予算委員会 第11号
- 発言数
- 207 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1955/05/19
会議録
○委員長(館哲二君) それではこれより委員会を開きます。 本日は昭和三十年度一般会計暫定予算補正第一号それから同じく特別会計暫定予算補正第一号、同じく政府関係機関暫定予算補正第一号につきまして、政府の提案理由の説明を聞きたいと思います。
○国務大臣(一萬田尚登君) 昭和三十年度暫定予算補正六月分についての御説明を申し上げます。 昭和三十年度予算につきましては、目下国会において御審議をお願いしているわけでありますが、諸般の情勢からいたしまして、五月中に、その成立を期待することは困難と認められますので、今回四、五月分の暫定予算に追加して六月分の暫定予算を提出することといたした次第であります。 本日から予算委員会において御審議をお願いするにあたりまして、その概要を御説明申し上げたいと存じます。 一般会計の六月分暫定予算は、歳入総額六百六十億円、歳出総額千二百八十九億円でありまして、差引六百二十九億円の歳出超過となりますが、これは国庫余裕金の使用によって十分まかなえる見込であります。なお、万一不足を生ずるような場合に備えて、大蔵省証券を二百億円の限度内で発行できることといたしております。 四、五月分の暫定予算は、その編成当時いまだ本予算案ができ上っておりませんでしたし、その内容は政策的なものは除外し、ごく事務的な経常費のみについて最小限度の所要額を計上するという方針をとっておりましたが、今回の六月分暫定予算におきましては、三カ月間にわたる暫定予算に伴う経済界等への影響をも考慮し、原則としてただいま御審議中の三十年度の本予算案を基礎といたしまして、それぞれの経費につき、六月中に支出または支出負担を必要とする額を計上いたしたわけであります。 ただ新規経費につきましては、法律の制定ないし改正を必要といたしますものを除いておりますことは言うまでもありませんが、その他のものにつきましても、時期的な関係その他の理由により、特に、六月中に支出負担を必要といたしますものに限り、所要額を計上することといたしております。上が今回の暫定予算編成の基本方針でありますが、この基本方針に基く編成要領につきまして、なお若干御説明を加えたいと思います。 まず、人件費、事務費、その他の経常的経費につきましては、一カ月分を計上することといたしておりますが、人件費におきましては、六月に支給する職員特別手当の〇・七五月分をあわせて計上いたしております。 補助費につきましては、四、五月分の暫定予算には原則として計上せず、義務的なものであって、特に四、五月中に支出を必要とするものに限り計上することといたしましたが、今回は原則として、すでに計上いたしました額とあわせて第一・四半期分の所要額となるように補助金を全般的に計上することといたしております。 次に公共事業費及び食糧増産対策事業費につきましては、四、五月分の暫定予算とあわせて年額の三分の一程度となることを目途とし、また、北海道その他の積雪寒冷地の事業費及び災害復旧事業費につきましては、四、五月分の暫定予算とあわせて、年額の二分の一程度となることを目途として今回の暫定予算に合計三百六十六億円を計上いたしております。これらは年間の事業計画が円滑に遂行できるようにとの配慮のもとに、過去の実績等を勘案して所要額を計上することといたしたことによるものであります。 住宅施設費、文教施設費、官庁営繕費等の施設費につきましても、公共事業関係費に準じ、その所要額を計上いたすこととしております。 失業対策事業費につきましては、特別失業対策事業費をも含め、一カ月分程度を計上し、公共事業等への就労とあわせ、失業者の吸収に遺憾なきを期しております。 地方財政につきましては、公共事業関係費及び一般の補助費等につき前に申し上げました通り、所要額を計上いたしますとともに、地方交付税交付金のうち普通交付税分につきまして年額の四分の一、三百十九億円を計上いたしました。 特別会計および政府関係機関の六月分の暫定予算につきましても、一般会計に準じ、所要額を計上することといたしておりますが、特に企業会計につきましては、事業の円滑な遂行を阻害することのないように特に配慮することといたしております。 財政投融資につきましては、年間計画、過去の実績、原資の状況等を勘案し、資金運用部資金等により所要資金の配分をいたすこととしております。そのうち、政府関係機関または特別会計に関するものは、農林公庫十億円、国民、中小企業、住宅各公庫五億円ずつ、国有鉄道三十億円、特定道路二億二千万円、開拓者資金二億六千万円でありますが、電源会社、金融債、地方債等につきましても、原資の状況等を勘案し、年間計画の一部として必要に応じ所要資金を配分することといたしております。 以上をもちまして六月暫定予算の概要の説明を終ります。 何とぞ政府の方針を諒とせられ、本暫定予算案に対し、すみやかに御賛成あらんことをお願いいたす次第であります。
○左藤義詮君 大臣はおられますか。
○委員長(館哲二君) 今実は衆議院の大蔵委員会の方から要求があるのですが、いましばらくの間だけちょっと御質問願って。
○左藤義詮君 この前の四、五月の暫定予算の審議のとき、あるいは先日の本会議の質疑におきましても、六月暫定予算を出さないと、こういう大蔵大臣のお話しだったのですが、私ども当時からとても今の政府の力では五月一ぱいには本予算の成立はむずかしい、六月に追い込まれるのではないかと心配をいたしたのでありますが、さようなことを考えていないということで、今こうしてまた暫定予算をお出しになっているのですが、これに対する経過、あるいは大蔵大臣はどういうようにお感じになっているか、ここまでいきますというと、また私どもは心もとないので、七月暫定に追い込まれるようなことはないのか、これだけは絶対もう十分に成立に対する自信をもって、非常に国民の心配している七月まで暫定ということにならないだけの確信を持ち、万一の場合にそれだけの責任を持つだけの心づもりがあるか、この暫定予算をお出しになったについて、これだけの説明では従来の私どもの質問したことに対する大臣の御答弁に対しましてはなはだ納得がいかないものであります。その責任をどういうふうに考えておられるか。今後の七月の問題についても明確に御答弁を願いたい。
○国務大臣(一萬田尚登君) お答えします。本予算はぜひとも五月中に国会の御承認を得たいと考えておりまして、私どもとしてできるだけ努力をいたしたのでありまするが、諸般の事情から先ほど申しましたようにとても五月中に通過が困難のようでありますので、六月の暫定予算を出すことにいたしたわけであります。
○左藤義詮君 七月の分はどうですか。
○国務大臣(一萬田尚登君) 本予算がぜひとも六月中には通過いたしますように、これはまあ私といたしましては国会にも心からお願いして、私どもとしても審議がはかどって六月中に上りますようにこいねがっております。
○左藤義詮君 諸般の事情と簡単におっしゃいますが、とにかく大蔵大臣は非常な意気込みをもって大蔵大臣に就任せられて、前回の暫定予算の審議についてもあるいは本会議等におきましても、六月は暫定にいたしませんということを言っておきながら、諸般の事情からと、はなはだどうも一向恐縮したような様子がない。当然のことのようだ。はなはだずるいということは極端かもしれませんが、私は非常に、その政治責任に対する良心をもう少し目ざめられるように希望したいと思います。ただいまだけの御説明では、はなはだあれだけみえを切っておきながら、いかにも軽々しく諸般の情勢云々によってこれをこのまま糊塗してしまうということは、はなはだ私は大蔵大臣の政治責任において残念に思う。ことに七月の予算につきましては、さようなことをしないとおっしゃっておりますが、それでは七月暫定にしないためには、現在衆議院で審議せられております本予算案に対して、大蔵大臣はどういう見通しを持たれるか、参議院に対していつごろ本予算案が来て、そうして参議院にどれくらいの審議の期間を必要とすると考えておられるか。そういうお見通しもなしに、六月は出さないといっておきながら出されるのですが、その点から申しますと、七月の問題に対しても、もう少しはっきりした本予算案に対する大蔵大臣の見通し、確信、そういう点から、七月はぜひ出さないから、六月だけは審議していただきたい、かようなことならばお話も、まだ政治責任は別といたしましても、まだお話はできるのですが、六月はずるずると諸般の情勢云々で平気な顔をしておる、七月は出さないということにつきまして、どうして出さずにすむのか。本予算に対するどういうような衆議院の審議、参議院の審議日程等について、どういう見通しを持っておられるか、その点を伺いたい。
○国務大臣(一萬田尚登君) お答え申し上げます。暫定予算がたびたび出ますことについて、私は非常に相済まなく思っておることはただいま申し上げた通りであります。なお、この本予算が参議院に回ってくる、これはもう私としては衆議院の方の御審議ができるだけ進んで下さって、参議院の方に早く回りますことを一生懸命願っておるわけであります。
○吉田萬次君 もし、ただいまの左藤委員のお話によりましてありました通りに、七月の暫定予算というようなものが組まれるということになったならば、経済界というものに対する影響は非常に重大である。しかるに現在の状況から勘案いたしますると、どうしても七月の暫定予算を組まなければならない情勢に追い込まれておるということと、六月の暫定予算に政策が織り込まれておるというところを見ますると、おそらく再び政策を織り込んだ七月の暫定予算が出るような気分がいたしまするが、大臣ははっきりとこの際七月の暫定予算は出さないというようなことに対して明言せらるるかどうか。またこの問題はおそらく経済界の、ことに電力に関係のある方面においては重要視しておる矢先きでありまするので、この問題をはっきりと明言していただきたいと思います。
○国務大臣(一萬田尚登君) お答えします。私といたしましては、七月は暫定予算で組まぬで済むことに最善を尽す考えでおります。
○左藤義詮君 六月は出さないように最善を尽すと言明しながら、ここにお出しになっておる。そうして七月についても今伺いますと、できるだけ国会に、衆議院にお願いをするというだけであって、これに対する確信をお持ちになってない。かようなことになりましたのは、わずか百八十何名で思い上って、この組閣をし、この予算を出して、一時、とてもこれでは無理をしないといけない、三木総務会長のごときは相当謙虚な態度で出られておる。少し私どもが手をゆるめておりますると、また甘く見て何とかなるだろう、最近の総理の新聞記者会見談等を見ましても、非常に力のないくせに思い上った態度であり、かようなことで、衆議院にお願いする、すると言っておられますが、一体今のような態度で、大蔵大臣は非常な有力な地位をお持ちになっておりますが、今の内閣のこういうような態度で、この予算が果して七月暫定に追い込まれずに通る確信がおありになるかどうか。そういう点につきまして、もう少し率直に、絶対七月暫定予算は出さない、われわれは百八十五名で断固できるのだ、もし自由党が組みかえその他するならば、われわれは解散してもいいというようなことを方々で言っておられますが、あくまでさような確信をもって解散を求める。大蔵大臣は万一七月暫定予算になったならば、われわれとしては覚悟するというくらいの悲壮なる決意をもって、ただいまの御言明をなさったのであるか。それとも何とかなるだろう、ちょうど六月暫定予算を出さないと言いながら、平気で諸般の情勢云々といって、こうしてお出しになっているが、また七月もおやりになるつもりであるか、これに対する政治的なはっきりした信念、お見通しを伺っておきたい。
○国務大臣(一萬田尚登君) 私といたしましては、今のところ何も自分の考えを隠しているんでも何でもない。今申し上げられることは、本予算を出しても、自由党のむろん特別のお助けがなくてはできないのですから、御支持を得まして、そうして早く本予算が成立いたしまして、そうして今お話しになったような七月暫定予算、これは経済界に大きな影響を与えますし、そういうことを国家のために起さないように最善を尽すということ以外に、私、ないと思うんです。
○左藤義詮君 自由党の協力をお願いするというお話でございますが、これにはすでに責任のある総務会長が言明せられたように、内閣は総辞職をする、総理は引退をせられる、いわゆる総辞職解党、そうして保守合同の総裁公選、こういうような線に行かなければ、私はこの問題は解決しないと思うんです。大蔵大臣は内閣全体の責任において、さようなふうに政局を導いて行くように、そうして七月暫定に追い込まない、財界に御迷惑かけないというような確信をお持ちになっているのであるかどうか。与党の総務会長や幹事長がときどき思わせぶりなことを言って、しかも一方では総理が非常に居すわりという強気の放送をしておる。かような情勢であって、この民主党の内閣の大蔵大臣として果して自由党の協力が得られると思っておられるのかどうか。もし本当に協力を得て、六月は暫定にしたが、七月は絶対にいたしませんというならば、もう少し私は謙虚な内閣自体としての態度があるべきだと思う。かような総理、官房長官等が勝手気ままなことを言っている現状において、私は絶対にこの予算は成立しないと思います。そういう意味において大蔵大臣は六月は暫定予算にして申し訳ない、七月は絶対に出さないというならば、大蔵大臣がもう少し政治力を発揮して、もう少し内閣としてもはっきりした態度をきめていただきたい。こういう点について今のようなあいまいというか、あるいはじきに居直って物欲しそうな執着を持つ、そういうような態度で、これができるとお思いになっておるのか、もう少しその点はっきり伺っておきたい。
○国務大臣(一萬田尚登君) お答えいたします。私は率直に申しまして、終始一貫同じ政策を持っているものです。根本的に違わない政治の勢力というものが一緒になって国家の大道に行くべきである、それには自分たちもできるだけの力を尽す、これは私の信条であることを申し上げておきます。
○木村守江君 先ほど来、大蔵大臣の答弁を聞いておりますと、最善を尽す、前に四月、五月の暫定予算を出す場合に、最善を尽して六月の暫定予算は出さないというようなことを言明しております。なお、七月の暫定予算を出すような状態にならないかというような質問に対しましても、最善を尽して出さないようにすると言っておりますが、しからば一体六月の暫定予算を出すようになったのは、あなたが最善を尽さなかったのですか。最善を尽してもなし得なかったというその理由、最善を尽してもなし得なかったのは、あなたが出した予算は、これはどうしても国会として承認でき得ないというような問題が多々あったのでありまして、この点については、提出者である大蔵大臣は責任をとらなければいけない。あなたの最善が本当に良心的な最善であるならば、どういう最善であるか、この最善に対して具体的に御答弁を願いたい、はっきり願いたい、良心的に願いたい。
○国務大臣(一萬田尚登君) お答えします。私といたしましては、必ずこの予算が通りますように、同時にそのためには、国会の御審議が早く進みますように、できるだけの力をそそいだわけであります。あるいはまた私が微力であった点もあるかもしれませんが、私としてはできるだけのことをいたしましたことだけを申し上げでおきます。
○木村守江君 どうも私はあなたの答弁に対して納得できない、満足できない点がある。少くとも男が最善を尽して出さない、最善ですよ、言葉は。そういうように国会で約束をいたした限りは、ほんとうにあなたは名実ともに最善を尽さなければいけない。しかも最善を尽して出さないと約束しておきながら、ここに出すようになったその理由は、あなたが最善を尽さなかったのか、それともあなたが最善を尽しても、通らないような状態にあったのか、その通らないような状態にあったとするならば、あなたの提出した予算案に大きな欠陥があるということを、あなたは認めなくてはいけない、いずれかだと私は考える。なぜそれをはっきり言えないのですか、はっきり具体当に御答弁を願いたい。
○国務大臣(一萬田尚登君) たびたび同じ言葉を繰り返すようになりまして、大へん恐縮に存ずるのでありますが、私は自分の提出いたしました予算は、私としてはとてもいいという十分の信念を持って作った予算で、むろんこれについては、いろいろと今後の御審議をいただかなければなりませんが、私としては信念を持って出したわけであります。
○木村守江君 ただいま大蔵大臣の答弁を聞いておりますと、大蔵大臣は最善を尽した、しかも自分の手で提出した三十年度予算というものは、最善のものだ、従って自分が最善の努力を尽したが、これが通らないということは、国会が悪いのだというように聞こえるのでありますが、そういうふうに解釈していいですか。
○国務大臣(一萬田尚登君) お答えします。いや、決して国会が悪いなんか考えてもおりませんし、ただ私はそういうふうに、むろん大蔵大臣が予算を編成をして、国会に御審議を仰ぐ以上、自分として最良な案を出さなければ、これは国会に対しても相済まぬと思っております。それを今国会で御審議を願っている、こういうことであるのであります。
○木村守江君 どうも非常に話がわからないのです。あなたは最善を尽すと言っておって、国会がそのいい予算を、最善の予算を通過させないということは、国会が悪いのだと解釈する以外に方法がないのですが、今度は国会が悪いのじゃないというような答弁でありますが、そうすれば、あなたは最善を尽くさなかった。もしも最善を尽したというのであったならば、あなたの力が足りな過ぎる。要するにあなたの大蔵大臣としての力があまりに小さ過ぎる、微力だ。大蔵大臣としての職責には小さ過ぎるということを証明するか、あなたの所属している内閣が、国会にこの最善と思われる予算を出しておりながら、通過させるところの能力がないというように解釈するか、それ以外に方法がないと思うのですが、どういうふうに一体解釈したらいいのですか、御答弁を願います。
○国務大臣(一萬田尚登君) お答えします。いいえ、こういうふうに私は考えておるのであります。私は大蔵大臣として同時にまた政府として、今回の予算は最良のものと考えて御審議願っているのです。国会がこれを最良と思っておるか、これは今後の御審議にまつことになるのであります。私どもとしては、自分で最良と思っておるから、ぜひとも御賛成を得て早く通過するように最善を尽している、かように申しておるのであります。
○池田宇右衞門君 同僚からの大蔵大臣に対する質問に対して、大臣は最善を尽す、又最善を尽したというけれども、最善を尽したなら、これが成績が上って、すでに暫定予算を提案しなくてもいいような結果になり、最善を尽した適切な効果あり、かように相なるのでございます。この点は、努力はしたが足りなかったといわざるを得ないのであります。しこういたしまして、今の衆議院の審議の過程から申し上げますならば、おそらく明日においては、まだ公聴会で、暫定予算で今月を終ってしまうといたしますならば、三十年度予算は、六月に入るだろうと思います。もし、三十年度予算が六月のいつになるかしりませんけれども、その成立をしたのちに本院に回ってきたといたしますならば、これはいきおい七月に入ってしまいます。そういう経過でありますから、七月暫定予算を出すのか出さないのかという同僚各位の質問であろうと、私もさよう思います。大臣も仰せの通り、経済界ばかりではなく、一体地方行政におけるところの地方自治体が、都道府県及び市町村に至るまでこの打撃を受けて、非常な、事業の上においても、あらゆる問題において損害をきたしております。ひとり、政府が最善どころではない、誠意を結集して早く成立しなかったならば、国民全体が受けるところの損害は甚大だといわざるを得ないのであります。そこで、大臣は最善を尽すのなら、閣議において、総理初め閣僚全体が責任をもって、これをどこまでも尽す方針をそこに強力に主張しなければならないだろうと思います。国民の名において暫定予算また暫定予算ということは、実にたえられないのであります。この点について大臣は閣議においても、また与党においても、本当にみずから最善の努力を尽して、七月の暫定予算は提案しないような方法を講ずる決意ありやいなや、そのときには、まあ本日はすべてを投げ出すとは言わなくてもいいが、至上決意をもって、これに臨むという決意の披瀝を、この際はっきり答弁願います。
○国務大臣(一萬田尚登君) お答えします。全くお説の通りと考えます。私はほんとうに誠心誠意を尽しまして国会にお願いをいたしたい、かように私もほんとうに一生懸命になってやるつもりであります。
○佐多忠隆君 どうも大蔵大臣、国会における予算の審議について非常に投げやりな態度であることが今議論されましたが、われわれもそれを痛感をいたしておる。特に、それに関連して、事務当局も予算の審議について一生懸命やっていないのじゃないか。ことに参議院における予算審議を非常に軽視しているのだ。その手っとり早い具体的な話が、今日大蔵大臣の説明の要旨をいただきましたが、その要旨は、衆議院の予算委員会に提出をされたお余りをここに配付しておる。全くこれは参議院を軽視するもはなはだしい、参議院に対する侮辱であると思う。大蔵大臣から陳謝をされることを要求いたします。それが第一点。 第二点は、これまで同僚諸君からも問題になりましたが、三カ月間にわたる暫定予算に伴う経済界への影響が非常に大きい、暫定予算のために非常に大きな影響をこうむっているというようなお話がありましたが、私たちもそうだと思う。そこで大蔵大臣としてあるいは大蔵事務当局は、この暫定予算のために経済界に与えている影響をどういうものだとお考えになっているか。従ってまたこれが暫定予算でなくて今提出されている三十年度本予算、あれが暫定予算の形でなくて四、五、六と経過する場合の支出状況あるいは予算の運営状況と、暫定予算のための支出状況あるいは運営状況とが、数字的にあるいはその他具体的にどういうふうに違っており、従ってそのことからどういうふうに経済界に影響を与えたのか。それらの点を詳しく一つ御説明を願いたい。
○国務大臣(一萬田尚登君) ただいま配付しました書類、衆議院という……、私もはなはだ意外に思っております。注意をいただいたわけでありますが、これはおわびを申し上げます。 それからこの暫定予算が経済界にいろいろとおもしろくない影響を与えるのじゃないか、これは私もさように存じます。できるだけ暫定予算におきましてもさような点を考慮いたし、特に今回の六月の暫定予算についてはそういう考慮をいたしているつもりでありますが、しかし本予算の成立に比べまして、やはり悪い影響があることは、これは申すまでもありません。今それを数字的に一々ここで説明をせいということでありますが、これはまた数字的になりますと、この数字を持ちません。ここで私が抽象的に考えることを申し上げまして、これはまた数字を持ちまして御説明申し上げることを御了承願います。
○佐多忠隆君 そういう数字も持ちませんし、具体的な説明がここではできませんというような予算審議の態度がいけない、予算審議に臨む態度がいけないということをさっきから申し上げているので、そういう数字その他はちゃんともう準備ができて、それをお持ちの上で、こういう説明をしておられることと私は了承しているのだし、またそうでなければならない。従って一々具体的に数字的にどうなっているかというような問題はのちほど事務当局から聞くといたしましても、一体経済界への影響がどういうふうに現れているのだというようなことは、もう少し具体的にいろいろと御説明があってしかるべきだし、だからこの暫定予算では困るので、早く本予算を通してくれ等々の問題がそこから具体的な切実な希望、要求として出てくるのだし、そういうことをはっきり説明をし説得したそのときに、われわれもそれを急がなければならないとか等々の問題が出てくるのであるから、その点はもう少しまじめに具体的に御説明を願いたい。
○国務大臣(一萬田尚登君) お答えします。財界にいろいろと資金面その他におきましても、全体の資金については私はそれほど暫定予算なるがゆえに困っているということはないと思っております。がしかし、いろいろな事業の遂行の上におきましていろいろ支障があるということは聞いております。だからできるだけ予算の成立の早いことを期しているわけであります。
○佐多忠隆君 どうも何ら答弁になっておりません。しかし私もここでこれ以上追求してみても、ただ言葉のやりとりにすぎない。実のある審議になりませんから、私はきょうはやめますが、もっとそういう点を十分準備をして御説明になり、御説得を願いたい。これは事務当局にもお願いをいたしておきます。私はきょうはもうやりません。そういう問答は無用であります。
○左藤義詮君 ただいま佐多委員からの御質問の問題について、はなはだ遺憾でございますが、佐多委員がおっしゃるように、これは次の機会に十分資料をもって御説明を願いたいと思いますが、ただ、私この際にもう一つお伺いしておきたいことは、原則として、ただいま審議中の三十年度の本予算を基礎として今度は六月暫定予算をやっていく。四、五月とはだいぶ事情が違っておる。いろいろ例外がございましょうが、政策的なものが相当入っておる、かようなことになりますと、私ども審議につきましても相当四、五月とは事情が違ってくるのですが、とりあえず伺っておきたいのは、今のような政治情勢では本予算は通過しない。しかも、一方では六月が迫っておりますので、この暫定予算をわれわれ審議しなければならん。もし、この六月の暫定予算がかりに私どもがやむを得ないとして通しましても、そうして本予算案が否決された場合には、この政策を盛った六月暫定予算をどういうふうに処置なさるのか。また否決でなくても、組みかえの要求があったりあるいは修正、かような場合にはこれをどういうふうに処置なされるのですか。それに対する政治的責任はどういうふうにおとりになるのか、この点を伺っておきたい。
○国務大臣(一萬田尚登君) 私はぜひとも暫定予算、それから本予算通過を期しておるわけでありまして、否決されたときの点についてはということは、今私考えておりません。が、しかし、そういう事態について私が、こういう大蔵大臣としてはむろん信念を持ってこれをやっておることでありますから、そういう場合について私がどういう考えを持つか、十分そのときに考えるつもりであります。
○左藤義詮君 私のお尋ねをしておりますのは、これは政策の入った本予算と非常に密接な関係を持った暫定予算であります。四、五月とはだいぶ事情が変ってきております。しかも、私どもは経済界の実情その他を考えまして、やはり六月一日から予算がなくては困りますから、この予算は審議しなければならない。そうして、しかもこれと関連のある本予算の方は非常に難航をしておる。私は今のような内閣の態度である限りは、組みかえ、または否決が必至だと思うのであります。それをさようなことがないと、私は組みかえ、または修正はしたいと思っておりますが、さようなことがないとどうして断言できるのですか。さような仮定な問題は答えられないとおっしゃいますけれども、私はそういうようなときにこそはっきり内閣あるいは大蔵大臣の所信を示し、そうして本予算の審議に向われるべきだ。本予算がもし組みかえ、または修正になったときには、私どもがすでに審議してしまった暫定予算は事務的にどういうふうになるのか、どういうふうに処置なさるのか、あるいはこれに対する政治的責任はどういうふうにおとりになるのか、その点をはっきり伺っておきます。そうでないと、政策と関係あるこの暫定予算は審議できない。本予算に対する態度の表明がないと審議ができないので、その点をはっきり伺っておきます。
○国務大臣(一萬田尚登君) お答えします。暫定予算は三十年度の本予算案に基いてやっておりますが、政策的なもの及び新規なものは真にやむを得ない、新規なものはほとんど入っていないと思いますが、政策的なものもできるだけやはり計上を少くいたしてあるわけであります。
○左藤義詮君 全然政策的なものがないとおっしゃるのですけれども、これは政策的なものを相当盛ったものです。そして原則として本予算案を基礎としてやったとおっしゃる。そう言いながら政策的なものはほとんど入っていない。われわれがもしこの暫定予算を審議するときに、政策的なものがありましたならば、これは全部そういうものはわれわれが修正していいのでありますか。それであらゆる国民の生活、特に経済界等の影響はなくて済むものでありますか。そういうあいまいなことでは困ります。
○国務大臣(一萬田尚登君) 政策的なものでも、真に六月に支払いを必要とする、支払いをしているし、負担をしているものに限って計上いたしております。どうしてもこれは必要だと思われるものをしてあるわけであります。
○左藤義詮君 とにかく四、五月の暫定予算の全然政策的なものを持たないというものとだいぶ事情が違っている。そうなれば本予算との関係が切っても切れない非常に深い関係を持っているわけです。そうなれば本予算が現実のように難航をし、私どもは七月暫定すらも必至だというような心配をしている。そういう場合に、われわれがどうしてこの暫定予算を審議できますか、政策の入っている暫定予算を……。われわれはそうすると、本予算に対しては非常な重大な決意を持っているのですが、これをこま切れみたいに一部だけは一つかんべんして通してくれというようなあいまいな態度をおとりになるのか。かりに本予算が修正され否決された場合には組みかえ要求、あるいは否決された場合には、事務的には少くともこの六月暫定予算に入っている政策的な部分はどういうふうな処置をされるのか、これに対する政治的責任はどういうふうにおとりになるのか、その点をはっきり私は伺っておきたい。
○国務大臣(一萬田尚登君) お答え申し上げます。先ほど申し上げましたように、六月の暫定予算につきましては、継続事業あるいは季節的な関係等でどうしても六月に計上いたしておかねばならんものを計上いたしてあるわけであります。そういう意味におきまして、むろん政策的なものが、継続事業あるいは特に季節的な関係等を考慮した意味におきまして、政策的なものも入っておりますが、しかし本予算の御審議を左右するようなそういうものはできるだけ計上いたしておりませんので、どうぞ一つ御審議をいただきたい、かように私は考えております。
○左藤義詮君 ただいまの説明は、はっきり衆議院に行って言っている。とにかく三カ月にわたる暫定予算に伴う経済界等への影響をも考慮し、原則としては三十年度の本予算案を基礎といたしましてと、それが基礎になるのであり、それにもし若干の考慮をされたとすれば、例外の考慮なのであります。原則としては本予算が基礎になっているのであると説明なさっているじゃありませんか。そうすればその政策を盛った、私どもとしては非常な重大な関心を持って審議しなければならん本予算と関連を持つ部分が多いと思う。それが原則じゃありませんか。そうしますればその本予算が、私どもは非常にその運命を危惧しているのでありますけれども、現在の政府の態度では、私どもは非常にゆるがぬ決意を持っているのでありますが、さような重大な修正、または否決された場合には、私どもはすでに原則として本予算の一部である暫定予算を通してしまったら、通してしまった暫定予算はあとどういうふうにしますか、事務的にどういうふうにしますか。その政策を否定された場合に、すでにもうわれわれが承認した予算はどうなるのか。これは事務当局からも説明をしてもらいたいし、それに対して大臣はどういう政治的責任をおとりになるつもりであるか。努力します、本予算は通るようにしたいと思っておりますというような、そんな私は当てにならんことでわれわれは政策を含んだこの重大な暫定予算を審議できなくなる。これに対して、すでに暫定予算が通ったら、それのもとである本予算が否決された場合はどういう処置をなさるか、どういう責任をとるか、その点はっきり伺いたい。
○政府委員(森永貞一郎君) 予算の内容につきまして、まず私から補足的に申し上げておきたいと思います。暫定予算を提出いたします場合に二通りの場合があると思います。一つは、本年度予算が編成そのものもまだできていないうちに暫定予算を出す、もう一つは、提出いたしておりますが、成立が間に合わないという場合、この二つの場合があるのであります。四、五月の暫定予算は、本予算もまだできないうちに倉皇の間に提出いたしたわけでございまして、この予算の基礎といたしましては、勢い前年度予算ということにならざるを得なかったわけでございます。前年度予算を基礎にし、しかも政策的要素を極力排除する。従いまして補助金等については、継続的な事業に属するものもこれを計上していなかったことは御承知の通りでございます。今度の場合は、本予算を四月二十五日に提出をいたしておるわけでございまして、私どもといたしましては、やはり基礎になるものは本予算であるべきである。と申しますのは、前年度予算と今年度予算との間に当然の増加のファクターもいろいろあるわけでございまして、四、五月の場合にはその当然の増加も無視して、前年度予算によりましたが、本年度は予算をすでに国会に提出いたしております以上、当然の増加を来たすような要因につきましては、やはり本年度の予算を基礎にして暫定予算を組むべきである、さように考えまして、今回の予算の基礎も本年度予算にとったわけでございます。ただしその場合に、ただいまいろいろ御指摘がございましたように、国会の審議を暫定予算の審議によって拘束することは、これは極力避けるべきでございますので、暫定予算には新規のものは原則として計上しない。ことに法律の改正、新規の制定を要するようなものは、これはかりに六月までの期間に必要なものでありましても、これを計上することを差し控えております。法律の改正ないしは制定を要しないその他の新規につきましても、この四月ないし六月の時期を失しましては、予算を出す意味が著しく乏しくなる。例えば健苗育成と申しますか、保温折衷苗しろ、これは四月、五月に予算がいったわけでございますが、しかし先ほど申し上げましたような理由で、四、五月暫定予算は前年度予算を基礎とし、かつ政策的なものは除外するという観点から、この保温折衷苗しろの補助金のごときも計上していなかったわけでございますが、こういうものは新規ではございますがこの時期を失しては意味がなくなりますので、そういう季節的に特にこの期間に必要とするような新規は、特にこれを例外としてこの暫定予算に計上いたしまして、国会の御審議によってお認めいただきますれば、これを早く実施したい。さような観点から若干の新規のものが入っておりますことは事実でございますが、新規は原則として計上しないということは、とりもなおさず、国会の御審議に対する関係を配慮いたしました結果にほかならないのでございまして、政策的要素を極力排除するに努めた、かような気持でできておることを御了承いただきたいと思うのであります。 三十年度予算を基礎にしたから政策的だというおしかりをこうむったわけでございますが、これは前例に徴しましても、本予算がすでに国会に提出済みでございます場合に、その予算を基礎として、その中から新規等はできるだけ排除して事務的なものを計上する、そういうような考え方で、前例もございますので、その点も御了承願いたいと存じます。なお四、五月の予算と一番違います点は、補助金等につきまして四月、五月は計上いたしておりませんでした、それを今回は計上しておる。しかもそれは新規を除いて継続的な補助金を計上しておるわけでございます。この点が非常に違っておるわけでございますが、これは継続的な事業ということでやっておりますので、補助金そのものは政策的なものではございまするが、事業そのものから申しますと継続的な事業でございまするから、国会の御審議に対しましてそう支障を来たすようなこともあるまいと、さような配慮から継続事業につきましての補助金が今回の予算にこれを計上いたしてある、その点が一番違うわけでございまして、その他の点は前回の予算と、積算の単価等につきましては、先ほど申しましたように二十九年度予算と三十年度予算の違いはございますが、そう著しく性質が異っているわけではないことを特に御了承いただきたいと思うのであります。
○左藤義詮君 ただいまのは全く事務的な御説明で、それだけ伺っておきますが、私どもが補助金を廃するといいながら、また補助金が生きかえってきたり、その径路がなかなか問題で、私は重要なこれは政策が入っておると思うのでありますが、事務当局と議論しても仕方がありませんから、その点申し上げません。 事務当局のお話は伺いましたが、しかしただいまのお話の中に、前例がある、本予算が出ない場合の暫定と、出た場合の暫定とは違うという御説明でございましたが、さような前例は私はあるかもしれませんが、しかしそのときには必ず本予算が、その当時の政治的情勢として通る見通しがあるとして、私どもはその一部を含んだ暫定予算を審議をしたわけでございます。現在の情勢として本予算は通りませんよ。かようなことは仮定とおっしゃるかもしれませんが、今の政府の態度では、ただいまの予算は修正、または否決は必至だと思う。そうしますれば、これは事務当局から御説明を伺ってもいたし方がありませんから、大蔵大臣として、こういう運命を持った本予算のその政策を原則として、これを基礎とした暫定予算を私ども通します、そうして本予算が否決された場合あるいは修正された場合に、どういう処置をおとりになるのでありますか。もし事務当局から伺うならば、その場合の処置を伺いたい。これに対して大蔵大臣はどういう工合に処置するか、最善を尽して通過をはかりますとおっしゃいますが、政府はかかる暫定予算は六月は出さないと言っておりましたが、出しております。仮定的なことを私伺うわけではございません。本予算が否決された場合に、とにかく暫定を通過せしめて、その基礎になった本予算が否決された場合には、一体政府としてはどういう責任をお負いになるか、その点はっきり伺いたい。そうでなければ、私どもはこの暫定予算を審議することができない。もし暫定予算が六月、七月はどうしても必至であるならば、しかも本予算がまだ衆議院で難航しておる、かようなことでありますが、その関係は仮定の問題としても、はっきり伺っておかなければ、私どもは審議できない。私はこれに対する大蔵大臣は政治的などういう責任をおとりになるおつもりであるか、これだけ伺っておきます。
○国務大臣(一萬田尚登君) お答えします。大蔵大臣といたしましては、この本予算をあらゆる力を、あらゆる方法でぜひとも御支援を得まして、そうして通過成立をする、(「成立しない場合を聞いているんだ」と呼ぶ者あり)こういうふうに期待をいたしておるわけでございます。そういうふうな点について申し上げておきます。
○左藤義詮君 全然私の質問にはお答えになっておらんのでありまして、御期待なさるのは御自由でございますが、私のお尋ねしておるのは、この政策を含んだ今回の暫定予算に対して、五月一ぱいに審議しなければなりません。これが通過したなら、さて本予算が否決された、あるいは修正された場合には、基礎になるものが動けばこちらも動いてくるわけです。そうするとわれわれのすでに審議してしまったものはどうなるのですか、事務的にこれに対してどういう措置をされるつもりか。本予算を基礎にしてあなたは最善とおっしゃった、最善という信念を持って、私どもにその一部分である暫定予算の審議を求められた。われわれは経済界の実情やむを得ずと考えて、五月一ぱいに暫定予算を通した、しかも本予算が修正されたというようなときには、一体どういう責任をおとりになるか、ただ期待するだけでは困るのであります。この問題に対してはっきりお答えにならなければ、これは審議できなくなるのであります。
○国務大臣(一萬田尚登君) どうも同じようなお答えになるかということを心配いたしておるのでありますが、私はそういうふうにならないようにというふうに考えて(「あるんだよ、それは」と呼ぶ者あり、笑声)おるわけであり、またそういう暫定予算を、先ほど事務当局からも御説明申し上げたように、なるべくそういうふうに支障がないようにということもできるだけ考慮をいたしておるわけでございます。
○左藤義詮君 全然答弁になっておりません。もし本予算が否決の場合はもちろんですが、修正が少しでもあったとすれば、それがもう暫定予算と少しでも関係するような修正、たとえば補助金の問題等は明らかに問題があるのであります。その本予算が少しでも動いてきた場合には、われわれがすでに通してしまった暫定予算はこれはどうなるのか、こういう関係を私ははっきりして、そうしてさような事態になった場合にはどういう責任をおとりになるのか。われわれに本予算は通ると期待するとおっしゃる、最善の予算だとおっしゃる、確信を持っているとおっしゃる。しかもそれが通らなかった、あるいは修正を受けるという場合には、すでに暫定予算の通過を要望してやむを得ずこれを通さんとしておるのでありますから、そうして本予算がそういうようなことになった場合にはどういう責任をおとりになるか、その点はっきり一つお答えを願いたい。
○国務大臣(一萬田尚登君) お答えしますが、やはりまた同じことに私はなると思うのでありますが、私は通らないときにどうするということに考えておらないのであります。必ず私は御審議を経て成立が願えると、こういう見地に立っておるわけであります。
○左藤義詮君 責任は負わずに、ただまあ本予算は通るかどうか知らぬが、私はこれは期待する、できるかできぬか今の微力ではむずかしいと思うのですが、そういう状態でとりあえず暫定予算をほおかぶりして通してくれということは、はなはだ国会に対する無理難題な要求で、われわれがこれを通して、そして肝心の基礎になる本予算の方の運命が危ぶまれるのは当然じゃありませんか。その点はっきり政治的責任を、われわれ国会にその責任を負わされちゃ困るのでありまして、こういうあいまいなものを通しては国民に相済まないので、国会に責任を負わせぬようにして、本予算がもし否決される、あるいは重大な修正を受けるという場合には当然暫定に響くのですから、さような場合には私の微力でこういう危い暫定を通して、いろいろな無理ができてきて、つじつまが合わなくなってきた、申しわけないというので内閣が責任をおとりになるのでありましょうか。もしお答えがなければ、総理大臣の出席を求めてこれを審議して、政府の責任をはっきりしていただいて、そうして初めて暫定予算が審議できると思うのであります。
○国務大臣(一萬田尚登君) お答えしますが、(「責任をとると言えばいい」と呼ぶ者あり)そういう予算に重大な修正等が行われた場合に、お前はどういうふうに責任を負うかと、こういうことでありますか、御質問の趣旨は……。それは私はそのときの状況に応じまして無論善処をするつもりをいたしております。
○委員長(館哲二君) それでは森永主計局長から補足説明を聞きたいと思います。(「大臣は」と呼ぶ者あり)大臣は衆議院の方の大蔵委員会で、先ほどから要求がありますのでそちらへお廻りを願いたいと思います。 〔左藤義詮君「責任をお負いにならぬような大臣なら大臣は行ってもいい」と述ぶ〕
○池田宇右衞門君 この際ちょっと一言希望を申しておきますが、今政策を織り込んだ暫定予算である、責任問題で同僚各位から種々な質問も聞いておる通りでございます。従って総理の出席ということも必要と相なりますので、この点は委員長において理事会を開いて協議する機会を案出していただきたいと思います。かように申し上げておきます。
○委員長(館哲二君) 了承いたしました。 では森永主計局長。
○政府委員(森永貞一郎君) 大臣の御説明で詳しくお述べになりましたので、私は各計数につきまして、ごく簡単に積算の基礎を申し上げたいと思います。お手元に「昭和三十年度一般会計歳入歳出暫定予算補正」というガリ版の四、五枚の表がお配りしてあるかと思いますが、この表につきまして、歳入歳出の各項につきましてごく簡単に申し上げたいと思います。 まず歳入でございますが、六月分の補正追加額六百十七億でございますが、これは四、五、六の租税収入を見積ったわけでございますが、おもな内訳を申し上げますと、源泉所得税が百九十八億、申告所得税が二十億、法人税が百三十七億、酒税が百三十三億、おもなものはこういうことになっております。専売納付金は零になっておりまするが、これは御承知の通り、専売納付金は年度末の清算をいたしましたところで国庫に納付するということになっております。現実には専売益金が上っておりまして、国庫預金になっておるわけでございますが、歳入に受け入れますのは年度末でございますので、この六月には歳入はございません。それから官業益金及び官業収入十六億二千九百万円、これは主として六月分の病院収入でございます。それから政府資産整理収入十億七千八百万円、この主たる内訳は、国有財産の売却代金が約八億円、緊要物資特別会計の整理による収入が一億円、かようなことになっております。雑収入は十六億円でございます。四、五月の百八億円に比べますと、著しく減少しておりますが、これは四、五月分の中には日本銀行納付金、これは年二回でございますが、これが六十八億であるとか、あるいは特別調達資金の十七億であるとか、四、五月に特有のものを含んでおりましたので、六月は非常に少くなっておると、さような次第に相成っております。 それから歳出の方に参りますが、先ほど大臣が説明されましたいろいろの原則がございまして、その原則を各費目にいかに適用しているかという、その積算の根拠を各費目について申し上げますが、生活保護費は一月分でございます。一月分のほかに二十九年度の赤字補てんを八億円計上いたしております。それから児童保護その他社会福祉費でございますが、同じく一月分の所要額を計上いたしております。ただし、ここにも前年度の赤字補てんが一億六千万円だけ入っております。次は遺族及び留守家族等援護費でございます。一億四千六百万円でございますが、これは留守家族の援護費だけ一月分を計上いたしております。遺族援護費は支払い時期が六月には参りません関係上計上いたしておりません。社会保険費の二十一億三千四百万円でございますが、厚生年金保険特別会計への繰り入れにつきましては一月分、そのほかに国民健康保険の補助がございます。これは四、五月分は補助ということで計上いたしておりませんでしたから、今回三カ月分の国民健康保険の助成費十七億二千万円をこの中に含めて計上いたしております。失業対策費でございますが、二十六億六千百万円、これも一月分でございます。結核対策費十六億五千九百万円、これは国立結核療養所の経営費を一月分、その他の結核病床等の補助金がございますが、それらの補助金につきましては、四、五月分に計上いたしておりませんでしたので、この際第一・四半期分として全額の四分の一、三カ月分を計上いたしております。新規のものはもちろんこの際計上を差し控えております。 それから義務教育費国庫負担金四十四億八千万円でございますが、これはこのうち三十六億円が義務教育職員の六月末に支給する期末手当〇・七五カ月分を六月に支給するわけでございますが、その分をこの前の四、五に三カ月分義務教育関係の負担金を組みましたが、その中には除いておりましたので、この際六月分に三十八億円を見込みました。そのほかに四、五月分は先ほど申し上げましたように、前年度の予算を基礎にいたしておりまして、前年度より今年度は現実に生徒の数がふえておりますし、各府県ではこれに応ずる教員の増加をやっておるわけであります。その増加に応ずる予算は本予算に計上いたしておりますが、今回はその増員分の計算をいたしました場合に、四、五月分で不足いたしました金額八億円がございますので、その分をこの際計上いたしております。これはこの期間に特に支給しなければならない当然増加の要素として計上をいたしておる次第でございます。それから国立学校運営費三十五億四千九百万円、これは一月分でございます。それから文教施設費でございますが、二十三億四千万円、四、五月分に計上いたしました金額と合せまして、年額のほぼ三分の一、すなわち四カ月分を計上いたしております。この中には四、五月分には全然計上いたしておりませんでした公立文教施設の補助等も含ませておるわけでございます。それから育英事業費は三億九千九百万円、これは資金前渡の関係がございまして、二カ月分を組んでおります。二カ月分から返済金を差し引きました三億九千九百万円、これを六月中に交付する必要がございますので、その金額を計上いたしました。 それから国債費三十一億六千四百万円、これは六月に償還期限の参りますもの並びに利払いの所要額でございます。 それから文官等恩給費でございますが、これは四、五月に計上いたしましたものと合せて年額の三分の一になるようにということで六月分の所要額を計算いたしました。それから旧軍人遺族等恩給費についても同様でございますが、ただしこの場合は本予算で計上いたしておりまする遺族扶助料の単価の引上げ、兵長以下千五百円、この分はこれは法律の改訂を要するわけでございまするし、いわゆる新規の政策的なものでございまするから、その分は除外いたしまして、その他の当然増的な要素だけを見ました。年額に対しまして第一・四半期分を計上いたしておるその金額が九億四千万円、四、五月分に相当大きな金額、百四十一億を計上いたしておりますので、六月分は九億四千万円と相なりました。 地方交付税交付金は三百十九億四千二百万円でございます。これは法律の規定によりまして、六月にいわゆる普通交付税の四分の一、すなわち交付税交付金の九二%を普通交付税といたしておりますが、それの四分の一を六月に支給することに相なっております。その所要額を計上いたしました。 それから防衛支出金、これは計上いたしておりません。四、五月に計上いたしましたので、今回は必要がございませんから全然計上いたしません。それから防衛庁経費でございます。七十一億七千九百万円、これは現体制維持分、すなわち増強をいたさない現体制維持のための維持費の一月分、そのほかに二十九年度分の契約に基く所要額が五億ございますが、維持費が六十六億、二十九年度分の契約に基くものが五億、合せて七十一億を計上いたしておるわけでございます。 それから公共事業費でございますが、治山治水、道路港湾、食糧増産、災害復旧、鉱害復旧といろいろございますが、共通の原則は、一般分は四、五月分と合せまして年額の大体三分の一、すなわち四カ月分、もちろんこれは継続事業だけでございまして、新規は計上いたしておりません。その原則に対しまして、特に例外といたしまして、北海道、それから東北等の積雪寒冷地、これらの地域につきましては、工事の急速施行を要しますので、継続事業について特に年額の大体二分の一、すなわち六カ月分を計上いたしております。なお災害復旧費につきましても、出水期前にできるだけ工事を施行させていただきたい、さような観点をもちまして、これは内地でございますが、年額の大体二分の一、ほぼ六カ月分を計上いたしておるわけでございます。これらは17から21番までの共通の積算の根拠でございます。 それから住宅対策でございます。三十八億八千二百万円、ここにはいわゆる公営住宅、従来からございました公営住宅だけを計上いたしております。その積算の根拠は公共事業と同じでございまして、一般的には年額のほぼ三分の一、北海道その他東北等につきましては年額のほぼ二分の一、そういう公共事業の原則にのっとって計上いたしております。 農業保険費でございますが、これは事務費の一月分でございます。 外航船舶建造融資利子補給は計上いたしておりません。予備費も、前回二十億計上いたしておりまして、まだ残っておりますので、今回は計上いたしておりません。その他の重要経費として、賠償等特殊債務処理費と出資及び投資がございますが、いずれも計上いたしておりません。賠償等特殊債務処理費は百億を本予算ではお願い申し上げておりますが、前年度からの繰り越しによりまして当分まかなえるのでございます。従いまして、今回はこれを計上いたしておりません。出資及び投資は一般会計二百六十二億でございますが、これはこれを施行いたしますにつきましては法律の改正ないしは制定を必要とするわけでございます。いわゆる新規的な政策的な事項に属するわけでございます。従いまして、今回はこれを計上いたしません。資金は要るわけでございますが、所要資金は資金運用部等からの資金の融通等をもってこれをまかなえる見込みでございます。さような配慮からこれは計上を差し控えております。 雑件は二百二十四億円でございます。四、五月分が二百二十四億で、一月分が二百二十四億というのはいかにも多いようにお感じになるかもしれませんが、これは六月に期末手当を〇・七五月分出します関係、それと四、五月分は前年度予算を基礎にいたしました関係もございますし、また本予算の編成前でございましたので、庁費、旅費等につきましては、前年度予算額の八割見当という非常に窮屈な予算を組んでおりまして、今回は、もちろん本予算でも相当節約を実行いたしておるわけでございますが、本予算提案後の暫定予算でございますので、大体一月分を計上する。もちろん経常費でございます臨時費とか、新規のものにつきましては極力計上を差し控えておりますることは、先ほど来申し上げておる通りでございます。それで二百二十四億になります。合計千六百八十九億六千万円ということに相なっております。 特別会計につきましては、同じような原則で処理いたしております。ただし、企業会計等につきましては、事業計画の円滑なる遂行ということを目途といたしまして、過去の実績等も考えまして、必ずしも機械的な一月分ということによらないものもありますることを御了承いただきたいと存じます。 簡単でございますが、この際の説明を終らしていただきます。
○委員長(館哲二君) 暫定予算補正の問題につきましては、この程度で今日はとめておきまして、実は引き続いて御審査願っておりました問題で、さきに通産省関係で重要産業政策の問題で当時資料の関係で延ばしたのがあります。今日何か資料が出ておりますので、一応それだけの説明を引き続いてお聞き取り願っておいたらと思います。
○小林政夫君 ちょっと今の説明に対して……。事務的な経費で重要経費以外の経費ですね、これを今ざっと見ただけだから間違っておるかもしれないが、一カ月分だということなら、四、五月分の半分程度が常識的な数字になると思います。必ずしもその暫定的な数字になっていないようだけれども、何かありますか。
○政府委員(森永貞一郎君) 先ほどちょっと触れましたのでございますが、夏季手当が六月に出ます関係で、人件費が一月分のほかに〇・七五余分に入っておるわけでございます。それが大部分でございまして、そのほかは、先ほど申し上げましたように四、五月分の大体八割見当という非常に圧縮した予算を組んだのでありますが、今度は標準予算の一月分ということで考えましたために、そのほかにも個々的にはまあいろいろ、たとえば健苗育成の金が入っておる、そういう雑件的なもの、そういうものが若干ございますが、主たる原因はただいま申し上げましたようなことでございます。
○委員長(館哲二君) それでは通産省の岩武官房長、御説明願います。
○政府委員(岩武照彦君) 前回、通産省関係の産業投資の関係等につきまして御説明を始めたのでございますが、資料を当時持ち合しておりませんので、本日資料をお配りしましたものにつきまして簡単に御説明申し上げたいと思います。 お手元に「重要産業長期投資の見透し」という四枚とじたものがありますが、重要産業につきまして財政投資等の関係がございまするものを中心に、経済審議庁の六カ年計画等の関係等につきまして簡単に御説明したいと思います。 最初の電力でございますが、これは御案内のような電源開発五カ年計画に入っておりまするが、二十九年度以降三十三年までに水火力合計四百六十万キロという開発計画を行なって参りたいと考えております。これは電源開発会社の工事並びに九つの電力会社の工事の総括量です。電源開発以外に送電施設、変電施設等も入っております。三十三年度以降を含めまして七千七百億というふうな一応の資金所要量になっております。この、当初行いまして年度別にどういうふうな出力がふえて参るかというのは、その次の投資効果のところでございます。なお、この発生いたします電力量は、消費端におきまして五百七十五億キロワット・アワー、昨年度の大体の数字が四百七十億キロワット・アワー余りでございますから、約百億キロワット・アワーふえるという計算になるわけでございます。なお、六カ年計画等にはこの関係の数字をそのまま採用いたしまして、計画の中身並びに基礎といたしております。 それから石炭でございますが、これはこの両三年来、いろいろ合理化の投資をやって参りましたが、本年度以降になりまして、さらにこういう石炭の合理化、特に縦坑の開さく、それから坑内外の合理化工事等を行いまして、コスト並びに売り値を一そう下げまして、消費地におきまして輸入の重油と対抗し得るような価格まで持っていきたいということで、この投資の問題といたしましては、ここにありまするように、八百億程度の金を見込んでおりまするような次第であります。 なお、このほかに、非能率の中小の炭鉱等を買収いたしまして、この合理化の結果が、そちらの非能率の山のために危険にさらされないような措置も講じまして、近く国会の方にこの関係の法案を、御審議をお願いいたす予定にしております。この効果といたしましては、生産性の向上のところにございますが、現在、鉱夫一人当り月産十二トン半程度でございますが、これを戦前のレベルにまで、つまり十八トン程度まで上げて参りたい。それからコストにいたしましては、平均いたしまして、約二割近いコストの低下をいたしたい、こういう考えでおるのであります。なお、出炭の規模等は、これは六カ年計画の数字に準拠いたしまして、適当な調整を加えていきたいと考えております。 それから鉄でございますが、これは御案内のように、この数年来、合理化工事、ことに第一次合理化工事というのを続けて参りまして、約千億前後の投資をいたして参りました。主としまして製銑の関係、あるいは製鋼の関係を中心に、いろいろ設備の近代化等を行なって参りましたが、本年度以降は主としまして、おくれております圧延関係に重点を置きまして、厚板あるいは薄板、鋼管、線材といったようなものにつきまして、近代化を行なって参りたいと思っております。その関係のものが入っております。これによりまして、品種によって違いますが、歩どまり、あるいはコスト等の面で改善が相当期待されると存じております。ちょっとお断りしておきますが、所要資金の欄は、これは民間のベースの調達、つまり企業の内部留保、それから市中借り入れ、あるいは増資、社債等のほかに、ある程度の財政からの資金等も考えております。この合計した数字がこの欄の数字でございます。 それからその次のページの硫安でございます。硫安は、一昨年来、コストの低下と、輸出の増進、国内需要の充足というふうな一連の措置を行いますために、所要の法律の制定を見たのでございますが、その一部の合理化投資の残りでございます。主な内容につきましては、ここにありますように、いろいろコストのうちの主要部分を占めますガス関係の有効利用、あるいは新らしい操作によるガス発生設備という関係の投資、あるいはアンモニアの合成設備等も相当老廃いたしておりますから、これも近代化いたす。あるいは硫酸設備も同様というようなことの関係の工事を中心といたしまして、約二百六十億程度と考えております。これによりましてコストも相当下げられますと同時に、操業度の上昇によりまして、相待って硫安の販売価格の低下を招来いたしたいと考えております。この関係は、増産の方とコストの低下と両方ねらっておるところでございます。 それから合成繊維の関係でございます。合成繊維もここ数年来財政投資を中心にいたしまして、いろいろ育成対策を講じて参りましたが、現在の設備の能力は日産にいたしまして五十六トン、実際の生産量は二千三百万ポンド程度でございます。この終局の目標は醋酷酸繊維とあわせまして一億五千万ポンドというふうに考えております。そのためには設備能力を約もう二倍ふやしまして、三倍程度にいたす必要がございますので、ナイロン、ビニロン、塩化ビニデン等を中心といたしまして、この計画を継続して進行して参りたい、こういう考えでございます。ある程度の量産態勢になりますると、価格の方も若干引き下げ可能と思います。羊毛あるいは綿花等の混紡、交織等を通じまして、自給度の向上に資したいと考えております。 それから三枚目でございますが、醋酪酸繊維、これはいわゆるアセテートという繊維でございまして、これは厳格な意味では合成繊維とあるいは言えないかもしれませんが、半合成繊維というような化学上の性質を持った繊維でございます。現在も六百万ポンド程度の生産をみておりまするが、これを将来四千五百ポンド程度までに持っていきまして、合成繊維とあわせまして一億五千万ポンドの生産量に持っていきたいと考えております。そのための設備能力の増加等がこの計画の内容でございます。なお、この現在程度の量でございますると、いわばほんとうのマスプロ態勢に入っておりません。日産わずか八トン七分程度の能力でございますが、これはまあいわば合理化試験に毛のはえたようなものというのが定説だろうと思いますので、この能力を相当ふやしまして、量産の態勢に持っていきます結果、コストの低下におきましても相当なものが期待できるのじゃないかと考えております。 それから石油関係でございます。これは国内の含有地帯が相当有望なものがあるというふうな専門家の意見等もございまして、それら専門家の意見もいろいろ聞きまして、石油開発の五カ年計画というものを一応立案いたしまして、本年度がその初年度に当るわけでございます。現在の生産量は三十四万キロリッター程度でございまするが、これを五カ年間に地質の調査、それから試掘、探査あるいは二次採油といったものに力を入れまして百万キロリッター程度までの生産量に持っていきたいと考えております。これは決して架空の計画じゃないようでございまして、最近におきましても新庄あたりの油田等におきまして、内陸油田におきまして、相当の産油量をみております。ドイツあるいはフランス等におきましても相当国内資源の開発に努めました結果、現在ドイツにおきましては約二百万キロリッターの生産をみております。フランスはこれに及びませんが、これも相当力を入れてやっております。日本の地質構造等からいたしまして、この石油の試掘の計画も相当の科学的な根拠があるかと存じておりますので、ぜひこれをやりたいと考えております。この関係の経費は本年度予算におきましては一般会計の方の試掘補助金という形で三億円計上しております。なお、この産油数量の増加に伴いまするコストの低下等につきましては、投資効果の欄に記載してある通りでございます。 それからその次はガスでございます。ガスは日本のエネルギーの総合対策の面からみまして、都市の家庭燃料の分野を受け持つのが至当だと考えられます。資源調査会あたりの勧告も、日本の木材資源の隘路等の見地からいたしますると、中都市まではやはり都市の家庭燃料はガスを普及さした方がいいというふうな結論になっております。その線に沿いましてこの普及五カ年計画というものを昨年から実施いたしております。現在の供給戸数は、ちょっとここにはございませんが、御参考までに申し上げますると、二百十一万戸でございます。供給は二十一億立方メーターでございまするが、これをここにございまするように毎年二億立方メーター程度供給をふやし、戸数におきましても二十万戸前後のものをふやして参りたいというふうに考えております。この関係の資金等も相当多額に上りまするが、一部は財政資金からまかないまするが、あとは自己資本あるいは市中調達等で行わせたいと考えております。最近におきましてもいろいろ地方の中都市等におきまして新しいガス事業等もいろいろ起っておりまして、通産省としましてはこの燃料総合対策の見地からこの計画を進めて参りたいと考えております。 それから最後にございまするのが石油化学でございます。これはまだ日本におきまして確立を見ていない工業でございまするが、欧米諸国におきましてはすでに相当の規模の確立を見ておりまして、これはいろいろなプラスチック系統、あるいは合成繊維等の原料としまして全く新しい分野の製品を見ておるわけでございまして、日本におきましても相当規模の石油精製工場を持っておりますし、その排ガス等を利用いたしましてこの工業の確立を期するということは、これは工業の高度化の見地から当然だろうと考えております。ただこれは現在までいろいろな企業の計画はございまするが、まだ十分熟していないところもございますけれども、取りあえず三十年度の欄に載っておりまするものは比較的小規模のものを一応考えております。さらにこの総合的な石油化学工業を外国技術と提携いたしまして確立する必要もありますので、詳細な数字はここに計上しておりませんが、備考の欄に若干具体的に述べておりまするように、今後の化学工業の一つの問題といたしましてこれに対しましても応分の財政投資等を行いまして、この工業の確立をはかって参りたいと、こういうふうに考えております。 まあ一応重要な産業の長期的な投資の見通し等は以上の通りでございます。あとは御質問等に応じましてお答えしたいと思います。
○佐多忠隆君 この所要設備資金の、資金の調達の面がわかりますか。それから特に二十九年度の実績のうちで、調達で、財政投資に待った分がどれだけあるか。三十年度さらにどれだけの、所要設備資金のうちに財政投資をどれくらい具体的に考えておるか。今でなくてもいいですから、資料にでもして一つ詳しく……。
○政府委員(岩武照彦君) 全部の産業については今資料を持ち合しておりませんが、おもな産業だけ二、三申し上げますると、最初の電力につきましては昨年度財政資金は五百七十億でございます。これは開発銀行とそれから電源開発の方に対します資金運用部並びに産特会計からの数字の合計でございます。それから石炭につきましては、財政資金は二十九億、これは全部開発銀行から出ております。それから鉄鋼につきましては八億、これは全部開発銀行からでございます。なお本年度につきましては、電力の方といたしましては、九つの電力会社に対しまして、開発銀行から、一応の見通しといたしましては二百八十億、それから電源開発会社に対しまして二百九十八億、これを一応財政資金から予定しております。それから石炭と鉄でございますが、これは全部開発銀行からでございまするが、現在開発銀行の資金運用の内容は詳細にきまっておりませんが、一応のわれわれの考えとしましては、石炭につきましては七十億前後、鉄につきましては三十億前後を期待いたしたいと考えております。目下具体的な検討を進めておるわけでございます。
○小林政夫君 鉄鋼の実績の、二十九年度の実績三億、これは印刷の間違いでしょう。
○政府委員(岩武照彦君) これは説明を省略いたしましたが、これは前からの計画の総投資量でございませんで、第二次の合理化計画だけを入れたわけでございます。二十九年度におきまする鉄鋼の総投資量は百八十六億でございます。
○小林政夫君 そのうち八億が財政投資でしよう。
○政府委員(岩武照彦君) そうでございます。
○佐多忠隆君 あとの三十年度の分もわかり次第、資料を御提出願いたい。
○委員長(館哲二君) それでは午前中の通産省に関するものは一応これで打ちとめておきまして、午後は予定通り社会保障の問題について審査を願うことにしたいと思います。午後は一時二十分から開きたいと思います。 その前に、さっき池田理事からお話がございましたので、一時過ぎから理事会を開くことにしたいと思います。 これで休憩いたします。 午後零時二十四分休憩 —————・————— 午後一時五十五分開会
○委員長(館哲二君) それでは午前に引き続きまして、委員会を開会いたします。 社会保障問題に関連しまして、関係省から説明を聴取しましてから御審査を願いたいと思います。厚生省の堀岡会計課長。
○政府委員(堀岡吉次君) それでは御手元へ差し上げました横刷りの厚生省所管予算要求額事項別調という書類によって便宜御説明申し上げたいと思います。 これの表紙から入れまして四枚めくっていただきましたところから御説明申し上げたいと思います。表紙とともに四枚めくっていただきますと、事項別内訳という欄がございまして、その上の方に所管合計ということで、三十年度要求額並びに前年度予算額との比較増減がございます。二十九年度におきましては八百三十八億一千六百三十七万六千円、それから三十年度の要求額は八百三十六億五千八百七十五万九千円でございます。従いまして、そこに記載しておきましたごとく、金額におきましては総体としまして一億五千七百六十一万七千円の減に相なっておりますが、実は二十九年度の予算の中には二十八年度の過年度の生活保護費等の赤字並びに災害関係の臨時経費、それらが三十六億二千万円が計上されておったのであります。三十年度におきましては、これらに相当するものは、のちほどまた御説明申し上げますが、生活保護費及び児童措置費におきまして合計十二億円、その他総額の、過年度災害を入れますと、十二億一千万円程度のものが計上されておりますので、差し引きこれを比較いたしますというと、実質的には二十二億円余の増と相なっておるというのが厚生省所管の予算の概括的な数字でございます。 それではただいまのところの下の方の事項別内訳のところから御説明を申し上げたいと思います。まず、第一ページの人口対策の関係でありますが、特にそのうちに御説明申し上げますことは(三)としまして、生活困窮者受胎調節普及事業費補助金というのが新規に三千二百三十七万五千円計上してございますが、この経費は、生活保護を受けておる人々並びにボーダーライン層の人々に対するところの器具の無料の配付、並びに低額配付ということによって受胎調節を普及しようというので新規に計上いたしました金額でございます。 それから次の事項の2の医薬分業関係費と申しますのは、主としてこれは医薬分業の調査に要する費用を計上いたしたのでございます。 それから次にめくっていただきまして、ただいまのページの裏の二ページのところでございますが、その辺特段に御説明申し上げるところはございません。 次には三ページの裏をめくっていただきまして、四ページでございますが、四ページの事項8の結核対策費を御説明申し上げます。先ず第一番に(1)の病床整備費でございますが、結核の病床の増床でございます。これは二十九年度と同様一千ベッド増床を三十年度においても行うという予定で経費を計上いたしたのでございます。内訳は備考欄に記載しておきましたので御承知おきを願いたいと思います。国立、公立、法人立ということでそれぞれのベッド数を記載してございます。なおその欄に保険立と申しますのは、ゼロになっておりますが、これは昨年三千六百床社会保険において建設いたしたのでございますが、三分の一が一般会計の負担でございまして、三分の二が特別会計または健康保険組合の負担でありましたが、本年度におきましては、御案内の社会保険に赤字がありますので、さような財源もございませんので、本年度は社会保険において作るのは中止するということでゼロと計上いたしたのでございます。 それから次は事項(2)の療養所の運営費でございます。これは国立と申しますのは、国立の厚生省所管の六万五千五百床のベッドの運営に要しますところの患者の費用、人件費それらを全般含めてございます。二十九年度におきましても、国立の療養所は一千ベッドふやしましたので、昨年より金額がふえるわけでございます。なお、最近お耳に入っていると思いますが、国立の結核療養所におきまして、常勤の労務者を二千二百七十人増員いたしまして、在来の国立療養所におけるところのつき添い看護制度を外部から手を仰がないで、国立療養所の職員をもってその看護を実施するという経費が、この中に三カ月分の二千二百七十人分を計上いたしております。それから公立、法人立がゼロとなっておりますのは、在来赤字補助を計上いたしておったのでございますが、赤字も解消しているということで計上いたさなかったのであります。 次は事項(3)の健康診断費でございます。これは在来年齢三十歳以上は検査いたしていなかったのでありますが、過去におけるところの結核の実態調査の結果、あらゆる年齢層に結核が発見いたされますので、年齢の制限を撤廃いたしまして、いわば全国民に及ぼすということで範囲を拡大いたしましたので、それに伴いますところの経費の増でございます。これらにつきましては、いずれ法律を改正いたさなければなりませんので、法律案御審議の際に、細部にわたりましては御審議いただきたいと思っております。なお多数の人間を健康診断いたしますので、実施機関でありますところの保健所における活動の便に資するためにレントゲン自動車を整備するということで、備考欄に記載いたしましたように二十台の整備費を、通常の設備整備費の以外に計上いたしておるのでございます。 それから予防接種費は、前段申し上げました健康診断がふえますので、経費等もふえるということになります。 それから(5)の訪問指導費でございますが、患者の発生は患者の家族が伝染するのが一番多いようであります。従いまして、患者の家族の指導というのに重点を置きまして、予定実施人員を前年度の倍以上計上いたしましたので、経費が増額いたしてあるのでございます。 それから次は第七番の医療費でございます。これはいわゆる医療費の公費負担といたしまして、特定の治療方法におきましては、本人が二分の一、それから府県及び国がそれぞれ四分の一ずつを負担いたしましてその医療費をまかなうという在来のことをそのまま、中身は変えませんが、本年はその特定の治療の医療療養費の負担をする中に新規に外科手術に伴うところのエックス線検査を加えたのであります。中身はそれだけであります。金額的に減少いたしておりますのは、薬価の単価の減、これが大部分の問題でございます。 それから次は事項(8)の居宅隔離室設置というのが新規に二千五百八十七万七千円を計上いたしてございます。これは非常に住宅事情の狭隘な人で家族に伝染のおそれがあるというような人につきまして、テスト・ケースといたしまして一・二坪の隔離室を設けまして、家族の伝染を防ぎたいというので、一県五十戸、四十六県分二千三百戸というものを本年度テスト・ケースとして計上いたしてございます。 それから九番は結核講習会でございまして、別段申し上げることはございませんが、十番の結核回復者後保護費、いわゆるアフター・ケアでございます。アフター・ケアの施設としては前年度と同様二カ所作る。金額の点は単価減でございます。それから運営費といたしましては、府県が運営いたしておりましたけれども、それの運営について相当な赤字でございまして、なかなか困難であるというので、本年度新規に二分の一の国庫補助を出すということで五百七万六千円を計上いたしてございます。 結核関係、その他の経費につきましては、備考欄に記載しておりますので、格段申し上げることはないと存じます。 次の八ページへいっていただきます。八ページの事項9の精神衛生対策関係の経費でございます。まず一番に、ベッドの増床でございます。二十九年度におきましては、二千百床の増床をいたしたのでございます。三十年度におきましては、四千三百床の増床をいたしたいというので、所要の経費を計上いたしたのでございます。備考欄に記載しておきましたごとく、うち特にヒロポンの治療に充てるために二千百床を予定いたしております。公立、法人立は幾らあるかという数字につきましては、備考欄に記載してございますので、ごらんをいただきたいと思います。 運営費におきましては、国立の運営費が二十九年度にふえておりますので、ベッドがふえておりますので、それらに伴う人件費、運営費等の増でございます。公立につきましては、結核につきましても申し上げましたと同様、赤字補助の分を今年度は計上いたさなかったのでございます。 次は精神衛生費の補助、措置入院費でございます。措置入院費につきましては、いわゆる強制措置入院をいたさせますところのその費用の負担でございますが、措置入院に予定いたしておりますところのベッド数は、前年度の一五%程度増加して計算の基礎にいたしております。なお措置入院の際におけるところの費用の計算の基礎となります一日当りの保険点数でありますが、それは若干引き上げてございます。なお実費徴収率につきましても、昨年より緩和いたしております。 次が事項十番の覚せい剤対策関係の経費でございます。そのうちの一番の覚せい剤の関係のベッドの関係は、先ほど精神衛生の事項の際に計上いたしました二千百床の覚せい剤分を再びここで計上いたしたのにすぎないのでございます。 その(2)は、先般覚せい剤問題対策推進本部というものを中央に設けまして、府県にその支部を設けましたので、その本部の事務費を二十一万一千円計上いたしたのでございます。 (3)は覚せい剤についての啓発宣伝費六百二万六千円を計上いたしたというのでございます。 次の十ページをめくっていただきまして、事項11のらい対策費でございますが、らいの関係は、ベッドの増床は、内地においてはございませんが、奄美大島につきましては、国立の奄美の和光園という療養所がございますが、奄美の患者の実態を——療養所に入っていない在野患者の実態を調べましたところ、入院を要する患者が若干いるということが発見されたのであります。一方内地のらいの療養所におきましては、実は定床までに、患者は一ぱいではないので、余裕があるのでありますが、らい患者は奄美の暑い地帯から寒い内地に連れて来ますと、健康にいい結果をもたらしませんので、特に奄美については百五十床の増床をいたしているという次第でございます。その他らいのことについては特段のことを申し上げることはございません。 次は12の事項の伝染病予防対策費でございます。ここにおいても前年度と単価等の違いでございまして、特段申し上げることはございません。 十三番は保健所の費用でございます。保健所は御案内の通り公衆衛生行政の末端機関でございますが、その第一番の(1)の運営費と申しますのは、主として保健所に従事しておりますところの人件費に対するところの三分の一の補助でございます。補助率は違いませんが、経費において約千八百万円の減になっておりますのは、保健所の実人員の充足率でございますが、二十九年度の予算は、九五%として計上いたしておりますが、三十年度は実際の充足率からみまして、七二%をもって計上いたしておるということが一点であります。なお、相当大幅に人件費の単価はそのかわり上げて計算いたしたのでございますが、差引千八百万円程度の減額ということに相なっております。それから裏をめくっていただきまして、十二ページの(2)の設備整備費でございますが、六百万円、約一割程度の増でございますが、これは大体結核関係に要するところの機械器具の整備を中心に考えております。それから(3)の施設整備費は、保健所にはA、B、Cというようなクラス分けいたしておりますが、そのCからAに格上げするのが九カ所、新設を大体毎年五つとか、あるいは十という程度のことをやっておりますが、本年度は一年間休むということで計上いたさなかったのであります。それと見返りというわけではございませんが、非常に古い建物で、保健所用には初めからできていないので、宿屋等を改造したというようなものにつきまして、やむを得ざるもの十カ所程度の老朽建物の改築費を新しく計上いたしたのでございます。 それから事項十四番の性病予防費でございます。性病予防費につきましては、これも特段申し上げることはございません。 それから十五番の公衆衛生関係施設整備費、地方衛生研究所の整備費、癌研究所整備費、これも単価の若干の減でございまして、特段申し上げることはございません。 それから事項16の水道の施設整備費でございます。まず第一番の(1)の簡易水道でございますが、簡易水道は、前年度の修正前の予算の総額の六億四千万円を計上いたしております。それから(2)の下水道でございますが、本年度は緊急就労対策ということで、その下水道事業につきましては、昨年の倍程度、倍以上でございますが、四億一千八百一万六千円、昨年より約二億円程度増額しておりますが、そういう意味合いで計上いたしております。それから裏をめくっていただきまして、(3)、(4)の特別鉱害並びに一般鉱害は、法律の規定に基く残存事業に充てます経費を計上いたしたのでございます。それから(5)の地盤変動でございますが、昨年をもって打ち切るつもりでおりましたが、若干残っておりまして、御案内の南海の大震災の残りの分でございます。三千万円を計上いたしております。(6)は過年度災でございます。それから七番の上水道でございますが、補助金は本年度は計上いたしておりません。これは事業量は実は百億とかいうような非常に膨大な事業量でございまして、この補助金は大体毎年四千万円程度計上いたしておりまして、事業量で割りますと非常に僅少な補助金に相なるのであります。で、内訳で申しますというと、この補助金は、補助金をつけることによって起債を認めているという点に重点があったような実情に相なっておったのであります。起債につきましては、大蔵省、自治庁並びに厚生省の話し合いで、厚生省の意見を十分尊重するということで、その点は厚生省の発言権、あるいはイニシアチブと申しますか、それは十分尊重してやっていくということで、率から言うときわめて少額の補助でありますので、本年度は計上いたさなかったのであります。 それから次の事項十七番の食品検査費でございますが、これは特段申し上げることはございません。 十八番の公的医療機関整備、公立病院整備費補助、これも大体前期程度であります。(2)の旧国立病院整備補助は、新規の形で一千八百万円計上いたされております。実はこれは昨年度補助金八千万円を計上いたしておったのでありますが、補正予算を行います際に、年度内に国立病院を地方に移譲するという話し合いの見込みがつかないので、補正予算の際に八千万を減額いたしましたので、本年度一千八百万円計上いたしましたことが新規の形に相なっておるので、さような点を御了承おき願いたいと思います。 それから事項十九番の国立病院特別会計へ繰り入れでございまして、繰り入れの内訳は、裏をめくっていただきますと、十六ページでございますが、これは主としてこの十二億円というのは、施設整備費が大部分でございます。それからその次の事項として、ラジウムの購入費として千六百五十万円新規に計上いたしてございます。これは御承知のように、ラジウムは全部外貨をもってまかなうものでございまして、各病院でばらばらに購入されますと、外貨の関係もございますので、国立病院の若干の個所に集中購入いたしまして、外部に主として貸し出しをいたしたいというので、新規に千六百五十万円を計上いたしたのであります。 次の事項20の国家試験費でありますが、国家試験については、特段に申し上げることはございません。 それから21に有機燐酸製剤対策は、これは例のパラチオンの農薬の使用についての地方技術員の講習をやりたいというので、新規に二十五万円、金額は少々でありますが、二十五万円を新規に計上いたしておるのであります。 次に事項22のあへん特別会計へ繰り入れる三千五百万円を新規に計上いたしておりますのは、あへん特別会計を設定いたしまして、昨年一般会計で行いましたが、購入払い下げ、購入払い下げと繰り返した作業を行いたい、それで特別会計でなければ、一般会計ではやりにくいというので、特別会計を作りますために三千五百万円を計上いたしたのであります。 それから23の特殊医薬品買上げ諸費二千九百九十万円でありますが、昨年の一億三千三百万円より大幅に減少しておりますが、これはこの中に一億円昨年度あへんを購入いたします費用を計上いたしておりましたのが落ちますので、大幅に減額いたしておるのであります。 次の24の麻薬取締り諸費、これは特段に申し上げることはございません。 裏をめくっていただきまして、十八ページの生活保護の関係の経費でございます。生活保護の関係の経費につきましては、大筋を申し上げますというと、まず生活扶助の対象人員でありますが、この対象人員は、二十九年度の補正の際に基礎にいたしました人員の五%増をみております。それから単価につきましては、それぞれ補正の際の単価を使用いたしております。ただ居宅結核患者の栄養加算でございますが、これは二十九年度においては、月四百三十円を計上いたしておりましたのを、三十年度におきましては、七百二十五円を増額計上いたしております。その他は二十九年度補正予算の際の基礎と変りはございません。そこでその欄のただいまの十八ページの下から三行目をごらん願いたいと思いますが、下から三行目に、恩給等による減少額というのが記載してございます。これは軍人恩給の裁定が進みますので、それによって生活保護の経費が減少いたしますので、前年度十二億六千万円をみたのでありますが、本年度は十九億円と、昨年よりも余計みております。これは軍人恩給の裁定は、厚生省が進達官庁として恩給局に進達いたします。それが二十九年度において非常に大幅に進んだのであります。従いまして三十年度において、恩給局において裁定される量が非常にふえるということで、昨年より増額計上いたしております。それからその次の欄の、前年度不足分でございますが、二十九年度におきましては、二十九億何がしの金額を計上いたしております。二十八年度の赤字でございますが、なお予備金支出等もそのときに行なったのでありますが、三十年度の予算には、二十九年度の赤字見込みとして十億円を計上するということで、昨年より計上額が減少いたしております。以上の計算によりまして、昨年よりは予算額は八億四千万円ばかり金額の減になっておりますが、中身はさようなことで、人員の伸びもみておりまするし、単価については、栄養改善について若干の単価改正をやっておるということであります。 それからその次の十九ページの事項26の生活保護監査指導地方公共団体委託職員というのが八千九百六十八万円新規に計上いたしております。これは生活保護の事務は、御案内のように、全国画一的に行うべきものであり、もちろん地方の実情は加味いたしますが、なお、いま一つは相当厄介な事務でありますので、経験のある人をほしいということで、在来交付税交付金の基礎として算定されておりました地方の生活保護の施行の所管課の課長、幹部の職員を、全額国庫において負担して、地方に配置する、そのことによって資格並びに施行の統一をはかるということを考えて計上いたしたのでございます。 それから事項二十七番の身体障害者の対策、まず(1)の一般の身体障害者の分でありますが、厚生医療の補助は予定人員の増による分でございます。補装具分も、在来の計画によりまして、その計画を遂行していくに必要な経費を計上しておるのでございます。それから(2)の戦傷病者分でございますが、これは厚生医療につきましては、前年度と同様であります。補装具については若干の増をみております。その他(3)、(4)、(5)、これらの点については、特段申し上げることはないと思いますが、二十一ページの一番上の(10)というところに身体障害者実態調査費というので、新規に百三十二万二千円でございますが、計上いたしております。これは身体障害者の実態調査を数年前に行いまして、たしか五年前かと思いますが、その間ブランクになっております。そこで一定の間隔ごとに身体障害者の実態調査をいたしまして、新しい施策の基礎にいたしたいということで、本年度新規に計上いたしたのでございます。 それから事項二十八番の消費生活協同組合貸付金は、大体前年度程度でございます。 それから事項二十九番の社会福祉施設整備、これも単価の若干の動き以外は前年度程度でございます。 それから事項三十番の社会福祉事業振興会出資、これはようやく本年度におきましては一億のべースに載せた。昨年より七千万円の増加ということでございます。 それから裏へめくっていただきまして事項31の世帯更生運動補助、これは新規に三千万円ほど計上いたしております。これはボーダー・ライン層に対する生活の立ち上りの貸付金、つまり母子福祉貸付金と大体同じように考えていただけば御了解いただけると思いますが、初年度でもございますから、三千万円ほど計上いたしております。利率としましては、年三分ということにいたしたいと思います。 三十二番の災害救助費でございますが、特段申し上げることはございません。(1)の災害救助補助金が二億八千万円、大幅に減額いたしておりますが、昨年度は、実は二十八年度の赤字を計上いたしておったのでございます。毎年これは私ども七千万円計上いたしました。災害発生の場合には、最も早く予備金をもって支出するというのが、大体今までのしきたりになっております。 事項33の児童保護費、(1)の児童措置費補助金でございますが、備考欄に記載しております通り、いわゆる援護率につきましては、三十年度は保育所関係は、昨年度より六%増の三六%、母子寮は三%増の六三%ということになっております。それから人員については約五%、施設がふえておりますから約五%の増をみております。その他の単価は昨年と同様でございます。なお、この中に二十九年度の赤字の見込みとして二億円ほど、五十六億四千九十四万円の中に二億円ほど二十九年度の赤字分を含めて計上いたしております。次に、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、その辺は特段申し上げることはございません。(7)番につきましても特段申し上げることはないと思います。裏にめくりまして、二十四ぺ−ジの(8)の季節保育所設置補助金ゼロと計上いたしております。その必要を認めないのではございませんが、これは春、秋とそれから非常に多数の数に分れておりまして、非常に少額でもございますので、必要性については、十分地方で認められておりますが、本年度は予算としては計上いたさなかったのでございます。 それから次に34の事項、児童福祉施設整備、これも前年程度計上いたしたのでございます。 それから35の母子福祉貸付金、昨年の五億七千万円を七千万円減の五億円計上いたしておりますが、これは御案内のように、地方庁におきまして特別会計を設置しておりまして、返還金も償還される、それをまた財源に貸し付けるという仕組みになっております。この貸付金は非常に償還が順調に行っておりますので、七千万円減らしましても実際の貸付金は十分まかなえるというので、本年は五億円を計上いたしたのでございます。 次は、36の事項、社会保険国庫負担でございますが、まず第一番の(1)の厚生保険特別会計繰入、その一段目の業務取扱費財源は、これは特別会計の事務費でございます。それから他会計繰入は、郵政特別会計等の繰り入れでございます。それから庁舎新営費、公務員宿舎新営費については特段申し上げることはございません。福祉施設費財源というのはゼロになっておりますが、これは結核の際に申し上げましたように、昨年赤字でありましたので、結核ベッドを作らない、つまり特別会計の自前財源を三分の二出さなければなりませんので、赤字でありましたので、本年度やらないというので、ゼロということに相なっておるのであります。その次に健康保険給付費財源として十億円計上してございます。これは政府管掌の健康保険が、実は二十九年度におきまして約四十億の赤字、それから三十年度におきましては、後ほどまた申し上げますが、三十億の赤字を見積る予定でございます。その合計をいたしますと七十億になりますが、その赤字をどうするかということで、六十億円は運用部資金から借り入れてまかなう、十億円は今年度は一般会計から繰り入れる、残り六十億につきましては、今後六年間毎年十億ずつ入れましてこれを償還する、そういう予定で赤字を解消するということで、本年度給付費財源として十億円を計上いたしたのでございます。それから日雇健康保険財源、印紙売捌手数料、これは特段申し上げることございませんが、日雇健康保険におきましては、給付が健康保険よりは悪かったのでありますが、それをそこの備考欄に記載しましたように、新規に埋葬料、分娩費という現金給付を行うということと、それから在来歯科の補綴を認めていなかったのでありますが、これを認めるということと、それから一般の長期の療養期間は、在来六カ月でありましたのを一年延長するということで、給付の内容を改善いたしますことに対する国庫の負担は、在来通り十分の一でございますが、これによる金額の増でございます。それから裏にめくっていただきまして、二十六ページでございますが、厚生年金保険給付費財源というのが、非常な三億九千万円の昨年より増になっております。これは御案内のように、厚生年金保険でありますからして、だんだん年数がたつに従って給付が増大するということで、これに要しまするそれぞれ所定の給付費財源を計上したのであります。それから日雇健康保険施設費財源繰入ゼロとございますのは、簡単な簡易診療所を作ったのであります。その経費は一般会計をもって負担しておったのでありますが、給付費も大幅に増額いたすことでありますので、本年度はこれの繰り入れをいたさなかったのであります。次は(2)の船員保険特別会計繰入でございますが、業務関係は、先ほどの健康保険と同様、事務費でございます。それから船員保険は、御案内のように年金保険、労災、失業、それらと一緒にやっておりますので、それぞれの指定の給付費財源を合計いたしましたも一のを計上いたしたのでございますが、政府管掌の健康保険と同様の疾病保険部分についての赤字が実はあるのであります。その赤字につきまして、このうちに二千五百万円は一般会計から、そういう意味合いで、健康保険と同様な意味合いで繰り入れるということにいたしております。船員保険につきましては、ただいま申し上げましたように、その他の保険と合体して行なっておりますので、特に長期債を立てる必要はなくて、自己の積立財源を組むということでいいと思いますので、特別に長期債は行なっておりません。それから次の福祉施設費財源ゼロとございますのは、これも結核ベッドを、在来船員保険で行なっておったのでありますが、これは赤字でございますので、これは行わないということでゼロとしたのであります。 次の事項37、健康保険組合の補助でございます。これは組合事務費は、一人当りの単価は前年度同様でございますが、被保険者数の減でございます。それから労働保険組合といいますのは、これは日雇の働康保険組合と、こう御承知おき願いたいと思います。それから次の(2)の結核病床整備補助金、これは先ほど結核の際に申し上げたのと同様であります。 それから次は三十八番の国民健康保険助成費、まず第一の助成交付金でございますが、例の給付費の二割相当額を補助金として交付するという費用でございます。これの費用算出の基礎は、備考欄にございますように、受診率と一件当り点数を一点当り単価と被保険者数、これをかけ合したものということになります。そのうち、上の三つは、それぞれ前年度より若干は増額いたしております。被保険者数でありますが、実は二十九年六月の実績が、二千五百二十三万一千人という数字でございまして、実は前年度の、二十九年度の予算には、二千七百二十八万五千人計上いたしたのであります。ところが実績はただいま申し上げましたように、それよりも下回っておりますので、それらの伸びをも考えあわせまして、二千六百八十五万六千人と、こういうふうに策定をいたしまして、予算積算の基礎といたしたというふうな次第で、かような計数と相なったのでございます。それから裏へめくっていただきまして、二十八ページの(2)事務費補助金でありますが、事務費が二千六百万円程度の減になっておりますが、これは単価は前年度と同様でありますが、被保険者数が、ただいま申しましたように、前年度の予算計上の員数より減少いたしておりますので、それによる減でございます。保健婦の設置費の増額は、人員の若干の増加と単価増でございます。それから直営診療所の建設費は、若干減額いたしておりますが、二億円を計上する。なおこれを継続して直営診療所を建てるということで、二億円を計上いたしたのであります。それから(4)の再建整備貸付金、法律の規定に基きますのでこれはだんだん減るようなことになっております。 それから次は三十九番の引揚援護事業の分でありますが、引き揚げは集団引き揚げを一応三千人と本年度は見積ったのであります。二十九年度はたしか五千人と見積ったと思いますが、これはまあ幾らあるかわかりませんか、一応集団引き揚げを三千人と見込みまして、これらはそういう事実がもっと大幅に発生いたしますならば、もとよりそういうことを希望するわけでありますが、その際は予備金をもってまかなうということにいたしております。それから(2)の引揚者集団収容施設補修費補助金と申しますのは、新規に七百八十一万計上いたしております。これは北海道の集団収容施設が非常にいたんでおりまして、それの補修の費用を補助するために、新規に計上いたしたのでございます。 それから四十番の留守家族等援護費でございますが、これは例の軍人恩給のべース・アップに伴ってスライドする分でありますが、これの単価増を見込んでおります。なお療養期間が本年の十二月二十八日で切れることになっておりますので、これを延長しなければならぬというので、前々から問題になっておりましたが、それを一応三年間延長するということで、本年度分の残り、昭和三十一年の三月三十一日までの療養費をこの中に含めて計上いたしておりますことをあわせて申し上げておきます。 それから四十一番の戦傷病者戦没者遺族等援護費、これの遺族年金の分は、ただいま申し上げました軍人恩給のベース・アップに伴う分のスライド分でございます。それから裏へめくっていただきまして、三十ページでございますが、三十ページの中で、別のところに障害一時金といたしまして、新規に二千七百十六万四千円というものが計上されておりますが、実はこれは法律にちゃんと規定のありますもので、在来実行しておったのであります。それは年金の方の費用で支出いたしておったのでありますが、これは新しく立てるということで、新規の形で計上いたされておりますが、実質は、ただいま御説明申し上げましたような実質でございます。 次は事項四十二番の旧軍人遺族等恩給進達事務処理費でございますが、恩給進達が二十九年度は相当大幅に進みましたので、三十年度は相当減額になるということでございます。 以上は特別会計の分でございまして、特段御説明申し上げることはないと思いますが、健康保険の分だけを申し上げておきたいと思います。その特の一というところで、健康保険の方の保険料収入の備考欄をごらんを願いたいと思いますが、(1)の被保険者数でございますが、これは実際の統計上、被保険者数はだんだん減少を来たしております。よって昨年より若干の減の五百五万人を基礎にしております。それから特別に申し上げる点は、保険料の率でございますが、現在、保険料の率は六〇でございますが、行政措置をもって行い得るところの六五まで、七月の調定分より引き上げたいということにいたしております。なお標準報酬の等級は、現在、最低三千円、最高三万六千円でございますが、現在、社会保険審議会では、四千円から七万円にするということで審議をいたしております。そういうようなことで歳入を上げたいということを考えております。その他は特段申し上げることはございません。 以下、特別会計につきましては、恐縮でございまするが、先ほど一般会計の際に要点だけを申し上げましたので、特段御説明申し上げることはないと存じますのでごらんおきを願えれば幸いと存じます。 以上をもって私の説明を終らせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○吉田萬次君 二十四ページの(8)というところ、季節保育所設置補助金というものが、今度なくなっておりまするが、これは将来もなくしてしまうのか、あるいは一時的のものですか。
○政府委員(堀岡吉次君) 一年一つ休もうかということでございます。
○吉田萬次君 一年休まれる程度においてのことならいいですけれども、私はこんな小さな問題について、とやかく言うものではありませんけれども、この補助金というものは、金額の大小にかかわらず、非常な重要なものであって、地方の府県、その他の市におきましても、この補助金というものをもとにして、そうしていろいろ予算を組むのでありまして、多少とも手がかりがあれば、それを基本に、そうして自己の思うようにそれを建設し、または拡張しようというような意思の毛とに行われるのであります。全部削られてしまうということは、結局その事業というものに対して、将来非常な影響を来たすものである。従ってその額の多少ということよりは、事柄のいかんということを考えて、予算の上に組んでいただく必要があるように感じます。従ってこの問題も、わずかではありますけれども、これが一年間ということなら差しつかえないと思いまするが、一般的に将来を考えて、そうして予算を組んでいただきたいという希望を述べておきます。
○湯山勇君 お聞きしたいことがたくさんありますけれども、簡単なことだけでございますから、簡単にお答えをいただきたいと思います。まず、一ページの医薬分業関係費というのは、調査というお話でしたが、医薬分業については、大体調査も終り、資料も出ておったはずですけれども、どういうことに使われるのか。
○政府委員(堀岡吉次君) これは調査はなるほど行なっておりましたが、たしか二十七年の調査を基礎にして行なっておりまして、その後いろいろ検討いたしましたところ、いろいろ国会等でも御指摘がございましたが、不十分な点が見受けられましたので、それを調査をやりたいということでございます。
○湯山勇君 それじゃ、この調査の結果によって、何か医療費体系は変ってくるわけですね。
○政府委員(堀岡吉次君) これは調査した結果でないと何ともわかりませんが、より新しいデータに基きまして、考えるべき点、あるいは直すべきことがあれば直すというふうな、いずれも調査の結果に待ちたいと思っております。
○湯山勇君 次は四ページです。結核患者の数が非常に多くなったということは、指摘されておった通りですが、これを昨年度の通りの増床でとどめた理由というのは、どういうところにあるのですか。
○政府委員(山口正義君) 結核患者が、実態調査の結果、非常にたくさん見つけられまして、それで入院を要する者が非常にたくさんあるということに、実際問題としてわかったわけでございますが、それを実際に入院させていくために必要な病床を整備していきます場合、入院を要する者を一ぺんに入院させるということの必要もないし、また病床の回転率等から考えまして、一応の計画を立て、病床の増床をはかっていくということが正しいかと思うのであります。一応私どもは年次計画で病床の整備をはかっていきたい。その間に病床の自然増などもございますので、三十年度は大体一万床を増床できれば、年次計画として大体目的を達せられる、そういうふうに思っておる次第であります。
○湯山勇君 これはここでお尋ねするのは無理かもしれないと思いますが、とにかく百六十万程度の患者数で、二十九年度には一万の増床。それが二百九十何万という、調査の結果、数が出たにもかかわらず、その当時のままの増床計画では、なかなかむずかしいと思うのですが、これはまあ私また別な機会にお尋ねします。 それから次に、つき添いの問題ですが、これはつき添い制度は全部廃止するというようなお話ですけれども、ただ三カ月だけみておるといわれると、十二月までは現行制度で行かれるわけでございますか。
○政府委員(堀岡吉次君) 先ほど説明不十分でございましたので、恐縮でございますが、一月からそういう切りかえをやりたいということで、従いまして、十二月末まではそれの準備に充てることになるかと思います。
○湯山勇君 そういたしますと、こういう形の切りかえをすれば、それに伴う設備、加計の変更もあると思うのですが、そういうのはこれにはみてないわけですか。つまり今までつき添いがついておる制度が、完全看護というような、一人の人がたくさんの人を受け持つやり方に変っていくわけですから、それにはそれに相当する完全看護に必要な施設、設備の改変がなくちゃならない。そういうことは考えられていないように先ほどの御説明ではあったと思うのですが。
○政府委員(堀岡吉次君) 御案内だと思いますが、人数は、つき添い婦が現在何人おるかということは、現在はっきりつかめませんが、そのつどそのつど動いておりますので、これは先ほども御説明申し上げましたように、療養所の職員として働かせるということで、まあフルに動かすわけでございます。従いまして、人数が減っておる。それからただいまのお話、あるいは宿舎等のお話かと思いますが、それらについては、施設整備費をもって適当に整備しようという考えを持っております。
○湯山勇君 それは現在のつき添いは、全員この方へ切りかえするような措置をとられるわけですか。
○政府委員(堀岡吉次君) 適当な人があれば、切りかえをするということはもちろん考えております。
○湯山勇君 今のはどの人をどうという、個人が動く問題じゃなくて、全体のワクの問題です。二千二百七十名というのは、現在いる者の数をそのままこういうふうに職員としてとっていくような形にすると、こういう意味ですか。
○政府委員(堀岡吉次君) 先ほどちょっと御説明申し上げましたが、現在つき添っておられる人は、療養所の職員ではないのであって、外部の方がつき添っておられる。それは一人で二人受け持っておるのもあれば、短時間のつき添いをしているのもあるということで、実人員は今三千人といい、四千人といい、はっきりしたことはただいま手元へ数字は持っておりませんけれども、そういうふうな数でございます。ところがこの二千二百七十人というのは、現在の療養所の看護の実情から見まして、二千二百七十人の常勤労務者があれば、つまり療養所の職員となりますから、これは療養所長の指揮監督下に入ります。それによって看護をやれば、この人数でやれるということで、二千二百七十人というものを算定いたしたのでございます。
○湯山勇君 それからその次に、レントゲン車を二十台お備えになる。これはけっこうなんですが、検査したあとの処置はどうするわけですか。検査した結果によってどうするということは考えておられるわけですか。
○政府委員(山口正義君) 健康診断いたしまして、その結果要注意者が見つかれば、またもう一ぺん検査を半年ごとに繰り返すということをいたします。それから患者が見つかれば、それに対して必要な者は入院をさせる。あるいは在宅で治療のできる者は在宅治療できるように患家指導する。あるいは先ほど会計課長からも御説明申し上げましたように、在宅患者で特に家屋の状況などで隔離をぜひ在宅のままでやらなければならぬというような者につきましては、居宅隔離というよなことをやって参りたい、そういうふうに考えております。
○湯山勇君 今のはよくわかるのですが、これによってどのくらい今おっしゃったようなものに該当する者が出てくるか。そういうような者をどういうふうに処置するかということは、現在計画されているのか。そこまではまだ行っていないのかどうでしょうか。
○政府委員(山口正義君) このレントゲン自動車は、一つの、手段の一部分だけでございますが、今回の、先ほど会計課長からも申し上げましたように、法の改正もしなければならぬと思っておりますが、それで健康診断の対象者の範囲が広がり、また患者が見つかって参ります場合に、どういうふうにそれを措置するかということを、一応の計画を立てて進んでおるわけでございます。
○湯山勇君 それからアフタ・ケア施設なんですが、これは二カ所しか本年作られないようになっていますが、これはこんなことでいいのでしょうか。
○政府委員(安田巌君) 二十八年度と九年度に三カ所ずつ、現在六カ所あるのでございます。本年もいろいろな都合で大体二カ所で一つお願いしたい。
○湯山勇君 いろいろな都合とおっしゃられると、ちょっとお尋ねのしようがないわけですが、それから次にお尋ねいたしたいのは、保健所の運営費ですね。保健所費の中の運営費、これは昨年は九五%の充足率、本年は七一二%の充足率と言っておられるのですが、これは保健所のお医者さんなんか非常に得がたい。そういうことによる充足率の減ということをみておられるわけですか。もっとほかの理由によるわけですか。
○政府委員(山口正義君) 保健所の人件費、保健所の職員の構成はいろいろなものがありますが、そのうちで一番充足に困っておりますのは、ただいま湯山先生から御指摘の医師でございます。大体実際には非常に充足率が悪うございます。七二%を見込んでおりますが、現在まだそれより少し下回るかと思うのでございますが、先ほど会計課長から申し上げましたように、単価の増を今回は見込んでございますが、それによってできるだけ待遇をよくして、職員の充足をはかりたい。ただ、待遇だけではなかなか解決できない部面がたくさんございますので、その点につきましては、特に医師につきましては、医師充足対策というものをいろいろな角度から検討して、保健所の機能を十分果し得るように充足していきたい、そういうふうに考えております。
○湯山勇君 これはお願いも兼ねて申し上げたいのですが、こういうものを放置するのはいけないことだというのはよくわかると思うのです。厚生省なりその他の機関が努力をして、八〇%なり、あるいは昨年組んでおられた九五%なり、こういうふうに充足率が高まってくれば、この予算ではどうにもならないことになりますが、予算によってせっかく充足できる場合にそれを押えるというようなことになりはしないかということを心配しますが、この点いかがでしょうか。
○政府委員(山口正義君) 充足できる場合に、予算がないから充足できないというようなことのないように、十分気をつけて参りたいと思います。
○湯山勇君 それはどういうふうにやられるのですか。
○政府委員(山口正義君) ただいま申し上げましたように、七二%を現実にはまだ少し下回っております。しかし先ほど申し上げましたように、なかなか現在充足しにくい状態でございますので、それにつきましてはできるだけいろいろな方面に努力して充足さしていきたい、そういうふうに考えております。
○湯山勇君 次には十四ページの地盤変動ですが、これは先ほどの御説明の中で打ち切るつもりであると、こういう御説明があったのですけれども、まだ相当地盤変動の上下水道が残っていると思うのですが、それをこんなに減すというのはどういうわけでしょうか。
○政府委員(堀岡吉次君) 先ほど説明がまずかったかと思いますが、実は昨年は、一昨年の数字をちょっと覚えていないのですが、相当大幅に一応一億円を計上したのであります。その後節約の関係で九千万円にいたしまして、それで大体終ろうかと思ったのですが、ところが、やってみましたところ、まだ残っておるというので、三千万円を計上したという次第でございます。
○池田宇右衞門君 今水道問題だと思いますが、町村合併その他国民の生活から申しまして、ぜひ設置しなければならぬという過程にあるのでありますが、これが打ち切られてある。一体健康、保健を考えたら、水道ぐらい日本に必要なものはないです。これを何で削ったか、その一点と、それから今まで継続しておる水道の補助に対しましては補助率は変らないかどうかという、この二点をまず継続して聞いておきます。
○政府委員(山口正義君) 第一点のお尋ねは、打ち切ったとおっしゃいますのは、上水道に対する補助金の……。
○池田宇右衞門君 新規事業を認めないのでしょう、これは。
○政府委員(山口正義君) 先ほど会計課長から申し上げましたように、水道事業は一般の上水道につきましては、主として起債でやっていただくという方向で進みたいと思っております。それから新規を認めるか認めないかということにつきましては、財政当局と十分打ち合せてやって参りたいと存じております。
○池田宇右衞門君 認めますか。
○政府委員(山口正義君) これは財政当局と打ち合せて……。
○池田宇右衞門君 いや、そんなことよりも、財政当局より、厚生省が認めるというのなら、財政当局ともまた相談がある。
○政府委員(山口正義君) 起債を有効的に使って参りますときに、どうしても継続事業でやりかかっておりましてもう少しやればでき上るというものも相当ございますので、やはりそちらに重点を置いていかなければならないと考えます。しかし国の伝染病その他保健衛生対策からいたしまして、まだ水道を新規に作らなければならない部面がたくさんございますので、その点につきましては、私どもぜひ新規を進めて参るようにいたしたい、そういうふうに考えております。 それから補助率の問題につきましては、従前通りの率でございます。
○池田宇右衞門君 そこに政務次官がおいでになりますが、政務次官は家庭ということを非常に考えていると思いますが、日本の家庭でことに冬期間婦人が困るのは、水道設備が完備していないことである。そこででき得べくんば、山間の地といえども簡易水道を施行さして、家庭におけるところの婦人の作業に対しての便益を与えてこそ、明るい家庭が築けるんだ。しかるに、簡易水道の補助費も削ったり、また上水道の計画に対しても財政当局とよく相談して——一体こういうところへ金を出して、国民生活の安定と同時に、生活に対する改革と申しますか、いわゆる健康、保健、衛生の上から、日常生活になくてはならない水道こそ、それぞれ施設しなければならないのが、日本の現段階である。しかるに、厚生省がかようにみずからこれを放棄するということは、果して健康とか保健とか衛生とかを口に言うが、これは羊頭を掲げて狗肉を売るとちっとも変っていない。なぜもっと日本の婦人の立場を考えて、簡易水道なり水道施設なりに十分の費用をとらないのか。私はこれははなはだ当を得ないと思う。この点についての答弁をいただきたい。もしも事務当局がわからなければ、いずれ大臣に対して答弁を迫ろうと思いますけれども、ここらにほんとうにねらいどころがあるんだ。日本の健康については、水道が悪いために、今でもいなかへ行って見なさい、川の水を飲んでいる所がたくさんある。従って、一たび上流に伝染病が起れば、それが直ちにたくさんな下の町村部落に続出するという弊害があるのでございます。こういう結果から見ても、簡易水道なり上水道は、町村合併の一つの条件にもなっている。これをなぜ実現しなかったかということを、それぞれ関係者から答弁を願いたい。(「いいかげんな答弁はだめだぞ。しっかり答えろ」「場当りじゃだめだぞ」と呼ぶ者あり)
○政府委員(山口正義君) 上水道につきましては、先ほども御説明申し上げましたように、その財源は主として起債に仰いでおります。起債は毎年増額して計上してもらっております。それから簡易水道につきましては、先ほどから御指摘のように、上水道も含めてでございますが、(池田宇右衞門君「削ってあるわね。減額になっておる」と述ぶ)保健衛生に非常に重要なものであり、国民の家庭生活に直結している問題でございますので、私どももぜひこれを伸ばしていかなければならないと存じます。また各府県、市町村の要望も非常に多いのでございます。私どもそれをどういうふうに調整していこうかと非常に悩んでいるわけでございますが、昭和三十年度の予算におきましては、全般のワクの関係もございまして、一応昨年度の当初予算と同じだけ簡易水道につきましては計上してある、こういうことでございます。
○池田宇右衞門君 簡易水道は減額してあるじゃないか。
○政府委員(山口正義君) 当初予算と同様にいたしたということでございます。
○池田宇右衞門君 どうもおざなりの答弁でね。もっと、大蔵当局、財政当局が理解がなかったならなかったと、はっきり言いなさい。当初予算に削って出ているじゃないか。削って出ているのに前年度通りだと言うのは、こんなことは小学校の生徒にだってわかる。(「自分が作った数字じゃないか」と呼ぶ者あり)これは何といっても、町村合併に対する——各町村が合併したのはここらにほとんど狙いがあったということは、どこの村でもそれが条件になっています。これを今後どう取扱うのか。財政当局、いわゆる大蔵当局も来ていますね。ちょっと、どうかあなたから答弁して下さい。もう少し割愛する必要があるわ、こういうことは。
○政府委員(正示啓次郎君) お答え申し上げます。簡易水道は昨年の予算と比較いたしまして、確かにこれは減額になっておるのであります。(「よく聞いておけ。減額になっておる」と呼ぶ者あり)ただ、これは前内閣のとき以来のまあ一つの懸案でございましたが、補助金整理と地方財政の財源ということが非常に大きな宿題になっておるようでございまして、この国会におきましては、地方財政の財源のための特別措置法案を御審議をいただく予定になっておるわけであります。ただいま池田先生御指摘のように、一方におきましては、国民の保健衛生、あるいは家庭婦人の生活改善というふうな見地から、簡易水道普及ということはきわめて焦眉の急務であるということは、御指摘の通りかと思います。しかしまた一方、これらの補助金をある程度、何と申しますか、総花的に支出することによりまする地方財政の負担の増加ということも、非常に大きな問題でございまするので、私どもといたしましては、先ほど厚生当局からお答えのありましたように、まず上水道につきましては、今まできわめて零細なる補助金を出すことによりまして、事業の分散が非常にはなはだしく行われたということは、ぜひとも是正をいたしたいという見地から、これは起債の問題といたしまして、そのつど十分厚生当局とも打ち合せをいたしまして、必要な所に重点的につけて参りたい。また簡易水道につきましても、前年度の当初予算額程度のものを計上いたしておるわけでございますが、この実行に当りましては、衛生の状態その他諸般の条件を十分検討いたしまして、ほんとうに必要な所へ、しかも地方財政の悪化というふうなことのない所へ、重点的にこれを持って参りますならば、多少の減額はございましても、諸先生の方から御指摘のような効果を上げていくということは不可能ではない。一般の補助金がきわめて強く削減を受けておりますときに、一応簡易水道につきましては、財政当局といたしましても大体の考え方といたしましては、今日きわめて重要なる必要性を認めまして、大体この程度のものを計上いたしました。このことを重ねて申し上げて、御了解を得たいと思います。
○池田宇右衞門君 一般の補助を打ち切り、地方財政に対する影響を考えてというようなお言葉で、趣旨はよくわかるのだけれども、よくいなかの言葉で、くそみそを一緒にするなという言葉があるのだが、生産に必要なものはやっぱし、あなた、これを助成して、育成して、初めて国民の生活水準を高めると同時に、一方、健康であって手間が省けるといえば、生産に対するところの能率が上り増産ができるというものには、やはり補助を出さなければならぬということに、どうか大局に当局はもう少し頭を置いてもらいたい。どうも補助を削るといえば、何でもかんでも削ってしまうというのが間違いで、同じ子供に食糧を与えても、せひとも必要なものはやっぱり出さなければならないというところに、政治のねらいがある。どうか、今地方財政を考えて、赤字県であるからこれは削ってしまえといえば、その県は非常に恵まれない。それからもっと、どこかを歩いてごらんなさい。日本の今日の段階は、山間の僻地ほど簡易水道を設置さしてやって、労力を省けるばかりじゃない、家庭におけるところの家庭生活の改善をしてやるところに、ほんとうにいい政治があるのだ。明るい政治がそこから出てくるのだ。ここにどうか留意を払っていただきたい。これだけは十分われわれも考えておるけれども、これだけの必要なものは、何でも一般に補助を削るときは、削らぬで、よく重点主義ということを、高度の重点主義ということを再々答弁しておるけれども、ここらが重点主義の、補助は増すくらいの明るい政治をとってほしい。これができるかできないかということを、もう一度重ねて、大蔵当局が直接取扱うから、ほんとうの答弁をして、ほんとうに今後の方針を変えて下さい。どうも、大臣もしろうとだし、どうもみんながしろうとの大臣をだまかし過ぎるよ。
○政府委員(正示啓次郎君) 重ねてお答え申し上げますが、先ほど来申し上げますように、いわゆる政府原案といたしましては、前年度と同じ額ということになるわけであります。国会の御修正等によりまして前年はさらにふえたわけでありますが、前年度と同じ額は——私どもとしましては、実は物価の下落、また今後さらに物価を引き下げるという見地からいたしますと、実質的には相当の増額というふうに実は考えておるのであります。昨年来の一兆円予算、今度の一兆円予算ということが効果を上げまして、実際さようにならないことには申しわけないのでございます。まあ池田先生のおっしゃる御趣旨は、私も十分わかります。私自身が非常ないなか生れでございまして、小さい時から川の水を飲んで育った男でございまするので、特に身にしみてわかるのでございますが、と申しまして、私どもが昨年の当初予算が、物価の関係その他から、実質的にはある程度の増額を見る程度において計上いたしたというくらいのところで、実は精一ぱいであったわけでございます。なお今後におきましては、御趣旨の点は十分尊重いたしながら、私どももまた同じような気持をもって、今後の予算の計上等につきましては十分に配慮して参りたいと、かように考えております。 〔木村守江君発言の許可を求む〕
○委員長(館哲二君) 今のに関連していますか。湯山さんが続いているのですが……。
○木村守江君 ちょっとと関連して……。 簡易水道の問題でいろいろ御答弁を聞いたのですが、結局今年度の予算は昨年度の当初予算と同じである、ちっとも減っていないのだと。ところが、実際問題として、昨年度の実行予算から見れば減っておる。そういうような答弁というのは、昨年より減らないのだということは、将来昨年度と同じようにするのだ、いわゆる補正かなにかでもって増額をするのだというような意味を持っているのかどうか。そうでなければ、これは当初予算より減っていないのだというような答弁はできないと思うのです。まあ当初予算とは同じだと申し上げるが昨年度の予算よりは減っているのだ、そういう答弁をするから、話がこんがらがってきていけないので、実際は減っていることは減っているのです、はっきり。将来これはふやすつもりなのかどうか。ふやすつもりなら、なぜ一体予算にはっきりしないのか。
○政府委員(正示啓次郎君) お答え申し上げます。補正予算を出すということは、目下全然考えておりません。先ほど厚生当局からも申し上げましたように、当初政府が国会に出しました予算の計上額と一致しておる。それに対しまして、私は二年間に、あるいは一兆円予算の成果によりまして、物価も相当下落をいたしておりまするから、同じ金額を盛った気持は、物価の下落を考慮に入れますと、実質的にはある程度の増額ということに結果において相なることを私どもとしては期待をしておる、かようにお答え申し上げたのであります。(「だいぶ苦しいね」と呼ぶ者あり)
○木村守江君 主計局次長の話はよくわかります。その通りなんですが、厚生省の答弁が、まあ当初予算と同じなんだ、減っていないのだというような答弁だから、話がこんがらがって来ると思うのです。 そういうようなことは別問題としまして、それから主計局の次長の話ですね、物価が相当下落するから、これは前年度と同じでも相当事業量が増しておる——相当ではなくて、ただ少々だと思うのですがね。決して相当ではない。少々だね。 それからもう一つ、水道と関連いたしまして、上水道の、今年は事業量に対して極めて僅少な補助だから削ったという厚生省の答弁でありました。しかし私は、この水道の厚生省の今までの予算というものは、水道の一つの奨励金のようなものであったのじゃないかと思うのです。そういう点からして、これは厚生省の見地としては、ただ僅少な補助ではあるが、厚生省としては厚生省の見地から、この予算はやはり堅持すべきではなかったかと私は思うのです。そういたしますと、これは大蔵省からの圧力で、まあそれはやめろというようなことで厚生省でやめたのか、それとも厚生省としてはこんなものは要らないというような考えでやめたのか、そこをはっきり御答弁を願いたい。
○政府委員(山口正義君) 先ほど申し上げましたように、上水道の事業量に比較いたしまして非常に金額がわずか ではございますが、しかしこれに補助金をつけますことによって、どことどことが公衆衛生の立場から、あるいは厚生省の立場から必要であるということを示す一つの手段のようにも考えられておりまして、まあ地方の実際いろいろ今までお話し伺っておりますところによりますと、実際その補助金をつけてもらうということによって、先ほど会計課長からも話しがございましたように、その後の起債の裏づけというようなことにも非常に有利になって参りますので、ぜひこの補助をほしいというようなお話しでございました。一カ所になりますと、非常に金額がわずかになりますので、その金額そのものよりも、そういうふうなことで非常にありがたいのだというようなお話しを今まで伺っておりました。私どもこれはまああるに越したことはございませんが、しかし全体の量から見まして非常にわずかでございまして、大部分起債でまかなうということになりますので、あるに越したことはございませんが、実際にやります場合に、保健衛生の立場から必要だと思われるところへ起債がつくようにするということが、最も必要なことじゃないかというふうに考えまして、今回はこれを落しますかわりに、実際にその起債をつけます場合には、大蔵省、自治庁、厚生省というふうにはっきり申し合せ事項を作りまして、保健衛生の立場から落度のないように水道を敷設できるようにしていきたいと、そういうふうに考えているわけでございます。
○木村守江君 大体わかりましたが、これはやはり厚生省としてまあこの補助があったから、相当はっきりした線を打ち出したのだろうと思うのです。これがないと、一体いつになったら態度がきまるのかわからないような状態では、事業をする地方においては非常に迷う。要らない経費を使って何回も運動しなければならないというような状態が起ってくると私考えます。まあしかし今の答弁で大体わかりましたが、一体水道関係の起債というものは大体幾らになっておりますか。
○政府委員(山口正義君) 昭和三十年度現在の予定は大体百十億でございます。
○木村守江君 昨年度は……。
○政府委員(山口正義君) 昭和二十九年度は百億でございます。
○湯山勇君 大蔵省の方へお尋ねします。今の大体要点はわかりましたのですが、地盤変動と、それから今の簡易水道、これは継続だけですか、新規もできるのかできないのか、これはどうなっておりますか。
○説明員(大村筆雄君) お答えいたします。簡易水道でございますが、簡易水道はこれは大体単年度に終ります事業が大部分でございまして、従って新規は相当採択される。それから地盤変動でございますが、これは従来から引き続いた継続事業がなお残っているということでございまして、これはもちろん大部分が継続かと存じます。
○湯山勇君 地盤変動では新規は全然認めないのですか、そういうことではないのですか。
○説明員(大村筆雄君) 私どもは厚生当局からの説明で出しておりますところでは、大体二十九年度をもって地盤変動は終るというように考えておりましたのですが、昨年節約やなんかもありました関係上、若干なお残っておるものがある。それが三千万円ございますと終るというように了解しておりまして、大部分これは継続かと存じますが、十分その点は実施に当りましてもよく審査の上決定いたしたい、かように考えております。
○湯山勇君 厚生省の方へお尋ねしますが、地盤変動の水道で残額は三千万くらいですか、まだしなくちゃならないところたくさんあるでしょう。
○政府委員(山口正義君) 地盤変動の大体現在見当つけておりますのはこの程度でございますが、なおどうしてもやらなければならぬ面につきましては、一般簡易水道の面においても十分考慮して参りたいと、こういうふうに考えております。
○湯山勇君 これは十分大蔵省の方も考えていただきたいのは、地盤変動の水道というのは完結しておりません。まだやらなければならない、手をつけないで放っておかれているところたくさんあります。今のお話では簡易水道でやるというお話ですけれども、御承知のように補助率が違っております。今日では、先ほど主計局次長は、地方財政の関係とおっしゃいましたけれども、簡易水道に対して府県が補助する分については法的な根拠がないために、府県の財政が詰って参りますと補助をつけない、こういうことにもなっておりますので、これは地方財政と一応切り離して考えていい問題になっておるわけです。そういたしますと、地盤変動の水道を簡易水道に振りかえるということは、これは同じ水道だからかまわないようなものですけれども、大へんな違いがあるわけです。そこでそういうお考えではなくて、まだずいぶんたくさん、おそらく計画全体を合せれば、数億以上になると思うのですが、地盤沈下水道は残っておるのが……。これらについて今打ち切るとか、打ち切らないとかいう問題ではなくて、早く仕上げるように御努力願いたい、これをぜひお願い申し上げまして次に移りたいと思いますが、この食品検査のところで輸入食品検査、これは黄変米、病変米検査も含んでおるのでございますか。そうだとすれば、病変米の検査は人員が少くて困っておるという状態ですが、これをさらに減額しておいて、必要にして十分な検査ができるかどうか。これをお尋ねしたいと思います。
○政府委員(山口正義君) 食品検査費の中の輸入食品の分の中には、輸入米についての検査の費用も含んでおります。ただ、昨年来黄変米の問題が非常に重大問題となりまして、農林省当局と厚生省当局と協議いたしまして、この輸入の元そのものについてもいろいろ手を打って参りました。できるだけ良質のものをこちらへ入れてくるという状況でございますので、最近入って参りますものからの変質率は非常に少く、つまりよくなってきておるわけでございます。私ども食品衛生の立場からこれを検査いたしますのは、向うから入って参りましたものの抜き取り検査をやっていく方式でやっておるのでございますが、本元でできるだけよくしてもらって、そうしてこちらのやり方の効率を上げていくという方向を今とっておるわけでございます。現在実際にやっておりまして、変質率が非常に少くなってきておりますので、大体これでそのもとをよくしていけば、これでもってやっていけるのではないか、そう考えておるわけでございます。
○湯山勇君 今の点につきましては、この間ずいぶんこの委員会でも問題になりまして、やはり今のような検査ではだめだ、それから現地でうまくやっていこうといっても、そのことにもなかなかうまくいかない要素がたくさんある。そういうことが論議されたわけです。今日あれだけストックもかかえておるし、これだけの人員で果して国民に安心できるような検査ができるかどうか、私は疑問だと思いますので、これは十分御検討いただきたい、こういうふうに思います。 それから次にお尋ねいたしたいのは、生活保護監査指導地方公共団体委託職員の制度ですが、これは一体どういうことをするわけですか。今日までどういう人がやっておったのを、どういうふうにやっていこうと言われるのでしょうか。
○政府委員(安田巌君) 御承知のように、生活保護の仕事は国民の最低生活を保障するという意味で、漏給がありましてもいけませず、また濫給がありましても困るのでありますが、そこで現在は府県なり、あるいは市でもって実施機関としていろいろそういう仕事をやっております場合に、厚生省の方に、そういった監査をし、あるいは指導をいたします職員を置きまして、年に何回か監査を実施いたしているわけであります。ところが最近はいろいろむずかしい問題もございますし、なおまた町村合併等によりまして市の数が非常にふえました。現在地方の福祉事務所の数は千をこえるような状態であります。そういうようなことから、この際地方庁に、これは国の職員ではないのでございますけれども、十割の費用をこちらから出しまして、地方職員の身分を持ってこちらから仕事を委託した格好で、五百八十人ばかりの人を置きたいと思っているわけであります。これは主として生活保護法を相当いたしておりますところの地方の課の課長とか、課長補佐というような有力な人、あるいは医者としての、技官でございますが、そういうものを一人ずつは置くようになるだろうと、こういうふうに考えております。
○湯山勇君 その課長とか、課長補佐とかいう人をそれに嘱託にするとか、任用するかということになれば、給料はどういうことになるわけですか。その地方でもらっている分はもらわないようになるわけですか。
○政府委員(安田巌君) まあ課長が必ずそれに当るかどうかということは、まだ実はきまっておりませんけれども、これは地方庁の方にそういうふうな話をいたしまして、その相談ずくの上でやるようになるかと思いますが、給料は私の方で大体現在のそういった人たちの給料、それに必要な旅費その他の費用を調べておりまして、それを大体全部寄せたものが予算として組んでございますので、全国的にみれば大体それだけの金で足りる、こういうふうに考えております。
○湯山勇君 じゃ今のお話しで、現在の地方庁の課長なり課長補佐をその身分のまま委託職員とするわけでしょうか。身分はそれから離れてやるわけでしょうか。
○政府委員(安田巌君) お尋ねの趣旨は、結局新しい人を置くか、あるいは現在の人の振りかえになるかということも入っておるかと思いますが、現在おられる方を大体大部分におきましては振かえることになると思います。つまり今までは交付税交付金でもって、五割だけを裏づけしたところの生活保護法の仕事をやりますところの職員でありましたものが、十割国費の職員になるわけであります。そのかわり私どもの方といたしましては、そういう人たちが、実際に仕事をして能率を上げるだけの資格条件というもので示しますし、また同時にそういう人が非常に頻繁に変ったりすることのないように、ある程度の制限と申しますか、申し合せと申しますか、そういうものをつけて適正をはかりたいと、こういう趣旨でございます。
○湯山勇君 それではこういう委託を受けた人が、課長なり課長補佐の役目をやめれば、この委託職員ということも自然消滅するわけですね。
○政府委員(安田巌君) 先ほどから申しますように、生活保護の監査の指導の事務でございますので、たとえば新しくそういうふうな職につけたいという人がありますというと、私の方に相談があるわけです。それで資格なり、その人物が適当であるかどうかということを相談いたしまして、その人を私の方でそれでいいということになりますと、地方庁で任命あるいは補職と申しますか、その職につけまして、それに対して私の方から必要な金を流すということになると思います。
○湯山勇君 そこで大体様子がわかりましたのでお尋ねいたしたいのは、この生活保護監査指導地方公共団体委託職員というのは、これは端的にお尋ねいたしますが、これによって生活保護を窮屈にする、査定を厳重にするとか、あるいは個人負担の分を多くするようにするとか、今日生活保護費は相当多額に上っておりますし、国の負担が決して軽くない。ことに医療費等については、昨年来問題もあったりいたしましたので、こういう制度によって、それらを悪く言えば悪化するというような懸念が多分に心配されるのですが、この点についてはどうでしょうか。
○政府委員(安田巌君) 生活保護は、これはもう本当に国民生活のぎりぎりのところを保障するわけでございますから、まあ私どもが締めろと申しましても、第一線でそういうふうな状況を見れば、締めるわけには参りません。それからなおまた、漏給があっても、はなはだ申しわけないのでございますから、漏れることのないように常に指導しなければならぬ。そこでそういった大事な仕事をいたしているのでありますが、現在の状況でありますると、遺憾ながら地方の福祉事務所の職員の充足率がまだ十分でないのであります。ことに市部の、新設の市などの福祉事務所等で、そういった人員の充足が十分でなかったり、あるいはその素質が私どもの期待しているところまでいっていないというものがたくさんございますので、そういったようなものを、今度全額国で出す職員を置けるということになりますと、そういう意味で非常にまたいい影響を与えるだろうということをねらっているのでありまして、これは決して引き締めようとか何とかいうこととは、全然問題は別でございます。
○湯山勇君 そういう懸念は全然ないというように解釈してよろしいのでございますか。
○政府委員(安田巌君) その通り御解釈願って差しつかえないと思います。ただ先ほどもちょっと触れましたのでございますが、地方で今は医療扶助というのが生活扶助よりも非常にふえてきておりまして、これが適正に行われるかどうかということは、生活保護費がふえたり減ったりするし上におきまして非常に大きな問題なのであります。そこで適当なやはり技官でございます医者を置くということは、これは大事なことでありながら、やはり予算その他の関係、人員の関係で置けないところが相当ございます。そういったような点では、私は非常にもし医者が置けますならば、……私どもそれに必要な費用を出すのでございますけれども……医者がもし置けますならば、やはり適正な医療扶助が行われるのじゃないかということも考えております。
○湯山勇君 これはまた別な機会にお尋ねしたいと思いますが、次に日雇健康保険についてお尋ねいたしたいのですが、これは従来から給付期間がずいぶん延長されましたし、それから歯科保険も認めるというのは大へんな進歩だと思うのですが、結局日雇健康保険の一番の弱いところは、傷病給付がないということだと思うのですが、むしろこの期間の延長はあと回しになっても、傷病給付を認めるというようなことにはならないかどうか。また傷病給付をあと回しにして、期間延長を先に取り上げた理由という点についてお聞きいたしたいと思います。
○政府委員(堀岡吉次君) 傷病手当金の問題は、非常に大きな要望があることはお話しの通りでございます。厚生当局といたしましても、これは実現いたしたいという気持はもちろん変っておりません。本年におきましては財政上の都合その他の関係で一応見送ったのであります。給付期間の延長をなぜ先にやったというお話しでございますが、何分病気そのものは直接の問題でございますので、その方の要望も非常に強いわけであります。それでまあ延長を先にしたのであります。
○湯山勇君 今の私のお尋ねした答弁にはなっていないので、つまりどちらも要望が強いにしても、今日の状態ではやはり傷病給付のないということが、一番大きな欠点になっておる。当初三カ月だったのですね、日雇は……。それが六カ月になったのですから、期間延長の方はそれで一応第一段の修正はできたわけです。今度は第二の修正でまた期間だけ延ばす、大事な傷病給付の方はあと回しになっておる。これはどういうわけでしょうか。むしろ三カ月は六カ月に延びたのだから、今度は傷病給付の方に手をつける段階ではないか、こういうことをお尋ねしておるわけです。
○政府委員(堀岡吉次君) お話しのお説は確かにそういう点もあるかと思います。しかしながら、傷病手当金の方は生活の問題に関連しますので、現金の問題で大事な問題ではございますが、健康保険の一番ねらいとします病気をなおす、そのことが六カ月の期間で打ち切られるということは、病人の方の問題もありますので、そこの方を重点に置くという意味でございます。
○湯山勇君 もう一、二点お尋ねしたいのですが、それは田辺局長にお尋ねします。未帰還者で未帰還者援護法により今療養所で療養しておる者の、十二月二十八日で切れるものについての三カ年延長というのは、これは大体確定しておるのでございますか。
○政府委員(田辺繁雄君) 現在そういう方針で事務を進めておりまして……。
○湯山勇君 法律も……。
○政府委員(田辺繁雄君) 法律を立案いたしまして、近く政府の方針が決定する段取りでございます。
○湯山勇君 最後にお尋ねいたしますが、健康保険の給付費の財源として十億出されておりますが、これはこれとして、あとの六カ年間十億ずつ返していくということについては、これは大蔵当局の方のお見込みをお聞きしたいのですが、さっきお話のような七月から六十を六十五にするとか、標準報酬引き上げとか、こういうことでもってこれが可能でしょうか。将来また再び料率の引き上げをするとか何とか、そういうことをしなくちゃならないというような心配はございませんか。
○政府委員(正示啓次郎君) お答え申し上げます。これは湯山先生よく御承知の通り、健康保険の赤字の原因は、結局給付費の増高と収入の増加が相伴わなかったという点にあることは申し上げるまでもございません。そこで私どもは今日厚生当局のお考えといたしまして、保険料の現行法令のお認めになっておりまする最大限度までの引き上げということをまずもって打ち出しております。また標準報酬の改訂ということをただいま御研究中でございまして、これはまた所要の法律を改正いたしまして、できる限りすみやかに御実施に相なるというふうに承知をいたしておりますが、先ほどこの点についての御説明があるいは欠けたかと思いますが、一方給付の適正化、これは他人の保険料の上において給付を受けるのでございまするから、非常にこの点が大事かと思うのであります。そこで給付の適正化ということをどうしてもやらなければならぬのでありまして、この点につきましては、むろん現行の法律のもとにおきましても、さような前提のもとに組み立てられておると思うのであります。いわゆる濫診濫療の防止ということが、今日の法律によって認められておりまする、あるいは要求されておりまする最大限度まで行われまして、給付の適正化が行われるということがどうしても必要かと思っております。またきわめて小さいことでございますが、例の歯科の補綴の材料の金の使用量等につきましても、これは全廃ということはとてもむずかしいのでございましょうが、政府管掌の健康保険において、いわゆるその負担力に応じた程度にこれらの面も再検討なさるように拝承いたしております。一方収入の面におきましては、そういう制度的な改正とまではいかないといたしましても、今日滞納が相当ございます。これらもそれぞれ御事情はあるようでございますが、しかし源泉徴収の所得税の納付の状況から比較いたしましても、いわば最も大事な従業員の健康の保持、あるいは病気の治療のための保険料でございまするから、これはもっと徴収状況が、あるいは収納状況が改善されてしかるべきではないかというようなことも指摘されておるのでありまして、まあそれら全般を総合いたしまして、私どもといたしまして収支の今日までのアンバランスというものは一応解消されるのではないか。しかしながらこれはむろん見込みでございまするから、ある程度それらの線をやってみまして、なお足らないときには、さらにどういう手を打つかということも考えなくちゃならぬかとも思います。しかし一応私どもは厚生省当局のお見積りを全幅的にただいまのところ信頼いたしまして、将来赤字が出ないということを前提にいたしまして、先ほど御説明のありましたように、とりあえず本年度十億円、三十一年度以降六カ年間十億円、合せて七十億円という考え方で所要の法律の改正並びに予算を計上いたしている、かように考えている次第であります。
○湯山勇君 そこで厚生省の方へお伺いしますが、今のように健康保険の方は、結局組合員の犠牲が大きくなるような法律案でございます。ところが一方船員保険等につきましては、保険が他のものと一緒になっている関係上、これはそういうこともしないで、別段本人の負担が増大するわけでもない、給付内容が低下するわけでもない、こういうやり方は果していいかどうか。健康保険の組合員であれば、当然厚生年金保険も入っているのです。彼此勘案すれば、今のように各人の負担を増大したり、あるいは給付の内容を落したりしなくても、道がたくさんあるのじゃないかと思うのですが、これに対して厚生省の方はどうお考えになっておられますか。
○政府委員(堀岡吉次君) 先ほど船員保険のところでも申し上げましたように、船員保険におきましても、疾病保険部門におきましては相当大きな赤字が出ております。金額につきましては少い金額でありますが、ウエイトにおきましては相当大きな赤字が出ております。船員保険におきましても料率の引き上げをしなければならないということでございます。ただ先ほど御説明申し上げましたように、船員保険におきましては、すべての保険を総合して実行いたしておりますので、現在健康保険においてとられましたような長期借り入れをするということは、自己の積立財源で、他のいわゆる年金部門でございますが、そこの積立財源がふえるというところにうまみがあるだけのものでありまして、船員保険の料率は、御案内のように疾病部門、労災部門、失業部門、長期部門、それぞれに区別して計算をいたしております。従いましてその長期の金を食いましても、これは将来において疾病保険部門が食ったということであれば、疾病保険部門の財源をもって償還すべきでありまして、運営の妙味につきましては、湯山先生お話しの通り確かにあると思います。将来そういうような方向で保険の統合は行われるべきと思います。この出入りの問題については、返すべきものは返すということにいたしております。
○湯山勇君 今の点について次長にちょっとお尋ねしますが、船員保険は今御説明があった以外に、これは傷病給付の年数はうんと長いのです。そういうふうに同じ健康保険でもってずいぶん差があります。しかしこういうことの措置に対しても、健康保険と、船員保険ではうまみのある、なしという表現でしたけれども、いろいろあるわけです。こういうものはやはり同じようにするということが私は必要じゃないかと思うのですが、これは次長どうお考えになりますか。
○政府委員(正示啓次郎君) 私は保険の問題は、湯山先生や厚生当局のような専門家ではございませんから、きわめてしろうとの議論を申し上げるわけでございますが、やはり社会保険を、大きく申しまして社会保険を統合し、いわゆるユニフオミティーを保つような方向にもっていくということは非常にけっこうなことではないか。ただ、たしか健康保険が非常に早くあれいたしまして、それからいろいろ年金、あるいは失業というふうな保険がだんだんあとから加わって参ったことは、これはもう専門家であられる湯山先生御承知の通りであります。そういう沿革の関係、あるいは制度の組み立て等の関係から、統合ということには非常にいろいろ困難な事情があるようでございますが、しかしやはりできる限りたとえば事務簡素化あるいは事務費の節約というふうな見地、あるいは事務能率の増進というような見地、また実質的な給付の、先ほど申し上げましたような基準を大体そろえていくというふうな見地から言いまして、将来十分研究すべき問題ではないかというふうに考えております。
○吉田萬次君 十六ページの事項の二つ目にありますラジウム購入費、私はこれについて何か裏があるように考えるのであります。今日医療の方面から考えまして、ラジウムの価値というものはどれくらいのものであるか、また今日ラジウムというものがそんなに必要なものであるかというようなことに対しての科学的議論は別といたしまして、かようなものを緊縮予算の今日購入しなければならぬという理由がどこにあるだろうか。ことに金額の多少にかかわらず外貨の獲得を今日叫んでおるときに、輸入しなければならぬ、おそらくこれは輸入だろうと思いまするが、かようなことにつきまして、私は医療上の方面から見たラジウムの価値というものに対して、今日購入する必要はないように思います。これに対する厚生省の所見というもの、大蔵省はどうしてこういうようなものまで認められるかということを伺いたい。
○政府委員(堀岡吉次君) お尋ねの医療上の見解いかんということにつきましては、ただいま所管の技術関係を担当される方がおみえになっておりませんので、しろうとでございまして、別段のことを申し上げかねますが、別段裏があっての話ではございませんので、ラジウムは御案内のようにガンの治療の関係上非常にその使用頻度が増しております。それであっちこっちから輸入したいというので申請がずいぶん参るのでございます。これらの申請につきましては、外貨のことでもありまするので、厚生省において割当をいたしておるのでありますが、ばらばらに輸入されましてもこれは困ります。それからある程度の量がまとまりませんと、使用上有効度が限度があると聞いております。その辺は私しろうとでよくわかりませんけれども、そういう意味合いで主としてこれは国立病院に備えつけまして、外部の病院等に巡回で貸し付けるというふうなつもりで輸入するということにいたしたのでございます。
○政府委員(正示啓次郎君) 私も厚生省の会計課長よりも、もっと医療の問題の点につきましては存じませんのでございますが、ただ今日常識といたしまして、ガンの問題が非常に重要な問題になっておるように拝承いたしております。これがばらばらにラジウムをいろいろ購入するということになりますと、むだがあるというふうな御説明でございまして、まあ国立病院の重点的な配置によりまして、各方面の要望にこたえていきたいという非常に切実な御要望である。私どもは本年の疾病対策はやはり結核、精神というふうな点に従来通りおいておるのでありますが、多少今のような点につきましては吉田先生おっしゃられた一兆円で非常に苦しいのでありますが、厚生省当局が非常な重要性を持って御要求になりましたので、この程度の金で各方面の要望にこたえるというふうな御趣旨に一応賛意を表したわけでございます。
○吉田萬次君 この問題につきましては、私は職業的意識から言うのじゃなしに、失礼なことを言うようだけれども、医療という面では相当私も知識を持っているつもりであります。従って私の考えからいきまして、このラジウムの購入というものが、ガンの治療に必要云々というようなことはよく知っております。私もガンを研究しましたし、その点から考えましてラジウムが果して必要か、今日切迫した財政の中で、かようなものに対して政府が買わなければならぬのだろうか、また援助しなければならぬのだろうかということに対して、すこぶる疑問を持っているのであります。私は効果そのものから論じましても、また今日の緊迫せる財政から考えましても、かような問題こそ計上すべきではないと思います。かような問題については金額はわずかでありましょうけれども、私は削除してもらうように強く希望いたしまして質問を打ち切ります。
○木村守江君 私は厚生省の三十年度の予算説明を聞きまして、何か厚生省の今年の予算というものは、非常に必要なものを削減して、あまり必要でないものを新規に設けたというような概括的な感じを持つものであります。こういうものに対して大蔵省が、厚生省が言ったからといったような格好でもってこれを認めたということになりますと、まことに大蔵当局も不見識きわまりないと、非常にきんちゃくを締めるのが大蔵省の役目でありますが、内容に至りましては、どうも必ずしも緊急を要しないものを認めて非常に大事なものを削減したというような傾向があると、概括的に考えられるのであります。従ってその内容につきましては、今日は詳細には質問している時間がありませんので、きわめて簡単に御質問申し上げます。第一番目に、第一ページの生活困窮者の受胎調節普及事業費補助金、このことにつきましては決して緊急の問題ではないというのではありません。今の私の前提とは違いますけれども、これは一体どういうふうにお使いになりますか。ちょっと説明してもらいたい。
○政府委員(山口正義君) 受胎調節につきましては、昭和二十六年に閣議了解で政府の方針としてこれを普及してゆくという方針を取り上げて、二十七年度から予算を計上していただいて、今まで施策を進めて参ってきておったのでございますが、従来の予算は主として保健所に併置してございます優生保護相談所の整備費とその運営に必要な経費であったのでございますが、実際に受胎調節を各方面で指導して参りました際に、いわゆる低額所得者階層への普及がなかなか十分に行われない。従いましてその理由はいろいろあるのでございますが、やはり経済的な問題もからんでおりますので、今回は十分とはいえないのでございますが、それらの低所得の階層の人たちに対して、先ほど会計課長から御説明申し上げましたように、器具、薬品を生活保護法の該当者に対しましては無料で、それからボーダー・ラインの人たちに対しましては約半額で支給したいという予算を計上していただいているわけでございますが、そのやり方につきましては、保健所あるいはそれに併置されております優生保護相談所、それから地方の福祉事務所とが十分連絡いたしまして、それらの今まで指導をやって参りました際に、経済的な問題で十分器具、薬品を購入できなかったというような人たちに対して行き渡るようにやってゆきたい、そういうふうに考えているわけでございます。
○木村守江君 御説明のことはわかりましたが、この生活困窮者の受胎調節というものを最も効果的にするには、どうしたらいいかということでありますが、あなた方は絶対役人でなくてはだめだ。あなた方が使っているもの、役所から俸給をもらっておるものでなければこういうことができないのだというところに大きな私は間違いがあると思うのです。生活困窮者の受胎調節をするのはこれは役人の保健所の保健婦や看護婦では非常に遠慮して、生活困窮者であればあるほど遠慮をしまして、そういう方には相談いたしません。これはもう生活困窮者が子供がたくさんあるのだというような人はこれはやはり地方の産婆さんに、助産婦に何回もかかっておるわけです。もう自分のすべての秘密を打ち明けているのは助産婦なんです。お役人まがいのような、役所で使っておるような保健婦やあるいは看護婦が、あるいはあなた方が信用しておる保健所のお役人がこういう生活貧困者の受胎調節をできると思うところに大きな問題があるのです。官僚独善主義といいますか、そういう間違った考え方がやはりこういうふうなところにもあると思うのです。そういう点から考えまして、ほんとうにこの趣旨を徹底するためにはこれはやはり助産婦を、その生活困窮者の婦人のすべての秘密を知っておる助産婦を使うことが一番いいと思うのです。ところが助産婦がこの受胎調節の相談をしますと、その普及のことを教授しますと百円の料金をとる、ところが片方のその保健所の保健婦やあるいは看護婦がやると無料だというようなところに問題があるのです。こういうようなことをやるのもいいのですが、ほんとうに実際的な効果を示すには助産婦に盛んにやらして、その料金というものはやはりこういうような経費から出してやる、あるいはその他の、健康保険には当てはまらないでしょうが、こういうような経費から出してやるというようなところにいかなければ私はほんとうの効果を示すことはできないと思うのです。これに対してどういうふうなお考えをお待ちですか。
○政府委員(山口正義君) 受胎調節を普及して参りますのに助産婦に活動してもらわなければならないという点、ただいま木村先生から御指摘の通りでございまして、従いまして私ども昭和二十七年から受胎調節を普及して参ります際の方針といたしましても、その実地指導をしてもらいます際に、最もお産あるいは受胎調節、妊娠というようなことに接触の多い、またそういうことをよく理解しておる助産婦の人たちに十分働いてもらわなければならんという方針で進んで来ておりまして、従いまして優生保護法も改正しまして、助産婦の人たちに受胎調節に必要な知識を持ってもらいますように講習もしました。この人たちがすでに三万数千人おります。その人たちに実際に働いてもらわなければならんという点はただいま御指摘の通りでございますので、今後の方針におきましても、決してただいま御指摘のように保健所の保健婦というものだけがやるというのでなくて、むしろ実際に指導してもらう実地指導はこれらの講習を経た助産婦の人たちにやってもらわなければならん、そういう意味で優生保護相談所にそういう人を保健所の謝礼を出します関係で嘱託になってもらって、そういう人たちに実地指導に際しての謝礼を出していきたい、そうして助産婦の人たちに十分活動してもらいたい、お説のような方針で進んで参りたい、そういうふうに考えております。
○木村守江君 ところが実際問題としてこれは生活困窮者が受胎調節をしたい、したいが保健所の保健婦やあるいは看護婦に自分の秘密をみんな見せるのがいやだというようなところから、行くのはいやだ。ところが助産婦の方には行きたい。ところが助産婦の方に行くと百円とられる。料金がかかるというようなところに私は大きな隘路があると思う。そういうものをこれはやっぱりこういうふうな経費から助産婦に支払って、本人からは——生活困窮者からはそういうものをとらないというところにその趣旨の徹底があるのです。そういうようなことまで突っ込んでやるお考えはありませんか。
○政府委員(山口正義君) 現在この特別対策として計上してございます三千二百万円のうちで器具、薬品を買うという費用、それから優生保護相談所の指導料、それをそっちから流して行くというかっこうで、実際保健所の人たちだけでなしに、そういう助産婦のところに行かれても、その人たちに嘱託になっていてもらうというようなことで費用が使えるというふうにやって参りたい、そういうふうに考えております。
○池田宇右衞門君 この際予算とは関係ないが、非常に関係ある問題だからお尋ねしておきますが、先ごろの農林関係で食糧長官から、今厚生省から黄変米十八万トンのうち一万七千トンは加工をして配給をしてもいいというようなお話があるからというようなことを聞いたのでありますが、しかしながら現在はそれを配給しておらない。今の推移をもっていたしますならば、必ず配給されるうちに織り込まれるというようなことも想像できるのでございます。私の申すまでもなく専門家の各位だから、置けば置くほど品質が低下し栄養価が薄らぐというようなことが一点。それから、ことに十八万トンでありますから十六万三千トンまだあるのでございますが、順次これが暖かになり、気候の最も高温多湿というような梅雨の時期に入れば腐敗しやすいところにかような外米を配給されるということになれば、配給を受ける国民は非常な衛生的から申しましても、健康から申しましても、また最も気分的から言っても大へん迷惑なことというか、配給をとらないというか、そこに大きな問題が起りやすいのでありますが、こういう点を、農林省に配給してもいいというふうに厚生省からお話しになってあるかどうか、またこれらの手段について考えておったかどうか、これが一点。 それから次に外貨獲得の上において国立公園は経費はこれは必要な経費だと思うのですが、国立公園の審議会において、たとえば信越国境の妙高、戸隠、野尻方面はこれは準国立公園、すでに国立公園の審議会にかかって、先の大臣はもう時間の問題だと言ったが、内閣がかわったのでそのままになっているが、今年中に国立公園になるというような見通しがついておるかどうか、この二点を私はお尋ねいたします。
○政府委員(山口正義君) ただいまお尋ねの第一点についてお答え申し上げます。黄変米の問題は先ほども御質問が出ましたように、昨年来非常に大きな問題になりまして、重要な問題として厚生省におきましても厚生省の諮問機関でございます食品衛生調査会に諮問いたしまして、食品衛生調査会ではその道の専門家を集めて特別部会を設置しまして、そこでいろいろ検討してもらったわけでございます。その中間的な報告が先般出て参りまして、それによりますれば、現在在庫しております黄変米のうちでタイ国黄、変米は一〇%以上ぬかの出るように再搗精すれば、人体には害がないという結論を得られて厚生省に答申をいただいたわけでございます。それに基きまして、私どもの方ではその学者をもって構成されました食品衛生調査会の御意見を尊重いたしまして、もしこれを配給される場合には必ずこれだけの措置はとってもらいたい、そうしてそれが厳重に行われるように厳重に監督してほしいということを農林省に通達を出したわけでございます。残余のイスランジャ黄変米を含んだ部分につきましては、まだ学者の方の研究も十分でき上っておりませんので、これは今後検討を十分してもらうということでございます。ただ、ただいま御指摘のように貯蔵いたしておりますものが、高温、高湿の時期が参りますとまたそれだけカビが余計ふえるじゃないかという点、御指摘の通りでございます。その点私どもは今後いろいろ学者に結論を出していただきます際にも十分心得て現在の在庫のものについてまたいろいろ調べてもらう、こういうふうにして行きたいと考えております。
○政府委員(堀岡吉次君) 第二点の国立公園の問題でございますが、非常に申しわけございませんが、所管の部長がおりませんので、私事情をつまびらかにしておりませんので、後ほど書面でもって先生の方にお答えいたします。
○委員長(館哲二君) それでは厚生省関係は一応これで終りまして、次に失業対策などにつきまして労働省から説明をしていただきたいと思います。それでは労働省の渋谷会計課長から……。
○政府委員(渋谷直蔵君) 労働省所管の三十年度歳出予算の概要につきまして私から御説明申し上げます。 お手元に配りました資料をごらんいただきながらお聞き取り願いたいと思います。労働省所管の予算は一般会計のほかに労災補償保険特別会計と失業保険特別会計の三つから成り立っております。それでそれぞれの三つの会計の二十九年度と三十年度におきまする事項別の比較対照表を最初に掲げてございますが、以下申し上げまする重要事項、新規事項を除きますると、ほぼ二十九年度と大した変化はございませんので、先に重要事項と新規事項につきまして御説明を申し上げたいと思います。五ぺ−ジをごらんいただきたいと思います。最初に失業対策事業費の補助でございますが、これは御承知のように緊急失業対策法に基きまして実施する失業対策事業に対してその経費の一部を補助するために必要な経費でございます。予算額といたしましては失業情勢が楽観を許さない情勢でございますので、二十九年度に対しまして、約四割程度の増額をいたしまして、百六十八億二千万が三十年度の要求額でございます。その内訳を申し上げますと、最初に一般失業対策事業、三十年度の要求額が百三十三億三千万円、前年度に対しまして十三億八千万の増でございます。この金額によりまする失業者の吸収人員は十九万人でございまして、前年度補正後の十七万人に対しまして二万人の増となっております。 次に特別失業対策事業でございますが、これは従前やっておらなかった事業でございまして、今までやっておりました一般失業対策事業と考え方を変えまして、建設的な事業を選定いたしまして、これに能率の高い失業労働力を吸収いたしまして、事業の建設的効果と失業対策の効果とを合せて追及する、こういうねらいのもとに設定せられました新たなる事業でございます。三十年度の要求額が三十四億九千万円、吸収人員が三万人でございまして、以上一般と特別事業を合せまして、合計二十二万人、前年度に対しまして五万人の増加となっております。それの補助単価等につきましては、六ページに掲げてございますが、説明は省略いたしたいと思います。 次に失業対策部の設置でございますが、御承知のように、失業対策が非常に重大な問題でございますと同時に、それの内容がだんだんと複雑かつ広範になって参りましたために、現在職業安定局内部に失業対策課が設けられておりまして、この課がもっぱら失業対策の行政運営に当っておるわけでございますが、とうてい一つの課では十分な仕事をやって行くことが困難になって参りましたので、失業対策部を新たに職業安定局の中に設置いたしまして、その部の中に企画課と業務課の二課を置く、こういうのが失業対策部設置の内容でございます。 次に七ページに参りまして、失業保険費の負担金でございます。これは失業保険法に基きまして、失業者に対しまして支給いたします保険給付の費用の三分の一を国が負担いたしております。その費用と失業保険事業の事務執行に要する費用の一部分を国が負担するわけでございますが、それの必要な経費でございます。三十年度の予算額が百十七億四百万円、前年度に対しまして、二億七千六百万円の減となっております。 これの内訳を御説明申し上げますると、最初の積算の基礎の項に書いてございます失業保険金でございますが、三十年度が三百四十二億四千二百万、前年度に対しまして十四億二千九百万の減となっております。これの考え方を御説明申し上げますと、この要求額の基礎となっております数字としましては、その下に書いてございますように、一月平均の支給実人員を四十五万四千人と見込んでおるわけでございます。これに対しまして二十九年度におきましては、月平均の支給実人員が四十九万二千人でございまして、それにおきまして、差がここの数字の減となって現われているわけでございます。これにつきましては、二十九年度におきましては、御承知のようにデフレ政策の影響が急激に浸透して参りまして、失業者の増加が急激にふえて参ったのでございます。すなわち初回受給者を二十九年度で申し上げますと、上半期が毎月平均八万四千人程度初回受給者が増加いたしております。それから下半期が七万五千人、それに季節労務者の八万五千人を合せますると、二十九年度の初回受給者の総平均が八万八千六百人という数字を示しておるのでございますが、三十年度におきましては、上半期は二十九年度の下半期と同数の七万五千人程度が初回受給者として現われてくるであろう。しかしながら新たなる企業整備による失業者の発生は、下半期に至りまするとやや鈍ってくるのではないかという想定のもとに、下半期におきましては毎月初回受給者の数を七万人というふうに想定いたしたのでございます。季節労務者は前年度とほぼ同じく見込みまして、その初回受納者が月平均は七万九千六百人となるわけでございます。日雇いの支給人員は前年と同様であろう、こういう想定のもとに、ただいま申し上げましたような保険金の減となっておるわけでございますが、しかし雇用経済の雇用なり、失業情勢の動き方というものはなかなか正確な見通しが困難でございますので、この予想以上に失業者が発生するという場合も考えられますので、以上のほかに四十二億円の予備金を計上いたしてございます。その四十二億の予備金によりますると、月に、このほかに五万七千人程度吸収可能でございますので、この予備費の分も合わせますると、二十九年度に対しまして支給実人員において、約四%増の失業者に対して、保険金を支給できる、こういう考え方でこの金額を要求いたしておる次第でございます。 以上で失業保険金を終りまして九ページに参りまして、政府職員等失業者退職手当でございますが、これは前年度と大した変化はございませんので、三十年度要求額が三億六千万円、前年度に対しまして二千四百万円の増となっております。これは特別に説明を省略させていただきたいと思います。 次に十ページに参りまして、職業補導費でございますが、これは職業安定法に基きまして実施いたしまする職業補導所の運営に必要な補導費でございます。三十年度の要求額が三億五千万円でございまして、二十九年度に対しまして一千九百十九万五千円の増となっております。 その内訳はその下に書いてございますように一番の基本になりますのが、一番最初に書いてございます一般公共職業補導所でありまして、この経費が二億五千七百三十九万五千円、次の夜間職業補導所と家内職職業補導所、家事サービス職業補導所の三つは新規事項でございます。金額もそう大きな金額ではございませんが、一応新規事項として見積られた事項であります。最後の身体障害者職業補導所は、ほぼ前年度と同様でございまして、変化はございません。 以上申し上げました補導所の個所数、それからそれに収容いたしまして訓練いたします補導生の定員、補導期間、補助率等につきましては、十一ページに書いてありますのでごらんいただきたいと思います。 次に十二ページに参りまして、けい肺等特別保護費でございますが、けい肺病に関しましては、これの予防と特別保護の問題が数年来取り上げられまして、現に国会におきましても継続審議をやっておられたのでございますが、今回政府におきましてけい肺等予防及び特別保護に関する法律案を現在立案中でございまして、近く国会に提出して御審議をいただく予定でございますが、その法律の裏づけとしての予算要求でございます。三十年度の要求額八千二百二十九万五千円、その内容といたしましては給付費と健康診断費、これが八千四十五万一千円、そのうちの三分の一を国庫負担することにいたしまして、二千六百八十一万七千円でございます。その下に書いてございますがけい肺診断器具購入費は、これは労災保険で百五十万円、それからけい肺対策審議会費の事務費でございますが、これは一般会計で三十四万四千円、合計いたしまして八千二百二十九万五千円の要求となっているのでございます。 その法律案を実施いたします場合に、どのような数の患者に対しまして療養給付、休業給付を支給するかというような内訳につきましては、十三ページに書いてございますので、これで御承知願いたいと存じます。 それから十四ページに参りまして、技能者養成費補助でございます。御承知のように技能者の養成が重要なことは言うまでもないのでございますが、大企業におきましてはみずからの力によりまして技能者養成施設を整備しまして実施いたしておりますが、中小企業におきましてはみずからの力によってだけでは、なかなか技能者養成ができにくいという実情でございますので、そういった中小企業における技能者の共同養成に対しまして、その経費の一部を国が補助するという経費でございます。予算額が三十年度千三百五十万円、現在二十人以上の共同養成体に属しております養成工約三万人、その四分の一の七千五百人に対しまして一人当て年間補助額千八百円、これは年間七千二百円の四分の一に相当する金額でございますが、この千八百円を補助しようという経費でございます。 以上で一般会計の重要事項、審議事項を終りまして、十五ページ労災保険特別会計の経費でございますが、労災病院の新営費でございます。昭和二十九年度の予算額が十一億円に対しまして、三十年度は一億五百四十五万八千円の増となっております。 それの内訳は六ページから十七ページにかけまして新営並びに継続する病院とその病院の工事内容、それから二十九年度末までにどれだけのベッド数が整備せられておるか、これに対しまして三十年度のこの予算によりまして整備するベッド数、それから最後に完成した場合のベッド数はどうなるかという工合にわけまして、それぞれ表にしてございますので、これをごらんいただきたいと思います。 次に失業保険特別会計に参りまして、失業保険の施設費でございますが、これは失業保険の施設としまして総合職業補導所、簡易福利施設等の保険施設を拡充強化する経費でございます。三十年度におきましては失業保険積立金運用利子収入のおおむね二分の一額を充当することといたしまして、五億五千万円を要求いたした次第でございます。積算の基礎を申し上げますると、個所数が職業補導所におきまして十七カ所、種目が八十種目でございまして、これに収容します補導生の定員は二千九百四十名、年間延べ三千二百七十人の予定でございます。二番目に簡易福利施設でございますが、これは十九ページに掲げてございますように、百人収容の施設が一カ所、五十人収容の施設を五カ所、これは新規に設置するという計画でございます。 以上で労働省所管の重要事項並びに新規事項の説明を終ったのでございますが、そのほかの人件費及び事務、事業費につきましては二十ページから以下に掲げてございます。これは先ほど申し上げましたように、ほとんど前年度に比べまして大きな変化はございませんので、全般的な説明としましては省略させていただきたいと思いますが、何か御質問がございましたならば、それによって御説明申し上げたいと思います。
○湯山勇君 けい肺のことでお尋ねいたしますが、この積算基礎のところに十三ページ、療養及び休業給付のところで、療養給付九十六人と休業給付九十六人、外傷性脊髄損傷患者十二人、これは現在の数でございますか。
○政府委員(富樫総一君) お答え申し上げます。ことしの九月から来年の三月までの間に、現在労災保険で療養しておる者がその三年の年月が切れるもの、これが約百九十人おるのであります。その百九十人が九月一日に一斉に切れたものとすると、そういう数字になります。その間に百九十人の者が九月一日に三年の期限が切れたり十月に切れたり、こういたしますので、その七カ月分全部べたに支給するとすればその人員は九十六人になる、こういう数字でございます。その基礎は、現在労災保険で療養、休業しておる者が実績になっております。従いまして推定でなく実際の数でございます。
○湯山勇君 次に配置転換給付ですね、これはどういうふうにして把握されておるのでしょうか。
○政府委員(富樫総一君) お答え申し上げます。ここに詳しい資料は持ってきてございませんが、われわれの方で過去七年間の間に公国的に主要な所のけい肺健康診断を実施して参ったのであります。その結果に基きまして、配置転換と申しまするのは、けい肺の症状が原則として第三症度と申しますのがあるのでありますが、その第三症度の発生率を過去の実績より求めまして、そうしてことしは約七万人の者について健康診断をすることにいたしております。その七万人に過去の実績に基くその第三症度の発生率を乗じて出した数字でございます。
○湯山勇君 それで今度は新たにけい肺診断器具等の新設もありまして、こういう府県ができればあるいはこの出てくる率は予定しておるより多くなるのではないかという懸念も持っておりますが、もっと申せばけい肺でありながら実際はけい肺と言わないで結核という名目で入院しておる者もあると思うのです。そうするとこれよりも人数がふえた場合の予算措置ですね、これはどういうふうになさいますか。
○政府委員(富樫総一君) お答え申し上げます。ただいま申しました過去七カ年の実績に基く発生率、この発生率は役所がみずから厳密に健康診断した結果に基く発生率でございます。従いまして従来事業主がいわゆる基準法に基きます事業主の一般的な健康管理としてなされる健康診断、この中にはあるいは御指摘のような場合もあったかと存じまするが、役所がみずから厳密に試験的に実施した結果に基く発生率でございますので、そういうことはまずないと考えております。
○湯山勇君 今度の場合は大きい事業場だけでなく、小さな石切り場にも適用されることにもなるでしょう。そうすると今おっしゃったような大きい所ならば、これはもうおっしゃる通りだと思いますけれども、なおそれよりもふえる可能性もあるのじゃないかという点をお聞きしたいのが一点と、もう一つは現在配置転換されている、そのけい肺のために。それはやはり配置転換給付の対象になりますか。
○政府委員(富樫総一君) お答え申し上げます。過去におきまするわれわれの方の健康診断は特別に金属山というような特定の大鉱山のみを対象にして実施したわけでございませんので、各産業につきまして、あるいは企業の規模等をも勘案して大体まんべんなくそれぞれ代表的なものを調査していたしまするので、この発生率の算出につきましては相当厳密にいたしておりまするので、そういうところはないと考えております。ただ万が一そういう場合ができたとすればということになりますれば、これは何と申しますか、仮定の問題でございまするが、この法案の御審議の際にも申し上げました法律上の支給義務費でございますから、当然に必要額は補正なり予備金なりで充当されることになるわけでございます。それからこれはお気の毒なことでございまするが、すべて社会保障と申しまするか、そういう制度は、過去にさかのぼるということは困難でございまするので、この法案の実施された以降の配置転換についてなされるわけでございます。過去の分はお気の毒でございまするが一般にこういう制度の新設の場合にはそこで線が引かれる、これはやむを得ざることかと存じます。
○湯山勇君 その点はよくわかるんですが、もしその際従来配置転換をしておった、しかしなお坑外なら坑外で働けるという人なら、一定の期間内また坑内に入って、そうしてこれは坑内の軽作業なら軽作業に当って、それから後に一定期間たって外に出て来た場合に、これは配置転換給付の対象になりますか。
○政府委員(富樫総一君) お答え申し上げます。過去におきましていかような経緯があったか知りませんが、今後法施行後に現在坑内に働いておって健康診断の結果配置転換をせなければならぬという場合には、もちろん給付をいたします。
○永岡光治君 五ページの失業対策事業費補助について、単価の計算は補助単価二百二十二円になっておるし、それから特別の場合は四百十三円になっております。法律の面ですが、これは一体どういうところからこうなっておりますか。
○政府委員(渋谷直蔵君) 御説明申し上げます。現在やっております一般失業対策事業費につきましては労力費が二百八十二円でございまして、それの補助率は三分の二でございますから補助額が百八十八円、資材費が四十五円の三分の一の十五円、事務費が二十九円の三分の二の十九円三十五銭、以上の三者を合計いたしますと三百五十六円に対しまして、国からの補助額が二百二十二円三十五銭ということでございます。 次に特別事業の分でございますが、この特別事業はまた中を二つに分けまして、一つは富裕団体に対する補助率と、それ以外の地域に対する補助率の二つに分れております。最初に富裕団体に対する補助の分を申し上げますると、労力費が三百三十六円三十二銭の三分の二の補助率でございます。つまり一般失業対策事業と同様の労力費は補助率でございまして二百二十四円二十二銭、資材費が二百十円の二分の一、この点が一般の失業対策事業の補助率と変っております二分の一の百五円、事務費四十八円九十五銭の三分の二の三十二円六十四銭、これを合計いたしますると五百九十五円二十七銭に対しまして、補助額が三百六十一円八十六銭、次に富裕団体以外の地域に対する補助率は、労力費の補助率が五分の四になりまするので、これを申し上げますと労力費三百三十六円三十二銭の五分の四、二百六十九円六銭、資材費二百十円の二分の一の百五円、事務費四十八円九十五銭の五分の四、三十九円十六銭、以上の合計が五百九十五円二十七銭に対しまする補助額が四百十三円二十二銭ということでございます。
○永岡光治君 最初の一般の失業対策事業費の問題で、労務費が二百八十二円ということで、それに三分の二の補助をしたということであります。二百八十二円で、これで生活ができるという算定をどういうところから持ってくるか、その根拠を示してもらいたい。
○政府委員(江下孝君) お答え申し上げます。失業対策事業に就労いたします者の給与でございますが、これは緊急失業対策法に基きましてその地方地方で現実に支払われております一般の賃金、プリベーリング・ウエージ、この賃金よりも若干低めに定めなければならないということになります。そこでこの二百八十二円は、昨年の二月にべース・アップを一部実施いたしましたその数字が、そのまま今日まで継続いたしておるのでありますが、当時といたしまして、一般のP・Wに比較いたしまして若干低めに定めたものでございます。今当時のその額を実は手に持っておりませんが、これより一割ないし二割程度の低めに定められておるのであります。
○永岡光治君 今の説明がありましたように一般よりはずいぶん低い率で定められておりますが、統計資料によって出された、その資料にも大きな疑問がありますが、それよりはさらに低い低い率で出しておるので、私は非常に不思議でならぬ。今、公務員の給与ベースは一万五千五百円と聞いておりますが、一体二百八十二円で何円べースになるか、それで食えるという根拠が私にはわからない。なぜこれで食えるのか、もう一度その説明を願いたい。
○政府委員(江下孝君) これは御承知の通り、政府の補助によりまして地方団体が実施いたします事業でございます。そこで失業救済といたしましては最後の手段であります。従ってこの事業に働きます人は、いつまでもこの事業に就労するという建前でない。できるだけ定職に早くあっせんしてつかせるというのがねらいでございます。もしこの事業につきまして一般と同じ賃金を給するということになりますと、結局この事業の就労者は固定をいたすということになります。 それからこの給与の額が非常に少いということでございますが、これも私どもといたしましてもある程度わかるのであります。ただ、今申し上げましたような趣旨で、まあ最低でこれはがまんをしていただいて、ただし生活保護よりは下回らないという線で一応計算をいたしたのであります。
○永岡光治君 どうもはっきりした根拠がないように思っておるのですが、この低いことは事実でありますので、せひ考慮願って、もうちょっと上げてもらわなければならんということの要望が一つ。それからただいまも説明のありましたように、永久に失業救済の仕事で生活をまかなっていくということは困るので、定職につくようにあっせんしておる、それはどの程度、どういう機関でやっていて、昨年一年間にどのくらい定職につきましたか、その数をお知らせ願いたい。
○政府委員(江下孝君) 御承知のように失業対策事業に就労いたしまする者は、公共職業安定所で紹介する人でなくてはならない、こういう建前になっております。そこで失業対策事業にあっせんいたしまするのは、すべて公共職業安定所がこれを全部いたしておるのであります。今正確に何人だという資料はございませんが、永岡委員のおっしゃるように、これはある程度現在の固定化しつつあるこの点を何とか防がなければならないということで、実は公共事業等への就労の配置転換を促進する。いま一つは、先ほど予算で申し上げましたように、特別の就労事業の賃金等も高く見ておりますが、この事業へも活発に配置転換を行う、こういうことで、できるだけ困窮者が少くなるようにということで措置いたしております。
○永岡光治君 ただいま公共職業安定所で努力しておると言いますが、おそらく私はそう大した就職はできていないと思う。ということは、むろん官庁にいたしましても、民間の給与にいたしましても、昨年まで、おそらくはまた将来もそういう方向に進むのではないかと思いますが、整理の方向に進んでおる。あるいは民間の企業では倒産、破産の企業がたくさん出ておる。そういうやさきに、口では定職を持たすように努力すると言っておるが、これは言うだけであって、できないのが現実であると思う。してみれば、政府としてその問題については特別の考慮を払うのが至当だと思うが、その点についてはどう考えておるか。将来定員を増加する、官庁の方も民間の方も増員の見込みである、こういうお見込みでございますか。
○政府委員(江下孝君) これは雇用全体の問題でございますので、非常にむずかしい問題になると思いますが、一応現在政府において考えておりますのは、ある程度今後雇用問題は計画的に取り扱っていきたい。まあ六カ年計画等も考えまして、そのあかつき等におきましては相当雇用量もふえるということに考えておるのであります。しかしながら、その過程におきましては、なかなか一時にこれは雇用は好転いたしませんために、永岡さんのおっしゃるようになかなかこれはむずかしい問題だと思います。ただ私どもといたしましては、できるだけそういう失業者に定職を与えるということで、これは国の財政措置でもできるだけ事業を起していくということを考えていかないと解決がつかないと思います。 そこで今年度の予算におきましても、今申し上げましたように、一般失業対策事業に二万人の増加をいたしましたほか、特別の事業に三万人というものを新たにプラスいたしまして、できるだけこの方面に振り向ける。あるいは公共事業等におきましても、特に失業救済に便利な道路事業等におきましては六十億近くの増額をいたしまして、こちらにできるだけ配置転換をいたす、こういうことも考えておるのでございます。
○永岡光治君 ただいまの説明をお聞きいたしますと、結局やはり増加するであろうという考え方から、根拠は、やはり何万人か増員しているという説明であるのです。この通りであると思いますが、もちろんそれでは不十分と思いますので、そこでこれはまあ政府の最高責任者に伺った方がいいかと思いますけれども、これとも関連して参ります公共事業対策でございますが、これは昨年よりふえておりましょうか。当然ふえなければ失業救済は私はできないのじゃないかと思いますが、ふえておりましょうか、一体。
○政府委員(正示啓次郎君) お答えいたします。公共事業全般につきましては、公共事業という費用の範囲の問題が一つあるわけでありますが、一応この予算の説明をお配りいたしましたが、十四ページに公共事業関係費というのがございまして、ここでは一応表面的には前年度千五百二十八億九千万円余が千四百三十五億六千七百万円と若干表向き減っております。ただそこにカッコが入っておりまして、厳密に言うと千四百七十億五千七百万余ということが書いてありまして、このカッコ内の数字は、特にただいま労働省の方から御説明もございましたように、労働省所管に計上された特別失業対策事業、これは前年度ならば建設省なり運輸省に計上されたものというふうな考え方で、一応カッコの中に書いてございます。そこで表面的には減っておるのでございますが、この点はたびたび御説明を申し上げましたように、まあ原因としては災害が減っておる。そこで道路の関係等は非常にむしろふえております。これは永岡委員御承知の通り、ガソリン税その他の関係でふえております。それから一般の公共事業でございますが、これは私どもの説明がそのままお受け取り願えるかどうか、非常に問題はあろうかと思いますが、一応大蔵省の考え、あるいは建設省、農林省も、大体、その考え方を御了承願っておるのでありますが、昨年の一兆円予算で相当いわゆる低物価の効果を上げたことは申すまでもないと思うのでありますが、さらに三十年度におきまして一兆円予算を継続しまして、卸売物価で約二%の引下げをはかって参るということは、経済審議庁その他においても御説明申し上げた通りであります。そこで一応この災害等の関係である程度の減少はございましても、治山、治水、食糧増産というふうな、建設的なほんとうの公共事業の面におきましては、大体、事業量はそう縮小をしないようなところでやっていきたい、こういう考えを持っておることが一つあります。 それからもう一つは、この内閣でまあ非常に高いプライオリティを与えました住宅対策でございますが、この住宅対策が御承知のように四十二万戸、資金の量におきまして、前年度に比し五割増というふうな格好のものが実施される予定になっておりまするので、この面からも相当のいわゆる公共事業の減額に対する補いがつくということを第二として申し上げることができると思うのであります。 さらにその他こまごまいたしておりますが、先ほど労働省の方からも御説明がございましたように、私どもといたしましては、労働対策としては、たとえば下水事業をある程度増額をいたすというふうなことも考えまして、下水事業は比較的労働者の吸収率が高いわけでございます。のみならず一般の公共事業とか、ただいま申し上げましたような住宅というふうな面におきましても、やはりこのデフレ政策の犠牲になられた方々、いわゆるしわの寄っておる階層の方々を優先的に吸収する。すなわち失業者の吸収率を全般として高めていくという考え方を各省当局、並びに地方公共団体もまあできる限りそういう考え方に徹しまして、全体としての労働者の、あるいは失業者の吸収には遺憾なきを期していきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○永岡光治君 ただいまの問題は、予算全般の問題の討論の際につまびらかにしたいと思っております。ただお願いしたいことは、やはりこの失業対策の問題は、新しい事業を起さなければ吸収できないというのは、だけでもわかった理論でありますので、しかもまた、それを均等にやる必要もありますので、一つの計画がなくてはならぬと思うわけです。そういう意味で、おそらく六カ年計画等もそういう意味の計画の一環じゃないかと思われますので、この六カ年計画というのは、先般資料としていただきまして、経済審議庁の言うところの経済六カ年計画ですか、こういう問題につきましても、これは別に機会を改めて質疑をいたしたいと思っておりますが、少くとも私たち今受けました印象では、やはり単価が安いということ、失業者が依然として吸収されないだろう、少くならぬだろうということで、一つの計画に基いてはっきりした、国民が安心してまかせ得るということで、そういう対策をぜひとも立ててほしい、こういうことを強調しておきます。 それからもう一つ、政府職員の失業者退職手当、これはこの前の行政整理の第二年度分というのでしょうか、新しくまた三十年度でも行政整理をするというのですか。
○政府委員(正示啓次郎君) 二年度分です。
○永岡光治君 継続なんですか、新規ですか、継続ですね。
○政府委員(正示啓次郎君) そうです。
○湯山勇君 一点だけ残ったのがありましたからお尋ねします。それは職業補導費の中で特に取り上げられておる家事サービス職業補導というのはどういうことをされるのですか。
○政府委員(渋谷直蔵君) 御説明申し上げます。これは先ほど御説明申し上げましたように、新規事項でございまして、東京では一カ所新たに設置を予定しておるのでございますが、この内容は、主として未亡人等を対象といたしまして、一言で申しますならば、家政婦としての必要な技能なり教養、訓練を授けて、そして就職を促進していく、こういう目的を持った施設でございます。
○湯山勇君 家政婦というのはサービス業ですか。
○政府委員(渋谷直蔵君) 家政婦という言葉があるいは誤解を生ずるかとも思いますが、いわゆるこれを担当いたしております婦人少年局の御意見を承わりますると、未亡人等が就職いたします場合に、その電話のかけ方なり電話の受け付け方、あるいは病人のちょっとした看護の仕方、それからアイロンのかけ方とか、それからつくろいものの仕方、それからさらに簡単な料理のお手伝いといったようなちょっとした技能を身につけることによって相当求人者がふえてくる、こういうことだそうでございます。そういった求人の要望にこたえるためにこの家事サービスの補導所を設置したい、こういうことでございます。
○湯山勇君 それじゃこの職業補導所を出た人は、そういうところへだけ就職をすることになるわけですか、それとも一般の飲食店とか旅館とか、そういうところへも就職さすわけですか。
○政府委員(渋谷直蔵君) 前の方でございます。
○湯山勇君 間違いないですね。この字づらから見るとどうもあやしいのですが……。
○委員長(館哲二君) 本日はこれにて散会いたします。明日は午後一時から文教政策その他につきまして、予定の通りに御審査を願いたいと思います。 午後四時五十一分散会 —————・—————