決算委員会 第5号
- 発言数
- 66 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1955/12/16
会議録
○上林委員長 これより会議を開きます。 この際本委員会の閉会中審査の件についてお諮りいたします。会期もきょう一日となりましたので、目下審査中の昭和二十八年度決算及び調査中の歳入歳出の実況に関する事項、国有財産に関する事項、政府関係機関の収支に関する事項につきまして、閉会中もなお審査を継続いたしたいと存じます。つきましては、国会法の定めるところによりまして、院議によりこれらの案件が閉会中審査案件として本委員会に付託されなければなりません。つきましては、その手続といたしましてこれらの案件について閉会中もなお審査をしたい旨の申し出を議長に対して行うことといたしたいと存じますが、このように取り計らうことに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○上林委員長 御異議なしと認めます。よってそのように取り計らうに決しました。 —————————————
○上林委員長 次に病変米の輸入、保管及び処分等に関する件について調査を進めます。 この際吉田君より発言を求められておりますから、これを許します。吉田賢一君。
○吉田(賢)委員 昨日の委員会の審議の経過について、一、二確かめてみたい点がございます。会計検査院は御出席になっておりますか。
○上林委員長 政府側の出席者は農林省清井食糧庁長官、それから厚生省山口公衆衛生局長が出席しております。それでは質疑を継続して下さい。
○吉田(賢)委員 会計検査院当局に御質問申し上げます。ただいま問題になっております在庫病変米の数量は十二万九千三百七十一トンということであります。それにつきまして、昨日当委員会に、厚生大臣より同病変米の転用に関し、飲用アルコール原料として転用すること差しつかえなしという趣旨の回答が参っておるのでございます。つきましては、この在庫黄変米のおそらく大部分がイスランジア黄変米及びタイ国黄変米とイスランジア黄変米の混合物であろうと存じます。タイ国黄変米のみはごく少量であろうと考えられます。その場合、これらの黄変米を飲用アルコール原料として転用するときには、何ほどの国損が生ずるのか、こういう点についてお調べになっておりましたら、それを御説明願いたいと思います。
○中川会計検査院説明員 ただいまの御質問でございますが、飲用アルコールに転用するにつきましても、これはおのずから需要に制限があることと思います。昨日食糧庁の方からお話があったと記憶いたしますが、それによりますと、飲用アルコールに向けるべきものは年間二万二千トン程度というふうに記憶いたしておりますが、そうなりますと、これの消化については今後数年間を要するわけでございます。さてそういたしますと、まだ需要先はないかということを考えて参りますと、これはいろいろ考えられます。しかしながら、それは推測がよほど入りまして、たとえば通産省所管のアルコール専売事業特別会計におきまして、官営工場及び民間工場を含めました生産計画で、糖密を年間四万トン程度入れております。それからサツマイモをとれに加えて使っておりますが、これの比率が年々変って参りまして、精密原料による方が非常に割安になりますので、最近は糖密の占める割合が七割を越える状況でございます。そういうような状況でございまして、そういうようなものを、たとえば糖密を全部排除いたしましてこれに充当するというようなことに一体できるものでありますか、どうでありますか。そういうようないろいろな事情が錯綜いたしまして、仮の計算はできないではございませんが、非常に困難でございます。昨日も吉田委員から御質疑がございましたが、食糧庁当局におかせられましてもどういうような結論が出ましたか、そういうような内容も私たち存じ上げておりませんので、そういうようなものの検討をいたしました結果、この点はあるいは無理ではないだろうか、この点は数量なり単価なりについての——その場合には意見も立てられますけれども、今の状態におきましては、会計検査院の担当者といたしましては、直ちに国損がこうであるということは申し上げかねるのでございます。仮定の点で申し上げますれば、一応の計算をしていないではございませんけれども、一応事情に通じている食糧庁当局の計算を私たちが現在見ていない状態において、私たちのような、そうした需給状態に明るくない者が簡単な結論を出すということはいかがかと考えるのでございます。
○吉田(賢)委員 農林省はなおいろいろと施策があると思いまするが、飲用アルコールの砕米需要年間二万二千トンであるけれども、かりにこれを厚生省が申しておりまする飲用アルコールに一時に消化するものとして、あなたの方では、そういうような前提に立った上で計算すればどうなるのでしょうか。あるいは、これが年間二万トンだから、全部飲用アルコールにするとするならば数年間を要する、あるいは、これをえさに回しその他にも回すものが生ずるならば計算はおのずから変って参ります。要するに本委員会といたしましては、何ほどの国損が生じたかという過去の決算であるならば、これは今後に待たねばなりません。問題はやはり、一応今後の推定をしておくことは無意味ではございませんから、せっかく出ました資料によって今後の推定をするにすぎませんので、参考にすぎないのであります。そういう意味におきまして一つ御説明を願いたい。
○中川会計検査院説明員 たっての御希望でございますから、ほんとうに仮のものでございますが申し上げてみようと思います。先ほど来申し上げましたように、飲用アルコールと申しますか、蒸溜酒に至当されるものが二万二千トンといたしますと、これは大体砕米の値段で振りかえられると思います。これはイスランジア黄変米とタイ国黄変米の混合のものでございます。それから、実はこれだけでは非常に長くかかりますので、希望的な観察でございますが、なまのサツマイモからアルコールに充当されるものが相当ございますが、これにかわるものとして一万トン、それから糖密原料でアルコールを作っております分に一部割り込むものとして一万トン、そういうふうに考えて参りますと、このイスランジア黄変米——これはタイ国混合の分を含めて申し上げますが、イスランジア黄変米の年間処分予定量が四万二千トンになります。そんなふうに見て参りますと二年半程度かかります。それから値段の点ですが、これはなかなかむずかしい問題湾ありますが、サツマイモにかわるものといたしましてはサツマイモと匹敵した価格、それから糖密原料に比準ずるものは糖密原料に比準した価格で計算いたします。それからタイ国黄変米の分が一万五千余トンございますが、これは大体みそ原料用に充当されてしかるべきものと思いますので、これは砕米の中品位のものと計算いたします。それから保管料が十月末までに六億二百余万円かかっておりますが、この中には外米が通常払うべき正常保管料を一億円程度見込んでおりますが、六億二百万円から一億二百万円を引きまして、保管料の損失が四億九千九百万円と計算されます。そういういろいろな要素を合せました結果は、ざっと計算いたしまして二十五億余万円という計算が出ました。ところがこれは、実は大まかな計算と申しますか、今後の保管料の計算ができておりません。それで順次処分されまして数量が減少いたしますが、いつ処分されるのであるかということもわかりませんので、その計算は一応しておりませんが、まずざっと見まして、非常に調子よく処分されるべきものと仮定いたしまして、大体三十億円程度が損失になるんではないか、こういうふうに考えます。昨日の新聞でございましたか、アルコール用として消費すべき糖密の輸入をやめて、この黄変米を充てるというようなことが出ておりましたが、これは新聞のことでございますので、どの程度の根拠があることか存じませんけれども、精密は実はフィリピンから輸入されるものが大部分でございます。これは独占ルートになっておりまして、通産省当局といたしましても、独占品でいわゆる売手の強い売手市場であるために、ある程度の数量は毎年確保しておかなければならない。すなわち簡単に、ことしは糖密は輸入しないというようなことにもならないのではないかと考えます。その他いろいろな事情を考えますと、私が計算いたしましたものもほんとうに仮定のものでございまして、御参考になるかどうかわかりませんが、一応お答え申し上げます。
○吉田(賢)委員 ただいまは推測の計算ということでありますが、それでよろしゅうございます。 そこで委員長、私の質問はそれで終りまして、本委員会は動議を提出したいのでありますが、ようございますか。
○上林委員長 よろしゅうございます。
○吉田(賢)委員 本委員会は病変米の輸入、保管及び処分等に関する件につきまして、次の決議をなされんことを動議として提出いたします。 まず決議の案文を朗読いたします。 病変米の輸入、保管及び処分等に関する決議案 本委員会は、昭和二十九年八月輸入病変米の取扱につき決議し政府の善処を要望した。然るにその後一年数箇月を経過した今日、政府は右決議の趣旨を尊重せず、依然適切なる措置を講ぜず、現在十三万九千余トンの病変米が処分保留のまま倉庫に保管され、多額の倉敷料を空費する等国損を益々大ならしめている。 よって、本委員会は、政府に対して速やかに左の措置を講ずべきことを重ねて強く要望する。 一、政府は、在庫病変米の毒性研究の渋滞による処理の延引につき、その責任を明かにすべきこと。 二、政府は、病変米の処理の具体的方針を速やかに樹立し、処理に当っては、公正を期するとともに横流しその他の違法行為の発生せざるよう厳重に監視すべきこと。 三、政府は、在庫病変米の処理に当っては、国損を最少限度にとどめるべきこと。 四、外米輸入に当って、政府は、速やかに病変米の輸入防止に関して万全の対策を樹立しこれを完全に実施すべきこと。 右決議する。 昭和三十年十二月十六日 衆議院決算委員会 理由につきましては格別にここに申すことを省略いたします。すでに幾たびかの当委員会における質疑及び政府の応答によりまして、また出されました資料等によって明らかでございます。
○上林委員長 ただいま吉田委員より提出されました病変米の輸入、保管及び処分等に関する件について、動議の通り決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○上林委員長 御異議なしと認めます。よって吉田君の動議のごとく決しました。 ただいまの本件の決議は、委員長において関係大臣あて送付の手続をすることといたしますから御了承を願っておきます。 なお農林省並びに厚生省両当局に申し上げておきますが、ただいまの決議の趣旨に沿ってその処理をすみやかに実行されたいとと、そうしてその状況を当委員会にいろいろ報告されたいとの理事会における強い要望がございますので、申し添えておきます。 政府委員の発言ございますか。
○清井政府委員 農林省の担当官といたしまして、ただいまの御決議に対しましてお答え申し上げます。病変米の問題につきまして当決算委員会に長期にわたっていろいろ御審議をわずらわしておったわけでございますが、いまだに所期の通りのような処分等につきまして今日までこれの目的を達せなかったことは、私といたしましても委員会の御審議に対しましてまことに恐縮に存ずる次第でございます。ただいま当委員会の御決議がございましたが、御決議の御趣旨は一々ごもっともだと存じます。この趣旨に沿いまして誠意をもってできるだけすみやかに善処することをお約束いたす次第でございます。
○山口(正)政府委員 厚生省の担当官といたしましても、ただいま農林省の食糧庁長官から申し上げましたように、本委員会において長い間御審議いただいておったのでありますが、最終的な結論を得ませんことに対しましてまことに申しわけなく存じておる次第でございます。厚生省といたしましても、本委員会の本日の御決議に沿いまして誠心誠意をもって事に当りたいと存じております。
○上林委員長 それでは病変未の輸入、保管及び処分等に関する問題についての本日の調査はこれをもって終了いたします。 —————————————
○上林委員長 次に、昭和二十八年度決算中、運輸省所管について審査を進めます。 それでは昭和二十八年度決算検査報告二七〇ページより二七九ページにわたる報告番号一八九八ないし一九九六を一括議題とし、そのうち審査促進のため、報告番号一八九八ないし一九九五について重点的に審査を進めます。質疑の通告がありますので、これを許します。吉田賢一君。
○吉田(賢)委員 運輸省の海運局長にお伺いしたいのであります。当委員会におきまして、造船融資に関しまして長い間調査をし、幾多の問題すら生じたのでありまして、そこで昭和二十八年に制定されました外航船舶建造融資利子補給及び損失補償法、これの適用といたしまして利子補給の契約をせられ、幾多の会社に、五十四かと思いましたが、融資並びに利子補給が実施せられたはずでございます。つきましては、利子補給のその後の年次別の集計及び最近の実施の状況、つまり予算の執行の状況、これらをまず御説明を願いたいと思います。
○粟沢説明員 御説明申し上げます。ただいま御指摘のように、昭和二十八年に法律ができまして、その後利子補給契約を締結して逐次利子補給をいたしておりますが、現在対象となっております会社は五十六社になっております。そうしまして、その所有いたしております。利子補給のいわゆる対象船舶としましては、貨物船が百五十三隻、百十万四千トンという数字になっております。それから油送船は十四隻、十八万八千総トン、合計いたしまして百六十七隻、百二十九万二千総トンになっております。なおこのほか開発銀行と利子補給契約を結びました船が、貨物船五隻、三万八千トンございます。従いまして厳密に申し上げますと、対象船舶は百七十二隻・百三十三万総トンという数字になっております。この利子補給契約を締結いたしますのは政府と金融機関でございまして、その金融機関は、いわゆる市中銀行六十九行と、ただいま申し上げました開発銀行と合計七十銀行になっております。しかるに補給金には支給すべき限度額というものがございます。大体予算その他で最高の限度額をきめまして、実際には会社の計画いたしました数字よりも債務の弁済をよけいするところもございますので、この限度額よりも現実には下回る見込みでございますが、ただいまの限度額といたしましては百四十五億八千八百万円、これが市中金融機関の限度額でございます。それから開発銀行に対しましては九千五百万円、合計いたしまして百四十六億八千三百万円というのが限度額になっております。 次に、利子補給金支給の実績を申し上げますが、昭和二十八年度に市中銀行に対しまして四億三千九百万円、開発銀行に対しましては九千六百万円、合計いたしまして五億三千五百万円という利子補給金を支給いたしております。それから昭和二十九年度には、市中銀行に三十二億七千六百万円・それから昭和三十年度には同じく市中銀行に三十三億四千四百万円、結局支給の総額といたしましては七十億五千九百万円市中銀行に支給いたしております。それから開発銀行には九千六百万円、市中と開銀と合計いたしまして七十一億五千五百万円というのが現在の支給実績でございます。
○吉田(賢)委員 ちょっとあとの数字を聞き漏らしましたが、そうしますと三十年度の予算の利子補給額はどうなりますか。
○粟沢政府委員 昭和三十年度は、予算額は三十四億六千九百四十万八千六百七十六円となっております。これに対しましてただいままで支給いたしましたものは、先ほど申し上げました三十三億四千三百五十三万四千八百十一円、こういう数字になっております。
○吉田(賢)委員 最近の海運界のブームはずいぶんと好況を伝えられておるのでございますが、実際におきまして法律に基いてこの利子補給を受けた会社が、利益があったので国庫に納付した金額があるのかないのか、ないとすればどういう理由に基くのか、その点の御説明を願いたい。
○粟沢政府委員 御指摘のように最近海運事情が非常に好転しておりまして、海運会社の収支状況は非常に改善されております。たとえて申しますと償却前の損益の計算をいたしまして前期三月期には三十三億程度の黒字だったのが、今期は百四億黒字であるという数字が出ております。しかしながら一方に今期の償却額が大体百億を越えておりまして、正しく償却しますと百三十億の限度が今期の償却の必要な数字でございます。従いましてただいまの百四億では今期の償却もできないというふうな程度の状況でございます。なお過去における償却不足というものが相当累積いたしておりまして、これが、ただいま数字を手元に持っておりませんが、たしか七百億くらいになると思います。それから銀行から融資を受けまして設備の新設その他しておるのでございますが、その延滞額も三百億程度に達しております。従いまして、最近市中で非常にいっておりますように海運会社はブームであり、非常に黒字であるという程度にはまだ改善を見ておらないのであります。従って利子補給法にございます一割以上の利益をあげておる会社、あるいはさらに利子補給の過去の分を返納するという一割五分の利益をあげるという程度の会社というものはまだ出ておりません。ただいまのところ過去の利子補給分を返納したというものはないのであります。
○吉田(賢)委員 そういたしますと、結局これは各会社を通計いたしまして、今後償却などにさらに相当大きな金額が予定されるわけでありましょうから、大ざっぱな言い方でありますけれども、各会社総計いたしまして、一体何ほどの利益をあげたときに初めてこれは利子補給金が国庫納付の段階に立ち至るのでありましょうか、その概数を承わりたい。
○粟沢政府委員 ただいまの見通しでは、今日の状況はなお相当続くのではないかというふうに見られております。なお先ほど申しました数字も来年の三月期にはさらに若干の改善をみるのじゃないかというふうに私ども予想しております。従いまして会社の経理はここしばらく少しずつなお上回っていくということは考えられるのでありまして、なおタンカー等についても、御承知のように運賃も堅調を示しておりますので、さらに若干の上昇を見ていくのではないか、こういうふうに考えております。しかし先ほども申しましたように非常に大きな過去の償却不足と、累積欠損あるいは償還未済等がございまして、大体会社の経理といたしましては不足の償却を埋めて利益を出す、あるいは累積欠損を埋めて利益を出すというのが常道でございます。従いましてそれだけのものを埋めていかなければ出ないというふうに一応考えられるわけであります。ただここで考えられますのは、船会社といたしましても御承知のように自己資金はわずかに二〇%に満たないという現状でございまして、できれば決算では利益金を計上いたしまして増資をしたいというふうな動きも希望も若干あるのでありまして、そういうような場合には利益金を計上して配当をする。その配当によって資本増加をはかるということも考えておるわけであります。その場合にはその利益が一割に達して利子補給の停止をするというものも実際に出てくるかと考えます。今のところいつごろになったらば利子補給金が返ってくるだろうという見通しといいますか、そういうものはつきかねるのでございます。
○吉田(賢)委員 ちょっとわかりませんが、私どもが聞いてみたいと思いますることは毎年数十億円の予算を組んで、なお利子補給、利子補給といって予算を組んで出しておる。たとい三十億円にいたしましても、今日のごときせちからい実情から見ましたならば、のどから手が出るほどみなあちこちで予算を要求しておりますが、一方船会社がずいぶんと利益を上げる、一航海で一億円も利益を上げているというようなうわさが飛んでおるときでありますので、累積欠損を穴埋めしたりあるいは償却にどんどん充てるということ、これも法律上許されておる経理の方法でありましょうから、そういうことも可能でありまするが、一体そういうような状態であるならば、これは事実上利子補給したものが国へ償還されることがないのじゃないだろうかということがもっぱら言われておりますので、そういうことであるならば利子補給をもっとほかの事業にもやってもらったらどうかという声さえ今日出ておりますので、はたして実際はどうかということを明らかにしたいというのが私どものきょう御質疑を開始したゆえんなのであります。そこでやっぱりそういう辺に一つ焦点を置いてお答え願いたいのであります。船は何年でありましたか、船自身の資産もそれぞれ償却していくということになりましようし、過去の欠損もたくさんありましようし、またその他特別な法律によっていろいろと積み立てとか償却とかいうものが、船会社にたくさんありますから、何ぼ利益を上げても経理の仕方でこれは一割以上の利益、そんなものは出ないという経理は簡単にできるのだという声すら出ております。ただ外見上多少の配当でもしなければ営利会社として工合が悪いし、だから配当するようなときには少しくらいは国にお返しするだろうというようなことまでも言われるのでありますが、そういうふうに考えて参りますると、一体これは今後何ほどの総利益を上げたときに国へ利子補給金が返り出すのであろうか、こういうととはそろばんは立たぬものであります。そういうそろばんの仕方というものは、会計上不可能なものなのでしょうか。それはどうなのでしょうか。
○粟沢説明員 ただいまのお話でございますと、結局会計の法律上の処理の問題にも当ってくるわけでございますが、法律上は、過去の償却不足を償却いたしませんでも、当期の償却だけ償却して決算をすることは可能でございます。また普通に考えまして、たとえば先ほど申し上げました数字で、本年度の償却限度が百三十億である。来年度はさらにこれが下回ると思います。そうしますと、本年度の償却前のものが百四億、来年度これがかりに百二、三十億円に上るといたしますと、来年度の償却限度の方が下った分と、償却前の黒の見合った差額というものは、会社の経理上は上げようと思えば上げられるという数字になると思うのであります。その際に、先ほども申し上げましたように、会社としても長いこと株主に無配を続けてきております。なおさらに将来の増資ということを考えますと、配当もし、増資もしたいというふうな機運も起ってくるかと思います。その際にはやはり利益を計上いたしまして、配当もし、増資もしたいというふうなことになります。その場合には、利子補給金も、法律の限度に従って返ってくるというととは可能である、こういうふうに考えております。必ずしも過去の償却は全部償却不足を埋めなければ、利益を上げられない、あるいは利子補給金も返せないということではない、こういうふうに考えます。
○吉田(賢)委員 これはいま少し数字を明らかにいたしまして私は質疑を続けたいと思いまするから、この際一つ資料を提出するようにお計らい願います。すなわち、貸し付けてありまする五十六の全会社につきまして、最近の決算の状況、損益の状況、及び各会社—形は銀行でありまするけれども、実質は会社であることは間違いないのであります。会社がすでに受けておりまする現実の利子補給の金額、それから貸付を受けておりまする元金の額、それから利子を支払っておる事実の有無、利子の延納を認められておるかどうか、利子の延納を認められておる会社において一体利益を上げておるかどうか。延納と利益との関係を少し明らかにするための数字であります。これは市中と開発とを区別していただきますよう、これだけを一つ資料として当決算委員会にお出し願いたいと思います。元来これは昭和二十八年以来のことでありまするから、相当お手数もかかるかと思いますけれども、しかし決算委員会といたしましてはこの点相当明確にしておかねばならぬ必要もありまするので、若干手数がかかりましても、ぜひ資料を整えて年内にお出しを願いますようにお計らい願います。
○山田委員 ただいまの吉田さんの資料要求に関連いたしまして、返済期日が来ていて、返済未納のところがあると思うのですが、それもついでに提出していただきたいと思います。
○上林委員長 それでは年内に御提出を願います。 なお質疑を継続いたします。吉田賢一君。
○吉田(賢)委員 運輸省当局に伺いますが、あなたの方で昭和二十八年度に会計検査院によって不当事項を指摘せられておりまするものが、大体におきまして補助金が多いのでございます。そこで伺いますが、この報告番号一八九八ないし一九九五、これは「公共事業に対する国庫負担金の経理当を得ないもの」になっております。幾つか代表的に上げられておるのでございます。あなたの方では最近の地方財政の窮乏、赤字の事実、もう一つは補助金によって全額の支弁をしてしまおうという、こういう一般的な悪い傾向の事実、それから、いろいろと要らざる冗費、運動費であるとか、あるいはつけ届けであるとか、そういう批難されるべきような使い方をしたものも、当委員会ではすいぶんたくさんに出てきたのでございます。よって、先般補助金適正化法律というものも立法化されたようなことになっておるのございまするが、御説明を伺いたいのは、たとえば島根県簸川郡岐久村の例であります。これは三百七十二万、そのうち国庫負担金が三百二十三万六千四百円、そうすると、これはほとんどが国庫負担金でございます。ところが同村が負担したという四十八万三千円というのは、全く負担していないという事実、それから九十四万六千四百円という金が余ってしまったという事実、こういうようなことになりますと、実にだらしないのでございまして、ことに約百万円が余ったというのでありますると、三分の一弱が余ってくるのでありまするので、何としても、私どもとしては見のがし得ないことなのでございます。これはどういうわけでこうなったかという原因を十分に究明なさったかどうか。予算執行の責任者として、当然そのくらいなことをしなければならぬのですが、その点についての御説明を伺います。
○天埜説明員 申し上げます。これはさっそく現地につきまして、非常に徹底的に究明したのでございますが、その原因は負担能力がなかったので、結局不正といいますか、程度を下げて工事をやったということになりましたので、非常にその点遺憾でありまして、さっそくこれの処理をいたしたわけでございます。出来高不足につきましては、手直し工事をさっそくやらせるごとにいたしました。二十九年七月の二十日に竣工しております。 それから設計過大に類するものにつきましては、四十万一千七十円を減額するという処置をとりましたのでございます。
○吉田(賢)委員 これは、私どもが幾多の事例を見まして、あるいは出来高が足りないときは工事を手直しするとか、設計を変えさすとか、そういうこともさることでありますけれども、やはり補助金の問題につきましては、これは今の内閣におきましても、いろいろ行政管理庁あたりにおきましては、新しい行政改革の一つの指標にもしようかということになっておるようであります。やはり補助金がこういうふうに乱用されることにつきましては、一つは原因を究明するということにもつと積極的でなければいかぬと思うのですが、負担能力がないから程度を下げたとか、三百七十万の工事で百方円金が残っているというのでは、ちょっとしろうとにしましても受け取れない。これはそれに当るかどうか存じませんけれども、との種の補助金の不正というものは中に介在する機関とか、人間とか、代表者があって、そういうところでかなり不正に計画されるのではないか、こういうことも他の事例でわれわれは経験するのであります。土地改良において、何とか協会が歩を取るとか、あるいは設計料を取るとか、あるいは代表者がたくさんの運動費を使うとか、あるいは他の方へ流用するために予算をとるとかいうような、一つの他の目的が付着しておったり、人間が介在しておったり、いろいろそういうことのために補助金というものはとかく公正に使われないということになるわけであります。あなたとしては、一体約百万円の金が余ったということについては、どうお考えになっただろうか、余った場合に手直しさしたとか、どうしたとかいうようなことだけで済んでは、国家の財政執行としましては、実に寒心にたえぬのであります。それはどういうふうにお考えになったのか、それはほんとうに重大な問題として即答しかねるというのは、察するにこんなものはたくさんなほこりほどの問題で、大してお気にとどめていらっしゃらないとすれば大へんでありますが、そういう点はどうお考えになりますか。
○天埜説明員 今の点まことに非常な問題でございまして、こういうことでは非常に困るというわけで、これは査定の当初において、非常に手不足で査定に疎漏があるという点も一面ございますし、また中間によく検査をして、そういう間違いが起らないようにしなければならぬと思います。
○吉田(賢)委員 一般的な例を伺っていては、時間が際限ありませんから、きょうは一つ要点だけを簡単に伺っておきたいと思います。当該具体的事例についてどうお考えになるか、それだけはっきりおっしゃっていただきたい。
○天埜説明員 これについては、災害査定をもっと強化するということと、中間査定を確実にやるということで、これが起らないようにしたいというように考えております。
○吉田(賢)委員 まことに残念ながら、それは不完全しごくな答弁でございます。今關谷委員のお話では、あなたは就任早々で、当該事項に通じていらっしゃらないということはもっともであります。いずれにしても個人同士のやりとりにしましても、三百七十万円のうちで百万円を抜いたかどうか知らぬけれども、金庫へそっと置いておくというような事態が生じたら大へんなことであります。日本の政治がもっと厳格、厳正に行われましたならば、運輸省において、島根県の某工事で三百七十万円のうち約百万円が抜かれておった、金庫で眠っておったという事態が起きた場合、省議にかけても原因を究明して今後その絶滅を期する対策を講じなければならぬ。こういったことは神経を麻痺してしまっているから、そこらの石ころかちりみたいにお考えになってあまり気にとどめられないのですが……。
○天埜説明員 今のお話まことに重要なことと考えますが、実際には百万円金庫に眠っておるということはないのであります。まだそれだけの補助金を出しておりませんでしたので、結局あの例は金は実際にはいっていないということなんでございます。
○吉田(賢)委員 しかし、検査院の報告書によれば、三百七十二万円の工事が二百二十九万円で足りておるのであります。だから眠っておったか、眠っておらなかったか、それは何に使ってしまったか、旅費に使ったか、お茶屋で使ったか知らぬけれども、いずれにしても余剰が生じたという関係は、やはり非常に大事な重要視しなければならぬことと思うのであります。 またその次のページの高知県の例を見てみますと、これは、高知県が直営施行した幡多郡清水町以布利港地盤変動対策は、内港及び港口が隆起したので、これを掘さく浚渫し、当初の水深を維持しようとするものらしいのですが、これも五百四十七万円で事業をやり、残額が二十二万八千円・手元に保有しておった状況である。高知県の知事の責任の事業だろうと思いますが、知事の責任の事業でもこういうことになる。村は負担能力がないので事業を縮小してやったので、島根県のような足が出た。県が直営事業においては、残金が二十二万八千円残っておった。こんなことは県庁の知事におきましても、決算できないだろうと思う。一体こんな金は知事のもとでもやっておるのであるか、ないだろうと思う。またこんなめちゃくちゃなことをして、国に対して責任も負わないのだろうかとさえ私どもは感じた。これらのことは、運輸省の方としては高知県知事を呼び出して厳重に責任を究明して、どうするこうするというようなことを叱咤すべきだと思うが、そんなことをやりましたか。
○天埜説明員 これは全くお話の通りでありまして、高知県の担当の者ははなはだけしからぬ。さっそく高知県に連絡いたしましてその工事担当者の処分をするように措置をさせております。
○吉田(賢)委員 私は末端の工事担当者の処分というよう血問題でなしに、いやしくもこういうような県が直営した事業で、理由のない金二十二万八千円を手元に持っておったという事件が起ったときは、運輸大臣はすみやかに高知県知事を呼び出して、国の予算をなぜそんなむちゃくちゃなことをするのだというようなことで相当やらなければいかぬと思う。だからそんなふうになさったかどうかを聞いておるのです。
○天埜説明員 高知県知事に対しては厳重な戒告書といいますか、それを出しております。
○吉田(賢)委員 こういう場合は、人間を呼ぶということの意味は、向うも一そう恐縮いたしまして自戒する作用を生じますので、やはり戒告書を出すとかいうようなことじゃなしに、当然呼び出してつるし上げなければいかぬだろうと思う。そういうような手を打つことは一体行き過ぎなんですか。政府としましては、知事が国の金をこういうむちゃなことをして残額を残しておくということはそもそも何事だ——二十二万円というのは小さいようだけれども大へんですよ。利息も生じていますよ。利息なんというのはどうなのです。こんな金はどうしていたのでしょう。
○天埜説明員 どういうふうに処理していましたか、金庫に入っておったということでありまして、利息については考えていなかったということでございます。
○吉田(賢)委員 これはやはり大事な点であると思います。前回もどこかの省で和歌山県の工事の場合にこの種の案件があったと思います。そこで一つ二七五ページの高知県の分は書面で報告をして下さい。そうして知事に対してどういう処置をとったのか、そうしてあなたの方は当時どういうふうに調査もしくは対策をお講じになったのか。その点を一つ書面で回答するようにぜひしてもらいたい。これは委員会に対してそういうふうにお計らいを願いたいと思います。村の問題でしたらまた考え方がある。やはり知事の責任におきまして、たとい金額二十二万八千円にいたしましても重視すべき案件と思いますので、ぜひ委員長さようにお取り計らい願います。
○上林委員長 運輸省当局、年内に出せますか。
○天埜説明員 はい。
○吉田(賢)委員 こういうものはきょうあすにでもできると思いますから、すみやかにして下さい。
○上林委員長 一週間ぐらいにお出し願いたいと思います。
○吉田(賢)委員 それからさらに同種の件、長崎県北松浦郡福島町二百二十三万円、これは災害復旧らしい。ところがこれは百四十六万三千円残しておった。二百二十三万円の工事で百四十六万円残すというのは、幾ら考えてもそんなぼろい仕事はないと思うのです。こういうようなときはどうなさったでしょうか。
○天埜説明員 これは査定の当時は浚渫についてポンプ船を回すととが非常に困難な状態に認められましたので、プリーストマン式の浚渫船を使う単価で積算したのでありました。ところがその当時別に町が単独工事で塩浜の農地鉱害復旧として九十八反歩ばかりを埋め立てる仕事がありまして、その浚渫個所を含む福島港内の浚渫ができることになりましたので、それで結局請負人の方はポンプ船が使えることになったのであります。それで一立方メートル当りの単価が非常に安くできた、こういうわけでありまして、これは設計が実施と非常に変ってきた場合になったものですから、それでこういう大きな開きが出たのであります。これに対してはさっそくその適正化をはかるような措置をしまして、負担率を減じて処置をとったわけでございます。
○吉田(賢)委員 そうしますと、この長崎県の福島の分は事実上は国の損害は生ずるまでに至らずして、工事計画を縮小もしくは是正してこの負担金の交付は差しとめたわけでありましょうか。
○天埜説明員 ただいまのお話の通りでございまして、災害の査定をしておりました工事を進める途中において再査定をいたしましたところ、こういうものを発見いたしましたので、計画を変更させまして国の方には直接損なしに済んでおります。
○吉田(賢)委員 それから二七七ページの三重県の北牟婁郡引本町引本港の災害復旧工事でありますが、これは運輸省におきます災害復旧でありますが、七百七十七万八千円がよけいついております。ところで右の防波堤は別途建設省におきまして二千三百二十四万八千円で査定しておる。つまり一つの工事について両方の省が査定しておる。両方の省が査定するということになると、金が二重に渡る危険があるのではないかと思いますが、そういうととはどうですか。
○天埜説明員 これはそういうわけでありまして、実はこの防波堤につきましては・災害があってすぐに運輸省として査定に参りまして、県の方から出ました書類について査定をして災害復旧工事をやるという方針で進んでおったわけであります。ところがどういう間違いであったのか、建設省があとで査定に参りましたときに、防波堤ではあるけれども、河川の導流堤の役をもしておりますので、河川構造物と考えて、これを再び災害復旧工事として査定をしてとって参った。そのことがあとでわかりましたので、建設省と運輸省との間で協議をしまして、この際はほかの災害復旧工事の分と一連の関係があるから、港湾の方は防波堤という見地に立たないで、導流堤という見地に立って、この分は建設省の災害として回しましょうということで、片方私の方がやめたわけであります。
○吉田(賢)委員 そうすると一たん両方で査定した後に建設省と運輸省がお話の上、運輸省が手を引くことにした、こういうことになるのでございましょうか。
○天埜説明員 さようでございます。
○吉田(賢)委員 そういう場合やはり事前に両方が重複して査定するというととがないようにすることは最も必要な防止の方法であると思いますが、やはりあらかじめ知ることができなかったのでありましょうか。知り得るならば事前に政府間の横の連絡さえすれば二、車の手数はいらぬのでありますが、何かそこに制度的欠陥でもあるのじゃないか。もしくは事業主体の方において黙ってあとからの査定する省があやまちを犯すようなことをやったためにこういうことになったのか、その点はどうですか。
○天埜説明員 その点、事前に両方でというのはわかりにくい点がございまして、港湾区域内の港湾構造物については、これは運輸省が所管でやるのでございますが、たまたまこの場合は河川の堤防と関連した導流堤であったものですから、河川の堤防の方に災害があり、あわせて一連の導流堤に災害があった、こういう点で、出すといいますか、災害査定を受ける方の側にうっかり両方といいますか、両方入れたというような不用意があったのではないかというふうに考えております。
○吉田(賢)委員 最後にもう一つ聞きますが、二七八ページ、高知県の安芸郡室戸町室津港の災害復旧でございますが、これは査定額が一千余万円の工事であります。防潮堤の延長二百五十メーター、ところがこの個所は自然の海岸で従来防潮堤は存在しなかった、また岩礁で浸蝕のおそれが全くないもの、こういうようなものであります。こういうものはやはり机上査定の結果こういうあやまちが犯されたのであろうかどうか、やはり県も介在しているはずでありますが、どこに原因があってこういうふうに実在しない防潮堤を実在するかのごとくにあやまったであろうか、当然県も介在しているはずでありまするが、これは前に高知県は大きな直営工事で間違いを起した、先刻指摘したごとくこれまた高知県でありますが、これは何ゆえそういうことになったのでありましょう。
○天埜説明員 これは海岸の浸蝕がこのあたりにありまして、海岸決壊がそのあたりずっと生じておったのであります。その海岸の場所に一連の防潮堤がいるというふうに考えたのでありました。それでいろいろさらに検討しました結果は・どうしても災害ということではできないというわけで、改良工事として別途に施工するととに変えたのでございます。
○吉田(賢)委員 よろしゅうございます。
○上林委員長 運輸省関係の本日の質疑はこの程度にとどめたいと思います。 なお先ほどの答弁中訂正したいという海運局長の申し出がございますので、この際発言を許します。粟沢君。
○粟沢説明員 先ほどの吉田委員の御質問に対しまして申しわけのないことに一つ間違いを申し上げました。利子補給を国庫納付したものはいまだかつてなかった、こう申し上げたのでありますが、一件ございます。昭和二十八年の十月の決算で森田汽船と申す会社がございます。この会社が利益を計上いたしまして、五百七十九万三千百七十円国庫に納付した件が一件ございます。つつしんで訂正いたします。
○上林委員長 委員会は臨時国会でも.ある関係上開会回数の多くは行えませんでしたが、終始委員各位には熱心に審議を尽されましたことをここに感謝する次第であります。一言ごあいさつを申し上げます。 本日の委員会はこれにて散会いたします。 午後零時五十六分散会