農林水産委員会 第17号
- 発言数
- 174 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1955/06/10
会議録
○委員長(江田三郎君) それではただいまより農林水産委員会を開きます。 最初に農林省関係職員定員の件を議題にいたします。この件につきましては昨日の委員会において問題となり、その際御要求がありました統計調査部の関係資料が提出されておりますので、本日重ねて問題にいたします。なお、食糧庁関係の資料はまだ届いておりませんが、間もなくこちらへ届くことになっておりますので、まず最初に統計調査部の方のことを問題にいたします。まず当局の方から資料の御説明を願います。
○説明員(野田哲五郎君) お手元に定員調査と表題いたしました資料を差し上げてありますが、ここでは統計調査事務所の定員について書いているのでございます。この一番左の欄を見ていただきますと、本所の三十年度の定員が二千四十八人でございまして、出張所の定員はその右欄で九千二十人でございます。この出張所の定員の中で面積関係の職員を四百十二人、作況関係の職員を百四十四人、合せまして五百五十六人を被害の中に組みかえて行きたいと思っておりますが、これは内部の組みかえでありまして、定員の総数の増減には影響はないのであります。計の欄で見ていただきますと、本所と出張所と合計いたしまして、計として一万一千六十八人でございます。組みかえは内部でございますので、組みかえ後の定員の総計も一万一千六十八人ということになります。なお、このほかに各本所及び出張所を合せまして一千七十四人の常勤労務者を持っております。その中で五番の水産統計調査に関します七百六十五人というのが最も大きく、あとは各系統でそれぞれ若干の常勤労務者を抱えておるのでございます。昨日口頭をもって御説明いたしましたけれども、資料にいたしますとかようなものになります。一応御説明を終ります。
○青山正一君 いつも統計調査所を……定員法とこれは関係するか関係しないか、そういう問題じゃないのですが、その統計調査所を廃止するとか廃止しないとかというようなことで、非常に地方における出張所あたりを困惑させておるのですが、現在そういうような空気はないのですか、どうなんですか。
○説明員(野田哲五郎君) この問題につきましては、国会あるいは政府内部及び外部それぞれの御意見によって決定して行くものであると思っておりますが、ただいまのところ、この統計調査事務につきまして、各方面から非常な御支援をいただきまして、廃止という問題については懸念はないと思っております。ただ、食糧統制が緩和されるにつれまして、この機構を縮小しようというようなうわさはときどき聞くのでありまして、それに対しまして私どもとしまして、現在の仕事におきましても相当人員の不足がちなことでもりますので、これ以上の行政整理が参りますと、いろいろの点に調査の支障をきたすという点をおそれておるわけであります。一方におきまして現在統計調査部がやっております仕事は、作物調査、面積調査等のものから、経済関係の諸調査、水産上の調査と多岐にわたっておりまして、これらの諸調査は今後増大するとも縮小すべきではないのではないか、かように思っておる次第でございますので、今後とも国会方面の御支援をいただきたいと思うものでございます。
○青山正一君 この表に出ている常勤労務者、水産関係の七百六十五名というのは、非常に多いのですが、どういった面の人間ですか。
○説明員(野田哲五郎君) それは水産の漁穫高統計を作成するに当りまして、おもなる漁場に出張いたしまして調査いたします調査要員でございます。
○清澤俊英君 関連して……。おもなる漁場は何カ所ぐらいあるのですか。
○説明員(野田哲五郎君) 海岸に面しておりますすべての県には大なり小なりの人員を配置しております。
○清澤俊英君 ちょっと意味がわかりませんけれども、大体おもなる漁場とみなされるのは何カ所ぐらいになるのか、調査のあれから考えて……。
○説明員(野田哲五郎君) ちょっと失礼いたしました。漁場と申しましたのは漁港の誤りでございまして、正確な数字は記憶いたしておりませんが、たしか三百ぐらいの漁港であるかと思います。
○小林孝平君 この常勤労務者の千七十四人とありますが、これは実定員はどれくらいになっておりますか。
○説明員(野田哲五郎君) これは予算上認められております数でありまして、これをいわゆる定員と、かように考えておるのでございます。
○小林孝平君 これは全部補充してないのですか。欠員があるのでしょう。
○説明員(野田哲五郎君) 若干の欠員はありますけれども、ほぼ九〇数%充足しておるのでございます。
○小林孝平君 九〇数%というと何人ぐらいになるのですか。
○説明員(野田哲五郎君) ただいまは概略を申し上げましたが、現在員は千十九人でございます。なお、ほかに休職者が一名おります。
○小林孝平君 これは相当欠員になりますが、これを補充されないのですか。
○説明員(野田哲五郎君) なるべく欠員を生じないようにと思っておりますけれども、昨日問題がありましたような待遇の改善というようなところから、ある程度の欠員は置かなければならないかと思っております。
○小林孝平君 そうすると当然認められた数を、この予算上の金が不足だから欠員にしておくというのは、理窟に合わないのじゃないですか。これは大蔵省に必要な定員は認められておるのだから、それに必要な十分の経費がくるように要求できないのですか。
○説明員(野田哲五郎君) これはすべての職員と同様に一定の単価で一定の人数が認められておりますので、給与の高い人をたくさん置けば、やはり人数としては制限せざるを得ない。私どもとしましてはなるべく基準の単価に沿うようにいたしまして、定員に即するように置きたい、かような考えでありますけれども、若干の異同はやむを得ないかと思っております。
○小林孝平君 そうすると、これはだんだん昇給して行けば、それは人数を補充するというけれども、補充ができなくなれば、この欠員はそのままだんだん多くなる、こういうことになるわけですか。
○説明員(野田哲五郎君) そういう事態が出て参りました場合には、これは明らかに単価を改訂する必要があると思いますし、また年々われわれとしましては単価改訂を要求しておるのでございます。成功する場合もあるし、成功しない場合もありますけれども、定員を確保するという見地からは大いに努力すべきだと思っております。それからまた実際上の問題といたしまして定員に、いわゆる正職員と申しますか、定員内職員に欠員を生じましたような場合には、この中から優先的に補充するというようなことをやっておりますので、比較的高級な老練な人というものが大体これから抜けて行くというようなことになりますと、そこにおのずから調節作用というものは営まれる、かように考えておる次第でございます。
○小林孝平君 昨日もちょっとお尋ねしましたが、昇給できないのを人夫賃から補充する、あるいは今度の被害調査の仕事をやるのに、振りかえだけでは困るから、人夫賃からその金を廻す、こういうお話です。そうしますと手元に資料がありませんけれども、大体人夫賃は幾らあって、そのうち昇給に幾ら廻し、あるいは被害調査に幾ら回すということになっているのですか。
○説明員(野田哲五郎君) この常勤労務者の給与につきましては、これは自由な流用が禁止されておりますものでありますから、この給与を増額するということになりますと、これは大蔵省の承認を要する問題であります。従って必要な場合に、大蔵省の承認を得て考えるということでございます。第一段には常勤労務者給与内部で考えて行く、こういうことが必要であると思っております。次にお尋ねの人夫賃でありますが、これは本省と事務所を通じまして二億七千六百万円ございます。そのうちに先般来御検討をいただいております被害調査の六百四十八人増員設置分が、正確な数字を申し上げますと、四千五百五十万円でございますが、さようなものが入っておる次第でございます。
○小林孝平君 きのう官房長の説明では、この人夫賃から昇給の方に振り向ける、こう言われたのですが。
○説明員(野田哲五郎君) それは厳密に申しますと、農林省で自由にはできないのでありまして、大蔵省の流用承認を得てするものであります。従って流用承認が得られればできるのでありますが、第一段には常勤労務者給与の中で操作したい、かように考えております。
○秋山俊一郎君 関連して。今のお話を聞くと、予算の流用については大蔵省の許可を受ける。あるいは承認を受けると言っておられるのでありますが、それはどの程度の流用でございますか。項ですか、目ですか。
○説明員(野田哲五郎君) 目の流用でございます。これは目の中で特定されたものがありまして、その流用が禁止せられておるわけであります。それからその他のものにつきましては、これは自由にやっていい場合があるわけであります。
○秋山俊一郎君 そういうふうに目の流用を大蔵大臣ですか、大蔵大臣の許可を所管大臣が受けなければ、与えられた予算で農林大臣ができないというのは、何か規則があるのですか。
○説明員(野田哲五郎君) それは私、実は厳密な規定を存じないのでありますが、これは大蔵省の何と申しますか、各省に対する通牒によって行われておるのではないかと思います。これは会計課長に聞いていただきますとよくわかりますが……。
○秋山俊一郎君 そういうことはわれわれには不思議でかなわぬのですがね。目を流用するという場合に、大蔵省の許可を受けなければならないというのは、何か規則でもあれば別ですが、そういう慣習ですか。それでは大蔵省少し行き過ぎてはおらぬのですか。それは項とか款ならいけますまいけれども、目なら、何か規則があり示すか。
○委員長(江田三郎君) 速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(江田三郎君) 速記を始めて下さい。
○小林孝平君 従来常勤職員の昇給に人夫賃を流用するということで、大蔵省へ承認を求めたことがありますか。
○説明員(野田哲五郎君) 私は統計調査部へ昨年参ったのでありますが、昨年の七月以降においてはしたことはございません。
○小林孝平君 きのう官房長の話では、きわめてぞうさなくですね、僕はこれは非常に問題だろうと、昇給分がこれに含まれてないから、困難だろうと言ったら、いやこれも人夫賃から流用します。そして適当にやりますというのだが、適当に何もこれはやれないじゃないですか、大蔵大臣の承認を得なければならない。そうするとこれは現実的に昇給はできないということですね。
○説明員(野田哲五郎君) これは昇給につきましてはなるべく昇給をやるという方針できておると思いますので、現在の事情の許す限りこれを昇給せしめるということは不可能ではないと思っておりますし、またさような方針でただいま計数を当っておる次第でございます。
○小林孝平君 一体その常勤労務者をちゃんと規定通り昇給させるためには、幾ら要るのですか。この予算では常勤労務者の給与総額一億一千三百万円なんですがね、これを昇給させるためには幾ら一体金が要るのですか。
○説明員(野田哲五郎君) 概数約五%の見当でございます。
○小林孝平君 そうするとその五%、約五百万円ですか。その流用については見通しがあるわけですか。ない場合は今度は昇給だめですか。
○説明員(野田哲五郎君) 従来これらの問題につきましては、すべて計数との関係がありますので、必ず実行するというようなことはきめていないのでありますけれども、実際上は一般職員なみに実行して参っておるのでございます。今後といえども実際上は実行して行く考えを持っておる次第でございます。
○小林孝平君 最初のところちょっと聞こえなかったのですが、何の都合でできないのですか。
○説明員(野田哲五郎君) 予算上の計数関係からしまして絶対に昇給を保証するということは明言をしていないのでございますけれども、実際上は一般の職員なみに昇給を実行して参っております。
○小林孝平君 だから僕は予算の、きのうですね、この予算を見ればもう昇給できないようになっているから、これをどうするのですかと言って聞いたら、これは人夫賃から流用して適当に幾らでもやれますと言ったから、そんなに人夫賃がたくさんあって、何にでも使えるのですかと聞いたら、それはよろしくやりますという話でしたのですが、そうするとこれはどうも怪しいですね。
○説明員(野田哲五郎君) 人夫賃から流用します問題については、大蔵大臣の承認を得ればいいわけでありまして、大蔵大臣が承認を与えてくれるかどうかという問題につきましては、私は昨年以来は経験がないわけでございます。しかし御趣旨の昇給ということについては、これはやるつもりでございます。
○小林孝平君 もしこれを大蔵大臣が承認しなければ、補正予算を組むときに必ず要求されますか。
○説明員(野田哲五郎君) それはそういうふうに考えております。
○小林孝平君 それから統計調査部は、いろいろの被害調査をする、最近非常に被害が多いものだから、突発的な被害とか、いろいろの調査をやられるわけなんですが、その予算は計上されていないのでしょう。突発的被害に対する調査……。
○説明員(野田哲五郎君) 突発的被害に対する調査の費用といたしましては、きわめて少額でありますが三十年度において二百三十万円の計上を見ております。前年度は二百五十万円でありまして、大きな被害が出て参りました場合には、予備費または補正でこれを支出しておりまして、昨年度はたしか節約戻しで七百五十万円見当のものが入っておると思います。
○委員長(江田三郎君) 小林君からのさっきの問答の中で、この結論としては昇給昇格等は人夫賃をもってできるだけやって行く。その人夫賃の流用については大蔵大臣の承認を要するので、承認が得られると思うが、もしできない場合には補正予算においてでも昇給は行う、こういうことを言われたと、そうまとめて考えていいわけですね。
○説明員(野田哲五郎君) その前段にやはり若干の定員の欠をもちまして操作をして行くということをやりまして、その一定の欠員を越しますと、これはもうどうしても仕事が動かなくなりますから、そのような場合にはただいま委員長のおっしゃったような方式をとるわけです。
○小林孝平君 今あなたが言われたのは、統計調査部は若干の欠員と、これはもう現在欠員になっておるのでしょう、その問題でしょう。千七十四名の定員が現実には千十九名しかない、この欠員をもって昇給に充てているわけなんです。それは別として、今委員長の言われたように理解していいわけですか。
○説明員(野田哲五郎君) そこのところは実は人につきましてはかなりの出入りがありまして、高給者が出て行きますとそれだけあとが楽になるというようなことがありますので、小林委員のおっしゃいますように、端的に昇給すればそれだけ金が足りないということにはならないのでございまして、その間については私ども仕事も立て、職員の給与も守って行く、この両面で調節をはかって行っておる次第でございます。
○小林孝平君 もう年々被害は恒常的……、もういつも毎年出るのは確実なんです。それをたとえば去年についても二百五十万円しか計上しないで、あとから七百万円ですか、何か予備費か何かで出しておる。これはもう予備費的性格から逸脱しておるのですよ、経常費的性格を帯びておる。それを予備費なんかで考えられておるから経費が足らなくて困るわけなんです。いろいろの要求がされるわけだから、これは当初からそういうものは予算に組んでおくべきである。
○説明員(野田哲五郎君) 私どもとしましては御趣旨のような気持を持っておるのでありますが、予算折衝上まだ成功していないのでありますから、今後ともこの問題の確立ということについては努力をいたしたいと思っております。
○三橋八次郎君 きのうの御答弁にもありましたようでございますが、被害調査というのは新たにこれはするのでございますが、これを定員のワク内で処理されておるようでございまするが、作付面積の調査でありますとか、あるいは作況の調査というものは、被害調査の基準になるものでございまして、そういうこの基準になるものを手薄にして置きまして被害の方に定員を回す、これで万全を期することができるのでございましょうか、いかがでございましうょか。
○説明員(野田哲五郎君) お話の通りに作付面積の調査とそれから作況収量調査といいますものは、これは被害調査の基礎をなすものでありますので、私どももこの二者が固まっておるということは絶対に必要であると思っております。従いましてこの中から人をさくということにつきましては慎重に検討をいたしたのでありますが、作付面積調査におきまして耕地整理の進んでおりますところの水田、水稲調査、これは相当手が省けると思いましたし、また収量調査におきましては透視器の利用によりまして非常に実測の精度が増して参りましたので、従来の半数にこれを落した。かようなことで実際上は合理化によって人を落した、かようなことになっておりますので、従来の仕事の性能を落すというようなことはないものと思っております。
○三橋八次郎君 それから定員を一方では減しておりまして、一方では常勤労務者をふやして行くということは、これは統計で行われますが、こういうことをいたしまして、予算上どれくらいの得があるのでございますか。
○説明員(野田哲五郎君) ちょっと正確でありませんので非常に恐縮でありますが、一般定員の場合には年間給与が二十数万円一人当り見てあるかと思います。常勤労務者の場合には十万円前後見てあるわけでございます。従ってその差額だけは相当の違いになっておる、かようなわけでございます。
○三橋八次郎君 そうしますと、昭和二十八年などは定員九十九名落しまして約五百名くらいの常勤者を増しておりますが、これは予算では大したことでなく、ただ表面的に性能を落したということにとどまるのではございませんか、いかがでございましょうか。
○説明員(野田哲五郎君) 二十八年にふえました常勤労務者といいますのは水産統計の漁獲高調査の職員を新たにふやすということになったわけでございまして、この時から水産統計の漁獲高調査というものが始まったのでございます。まあ減らしてふやすということにつきましては、いろいろ問題もありますけれども、この場合におきましては、減らしたものはその他の事項で減らしまして、特に水産の漁獲高調査を開始するというような点で操作が行われたことと思います。
○三橋八次郎君 そうしますと、これは仕事の特に正確を期する意味におきましての被害調査などにおきましては十分の定員を確保するということは、これは現実問題でございますけれども、そうでないとしましても、そこまでのつなぎに、もっと指導的に調査を迅速につかむ、しかも正確にする方法としてオートバイなんか買ってやるというような、こういうような施設方面で能率を上げていくというような計画はございませんか。
○説明員(野田哲五郎君) その点につきましては私どもも強くその必要を感じておりまして機動力の充実といいますか、こういうことにつきましては年々予算上の要求もしておるのでございます。しかし従来におきましては、この定員問題が非常に大きく予算上ひっかかりまして、それら大切な装備を整備するというような点が閑却になっておりましたので、自転車でさえも実はあまり充実していないというような状況であったのであります。そこで本年度におきましてはその手始めといたしまして自転車を大幅に更新すると、かような考え方でこの六百四十八人の非常勤職員に各一台の自転車をつけるほか、一般の職員の分としまして二千四百台の自転車を入れると、かようなことにしておるわけでございます。もっとも自転車では被害調査等の急場に間に合いませんので今後それにこたえますようにオートバイ等を整備するために大いに努力したいと思っております。
○三橋八次郎君 調査の成績は正確でなければならぬ、人を減らすというようなことでは、これは両立しないと思います。従いましてまあ定員を整備いたしまして正確な数字、成績の上るように努力しなければならぬことはもちろんでございますが、ただいまも申し上げましたように少数でもやって行けるような方法を一方では講じつつ、経営の合理化というものをやって行かなければならぬと思います、ぜひとも。これは質問ではございませんけれども、機動的に、しかも迅速に、正確な成績をつかめるようなふうに、施設の点も考えていただきたいと思います。
○委員長(江田三郎君) ちょっとお尋ねしますが、今牛乳の生産費調査の方はどういうふうにやっておられますか。
○説明員(野田哲五郎君) 従来三、四十戸ぐらいでやっておったかと思いますけれども、今日の酪農行政から見まして、それで間に合わなくなりましたので、本年度から実は百戸程度まで数をふやしまして調査をすることにしております。
○委員長(江田三郎君) それは全国で百戸でございますか。
○説明員(野田哲五郎君) はあ。
○委員長(江田三郎君) これはあなたが統計調査の方へかわられる前に、御承知のように酪農振興法ができまして、その時に、あの法律によるというと生産費について国が契約を締結する場合にいろいろな助言をしたりするようなことになっております。その当時一県に五戸乃至十戸程度の農家を選定をして調査をやっておるというようなことでありまして、それでは困ると、こういうので、あなたも御承知と思いますけれども、酪農振興法の本院の審議に当って、委員会として付帯決議をつけておるわけなのです。「政府において、牛乳の生産費を償う乳価の維持に万全を期すること。なお、牛乳の生産費調査の完璧を図ること」と、こういう付帯決議をつけまして、その時の委員会における質疑応答においても、当時の保利農林大臣も、牛乳の生産費調査についてはもう少し完璧を期さなきゃならぬということを痛感しておるということをはっきり言っておられるのですが、今年おやりになったのは、ただ百戸程度のものを調査対象にあげられたというだけでございますか、もしそういうことになりますと、この当委員会で満場一致でつけた決議の趣旨を、あなたの方では極めて軽く見ておられるということになりますが、それはどういうことになりますか。
○説明員(野田哲五郎君) ただいまの点につきましては私ここに正確な数字の持ち合せを持ちませんでしたために、極めてあいまいなことを申し上げまして恐縮でありますが、大切な問題でありますから、すぐ取り調べて後ほどお答え申し上げます。
○委員長(江田三郎君) なお、食糧庁の方も見えておりますから……。ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(江田三郎君) 速記を始めて。
○小林孝平君 きのうお尋ねいたしましたけれども、この被害調査をやるためには千三百四十名要ると農林省は要求されたのですが、その結果はこの常勤、これは全部だめになって常勤職員の五百五十六名の振りかえ、非常勤職員の六百四十何名でもってやる、こういうことになりましたが、あれですか、やろうと思えば何でもやれるのですかね、これは。
○説明員(野田哲五郎君) この定員の人員の増加ということに非常に支障がありましたので、調査の内容を若干簡略化いたしまして被害の程度というようなものを、従来はもう少し小さく刻んで行く考えでありましたのを、このたびは三〇%以下と三〇%以上九九%まで及びゼロと、こういう三段階に分けてきたわけでございます。
○小林孝平君 そういうやり方にすればこの千三百四十名というのは何名でやれるということになりますか。
○説明員(野田哲五郎君) 大体このたびの予算上認められました員数をもってやり得ると、かように考えております。
○小林孝平君 この千三百四十名というのはこれは定員の普通の職員として要求されたんですか。
○説明員(野田哲五郎君) これは常勤労務者として要求したわけでございますが、常勤労務者の増員は困るというようなことで、実質は常勤労務者と全く同一の待遇で非常勤労務者をこの予算に計上することになったのでございます。
○小林孝平君 この簡略化したやり方で、そうしてこのくらいの人員で調査して、これは共済保険金の一つの支払いの基準になるのだけれども、差しつかえないのですか。
○説明員(野田哲五郎君) 共済保険金の支払いの一つの基準となりますのは、被害三〇%というのが基準でございますので、その下とその上というものがはっきり出て参りますれば、相当支障なく行けるのではないかと思っております。
○委員長(江田三郎君) ちょっと速記をとめて下さい。 〔速一記中止〕
○委員長(江田三郎君) 速記を始めて下さい。 なお、食糧庁関係はまだ資料が出ませんので、これはあと回しにいたします。 なお、お諮りいたしますけれども、定員法は目下内閣委員会の方で予備審査をやっているわけですから、これにつきましてはいずれまた後日食糧庁関係の定員の問題をよく検討いたしまして、その節あるいは内閣委員会の方へ当委員会として申し入れをするか、あるいはまた連合審査をするか、あるいはそのままでいるか、この取扱いにつきましては食糧関係を済ませてからお尋ねしたいと思います。それでよろしゅうございますか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 —————————————
○委員長(江田三郎君) それでは次に水害凍霜害及びひょう害に関する件を議題にいたします。 この件につきましては去る五月二十七日の委員会におきまして問題となり、政府に対してこれが救済に関し善処方を申し入れているのでありますが、その後政府における被害調査の結果並びにこれに対する救済対策等について、どういうふうになっておりますか、この点を当局から説明を聞きたいと思います。
○説明員(檜垣好文君) それでは災害対策につきまして本日までに実施して参りました事項、あるいは折衝の経過等につきまして概略御説明いたします。 先ず第一番に営農資金の関係でございますが、詳細は後刻農林経済局金融課長の方から御説明申し上げることにいたします。大蔵省と折衝いたしまして大体の話し合いがつきましたので、関係の必要なる法律案の法制局審議を終りまして、本日法案が閣議決定になっておるのであります。融資総額は四億五十万円、従来の、過去におきまする融資の例にならって実施いたすということになっておるのであります。 次に農業保険の共済金の問題であります。麦の共済金につきましては、福岡並ひに佐賀県はちょうど二十八年の大災害と地区的にも重複しておるのが多いのでありまして、非常に農家経済も困窮しておると思われるのでありますが、再保険金の概算が必要であるというふうに認められましたので、去る五月二十一日に両県あてに概算払いの必要な申請手続きをとるように通達を発しておるのでありまして、それに基きまして県でいろいろ手続きをとっておる次第でございます。 第三番目に、御要望のありました被害地帯におきまする米との混食のための飯用麦でありますが、これにつきましては佐賀県から申請が出ておるのであります。目下大蔵省と対策につきまして折衝をいたしておるところでございます。 それから共済保険金につきまして、ひょう害地帯等につきましては、目下災害の実情を調査中であります。それに基きまして検討をいたすことに相なっておる次第でございます。 次に農地とかあるいは農業用施設、あるいは林業関係、水産業関係の施設の復旧でありますが、これらにつきましては早急に災害復旧費の査定を行うことになっておりまして、それに基きまして、被害復旧費増額の査定が終り次第、予備金の要求をいたしたいと考えておる次第であります。 以上現在までにとって参りました措置等につきまして、概略でございますが御説明いたします。
○重政庸徳君 今、福岡と佐賀とは昨年と重複したので貧困の度が濃いから、概算払いしておると、こういう御説明でしたが、私はそう重複したからもちろん貧困の度が濃いと思うのだが、重複しなかったから薄いようには考えられないので、たとえて言えば、岡山県の例をとって見ると、総額はそうあなた方が驚くほどではないかもわからぬが、気流の移動であるいは三カ村ぐらい、あるいは又二方村ぐらいさっとやられた所は極めて惨怛たるものです。受ける方の農民の側から言うと、総括的にあなたがお考えになるような形とは違うので、非常に悲惨の極に達しておるというような状態である、これは農民の方から言えば。私は農民の方からの考え方を申し上げておる、こういう意味からいうと、そんなに出し渋らぬでも、一つ概算払いを早くやったらどうか、それがどうして調査がされてしまうまで待たなければならぬのか、その点一つお伺いいたします。
○説明員(檜垣好文君) ただいま私の御説明がちょっと不十分でございましたが、お話のように概算払いにつきましては、地区につきまして全村的なところに概算払いをやるというのが建前になっておりますので、これは先ほどもあとで付け加えて御説明を申し上げましたが、ひょう害等につきましては、お話のような相当そういう被害が多いと思います。これにつきましてはただいま申し上げましたように被害の調査をいたしておりますので、それに基きましてこの再保険金の概算払いに該当します場合は、そういう手続をいたします。
○重政庸徳君 統計調査部長がちょうど見えておりますか……、実は統計調査、災害の調査はひょう害の場合も私は統計調査員がなすものと承知いたしておるんですが、間違ったらやむを得ませんが、ところが非常に日数がかかる。これは農民の側からしてみると、今私が申し上げましたように、部分的ではあるが、全く無一物の悲惨な状況にあるので、昼夜兼行で一つ督励してもらいたい。そこまで御承知かどうか知らぬが、岡山県の場合にはいつ頃できますか。
○説明員(野田哲五郎君) 被害の調査につきましては大体の方式といたしましては、被害発生直後、それから一週間後、二週間後というように、日を改めて三回程度調査をしておるのでございます。で、これは被害直後の状況で、必ずしも正確な判断ができないで、やはり二週間ぐらいの時の経過を経まして被害がはっきりつかめるというような場合が非常に多いのでございますから、さような方式をとっておるわけでございます。従ってそれがこちらに参りまして、集計するという段階になりますと、やはり発生から小一カ月かかるというような状況でございますが、なるべく慎重に被害を確定して行きたいと思っておりますので、若干の時日の遅延はお許しを願いたいと思っております。
○重政庸徳君 私は統計調査のことはあまり詳しくないのですが、全県下の被害を調査してまとめるのも非常に結構だと思う。しかし今申し上げましたような農民の状況であるために、部分的にあるいは全県下を二区なり四区に切って、早くできたものはすぐ申請して、急速にり扱うということはできぬものですか。
○説明員(野田哲五郎君) 全滅というような場合におきましては、これはもうはっきりしておりますけれども、まだ生き残りがあるというような場合には、どういうふうにそれが回復して行くか、あるいはそのまま参ってしまうかというようなことにつきましては、従来の経験によりますと、かなり当初の見込みと食い違ってくる点がありますので、やはり一週間後、二週間後というものの経過を経て調べて行く、こういう方式をとらざるを得ないかと思っております。全滅という場合にはこれはもうはっきりしておりますからいいと思いますけれども、全滅地域とほかの一部被害地域と競合いたしますので、一括して調べさしていただいておるというのが現状でございます。
○重政庸徳君 そうすると今統計部長のお話で、被害直後一カ月ぐらいの期間があったならばその調査が完了して、農林本省の方に参る、こう考えてよろしうございますか。
○説明員(野田哲五郎君) はあ、そうです。
○重政庸徳君 そういうことになると、それから手続も要るのでしょうが、総務課長の方では、地方の農民の手に渡る期間はどのくらいと見ておられますか。
○説明員(檜垣好文君) 再保険金の概算払いはただいまも福岡、佐賀の両県について申し上げましたように、こちらから必要な手続をとるよう指令を出しまして、これによりまして府県の共済組合連合会の方からこの共済基金の方へ手続をとるのであります。従いまして初めの審査には時間がかかりますが、それがきまりましたあとの手続は、書類の作成あるいは審査がございますけれども、それはそう時間はかからないように思っておりますが、具体的に過去の例につきまして、どの程度かかったかということは後刻調査いたしまして御報告いたします。
○重政庸徳君 大体書類ができて、それを審査するというてみたところで、何ですか、一週間くらいたったら金が下りるのですね、そう拝承してよろしゅうございますか。
○説明員(檜垣好文君) はあ。
○委員長(江田三郎君) ちょっと総務課長にお尋ねしますが、今の重政さんが言っておられる問題については、ひょう害地帯は検討中ということですが、およそいつごろまでに検討を終る見込ですか。
○説明員(檜垣好文君) ただいま統計調査部長の方から御説明申し上げましたように、正確なる被害は小一カ月くらいかかるのでありますが、速報等で被害状況の報告が参っておりますので、ある程度の見当はついて参りますので、それらと並行しまして、この関係の農業保険課の方で検討をいたしておるのであります。そういう関係がありますので、確定的なこの統計調査の調査ができますれば、それと並行しても時間はかからずにできるのであります。
○委員長(江田三郎君) ちょっとそれがわからないのですが、だからいつごろ……。並行してというと。
○説明員(檜垣好文君) 小一カ月かかるという統計調査部のお話のように、大体その前後に見当がつく、こういうことであります。
○委員長(江田三郎君) ただいま重政委員からも言われたように、もっとそれは早くできないかということです。御承知のように、これは水害と違って、ひょう害の方は非常に集中的に打撃を受けるわけで、農家によると、もう麦作も全減した、麦作だけでなしに、あらゆる作物が全滅したということになって、これから田植えの資金その他いろいろな資金が要るので、もちろん片一方で融資の問題がありますけれども、それだけでは動きができぬので、この概算払いを待望しておるという面があるわけですが、やはり一カ月はかかるわけですか。もっと早く、先ほど言われました速報等によって、もっと早急な措置というものはできないものでしょうか。
○説明員(檜垣好文君) これは概算払いの性質から、どうしても損害が全村的にということになっておりますので、一応それが確定しますか、その大体の見当がつかないと困難ではないかと思いますが、事務的にはもちろん並行して進められるのですが、この福岡、佐賀の両県でも、ここにございますように、四月中旬の災害でございますが、五月十一日にこの指令を出しておるというような状況でございます。これはまあ水害と違いまして、ひょう害の方はお話のような損害、災害状況でございますので、なるべく早く手続をとるようにいたしたいと思っております。
○重政庸徳君 これは統計調査部長に聞いてもらいたいのですが、私は行ってはおらないが、これは今委員長の言う通りに、あとの耕作を非常に急ぐので、麦などはあるいはこれを精密に細かく収穫をすれば一斗やそこいらはあるかもわからぬが、それでは、そんなことをやってはあとの耕作に支障をきたすというので、要る者には、全部その中にあるものをやるから掃除せいというような方式をとっておるらしい。それでもやはりそれを掃除して一斗の麦をもらっても日当にならぬから、火をつけて焼いておるというようなことを、相当に私は陳情者から耳にいたしておるのであります。農林省でそういうことを御承知になっておるかどうか知らないが、とにかく部分的ではあるが、そういう悲惨な状況にあるのですから、だから今全滅した所は、これはすぐわかるので、全県下の調査が一カ月かかるか知らぬが、私はもっと急速にできると思うのですがね。もっと急速にその点、特別なというか、これは当りまえのように思うのだが、何か部長として、調査部に指令を出して、もう少し農民の気持に合う方法があるかないか、私は必ずあると思うのだが、御考慮になっていただきたいと思う。どうお考えになりますか。あるいは、私が今御説明申し上げた、火をつけて焼いたり、あるいはだれでも農家の収穫物をやるから掃除せいというような状況を御承知かどうか。
○説明員(野田哲五郎君) 重大な被害があります場合には、これは私どもとしましても、こちらから督促いたしまして、資料の提出を求めておるような次第でございます。ひょう害の実情につきましても、現地から報告が入っておりますので、これは先ほど申し上げましたように、期間を置いて、ずっと速報として入ってきておりますので、それによって十分状況を知悉できるわけでございます。これにつきましては、私ども今後とも重大な被害については特に意を用いまして、調査の時期を早めるというようなことをいたしたいと思いますので、御了承を得たいと思います。
○重政庸徳君 私は、重大な被害は農林省では県を押えて、その被害額が非常に大きいということをもって重大なとお考えになっておるだろうと思う。だけれどもが、今部分的にどういう状況にあるということを私は今申し上げましたので、そういう状況を御承知であるかどうか、県全体の被害の総額はそう驚くべき被害ではないので、それをもって重大な被害の定義にせられては非常に困る。部分的に、今申し上げましたような、きわめて重大な状況になっておる。そういうことを御承知かどうか。そういうことを御承知であれば何とか方法があると私は確信しておる。
○説明員(野田哲五郎君) 重大な被害につきましては、一般的には広く被害地域が広がっておるということを一つの目安といたしますけれども、今度の岡山のようなひどいひょう害のようなもの、これは特に調査する必要を感ずるわけでございます。岡山の被害につきましては、先般も被害指導官が行って参りまして、その惨状を説明しておりましたので、これにつきましては特に急いで調査を取りまとめることにいたします。
○重政庸徳君 今たびたび申し上げるように、わずか一斗ぐらい収穫があるが、千円ぐらい金をやって、そうしてその掃除をさすというような状況にあるので、一ときも早く金が要るんですよ、実際。だからそこを一つ考えて、区域が広いとか、県全体で総額が上ったものを重大と考えるというような観念でなしに、まあある程度かゆいところに手が届くような行政をやっていただきたい、こういうことを申し上げておきます。
○委員長(江田三郎君) なお、ちょっとこの問題に関連して、経済局長にお尋ねしますが、この再保険の概算というのは一定の限度があるわけですが、こういうひょう害というような集中的に非常にひどい被害を受けたというのがうまく再保険の概算の規定に当てはまるかどうかというのは、調べて見なければわかりませんが、しかも、そういうように一方においては農家個々についていうと非常にひどい打撃を受けて、これからの田植えの資金等がないという状態に対しては、かりに再保険の概算に該当しないという場合には、何か仮払いでもさして、それに対して国で利子補給をするというような、そういう制度についてはお考えになったことはございませんか。
○政府委員(大坪藤市君) 岡山県のひょう害が地域的にきわめて深刻であるということは、私どもといたしまして了承いたしておるのであります。ただ、御承知のように再保険金の概算払いをいたしまする場合には、県全体としての麦の被害額が九割以上の損害に該当するという条件が必要になるわけであります。つまり政府が再保険金を支払うべき責任は、九割以上の損害が県内の全体において発生いたしました場合に、政府が再保険金の支払いをなすべき義務が生ずるのでありまして、九割以内の被害でありまする場合には、県の連合会がその責任を負うというような建前になっておるわけでございます。従いましてただいま被害高についてのいろいろの御意見があったのでございまするが、県内の、所によりましてはいわゆる全村というような事態に該当しておる所が相当あるように見受けておりまするが、それは県全体の被害との関係におきまして九割以上という条件に該当するかどうか、この点につきましてまだ調査が不十分であるのでありまして、もし九割以上の被害になっておると、こういうような事態がはっきりいたしますれば、概算払いの処置をとりたい、かように存じておるのであります。九割以上の被害に該当いたしまして、しかも損害の評価を待たないでも、だれが見ましてもすでにその損害は面積におきまして九割あいるは十割、全体に近いということが評価を待たないではっきりしておる、この二つの条件が要るのでございます。その点につきまして、県全一体との関係におきましてこの九割以上の被害であるかどうかという点を、目下調査いたしておるのでございます。この点につきましては、佐賀県と福岡県とは現在までの調査の結果、県といたしまして九割以上で責任があるということがはっきりいたしておりますので、支払いを私どもいたしておるのでありまするが、岡山県もそういうような事態が発生して参りましたらば概算払いの措置をとりたい、かように考えておるのであります。 概算払いと関連いたしまして、いわゆる仮払いということが考えられるのでありまするが、従来被害がありました場合に、仮払いと申しまするのは概算払いと性格を異にしておりまして、概算払いはもうすでに保険の事故が確定いたしたものとして完全な支払いをするわけでありまするが、仮払いの場合におきましてはいわゆる仮に内金として渡しておくということに相なるわけであります。従来そういうような措置をとった事例も一、二あるのでございまするが、内金を支払いまする関係上、それが精算の関係におきまして非常に事務的なごたごたを起すのでありまして、われわれといたしましては、いわゆる仮払いという問題につきましては、できるだけそういうような事態は避けたいと、かように考えておるのでございます。しかし被害の程度によりまして非常にお困りであるということであれば、そういうような点につきましても今後検討を要すると思いまするが、できるだけ概算払いという措置をとりまして、いわゆる仮払いということにつきましては、これは事務的に、その措置はなるべくなら避けたい、かように考えております。
○委員長(江田三郎君) もう一ぺんお尋ねしますが、仮に仮払いをした場合には、利子補給ということについてはお考えになりますかどうか。
○政府委員(大坪藤市君) これはそういうようなことをやった事例はございません。保険金の一部をかりに払うわけでございまするから、その金につきまして利子をどうするという問題は、これは今までそういうような事態は起きておりません。 —————————————
○委員長(江田三郎君) それじゃ次に重要肥料の需給及び価格等の件を議題にいたします。昭和二十九肥料年度も一カ月で終り、間もなく昭和三十肥料年度を迎えることになりまして、また最近肥料の輸出についていろいろ取りざたをされておりますので、近く審議会も開かれるようにも伝えられております。そこで本日は重要肥料の需給及び輸出等の計画、現況及び今後の見通しにつきまして、政府の説明を聞くことにいたします。
○政府委員(大坪藤市君) 二十九年度におきまする肥料の需給の状況並びに輸出の実績並びに今後の見通し及び価格の点につきまして、お手元に資料を配付申し上げている次第であるのであります。 まず第一に硫安の問題でありまするが、昨年のいわゆる生産計画といたしましては、供給といたしまして二百四十九万トン生産を見込んだのであります。もちろんこれにつきましては繰り越しを九万四千トン量込みまして、二百四十九万トンの年間計画を設定いたしたのであります。その後、硫安系肥料の生産の状態でありまするが、お手元に配付いたしておりまする資料によりまするというと、四月までの累計で、われわれが当初予定いたしました数量よりも十万トンほど生産の増加に相なっているのであります。これにつきましては電気事情、その他いろいろの悪条件があったのでありまするが、経営者等の非常な努力によりまして、また政府におきまするいろいろな施策によりまして、当初の見込みよりも十万トンほど増になっているのであります。 一方消費の面は、これはいわゆる内需というものを百七十八万トン年間計画として予定いたしたのでありまするが、四月までの計画が百三十二万九千トン予定しておったのでありまするが、現在までのところ百三十九万九千トンで、約七万トンの消費の増と、こういう格好に相なっているのでございます。 なお、この点に関連いたしまして、調整保留は十二万三千トンやったのでありまするが、この分の相当の部分が内需として増加されておりまするので、いわゆる内需の増加というものは、百十万トン近くの増加があるのではないか、かように考えているのであります。この点につきましては、業界等におきましても、非常な内需の増加という点に驚異の目をもって見ているのでありまして、かれこれ勘案いたしまする場合に、生産と消費の状況は、おおむね見合いまして、肥料価格需給上には現在のところ問題はない、かように私どもの方では考えているのであります。 一方輸出の面におきましては、四十七万トン予定いたしたのでありまするが、現在まで三十二万三千トン輸出せられているのでありまして、計画に対しまして、四月末のものといたしましては四万九千トンの増に相なっているのでございます。 これに関連いたしまして、硫安につきましては、御承知のように肥料の需給安定法があるのでありまして、内需を優先いたしまして、内需を超す分について輸出とすると、こういうふうな格好に相なっているのでありまするが、今後生産の状況と、消費の内需の状況を勘案いたしまして、今後の輸出計画に改正を加える必要があるかどうかという点につきまして目下検討いたしているのであります。 次に石灰窒素でありまするが、石灰窒素はおおむね内需といたしまして約五十万トンほどの生産計画を予定いたしたのでありまするが、現在までのところほぼ生産と消費の実績が見合っておるのでありまして、この石灰窒素に関しましてもいわゆる需給上の不安はなく、価格等におきましても大体順調な推移をたどっておるのであります。 次に、燐酸質肥料でありまするが、これはいわゆる現在までのところ百九十六万トン生産がありまして、内需といたしまして百五十一万トンの需要があり、輸出といたしまして二十六万一千トン、こういうような数字に相なっておるのでありまして、燐酸質肥料につきましてもおおむね正常な状態を持しておるのであります。 次に、カリ質肥料でありまするが、これはカリの需要が最近非常に旺盛でありまするので、昨年の暮に特別輸入をいたしました。そして生産を増加いたしました関係上、現在までカリ質の肥料につきましてもおおむね順調な推移をたどっておる、かように申し上げて差しつかえないのじゃないか、かように存ずるのであります。
○委員長(江田三郎君) 御質問ございませんか。 それではこの問題はそれだけにしておきます。 —————————————
○委員長(江田三郎君) 次に過般の委員会の取りきめによりまして請願の審査をお願いいたしますが、なお、請願の中で第四百四十三号の北海道十勝川上流音更川の灌漑用水に関する件につきましては、重政委員から政府当局に対して特に発言が求められておりますので、関係政府当局の出席を得ましたならば重政委員に御発言を願うことにいたしまして、今まだ見えておりませんからして、一応一般的に他の請願の案件を議題といたします。 第三号の岡山県勝北地区暗きょ排水事業施行に関する請願外六十件を議題といたします。本国会中六月四日までに当委員会に付託されました請願は、文書表第十一回までの報告及び公報によって御承知の通り六十一件に達しておりまして、ただいまから順次御審査を願いたいと存じます。審査は前例に従って懇談によってお取り進めを願いたいと存じます。速記をとめて。 午後二時五十五分速記中止 —————・————— 午後三時二十三分速記開始
○委員長(江田三郎君) 速記をつけて。 次に請願第四百四十三号を議題にいたします。四百四十三号、北海道十勝川上流音更川の灌漑用水に関する請願につきまして、特に重政委員から発言を求められておりますので重政君にお願いいたします。
○重政庸徳君 建設省にまず第一にお尋ねいたしますが、電源開発法によって全国で施行しておるダムの認可、これはどういう手続になっておりますか。なお、何年の何月何日に認可したかということもお尋ねいたします。
○説明員(国宗正義君) ただいまお尋ねの糠平発電用の水利使用の許可方につきましては、昭和二十九年四月二十七日付になっております。なお、同水利使用工事実施認可につきましては、二十九年四月三十日付になっております。
○重政庸徳君 私が承知いたしておりますのは、間違っているかどうかはわからんが、建設大臣が当該地の知事の意向を徴して、なお知事はその関係のいろいろな権利を持っておる関係者に諮問して、そうしてその上建設大臣は各所管官庁、あるいは農地に関する関係は農林省、あるいはその他各関係官庁と協議の上、誤まりないものとしてこれを認可すると私は心得ておるのでありますが、その手続はどうなっておるか。
○説明員(国宗正義君) 発電用水利権の許可に当りましては、まず総理府の告示といたしまして、当該糠平の場合におきましては、昭和二十七年十月十八日付をもちまして、総理府告示二百三十七号をもって公示せられておるのでございます。その公示の内容につきましては、一つ、電源開発基本計画、電源開発株式会社の昭和二十七年度電源開発計画といたしまして、地点、水系は十勝川、糠平及び芽登、規模その他が告示に書いてございまして、さような告示がまず出まして、手続といたしましては電源開発株式会社が当該の都道府県知事、この場合におきましては北海道知事に、発電用水利の使用許可の申請をいたすわけでございます。河川管理者である都道府県知事である、この場合の北海道知事は、当該水利権の許可を与えます場合には、河川監督令に基きまして建設大臣に稟伺いたすわけでございます。建設大臣がその稟伺に認可を与えます場合には、北海道知事の調査意見等に基き、あるいはみずから調査いたしまして、さような上でその稟伺に認可を与えるわけでございます。さようにいたしますれば、北海道知事は水利使用の許可を正式にいたすことに相なるわけであります。
○重政庸徳君 この場合に私の調査によると、北海道知事は下流における十勝土地改良区は四百三十町歩の区域を有しており、この水利権の五月、六月のいわゆる雪解け期においては、十六トン二九四三、平時において八トン一四七二の音更川の水利権を有しているのであると私は確信いたしておるのであります。この点、水利権を有しておるかいなかという問題、こういう状態に、下流において権利を有しておるにもかかわらず、知事はこの土地改良区の意見を徴しておらない。なお、建設省もその知事の申請が出た場台に、その処分、及び現地を調査して許可いたしておるのでありますが、そういうことを御承知かないか。
○説明員(国宗正義君) 糠平地点の水利権の許可に対しまして、既得の水利権が存在いたしますることにつきましては、北海道知事の副申意見に基き、許可内容といたしましても、現在十勝土地改良区は音更川につき八・一三二九毎秒トン、これは(その他の期間)でございまして、十六・二六五八トン、これは五、六月この水利権を持っているわけでございまするが、一方国において調査計画中の土地改良事業との関係もございますので、昨年の四月、関係各省間におきまして取りかわしました覚書の趣旨にのっとりまして、現在農林省と開発庁において行なっております調査計画に基き、関係各省協議の上、灌漑用水の量を決定することといたしております。
○重政庸徳君 私は、この権利を有しておるということと、農林省が土地改良計画を施行するということは、これは別な問題じゃないですか。たとえて言えば、農林省はそんなこともすまいが、結局八コンマ幾らの水利権を持っているものを、あれが調査の結果、いわゆる現在の社会の状況で経済効果など考えて、現在ではたとえて言えば六トンの水でいいと、こう言うた場合に、そのあとの権利の二トンは放棄せねばならぬという、私は水利権者にそういう規則はない。だからこういうことは別問題で、開発庁はあくまで八トン幾らの水利権というものは確保してやらねば、下流の土地改良というものは成立しないのではないか。だから土地改良計画ができるできんいうものは、これは別問題じゃないかと思うのです。しかもこの土地改良の覚書は、建設省の河川局長、農林省農地局長、通産省の公益事業局長、北海道開発庁企画室主幹、経済審議庁計画部というようなものが寄って、二十九年の四月二十六日にそういう覚書をかわしておるのであります。それから今に至るまでこれはちょっとも進行しておらない。しかも一方、このダムの建設工事は、聞くところによれば三十一年の六月に竣工すると昼夜兼行で進んでおるというような状況にあるのでありまして、これは根本的にこの計画ができねば話ができぬ問題ではないと思うのでありまするが、その辺いかがに考えておられますか。
○説明員(国宗正義君) 第一点の、灌漑反別並びに水利権を必要とする……、この水利権は元来許可に基く水利権でございまして、慣行水利権ではございませんので、必要といたしまする灌漑反別の変化あるいは計画の変化に基きまして、さような場合には許可のやり直しをいたすのを水利権の許可の建前にいたしておりまするが、この際その基礎数字と基礎計画のなお一層の調査を必要といたしましたので、関係各省において調査決定することといたしたわけでございます。 第二点の調査の進行につきましては、農林省、開発庁等において調査を進行しておられるとわれわれの方でも聞いております。
○重政庸徳君 これはさかのぼりますが、ダムの許可を与えたときに、下流の水利権者の同意を得ておらない。同意を得た書類がありますか。
○説明員(国宗正義君) ございません。
○重政庸徳君 それはおかしい。必ずある。私の調査に行ったときは、下流は、土地改良区は同意しておらない、間違いないですか。
○説明員(国宗正義君) 今、申し上げましたのは、同意を得ておりません。
○重政庸徳君 同意を得ずして、それで措置ができますか。これは戦時中ならいざ知らず、戦時中には往々にしてそういうことがあった。しかも戦後の十年の現在において、そういう専横な措置ができますか。しかも二十九年の四月二十六日に覚書をやって、今までじんぜん一回もその下流の権利者には一言もない。加えるに来年の六月には工事が竣工する、これで下流の農民が黙っておられますか。どこに欠陥がありますか。建設省の認可に欠陥があるのか。なお、異議がありますか、私の発言に対し……。
○説明員(国宗正義君) 従いまして水利権の許可を与えます際の許可命令書の中におきましても、一つ、灌漑その他既得の水利に支障を与えてはならない、これは第二条でございます。さらに二番目といたしまして、この事業のために灌漑その他既得の水利及び漁業に支障を来たし、また、そのおそれがあるときは、許可を受けた者は関係者と協議し、水路の改築その他適当の方法を講じなければならない、これは九条でございますが、その旨の規定を設けており、水利権の存在することはわれわれ並びに道庁においては前提といたして承認いたしておるわけでございます。
○重政庸徳君 北海道庁は来ていますか。
○委員長(江田三郎君) 重政委員に申し上げますが、農地局、通産省の公益事業局、北海道庁、建設省、経済審議庁、これが見えております。
○重政庸徳君 もう一つ驚くべきことは、二十九年の五月から九月の間に、開発庁と道庁及び電源開発土地改良区が共同調査をして、そうしていわゆる区間流量と申しますのが、御承知であろうと思うのですが、ダムをやったその下流の水の量、その区間流量は一・五トンであった、ということは確認せられておる。にもかかわらず、何らの土地改良区に協議もなく、北海道庁は三十年の二月十五日に、電源開発に対して二十トンの水を水系変更をして許可しておる。こういうことは全く下流の権利者を無視した一方的なやり方だと私は思う。これでは農民の立つ瀬がない。北海道庁、どうお考えになりますか。
○委員長(江田三郎君) ちょっと重政委員に……私ちょっと間違えましたので、北海道庁と言ったのは、北海道開発庁が来ているので、北海道庁は来ておりません。
○重政庸徳君 開発庁はこれに関して詳細に私はいきさつは御承知だろうと思う。また、監督の官庁として承知しておらなければならぬ。開発庁の御意見を伺いたい。こういう事実があったかないか、わかれば、これを正当として開発庁は取り扱われるのか。今までは何ら一カ年間にわたってこれにちっとも触れておらないということは、どういう原因がそこにあるか。
○説明員(吉村次郎君) 区間流量の問題が一番まあ基本的な問題でありますので、局、それから道庁、それから電源と打ち合せをいたしまして、昨年度調査をやりましたのは、今、重政委員からおっしゃったような一応の数字が出ております。ただし、これをもう少し確認しなければならぬというので、まだ最終の確認はしておらないわけであります。 それから第二の、北海道庁は流域変更の許可をしたというのは、北海道開発庁としてはそういうものの監督はしておらないわけでありまして、建設省がしておるわけです。
○重政庸徳君 監督はしておらぬけれども、監督官庁としてそういうことは御承知だろうと思う。知らなかったというのですか。もう一度そこらをはっきりお伺いいたします。 なお、二十九年の五−九月の間の、前、申し上げました共同調査の一・五トンは、これは確認せられて、まだ決定ではないと言われるのですか。もちろんこれはどう少々狂ったところが大きい水は狂わない。もちろんこれが問題になるのじゃない。だけれども、こういう区間流量は少量なるにもかかわらず、権利のある土地改良区にも協議がなく、その上流の流域の変更の許可をするということは一方的ではありませんか。開発庁は何の監督をしているかと私に言わせれば言いたい。
○説明員(吉村次郎君) 流域変更の許可の通知は、開発庁は何ら報告を受けておりません。従って建設省の方でその報告を受けるであろうと思いますが、開発庁はその報告は受けておらないわけであります。
○重政庸徳君 それは怠慢ではないかと私は思う。開発庁は電源の開発をするのみの開発庁ではない。農業開発から、工業開発から、いろいろなものを管轄しているだろうと思う。私はそれは怠慢と思います。
○説明員(吉村次郎君) 区間流量の問題は重要な問題でありますので、今年度は引き続きまして区間流量の不足分をどういう水系からいかなる方法において確保するかという調査をやっておるわけでありまして、その二十トンの流域変更の通知の報告には接しておりませんが、この問題を合理的に解決するように努力をしておるつもりであります。
○重政庸徳君 私はあえて各省に苦言を呈するのが目的でないのだけれども、この問題は戦時中ならいざ知らず、戦後の今となってはあまり一方的なやり方だ。下流の権利者を全く無視したやり方をいたしておる。私はこのたびの請願を各省協議の上十分聞いていただけばそれで事は足りるのである。このたびの請願は、第一点は水利権は確保してもらいたいということと、それから第二番目に、ダムより放流する水量は確実に許可水量を満たすに足る水量を放流してもらいたい。それから第三番目には、ダム建設により土地改良区の取水施設が取水に困難な状況になりますことは明確であるので、明年灌漑期の前に取水施設及び付帯施設の改良工事を電源開発会社の責任負担において実施してもらいたい。四は、ダム建設によって水温の低下が免れない、これがため水稲に減収を及ぼすのは火を見るより明らかである。水温上昇の措置を講ぜられたい。 この四項ですが、これについて開発庁はこれを満たすに足る確約をしていただきたい、御意見を承わりたい。
○委員長(江田三郎君) 農林省農地局参事官戸嶋君。
○説明員(戸嶋芳雄君) ただいまの地区につきましては、もう御承知のように、私の方では二十八年から直轄調査の形で現在に至るまで用排水計画について調査をいたしております。その間に今、お話のあり、また糠平の発電の問題が出ましたので、すでにその地区については既得の権益のあることも十分承知いたしておりましたので、その間の既得の権益を侵さないように、なお現状においてはこの地区は一千百九十八町歩の水田がございますが、さらにそれに加えて千百三十五町歩の開田計画をやるという考えで、この地区の土地改良計画を考えておりますので、それに必要な水量が今、持っておる既得の権益では足りないというような場合も考えられますので、そこで発電の方もうまくいき、農業の方もうまくいくように今後の計画の策定に対して考えていきたい、こういう考えで進んでおります。
○重政庸徳君 これは今、申し上げますように来年の六月には竣工の予定なのです。そして昼夜兼行でやっておる。今からいって一カ年かかる。一カ年にこれを全部改築して、そしてその施設を作る計画をしなければならぬ。そのままにやっておったらまた工事もあと戻りして一たんやったものをまたこわして工事をしなければならぬことになる。そうすると事はめんどうなので、あせって来られておる。大体いつごろ計画ができますか。
○説明員(戸嶋芳雄君) 大体私の方で関係官庁の共同調査でおよその今、見当が立っておりますので、間もなく水量についての検討ができると思います。そういたしましたら、さっそく関係官庁と相談をいたしまして善処したいと、こう思います。
○委員長(江田三郎君) 通商産業省公益事業局開発業務課長市浦繁君。
○説明員(市浦繁君) ただいまの御質問につきましてお答えいたします。この問題は、実は私の方は電源開発関係の監督官庁でありまして、農業用水関係の水利権につきましては十分承知しておりませんものですから、このことがわかりましたのが、たしか昨年の秋ぐらいに、こういう問題があるということがわかりまして、関係各省並びに北海道庁をまじえて協議をしたわけであります。その際のお話では、従来の水利権並びに土地開田でございますが、糠平ダムから水をとっても残流域の水で間に合うであろうというような見地からこの発電計画が立てられたというふうに聞いておりますが、なおそれは実際にわかったわけではないのでありまして、もし、これが不足する場合にはダムから放流しなければならないというようなことがわかったもので、今度の水利、先ほど建設省の水政課長から御説明がありましたように、水利権の条件の中にも、第二条に下流潅漑その他既得の水利に支障を与えてはならないというような但書がございまして、これによって既得の水利権は保護されておるというふうに考えております。実際の所要水量、それから将来の開田計画というものにつきましても、農林省並びに北海道開発庁並びに北海道庁からも話を伺っておりまして、この点につきましては、この電源開発は国の資金でやることでありますし、十勝川等の総合開発であるから、これはどっちがそのために致命的な影響を受けても困るので、これは両者が両立するような線で関係者で協議して最後的な将来の開田計画に要する水についてはきめようじゃないかということに意見がきまったものですから、それに対する覚書をかわしましてこの問題については実質上には解決しておるというふうに私の方では考えております。
○重政庸徳君 これは全く下流の区間流量であると思ってやった、全く非常に専門的な技術者が寄り合っている官庁でそういう疎漏な考え方はない、そういって、しかも昨年のいつやらに知った、すでに権利は保障されておる、これは一片の字句で権利はあなたは保障されておるというが、保障されないような工事がどんどん進んでおる。だからそんなことでは私はどうも今の説明は納得できません。さように考えませんか。調査したら一トン半しかない水でそれで下流の水利権は確保されておるつもりでやったのですか。
○委員長(江田三郎君) この点は私からも申し上げますが、従来もただ文書の上だけでは権利が確保されておるようなことになっていて、現実にはそれを無視してどんどん工事が行われて、もう工事が行われたあとになると何を言ってもあとの祭になるという事実はたくさんあったと思うのですが、その点は重政委員も言われましたが、開発業務課長の答弁というのは少し私は無責任ではないかと思うので御答弁を願います。
○説明員(市浦繁君) ただいま下流では一・五トンという流量でございますが、実は私の方でもその数字については報告を受けておりませんし、果して一・五トンかどうかということもきょう初めて伺ったものですから、それにつきましては御意見は申し上げられないのですけれども、書面の上だけでは確保されておるということが確保されないというお話なんですが、糠平ダムだけでは、またダムを作っただけでは必ずしも水が減るわけではないので、あの次の第二地点から流域変更することによって初めて水が減るわけです。従いましてダムの工事が済んだだけでは、それをあそこで発電所を作りまして発電するだけの範囲では必ずしも下流の灌漑用水に影響はないのじゃないかと思います。
○重政庸徳君 そんな甘い考えを持っておって、これが北海道の人はきわめて純情な農民の方々だから、ようやく今に待つに待たれずして今のような問題になっている。これがほかの地方ではこんな一片の、権利は保障するという一片の紙に書いたものでは今まで工事はやりはしない。それはあなた方十分よく承知していると思う。だからそういう説明ではだれも納得しはしない。
○委員長(江田三郎君) ちょっと待って下さい。今の答弁のようなダムができただけでは下流は影響ば受けないのだ、流域変更をやって初めて影響を受けるのだという考え方は、これは非常に危険な考え方だと思う。農業用水というものは要るときはきまっている。ダムができて今まで通りの自然流量で流れているときと非常に条件が変っている、そういう点を一体農地局はどういうふうにお考えになっているか。ダムができても流域変更がなかったら影響はないと考えておりますか、農地局でも。
○説明員(戸嶋芳雄君) 今重政さんなり、委員長の方からお話のように、われわれの方はおっしゃる通りだと思います。従いまして、調査にも大よその目鼻がついているように伺っておりますが、早くその水量等の確認をいたしまして適切な措置をとることについて関係各省と早く話を進めていくようにしたい。特に北海道開発庁は両者の間に立って総合調整される直接の監督官庁でもありますので、十分北海道開発庁とも話しまして善処したい、こう考えております。
○委員長(江田三郎君) なお、今の請願書の中には、ダムができるための水温の変化という問題が出ておりますが、これなどもダムができれば完全に影響を受ける。影響を受けるからダムができたために冷水が水田に入ってそういう被害のないようにと、こういう問題が出ているのです。今の通産省の答弁でいくと何も関係ないようになるのですが、そういう問題は一体通産省は考えたことがないのですか。
○説明員(市浦繁君) 先ほど申し上げましたのは、水量の点だけにつきまして申し上げたのでありまして、水温の措置につきましては別に考えなくちゃならないと思います。
○委員長(江田三郎君) それはどこがやるのですか、水温上昇の措置は。
○説明員(市浦繁君) もしダムのために水温が下るという場合には、これは施設者の責任じゃないかと思っております。
○委員長(江田三郎君) もし……じゃないですよ。きまってますよ、こんなことは。これは関西でも問題になることなんです。まして、北海道のような水田稲作の限界みたいな所では、ちょっとの水温の変化でもどんな影響があるかわかっている。もしあれば……じゃありませんよ。もし、あれば施工者の方で何とかするだろうと言いますが、そういうことについてはどこの官庁が責任を持つかということを聞いているのです。
○清澤俊英君 関連して、今の水温低下はあとになっては実際わからない。これは農林省のあなたにお伺いしたいのだがね、今のようなデータをちゃんと集めておかなければいけない、どのくらい下ったか。これはあとで交渉しても問題になりませんよ。農林省では責任を持ってやって下さい。ほかにもあるのですから。やれますか、はっきり答えて下さい。
○説明員(戸嶋芳雄君) 水温の問題については私も他の地点で経験したこともございますのでおっしゃることはよくわかります。従いましてこの点につきましても、われわれの方でできるだけ被害のないような方向で進んでいくように、至急検討いたしていくよう考えております。
○委員長(江田三郎君) それでは次に経済審議庁計画部電源閥発課長吉岡格君に説明を求めます。
○説明員(吉岡格君) 経済審議庁といたしましては、先ほどからいろいろお話がありましたように、農林省、開発庁の具体的な計画がおできになるのを待ちまして、覚書の線に沿って円満に調整をはかりたいと考えております。
○委員長(江田三郎君) それでは北海道開発庁企画室副主幹吉村次郎君。
○説明員(吉村次郎君) さっきから問題になりましたものはごもっともな問題でありまして、北海道開発庁といたしましては、本年度調査をやっております。それから農林省の方で土地改良計画も進めております。その結果を待ちまして、農業と電気がともに成立するように早急にこれを決定したい、こういうように考えております。
○重政庸徳君 これは私どもも農業も電気も、これは国として最も大切な基本産業です。それがともに成立することをこいねがっているのです。しかしながら、農業の方は先に権利を持っているのです。しかも、開発庁は直接の監督官庁なんです。農業の方も電気の方も直接の監督官庁なんです。だから、今まで何年にわたりほとんどもうあと一カ年しかないのに、ここでこういうことをやらねばならぬ、何もきまっておらんというような状況である。だから、開発庁は積極的に私は各東京の官庁が多少いろんな面でおくれても、開発庁は北海道の農民のために積極的に私はこの解決のために乗り出さねばならぬ。しかるに、過去を調べてみると、一度も積極的どころか、何もしない間に水田上流の水系の変更もやったと、開発庁は知らなかったというようなことでは、私は非常にこの開発庁の職務を完全に遂行しておるかいなかについて疑うのでありますが、一つこの一年間、一年間じゃない、これは早急に解決せねばダムを行なっていく上においていろんな施設をやってしまってからではなかなか大ごとになるというのだから、一つこれから積極的にこの解決のためにやってもらいたい、異議ありませんか。
○説明員(吉村次郎君) 北海道開発庁は、総合調整を推進をやる役所でありまして、第一次的な監督は関係各省でやっておるわけなんで、私の方は今さきおっしゃいましたような線で、関係各省と緊密な連絡をとりまして、早急にこの問題を解決するように努力するつもりであります。
○重政庸徳君 積極的にやっていただく、やるという意味でおっしゃったと解釈してもいいですか。
○説明員(吉村次郎君) 積極的にこの問題を解決するように努力いたします。
○説明員(国宗正義君) 建設省といたしましては、先ほど申し上げましたように、第一点につきましては音更川につき約八トン、それは灌漑その他のものであります。五、六月については約十六トン水利権を持っておりますが、一方国において調査計画中の土地改良事業との関係もございまして、昨年七月、その地帯間におきまして、発電も農業もともに成立するよう調整することを趣旨とし、潅漑用水場を設定するために、現在農林省、北海道開発庁において調査しておられますので、この調査の結果を待って決定せられることと思います。 それから水温低下の点につきましては、これも農林省、北海道開発庁の御一定を待って処理いたしたいと考えております。
○重政庸徳君 では結論といたしまして、十勝土地改良区から請願いたしておりますこの四項目に対しては、誠意をもって解決していくと解釈いたしてよろしゅうございますか。なおこの四項目は、決して無理な請願ではない、希望ではない、要求ではない、こう私は解釈いたしておるのでありますが、これに対して異議はないものと認めてよろしいですか……ないものと認めます。
○委員長(江田三郎君) ただいまの重政君の発言に対しましては、出席の政府当局の方から否定の意思表示がございませんから、重政君のお認めになるように異議がないものと私も思います。 それでは、ただいまの請願第四百四十三号はこれは委員会として採択してよろしゅうございますか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(江田三郎君) 採択いたします。なお、これは今通産省その他いろいろ御出席願いましたが、これは、ただ一つ、今度の問題は、音更川の灌漑用水に関してたまたま問題になりましたけれども、われわれは、ただこの問題を音更川の問題とだけ考えておるのではないのでございまして、将来かようなことのないように十分の注意を払ってやっていただきたいということを委員長として希望いたしておきます。 それでは、ただいままでに御審議願いました請願第三号外五十五件は、議院の会議に付することを要するものでございまして、内閣に送付を要するものと決定して御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(江田三郎君) 御異議ないと認めます。よってさように決定いたします。 なお、報告書については、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(江田三郎君) 御異議ないと認めて、さよう取り計らいます。 本日は、これで散会いたします。 午後四時七分散会