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22回国会参議院1955/06/30

法務委員会 第11号

発言数
67
登壇者
10
会派数
4
開催日
1955/06/30

会議録

成瀬幡治日本社会党(第四控室・左)

○委員長(成瀬幡治君) これより法務委員会を開会いたします。  まず検察及び裁判の運営等に関する調査のうち、裁判所制度に関する件を議題に供します。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 先般当委員会で裁判所制度に関する調査の件を御決定をいただいたわけでありますが、その裁判所制度に関する調査の一環として最高裁判所の機構及び権限、なかんずく刑事上告事件の処理、特に死刑事件についての書面審理、それから第二に審級制度、特に刑事事件の控訴審の構造、特に事後審か覆審かの問題として、被告人の不利益変更と破棄自判の点等について具体的事例に基き裁判の運営及び現行法規の適否を検討するため、具体的な事例も参酌しつつ学識経験者より参考意見を聴取したいと思うので、参考人として国会図書館専門調査員牧野英一、弁護士塚崎直義、同じく小野浩一郎、東京大学教授團藤重光、弁護士正木亮五名を呼んで調査をすることを御提案を申し上げます。

成瀬幡治日本社会党(第四控室・左)

○委員長(成瀬幡治君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

成瀬幡治日本社会党(第四控室・左)

○委員長(成瀬幡治君) 速記を起して下さい。  それでは裁判所制度に関する件につきまして、牧野英一君、塚崎直義君、小野清一郎君、團藤重光君及び正木亮君の五名から参考人として意見を聴取することに御異議ございませんですか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

成瀬幡治日本社会党(第四控室・左)

○委員長(成瀬幡治君) 御異議ないと認め、さように決定いたします。

一松定吉日本民主党

○一松定吉君 今の御決定は大へんけっこうですが、それについて私これは小さいような問題だがね、やはり裁判制度に関する問題だが、法廷において法服を用うるの必要を私は痛感しているのです。昔は御承知の通り、裁判官、検察官、弁護士というものは、法廷に立つときには法服というものがあって、みな三者が威儀を正して裁判の神聖を維持したものだ。ところが、これが戦争後アメリカさんが来てから、法服というものは着てもよければ着ぬでもいいということになりまして、それがために、裁判官が着ておるものはつんつるてんです。まるでおかしな着物を、ほころびをあっちからひっつぎ、こっちからひっつぎ回したようなつんつるてんのような法服を着ている。実にみっともない。昔のような五三のキリのりいた法服をという意味じゃありませんが、もう少し威儀を正すような法衣を、裁判官も検察官も弁護士も法廷において着用するということが、私は裁判の威信というものを高める上においていいと思う。今法廷へ行ってごらんなさい。暑いときになると、検察官なんか上着を脱いでしまって、これで法廷へ出ている。みっともない。あれでは法の威信も何もない。ですからこれはこれだけの人でけっこうですから、これだけの人に向って、やはりこれにつけ加えて、今の点についても参考意見を述べてもらうということはいいと思いますから、これにつけ加えてお願いしたい。

成瀬幡治日本社会党(第四控室・左)

○委員長(成瀬幡治君) ただいま一松委員のほうからの動議が出ておりますが、それで決定してよろしゅうございましょうか。

中山福藏緑風会

○中山福藏君 これは私は一昨年五鬼上事務総長に対しても委員会でこのことを申し上げた。どうもあまり最高裁判所は関心を持っていないようですが、私は今の法服はアメリカ流なる法服でしょう。葬式屋が着るようなまっ黒いものを着て、陰気でしようがないのです。見ただけで不愉快になる。これは私は一松委員がおっしゃったように、やはり法廷というものは一つの真剣味を帯びていなければいかぬとこう思うのです。それがね、まるで浪花節でも聞くような態度で、上着をぬいでシャツ一枚でやっておられちゃたまらんですよ。これはだから被疑者自身としても、いいかげんに聞こうというようなことに遭遇しないとも限らぬということは、しばしば私ども見るのですが、だからこれはぜひともそういうふうにお願いしたい。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 まあその法服を、従来通りの法服を着用することの可否については……

一松定吉日本民主党

○一松定吉君 従来通りじゃない。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 まあ取り上げるのはいいのですが、裁判の外形、外形だけですけれども、それをどうするかという問題は、やっぱり裁判に関連をすると思うのです。これはパスカルの随感録の中にも、なぜああいうものが必要かということが書いてあったように思うのですが、もし威容が必要だとこういうことになれば、合理性とそれから真実性に従って裁判を進めるべき近代裁判として、何といいますか、飾りが必要であるかどうかということになると、いろいろまた議論があるのであります。議論を申し上げるべき段階ではないと思いますので、根本的な、裁判制度なら裁判制度について調査をしようという際に、つけ加えて意見を求められるという点について、あえて反対はいたしません。議論は別の機会にいたしたいと思います。

成瀬幡治日本社会党(第四控室・左)

○委員長(成瀬幡治君) 一松委員あるいは中山委員、吉田法晴君等から御意見のあったようにさしていただいて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

成瀬幡治日本社会党(第四控室・左)

○委員長(成瀬幡治君) さように決定をさしていただきます。     —————————————

成瀬幡治日本社会党(第四控室・左)

○委員長(成瀬幡治君) 次に、前回の委員会で御報告申し上げました逮捕権乱用に関する調査のための資料要求に関する法務大臣の回答につきまして、まず政府委員から一応の説明をお願いいたします。

井本臺吉法務省刑事局長

○政府委員(井本臺吉君) 六月二十三日付の花村法務大臣の回答書につきまして一応御説明申し上げます。  六月十三日付で、橋本良人を逮捕した件について、逮捕状請求書及び逮捕状並びに逮捕の理由及び逮捕の必要あることを認むるべき資料その他関係書類というようなものを提出せよとのお話しでございまして、直ちにこれを大阪の管轄の地方検察庁に照会いたしましたところが、この事件は目下犯人厳探中で、記録はまだ警察の方の手元にあるということでございました。大阪の従来の扱い方を見ておりますと、何といいますか、被疑者を逮捕いたしましてその人間が当該の事件の犯人に間違いないということになりますると、従来それまでに逮捕いたしました関係の書類を一括して検察庁の方に送ってくるのが慣例になっておるのでありまして、その形式において、逮捕いたしました者が、果してその人間が本当の被疑者であるのかないのかはっきりしませんので、真犯人が逮捕されるまでは、大体警察の方の手元に留保してあるというのが慣例であるように聞いたのでございます。そこでこの件につきましては、警察庁の中川刑事部長などともいろいろ相談いたしまして、当時の事情は十分われわれの手元でできるだけの説明を申し上げまして、しばらく犯人が検挙されるまで、何とか記録の提出は御猶予願えぬものだろうかということで、その事情は今日もここに中川刑事部長が来ておりますが、詳細に御説明すると申しておりますが、説明を聞いていただきまして、何とか御考慮いただきたいというのがわれわれの念願でございます。  さような次第で大臣にお願いしまして、六月二十三日付のような書類が出たような次第でございます。なお、この大阪のやり方を見ておりますると、従来かような強殺事件の逮捕状の請求につきましては、新聞に対する発表などはずいぶん差し控えておるのでありますが、最近の新聞社の活動が非常に活発でありまして、容易に秘匿することができないのである。この橋本良人という人の記事が大きく新聞に出まして、非常に本人にはお気の毒なことをしたというような状況になっておりますが、今までのやり方を見ておりますると、重大な殺人の容疑者でも、別の窃盗事件でありますとか、住居侵入事件でありますとか、その他の別の事件を一応取り上げまして、それで調べを始めて、当該の事件がはっきりすれば強殺事件に逮捕状を切りかえる、あるいは勾留状を切りかえるというようなやり方をしておったようでございまするが、この数年来さようなやり方はよくないのではないかということで、被疑者に対していきなり強盗殺人の被疑者ということで逮捕状を請求いたしまして、本人を検挙したというような実情になっております。警察といたしましてはいろいろな容疑事実によりましてかような手段に出たわけでありまするが、現在の結論は、橋本という方に非常に気の毒なことをしたというような事情になっておるわけでございます。なお、この点につきましては、先ほど申し上げましたように、中川刑事部長の方からもお聞きとり願いたいと思います。  それから第二の西沢富夫氏の関係でございまするが、この問題になっておりますのは、逮捕状をどのように乱発し、どのように不当な執行をしておるかということの御質問のように聞いております。この逮捕状の乱発問題は、逮捕状を発するのは御承知の通り判事が出すのでありまして、われわれの方といたしましてはさような逮捕状乱発に至る前提として、さような請求をするのが不当ではないかということになるわけでございまするが、この点につきましてはわれわれの方といたしましても在宅で調べができるものにつきましては、できるだけ在宅で調べろということで、なるべく逮捕状を請求しない方針ではおるのでありまするが、ものによりましてはむしろこの逮捕状を請求して、証拠隠滅、逃走、蔵匿しないような方法で調べなければ十分な調べができないというふうな事件も相当あるので、さような手段に出なければならない、またはそういうふうにすべきであるという事件も相当あるわけでございますが、この点につきましては、私こちらへ参りますので、統計的にちょっと調べて参ったのでございまするが、二十九年度では全体の被疑者が五百二十六万ほどございますが、この中で身柄を拘束いたしました者が約十九万ほどございます。またこの中で検察庁が送致を受けた後に勾留した関係が今の数でございまするけれども、そのうちで現行犯人が約七万二千、緊急逮捕が三万三千、通常逮捕が八万四千というような数になっております。問題になるのは、おそらく通常逮捕の問題であると考えるわけでありますが、全体の数からみますると、約総被疑者の三分ぐらいの数でありまして、数としてはそう多い数ではございませんが、とにかく逮捕状によって逮捕を受けます者は、生きた人間でありまして、たまたまその人間がこの事犯の該当の被疑者であるということになりますれば、人権問題も起きないわけでありまするが、人間のやることで、ときに間違った逮捕をするというようなこともありまして、この点につきましてはこの上とも厳重に注意していかねばならぬということは私どもも痛感しております。なお、逮捕状の執行に関しましては、先般の札幌の植野光彦関係の事件のように、間違った人間に執行してしまったというようなのもございますが、これは札幌の問題とは直接関係がありませんので、一応省略さしていただきます。  かような関係で第二の部の竹中恒三郎氏に同行しておりました西沢富夫氏の関係につきまして一応御説明申し上げます。この西沢富夫氏は検察庁ではついに御自身の名前をおっしゃらなかったので、これはほかの方法で名前がわかったのでございますけれども、この人の逮捕は現行犯として警察がその場で逮捕するというのが実情でございます。従って逮捕状などはないわけでございます。  なお、この現行犯逮捕の容疑事実は大体かようなことになっております。この被疑者が昭和三十年の六月二日に荒川区日暮里九丁目千七十六番地の里見達人方で、団体等規正令違反被疑者として全国指名手配中の日本共産党中央委員竹中恒三郎(当四十六年)であることを知りながら、同日午後一時から六時四十分ごろまでの間、この里見方にこれを蔵匿し、さらに同所から文京区駒込坂下町の百九十九番地路上に至る間竹中と同道していたが、ときどき周囲を警戒し、また捜査員が同番地で竹中を逮捕しようとすると、これは竹中ではないと言うてこれを拒否する等の所業に出まして、同人を助けたというのが容疑事実になっております。要するにこの西沢富夫関係の事件は、俗にテクといいますか、そういうものでありまして、全国手配中の竹中氏のごとき者の逃走隠避を助ける任務を負わせられましてかような行為に出ておるというので、当時の警察官がこれを逮捕したわけでございまするが、逮捕して七十二時間のうちに一応の調べを済ませまして、特にこれを犯人蔵匿罪で起訴する必要もなかろうというので、一応は釈放してございますが、なお、この事件については終結の処分について、われわれの方では検討しているというのが実情でございます。  六月二十三日付の書面に回答いたしました事件の内容は大体以上の通りでございます。

中川董治警察庁刑事部長

○政府委員(中川董治君) ただいまお話しにございました大阪市内における自動車強盗殺人事件に関連する事項等に関して申し上げまして、できることなら御了解を得たいと思って御報告する次第でございます。  まず、いろいろな問題の点は、逮捕状が真犯人にあらざる人に逮捕状が出た、逮捕をやったということが問題の本質でございますが、その前にちょっと関連いたしますので、加えさせていただきたいと思いますが、本件事件は、本年の五月二十九日午後十時ごろに大阪市内東淀川区の、番地もわかっておりますが、路上においてタクシーの運転手の方が車の中で絞殺されて、売上金と運転免許証を強奪されていると、こういう事件を翌五月三十日の午前零時何分、未明と申しましょうか、深夜と申しましょうか、そのころ発覚いたしましたので、これは重要な事件であると地元警察におきましては考えまして、八方手を尽してこの被疑者の検挙に努めて参ったのでありますが、それで関係警察にいわゆる捜査本部を置きまして、その辺の置いてありました自動車の状況はもちろんでございますが、聞き込みその他、そこにい合せたと思われる関係者の手どり、足どりの聞き込みの捜査を続けて参ったのであります。だんだん聞き込み捜査を進行いたしまして、そこの自動車に乗っておったと思われる人相は大体まあ推知された。その人相を推知いたしました場合に、その自動車がそのころ、今言ったように、東淀川区のそこへ差しかかった際に通行した人たちをずっと探して参りまして、その通行なさった人たちの状況をいわゆる開き込んで参ったわけであります。その聞き込みによりまして、被疑者と思われる、すなわち自動車を運転してそこへ持ってきた人の人相を突きとめていったと、こういう捜査を続けたのであります。他面別の、それに並行した捜査といたしまして、自動車の運転のできる者であって、こういうまあ自動車どろぼうのことなんかについての容疑のある人物をずっと一せいに聞き込みをして参ったのでございますが、以下申します橋本良人君という方が、その両方の捜査においてこの人が被疑者であると、こういうふうに認めた次第でございます。  それで逮捕状を請求する場合におきましては、当該事件の事件報告書、これはもちろんでございますが、事件報告書、それからその自動車がそこへ来たときに、その自動車に乗っておった人たちの人相を知るための資料といたしまして、その自動車を運転した人を見た人の供述書二通、まあ刑事手続上は参考人ということになると思いますが、参考人供述調書二通、そのほかにこの被疑者の関係をよく御存じの方々の参考人供述書二通、さらにこの問題を発覚いたしました巡査部長の捜査復命書、こういう六つの書類によりまして逮捕状を請求したのであります。  それで当委員会の御審議のためには、ただいま申しました巡査の復命書とか、事件報告書はもちろんでございますが、そのほかに参考人の供述調書四通をごらんに入れて、審査していただけは非常に御審議に便宜であるということも十分わかるのでありますが、それはまあ法務省の局長も申されましたごとく、本件事件はそういった参考人の供述調書に出ているような人相、それからないしはそれ以外の関係、人相、着衣等を中心にし、しかも被疑者と思われる方々の供述調書に書いてある事柄を中心にいたしまして、ほんとうの真犯人を現在探究中でございますので、できますことならば、真犯人が検挙になりました後に、そういったことを御猶予願えれば、まあ捜査上は幸いである。こういうふうに私どもが、非常に狭い角度からかと思いますけれども、考えておることを御了解いただければと思うのであります。  それからもう一点は、まことに橋本良人君には結論において誤逮捕でありましたので、申しわけないことは重々、幾らあやまってもあやまり切れぬほど申しわけないのでありますが、ただいまの逮捕状の請求に添付いたしました供述書四通の中には、何と申しましても橋本君が被疑者であるということが推知するに足る資料が出ておる、まあつもりでありますので、橋本良人君の個人の生活といいますか、その日常生活のことが中心に、橋本良人君及びそれの関連の方々の個人生活関係がずっと詳しく供述されておりますので、まあまことに申し上げにくいのでございますが、これがそのいろいろ御審査する方法等につきまして、皆さんの方におかれまして、この橋本さんの個人生活がいろいろ外部なんかに発表されるということになりますと、非常に橋本さんの不名誉と申しますか、お気の毒と申しますか、個人生活はあまり詳しく並べますと、どうも本人としても、かりにいいことでありましても、悪いことでありましても、内容が必ずしも悪いという結論を申すわけではございませんが、その点もあわせて御配慮を願ったらと、こう思うのでございますが、ちょっとくどくど申して御了解願いにくいかと思いますけれども、問題の本質は逮捕状を請求するに当りまして、関係職員の事件報告書、復命書を除きましては、そういう書類を除きましては、参考人の四名の方の供述調書を添付いたしておるのでございます。その添付いたしてある書類等を御提出いたしまして御審査を願った方が非常に便利であろうと、この点は全く同様に考えておるのでございますが、その点は、ただいま申しました参考人の供述調書に書いてある事柄等も参考にいたしまして、探しておる捜査上の人と、それからその供述調書に書いてある事柄は、必ずしも橋本君の悪いことを書いてあるとは申しませんけれども、橋本さんの非常に個人の生活、いろいろの関係を中心にして、また橋本さんがおっしゃった事柄を中心に供述されておりますので、その内容が橋本君の名誉を必ずしも棄損するとは決して申しませんが、そういう個人生活の内容等が非常に具体的に出ておりますので、そういった御配慮もあわせていただけば、こういうように考えますので、そういうことを御了承いただきまして、もしお許しがありますならば、そういう二つの、個人生活上のことは発表することのないような御配慮をいただくことと、それからできれば、真犯人がめっかった後に御審査いただくと、こういうような点を、もしできますことならと、こういうふうに私ども考えておりますので、その点、くどいようでございますが御了承をいただきたいと思います。

一松定吉日本民主党

○一松定吉君 ちょっと政府委員にお尋ねしますが、その書類をこちらへ提出すると、真犯人の捜査にどういう影響があるのですか。橋本君良人君を逮捕したそのことの関係書類ですね。橋本氏は人違いであったということであれば、そこまででいいのです。それから先の、真犯人のことについては何もこっちは言うのじゃない。橋本氏を真犯人として逮捕しておきながら、それをすぐに釈放した。つまり逮捕状の乱発であり、逮捕状を乱用することがいけないというのが、この委員会の問題としておるところなんです。  第二の点については、現行犯、一体竹中恒三郎氏を西沢富夫が連れておったということで、それがどうして犯人蔵匿罪という現行犯ですか。連れておると……。竹中恒三郎氏を自分の宅に囲うおって、そうして宅の交通の遮断しておった、あるいは人から聞かれても、おれのところにそんな竹中なんかを囲っちゃいないと言った、何かそういうような蔵匿の犯行があれば、これは現行犯でしよう。二人は旅行で外に出て歩いておったのでしょう。竹中という逮捕状の出ておった共産党の人と一緒に歩いておる。歩いて随行しておった人が、蔵匿の現行犯というのはどういう解釈からくるのですか。まず第一にそれが一つ。  その次に、かりにそれが現行犯であったとしても、現行犯であっても、百九十九条の規定の準用はある。現行犯の逮捕というのは、御承知の通り刑事訴訟法二百十三条、二百十三条の規定は、つまり二百十六条によって百九十九条の規定が準用されている。しかるに何も書類を一つも作らなかったというようなことがあるということが一体想像ができますか。現行犯逮捕であるのだから、書類が何にもないから、書類は送れないということそれ自体が、逮捕乱用したことになるじゃないですか。そういうことについて国会として一つ調べて、そういう逮捕状の乱発だとか、逮捕の乱用だとか、逮捕状の乱用だとか、職権の乱用とかを戒めようというのが、この委員会の取り寄せの目的です。現行犯逮捕であれば何にも書類がないというのは、刑事訴訟法の百九十九条、二百十三条、二百十六条等の規定を無視したやり方です。二百十六条の規定によってみると、百九十九条の規定が準用されているから、書類は何にも作らないということはない。書類を作ってきておる、そういうことを法務省が一体作っていないのだから、何にも書類が送れませんということを取り次ぐことそれ自体が間違いである。法務省としてはそういう書類を作らないはずがない。なぜ作らないのか。そういうことを監督官の立場から戒飭を与えなければならん、その点はとうですか。

中川董治警察庁刑事部長

○政府委員(中川董治君) 前段を申し上げます。前段の分につきましては、捜査を行なっています実態との関連において御説明した方が御審議に御便利かと思いますので私から便宜お答えいたします。後段の部分については法務省に聞いていただきたいと思います。  まず根本的に当委員会初め当院におかれまして、逮捕状の乱発等につきまして御言及になり、それぞれわれわれを戒めていただくということはまことにごもっともでありまして、その点についてもちろん何にも反対異議をさしはさんでおるのではございません。それはもう申すまでもないのでございますが、その点が悪いかということでございますと、悪いわけではございません。事情を御了承願いたい点だけを申し上げますが、ただいま私が説明いたしました関係警察職員等の報告書は別といたしまして、参考人の供述調書が四通あるわけでございますが、その四通の内容の相当部分は、ます半分ぐらいは、当時犯行が行われたときにどういう人相の人であったかということを中心に供述されたものであります。従いまして警察といたしましては、その資料を中心にしたこういう人相の人、こういう着衣の人、具体的にはこうこうこういう着衣でこういう人相の人、こういう人がほんとうの犯人であるという資料なんでございますので、その資料がこの中に入っている。それが、皆さんはそんなことはないのでありますが、一般に新聞等に漏れました場合には、真犯人はどこかにおりますために、警察ではこういう着衣の人、こういう人相の人は気をつけておるのだ、こういうことが真犯人にわかりますと、当初御案内のように人相を変更するということも可能なことでございまして、ことに着衣のごときはすでにいろいろなことを、もちろんそういうことがわかっていなくてもやっているだろうとは思いますけれども、警察が握っている着衣はこうだ、警察が知っている人相はこうだなということが真犯人にわかることによって捜査が困難になる。こういう事情を御了得いただきたい、こういう趣旨で半分の点は申し上げたのであります。後段の点は、そういう供述調書の半分ぐらいはそういうことが書いてあると申しましたが、残りの半分ぐらいは今度逮捕しました橋本君を被疑者と認めましたので、橋本の行動の周辺、ことに私生活の内容等が詳しく供述されておりますので、その点を御了承をいただきまして、橋本君の私生活があまりに一般に公開されるということについて御配慮をできたらいただきたい。こういう二点を中心に後段は捜査の必要とは申しませんが、前段は捜査上の必要になろうかと思いますが、後段は逮捕になりました橋本君の、抽象的な言葉でいいますと名誉ということになりましょうか、そういう点を御了得いただければという趣旨で申したのでごいますが、よろしく御了承いただきたいと思います。

井本臺吉法務省刑事局長

○政府委員(井本臺吉君) 後段について御説明申し上げます。この逮捕状をいかに乱発され、どのような疎明資料が出ているのかというのが、この委員会で問題になりました事案と、私はさように考えまして先ほどお答え申したわけでございます。もちろん百九十九条以下の、本人を現行犯逮捕した以後の手続につきましてはそれ相応の手続をとりまして、警察の方から検察庁の方に送致があったものと私は考えております。問題が先ほど申しましたような、逮捕状をどのようにして請求し、それがどういうふうに連絡されて、またどういうふうに間違った執行がされたかというような点が問題ではなかったかというふうに私は考えまして、さようにお答え申し上げたわけでございます。なお、西沢関係の事件でございますけれども、先ほどちょっ申し上げましたように、本人はテクと言っておりますが、そのような警察から追いかけられている者を防衛する任務を持っているものでありまして、常時そばにつきまして警察の監視をのがれるとか、あるいは警察官からいろいろな不審尋問がありましてもそれに対して、本人とは違うのだというようなことで、逮捕を免かしめる職務を持っているものと私どもは考えているのでございまして、本件につきましては、秘密の会合をしている間ずっと見張りを続けまして、警察官が逮捕せんとした際におきましても、西沢は、これは竹中じゃないと言ってこれを逃走させようとしたというような事実をとらえまして、犯人隠避の罪に当るというように私どもは一応考えたわけでございます。なお、この点につきましてはさらに検討いたしまして、刑法でかようなものを隠避罪として扱うのが適当であるかどうかというような点につきましても、十分検討を遂げたいというふうに考えております。

一松定吉日本民主党

○一松定吉君 私の尋ねるのはそういうようなことじゃないのです。つまり現行犯人として逮捕したからして、書類も何もないのだということそれ自体がいかんじゃないか。こういうのです。

井本臺吉法務省刑事局長

○政府委員(井本臺吉君) それは逮捕した手続書類はございますけれども、お尋ねの件が、逮捕状をどうやって請求して、どういう疎明資料を出したかというようなふうに承わりましたので、逮捕状は刑に出しておりません、また疎明資料もございませんので、さように申し上げたのであります。

一松定吉日本民主党

○一松定吉君 現行犯なら逮捕状がなくても何でもできることは、刑事訴訟法の二百十三条の規定において明らかなんであります。逮捕するに至って逮捕した、そうして逮捕しておきながら、それをすぐに釈放したそのことについて、逮捕した一件書類を取り寄せる。こういうのが目的なんです。現行犯だから逮捕状がなかった。しかしながら百九十九条を準用されて、それに必要な書類が出ている。そういうものを送って来さへすれば、現行犯であるから逮捕状がない。しかしながら、こうこうこういう理由で逮捕して、調べて見たけれども、逮捕する価値がなかったので釈放したのだということがわかるでしょう。そういうことを明らかに知りたいというので、この書類の取り寄せを請求しているわけであります。現行犯で逮捕状がないから送れないというようなことでは、あまり無味乾燥な返事なんです。それがますます逮捕状の乱発だとか、逮捕について口実な設けて、いいかげんなことを取り上げていいというようなことを、われわれの方で監督しなければならぬから、これを取り寄せる、こういうことを言っているわけであります。前段の方は橋本良人という人を逮捕した事件が、これは被疑者じゃなかったのだということが明らかになればそれでいい。被疑者でない橋本良人をなぜ逮捕したのかということを見たいのです。橋本良人が被疑者でなかった。だから真犯人を今度は捜査するために、この書類が送れないというはずはない。それは橋本良人を真犯人でないと認めて釈放したということを知れば、それから先真犯人がどうするこうするということは必要ないので、それを取り寄せにやったにかかわらず、今さらに真犯人を確定検挙するために、著しき困難を生ずるから取り寄せに応じられないということそれ自体が聞えない。だから橋本良人氏を逮捕したけれども、これは真犯人でなかったから釈放したのだということだけの書類があれば、橋本良人氏を逮捕したことは一体軽率であったかどうであったかということはそれで判断できるわけです。そういうことなんですよ。真犯人を捜査することを妨げようというので書類を取り寄せるのではないのだから……。

中川董治警察庁刑事部長

○政府委員(中川董治君) 真犯人の件につきましては、私たちの思っておることを率直に申しまして御審議に供します。一松委員の御指摘になりますように、お示しの書類をお出しいたしまして、橋本良人君を逮捕したことが、常人であれば大体こういう疑いを持つかどうか、こういうことを認定をする御意思であるということは、十分了得しておるのでありますが、その関係書類の中に、確かに橋本良人君の逮捕に必要な関係書類でございますので、人相書きにいたしましても、何にいたしましても、ずっと書いてあることは確かでございますが、橋本良人君の場合には確かに違っていなかったのでございますが、最初にその犯行があった時に、そこにそういう自動車が参りました時にこうこうこういう自動車であった、その自動車の中にはこういう格好の人が乗っておった、服装はこうであった、服装の中でここはこういう状況であった、こういうことが事こまかに出ておるわけであります。それが橋本良人君を逮捕するときの資料になったことは間違いございませんが、そこに書いてある事柄の実態が、同時に本当の犯人を捜査するところの基礎になりますので、警察ではそういうような着衣の人、そういうような人相の人、そういうような者が真犯人だと心得て、今一生懸命大阪市内を初めとして全国を探しておる。こういうことで、すべて被疑者の心境として、人相を変え、服装を変えることが一般的にあることは推知できますけれども、とりわけ警察が握っておる点がこういう点だということがわかりますと、被疑者の逮捕に、ほんとうの被疑者の逮捕に支障があるように、私ども考えが小さいのかもしれませんが、考えますので、その点は御了承いただきまして、そういう点の関係が調整がついた時と当委員会の審査とが両立するような方法はどうかと、こういう点をお願いするわけであります。

羽仁五郎無所属クラブ

○羽仁五郎君 この法務委員会では常にこういう問題について、たとえば逮捕状の乱発の問題とか、あるいはその後には警察官の拳銃の暴発の問題であるとか、そういう問題について重大な関心を持たなければならぬ任務があることは御承知の通りであります。これはほんとうの責任は法務省がお持ちになっているはずですけれども、それでわれわれが安心しておれないというふうに感ずる場合に、当委員会においてこういう問題が取り上げられているのです。今御説明を伺っていても、私は非常にびっくりするのですが、ただいま御説明下すっておられる方は、警察のきっと専門家でおられるのだろうと思う。私は何も存じないので想定をしているのですが、日本の警察の技術というものはそんなような幼稚な技術でもって捜査をやっておられるのだろうか。今一松委員に対するお答えとして繰り返しておっしゃっている唯一の点は、そのあやまって逮捕せられました橋本さんという方を逮捕した理由として、当時目撃した方々の参考人の供述の中に、こういうような自動車とか、あるいはこういうような人相とか、こういうような服装とかということが書いてある。それが公けになると犯人が変装するだろう、こういうことですね、御説明は。私は警察に勤めたことは一回もないし、一向そういうことはわかりませんが、しかし何かそういう大へん悪いことをされたというふうに疑われている方が、かりにそういうような犯罪を犯したことがあるとして、その方が同じ人相であるというはずがないじゃないか。警察は同じ人相の人を探しているのですか。私は常識的にもそんなばかなことは考えられないと思う。あなたにしても僕にしても、非常に悪いことをした、翌日同じ顔をして同じ服装で歩いている、これは精神に異常のある場合は別だろうが、そうでなければ、人相を変え服装を変えるということは、犯罪が重大であればあるほど当然のことであると思う。従ってその参考人からいわゆる伝聞証拠というのでしょうが、つまり理論上からいってきわめてあいまいなところで、そんなところで検査を集中しておられるのか。私はそれだったならば、警察庁でもう少しイギリスなり何なり、そういうところのスコットランド・ヤードとか、よほど捜査技術の進歩しているところに皆さんが留学でもなすって、近代警察の技術をもう少し習得されることの方が先のような気がする。今の一松委員のたびたびおっしゃっておることに対するあなたのお答えの要点というものは、そのようなところにあるように伺ったから、これは私から専門家に対して言うのはおかしいけれども、僕も法務委員として多少言わざるを得ないのだが、イギリスなどの場合には陪審員がある。つまり有罪なりやいなや、起訴すべきかどうかということの判断をするのに、しろうと、つまりわれわれのようなものが陪審員となって、しろうとが聞いていてもこれは十分に証拠があるというだけの証拠を警察で集めるためにどんなに努力をされているか、あなたも御承知だろうと思う。そのことと今の御説明とでは、いかにイギリスと日本と事情が違うと言うかもしれないが、しかしこれは本質的な点に関係していることです。だからしろうとが聞いても、なるほどと思う証拠がなければ逮捕するとかあるいは起訴するとかいうことはないはずじゃないですか。そうだとすれば、今の御説明になっているような人相、服装等が本人に知られるためにその書類がここに出せないという御説明は、私ははなはだ、一松先生もそれに納得せられないから、繰り返し説明を求めておられるのだと思います。私にも全く納得がいかないのです。私はどうもやはり日本の警察が、新しい主権在民という時代になっても、依然として何かちょっと疑いのある人間を引っぱって、それをたたいて自白で証拠を固めようということをやっておられるという世間のうわさですね。これはあなたの方にも、法務省の方にもお耳に入っていないはずはないと思う。この民主主義の憲法のもとに公務員たる方々がそういう非難に対して、また批判に対してよほど敏感であられることが当然だろうと思う。そうだとすれば、その技術的な点においても、昔の程度の技術、いわゆる聞き込みとか、そんなようなことでそれを証拠だというようにおっしゃる。そうしてその証拠に基いてあるいは捜査し、あるいは逮捕状を請求しておられるということじゃないだろうかと思う。法務委員会がこういう調査をしようというのも、実は警察なり検察なりがどうかもう少しそういう技術を高めていただきたい、そうして国民の信頼を得るような警察や検察になっていただきたい。やはり現在でも国民はどうも警察なりあるいは検察なりは、何かの疑い、つまり見込みぐらいで人を引っぱって、それでいやな所に押し込めて、こわい顔をしておどかして、そうして国民は実際そういうことは不愉快ですから、大体警察官なり検察官のおっしゃるようなことでも申せば出していただけるのだから、一刻も早く家庭に帰りたいものだから、そういうことを言う。そういうことを言えば出してやるというようなことで、非常に無実な方が疑いを受け、名誉を棄損せられておる場合が多いのではないか。これは警察や検察では法務行政のためにとらないところなんです。どうかして新しい法務行政は、警察が国民の信頼を受けられる、そのためには十分に証拠というものをつかんでやる。依然として今の警察や検察は、犯人がつかまらないということについての国民の非難ばかりおそれておいでになるようですが、現在の国民は、もちろん犯人をつかまえていただきたいのですが、しかしその犯人をつかまえるということだけに熱中して、それで不十分の証拠に基いて人を逮捕したり、名誉を棄損していることが多いのじゃないか、そういう点を国民が非常に心配し、警察や検察や法務に対して、あるいはそれがひいては裁判についてまで、国民が非常に最近疑惑を抱いているということは重大な問題じゃありませんですか。ですから、私は今一松委員からおっしゃる要点も、またわれわれ法務委員会がこういうことをして政府委員に来ていただいて説明を求めている要点も、どうかいい加減なあれで人を逮捕したり、逮捕状を請求したりして、とにかく人間を引っぱって、留置場にほうり込んで、それでおどかしてみて何か聞き出そう、あるいは参考人の供述程度でもって逮捕状を請求する、しかしこれは新らしい民主主義的に要求せられている証拠の考え方とはよほど違うだろうと思うのです。しかも、その参考人というものが果してどの程度まで自由意思に基いたものであるか、警察の要求せられるようなことを言わなければ何度でも呼び出しを受けるということでは、弱い商売をしている人々はこれではたまらないですよ。だから警察で大体ああだったろうこうだったろうと言われれば、まあそんなふうだったと言えば家へ帰してもらえる。裁判所では、最近の裁判を見てもわかるように、その自白において強制は認められないとか、あるいはそれが任意の供述であったとか、裁判所では警察、検察のその証拠というものを非常に寛大にお考えになっておられる、非常に期待しておられる。日本の現在の警察や検察がそんな強制的な自白をさせていることはあるまい、裁判所の方はあれだけ寛大にして期待しておられる。警察や検察はいよいよその寛大と期待を裏切ってはならないというおつもりでもって、いやしくも強制的な自白を求める、いわんや強制的に参考人の供述を求めたりするという努力はなされないはずです。けれども、捜査の主体というものを参考人の自白や供述に置かれるのは、やはり物的な捜査というものの技術というものを十分お持ちにならないからだと思います。やはり強制自白あるいは強制的参考人の供述ということになるんじゃないか。そういう点はどうか警察や検察、法務行政が国民の信頼にこたえられるように十分の技術を持って、そうしてしろうとが聞いても、なるほどそういうあれだったら逮捕状を請求したりするのは無理がないと、国民がそう思うように、国民を警察がめちゃくちゃに人を逮捕しておるようだというふうに思われないようにしていただきたいということが、われわれの本委員会の目的なんですから、その目的を達成するために、またお話しのようなこの件につきましても、それは捜査なり逮捕なりについて若干御不便はあるかもしれませんが、目的は同じでしょう。あなた方にしても、われわれ行政の面にしても、立法の面にしても、その警察や検察の逮捕についての国民の信頼を高めるという努力をする面では協力をせられて、本委員会が要求しておる資料を進んで御提出になって、そうして、みずから警察や検察の科学的な、そうしてしろうとでも国民が納得するような捜査の技術というものを進めていかれるという方向に協力せられるのは当然じゃありませんか。ですから今お二人の御説明で、やはり依然としてそういう資料を積極的にお出しになるお気持はないということは、もう一ぺんお考え直しを願ってお答えしていただいた方がいいんじゃないか。西沢君の場合にしてもやはり同様でしょう。その現行犯なり何なりについての政府のかなり高いレベルの人のお考えが、先ほどのようなルーズなお考えであるならば、どうしても第一線に立っておられる方々がやはりルーズになっていくんじゃないでしょうか。やはりですからその点については、もう少し専門家であるあなたが厳格にお考えになって、これがそういう意味において、やはり国民に信頼されるような逮捕をやっていくということのために問題があれば、それを法務委員会が十分検討するということに協力をせられるのは、当然じゃないですか、どうでしょう。

中川董治警察庁刑事部長

○政府委員(中川董治君) 警察捜査をほんとうに緻密に科学的に組織的にやって参りたい、こういう点につきまして、ただいま羽仁委員が仰せになりましたこと一つ一つ全部私どもも同様に考えておりまして、私らが日本の警察がほんとうに昔悪かった、下手であった点を改めるべき最も根本問題がそこにある。こういうふうに考えまして、日夜微力でございますが、全国の警察官の教養という問題はこういう点を中心に、今仰せになったようなそのことを一つ一つ、できれば手に取るように教養していこう、こういう念願でありまして、全くお述べになりました御意見につきましては、私ども警察の教養の根本眼目である、こう思っているのであります。本件の場合でもそうじゃないかということになるのですが、本件も同様にそういう意味合で、いろんな調査その他につきましても詳細にやっているのでございますが、何と申しましても、そういうことはもちろん組織的に当然やるべきことでございますけれども、それに並行してやるべきことの一つには、やはりそのときに、だれかこういうことを見たとか、道ばたにこういうふうに曲っておったとか、そういうことの、そこに見聞をなさった人たちの供述をも一つの捜査のよるべとして、両々相待って、この捜査の真実を発見して参る、これが正しいあり方じゃないか、片方で聞き込みばかりを中心にしてやるという考え方は持っておりませんけれども、そこにその犯行の現場というよりも、どういう状況だったということを、ごらんになった方々に供述をお願いするということも重要なことでございますので、そういった点を、とかく真犯人を少くともあげるまでは、そういうことのみをもってやってはおりませんけれども、それも重要なことでございますので、そういうことも御了承いただきたい、こういい趣旨で申し上げたのでございます。

一松定吉日本民主党

○一松定吉君 今あなたのお話を承わってみると、ますますわからないのだが、何ですか、それは橋本良人氏を逮捕するに至ったこと並びにこれを釈放するに至ったことだけの書類でいいのですよ。その書類をわれわれが見て、なるほどこれならば橋本氏を逮捕するのはやむを得ないのだなと判断すれば、それでもう事は済むのです。これだけの資料で橋本を逮捕するのは、これはどうも軽率、不謹慎だと言われれば、あなたの方で反省しなければならんわけです。それから先の真犯人を逮捕する妨害になるとか何とかいうようなことは、何もこの委員会は考えておりません。だからして橋本良人氏を逮捕した、それでこれを釈放したまでの書類が、原文があなたの方に必要であれば謄本でもいいのです。それをよこして見て、われわれはその謄本なら謄本によって判断して、なるほどこれならばだれが見ても橋本を逮捕するのはやむを得ないな、間違って逮捕したのはやむを得ないのだということであれば、もう逮捕状を乱用したとかいう非難はのがれるわけだから、それで済むわけです。それから、それをこちらに出したがために、それはわれわれが何も朗読したり、あるいは公表したりするようなことはしないのですから、真犯人の妨害にはなりはしません。またそういうことであれば、秘密会々開いて、秘密会で審査してもよろしいのですから、それをどうしても出したがらんのは私はわからないのです。そうしてみると、逮捕したことが、どうも疎漏があったのじゃないかというようなことをますます疑うように、あなたの方ではしむけてくるから、ますますわれわれの方ではそれの提出を要求することになる。第二の問題でもそうでしょう。犯人は、蔵匿罪の被疑者として、この西沢を逮捕した、現行犯だ、現行犯だから、何も書類はない。現行犯なら何も書類がないということそれ自体がもう手続上間違っている。現行犯で逮捕することはできる。しかしながら逮捕したならば、それから後における手続は百九十九条の規定を準用するのだから、現行犯で逮捕した、逮捕したけれどもその結果全く犯人でなかった。それが明らかになった。だから釈放しましたという書類を作成しておかなければならん。ただ現行犯だから逮捕した、調べてみた、調べてみたら、供述書かあるいは捜査報告書等がなければならん。逮捕しただけで、調べも何もしないで釈放するということはない。調べたら調べたということが書類の上に残らなければならん。書類に残ってどういうような調べ方をしてどういうようなことで釈放するに至ったかということは、現在残っておる書類を見て判断すればわかるのだ、それを現行犯の逮捕だから書類は一つもありませんから、書類はわかりませんなんということは、これはあまりにも子供だましみたいな弁解だよ、それについてあなた方のもう一ぺん御意見を承わるし、それを出すなら出すように交渉するし、出さぬならばわれわれは職権をもって取り寄せるから、その点はどうですか。

井本臺吉法務省刑事局長

○政府委員(井本臺吉君) 先ほど申し上げましたように、本件が逮捕状の乱発、逮捕状の誤執行ということが主たる問題であるというように私考えましてお答え申し上げたようなわけでございまして、逮捕状がなくても現行犯の場合は先ほどお示しの通り刑訴法第百九十九条の援用によって、あとの手続は進行するわけでございます。本件につきましても二日の逮捕で五日に釈放しておりますから、七十二時間の範囲で一応調べて釈放したというのが実情でございます。またこの被疑事実調べの大体の概況は先ほど来私が申し上げただけでありまして、そ以上には大体は出ていないと考えております。かようなわけでございまして、逮捕状とか逮捕状の疎明資料というものは、本件においては存在しないのでございます。なおかような関係の事件でこのような問題がどうして犯人蔵匿になるかということでございますけれども、警察からあるいは検察庁で逮捕状を求めて追いかけておる人間が、相当の防衛隊によって隠匿されておるというような場合には、その隠匿行為はこれが犯人隠避罪に当るのでありまして、この西沢氏の関係はまさにその一つの事例に該当するように考えたわけでございます。

一松定吉日本民主党

○一松定吉君 私は竹中を連れておった西沢が犯人蔵匿罪を構成するとかせんとかいうことを議論することが目的ではない。私の言うのは西沢を現行犯として逮捕したから、書類が何もないということを追及しておる、現行犯として逮捕してもこの二百十条の緊急逮捕のように、すなわち犯人隠避どころではない、死刑、無期もしくは長期三年以上の懲役もしくは禁錮に当るものを逮捕するようなときに、急速を要して裁判官の逮捕状を求めることができないときには、その理由を告げて被疑者を逮捕することができるということが二百十条の刑訴の規定にある。その場合でも直ちに裁判官に向って逮捕状を求める手続をしなければならない。そのときに裁判官が手続をして逮捕状を発しなかった場合には、被疑者を釈放しなければならない。ことにこの犯人隠避とかいうようなことで西沢を連れてくれば調べるでしょう。調べれば調書というものがなければならない。ただ口で調べて調書も何も作らないで釈放するということは手続上よくないのですから、調べれば調書というものがある、あるいは検事なり警察としての供述書というものがある。それならそういうものを送ってくれれば、西沢を逮捕して、逮捕した事情もわかるし、逮捕したけれども釈放しなければならなかったという事情も供述書でわかるわけだ。その書類がないというから、ますます追及が急になるわけです。あなたは調べたと言う、調べたけれども、現行犯として調べたけれども逮捕状を出さなかったということは遺憾だ。逮捕状を出さなくてもいい現行犯で、調べたけれども逮捕状を出すに至らなかった事情が調書きに明らかになっているはずだと思う。そういうことを見れば逮捕状なくして逮捕したということは、なるほどこれは相当の理由があったのだと判断すれば、われわれは問題が解消する、それを明らかにしたいというのがこの書類を取り寄せるわけなんだ。この二つのこの事件はただたくさんこういうような乱用をすることがあるのだが、そのうちとりあえず顕著なるもの二つだけ例をあげて取り寄せて、そうしてそれを審査しようじゃないかというので、この二つの例をあげたにすぎないのですよ。その二つの例をあげたに対して、現行犯で逮捕状は出さなかったのじゃ、何も書類はないのだというようなことでは承知できんじゃありませんか。刑事訴訟法の建前からいってもね。それを言うのですよ。だから前の第一段の例の橋本良人氏の逮捕についてはその真犯人を逮捕するについて支障の生ずるようなことを当委員会がしょうというのじゃない。橋本を逮捕してみて、そうして調べたところが橋本ではなかったのだ、真犯人じゃなかったのだということが明らかになったということが、その橋本を逮捕して、橋本を逮捕するに至った書類をわれわれが調べてみて、なるほどこれならば逮捕したことが乱用ではなかったのだな、だれでもこういうことであると逮捕するのだなということがわかればそれで問題は解決するのです。  第二の点に至っては、現行犯を逮捕して調べてみた、調べたらば必ず調書があるはずだ。調べてみたけれども、これは逮捕すべきものじゃなかったのだということで釈放したということならば、その書類があるはずだ。それらのものを取り寄せていただいて、われわれ見せていただけば、なるほどこれならば逮捕状はやむを得なかったのだな。しかし調べた結果こうであったのだから、この釈放するのは当りまえだなということをわれわれが了解したら、問題はもう解決するのです。それがためにこの書類を取り寄せておる。その取り寄せる書類についてあなた方のような了解に苦しむよう弁解をして、これに応じないというような態度をとるから、ますます問題が紛糾するわけなんだ。どうですか、もう一ぺんもっと打ちあけて話したら……。

井本臺吉法務省刑事局長

○政府委員(井本臺吉君) この逮捕状を乱発したり、逮捕状を誤執行したりすることがいかぬということは、参議院の方からお取り上げになった問題は、逮捕状がもとであると私は実は考えておりまして、現行犯で、一松委員からお話しの通り逮捕状も何もないのでございますから、逮捕状の乱発とか、誤執行とかということが問題になっているのではないというふうに私は了解してきたわけでございます。逮捕状がなくして逮捕する、現行犯逮捕が、どのようにまあ聞違った方法で現行犯の逮捕をやっておるかということが問題でございますれば、またその観点からもう一ぺん考え直さなきゃいかんとは思うのでございますが、私どもの御回答申し上げたのはその観点から考えておるので御了承願います。

一松定吉日本民主党

○一松定吉君 それはあんた大へんですよ。逮捕状、状に重きを置くのじゃないですよ。人権擁護の点、逮捕ということをみだりにやられちゃいかぬ、逮捕をやるについては逮捕状及び現行犯には逮捕状なくてやることができる、それも法律において許されたる範囲においてやる、やってみたけれどもこれは逮捕状を執行するだけの価値がなかったから釈放したというようなことがわかれば、それでいいとこういうのです。あなたは逮捕状に重きを置いた。そうじゃない。われわれの主張するところは、みだりに人を逮捕することそれ自体がいけないのだ。しかもそういう傾向が近ごろ多い。ついては逮捕状の乱発というものがそこに出てきたわけだから、それを逮捕状、状そのものに重きを置いちゃいかぬ。人権擁護の点、人を逮捕することについてみだりに逮捕状を乱発したり、みだりに逮捕したりするようなことはいかぬ、そういうようなことの一つ事実を調べようといって、この二つの事実をあげて取り寄せを申請したわけなんだ。

成瀬幡治日本社会党(第四控室・左)

○委員長(成瀬幡治君) ちょっと速記をとめて下さい。   〔速記中止〕

成瀬幡治日本社会党(第四控室・左)

○委員長(成瀬幡治君) 速記を始めて下さい。

井本臺吉法務省刑事局長

○政府委員(井本臺吉君) この逮捕状並びに疎明書類の提出方の御要求でございましたので、先ほどのような回答が出たと私は考えるのでございますが、なお、この事件は冒頭に申し上げました通り、ただいま一応釈放はいたしましたが、引き続き本人の関係を調べておりまして、なおこれは目下公判に係属しております竹中関係の関連事件ということになっておりますので、ただいまここでこの関連事件がどうなっておりますか、これを検討いたしませんと、今すぐに明確にお答えができかねますけれども、できるだけ御期待に沿うように考えたい、こう考えます。

中山福藏緑風会

○中山福藏君 議事進行について一つ。今政府並びに一松委員の質疑応答を聞いておりますると、同じことを繰り返しておられるようでありますが、大体私はこの日本人という人間の国民性をいつも頭に入れておる人間です。日本人という人間は権力者にはぐうの音も出ないというのは一つの惰性になっておりますね。だからそういう点から考えましても、その人間らしい、人間の卑属さをはね飛ばすところの一つ明るい世間を作りたいというのが、私のふだんからの念願なんです。従って権利に眠っておるような国民に対してはできるだけ私は朗らかな、権利を擁護されて、朗らかな立場をとり得る人間をこしらえなければならぬというのが、これは私の考え方です。これがまた民主主義であり、新しい憲法のもとにおいては当然しかるべきことだと私はふだんから考えております。従ってこれはよけいなことですが、今度市警が国警に移るときにも私はこれを考えた。それで私は三十八年の弁護士の体験から、どういうふうに警察で取り調べておるかということは、私どもは手に取るようにわかった、あなた方官吏として大学の講堂から廊下伝いに役所にお入りになってお考えになったというのとは、世の中というものはだいぶん違うのです。実際警察で被疑者にどういうふうなひどい取り扱いをやっておるかということは、これは在野法曹を多年やっておりますと実によくわかるのです。しかしものには一利一害がありまして、国民性というものを頭に入れると同時に、この実際の取調べの状況を知り、並びに官吏の方がこういう気分を持っておるということも、私はひどい弾圧を受けた人間ですから、よくわかっているのです。しかしそういうことはともかくといたしまして、そういう前提のもとに私どもは今日のこのあなた方に書類を提出していただきたいという一つの例を取り上げて、そうして参考にしたい。またそういうことが記録があるとかないとかいうことは、これは問題じゃない、当然なくちゃならないものだと思うのです。それを六月の二日ですか、二十三日にあなた方の返事が来ているのに記録がない。こういうことではどうもやはり私どもの考え方が間違っていなかったということを再確認しなければならぬようなことが起きてくる。ですから私としては今日はこれは時間の関係もありますから明日、この次に一つどうですか、それも上司の方々ともよくお打ち合せになってはっきりした最後の一つ、一言で尽きるような御答弁をいただきたい、かように私はお願いするわけなんです。(「賛成々々」と呼ぶ者あり)こういうことだけを一つ申し上げておきます。

羽仁五郎無所属クラブ

○羽仁五郎君 今中山委員のおっしゃったこと全く賛成なんですが、一言申し上げておきたいのですが、要するにこの委員会に協力していただきたいという気持ですね。それはおそらく井本さんなり、あないは警察庁からおいでになった方も今、中山先生がおっしゃった通りに大学の講堂から廊下伝いにおいでになったから御承知がないのですが、私自身も戦前に警察の留置所の経験があり、取調べの経験がありますが、これは何とかしてああいうふうな警察でない警察にしてあげたいと思っているのですよ。ほんとうにこれはうしろで聞いておいでになる方々にもよく聞いていただきたいのですが、ああいう警察で国民から憎まれているような警察では、警察の方でもおつらいだろうと思うのです。ほんとうに国民の信頼を受けるような警察になっていただきたい。これは私の方から言えばずいぶん差し出口ですが、法務委員としては、その責任がありますけれども、警察自身がこれはそうお認めになるのがほんとうだと思うのです。やはり技術が上達するには、相当じゃまが入らないと技術は上達しないのですよ。そうでしょう。おれたちにまかせてくれ、とにかく真犯人をつかまえてくれるからというのじゃ、なかなか技術は上達しないと思う。せっかくこの辺だと思っているところを議会なんかで材料を取られて、事によると、われわれはまあそういう捜査の妨害にならないような努力を全力を尽すけれども、場合によってそういうじゃまが入っても、イギリスの警察なんかの例を見れば、そういういいかげんなものだと、どんどんじゃまが入ってくる。だからどうしてもじゃまが入らないように、イギリスの場合は確たる証拠を七つそろえなければ、陪審員の前で本当に有罪というわけにいかない。ピストルなどの場合でも、相手が発砲しなければこっちは発砲しないというくらいにやっている、それでイギリスの警察があれだけの信頼を得て威信を高めて、それで国民に信頼されるということはうらやむに足ることである、しかし日本の警察官が国民に信頼されるところまでいかないはずはないと私は思う。もちろんそのために予算なり技術なりの不足があるならば、それは幾らでも要求せられることは当然であろうと思います。予算や金の問題ではなしに、また個々の犯人がつかまるかつかまらないかということよりも、もっと大きな問題で、警察や検察が過去のように国民に万事隠してその中でやっている、国民からちょっと何でも言われると内部のあれができない。また第一線に立っている警察官は御苦労だ、大へんでしょうけれども、しかしその御苦労がほんとうに生ぎがいのあるような状態になっているかどうか。それとも世間や議会からいろいろな非難を受けるが、そのようなものははね飛ばしておれたちは一生懸命やっている。議会や世間なんかは何も知らないということで、いわゆる独善的にゆくのは、決して幸福な警察官なり検察官なりの生活ではないと思う。ですから少しはいやだというふうにお考えになっているかもしれないが、本当の目的はそういうようなものは洗い去って、そしてほんとうに技術的な、いい加減なことであったら、議会や国民に信頼は得られないのだ、そういうものに頼らずに、先ほどは人権とか伝聞のあれなんかをかたわらお使いになるようなところまでいかれたんですが、そういうものではなくて、ほんとうに証拠をイギリスの場合のように七つくらい、日本であったら確実な証拠は一つもなしに、さっきのように参考人の供述とか、何とかいうことで犯人蔵匿の証拠におやりになっているようですが、先ほどの御説明では、そういう動かされない証拠がしかも一つや二つではない、七つもそろえて、そうすればしろうとの陪審員が聞いて見てもいかにもごもっともだ、警察や検察の方はほんとうに信頼に値いするというところまでいくために、これは私どもも非常な努力をしたいと、あなた方の方の与えられている権限というものに決してさし出がましく入っていって、それでいろいろ不愉快な思いを起させ申したり、あるいはおじゃま立てするという意味ではない。そうではなく、そういういい加減なものはやはりもう捨てて、ほんとうの国民の信頼を得ていかれるようにしていきたい。そういう意味で、最近そういう事実が非常に多いのじゃないですか、これは逮捕状の問題ではなくて人を逮捕する場合の問題であるということも、まあ私はこういう問題についてしろうとであるから、専門家がいろいろおっしゃらなければ危いと思ったから、一松先生のお出でになるのをわざわざ待って、それでやっていただいたんですが、しろうとだからだまして、愉快になっておいでになるような方ではないと思いますので、しろうとが聞いてみてもなるほど警察なり検察なり法務省では十分にやって下さっているのだという感じをこの速記録を通じても国民が得るようにしてどうかいっていただきたいというふうに思うのですから、ただいま中山委員、一松委員からも申し上げましたように、もう一ぺんお考え直しを願って、積極的に警察や検察が一体にこの人権の尊重ということについて、従ってその人権を侵すようなつまり証拠についての考え方を、一歩でも二歩でも進歩させてゆくと、そして国民の信頼を受けるという意味から協力あらんことを心から希望する次第であります。

中山福藏緑風会

○中山福藏君 もう一つちょっとお尋ねしておきますが、犯罪検挙に関して私どもはあなた方の御告労を心から感謝し、またさぞお骨折りだったと思う、こう御同情申し上げておきます。しかしながら終戦後どうも犯罪人と検挙者との知恵の競争が始まっておるように思うのです。完全知能犯の場合なんかにおいては、どちらの知恵が勝つかというと、犯罪者があがらないということは、結論から申しますというとあなた方が負けだということになるのですね。それで、それは科学的の捜査に関するところの予算というものが取れないから、そういうふうな技術がおくれていくのか、どういうわけか。どうもあまり捜査面というものが、この知能犯的な犯罪に対して進歩がおくれておるのではないかという感じを持つのですが、終戦後どういうふうな新たな科学的の捜査面ですね。私はうそ発見器というのを拝見いたしました。しかしあれくらいの程度のものじゃないかと私は考えておるのですが、ほかに何か新たな犯罪捜査の面について、私どもの聞くことに値するような新しい面があるんでしょうか。その点を一つ念を押しておきたいと思います。

中川董治警察庁刑事部長

○政府委員(中川董治君) 結局ただいま御指摘になりましたように、犯罪とわれわれその犯罪を見つける方の側の競争ということはその通りでございまして、いろいろ私ども犯罪捜査で被疑者を発見するためにいろいろなことを工夫しておるつもりなんでございますが、今言ったように、いろいろな聞き込みとか、そういうことももちろんやりますけれども、それだけに頼っておってはどうしても済みません。それでうそ発見器の例が出ましたが、あれは全く一例でございまして、まことに皆さんからおっしゃいますと、なかなかスピードがおそいじゃないか、こういうふうなおしかりは受けようと思うのですけれども、まあ過去の警察に比べましては、だんだんこういううそ発見器は一例でございますけれども、組織的にいろいろな事情で各地で行われますことを、科学的にカードで整理するとか、それから法医学はもちろんでございますけれども、物理学のいろいろな器材なんかをできるだけ購入するように、予算的な措置を御配慮いただきまして、スピードは皆さんの御期待に沿い得ないということを残念に思っておりますけれども、日々まあそういう気持で努力を融けておるのでございますが、また機会を得ましてそういったことを数学的にも申し上げてみたいと思うのですが、ところが結論的に申しますとおしかりを受けることが多いと思いますが、犯罪者がことに知能犯の面になりますと、どうしても物的証拠が少なくなりますので、関係者の供述を積み重ねて合理的に判定する、こういう場合が相当多い。これもまた事実でございますので、こういったものはほんとうに日常の研究、努力の中心目標でございますが、皆さんの御批判をいただきながら、またわれわれも切瑳琢磨して、ほんとうに国民の生命財産を守る警察としての気概だけでなくして、実質上の能力というものを涵養して参りたい。いろいろな数字的の資料は今持ち合せませんので、また機会を得ましてそういった資料も数字に基いて御説明する機会もあろうかと思います。そういうふうに努力しておるのでございます。御質問の点は今後の努力に待ちたいと思っております。

成瀬幡治日本社会党(第四控室・左)

○委員長(成瀬幡治君) ちょっと速記をとめて下さい。   〔速記中止〕

成瀬幡治日本社会党(第四控室・左)

○委員長(成瀬幡治君) 速記を始めて。

羽仁五郎無所属クラブ

○羽仁五郎君 今の逮捕の問題ですけれども、つまり警察というか、捜査の技術といいますか、そういう警察の技術が進歩する唯一の方法は、私は人権を尊重することにあると思う。人権を尊重しなければ永久に捜査の技術は進歩しない。過去の警察がどうしてあんなに技術が悪かったかといえぱ、頭が悪いのでもなければ、怠慢でもない、人権を尊重しないものだから、警察の技術が進歩しなくてもいかれる、これは人権を尊重するということが警察技術の唯一の進歩の方法である。これが末端まで、第一線まで徹底していけば、日本の警察は見違えるようになるのじゃないか、こういう努力をしておらぬから、どうか積極的に、むしろわれわれの方から事例を二つあげているのが適当でなければ、もっと適当な場合の材料でもなんでも積極的に出して下すって、そうしてそういう方向に進むようにぜひやっていただきたいと思います。

成瀬幡治日本社会党(第四控室・左)

○委員長(成瀬幡治君) 本件につきましては、政府の万からあらためて御返事をいただいて御協議申し上げたいと考えております。

藤原道子日本社会党(第四控室・左)

○藤原道子君 私は警察庁にちょっと要求したいことがあります。最近続発しております人身売買問題なんでございますが、私昨日真実とは信じられないような報告を受けたのです。実はきょう調査に行きたいと思っておりましたが、少し午前中健康が悪くて行きそこねたので、あなたの方から調査して、そうして当委員会へその調査の結果をお知らせ願いたい。その問題は、台東区の本田警察、そこにあげられている事件でございますが、葛飾区の西篠原町一番地の橋本国太郎という者の娘でございますが、母が継母である上に、父が失職したその結果その娘を女中に出したというのです。しかもそれが台東第二中学校の一年生、当年十四才です。それを昨年女中ということでよそへ出したんだそうです。ところが、それは台東区車坂三十一番地の安藤よし子、三十六才、品川の某社長の二号だそうです。その人が引き回して、目黒区清水町のとんぼという待合、台東区池ノ端仲町の同じくはやし家という待合、同じく新平荘という旅館兼待合、音羽という待合、その他二、三ヵ所において、セーラー服の少女と称して、水揚げ料の名目で、二万円から八万円をもって少女を提供をしている。某会社の社長のごときは、水揚げ料として二十万円も出している。そして前記の待合を利用して行われていた。本人の自白によると、約四百数十回も同じような方法で水揚げなるものが行われたということなんです。そうしてその安藤よし子個人が取得した利益でも百余万円といわれる。本人は一回に五百円程度の化粧代しか受け取っていない。こういうことなんです。しかも台東第二中学校の一年生で、中学へ三ヵ月しか行っていないということになって、昨年十三才です。十三才の少女を、いかに何でもこういう悪らつな手段で売春をさせて中間搾取を行なっていたという、これが事実とすれば、実に重大な人権問題だと思うのです。しかもこれを水揚げと称してセーラー服の少女を犯してきたのが相当の知名の士だと聞いている。それで私としては松元荘事件のときに、私は名前はわかっております。調査にいきまして……。けれどもその人を、名前を発表しても、その人本人は罰せられないで、そしてその人には細君もあり、子供もあるという立場から、子供や細君の立場を私は守りたいと思って、あえて名前を発表しなかったのです。きょうまで発表しておりません。けれどももし今後不徳なことを犯すなら名前を発表しようということで、この間も大会で、千人からの婦人に迫られたけれども、私は名前を発表しなかった。ところがこれが随所に行われておるということになれば、相当知名の士なら私はこの際名前を発表して、男の人に反省を求めたいと思う。(「名誉棄損罪になるよ」と呼ぶものあり)なってもいいと思う。(「それは警察にどういうことを御要求なさるのですか」と呼ぶ者あり)だからそのことが事実であるかないか、事実ならばその調べの結果を知らしてほしいのです。このことをぜひ一つ至急にやっていただきたい。本田警察……、その十四才の少女は今少年鑑別所というのですか、そこにいるそうですが、どうしてもうちへ帰るのがいやだと言って泣いているということを聞いておりますので、至急にそれらのことも調査して、一つ教えていただきたい。

中川董治警察庁刑事部長

○政府委員(中川董治君) ただいま藤原委員の御指摘の事案はさっそく関係警察につきまして調査して御報告いたしたいと思います。     —————————————

成瀬幡治日本社会党(第四控室・左)

○委員長(成瀬幡治君) 次に、出入国管理令の一部を改正する法律案を議題に供します。本案について御質疑のある方はお願いいたします。内田管理局長と、入国管理局次長下牧さん、二人みえております。

中山福藏緑風会

○中山福藏君 それではここに出入国管理令の一部を改正する法律案提案理由説明書というのをいただいておりますから、これにつきまして簡単に二、三質問しておきたいと思います。他の部分につきましては、次の機会に譲りますが、まずこの説明書のうちに「疾病その他特別の事情により収容を継続することが適当でない場合には」云々ということでありますが、この疾病その他特別の事情というのは、その疾病というのはどのくらいの疾病か、特別の事情というのは、一体どういうことをさしておるのか、ちょっと承わっておきたいと思います。

内田藤雄法務省入国管理局長

○政府委員(内田藤雄君) これはおそらく仮放免の問題かと存じますのですが、結論的に申し上げますと、収容に耐えない程度の疾病ということになろうかと存じますが、しかし実際問題といたしまして、必ずしも病気でなくともいろいろ人道的な考慮と申しますか、そういう具体的にどういう場合にやるかということは、ちょっとたとえて申しますならば、子供さんで親がとにかくおられる。そういう場合に一度ともかく仮放免して新のもとにしばらく預けられたりするという場合もございますので、必ずしも療病とは限りませんけれども、そういう場合を含めまして、「疾病その他特別の事情により収容を継続することが適当でない」と、こういうように表現しておるわけでございます。

中山福藏緑風会

○中山福藏君 この説明は多分内田局長がみずから行われたものと私は考えておるのでありますが、間違っておったら、ほかの委員の方が説明なすったと思います。この「特別の事情」という文字はですね、いかようにも広義にも狭義にも判断ができる文字だと思うのですが、非常に弾力性のある言葉だと思うのですが、この「特別の事情」というものを現在までお取り扱いになった事件、事案でですね、「特別の事情」に該当する場合を一つ例をあげて御説明を願いたいと思います。参考のために一つ承わっておきたい。

内田藤雄法務省入国管理局長

○政府委員(内田藤雄君) 今、仮放免の場合実は二通りあるわけでございますが、つまりほんとうの意味の未決とは違いますのですが、退令違反審査が始まりましても、退令がきまる前に仮放免しております例は相当多いのじゃないかと思っております。これは実はわれわれのそのキャパシティとも関連いたすのでありますが、事件の数と比例いたしましてわれわれが収容いたす施設が非常に少いというような関係から、ただいま申し上げましたような決定前の場合でございますと、これは各事務所でやっておることでございますが、逃亡などのおそれがないというような場合に、かなりひんぱんに仮放免というものが行われておるのではないかと存じます。それから先ほど申し上げましたように疾病の場合、または疾病でなくともその家族との関係などから考えまして、ことさらに収容を要しないという意味におきまして仮放免しておる場合が相当あろうかと存じます。それから退令発付後の仮放免になりますと、これはあるいは、現行犯でつかまっているような場合の仮放免に関しましては、ただいま申しましたのよりもはるかに厳重な角度できめておるはずでございます。しかしその場合におきてましても、これは客観的な情勢の変化にもよるのでございますが、たとえて申しますならば、日韓の関係が非常に困難でありますために、送還などが非常にむずかしかった場合、またあるいは今後もそういう状態が起るかもしれませんのですが、そういうような場合に、あまり長期にわたって収容所に入れておくということは、ごく一般的な問題としましておもしろくもないことでございますし、また人権などの角度から見ましてもおもしろくないというような状況になりますと、その仮放免の条件というものが、普通よりも緩和されるということもまあ起るわけでございます。そういうことを御了解いただきまして、一般的に申し上げますならば、やはり先ほど申し上げましたように、退令というものは変えないけれども、家族等、親と子とか、そういったことから、人道的な考慮で、仮放免いたしております場合、それからまたいわゆる自費出国とわれわれ通常申しておるのでございまするが、強制退去によるものでなくて、自分の費用で帰すということで、この韓国のミッションから帰る許可をとり、また船などの切符などを持ってくるといった条件に基きまして、仮放免いたしておる場合も相当にございます。  それからもう一つ最近の特別な例で申し上げますと、中国関係の問題でございますが、先般興安丸が日本人の引き揚げのために向うへ参りますときに、赤十字などがいろいろ間に入ってやりましたのですが、中共と直接の連絡がとれません関係もございまして、東京の華僑総会が中へ入りましたのですが、そのときに向うの許可を得るためには、まず釈放してもらいたい。ことに長く収容されていた人々も含んでおるので、帰る前にいろいろ準備もあるので、船の乗船前、 二週間でございましたか、三週間でございましたか前に、仮放免してもらいたいというような議がございまして、ある程度これは日取初の試みでございましたので、危惧は持ちましたのですが、とにかく中共の帰国希望者というのを百数名仮放免いたした例がございます。ところがその結果実際船に参りまして、乗船に間に合うように出て参りましたものは三十数名でございまして、約七十名ほどの者が仮放免のまま、実は逃げてしまった。しかしその後また漸次収捕いたしまして、現在逃げておるものは三十数名おるかと存じまするが、そういうような例もございます。  それからもう一つの特別な例を申し上げますと、昨年の六月以来日韓間の関係が非常にまずくなりまして、密入国の引き取りも韓国側が拒否しておった時代がしばらく続きました。昨年の暮ころから多少活が起って参りまして、幸い今年に入りましてから、二月、三月、四月と送還の船が出ましたのですが、それに関連いたしまして、これは韓国側の要求に応じたという意味でもございませんが、実はわれわれ自身も相当困っておりましたのは、戦前から日本におります朝鮮人で、いわゆる犯罪者なのでございますが、これにつきましは、韓国側は、戦前からおる朝鮮人については、日本側がめんどうを見るべきなのであって、これの強制送還には応じられない、こういう態度で今日まできておりました。そのため非常に長期にわたって収容所に入れておった人々が相当数に上っておったのでございますが、これを向う側も釈放しろと申しますし、実はわれわれといたしましても、いろいろな角度から何とか解決したいと思っておりましたので、かたがた昨年の暮以来漸次こういう人々を仮放免いたしまして、その数が今日二百四十名くらいに達しておるのではないかと考えております。これはしばらく様子を見まして、正規の特別在留許可に切りかえらるべき人々でございますが、そういう例もございまいす。

中山福藏緑風会

○中山福藏君 この仮放免を許可、するかしないかということについては、主任審査官が判断なさるのでしょうか。または収容所長がみずからそれに当って判断をなさるのでしょうか。あるいはまた局長に申達して、局長から大臣というようなふうに、最後の決をとるのはだれになっておりますか。

内田藤雄法務省入国管理局長

○政府委員(内田藤雄君) 先ほど申し上げましたように退去命令が出ます前の場合で申し上げますと、これは全く各地の主任審査官と申しますか、事務所長の権限でやっております。しかしその場合におきましても、先ほどちょっと触れましたように、現行犯の密入国者のように、非常に事案がはっきりしております場合、これは通常の場合には権限を持っておりますが、たしか訓令が出ているはずでございまして、そう出先の者が勝手にはできないようになっていると思います。それから退令の発付後におきましては、法律的に申しますとやはり主任審査官の権限ということでございますが、実際上の計らいといたしましては、中央と連絡の上でなければできないようになっております。……ただいま主任審査官と申し上げましたのは、収容所長に訂正いたします。

中山福藏緑風会

○中山福藏君 そこで私、ちょっとわき道に入りますが、内田局長が、更迭なさって御就任になったのでありますが、前の鈴木局長のときと違いまして、外務省から法務省にこの局が移管されております。そこでお尋ねするのですが、どうも近ごろは検事気分ですべてのものを処理されるのではないかという私どもは相当の疑いを持っているのですが、少しも外交的に両者間の何と申しますか、情勢、あるいは事情というものを判断して、幾分国際的な感情をそのうちにまぜてこの問題をお取扱いにならないような感じがするのです。ただこいつは退去強制命令を受けたから、直ちにこれを執行して送還するとなりまするというと、受取人がない。自分は絶対に共産主義はきらいだ、中共の者はこう言う、というようなことになりますと、二、三年も収容所にほうり込んでおいて、とどのつまりがまた仮放免をやるというようなことにだんだんなってきて、まるでホテルにおるような気分でしばらく入っていればいいのではないかというようなことになって、損する者はだれかというと、国の税金を納める国民だということに落ちついてくるのではないかということも考えられるのですが、いかがですか、外務省の所管であったときと、現在の所管であったときとの送還者の比率はどういうふうなことになっているのでしょうか。

下牧武法務省入国管理局次長

○説明員(下牧武君) 事務的なことにます。司令部が出入国の管理をいたしておりました時代は、これは送還も非常にスムースに行われておりまして、それで単に密入国者のみならず、国内において犯罪を犯した者はもちろん、在留を好ましからざる人物という者までどんどん送り返すことができた。それで講和条約が発効いたしまして、最初には従来通りで送り返したのでございますが、その後講和条約発効後密入国は一応引き取るけれども、俗にわれわれが手続違反者と申しておりますが、主として国内で犯罪を犯しておる。これを引き取ることは、先ほど局長から説明いたしましたように、日本の責任で、韓国としては責任を負うべきものじゃないということで引取りを拒絶したのであります。その際にしかし本人がその帰国を希望するものならよいだろうということで、まあそれはよかろうということで、一回だけその帰国希望者を密入国者とあわせて送り帰したことがございますが、それに対しましては、その際に次のその帰国希望者を募ったところが、非常にたくさんの数が出たわけでございます。そのせいかどうかは存じませんが、韓国の方ではおそらくその情勢をみてこれはいけないと思ったんだろうと思いますが、その後手続違反者は絶対に引き取らない。本来手続違反者そのものを収容すること自体がこれが間違いなんだというふうに出て参りまして、そうしてそれとの関連においで密入国者も引き取らないという情勢が出て参ったわけであります。その結果先ほど局長が説明いたしましたようにストップされておったわけであります。ところがまあ昨年の暮から局長の努力によりまして、密入国者だけの送還ということが大体一応行われるようになって参ったような状態であります。数字的に申し上げますと、今年の四月二十九日までに送り返しました総数が九千五百五十四名でございます。そのうち本年度に入って送還したものが七百七名、昨年度が八百三十七名、二十八年度の数字はちょっとこれはトータルが出ておりませんからとばしまして、二十七年度が二千二百九十八名、二十六年度が二千百七十名、二十五年度が九百五十五名、こうなっておりまして、送還の全体の数から申しますと、まだ今年に入って、去年よりは今までの状況では成績はよくなっておりますが、従前に司令部がおった時代よりは格段に落ちておる、こういう数字になっております。

中山福藏緑風会

○中山福藏君 そこでお尋ねするのですが、今任意帰国したいからということで捺印した者は、すぐ帰すということにするのだというお言葉が答弁の間にございましたが、それでこれは実際私が当ったことなんですが、大体再審査をお願いして、そうしてさらに寛容なお取扱いを願いたいという場合がしばしばあるわけであります。ことに退去強制命令というものが収容所から通達をされて、そうしてそれを収容所のおすすめによって再審査のお願いをする。ただし異議の申立ては三日の間にしなければならぬという法律の規定になっておりますけれども、何分しろうとの悲しさで再審査のお願いをする、そうして一ヵ月一ヵ月に再審査の最後の決定を待つために、期間更新して延期をお願いする。ところがたまたま相当の時期になってお前は自発的に帰れ、そうして署名捺印させられる。そうしてもしこれに署名捺印せなかったならば、お前は今日すぐ収容するのだということで、こういうことを言われてやむを得ず署名捺印してきましたと言って署名捺印している人がある。そこでお尋ねしておきたいのは、この再審査のお願いというのは、一体行政処分としての最後の決定をなさるのか、あるいはまた便宜的の一つの例外的な行政行為的なものとしてのお取扱いになっておるのか。この再審査の御願いというものをたくさんの人がしておるのですか、これは行政行為として最後にその審査を却下する、願いを却下するということになるのですか、その法律上の性質はどういうことになっておるのでしょうか、ちょっと承わっておきたい。

下牧武法務省入国管理局次長

○説明員(下牧武君) 法律的な性格から申しますと、再審査という手続そのものは、出入国管理令の上では認められておりません。ただこの行政行為の取消しの問題でございますが、それが非常に重大かつ明白な誤りがあるということで無効に近いような場合は、これは法律上当然取消原因となっておりますが、その場合それを厳格に解釈しているのは、その結果相手方の権利義務に不利益を及ぼすという場合にのみそういう原則が適用されるので、利益処分の場合はまた事情の変更等によって、一たん強制退去という行政行為としての結論を出しましても、事情変更等考えて、それで相手方に対する有利処分としてそれを変更することは、あえて違法とするところにあらず、こういう考えのもとに再審査ということを事実上行なっている。それで、これはやはり行政行為の性質上許されることで、一たん不許可にいたしましたものも、その後の事情の変更等により、それを許可に直すということは許されます。一たん許可にいたしたものを、そこに明確な取消原因なくして不許可にするということは、非常に十分な取消原因がある場合でないといけないと存じますが、有利処分の場合には幾分そこが、ルーズであってはいけないと思いますが、その点の取扱いに幾分ゆとりをもってやるということは、法律上許される、かように私どもは考えて、そういう意味で再審査の手続ということを行なっております。それでございますから、一たん退去の裁決をいたしまして、その後事情の変更があり、特別の事情を考えて、これはやはり特別在留をしたらよかろうというもっともな事情がある場合に限って、ごく例外的にいたしておる処置でございます。

中山福藏緑風会

○中山福藏君 そこでお尋ねしておきますが、日本語のわからない者を呼び出して、たとえば主任審査官あるいは入国審査官というような者が、お前はこういうふうな通達が来たのだ、退去の強制令が来たのだ、こう言いまして、そうしてお前は帰らなければならぬというようなことになる。一方おっしゃったような再審査をしておけば、三日間の異議の申立期間を徒過しても何とかなるだろう、お前は立場が立場で、いろいろな証拠さへそろえば同情される点が多々あるのだ、まず大丈夫だろうという安心感を与えておいて、審査の願いをする。その間三日間の異議の申立期間を徒過してしまう。そういう場合に、私は実際弁護士として取扱った事件がありますが、そういうふうなときにその再審査の決定というものを待っておって、それが結局だめになったというときに、そういう安心感を与えられたときの三日間というものを徒過した者は、行政訴訟で異議の申立てはできんことになるわけですね、そういう安心感を与えるような処置をとられたときは、その責任は管理局が持たれるのですか、また本人にあると思っていらっしゃるのですか。そこを一つ伺っておきます。

下牧武法務省入国管理局次長

○説明員(下牧武君) ちょっとただいまのお尋ねの趣旨が了解しにくいのでございますが、三日間の異議の申立てと申しまするのは、これはやはり審査の段階におきまして退去強制事由に該当するということが明らかになりまするというと、審査官は必ずお前は退去強制になるのだということを告げなければならないことになっております。それに対して不服のある場合に口頭審理ということをいたします。口頭審理の要求があった場合には、今度は特別審理官という、これはまあ審査官のうちでちょっと地位が高くなっておりますが、特別審理官がまた審理いたしまして、事実関係においてこれは退去強制理由に該当するということを確定いたしますれば、やはり同じく退去強制を告知しなければならない。告知があった場合に、これに対して異議の申立てができるということを合せて告げるわけであります。それを告げてから三日の間に異議の申し立てをいたしませんと、そこでそれの事件が確定いたしまして退去強制令書というものを発付いたします。そうして異議の申し立てをいたしますと、この事件が今度は中央に送られて参りまして、法務大臣がいろいろな事情を記録を見て、特別在留にするかあるいは異議の申立てを理由なしとするかという裁決をいたすわけなんであります。そこで異議の申立ての理由ありということになれば、そこで特別在留にいたします。理由なしということになればまたそれを通知いたします。そうすると主任審査官は、今度は本人に、法務大臣から理由なしという裁決があったということを告げるわけであります。告げた後にそこで強制退去処分という行政処分の外部的な効力が発生いたします。それから、いよいよ今度それを収容いたします場合には、退去強制令書というのを発付いたしまして、それによって収容所に収容することになります。それで、再審と申しておりますのは、法務大臣の裁決までいきまして、そうして異議の申立てが理由なしとして却下されました事案について、もう一度法務大臣に考え直してくれとこういう一つの訴願といいますか、訴願に翻した陳情でございます。そういうものがあった場合の措置でございまして、その再審の願いを出したからそこに異議の申立ての期間が出るとか何とかいうものじゃなくて、結論はもうすでに出ているのに対して、もう一度それを考え直してもらえないかという単なる法律的には希望、ただその希望があった場合に、われわれといたしましても一たんそれは確定したのだから、どんな事情があろうが、それはだめだというふうにやるのは非常にむごい場合が出てきます。その間に事情の変更でもありまして、特別在留にいたしますような特別の事情があればそれを考えて、前の異議の申立ての理由なしという裁決を取り消しまして、法律的に申しますとそれを取り消しまして、今度特別在留を与えるというのが、いわゆる再審が通ったということになるわけでございます。そこでお尋ねの、再審のために本人に安心感を与えるというのはどうもちょっと了解しかねるわけであります。

中山福藏緑風会

○中山福藏君 私の言葉が足らなかったかもしれません。つまり三日間の異議の申立期間のみでなく、行政訴訟行為はその令書を受け取ってから六ヶ月以内で行わなければならんということになっておりますね。そこで再審の願いができるというので、大体は安心しておるのですよ。ことに鈴木局長の場合においてはA、B、Cのクラスに三つに分けてあったのです。絶対に帰すというのと、帰していいか帰して悪いかわからんというのと、まあこれは日本に在留せしめるのだという三つに分けまして大体審理を進められておった。そしてその後どういうかげんか知りませんが、十把一からげに全部A、B、Cひっくるめてあちらに送還しなければならんとこういうふうになったわけです。それがしかも再審の願いを出している間に、そういうことが入国管理庁において行われておりたので、大体これは大丈夫だろう、再審の願いをして、自分はBクラスならBクラスに入っておる、あるいはCクラスならCクラスに入っておるからといって安心をしておった者がたくさんある思うんです。それでその安心感のためにその六ヵ月の行政訴訟の申立期間を徒過したというのはたくさんあるんです。そういう場合には手も足も出ないんです。しかも半分は日本語はわからないんです。それから通訳はあまりつけていないようですね、私が管理庁に行ってみますと、そういうふうなむごたらしい取り扱いをされてどうにもこうにも手が出せんという人が多いと思います。  それからまた、これはわき道に入りますが、私の取り調べた六十五、六人の中国人の間で、あなた方は知らないでしょうが、密入国で入って、どこにいて働いておるかということを私は知っております。しかし本人のために申し上げません。そういう人間がなぜ密入国をして働いておるかということも私は調べてみまして、収容所の役人はみんな知っておるのですけれども、あなた方に報告してないから、あなた方は不明ということになっておりますが、私はちゃんと知っておるのです。そういう裏面にいろいろないきさつがあると思うんですが、そういうことは一応棚上げにしまして、ただしかし六ヵ月の期間を徒過させるというような、再審の手続というものがあるために徒過するというようなことがあるということは、これは取り扱い上かえって悪いんじゃないかというような気もしますが、それならそれのようにこういう制度も、もう一回再審の訴えみたいなあんばいに、まあ一応はこうきまったんだと、しかし新しい材料が出たんだから再審するんだという、いわゆる民事、刑事の訴訟の手続と同じようなところまで法制化する必要があるんじゃないかと、実は考えておるんです。日本人同士だとそこまで気を配ってやる必要はないんですけれども、やはりこれは人間でありまする以上は、はっきりと自分の頭に割り切ることをさせるということが、日本が文明国として将来立ってゆくのに私は絶対必要じゃないかと実は考えておるんです。半分しか言葉のわからない人間をつかまえて、法律がこうなっておるから、お前はこうなるんだというようなことで、頭からそれをこなしてゆくということはどんなものだろうか、かように実は考えるんですがね。そういうふうなことを一つお考えなすって、法制化されるということがむしろ必要じゃないかと思うのですが、どうでしょうか。これは入国管理令には出ていません、そのことは少しも。しかし実際安心して、行政訴訟を提起するということを怠った者はたくさんあるんですよ。しかもその事件が起きてから一年の間に起さなければならんという条件もついておるわけですからね、それが過ぎましたら何も手も足も出ないんです。そうしてお前は大丈夫だろう、再審の願いを出しておるから、と言って、切りかえ、切りかえて期間を延ばしていっていただくと、その最後に来たときには、もう期間が過ぎておる、こうなっておるんです。どんなものでしょうかね、そこはむしろ少し法律に明確化する必要があるんじゃないかと思いますが、どうですか。

内田藤雄法務省入国管理局長

○政府委員(内田藤雄君) ただいまの中山委員の御質疑の問題は、今いろいろ伺っておりましてはっきりしましたが、これは中国人関係のケースを指していらっしゃるんだと思います。これは実は私ども前のことにつきましては責任を回避するというような考えは毛頭持っておりませんのですが、私は一口に申しますと、私が着任いたしましたころから少ししぶくなったというような批評を聞いておりますので、これはどういうわけかと申しますと、実は中国関係のケースというのは今御指摘のように相当いろいろ政治的な理由もあったかと存じますけれども、非常に何かルーズな形で参っておったのが多いようでございます。で実際私その間の裏の事情などもよく存じませんが、一度きめたものがひっくり返るような、ぐらぐらしてきたようなものも少くなかったんではないかと想像いたしておるのでございます。それで昨年の暮れでございましたか、一体こういうふうに長い間の懸案になっているものをどうするかという問題が実は出まして、その当時われわれも一応会議をいたしまして、先ほど申しましたように、過去においていろいろぐらぐらして参ったというのは、どうもわれわれの入管の立場からすればはなはだおもしろくないんではないか。やはり今中山委員の御指摘になりましたAクラス・Bクラス・Cクラスというのは実はすでにみな退令にきまっておった人であると私は了解しております。で、そういうように退令がきまっておるのならば、やはりこれは執行するのがわれわれのいわば任務なのではないかということで、漸次その執行に移ったわけでございます。そのためにただいま御指摘になりましたように、前ならばそういうものをいろいろ寛大に扱ったものをどうしてこのごろきつくやるのか、こういう御質問が出るのではないかと思うのでございますが、私どもといたしましては、一応そういうふうに前に大臣の決定があったものならば、われわれとしてはこれを執行いたすより仕方がないのではないかというのでやって参ったわけでございますが、しかしただいま御指摘になりましたように、その行政訴訟を起さなかった、あるいは異議申立て期間を徒過いたしましたことにつきまして、われわれの力がまあいわば詐術と言えないまでも、こちらの態度がそういうふうにしむけておったというようなもし事情がはっきりいたしますならば、これはわれわれとしてやはり十分本人のために考えてやらなければならぬのじゃないだろうか、こういうふうに私個人としては感じております。ですからその具体的な事例につきまして、その間の事情が十分に疎明せられましたような場合には、やはりわれわれとして再考するのが当然の義務ではなかろうかと、こういうふうに感じておる次第でございます。

中山福藏緑風会

○中山福藏君 大へん私局長の事理の通った御答弁をいただきまして、まあ感謝しておるわけでありますが、実は法務大臣にもいろいろと面会して話をしましたが、ところがこの管理局のことは局長が全責任を帯びておられるのだ、自分はまあただ単にめくら判を押すだけのものだというようなふうに、実は私は法務大臣から承わって、あまりそういうところまで自分が手を出すというと、かえってもう妙な気分で、自分を遇せられるというようなことになってもいかんからだという、こういうことでした。これはごもっともな私は法務大臣のお言葉だと思いますが、これは局長に申し上げておきますが、私の申し上げたような事例がたくさんあるのです。これは日本語のわかる日本人に対して、そういう処置をとられたとすれば、私はかれこれ申し上げません。しかしほとんど言葉のわからない人間にその処置をとっておられる。これはやはり戦争の前のいわゆる役人さんの気分じゃないかと私は思います。もうやはり日本人はもう少し精神的に私は進歩して、やはり人間としていずこの国の人間も取り扱うというところに目覚めなければならぬと、こう思っております。私はさればというて、日本の独立国としての立場を失えと、局長に強要するというような気分は少しもないのですよ。これはもうはっきりその点は私は日本人としての立場、また世界の一個の人間としての立場も両面から考えまして、実は今日お尋ねをしておるわけなんです。それで私が六十五名ばかり取り調べました部分には、非常にいかがわしきものが裏面に伏在しておるのじゃないかということを私は考えておりまするけれども、それは今日問題にいたしません。ただ、ただいま申し上げましたような、この責任はどちらにあるかと言いますというと、言葉のわからん方にも責任がある。しかしながら、そういう安心感を与えた方にも責任があると思うのですから、さらに一応一つ御吟味をお願いしたいのです。  それからもう一つお尋ねしておきますが、この確実な身元引受人にその身元をという言葉が御説明のうちに出ておりますが、確実な身元引受人、この確実なというのは、どれくらいの程度の確実さを持っていればいいのですか。身元引受人ですね。

内田藤雄法務省入国管理局長

○政府委員(内田藤雄君) どの程度の確実ということはちょっと具体的にあれでございますが、まあわれわれよく身元保証人のことで問題になります場合に、案外自分がこれを身元を引き受けてくれると称しております人がそれが通じておらなくて、調べてみると、一向に身元保証の意思がないというような例も実は少くございません。それでなおまた、たとえば犯罪などに関連いたしました場合に、自分の同類、あるいはまあ親分筋とでも申しましょうか、そういう広い意味の関係者であるがごとき人物が身元保証人になっておるというような例も往々にしてございます。もちろんれわれといたしましては、そういう場合にはもちろん確実な身元保証人とは考えておりません。  それからもう一つ、先ほど申し上げました、たとえて申しますならば、韓国とのいろいろ交渉などに基きまして仮放免いたしましたような場合に、その引き受ける人、あるいは人と申しますより団体でございますが、これが政治的に非常に色がついているというようなことでございますと、やはり向うとの話の都合上、はなはだ困るものでございますから、それでそういう団体は避けてもらわなければならない、こういった過去の例もございます。それで通常の場合、犯罪等のあれがなくて、正常に社会生活をしており、かつ財産的に見ましても一応保証人となり得るような人であるならば、われわれとしては確実な保証人と、こう考えております。

中山福藏緑風会

○中山福藏君 もう一つだけ私お尋ねして、羽仁委員に一つまたお願いしたいと思いますが、これはたとえば日本の弁護士ですね、あるいは私どものような国会に籍を置いている者、こういう者が保証した場合においては、それは確実な身元引受人と言えるでしょうか、一つお尋ねしておきたい。

内田藤雄法務省入国管理局長

○政府委員(内田藤雄君) 国会議員の方のごときは、もう当然われわれは確実なる身元保証人であると考えております。ただ、一言それに関連して申し上げさせていただきますならば、つまりよく自分がもう引き受けるから大丈夫だと、こういうふうに一口におっしゃられるのでございますけれども、その保証という意味、内容が場合によって多少違いがあるだろうと思うのでございます。で、たとえばこの男をいつまでに出頭させるというようなことについては自分は責任を負うと、こういうような場合には十分それを尊重いたしたいと思いますけれども、たとえて申しますならば、子供の密入国者について自分が身元を保証すると、こうおっしゃられましても、その子供がたとえば五年先、十年先にどうなるかということについては、これは付人にもわからぬことなのでございますし、ただ身元を自分が保証するから安心しろと言われましても、それを一がいに通常の意味の身元保証としてわれわれが考えていいかどうか、これは場合によって、まあその方を疑う意味じゃございませんで、そのことの性質からわれわれとして、ただそのいわゆる保証に信頼できない場合もあろうかと存じておる次第でございます。

中山福藏緑風会

○中山福藏君 私はこれでやめますが、よくお気持はわかります。私どももまたそういうふうな気持でお尋ねをしておるわけでございまして、筋の通らない身元引受け、これはもう社会の治安の上からいっても、お互いに排除しなければならぬ問題であるとふだんから私考えておりますが、そこで私お尋ねしておくのですが、実はこういうケースがあったわけなのですね。あるたとえば朝鮮人、中国人という場合に、こちらに来て密入国をやるというと、退去命令を食らう。そのときにはその食らう前に保証金を積んで仮放免をやらせる。そうしてその仮放免をやった場合の保証金の積立人はいわゆるその親方なんですね、こっちに呼んだ人間、そうするとその密入国者がありますというと、親方というのが自分の名前で保証金を積んでおいて密告するのです。官庁にこういう人間が密入国したと。そうすると、それが送還されますと、その保証金は自分の名前ですから、全部取れるのです。それを商売にしておる人間があるのです。それで十人おれば、十五万円積み立てるというと百五十万円金もうけができるわけであります。こういうのをお取り調べになっておりますか、なっておりませんか。私はその一つの場合を知っておりますがね。

内田藤雄法務省入国管理局長

○政府委員(内田藤雄君) 実はそれは全く驚きました事実でございます。われわれも密入国の関係にブローカーが介在しておるということは十分にわれわれいろいろ供述などから感じておることでございまして、ブローカーの存在ということは十分に承知しておりましたのですが、仮放免の保証金をそういう形において詐取しておると申しますか、これは全く初めて伺ったことでございまして、さっそくもし御承知でございましたら、具体的な例を教えていただきまして調査いたしたいと存じます。

中山福藏緑風会

○中山福藏君 それでは今日は私これでやめます。

成瀬幡治日本社会党(第四控室・左)

○委員長(成瀬幡治君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

成瀬幡治日本社会党(第四控室・左)

○委員長(成瀬幡治君) 速記を起して下さい。ほかに御発言がなければ本日の委員会はこれにて散会をいたします。    午後五時五分散会

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