運輸委員会 第6号
- 発言数
- 75 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1955/12/14
会議録
○松山委員長 これより運輸委員会を開会いたします。 昨日に引き続き、陸運特に国鉄の経営に関しまして質疑を続行いたします。なお質疑の通告の委員の方々が非常に多いので、この際質疑の時間について大体一人三十分くらいを目途といたしまして、質疑をやっていただきたいと存じます。それでは通告に従いましてこれを許します。正木清君。
○正木委員 質疑に対する時間の制限がございますので、答弁をしていただく関係者は、一つ簡潔に要点を土台としての答弁をまずお願いしたいと思います。質問者は若干時間をとらしていただきます。私は昨日の質疑応答の中で最終的に明確になってきました点は、行管のこのたびの運輸省に対する国鉄経営の勧告の中で、一番論争の中心になるべきものは減価償却の性格論、この性格論を土台といたしまして、そして減価償却費の使途、これに私に関する限りは問題点が集約されてきたように実は感ずるのでございます。 そこでまず第一に行管にお尋ねしたいと思います点は、せんじ詰めると、これらの問題に対する行管の勧告の中心は、国鉄の資産は国家投資でできたものであるから、資本を回収するということではなくて、実体資産の維持に必要な限度を見積れば足りるのではないか。従って改良と拡充費は厳密に分離して流用を防止して、実体資産の維持を確実にする必要がある。従って償却資産の区分づけを厳密にして、資産の実体を的確に把握すること、評価を厳正に行うこと、耐用年数を実情に即した合理的なものにする、こういう点に要約されるのではないか、こう考えられますが、これに対する行管の意見をこの際明確にしてもらいたいと思います。
○山口説明員 ただいまの御趣旨の通りに考えております。
○正木委員 そこで私は国鉄にお尋ねするのですが、この行管の勧告の精神に基いて、国鉄の今日までいろいろ出された資料を土台として研究してみますと、行管の勧告と国鉄側との減価償却の考え方に、非常に大きな食い違いがあるのではないか、こういうように考えられます。昨日は行管は否定しておりましたけれども、新聞やその他から見ますと、行管は減価償却費の使途が振りかえられるべき設備の同種同型の財源でなければならない、せんじ詰めると、行管の意見はこういうようにも感じられます。そうであるならば、国鉄は減価償却の意義をわきまえてはいない意見である、これをせんじ詰めていけば減価償却の不要論になってしまう。行管は減価償却費中、純取りかえ分が今日まで二百億程度であった点、戦前並みの償却費であるならば百七十億で足りるという点、従ってこうした意見を基礎にするならば、一兆八千億の償却資産に対しては平均耐用命数が約百年ということになる。ここで問題が出てくることは、現在の国鉄の近代化、改良資金はどうして一体処置すればいいのだ、この点行管は明らかにしていないではないか、こういうように国鉄は論じておるように考えられます。そうするとここで行管と国鉄の間でこの減価償却の性格論とでもいうでしょうか、この性格論の食い違いが、その減価償却費の使い方についても大きな食い違いになって現われてきていると思うのですが、国鉄の見解を明確にしていただきたい。
○石井説明員 私どもが行管の減価償却の考え方はこうであろうというのは、結局二百億とか百七十億という数字を出されました根拠を推察いたしますと、どうしてもそういう考え方になる。それは減価償却ということについての御理解がないのじゃないかということを申し上げておるわけであります。従いまして、ただいま勧告に現われました文書、それからまた正木委員が行政管理庁の方へこうであろうというふうに御提示になりました減価償却の性格論といたしますれば、私どもとして今お話のありましたように使途の問題が区分づけさるべきであろうかという点以外は、大した相違はないと私は考えます。
○正木委員 そこで私は運輸当局にお尋ねするのですが、昨日からの私の質問を通じて、この減価償却の性格論等においては、行管と直接の国鉄当局の間に本質的な意見の食い違いはないのではないか。せんじ詰めると、耐用年数をどのようにきめていくか、耐用年数の見方、従ってそれから出てくる総体としての金額の組み方に相違が出てきているのではないか一こういうことは僕は解決の道は決して困難ではないというように感じられます。ただしかし私の意見としては、たとえば両者の間にそういう本質的なものでない部分的な食い違いがあったとしても、行管が指摘しているように、この資産の評価及び耐用年数の厳正な見方、償却資産の再検討については、私はやはり行管の意見と同様に減価償却費の性格論というようなもののいかんを問わず、運輸省としては大いに反省して改革する余地があるとするならば、この際思い切ってこういうものはだれが見ても当委員会にいきなり出されて、われわれがその説明を見てもただちに一目瞭然になっているような姿に整理すべき必要があるのではないか、こういう考え方を持つのですが、監督の立場にある運輸省の見解を明らかにしていただきたい。
○植田政府委員 確かに御説の通りでございまして、第一には資産を的確に把握する、このためには現在資産の再評価を国鉄に実施してもらっております。これは近く的確に資産の把握ができる、耐用命数につきましては、現在運輸省が認可いたしております現在の法人税法を基準にいたしました耐用命数でありまして、一応合理性を認めておりまするが、なお今後この点につきましてはいろいろと議論もあったところでございますので、各方面の意見を聞きまして、できるだけ合理的に直す余地があるものであるならば直したい、かように考えております。
○正木委員 私は行管に具体的にお尋ねいたしますが、答弁は簡潔でけっこうです。あなたの方は現在の国鉄の施設の状態の回復は、戦後顕著なものが認められるが、一部になお保守取りかえの必要をあなたは認めております。ところが実際には保守取りかえ用の資金がほかに流用されて、交通保安に直接関係ない部分の投資に不相応に使われている、これを非常に強く指摘されておるのです。今度の勧告では非常に要点だけを勧告しておりまするが、今日まで行管が発表した新聞を通じて見る私どもの受けた印象では、非常にこの点強く指摘しておる、これについて、この問題の具体的な説明をしてもらいたい。
○山口説明員 交通保安に直接関係のないと思われる方面の投資というものは、資産の状況が非常によくあれば相当に行われても差しつかえないことであろうと思いますが、そういう施設の状況との見合いにおいて、片方がまだ輸送業務を安全に行うために十分でないということを主張する場合においては、少くともそういうものが十分になるまでの間、できるだけ交通保安に関係ない方面の投資は抑制することが適当であろうと考えるわけでございますが、そういう趣旨から申しますと、たとえば倉庫などの改良工事が行われておるわけですが、これらは相当な改良でありまして、金額もかなりかさんでおる。こまかいものは各所に小工事の内容として行われておるものに相当にございます。そこでこれは私どもの言い方の強さということも申されておりますが、一方で施設の状況が非常に危殆であるということを強く言う場合には、やはりこういう方面をそれに関連して強く言う必要があるというような観点から申し上げておるわけでございます。
○正木委員 今行管が答弁されたように、やはり問題の本質というものは明確にしておく必要があるのではないか。たとえば国鉄が本年三月当委員会に配付しました「国鉄財政の現状」という冊子から見ますと、国鉄の施設は戦後償却不足で、耐用年数の超過した資産が総資産の一七%の三千六百億円で、緊急に取りかえを必要とするものが総資産の五%、約一千百億に達しており、不測の事故が発生するおそれがないとはいえない状態にある、こう国鉄では指摘しておるのです。ですから私はことしの春の委員会でこれを土台として、今日行管が指摘したような諸問題を本質的に解決したい、こう考えておったのですが、遺憾ながらいろいろの都合でそれがなし得なかった。あなたの方は不測の事故の発生するおそれがないといえない状態にある、こう強くわれわれ国民にアピールしているわけです。このことから考えると、では現実はどうかというと、理由は私にはよくわかるのではあるけれども、乏しい修繕費から年々五十億にも上る巨額なものが他の項目に流用されておる。償却費引当金も資産増になるような、実体以上のぜいたくとは私はいいませんが、そういう方面にも投下されておる。そして鉄橋の橋げたはがたがたな個所もある。トンネルもつぶれそうな個所もあるのだ。機関車も危険なものがあるのだ。現に新聞で拝見しますと、電気機関車なども爆発の事故が起きておる。機関車の労働組合からは、こういうものについては詳細な数字をあげて私どもに陳情が来ておる。こういう事実から見ると、不測の事故の発生するおそれはないとはいえないということはわれわれも実際わかる。だとするならば、何としても減価償却というものは第一義的には資産の維持を目的としたものでなければならないし、その償却費全額を純取りかえに回しても足りないのですから、足りないという事実の上に立つならば、一体行管が指摘するように改良の方へ持っていったり、現代的な感じのする施設の方へ持っていくことが果して妥当なのかどうか、ここに論争の中心があるのではないか。そこで国鉄としては日進月歩のこの状態のもとにおいて、一体施設の近代化をどうするのだ、そうするためにはここに莫大な資金を必要とする、このこととこの問題とはやはりきちんと区別をつけて、そして整理するものは整理する段階にきておるのではないかと思いますが、私はこれは国鉄でなくて運輸当局の見解を聞いておきたい。
○植田政府委員 交通機関の使命といたしましては、いろいろの使命があるわけでありますが、そのうちでこの安全保持ということが何よりも考えられなければならぬということにつきましては申し上げるまでもないわけであります。従いましてこの安全の維持ということにつきまして、重点を置いていかなければならぬということはお説の通りだと思います。ただ交通機関といたしましては、この安全の保持の上にさらに迅速であり、あるいはまた正確であるというふうな要素も必要であります、また経営上の合理化という観点からの近代化ということも必要でありますが、そういう点をいかに調整するかということにつきましては、毎年の予算作成におきまして十分考慮いたしておるつもりでございます。そういうことでございますが、安全を第一番に考えなければならぬということにつきましてはお説の通りだと思います。
○正木委員 そうすると結論からいうとどうですか、私は運輸当局にお尋ねしたいのですが、やはり改良拡充費と分離して、予算の流用というものを現実の正しい姿に引き直すためには、いやでもおうでも最後的には今の会計規程は改正をしなければ、ほんとうの改革はできないような感じがするのですが、運輸当局の見解を聞いておきたい。
○植田政府委員 資産の維持と改良ということを分けてはどうか、こういうことでございますが、実は資産の維持、取りかえということも、会計処理の上におきましては現在はいわゆる資産の更新といたしまして、改良費として扱っておるわけであります。従いまして資産の維持ということが、一部におきまして同種同型の再現ではなくして、そのためのある程度の近代化あるいは改良ということも当然含まれるという観点に立っておるのでありまして、いわゆる同種同型のものの再現ということに限定しないという意味におきまして、この取りかえも全部改良工事経費として扱っておるわけであります。ただその財源を実質的に減価償却から繰り入れておるという格好になっておるわけであります。ただ、今おっしゃったように、安全の保持ということについて十分考慮をめぐらさなければならぬということは当然でありますが、会計処理におきましては現在の建前で差しつかえないのではないか、私はかように考えておるわけでありますが、お説の点もございますので、一つ十分検討をいたしたい、かように考えております。
○正木委員 その点で私は異論を持つのですが、時間がございませんから行管に最後にお尋ねしたいのですが、行管の中間発表及び勧告の内容を検討してみますと、行管は諸施設の実質的な現状維持以上の近代化の資金や改良拡充のための資金については、あるいは役所の性格からきたのかもしれませんが、一言も触れておりません。行管も御承知のように、鉄道は古い交通機関となりつつあります。歴史が非常に古い。従って施設その他についても行管が指摘しているように、なるほど戦前から今の近代化された部分だけをながめると異常な進歩のように見えますけれども、全国的に見た鉄道の施設というものは古い。これでは国民の要望にこたえることはできません。国民のための国鉄でございますので、ここに国民からはいつときも早く国鉄が近代化されることが非常に強く要望されている原因があるわけです。この点について私は率直に行管にお尋ねしたいのですが、行管の理論的な減価償却論からくる問題を展開していきますと、国鉄というものは、世界の情勢や国内の情勢にマッチしないありのままの姿で、現状維持で行けばいいじゃないか、こういうような議論が最後に出てくるように感じられてならない。私どもは、それは逆なんです。私どもはやはり世界の情勢に応じて、日本の現在の情勢に応じて、国鉄こそが何よりも先に大先端に近代化されたものにならなければならない、こういうように考えております。そうすると近代化のための資金を一体どうするのだ、この資金の調達方法です。これには今言う通り、あなた方の役所の性格からかは知りませんが、一言半句も触れておらないが、現実の問題としてこの問題を議論の外に置いて、国鉄の議論というものは最後的には何にもないのです。せんじ詰めれば、国鉄ではこの問題が未解決であればこそ、独立採算制を強要されておるから、現在の企業体の中で何とかしてこれを近代的なものにしなければならないので、減価償却そのものの取扱い方、従ってその使途、方法については、行管に指摘されるような現実的な政策をとらなければならないという結論に到達しているのが、国鉄の今の姿ではないかと私は考える。だから役所の立場は立場としても、現実に必要な自己資金の調達について、行管としては考えたことがないのか。こういう点についてもメスを入れて検討したことはないのかあるのか、この点を一つ明らかにしてもらいたい。
○岡松政府委員 私からお答え申し上げます。今の正木委員の御質問につきましては、監察の報告書には触れておりません。しかしながら従来新聞紙上等の減価償却の理論から行きまして、何か施設さえかえておればよい、近代化は否定してよいのだというようなあるいは誤解を受けたかと存じますが、そういうことを否定して、現在の施設さえ維持しておればよいのだというようなことは、われわれ一言も申した覚えはないのであります。従いまして今いろいろ御質問のありましたように、減価償却費というものは施設の維持に使わなければならない。しかしそれは決して同種同型のものであってもよいということは申しておりませんので、陳腐化による近代化というようなことも考慮した実体資産の維持を言っておるのでありますが、さらに大きく言いまして、いわゆる時世に応じた国鉄の大きな意味の近代化ということにつきまして、国鉄も十分お考えになっておられましょうし、われわれもその必要を否定しておるわけではございません。ただその資金について別に言及いたしませんのは、いわゆる現在の経理の総合的調査という面におきまして出た結論を申し上げたのでありますが、今御質問もありますので一応の考え方を申し上げておきたいと思います。 もちろん先ほどの議論のように、いわゆる実質的な拡張、改良、これは近代化であります。そういうものは、施設の維持ということとは明確に区分した経費と申しますか、そういうものに使うという経費にはっきりしてもらいたいということは申しておるわけであります。従いましてそういうような近代化の経費というものは、やはり国民生活の中における国鉄の地位をお考え願いまして、われわれといたしましてはいろいろな考え方があると思います。あるいは収支の償う近代化であれば、長期資金を借り入れるというようなことも考えられましょうし、あるいはその他の経費におきまして、いわゆる国鉄の部内の財政力と申しますか、自己資金の状態も勘案し、それから今申しました長期資金と申しますか、国家資金と申しますか、そういうものを勘案してきめていただきたい。決してそれは国家資金でなければならぬとか、そういうようなことを考えておるわけではございません。
○正木委員 非常に大引な点が明確になっておりませんけれども、いずれまた議論をする機会が十分にあるわけですから、譲りまして、今度は行管の性格論についてお尋ねしたいと思います。 行管の監察は、各行政機関の業務の実施状況を監察して必要な勧告を行う、これは法文上明瞭になっております。そこで行政機関に対する監察に関連して、公共企業体の業務に関し関係各行政機関と協力して必要な調査を行うことになっておりますが、これはその通りと考えてよろしいのですか。
○岡松政府委員 法文では、設置法第二条の十二号に、前号の監察に関連して、これこれの公共企業体を調査することということになっております。協力という言葉は法文では入っておりません。
○正木委員 調査ができるということですか。
○岡松政府委員 はい。
○正木委員 そこでお尋ねしたいのですが、行政監察または調査ができるとすれば、これはあくまでも政府部内の問題であって、監察または調査の結果については政府機関相互間、すなわち今回の場合であるならば行管と運輸省との間で十分検討して、運輸省は行管の監察または調査の結果について認める点があるならば、これを率直に認める。また行管としては運輸省の助言ないしは言い分に理由ある点が明瞭になるならば、これまた率直にこの点を認める。なおかつ行管と運輸省との間で意見の対立があるという場合に初めて勧告というものが行われるのではないか、私はこういうように行政的な取扱いについて考えているのですが、行管の見解を明らかにしていただきたい。
○岡松政府委員 ただいまの御質問にお答え申し上げますが、もちろん勧告と申しますのは命令ではございません。政府部内におきまして、運輸省の監督行政に対して助言を与えるということになっております。従いまして従来も、われわれの取り扱いました経緯から申しますれば、監察の結果につきましては関係当局と十分事務の打ち合せをやりまして、われわれとしましても努めて独断的な見解に陥ることを避けております。従いまして今回のことも運輸当局とはいろいろと事務的打ち合せをやっての結果勧告したことでございます。ただしかしながらいろいろ監察の内容によりまして、たとえば法律に違反しているとか、あるいは何か法規と違っておるというような明確な問題と異なりまして、今回のような経営的な問題に対する批判におきましては、多少見解を異にするということはあり得ることでございまして、そういう点で多少は運輸当局と見解を異にする。しかし行管としてはどこまでもこれが正しいとしていわゆる助言を与える、こういうふうに考えてはどうですかというふうに言った意味でありまして、決してどうしてもわれわれの言うことを聞かすというような趣旨が勧告ではございません。
○正木委員 お説の通りであると私も考えております。従って監察の結果勧告をいたします場合には、今あなたがおっしゃったように、やはり取扱い方については十分に慎重を期する必要があるのではないか、こういうように私には考えられます。ところが現実に行管が取り扱った今度の勧告については、国鉄経営調査会に対する中間報告、または運輸大臣に対する勧告が行われる前に、あなた方はあらゆる角度でこれを新聞社に発表している。そして国鉄もこれに対してあらゆる機会を利用して堂々とこれに反論を加えておる。われわれ国会から見ますと、両者ともまことにけしからぬ態度をとっておる。今行管がおっしゃったような慎重を期さなければならないこれらの諸問題を、問題の本質を議会なり政府部内で慎重に検討された結果ならばいざ知らず、この結果が出ない前に、なぜ一体行管は進んで新聞に発表しなければならなかったのか。この点について私は行管の責任ある答弁を要求します。
○岡松政府委員 ただいまのお話でございますけれども、われわれの方といたしまして積極的に発表したことはないのでございます。ただ運輸当局に勧告を発しましたのは、閣議で報告をいたしまして、大臣の御意思で運輸当局とも御連絡の上に発表したことは事実でございます。しかしながらそれ以前におきまして新聞でいろいろ言われたことを、積極的にわれわれの方で発表したということはないのでございますが、新聞社がいろいろ取材をして発表しまして、何か行管が積極的に発表したような形式になっております。そのことをお答えしておきます。
○正木委員 行管はそうおっしゃいますけれども、日本の一流の権威ある中央紙、並びに権威ある地方紙が一齊に取り上げておる。私が手元に持っておるものだけでも、この行管勧告が土台となって権威ある新聞に発表されたものを簡潔に申し上げますと、九月十九日の読売紙、十月二十四日の産業経済紙、同じく十月二十四日の読売紙、十月二十四日の朝日紙、ごらん下さい、これだけの権威ある新聞が一齊に取り上げておる。しかもその取り上げた記事の内容は、せんじ詰めていうと、行管がこの委員会において展開した理論を基礎として、国鉄は、決算面においては赤字ではあるけれども、実際は決して赤字ではないのだ、三十年度においても百二十数億の黒字になっているのだ、こういうことです。ですからこの権威ある新聞紙に載った記事を土台として受けた国民の感じ方はどうかというと、国鉄はまことにけしからぬ、われわれ国民を欺いている、こういうことに結論はなるわけです。これをせんじ詰めて言うとどういうことになるかというと、私の友人が偶然に私と銀座で会った。何かの拍子に冗談まじりに私のほおをさすった。ところが次の日、新聞には正木が銀座で酒を飲んで酔って、友人にほっぺたをいきなりたたかれたという記事がだっと出てしまった。たたかれた私が幾ら弁解しても国民はそれを信じないのです。結局とどの詰まりは私がたたかれ損だ。言いかえれば国鉄はほっぺたをいきなりたたかれて、国鉄だけがひとり悪者になった。そうして国民から怨嗟の的になってしまった。こういう結論になるのです。私はそう考える。当委員会で行管と国鉄、私の間で理論が展開されて、出た結果は問題の本質というものが明らかになった、責任の所在も明らかになった、これであるならば私はお互いに責任が持てると思うのですが、私は、行管は新聞に発表していないのだとおっしゃるけれども、権威ある新聞紙がこれだけ発表するには、やはり行管がみずから進んで発表したとしか想像できない。そこで行管としては何か政治的な含みがあるのではないですか。正直なところ、私はこれを聞きたい。あなたの方は今の公共企業体のあり方というものに対して疑問を持っておる。今鳩山内閣が展開しようとしておるこの公共企業体を、一口に言って昔の官僚独善的な——わが社会党が言うのではない、昔の姿の国営論に切りかえようとする。ここからあなた方は政治的な意図として、ことさらに勧告前に新聞に発表されたのではないか、こういうように考えるが、行管としての忌憚のない意見を聞いておきたい。
○岡松政府委員 ただいまの御質問の中にありました国鉄を将来国営にするとか、あるいは現在の形を変える政治的意図のもとに、新聞に出したというようなことは絶対にございません。ただこういう問題が非常にジャーナリズムに騒がれたと申しますか、そういう関係上、新聞記者が参りましていろいろと説明と申しますか、たとえば減価償却というような理論が非常にむずかしいが、どういうことでありますかといったような説明を聞く機会は相当あったのでございまして、それがわれわれとしましては別に発表するという意思がなく、新聞社の記事として出された点があったと存じます。今御指摘のようにそれがわれわれの考える意図以上に何か誤解を受けたと申しますか、非常に行き過ぎであったという感じを持たした点につきましては私も十分反省いたしたいと存じますが、御指摘のような何か含むところがあって発表したとか、あるいはそういう含みがあるというようなことは、これは上司もほかの委員会でお答えしていると存じますが、決してそういう意味はないのでございまして、その点一つ御了承を願いたいと思います。
○正木委員 最後に私、運輸大臣にお尋ねしておきたいのですが、十一月三日の読売紙は公社制度の廃止の意向をもって、このたび国鉄への行管の勧告が行われたのだ、こういう大々的な記事がこのように出ております。さらに続いて、このたび行管を担当された河野大臣も、行政機構の改革の中で国鉄の国営論を新聞は取り上げておるわけですが、私の知る限りでは、大蔵当局は現在の公共企業体というものを育成する態度を明らかにしたというような新聞記事も出ておるわけですが、当の運輸大臣としては今の国鉄の公共企業体というものを今後も育成強化していく方針なのか、それとも昔のような鉄道省式なものに切りかえようとする御意思なのか、この点一つ明確に所信を承わっておきたいと思います。
○吉野国務大臣 お尋ねの点につきましては前回もちょっと申し上げたと思いますが、現在の形はやはり国有、国営の形なんですが、ただそれを官僚組織にしないというだけの話なんです。官僚組織がいいか公社の組織がいいかということについては、各国のいろいろな立法例や何かの実例もございまして、その問題はもうほぼ解決済みの問題ではなかろうかと私は考えております。従いまして私は官僚組織に戻すという考えは持っておりません。
○正木委員 私の質問はこれで終ります。
○松山委員長 畠山鶴吉君。
○畠山委員 私は今回の行管の経営方法についての発表について、これに関連いたしましたところの外郭団体の一部でありまするところの、今回やり玉に上ったと申しましょうか、国鉄推薦旅館の問題につきまして行管、国鉄また運輸大臣等に御意見を聞きたいのでございます。 まず第一番に申し上げたいことは、今回国鉄の外郭団体に多額の費用、言いかえますと支出金がある、その他国鉄に関係した人の人事によってこの外郭団体が組織されているというような点から、これが指摘されているようですが、私の今申し上げますところの国鉄推薦旅館は、国有鉄道あるいは鉄道省時代から長い間お互いに手と手をつなぎ合せまして、車の両輪のごとくにお互いが提携をして参った国鉄、推薦旅館の関係でございますが、今回はからずもこれが廃止のやり玉に上ったのでありますが、ただいま申し上げましたように、これは決して金銭的な援助があるわけでもなし、国鉄に御迷惑をかけているわけでもありませんし、また国鉄をよした方々によって組織されているものでもありません。真にお互いが商売と立場から提携しているのでありますが、これらに対していかなる理由をもって今回廃止をされたのか。私は二分問題について鉄道は独立採算制の立場からいたしまして収入をよけい上げる、商売をうまくやる、サービスをモットーとして乗客に便利を与え、安心を与えるということが一番大きな使命だろうと思う。つまり手を携えていく旅館と手を切ったところで、今後サービスという一環がうまくいくか、私は絶対にうまくいかないと申し上げていい自信がありますので、これらの点について何らかそこに含みがあるのか、あるいはくだらないことにとらわれて今回廃止の発表をされたのか、この点についてまず行管の立場はこの問題をどうお考えになっているか、それから国鉄といたしましてはいかなる原因があって廃止の発表をしたか、また運輸当局におかれましては今後これらに対してどういうお考えをお持ちになっているか、一応御所見を伺いたいと存じます。
○岡松政府委員 今回われわれの調査いたしました外郭団体と申しますのは、国鉄といろいろ工事関係その他補助等を受けておる外郭団体につきまして、やはり国鉄もそれをある程度再検討されまして、国鉄経費の節減という面に努力していただきたい、それにはこういうようなこともございますということを申し上げたのでありまして、今御質問の推薦旅館につきましては、われわれの調査をいたした範囲ではございませんし、われわれといたしましては、何と申しますか、別に意見はございません。
○天坊説明員 ただいま畠山委員から、国鉄が、外郭団体等に対するいろいろな問題があるので、その外郭団体等について一つの措置をしたときに、今まで何の問題もなかった推薦旅館というようなものを、外郭団体と称するものと一緒に整理したような格好になっておる、はなはだけしからぬという意味でのおしかりを受けたわけでございますが、国鉄といたしましては、数年来いわゆる外郭団体と申しますか、国鉄の末端、国鉄につながっているすぐ隣辺のところのものを通じて、いろいろ評判の悪い問題がたくさんあったわけであります。その問題につきましてはできる範囲でいろいろとあの手この手を講じて参ったのでありますが、たまたま総裁がかわりまして以来も、いろいろ各方面からの投書その他の御意見というようなものも十分お聞きして一問題になっておりますいろいろ評判のあるような問題について、それ相当の理由ももちろんあるのだけれども、この際一応行き過ぎのようなところがあっても、世の中にそういう声があるとすれば、その声も一応聞いた格好にしたらどうかという意味で、非常に幅広く、いろいろ行管等で御指摘になっております外郭団体よりも、さらに幅広く一応検討して参ったわけであります。その過程におきまして推薦旅館連盟というものも、先ほどお話がございましたように、鉄道をやめた人がお世話になっておるとか、補助金を出しておるとかいうようなことはもちろんございませんし、むしろお話しになりましたように、鉄道がいろいろと交通の関係でサービスをいたしますと、結局旅館にもいろいろ関係があるわけで、お話のように車の両輪というような意味で、相待って旅行者に対して便益を与え、その効果が今日まであったことも事実でございます。ただ推薦旅館連盟と申しますものは、戦争前には鉄道の関係で指定旅館というようなものがございましたが、その後この指定旅館が一応なくなったような格好になりまして、戦後各地の戦争前まで信用のあった宿屋がこわされたりなくなったりして、どこそこの土地でどういう福屋が一番信頼が置けるのかというような点についても相当問題があった、そういう空気の中で、国鉄としてある規格——設備内容というようなものについて、この程度の旅館は大体信用していただいていいのだ、こういう意味で推薦旅館連盟というものができたように記憶いたしておりますが、そうした格好で最近まで相当世の中の信用を得また旅館自体の設備向上について、相当な役目を果して参ったというふうに考えます。さらに言いかえますれば、そういう意味で一つの役目というものは終りになったのではないか、ある程度まで行き詰まって、とにかく推薦旅館というような格好では、十分目的を果してしまったというふうにも言えるのじゃないかという考え方であります。私どもの担当の者も、推薦旅館連盟を通じて旅館を推薦旅館としてきめるにつきましては、連盟の御推薦をそのまま受け取っておるのでありますが、やはり中には誤解を生ずるようなものもないとは言えないというようなことで、この際一律に外郭団体として扱った、あるいはこれは弊害が大きいからやめるとか、こういうような意味では決してなくて、連盟の意義、目的も一応一段落のような段階にあるのではないかというような意味で、今回そういう推薦制度をやめにするということにきめたわけでございまして、ただ、たまたま外郭団体の問題と一緒にそういう発表になりましたが、内容は先ほど申しましたように、決してこれが弊害があるというようなことを大きく重視して言ったわけではないのでございまして、その点御了承願いたいと思います。
○吉野国務大臣 ちょっと申し上げますが、ただいまの点につきましては、これは国鉄の一つの営業上の方針と申しますか、それでやっているのだろうと思いますが、実は私としてこれに対して格別とかくの意見はございません。ただ私の関心を持つのは、これから観光客を大いに外国の方から引かなければならぬ。そういう面から推薦旅館というものがあった方がいいのか、ない方がいいのかという観点で、考慮すれば考慮したい、こう思っております。
○畠山委員 ただいま行管のお答えと国鉄と運輸大臣のお答えをいただきましたが、行管のお答えは何ら触れていないという、国鉄の天坊副総裁の御回答は、何だかわれわれ推薦旅館の方面へ対しまして真心があるようなところもあれば、どうも国鉄内に何だかもさもさがあるようで、どうもはっきりしたところが聞き取れなかったのでございますが、要するにこの問題につきましてははなはだ不明朗な点があるということは、これだけ国鉄推薦旅館が大きくなって、現在日本国内で六万軒近いという旅館業者のうち、四千五百軒が推薦されている。四千五百軒は一割に満たない、最も優秀な選択をした旅館であるということははっきりしておるのでございますが、その他の九割以上残っております旅館の、どうか国鉄旅館に加盟させてくれという声が、今日いろいろな問題を起していることであります。しかしこれは大きくなり、よくなりすれば当然のことでありまして、私はこれを取り上げる必要がないと思いますので、この際いろいろの観点もありましょうが、もう一応お考えを新たにしていただきまして、先ほど申しましたように、国鉄と旅館というものは切っても切れない間柄にあるのでありますから、何らかの形によっても今後国鉄の改革をする場合には必要な部面の一端だろうと考えますので、この点はどうしても私は考えを新たにしていただきたい。また今回廃止の発表をされたについては、いろいろ内部的意見もありましょうが、これらの点も十分に御調整をいただきまして、そうして推薦旅館側の意見も聞き入れまして、両者相待ってこの問題を健全な、りっぱなものに作り直していただきたいということにつきまして、もう一応お伺いしたいのでございます。ただいま運輸大臣はいろいろこまかい点はまだ御存じないようでございますが、昨二十二国会におきまして運輸省所管で観光局に昇格をさせました。これは言うまでもなく、今大臣が言われたように、観光局昇格については、国有鉄道とは最も密接な関係を結んでいただいて、この使命を果してもらう重大な段階に立ち至っているのでございますが、私ども外部から見るところによりますと、この運輸省の観光局と国鉄の間が何だか密接な関係がない。別にけんかをしているわけでも一ないでしょう、別に意見の対立をしているわけでもございませんでしょうが、ただ何となく密接な関係が結ばれていないということは、せっかく観光局に昇格させていただいても、この問題の使命が果せるか。同時にわれわれ推薦旅館といたしましても、この観光局には密接な関係を持っておりますので、この際これらの点も運輸大臣におかれまして一応お調べ願って、国鉄との密接なつながりを作っていただきたいことを、私どもの立場から考えて申し上げる次第でございますが、最後にもう一つ伺いたいことは、今天坊さんのお言葉がどうもはっきりしませんが、私どもはどうしてもこれは何らか形を変えて残していただきたいということにつきまして、もう一応御意見を拝聴したいと思います。
○天坊説明員 ただいままでの推薦旅館につきましては、先ほど申し上げました通り推薦旅館制度というようなものを始めましたような意味においては、大体においてその目的を達したのではないかということが言えると思います。この目的を果しまして、将来推薦旅館として国鉄が推薦するというような形をやめたにいたしましても、実質的に全国の一流の旅館と鉄道との関係は、もちろん今まで通りでございます。いろいろと御協力を願わなければならないことは当然であります。ただいま畠山委員の御発言のように、また大臣のお言葉がございましたが、観光の問題等と関連して将来さらにもっと企画とか、あるいはいろいろ問題になっておりますノー・チップ制度とかいうような新しい一つの試みができて、全国的にそういうような新しい企画でまた旅館を推薦するのがいいのだということがきまりますれば、あるいはまた運輸省推薦ということがいいかもしれませんが、あるいは全観連の推薦というような格好がいいかもしれません。あるいはまた場合によっては国鉄推薦というようなことがいいのかもしれませんが、そうした問題等も、これはまた政府の御方針等と相待って考えていける問題ではないかと考えております。
○松山委員長 畠山君、もう時間が経過いたしましたから、簡単にお願いいたします。
○畠山委員 ただいまの天坊副総裁の御回答は、中心へ触れないで横へそれてばかりいるようでまことに困っているのですが、この問題は先ほど来たびたび申し上げているように御迷惑をかけていない、どうしても必要な間柄にあるということと、それから一応役目が済んだというお言葉ですが、役目はこれから果すと思っているのに、済んだという言葉に対して私はどうしても了解することができませんが、これは私が察するところによりますと、天坊副総裁はそこのところがはっきり言えないのだろうと解釈してよろしゅうございましょうか。また同時にきょうは次官も見えておりますが、この点につきましては私はよく個人的のお話をしておりますが、この際運輸政務次官の御意見を承わりたいと思います。
○伊能政府委員 運輸省といたしましては、さいぜん大臣から国際観光事業との関連において大いに推進すべきもの、またそれと関連のないものについては国有鉄道をして処理せしめていくという基本的な方針を明らかにいたしましたが、天坊副総裁は畠山先生のお話のように、いろいろと過去の実情も調査いたし、推薦旅館ができました沿革、ことに推薦旅館以前の鉄道指定旅館制度から今日に至る鉄道関係自体として反省をしなければならぬ面等については、畠山先生十分御承知のことであり、また業界においても、よくおわかりのことであろうかと存じますが、そういう面についても、最近は非常に改善されて、鉄道部内についても、推薦旅館については、国鉄の当事者と推薦旅館の間にも、いろいろと御批判を受けるようなことがない。だからこの面については弊害はないのだからぜひ存続をしろという国鉄に対しては、最近批判の多い面において非常に御丁重な御激励というようなことで、かえって適切な御推薦の言葉もありますので、それらの点については、天坊副総裁初め、国鉄当局としても心のうちでは非常に感謝をいたしておると思うのであります。しかし今回の勧告について、一応やるべきものは、きれいにやってみようという別な国鉄自体の態度、この点についても一つ御了承をいただきまして、今後は今までやったことについても十分他との振り合いを調査した上で、また推薦その他の方法がしかるべき場合には、そういう措置をとるという言明もさいぜんされたようでありますから、そのお言葉に御信頼をいただきまして、しばらく国鉄の態度をごらんいただきたい、かように考えております。
○畠山委員 あなたの腹の中は想像できますが、はっきりした言葉をいただかないと実は困るので、そのちょっともさもさしているところをもう一度天坊副総裁に伺いたいのですが、何らか調査をいたしまして、改正と必要の程度を認めた場合には、これらを考えるという御返答といいましょうか、お言葉がいただけるならば、これで打ち切りたいと思いますが、はっきりした一つお言葉をいただきたいと思います。
○天坊説明員 いろいろ推薦旅館の方々からの御意見その他もございますし、また運輸省その他の御意見もあります。そういう実情につきまして、私どもの見方が誤まっておったという点もあるかもしれませんが、そういう点十分よく事情を承わりまして、将来新しい構想で、何らかの格好でこの問題を考えるということについては異論はございません。
○松山委員長 大蔵省の岩尾主計官も見えておりますから、どうぞ。中居委員。
○中居委員 先ほど来正木委員からいろいろ質問がございまして、大体行管の運輸省に勧告いたしました国鉄に関する項目につきましては、各般の御説明がありまして、その性格は大体了解がついたのでありますが、時間の関係もございますから、重複しないように留意しながらごく簡単に、さらにこれらの点について二、三お伺いいたしたいと思います。 先般行政管理庁から出されました国鉄に関する勧告文の要旨は、私は二つに大別できると思うのでございます。その第一は現在の国鉄の経営形態に対する問題が一つと、さらにもう一つは、減価償却の処理あるいはこれに対する根本的な考え方と、二つに要約できると思うのでございます。質問の順序といたしまして、最初の経営形態についてお伺いしたいと思うわけでございます。行管は現在の国鉄が総裁のみ内閣の任免制度であって、政府が国鉄に対する監督権を十分にこの形態では発揮することができない。従ってもっと政府と国鉄との関係を強化する意味合いにおいて、人事的にも役員の構成の任免の点についても強化する必要がある、こういうことを指摘せられているようであります。これに対しまして国鉄当局は、逆にさらに大きな自主性というものを国鉄に与えてもらわなければ、国鉄の現在の経営は成り立たない、こう逆な反論をなさっているようでございますが、この行管の勧告に対しまして、運輸省はどのような考えをもってこれを受け取っておられるかどうかということについて、まず運輸大臣の御所見を承わりたいと思うわけでございます。
○吉野国務大臣 行管の勧告につきましては、今せっかくいろいろ検討中であるということは、前回も申し上げましたが、今その一つの具体的の問題をおあげになったわけであります。これにつきましても今ここでその具体的な問題が右か左かということは、まだちょっと公式に申し述べる段階に至っておりません。はなはだ何でございますけれども、もう少しその全般にわたって結論を得ました際に一つ意見を述べたい、こう存じております。
○中居委員 結論的意見というものはもちろん述べ得ない段階にあることは了承するのでありますが、ただ何と申しますか、先般の正木君の質問に対しまして植田監督局長は、この問題については運輸省内に経営調査会というものを設けて検討を進めている。また国鉄でもこれらの点については経営調査会の結論を待って決すべきものである。しかし国鉄の意見としてはさらに広範な自主性を付与せられたい、こういう希望意見を述べているわけであります。この経営委員会というものがどういう結論を出すか私は存じませんが、果してこういった国鉄の経営形態というものの根本論を決定し得る権限を持っているかどうかということについては、私は非常に疑問を持たざるを得ないのでありまして、この点についてさらに植田さんの答弁を願いたいと思います。
○植田政府委員 経営形態につきましてただいま御指摘の通り総裁だけが内閣の任命である、これではどうかというような御指摘もあることは事実でございますが、ただ経営形態だけを切り離して議論するのは適当ではない、やはり国鉄全般の財政上の問題、あるいは運営の問題全体に関連いたしまして、経営形態あるいは政府の関与の程度をどのくらにするかということも論じなければならないだろうと思っております。それで実はそういう点につきましてはもちろん各方面の意見を聞きまして、運輸省としまして一つの意見を出すべきでありますが、たまたまいろいろの問題におきまして国鉄経営調査会というものを作りまして、部外のいわゆる有識者のお集まりをいただきまして、全般的にいろいろ国鉄の経営に関する問題、あるいは財政に関する問題につきましての御批判をいただきまして、それについての一応の御意見を伺うことになっているのでございます。運輸省といたしましてはその経営調査会の御意見も、もちろんそれだけではございませんが、その意見をも十分参考にいたします。運輸省の意見を確立したい、かように考えているわけでありまして、たとえば経営形態の問題にいたしましても、基本的に現在の組織を変える、役員の任免方式をどうするとか、国鉄の経営委員会をどうするとかいうような問題に触れて参りますと、当然これは法律改正の問題につながるわけであります。運輸省の意見をそういうふうに慎重に今考えておるわけでありますが、いずれ遠からず経営調査会の意見も出て参りますので、そういう点を十分考慮いたしまして運輸省の意見を立てたい。その暁におきましては、あるいは国会の御審議を願わなければならぬというふうな事態になるかと存じております。
○中居委員 天坊副総裁にお伺いしますが、この行管の勧告に対しまして、先ほど申し述べましたように、国鉄はさらに広範な自主性の付与がなければ、能率の向上、増進をはかることはできない、こういう気持を述べておられますが、現在の公共企業体として規定せられました国有鉄道の性格の範囲内でさらに広範な自主性ということは、一体どういうことを考えておられますか。
○天坊説明員 ただいま御質問になりました国鉄の公共企業体としての自主性の問題でございますが、御承知の通り公共企業体になりました当時、あるいは公共企業体に切りかわりましたときの事情というものは、この公共企業体にどういうふうに自主性を与えていくかという点について真正面から議論されたわけではなくて、むしろいろいろ労働問題等の事情から、急速に切りかえが行われたというようなことで、当時は会計法その他の問題も全部従来のままをそのまま使っておったというのが実情でございます。その後だいぶ会計法その他につきまして改正が講ぜられて参りましたが、財務関係における問題が一番大きな問題と私ども考えておるわけでありまして、財務関係の自主性という点について私どもがもう少し広範に自主性を与えていただきたい、こういうことを申し上げておることは十分御承知のことだと思います。ただ人事上の問題に関しましていかほど国鉄に自主性が与えられましても、これだけ大きな世帯で重要な国の財産をお預かりしている以上、政府の監督という面でつながることは当然であります。そのつながりというものがどの程度がいいかという点についての答えは、先ほど全体の公共企業体としてのあり方をどう考えるかという点について結論が今議論されているという監督局長のお話でございますが、私どもといたしましては、現在の総裁にすべてをまかしておる。人事上の関係について総裁だけ任命して、総裁がすべて人事権を持っているという行き方は、私は人事面では十分な自主性が与えられておるというふうに考えるのでありますが、ただ政府の監督という点から、公共企業体のあり方に関連してもう少しこの点をどうするという点が出てくるかこぬか、これは私どもから申し上げる筋ではないと考えるのであります。
○中居委員 話は旧聞に属しますが、昨年鉄道会館の問題が世論に取り上げられました場合に、当時の総裁でありました長崎さんは、国鉄の財産は国有財産ではない。従って国鉄の意思で、総裁の意思で国鉄の所有する土地を鉄道会館に貸与することは、一向支障がないのだというような意味の発言をなさって、非常に問題を惹起したことがあったことを記憶しておるわけでございます。こういう工合に現在の国鉄に対する国民の批判と申しますか、非難と申しますか、そういうものの中には、確かに国鉄の資産あるいは経営上のすべての権限というものをいわゆる国鉄一家が独占しておる、こういう基本的な観念に立っての憶測なりあるいは非難というものが一番強いのではないか、こういうふうに私には考えられてならないのでありまして、そういう考えに立っていろいろな憶測あるいは邪推等が、国民の国鉄に対する表面的な批判となって現われておるのではないかと思うわけであります。そういう面から考えてみますと、国鉄と政府との関係をもっと緊密にして、少くとも昨年長崎前総裁が言われたような発言、そういう考えというものを国鉄内部からなくし、あるいは国民から誤解を招かないような機構に改めることも、一つの大きなやらなければならない問題ではないか、こういうふうに私には思われてしょうがないのでございます。国有国営の前の鉄道省が現在のコーポレーションの形態に切りかえられましたが、しかし先ほども副総裁が言われましたように、総裁一名の任免だけが政府に与えられた権限であって、そうしてこれに対する監督は、運輸省の鉄道監督局という一つの局を通じて国鉄に対する監督を行なっておる。こういう機構上の問題がさらに戦後におきましても引き続いて、この国鉄の経営に対する民主化の一つの阻害になっておるのではないか、こういう意見が国民の間にはないということは否定できないと私は思うのであります。政府と国鉄との関係はそのようであります。さらにまた今日の形態で国会と国鉄との関係におきましても、そのような規定で非常に疎遠化しておる。こういうことが国鉄に対する誤解を招いておる一つの要因になっておるのではないかというふうに考えられるのであります。これらの点もあわせて、今後の国鉄と政府との関係をどうすべきかというようなことを根本的に検討してみることも、一つの筋道ではないかというふうに考えるわけであります。これは質問ではございませんが、そういう意見もあるということで御考慮願いたいと思うわけでございます。 それから第二の減価償却の問題について、私も少しく意見を申し述べたいと思います。先日来の質疑応答を通じて、大体行管と国鉄との減価償却に対する考え方というものに、そう大きな開きがないということは了解がついたのでありますが、基本的にはまだ相当の食い違いが見解の上にあるのではないか、こういうふうに私には考えられてならないのであります。第一は何であるかと申し上げますと、行政管理庁は営造物法人である国鉄の減価償却の基本的な考え方について述べております。そうしてこれは明らかに私企業の経営上の減価償却と異なるべきものであるという立場を固持なさっておるようであります。これに対しまして国鉄は、あくまでも営造物法人である国鉄においても、ある程度の私企業的な減価償却をしなければならぬというような立場をまだ捨て切っていないようでありますが、これらの点について国鉄側の意見を承わりたいと思うのであります。私の言うことに相違があるかどうかということです。
○石井説明員 営造物法人としての国鉄の減価償却というものに立脚された管理庁の減価償却論というものも、私どもしさいに拝聴しておりますと、資産の取りかえば必要である、その取りかえが同種同型のものである必要はない、近代化の要素もある、あるいは陳腐化というような考え方もある、こういうようなことでございます。また償却費の資金の使途についても、第一義的には取りかえるということであるけれども、必ずしもそれに限定されることはない、それは財務政策の問題として決定するのである、こういう御意見でございます。そういう点について私どもは実体資産の維持が目的であり、実体資産の維持ということが資産の取りかえを陳腐化を含めて肯定されておるということにおいては、結局減価償却を別の半面から見ました私企業的な考え方でございます。投資の回収という資金的な裏づけがなければ、そういうことが行われないのじゃないかと思うのであります。表からはそういうことでございますが、裏から見ればそういうことは結局——もちろん耐用年数その他についての考え方は、私企業と同じようなことでどうかという御議論は私どももあるかと思いますが、根本的な考え方はこれを表から見るのと裏から見るのとでは相違がないのでありまして、投資の回収ということに計算の基礎を置かずして、何で陳腐を含めた施設の取りかえが行われる経済力と申しますか、力が企業内に生まれてくるかどうか。これは考えられないのじゃないかと思います。
○中居委員 私は行管の主張している減価償却というのは、必ずしも今石井局長の言われたような趣旨ではないと思っております。もちろん減価償却の過程において、近代化の設備が加えられるということにつきましては行管は肯定しております。しかし同種同型の再現にあらずして、近代化の施設が減価償却の過程において含まれておるということは認めながらも、減価償却の算定の面に当っては、あくまでも現状の機能維持ということを基礎にした数字が出てこなければならないということが、行管の主張の要旨であろうと思うのでありまして、減価償却の数字を出すに当って、近代化への前進を含めた償却費の数字というものは認めていない、こういうのが行管の主張であろうと思いますが、行管の考え方を承わりたい。
○山口説明員 私どもの申し上げております近代化の要素も取り入れる必要があるということは、これは耐用年数を決定する場合に、どの程度の年数にすればよろしいかということの基礎としては、近代化を取り入れる必要があると存じますが、減価償却制度はもとより投下資本の回収でございますので、投下したもの以上に回収するということは減価償却の本質ではございません。従って近代化のために、かりにもとの資産よりも多額の資産を取得しなければならない場合に、その多額の資産の全額を減価償却の手続によって回収するということは起り得ないと考えております。
○中居委員 今の行管の説明を聞きますと、必ずしも原則的には一致していない。必ずしもどころではない。根本的にそこに相違があるのじゃないかと私は思うのでございます。これは決して減価償却費の費用が多いとか少いとかという問題ではないと思います。減価償却の性格の問題だと思うわけでございまして、減価償却の算定はあくまでも投下資本の維持ということが前提でなければならないと思うのでございます。しかしその過程において近代化をはかるという部面についての差額は、これは改良費であって、資本増でなければならない。会計経理上から申しましても、明らかに款項目を違えて計上しなければならない趣旨の問題だと思うのでございますが、この点について局長の考えをさらに承わりたいと思います。
○石井説明員 私はただいまの管理庁の御説明が私どもの申している点と、何ら根本的な相違があるようには拝聴いたしておらないのです。と申しますのは、私ども決して投下資本以上の資本回収を減価償却費として計上しなければならないということは、一言も申しておらないのでございます。それで結局、お話がありましたように、耐用年数の観点におきまして、物理的耐用年数でなくして、経済的耐用年数あるいは陳腐化という要素を入れた耐用年数で、適正に算定された減価償却を見積っていただく必要があるということを申しておるわけでございます。
○中居委員 たとえば考えに基本的な相違がなかったといたしましても、勧告されている実際のものをとって申し上げますと、改良費あるいは設備拡充費、こういうものが実質的には減価償却と同じような趣旨で、別の名目で計上をされている、こういうことを指摘していると私は思うのでございますが、この点についてはいかがですか。
○石井説明員 行政管理庁の報告書をごらん願うとおわかりになると思いますが、管理庁の方でいろいろ取りかえとして御指摘になっているものは、きわめて狭義の取りかえ費を取り上げて御指摘になっている。これは同種同型の再現という言葉は少し極端でございますが、ほぼそれにひとしい御感覚のものを取り上げて、それを取りかえ費としてお前たちが使った分だという御意見のようであります。私どもの方は資料で御説明申し上げましたように、決してそうではなくして、たとえば電化の進展に伴いまして蒸気機関車を廃止する、それに見合う金額において電気機関車を作るということは、これは取りかえの一種であると考えております。そういうものを計上いたしますと、私どもは減価償却費として計上されている以上に、改良の方へ資金が回っているというふうには考えておりません。ただその資金の使い方につきまして、全体の借入金及び自己資金を合せました資金源を基礎といたしまして、本年はこれだけこれこれの目的の工事をいたしたい、その内容はこれこれこうであるということにつきましては、運輸省あるいは大蔵省の御査定を受けて予算として国会に提出いたしまして、国会の御承認を得て実施している次第でございます。
○中居委員 昭和三十年度の減価償却費は八十数億円ですか。
○石井説明員 昭和三十年度の減価償却費は、予算上ははっきり記憶しておりませんが、たしかその程度かと思います。なおそのほかにこの予算経費として特別補充取替費というものがあります。これはただいまのところ再評価が終っておりませんので、一応減価償却はブックバリュー、帳簿価格でいたしておりまして、その再評価差額を、第一次再評価と比較して見合うものの差額を特別補充取替費として計上しておりますが、通常的な意味におきましては、その両者を合せたものを減価償却費とお考えになっていただいてけっこうだと思います。それがたしか昭和三十年度の予算では二百七十六億ということになっていると思います。
○中居委員 行管と国鉄との減価償却費の数字上の論争は、私は今石井局長が説明されたこの点であると思います。予算上では八十億円ちょっとの減価償却費が計上をされております。ところが国鉄では実質上は二百七十六億円のものを減価償却費とみなしておる、こういう説明でございます。さらに国鉄が昨年私どもに説明いたしました国鉄のいわゆる五カ年計画によりますと、その財政上の処置として、減価償却はどうしても第三次の減価償却によって、年間四百四、五十億円の数字を計上しなければならないということを私どもに説明しておったのでございます。しかしながら今日の国鉄は、第三次はおろか、まだ第一次再評価の段階でございまして、この第一次再評価を基礎にいたしまして八十億の減価償却費を形式的には計上しながらも、国鉄の五カ年計画に従いまして四百億近いところの減価償却費に相当するところの費用というものを、内部の操作において捻出していかなければならない。こういうところに、修繕費がいろいろな面に使われたり、あるいは減価償却が、あるいは改良費というものが、その名称の趣旨に反するような使途に使われておる。こういうところが行管の指摘いたしました原因になっておるのではないかと思うわけでございますが、これらの点について御答弁を願いたいと思います。
○石井説明員 御質問の中にございました減価償却費八十億云々でございまするが、これは行政管理庁の方でも特別補充取替費を含めたものを減価償却費とお考えになって、御議論なさっておると私は拝聴しております。従ってブック・バリューに基くところの減価償却費というのは、この際当面の行政管理庁とのいろいろの意見の相違と申しますか、そういう点についての問題としては何ら上っておらないわけでございます。それで先ほど御説明申し上げましたように、修繕費の問題につきましては、そのうちに管理庁の方では若干資本的支出として整理するのが当然であるという御意見の部分がございます。主として車両の修繕費について、これは私どもはいわゆる損費で計上しても差しつかえないものだという考え方を持っておりまするが、これは明らかに見解の相違でございます。ただその場合に、もしそれを損費計算しないで、かりに御指摘のように資本的支出として整理いたしましたといたしましても、それは国鉄の経営上特に右利になるということはないので、そういう仕事はやはり必要なのだということはお認め願えると存じます。従って資本的支出とすれば、当然後年度において、その資金の回収なりその他で、減価償却費がやはり増高いたして参りますから、結局長い目で見まするときに、国鉄の払っております経費というものは、あまり相違がないのではないか。しかもその点は、金額も非常にわずかと申しましては語弊がございますが、あまり大きな金額ではないので、いわゆる黒字論、赤字論というようなものの基礎となるものは、若干の論点にはなりまするが、本質的な問題は、むしろ減価償却費の絶対額の問題が議論の対象になっている、こういうふうに考えておるわけでございます。
○中居委員 行管の意見を聞きたいのです。
○山口説明員 修繕費の資本的支出の問題につきましては、これは減価償却費の算出の基礎になります耐用年数との関連があるわけでございまして、正確に出しますにはやはり耐用年数の決定が妥当なものになってきた場合に、初めて言えることになるかと存じます。私どもの方で申し上げておりますのは、そういうまだ動く可能性のある要素がございますけれども、現在の取扱いを一応前提に考えますと、耐用年数が過ぎたものにつきまして、なお修繕費で維持しているものがあるわけでございます。それは耐用年数が過ぎたものを修繕費で維持しているということは、資本的支出になっておるものでございまして、特に大きなものとして車両の更新、修繕のごときものにつきましては、これは修繕費でございますと、耐用年数を維持する目的に使われるわけでございますが、現実に耐用年数が過ぎてしまったものを相当数量更新、修繕いたしまして、そうしてなお今後数年使うということになっておりますので、この取扱いはやはり耐用年数を延長するというために使われたものであると見なければなりません。耐用年数を延長する資金は、これはときには資本的支出とみなされておりまするので、さような意味で整理上やはりこれは資本的支出として取り扱うべきものであろう、かようなことを申し上げたわけでございます。
○中居委員 時間がきましたから最後にもう一点、運輸大臣にお伺いしたいと思います。現在の国有鉄道は公共企業体でございまして、公共性と企業性というものの二重性格を持っている団体でございますが、公共性を要請されると同時に、独立採算制というものを強要されている、こういうような答弁、あるいは質問、あるいはこれを肯定するような答弁等がございましたが、この公共企業体が公共性と企業性を持っておるということについてはだれも異議はないと思いますが、私は独立採算制というものを果して強要しておるものであるかどうかということについて承わりたいと思います。
○吉野国務大臣 今の日本の国有鉄道法が徹底的に独立採算制になっているかいないかということは、これはいろいろ問題があると思います。要するに私の考えから申せば、この公共企業体という国営の一つの形は、第一次戦争後に起った新しい形態でございまして、各国におきましても立法例は非常にまちまちでございまして、その理論もまだいろいろ進化の道程にございまして、きまっていないのでございます。私も実は第三者として行管の方のいろいろな議論を伺っておりましても、公共企業体の本質というものについてまだ定説がない。しかし各国にはいろいろな立法例がございますから、やはりその公共企業体の本質論というものを研究いたしませんと、私はいろいろな問題がめんどうだろうと思います。たとえばさっきお話のありました国鉄の資産が、長崎総裁は国有財産ではないと言った。それは国有財産法に言ういわゆる国有財産ではないでしょうし、国有国営の形のものを総裁が一度にぽかぽか処分ができるということは、これは常識が許さない。これは一つの例でございますが、もしそれがこの法律で勝手にやってもいいことになっておれば、非常な法律の不備だろうと思う。そういった根本の問題がいろいろあると思いますが、根本の問題を相当に掘り下げませんというといろいろな問題の解決はつかない。少しくどくなりましたけれども、私はそういうふうに思っております。従いまして独立採算制という意味も、どこまでやるか、日本の現状、ことに日本の国鉄につきましては、御承知の通り戦争中あるいは戦後の不自由なときにすり減らしたものがございますから、この復旧の計画というものは初めからやっていないのですから、それを現在ランニングしている収支から出すということに私は無理があると思います。そういったいろいろな変態的なものがあるので、ただいま傍聴しておりますと、償却費の問題についてもいろいろな立場からやっておるのだけれども、私から言わせれば議論はそもそも末のことだろうと思うのです。もう少し日本の公共企業体としての国鉄というものはどういうあり方があるか、そこに実は力を入れてやってみたい、こう思っております。
○中居委員 今の答弁以上の答弁は期待できないと思いますが、私は常日ごろ、公共企業体としての国鉄に——あるいは電電公社でもしかりでございますが、公共性を強要される、これは当然のことでございます。その半面、独立採算制というものを絶対的な条件として強要される、こういう政府の考え方というものが間違っておるのではないか、こういうふうに考えておったのでございます。今日までの公社に対する政府の考え方が、公共性と企業性、すちなわ独立採算制という二つの無理な条件を強要してきたところから、いろいろな問題を惹起しているのではないか、こう考えるわけでございます。そこで、先ほど天坊副総裁が言われましたように、企業性というもの、独立採算制というものを政府が強要しておる限り、国鉄にはもっと財政的な自主性を与えてもらわなければ——政府が要請しておる二重性格をもっては国鉄は運営ができない、こういう結論になると思うのでございます。たとえばその財政的な自主性というものが、どういうことを意味しておるか私にはよくわかりませんが、予算編成の問題もあるでしょうし、あるいはまたもっと発展いたしまして、運賃の決定についての自主性という問題を示しておるかもしれないのでございます。もしもそういう自主性を国鉄に与えるといたしましたならば、これは公共性が全然なくなってしまう、こういうことに相なると思うのでございますが、さっき副総裁が言われました財政的な自主性ということは、どういうことでございますか。
○天坊説明員 いろいろ言い方があろうかと思いますが、ただいまお話がございましたように、やはり予算制度という中に入っておりまして、特別の場合がなければ、予算に指定された額以上に支出ができないということもございますし、さらに今お話がございましたように、輸送力を増すことが重要な仕事でございますが、その運賃の決定については、全然自分できめるのではないということもございます。あるいはまた鉄道の収入を民間の銀行に預けるということもできませんし、また貸すこともできないというような点、結局私どもの自主性の中では、それができるとできないとの違いは相当大きなことになって参るというふうに考えます。
○中居委員 今の質問に関連するのでございますが、先般国鉄総裁から電化十カ年計画の説明を私ども聞いたのでございます。これによると、十年間に三千三百キロ、予算千八百億円をもってどうしても推進したい。この財源措置については、現在国鉄は毎年七十億円程度の費用を電化に振り向けておるから、この程度のものは国鉄の自主財源でまかなっていきたいが、あとの百億円はどういう形ででもいいから調達してもらいたい、捻出してもらいたい、こういう説明であったように私承わっておるのでございます。これはただ一つ電化の問題でございますが、さっきも申し上げましたように、昨年私どもはいわゆる国鉄の五カ年計画というものを承わりました。この五カ年計画の一環の中にこの電化三千三百キロも入っております。さらに車両の取りかえであるとか、いろいろな国鉄の近代化の設計というものが説明されております。そしてこれに要する経費として五カ年間に四千四百三十億円必要である。そしてこれの調達については、償却費によって約二千三百億円をまかなって参りたい、あとの二千九百億円は国鉄の自主財源でまかなっていきたい。ところがこのうちの手数百億円はどうしても現在の運賃料金では解決できないから、運賃改訂によって解決をはかりたい、こういう説明でございました。昨年度は国鉄の立場としてこのようなはっきりした態度を出しております。ところが今度の電化十カ年計画についての財政的な説明は、どうでもいいのだ、とにかく出してもらいたい、こういうような投げやりな態度をとっている。これは国鉄を担当する者として決して責任ある態度ではないと思うのでありまして、藤井常務理事からは国家投資にしてもらいたいという話でありましたが、十河総裁は、どういう形でもよいから出してもらいたい、こういうことで、私は責任ある者としての態度に非常に欠けておると思ったのでございます。明年度の予算編成を目前にいたしまして、これらの点についておそらく政府と国鉄との間では、相当突き詰めて話し合いが進められていると思うので、もし事情が許せるなればこの際これらの経過について一言触れてもらいたい、こう思うわけでございます。
○天坊説明員 先般御説明を申し上げました電化計画の趣旨については、御了承を得ていると思うのでございますが、その資金調達の面について国鉄は非常に投げやりな行き方をしているとおしかりを受けたわけでございます。決してそういうつもりはないのでありまして、非常に大きな問題でございますので、総裁の気持といたしましては、むしろ各党の交通政策として大きく取り上げていただきたいという点を今申しているわけであります。その点について今自民党の方あるいは社会党の方にも、それぞれ事情を聞いていただくように話を進めているのでありますが、なかなか機会を得て十分御了解を得る段階にまだ達していないのであります。私どもといたしましては、十年計画のうちの第一期の五カ年計画の第一年目を来年度に迎えるわけでございますので、来年度の予算といたしましては、先ほどお話がございましたが、五カ年計画の従来の大体八百億という線から九百億くらいの線にいたしまして、具体的にどの線をどうやるかということも議論があろうと思いますが、大体百二、三十億を電化の初年度の経費としてその九百億の内裏に入れ、今折衝をいたしておるわけであります。九百億の内裏は、私どもの考え方といたしましては、いろいろ御議論願っております減価償却に当る分を四、五百億自己資金で出したい、残りの四、五百億について何らかの処置、今の建前で行きますれば結局資金運用部資金を借りる分あるいはまた鉄道債券による分、こういう分でやっていくより仕方がないと思いますが、総裁が申しているのは、民間からもう少し幅広く借りられる分があれば借りたい、こういうのであります。決して資金調達の面を投げやりにして問題だけを出しているというわけではございませんので、その点御了承を得たいと思います。
○中居委員 時間が参りましたから結論を申し上げますが、昨年私どもに説明しました国鉄の五カ年計画というものは、部分的には非常に意見があるといたしましても、これに要する財政的な処置はこうするのだということで、計画としては私は非常にりっぱなものであったと思っております。その国鉄の改良計画の財政的な一つの根底をなしておりますのは、今日までの国鉄と政府との関係におきまして、現在以上に国鉄に対する融資なりあるいは投資なり、二百億円程度でございますが、これ以上のものを期待することは不可能である、しかも激増する輸送というものに対する国民の要望にこたえるためにはこうしなければならぬ、こういう結論を出しておられました。あの計画というものは、私は国鉄経営者として一つの責任ある態度であったと考えております。これに対する賛否の問題はあとにいたしましても、非常にりっぱな一つの方針であったと思っておるわけでございます。しかし今回の電化計画を契機といたしましての国鉄の財政的な態度には、何か非常に他力本願的なものが見受けられる、こういうことを私は遺憾に思っておるわけでございます。しかも、もしも政府が公共企業体という、先ほど私が申し上げましたような性格を誤解いたしまして、公共性と独立採算制というものを二つともこの公共企業体という性格で実現せい、こういう考えをもって国鉄に対する財政というものを考えるといたしましたならば、百年河清を待つにひとしいと私は思うのでございます。運輸当局におきましても、大臣は閣議等を通じまして、今日の国鉄の計画というものについての財政的な処置を講じなければならぬ、こういう抜本的な考え方をすみやかに決定いたしまして、そしてすみやかに私どもに示してもらいたい、こういうことを要請いたしまして、一応本日の私の質問を終了します。
○關谷委員 私、次に御質問申し上げたいと思います根本になりますので、中居委員の質問に関連をいたしまして、一点だけお尋ねを申し上げたいのであります。ただいまの中居委員の質問に対しまして、はっきりしておらないのでありますが、国有鉄道が公共企業体として、一方には公共性ということを当然重視しなければならないので、それを第一眼目とすること、これは間違いないのでありますが、今の独立採算を強要せられておるのかおらないのか、こういう点につきましての回答がはっきりしていないのであります。私がお尋ね申し上げたいと思っておりますることは、いずれ次の機会に申し上げるのでありますが、公共性を発揮しながら独立採算制を保っていくところに、今度の国鉄あたりが答弁をいたしております答弁も成り立つのでありまして、もしもこれが公共性を強要せられていないのだという原則に立つのでありましたならば、行政管理庁の言うことが全面的に通る、このように私は考えておるのでありますが、運輸省並びに国有鉄道は、中居委員が今問われましたところの独立採算制ということを強要せられておるのかどうか。強要と申しまするか、要請せられておるのかどうかということについて、はっきりとした答弁がなかったのでありますが、これは私が次の機会に御質問申し上げます基本になりますので、はっきりとお答えを願いたいと思います。
○吉野国務大臣 今のお言葉の独立採算制という意味ですが、これはもし企業に対して金をつぎ込んだ場合に、その収支決算をはっきりしなければならぬという意味におきましては、独立採算制なんであります。しかし国鉄の企業というものは、独立採算制という意味が、つまり自分の収支の範囲内において国鉄を経営するのだというと、その意味においては独立採算制ではないわけであります。普通の会社と違うのですから、国において国の政策を行わしめるのだ、国の政策を行わせるわけでありますから、国の政策をやる場合には、御承知の通り現に多額の財政投資もやっておりますので、その限りにおいては独立採算制というものは強要しておらないのであります。そう私は考えております。
○天坊説明員 公共企業体として事業をやらされております私どもといたしましては、結局独立採算制を守っていかなければならない。それからもう一つ、ごく最近まで、国鉄の利益金あるいは損失に対して、特に損失があった場合にはあとを埋めるという規定があったわけであります。それがこの前の国会でございましたか、赤字を埋めないというようなふうに改正ができておる。そういう点から申しますと、結局私どもは独立採算制を強制されておるのだというふうに私は考えておるのでございますが、私はそう思います。
○關谷委員 大臣の答弁と違うが、大臣よりもう一ぺん答弁してもらいたい。
○吉野国務大臣 私が申し上げたことと矛盾はしていないと思うのであります。つまり独立採算制という意味が、さっき国鉄の当局者が申しましたように、自分でもって収支が合うようにどこまでもやるのだという意味においては、それは独立採算制でやっているでしょう。しかし国鉄というものは公共企業体で、これは一つの国営の形式でございますから、収支だけではいかぬのです。いろいろ国の政策をこれをして行わしめるのであって、それがために莫大な財政投融資もやっておりますから、そういう意味では独立採算制ということを強要はしていない、こういうことを申し上げたのであります。
○松山委員長 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○松山委員長 速記を始めて。 午後は本会議等もありますので、一応二時半から再開いたしたいと思います。 暫時休憩いたします。 午後零時五十二分休憩 ————◇————— 〔休憩後は開会するに至らなかった〕