P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
23回国会衆議院1955/12/13

決算委員会 第3号

発言数
75
登壇者
10
会派数
2
開催日
1955/12/13

会議録

上林與市郎日本社会党

○上林委員長 これより会議を開きます。  病変米の輸入、保管及び処分等に関する事項について調査を進めます。  けさの理事会の申し合せでは、審議の順序について厚生省を先にという申し合せでございましたが、厚生大臣以下厚生省当局が全然見えませんでしたので、いろいろ理事間の打ち合せをした結果、私が参議院の社会労働委員会の委員長といろいろ打ち合せをいたしましたが、直ちにこちらに出席していただくことができませんでしたので、皆さんの御了解を得て農林省から先に審査を進めたいと思います。これが終了いたしましてから、理事会でなお厚生省関係の審議の方法については御相談を願いたいと思います。  質疑の通告がありますので、これを許します。田中委員。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 食糧庁長官にお尋ねいたしますが、農林省の方から参りましたこの「黄変米の処分について」をちょっと今ここで見ますると、この払い下げはほとんどみそ、しょうゆ、お菓子の材料になっておりますが、私はみそ、しょうゆの加工とかあるいは醸造にこれを使う場合には、御飯をたくくらいの熱度くらいしか加わらないものですから、これにもし使われるものならば、主食にも使われるのではないか。実際今まで試験したような毒があるならば、みそとかしょうゆとか、そういうものに使われないのではないか、こういう質問をこの前の委員会にもやったのですが、そのときに農林省の見解あるいは厚生省の見解などをお聞きしますと、それは毎日食べるのじゃないのだから、大したことはないんだというようなことを弁明されたことがあるのですが、私はこれは大きな間違いだと思う。民間に南京米を払い下げいたしましても、全部そのまま南京米だけを毎日たいて食うということは、配給の関係から見ても、ないのです。やはりおかずも食いますから、全食糧の何割というようなことになる。それでいて、こういう病気があるから人間に食わせられないというなら、しょうゆとか、みそとか、お菓子などに使うということは、御飯をたいて食うのと同じように危険なんじゃないか。  もう一つ、厚生省におかれても、農林省におかれても、二年もたって御研究されたのだから、もはやそういうような時期でなく、何かに私は相当試験されているものと思うのですが、その試験も、今までいただいた材料には出ておりません。そこで私はこの間申し上げたのですが、これは別に牛を殺したからといって、馬を殺したからといって、死刑にもならなければ、懲役にもいかぬでいいのですから、これを家畜などに全部そのまま食わしてはいけないのですが、家畜の配合飼料として、今牛とか馬とかの配合飼料も出ておりますし、鶏に対しても、豚などに対しても、みな配合飼料になっていますから、この配合飼料に二割とか三割とかいうものをまぜて、そしてこれをためされるというようなことが私はよくないかと思う。今度見ますと、しょうゆ、みそということになっていますが、しょうゆ、みそというものは、この前そういうようなことで払い下げしたときも、アルコール会社でもそうですが、その大半が食糧に流されている。ただ東洋醸造ですか、これが一つあがっただけで、そのほか、われわれ調べたり聞いたりするところでも、これは刑事問題になるから、決算委員会などで私は委員長時代にこれは遠慮しておったのですが、相当やはりそういうところから民間の食糧にこういうものが流れておる。もとそういうふうに流して、今刑事問題がまだ解決つかぬでいるような状態もあるのであるから、飼料会社などはそういうことをしたこともないし 飼料として配給されるならば、これはやはり全購連とか、あるいは酪農の協同組合とか、あるいは開拓団の協同組合とか、いろいろなそういう農村の農協を中心としたところにいくのですから、これは流れない。流したこともない。こういうところに一応ためすというようなことでお払い下げになることが、との前も言ったのですが、これは一番安全じゃないか。そして二カ月くらいたってそういうような結果をごらんになってから、ほかに払い下げられた方がいいのじゃないか、こういう工合に私は考えている。  もう一つ、これは特に大臣にもこの間申し上げておいたのですが、食糧庁長官としては、農民の現状を私はもう少し調べてもらいたいと思う。自分たちが一生懸命で作った米を政府が値段をきめられて、そして米を政府にとられてしまう。そして今度は彼らが飼っているところの家畜——今は非常に農村に家畜がなくなりましたが、家畜がなくなったということは、農村が家畜をきらったのじゃない。高いえさを買って、そうして安い肉や乳や卵や、そういうものを売ったのでは合わないから、農村がそういうものをやめてしまった。ですから、非常に金肥などを使って、土地は酸性土壌になったりして、農村は非常に苦しんでいる。こういう点をお考えになったとき、この外米というものはもともと国民の血税でもって買ったものだから、これは国民に食わせるつもりだったが、食わせられなくなった。これは向うに一ぱいひっかかったのか、こっちの手落ちであったか知りませんが、こういう結果になった。朝早くから夜おそくまで一生懸命作った米をとられるその農村に、家畜の飼料としてこういうものを回してやると、農村が家畜を飼うようになる。そうすれば、米糞でもって堆肥を作るとか、そういう酸性土壌を直すというようなことになりましょう。また彼らが家畜をたくさん飼えば、乳にしても、肉にしても、卵にしてもこういうものが都会に安く流れてくる。豊富に出てくる。都会の人たちも安いそういう栄養になるようなものを食べるということは、これは農村に対する義務であり、血税を出した国民に対して入れ合せと申しましょうか、そういうような失敗に対する報いと申しましょうか、そういう点が非常にいいのじゃないか、こういう考えで、私はこの前、一応とにかく会社とか何かは別といたしまして、そういう農村の組合にこういうものをお払い下げになったらどうかということを申し上げておいたのです。ところがきょう見ますと、家畜の方にはそういうものは載っておらない。みそとか、しょうゆ、そういうものにこの前たくさん払い下げて、横流しして刑事問題を起したり、いろいろな不祥事を起して、農林省の方の払い下げをする者も引っぱられたり、あるいは贈賄とか収賄とかいう事件を起したところにまた一番先に払い下げるということになっている。これは衛生的な面から考えるべきことであり、またそういう結果からも考えなければならぬ。何にも力のない、そういう方法を知らないような農業の団体とか組合というものは、いつでも自分のものは先にとられて、そして権力でもってやられて、余るようなこういうものはいつももらえないというような状態では、私は日本の将来の農村に対しても憂えるし、また食糧庁としても、日本全国の米をみんな役所がおとりになって、きのうあたりの新聞で見ると、米をわずか五升か三升買って来たものが、やみだといって上野でつかまってとられている。こういうような状況をごらんになったとき、それまでしても米を出し、それまでしてもいろいろな犠牲を払っている農村にこういうものを払い下げになって、そして家畜とかなんとかに食わせるようになさらなければいかぬ。  もう一つ、これは係が違うかもしれませんが、わが国の農村に対する家畜政策というものに対して農林省は一体どんなことをやっているのか。豚が足りないときは豚、牛が足りないときは牛、鶏が足りないときは鶏、あるいはまたその他の家畜が足りないときは家畜を飼え、牛を飼え、豚を飼え、何を飼えといって鳴りもの入りで宣伝して、そうして指導もやる、金も貸してやる、こういう援助もするといって、それにおどらされたところの農民が、借金までして牛小屋を作ったり豚小屋を作ったりして、そうして農林省の鳴りもの入りの宣伝によって、高い血統のついたようなものをみな買ってくる、それをふやす、少し豚肉が余ったりあるいは牛の肉が余ったり、乳が余ったりすると、今まで鳴りもの入りで宣伝した農林省は横を向いてしまって、かまわない。それがために彼らはみな高い金で買ったものを安値で売り、そうして破産に瀕している、そうした農村というものが一体どれだけあるのかということである。ところが、その捨て値に売ったところの牛や豚を買った人たちは、間違えばこれはつぶしに出せばいいのだ、肉に売ればいい、どうせ二束三文のものだからというので、彼らが買っていっても研究もしない。だから日本の養豚においても、乳牛においても、養鶏においても、家畜に対する日本の研究程度、その発達程度というものをお考えになったときに、海外と比べものにならない。こういうような、農林省のために非常に大きな犠牲を払ったところの農村に対して、こういうようなものがあるときこそ、農林省は少しあたたかいお気持をお持ちになって、安くこれを払い下げてやる。また一方われわれから考えれば、われわれ不思議に思うのは、農村に払い下げすることは、トウモロコシが今一トン二万七千円か二万六千円である。トウモロコシと同じ値段ではだれもこういうような南京米を買うものはない。下手すればみな病気になる。やはりトウモロコシと同値か少し安い値段しかいけませんから、農村というものはさやがないから何らの運動費を使うこともできないので、これに対してどうすることもできない。彼らは食糧に流すことは絶対やらない。だからこれを取り扱うものは、これは何にもならないから農村にやらないんじゃないか。一方みそやしょうゆになりますと、トン五万円にも四万五千円にも売れるから、そこには運動費も使われる。そうして食糧に流せばもうかる。もうかるから、それでもっていろいろな運動もする。だから刑事問題まで起している。そういうところにまたやられる、こういう点はどうしても私は理解に苦しむ。こういう点をお考えになったとき、米を始終とられ、そうして農林省の鳴りもの入りで家畜を飼って苦しんで、そうして破産に瀕しているこういう農村にます第一にこれを払い下げされるような方法をとられて、農村で、それは毒だから、もらっても要らないということになれば、またその上において考えられてもいい。衛生面からみると、まず家畜によってためされ、そういう米などを作った農村に対して、まず農林省のあたたかい心がこれで届く、それから農林省の鳴りもの入りの宣伝のためにおどらされて非常に苦しんで、破産に瀕しているこの人たちにも多少報いられるというような点から考えても、食糧庁長官は農林省の最高幹部の一員として、あなたがそういう点をお考えになった方がいいんじゃないか、こういうように私は考えております。これに対して長官はどういう考えを持っておりますか、お伺いいたします。

清井正食糧庁長官

○清井政府委員 ただいま田中委員から飼料全般についてのお話等ございましたが、御意見の点十分拝聴いたした次第であります。食品と申しますか、主食以外の加工用に売却することにつきましては、私どもといたしましては個々の問題といたしまして常に厚生省と連絡をとりまして、厚生省の承認いたしましたものにつきまして売却をいたすというような方針をとって参ってきているのであります。この点につきましては前回御返事申し上げた通りでございますが、さらにこれを飼料として売却する点につきましては、前回農林大臣からもお答え申し上げたのでございますが、その後私ども関係の官庁の方とも十分連絡をいたしておるのであります。差し上げました資料にはあるいは十分書いてなかったかと存ずるのでございますが、私ども畜産局と相談いたしました結果、かつて畜産試験場等におきましてごく小規模ではございますが、実は若干試験をいたした実例もあるようであります。そこで最終的な結論という——まだ結論に達することはいかがかと思いますけれども、若干の例もございますので、その実験結果といたしましては、ほとんど影響が出てないというような結論が出ているのであります。そこで最終的な結論を待つ前に、今のような実験をいたしまして、黄変粒の混入率のごく低いものあるいは再搗精したものを配合飼料の原料として若干まぜるということは、まずただいまの常識から考えても大丈夫だろう、こういうふうに実は考えております。主として養鶏用を目的といたすのでございますが、そういうような方面に病変米を飼料用として売却をするということにつきまして、ただいま具体的な案を畜産局と相談をいたしておる最中であります。いずれ相談つき次第対策の方法を講じたい、こういうふうに実は考えておるのでございます。  ただいま申し上げましたのも、ごくわずかな試験の結果でございましたが、さらにまたこの対策と並行いたしまして、試験研究機関及び民間試験研究機関に委託いたしまして、相当大規模に黄変粒の家畜の飼料としての研究につきまして、もっと実験を行いまして、その結果によりましてはさらに飼料としての利用の範囲を拡げるというようなことも考えなければいけないかと思うのであります。ただいまのところは大規模の試験と並行いたしまして、混入率のごく低いものにつきまして混合飼料というような形でやる、こういうような試験と小規模の売却と両方並行して進んで参りたいというような考え方で、ただいませっかく畜産局の方面と折衝いたしておるのであります。遠からず具体的な案ができ次第売却を考えたい、実はこう考えておる次第であります。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 動物に試験した結果、大した反応がないということになるのですが、あるガン研究所の試験した結果を見ますと、小さい南京ネズミ百匹に対してこの黄変米を約二カ月ないし二カ月半くれた、その南京ネズミが約五十九匹乳ガンになっておる。それから普通に日本米をくれたのがたった八匹がガンになった。あとはガンになっておらない。それから日本米の白米だけだからいけないだろうといってふすまをまぜてやらした結果、ガンが一匹も出ておりません。片一方は五十何匹というガンが出ておる。だからこのごろガン研究所に行かれても——池袋に行かれても築地のところに行かれましても、ほとんど診察を受けられないように満員になっております。どこの病院でも非常にガン患者が多くなっている。私はやはりこういうようなことが多少影響しているのじゃないかという工合に考えております。そういう点をやはり多少参考にされた方がいいと思うのと、いま一つ、お菓子のせんべいのようなものでありますと、あぶって相当焦げるぐらいまで焼きますから、相当高度なものでありますので、この菌が処理されるものであると思うが、みそとかしょうゆとかいうものは、これは御飯をたくくらいの程度の温度でしかございませんから、あるいはそれより低いかもしれないというようなことだから、私はやはりそういうものは危険じゃないか。しかし南京ネズミというのは一体にガンになる質のものでありますから、それでためしたのだから、それのみをもろて私も断言はできませんが、一応家畜というようなあまり責任のないものにおためしになって、その上で処置された方がいいんじゃないかと私は思っています。  それからこれを見ますと、七万トンか八万トンくらい払い下げをすると書いてありますが、こんな状態でやっていきますればまた二年かかってしまう、またこれに対する倉庫代というものは相当かかる。すでに六億二千万円からの倉庫代が南京米のために払われておるのですから、長官なども周囲の批判とかいろいろなことがございましょうが、一応そんなものは除外されまして、国家に欠損が出るようなことを——国家の財産がふえるとかあるいは減るとか、こういうようなことを調べて決算委員会あたりでもって政党政派を超越して結論を出しておるのですから、思い切って一応飼料なら飼料におためしになるとか、農林省は家畜研究所のようなものを持っていらっしゃるのですから、そういうところへ出されてためされて——私は、人間の食糧に出されて何か事故でも起った場合は工合の悪いことがあるのじゃないかと思う。  それからもう一つ、みそとかしょうゆにそういうようなものがないのならなんですけれども、砕け米というものが入っておって、これも倉庫料を食ってそうしてまだ残っておる、在庫品が相当あるのですから、そういうものにそういうものを回されてあなたの方でも牛も飼っておれば、馬も飼って、鶏も飼っておるのだから、もし民間でいけないというのなら、あなたの方でも試験場でためされてやられた方がよいのじゃないかと思います。一応南京ネズミに対する研究をガン研究所でさせたのですから、もしあなたの方で正式な資料が要るというのなら、私は南京ネズミに対してだけの資料ならりっぱな研究した資料を上げてもよいのです。こういう状態ですから、あまり厚生省がろくな試験もしないでこうだとかああだとか——初めは南京米の菌などはわれわれは知らなかった。それを厚生省みずから自分の方であばき出して、それの処置をしない、食って何ともないと言って大臣がライスカレーを一回食っただけです。それは一回ぐらいライスカレーを食ったってそこでガンになったりそんなことはありません。あとは逃げてしまって食わない、こういうような状態の試験しかしてない。しかも国が三千万円も欠損する、六億二千万円も倉庫代を払う。  それからこれを安く売れば国に何十億というような大きな損害が出てくるのを知りつつ厚生大臣もここへ出てこなければ、またわれわれが要求したところの資料さえも出しておらない。こんな不熱心なとるに足らないものじゃだめです。わが党が出しておる厚生大臣だけれども、鋳物でも作らせれば一人前ですけれども、ほかのことは何も知らない。あなた方は知っておられるのだから、あなた方はそんなことをかまわずに、農林省としてそれを持っておられるのだから、ただ厚生省は試験したというだけだから、帝大でもどこででも厚生省以上のところがあるのだから、役人なんかの毎日使わないような試験管よりも、帝大でも各大学病院でもあなたの方で出されて、それを試験されてもけっこうです。そんな厚生省のあんななまけ者のとるに足らぬようなものは相手にしてないのです。あなたの方で決定された方がよいと思う。あんなものは何にもなりません。決算委員会から、国民がこれだけ迷惑して、国にこれだけ損害をかけて、これを処分するのに書類を出しなさいと言われても書類を出さない、厚生大臣はきょうここへ出てこない、こんなものは大臣の資格がない、こんなものの言うことを本気にしないで、やられたらよい、もし大臣が文句を言われるなら私は責任を負いましょう、こんな国家の重要なことに携わる資格はございません。これに対してどういうお考えを持っていらっしゃいますか。

清井正食糧庁長官

○清井政府委員 えさに売却する問題につきまして、先ほどお答え申し上げた通りでありますが、ただいま試験研究等につきましても、いろいろ御意見を伺ったのでありますが、厚生省と協力いたしまして、厚生省において大学等に委託いたしまして試験をいたしておるのでありますが、その結果がいまだはっきりした結論が出ないのであります。先般タイ国黄変菌については、一割程度再搗精すれば、食糧に回しても差しつかえないという結論が出たのでありますが、私どもといたしましては、諸般の事情からこれを主食に回さずに、加工用に回すという結論を出したのであります。この点につきましても、厚生省の個々の承認を得て売却いたすという方針をとっておるのであります。保健衛生上の観点は全部厚生省に負ってもらいまして、厚生省の承認を得て私どもは売却するという建前をとって進んでおります。長年研究の成果がいまだ十分に申し上げることができない点は、はなはだ遺憾に存ずる次第でございます。私どもといたしましては、もっぱら保健衛生の観点は厚生省に依存いたしまして、その緊密な連絡のもとに解決をいたしたいと考えます。

山田長司日本社会党

○山田委員 ただいまの長官のお答えに一つ、私尋ねたいことがあるのです。厚生省はいつごろから黄変米に病菌があることをあなたの方へ指示してきたのか。それからこれはいつごろ食べても大丈夫だと厚生省へ言ったのか、そのあとまた食べては毒があるというようなことを言って、それが転々としているのでありますが、この裁決はいつごろあったか、答えていただきたいと思います。

清井正食糧庁長官

○清井政府委員 厚生省の方から、私どもの方に連絡がありましたのは、たしか二十八年の夏からであったかと思います。当時、いわゆる白色よりも黄色くなりました黄変米であったのであります。それがタイ、ビルマから入りましたのに問題が起りまして、二十八年の夏ごろからこの問題が取り上げられてきたのであります。その後国会におきまして十分御審議がございましたし、私どもも十分これに対する対策を考えまして、必要な地域に調査団等を派遣いたしまして、その結果に基きまして、私どもは買入れ方式等を改善いたし、厚生省といたしましては輸入等におきまして、試験調査員を設けまして、入りました外国米につきまして調査をいたしまして、その結果の通報を待って私どもの方は売却いたすというやり方をいたしておりまして、港に入りました外国米は全部倉庫に入れまして、厚生省の係官の出庫してよろしいという承認があってから運び出すというやり方をとっておるのであります。そこで、先般申し上げましたが、若干厚生省からの議論が出ました数字等がございますけれども、入りましたものにつきまして、厚生省の検査官の承認に基いてから出庫いたす、こういうやり方でずっと参っております。  なおタイ国黄変菌については、差しつかえないという意味の結論は、この前の資料にも差し上げておいたのでありますが、たしかことしの五月七日における食品衛生部会からの結論に基きまして、私どもの方に通知があったのでございますが、それはイスランジア黄変菌の問題につきましては、なお検討を要するけれども、タイ国黄変菌につきましては、一%以上ぬかのとれるように再搗精をすれば、主食として、配給してよろしいという意味の通知を受けてきておるのであります。従いまして、この通知はそのまま解釈いたしますれば、タイ国黄変菌につきましては、一割以上搗精すれば主食に回してもよろしいということになるのでありますけれども、そのときの一般の世論といたしましては、たといこういう結論が出ても、主食に配給するということは問題があるのじゃないかということが、一般に広く言われたのでありまして、なお慎重を期する意味におきまして、保健衛生上の見地では、なるほどこういう結論かもしれないけれども、私ども主食を配給する立場から申しますと、直ちに結論が出たから、主食に回すということは、かえって消費者の不安を醸成するおそれがあるのではないかということでありまして、こういう結論を得ましたけれども、私どもといたしましては、主食には配給いたさないということに、実はいたしておるのでございます。そこでしからば、主食でなければ食品加工はどうかという問題につきまして、厚生省とも逐次打ち合せをいたしまして、私どもは厚生省がよろしいという範囲内においては、主食以外の加工用に売却いたしたい、こういう方針を立てて現在までに至っておる、実はこういう経過になっておる次第でございます。

山田長司日本社会党

○山田委員 どういう経過をたどって、倉庫の中へ各地から来た黄変米を入れられたのか知りませんけれども、一体これは農林省としては、厚生省の指示に従ったところだけが、よいとか悪いとかいう結論を出しておるのか。倉庫の中に入れるまでの過程、それから摘出して検査をした箇所、そういうところがあなたの方でわかるならば参考に言ってもらいたいのです。

清井正食糧庁長官

○清井政府委員 はっきりした数字は申し上げられないかもしれませんけれども、これは先ほど申し上げました通り、先般の当委員会の御審議のときにおきまして、私ども調査団を派遣し、こういうような調査をいたす、あるいはこういうような買入れ方式にしてみようというふうに方式を改めまして、今まで現地でいたしておりましたのを、着地、日本へ入ってきてから買うということに方式を変えたのであります。そのほか燻蒸をいたしますとか、いろいろ現地の品質をよくいたしますとか、あるいは必要なところは証明書を出すというようなことで、極力菌のついた米の入ってくることを防止する方法を講じまして、なおこちらに到着をいたしまして、到着港の埠頭に入れましたときに、厚生省の係官が倉庫に入りました外国米から、試験用のものを抽出いたしまして検査をいたします。その検査のすむまでの間はこちらは動かせないのであります。厚生省の方からよろしいという通知がありますと、倉庫に入れましたものを売却地に積み出すというやり方をいたしておるのであります。主要食糧の外国米を入れます主要港には、厚生省の係官が駐在いたしておりまして、入って参りますごとに抽出検査をいたしております。こういう実はやり方になっております。

山田長司日本社会党

○山田委員 二十八年までの間に黄変米が毎年入ってきて、四年、五年、六年、七年、八年と入ってきておるが、これまでの間は食糧検査というものは厚生省でされなかったのですか。一体昭和二十八年に発見されるまでの過程に、六億もの倉敷料を払っておるということでは、どうも理解ができないのですが、それまでの間に入った米というものは、厚生省は検査をしなかったのかどうか。

楠本正康厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○楠本政府委員 お答え申し上げます。検査を始めましたのは、御指摘のように二十八年からでございます。それ以前は、日本の食糧の輸出入は占領政策の一環として行われた関係もありまして、検査することができなかったわけです。そこで私どもといたしましては、昭和二十八年に法律を改正いたしまして、輸入食糧についても食品衛生法に基きまして、各港におきまして検査をするということにいたしたわけでございます。

山本正一自由民主党

○山本(正)委員 十日付の農林省の資料の提出、これは多といたします。内容を拝見いたしますと、在庫黄変米の処分に関する問題と、それから今後の輸入米の方針に関する問題と二つばかり出ておりますが、そこで文書等で一応了解はできますが、この病変米を食料品加工原料として使っても差しつかえないという厚生当局の御見解であるならば、これこれの処分をいたしたいという前提があるわけですね。従って農林当局としては、食品加工原料に使ってもいいか悪いかという判定は、すべて厚生省の判定にゆだねておるのか。これは念のためですが一応伺っておきたいと思います。

清井正食糧庁長官

○清井政府委員 お話しの通りでございまして、厚生省の了解によって売却をいたすわけであります。

山本正一自由民主党

○山本(正)委員 そこで厚生省の結論が、もし在庫病変米が食品加工原料として適当でないという結論に万一なりました場合は、今ここに提出されておる農林省の処分方針というものは根底から崩壊するわけですな。

清井正食糧庁長官

○清井政府委員 もしも厚生省の方の御意見がいけないということになれば、売却できないことになっております。従って他の用途に売却することを考えなければならないということになります。

山本正一自由民主党

○山本(正)委員 そこで食品加工原料として適当でないのです。結論は厚生省にゆだねられておりますが、いずれにしてもこれは処分をしなければならない。そこで処分の処置についてですが、率直にいいますと、この病変米に対する今日の委員会の疑問、国民に持たれておる疑問というものは大体三つぐらいあると思うのです。第一は、食糧庁の外米の輸入に対する取扱いが、いろいろな意味から見て非常にずさんであったという点が一つ。それから輸入に関する商社の関係に何か非常なる不道徳的な欠陥があって、それらが原因してこういう病変米を輸入するという事態が起きてきたのではないか。非常に不道徳な欠陥があるという疑惑は現にこの委員会の中にはあるのです。第三は、従来の黄変米の払い下げ処分につきまして、これは現に刑事問題が起きているのですが、それとは別のケースで、食糧庁長官が退職をして民間に会社をこしらえました。そして食糧庁はその会社に一応払い下げをして、その会社があらためてまた莫大な利益を得て実際上の需要者にこれを売却をした、俗に言うトンネル会社をこしらえた、こういう事例があるわけなんです。今後処分なさる場合に、そういう中間会社というものを介在させないという方針を堅持していただきたい。これは事前の御注意でございます。そういう中間会社というものを介在させないように、政府から実際の需要者に直接に払い下げをする、払い下げをされたものは、危険なる食糧等に横流れをさせないための万全な処置をとられなければ、国民の疑惑というものはますます深まるばかりです。こう思うのですがあなたの御意見いかがですか。

清井正食糧庁長官

○清井政府委員 お話しの点十分拝聴いたしたのでありますが、先般と申しますか、前回の払い下げのときにいろいろ問題を起しました、当委員会にもいろいろ御心配を煩わしたことは私どもとしてもまことに遺憾に考えるのであります。私ども実際所有いたしております病変米の払い下げにつきましても、実は心配の一つの点は御指摘の点があるのであります。病変米と申しましてもまっ白な米でございますので、外見わからないのであります。従いましてかりにこれが払い下げをした場合に、これが本来の目的以外のところに売却されるということになりましたならば、全くこの処理方針は根底からくずれるわけで、従いましていかにこれが目的通りのところで消費されるかということについて、私どもは十分注意しなければならないのであります。そうしてこれを売却するにいたしましても、むろんこれは信用ある技術者団体ということで、ただいま御指摘のような、あるいは一定のところを経由するとかいうことにつきましても、この点を十分用心いたしまして、私どもは必ず一定の用途に売ります場合は、その用途についての技術者団体に売ることにいたす、同時にまた私どもなりあるいは知事なりその他適当なる者に一応監督してもらう、しかもまたこれがほんとうに技術者にその目的のために使われるというために、さらに現地の食糧事務所、あるいは監督の関係から申しますと県庁でありますが、そういう関係からも注意をしてもらうということにいたしまして、これが目的通りに使われることに注意をいたさなければならないのであります。従いまして売却いたす場合の価格等につきましても十分検討を加えなければならぬということも考えておるのでありまして、私ども御注意の点は、今後払い下げをいたします場合におきましては、前回にありましたようなことのないように、最善の注意を払っていかなければならぬ、こういうふうに考えておる次第でございます。

山本正一自由民主党

○山本(正)委員 私はもう一つ保管倉庫の問題について伺っておきたいのですが、政府の持っておる倉庫に相当なスペースのあきがあるように伺っておるのですが、そこで、在庫病変米は、おおむね民間の倉庫に保管を委託しておる。この保管料が法外に高いのか安いのか、これは数字上の問題は私ここで議論しようとは思いませんが、ともかくも長年ここに保管を委託しておる。この保管料だけが、すでに今問題になっておる病変米だけで六億円をこえておるということなのです。毎月三千数百万円という莫大な保管料をこれに払っておる。そうしてこの処分が、いろいろ役所としては事情もあったこととは思いますが、ともかくじんぜん日を過してすでに足かけ二年をこえておる。でありますから、この委員会で持っておりまする感じ方は、処分をいたずらに日を延ばすということと、民間の倉庫に保管を委託して莫大な保管料を払うということの間に常識で理解できないような事情があるのではないかというような疑惑をさえ持つ者もある。一面今申す通り政府の倉庫に相当なスペースがあるというふうに私ども伺っておる。果して政府倉庫に保管すべきスペースがあるのかどうか。それから民間の倉庫の保管料というものは、一般の社会通念から見て法外に高いというような事情はないのか、これをちょっと伺っておきたい。

清井正食糧庁長官

○清井政府委員 御質問の点でございますが、これは前委員会のときに田中委員から御指摘があったのでございますが、ただいまの在庫の数字から申しますと、政府倉庫に在庫をしておるのは少いのでありまして、民間の指定倉庫に在庫しておるものが大部分であるというのが実情でございます。これが御批判を受けて恐縮でございますが、決して私どもといたしましては特別にどうということはないのでありまして、政府倉庫なり指定倉庫なりのそのときの利用状況、特に輸入食糧の入って参りましたときの倉庫の在庫状況によってこういう事態を引き起しておるのでありまして、特に船で一万トン、二万トンと入って参りました場合に、これはとても政府倉庫だけでは収容し切れないので、政府倉庫にも入れますが、各指定倉庫に入れるということになっておるのでありまして、今まで御指摘がありましたので、政府倉庫の利用率は一体どうなっておるかということを私どもも反省いたしましてさっそく調べてみたのでありますが、私どもただいま調べました表によりますと、むろん全部が全部でございませんが、ほとんど百パーセント利用いたしておりますのが東京、新潟、神奈川、愛知、秋田で、その他平均利用率からいたしまして、東京は七〇、神奈川八三、大阪は七三、低いところは六四というところもございますが、そういう利用率になっておりまして、最高は一〇〇%に達しておるところがある、こういうような状況になっておりまして、これだけの数字を見ましても、私どもむろん反省を今後もいたしまするが、非常に政府倉庫の利用率が悪いということは、率直に言って言えないのじゃないかという感じが実はいたしております。御承知の通り政府倉庫は一般の内地米、内地麦、外国麦全部を入れておるのでありまして、かたがた病変米も入れておるということになっております。むろんあきがないかという御質問でありますれば、あきはあるかもしれません。私どもあると思います。ただしかし今申し上げましたように一〇〇%利用しているものもありますし、平均からいたしますと七〇から八〇%の利用率になっておりますから、低いということは言えないのじゃないかという考えを持っておるのであります。しかし御指摘の点は十分私どもわかるのでありまして、できるだけ御趣旨に沿うということからいたしましても、政府庫倉を最大限度に利用するということに今後注意していきたいと考えております。  それから倉庫の保管料の問題でございますが、これはただいま保管単価は甲地、乙地、丙地というように分れておるのが実情であります。甲地が、平均単価トン当りの一カ月の保管料二百二十一円六十銭、乙地が二百一円八十銭、丙地が百八十二円ということになっておりまして、平均して二百十四円十銭ということになっておるのであります。御承知の通り保管料は、私の方で実は本年初め食管特別会計の経費の節減という見地から非常な節約をして、先般から食糧関係の保管倉庫の協会と折衝いたしまして、一割から五分程度引き下げをしております。そういうことで一般の保管料よりも高いということは絶対にあり得ないのでありまして、むしろ非常に低い。一般には保管倉庫が少いときにこういうことをするのは困るという意見も聞いておるのでありますが、これは一般食管関係の経費の節減に協力してもらいたいということで先般実施したことでもありますので、私どもとしてはこれは適正な保管料であるというふうに確信しております。しかし御注意の点は十分私どもわかりますので、今後できるだけ節減の方向へ進み、保管料をいたずらにふやすということのないように注意して参りたい、こう考えておるのでございます。

上林與市郎日本社会党

○上林委員長 農林省関係に対する質疑の継続中ですが、ちょっと御相談いたします。農林省関係に関する質疑の通告が三名中一名終っただけで、まだ二名残っておりますけれども、厚生省の山下政務次官、楠本環境衛生部長が出席しておりますから、皆さんがよろしければ厚生省関係の質疑に入りたいと思います。いかがでありますか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

上林與市郎日本社会党

○上林委員長 それではさようにお取り計らいいたします。  質疑に入る前にちょっと私から厚生省当局にお伺いしたい。私から申し上げるまでもなく、病変米の問題は食糧に関する問題でありますし、また金額も非常に大きいし、国民生活に非常に密接な関係があるものですから、当委員会としても、非常に重要視しまして、じんぜん日を送っているのはいかぬじゃないかということで、結論を見出すと同時に国民のためになるような方針をいろいろ研究したらどうかというふうに十二月六日の理事会で一致した見解が出ましたので、いろいろ関係当局の事情も考慮しながら、十二月六日に農林省、厚生省両当局に対して十二月十二日、きのうまでと期限を切っていろいろ照会をいたしたのですが、農林省からはちゃんと参りました。さらにきょう政府委員も最初から出席しております。ところが厚生省からは何らの連絡もなく、書類の提出もなかったわけです。衆決委二十三、第二号、昭和三十年十二月六日決算委員長から厚生大臣に照会状が行っているはずですが、この文書は受領したでしょうか。

楠本正康厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○楠本政府委員 受領申し上げております。

上林與市郎日本社会党

○上林委員長 いま一点私からただしておきます。それじゃどうしてきのうまで何にも連絡がなかったのか。きょうの審議に非常に支障がございましたものですから、委員の質疑に入る前にちょっと私から尋ねておきます。

山下春江自由民主党厚生政務次官

○山下政府委員 ただいま委員長から申された書類は確かに受領いたしたのでございます。その後研究を鋭意続けておりますけれども、実はこの問題は非常に慎重を要する問題でございますので、厚生省が右とか左とか申しますためには、関係学者等のなお一そうの御意見を聴取いたしまして、それに基かなければならないと信じておりましたために、本委員会の理事の先生方にも御相談を申し上げまして、なお大臣がかわりました早々でもありますし、大臣自身のこれに対するほんとうの最後の腹固めをするためにも、学者の御意見をなお一そう伺いたいということの切なる申し出がありましたために、御指定の時間までに結論を出すに至っておりませんので、だらだら延ばす意思はありませんが、何とかもう少しその研究の時間を、きわめて短かい時間でけっこうでございますが、お与えを願いたいということで、理事の先生方にも御相談申し上げておったようなわけでございまして、決して委員長からのお申し出に不誠意であったというわけではないということを御了承賜わりますようにお願いをいたします。その学者の会議は明日の夕方大臣のもとに集まっていただきまして会議をいたすことになっておりますので、どのようにおそくなりましても、明晩中には必ず結論を出し得る状態になると存じますので御了解を得たいと存じます。

上林與市郎日本社会党

○上林委員長 それでは質疑に入ります。山本委員。

山本正一自由民主党

○山本(正)委員 今の政務次官のお話でありますが、委員会の理事諸君と御相談したということでありました。実は私もそのお話を伺ったのでありますが、本来委員会は公的の国家機関でありますから、われわれが個人的に伺いましたことによって委員会に対する手続が済んでいるという御見解では困るのでありまして、あくまでもそれは内部の了解的な事柄であります。委員会といたしましては、やはり今お話のありましたような事情を付して、あらためて委員会の了承を求められるような考え方に願いたいと思うのであります。  それからなお政務次官はあるいは御存じないかもしれませんが、私けさ委員会に参りまして理事会を開きますと、厚生当局の所管課長は、委員会の正式職員に対しまして、厚生当局の結論はもう用意ができているのであるけれども、委員会の了承を得て延ばすことになっているので、提出をしないのであるという正式のお話があったのだそうであります。今の政務次官のお話も、それからわれわれが伺ったお話も、もう少し慎重を期するために、学者の意見を念のため確かめて、万全の結論を出したいということに私ども了承しておった。しかるに所管課長のお話でありますと、もう結論も出ておるし、回答すべき文書の用意もできておるのだけれども、延期してもらうという了解を得ておるために出さぬのだというお話だということであります。そこで事情が非常に違うので、理事会におきましても私ども釈明の方法もない。まことにこれはどういう行き違いか存じませんけれども、非常にこれは釈然としない点がある。もし御承知でありまするならばいろいろ御説明を願うし、しからざれば一つその間を明らかにして、あくまでも公式には委員会を本位にしてお運びを願うように願いたいと思います。

山下春江自由民主党厚生政務次官

○山下政府委員 ただいま山本理事の仰せはまことにその通りでありまして、私が私的に理事の先生方にお訴えをいたしまして、どうしてももう一度学者の意見を最終的に聞きたい、と申しますことは、大臣がかわりましてまだ日が浅いために、これらの問題に対しましても回を重ねて研究をいたしておりませんので、大臣がほんとうに腹をきめて申し上げるためには、やはりこういう重大な問題でございますから、大臣としても事務当局からの報告は聞いておりますけれども、やはり個々に直接お目にかかっていろいろ学者の御意見を聞きたいと切に望んでおりますために、明晩五時から学者に集まっていただくことは間違いないことでございまして、それを実は最終の意見として——そのかわりもう夜を徹してでも納得のいくまでお話し合いをしたいという覚悟で集まってもらうことにしておるのでございます。  それから私が個々の理事の先生方に御相談申し上げたことによって、この問題が委員会で決裁を得られるものと考えましたような言辞が、もし私にもあったといたしますれば、それははなはだ公私を混同いたしました考え方であったことをおわびを申し上げます。事務当局が、所管課長がそのように申しましたことも、私はどういう状態かよくわかりませんけれども、現実に厚生省といたしましては明晩学者に集まっていただいて、大臣を中心にして個々の多くの先生方の意見を納得のいくまで討論し合って結論を出したいという状態になっておることは、厚生省のこの係の者はよく知っておるわけでございますので、申し上げ方が悪かったか、あるいは何かの手違いと存じますので、結論が出ておるものを委員会のお申し出に回答申し上げないというようなことは絶対にないものであることを私は確信いたします。何か申し違い、その他の点で疑惑を持たれるようなことがありましたといたしますれば、それは申し違いか言葉の何か使い違いかであろうと存じますので、お許しを願って、厚生省の実態はそういうふうになっておることを御了解を賜わりたいと思います。

上林與市郎日本社会党

○上林委員長 それじゃ田中委員。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 私は山下政務次官にお尋ねいたしますが、まだ御就任早々でよく前の委員会またはこの黄変米の実情についてお知りにならないのだ、こういうふうに私は考えております。実はもうこれは二年近くにわたって決算委員会が何十回と議論をしてきました。そこでわざわざ長崎あるいはその他の土地にも厚生省からも出張してもらって、そうしてわれわれも一緒に行きまして調査したわけなんです。厚生省の御意見としては、あらゆるものに研究をして、その結果が出た。われわれはそんなものに病菌はないのだ、今まで五千年間も外米を食っておったんだから、そういう病菌はないのじゃないかというような質問を申し上げたら、いやこれについてはこういう結果、あれにはああいう結果というふうに、あらゆる委員会で、速記録をごらんになればわかりますが、ちゃんと試験された結果を弁明されております。しかもその弁明される少し前に、厚生大臣なんかがライスカレーか何かを食べて、何ともないじゃないかというふうに言っている。それなら売ったらいいじゃないか。いやこれはこういうわけで売れないのだということで二年、こういうことになってきたわけであります。そこで農林省も衆参両院の農林委員長に話をされて、これは何とか早く処分しなければならないというような意見が出ておったのです。しかし御承知のごとくこれは農林省の管轄であり、また農林委員会の管轄かもしれませんが、それは買ってきた値段で、下に売ったことによって国に損がかからぬということなら、それはもう農林省と農林委員会でおやりになればけっこうなんでありますが、国に莫大な損を、安く売らなければならぬのでかけたとか、倉庫代が莫大にかかったとかということになりますと、私が申し上げるまでもなくこれは決算委員会の事項になってくるのです。そこで参衆農林委員会などに相談された結果、やはり厚生省がそれに対してはっきりした回答を与えないために、約六億三千万円ばかりの倉庫代をまるまる使っておる。今また一カ月に約三千万円くらいの倉庫代を払っておるのです。これでこのままにしておったのではますます菌がふえましょうし、それからだんだんと品物に悪くなってくるし、だいぶ痛みも出ておるらしいのです。それであまりほうってあるから、今度われわれがこの前厚生大臣にも来ていただいて質疑すると、厚生大臣は知らないなら知らないでけっこうなんですが、いや意見はごもっともだ、委員会のおっしゃる通りにごもっともだというようなことをおっしゃったものだから、そこで農林大臣と厚生大臣と相談して、そうしてこっちも公文書で出すから、あなたの方もこの委員会までには一つ公文書で回答してもらいたいということを打ち合せてやったのですね。それをお出しにならないでおかれるということは、別に今政務次官がおっしゃったように、一日延びたから、二日延びたから、こんなことは二年も待ったのですから問題ないとは思うが、しかしこれはあまりにも厚生省のやり方が誠意がないのではないか。先ほど私は委員会の委員として少し言い過ぎたかもしれません、厚生大臣を悪く言った。私はこの悪く言った責任は負えると思いますが、国民の血税で買ったものを、六億三千何百万も倉庫代をかけて、二年間たってもその結論が出ない。しかも厚生省にはそういうことを研究される役人もたくさんおり、またあらゆる大学——京都大学その他私の聞いただけで三つの大学に研究を委託されて、もう出ておるはずです。それをほうっておるし、それから倉庫代がかかるから、今度どうするのですかと聞くと、それでは相談します。公文書を出して回答しますというて約束されていきながら、またここに至って出ない、それではこれは悪意に考えますと、それじゃ厚生省というものは倉庫会社と連絡があるのか、連絡がなくても、それを押えておった場合には、もうかるのは倉庫業者であって、農林省は自分のものであっても処分ができない、こういうことになると非常におかしいのではないか。またそういうことでなくて、これはほんとうに明るい気持で押えられたとしても、私は今農林省の食糧庁長官のお話を聞くと、厚生省が決定するまでは処分できないのだということになると、厚生省がルーズにしておったために六億三千万からの倉庫代を払って、これからも毎月三千万から払っていく、そうして米をいためて、今度払い下げるときには、当時よりももっと安い値段で下げなければならぬということになると、山下政務次官もお考え下さるでしょうが、この責任は厚生省の責任ではないか。これは大臣がこの間こられたときに、私の方の省がルーズにしておったために、どうもこういう大きな損害を国民にかけたのだ、そうしてこういう結果を来たしたのだと言われる。それならば、今日などは農林省よりも、むしろ厚生省の方から先に書類が出るとか、厚生省から農林省に打ち合されてやられるのが当然ではないのか、こういう工合に私は考えておるのです。  それからもう一つ厚生省あたりでは、私の考えるのはみそとかしょうゆとかこういうものの加工とか、その製造するものに使う、こういうのです。もしこれに使えるならば、人間に与えて食べても何でもないと私は思います。みそとかしょうゆというようなものに使うとしても、これを加工する沸騰する温度は、米をたく温度と同じです。おせんべいのようにこがすまで焼くと、非常に火が強いから菌が死ぬということも言われましょうが、しかし厚生省の考え方が一つ間違っておるのです。すなわち米だと毎日食べる、お菓子やみそだと毎日食べないからというが、みそは外国人のスープと同じことで、日本人は毎日食べるのです。それは三度々々食うのに、一回しか食わないからいいじゃないか、こういう考えを持っていらっしゃるかもしれません。南京米でも、普通の人は南京米ばかり毎日食わないで、いろいろなおかずとか野菜とかほかの米をまぜて食いますから、この程度ならみそ、しょうゆと変りないと思います。みそ、しょうゆに使えるものは、お米に使えるのじゃないかと私は考えております。  もう一つ私は家畜などをよく飼っている関係上、黄変米を——これが始まったときは私は委員長だったものですから、試験させました結果、南京ネズミを百匹、これに二カ月半食わせますと、南京ネズミの乳ガン、これが五十九匹——これは一匹や二匹違っているかもしれません。私記憶ありませんから……。それと日本の白米を食わせたのは、九匹か八匹出ておる。それは南京米とか日本米の白米だからいけないのだろうというので、ふすまをまぜて、キャベツを刻んでそういうものを食わせたところが、日本米を食わせたのはガンが出ておりません。南京米を食ったのが三十匹か四十匹出ております。南京米が終戦後日本に入ってきた関係上、米を今までのようにまぜないで、よけい食ったとともあるんでしょうね。癌研究所なんかのガン患者のふえたことは、日本では肺患者よりも率においてもっとふえているということになっているんだから、私はこういう点も厚生省あたりでお考えになって、この処分というものに対しては学者の意見も出ましょうけれども、ただ一つの学者の意見なら、前に出てだめだからというので押えてあったんです。いいならやったんですが、学者の意見なら私はそう変らぬと思います。  もう一つは、この前払い下げをされた会社がこれを食糧に流した。トンネル会社があって、そこからあるアルコール会社にいく、そのアルコール会社がそれを食糧に流した。これが刑事問題となっておる。どれだけの害があったかということはわかりませんが、刑事問題となって目下係争中のはずです。そこで流したために、今度はアルコールを作るのにかわりの何かを持ってきて作らなければいかぬものですから、農協——三県くらいにわたった農協から、これは山田長司理事が非常に心配されておったのですが、イモなんかをたくさん買って、そしてアルコールを作った。このイモ代金が農協に払われないために、百姓が非常に迷惑をしている。農協とも今問題を起している。こういうような結果もあったんですから、やはりみそとかしょうゆというものに払い下げるときには、どうかそういう点もよく御了承願って払い下げをしていただきたい。  それからもう一つ私は、政務次官の選挙区が福島県で、家畜とか農業に関係のあるところですから申し上げますが、先ほどから申し上げたように、農林省の政策をよく見ますと、豚の肉が足りない、あるいは乳牛が足りない、鶏が足りないといわれますし、農林省は鳴りもの入りで、それ飼え、それ援助してやると一生懸命やる。百姓は、農林省が援助したり、鳴りもの入りで一生懸命宣伝をするものだから、これに踊って、そして借金までして豚を飼ったり、牛舎を建てたり何かする。少しふえてくると横を向いてしまって何らかまわない。それがために農村が破産に瀕している。せっかくだれかが飼ったものを、また研究して飼ってくれれば、私は将来の家畜というものに対する埋め合せがつくと思う。ところが売るときは二束三文で売る。家畜を飼うときは、家畜を研究するのではなく、屠殺場に持っていくために飼うのじゃないか。借金のかたに取っておけということで飼うのです。ほとんど研究もしないでごたごたになっておる。たとえば福島県では豚を飼うにも牛を飼うにも、そこから出る残飯も使うのですが、そういう家畜の飼料の研究とか、あるいは保管法というものはほとんど研究されていない。これがために農村は非常に迷惑しておる。今の農村の状態を見ると、この暮れにかけて米は作ったが政府に取り上げられてしまった。そこで家畜を飼いたいが、えさがない。あっても高くて合わないというので、乳の出る牛を三万五千円でもって売って歩くとか、今度は子をつけたままの牛を売って歩くとかいうありさまだ。今東京の乳牛というものは問題にならぬ。これは豚よりも安い。それというのも農林省が鳴りもの入りで宣伝して飼わせた結果だ。こういう農村に対する家畜の飼料は、農協とかあるいは日本全購連とかというような団体——外郭団体もありましょうが、そういう団体に一応農林省が払い下げて、そうしてその結果を見てやっていただいたら農村も非常に喜び、またそういうものが回れば、農村の肉とか乳とか卵も安く出ますから、都会もその方で恵まれるということになれば、多少でも農村に対するいり合せがつくのではないか。また町の人たちが、税金を払ってまで、外米を食え食えといって、食えない者にも幾らかいり合せがつくのではないか、こう私は考えておる。そういう点も政務次官は、どうせ会議に列席されるのだからよくお考えになって下さい。それから厚生大臣は一わが党から出した大臣だが、実に不誠意きわまる男だと私はこの委員会で憤激しておる。あれだけごもっともでございます。さようでございますと言ってわれわれをすっかりだました。これは実際、問題になる。きょう政務次官から聞くと、何か個人的にお話しになったそうですが、その中でも、聞いておらない理事の方も相当おいでになる。私も聞いておりません。そういうような関係ですから、ぜひその点は御考慮に入れられて、そうして農林省とよく相談してやっていただきたい。とにかく厚生省が二年間六億三千万円、一カ月に三千万円の倉庫代を払い、そうして品物を痛めてきたということは、ここに厚生省の部長さんもおいでになりますが、これはみなあなた方の責任ですよ。だから私はほんとうに厚生大臣がしっかりしておるなら、これに責任を負わしてもいい、これに責任を負わすくらいの役所でなければ、政務次官でなければ、私は国民に対して申しわけないと思う。この点もよく御考慮下さい。六億という金はそんな小さな金ではありません。このことを申し上げておきます。

山下春江自由民主党厚生政務次官

○山下政府委員 ただいまの田中先生の、後半の有畜農業に対する飼料等に関する問題は全くお説の通りだと思いますが、厚生省といたしましては多分その問題に関与する直接の責任者でないと思いますので、お説の点は農林省と相談をいたします機会がございましたら、必ず強力にそういう点も主張することにいたしますが、ただいまいろいろおしかりや御注意を受けました。ごもっともでございますが、事務当局といたしましても、この厚生省の切なさは多分先生方もよく御承知であろうと思いますが、なかなか毒があると言う学者の方が少うございまして、この黄変米の毒を培養するのにはなかなか骨が折れるかに聞いております。私も全くのしろうとでございますが、従って毒がないと大臣をして言わせるか、毒があると言わせるかということの、この最後の腹をきめるのには、事務当局をおしかりいただきましても、大臣が最後の腹をきめまして万一みそくらいならよかろうと言ったら、それに害が出てきたとか、あるいは、みそがだめだ、アルコールくらいならいいと言ってみれば、国家に非常な御損をかけなければならぬという大へんな、進みもならず、引きもならずというのが今の厚生省の立場ではなかろうかと私は推測をいたしております。大臣がこれに対して無責任だとおしかりでございますが、大臣もこういった純粋の学問上のことに対しては全くのしろうとでございまして、どうしても事務当局の報告でなく、個々に、学者に一人々々会ってその最後の意見を聞きたい切なる願いを持っておられまするので、そういう点から私ども、委員会に対してはなはだ恐縮でございましたけれども、暫時時間の余裕をいただきたいと申し出たようなわけでございますが、全く国家にとって非常に大きな損害を与えております。そのことは厚生省が最後の断を下さないからだ、いかにもその通りでございますが、厚生省という役所が断を下しますことに対しては、軽々に断が下せない問題であるということも、委員会の先生方でぜひ御了承を賜わりまして、——しかしながらじんぜん日を暮らすわけには参りませんので、明晩はどのように夜を徹しましても、それに対する結論を出したいと今努力をしておるところでございますので、その結論を一つ明後日までお許しを願いまして、大臣が決して無責任とかあるいは不誠意とかということで本委員会に出席をいたさないのではございませんで、そういう抜きもならず差しもならずという立場に立っておりますために本日お伺いをいたさないのでございますので、その点もあしからず一つ御了承を賜わりたいとお願いを申し上げます。

山本正一自由民主党

○山本(正)委員 関連して。まだ農林、厚生当局に対して質疑のある委員諸君もあるようでありますが、私はちょっと別の用事で出ますので……。ただせっかく厚生当局が今のように、明日夜、学者の慎重な所見を伺って最終的に遺憾なき方針をきめたいと申しておられるのでありますから、厚生当局に対する質疑はなお続行することにいたしまして、きょうの場合は一応そのことを念頭に置いて、本質的な質疑はなお次会に文書を拝見した上でいたしたい。それから文書は、今政務次官のお話をそのまま尊重し、かつ信用し、おそくとも明後日の午前中には本委員会に提出をしていただくということを一つお約束をいただきまして、従ってその文書の内容いかんによりましては当然農林当局にも御意見を伺うべき必要も起ると思いますから、次会には厚生、農林両当局においでを願って質疑が完了するように願いたいと思います。

上林與市郎日本社会党

○上林委員長 前段の方は別として、後段の方はいかがでございますか、お約束できますか。

山下春江自由民主党厚生政務次官

○山下政府委員 それはお約束申し上げまして、提出いたします。

上林與市郎日本社会党

○上林委員長 ただいまの山本委員の御発言でも大体御了承願ったと思いますが、理事間でいろいろ打ち合せました結果、決算委員会の開催日数の予定を一日増加してこの審議を進める、その日取りは大体十五日を予定しておりますので、その間の事情も十分配慮の上に御質疑を願いたいと思います。  それでは質疑に入ります。八田君。

八田貞義自由民主党

○八田委員 時間がありませんので、いろいろな質問事項をたくさん持っているのでありますが、簡単に縮めて、問題を限定して申し上げたいと思います。ただ私が社会労働の常任委員でありながらなぜ決算委員会に出てきたかということは、私は二十三年間医薬学の研究機関にありまして、衛生学者あるいは細菌学者として、主として食品衛生に関する研究に従事しておったのでございます。国会に出るまで、すなわち本年の一月二十八日までは国立衛生試験所の細菌部長として、また食品衛生調査会の常任委員として、また食品加工部会長としてやっておったのでございまして、本問題には非常な熱意と、そして何とかしてこれを解決いたしたいというような気持で出て参ったのであります。そこで問題を端折って楠本部長にお伺いいたしたいのでありますが、いろいろな報告を拝見いたしますと、黄変米々々々と騒いでおりますが、一体自然界において黄変米を食べて中毒したという事例があるかどうか、実例があるならここではっきりと示してもらいたいと思います。楠本部長の率直な答弁を願います。

楠本正康厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○楠本政府委員 現在黄変米といわれるものを食べて何らか事故を起したという事故例は、私どもいろいろ調査をいたしましたが、ございません。

八田貞義自由民主党

○八田委員 さらにもう一つお聞きいたしたいのですが、黄変米を食べて実際に中毒したという実例は、米を食べておる民族間にも全然ないのです。一体それをだれがこのような黄変米騒動にまで持ってきたか。楠本部長は一番その変化を知っておられるので、楠本部長の端的、率直なお考えをここでお述べを願いたい。

楠本正康厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○楠本政府委員 当初、昭和二十七年ごろまではときどききわめて悪い外米が輸入されまして、世間でもくさい米というような言葉でいろいろ問題になったことがございます。その当時の米は、外見上からいたしましてもすっかりカビが生えまして、黄色く色の変ったような米が多かったわけでございます。なおこれらのものにつきましては、もちろん毒性もある程度検定ができますし、それが直接害があるかどうかは別といたしましても、主食としてさようなくさい米、黄色い米等を食べさすことは適当でないという考え方からいたしまして、われわれといたしましては、さような黄色い米、くさい米というようなものはこれを輸入港におきまして排除することといたしたわけでございます。ところがその後になりまして、外見上何ら差のないまっ白いピカピカした米からも、培養いたしますと黄色い米同様、くさい米同様に黄変菌の発見されるのが出て参りましたので、私どもはこれは困ったと思いましていろいろ検討いたしましたが、そのときは一応私どもといたしましては暫定的に、黄色い、くさい米についている黄変菌の量、並びに外見上は正常な米にごくわずかおそらくついているだろう菌の量とに非常な差があるんではなかろうかということで、その点に差等をつけて、つまり黄色い米、くさい米と外見上正常な米との間に差等をつけて取り扱うことといたした次第でございます。しかるにその結果は一部学者から、黄色い米であろうがくさい米であろうが、また一方、白い、外見上正常な米でも毒性は全く同じであるんだという議論が出まして、ここに問題が大きく発展したわけでございます。

八田貞義自由民主党

○八田委員 今の楠本部長の話を聞いておりますと、いわゆる毒性問題についてはっきりとした研究ができておるというような観念から今のように述べておられますけれども、今のいわゆる白い米からカビが出るというのは、まず出てきたカビを形態学的に調べまして、チトリヌムあるいはイスランジクムに似ているということで形態学的に同定を下す。果して形態学的に同定したカビが毒を出すか出さないかは実験してみなければわからない。もしも今のお考えのようなもので研究を進めていきますならば、日本のおもちに生える青いカビでも、探せば同様な毒物を出すカビを発見し得るかもしれない。しかも同じようにペニシリウムに属するカビなのです。ですから、時間がありませんから端折って申しますけれども、カビの毒を作るのに非常な苦労を重ねておる。ですから、形態学的に言ってみまして、これはイスランジクムだ、チトリヌムだということがわかっておっても、果して毒を出すか出さないか。また培養基の組成によっても違ってくる、温度によっても違ってくる。いわゆる人工的に黄変米の毒を探すために非常な努力をやっておるというのが今日である。人工実験でもって陽性なりと判定いたしましても、それが自然状態で起り得るかどうか。いわゆる自然黄変米と人工黄変米の実験とは、比較対象はできない。私は長年食品衛生を研究しておりまして、今日までの大中小の食中毒につきましては全部関係いたしておるのでありますが、今日のように、自然界に全然ありもしない中毒事件を取り上げて、実験的に何とかして毒を出そうというような研究にじんぜん日を過しているということは、私は経済的にも時間的にも非常にむだだというような考えを持っております。薬物にも、いろいろな薬物にはみな極量という言葉がありまして、これ以下使っても生体に対して何らの障害はないが、これ以上使えば肝臓、腎臓にも働くというようなことが、極量ということによって示されているのです。このことを考えてみれば、あらゆるばい菌は、たくさん使えばみな肝臓、腎臓にも働くという結果が出てくるのです。学者の意見が一致するまでという言葉がこの国会においても何回か使われておりますが、これは非常に間違いであります。あくまでも反対説のない学問というものはあり得ない。もしも学者の意見が一致するまでというならば、御用学者を集めなければならぬ。そういうことではどうにもならぬのです。ですから、国会で学者の意見が一致するまでという、そんな観念で日を送っておるということは、私は非常に間違いだと思う。あすさらに学者を集めて、納得のいくまで相談し合うということを山下次官は申されましたが、行政官として一体何を前提として納得のいくまで相談されるのか。配給を前提とした納得話か、あるいはこういうものは国民に非常に不安を与えているのであるから、転用資源としてどういうものに転用したらいいかということについての納得話か、そこをはっきりしていただきたいのであります。学者を集めてとおっしゃいますけれども、食品衛生調査会のメンバーをお集めになるのか、あるいはそれ以外の学者をお集めになるのか、そこをはっきりしてもらわなければならぬ。さらにまた食品衛生調査会は私も今までずっとやっておったのですが、これは三月で任命切れになっているはずです。一体どういう人を食品衛生調査会として新たに任命されたか。その任命されたのは、聞いてみると最近らしいですね。この点についても、私行政措置に対してはなはだ問題があると思うのです。いつでも、問題が起るとあとで学者の話を聞く、こうことになっていますが、その場合に、学者の意見を聞いて、転用についてもこういうことだということをなぜ出さないのですか。この問題についても、発端はいろいろありますけれども、結局朝日新聞においてすっぱ抜きをした。学者の意見を全然聞かないで、楠本部長が二・五%ならばいいというような算術計算をやられて配給をしようということをおやりになった、そのために朝日新聞は配給反対ということを非常に大きく新聞面にあげたのです。これが世人に一番不安を与えたのであります。私に言わせるならば、この問題は不安を与えておるのであるから、今後国民を啓蒙していくためにもどうしてもこれは相当の時間がかかる。学者は学者でこれは結論を出し得ないのです。まだまだ日本のカビの研究というものは幼稚であります。この幼稚な研究に対して、その結果が出るまで待っておったらずっとかかります。いつまでたっても結論というものは出ません。そうすると、結局この問題は転用資源として使うしかないのです。転用資源とする場合でも、新聞にはすでに、厚生大臣がみそ、しょうゆに回すというようなとんでもないことを出しているのです。これについてもさらに追及いたしたいのでありますけれども、私としては、時間が非常にございませんので問題だけを提出しておきますが、よくお考え願いたいのです。ただ私質問をいたし、お答え願いたいのは、一体食品衛生調査会というものの学者だけをあした招集するのか、あるいはそれ以外の者も招集するのか、学者の名前を一つ言ってもらいたい。さらに、食品衛生調査会というものは三月で切れているのですから、いつ任命されたのか、その点についてもお答え願いたい。

楠本正康厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○楠本政府委員 お答え申し上げます。先ほど政務次官からお答えを申し上げましたいろいろな学者の意見を聞くと申しますのは、食品衛生調査会の黄変米特別部会の全員十六名にお集まりを願う予定でございます。なお、御指摘のように、食品衛生調査会は三月をもちまして期限が切れて、私どもといたしましては直ちに手続を進めておりましたが、ただ、大学の先生の関係等がございまして、正式の発令はだいぶおくれたと記憶いたしておりますけれども、しかしながら、その間におきましても一応は従来通りいろいろ御指導を願っておったわけでございます。

上林與市郎日本社会党

○上林委員長 政務次官から発言を求められておりますからこれを許します。山下政務次官。

山下春江自由民主党厚生政務次官

○山下政府委員 ただいまの八田委員の御発言は非常に大きな示唆を与えられるものと存じます。厚生省におるからではございませんが、私は、国会にさような権威ある調査機関等がありまして、それが厚生省と御相談をしてものをきめるというようなことにいたしますならば日本にとって非常に仕合せと存じますが、この問題は、今楠本部長から申しましたように、これという毒性の発見されたことを確認した事実はございません。八田委員御指摘の通りでありますけれども、しかしながら、それならばもしこれを間接の食糧としてみそ等に作りました場合、万一毒を食わせるというような言葉が出ますると、これは国民に非常な大きな不安を与える問題でございまして、厚生省の立場といたしましては——御指摘の通り、学者の議論が明晩もはっきりした結論が出るかどうかはわかりません。しかも聞く大臣がその道の学者ではございませんので、納得がいくとは一体何を目安に納得をいかせようとするのか、その通りでございますが、しかしながらそれにいたしましても、慎重の上にも慎重を重ねなければならない。これは非常に大きな世論の上に置かれている問題だけに断を下しにくいという、非常に苦しい立場に立っているのが厚生省でございまして、その点私から特に国会にお願いをいたしますことは、こういう結論の上に立ってものを処します場合に、世論に対して国会が確信のある態度を持って御善処を賜わるならば、出ました結論に対しても、大きな摩擦なしにこの問題が解決されることに相なろうかと考えますので、今後私ども厚生省で出しました結論に対しても、そのような立場に立って御処断を賜わるならば非常に幸甚と考えますので、むしろこれははなはだ私厚生省の立場として申す言葉でないかと存じまするけれども、この問題に関しましては、特段の国会の御協力を賜わって、すみやかに解決をいたしたいと存じますので、よろしてお願いをいたします。

八田貞義自由民主党

○八田委員 みその問題が出ましたので、一つ山下次官並びに楠本部長に参考として申し上げておきたいのですが、もちろん私はみそにしろということは言いません。ただかつて片山内閣時代に大豆粉中毒というのが流行した。多分二十三年と思いますが、この大豆粉中毒のときに、アメリカのサムス准将、それからあした出られる食品衛生調査会長の小島三郎先生、さらにこの研究室からブドウ球菌によって中毒が起ったのだということが新聞面に出まして、それで問題になったわけです。ブドウ球菌ならば衛生問題で片づけるものでございます。ですから配給はどんどんやってもいいということになってくるわけです。ところが私の研究室でやってみますと、耐熱性の毒物が出るということで配給を停止した。ところがどんどん大豆粉が入ってくる。一体これをどうするか。突っ返すわけにいかない。しかし耐熱性の毒物があるからこれを国民に配給するわけにいかない。一体どうしたらいいだろうということで研究者の連絡会議を開きました。そのときに私はみそ、しょうゆに直すということを提案いたしました。さらにまた味のもとに直すということも提案いたしました。それに対しまして東大の醸造学の大家である藪田教授が言われるには、八田の研究によれば耐熱性の毒物がある、みそ、しょうゆに直した場合に果してその毒物がこわれるかどうか、こういったことを研究しなければだめだ。一体どのくらいかかるかと申しましたら、一年ないし二年かかるという。それでは困る、今どろぼうがつかまった、なわをなうから待ってくれというような研究では困る。そしてさらに私は、浜松を境にいたしまして、それから東の方にかけましてはみそを多く配給した。浜松から西の方にはみそを少く配給するということがそのときのみその配給に対する統制であったが、東北においてはたくさんみそ汁を飲みます。しかもたくさん消費する東北におきましても、ばかの三ばい汁ということを言う。とうてい中毒量には達しない。ということは、安全量、中毒量、致死量から考えなければならぬ。安全量と中毒量の間には百倍の間隔を設けるということを申しました。みそを自由にして食べてみても中毒量には達しない。ましてや、しょうゆに至っては調味料程度であるから全然問題にならないということで、さらに味のもと、グルタミン酸ソーダに直してこれを転用したことがある。それから多分お考えになったのではないだろうかという気持もするのでありますが、私は今度の米の場合は、みそにすることについてはもう少し研究する必要がある、こういうような考えを持っておるのであります。ですからしょうゆは全然問題にならぬのです。しょうゆを作る場合に米を使うということは今までにない。そういうことについても大臣が発言されたらしいのですけれども、非常に軽々であろうと私は考えるのであります。しかも食品衛生調査会の意見も全然徴していない。またあるいは黄変米の特別研究部会の意見も徴していないというに至っては、あまりにも先ばしった考えである。学者を尊敬する、尊敬すると言いながら、実際は何ら尊敬した実績が上っていない。この点について私は山下次官にはっきりとお願いしておきたいのでありますが、あすの晩学者がお集まりになるそうでありますから、どうか十分謙虚な気持で学者の意見を御参酌の上、この委員会に御報告願いたいのであります。これを希望いたしまして私の質問を終ります。

上林與市郎日本社会党

○上林委員長 次に吉田委員に質疑を許します。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 きょうは大臣が出られないのは、一体どういう理由でありますか。

山下春江自由民主党厚生政務次官

○山下政府委員 大臣が出られない理由の一つは、所管事項である参議院の社労の委員会が開かれておりまして、同じくこの黄変米等の問題についての御審議が行われておりますので、そこで所管事項の方へ先に参りましたところが、なかなかおひまが出ないために来られないということが一つ。それからもう一つには、われわれこの問題は学者の意見を聞きましたあとに御回答申し上げることをお許し願えるのではなかろうかというような気持もあったと思いますので、参議院の方の御審議に対して答弁を申し上げておるのが実情と存じます。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 御承知と思いますけれども、前会から並びに今回の当委員会におきましては、厚生省の御答弁はもっとしっかりと出していただかなければ審議が進みにくい。それから農林大臣以下農林省当局の答弁にいたしましても、やはり厚生省の答弁が前提にならなければ答弁しにくい点が多々あるというので前会も多くの時間をむだにしてしまったわけであります。こういうようないきさつがありますので、もし黄変米が参議院で審議されるためにあちらへ行かれるならば、一応当委員会へお断りをしていただきたかったのであります。そういたしますと私どもももう少しスムーズにこの問題が扱い得ただろうと思う。まことに遺憾に思います。大臣にお伝えを願っておきたいと思うのです。  それからお尋ねしたいのですが、これは当委員会におきましては昭和二十九年の八月二十三日全会一致をもって決議をいたしております。その決議は、病変米を配給することはこれを中止すること、再搗精その他の処理をなし、再検討の上学者の一致した意見によりこれを処理すること、こういうことを決議いたしております。厚生大臣はもちろん農林大臣もこの趣旨を尊重するということをしばしば言明しておられるのであります。そこでただいま八田委員の質問に対して、黄変米が人体に有害であるというようなことはほんとうの軽々な議論であるというようなお説も出ました。また世間を騒がしているのは朝日新聞のすっぱ抜き記事であるというような意見が出ました。また学者の一致した意見を求めることは無理であるというような意見が出ました。それから楠木部長からこれを肯定するかのごとき御意見が出ておるのであります。たとえばあなたは参議院におきまして、有害なりという報告を受けておらぬ、こういうようなことをおっしゃった。これと同様の答弁がきょう出ておるのであります。そこであなたのほんとうの腹を聞きますが、黄変米無害なり、現在在庫しておる白色の病変米は有毒にあらず、こういう前提をあなたがかたくとっておられるので問題が解決しないのじゃないか。無害なりという前提に立っての大臣の意見をいつまで聞いても、あなたの意見がそういうふうである限りは、これは解決の道がないのじゃないかと思うのです。そこでなお重ねて第二点は、あした学者を寄せていろいろ意見を聞くとおっしゃるが、それは一体白紙で臨む態度であるのかいなや、あるいは在庫黄変米並びに黄変米は有害にあらずという前提に立って意見を聞こうとするのかどうか、一体それらの点についてもなお厚生省は首脳部において意見がまとまっておらぬのかどうか。最終的な案をきめるということは、それは新任大臣の御意向としてはごもっともと思いますが、それでもなお無害説を前提にしておるということであるならば、もう案は予定してある、ただ一応学者の意見を聞いておこう、こういうことでないかということをわれわれはおそれるのであります。この点はやはり大臣にかわって次官から御答弁願いたい。もし御答弁が願えなかったら、これは大事な点でありますから、大臣とよく御相談の上答弁してもらいます。これらの点につきまして、一つ御両所から御答弁願いたい。

山下春江自由民主党厚生政務次官

○山下政府委員 前段、大臣が一応のごあいさつをいたしませんために審議を非常に混乱させましたことに対しては申しわけないと存じまして、その点は大臣によくお伝えをいたしますでございます。  それから後の点でございますが、厚生省の事務当局がどう考えておるかということとは全然別でございまして、大臣は事務当局からいろいろ意見も聞いておりますけれども、しろうとなりにも学者の意見をじかに聞きたいということのために、全く白紙で大臣を中心にして——きょうまでの議会の方法でなく、大臣を中心にして学者の方から白紙で大臣が意見を聞きたいというのでございまして、これまでの会議の方法とは全く異にして、明日真剣に大臣が聞くことになっております。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 楠本さんに答弁願う前に次官にそれに関してもう一つ聞いておきますが、それならば、白紙で学者の意見を聞くとおっしゃる以上は、あらかじめ案を予定しておいて——今予定してあるのだけれども、一応なお学者の意見を聞くのだ、そういう説さえ流布されておるのであります。それだったら大へんなんでございます。もしそういうようなことであれば、われわれはもっとほんとうに開き直って聞かなければならぬ。私どもはほんとうはやはりどうかして国民保健の上で、国家財政の見地から国会として鏡のような立場に立ってこの問題を検討しつつあるのであります。そこであなたのお話によると、白紙、しからば事務当局等々におきましても、厚生省としましてはあらかじめ案を予定しておいて学者の意見を聞く、こういうことじゃないというふうに了解していいのでしょうか。

山下春江自由民主党厚生政務次官

○山下政府委員 大臣の心持をそんたくいたしますことは少し出過ぎふと存じますが、大臣が当委員会で、私はっきり記憶いたしておりませんが、さっき八田委員から出ましたみそ等にするというような発言もあったということについて、大臣は、自分は軽率であった、そこで白紙で学者の意見を聞いて、これは重大な問題だから、一切の考え方にこだわることなく、もし軽率であったという結論になれば、委員会に対して訂正をするということを私に私語としておっしゃったことがございますので、そういうあらかじめの案の上に立ってというようなことは全然ないと私は確信をいたしております。

楠本正康厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○楠本政府委員 お答え申し上げます。私は別に何か一つの前提条件として無害というようなことのもとにものを判断しようとしているものでは毛頭ございません。これは学者の方々の研究成績によりまして、有害ならば有害の処置、無害ならば無害の処置というふうに、きわめてすなおに考えております。ただ私といたしましては、学者でもございません。また自分で判断する、研究する能力も何らございません。ただ多くの学者の方々のいろいろな研究成績を拝見しておるにすぎないわけでございます。ただ私がいつも申し上げているのは、今までの研究成績ではという前提で申し上げておりますが、今までたくさんの研究成績をいただいておりますが、そのうちに現在在庫の白い、外見正常な黄変米が別に有害であるという根拠は何一ついただいておらぬのであります。ただ逆に言えば、それなら無害であるかという証明があるかというと、この点はまだ別に無害の証明はされておりませんが、少くとも積極的に有害であるという何らの根拠は出ておらぬわけでございます。従いまして私どもといたしましては、多数の学者が出して下さいますデータを自分の勝手にこれは批判することは許されません。従って私といたしましては、データを率直にお答えをいたしておるにすぎません。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 あなたに聞きますが、私はしろうとですけれども、そうしますと、イスランジア黄変米につきまして、その毒性の研究なんかももうできておる、相当進んでおる、こういうふうにあなたはお考えになっておるのか、それともことしの二月二十六日付で食品衛生調査会の会長からの答申がありましたが、その後さらにいろいろな御発表もあちらこちらであったようでありますが、毒性の研究なんかも相当できておるというような前提で今有害なりという何らの報告も受けておらぬというふうな御発言をなさるのでしょうか、それとも毒性の研究について憂うべき、おそるべき多くの発表がせられておることも御考慮になってそういうふうにお言いになるのか。やはり国会は全体として医学者でもなければ、あるいは薬学者でもなく、植物学者でもなく、病理学者でもないわけでありますから、あなたは公衆衛生局のこの道の権威者なんだから、その人から何らの報告を受けておらぬというようなお言葉が出ますと、世上に毒物についていろいろと憂うべき発表もあるし、権威のある報告もあるというようなことまでも否定するようなことにも聞えるのでありますが、そういうようなことも一切御考慮なしに今御答弁になっておるのでしょうか。

楠本正康厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○楠本政府委員 私はただいま二つの前提条件をつけてお答えを申し上げました。現在までの研究成績においては別に有毒という証明は何もされておらない、もう一つの条件は、現在在庫の外見上正常な十三万トンの米であるということを前提にいたしておるのです。従って私といたしましては、このイスランジアの毒性研究が終ったものとは思って上りません。一方そのイスランジアの毒を何らかのもので特に濃く抽出して実験をすればいろいろな猛毒があることも承知をいたしております。しかしこのことを言うならば、抽出をしたらどんなものからでも毒は出て参りますから、これは別に在庫の黄変米の毒性を云々するものではない。つまり私は率直に考えまして、今までの成績では、別に在庫の白い黄変米に何ら毒性のあるという証拠はないということを申し上げておるわけでございます。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 これはあなたまた大へん重大な御発言をなさったことになる。これはやはり大臣に聞かなければ解決しません。次官に聞きますが、過去二年間六億円の倉庫料を払って、十五万一千トンが今日は十三万九千余トンに減っておるのでありますが、これは大部分がイスランジア黄変米なんです。白色病変米と称しておりますけれども、そこで今楠本部長のお話によりますと、研究の結果では有毒の報告を受けておらぬという前提に強く支配されておるようであります。また在庫病変米につきましても、やはり有毒にあらずという前提がどうも支配しておる。もしそういうように簡単に割り切っておられるならば、二カ年にわたって百億円をこえる国費を使って買うて、さらに倉庫料を払って、世の疑惑を受け、またその間多大なあちらこちらの労力を費して、今日なお未解決であるということは、一体食品衛生を主管する厚生省としてはその行政なっておらぬじゃないかといわざるを得ません。しからば何ゆえこの二カ年間、ノーかイエスか、毒があるかたいか、毒がないとするならば人間が食ってもよろしい、あるいは人間が食えないならば牛が食ってもよろしい、あるいはそれがいけなければそのほかの用途にということをじんぜん未解決で経過したのか。行政責任は重大といわなければなりません。何もあなた方らの金で買うたものでも何でもない。みんな国民の金ですよ。百億円というのは小さい金ではございません。また国民が心配しているのは大へんですよ。こういうふうなことも考慮するならば、そんな大胆な発言をなさるなら、何ゆえ今日もっと明白な回答をしないのか。小島三郎氏の二月二十六日のこの厚生大臣に対する回答によっても、慎重にイスランジャ黄変米につきなお研究を続けると、きわめて慎重な態度をとっておる。学者を代表してこれほど慎重な態度をとっておられるのですが、有毒にあらずというような頭に支配されて結論を出さぬということは、行政がめちゃくちゃですよ。そんな乱暴な御発言をなさるなら、厚生大臣から私は国会に対して責任ある答弁を求めなければならぬと思う。これは次官はっきりしておいて下さい。

山下春江自由民主党厚生政務次官

○山下政府委員 ただいま楠本部長がお答え申しましたことは、これまで学者の研究されました資料では、有毒であるという証明はいただいておらない、しからば有毒でないとこれをみなすかと言われれば、無害だという証明もいただいておらないというところに、厚生省がよう踏み切れなかった原因があると私は考えるのでございます。そこで、長い間御研究は願ったわけでありますけれども、大臣といたしましては、これは、何とか国会に厚生省としての態度を明らかにいたさなければならない時間的に迫られておる問題でございますので、そういう今日までのいきさつから、白紙で学者のお話を謙虚に聞きまして結論を出したいと思っておるようでございますので、決してそういうことでじんぜん日をおくらしたとおとりいただきませんように。有毒だという証明もいただいておらないが、さりとて無害だという証明も学者はお出しになっておらないというところに、今日までじんぜん日をおくらしたような形ができた、私はさように考えております。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 私は今あなたに聞きましたのは学問上の結論を聞くのではないのであります。なるほどそれは有毒ないし無毒等につきまして、厚生省に向って最終的な権威ある結論は出ておらぬかもしれませんけれども、すでに今年の夏に、予研の学者や東大の農芸化学の学者やあるいは病理学者などの人々によりまして、培養液からイスランジャの黄変米の毒物の型が発見されております。そうしてこれはすでに学会に報告されております。正確な名前は何と言いますか、千五百人ばかり学者が寄ったはずですが、春季日本農芸化学会だと思います。そこで発表されております。私はしろうとですが、そこで発表されたところによってみますと、原子の化学式まで発表されております。それはC25、H35、O8、N5、CL2です。そこで名前はイスランジ・トキシンと言っております。これは化学者の間では未知の蛋白質のようであります。こういうような二十五の型に入らぬもの、いわば化学上の新しい発見と称すべきものが有力な学者によって学会に発表されておるのであります。今毒がないということを国会で公言するということは、行政府としては大へんなことですよ。そこまで国会に対して挑戦していかれる態度であればこれは解決しませんぞ。百億円も投じた黄変米を無毒なりとしてほおかむりしていこうということになれば、全国の主婦を相手にしてけんかするということにもなります。またほんとうに国民の保健を考えておる多くの人を戦慄せしめます。あるいはまた人間をモルモットにするじゃないかというような不信の感情すら生じてくるのであります。でありますから、私はほんとに謙虚な態度をもって、黄変米の毒素を追究するということに、尊敬の念を払っていかれるような行政府の態度を望まねばならぬのであります。そこであなたに聞こうといたしましたのは、そういう学問上の結論が有毒か無毒かという報告があったとかなかったとか、証明があったとかなかったとか、区役所や都庁へ行って証明書をもらうようなものでありますまいし、およそ日本の有力な学者が何千名と集まったところで発表されるところに耳をかさないというような態度、そんな厚生行政はございませんぞ。そんな強いことをおっしゃるならば、二カ年間も結論を出さずに——なるほど今の大臣は新任です。しかし日本の政府の厚生大臣はずっとあるのです。厚生大臣は常時これの御研究がなければならぬ。二年間も結論が出ないで漫然と今日まで来ているということはもってのほかと言わねばならぬのであります。でありますから、そういう楠本部長の強い御発言がありましたので、そういうことでは厚生省はほんとうに国民の納得行くような行政措置ができないじゃないかと、実は心配の余りあなたに御質問したのでありますが、この点は一つよく御相談下さって、いずれ大臣が見えましてからよく聞きます。  それからきょうはどうしますか委員長。

上林與市郎日本社会党

○上林委員長 議事進行についてはこの委員会終了後に、非常に時間がおくれまして御迷惑と存じますけれども、理事の方々にお残り願う予定でございますから、さように御了承願います。他に御質疑ございませんか。

八田貞義自由民主党

○八田委員 私はちょっと吉田委員に言明しておきたいと思いますが、私はカビの研究を荒唐無稽だとは……

上林與市郎日本社会党

○上林委員長 八田君、政府委員に対する御質問ではございませんか。

八田貞義自由民主党

○八田委員 私は、吉田委員がカビの研究は荒唐無稽だと言っておられるものですから、その点誤解があってはいかぬと思って申し上げたいのです。

上林與市郎日本社会党

○上林委員長 巧みな表現でちょっと簡単にお願いいたします。

八田貞義自由民主党

○八田委員 そうしますと、私は先ほどの発言の中で、カビの研究は荒唐無稽ということは申しておらぬのでありまして、カビの研究というものがまだ始めたばかりであって、発展途上にある。だからなかなか結論が出せないということであります。先ほど有毒であるという研究に対しまして、これをさらに追及をして有毒であるというような実験もなかなかできないのであります。また無毒であるという実験もできないというような、発展途上にあるからなかなか結論というものは出ない、しかしこの研究を打ち切っていいという問題ではないということを申し上げたのでありまして、決して研究が荒唐無稽であるというようなことを申し上げたのではありませんから、誤解のないようにお願いいたしたいのであります。

山田長司日本社会党

○山田委員 先ほど楠木部長の答弁の中に、黄変菌は黄色い米の中にかけあったのではなくて、白い米の中にも病菌があったのだ、こういうふうに言われておったのが、それが今の答弁を聞いていると、数分の後に違った答えが出ていると思うのです。ないというようなことを言われているのですが、一体その違いはどこにあるのですか。

楠本正康厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○楠本政府委員 この黄変菌を培養してみて、白米でも培養すれば黄変菌の見つかるものがまれにあるということを申し上げたのでありまして、そのことは認めております。しかしながらさような米をいろいろ研究いたしまして、今までのところはまだそれらのものが有害であるという結論は出ておらない、こういうことを申し上げたわけでございます。

山田長司日本社会党

○山田委員 毒ということはそれ自体が有害と私たちは考えるのですが、毒が出ていると言われているのか、その点がはっきりしないのですが、いかがですか。

楠本正康厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○楠本政府委員 この点は先ほど八田先生のお話がございましたように、すべて毒というものはその量によって支配をされます。薬も薬になる場合もあるが、多く飲めば毒になるというようなわけでございまして、きわめて微量な程度のものであれば毒にならぬ範囲のものもあり得るわけでございます。従って……   〔山田委員「だめだ。」と呼び、その他発言する者あり〕

上林與市郎日本社会党

○上林委員長 委員各位の熱心なる御審議は十分わかりますけれども、食事の時間も参りましたので、国会職員、政府委員方の人道上の問題になってはいけませんので、十五日に審議の予定をとっておりますから……。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 わかっておりますが、ちょっと一言だけ……。

上林與市郎日本社会党

○上林委員長 それでは発言を許します。田中彰治君。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 それはあなた少し間違っていませんか。ここに食糧庁長官もおられるが——食糧庁長官はおかわりになったからなんだが、僕は、これには毒がない、こういう工合にして鳥なんかにもためしたり、家畜なんかにもためしたりして、毒がないからやれと言ったら、あなたの方からいろいろな人が出て、こういう毒がある、こういうことがある、ああいうことがあるといってどうしても聞かなかったのだよ。そうして今になって今度はどうも毒があるともないともはっきりしない。それではなぜ二年間もやったのだ。あなたそんなことを言うと大へんな問題になるよ。全部速記録があるんだよ。わざわざ僕と長崎あたりまでこれを見学に行って、そのときに長崎の知事がどうしてもこれを来月配給してもらわぬとほんとうに米の配給に困るのだと言ったときに、僕は、君どうだ、米はきれいだからこれを配給したって大したことはないじゃないか、これを一回もう少しついて、もう一皮むいてみろ、炭鉱地帯で困っておるのだからこれで配給してやれと言ったら、いやそれは絶対だめだ、こういう毒があるんだから保証しないというものだから、僕たちもそれに対して乗らなかったのだ。しかもその当時に、それではこれを食って死んだ人があるか、これを食って中毒した人があるかと聞くと、それはないんだ、けれども、それは肝臓を萎縮していく、そうしてガンができるとか、いろいろなことを言っておった。この速記録があるから答弁を見てごらんなさい。そういう答弁をしたから僕たちはこれはいけないのだということで、吉田委員なんかも非常に研究されて、今日まで黄変米というものは処分しないできた。今になってあなたがそう言われると大へんな問題になるよ。そういう答弁を厚生省の人がしておいて、今度はそれをくつがえした。わが党の人だけれども、その方がどんな大学者だか知らないがまだためしておらないのだ。ためしておればちゃんと癌研究所から持ってきておるはずだ。僕はこれに対しては非常に考えが違っておるのだ。しかも僕らなんかは毒がないと主張したでしょう。それをあるといって押えておいて、決議までして早く処分しないかということを出してきたら、今度はそれはみそにいいとか、やれ何にいいとか、カビだから毒があるかないかわからない。ペニシリンの材料になるということくらいは、少くとも人から聞かなくても僕は知っておる。カビから一切の材料をとっておる。だから外国では今ペニシリンを菓子に入れて食っている。だからペニシリンにいいじゃないか。しかしそれとこれとは大へんな違いだ。どんな強い温度でたいてもだめなんだ。沸騰する温度まできめたが、厚生省の人たちが来て弁明しているのですよ。それはよく考えてやらぬと大へんなことになる。よく考えて御答弁をなさい。

上林與市郎日本社会党

○上林委員長 答弁を求めますか。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 答弁は要らぬですよ。

上林與市郎日本社会党

○上林委員長 三鍋委員より議事進行について発言の申し出がございますので、これを許します。三鍋君。

三鍋義三日本社会党

○三鍋委員 委員長にお願いいたしたいのであります。それは北陸電力株式会社神通川第一発電所貯水池沿岸の一部の土地崩壊の問題でございます。これにつきましては同僚委員の松岡氏からもこの委員会におきましていろいろと質疑がかわされたと思うのでございますけれども、いずれにいたしましてもこの問題は当初から予想された問題で、それがなおざりにされていたところに今日の大きな問題が出てきたのであります。つまり通産省の調査によります報告と、地元調査員、中部鉱業開発協会会長、北陸地下資源開発協会会長の斎藤大六氏、この調査の大きな食い違い、そうして地元民の現在の状態におけるところの気持、この三つの食い違いというものはやはり看過することができない。特にこの電源開発に対しましては、開発銀行から三十二億という膨大な融資も受けております関係から、私は委員長にお願いしたいのは、この食い違いをただ食い違いとしてほっておいては解決がつきませんから、でき得るならこの関係の方々を当委員会で参考人にお呼びして事情を聴取していただきたい。なお必要に応じては、この通産省関係また地元の調査関係、地元民、そうしてまた北陸電力の当事者、これらと一緒になって研究調査の必要も生じてくるのではないか、このようにいたしまして、できるだけこの問題を円満裏に、そうして地元の人々の不安を除去するように努力していただきたい、こう思うのでありまして、理事会でお諮り願いたい、このように申し上げる次第でございます。

上林與市郎日本社会党

○上林委員長 三鍋委員の御発言の御趣旨はよく了承いたしました。念のために申し上げますが、けさの理事会で、本委員会の終了直後に本問題のただいまの御発言の内容を具体的に議題にすることになっておりますから、御了承願います。  本日はこの程度にいたします。十五日に委員会を開会することにいたします。なお開会時刻は公報をもってお知らせいたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後一時二十一分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗