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23回国会衆議院1955/12/13

科学技術振興対策特別委員会 第4号

発言数
108
登壇者
10
会派数
3
開催日
1955/12/13

会議録

有田喜一自由民主党

○有田委員長 これより会議を開きます。  原子力基本法案を議題といたし、提出者より提案理由の説明を求めます。中曽根康弘君。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根委員 原子力基本法案の提案理由を御説明申し上げます。  本原子力基本法案は自由民主党並びに社会党の共同提案になるものでありまして、両党の議員の共同作業によって、全議員の名前をもって国民の前に提出した次第であります。  最近、各国における原子力の利用発達というものは、きわめて目ざましい速度で進んでおります。特に電力用の原子力の利用につきましては、イギリス、フランス、アメリカ等において目ざましい進歩をいたしておりまして、たとえば、すでに、イギリスにおいては、十カ年計画で百五十万キロの電力を開発する、二十カ年計画で四千万トンの石炭を原子力で代用しようという雄渾なる計画を進めております。フランスにおきましても、すでに発電用の一高炉五千キロワットのものが本年末に完成する予定でありまして、来年度にかけてさらにもっと大きなものを建設する予定である。三年以内にロアール川の渓谷に十万キロワット以上の発電炉を建設しょうという計画が電力会社などに進められております。アメリカにおいては、五年以内に二百万キロ程度の原子炉を開発するという計画を進めております。これらの国々におきます動力用の、原子炉の利用のみならず、目ざましいものはアイソトープを利用した各般の研究であります。たとえば、医学用の研究といたしましては、コバルトの六〇を使ってガンをなおすということが進められております。あるいは燐のアイソトープを使いまして甲状腺をなおすとか、あるいはさらに、硼素を使いまして、頭の中にできた腫瘍を、原子炉のそばに患者を連れていって中性子を当ててそれでなおす、とのような目ざましい医学上の研究が進められている。あるいは、農業におきましては、新しい種の造成あるいは肥料の農業上における活用、植物の吸収状態を調べる、そういう方面に顕著に使われて、農業上の改革を進めておるのであります。工業上におきましては、たとえばプラスチックに中性子を当てて接合いたしますと、鋼鉄よりかたい新しい材質になる、あるいはそのほか鋳物の巣の検出であるとか、そのほか万般にわたって革命的な用途が進められておるのであります。  このように先進各国においては目ざましい進歩をしておる理由を調べてみますと、機構上におきまして、あるいは国民に対する啓蒙におきまして、非常なる努力を払っております。各国の共通の特色は、この原子力というものを、全国民的規模において、超党派的な性格のもとに、政争の圏外に置いて、計画的に持続的にこれを進めているということであります。どの国におきましても、原子力国策を決定する機関は半独立自治機構としてこれを置いておきまして、政争の影響を受けないような措置を講じております。たとえば、フランスにおきましては原子力委員会がある、イギリスにおきましても原子力委員会がある、アメリカにおいてもカナダにおいてもそうであります。これらの機関はすべて超党派的な性格をもって網羅して、国民全体が協力し得るような代表を整えておるのであります。  さらに、予算におきましては、たとえば、フランスにおきましては、毎年二百億円くらいの経費を出しております。従来は百億円ずつ出しておったのでありますが、本年以降四カ年間さらに百億円ずつ追加するということをきめまして、毎年二百億円の経費をこれに投じておる。イギリスにおきましては平均して五百億円の金をこれに投じておる。アメリカにおきましては年間八千億円の金をこれに投じておる。こういうような力の入れ方をしておるのであります。  そうして、すでに、各国におきましては、実験炉の段階を越しまして、動力炉の段階に入っておる。そうして、この原子力の問題は、動力源、エネルギー産業の問題として提起されておるのであります。この点はわが国と著しく異なっております。と同時に、各国において非常な個性を持ったやり方をやっておりまして、その国情に合う機構なり研究態勢を進め、研究題目を探してやっておるのであります。たとえば、ヨーロッパ系統のやり方は、濃縮ウランを使わないで、天然ウランをとって、そうして黒鉛を中心としたやり方であります。アメリカの系統は、濃縮ウランを使った重水等のやり方であります。これはみんな国情によって自分たちの国の個性を出しているということと同時に、この利用の範囲におきましても、たとえば、北欧の国々は、ノルウエーは商船の研究をやるとか、スエーデンは鉄鋼の材質の改革をやるとか、フランスは採鉱の努力に著しい成績を示すとか、イギリスは経済的な合理性をもった発電計画を着実に進めるとか、アメリカは万般の工業に対する応用を中心としてこの問題を進めておるとか、みんな個性を持ったやり方で進めておるのであります。これらの点は、われわれが日本に原子力政策を確立する上に、きわめて注目すべきことであると思います。さらに、われわれが考うべきは、すでに原子力から進んで、世界の大勢は、核融合反応の利用にまで進んでいるということであります。原子力のエネルギーというものは、大体地球ができたころのエネルギーをとり出したわけでありますが、核融合反応になりますと、さらに進んで太陽ができるとろのエネルギーをつかみ出すということであります。石炭や石油というものは、百万年前後の昔のエネルギーを今われわれが使っているわけであります。原子力になりますと地球ができたころ、それからさらに、水素融合反応になると約百億年以前のエネルギー、あるいはさらに、最近新聞に出ている反陽子というようなものを使うことになると、宇宙生成のころのエネルギーということになりまして、人類は無限大に向ってエネルギーを探すということになっているのであります。こういうことが進められるということは、われわれの文明に非常なる変化を予想せしめるものであって、われわれとしてもこれを等閑に付することはできないのであります。  そこで、日本に原子力国策を確立する場合において、いかなる点を考慮すべきかといいますと、われわれの考えでは、まず国策の基本を確立するということが第一であります。日本には有能なる科学者があり、技術者があり、技術陣があります。しかし、国策が確立されておらないようでは、有能なる学者はここに集まってきません。そこで、機構的にも予算的にも、国家が、不動の態勢をもって、全国民協力のもとに、この政策を長期的に進めるという態勢を整えることが第一であります。これによって有能なる学者をこの方向に指向させることができるのであります。  第二点は、超党派性をもってこの政策を運用して、政争の圏外に置くということであります。国民の相当数が、日本の原子力政策の推進を冷やかな目で見るということは悲しむべきことであり、絶対避けなければならないのであります。全国民が協力するもとに、超党派的にこの政策を進めるということが、日本の場合は特に重要であるのであります。  第三点は、長期的計画性をもって、しかも日本の個性を生かしたやり方という考え方であります。原子力の問題は、各国においては、三十年計画、五十年計画をもって進めるのでありまして、わが国におきましても、三十年計画、五十年計画程度の雄大なる構想を必要といたします。それと同時に、資源が貧弱で資本力のない日本の国情に適当するような方途を講ずることが必要であります。たとえば、発電の場合にいたしましても、濃縮ウランを使ってやるやり方が妥当であるかどうか。わが国の資本力等から見ますれば、当然、天然ウランを使って、重水あるいは黒鉛を使ってやる発電方式というのがわが国に適当であると、現在考えられております。濃縮ウランにあまりたよるということは、現在の状態においては、発電の原料等にすら外国の応援を得なければならぬということであって、これは原子炉研究あるいは原子動力の利用について自主性を失うおそれもあるのであります。こういう点につきましても、わが国の個性という点をわれわれは慎重に考える必要があります。  第四点は、原子力の一番中心の問題は金でもなければ機構でもない。一番中心の問題は、日本に存在する非常に有能なる学者に心から協力してもらうという態勢を作ることであります。具体的に申し上げれば、湯川博士や朝永博士以下、日本の学界には三十前後の非常に優秀なる世界的なる学者が存在いたします。これらの有能なる学者が、国家のために心から研究に精を出してもらうという環境を作ることが、政治家の一番重要なことであります。そのようなことは、学者の意見を十分取り入れて、この原子力の研究というものが、日本の一部のために行われておらない、一政党の手先でもなければ、財界の手先でもない、全日本国民の運命を開拓するために国民的スケールにおいてこれが行われておるという態勢を作ることが一番大事な点であります。このような点にわれわれは機構その他についても十分配慮した次第であります。  第五点は、国際性を豊かに盛るということであります。原子力の研究は、各国におきましてはみな国際的な協力のもとに行われております。たとえば、北欧諸国を見ますと、スエーデン、ノルウエー、デンマークの三国は、コミュ一二ティを作りまして、共同研究をしておる。あるいは、ヨーロッパにおきましては、スイスに本部を置きまして、ヨーロッパ連合の共同研究所を作りつつあります。アメリカとカナダの提携もきわめて緊密であります。このようにして、各国は国際的規模においてこれを進めておる。最近におきましては、原子力の国際機関が、国際連合において可決されまして、近く設立されようとしております。このような国際的協力というものをわれわれは無視することはできません。そこで、われわれは、アメリカと提携するのみならず、イギリスともフランスともノルウエーともインドとも、あらゆる国と善意をもって積極的に協力するという態勢を作る必要があるのであります。と同時に、アジアにおきましては、アジア民族としての特殊性もあるのでありまして、謙虚な立場に立って原子力の平和利用のためのアジア共同体という構想すらわれわれは持っていいと思うのであります。具体的には、たとえば、資源はインドのトリウムをわれわれは輸入し、われわれの技術をインドと交換する、こういうような構想もぜひ打ち出されてこなければならない事態がくると思います。さらに進んでは、国際連合に原子力の国際機関ができますが、この国際機関におきましても、日本が有力なる役割を果し得るように、われわれは努力しなければならないと思うのであります。これらの国際的協力を行うために一番重要なことは、国論の統一ということであります。この問題について、日本の国論が二つに割れているということは悲しむべき事態でありまして、ここに、超党派的な提携を発生いたしまして、共同提案の法案を出すことができましたのは、このような配慮からでもあったのであります。ここに全体が一つの目標に向ってまじめに謙虚に統一して進んでおるという姿を外国に見せ、外国と提携するという有様をわれわれは示したいと思うのであります。  第六点は、日本の原子力の問題というものは、広島、長崎の悲劇から出発いたしました。従って、日本国民の間には、この悲しむべき原因から発しまして、原子力に対する非常なる疑いを持っておるのであります。このような国民の誤解を、われわれはしんぼう強く解くという努力をする必要があると思うのであります。広島、長崎の経験から発した国民が、原子力の平和利用や外国のいろいろな申し出に対して疑問を持つのは当然であります。従って、政治家としては、これらの疑問をあくまで克明に解いて、ただすべきものはただして、全国民の心からなる協力を得るという態勢が必要であります。しかし、すでに、外国においては、原子力はかっては猛獣でありましたけれども、今日は家畜になっておる。遺憾ながら日本国民はまだこれを猛獣だと誤解しておる向きが多いのです。これを家畜であるということを、われわれの努力において十分啓蒙宣伝をいたし、国民的協力の基礎をつちかいたいと思うのであります。  このような六つの点を考慮いたしまして、ただいまお手元に配付いたしました原子力基本法案は提出されたのであります。  この基本法案を総合的基本法としました理由は、日本の原子力政策の全般的な見通しを国民の各位に与えて、燃料の問題にしても、放射線の防止にしても、原子炉の管理にしても、危険がないように安心を与えるという考慮が第一にあったのであります。日本の原子力政策のホール・ピクチャーを国民に示して、それによって十分なる理解を得るというのが第一の念願でありました。と同時に、全国民の代表が、積極的に日本の運命を開拓するために、責任をとって国民の前に提示するいう意図も含んでおるのであります。第三点は、原子力の問題は、国民の権利義務に影響するところがきわめて大であります。炉を設置するにしましても、環境との影響があります。あるいはアイソトープを輸送するにしても、障害や危険の問題があります。あるいは探鉱開発に努力をするにしても、土地に関する権利義務の問題があります。こういうわけで、国民の権利義務に影響するところはきわめて大きいので、しかも、広島、長崎という特異の経験もありますので、この問題は、国民代表が安全を見きわめた上で、超党派的に提携して、国民の前に提示する、ことが好ましいと思って、共同提案としたのであります。と同時に、最初に申し上げましたように、国民の一致をはかりまして、永続的な超党派的な政争の圏外置いた努力をわれわれはこれから行い、また外国との提携も円滑に行われようという意図から、今回、議員提出として、しかも自由民主党、社会党の共同提案として提出した次第であります。  次に、原子力基本法の内容を簡単に御説明申し上げたいと思います。  まず、第一条におきまして、目的を掲げてあります。この目的は「エネルギー資源を確保し、学術の進歩と産業の振興とを図り、もって人類社会の福祉と国民生活の水準向上とに寄与する」ということであります。このことは、先ほど申し上げましたように、エネルギー源の問題を主として外国は取り上げておる。日本は広島、長崎のエレジーとして今まで取り上げてきておった。この国内の雰囲気の差と国外の界囲気の違い、これを完全にマッチさせるということが、まず第一のわれわれの努力であります。広島、長崎のエレジーとして取り上げている間は、日本の原子力の進歩は望むことができません。外国と同じように、動力の問題として、産業の問題としてこれを雄々しく取り上げるように、われわれは原子力政策を推進したいと思うのであります。と同時に、諸般の学術の進歩、電力、塩の製造、そのほか諸般の産業の振興をはかる、そして広くは世界全体の人類の福祉をはかると同時に、日本国民の生活水準の向上に寄与するという意図を盛ったのであります。  第二条は、基本方針をうたっております。その中心は平和目的に限るということであります。つまり軍事的利用は絶対禁止するという意思であると同時に、学術会議の意見を尊重いたしまして、民主、自主、公開の三原則を明瞭にうたい、さらに国際協力に資するということも明確にうたったのであります。国際協力に資するということをうたった理由は、アメリカ、イギリス、フランスあるいはわれわれと協力しようとするいかなる国とも、話が合えば協力するということであります。  第三条は、定義であります。この定義は、専門家の意見を聞きまして、その通り記載いたしました。  第二章の原子力委員会、この委員会の構造につきましては、すでに本委員会におきまして御審議を賜わっておりますので、詳細は省略いたします。  ただ重要な点を三点申し上げます。第一点は、ここには書いておりませんが、原子力委員会の権限において、予算の振りかえを可能にしたいということであります。すなわち、原子力平和利用に関する経費は、一括して原子力委員会の適当なる機関にこれを納めまして、ここで調整をして大蔵省に要求して、一括して獲得して、それを各省、各部局にさらに配賦する、こういうことによりまして、経費のむだを省き、日本の能率的研究の推進をはかりたいと思うのであります。第二点は、近く設立される原子力局は、必ず設立されると言明されました科学技術庁に吸収して、科学技術庁の原子力局となるということであります。第三点は、大学における講座研究、大学独特の研究の自由を侵害するものでないということであります。ただ、付属研究所の原子力平和利用に関する経費は、むだを省き取るために調整をいたしますが、大学固有の講座研究、その他の自由を侵害するものでないということであります。この三点は特記さるべき事項であると思います。  第三章の原子力の開発機関、第七条に原子力研究所と原子燃料公社を置くということになっております。この公社方式の研究、開発機関を置くことについては、いろいろ議論がありました。ある議論によりますと、むしろ電源開発会社のような特別会社方式が好ましくはないか、官庁機構というものは、どうしても、なわ張りやら、あるいはビューロークラティックになって、弾力性が乏しくなる、こういう有力なる議論がありました。しかし、また、他面には、おくれたわが国の原子力の開発というものは、国家資本によって、しかも国家権力をある程度背景にして急速に追いつかなければ追いつけないという事情もあったのであります。と同時に、原子力の研究は、先ほど申し上げましたように、全国民的規模において行わるべきであって、財界の一つの機関になる傾向を持ったり、あるいは電力会社が原子力発電のための職人を作るというような一部のはなはだしい誤解がありますが、そういうものではなくて、国家的規模において研究が推進さるべきである、こういう議論もありました。結局、原子力の開発機関といたしましては、全額国家出資で、国家的権力を背景にした公社で行うというのが適当である、このように結論づけられまして、原子力研究所、原子燃料公社というものは、公社方式をとったのであります。しかし、ここで考えなければなりませんのは、いわゆる公社というものは、弾力性に乏しく、能率が乏しいということであります。また、給与が低いために、有能な人材を吸収し得ないという欠陥があります。これらの原因を解決するために、別に法律によりまして新しい独特の公社を作り上げようというのが、われわれの考え方であります。すなわち、原子力研究所におきましては、役員の任命は原子力委員会の承認を要する、従って、政府が勝手に任免することは許されない。超党派的に作られました原子力委員会の承認をもってこの重要役員は任命されるということ、それから、研究運営に弾力性を持たせるために、たとえば、民間の技術陣、大学の学者陣あるいは官庁の技術陣等が、グループを作って、運営委員会を作って、この研究所を運営する、ちょうどアメリカのブルックヘウンの研究所は大学連合が運営しておりますが、そういう構想も取り入れるべきであると思うのであります。  さらに、予算におきましては、この予算は、原子力平和利用費として、原子力委員会が、あるいは科学技術庁が一括して国会に要求いたします。国会はこの一括したものを審査いたします。しかし、内容のこまかい審査は、参考資料としては出すけれども、普通の公社のように審査を受けない。しかし委員会や科学技術庁は明確にこれを監督いたします。そうして全額国家出資としてこの機関に出資を行う。決算については、国会は初めから終りまで厳重に監督いたします。これは、国民の税金を使うのでありますから、当然であります。しかし、予算につきましては弾力性を持たす新しい方式を開きたいと念願しております。  なお、給与につきましても同様でありまして、公社の中で最大級の給与を得られるように、あるいはさらに研究所等におきまして相当の研究の余力を持たせるようにいたしたいと念願しております。  さらに、この研究所ないし燃料公社は、民間会社その他の研究所に対して委託研究を行い得るように、いわゆるアメリカがやっておるコントラクト・システムでありますが、そういうようにして弾力性を持たせるようにいたしたいと考えております。  もう一つ重大な点は、これは原子炉だけをやる公社、ではないのでありまして、また研究所ではないのでありまして、原子炉を中心にして、化学とか、数学、物理、材料、生物、医学とか、あるいは社会心理に及ぶくらいの広範なる諸研究所を付置して、科学技術の基本的な発展をはかるためにあるのであります。決して一原子炉の操作やその他のためにあるのではない。日本の原子力を利用した総合科学の伸展ということを目ざして、この研究所は作らるべきであると考えられております。と同時に、現在財団法人原子力研究所なるものが設立され、運営が進められておりますが、これらが作って参りました努力もわれわれは尊重しなければならないのでありまして、この受け継ぎにつきましては、今までの努力も十分尊重するようにして、摩擦が起らないように考慮をいたしたいと思います。  さらに、これらの研究所は、研究が進みまして、たとえば原子発電にいたしますれば、いよいよ実用化するという段階にあるいは近づくかもしれません。このような場合には、実用化したら民間にこれを渡す、そのようにして、業務としての運用は民間その他の新しい構想によるものにやらせる。しかし、研究の成熟まではこの機関でやる、こういう構想も入っておるのであります。原子燃料公社の設置につきましてはまだ仮想であるという議論もありました。しかし、われわれは、次の三点において今日設置することをきめたのであります。  第一は探鉱及び採掘の努力であります。日本では原子関係の資源は少いといわれておりましたが、最近すでにごらんのように中国地方には国際級のウラン鉱も出て参りまして、きわめて有望視されて参りました。フランスにおきましては、約二十五億円の金をつぎ込んだために、非常なる産出を見まして、貧鉱であったフランスは今日すでにスカンジナヴィアその他の国に輸出しておるのであります。わが国にも、それくらいの努力をいたしましたならば、あるいは輸出国に至るかもしれません。現在地質調査所が調査をやっておりますが、地質調査所程度のことでやってはとても追いつかぬのであります。飛行機で調査をやっておりますが、今の計画によると二年間かかります。日本国内で、ありそうなところを飛行機で見ただけで二年間かかるというような、おくれた計画であってはならない。そこで調査は地質調査所が飛行機で一年くらいでやってしまう。しかし、ジープを走らせるとかボーリンーグをやるということは、特別の機関をもって専門にやらせる必要がある。ちょうど石油について資源開発会社ができましたように、重要なるウランにつきましても、これに匹敵する機関を作って大々的なる探鉱努力をなさなければならない、これが第一点であります。  毎二点は、精練の研究であります。  アイソトープの分離、ウラニウム二三五、ウラニウム三三八の分離、あるいは二三八をプルトニウムに転換させるという努力、あるいはトリウムからウラニウム二三三を作るという努力、これらはわが国においては全く未知の世界であります。外国においてはすでにそれが完成しておる。そこでこれらのいわゆるケミカル・セパレーションという研究を持続いたしまして、日本においても独得の精練が行われるように努力しなければなりません。それが行われない限り、国産による原子炉も原子力の自主的運営もできないのであります。そのためには、相当膨大な機構で研究を行うと同時に、せめて。パイロツト・プラントを作らせるくらいまでに近年中に進めたいと思います。これが第二点。  第一三点は、廃棄物の処理であります。原子炉その他の関係から出てくるウェイストは相当危険性があります。これをどう処理するかということは、国民のまた注目しているところであります。今日国際的な大問題になっているのであります。従って、今後原子炉がどんどんできた場合に、その廃棄物をこの機関が一手に引き受けて回収しまして、そして安全に処理するということをこの機関に受け持たせたいのであります。これをばらばらな機関でやらせるということは、危険の分散度が非常に大きくなります。また責任の分散が行われます。そういう点から、この公社に行わせたい。その研究もすでに必要であります。  こういう三点からいたしまして、原子燃料公社は今日においてその研究を進めたいという予定であるのであります。  第四章は、原子力に関する鉱物の開発取得に関する特例をきめております。  この原子力の鉱物の開発ということは非常なる投機性を呼んでおります。産金ブームにかわる以上のウラニウム・ブームというものが出て参りました。アメリカあたりにおいても、ウラさニウム・ラッシュのために相当な摩擦がありました。すでに、わが国においても、中国地方において、ウラン鉱があるということになると、みな、なわ張りを設定いたしまして、自分は掘る意思はないけれども、転々流通させて投機の対象になりつつあるありさまであります。そういうことを防いで、公正なる価格でこれが開発されるように国家は規制する必要があります。そこで、たとえば、権利を設定しても、売買の対象、投機の対象として自分で開発しないという者があります。これに対しては、国家は第三者に代執行を命ずる。もちろん適正なる補償を行いますが、ある者に開発を命ずることができる。とういう権限も特に第九条において認めておるのであります  第十条におきましては、核原料物質の輸出入、譲渡、精練、これは、法律の定むるところにより、政府の規定するものに限って行わしめるということになってております。これは、核原料物質でありますウランやトリウムというものは、危険物ありますから、勝手に輸出入することは許されません。しかし、これらの探鉱、採鉱の努力は民間にも行われるようにしてあります。輸出入も民間に行わせるようにしてあります。さて、入ったものをどこへ納めるか、だれが処理するかということは、国家が指定するところで行わしめる、こういう構成にいたしたいと思うのであります。精練は国家機関がやる。つまり公社がやるということであります。なぜかといいますと、精練は非常に危険を伴います。アメリカにおきましても、フランスにおきましても、イギリスにおきましても、これは全部国家がやっております。御存知のように、アイソトープの分離の際は六弗化水素というものを使います。これは非常に猛毒性がありまして、これが漏れるということになると、相当な被害を及ぼします。そのために、オークリッジにおきましても、スタンフォードにおきましても、あるいはイギリスにおきましても、国家がみずからの責任においてやっておるのでありまして、精練事業は国家が公社をして行わしめる、ただし、これらの精練の研究は、委託研究をもって民間会社等にも行わしめる、こういう構想が適当であると思っております。  第十一条の奨励金等は、これは開発を促進するために奨励金を与える。たとえば、現在は、鉱業権が設定されてあるとしますと、鉱業権者が採掘しない、探鉱しないということがあります。ところが、学生が、ピクニックで行ってみて、有望なる鉱床を発見した。その場合には、学生は金をもらうことはできないことになっおります。そして権利はすでに鉱区を設定した者の手に、いくということになっております。こういう場合には、探鉱は促進されません。そこで、そういうものは、発見した者にも国家が奨励金、賞金を与える、こういうことによって全国民的な探鉱を促進しょうという意図も、第十一条にあるのであります。  第五章は、核燃料物質の管理を規定しております。  この管理は、燃料物資となりますと危険性が相当出て参りますので、国家がさらに規制しょうというのであります。これを輸出し、輸入し、譲り受け、使用する、こういう場合には、政府の規制を法律によってやるということであります。たとえば、現在日本にはトリウムがあります。これは某国から入ってくる鉱石をわが国において製錬いたしまして相当持っておる。ところが、日本には現在原子炉がないから、これを使うことができません。そのために、フランスやイギリスから、相当高価な値段をもって今これを買い取りにきております。こういうことも、ほっておくと、せっかくの国産の原料というものが外国に流れます。そういう意味において、この貴重な燃料物質の輸出入等は国家が規制せんとするものであります。  第十三条におきましては、これは、前条の規制を行う場合には、譲渡先、価格を指示して譲渡することを命ずることができる、こういう規定があります。それは、たとえば、鉱物を持ってきまして製練するのは燃料公社であります。ところが、インドからトリウムを輸入するという場合には、輸入業務は民間業者にやらせてもよろしい。ちょうど塩の輸入を民間にやらせているのと同じであります。しかし、入ってきたものは、専売公社に入れて、再売でやらなければならない。それと同じょうに、燃料公社に入れて、燃料公社が行う。そういう意味の規定であります。  第六章は、原子炉の管理、この点は、条文に書いてある通りでありまして、特に御説明申し上げることはありません。原子炉を設定するということは、まわりに非常に影響を持ちますので、厳重なる安全措置を行おうとするものであります。ここで考えておりますのは、日本はまだ原子炉を設置したことがありません。従って、原子炉の設置につきましては、特別の単行法を必要とするかもしれません。これは。原子炉が設置されまして、実績を見た上で、単行法が必要ならば、原子炉に関する単行法を将来制定する可能性も認めておるのであります。現在は、第八章の放射線による障害防止の点で、放射線に関する、安全措置法によってこれを規定しておく予定でありますが、これは、しばらく様子を見て、原子炉に関する単行法を将来設定する可能性も認めて、おるのであります。  第七章、特許発明等に対する措置。  第十七条は注意的規定であります。特許法にあることを特に念のために書  いてあるのであります。  第十八条、譲渡制限。特許の点につきましては、日本はまだ処女地であります。外国においてはすでに公知の事案であることが、原子力の部面においては、日本においてはまだ周知の事実でない。従って、外国が日本に来て特許を設定しょうと思えば、網の目を張りめぐらすようにできるかもしれません。こういうことになると、日本の自主的発達というものはきわめて阻害されます。そこで、外国から不当に侵入しようとするものを防渇して、国産原子炉、日本の自主的研究を促進するということを考えなければならぬと同時に、日本が国家資本で開拓した日本の特許その他が、外国人に買われて、外国に出ていくということも規制する必要があります。しかし、それには、工業所有権同盟条約がありまして、国際的な制約もあるわけでありますから、この国際的制約に触れない限度において、特許に関する措置を法律できめようというのであります。この点は日本の原子力政策を進める上にきわめて重大な点である。現在の特許庁ははなはだ不備な内容、構造を持っておりますので、これらの改革は当然行われなければならないと思っております。  第八章は、放射線による障害の防止を規定してあります。原子炉を設定し、あるいはアイソトープを使用いたしすと、放射線が相当出て参ります。そこで、放射線にはいろいろありますが、アルファ線、べータ線、ガンマ線あるいは中性子線とのすべてをこれで網羅する予定であります。結局、そうなりますと、レントゲンから原子炉による中性子線まで入るということになります。当分の間はこれで全般的に規制をしていこう、この法案の内容は、大体基準になる重要事項は、原子力委員会あるいは科学技術庁、ここにおいてきめまして、そして具体的な細則的なことは担当の各省庁の権限にまかせる、そういうことで基準法として制定したいと思うのであります。  第九章は補償であります。これは通常の法律にある通りであります。  最後に、原子力基本法を制定いたしました結論、政策について申し上げてみたいと思うのであ“ます。  原子力基本法をこのようににわかに提出いたしました理由は、現在ウラニウム協定が外務委員会にかかっておりますが、これは、原子炉を早く米国へ行って買うために、至急国会の承認を必要といたしておるのであります。来年度予算の関係もありまして、至急原子炉を買う調査団を派遣しなければなりません。そういう関係もありまして日米協定を急いでおりますが、日米協定を通過させるときには、当然国民全般に原子力政策の大綱を示しておくべきであります。そういう観点から、日米協定にからみまして、これも御審議を急速にお願いしたわけであります。  日本の現在の国際的地位は戦争に負けて以来非常に低いのでありますが、しかし、科学技術の部面は、中立性を保っておりますから、そう外国との間に摩擦が起ることはありません。われわれが国際的地位を回復し、日本の科学技術の水準を上げるということは、原子力や科学によって可能であると思うのであります。日本が経済的に進出すればイギリスその他の国を刺激いたします。軍備によって膨張するということは今日許されません。何で日本の国際的地位を上げるかといえば、中立性を持っておる科学技術特に原子力によって日本の水準を上げて、それによって国際的にも正当なる地位を日本が得るように努力する。そういう点からいたしましても、基本法を早期に提出して日本の態勢を整えることが、非常に重要な意味を持つと思います。  さらに、今日の日本の一番大きな問題は人口問題であります。人口問題解決のめども、あるいは人口制限、産児制限とか移民とかありますけれども、なかなかそうできるものじゃありません。しかし、われわれが三十年計画のような雄大な構想をもって歴史をながめますれば、徳川時代日本の人口は三千万でありました。これは、火の使い方が非常に素朴であったから、すなわち、赤い火を煮たきやその他まき等によって原始的に使った場合には、封建時代が生まれてきて、その人口は三千万、しかし、この火の使い方が、ボイラーというやり方で発展いたしますと、明治に入って人口六千万にふえております。これはボイラー文明の所産であり、そこには民主主義社会というものが誕生しておる。この原子炉によるエネルギーはボイラーの三百万倍の熱を発敬いたします。この熱を完全にとらえて原子炉文明というものが出てくれば、一億の人口を養うことば必ずしも不可能ではない、そのようにわれわれは考えます。従って、雄大なる意図をもって日本の人口問題を解決し、日本の国際的地位を回復するという意味におきましても、原子力基本政策を確立するということは、歴史的意義を有すると思うのであります。われわれの国は、明治の初めは一般のアジアの国々と同じレベルにありました。しかし、明治の先覚者が、八幡製鉄所を官営で作り、ドイツ、フランスの学問を入れて、五十年間努力した結果、日本は世界の一流の水準に入ったのであります。これを行わなかった国は後進国として残っておるのであります。今日われわれがここに原子炉を入れるということは、八幡製鉄所を官営で作るのと少しも変らない。原子力の学問を入れるということは、ドイツ、フランスの学問を入れるのと同じであります。われわれが、雄大な意図をもって、二十年、三十年努力を継続いたしますならば、必ずや日本は世界の水準に追いつくことができ、国民の負託にこたえることができると思うのであります。  以上のような雄大なる意図をもって原子力基本法案を提出いたしたのでありまして、皆様方の慎重なる御審議をわずらわしたいと思います。  以上をもって説明を終ります。

有田喜一自由民主党

○有田委員長 以上をもって提案理由の説明は終了いたしました。  これより質疑に入ります、質疑の通告があります。から、順次これを許します。岡良一君。

岡良一日本社会党

○岡委員 このたび原子力基本法を御提出になりまして、いわば日本にも新しい原子力時代の黎明が訪れようという、その力強い頼もしい道を開かれたのでありまして、このことが、中曽根康弘君、志村茂治君、前田正男君、あるいは松前重義君、そのほか衆参両院を通じての同志諸君の、国家的な見地に上る、しかもきわめてたんねんな御努力によって、いよいよ御提案になったのでありますが、私は、この際、質問に先だちまして、これらの諸君の御努力に心から敬意を表するものであります。  質問を申し上げると申しましても、何しろ原子力に関するいわば憲法のようなものでありまして、その述べられてあるところもきわめて原則的なもので、あり、かつはまた、この法案をいただきましたのも、わずかに昨夜のことでありまするので、せっかくの御努力に対する質問としては、まことに準備が整っていないことを私も残念に思いまするが、以下若干の点について、提案者の率直なる御答弁を願いたいのであります。同時に、また、たまたま原原子力担当の正力国務相おいでになりまするので、あわせて政府当局の御見解をも承わり得ることができれば仕合せに存じます。  そこで、第一点のお尋ねであります。るが、先ほど来るる御説明の中にも、原子力を、産業の方面に、また福祉の方面に活用したい、エネルギーとして活用したいということが繰り返し強く強調せられましたし、また、この総則においても、第一条にこのことが強くうたわれております。おそらく、国民は、政府あるいは国会は、この基本法に基いて、いかなるプログラムでたとえば、学術会議では、第一号炉をいつ、第二号炉をいつ、そうして、いよいよ本格的な発電炉はいつというふうな発表が新聞に伝わっておることも見聞しておるのでありますが、提案者として、あるいはまた政府としては、いつ、どういうプログラムで、そうして最後には本物の発電炉を作ろうとせられるのであるか。これは、もちろん原子力委員会等の協議に待つべきこととは思いまするが、しかし一応の御構想はあってしかるべきだと思いまするので、まずその点をお伺いいたしたいと思います。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根委員 お答え申し上げます。  正確な計画は、御審議願っておりまする原子力委員会ができましたときに、委員会においてきめるべきものだと思います。その下準備といたしまして、われわれが今研究いたし、これが妥当であると思っておりますのは、いわゆる三カ年計画でありまして、来年度におきましてウオーター・ボイラー型一基、その翌年度におきましてCP5型一基、その翌年度におきまして、いわゆる国産一号炉、天然ウラン重水炉を建設する、この三カ年計画を妥当であると思っております。三カ年計画を進めていくうちに、外国の動力炉の形勢が大体わかって参りますので、四年目ごろから、国産動力炉の建設というところに向っていく予定であります。  なお、大学におきまする教授研究のために、スイミング・プール型あるいはメディカル・リアクター、そういうようなものが必要になるかもしれませんので、それらは、三カ年計画の進行につれて、追って一研究いたしたいと思っております。

岡良一日本社会党

○岡委員 なお、先ほども御説明にありました医学的方面なり、あるいは食糧増産に関し、また金属材料の試験などなどについてのアイソトープの活用ということも、きわめて大切なことでもあり、この法案の目的にもうたわれておるようでありますが、かりにアメリカから濃縮ウランを受け入れる。その場合、すでに日本ではアイソトープの生産が可能になろうかと思いまするが、おそらく、今日不治の病といわれておる脳腫瘍なり、またその発生の部位によってはこれまた不治といわれておるガンの治療等については、多くの研究者はもとより、また国民もその活用ということを希望するであろうと思いますが、さしあたり、発電炉については四年目から国産の第一号炉ができるといたしましても、濃縮ウランを受け入れてのアイソトープの入手、製造、それからその活用については、どういう構想をお持ちでございましょうか。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根委員 アイソトープにつきましては、現在、主としてアメリカのオークリッジから相当量輸入し、相当高価な金を払っております。もっとも、半減期の短かいものは、日本のサイクロトロンでも化研で作っておりますが、大部分は輸入に待っているわけであります。そこで、第一基ができますれば、これは国産化として自給できる態勢になると思います。現在スタックがこの分配をやるわけでありまして、全国の研究所等に分配しておるわけであります。輸入の第一号炉ができますれば、おそらく、原子力委員会あるいはその下部機構が分配実務を行って全国に分ける、こういうことになろうと思います。アイソトープの活用というものは、原子炉ができますれば急速に日本で発展していくだろう、それによってアイソトープの新しい工場が日本に起きてくる可能性も十分にあると思います。

岡良一日本社会党

○岡委員 現在スタックが取り扱っているアイソトープは、御存じのごとく、予算もわずかであり、数量もきわめてわずかありますので、これは、まだ実験段階であって、まだ実のところ実用段階ではありません。そういう意味で、国産的なアイソトープということになれば、できるだけすみやかにその適当な操作を習熟せしめて、これを国民の不治の疾病、難治の疾病に応用する、あるいはひいてまた農業その他の方面に、各国の実験、研究を大きく参考としながら、普及せしめていきたいという念願を持っているわけであります。  そこで、第二条について、「原子力の研究、開発及び利用は、平和の目的に限り、民主的な運営の下に、自主的にこれを行うものとし、その成果を公開し、進んで国際協力に資するものとする」と書いてあります。学術会議の三原則もこの中には盛り込まれておりますし、また、日本民族としての宿願、であり悲願である平和への利用ということも、大きくうたわれておるのであります。そこで、この条文を離れて、私は特にこの問題に造詣のある中曽根君にお伺いをいたしたいのでありますが、おそらく、世界のいかなる物理学者も、戦争の目的のために原子力の研究はしなかったであろうと思うのであります。しかし、たまたま、原子力は、戦争の目的に使われ、そうして大きな不幸をまず日本民族に浴びせかけました。私どもが、原子力を平和へというかけ声を、かけ声としてではなく、事実責任を持って平和のために役に立てるためには、やはりその国の政府の性格あるいはその国をめぐる各種の条件、こういうことが決定するのであろうと思うのであります。そういう意味で、日本があくまでも平和の目的のために原子力を利用しょう、こう出発いたしましても、これがゆがめられて初期の目的とは反する方向に用いられないという保障を、正直のところ私どもはまだ持ち得ないのであります。この点について、中曽根君としては、どういう具体的な保障がこのわれわれの疑問に対して与えられるのかという点、率直な御見解を聞かしていただきたい。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根委員 具体的な保章といたしましては、この基本法によりまして明確にうたいまして、それによりまして、たとえば原料物質の輸出入あるいは所持、燃料物質の精練、所持、こういう問題につきまして政府は厳重に取り締って、それが軍事的な方向に使われないように監視するということも可能にしているわけであります。精練は国家が一手引き受けでやるという意味も、そういう要素のためにやっておるのであります。そうなると、結局、国家が最終的に、つまり、政府がそれだけの責任を持って誠実に行えば、民間では軍事的利用はできないようになります。そこで政府がそれを誠実に行うか行わないかという問題になります。その政府を監督するのは国会でありますから、この国会を構成、しているわれわれ同僚議員が、その点について厳重に政府を監督しておれば、そのことは可能であると思います。特に、防衛庁とかその他防衛関係を担当する部局において、その原子力の軍事的利用が行われないように、国会を通じまして厳重に監視する必要もあると思うのであります。かりに、もしそういうことが行われるようなことになりますと、この基本法違反あるいはさらにこれに基く具体的な関係法違反が出てくるわけでありますから、そういうことは政府をして厳重に罰則をもって取り締まらせる方針であるのであります。

岡良一日本社会党

○岡委員 まことに事直なことをお伺いいたすのでありますが、一部にはこういう説もあるのであります。原子力を平和の目的に利用する、このことはもちろんそうあらねばならないのであるが、しかし、たとえば、日本の国が、ある特定な国との間における協定なりまたそれに基く拘束を受けておる。     〔委員長退席、前田(正)委員長代    理着席〕 その結果として、その国が、原子兵器を大量に製造して、これを実際の戦争の目的に使おうとしておる、そして、これを使うことの必要から、日本の国土にあるいは原子兵器を搭載して離着陸のできる飛行場を作ろうとしておる、あるいはまた原子弾頭を誘導的に発射することのできるような装置を日本の国内に持ってきておる、こういうことが現実に認められておるということと、そしてわれわれが国会において原子力の平和利用をここに叫ぶということ、この間には大きなずれがあるのではないか、これは、ある意味においては、国民を欺瞞する結果になるのではなかろうかという危惧を持つ者があるのであります。この点についての提案者の御見解、あわせて正力担当大臣の御見解をも承わりたいと思います。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根委員 日本におきまする原子力の国策というものは、あくまで平和のために行うという厳然たる原則があるのでありまして、われわれが自主的に行う研究がかりそめにも軍事部面に及んではならぬ、そういうことを規定しておるわけであります。従って、日米濃縮ウラニウム協定におきましても、非軍事的利用というタイトルすらつけてあり、また秘密は渡さないという条項も念入りに入っておるわけであります。そういう国際協定の方面並びにわが国における基本法の内容等におきまして、平和以外のことは一切認めておらないのでありますから、事わが国の研究に関する限り、またわが国の利用に関する限り、自主的に行うものについて軍事的な部面にわたるものはないものと、われわれは考えております。

正力松太郎自由民主党北海道開発庁長官

○正力国務大臣 ただいま中曽根委員からもお話がありました通り、この基本法を厳重に国会が監視していき、なお政府もその覚悟でやっておりますから、との基本法通りいけば決して心配ないと思っております。

岡良一日本社会党

○岡委員 私がお尋ねを申し上げておりますのは、実はそういう点ではないのであります。平和利用ということは、もとより正しいし、そうなくてはならない、そしてまた原子力の研究というものは常に平和を目的として研究されたものであろうと思います。少くとも、良心的な原子物理学者は、決してこれを戦争目的に使おうとして研究したわけではない。しかし、たまたまこれが戦争の目的のために使われて大きな不幸を人類に与えておるのでありまするから、いかに道義的に平和目的にこれを使うのであると人が主張しても、また法律がうたっても、事実上そのことが裏切られはしないかということ、また裏切られた事実が現にあるということ、ところが現在超党的な立場において原子力、平和利用ということを大きく掲げた基本法が出ておる。ところが、一方、わが国の政府では、もし一部に伝えられることが事実であるならば、原子力が軍事的な用に供されるためのいろいろな便益を特定の国に供与しておる。こうなると、われわれは、国会においては、原子力の平和利用を決定し、その方針のもとに基本法を決定する。一方でわが国の政府は原子力の軍事的な利用を認めるという立場における政策を続けていく。ここに大きな食い違いが起ってくるのではないか。この点をいかにお考えであるのか、そういうことが事実ないとおっしやるならば、その点の理由をも明らかにしていただければけっこうだと思うわけです。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根委員 原子力基本法案は、わが国における原子力研究利用の大綱、基本を示したのでありまして、事わが国が自主的に行う原子力の利用については、軍事的にわたる部面は絶対ないということを保障しておるのであり、外国との国際条約においてどういう関係になって、それでオネスト・ジョンが来るとかなんとかということは、この原子力基本法に関する限りは全然関係のないことであると私は思うのであります。従って、これは、わが国が自主的に行う原子力の研究利用について規定し、またわれわれもそういう決意でこの政策を護持しょうとしておるのでありまして、わが国が自主的に行う部面に関する限りは、御心配になるように、これが途中でゆがめられるとか、これが軍事部面に利用されるとかいうことは絶対にあり得ないものと、私は心得ております。

岡良一日本社会党

○岡委員 そのことは私もよくわかっておるのであります。従って、端的に申し上げれば、日本の国会は、基本法では原子力の平和利用ということをはっきり決定しておる。ところが、一方、日本の国会は、その予算、協約その他において原子力の軍事利用を認めておるということになれば、ここに日本の国民の意思というものが原子力に対して大きく矛盾を来たしておるということを証明する結果になるのではないか。この点についての提案者あるいは正力国務大臣の御見解を重ねて聞きたいと思います。     〔前田(正)委員長代理退席、委員   長着席〕

中曽根康弘自由民主党

○中曽根委員 先ほど申し上げましたように、この法案並びに日米ウラニウム協定は、日本が自主的に行う態度、基本的原則というものを確立しておるのでありまして、これに違反するようなことを政府がもしやろうとすれば、それは法律違反になるわけであります。それは現在のわれわれ国会議員といたしましては絶対許さないのでありまして、そういう精神をもってこれを提出いたしました政党政府が存在する限りは、そういうことはあり得ないものだとわれわれは思います。岡さんが御指摘になるのは、オネスト・ジョンとか、そういう外国との関係における問題を御指摘になっておるかもしれませんが、私は、政府のことはよく存じませんが、日本において原子力の兵器を使うことを必らずしも承認したということも聞いておりません。不承認とも聞いておりません。そういう事態が出た場合には、外国は、一方的にはやらないで、必ず政府に相談ずるとか、そういうことになっているんじゃないかと思うのです。そのときどうするかということは国会がきめることになると思いますが、現在の日米関係あるいはウラニウム協定に関する限り、またわれわれが作っておりまする基本法案に関する限りは、われわれがやっている、またやろうとする原子力の利用というものが軍事的に利用されるということは絶対にあり得ない、このように考えております。

岡良一日本社会党

○岡委員 別に中曽根さんのあげ足をとるつもりで申し上げておるのではありません。  そこで、問題を変えて、こんなふうに中曽根さんの率直な御信念を聞きたいと思います。とにもかくにも、超党的に、あらゆる政党が一本になって、原子力基本法を作り、大きくその精神として平和利用をうたっておる。この法案が日本の国会の意思として決定された以後においては、たとえば、現に、重光外務大臣は、オネスト・ジョンに原子弾頭が用いられるかどうかについてはアメリカ側から相談を受けることになっておる、こういう御答弁がすでにあるわけであります。国会は、このような事態に対しては、あくまでも、原子力は平和に利用すべきものであるというこの基本法の大精神の上に立って、これを拒否すべきであるという意思決定をするというのが正しい行き方ではないか、筋が通っておると思うのです。そういう事態がありましたととには、自由民主党の諸君も、このような申し入れは拒絶するという深い御決意をもって、この基本法をお出しになっておるのか、その点一つはっきりしたところをお聞かせ願いたい。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根委員 日本の国防政策につきましては、遺憾ながら、自由民主党と社会党とは見解を異にしております。これもいずれ超党派的にぜひ実現いたしたい次の課題だと思っておるのでございます。しかし、そういう国防政策や外交政策の見解の差にかかわらず、この原子力の日本の自主的平和利用については、超党派的に、平和でいこう、こういうような考え方が成立したのでありまして、そとがまた超党派という意味が光ってくるゆえんだろうと思います。国防政策から何から全部超党派でいければ、こんないいことはないのでありますが、目下のところは遺憾ながらそこまでいきません。とりあえず、これを超党派で成立させまして、その次に一つ外交まで超党派で進むように努力をいたしたいと思うのでありまして、そのときに岡さんの考えとわれわれの考えをぜひ調整いたしたいと思います。今日のところはとれで超党派で一本でいきたいと念願しております。どうぞよろしくお願いいたします。

岡良一日本社会党

○岡委員 先ほど来中曽根君の御提案の中にも、長崎や広島で非常な迷惑を受けた、それで原子力といえば恐怖の種であるというふうな受け方を国民はしておる、こういう盲を解きたいということをおっしやいました。一部には、なるほど、原子力といえば、おそらく何千年か何万年前の原始人が雷を見た、あるいは地震に襲われたときのような原始的な恐怖を持っておる者もあるかもしれません。しかし、今日では、そういうような原始的恐怖を国民が持っておる、こうきめつけるのは少し手きびし過ぎると私は思うのです。やはり、長崎なり広島なりあるいはビキニなり、今またソビエトの水爆実験なりというようなことで、事実実害を受け、また、水爆実験の谷間にある日本とすれば、そのような形で原子力が使われないで、原子力はやはり文明の発展なり人類の福祉のために使われたいという悲願を持っておるということは、私どもは率直に認めねばならないと思います。私どもは、原子力基本法を、国民が原子力に対して不当な野蛮人のような素朴なおそれを抱いておるということから出発させたくありません。やはり平和に利用するということによって文明と人類の福祉を向上させたい、ころいう国民の悲願にこたえるという謙虚な立場において、われわれは原子力の問題を取り扱っていきたいし、また国会はそうあらねばならないと思います。そういうような立場から申しますると、原子力が、たとい何国の意思であろうと、日本の国の意思において軍事的に用いられることが認められるという事態になったら、そのときに自由民主党と社会党が相談をするという、そういう甘い考え方であってはならないと私は思うのです。この法律案はそのような大きな国民の悲願の上に立ったものである、私はそう思いたいし、またそうあらねばならないと思います。してみれば、やはり、何人の手においてであろうと、日本の国が、日本の国会が原子力の軍事的、利用に協力をするというふうな事態は、あくまでもこれを拒否するという態度において、この際あなた方とわれわれの意見が一致を見るということ、原子力基本法が超党派的であるという正しい立場というりものは、そこに打ち出されるのではないかと私は思う。その点についての中曽根さんの御見解を重ねて聞かせて下さい。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根委員 原水爆を禁止するということは、私は非常に望ましいことだろうと思います。ちょうど、毒ガスに関して国際条約ができまして、この使用を禁止したと同じ意味におきまして、原水爆、特に水爆を禁止するということは全く同感であります。この点については、保守党の政治家といえども、また自由民主党といえども、理念においては社会党といささかも変りがないと思います。しかし、それによって実現しようとしている成果を、どういう手段を経て、現案的段階を経て、実現するかという方法論において違うのだろうと思います。われわれは、そういう意味で、ソ連も水爆を持ち原爆を持っておる、アメリカも水爆を持ち原爆を持っておる、こういう間に対処して現実的にどのよに日本の安全を保持するか、ころいうう点につきましては、あなた方よりもやや現実的な考え方を持っておると思うのです。すなわち、現実に妥協した考えを持っておる。その点については、あなた方の方が非常に理想主義的なお考えをお持ちだろうと思います。しかし、願っていることであります。そういろ点からして、世界が原水爆禁止に至るまで早く前進することを希望してやみません。しかし、国民の生命、財産を預かり、日本の国土を平穏に維持する責任を持っておる政府あるいは与党といたしましては、一挙にそこまで踏み切るということは、現実段階に対していかがかと思うのであります。それが国防政策や外交政策における社会党とわれわれとの考えの差だろうと思います。これはぜひ別の観点からお考えを願いたいと思うのであります。今日われわれが念願しておりまするのは、そういう国防や外交の問題と離れた、日本の国内政策としての原子力政策をどういうふうに確立するかという、問題であります。その点につきましては、わが国の自主的立場においては、あくまで原子力というものは平和に利用しなければならない。アメリカ側が何をしょうが、ソ連が水爆を持とうが、それは外国の、ことでありますから、間接的であります。しかし、事日本に関しては、純粋生一本に、われわれはこれは平和利用にのみ限定すべきであるという厳然たる意思表示をすべきであると思います。そのことが将来外国にも相当な精神的影響を与えることがあると思います。今日の段階におきましては、私たちは、日本国内における基本政策を厳然と確立して、国民に安心を与えると同時に、世界に向ってもわれわれの、意思を明示することが適当であろうと思っておるのであります。

岡良一日本社会党

○岡委員 この問題は事防衛等にかかわりますので、だんだん本題から離れますから、私はこれ以上申し上げません。  そこで、次の問題でありますが、先ほど御提案の理由をお聞きしておりますると、たとえば、原子炉、そしてまたその利用等については、国が指定した民間会社にそれを委託する、委任をするというふうなことが言われたように思うのでありますが、この点、具体的に、いよいよ原子発電が、できる、あるいはまた実験原子炉等によって産業面におけるいろいろ具体的な応用ができる、そういうような原子力施設というものは、これを民間会社の手にゆだねて用いさせる、こういう考え方がこの基本法においてはやはり中心になっておるのでありますが。その点少し私のお聞きの仕方が足りなかった点がありますので、重ねてお聞きしたいと思います。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根委員 目下われわれが考えておりますることは、日本の原子力の開発は、相当な資本を要しますので、国費の重複を避けるためにも、集中化することと総合化することが必要であると思います。従って、ここ当分の間は、原子力研究所及び原子燃料公社に資本や技術やその他のものを集中いたしまして、ここで総合的に研究を行う、そういう方針で、進みたいと思うのです。しかし、国際情勢の変化や外国における原子力の発展に応じて、あるいは大学であるとか、あるいは特定の工業会社であるとか、そういうところが実験原子炉がほしいということが出て、くるかもしれません。しかし、今のところは、当分の間はそういうものは出てこないだろうと思いますが、もしそういうものが出てきた場合には、原子力委員会が本法によってそれを許可するかどうかということをきめるわけであります。しかし、現在のところ、われわれが考慮しているのは、原子力研究所に置くということと、将来の学術あるいは訓練のために大学に実験原子炉を置くということ、この程度は考えられておるのでありますが、民間会社がすぐ原子炉を持ってくるということは、目下のところは予想しておりません。しかし、日本の原子力の研究が研究所におきましてどんどん進んできまして、動力炉も日本でできるという程度まで、進みましたから、そのときになったら民間の電力会社やその他のものにこれをレリーズするということは、考えておりますが、あくまで国家が義務まで、独占してやろうという考えは今のところはないと思うのであります。しかし、当分の間は研究、実験で、この段階は国家がほとんど背負ってやらなくてはならぬと考えておるのでありまして、集中化ということと総合化ということがわれわれの基本的な観念であるのであります。

岡良一日本社会党

○岡委員 当分の間は集中化、総合化という方式をもってやる、しかし将来原子力の利用等が発達すると同時に、また施設等も低廉化するということになる、その結果、たとえば、日本の民間会社が、これらの施設なりを入手し、みずからの資本によって買い取り、みずからの工場の生産にそれを使うということはどうも差しつかえがない、将来においてはごうも差しつかえない、こういうお考えでありますか。この点正力さんにあわせて伺いたい。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根委員 ちょっと私から申し上げておきます。日本の自主性を侵害しない範囲において、かつまた経済採算において不当に外国に搾取されないという保障がある場合には、商社がやり得るということもあるいは予想されるかもしれません。しかし、たとえば、日本の原子炉の燃料が永久に外国に依存しなければならない、たとえば非常に純度の高い濃縮ウランを使わなければならない、日本は当分の間濃縮ウランを作ることはできない、そういうことになった場合、燃料まで永続的に外国の制肘を受けるという態勢でそういうところまで行ってよいかどうかは、日本の自主性の面から大いに検討を要するところであります。そういう点からして、日本の自主性と経済的採算、そういうあらゆる点から考えてみて、それは判決を下すべきものだと思います。しかし、絶対にないということは今言い切れないと思います。なぜかといえば、世界における原子力の研究がどの程度のスピードでここ二、三年伸びるかもしれません。従って、著しく伸びるということになって、日本においても伸びて、自主性や経済採算という面が合理的になるならば、あるいはそういうこともあり得ると思います。しかし、今の状態におきましては、そういうことはちょっと考えられないと思います。

正力松太郎自由民主党北海道開発庁長官

○正力国務大臣 ただいま中曽根君から言われました通りだと思います。しかし、なお確かなことは委員会におきましてしっかりときめていきたいと思います。

岡良一日本社会党

○岡委員 私がこういうことをお尋ね申し上げますのは、御存じのように、第一次のいわゆる蒸気機関の発明による産業革命によって、世界の、あるいは各国の資本主義というものは飛躍的な発展を遂げた。むしろ世界は資本主義の段階に入った。そうしてそこには自由放任の利潤追求と貧富の懸隔、階級の対立というようなものが起ってきておる。さらに、原子力の平和的な利用を通じて、伝えられる第二次産業革命ということになり得る十分な可能性がある。この場合に、一体現在のままの資本主義の姿の中で原子力が導入される、現在の資本主義構造の中に原子力が導入をされることになれば、それは、現在の資本主義が持っておる悪い面、たとえば独占とかいう面をさらに強化することになりはしないか、そういう意味で、むしろ、原子力の平和利用がどんどん進んで、それが、各国の産業構造の中に、動力としてあるいはその他の形において導入されればされるほど、原子力の国家管理というものがますます必要になってきはしないかという原則的な―これも私の想像でありまするが、想像から、一体原子力が進んできて手軽に入ることになる、どんどんこれを民間会社が入れるというふうに、いよいよ自由放任の形にまかすのか、それとも、いよいよ国家的な規制を強くしながら、原子力の生み出す富は全国民に還元するという形に持っていくのかという、基本的な皆さんの御方針を承わりたい。これは原子力委員会が決定するものではありましょうが、原子力担当相としての正力さんは、その点いかようにお考えでありましょうか。

正力松太郎自由民主党北海道開発庁長官

○正力国務大臣 その点はごもっともであります。実は、それで、各方面の権威をもって原子力委員会を組織することに努めております。ただ資本家を動員するものではありません。各方面の権威を集めて、そうして委員会を作ります。

岡良一日本社会党

○岡委員 各方面の権威でやっていただきたいことは、これはもとよりでありますけれども、それでは一体だれを原子力の四名の委員にするか。学識経験者に、財界代表者に、労働組合代表というように、現在の資本主義構造の中における各界代表でしかない。もっと高次な原子力政策というものを、もっと高次な考え方において進めていこうということは、こういう階層の代表の方々の現在の段階における話し合いでは、求めがたいんじゃなかろうか。これはやはり委員長としてのあなたのもっと高邁なる識見が必要じゃないか。その一つの基本線は、今申しましたように、原子力の日本産業に対する導入は、第二次産業革命へ進めようとすることである。現在の資本主義的な姿を、また資本主義の持っておるいろいろな必然的な矛盾を、ますます激成する方向に持っていくのか、それとも、それを克服する形に持っていくのか、原子力は大きく国が握って、原子力の生み出すすべての富は国民全体に還元をするという方向に持っていくのか、この基本的態度について、やはり委員長としての正力さんの抱負があっ  てしかるべきだ。

正力松太郎自由民主党北海道開発庁長官

○正力国務大臣 私は、先刻申し上げます通り、委員会というものは各方面の権威を集めるということを申しますが、第一私は資本主義をそれほど自由にする考えはありません。多少やはり規制する。しかし、資本というものは、私は、おそれずに、むしろこれは使った方がいいという考えを持っております。

岡良一日本社会党

○岡委員 中曽根さの御意見を聞かせて下さい。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根委員 これは原子力によってできます動力の普遍性といいますか、能率性によるだろうと思います。たとえば、相当国家資本を使ってやらなければならぬ、相当な資本を国家がめんどう見なければならぬ、あるいは融資でめんどう見なければならぬ、民間の資本を調達してはなかなかできない、こういうふうな場合、あるいはまた、出てきた動力がまだ高価につくとか、一般産業が経済コストで自由に使えない、あるいは一般経済コストで自由に建設運営ができない、こういう場合には、もちろん公企業的なものが出てくるだろうと思います。しかし、普通の今のボイラーみたいに、将来二、三十年の間に普遍化して、手ごろに、しかも安全にできるという態勢になれば、これはみな会社が自由に作り、あるいは買ってやるという可能性もあります。人類の文明のスピードによるだろうと私は思うのです。現在のところは、日本の状態からすれば、そういうところにいくということは、ここ二、三年の間にはとてもできない。従って、現在の状態、現在のスピードからすれば、当分の間は、国家が相当規制を加えた企業体あるいは国家が間接的に行う企業、そういう関係でいかざるを得ないだろうと私は思います。

岡良一日本社会党

○岡委員 私の尋ね方が悪いのか、十分に趣旨を御理解願えないようでありますが、私が特に申し上げたいことは、このような新しい、しかも偉大なる発明の成果が日本の産業に導入されてくる。その場合、今はまだコストが高いから国が手伝ってやる、コストが安くなれば民間の企業体が自由にこれを使えばいいと、いわば日本の現在の資本主義態勢というものに対する補完的な作用を原子力について国家が営むということは不当である。それではなく、むしろ、原子力については、大きな一切の規制を国が持つということによって、原子力の日本産業構造の中における位置を定めていかなければならないのではないか、私はそう思うのですが、これも皆さんの党と私どもの党との見解の相違でありますので、これ以上お尋ねはいたしません。  次に、私のお尋ねをいたしたいのは、これは、昨日の委員会でしたが、実は政府の責任ある御答弁を願いたいと申しておきながら、まだ御答弁を得なかったのでありますが、たまたま御提出の第七章に書いてあります特許に関係した問題であります。重ねておききをいたしますが、実はこういうことを書いた本が外務省から出ておりますので、それを読みます。これは外務省が出しております各国原子力情報第六号でありますが、その九ページに「特許について」という欄があります。これはアメリカの、原子力の情報についての報道の一節でありますが、これを読みますと、「但し、A・E・Cとの契約に関連して行われた発明の特許は、すべてA・E・Cが特に放棄しない限りその所有となることになっておる。」こう書いてありますところが、一方、今度の「原子力の非軍事的利用に関する協力のための日本国政府とアメリカ合衆国との間の協定」、この前文には、こういうことがうたわれてあります。末尾に、「合衆国原子力委員会によって代表されるアメリカ合衆国政府は、前記の計画について日本国政府を援助することを希望するので、」云々と書いてあります。ここに書いてある表現を私並みに理解をいたしますると、アメリカ原子力委員会はアメリカ合衆国を代表するものであり、従ってこの協定はアメリカ原子力委員会との協定である、そうすると、特許については、AECとの契約関連して行われた発明の特許はすべて、AECすなわちアメリカ原子力委員会が特に放棄しない限りは、その所有となる、こうなっておるわけであります。そうすると、いわゆる濃縮ウラン受け入れ協定によって受け入れました場合に、この濃縮ウランを研究する過程において、たまたま日本のすぐれた研究者が発明に値する業績をあげた、この特許は、原子力基本法案にうたわれておる国内法による特許の手続の以前に、すでにそれをし得ないという形において、これはいわばアメリカ原子力委員会に献納してしまわなければならぬということになる。この関係を、私は私なりにいささか疑問に思っておるのでありまするが、中曽根さんは幸い現地についていろいろこの間の消息も見聞してこられたので、具体的な点をお示しを願いたいと思います。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根委員 特許の点はアメリカでも非常に問題になっております。と申しますのは、研究を非常に阻害している向きがあるのであります。アメリカの原子力研究は軍事利用から始まりましたから、秘密を守るということ、特許は公開しない、そういう点と、それから特許権は国家に帰属する、こういう見地からきておる。それは国家資本で開発し始めたという理由もあります。しかし、最近は、学者が念願することは、自分が新しく発明や研究したことは学界に公表したいという欲望が非常にある。しかし、今までアメリカの原子力法の関係から公表を許されないために、学者の方では自分の実績が学界に認められないという焦燥感がありまして、これをゆるめろという主張がありました。もう一つは、特許権が国家にのみ帰属してしまえば、本人には直接帰属はしないので、そうもうかるわけにもいかぬ。そのために研究心を非常に阻害しておる。その辺はもうゆるめたらどうか、ゆるめなければアメリカにおける原子力の研究は加速度的に伸びるととができない、こういう問題がありまして、AECでも特許の問題と秘密の問題は非常に悩んでおるようであります。それで、これらの点については徐々に開放していくような傾向にあるそうであります。  日本におきましても大体それと同じような問題はあるのです。ただ、日本は軍事利用はやりません。従って秘密問題はないのです。しかし、特許につきましては、国家資本をもって開拓した研究や成果をその個人に全部帰属していいかどうかということは、また疑問であります。現在の法体系からいえば、それは国家に帰属することになるようであります。私はこれは当然だと思います。しかし、また、あるところによれば、その特許の権利はその個人に帰属するけれども、その会社なり国家は無償でこれを自由に使用していい、そういう外国の立法例もあるそうです。日本の場会只今まで通り国家に全部帰属せしめて、本人には多少の報奨をやる程度でいいか、あるいは、外国のものをある程度折衷して入れて、特許権は本人に与えるけれども、国家ないしはその関係は、無制限に自由にこれを無償で使用していいというふうに改めるか、これは一つの研究問題だろうと思うのです。現在の解釈では、やはり、国家に帰属さしておく方がよろしい、状況によってそういうことも将来部分的に考えてよろしい、こういう考えが妥当であるといわれております。私も、日本の特許の問題に関しては、その程度の考えがいいと思います。  それから、日米協定の問題にからんで、AECが向うの代表者であるから、従って、日本の国内におけるアメリカから貸与されたウラニウムによる研究の成果はAECに帰属するというお話がございましたが、そういう事実はありません。これは、条約の解釈にもよりますけれども、あの日米ウラン協定の前文をお読みになっていただきますれば、そういう拘束は何らないのであります。あそこには、灰の処理をどうするとか、賃貸料をどうするとか、そういう規定が書いてあるのでありまして、特許権についてまで制限を受けるというようなことはないのであります。あそこに書いてある義務をわれわれは履行すればいいのであって、それ以上、あれを使ったいろんな成果についてまで、米国の制肘を受けたり、米国にその成果が帰属することはないと私は信じております。

岡良一日本社会党

○岡委員 しかし、それは、中曽根さんの、また私どもの希望的な考え方ではないかということを私はおそれるのです。と申しますのは、前文には決して何も特許に触れてはおりません。しかし、合衆国政府を代表するものはアメリカ原子力委員会であるということは、前文の末尾にうたわれてあります。一方、外務省から私どもの手元に与えられておる各国原子力情報の中には、はっきりと、アメリカ原子力委員会との契約に基いて達成をした発明、特許はアメリカ原子力委員会に帰属すると書いてあるのです。そうしてみれば、濃縮ウラン受け入れという何条かの協定に基いて、日本が濃縮ウランを受け入れた、この濃縮ウランを原材料として日本の学者が研究をし、そこに新たなる発明が生まれた、この発明の特許権は、この協定によれば、アメリカ原子力委員会に帰属することになる。しかも、アメリカ原子力委員会は、御指摘のように、これまで、マクマホン法時代は、全部の発明、特許は原子力委員会が持っておりました。おととし、どうやら、アメリカの科学者あるいは実業人の要求によって、これを緩和し、国内的には非軍事的利用と軍事的利用に区別をして、非軍事的利用については、一市民としてのアメリカ国内法による特許権の請求を許しております。しかし、これにもアメリカ原子力委員会は干渉する道をもこさえております。また、もはや軍事的秘密とする価値のない八百幾つのものについては、その特許の内容を公開しております。そういう事実は事実としてあるけれども、今申し上げましたように、あの協定とアメリカ原子力法というものをあわせて考えれば、やはり、私が危惧したように、濃縮ウラン受け入れに基いて発生した発明についての特許は、アメリカ原子力委員会に帰属するということになるのではなかろうか。この点は、私も十分知っておりませんので、中曽根さんでも、政府委員の方でも、はっきりしたところをお示し願いたいと思います。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根委員 今、岡さんがおっしやいましたのは、アメリカの国内法の関係なんだと思います。なるほど、アメリカの原子力法及びAECの権限を見ますと、コントラクトをやりまして、それによりまして委託研究を全部やらせるようになっている。その成果は、コントラクトの範囲内において、全部自分で吸収し得るようになっております。これは当然のことであります。従って、特許権も、委託研究をやらされた、つまり契約してそういう研究をやった場合には、AECに全部帰属することになっておるのです。これはアメリカの国内法であります。その契約と日米協定というものは別ものであります。あれは、国際協定であって、アメリカ国内における国内法上の契約とは別であります。従って、アメリカの国内法が日本に通用することはあり得ない。その橋渡しに、日米協定という国際協定がその役をなすこともあり得ないのであります。従って、その心配はないと私は確信をいたしております。間違いないと思います。

岡良一日本社会党

○岡委員 とにかく、AECとの契約に関連して行われた発明の特許とありますので、しかも、一方、わが国と結ぼうとする協定も、やはりAECを相手方とするいわば約定になっておりますので、このような拘束をやはり日本の上にも受けなければならないのじゃないかということを、おそれておるわけです。この点は、ほんとうにそうでないのかどうかということを、念のためによくお調べ願いたいと思います。それから、次の問題でありますが、先ほど国際的にも日本の原子力平和利用についての機構なりあり方なりを知らしめなければならないというような点に触れての強い御主張を承わったのであります。そこで、質問と申しますよりは、中曽根さんの御見解をこの機会に承わりたい。同時にまた正力さんの御見解を承わりたいのでありますが、御存じのように、いわゆる国際原子力に関する平和利用機構とか称するものが、国連の総会によって採択をされたとか、され得るとかいうことになりました。また、日本としても国連に加入し得る可能性が非常に強くなったやに伝えられております。ともどもに、まことにけっこうなことでありますが、こういうような国際的な原子力に関する事態について、せっかく、日本も、原子力基本法を作り、原子力委員会を作るということで、原子力時代を形作ろうとしておる。日本は、このような国際的な空気について、どういう態度を持つべきであるかという点を、お伺いしたいと思います。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根委員 原子力の国際機関につきましては、アイゼンハワーが、二年前の十二月八日に、いわゆるブール案というものを出しまして、それでソ連の協力を求めたのでありましたが、不幸にして不調に終りました。それ以来、アメリカは、濃縮ウラニウム協定の個別協定を進めようという意図で、最近に至ってそれを実施したわけであります。そして、国際機関を作ろうという努力は、その後、米ソの間に努力が積み重ねられまして、一挙に国際機関を作るところまで参りませんでしたが、専門家の会議を開こうという点について、昨年の暮れに妥協が成立いたしまして、そして本年の八月八日のジュネーヴ会議になったわけであります。  この会議は純粋に政治的なものは除いた科学者の会議として開きました。ところが、意外にもこの科学者の会議は政治的に非常にいい結果を生みまして、どうしても国際機関を作る、必要がある、そういうように各国の世論が高まりました。そして、最近の国際連合総会におきまして、原子力の国際機関を国連のワク内に作るというような決議をされた。そうして、来年の四月ごろその規約を最終的にきめるために、国連加盟国のみならず、全世界の八十余国を招請して規約を審議しょう、こういうところまで国際連合できめられたのであります。いずれ日本もその規約を作成する会議には招請される予定であります。  それに先だちまして、その規約の内容について、アメリカ案とソ連案というものが関係各国に回付されて審議をされております。その内容は、われわれが聞いたところでは、アメリカ案は、十六カ国が理事国になり、そうして安全保障理事会のワク内に置かないで、つまりヴィトーを認めないというやり方でアメリカはこれを進めよう。理事国は、五つの国が技術を持ち、五つの国が原料生産国、六つの国が第三者の受益国、こういう構想であった模様であります。しかし、この構想は世界の技術や原料を持っていない国から非常な批判がありまして、これは原料や技術を持っている国のドミネートなものになる。この案は改めなくちゃならぬ、こういう世論が方々ぢゅうに沸いて参りまして、一応今のところは採択の見通しがないようであります。ソ連の方は、安全保障理事会のワク内に国際機関を最終的に置いて、ウィトーを認めよういうことで、これはあまりに政治的過ぎるということになって、これも採択の見込みはないようであります。結局、これから四月にわたって世界じゅうの国々がいろいろ妥協案を作り出すと思うのでありますが、いずれ日本も来年四月ころにはそれに呼ばれると思います。いずれにせよ、われわれは、ヴィトーを使うというようなやり方はむろん好ましくない。全世界の国々が公平な立場で参加し得るような、公平に発言をし得るような、また、成果を享有し得るような公正な国際機関の設立を願ったでわけであります。そういう意見は、伝え聞くところによれば、わが外務省から国連筋にも出している模様であります。そういうような機構のものができれば、われわれは非常に、幸いだと思いますが、そういう機関に対しては積極的に日本も加入いたしまして、でき得べくんばこれらの国の理事国くらいになって、世界の文明の推進に貢献したい、われわれはそういうように念願いたしております。国会といたしましても、もしそういう時期がくるならば、日本の国会の意思としてこれを決議でもして、国連あたりにそれを通ずれば、われわれの意思は透徹するのではないかと思います。

正力松太郎自由民主党北海道開発庁長官

○正力国務大臣 ただいま中曽根君からのお話に、外務省は、すでに交渉しております通り、国際連盟にこれは平等の資格で入って交渉するような気概でいたしたいと希望いたしております。そうして、これは、どうしても国際機関に入らなければ、ほんとうの意味の平和利用ということは確立されませんので、これは実現したいと思います。

岡良一日本社会党

○岡委員 私ども党の立場からは、いわゆる国際民主主義の原則に立って、すべてのものが国連に加入すべきである、しかも、拒否権というような大国優先の制度はやめて、大国といい、小国といえども、すべてが平等な一票の権利の中で国連は運用されるものであるという、考方を持っております。ただ、私ども、特に国連に平和利用機構ができるということは、何と申しましも、やはりこれはアメリカやソビエトの政策的な意図を越えた、世界の民衆の平和へという大きな世論というのが、この平和利用機構を作らしめようという大きな一つの原動力であると思う。そこへ持ってきて、八月八日からのあの千七百の科学者と千二百のオブザーバーを加えたジュネーヴの国際原子力平和利用会議があって、そうして、国境を越えて、科学者の、良心が、結局、ふたをあけてみたら、どの国もさほどの優劣のない研究の成果しかあげていなかったというところに、やはり会議の最終日における平和利用機関設立への決議案となり、そうしてまた国連政治委員会が第一議題として取り上げた大きな努力がある、私はそう見ているわけである。そう見れば見るほど、原子力の平和利用という問題には、特に再三再四の被害国として、地球上における唯一のいわば被害者といってもいい日本人であれば、しかも、われわれが国民を代表して基本法をいよいよ実施しようという段階になったわれわれの立場から見れば、もっと具体的に平和利用機構に対する政府なりあるいはまた与党の皆さんなりの要求があってもいいのじゃなかろうか、要望があり得るのじゃなかろうかと思って、お尋ねをしたわけなんです。そういう問題について、これまでの経過ではなく、積極的にこうあるべきだとい、うようなお考え、あるいは平和利用に限定しないで、国際原子力機構を作るべき、だというような御抱負などを、これは別に与野党としての論戦をやるというわけじゃないので、こういう機会に率直な御構想を承わっておきたい、こう思ってお尋ねしておるわけであります。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根委員 われわれ日本国民は、原子力の平和利用には普通の国以上の熱意を持っているものであると思います。そのことは、すでにわれわれが非常に悲しい体験を持って、原子力のおそるべき破壊性について承知しておるからであります。しかし、この平和利用という問題は、国際的な連携と協力なくしてはできない。岡さんが先ほど御主張になりましたように、原子力は平和にのみ国際的にも使われるべきであって、原水爆は、禁止さるべきであるとわれわれも考えておるのであります。そういうわれわれの悲願を達成するためにも、国際機関として平和利用機関ができるということは非常な前進であります。従って、一日もすみやかに、国際連合のワク内に平和利用機関が厳然として打ち立てられて、それが全世界の国々に福祉を平等に公平に分ち与えるような組織となってほしいと思うのであります。そういう理由から、伝え聞くところによりますと、政府におきましては、かなり、在米大使館あるいは国連大使等を通じまして、日本国民の要望を関係各国に進達しておるようであります。また、ジュネーヴの原子力の会議においても、最終の日に、わが国の田付代表からもコメントを出しまして、その熾烈なる要望をジュネーヴの国際会議の席上で披露したのであります。それ以来政府といたしましても非常なる努力をしておる模様でありまして、その願いは、おそらく、国連の中枢部、あるいはアメリカ、イギリス等の中枢にも達しているだろうと思います。従って、われわれが今後もこの努力を持続的に継続していきますれば、国際連合の平和的機関の設立も促進されるであろうし、また、でました際に日本が有力なる役割を果すことができるであろう、といことを、私は信じて疑いません。本日、私は、アメリカの大使館へ行って、そういう方面の話をアリソン大使といたしましたが、アメリカ側としても、広島、長崎の経験を持つ日本に対しましては、非常なる気持を持っておりまして、そういう機会については友好的なる態度を持って終始一貫して協力した「い、こういうことを言っておりました。私らが国務省へ行きましたときも、向うの連中は率直にそういうことを言っておりまして、わが国が超党派で打って一丸となってそういう意向を示しますれば、必ずしも不可能でないと私は考えます。またその必要は非常にあると思うのであります。おそらく、通常国会のころになると思いますが、国連のそういう機会が持たれましたときに、国会としてもそういう意思を表示するとか、あるいは、必要があるならば、日本の政府なり国会の者がその地へ渡りまして、直接そういうことを訴えるということも非常に重要ではないかと思います。それらはそのときの状況を見て行わるべき問題であると私は思います。

岡良一日本社会党

○岡委員 私も党の立場から重ねて希望しておきたいのは、とにもかくにも国連に日本が加盟されるということが大前提であります。加盟した以上は、将来やがて建設される国際連合の平和利用の機構には、日本は、やはり、理事国であろうと、何であろうと、主要なる発言権を保持し得る立場においてぜひとも参加を認めてもらう。同時に、今の国連総会における平和利用機構の運営については、二年ないし三年以内に、さらに先般ジュネーヴで行われたような平和利用会議を招集しょうという程度のことしかきめられておらないようであります。私どもは、それでは物足らないので、やはり、国際民主主義のもとに、大国であろうと、小国であろうと、原子力原料の乏しい国については、平和利用機構はこれをプールして分かつ、あるいは、その研究、技術の成果についての情報も、できる限りこれを各国に公開する、ひいては、その施設等についても、国連の財政的な保障のもとに、各国に平和利用の道が普及され得るような道を講ずる。これくらいな積極的な態度で、原子力基本法をもって平和利用へと日本が踏み出した以上は、政府としても、与党としても、日本が国連に加盟された暁には、そこまで大きく積極的な形において、世界の平和への協力をぜひともお願いいたしたいと思います。  なお、あとには、いわゆるアジア原子力センターの問題について、いささか、お尋ねをしたいと思っておりますが、たまたま岡田君はほかの委員会へお急ぎのようでありますので、岡田君に質問を譲ることにいたしますが、お済みのあとで、またしばらく時間をいただきたいと思います。

有田喜一自由民主党

○有田委員長 岡田春夫君。

岡田春夫小会派クラブ

○岡田委員 岡委員のお許しをいただいて、私、外務委員でありますので、そちらの方にも回らなければなりませんので、ごく要点だけ一つ伺いたいと思います。原子力基本法が、中曽根君初め、われわれ同僚の諸君によって御提出をされましたことについては、私は多といたします。私たちも、原子力の平和的な利用の問題については、反対するどころか、むしろ、これが平和的に利用されることについては、非常な熱意を持っているものであります。それだけに、先ほどあなたの提案の趣旨の御説明がありましたときにおいても、この原子力基本法が今後百年の大計の基礎になるべきものであると、このようにお話になったように私は感じておりますけれども、まず第一に、これは委員長に伺いたいと思いますが、この委員会の運営について、このように基本的な重要なる基本法を提出されるのに当って、わずかに本日のお昼に提出をして、伝え聞くところによると、もう二、三時間のうちには、この審議を打ち切って、そして委員会の審議を討論に入れるというような話を聞いております。私は、今後百年の大計を決すべき基本的な法律であればあるだけに、十分に慎重なる討議を行うべきものではないかと思う。そういう意味において、きょうじゆうにこれを打ち切るという運営の方法については、私自身いささかその意に反するものがあるのであります。特に、先ほどからいろいろ、御質問のあった関連等を見ましても、御承知の通りに、日本とアメリカとの原子力の平和利用についての協力協定という、こういう条約が外務委員会にもかかっております。それだけに、もしこの基本法をきめるものとするならば、不可分の関係にあるこの協力協定との関係を審査するという意味においても、この科学枝術の特別委員会においては、外務委員会とも連合審査をやる、このような形で十分慎重な審議をすることが、ぜひとも必要であると私は考えます。しかも、きょうの新聞によると、この原子力基本法は、衆議院を通過したあとにおいては、おそらく参議院では継続審査になるのではないかと、これほどまでにいわれているだけに、衆議院のこの委員会においては、ことさらきょう、通さなければならないという理由については、いかなる理由があったか、この点をまず伺いたいと思います。第二の点は、そのようなことでは十分な審議が行い得ないことになるのではないか、こういう点についてはいかにお考えになるのか、この点を伺いたいと思います。

有田喜一自由民主党

○有田委員長 委員長としお答えいたします。この原子力基本法は中曽根康弘君外四百二十一名の提案になっております。これが作られるまでには、原子力合同委員会において非常に長くかかって研究を重ねられ、自由民主党並びに社会党の諸君も深くこれの研究をされまして、そうして今回の提案となったものであります。従いまして、質疑の時間は十分与えるつもりでおりますが、この議会を構成しておる四百二十一名の者が提案者でありますために、それほど長くかからなくても、本日一日こうして審議をせられたならば、十分な審議時間がある、かように考え、昨日も自由民主党並びに社会党両党の国会対策委員長相協議いたしまして、本日じゅうにこれを討論採決に持っていこう、こういう方針をきめられたため、われわれは、十分議は尽しますけれども、本日中に討論採決に入りたい、こういう考えでやっております。

岡田春夫小会派クラブ

○岡田委員 もう一点だけ委員長に伺いますが、委員長の御意思のほどはわかりましたけれども、これは自民党と社会の共同提案であります。私たち労農党その他小会派の者は、この提案に対して参加いたしておりません。両党の間においていろいろな調整等はあったかもしれませんが、およそ、法律というものは、国会に提出されたあとにおいて、議員としてその審議の権能を果すということは当然のことだと思います。しかも、そればかりでなく、この基本法は、先ほども申し上げたように、国の百年の大計をきめるものであるとするならば、当然議員外のあらゆる学識経験者にもこれについて意見を問うべきである。そのための機会、方法というものも当然あるわけであります。公聴会を開くとかその他の方法があるにもかかわらず、それすらもおやりにならないということは、先ほどのあなたの御意思である慎重なる審議、このことに対して反する結果を招いているのではないか、そのように私考えますので、重ねて、私の質問を始める前に、委員長にもう一点だけ伺っておきたいと思います。

有田喜一自由民主党

○有田委員長 お答えいたします。労農党の方は提案者になっておりませんが、十分この質疑をしていただきたいと思います。きょうは夜分長い間かかっても発言を許しますから、十分御審議を願いたい。公聴会のことは、これはわれわれ国会議員みずからが考えるべきことであって、われわれは、公聴会をしなくても十分であるということをきょうの理事会で考えられて、さような見解のもとに、公聴会を開かずに本日じゆうに討論採決に入る、こういう考えでおりますから、御了承願います。

岡田春夫小会派クラブ

○岡田委員 それでは、質問に入りますが、ただ一点だけ、私は委員長の御決定である公聴会もやらないという態度に対しては反対であります。この点だけは一言だけ申し上げておきます。  その次に、基本法の質問に入らせていただきますが、まず第一に、この原子力基本法を、先ほど御説明のありましたように、議員の諸君のいわゆる議員提出法案としてお出しになったのでありますが、あらためて申し上げるまでもなく、日本とアメリカとの協力協定は政府間の協定として結ばれております。それにもかかわらず、この協定の基礎ともなるべき原子力基本法をなぜ政府がお出しにならぬか。この点について、担当大臣である正力国務大臣に、議員にまかせてなぜ政府がそのような怠慢をやったか、その理由を伺いたいと思います。

正力松太郎自由民主党北海道開発庁長官

○正力国務大臣 実は、政府が出すつもりでおりまして、その準備をずっと進めました。しかしながら、議員の方で多数の人が提案されるということになりましたから、それでその方にしたわけであります。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根委員 政府の方でも、経済企画庁が中心になって、いろいろ勉強になっておったようであります。しかし、われわれ議員の見解といたしまして、原子力の問題は、国民の利害に非常に影響するし、また国民の一部には恐怖感を持っておる者も相当ある。従って、これは、日本の運命を開拓するために、全国会議員が、でき得べくんぱ積極的に提案者になって、国民の前に勇敢に日本の運命を開拓する方途を出すべきだ。権力を握っておる政府がそういうものをやるよりも、むしろ全議員が勇敢に積極的に運命を開拓するという責任をとって出る方が好ましい。そのことは、さらにまた、全世界の国々に対して、日本の内部において有力政党の意見が合っているということを見せることは、非常に好ましい状態を生み出すのでありまして、そういう考慮から、政府提案とせずに、議員提案としてやったわけであります。

岡田春夫小会派クラブ

○岡田委員 二人の御答弁でややわかったのでありますが、しかしながら、伝え聞くところによると、政府で準備しておった基本法と議員提出法案の基本法との内容において差異がある、このようなことを伝え聞いておりますが、もし議員提出法案がこのまま出されて通過したと仮定いたしますならば、この場合において、政府の原案を用意しておった正力国務大臣は、これについていかなる御見解をお待ちになるのであるか。この基本法に対する見解を伺いたいと思います。

正力松太郎自由民主党北海道開発庁長官

○正力国務大臣 政府も準備しておりましたが、その内容においてはそうひどい対立はありません。だから、大多数の議会の議員諸君が出されるのなら、その方がいいと思ったのであります。

岡田春夫小会派クラブ

○岡田委員 時間の関係がありますから、急いで申し上げますが、条文の中に入らしてもらいたいと思います。  まず、第一点は、先ほど岡君がいろいろと中曽根君に質問をされた点なんでありますけれども、この点は重要ですから、もう一度伺っておきたいと思います。というのは、原子力というものは、平和のためにも利用されると同時に、戦争のためにもそのまま利用される。この点において、これを平和の目的に使うか、戦争の目的に使うかという意味においては、これはきわめて重要な問題があると思うわけであります。そこで、先ほどからあなたの御答弁等を伺っておりますと、この基本法の中に「平和の目的に限り、」ということが書いてあるから、おそらく平和のために使うであろう、それはその国を代表する政府がその方針を決定していくであろう、このような点の御答弁がありました。しかしながら、そのような御答弁では、われわれは了承するわけにはいきません。  なぜならば、現実に憲法の中で戦争を放棄しているこの日本の国で、現実に戦争の準備と思われるような再軍備の態勢が、具体的にあなた方の政府において進められておる。このような憲法違反の事実が進められておる。この中において、この法律が通ったならば、あくまでも平和のために使われるであろうと予想することは、必ずしもこれは国民を納得させるものではないと私は思う。ころいう点で、私は先ほどの御答弁は必ずしも承服するわけにはいきません。そこで、具体的に言うならば、それならば、一体これを戦争のためにぜひとも使わせないようにするにはどうしたらいいか。その点は、先ほど岡君から御指摘のあったように、まず第一に、国際的には原子力を戦争のために使わない、すなわち原爆、水爆を使わない、あるいは生産をしない、実験をしないという禁止のための協定を結ぶために、あらゆる努力をすべきである。あなたが、さっき、あくまでも平和のために使うということをお話になった限りにおいて、この提案者は率先してこの努力を果すべきである。これが国際的な努力の第一である。国内的には、この法律の中に書いてみたところで仕方がないじゃないかというお話もあるかもしれませんけれども、私の考え方から申しますならば、この原子力基本法のまず前段の部面において、日本においては原子力というものはあらゆる戦争の目的のために使わないという宣言的な目的を、条章を新たにして明らかに設けるべきではないか。あるいはまた、百歩譲って、この条文をいろいろ見てみますと、全条文二十一条でありますが、二十一条の中で、十二条までは、別に法律に定めるところによりという言葉で、すべてその骨格、内容をなすところについては触れておらないわけでありますが、このような形で、戦争のためには使わないということを別途の単行法によっておきめになるとか、何らか具体的な措置を、それこそ超党派の形でおきめになることが妥当ではないかと私は考えるのであるが、少くとも、原子力基本法の中で、「平和の目的に限り」というこれだけの文章で、あくまでもこれを平和のために使うのであるというような目的を果させようとするあなたの意図のためには不十分な表現であると思うが、この点についてはいかにお考えになるか。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根委員 御勧告はありがたくお聞きしますが、不幸にして意見は食い違っております。憲法の解釈問題や、あるいは国防政策や、外交政策については、あなた方と意見は合わぬ。しかし、原子力の平和利用政策については、社会党の方と意見が完全に合致して、共同提案になっております。その国防や外交や憲法の問題までこれにひっからめてくると、それはできないのは当りまえなんで、そこで原子力の超党派性というものの意味が出てくると思うのであります。そこで、今、戦争に使われない、兵器に使われないという保障がないではないか、そう思うとおっしやいましたけれども、私は法律というものを軽視することはよくないと思う。こういうふうに国会が厳然ときめた以上は、政府はその通りやらなければならぬ。やらない政府は、国会の言うことを守らぬ政府であります。国民の言うことを守らぬ政府であります。われわれは、そういうことをやらせないために、燃料の移動にしても、原子炉を設置するにしても、原料を開発するにしても、製錬を行うにしても、すべて政府が監督をして、そういうことを行わせないように、ちゃんと一条々々において節を作っております。従って、このことを正確にまた厳格に実行するならば、原子力が兵器に利用される、日本において平和利用が行われなくなるということは断じてあり得ないのでありまして、そういうふうに、法律の内容をみずから軽視して、これが使われなくなるだろうということを考えることは、国民に対する教育上も私はよくないと思うのであります。

岡田春夫小会派クラブ

○岡田委員 非常に御懇篤なお話もあったわけであります。しかし、私は、教育上重要であるから、むしろ質問しておる。私は、外務委員の関係でありますから、よく知っておりますけれども、先ほども岡君のお話にあったように、重光さんは日本に原子力の兵器であるところのオネスト・ジョンが入っておることを認めておる。このような事実は、私が言うよりも、あなたの政府である重光さんが、いかに教育上おもしろくないことをやっているかということを暴露しておると思う。こういう事実によっても私は了解できない。私の信頼できないということは、国民の不信であり、国民の要求である。なぜならば、現在の多くの国民は、事実において、原子力を使わないと言いながらも、使いつつあるではないかという疑惑を持っておる。この事実に対して答えるならば、特に、議員提出法案であるならば、少くともこの基本法の劈頭において幾らかでも宣言的な事実を明らかにしたような文章を書くということは、この法案それ自体の体裁をよごすことではないと考える。そういう意味においても、この点はぜひとも明らかにすべきであったと私は考えるのであります。この点は、平和的にあくまでも利用しょうというあなたの御意見からいっても、当然であろうと私は考えます。重ねて、この点について、必要がないという理由がございましたならば、お答えを願いたいと思います。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根委員 第二条に「原子力の研究、開発及び利用は、平和の目的に限り、民主的な運営の下に、自主的にこれを行うものとし、その成果を公開し、進んで国際協力に資する」、こういうふうに基本方針のところへ明記してあるのでありまして、これ以上別個に平和目的の宣言的条項を盛ることは、条文としてはむだだろうと思います。簡潔に要点だけを盛るのが基本法でありますし、一番大事な玄関の第二条のところへ鎮座しておるのでありますから、御心配は要らないと思う。  それから、先ほどオネスト・ジョン云々の話がございましたが、岡田さんは、国防政策と日本の国内における原子力政策とを混同しておられるように思うのであります。先ほど岡さんにお答え申し上げましたように、国防政策やあるいは安保条約については、岡田さんとわれわれは考えが違うのです。憲法の解釈についても考えが違うのです。どちらが正しいかということは、毎回の衆議院総選挙で国民が発表してくれているのであって、われわれが何ら言うべき筋合いのものではない。従って、そういう問題はこの際は離れて、それを議論するとまた時間が長くなるのでありまして、原子力の日本国内における自主的利用をどうするかということだけを、まず御審議願いたいのであります。このように、あらゆる項目について軍事利用ができないような関所を設けてある法律でできているのでありますから、われわれが厳重に監督し、また政府が誠実にこれを行うことになりますれば、軍事利用に使われるということは絶対にないのであります。御心配は要らないと思います。

岡田春夫小会派クラブ

○岡田委員 この問題についてもだいぶ意見の違いがありますので、やっていると長くなってしまいますから、別の点に進みたいと思います。  ただいま第二条の問題について条文をお読みになりましたが、この条文だけを拝見いたしますと、私も条文だけに関する限りはきわめてりっぱであると思います。しかし、事実の問題としては必ずしもこうならないのではないか、この点を実は私は心配いたしております。と申しますことは、あなたも御存じの通りに、この基本法に関連をして日本とアメリカとの協力協定というものが結ばれて、この協力協定によって、当面、日本の国に原子力のいろいろな援助、開発が行われてくるわけであります。そこで、具体的な点を伺いますが、たとえば、自主的な通常の問題にいたしましても、ただいま申し上げた日本とアメリカとの協力協定の内容によりますと、第三条のA項においても、先ほどから問題になっております日本政府並びにそれによってオーソライズドされた民間の人このオーソライズドされる、権利を与えられた授権者である民間の人の授権はいかにして行われているかというと、この三条のAを見ると、このように書いてあります。どのように書いてあるかというと、「日本国政府が合衆国原子力委員によって代表されるアメリカ合衆国政府と協議の上その管轄の下にある民間の個人又は機関に対し研究用原子炉の建設及び操作を授権することを決定するときは、」云々と、こう書いてあります。この点を見ると、日本において日本の政府が民間の人に対してオーソライズドをするときには、日本の政府だけではオーソライズドができない、アメリカの原子力委員会によって代表されるアメリカ政府との協議によらなければ、この授権が行われない旨に解釈すべきであると思います。このように考えて参りますと、日本において日本の民間の人々に原子力の研究をやらせる場合においても、常に、アメリカというものが陰について、その授権を行う場合においてさえ、これに対する権限を制限するというような事実が、協定の上に明らかに出ているわけであります。そうすると、どこでいかに自主的な研究を進めるということを基本法にお書きになっても、事実上日本とアメリカとの協定を進めていく場合においては、その自主性は、完全なる自主性ではなくて、アメリカに拘束された意味の自主性と解釈せざるを得ないと思うのであります。その点はいかにお考えになりますか。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根委員 これは、条約の解釈でありますから、条約局長なり外務大臣にお尋ねしていただいた方が正確になると思いますが、私の解釈によりますれば、アメリカから濃縮ウランを借りまして、日本の政府が大学とかあるいは病院にこれを再び転貸する、そういう場合の規定だろうと思います。ちょうど、岡田さんが、家を借りて、その借りた家をまたほかの者に転貸する場合に、家主に無断で貸していいかというと、そういうわけにはいかない、やはり、家主の了解を得る必要もあるし、仁義をきる必要もある。それと同じことで、この濃縮ウラニウムというのは、御存じのように非常に貴重品です。この貴重品を借りた人間が、貸してくれた人に黙って転々とほかのところへ貸すということは、これは民法上の貸借から見ても適当ではないでありましょう。国際的にも同じでありまして、日本が借りた以上は、もちろん日本が自主性を持ってやるのであります。どこの大学でやり、あるいはどこの国立病院にやらせるか、あるいはどこの会社に貸してやるかということは、もちろん日本政府がきめるでしょう。しかし、きめた以上は、黙っていていいというものではない。その場合には、やはり、アメリカに対して、おれは今度借りていたものをここへ回すからな、そういうことを言うことは決して自分の自主性をそこなうものではない。これは、自分で生産したところの自分のものならば転々とやってもいいが、しかし、人から預かっている貴重品を勝手に転々流通させるということは、国際的にも国内的にも私はできないだろうと思います。ですから、自主性がそこなわれるということはないと思うのであります。

岡田春夫小会派クラブ

○岡田委員 これは、法律解釈の問題ですから、あなたにいろいろお伺いするのは必ずしも適当だとも思いませんから、あまり申し上げませんけれども、協議の上で授権者を決定するということになっております。従って、この協定にある文章の限りにおいて、相手国であるところのアメリカ合衆国がその協議に了解を与えない限りにおいて、これを授権することはできないのであります。もしそれによって授権することができないとするならば、日本の政府としてはこの人に与えたいという、この自主的な、研究の自主性を制限する結果になると私は考えます。この点についてはむしろ外務省の条約局長その他に具体的に聞いた方がいいと思っておりますが、私、これから外務委員会に参りますから、そこで明らかにしたいと思います。  なお、その次に、成果を公表するという意味のことが明らかになっております。ところが、この成果を公開するということも、また、アメリカの制約のもとにおいてのみ、との成果の公開といろものが行われることになるのではないかと、私は解釈いたします。なぜならば、具体的に申し上げますが、先ほどの御答弁によると、CP5型の原子炉を入れる。そうすると、このCP5型に使われる濃縮ウラン燃料体は、これは、私から申し上げるまでもなく、当然これは一つのフアブリケートされた固体になっているわけですが、この固体は、この協定によりますと、その内部を分解したりあるいは解体するととが許されないことになっております。そうなって参りますと、濃縮ウランを使って原子炉を運転することの知識を得るととはできるでありましょうけれども、しかしながら、濃縮ウランそれ自体の知識の研究については、私はきわめて不十分であると思う。こういう点について、いろいろな点の制限が、今申し上げたように、設けられているわけですが、それを通じて現われることは、アメリカによって制限された中においてのみその成果を公開することができるのであって、ほんとうに日本の原子力を本格的な意味で発展させるとするならば、濃縮ウランそれ自体の内容にわたっても、アメリカが親切に日本の国にいろいろと知識を与えるべきである。とするならば、その内容にわたっても十分に公開し得る条件を与える、べきであると思うが、こういう点について幾多の制約が行われている点からして、成果の公開についても幾多の制限があるのではないかということを私は心配するものであります。この点はいかにお考えになりますか。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根委員 その点については、志村さんがアメリカのAECと直接いろいろ話をしておりますから、志村さんにお聞きになった方が一番はっきりすると思います。

志村茂治日本社会党

○志村委員 この原子力の、特に濃縮ウランの受け入れにつきましては、われわれとしてはかなり不満足な点があります。しかしながら、その基本法というものは、将来永久に日本の原子力開発の基本法であるという建前をとっております。そうして、日本での原子力開発の具体的方針といたしましては、昭和三十一年度にはウォーター・ボイラー、三十二年にはCP5というものをやって、原子炉の遺伝を実地に修練させるということ、それから資材の実験をやらせるということでありますが、これは、とりもなおさず、日本が三十三年度におきましては国産第一号炉を作るための準備行為であるというふうに考えております。そうして、この準備のためには、濃縮ウランを受け入れなければならない、もちろん濃縮ウランを受け入れなくともできるという方法があれば、これによるべきであると思います。私たちがアメリカに参りましたときに、日本で原子力をこれから開発する順序として考えられることは、従来の先進国がやった通りの順序を踏んでいくか、あるいは一九六〇年には発電原子炉ができるから、その最もいいものを取り入れるか、さもなければ、現段階の技術をそのまま取り入れて、直ちに日本はある程度自分の身についた原子炉開発ということをやるべきではないかというような三つの条件を話されましたが、われわれが現在とるべき最善の方法として考えましたことは、第三の方法である、現在の世界の技術をそのまま取り入れて、本日からわれわれはこれにスタートすべきであるという考え方をとりましたので、そうして、濃縮ウランを受け入れることによって、日本は至急に一刻も早くアメリカから独立した原子力開発をすべきであるという、ふうに考えておった次第でございます。

岡田春夫小会派クラブ

○岡田委員 岡さんはだいぶお待ちであろうと思いますので、私、中にはさんでもらいましたから、いろいろ伺いたいのですけれども、あとにさせてもらいます。それで、あと問題点を三つだけ、岡さん御了解いただきたいのですが、一つは、アメリカの原子力法を通じて、向うにおいでになりましたお二人の方は十分御存じのように、原子力の問題に携わる人々について、いわゆる人事の問題につきましては、いろいろな形で厳密なる制限を加えつつあります。その点から考えて、日本の場合においても、そういう研究に携わる人の問題については、基本法をお作りになったあなた方としては、どのようなことをお考えになっておるか。たとえば、アメリカのやっているような極端なる忠誠心を強要して、それによって、その忠誠心に従わない者はオーソライズドしなというような、極端な政策をおやりになる考えであるかどうか。こういう、点については、学者の中においてもいろいろな点で心配をしている人もたくさんおりますので、この機会に、提案者から一つとっくりと明らかにしていただいた方がよいのではないかと私は思います。

志村茂治日本社会党

○志村委員 その問題につきまして、私たちがアメリカの原子力委員会において尋ねた経過をお話し申し上げたならば、おわかりになると存じます。  アメリカでは、現に、研究所で働いております科学、技術者なり労働者なり、これらの人に対する思想調査をいたしております。お言葉の通りで、左翼的な思想を持っている者は一人もここには入れないという方針をとっております。しかし、アメリカは兵器生産を中心といたしております。日本の場合は平和利用ということに限定いたしておりますから、こういうような思想調査は必要でないということから、私がアメリカのAECの人たちに面接しだしたところによりますと、アメリカのAECは、そういうことを日本に強要する意思はない、こういうことを言っておりました。実は、こういうことをアメリカの原子力委員会にただすこと自体がおかしい。これは本来は国内の問題なのである。しかしながら、日本の国の政府の立場はきわめて微妙な態度をとっておりまして、そのままでは安心できません。アメリカから強要されるという心配もありますので、一応ここで尋ねたのでありますが、もし、この原子力研究所の中に、科学者なり労働者なりで左翼的な思想を持っている人があって、その人がソ連に通報するというような場合が起きたら、アメリカはどうするかということを尋ねましたときに、このAECの人は、アメリカはソ連に知られて困るような情報は日本に与えておらぬ、こう言っておりました。そういうようなことで、少くとも原子力協定によって日本に供与される情報には秘密はない、従って、日本にはこういうことは要求しないと言っております。このことを先日の予算委員会で私が正力国務大臣に尋ねましたときに、これは絶対にやらぬ、こういうような確証も得ておる次第であります。

岡田春夫小会派クラブ

○岡田委員 ただいまアメリカの原子力委員のお話を伺ったわけでありますが、そのようなソ連に知られては困るような秘密は日本には与えておらないということは、考えようによってはあなたの言う通りに受け取れます。けれども、また、逆にとるならば、そのような貴重な技術上の研究、秘密を要すべき貴重な研究については、日本などには与えておらないの、だというようにも理解されるわけであります。なぜならば、これは、アメリカ原子力法の内容を調べるならばおわかりの通りに、秘密を要すべき秘密資料というものは、単に防衛上の秘密だけには限られておりません。生産上の秘密その他特殊な技能上におけるところの秘密の分野にわたっても、秘密資料というものは規定されているわけであります。そうなって参りますと、そういうような秘密の資料については一切与えないということは、逆にいえば、日本をばかにして、日本の能力ならばこの程度であるから、この程度の材料しか与えてやらないということを、言われたのだとも理解できますが、尊敬する友党の志村さんにおいてはさようにお感じにならなかったかどうか、この点をもう一二つ伺っておきたいと思います。

志村茂治日本社会党

○志村委員 今アメリカの国内におきまして秘密の条項に該当いたしますものは、大部分が兵器に利用され場合でありまして、平和利用の場合につきましては、ほとんど秘密はないというような状態になっております。日本が灰の処理を禁止されるということは、プルトニウムが兵器として使われるからということに原因するのであります。しからば、逆に、反問みたいな形になりますが、日本はアメリカの秘密の情報を受けることにょって、秘密条項を守らなければならないということは、もとより大きな被害を受けるであろう、われわれみずから、アメリカが秘密として発表しないようなことは秘密を守るというようなみじめな態度ではなくて、自分で進んで解決することに努力すべきである、それこそ独立心として当然やるべき行為であると私は考えます。

岡田春夫小会派クラブ

○岡田委員 今外務委員会からもだいぶ督促がありますので、急ぎますが、もう一つは、罰則の関係です。アメリカの原子力法によりますと、非常に厳重な罰則があります。これは御承知の通りです。たとえば、その設備をスケッチする、あるいはその情報を漏らすというようなことだけでも、私この機会に読んでみますが、二百二十四条には、「文書、書類、スケッチ、写真、設計図、模型、機械、器具、ノート又、は情報を合法的に又は非合法的に占有し、それに近ずき、それを管理し、又はそれを、委託されている者は、」そして幾つかの刑が出ております。例をあげて申し上げまするならば、aは「有罪判決に基き、死刑若しくは終身禁固に処し、」云々と言うように出ております。これほど厳重な懲罰が行われているわけでありますが、先ほどから外務委員会においてもいろいろ私は聞いておるのでありますけれども、先ほど、外務委員会関係の答弁によると、濃縮ウランのあるものについては秘密があというこことを政府では言明しております。日本に入るものについてですよ。そうすると、その秘密の、関係を、日本の国内において、オーソーフイズドされたる者が、合法的に、非合法的にこれをもし漏洩するとするならば、これに対する何らかの措置が行われるという危険があるのではないか。そこで、伺いたい点は、基本法においてはこの点について何らかの措置をとるというお考えがあるのかどうか。そういう罰則の規定を設けるというお考えがあるのかどうか。それから、第二の点は、そのような罰則を設けないとした場合において、アメリカの国内においてはこのような罰則があるけでありますから、日本とアメリカとの関係において結ばれたこの協定を通じて、この協定の実施に当って、アメリカが何らかの不当な実施を強要するというようなことがあり得るのではあるまいか。この点が第二の点です。この点についてもお伺いをいたしておきたいと思います。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根委員 罰則の点で御質問がありましたが、アメリカは、原爆の秘密をソ連に盗まれましたから、そこで、非常に警戒を厳重にして、アメリカの原子力法には罰則が厳重になっておるわけであります。しかし、日本は平和利用にのみ使うのでありますから、そういう考慮に基づく罰則は日本には要りません。ただいま濃縮ウランについて秘密があるとかおっしゃいました、私は秘密はないと思います。その秘密といろ意味は、たとえば、ウラニウム二三五を、二〇%の濃縮度のウラ三ウムに精製する、そういう過程はもちろん秘密があるでしょう。これは産業上のパテントに属することですから、そんなことをうっかり外国に知らせるばかはありません。従って、そういう産業上の秘密はもちろんあるでしょう。しかし、軍事上やその他の関係からする秘密などというものは毛頭あり得ないのであります。従って、いわゆる秘密というものはないのであって、自分の産業上の利益を守る意味の秘密というものは、どこの国でもやっておることで、あり得ると思うのは当然であります。そその間の混淆を来たさないように国民に教える必要が私はぜひあると思います。  それから、しからば、アメリカの原子力法が、日米協定を伝わって、日本の国内法にも罰則の影響を与えるようになりはしないか、こういうお話でありましたが、そんなことは絶対にありません。日本の国内法は、国内法として、ちゃんとし厳然としてあるので、われわれはこの基本法にきめた以上の罰則を、やろうとは思わない。ただし、この各項目について法律に譲っているところがありますが、との譲ったことについて違反した場合には、その関係法で罰則をちゃんとつけます。そうしなければ平和利用も確保できない場合もありますし、燃料物質の輸入等についても非常に粗漏のところが出て参りますから、法律に譲ったところについては単行法で当然罰則は出て参ります。しかし、この基本法は国民に希望を与える積極的な法律であって、こういう法律にでかでかと罰則を書き立てるということは、政治的にもどうかと思うのです。そういう意味で、この罰則は初めから削ろうということで、つけなかったのであります。

岡田春夫小会派クラブ

○岡田委員 私の今伺った点はそうじゃないのです。結局、アメリカの基本法がそのまま協定を通じてオーソライスドされた個人に対して罰則を与えることにならないかという点よりも、むしろ、そういろ事実が起った場合に、アメリカがこの協定の運用に当って不利な扱いをするととの結果にはならないかという意味のことが、私が言った点、であります。  それから、一括していろいろ伺っていきますが、第三の点は、先ほど申し上げましたが、この法律を見ると、基本法である関係かどうかは私存じませんが、別の法律に定めるところによりということが二十一条の中で十二条まで書かれておるということになると、基本法であるせいか知らないが、形だけあって中身がないというような法律ではあるまいか。こういう点では、基本法としての、少くとも基本の骨格だけを明らかにすることが必要であり、それを通じて長くこの研究に携わる学者並びに一般の国民に対して安心感を与えて、ほんとうに百年の大計を作っていくことが必要ではあるまいか。こういう点から考えても、別に定めろところによりという点があまりにも多過ぎるし、これを通じて官僚の諸君にも悪弊を残す危険が非常にあると思う。これは中曽根君たちの努力にもかかわらず、このような悪弊を残さしては私はいけないと思いますので、この点については、特に基本法の内容としては、私は、必ずしもこれだけのたくさんのものを作る必要はなく、もっと基本の筋を明らかにすべきであったのではないかと考えます。なぜこのような形で行われたか、と申しますことは、原子力の協定を通すために、基本法を荒ごなしでお出しになって、肝心かなめの点を別の法律でというところで逃げてしまっておられるのではないか、こういう点を懸念いたしますので、この点についてい伺いたい。それから、第三点は、それでは、別の法律に定めるところによりとおきめになっているのならば、少くとも、これらの別の法律はは、この基本法を提出された議員の諸君が責任を負って別の法律全部をお出しになることが、私は議員としての義務であると思う。こういろ点について、その全部をお出しになるお考えがあるのかどうか、この点についてお伺いしたいと思います。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根委員 原子力協定の日米協定の運用につきましては、これは条約の解釈によって正当に行われるべきものであって、それが外国の制肘を受けるというようなことは、私らは考えません。現に、外務省が在米大使館を通じていろいろ向うと折衝している模様を聞きますと、世界のどの国よりも日本が一番厳重に監視をし、日本の利益を主張し、国際的常識をはずれるくらいに日本はがんばっているという情報を受けている。これは、あなた方が国内でデリケートな感情を持っているから、外務大臣が特にそういう措置をしているのだろうと思います。この間インドもアメリカと協定をして重水をもらうことになりましたが、インドよりもはるかに日本の方が、デリケートに、常識をはずれるくらいに、日本の利益を主張しているという情報を受けているのでありまして、そういう心組みで外務省もやっているのでありますから、協定の運用が不利になることはあり得ないと思います。  第二に、この基本法の内容は中身がないとおっしゃいますが、私は中身が非常にあると思うのです。第一あなた方が一番念願しておった平和利用ということが書いてあるだけでも、非常な中身じゃありませんか。あるいは学術会議の三原則が玄関に鎮座しているというようなことは、これは偉大なる中身であります。これで日本の原子力のレールというものは厳然としかれたのであって、これ以外の方向にいくことは許されないのである。あとのことは技術的なことなのであって、一番大事なこういう要所々々をぱあっとレールをしいておけば、どこにくぎを打つとか、転轍手はどこに配置するとか、そういうことは一般の関係法に譲ればよろしいと思うのです。そういう意味で、われわれは、なるたけ簡潔なものにしようと思い、外国の原子力法を全部参考にして、一番手ごろなものとして作ったのであります。  原子力協定を通すために即製でやったのではないかというお尋ねでありますが、そういうことはございません。原子力委員会設置要綱というのがありますが、この中にちゃんと基本法が載っております。初めからこういう程度の大きさの基本法を作ろうとして考えたのであって、原子力協定を臨時国会に出すことになって、あわてて作ったのじゃありません。それはこの前にこういう体系として世間に発表しているものであります。  それから、関係法は議員提出で出すべきである、こういうお話でありますが、これはごもっともであると思います。従ってこの関係法として、核燃料資源の取扱い、放射線の防止、あるいは採鉱、採鉱の促進、こういうものはわれわれの体系の中にすでにできております。しかし、これは、慎重審議をするために、技術的なところが多いですから、通常国会に出したい。ただ、この中で、公社の組織、原子力研究所の組織法につきましては、行政機構の一つの間接的な系統になるわけであります。そこで、行政機構の問題でありますから、これを議員提出で出すか、政府提出で出すかは、追って同僚議員とも相談をしてきめたいと思います。しかし、国民の権利義務に影響するところは、御趣旨に沿いまして議員提出として次の国会に出したいと思っております。

岡田春夫小会派クラブ

○岡田委員 まだまだ納得できない点が多々あります。たとえば、原子力委員会の設置法、あるいはそれに基く総理府の方の一部改正というような点に関連して、いろいろ伺いたい点もありますし、その他の点もありますが、あと外務委員会がありますので、一応中座しまして、あと時間があればまた伺いたい。

有田喜一自由民主党

○有田委員長 田万廣文君。

田万廣文日本社会党

○田万委員 岡田さんの質問に関連してお尋ねをしておきますが、平和利用、平和利用、ということを非常に言われております。これはけっこうだと思うのですが、それに関連して中曽根さんにお尋ねしたい。  先ほどからの岡田君の質問に対しては、国防政策と原子力基本法案との内容はだいぶ意味が意うんだ、区別して考えるべきだというお説でございますけれども、岡田君自身が非常に懸念を持っておられる点について、私もお尋ねしたい。自衛隊、海上保安隊、こういうようなものは、ある一部では軍隊であると言っており、ある一部においてはそうでないというふうに見ておりますが、中書根さん自身のお考えとしては、どちらの部類に属するべき機構でありますか。平和的機構に属すべきものであるか、あるいは軍事的な性格を持っておる機構であるか、これをまずお尋ねいたしたい。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根委員 自衛隊は一種の軍隊であると私は思います。

田万廣文日本社会党

○田万委員 軍隊で、あるという御明答がございましたので、さらに質問を進めたいと思うのですが、軍隊であるという立場からいえば、この原子力基本法案その他の法案から、原子力利用について非常に優秀なある成果が出てきた、その優秀な成果を今の自衛隊あるいは海上保安隊に利用せしめることは、明らかに軍事的利用になって、それはいけないという結論が出ると私は思うのですが、御同感でございますか。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根委員 原子力の研究から出てきた成果を軍事的に直接的に利用するということは、私は許されないと思います。しかし、どの辺から軍事的になり、どの辺から原子力の成果になるか、非常に限界はむずかしいのです。しかし、そのときは原子力委員会や国会が判定を下してやるべきだと思います。われわれの法の建前、われわれの政策の基本というものは、あくまで平和利用一本に限るべきであって、それから出てきた成果というものは軍事的には利用してはならぬ、このように考えております。

田万廣文日本社会党

○田万委員 中曽根さんの見解は非常にはっきりしておるようでございますが、平和的意図のものであるかあるいは軍事的意図のものであるかという区別については、これは最高にして最終の決定はだれがなされますか。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根委員 それは国会の多数がきめることになると思います。結局、それは国民が最終的にきめることになると思います。

田万廣文日本社会党

○田万委員 すると、今の憲法の解釈も、ときによっては、そのときの与党の勢力によって、あるいは右になり、左になる。たとえば、今の平和憲法によって、陸軍、空軍、海軍を置いてはいけないというのに、現実に持っておる。あなたが言われる通り、自衛隊、海上保安隊は軍隊だという、結論から言うならば、吉田内閣並びに鳩山内閣においてそういう結論が出ておる。多数をもって国会において承認しておるという憲法の解釈なら、われわれ社会党が、多数をとった時分に、それはそうでないと言ったときに、それは、正しいという見解になるんですか。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根委員 それは、憲法論になりましたが、私の個人の見解では、それは最終的には国会がきめることになります。その国会を選出する国民がきめるということになると思います。しかし、常識上から見てこれは明らかに違反だということは、初めから問題にならぬでしょう。しかし、解釈のボーダー・ラインがどの辺かということは、国民が最終的に判断するということになると思います。すなわち、それは選挙を通じて判断するということになると思います。あの問題が起きてから数回選挙をやりましたが――つれわれ与党が多数をとってきたところを見ると、国民が支持しているのだと思います。

田万廣文日本社会党

○田万委員 これは中曽根君流の憲法解釈だと私は思う。これは必ずしも一般に通用するもので、なくして、そうい、う憲法の解釈自身が、平和利用というものに対して、これは平和であるか、あるいは軍事目的であるかということに対して、大きな解釈の変化がくると私は考える。危険きわまるあなたの考え方だと思う。従って、私は起草なさっておる皆さん方にお尋ねしたいのですが、平和利用、軍事利用を、この原子力基本法において明らかにこれを区別するという明文を持たれるとお考えになっておりますか、いかがですか。そのときそのときの解釈によって、平和利用になり、あるいは、軍事利用になるというようなことでは、私はこの原子力基本法の精神である平和利用という原則がつぶされるという危険を感ずる

中曽根康弘自由民主党

○中曽根委員 それは非常に重大な点でありまして、われわれも、その点については、非常に虚心たんかいに見解を明確に説明しなければならぬと思います。具体的に原子力研究所が原子力を直接爆弾やその他に兵器として使うことは絶対に禁止する、また、それから出てくる成果というものを日本の自衛隊が直接的に利用する、このことも私は禁止すべきだと思います。従って、原子力研究所というものと自衛隊というものは、明確にみぞを置いて接着させてはならぬ、こういうように思います。しかし、日本の原子炉がどんどん普及してきまして、それが材料試験をいろいろやり、それで非常にいい鋼鉄が生まれてきた、そういう副産的な科学技術上の発明、発見というものを、日本が小銃に使うとか何に使うことは許されるべきでありましょう。しかし、核燃料を使った爆発物やその他を兵器を使うということは、直接的利用でありまして、これは絶対的に禁止すべきだと思います。

田万廣文日本社会党

○田万委員 そういうふうに御答弁になると、なお、だんだんわかったようなわからぬことになるのですが、いよいよこれは危なくなったのです。小さいものを使う場合は大したことはない、ずいぶん破壊力の大きなものに対して使った場合には、軍事利用で、非常に大きな害を残すから悪いというような、破壊力の大小によって軍事利用、平和利用ということを区別するお考えでは私はないと思うのですが、結論として聞きたいことは、今の自衛隊並びに海上保安隊、こういうものに、この原子力基本法案その他の関係法案によって生まれた原子力の利用に対して、平和利用はいいけれども、軍事的利用は悪いという結論を、はっきりここでお出しになってもいいと私は思いますが、そういう結論とわれわれは了解してよろしゅうございますか。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根委員 その通りであります。もう一回申し上げますと、原子燃料を使って人間を直接的に殺傷する、これは私は明瞭に原子力の兵器としての利用だと思います。しかし、原子力がどんどん進んでいって、その原子力の成果が一般の科学技術の進歩を促して、その科学技術の進歩というものを小銃とか大砲に使うという面は、燃料を直接殺傷に使うものではない、従って、そういう一般的な進歩というものを使う場合は、これは原子力の兵器利用にはならぬ、そのように思います。

志村茂治日本社会党

○志村委員 憲法九条があるにもかかわらず、軍隊が、できたというような前例がございますから、この基本法で、平和的利用に限るということを旨っても、果して平和的にのみ利用するかどどうかということにつきましては、私は、残念ながら、終局的には政治権力に左右される、こういうように考えます。しかし、その一歩前進した形において、私たち両院合同委員会の四分の三以上の同意によって承認された原子力委員会が、日常業務として、これが平和利用であるかあるいは兵器利用であるかということを判断することになっております。これで完璧なりとは考えておりませんが、政府を牽制するための一歩前進である。しかし、一方において、それでは兵器に利用される危険があるから、原子力開発はやめるということはできないということで、一歩’前進の形においてわれわれは満足しなければならないのじゃないかというふうに考えております。

田万廣文日本社会党

○田万委員 今の志村さんのお話は良心的なお話だと私は思います。どうぞ、この超党派的に今提案されておりまず原子力基本法案の精神が平和利用だという基本精神だけは、この法の存する限り忘れないように、諸君において十分その点を御理解してもらいたいと思います。

有田喜一自由民主党

○有田委員長 八木昇君。

八木昇日本社会党

○八木(昇)委員 簡単に二点だけお伺いをいたしたいと思います。実は、おくれて参りましたので、あるいは重複しておる点があるかと思いますが、もし重複しておりますれば、簡単に御答弁下さればけっこうです。  第一の点は、原子力の研究について、大学の自主的な研究と原子力委員会の管轄下に行われるところの研究との区分、こういう点が非常に不明確でございます。そこで、聞くところによりますと、大学における学問的研究については、従来通りに文部省の予算に基いて経費を支出する、これは原子力委員会の管轄下のものとは別途に考えてやっていく、こういうことを原子力委員会設置法の中にうたうということで、話し会いがきまったように聞いておりますけれども、新聞報道その他で承知いたしておりますところによりますと、東大を初め学界の方の御希望は、どうも次のようなことであろうと思うのです。というのは、現在の段階において、原子力問題はやはりまだ学問的な研究の段階である、しかも原子力の研究については相当巨額の経費を要する。従って、当面する段階においては、大学の自主的研究の面に十分の予算措置を配慮してもらいたい、こういう意図が非常に強いというふうに実は想像するわけであります。そうだといたしますと、今度設置せられます原子力研究所の研究と大学の研究との間に、これは、予算のぶんどりその他をめぐっても、いろいろ複雑な状態が出てこようかと思います。そこで、私の考えでは、原子力研究所のやります研究は、原子力の工業化という方向に重点を置き、事態がそういう方向に進展していく段階において、相当巨額の予算を支出せられるべきであるが、しかし、大学自体の研究については、これは従来より以上にきわめて積極的な予算措置がやはりやられていかなくてはならぬのではないか、こういうふうに思われます。そこで、そういったような点について、御提案者としてはどういう御見解であるか、この際明らかにしておいていただきたい。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根委員 大学の先生方の御心配をわずらわしたことは大へん恐縮に存じます。多分に誤解がありまして、この点は、有田委員長からも矢内原さんや茅さんに申し上げて、大体御了解いただいておるのでありますが、非常に重要な点だと思います。われわれの考え方は、大学が固有に、やっている講座研究あるいは教授、個人がやっているいろいろな研究、こういうものは絶対干渉いたしません。これは、文部省経費として、今まで通り大学が御自由に要求なさるわけです。ただ、付属研究所というのがいろいろあります。この付属研究所が原子力の平和利用の研究をまたやる場合があります。こういう場合は、たまたまほかの研究所とダブる場合がかありあります。たとえば、原子力研究所でパンデグラフを作る、そのほかの東京なら東京の工業大学がまたバンデクラフを作る、しかも、数億の金をかけるとすれば、非常にむだになります。そういう場合に、作ってばならぬというのでありますが、一応は調節をとらなくてはなりません。あるいは、アイソトープの利用にいたしましても、研究にいたしましても、軽微なものは大したことはありませんけれども、施設や何かはかなり金のかかる場合もあります。従って、そういう場合は、重複を避ける必要があります。運輸省で原子力商船の研究を始める、東大の船舶の研究所がありとすれば、そこでまた原子力商船の研究を始める。ダブっていろいろ外国から資料をとることもあり得ましょうし、同じ研究をすることもあります。そういう場合には、お互いが研究分野をきめることもいいでありましょう。そういうような付属研究所のむだを省くために、そういう付属研究所に限っては調節をとろう。従って、大学の先生が今までなさっている固有の研究、あるいは、学術会議で研究費の分配をやっておりますが、ああいう固有の研究はそのままにしておこうというのであります。また、私どもが大学関係の原子力利用関係を調整しょうという意図は、大学の方は金が取れないであろう、従って、一括してこの中に入れておけば、調整すると同時に、大学に金をうんと取ってやりたい、またやれる。そんなことを言っても、それは政府の内部であるから、文部省で善処しろということならばそうかもしれませんが、現実問題として、大学の数は多いから、なかなかできない。そういう意味で、われわれの好意からああいうことを考えたのでありまして、固有の研究まで干渉しようという意図は毛頭ないのであります。しかし、そういう誤解がありますから、そういう誤解は明らかにする必要があると思いますので、何らかの措置をわれわれ、委員としてとれば、非常にいいと思います。

八木昇日本社会党

○八木(昇)委員 それにさらに追加いたしまして、これは、中曽根さん御自身は政府当事者ではございませんが、政府与党で、相当強力な立場にあられますし、この提案者でもございますので、お伺いするのでございますが、大学自体の、研究についても、従来以上にこれを強化されなくてはならぬ。従って、大学それ自体の研究関係の予算も、今後、さらに積極的に、よりこれを増加せられる必要があろうかと思うのですが、そういう、積極的御意図をお持ち合せであるかどうか。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根委員 その点は全く同感でありまして、私はこの間もある大学の先生にお話を伺ったのですが、特に、工学部や理科系統で、助手や副手の定員が一般行政整理の影響を受けて切られておる、ところが、有能なる教授や先生方は、自分の教授研究よりも、その定員の整理の方へ頭を悩ましておってどうして就職口を探してやろうかということで一ぱいらしいのす。そういうようなことはまことに嘆かわしい事態で、われわれがアメリカへ行きましたときも、アメリカの連中が何を言ってているかと、いうと、アメリカの理科と文科の比較というものはたしか五割五割くらいだ、ところがソ連は八割くらいが理科と二割が文科だ――日本においてはどうかというと、文科が七割で理科は三割くらいなんです。――アメリカでは、この比率でいくと、何年かたつと技術者においてソ連に負けてしまう、そこでどうしても理科系をふやさなければならぬというので、原子力委員会が大統領に勧告書を出すとか言ってておりました。そのように、諸外国は技術者の養成、学者の養成に力を入れておる。日本の趨勢はこれに逆行しております。そういう意味で、大学の理科系を充実して、人間的にも、資金的にも、あるいは資材的にもこれをよくするということは、非常重要なことだと思います。わが党におきましても、科学技術の振興ということは緊急政策にもうたっておりまして、今度の予算におきましても、われわれは全力をふるって、実現いたしたいと思っております。

八木昇日本社会党

○八木(昇)委員 最後に一点だけお伺いいたします。実は、私なども、電力会社に勤めております関係上、将来原子力の発電が行われる、これが現実化する、こういうふうな場合にも問題が起ろうかと思うのですが、当面、さしあたって問題になりますのは、こういった原力関係のいろんな仕事に携わる、研究をやられる学者の方々、技術者の方々並びに労働者の方々、こういった方々の危険といい記ますか、健康上のいろんな問題がずいぶん起こってくるんじゃないか。これはアメリカあたりでも一部相当問題になったというふうに聞いておる。従って、アメリカあたりにおきましては、そういった原子力関係に雇用せられておる人たちの特別の保護ための規定というようなものが、相当こまかく規定されておるというふうに聞いておるのですが、そういった点についてどういうお考えであるか。そういう点についての保健措置その他については、二十条というところで、一応基本的態度を明らかにしておりますが、その措置にもかかわらず、なお病に倒れるというような被害者に対する補償というものについて明記がないように思います。その点の御見解を承わりたい。

志村茂治日本社会党

○志村委員 原子力の研究所において絶対に危険がないとは言えないのであります。多少あるということは言われるのでありますが、どこにおいても危険はないように十分設備してあるという建前から、各国とも特別に危険手当て等のことはいたしておりません。しかし、全然ないわけではありませんから、われわれは予算等において十分に考える。一時危険手当というのが予算上にも盛られましたが、そういうものは盛らぬ方がいいじゃないか、ほかの方法によって、手当を出すということによってカバーした方が、特に日本のように原子力によって被害を受けて恐怖心を持っている場合においては得策ではないかというふうにして、このことはほかの形に譲るという方法をとっております。  それから、将来日本で原子力が開発されるということになれば、それらについての被害者も多少出てくるということも想像されます。また、現在においても、この被害があるかないか、はっきりいたしておりませんが、多少はないとは言われれない状態になっておりますので、放射線総合医学研究所というものを設けまして、これは来年度から予算に盛るつもりでありますが、これによって、基本的な調査と、そしてこの研究所に病院を付置しまして、その対症療法も取り扱うという方法をいたしております。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根委員 アメリカに行きましてその点も非常に調べました。そうするとアメリカにおきましては、危険手当ては出していない。どこへ行っても出してないと言う。それから、第二に、生命保険料はどうだ、炉の操作をしておる人も、普通の人と同じ保険料で、普通の勤務員と同じなんです。それじゃ建物や何かの損害保険はどうか、これは目下研究中である、こういう話でありました。アメリカあたりでは、レソトゲンですら障害を受けた人はないらしい。それくらい厳重に管理しておる。日本の場合には、レントゲンの被害が非常に多いのです。そこで、われわれは、炉は初めてでありますから、経験はありませんが、レントゲンも含めてもっと管理を厳重にしようというので、第八章に放射線による特別の措置を認めたわけです。ここで放射線障害防止法案というものを次の議会に出す予定でありますが、これは、東大の中泉さんが中心になって作ったものをもとにしてやった、非常に厳重な規定であります。われわれが見た、だけでも、厳重過ぎるくらいの規定です。特に、日本は、こういう経験がある国だから、初めは厳重にやる、そして、実際の経験を見てから、これをゆるめるなら、ゆるめよう、こういう考えでありまして、この放射線障害防止法案をそのまま実現すれば、危険手当も特別の手当も必要でないと思います。しかし、今までのそういう日本の経験からかんがみて、そういう点についてはある程度の考慮はしておく必要はあるだろう、絶対出さぬということは言わぬで、状況を見て考慮する必要があるだろう、こういうふうにわれわれは考えております。

八木昇日本社会党

○八木(昇)委員 大体ただいまの御答弁でおよそ了承いたしましたが、日本の場合には、十分の金をかけてやるわけではないようでありますから、何のことでもそういうおそれは多分にあると思います。それからまた、炭鉱なんかのけい肺病などとは少し趣きが違うと思いますけれども、そういった事態も起ると思いますので、ぜひ、この点は、諸外国の例もさらに御研究の上、何らかの立法措置をとられんことを要望いたしまして、これで終ります。

有田喜一自由民主党

○有田委員長 他に御質疑はございませんか。―御質疑がなければ本案に対する質疑はこれにて終局いたしました。     ―――――――――――――

有田喜一自由民主党

○有田委員長 これより、総理府設置法の一部を改正する法案、原子力委員会設置法案及び原子力基本法案の三案を一括して討論に入ります。討論の通告がありますから、順次これを許します。小笠公韶君。

小笠公韶自由民主党

○小笠委員 ただいま質疑の終了いたしました三案につきまして、私は、自由民主党を代表いたしまして、賛成の討論をいたさんとするものであります。  ご承知の通り、日本の現状を考えますときに、何をさておいても科学技術の振興による国の再建をはからなければなりません。特に、最近の世界の諸情勢は、すでに指摘されましたように、原子力というものを中心として新しい時代を招来せんといたしておるのであります。こういう事情に対処いたしまして、わが国が原子力の研究に一段の努力を重ねるために、その基盤である行政組織の問題、また原子力に伴う諸般の問題をはっきりと打ち出しておくことが、何よりも大事であります。特に、原子力の持つ威力を考えますとき、すでに十分に論じ尽されましたような諸方面を考えますときに、われわれは、ここに、この基本法、また、基本法と相並んで、二つの行政組織というものの設置の必要を感ずるのであります。  私は、こういう意味におきまして、三案に賛成をいたしたいと思うものでありますが、ただ、その中で、総理府設置法の一部を改正する法律案と並んで置かれる民主的運営の基盤たる原子力委員会設置法の第二条第三号の解釈につきまして、学問の研究の自由を束縛しやせぬかという危惧の念があるやに聞いておるのであります。われわれは、もとより、大学における自由闊達なる研究に対しまして制肘を加える意図は毛頭ございません。ところが、そういうふうな危惧の念がございますので、三案の賛成討論に付加いたしまして、次の附帯決議の動議を提出いたしたいと思うのであります。  附帯決議の案文を朗読いたしたいと思うのであります。  原子力委員会設置法第二条第二号の関係行政機関の原子力利用に関する経費には、大学学部における研究経費を含まないものとする。  こういう案文において、今申し上げました一部の危惧の念を払いたいと思うのであります。本附帯決議案におきます大学学部という言葉は、大学院における研究も当然に含むのでありまして、ただ、大学に付置されております附属研究機関は、当然に、委員会設置法第二条第三号の関係行政機関となるのであります。こういうふうな解釈をもちまして、附帯決議を動議として提出いたしたのであります。  皆様方のこの動議の御賛成をお願い申し上げたいと思います。

有田喜一自由民主党

○有田委員長 前田正男君。

前田正男自由民主党

○前田(正)委員 ただいま、小笠君から、わが党が三案に賛成であるという討論と同時に、附帯決議案が提出されたのでありますが、ここに重ねて、私も、また、自由民主党を代表いたしまして、この三つの案につきまして、わが党の考え方と、これに賛成をいたします態度を明確にいたしたいと思うのであります。  まず、基本法についてでございますが、この際原子力の平和利用を推進する必要のあることは、皆さんのよく御存じのことでありまして、特に、エネルギーとか、あるいはまた将来の資源を確保し、また人口問題等、そういうような点から見ましても、これは、政治的にも大きな問題でございますが、同時にまた、人類の福祉の貢献に役立ち、また国民の生活の向上にも非常に役立つものでありまして、私たちはこの平和利用というものを推進しなければならないと思っておるのであります。すでに財団法人の原子力研究所が発足いたしまして、また濃縮ウランの受け入れ協定も国会に提案されておるときでごぞいまして、この協定が成立するならば、炉の買い付のために渡米いたしたいというような計画もあるのでございます。こういうようなときにおきましては、まず、何といたしましても、この日本の平和利用の原則を確立する必要があると思うのであります。そういう意味におきまして、この原子力の基本法によりまして、これを平和利用に限るということ、及び民主、自主、公開の基本方針を確立することができますことは、私たちは、今後の開発、発展のために、また研究のためにも非常に得るところが多いと思います。同時に、このことは、国民の理解と協力を得るためにも大いに寄与するものと存ずる次第であります。幸いにいたしまして、骨幹の法律でありますこの基本法を、自由民主党、社会党の二大政党の共同提案によりまして国会に提案することができたということは、私はまことに喜ばしいことであると思うのでありまして、われわれといたしましても、この基本法には賛成をいたす次第でございます。  次に、行政機構といたしまして、原子力委員会設置法案及び総理府設置法の一部を改正する法律案が提案されておるのでありますが、この内容につきましても、われわれは、十分に検討いたしまして、賛成でございますけれども、この際、特に今小笠さんから提案されましたところの附帯決議につきましても、われわれは全面的に賛成でございます。この学問の研究の自由というものにつきましては、数年前から、科学技術の行政機関を作ろうとしたときから、いろいろと問題のあった点でありますが、その当時から、われわれは、学問の自由なる研究はこれを阻害しないという方針のもとに、科学技術庁の構想を練り、また原子力の行政の構想も練ってきておるのでありまして、一貫した考え方であります。従いまして、学者の諸君の誤解を招いたことはまことに残念でありますけれども、講座研究によるところの、大学の経費によるようなものにつきましては、われわれは一貫して手を触れないということに考えておるのであります。しかしながら、いわゆる特定の研究として考えられるところの付置研究所というようなものにつきましては、これは当然総合調整を受けるべきであると、われわれも思っておるのであります。同時に、また、この問題は、よその研究との総合調整の問題もありますけれども、先ほども八木君から質問のありました通り、私たちは、かねてから大学の研究というものはもっと推進さるべきであると考えておるのでありまして、そういう意味からいきまして、単に、総合調整して、学問の自由を傷つけるとかなんとかいうような考え方でなしに、日本で最もすぐれておるのは基礎の学問で、この基礎の学問をさらに大学の付置研究所において大きく進めてもらいたい、われわれは積極的に大学の付置研究所等の内容も拡充していきたい、こういうふうな考えのもとに、この総合調整をしようと考えます。また、同時に、この原子力の予算だけは非常に進んでしまって、一般の科学技術との間のバランスがとれないじゃないかというようなことにつきましての心配につきましても、これは、この委員会にも提案されましたが、十二月九日に閣議決定されましたところの原子力局設置要綱を見ていただきますとおわかりの通り、原子力局は、将来、科学技術庁の設置された場合には、これに吸収されるということになっておりまして、科学技術庁におきまして、原子力と科学技術全体の予算のバランスを見ながら、同時に、また、学問の研究が従来予算的にも十分でないような点につきましても考慮いたしまして、全体としてバランスがとれて、そうして学問の高揚、かつ産業方面にも大いに協調をはかりながら、これを進めていきたい、こういろふうな考え方であるのであります。こういう点にきましても、私たちは、この委員会及び原子力局が設置されたことについて、まことに研究開発の一歩前進なる点において大いに賛成でありますけれども、ただ、ここで一つ考えられますことは、この原子力局というものは暫定的な機関でありますので、先ほど申しました通り、一日も早く暫定的な機関が直りまして、科学技術行政が一本となって力強く出発できますよう、これは、政府において特に一日も早く提案されますよう、御希望をしておきたいと思うのであります。  なお、以上三法案につきましては、この臨時国会に提案されまして、その審議過程等につきましてもなかなか十分であるとは申しかねる点もあります。また、審議の方法についても、いろいろ御希望もあるようであります。この点につきましても、われわれはいろいろと考える点があるのでありますが、先ほど来申します通り、現在日本の置かれておりますところの平和利用の段階というものは、相当に急ぐ段階になっております。そういう点から、これらの三法案は、一括いたしまして、みな明年一月一日施行になっておるのであります。三法案とも明年の一月一日に施行しますためには、この基本法が施行されるときには、少くとも原子力委員会というものが成立しておらなければ、この民主的な運営という」ものを期すことができないのであります。ところが、原子力委員会というものを成立さすためには、この委員は両議院の同意を得なければなりませんので、そういう点からいきましても、十分なる審議とは申せませんけれども、どうしてもこの臨時国会に委員会法案を成立させまして、次の年末の通常国会には、両議院の同意を得まして、この基本法が一月一日に施行されますときには、民主的な運営の中心になるところの原子力委員会といろものが成立していなければ、この三法の精神がうまく運営されないと思うのであります。そういう点におきまして、私たちは、本日、この質疑を打ち切りまして、討論に入ったようなわけでございまして、十分な審議というものについてはまだいろいろと考えられる点もありますけれども、私は、三法案に対しまして、わが党を代表いたしまして賛成をする次第であります。

有田喜一自由民主党

○有田委員長 岡良一君。

岡良一日本社会党

○岡委員 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま御提案の原子力基本法案、原子力委員会設置法案並びに総理府設置法の一部を改正する法律案につきまして、若干の希望を添えて、賛意を表するものであります。  希望の第一点は、この基本法にうたわれておる中心的な精神ともいうべき平和への利用ということに、今後執行の衝に当るべき政府はあくまでも徹底をしてもらいたいという点であります。先ほども申しましたように、原子力の平和利用ということは再三の犠牲を浴びておる日本人全体の悲願であり、また今や世界の大きな世論となっております。いわば日本民族の貞操ともいえると思うのであります。ところが、われわれは、この立場において平和利用をうたいながら、一方においては原子力の軍事的利用をわが国土において認めるというような事態が万一にもありますならば、われわれは、みずからの貞操をみずから汚すものといわなければなりません。その意味合いにおいて、原子力の平和利用への徹底、この根本精神を、この法案の将来の運営においては、政府も格段の留意をせられたいことを第一点の希望といたします。  第二点といたしましては、先ほど来の政府並びに提案者の御答弁によれば、われわれとしては納得のいきかねる点がありました。その第一点は、将来においては、原子力に関する施設の民間産業に対する自由なる使用を認めようという方針であります。われわれは、必ずしも、これを一括して国家権力の統制のもとに置けという主張をするものではございませんが、しかし、端的に世界における産業の発展を考えてみましても、蒸汽機関の導入は世界の産業構造を資本主義に大きく変革いたしました。今や蒸汽機関にまさる大きなエネルギー源というものが、原子力の利用開発によって、人類の手にとらえられようとしておるのであります。この大きなエネルギー源というものを持つものは、おそらくその国の産業を支配し得る実力をさえも持ち得るかもしれません。このような事態を考え、同時に、また、この法律案によれば、原子力は、あるいは同位元素の活用、あるいはまたその動力の活用という、いわばものと利益に限局されておるようではありますが、原子力の平和利用の発展は単なる科学技術の革命ではないと存じます。原子力の現在の研究段階は、すでに物質は、古い物質観から、新しいエネルギーそのものとして把握されております。かっての不確定性の原理や相対性の原理は今日科学者によって実証されております。これは、物質の革命ではなく、世界観、精神の革命を伴うものであります。このような大きな精神と物質を貫く革命の黎明を迎えんとするに当っては、単なる利益を中心とする原子力の開発利用という観点においては、真の原子力の利用開発はわが国においては望み得ないのではないかと存じます。この意味において、原子力の管理という面においては、これが精神と物質の世界にまたがる革命的な動機を作り上げるものであるという観点から、今後本法案の運営については十分なる御検討を賜わりたいのであります。  第三の点は、国際的な協力ということがうたってあります。しかし、国際的協力とは、単に、他国の原料をもらうとか、日本の研究の業績を他国に通報するとか、このようなもの以上のものでなければなるまいと思います。ことに、この地球上において唯一の原子力による大きな犠牲を過去十年の間に三たびも払った日本人であってみれば、われわれは、当然の責任としても、権利としても、全世界に向って、原子力の平和利用に対しては積極的な呼びかけをすることができる立場にあろうと思います。幸い、国連においても、原子力に関する平和利用の国際機構ができると聞きますが、やがて、日本も、待望するごとくに、国際連合に加盟が認められたときには、この平和利用機構においては、日本の国際的な大きな責任と権利を自覚して、単に二年や二年に一回各国の科学者が平和利用の情報を交換するというような形ではなく、もっと積極的に、原子力の平和利用は、大国といわず、小国といわず、科学的な研究の情報だけではなく、原料や施設の上においても、これを全世界の福祉と文明の発展に役立たしむべきであるという積極的な旗じるしのもとに、大いに国際社会における政府の御健闘をわずらわしたいのであります。  第四点といたしましては、原子力の障害の問題でありますが、原子力の障害については、わが国の過去の苦い経験から、相当な文献が蓄積されておるはずであります。しかしながら、わが国に原子力法がなかったばかりに、これがある特定な国の文庫に納まっておるというようなきらいもあるのであります。こういうような点は、せっかく日本が原子力の開発研究に積極的に乗り出す以上は、やはり、日本人の手においてこれを体系的に取りまとめて、世界の原子力による障害に役立たせしめるという努力も必要であろうかと思います。特に、万一これによって障害を受けた者があった場合、御存じのように、この障害は、現在の医学をもってしては、なかなかなおしがたい場合がたくさんあります。実例の示すところによれば、生殖細胞がほとんど破壊的な影響を受けておるというふうな例もあります。人間の生命が奪われるのではなく、人間が人間として子孫を生む力を奪われるというような、実に驚くべき破壊をさえも持っておるのであります。かつてビキニのあの福竜丸の漁師については、政府は、当初、わずか船員保険の適用によって一時を糊塗しようとさえいたしました。こういうことであってはなるまいと思います。国民が莞爾として国の原子力開発利用のために協力をするというためには、国民の協力を得るためにも、障害の防止はもとより、万一にも障害があり得た場合には、これに対して納得のいく補償が与えられるような立法措置を、来たるべき通常国会においてはぜひとも御提出願いたいと存じます。  なお、最後に、決議を御提出に相なりましたが、わが党はもろ手をあげて賛成をいたします。現在、原子力の研究、利用、開発が相当進んでおる国々の実情を見ますると、もはや原子力の技術者が足らないという段階に来ております。アメリカは現に必要なる技術要員の二分の一が不足しておるとさえも伝えられております。このことは日本も大いに学んでいいと思いますので、国立中央研究所のみならず、各大学における若き熱心なる学徒に対しては、国は積極的にその研究を援助し、そして学校も国も一体となって、この技術の面における高い水準に達せられるように、あるいは予算的にも、必要とあれば法制的にも御努力を願いたいと存じます。  以上四点の希望を付して、日本社会党は御提出三案に賛意を表する次第でございます。(拍手)

有田喜一自由民主党

○有田委員長 岡田春夫君。

岡田春夫小会派クラブ

○岡田委員 きょうは、せっかくの原子力基本法を議員諸君の御努力によりまして提出をされたのでございますけれども、私は、同僚の議員として、残念ながら意見を異にいたしまするために、基本法を含めて委員会設置法並びに総理府の一部改正法、これに対して反対をいたします。  その理由を簡単に申し上げますが、第一の理由としては、先ほど委員長に御質問を申し上げたように、この基本法についても、審議に対して十分なる慎重なる努力が行われていると見られない。見られないという根本の思想の中には、国民の意見というものを率直に聞いて、たとえば公聴会なりその他の方法を通じて、これは、百年の大計であるだけに、十分慎重なる審議が行われるべきであったと思うのであります。それにもかかわらず、今回の委員会において、午後に提案をされて、わずかそれから六時間を出ずしてこの法案が採決に移されるというような態度は、何としても私としては納得がいかないのであります。  第二の点は、今後の原子力の基本法並びに原子力委員会その他の三法案は、日本とアメリカとの原子力協定が結ばれるに当って、日本の受け入れ態勢というものが十分に整備されないにもかかわらず、あわてて形だけを整えてアメリカの援助を受けようとしている点に、わわれわれは賛成ができないのであります。こういう点については、私たちとしては、まず第一に、日本の原子力の態勢というものを確立していかなければならない。この態勢の基礎を確立するためにはむしろ、この際においては、アメリカとの原子力の協定を受け入れるがための受け入れ態勢として、それによって歪曲された態勢を作るということになるならば、今後百年の大計を誤まる結果になるのではないかという点であります。  第三の点は、先ほども申し上げましたように、そうしてまた社会党の岡議員からも再三にわたって御質問のありましたように、この原子力の平和利用という問題と戦争の関係に使うという関係においては、原子力の研究においてきわめてデリヶートな点がございます。それだけに、日本の原子力の平和利用の態勢を確立していくためには、あくまでも戦争のために使わないという形が、あらゆる面において出されていかなければならないし、そのための努力が必要であると思います。その点について、私は、この基本法の全体の文案の中において、もう少し明確にすべきものであると考えております。  第四の点は、条文上の内容については、先ほどから申し上げている通りに、空虚な内容であって、単なる骨格を示したにすぎない。その結果、アメリカの原子力政策が、その空虚な内容に乗じて支配するという危険性を持っているのではないかと思います。その点は、先ほど岡議員が指摘されました通りに、特許問題を通じての中曽根委員の御答弁は、それに対して反対をされておりましたけれども、事実の問題としては、日本において創意発明をされたその努力というもの対して、事実において、そのような形で、アメリカの原子力委員会が制約をしていくという危険性が多分にあると考えざるを得ないのであります。こういう点から考えまして、私たちは、この点についてもまだまだ慎重な検討が必要であることを認めざるを得ません。  その他いろいろの点についてありますけれども、最後に、原子力を平和的に利用させ、これを発展させるということについては、絶対にわれわれは反対でありません。この点については、ここではっきり申し上げておきます。しかしながら、それのための受け入れ態勢としては、きわめて不十分であるのみならず、逆にアメリカの戦争体制として準備されておるアメリカの原子力政策に従属する結果になって、われわれの意図するところに反する結果を招くから、この点について懸念するものであります。  私たちは、この意味において、この三法案に対して反対をいたします。  なお、附帯決議の点につきましては、これは大学関係の諸君から強い要望があり、先ほどの小笠君の御提案もごもっともでありますので、この点については賛成をいたします。

有田喜一自由民主党

○有田委員長 以上をもって討論は終結いたしました。  これより三案を一括して採決に入ります。三案に賛成の方の御起立を願います。     〔賛成者起立〕

有田喜一自由民主党

○有田委員長 起立多数。よって三案は多数をもって原案の通り可決すべきものと決しました。  次に、原子力委員会設置法案に対する附帯決議についてお諮りいたします。本附帯決議に賛成の方の御起立を願います。     〔総員起立〕

有田喜一自由民主党

○有田委員長 起立総員。よって本附帯決議は可決いたしました。  この際正力国務大臣より発言を求められております。これを許します。正力国務大臣。

正力松太郎自由民主党北海道開発庁長官

○正力国務大臣 一言御礼を申し上げます。政府提案の二法案に御賛成を得ましたことを厚く御礼を申し上げます。なお、原子力平和利用の徹底、附帯決議事項等につきましては、大いに尊重いたしまして、法の運用を全からしめたいと思います。どうぞよろしく。ありがとうご、さいました。(拍手)

有田喜一自由民主党

○有田委員長 なお、この際お諮りいたします。ただいま議決いたしました三案に対する委員会報告書作成に関しましては、委員長に御一任願いたいと存じます。御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

有田喜一自由民主党

○有田委員長 御異議なければ、さよう取り計らいます。  本日はこれにて散会いたします。     午後五時二十九分散会

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