商工委員会 第5号
- 発言数
- 56 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1955/12/13
会議録
○神田委員長 これより会議を開きます。 まず去る十日予備審査のため本委員会に付託されました鉱業法の一部を改正する法律案を議題といたします。その趣旨の説明を求めます。川野通商産業政務次官。
○川野政府委員 ただいま議題となりました鉱業法の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。最近原子力については、世界各国においてその平和的利用についての研究が進められ、実験研究の段階からようやく実用化の段階へと進みつつありまして、これは新たな産業革命を招来するものであるといわれておりますことは、すでに御承知の通りであります。 わが国における原子力の研究開発につきましては、当初の三年間は実験用原子炉の輸入及びその築造に重点を置くよう計画されており、それに必要なウランは、日米原子力協定により、米国より貸与を受ける濃縮ウランを充当することになっておりますが、昭和三十三年度には国産原子炉として天然ウラン重水型原子炉を築造することとなっておりますので、これらをも勘案するならば、ウラン資源をわが国においても急速に開発する必要が痛感される次第であります。しかるに、ウラン鉱およびトリウム鉱については、いまだ鉱業法の適用鉱物にも指定されておりませんので、この際その権利関係を明確にするとともに、合理的な開発を推進するため、これらを鉱業法の適用鉱物として追加することといたしたのであります。なお追加に伴う経過措置として、従来新たに適用鉱物を追加したときの例にならない、ウラン鉱またはトリウム鉱を現に掘採している者、ウラン鉱またはトリウム鉱の取得を目的とする土地の使用権を有している者及び土地の所有者に対して、この法律の施行後三月以内に優先出願をする道を開くこととし、それらの者の既得権の保護をはかることといたしました。 以上が、本案の提案理由及びその内容に関する概要であります。何とぞ慎重御審議の上御賛同あらんことを切望する次第であります。
○神田委員長 本案に対する質疑はあらためて後日に行うことにいたします。 —————————————
○神田委員長 次に長期経済計画に関して調査を進めます。 まず先般経済審議会より政府に対し答申のありました、経済自立と完全雇用達成のための長期経済計画に関する諮問に対する答申、いわゆる総合経済六カ年計画案につきまして、政府よりその経過並びに概要等の説明を求めたいと存じます。上野政府委員。
○上野政府委員 経済長期計画の答申が今月の五日にございましたので、そのことにつきまして経過並びに内容のごくあらましを御報告申し上げたいと思います。 経済長期計画につきましては、すでに御案内の通りにかなり以前から研究を重ねていたのでございますが、本年の七月に政府から経済審議会に対しまして正式に諮問が発せられまして、その諮問に対する答申を、各部会に分れまして慎重審議を重ね、ようやくこの五日に答申をする運びになりました。その間、延べ回数にしますと六百回になんなんとするひんぱんな会合を持ったのでございます。その結果これから御報告申し上げますような答申案が出て参った次第でございます。答申の中身を御報告申し上げますが、内容が非常に広範にわたっておりまして、微に入り細をうがって御説明申し上げますと、かえって時間ばかりとっておわかりにくいかと存じますので、ごく大まかにかいつまみましたところを御報告申し上げます。 大体この計画の目標でございますが、一応目標といたしましては、経済の自立と完全雇用の達成をはかる、こういう目標を掲げてございます。経済の自立と申しますのは、申し上げるまでもなく外国からの援助でありますとか、あるいは特需といったような特別なささえによらないで、日本のみずからの力で経済をささえていくというその自立でございます。完全雇用といいますのは、読んで字のごときことでございますが、この完全雇用の問題は、日本経済にとりましてはまことに深刻な問題でございまして、言葉は完全雇用となっておりますが、この計画の策定に当りましても一番苦心された点でありますが、問題は決してこの期間内に全部片づくというふうなことにはなっておりませんので、なお長期の経済施策を必要とすることになろうかと思いますが、以上申し上げました経済の自立と完全雇用の達成ということを目標にいたしております。それから計画の期間が三十年度を初年度にして三十五年度に至る六ヵ年ということになっております。俗にいう六ヵ年計画でございます。この計画を作りますにつきましてのいろいろな前提がございまして、その前提は一つ一つの説明を省略いたしますが、配付の資料ですでに御存じかと思いますが、大体貿易の関係あるいは国際政局の関係、そういういわゆる世界経済に関する前提をいろいろ置いております。なお国内的な問題としましては、為替レートの変更はしない、あるいは物価は極力引き下げ方針をとるというふうな前提をとっております。さような前提のもとに計画を組むのでございますが、その計画の方向といたしまして四つの柱を立てております。 その四つの柱と申しますのは、一つは経済の自立でございまして、これは先ほど申し上げましたように、経済援助あるいは特需、そういうふうなものに依存しないで日本の経済をささえていくということでございます。しかしそれもただ消極的に自立するというのではなくて、むしろ積極的に自立するというのが、この経済自立の着眼点でございます。 次の柱は雇用の増大でございまして、雇用の増大につきましては、大体総人口の増大が、この六ヵ年間に約五・五%伸びるという想定でございます。そのうちで生産年令人口と申しまして、いわゆる労働市場に出てくる人口が、総人口の伸びに比較しましてはるかに多い率で伸びてくる、約一二%の伸びで生産年令人口がふえてくる、こういうことになって参ります。従いまして、これに雇用の機会を与えるということは、非常に大きな問題になるわけでございまして、経済活動の循環をできるだけ大きくいたしまして、これに雇用の機会を与えなければならぬわけでございます。しかしそれでもなおかつ全部を片づけるということはむずかしいのでございまして、やはりこれに対しましては、公共事業あるいは失業対策、社会保障といったふうな対策をあわせて講じなければならないと思うのでございます。 次の柱は経済の安定でございまして、今申し上げましたような経済の自立あるいは雇用の増大、それを達成いたしますために、何と申しましても通価価値の安定と申しますか、経済の基調が安定しておることが不可欠の要件になるのでございます。過度に経済力不相応の拡大をいたしますと、それがインフレになりまして、あらゆる経済活動の基調を混乱に陥れるという弊害がありますし、かといって極端にまたデフレということになりますと、今申し上げました雇用の増大という目的が達成されなくなりますので、その両者を均衡のとれた形において発展させるというのが、この経済安定の着眼点でございます。 いま一体の柱は、量の問題と並行いたしまして質的な発展を考えなければならぬという、これは日本経済の質の問題でございます。質を改善するにあらざれば自立経済もとうてい達成できませず、また雇用の増大と申しましても、それはなかなか思うように参りませんので、これらのことを十分に達成するためには、どうしても日本経済の体質を改善するという配慮がなければならぬわけでございます。その日本経済の体質を改善するという問題は、同時にまた日本の経済の量的発展をはかるということと相関関係にある問題でありまして、量の発展なくては体質の改善もできないし、またその体質改善なければ量の発展もできないという相関関係に立っておりまして、そういう意味で、この日本経済の質、何と申しますか、基盤を強化するという、この質の改善の問題がもう一つ重要な柱になっているのでございます。 以上申し上げました四つのことを柱にいたしまして、その柱の周辺にいろいろな数字を積み重ね上げて計画をこしらえております。この計画の策定の仕方はいろいろあるのでございまして、世界の諸国でもいろいろなことが試みられているのでございますが、この計画におきましては、以下申し述べるような方式を採用いたしております。 それは、まず計画策定につきましては、国民総生産というものをはじき出しております。この国民総生産の算出の仕方は人口増、それから生産年令人口の増加の趨勢、その生産年令人口の中で、どれだけが労働力人口になるかという、これはまあ労働力率と申しておりますが、その労働力率を生産年令人口にかけまして、労働力人口を算出いたします。そしてこの労働力人口から、大体六ヵ年計画の目標年次にできるであろう完全失業者を想定いたしております。その完全失業者が、大体三十五年度に四十五万に達するという目り標を置きまして、それを差し引いた残の就業者数に対しまして、最近のいろいろな生産性の実績数字等を検討し、これに若干の政策的要請を加えまして、就業者一人当りの年間生産額というものを定めまして、これを就業者数にかけ合せて国民総生産をはじいております。そしてできます国民総生産の最終年度の額は、九兆六千七百三十億という数字になって出ておりまして、この国民総生産をはじきまして——国民総生産と申しますのは、これにいろいろの資本の減耗引き当てでございますとか間接税関係が入っておりますので、そういうものを調整しまして、これから国民所得を計算する一わけでございます。そしてその国民所得の、今度は今申しました国民総生産は供給の側の数字でございますので、今度は振り返って需要の側から、それがどういう需要構造に配分されるかというのを計算いたしております。これを国民総支出と申しております。それでこの国民総支出は、大きく分けて四つに分れておりまして、その一つば民間総資本形成、これは資本の形成にどれだけ今申し上げました国民総生産が使われるかということでございます。この民間総資本形成がさらに分れまして、資本設備の投資に幾ら、在庫増に幾ら、個人住宅に幾ら、こういうふうに民間総資本形成が分類されるわけでございます。それから、それに引き続きまして政府購入がどれだけあるか、政府購入が財政投資と財政消費に分れておりまして、どれだけ政府が総生産の中で購入するかという数字を出します。それから経常海外余剰、これは国際収支の関係、日本の海外収支のすべての関係をひっくるめましてそのバランスがこの余剰として出ております。それからいま一つ個人消費支出というのがございまして、これが消費に充てられる分であります。そういうふうに、まず総生産を出しまして、それから総支出に分類いたしておりまして、これを今度は各部門別にさらにブレーク・ダウンと申しますか、こまかく作業をしてわけるわけでございますが、このわけ方は非常に複雑でございまして、上からわけていく方法と下から積み上げていく方法と両方の作業をいたしまして、両者をつき合せまして、大体妥当であるかどうかをテストしまして、最終的な数字をきめた、こういうことになっております。 数字の説明を一切省略いたしましたが、すでに御配付の資料でごらんかと思いますが、先ほど申し上げましたように、国民総生産は九兆六千七百三十億、大体二十九年をベースにしまして、目標年次におきまして三割三分八厘総生産がふえるということになっております。それからこれを総支出にわけました場合、民間資本形成は全体としまして、基準年度に対しまして五割八分ふえる、つまり民間資本形成の伸びの率を非常に高く見ております。この資本形成の伸びのうちでも特に設備投資の伸びを高く見ておるのでございまして、二十九年に比べまして六割八分というふうな非常に高い率の伸びを見込んでおります。それから政府購入でございますが、これは二十九年度を基準にいたしまして、目標年次に三割五分五厘という普通の国民総生産の伸びに大体歩調を合せております。それから個人消費支出は三割一分四厘の伸びでございまして、やや低目という格好でございます。すなわち六年計画をごく大まかに申しますと、政府の購入は大体横ばい、個人消費はやや押えて、その個人消費で押えたところを貯蓄に振り向けまして、これを民間資本形成の方に振り当てる。民間資本形成でも特に在庫の増なんかに振り向けないで、これは設備投資に振り向けて、設備投資を中核にして日本経済の循環のスケールを大きく持っていこう、こういう大体の構想になっております。 もう一つ申し落しましたが、この総生産と総支出の計画の価格のとり方でございますが、これは今後の経済の予測を価格の面から予測するということは非常に困難でございますので、計算におきましては、すべて三十年度の不変価格を使っておるということであります。すなわち三十年度の価格を全部の各年度の価格算定に使っておりますので、つまり価格現象というものを除却いたしまして、実質的な計算をいたしておるという格好になっております。 それだけの国民総生産、総支出をまかないますのに、これをささえるのには、やはり国際収支がどういうことになるかということが非常に重大なポイントになって参るわけでございますが、その国際収支は、つまりこれだけの国民総生産をまかないますのには、どうしても外国からいろいろな物資を輸入しなければならないのでありますが、その輸入の度合をどれくらいに見るかということでございますが、これはちょっとしゃれた名前で輸入性向と呼んでおりますが、この輸入性向の計算の仕方はいろいろむずかしいのでございますが、大体平均の輸入性向を一一%と見ております。すなわち国民総生産に対して約一一%のものを輸入する、こういう格好になっております。従いまして三十五年度における輸入の推定額は二十五億九千万ドル、こういうことでございます。これに貿易外の収支のことを加除調整いたしまして、結局これだけの輸入資金なり貿易外収支をまかないますためになければならぬ輸出の目標が二十六億六千万ドルということになっております。この輸出並びに輸入の目標は、それぞれ品目別、市場別にしさいに検討をいたしましてテストした結果は、大体この数字でやっていけはしないかというのが大体作業した方々の御意見でございます。かくいたしまして昭和三十五年度の国際収支、すなわち貿易外収支を突っ込めた国際収支全体の規模は、受け払いともに約二十九億六千万ドルという数字になっておりまして、二十九年度に比較いたしますと、受け取りで二五・三%、支払いで四六・六%という増加になっております。かようにして国際収支が達成できますならば、先ほど申し上げました国民総生産並びに国民総支出の経済循環の全体のスケールはそれによってささえられるというのが大体この作業のごくかいつまんだ要旨でございまして、これをさらにまた部門別にずっとブレーク・ダウンして作業をいたしております。大体わけます部門は、鉄工業部門、農林水産業部門、貿易関係、交通通信、公共事業、住宅建設、国民生活、雇用、財政金融、これだけの部門に分割して作業をいたしておるのでございますが、その各部門別の説明をいたしますと非常に長時間かかりますし、のみならずすでに資料は配付してお読みのことと思いますので、何かこれから御質問に応じましてお答えをする形で御報告申し上げた方がよかろうかと思いますので省略させていただきます。 最後にこの答印案には四つばかり希望がついておりますが、その一つは、この答申に基いてすみやかに三十一年度の実施計画を決定すると同時に三十五年度に到達すべき目標を国民に周知徹底せしめて、国民の十分な理解と協力を得るように政府は努力しろという注文が一点、二点は関係各省はこの案の線に沿って具体的な施策を策定して、その計画的な実施をはかる。特に毎年度の予算については、本案の線に従って編成を行なって、その円滑な実施に努める、こういう注文がついております。第三番目には、計画を実施するに当っては少くとも年に一回は実績と対照して、その結果を国民に公表することにいたしまして、情勢の変化に応じて計画の再検討を行い、修正案を策定しろ、それから最後に計画を実施するために立法上あるいは行政上の措置を必要とする事項があると思われるので、この点について十分な考慮を払え、以上四つの点が経済審議会の希望風見としてくっついております。 なおいま一つ、この答申案の中には少数意見というものがくっついておりまして、これはお手元に配付した資料の中にとじ込んでございますので、説明は省略いたします。それは、この計画はいろいろな経済事情の変化に応じて、随時弾力的に運用していかなければならぬから、その点に留意しなければいかぬということと、それから、公共事業費、食糧増産関係、住宅建設関係、そういう三つの点について、少数意見が出ております。それが答申案にくっついて答申をされております。 答申案の説明は、複雑な問題を簡単に説明しょうと思いましたので、非常におわかりにくかったかと思いますが、質問に応じてお答え申し上げることにいたしたいと思います。
○神田委員長 本件に対する質疑は、あらためて後日に行うことにいたします。
○神田委員長 次に鉄鋼、硫黄、アルミニウム及び繊維に関する諸問題について調査を進めます。質疑の通告があります。順次これを許します。大倉三郎君。
○大倉委員 私は、あとの時間の関係もありますから、ごく要点の二、三点についてお尋ねしたいと思います。 政府は本年十月十五日に、普通鋼材輸出に関する臨時処置で、鋼材の輸出の認可の一部をしないという、いわゆる輸出禁止に関する処置をとられたのであります。わが国は輸出振興を国策とするのが政府の方策であるにかかわらず、この処置は、どうも国策に相反するのではないかという感じがいたすのであります。聞くところによりますと、この重大なる処置をとられました当時の事情は、非常に関係の深い業者、メーカー、あるいは商社等にも何の相談もなかった。また通産大臣の権限に属するとはいえ、外務省等の通商に関係しておる当局、あるいは大蔵省等の通商に多少関係のあるところにも、何らの相談もせられなかった。あたかもやみの中でうしろから頭をはるような抜き打ち的な手段をとられた。こういう手段をどうしてとられたかということについて、われわれは非常に疑問を持つものでありまして、まずその辺の事情をお伺いいたしたいのであります。
○鈴木説明員 鉄鋼の国際事情でありますが、実は本年度の鉄鋼事情は輸出に引きずられまして、非常に好況を示しております。昨年度生産で大体五百四十万トンくらいありましたのが、本年度はこれを相当上回る生産になっておりますが、それはひとえに輸出の好況によるものであります。当初は計画として鋼材で五百八十万トンという数字でありましたが、こういった好況に伴いまして、六百四十万トンというふうな鋼材の生産計画にいたしたわけであります。かように輸出が伸び、生産が伸びることは、非常に好ましい現象でありまして、これに伴って原料が確保されればよろしいわけでありますが、原料に一番問題があったわけであります。大体原料関係はスクラップが非常に問題でございまして、この春以来、できるだけスクラップの輸入をはかるということにいたしましたが、輸入外貨をできるだけセーブするという方針で、業界がスクラップ・カルテルを結成されまして、これによってスクラップの価格を協定し、業界がむやみに買いあさることをやめるということで、スクラップ対策を実施し、需給の安定、価格の安定に資してきたわけでございます。大体春から九月ごろまではこのカクテルの結成によって非常にうまく行われてきたわけでございますが、さらに輸出が伸びて、六百四十万トンの鋼材生産に対して、われわれとしては輸出が大体年間二百十万トンという認証のベースで考えておりましたが、上半期だけでも百三十万トンというふうなことで、輸出の好況に引ずられまして非常に生産が伸びる。そこで原料獲得の争いが起り、春以来非常にうまく運用されておりましたスクラップ・カルテルが事実上崩壊することになりまして、原料関係から非常に価格に不安ができた。そういうふうにいろいろ需給関係に不安がありましたから、従来われわれは輸出をますます振興しなければならぬという立場はとっておりますが、社会的のこういった不安、需給及び価格の安定を維持するために、やむを得ざる措置として、十月半ばに一部の鋼材品種について輸出制限を実施したということになっているのであります。しかしながらこれはあくまでも一時的の措置でございまして、業界が態勢を整え、それによって需給並びに価格の安定の見通しがっきますれば、できるだけ早くこれは撤回したい、こういうふうに考えているわけでございます。業界の方でもその後緊急対策委員会を設けまして、先週その成案が通産省に提出されました。提出資料は取り急ぎこれを検討している状況でございます。その案によりますと、大体一月一日から今の業界の案を実行することに計画ができておりますので、これと見合いまして、できるだけ早い機会に輸出廃止を解除する方針のもとに、目下その方法等について検討しているような状況でございます。
○大倉委員 説明によりますと、大体その辺の事情は了承できるのであります。ただこの輸出が禁止された当時、十五日の数量は、私の記憶によりますと・大体十六万トンくらいに当ったものが、その二週間後に、経過処置として十万トンほど解除された。そうして六、七万トンのものが現在輸出禁止の状況にある、こう聞いているのですが、その辺の数字でございますか。
○鈴木説明員 今の数字の点は私若干わかりかねるのでございますが、第三・四半期におきまして、原料関係と生産関係とを見ますと・大体原料関係において十五万トン程度業界の生産計画を上回っているというふうになっておったのであります。そこでそれを調整するために、先ほど実は御説明申し上げませんでしたが、従来スクラップ・カルテルと見合いまして、通産省がスクラップの購入限度を指示するということになっておりまして、第三・四半期は購入限度に比べまして、生産限度の勧告をしたわけであります。その際に大体原料に見合うように、その点を勧告して実施されているわけであります。 それからただいまお話がございました経過的の問題は、大体われわれとしては輸出禁止をされました後において、その当時契約され、LC等がきて、これは国際信用上守らなくちゃならないというものを認めることにいたしまして、その結果大体十一月末までで、それについて経過的のものを救済したものが十万トン前後、こういうふうになっております。
○大倉委員 今禁止されているものが五、六万トンということになりますと、私の考えから見ますと、今第一の理由とされました輸出がオーバーするから、国内需要の点にこれが支障を来たすから押えたんだという理由には、この小さい数量では、常識的に考えましてもどうも疑問を持っておるわけなんです。そこでお尋ねしたいのは、この問題は、今言われた表向きの考え方ももちろんそうでありますが、その裏に、今日まで鉄鋼メーカーがどうも通産省の言一うことをあまり聞かない、だから一つこの辺で何とか膺懲的にこらしめて反省を促そうというような考えでこの処置をとられたように考えられるのですが、この辺の事情はどうですか。
○鈴木説明員 いろいろの考え方はあると思いますが、私どもの考え方としましては、やはり原料と生産、輸出とのアンバランスからきた状況に対して、一時的に起った混乱を何とか切り抜けるというためにやった処理でございます。しかしその基礎が、この春以来業界が共同態勢を整えてやってきた政策が、この十月ごろ原料関係から見て乱れてきたということについて、新しく業界の態勢を整えるということにも目的はあったわけでありますが、考え方は先ほど申します通り、一時的の需給及び価格の混乱を防止するというところにねらいがあったわけでございます。
○大倉委員 戦後の鉄鋼輸出の状況を見ますと、御承知の通り戦前は、もちろん陸海軍があって、国内需要が旺盛であったために輸出の実績が上らなかったのは当然でありますけれども、いずれにいたしましても、戦後の鉄鋼の輸出状況というものは非常に好調であって、輸出産業の非常に重大な使命を持っておるわけであります。これはいろいろの好条件もあったでしょうけれども、業界並びに通商関係、商社関係がなみなみならぬ努力をした跡も見受けられると思うのです。今回のこういう抜き打ち的な処置によって、その影響するところは非常に大きいのではないか、政府はこの処置をとられたときに、そういうところまで十分考慮されていなかったのではないかというふうな感じが実はいたすのであります。これは大メーカーももちろん犠牲を払っておりますけれども、中小メーカーも非常にこのためには犠牲を払っておる。あるいはまた海外に代理店なり駐在員を派遣していろいろ貿易振興に努力いたしておる商社も、非常にこの打撃を受けておるわけであります。特に私が申し上げたいのは、今回のこの処置は、銑鉄、それに半製品、厚板、中板を含む、そうして棒鋼、型鋼、この五品目に限定された点なんです。自由経済の機構の中にあって、業者は一生懸・命やって、しかも自分の失策なりあるいはまた天然自然の現象によって盛衰がきまるということは納得するだろうと思う。けれども政府のこういう処置によって、この五品目に該当しておるところの工場は非常な犠牲を受ける。そしてこれに該当しておらないところは何らの影響を受けておらない。こういうことになりますと、この政府の処置によって、該当しておるところのものは非常に不満にたえぬのじゃないか。いわゆる政府の今回の処置によって品目を限定された結果、比重的に業者の上において犠牲負担が公平でないという結果が現われておるわけであります。こういう人がこういうことを理由にして、政府に無理を言うようなことがあってはどうなるかというような感じもいたすのでありますが、そういう点についても、私はこの処置をとられたときに十分なる配慮がなかったのではないかというふうな感じがいたすのであります。経過的に見ますると、今回の処置というものはどう考えても私はあまり十分な考慮を払われなくて、計画性がなかったのではないかというふうな感じをいたすのであります。八幡とか富士とか鋼管とかという大メーカーは割合先物の契約をいたしておる。でありますからこの影響は割合に少い。けれども鍛圧メーカーとか平炉メーカーとかの中小の業者は、あまり先物の輸出をする余裕がない。同時にこれらは国内の需要と輸出関係とをにらみ合して生産計画を立てるわけでありますから、大メーカーに比較して、中小メーカーにこの処置による犠牲が非常に大きいということをお考え願いたいのです。そこで今回の処置によって鍛圧メーカーあるいは平炉メーカーは、先ほど申しましたような関係で輸出がいつ解けるかわからぬししますから、結局第一にロールの計画が立たぬということで悲鳴を上げている点も耳にいたします。ことにスクラップとか半製品とか、こういう鉄鋼の好況の現状でありますから、現金でないと手に入らないような現状です。そういうわけでこれらに該当した中小鍛圧メーカーとか平炉メーカーは、非常に資金繰りに困っておるような状態です。それがひいて年末を控えて、資金繰りのために好ましくない投げ売りとか換金売り等の現象が現われるのではないかということを業界では心配しておる状態もあるわけです。そこで私もこういう中小の平炉メーカーとか鍛圧メーカーを二、三回ってみて、実際そういう点を見聞してきたわけなんです。また一方商社の方も二、三回って、この処置の海外の反響はどうかということを一応調べてみたのでありますが、商社の訴えるところによると、ある商社のごときは、この金融処置が発表をされたので、海外の駐在員とか代理店からいろいろな心配から問い合せがきた。そこでこれは臨時的な、一時的な処置であるから、既契約はもちろんキャンセルせずに、何とか引き合い等においてはつなぎをつけておけということであるから一応は納まっているんだ。しかし実際問題として、船積み期間がきてライセンスができないということが明らかになってくると、これは出先の方で相当問題になるんじゃないかというふうなことを言うておる商社もあるわけであります。そこでこれは一つの話なんですが、こういうことをお聞きになっているかどうかわかりませんが、相手は韓国で、大体棒鋼その他のもので五千トンほどの入札があって、そうして一番札でこれが落札できた。ところがこの処置があったので、あまり日本のものを買うことを好まない韓国政府は、一応日本をキャンセルして、ドイツから買う契約をした。私は相手が韓国でもあるししますから、こういうものが直接の大きい原因だとは思いませんが、そういうふうなことも商社では言っておるわけであります。また海外よりの引き合いで、特に民間ベースのものが非常に激減をしておるということを商社では言うておる。その引き合いを、日本の今までの市場関係のものが大体他国にどんどん振りかえをしておるというふうなニュースも出先の方から言うてきておるんだ。多くの国は日本向けのライセンスをほかの国、ベルギーとかドイツに振りかえをしたというニュースも入っておるんだというふうなことも、商社を回ってみると耳にいたすのであります。つまりこの反響はわが国の国際貿易の信用上非常な影響があったので、はなかろうか、政府が初めちょと簡単にとられたときにはあまり考慮に入れられなかったが、しかしやってみると数量の問題等よりもその処置そのものに、政府が考えていなかったような反響が海外市場にあるように私は思うのです。そこで実際問題としてこういうふうな海外に反響のあるような処置をあまり簡単にとられたという点において、私は繰り返して申したいのですが、そういう反響というものを、その措置をとられたときに考慮に入れられたか。私が申しますような大メーカーでなしに中小メーカーも困る。あるいはまた商社も困る。これによって海外の反響も相当あるのだということを考慮に入れてこの処置をとられたかどうかという点をまずお聞きしたい。
○鈴木説明員 実は鉄鋼の輸出問題につきましては、この春鉄鋼の価格が上りました際にも、消費者である機械メーカーあるいは造船所、そういうところからも鉄鋼の輸出について何とか調整をしろというふうな声もあったほどであります。しかし私どもとしては、鉄としての輸出を重要視しまして、こういうことはなるべく避けたいということでずっと続けて参り、原料対策その他について、価格安定、需給安定の手を打ってきたわけでありますが、先ほど申し上げましたような事情で相当の混乱のおそれがありましたので、やむを得ずああした措置をとったわけであります。もちろんわれわれとしましては、輸出を非常に伸ばしたいという考え方は変っておりません。同時に鉄鋼業としては、やはり基礎産業としての国内の需給安定、価格安定という使命も持っておりますので、そういう点でやむを得なずああいう措置をとった次第であります。 それから輸出品目の点は、大体われわれとしましては、硬度の比較的多いものを除外する、輸出が相当伸びておる亜鉛鉄板というようなものは除外したというふうなことになっております。われわれも御指摘のような中小メーカーのことも考えないのではなかったのでありますが、その措置としては、実は契約経過的なものについて許可を与えました問題も、国際信用上という問題と同時に、やはり中小鉄鋼メーカーの点も考えて経過的なものを許可したというふうになっております。しかしこれで続けられる期間はそう長くもございませんので、鉄鋼のカルテル再建案と並行しまして、できるだけ早く輸出禁止を解除するという目的のために今至急研究を進めておりますので、御了承願います。
○大倉委員 大体よくわかったのですが、端的にいいますと、今回の鋼材価格の問題とか、あるいは国内の需要が逼迫しているとかいうことは、純国内的な問題であって、何もこういうふうに対外的に非常に影響のあるような手段をとらなくても、その方法は国内的に幾らでもあったのではないかというふうな感じがいたすのであります。以前の例もありますが、御承知の造船に対する政府の助成金の問題等も、あれが対外的に発表されたので、注文する先は、ああ日本の船にはこれだけの助成金がついているからというので、それだけ安く向うは注文してきたという実例もあるのであります。ですから、こういうふうな問題は純国内的に片づける問題であって、何も対外的にぼっとああいう報道機関に発表されたようなばかなことをやられなくても、何とか方法があったのではないかということを私は指摘いたしたいのであります。こういう国際的立場に不利になるようなことを国内の問題の解決の手段とされたというところに私は非常に疑問を持つわけなんです。結論的に要約していえば、今回の措置は輸出の面から見ても左ことにまずいことであったと思います。政府が何と説明されまして本、国際的に信用を失墜していくことは、海外の反響を見ましてもよくわかる通りであります。現在解除されていないものは、わずか六、七万トンのものであるから、こんなものはとめておかなくてもいいと思う。何とかそれをとめなければならぬ必要があるというなら、業者その他と話し合いをして、国内的な話し合いで十分その調整処置をとってもらって、早くこういう品目を解除してもらいたいということを私は希望いたしたいのであります。同時に今後もありますから、こういう対外的に影響のあるものを国内的な問題を解決する手段とし、てとるときには、十分関係各位に相談をし、あるいはそれに影響を及ぼすところの利害的立場に立っている業界等にも十分相談してやってもらいたいということを希望いたします。将来こういう問題については慎重にやっていただくこと、もう一つは一日も早く今の禁止品目を解除してもらいたいという点を強調いたします。どうぞその点よろしくお願いいたします。
○長谷川(四)委員 関連して。今の大倉さんの話は、僕らは無関心であったけれども、非常に注視しなければならぬ問題があると思います。あなたがとった処置は国内的な問題であってということが一つ、もう一つはその影響が国際信用上に大きく響いてきたのではないか、たとえば今言ったように韓国の問題、パキスタンの問題等、他国の輸出先について影響があったことをあなたは認めるか認めないかということをまずお聞きしたい。国内の需要安定をはかるためにあなたがとった措置として決して悪いとは思わないけれども、突然そういう処置をとって何ら業者に打ち合せもしなかったということ、もう一つは輸出する人が、たとえば私なら私というメーカーが、他国の人と輸出先に引き合いがあったという場合に、ストップしたものけ、それに対してどういうふうな補償とか手当があったか、それらについてしろうとにもわかるように御説明願いたい。
○鈴木説明員 第一は、国内の需給安定のために輸出の制限をすることについてその影響をどう考えるかという御質問でありました。それにつきましては、こういう輸出制限の措置はできるだけ避けたいという気持でやって参っております。国内と実は申しましたけれども、結局鉄の価格は機械の価格に響くものでありまして、従って国内の価格が乱れれば需給の安定がはかられないから、われわれとしてもその手段を考えてきた。ことに輸出の振興については努力してきた。そういう関係で、鉄としては、輸出を大いに伸ばしながら基礎産業としての国内の要請にもこたえるという二面を持っている。その措置をどうするということで、過渡的に起りました混乱を防止するために先ほど申し上げたような措置をとったわけであります。それからこの春以来業界といろいろ需給安定、価格安定、輸出振興策について相談した場合には、一般需要者の声も相当強くあったし、まずいことになれば輸出の制限ということも起り得るというようなことも話題として話してきたこともあったのであります。しかしそういうことは通産省としてはできるだけ避けたい、そのためにできるだけの手を打ってこれを避けるような方向にいくということでいろいろ対策をとってきたが、そういう対策の大きな要素がくずれてきたというところに問題があった。われわれとしては、落っこちたままで放置できないので、その期間なるべくこれを救うためにこういう手段をとったわけであります。国際的の影響についても相当われわれとしては心配したのであります。しかしながらこれは過渡的であると同時に応急的措置で、たとえば各国の問題になるような問題、それから経過的な問題は、できるだけ過渡的措置として支障のないように措置をしたつもりでございます。 それから先ほどの、契約してだめになったものはどうするかというお話がございましたが、従来から鉄鋼の輸出は許可制になっておりましたので、今回が初めて許可制になったのではありません。その点は従来からやはり輸出許可につながって契約をしておったので、特にどうこうという問題は起らないのではないか、こう見ております。
○長谷川(四)委員 許可制だというのですが、たとえば許可を与えたものが、十月の十日なら十日の以前耳契約をしていた、それが十一月に出荷しようと思って許可をもらった、その許可をもらったものまでもとめたのですか。
○鈴木説明員 十月十七日ですか、輸出停止をします以前にできた契約で、以前に許可されたものの船積みはとめておりません。
○長谷川(四)委員 もう一つ、それではあなたが国内の需給の安定のためにやった措置だという。その種の鉄鋼でどのくらいの値下り率があったのですか。
○鈴木説明員 値下りの点を申し上げることは非常にむずかしいわけでありますが、こういうふうなことで一つお考え願っていただいたらどうか。要するにスクラップ・カルテルが従来はこの春以来だんだん下げて参りまして、夏には一万六千五百円だった、それが九月になりまして一万八千五百円、ところが先ほど申し上げました混乱の状況の場合には、それがトン当り二万五千円前後した。非常に不安定な状態で、その後は大体こういった輸出制限あるいは業界の努力によって、現在は大体二万三千円あるいはそれ以下というような状況になっております。
○長谷川(四)委員 そうすると、たとえば輸出に対しては、輸出というものと国内の需要の二つに分けてみた場合に、輸出価格と国内の需要価格は一定でないのですね。それで輸出メーカーが輸出をした場合に、損をしても出していたものか、それとも海外の価格が暴騰してきたから、従ってわが国の国内の価格も安定を欠いてきた、こういうことではないか。つまり輸出メーカーは損して、出血して輸出していたのか、そういう点はどうですか。
○鈴木説明員 昨年あたり非常に苦しいときは出血して輸出したことがあると思いますが、最近は出血ではないと思います。 もう一つ説明を申し上げますと、国内の鉄鋼の価格は大体各社が建値によって出荷しておる。輸出の方はバイヤーの点も考えますが、こちらでは業界として都合のいいような値段で引き受けた、こういうようなことであります。
○長谷川(四)委員 さっぱりわからぬ。要するに国内需要の価格と輸出の価格に大きな差があったかないかということですね。国内で販売する価格と輸出する価格は、たとえば国内で一トン二万円のものが、輸出する場合にはそれが一万八千円だとか一万五千円だとか、あなたがこの処置をとったときに、これでも輸出していたか、こういうことです。
○鈴木説明員 日本の建値は、もちろんコストからの点もございますけれども、大体われわれが従来見ておりましたところの価格のベースは、ヨーロッパの価格並みのベースで建値を見ております。従ってその程度の建値にある。 それから輸出については、これはものによっては相当高く売れる場合もあります。それから、たとえば薄板とかそういうものは相当苦しい。品種によっていろいろ違いがあるわけであります。
○長谷川(四)委員 どうも鈴木さんは、あなたのお話を聞いていると、この措置は大したお手柄ではなかったな。一番僕らが心配しなければならないのは、あなたにしてはほんとうのわずかなことだったでしょう、ほんとうのわずかな期間だけの暫定処置として輸出をとめたかもしれぬ。しかし日本の信用に対する影響というものが、あなたのお考えより以上大きかったということだけはいなめない事実でなければならない、私はそう思う。従ってあなたが何とかこの需給の安定をやろうと思って、六ヵ月やってみた、やってみたけれども、どうしても自分の思うようにできなかったから、これを抜き打ち的に処置をとったんだ、こういうことなんです。あなたが、自分の力の足らないのはこれはしようがないというのでやったのでは、これはやはりメーカーも文句を言いますよ。これでは、自分が六ヵ月やってみたけれども、どうも自分の思うようにいかないから一方を苦しめてやるんだというのと同じことだ。たとえば、たんぼの中へ石をほうり込んでみた、ほうり込んだ人は何でもない、簡単に投げたけれども、ところが投げた石は中にいたかわずには生命にかかわったという話と同じことで、信用上これをまず第一にお考えにならなかったということは、あなたにとってあまりお手柄ではなかったと思う。一般の国内の機械屋さんはあなたのために救われたかもしれぬ。それは生産する人よりも、それを需要する人の方が多いから、その声が大きかったに違いないと思う。その声が大きかったから、あなたが驚いて六ヵ月やってみたけれども、どうも思うようにいかないから抜剣したというのでは……。あなたはいつでも宝剣が抜けるけれども、剣を抜くときは抜くような処置を十分とらなかったということはいかぬと思う。まあ、 できてしまったことはしようがないが、これはなるべく早く解決してもらわなければならぬ、そうして信用も回復してもらわなければならぬ、一つこういう点、に十分御注意をお願い申し上げます。鈴木さん一人の問題ではない、七千五百万国民の絶大なる問題ですから、お願いします。
○大倉委員 今長谷川君の追及されたように、いろいろ掘り下げれば問題があると思う。しかし今政府の方も、発令後二週間に輸出経過処置をとられておるし、業界と非常な折衝をされて早く解除するような手段を講じられておることも伝聞しておるから、これ以上申しません。 ただ一つ私は鉄鋼行政について、こういう機会でありますからお伺いいたしたいのでありますが、一体戦争前の日本の鉄鋼行政というものは、製鉄法、特に日鉄法という法律があって、日鉄がこの法律によって営業をし、そして足らぬところは政府がこれを補っておった。同時にまた日鉄は日本の鉄鋼メーカーを育成していくという一つの義務を持っておった。これが非常に働きまして、議会等においてわれわれが鉄鋼行政についてあまり頭をひねっていろいろ考えなくとも、そういう面で非常にスムーズな運営がされておったように記憶いたすのであります。しかし戦後はこういう制度が改正されて、そして今八幡、富士というようなものは、ああいう大きい資本力を持って、しかしこれが公共的な意味じゃなしの、やはり一つの利潤会社として君臨しておるわけです。こういう点から考えますと、戦前にとられたような——要するに鉄鋼に関して、政府の方で行政面において一つ考えないというと、今のようでは野放しになって、非常に軽重の差が大きくなるのじゃないかというような懸念をいたすのです。たとえばこういう問題が起きても、業者は一つも陳情にこないのです。これがもし繊維とかあるいは化学関係のほかの業者だったら、うんとすぐに陳情にくるのです。ところが鉄鋼メーカーとか鉄鋼関係のものは陳情にこない。どこへいっているかというと、八幡とか富士に何とかしてくれというのでやっているというふうな状態で、そのために議員諸公も、こういう問題は新聞にちょっと出たところで、肝心の利害関係のある業者から何も聞かないというようなことで、私らも——これは実ば正直に申しますと、私が関係している製品はこの五品目からはずれておったのです。だから実際は気がつかなかった。そういう関係で、この鉄に関する考え方は、業者も政治面に陳情したりなんかするということのないのは、やはり戦前のそういうくせがついておる。そういうことを私らも考えまして、われわれも重要な鉄鋼行政について一つ議員同士で大いに研究して、国家に稗益しなければならぬと思うのですが、同時に通産当局も、聞くところによると繊維は従来輸出関係においては鉄鋼に比較して非常に劣弱なのです。にもかかわらず今日この繊維に対しては繊維の総合対策委員会といいますか審議会というふうなものがあって、そういう面で非常に研究されておる。ところが事鉄鋼に関してはそういうものは一つもない。行政面において通産省が考えておられるようなことは何もない。このごろはどこにもいろいろ委員会があって、ちょっとするとじきにそういう審議会というようなものを設けて非常に中震機関で研究されるにもかかわらず、非常に重要な産業でありながら鉄鋼行政についてはそういうものは今ないということから見ましても、われわれももちろんこれには非常に大きい責任がありますが、一つ政府がこれに対してもう少し重点的に考えて、この鉄鋼行政についてもっと大幅に大きい機能を動員して、そうして一つ基盤を築いてもらいたいという希望を持っておるわけであります。この点の私の考え方についてどんな考えを重工業局長は持っておられますか、最後に伺っておきたいのですが……。
○鈴木説明員 鉄鋼業は非常に大事な事業でありますから、御指摘がありました通り十分行政面において努力しなければならぬことは確かでございます。ただいまお話のような点も具体的にどういうふうにしますか、私ここでどうこうということは申し上げるわけにいきませんけれども、十分研究したいと思います。
○神田委員長 次は永井勝次郎君。
○永井委員 大臣がお見えにならぬようでありますが、硫黄の問題で前回本委員会において私の質問に対して大臣から考慮するというお話でありましたが、その後どういう考慮の経過をたどっておるか、状況をお知らせ願いたい。
○松尾政府委員 先般の委員会で御質問のございました点は、よく検討いたしております。輸入の数量につきましては、前回数字につきましていろいろ御説明をいたしたと思いますが、この数量は先般も御説明いたしましたように十分詰めた数字であると私も思っておるのでございます。なおそのときに御注意のございました輸入の方法等につきましても、これは先般も御説明いたしましたように数量が非常に少うございますので、小さな船でやっと一ぱい分くらいしかないわけであります。従いましてできるだけ安い品物でやっと一ぱいに満つる程度の数字を輸入するのでありますが、先般御注意のございました点は十分検討いたしまして進めて参りたいと思います。
○永井委員 鉱山局長は輸入について何か注意があったからその点についてよく考慮したいというが、輸入について考慮を要求したのではなくて、輸入以前の問題、輸入することの可否について質問をしてあるわけであります。いつの間に輸入の手続や価格の問題の注意に飛躍したのか、鉱山局長は新しいからそういう関係の引き継ぎもないしょくわからなかったのだろうと思いますから、鉱山局長の答弁でなくてもよろしいですが、これは通商局の方の関係だと思いますが、輸入についての申請は何月何日にあったのか、そうして輸入許可は何月何日に与えたのか、これを承わりたい。
○松尾政府委員 現在までのところまだ準備をしておることでございまして、別にまだ輸入の公表もいたしておりませんし、輸入外貨の割当も当然やっていない段階でございます。
○永井委員 輸入についての申請はいつあったのですか。
○松尾政府委員 輸入の公表がなければ輸入の申請はないはずだと承知しております。
○永井委員 輸入しなければならないという事態が大分前からあって、そういう話があっていろいろ努力したのだか、とうも足りないようであるから輸入するということが今回の輸入に対する原因になっておるようでありますが^それならば輸入さしてほしいという話し合いはいつあって、どのくらいの時間的な経過をだどっておるのか、これを正直にお示しを願いたいと思います。
○松尾政府委員 私先ほどから鉱山局長として新任だということをしばしばお伺いいたしまして、まことに恐縮でございますが、私九月に参りまして現在の鉱山局長を拝命しまして、そのときからすでに硫黄の需要が非常に急速にふえて参りまして、当時から需要者の方の側から申しますれば一万数千トンの輸入がほしいという希望は出ております。しかし御承知のように硫黄は国内資源としてあるのでございますから、これはできるだけ国内の資源でまかなうべきだ、従ってやはり増産を第一にやって進むべきだということで、今日に至るまで増産の点だけに努力をして参ったのであります。しかし先般も御説明をいたしましたように、当時すでに増産に努力しても月に一万五、六千トン・ベースくらいしか生産ができなかったのでありますが、この秋以降はだんだんと増産の実績も上りつつあるのであります。現在で大体月に一万八千トンから、できれば二万トンくらいまでのベースに生産がいき得るというようなことになってきておると思います。従いましてこの前も御説明いたしましたように、当初の生産の見込み数量よりはかなり大幅に引き上げた数字を現在用意いたしておりまして、こういう増産をやるから輸入の方はできるだけしないというよりも、輸入をしなくて済むようにということで、この秋以降生産業界にもいろいろ努力をしていただいたのであります。現在先ほど申しましたところまで増産態勢は進んでおるのでございますが、何分にも冬場に入りますと、自然条件等からどうしても二万トンというような数字の増産はむずかしいという条件に制約されまして、しかも片方需要者の側からいいますれば、現在手持ち在庫が十日を切るような工場が相当出て参っております。こういう緊急な状態にありまして、ここで輸入の手当をしないで、つまり増産態勢だけで進みますと、この冬場の工場の生産に重大な支障を来たすのではないかというようなことから、この十月、十一月とその期間種々相談をいたしまして、輸入数量につきましては現在のところ五千九百トンをこえないということで、現在一応そういう見込みで輸入することも緊急状態としてはやむを得ない、かような事態に立ち至ったわけであります。
○永井委員 何も今鉱山局長になぜ輸入しなければならないかという理由を私は質問しているのじゃないのです。国内の資源開発のために努力しなければならぬ鉱山局長が、みずから国内増産を放棄して輸入しなければならないという理由を先ばしって盛んに言っています。私はそこまで質問しているのじゃない。輸入申請がいりあったかということを聞いている。ところが申請はないが希望の申し出はあった、そして自分は新しいので、九月ごろ新任してそれを知った、こういうのですが、私は鉱山局長としての松尾個人がそれを知ったか知らないかということを聞いているのじゃなくて、鉱山局長としての職務において、国内における硫黄が足りないという事情は何月何日ごろに承知したのか、こういうことを聞いているのです。これを明確にしてもらいたい。
○松尾政府委員 たびたび申し上げますように、国内資源のあるものを輸入することが決していい策でないことは十分承知いたしておりますし、そのために硫黄の国内増産に業界の努力を要望して参りましたことは当然であります。ただ私の口から、鉱山局長から、硫黄の輸入やむを得ないと申し上げざるを得ないような事態に立ち至ったことを御了承願いたいと思います。
○永井委員 そんな弁明を聞いているのじゃないので、松尾個人が国内における硫黄の不足を知ったのは九月ごろだ、こういうのですが、私は新しい局長の松尾個人がこの不足を知ったということを聞いているのじゃなくて、鉱山局長の職務において国内における硫黄の軍が少いということがわかったのはいつごろかということを聞いている。知らなければ知らないでいいし、事務の引き継ぎはなかったらなかったでいいし、いかにずさんであるかということであれば、ずさんだということを言ってもらいたい。
○松尾政府委員 需要と供給の関係は、数字の上で当りましても、そう明確にこれだけの数量が絶対に足らぬということは、なかなかつかみにくいのであります。御承知のように需要の関係も、輸出と相関連いたしまして、つまり消費者側の繊維なりパルプの輸出と関連いたしまして伸びるわけであります。それに追っつくようにできるだけ増産に努めまして、それがどうしても足りないという事態に立ち至ったというのが、この十一月から十二月にかけての事態でございます。先ほど申しました消費者側から輸入をしてほしいという希望のありましたのは、大体九月ごろであります。それはただ輸入の希望があったということだけでありまして、お話のような輸入の申請であるとかいうような手続になっておるわけではございません。現在では輸入公表をしなければ輸入申請の手続には入れないような状態になっております。
○永井委員 今まで輸出産業であった硫黄が輸入しなければならない、しかも需要者側から、消費者の側から、輸入してほしいという申請があったのが九月ごろである、それが単にそういう話があっただけで、そういう話については問題を掘り下げて考えようとはしなかったという非常にお人よしというか、のんきな話でありますが、少くとも輸出産業であったものが輸入しなければならないというような申し出に対しては、事態はどうであろうということがすぐ問題になってこなければならない。それを、話があっただけだといってのんきにしておるということは驚き入った怠慢だと思うのでありますが、それにしても九月ごろ知ったといたしますと、それでは九月ごろから国内の増産についてどのような具体的な政策をとられたか、どういう手を打ってきたか、具体的にお示しを願いたい。
○松尾政府委員 現在硫黄に関しましては、通産省で一応生産の見込みの計画を立てておるわけであります。その見込み計画を先ほど申しましたように改訂をいたしまして、業界の現在の生産態勢を強めることによりまして、できるだけ生産をふやしてほしいということで、業界の方にも要望をいたしました。業界といたしましてもだんだんと需要が伸びて参るのでございますから、当然できるだけ増産に努力したのであります。その結果が先ほど申しましたように月一万五、六千トンのべースであったものが、現在一万八千トンから二万トン近い月産のベースまで上昇してきた。しかもなお現在のような状態になっておるという事態でございます。
○永井委員 供給量が減って需要量がうんとふえてきた。輸入しなければならないという事態が起るまでには相当の時間的な経過もあるし、何も鉱山局長や通産省当局から増産しなければならぬというかけ声をかけないでも、業者は一番知っているのですから増産になってくることは局長から説明を聞くまでもなく、業者は利害の問題には至って真剣ですから増産をやることは当りまえだと思うのだが、こういう輸入しなければならない事態にいくまでの間において、ことに政府の方では見込み計画というようなものを立ててあるそうです。その見込み計画が、何月前あるいは何年前あるいは一週間前くらいの先は、お先まつ暗でわからないような見込み計画であるかもしれないが、とにかく見込み計画というようなものがあったとするならば、その計画の上に立って九月ごろ知った不足の実情に対して具体的にどのような手を打ってきたか、こういうのです。いろいろ抽象的なことは聞く必要がない。資金的にはどういうふうにしたか、あるいは山の条件やその他いろいろ障害になるものがあるとするならば、それを排除するために政府はどういうふうに努力したか、こういうことを具体的に伺っているのです。
○松尾政府委員 先ほど申しましたように、生産につきましては、実際に生産の企業にできるだけ努力をしていただくほかはないのであります。今資金の点のお話がございましたが、これは御承知のように本年度におきまして硫黄の生産の合理化のために開銀資金のわくをとりまして、そのための資金は出ておるはずであります。
○永井委員 需要者の側から輸入しなければならないという事態があって、そういうものが具体的になって輸入してほしいと申し出たのが九月ごろであるとするならば、品物の不足というものはもっと何ヵ月か前から起ってきておるはずだ。そういたしますと、それを九月以前の三ヵ月前とすると、本年の六月ごろから硫黄の供給不足という事態が出てきておる。こういうふうに見ても妥当である。そうするならば、そのころから政府が見込み計画というようなもの、生産計画というものがあって増産しなければいけないという事態であるとするならば、今具体的にずいぶん努力してきたというのだが、話を幾ら聞いても具体的にどういうことをやったということがわからない。ただかけ声をかけて大いに増産せい、こういつてきたのだが、ついに輸入をしなければならないという事態に立ち至ったとするならば、現在の硫黄鉱業の生産の面において飛躍的増産をすることができないいろいろな条件があるので、その条件は何と何で、それが現在の硫黄の増産に支障を来たしておるのだという事情があるならばどういう事態であるか、それを承わりたい。実態調査、診断ができておるはずだと思うから、増産が不可能であるという具体的な障害は何であるか、これを示してもらいたい。
○森説明員 ただいまの御質問でございますが、特に資金のあっせんを、硫黄が足りなくなったからといってすぐやったという事実は、おそらくそうどろなわ的な措置はなかったと思うのです。ただ硫黄鉱業というものは、先ほど鉱山局長が御説明申し上げましたように、国内に非常に資源がある。ところが日本の資源は外国の資源に比べまして必ずしも——比較的でございますが優秀ではない。と申しますのはなかなか品位も低く、採掘条件も悪く、規模も小さく、経済的にこれを採掘することはなかなか困難でございます。と申しますのは、たとえばアメリカの例を申しますと、アメリカの硫黄の鉱床は石油の鉱床とほとんど同じでございまして、地上からパイプを入れまして蒸気を吹き込む。そうしますと地下で硫黄が溶けて地上へ上ってくる。非常に簡単に何ぼでも取れる。安く何ぼでも取れるというものでございますから、硫黄の国際価格は僅々おそらく二十五ドル・パー・トンくらい。二十五ドルと申しますと約一万円そこそこでございます。コストはそれ以下でございまして、販売価格はそういうことでございます。ところが日本の一番優秀な山でも、大体コストがその辺に行くか行かないかという程度の山が多いのでございます。そこで鉱山局といたしましては、硫黄の価格というものは国際的には非常に安いのですから、もし輸入を認めるとすればどっと入ってきます。それでは日本の硫黄、鉱業は壊滅に瀕するということでございますので、従来から何とかしてコストを引き下げるという方向をとってきた。それにはどういうことをやっておるかと申しますと、要するに製練の合理化ということをやってきた。御承知のように、硫黄の製練というものは、焼き取り法という実に原始的な方法をとっておるわけでございます。これは言うなれば、かまの中に硫黄の鉱石を入れて、それを外から熱する。そうすると昇華いたします。昇華いたしまして蒸気になったものを冷やして取るという実に簡単な方法でございます。それを最近の国内の研究から、コークス炉に似たような方法で取るという、これは日本独自の技術でございますが、そういうものがだんだん開発されて参りまして、それが工業化試験の補助金その他を政府で与え摂して、現在松尾で試験炉をやって、それに対して政府は、開発銀行の融資ということをもってサポートをするという政策をとっている。こういう政策は何ら一時の需給状況に従ってどうこうするというものではございませんで、やはり硫黄百年の計というものを頭に入れてやっている問題でございます。経済というものは流れております。従って半年なりあるいは一年の間には非常に変る。そういうところに対症的な療法だけをやっていてはいかぬ。硫黄が足りなくなったからといって、急に増産しろとか、あるいは非常に条件が悪い山までどんどん掘る、そういうことまではやるべきではない。やはり長い目で見た硫黄政策というものをやるというふうに考えております。
○永井委員 今の課長は、言うなれば、百年先の夢のような話を言っている、何ヵ月か前の現在当直している輸入しなければならないというような事態に対する対策は、何も持っていない。また何もしてないという一つの裏づけだろうと思う。そういう怠慢なことをしておいて、そして今回限り輸入するとか何とか、それから将来は輸入しないつもりだとか、そういう根拠は一体どこにあるか。飛躍的な増産をしなければならない、障害になる原因は含有量が不足だ、非常に原鉱が貧鉱であるということと、製練の過程が非常に原始的だ、それならば五千トンの輸入は引き続いてどんどん輸入しなければならぬ。そういうような考えで、百年の先は計画しているけれども、半年、一年先は計画していない、こういう非常に夢のような話をされるならば、当面している不足、国内において生産が不足になっている現状に対してどうしたらいいか。これは鉱山局長に聞きたい。言うなれば、もっとはっきりした具体的な政策を示してほしい。
○松尾政府委員 上期の生産実績をとってみますと、十万トンの程度でございます。それを下期におきましては十一万三千トンくらいまで生産に努力をしてもらいたいということで進んでおるのでありますが、先ほど申しましたように、今回の緊急事態は……。
○永井委員 緊急事態といったって、天から降ってきたのではない。ずっと続いてきたものであるから、この過程において何をしたか。
○松尾政府委員 現在の状態において、月二千トンの生産ベースが維持できますれば、年間二万三、四千トンの生産ができるわけでありますから、二万三、四千トンの生産が年間に確保いたすことができますれば、現在の、あるいは将来の、来年度の需給関係としては、大体生産と消費がマッチする。現在のところでは、ただ一月、二月、三月の冬場の若干の減産を補って、また在庫が、先ほど申しましたように現在逼迫しておりますので、その回転をつけるために最小限度の輸入手当をせざるを得ないというような状態で、あくまで今回限りの緊急事態であるというふうに判定をいたしております。
○永井委員 今回限り今回限りといって、国内における増産態勢の具体的な施策を持たないで、百年の計画はあるが、当面の計画はないというような、しかも鉱山局長は新しいけれども、その方面において大へん詳しいエキスパハートである人が、百年計画だけを今説明した。そういう事態において今回限り——冬場少いといって今回限りで、あとの問題は一体どうするのか。そうして現在の国内における増産の障害になっているものは何かというと貧鉱です。それから製練です。そういうものは当面間に合わないことだ、こう言う。そういう事態の中で、今回限りの問題で間に合うのかというと、今回限りで間に合うようなことであるならば九月からわかっている。あるいは六月ごろからわかっていることで、この機会に増産しようとすればすぐできることじゃないか。五千トンの緊急輸入を食いつぶすのはたちまちだ。それからあとにおいては国内の資源において間に合うことだというような、こういう短期間で十分間に合うような状態のものを、六月から、あるいは五月ごろからずっとわかっている事態の中でなぜ増産できないか、それが百年かからなければ増産できないような事態があるのかどうか、緊急増産が間に合わないような条件があるのかどうか、条件がありとすれば、それは何々か、こういうことを聞いている。
○松尾政府委員 先ほど百年の大計という言葉を使いましたのが、あるいはかえって誤解を受けたかと思います。決して百年後にどうこうというのでなく、現在からすでにそういうために製練の合理化に努力しておるのであります。さらにまた先ほど申しましたように、月千八百トンから二千トンの生産のベースが確保されますれば、来年の需給は大体バランスするのであります。
○永井委員 一体松尾鉱山は、現在稼働している製炉が九十五です。そうして百何十という炉は遊んでいる。増産しようとすればすぐできる。できる態勢であるから今回五千トンぐらい輸入しただけで、あとは将来は絶対輸入しませんということを言っている。緊急に増産できる態勢があるから、鉱山局においても五千トン輸入したならば直ちにあとはもう輸入しませんということが言えるのだと思う。そういうことが言えるような国内における増産態勢の設備なり何なり条件がここにあるならば、六月から今日まで何をしていたか、こういうことを私は聞きたい。国内に増産の緊急にできる条件を持ちながら、しかも炉を遊ばしている。ことしの二月から三月ごろまで増産していたのをずっと縮めて、国内における減産をずっとやってきた。だから増産しようとすれば直ちにできる。その条件を国内に持ちながら、なぜ今まで、不足であるという状態ならば国内においてどんどんやらないのですか。どうして鉱山局は国内の資源の開発のために努力しないのです。貧鉱であるというならば、これは永久に解決できるものでない。貧鉱であるから増産できないというならアメリカか何かへ移らなければ増産できるものでない。ですからそんなことを問題にしているのではない。なぜやらないか、やれるものをなぜことしの春からやらないでいるのか、やったとするならば具体的にどんなことをやったのか。やらないから言わないのでしょう。百年先のことより言えないのでしょう。だからそれを言っている。私がこういう小さな問題をこまごま言うということは、一体通産省なり何なりの役人が、ほんとうに国の産業ということを真剣に考えているのかどうかということだ。そのときそのときの経済の動きの中で、保有外貨が少し多くなったから、それで何とか輸入してうまく商売をやろう、こういうのでたくさんやってくる。そうすると輸入する条件というものは、ああでもないこうでもないと理屈をつけて、そうして外貨を割り当てて業者の利益をはかるようなことをする。国民経済の利益になるようなことはやらない。あるいは国内における物価を上げさせないために、これらの消費者の方であなた方のところに頼んで輸入をして、頭打ちさせてこれを安く押えようとする。その手先にあなた方がなって、そうして筋の通らない理屈を冷汗をかきながらここで答弁しなければならない事態になっておるのだと思う。小さい問題ですけれども、たとえば肥料の担当官を十何年間やっているような柿手君にいたしましても、この委員会において、硫安の原価はどのくらいなんだといっても、それはっかめないつかめないといって、そうして肥料会社の利益の立場でここで答弁しておる。やめたとたんに硫安会社の重役にすわる。あるいは砂糖の割当をやっていた者が、やめたら直ちに砂糖会社の重役にすわる。これは役人と大企業とがツウツウなんだ。そうして役人は国民のための利益をはかる役人として仕事をやっておるのではなくて、業者の利益をはかる立場において仕事をやり、答弁をしておる。だから満足な答弁ができない。ほんとうに良心があるならば、私が先週この委員会で質問したときに考慮するといっていた、考慮するというなら、違った立場でもっと役人として、国の産業として、あるいは国民経済の立場から真剣に、もっと虚心な気持で再検討すべきだと考える。自己反省すべきです。根拠のない理屈をつけてこうやる鉱山局長は非常に気の毒である。鉱山局長は新しいからそういうことをする人でないと思うが、いろいろなことで百年の計画を立てて自分の職務を放棄するような課長がいるから、局長が間違いを起す。それからこの通産局やなんか、外貨の割当の調整課、そういったところの間違ったデータで説明されて、鉱山局長は人がいいものだからやむを得ないということから、こういうことになったのだと私は思う。こういうばかなことを通産行政としてやるならば、これはたくさん問題が出てくる。役人が営利会社にどういうふうに、自分の勤務中にやっていたその仕事を通して奉仕したか、そしてやめたらちゃんとそこの重役のいすを与えられてすわっているか。こういうことを繰り返していたのでは、国民経済の利益には少しもならないのだ、こういう具体的な事例を私はどんどんあげていきたいと思う。アルミの問題もあります。ミシンの問題もあります。山積しておる。通産省は極端な言葉で言うならば、疑獄の府といっていいほど、あるいは国民経済の上から見るならば国民の敵である、国民経済の敵であるというような、そういう根城になろうとしておる。こういうことをわれわれはこの委員会で是正しなければいけないと思うのです。この問題をずっと一つずつ取り上げていきたいと思っています。局長にこういうことを言っても、これは国の政策の関係ですから答弁ができないと思うのですが、私がさっきから言っている、国内においてどういう増産の努力をしたかというと、何にも努力していない。そうしてわかってから、長期の期間ただ輸入する条件のことばかり弁明している。私はそういう弁明を聞こうとするのではありません。この問題はなおほんとうに良心があるならば、すでに輸入する先もきまっているでしょう、業者もきまっているし、価格も折衝している、船ももう回っているかもしれない。ただここで、議員というのは言うだけ言わせればいいだろうから言わせておけ、答弁もいいかげんにしておけば問題は時間的に解決する、こういうように甘く考えておると大へんなことです。私はよくこれらの問題については、明らかにしていかなければならないと思う。役人に対する質問はこの程度にしておきます。事務的な答弁よりできないでしょう。
○神田委員長 本日はこの程度にとどめます。次会は明十四日午前十時より開会することにいたします。 これにて散会いたします。 午後零時二十六分散会