商工委員会 第4号
- 発言数
- 67 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1955/12/09
会議録
○神田委員長 これより会議を開きます。 中小企業年末金融に関して調査を進めます。さきに本委員会におきましては、中小企業年末融資に関する件について決議をいたしたのでありますが、まず本決議に対し政府が現在までにとられた措置について報告を求めます。佐久説明員。
○佐久説明員 この前の当委員会におきまして、中小企業の年末金融に関しまして決議がなされました。いろいろな点御指摘をいただきまして、年末金融について万遺漏のないようにという激励を受けたのでございますが、その後私どもの方で御指摘の点をいろいろ検討いたしまして、年末金融の円滑化をはかるつもりで努力いたしました今日までの経過を御報告申し上げたいと思います。 まず第一に、政府の指定預金でございますが、本年内はこれを引き揚げないということにつきましては、さきの委員会で大蔵省の方から御答弁がございました通りでございます。なお新規預託についての決議がございましたのですが、種々検討を重ねました結果、とりあえずあとで申し述べますような、財政投融資の増大措置をはかろうということで、同様の効果を期待しようということになったわけでございます。 第二に、政府関係金融機関の融資の増強の問題でありますが、中小企業金融公庫につきましては、第三・四半期におきまして貸し出し計画を百億ということに一応なったのでありますが、資金需要の状況を勘案いたしまして、不足の場合には、第四・四半期の計画から五億円を繰り上げまして、それによって年末金融をまかなうという準備をただいまいたしておるわけでございます。従いまして、その場合におきましては、貸付の計画は百五億ということになるわけでございます。また国民金融公庫につきましても、同様に第四四半期からの一部繰り上げを実情に応じまして準備いたしまして、一応繰り上げ額を十億と考えておりますのですが、そうしますると、当初の計画にさらに十億を加えるということになりまして、第三・四半期におきまして百六十八億ということになるわけでございます。 第三に、政府関係金融機関の運営の改善について種々の決議がございましたのですが、政府といたしましてもこの点についてはかねてから細心の注意を払いまして、その指導に遺憾のないようにして参ったつもりでございますが、この際決議の御趣旨をすみやかに実現いたしまして、お話もございましたあたたかい心をもって、中小企業者の要望するところにこたえるよう強く指示して、種々の改善を講じて、直ちに実施に移した次第でございます。いろいろこまかな問題についての改善を行なったのでありますが、時間の都合もございますので、御質問でもおありでございますれば、後ほど御説明申し上げますが、一応ここでは省略させていただきます。 第四に、市中金融機関の融資の促進についてでございますが、各金融機関団体の代表者あてに、文書をもちましてその促進方を要請するとともに、本月五日に中小企業金融の円滑化について種々検討をいたしまするために、全国銀行協会連合会等、市中金融機関団体の代表者、それから日本中小企業団体連盟等、中小企業界の代表者及び政府関係金融機関の代表者等の参集をお願いいたしまして、中小企業金融懇談会を開催いたして、その方策の審議と協力を強く要請した次第でございます。 第五には、信用保険、信用補完制度の改善の点でございますが、保証範囲の拡大というような問題につきましては、法律改正等の措置が必要でございますので、これは目下当方におきまして慎重検討をいたしておる段階でございます。 第六に、下請支払いの促進でございます。これもさきの委員会で御報告をいたしましたように、政府といたしましても、政府支払いに関連をする下請中小企業に対する支払い促進をはかるために、各省各庁各公社に適切な措置を講ずるよう指示をいたしました。また地方公共団体に対しましても、同様の措置を講ずるよう通牒いたしておりましたが、そのほかに主要会社数百社に対しまして、下請支払いの促進を依頼して参ってきております。さきの金融懇談会におきましても、市中銀行の融資に当りまして、特に下請支払いの円滑化についてもその協力方を要請しておいた次第でございます。なお公正取引委員会とも密接に連絡をいたしまして、十分遺憾のないように取り計らって参ったつもりでございます。 最後に災害都市における融資の促進をはかるため、以上のような改善措置に加えまして、大体これから申し上げるような措置を講じたのであります。すなわち中小企業金融公庫につきまして直ちに職員を現地に派遣して融資の促進をはかるほか、貸付期間について当該企業の実態並びに災害の状況を十分考慮いたしまして、無理のない期間を設ける、また現行の五年を越えることができるような特別の措置を講ずるというようなことで、災害都市の復旧についてできる限りの措置を講じた次第でございます。大要以上のような措置を従来までとりました次第でございます。
○神田委員長 ただいまの御報告に関しまして質疑に入ります。質疑の通告があります。順次これを許します。永井勝次郎君。
○永井委員 今大蔵政務次官の出席を要求しておりますが、まだお見えでないようでありますから、それと関連して中小企業庁長官に伺いたいと思います。市中金融機関の中小企業に対する融資を積極的に行わしめるために必要な措置を講ぜよ、こうわれわれが先般決議をもって要求したわけであります。ただいま長官の話では、五日の日に関係業者、金融機関といろいろ話し合いをした、それから文書でその趣旨を伝えたということでありますが、その内容について、及びその効果についてどういう見通しを持っておるか、これを伺いたいと思います。
○佐久説明員 市中金融機関といたしましても、そのときに参られた代表者の言葉のうちから、相当積極的に中小企業に金融を今後はかっていかなければ、市中金融機関としてもかえって因る状況になるのじゃないか、むしろ自分の利害ということもからめて、相当熱意を持って今後中小企業に金融をはかっていくという気持が十分に受け取れましたので、今後の効果も相当上るのじゃないか、こういうふうに私は観測いたしております。
○神田委員長 ちょっと永井君にお知らせいたしますが、大蔵政務次官は今建設委員会に出席されておりまして、じきこちらに参るといっておりますが、銀行局長も予算委員会に出席しておりまして、かわりというか、加治木特殊金融課長が説明員として参っておりますから、御参考までに申し上げておきます。
○永井委員 この会議を開いて話し合いをする、文書でこれを交換するという限度では、お互いに誠意を披瀝し合うでしょう。十分にやると言うでしょう。しかしこれが具体的な取引の面になると円滑にいかない、こういうことなんで、会議を開くだけのことならば、まあ一つの方法ではありますけれども、言ってみたというだけのことであります。そこでもし具体的にわれわれの決議の趣旨を実効ある形で推進しなければならないということになれば、会議だけではなしに、文書だけではなしに、現在当面しているいろいろな困難な事態についてどうなんだというような具体的な話し合いが出なければ、これは本気でやる気ではない。従ってこの会議において中小企業者の側及び金融機関から、どういうことが当面困難な状態にあるのか、こういう道が開かれればもっとこれは拡大できるのだというような、誠意のある具体的な話があったのかないのか、こういうことについて伺いたいのと、その問題は一般論としては担保力なりあるいは信用力なり、こういう問題が基礎になるわけでありますけれども、そういう面でどういうことを現在年末融資として補強すれば、これが相当の範囲に拡大できるという見通しを、この会議から企業庁長官は看取されたか。それに対してこの会議を通して具体的にさらに推進するための策をどういうふうにお持ちになったか、これを伺いたい。
○佐久説明員 従来一般市中金融機関の窓口が、もちろん資金量が足りないということが大きな原因であろうと思いますが、中小企業に対しては割合に関心が薄いような状況であります。しかし一般的に金融の正常化に伴いまして、資金量も豊富になってきておる。従って今後中小企業者に対して相当、何と申しますか貸し出しの間口を広げていくということについての、たとえば一つの具体的な例について申しますと、ある銀行でございますが、一件当りの特別融資の金額を従来は三十万円以下というふうな線に限っておったのを、今年度におきましては五十万円ないし百万円に拡張するというような積極的な方法が講ぜられておるのであります。 なお、この信用の問題につきましては、県なり市の信用保証協会の保証、これはかなり年末に当って積極的な意欲を持っておりますので、それと並行いたしまして、市中金融の中小企業向けの金融についても相当の期待を持てるのじゃないか、かように私は感じておるような次第でございます。
○神田委員長 この際通商産業大臣より発言を求められておりますので、これを許します。石橋通商産業大臣。
○石橋国務大臣 中小企業の、特に年末の金融につきましては、当委員会においても御決議がありました。その趣旨に従いまして、先般各金融機関の経営者をも集めて十分に討議をし、要請もしたのであります。その具体的な結果については、すでに事務当局から報告もありましたことと思いますし、なお詳細報告させますが、まあ、ただいまのところではできるだけのことは処置をいたしたつもりでおります。年末の資金量についても、できるだけ増加するように大蔵省に要請して、ある程度増加いたしました。それから市中金融機関においても十分当委員会の御趣旨に従って協力をするということをみんな言うております。今長官からもちょっと話があったように、ある金融機関のごときほすでに実際の支店長の権限をある程度増加しまして、テスト・ケースとしてどれほどそれがうまくいくかということで、三十万円限度の、むしろ零細企業に対する金融を積極的にやろうということで、すでに始めております。こういうわけでありますから、十分――十分というのはとこまでいけば十分というのか限度がなかなかわかりませんが、まず現在のところで政府の金繰りのできる限り、また法制の許す限りにおいては、少くともこの年末については手が打たれておる、かように信じております。どうぞ御了承を願いたいと思います。
○永井委員 今大臣から十分とはどういう限度かなかなかむずかしいが、できるだけというお話であります。その通りであると思います。また銀行側の窓口から見る信用力という点につきましても、企業の確実性という面についても、どこまでが確実性のあるものであり、信用があるかということについても、これはこういう限度だという確実なものはないと思います。それはもう考え方、見方、判断でずいぶん動いてくる。誠意をもってやるかやらないかということでそういう線は相当広く動いてくる問題だと思うのであります。従って金融の問題に関する限り、ここでわれわれが当局にいろいろ要望いたしましても、個々の問題について具体的にこれを処理することでなければ問題の解決にならないのでありまして、一般論としてわれわれはここに論議するわけでございますから、行政の指導において、行政の権限において相当個々の問題について金融機関を督励し、そうして金融をできるだけ円滑にしようという誠意、方針がないならば、われわれの決議した事柄も一片の空文に化してしまうわけであります。でありますから、われわれが決議した結果について、当局から具体的にどういうふうに運ばれて、そうしてこれらのわれわれが決議した問題を実行する上においては、こういうことが具体的に困難な壁にぶつかっておるのだ、こういう問題をいろいろ前提条件として考えなければならないのだということをわれわれはさらに当局から伺いまして、それならばそれに対してわれわれほどういうふうに対処しなければならないかという具体的な案がここに出てくる、こういうことでなければこれの推進ということはできませんし、単に一片の決議に終ってしまう結果になるわけでありますから、われわれさらにこの委員会としてはどういうふうにこれを運んだかということをここに聞くわけであります。一つその意味においてお答えを願いたいと思うのであります。 次には公庫の指定代理店のうちの中小企業金融に対して著しく熱意を欠くもの、これに対しては指定の取り消しを行え、こういう強い意思を決定しておるわけであります。どこのどの金融機関がその熱意を欠くかということについてはここで言われないといたしましても、地域的に見てこの方面はこういうふうにどうも熱意を欠いておるという具体的な一応の調査があるだろうと思うのです。その調査に基いて、お前のところはもっとやれ、こういう具体的な話に進まなければ、われわれの決議の実行ということにはならないと思います。どの地域についてどういう関係について熱意を欠くのか、どの地区が非常に円滑にいっているのか、こういう功罪表というものの基礎調査をできる限りここで発表願いたいと思います。
○佐久説明員 もちろん先般の決議のある前から、代理店でもって熱意のないものについては、公庫の監査部におきまして相当の注意もいたしましたし、内容の調査もいたしたことがあるのでありますが、熱意がないと申しましても、全然熱意がないというのではなく、熱意の程度の差がだいぶあるわけでございます。相当の要望があるにもかかわらず貸し出しの実績のあまり上らないものにつきましては、状況によりまして資金の配分ワクを減額するとか、あるいは取扱いの停止の措置を講じております。なお今後さらにそういう監査は十分にいたしまして、目に余るものがあれば場合によってこれを取り消すというような措置も必要であろうか、かように考えております。
○永井委員 長官の考え方は少し違うのではないかと思うのです。割当を減額すると言っているのですが、減額したって金融機関は痛くもかゆくもない。割り当てたものを余しておる、使わないで手持ちして、そうして返上しているのですから、減額したってそんなことは問題じゃない。取り消すか取り消さないかということが問題であると思う。それから熱意があるかないかという点についても、熱意は程度の差だと言うのですが、程度の差どころでなくて、ただ一応金融機関として代理店の看板を下げるということだけで、あとはもう自分の銀行に有利にこれを利用するというだけであって、中小企業の業者に対して金融公庫の設立した趣旨をできるだけ末端で実行しようというようなかけらも持ち合せていないというのが現状なのです。でありますから、その具体的な調査がある程度できておって、常時督励をしておる、その積み重ねによってどこの取扱店はどうであるというちゃんとした功罪表が出てくると思います。ただ漠然と熱意がないから割当金額を減らせばそれで相当手きびしくなるだろうというおざなりなことではだめだと、こう思うのです。そういうものは調査してないのですか、なければないでけっこうです。いかに怠慢かという実証になるわけでありますが、あるのかないのか、はっきり伺いたいと思います。
○佐久説明員 いろいろお話を伺いますが、確かに熱意のないところがあるようであります。ただ今ここでどこの銀行がどういう状況であるかということを申し述べるのはちょっと差し控えたいと思います。もし御必要とあれば一つ後刻お話を申し上げます。
○神田委員長 秋田大助君。
○秋田委員 私がお尋ねいたしたいと思った一点は、ただいま永井委員から最後にお触れになった点でありまして、大体永井君からすでにお尋ねがありましたが、補足的にお尋ねいたしたいと思います。ただいま中小企業年末融資に関する決議について各項目を追って御説明がありましたが、この第四項目の「公庫の指定代理店のうち、中小企業金融に著しく熱意を欠くものについては、これか指定の取消を行うこと。」という項目については先ほどの御説明の中に抜けておったと思います。そのことがすなわちこの点に関する措置をとろうという当局の熱意の欠けておることを何よりも雄弁に物語るものではないかと思うのであります。この点についてわれわれば各方面から非常な不平を聞くのでありまして、どうしてもこの点について一段の改善をしていただきたいとわれわれは考えるわけであります。何もこれは年末金融だけに限ったことではありませんが、この「取消を行うこと」というこの第四項目について、直接どういう措置をとられますか、あらためてお伺いいたします。何らか具体的な措置を講ぜられたか。補足的に私がそれをお尋ねする趣旨を申し上げますが、もし熱意を欠くものと認められる毛のが出てきたら指定を取り消すつもりであるというのでは、これは足らないのであります。何もわれわれは指定を取り消したいというのが希望ではない、本旨ではありません。そういう事態が起らないようにすることこそわれわれの本旨であります。この点については過般委員会においてわが党の首藤委員から熱意を込めてお話があったところであります。そこでこういう事態が起らないように厳然たる措置をとることあるべしということを、強く公庫の指定代理店に通告をなさったかどうかということをお尋ねしておるのであります。
○佐久説明員 先ほど私が概要の御報告を申しました中で、第四項の指定の取り消しの件について言及しなかったと申しますのは、政府金融機関のそれぞれとるべき措置については少し項目か多過ぎるものでありますから、あとで御説明を申し上げるようなつもりで省略した、その中にこれが入った関係で言及しなかったのであります。決してこれを無視しておるつもりはございません。取り消しの問題はただいまお話のございましたように、本来代理店というものは積極的に金を貸し出すというのが任務でありますから、その怠慢なものについては貸し出させる方法を講じていくというのが本旨でありまして、必ずしも取り消し自体が本旨ではありません。これは私もお説の通りそういうふうに考えております。従って従来の成績がどうも芳ばしくないというところにつきましては、特に貸し出しの積極化を指示いたしまして、どうも成績がこちら、の期待よりも悪いというような場合には取り消す場合もあるぞということは伝えてございます。
○秋田委員 伝えてあるというお話でございますが、こまかなことでございますが、この商工委員会でこういう決議があった、この決議文を添えて具体的にいつ何日どういう経路でどこに通達をされたか、もう一回はなはだこまかしいことのようでありますが、要点でございますからお尋ねいたします。
○佐久説明員 日にちはちょっと記憶しておりませんが、もちろん決議文の趣旨に沿うための措置でございますので、決議文はつけてございます。なおこの指定代理店の怠慢と申しますか、貸し出しにもつと熱意を持たせる一つの方法といたしまして、競争店を新しく指定をするというような措置も講じたのでございます。
○秋田委員 もう一点、これは大臣にお尋ねをいたします。従来公庫の指定代理店が、十分その機能を発揮していないということは事実であって、当局も先ほどお認めになったところであり、この実情があるがために、こういう決議項目が出たわけでありますが、そこでこれを補う措置として、中小企業金融公庫の直接貸しの範囲を拡大する御意図はないか。すなわち直接に支店をなお拡大設置される御意向がないか。これに関連いたしまして、来年度の予算等におきまして、中小企業金融公庫の資金網を一つ画期的に強化したい、直接貸しの制度を拡充強化して支店を増設いたしますならば、どうしても資金量の増大が当然要求されて参ります。この辺について大臣はどういうお考えを持っておられますか、一つお伺いしたいと思います。
○石橋国務大臣 それは直接貸しの道も開いてありますから、できれば一つ支店ももう少し拡張したいのですけれども、これは予算の問題もさることながら、実際は人間の問題なのですから、そう急激に支店を作りまして十分の活動ができるとはなかなか言えませんから、逐次やっていくつもりでおります。拡張の意思は持っております。
○秋田委員 人間の問題、予算の点もさることながらという大臣のお考えはわかります。しかしこの点について格段の一つ熱意を持って、中小企業者並びにその金融のために御奮闘あらんことを特に熱望いたしまして、私の質問を終りといたします。
○神田委員長 次に小笠公韶君。
○小笠委員 簡単に一、二お伺いいたします。去る当委員会の決議に対する履行の措置についてのお話がございましたが、これはこの前にお出しになりまして、われわれに配付せられました年末金融対策のとびらに、一部は好転しているが、全体的に楽観は許さぬと書いてあったのであります。この状況に対して、全体的に見てどの程度改善ができるとお考えになっておられるか。先ほどの御説明を伺いますと、要すれば第四・四半期分の繰り上げを行なっていこう、それがわずか十数億であります。十数億の繰り上げによって、最初われわれの出した対策案の冒頭に書いてあるものが緩和できる、解決できるものと解釈していいか、それをまず全体論として私はお伺いいたしたいと思うのであります。 第二点は、中小企業金融の問題といたしまして、これは非常に問題があるのでありますが、決議事項の五、すなわち市中金融機関に積極的に金融に当らせるということでありますが、これに対するいろいろな懇談会その他の措置をとられたようでありますが、これに関連して考えられる問題は、全国銀行協会におきまして融資規制の準則を立てておる。この資金の質的規制を出しておる場合に、中小企業金融におきまして、中小企業金融の特色として業種的選別というものがある、こう考えますと、中小企業金融一般の問題が解決されるのであります。ここに中小企業金融の特色が出ておるのでありますが、この点から見て、銀行協会の資金規制の基準というものに対して、中小企業に特例を開いたかどうか。開かずして一生懸命やってくれといっても、日の照るところもあるし、谷間も相かわらず出てくるのでありますが、この問題に対してどういう措置をとったか、この二点を伺いたいと思うのであります。
○佐久説明員 先ほど十五億と申しましたのは、政府金融機関に対する年末引き当てのための資金の問題でございますが、そのほかに地方銀行といたしまして、昨年の十月、十一月あるいは十二月の中小向けの資金よりも、本年度におきましてはざっと三百億増という見通しでおりますので、その点はかなりそういう面からのゆとりもあろうと思います。また全国銀行の年末――特に中小企業に対する年末も含めての対策でございますが、従来金融相談所というものがございましたが、これが必ずしも十分な働きをしていない、これを積極的に活動させる、それから中小金融の特別店舗の融資量を増大する、あるいは下請に支払いのための資金は積極的に貸し出す。さらに債券引受の増大をはかるとか、そういった点の決定もいたされておりますし、またただいまの融資規制の問題につきましては、不急不要のものを除いて、中小企業に対しては積極的な金融をはかるという方針を決定いたされておりますので、金額が幾らということははっきり申しかねますが、相当の緩和はいたされるものと、かように期待いたしておるわけでございます。
○小笠委員 こまかなことはけっこうでありますが、要するに不要不急のものは中小企業には金融しないのだというようなお話になるわけでありますが、しからば不要不急の中小企業とはどういうものであるか、まずその概念からはっきりさしていただきたい。
○佐久説明員 不要不急と申しますのは、これを具体的に定義づけるということはなかなか困難かもしれませんが、たとえば料理飲食店というようなものにつきましては、積極的にこれを金融面で助けなくちゃならぬというような性質のものではない、というふうに考えております。
○小笠委員 料理飲食店が不要という考え方も一つ成り立つと思うのであります。私はそこで一つ言いたいのは、中小企業、特に零細企業に不要不急だとか緊要だとかいう観念を入れて金融を行うところに思想的な間違いがあると思うのです。(「その通り」)この点をいわゆる資金規制の段階におきまして、中小企業特に零細企業のいわゆる特質というものをはっきりしていただかなければ、いつもかいたもちに終ると考えるのであります。この意味において、問題は市中金融機関の中小企業への融資を活発化するときに、まず考えなければならぬ問題は、私はここにあると思うのです。金融機関の常として、飲食店のようなものはかえって回収が早いから必ず流れるのであります。流れぬところに不要不急と称するものでいわゆる曇ったところの谷間ができておるのが中小企業の実態だと思う。この点についての制度的な考え方はどう考えるか。私は問題のこの決議の第五項というのは、そういう意味を解決しろという趣旨だと思う。そこを一つよくお考えを願って必要な措置をとってほしいと思います。
○神田委員長 次に阿左美廣治君に発言を許します。阿左美君。
○阿左美委員 私は中小企業金融公庫が代理店を持って融資を運営するというところにそもそもいろいろの手違いが起るのだと思うのであります。公庫自体の性格において貸し出しをするというところにやはり意義があるのでございます。こういうような代理店があるのであります。個人と銀行との取引の間の決済をするために公庫を利用してその手続きをとりまして、その公庫から借り入れたところの資金は銀行に返還しろというような一つの条件のもとに扱っておるというのが間々あるのです。これらは熱意を欠くとか欠かぬとかというよりも、非常な悪質だと思うのです。こういうような制度はやはり公庫の制度というものを無視しておるのじゃないか、こういうように考えますので、先ほども秋田委員から直接貸しするような組織を考えておるかという御質問がありましたが、私はどういたしましても今後公庫自体がやはりこれは直接貸しをするような制度でなかったならば、公庫の性格を現わすということはでき得ないのではないか、こういうふうに考えておりますので、この点に対しまして大臣に一つお伺いをいたしたい。
○石橋国務大臣 これは先ほどお答えいたしましたように、公庫の直接貸しということもすでに始めております。しかし逐次支店網も作らなければならぬと考えておりますが、これは急激にやることはなかなか準備が整いませんので逐次やりたい。ただいま支店を作ってもらいたいという要求を受けている地方も幾つかあります。そういうところから必要に応じて逐次作っていきたい、かように考えております。
○阿左美委員 なお中金でございますが、これは全国的の商工業者は現在中金を利用しておりまして、一時よりも中金の業務扱いはなれて参りまして、非常に迅速にもいくようになっておりますことは、まことに喜ばしいことでありますが、ただ金利が高い。現在金利の上から利用することができ得ないというような状態でございます。市中銀行の方は現在非常に金融も正常化して参りまして緩慢になってきた。非常に金利が下って参りました。そこで受取手形あたりの割引に対しましても、相当信用あるところの手形金額の百万円以上というようなものに対しましては、二銭二厘あるいは二銭くらいまでの割引の勉強をして扱うように現在なって参りました。ところが中金におかれましては、三銭よりこれは下げるわけにいかぬ。現在中金の手形割引は三銭でございます。そういうことになりますと、商工業者は中金を利用することができない。これに対しましてはしばしば中金に交渉をいたしますけれども、これは御承知の通り債券によるものでございまして、資金コストが高い。これはどういたしましてもどうにもならぬ。これはあなた方の方で何とかしていただかなかったならば、金利ばかりはどうにもならぬ。こういうような結果でございまして、現在はほとんど金利のために中金を利用することができ得ない。むしろ市中銀行による方が非常に便利でもあるし、またその方が業者としては助かるというような状態でありますが、しかしまた市中銀行からいいますと、歩積みとか二本建とかいうようなこともありまして、これもいろいろの面から交渉いたしまして、現在では相当緩和されておりますけれども、なおまだ二木建、歩積みというようなものが相当に行われております。こういうような点に対しましても何らかの御計画をいただきたいと思うのでございますが、中金に対するところの利子の引き下げということは、ただ中金にばかりこれを交渉いたしましてもどうにもならぬと思います。資金面において政府は一般の市中銀行と同様くらいな貸し出しのできるような資金の融資方法をお考えになっておるかどうか、これをお伺いいたします。
○石橋国務大臣 商工中金の金利が高いことは御指摘の通りであります。われわれもこれをぜひ何とか下げたいというので、この前の国会でもそのためにわずかでありますが、十億円の政府出資をしました。それでごくわずかでありましたが、多少の金利の引き下げを行なったのでありまして、これは何と申しましても商工債券の金利が下らなければ、つまり原資が下らなければどうにもなりません。そこでこれは大蔵省等とも交渉をいたしまして、何とか原資の金利が下るように措置をいたしたい、こう考えておるわけであります。
○神田委員長 小平君。
○小平(久)委員 私は簡単に一、二点承わりたいと思うのでありますが、この公庫の運用のことにつきまして、先ほど来同僚委員からいろいろ御質疑、御意見がありました。代理店のやり方ということが結局一番大きな問題でないかと思うのでありますが、われわれのさきの決議によりまして、熱意のないものは代理を取り消す、こういうことでありましたが、この趣旨も、もちろん先ほど話がありましたように、単に取り消しということ自体が目的ではない。そこで長官からの御説明にも、熱意があるかないかの判断がなかなかむずかしいという話もありました。その過渡的措置としては、今度ワクを減らすというようなことがありました。そういうワクを減らされることは、むしろ熱意のないところにとっては幸いなことであって、ワクがあるのに貸し出しが少い。そこで問題にされるのであるから、ワクが小さくなれば、そうでなくても熱意のないものは、ワクがないから貸せない、一口にそう言ってしまうと思う。またこの貸し出しの実績等についてもいろいろ統計等もあるようでありますが、つまり申し込みの件数というか、額というか、そういうものが果して統計の上に現われてきておるかどうか、はなはだ疑問でないかと思う。公庫の金を代理店で借りようと思う者が、初めから書類が出せるなんということは実際問題としてはありません。貸してもらえるかどうか、手続はどうか、いろいろまず下相談をして、初めからもう見込みがないといって断わられてしまうというようなものは、ずいぶんある。つまり隠れたる需要者というか、貸し出しの希望者が非常に多いのではないかと思う。表面に現われてきた統計というものは、実際の希望をそのままに現わしておるとは、私などにはとうてい考えられない。そこでほんとうにこの代理店が熱意があるかどうかということを具体的に突き詰め得るような組織、代理店でやらざるを得ない事情は、先ほど大臣のお話のように今ただちに全国的に直接貸しの方法、支店の制度というものをとり得ないとすれば、何らかこの中小企業者の要求を具体的に取り上げ得る組織というものをどうしても作らないことにはいかぬ。単に代理店の取り扱いに一任しておくということではいかぬのじゃないか、そこで私が日ごろから考えておりますことは、具体的にどうすればいいかという問題になりますが、地方のそれぞれの代理店を主管しておる、もちろん地方庁もありますし、地方庁の責任者であるとかあるいは公庫のものであるとか、あるいはその地方の有識者というか、そういうものであるとか、あるいは通産局のものであるとか、そういうものをもって何か審査機関というか、その機能をどこまで拡大するかは別問題であるけれども、研究を願うとしても、何らかそういう機関を一つ作るということが私は具体的に解決していく上において一番適当じゃないかと思う。現在地方から見ると、どうも通産省の行政というものは地方庁とのつながりが薄いということは争い得ないと思う。地方の通産局なども極端に言えばあるのかないのか一般の中小業者などは全く知らないでおるというのが実情でないかと思うのです。そういう通産行政一般をほんとうに地方の実態に即した結びつきの強い行政にするためにも、何らかそういう機関を作って代理店を指導していくというか、あるいは規制していくというか、そういう道を何とか開いたらどうかという考えを持っておるのでありますが、こういう点について一つ大臣の御所見をこの際承わっておきたいと思います。
○佐久説明員 ただいまの代理店の活用と申しますか、積極的な活動について何か措置を講ずる必要がある、これは私も御趣旨全く同感でございます。代理店について実はかなり悪評を聞くのでありますが、必ずしも全部の代理店が悪いのではない、代理店制度というために中小企業者がかなり利益を受けたという部面も私は相当あると思う。あれを初めから公庫が直接貸しということでいきました場合には、貸し出しの審査とかその他で非常に手間をとりまして、かえって成績が上らなかったんじゃないかという感じがいたします。そこで成績の悪い、あるいは熱意の足りない代理店、これはどうしても指導是正をしていかなければならぬと思います。現在各地方で行われておりますのは、県ごとに金融懇談会というのを、これは主たる中小企業のある地域ではかなり活発に動いておりまして、中小企業向けの金融機関関係者を集めて指導は行なっておるようであります。しかしこれもまだ十分な効果が上っていない。今のお話の何か指導あるいは鞭撻の機関ということはまことに示唆の多いお話でございますので私の方でも考えたいと思います。ただそれがかえってまた行き過ぎということになりますと、自主性を害するという非難も起きて参りますので、その辺はやり方が非常にむずかしいと思いますが、いずれにしても代理行為の強化ということについては、何かの方法で考えたいと思います。
○小平(久)委員 今お話の御趣旨にもありましたように、かりにそういうような機関を作りましても、その権限というかそういうものをどうするか、またそういう機関を法律的にきめるか、あるいはお話にもありましたように懇談会式な単なる意見を聞く会というか、そういう私的なものにするか、これはもちろんいろいろ研究を要すると思いますが、しかし単なる懇談会ではどうも効果が薄いのではないか、やはりどうせ作るならばもう少し実権を握り得るものにした方がいいのではないかという気がいたすのでありますが、それは一つ御検討を願うといたしまして、もう一つ伺いたいのは保証協会の問題であります。これはもちろん法律もあるわけでありますが、大体保証協会が各県単位等にある、しかしこの保証協会を利用するためには、零細な融資を仰ぐ側からすると、単に直接保証料とかそういう問題でなく、むしろ保証してもらうまでの雑費が非常にかかる、五万や十万あるいは二十万程度借りるのに非常に多くの雑費が要るということがこれまた実情だろうと思うのです。そこで御承知の通り特に年末金融などと関連しまして、地方自治体、ことに市であるとか、ちょっと気のきいた町であるとか、そういうところでは、その当局が若干の資金を出してその町なり市なりの業者のための零細な保証をやってやっておる、こういうことがもちろん全国的に大体行われておるようであります。ですから中小企業、特に小企業の融資という問題になりますと、むしろ県単位の保証協会というよりもそういう都市というか、そういう最末端の自治体のやっておる保証を、これまた何か政府の方で一つ資金的に援助をしてやるということの方が、特に小業者のためには実情に沿っておるのではないか。そうすれば小さい業者というものはむしろ手軽に自分の市役所、自分の役場に出かけていって、ほんとうによけいな雑費をかけずにその町にある金融機関から、あるいは信用金庫なり組合なりあるいは相互銀行なりといったようなところ、さらにまた地方銀行の支店等ももちろんありましょう。そういうところでほんとうに手軽に借りられる、それがいわゆる政治の末端への行き渡りであって、ただいたずらに大きなところにだけ目をつけてやっておるということでは、特に中小企業の金融というような点から考えるとどうもかゆいところに手が届かぬといううらみがあると思う。全国でそういった施策をしておる市なり町なりが幾つあるか、どういう規模でやっておるか、詳細そういうことについてあるいは御調査もあるかと思いますが、そういう実態を早急に、もしなければ調べてもらってそこの保証力を政府が援助してやる、これが一番手っとり早い、またよけいな経費をかけさせないで、あたたかい金融の手を差し伸べ得る最も効果的な施策ではないかと考えるのですが、こういう点についてこの構想というか、考え方についての大臣の御所見を承わりたいし、あるいは今までそういう点について調査等があるならば、この際長官からも承わっておきたいと思います。
○石橋国務大臣 大へん興味のあるお話でありますが、こちらに今この保証協会についての調査の資料はないようであります。いずれ大蔵省等とも連絡して調査してみたい。今は実際に潜在的な需要というものが相当あると思う。その中には融資してやっていいものも相当あるけれども、どうも連絡がないから、どこへ行っていいかわからぬ。そのために例の相談所というものを商工会議所とか相当数多く作ったわけです。昨年の暮れもそういう問題がありまして、ずいぶん相談所へかけ込んで、それによってわれわれの方で処置した例も若干あるのです。ですから政府全体、通産省もPR運動が足りなくて、今まで相談所があっても相談所を利用しろという指導が足りなかったことがありますので、せっかく作った機関が十分な活動をしていないといううらみは確かに抱いております。そういう点でこの年末ばかりの問題じゃありませんが、一つ零細企業の人たちでそういう金融についての悩みのある者は、まず相談所にかけ込むというようなことにいたしたい、かように考えております。
○小平(久)委員 今の大臣の御答弁のうちの中小企業相談所を活用してと、こういう御趣旨はよくわかるのでありますが、しかしこの相談所もほんとうに相談に乗って口を聞いてやるというふうな程度のものであって、実際問題としてはそれ自身が保証してやる力があるわけでも何でもない。従ってそれを効果あらしめるためには、地域的な小さな市などでやっておる保証ということをどういう形でか政府が直接力をつけてやる、実質的に力をつけてやる、こういう必要があるのじゃないかというのが私の考え方なんでありますから、一つ御研究を願いたいと思います。
○石橋国務大臣 承知しました。
○長谷川(四)委員 関連して……。年末金融ばかりでなく金融問題で皆さん方がこれほど懸命にやっていて、どうしてこれほどの不満が出てくるのであろうか、こういうことを新しく御就任なさったところの長官はお気づきになっておると思う。これほど懸命に皆さんが努力してやっていて、われわれは会議が開かれるたびに口をそろえて金融問題を言っておって、どうして不満が出てくるだろうかという根本の原因にもっと触れてみなければならぬ。通産省、農林省というものを比較してみたときに、農林省自体の活動というものは縦に横に、縦横に網が張ってある。ところがふり返って通産省は、たとえば一万円の補助金を出すのにも通産省が直接出しておる。こういうようなところへなぜ直接出さなければならないかということであります。そういうことは通産省自体に一つの網がないということだ。一つの独立はしていて、何の、子方がないのと同じことだ。そういうところに不満もあり、従ってないからこそそこに既存の銀行を使う、既存の銀行だから先ほどからお話のあるような問題が出てくるのであります。こういう点について今の通産省に協力態勢を整えているものが何ぼでもある。たとえば一つの例を申し上げるならば、商工組合というようなものもあるのだ、こういうものをしからばどの辺まで活用しておるか、ところがそれはちっとも活用しておらないという現実の姿がある。これは一つの例であります。そういう面で何とか協力しようということになっておる、また法文を見れば通産大臣の認可許可が要るとか、罰則も通産大臣になっておる、なっておってもそれをちっとも活用していない。これに不満と不平がある。金を貸せば必ずしも中小企業が生きていくのではありません。金融の問題ではありません。もっと根本の施策に触れてお考えになっておらないというところにこういう結果が現われてくるといわなければならない。私は長く言うわけにいかないけれども、新しく御就任になった長官でありますから、こういう点についてあなたのお考えがあるならば言っていただきましょう。そういう点について今後大いに考えてみる必要があるとお考えならば、そのお考えを言っていただきたい。私の言うのが違うなら違うとそのお考えを言ってみて下さい。
○佐久説明員 私、中小企業庁長官を拝命して全く同じ考えを持ちまして、果して私のような微力な者にこのような仕事がやれるかということを、実は日夜考えておるのでございますが、確かに農林省あたりと比べて通産省が出先の機関を持たない、わずかに通産局があるという程度のものでございます。その中でも中小企業庁の行政は割合に府県と連絡が強い方だろうと思っております。たとえば先ほどの補助金の問題につきましても、中小企業庁で直接出す補助金というものはほとんどありません。全部府県を通しまして出しておる。あるいは協同組合の利用の問題、活用の問題につきましても、多々なすべきことは残っておると思いますが、たとえば協同組合の共同施設というようなものについてはかなり効果を上げているところも多いというふうに思われます。 なお、ただいまのお話の根本的な問題に欠けるところがあるということは、私も全く同感でございますので、及ばずながら一つ今後馬力をかけたい、かように存じておる次第でございます。
○神田委員長 中小企業の金融の点については非常に重要な問題でありますので、特にこの年末金融については、先般の当委員会の決議、また引き続いて御承知のごとき御熱心な発言があったわけであります。まだ発言者がたくさんありますが、次の議題もありますのと、石橋通商産業大臣初め関係係官も大体よく了承のようでありますから、事態が事態でありますので、委員長よりも、当委員会の総意であるということを強く申し添えまして、一そうの御努力をなさるよう要望いたしておきます。 ―――――――――――――
○神田委員長 次に硫黄、鉄鋼に関する諸問題に関し調査を進めたいと思います。まず政府委員よりこれらの現状並びに対策について簡単明瞭に説明をしていただきたいと思います。
○永井委員 議事進行に関して……。いろいろこの委員会で硫黄であるとか、あるいはアルミであるとか、石綿であるとか、ミシンであるとか、いろいろな案件を今持っております。問題をそう一時に広げますと短い時間で効果がありませんので、本日は硫黄の輸入の問題に問題を限定しまして、大臣にいろいろ伺いたいと思うのであります。この硫黄産業及びその他の産業一般ということでなしに、私の方から質問をして、それにお答えを願った方が集約的にいくと思うのであります。そういうふうな運びにしていただきたいと思います。
○神田委員長 お諮りいたします。今永井君からお聞きのような御要望でございまするが、そのように取り計らって御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○神田委員長 御異議がないようですからさように取り計らいます。永井君。
○永井委員 通産大臣にお尋ねをいたしたいと思うのでありますが、われわれは今まで硫黄は資源の少い日本の産業の中であり余るほど資源を持っている、こういう産業だ、こう理解しております。従って従来は硫黄をどんどん輸出していた。輸出にも間に合わなくて、生産過剰で値下りをして、国内における生産態勢を縮減しなければならぬ、こういう状況である。こういうふうに思っていたが、天から降ってきたように、最近は国内の需要に満たないから輸入をしなければならないということで、近く――近くというのでなくてこの一両日の間に硫黄の輸入を決定なさるようであります。どういう経過で、どういう理由によってこういうように国内に資源を埋蔵しながら、輸入をしなければならない事態に至ったのかどうかということについてお尋ねをいたしたいのと、輸入についての手続及び決定はどういう段階にあるのか、これを明確にしていただきたい。
○石橋国務大臣 経過その他の具体的なことは事務当局から一つ話してもらいますから……。今度の硫黄の輸入は、むろん国内の埋蔵量があることはわかっておりますが、緊急的にさしあたって非常に硫黄の欠乏を来たしております。やむを得ず緊急輸入として今回限りやろう、あとは一つ生産に待とう、こういう考えであります。
○永井委員 それから輸入の決定の段階……。
○松尾政府委員 ただいま御指摘のございましたように、硫黄については国内資源があるにもかかわらず、なぜ輸入をするのかという点は、硫黄の需給関係から、やむを得ないことに相なりました現状において、緊急事態としてやらざるを得なかった事情を御説明申し上げたいと思います。 御承知のように、硫黄の需要の大部分は化繊、パルプ及び二硫化炭素の関係でございますが、最近この化繊、パルプの生産の伸びが非常に急速に伸びて参りまして、御承知のように、昨年度に比較いたしまして現在実勢では十数%も生産の伸びが急速に上って参ったようであります。こういう関係から申しまして、硫黄の国内需要量が三十年度の当初に見込みました数量に比べまして、約一万五千トンほど硫黄の需要が予想以上にふえて参ったようであります。当初計画では十九万七千トンほど予定をいたして、これに見合う生産に邁進しておったのでありますが、現実には二十一万二千トンくらいの需要に相なるような見込みであります。これに対しまして生産の方も、もちろん生産に努力をいたしておりまして、大体従来は月に一万五、六千トンくらいのところが生産の実情であったのでありますが、最近ではすでに一万八千トン、一万九千トンというところまで生産の月産の数量を伸ばして参りまして、当初の二十万七千トンの計画から本年度二十一万四千トンまで生産の急激な増産の態勢に整えて参ったのであります。なお御承知のように、前年度等におきましてかなり在庫にも余裕があったのでありますが、当然これらの在庫につきましても、その在庫をはき出しまして、この緊急の需要にこたえたのでありますが、しかし何分にも生産の点から申しますと、御承知のように硫黄の生産は冬場になりますと、その地理的な、あるいは気候的な条件から、どうしても、いかに増産に努力いたしましても、季節的な関係でその増産が思うようにならないのであります。それに対しまして需要がただいま申しましたような状況に相なりましたので、最近在庫の状況でかなり逼迫をして参りました。そういう関係から、第三・四半期、第四・四半期と申しますか、この冬場を乗り切るためにやむを得ず緊急輸入をせざるを得ないという状況になりまして、その輸入数量等も十分厳格に検討をいたしまして、その最低量の輸入をするというふうに最近のところで大体考えがまとまって参ったのであります。その数量は大体五千九百トン以内というところで押えて参りたいというふうに思っております。これが入りますれば、とりあえずこの冬場のいわゆる減産の時期を乗り越えて参りますが、この春先にはさらに増産の態勢を固めまして、今後このような輸入の事態が起らないようにやって参りたい、こう考えておるわけであります。
○永井委員 それから輸入の手続の段階は……。
○松尾政府委員 輸入の関係は御承知のようにこういう品物でございますから、どこからどういうふうに安く手に入れるか。特に品物の性質上一ぱいの船に入れる方が安くなりますので、そういう関係から申しまして、一応輸入業者にビッドで割当をするというようなことに相なる予定であります。そういたしまして、入ってきたものは緊急用途のところに確実にいくように行政指導してやって参りたい、こういうふうに考えております。
○永井委員 それほど国内で供給が不足しておるという条件の中で、豪州等へ輸出するわけですが、どういう理由によってそういうことになるのか。しかも従来生産過剰で悩んで値下りでたたかれて、輸出してもなかなか輸出先が国内の生産をさばくだけでなかった、こういう状況で、本年の四月まで業者がいろいろ組合を作って減産してずっと自粛生産に持ってきて、そうして最近ようやくそれが整って、三十五の鉱山が二十二に減り、そうして三千人の従業員の首切りをやったのが本年の四月であります。それが四月であって、それをやって何カ月かを経過して、そしてストックがなくなった、輸入をしなければならぬ、そうしてそういう事態が起っておりながら、さらに豪州に輸出する、こういうばかげた無計画なことをやる、こういうことの責任はどこにあるのか。そうして輸入しなければならないという根拠は今の説明では非常に薄弱であるが、もっと数字的な根拠によって明確にしていただきたい。そして四月まで縮減して減産をした、減産をまた指導した、それに対する責任等も明確にしていただきたい。急に天変地異によって需要が急激に増強したのか。そういう条件がなくて、正常な経済活動の中で需要が増加したということは、これは全く無計画な、無見識な政府当局の経済政策の暴露であると思うのですが、これらに対して通産大臣から――これは硫黄だけの問題ではない。硫黄というのは小さな問題のようだけれども、これほど見通しのないことを場当りでやっているということの一つの具体的な事例だと思うので、一つ大臣からもこれに対して御答弁を願いたい。
○松尾政府委員 ただいま御指摘のございました輸出の関係でございますが、これは御承知のように、前年度二十九年度におきましては、そのときの生産状況と需要状況をにらみ合せますと、当時一万トン近い輸出を需要の中に見込みましてもなおかなり過剰生産状態にあったのであります。従いまして三十年度に入ります際には、当然一般的には需要の増加は傾向的には見られるのでありますけれども――実は三十年度における需要、特に化繊、パルプ等の需要面において、これは御承知のように輸出の関係が非常に好調であったということとも関連しておると思いますが、その需要が非常に伸びたというところに一番大きな原因があると思いますが、ただ残念なことに非常にむずかしいことには、御承知のように硫黄はいわば原始産業でありまして、一般の工業、インダストリーの場合のように生産をそのときどきの状況に応じて伸ばしたり縮めたりすることが非常にむずかしいような状況にあることは御承知の通りであります。そういう点を考慮いたしまして、三十年度の生産見込みの際には、二十九年度でそういう輸出を見込んでもなお過剰状態にあるようなことでございましたので、当初計画のときには需要の増加にこたえながらもやや控え目な増産計画にしておったことは事実であります。しかしその後輸出が急速に伸び、需要が急速に伸びて参りましたので、この夏ごろから特に増産に力を入れたのでございますけれども、先ほど申しましたような事情でこのような状態に陥ったのであります。なお輸出の点でございますが、御承知のように当初の輸出の計画よりは、その数量におきまして約半分程度に輸出を押えるようにいたしております。しかしすでに輸出の契約ができております分につきましては、やはり海外市場に対する信用等の関係もございますので、これを今直ちに解約するということはどうもできにくいようでありますので、輸出の点は信用度を落さない程度に控え目に、契約の分だけは果していきたい、こういう事情にあるわけであります。
○加藤(清)委員 関連して……。異なことを承わるものでございます。あなたほ通産省のお役人をずっとしていらっしゃったはずでございますが、ただいま承わっておりますると、硫黄の需給のバランスがとれなくなったから輸入をするのだ、こういう、一応表面だけはごもっともな御理由のようでございますが、その需要の一番増大したところが化繊部門だとあなたほお答えになっていらっしゃいます。これは事実のようでございます。ところがこの化繊部門の需要なるものは、化繊の五カ年計画によってはっきりと現われているはずでございます。私も本委員会におきまして、化繊の需要が伸びた、増産をしなければならないのだが、一体どうするのだという意味の質問を、十九国会においても、二十二国会においてもいたしておりまする。その折に私は例をあげて、たとえばウーリー・ナイロンのごときは、需要と供給がバランスのとれないおかげで、終戦直後の糸へんと同じように羽が生えて飛んでいる。それのみならず、プレミアム付で買わなければならない状況に相なっている。だからこそ、このものの増産計画は、一体どのようになっているのだ。早急にこれの増産対策を立てなければならないじゃないかという意味の質問をいたしましたにつきまして、繊維局長も、ときの係り担当官も、口をそろえて、御説ごもっともでございまするから、そのようにいたしまするという旨の答弁がございました。今いらっしゃいまする石橋大臣も、その当時から大臣でございましたが、やはり同じ意味の答弁を行われておったのでございます。その当時から、化繊部門が伸張すればその資材であるところの硫黄が必要であるくらいのことは、川上鉱山局長はわかっていたはずなんです。にもかかわらず、片や化繊に対する硫黄の需要が伸びるというやさきに、硫黄の原産地においてはこれの減産方をはかられたはずでございます。それが今日になって現われてきた。減産方をはかったというのは一体いつであるか。それが一年前、二年前というならばいざ知らず、本年の四月ですよ。ついその減産の設備ないしは組織が整ったのが二カ月前なんです。輸出の許可が下るまでの間に、わずか二カ月しかない。そうなりますると、これほど外貨が貴重である、必要な部門にも外貨を割り当て得ない今日において、それほど簡単にこの外貨割当ということが行われるべきものでございますか。私どもほそういう状況にかんがみて、まさか政府当局がそれほど行き当りばったりの方策をやっていらっしゃるとば考えていない。それはさきにはそういう内閣もあったかもしれないけれども、石橋通産大臣は拡大均衡を論じていらっしゃる。拡大均衡の輸出の王座は去年も糸へんであった、ことしも糸へんであるくらいのことはもう見通しははっきりしているはずなんです。しかも経済六カ年計画が立たない前に、化繊五カ年計画はちゃんと立てているはずなんです。それを着々実行に移していらっしゃるはずなんです。その際に資源であり資材であるところの硫黄の需要の見通しが、わずか二カ月、三カ月先のことがわからなかったとは、いかにあなたが新しい鉱山局長で抗弁なすったといえども、これだけはちょっといただきかねるのでございます。だからこそ、新しい鉱山局長に聞くよりも、やむを得ませんから、この際通産大臣にその間のいきさつについてお答えを願いたいのでございます。
○石橋国務大臣 私に答えろというからお答えしますが、私は実はよく知らないのですよ。(笑声)一体政府が何をやっているのか知らぬが、硫黄をどうとかこうとか、そんなこまかいところまで政府が指導をしておったとすれば、これが根本的に間違いで、そんなことは役所でわかるはずがないの です。前途の見通しなんていうものは……。大体六カ年計画なんていうものは、大体の計画でありますから、目標はそこにある、こういうのだが、一体ことしの需給がどうなるなんということをわれわれが考えて、それを産業界に指導するなんといういき方が間違っておったのだろうと思う。だから今後はそれは改めます。しかしながら今さしあたって硫黄が足りなくて困る困るといえば、これはいたし方がない、必要なだけは入れてやる、それから輸出の方は、さっき局長から言うたように、この間実はその話を聞きました。けれどもこれもなるほど安く古い契約で輸出をして、高いものを買ってくるなんて、あほらしいことであるけれども、しかしこれもまあ将来の貿易上の信用もありますから、これはやむを得ませんから、できるだけ出してやろう、こういうわけであります。
○永井委員 おそらく石橋通産大臣が御存じならば、こういうばかげたことはしないだろう、知らないからこういうことが起った。しかし所管は通産大臣であるから、これに対する責任と善処の策は通産大臣がお考えにならなければいけない、こう思うのです。そこで聞いていただかなければならないのは、一体現在の生産量が果して緊急輸入をしなければならないほど行き詰まっておるのかどうかという問題、これが問題になると思うのです。そこでこの統計には通産省当局が輸入をしなければならないという数字的な根拠をここに出してある。それによるとランニング・ストックの問題なんです。通産当局は、少くとも山元に十日分の貯蔵をしなければいけない、それから二硫炭メーカーは三十日分の貯蔵をしなければいけない、パルプは二十五日分を貯蔵しなければならぬ。これだけの貯蔵をするということになると、八千二十五トンが不足であるから、この八千二十五トンの不足分について、五千九百五十トンを輸入しよう、こういう、輸入の数字的根拠をランニング・ストックに置いておる。少くもこのランニング・ストックのこの数字の計算はどうであったかというと、国内の生産が過剰になって、ストックがたくさんできて、どうにもこうにもならないようなときの昭和二十大、二十七、二十八、二十九年、こういった年度のトータルを出して、そのトータルを若干――たとえばそのトータルによると、山元には十三日分の貯蔵をしたことになる、それを十日分に押えた。それから二硫炭メーカーは三十四日分持っていたことになる、それを三十日分にした、こういうことで、ランニング・ストックを、山元に十日分、二硫炭メーカーに三十日分、パルプに二十五日と、こういう厖大な備蓄を持たすことを根拠にして、輸入しなければならないという数字を出しておる。にっちもさっちもいかなかったときの、山元からどんどんとってくれ、とってくれと押しつけて貯蔵したときの数字を根拠にしておる。こういう零細企業であって、金利その他資金の回転を相当有効にはからなければならない産業において、山元やこういうそれぞれの業者のところに長期の備蓄をさせなければならないというようなことは、一体間違っておるのじゃないか。とんでもない数字の根拠ではないか、こう思うのです。でありますから、これがこんなに貯蔵するのでなくして、山元に十日分でもよろしい、それから業者の庭先で十日分でもよろしい、一カ月や二カ月これで十分やっていけるのですから、その間に次の増産態勢が整ってきまずから、国内資源の開発は十分できる。こんなに長期の大量のランニング・ストックを持たせなければ、健全に経営ができないという数字的な根拠があるならば、それを示してもらいたい。問題はここなんです。なぜ輸入しなければならないかということの数字の算出というものは、ランニング・ストックにある、これを示してもらいたい。
○松尾政府委員 今度の輸入の数量を決定いたしますに際しましては、もちろん在庫の点は十分気をつけて計算をいたしたのであります。あまり内訳のこまかな数字になって恐縮でありますが、今の計算では、先ほど御指摘になりました在庫量の計算は、山元十日ではなくして、山元を五日に切っておりますが、それ以外の点は大体御指摘の通りであります。大体従来の在庫の実績の推移を見てみますと、二十八年の三月におきましては先ほどお話のように山元十四日分、二硫化メーカーで五十日分、パルプで四十四日分、同じく六月におきましては山元では二十九日分の在庫になっておりますし、二硫化メーカーが四十八日分、パルプ・メーカーが三十五日分、大体を言いまして、非常に硫黄メーカーが苦境に立っておりましたときの状況におきましては、大体山元に半月分、それから消費者側に一月半くらい、あるいは二月近い在庫で、非常に困った状況であったと思います。最近の状況におきましてはもちろん消費者の方の手元では十日を割るような逼迫した状態になっておるのでありますが、これはかりに現在この輸入手当をいたしましても、この冬場をしのぐ意味からいいますと、やはりその在庫の補充はできないのであります。在庫の補充ができないままで一応三月末までを乗り切りまして、あと四月以降の増産によってまず在庫の補充がほぼ適正なところまでいくように努力して参る、こういう計算になっております。
○永井委員 そういう説明は説明になりません。私はそんなところに問題があるのではないと思います。私はずっと数字を積み上げていってもっと追及しなければならぬ。今委員長から、大臣がもうどこかへ行かなければならぬと言われたが、予算委員会は開かれてないのだから、昼飯なら少しがまんしてもらいたい。その了解を得て、これは大臣お知りにならないと思いますから、小さい問題ですから一つお聞き願いたい。問題はそこにあるのではないと思います。数字は、これはつぶれた山でも資源があるのですから、そういう需要があるならさっそくということで取りついて、これは冬山がどうだとかこうだとか、そんなことは問題でなくて、増産はやります。心配はありません。しかもランニング・ストックを三十何日分、こういうものを持たせようというのですから問題ではない。問題は、国内の需要が減ってきた。それから政府が輸出を認めた。そうして今まで生産過剰で値段をたたかれて売らなければいけない。それからパルプなり化繊なりがこれらの硫黄鉱山に出資して、大体八割、九割近いものがこれらの企業の資本で、独占的にやっている。今まで赤字の経営でやむを得ずやったけれども、需給のバランスがとれてきたし、この機会に生産費をまかなうくらいの程度まで値上げをしなければいけない。こういうことで値上げ交渉が始まっているのです。硫黄鉱山から、単価をもう少し上げてくれ、これでは赤字だからというので、今ずっと交渉中なんです。そこで輸入でたたいてしまって、国内の硫黄の価格を非常に低い――もう水を飲んでようやくひじをまくらにして過せるような奴隷的低賃金に硫黄の価格を安定させようという計らいから、これは輸入をさせている。これは国内の値上りをたたく、頭打ちさ、せるための政策なんです。数字や何かはこれはあとからとってくっつけたところの理由であって、問題はパルプ企業とそれから化繊産業の独占資本の支配を強化するための手先に官僚がなろうとしている。これは石橋通産大臣、よく腹を据えて考えてごらん下さい。将来といえどもこういうやり方については真剣に考えてもらわなければならない。また輸入外貨の割当はまだできてない。ここ一両日のうちにきまると思うのですが、こういう関係にあると思うのですが、これに対して、官房長がおいでですから、官房長、一つその経過について内容はよくわかっていると思うのですが、今国内において硫黄の価格の折衝中なんです。そこへもってきてばっとやって頭をたたく、こういう経済的な条件が内容についてあって、そうしてこういう数字だ、ああいう数字だと数字を並べて輸入をして、民族産業、国内にある資源を開発させようということをないがしろにするというような、こういう非国民的な態度に対しては、われわれは断じてこれは将来といえども許すわけにいかぬ、こういう考えなんです。これに対して所見を伺わしていただきたい。民族産業を育てるのか育てないのか。
○石橋国務大臣 あなたの言う通りならそれはその通り、それに何も異論はありません。ただ、私は実情を知らないが、硫黄の価格も、それからそれを原料にして作るところの化繊その他の価格の問題に関連しますから、これも輸出品であるから国内顧業の保護だからといって、むやみに硫黄の値段が上るということも困るだろうと思います。ですから、その点は私は国内で生産されるものもあまりに価格が上る場合には、ある程度輸入をして緩和する必要はあり得ると思う。これは一般論です。硫黄についてではないのです。
○永井委員 この価格の問題なんですが、今回輸入しようというのは、大体政府が考えておるのは、こうだろうと思うのです。第一物産、三菱商事、安宅産業、こういうところにあって、窓口は一本にして米国のガルベストンから輸入しよう、こういう計画のようです。輸入する価格は幾らかというと、一トンが二万五千円前後です。そして国内の今の硫黄の価格はどのくらいかというと、二万一千円前後です。ですから輸入した価格から見ると五百円前後高い。しかしいろいろな産業の状況から見れば、国内におけるコスト高というのは、これは全般の問題であって、国際価格に基準しておる。そこまでたたかれておるわけです。赤字を出して苦しいながら経営してきておる。今値上げを要求しておるものでも、そう一時に上げるというのではなくて、コストが引き合うように何とかしてくれ、化繊だけがよければよいのだ、パルプだけがよければよいのだ、硫黄はその犠牲になってもよいのだ、えじきになってもよいのだ、こういう考え方では健全な形にはできないのでありますから、原価計算をやって、暴利であるならばたたかなければいけない。しかしながら生産費もまかなえない赤字価格で取引されておるなら、やはり赤字の出ない程度のことはやっていかなければいけない。しかも現在の価格というものは国際価格で標準に合っておる。それでは化繊なりパルプの中に含むところの硫黄のコストのファクターはどのくらいのものかというと、四%ないし五%、もう零細なものです。硫黄の価格をちょっと動かしたことによって、化繊なりパルプなんかの価格に影響する、そんなものではない。ですからわれわれは、一方的な立場において論議するのでなくて、硫黄もある程度生産費がまかなえるような、そういう安定した、適正な利潤も織り込んでやる価格を認めたらよいし、化繊、パルプもその中において適正な価格を織り込んだらよいし、今のところではそういう価格で、何も暴利を要求しておるのではありません、ですからこの点は省内においてもっと考え直してもらいたいと思います。
○神田委員長 八木君から関連して発言を求めておりますので許します。八木君。
○八木(昇)委員 今永井委員の御質問に関連してでございますが、先ほどから言われております通りに、緊急に非常に差し迫って硫黄が不足しておるからだという理由については、もうはっきり根拠がないと思う。それは昭和三十年の上期のストックが一万四千五百トン、通産省の方の統計の数字ですから正確だと思うのです。これは国内の一カ月分の生産量にイコール、ですからちゃんと一カ月分のランニング、ストックがあるわけです。これに対して昭和三十年の下期は二万一千六百トン以上に、その差の分だけがちょうど今度輸入しようという六千トンに相当する、こうなっておるわけです。その六千トンも、御計画によると急速に一挙に輸入するものではなくて、来年三月末までの間に輸入しよう、こういう計画です、実際に言うと、国内ではついこの間まであり余ってしょうがないほど硫黄はたくさんあったのですから、さしあたって硫黄が少くて困っておるからという根拠は、お宅の出された数字の上からも全然ない。そうだとすると目的はほかにあると考えるよりほかしようがない。その目的とば何かというと、先ほど永井委員が言われたように、この価格をこの際外国から一部入れることによって何とかしよう、こういうようなまことにこそくな考え方、しかもこれがきわめて一方的な考え方に基いておるというふうに判断せざるを得ないわけです。そういうわけでありますから、その間の事情について、果してそういうやり方が――この硫黄問題のみに限らず、あらゆる国内産業振興という立場から考えて、一体そういうやり方がとられていいものかどうかという、そういう根本的な点について大臣のお考えを明らかにしていただきたい、こう思うわけです。 〔委員長退席、小平(久)委員長代理着席〕 それともう一つは、もうあすあたり、どうもこの外貨割当をおきめになるらしいということも聞いておるわけなんです。それで大臣は、もしその間のこういうこまかいことまではよく知らなかったということであるならば、こういうことについても、もう少し御研究を願って、この外貨割当の問題についていましばらく少くとも研究期間を置くくらいのお考えがおありであるかどうか、この点についてもお答えいただきたい、こう思うわけです。
○石橋国務大臣 諸君のお話の通りなら、それはまあそういう輸入をする必要はないでしょう。しかしそれは、さっきから言うておる通り、実は私も知らないのです。ですから、研究します。
○加藤(清)委員 研究していただけるそうでございまするから、もう何をか言わんやでございまするが、この際私は外貨割当の問題について、少しく御質問してみたいと存じます。 と申しまするのは、大臣は、この問題については外貨割当のことは知らないとおっしゃる、実情もよく知らないとおっしゃる。ところがそれが、いつの間にやら外貨割当が行われていってしまう。これは妙なもので、内地で十分とり得るものに外貨が渡されるやさきに、片や内地の需要と内地の生産とのバランスのとれていない業界に対して、これはどうしても外貨割当がほしいのだということが、数年来たび重ねて、ちょうど年末融資と同じように陳情があっても、なおこれには割当がない。そのわけはというと、それはやっぱり国内産業を圧迫するからだ、こういうことになっておる。ここで例をあげるのはやめますが、そこで国内産業を圧迫することがそれほどいけなくて、需要と供給のバランスがとれなくて、そのおかげでやみ輸入がどんどん行われて、優先外貨が暴騰してしまう。そこでまたやみが行われて、品物でまたやみが入ってくるというものでさえなお外貨を割り当てずにおいて、こういうものだけ大臣の知らない間にぽつぽつと行われていく、その外貨割当について私は不思議でならないわけです。そこでぜひ一つ大臣にお願いしたいことは、そういうこまかいことまで知らなくてもやむを得ない、これは大臣が不勉強でもない。しかしおよそ外貨割当の大筋だけははっきりと握って、入るべきものは入れさせる、こういう内地で十分まかない切れるもの等についての外貨割当は慎重に行われたい。この期間が、ほかのは数年かかっても与えられていない。にもかかわらずこれは一、二カ月たたぬうちにぽっと割当が行われる。ここに疑わぬでもいい余地をあえて残さなければならぬことになってくるわけですから、一つ割当だけは慎重にやっていただきたい。
○小平(久)委員長代理 本日はこの程度にとどめます。 次会は来たる十三日午前十時より、経済六カ年計画等について会議を開くことにいたします。 これにて散会いたします。 午後零時二十五分散会