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22回国会参議院1955/06/24

予算委員会 第32号

発言数
68
登壇者
10
会派数
3
開催日
1955/06/24

会議録

館哲二緑風会

○委員長(館哲二君) それではこれより委員会を開きます。  昨日の本委員会におきます決議に対しまして、今朝十一時過ぎに政府より文書をもって回答がありました。これを一応読み上げます。  昨日の参議院予算委員会の決議に対し、政府はここに其の決意を披瀝致します。貴委員会の御決議に基き、本朝再度閣議を開き、時局重大の折柄各閣僚は、自戒自粛、爾今苟も貴委員会の審議に支障を来さざるはもとより御決議の趣旨に違背せざるよう責任を以て善処する所存であります。  何卒政府の申合せを諒とせられ予算審議に御尽力賜わらんことを切に御願い申し上げます。   昭和三十年六月二十四日      内閣総理大臣 鳩山一郎  委員長あてであります。  この回答を委員長が受け取りましたので、直ちに理事打合会を開きました。その席上、なおこの文書について二、三の点について念を入れておきたいということでありましたので、根本官房長官の出席を求めまして応答をしたのであります。  一つの点は、「責任を以て善処する」ということについての御質疑でありました。官房長官は、善処するというのは、今後責任を持って当委員会の運営に支障のないように努力をし、もし閣僚が出席しないために委員会の運営に支障を来たしたときは、内閣として戒告その他の処分を行う意味であるというお答えがあったのであります。また当の川島国務大臣に対する処置はどうかという問いただしに対しまして、昨日の当委員会に欠席した川島国務大臣の処置については、閣議の席上において同国務大臣から、予算委員会に欠席して迷惑をかけて申しわけがないとの陳謝の意を表する発言があり、さらに鳩山総理大臣から同大臣に対して、かかる事態に立ち至ってまことに遺憾である、今後かかることがないようにされたいと、厳に注意があったという答弁があったのであります。  この際委員長から以上申し述べましたことについて、ここに列席されております重光副総理にお伺いしたいのでありますが、ただいま私が報告いたしましたことについて、政府も確認されますかどうか、御意思を承わりたいのであります。

重光葵日本民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) 私は政府を代表してお答え申し上げます。  ただいま委員長の申されました通りに、政府といたしましても考えておる次第でございます。以上。

館哲二緑風会

○委員長(館哲二君) 理事打合会といたしましては、今まで御報告申し上げ、また今お聞きになりましたようなことで、政府の誠意を一応了として、十分な責任をとるという申し入れに期待をいたしまして、予算の審議を進むべきものであるという見解に一致したのであります。  この際、各委員のこれに対して御了承をいただきたいと思うのでありますが、御異議はございませんでしょうか。   〔「異議なし、了承」と呼ぶ者あり〕

館哲二緑風会

○委員長(館哲二君) 御異議がないようでありますから、御了承いただいたものと認めます。  この際、川島国務大臣から発言を求められております。

川島正次郎日本民主党行政管理庁長官・自治庁長官

○国務大臣(川島正次郎君) 昨日の予算審議に当り、豊田委員に対し答弁すべきでありましたが、つい順序を錯覚し、全国市長会議に出席し、総理大臣よりかねて御注意ありましたにかかわらず、予算審議に多大の支障をきたしましたことは、まことに不注意のいたすところ、衷心申しわけなく存ずる次第でございます。ことに私の不行き届きのため、閣議を重ねること二回、総理大臣より厳に戒められ、恐縮にたえないところでございます。  参議院の予算審議の重要性については常々心がけているところでございますが、今回かかる失態をいたしましたことを深くおわびいたしますとともに、将来かかることなきよう一そう自戒をいたします。重ねて御寛恕のお願い申し上げます。まことに申しわけありません。

館哲二緑風会

○委員長(館哲二君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

館哲二緑風会

○委員長(館哲二君) 速記をつけて。  これより質疑を継続いたします。

豊田雅孝緑風会

○豊田雅孝君 まず、自治庁長官にお尋ねをいたします。  地方税の滞納額が正確なところどの程度になっておりますか、これを伺いたいと思います。

川島正次郎日本民主党行政管理庁長官・自治庁長官

○国務大臣(川島正次郎君) 金額におきまして、今数字の持ち合わせがございませんが、大体納税成績は県で八三%、市町村で七〇%くらいじゃないかと思っております。

豊田雅孝緑風会

○豊田雅孝君 滞納額が……。

川島正次郎日本民主党行政管理庁長官・自治庁長官

○国務大臣(川島正次郎君) いや、納税の方が……。

豊田雅孝緑風会

○豊田雅孝君 金額で正確なところを伺いたいと思ったのでありますが、私の聞き及んでいるところにおきましては約七百億に上っているということを承知しているのであります。で、地方税の滞納額があると申しまするごとく、七百億の多額に上っているということに相なりますると、一方地方公共団体の赤字は二十九年度においてすでに六百億近くある。しこうして地方税の滞納額は七百億からあるということでありまして、地方公共団体の財政はまさに危機に瀕していると言うのほかないのであります。ところがこの地方公共団体に対しまして資金運用部の資金がどの程度行っているかと申しますと、運用総額七千七百二十四億のうち三千三百四十八億、パーセンテージにいたしますると四割三分、ほとんど半額に近いものが地方公共団体に融資せられているのであります。零細な郵便貯金の集積でありまするところのこの資金運用部資金を、その方面に還元することにおいてはきわめてやぶさかであるにかかわらず、危機に瀕している地方公共団体に対しましてかほどまでに多額の融資をしているということで、一体いいのであるかどうか。昔預金部資金を大陸に放出し過ぎたことは、御承知の通り西原借款事件として非常に問題になったところであります。しかるに危機に瀕している地方公共団体に対しまして、資金運用部資金運用総額の約半額に近いものを融資している。これは将来資金運用部にとってゆゆしき問題だと考えるのでありますが、これにつきまして自治庁長官並びに大蔵大臣の御所見を伺いたいと思うのであります。

川島正次郎日本民主党行政管理庁長官・自治庁長官

○国務大臣(川島正次郎君) お答えいたしますが、地方財政は御承知の通り非常な危機に瀕しておるのであります。金繰りのできない点は政府資金並びに一般公募債によってまかなっておるのでありますが、地方財政も根本的に立て直すのには、地方に確固たる財源を与えることば絶対に必要でございます。今日の程度では地方財政は立て直らないのでありまして、この点につきましては三十年度の予算編成の際に大蔵大臣と数回協議を重ねまして、三十一年度において根本的に地方財政を立て直しをしよう、その際にそれらの点も考慮しようじゃないか、こういうふうに政府内の意思が決定をいたしておるわけでございます。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) この地方財政の不健全性と言いますか、これが銀行の資金難なりさらに地方財政にしわが寄って来ておるということは、これはいなめないことだと思います。今後この情勢はぜひとも私はためるようにし、それには先ほど自治庁長官のお話がありましたようにまず地方財政の立て直しをやりまして、今後預金部資金等の地方財政への貸付についてはなるべくこれを生産的な十分償還の見通しのつくものに金融をいたしたいと、かように考えております。

豊田雅孝緑風会

○豊田雅孝君 続いて地方公共団体のこの赤字解消策につきまして、先般来自治庁長官の御答弁によりますると、地方行政機構の改革が根本的な問題だというふうに言われておるのでありますが、私の考えるところによりますると地方行政機構の改革もさることではありまするが、地方税制の根本的な改革が一つ大きな問題であるにかかわらず、見のがされておるのではないかと思うのであります。と申しまするのは、地方税徴収に従事いたしておりまする職員数は八万五百二十四人の多数に上っておるのであります。その人件費は百五十一億円、専務費は百六十億円、合計いたしまして三百十一億円余の経費をこれがために使っておるのであります。それにもかかわらず徴収しておりまする地方税の滞納額は七百億の多額に上っておるのであります。この際、大英断をもって事業税等の地方税を国税付加税に改められるとしまするならば、三百億の徴収費の大部分は国に肩がわりができる、同時にまた徴税能率も上って参りまして、今後このままに放置しておきましたならばますますふえるであろうところの滞納を防止し得る、要するに一石二鳥になると考えるのでありますが、この点について自治庁長官のお考えはいかがでありましょうか。

川島正次郎日本民主党行政管理庁長官・自治庁長官

○国務大臣(川島正次郎君) 地方税を国税の付加税の形式で徴収するということは、年来いろいろ御議論のあるところでございまして、御説の通りただいまは地方税徴収の費用は約三百億かかっております。しかし付加税にいたしましてもそれが全部倹約になるのではないのでありまして、たとえば、固定資産税のごときはこれは付加税の性質ではございませんから、全部でありませんが、とにかく相当の金額が倹約になることはこれは事実であります。ただいままでの考え方といたしましては、地方の独立財源でありまするからして、やはり地方に自主的な徴税をやらした方が適当であるし、また地方民も納税を通じて駒方政治に関心を持ち得るのだ、こういう考えの下に独立して徴収をいたしておるのでございますが、この問題につきましては、前吉田内閣当時塚田長官時代にもいろいろ議論がありまして、塚田君もこれには相当考慮を払う、こういうふうな答弁をいたしておるのでありまして、自治庁といたしてもこれについては十分検討を加えて来ておりまするが、ただ自治庁限りで問題は解決いたしませんし、きわめて重大な問題でありますので、なお今後とも慎重に研究をいたしたい、こういう、今日段階におります。

豊田雅孝緑風会

○豊田雅孝君 地方自治を尊重せられることもとより結構でありまして、私どもも非常に賛成なんであります。しかしながらシャウプミッションが参りました当時日本の都道府県をアメリカの州と同様に見るというようなことが当時行われましたために、地方自治体とはいいながら、あまりにも地方団体をほとんど独立的な一国であるかのごとき扱いにまでして、行き過ぎの状態になっているとは御承知の通りであります。ことに事業税等の税になりますと、これはむしろ国税の付加税にすることがその査定その他の徴税技術におきましても非常に簡易化されるし、さらにまた事業税が今日府県税の四八%を占めている、基礎控除を引き上げた今日におきましてもなおかつ四八%、府県税の四八%を占めているのであります。かっては六〇%以上も占めておったその事業税を、商工業者だけに負担せしめているというところは、これは非常に不公平だと考えるのであります。従って今日におきましてはこれを国税の付加税に改め、そして税制の簡素化をはかると同時に、負担の公平化をはかることが必要だというふうに考えるのでありますが、特にその点について自治庁長官の御意見を伺っておきたいと思うのであります。

川島正次郎日本民主党行政管理庁長官・自治庁長官

○国務大臣(川島正次郎君) 事業税は御承知の通り、商工業者の負担になっておりますので、この点に関する限りは農民との権衡がとれないことはお話の通りでございます。そうした経過にかんがみまして、前年来豊田さんからもいろいろ御意見もありますので、事業税につきましては漸滅の方針をとっております。この国会にも提案をいたしているのでございまするが、基礎控除額を従来七万円のを十二万円に引き上げることにいたしますが、地方財政の影響を考えまして、とりあえず三十年度は十万円にとどめたわけでありまして、三十一年度から十二万円という計算になります。十万円にいたしますと三十二億の減税になります。十二万円、三十一年度からになりますと、およそ六十億の減税になるのでありまして、人間におきまして五十五万人が免税になる、こういう計算になるのであります。二十九年度におきましても事業税に対しては修正を加えまして、個人事業税は一二%から八%に引き下げますが、また法人事業税は五十万円までは一二%から一〇%に変更したと、こういうだんだんにいきさつがございまして、現在は約八百億の財源でありまして、窮迫なる地方財政としてこれを一挙になくすことは非常に困難な事情に立ち至っておりますけれども、これを漸減いたさせるという方針は、二十九年度、三十年度の方針を御覧願いましてもわかるのでありまして、豊田さんのお説のように漸次そういう傾向に向いているということだけは、ここに申し上げられると考えるのであります。

豊田雅孝緑風会

○豊田雅孝君 漸次事業税を減少せられつつあることは承知いたしているのでありますが、これを一挙に解決することは困難であるというお話でありますが、これを一挙に解決し得る道は、先ほど申し上げました地方税を国税の付加税にすることによっての税制の簡素化、しこうして負担の均衡化をはかる、これよりほかには道はないのではないか、こういうふうに考えるのでございます。この点を十分に今後御検討を願いたいと思うのでございます。  次は大蔵大臣に伺いたいのでありますが、まず第一は、物品税の問題であります。物品税は御承知のように、戦時中の当時からすでに悪税と言われておったものでありまして、戦争中のこれは一つの遺物であります。しかも現在では陳情に陳情を重ね、そのつど修正に修正を加えまして、今日は全く支離滅裂の税制になっておるのであります。従って商品は現在千数百の品目があるのでありますが、物品税をかけられているものはわずかにそのうちの七十三品目であります。要するに、陳情の下手な業者というものが不当なる負担をかけられておるということになっておるのであります。今日税制についてはいろいろ問題がありまするが、この物品税ほど不公平きわまる税はないというふうに言われておるのであります。その品目の中には、宝石のようなぜいたく品があるかと思うと、茶だんすのような生活必要品もあるというような状態でありまして、全く支離滅裂であります。しこうして陳情政治のこれは典型的な対象になってきておるのであります。ここにおいて物品税をこの際廃止いたし、再出発をするというのが私は妥当だと思うのでありますが、この点について大蔵大臣の御所見を伺いたいのであります。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 物品税につきましては、いろいろと御意見や議論のあることを承知いたしております。私といたしましては、今すぐにこれを全廃するということは考えておりませんが、しかし物品税のかかる品目については十分検討を加えて行きたい、かように考えております。

豊田雅孝緑風会

○豊田雅孝君 品目検討によりまして不公平を是正するということは、できるならばそれも一つの道かもしれぬのでありますが、容易ならぬことじゃないかと思うのでありまして、その点において新規まき直しで再出発せられるという御検討が私はむしろ賢明なのではないかというふうに考えるのでありまして、この点十分に御検討を願いたいと思うのであります。  次の税制関係の問題は、中小法人に対しまする特別の軽減率を、今回自由、民主両党の共同修正によってこれが行われることになったのであります。しかしこれは所得五十万円未満の低額所得法人を対象にいたしておるのでありますが、今日のこの租税特別措置法というものの建前、あるいはその運用ぶりから考えますると、低額所得とは言いながら、所得五十万円以下の中小法人だけを特別の軽減率で見るということではとうていバランスがとれないのであります。もう少し上の所得、要するに年額所得五百万円以下ぐらいの中小法人というものは、租税特別措置法がある以上、大法人との間における税の負担が非常にアンバランスになっておるのであります。これにつきまして今後この低額所得とは言いながら、今回の五十万円の所得よりももっと上に上げて行くという必要があると思うのでありますが、それについての御意見並びに租税特別措置法が今日非常に複雑多岐にわたっておりまして、これの利用は中小法人にとって全く困難なる状態であります。これを廃止いたして再出発をこれまたするという必要があると考えるのでありますが、その両点についての御意向を伺いたいのであります。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 所得五十万円以上のものに拡大するようにとの御意見、これはまあ今日の場合におきましては、財源その他の全般的な考慮からああいうふうになっておりますが、今後におきまして検討を加える事柄であろうかと考えております。  なおもう一つ……

豊田雅孝緑風会

○豊田雅孝君 租税特別措置法。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) これは本来から申しますれば、特別なこれは措置に、個別的なものになっておりまして、必ずしも好ましいものではないのであります。しかし今日のやはり経済情勢からいたしまして、やむを得ない事情もあるのであります。これは今後の経済情勢も十分勘案しまして、なるべく私は整理をして行きたい。かように考えております。

豊田雅孝緑風会

○豊田雅孝君 ただいま御答弁があったわけでありますが、さらにつらつら考えてみますると、先ほど申しました物品税にいたしましても、また租税特別措置法にいたしましても、これらはいずれも戦時中、あるいは終戦後の混乱期にかけて作られた税制でありまして、要するに特殊事情の下に生まれた税制なのであります。従って、現在程度に相なりました世間一般の情勢から見ますると、現下の実情に即応した税制を新規に立て直して行くということが必要じゃないか、要するにこの際根本的に税制を改めるという御意思はないか。これにつきまして根本的なる調査をなさる御意思はないかということを伺いたいのであります。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 私といたしましては、税制調査会というものを起しまして、税全般について、同時にまた徴税の方法等についても根本的に一つ検討を加えたい。かような心がまえであります。

豊田雅孝緑風会

○豊田雅孝君 次に外務大臣に伺います。  中共貿易の問題であります。これは先般米国上院のジョージ外交委員長の発言であります。日本と中共との貿易については、大幅に拡大させることが日本の繁栄を保証するゆえんでもあるし、同時に日米間の激しい産業的競争を避けるただ一つの道だということを言っているわけであります。さらにまた、日本からの輸出禁止の物資につきましては、軍事目的に利用されるものだけに厳重に限るべきだということを言っておるのであります。かような発言が米国の主要なる地位にある人の方から現われましたときこそ、中共貿易を推進拡大して行くという外交的な措置をとられる最もいいチャンスじゃないかというふうに考えるのでありますが、これにつきましても、その後相当日にちもたっておるのでありますが、外務大臣は何らかの措置をとられておるかどうか。その経過はどういうことになっておるか。その点を伺いたいのであります。

重光葵日本民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) お答をいたします。  中共貿易を促進いたしたいというのは、現政府の考え方でございますことは御承知の通りであります。そこでお話の米国上院のジョージ外交委員長が、今お話の通りのような発言をいたしましたということは、非常に重大に考えております。のみならずほとんどこれに引き続いてリチャーズ議員が下院において同じような発言をいたしております。いずれも外交委員長の地位にある人々のこういう発言はもとより重要な意義を持っていると思っておるわけであります。そこでこれについてどういうわけでさような発言があったかということをまず十分に調査をいたさなければなりません。そこで調査をいたしました結果、報告に接しました。簡単に申しますが、かような発言は米国政府としては何らのこれは関知するところでないということが、国務省の責任者、国務次官の説明でございます。そしてその言説の行われた裏面の理由について説明がありました。それは、これらの議員は、いずれもアメリカ南部の出身者であって、日本の最も競争相手となる繊維業者の利益を代表しておる人々である、そこで日本との貿易の競争も避けたいという私的の利害関係もあっただろう、そういうことが伴ってかような発言をしたように見える。いずれにしても、これは政府としては、つまり行政府としては何ら関係のない、かかわりのないことである、かえってかような発言は、今日の状況において行政府としては必ずしも歓迎しておるところではないと、こういう国務省の次官の日本大使に対する説明がございました。まあこれは情報でございます。しかしながらいずれにいたしましても、米国議会の上下両院外交委員長が、そろってかような発言をするということは、これは重大なことでございます。そしてまた、その意義はいかなる裏面の事情がありましても、これは重大な意義を持つわけでありますから、かような空気が米国にあるということ、またこの空気が助長されて、そして中共貿易なんぞに対する日本の道が開けるようにしむけなければならぬと、こう考えております。今のような国務省の責任者の説明でありますから、今すぐこの問題をきっかけに、これを交渉の題目にしてやるということは適当でないかもしれません、また適当でないと考えますが、かような言説を利用して、機会あるごとにこの空気を助長して、そして目的を達するように、御承知の通りに、中共に対する貿易の制限は、ワシントンで交渉するというよりも、ゼネバで交渉し、パリで交渉し、ココムの関係がございますので、そういう方面に十分反映さして、わが方の交渉を順調に進める上にこれを利用したいと、こう考えておる次第でございます。

豊田雅孝緑風会

○豊田雅孝君 今後その線で大いに御努力を願いたいと存ずるのであります。それと同時に、その線とは別の動きかもしれないのでありますが、いわゆるココム物資、輸出禁止品物の解除、ことにソ連圏並みにこれを解除するということについて、外務当局は折衝を開始せられておるというふうに聞くのでありますが、その経過はどういうふうになっておりましょうか。

重光葵日本民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) この件につきましても、他の機会において、また係官においてもいろいろ御説明を申したわけでございますが、私はなるべく簡単にわれわれのとっておる態度を御説明申し上げたいと思います。今も申し上げました通りに、ココムの品目の拡張ということでございます。日本がココムに参加しましたのは約三年前、一九五二年でございます。以来この品目の拡張、参加したことそれ自身が、つまり品目の制限をなるべく緩和してもらいたいという趣旨で参加したわけでございます。その後その組織の中においてこの品目の緩和を機会あるごとに主張いたしたわけであります。まず日本に対する従来のそれまでの特別取扱い、つまり不利益な地位に立っておる点を是正しなければなりませぬ。それは完全に是正できたのであります。そこで中共貿易に対しては、他の欧米国と同様な地位も、それは同じところまできたのでございます。それはココムに加入した効果がそういうことになりました。それからその後これを特別に中共貿易の品目を拡大するということは、これはココム加入国の全部の承諾、つまり同意を得なければなりませぬ。そこでこの件は容易にできないわけでございます。できないわけでございますが、そこにはこの品目について特例を認めさせるというようなことは、その全体をこわさずしてこれは努力してやらなければならぬし、またでき得ることでございます。その点に努力を傾けまして、そうして日本としては他の国よりも比較的多くの特例を受けております現状でございます。過去一年において相当たくさんの品目及び金額について特例を得ております。一一それを申し上げることを差し控えますけれども、そういうことになっておりますので、中共に対する貿易品目を全体としてこれを根本的に改めるというのは、この世界情勢、中共を中心といたします情勢の変化、また改善ということを見なければこれは容易でないと思います。しかし私はその改善は、今世界情勢から見て次第々々に実現しつつあるように私には見られるのであります。さような情勢を利用して、全般的に、かつ、また個々の問題について特例を求める等の手段によりまして実益を進めていきたいと、こう考えておる次第であります。

豊田雅孝緑風会

○豊田雅孝君 経済六カ年計画を今後推進し、その目的を達しようということになりますると、中共貿易を推進拡大するのほか道がないんじゃないか、いろいろ他の道はあるでありましょうけれども、大きなポイントは中共貿易の拡大にあると考えるのでありまして、その点において今後外務当局は、真剣にただいまの方向を推進していただくように希望をしておきたいと思うのであります。これに関連いたしまして通産大臣に伺いたいのでありますが、中共では御承知の通り貿易統制をやっておるのでありますが、この貿易統制機構、要するに貿易統制会社を見ますると、進出口公司と土産公司、この二つに分れておるのであります。進出口公司の方は重化学工業品を主として取り扱っておるのであります。土産公司の方は雑貨などを取り扱っておるのであります。これは商品の大口であるかどうかという点において、やはり貿易の技術的な面も違うというような点からきておるのだろうと思うのでありますが、一方わが国でも中共向けの輸出入に関連いたしまして、一つの実務機関を作ろうという計画が進みつつあることは御承知のことと思うのでありますが、その際にやはり重化学工業品を輸出いたしまする輸出入組合、さらにもう一つは、雑貨等のきわめて小口のもの、集荷等の非常に厄介なものを取り扱う輸出機関、実務機関というものはこれは二つに分けなければ、ほんとうに輸出の振興ができないんじゃないかというふうに考えるのであります。ことに相手方の貿易統制会社も、大口本位の商品であるものについては進出口公司、また非常に小口のものについては土産公司というふうな二本立なんであります。それに対応いたすべく大口商品の一つの輸出入組合を認めることはもちろんでありますが、そのほかにもう一つ、雑貨等のきわめて手数のかかるものについての輸出入組合というものをお認めになることが輸出振興、中共貿易をほんとうに実質的に振興しようという上からは当然必要だと思うのであります。この点について、通産大臣はどういうお考えを持っているか、伺いたい。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) 中共貿易に対しては、何らかの輸出入組合一つ、一本にまとめた機関をもっていきたいと考えておりますが、お話のように、今二つにするという考えはただいまのところ持っておりません。なお研究をいたしますが、ただこれは輸出入のバランスの上から見ると、輸入をするものに対して輸出する、こういう点から見ると、一本の方が都合がいいように思われますが、しかしお説もありますから、この点はなお研究いたします。

豊田雅孝緑風会

○豊田雅孝君 相手がすでに二本立になっているのでありますから、その点を特にお考えになりまして、実質的には二本立でいき得るような措置をお考えになることが必要だと思うのでありまして、その点を特に御考慮を願っておきたいと思うのであります。  次の問題は、経審長官にお尋ねしたいと思うのでありますが、経済六カ年計画のあの作文というと何でありますが、文章を拝見いたしますと、輸出振興ということに非常にウエートをかけている。見ようによりますると、飢餓輸出でもやらなければいかぬのじゃないかというような点が見えるのであります。そうだといたしますると、この際、輸出振興方策についてよほど思い切った手を打たなければいかぬのじゃないか。特に従来盲点をなしておった方策に対して特にメスを入れていく必要があるんじゃないかというふうに考えるのであります。これを具体的に言いますると、雑貨についての輸出金融というものが一番手薄いのであります。この点が道がついて参りますると、個々のものは、金額は少くてもこれがうまくいくようになると、まとめれば相当なものになる可能性があるのでありまして、どうしてもこの際、雑貨に対して輸出金融を確立する必要がある。そういう点から見ますると、せっかくできておりまする輸出入銀行というものが、プラントの輸出だけに重点を置いて、要するに重工業品だけに重点を置いていることは、ここに私は一つの欠陥があると思う。輸出プラントのほかに、雑貨について輸出入銀行が貸し付け得るような行き方を、この際経済六カ年計画を本腰を入れて推進するという建前をおとりになるお考えはないか、こういう点を伺いたいわけであります。

高碕達之助日本民主党経済審議庁長官

○国務大臣(高碕達之助君) お答え申し上げます。まことに、私は、この輸出振興するためには、輸出する産業の金融というものをよほど考えていかなければならない、特に中小工業の輸出品に重点を置いていきたい、こう存じているのでありますが、現在の輸出入銀行は、お説のごとく大規模の長期にわたってやらなければならない、金額も相当張る、そういうふうなものに長期に安い金利の金融をするということになっておりまして、現在のところ、まだあの輸出入銀行を利用して雑貨だとか、中小工業者の製品を取り扱うということにまで立ち至っていないのでございまして、そこでどうしても私は仰せのごとく経済六カ年計画を遂行する上におきましては、現在実情を申し上げますれば、養殖真珠とか、あるいはおもちゃとか、あるいは近ごろ北海道で作っておりますサケの罐詰だとか、そういったふうなものについて、どうしても金融をしなければ投げ売りしてしまうということが多くありまして、投げ売りした結果、販路が拡張すればいいですけれども、売り先において、輸出先において、逐次安いのを出すために販路がまた狭まっていく、こういう事情でありますから、どうしてもこのものにつきましては、何とこの金融の方策を講じたいと存じまして、ただいまでは共同販売会社を作らすとか、あるいは輸出の組合を作らすとかいうような方針をとっておりますが、そうしてできるだけ市中銀行の金を集めておりますが、これだけでは足りないと存じまして、いろいろ関係省とも検討いたしまして、できるだけ輸出入銀行の方の金をその方面にもっていける方法を講じたい、こういうことで今検討中でございます。

豊田雅孝緑風会

○豊田雅孝君 それでは念を押しておきたいのでありますが、輸出入銀行の貸付対象に雑貨を追加するという方向でお考えになり、またこれを具現するということについて御努力になるのでありましょうか。その点。

高碕達之助日本民主党経済審議庁長官

○国務大臣(高碕達之助君) 関係各省とも連絡をとりまして、十分検討をいたします。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 関連して。今の経審長官の見解は、どうも大蔵大臣の見解と相当違うのではないか。大蔵大臣も同様にお考えですか。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) ただいまのところ、輸出入銀行の資金が長期の、特に設備資金に使うことになっておりまして、他の普通の金融機関でやり得ないところ、あるいはこれを補完するという趣旨でこれはできております。ただいまさようになっておりまするが、ただいま私は、こういうような輸出入銀行あるいは開発銀行等について、今後どうあるべきかということについて、六カ年計画とも呼応しまして、再検討を加えてみるつもりをいたしております。

豊田雅孝緑風会

○豊田雅孝君 私も大蔵大臣にお尋ねしようと思っておったのでありますが、ただいま小林委員の質問に対しまして、研究をしてみるという御趣旨の御答弁でありますから、さように私も承知をいたしますが、どうか熱意をもってこの雑貨の輸出入金融の制度を確立する、これがために輸出入銀行を活用するということを真剣に御検討願いたいと思うのであります。通産大臣、これに対して御意見はどうでありましょうか、伺いたい。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) ただいま経審長官及び大蔵大臣の答弁で尽きておると思うのでありますが、これは輸出入銀行の法律を見るとやれそうに思えるのであります。ただ現在の輸出入銀行の業務方法書においては、プラント輸出ということになっておりますから、今はやれませんが、これは大蔵大臣もそのつもりでかねがね実は話し合っている次第であります。

豊田雅孝緑風会

○豊田雅孝君 通産大臣に百貨店問題について伺いたいと思います。百貨店の進出が非常に最近目にあまるものがあるということは、もうすでに御承知の通りだと思いますが、売り場面積に一つの例をとりましても、戦前の場合のピークのときよりはるかに上回っているのであります。それがさらに増大せられようとする傾向にあることは御承知の通りであります。ことに大都市に進出、増築するのみならず、中小の都市に百貨店が進出する傾向が強いのであります。従ってこれが一般小売商に及ぼす影響は、大都市よりも非常に深刻なものが出ておるのであります。こういう点から見ますと、百貨店問題については、百貨店業者の自粛でありますとか、あるいは百貨店と小売り南側との話し合いでいくというようなことをやってきておりますけれども、とうていそういうことで解決のつくような、もはやなまやさしい段階ではない。従って社会党の提案だとか、あるいはまた民主党でも、月賦販売を除いては百貨店法を一つ制定しようというような動きがあるのでありますが、これに対しまして政府はどういうふうなお考えを持っているか、これを伺いたいのであります。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) 百貨店の問題が最近やかましくなったことはお話の通りでありますが、これは過去においても起ったもので、いつでも不景気になると起るのであります。一般の、百貨店以外の小売商が困っているのは、百貨店のためか、不景気のためか、これは実ははなはだ問題だと思う。ある調査によりますと、百貨店ができた方がその付近の小売商店はかえっていいというような、これは私確実な何を持っておりませんが、そういう報告もあるようであります。でありまするからこれは一言に小売店の疲弊は百貨店のためだ、こうすぐに断じてしまうこともどうかと思いますが、しかし社会党、あるいは民主党からも出るかどうかしりませんが、とにかく百貨店法というものが今国会に出されておりますから、十分検討して善処したいと考えております。

豊田雅孝緑風会

○豊田雅孝君 百貨店ができると、小売商もかえっていいようなお話が今ありましたが、それがかりにあるとすれば、百貨店のできたその付近だけであります。要するに、百貨店の売り上げがふえるだけは、全体の小売商からみれば、それだけ売り上げは食われてくるわけなんでありまして、そこにおいて、一方経済六カ年計画を推進する上において、先般経審長官は商業部門、サービス部門等で人口を吸収せられるというようなことを言っておりましたけれども、百貨店法案一つ制定せられないような政府で、一体商業部門に人口の吸収ができるということは、私ははなはだおかしいと思うのであります。こういう点から今後百貨店問題については私は真剣にお考えにならなければならぬ段階にきていると思うのでありまして、石橋通産大臣は他の面についてはいろいろ熱心におやりのようでありますが、百貨店法については大臣が一番難色があるというようなことを聞くのであります。どうかここらで石橋通産大臣もお考えを新たにせられまして、あまり世間から、通産省というものは大企業の殿堂だというようなふうに思われないような通産行政、バランスのとれた総合的な通産行政をやっていただきたいという意味で、この辺で一つ転向をしていただきたいと考えるのであります。  次には、これに関連いたしまして、購買会の進出というものが、これがまた非常に小売商に対して重大なる影響をもたらしているのであります。この点を御紹介することだけでも、私は今のようなふうに政府が放任せられておりましたならば、むしろ商業部門からは失業者こそ出、他の面から失業者を商業部門に吸収するなんということは絶対に、もし本書いたりせられたら、私は世間から笑われると思う。というのは購買会の問題でいろいろ紛議を起しておりますところが多数ありますけれども、特にはなはだしいのは栃木、群馬、新潟、大阪、山口、大分、茨城等であります。そのうちでも特にはなはだしい一例を御参考までに申し上げますが、たとえば、茨城県の日立市における状態を見ますと、日立の製作所の供給所という名称でやっておりますものが、これは購買会でありますが、本店が一つ、支店は十二もあります。また日本鉱業の供給所という建前でいっておりますものが本店が二つ、支店が七カ所もあるという状態であります。いずれも従業員以外の一般客にも開放せられておるのでありまして、従業員の福利施設というのは表面的な名目だけになっておるのであります。そうしてデパート的な魅力を取り入れる意味におきまして、動物園や、食堂、演芸、福引などまでやって客を引いたりしている。宣伝カーもときどき使っているというような状態でありまして、これは表面的には福利施設でありまするが、見ようによっては会社の運転資金の吸上げ機関、かような観測すら出ておるのであります。しかもその会社は全市の経済をささえるほどの大きな発言力を持っておるものでありますから、これは地域的にも解決は全然できぬというような実情であります。このほかに員外利用で問題を起しておりまするような例は枚挙にいとまないのであります。各地に散在しておりまする国鉄の共済組合、それの物資部、あるいは鉱山、こういう方面、あるいは会社はもちろんでありまするが、これらの購買会というものが、地元の商店街と対立関係になっておるのは非常に多いのであります。しかも重要なことは、員外販売に当りまして薬品であるとか、あるいは化粧品などを市価よりも三割も安く売るというようなことをやっておるのであります。従ってこの三割も安いという一つの事実で、小売商というものは全然暴利を取っているのじゃないかというような考え方を植えつけるのであります。こういう面から今や購買会の進出しておりまする都市におきましては、小売商というものは生死の関頭に立たされておるのであります。かような行き方というものを一体放任しておいていいのかどうか。要するに生産者というものは生産で食っていける。また商人というものは商業で食っていける、給料取りというものは給料で食っていけるという、その建前というものを確立しなかったならば、この日本の人口問題は解決できぬと思うのであります。しかるに、一面済経六カ年計画によりましていろいろ企画はせられておるのであります。ことに商業部門に多数の人口を農業その他から吸収しようというような計画まで立てられておる。一体こういうことでいいのかどうか。ここで、先ほど申しました百貨店法の問題ももちろんでありますが、小売商保護法というようなものをこの際お作りになるお考えはないか。外国にもすでに立法例はあるのであります。ことに、日本の人口問題の解決、また経済六カ年計画の、人口を商工業部門に移動していこうというような大きな考えを持っておられるということを終審長官は言われたのでありますが、そういう見地から、一体どういうふうにお考えになっておられるか。こういう点を通産大臣と経審長官に伺いたいのであります。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) 会社とか鉱山とかいうところの購買会と申しますか、購買組合といいますか、そういうものが現地の小売商に不当な圧迫を加えておるといううわさはしばしば耳にいたします。これはむろん不当競争の部類に属するのでありまして、そのことについては通産省も府県知事等にしばしばその注意を促しておりますが、なかなか徹底をいたしませんで、依然としてそういう弊害が残っておるということはまことに遺憾であります。なお、お話しのように、決して私もしくは通産省が百貨店とか何とかいう大企業に肩を持つものではないのであります。百貨店問題については私も深く研究しておりませんが、古くからこの問題には接しておりまして、多少考えを持っております。ただ不当競争によって小売商を圧迫するというようなことは、これはもう絶対にとめなければならないと考えております。同時に消費者のことも考えますと、ただ百貨店を取り締ればいい、制限をすればいいというように簡単にも参らないのではないか、こういうふうに考えておりますから、ここでどうか不当競争の部分だけは取り締るように、現に公正取引委員会等がやっておるのであります。しかしなお進んで、今の百貨店法につきましては研究をいたしてみるつもりでおります。

豊田雅孝緑風会

○豊田雅孝君 今の御答弁で私はこのことだけ申し上げておきたいと思うのでありますが、石炭がああいう不況になったにつきまして、なるべく石炭の需要を多くしようこれについて重油の消費規制をやっていく。それがためには、重油ボイラーの新設は禁止しようというような法案が今出ておるのは御承知の通りであります。かりに一つの業界の不況を適正化するために、他の部門に対して、一つの国民の使用制限をやるという立法をすでに作られつつあるのであります。石炭を救うために、重油の消費あるいはボイラーの新設というふうに、そういう方面に規制を加えられるならば、人口問題としても、社会問題としても、あるいは産業問題としても、きわめて重要なる地位にある商業者、ことに人口問題として、経済六カ年計画の推進上、非常に着目せられておるそういう部門に対して、これの適正なるあり方を育成あるいは保存するために、他の行き過ぎを是正する一つの法律を作るということは、私は当然あってしかるべきだと思う。要するに行き過ぎを是正して一方の適正なるあり方を保存していくということは、これは十分に考えられることであるが、特に今日人口問題上、商業問題については真剣に御考慮願いたい。さような意味で百貨店法は、私は大いに検討をする必要がある。戦前におきましても、ああいう比較的のんびりしておったときでも百貨店法は日本にあったことは御承知の通りであります。ことにアメリカは別といたしまして、欧州にはそういう立法例があることは御承知の通りであります。いわんや今日のごとく、日本は実に深刻なる状態にあるのであります。しかも経済六カ年計画を推進しようという画期的なる際なんでありますから、その裏づけの措置が全然ないということが、非常に問題になっておる。せめて百貨店法あるいは小売商保護法、これらをお作りになるのは、私は経審と通産のタイアップの上からも当然あってしかるべきだ。この点を強く要望いたしておきますから、御検討を願いたいと存じます。  それから次には、大蔵大臣に伺いたいのでありますが、今まで資金運用部資金で引き受けておられました金融債、これを全部今回、共同修正によりまして、市中銀行消化に回すということになったのでありますが、当面は消化ができるだろうというふうに大蔵大臣も言われたのでありますが、当面はそうであるかもしれませんが、今後相当の長期にわたる見通しを立てていかなければならぬ問題でありまして、将来にわたって完全に消化し得るというふうにお考えになっておるのでありましょうか。その点をお伺いしたいのであります。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) お答えします。これは今後の経済の動向、物価、いろいろな問題がありますが、経済六カ年計画で御承知でございますように、今後のわが国の経済は、相当計画性を持って順当に推移する見通しであるのであります。従いまして、資本の蓄積が順当に行われることは、十分私は期待できると思っております。そういう意味から、これらの蓄積された資金が、所要の債券の消化及び貸付に十分に充当するに足る、かように考えております。

豊田雅孝緑風会

○豊田雅孝君 今後これが消化し得ないというようなことが出てきたということになりますると、それだけ資金源に逼迫をきたして、これが金融上支障をきたすことはもちろんでありますが、かりにこれが、市中消化が十分できるということになりましても、金融市場の長期の貸し出しにつきましては、やはりそれだけ圧迫になるのじゃないか。ことにそれが常に金融界の当然のあり方といたしまして、中小企業金融にいつもこれがしわ寄せになってくるのであります。これについてどう対策をお考えになっておるのでありましょうか。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 大体従来、民間の資本蓄積、特にこれは、税が非常に高いといえば語弊がありますが、税という形におきまして、ある意味において資本の蓄積をはかってきておる。こういう形で自然財政からくる投融資ということが必要であり、かつやむを得なかった事情もあるのでありますが、今後におきましては、税というものが、適当に減税もされ、調整もされて、その半面、民間の資本蓄積も当然行われてこなくてはならぬ、こういう形になるのでありまして、今後におきましては、民間における経済上あるいは産業上の資金需要は、民間において消化していくという方向に進んでいく。これがある意味において、金融の正常化でもあるわけであります。一方、経済については、経審長官がしばしばお話しになりましたように、計画性を持って進んでいく、蓄積された資金は、これに対してこれを充当していく。要すれば私は、間接的な資金の流れについて規制を加える、こういうふうな格好で十分満たされていくと考えておるわけであります。

豊田雅孝緑風会

○豊田雅孝君 それが資金運用部からは市中消化に回され、その市中消化でそれが消化せられるという関係からは、それだけ長期の金融が圧迫せられる。またそれがひいて中小企業金融に圧迫を加えていくという連鎖的な反応が出てくると思うのでありますが、そういうことについて、今回共同修正の行われたことからくる連鎖反応に対する中小企業金融について、今後どういう対策をおとりになるのでありましょうか。その点を特に伺いたい。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) ただいま申しましたような財政投融資からはずしまして、民間消化に持っていくことによって特に中小企業が圧迫を受ける、中小企業の金融が圧迫を受けるというようには私は考えていないのであります。中小企業を含めて、それらの資金需要が満たされる。特に中小企業につきましては、なお資金運用部資金等を特に回すということも考えられると思っております。

豊田雅孝緑風会

○豊田雅孝君 今、資金運用部資金をそういう方面に回すということで御答弁になったのでありますが、資金運用部資金法を改正せられまして、関係中小企業金融機関等には、昔の低利資金運用の道を開くというようなお考えを曖昧しておられるのでありましょうか。その点も伺いたいと思います。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 中小企業関係の金融機関の債券を持つという形で、十分金融がついていくだろうと考えております。

豊田雅孝緑風会

○豊田雅孝君 その資金運用部資金で債券を引き受けるという形で今まではいっておったのでありますが、それが市中に押しつけられたのでありまして、そういう点では、資金運用部資金の恩典というものに私は先ほど触れたのでありますが、あれほど地方団体に三千億から流れておるにかかわらず、ちっとも零細な関係方面には還元せられておらぬというのでありますが、従来はそれでも、資金運用部資金の金融債引受けという面でそれが行われておったのでありますが、今後それが、新しいものは全部市中でこれをまかなっていかんならぬ。そういうことになると、余資運用部資金とのつながりというものがなくなるわけであります。従って従来の債券引受けの代りに、あるいはそれをプラスする意味で、資金運用部資金を中小企業金融機関に直接貸しの形でいくということがないと、何ら資金運用部資金とのつながりがないことになりますが、その点はどうでありましょうか。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 私の考えでは、そういう中小企業金融機関の証券が市中で消化をされれば、今後資金運用部資金、または簡易保険等の資金の集まり方にもよるのでありますが、将来におきましては、もしもかりに市中金融において消化不足の場合に、これらの資金がこれら中小企業に回ると考えられてよかろう、こういうふうに私は考えております。

豊田雅孝緑風会

○豊田雅孝君 将来ぜひそういう方向でお考えを願いたいと希望をいたしておきますが、さらに前にこの予算委員会で、暫定予算の際でありましたが、金利の引き下げにつきまして、資金運用部資金による金融債の引受金利というものは引き下げる。それによって中小企業金融の資金コストを下げるというふうに大臣は明言せられ、また確約をせられたのであります。ところがその資金運用部資金で引き受けておった債券というものは、今後市中銀行等の引き受けということになっていくわけであります。そうなると、先ほど、この前の御明言あるいは確約というものは、空になってしまうのであります。今後市中消化になりました場合の金融債の金利の引き下げ、これについてどういう方法をおとりになるというふうにお考えになりますか。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 今御指摘の点は、これは金利を引き下げるということが困難になったと思います。しかし、というのは、上がるということもある。大体現状維持、しかし他方また一般の金利は下りつつあるのでありまして、中小企業も、一般金融の関係におきましては、やはり金利が下がる、このようになっていく、かように考えておるわけであります。

豊田雅孝緑風会

○豊田雅孝君 そういう場合の一つの方法としては、従来資金運用部で引き受けておる金融債の金利を引き下げる、要するに保有債券の分だけについても金利を引き下げる、さらに市中消化の分については、今お話しのように、一般金利の引き下げということとにらみ合わせが必要でございましょうけれども、できるだけこれを安くし、またそれの消化についても、特に中小企業金融の円滑化を期するという見地から、特別の措置を願いたいと思うのでありますが、御意見はどうでありましょうか。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) さようにできるだけ取り計らうことにいたしたいと思います。

豊田雅孝緑風会

○豊田雅孝君 次に伺いたいと思いまするのは、民主、自由両院の修正に伴いまして、資金委員会をどうしても設置しなければならないようになっておるのでありまして、すでにこれについては構想も練っておられるようでありますが、この資金委員会がどういう性格のものになるかということは、金融界初め、非常な関心を持っておるのであります。非常に伏せられておること自身が、金融界等にあらぬ懐疑を与えておると思うのでありまして、この際どういう性格を持っておるか。その機構あるいは運用方針、こういう点を明らかにせられることが、むしろ金融界等にいい影響を及ぼすことじゃないかと考えるのでありますが、その点いかがでございましょうか。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) これは金融機関の預金の一定量を、重量な方途に運用するように立法をして規制しよう、こういうことが眼目になっておるのであります。しかしこの資金委員会の性格は、大蔵大臣の諮問機関にいたしたい、かように考えておる。なお、どういうふうに今後運営していくか等につきましては、関係金融機関等の御意向も調査いたしまして、今せっかく立案中であるのでありますが、まあ私の考えでは、金融というものの性格に基きまして、できるだけ金融というものは、やはり自主性を尊重するというのが一番よかろうと考えておりまして、まあこの資金委員会は、一応私の考えでは伝家の宝刀と申しますか、一応こういうものを持っておって、なるべく自主的にしていくようにしたい、かような考え方であります。

豊田雅孝緑風会

○豊田雅孝君 今の御答弁で大体お考えは推測ができるのでありますが、大蔵大臣の諮問機関であるとはいいますものの、これが今後運用いかんによっては、だんだん金融統制が強化せられるようなことになるのじゃないか。そういう場合には、いわゆる傾斜金融、重点産業本位の金融が行われるようになるのじゃないか、その点を非常に懸念をするのでありますが、今後資金委員会の通常につきましては、過去における傾斜金融等の弊のないように御努力になることを当然言われるかとも思いまするけれども、それらの点についてのお考えを伺いたいと思います。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) それらの点につきましては、私はこの資金委員会の委員の構成について格段の注意を払いまして、十分バランスがとれるように公正な運営ができるようにいたしたいと、かように考えます。

豊田雅孝緑風会

○豊田雅孝君 私の方で質問しようと思っておりましたことを、先に大臣御答弁になったのでありますが、要するに資金委員会の委員の構成、これが非常に問題だと思うのでありまして、委員の選考につきましては十分その点をお考えになりますると同時に、人数のバランスもまたとれるように、この点を十分お考え願いたいことを重ねて要望をいたしておきます。  最後に一つ伺っておきたいと思いまするのは、歩積み預金の問題でありますが。これが今日非常に業界に対して悪影響を与えておることは御承知の通りであります。歩積み抑制については通牒も出ておるように聞いております。しかしながら、その通牒が抽象的なために効果を上げておらぬと考えるのであります。歩積みを抑制しようということになりまするならば、やはり一つの具体的な基準を設けられてこれを通知いたす。そうしてこれに反するものは、銀行検査の上で適正に指導していくという一つの線をお出しにならなければ、抽象的な歩積み預金抑制の通牒だけでは、これはとうてい取締りができないと思うのであります。その点歩積み預金抑制のために一つの具体的基準を設けるということについての御意見を伺いたいと思います。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) もっともなお考えであるのでありますが、この歩積みにつきましては、なかなか歩積みの、いろいろな関係からそれに一定の基準を設けるということが非常に困難であります。ただしかし、今日も金融界等のあるいはまた大蔵省等の行政指導で取り締っております場合に、ある程度の基準はあると思います。十分検討を加えてみたいと思います。まあ私どもといたしますればこの歩積みというようなものは、むしろ基準を設けて認めるというよりも、ある特別の場合以外は一切これをやめてもらうというようなこと、特にその場合に、私は今頭に持っておることは、担保的な意味において今日ほど手形割引は非常な、いろいろな手形の素質を悪くなっておりますから、まあ商業手形というような意味合いで割り引しておるが、なかなか期日に落ちないという状況も多い。こいうふうな無担保で手形の割り引きをするような場合に、割り引きした金額の一定額を担保の意味で預金勘定に置いておくという程度くらいが、これもどういうふうな割合がいいかこれも考えなければなりませんが、そういうくらいが私認められるのではないか。そういう場合も担保でありますから、金利の差額があって、一方預金金利は預ける方は安くなっておるし、借りる金利が高いのでは、これはまた金利負担が不当になりますから、そういう場合に金利をなるべく同じようなものにいたしたい。そういう程度のことは考えられるというふうにも考えておるのですが、なおそれを事務的に検討する必要がありまして、お説の点は十分検討を加えまして、なるだけ一定といいますか、あまり弾力のないように、そしてこういうことはなるべくなくなるように、こういう指導をいたしたいと思います。

豊田雅孝緑風会

○豊田雅孝君 歩積み預金は特別の場合以外はやらないように、こういうことになれば一番いいのでありますけれども、そういう理想を描くことが、かえってきわめて現実の問題としては、だんだん歩積み預金をよけいにさせて、業界では非常な苦難にあえぐというのが実情であります。従って最低の線というか、逆に最高の線、これを設けて、それ以上はいかんということで特別の悪いものを押えていくという行き方の方がきわめて現実的ではないか。第一段としてはそういう行き方で、この歩積み預金の不当な行き方を抑止するということについて、強く今後御検討願いたいということを希望いたしまして、時間がないようでありますから質問を終ります。

田中啓一自由党

○田中啓一君 関連しまして……。ただいまの豊田君の質問に関連いたしまして租税体系から見まして、一業種がほかの業種に比べて不均衡になるという問題が絶えずあるのでありますから、幸い政府はいわゆる経済計画をお立てになりまして、どの業種にどんなふうに分配するというこをよくお調べでございますから、まあ今は農業と中小企業との比較の問題が出たわけでありますが、ああいったように全部の租税、国税、地方税にわたりまして第一次産業、第二次産業、第三次産業、またそれぞれ税を負担しておる、その中の業種には区別があるから、それが分類されて、そうして何々の税を幾ら、何々の税を幾らというような負担の一覧表を、主税局長おいででございますが、可能な限りにおいて、そうきちんとできるかどうか、私は実は予想がつかないのでございますが、可能な限りこれをお作り願えれば、私ども今度の予算審議に当りまして非常な便宜を得るかと思います。かような資料を御提出願いたいと思います。

渡辺喜久造大蔵省主税局長

○政府委員(渡辺喜久造君) 今ちょっと伺いましたところ、なかなかむずかしいのじゃないかと思いますけれども、一応田中さんの御意向をさらに伺いまして、われわれの方ででき得る限りの資料を作って提出したいと思います。

館哲二緑風会

○委員長(館哲二君) 本日はこれにて散会いたします。明日は午前十時から質疑を続行いたします。   午後六時十四分散会

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