外務委員会 第4号
- 発言数
- 125 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1955/12/07
会議録
○前尾委員長 これより会議を開きます。 この際私から一言ごあいさつを申し上げたいと思います。 今回はからずも当外務委員会の委員長の重責をになうことになりました。御存じの通り私は全く場違いであります上に、はなはだ愚鈍の者でありまして、練達堪能であり、かつ非常に経験の深い前委員長のあとに参りますことは、はなはだ恐縮で、おそらく皆さんに非常な御迷惑をかけることと憂慮しておるような次第であります。しかし委員長は皆さんの御意思のままに極力小使として動いて、誠心誠意また公平に職責を尽す所存でありますので、ぜひとも皆さんの御協力を得まして大過なきを得たい、かように考えておる次第でありますから、何分ともよろしくお願い申し上げます。 簡単でありますが、一言ごあいさつを申し上げます。(拍手) —————————————
○前尾委員長 お諮りいたします。理事大橋忠一君及び菊池義郎君が都合により理事の辞任を申し出られましたので、この際これを許可いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○前尾委員長 御異議なければさように決定します。 なお、ただいまの辞任に伴う理事の補欠選任につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○前尾委員長 御異議なければさように決定いたします。 それでは、山本利壽君及び石坂繁君をそれぞれ理事に指名いたします。 —————————————
○前尾委員長 次に万国著作権条約の批准について承認を求めるの件(条約第一号)及び万国著作権条約の条件附の批准、受諾又は加入に関する同条約の第三附属議定書の批准について承認を求めるの件(条約第三号)、無国籍者及び亡命者の著作物に対する万国著作権条約の適用に関する同条約の第一附属議定書の批准について承認を求めるの件(条約第四号)ある種の国際機関の著作物に対する万国著作権条約の適用に関する同条約の第二附属議定書の批准について承認を求めるの件(条約第五号)及び原子力の非軍事的利用に関する協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件(条約第二号)を一括議題といたします。 政府側より逐次提案理由の説明を求めます。森下外務政務次官。
○森下政府委員 ただいま議題となりました万国著作権条約の批准について承認を求めるの件、無国籍者及び亡命者の著作物に対する万国著作権条約の適用に関する同条約の第一附属議定書の批准について承認を求めるの件、ある種の国際機関の著作物に対する万国著作権条約の適用に関する同条約の第二附属議定書の批准について承認を求めるの件及び万国著作権条約の条件附の批准、受諾又は加入に関する同条約の第三附属議定書の批准について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。 これらの条約及び三附属議定書は、ユネスコ主催のもとに昭和二十七年の八月から九月にかけてジュネーブで開催せられ、わが国も全権委員を派遣した国際会議において作成されたものでありまして、わが国は、昭和二十八年一月三日に特命全権公使萩原徹に署名をいたさせました。 まず、この条約は、著作権の保護に関し、無方式主義を採用するベルヌ条約当事国と方式主義を採用する米州条約当事国の両者間の橋渡しのための条約であり、わが国は、この条約の当事国になることにより、すでに当事国となっているベルヌ条約の当事国以外の諸国との間に著作権の保護関係が生ずることになるばかりではなく、特に、現行の日米著作権暫定取りきめ(平和条約第十二条に基く内国民待遇相互許与の交換公文)が失効する明年四月二十八日以後における両国間の著作権関係を有利に規律し得ることになります。また、これらの三附属議定書は、番号順に申しまして、(一)無国籍者及び亡命者の著作物を保護すること、(二)国際連合、専門機関等の著作物を保護すること、(三)条約の効力発生に一定の停止条件を付することを認めることを内容とするもので、それぞれ、この条約を補足する役割を有しております。従いまして、これらの条約及び三附属議定書の批准につき、御承認を求める次第であります。 なお、これらの条約及び附属議定書は、その批准書をユネスコ事務局長に寄託した後三カ月で効力を生ずることになっているので、日米間の暫定取りきめの失効する四月二十八日までにわが国について効力を生せしめるためには、一月二十八日までに批准書の寄託を了していなければならないという事情があります。右の事情をも了承せられ、慎重御審議の上本件につきすみやかに御承認あらんことを希望いたします。 次に議題となりました原子力の非軍事的利用に関する協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。 本年一月米国政府から、日本政府が希望するにおいてはわが政府に対し濃縮ウランの提供と、これに伴う技術等の援助を行う用意がある旨の申し入れがあった次第でありますが、政府といたしましては、わが国における今後の原子力の平和利用の研究及び開発の問題の重要性にかんがみ、慎重に検討した上で適当な条件のもとにこれを受けることとし、これがため今春以来米国政府との間に、本件に関する日米間の双務協定締結に関する交渉を行なった結果、合意を見るに至りましたので、十一月十四日ワシントンにおいて在米井口大使とシーボルト極東関係担当国務次官補代理及びシュトラウス米国原子力委員会委員長との間に、この協定の正式調印が行われたのであります。 この協定は、米国が一九五三年十二月の米国大統領の原子力平和的利用計画に基き、二十数カ国との間に締結した協定とほぼ同様のものでありますが、この協定に基いて、わが国は米国から研究用原子炉の燃料として濃度二〇%以下の濃縮ウランをU二三五計算で最大限六キログラム賃借することができることになり、また市場で入手することのできない原子炉用資材を入手し、両国間で原子力の平和的利用に関する情報を交換することができるようになります。このようにして、わが国は原子力の平和的利用の研究及び開発に向って大きな一歩を踏み出すことができるようになると信じます。原子力の平和的利用は資源に乏しいわが国の将来にとってはかり知れない意義を有するものでありますの、で、この協定の発効のため必要な手続を早急にとりたいと存じます。 よって、ここにこの協定の締結について承認を求める次第であります。何とぞ懐重御審議の上、本件につきすみやかに御承認あらんことを希望いたします。
○前尾委員長 これにて提案理由の説明は終りました。これに対する質問はあと回しにいたします。 —————————————
○前尾委員長 この際前委員長であります植原悦二郎君より発言を求められておりますので、これを許します。
○植原委員 私が外務委員長といたして皆様と席を共にする間は決して長い間ではありませんでした。短かくはありましたけれども、皆様方が非常に御協力下すって、外務委員会に現われました問題については何の困難もなく、すべて円滑に、円満に審議を終りましたことは、一に短才非才の私の努めでなくて、皆様方が熱心に国家国民のことをお思いになるとともに、微力なる委員長だからできるだけ助けてやろうといって御熱心にお助け下すったことと私は深く感謝し、短かい期間でありますがまことにいい記憶を持ってこの席を張ることにつきまして、皆様方に厚くお礼を申し上げたいと思います。 また新委員長は官界にも国会にも非常に経験のある方でありますから、私以上に円満にいくことと思いますけれども、私自身にとっては皆様方の長い間の御協力と御声援を厚くお礼を申し上げて、この席を去りたいと思います。どうもありがとうございました。(拍手)
○前尾委員長 細迫兼光君。
○細迫委員 全委員諸君の御了解とお許しを得まして、全委員を代表いたしまして、前の外務委員長植原氏に対しまして一言ごあいさつを贈りたいと思います。 お言葉の通り、植原前委員長のもとに運営せられた外務委員会の期間は長しとはいわれませんでしたが、しかしとかく野党、与党の対立、尖鋭化する政治的な時期にあるにかかわらず、事が国際問題であるという本質にも多少よるかとは思いますが、外務委員会の運営がまことに和気あいあいともいうべき状態にありまして、真剣なる討議が行われたことは、その大きな部分を元の植原委員長の民主的な運営の御態度、御手腕に求めなければならぬと私どもは深く確信いたします。ここにこの名委員長をお送りすることはまことにわれわれとしましてはさびしい感じがいたしますが、何とぞ委員長にはますます御加餐、御自重、国会の運営のために、国家のために御奮闘あらんことをお祈りいたしまして、感謝、お別れのごあいさつといたしたいと思います。(拍手) —————————————
○前尾委員長 これより国際情勢等に関する件について政府当局に質疑を行うことにいたします。通産大臣の関係がありますので、高岡大輔君からお願いいたします。高岡大輔君。
○高岡委員 私い時間を節約いたします意味で、自分の考えを述べながら大臣に質問したいと思います。 それは昭和二十五年の一月に英連邦の外相会議において提案されましたいわゆるコロンボ・プランでありますが、それには大臣がことしの秋松田前郵政大臣と一緒に御出席になっておられます。そしてお帰りになっていろいろと御発表等もございましたが、このコロンボ・プランなるものは、食糧の増産と生産増強のためにする技術援助、それから各種の基本産業を興すための資本財の供給ということがその目的としてあげられる点だと思います。しかしこのこと自体に私どもは何らとやかく申すわけではございませんけれども、このコロンボ・プランなるもののバックは一体どういうものか、ここに私は大臣の御意思を伺わなければならぬものがあるのであります。といいますのは、このコロンボ・プランというものは一口にいいますと、東南アジアにおける人たちは非常にみじめな生活をしておる者が多い、そこへつけ込んでとでもいいましょうか、共産勢力が非常に台頭しておる、これに何とかして対処しなければいけないという、これはイギリスの長期の対策から来たと考えられる。もう一つは戦争後においてイギリスの各植民地が独立した、すなわち今までのイギリスの経済は英帝国の版図において行われておったのが、それが各植民地が一つ一つ独立したために、その経済機構も従ってばらばらになった、これでは昔の英帝国の経済は寸断されてしまったので、何とかこれに一枚紙で裏打ちをしよう、そして元の英帝国時代の経済機構を長く温存していかなければいけない、こういう考え方から、私はイーデン氏とネール氏との間にどういう話し合いがあったかという、そういううがった想像的なことは申しませんけれども、どうもこういうことがこのコロンボ・プランの裏になっているのじゃないか、もう一つその裏を考えて参りますと、これはアメリカがポイトン・フォアとでもいいましょうか、その他いろいろな形で対外援助の手を東南アジアに伸べてきた。ぐずぐずしておりますと、アメリカのひもつきの援助によって、せっかく今までのイギリスの植民地といいましょうか、イギリスの経済範囲であるものをアメリカに荒されるといいましょうか、占められてしまう。これではいけないから、お互いに東南アジアの諸地域が手に手を携えてといいましょうか、お互いに連絡をして、さっき言いました目的のために力を出し合っていこうという考え方で、このコロンボ・プランというものが私は考えられたのじゃないかという気がするのでありますが、しかしこれらの背景に対する私の考え方が正しいかどうかは大臣から一つ御指摘を願わなくちゃいけないのでありますが、もしも私が今申し上げたようなこともコロンボ・プランのバックになっておるとしますと、日本の現在の立場からいって、アメリカとイギリスとのそうした関係、あるいはソ連を中心とした共産勢力の進出というこの三つの問題から、日本ほどういう態度でこのコロンボ・プランに参加していくのか、日本が参加しておることは事実なのでございますから、どういうものの見方、考え方で日本はこのコロンボ・プランに参加していくのかという点をお聞きしたい。
○石橋国務大臣 コロンボ・プランが英国及び豪州その他の元の英連邦の外相会議から始まったということはお話の通りであります。そのときの英国の意図がどこにあったかということの中にはお話のようなことも含まれておったかと思いますが、それはありそうなことであります。しかし現在は相変らず英国としてはむろん自分たちの経済的な勢力を強化していくという目的を持ってやっておるだけに、従って非常な力の入れ方をしております。同時にアメリカもそれに参加して参りまして、特に今年は一億ドルのガリオア資金をコロンボ・プランに出すことをきめております。そうしていってみますと、大体腹の中はとにかくとして、参加しておる被援助国のインドとかパキスタンとかカンボジアその他たくさんの国があるわけでありますが、これらの国々はそれぞれみな自分の主張を独自に主張しておりまして、特に英国に縛られる、アメリカに縛られるというふうには見えません。コロンボ・プランそのものにも事務所がありませんし、事務所を作る、作らぬという議題も今年かかるといっておったのですが、とうとう作らなかった。そういうわけですから、今のところは非常にばく然としておるといえばばく然としておる、一つの話し合いの会合という程度で、従ってシンガポールで催されたものもコンサルチィチヴ・コミッティという名前がついておりまして、組織としてはすこぶるルーズなものでありますから、私はあの起りがどうであったかということについては特に考慮する必要はないだろう、こういうふうに考えております。日本としては——各国とも日本の援助を待っておるのでありますから、やはり日本としてはできるだけの力を尽して、東南アジア開発のコロンボ・プランの中に入って、あのプランによって自国の復興あるいは国民生活の向上をはかろうという国々の希望に応じて、日本は日本のできるだけの努力をしていくのがよろしい、かように考えて参っております。
○高岡委員 ただいま大臣は、日本はこのコロンボ・プランに参加をし、極力被援助国の希望に応じてやっていこうというようにおっしゃるのですが、これはなるほどそうでございましょうが、これは何も金額によってのみ計算するものではございませんけれども、今年度の予算を見ていきますと、カナダがこれに投資しましたのが日本の金に直して九十億円、豪州が五十億円、ニュージーランドは小さな国ですが、この小さなニュージランドすら十億の金を出しておるにもかかわらず、日本はわずかに四千万円であります。これは東南アジア全体について四千万円であります。こんなわずかな金で日本が堂々と援助国になるということは虫がいいといいましょうか、そういう気持がしないでもないのでありますが、今までのことはともかくとしまして、三十一年度の予算計画は一体どのくらいお考えであるか、お伺いしたいと思います。
○石橋国務大臣 本年度が四千万円であるということはお話の通りで、しかもそれは昨年からの繰り越しですから、お話にならない金額であります。三十一年度幾らにするか、これは外務省が主管ですから、今外務省から要求が出ておるわけです。私の聞くところによれば二千何百万円だそうです。そんなことではだめだと私は外務大臣にも言うておるようなわけでありますが、その点はなお一つ思い切って増額してもらいたいと考えておる。しかし外務省もそういう方針によって今の二千何百万円をどんどんふやすつもりかも存じませんが、果してこれが大蔵省等にいれられるかどうかしりませんが、私はそんなけちなことを言っておってはだめだということを今申しております。
○高岡委員 その予算関係は外務省管轄というので外務省にお伺いしなければいけないかもしれませんが、私は向うへ参りましていろいろ聞くのであります。日本は相当無理をしてまで賠償金を賠償国には払う用意を持っておるが、みずから賠償を放棄した国々に対しては実だ情ないほどの投資しかしない。そうするともう一度賠償の要求をしようという気持が起きないとも限らない。日本には泣く子と地頭には勝てないということわざがあるそうだが、やはりそうしなければだめなのかというようなことまで聞いたのでありますが、これは通産大臣の所管ではございませんので、外務省の方にお伺いしますけれども、一体外務省はこういう問題をそう軽々に取り扱っていらっしゃるのでしょうか。それとも戦後むしろ賠償を先方から先んじて放棄してきたような国にはもうそのままでいいのだというお考えであるとすれば、よく外務省が口を大にしておっしゃる東南アジアに対しての日本の発展ということは全くおかしなことになる。この点外務省はどのようにお考えですか。
○森下政府委員 外務省としましてはその点重要視して進めておる次第であります。
○高岡委員 言葉は非常に雄大でけっこうでございますが、言葉だけではだめでございます。しかしこれは大臣がお見えになったときに根本に触れて申し上げることにして、通産大臣時間をお急ぎのようですから、これと関連している問題を次にお伺いいたします。 それは、最近の新聞を見ておりますと、石橋通産大臣がシンガポールの会議に御出席になったときにインド側から話があった。インドのビハール・オリッサーのタタナガール一帯は鉄鉱石が非常に多い。世界の宝庫とさえ言われておる。そこで今度はアメリカと三者で鉄鉱石の開発をするということが新聞に出ておるのでありますが、新聞をあれとして申し上げては恐縮ですから、一つ大臣からこの計画はほんとうにおありなのかどうかお伺いいたします。
○石橋国務大臣 その話は場所を言うと、ルールケラーといいます。コロンボ会議が始まる前、私が出発する前から話がありました。そして現地でインドの代表とそれからアメリカの代表ホリスターと私、そのほか随員と三者会談をやりまして、話はあります。今その結果を何とかまとめるために、インド政府とインドにおる日本の大使館との間に下交渉をやっております。
○高岡委員 これはコロンボ・プランによるのでありますか。それとも政府があっせんする民間企業としてやるのですか。
○石橋国務大臣 コロンボ・プランです。しかしこれはコロンボ・プランというけれども、民間企業もコロンボ・プランに入る、つまりプライベート・インヴェストメントもコロンボ・プランに入るのですから、それは今後日本が鉄鉱石の開発をどういうふうにやるか、民間企業として参加させるかどうかということはまだきめておりませんが、それでもコロンボ・プランの中に入るわけであります。
○高岡委員 これは大臣は御存じだと思いますが、今から三、四年前に日本がインドと、やはり同じような考え方をもちまして、資本をアメリカから持ってくるというので、わざわざ日本からアメリカに行って国際銀行から金を借りようとして失敗に終ったことがあります。これは当時アメリカにおりましたデサイ氏が、いろいろと日本とアメリカ側との交渉の裏話を聞いて、これでは危険だというので断わったという、当時そういう話があったのでありますが、今度はアメリカ資本が入るということをはっきりうたっていることはインド側も承知でありますか。
○石橋国務大臣 インドが承知どころじゃない、インド側の希望なんです。これはさっき申しました大統領資金一億ドルの中からその計画に借りたいというのがインドの計画であります。それにはインドだけではだめなのですから、とうしても日本なり何なり——アメリカの計画は一億ドルの使い方は、できるなら全地域に均霑するように、少くとも二国以上に均霑するような事業に使ってほしいというのが条件ですから、そこでインドとしては日本の参加——日本に限りませんが、まあ日本が一番都合がいいということで、日本の参加を求めて大統領資金を使おう、こういうのです。
○高岡委員 それでは、技術的なことで恐縮でありますが、インドのルールケラーといいますと、タタナガールのすぐ近くであります。ここからヴィザガパタム、これは昔は軍港のあったところでありますから、水深が深いと思います。私はここは軍港であったために、特に意識的に行ったことがないのでありますからわかりませんけれども、なぜこんな遠い距離のところの港を選んでいるのか。カルカッタのキタポール・ドックだとか、そういったようなところが今あまりに混雑しているから新たに専門の港を作るという意味からこういう遠隔の地を選ばれたのかどうか。それとも、これは非常にうがった話でありますけれども、こういう距離のところへ鉄道を敷いて日本がそこにレールを売り込んだり枕木を売り込んだりするには長い方がいいという、そういうけちな考え方でなすったのか、一体どういうことでこういう遠隔の港を選ばれたのか。それからそのときの話ではどういう論点からそういう結論を得たのかお伺いしておきます。
○石橋国務大臣 その計画は全部インドの計画で、日本が何か売り込みたいためにというようなことは少しも入っていません。元来インドの計画で、それに日本とアメリカに参加してもらいたい、こういうのであります。それからどうしてルールケラーを選んだかということはインドの考え方ですが、その辺に今度インドは製鉄所を作る計画を持っているのであります。従ってその製鉄所の所要鉄鉱石を供給することがインドとしては第一の目的である。しかしそれだけでは鉄鉱石が余りますから、その余った分を日本は買わないか、買ってくれるなら日本のある程度の、何かの形で資本の参加を求めたい、こういうわけであります。
○高岡委員 そうしますとこの辺にはタタ製鉄所とベンガルという製鉄所と、それからバーンという三つの製鉄所があります。そのバーン製鉄所に日本の某会社が相当投資をしておったのであります。そういうことはこの問題からは全然切り離されていましょうけれども、大臣はそういうことは考慮に入れて下さったかどうか。日本の製鉄会社は今までの間に相当苦心をして努力しております。名前をあげてはどうかと思うのでありますけれども、そういう点は大臣御承知でいらっしゃいますかどうか。
○石橋国務大臣 詳細に知っているとは言えませんが、ある程度知っています。従ってインド代表と話をするときにもそういう問題はある程度出しております。つまりインドの計画としてもっと鉱石を出すのに便利なところがあるが、その点についてほどうかというお話もしてきたのですが、インド政府としては、今のところでは、現在持ち出してきた計画が一番適当である、こういうことであるからとにかくこれについて一つ話をしてもらいたい、こういうことであります。
○高岡委員 これはいろいろお伺いしたいのでありますけれども、なるべく簡単に申し上げますが、この事業に対して日本は、新聞の伝えるところによりますと八百万ドルを車両等によって出す、現物出資として出すというように新聞には見えておるのでありますが、この予算は外務省の管轄ですか、それとも通産大臣の管轄でありますか、日本の投資に対しまして……。
○石橋国務大臣 それは向うとの交渉の窓口、政府との関係はもちろん外務省であります。しかしながらいよいよ鉄鉱石の開発をするという問題になれば通産省の所管であると思います。ですからどういう資料を向うが要求しますか、実はまだこまかいことはわからないのです。わからないが大ざっぱにいって、鉄道、車両等について八百万ドルほどほしい、それについて日本が考慮してもらえるか、アメリカとしては日本がもし考慮して、日本がインドと一緒になってやるというならば大統領資金を出すということを考慮しようというところまで来ております。
○高岡委員 まだ時間がございますか。
○前尾委員長 大臣は予算委員会に呼ばれておられるそうですから、できるだけ簡単にお願いします。
○高岡委員 それではいずれまた大臣の時間の御都合のつくときにお伺いすることにしまして、最後に一点だけ、これはコロンボ・プランとは違いますが、この際でありますから大臣にお伺いしたいと思います。それば日本の商品が向うに今日はいろいろ入っておりますが、アフター・サービスといいますか、その面においては非常に日本は欠けるところがあります。そういう意味からして昔は全世界に十八カ所と私は記憶しておるのでありますが、コマーシャル・ハウスというのですか、商品館とその当時は訳しておりました。あるいは貿易あっせん所でありますとか、貿易通信員といったような三段階にわけての名称が付されておったと記憶するのでありますが、この際東南アジア各国にもう一度そういう日本の商品を向うに宣伝といいましょうか、売り込むと同時に、アフター・サービスまでやっていくというそういう構想のもとに、第一次欧州大戦直後にできた機構でありましたが、こういうことを復活といいましょうか、これをなさるという御意思はございますか。
○石橋国務大臣 それはむろんありまして、三十年度の予算においてもある程度その計画がありました。三十一年度はさらにそれを強化するつもりでおります。ただ以前のように一ぺんにたくさん作るというわけにはいきませんから、逐次作っていくということで相当強力にやりたいと考えております。
○高岡委員 これで私の質問は終ります。
○前尾委員長 並木芳雄君。
○並木委員 条約局長にお尋ねいたします。最初に李承晩ラインに関連して憲法上の問題でありますが、この際政府の態度をはっきりしてもらいたいと思います。昨今の李承晩ラインをめぐっての日本の漁船を撃沈するとか、あるいは空からも場合によっては爆撃するという声に応じて、国内でもこれに対する声が起っております。政府としては平和的手段によって解決をはかりたいという意向のようですが、民間の方では必ずしもそれではあきたらず、実力行使に訴えてでも自衛の手段にいずべきであるという声も出ておるのであります。 そこで最初にお伺いしたいのは、もし日本が強硬手段に出た場合に、憲法九条に抵触してくるかどうか、こういう問題なのであります。私どもは自衛権の発動として、自衛権の範囲内のものとして、憲法九条には絶対に抵触しないと思っておるのでありますけれども、この際政府の態度をはっきりしていただきたいと思います。
○下田政府委員 前提となる、かりに実力手段に訴えるという点が、実は政府のお考えになっておられるところとは非常に違うわけでありまして、仮定の問題として取り上げるのはこの際いかがかと思うのであります。ただ現在の段階は、直ちに憲法九条の問題に入ってこないと思うのであります。これはあくまでも日本領土外における日本国民の保護の問題でございまして、憲法で規定しておりますのは、紛争の解決のために武力行使をしないということでございます。でございますから、李承晩ラインという問題をもって日韓間に紛争があることは事実でございますが、その紛争を解決せんとして日本が京城を爆撃するとか、そういうような武力を行使して日本側の見解、主張に承服せしめる、それが憲法九条の禁止するところなのでありまして、現在そういう問題になっておるわけではございません。あくまでも日本国外における日本国民の保護という問題でございます。憲法九条の問題とは多少異質の問題であると思います。
○並木委員 非常にはっきりしたわけでございます。つまり憲法九条以前の問題であるから問題にならない、だから憲法違反の問題は全然起らない、こういうふうに了解いたしますが、ちょっとくどいようですが、よろしゅうございますか。
○下田政府委員 どっちみち憲法九条の問題自体に入ってこないのでございますから、憲法違反の問題にもならないと思います。
○並木委員 そういたしますと、もし事態がさらに紛糾してきて、日本の自衛隊だけでは収拾し得ないような場合が起ったといたします。私はそういうことを全然想像したくないのですけれども、その場合に、駐日アメリカ軍の応援を求める、そしてもしこれが出動して鎮圧に当るというような場合にも、同様の理由をもって憲法九条の問題は起らないと思いますが、この点いかがでございますか。
○下田政府委員 その問題の提起の仕方も、実は安保条約の問題とは違う問題でございます。安保条約では、第一条におきまして日本自体の安全を守るために、つまり日本が侵略されないように守るという目的と、もう一つは極東全般の平和及び安全の維持のために米軍が日本へ来て、そうして行政協定の第二十四条によりますと、極東全般といいますより日本自体の安全に対する脅威、つまり日本に侵略の脅威が発生するというような緊急事態になりましたら、日米間でとるべき措置について協議するということで、今韓国のやっておりますことは、彼らのいう李承晩ラインを侵犯するものを取り締る、必要があれば発砲までして取り締るということを言っておるのであって、日本の領土を侵略してやろうというようなことを韓国政府は言っておるのではないのであります。でございますから、その安保条約や行政協定二十四条の問題とはどだい問題が違うのでございます。従いまして今直ちに御指摘のような米軍の出動要請というような問題は起り得ないのであります。
○並木委員 そういたしますと、われわれが考えることはいろいろあるのですけれども、運輸省の海上保安庁と防衛庁の海上自衛隊のほかに、今の行政協定とは離れて駐留米軍の応援を求めるということは考えられもしないし、またできないということになりますか。場合によってはできるということですか。行政協定の問題とは別に、その範疇に入らない限度で、考えられないという現実の問題から離れて、将来場合によっては理論上そういうことは可能ではあるのですか。
○下田政府委員 私は考えられないと思っております。つまり韓国側も日本を侵略しようといっておるわけではございませんし、また現在の紛争についても日本は実力行使をしないで平和的に解決するというのが政府の方針でございますから、どだい御提起になりましたような問題は起りようがないと存じます。
○並木委員 そうすると、日本がアメリカにこの問題の仲裁を依頼する、そしてアメリカが仲裁に乗り出した場合には、やはりあくまでも平和的な説得の限度を出ないものでありますか。それを出ないものであって、急迫した事態に対して、もしこれを自衛するのだったら日本の自衛隊の限度でおやりなさい、アメリカ軍としては手をこまぬいて手を出すこともできないし、また出しもいたしません、こういう状態でありますかどうか。
○下田政府委員 現在考えられることは、また事態は、両方とも実力行使により自己の主張を貫徹するというような態度になっていないわけです。向うはただ李承晩ラインの取締りの問題としてやっておる。日本側から見ますと、日本人というものは国の外に公海にもおりますし、外国にもおります。その在外日本国民の利益なり生命財産を擁護するという在外国民保護の問題でございます。でございますから、むろんアメリカといたしましてもこの日韓間の紛争には関心を持っておりますから、両国政府の意向に従っては、アメリカとしてもあるいは好意的の措置を考えることがあり得るかもしれません。しかしそれは今の軍事的の意味においてのアメリカの出動ではなくて、あくまでも国際法で申しております居中調停、周旋というような、両当事者の間に入って、そして仲を取り次ぐという問題であろうと存じております。
○並木委員 アメリカへのあっせん依頼はどのように話が進んでおりますか。
○中川(融)政府委員 本問題についてのアメリカとの接触状況でございますが、これは韓国側の声明が先月の十七日に出されまして以来、刻々そのときの情勢を先方に伝えまして、なお日本側のとっております措置、たとえば韓国側にその真意をただすという措置をとったのでありますが、そういう措置の内容等を逐次米国政府に通達いたしております。この日本側からの通達、情報提供及び新聞その他に出ますいろいろの情勢を米国政府といたしましては十分勘案し、かつ、こういう事態になったということについては、ある意味では憂慮しておる模様であります。大体そういう方向で現在まで参っております。今後も米国側と密接な連絡をとっていきたいというふうに考えております。
○並木委員 アメリカへの仲裁依頼のほかに、国際連合への提訴ということも考えられると思いますが、国連への提訴問題を政府はお考えになっていますか。これはかなり有効な手段ではないかと思いますが、いかがですか。
○中川(融)政府委員 日韓問題が非常に紛糾いたしまして、現にこの区域におきまして世界の平和を乱す危険があるような事態が発生したときには、国際連合へ提訴する道も国連憲章で開かれているのでありまして、われわれとしては、そういうことが法律上、技術上可能であるかどうか、またその見通しいかん等いろいろなことにつきまして研究はいたしております。しかし今国連に提訴するという方針を決定したという段階には至っておりません。
○並木委員 政府はこの問題の本質は国際間の紛争とは考えておりませんか。紛争ではなくて、韓国の一方的な暴挙である、単にこういうふうに考えておられるのですか。
○中川(融)政府委員 われわれから見れば、韓国側の一方的な不法行為であると見ざるを得ないのでありますが、一方的な不法行為を一国が日本に対してしてきておる、それを話し合いによって解決しようとしてもなかなか解決しないという現在の事態は、やはり国際紛争であるというふうに考えます。
○並木委員 そうすると将来の問題としては、なかなか解決がつかずこんがらかってきたら、国連へも提訴するということも考えられますか。
○中川(融)政府委員 現在までにすでに非常にこんがらかって、何年にわたっても解決しない李ライン問題から今回の事態が出ておりまして、その意味では国際紛争は現にすでに相当長くあるわけであります。しかしながら現実にここで戦火を交えるという事態にはまだなっていないのでありまして、今回の声明の結果いろいろ真相の把握に努めておりますが、真にこれが国際の平和を乱すというような事態がほんとうに憂慮される、またそういう事態がさらに発生したということになれば、当然国連提訴という方法も現実の問題として考慮しなければならぬと思っておるのでありますが、現在のところはまだ声明があっただけでありますので、これについてまだそこまでの措置をとるという決意はしていないのが実情でございます。
○並木委員 そうすると、直接交渉と、アメリカを介しての交渉と、将来は国連を通じての交渉と、もう一つ国際司法裁判所への提訴の問題でありますが、この点はいかがになっておりますか。
○下田政府委員 国際司法裁判所の方は、国連提訴の場合と違いまして、日本も韓国もいわゆる義務的管轄権を取得いたしておりません。また日本は裁判所に加入しておりますが、韓国は加入すらもいたしていないということでございます。それでございますから、自動的にこの紛争を国際司法裁判所にかけることは不可能でございまして、日本も韓国も合意の上で、共同で提訴するという以外にかける道はございません。
○並木委員 政府としてはやる意思はありますか。やってみたらいかがですか。もし日本でそういうことを言い出して、韓国の方で二の足を踏んでいるようだったら、向うがひけ目を感じているわけなんですから、そこで第三者の常識的な判断もついてくるのじゃないでしょうか。
○中川(融)政府委員 国際司法裁判所に提訴する件につきましても、いろいろ研究はいたしております。従来もそういうことを考えたこともあるのでありますが、竹島の問題につきまして昨年十月韓国側に正式提起いたしましたが、ただいま条約局長から答弁いたしましたように、韓国側としては公訴の自動的義務はないわけでございますので、韓国側の同意を求めましたところ、韓国側がこれを拒否したことは御承知の通りであります。従って見通しといたしまして、今回李ライン問題をここで国際司法裁判所に提起いたしましても、十中十まで韓国側がこれを拒否するであろうということは想像できるであります。しかし一つの方法といたしまして、あるいは日本の正当な立場を世界に明らかにする一つの方法といたしまして、国際司法裁判所に提訴を韓国側に申し入れるということも、これは考慮してはいけないことではないと思うのであります。ただいま御指摘のありましたような点につきましては、さらに研究いたしてみたいと思っております。
○並木委員 金公使の返事はまだ来ておりませんか。もうずいぶんだっております。もう二週間くらいでしょう。その後政府は催促をいたしましたか。もし来ていなければ、いつ催促しますか。どうしても来ないようだったら、どういたしますか。こんなに時間がかかるはずがない。
○中川(融)政府委員 先月の十七日に声明が出たのでありますが、これが東京の新聞に出ましたのは、十八日の朝刊であります。十八日の午後、外務次官が金公使を招致いたしまして、この声明は連合参謀本部の総長の名前で出ておるが、これが果して韓国政府の正式の見解であるかどうか、方針であるかどうかということを質問したのであります。そうしてもしこれが正式の見解であるとするならば、非常にゆゆしきことであるということもつけ加えたのであります。それに対しまして韓国側からいまだ返答が来ていないのであります。すでに二週間以上、三週間近くなるかと思いますが、来ておりません。これはしかしながら、韓国側が正式の政府の方針であるならば、さっそく回答をよこすものと考えますが、いまだに回答をよこしていないということは、その辺に韓国側としてもいろいろの事情があるのではないかというふうに考えまして、もちろん回答を期待はいたしておりますが、必ずしもこれをせっつきまして早く回答をよこせと言うことが適切であるかどうか、もう少し慎重に考えたいと思って情勢を見守っておるところでございます。
○並木委員 どうも中川アジア局長の今の答弁は、お人柄の関係もあるかもしれませんが、何か恋人に結婚の申し込みをして、その返事がまだ来ない、向うはたぶんいろいろ結納の準備の都合もございますでしょう、あるいは日取りの関係もあるでしょうと、向うの気持をそんたくしているのですけれども、少しのんびりし過ぎるのじゃないですか。いつ督促をいたしますか。ここで約束をして下さい。
○中川(融)政府委員 この問題は政府といたしまして武力をもって解決するとか、あるいはこれを何らかの意味においていわばショウダウンと申しますか、何かそういうことをこれを機会にやろうという考えではないのでありまして、事態を平和裏に外交交渉によって解洗したいというのが方針であります。従って韓国側の回答を催促するということにつきましては、そういう政府の方針とにらみ合せながら、やはり緩急よろしきを得てやるのが適当じゃないか、もちろん事実上はどういうことかということはいろいろ問い合せております。しかしながら正式の回答をこの際いつ催促するかということにつきましては、ただいま申し上げるだけの段階に達しておりません。これらのことは十分慎重に考えてやっていきたいと思っております。
○並木委員 それでは私は局長じゃちょっと無理だと思うから、森下次官に要望的に質問いたします。 今お聞きの通りでございますが、向うが日本の政府のように、いろいろの問題を平和的に解決しようと思って延ばしているならいいのですけれども、その間に伝えられている情報は、ことごとに日本を侮辱したような、またからかうような、威嚇するような報道ばかりなんです。それを聞き捨てておいてよろしゅうございますか。これは私の質問なのであります。次官はきょうでもあしたでも金公使をもう一度呼んで、あの返事はどうなっているのか、その後のいきさつはどうなんだということを確かめてもらいたいのです。それをお約束していただきたいと思います。
○森下政府委員 ただいまの御質問に対しまして、これはきわめて重要な外交上の問題で、きわめて簡単にその返事をすぐよこせというようなことはできないことでもないと思うのでありますが、かつてのきわめて近く交渉の経験がありました問題に対しまして、韓国側の答えに、変わったある種の方法をもって来たこともありますし、それから一昨日当委員会が金公使をたずねて話を進めた中にもいろいろと重要な話が出たように思われます。ただ向うから来ないからといって要求することならばきわめて簡単でございますが、この重大な機微というものに対しまして、外務省、政府としては非常な決心を持ち、また慎重な態度をもって今これに臨んでおるのでございます。こういうことだけお答えいたしておきます。
○並木委員 私はあと幾つも質問はありませんが、ここで山本委員からこれに関連しての質問があるそうですからお許し願います。
○山本(利)委員 先ほど並木委員の御質問に対して外務省がお答えになったことに、私は重大なる問題があると思いますから、関連質問を許していただいたわけでございます。こういう外交の問題については、すべての問題をわれわれは理論的にと実際的にと両方面から常に慎重に考えなければならぬと考える。この日韓問題に対しましても、実際的にはわれわれはあくまで平和裏に解決しなければなりません。何人も砲火を交えて実力でこの際解決すべきであると考えておる人は非常に少いであろうと思うから、あくまでわれわれは平和裏にこの問題は処理しなければなりませんけれども、理論的に先ほど並木君はこの問題は憲法違反にならないのではないかということを質問されたのであるが、こういう問題に対しては、とかく相手方の感情を害してはいけないと思って、穏やかにお答えになるという当局の態度というものは一応了承いたしましたけれども理論的にはあくまではっきりとさせておかなければならぬと思うのでございます。理論的にこれは確かに憲法違反ではない、実際の問題がいかに進展しても、場合によっては実力行使のようなことが起っても、これはわが国の方からいえば自衛権の発動であって、決して憲法違反ではないという理論的な立場をはっきりとしておかなければ、今後この問題を平和裏に解決する上におきましても非常な障害になると思うのであります。いたずらにわが方の弱腰を相手に見すかされることになると思う。日米安保条約の発動にいたしましても、韓国側においては李承晩ラインを守ろうとしておる立場をとっておるし、わが国としては国外における日本人の保護ということであるから、さような紛争が起るとは思われないし、今そういう点について考えるべきではないといったふうなお言葉があったと思いますけれども、やはり竹島の問題というものはこの李承晩ラインにひっかかっておるからである。竹島の問題についてはこれがいかなる観点から考えても、すなわち歴史的に見てもあるいは地域的に見ても、これははっきりとわが国の領土であるということをわが当局はたびたび発表しておったはずである。ことに数年前からこの委員会におきましても、竹島というものは、わが国の領土に違いないということをしばしば論議され、当局もその立場に立って今までやっておられたのである。だからこそこれを国際司法裁判所に訴えようという問題も起ったのであって、これがわが国の領土でないというならば、そういう手数もいらないわけであります。ところが竹島がわが国の領土であるということをわれわれが主張する限りにおいては、それを現に韓国側は侵犯しておるのである。わが国の領土が事実上侵略されておるのである。だからこのことを国際司法裁判所に提訴することも当然であり、あるいはアメリカ側に対してこれを何とか処置してもらいたい、安保条約に基いてこの問題について何とか処分してもらいたいということを、はっきりとわが方から要求するということは当然のことであると思う。わが国の自衛隊の艦船が押しかけて行って、実力で韓国と砲火を交えて取り返せというなら、そういうことについては慎重な立場をとらねばならぬと今の段階ではまだ私は思いますけれども、国際的にいって、理論上竹島はわが国の領土であるということをわれわれが主張する限りにおいては、韓国がこれを侵略しておるのだ、この処置をどうするかというはっきりした立場をとって、アメリカその他へ向って要請する必要があると私は考えるのでありますけれども、この点について条約局長及びアジア局長あるいは政務次官はどういう工合にお考えになりますか。まず御答弁をいただきたい。
○下田政府委員 まことにごもっともに拝聴いたしました。私どもはたとい仮定の問題であるにいたしましても、あまりに率直なお答えを申し上げることについて、対外的反響ということに常に気をとられておる点は確かにございます。そこで先ほど並木委員の御質問にもお答えいたしたのでありますが、並木委員の提起された問題は、現実の事態から一つ先を想像しておられるわけであります。これは外務省の問題ではございませんが、防衛庁としても、今漁民の保護の問題である、従ってこれは直ちに防衛庁の問題でなくて、海上保安庁の問題だ、あるいは水産庁の巡視船の問題である。ところがその巡視船なり海上保安庁の船が保護に行って撃たれまして、そこでパチパチが始まって、とても海上保安庁等で処理し切れない、そういう場合になれば自衛隊法八十二条という条項がございまして、防衛庁といえども、侵略の場合でなくて、海上の人命、財産の安全を保護するために出動する場合もあるわけでございますから、その場合には防衛庁の警備艦が出て、向うも出てきてそこでまた日本海海戦が始まる、そうなって初めて並木さんの提起された問題が起るわけです。そこで私のお答え申しましたのは、そういう先の先まで考えて、憲法九条に基いて許されておるところの自衛権に基く武力行動ないしは安保条約の発動というような問題ではただいまございませんということを申し上げるに急な余り、先ほどのような御答弁を申し上げたのであります。しかしながらこれはもう仰せの通り憲法なら憲法で許容されたることは、もしその場合が発生いたしましたならばそれを行い得ることは、それは当然適法行為でございます。安保条約の規定した事態がかりに発生いたしましたならば、安保条約の発動を求め得ることは当然のことでございます。それが憲法なり国際法によって国家に自衛権というものが認められ、また安保条約においてその発動の場合が予想されているゆえんでございます。ただしかし先の先まで想像して、そうして今直ちにそういう手段がとられるかのごとき印象をこの際内外に与えますことは、これは私は決して日本の国家のために利益をもたらすゆえんでないと思いますので、まことに奥歯にものの詰まりましたようなものの言い方を申し上げましてただいまの御注意を受けたのでありますが、私どもの意図はそういうところにあるのでございます。御了承願いたいと思います。
○山本(利)委員 ただいまの御答弁によりますと、竹島という言葉はお使いになりませんでしたけれども、竹島がはっきりとわが国の領土である、しかも現段階においては韓国側は韓国側の説明をしておるでありましょうけれども、わが国としてはわが国の領土が他国によって侵略されておるということを認められますかどうか、その点をもう一度……。
○下田政府委員 竹島の問題につきましては、国際法上の観点から見ますとこういうことでございます。つまり日韓両国とも争っていない地域、たとえば長崎県でありますとか、福岡県に韓国側が入ってきて、そこに警備兵を置くとかいう問題ではないわけなのです。やはり韓国は竹島を自己の領土なりと主張しておる。われわれから見ましたならばこれはとんでもない主張でございますが、向うも自己の領土なりという主張はいたしておる。その韓国側の主張が誤まりであるからこそ国際法廷で黒白を明らかにしようというのが私どもの提案でありますが、その提案はけられたわけであります。従いまして長崎県なり、福岡県なりに韓国が警備兵を入れてきたという問題と、たとい誤まりであるにしろ、自国領土なりと主張しておる領土に、つまり竹島に韓国警備兵を入れたという問題とは、国際法上から見ますと非常に大きな違いがあるわけでございます。ただわが方といたしましては、韓国の主張の誤まりであることはこれは明白なのでありまして、この明白なわが方の主張を国際法廷ではっきり正しいものとしての烙印を押してもらいたかったのでありますが、これを韓国側の自信のない態度から出るのだと思いますが、国際法廷におけるさばきを拒否したということによって、ますます韓国側の自信のないと申しますか、誤まりであることが証明されたように私どもは感じております。しかしこの問題も、先ほど御指摘になりましたように李承晩ラインの問題と関係がございます。従いましてまことにまだるっこいことではございますが、これは日韓間の全般的の国交調整の交渉の問題が五つありましたが、全般的の国交調整の問題に早く持って参りまして、その問題の一環として解決する以外ただいま方法はない、そういうように考えております。
○山本(利)委員 ただいまの御答弁で、竹島の場合は長崎県の一部が侵犯された場合とは趣きが違うということを言われましたけれども、これは島根県の一部であります。日韓合併以前からこれは島根県の管轄でありまして、そしてあの方面の日本海沿岸の漁民たちはあそこへ行って漁をしていたのである。だから向うはいかに言おうとも、理論的にわが方としては——第三者あるいは韓国側はどう解釈してどういう理由を言おうとも、わが国の国民特にわが当局は、あくまで島根県の領土が韓国によって侵犯されておるということを、はっきりと主張し続けていかなければ、将来これが国際司法裁判所にかけられても、この解決というものは、わが国にとっては非常に不利になると考える。今外務当局のこういう重大な場所で発言する一言一句が、直ちに相手方の神経にさわって、ますます紛糾せしめることをおそれられるという立場は了解いたしますけれども、あくまでこれはわが国民のための国会であるし、われわれはわが国のために尽さねばならぬのでありますから、今の点は理論的にはっきりと割り切ってものを言っておかなければ、非常に不利であると私は考える。あくまでこれは歯にきぬ着せたような言い方では困ると考える。もう一度聞きますけれども、竹島の場合は他の場合と違って第三者から見、あるいは国際的に考えてみても、これは侵犯ではないとおっしゃるのですか。侵犯であるといわなければこの問題の将来の解決には非常に障害を来たすと思うから、私はあくまでこれはわが国の領土である、しかも日韓合併以前に島根県の管轄下にあったところのこの島というものは、あくまでわが国の領土であると私は考えるものであります。この点についてもう一度はっきりここで言っておいていただきたいと思います。
○下田政府委員 竹島は、私どもの見解によりますと、これは明白に伝統的の日本の領土でございます。従いまして現在竹島に韓国の警備兵を置いておるのは明白な日本領土の侵犯であります。
○山本(利)委員 それでは第二点に移りますが、先ほど条約局長は、韓国側はこれを漁業の問題のみならずその他の問題——これは五つばかりある、その問題とからませて全面的に日韓関係を調整するところの条約に持っていきたいと思っておる、われわれもそういうふうに早くしたいということをおっしゃった。だからこれは全国民ひとしく希望しているところではありますけれども、一昨日以来でありますか、たくさんの漁民の留守家族たちがあれだけ旗を立てて、ほんとうに悲痛な叫びをあげて陳情に参ったはずであります。これをあるいは韓国におけるところの財産権の問題であるとか、あるいはその他いろいろな問題とからませて全部の交渉を解決するのには、双方がいろいろな主張を持っておりますから、これは非常に時日を要すると私は考える。だからこそ数年来にわたって、この日韓会談というものは解決しないのである。しかしながら今この漁期を迎えて、漁民たちはそこへ行って魚をとらなければ実際はかつえるのである。わが国の栄養の問題から申しましても、あるいはその他漁民の家庭生活から申しましても、これはどうでも今すぐに何とかせなければならぬ問題であります。だから一昨日でありますか、われわれ当委員会の数名の者が金公使と会ったときにも、これはまことに非公式なことではありますが、一括しないでこの漁業問題だけを暫定的に、一つ日本の漁民たちが生きていけるように何とか一応ここで短期間の交渉でもして、そしてあとから全般にからませた本格的な交渉はすべきである、そういう意思はないかどうかということをわれわれは金公使にも言ったのでありますけれども、日本の外務当局はさようにはお考えになりませんのでしょうか。あくまで韓国側の言うように全部からませての解決に持っていくべきであって、この漁業問題だけを切り離すべきではないと考えられるか、もし漁民を救うためにそれがやはりできることなれば暫定的な協定でも漁業に関する限りすべきであると考えられるか、もしそれに同意されるならばその方向へ向って努力されるかどうか、これについての御答弁をいただきたい。
○中川(融)政府委員 李ラインの問題は日本として急速に片づけなければならぬ問題でありまして、先ほど条約局長の申しました五つのうちのほかの問題、これはある意味で若干時期がかかってもそうすぐにどうという問題ではないのでありますが、この季ラインの問題は大ぜいの漁民の方の生計の問題、生命安全の問題でございますので、日本政府、外務省といたしましてはぜひこれだけ切り離して片づけたい、早急に片づけたいというのが最初からの考え方であります。この趣旨ですでに両三年前、この李ライン問題が出ましてからその方針で先方に折衝したのでありますが、先方はどうしてもこれを他の四つの問題と一緒でなければ討議をしない、日韓漁業問題だけを討議することは拒否し続けてきておるのであります。従って現実の問題といたしましては、韓国側は漁業問題だけを切り離すことを承知していないのでありますが、しかし交渉のやり方といたしまして、今日でもなおわれわれとしては、できれば漁業問題だけ切り離して交渉したいという気持に変りはないのであります。またそういう申し入れば従来までも機会あるごとにしておるのであります。さらにただいま山本委員の御指摘の点、目下急務になつております李ライン問題の打開の一つの方策といたしまして、十分考慮し研究してみたいと考えております。
○山本(利)委員 第三点といたしまして、先ほど並木委員に対する答弁のとき、あるいはそれ以前もしばしばでありましたが、われわれは米国が中に立ってこの問題を解決してくれることが、最も平和的に公平にいくことであると考えておるのでありますが、これに対してわが方は要請したかどうかという質問のあるたびに、要請はした、そして米国側も非常にこの問題については憂慮しておりますという御答弁でありました。われわれは憂慮しておるかどうかということよりも、アメリカが確かにこの問題については解決に努力するということを言ったかどうか。ただこれは心配だ、憂慮にたえぬ、われわれも心配しておるということだけをアメリカは言うのであるか。確かにアメリカは今後この問題に介入して、その調整のために努力しますということをすでに言うておるのか、それは言わないで、あいまいに言っておるのかどうか、この点を御答弁いただきたい。
○中川(融)政府委員 最近の日韓問題につきましては、アメリカ当局に逐一今の日本政府の考え方及び現状というものを知らせまして、先方の注意を喚起してきておるのでありますが、先方はこれに対しまして十分の理解を持ち、かつあらゆる努力を惜しまぬということを言っておるのであります。従ってアメリカ側の協力というものは十分期待していい、かように判断いたします。
○前尾委員長 戸叶里子君。
○戸叶委員 韓国の問題に関連して一問お尋ねしたいと思います。これは条約局長にお尋ねしたいのですが、韓国の代表部の問題ですけれども、結局韓国からだけ東京に代表部があって、日本のこれにかわるべきものが韓国にない、こういうふうな異常な状態にあるために、伝えられるべきことも伝えられないというようなことも、しばしばあり得るのではないかと思います。まだ日本との正常な話し合いがついておらないのに韓国の代表部を設けるに至ったいきさつを伺いたいと思います。
○下田政府委員 これは占領時代に、韓国に限りませず、連合軍の総司令部に対するミッションを各国とも派遣しておりまして、韓国も日本政府に対してではなく、連合軍総司令官に対するミッションを派遣いたしております。そこで二十七年の四月二十八日に平和条約が発効いたしましたときに、各国政府ともその際日本政府に対する代表としての地位に切りかえを行ったのであります。そこで日韓間にどうするかという問題になったのでありますが、さしあたりその際の措置としては、一たん韓国代表部を閉鎖して帰ってくれ、そうしてまた来直してくれということも理論的には考えられますけれども、日韓間の至近距離におけるいろいろな問題がある関係におきまして、総司令部あてのミッションが、そのまま今度は日本政府あてのミッションに切りかえてやはり引き続きおるということが、双方の便宜であったということは事実でございまして、その際ただ日本政府としては、一方的の代表部の派遣をわが方だけ受けるということではなくて、当然代表部というものは相互に交換すべきだという相互主義の原則のもとにこれを認めたのであります。従って初めから相互主義で代表部を交換しようという話であったのでありまして、その後再三日本側から代表部設置についての話を持ち出しておりますが、韓国側はいまだその時期にあらずといたしまして、これを始終逃げて回避しておるわけであります。その回避的態度のまま現在に至っておるわけであります。
○戸叶委員 日本と韓国との間のような実例が、たとえば片一方にだけミッションを置くというような実例がほかにもございますでしょうか。
○下田政府委員 ほかにはございません。
○戸叶委員 この代表部は外交官並みの待遇を受けているわけでしょうか。
○下田政府委員 韓国のみならず、フィリピンとの間もそうでございますが、つまり平和条約の締結前あるいは国交調整の条約の締結前におきましては、正常な国交関係はまだないのであります。しかしながらそのなしておる仕事は、外国の単なる公務員が日本に来ておるというのではなくて、やはり政府の意思に従って国家対国家の関係を処理するという仕事をしておるのでありますから、実際問題といたしまして、正式に外交官待遇を与える法律的の根拠はないわけでありますが、礼譲と申しますか便宜的措置といたしまして、外交官に準じた待遇を現在認めておるわけであります。
○戸叶委員 日本の代表部を向うに置くということの申し入れに対して、これを断わっている理由は何でございましょうか。
○中川(融)政府委員 先方は、韓国内の民心の状況が、日本の代表を安全に自国の首府に常駐せしめるだけまだ安定していないということを、理由といたしておるようであります。
○戸叶委員 それではちょっと話を変えまして、たとえば中共の方から日本に代表部を置きたいというような話がありましたときには、これを断わることはできないと思うのですが、そういう点はいかがですか。
○中川(融)政府委員 ただいまの御質問の趣旨がよくわかりませんでしたが、それは韓国との関係があるから中共の方も断われないという御趣旨でございましょうか。
○戸叶委員 そうです。
○中川(融)政府委員 韓国につきましては、日本は韓国を朝鮮の正統政府として認めたいという気持を初めから持っておるのでありまして、早く国交を調整しまして友好関係を結びたい。それまでの間暫定的に代表部というものを認めておるのであります。ところが中共の場合におきましては、台湾の国民政府との関係、すなわちそれと正式な条約を結んでおるという関係から、現状のまま果して中華人民共和国政府と正式国交に無条件で入り得るかどうかという点については、法律上の疑義がたくさんあるのでありまして、従って必ずしも韓国の代表部を認めておることが、中共政府からの代表部を認めなければならないという結論にはならないというふうに考えております。
○戸叶委員 それでは代表部というような形でなくて、貿易代表部というようなものを認めるということはどうなんでしょうか。
○下田政府委員 国際間には、正式の国交状態が開かれておらない国の間に、いろいろな実際上のコンタクトが生じた事例はずいぶんあるわけでございます。でございますから、必ずしもすべて法律論だけで割り切れるわけではなく、多分に政治的の考慮で物事を決定する余地がある問題でございます。しかしただはっきり申し上げられますことは、ある一つの国について、二つの政権があって、その片一方の政権と平和条約なり何なりを結びまして正常の国交関係を持っておりながら、他方の政権とも同時に正常な関係を樹立するような二また使いはできないということは国際法上はっきりいたしております。従いまして、郭沫若先生のような文化的なミッションであるとか、あるいは紅十字会の代表でありますとか、そういうミッションは現に来ておられますけれども、いやしくも中華人民共和国という国家を正式に代表して、日本政府と正式に話し合いをするという地位なり使命なりを持ったミッションを、現状において受けるということは、国際法上からいたしまして不可能に属することでございます。
○松本(七)委員 関連して。今の戸叶委員の御質問に対する中川局長の答弁について、ちょっと伺っておきたいのです。韓国との関係では、国交が正常化されておらないにかかわらず、今の政府を正統政府と認めたいという気持を最初から持っておった。それだからこのミッシヨンをそのまま日本に対する代表として認めているのだ、そうして准外交官の扱いをしている、こういうお話でした。そうすると、たとえばソビエトの場合、これは国交正常化はできておりません。しかし二つに分れておるわけでもなし、れっきとした正統政府ですね。これをまた当然外交官に準じたものとして認めることができると思うのですが、その点はどうでしょうか。
○下田政府委員 ソ連邦は、中国や朝鮮と違いまして、二つの政権はございません。従いまして、今平和条約締結の交渉をいたしておりますが、平和条約は当然現ソ連政権と結び、平和条約ができた上は現ソ連政権との間に国交を回復するということは、もうチョイスのない確定の問題であります。それならなぜ現在ソ連ミッションに外交官待遇を与えないかと申しますと、外交官待遇というものは、原則として国交関係ができた国の正式代表に与えるのが国際法上の原則でございますから、それ以前におきまして、日本政府によってアグリードされたのではなくて、連合国総司令部に対して派遣されたミッションに対して外交官待遇を与えるということはとうてい問題になりませんし、第一日本政府といたしましては、日本に滞在しておるということすらこれは事実上黙認の形になっておりますけれども、これも決して表から認めておるわけではない次第でございます。(「それじゃ韓国と同じじゃないか」と呼ぶ者あり)これは先ほど申しましたように、法律論で割り切ることはできないのでありまして、これは多分に政治的考慮というところから来るわけでございます。
○穗積委員 さっきからの御発言について私からもいろいろ質問がありますが、並木君の発言中の李ライン問題についてのみ関連質問を許していただきましたから、その問題に限ってちょっとお尋ねしたいのです。なおお断わりいたしておきますが、私ちょっと所用のために中座いたしましたから、今まですでに答弁されたことがあるかもしれません。ありましたら簡単に結論だけ言っていただけばけっこうですから、そのおつもりで御答弁をお願いいたします。 まず第一にお尋ねいたしたいのは、李ライン問題はもう年余にわたる問題でございまして、今さらの問題ではない。ところが今緊急の問題としてわれわれがお尋ねしているのは、先月から韓国政府の当局が行なった二つの砲撃声明でございます。これが起きてからに局限してお尋ねいたしますが、この問題が起きましてから、私が先ほどから伺ったところでは、外務次官が金公使を呼んでその真否を尋ねたということ、それからもう一つは、アメリカに逐一話をしてあるということでありましたが、それ以外に外務省はこの緊急な事態に対していかなる措置をおとりになりましたか、全部お知らせ下さい。
○中川(融)政府委員 先月十七日の声明が出ましたことに基きまして、日本政府としては国民、政府非常にこれを心配いたしまして、これに対する態度をきめなければならないことになったわけでありますが、やはり一番もとになりますのは、韓国側の十七日の声明が果してどのような意味のものであるか、あれは軍事当局が出したということでありまして、それを日本としては新聞報道を通じて知っておるのであります。これが果して新聞報道の通じであるかどうか、またその軍事当局の声明なるものが、同時に韓国政府の正式な方針を意味するものであるかどうかという点を、まず突きとめるのが先決と考えまして、それについての照会を発したわけであります。この真相の把握、まだそれに対する返事は来ておりません。しかしながら、今後の向うのいろいろな動き、また返事が来ないという事実その他から、韓国側としてもこれを政府の正式の方針としてそうはっきりきめたというところまではまだ行っていないのではないか、こういうふうに一応は推測されるわけであります。そうとすれば、わが方といたしましても、これに対処するためのいろいろな方策の樹立なり研究ということに若干時間的ゆとりがあるわけでありまして、その趣旨で目下政府部内におきまして、これは各省にまたがる広範な問題でありますので、関係閣僚の協議会も作るというようなことで、これに対して本格的な対策を講じようということになっているわけであります。一方、これを日韓の直接交渉で行うということはもちろんやるべきであり、かつまたやろうと思っているわけでありますが、同時に、両国の中に立ちまして、双方の利害関係——共通の利害関係を持っております米国の協力あるいはあっせんということ、これをまた軽視することはできない。ぜひともこれも一つの要素として当然考えるべきであるという見地から、逐一状況を米側に知らせまして、米側の関心を要求しておったわけであります。それにつきましては、先ほどお答えいたしましたが、米側といたしましても非常な関心を持ち、かつできるだけこれのあっせんないし協力をしたいという気持を持っておると判断いたしておる次第であります。大体そういうことが外務当局が今までしてきた措置でございます。
○穗積委員 事態が急迫していることは御承知の通りでございますし、それから法理上の解釈は別といたしまして、日本漁民が生活の必要上背に腹はかえられないというので、たとい正式声明でなくても、あの声明通りの行動に向うの軍の一部の諸君が出てくるようなことが想定されても、なおかつ出漁したいというような気分でいるのを前にいたしまして、今まで伺いました二つのことだけでは、とるべき措置としてははなはだ不十分だ、不熱心だというふうに思うのです。そのことはまたあとで大臣の出席を求めて御意見を伺いたいと思うのだが、順を追ってこまかくお尋ねいたします。 金公使にお会いになったときに、あれを政府の声明として日本政府に通達する意思があるかないかということは先ほどお答えがございましたが、あの二つの声明がなされた事実について、金公使は確認しておりましたかどうか。金公使も同じように、新聞、ラジオその他の中間の報道機関を通じてああいうことを知ったのか、あるいは正式に金公使はあの事実を確認しておられたのかどうか。それが政府の意思であるか、韓国政府全体の意思であるかどうかは別ですよ。軍当局または外務省関係の人も発言しておったと思うが、その人個人の意見であるかどうか、その解釈は別として、あの声明の事実を確認しておったかどうか、お尋ねいたします。
○中川(融)政府委員 声明が先月十八日の朝刊にあったのでありますが、その日の午後外務政務次官が金公使を呼びまして、ただいま御指摘のようなことを質問したわけであります。その際金公使は自分も新聞で初めて承知した、これについては本国から何ら通知に接していないということを言っていたのであります。
○穗積委員 そうすると、その後はそのままでございますね。
○中川(融)政府委員 本国に照会いたしまして、本国からの回答があり次第連絡するということで帰りました。その後正式の回答はないのであります。
○穗積委員 金公使を通じての正式回答はなくても、外務省としては、あれが果して誤まった報道であるか、あれが誤まった報道でなくて、事実声明があったかどうかという真否をお確かめになりましたか。
○中川(融)政府委員 声明が出たということの新聞報道があったことは、これは間違いないのでありまして、新聞報道も一つのみならず、たくさんの新聞報道が同じことをいってきておるのであります。それから見まして、あの内容の声明があの日にあったということは、大体事実と見てよろしかろうと思います。
○穗積委員 次にお尋ねいたしますが、アメリカに対しては、報告をしただけですか、あるいはわれわれはこういう要求を持っておるから、こういう方法で解決したいと思っておるということを話されたかどうか。第三には、アメリカを仲介者とする解決の要求をされたかどうか、その三つをお尋ねいたします。
○中川(融)政府委員 アメリカに解決案を示したかどうかというお尋ねでございますが、今回のいわゆる砲撃声明というものの解決案は、そういう砲撃をしないということが当面の解決だろうと思います。これにつきましては、もちろんそういうことを実施してもらうようなことは非常に困るといいますか、これを日本としては黙視することはできない、日本としても重大関心を持たなければならぬということは、アメリカ側に伝えてあります。なお李ライン問題全体についての解決方策、これもあるわけでありますが、これについては一昨年暮れに、日韓会談が決裂いたしました直後、アメリカ側といろいろ内容にわたって打ち合せておるのであります。アメリカ側も日本側の考え方というものは承知しておる、こういうことでございます。
○穗積委員 それでは砲撃声明通り砲撃しては困るという日本政府の意思をアメリカも正当なりと認めて、そして韓国側にアメリカの立場からそれを伝達することを頼んだのか、あるいはそれを向うが承諾したのか、その後そういう事実があるかどうか、具体的に前に進んでお話を願いたい。
○中川(融)政府委員 アメリカとしては、いわゆる李ラインというものは認められない、公海に一方的に線を引いて、そこに入るものはつかまえてしまうような李ラインというものは認められない、こういうことはアメリカの当局者も常に声明しておるところであります。これについては日韓交渉の当初より、アメリカ側の態度としては、われわれも知っております。しかしながらこれについては何らかの形においての漁業調整をやったらどうか、やるべきであるというのがアメリカの基本的の考え方であります。それについてあっせんは惜しまないというのがアメリカの考え方であります。今回の声明に関連して砲撃等の事態が起らないようにということは、アメリカは当然そういうことを希望しておるのであります。アメリカの考え方というものはわれわれも知っております。これは当然アメリカ側から韓国側にも何らかの方法で伝わっておる。こういうふうにわれわれは推定と申しますか、考えております。これは的確にそういうことを伝えたかどうかということを突きとめて聞いておるわけじゃありません。これはおのずから当然そういうことになっておるだろうというふうに見ております。
○穗積委員 そうするとアメリカにそういうことを要求したとも、しないとも、また伝えたとも伝えていないとも、非常につかず離れずというような、あいまいもこたることで話をしておられるわけですが、もしそうであるとするなら、その理由を一つ説明していただきたい。
○中川(融)政府委員 日本とアメリカとの関係のことにつきましては、日本が直接の当事者でありますので、これが的確にどういう話があったかということは、われわれ当然わかるわけでありますが、アメリカと韓国側との話がどうであったかということにつきましては、これはわれわれとしては間接に知るほかないわけであります。間接に知る場合におきましても、これはアメリカと第三国との関係でありますので、われわれとしてはこれを端的にいろいろとそう御報告する自由は持たないわけであります。しかしながら周囲の状況、前後の関係等よりいたしまして、当然そういう意思は韓国側にも伝わっておるだろう、こういうふうに推測しておるわけであります。
○穗積委員 そうするとその推定で外務省当局の統合的な判断を伺いたいのだが、そういうことが今の三国間の関係からいって適切なるもので、つまり言いかえれば、アメリカに砲撃しないということをはっきり伝えてもらう、この要求もしないでもない。またそれが伝わったのか、伝わらぬのか、それも何ともはっきりわからぬ、推測だ、こういう状態で、結論としては日本の漁船が李ラインを越えて出漁をいたしました場合に、向う側から声明があったような挙には出ないと、事実上はまだ楽観をしておられるわけですか。
○中川(融)政府委員 李ライン内に今日日本の漁船が入っていったという場合に、あの声明通り砲撃されるかどうかということですが、われわれ外務当局といたしましては従来通りのかっこうで、日本の漁船が入って行くという場合に、向うから砲撃撃沈等の措置をとることは、声明は声明でありますが、そういう措置は国際上韓国としては非常にマイナスになるわけでありまして、そのような措置はとることはないであろうというふうに考えております。たとえば日本側からさらに防衛庁の軍艦と申しますか、艦艇でも派遣して、積極的にこれを保護しながら李ラインの中に入って行くというようなことがもしかりに起きたとすれば、これは先方がどういう態度に出るか予測が困難でありますが、現在の程度の状況で、日本の漁船が入る場合に、これを向うが一方的に砲撃撃沈するというようなことは、まずないのではないかと考えております。
○穗積委員 関連質問ですから、まだたくさんありますが一つにしぼってお尋ねいたします。質問の点を逐次申し上げますから、そこへメモして正確に答えて下さい。これで打ち切ります。 そうすると外務省は、日本の漁船団が李ラインを越えて出漁する計画を知ったときに、これをとめる御意思はないかどうか、すなわち出漁することをとめないで、むしろ出ても差しつかえないという態度にこれから出られるかどうか。それが一つ。 それから時の氏神で、アメリカに盛んにたよっておられるようだが、さっきのお話ではたよったのか、たよらないのかさっぱり使いものにならぬと思うが、いずれにしてもそういう出漁の事態を前にいたしまして、外務省はアメリカ側が韓国側にこの砲撃をしないように希望する旨を伝えたかどうかをおただしになるお考えはないかどうか、それを伺います。 第三点は、この問題は当面砲撃があるなしにかかわらず、私はないといたしましても、当分トラブルは続くと思います。そこでこれを本格的に考えるためには、言うまでもなく日韓交渉を軌道に乗せて、そしてすべての問題を解決する、中で李ライン問題も当然解決すべきものだと思いますが、それに対して日韓会談を再開する日本側の意思と見通しについてお尋ねいたします。 その次に、それと並行して、それもなかなか順調に短日月の間には解決しないと予想されますが、そういう状態の解決を促進するための側面的な一つの方法として、李ライン問題を中心として国連に提訴される御意思があるかないか、これも外務省の方針として伺っておきます。 次には、同時にこの無謀なる韓国側の態度に対しましては、国連を通じて政治的なあっせんを求めるのみならず、正式にやはり国際司法裁判所に提訴すべきだと思うのですが、それに対して政府側はどういうふうにお考えになっておられるか。以上の点について、結論的でけっこうですから、お答えをいただきたいと思います。
○中川(融)政府委員 現在の状況におきまして、日本の漁船団が李ラインに入ることを希望する場合に、外務省がこれをとめるかどうかということでありますが、李ラインに漁船が入ることについて、外務省は一ぺんたりともこれをとめたことはないのでありまして、そのような今までの方針を変える意向はありません。しかしながら、もしも漁船が入る場合に、たとえば武装した軍艦によって護衛して入るというようなことをもしも希望する、こういうようなこともあるかと思うのでありますが、そのような措置は、この際かえって適当でないのではないかというふうに考えております。 なお、その次の米国の問題でありますが、米国が果してほんとうに韓国にその申し入れをしたかどうかということを確かめたらどうか、その意思があるかどうかというお尋ねでありますが、これは先ほどから申しておりますように、われわれとしては米国がすでにそういう意思を向うに伝えたというふうに観測しておるのでありまして、これ以上さらに突き詰めてそれを問いただす必要があるかどうか、これについては今のところはその必要もないのではないかと思いますが、さらに今後の問題として研究してみたいと思います。 日韓の全面的な交渉を再開する問題でありますが、これは五つの重要問題のうち、ある意味で最も重要な問題であります。日韓の交渉が再開されてすでに話がきまっておれば、当然こういう問題も起らなかったのでありますが、今後といえどもこの全面国交再開の交渉ということはぜひ努力したいと思っております。見通しといたしまして、それではいつ開くかというようなことは、ただいまちょっと予測もつきませんが、しかしいわば日韓関係は最悪の事態に入っておるのでありまして、むしろこの最悪の事態に入っておるということから、かえって全面的な国交再開の機運ということも起きてくるのではないかというふうな感じもいたしておるのでありまして、ぜひこの方向に努力したいと思っております。 李ラインの問題を国連に提訴する問題につきましては、これは目下のところその方針をきめたという段階ではございません。しかしながら一つの有効な方法として研究はいたしておるのであります。この李ライン問題が非常にもっと険悪化して、現実に平和を乱すというような事態ができたというような場合は、当然考慮さるべき問題であろうと考えております。 国際司法裁判所へ提起の問題は、これは実効性から言うと、従来の韓国側の態度にかんがみまして、実効はまずないと判断せざるを得ないのでありますが、やはり交渉上の方法といたしまして、一つこういう問題を考えることも考慮してみたいと思います。
○並木委員 では質問を続行いたします。漁船が李ラインに入る場合に護衛をつけることは適当でないと考えておられるようですけれども、沿岸防備の態勢は強化したはずだと思うのです。今度の声明が発せられてから、危険を感じて、日本政府としては当然海上の防備というものは強化したと思いますが、どのように強化したか。
○中川(融)政府委員 李ライン問題の経緯は、従来から海上保安庁が主体となりまして、これに水産庁の監視船が協力してやっておるのであります。防衛庁の船はこの協力の中には入っていないのであります。目下のところ、政府の考えといたしまして、私の知っておる限り、防衛庁が特に防衛庁の海上警備隊の態勢を整えて事態に対処する措置をとっておるということは聞いておりません。しかしながら海上保安庁の警備状況、水産庁監視船の警備状況等は、今回のことにかんがみまして、これは万全を期すべく配置あるいは所定の準備を整え、監視をさらに強化する準備を整えておるということは当然だと思います。
○並木委員 この際ちょっと政府に確かめておきたいのですが、政府は従来領海を三マイルときめておったと思いますが、あるいは六マイルだったか、ちょっと私今、はっきりいたしませんので、問題が起ってきましたから、この際明らかにしておきたいのですが、政府がいわゆる領海と称するものは何マイルをもって臨んでおるか。問題が起ってきますとデリケートですから、ちょっと確かめておきます。いろいろ説やなんかあって間違いやすいのです。
○下田政府委員 日本政府の領海の範囲に関する伝統的の見解は、沿岸から三マイルであるということでございます。
○並木委員 そうすると、この李ライン問題に関する限りにおいても、その三マイルを確保していく、そういう方針に誤まりありませんか。何らかの政治的考慮を払うのかどうかということです。
○下田政府委員 李ラインが不当なりという根拠は、やはり領海——日本政府の了解しておるところの沿岸三マイルの範囲よりもはるかに遠いところまでそういう漁業取締りの線を引いて、しかもそこに主権と申しますか管轄権を一方的に及ぼそうとしているところにあるわけであります。
○並木委員 それでは問題を変えまして一つお伺いいたしたいのは、ソ連の水爆実験の問題なんです。このごろ、ビキニの問題以来、ややわれわれも神経が鈍感になってきた傾向も伴って、ソ連で水爆の実験をしたというような報道に対しても、いささか威圧を感ずる程度が減ってきているのですけれども、考えてみれば、ずいぶん大問題でございます。そしてアメリカなどの報道では、日本はアメリカがビキニで実験をしたときには非常に大騒ぎをしたけれども、ソ連が水爆の実験をしたときは案外黙っている、これば不公平だというようなことすらいわれておる状態でございます。昨日でしたか、日本の原水爆禁止協議会からは、やはり公平な見地に基いてソ連に質問状が発せられたくらいでございますが、この点日本政府としても当然神経を使っておらなければならなかったはずだと思うのです。そこでお伺いしたいのですが、ソ連の原水爆実験についての情報あるいはその危険の程度、今後の対策等についてどういうふうに処置してこられましたか、お伺いしておきたいと思います。
○寺岡政府委員 まだソ連の水爆実験が実際行われたかどうかにつきましては、新聞情報以上に私どもは承知しておりませんし、実際どの程度の実害がありましたかも実はまだ承知しておりませんので、これらの資料につきまして十分検討の上、もしもソ連政府にアプローチするのでございましたら、水爆実験の有無を聞くのが筋かと考えております。しかし近くロンドンにおきまして日ソ交渉も再開の運びとなっておりますので、その際には適当の機会もあろうかと存じますが、その節確かめることもできるかと考えております。
○並木委員 その場合に、やはりアメリカに対して申し入れたと同様に、水爆実験のごときものは遠慮してもらいたいという強い申し入れをするつもりであろうと思いますけれども、その点はいかがでございますか。
○寺岡政府委員 この点につきましては、先ほど申し上げましたように、実際上の資料その他から当りましてかかるべきだと考えておりますし、その他政府の政策といたしましてまず決定されるべきものだと思いますが、現在までのところ私の口からはまだ何も申し上げるような立場にありません。
○並木委員 それについて森下次官、発言がございましたら、大きな問題ですから何か答弁をお願いいたします。
○森下政府委員 ただいま両局長から申し上げた通りであります。
○並木委員 それではもう一つだけにとどめておきます。それは国連加盟の見通しの問題でございます。実は昨日衆議院本会議で国連加盟の要望決議をしたのでありますが、あれに基いて政府はどういう処置をとられるのか、それから加盟の見通しについて具体的に報告しておいていただきたいと思います。
○河崎説明員 お答え申し上げます。日本の国連加盟につきましては、国民政府が今なお外蒙の加入に対して拒否権の行使を主張いたしておるのでありますが、関係各国は大局的見地から国府の猛省を促しておるのであります。日本といたしましても直接間接国府の善処を要望しておる次第であります。昨日の衆議院の加盟促進決議はまことに時宜に適した措置でございまして、外務省といたしましては、さっそく電報をもちまして、国連の事務総長ハマーショルド、それから安保理事会の議長並びに総会議長にそれぞれ打電して、この善処を要望したわけでございます。見通しといたしましては、いわゆる十八カ国の一括加盟案が総会の決議案として今総会の委員会で審議をされておる段階でございます。この決議案が総会で採択されますれば、そのモーラル・ブレッシュアをもって安保理事会に対して最後のこの問題に対する決定を促す段取りになっております。従いましてここ数日間の情勢いかんによって加盟問題がきまるという段階でございます。
○前尾委員長 次会は公報をもってお知らせいたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時三十五分散会