決算委員会 第1号
- 発言数
- 62 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1955/12/06
会議録
○上林委員長 これより会議を開きます。 まず国政調査承認要求の件についてお諮りいたします。本日の理事会の申し合せによりまして、今国会におきましても、決算の適正を期するため、前国会におけると同様国政に関する調査をいたしたいと存じます。 調査する事項は、一、歳入歳出の実況に関する事項、二、国有財産に関する事項、三、政府関係機関の収支に関する事項とし、調査の方法は、関係各方面より意見の聴取、報告及び参考資料の要求等といたしたいと存じます。 右の通り国政調査を行うことといたし、衆議院規則第九十四条に定めるところにより議長に対して承認要求をするに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○上林委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○上林委員長 次に参考資料の提出要求についてお諮りいたします。本委員会において付託案件の審査または国政調査のため、関係各官庁その他各方面に対して参考資料を要求し、その他照会、回答を求める必要あるときは、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○上林委員長 御異議なしと認め、さよう取り計らうことに決しました。 —————————————
○上林委員長 それではこれより病変米の輸入、保管及び処分等に関する事項について調査を進めます。 まず河野農林大臣よりその後の経過及び方針について説明を求めます。河野農林大臣。
○河野国務大臣 御承知の通り、黄変米につきましては、私昨年末農林大臣に就任いたしまして以来、これが処置について各方面の御意見を拝聴いたし、また厚生省の関係当局、並びにそれぞれの専門家の意見もたびたび伺ったのでございますが、ときには一切大した害はないから、これを食糧に回してもよろしいという御意見もありましたけれども、また一部より絶対それは危険であるというような御意見等もありましたので、何さま食糧のことでありますから、いやしくも疑義のあるものは、これを処分することは不適当であるというようなことで、今日までその処分を実はいたさずにおりますわけでございますが、これについて相当の金利、保管もかさむことでありまするし、数量も非常に大きい数字でございますから、一日もすみやがに処分の必要があるというようなことで、鋭意努力はいたしましたものの、ただいま申しましたる通り、研究の結果が一部には配給しても差しつかえがないという意見があり、一部にまたなお研究をし、まだ影響があるというような二つの意見が出ておりまする関係から、にわかにこれを廉価に他の方面に処分することもどうがというようなことを考えて、夏ごろまでいずれをとるやということで、実は迷っておったのでございます。しかしその研究の結果がなかなか一方に決定しにくいという実情にありますので、私といたしましては、前国会の末期にこれを他の用途に変換をしようというような心組みにいたしまして、その当時衆参両院の農林委員会の諸君に御相談をいたしまして、政府としてこの黄変米を他の用途に転換をして、処分をいたしたい。その際には当然何がしかのいろいろ新しい問題が出て参ります。すなわち価額が食糧に売りさばきます場合と違った価額にする必要も出て参りましょうし、ないしはまたこれを処分いたしました際に、その処分先からいろいろ問題が起るというようなことがあってもよろしくないと考えまして、ただいま申し上げました衆参両院の委員会の御協力を得て、これが処置をいたしたいということにお願いいたしましたところが、両院の委員会の方々は、その方法を選ぶが適当であろうというようなことになりました。実は最近これをみその原料に処分をいたそうということにいたしまして、みその組合といろいろ話し合いをいたし、しかも衆参両院の委員長にもこの由を申し入れをいたしまして、両院の委員長の御協力と御協議を得て、だんだんその方向に進んでいくために今相談中というような経過をたどっておるのでございます。 以上申し上げましたるような経過で、非常にその処置がおくれておりますることは、はなはだ遺憾なことでございますが、事情はただいま申し述べましたようなことで、私といたしましてはなるべく早く適当な用途に変更して、そしていやしくも害のないように処分をすべきであるというふうに考えておる次第であります。
○上林委員長 厚生大臣はまだ見えておりませんので、厚生大臣の説明を聞く二とはできませんが、農林大臣に対する質疑を進行いたします。質疑の通告があります。これを許します。田中委員。
○田中(彰)委員 大臣にちょっとお尋ねをいたしますが、白色病変米が、三十年十月一日現在で調べた数量で、十三万九千三百七十一トンございます。そこで一トン当り七石として九千七万五千五百九十七石、この在庫の黄変米の買い入れ代金は約八十五億三千九百五十二万円ぐらいになっておるのであります。そしてこの保管料として今日までに支払いましたものが約六億二百三十九万円、月三千万円平均ぐらい払ってきておる。そこで今農林大臣のお話を伺いますと、このままにしておけないから何とか処分したいというようなお考えであり、また両院の委員長にそういう話をされたというのでありますが、私たちもこの処分は早急にやりたいと考えております。ただ大臣のお考えについては、私はこれだけのものを国民の血税で買ってきた。相当高く買ったものにこれだけの保管料がかかっている。だからこれを損をしないように処分するということになれば、これは非常に危険な道を渡らなくちゃならない。やはり食糧にひとしいようなものに売らなければならない、こういうような結果になるのですが、金銭においてこういう失敗をして損をしてしまったものに見合すために、国民の健康を害したり、国民に害を与えたりするようなことは、これは一応やめなければならぬ。そういたしますと、まず第一に私は、この中を三つぐらいに分けられるように病変の段階があると思います。うんと病変の多いもの、あまりないもの、これなら食糧にしてもいいんじゃないかというように考えられるもの、この三つに分けられると思う。そこで今大臣のお話を伺いますと、みその材料とおっしゃいますが、みそを作る場合などはあまり強い火にかけないから、黄変米にほんとうに毒があるとすれば、私はみそといえども相当危険じゃないかと考えます。もしみそにお使いになる場合は、もう少し研究をされることが必要じゃないか、こういう工合に考えております。大臣はこういう考えに対してどういう考えを持っておられるか伺いたい。 またもう一つ、私は一番簡単でいいと思うのは、これを処分するについては、思い切った損をされて、これは農林省の金でもなければ国会の金でもない。国民全般が損をしたのであって、特に農村などは自分たちが作った米を政府から値段を指定されて出して、そうして自分たちが苦労しておる。そういう人たちが今一番因っているのは、牛とか馬とか鶏とかあるいは豚とか、その他の家畜の飼料に非常に困っている。この暮れにかけて高い飼料を買うよりも、捨て値で家畜を売ってしまった方がいいというような現象が農村のあらゆるところに今見られる。そこで一番悪いやつを家畜の飼料として、これを他の食糧の加工物の材料に絶対流さないというような条件をつけられて、一応日本で有名な団体、たとえば——これは私の試案ですが、これ以上のものがあったらうんとやってもらいたいと思いますが、たとえば全国の農業協同組合連合会というようなもの、あるいは日本養鶏農業協同組合連合会というようなもの、あるいは全国開拓農業協同組合の連合会、あるいは開拓者の連盟、あるいは全国養豚農業協同組合あるいは全国酪農協同組合、こういうようなものに、思い切ってトウモロコシを買う値段よりも、危険が伴うのだから幾らか安い値段で払い下げて、一月とか、二月とか食わしてみて、家畜の嗜好あるいはその家畜の健康に対する結果、こういうものを一応ごらんになって、その上で今度は食糧の加工とか、みその醸造とかいうようなものに払い下げられるような考え方を持たれた方が私はいいと考えておりますが、農林大臣のお考えはどうでございましょうか、お聞きします。
○河野国務大臣 御説ごもっともでありまして、実は私も先般千葉の畜産関係の試験場に参りまして、この黄変米を飼料に使った場合にはどういうことになるだろうかということの調査を委託してあるわけでございます。大体今お話の通り、私たちの基本的な考えといたしましては、厚生省の試験の結果もしくは意見を尊重いたしまして、なるべくこれを有利に処分をするという考えから、今みそにしてよろしいという厚生省の同意を得たものをみそに、みそにして不適当だというものについては、他のアルコール原料であるとかないしは飼料であるとかというふうに段階を経ていくような案を立てたい、こう思っておるわけであります。しかしお話の点もございますので、すみやかに処分をするということは、むしろ損をして得を取るということで、金利、倉敷等を考えますれば、ぶらぶらしておることが結局一番国家に迷惑をかけることになりますから、この際決算委員会の有志の方の御意見も十分拝聴いたしまして、各方面の御納得のいくところで勇断をふるって処分いたしたい。ただ問題は、これを処分いたしました際に、それがまた別の用途に流れていくということが一番困るのでありますから、それらについても早急に案を立てまして、一応日をかえまして当委員会もしくは委員の方の懇談会にその案をお示しいたしまして、そうして御了解を得た上で早急に処分をすることにしたいと思うわけでございます。ただ値を高くいたしますとなかなか買手がない。そこで処分するにどういう方法で処分をしたらいいか、ないしはまた処分した先がどういうふうにすれば別の用途に流れないかということに非常に困難性がございます。実は役人にまかしておきますと責任をおそれまして、なかなか問題が問題でございますので、処分がついおくれがちになるのでございますから、この上とも一つ委員会の方々の御協力を得て、早急に処分いたすことにいたせば一番けっこうだと思うのでありまして、十分一つ御協力を賜わりたいと思うわけであります。
○田中(彰)委員 農林大臣に重ねてお尋ねいたしますが、以前に黄変米を払い下げいたしましたときに、アルコールを製造するというので、アルコールの業者に払い下げしたところが、アルコールの業者は、この黄変米をよそに流してしまって、それにかわってサツマイモを農協から買い込んで、これでアルコールを作ってごまかした。その流された米が和歌山県の一部と京都の一部に回りまして非常に迷惑をして、今ここに刑事局長さんがおいでになったが、この委員会から刑事局長さんなんかにもお願いして大騒ぎして、取り調べた検事さんの身の上に関するような事件までここで起した。みそ、しょうゆのような業者に払い下げたのもほかに流れて非常に迷惑した。こういう結果、になっている。農協とか酪農連とかいうところは、自分たちが米を作っておりますから、この米をよそに売りもできないし、またそういうことをする性格でもないから、一応危険率をためす上においても、そこにやってまず家畜の飼料からされたらいいと思う。また農村はイモとか大根とかカボチャとかいうものを食っても米を供出するように政府に協力しているので、どうせ大きな欠損をするなら、この人たちが飼っている家畜の飼料にこれをやってこれに報いるようにすればいい。この人たちが家畜に食べさせてその結果を報告するから、これによっても人間にとってどういう害があるかわかりますから、それからでもみそ業者か何かに払い下げをされてもおそくはないと思う。こういうような点について大臣は特に留意していただきたい。 もう一つは、これを家畜飼料に使ったらどうかというので、私は約一年半ばかりの間研究しましたが、家畜といえどもこればかり専門にくれてしまうと、鶏によらず豚によらず牛によらず、肝臓に肥大症を起したり、肝臓が萎縮するような病気を起して工合が悪いが、全飼料の三割くらいをまぜてやると害もないし、非常にいいのではないか。農林省の方では研究されておりましょうけれども、御承知のごとく農林省の持っておられる家畜は数が知れたものであって、給料取りにまかせてあるから、その研究の結果においても、なるほど数字的なものとか、いろいろな科学的な議論をする上の資料にはりっぱなものはあるでしょうけれども、家畜にくれて家畜の健康の結果をためしているのは、民間の畜産業者の方が多いから、そういうような人たちの意見を尊重されまして、一応家畜の飼料に払い下げてもらいたい一トウモロコシ等を輸入した場合に、政府が分けられる大きな信用のある協同組合の団体があるはずですから、そういう団体に限りやっていただく。そうすれば農村の末端に至る家畜業者に流れますから、そういう団体にやっていただくのと、幸いにここに刑事局長もおいでになっておりますから、そういう団体といえども、もしこれをよそに流したときは相当に罰するとか、何かそこに厳重な方法を講ぜられて、一応家畜業者に流してやる。 もう一つは、農林省の現在までの役人のやり方を見ていると、非常にここにむずかしいことがあるのだと思う。仕入れた値段、保管料を計算に入れて、何か損でもするとあたかも自分たちの責任になるから、責任回避のために値段の高いところに条件のいいところに売りたいというようなことを考えられたなら、これはできません。それで三千万円も毎月払って、六億も倉庫料を払ったが、あの当時六億だけを家畜業者にくれてやったとしたら、それでも政府のそろばんは同じだったと思う。そこで六億の黄変米をもらった農村は、これに感激して、政府にどれだけ米においてもその他の農作物を供出する上においても協力したかわからぬと思う。特に農林大臣は実行のできる力のある大臣ですから、思い切って家畜業者に、危険が伴うのだから、トウモロコシよりも一割か、二割安い値段で払い下げてやられるなら、やられる。農林省も、自分たちのやったことに対して欠損があるなら、いさぎよくその欠損を認めて、次にそういう欠損の上に欠損を重ねるような愚をしないようにして、こういうことを起さないようにはっきりした方がいいと思う。こういう観点からこの際農林大臣として思い切ったやり方をしていただきたいことをお願いいたしまして、私の質問を終ります。
○河野国務大臣 いろいろ御注意をちょうだいいたしましたので、すみやかに具体案を立てまして、これが処分について御相談を申し上げたいと思っておりますから、しばらくの間御猶予をちょうだいいたしたいと思います。
○上林委員長 それでは念のため大臣以外の出席者を申し上げておきます。厚生省関係、山口公衆衛生局長、楠本説明員、法務省がら井本刑事局長、それから農林省は、大臣は言うまでもございませんが、食糧庁の清井長官、通商産業省アルコール事業長菊池さん、アルコール第二課長本多さん、会計検査院から中川検査第四局長、課長さんも見えております。それでは質疑を継続いたします。吉田賢一君。
○吉田(賢)委員 私は大臣に御答弁いただきまする前に、数字をめぐりまして、黄変米の現状の御説明を事務当局に伺うことにしたいと思います。なお以下述べまする言葉のうちに、白色の病変米につきましても黄変米と申し上げると思いますから、そのつもりでお聞き取り願いたいと存じます。 第一、本年の五月、衆議院の決算委員会におきまして、農林大臣、厚生大臣の御出席を願い、在庫黄変米を中心にいたしまして、従来の黄変米の処置、経過、今後の対策、政府のお考えになっておる各般の問題点についての御意見、こういうものを伺ったのでございます。ところが当時は概数約十五万一千トンほど在庫しておったのでありますが、本日入手いたしました資料によりますと、十三万九千余トンに減っておるのであります。この間の数字の異同はどういうわけでそうなったのであるか、まずそれから伺いたい。
○清井政府委員 お答えいたします。ただいま御指摘の数字の十五万一千九百六十九トンというのをこの前たしか申し上げたと思いますが、それがただいま十三万九千三百七十一トンに減少いたしておりまする理由は二つございます。一つは当時私どにおいて一部の病変米におきまして再搗精を実施いたしておるものがあるのでございます。それによりまして減耗が生じておるのであります。その減耗の分が七千八百六十六トンでございます。それからすでに一部厚生省とも打ち合せの上、他の一部用途、たとえばしょうゆ、のりとか菓子等につきまして、持ち米を売却をした分があるのであります。それが四千七百三十二トンになっておるのであります。従いまして十五万一千九百六十九トンからただいまの再搗精による減耗の分などを引きますと、十三万九千三百七十一トン、こういう計算になるわけであります。
○吉田(賢)委員 一部しょうゆ用等にお流しになったのは、それはタイ国黄変米ですか、イスランジア黄変米ですか。
○清井政府委員 これはタイ国黄変米についてであります。厚生省とも打ち合せの上、売却いたしたのであります。
○吉田(賢)委員 それからこの黄変米の処理方針を伺います上におきまして、私どもは過去にさかのぼりまして、当委員会が数項の項目にわたって決議をした事実がございますが、その決議がどう実行されておるかということは、非常に重要なことであり、この五月の当委員会において、農林大臣から相当これに対する御答弁が実はあったのでございますけれども、なおここで明らかにしておかなければならぬ点が二、三ございます。 第一は黄変米の輸入防止の対策についてその後どうしておられるか。なぜこれを聞くかと申しますと、一つは最近黄変米がとんと世上に出ないのであります。世上と申しますか、厚生省の発表にはないのであります。もちろんこれは輸入防止について、いろいろと措置がせられておりますので、減っておるものとも思うのでありますが、他面におきまして、やはり別の原因もあるのではないか、こういうことも考えられますので、これらの点について伺っておきたいのであります。これはやはり事務当局から伺わねばなりません。輸入防止につきまして、輸出国の船積米に無菌証明をとって、そしてこれを添付するようになっておるそうであります。またこの間の十一月十九日の参議院の決算委員会における厚生省当局、農林省当局の御説明を速記録によって読んで見れば、やはり燻蒸をするという御説明になっておる。これは別の機会に文書も出ておりますが、そこで伺いたいのでありますが、一体燻蒸をするということによって菌が死滅はするけれども、毒素がなくなるという事実が生ずるのかどうかが一つ。第二は無菌証明というのは、一体何を根拠に無菌であるという証明をするのか、たとえばビルマ、タイにおきましては、まだ培養実験についての設備がないと聞いております。培養実験設備がないところで肉眼検査して、その無菌証明というものは、日本において価値があるのかどうか、その二点について。つまり輸出国における船積米の措置についての質問になるのであります。これを御答弁願います。
○河野国務大臣 御説ごもっともでございますが、御承知の通りタイ、ビルマにいたしましても米産国でありまして、しかも主たる産業をこれに求めております。わが国といたしましても、また非常に重要な物の買付国でありますので、なるべく両国とは緊密な連絡をとり、国交上もなるべく友好関係を増していくようにいたさなければならぬというような関係から、両国に十分わが方に対する米の輸出については注意をお願いするように、しかも良質なものをこちらに差し向け願うように話し合いをいたしておるわけでございます。しかし何分今お話のようなことでありますと同時に、両国の従来の米の関係からいたしまして、燻蒸をしたからといって毒素がどうなるとか、ないしはまた両国の米の保管状態がどうであるとかいうようなことと、いろいろな問題があります。そこで私といたしましては、先般特にこの両国に荷見安君を団長とする調査団を派遣いたしまして、これが買付について万遺憾なきを期するために、ないしはまた当方に輸入をいたす経過について、十分の打ち合せをするために、調査いたさせました。その結果も報告を得て、相なるべくばこちらで必要な倉庫を向うに建てる必要があるとか、ないしは、これも御承知の通り梅雨前にこちらに持ってくる必要がある、いろいろ最善を尽すのに必要な処置がまだ残されております。われわれといたしましては、なるべくこういう処置をとりまして、そして引続き米の良質のものを輸入できるように処置をしなければならぬと考えておるわけでございます。ただ従来と違いまして、世界的に米の量も十分多くなって参りましたので、選択買いができるような状態になっております。そういう関係から、以前のように何でも米でさえあれば買ってこなければならぬというような状態ではありません。というような関係から、漸次改善される方向になっておりますのと、またわれわれとしましても今申し上げましたような理由で、最善を尽して事故のないものを入れるように骨を折るということをいたしておるわけでございます。が、はなはだ遺憾なことでございますが、あちらの方ではこの病変米のことについては全然問題がない。ただたまたまわが国だけに科学の進歩の結果でございますが、非常に問題があるということのために、両国間に、ことさらに日本では取り上げてこの問題をやかましく言うのじゃないか。無理に自分のところの商品についてけちをつけるんじゃないか。わきの国はどこが買っていってもどこでも問題が起ったことがないのに、日本だけが人の商品に難くせをつけるのはどういうわけだというようなことを先方で申されまして、しかしこちらは研究の結果こういう害があるのだから仕方がないというようなことで、実はやりとりをしたこともあるわけでございます。しかしまあわれわれといたしましては、この結果そういう不適当なものを買って参りますれば、国家としても非常に大きな損失でございますし、また国民衛生の上から参りまして、非常に重大な問題でありますから、特に慎重を期して、そういうことに陥らないようにしていかなければいかぬということに鋭意努力を払っておるわけでございます。何分御指摘のように買ってこなければならない米であり、しかも買って参るとすれば、今言うような危険を踏まなければならないということでなかなか難問題で、ただ最善を尽して努力をするというほかには処置がないんじゃないかということでございますので、あらゆる角度から検討を加えまして、最善を尽すということに努力をいたしておるわけでございます。
○吉田(賢)委員 今の農林大臣の御答弁でありまするが、なるほど現在は世界的に米の豊作、わが国も豊作、まことにこれはめでたい話でありますが、こういう買手市場的なことは継続するものとも考えられません。やはり天候に支配され、不作を来たすことがあります。そこで大臣の一つ御奮起を願いたい点は、やはり最善を尽してとおっしゃいますけれども、民度の違う関係もありましょうから、この毒素に対する理解の点でも違うことも作用いたしますので、先方のいろいろな改善措置を待つという態度でなしに、やはり進んで、これはあなたの所管のいかんにかかわらず、内閣としましては年間数百ないし千億円以上のこの米麦に使っております資金のことも考えますると、わずかな投資でもいたしまして、輸出国において政府直営とか、あるいは商社にさすとかなんとかの方法で、培養実験の設備をする、つまり国内におけるそれと並行いたしまして、先方においても適当な設備をすべきじゃないか、こう思うのであります。これは私の意見にすぎませんけれども、そういった積極的な手を打たなければ、大臣の最善を尽して選択買いしますというような、そういうことだけでは、これは解決しにくい問題であると思いますので、これは一つぜひとも御考慮を願っておきたい、こう思います。
○河野国務大臣 ごもっともな御意見でございまして、実は先方に倉庫を作って、そこで完全な燻蒸をして参るというところまで今せっかく話を進めておりますが、御指摘のように検査所をどういうふうにしてやるかということを今せっかく勘案中でございますから、適当な会社にいたしますか、政府機関にいたしますかいたしまして、先方に必要なる検査所を作って、そこに今の培養もしくは摘出等の処置ができるように、しかも先方に認識の高まるようにいたすという処置は適当な処置と考えますから、至急にそういう処置に出るように考慮したいと考えます。
○吉田(賢)委員 次は輸入商社との関係の問題でございます。これについてぜひ伺いたいのでありますが、今輸入商社との新しい契約の方式では、黄変米が混入しておるような場合における契約上の権利義務関係、こういうものはやはり添付して契約の内容になっておるかとも思うのでありますが、これはちょっと事務当局に御関係がありますから、もし大臣が御答弁できないようでありましたら、答弁はあとで事務当局に伺うことにしまして、私はこれに関連して伺うのであります。 これは資料によっても明らかであるのでありますが、本年の七月六日と七月十日に門司と横浜におきまして二千余トンの黄変米が出たのでございます。これは混入率が低いというので大して問題に上っておらぬのかもわからぬと思うのであります。そこでこれについて私ども考えてみまするときに、一体この黄変米があまり出なかったということは、第一着地検査が十分に行われておらぬというので抜けてしまっておるのではないかと思われるのであります。これは厚生省所管になるかとも思いますから、農林大臣にはいかがかと思いますが、しかしやはり農林省におきましても食糧検査所長の指示に従って米を受け取るという契約関係にもなっておるのでございますので、全体として輸入港におきまして検査が非常に不十分であるということ、この点は農林大臣はお考えになっておらぬのでしょうか、十分に検査できておるのであまり黄変米が出ない、こういうことにお考えになるのでしょうか、そういう点一つはっきりしておいていただきたい。
○河野国務大臣 これは従来厚生省に検査を願っておりますので、またわれわれの方といたしましても厚生省にお願いしておるから十分だということを考えておりませんので、厳重に、いやしくも国民の疑惑のないようにして参らなければいけない。その点につきまして、検査が抜き取りであって一部不十分ではないかという御指摘をいただいたこともございますけれども、鋭意両省協力して十分な検査をするように努力をいたしておりますので、決して検査が不十分であるからその疑いのあるものが少いというようなことではないと確信をいたしておるわけでございます。
○吉田(賢)委員 この黄変米の検査が十分に行われておるかどうかということは、これは一つ厚生省当局と十分に討議をすることにいたしましょう。ただしあなたの方では、やはり外米の所有権は入港して倉庫に入ったときに政府の所有に移るということが原則でございますから、従ってこの際における黄変米の有無ということにつきましては、やはり農林当局といたしまして十分御責任を持ってもらわなければならぬと思うのでございます。そこで商社との関係でありますが、商社関係は相当改善されておるということに前にも承わっておったのでございます。ところで二千トン以上の黄変米が出たということであれば、混入率のいかんにかかわらずこれは重大な問題でございます。かりに五万円といたしましたならば、一億円にもなるのでないかと思うのでございます。一体門司に入りました二千トンの黄変米は、政府の、国の損になるのか、あるいは商社が責任を負うべきものであるのか、その点をはっきりしておいてもらいたい。
○河野国務大臣 ただいま御指摘の分につきましては、厚生省で再検査を願うことになりまして、慎重に今検査をしていただいておるということで、そのまま保管してあるということになって、最終的な処置はまだつけておらぬということでございます。
○吉田(賢)委員 代金は商社にお払いになってしまったのでありましょうか。
○清井政府委員 まだ代金はその点がはっきりいたすまで一部支払いで、完全支払いはしておりません。
○吉田(賢)委員 それじゃ問題を転じまして。たいへん結論を急がれまするのでやむを得ませんので、処理方針について伺うことにいたします。 現在在庫しております十三万九千余トンにつきまして、これが処理ということは非常に重大な関心を国民は持っております。そこで大臣は、この米の処理につきまして、国民保健、それから黄変米自体の与えております人心への甚大な影響及び今後の食糧政策に与えるいろいろの影響、こういうことにもかんがみて慎重に一つやっていただきたいと思うのでありますが、主食として配給しないという御方針は大体明らかになったのであります。この点イスランジア黄変米につきましては、御承知の通りにまだ研究が途上にあります。なるほど厚生省の事務当局は、イスランジア黄変米をも含めて有毒にあらずというような一つの学者の意見を国会で御説明になったりしておるのでございますが、いずれにおいても食品衛生調査会の小島委員長の厚生大臣に対する報告についてみましても、イスランジア黄変米については研究続行を要する、こういう趣旨に答申はなっておるのでございます。そうしてその後それが解除されておらぬ、解決されておらぬ、もう研究不要というような何らの説明はないのでございます。従ってイスランジア黄変米につきましては、これはまだ特に毒素を中心にしまして未解決の問題である、ところが十三万九千トンのものは大部分がイスランジア黄変米なのであります。そのうちすでに七千八百トンが再搗精で処分され、四千数百トンがしょうゆ用に処分されておりますので、もう九割まではイスランジア黄変米なんです。ところが毒素が学界においてまだ結論が出ない実情にある。従って学界の意見の一致を要望しておられる、学界の意見を尊重しておられる当局といたしまして、何用にしろ、それはお菓子用か、みそ用か、せんべい用か何か知らぬけれども、人間が食う物として処分するということは果して妥当であろうかどうか、こういうことについて一体農林大臣は確信をお持ちなんであろうか、なるほど両院の農林委員長などの御協力によってみその原料にするというようなお話しが出ておりますけれども、一体みその原料にすることによって毒素は解消し、消滅するというような前提に立たれるのかどうか、こういうことについて確信を持っておるのであるかどうか、その確信なくしてこの処分をせられるということになると大へんじゃないであろうか。そこで最も無害の安全な道を選ぶということがこの際必要なことではないであろうか。おそらく八千万の国民は、また全国の主婦は、国が幾ら損をするのかしらぬけれども、ともかく肝臓を冒されるような危険のあるものは人間が食うようにしてほしくないというのが全体の希望でないかと思いまするので、そういうふうに人間の食糧になるような用途に使わないという道を選ぶべきではないであろうか。蒸溜してアルコールにしてしまってはどうか、そういうことも考えられます。蒸溜してアルコールにするという場合には、その蒸溜かすに毒素があるが、それをどうするかという問題も一応神経質に考えるべきだと思うのでありますが、そういうふうに考えますると、第一点は、人間が食わないという方向にこれは処理すべきではないかということ。それから第二点といたしましては、ただいまのように人の食わない方向に処理するということについて何らかの御研究御用意で毛あるかどうか、みそ用にという農林委員会の意向というものは、私は今の毒素問題に対する解決をしない間は危険ではないか、こういうふろに一応考えるのでありますが、これらについて御意見御答弁を願いたい。
○河野国務大臣 ごもっともな御意見でございまして、たびたび私申し上げました通りに、いやしくも食糧として国民に不安を与えるような処置をとることは避けなければならないということが大前提でございます。そこで私どもといたしましては、厚生省の同意のない場合には絶対にいたさぬということにいたすわけでございまして、しかしそれをしもまだ不安に思えば不安に思える点もございましょうから、一番いいことは、飼料に回すとかアルコールの原料に回すとかいうようなことが一番いい。ただ先ほども申し上げました通りに、事務当局並びに私といたしましては、国家の損害ということもなるべく少くしなければならぬじゃないか、幾らかで毛高く売れる方に売るということを考えなければならぬじゃないかというような点からいたしまして、みそにしたらどうだろうか、ないしはまたこれをのりにしたらばどうだろうかというようなことを考えて、あれこれ実は迷うわけでございます。しかし当委員会の有力な吉田さんや田中さんの御意見でございますから、そういう点も十分に考慮いたしまして至急に案を作りまして、そうしてあらためて衆参両院の農林委員会並びに決算委員会等の御意見も十分拝聴いたしまして、しかるべく処分をするということに持っていきたいと思うのであります。ただ将来にわたりましても黄変米の輸入は絶対にこれをしないようにできるかと申しますと、先ほどの吉田さんのお話しにもありました通り、なかなかむずかしいことであります。さればといってその危険を一切避けて輸入をやめることができるかというと、これもまたやめるわけにもいかない、何がしかのものは買わなければいけないというようなことでございますので、諸般の情勢を勘案いたしまして、一つ万遺憾なきを期するために、またこれは政府だけでいたしまするとそこに多少の——決してこれは責任を転嫁するわけじゃございません。責任を転嫁いたそうとは考えませんけれども、十分各位の御納得の上でした方が遺憾なくできるだろうと思いますから、その処置をとりたいと思いますから、よろしく御協力を賜わりたいと思います。なお吉田さんはなはだ申しかねますが、私あとから出直すことにいたしますから、ちょっと他に出席しなければならぬところがありますから……。
○上林委員長 今農林大臣から申し出がございました通り、まだ質疑者も残っておりますけれども、次の会議終了後に出席するそうですから、さように御了承願います。 それでは引き続いて厚生大臣に対する質疑を行います。厚生大臣に対する質疑の順序等はどうしましょうか。今の吉田さんに引き続いてよろしゅうございますか。——では吉田賢一君。
○吉田(賢)委員 厚生大臣にまず伺いまするが、あなたは御就任以来あまり日がおたちになりませんので、黄変米についてまことに失礼でございますけれども、当委員会においていろいろと審査して参りました経緯をどの程度御承知かわかりませんから、どうかと思いますけれども、一つできるだけあなたの御責任できょうは御答弁願いませんと、結論が出ませんので、事務御当局の御意向についてはこれはだんだんと承わってきておりますから、その辺お含みの上御答弁をお願い申し上げます。 そこでまず聞くのでありまするが、実は十九国会におきまして、決算委員会において決議をしたのでございます。この決議の一つの眼目は、黄変米輸入防止の対策について、政府に強硬な申し入れをやったのでございます。そこでさっき農林大臣から御説明がありましたごとくに、農林省におきましても防止対策の措置をそれぞれ講ぜられつつあるらしいのです。 〔上林委員長退席、山田委員長代理着席〕 そこで厚生省はどうかということをぜひ伺いたいのでありますが、第一に伺うことは、厚生省は輸入港におきまして、黄変米防止について前にわれわれが決議いたしまして以後、どういうふうに防止措置を新たにしておられるか、改善しておられるか、そういう点を伺ってみたい。
○小林国務大臣 私はまだ就任早々でございますが、現在の厚生大臣といたしまする私として答え得る程度のことは、これから質疑にお答えいたしたいと思います。 まずただいま御質問のありました輸入米に対しまする検査の方法でございまするが、これにつきましては現在小樽、横浜、清水、名古屋、神戸、門司、長崎の七つの検査場に国の食品衛生監視員を配置いたしまして、大臣の監督のもとに全国的に統一した検査が行われるように、輸入港におきまして抜き取り検査を行わしておるのであります。この抜き取り検査につきましては、主として倉庫におきまして米を品種銘柄別、扱い商社別それから倉庫別等につきまして、それぞれ仕分けをいたしまして、この仕分けられましたもののそれぞれから検査資料を採取しておるのであります。それからこの抜き取りました検査資料は、国立の衛生試験所・同じくそれの大阪支所の二つの試験室に送付いたしまして、そうして細菌学的検討を行いまして、この試験の結果は、厚生省にそれぞれ通報せられるようなことに相なっておるのであります。本省におきましては試験結果に基きまして、不適格な品につきましては、その検査結果を食糧庁にそのつど連絡することにいたしておるのであります。なおこの検査に従事いたしておりまする職員は、ただいま抜き取り検査要員といたしまして十二名、それから試験室の要員といたしまして十八名を使っておる、こういう状態でございます。
○吉田(賢)委員 大体の検査の方式、個所、そういうことはわれわれも存じ上げておりますが、問題はそういう制度であって、十二名の抜取員、それから試験室の十八名というような人間によって何を実際にやっておられるかということが問題なんです。ずっと以前の十九国会当時におきましては、大体輸入量の四割程度の抜き取り検査をやるだろうという御説明であったのですが、実際問題といたしましてはほとんどされておらない。そこに問題がある。それでことしにしましても、たとえば食管特別会計の計画によりますと、百四十万トンをこえるのであります。それでありますから、百四十万トンをこえるような米を、しかも米だけではなしに麦があり、大麦があり、食品衛生法あるいは検疫法によるあらゆる食品、パイナップル、バナナまでも検査しなければならないというのでありますので、実際に外米を検査する割合は何十分の一になるであろうかということなんです。それでありますから、ほんとうにやっておるのかどうかということを聞きたいのです。
○小林国務大臣 ただいまの御質疑は私もごもっともと思います。ただこの問題につきましては私着任早々でありますので、ただいまの御質疑に対しまする御答弁は局長からいたさせますが、なお私自身といたしましても、今後今お説のような問題につきましては十分に掘り下げて検討いたしまして、不備な点があれば今後の措置を十分にいたしたいと存じております。ただ、今の御質疑に対しまする答弁は局長からいたさせます。
○楠本説明員 御指摘の点につきましては、かねて米の重要性にかんがみまして、他の輸入食品の手を抜きましても重点的に米に職員を差し向けておる次第であります。しかしながらこれにいたしましてもなお十分なことができませんので、最近は特に農林省と相談をいたしまして、現地におきましてすでに検査をいたしまして、無菌証明書等を添付いたしまして、かような結果に基きまして重点的に検査ができるような措置を講じておる次第でございます。
○吉田(賢)委員 この無菌証明があり、あるいはほかの食品を差しおいてもできるだけ米に重点を置く、こういうこともよいことで悪いことではありません。ただし私の聞きたいことは、この重大な黄変米の問題について、着地検査という方式が躍進したのでありますが、そういう段階に立ち至っておるときに、十二名の抜取員やら十八名の試験室の人間で、数百万トンもしくは数百万石の米の抜き取り検査はできないだろう、こういう観点に立つのであります。そこで一体やっておられるのか、やっておるとするならば輸入量の何割をやっておるのか、無菌証明がついておるのは全然やらないのか、もしくはやっておるのか、やっておるとするならば一袋ごとにやるのかどうか、あるいはバラで来るならばどういうふうにしてやるのか、その辺を一言で申していただければ、そこは解明するのです。
○楠本説明員 以前は御指摘のように全然検査をしないものもございました。従いまして現在におきましては無菌証明書の添付してあるようなものは一応手を省きまして、そうしてさような証明のないものに重点を置いてやっております。なお方法は、現在は五十袋から一袋ずつを調べております。
○吉田(賢)委員 大臣にお伺いいたしますが、さきにも農林大臣に私は伺ったときにすでに明らかになって、これはもう資料にも出ておりますし、何べんも御説明を聞いたことでありますが、現在ビルマ、タイにおきましては培養試験をやっておらぬ。肉眼検査しかやっておらぬのです。肉眼検査でやって、それで白色の米の菌の有無がわかるということは、これは条理上考えられません。まあ国交上等々の理由からなるべくいろいろの問題を起したくないというので買っておられるらしいけれども、無菌証明がかりにあっても培養検査もしない、肉眼検査だけで、白色の米が入ってきて、その中に菌がないということは論理上考えられないのであります。一体こういうむちゃなことで検査をせずに配給するということ、検査をせずに通すということは、いいのでしょうか。どうお考えになりますか。これは一つ大臣にお聞きしたい。
○小林国務大臣 この問題につきましては、従来のいきつもございまするしいたしますから、一応関係の事務当局から答弁させまして、今後の問題については十分に私から善処いたしたいと思います。
○楠本説明員 御指摘のようにタイ、ビルマ等におきましては、まだ検査施設が完備いたしておらぬそうであります。肉眼検査であります。従いまして無菌証明港口はついておりません。しかし他の国のものにつきましては、あとう限り菌検査をやりまして、その結果に基きまして無菌証明書をつける、かような方法で進んでおります。
○吉田(賢)委員 そうしますと、あなたの御説明によれば、タイ、ビルマ米については無菌証明をうけぬ、こういうことになりますか、そう聞いていいのですか。
○清井政府委員 御指摘の通り、先ほど御質問のありましたときにお答えいたすべきだったのでありますが、今後の対策といたしまして、無菌証明をつけるという原則で進んだのでございますが、学問的な問題等ございますので、全部の国にそれを実施していただくわけにはいかなかったのであります。そこで御指摘の通りアメリカ、イタリア、その他の国におきましては無菌証明がついて参りましたので問題がないのでございますけれども、タイ、ビルマにおきましては、まだ学問的施設がそこまで進んでおりませんので、無菌証明は現在のところついていないのであります。
○吉田(賢)委員 そういたしますと、御説明によってこういうことが要約されるのであります。タイ、ビルマは培養試験等の施設はない。従って無菌証明はつけられない。無菌証明のないものが入ってきておる。そこで無菌証明のないものについて五十袋に対する一袋の抜き取り検査ができておる。としますると、五十分の一の袋が抜き取り検査される、こういうことになるわけであります。五十分の一の袋という意味は、五十トンに対して一トン、五百トンに対して十トン、こういうことになりますから、五十分の一しか検査はしない。五十分の四十九はビルマ米もタイ米も無検査で倉庫に入れて配給しているということになるのですか。一体五十分の四十九を検査しないで肉眼検査のみで通してきて、黄変米なしということが論理上人間の常識として言えるのでしょうか、どうでしょうか。これは一つ大臣、感想を述べて下さい。
○小林国務大臣 ただいまの御質疑につきましてはごもっともだと存じます。外国から輸入いたしまする黄変米の検査につきましては、今後納得のできるように一つ善処いたしたいと思います。
○吉田(賢)委員 そこでこういうことを御披露いたします。これは七月二十九日の社会労働委員会において明らかにされたのであります。なおほかに雑誌にも出ておりまするし、学者もいろいろ述べておりまするからここで明らかにしておきまするが、東大の農学部の農芸化学科におきまして、各方面の外米の受給者の依頼を受け、もしくは協力を得まして黄変米の実験検定をやったのであります。ところが三百二点の検査の結果、八点のイスランジア黄変米、九点のタイ国黄変米が検出されておるのであります。三百二点のうち十七点がイスランジア黄変米とタイ国黄変米なのであります。しかもこれは相当厳重な実験方法であるということをある雑誌に方法が詳細に記載されておるのであります。そういたしますると、これは偶然東京のことであります。杉並区、豊島区、世田谷区、文京区、中野区、目黒区、どこもこれは入っております。でありまするからたまたま東京のできごとであります。ところで全国に外米の配給のない個所はほとんどないわけであります。そういたしますると、受給された一般消費者が東大の農芸化学科と同じように実験に協力いたしまして実験いたしましたならば、これは出るかもわからない。今の五十分の四十九は無検査で配給しておるということを聞いたら、これは当然だと思うでしょう。こういうことを考えましたときに、黄変米の輸入防止の措置は一体これでいいのでしょうか。ほんとうにこれでいいのでしょうか。五十分の四十九を検査しないままで配給するということで厚生行政は一体責めを全うできますか。大臣はこの黄変米問題の処理につきまして、学者の意見が一致するとか何とか、いろいろ事務当局の御意見があるのでありますけれども、それほそれといたしまして、現実にこういうような重大な結果が現われておるということをお考えになりましたならば、黄変米処理というようなことはあらゆる角度からもっともっと真剣に取り組まなければいかぬと思うのです。ことに私はしろうとでありますけれども、多くの雑誌とかあるいは学者の意見を総合いたしますると、やはり肝硬変なんかの人間の体に与えまする大きな障害を思いますると、私は戦慄いたします。 〔山田委員長代理退席委員長着席〕 これでいいのでしょうか。輸入港におけるいわゆる着港検査という方式は全くなっておらぬ。しかも決算委員会が十九国会において重大な決議を満場一致可決いたしました中にこれらの点が含まれておるのです。輸入防止ということは最も大きな眼目であったのです。しばしばこの点について論議が重ねられてきたのである。ところが改善の跡が見られないというのが御説明によってまた明らかになった。十二名の抜き取り人や十八名の試験室の人でそれができるはずはありません。そもそも三十年度の予算について、黄変米対策について、輸入防止等について特別に予算措置でもおとりになったのだろうか。今のような重大な実験の結果とともに、この二点について明らかにしておいてもらいたい。
○小林国務大臣 ただいまの御質問は一応ごもっともだと思います。ただ東大の農学部の試験発表が雑誌に出ておりまして、三百二点に対して実際イスランジアが八点、タイが九点というような発表がされているそうであります。この問題に対しては私まだ実際に存じておらないのであります。しかしとにかく黄変米という問題につきましては、国民の食生活に従来とも非常な不安を与え、また国民感情からいたしましても非常に憂慮すべき問題でございまするから、厚生省といたしましてもこの問題については今後十分に検討いたしまして、こういう弊害をできるだけ早く払拭できるようにいたしたいものだと考えております。
○山本(正)委員 関連して……。厚生大臣に特に考慮を求めたいと思うのですが、この黄変米の問題の調査に入りましてから今日まで二カ年経過しておるわけです。昨年八月に、今吉田君からお話がありましたように、決算委員会は厚生、農林両当局に対して忠告をすべく決議を行いました。その後厚生、農林両当局からも、その決議に対しまして至急に善処するという御返事があったのであります。至急に善処するという御返事から今日まで一年以上を過ぎております。そこで決算委員会は先般会議を開きまして、もうこの黄変米の問題は結論の方向へ急ぐ必要があるということでした。そこで将来に慎重に努力をして善処をするという趣旨は、だれが答えてもそれ以外の答え方はないと思うのですが、問題は二つあると思うのです。現に手元にあるものを金額にして、八十五億の買い入れ価格、従来の保管料六億、今後毎月三千万円ずつ保管料が要る、こういうものを現実に抱いておる。その処分の問題が一つ。それから将来にわたっての問題は、病原菌があるかないか、検査が完全にできるものであるかどうか。完全にできるものであれば、どうか工夫、努力を加えて完全なる検査をして、病原菌のないことを確認したものを国民に配給してもらいたい。もしそういう確認する方法が今日の科学の力でできぬというのならば、確信を持てないままにこれを輸入して国民に配給するということは、これは重大なる問題である。配給しないということになると——今申す通り現に手持ちにしているものが百億近い金額です。食えもせぬ、使えもせぬものを倉庫に入れて、毎月三千万円ずつ保管料を払っておる。財政窮乏の際、これほどばかげたことはない。これが問題が発生してからすでに二年、決算委員会が最も親切に政府当局に御忠告を申し上げ、至急に解決いたしますという御返事を得てからすでに一年以上経過しておる。決算委員会は、今申す通りこの問題は結論の方向へ急ごうとしておるのでございますから、決算委員会の作業に政府当局はもう少し親身に御協力を願いたい。同じことを何べん伺っても、いつ聞く御返事もみな同じなのです。慎重に努力しております。将来は遺憾なきことを期したいということだけが刷りもののごとく千編一律、それ以上のことは伺えない。これでは決算委員会がいつになっても終了しない。答える方もおつらいであろうけれども伺う方もつらい。どうかこの決算委員会の意のあるところをくんで、もう少し具体的な、病原菌なしと確認できる方法の発見に努め、その確信が持てないならば別の方途を講ずる、現に手持ちのものはどういうように処置をする、たとえば使えないならば、それを廃棄処分にすれば毎月三千万円の保管料だけでも助かるわけでありますが、何らその方途を講ぜずに漫然と傍観をしておる。非常にこれは財政経済の上から見て遺憾きわまる話であると思うのであります。どうか一つ抽象的のことでなしに、これはできたことでありますからやむを得ませんから、この事態に対してとるべき最善の処置を明らかにしていただいて、この決算委員会の作業が進捗するように一つ御協力を願いたいと思うのであります。
○小林国務大臣 ただいまの御意見はごもっともであると思います。この黄変米の問題につきましては、厚生省といたしましては当時厚生大臣の諮問機関でありまする食品衛生調査会に対しまして、皆さんもすでに御承知であろうと思いますが、二十九年、昨年の十月十一日に、この黄変米の食品衛生上の取扱いをいかにするかという問題につきまして諮問をいたしたのでございます。その結果、本年二月に現在の在庫のうちでタイ国の黄変米につきましては、一〇%以上ぬかのとれるようにつき直しをするものに対しましては、配給しても健康上害することはないという答申を得ておるのであります。 イスランジアの黄変米につきましては、ただいまの御質問の中にございましたように、現在なお食品衛生調査会におきましては審議を続けている状態でございます。しかし現在の手持ちのものにつきましても、ほとんどその大部分がイスランジアでございまするし、厚生省といたしましては、この調査研究につきましても十分に督励をしてその結果に基いて善処いたしたいと考えておるのであります。
○片島委員 関連して……。私は厚生大臣にもっとはっきり具体的にお答えを願いたいと思うのであります。先ほど農林大臣から承わりますと、結局黄変米を配給するかしないか、またその毒素の状態によって処分するかどうか、処分する場合にはどういう用途に充てるかどうかは、あげて厚生省が決定をしたその決定に基いてやるという ことを言っておられるのであります。従ってこの黄変米の配給なり処分に関する一番の元締めをなすのは厚生大臣でありますから、あなたの方で作業を進めていただかなければ、この問題はいつまでたっても解決をしな、そして先ほどからお話のありましたように、三千万円ずつ毎月倉庫料を払っておるわけであります。この決算委員会は、これが長くこういうふうに続いておりますと、いつまででも仕事がありますから、あぶれるようなことはないのでありますが、しかし何年も何年も同じことをやっておっても始まらない。そこで先ほどからお伺いしていると、抜き取り検査に十二名、それから試験室に十八名の人間を配置しておる、こういうお話であります。ところが三千万円という金を毎月二万円ベースで割ってみましても、千五百人の人間が出てくる。かりにこの一割でありましても百五十人。三千万円の倉庫料を払ううち三百万円これが減るということになりますれば、この金で百五十人の人間の増員ができる。抜き取り検査にいたしましても試験にいたしましても、幾らやるやるといっても手足がないのであります。厚生大臣が自分でやるわけにはいかぬのでありますから、どうしても現地のそういう機構を整備して取りかからなければできない。それさえやれば、もう食えない物は食えないでいいのですから、先ほどから田中委員が言いましたように、飼料でもよろしい、場合によっては捨ててもいい。どうにもならぬ場合には捨ててしまえば、八十五億というものは、何もならない八十五億でありますから、これから先三千万円損をするものを、損をしないだけでも得なんです。そういうふうに早くこれをきめてしまう。きめるということは、厚生大臣がこれは処分すべきである。これは鶏に食わせろ、これはみそにしろということを言いさえすれば、農林大臣はそれでやるという。しかもこの三千万円というのは、おそらく食管会計から出ておるのでありますから、厚生省で定員を増員するわけにはいかないと言われるかもしれないし、また農林大臣と争ってみても、農林大臣の方が力が強くて、とても予算を厚生省の方に持ってくることはできないと言われるかもしれない。しかしそれは、同じ国民の税金から出たものでありますから、やはりこういう大きな保管料を払っておるというならば、その中の一割でもあなたの方にいただいてそれで百五十人なり人員を増員してもどんどん活発にやってもらわなければならない。これをやらなければ、幾らこれから慎重にやるとか、これからいろいろと研究をしてやりましょうといってみたって、何年かかっても決算委員会はこの問題を蒸し返すばかりでありますから、そういう具体的な、いわゆる今倉庫にあるものをどういうふうに処分するかということ、それについては人手が足らぬから、食管会計の方から倉庫料を幾らかもらってきて人をふやすとか、何か具体的な方法を示していただかぬことには、われわれとしては納得がいかぬのであります。これはしろうとが考えてもわかることであります。厚生大臣は、一つこの際もっと具体的な、先の見通しのある御答弁をお願いいたしたい。
○小林国務大臣 現在十四万何千トンの積んであります数量の中で、タイ国の黄変米の主食といたしましての問題につきましては、私が先ほど申し上げた通りでございますが、ただイスランヅアの黄変米の問題につきましては、調査会といたしましての結論はまだ出ていないのであります。しかし従来の研究成績等からいたしますれば、有害と認められるような根拠ばないもののように存ずるのであります。しかしこの問題も、やはり国民感情でありますとか、あるいは毎日々々の食生活の問題でございまするから、調査会に早く結論を出させまして、先ほど御質問のありましたような問題につきまして善処いたしたいと存じております。
○片島委員 イスランジアであろうと、タイ国のタイ米であろうと、そういうことはどうでもいい、それだけの大きなものが一もうこの調査の初まりは去年のことです。この問題を厚生省の方に私たち決算委員会が決議を作って要望いたしましたのは昨年です。一年以上たっている。そうして黄変米の問題が起きて問題になりましてからもう二年になる。一カ月これがおくれるならば三千万円損をする。六億円以上のものを今まで払っているというのですから、それは危なくないなら黙って配給してしまいなさい。危ないと思うなら食わせないで、鶏に食わせよろと何をしようと、とにかくはっきりと早く処分しなさい。厚生大臣がこうこうだということを言わないと、農林大臣はようやらぬというのです。食品衛生の問題だから、厚生大臣がこれは毒があるといえば食わない、これは毒がないといえば食うのです。ところが黄変米の問題については歴代の厚生大臣は何をやったかというと、何とかいう厚生大臣が一ぺんライスカレーを食ったのを写真で見たばかり、それ以外には何も厚生省としては、はでなことはやりたいけれども、こういうはででないことはようやっておらぬ。ところがこれは八十五億円という莫大な国費でありますし、三千万円というものを一カ月に払っている。そうすれば二万円ベースでやっても千五百人。あなた方何ぼここで力んでみても、厚生省の職員を千五百人行政整理をするということは、これは逆立ちしてもできませんよ。百五十人もできないでしょう。ところが毎月千五百人の公務員を養うだけの倉庫料を払っている。それならば人間を雇うのも金を使うのも同じだから、一割の百五十人ぐらいふやしても、ばたばたと早く処理してしまって、これは鶏の飼料とか、これはどうするということを、一々めどをつけるということがこれは一番重大なことである。前の川崎大臣も、おそらく黄変米のことなんか一ぺんもやらなかったでしょう。その前の大臣がライスカレーを食ったという程度であります。小林さんは今までのなにから見ますと、非常にじみで着実な行き方をする方であります。どうかあなたが責任をもって急速に具体的な解決の方法を講ずるようにしていただきたい。そうでないと、何年たっても同じことをやっているうちに、毎月々々三千万円ずつ損をするのでありますから、本腰になってこの問題を解決していただきたい。
○小林国務大臣 ただいまの御質疑は非常にごもっともだと存じます。私も就任早々この問題を検討いたしておるのでありますが、今日ただいま、私といたしまして申し上げられる点は、今のタイ国の黄変米につきましては、一〇%のぬかをつき返せば、それで主食とできるということは、調査会の答申によりましてもはっきりいたしておるのであります。イスランジアの黄変米につきましては、みそ、しょうゆその他の加工用に使うということにつきましては、何ら支障はないということを考えているのであります。なおイスランジアにつきまして、主食云々の問題につきましては、今後十分に調査いたした上にいたしたいと思います。
○上林委員長 他に御質疑ありませんか。
○吉田(賢)委員 それでは厚生大臣まことに恐縮ですけれども、一つわれわれは他の委員も御発言になりましたごとくに、できるだけ臨時国会におきまして膨大な滞貨黄変米の処理方針を明確にしてほしいと思っておりますので、今その仕事に実はかかっておるのであります。それであなたの抽象的な善処するという御意見は、これはもう当りまえのことでありますので、もっと具体的に、どうするこうするということについて御意見を聞きたいと思いますので、恐縮ですけれども、一つ十分に省内部の事務当局の御意見もなお御聴取願って、大臣としていろいろ御再考願ってはいかがかと思いますので、それを一つぜひ御希望申し上げておきたいと私は存じます。 それでなおしばらくそこにおっていただきたいことをお願いして……。
○上林委員長 吉田委員、今ちょうどあなたは欠席中だったけれども、ここで今打ち合せ会をしたんですよ。それで一応この前の理事会では大体きょうで質疑を終らせてという申し合せをしたんだけれども、きょうの質疑応答の結果を見ると、今あなたが前段でおっしゃったようなことが出るものですから、これを終らせてすぐ理事会を開いてもらって、それから農林大臣、厚生大臣といろいろ打ち合せをして次の機会にと思っているんですが、どうでしょう。そういうふうに了解願って一つ……。
○吉田(賢)委員 それならけっこうです。そうしましたら、刑事局長も私がお願いしたのでありますが、よろしゅうございますけれども、せっかくでしたけれども。これは処理の場合に十分に一つお考え願わなければならぬ点が数個ありますので、そういう点についての御意見を聞いておきたいと思ったんですが、どうぞその点あしからず。
○田中(彰)委員 厚生大臣にちょっと申し上げておきますが、これはあなたの方で一割のこぬかでとるようにしたら毒がないとおっしゃるが、それはわれわれがこの前長崎に検査に行ったときに、われわれがそうしたらいいだろうということを出して、厚生省の方々も行ってみてやられたんだが、あれはその後試験をしてみるとやはりなかなかこぬかを一割とっても完全とはいかないんですね。それで一割もこぬかをとるためにつき直したり、あっちの精米屋へ頼んだりごたごたすると非常にめんどうなんです。それよりも私は今の黄変米の中にそういうことをして食われるものはどのくらいか、そういうことをしなければならぬものは一応加工用に処分された方がいいと思うんです。そうしてあとはあなたの方でいくら議論してもしかたがないから、現地で黄変米を買う時分に、黄変米の病菌はこういう工合に害があるということがわかるような簡単な施設をされて、一向うに医学的に化学的にそういうものを仕込むとか、あるいはこちらが指導するとか、こちらが用意して検査の方法を変えてやるとか、そういう検査の機関を一応十分というわけにはいかなくても設けられて、それで注意してやるというような結論を出されないと、あなたの方がこれを放任されたために六億円からの倉庫賃を払っているんです。だからこの点をよく研究されて、ライスカレーを一回くらい食ったところですく死ぬものじゃないんですから——今までずっと食べておれば厚生大臣はお墓へ行っておられるかもしれませんけれども、一回ばかりではどうにもならぬのですから、そういう点を思い切ってやられることを一つお願いしておきます。 もう一つ食糧庁長官に……。こんな六億も倉庫代を払っているでしょう。倉庫のやり方を見ますと、政府の倉庫に入っているのがほんのわずかで、民間倉庫に入っているのがその三倍も入っている。そうすれば今度は民間倉庫に入っているものが政府の倉庫の三倍で、政府の倉庫のあきがないかといえば、民間倉庫にあるものを全部入れてもまだ入るくらい政府の倉庫にはあきがあるんです。もちろん何かほかのものを入れるという予定もあるんでしょうが、そうすると無料で倉庫に入っているものはわずかの数量で、そうして金を出さなけらばならぬ倉庫に入っているものが非常に多いんです。たとえば今政府の倉庫に収容してあるものが四千六百五十七トン、それから指定倉庫、つまり民間倉庫に入っているのは十三万四千七百十四トン、こういうふうに払わぬでいい金を国民の税金からどんどん払って、それでとにかく六億以上も使ってしまったというんだから、思い切って払い下げをなさったらいいじゃないですか。先ほど農林大臣からの話を聞いていると、高く買った米だから倉庫料もかかっているからなるべく高く売りたい、高く売りたいということになれば横流しして国民の健康も何も考えないでやるほかしかたがない。そういうのをやめて、倉庫代を払うよりも早く処分してやった方がいいということで、これを飼料などへやられれば私は相当ほかの変ったものが出てくると思う。たとえばそれを農村に安く飼料としてやれば、それで農村は鶏を飼ったり牛を飼ったり豚を飼ったりいろいろな家畜を飼う。そうして家畜の乳なり卵なり肉なり、そういうものが相当安い値段で流れてきますから、値段を安くしなくてもたくさん出るものは安くなるということになるから、それが市場へ出てきて、国民が、自分の税金で黄変米は下手をして買われて損したけれども、そういうものを安く売ってもらったことによって恵まれる、農村もそれによって米をたくさん出す、政府の方に報ゆるためにこういうぐあいにしたということになれば幾らかそれはプラスになるのですけれども、思い切ってこれを払い下げをされる、ただここに刑事局長もおいでになりますから、あなたの方に御注意申し上げておきたいのは、飼料でも全部やったらいけないから、三割ぐらい配合するような飼料会社を——あなた方は全国の信用のあるよいところがわかっているのですから、それの連合協同組合とかそういうようなところへ払い下げられて、一応結果を見るということと、そういうものの横流しとか何とかがあるかないかということを見るということと、そういうような状況を見ることをやられて、あとはアルコールとかあるいはまたみそを作るためにやるとか、そういうようなものに対して払い下げを、もしあなたの方で案を作られたら、その案は一応この決算委員会の理事会に一つ出して下さい。決算委員会は損したりもうけたりすることによって国家の財産が減るとかふえるとかいうやつの責任はあるのですから、それによってこういうことをやると、この前の和歌山県のようにこういう結果が出るとか、これは横流しする会社だからいけないとか、一応決算委員会も相当調べておりますから、飼料会社の方はそういうこともありませんし、農民のところへ行くのであるから、思い切って払い下げられて、またあなたの方で払い下げするのもあんな危険のある黄変米をトウモロコシよりも高い値段で払い下げしたら買い手がないから、仕方なくみそ屋へそれがみんな流れて食糧米になってまた検事局にお手数を煩さなければならぬというようなことになっては困りますから、食糧庁長官の方において思い切って処分して下さい。それをやられなければいつまでたってもこれは果てしがないから、私の方も理事会を開きまして、厚生大臣と農林大臣に一つ相談してもらって早くきめてもらうような方式を考えてみたいと思いますから、どうぞその点をお願いしておきます。
○山田委員 刑事局長がお見えになっておりますから、一応長い懸案になっておる、和歌山県の黄変米の横流し事件のその後の経過を一つ参考に伺っておきたいと思います。
○井本政府委員 前回申し上げました五百十四トン余の横流しの事件でございますが、和歌山の地方裁判所におきましてこの関係の被告人神前栄之進につきましては、他に傷害致死の事件もあったのでございますが、昭和二十九年七月二十四日に懲役三年及び罰金五十万円、それから神前義造の方につきましては懲役一年及び罰金三万円の判決言い渡しがありまして、この判決に対しましては被告人が控訴をいたしましたために、大阪の高等裁判所でこれはなお審理継続中でございます。実はこちらへ参ります前に、この事件をその後大阪の高等裁判所でどうなったが確かめたのでありますが、今なお審理継続中でございます。 それから東洋醸造株式会社が払い下げを受けました黄変米三千トンの問題につきましては、私どもの調査では東京地方検察庁と警視庁が協力して調べたのでありますが、その中の五百十四トンが、先ほど申し上げたように和歌山の葛城醸造株式会社に醸渡されましてその黄変米が神前義造並びに栄之進によって県下の配給所に売り渡されて事件になったのでございます。その他の部分につきましては、われわれの方の調査では不正事実の発見はできなかったのでございます。しかしながらこの捜査中におきまして、食糧庁の農林技官並びに食料品の販売業者などとの間にみその原料米の配給割当て売却に関しまして、贈収賄容疑事件が判明いたしまして、関係者八名が起訴処分に付せられまして、目下審理中でございます。大体そのようでございます。
○山田委員 審理中であると言われるから参考に申し上げておくわけですが、要するに二千四百八十六トンの東洋醸造で消費した分の中に、栃木、埼玉、茨城、千葉、神奈川の各府県からのサツマイモが当時ここへ入っているはずなんです。そのイモの所在はどうなっているか、これも審理の過程においてさらに追及してお調べになっていただきたいと思います。この関東六県にはいまだにサツマイモの代金が払われずにあるのですから、この点明確になる個所がなければならぬはずだと思うのです。どうか一つこの点も調べられている当局に向って、あなたの方から一つ指示していただきたいと思うのです。 —————————————
○上林委員長 この際理事の補欠選任についてお諮りいたします。理事赤澤正道君及び椎名悦三郎君より理事を辞任いたしたいとの申出がありますが、これを許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○上林委員長 御異議なしと認めます。 なお昨日理事徳安實藏君が委員を辞任されましたので、理事が欠員になっております。この際あわせて理事の補欠選任を行いたいと思いますが、その補欠を委員長において指名いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○上林委員長 御異議なしと認め、田中彰治君、櫻井義雄君及び關谷勝利君を理事に指名いたします。 本日はこの程度にとどめ、次会は九日午前十時より開会いたすこととし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時十二分散会