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22回国会参議院1955/06/16

農林水産委員会 第19号

発言数
138
登壇者
14
会派数
4
開催日
1955/06/16

会議録

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) ただいまから農林水産委員会を開きます。昭和三十年四月及び五月の凍霜害、水害等の被害農家に対する資金の融通に関する特別措置法案を議題といたします。本法律案は本月十四日内閣から閣法第一二八号をもって予備審査のため提案され即日当委員会に予備付託となつたものであります。  まず提案理由の説明を聞くことにいたします。

吉川久衛日本民主党農林政務次官

○政府委員(吉川久衛君) ただいま提案になりました昭和三十年四月及び五月の凍霜害、水害等の被害農家に対する資金の融通に関する特別措置法案の提案の理由を御説明申し上げます。  政府は、本年四月における凍霜害、同月の豪雨による水害及び五月における雹害に対処し、被害農家の農業経営の維持安定に資するための営農資金が低利で円滑に融通せられるよう、また今回の凍霜害等の被害農家が前年度までに貸付を受けた同種の経営資金につきましては、必要により、その償還期限を延長し得るよう、所要の措置を講ずる必要があると認めましたのでこの法律案を提案した次第であります。  次にこの法律案のおもな内容について御説明申し上げます。  まず新規融資に関する措置についてでありますが、第一は、前年の凍霜害等の場合と同様、今年も凍霜害等による農作物の減収量が平年作の三割以上であり、かつ、その減収による損失額が平年の農業粗収益の一割以上である被害農家を営農資金の貸付の対象といたしております。第二は、営農資金の貸付条件等でありますが、利率は年六分五厘以内、償還期限は二年以内が原則で、一農家当り貸付限度は五万円、貸付期間は昭和三十年九月末日までとなっております。なお開拓者に対しましては利率を年五分五厘以内、果樹栽培農家及び開拓者に対しましては償還期限を三年以内とする考えであります。第三は、国及び地方公共団体の助成措置でありますが、農業協同組合その他の金融機関が被害農家に対して営農資金を貸し付け、都道府県または市町村がこれらの融資機関に対し利子補給及び損失補償を行なつた場合に、国は、都道府県に対し当該利子補給及び損失補償に要した経費の二分の一を補助するものであります。この国庫補助の最高限度は、利子補給費にかかわる場合は融資額につき年二分五厘の割合で計算した額、損失補償費にかかわる場合は融資総額の二割に相当する額を原則といたしております。第四に、この国庫補助の対象となる融資の総額は、四億五千万円を限度といたしております。  次に前年の凍霜害等のあるいは前々年の諸災害の被害農家が重ねて今回の災害をこうむった場合の措置であります。この場合にはすでに貸付を受けている同種の営農資金の今年度約定償還分の償還猶予または一年間を限って償還期限の延長を認め、引き続き利子補給及び損失補償の措置を講じようとするものであります。  以上がこの法律案の提案の理由並びにその内容の概略であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) 本法律案の審議は後日に譲ることにいたします。   —————————————

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) 次に、狩猟法と銃器等の取締りに関する件を議題にいたします。  空気銃は事故が多く危険が少くないために、その所持を規制する等の目的で、本国会に政府から銃砲刀剣類等所持取締令等の一部を改正する法律案が提案されているのでありますが、空気銃は危険であるばかりでなく、狩猟の適正を期する上において本弊害が多いので、狩猟上において空気銃の使用を全面的に禁止すべきであるという意見が行われております。そこで本日は、空気銃の危険性及びその対策並びに狩猟上の弊害及びその対策等について当局の所見を聞き、続いてこの問題の取り扱い方について御協議を願いたいと存じます。  まず、警察庁の刑事部長中川君から所見を……。

中川董治警察庁刑事部長

○政府委員(中川董治君) ただいま議題となっております空気銃等の問題につきまして、ただいま当院に内閣から提出しております銃砲刀剣類等所持取締令等の一部を改正する法律案を提案いたしまして、当院の審議をわずらわしているわけでありますが、その案の内容は数項目からなっておるのでございますが、数項目のうちの一つの項目に、空気銃の所持につきまして現行規定におきましては規制の方途がないのでございます。これを猟銃等と同様に所持を許可制にする、こういう点がこの改正事項の一つの項目に入っているのであります。そのほかに、現在猟銃等の製造及び販売につきましては規制がないのでございますが、これは武器等製造法を一部改正いたしまして猟銃なみに都道府県知事の許可制にする、これがただいま御審議をわずらわしている法律案に含まれているもののうち、空気銃にかかる事項の要点でございます。  そういう事項の法律の改正案を提案して御審議をわずらわしております趣旨の要点は、空気銃につきまして、ずっと前には若干の法律制限があったのでございますが、その後法律の改廃その他のことがございまして、空気銃につきましては、所持、製造等について規制する方途がなかった、こういうことも一つの原因であろうかと思うのでありますが、空気銃の所持者が相当ふえている、こういう傾向がありますほかに、空気銃の機能と申しますか、威力もだんだん強くなってくる傾向が見られております。加えて、空気銃によりましてだれかがけがをする。はなはだしきはその結果死者ができる、こういう傾向が出て参ります。そういうことによりまして、人の生命、身体に大へんな影響を及ぼしますので、そういう事故防止の角度から、ただいま御説明いたしました法律改正案を内閣から提案した次第でございます。私たちが主管しております法律改正案の要点の部分のうち、空気銃にかかる部分を御説明いたしますと、おおむね要旨は以上の通りでございます。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) 狩猟上の立場から、林野庁林政部長奥原さんから一つ……。

奥原日出男林野庁林政部長

○説明員(奥原日出男君) 狩猟法の立場から見まして、空気銃に関しまして林野庁当局の考えております事項を御披露申し上げ、御批判を仰ぎたいと存ずるのであります。  空気銃が今回、ただいま御説明のありましたような銃砲刀剣類の所持に関しまする法令の改正に取り上げられましたその際におきまして、一方においては小鳥を保護する、こういう観点から空気銃によりまする狩猟というものを全面的に禁止するべきである、そういう見解が非常に強いのであります。しかしながらこの際一挙にこれを禁止猟具といたしまする前に、段階的にもう少し様子を見ることで、小鳥の方に関する取締りがある程度徹底するのではないか、かように考えるのであります。現在空気銃につきましては、警察御当局におきまして、狩猟法に関しまする取締りというものを強くなかなか実行しにくい、こういう点から空気銃が、巷間に持たれておるものが、おそらく六、七十万丁というふうに推定されるのであるにもかかわらず、実際に空気銃によりまする登録を受けておりまする者が、わずか二万七千件見当であるというふうな結果を招いておるのであります。ところで今回の銃砲刀剣類等所持取締令等に関しまする法律の改正によりまして、空気銃の所持というものがその法律の面において取り締られる、こういうふうなことに相なりますれば、必然的に狩猟登録を受けない空気銃の所持というものが、従来と違った強い取締りの対象となり得るかと、かように存ずるのであります。まず第一の段階はもうしばらく今回の銃砲刀剣類等に関しまする法律の改正の実施の状況を待って、そうしてその上で状況によりまして空気銃をさらに狩猟免許に追い込むか、あるいは直ちにこれを禁止猟具にするかという対策を考えるべきではないか、かように林野庁当局は考えておるのであります。ただこの問題に関しましては国会におきましてもいろいろ御議論がございまして、現に衆議院の農林委員会におきましても全面的に禁止猟具にするべきであるというお考えと、もう少し様子を見るべきであるというお考えと、お二つのお考え方が議論をされておることを承知をいたしておるのであります。  従いまして林野庁といたしましては、この問題につきましては十分国会におきまする世論の御批判と、それによる御決定というものに対しましては、これを尊重して参りたいと、かように考えております。

清澤俊英日本社会党(第四控室・左)

○清澤俊英君 大体空気銃では益鳥と思われるやつをやって、相当害があると見られる。そうすると狩猟法の中でとつていいという鳥はきまっているのでしょう。

奥原日出男林野庁林政部長

○説明員(奥原日出男君) そうです。

清澤俊英日本社会党(第四控室・左)

○清澤俊英君 益鳥と思われるのがとつていいという中に入っておりますか。ここにある鳥類のいろいろの名前が書いてある中で、空気銃でやれるものはまあ私の名前を知らぬものは別として、あとはほとんど空気銃ではちょっとやれないと考えられるのですから、ちょっと言い方がおかしいかと思う。それほど大事なものならばここに入っていないわけだ。

奥原日出男林野庁林政部長

○説明員(奥原日出男君) 狩猟法におきましては狩猟鳥獣として指定されておりますその以外のものの捕獲は、これは全面的に禁止をいたしております。狩猟鳥獣の中で空気銃の対象として主としてとられますものはスズメでございますが、しかしこのスズメといえどもこれは絶対に有害鳥獣とはわれわれ考えておりません。もちろん年間のある期間におきましては稲をかじるとかいうふうなこともございますけれども、全体のその食餌をながめてみますれば、相当有害虫を捕獲して食べる、こういう食性を持っておるのであります。従ってスズメといえどもこれは保護さるべきものではないか。従ってスズメも狩猟法の定めるところに従いまして特定の有効な猟法でこれを猟獲する者に対しては狩猟免許あるいは狩猟登録というふうなものがなければとれない、こういうことにいたしておるのであります。空気銃の惨害は必ずしもスズメだけにとどまるものではございませんので、その以外の有益鳥及び禁止されておりまする非狩猟鳥というようなものにも往々にしてその害が及ぶのであります。その意味におきましては小鳥を保護するという観点からは望ましい猟具ではない、かように考えております。

三浦辰雄緑風会

○三浦辰雄君 今警察庁、それから林野庁の方から空気銃についてのお話を承わつておりますと、警察庁の方は今度の銃砲刀剣類等所持取締令等の一部を改正する法律案というので空気銃を新たに取り上げて鉄砲並みに扱つた。それからなお武器製造法の対象の物件にした、こういうことで、ある程度いわゆる公共の安全といったようなことはこれで防げるかのようなまず御説明なんです。  それから一方林野庁の狩猟関係から見た御説明だというと、今度はそういった所持取締令等の改正によってある程度取締りが期待できると考えるから、今のところ狩猟法といったようなものをいじらないで、しばらく経過を見て、そうしてそのいわゆる被害というものが、取締りの強化によって防がれることを期待したい。ですから狩猟法というものの改正というものについては必ずしも必要では……今日すぐ改正するということは必要ではないんではなかろうか、まあしかし国会方面でおきめになれば、それはわれわれとしても従うといったような注意を持つたお言葉のお話なんですね。  そこで私お聞きしたいことは、一体今度の銃砲刀剣類等の所持取締令等の一部を改正された結果、空気銃の乱用というもの、従って空気銃によるところの公共の安全性を脅かすという問題が果して防げるのかどうか、実態として防げるのかどうか、これが非常な問題になると思うのですが、その点はどういうふうに事実問題としてお考えになりましようか。

中川董治警察庁刑事部長

○政府委員(中川董治君) ただいまの御質問よく御趣旨はわかるのでございますが、まず現在のそういう結論をわれわれ研究するに当りまして研究いたしました事柄は、現在の、すなわち今度の立法をお願いしない過去一年間の状況で、まあ私ども警察の調査できる範囲内で調べたのでございますが、空気銃による事故、事故と申しますのはそれによってだれかが死に、それによってだれかがけがする、それによって器物がこわされる、こういう意味の事故を調べたのでございます。その事故を調べて参りますると、まあ比較的不注意による事故が多い。それから現在すでに狩猟法等によって狩猟が禁止されておるもの、狩猟法によって禁止されておるわけなんだが、市街地等で売つておる、こういう状況等による事故が比較的多い、こういう事情から考えまして、そういうことによって現在の狩猟法という問題を前提といたしましてもすでに違反を犯しておるのじゃなかろうか思われる。ただし、狩猟法で御案内のごとく、市街地で、猟をしないで撃つという面では、あるいは合法の面も出てくるかと思いますが、そういう面において市街地関係について相当問題が多いのじゃなかろうか、こういう角度から、現行の猟銃と同様に許可制にするのでも相当コントロールできるのでなかろうか。それから現に猟銃には、これも禁止猟区でございませんが、狩猟法によって認められた合法的な猟区でございますが、猟銃によっての事故も相当ある、こういう状況から考えまして、私どもは事故の防止だけの角度から申しますと、猟銃並みの所持規制が猟銃との間の並行性と申しますか、そういう点が保ち得るというような気がするということが一つ。  それから御質問にございました点でございますが、空気銃の事故を全然なくするということのためには、空気銃という品物がなくなってしまうことが根本的には一番いいのです、その点は。ところが、猟銃の事故をなくするということも、猟銃がなくなるということが根本原因かもしれませんが、私ども警察に関係しております者としまして、いろいろわれわれ警察上の角度からの研究といたしますと、とかく行き過ぎますので、ほかの方でどうというのはそれぞれの特別法で御研究願いたいということが適当であろう。例は適当でないかもしれませんが、自動車が事故が多いからといって、自動車をなくするという論理が適当でないごとく、空気銃をなくすれば、空気銃の事故は確かになくなりますけれども、そういう空気銃が有益な道具かどうかということは、警察的な角度で研究するということは問題の解明としては、少し行き過ぎではないか。われわれの角度で考えるのは、猟が適当かどうかという見解の御検討はもちろん敬意を表して従いますけれども、警察の必要から考えますというと、警察の必要からいって、不適当にあらずやと考えまして、現行の猟銃と同様に、警察の取締りの観点のみからすれば、同様に取り扱うのが相当であろう、こういう結論で法律案を立案し、内閣の決定もあってお出しいたしたわけであります。繰り返し申しますが、猟銃が適当な猟具なりや、空気銃が適当な猟具なりやという点は、私ども警察の方からでの研究は行き過ぎになりますので、その点は、適当な猟具なりやいなやの見地は、専門的立場から御判断願って、その御判断に私どももちろん従って行くことにする。これがいいのではないかと、警察の使命と申しますか、そういう角度からそういうふうに考えておるのであります。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) ちょっと速記をやめて。    〔速記中止〕

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) 速記を始めて。  先ほど懇談によりまして、昭和三十年度産米の集荷及びその価格等に関しまして、本委員会として次のような決議をいたしたいと思いますので、これからその案を読み上げてみます。     昭和三十年産米の集荷及びその価格等に関する決議   本年産米の集荷について、さきに、政府は、事前売渡申込制によることを閣議決定し、各方面の協力を求めた。然るにその後一ケ月有半、時期の甚だ切迫した今日に至っても、制度の基本要件である米価についてはその目安さえもたたず、促進的措置は勿論、制度運営の実施方法等総て未決定のまま残されていることは甚だしき怠慢と言うべきであり、本年産米の集荷に重大な支障を来たし、民生の安定に不測の事態を惹き起すことが憂慮される。よって政府は、事の重大性を認識し、速かに集荷の諸条件を明らかにすべきである。    右決議する。     昭和三十年六月十六日       参議院農林水産委員会 以上の決議案に対しまして、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) じや総意をもって、この決議を決定したものといたします。  なお、この決議の取扱いにつきましては、後ほど農林大臣の出席を求めまして、この決議に対して、政府の意向を聞きただすことにいたしたいと思います。   —————————————

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) それではちょっと議事が中途半端になりましたが、引き続いて先ほどの空気銃、狩猟等の問題についての御質疑をお願いいたします。

三浦辰雄緑風会

○三浦辰雄君 今刑事部長さんの説明を聞いてみても、今度はいわゆる空気銃を取締令でいうと猟銃並みにした、だからいいじゃないかと一応思うという意味のことなんですが、これは、猟銃並みにしたという点は、どういう点かというと、先ほど来言っているように、武器製造法の許可の対象にしたということだけなんだ。あとは狩猟に関して、狩猟法に関する部分というものは少しも変つていないのです。ですから製造法で、製造業者を許可制にしたということが、今日世間でいろいろと問題になっているところの空気銃のいわゆる乱用と申しますか、非常な不測のいろいろの事故を起しているということには何ら関係がない。でありますから、要は狩猟法における猟銃または空気銃というものの取締りというもりに対して、この取締令を改正した機会に、警察庁が特段の力を入れて、こういったいろいろな一般公共の不安を起させるようなことのないようにやって行けるかどうか。この取締令の改正を見ましても、狩猟をする場合というのは従来と少しも変りはないのですよ。ですから、それは狩猟法に指定してあるような禁止の地域は別ですけれども、狩猟に行くんだ、狩猟しつつあるのだというときに、何らとがめるわけにいかない。ですから、空気銃による狩猟の登録票を持っているか持たないかというようなことですね、そういう問題が、一つは簡単な話から言っても問題です。たとえばいろいろな見方があるようだけれども、現在あるいは鉄砲屋さんから見れば四十万丁、あるいは林野の猟政の係官などから見れば百万に近いものじゃないか、いわゆる巷間に出ている空気銃というものはですね。現に空気銃の製造業者の諸君でも年間少くとも七万丁、ある人によれば九万丁、十万丁近いものが毎年売りさばかれている。ところが一方において狩猟関係の登録票を見ますと、毎年三千ないし四千という程度のものが登録数をふやしておりまするけれども、事実二十八年度における狩猟登録をした空気銃というのは二万七千二百三十二と、こういったようにきわめて少いのですね。昭和二十五年のときに狩猟法を改正して、そうして従来の狩猟法からいうところの猟銃と空気銃とを、そのときに別建にして、そうして登録票として、現行でいえば一カ年五百円出せば使つていいというふうに安く下げて、いわゆる空気銃というものをできるだけ登録の線に乗せて、そうして不測の事故というものをなるべく少くしたいという意図もあったのでありましたが、そのときにはさすがに、安くなつたせいかしらんけれども、九千百十四人といった大きな数字が登録増になつたのですけれども、それからもう全然ふえない。せいぜい三千ないし四千、そうして一カ年十万、幾ら内輪に見たつて七万出ている。そうなると、七万も出ていて、そうして三千しか登録されていない。ところが、ただ見たつて空気銃にははっきりとした区別がないのですからして、そこを一々いわゆる職務訊問だか何か知らぬけれども取締りの個々に対象にしなければ、果してそれは狩猟法にいうところの合法でもって持っているのか、そうでなくただ漫然といわばもぐりで持っているのか、どうもその辺が全然区別がつかないのが実態なんです。でありますから、私は狩猟法も多少研究してみましたけれども、林政部長が言うように、狩猟法というものから見れば一応法理的には筋が立っているのです。まずいわば狩猟法というものが正しく守られて行くんだという前提であれば、筋はちゃんと通つておる。けれども、今日世間で今問題になっておるのは、法理的に筋が立っておる狩猟法というものとは別に、いわゆるもぐりというものが非常に多い。しかも一丁気のきいたのを買ったって、普通五千円でしよう。五千円出せば、何年耐用年数があるか知りませんけれども、相当年間まあおもちやにできるほどの空気銃のことですから、そこに問題がある。だからして、狩猟法というもの自体に問題が関連してはあるけれども、主たる問題というものは私は取締りの問題ではないか。だからその取締りというものについて自信があるのですかというふうに聞いたところが、刑事部長さんは今度は猟銃並みに扱うのだからいいというけれども、猟銃並みに扱うということは何かと言えば、実体というものはないのです。武器製造法の対象にしただけなんです。狩猟法関係については、おれは狩猟に行くんだと言ってから、せいぜいたまたまうまく見つければ、お前さん登録票を持っているのかいという程度で取締りが初めてできるというのであって、非常にこの点心細い。先ほど部長さんの御指摘になったように、確かにあなたの方で出した昭和三十年五月の資料によっても、いわゆる免許を受けた猟銃、登録を受けた空気銃、これでもあやまちはあります。相当にあって、まことに遺憾ですけれども、とにかくある。だけれども、それはまあ根本的に言えば、本当の猟銃の場合においては、これは全く不注意でいたずらによるところのあやまちというものは割合ないと思うのです。ところが空気銃の場合はそれとは違つて、いたずらなようなことから出てくる不測の事件が非常に多いのだろうと思う。ですから私は、あくまでも取締りというものが、果してできるかできないかということの感覚からこの問題は取り上げられていいのではないかと、こういうふうに思うのです。一つ重ねて刑事部長さん、どういうふうに思いますか。

中川董治警察庁刑事部長

○政府委員(中川董治君) 御指摘のように、空気銃に限らず、狩猟法関係の取締りは相当広地域でいろいろ行われますので、だれが取締りをするにいたしましても困難であることは御指摘の通りであります。ところが、現行法で狩猟法等の定めがございまして、この取締りにつきましてはそういう困難性も念慮におかれたと思うのでありますが、われわれ警察ももちろんやるべきでございますが、特に特別司法警察職員として農林関係の技術官等が指定になられるのもこの趣旨かと思うのでありますが、ところが私たちの警察といたしましては、そういう特別司法警察職員があるゆえをもって警察の取締りをほっぼかすという態度であるべきでないことは当然でありますので、警察におきましてもこの点につきましてはみな努力をいたしておるのでありまするが、事柄が御指摘のごとく非常な広地域で行われることでございますので、違反事実を根こそぎ見つけられるかと、こういう御指摘の点は、見つからないものが相当多いであろうということは御想像の通りであります。それで取締りの強化のために、言葉は適当でないかもしれませんが、見つかりやすいようにするということを考えることが狩猟法違反事実をなくするということの根本原理ではないかと思うのでございます。ついては、御指摘もございましたように、ことに市街地等において狩猟を行うような場合は、まず狩猟法に違反する。ところが現在は、そういう違反事実があって、見つかってそれぞれ事件として送致されたものもございますけれども、見つからないうちに事が処理されておるという問題もあろうと思います。それで、私の方の取締り観点からいたしましても、見つかりやすくするということによって違反事実をなくするという方法に持ち込むことが公共の福祉上適当であると考えまして、先ほど今度の改正法律は許可制にするだけではないかと、こういうお話でございましたが、大筋を申しましたのは、許可制を申したのでございますが、細部の点について御説明を落しましたものですから、誤解を招いて恐縮でございますが、大筋は確かに、所持について公安委員会の許可制、製造販売についてこれを県知事の許可制、これが大筋でございますが、ただいま御指摘のところに関する事項の改正は提案いたしております法律案の第六条の三に掲げておるのでございますが、六条の三におきましては、現行法は六条の三の規定のごときものがございませんので、猟銃につきまして法律上はおおいをかぶせて持たねばならぬという義務はないのでございます、ところが実際の猟銃の多くは、猟銃を裸のまま携帯しておる例はほとんどないのでございまして、大体猟銃は容器に入れておおいをかぶせて携帯するという現状で、それにならわせるために、空気銃を、猟銃について社会慣行として行われておりますところの容器に入れるという、こういう方法にならわせることを法律の義務としてやつていただくということが相当だと考えまして、空気銃につきましても、猟銃につきましても、狩猟を行う場合、または業務の関係はまた別の関係があつて、たとえばほかの建設用具の関係がございますが、そういった場合、射撃の場合、こういう場合のほかはいつもおおいをかぶせておかなければならない、こういう規定を置きましたので、たとえば市街地、東京のこの辺の地域等におきまして空気銃を裸で持っていることは——裸で持っているということは空気銃をぶっぱなすということになりますが、そういうようなことは直ちに六条の三の違反として見つかる、こういう規定を整備することによって、少くとも市街地関係、別言すれば狩猟禁止区域となっている地域につきましては相当実効が上がるのではなかろうかと考えておるのであります。そうすると御質問の第二点の狩猟禁止区域につきましては、相当見つかりやすくなるであろうが、山野と言いますか、比較的いなかの所、別言すれば狩猟禁止区域になっていない所では見つかりにくいのではないか、こういうことは御指摘の通りかと思うのでございまするが、その点は、まあ空気銃であれば、猟銃についても同様なことが言えるのでございますけれども、猟銃は音が大きくて、空気銃は比較的音が小くて見つかりにくくなるという一つの宿命はやはり持っておるのであります。それで、そういう狩猟禁止区域でない所につきましては、改正法実施後におきましては、違反は違反で、たとえば無登録の狩猟が行われておりますれば、もちろん違反として見つけることに努力はいたしますけれども、見つけにくいということは御指摘の通りだと思うのでありまして、そういう見つけにくいということは念慮にも置きますけれども、空気銃の被害がおおむね我々の調査におきましては市街地等で、しかも比較的年少の者の所持によって行われているケースが多いので、そういう事故の比較的大きい部分を占めておるものについて、見つかりやすい条項にすることによって取締りの効率も上げ得るのではなかろうか、こういうふうに考えて立案した次、第でございます。  なお、狩猟法というのは重要な法律でございますので、この狩猟法の適正な運用、ことに取締りの内容に努力する点につきましては全く同感でございますけれども、外国の立法等も研究してみたのでございますが、たとえばアメリカ合衆国におきましては国柄の性質上地方立法が多いのでございますが、市街地等におきましては空気銃は厳重な規制が行われておる、ところが比較的山間部の多い地域につきましては空気銃が比較的規制がないと、こういう実例から考えまして、まあ世界の傾向として、こういう空気銃の真の取締りは、比較的人家の稠密ておる所について厳重に施行できやすくなるという目的が達成できますならば、公共福祉上相当の効果が上がるのではなかろうかと考えた次第であります。繰り返して申しますが、かく申しましても、空気銃による事故が全然なくなるかと言われますと、空気銃というものがある以上、なくなることを目標にいたしますけれども、なくなりにくいものであるという事実は認めざるを得ませんが、比較的人家稠密な所、しかも子供等によって起される事件につきましては、改正法施行後は相当効果を上げ得ると考えております。ところが農村等におきますところの問題は、今後とも現在と同様に大いに努力はいたして参りますけれども、それを禁止するということになれば、空気銃を猟具としてどうこうするという見地から検討を願う方が相当であろうと思いますので、空気銃が適当な猟具なりやいなやの研究は、私どもとして意見を申し上げるのは適当でないと考えますので、それぞれ関係の専門家の御研究にお願いしておる次第でございます。

三浦辰雄緑風会

○三浦辰雄君 まあ私第六条の三も見ておるわけなんですが、これは狩猟を行う場合というものについては、あるいは行く途中ですね、禁猟区だとか公園だとか市街地だとかいう所を通るときには、一応おおいをしておくが、今度猟のできる可能地に入れば、これは猟をするのだから丸出しでなければならんし、丸出しでいいというのだから、これは大した差はないのじゃないかということを申し上げたのですが、私は要は、各外国の資料その他の空気銃に対する取扱いについて見ても、問題がない。イタリアみたいにムソリーニ時代にこの問題が取り上げられたということも聞いておるのですが、これはある意味では、そう言っちゃまことに残念なんだけれども、私は公衆道徳というものが根本的にまだ訓練されていないというところに大きな問題があり、従って取締りというものに非常な負担がかかっておる。あなたは、空気銃というものを狩猟法の見地から見ろ、猟具として果して適当であるか適当でないかを見るべきだといったようなことを言うけれども、私はそう思わないのであつて、これはやはりあくまでも取締りの見地、公衆道徳といったようなもののまだ未完成な、きわめてまだ未熟な今日においての取締りの観点から見なければならぬと思うのです。  そこで一つ林野庁の方にお聞きするのですけれども、先ほど来お聞きのような警察庁の方の考え方、警察庁としてはごもっともだと思うのですが、そういったような見方からした場合、狩猟法において空気銃というものを許しておくということが、狩猟行政そのものではないけれども、それに伴うところのいわゆる副産物のような非常な非難を受けるという問題について、どういうふうに思うか。今大体銃砲刀剣類等所持取締令の改正については、空気銃については全部触れたわけですから、そのような改正ができた後において、狩猟行政をやって行かれる林野庁として、このままで行った場合に、昨年来盛んにやかましく言われておるこの空気銃問題というものをどういうふうに思うか、この点と、それからあわせて東京都を例にとった場合に、狩猟の禁止されている地域ですね。これを具体的に一つ大体のところをお示しになつた方が都合がいいと思うのですが、一つお聞きしたい。

奥原日出男林野庁林政部長

○説明員(奥原日出男君) 狩猟行政という観点から見まして、空気銃についてわれわれが最も困惑いたしておりますことは、無免許の空気銃が全く法を無視して横行しておる、こういう事実でございます。これは単に狩猟法という法律だけでは、警察御当局もその他のいろいろな犯罪取締り、治安維持の業務の中においてお取扱いになるに当つては十分なる取締りの成果を上げていただくということも困難であろうかと、かように思うのでありますけれども、ところで今回のこの銃砲刀剣類の所持取締令の改正が行われまして、銃砲並みあるいは刀剣並みに空気銃というものが考えられるということによりまして、私は空気銃による狩猟というものが、狩猟法の法的規制のルートの上に乗つてくるものが相当出てくるのではないか、しかも現在の全く法を無視した状態においてはんらんしておるこの空気銃というものの全体の数が相当減ってくるのではないか、かように考えるのであります。実情といたしましては、現在におきましてもすでに空気銃に対する世論にも強い批判がある。いつ禁止猟具になるかもわからないという状況から、空気銃の製作というものがすっかり足踏みをいたしておる、こういうふうな状況に実情はあるようでありますが、さらに銃砲刀剣類等所持取締令のその方の取締りと、狩猟法の取締りというものが並行するということによって、私は先ほど申し上げましたような結果が期待されるのではなかろうか、かように考えておるのであります。われわれとしましては、その取締りの徹底によりまして空気銃による狩猟の法的ルートへ乗つてくる模様をしばらく見た上で、その次の対策を必要があれば直ちにとりたい、かように考えております次第であります。  なお、東京都におきまする狩猟禁止地域というものにつきましては、担任の葛課長から説明いたさせますから。

葛精一林野庁指導部猟政調査課長

○説明員(葛精一君) 東京都の狩猟を禁止しております所は保護区、いわゆる国設の保護区でありまして、高尾山を中心といたしました区域、それからそのほかに銃猟を禁止しておりますもの、それから禁猟区、それから一部に猟区がございまして、大体禁猟区その他は狩猟法によりまして、第十六条で禁止しております。要するに市街地それから人家稠密の場所というようなものを除きますと、今申し上げました区域であります。

三浦辰雄緑風会

○三浦辰雄君 そこなんですがね、十六条によれは「市街其ノ他人家稠密ノ場所若ハ衆人群集ノ場所二於テ又ハ銃丸ノ達スヘキ虞アル人畜、建物、汽車、電車若ハ艦船二向テ銃猟ヲ為スコトヲ得ス」と、こういうことを言っているのですね、でその「市街其ノ他人家稲密ノ場所若ハ衆人群集ノ場所」というその場所の認定というものはどういうことになるのですか。

葛精一林野庁指導部猟政調査課長

○説明員(葛精一君) その点につきましては、今までたしか警察犯処罰令ですか、ああいうものに規定した限度になっておると思います。要するに弾丸が達すべき所で狩猟をなしてはいけないというふうになっております。要するに事故を起す心配のあるはっきりした限界はないわけでございます。

三浦辰雄緑風会

○三浦辰雄君 そこで、そうすると警察庁の方にお伺いしなければなりませんが、今言った公園法だとか都市計画による公園地区とか緑地帯というものはわかっていますけれども、それから禁猟区も私はわかっている。ところが聞くというと、そう必ずしも広範囲じゃないのですが、そこで問題は端的になるのだが、狩猟法の十六条ですね。この「市街其ノ他人家稠密ノ場所若ハ衆人群集ノ場所」この判定の問題なんですがね、これは一体どういうふうなことになっておるのでしょうか。

中川董治警察庁刑事部長

○政府委員(中川董治君) 御指摘の通り公園関係とか禁猟区関係はこれはきちつと明確であると思います。その明確にわからない部分は御指摘の十六条の「市街其ノ他人家稠密ノ場所若ハ衆人群集ノ場所二於テ」この人家稠密の場所とは何ぞや、衆人群集の場所とは何ぞや、こういう点が具体的に見て認定上相当困難性があるということは御指摘の通りであろうと思います。ところが私ども事故の関係を調べてみますと、公園などでやっているもの、ただし公園などで狩猟をしてはいかぬと書いてありますけれども、上を向いてたまを撃ったのだと、ころいうことを言われますとちょっと、現行法で狩猟は確かにいけませんけれども、ぽんと上に向って撃つと、狩猟、捕獲する目的ではなかったのだと、こう言われると、現行法ではちょっと道がないのです。それで今度六条の三等によりまして狩猟でなかったらいかぬ、それから狩猟区でなかったらいかぬと、そういうことになると思います。その点は、明確にやることははっきりできないという実例は確かにあると思います。それから御指摘の十六条の市街とは何ぞや、人家稠密とは何ぞやという点は、確かに法文上具体的認定に困難をするのでございますけれども、これは健全なる常識で判断するよりほかには道はありませんが、その健全なる常識の判断は、それぞれ地方、中央でも考えられますけれども、たとえば東京について言えば、東京都の狩猟施行の主務部課の御意見を中心にして御認定願う方途をお示し願って、それをわれわれ警察官等にも周知徹底願う方途を講じまして、その具体的認定が狭きに失することがないように努力して参りたいと考えております。

三浦辰雄緑風会

○三浦辰雄君 今の御説明を聞くと、この問題の焦点である「市街其ノ他」というものの具体的な区域というものを取締りの元締めであられるあなたの方が御存じない、こういうことになるのですか。今の東京都の狩猟関係の人の意見なり何かを聞いて、そいつを周知するよりほかにない、それはそうでしょう。それはそうでしょうけれども、まず、かりにそれにしても、現在あなた方の部下に対して取締りをするときの基本的な態度として、その線というものはお示しになっているはずなんですが、あるいはお示しになっていないのじゃないかとさえ思うのですよ、実は。だからそんなお答えが出るのかと思うのですが、その点は一体どうなんですか。

中川董治警察庁刑事部長

○政府委員(中川董治君) これは御了解いただきたいと思うのですが、私の方で、まあ犯罪というものは、特別法に大体罰則がついておるわけでありますが、相当これに含んでいる無数の犯罪があるわけですが、それから刑法を中心にして私はずっと研究をいたしておりますが、特別法の関係も研究は怠っているわけではありませんが、多くは法律施行上のそれぞれ主務官庁がございまして、主務官庁の解釈と矛盾した取締りをやりますと、かえって混乱をいたしますので、ひとり狩猟法に限りませんが、この種のそれぞれ主務官庁を持っている特別法の事項につきましては、主務官庁の御意見をまず中心にして、それに即応する警察取締りをやるという態度が警察行政上相当だと考えまして、これはまあ狩猟法に限りませんけれども、各特別法はさよう処置いたしておるのでございます。ことに狩猟法につきましては、特別司法警察職員の制度もございますので、その取締官とのちぐはぐがございますと国家行政として相当でございませんので、この種特別法につきましては、それぞれ主務部局の御意見を中心にして、それに即応した統一的な警察取締りをやることによって事柄の適正な措置を講じたい、これが全体的のわれわれ警察官の持っておる考え方でございますのですが、御了解をいただきたいと思います。

三浦辰雄緑風会

○三浦辰雄君 それは基本的なというか、態度というものはもうお話しの通りだと思うのですが、しかし現実の問題で、空気銃が昨年来非常にやかましくなっているのですから、私はそのくらいは、その今のお考えから出発することはこれは当然でしよう。けれども、具体的にああいったもう昨年来空気銃問題がいろいろとにぎやかに各所で取り上げられ、批判の対象になっているのですから、私はそのくらいは当然御存じでなければならない。それでなければ、取締りというものを、たとえば今の取締令の改正の法律ができたって、狩猟という問題は狩猟法の中にかぶせてしまってあるのですから、その狩猟地域に行くまではなるほどおおいをかぶせるということはあっても、これは狩猟地域であればもうおおいなんかかぶせていられないのが建前だから、そんなのはかまわないといったような考え方で聞いているのですが、どうですか、狩猟法の関係は。葛課長さんの方はこういうことを御存じですか。東京都の具体的な、たとえば小石川の住宅地域の中でやった、あるいは各地周辺にいわゆる住宅地域がありますよ。木もあります。木のはえた、鳥の集まりそうな所もずいぶんあります。そういうような所ではどういう扱いになっているのですか。

葛精一林野庁指導部猟政調査課長

○説明員(葛精一君) お答えいたします。狩猟法の三条で住宅地域によりますと欄、柵その他囲障ある住宅地域内で銃器を扱ってはいけない。それから十一条のいわゆる公道というので、大体この市街地と見なされるところは、公道において違反をしては、撃ってはいけないというようなことになっております。従って今の人家稠密な場所及びその近郊では大体撃っていけないと、この二つからして入ると思います。しかしここからここまで撃ってはいけないという、東京都できめたものはありません。禁猟区にははっきり標柱が立っておりまして、そこが判然としております。

三浦辰雄緑風会

○三浦辰雄君 だんだん問題はここにきているのだと私は思うのです。いろいろな世間のやまかしい批判というものもここにきていると思う。それで先ほど私は、公衆道徳のそう発達したと考えられない今日として、そこに問題がある。まあ一応どなたからか意見があると思いますが、私は一応その問題の焦点までここに明らかにしたつもりでありますが、結局こういった問題は、私はやはり取締りができるかできないかということにあるのだと思うのです。たとえばよく世間でやかましく今も言われているかすみ網の問題がある。かすみ網の問題は、いわゆる渡り鳥を一網打尽にとってしまう、こういうことから益鳥もその中に入ったやつをことごとくとってしまうというようなことで、あれは禁止用具になっている。ところが地方、木曽だとか、長野県とか岐阜県とか、能登、石川方面の山間の人たちから言えば、非常にこれは生業を奪われた。大きく言えばその地方の農山村民の非常な経済をこわされたということで、非常な復活運動があって、現にあるわけでありますが、それではひとしく引っかかったその鳥の中で、有害鳥だけはとってよろしい、それで益鳥だけはそこですぐ放してやればよろしいということは、一応考えられても、そんなことを言っても実際問題としては、それはやれないのだからして、これを禁止しなければいけないということからして、ずいぶんその地方としては非常な死活問題だとさえ言われたかすみ網が、依然として今日禁止用具ということになっている。そういったような実際問題といった感覚から言いますれば、私ほ今だんだん焦点が明らかになったように、どうも猟をしていい場所、それをしてはならない場所というものが、一応字の上ではわかったかのごとく見えていても、実際問題としてその取締りがつかないのだということになれば、これは一つの政治というような感覚から言うならば、やはり問題が残る。大きくこれは非常にやはり世間の批判が批判だけに、私は緊急取り上げなければならないように思うのです。こういった考え方については、狩猟法がよく守られていれば、そんなことはありませんなどというような、普通の回答でなしに、狩猟関係を扱っておられる担当の課長さんとしては、一体どういうふうに思われますか。下手なことを言えば鉄砲屋から怒られる。現に私のところあたりは、非常に近ごろどうも私がそうやかましく言っているわけでもないけれども、空気銃の攻撃を受けているくらいでありますから、なかなか言いにくいかと思いますが、一体どういうふうに思いますか。たとえばかすみ網といったような問題との関連ですね。

葛精一林野庁指導部猟政調査課長

○説明員(葛精一君) お答えいたします。全く三浦先生のおっしゃるように、かすみ網につきましても、猟鳥だけをとって、それ以外のものはとらないかというと、実際にはとる。空気銃におきましても、今先生のお説のように、実際問題といたしましては、すでに皆さん方御承知だと思いますが、庭に参りましたウグイスですら撃つ現状でありまして、何とかその点を規制して取り締って行きたい。取り締らなければ現在の空気銃をそのままにしておきましたならば、依然として二次的の事故り起ることも想像されますし、ことに空気銃の割合に多い都会地の周辺で、局の非常に減つてきております現状から申しましても、相当に猟政上鳥を保護する上に支障のある猟具だと考えます。先生のおっしゃるような現状でありまして、狩猟法ではかりに使えないということになりましても、かすみ網と同じ結論に達しはしないかと思います。

三浦辰雄緑風会

○三浦辰雄君 私ばかり時間をとろうとは思いませんが、空気銃には、いわゆる公共の安全をはかるという問題と、今担当課長が話したように有益鳥類の保護という問題と二つの問題があるわけです。最近はいわゆる農薬等におきまして非常に強力な薬品ができて、その結果有益鳥類が非常に少くなっている。ある極端な人からいえば、あの害虫駆除によるところの薬液の効果と、それの弊害として起る有益鳥類まで死んでしまうという現象を見比べたときに、下手にあの強力な害虫駆除の薬をやたら使うということは、益鳥を殺してしまつて、被害をますます増大させてしまうのじゃないか、こうまで言う人があるのでありますから、私はこの委員会としても、この問題を一つやはり公共の安全という観点と、もう一つはこの委員会の使命である農林水産といいますか、農産物の害虫駆除、益鳥の保護育成という二つの観点から、もう少し研究したらいかがかと思います。一まず私はこれできょうの質問は終りたいと思います。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 ちょっと林野の方にお尋ねしますが、従来専門に狩猟する人たちの間では、空気銃というのはどの程度使われておりますか。つまり私の聞きたいのは、専門家の間では大体銃砲を使つていて、空気銃というのはあまり使われておらぬと、そういうふうに思いますが……。

奥原日出男林野庁林政部長

○説明員(奥原日出男君) ただいまお話しのありました通りであります。空気銃はむしろ多くは青年のリクリエーシヨンというふうなものとして、娯楽にされておるという形が大部分であると思います。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 そうすれば、私もその点でもう結論が出そうだと思うのです、ともかく危ない道具なんですから。銃砲であれば、これは猟だけにしか使えないわけですね。猟にも使えるが、ほかのいたずらもできやすいと、そういう本来性質を持っているわけです、空気銃は。これはだれでも認める。しかもそれが実際に猟そのものを楽しんだり、あるいはそれを仕事にしておる人にとっては大してそれは問題ないのだということであれば、こんなものはもう禁止すべきじゃないかと思いますね。道具そのものの性質からそう感ずるのですが、その点どうですか。

奥原日出男林野庁林政部長

○説明員(奥原日出男君) 猟銃につきましても、もちろん専門にそれによって生計を立てておるきわめて少数の人がございますが、大部分の者はやはり狩猟によって心身を鍛練し、リクリーエーションを楽しむ、こういうのが非常に多いのでございます。空気銃は、猟銃とそれを使いまする場所に相違のあることは先ほど来の御議論によって十分明らかになったわけでありますが、やはり猟銃よりはるかに多くの割合においてリクリエーション、ことに若い層のリクリエーションというふうな意味で使われており、狩猟法によってこれを取締つておる、こういう次第であるのであります。ただこれを今全面的に禁止する、こういうことにつきましては、いろいろ利害の調整ということを中心に置いて考えて行かなければならない役所の立場といたしましては、一方において、製造業者の問題は別といたしまして、従来登録を受けて空気銃を持ってきておった者あるいは登録を受けないにしても、ともかく空気銃というものを相当の金を出して現に手に入れておる者、そういう者との間の調整については、先ほど申し上げましたように、従来の狩猟法の取締りという点では私どもも絶対自信は持てなかったのでありますが、今後銃砲刀剣類等所持取締令の改正によりまして、空気銃をさげて歩いておる者が適法に持っておるか、あるいは不適法に持っておるかということの取締りが相当期待できるという観点から、もう少し様子を見てもいいのではないかというふうな趣旨を申し上げておるのであります。ただ冒頭に申し上げましたように、これは国会内部におきましても、衆議院においてもいろいろな御議論を承わつておりまして、われわれもその国会の御議論を十分尊重して考慮したいと、かように考えております。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 生活に影響するとか、せぬとか、その猟をするのが生活の関係でなく、リクリエーションの関係が多い、そういうことはおっしゃる通りかもしれませんが、私が申し上げたいのは、そういう観点じゃなくして、ともかく人の命に影響するような道具は、他に転用できるようなものであってはいけない。とにかくその目的は一つ、それだけにしか使えない、こういうものでなければいかぬです、本質的に。空気銃なんというのはこっそり使うわけです。ちょうどたまを詰めた銃砲をあけっぱなしで町を持って歩いておるのと実質は一緒です。だからそういうようなことを考えると、これはリクレエーションの道具としては不適当なのです。リクレエーションならなおさらです。職業上どうしても空気銃が必要だというのなら、これは生活問題として考えなければならぬ。しかしリクリエーションは自分が楽しむのでしよう。ところが相手の人がそのために命まで捨てるかもしれぬというのでは、これはリクリエーションの道具としてははなはだ行き過ぎですよ。だからこれは相当そういう観点から、せっかく一定の立場をもって法案を出されたのでしようが、やはり慎重に考慮する必要があるのではないかと思うのですが、リクリエーションなら、なおさらもってのほかです。そういう点、一つ意見を申し上げておきます。  それから刑事部長に一つお聞きしたいのですが、この銃砲の場合ですと割合品物がこれははっきりします。ところが空気銃ということになってきますと、おもちゃのようなやつもあるわけですし、ともかくこういう取締り法規を作りますと、何かそれにひっかからぬよらな妙なものが現われて来ぬかと、リクリエーションであればそれでも用を足すわけですからね、そういったような点をどういうふうにお考えになっておりますか。先ほど三浦さんから取締りということがいろいろ言われておつたようですが、私はそういう面からでもとの空気銃を何か一定のワクに入れてこれを認めるというようなことをしても、それじゃ何かそのワク外になるのかならぬのかわからぬようなものが現われてくる、製造業者がたくさんおられるらしいですから、それぐらいのものは必ず現われてくるのじゃないか、この法規によっても何もその定義等は規定していないようですし、そういう点どういうふうにお考えでしょうか。

中川董治警察庁刑事部長

○政府委員(中川董治君) 亀田委員の御指摘の通りこの取締り法規ということになると、概念もはっきりしなければならぬ、ことにこの製造業者等がありますと、言葉が適当でないかもしれませんが、逃げ道なんかを考える人が、悪い人があったら困りますので、そういう点は厳重にしなければならぬということは同感でありまして、立案に当りまして空気銃の定義の問題を研究したのですが、何と申しましても、これは危険という角度からコントロールするのでありまして、少くとも銃砲等取締令におきましては危険という角度から取締りをするのでありますので、金属性弾丸を発射する機能を有するというデフィニションと言いますか、形容詞と言いますか、そういうことをはっきりすることによって、空気銃の概念ははっきりするのじゃなかろうか、こう考えまして、現行法では弾丸発射の機能という文字を使っておりまして、判例等によって弾丸とは単なる金属性と理解されておるのでありますが、しかし明確にするために金属性弾丸を発射する機能を有する、こういう上書きと申しますかを書きまして、逆に申しますと、コルクを発射する空気銃はスポーツその他いろんな趣味等でお持ちの方もありましょうけれども、これはもう別の角度から規制されることは別といたしまして、私ども危、険防止という角度から言いますというと、金属性弾丸を発射する機能を有するもの、こういうふうにいたしまして、概念をはっきりしたのであります。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 そしたらたとえば金属性以外のコルクなんかは大したことはないでしょうが、石だったらいいのですね。石をはじき出す……。

中川董治警察庁刑事部長

○政府委員(中川董治君) これは石の点も研究したのですけれども、われわれの関係では現実に石を発射するものがないということが一つでございますが、かりに石を発射しても、その銃の機能が金属性弾丸を発射する機能を有しておれば規制の対象になります。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) ちょっと刑事部長さんにお尋ねしますが、これは今度の改正案で行きましても、所持の禁止という第二条のところでは、第三条の規定によって許可を受けて所持すると、こうなっておりますが、第三条で行くと、これは狩猟ということになるわけです。従って空気銃、銃砲も同じですが、これは狩猟というものともう不可分の関係になってくるわけです。狩猟以外に空気銃を使うということは、ここでは考えておられぬわけですか。

中川董治警察庁刑事部長

○政府委員(中川董治君) 御説明申し上げますが、二条では御存じのごとく禁止でございます。禁止のワクにはずれるのがずっと一号から九号まであるわけですが、そのうち該当の多いのは三号ですが、三号は許可を受けたものはよろしいと、すなわち許可を受けるものの内容が第三条で縛つてある、第三条の縛り方はここに書いてありますように「狩猟、有害鳥獣駆除、と殺、人命救助又は漁業の用途に供するために必要な銃砲又は刀剣類」と、こういうことでございますので、これを空気銃に当てはめてみますと、空気銃は人命救助に必要でございませんし、漁業にも必要でございませんし、狩猟の用途に供するために必要な銃砲である。ところが必要なというのはわれわれ警察関係の法令はすべて厳格でなくてはなりませんので、主観的な意図を問わないのでありまして、その銃砲なり刀剣類の実体が狩猟に供する形態のものであればよろしいと、従いまして別言しますと、十八才未満の者は狩猟する道がございません。現行法によりまして十八才を越えた者につきまして、ああいう銃砲の類が狩猟の用途に供されるものであることは間違いございませんので許可の対象になり得る。ところが許可を受けた者は、狩猟の場合は十八才未満の者は道がございませんので、その後段の、後段と申しますか、中段の射撃場における射撃の場合以外の場合には使えない、射撃場における射撃の場合については、狩猟に必要な銃砲でもって射撃する場合に、射撃場における射撃に限定されますけれども、使い得る、こういうことになります。ここに必要なと申しますのは、その構造上がそういうものに必要なものである、こういうことに相なろうかと思います。それで、さらに細かい点を申し上げますと、いろいろ皆さんの御研究の結果、亀田委員の御意見もございましたごとく、狩猟法を御改正になりまして、空気銃は狩猟の用具にしないと、こういう狩猟法の建前に変りました場合には、第三条によって許可する道が絶対になくなってしまう。それでいろいろその絶対になくなった結果、狩猟はいけないけれども、射撃という問題は、国民として訓錬しなければならぬという説の方が有力になる場合におきましては、この射撃の空気銃という概念が含まれるような条文にこれを直さなければ射撃ができなくなってしまうという結論になってしまう。ここに必要なと申しますのは、そのもの自体が現行法令上必要な形体であればよろしいと、こういう概念でございます。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) もう一ぺんお尋ねしますが、第四条に「十四才に満たない者」というのがあるわけです。が、三条で空気銃が狩猟を前提とすると、こういう縛り方をして、狩猟の場合には十八才に満たない者はできないということになると、第四条の十四才ということはどういうことになりますか。

中川董治警察庁刑事部長

○政府委員(中川董治君) きわめて具体的に申しますと、十四才以上でそうして十八才未満の者も許可の道があるわけです。なぜあるかと申しますと、たとえば十五才の者が許可申請をする場合におきましては、その器具自体は狩猟に必要な器具である、それで十五才の者は許可を受けられます。しかし十五才の者が許可を受けても、それは狩猟には使用できません。六条の三の関係から、十五才の者は公安委員会の指定する射撃場における射撃以外は絶対に使えないということになるわけであります。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) これはなかなかちょっとややこしいのですな。わかるような気がしますけれども、何か法律上これはむずかしい法律ですな。そうすると十四才未満の者も狩猟の用途に供するための必要な銃砲の許可を求めても、それは狩猟の用途には使わないのだということで許可されているわけですね。

中川董治警察庁刑事部長

○政府委員(中川董治君) 十四才未満の者は絶対いけませんけれども、たとえば十五才の者は……われわれの取締り関係はその主観的意図を考えないのです。要するに、必要な銃砲というのは、客観的に狩猟に必要な銃砲であればいいのです。客観的に必要な銃砲であれば許可の道がある。ところが許可を受けた結果、十五才以下の者であれば、狩猟に用いられませんので、六条の三の関係からいって、公安委員会の指定する射撃場しか用いられない、こういうことになっております。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 ちょっとおかしいですね。たとえば十五才なんか、これはいたずら盛りなんですね。そういう者に許可を与えて、お前は射撃場だけで撃つのだぞ、これは不可能なことをしいるような許可だね。実際あのくらいの年の者は、なるほど許可されるときにはへいへい言っておっても、あれを持っている間に、射撃でもやって帰りなどにちょっと腕が上ったなんというと、やりたくなるのですよ。一番危険な年令についてそういうことになっているのだとすると、これはちょっとなかなか危険な法律だね。これはほんとうですよ。だから、まあ空気銃を全面的に禁止せぬでもいいから、とにかく空気銃を撃ちたい人は、どこか特定のそういう射撃場というものができて、一種の競技場ですね、そこへ行ってやったらいい。ゴルフみたいなものだ。あれだって、町のまん中でもどこでもぽんぽんやってごらんなさい、大へんです。そういう概念に思い切って圧縮した方がいいのじゃないですかね。いわんや十五才や十六才の人にそんなことは非常に危険だ。

中川董治警察庁刑事部長

○政府委員(中川董治君) これは亀田委員がおっしゃいましたが、射撃をやりたい人は射撃場へ行かなくちゃ撃てない、こういう点は改正後はその通りになるわけであります。その年令を十五才がいいか、十三才がいいか、十八才がいいかという問題でございますが、たとえば十五才以上の者を可能にした理由は、危険の見地からいうと全面禁止が一番いいのですけれども、射撃とかいうものの技術に関する基本的な訓練をする面からいうと、めちゃくちゃに許しては困りますが、あまり年寄りになってからでは射撃は技能が上達しにくいので、たとえば国際競技に出るにしても、比較的幼少のころから訓練をした方が適当でありますので、われわれとしても、奨励もいたしませんが禁止するということも警察の取締りとしては行き過ぎではないかという点から考えまして、射撃の場合には公安委員会の指定がはっきりした射撃場である場合は持ってもいい、空気銃を比較的若い人が持つことを禁止する法規を作ることは、国際競技になっているああいう射撃というものを、警察の立場のみから禁止することはいかがかと考えまして、今言ったようなことが行われておるのです。繰り返して申しますが、そういったものはやたらに撃つたらこれは違反でございまして、はっきり危険防御の設備のある射撃場でしか撃てない空気銃を持つことが認められておる、こういうのが改正後の法律でございます。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 そういう射撃場だけで撃つのだということですから、法規の体裁の上では格好はついておる、ついておるんだが、そういう年ごろの人にそういう条件をつけたつて、これは同じことだという感じがするのだ。もちろんこの法律改正が通った後に、その許可をする程度にもよると思いますか、これは非常に厳重に制限して許可して行くんだぞと、そういうことなら別ですが、製造業者が非常に多いし、現在相当すでにたくさん出ておるわけですから、やはり相当な許可数が出るのじゃないかと思いますね。そういったような点があまりはっきりしませんので、やはり非常に危険なように思うのですが、射撃場だけだという条件はついていても。

中川董治警察庁刑事部長

○政府委員(中川董治君) 亀田委員のおっしゃることはよくわかるのでありますけれども、結局比較考量の問題になるのではないかと思うのですけれども、危険という角度からのみ考えますと、禁止ということになって、ああいうものがなくなれば非常に僕らは楽になるのですけれども、いろいろな正常な、たとえばスポーツという一つの考え方があります。スポーツもいろいろ有害なものは困りますけれども、国際競技等にも認められるスポーツというものを全面禁止するということはいかがかと考えられますので、そうすると若干若年者の所得も認めておかなければならない。そうなりますと、自然こういうことになるのでございますが、許可の条件でございますが、われわれは狩猟法違反をしたり法令違反をしてはならないという事柄は厳重にいろいろいたしますけれども、思いつきによりまして、甲の人が来たら許可する、乙の人が来たら不許可にするということは、行政上適当でありませんので、許可の条件としては、政令四条の各号の一に該当していなければ大むね許可する、そうして許可したものについて狩猟法初めあらゆる法令の順守を励行していただくと、こういうことになるのが行政を公平にやるゆえんでございますので、四条各号の一に該当すればもちろんいけませんけれども、四条各号の一に該当しなければ、そのものずばりが三条に定める必要な銃砲と認められる限りは許可すべきものと理解しておるのであります。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 こういう考え方は成り立ちませんか。競技場だけに競技場の経営者が空気銃を備え付けてそれを撃つと、もちろんそれは自分の道具で撃ちたいし、撃つというのがこれは一番理想的でしようが、ところがほかでは撃てないのだから、競技場に置いておいたらいいわけなんです。ほかでは使えないものを、ふらふら持って歩いておるから撃つのだ。だから、空気銃というものを全然なくするのもどうかと思うということなら、一定の空気銃を使える競技場というものを認めて、そこにちゃんと設備をさせる、こわれたようなものではなしに、いろいろな人が使うけれども絶えず正確なものにしておくというような制度の方が、これは安全ですね。それができれば、一般の空気銃というものは禁止して少しも差しつかえない。そういうことはお考えになったことはありませんか。

中川董治警察庁刑事部長

○政府委員(中川董治君) 私もそういうことを考えまして、そういうこともできるかと研究をしてみたこともあるのですけれども、これは一々人によって特性が違いまして、亀田さんのおっしゃるような方法でもできるという人もございますが、ああいうまことにこまかい技術に関する事柄になると、ふだん愛着を覚えて、自分の空気銃を毎日掃除して、その掃除の能力その他によって的中率をよくしようという愛着感を持つ人もありますので、そういう関係を危険の角度のみから規定するのは人情の機微に反するような気がいたしましたものですから、御指摘のような結果の法律になっておるのでございますが、私は実は空気銃の趣味はないので、その点はわからないのですが……。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 それはしかし、一応は常識的にはそう考えられますけれども、愛着とか個人的なコツとかそんなものではないので、やはりだんだん空気銃が正確になって行けば、道具それ自身はみな同じようになってくると思うのです。そういうこわれた不正確な空気銃を備えつけた競技場には行かぬようになりますから、それはやはり競争していいものを置くようになってくるでしょう。だからそれはまたその面で考えるべきなんで、それは幾らかの個人的な嗜好とかそういうものは制限しても、これは仕方がないと思うのです。そのかわり、種類なんかはその競技場に幾つも置いておいたらいいのです。これは考えようによっては、われわれのような大衆、貧乏人は、むしろそういうふうにいろいろな種類のものを置いておいてくれた方が、かえっていいのだ、特定の自分のものを一つだけ使って、それでやつているというよりも、かえってそれも面白味がある。だから考えようですからね。だから、なんですよ、そういうふうにすれば、この問題は大してあなたの方の、ともかくたまを撃つということの練習もできるし、安全ということも片づくし、もう警察としても一番楽だ、これは私の意見ですが、考えておいて下さい。

清澤俊英日本社会党(第四控室・左)

○清澤俊英君 これと事が別だが、やっぱり狩猟のことで、ほかのことでちょうど総務部長来ているから一口聞きたい。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) そのちょっと前にこの問題で……、加瀬君。

加瀬完日本社会党(第四控室・左)

○加瀬完君 亀田委員の今申されたことに関連するのでありますが、この法律の原因と申しますか、できてきた過程というものを考えますと、リクリエーションである空気銃が、リクリエーションの域を越えて、むしろ公共に非常に弊害をもたらすということで、空気銃の被害の防除という点からこの法律の作定という方向に進んできたと思うのです。そういたしますとね、一体この空気銃の一番被害を起す年令層というものを考えますと、むしろこれは銃砲所持で認められている年令よりはむしろその下の年令、委員長のさっき御指摘になりました十八才未満、十四、五才といったような年令はいたずら盛りでありまするので、いろいろ問題を起す年令層というふうに考えられなければならないと思うのですが、そういたしますと、そういう年令層に特別に空気銃を操作する便法を考えるということが、法律を作定しようとしました目的から考えると、どうもおかしいと思う。で、亀田委員の御指摘のように、たとえばそれがスポーツとして、スポーツ選手を養成するということであるならば、それはそれでこの法律とは別にワクの外で考えるべき問題じゃないか。そういうことを考えるために、この法律の純度といいますかを薄めるということは非常に私はまずいと思うのです。この点どうでしょう。

中川董治警察庁刑事部長

○政府委員(中川董治君) まずその年令層によるところの過去の実績を私ども調査したのでございますが、二十八年の十月から二十九年の九月にわたる一カ年間をとりましたところが、十四才未満、改正法によりましては絶対所持が禁止されておる十四才未満の件数が二百四十一件、それから十四才以上十六才未満が五百二十八件、十六才以上十八才未満が九百五十件、十八才以上二十才未満が八百六十六件、二十才以上千二百六十八件、こういう状況でございます。で、御指摘の通り比較的年とったものだといっても相当間違いを起しておるということは事実でございますが、まあ偶然かもしれませんが、この世間を聳動して致死事件まで起しましたのは、十四才未満の二百四十一件のうちに致死事件二件がございます。この調査期間におきまして致死事件がありましたのはこの二件だけなんです。で、これは偶然かもしれませんが、将来十四才以上の者でも致死事件を起さないとは確言できませんけれども、過去一年間の調査では、そういう状況であったということが一つと、それから皆さん各委員に御了解いただきたいと思うのですけれども、警察という角度というものは比較的危害の防止とか人命の保護というものを中心にものを考えるべき性格の機関だと思うのでありますが、そういう角度から申しますと、危険を伴うものは禁止した方が一番便利でございますが、そういうことを考えるときには常にわれわれ念頭に置くことは、害のある面は確かに悪いのでございますが、それかために健全ないしは許さるべき目的かあるかどうかということを検討いたしまして、健全または許さるべき目的かあるものにつきましては除いて行くと、こういう立場をとりませんと、すべて警察の角度から社会生活が規制されるような結果に相なりますので、いかなる場合もそういう角度で考えておるのでございますが、他に害を及ぼす点は確かに悪いのでございますが、害を及ぼさない、社会生活の向上等のために利益になる面につきましては絶対禁止をだんだん狭くして行くと、こういうふうなやり方でやって参りますので、そういう面をとらえて参りますと、御指摘の通り、なまぬるいと、こういうことになろうかと思いますが、そういう他に健全な目的がある面につきましては、健全な目的を抑制しないように、同時に悪い面は、はなはだしき場合はもちろんこれは刑法によりまして、けがをさせると過失傷害罪になったり、器物をこわすと器物殿毀棄罪になったりいたしますので、それを起したのちには、それぞれ処罰規定もございますので、それが防犯的役割を果しまして、注意力を皆さんに持っていただく。なまぬるいという点はたしかでございますが、そういう健全な目的の比較考量の観点から、実はいたしたのでございますが、それは議論の存するところと思いますが、そういった点は適当に御審議願いたいと思いますが、立案に当りました趣旨はそういうことであります。

加瀬完日本社会党(第四控室・左)

○加瀬完君 先ほど林野庁の方あるいは警察庁の方からもこの法律の制定の原因といたしまして、世論というものが非常に空気銃というものの弊害というものに対して厳しくなってきた、そういうことも十分考えて、もっと世論がきびしくなれば、あるいは国会の御審議を待って全面禁止ということも考えられるけれども、現在においてはこの程度であるというふうな大体の御説明のように私は承わったわけであります。で、先ほど刑事部長さんは致死の事件といったようなものをあげておりますけれども、むしろ三浦委員がさっき御指摘になりましたような致死事件が何件あったかということで空気銃をとめるとか許すとかいうことではなくて、巷間伝えられているいろいろの問題というような、社会道義といったような観点からもっと考えてみなければならないのじゃないかといった御指摘の点を、警察も青少年の生活補導ということを大きな指導目的としてやつておる現実において考えてみなければならないのじゃないかと思うのでありまして、それで今、年令層に対する被害の事件数をあげましたけれども、これは年令層の若い方は、たとえば当然十八才以上であれば問題にすべきことも、警察が手心を加えるといいますか、少年であるために説諭だけで別に記録に残さないというような問題もありまして、必ずしもこの数字通りが事件の数だということにもならないと思う。事件の数といたしましても二十才以上でいろいろ犯罪的な問題が多いというその原因というものを十四、五才から空気銃を放漫に使わせているということにも考え得られるわけであります。そういった点、法律の根拠となるべき点から考えれば、さっき亀田委員の御指摘の点は、どうも警察がこの法律というものを一体どれだけ、空気銃の被害というものを絶無にするために本腰であるかというような点を、率直に言うならば、私は疑わざるを得ないという気持があるのであります。致死事件が何件あったから禁止するとかしないとかいう問題でなく、もっと大きな社会問題として考えてみなければならないのじゃないか。そうすると年令層というものを十四才から十八才未満の間に空気銃の使用を許すということは、一体リクリエーションの指導と考えていても、何もその問題の多い年令層にそういう特別の条件をつけて、空気銃を使用するというリクリエーションというものを許さなければならないという理由というものはないのじゃないか。むしろ社会的に不安の多いこういう問題をリクリエーションから除いて、他のリクリエーションに生活補導をして行くということが、もっと緊急な要件というものにはならないか。こういう点について刑事部長さんにもう一度お答えいただきたい。

中川董治警察庁刑事部長

○政府委員(中川董治君) ただいま御指摘の点は、大へんむずかしい点だと思うのでありますが、この青少年関係は御指摘のように空気銃に限らず一般的にいろいろ法律に違反する事件もありますし、法律に違反しないにいたしましても、お互いの後輩といいますか、次代をになう青年に対していかがかという問題等もございます。いろいろ教育の問題があるとか、いろいろな各種の問題を持っておるのでございますが、そんなことも、警察におきましては防犯という観点からも、いろいろまあそういう若い青少年の諸君が常々立派にやつていただきたいという点で、こういう防犯関係は私どももいろいろ積極的に各省と協力いたしまして微力を尽しておるのでございますが、立法となりますと、自然最も最下限と申しますか、という点に自然ならざるを得ないという宿命性に関連するのじゃないかと思うのですが、あるときはなまぬるいと言われ、あるときはぎしぎし言われ、そのときの判断をいつもわれわれは慎重に研究をするのでございますが、本件につきましても確かに世論は空気銃の被害について非常に憂えておられまして、これをできれば全面禁止できないにしても、相当に規制する、こういうような世論が強いこともよく承知をしております。それで現在は指導も結構でございますけれども、あまりに法律的に無制限でございますので、ただいま提案いたしました程度の規制は、当然まあ国会としてもこれを処理して行かなければならない、こういう想像で提案したのでございますが、ミニマムでございますので、それ以上の面は狩猟法の周知徹底とかあるいは他の犯罪の予防とか、さらに積極的には国民の道義の振興とか、そういう点と両々相待たぬと皆さんの御心配の点が完全に払拭できないという点は、全く同感でございますが、提案いたしました法律の内容が、何と申しましても、法律で、罰則で規制する事項でございますので、最小限度と、こういうことになっておるのであります。

加瀬完日本社会党(第四控室・左)

○加瀬完君 ちょっと、大へん時間をとりまして恐縮ですが、私の質問をお聞き違いをしておるようでございますから……。私はこれがきびしい、こ。の法律がきびしいから、これはもっと生活補導の場面に移せということを言っておるのじゃない。生活補導というふうなことを大きく取り上げておる現在の警察でありますから、先ほどからほかの委員の方が御指摘のように、十八才未満のような者に空気銃の使用というものを許容するという便法を講ずる必要はないじゃないか。もっと生活補導という面からは、こういうものをリクリエーシヨンと考えないような生活補導ということこそ、現実においては必要じゃないか。それをですね、いろいろのこの法律の作られる過程から考えれば、相当きびしくしなければならないのに、一番問題のありそうな層にこういう許容の幅を持たせて、いろいろあとで問題の起りそうな余地を残して置くというようなことは、この法律の作られる過程から考えて、どうも矛盾するのじゃないか。なぜそういったような条件を十八才未満十四才以上の者に特別の場合空気銃を使用するということを許さなければならないか。これをはっきりとこの法律の中に特別に入れなければならない理由がどこにあるのか。亀田委員の御指摘の点を私もやっぱり疑問と思いますので、関連をして質問をしておるわけでございます。

中川董治警察庁刑事部長

○政府委員(中川董治君) 御質問の趣旨はよくわかりましたが、問題をしぼってお答えいたしますと、たとえば十五才以上十八才未満のものには、いろいろ生活補導をやかましく言っておる警察としては、もっと法律をもってしても禁止すべきじゃないかと、こういう御意見だと思いますが、先ほども申した通りそういう十五才乃至十六才程度のものが少くともごく一部ではしざいましょうが——員数から言えば——射撃訓練という目的等もありますので、それを勘案いたしまして法律の取下限としては十四才、こういたしたのであります。かたがたいつも引き合いに出して恐縮でございますが、猟銃につきましても十四才に達しておれば許可の道も現行法で認めておりますが、それも論議の対象になると思いますが、そういう関係から見て、現在のところ最下限の罰則をもって強制するという点は、この程度が相当でなかろうかと考えておるのでございますが、よろしく御審議願いたいと思います。(「まだまだいろいろありますよ」と呼ぶ者あり)

清澤俊英日本社会党(第四控室・左)

○清澤俊英君 今まで営林署においてウサギなどをとるために期限を定めないで許可したのが、それを今回やめたそうだ。やめられたので、その上最近キツネやテンを狩猟の対象に指定されたので、それが非常に減って、逆にウサギの狩猟を営林署がとめられたために、非常にウサギがふえてきて、そうして植林事業上、ことに東北、北陸の積雪地帯においては、せっかく植えたやつの頭をみんな食べてしまう。非常に被害が多いというので、問題が起きておるが、これはもと通りに直してくれるように御相談ができませんですか。

奥原日出男林野庁林政部長

○説明員(奥原日出男君) ただいま御指摘のありました点は、ウサギを林地でとることに関しましては営林署職員がやりますにつきましては農林大臣が許可するということによって、従来と変りなく取り進めて参りたいと、かように考えております。なお、実情をよく取り調べまして御趣旨に合うようにしたいと思います。

清澤俊英日本社会党(第四控室・左)

○清澤俊英君 それなら統計もありますので、至急届けますから調査し、取り計らいを願います。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) まだいろいろ御質疑があると思いますが、だいぶ時間がおそくなりましたので、本日の質疑はこの程度で終えていただきたいと思いますが……。  ちょっと速記をやめて。    〔速記中止〕

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) 速記を始めて。  午後は二時から開会いたします。それでは休憩いたします。    午後零時四十八分休憩    —————・—————    午後二時四十六分開会

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) ただいまから委員会を開会いたします。昭和三十一年度農林関係予算の件を議題にいたします。  この件につきましては十四日の委員会において問題になり、その際衆議院における修正増額分のあるものについてはその使途を改正する必要があるとの御意見がありまして、各委員から御意見をお出しを願うことになっておりましたが、なお、その際の御意向に基きまして、一応御意向をとりまとめてみましたので、お差しつかえがなければこのお配りしております「修正増予算費目内訳に関する問題点」について御懇談を願ってはいかがかと思いますがよろしゅうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) それじゃちょっと速記をやめて下さい。    午後二時四十八分速記中止    —————・—————    午後三時七分速記開始

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) 速記を始めて。  それではただいま懇談をお願いいたしましたが、この議題の取扱い方につきましてはなお今後もう少し検討を続けてゆきたいと思います。   —————————————

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) 次に農産物に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件を議題にいたします。先日の委員会の取りきめによりまして本日は外務及び農林両省の事務当局から説明を聞くことにいたしておりましたが、外務省の事務当局は衆議院の方へ出席いたしまして、こちらの参っておりませんので、農林当局の方からの説明を聞くことにいたします。ちょっと速記を止めてください。    午後三時八分速記中止    —————・—————    午後三時二十二分速記開始

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) 速記を始めて。  この問題につきましては、なお政府当局の方から提出してもらう予定の資料がそろっておりませんので、資料がそろいましてからあらためて議題にいたしたいと思います。   —————————————

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) 次に三十年度の予算に関しまして、それぞれ各局別にその内容を聞くことになっているのでありますが、先日畜産関係の説明を聞くことになっておりまして、日程に上げておきましたけれども、時間の都合上やつておりませんので、本日畜産関係のことについて御審議を願いたいと思います。   —————————————

清澤俊英日本社会党(第四控室・左)

○清澤俊英君 ちょっとその前に、農地局長が来ておりますから伺いたいのですが、最近新聞を見ますと小作料改訂についてだいぶ作業が進んでいるという話ですが、どんな構想で作業はどのくらい進んでいるんでしょうか。これは、なお国会の閉会中等に、農林大臣の名でもってすっぱりお出しになるつもりか、一応農林委員会等に諮問してこれをやられるつもりで作業をしておられるのか、その点を伺いたい。

渡部伍良農林省農地局長

○政府委員(渡部伍良君) 小作料の問題は先般衆議院の農林委員会で農林大臣が米価を決定すれば、それに引き続いてできるだけ早い機会に決定したい、その手続としては、まず純粋の利害関係のない学者に一応まあ法律的、あるいは経済的な立場から検討を願つて、その上で政府の案をきめて、それぞれ各方面と御相談の上できめるようにしたい、こういうのであります。ここ数日中に学者の人のお話も伺えるような段取りで進んでおります。

清澤俊英日本社会党(第四控室・左)

○清澤俊英君 その小作料をまあ結局きめるということは、増額するという意味になっておりますが、その範囲の考え方ですね。今聞きますと小作料に利益がつくようなことも考えるというような点も言われているんですが、大体今小作地として考えられるものについて、どういう前提に立って考えておられるのかわかりませんか。

渡部伍良農林省農地局長

○政府委員(渡部伍良君) これは結局今五十数万町歩に上っている小作地が、どの程度まで払えるかということは、あれでありまして、たとえばこの間の全国農民組合の、米価について、そのうち地代として石当り二千数百円計上しておりますが、そのうち、この地代として計上されているものの中で、小作地を耕作する小作人が、そのうち何ぼ払えるか、地代としてほかに算定したものの中から幾ばく払えるかという認定が、いろいろ説が分かれておりますから、そういう点を一ぺんよく学者に聞きたいと思っております。

清澤俊英日本社会党(第四控室・左)

○清澤俊英君 まあこれは非常にめんどうな議論になると思いますが、農地法ができて、土地制度の根本的な改良をせられたときの保有農地は、田辺さんに聞きますと、地主のために保有しいるのではない、日本の農地構成が非常に狭隘な形をとつているのに、現在のような解放だけをしていると、将来適正な農地を作る上に、今すぐやつてしまうと、小さいものができて、適性農家を作るのに非常に無理が出てくるから、結局一応保有の形で残しておくのであつて、あれは地主のために残しておくのではない、小作人のために残してあるのだということをはっきり言っておりますが、そういう農地の小作料というものを考えるとを、小作料が上ったならば、それを特殊な法律をもって制限して行けばいい。今の農地制度を根本的に変えるというならば、いろいろ小作料の中にどれだけの米価の中から利益を分けてやるのだとか何だとかいうことは考えられますけれども、地主、小作という制度が根本的に認められておらない農地改革をやっておって、なぜそんなつまらないものに計画を立てて骨を折っているのかわからない。

渡部伍良農林省農地局長

○政府委員(渡部伍良君) ただいまのお話は田辺さんの御意見でありまして、そういうことは農地法には一つも書いていない。農地法には小作地があって小作料を政令できめなければならない、こういうふうになっておるのでありまして、その場合にどちらに重点を置くかということについて、いろいろな人の意見があるはずなんです。しかし農地法には厳然としてあるのでありますから、その法律がうまく運用できるようなところはやらなければいけない。もちろん農地法は、法律の第一条にうたわれておりますように、自作農とそれから耕作権を確立するということが主眼になっております。しかしただいま申し上げましたように、やはり小作地がある限りは、それについての措置は、これはいやでもやらざるを得ぬと思ってわれわれ苦心いたしておるのであります。

清澤俊英日本社会党(第四控室・左)

○清澤俊英君 もうこれでやめます。  これは田辺さんの意見じゃないのですね。あの法律を作る前提の際に、そういう趣旨の、それを中心にしてやつて行く、あの「農地制度の概要」という、あれの百二十五ページにちゃんとそう書いてあります。これは地主のために土地を保有するのでなくして、小作人の将来のためにこれを保有せしめて行くんだと、こういうちゃんと言うておられる。これは田辺さんの意見じゃないのです。一応いま一度考え直して、渡部さんあたりうんと一つがんばって、へなちょこ連が小作料の制度などをしないように、紛議を起さないように、一つお願いします。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) 農地局長、ちょっと念のためにお尋ねしておきますが、農地法の第一条は、「この法律は、農地はその耕作者みずからが所有することを最も適当であると認めて、」ということになっておるわけですね。今あなたの清澤君に対する答弁を聞いておりますというと、必ずしもその線とは同一でなかったように私聞いておりますが、私の聞き違いかもわかりませんが、あるいはもう一ぺん速記を調べてもよろしいが、何かこの趣旨と変つておるのじゃないですか。

渡部伍良農林省農地局長

○政府委員(渡部伍良君) 私の説明が足りないのでございますが、立法の趣旨は、耕作権を確立するということなんですね。でありますが、そのときに全部の農地をこの耕作者が所有するということはでき得ないわけです。とにかく五十数万町歩というものが残ったわけです。これを今後も自作地にするために努力しておるのでありますが、現在の段階では残っておるわけなんです。従って、その残っておるものに対して、あれは二十何条でしたか、小作料をきめなきゃいかぬと、こういう規定があるのでありますから、その規定に基く運用を、農地法の運用をしなくちゃいかぬ、こういう趣旨であります。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) そこで、小作料の改訂ということが問題になるとしても、その建前というものは、農地法の第一条にある「農地はその耕作者みずからが所有することを最も適当であると認め」るという立場からこの小作料改訂というものは出てこなきゃならぬことであって、ただ単に現在の米価がどうなっておるからというような、あるいはまた農地に関する税金がどうなっておるからというようなことで、計算的にはじき出されるものじゃないと私たちは考えておりますが、そういう私たちの考え方は間違つておりますか。

渡部伍良農林省農地局長

○政府委員(渡部伍良君) そういう問題がありますから、先ほど申し上げましたように、米価の中に地代として相当額が盛られておる。その中から幾ら小作地を耕やす小作人が払えるかと、その認定がむずかしいのでありますので、昔のように地主制度を、農地法の前の、いわゆる地主が土地を持って利潤をあげて行くという考え方と根本的に変つてきているわけでありますから、幾ら払えるかということを認定しなければいかぬ。そこの問題がむずかしいと、こう申し上げておるのであります。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) そこで先ほどのお話では、近くの専門家の意見を聞いて云々ということを言われましたが、これは早急にそういう小作料の改訂をなざるということを前提にして、専門家の意見をお聞きになるのですか。ただ漠然と専門家の意見を一定の目標なしにお聞きになるのか、どちらなんですか。

渡部伍良農林省農地局長

○政府委員(渡部伍良君) これはできるだけ早く小作料をきめたいという趣旨のもとにやっておるのであります。そうかといって、とにかく今御意見がありますように、やみくもにきめるというわけに行きませんので、十分慎重に各方面の意見を聞いて、たとえ時がかかっても、結論が出なければいたし方ないと思っておりますが、われわれの心がまえとしましては、できるだけ早くきめたい、こういうふうに考えております。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) 大体専門家の意見を徴されるといいましたところで、担当している農林省自身としても何かの基本的な考え方があると思うのですが、これはどうなっていますか。

渡部伍良農林省農地局長

○政府委員(渡部伍良君) これは私の方でもいろんな経済学者の意見がありますので、こういう説の場合にはこうなる、こういう説の場合にはこうなる、こういう説の場合にはこうなるというような、いろんな試算はやつております。しかし、その試算がまだ一つの農林省の線ということには出てないのであります。それも結局、何といいますか、できるだけ各方面の意見を聞いた上で、総合的な判断をしたい、こういう考え方であります。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) できるだけ各方面の意見を聞かれるという場合に、関係のない専門学者という人の意見も必要でありましょうが、私たちも当農林委員会に籍を置いておる以上、重大なる関心を持っておるのでありますが、そういうことをなさるために、私たち農林委員会の意見もお聞きになりますか。そういう手続を踏んでからこの小作料の改訂ということをなさいますか。あるいはまた、私どもは専門家でないという御認識で、全然除外して、いわゆる学者と称する人だけの御意見をお聞きになりますか。その点どうですか。

渡部伍良農林省農地局長

○政府委員(渡部伍良君) 当然国会の御意見等も伺わなければいけないのでありますが、前に衆議院の農林委員会だったと思いますが、初めに国会の方の意思を聞いてからというようなことの、たしか議論が出ていたと思いますが、それよりもやはり、農林省としては少くともこういう考え方がある、こういう考え方があるということをもっと腹を固めてから、ということは、資科を収集し、いろいろな御意見も聞いてから御相談した方がいいのじゃないか、こういうふうに考えておりますので、一応まず最初に学者の意見を聞いたらと、こういうような考え方であります。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) その順序はま あ初めになるか、しまいになるか、まああまりうるさい方の意見はあとからお聞きになる方が便宜かと思いますが、いずれにしろ、小作料改訂をなさる前に、国会の当委員会等の意見をお聞きになることはなさいますか。

渡部伍良農林省農地局長

○政府委員(渡部伍良君) 現在のところは、それよりも早くわれわれの案を作ったら、こういうように考えておるのでありまして、委員会に説明しろと言われたときに、あるいは委員会からいろいろな御意見が出ることについて当然私どもも、何というか、承わらせていただかなければならないのじゃないかと考えております。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) ちょっとあいまいにされぬで、はっきりしていただきたいのですが、小作料改訂をなさるまでには、国会の農林委員会等の意見をお聞きになるということをなさるか、どちらですか。

渡部伍良農林省農地局長

○政府委員(渡部伍良君) それが先ほどあれがありましたように、今の調子で行って、国会開会中のときだと、当然私は農林委員会の御意見も聞かなければならないと思いますが、私の方の準備がおくれるとか何とかあって、正式の農林委員会が開けないような場合には、事実上農林委員会の方々の御意見を伺われないという場合も起るかと思いまして、ちょっと言葉がにごつたのでありますが、当然、私農地局長としては御意見を承わらなければいかぬ、こういうふうに思っております。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) 局長に申し上げておきますけれども、この問題は今唐突に起きた問題ではないわけでありまして、もしあなたの方で本気に当農林委員会等の意見を尊重される気ならば、今までにでもそういうことを聞く機会はあったわけです。たまたま準備の都合の進捗度合いが偶然かどうかわかりませんが、国会開会中には間に合わぬような進行度をとっておられて、その結果、国会に聞くだけの時間の都合がつかなかったというのは、私ちょっと納得できないのでございまして、何もこの災害が起きてどうというような問題ではございませんから、何年も前から問題になっていることなんですから、もしあなたの方で国会の意見を尊重される気があれば、当然それに合わした事務的な進捗度を、進行度をとつておられるはずなんですから、あとで妙な言いわけにならないように、よくお考えになってやっていただきたいと思います。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 小作料の問題のようですが、閉会中であっても、これは非常に重要な問題ですから、農林委員長は当然農林委員会を召集すると思いますし、これはぜひそういう手続きをやはりとつてもらいたい。と同時に一つお尋ねしたいのは、農林省の意見はまだきまっておらないようですが、各方面の意見を収集されておる。その中には日本農民組合の意見というものはすでに収集済みでしょうか。

渡部伍良農林省農地局長

○政府委員(渡部伍良君) 小作料を幾らにするということは、まだ私は正式な意見としては承知しておりません。いろいろなことを、情報、あるいは新聞でやっておる程度のものは見ましたけれども、それは帰って調べてみないと、正式に御意見をとっておるかどうかということはちょっと私はまだ承知いたしておりません。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 これはとんでもないことで、一番大事なこれは意見ですよ。あらゆるいろいろの問題を取り扱う場合に、その事柄で非常に真剣に今までやつてきた諸君です。そういう諸君がおるわけですから、そういうところの意見はやはり十分まず聞いてもらいたいと思う。で、そのほかの点ですね、これはどういう……、ただ文献だけを集めておられるんですか。直接意見等を聴取しておられるわけですか。

渡部伍良農林省農地局長

○政府委員(渡部伍良君) これは私申し上げたのは、正式な討議の機関に諮って、最終的意見として出ておることは承知していないと申し上げたのであります。農民組合の方々の、いわゆるその筋の専門家の意見はしょっちゅう伺つておるのであります。そのほかのことについても、私どもの係としてはいろいろな方面の御意見を伺っております。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 それで、あなたの方で相当慎重に直接意見等を聞いておられるようですが、現在まで集まった意見ですね、これは一つ集約されて、中間的な資料のような意味で委員会に出してもらいたいと思いますが、それはできるでしょうか。簡単な要点だけでいいわけです。

渡部伍良農林省農地局長

○政府委員(渡部伍良君) ちょっと私どもの係でほんとうに腹を割つて作るように、いろいろのことを聞いておるので、ある程度個人的な意見というのも出ているのではないかと思うのであります。従いましておそらくそいつを出すと、またあとでその方にまた教えてもらえないというような問題になるおそれもあるのじゃないかと思いますので、これは一つ考えさせていただきたいと思うのです。何と言いますか、さしで、そういう専門家と話すと、まあこのくらいかなというような意見が……、これはどういうのですか、不用意というのか、正直にというのか、出ておるのがあるのです。それが私どもの耳に入っております。しかしそれは、それでいいのかと、こうその人に反問したときには、それはちょっと待つたと、こう言うにきまつておるのでありまして、たとえば新聞に出ているとか何とか言うのであれば、これは一応いいであろうと思いますけれども、そういうふうに個人的にこちらからの御相談に乗っていただいておる人の意見を今出すことは、ちょっと困るのじゃないかと思いますが、よく調べさせていただきます。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 そしたらそれはむりにとは言いませんから、いずれ国会で農林省でも意見がきまりかけたころにわれわれが説明を求める、そういう際に、個人名までは出さんでもいいから、ABCでもいいですから、そういう形ででも資料として出してもらいたい。これはまあ要求しておきましょう。これはこれでいいです。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) 今の資料はよろしいですね。

渡部伍良農林省農地局長

○政府委員(渡部伍良君) はあ。できるだけやります。   —————————————

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) それでは続いて畜産局関係につきまして、御質問があったらお願いします。  どなたからもなければ、私ちょっと質問しますが、最近のこの乳牛の問題も非常にやかましいのですがね。また一方和牛の方も非常に困つた状態になっておるわけで、和牛の生産地あたりでは、この相場の値下りがひどくて、しかも最近はこの和牛の小牛の屠殺等が行われておるというように、全く行き詰まっておるのですが、この問題について畜産局の方として、どういう対策をお立てになっているのか。

原田傳農林省畜産局長

○政府委員(原田傳君) ただいま御指摘の和牛の問題でございますが、和牛の値段というものが最近相当下つて参りましたことは、価格に関しまする資料を見ましても、はっきり出ておることでございます。またその一部分の問題といたしまして、小牛の屠殺頭数が相当増しておる。またさような関係から、小牛の価格そのものも相当下つておるといろ状況は、確かに見られるのでございまして、この問題につきまして、私どもといたしましては、和牛というものがこの畜産の部門の中におきまして相当大きなウエートを占めておるということでございますので、これにつきまして著しい価格の低落等が生じませんように、いろいろ対策を講じなければならないと考えて参っておるのでございます。この和牛はやはり役牛として使われる面と、それから肉牛として使われます面と、両方ございますので、その点につきましては、それぞれの性質に応じまして、措置が要るわけでございますが、特にこの肉牛につきまして、従来からややもしますと、この肉の需要供給の関係等の影響から、和牛の価格にまでそれが響いて参るということがございますので、何とかこの肉牛の価格と申しますか、あるいは広く取引というものを合理的にいたしたいというふうに考えておりまして、実は三十年度予算案におきましても、若干その趣旨の措置を考えておるのでございます。で、肉牛の価格というものに密接な関係を持ちまする枝肉の取引の問題があるのでございまして、この枝肉の取引というものにつきまして、これを合理化する措置が要るという考えから、農林省の三十年度予算案の中に生鮮食糧品の流通改善に関しまする補助金を計上いたしまして、そのうちの一部分をもちまして畜産関係、特に枝肉の取引等に役立ちますように冷蔵庫の設置でございますとか、あるいはこれに関連します取引所の施設等の改善の経費に対しまして補助金を出し得るように考えておるわけでございます。また同様の線に沿いまして、従来から農村におきまする食肉の利用というものにつきまして、またそれに関連いたしまして農村におきまする肉畜の取引という点につきましても施策を講ずる必要があるという考えから、昭和二十八年度から農村食肉利用促進施設の補助金を交付する仕事をやりまして、三十年度予算案におきましても、約十カ所分のさような施設に対しまする補助金を計上しておる次第でございます。農村におきまして食肉の消費がどういう行き方になっておるかと申しますると、農村におきまして肥育いたしました肉畜というものが、一たん中小消費地まで取引の結果運ばれまして、そこにおいて屠殺されて枝肉あるいは精肉となり、農村におきまして農家が肉を食べるという場合は、その消費地から逆にまた肉を買い入れるというような形になっておりますので、この点を合理化する意味をもちまして、農村地帯におきまして、簡易屠場というようなものを作り、またその簡易屠場に付設いたしまして、冷蔵庫なり、あるいは肉の加工施設を持つということがきわめて合理的である、さような考えから冷蔵庫なり肉の加工施設なりというものを設備いたします場合の補助金というものを考えておる次第でございます。さような措置をいたすことによりまして、農村におきまする食肉の利用が合理的に行われ、またさような冷蔵庫なり加工施設を持つことによりまして、肉畜の取引というものもそれだけ合理化されるはずであるという考えに立っておる次第でございます。まだ、子牛の問題につきましては、ある程度屠殺されるということは、これは従来からあったことでございますが、最近のようにその屠殺頭数が増し、その結果取引価格というものが下落するということに対しましては、この小牛、特に雄牛のほうの取扱いについて、これを少しでも値段の高いものに仕上げるという面が考えられるのでございまして、雄牛の早期の去勢なり、あるいはこれを適当な方法によって肥育いたしまして、肉畜としての価値を高めるというような方向に向つて指導をいたすべきであるというふうにも考えておるのでございまして、この点につきましては、相当特殊な技術が必要でございますので、いろいろと研究を重ねました結果、かなり効果的な方法が考えられております。今後におきましては、さような同じえさを食べさせまして太らせるにいたしましても、効率の高い技術を十分に普及させる必要がある。またその準備も相当進んで参ったというふうになっておりますので、今後この点につきまして特に力を用いたいというふうに考えておる次第でございます。それから肉畜、役畜を総合いたしまして考えましても、家畜の取引、特に生産者が家畜を売ります場合の問題といたしまして一、二考えられる点があるのでございます。まずこの生産者の団体が家畜の共同販売という態勢をとることが、非常にこれは家畜取引の合理化に役立つものだというふうに考えておるのでございまして、これらの点につきましては、家畜の生産者の団体自体の誠意という問題もございまするし、また具体的に共同出荷の方法を十分に研究いたしまして、家畜取引をより合理化するということについて、いろいろ今後研究を重ね、また関係者とも十分に相談をしなければならないというふうに考えておる次第でございます。また家畜取引を適正合理化する上におきまして、家畜市場の問題もあると考えておるのでございまして、現在の状態では、家畜市場の配置というものが果して適当であるかどうかという点につきまして研究を要する点があるというふうに考えております。非常に家畜の取引が行われます場合に、適正な取引が行われ、価格も適正であるようにするためには、現在の状態よりもさらに配置を合理化する必要がある。集産地におきまする家畜市場というものが十分でないのではないかというふうに考えておりますので、こういう問題につきましても今後対策を考えて参る必要がある、かように考えておる次第でございます。一応私の考えておりますことを申し上げた次第でございます。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) まあ農村で肉を食うように促進してやろうというので、非常にまあけっこうなことでして、早く日本の農民が肉なんかが食えるような世の中になればいいと思うのですけれども、なかなかそう簡単にも行きますまいが、まあ一番われわれ不思議に思いますことは、農村で和牛が下ったのだ、相場がないのだということになっているのに、町の牛肉屋に行ってみるというと、牛肉の値段は一向下つておらぬ。そこでどうもこの一番の問題は取引の方にあるのじゃないかという気がするわけで、今その取引についても、生産者団体の共同販売ということを促進したいということでしたが、そのために具体的にどういうことをお考えになっているのか、たとえばまあ先ほども流通改善の中で冷蔵庫その他の施設に対しても補助をするということがありましたが、これなんかでも今のような、われわれから見て不思議なのは、産地はべらぼうに安いのに消費地では一向下っておらぬという状態で、冷蔵庫ができたところで、その冷蔵庫というものが一体何の役に立つのか。使い方によるというと、今ある矛盾をさらにもっと強めるようなことに役立つ場合もあり得るわけなんです。冷蔵庫を作った場合に一体誰が使ら冷蔵庫かということがやはり問題になると思うのです。そういうような問題について、一体畜産局長の言われる生産者団体の共同販売ということについて、具体的にこれを育成して行くために何をお考えになっているのですか。

原田傳農林省畜産局長

○政府委員(原田傳君) 冷蔵庫を作ることによりましてどういうふうに肉畜の取引が合理化されるかという点でございますが、現在の枝肉の取引、また肉畜の取引というものを見ますると、家畜商が産地におきまして肉畜を買って、それを屠場に、消費地の屠場に引きつけて参るのであります。引きつけてきまして、これで屠殺のいわゆる枝引肉という状態にいたしまして、これを取引に供するという場合に、いわゆる相対の取引でございまして、一体幾うでそれが売れておるのかという点はきわめてぽかされておりまして、いわゆる気配というようなものが辛うじてわかるというような、きわめてあいまいな状態で取引が行われておる。またこれをざらに合理化しようというふうに考えました場合に、屠場に引きつけられまする家畜の数量が多くなればなるほど、そこにいわゆるだぶつきというものが生じまして、現在の状態のままでございますと、若干の収容力を持つた冷蔵庫はあることはあるのでございますが、さような冷蔵庫にはすでに一ぱいになりまして、屠殺の順番を待つというような状況に極端な場合はなるのでございまして、さような場合に屠殺場に付設いたしまして相当の収容力を持ちました冷蔵庫の施設ができるということになりますと、ともかくも引きつけた家畜はそこで屠殺をいたしまして枝肉にするが、その枝肉というものを今日どうしても売らなきゃならぬという立場にさらさないで、冷蔵庫に収容しておくことによりまして、需要供給の関係がきわめて悪い場合は。そこで調節力を持たすというようなふうに冷蔵庫の施設が役立つのではないかというふうに考えておる次第でございます。

清澤俊英日本社会党(第四控室・左)

○清澤俊英君 どうも前の畜産局長の大坪さんのときからやはり言っているのだがね。どうもあまり理想に過ぎるのじゃないかと思うのですよ。実際の取引の状況はね、果して農民がもしくは農業団体が、肉にして売るということが今現在できるでしょうか、商人に。そのことから考えて行かなきゃならぬ問題じゃないか。冷蔵庫に入れたつてどうして売るかということになれば問題なんです。そこから考えて行かなければならない。幸い東京とか大阪には中央市場があって、まあ芝浦などはだいぶあそこで屠場の改良が行われているが、今までは悪い仲買人によって、精肉を持ってきてもそれを取るとか取らぬとかいうことで、ほとんどただ同然に取られたり、悪党によって一貨車全部つぶさんでおいて、それがためにこれは使用料だというようなことで強迫せられて、全部一貨車一銭も取れないで帰って行ったというような弊害がだんだん起きているのです。そういうことを考えれば地方で冷蔵庫を作らせるとか、加工させるとか言って、わずかのカン詰くらいを作つて、それが売れると思ったらとんでもない間違いなんだ。要するに商品として出すのには相当の量を、相当の規模の工場で作つて、マークが売れて行かなければ、それが売れないのですよ。そこに金融の問題がついたりいろいろな問題が出るのだから、それまでのことを農民自身に補助金でやらせるというような考えがすでに間違っているのです。農村でやらせる場合に、最近補助金などで家畜市場というものが作られているが、そこには選択して出さないのです。見てごらんなさい、どこから来る牛だかわけがわからないけれども、集めて、そして牛の口をぱんと叩いて、胴をすっとなでて、ふところへ手を入れてちゃかちゃかとやって、手をあげていりゃあそれで勝負がついてしまうのです。こんなことで農民が自分の牛を持って行って満足に売れますか。ああいうところから改良して、そうして中央にしっかりしたものを置いて、そこに持って来たものが、かりに値段が下ったとしたならば、これは農林省あたりが補助金をくれて、相当の期間生きたもので飼う。芝浦で飼わせるというような方法をとつて行けば、そうひどい間違いはないと思うのです。何も冷蔵庫の中に入れる必要はない。冷蔵庫に入れますれば肉も減るし、品質も変るし、値下りもする。生きたもので置けば問題はない。あるいはそういうものを、地方の農協に集まったものを、どこかに集めて置いて、それに補助金をくれて飼わしておくとか何とかの方法が私は一番いいと思う。要らぬところに骨を折つて、何とかうまいことができるだろうというような考え方では、どうも私は納得できませんが、もう少し研究が要るのではないかと思う。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) 今の清澤委員の御質問もありましたが、私の聞いたことにまだ答えがないので…。私はこの冷蔵庫が畜産局長の言われるような役目はいろいろあると思うのです。ただ問題は誰がその冷蔵庫を使うかということが問題なんであって、今のように産地は非常に安い、ところがこっちへ来て小売で買おうとすると、牛肉屋で買ってみると値が下っておらぬというようなことでは、何をしてみたところでただ中間搾取を強めるだけで、その役に立つだけで、実際には生産農民からいうと、あるいは消費者からいうと、役に立たぬことになりはせぬかということです。そこで生産者団体の共同販売ということをあなたが言われましたが、この家畜取引は非常に複雑だ、そういう中で簡単に生産者団体の共同販売だといったところで、下手するというと清澤委員のお話のように一貨車送ったらみな返されてわけがわからなくなってしまうということもあり得るので、とにかく複雑な機構ですから、そういうときに生産者団体の共同販売ということをほんとうにやるなら、具体的にどういうような育成のための措置を考えておられるかということを聞いたわけです。

戸叶武日本社会党(第二控室・右)

○戸叶武君 そのやはり冷蔵庫の問題をめぐって、私たちも農林省で考えてもらいたい点は、農民においても、あるいは労働者においても、もっと肉類が食べられるようにするというのは、簡単に言えばもっと安くすることだ、生産者から相当肉牛やなんかは安くなって叩かれて買われていながら、消費者の手に安く渡らぬ。そういう場合にすぐいろいろな政策として打ち出されることは、価格維持の面ばかりである。急激な変化ということはいろいろな打撃を生むでしょうけれども、これは世界的な食糧増産の中においても、畜産関係の値下りというようなものはアメリカあたりでも穀類よりも激しい値下りになっていると思う。それはやはり生産が多くなって消費の方がそれに伴っていない、それだけ拡大していないという点だと思いますが、日本なんかでは、まだまだ私は安くさえすれば肉類を食べる、その需要というものは多くなると思うのです。ところが問題はそれが非常にはばまれておる。そういう点をどういうふうに徐々に合理化して行くか、その中では取引関係というものの合理化ということが非常に重要であって、その一つの方法として冷蔵庫の問題を当局で取り上げておるのだと思いますが、その冷蔵庫の、今委員長も言われましたけれども、誰がそれを活用されるかということが一番問題なんですが、生産者団体に、もちろんそれを利用させようとしておるのだろうと思いますが、政府はその点どういうふうに考えておりますか。

原田傳農林省畜産局長

○政府委員(原田傳君) 先ほど冷蔵庫の施設に対しまして補助をいたします考え方を申し上げたのでございますが、続きましてただいま御指摘のように、さような物的設備ができた場合に、取引そのものがどういうふうにそこで行われるか、またその冷蔵庫を利用するものは誰であるかという点でございますが、この点につきましては先ほど来お話のございましたように家畜、特に肉畜の取引というもの、枝肉の取引というものが沿革的に、発達と申しますか、現在のような状態になっておりまして、決してこれは合理的な取引であるというふうには私どもも考えておらないのでございます。しからばこれでどういうふうに合理化をして参るかという点につきまして、いろいろと研究をいたしておるのでございますが、さような一つの安全弁という意味で、冷蔵庫というような施設もでき、またそこにおきまする取引というものも、いわゆる非常にあいまいな形の取引でなく、需要と供給の関係がそこで出会いまして、公正な価格がそこできめられるように持って行かなければならないのでございまして、その場合に先ほど具体的なお話もありまして、簡単にそういうふうにすぐ変えられるものではないというお話もございますが、とにかくも私どもといたしましては、努力の方向、目標といたしましては、やはり生産者の団体というものが、そこに個々の売り手でなく、まとまつた形で売り手に廻りまして、非常に取引の結果が不利の場合には、冷蔵庫等の施設を利用いたしまして、価格の下落を防ぐような、そういう態勢に持って行くべきではないかというふうに考えている次第でございます。  また、生産地におきまする家畜の取引が、急激に転落したのに対比しまして、消費地における肉の価格特に小売の価格というものがほとんど横ばいに近い状態になっているという点の御指摘もございましたのでありますが、その点につきましては私どももさような家畜の価格が下り、またそれに追随いたしまして、枝肉の価格というものが相当下つているにもかかわらず、末端の小売価格というものが動かないということにつきましては、肉類の取引の実態といたしまして、何かそこに改善を要する点があるのではないかというふうに考えて、研究をいたしておるのでございますが、過去に若干さかのぼりまして、家畜の価格なり枝肉の価格というものと末端の肉の消費者価格というものの動き工合を見てみますると、逆に枝肉価格なり家畜の価格が相当上っている場合において、肉の消費者価格というものが、ほとんど動かないというような現象も見受けられるのでございまして、これらを通じまして一体相互の関係がどういうふうに動くものであるのか、またそれを合理化するためにはどういう点を直して行くべきかということにつきまして、いろいろと研究をいたしているという状態でございます。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) それは局長さん、研究はもういいんじゃないですか。大体世にも不思議なことなんですよ、そこで生産者団体の共同販売ということがほんとうにできればいいんですけれども、ただこれをやろうとすると、これはよほど政府でも力こぶを入れてやらなければ、もみつぶされてしまいますよ、こんなものをうかつにやったら。だから、こういうことをやろうとするのならそういうものに対しては冷蔵庫の補助金を出すなり、こういうふうな冷蔵庫を持たすとか、あるいは流通のための資金の融通を考えてやるとかいうことでなしに、さらにもう一歩進んでは、市場内で不当な妨害等があるのなら、それを進んで排除してやるとか、その腹がまえが一体あるのかどうかということになるのじゃないかと思うのです。その点どうですか。

安田善一郎農林大臣官房長

○政府委員(安田善一郎君) だんだんの各委員、委員長のお話の通りでありまして、今年から特に家畜及び生鮮食種品の疏通過程については、先ず本年度施策すべきもので予算をつけるものはつける、それでその次は局長も言われましたように、研究に移すべきものは移し、金融措置を講じ、機構を整備するものの研究を、実は予算編成期までにいたしました。清澤委員の御指摘になりました点には、とにかく本年度はさしあたりましては畜産局長が畜産同予算の中で御説明になりましたもののほかに、農林経済局に計上してありますけれども、生鮮食料品流通改善施設補助金が新規に一億円あります。これは都市すなわち公共団体、地方団体を交付先にいたしまして、おもに青果物、鮮魚介を考えておりますが、枝肉の取引も含めましてその流通の改善施設に対し補助することにいたしております。これでは、都市的消費者的な施策を通じて生産者にも資するところあろうとする措置でございまするので、これに農村の食肉利用増進の措置をも加えているのであります。この方は三百六十万円を、これは生産者団体に対して補助する経費として計上しようとしたのでありますが、だんだんのお話がありますように、これは冷蔵庫とか、屠殺場とか、また家畜取引場、あるいはその取引の仕方、不正不当の取引、不明朗な取引、これはまた法令をもって禁止したり、禁止することをまたいかに励行せしめるかということにつきましては、なお研究を要しまするので、取りあえず予算といたしましては農村の食肉利用のためにはこれだけでは十分ではないが、前年度、二十九年度に続いて三百六十万円やれば、これは全く無意味ではなくて、将来に資することがあるというので、もう一年続けようとしたものであります。新たに両者相待ちまして冷蔵庫、上屋その他の施設、取引を取りさばく措置としては一億円を新規計上いたしたのであります。  委員長の御指摘の点につきましては全く同様でありまして、結論が未だに出ておりませんでしたが、商業者団体においても育成するものは育成し、規制して押えつけるものは押えつける、ルートにおいても取引方法においても同様ですが、反面全く生産者団体が無力であってもこれはいけませんので、ほんとうはそれができればけっこうでございますので、畜産に関しまする専門の農業協同組合を助成する道を考えたのでありますが、しかし農業団体の機構のあり方といたしまして、これで行けるか、また経済行為を行う団体のうち畜産物はお話の通りまことに特殊的なものでございますので、その特殊性において、取引過程の経済的な経験ある者であるが、かつ技術者であるという技術員を置こうと思ったのであります。ところがその団体のあり方、そういう人をどうやって見つけるか、育成するか、きわめて確信を得ませんでしたので、これはなお一年研究をして整備する、巷間その過程において畜産会法なんということが、少し誤解をもって実は漏れましたのはそういう趣旨でございましたので、これは結論を得ませんでしたのでとりやめました。さらにいい成案を、いろいろお教えを願い、研究がつけばやるつもりでございます。  また金融面につきましては商業ルートのものは別として、生産者団体においては、都市については何か組合金融なんかについて予算が本年度ついておりませんが、可能なものについて公庫を使うとか、共同施設については農漁業公庫の中において考えるとか、組合の整備促進等についてもやはり一有力事業として考えてもらうとか、たとえば愛知県の碧海郡等においてはあそこの農業協同組合はかなりやっておられます。それらを参考にしまして成案を得たいと思っております。

清澤俊英日本社会党(第四控室・左)

○清澤俊英君 ただいまのその経済的な取引面の経験と、それから飼育技術ですな、これはあまり学校の課程というようなものを考えないで探せば、相当のものを、少し教育すれば探し出すことは、そう何千人というものは無理であるが、相当数私はあるだろうと思います。たとえてみれば、私の郷里の村ではほとんど廃牛を食肉に化してそれを販売しておる。従ってそういう地区ですから冬分になれば大部分の青年はほとんど東京や大阪、神奈川方面の肉屋に奉公、問屋に奉公する。同時に各地方でほとんど廃牛にして使われないやつを持って来て食肉にするというのですから、これまた特殊な技術を持っている。それが数十年間の生活様態を持っているのですから、これらの中の青年を選んで少し教育すれば、そういう技術家は相当得られるのじゃないか。そういう地区は日本中に探したら相当あるのじゃないかと思います。御考慮願つておきます。

戸叶武日本社会党(第二控室・右)

○戸叶武君 この畜産会法のやつが一般に漏れて誤解を招いたという事実は、先般も河野農相に改めて質問したのですが、先般の選挙の際にとにかく畜産関係は河野氏が農林大臣になったら莫大な金を出すから、それでおれに協力しろということで、全国的にそういう指令といいますか、そういう連絡がついて、畜産関係の末端に至るまで河野農相につながる一大政治運動を展開したのです。これはそういうやり方は、今の私たちは酪農を振興させる団体に強力な推進力が必要だと思いますが、そういう投機的なやり方というものは、河野農相の性格から来る強引さだけじゃなくて、何か農林省の中でそういう知恵をつけて、そういうようなことを一つたくらんだのじゃないかと思われる節もあるので、特にこの関東地帯においては疑獄が全部畜産関係の課長に起きておるのです。群馬とか茨城とかこれは前に私が委員会で明治、森永等の独占資本の触手が動いて、行政機構というものが非常に麻痺している点を指摘したことがありますけれども、これは畜産の発達の過程において私は実に悲しむべきことだと思うので、そういうことを河野さんが来てから一応あらためて材料をまとめて総括的にぶっつけて行こうと思いますが、ちょうど話が出たからですが、そういうような動きは農林省の中にはなかったのですか。

安田善一郎農林大臣官房長

○政府委員(安田善一郎君) 御想像のような動きは別に省内にはございません。非常に専門の特殊農協、特に農協連、これについては相当研究したことがございます。これが農協の中央会や農業会議所にどういうふうに農業団体として構成されて行くかについてよき成案を得ませんでした。その過程などが反映して、長野県などに畜産の特殊専門の農業協同組合の設置などございましたが、そういうようなことはございません。

戸叶武日本社会党(第二控室・右)

○戸叶武君 それは予算の問題にも関連して具体的に出ておりますから、またあらためてそれは質問することにいたしましょう。

清澤俊英日本社会党(第四控室・左)

○清澤俊英君 前から芝浦屠殺場と最近問題になっている青果物会社統合等についてだいぶ問題が起きておって、一ぺん、個人で行ってもなかなかこっちがほしいと思うことを言わないで、無理を言って尋ねられないのだ。従って正式に農林委員会の視察ということで、都内のことであるから一つ計画していただけませんか。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) 何かそういうような計画はおそらく皆さんも御賛成だと思いますから、やってみます。  ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) 速記を続けて。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 例の米価等の問題は、この二十一日に米価審議会を開くというようなことを聞いておるのですが、この新しい予約制度を運営するための政令ですね。これは一つざっくばらんなところ、いつごろわれわれに対して提示できるか、確実なところを、わかっておられたら明らかにしてほしいと思います。

安田善一郎農林大臣官房長

○政府委員(安田善一郎君) これはかねてから両院の予算委員会、農林委員会から御要求もありますし、御要求に応ずるばかりでなしに、当然早く制定公布いたす見込みで、また関係の方面によく御了解を得たいと思いますので、あしたないしあさって、ほとんど政令の文体と同じ意味でありますが、若干法制的な法令技術等につきましてよく研究する分も少しは残っておりますので、御審議をいただく意味におきまして制度要綱、政令要綱とでも言いますか、そういうものの逐条を書きましたものを御提出申し上げて御審議をお願いしたいと思っておりますが、どうでしょう。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 それではいずれこれは政令案等正式に拝見をしてから詳しく質疑をしたいと思っておるのですが、一点だけ。末端の生産者である農民が国に対して米を売る。これは食糧庁としてはどういうふうにお考えですか。契約の性質ですね。で私は普通の売買契約、こういうふうにまあ新しい制度のもとにおいては考えておるのですが、これはどういう建前をとっておられますか。

永野正二農林事務官(食糧庁業務第一部長)

○説明員(永野正二君) ただいまお尋ねの点につきましては、私どもの方で今準備を進めております要綱の案を御覧いただきまして、そのときに詳しくおっしゃっていただきたいと思いますが、一応私どもといたしましては、政府に対する売り渡しにつきまして、政府との間の、売りましょう買いましようという形の契約の売り渡しという契約に対しまして、食糧管理法の規定によりまして法制的な適用をどうして行くかということについて、今後御審議を願います政令案において考えて参りたい、こういうふうに思います。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 そういうこまかいあとの方は私またいずれ検討したいと思いますが、最初に予約の申し込みをとるわけですね。もう植付期からとって行くわけでしょう。その間で契約をするわけですね。これは農民と国家との間の私契約でしようと、こういうのです。あとから何かをかぶるとか、これを変更するとか、そういうことは別として、最初に結ぶ契約というものは私契約ですか、このことを聞いておるのです。

安田善一郎農林大臣官房長

○政府委員(安田善一郎君) お話の通り、予約買付制とか事前売渡申込制と言っております。第一段の政府と生産者の間は、間に指定集荷人が入りますが、簡単にいいますと、農協が入りますけれども、それは代理人でありまして、政府もその間においては、食糧管理特別会計ですか、私法上の立場に立ちまして、私契約でございます。それが契約が成立してから、別途食糧管理法の公法が追いかけるように考えております。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 私契約であると。そこでこれは農民と国との間でそういう契約ができた場合に、契約書でもこれは交換される予定なんですか。それはどろいうふうな考え方をしておりますか。

永野正二農林事務官(食糧庁業務第一部長)

○説明員(永野正二君) まだその点につきまして手続的にいろいろと制度を進めておる最中でございますけれども、大体やはり政府との間の契約書を作るという方法で研究いたしております。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 それは、そうすると農林省から大体ひな形を作つて同じようなものを作らして契約を締結させる、こういうわけでしょうな。

安田善一郎農林大臣官房長

○政府委員(安田善一郎君) その点につきましては、多数の生産者との間に一万の農協が介在いたしますし、類型的な契約ですから、私法契約としては法律上成り立たなければなりませんのでありますが、非常に定型的、類型的な措置をとれば、どういう形にしますかについては、細目を別途研究中であります。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 その契約書の内容なり作り方はもう少しお考えになっていいと思いますが、何かそういう契約書を交換される考え方で進めておられるかどうか、こういう点です。

永野正二農林事務官(食糧庁業務第一部長)

○説明員(永野正二君) 書面によりましてそういう契約関係をはっきりいたすということは必要であろうと思っておりますので、その線で研究いたしております。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 そういたしますと、おそらくこれは何百万という契約書ができるわけですから、適当に契約書を作れといろわけには行かない。従って農林省においてそのひな形といいますか、そういうものをお示しになることになるかと思います。簡単なことでありましても、しかし私は新制度になった以上は相当重要な意味を持つものだと実は考えております。従って政令案を私どもにお示しになるときに、その契約書というものはどのような形のものを考えておられるか、これも同時に一つ資料として御提出をお願いしておきたい。それはできるでしょうか。

安田善一郎農林大臣官房長

○政府委員(安田善一郎君) あしたまたはあさってと申し上げましたが、それまでには間に合いかねると思います。と申しますのは、私法上の契約を成り立たせ、同時にまたそれを明確ならしめる意味において、お話のようなものが必要であるととは事実である。ところがこれを、三系統ばかりございますけれども、指定集荷業者の団体とまず政府が契約して、その団体の内部で生産者まで行きまする末端との間におきまして、どのように様式化するかということにつきましては、政府が個々の生産者と農協、単協の段階でやるか、全版連のところの段階でやるかということを、もう少し研究したいと思っておるわけでございます。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 それはやはり契約の当事者は政府と個々の農民ですから、その中間にどういう団体が介在いたしましょうとも、それは全部代理人の意味しかないわけですから、だからやはりでき上るものは個々の農民であることは間違いない。ただめんどうくさいから一つの村についてずっと連名でやる、こういうこともあり得るかもしれませんが、何かそこにやはりなければいけないだろうと私は考えるのですが、業務部長の方は何かそういうことはお考えになっているようですから、一つこれは政令の要綱と同時にあすあさっての間に示されなければいたし方ありませんが、できるだけ早くこれは示してもらいたいと思います。あなたの方ではこれはうっかりしておるかもしれませんが、私としては新しい制度の予約売り渡し、新らしい制度としてこれが私契約から出発すると、法律的にはね。それだけにこれは非常に重要な問題だと思っております。うっかりしたことをやると、あとからいろいろな問題が起る。そういう意味で事前によく十分検討さしてもらいたい。こう思っているわけですから、二、三日はおくれてもいいですから、総括的に私どもがこの機構の問題について農林大臣に正式に質疑ができるまでにそういう書面を一応、案でもけっこうだが、大体こんなものだというようなものを一つ出していただきたいと思います。それだけのちょっとお願いをしておくためにわざわざ来てもらったわけであります。

安田善一郎農林大臣官房長

○政府委員(安田善一郎君) 亀田委員の御趣旨に沿いますように努力をいたします。私が先ほど申し上げましたのは、概算払いの方法も行いたいと思っておりますが、概算払いに関する契約もまた必要でございますので、それらを考えて、もう少し研究を……。あさってよりは少し時間をいただきたいと思って申し上げたわけでございます。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) 本日はこれで散会いたします。    午後四時三十七分散会

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