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22回国会参議院1955/10/06

文教委員会 閉会後第2号

発言数
157
登壇者
12
会派数
4
開催日
1955/10/06

会議録

笹森順造日本民主党

○委員長(笹森順造君) 文教委員会を開きます。  昨日委員会において御決定をいただきましたように、本日はまず僻地教育を議題といたします。文部当局から寺本政務次官、緒方初等中等局長、小林管理局長等見えておりますから、質疑のある方は順次御発言を願います。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 僻地教育の問題につきましては休会中に特にこの問題に関して視察が行われまして、昨日は非常に詳細な報告を承わつたのでございます。私も僻地の実態について認識を新たにする機会を持つたわけですが、この問題につきましては昭和二十九年の五月二十日の当委員会におきまして僻地教育振興法案に対する付帯決議をいたしておるのでございます。この付帯決議につきましては文部当局においてもその後何らかの措置が講ぜられておると私は考えておるのであります。  そこでこの際付帯決議の内容について若干お尋ねをいたしておきます。それは付帯決議の第一項に「政府はへき地における教育の実情を正確に調査把握すると共に、中央教育審議会等の適切な機関に諮問し、へき地教育に対する総合的恒久的振興策を樹立すること。」これが第一項にあげられておるわけであります。これに対してどういうふうな措置をとつてこられたか、お尋ねをいたしておきたい。

寺本廣作日本民主党文部政務次官

○説明員(寺本広作君) 二十九年の五月の二十日に御決議になりました当委員会の決議の御趣旨に沿って文部省としては僻地教育の振興に関する方策を具体化しつつあるわけでございます。その第一項に、中央教育審議会等の適切な機関に諮問して僻地教育に関する総合的恒久的振興対策を樹立するようにということが書かれております。この趣旨に沿いまして私の方では中央教育審議会に諮問をいたしましてその答申を得ております。今年度予算並びに明年度予算によりましてこの答申の趣旨を漸次具体化していきたいと、こういうふうに考えております。答申の具体的な内容については局長からお答えさしていただきたいと思います。

緒方信一文部省初等中等教育局長

○説明員(緒方信一君) 中教審から二十九年十二月六日三十八回の総会におきまして答申が出ております。内容を簡単にかいつまんでし上げますと、第一項目は単式複式学級等の小規模学校は教育上も財政上も望ましいことでないので、これを町村合併等に即応してなるべく統合をはかつていきたい、そうしてそういう小規模学校の解消策というものを講ずることということが一つでございます。それからもう一点は、僻地教育振興法その他の制度に関しての国会の付帯決議の趣旨に沿って財政上、行政上の施策を講じていくこと。それからもう一点といたしましては、現行の僻地基準を再検討して合理化に努めていくこと。そのほか僻地教育振興の諸施策を実態に即するように行うこと。かようなことが内容となって答申が出ております。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 今の中教審の答申ですが、その総合という問題ですね。立部省は何らか御意見ございますか。統合ができるという実情にあるのか、町村合併によって僻地にある単式、複式の学校を統合するがよい、こういう意見のようですが、昨日の報告の中にも、そういう報告はほとんどなかったように思うのですが、そういうことが可能であるかどうか。

小林行雄文部省管理局長

○説明員(小林行雄君) この僻地にあります小規模の学校を統合する、これは大体分校になっておるのを本校に統合するということが多いわけでありますが、ただ現実の問題としましては通学距離等の関係あるいは通学の道路その他の関係等からいたしまして、なかなか困難な場合が多いと思います。しかし現実にこの分校から本校に統合することができるようなところでは、これは統合することが望ましい。ことに小学校は別といたしまして中学校等では生徒の体力もかなり向上しておりますので、そういったことができるものも相当あるわけでございます。ただ施設の関係から申しますと、文部省としてはそういった場合には、分校を本校に統合するような場合には、従来も国から補助金を出す対象にいたしておるのでございます。中学校の場合はそういたしております。ことに最近町村合併のために学校を統合するというようなことで、そういった計画をお持ちになるところも非常に多いのでございまして、従来はこれは優先的に取り扱うということで参つたのでありますが、ただ単に優先的に取り扱うということだけでは必ずしも十分でないのでありますので、本年度からこの補助金の配分の基準を改めまして、町村合併等の場合でこの小中学校を統合するというような場合には、保有坪数の関係で、従来それぞれの学校で持っておつた校舎の坪数を保有坪数に見ない、ただ過年度において国から施設の補助金を受けておる場合は別でございますが、それ以外の校舎の坪数は保有坪数と見ないで資格坪数を算定するという方法を考えたわけでございまして、本年度の補助金の分からはそれを実施することといたしております。なお小学校等の場合には、現在これが中学校と違いまして一般的な分教施設整備ということもございませんのでできませんが、この小学校の場合等につきましては、来年度の予算等でできるだけ中学校と同様な処置が行えるように努力いたしたい、こういうふうに考えております。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 今の問題ですね、派生的にお尋ねするわけですが、統合する場合には保有坪数を基礎として補助を出すのじやなしに、そういうものがないものとして、新しく作るものとして補助を出す、こういうことですか。

小林行雄文部省管理局長

○説明員(小林行雄君) たとえば二つの学校がございまして、その二つの学校を統合して一つの新しい学校を作るというような場合には、今までの二つの学校は要らなくなって新しい学校を作るということになるわけでありますが、それぞれの二つの学校にあった坪数は保有坪数として計算しない、ゼロとして計算して新しい学校の資格坪数を算定する、ですから新しい学校の生徒数掛ける一人当りの基準坪数ということでございます。ただ過年度に、統合されるそれぞれの学校で補助を受けておつた部分の坪数につきましては、これは過年度補助の建前から差し引くということにいたしておるわけでございます。ただ、ただいま申しましたように、その計算方式をとりましたのは中学校でございます。

吉田萬次自由党

○吉田萬次君  関連して。ただいまの御答弁を伺いますると、統合というものができるようなお考えを持っているようですが、これは机上のいわゆる空論であつて、実際われわれが調査してきた点から考えますと、統合などということはこれはでき得ないものだと思うのです。そこで文部省当局はこれが統合できるというお考えを持っているのかどうかということです。たとえて申しますと、町村の合併ということを言われましたけれども、町村の合併は、いわゆる相当な産業が発達しておるところの統合合併というものでありましたならばそれはよいでありましようし、またそういうことも実現できるでありましょう。しかしながら寒村僻地の方面へ参りますと、われわれの視察の範囲内におきましても、四里四方に学校が一つある、分校が一つある。しかも中学校三人小学校三人というようなところで、学校は三年ごとに移動しなければならない。まあこれは別といたしまして、元来山間僻地の町村というものは広大な地域を持っておりまして、統合などということは、人工的に考えてしなければならぬというならばとにかくとして、私は容易な問題ではないと思うのであります。従ってかような僻地教育における話題に上る学校というものはすべて僻地に存在しておつて、統合などということに対して整理ができないものだと私は考えますが、当局としては、統合はできる、また統合すべきものであるというようなお考えを持っているのですか。

小林行雄文部省管理局長

○説明員(小林行雄君) ただいまお話しがございましたように、僻地等の小規模学校はこれはただいまお話しのございましたような地理的な条件等から、これを人為的に統合させていくということはこれは非常にむずかしいことだと思っております。ただ先ほど私が申しましたのは、この町村合併促進法によって新しい新市町村計画というものが出て参りますが、その新市町村計画に具体的な問題として乗つて参りましたものについて措置する、何らか財政的な援助をし得るように措置するということでありませんと、この学校の統合ということが基礎になって新市町村計画ができているところもございますので、そういったものを阻害しないようにするというのがやはり町村合併を促進する一つの援助になろうかと思っております。従って先ほど申しましたように、新しい新市町村計画に乗つた具体的なものについて財政的な裏づけをしようというのでございまして、この統合を本筋の原理的な建前から促進しようというのでこの施設の補助をやろうというのではございません。ただ中にはこの山間僻地のものでもあるいは統合もでき得るものもあるのではないか、こういうふうにまあ一応考えております。

吉田萬次自由党

○吉田萬次君 やはり私は容易な問題ではないと考えます。私は統合ということを、かりにそういうふうなことを考えてみるということであったならば、少くとも中学校に対する統合ということはまだ実現する可能性があるようにも考えられますが、しかしながら、中学校というものに対して統合ということを考えたならば、やはり私はそこに寄宿舎の必要を認めなければならぬ、相当な体力を持ち、そうしてまた年齢に達しておる子供が寄宿舎の生活というものに対してそれが可能であるという立場において考える場合に、私は中学校ならば適当かと考えます。従って中学校というものだけでもそういうふうなことをしてもらえば非常に私はけつこうなことだと思っております。従って中学校というものに対する考えから、寄宿舎を作るというような御意思はありますかどうですか。またそういうふうなことは予算に計上せられる可能性があるかどうか。

小林行雄文部省管理局長

○説明員(小林行雄君) 実は前に僻地につきまして、ことにまあ積寒地帯の僻地につきまして、冬季の分校、冬季分校の中学校の寄宿舎というものの要望を実は調査したことがございます。ところが当時いろいろこういった援助的な関係もなかったせいか、非常に実は希望が少かったわけでございます。本年度ではその冬季の分校の寄宿舎についての予算措置は現在のところまだ考えておりません。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 小林局長の話で、これは町村合併を促進する意味において考慮されている問題で、中教審が答申している僻地の分校を統合したらよいというのとは大分私は意味が違うと思うのですがね。それを僻地教育の振興という面から統合問題を今のように説明されると若干食い違つてくるのじゃないかというふうに聞いておつたのですがね。まあそれはそれとして、確かに実情は統合できない実情にあるのが私は僻地教育の実情じゃないかと思いますので、その点は今吉田委員からお話しがありましたように、それは僻地の分校を統合するということは実際上、もう困難な場合が非常に多いと思う。従ってこれをもって僻地教育振興の一つの対策であるというふうに考えることは私は間違つておると思うのですがね。そこで質問を私前に戻しまして、中教審に諮問をしてその答申を受けた。そこで政府としてはどうしてもこの総合的恒久的振興策というものを立ててもらわなければならぬ段階にきておると思うのですが、どうですか、この点。政務次官次期国会において、そういう総合的な振興策というものを次期国会までに樹立して、そうしてそういうものを予算が必要なものは予算を計上するとか、そういう方策はとるお考えをもって進めておられるかどうかお聞きしたいと思うのですが。

寺本廣作日本民主党文部政務次官

○説明員(寺本広作君) 総合的な僻地教育振興対策を次期国会に出すかというお話しでございますが、中教審の答申にも見られますように、国会で御決議になりましたことで問題の大部分は網羅されていると思うのです。中教審でもその点国会の決議の趣旨に従って財政的な措置をとるようにという答申をいたしております。この答申がありまして以来、本年もうすでに予算として各項目について頭を出してきているわけでございますが、私どもとしては本年度で足りなかった点をさらに来年度も予算に組んで要求をしたいと思っております。特に単級複式学校の教育課程作成に関する経費であるとか、それから僻地教員の臨時養成に要する経費であるとか、それから小中学校の教職員の寄宿舎建築補助であるとか、それから集会室の整備であるとか、特殊勤務手当などは本年度の予算ではなお不十分であると思いますので、明年度にさらにそれを増額するように要求したいと思っております。なお僻地教育の関係でスクール・バスとか、それからいろいろのラジオその他の社会教育をやるために必要な補助予算を本年度要求しましたが、実現しておらん部分もございます。そういう僻地教育充実費補助に必要な経費を来年度はぜひ一つものにしたいと思っております。そういうことで逐次この僻地教育の振興の方策を具体化して参りたいと考えております。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 今のお話しになつた内容では、やはりこの参議院の付帯決議の趣旨というものは相当重要な点において、はずれておると思うのです。中教審の答申の中にもありました一つは僻地の指定基準ですね。これを合理化しようという問題が一つあるわけなんです。それから付帯決議の中には僻地学校に勤務する教職員のいわゆる僻地手当というのですか、そういうものも不合理である、こういう点についても増額をはかるようにしてもらいたいということがあるわけなんですが、まずとの僻地の指定基準ですね。これはきのうの報告を見ましても相当に問題があるようであります。この問題については私が聞いておるのでは人事院が昨年の夏でございましたか、一応の案を作つてそれを各省に回付し、各省の見解を求めておるということを聞きました。その案の内容は詳しいことは私は知りませんが、むしろ教育という立場に立って作られたものでないように私は考えておるのですが、やはりこの僻地教育という立場から文部省がこの指定基準について具体的な基準を考えて、その上で人事院と協議をする、あるいはこれを別個にとりはずして考えていくというふうな措置が必要であるように思うのですがね。この指定基準の問題についてどのようにお考えになっているか、お聞きしたいと思います。

緒方信一文部省初等中等教育局長

○説明員(緒方信一君) ただいまお話しのように、僻地の指定の基準はこれは御承知のように国家公務員に対しましては官署指定でその基準はきめられております。昭和二十四年に大蔵省が主管しておりました当時にきめられた基準が今日まで動いておるわけでございまして、これはもう御承知の通りいろいろな条件が掲げられております。各府県におきますその僻地指定の基準でありますが、これは僻地手当を出すその地域、もちろんこれは官署指定も同じでございますけれども、今お話しのように教育の関係は国家公務員と違いまして相当広く教員が勤務をし居住をするわけでございますので、その広い範囲を指定する必要がある、従いましてこれは僻地手当を一般給与として出す関係でございますから、給与をきめるためには府県の条例でこれをきめる、府県の条例で大綱をきめまして、そうしてあるいは教育委員会の規則等で最後的にきめる、これが実情でございます。従いまして、そういうことでございまして、現在では国家公務員の僻地の官署指定の基準に大体準拠はしておりますけれども、しかしやはり各県とも教育関係の特殊性に基きまして、それよりも大体まあ上廻つた範囲の指定をやつておるのが実情のようであります。ただしかし、これは各県によりまして非常にまちまちでありまして、相当広く指定しているところもありまするし、まあそうじゃないところもあるという実情で、これは御指摘のように特に教育学校関係としましては特別な何か基準を作るべきであると私どもも考えるわけでございますけれども、しかし全国の実情をどの辺に線を引くかということはなかなかむずかしい問題でございます。人事院の方で考えられているという点もあるようでございますけれども、今お話しのように、私どもとしましてはできるならば教育関係につきまして、学校関係につきまして別の基準がきめられるならばと思って実は研究を進めておりますけれども、これは非常にむずかしい問題でございまして、なお結論の段階に至っておりません。今後とも研究を進めたいと思います。  それからなお手当の問題は、これは御承知のように昨年は単式、複式手当を予算上三倍に増額いたしました。三十年度の予算でこれを実現いたします。来年度の予算、これから大蔵省と折衝するわけでありますので、見通しはちょっと申し上げかねますけれども、僻地手当を二倍にして要求しました。これは極力実現したいと考えております。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 この僻地の指定基準というものを合理化するということは、これは言葉では非常に言いやすいのですが、実際問題として非常に困難な問題であるということは私もよく了解しておるところなんです。しかし今のように地理的条件と言いますかね、交通という面、これを基準におくということは大切なことでございます。しかしそれだけで人事院の基準というものは、大体それが主になってできておるようでありますけれども、教育の場合は相当な僻地のところでも近所にバス道路があるとかいう場合が相当あります。だから、もう少しこの基準設定の条件を、いわゆる文化的な面、あるいは経済的な面、あるいは社会的な面も考慮して、僻地の基準を設定するように考えていくのが妥当ではないかというふうに考えておるわけです。で、現在僻地の指定については各府県でやつておるわけですが、大体は人事院の定めた基準を、それを適用しておるというのが実情であると思うのですが、この人事院の基準というのがお話しのように官署指定でございます。従って教育とはだいぶおもむきが違うと思います。そういう意味でこの僻地の指定基準については、もう少し教育の実際上の立場からこれは一つ十分研究してもらいたいということを要望しておきたいと思うのですが、それから僻地手当の問題ですが、これは国の基準は最高千二百円ですね。それからまあ順次下つていって、最低は二百四十円になっていると思うのです。これはたしか六三ベースじぶんに該当する手当でないかと私考えているのです。あるいはもう少しベースの低いじぶんの手当に該当するのじゃないかと思って  いるのです。そういう意味から今の一万五、六千円ベースと、それから六三ベースじぶんの手当に据え置きされているというふうなことでは均衡がとれないと思うのです。そういう意味で、私はこの僻地手当というものを、むしろ地域給のように、まあベースが変つてくればおのずから変つてくるというふうな、給地といいますか、そういう分類の仕方をして、そうして地域給的な支給方法に改めた方が合理的にいくというふうに考えておるのですが、そういう点の御見解を承わりたいと思います。

緒方信一文部省初等中等教育局長

○説明員(緒方信一君) ただいま御指摘の点は、現在文部省としまして予算に組んでおります地域手当の額は、三十年度は最高千二百円であります。最低一級地が二百四十円であります。二百四十円から千二百円まで、一級地から五級地に段階を分けて予算を組んでおります。しかしこれは国でこういう基準をきめたというわけではありませんので、これは国庫負担法の原則に基いて国が負担するその基礎になる予算の組み方でありまして、地方で支給されますならば、支給されました額の二分の一は国庫が負担をするということになります。で、ただいま御指摘の点で、現在の国できめております額はもっと低い額であります。ずっと前の二十四年度にきめました額がそのまま残つておりまして、最高七百五十円でありますか、それじや困るというので、各県はそれを上回って出しておる、まあそうじゃない所もありますが、実情としましては相当の額を出しておる所もありますので、文部省としましては、その半額を国庫が負担をしていくことができるように、それに応じ得るように、最高千二百円、最低二百四十円という金額で予算を組みましたわけであります。来年度はこれを先ほど申し上げましたように二倍にいたしまして、五級地は二千四百円、一級地は四百八十円という基準で予算要求をいたしたいと思っております。それからなお今お話しの本俸に対しまする率で出してはどうかという、定率で出してはどうかという御意見でございますが、これも研究問題だと存じます。ただちょっとこれは個々の私見でございますけれども、僻地の学校に、まあこれはその土地に住んでおつて家を持っておる先生がその学校に勤めるということであれば別でありますけれども、なかなかそうは参りませんから、遠隔の地からその僻地に来てもらつて、そこで落ちついてもらうということになると思います。その場合、果して給与の額によって手当の額が差がついた方がいいかどうかという問題、あるいは高給者でも、そうじゃない人でも、あるいはそういう特殊な事情からいたしまして、同じ金額でもいいじゃないかという考え方も一つあるかと存じます。本俸に比例して僻地手当の額を出すべきかどうかという、これは考え方の問題が一つあるだろうと思います。一般の官署に国家公務員として勤務します者は、まあ大体数も少いことでございますし、その附近の人が勤めるということもできると思いますが、学校の先生はなかなかそう参りません。遠方から呼んでこなければならない。であれば、まあ一応定額で出した方がいいんじゃないかという考え方も成り立つかと思います。これはちよつと私思いつきでありまして、いろいろ問題がありまして、これは研究いたさなければならぬと考えております。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 きのう文部委員会調査室の方から配つてもらいました資料の中に、各府県においてはどの程度の僻地手当を出しているかという表がございます。その表を見ましたら、最高の千二百円を出しているところは、遺憾ながらこの表にはないのですが、私も全部にわたって調査をしておるわけではありませんが、少くともこの表では、九百円が最高ということになっております。ですから、国の最高の基準である千二百円を出しておる所は実際上ないんじゃないかというふうにも思われるわけであります。それから最低の基準ですね、これは二百四十円ということでありますが、それ以上に出している所もありますが、岩手にしても宮城にしても、それから富山、石川、長野、こういう所は百八十円と下回っているわけなんです。それで私先ほど申し上げましたように、この国のきめている基準自体がもう時代に適応していないと思うのです。これはもう今のベースからいえば、あまりにも低額になっておるということです。これをかりに二倍に引き上げても、今のベースに応ずるような額には私ならないと思います。そこでやはりこの際は定率と申しますか、地域給的な、ああいう給与を基礎にした僻地手当を出すようにしておく方が相当優遇されるんじゃないかというふうに考えておるわけです。そこで今局長ちょっと御意見がありましたが、その御意見ももっともな点があります。けれども、まあ相当の給与をとつておる人は家族もありますし、家族をそこへ連れていくかどうか、これは大へんな問題です。まあそういう施設のない所は、家族は家族で別な所へ置いておかなければならぬ、本人だけが行かなければならぬという二重生活も起つてきますし、やはり私はそれは僻地の教育に従事するという点からいえば、高給者も若い人も同じ苦労をしております。けれども、その生活内容を考えると、やはり家族が相当あるということになると、それは経済的負担もさらに増加してくると思います。そういう意味から、それから僻地手当を合理化するといいますか、その時代に即応する、そういう意味からも定率にした方がいい、こういうふうに考えておるんですが、この点については十分私考慮してもらいたいと思います。

吉田萬次自由党

○吉田萬次君 私は前回視察に参りまして、そうして感じたところで重要なことが文部省において考えられておらないという点が一つあります。それはただいま政務次官からお話しがありましたあらゆる方面において、多少なりとも補助金が出、その道が開けておるように考えますけれども、私が感じましたのは、いわゆる児童の保健管理の問題であります。この問題は文部省としても、いまだかつて、取り上げられて、これに対する補助あるいは何らの方針というものが立っておらないように考えるのであります。これはきわめて重要な問題でりまして、その手つとり早い方策としては、私は養護教員というものを、せめて本校に一人ずつ配置してもらいたいということであります。無医村ということはよくありまするが、今日大きな村になりますると、あるいは無医村というものはないかもしれませんけれども、無医部落というものは私は現在あると思います。元来医者というものがなぜそういう村に定住しないかということは、結局自分の子弟というものを教養する上において非常に困難であり、そうして将来の見通しというものに対して悲観的観念を持って、そうしてそういう所へ定住しないのだろうと想像いたします。従って無医村というものがあるのは私は当然であるということを考えました場合、医者のない村に対して、そうしてその学校の児童というものを見るということから考えますると、どうしても養護教員の必要ということは私は痛切な問題だと思います。ことに私どもが山間僻地の学校へ行ってみますると、学校の生徒というものがトラホームに非常にたくさんかかっておる。トラホームの罹患率が非常に高い。また回虫というようなものに対する観念も持っておらないし、また回虫を持っておる者がたくさんある。従ってわずか三十五人や四十人の一つの学校において、ほとんどが回虫患者であり、しかもどうかというと、校長の話によりますと、そのうちの二、三という者は必ず毎年盲腸炎にかかる。回虫によって盲腸炎にかかるというような実例を聞かされましては、私はかような方面に重大関心を持ち、そうしてその方途を講じなければならぬと考えます。ことに私は結核については、結核は都会においては慢性伝染病として罹患率も割合に少いだろうと思いまするけれども、結核の処女地におきまして、狭い所におきましては、これは急性伝染病に属するものでありまして、一朝一人の患者が結核のない所へ来て、そうしてそれを伝播させまする場合においては、全村こぞつて結核に罹患するおそれがあり、またそれに対する非常な恐慌を来たすということは、これはあり得ることと考えまする点から見て、私は養護教員の必要というものを痛切に感じて参りました。この点から申しますると、私はせめて本校に一人の養護教員を置いてもらいたい。しかも養護教員のその俸給というものがどういうふうに支払われておるかということは私は存じませんが、これに対してあるいは負担率というものも考慮していただいて、そうしてぜひ昭和三十一年度から予算に計上せられて、その実現がしてもらえるように取り計らつていただきたいということを考えまするが、文部省当局はどうお考えになっておられますか、承わりたいと思います。

寺本廣作日本民主党文部政務次官

○説明員(寺本広作君) 二十九年の当委員会の御決議の中には、確かに巡回検診ということをあげられておりまして、学校の健康管理の適正な実施をはかるようにということをうたつてございます。僻地の学校の所在いたしまする部落で一般住民の保健問題にもいろいろ問題があると思いますが、そこの児童の健康管理について特別の措置が現在とられていない、その点が抜けているではないかという御指摘、確かにその通りでございます。ただ、ただいま吉田委員からお話しの養護教諭を置くようにということにつきましては、現在あの養護教諭を置かれますと、その給与の点については半額負担の法律が適用になります関係がございますので、養護教諭をできるだけ本校に置くようにという今の御趣旨に従って、行政指導でこういう僻地の学校を持っておるところの本校には、できるだけ養護教諭を置くように行政指導を加えていくということで御指摘の趣旨を達成するように努力していきたいと思っております。

吉田萬次自由党

○吉田萬次君 もう一つ、私は感じたことがあるのでありまするが、それは僻地の小中学校の集会室の問題でありまするが、これはなるほど予算も計上せられておりまするが、きわめて軽少でありまして、本来の目約というものが達せられるかどうかということに対して、すこぶる私は疑念を持っておるのであります。集会室というものは、簡単に考えればそれほどのものではないようでありまするが、実際僻地へ参りましての集会室というものは、ただ単に学校における集会室というのみでなくして、社会教育の方面から申しましても、また今度の新生活運動の点から考慮いたしましても、きわめて重大であり、これが非常に文化の方面から考えましても、思想上の問題に及びましても、すべての点から勘案して非常に必要なものだと思うのであります。ことに何ら公衆の娯楽機関がないというような点から考えましても、この集会室に対する利用というものは、私は相当に大きく評価せなければならぬと考えますによって、この集会室の建築というような方面のことにつきましては、万全の策を講じて、そうして僻陬の土地におけるところの国民というものも、この文明の因心奥に浴せられるように方策を立てる上から、何とか非常な英断をもって増額をしてもらいたいと思いまするが、どういうふうに考えておられまするか、当局の御方針を承わりたいと思います。

小林行雄文部省管理局長

○説明員(小林行雄君) 僻地の学校で集会室を作る、この趣旨はただいまお話しのございましたように、文部省としましては、これはもちろん学校の施設ではございますけれども、学校の屋内運動場的なもの、また学校の集会室として利用するだけでなしに、その僻地の町村あるいはその部落で社会教育の施設として、また青年教育の施設として大いに活用するという意味をもちまして、一石二鳥も三鳥も実はねらつてやつておるつもりでございます。ただ予算のワクの制限がございますので、思うほどの金額は年々計上されておりませんけれども、来年度はある程度これをさらに二倍、三倍の増加をさせたいということで、現在大蔵省の方にも説明をいたしておる次第でございます、

笹森順造日本民主党

○委員長(笹森順造君) ちょっと荒木君に申し上げますが、先ほど御要求の人事院から、人事院給与局の次長の慶徳君がみえておりますから、それを御報告しておきます。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 今、健康管理の問題がございまして、吉田委員から非常に熱心な御要望がございました。これに対しまして政務次官は、行政措置によってできるだけ養護教諭を置くようにしたい、こういう意味の答弁であったと思うんですが、行政措置で僻地に養護教諭を置けるようにできるのかどうか、今の実情は、むしろ養護教諭というものは全体的に減つている傾向がある。それを僻地には、少くとも本校には一人の養護教諭を置くということが行政措置でできるのかどうか、非常に心配するわけですが、この点重ねて一つ御答弁願いたいと思います。

寺本廣作日本民主党文部政務次官

○説明員(寺本広作君) お話しの通り、吉田委員からのお話しは、分教場に置くというようなことでなく、本校に置くようにというお話しだったと思います。

吉田萬次自由党

○吉田萬次君 せめてですよ。

寺本廣作日本民主党文部政務次官

○説明員(寺本広作君) 本校であれば、分校よりもまだその可能性がありはしないだろうかと、こう思います。こういう問題の重要性が、こうして委員会で取り上げられておる際でございますし、だんだんこういう問題についての認識も深まつていくことでありましようし、私どもとしては本校に養護教諭を置くように行政指導を加えていきたいと考えております。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 次に研修の問題です。

高田なほ子日本社会党(第四控室・左)

○高田なほ子君 ちょっとその前に関連して、僻地の健康管理の問題ですが、特に離島も僻地の一つに考えて質問するのですが、離島における健康管理の問題というのは、実際には非常に劣悪な状態に置かれておるわけです。たとえばお医者さんがおらない。それでそこにはまた一人の養護教諭もおらない。保健婦もいない。こういうようなところは大体子供の体位が一般に低いし、また社会環境の中でも衛生という問題が全然閑却されている。かような、私どもから考えれば、むしろそういうところにこそ養護教諭が特別な行政措置で配当されて、その子供の健康管理が行われるということが望ましいのでありますが、現在の法規では今の御答弁のように本校だけでも置きたいというが、しかしその本校自体がわずかに三百名なり五百名なりというような、そういう離島では行政措置にすら漏れていく、こういうことが一つ。  もう一つは、実際に私は休み中に八丈の島を視察してきたわけですが、こんなところにはなかなかその養護教諭自体も喜んで行き得ないという現実的な問題が存在するわけです。しかし島民全体の強い要望としては、一人でもいいから養護教諭を置いてもらいたい。そうして巡回によって少しでも救われてほしい。非常に熱烈な要望があるわけですが、これは単に八丈島のみならず、伊豆七島、そのほか日本周辺にある島嶼における一般の問題として、かなりこれは重要な比重を占めているように思いますが、こういう現実の問題に対して、いかなる行政措置を特別に講じられるのか、ただ今の本校にだけ置くという御答弁だけでは若干食い足りないようなものがありますので、この点についても御親切な御答弁を願いたいと思います。

寺本廣作日本民主党文部政務次官

○説明員(寺本広作君) 高田委員が八丈島にお出かけになつたという話を新聞で拝見しておりまして、いろいろ問題があったというふうに伺つております。先ほど吉田委員のお尋ねに対しても申し上げたわけでございますが、一般住民の健康保健問題についてもいろいろ問題のある僻地で、児童の健康管理については特に問題が多かろうというふうに申し上げたのでございますが、そう申し上げましたのは、実は一般住民の健康問題にも非常に問題があるようなところでは、医者もなかなか行きたがらんし、普通の保健婦さんなどもなかなかこの配置のむずかしいところだろうと思います。普通の養護教諭の待遇をして果して希望者があるかどうかというようなところにいろいろ問題が残つておると思います。結局こういう問題はぎりぎりのところはこういう問題について非常に認識のある、教育に熱意のある方の積極的な御協力に待つべきものが非常に多いのじやなかろうかと思います。私どもとしてはこういう僻地の学校の本校に養護教諭を置くようにと、行政的に指導を加えて参りたいと思いますけれども、結局のところは現場でそういう熱意を持っておられる人を見つけてお願いするということに非常に期待がかけられるのじやなかろうかと思います。結局こうした僻地教育の問題がだんだん表に浮かんで参っておりますし、皆様の御尽力で世間の認識も深まつて参っておる際でありますので、この際文部省としてそういうことをお願いいたしますれば、従来よりも効果が上るんではなかろうか、こういうふうに考えておるわけでございます。

高田なほ子日本社会党(第四控室・左)

○高田なほ子君 続いてこの際ですからお伺いいたしますが、国内にある島嶼関係の何といいますか、学校といいますか、島嶼関係の中でどのくらいのパーセンテージで養護教諭が置かれておるものか、私はそういう点をあらかじめ承わつておけばよかったのですが、この際ですから……。

緒方信一文部省初等中等教育局長

○説明員(緒方信一君) ちょっとここにその資料を持っておりませんが、よく調べてみたいと思います。ちょっとただいまございません。

高田なほ子日本社会党(第四控室・左)

○高田なほ子君 要望ですが、島嶼関係のそういう保健管理がどんなふうに行われ、健康管理がどんなに行われているか、そういうようなデータも文部省の方では多分お備えになっておると思いますので、ぜひこの期間中に拝見させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

緒方信一文部省初等中等教育局長

○説明員(緒方信一君) その御要求に答えられるような資料があるかどうか私ちょっと存じませんので、よく研究いたしまして、その上で……。

安部キミ子日本社会党(第四控室・左)

○安部キミ子君 私が今度視察に行きました中で、最も印象的だった僻地の実態をこの前竹下さんから報告がありましたけれども、ここでもう一度事例をあげて皆さんに御認識いただきたいと思います。それは飛騨の山中の吉城郡河合村の保、これはたもっと言っておりますが、中学校、小学校一帯でありまして、戸数は百戸足らずの寒村でございます。そういう中で親たちが子供に教育しなきゃならないという熱意は非常なものでありまして、私はその点心から歎きもし感謝もし、また頭が下つたのであります。で、どういう実態かと申しますと、時には零下二十度以下も下るという、いわゆる海中の孤島といってもいいくらいな村でございますので、交通の不便でございますことは先ほどいろいろの事例がございました例に漏れないのでございます。従いましてお医者さんも十分でないということで先生のお子さんが病気になられて、むだに命を捨てられたというような事例もありましたが、この村の人たちの父兄はどういうふうにPTAの働きをしているかと申しますと、その村で予算を薪炭費として年に二万円組んでいるそうでございます。しかし寒いところでございますから、こればつちの予算ではとうてい暖をとることはできません。従いまして各戸がそれぞれの立場で薪炭を供給しております。金額を見積りますと十七万円になるそうであります。そのほかに水道の修繕費とかあるいはガラスの修繕とかというものを入れまして、これは現金の命がPTAの負担で十七万円になる。そういうことになりますと現金の十万円と薪炭の十万円ということになりますと、三十四、五万円の金がわずか百戸の父兄の負担になっておるという実情であります。で、三十四、五万円の金といいますと、この人たちには相当な負担でありまして、計算しますと一戸あたり何ぼになりますか、その点――三千五百円、こういうふうな実情にあります。で、ほかに現金収入のないところでありますし、まあことしあたりは、かろうじて米がよくできておりますので、私も心が暖まるような気がしまして、これは天の恵みだ。私たちも来て大へん、少しはまあ気持のいい感じがしたのでありますけれども、別に大きな金持というような人もおりませんし、まあ零細な中からこの血の出るような金をこういうふうに負担しているということは、私は日本の立場の、教育の将来から考えましてもこれではいけないのではないかと、こういうふうなPTAの負担というものも、この教育予算の中に全体として文部省は考えて、今後の補助金とかあるいは交付金とかというものに勘案してもらわなければいけないのではないか、先生たちの負担はもちろんでございますが、このPTAの負担というものを十分考えてもらいたいと思います。でこれに対してさつそく局長さんにお尋ねしますけれども、何かいい考えがあるでしょうか。お尋ねしたいと思います。

緒方信一文部省初等中等教育局長

○説明員(緒方信一君) PTAの負担が特にお話しのような僻地の、非常に父兄の数の少い、児童生徒の数の少い学校において特に多くかかっている。こういう実情があるというふうなお話しでありました。これはまことにお気の毒であります。文部省といたしましては、それは全般的に申しましても、PTAの負担を低減化します方向におきまして十分効果をおさめていく努力をしなければならぬと思います。ただ、今具体的にお話しになりましたような薪炭費等につきまして、文部省が補助していくという道はまだございません。ただ昨日の御報告も私承わつておつたのでございますが、特に僻地の方に、たとえばまあ教材費とか、あるいはそのほかの教育振興法に基きます補助金を優先的に流すようにという御要求が各地であったように承わつたのでございますが、さような点におきましては、私どもも十分考えておるのでありまして、これはまあ具体的に申しますと、県の教育委員会が各学校に対しまする割当をいたすのでありますが、多くはそうでございますが、まあ町村へ直接いくものもございますけれども、そういう場合に文部省から通牒を出しまして、僻地の方を優先的に考えるようにということは申しておるわけでございます。現在の補助金等の操作等におきまして、少しでも僻地の学校の教材費等によけいにいくように、そうして負担が低減になりますようにということは考えていきたいと思います。

安部キミ子日本社会党(第四控室・左)

○安部キミ子君 私どもが参りましたときに、ちようど県の教育委員の方が同席でございましたので、県はこういうふうな実態を放つておくのか、何とかいい方法ができないものかということを私は申しました。そうしましたら、県の教育委員は、県ではここの村には特に目をかけて援助しているんだけれども、それにも限度があるんだと、県がある程度このデータを出されまして、このように援助しているけれども、それより以外にこうふうなことが実態であるということを言われておりましたので、私はこういうことになりますと、やつぱり国が責任を持たなきやいけないんじゃないかというふうに考えるのでございますが、先ほどの御弁大へんけつこうなんでございますけれども、まだはっきりどうこうする、たとえば予算をこういうふうに大蔵省の方へ申請したというふうな、はっきりした答弁がないようでありますが、どの程度に来年度は考えておいでになるか、局長さんに聞きたいと思います。

緒方信一文部省初等中等教育局長

○説明員(緒方信一君) ただいま私申し上げましたのは、僻地に対しまするその助成のための予算としましては、先ほど政務次官からも概括的にお述べになりましたようなことでやつておるわけでございます。ただいま私が申し上げましたのは、そのほか一般的に、たとえば学校図書館の補助金とかあるいは教材費を充実するための負担金、あるいはそのほか理科の設備を充実しますための補助金、いろいろございまして、こういうのはやはり従来父兄の負担に相当かかっているという点も、ございまして、これらの予算の増額をさらに大蔵省の方に要求いたしまして、さらにまた、その配分の際にそういう僻地の学校に優先的に行われるようにということを県の方に私ども要望いたしておるわけでございまして、そういうことの実現によって、これが御指摘の点とは間接になるかもしれませんけれども、父兄負担を少しでも軽減していきたい、こういう努力をしているということを申し上げておる次第でございます。

安部キミ子日本社会党(第四控室・左)

○安部キミ子君 それに関連して、積雪寒冷地帯というものの取扱いですけれども、今までの陳情を聞きますと、決して満足ではないという言葉が大部分でありますが、この問題も今後新しい行き方で何とか打開するという案がありますでしょうか。

緒方信一文部省初等中等教育局長

○説明員(緒方信一君) これは積雪寒冷地帯に対していろいろ意見はあると存じますけれども、この問題になりますと、やはり給与一般の問題になって参りまして、人事院の方で主としてやつておる問題でございまして、いろいろ意見のあることは私どもも承知いたしております。私自体としては研究は進めたいと思いますけれども、制度といたしましては、人事院の方の問題でございまして、また委員の方の御意見も伺いたいと思います。

安部キミ子日本社会党(第四控室・左)

○安部キミ子君 よく聞えませんがね、言葉が小さいので。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 人事院の給与局長が見えておるようですから、先ほど私が文部当局に質問した問題についてお尋ねをいたします。その一つは僻地の指定基準の問題です。それからもう一つは僻地手当の問題です。で、僻地の指定についてはこれを合理化してもらいたいという要望が非常に強いのであります。文部委員会から視察せられた報告を聞きましても、そういう要望が非常に強い。これは現地の実情に即していないという点が相当あるのじゃないかというように考えるわけであります。この問題について人事院は、人事院の一応の成案というものがあつて、それを各省に配付してその見解を求めておるというふうに聞いておるのですが、どういう内容のものか私はよくわからない。一応骨子となる点を説明をしていただくとともに、特に私が申し上げたいのは、先般成立しましたへき地教育振興法の中に、僻地の指定をどういうふうにするかという点に若干触れておるわけです。それは第二条に「「へき地学校」とは、交通困難で、自然的、経済的、文化的諸条件に恵まれない山間地、離島」こういうふうに述べておるわけであります。僻地学校の場合は自然的条件だけでなしに経済的な条件、それから文化的な条件、こういうものを並列して、僻地の指定については考慮をすべきであるという内容のものになっておるわけであります。ところが現在の僻地指定は、大体学校の場合でも人事院の定められた基準というものを準用して各府県できめておるようでありますが、そういう意味で人事院が設定される基準というのは、非常に大きな影響を持っておるわけであります。ですからこの基準をきめられる場合、教育というものを非常に重く見て、その実情に合うように考慮されておるのかどうか、あるいはそういうことが困難であるから、僻地学校の問題は別個にその基準を立てた方がいいというようにお考えになっておるのか、そういう点をお伺いしたいと思うのです。  それから第二番目の僻地手当の問題ですが、これは私の記憶では、現在の僻地手当の基準は、三・七ペース当時の基準と変つておらないと思う。今日の一万五千円ペースとはあまりにもかけ離れておる。で、これを合理的にするためには、率計算にした方がいい、こういう考えを持っておるのですが、そういう点についての所見を伺つておきたいと思います。

慶徳庄意人事院事務総局給与局次長

○説明員(慶徳庄意君) お答え申し上げます。あるいは順序が転倒するかもしれませんが、まず第一に、僻地手当を支給するというわれわれの方の考え方の根本について申し上げてみたいと思います。荒木先生からただいま御指摘になりましたように、まあ何といいましても、僻地におりますというと、精神的不安が深いという面を伴つて参りますし、また生活の不便あるいは物価が高いというような点も、他の地域に比べまして比較にならない。さらにまた私ども人事行政を担当している立場からみまするならば、このような精神的不安あるいは生活不便、いろいろな悪条件のもとのところに、できるだけ優秀な人材を配置するということになりますると、まあ率直に申し上げまして、あまり行きたがらない。しかし少くとも政府の機関として、そういうところに置く必要がありまする以上は、でき得る限りその目的に沿う優秀な人材を僻地に回すという配慮をいたすことが、われわれ人事院当局として考えるべき当然のことであるというふうに考えておるのでありますが、そのような見地から僻地手当を支給するという考え方をとつておるわけです。従いまして文教政策を考えて云々というようなちょっとお言葉があったやに拝聴したのでありますが、私どもは間接的には文教政策にも関連を持つかとも考えられますけれども、まあもっと人事行政あるいは給与行政というような観点からいたしておりまするので、直接的に影響を持つかどうかということになりますと、若干問題があり、また疑念があるのではなかろうかというような感じがいたすのでございます。  それから第二の僻地手当の点数計算あるいは支給のやり方という問題でございますが、御承知の通り現在の一般職給与法によりますと九百円、月額九百円以内において支給するということになっておりまして、現在の実行はこれを五段階に分けて実行しておりますことも、おそらく先生御承知の通りであると思います。また先ほど御指摘のありましたように、現在の教員給というものが、二九ベースのときに作りましたのが基準でありまして、三七ベースというお話しがありましたが、三七ベースでなくて二九ベースのときに作りまして、その後にあれには八千円ベースのときでありましたか、一般のベースが二割程度アツプしたことがありまして、その二割程度アツプしたのに即応しまして、二九ベースを基準としたものに二割をアツプしたものというのが現在最高の九百円であります。従いまして私どもが先ほど申し上げた僻地手当を支給する根本の精神からいたしましても、わずか九百円という額そのものがあまりにも低位にあるということは率直に認めておるのでございます。従いまして、おそらく御承知と思いますが、人事院といたしましては、給与準則を国会及び内閣に対して勧告いたしておるのでありますが、この勧告におきましては、最高これに倍に増額いたしまして千八百円にしてほしいという実は勧告をいたしておるわけであります。はなはだ力足らずして千八百円というわずかの増額でありましても、まだ実現いたしていないという現在の段階であります。しかしながら私どもこのまま、じんぜん日を空しうしておるわけにも参りませんので、その後種々検討いたしまして、従来のものについて抜本的とでも称すべき改正をいたしたいというふうに考えまして、目下研究をいたしております。そのおもな要点について簡単に申し上げてみたいのでありますが、まず一つには、先ほど申し上げた金額であります。僻地手当の金額でございます。この金額も現在のやり方は、職務の級という制度が現在あるのでありますが、その職務の級なり上下なりの別なくいたしまして、九百円なら九百円という一本で現在いたしております。ところが御承知の通り勤務地手当であるとか、あるいは寒冷地手当のごときは、すべて俸給に比例するやり方を現在制度的にやつております。この僻地手当だけが、何か一律の単価というような格好でできておりますので、ここにも大きな不合理があるのではないか。従いまして従来の、いわゆる一律定額制というものを、職務の級に対応する定率制に改めて参りたい。しかも、この定率制に改めて参ります場合に、僻地の特殊的性格からいたしまして、その定率算定の基礎には扶養手当も入れることにいたしてやつて参りたい。また扶養手当を入れることによりまして、学校教育その他の問題、子弟の教育等にも関係いたしまして、よほど合理的になるのではないかという考え方を事務的にはとつております。  それからもう一点は、先ほども荒木先生から御指摘あった点でありますが、いわゆる指定の基準であります。これも二九ベースを作りましたままの基準を踏襲いたしておるのでありまして、まことに陳腐でございます。実情に合わない点が多々あることも私ども率直に認めておるわけであります。特に今までやつておりまするところの基準によりますると、島嶼に偏重するというと語弊があるかもしれませんが、島嶼に重点がおかれまして、内地における、文字通りの僻地の方が割方閑却されているかのごとき感がいたすのであります。島嶼の方も、また非常に重要であることは、もちろんそのように考えておるのでありまするが、だからといって、内地の孤島にひとしいがごときところを比較論として閑却することもいかがであろうかという点もあわせ考えまして、さらにまた先ほど申し上げた現在の指定基準を合理的に直して参りたい。その直し方につきましては、相当技術的な細かな点がございまするけれども、一応点数制というようなものを採用いたしまして、現在勤務地手当において、私ども率直に申し上げて、手を挙げておる一つの問題がありまするので、その指定の基準において、あまり何と申しますか、変なふうにならないように公平に持っていかねばならぬという観点から、点数制によるところの指定基準に改めて参りたい。  大へん大まかなお答えで恐縮でありますが、以上のように考えておる次第であります。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 今大体人事院の考え方というものを御説明を願つたわけでありますが、非常に大綱でございまして、細部についてはまた別の機会にお聞きすることにいたしまして、特に私は留意してもらいたい点は、先ほど申し上げましたように、この委員会で今われわれが考えておる問題は、僻地教育の振興という面からこの問題を一応考えておるわけであります。そういたしますと、やはり僻地教育の振興という立場に立って、僻地の指定等も考えていかなければならぬと思います。それだけでは人事院としては範囲が狭いということは私もわかりますが、しかし、この指定についてはやはり経済的な面、特に僻地というのは、これは経済的に貧困です。従って国が事業をやる場合は国費でやるわけであります。ところが教育の場合は、国費で補助のある場合もございますが、やはりその地方の負担が非常に大きいのであります。そういう意味で若干性格が私は違つてくると思います。そういう意味で僻地と貧困という問題を考え合せますと、どうしてもへき地教育振興法の中にあるこの地域の経済的な条件というものも考慮に入れてもらいたい。それからその地域の文化的な条件、そういうものを考慮に入れてやはり考えてもらわないと、国の事業に対する適当な人材を確保するという観点からだけでは、私は僻地教育の場合はそれだけでは十分でないような気もいたします。そういう点、これは要望になりますが、十分考えてもらいたいということを申し上げるわけであります。  なお、今僻地手当を廃していわゆる勤務地給あるいは寒冷地給のような定率に、定額から定率に移していく方が合理的である、私もまあそういう考えを持っておるわけなんですが、これはなんですか、いつごろ、あるいは国会に勧告するとか、そういう措置ですね、そういう措置についてはいつごろ、この問題についての公けな意思表示をせられるかですね、そういう点伺つておきたいと思います。

慶徳庄意人事院事務総局給与局次長

○説明員(慶徳庄意君) 実は現在のまあ紛争法の建前からいいますというと、細大洩らさず国会及び内閣に対して私どもの調査研究の結果を勧告し得るという権限がありまするので、僻地手当のみを単独にして勧告をすることも、実は法体系としても可能になっておるのでありますが、御承知の通り、従来からやつていますところの実際のやり方においては、いわゆる給与ベースの改訂とかあるいは地域給の改訂というような、積極的に、明確に明文化されているものに限定して勧告をいたしておるというような、これは御議論もあるところと思いまするが、やり方を実はとつておるわけであります。従いまして私どもの考えとしましては、僻地手当のみを単独に切り離しまして国会及び内閣に勧告をいたすというようなことは実は現在のところ考えていない次第であります。しかしながら私どもから言いまして、決してこれは軽い問題と考えておるのではございませんので、所詮私どもの案を実行に移すためには財政的な裏打ちが必要になって参りまするので、これはまあ事務的なことを申し上げて恐縮でありますが、もう予算編成期にも入っておりまするので、政府と、具体的に言いまするならば大蔵省当局と交渉をういたしておる段階でございます。従いまして最善の努力をいたしましてわれわれの案の実現をはかりたい、かように考えておる次第であります。

雨森常夫自由党

○雨森常夫君 今の問題に関連してですが、給与ベースに比例して出すように考えておる、変えるように考えておるというお話しなんですが、どういうふうな御研究の結果か存じませんが、私ちょっと考えつくことは、校長あたりになれば非常にまあけつこうだと思いますが、そういうことになると、今度少壮有為な教員が僻地へ行くことをいやがる、給与の関係で。というようなことがありはせんか、こういうふうに考えますが、その点はいかがですか。

慶徳庄意人事院事務総局給与局次長

○説明員(慶徳庄意君) 私若干説明が足りなかったかと思うのでありますが、先ほど申し上げましたのは、将来の体系の原則を申し上げたのでございまして、もちろん現在定額制によって支給しているものが現実にあるわけでございますから、この定額制で支給しているものよりもさらに低下させると、実質給与を低下させるというような考え方は毫末も持っておりませんので、そこをあくまでも、もしかりにそういうものがありました場合には現給を保障するというふうに持っていきたいと考えております。しかし大体の私ども今事務的に考えておりまする考え方は、結局支給の率をどの程度にもっていくかというこの程度の問題が、ただいま御指摘の問題に直接関係を持つ問題であろうと思います。で、私どもといたしましては、現在の定額を割るがごとき定率制はもちろん作りたくない、できる限り多くもっていくように参りたいという考え方でせつかく努力中であることを添えましてお答え申し上げておきます。

雨森常夫自由党

○雨森常夫君 現在の支給の基準額よりも下るということは、これはもちろんだれも考えることはないのですが、まあ多いほどいいわけなんですが、予算の関係もありますし、そう十分なことができまいと思うわけなんです、人事院でお考えになってもですね。そういうことを考えますと、これは比較の問題であつて、今私が言つたようなことは当然これは起るだろうと私は想像するわけです。その点をちょっとお聞きしたわけなんです。  それからもう一つ、ちょっとそれと別の問題なのですが、僻地指定基準を各県で委員会なりで条例できめておるようですが、これを全国のやつは知りませんが、私この間参りました地方では石川県がまだ県の条例が出ていない。従って非常に指定校が少くて二十二校しかない。これは各地を回りますというと、僻地の学校で先生方が非常にこぼしておられます。これは文部省の方でどういう、全国的にまだたくさんあるのですが、石川県に限るのですか、あるいはこういうことは困るので、文部省としては勧告をするとか何とかいうようなことはできないわけですか。

緒方信一文部省初等中等教育局長

○説明員(緒方信一君) 今お話のように、各県におきます僻地の僻地手当を出す基準といたしまして、これは給与条例できめております。給与条例は御承知のように県の条例でございまして、大体の県はきめておると考えております。ただ、まあ石川の例は私存じませんでしたけれども、若干の県にはまだ給与条例そのものができていないところがあるかと思います。私どもといたしましては、これは指導いたしまして、給与条例を作つてもらうようにやつておるのでありますが、なおその方向に一つ具体的にまた石川県の方の事情も聞いてみたいと思います。

雨森常夫自由党

○雨森常夫君 特に一つ石川県の方に督励をしていただきたいと思います。

高田なほ子日本社会党(第四控室・左)

○高田なほ子君 人事院にお尋ねをいたします。抜本的な僻地の手当の問題については改正をする、そのための指定基準が新たに設けられる、そういうお話しを今承わつたわけでありますが、これは僻地の実情というものをよほど勘案いたしませんと、僻地教育振興法の主なる目的に沿わないようなことも起り得るのではないか、このことのために、僻地の教育を振興させる目的をもって僻地の実態に即した給与を適正に支給するために、僻地の指定は今都道府県が指定の法的権限を持っておるわけです。そうしたせつかくの精神が、人事院が一本にぴしやりと基準をきめることによって不合理な点も出てくるのではないか、そういうことを私は一応危惧するわけでありますが都道府県に任されている僻地指定の法的権限と、人事院が一本で指定の基準をきめていくということ、これは少し矛盾があるような気がしますが、都道府県の指定の権限と人事院の基準決定とはどういうような関連を持っておるものか、その点を説明していただきたいと思う。

慶徳庄意人事院事務総局給与局次長

○説明員(慶徳庄意君) お答え申し上げます。  私どもの所管しております権限は国家公務員の中の一般職について権限を持っておるわけでございます。従いまして直接的には地方公務員には全然権限は持っていないわけでございます。従いまして私どもで基準を改訂いたしまして、これを人事院規則において制定するという方針なのでありますが、その私どもできめました人事院規則による拘束を受けまするものは国家公務員の中の一般職、正確に申し上げますと、一般職のうち公労法の適用を受けているものを除いた一般職というものに限定されることになるわけであります。ただ地方公務員の場合におきましては、地方公務員法に条項がございまして、先ほども御意見がありましたように、各都道府県ごとに給与条例を作るという建前になっておるのでありますが、その給与条例を作りまするときに、国の公務員との均衡を考慮してきめるというまことに抽象的な言葉でありますが、そういう条項がまあ一本あるわけであります。従いまして、府県が独自の立場において、給与条例を作る権限があるのでありまするので、私どもの方で作りました人事院規則の基準をどの程度まで独自の立場において考慮するかということはあくまでも都道府県自体、それ自体の権限であることは法制の建前からいって、はっきりいたしておると考えております。

高田なほ子日本社会党(第四控室・左)

○高田なほ子君 大体わかったようでありますが、しかし一般に給与上の原則としては、国家公務員の給与に準ずるということになってくると、相当に今度は人事院が指定される基準というものは、各都道府県の任意な権限を拘束する、現実として拘束する、こういうことがあり得る。従って私はそういうことはやはり人事院当局としても相当考慮に入れられた上で、各都道府県の自由な権限を拘束しない建前に持っていくべきだと私は思いますが、特にこれは僻地教育振興の場合において、荒木委員からの発言もただいまあったように、文化、経済の面が相当考慮に入れられなければならないというのは私が心配する点を考慮されての発言であったようですが、特にこういったような点について、人事院としては現在考えている以上の考慮を持つことはできないのかどうか、その点をもう一度説明してもらいたいと思います。

慶徳庄意人事院事務総局給与局次長

○説明員(慶徳庄意君) 国家公務員と地方公務員との関係は、あにひとり僻地手当のみの問題ではありませんので、本来の給与の問題からいいますると、本俸の問題、それから勤務地手当の問題、あるいは寒冷地手当の問題というようなふうに種々雑多なたくさんの問題を包含しておることは御承知のことと思うのでありますが、今御指摘にありましたように、地方公務員に実質的に直接的な影響を持つであろうということを十分考慮に入れて人事院案を検討してほしいというような御趣旨のように伺つたのでありますが、御指摘のように地方公務員の方の条文が若干ぼやけた条文にはなっておりましても、相当地方公務員に重大な影響を与えるという事実は否定できませんので、常に私どももその点は念頭に考慮に入れながら諸般のことを考えておるのであります。ただ先ほど申し上げたいろいろな基準につきまして、具体的にどうするかということになりますと、また中に突つ込んでいかなければわからぬことになるのですが、一般論といたしましては、地方公務員に対するはね返りということも十分私どもとしては考慮に入れて考えておるということを一応お答え申し上げておきたいと思います。

高田なほ子日本社会党(第四控室・左)

○高田なほ子君 そこで考慮に入れておきたいと考えておられるのでありますが、そういう点からいいますと、先ほどまた雨森委員の御質問に私も関連してひつかかっていきたいのですが、定率制に改訂いたしました場合に、教育上における影響はどういうものかというこれは非常に大きい問題だと思う。過般来本院でも僻地の教育実態を調査されておりますから、これはとくとおわかりの点でありますが、僻地における校長級あるいは教頭級、これはいずれも現地の出身者が多い。しかし現在行なっている教育の欠陥を補うためには新進気鋭のいわゆる優秀な人材を僻地に交流することなしには僻地教育の実際の振興をはかることはでき得ない。けれども優秀な人材を僻地に送るためには相当の考慮、つまり待遇上の考慮が考えられなければならない。ここに僻地手当というものの重大な教育効果をあげる上の意義を持っているのですが、定率制にして参りますと、今度はいわゆる土着の上級の方々は非常によい待遇を受けるが、現実に僻地教育の振興の役割を負い、しかも僻地についてはなかなか希望者のない若い層をここに導入するということは、はなはだしく困難になってくる。一面定率制のいいところがあるかもしれませんが、私ども教育という面から考えたときに、新進気鋭の人材をここに配置するために、果して定率制というものがよいものかどうかということは、私は相当問題が残るので、これは一雨森委員の疑義ではなく、すべて僻地の教育の実態を知るものにとつて、また憂えるものにとつて、やはり定率制というものについてのあり方が相当影響を持つのではないかということを考えますが、この点について国家公務員に準ずる給与上の権限を持つ地方公務員に対して、この定率制を特に特例をもって定額というふうに持っていくような、そういう意思はないのか、その点についてお伺いをしたい。それからあなたは僻地教育の場合に定率制というものがどういう影響を持つものかということについて、どれだけ実態の把握をしておられるか、この二点についてお伺いをいたしたい。

慶徳庄意人事院事務総局給与局次長

○説明員(慶徳庄意君) どうも前段の方の御質問は地方都道府県自体の立場において、いかに対処すべきかというような問題に絡んでおるようでありますので、どうも私の立場としてちょっとお答えいたしかねるかと思うのでありますが、ただ後段の定率制と定額制の是非、なかんずく少壮有為の人材を誘致するというような政策との関連から来る問題ということは、御指摘のように大問題であろうと考えます。従いましてたとえ定率制に持って参りましても、この定率制のきめ方ということも、その程度ということがまた大きな問題にならうかと思うのでありますが、ただ私ども考えております問題は、いろいろの点があるのでありますけれども、一つには一般の給与体系というものが本俸に比例するというやり方をとつているものとの、いわゆる給与体系上の問題が一つと、それからもう一つは現在定額制になっておりまするために、他面所得税の方におきましては相当高度の累進制になっておるというような関係からいたしまして、僻地手当として出しておるにかかわらず、少くとも僻地手当の部分がその意味において、税との関連においてまた一つのアンバランスができているというようなことをあわせ考えまして、できれば合理化いたしたいというふうに考えておるわけであります。

高田なほ子日本社会党(第四控室・左)

○高田なほ子君 これは私どもから考えるとさつぱり合理化でありません。合理化しようというならば、もう少し合理化する方法があると思いますが、一体人事院は、そうだとすると、合理化ということを言われるのでしたら、根本的な僻地の実態調査というものはどう人事院はしておられますか。

慶徳庄意人事院事務総局給与局次長

○説明員(慶徳庄意君) その辺になって参りまするというと非常にむずかしい問題でありまして、特に僻地であるがゆえにといいましても、これを金銭にいかに換価すべきかということになりますと、技術的にも立法的にも非常にむずかしい問題が出て参ろうと思います。私どもの方としましても、相当長く僻地手当の問題は取り扱つておりますので、随時僻地の実態というものは、出掛けましたり、あるいはいろいろ話を伺つたりして聞いておりますが、ただ問題がどの程度の金銭に換価するかということになりますと、みる人によって非常に議論があろうと思います。

高田なほ子日本社会党(第四控室・左)

○高田なほ子君 これは次長さんにここで質問を何してもらちがあかない点もあると思いますが、要するに、いろいろのほうから聞いたとか、見たとか陳情がきたとかというのでは、それは公平の僻地実態調査の上に立つたのではないということがわかるので、そういう公平な僻地実態調査の上に立つたこのいわゆる指定基準でございまするならば、まことにけつこうでありますけれども、特に教育面からみたこの僻地の手当の問題というのは、単に机の上からだけ考えられるのでなく、やはり文化地域の経済的な要素、教育的な要素、そういったようなものがからみ合つて、初めて合理的な公平な、しかも教育を振興する建前にのつとつた指定基準というものが考慮されなければならない。承わるところによれば、文部省はいろいろ御苦心の末に、現在僻地の実態調査に精魂を傾けているやに承わつています。しかもそれはまだ完成していないということも私は漏れ承わつております。そういったような文部省の献身的な実態調査がまだでき上らないのに、そういうようなものとは別個に、ただ金額だけきめればそれで人事院の仕事がすむというような、そんな血の通わないような答弁を私ははなはだ不満に思うのですが、どうか一つ文部省のこうしたせつかく国費をかけての実態調査が給与の面に合理的に反映しないならば、何のための実態調査であり、何のための人事院かというふうにも言いたくもなるので、どうぞその辺は私の今までの発言を勘案されて、十分に研究をされて、少壮有為の教職員が喜んで僻地に希望をもって僻地教育の振興に当ることのできるように具体的な、かつ合理的な方法が講じられることを強く要望してやめます。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 僻地手当の問題についていろいろ意見が出ておりますが、これは相当重要な問題ではありますけれども、まあいずれなお論議する機会もあると思いますので次回に譲りたいと思いますが、もう一つ研修の問題です。これは振興法の中にも研修については十分な配慮をするようにということがあるわけですが、私も個人的でしたが、夏休みに岐阜県の白川村に行きまして、あそこでいろいろ現地の人に会つて御意見を聞いた中に、研修の機会がないというのですね。ということはどういうことかというと、講習会とか研究会というのは、あそこでは飛騨の高山市において開かれる。ところがそこに行くのに往復のバス賃が七百円かかるというのです。ですからもう、一回行つたら僻地手当全額払つてしまつても足らぬぐらいになってしまう、実際上行けないというのです。そういう結果研修の機会はない、研修の意慾はあるけれども、そういう機会はほとんどないのにひとしい、こういう御意見でありました。私ももっともであると思うのですが、こういう研修の問題について、どういうふうにお考えになっているか、お聞きしたいのですが。

緒方信一文部省初等中等教育局長

○説明員(緒方信一君) 僻地教員の研修の問題、非常に大事であることば御指摘の通りでございまして、いろいろの学校の設備あるいは手当の問題等の整備をはかることも必要でございますけれども、一面僻地教育の内容を充実していくということが、非常に大事な問題であるということを私ども考えております。その意味におきまして、研修につきましては、これは毎年やつておりますことは、僻地教員の研修大会というものを、これは年に一回でございますけれどもやつております。それには全国から千五百名はどの先生が集まりまして、お互いの平素の研究の結果をそこで発表し合い、お互いに切瑳琢磨し、研修の機会をそこで持つという機会を作つているわけであります。これは全体が集まる会合と部会に分れまして研究する、そういうことでやつているのであります。そのほかにその僻地教育をどう進めていったらいいか、カリキユラムはどう組んでいくかといういろいろな問題がございまして、それにつきましては、研究指定校という制度を作りまして文部省が指定をいたしまして、そうして研究題目を与えまして、それを研究してもらい、研究ができましたならばそれを発表してもらう。発表には附近の学校の先生が集まつて批判し合うというようなことを一つやっていく。  それからなお、ちょっと御質問の趣旨と離れるかも知れませんけれども、単式、複式の授業のやり方等につきましては、憾に御不審がありますと、それも各教科別により、あるいは複式と申しましても、いろいろな組み合せの類型がたくさんございますから、そういうものに応じまして、その標準教科課程を作りまして、それを一つ十分に勉強してもらうといういうな意味で、特に来年度はこれを一つ力を入れてやつてみたいということで、予算を殖やそうと思っている次第であります。この面は割合地味な面でございます。冒頭私申しましたように、僻地教育の内容を充実していくという意味からいたしまして非常に重要であると考え、力を入れている次第であります。ただ御指摘のありました研修をやるについては、旅費等の問題は不十分でございましょう。ただ私どもといたしまして、国庫負担法の原則はあくまで適用になります。そういう旅費が地方で払われました場合は、それに対して二分の一の負担はあくまでやっていく、こういう建前でございます。ただいまは力を入れておりますことは、今申したような点でございます。

笹森順造日本民主党

○委員長(笹森順造君) 議事の進め方についてお諮りいたします。十二時三十八分になりましたが、いかがいたしましょうか、なおまだたくさんの問題が残ると思いますが、この際ぜひ御発言の主張のあらかたを特に簡潔にお願いして、昼の休憩に入りたいと思います。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 質問中ですが、そういう御発言があれば昼からで私いいのです。時間も過ぎておりますから。

笹森順造日本民主党

○委員長(笹森順造君) それでは午後は一時から開会いたしますから、正確に御出席を願います。暫時休憩いたします。    午後零時三十九分休憩    ―――――・―――――    午後一時四十五分開会

笹森順造日本民主党

○委員長(笹森順造君) 休憩前に引き続き委員会を再開いたします。  議題は僻地教育に関する件であります。御発言の方は御要求願います。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 大臣に対する質問はいろいろ総括してやるように了解していたのですがね。

笹森順造日本民主党

○委員長(笹森順造君) ちょっと速記をやめて。    〔速記中止〕

笹森順造日本民主党

○委員長(笹森順造君) 速記を始めて下さい。御質問の方は御発言願います。

高橋道男緑風会

○高橋道男君 午前の質問におきまして僻地の学校に養護教員を配置する、それも全部にはできかねるので、地方の状況も勘案して行政指導の上から、なるべくその本校にこれを配置するというような案を政務次官からお話しがございましたが、もう一応この見地を変えまして、学校の生徒児童の健康管理ということはまことに大事なことでありますが、さらに国民全体の健康管理ということも考えなければならぬと思うのであります。国民全般の健康管理ということになりますと、文部省あるいは教育委員会の手から離れるわけでございますけれども、やはり国民の一部としての生徒、児童というものは、これを含められることは当然でございます。そういうような上から、僻地におきましては学校もきわめて小規模であるし、またその地域社会も小規模なものでありまするから、その養護教諭というようなものを、もう少し見地を広げて、僻地の住民全体に対する管理ということも考えまするならば、学校ということに限らず、立場から申すならば、文部省から厚生省にでもお諮りをいただいて、そういう僻地の地域全般に対する国民の健康管理というような上から、何か指導をされるようなお考えにはできまいかということを考えるのでありますが。

松村謙三日本民主党文部大臣

○国務大臣(松村謙三君) 今もお話しでございますが、私も時間が許しませんので、ほんのわずかな所でありまするけれども、山形、岩手、秋田等の僻地を数カ所見て参りまして、目に立ちますのは佝僂患者が目立って見えることであります。こういうような点などにつきましては、お話し通りに、何とかこれはやらなければいけないと思います。文部省としても気をつけますけれども、やはり厚生省の領域に入りますので、お話し通りに一つ、厚生省ともよく話し合いをいたして措置をいたさねばならぬという感じを持って帰りましたが、まだ厚生省へは話しをする段取りにはなっておりませんけれども、お話しのように話し合いをいたして対策を講じたいと考えております。

高橋道男緑風会

○高橋道男君 押してお尋ねをしておきたいのでありますが、これも午前の政務次官からのお話しで、この養護教諭を置く場合には、地方で置きさえすれば、それに対するまあ半額国庫補助をするんだというような意味のお話しがあったかと思うのでございますけれども、そうするためには、置くためには国庫から半分いただいても、地方でそういう財源がなければこれを置けないというようなことになるわけでありまして、当然これは観念的にできることであつても、実際的にはできにくいというようなことになると思いまする点から考えましても、ぜひこれは国家の見地から広く国民健康管理というような上から、教育委員会あるいは学校というようなセクシヨナリズム的な考え方ではなしに、広い視野の上から検討をお進め願わなければならぬと思うのでありますが、午前中に言われた養護教諭に対する半額国庫負担というような点につきまして、どこまで文部省でそれでは、やつてやろうというような肚がほんとうにできておるのかどうか、これは局長さんからでもけつこうでございますけれども。

緒方信一文部省初等中等教育局長

○説明員(緒方信一君) これは義務教育学校の教員の給与負黒般原則に照らしまして、先ほど政務次官から答弁があったわけでございます。地方で設置されまして、そうしてその給与費が支払われました場合には、半額は国庫負担をいたすのでありますから、その国庫負担の予算を計上いたします場合にも、そのことは十分含まつておるわけであります。しかしながら、ただいまお話しのございましたように、主体は府県までありますので、府県財政が非常に窮迫しております今日、なかなか理想通りな増員というものはできにくい現状であります。これを打開しますためには、やはり地方財政の面におきまする改善措置が必要であろう、一般的にそう考えますと同時に、現在の交付税配分の基礎になりまする基準財政需要額の問題があると思います。これの算定基礎といたしまして、学校の教員数とかいろいろございますので、現在の単位費用の算定の基準では非常に不十分である。私ども年々自治庁とも交渉いたしまして、漸次これを改善するように努力はいたしておるのでありまして、若干の実績もあがつたのでありますけれども、これらの点につきまして、さらに今後私ども努力する面が残つておると思います。かようにいたしまして、国庫負担金と、それから一面地方財政に対しまする財政措置と、これが両々相またなければ御指摘のようになかなか地方でこれを置くということは実際上むずかしい状態であると考えますので、この両面につきまして努力をいたすということが一つだろうと思います。それからなお特に僻地の学校におきまして、その僻地関係の教育委員会、これに対しまして十分指導をしていかなければならぬだろうと考えております。その必要性は、十分これはまあ地方でもわかつておることでございますけれども、これを置いてもらいまするように、今後機会あるごとに一つよく連絡をし、協議をして、目的が達成されるように努力していきたい、かように考えます。

高田なほ子日本社会党(第四控室・左)

○高田なほ子君 この際文部大臣に午前中から問題になっております僻地教育の問題の一つについてお伺いしておきます。僻地教育の振興法が制定されてから、僻地教育そのものに対する世論も相当あがつて、文部省自体としてもいろいろな面でお力を入れておつて下さることは感謝にたえないわけですが、ただ僻地の中で島嶼の問題でありますが、この島の問題は先ほども御質問を申し上げたのですが、地続きの僻地よりは、島嶼の問題は人の目に触れることも、また関心を高めるということも、現実として非常に困難な状態にあるわけです。私もこの文部委員会に席をおいてから、島という問題については、ほとんど大きく論ぜられたことがないように記憶しておりますが、実際は船舶の航行といったような面も困難な点もございまして、特に児童の健康管理などという問題については、相当に閑却されておる。しかも島嶼の経済状態というのは、申し上げるまでもなく、全く赤字それ以前の問題をはらんでおるようなので、児童の体位が普通の子供よりはぐつと下つておるというのが島嶼の児童の実態ではないかと思います。しかし午前中に島嶼の資料について文部当局に御要求を申し上げましたが、正直のところ、完璧な島嶼の実態調査というものは、まだ手が届かないように承わつておりますが、島嶼のいろいろな教育問題というものはもう少し真剣に取り上げ、そのために文部省自体としてもお手数もかかり、費用もかかることではありましょうが、僻地教育振興の中で特に島嶼の問題を別個に考えていただきたいということを非常に私は強く考えているものですが、特にこの島嶼対策というものについて文部省としてはどういうようなお考えを持っているのか。しかもその島嶼対策の中で当面する問題は児童の健康管理の問題、つまり養護教員はどういうふうにして配置するか、ここできめられた基準ではとうてい一つの島に一人の養護教員を置くことができない。薬品もろくろくない、お医者もいない、こういうような点をどうするのか。それから社会教育の問題でありますが、公民館を設置するということについてもこれはなかなか困難な問題があるので、社会教育費なども島嶼については別個のお取扱いをして、文化交流のできない島嶼については社会教育などについても相当特例が設けられていいのではないか、こういう点も考えられるわけであります。  それから第三点としては学童給食の問題でありますが、ほとんど私は島嶼の全体を知っているわけではありませんが、東京に最も近い八丈島においてさえも学童給食が行われておらない。牛乳の島八丈島と、言うけれども、実際に行ってみると、生活をささえるためにほとんど牛乳は一滴も残さず売りたたいてしまう。そうして、子供の体位は非常に低い、おとなもその通りだ、そういう所にこそ学童給食の施設が必要であり、また物資の給付が必要でありますが、島嶼に対する学童給食の施設、その実施、こういったような問題については大臣としてはどういうふうに措置をとつていこうとなされるのか、そのお考えをここで承わつておきたいと思います。、

松村謙三日本民主党文部大臣

○国務大臣(松村謙三君) お答えをいたしますが、島における特殊の事情のございますことはお話しの通りだと考えますけれども、今僻地教育を陸と別にしてやつていきますことは、これはいい面もありますけれども、また同じことを何する点もありますので、ただいまのところは考えてはおりませんが、局に対するやり方につきましては、これは特殊のこともございましょうから、十分に気をつけてやつていきたいと思います。文部省の所管ではございませんけれども、無医村のような所はもちろん厚生省にも話をして何らかの施設をするとか、十分の一の配意をいたしたいと考えます。  それから学童の給食の問題になりますと、これはお話しの通り、せひこういう所にこそ必要があると考えておりまして、ことしも予算で給食の設備等をこういう僻地、島嶼等を中心としてできるだけやりたいというふうに考えております。

高田なほ子日本社会党(第四控室・左)

○高田なほ子君 強く要望いたしますが、島嶼の認識というものは大へん失礼な話ですが、私自体もそうですが、おそらく交通が不便でありますために認識が私どもとしても足りないところもあるのではないか、また文部当局としても島嶼の教育という問題についてあまり熱が入っていないんではないか、こういうことを非常に痛感しているわけであります。幸い僻地教育の問題がきょう午前中から非常に熱心に論ぜられましたが、この中における持株な環境にある島嶼の教育振興、こういったような問題については、もう少し文部省としても具体的に熱を入れてやつていただきたい。子供たちのために大いに計画を練られ、また行政措置についても適切な指導なり、助言がされるように特に私は強く希望申し上げておきたいと思います。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 私も僻地教育の問題について大臣の所見を伺つておきたいと思います。その一つはけさほども若干の質問をいたしたのでありますが、僻地教育を振興するためには現在のへき地教育振興法を若干改正する必要があるというふうに私は考えておるのであります。と申しますのは、文部省でもこの僻地教育の問題については中央教教育審議会に諮問をされて、それに対する答申が出ておるのでございます。また本参議院の文部委員会におきましても、昭和二十九年におきまして付帯決議を付しておるのであります。これらの付帯決議を実現する、あるいは中教審の答申を実現するというためには、どうしても現行の振興法では不十分であると思います。午前中の質問に対しまして、政務次官はできるだけ行政措置でやつていきたい、こういう御答弁でございました。しかしなかなか行政措置だけではうまくいかないというふうに私は考えておるのであります。一つの例をとってみましても、朝来から出ておった一つの問題として、こういう僻地には少くとも養護教諭をおいたらどうかという御意見もございました。それ一つ取り上げても、これを行政措置でやるといってもなかなか容易な問題でないと思います。やはり主体は地方にあるわけですから、地方の財政上の理由でおけないということになればそれきりになってしまうわけであります。養護教諭だけの問題ではございません。僻地についてはいろいろな問題があるわけであります。午前中に私も質問をいたしました問題としましては、僻地指定が合理性を欠いている。これを合理化する必要があるという点、それから僻地手当、これが非常に少額である。これを合理的に改正する必要があるというふうな点もあります。今の養護教諭の問題については僻地における健康管理の問題でございますが、さらに教職員の研修の問題にいたしましても、人事交流の問題にいたしましても、やはりこういう問題を解決していくためには、どうしても法改正が必要であるというふうに考えておるわけなんです。この点について大臣の所見を伺いたいと思いますが、私は松村文部大臣は僻地の実地調査も若干せられ、非常に熱意をもっておられるということを間接に聞いておるわけであります。この際この熱意を実現するために、そういう法改正の問題を検討していただくというような考えがもっていただけるかどうか、そういう点をお尋ねをいたします。

松村謙三日本民主党文部大臣

○国務大臣(松村謙三君) お話しの御趣旨はよくわかるのでありますが、問題の帰結点は地方財政の窮乏からくる急迫した壁にぶつかった状態をどう打開するかという問題に帰着すると思うのでありまして、政府としてどういうことを施設をやろうとしましても、すぐそれにぶつかつて実行ができないというところにあるわけでございます。狂いましてこれをどうするかということは、根本的に考えてやらなくちやならんことでございまして、地方財政の整理の問題につきましても、教員とどうしてつり合いをとるかということにつきましては、十分関係省とも話し合いをいたしてやつていきたい考えでおります。そうして教育の最底の線でも、これはもちろん地方財政の何には協力しなければなりませんが、越ゆべからざる線はどうしても確保していかなければならない、こういうふうに考えております。そのために教育振興法なども変えなくちやならん必要が出る場合があれば、これはもちろん考えますが、今のところ振興法の改正によってこの何をするかどうかということについては、さらに検討を加えたいと存じます。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 今お話しのように、地方財政が窮迫しており、この問題をやはり解決していかなければ僻地教育の問題もなかなか解決しにくい、こういう意味の御意見であったかと思うのです。私はそういう面も非常に大きくあると思うのです。し介し地方財政が非常に逼迫しておるという現状に立って、国としてはどういうふうにやれば、若干でも補いがつくかという点を私は申し上げておるつもりであります。問題は参議院の文部委員会で行いました付帯決議でございます。この中には第三項をとつてみましても、第五項、第六項をとつてみましても、若干の法改正をしなければ、この趣旨を実現させるということが相当困難であると私は考えておるのであります。要するに参議院の付帯決議が松村文政によって実現されるかどうか、こういう、点にかかってきておると思うのであります。これには予算も相当必要とすることでありますが、やはり相当な決意が必要であるというふうに考えるのです。そういう点、けさほど政務次官は僻地について若干の御意見をお述べになりました、しかしそれは付帯決議の一小部分に過ぎないのであつて、これについての全面的な回答にはならなかったのでありますが、この点文部大臣はこの付帯決議の線に沿うような施策をしようと考えておられるのかどうか、さらに私は切りつめてお伺いしたいと思います。

松村謙三日本民主党文部大臣

○国務大臣(松村謙三君) この付帯決議の趣旨につきましては、実現を期したいと思いまして、予算措置等はいたしておる部分もあるわけでございますが、これがどうしてもこの趣旨を、振興法を変えなくちやならんかということにつきましては、今ここに私として言明を申し上げられませんけれども、第一には適切な機関に諮問して僻地教育に関する総合的、恒久振興策を樹立せよというようなことがございますが、これについてはできるだけ御趣旨のようなふうにいたして検討をいたしたいと、こういうふうに思っております。実際僻地の問題をずっと検討してみますと、なかなか困難な問題が多いのでございまして、これは十分に研究して措置しなければならんと思いますが、再検討のことはこの御趣旨にもありますようにいたしたいと考えております。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○(荒木正三郎君) このへき地教育振興法につきましても、この際いろいろ検討をしていただいて、もし改正の必要がある、改正しなければなかなかこの教育の振興がはかれないということになれば、十分その方面の御努力を要望したいと思います。  その次に大臣にお尋ねしたいことは、この僻地と貧困という問題は切り離して考えることはできないと思うのです。地方財政の窮迫とかいう問題もあります。あるいは国家の補助にも限度があるという問題もありますが、やはりその僻地自体が立ち上っていくということが、経済的に立ち上っていくということが非常に重要な問題であるわけです。どこへ参りましても僻地の産業は大体において未開発であります。文化的におくれているばかりでなしに、経済的に極めて恵まれない状態にあるわけでございますが、これは非常に大きな問題になるわけですが、どうしてもこれは僻地の根本的な対策というもの、国土の総合開発、こういう点に関連を持ってくると私は考えておるのであります。で、民主党の方でも経済六ヵ年計画というものを立案せられて、その後これがどのように実施されていくのか、されようとしておるのか、そこは明らかではございませんけれども、この国土の総合開発という観点に立って僻地の経済振興をはかつていくということがこれは極めて重要な問題だろうと思うのです。これは単に僻地教育の振興というふうな限定された問題でなしに、僻地の住民全般の福祉と幸福を増進する、さらには日本の国力を増進する、こういう意味からいっても非常に重要な問題でございますが、こういう国土総合開発における一環として、僻地開発の問題ですね、これは若干問題が大き過ぎるようでありますけれども、私は文部大臣には質問して差し支えない問題であるというふうに考えますので、この僻地の貧困ということと国土の総合開発ということをどういうふうに内閣の方針としてお考えになっているかお伺いしたいと思います。

松村謙三日本民主党文部大臣

○国務大臣(松村謙三君) これは全く教育だけで見ることのできない問題であることはお話し通りであろうと思います。そのために総合開発というものがそういう意味からも非常に必要であり大きく浮んでくると思いますが、それにつきまして、たとえば岩手県あたりに見ましても、あそこも今進行している総合開発というものが全部でき上りますならば、この僻地の問題が相当に解決できると考えるのであります。ほとんど岩手などは全部が僻地といってもいいくらいのところでありますが、この開発ができたら相当に開けていく道路、それから住民の生活の向上等も期待できるというわけであろうと考えます。ただこの総合計画というものをそういう意味も含んで、今日は単なる産業開発というだけのことで、住民のそういう面をもう少しよけい注意して開発をやるべきじゃないかと、こういうふうにも、この間岩手あたりでもそういう意味において見てきたのであります。こんなことはこまかいことになるようですけれども、たとえば自動車道路がつけばそれだけその手当その他の助成が少くなる。ところがあすこあたりはなかなか冬は自動車が通らないという場合が多いものですから、必ずしも開発と、地方の住民の生活とは一致せぬ場合が多いから、こういうことは気をつけてくれろというような話もございましたが、お話しのように考えております。そして開発事業はそういうことの意味も十分含めて、できるだけ情勢に応じて早くやらなくちやならんと思い、努力をいたしたいと思うのであります。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 まあ少し発展するようですが、やはり産業の開発ということが基本的には私は重要な問題であると思うのです。そういう意味において一つの問題としては交通の問題も関係があると思うのです。それから電源の開発等もありますが、何といっても僻地は山地であります。そこでかつて日本は農地改革をやつたわけでありまするが、山林の開放ですね。これがやはりこういう僻地における住民の、僻地における産業開発に相当な私は役割を果すと思うのですが、そういう点ですね。農地改革をやつたような考えで、山林の開放、こういう問題について民主党は全然奥地の産業の開発についてお考えにならないかどうか、お伺いしたいと思うのです。

松村謙三日本民主党文部大臣

○国務大臣(松村謙三君) 農地開放はこれを最初やりました趣旨は小作者との関係、日本には小作争議というものが戦争前にも非常な発達をしておりましてこのままに戦後放つておいたならば農村というものはもうめちやくちやになってしまう。そういう対象の争いがあったために農地改革というものが行われたのでございます。しかるに山林には大体そういう関係がございません。そうすると普通の所有権の問題へ入ってくるわけでございます。そういう意味から農地改革と同様に森林の問題を論ずべきものとは私は考えません。ただ国有林につきましてはこれは国有林の整備のためもございまするし、維新以来の沿革もありますから、必要なところを町村にその管理を移すというようなことは、これはあり得ることと思いますが、山林を農地と同様に考えますことは私妥当ではない、こういうふうに、これは私の所管外でございますけれども、お問いでございますからお答え申し上げます。

吉田萬次自由党

○吉田萬次君 議事進行に関して、もう大臣のここにおられる時間もそんなにたくさんないと思いますので、定時制高校の問題について質問したいと思いますが……。

安部キミ子日本社会党(第四控室・左)

○安部キミ子君 ちょっとその前にもう一問、僻地教育で質問があるのですが、僻地教育の振興のためにはいろいろな施策が今後施されなくちやならないと思いますけれども、緊急の措置として、私どもが経験した、皆さんの陳情を聞きました中で、当面自分たちがこういうふうにしたらいいだろうというような要望書を出されておりまして、その要望書の中で、たくさんありますので、これを皆申しましても今の日本ではとうてい実現はできないのじゃないかと思いますが、二点だけ私できるのじゃないかと思いますので、大臣にお伺いしたいと思います。  その一点は、僻地の勤務期間は恩給に加算してもらつて退職金の年数加算によって増額することはどうだろうか。この一点と、それから、僻地の勤務期間中は特別昇給制度を作つて傷病保険に加入したらどうだろうか。とにかく先ほど申しましたように、恩給の制度を加算して、早くしてもらうのですね。僻地の勤務期間を、恩給制度の加算を早くしてもらつて、それから退職年金の加算に、増額してもらうようにしてもらいたい。退職年金を増額してもらいたい。それから先ほど申しましたように僻地勤務期間は特別昇給制度を作る、その期間だけは一級俸上げるとか、二級俸上げるとかいうように昇給制度を作つてもらいたいということと、それから傷病保険に加入せしむること、これは冬期、凍つておりますところを先生たちがいろいろなことで、赴任なさる途中なんかでもよくけがをしたり、あるいは事故があったり、それから病気をしましても何しろお医者さんもないということでなかなか自分たちの生命を全うすることができないというふうなことなどがありまして、この二つくらいは私今度の国会に皆さん研究してもらいたいと思いますが、大臣はどういう御意見を持っていらつしやいますか。

松村謙三日本民主党文部大臣

○国務大臣(松村謙三君) そのお話しは私ただいま初めて承わる一つの構想だと思うております。よく事務的に研究をさせまして、その中で昇給の問題がありますが、御承知の通り今文部省といたしましては待遇改善ということですか、俸給、手当の点にまあ重点をおいて、今度の予算でも相当に増してもらいたいと思ってやつておるわけであります。今のお話しは恩給その他の点へ関連して参りますので、その考えは私まだ考えてみたこともございませんが、事務の方で一つ研究さしてもららことにいたしましょう。

安部キミ子日本社会党(第四控室・左)

○安部キミ子君 それからもう一つ。それではせつかくの御意見でございましたので、ただその二つだけというふうに考えられましても、私としましてそういうことを請願をなされた方たちに対して申しわけないと思いますので、そういうことについて、もっと数たくさん出ておりますから一応ここで、そのうちから御参考にしていただくこともあるかと思いますので読ましていただきます。   僻地教育振興のため緊急措置すべき対策   教員の僻地勤務に対し十分なる経済的裏付けをなし優遇策を講ずること。  1、僻地手当の基準を再検討し、でき得れば、率計算に改め、支給地を拡大し、地域給以上になるごとく措置すること。  2、僻地諸手当の支給基準については、寒冷積雪等による、交通杜絶期間を特に重要視すること。  3、僻地の旅費規程を特別に設定し、赴任旅費、一般旅費の増額をはかり、予算上別枠とすること。  4、僻地勤務期間は恩給加算をなし、退職金の年数加算による増額をなすこと。  5、僻地勤務期間中は特別昇給制度を作り、傷病保険に加入せしむること。  6、僻地勤務の教員の家族に対しても、僻地手当、傷病保険を考慮すること。  7、進学すべき子弟(高校以上)を有する僻地勤務の教員に対しては、育英資金の特別優先貸付を認めること。  8、教員住宅を完備し、規格を特別に規定すること。  9、僻地勤務教員の優遇に関する諸費用は極力国費にて負担すること。  ちょっとその項目は以上でございますが、そのほかに、「僻地勤務教員の負担を軽減し、学童の能力を向上せしむるため、教員の配置基準を再検討し、教員定数の増加と質的向上をはかること。」というので十項目あげてあります。その次に、「僻地学校の施設設備を優先的に充実するため特別の考慮をなすこと。」というので六項目あげてあります。「僻地と平坦部との人事交流を円滑にし、教員の質的向上をはかるため特別考慮をなすこと。」というので五項目あげてあります。「小さい学校を整理統合し、本校に重点的に施設設備を充実するためにスクールバスの制度を作ること。」というので三項目ありますが、これは岐阜県大野郡の教員組合の方からも出ておりますし、それからその地元の教育委員会の方からも、同じような要望がありましたので、皆さんの方で十分御検討いただきたいと思います。  以上でございます。

笹森順造日本民主党

○委員長(笹森順造君) 吉田委員から議事進行に関する発言がございましたが、僻地教育に関する審議はこの程度にいたしまして、定時制高校に関する件に移りたい、こういうことでございますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

笹森順造日本民主党

○委員長(笹森順造君) 御異議ないと認めます。   ―――――――――――――

笹森順造日本民主党

○委員長(笹森順造君) 」それではこれから定時制高等学校教育に関する件を議題といたします。御発言のおありの方は順次お述べを願います。

吉田萬次自由党

○吉田萬次君 先般視察に参りました際に、定時制高校の問題について大臣に承わりたい件が四件ばかりあります。  その一つは、塩釜分校の松島に参りましたときに、分校で模範的の学校がありました。ところが校舎を改築せようとしても、分校というものに対する起債というものは許可せられぬことになっている。そこで非常に困っておりましたのがありましたが、この分校統合問題がこの際出ておりまして、そうして分校をなくせようというような今日の状況であります。あるいは教員の削減というようなことが今日問題になっております。そこでほんとうにこの定時制高校というものを生かそうということであったならば、かつてあったように四割の国庫補助というものが復活できぬものかどうか。大臣はこの四割の国庫補助の復活というものに対して、どうお考えになっているか。この四割の国庫補助法というものは、昭和二十三年の法律第百三十四号によって出ておるのでありまして、定時制課程の教諭、助教諭及び講師の俸給、特別加俸、死亡賜金、旅費、扶養手当、勤務地手当、退官又は退職手当、日直及び宿直手当に要する経費の十分の四を国庫が補助するという法律がありました。ところが昭和二十五年度以降は、平衡交付金の実施によりましてこれが停止せられております。ところでこの四割の国庫補助というものがあれば、私は定時制高校の将来についても非常な光明が認められると思うのであります。ほんとうに定時制高校というものを育てよう、そうしてその発達を期するという点から考えましたならば、かつてあったような四割の国庫補助というものはできるものでしょうか、できぬものでしょうか。どうお考えになりまするか、大臣に承わりたいと思います。

松村謙三日本民主党文部大臣

○国務大臣(松村謙三君) お答えをいたしますが、この問題はなかなか困難でございまして、今の定時制に対する四割のお話の補助も停止されておるようなわけでございます。この定時制のことにつきましては、やはり農村あたりになにしましても、相当に力を尽してやりたいとは思うておりますが、現在の状態は今局長からちょっと御説明を申し上げたいと思います。

緒方信一文部省初等中等教育局長

○説明員(緒方信一君) ただいま御指摘のございましたように、公立学校の定時制の教員の給与費に対しまする国庫補助法は二十三年、二十四年と実施いたしましたけれども、二十五年度から平衡交付金の方に吸収されまして、これはほかの補助金がだいぶ吸収されましたあの時期に吸収になつたのでありまして、現在は法律の形は残つておりますが、動いておらぬという状況であります。さらに二十九年、三十年度におきましては、補助金整理の関係で、補助金関係の法律の停止法が出ております。これによって効力は停止いたしました。かような実情にあることはすでに御承知と思いますけれども、さようなことになっております。そこで財源措置といたしましては、これは今日におきましては、地方交付税の方で財源措置をいたしておるわけでございますけれども、これは補助金というはっきりしたものでございませんので、地方におきましては、非常にその取扱いはむずかしくなっておるかと存じます。しかし、いずれにしましても、二十五年に平衡交付金に吸収せられまして、それがさらに今日では地方交付税の中に吸収されておる、かような状況でございます。ただ二十三年――この法律ができました当時は、二十三年が五億、二十四年が十五億ほどの補助金が出ておりますけれども、今日に至りましては、その当時から比べまして相当な学校数も、生徒数もふえておりますし、従って教員数も相当ふえておりますので、今日かりに計算いたしてみますと、相当な額になりまして、これを今日の財政上からいたしまして、復活をするということは財政上からいたしまして非常に困難な点が一つあると存じます、なおまた、ただいま交付税のお話を申しましたけれども、この算定の基準等におきましては、なお改善すべき点が相当ございますので、それらの点につきましては、私ども従来も努力いたしておりますけれども、今後一つ十分努力をしていきたいと、かように考えておる次第でございます。

吉田萬次自由党

○吉田萬次君 簡単に御質問申し上げますが、その次は定時制教育の教育目標と、学校運営の問題であります。これについて文部大臣の指導方針というものを承わりたいと思うのでありますが、定時制高校に対しての教育の目標というものと、その運営というものは、非常に私はこれは重大な問題であり、職業教育というような問題に関連して、どういうふうに取り扱つていったらいいか、たとえて申しますると、ちようど委員長さんと一緒に私は視察に参りましたが、松島の分校いわゆる模範的の学校と言われておる分校において、その子弟というものが農村の子弟であるにかかわらず、普通課程の教育が施されておる。実情を聞いてみると、次男、三男というものを収容しておるときに当つて、それらがどこへ行くかということもわからぬ、従って職業教育というものを施すことができないというようなこともありましたし、また職業教育を施しておる学校へ参りましても、その施設というものはさらに整つておらない、農業を主体としておる学校に農地が、一寸の土地もないというようなところもありまして、非常に私はこの定時制高校に対する教育の方針というものがどこにあるか、どういう方針によって定時制高校の生徒を教養していくのかというようなことに対して、非常な疑義を生じましたのについて、大臣はこの定時制高校の教育の目標というものと、学校の運営ということに対してどうお考えになっておりますか、承わりたいと思います。

松村謙三日本民主党文部大臣

○国務大臣(松村謙三君) これはやはり私どもは定時制の高校の特色といたしましては、地域の事情に即した教育をやるということが最も望ましい、こういうふうに考えております。これは単に高等学校のなにを圧縮しただけのものだというようなことではなくして、やはり地域の事情に即した教育を、都市における定時制の学校も、農村におけるなにもそういうふうにありたいものだと思うているわけでございます。設備が非常に不完全だというお話でございますが、全くその通りでございまして、今日そこまで手が回りかねるということが実際だと思うのでございますが、これらについては国としても十分今後力を入れていくべきであり、いきたいと考えております。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 今の問題に関連してちょっと。――今文部大臣は地域の実情に即した教育をやりたいというお話でした。これは私はもっともな意見であると思うのですが、たとえば農村地帯における定時制の高等学校ですね、考えてみた場合に、これは大臣の考えでは将来農業をやるのだ、農村地帯だから。だから農業に重点を置いた教育をやるのだ、こういう意味のように私とつたのですが、しかし今の農村では、これはまあ長男は大体残つて農業をやります。しかし次男、三男は外へ出ていかなければ農村に包容力がないわけですね、そういう事情にある所で、農村にあるから農業に力を入れた定時制の教育をやるのだということだけでは、私は実情に即したというふうには言えないと思うのです。そういうふうに一律に農村にあるからまあ農業に力を入れた教育をやるのだということであつては、私は次男、三男というふうな問題を全く考えていない措置であるというふうに思うのですが、この点大臣の所見を伺つておきたい。

松村謙三日本民主党文部大臣

○国務大臣(松村謙三君) これは私は農村なら農業だけの教育を施せとは申すのではございません。そこの地域の事情に即するという意味でありますから、それは農村における農業のなにを主体として教育の課程を考えることは、これは当然でありますけれども、そればかりでなしに、今後ほかに働く次男坊、三男坊の教養というものも、これはもちろんそのうちに含めてやるべきことは当然でありますが、しかし重点と言えばやはり農村は農業関係のものをやりたい、こういうことが主であろうと思いますから、それで地区的の事情に即する教育をやりたい、こういうふうに申し上げたようなわけでございます。

吉田萬次自由党

○吉田萬次君 それから給食の問題でありまするが、定時制高校に対する給食の問題は従来も非常にやかましい問題になっております。これに対して大臣は定時制高校に対する給食問題はどうお考えになっておりますか。

松村謙三日本民主党文部大臣

○国務大臣(松村謙三君) これにつきましては、今小学校、中学校の給食の面にもまだ完備いたしませんで追われておりまして、それと同様の給食のことはなかなか困難だと思うておりますけれども、給食の設備についてはやはり補助をいたして参っておるのでございまして、今後給食ができるように奨励はいたすつもりでおります。

吉田萬次自由党

○吉田萬次君 これはいわゆる義務教育の学校の給食というものと私は相当異なつた点をもっておると思います。それは要するに生徒というものが短時間であつて、そして食事をするひまがない、あるいはまたそういうようなはなはだしいのになりますと、給食費というものが、わずかな給食費そのものが非常に苦痛であるというようなことがありまして、その義務教育の学校の小中学校の給食というものと異なっておりまして、設備をせられるというお話でありますが、設備というものが果して必要であるかどうか。私はその給食そのものをやるかやらぬかという方の問題について相当の議論があるということを考えますが、私は一般の小中学校における給食というものと、この定時制高校というものの給食ということとは違うと思いますのと、私はこの重大な必要なまた問題だと思いますが、重ねて設備というものを何のためにおやりになるか、承わりたい。

松村謙三日本民主党文部大臣

○国務大臣(松村謙三君) 今局長から現在の状態をお答えいたさせます。

緒方信一文部省初等中等教育局長

○説明員(緒方信一君) 御指摘のように、この定時制におきまする給食の設備の補助は学校給食法においてはございません。定時制教育振興法による設備補助の中に含まつておるわけでございまして、夜間授業をいたします定時制学校に対しまして、その設備補助の中にもあるわけであります。たとえば調理室の用具とか、その食堂の用具とか、そういうものをまあいろいろ費目を指定しておりますけれども、補助対象に対しましてこれを設備いたしまして、夜間の授業をいたしますもの、が、その給食のまあ内容には触れないわけでありますが、そこで暖めて食べさせるとか、あるいはその場所を十分準備しておくとか、勤めて仕事をして、そうしてかけつけて学校に行ってまで食べる時間もないというようなことが実情じやなかろうかと思うのでございますが、そういう人に対しましてそういう場所を提供し、あるいは用具を整えておくというような意味におきまして、この設備の補助をいたしておるわけでございます。そこでほかの一般の学校給食のようにその材料をあっせんするということはやつていないわけでございます。

吉田萬次自由党

○吉田萬次君 私は今の御答弁はきわめて不満足であり、そうして私は相当議論する余地があると思いますが、まあきょうはこの程度でやめておきます。  続いて私は、やはり僻地教育におけるところの生徒、児童の保健管理と同じように、この定時制高校においても生徒に対する保健管理というものが私はきわめて重大な役割りを持つだろうと思います。ことに食事をせずに学校へ来て、そうして食事が夜の十時、十一時というような時になる。あるいは重労働に従事しておる者がそれだけの時間を果してこらえるかどうか。かえつて睡眠を覚えて、そうして学業というものに相当な影響を来たすのではないだろうかというような点から考えますると、これは私は重大な問題であると思うのであります。定時制の高校でなくしても、いわゆる僻地教育の児童というものがトラホームが非常にたくさんある。あるいは回虫がわいておる生徒が非常にたくさんある。従ってそれがために盲腸炎になるような子供が必ず年に二、三人ぐらいあつて、しかも予測できるところの処置が講じられておらないというようなことから考えまして、年令的に定時制高校の子供は回虫に対する抵抗力はあるでありましょう。しかしながら結核の予防の方面から考えましても、また疲労に対する、いわゆる栄養失調の方面から考慮いたしまして、私はこれはきわめて重大な問題だと思います。これに対して、この保健管理の問題に対して大臣はどんなお考えを持っておいでになるか。

松村謙三日本民主党文部大臣

○国務大臣(松村謙三君) これは定時制の問題ばかりじやございませんで、夜学の面のなんには全部こういう問題が出てくるわけでございます。お話しの通りのことでございますが、なかなかそういう設備に一時に手が回りかねますので、今日までこのようになっておることと思いますけれども、十分今後その面のことにも注意をいたしたいと思いますが、事はなかなか広範でありますので、よく研究をいたしたいと思っております。

吉田萬次自由党

○吉田萬次君 ただ研究とおつしやいまするけれども、かような大きな問題はすべてを全面的に解決しようとすれば、非常に無理があると思います。私はそれがために一小部分でもいいから順次改良していく方法を講じてもらいたいと思います。従ってこれに対する、養護に対する教員とか、あるいは校医というものに十分に監督させるとか、あるいは衛生施設の費用というものを特別に認めて、そうして健康の管理、身体検査というものをたびたび行うとか、相談をしてやるとか、何とかそういう方面に意を注いでいただいて、まず一局部からでもいいから進捗のできるような方策を講じてもらいたいと思いますが、これに対してのお考えはありませんか。

松村謙三日本民主党文部大臣

○国務大臣(松村謙三君) 今のお話に対しまして、予算等の関係もありますので、直ちにここでどういたすという即答はいたしかねますけれども、できるだけ十分の考慮をいたすことといたします。

安部キミ子日本社会党(第四控室・左)

○安部キミ子君 大臣にお尋ねいたします。大臣は今後定時制の高等学校教育が育成されていくという御自信がおありでしょうか。

松村謙三日本民主党文部大臣

○国務大臣(松村謙三君) これは今地についたように整理の途中にあるものと、私どもは地方を回って見て感じがいたすのであります。たとえば、あれをずっと徹底してやりました秋田県あたりは、むしろ後退という言葉はなんでありますけれども、秋田県という名前を言つちやどうかしりませんが、岩手県あたりは逆に初めはあまり熱を入れなかったと言うのですか、どうかしれませんが、それが今じやなにをしてきまして、落ちついてきた形にだんだん双方ともなっていくのじやなかろうか。従ってこれは農村あたりには育成すれば、農村の子弟のためには非常に効果的ではなかろうかという感じを持ってきたわけであります。ところによっても違いましょうけれども、今ずっと落ちつく段階の途中にあるのではなかろうかというふうに見ております。

安部キミ子日本社会党(第四控室・左)

○安部キミ子君 私どもが視察していきましたある所では定時制、僻地の定時制でございますが、定時制にだんだん志願者がなくなって、そうして整理しなくちやならないという段階になってきておる。で、県の教育委員会の態度はどうだとこう尋ねますと、県でももうどうしても持ち切れない、地元も今日の財政状態では、先生方初め地元のそういう心ある人は非常に努力はしておるけれども、とにかく初めは入るけれども、だんだんだんだん少くなって、一学級に十三人とかいうふうなことになる。私はかつて山口県の教育委員をしておりましたが、山口県でもそういうふうな実情が出ましたために、そこの定時制を閉鎖しなくちやならぬということになりました。ところが、地元の方は何とかして維持していきたいというので、その整理を反対しまして、初めのうちはみんながもう一生懸命になって入学をすすめております。けれどもニカ月たち、三カ月たつうちにだんだん少くなる。これはいなかの方の実情であります。それから都会の方の実情を見ますと、今日定時制の高校を出てもなかなか就職ができない。それから定時制高校を出たのと全日制高校を出たのとは差別待遇をされる。それから雇用主の方はなかなか学校へやりたがらない。いろいろな悪条件のために、そしてまた先ほどの給食の問題やら保健管理の問題もありまして、退学する学生が多くなるというふうに、決して私は楽観を許さないという印象をだんだん持つようになりましたが、この育成について、私は文部当局では抜本的な施策がなければ定時制高校の育成は将来どうであろうかとと思う。なるほど今文部大臣のお話を聞きますと、非常に楽観的でありますけれども、むしろ再軍備が強くなって、それから兵隊にいった方がこんな苦労するよりかいいのだというふうな考え方が、農村にも次男、三男の対策として、悪いこととは知りながらやつぱり食わなくちやならぬということで、悪いかいいかは、それはわかった人は悪いことだとおっしゃっていますから、私はその言葉をそのままに言いますけれども、悪いこととは知りながら、もっと教育をしたいと、また自分も教育を受けたいと思いながら、食わねばならぬからやつぱり予備隊に入るとか、あるいは兵隊を志願する。で、先ほども私は山口県のある人に会いましたら、里親大会があつて今帰っていく途中で、ちょつと寄つたと、その話を聞きましても、やつぱりもうあんなふうに親がおらぬような子供はなかなか教育がしずらいし、本人は定時制の高等学校ぐらいはいきたいとこう言っておるけれども、そういう生徒は金もないことだし、政府も補助してくれないのだから、私どもは持ち切れないので、まあこうならばやつぱり兵隊にでもさせますか、こういうふうなことを言っておられるところをみますと、これは今後の定時制の育成はきわめて重大な問題だと思います。楽観を許さないと考えております。  そこで大臣の確固たる信念で、これを今よりを戻してもらわなければ、このままにほうつておきますと、時勢が時勢であるだけに、また国の方向が再軍備の方に傾いているだけに、また予算がそういう方に大幅に使用されるために、こうした教育の方にはだんだん少くなるということが、好むと好まざるとにかかわらず定時制はだんだん衰微に陥る杉になるのではないかと思いますので、私はこれは要望でございますが、大臣の確固たる信念で定時制の振興については十分な御配慮と努力をいただきたいと思います。

松村謙三日本民主党文部大臣

○国務大臣(松村謙三君) よく承わつておきます。

笹森順造日本民主党

○委員長(笹森順造君) 定時制高校教育に関する件でほかに御発言ございませんか。――御発言がなければ次の教科課程の件を議題といたします。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 大臣は三時までということでありましたので……。

笹森順造日本民主党

○委員長(笹森順造君) 大臣の御都合で僻地教育あるいは定時制高校の件については、一応これで次の議題に入りましたけれども、なお事務当局についての御質疑のある方もありますから、これは保留の形に御了解願います。  それでは速記をとめて。    午後三時四分速記中止    ―――――・―――――    午後三時三十一分速記開始

笹森順造日本民主党

○委員長(笹森順造君) 速記を始めて。ただいま教科課程の件が議題となっておりますが、御発言のある方は順次御発言願います。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 私も今まで全然文部省から聞いておらなかったのですが、教科課程の改変は明年から実施するという方針ですか。この点を伺つておきたいと思います。

緒方信一文部省初等中等教育局長

○説明員(緒方信一君) 高等学校の教育課程の改訂につきましては、今陳情の中にも若干ありましたように、昭和二十七年の暮に文部省といたしまして教育課程審議会に文部大臣から諮問をいたしまして、自来研究を続けておつたのでありまするが、昨年の十月に教育課程審議会の結論が出まして文部省に答申があったわけであります。文部省といたしましてはこの答申を採用いたしまして、それに対しましてまた答申後、各方面からのいろいろな意見もございましたので、それらの意見は十分勘案いたしまして若干の修正はいたしましたが、大体答申の線を採用いたしまして、そうしてこれを決定し、昨年の十二月の二十七日に都道府県の教育委員会に通達としてその実施の方針を示したのであります。時期は三十一年の四月からこれを実施する建前で、自来私どもその内容の整備につきましても、それからまたこの趣旨の徹底につきましても、都道府県の教育委員会に対しまして十分の連絡をとりまして、しばしば担当の部課長の会議等も開きまして、趣旨を徹底して今日に至っております。私どもはどうしても三十一年四月からこれを実施するということでこれを進めております。これに対しましていろいろと意見がございます。反対意見もありまするし、賛成意見もございます。今もちょつとお話が陳情の中に出ておりましたが、高等学校長協会あたりはこれに全面的に賛成でありまして、むしろこれを延期するようなことがあったならば、現場に対して大きな混乱が起るというようなことさえ言われまして、文部省に対しまして陳情があるようであります。以上申し上げます。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 私どう解釈していいかわからなくなってしまつたのですが、今の陳情者のお話を聞きますと、十分まだ準備ができていない、それを来年からやると現場では相当混乱が起るのではないか、こういうお話です。緒方局長のお話を聞くと、来年からやらなかったら混乱が起きる、全くもうどう判断していいのか、私にもわからないのですが、一体こういうことになっているのはどういうことなんですが、局長のお考えはどうなんですか。今の陳情された方が全くその事実を無視したような意見が述べられた、実情を無視したよらな意見を述べられた、こういうふうにお考えになりますか。

緒方信一文部省初等中等教育局長

○説明員(緒方信一君) 教育課程の改訂の趣旨を、実は最初に申し上げるべきかもわかりませんけれども、教育課程というものは御承知のように、どういう教科課目をどういう分量で教えていくかということの組み合せの問題であります。そこで従来の教育課程というものは、一口に申しますと何と申しますか、共通必修というものがきまつております。それ以外は生徒の自由選択制ということが基本になっておつた。共通必修のために三十八単位というものがきまつております。それ以外は生徒の自由選択にまかせる。どういう教科科目を自分が履修するかということはまかせる。三十八単位と申しますれば、これはいわゆる何と申しますか、基礎教養科目でありまして、国語、数学、社会、理科、こういうふうな科目でありますが、職業課程においてはそのほかに三十単位という制限がついております。これは従来もついております。今後も三十単位以上ということは、改訂の新課程におきましても同様についております。いずれにいたしましてもさようなことでございまして、これを改めまして、と申しますのは、これに対しましていろいろな批判がやはりございます。選択履修と申しますけれども、生徒の選択能力の点から申しましても、あるいはまたその選択にするに際しましての標準が、ややもすると進学に都合のいいような科目だけとるというようなことになってみたり、いろいろな点がございまして、生徒のこういうような片寄りができるということも言われたわけであります。そこでこれを改めまして、原則としましては、これは学校の方で一通りの科目の組み立てをいたしまして、そうしてそれを組み立てたものを幾つか学校で準備をいたしまして、それを生徒に選ばせる、こういうふうにするというのがこの改訂の一つの問題であります。それが一つであります。学校の方で教養の片寄りを防ぎ、高等学校としてその地域の生徒の特性に応じて、あるいはまた将来の進路に応じて、適当のようなコースを幾つか設けて、そうしてその一つを生徒にやらせる。しかもコースを作ると申しますのは、一年におきましては作りません。二年以上におきましてコースが分れるという仕組みでありますけれども、これがまお一つの考えであります。  それからもう一つは、職業課程、それから普通課程と両方ありますけれども、この間に今の三十八単位という基礎科目につきましては、全く共通でなければならぬという一つの固定した考え方であった。工業高等学校の生徒も、あるいは普通高等学校の生徒も、三十八単位というものは全く同じように履修しなければならぬということでございました。しかしこれは非常に窮屈な考え方であつて、工業高等学校であれば、その工業高等学校にその特色を生かすような課程の組み方があるじゃないか、あるいは商業と工業でもそういうことがあるだろう、そこで三十八単位というふうに各教科の固定いたしましたものを若干これをゆるめたのでございます。そのために教科の単位数に幅を持たせました。たとえば理科でありますならば、従来は五単位ということに固定しておりました。それを三単位及び五単位、三単位でもいい、五単位でもいい、そういう二つの組み方をしてもいいのではないか。でありますので、これは理科というものは今度の新課程においてはとらなければなりませんけれども、商業高等学校であれば、たとえば三単位でいいじゃないか、工業の高等学校であれば五単位をとらした方がいいじゃないか、こういうことでありまして、履修の幅をむしろふやすと申しますことは、たとえば社会科でありますと、日本史、世界史、人文地理、一般社会というようなものです。ところが従来の組み方は、一般社会というのは共通必修、これはどうしてもとらなければなりません。あと四つのうちから一科目とるということでありましたのを、今度はこれを全体を五つを四つにいたしましたけれども、四つのうちの三つはとらなければなりません、こういうことにしたわけです。四つのうちの三つをとらなければならぬということにいたしました。それから理科におきましては、これは物理、化学、生物、地学、そのうちの一つをとる、今度は二つをとらなければならぬ、こういうことにいたしました。これはなぜかと申しますと、従来は選択をしていいということでございますので、将来文科系統の大学に進むといったようなものが、日本史、世界史、人文地理――世界史もとらないでいくというような事態が起る、あるいは物理、化学のどれか一方をとつてそれで高等学校をおえていく、そして理科系統に進学していく、こういうことでは非常に困るという批判もむしろ大学側にございまして、これらの批判にこたえまして、履修単位数の幅を持たせましたのと、それから科目の履修の幅を今度広げたということが一つでございます。こういうふうに改訂の趣旨はいろいろございますけれども、そういう趣旨の下に今度は組み合せを作つた。  そこで、その際に今度は科目の内容についても変更が加えられましたのが今の社会科とそれから数学と、それから理科もそうでございます。そこで社会につきましては、先ほどもお話しがありましたけれども、今までの一般社会と時事問題を合せまして社会、これは名称はまだ正式にはきまつておりませんが、一つの新科目を作りまして、この従来の一般社会と時事問題でやつておりましたことを一つの科目にしてまとめた。その上に新らしい構想としまして、倫理の要素をその中に入れていくということをいたしました。この内容が実はまだ確定いたしておりません。これは近々きまることになっております。そこで教科書といたしましては、本年度におきましては、今申しましたように従来の一般社会と時事問題を一応合わせたものでございます。その上に若干の倫理の要素を入れます。来年度におきましては、とりあえずは従来の一般社会、それから時事問題の教科書を用いてこれをやっていく、この点につきましては今御指摘のような点がございます。しかしこれはその内容につきましては近々これを改訂いたしまして、教育委員会の方には十分徹底をしたいと思っております。そのほか数学、これは変りましたが、これは新しい教科書が参ります。理科につきましても参ります。そのほかの科目につきましては、従来の教科書を使つてやつていける。こういうことで教育委員会に十分徹底をいたしております。  で、ちょっと説明がくどくなつたかもわかりませんが、教育課程の改訂と申しますのは、教科科目をどういうふうに組み合せてこれを与えいくかという全体の計画の改訂でございまして、その機会に社会科の内容が変る、それについて、新しい科目について教科書の組み変えがある、かようなことでございました。全体の仕組を来年度から実施していくということにつきましては、これはどうしてもやつていけると思いまするし、また、やらなければならぬと考えております。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 まあ、いずれこの教科改訂をすると、どういうふうにしていくのかということについて私は若干質問をしたいと思っています。あとでいたしますが、私はこの間非常に偶然の機会でございましたが、大阪で小学校から大学校の教員諸君が、この問題を中心にして懇談会をやつている、その席に偶然に行つたのです。諸君の意見を聞いていると、これはなかなか容易でない問題を含んでいるということをそのときに知つたわけなんです。そこで私の知り合いの教育委員に、教育委員会としては、この問題については十分な認識があるのかどうか聞いてみたわけです。そうしたら、そのときに出された意見としては、教育委員会としては、この問題について協議したことがあるということでありました。しかし、その協議の結果、やはりこれを全面的に実施することについては若干の問題があるという意見である、こういうことであったわけです。今、局長から聞くと、教育委員会も十分な準備ができて、そうしてむしろ発足する方を待っているのだ、こういうお話ですが、私のそのときに聞いたところでは六、三、三、四制の新学制をくずさないかどうか、こういう点をまだ検討する必要がある。それから進学の機会均等ですね、進学の機会均等、こういう点について、今度撰択制を廃止してコース制を実施する場合に、そういう問題が起りはしないかという点、それから教科課程改変による刺激、あるいは教職員の充足、そういう点において遺漏なきを期し得るかどうかという問題、そういう点についてなお検討の余地がある、こういうふうに教育委員会の会合では意見の交換があった、こういうふうに聞いているのですが、これは直接教育委員会のそういう責任者から聞いたわけではありませんけれども、私の知り合いの教育委員から聞いたのですが、相当問題があるというふうに聞いたわけですが、それからまた私が出席したその会合、それは京都六学、神戸大学、滋賀大学等の教授も出おられました。それから高等学校、それから中、小学校、この問題は大学にも関係があるし、それから中学、小学にも非常な関係を持ってくる問題だ、こういうお話があつて、相当私はこの問題は重大な問題だということを初めて認識したわけなんです。それでまだ十分この改訂の趣旨というものが一般に理解されるところまでいっていないというふうに私は判断をしているわけなんですが、こういう点、どうも相当食い違いがあるのですね、局長の判断と。こういう点どうですかね。

緒方信一文部省初等中等教育局長

○説明員(緒方信一君) 私どもは行政ルートを通じて仕事をいたしておりますし、これを扱いますものは都道府県の教育委員会の指導部あるいは指導課であります。これは技術的に相当むずかしい問題がございます。でありますので、なかなか一般の理解に入りにくいという点はあると思います。専門的な事項が多いのでございますから。しかし今お話しのような六・三制をくずすかというような基本的な考え方の問題は、私はどうしてそういう議論が起るか、私自身としては理解ができないわけであります。これは何ら六・三制の基本に触れるという問題じや私はないと思っております。以前におきまする中等教育でありますが、これは中学校あり、女学校あり、あるいは実業学校がある、そのほかいろいろな学校がありまして、これは全部教育目的も違い、教育の内容も違つている、あるいは卒業の資格も違つているということになりますけれども、現在におきましては、これが新しい教育の制度におきましては、高等学校は一本になつたという意味は、教育目標は学校教育法にありまする趣旨に従ってその段階における完全教育を施すということであります。その点につきまして今度の改訂は何ら触れるところがないわけであります。ただ今までの自由選択ということが、生徒の自由選択という点を改めまして、これは先ほど申しましたようにいろいろな批判もあり、これは批判のあったのは事実でございまするし、そういう弊害も起つておるのでありますから、そういう点を改めて、その点は計画的に教育ができるように学校において幾つかの標準となる組み立てを作つて、いわば時間割りの組み立てを作つて、そうしてその幾つかを用意して選ばせるというのでありますから、その点につきましては、私は六・三制に触れる点は少しもないのじゃないかと考えます。しかもその構成をあるいは固定的に考えておる向きもありますけれども、そうでないのであつて、これはなおその上にさらに選択できる余地も残されておるわけであります。  それから文部省が、五つの類型を示しましたけれども、これはやはり県の事情、学校の事情によりまして、その通りにしなければならぬというものじゃないのでありまして、これは一つの標準になる、手本になるものとして示したわけでございます。でありますので、何も中央ですつかり統制していこうということでもありませんし、高等学校の進学につきましても、どのコースからも、あるいはどの課程からも大学へ進めることは少しも変つておりませんし、教育目標も教育の目的もこれは少しも新しい制度を変えるということではないわけでございますから、六・三制の基本に触れるというような議論につきましては、私はどうしてそういうことになるのかよくわかりません。  それからなお進学につきましても、これはいろいろコースができました。ただその職業課程のたとえば商業の高等学校を出て、何か文科の方へいくといったようなことは、これは今後といえどもむずかしいことがあるかもしれませんけれども、同じ系統の方に進んでいくということにつきましては従来と変つたことは私はないと思います。ただしかし、進学の入学試験の制度とどういうふうに結びつけていくかということにつきましては、これは早く決定して発表いたしたいということで現に研究いたしております。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 私も十分な研究をしておるわけではないのですが、大体コース制を採用すればこういう結果が出てくるのじゃないかという意見が述べられておつたのです。それは大まかに言って、進学コースと職業コースに分れるのじゃないかということなんです。いわゆる上級学校にいくに適当なコースですね、そういうものと、それから職業へ移つていくに適当なコースと大体二つに分れるのであります。そういうことになるのかどうか、これはまあ説明を聞きたいと思いますが、そういう把握の仕方です。そういたしますと、私は結果としてこういう分れ方をすると相当な弊害が起つてくるということは予想されます。でもし、高等学校で大体この学校は進学をするということになれば、その学校へ入るために中学校の教育というものが相当ゆがめられてくることは明白です。これは私も経験をしておるわけなんです。あの高等学校へ入れば大学へ入りやすい、こういうことになれば中学校でもその高等学校へ入るような準備をやるわけです。それが主体になる。その高等学校はある大学へ入ることにもう熱中する、こういうことになって、何といいますか、この義務教育の間からもらすでに上級学校の準備教育ということが一番の中心になって教育が進められている、こういう事態が私は起つてくると思うのであります。現在でもそういうことは相当起つております。この間神戸の方でしたが、この学校の名前は申しませんが、すでに一日八時間授業をやつているというんです。朝一時間早く始めて、終つてから一時間余分にやる、これは準備教育です。それから日曜もやつている。私のある昔からの友人も、子弟が著名な学校へ行っているんですが、このごろは試験勉強で体が持たん、と言って非常に心配しておりましたがね、現在でも、はっきりとこういう進学コースとか職業コースができていないときでも、そういう必要といいますか、によって相当に傾いてきておるんです。それを今度全国一律にこういう制度を採用するということになつたら、非常に拍車をかけて、そうして義務教育なら義務教育自体が質的にゆがめられてくる、あるいは高等学校の教育が大学の準備教育という性格に変つてくる、そういう心配は私は相当あると思うんです。これはやつばし六・三制の形はくずれないにしても、質的には相当な影響を及ぼしてくるというふうに思うんですがれ。  それからもう一つは、やはり職業科へ回る子供ですね、これだつて何じゃないんですか、実際問題としては成績の悪い生徒がそこへ回らざるを得ないという結果になってくる、私はそういう結果になると思う。そうしてそういう職業コースヘ、自分の希望いかんにかかわらずそういうところへ入ってゆく子供に対しては、やつぱし上級進学の機会というものは相当はばまれてくる、こういうふうに思うんです。で今の六・三制は、いろいろあると思うんですが、義務教育を九カ年にしたということと、さらに進学の機会均等を保障しているということですね、それが六・三制がやつぱしゆがめられてくる、こういう心配が起つてくると思うんですがね、そういう点、その二点です。

緒方信一文部省初等中等教育局長

○説明員(緒方信一君) いまの進学コースと就職コースに分れてしまつて、受験勉強一本やりの学校がだんだんふえてゆきはしないかという趣旨だと承わりましたが、私は今おあげになりましたような、極端な進学コース的なことを今やつている学校、これは今度の課程によって、もし今度の課程を守つてゆくならばむしろ改められるものだと考えます。今度示しました文部省のコースの類別といいますか、これは五つ示しましたが、文科的なものを主とするもの、あるいは理科的なものを主とするもの、それから職業的なものを主とするもの、家庭的なものを主とするもの、その中間的なものといったようなものを示しております。それぞれに応じまして、これは教育課程審議会で研究いたしまして、適切だと思う類型を示したわけでありまして、ただ進単に都合のいいだけのコースというふうなものでは、これはないわけです。でなおまた御承知のように、高等学校卒業生のうち半分くらいは就職をする人であります。主としてその地域に応ずる職業のコースというものは、これは普通課程にあつてもいいじゃないかと考えております。だからそういうコースができるということは、これは決してその通学コースだけが栄えて、そうしてますます受験勉強に没頭するという結果には私はならぬと思います。むしろ現在のそういう行き過ぎは是正されていくんじゃないか、かように考えます。これは、こういうことを申し上げてどうかと思いますが、まあ現在の実態におきましても、大体においてこういうコース制がとられております。私は生徒の自由撰択と申しましても、教師のやはりこれは何と言いますか、適性指導、進路指導によりまして、大体その生徒に適応するような科目をとらせるということが行われておりまして、特に大きな学校につきましてはいろいろなコースが作られまして、それを選ぶというのが現在の実態もそうであろうと考えます。いずれにいたしましても今申しますように、この新しい制度のために特にそういうふうな弊害が起つてくるとは私は考えておりません。それからなお職業課程にいく生徒が進学の機会をほばまれるじゃないかということでございますが、これは進学課程でなくても現在でもその点はある程度は不便な点があるかもしれません。これはやはり専門教養をある程度いたしますから、そのためにある程度の不利を招くということは現行の制度、教育課程におきましてもその点あるかもしれませんけれども、しかしそれはやはり自分がそこを選んで入つたんでございますから、それだけ自分の努力等があればこれは十分進学ができるわけでございまして、進学の道をとざすということはこれは全然ないわけでございます。  それからなお付け加えて申しますと、現在の教育課程におきましては三十八単位が共通必修と申しましたけれども、この改訂しました教育課程におきましては三十九単位はどの生徒もとらなければならぬというふうに規定いたしております。大体その三十九単位の中に幅ができたということでございます。科目の数はふえております。ただ、今までは五単位ときまつておつたものが三単位でもいいという部分ができてきたということでございまして、一般教養を与えるという面につきましては従来よりも劣つていないし、むしろ今度の方が幅が広くなつた点におきましては、一般教養についてはプラスになつたと私は考えております。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 この教科課程の改変については教科課程審議会に諮問をして、そうしてその答申を待って考慮されている、こういうお話でありました。この教科課程の審議会ですね、これは二十七年からこの問題について検討しておったのですか。

緒方信一文部省初等中等教育局長

○説明員(緒方信一君) ちょっと聞き漏らしましたのですが。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 教科課程の改変については、審議会において二十七年からこの問題を検討しておったのか。

緒方信一文部省初等中等教育局長

○説明員(緒方信一君) 二十七年からです。二十七年十二月からです。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 ところがこれは非常に不明朗な話を私聞いているのですよ。というのは、この二十七年十二月からこの問題を検討して、そうして二十九年の八月ですか、この審議会の委員を大幅に入れかえたということがあるのですか。

緒方信一文部省初等中等教育局長

○説明員(緒方信一君) それは教育課程審議会の委員の任期はたしか一年になっておりますから、任期満了の委員につきまして改選があったのは事案であります。途中で任期がきております。それで解任されております。しかし教育課程のメンバーと申しますのは、委員会のメンバーと申しますのは、これは中学校、高等学校の校長先生、それから教育委員会の専門の職員、指導主事、指導部課長も入っております。それから教育長も入っております。それからなお教育学者、教育学部の教授、こういう人から編成されておりまして、専門的に相当長期にわたって研究をいたした結果、こういう結論が出たわけでございます。結論が出ました当初批判の起りました点は、先ほど申しました社会科において一般社会と自治問題と一緒にした新科目を作る、これをその答申におきましては、すベての生徒に履修させるということじやなかったわけです。その点につきまして従来批判が起りましたので、私どもはその批判にこたえて、これをいわゆる必修、すべての課程の生徒に履修させなければならぬ、こういうふうに改めて出した。それが最近になりましていろいろな批判が起つた。昨年の十月にそれが決定し、昨年の十二月十七日にすでに地方には確定した方針を示しております。しかしその間におきまして、私どもは批判にこたえて一部修正もして出した、こういう経緯でありまして――ということを申し上げております。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 この点二十七年十二月に発足をして、そうしていろいろ問題を検討して、二十八年の十二月に中間報告をいたしておりますね。ところがこのときの中間報告の中には、コース制を採用するというふうな内容はほとんどなかったようでございます。ところが二十九年八月になって任期が来たかげんでもございましょうが、ほとんど二、三を残して全部入れかえたでしよう。そうして二十九年八月に入れかえて二十九年十月には答申している。たつた二ヵ月、それまで二カ年あまりの検討というものが中断されて、そうして新しい委員によって明らかに二カ月間の検討でこの諮問に回答している。そうすると何かそれは文部省の考えを押しつける、そういうことをやつたんじゃないかという疑問がまあ起るわけなんです、われわれからすればね。  それからもう一つは、この問題は中央教育審議会も若干意見が出たように聞いておるのですがね。この問題の重要性から考えて中教審に諮問してもいい性質のものではないでしょうかね、そういう点答弁願います。

緒方信一文部省初等中等教育局長

○説明員(緒方信一君) いまの教育課程審議会の任期がきて委員の解任があった、これは先ほど申しますように事実でございますが、何人の解任をやつたか、私ちょっとわかりませんけれども、今お話しのような、こちらからあらかじめ何と申しますか、文部省の考えを押しつけたというお話でございますが、そういうことは絶対ございません。それは委員に対する非常に、何と申しますか非礼になると私は考えます。そういうことはございません。  それからこれはお話のように二十七年の暮からずっと審議をして参りましたけれども、これをまとめますことは非常にむずかしい。と申しますのは、各教科の専門々々によりましてやはり自分の専門の、自分の専門と申しますとこれはどうかと思いますけれども、それぞれの教科の時間数をふやしたい、単位数をふやしたいという要求がどうしても出て参ります。そこで今お話しの、中間発表の今日までの結論になりますと、これは一日の時間はきまつておりますし、一年の時間はきまつておりますから、どうしてもその中に入れない、整理ができないのであります。それは教養を高めるためには、なるべくどの科目もたくさんの時間がほしいでありましようけれども、しかしそれを高等学校の教育として、バランスのとれた教育を完成するという意味で、どうこれを組み立てていくかということは非常にむずかしい問題でありまして、それに非常な時間を費したのであります。そこで中間発表までは結論が出ないで、そうして新しい委員になって、それは今お話のように相当短期間に勉強をしてもらいました。あれは夏から始まつたと思いますけれども、非常なたびたび会合を開いていただきまして、そうしてその各教科の要求をうまくこう整理をして、ああいう形でまとめ上げたのでありまして、その間の今お話しのような点はさように私は考えておりません。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 非礼になるとかならぬとか、何か文部省がそういうことをやつたのじゃないかということを尋ねているのです。やつていなければやつていないと、それでいいわけですよ。というのは、二十七年の十二月からこの審議会で検討をして二十九年八月までやつているわけです、この審議会でね。ところが二十九年八月になってから、ほとんど二、三人を除いて全部入れかえたでしよう。これを数字を発表して下さい。どういうように入れかえたのか。そんな長い間審議をしてきたものをすつかり入れかえて、そうしてあとニカ月で新しいメンバーでちゃんとできているのですね。だから、私は疑いたくないのですが、どういうわけでそういう大幅な入れかえをしてやつたか。それは大幅な入れかえは私が聞き違つているかもしれないから、どの程度に入れかえをやられたか。ちょっと常識で考えれば、二十七年十二月から二十九年八月までやつて、相当入れかえてニカ月で相当変つた方針を出した、むしろ文部省は圧力をかけたのじゃないか、これは私の疑念ですよ。何も委員に対して言っているのじゃないのですよ。文部省はかけていないかどうかと言っているのですよ。

緒方信一文部省初等中等教育局長

○説明員(緒方信一君) それは何もかけておりません。(笑声)委員の解任はちょっと今ここにおる者にはわからぬそうでありますが、半分ぐらいだろうと申しておりますが。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 もっと多いらしいですね。

緒方信一文部省初等中等教育局長

○説明員(緒方信一君) ちょっと調べて申します。決してそういうことを私がここで意見を左右しようという気持は一つもありません。ただ先ほど申しますように、まあこれは荒木先生おわかりと思いますけれども、今の各教科のバランスをとつていくのは非常にむずかしいので、相当長い時間をかけて研究して、それは考え方は変つておりますけれども、その研究の上に積み重ねてそのわれわれの結論が出たということは、これは事実でございます。これはその答申を出していただいた委員の方々をごらんになっていただけば、りつぱな教育者、学者が入ってやつておられますから、今お話しのようなことは全然ございません。

高田なほ子日本社会党(第四控室・左)

○高田なほ子君 ちょっと関連してお尋ねしたいのですが、改訂の時期の問題について荒木ざんから質問があったのですが、非常に局長はもう是が非でも何でもかんでも、もう今回四月から改訂をしなければならないという、非常に強硬な意思を持たれているようですが、その中で、非常な混乱をきたすから云々というような御答弁があったと思うのですが、その混乱というのは具体的にどういう混乱があるのか、最も顕著なものを具体的にあげて下さい。

緒方信一文部省初等中等教育局長

○説明員(緒方信一君) 私はまあ混乱があるからということをちょっと申したかもしれませんが、それよりも私は基本的にこれは教育課程の改訂はやるべきものだということで、文部省で今までやつてきております。その結論が出て、しかも昨年の十二月にその方針をきめて、地方におきましても着々準備を進めてきてもらつております。これは来年の四月から方針通り実施すべきものだと、こういうふうに信じております。それはそういうふうに地方に対しまして、そういうふうに方針を示しまして準備をしてもらつておりますから、今ここでこれを改めるということになれば、これは混乱が起ると思います。

高田なほ子日本社会党(第四控室・左)

○高田なほ子君 いや、その改めるとか改めないということを私は聞いているのじやなくて、混乱が起るからどうしても今度の四月に改訂をするという時期は、絶対にもう譲られぬというようなお話なので、先ほどの陳情者の御意見では、やはり非常に重大な問題だから慎重にまあ時期というものを考慮しなければならないということで、幾多の具体的な時期の設定については内容を掲げて陳情があったから、私は質問をしているわけです。ところが今のまた御答弁によると、地方の準備は着々と進んでいると、こう言われるし、荒木先出はまた教育委員の方に尋ねたら、どうもやはりそれと違うようだと、こういうのですが、それでその地方の準備が着々進んでいるというのは、具体的にどういうところでどういう準備が進んでいるのか、そこらを詳しく説明をしていただきたい。

緒方信一文部省初等中等教育局長

○説明員(緒方信一君) それは具体的にとおつしやいましても、都道府県の教育委員会におきまして、事務的準備を進めておるわけでございます。コースを作るとすればそれをどういうふうに実施するかということについて準備を進めておるわけでございまして、私ここで一口にどういうふうにということは申しかねますが、教育委員会の事務局におきまして、これは準備を進めておるということを申し上げておきます。

高田なほ子日本社会党(第四控室・左)

○高田なほ子君  そうすると、その準備が地方の教育委員会で四月までにできないところは、どういうふうになさるんですか。

緒方信一文部省初等中等教育局長

○説明員(緒方信一君) これは私はできるものだと考えます。まだこれから半年近くの期間もございますので、今後もわれわれは十分努力して、地方とは連絡をとつて十分周知徹底させたいと考えております。

高田なほ子日本社会党(第四控室・左)

○高田なほ子君  大へん緒方さんは信念ということをさっきから言っておられるのですね。信念ということで、教育行政は信念だけではやれないので、相当今の現場の先生の御陳情を伺うというと、かなり内容に重大なものを含んでおるし、都道府県の教育委員会においてもかなり準備が進んでおる。準備ができなければ徹底的にやると、そういうふうに言われますが、文部省は教育委員会に強制的に命令し拘束する権限というものはあるのですか。

緒方信一文部省初等中等教育局長

○説明員(緒方信一君) これはわが国におきまする高等学校の教育課程を改めるわけでございますから、で各県とも歩調を合せてこれを実施していくことが私は必要ではないかと思いますし、またそうすべきものだと思います。まあ法律的な関係になりますと、これはちょっとむずかしいのでありますけれども、学校教育法のもとに文部大臣が高等学校の教科の内容をきめることになっておりますので、これをきめまして、これを示すわけであります。それを教育委員会で守つていく、これは当然なことでございます。

高田なほ子日本社会党(第四控室・左)

○高田なほ子君 これの法的根拠についてはいずれ後刻私はまたお伺いしたいと思っておるのですが、問題は改訂の時期について地方の教育委員会は準備をしておるが、地方教育委員会はそれぞれやはり地方の実情に即して文部省のいわゆる企画したものをこれはいろいろ検討してきめていくわけでしよう。そうだとすれば、緒方さんの考えていられるように、必ずしも来年の四月一日までにその準備ができるとはそれは予想できない。よほど文部省が拘束力を持ち、命令権を発動しなければ、そういうことは私はあり得ないと思うのですね。しかもその教科書もまだできておらないのに、良心的な教育委員会だったらば、教科書もできていないのに文部省だげが命令して、しからばさようでございますかといって受けるほど、教育委員会というものは自主性のないものとは考えられないのですよ。だからなぜそんなに改訂の時期で文部省がやつきとなって信念を持って四月一日までしなければならないか、非常に疑問を催すのです。私がなぜこういう質問を申し上げているかというと、その文部省だけがその改訂の時期をこんなにせいているのではなくて、やはり相当ここの経過にくるまでに、いろいろな方面からの改訂の要望があるのではないか、そのいろいろな方面の要望というものは相当強いものであったのではないか、こういう疑問を持つので、特に解明をしてもらい、私も納得をしたい、こういう意味で質問をしているのです。だからもう少しわかるように答弁して下さい。

緒方信一文部省初等中等教育局長

○説明員(緒方信一君) その要望は先ほども申しましたように、あるいは大学側の要望もございましたし、それから高等学校側としましては校長協会等の要望もこれはございました。しかし今おっしゃった意味、私はよくわかりませんけれども、これはやはり教育の問題としての取扱いでございます。  それから時期につきまして、教育委員会がまあその文部省のきめました点を検討して具体的にはきめるだろうというお話でございますが、これは教育の一つの基準でありますから、それは幅がもちろんございます。それはもうこの教育課程のきめましたもの自体にそれは書いてあります。たとえばその組み合せ方にいたしましても、科目の組み合せ方にいたしましても、そのコースの作り方にいたしましても、それは文部省がきめましたのは一つの類型として、標準として、基本になるものを示したわけでありまして、それをその各地の実情に応じてさらに検討して適当なコースをきめていくということは、あるいは県により、あるいは学校によってむしろこれはやつてもらわなければならぬことと思っております。しかしながらこれを全然やらぬということになりますと、これはやはり国がきめました教育課程の内容を実施しないということになりますから、これはそうあるべきでないと私は考えております。

高田なほ子日本社会党(第四控室・左)

○高田なほ子君 私は良心的な方々がみんな教育委員になっていらつしやるのですから、全然文部省の計画をこれは最も悪いものだとして、これに反対するからできないのではないかということを言っているわけではないのです。文部省のきめましたものを各県の教育委員会が自主的にこれを検討されて、その結果として若干時期というものにもズレというものがくるのではないか。そういったような場合もあり得ることを文部当局としては考えなければならないのではないか。しやにむに四月一日から断行するという、そういう強制的な改訂の時期というものをここで御発言になるということについては、若干私に疑義があるので今まで質問を繰り返してきたわけであります。でありますから、各都道府県の状況によって来年四月よりも、若干地方の状況によっては受け入れ態勢のいかんによって延びることもあり得る、こういうことが考慮されるが、これに対してあなたはどういうふうにお考えになるかということをもう一ぺん答弁して下さい。

緒方信一文部省初等中等教育局長

○説明員(緒方信一君) 繰り返して申し上げますように、もうすでに今日まで長い間打ち合せもいたしてきておりますし、今後も私ども打ち合せを続け、検討を各教育委員会におきましても続けていってもらいたいと思っております。まだその新学期までは半年もございますので、いろいろなお私どもは十分疑問は解明したつもりではございますが、なお地方におきまして疑問があり、むずかしい問題点があれば、十分一つ御相談に乗つて、来年の四月から実施できるように努力いたしたいと、かように考えております。これが実施できない場合にはどうかということは、ちょっとこれは仮定の問題でありますので、私はそれは考え切れないわけでございます。

高田なほ子日本社会党(第四控室・左)

○高田なほ子君 それではお尋ねいたしますが、今まで各都道府県の教育委員会当局とたびたび文部当局は懇談をされ協議をされたように承わつておりますが、私どもが常識的に考えてみましても、五単位の学校と三単位の学校と、そういう二つのコースに分れたときには、当然ここに現実の問題として学区制の問題がその面からくずれてくる。自分の入りたいと思う学校がその学区内に適当になかった場合には、やはり学区制を無視してよそに行かなければならない。これは学区制がくずれ  るということになりますから、これは現案の問題としてこういったようなことはやはり教育委員会としても問題の中に出てきたのではないかと思いますが、文部当局としては学区制がこういう混乱に陥ることに対して教育委員会とどういう程度の打ち合せをされ、具体的にこれをどういうふうに措置するかというような問題についての教育委員会当局とのお話の最も重点的な経過を、私らの疑問を解く意味においてここでるると説明をしてもらいたい。

緒方信一文部省初等中等教育局長

○説明員(緒方信一君) 私は各県の実情を一々ここで申し上げることは、これはちょっと私できないのでございますが、これは担当官もございますので、担当官によりまして、そうして一々各県と問題のあるところにつきましてはお話をしておると思います。またそうしております。今学区制のお話が出ましたのでありますが、私は教育課程の改訂の実施と学区制の問題とは直接の関係は出てこないのではないかと思っております。その学校におきまして考え得る、その地域の学校の生徒の要求に応じ、あるいはその地域の実情に応じましてコースを作るのでありますけれども、これは大体コースの型というものはそう変つた型が出てくるものではないと私は考えます。従いまして、ほかの学校に行かなければ希望が満たされぬということには私は相ならぬだろうと考えます。もともとその学校に文部省としましても一応の類型を示しておりますので、極端の型は出ない。その極端な型を求めてほかの学校にまで行かなければならない、そういうことには私はならぬと考えております。

高田なほ子日本社会党(第四控室・左)

○高田なほ子君 そういう問題は教育委員会と文部当局とのお話の中に全然出てこなかったわけですか。この改訂が行なわれると、教育委員会の側では文部省の改訂がきわめてスムーズに行なわれて何ら異論がないという、そういう結論であるというふうに了解して差しつかえございませんか。

緒方信一文部省初等中等教育局長

○説明員(緒方信一君) 私は学区制の問題のみならず、それが教育委員会としてはいろいろ研究をされておると存じます。それは教育委員会があらゆる観点に立ちまして研究をされ、結論を提出をした、文部省とも質疑応答をいたしまして、そうして落ち着いたところである、かように考えております。

高田なほ子日本社会党(第四控室・左)

○高田なほ子君 そうすれば、結果として文部省の改訂を教育委員会側がこれは全面的に異議なく了承しておるというふうに今の御答弁を解釈しておるのですが、そうなんですか。

緒方信一文部省初等中等教育局長

○説明員(緒方信一君) 異議なく了承しておるという……。

高田なほ子日本社会党(第四控室・左)

○高田なほ子君 ちょっと待って。あなたは今問題がない――荒木さんの質問に対しても、入学試験地獄の問題はない、それから学区制の問題はない、全部問題がない、こういうふうにさっきから御答弁になっておるから、教育「委員会側でも文部省側の改訂については全面的に異議ない、問題なく了承して準備を進めておるのですか、こう私は尋ねておるのです。

緒方信一文部省初等中等教育局長

○説明員(緒方信一君) 私は原則的にはさように了承しております。それはいろいろ疑問と持ち、研究しておる面は私はたくさんあると思いますが、いかに実施するかということについてけ非常な苦心はされておる点はあるかと思いますが、私の説明で十分納得されたと私は解釈しております。

高田なほ子日本社会党(第四控室・左)

○高田なほ子君 ここらにやはり問題の根源があるように思うのです。私もこの問題を非常に重要に考えて、二、三の教育委員の方々と意見を交換しております。しかし不幸にして文部省の改訂の意見とは意見の一致しない点を多々発見することができたので、今私は以上のような質問をしておる。改訂の時期について再度質問をしたわけですが、しかしここで申し上げましても水かけ論になりますし、また私自体としても具体的に勉強が足りないと私自体でも思います。ですからもう少し私も具体的にさらに研究をして、質問をその次にお待ちになっておる荒木先生にお渡しして、ここでとめておきます。

笹森順造日本民主党

○委員長(笹森順造君) ただいまの案件に対して御発言ございませんか。――ほかに御質疑の方は、保留なされる方はあると了承して、本日はこれにて散会いたします。    午後四時二十九分散会

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