文教委員会 第2号
- 発言数
- 56 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1955/03/29
会議録
○委員長(笹森順造君) ただいまより文教委員会を開きます。 まず理事の互選を行います。 前回の委員会におきまして委員長の指名により理事を決定いたしましたが、その際都合により一名だけ指名を保留いたしました。よって委員長は本日小笠原二三男君を理事に指名いたします。 —————————————
○委員長(笹森順造君) 次に教育、文化及び学術に関する調査を議題といたします。
○矢嶋三義君 大臣に伺いたいのですが、御承知のように暫定予算が通りますと四月から自然休会に入る予定でございますし、来年度の予算の大蔵省における査定の最終段階に入って骨格予算が近く提出される予定でございますので、自然休会に入る前に文部大臣にあらゆる角度から一応ただし、また要望もしなければならぬ、こういうふうに私は考えておりますが、本日予算委員会があるそうでございますから、時間を長くかけるわけにもいきますまいから、私はまず一、二点について伺いたいと思います。 それは鳩山内閣ができると同時に、文教に重点を置くという意味において、文部大臣に与党の大ものと伝えられているところの松村文部大臣の実現ができたということは、ある意味において非常に私は喜ばしい、また意義があると考える。 そこでその角度から伺いますが、伝えられるところによると、副総理の含みをもって松村文部大臣が実現したと、こういうことが伝えられております。そこで私が伺いたい点は、文部大臣に就任されましたあなたは、副総理を含みとして就任されておられるのかどうか、それとも文部大臣として心身ともにわが国の文教政策のために働かれると、こういう御決意の下に文部大臣に就任されておられるのかどうか、その点をまず伺いたいと思います。
○国務大臣(松村謙三君) 今のお尋ねでございますが、総理なり党内で文部行政を重視するということは考えていたようでございますけれども、私の選任につきましてはそういう意味のことを総理から何ら承わっておりません。従いまして私はただ重い軽いというようなことでなく一大臣といたしてと心得て就任をいたしております。従いまして副総理などというようなことも、これは全く総理及び党から何らそういう条件をつけられておりません。私もそういうことをやるというような考えを持っておりません。ひとえに文教の責任を身をもって果したい、こういうつもりで現在やっておるのでございまして、そういうことを予定して、副総理などということを予定して就任をいたしたということではごうもございません。これを申し上げておきます。
○矢嶋三義君 重ねて伺っておきますが、それは私は内閣法の九条から副総理制そのものについても疑義を持っております。ただいま文部大臣から副総理云々ということは毛頭考えていないということを承わりましたので、今後文部大臣が鳩山内閣の副総理としての動きをされることなく文部大臣として専念されるということをただいまの答弁で承わったわけでございますが、さらにもう一点私は承わっておきたい点は、何といってもあなたは与党民主党の重要なるポストにおられる方でございます。従って鳩山内閣は、国民に対して文教が重大であるから、ことに文部大臣の選任に当っては、党内において発言力の強い一流のお方を文部大臣にしたと、かように放送されながら、実際において今後大臣が責務に追われて文部大臣のポストにすわっておりながら常務に専念されるというようなことになりますならば、組閣当時に国民に発表された内容と相当食い違ってきて、これは私はわが国の教育界に与えるところの影響というものはきわめて大きいと思うのでございますが、その点について文部大臣は如何ような心がけでおられるでございましょうか、念のために承わっておきます。
○国務大臣(松村謙三君) 私は是非やってみたいと思いますことは、教育の中立性、中正の立場に教育をおきたい。大臣がかわり政党が変るごとに教育の根本が変るというようなことのないこの教育の中立性を保ちたい、こういうふうに考えておるものでございます。従いまして、その中立性を害するようなことはほかにも許しませんが、みずからもまた戒めて、そういうことのないようにいたしたいと考えます。従いまして党務とそれから文部の仕事とは截然と区別をいたしてやっていきたいつもりでおります。
○委員長(笹森順造君) ちょっと矢嶋君に申し上げますが、ただいま予算委員会の方から通知がございまして、予定の通り、いま文部大臣に対する質疑が始まることになったからというので、御挨拶の時間だけということで何しましたから……
○矢嶋三義君 もう一回今のに関連して一つ。
○委員長(笹森順造君) 後に引続きましてまたお願いいたしますから、その機会にどうぞ。
○矢嶋三義君 ただいまの文部大臣の発言はきわめて重大だと思うのです。その点について私は時間がないから多く聞きませんが、明快に答えていただきたいと思います。それは第一次鳩山内閣の安藤文相が教科内容にまで容喙されたわけですね。たとえば社会科の内容については、教育課程審議会で、あるいは社会科教育研究協議会等で一つの結論を出され文部大臣に答申されたのに、文部大臣個人の私見を入れて、これに加除添削をやられたわけですが、こういうことはわが国の文教政策にいまだかってなかったことだと思うのです。こういう点をただいまのみずからも教育の中立性を堅持するために努力され、一党一派によって教育内容が変らないように堅持してまいりたいという文部大臣の発言と関連していかように考えておられるかという点が一つと、それからいずれ承わりますが、選挙中に農林大臣が鳩山内閣の閣僚として、農民子弟の教育の振興のために格別の措置をされるということを放送され、さらに文部大臣は私学の振興について積極的な一つの公約的発言をされておりますが、その後就任された同じ鳩山内閣のあなたは、今度は私学振興、あるいは農民子弟の教育というような選挙公約には触れられないで、今度は科学教育に重点をおくと、こういうように一、二カ月の間に、もう転々として変わられておりますか、一体民主党鳩山内閣の文教政策の重点はどこにおこうとされているのか、簡単で結構ですから、骨子だけ明確にしておいていただきたいと思います。
○国務大臣(松村謙三君) 私が先刻申し上げたことと前任の大臣がやられたことと結びつけてのお話でございますが、前任大臣のやりましたことの当否はこれはそれと関連性がありません。私はその事柄について判断をいたしたいと考えております。それから私学振興でありますとか、あるいは農民の何でありますとかということは、私学振興のことについては私どもも前任大臣と同様に今日予算をぜひとりたいと思って努力をいたしておりますので、この間話の中に科学の振興をあげましたのは、そのためにほかの方を閑却いたしたという意味ではございません。農民の教育につきましては、これは私どういうことであるか、まだ詳しく聞いておりませんから、これは追ってよく趣旨を承わって御返事を申したいと思います。今日は実は予算委員会に呼ばれておりますので、ちょっとおいとまを……。
○安部キミ子君 ちょっと、一分で結構ですから大臣にお尋ねしたいのですが……。
○国務大臣(松村謙三君) 実は全然時間がございませんから……。
○委員長(笹森順造君) それでは簡単に……。
○安部キミ子君 まことに恐縮でございますが、実は山口県の下関にございます吉見の水産講習所、これは農林省の所管になっております。それが実質的には大学の性格を帯びて教育が施されておりますので、私どもはこれをいつまでも農林省の所管にそのまま放置しておくんでは、文部省としても責任があるんではないかという考えから、地元の学校当局をはじめ、学生あるいは父兄あるいは地域の水産業界の人たち、特別の人たちがこぞってこれを単科の国立水産大学にしてもらいたいという要望が熾烈でございます。この問題につきまして、先般来水産庁との折衝も私直接当りまして、水産庁ではこぞっての意見として文部省が受け入れて下さるなら、どこまでも独立の大学として受け入れてもらいたいと、そういう立場で受け入れて下さるなら私どもは喜んで文部省にお任せしますという言質をいただいているわけなんでございますが、大臣はこの問題をどういうふうに考えておいでになるでございましょうか。
○国務大臣(松村謙三君) 実は私新米でございまして、今来たばかりでございますが、よく調べまして、一つこれは農林省との交渉もございましょうから、よく調べて御返事をいたしたいと思います。
○委員長(笹森順造君) 文部大臣は予算委員会に呼ばれておりますので、そちらのほうにおいでになります。
○矢嶋三義君 いずれ文部大臣に質疑をする機会を自然休会に入る前に作って頂けますね。
○委員長(笹森順造君) もとよりそういたします。
○矢嶋三義君 それでは私は文部大臣に質問する場合の資料収集という角度かう短時間政府委員諸君に伺いたいと思います。 まず社会科改訂の問題について伺いますが、ただいまの文相の発言は私はかなり安藤文相のとられた態度とは重大な相違があると思います。私は重大に考えます。そこで事務当局に伺いますが、前文部大臣みずから筆をとって教科内容に関する答申案に修正を加えられた。それが新学期の四月一日から案施されようとしているわけですが、とりあえずあの文部大臣の主観をもって教科内容の一部を修正した点については慎重な態度で一応撤回してあらためて審議会等において審議し、新大臣のただいまの発言に沿うように取り扱うべきだと思うのでありますが、さような指示を文部大臣から受けているか受けていないか、また事務当局としてはいかようにこれを考えられておるか、承わりたいと思います。
○政府委員(緒方信一君) 先般発表いたしました社会科の小学校中学校関係の指導内容の問題でございますが、ただいまの御直間に対しまして御了解をいただきます意味で、この問題の経緯を簡単に申し上げまして御了承を得たいと思います。 この社会科の改訂につましては、相当以前から文部省として着手いたしているのでございます。社会科が戦後新しく教育の中に編成されまして実施されてきたわけでございますが、その実施の状況をいろいろ考えましてみました場合に、道徳教育の面と地理歴史の教育の面につきまして、これは学者の間にもあるいはまたそのほか父兄等の間にもいろいろ批判が起ってまいったのでありまして、児童生徒を道徳的に遺憾のないように育成していくということと、並びに地理歴史につきまして、その社会科の中で教えます場合に、主な基礎的な力あるいは系統的な学力というものにつきまして遺憾の点があるのでないか、こういうような御意見でございまして、これに対しまして、そういう問題に対しまして、文部省といたしましては、あるいは世上の批判に応えまして、この改訂のことを研究してまいったのであります。
○矢嶋三義君 答弁の途中ですが、私の質問の趣旨は、冒頭に申し上げた通りなんです。従って私の質問の答えとして結論的なものだけ伺っておけば、そういう詳しいことは他日やりますから、その角度で答弁して下さい。
○政府委員(緒方信一君) 社会科の最後の教材と調査研究会の答申をまちまして、そうしてそれを文部省で決定しまして今度発表したわけであります。その経緯につきましてはいろいろと伝えられているところもありますけれども、教材と調査研究会の答申の趣旨を十分に尊重いたしまして、文部省の事務当局におきましても、これは専門職を中心といたしまして、十分に検討いたしたのであります。教材等調査研究会の答申の場合にも文部省の事務当局に対しまして、これの整理につきましては十分に検討してくれという意向もあったのでございまして、文部省事務当局と、それから教材等調査研究会の社会科部会の委員長とにこの整理が依頼されたわけでございます。従いまして私どもとしましてただいま申しましたように十分に慎重にこれを検討いたしたのであります。さよういたしまして若干の点につきましては、特に表現等につきましては十分整理をいたしました。従いまして研究会の答申通りのものではございません。字句まで答申案と同様のものではございません。そうしてさように文部大臣の決裁を得てこれを発表したわけでございます。従いましてそういう経緯でございまして、文部大臣自身だけが個人的に何か付け加えられたという経緯はないのでございまして、文部省としまして、事務当局といたしまして十分に検討いたしまして、それを最後に大臣の決裁を得て発表した、こういうことでございます。従いまして私どもといたしましては事務的に考えました場合に、すでに新年度からこのことを実施するために地方の教育委員会に対しましても決定の内容を通牒いたしまして、その趣旨の徹底に今努力をいたしている次第でございます。従いまして事務的にはこれを実施を延期するといったような考えは事務当局としては持っておりません。よろしく一つお願いいたします。
○矢嶋三義君 それでは資料を要求いたします。教材等調査会の答申された原文ですね、それと省議で検討されて出された結論と比較対照した資料を出していただきたいと思います。例えば具体的に中国とか、ソビエトとの関係などはあまり教えないような内容のものに変えてあるでしょう。中国との関係をよく認識させるようなことに努力せなきゃならんというような項目のあったものを、そういうものを削除しておるのが一つの例としてあげられております。だからただそういう専門機関が出されたのを事務当局で検討されて、そうして最終決定して流した。これを比較対照したものを資料として出していただきたい、これを要望しておきます。 それから次に伺っておきたい点は、大臣から教科書の問題について民編国営論というような現行検定制度を変更しようという立場から何かの指示を受けておられるかどうか。それから現在そういう検討をあなたのところの主管局でやっているかどうか、そういう角度から簡単に答弁をしていただきたいと思います。
○政府委員(緒方信一君) 今の前段の資料の御要求がございましたが、その点につきましてこれも一言申し上げて御了解を得たいと思いますが、内容の点につきまして今一々事例をおあげになりましたけれども、こういう点につきましてここでお答えいたしますのは省略いたしますが、必ずしもお話の通りではないと思いますが、ただその答申案と最後に決定したものと対照して出せ、こういうお話でございますが、答申案というのは先ほど申しましたように、これは回を重ねまして一回々々積み重ねて整理をして行くという形で出て参りましたので、最後のところは文部省と、それから先ほど申しましたように委員長にまかされて、そこで整理をしたという形でございますので、必ずしもはっきりこれが答申案だというふうにはお示しできません。しかし研究いたしましてお見せしたいと思います。 それから教科書の問題でございますが、ただいま大臣から現在の制度を変えろという御指示の、そのための検討というふうに特別にはまだ伺っておりません。まだ大臣御新任早々でございまして、そういう指示は受けておりません。それから……(矢嶋三義君「前大臣は、前の大臣からは。」と述ぶ)結論を示せとの御指示は伺っておりません。前大臣にいたしましても、ただ私のほうで事務的に検討しておるかというお話でございますが、これも結論を予定しておるわけではございませんが、研究等はいたしておりません。
○矢嶋三義君 次に政務次官に伺いますが、ただいま大蔵省において来年度の骨格予算の最終査定段階に入っておりますが、文部事務当局から大蔵事務当局に文部省の要求額として説明した内容のものは吉田内閣当時の文部省省議として一応まとまったものであるかどうか、それと内容を変えた立場において文部事務当局から大蔵事務当局に予算要求の説明をされたのかどうか、もしかように変つたのならばどういう点を変えて説明されたのか、その点を伺います。
○政府委員(寺本広作君) ただいま大蔵省に要求しております文部省の事務予算を昨年の八月、三十年度予算として要求したものがそのままになっておると思います。その後あらためて事務的に要求はしておらんと思います。
○矢嶋三義君 しからば予算という面から考えたならば、吉田内閣の文教予算と鳩山内閣の文教予算とは少くとも文部省という立場において考えた場合には相違はないと、かように了承してよろしいのかどうか伺います。
○政府委員(寺本広作君) 二十八年度、二十九年度の予算に比べて三十年度の要求予算は相当多くなっていると思います。これに対して大蔵省から遠からず査定案の内示があることと思いますが、その折衝の過程において私どもの考えなり、党の主張なりを盛り込んで折衝を続けて行きたいと、かように考えております。
○矢嶋三義君 政務次官としてその点不明確です。私が伺っているのは、吉田内閣当時に文部省省議としてまとまった予算要求を大蔵省にしたとそれと全く同じものを大蔵事務当局に鳩山内閣のもとにおける文部省としては要求してあると、で、別に新しい事項についての要求はしておりませんと、かような答弁でございますから、だから文部省という立場において考えた場合に、予算面だけから考えるならば吉田内閣の文教予算と今文部省が考えられている鳩山内閣の文教予算とは相違はないということになるじゃないか。それをあらためて私伺っておるのですが、もし違うならば鳩山内閣ができると同時に、松村文部大臣が誕生すると同時に省議で吉田内閣のときの文部省でできたこの予算では民主党の文教政策はできん、だからかような点を変えなくちやならぬ、変更事項を以てこういう予算はぜひ入れてくれ、認めてもらはなくちゃ困るという事務当局からの説明があってしかるべきだと思うのですが、あなたの答弁ではそういうものがなされていないということですから私伺っておるのですが、前言をいかように翻えそうとあえて追求いたしませんが、どういうつもりなのか、それを伺います。
○政府委員(寺本広作君) 先ほど申し上げました通りでございます。ほかの省でも同じだろうと思いますが、三十年度の当初予算の要求は昨年八月事務的にした要求案がそのままになっておると思います。ただ鳩山内閣として作り上げます予算は折衝の過程においてどの点を主張し、どの点を力説し、どの点をどう振りかえて最終の予算をまとめていくか、これからの折衝の過程で鳩山内閣の政策が生かされると考えております。その鳩山内閣の政策として生かすべき予算折衝の重点事項についてはただいま折角検討を重ねておるところでございます。
○矢嶋三義君 いずれ文部大臣から伺いますが、私はもうちょっと突っ込んであなたに伺っておきたいと思います。というあなたの答弁は、こういうふうに了承していいわけですね。たとえば松村文相が言う科学振興、これは吉田内閣当時に文部省から大蔵省に要求金額として出され説明されたのは十八億七千万となっております。ところが今度松村文相は科学振興という錦の御旗を立てられたわけでありますから、折衝過程においてこの十八億七千万というものは変ってくる。それから先ほど文相がやりました私学の振興、これは安藤文相が選挙中大アドバルーンをあげて、ずい分これで民主党は票を得しているわけです。教育におけるこれは大きな公約であったわけですね。吉田内閣当時に私学の振興としこの助成費は十六億六千万円というものを大蔵事務当局に説明し、要求してあります。そこで松村文相それから前安藤文相、それから今のあなたの発言から言うならば、大蔵事務当局の折衝過程においてこの十六億六千万というものは当然私は変ってくるべきものだ。又松村文相が掲げました社会教育の振興という立場からも、そういうものは予算の折衝過程において変ってくるものだ、かように私は了承しておる。それをも肯定されないようでしたら、予算面から考えた場合に、吉田内閣の文教予算と鳩山内閣の文教予算は一体いずこに相違があるのか。殊に選挙中に言った公約というのはどうなるのか。それから大文部大臣の誕生した後の松村文相の文教予算というものはどうなるのか、全く理解に苦しむようになるのですが、その点伺っておきます。
○政府委員(寺本広作君) 先ほど申し上げました通り当初予算の要求は昨年八月いたしたままになっておりますが、予算折衝の過程において政策を盛り込んでいきたいという考えでございますので、費目によりましては当初要求額を超過する要求をこれから出す場合があろうかと考えます。
○矢嶋三義君 出さなければならない、いずれ具体的に自然休会に入る前に文部大臣と御同伴でおいでいただいて、この点を明確にしていただきたいと、かように思っております。 長くなるとお気の毒ですからこれぐらいにして、関連する問題を初中局長に伺いますが、まず資料を要求いたしますが、それは、四十六都道府県はおそらく四月、五月は大てい暫定予算を組みつつあると思いますが、各県とも教職員の定員すなわち義務教育国庫負担法と関連がある問題ですが、いかような予算編成をやっておるか、もう少し具体的に言うならば、生徒児童の増加に伴っていかような定員配置をしようと予算案を組んでおるかという立場から、文部省で現在把握されておる資料を本委員会に出していただきたい、かように思う次第でございます。ということは、これから言うことには答弁も必要なんですが、私がまあ一、二調べたところによりますと、政令百六号の前段、後段をいかようにするかということは、これらに関係ある府県としては、予算を組む場合に非常に大きな問題であるわけですね。これが国家予算が暫定予算になって明確になっていない関係上、各都道府県は生徒児童の増加に伴って来年度どの程度の定員をまかなっていけるのかという立場から、自信をもって予算を組み得ない状況にあるわけです。それからまた昨年自治庁と文部省とで協議の上通達された職員定員の線さえ確保せられないで下回っておる状況があるようですし、特に暫定予算を組んだ県においても昇給昇格の予算等はほとんど組み入れていないというよう、私の調査の範囲内ではさようでございます。一体それでいいのかどうか、文部省としても責任官庁として相当重大な関心を持っておると思います。 私はそういう意味からこの資料を要求しておる。いまあなたから答弁をしていただきたいのは、一体政令百六号はどうするのか、これは吉田内閣当時から問題で、そのつどあなた方は大蔵事務当局と折衝中、折衝中と言うて今日まで来ておるのですが、もう新学期は四月一日から始まるのですから、子供は入って来るのですよ、直ちに教師は必要なわけですよ。従って予算化もしなければならんわけでして、都道府県としては非常に困っておると思いますが、一体政令百六号をどうするのか。 それからいま大蔵の事務当局と予算の折衝段階だと言われますが、どういうわけで文部省の大蔵省に対する要求というのはじりじりと下っていくのですか。八月頃承わった数字は、どうしてもこれは七十七万児童の増加に伴っては二万の教職員の増加が絶対に必要だと言われておった。ところがこれがじりじりと下っていって、近頃ではもう各県の教育委員会にまかしてしまって、各県の教育委員会は県議会から抑えつけられて、教育委員会は若干抵抗するけれども、抑えつけられて、そうして二万に足らない程度の職員増加は何とか得られそうだという状況と私は承わっておる。そうすると、昨年の八月頃七十七万の児童増加に伴って必要な教職員の増員は、あなた方が主張された二万というのは半分にも足らないというような状況ですが、このままあなた方は見送っておって、一体児童増加に伴う教職員の確保、教育の維持、向上というのは期せられるものかどうか。いかように考え、いかようにこれを文部大臣に説明し、大蔵事務当局と折衝を続けられておられるのか、その見通しはどうか、そういう立場から重点的に伺っておきます。
○政府委員(緒方信一君) まず政令の問題でございますが、これも従来から先ほどお話の通り私のほうも大蔵省と折衝して参ったのでございますが、これはお説の通り新年度を間近に控えておりますが、いま最後の折衝の段階でございます。まだ結論ははっきり申し上げられません。ただ私どもの努力いたしております方向は、前々から申し上げますように国庫負担法の示します原則をなるべく貫くようにという方向で力を尽しておる次第でございます。 それから来年度におきまする生徒児童増に伴う教員増の予算の要求でございますが、これも御承知のように暫定予算がまず組まれまして本予算はそのあとだという状況でございますので、またこれも最後の折衝をこれからいたすことになっておりますので、これもはっきりした見通しはまだここで申し上げかねる段階でございます。今後十分努力したいと思っております。
○矢嶋三義君 一点は政令百六号の後段は大体大蔵省として廃止することに同意しそうだ、こういう私は情報を入れているわけですが、さように考えてよろしいかどうかということと、それから今鋭意折衝検討中だと言いますが、その見通しがおよそ明確になるのは何日と考えてよろしいのか、その二点についてお伺いします。
○政府委員(緒方信一君) 第一点の問題でございますが、私どもも後段廃止のことにつきまして十分力を尽しておる次第でございます。ただこれはまだただいま申し上げましたように大蔵省と折衝いたしますので、見通しと申しましてもここで最後の決定を見ましてからでありませんと、私ども事務当局といたしましては申し上げにくい問題でございますので、そういう点にさような努力をいたしておることを申し添えておきたいと思います。 それから教員増の問題の今後の見通しでございますが、これは聞くところによりますと、近々大蔵省から第一次の内示があるように聞いております。それがございまして、さらにまた復活折衝をいたすわけでございまして、それがどういう経緯になりますか、まだはっきりした見通しは予算全体の問題でございますけれども、予算全体のその折衝のきまる時期がいつかということは、これは私どものほうだけで見通しをつけかねます。
○矢嶋三義君 今松村文部大臣をここに出席要求をして、私この政令百六号、これらの定員問題、すなわち義務教育半額国庫負担法によるところの義務教育半額国庫負担金、それらの問題についていま松村文相をここに呼んで私が尋ねた場合に、松村文相はこの内容がわかって答弁できますか、できませんか、いかがですか。
○政府委員(緒方信一君) 今文部大臣就任早々でございましてまだ十分な御説明もできかねると思います。ただいま申しますようにまだ大蔵省の内示も見てないわけでございますので、これから十分御説明申し上げて遺憾なきを期したいと思います。
○矢嶋三義君 何のために民主党の大物松村さんを文部大臣に頂いているんですか。これを文部大臣に説明せんで今何を説明する問題がありますか局長。あなたの所管事項としては文部大臣が就任されたらまつさきにこれは説明しなければならんことでしょう。しかも内示のある前に説明をしなければならんことじゃないでしょうか。だから私は伺ったんです。私は不満です。さっそくですね、これは十分か二十分でこんな問題はどんな明敏な人でもわかることじゃないのですから文部大臣に説明していただきたい。そうして内示のある前に文部大臣に政治力を発揮していただきたい。これは教育の振興とも関連があるが、地方の財政とも非常に関連のある問題ですからね、この取扱いが適正にいかないというと教職員の配置、それから末端における教官の実態が多く動いて来ると同時に、さなきだに窮迫下の地方財政がこれからあらゆる方面に波及して、常に最も重大になっている問題でありますから、早急に文部大臣によく説明して頂きたい。そして私は次の機会に文部大臣みずからの答弁を求めます。 もう一点伺っておきます。それは資料を要求しますが、年末手当の点です。先ず政務次官に伺いますが、昨年の十二月期末手当が問題になったときに、教職員の期末手当の問題については主として安藤文部大臣、根本官房長官、それから当時の西田自治庁長官、それから給与担当の三好国務大臣、それに与党の首脳のかたがたが関与されて一つの線が出たわけです。その経緯、結束を詳しく申し上げますと時間がかかるから申し上げません。その決定に基いて全国の知事会議を開いて、根本官房長官からは各知事に個別的に、西田自治庁長官からは一堂において一般的に、誠に含みのあるところの説明がなされたわけです。そしてそれに基いて各都道府県では安藤文相の主張されました地方公務員である教職員、国家公務員であるところの教育公務員、こういう教育公務員を他の一般公務員と差等を絶対につけないという当時の鳩山内閣のこれは給与政策の一本と言えると思うのですが、これを貰いたわけです。それに基いて支出されたわけですね、ところが各部迫府県は期末手当を支出はしたが、会計年度末を控えて、さなきだに地方財政の赤字である今、この精算に苦慮している実情が点々とあります。極端なところでは日直、宿直をしてもその手当を出さない、出そうにも出す金がないというような事態の起っておるところもあるようでありますが、まさに会計年度末が迫っているわけですが、いかように処理されようとされておるか、私はこういう場合に政務次官が必要で政務次官制度というのはあるとも私は考えていいのじゃないかと思うのですが、御所見を承わりたいと思うのです。この処理を誤まると、選挙前だから選挙を有利に闘うために一つのアドバルーンをあげたという批判を甘んじて受けなければならぬかと思うのですね、当時根本官房長官は、あらゆる政党の代表にも又院外の労組諸君にも、吉田内閣のときには君たちは赤旗を立て国会を取り巻き非常に剣悪な空気であったが、鳩山内閣はあくまで話し合いの労働政策でいくのだということを極力主張されて、話し合いで片づけるのだというので、そういう形になっているわけです。従ってこれはやはり会計年度末までに当時の話し合いの線に沿って処理さるべきものだと思うのでありますが、御所見を承わりたいと思うのです。資料要求としては、事務当局にその後の処理は各都道府県いかようになっているかという一覧表を、おそらく国会は自然休会に入るでございましょうが、入る前までに出していただきたいということを要求しておきます。
○政府委員(寺本広作君) 昨年の年度末、地力の公務員であられる教職員の方々に年度末手当にプラス・アルファを加えて支給し、その善後措置にいろいろ苦慮しておられる地方団体があるという話は伺っております。それでその実情をただいま事務当局に調査をしてもらっております。 プラス・アルファの問題は御承知のように法規に基く支出でない。そのためにいろいろ善後措置には、毎回こういう妥結をみた際は措置をするのに非常に工夫が要る問題であることは矢嶋委員も御承知の通りでございます。地方団体でその善後措置に最終的な結末をつけるまでにはまだ多少時間がかかろうかと思いますが、とりあえずの措置といたしましては、国庫負担金の三億の繰り上げ交付をしてありますので、当面のやりくりはつくのではなかろうかと思っております。最終的な結末は、実情が具体的に判明しました上で、こちらからも地方に対して勧告もし、忠告もし、そうして妥当なところに落ちつくようにいたしたいと思っております。
○矢嶋三義君 ちょっと速記をとめて下さい。
○委員長(笹森順造君) 速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(笹森順造君) それでは速記を始めて下さい。
○高橋道男君 暫定予算の関係なのですが、小学校の新入生に教科書をやるという問題ですね、これが計上されていないということを聞くのですけれども、この問題は、昨年補助金等の整理に関する法律、あれによって二十九年度はやらないという法律が出たために二十九年度はやられなくなったわけですが、今回も又やられないということになるためにはそういう法律が必要だと思うのですが、そういう法的措置は講じられているのかどうか。その点をはっきりお聞きしておきたい。所管局長にお伺いしたい。
○政府委員(緒方信一君) これは御承知のように、昨年度補助金等の整理に関する法律によりまして二十九年のあの法律の効力が停止になりまして、引き続きまして三十年度につきましてもこの法律の効力を及ぼす、三十年度一ぱいではございませんけれども。暫定予算に見合います時期におきまして、提出いたしました法律案をちょっと私はっきりしたことは申し上げかねますけれども、提出することに、上程されましたか、どうかにつきましては、はっきりしたことは申し上げられませんが、そういう一手続でございます。
○高橋道男君 私はまだその法律案が出たことを聞いていないのですけれども、もしあさってまでに出されない場合ですね。(矢嶋三義君「出ています。大蔵委員会にかかっております。六月三十日まで継続というのが出ておりますよ」と述ぶああそうですか。その場合に、そういう法律が出されているならばこれをまた別に審議しなければなりませんけれども、四月の一日から施行されるされないは、これは法律案の審議をやらなければわかりませんが、これは昨年の約束では三十年度は必ずやる。その途中においても、あの法律案を修正する、せぬという場合に、修正して二十九年度もやろうじゃないかということに一たん決定せられながら、最後のどたんばにおきまして何かもう一つの案件と見合いのもとに削られたと私は記憶しているのですが、それに対して今回の暫定予算の折衝段階においてどういうふうな経過をもってああいうふうになったか、それを念のために伺っておきたい。
○政府委員(緒方信一君) これは一般の補助金の整理の方針に基きましてこの教科書無償の予算もさらに引き続いて三十年度も停止をするという方針になりました。文部省といたしましては、これにつきましてはいろいろと大蔵省と折衝を重ねたのでありますが、最後の決定といたしましてこういう結果に相なったわけでございます。その一般の補助金の整理が財政的な要請からいたしまして、結論は三十年度暫定予算は計上しないということに相なった次第でございます。
○矢嶋三義君 これはいずれ文部大臣に聞きますが、これは政務次官に聞くのが適当かと思いますから念のために伺いますけれども、補助金政策についての議論というのがいろいろあります。だから補助金整理ということが問題に出てくるのもあながち全面的にこれは悪いとは言えないと思う。しかし大事なことは、大蔵大臣が本会議でどういう答弁をしているかというと、こういうことを答弁している。民主党内閣は補助金を打ち切ると、こういうふうに伝えられているが、あまり効率のあがらないものは打ち切るが、真に必要な補助金というものは決して打ち切るわけではないのだから、無用な、無用なということを言っておる、心配をされないように願います。こういうことを答弁している、本会議で。ところが補助金整理の、何本かある法律案の一つとして小学校一年生に入学のお祝いとして与えておった算数、国語の教科書の補助金を打ち切られておる。これは天野文政として天野文部大臣が非常に努力されて始められたことですが、その後ちょっと変りましたけれども、ともかく一年生に算数、国語というのはとりあえず確立された。この経緯についてはいずれ政務次官も御存じと思いますが、もし御存じでなかったら、大臣とともに私は文部の事務当局から詳しく聞いていただきたいと思うのですが、私はここで伺いたいのは、大蔵大臣の答弁ですよ。大蔵大臣の補助金整理の方針としての答弁ですよ。その答弁から考えた場合に、従来の法律によって出しておった算数、国語、わずかに五億三千万円ですよ。それが、大蔵大臣が説明されたように、これは役に立たぬ、これは効果のあるものではない、小学校の一年の生徒に算数、国語を与えることはですね。そういう立場から補助金整理の一環としてこれを切ったと、こういうことになっておるわけですね。民主党内閣の文教政策というものはそういうものでございましょうか。私はいずれ松村文部大臣にも伺いたいと思うのですが、大蔵大臣の本会議の答弁とあわせ考えるときに、私は納得できないものがあると思うのですが、政務次官としての御所見はいかがでしょうか。
○政府委員(寺本広作君) 大蔵大臣の答弁を引用して、その上のお尋ねでございますが、大蔵大臣の答弁は、おそらくこれから補助金の整理をする新規項目についての所見を言われたものではなかろうかと考えます。教科書の問題は、御承知の通り、自由党内閣のとき当分の間停止するということで原案が出ましたのを、国会修正で一年とやられたものだと承知をいたしております。その一年のが暫定予算の性格上そのまま据え置きになって今度の国会に提出されておるようでございますが、いずれ本予算編成の際は、従来の停止しておる補助金をそのまま停止を継続するか、新規に、新たにその補助金停止しておるやつを復活するかの問題が討議されると思います。大蔵大臣の発言はおそらく従来停止しておる補助金に加えて整理するものについての発言ではなかろうかと考えます。さように御了解いただきたい。
○矢嶋三義君 もう一回聞いておきます。あの補助金の整理のは、吉田内閣から提案された場合には半永久的にすることになっていたわけです。院でこれを審議するときに、限時立法にしようというので、三月三十一日と切ったわけです。これを延ばさなければ、四月からは当然また補助金というのは出てくるわけです。それをこの鳩山内閣は、六月二十日までこれを延期することをねらいとして国会に出してきたわけですね。だから大蔵大臣の本会議における答弁というものは、決して無関係じゃないと思う、そういうものを含んでの答弁であったと思うのですが、幸い政務次官の今の御見解では、あなたの見解も一部立つと思う。そうすれば私はこういうふうに了承していいわけですね、大蔵大臣の本会議における答弁をあわせ考えた場合に、こういう教育的なねらいがあり、しかも金額は些少なこういう新入生に対しての教科書の補助金というようなものは、本格予算を組む場合には、民主党の文教政策の方針として復活する可能性があるものだと、こういうことが私は推察されると思うのです。大蔵大臣の本会議における補助金整理に対する基本方針と、それから今あなたの文部政務次官としての答弁からそういう期待が特てると思うのですが、さようでよろしゅうございますか。
○政府委員(寺本広作君) 教科書の補助に関する予算が本予算編成の際に復活する可能性があるとか、期待が持てるとかいうようなことを申し上げたつもりはございません。大蔵大臣の答弁は、従来現実に行われておった補助金を、さらに削減する場合についての所見を申し述べられたのだろうということを申し上げたわけでございます。教科書の無償支給に関する金額が本予算で残るか残らぬかの問題は、財政規模その他一般の財政収支とにらみ合せての上でないと、今から直ちに期待が持てるとか、復活することができるだろうということを申し上げるわけには参りかねると考えます。
○高橋道男君 今の法律を六月三十日まで延ばすということになった場合ですね、その後において、さらに本予算においてその補助金をどうするかということが問題であると言われましたが、この教科書以外の分は、その後において復活するならば問題は起らないと思います。ところが教科書の場合は、これは四月にやらなければ、事実上としてはこれはもう何にもならぬですね。ですから結局六月三十日まで法律を延ばすということは、教科書に関する限りは来年はやらぬということに事実上言われると思うのですね。そうなると、これは暫定予算には一応政策的なものは載せないということの、これは法的根拠があるのかどうか私は知りませんけれども、そういうような観点からするならば、政策的なものが、教科書という問題に関してのみは入れられているというような理窟が一応述べられるのですがね。その点どうでしょうか、これも今だけの御見解を伺っておきたいのです。それ以上追求はいたしません。
○政府委員(寺本広作君) 暫定予算には政策的なものを入れないという建前であるのに、教科書に関する限りは政策が入ったのじゃないかという御意見でございます。あの補助金等の整理に関する法律をそのままにしておけば、当然四月一日から教科書に関する補助は生きてきたわけでありますから、お説のような御意見十分成り立つと思いますが、他面暫定予算というものが、前年度やつて来た骨格予算を、そのまま明年度の本予算が成立するまで月割りで延ばしていくというような性格である点から考えますと、やはり三月三十一日の現在の状況そのまま二カ月繰り越したという意味では、政策が入っていないと言えるのではなかろうかと考えるわけでございます。
○委員長(笹森順造君) ほかにどなたか御発言ございませんか。ちょっと記録をやめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(笹森順造君) 記録を始めて下さい。 ほかに御発言がなければ本日はこれにて散会いたします。 午前十一時三十九分散会 ————・————