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22回国会参議院1955/06/29

予算委員会 第37号

発言数
9
登壇者
5
会派数
4
開催日
1955/06/29

会議録

館哲二緑風会

○委員長(館哲二君) これより委員会を開きます。  昨日及び本日にわたりまして、各分科会において御審議をお願いしたのでありますが、これより各分科会の主査から、分科会の審査の経過について御報告をお願いいたします。第一分科会主査池田宇右衞門君。

池田宇右衞門自由党

○池田宇右衞門君 第一分科におきまする審査の経過を御報告申し上げます。  第一分科に付議されました案件は、昭和三十年度予算三案中、皇室、国会、裁判所、会計検査院、外務省、大蔵省、郵政省及び他分科所管外事項に関するものでございます。  分科会におきましては、昨二十八日午後三時より直ちにこれが審査を開始いたしまして、当日は皇室、国会、大蔵省及び外務省所管の予算につき、また本日は裁判所、会計検査院及び郵政省所管予算につきまして、それぞれの当局より説明を聴取し、質疑応答を行なったのでございます。これらの詳細につきましては、速記録によりごらんを願うことといたしまして、ここには質疑応答のおもなるものにつきまして、御紹介するにとどめたいと存じます。  第一に皇室費におきましては、昨年八月焼失いたしました京都御所小御所の復旧並びに防災施設に必要なる経費に関連いたしまして、「昨年の小御所の火災にかんがみ、重要文化財の維持管理をその後どういうふうにしておるか、防災に必要な経費はどのくらい取ってあるか」等の質疑に対しましては、「昨年の火災以来、皇宮消防の特別訓練を行うとともに、火元については格別に注意するようにしておるほか、消火施設等も予算に組んでおる。正倉院については木造ではあるが、万一を考え、新しい鉄筋の宝庫を作り、文化財をこれに移しかえることにしている。また防災に必要な経費としては、京都小御所について相当額を計上していろほか、施設費についても相当部分が充当されている。その他の離宮の防災についても万遺憾なきことを期している。」等の答弁がございました。  第二に、国会所管につきましては、「参議院関係歳出予算が前年度に対し二千三十万円減少している理由は何か。列国議会同盟の経費は両院が分担して持つのか、その額は幾らか。図書館の経費のうち資料購入費、図書購入費等は図書館の全予算の一割ではあまり少な過ぎはしないか、また図書館の利用状況はどうなっているか、図書館の専門調査員は老齢者が多く、失業救済の感が深いが、実際の役に立っているか。」等の質疑に対しましては、「参議院関係歳出予算の減少は、砂防協会所有地の交換が終ったこと等が主要原因である。列国議会同盟の経費は二百二十八万七千円であり、衆議院が持つことになっている。図書館の資料購入費等についてはもっとほしいが、要求五千万円に対し千七百万円しか認められていない。また図書館の利用状況については議員からの調査依頼の件数は、五月だけで三百十一件であり、各常任委員会からの調査依頼の件数は、ここ二年間ぐらいで参議院が二百七十六件、衆議院が二百一件、政調会では五十七件、参議院事務局五十件等である。なお専門調査員は現在九名であり、老齢者もいるが、役に立っているものと思う。」旨、それぞれ答弁がございました。  第三に、大蔵省所管につきましては、「たばこの売れ行き不振を打開する方法は値段の引き下げ以外にないのではないか、専売公社の予算は収入の方があまり多くないのに、支出の方が多いのはどうした理由によるか。塩については百九十五万トンも輸入しているが、多少高くとも国産を奨励した方が経済自立のためにもよいのではないか。」等の質疑に対しまして、「たばこの売れ行き不振については、値段を下げてもそれ以上販売数量が増加することは考えられないので、値段の引き下げは考えていないが、新製品の発売を考えている。公社の予算で収入の割に支出が多いのは、収入面においては低い値段のものが売れるが、高い値段のものは売れないためであり、支出の方はたばこ消費税の平年度化に伴う三十二億の支出増と、数量の増加に伴う施設費の増加二十七億円がおもなる理由である。塩の国内自給策については、内地塩は設備能力は現在六十五万トンであり、実際の生産量は四十五万トンである、これでは食料塩の半分ぐらいに過ぎず、残余は全部輸入に待っている現状であるので、最小限食料塩ぐらいは自給塩にしたいというのが公社の考え方であり、昭和二十五年の閣議決定により、いろいろ施策が講ぜられているが、成績が上っていない状況である。」等の答弁があったのであります。第四に、外務省所管につきましては、「外交運営の充実に必要な経費はどのくらいあれば十分か。また目下行われている日ソ交渉の費用はどこから出ているか。」等の質疑に対しまして、「外交運営に必要な経費は二億円では不十分であり、五億円はほしい、またこれには従来のような機密費の取扱いがないため、会計検査院の検査を受けるので、今後はぜひ機密費としての承認を得るよう関係各省に早急に協議したい。また日ソ交渉の経費は大蔵省の承認を得て平和回復善後処理費から二カ月分として二千万円持たせてやってあるが、交渉は二カ月で片づくものと見たわけではなく、長引けば当然また予算を出す考えである。」等の答弁がなされました。  第五に、郵政省所管予算につきましては、「郵便貯金、簡保資金等が財政投融資の中の五八%を占め、産業投資に重要な役割を果しているが、現状及び将来の見通しはどうか。最近の金利引き下げの方向に関連して地方団体等に対する貸し付け利子を六分五厘よりも下げるべきではないか、また簡易保険の最高制限をもっと上げていく考えはないか。」等の質疑に対しましては、「郵便貯金の今年度における増加目標は昨年度の実績九百九十四億円に比し約一〇%増の千百億円になっているが、これについては今年三月ごろには一時伸びが減少したが、四月以降また伸びを取り戻しているので、今後の情勢も考え目標額達成に務めたい。簡易保険の昨年の募集目標は十二億円であり、実績としては六億円程度に過ぎなかったが、今年は十三億五千万円を募集目標としており、五月二十日現在では昨年同期の七五%に対し今年は五〇%であり、二〇%内外落ちている。貸し出し金利の引き下げについては考えられないこともないが、現状においては原資の予定利回りが四分でも無理があることと、保険料の付加損を減らし得ない状況にあるので、貸し出し金利の引き下げは現状においては困難であるが、将来の問題としては考えたい。また簡易保険の最高制限については十五万円に引き上げ後間もないので提案しなかった。」等の答弁がありました。さらに、「衆議院における修正の結果、資金運用部引き受けの金融債は市中消化に回されたが、簡保資金の方の分も市中消化に回すのは不見識ではないか。」との質疑に対しましては、「今年度ははずされたが、法律改正は行うから、来年度においては全体の投融資計画の中に入れば引き受けをやる。」との答弁がせられたのであります。  また電電公社関係につきましては、「電話申し込みに対する架設の状況、及び五カ年計画完成後の状況はどうなるか。」等の質疑に対しましては、「現状においても毎年加入者増設を十八万ないし十九万個行っても、なお相当残る現状である。五カ年計画完成後は約九十万個増設されることになっているが、依然として四十万個残る見込みである。また地方の電話架設は全体の三〇%内外であり、特に農山漁村には公衆電話の増設に重点を置き、毎年三十個くらい架設してきている。」等の答弁がありました。  第六に、裁判所所管予算につきましては、「政府において経費の節約の観点から、大臣公邸の廃止等を行っているのに、最高裁判官等に多くの公邸が使われているが、経費の節約についてどう考えているか。また全国の裁判所に修理を要するものが相当多いと思うが、今年度の営繕費は十分であるか。」等の質疑に対しては、「営繕費については特に苦心をしているところであり、昭和二十五年以来毎年八億円ないし六億円を認められておるのでありまして、二十九年度においては三分の一に押えられたため、二重予算権の発動まで考えたことがある、今年度は五億円認められているのでやっていけるものと思う。また最高裁判官の公邸は住居と裁判関係の書類審査等のために使われており、その経費は三十年度二百九万七千円である。廃止についての御意見は十分拝聴して検討したい。」等の答弁がありました。  第七に、会計検査院所管予算につきましては、「今年度検査機能発揮の要請に応ずるため、前年度に比し予算を増額しているが、現状及び今回の措置により検査機能がどのように改善されているか。また防衛庁の検査はどういうふうにしているか。」等の質疑に対して、「今回の措置は、検査報告掲記件数及び審査対象件数の増加に伴うものであり、増加される職員は建設省、農林省、厚生省、労働省関係の補助金及び船舶利子補給関係に充てられるものであるが、これにより検査能率は相当に上昇する。また防衛庁については国の予算の大きな部分が使われているので、特に重点を置いて検査している。」等の答弁がありました。  以上をもって第一分科に付託されました予算の審査を全部終了いたした次第であります。  右、御報告申し上げます。(拍手)

館哲二緑風会

○委員長(館哲二君) 第二分科会主査石原幹市郎君。

石原幹市郎自由党

○石原幹市郎君 第二分科会に付託されました案件は、昭和三十年度一般会計予算、同特別会計予算及び同政府関係機関予算のうち、内閣、総理府及び通商産業省所管に属するものであります。  昨日午後から先ほどまで関係各省庁担当国務大臣及び政府委員の出席を求め、各委員との間に熱心な質疑応答がなされたのでありまするが、その大要を御報告申し上げます。  まず防衛庁関係におきまして、「最近の防衛計画は航空機すなわちジェット機等消耗度の高いものが漸次多くなる関係から、施設費のうち機材費の占める割合が高くなっていくのではないか。また陸海空軍別でアメリカから貸与されて使用中の兵器、弾薬を価額に見積ればどのくらいか。また兵器の更新率はどの程度か。現体制維持に必要な消却率いかん。」等の質疑に対しまして、「一般論としては器材費の割合は上ってくる。アメリカより貸与されている兵器弾薬類を本年三月末で計算すれば、陸上七百八十六億円、海上三百六十五億円、航空二十四億円、総計千百七十五億円となっている。また更新の問題は、陸上一〇%ないし一二%、海上は年々修理していく建前なのでその率は出しにくい。航空機は大体二割ぐらい、すなわち五年の寿命といえる、三十年慶予算では修理費は見込んであるが、更新費は計上されていない、正確に言えば不十分であるということになる。」との答弁がありました。  また「防衛庁予算の繰り越しについて現在わかっている繰越額は幾らか、毎年多額の繰り越しがあるのは使用し切れないほどの予算をとるからではないか、その結果、会計検査院で指摘されるような乱費、不当支出を惹起するに至るのではないか。」等の質疑に対し、「二十八年度から二十九年度への繰り越しは二百五十七億円であったが、これは二十九年中に全額消化済みであって、それは機材費が半分を占めていた、二十九年度から三十年度へは二百三十五億円で、その八割が防衛庁施設費、すなわち船舶建造費と施設整備費で、機材費は二割しかない。三十年度予算では前年度の繰り越しが多かったので施設費は減っている。使い切れない予算は組まない方針でやっている。」との答弁がありました。  次に、自治庁関係において、「地方財政計画は従前の赤字は別としても三十年慶だけで百億をこえると言われているが、その対策は合理的にできたか。」との質疑に対し、「三十年度赤字の根拠は二十八年度決算を基礎に職員の給与費を組んだことにある、そのときのべースは高いので、これをそのままとると不公平になるので、今年中に全面的な調査を行い、大体九月ごろその結果がわかるので、その上で訂正することにし、それまでは一応従来通りの財政計画でやるが、赤字は極力節約して、苦しいが何とかなる見込みである。」との答弁がありました。  次に調達庁について、「国連軍による事故補償の未解決事項はどうなっているか。」との質疑に対し、「今問題になっているのは漁業の補償関係であるが、余り遷延することは許されないと考え、日本側が国連側に支払うべき債務を押えているものの中から近く被害漁業者に対して補償しようと考えている。時期は予算にも計上してあるくらいだからそう長くはない。」との答弁がありました。  次に、通産省関係では、原子炉の問題について、「工業技術院の五カ年開発計画の中には濃縮ウラン受け入れの問題は入っていたか、入っていないとすれば、五カ年計画は変更するのか。」との質疑に対し、「五カ年計画の中には入っていない、しかし濃縮ウラン受け入れ後も既定の計画はそのまま研究を実施する考えである」。  次に六カ年経済計画について、「現在でも為替は強い管理下にあり、金融にしても各種特殊金融機関は整備しており、財政投資も税金を吸い上げて適当にこれを行なっている。かように自由主義経済を基調とする現在においても完全な自由でない、そういうときに六カ年計画を立案し、国民の協力を得てやるといっても、その前に政府の施策が出てこなければ机プランに終るおそれがある、たとえば米価問題だが、その動きは世界の動きとむしろ逆行している現象のごとき何とか解決するようでなければ、計画実行上信用できない、米にしても総合食糧政策に転換されねばならぬことは疑問の余地はあるまい。それならそういう食糧政策を鋭角的に出すのがよい。そういう施策が六カ年計画の基調にならねばだめだと思うがどうか。」との質疑に対し、「経済政策はあまり急激に変えられない。米価にしても国際水準に持っていくことは至難で、アメリカ農業の例を見ても、日本農業の特性からその競争はできない。やはりその経営を多角的に、その生産物は加工するというように持っていくのがよいと考える。」との答弁がありました。  以上のほか、電源開発問題特に御母衣ダムの問題、軍人恩給に関する事項、警察官の待遇問題、その他各般にわたって活溌な審議がなされたのであります。  以上報告を終ります。(拍手)

館哲二緑風会

○委員長(館哲二君) 次に第三分科会主査佐多忠隆君。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 第三分科会の経過を御報告いたします。  本分科会に付託せられました案件は、昭和三十年度予算中農林省、運輸省及び建設省各所管の予算であります。  本分科会は昨日の午後と本日の午前、午後にわたって審査を行い、各委員と政府当局との間に、終始熱心な質疑が行われまじた。以下その質疑応答のうち若干のものについて申し上げます。  まず農林省所管でありますが、農地災害復旧事業について「三十年度残事業量が四百十三億円の巨額に達しており、しかも二十六年災がまだ残っておるのはなぜか、本年度予算に災害復旧事業費として百二十七億円が計上されているが、しかし従来の仕越し工事が百五億円もあるので、実際には予算の大部分は仕越し工事に食われて、本年度分の事業はほとんどできないのではないか。」などの質疑がありました。これに対し政府側から「一兆円予算の制約と、過年度災の全面的な再査定が手間どっているため、災害復旧が遅れており、特別立法の行われた二十八年の災害すら、三年目の本年度予算で六五%を完成し得るにすぎない、仕越し工事についてはよく研究して万遺漏なきようにしたい。」との答弁がありました。  アメリカ余剰農産物見返り円資金の農業開発向け三十億円の配分についての委員の質疑に対し、政府側から、愛知用水二十四億五千万円、篠津四億五千万円、上北及び根釧おのおの五千万円を予定しているとの説明があった後、「これらの四地区の農業開発には五百六十億円という莫大な事業費を必要とするのであるが、このため他の既定計画に悪影響を及ぼし、食糧生産に支障を来たすことはないか。」との質疑がありましたのに対し、「四地区の開発に要する費用は既定計画に見合う食糧増産対策費や財政投融資のワク内に食い込ませず、別途増額する方針である。」との答弁がありました。  漁港施設の拡充につきまして、「政府案では、既着工地区の早期完成をはかることに重点を置いているが、衆議院の修正により、二億五千万円を増額したので、ある程度新規の着工を必要とするのではないか。」との質疑に対しまして、「新規着工を要すると思う、ただどの漁港を選ぶかについては、昭和二十六年にできた漁港整備計画にその後の情勢の変化に即応した改訂を加える必要があるので、それとも関連して検討中である。」との答弁がありました。  なお米価問題並びに水産対策に関し、河野農林大臣に対し質疑が行われました。  次に運輸省所管でありますが、「国鉄予算は収支の均衡がなかなか困難のようであるが、三十年度において運賃の引き上げをするつもりはないか、最近のように自動車の発達した時代には鉄道の新線建設よりも、むしろ道路を整備して自動車に重点を置くべきではないか。」などの質疑に対し、三木運輸大臣から「国鉄運賃は近き将来改訂を要すると思うが、さしあたりは経費節約その他の方法で対処してゆく考えで、年内には引き上げる考えはない七鉄道は鉄道として欠くことのできない交通機関であるから、新線建設をやめる考えはないが、自動車の発達に伴い道路を整備するということについては全く同感である。」との答弁がありました。  海運の問題について、「丸善石油のタンカー建造の例に見るように、将来外資で優秀大型のタンカーが続々とできるようになると、日本の海運界が外国資本に左右されるというおそれがあるが、運輸大臣は右の申請を認可するつもりかどうか、外資によらない造船こそ急務ではないか。」との質疑に対しまして、「現在タンカーは絶対的に不足しており、国内の資金には限度があるので、外資による建造そのものには反対すべき理由はないと思うが、ただこの傾向が今後どの程度に現われるか、またそれによって海運業者がどのような影響を受けるかについて十分見通しをつけた上で慎重な措置をとるつもりである。」との答弁がありました。  「航空関係予算として国際航空事業補助費として三億五千五百万円、別に日航に対する政府出資として十億円を計上しているが、このような手厚い助成策を講じなければ日航がやっていけない原因はどこにあるか、操繰や航空管制業務は今後どのくらいたてば日本人の手でやれるようになるのか。」との質疑に対しまして、「日航の操縦士は外国人でやっている関係上人件費が相当膨脹する、国内線の操縦士は遠からず全部日本人となるが、国際線は三年くらいかかる、航空交通管制業務もすみやかにわが国へ移管できるよう引き続きせっかく努力中である。」との答弁がありました。  最後に、建設省所管でありますが、「経済六カ年計画に見合う治山治水計画ができているか、二十八年に作った治山治水十カ年計画はどうなっているか、治山治水事業の経済効果を調べているか、計画の進捗率はどうか。」などの質疑に対し、竹山建設大臣より、「六カ年計画については大まかな輪郭だけは考えている、治山治水十カ年計画は純技術的なものであるから、内閣が変っても大体踏襲している、治山治水の経済効果についての調査は今年の十二月までには完成する予定である、治山治水のごときものは、毎年予算をつける従来のようなやり方では、とうてい円滑に推進が困難であるから、漸を追うて継続費予算を採用すべく努力している。」との答弁がありました。  なお、災害復旧に関する質疑に対しまして、「災害復旧に関し、会計検査院の批難事項が多いのは遺憾であるが、今回査定官十名を増員し、全部現地査定を行い、不正不当を未然に防止することに努めるとともに、制度上の欠陥を改める必要もあるので、国庫負担法を改正して、補助率を引き上げたり、復旧を三年で行うことを明確に規定して、地方に無理をしいないこととしたい。」との答弁がありました。  住宅問題につきましては、「住宅四十二万戸の建設に必要な宅地造成の具体的な計画はどうなっているか、農地との関係についてはどのように考えているか。」との質疑に対しまして、「住宅公団で十億円の経費をもって百万坪の宅地を造成することとなっており、公団住宅二万戸分を除いた残り六、七十万坪は、公営、公庫または一般の宅地に提供できる、このほかに国有地三、四十万坪を公団に現物出資として提供させることも考えている。なお東京附近の緑地八百万坪について、住宅建設ができるよう緑地としての制限を解除した、農地との調整については立法措置は行わず、農地の処分等については、農林省と話し合いの上で解決したい。」との答弁がありました。  その他各省所管につきまして、多岐にわたる質疑応答が行われたのでありますが、その詳細につきましては、速記録によって御承知を願いたいと存じます。  これをもって質疑を終り、第三分科会の審議を終了いたしました。  以上御報告申し上げます。(拍手)

館哲二緑風会

○委員長(館哲二君) 第四分科会主査松澤兼人君。

松澤兼人日本社会党(第二控室・右)

○松澤兼人君 第四分科会の審議の経過を御報告申し上げます。  本分科会は六月二十八日午後まず法務省予算の審議を行い、花村法務大臣より同省所管予算の大要説明を聴取いたしました。三十年度法務省所管経費要求額は、衆議院における修正増三百万円を加え総計二百二億三千六百九十九万余円でありまして、前年度より五億二千八百四十二万円の増加となっております。その内訳は省略させていただきますが、これに対し「人権擁護関係の予算が削られているのはいかなる理由か。公安調査庁の予算が大幅に増額された内容及び理由は何か」等の質疑がありましたが、花村法務大臣より「本年度予算は営繕費の増額に主力を注いだので、人権擁護の経費が若干減っているが、旅費等は増加しており、軽視しているわけではない。公安調査庁の経費増のおもなる内容は、人件費二千五百万円と破壊活動調査費の増四千五百万円で、これは二十九年度途中から流用で増額を認められたものを、三十年度は年間分として要求した。日ソ、日中関係の展開に伴う出入国者の増加に備えるという含みもあるが、かねてから公安調査庁の弱体を強化したいという計画の一部である」との御答弁がありました。  次しで、文部省予算の審議に入り、寺本政務次官より、同省所管の経費要求について大要の説明がありました。昭和三十年度文部省予算は、政府原案に対し、衆議院において科学振興費一億五千万円、産業振興費、育英事業費、危険校舎改築費補助に各一億円、私立学校助成費に一億五百万円、ほか四項目にわたる修正がありまして、その総額は一千二百三十七億八千六百余万円であります。「二十八年度以降児童の数の増加率に比し、教員定数の増加率はこれよりおくれており、義務教育の基準が逐年低下しているのではないか。二十九年は文部省の認めた教員の増加に対し、現実には七割弱しか充足されなかった。地方財政の危機が義務教育の完全実施を危殆ならしめていることに対する対策はないか」という質疑がございましたが、「教員の増加は、二十九年度の実績を基礎に算出してある。地方財政が苦しくなると、義務教育にもいろいろ悪影響が出てくのは事実である。交付金をふやすより義務教育費国庫負担の率を引き上げる方が文部省としては望ましいと考えているが、まだ話し合ってはいない」と松村文相より答弁がありました。そのほか僻地教育振興、危険校舎、不正常授業の解消、教科書問題、新生活運動展開の具体的方針などをめぐって、文部大臣に対し熱心な質疑がなされました。  六月二十九日には、まず厚生省所管予算の審議を行い、川崎厚生大臣よりその概要説明を聞きました。昭和三十年度厚生省一般会計予算要求額は、衆議院における修正追加九億五千三百八十万円を含めて総額八百四十六億一千二百五十五万余円であります。修正増の内訳は、国民健康保険助成費に三億五千万円、水道施設費に九千三百八十万円、簡易水道施設費補助に二億円、覚醒剤対策費に一千万円、社会福祉費に七千万円、戦傷病者戦没者遺族援護費に一億四千三百二十八万円、留守家族援護費に三千四百七十二万円、旧軍人遺族等恩給事務処理費に五千二百万円であります。また厚生省所管の特別会計予算は、厚生保険特別会計が、健康勘定が歳入歳出とも五百三十二億七千九百余万円でありますが、この中の健康保険においては、前年度及び本年度の赤字補てんのため特別措置が講ぜられております。日雇い健康勘定は歳入歳出とも二十二億二千三百万円、年金勘定は歳入四百五十億一千九百余万円、歳出九十二億九千五百余万円、業務勘定は歳入歳出とも二十二億三千五百余万円であります。船員保険特別会計は歳入四十五億九千八百余万円、歳出四十億六千七百余万円、国立病院特別会計は歳入歳出とも七十八億五千四百万円であります。最後は、新たに設けられましたあへん特別会計でありますが、これはあへん法に基き、アヘンの輸入売り渡しを独占的に行うもので、歳入歳出とも一億九千六十三万円余であります。  質疑に入り「医薬分業実施費として一千三百万円が計上されてあるが、医薬分業に対する政府の態度はどうか。新医療費体系は再検討するか」というに対しまして、川崎厚生大臣は「医薬分業はその一部でも年度内に実施したいと考えて、その準備を進めており、新医療費体系の検討も九月ごろに結論を得たい」と答弁されました。また「政府は蚊・ハエ撲滅運動をやるよりだが、真剣にやるのか。これと新生活運動と結びつけてはどうか」との質疑に対しましては、厚生大臣より「三カ年計画で都市地帯と農村ではモデル地区とその周辺が完成するよう努力する。予算は下水道補助費、清掃関係経費、失業対策事業のうちのどぶさらい、塵芥掃除など、既定の事業費約八十一億円について、蚊・ハエ撲滅の目標を掲げて施行することに了解を得ている。新生活運動の五千万円の中から一千万円くらい、この運動の啓発宣伝に使い得ると考える」との答弁がありました。なおこのほか水道行政、覚醒剤対策、競馬の益金による社会福祉事業強化の問題、保育所、季節託児所予算削減の問題等、熱心な質疑が行われました。  次に、労働省予算の審議に入り、西田労働大臣より予算の概要説明がありました。昭和三十年度労働省所管一般会計歳出は、衆議院修正でけい肺等特別保護費負担金として一千三百万円が追加されまして、総額は三百三十九億九千七十三万余円であり、前年度に比し四十七億二千二百余万円の増加となっております。その大部分は失業対策費の増加によるものでありまして、失業対策事業費補助、失業保険負担金、政府職員退職手当金を合せてその総額は二百八十八億八千余万円に上っております。  特別会計は二つで、労働者災害補償保険特別会計が歳入歳出とも二百三十二億五千六百余万円であります。本年度から懸案のけい肺病患者等に対する特別措置が講ぜられることになり、その経費十二億八千四百余万円が計上されております。失業保険特別会計に歳入歳出とも四百五億九千三百余万円であります。  質疑に入り「現下の日本において婦人の就労問題はますます重要性を加え、かつ一方で婦人の就業が困難になりつつあるのに、政府当局はとかくこれを等閑視するきらいがあるのではないか。ILOの婦人労働に関する条約の規定では、産後休暇を六週間以上としているが、日本の基準法では五週間となっているのはどういうわけか」との質疑がありました。これに対して西田労働大臣は「婦人の就労問題の重要性は十分認められている。婦人少年局の機構は従来あまり小さかったから、漸次拡大をはかる。ILOの婦人労働に関する条約はまだ批准していないが、日本は国内法を改正し、この条約を批准すべきだと思う」との答弁がありました。なおこのほかに職業安定、内職補導等の問題などにつきまして質疑がなされました。  以上をもちまして当分科会に付託されました法務、文部、厚生、労働四省に関する昭和三十年度予算の審議を終了いたしました。  右御報告申し上げます。(拍手)

館哲二緑風会

○委員昼(館哲二君) 以上をもちまして各分科会の報告を終りました。  本日はこれにて散会いたします。    午後七時十二分散会

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