということが今たまたま議論になっておるのであります。と言いまするのは、総選挙のときには、中小企業の減税、低額所得者の減税、こういう減税のことばかり言っておられた。ところが今度根本的に改訂になりまして、従って減税と増税とが入れかえになって、プラス・マイナス・ゼロだ、それが不均衡の是正だ、こういうふうな印象も受けておる模様なのであります。さしあたり来年度において増税ということを予想しておられるのかどうか、その準備を始めておられるのかどうかという点についてお伺いをいたしたいと思います。

渡邊喜久造大蔵事務官(主税局長)

○渡邊政府委員 来年度において増税するかどうかという点につきましては、われわれは増税をできるだけ回避したい、こういう態度はとっております。ただ予算規模の問題もございますし、どうせ大きなことはないと思いますが、全然増税なしということをここではっきり申し上げる時期には至っておりません。申し上げられることは、増税はできるだけ回避したい、かように申し上げていいわけであります。同時に税制調査会で考えられております線は、すでに御承知のように、給与所得税を軽減するためには、やむを得なければ間接税の増徴によってもやっていかざるを得ない、こういったようなことを言っております。われわれとしましても、歳出のワクがどのようになるか、来年の自然増収がどの程度期待できるのか、こういった各般の事情を十分検討した上で結論を出したい、かように考えております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 主税局長にこういう質問をするのはこれでやめますが、願わくば本大蔵委員会において旧自由党、民主党の最高首脳部、それから政府を代表して藤枝さんが、増税をしないと重ねて一様におっしゃった気持というものは、今なお記憶になまなましいところでありまして、この方向が根本的改訂という文字に変ったことによって曲げられることのないように、とくと政府の方においてはお考えを願いたい、こう考えます。  以上によって私の質問を終ります。     —————————————

松原喜之次日本社会党

○松原委員長 次に本日の請願日程にあります三級清酒設定反対に関する請願外三十九件を一括して議題といたします。

藤枝泉介自由民主党

○藤枝委員 動議を提出いたします。ただいま一括議題となりました請願四十件につきましては、その要旨はすでに諸君よく御承知のことであり、また先刻の理事会で十分検討を重ねましたので、紹介議員の説明並びに政府の意見聴取等はすべて省略し、本日の請願日程中第一ないし第十二及び第十六ないし第四十の各請願の趣旨は、いずれも妥当と存じますので、これら各請願を議院の会議に付し、採択の上内閣に送付すべきものと議決せられんことを望みます。

松原喜之次日本社会党

○松原委員長 ただいまの藤枝君の動議に御異議はありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松原喜之次日本社会党

○松原委員長 御異議なしと認めます。よってさように決しました。  なおただいま議決いたしました各請願に関する委員会報告書の作成提出手続等につきましては、委員長に御一任願っておきたいと存じますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松原喜之次日本社会党

○松原委員長 御異議なしと認めます。よってさように決しました。  この際御報告申し上げますが、今会期中当委員会に参考のため送付されました陳情書は、ただいま諸君のお手元に印刷配付いたしました十一件の外五件で、合計十六件でありますので、御報告申し上げておきます。     —————————————

松原喜之次日本社会党

○松原委員長 次に閉会中審査の件についてお諮りいたします。御承知の通り委員会は、特に議院の会議に付託された案件についてのみ閉会中も審査ができることと相なっておりますので、当委員会におきましては、横路節雄君外十二名提出にかかる昭和三十年の年末の賞与等に対する所得税の臨時特例に関する法律案について、閉会中審査ができ得るように議長に申し出をいたしておきたいと存じますが、これに御異議はありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松原喜之次日本社会党

○松原委員長 御異議なしと認めます。よってさように決しました。  なお申告書の作成、提出手続等につきましては、委員長に御一任願っておきます。  これにて散会いたします。    午後一時十五分散会      ————◇—————

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