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22回国会参議院1955/05/31

農林水産委員会 第13号

発言数
185
登壇者
17
会派数
5
開催日
1955/05/31

会議録

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) ただいまから農林水産委員会を開きます。  最初に、砂糖の価格安定及び輸入に関する臨時措置に関する法律案を議題といたします。この法律案は、去る五月二十七日、内閣から閣号第九六号をもって予備審査のため提出され、即日当委員会に予備付託となったものであります。  まず、提案理由の説明を求めます。

吉川久衛日本民主党農林政務次官

○政府委員(吉川久衛君) 砂糖の価格安定及び輸入に関する臨時措置法案の提出理由を御説明いたします。  申すまでもなく、砂糖の供給は、国内で生産されるテンサイ糖及び一部黒糖を除いて、その大部分を海外に依存しており、政府といたしましても、国内需要量を充足するため必要な輸入については、その確保に努めている次第でありますが、現下の外貨事情にかんがみまして、みずからその輸入量を大幅に増加することは制約を免れない実情にございます。従いまして、こうした事情にあるため、砂糖の国内価格は主として外貨事情に基因し、変動常ない推移を辿っており、昭和二十九年度におきましても、その市場価格の変動率は約二割五分にも達している次第であります。しかも供給量が制約せられておる関係から、その市場価格は国際価格に比して高位の水準にあり、結果的に砂糖の輸入に伴って差益が発生し、これが国内市場価格の不安定の一因となっておると考えられるのであります。  政府といたしましては、こうした国内価格の不安定による国民生活への悪影響を排除するとともに、他方砂糖と代替関係にあるテンサイ糖及び水飴の原料である澱粉、ひいてイモ類の生産農家の経営の安定を所期するためには、砂糖の価格を適正な水準に安定させることが当面肝要であり、また外貨資金の制約に基因して砂糖の輸入差益が生じ、それが特定業者に集中することは、社会公益の見地から適当でないと思料する次第であります。  この法律はこのような理由によりまして、砂糖の安定価格帯を設け、必要量の輸入措置と相まって適正な水準に価格を安定させるととも、外貨資金の割当に伴う輸入差益の徴収をはかることを目的といたしております。しかしながら、政府は一方わが国経済力の充実に即応して、砂糖の輸入量の増加をはかり、漸次砂糖の国内価格水準を低下せしめつつ、その輸入差益を減少ないし解消させることを期しておりますので、この法律の効力を三カ年に限っている次第であります。なお、申すまでもないことでありますが、砂糖価格の安定かつ適正化をはかって参る上において、国内生産にかかるテンサイ及びイモ類の価格につきましても、十分な配慮をめぐらし、それらの国内産農産物の自給度の向上にも遺憾のないよういたしたいと存じます。  次に、この法律の内容を御説明いたします。まず砂糖の価格安定につきましては、政府が砂糖の価格を適正な水準に安定させる指標といたしまして、主要銘柄の砂糖について、砂糖の需給事情、輸入価格、代替農産物価格その他の経済事情を参酌して安定価格帯を定め、これを公表することとし、砂糖の価格が安定価格帯と照応した水準をこえて変動し、またはそのおそれのある場合には、砂糖の精製業者に対して、砂糖を安定価格帯の範囲内で販売すべき旨の勧告や、さらに販売または精製数量についての必要な勧告を行うことができることとするとともに、なお必要に応じては、販売業者及び輸入業者の価格につきましても、特に安定価格帯に照応した価格で砂糖を販売すべき旨の勧告を行うことができることとし、もって砂糖の価格安定をはかることといたしておるのであります。  また砂糖の輸入に伴って生ずる特別輸入利益につきましては、砂糖の輸入に関する外貨資金の割当を受けたものから、輸入砂糖の国内販売価格と輸入価格との差額を政府が徴収することができることとし、その手続を定めております。その際の徴収する差益につきましては、原則として政府が安定価格帯に照応して定める国内販売価格と船積地域の市価等を参酌して定める輸入価格との差額をとることを建前といたし、なお市価に悪影響のない範囲においては、一部を精製業者等の企業努力を刺激する意味におきまして、外貨資金の割当を受ける者の競争による見積差額をとる余地を残すことといたしております。なお、この法律によって徴収される特別輸入利益は、特殊物資納付金処理特別会計に納付せられ、同会計から産業投資特別会計へ繰り入れて財政投融資財源として活用せられることになっております。  以上がこの法律案のおもな内容でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さいますようお願いいたします。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) 本法案の審査は後日に譲ります。     —————————————

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) 次に、ノリの輸入に関する件を議題にいたします。  ノリの輸入は、わが国の生産業に重大な影響を及ぼすことになりますので、当委員会はこれを重視し、その措置に慎重を期するため、すでにたびたび委員会の議題として政府当局の善処を求めて参りましたところ、政府における検討もだいぶ進んで、まさに最終的段階に来ているように伝えられておりますので、委員の中の御要望もありまして、本日重ねてこの問題を議題として、その後の政府当局における検討の経過等について説明を聞き、御協議を願うごとにいたします。

森八三一緑風会

○森八三一君 ただいまの委員長の御発言で尽きておりますが、本件につきましては、すでにしばしば当委員会が取り上げ、審議をして参りましたし、最初に、通商局長も今月一ぱいには結論を出すということをはっきりこの席で言明もあった次第で、過般の委員会におきましては、水産庁長官も詳細に事態を認識されたようであります。引き続いて通商局との間に十分の打ち合わせをいたしまして、遺憾なき結論が出るように取り運びをするというような意味の御発言もあったと思いますので、その後両省間において協議せられました結論をこの際御発表いただきまして審議を進めさしていただくということに、ただいま委員長の御発言のように御進行願いたいと思います。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) それでは、今、森委員からもおっしゃいましたようなことにいたしまして、先ず通商局次長の方から御説明を願いたいと思います。

大堀弘通商産業省通商局次長

○説明員(大堀弘君) ノリの輸入につきまして、前回の当委員会におきましても、皆様からいろいろ御意見を承わりまして慎重に検討をいたしましたのでございますが、国内のノリの生産に対する影響の点は、私どもといたしましては十分慎重に考慮をいたしました結果、ノリの輸入量の問題が一番生産量に対して重要な影響を持っておりますので、量の問題は、先般来御意見ございましたように一億枚程度を原則として輸入を認めるということ。第二点は、輸入の時期につきましては、生産期であります十一月ないし四月というこの時期を避けます意味におきまして、今日はもう生産期も過ぎておりますので、時期としては適当と考えまして、この点を十分御意思を尊重いたしまして案を作成しておる次第でございます。さらに割当の方式につきまして、いろいろ研究を重ねて参りましたのでございますが、この点につきましては、先般も申し上げましたように、従来の輸入実績を百パーセント重視するということも必ずしも適当ではないという考え方でございまして、この点につきましては、大体半数程度を輸入実績を尊重いたしまして、あと半数は新しい方に競争してやっていただける余地を作りまして、そういった方式で実施いたしたいと考えておる次第でございますが、なおもう一点は、非常に実績の多い数社の方が輸入の大部分を占めておるということにつきましても、いろいろ御意見がございますので、この点を一人当りの最高限度を作りまして、一人当りの最高は大体全体の一割をこえることができないという限度を設けまして、割当を実施することが適当ではないかと考えておる次第でございます。なお、先般最も御要望のございました点でございますが、新しい人が輸入に入った場合に、国内の需給の調整につきまして十分協力的な態勢ができないということが、国内の取引を混乱に落すおそれがないかという御心配もございますので、この点につきましては、輸入の公表の際に、国内のノリの需給の調整及び今後のノリの輸入の円滑化のために政府の指示に従わなければならないという条件をつけまして、私どもとしましては、前回の当委員会の御趣旨を体しまして、できるだけ行政措置によって善処いたして参りたいと、かように考えておる次第でございます。

前谷重夫水産庁長官

○政府委員(前谷重夫君) 先般の当委員会のいろいろの御意見も拝聴いたしまして、われわれとしては、当初数量、時期につきまして通産省に意見を出したわけでございますが、さらにノリの生産流通の円滑化という意味におきまして、具体的な通産省の措置もいろいろ承わりまして、そして検討いたしたわけでございますが、ただいま通商局からお話がございましたように、輸入公表におきまして、条件といたしましてノリの生産流通、輸入の円滑化をはかるために指示をするということを輸入公表に掲げてもらう、それによりまして行政指導をやることが適当であろう、かように考えまして協議をいたしたわけでございます。

森八三一緑風会

○森八三一君 ただいまの通商局並びに水産庁の御折衝の結果の報告によりまして、大体私どもが今日まで数日にわたりまして本件を取り上げて質疑を重ねて参りました趣旨は明確になって参ったように思うのであります。われわれが今日まで委員会で論議をして参りました趣旨は、ただいまもお話がありましたように、国内における零細なノリの業者を十分に守り通して行かなければならぬ。そのためには韓国からの輸入のノリがときによって非常な混乱や支障を巻き起す危険が十分に想像されまするので、そういうことを防いで参りますためには、いかにすべきかという問題であったのであります。そこで昨年問題になりました直後、通産省におきまして関係業者を御指導に相なり、需給関係の調整協議会が政府の指導によって作られまして、今日まで円滑に業務の運行を見て参ったのでありますが、ただいまお話しのように、今年度の外貨割当につきましては、事態の実態に即応いたしまして、おおむね五〇%を従来の実績所有者に割り当て、残りの五〇%を新たな取扱い者に割り当てようというような方針が出て参りましたので、そこで任意申し合わせの需給協議会が破壊をされて行くのではないか、そういうことになりますと、所期いたしておりまする生産の伸展をはかりつつ、国内における流通関係を円滑に処理して参りますことが、困難になるのではないかということの心配があったからであるのであります。そこで今お話しのように、今回の輸入公表につきましては、そういうことのないような条件を公表し、指示して、あくまでも生産の増高が期待されつつ流通過程の混乱を巻き起さないように責任をもって善処をするということでありますので、われわれの今日まで希望して参りましたことはおおむね達成せられるように思うのであります。そこでお伺いいたしたいのでありますが、そういうことになりますると、昨年来御指導願って参りまして、おおむね円滑に参っておるのでありますが、そういうような協議会の線に乗って役所の指導のもとに一致した行動をとっておりませんような、ごくわずかではありまするが、一部の取扱い業者があるやに聞いておるのでありますが、そういうものにつきましても、今のお話の趣旨によってすみやかに調整協議会のメンバーとして加入せしめるような御指導が当然行われると思いますが、そういう措置を講ぜられるかどうかという点が一つ。それから今回の新しい外貨の割当に関連いたしまして、新しく取り扱うというような立場に立つ問屋等が発生をすると思われまするが、そういうようなものが貿易商社との関連において、調整協議会のメンバーとして所期する立場に立つような何らかの指導が行われまするかどうか、この二点についてお尋ねをいたします。

大堀弘通商産業省通商局次長

○説明員(大堀弘君) ただいまの前段の御質問につきましては、できるだけ御趣旨に沿うように行政指導をして参りたいと考えておる次第でございます。後段の御質問、ちょっと十分今了解しかねたのでございますが、恐縮でございますが……。

森八三一緑風会

○森八三一君 前段の方は、今まで役所の指導によって関係業者が一体となって円滑にやって行けということであったのでありますが、おおむねそういう姿で進んでは来ておりますが、いかんせん、その組織は法的な根拠を持つものでございませんために、らち外に置かれておったものが、ごく一部ではあるが、存在をしておったという事実を、ただいまお話の中に、今年度の割当からは非常に強力な行政指導をもってそういうことのないようにする。その前提として公表の際には指示に従うべしという条件を付するということであるが、その条件は、おそらく関係業者が協議会の中にまとまって円満に協調してやって行きなさいという内容のものであると理解をいたします。といたしますと、昨年来そういうような立場に立っておらなかったものもあるわけでありますが、そういうものの仕末を一体どうなさるのかということでありまして、ただいまのお話で十分そういうものも参加するように指導するということでありますので、大体のことは了承いたしましたが、それが第一の質問でございます。第二の質問は、今回の新規参加の関係者、特に問屋等が発生をすると思うのでありますが、そういうものが協議会との関係をどういうように保って行くかということでありまして、これは輸入に関する貿易商社とのつながりを、どういうように始末をしてこの協議会の中に存在するように御指導になるかということであります。

大堀弘通商産業省通商局次長

○説明員(大堀弘君) 前段は先ほど申し上げた通りでございますが、後段の点につきましては、輸入業者及び問屋の方が仮に割当をとられまして輸入いたされる場合には、やはり輸入業者の資格になるわけでございまして、その意味におきましては、従来の輸入業者と同列におきまして、やはり協力していただくということで措置いたして行きたいと思います。

青山正一自由党

○青山正一君 ただいまノリの問題に関連いたしまして、韓国の輸入鮮魚の問題もノリと同様に、きょう、あす中にきめるそうですが、この問題につきまして、水産庁とそれから通産省自体がどう結論を出したか、その点について一つ御経過を承わりたいと思います。それから第二点は、先ほど千葉県からの陳情、この写真を見まして非常に驚いているわけですが、水産庁はこれに対してどういうお考えを持っておられるか、その点、先ほど委員長からも御注意があったはずです。この点も一つお聞きしておきます。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) なお、先ほどの千葉県のノリの被害の問題につきましては、片岡君が委員外発言を要求しておられますので、片岡君に委員外発言を許すことに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) それではそういう工合にして、まず水産庁長官の方からお答えを願います。

前谷重夫水産庁長官

○政府委員(前谷重夫君) ただいまの御質問の第一点の韓国の鮮魚の輸入でございますが、これにつきましては、従来から韓国等におきまするいわゆる李ラインの問題等もございまして、また建前といたしまして、国内の鮮魚等の需給はできるだけ国内でもってやって参るということがわれわれとしての考えでございましたので、いろいろ検討いたしておったわけでございます。今回いろいろな面からいたしまして、鮮魚の輸入につきましても通産当局等からも御意見がございますので、水産庁といたしましては、ちょうど水産業関係の団体でございまする、そうしてそこに日韓関係の委員会もございまするので、その団体に対しまして目下意見を求めておるわけでございます。その意見と同時に、通産、外務等のそれぞれの立場におきまする御意見も承わりまして、そうして水産庁といたしましては、これに対して回答をいたしたい、かような手続を考えまして目下その意見の提示を団体に照会いたしておるという段階でございます。  千葉県のノリにつきましては、その経過を御報告いたします。ただいま御陳情がございましたように、本年の一月三十一日から二月の初めにかけての問題というふうに承知いたしております。二月の三日に千葉県並びに地元からお見えになりまして、そうしてその事情をわれわれ承わりましたので、さっそく防衛庁、海上保安庁等に事情を照会いたしたわけでございます。そしてその後現地の廃油等につきまして、防衛庁、海上保安庁、千葉県等におきまして、それぞれ内容の分析等の研究をいたしておったわけでございます。三月十六日に海上保安庁におきまして、海上保安庁と第三管区の本部、運輸省、水産庁、防衛庁、千葉県の関係者が集まりまして、そしてその被害の現地の事情、油の分析等の中間報告につきまして、いろいろ報告をし合いまして、また根本的な問題でございますが、海面の汚染対策についてもどういう処置をとったらいいかということで検討をし、連絡をし合ったわけでございます。その後各関係官庁の分析資料の整備を待っておったわけでございますが、大体近く資料が整う予定になっておりますので、それに基きまして、先に申し上げました関係庁の連絡会議を開くことになっておるわけでございます。

秋山俊一郎自由党

○秋山俊一郎君 朝鮮の鮮魚輸入の問題が出ましたので、一点お伺いいたしたいのでありますが、最近の新聞に、日本の漁業者が北鮮の漁業者ですか、北鮮との間に漁業上の約束をして出漁し、あるいは向うの魚を取引するといったような約束ができたということに対して、南鮮側は非常につむじを曲げておるという記事がございましたが、水産庁はそれを御承知でありましょうか、もし御承知であれば内容をお示し願いたいと思います。

前谷重夫水産庁長官

○政府委員(前谷重夫君) 御承知のように、戦前北鮮、特に日本海方面におきまして、日本の漁業が行われておったことは御承知の通りでございますが、戦後それが行い得ないことになっておりますし、またそれに伴いまする引揚げ関係の人がそういう希望を持っておるということは、われわれも承知いたしております。そういうことをいたしたいという希望等は聞いておりますが、具体的にこれが協議が始まったとか、あるいはまた協議ができたとか、こういう事実は承知いたしておりません。私たちの考えではそういう事実はない、かように考えておりますが、そういう希望はときどき耳にいたしますし、またそういう方面の方の希望は伺っておりますが、具体的にはそういう事実はないというふうに考えておるわけでございます。

秋山俊一郎自由党

○秋山俊一郎君 新聞の名前は忘れましたが、つい一週間もたたないくらいのことと思いますが、新聞はごらんになりましたか。

前谷重夫水産庁長官

○政府委員(前谷重夫君) 見ました。

秋山俊一郎自由党

○秋山俊一郎君 新聞の記事には名前も何も載っておりませんでしたが、そういうことについて何かお調べになって、その事実はないということがおわかりになったのでしょうか。わからないままに、ないだろうという御想像でございましょうか。

前谷重夫水産庁長官

○政府委員(前谷重夫君) 実はそれに基きまして、人の名前が出ましたので、その人がどういう人であるかということを水産関係団体に照会いたしましたが、だれもそういう人は知らないということで、その人の名前もわからないような状態でございます。どうもその話は具体的な問題ではないのじゃないかと、かように考えております。

秋山俊一郎自由党

○秋山俊一郎君 その点は了承いたしました。それから朝鮮ノリの輸入の問題でありますが、御承知のように、あのノリはほとんど日本以外では消費される品物ではなく、朝鮮で生産されながら朝鮮ではほとんど消費されるものではないと思います。従いまして、あの朝鮮ノリの生産は日本の業者が始めたものでありまして、非常に一時は旺盛になって、日本が統治しておった時分にはどんどん内地に送っておったものであります。その後、こういうような状態になりまして日本の輸入というものに対する制限が行われてきた。しかしながら、やはり南鮮の方ではノリの生産は依然として行われておるはずであります。南鮮の方面ではもう五億枚をこえておるのではないかと思われます。そういうものが相当量生産されれば、いつもこの問題がごたごたするわけでありますが、朝鮮についてはわれわれは何らの情報も得ておりませんけれども、水産庁の方において朝鮮のノリの生産が年々どういうふうに変化しておるか、日本に輸出する量が非常に毎年少くなるならば、向うではこれを生産しても損失をするばかりであると思うが、もう多少どころか、非常に減産の方向に向いておるのか、あるいは依然として続けておるというような状態であるのか、事情がおわかりでございましょうか。それが従来のように続いておりますと、私は正規の輸入以外に相当量の密輸が行われておるのではないかということを懸念するのであります。従いまして、こういう席で表面上の取りきめをいたしましても、実質的には相当の影響があると思います。生産状況等おわかりでございましたらお知らせ下さい。   〔委員長退席、理事白波瀬米吉君着席〕

前谷重夫水産庁長官

○政府委員(前谷重夫君) 朝鮮のノリの生産状況でございますが、これは的確にはわかりませんが、今われわれが考えておりますのは、ただいま御指摘がございましたように、戦前は約七億枚ぐらい生産されておったかと思います。その後、戦後におきまする状態を見ますると、大体二十八年には約三億枚、その後、二十九年には幾分減りまして約二億三千枚、三十年は大体二億枚から三億枚ではなかろうかという程度にわれわれとしては考えておるわけであります。朝鮮の国内の消費は約二割程度でございますので、御指摘のような問題があるわけでございます。これは韓国側におきまして、大体二十八年から三十年までで生産が減少しておるように感じられますが、これは韓国政府の意識的な政策と申しますか、施策と申しますか、施策による減産なのか、あるいは海流その他の自然の条件による減産なのか、そこのところはちょっとはっきりいたさないのであります。

秋山俊一郎自由党

○秋山俊一郎君 せんだってもちょっと御質疑があったようでありますが、よくは存じませんが、今のように相当量の密輸がありますと、またあることも事実のようであります。その数量ははっきりいたしませんが、私の想像では、今お話のように三億からの生産があるとするならば、その大部分が日本の消費に待っておる品物でありまして、一億枚仮に正規に輸入しましても、あと一億枚か、五千枚か、相当の量がいろいろの方法で入ってくるのではないか、入ってこなければ、向うでは消費はほとんどないのではないかと思われますので、その懸念が多分にあります。その入って来たものを税関なり何なりで押収しました場合には、その押収した密輸品はどういうような処置をしておるか、これは私はやはり問題になってくると思う。非常に少い数量ならば大したことはありませんが、仮に五千万枚とすると、輸入量の五割に相当する。それを政府が押収してそのまま入札なり何なりで払い下げる、あるいはそうした場合の価格等の問題はどうなのか、あるいはまたその一部を持ってきた者に返すような場合がありはしないか、こういうことによって今の輸入協会あたりの取りきめと非常にまたギャップができる、こういうことを懸念するのでありますが、通産当局はそういう面においてどういうふうに考えておられますか。またこれは大蔵省の税関の問題でありますけれども、輸入品あるいは密輸品ということになれば通産省でも関係があると思います。その辺の御意向を伺いたい。

大堀弘通商産業省通商局次長

○説明員(大堀弘君) ただいまの密輸の問題につきましてお答え申し上げたいと思いますが、これも巷間でまあいろいろの話を聞くのでございますが、昨年入れました積み残しのものが、これは大阪の税関に三千七百万枚ほどございますが、これは正式のルートで入ってきておるものでございますから、今後輸入を許可いたしました場合に、これは正式のルートによって輸入許可で入ってくるので、これは入ってきても差しつかえないものでございます。それ以外に、瀬戸内海あたりに何か機帆船あたりに積んでおるものがあるということを聞いておりますが、これも相当量あるように伺っておりますが、これはもちろん日本の税関を通っておるわけではありませんので、その以前におきましてうろうろしておるわけであります。最近の例といたしましては、ノリの名前ではなくて、ほかの品名によって通関をしようとして税関の方に引っかかりまして、私の方に照会がございましたが、取り調べましたところが内容はノリでありましたので、これは違法であるというので、これは税関において一般の関税法によって処置されておると思いますが、その処置の方法は私どもは詳しくわかりませんが、おそらく没収になって、その後どういうふうに処置いたしますか、ちょっと私も詳しく存じませんが、なお調べましてお答え申し上げたいと思います。ともかくも量はそれは大した量ではございません。大した大きなものではございません。それ以外には今日まで私どもとしましては、非常にこの問題はやかましい問題でありますから、十分注意しておりますが、税関の方も相当注意を払っておりますが、私どもとしましては密輸入があったということは聞いておりません。今後十分にその点は注意して参りたいと考えておる次第でございます。

秋山俊一郎自由党

○秋山俊一郎君 その没収した密輸品をどういうふうに処分しているかということなんです。払い下げておるのか、焼き捨ててしまうのか、そこが私は問題だと思う。従いまして、今日でなくてもよろしゅうございますから、通産省ないしは大蔵省の税関関係の方を一度ここに呼んでいただいて、実態を伺っておきたいと思います。そうしませんと、これはまあつかまった場合の処置でありますけれども、相当入ってくるのじゃないかという懸念が多分にあるのです。とにかく向うによけいなものができているということは、これは向うで腐らしているはずはありません。そういう点をやはりこちらで一億ときめてみたところで、私は三億のものが大部分入ってくるのじゃないかと思うのです。さもなければ、その処置がどうなっているのか、実は朝鮮人が私の所におったのでありますが、朝鮮人がノリを消費するということは非常に少いと思う。これを一つ税関の方を、関係の大蔵省の方を一度この委員会に適当な時期にお呼びいただくことを委員長にお願いいたします。

森八三一緑風会

○森八三一君 今の秋山委員の御質問で、大蔵当局御出席の上ではっきりはいたしますが、仮に貴重な食糧のことでありますので、焼却処分をするというようなことは、これは常識では想像ができません。といたしますると、おそらく国内で処分をされるのではないか、といたしますると、   〔理事白波瀬米吉君退席、委員長着席〕  水産庁御調査の結果、さらに関係業者の協議の結果、本年の生産と国内における消費の実態から勘案いたしまして、おおむね目下のところ一億枚が妥当であるという数字が出ましても、プラスアルファの数字が国内に流通して参りますると、非常に論議を重ねて参りました一億という数字は根底から意味を持たなくなってしまうということになりますので、もし没収等の場合には、そうしてそれが国内に出回るというような結果が生れてくるような場合には、一億という輸入基本数字に考慮を加えなければならぬと思うのであります。でありませんと、理論的に趣旨が一貫いたしませんと、できることであれば本国へ送り返してしまうという措置がとられますることが一番好ましいのでありますが、その点についてどういう処置をされまするか、そういう点をお伺いいたします。それからなお本件につきましては、ずっと長い間論議をして参って、大体結論に到達したと思いますが、今日までの経過にかんがみまして、新しく外貨の割当の結果がとやかくの議論を起しませんように、明朗な割当ができまするように、このことについては十分一つ通産当局におきましても御考慮を願いたいと思います。当然そういう措置がとられるとは思いますが、いかんせん、問題が問題であるだけに、このことをめぐって将来にとやかくの議論の起きますことは非常に残念なことでありますので、その結果が明朗に行われまするように希望を申し上げて、なお先刻御質問申し上げるに関連いたしまして、私の意見も申し上げたのでありますが、要は生産の増強をはかりつつ配給、消費の円滑を期するという一点がねらいであるわけでありますから、需給の調整を行おうといたしておりまする協議会は十分にその機能を発揮しなければならぬと思うのでありますが、それには輸入業者はもちろん、それに関連する問屋、生産者、あらゆる関係者が全部協議会にまとまって行動をとるということでなければならぬと思うのであります。そういう趣旨において指示も与えられることであり、そういう趣旨において通産、農林両省の指導が責任をもって強力に行われるということであると私は理解いたしますので、そういうように対処をいたしてもらいたいという二点を特に希望として申し添えておきます。

前谷重夫水産庁長官

○政府委員(前谷重夫君) 第一点の密輸入の問題でございますが、お話のように一億枚を一応われわれとしては見当づけておるわけであります。ただいま通産当局からも御説明申し上げましたように、現在におきましては、その数量は微々たるものでございまして、これに影響するようなものではないと思います。税関の没収なり、あるいは密輸品に対する取扱いにつきましては、関税当局、また法規もあることと思いますので、それによって当然処分されることだろうと思いますが、ただいまのお話のように、これが大量に上りまして、国内の需給に影響を及ぼすような量に上ります場合におきましては、われわれといたしましても税関当局と大蔵当局と十分協議をいたさなければならぬと思います。ただ関税法にはそれぞれの規定がございまするので、その規定との関係がどうなっておるか、現在は私もまだ不勉強でわかりません。十分検討しなければならぬと思っております。

秋山俊一郎自由党

○秋山俊一郎君 今の問題で、非常に実は微々たるものであるという断定はどこから出てくるか、私は税関につかまったものは微々たるものであるかもしれないけれども、わからないところからずいぶん入ってくるんじゃないか、ということは、先ほど申し上げるように、三億枚からの生産ができておって、日本に一億、あとに二億が残っておるんですが、その処置をどうしておるかということ自体を考えると、ある程度相当のものが入ってきているんじゃないかと私は考える。従って微々たるものと断定することは、私は少し理由がなさ過ぎると思いますが。

前谷重夫水産庁長官

○政府委員(前谷重夫君) 言葉が足らなかったわけでございますが、税関当局に押えられたもの、こういう意味でございまして、密輸入全体がどの程度になるか、これは税関当局あるいは警察当局において押えたものという意味で、現在わかっておるものが少い数字である、こういうことを申し上げておるのであります。ただいまのお話のように、韓国側の状況は明確でございませんが、われわれ聞いておりますのでは約二億近くのものが釜山に滞貨しておる、そこで韓国側としても日本に対する輸入について相当強く要望しておるというふうに聞いております。

秋山俊一郎自由党

○秋山俊一郎君 年々滞貨ですよ、それは……。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) ノリの問題よろしいですか。

田中啓一自由党

○田中啓一君 ノリの問題で、その外貨割当の問題をお聞きしたいのでありますが、朝鮮貿易においては何かこちらから輸出をした人に優先割当をするというような、ひもつき割当のものはないのでございますか。

大堀弘通商産業省通商局次長

○説明員(大堀弘君) そういう韓国との貿易につきましては、日本側といたしましては輸出した人に対して輸入するという、いわゆるバーター式の取扱いは現在いたしておりません。韓国側の貿易政策としまして、先方では日本に対して輸出した人に対して輸入を認めておるというような運用をしている点があるように認められます。こちら側としては全然そういうことをいたしません。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) それじゃ、先ほどから片岡君が発言を求めておられますから、千葉県の被害の問題について片岡君。

片岡文重日本社会党(第二控室・右)

○委員外議員(片岡文重君) 貴重な時間を恐縮ですが、水産庁長官にお尋ねしますが、先ほど経過報告として御説明があったようでありますが、その経過報告の中には、まだ原因の調査がはっきりしておらないというふうに言われましたが、その原因の調査は水産庁が独自に調査をしておられるのか、あるいはその他の機関で、たとえば県庁あるいは自衛隊、海上保安隊等で調査をしておって、それが全部はっきりしないというのか、その点を一つまずお聞きしたいと思います。

前谷重夫水産庁長官

○政府委員(前谷重夫君) これにつきまして、防衛庁、海上保安庁、千葉県と、それぞれでやっておるわけでございまして、水産庁といたしましては、水産研究所等にもそういう技術的な面がございませんので、それぞれの関係庁において調査をいたしております。

片岡文重日本社会党(第二控室・右)

○委員外議員(片岡文重君) こういう調査をする専門的な機関がないとおっしゃるけれども、別に千葉県でもそういう調査の機関はないはずであって、千葉県では東京大学の水産技術研究所に調査を依頼して、すでに調査はでき上っております。しかもその調査の資料たるや、三月の十四日に東京大学では最後の資料をとっておられる。すでにもう二カ月以上にもなっております。事故が発生してからすでに四カ月近くにもなっておるのに、所管の水産庁が独自な調査もされておらないということは、少し私は納得の行かない点があると思うのですが、水産庁は今後なお独自にその調査をする意思はないのか、それから現在行なっておる他の自衛隊なり、その他の調査が未決定であるならば、それを督促する意思があるのか、その点を一つ……。

前谷重夫水産庁長官

○政府委員(前谷重夫君) 最後の点の各防衛庁、それから海上保安庁等に対する調査につきましては、われわれとしてもできるだけ早くするように督促いたしたいと思います。水産庁といたしましては、先ほどもお話がございましたように、千葉県におきまして東大の方で実験をしていただいておりますので、われわれも依頼するとすれば、そういう箇所になりますので、海上保安庁あるいは防衛庁はそれぞれ独自の機関を持っておりますので、そちら方面の調査もいたしておりまするから、それは督促いたしたいと思います。

片岡文重日本社会党(第二控室・右)

○委員外議員(片岡文重君) 被害の調査につきましては各方面でされておりますが、水産庁としては、そうすると関係の箇所が全部調査を完了するまで水産庁としての態度が決定し得ないということなんですか、それとも被害者である千葉県庁で、しかも専門の箇所で調査をしたその調査結果を信用するわけに行かぬ、こういうことでしょうか。

前谷重夫水産庁長官

○政府委員(前谷重夫君) この点は先般の、昨年でございましたか、やはり東京湾についても同様の問題があったわけでございまして、これは会社側の責任であるということが明白になりましたので、会社側と相談いたしまして、そうして会社側から補償さすようにいたしたわけでございます。これもやはりその発生の原因がどこにあるかということによりまして、その発生者に対して交渉をするわけでございまして、その発生の原因がどこにあるかということを究明する必要があろうかと思います。現在その原因について関係方面でもいろいろ検討しておる、こういう段階でございます。

片岡文重日本社会党(第二控室・右)

○委員外議員(片岡文重君) 関係方面で調査しておるということは先ほどあなたの御説明でわかりましたが、水産庁としては、千葉県で被害者は調査をした、しかもしろうとが調査をしたのではなくして、専門家が調査をした、その調査結果を御信用になられないのかどうか、こういうことを伺っておるのです。

前谷重夫水産庁長官

○政府委員(前谷重夫君) これは海上保安庁あるいは艦船の原因であるということになりますると、その関係庁に対して交渉をするわけでございまして、水産庁が独自で損害を補償するということは、予算上そういうことはないわけでございます。従いまして、千葉県の方からのその御報告もいただいておりまするが、該当と言われております防衛庁あるいは海上保安庁におきましても検討をしておりますので、これは両者の調査結果を総合しないと、結局におきましては、それぞれのところに対して交渉をするわけでございますが、水産庁が独自でこうだということで、相手方がそれに対しまして検討しておる際におきまして、その結論を押しつけるというわけにも参らぬわけでございます。十分相手方がその試験の結果によりまして納得して、相手方から補償をしていただくという形になるわけであります。

片岡文重日本社会党(第二控室・右)

○委員外議員(片岡文重君) 損害をどこで賠償するか、あるいはどこで措置をするかということは次の問題であって、まずその被害の原因がどこにあるかということを究明しなければ、この問題には入れないというのが今までの県庁なり、水産庁の態度であったと思います。そこで水産庁としては、その原因の究明についてみずから発動することがないとおっしゃられるのですから、他の機関でなされた原因によって態度を決せられる、あるいはその措置をとられる以外に途はないと思います。そこで水産庁としては、被害者が調査をされたその結果を信用されるのか、されないのか、それによってこの次の措置が出てくると私は思います。ですから防衛庁や海上保安庁が信用するかしないかは別問題として、少くともその所管の省である水産庁がどういうふうにお考えになっておられるのか、それを私はお伺いしておるのです。

前谷重夫水産庁長官

○政府委員(前谷重夫君) この問題は、その被害の油がどういう種類の油であるか、どういう原因で発生したかという非常に技術的な問題でございます。われわれとしましては、関係省の連絡会議を開いておるわけでございます。その連絡会議におきまして、結論を出したい、かように考えまして第一回を開いたわけでございますが、これはまた近くさらに第二回を開きたい、かように考えておりますので、その連絡協議会の各方面の専門家の意見によってきめて参りたい、かように考えております。

片岡文重日本社会党(第二控室・右)

○委員外議員(片岡文重君) 水産庁の意見があなたおひとりでこの場で態度を答えることができないとおっしゃるなら、率直にそのようにおっしゃっていただいた方がいいと思います。今あなたの御答弁になったことは私の質問に対する御答弁ではない、水産庁として、被害者が調査を依頼した東京大学水産技術所で、しかも署名入りで調査結果を発表しているから、この調査結果を信用できるのかできないのか、それをお尋ねしているのです。ですからもし連絡会議を開いておやりになろうと、あるいは他の官庁でおやりになるのをお待ちになろうと、それは水産庁の御自由だが、まず被害者が、先ほど参考人のお話がありましたが、自分たちの生産場を荒されて、しかも外国からどんどん安いものが入ってきておる、まさに内憂外患という状態にたたきつけられておる、その被害者の身になってみれば、一日も早くこれは何とかしてもらわなければならない、そういう場合に何とかしなければならない水産庁が、いたずらに自分から発動することなく、しかも他に責任をできるだけ回避しようとしている防衛庁の調査を待っておる、しかも被害者が責任をもって発表しておるところの機関に依頼をした試験結果を持ってきておるのに、あなたの方ではそれをお取り上げにならないということなのかどうか、その点をはっきりお尋ねしたいのです。

前谷重夫水産庁長官

○政府委員(前谷重夫君) われわれといたしましては、もちろん県当局の調査も十分尊重いたしたいと思います。ただ端的に、その調査が正しいということを、今私として自信をもってお答えするわけには参りませんので、その点は十分技術方面とも研究いたしたいと、かように考えます。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) 今の片岡君と水産庁長官のお話を聞いていると、要するに、片岡君の真意はどうか知らぬが、われわれの受ける印象は、水産庁はそういう問題になると、関係漁民の利益を代表すべきものではないか、それがどうも相手が防衛庁だから少し引っ込んでいるのではないか、まるでシナ東海における問題と同じように引っ込めるのではないかという印象を与えることが片岡君の不満だと思うのですが、そういう点について水産庁がどういう立場で行くかということをはっきり御言明になればいいのじゃないかと思うのです。

前谷重夫水産庁長官

○政府委員(前谷重夫君) 御趣旨はよくわかりました。私の方といたしましては、もちろんノリの生産を担当いたしておりますので、原因がはっきりいたしますれば強力に交渉しなければならぬことは当然であります。またその原因をはっきりいたすべく努力いたしたいと思います。

片岡文重日本社会党(第二控室・右)

○委員外議員(片岡文重君) 委員長は議事をお進めになりたいようでございますから簡単に申し上げます。水産庁のお説によるときれいですけれども、今、東大水産技術研究所で試験の結果を発表されたのは四月の九日です。今日はもう五月三十一日です。三カ月前に発表されているのです。それで当の事故を起したと見られるところの防衛庁は、まだその試験結果を発表しておらないということは、どう考えたって怠慢というか、無責任というか、どんなに問責されても答弁の余地はないのです。しかもその間において水産庁が、いまだに原因がわかりません、しかも研究しますでは、これは相すまん問題だと私は思いますので、とにかく期限を切ってこの問題は原因を究明して、水産庁としての措置をとっていただきたい。   それからいま一つ、先ほど参考人の陳情では、被害総額が一億二千万円と大体考えられる、こういうことを言っておられましたが、これについて水産庁ではどのようにお考えですか。

前谷重夫水産庁長官

○政府委員(前谷重夫君) 被害総額につきましては、現地調査等も、千葉県からの報告もきておりますが、今私具体的な資料を持ち合わせておりませんので、後刻御報告いたしたいと思います。

清澤俊英日本社会党(第四控室・左)

○清澤俊英君 今の片岡君の質問に対して関連してちょっとお伺いしますが、大体水産庁としてこの問題について、防衛庁なり、海上保安庁なりに交渉になっている、その交渉の見当はどんな程度まできているか、そしてどういう方法で今防衛庁の調査が進んでおるか、それを一つはっきり聞かしてもらいたい。

前谷重夫水産庁長官

○政府委員(前谷重夫君) 今まで御説明申し上げましたように、連絡会議を開きまして、そして県の事情も承わり、防衛庁、海上保安庁には連絡いたし、海上保安庁、防衛庁におきましても、なお自分の方におきましてもその分析をいたしておる、近くわれわれの方では六月上旬を予定いたしまして、第二回の協議会を開く予定にいたしております。

清澤俊英日本社会党(第四控室・左)

○清澤俊英君 分析しておるということも、油の質が違うとか、何とか、そういう食い違いの点が相当出てくるとみていいですか、食い違いの点はどんなのが出てくるのですか、それは非常に重要な問題だろうと思うのです。そういうことをもう少しはっきり知らしていただければ、この問題は納得できるけれども、そうではない、ただ合同会議を開いておりますでは、なかなか納得できないので……。

前谷重夫水産庁長官

○政府委員(前谷重夫君) 原因は油の質の問題、それがどういうふうに使われておるか、技術的な問題でございまして、もしお許しいただければ専門家を呼びましてお答えいたさせます。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) この問題は本日の日程になかった問題でありまして、韓国ノリの問題がありましたが、たまたま水産庁長官が見えておりまして、唐突に出てきましたから、長官の方も十分答弁の御用意もなかろうかと思いますので、できれば早急に関係団体の会議を持って、この被害漁民の立場を十分に尊重して措置をとっていただくということで、後日に回したらどうかと思いますが。

青山正一自由党

○青山正一君 一点だけお願いしたいのですが、これは委員長にお願いいたしたい。参議院農水委員会におきましては、いろいろ水質汚濁の問題、また農林関係におきましては、この二、三日前、関根さんからお話があったような、蚕の鉱毒による被害、こういった問題は、国際的には、先ほどから秋山さんといろいろお話ししておるわけですが、廃油による被害ということで、そんなこといろいろ措置を講じておられるのですが、国内的には何ら措置は講じておらないのです。そこで農林関係が主体となりまして、水産に関する限りは、水質汚濁の問題がほとんど毎月のように陳情が出ておる、これは農林も同様だと思います。この二、三日前、関根さんからもこの問題が出ているのですが、こういった水質汚濁あるいは鉱毒による立法措置を至急講じなければこれはいけない、こういうふうに考えておりますので、一つ委員長の方で議員提出にするか、あるいは行政庁の方の提出にするか、その点を適当にはからって、今後進めて行っていただきたいと思います。それがない限り、これはいつまでたってもこういった問題はしょっちゅう出てくると思います。その点特に委員長の方でおはからい願いたいと思います。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) 今、青山君の言われました問題は根本問題でございますから、これはまた日を改めまして慎重に検討して行きたいと思います。

森八三一緑風会

○森八三一君 今の問題は、前の保利農林大臣のときに、予算委員会で、今の青山委員と同趣旨の発言をいたしまして、農林省は鋭意研究をいたしまして、すみやかに云々というようなことを発言されておりますので、委員長からその後の研究の結果どうなっておるかということを政府に要求していただけば、結論が出ておらなければならぬはずだと思いますので、そういう進行を希望いたします。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) 近く鋭意研究の結果を発表するようにいたします。  それではそういう工合にいたしまして、なお先ほど白波瀬理事の方から、本日余剰農産物のアメリカとの交渉について仮調印が行われたと聞くので、農林大臣に出席を求めて説明を求めたいと、こういう御意見でございまして、私もごもっともと思って、ただいま農林大臣の方に連絡いたしましたが、ちょうど今衆議院の本会議で自作農維持創設の提案理由の本会議説明があり、その質問があるのと、引き続いて参議院の予算委員会の方へ出なければならぬということなので、本日は出席ができないということなんでございますが、これは明日にでも回してよろしうございますか。白波瀬さんなり、ほかの委員からも御要求がございましたが、さようにしてよろしうございますか……。それじゃそういう工合にいたします。     —————————————

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) 次に、福島県鏡石村における農地問題に関する件を議題にいたします。  本件につきましては、すでに二回にわたって委員会の問題にいたしましたが、最近また立ち入り禁止というような問題が出て参りまして、これは戦後の農地改革以後におきまして、まことに珍しい事態になっておりますので、この問題を重ねて究明したいという委員からの御要望もございまして日程に上しておるわけでございますが、なお、この問題につきまして、本日は最高裁判所の関係者の御出席を求めておりましたが、御都合悪くて本日出席がございませんので、ただ農林省の管理部長だけ見えておりますが、亀田君、管理部長だけでもよろしうございますか。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 けっこうです。この鏡石の立ち入り禁止の問題について、最高裁判所から責任者に来てもらって質問をしたいと思ったのですが、本日は出れぬようですから、管理部長の方に、この直接の仮処分の関係ではなく、すでに耕作者から訴願書が出ておりますので、この点についてだけ若干確かめておきたいと思うのです。訴願書が出ましたのが五月十日と、こういうふうに私承わっております。前回私が質問をしたときには、五月の十九日、まだ仙台の方に書類があるのではないかと、そういうお答えでありましたが、これはきわめて重要であるから至急諸般の手続を進めて、そうして結論を出すようにしてもらいたい、こういうふうに要求しておきましたが、その後どのようになっておるか、一つ御説明を承わりたいと思います。

立川宗保農林省農地局管理部長

○説明員(立川宗保君) 今の問題になっております訴願書は、本日、五月三十一日現在におきまして、まだ手元には届いておりません。仙台の方に、至急下調べを完了してすみやかに当方に回付するようにということを厳重に申しておりますから、おそらくごく最近の機会に当方に参ると思います。で、事案の内容は、すでにいろいろと問題にもされておりますので、従来も調査をいたして参っております。ほかの訴願案件と違いまして、当方に到着し次第、すみやかに訴願の裁決をするように取り運びたいという工合に考えております。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 書類ぐらいはもうすでに到着しているのじゃないかと思っていたのですが、まだ未着だということですが、こういう社会的にいろいろ問題になっておる案件について、そんなにいつまでも書類が回って来ない、これははなはだ怠慢だと思うのです。厳重に催促をされたと言われるのですが、これはいつどのように御催促になっておるのですか。

立川宗保農林省農地局管理部長

○説明員(立川宗保君) 日にちははっきり覚えておりませんが、仙台の事務局の担当の課長の方に電話で、たしか一週間くらい前でありますか、催促をしております。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 それは電話で催促しただけですか。

立川宗保農林省農地局管理部長

○説明員(立川宗保君) その通りであります。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 ではそれは課長が直接電話に出たのでしょうか。

立川宗保農林省農地局管理部長

○説明員(立川宗保君) 私はその電話を直接確めておりませんので、ただいますぐ明確なお答えをいたしかねますが、ともかく仙台の事務局の責任者には当然その意思が、直接であるか、間接であるかどうか、今すぐお答えはできませんけれども、到達しているものと信ずるのであります。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 まあそういうこまかいことを、普通のことなら別に聞く必要はないのですが、関係者はやはり一日も早く行政庁の結論というものを待望しているわけなのですから、これは一つ再度、重ねて厳重に督促をやってほしいと思います。  それから訴願に対する調べですね、これは仙台の方がやるのですか、あなたの方がおやりになるのでしょうか。その権限上は、内部における職務の分配はどうなっておりますか。

立川宗保農林省農地局管理部長

○説明員(立川宗保君) 一般に訴願の案件につきましては、農林省の農地事務局のほうで大体下調査をいたしまして、県の弁明書のさらに調査でありますとか、さらに訴願書の不審の点の調査、そういうようなものを一応調べまして、こちらに上げてくることになっております。当方では、事によれば再調査をすることもありますし、あるいは事務局にさらに再調査を命ずることもありますし、さような格好で裁決をいたします。こういうことになっております。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 裁決そのものは地方の農地事務局にまかしてあるということはないわけですね。裁決そのものは本省であくまでもやる、こういうふうに見ていいですね。

立川宗保農林省農地局管理部長

○説明員(立川宗保君) その通りでございます。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 それからもう一つは、訴願の決定が長引きますと、いろいろこれは支障も考えられるのですが、例の訴願法第十二条による執行の停止ですね、知事なら知事のやった処分に対する効力の発生を一応待たす、これは地元の農地部ですか、福島県の農地部は何か非公式か、公式か知りませんが、そのような意思表示はしておるようですが、あなたの方でも、これはとりあえず何かそういうことに対する行政上の措置が必要なのじゃないかと思うのですが、これはどういうふうにお考えでしょうか。

立川宗保農林省農地局管理部長

○説明員(立川宗保君) ただいまお話のございましたように、この案件につきまして、福島県庁から稲田地区の農業委員会を通じて関係者に指示が参っております。それで私ども非常に適切な指示だと、こう考えておりますので、重ねてわれわれの方で同じようなことをやる必要はないと、こう思うのであります。ただそれが裁判所の問題に御指摘の通りになっておりますので、これは直接私たちとしては関与はいたしかねますので、行政措置としては現在の措置で十分であろうという工合に考えております。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 裁判所の措置に関与する必要はないのですが、行政庁として十二条のただし書きの執行停止ですね、こういうことがあってしかるべき案件だと私は考えているのです。当然に知事の許可自身について、これは非常に問題になる案件ですが、許可が正当であったとしても、その効力発生については期間の問題があるわけですから、そういう点からみても当然こういう場合にこそ訴願法十二条のただし書きというものは私は発動すべきものなんだろうと思うのです。これは行政上の指導として。ところが福島県の農地部が出した指示は、訴願法十二条のただし書きによる指示かどうかこれは明確じゃないでしょう。この点はどういうふうにお考えなんですか。あれを訴願法十二条ただし書きによる指示だというふうにお考えになるなら、まあ行政行為をそんなに同じことを二つ三つやってもらう必要がないからそれでいいのですが、どういうふうにお考えですか。

立川宗保農林省農地局管理部長

○説明員(立川宗保君) 訴願法の規定による処置では必ずしもないのではなかろうかと思いますが、ともあれ、解約の申し入れをいたしまして、法律で定められた期間の猶予期間があるわけであります。それで、その期間が切れてしまえば、御承知の通り非常なというか、直ぐ右、左処置しなければならない事態が起ると存じますが、その間に訴願の裁決が確定をいたしますと、問題もおのずからほどけると思います。そこでその辺のことをにらみ合せまして、先ほど申し上げましたように訴願の裁決をすみやかにやるという前提に立ちますならば、訴願法によります特別の措置を今早速しなくても、客観的な事態は行政庁に関する限りはいいのではなかろうか、こういう工合に考えております。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 まあそれでは訴願法による措置ですね、裁決ですね、これを一つ至急にやってもらいたい。これはもう大体仙台の方でももう下調べも完了しておる。これは常識的に考えられますので、再度きょうでも督促をして、処理を早めてもらいたいと思います。そうすれば、まあ十二条によるただし書きの問題等も起らないで済むわけです。これはまあ要望しておきます。  最高裁に対する質問はこれは後日に一つ委員長の方からさらに日をあらためてやってもらいたいと思います。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) それではしばらく休憩いたしまして、午後は二時から昭和三十年産米管理方式及び昭和三十年産米及び麦価の件と蚕糸価格安定法の一部を改正する法律案を議題にいたします。午後は二時から再開いたします。    午後零時三十四分休憩      —————・—————    午後二時二十四分開会

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) ただいまから委員会を再開いたします。  昭和三十年度産米管理方式及び昭和三十年産米麦価の件を議題にいたします。  本件につきましては去る五月十六日の委員会において議題とし、また同じく二十日の委員会においても取り上げて参りましたが、過去の委員会におきまして、管理方式についてまだ未定の問題について奨励措置等は五月中に決定をする、さらに米価の問題についても関係方面が早急にきめろということであれば、これは早急にきめますということを農林大臣の方が言明されておりましたが、もうすでに五月の末になって、時期も逼迫して参りましたので、この際重ねて議題としてお取り上げ御審議を願いたいと思います。  そこで、最初に農林当局からその後における検討の経過及び結果について説明を聞いて、続いて御質疑を願うことにいたしたいと思います。  なお、本日は事務当局の説明をお聞き取り願って、事務当局に対する御質疑だけに願いたいと思いまして、大臣の出席につきましては午前中の委員会でも御要求がございましたが、その節私明日の委員会でということを申しましたが、これは私の間違いでございまして、次の委員会ということで、木曜日の定例の委員会には大臣の出席を願って、午前中問題になりましたこと及び今日事務当局との質疑応答から必要な問題について大臣から意見をお聞き取りを願うということにいたしたいと思います。そういうように取り運んでよろしゅうございますか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) それではまず食糧庁長官の方からその後の経過及びきまったことについて御説明を願います。

清井正食糧庁長官

○政府委員(清井正君) 米の集荷制度の問題につきまして、閣議決定に基きまして、その後事務的にはいろいろ取り進めておることは、先般大臣からも申し上げたことでありますが、その中心となります米価の問題等につきまして、昨日米価審議会の審議会が開かれたのであります。実はいろいろ米価審議会の委員の方々にも、議員の方もおられたりしまして、手続き等にも若干日にちを要した次第でありまして、ようやく三十日、昨日懇談会の形において米価審議会の委員の御意見を伺う機会があったのでございますが、その際におきまして、かねて大臣からも、この席でお話しがあったと思うのでありますが、米価決定の時期等について十分米価審議会の委員の意見を伺いたいというふうに大臣がお話しをなさいました結果、懇談会といたしましては、早急に米価審議会を開催して、米価に関する諮問をせよと、こういう趣旨の御決定が懇談会としてあったのであります。それに基きまして、本日閣議におきましても、おそくとも十五日までに米価をきめるようにしたいという意味の御決定があったように伺っております。まだ正式に大臣から伺ったのではありませんので、その言葉の正確さについては、また改めてはっきり申し上げますが、そういう意味の、六月おそくとも十五日までに決定したいという意味の閣議のお話があったように聞いておるのであります。そういうふうにいたしておりまして、米価の問題につきましてはただいまのような状況で、私たちといたしましても新しい制度を実施いたして参りますためには、できるだけ早く米価初めそのほかの要件を決定しまして、そしてこういう米価、こういう条件でやるから、生産者の方は政府に売り渡しの申し込みをしてもらいたいということにいたして行きたい、こういうふうに考えますので、この制度の円滑なる実施をいたしますためにも、一刻も早く米価決定に進めて参りたい、こういうふうに実は考えておるのでございます。懇談会の御意見もそういう御意見であったようであります。私どもといたしましてもこの趣旨に沿うて、できだけ早くいたしたいと思うのであります。なお、その他の要件等につきましてもこの問題と関連してきめるべき性質のものでありますために、米価の問題と並びまして一応検討を進めて、できるだけ早くきまるようにいたして行きたい、こういうふうに実は考えておる次第でございます。先般大臣がお話し申し上げてからの新しい事態といたしましては、以上申し上げたような米価懇談会におきまして意思表示がさらにあったということがその後の新しい、状態であるわけでございます。簡単でございますが一言御報告かたがたお話し申し上げた次第であります。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) 御質疑がありましたら。

森八三一緑風会

○森八三一君 新しい制度につきましては、閣議決定の概要について先にお伺いをいたしたのでありますが、その新しい制度が有終の成果をおさめ得るか得ないかということは、今長官からお話のありましたこと、そうしてまた政府の態度が決定をいたしておりませんさまざまな問題が結論されなければ、この新制度の成果を期待するというわけには、立派な成績をおさめるというわけには、参りかねまする一番重要な要点でありますので、事務当局といたしましてすみやかに決定されるように努力をされておることであろうと拝察はいたしております。いたしておりますが、そういうような諸般の対策が生産者諸君の要望するようにきまりますれば、またきめてもらわなければならぬとは思いますが、これは相当所期する数量の集荷をおさめるということも可能でありましょうが、実際問題として従来の集荷の形は行政系統を通じてそれぞれ責任のある督励をされておった、今度の制度になりますると、主として農業協同組合、一部は指定集荷業者がその衝に当る、ただ地方庁であるとか農業委員会その他の機関は外郭的にその仕事に協力をして行くというような立場に置かれるのであります。そういうようなことになりますると、かなり集荷の実績を上げて行くのには問題が起きてくるように思うのであります。そこでお伺いをいたしたいことは、地方庁がその権力をもって云々するというような行動は厳に慎しむべきことであるとは思いますが、過去における経験を生かして善良な推進母体として地方庁がこの仕事に最善の協力をして行くという体制がなければならぬと思いますが、そういうようなことについて役所は一体どういうふうな指導をされるのか、どういう構想で臨まれるのかという点をまずお伺いをいたしたいと思います。

清井正食糧庁長官

○政府委員(清井正君) ただいまの森委員のお話、まことにごもっともな点だと思うのであります。本制度の問題も実はその点が一つの大きな問題であるわけであります。申すまでもなくまた森委員御承知の通り今回の制度がこういうふうに変って、今までのような供出割当制にかえて、自主的な売り渡しと集荷業者の活動促進の制度に切りかえるというところの趣旨が、今までの供出割当制というもの、すなわち農林省で知事に割り当て、知事が市町村に割り当て、市町村長がまた個々の生産者に割り当てるという上からの割当方式が、ある程度行き詰っておる状態に陥っている、その方式を何とか改めなければならぬというところが今回の制度の改正の山でありましたために、その点を改めまして、今までのような地方庁、市町村長を通ずる行政系統による法令に基く割当という思想をやめて、生産者が申し込みをしたものを、それを政府に売り渡す義務の数量にする、こういうような形に切りかえました。そこで問題になりまするのは、たとえばそういうふうに切りかわりまして、従って集荷業者の団体、主として農業協同組合の系統団体でありますが、その農業協同組合の系統団体が、その集荷に努力をいたすということが中心になって参るのであります。しかしながら、申すまでもなく単に農業協同組合だけの力を過信することはできないのであります。むろん農業協同組合といたしましては、自己の仕事でありまするし、今度の制度に協力し、この制度の円滑な遂行を期するという意味におきましても、できるだけの努力を払ってもらわなければならぬのでありまして、そのために先般申し上げましたのでありまするが、たとえば手数料の問題であるとか、あるいは集荷奨励金の問題であるとかいう経済的な面倒はある程度見るのでございまするけれども、さらに経済的な面のみならず、この制度による集荷予定量の積極的な集荷ということに全力をあげて農業団体に働いてもらいたいということは必要であるのであります。しかしながら、同時に今まで長年の経験を持ちまして、しかも法令に基いて割当をしてこられた、またそういう制度を持って参りましたところの、いわゆる知事と申しますか、府県の行政系統の者の今までの力なり経験なり努力というものは、これは無視することはできないのでありまして私どもといたしましても、なるほど農業協同組合の系統団体が集荷に乗り出すのでありまするけれども、しかしそれに協力すると申しますか、その仕事を円滑にさせるために、どうしても知事並びに市長村長の力は借りなければならないということを考えておるのであります。ただ、今度の制度は、申すまでもなく正面に立って法令上の割当をするという形でありませんので、行政上の仕事とはいいながら、やはりこれは協力的な形になって参るのであります。むろんこれは配給をいたしまする責任も知事が持っておりますのでありまするから、そういう意味合いにおいて、県内の集荷に努力するという行政上の責任はあるかと思うのでありまするけれども、法令上の正面からの義務の責任というものはあまりなくなってくるというところはあるのであります。しかしながら、そうだといって少しでも手を抜いてもらっては私どもとしても困るのでありまして、立場は変っておるかもしれませんけれども、やはり県内の所要の集荷量というものはできるだけ集める、同時にそれがまた配給量となるという意味において、知事さん並びに市町村長の方々にはぜひこの制度に協力し、さらに一そうの努力をお願いしなければならないと思っておるのであります。そこで具体的な問題といたしましては、先般も申し上げたと思うのでありますが、この集荷団体がこの制度によって集荷をいたしますために、米穀売渡推進協議会という性質のものを、協議会を作りまして、県においては県の知事さんがその幹事役になっていただき、市町村におきましては市町村長が幹事役になっていただきまして、関係の農業団体機関等をもって売渡推進協議会を作りまして、それが各市町村別の集荷予定量のいわゆる目標の要請であるとかいったような、実質的には今までの割当に似たようなものでございまするが、性格は違っておりまするけれども、実質的には似たようなものであります。そういったような仕事に協力していただく、そういう売渡推進協議会の幹事役に知事さんなり市町村長なりになっていただきまして、そうして関係農業団体の意見をまとめて、推進していただくというふうに考えておるのであります。また同時に全国団体において、それぞれの県の集荷団体別の割当と申しますかいわゆる集荷予定量の配分というものがきまりましたならば、それを直ちに私どもは全国団体から報告を受けまして、その報告を得た数字をさらに当該県の知事さんに通知をいたす、そこで当該県の集荷団体にはこの程度の集荷予定量が配当になったということを通知いたしまして、そうしてその予定量にできるだけ達するように努力をしていただきたいという趣旨の要請と同時に、県に持って帰りました集荷団体が、これは単位団体別すなわち単位農協でありますが、単位農業協同組合別に割当の数字を要請する場合におきまして、ぜひ市町村を督励いたしまして、円滑に市町村別のいわゆる集荷予定量の配分ができるように協力をしてもらう、こういうふうにいたして参りたい。常に私どもは知事と連携をとって、これら団体の集荷に努力して参るという態勢をとって参るつもりであります。御承知の通り私どもの組織といたしまして各県に食糧事務所がございまして、その下に支所、出張所がございますので、そういった末端機関とそれぞれ市町村長なりと従来通り緊密な連絡をとって参って行こう。私どもは数字は常に知事と連絡し、知事が側面的にと申しますか、農業団体の集荷の努力に協力して、ぜひ目的を達成するように努力していただく。また一方そのために経済的なバックといたしましては、いわゆる今まで集荷委託費というものを県に出しておったのでありますが、今年もまたその金額を、昨年増額のものを県に交付いたしまして、経済的に一つの基盤に資するという考え方を持っておるのでありまして、そういうようなふうに表向きは協同組合が努力するが、県におきましては実行的にできるだけ努力してやっていただくという態勢を作りまして、府県の集荷予定量が政府に対する申し込みになってぜひ表われるように、申し込まれた数量が、米ができたときに具体的に売り渡し数字となってぜひ表われるように、今後努力して参りたいと、こういうふうに実は考えておる次第であります。

森八三一緑風会

○森八三一君 ただいまのお話は私もよく承知をいたしておるのでありますが、私のお伺いいたしましたのは、もちろん生産者、農民に対して権力をもって臨むということは喜ぶべきことではありませんので、そういう姿は自主的な姿に切りかえて、この際十分考えて善処をし対処をすべきことは申すまでもございませんが、従来の行き方は、知事が集荷の責任と配給の責任の衝に立っておりましたので、そこで集荷が十分に参りませんと、他面配給の責任を果す場合に、実際問題としてはいろいろな支障が巻き起るということで、かなりこれは真剣に努力をしてきておったと思うのであります。今度の建前になりますると、そういうような責任の座から離れるということになりますので、推進協議会の幹事役を勤めるという建前ではありましても、実際問題としてはもう傍観的な態度になるという空気が非常に強いと思うのです。それを、原則的な、基本的な態度である自主的に米の売り渡しをするという基本線を確保しつつ、その実績が上るように、知事が従来の供出について持って参りました情熱と同じような情熱をこめてやって行くように指導をしなければ、農業協同組合は長官も十分御承知のように、この下働きをやっておるわけではなくて他にいろいろ関連した総合的な業務をやっておりますので、実際問題としては集荷の売り渡しの申し込み数量を量的にまとめて行くということを進めて行く上には、かなり苦しい立場に置かれると思うのでありますが、そのことをバックにして行くということがやはり知事の責任であると思うのでありますが、そういうことについてどの程度まで踏み込んで知事の善意における協力を要請されるのか。ただ推進協議会の幹事役をやりなさいということでは、もう責任の座から離れたのだから勝手にやってくれというようなふうに、投げやりになる空気が強いように思われるのであります。全国的にそういう情勢があると思うのです。それをしっかり引き締めて予定の数量が自主的に申し込まれるように持って参りまするためには、かなりこれは強力な指示を与えなければ動いてこないと思うのでありますが、そういう点について具体的に一体何をお考えになっておるのか、推進協議会の幹事役にするから、それでやってくれと、この程度にお考えになっているか、その点を実はお伺いしたのであります。

清井正食糧庁長官

○政府委員(清井正君) ただいまのお話の御趣旨は私もよくわかるのであります。確かに御指摘の点はあるわけであります。実際問題といたしましては、ただいまのお話もありました通り、配給は現行通り配給いたす。従って配給の責任は持つわけであります。全国的には無論われわれが持ちますけれども、当該県の配給には県が責任を持つというわけでありますから、全然行政の上においては責任がないわけではないと思います。従って集荷の点におきましては、行政的な意味においては責任がないと思いますが、ただ、今までは割当を法令上の形でしておりましたのでありますが、その点がなくなった、従って、正面に立って割当しておった責任がそれでなくなったという点においては、確かに県としては今までよりも少し軽くなったという意味があることはその通りだと思うのであります。しかしそういうことであっては実際問題といたしまして、かりに集荷団体の力の万全を期する上からいたしましても、なお且つこれは不十分な点があるであろう。従ってやはり県の行政系統機関の方々には知事、市町村長を含めまして、ぜひ従来以上に一つ努力をして集荷団体の集荷に協力していただくという線を出していただかなければならないと、こう思うのであります。そこで実際問題といたしましては、私ども内部の問題でございますけれども、先般来しばしば経済部長なりその他県の担当責任者のお集りを数回にわたって願ってきておるのであります。そこで十分県の今までの経験に基くいろいろの御意見を伺い、同時に又新制度によりますところの県の立場なり、農業団体のあり方を説明いたしまして、ぜひともこの制度に協力してやっていただくようにというお話をたびたび実は申し上げてきておるのであります。生産県、消費県とそれぞれ分けて、いろいろお話合い申し上げておりますが、県の部長さん方もこの趣旨を了とされまして、全面的に協力していただくということのお約束を実は得ておるわけであります。しかしながら、われわれといたしましては、実際問題といたしまして、ぜひともこの制度をやっていただくためには今後もなお以上にこの趣旨をよく生産者の方に徹底するとともに、そのあり方をよく関係の当局の方にのみ込んでいただきまして、集荷団体に協力していただくということの線を出さなければならぬと、こう思っておるのであります。ただ具体的にじゃどういうふうにするのかということでございますが、具体的な問題といたしましては、ただいま私が申し上げたことを繰り返して申し上げることになるのでございますけれども、形式的に現われるのは米穀売渡推進協議会の幹事役となりまして、そうして農業関係諸団体の意見をまとめて協力団体として農協を助けて行く、こういうことをやって参るというのが知事の具体的な仕事ということになって現われて来るのでございますが、しかし一方また配給の問題もございますし、県としても従来以上にいろいろ関心を持ってやっていただかなければならぬと思うのであります。経済的な面から申しますと、先ほど申し上げた通りに今まで県に交付されておりましたところの集荷委託費は集荷促進協力費という名前において各県に従前通り交付されるということがあるのであります。そういったこともにらみ合せまして、私どもとしては、形式的に表面に表われるのは、いわゆる米穀売渡推進協議会の幹事役、議長という格好で現われるのでありますけれども、実際問題といたしましてはそういったいろいろな意味合いから県の責任者の方には是非今までの経験と努力を集中していただいて、団体の集荷に努力していただくというふうにお願いしなければならぬと思うのであります。今後もそういう点につきまして十分関係の方々にもお願いをいたして参らなければならぬ、こういうふうに考えておる次第であります。

清澤俊英日本社会党(第四控室・左)

○清澤俊英君 私はこの制度はやり方によりましたら、供米割当の前の制度より、より強権による収奪が行われるのじゃないか、こう思うのであります。ということは、今まで知事並びに市町村長が責任者となってこれは集めております関係上、農業団体はこれに対立の関係を持ち、また農業委員会等は、農民の立場からこれを擁護するある程度の立場を持っている。それらの一切が現在の食管法の規定の中に縛られて、往々にして聞きます声としては、事前売り渡しの制度は自主供出の形だから、われわれが今まで考えておった自由契約の形なんだからというような、はなはだもっともらしいごまかしを、もっともらしく唱えておりますが、しからばこれを自由契約でいかない価格なんだからというので売らなかった場合にはどうなる。それは食管法によって、一粒の米でも自由に動かされないという縛られたものの中で仕事をしているのであります。しかもその仕事をしているとき、米の価格は自分の希望するものにならない。従ってこれに協力して参りまするのは、強力なる農民団体を主体とした農業団体が中心になって、しかもその上に推進協議会というような二重の強圧組織をもってそうして末端までおりて来る。末端までおりて参りますると、この十八日かに閣議決定で出された売り渡し申込制度に対する通達等を見ますると、末端に参りますると、部落組合長やその他の区長等がこれに参加して、予約買付の割り当てられた……割り当てられたという言葉はいけませんが、一応指示せられた数量に対して責任をもって云々する、こういうことになりますると、この制度は、場合によりますると全く意地の悪い収奪を強力に行う制度になりはしないかと、こう思われるのです。動かし方が悪かったら……。これがまあ一つ、そういうものかないとするならばその点を一つはっきり教えていただきたい。それと、これはまあ私はそういう考え方を持ちまするとき、この制度ができまする前に、集荷制度の懇談会でこの制度というものが大体答申せられて、それを中心にしてこの制度がきまったという、その懇談会のメンバーはだれだれであったかということです。それと同時に、できまするならば、その懇談会における懇談会の速記録等がありましたならば、それを一つ土台にしていろいろ考えてみたいと思いまするから、それの提供ができるかどうか、それをお伺いしたい。まあそこから考えて行かぬと、なかなか簡単に今出てきましたものをすっとやってみたところで問題にはならぬ。これは長官に申し上げることではないけれども、この間も大臣といろいろ話してみますと、農業団体は現に統制は撤廃しないという建前で立っている。こういうことは一昨日の農民団体の大会等にも明らかになっておる。ところが大臣は、懇談会における第一の諮問は、専売か統制撤廃かというのでやりました際に、統制撤廃が主題となって専売はいかぬ、そういうことで懇談会が進められて、こういう制度ができ上った、こういう話をしておられますが、根本がはっきりしないで、末端に出て来ましたこの事前売り渡し制度というものをポイと取り上げてみましても、なかなか見当がつきませんので、お差し支えなかったならば懇談会のメンバー並びにその中で懇談せられた内容を一つ速記録等によって、文書で参考資料として出していただきたい。

清井正食糧庁長官

○政府委員(清井正君) 前半のお話でございますか、この制度の運用によっては従来通り非常に強権的なものになりはしないかというお話でございまするが、私どもはやはりこの運用に適正を期して行かなければならぬと考えておるのであります。まあ非常に自主売り渡しという建前でございますので、法律的に最後まではそう強制して幾ら売れということはできないような建前でございまするけれども、しかしながら実際問題といたしましては、米穀売渡推進協議会、ことに末端の売渡推進協議会には各種の地元の農業団体が全部入りまして、市長村長がその役員なり議長となって取りまとめまして各般の意見を伺いますので、実情に即した適正な意見が出るものと考えておりますが、この今度の制度によりますと、申すまでもなく末端の集荷団体まで目標数がおりましても、個々の生産者にはおろさない建前であります。おろしますというと、割当と同じように農民が思いますから、おろさずにおいて、生産者から申し込みをとります。それが、生産者からの申し込みが集荷予定量の数字と同じであるか、あるいはそれ以上になれば問題はないのでありますが、足らなかった場合に問題があるということになるのでありますが、そういったときには、推進協議会の御活動なり、その他の農業団体の有志の活動によって生産者に勧奨をいたしまして、できるだけ集荷数量に達成せしめるように努力をいたすというところに、この制度のねらいがあるのでございます。従ってむろん基礎は自主的な供出によるのでありますが、実際問題といたしまして、不公平な申し込みのないように、できるだけ地元の運用によりまして、それから推進協議会の御活動によってやって行けば、断然そういうことのないような運営ができるものと実は考えておるのでございます。従いまして私どももそういうことのために推進協議会というものを作りまして、単に集荷団体の力だけではいかぬのでありますから、そういった従来供出割当に関係しておりました団体を、今度の制度にも参加せしめて、そうして協力せしめる団体ということにいたしまして、末端におきまする生産者の申し込みを適正な、いわゆるバランスを失するようなことのないような、適正な申し込みにするように下部の御活動をお願いいたしたい、こういう建前でできております。そういった意味合いから、この運用もできるだけ適正になるようにいたして行かなければならない、こういう考え方をいたしておるのであります。  それからなお米穀懇談会の答申についてのお話がございましたが、ちょっと今名前は全部記憶しておりませんが、昨年の十二月の二十五日から出発いたしまして、まあ石黒さん、荷見さん、石井さん、梶原さん、楠見さん、それから商業団体の木村さん、議員の方が二、三人、それから湯河さん、このような人々で懇談会を開いておるのでありまして、その懇談会におきます答申は発表いたされておりますが、答申に至ります経過につきましては、秘密会議の形で経過をいたしましたので、その議論の経過につきましては今どこにも発表いたしておらないような次第でございます。ただ結論につきましては文書ができております。またそれについての個々の御意見の傾向につきましては御説明申し上げられますけれども、どなたがどういうことをお話しになったということにつきましては、秘密会議の形でもって経過いたしましたので、残念ながら速記録等につきまして、資料として出すことはどうも不適当かと思いますので、この点はお許しを願いたいと思います。

清澤俊英日本社会党(第四控室・左)

○清澤俊英君 懇談会の内容が秘密の会合であるから速記録等は出せないというならば、大体の今言われたように、だれが何をしたということでなく、どういうものが議題になって、どういう議論が行われたくらいのものは、漏らしていただくことはできますか。

清井正食糧庁長官

○政府委員(清井正君) 懇談会の答申がございますので、答申に基きましてどういうような意味の意見があったということは、私は記憶いたしておる限り御説明いたします。

清澤俊英日本社会党(第四控室・左)

○清澤俊英君 記憶ではなく、何か文書を一つ渡してもらえませんか。

清井正食糧庁長官

○政府委員(清井正君) できますかどうか、私の方の説明で一つ御了承を得たいと思いますが。

清澤俊英日本社会党(第四控室・左)

○清澤俊英君 それでは明日大臣があれしたとき、大臣に質問してみます。  それで今の非常に推進協議会といろいろ話し合って推進して行くのだから、無理がかからんと、こういうお話なんです。それは私は逆なんです。これはよほど農村のことをよく知ったものが意地悪く考えた方法だと思う。そうでしょう。ワクの中へ、食管法というワクをちゃんとこしらえておくのだ。そうしてそのワクの中へ入れて、その団体の上の方からいや推進団体だ、いや協力団体だ、行政措置だといって押しつけるのです。たとえてみれば、米は一万二千四百円でなければ出せないと、こう農民が言っている。出せないと言い切れるか言い切れないか、これは考えてごらんなさい。果してそれで実際政府が困るか。米を売らぬで農民がやって行ける実情にあるかないか。そういうことをする力を持っているかいないか、これは持っていませんよ。そうすれば結局押しつけられた米価でもって押しつけられた団体でだあっと持っていく。それが責任をもって持って行くということになりますと、それは一体結果はどうなりますか。結果を言ったら、おそらくは町村段階の部落になりましならば、力ずくというようなものも出てくるでしょう。これはまさに現実の農村の実情です。民主化されたなんと言っていますけれども、そういうところまでまだ行っておりませぬ。これは重大な問題が私は出てくるんじゃないかと思う。これは最も意地の悪いやり方じゃないかと思う。大事なものが自由に契約せられないのだ。これだけ差し上げますということだけを、まあこれだけのものが要るのだから自由の契約にしろというだけの話で、しかもその行き方が大体、これを見ますと、本年度産米の事前売り渡し申し込み制度についての通達を見ますと、部落単位の責任になっている。予約金に対しまする減収等の場合、その予約金を返す場合でも連帯責任だ。あるいはその予約をする連帯責任もその部落が大体責任を負うて行く。それに対しては区長も、あるいは農業実行組合長もこれに参加して協力しなければならないようにするのだ。こういったほとんどいわゆる農村のボスというものを上から下へまとめてきて、下の方でもってぐんぐんと押しつけてくる形がひとりでに出てきやせんか。私はそう思います。それはあるいは供米割当といえば都合が悪いかもしれんけれども、そういう形が出てきやしないか、そういうことを御懸念になったことはないですか。

清井正食糧庁長官

○政府委員(清井正君) お話でございますが、私どもそうは実は考えていないのでございます。これはお話の点もございますが、肝心の米価が、今実際上非常に関係がある米価が、かりに非常に低くきまった場合に、生産者が売らないということでございますれば、これはそういうような状態になることは私も考えます。従って本制度の円滑な運用をいたしますために、適正な米価を早くきめなければならぬということは、それはその通りなのでございまして、この運用の円滑を期するためにやはり適正な米価を早くきめまして、その他の条件もいろいろきめまして、そうして生産者からの申し込みをとって、その申し込みが現実になったときに、それが政府に適正に売り渡されるということをはかるのが一番適切な運営でございまするから、適正な米価を早くきめなければならぬということはお話の通りであると思います。従ってそういうような形でもってきまりましたからには、実際の運用は、先ほど私が申し上げました通り末端におきましては一々の割り当てでなくして、とにかく目標は集荷団体まで行きますけれども個々の生産者のかたには別に割当をきめるわけではない。ただ個々の生産者から申し込みをとりまして、申し込みがあまりにも少かったときには、あらためてよけい申し込んでもらうようにはいたしますけれども、しかしあくまでもこれは自主的な申し込みという線を確保するという建前できておるのでありまして、その個々の生産者の申し込みが非常に不当にバランスを失するようなことがありますれば、そこは関係の農業団体の指導、勧奨によりまして、推進協議会の活動によりまして適正を期するということでやって参るというふうに考えております。またそういうふうにやるように今後指導して行かなければならぬのであります。私はこの制度は必ずうまく行かなければならぬものだし、またうまく進めなければならぬ、こういうふうに実は考えておるのであります。

清澤俊英日本社会党(第四控室・左)

○清澤俊英君 それはあなたと私の見解の相違か知りませんけれども、今の行き方でありますれば、結局適正米価というものはあなた方の考える適正米価で、農民の考える適正米価でないのですから、そこに食い違いが必ず出ます。大体米価の適正化を考える上に第一にパリティ、第二に生産者を考えて、その上に経済的環境云々と、こういうことになっておりますから、それは経済的なんて言ったらいろいろほかの経済関係も出てくるでしょう。果して農民の経済ばかり考えているかどうかということは、これは今までの例でもはっきりわかりますので、そういう無理な米価等を押しつけてくる場合に、大体推進協議会等のものを特別に作ると言われるが、この制度を推し進めて行くのに、これが適正なものであれば、集荷団体との予約契約で差しつかえないのです。それをなおよく推進するために推進団体だとかというようなものを特別に作られるところに、農民の納得しない適正米価を押しつけて、そうしてそれで生産数量を集めようとする意図がそこに私ははっきり出ていると思うのである。推進団体というものもこういう構成でしておりますが、その推進団体というものも、大体この集荷の責任は推進団体が持つのか、今も森君が言う通り農業団体が持つのか。だれがこの集荷の完遂を期する責任……ということはないでしょうけれども、自由契約ですから……、とにかく完遂上のあれを持つのか。これはどういう工合になっておるか。推進団体か、市町村長か、買い上げの契約をする農業団体か。この三つのうちどれなんだ。

清井正食糧庁長官

○政府委員(清井正君) まあ前段の方に対してはお言葉を返すようでありますが、私はその推進協議会がそのおっしゃった意味のようなふうな行き方はすべきものでもない。またしないと、むしろ生産者の申し込みが公平にだれから見ても適正であるというふうに推進協議会が活動するというところに推進協議会の意味がある。単に集荷団体だけの力では不十分な点もございますので、そこで集荷団体は集荷の当該の責任者でありますから、ただ個々の生産者から売り渡し申し込みをとる場合に、やはり集荷団体の力でなしに、こういったような今までの経験を持っている市町村長を初め、関係農業団体の組織するところの協議会の十分なる協力を得まして、従来の経験、知識を活用いたしまして、そうしてそれの適切なる協力によって生産者からの申し込みの適正を期せられる。こういうふうに私は考えておるのでありまして、おっしゃる意味におきましてはどうも反対のように私どもは考えておるわけでございます。  それから責任はどうかというお話でございますが、これは法律上の責任となりますと別個の問題でございますが、これは私どもといたしましてやはり国全体の集荷予定量を私どもはきめますし、また一方現行の配給量を維持しなければならぬのでございますから、やはり全体の集荷予定量を集める部分は政府にあるわけでございます。従ってそのそれぞれの配分でございますところの各県の集荷予定量、あるいはそれぞれの市町村の集荷予定量というものは、やはり一応は集荷団体にお示しする目標でございますから、その目標が達成するように努力をしていただくという責任は団体にあるわけでございます。しかし同時に各県、市町村長におきましても片方に配給の責任を持っております関係でもあり、また当該の数量を出していただくとか、国なり県なりの全体の行政に非常に影響があることでございますから、その意味におきまして県、市町村長も責任はあると、こういうふうに申し上げられるかと思うのでありますが、これは法律的責任というのじゃなく、実際的の責任ということでありますれば全体の数量の責任は政府が持つ。それから個々の数量を集荷予定量の範囲内に出していただくということは直接的には集荷団体にやっていただく、なお、その他それ以外には、県なり団体が協力してこの責任を果させるように努力をしていただくということになるのじゃないか、こういうふうに考えております。

清澤俊英日本社会党(第四控室・左)

○清澤俊英君 これだけでやめますが、これはまあ具体的に一つ例で申し上げますが、先般一道十一県の農民団体大会を開いて、長官のもとにもその決議文が参っておるだろうと思いますが、その決議を見ますと、われわれの要求する米価が定まらなかった場合には、集荷の推進を断る、協力しない、こう言うているのです。こうした場合、現に生産県としての主力県がまとまっておる一道十一県がこういうことでありますと、予定数量が集まらないことはわかります。もしそういう場合に到達したといたしますならば、長官などはどう考えておりますか。それは推進団体でもなければ、集荷団体でもない一つの形のものがそこにでき上る。それで全部おじゃんになってしまう、こういう場合はどうお考えですか。

清井正食糧庁長官

○政府委員(清井正君) 協力をしないという趣旨の御決議があったことは、私もそばにおりましたので、その空気は十分承知をいたしておるのであります。しかし協力しないということもいろいろ考えようがあるのでありますが、やはりその前提といたしましては、本制度を推進するためには、適正な米価なり、その他適正な措置をしろということが前提となっておるのであります。そこで私どもといたしましては、本制度で出発いたします以上、ぜひとも最終的には生産者の心からの協力を得なければできない。農業関係団体の協力ももちろん得てやって行きますけれども、最終的には生産者の協力がなければできない。こういうような意味合いからいたしまして、私どもといたしましても、ただいま申しましたような米価の問題であるとか、税金の問題であるとか、そういうものを早急に適正なところできめて、生産者に納得していただいて、そうしてこういう価格で生産者が責任をもって申し込みをするということで、ぜひともこの制度に協力していただいて、そしてこの制度の円滑な運営をいたして行かなければならぬ、こういうふうに考えております。今私どもの考えておりますことは、生産者の協力を得るために、適正な米価その他の措置をすることに全力を注いで行かなければならぬというところにあると考えております。

清澤俊英日本社会党(第四控室・左)

○清澤俊英君 そこで長官は、推進団体や取扱い団体等とよく話し合って、農民の納得する適正米価をきめて推進して行くのだ、これができれば問題はありませんが、もしかりにそれができないで、最悪の事態が出て、そういう推進ができないとなったならば、農民が契約を拒否して手元に持っておる米自身は一体どうなりますか。

清井正食糧庁長官

○政府委員(清井正君) この制度がもしもだめになればどうなるということは、私どもは考え得られないのでありまして、私どもはこの制度でもって出発する以上は、現在のところは、何としても農民にこの制度に協力していただけるところの生産者米価と申しますか、米価の適正を期して、この制度に協力して、政府に申し込みをしていただいて、同時に申し込みした数量だけは政府に売り渡しをしていただく。そのためにはどうしたらいいか、全力を注いで努力して制度の円滑な運営を期する以外に方法はないと思うのであります。私どもはこの制度の円滑な運営を期するために、できるだけの努力を払いたいと考えております。

清澤俊英日本社会党(第四控室・左)

○清澤俊英君 そうすると最後に残りますものは、農民が納得する適正米価、こういうことに帰着すると思いますが、こういう点はどうですか。

清井正食糧庁長官

○政府委員(清井正君) 何と申しましても米価が根本的な問題であることはお話の通りであります。私どもといたしましては、できるだけ早く米価の決定に尽力いたして参りたいと考えております。

白波瀬米吉自由党

○白波瀬米吉君 今度の制度は、制度を変えたときにはそれによっていい点と悪い点のあることは、これはよくわかっておる点でありますが、今度の制度に変えたら従来よりも……、いろいろな制度を作ってみても、結局は大衆農家というものが、自分の期待するいわゆる収入を得られなければいけないのです。今度の制度によった方が、前の制度による集荷よりも必ず目的が達しやすい、こういう観点にお立ちになっておるのでありますか、その点をちょっとお尋ねいたします。

清井正食糧庁長官

○政府委員(清井正君) 私どもはそういう考え方に立ったのであります。むろんこれは御答申に基きまして政府は決定いたしたのであります。元来この審議会を開きました趣旨というものが、従来の供出割当というものが、とにかく農民に心理的圧迫を与え、上からの押しつけではいけない、こういうようなことが一般的に批判されておったわけでありまして、何とかしてこの点を改正いたしたいというので、できましたのがこの制度であります。この制度を運用いたして参りますのに、いろいろ御批判を受けたのでありますが、いろいろ問題はあると思います。この制度運用上の欠陥と考えられますことにつきましては、私どもはできるだけ努力いたしまして、そういうことが起らないように努力して行くのでございますけれども、やはりわれわれといたしましては、上からくる押しつけという農民の心理的不安を除いて、農民が自主的に自分がこれだけ売りたいのだという形に切りかえたわけであります。そういう意味合いにおきまして、私どもといたしましては、この制度の方が集まり得ると、こう考えております。ただ御指摘がありました通り、今までも府県なり市町村に非常に努力してもらったわけでありますが、それが今度そばから協力するという形に変るということにおいて不安がないかというお話を承わったのでありますが、その点、私どもも、つとに考えておりまして、そこで推進協議会を作って協力するなり、あるいは府県、市町村には今後ともいろいろ協力を仰ぐということの手を尽しまして、予定量の集荷に協力をしていただいて、所期の目的を達するようにして行きたいと、こういうふうに考えております。

白波瀬米吉自由党

○白波瀬米吉君 それは従来の制度は、割当を押しつけて、それが非常な一つの不安だ、こういうふうにお感じになっておるようでありますが、そういう点もあるかもしれません。けれども、それよりももっと大きな問題は、農家の期待する価格までに買い上げてもらえない。それよりも出さずに、つまり何というか、自分の自由な売り方をした方が非常に収入が多いのだ、こういうところに従来のいわゆる割当制度というものがうまく行かなかったのであって、ただ押しつけられた心理的なものだというお感じは多少違うのではないかと私は思いますが、その点はやはり心理的な問題であるとお考えになっておるか、その点を伺いたいのと、それから私はこういう制度は確かに一歩前進であると考えられますが、しかし前進であるだけに、農家のよく理解した価格でなければならぬ。要するに供出するということよりつまり予約制度に応ずることの方がすべての点において農家の便利であるということにおいて、この問題がほんとうに円満にうまく行くのであって、従来とほとんど変らない米価のきめ方であるならば、おそらくこの問題はうまく行かないと思う。いかに推進する組織を作ってみても、それはうまく行かないのではないか、もし米価というものが農家の期待に近い価格でない場合は、供出後はもっともっと強力な取締りをするのだ、ほかに勝手に売らせないのだということをやるか、どちらかでなければこの問題はうまく行かないのではないかと思います。そこで取締りの面というものは、これ以上にやられることは好ましくないことでありますから、結局はこの制度の成果を上げるということは一にかかって米価にあると思いますが、長官はそういうふうにお考えになりませんか、伺いたいのであります。

清井正食糧庁長官

○政府委員(清井正君) この制度の円滑を期するためには、どうしてもまず私どもはこういう制度の成り立ちと申しますか、こういう制度の成り立ちといいますか、こういうふうに変ったということをよく生産者の方に納得をしていただき、同時に団体の方にもよく納得をしていただいて、この制度がうまく行くように協力をしていただくというように、この制度の普及徹底をはからなければならないのでありまして、やはりこの制度がうまく行くためには米価の問題が大切ではないかということは、お説の通りであります。それで、われわれといたしましてはこの制度の円滑に行きますために、できるだけ本制度による申し込みの円滑を期するために、先般来申し上げたと思いますが、米価、これのほかあるいは税金の措置の問題であるとか、あるいは概算払いの問題であるとか、その他いろいろの措置を講じまして、経済的にこの制度によって政府に売り渡すほうが有利であるというような持って行き方にするように考えておる、こういう両々の形で進んでおるわけであります。片方では制度の趣旨の徹底、片方では経済的なバランス、この両方でもって本制度を生産者に納得させることによってやって行きたいということであります。実際問題といたしまして、経済的な面からする米価ということ、これが適正な米価にきめられるということが確に重要なポイントであることはその通りであります。残念ながら今まで決定のおくれていることは甚だ恐縮でありますが、できるだけ早く適正な米価をきめまして、本制度が円滑に行くようにいたしたい、こういうように考えております。

白波瀬米吉自由党

○白波瀬米吉君 今お話を聞くと、相当確信のあるような米価並びに税の問題に対して考慮されるようでありますが、米価に対してもあるいは税の問題に対しても、総合して、確にもうこういうことであれば今回の新らしい制度というものは成果を上げ得るのだという確信のあるものをもって臨まれるつもりでありますか、その点伺いたい。

清井正食糧庁長官

○政府委員(清井正君) 数字的にどういうふうにすれば確信があるということはなかなかむずかしい問題でありますが、私どもといたしましては、本制度を円滑に運営するために、どうしても基本的に米価の問題が中心になるということは十分考えておるのでありまして、目下いろいろその観点から検討を進めておるのでありますが、この制度が円滑に行くように適正な米価をきめて行かなければならないというように考えております。

白波瀬米吉自由党

○白波瀬米吉君 とにかくそういうことであれば、相当期待ができると思うのでありますが、とにかくもう今日の情勢では理解とか、あるいは納得をしてもらうとかいうことでは、なかなか解決のつくものではないと思います。しかも、今度制度を新たにしたということは、どうしてもそれがある程度の成果を得ないと、この米の供出問題というものに対して行き詰まるのではないかということを深く私は心配するのです。その点は重ねて大臣にも伺いますが、一つ十分その点に留意してやっていただきたい。あわせて予約制度となればどうしても早く、従来のような米価のきめ方ではなく、早くきめて、それを一つ目標にして農家がいそしむようにすればいいと思いますが、予約制度というものに対しては特に早く米価というものがきまらなければいかぬ、それはさいぜんも早くきめるつもりだというお話でありましたが、いつ頃決定される予定でありますか、伺いたいと思います。

清井正食糧庁長官

○政府委員(清井正君) これははっきりいつごろということは、私は責任をもって申し上げられませんが、とにかく六月の中旬までにはどうしてもきめなければならないというふうに私どもは考えているのであります。昨日の米価審議会の懇談会においてもすみやかに米価審議会を開いて米価に関する諮問をいたせという意思決定になっておりまして、私どもといたしましては、おそくとも六月の中旬までにはきめなければならない、こういうふうに考えております。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) ちょっと今の問題に関連しますが、あなたの方から五月十六日の日付で各県知事に出された通達がございますが、あの第四の集荷予定数量のところの(二)に「政府は米穀の政府買入価格決定後遅滞なく全国の集荷予定数量に基き、全国集荷団体別に集荷予定数量を決定し、それぞれこれを全国集荷団体に指示する。」とこうありますから、この通りで行きますと、政府買入価格が決定しなければこの数量は示さないということになるわけですが、その通りでいいわけですか。

清井正食糧庁長官

○政府委員(清井正君) そういうふうに考えて今準備を進めているわけであります。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) ちょっともう一ぺん聞いておきますが、それでは政府買入価格決定以前に数量をお示しになることはございませんか。

清井正食糧庁長官

○政府委員(清井正君) 私は、これは価格が決定してから数量を示す、価格が申し込みの非常に重要な点でありますから、価格をきめずに数量を示すというわけにはいかないと思うのでありまして、価格をきめて集荷数量を決定する、こういうふうに実は考えております。

東隆日本社会党(第二控室・右)

○東隆君 私は、今価格の問題がございましたが、価格とそれから数量、これは非常に関連がある問題で、やはり価格を決定すると同時に数量も決定をしないと、これはどういう問題になるかと申しますと、食管会計の赤字をなくするために結局どういうことをやるかというと、価格を高い価格に決定をいたしますときには、結局数量を減すよりほかに赤字を解消するための方法がないわけであります。食管会計はそういうところに追い込まれている。そこでどういうふうにしてこの制度をうまく運用してたくさん集荷をするか、こういうことを考えて行くには、食管会計にとらわれて価格の決定をするのも困りますけれども、数量においてもどうしても困る。こういうので、そのうちの価格なりを決定してそうして数量はあとに残す、こういう非常にずるい考え……と申し上げることは言葉が過ぎるかもしれませんが、そういうふうにも申せるかもしれません。そのところはどういうふうに御説明なされますか。

清井正食糧庁長官

○政府委員(清井正君) ただいまの御質問の趣旨私間違えたかもしれませんが、これは集荷予定量というものは当然きめるわけでありますが、これは私どもといたしましては、今までの割当と違いますので、現行の配給量を確保するという建前でございますから、そういうふうな観点から数量を積算してきめて行かなければならないのでありまして、私どもといたしましては全国の集荷予定数量をきめて、全国の集荷予定数量を全国の集荷団体に示して、全国の集荷団体がそれぞれ当然配分の数字をきめるという形になるわけでございますが、これはただいまも委員長から御質問がありましたが、政府の買入価格をきめる、きめてすぐにこういうような価格でこういうようにするから、そうしてこの程度の集荷数量だから御協力願いたい、こういう形でいたすわけでありますが、価格がきまってから数量を同時に末端に出す、こういう形にしなければならぬと考えております。

東隆日本社会党(第二控室・右)

○東隆君 そうすると価格とほとんど同時にきまるわけですね。そういうふうに了解いたしますが……。その次に私は自由党の内閣のときも同様でありましたけれども、統制をはずすという考え方が前提にありますので、前の集荷の際も、これが問題のところを考えたときに、私は価格の問題が一番問題だったと思います。それで、私はもう一つ、割当の供出をした者に対して税金をかけて、そうして超過供出をした者に対しては免税をしている、こういうやり方が私は非常に大きな災いだったと思います。それは供出割当をできるだけ少くしてもらい、そうして超過供出をたくさんする。こういう考え方もありましたろうし、また、やみで流すとか、こういうことも考えたはずでございます。従って、前の制度においてはできるだけ割当を少くしてもらおう、こういう考え方が非常にあったのです。だから私はあの場合に割当をした供出の米に対しては税をかけない、こういう方針を当然はっきりさせれば、相当の数が集められたと、こういう考え方を持つんですが、これは前の場合ですが、今回の場合においても、やはり一番いい条件は、価格が決定して、上は集荷をスムースにやるためには二割くらいの免税をするというのでなくて、全額免税をする。これをやることが、これが一番集荷に役に立つ方法だと、こう考えております。この点は、免税の問題はどの程度まで進んでおるのですか、お伺いいたします。

清井正食糧庁長官

○政府委員(清井正君) 免税の問題につきましては、ざっくばらんに申し上げまして、事務当局といたしましては免税の措置をとるということにきまっているのであります。今までは御指摘にあった通り、奨励金についてこれを経費に算入するといいますか、課税所得に算入しない形でもって免税になっておったのでありますが、今回は政府の措置といたしまして、この制度に対し申し込みをいたし、申し込みによって政府に売り渡したものにつきましては、一定の割合についてこれを免税措置を講ずるということは、事務的な話はついているのであります。ただ、具体的にどういう形でいたすか、どういう方法でいたしますかという問題につきましては、申すまでもなく米価が基本的にきまっておりませんので、米価のきまり方とも関連をいたさざるを得ないわけであります。そういうようなことでもって、事務的にいたすということにきまっているのでありますが、どういう形において、どういうふうに措置をするかということについては、今折衝しておる段階でありまして、まだ最終決定になっていない、こういうことでございます。

東隆日本社会党(第二控室・右)

○東隆君 私はこれは価格の問題ばかりを皆さんが御心配になっておるようですけれども、価格とそれから税金の関係は、これは集荷に当っては、先ほども申し上げましたように、一番重要な条件になる。そこで、この条件を満足させるために価格の決定と同時に私は決定をしなければならぬことでないかと思うのです。従って、数字を示す場合にも、私はこれだけのものは当然出さなきゃならぬものだと思うのです。価格決定と同時にきまる予想がおつきでございますか。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) ちょっとそのとき長官についでにお答え願いたいのは、大臣も政務次官も減税の措置なり概算払い等については、五月中にこれは具体的にきめると、米価については米価審議会等の意見を聞いて早くきめろというなら早くきめますと、こういうことで五月中にこれをきめると、こう言っておられたのが、これが今きまらないで、先ほどからのお話を聞いておりますと、米価決定と同じころにきまるというような御答弁のように承わるのですが、そういうように方針が変ったのは、何か理由があるのですか。これもついでにお答え願いたいと思います。

清井正食糧庁長官

○政府委員(清井正君) 税金の問題につきましては、非常に重要な問題であるということはお話の通りであります。そこで、この売り渡しを促進するためには、ぜひ減税措置をとらなければならないということは、米穀懇談会の答申にもありますし、私どもといたしましてもそういうふうにいたしたいということで、今折衝いたしておる段階にございます。  ただいま委員長からお話がありましたことにつきましても、私どもといたしましては、できるだけこの分だけでも早くきめたいということで努力をいたしたわけでございまするが、米価の決定が多少、初めに申し上げました通り、おそくとも六月中旬ということにいたしておりまするので、それとの関連で、私どもといたしまして折衝はいたしておったのでございますが、今日までに間に合わない状況であるのであります。われわれといたしましては、少くとも米価決定までにあらゆる条件をきめるようにせっかく努力をいたして行きたいと考えておるのであります。われわれの事務上の職務怠慢のために、大臣がお話し申し上げた通りできなかったことは、はなはだ残念であります。ひとえに私どもの事務の疎漏のいたすところでございまして、その点御了承願いたいと思います。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) 長官、ひとえに事務の怠慢、疎漏に基くとか言ってあまりにお逃げにならぬでも、そうあなたのところだけの問題じゃないと思うので、これはなかなかそう簡単に事務的な疎漏とかということじゃないと思う。大臣と政務次官とがそろうて五月末日までにきまるという問題が、これが長官の言われる通りの理由であるにしろ、何にしろ、きまらないということになると、六月十五日までに決定するという米価についても同じようなことがあり得ると考えなければならぬのですが、この六月十五日までに米価決定ということは、これはほんとうに責任が負えるのですか、どうですか。そうして、これが延びて行くということになりますと、先ほどお聞きしましたところによると、集荷団体別の集荷予定数量を示すこともできないというようなことになって、何のことやら、事前というのが事後になってしまうおそれもあるわけですが、どういうことになりますか。

清井正食糧庁長官

○政府委員(清井正君) これは私といたしましては、できるだけ早くきめたい。少くとも六月の中旬までにきめなければ、この制度の運営に非常に困ることが起るという意味において申し上げたのでありまして、懇談会の御答申もありますし、私どもといたしましては、おそくとも六月中旬までに米価をきめたいということを申し上げたのであります。その他の問題につきましても、早くからきめたいということで、事務的に相談をいたしておったのでありますが、今までついに事務的にまとまらないで、五月末にあるいはきめたいという話があったのでございましたけれども、間に合わなかった点は、これは私どもといたしまして、さらに折衝を続けまして、できるだけ早く米価以外の点も具体的に取りきめに到達いたしまして一般にお示しするような段階にまで持って行かなければならぬ、こういうふうに考えております。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) もう一度聞きますが、税の軽減について一定の率をということをいつも言われるのですが、一定の率というのは、具体的にはどういうことを考えておられるのか。今まで免税措置があったわけで、米価として農家があらゆる形で受け取るものの中で、免税措置をとっているものが何割かあると思う。そのパーセンテージを一定の率と言われるのですか、それとも一定の率というものは任意の一定の率であって、どういうことにでもできる一定の率であるのか、その点は一体一定々々というのは、何が一定なんですか、どうなんですか。

清井正食糧庁長官

○政府委員(清井正君) 一定という言葉がそういう意味においてはあいまいかもわかりませんが、これは事務当局との話し合いがはっきりしませんので、はっきりしたことを申し上げられないのでありますが、私どもの考えておりますのは、この制度によって政府に売り渡しをいたしまして、一定の代金が入る。代金が入りましたら、その米穀売り渡し代金に一定の率をかける。かけたものをいわゆる所得に算入しないということになるわけでありますから、かりに米価が一万円なら一万円ときまりまして、それを一石出した。そうすれば二割なら二割で二千円、一万円の中から二千円引いた八千円が課税対象になる、こういうような考え方で、私どもは、今まで一定というのはそういう意味合いで話をしてきたわけなのであります。しかし、これは私どもが考えておるのでありまして、これは税の主管当局といたしまして、どういうような考え方をとりまするか、これはまだこれから先の問題でありまして、私の方からはっきり申し上げることはできませんが、私どもが一定として考えておりますのは、そういう意味合いで一定ということを考えておる。これは私どもの考えだけを申し上げたのであります。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) だから、もう一ぺん聞きますけれども、一定というのは、そうしますと、何ら根拠のないもので、任意にどうでも変る数字だということなんですか。今まで事務疎漏のためにここまでおくれたと言われますけれども、今まで交渉がなかったわけではないと思う。だから、農林省としては、一定というのはどういう解釈と、どういう根拠に基く一定を言っておられるのか。先ほどもちょっと申しましたように、従来免税部分があって、それが米価として、総手取額の全額平均の何%になっている。それを一定というのか、何でもいい、一定ということはどんな数値にでも変り得る一定なのか。一定ということなら何か私は根拠がなければならんと思うのです。その点をどうお考えになっているかということなんです。  それから、なお参考のために聞いておきますが、今まで米価としての総手取額の中で、免税になった部分は全額平均として何%あったかということはどうなっておりますか。

清井正食糧庁長官

○政府委員(清井正君) 一定と申しましても、私どもといたしましては、いろいろ計算の方法があるわけでございまして、これは未定のものでございますので、私ははっきり申し上げるわけにはいかないのでありますけれども、単にどうにでもなるような一定というような考え方では、実際問題としてなかなかむずかしいのではないかと思うのであります。やはり今までいわゆる奨励金というものが、減税と申しますか、課税の対象になっていなかったという今までの制度が、今回は奨励金というものをやめまして、一本価格といたしましたので、従いましてそれについては課税の対象になるということがあります。そういったようなことをにらみ合わせますと、今までのような制度のままで行きましても、今までの奨励金が一本価格になりましたことによりまして、課税対象になるということによる一つの負担があるわけでございます。そういった点を見合いまして、一つの線を作って参りまして、そうしてこれを根拠としてやっていかなければならないかと、こういうように考えておるわけであります。従いましてこれは私どもの考えを申し上げたのでありまして、今後なお主税当局とも十分相談いたして参らなければならぬのでありますが、一定の考え方はそういうような意味合いで考えていかなければならない、こういうふうに私どもは考えておるわけであります。  それから米価の中にどの程度まで対象になっておったかということでございますが、ちょっとこれはなかなか具体的に計算をいたしますることはむずかしいのでございますが、かりにこれは二十九年産米の全国平均でありまするから、あるいは御参考にならないかとも思いますが、かりに二千三百五十万石出るといたしますと、二十九年産米で九千八百五十九円の平均手取りになるであろうという一応の計算が出るのでありますが、その中で奨励金に相当する部分が六百六十円になっておるのであります。従いましてこれは基本価格と奨励金等の額とが年々違っておりまするから、平均的なこれは参考にはならないかと思いますけれども、二十九年の九千八百五十九円の中で、税金の対象にならないいわゆる奨励金分は、計算上は平均六百六十円、こういう計算に一応なっているわけでございます。これは御参考までに申し上げておきます。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) 実績はわかりませんか。

清井正食糧庁長官

○政府委員(清井正君) 実績はただいままだ二千三百五十万石出ておりませんから、はっきり計算をいたしておりませんが、若干九千八百五十九円より下ります。同時にまた超過供出分も下って参りますので、ある程度金額は下って参るかと思いますが、ちょっとただいま計算をいたしておりませんので、はっきりいたしません。

奥むめお緑風会

○奥むめお君 ちょっと長官に伺いますが、先ほどから予約買付制度に対する、集まらないのじゃないかという不安をいろいろな観点から御指摘になって、各委員から御発言がありましたけれども、私どももこの新しい制度が、いずれ自由販売になるのだという、統制撤廃の前提だという声が非常に大きかったものですから、それも加えて集まらないのじゃないかという非常な不安を持っております。もし集まらなかったとして、配給はどうなるのですか。

清井正食糧庁長官

○政府委員(清井正君) この制度は現行配給量を確保するという一方の建前がございまして、また一方には予約買付をするという建前になっておりまして、そこで私どもといたしまして、全国の集荷予定量としては、現行の配給量を確保するということで予定量を立てるわけであります。それでこの予定量を最低限度といたしまして、できるだけ政府に出していただくということが、この制度のあり方になっておるわけでございます。そこで先ほど来御質問がありましたが、このために米価はもちろんでございますけれども、米価以外のいろいろな経済的な要件を兼ね備えまして、そうして本制度による申し込みを円滑にするということによって、所要の集荷予定量を政府に売っていただくということによって、円滑な配給を期して行くというふうに考えているのであります。従って私どもといたしましては、これは猛烈な凶作でもあれば別でございますけれども、普通の状態でありますれば、いわゆる現行配給量を確保する、この数量はぜひとも集めなければならぬし、又集め得るというように考えまして、関係農業団体に対しましてもその点を十分強力に要請いたしております。関係団体の方々に対しましてもこの思想を十分徹底いたしまして、本制度の円滑な運用を期せられるように強力に要請をいたしておるわけであります。われわれといたしましては、とにかく今のところそういうことはなかろうというわけで出発いたしておるのであります。かりに諸般の情勢でそういう点が盛んに起ってくるということがあるといたしますれば、早目にそういう事態を見通しまして手を打たなければならぬのであります。御承知の通りこの制度には現行配給量を確保するという要請があるのでございますから、そのためにできるだけの手を打って行かなければならないと思います。具体的にどうこうということははっきり申し上げられませんが、われわれといたしましては、とにかくそういうことのないようにこの制度を円滑にやって配給量を集めて行こう、そういうことに主眼を置いてやって行こうと考えております。

奥むめお緑風会

○奥むめお君 むろんそうあってもらわなければ困るのでございますが、私どもからいえば、ずいぶんやみ米がはんらんしておりまして、これを集める力を持たない政府が統制しようとしているのですから、いろんな問題がそこに起ってくるわけなんです。ですから今度の予約買付制度でも、もっと根本的に、米の管理統制というものにメスを入れてもらわなければならなかったということを非常に私どもは考えておるのです。で、それは政府の努力に期待するということよりほかにないわけですが、次に生産者米価をきめなさるときに、同時に消費者米価をどうするかということをきめておかなくちゃならぬということは、第一回の米価審議会当時から、ずっと続いて皆さんの御意見だったのです。で、もしも多分、農民、生産者の要望なさる生産者価格に近い米価がきまるといたしますね、そうすれば消費者米価について食管会計はどういうふうにきめようとするか、この消費者価格、これをいつお考えになりますか、そうしてどういう方法を今考えていらっしゃいますか、伺いたい。私は消費者価格というものは、生産者価格をきめるときに同時に並行的に考慮して、そうして筋を立て通すべきだという意見を持っておりますが、いかがでございますか。

清井正食糧庁長官

○政府委員(清井正君) 消費者価格の問題につきましても、たびたび従来の経緯もございますし、奥委員御存じの通り、生産者価格をきめますときには、同時に消費者価格ということが問題になってくるわけでございます。ただいま御承知の通り昨年の一月に十キロ七百六十五円ということできまって生産者の価格は上りましたけれども、消費者価格はそのまま維持されてきておるわけでございます。今回も生産者米価の問題につきましてただいま検討いたしておるのでございますが、私ども大臣からお話を受けておりますのは、消費者米価は変えないということで、生産者米価についての事務的な検討をしろということで、ただいまそういう観点から作業をいたしておるということでございます。

奥むめお緑風会

○奥むめお君 消費者米価を変えないということは、今までもたびたび言われて、そうして変えるときには、どん詰まりになってあたふたと変えてしまう。それから従来の例でいいますと、米価審議会が全員でそれをきめて可決しても、もう政府がきめてしまった米価というものを押してしまう。これが米価審議会の従来のあり方だったと思うのです。ですから、ここで今度生産者価格が非常に上る、また集荷がむずかしいから、何としてもそこに手を打たなければならない、幸いすべて供出の米代に税金をかけないということが行われるとしたら、まだ多少われわれ希望が持てるかもしらぬけれども、とにかく集まりにくいと私どもに考えられるのだけれども、そこへ食管会計を考えると、消費者価格は一体どうなるかという非常な不安を持っておりますから、変えないという方針を一つここで堅持してもらうように私要望しておきます。またいずれ大臣にも申し上げなければならぬと思います。

長谷山行毅自由党

○長谷山行毅君 政府ではこの予約制度の優遇措置を全部具体的にきめてから、数量の決定、そして予約を開始すると、こういうお話なんですが、その集荷予定量を決定するのはいつごろになるのか、そしてそれを各県に今度はその予定量を配分するわけですが、そういう時期は。そして最後に各生産者と予約するその時期はどういうふうに考えておられますか。

清井正食糧庁長官

○政府委員(清井正君) これは米価を早くきめますこともそういう意味であるわけですけれども、要するに集荷予定量というものをこれは早くお示ししなければならぬのであります。これは事前売り渡しの申し込みでありますから、米ができてからでは意味がないのでありまして、米のできる前にあらかじめ申し込むということでありますので、私どもといたしましてもそういう意味からも米価の決定が急がれるわけであります。従って先ほど来御説明申し上げましたのでございますが、米価を至急にきめていただきまして、そして米価の決定と同時に集荷予定量をきめまして、そしてこういう米価だ、ほかにこういう条件だという条件を示しまして、そして生産者に売り渡しの申し込みをまあ勧誘すると申しますか、そういう形になるわけでございます。そこで実際問題といたしましては全国の集荷予定量を価格決定と同時にきめまして、それを全国の集荷団体にお示しするわけであります。集荷団体においてはそれを各県別の数量をきめるわけであります。まあ、かりに全販に例をとってみますというと、全販連に割り当てるべき集荷予定量というものをお示しする、全販連ではさっそく内部の相談をもちまして各県の県販連別の各県別の集荷予定量というものをきめていく、それがきまりますと、各県でそれぞれ推進協議会の御意見を聞きまして、そして今度は単協別の集荷予定量をきめるというふうにずっと下へおりてきます。それと同時に、一方生産者からの申し込みを集めるという形でいくわけでありまして、申し込みが集まりますと、その申し込み売り渡し予約によって政府に正式に売り渡しの申し込みが上ってくるということになる……。

長谷山行毅自由党

○長谷山行毅君 その順序はわかりますが、時期はどう考えておりますか。

清井正食糧庁長官

○政府委員(清井正君) で、私ども考えておりますのは、米価決定をできるだけ早くいたしまして、決定いたしましてすぐに集荷予定量を全国の方々にお示しするということになりますから、それから末端までいきまして生産者の申し込みがくるまではやはり一月半くらいはかかるのじゃないか、こういうふうに考えております。

長谷山行毅自由党

○長谷山行毅君 そうすると、七月一ぱいくらいで全部予約が終了する、こういうような考え方ですか。

清井正食糧庁長官

○政府委員(清井正君) できるだけ早くと考えておりまするが、そのくらいはかかるのじゃないかと考えております。初めてのことでございますから、ある程度余裕を持って見なければなりませんが、やはり一月半、多ければ一月半はかかるのじゃないか、こういうふうに考えております。

長谷山行毅自由党

○長谷山行毅君 それからその集荷予定量だけの予約があればこれは問題ないわけでしょうが、もしそれが非常に不足な場合には何らかのその場合には問題が起る、さっきの御答弁にもそういうふうなことを話されたのですが、そういう場合にはどういう措置が考えられておりますか。

清井正食糧庁長官

○政府委員(清井正君) 私どもといたしましては、かりに集荷予定量をずっとお示ししますと、これが末端までいくわけでございます。末端までいきますけれども、これは個々の生産者にはお示ししないということで、そこで、生産者から申し込み数量をとりまして、かりにその当該単位協同組合の目標数量が百石といたしますと、生産者からの申し込みを集めまして五十石しかないというときにはできるだけさらにその五十石をこちらの集荷予定量の百石に合わすように関係の団体なり協議会の御努力によって推進していただくことになります。そこで百石になりますれば問題ないわけですが、これがどうしてもうまく集まらない、かりに八十石なら八十石しか集まらないということになりますれば、これはしようがない。こういう際には申し込みはまあ八十石ということにならざるを得ない。私どもといたしましては、そういうことは初めから予期するわけにいかないわけでありまして、そういうことにならないようにできるだけ本制度をうまく活用して、所期の目的なり、全国の集荷予定量が集まるように努力するということで精一ぱいでありまして、かりに私どもが考えた予定量に達しない、目標数量に達しないということになりますれば、そのときにまたどうするかということを考えなければなりませんが、われわれはその前にまず、とにかく全国の集荷予定量を最低限定として、できるだけ多く申し込みを集めるためにどうしたらいいかということをまず考えて、それに対して全力を注いで、生産者からの協力を得てやりたいというふうに私どもは今考えております。もしもそういう事態が起ったとしたらそのときになってどうするかを考えていかなければならぬのでありまして、今順序といたしましては、それより前に目標数量を集めるということにできるだけの努力を払っていくということにいたしたいと考えております。

長谷山行毅自由党

○長谷山行毅君 そういう場合に、先ほど清澤さんが言われたような心配をどうされるかというふうな問題が起ると思うのです。それにはやはり今度の制度は初めてですから、今までやり方が非常にのろいので最初予定したと申しますか、大体植え付け前にきめるという措置をいまだにきめてないから非常な生産者も不安を持つし、それから集荷業者も非常にそこに不安を持っておると思うので、これはもう早急にきめて、しかも生産者の納得いくような優遇措置を十分考えてやっていただかなければならぬと思うのです。  もう一つ補正の問題ですが、補正の場合には、これは予約という場合には、平年作を基準にして、まあ予約するわけでありましょうが、増額補正をやられるのか。非常に農民が増産に励んで、増産した場合に、そういう場合に、増額補正というのをやられて、それもやはり予約の優遇措置を受けるのかどうか。その辺はどういうふうにお考えになっておられますか。

清井正食糧庁長官

○政府委員(清井正君) 増額補正ということは考えていないのであります。今度の建前は生産者から売り渡しの申し込みをいたしまして、それを食糧管理法第三条第一項の、政府に売り渡さなければならないという法文上の義務の裏打ちをするという形になっておるのであります。私どもいたしましては、三条一項の義務というのは、やはり個々の生産者のある程度の生産上の見込みがついたころにいたしたいと、こう考えておるのであります。従って今かりに七月なら七月ごろに申し込みがあったら、一応申し込みを受け取っておきますが、まだこれは契約であります。契約上の申込数量であります。ところがだんだんたちまして、その当該生産者の生産数量の見込みが大体ついてきます。そのときにかりに生産者が、自分は百石取れると思って申し込んだけれども、非常に災害で五十万しか取れなかった、そうすると、先ほどの申し込みを取り消さなければならない。そのころになって、初めて三条一項というものを発動することになりますから、もしそういう事態が起りましたならば、起った事態に即応いたしまして、契約の更改ということもあり得るのであります。そのときになって、初めに申し込んだが、実は取れなくなったから、こういうふうにしてくれというようなことで、すぐにその通りになるかどうかわかりませんが、協議会あたりの意見を十分聞きまして、やむを得ないということになりますれば、それに基いて契約の更改が行われ、同時に三条一項の規定がそのときに行われることになりますので、減額補正ということは考えておりますが、増額の補正ということはこのところでは考えていないのであります。

長谷山行毅自由党

○長谷山行毅君 予約の時期、予約は一ぺんすれば、その後非常に作況がよくなってきた場合に、そうすると予約をしないで、豊作で取った予約の分よりも何石か多くなった、これを政府に売り渡すには、いわゆる予約の優遇措置は全然受けられないと、こういう考え方ですか。

清井正食糧庁長官

○政府委員(清井正君) そういうことになっております。本制度によって、申し込みをしたものだけが優遇措置を受けられる、こういうことであります。

長谷山行毅自由党

○長谷山行毅君 そうすると、今度は、減額補正の場合ですが、減額補正ができなかった場合には、何か違約によって今までの概算払いとか何とかに対する違約金でも取るのですか。

清井正食糧庁長官

○政府委員(清井正君) 違約金と申しますのは、こういうふうに考えておるのであります。かりに概算払いを二千円なら二千円出すといたしまして、かりにこれが米価が一万円だといたしますれば、二割に相当するわけであります。さらに米が出るころになりまして、その二割分の米を出さなかった、たとえば百石申し込んでも、二十石分出さなかったということになりますと、初めの概算金が渡し済みになっておりますので、そういうものを返させるという意味であります。そういうときには、政府がよけいに前渡ししたということになりますから、その分をあとで政府に返させる、その意味において、そのときに非常に時期が遅れれば、違約金を取られることもある、こういうふうに考えておるのでありまして、違約金の問題は概算金を払った程度まで、政府が実際に生産者が売り渡さなかったというときのことを考えておるわけでございます。一方また補正といたしまして、かりに補正でもって非常に数量が下ったということになりまして、かりに補正のために二割に相当する分以下に補正になった。かりに百石申し込んだものが、九十石の補正になって十石分が出さないことになった。ところが概算金が二十石もらっておるということになりますと、その概算金の分は返してもらわなければならないということになっております。原則といたしましては、返すという問題は、当初もらった概算金までも、政府に実際上の米を売り渡さなかったときに適用されるというふうに運用されるかと思うのであります。

長谷山行毅自由党

○長谷山行毅君 今のように増額補正を全然認めないということになれば、予約の場合は、この場合多く予約してそうしてあとでいろいろ補正するには協議会の議を経るのかどうかしりませんけれども、その点も説明していただきたいのですが、そういうことになって予約だけをやって、実際は集まらないというふうなことになる場合がないのですか。

清井正食糧庁長官

○政府委員(清井正君) そういうことは考え方としてはあり得ると思います。そこで私どもといたしましては当初の申し込みをするときに、非常に少いことに心配をいたさなければなりませんけれども、同時に概算金をもらいたいために、必要以上によけいに申し込みをするという場合もある程度考えなければならぬ問題です。つまり両方を考えなければならぬのでありますが、しかしこれは一がいにあり得ることであって、果してそういうことが行われるかどうかこれはわかりませんですが、これはやはり私どもといたしましては、かりに二十石ぐらいしか売り渡していなかったものが、急に今度の制度になって、百石に売り渡し出来高を申し込みをした。それで二十石分の前渡金をもらったということになりまして、それが百石その通り出しておれば問題はないのでありますが、だれが考えてもあの人は無理だということが起り得るかもしれません。そういった場合には売り渡し申し込みのときに、売渡推進協議会等の議を経てやるということはあるのでありますが、地方農業団体の中の自主的なはからいによりまして、あまりひどい申し込みをすることは、そういうことのないようにやっていただかなければならないこともあると思います。しかし、これはあくまで運用の問題でございまして、私どもといたしましては申し込みのあったものにつきましてはそういう措置をとるということになる、こういうことであろうと思いますが、果して実際上そういうことが行われるかということはわかりませんけれども、考え方としてはそういうことがあり得るかもわからないと思っておるのであります。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) ちょっと重ねて聞きますけれども、一つの集荷業者の全体を通じて千俵なら千俵の予約の申し込みをして、千俵分の概算金をもらっても、その集荷業者全体としての概算金を受け取った範囲だけ出せば、何も政府から違約だとか何だとかおしかりをこうむることはないわけですね。今の説明からいきますと、個人の場合も集荷業者の場合もそうなるわけですか。

清井正食糧庁長官

○政府委員(清井正君) いや、違約と申しますか、概算金をおさめた分だけについては、それは問題は起らないと思います。しかし政府に売り渡し申し込みをし、それが第三条一項の売り渡しの義務の問題になるのでありますけれども、概算金の方については概算金を返すという問題は起らないというように考えますけれども、一方また売り渡し申し込みしましたものは、実際上三条一項の義務にするわけでありますから、それとの関連はどういうふうになりますか、それは具体的な問題として考えなければならん点があるかと思います。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) そうすると、三条の一項の問題は、この場合には売り渡し申し込みをしたものが三条一項の数量になるということになると、もしその売り渡し数量が少かった場合は、集荷量が全体として足らんという場合は、さらにまた二千三百万石が千五百万石しか集まらんという場合におきまして、もう一ぺん別に三条一項に基く数量を割り当てるということはございませんか。三条一項の数量というものは二通り出てくるという場合があるわけですか、どうですか。

清井正食糧庁長官

○政府委員(清井正君) それはそういうふうに考えていないのでありまして、三条一項というのは一回しかないわけであります。そこでそこに所期の目的を達成するためにできるだけ申し込みを促進して申し込みを政府に集めるように努力を払うというところで、先ほど来申し上げておりますように、いろいろな経済的な裏打ちをいたしまして申し込みをできるだけ集める、集めたものを出来秋のころになって三条一項の義務にしようということでございまして、全体の数量がたとえば二千三百五十万石を目標にしたところが千八百万石しか集まらなかった、だからそれを追っかけて差額の分を三条一項で割り当てするということは考えていないのでありまして、その前に売り渡し数量だけをもって、できるだけその目標に合うようにいろいろな措置によって努力をして集めて、そうしてそれを三条一項で裏打ちをするということを考えておるのであります。一たん三条一項を出しましたならば、あとは減額の補正をしなければならんようなところに、災害による補正をしなければならないというところにしか問題が残っていないのであります。一般的に下ったものを補正するために、増額するために三条一項の指示をするということはこの程度では考えていないのであります。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) この今度の制度で行くと、どこまでも建前は農家の自主的な申し込みということになっておるわけです。推進機関がありましても推進機関はどこまでも推進するだけであって、別に強制力は持っていないと思うのです。そこでこの農家からは十石集めなければならぬという場合でも、その農家が五石しか申し込みをしなかった。しかしそれは推進機関で何ぼ協力してもらったところで推進機関はどこまでも推進機関ですから、かりにその農家が五石しか売り渡し申し込みをしなかったといってそれが三条一項の趣旨になり、従ってそれを追っかけて八石にしろ、十石にしろということはないのだと、これをはっきりそう解釈していいのですか。

清井正食糧庁長官

○政府委員(清井正君) ちょっと申し上げておきますが、一般論としてはそうであると思います。そうでなければならぬのであります。ただ、ただいま申し上げました通り、ただいまの考え方で申しますというと、米が出る前に売り渡しの申し込みをする、しかし三条一項の義務というのはある程度作況がわかったころに三条一項の義務づけをしようということになっておるのでありまして、これが一般的に行われるのであります。ただ考えられますることは、申すまでもなく三条一項というのは公法上の義務でありまして、これは罰則をかけられる義務になっておるわけであります。それで自主的な売り渡し申し込みによって三条一項の公法上の義務になるということは、そこに問題があるわけであります。そこで私ども考えておりますのは、ただいま検討中でございまするけれども、かりに売り渡しの譲渡申し込みがあった。そこで当初についてはそれを補正する方法はないのでありますけれども、かりに全部今生産されてしまった。ところがある一つの部落の中でだれでもがあの人は売ってしかるべしというのに一石も政府に対して売り渡しの申し込みをしないということは、これはほかの生産者に比べて不当だ、あるいは本来ならばもう十石なら十石当然今までの経験からいってもそれの生産方法からいっても売り渡しをしなければならないのに、もし一石あるいは二石しか売り渡し申し込みをしないで、ほかの正直に政府に売り渡し申し込みをした人たちがこれはひどいじゃないか、こういう特殊な場合が起り得ると思います。そういった場合に農業委員会の意見を聞くなり、その他適当なものの意見を聞いて指示をする、三条一項の指示をするということもやはりつけておかなければならんのじゃないかと考えておりまして、この点目下検討しておる最中でございます。その点は考えておるわけであります。

長谷山行毅自由党

○長谷山行毅君 自主的に政府に売り渡すという制度であれば、一ぺん予約しても作況がよくってもっと売れるというならばそれを追加予約申し込みしてもいいと思うのですが、そういうふうな考え方じゃないですか。

清井正食糧庁長官

○政府委員(清井正君) 追加申し込みということの考え方でございまするけれども、これは御承知の通り最初の生産ができる前にできるだけその申し込みを集めておこうという趣旨があるわけであります。従って米価の決定はもちろんでございまするけれども、それ以外にいろいろ減税の問題であるとか、あるいは一部概算の問題であるとかいうふうにして、当初の米が生産される前に政府に対して申し込みをするというものをできるだけ確保したいということで、いろいろだだいま申し上げたような経済的な裏打ちをしておるわけであります。従ってそれができてからあとで追加してもらうということがあるといたしますれば、当初申し込みをしなくてもいいじゃないか、かりに非常に少くてもあとで追加申し込みすればいいじゃないかということになりますると、この制度全体がくずれやしないかということを考えております。追加申し込みということはしない、当初の申し込みをうんとふやす、そのために概算金を出す、あるいは減税もする、あるいは価格差もつけるということでやって参りまして、そうしてもう追加に、生産がうんとふえたからといって追加申し込みをするということもやむを得ないというようにいたしませぬと、当初の申し込みをとるのに非常に困難を起しはしないか。あとから追加いたしますというものを認めますならば、かりに今申し込まなくても米ができてから申し込みしたってちっとも遅くはないのじゃないかということになりまして、事前の申し込みということに対しましてある程度の怠け心になりやすいのでありまして、その点は私どもといたしましては生産ができてから追加するということは考えていない、こういうふうに考えております。

長谷山行毅自由党

○長谷山行毅君 どうもその考え方は、集める方だけの考え方から言えばごもっともな考え方で、安心できるようですが、生産農民の立場から言えば、これは豊凶の差というのは非常にあるのですから、その措置をもう少し考えた方が、むしろ米も集まるし、増産にも励むというふうな気持になるのじゃないですか。そういうところは何かこれから考慮される余地がありませんか。

清井正食糧庁長官

○政府委員(清井正君) 私どもといたしましては、先ほども申し上げた通りの考え方で、とにかく事前に、米が出ない事前に売り渡し申し込みをしたものを集めるという趣旨で措置をとっているのでありまして、お話の御趣旨はわかりますけれども、私どもとしてはその説はとらないで進んで参りたい、こう考えております。

森八三一緑風会

○森八三一君 先刻来のいろいろな論議によって、この新らしい制度がりっぱな成績を上げるかどうかということの重要なポイントは、決定されるであろう米価にあるということに帰着すると思うのであります。  そこでお伺いをいたしますが、昭和二十九年産の米の平均手取り価格は幾らであったか、それから昭和二十九年産米の標準生産費は幾らであったか、昭和三十年産米の生産費は幾らとお見込みになっているのか、おそらく米価審議会に諮問されるときにはそういうようないろいろの実績を積み重ねて、そこで先刻来御答弁のありましたように、適正な米価ということに落ちつけて行かれると思うのであります。そういう基礎資料なしに、ただつかみで幾らというわけには出て参らないと思うのでありますが、まだその米価審議会に諮問なさる原案はきまっていないと思いますが、当然そういうことの案をおきめになる事務当局としては、今申し上げましたような基礎資料がなければならぬはずであると思います。今申し上げた三つの数字を一つお示しをいただきたいと思います。

清井正食糧庁長官

○政府委員(清井正君) 生産費の点は、二十九年産米の生産費は目下計算中でありますので、まだデータが集まっていないのであります。出すとすれば、二十八年産米の統計調査部の生産費ならあるいはお示しすることができると思いますが、ただいま手元に数字を持っておりませんので、恐縮でございますが、次回にあれしていただきますが、二十九年産のやつは、目下データをそろえている最中であります。それから二十九年産米の農家の標準手取りと申しますか、それは先ほどちょっと申し上げたのでありますが、これは二千三百五十万石が出ると仮定いたしましての数字でありますが、それが九千八百五十九円になるのであります。これは基本米価全部足しまして合計で九千八百五十九円、これは全部を平均いたしました数字でございますから、地域的には必ずしも当てはまらないと思いますけれども、達観数字といたしましては九千八百五十九円、こういう数字があるのであります。その他の数字につきましては、三十年の生産費の問題につきましても、当然申すまでもなく、ただいま二十八年産米の分しか統計調査部のやつは出ていないのでありまして、またこの次にでも数字はお話し申し上げますが、ただいま手元に持って御説明できる数字はそれだけの数字でございます。

森八三一緑風会

○森八三一君 先刻来の質疑を通じて生産農家が納得し得ますような適正な米価をきめたい、またそういうものがきまらなければこの制度の運行は非常に困難であろうということを事務当局としては十分お認めになっておる。そこで、生産者が要求いたしておりまするのは、再生産が可能であるがごとき姿における生産費を保障する価格でありたいということなのであります。その希望が満たされるようにお考えにならなければ、ただ抽象的に適正米価だとか何とか言っておりましても、納得を得るというわけには参りかねると私は思います。そこで昭和三十年産のいわゆる適正米価を将来米審に諮問なさろうとするもう押し迫った今日に、二十九年産米の標準生産費というものも皆目まだ調査中である、三十年産の見込みも立たないということになりますると、計算は過去に行われたいわゆるパリティ計算方式というものではじき出す米価にならざるを得ない、こうなると思うのであります。そういうことでは生産者の了解を得るような本制度を有終の成果を期待し得るような適正米価ということにはどうも説明がいたしかねると思うのでありますが、昨年の九月二十二日でありましたか、昭和二十九年産米の米価は食管法によって九月末日までに決定をしなきゃならんということでありましたので、当時の農林委員会は、政府当局の御出席をいただきまして、昭和二十九年産の米の生産費はおおむね幾ばくであろうかという質問が行われまして、あるいは私の記憶に間違いがあるかもしれませんが、その当時政府当局は、調査中でありまして、的確なものはまだ判明はいたしておりませんが、推定の限界生産費はおおむね一万五千円前後であろうと想像をいたしますというような御発言もあったのであります。昨年の九月二十二日にそういう推定がなされたとすれば、もうすでに半歳を経過いたしました今日、昭和二十九年産米の標準生産費くらいのものはおおむねわかっていなければならぬと思いますが、もちろんそれは統計調査部の責任ある基礎資料に基いてというものでございませんでも、おおむね推定される生産費はかくかくのものであろうというような予測がなければならぬと思いまするし、そういうような基礎資料なくして昭和三十年産米価をどうするということを六月十五日、あと十五日の後にきめようということは非常に困難であって、これは不可能じゃないか、こう思うのでございますが、そういう資料なしに昭和三十年産米価をおきめになることが可能でございましょうか。

清井正食糧庁長官

○政府委員(清井正君) 二十九年産米の生産資は統計調査部でやっておるのでありまするけれども、普通で行きますというと七月か八月までかかるわけであります。しかし今年はそういうことじゃいけませんので、早いところデータを出してもらうというのでデータを集めておるのであります。どういう数字で出て参りますか、ちょっと私は申し上げられませんけれども、そういうことでもって取り急いでデータを前もって集めておるのであります。ただいまお話しの米価をきめるのに何ら標準がないではないかということでありまするが、これはただいま私どもで、先ほどちょっと申し上げたと思いますが、先般の米価審議会におきまして生産費方式を中心とする算定方式を考えろということになっておったのでありますけれども、その後いろいろな事情でもって米価審議会を開く段取りになりませんでしたので、私どもの手元で有力な学者十数人の方に集まっていただきまして、生産費を中心とする算定方式の検討をしていただいたものがあるのであります。それは時間的に非常に急ぎましたので、中間報告的なものでございまして、まだ皆さんに御発表申し上げる程度にまでなっておりませんけれども、そういう一つの学者の方の御研究になった生産費方式を中心とする一つの算定があるのであります。この問題につきましても、いろいろ学問的には問題があろうと思いますけれども、急ぎましたために、中間的な報告として私の手元まで私の責任においていただいておるものがあるのであります。そういったものも今度の米価をきめるに当りましては有力な一つの参考資料になると私は実は考えておるのであります。その他、かりに統計調査部の生産費がわからない場合におきましても、やはり過去の標準的な年の生産費からそこのパリティの上昇率をかけてみるとか、いろいろの方法が学問的にはあり得るのじゃないかと思いますので、われわれといたしましては米価をきめますにできるだけ精細な一つ算定方式に基きまして、かりに新しいデータがありませんければ、もっと近接したデータ、あるいは最も標準的であると考えられる年のデータを基礎としてそこのパリティの上昇率で生産費を推定してみるのでありますから、今の方法なり、あるいはただいま申し上げました学者の御研究になった生産費算定方式というものも有力な資料として勘案する、いろいろな方法もございます。私どもといたしましては、やみくもに価格をきめるということでなしに、そういう一つの基礎データをもちましてせっかく検討しなければならぬと、こういうふうに実は考えまして、ただいまいろいろ部内で検討いたしておる最中でございます。

森八三一緑風会

○森八三一君 農業生産上の一番有力な資材である肥料のうちの大宗である硫安が現在標準価格が政府の手によってきめられておる。これもことごとく生産費を基調としてきめられておる。これは見方によって私は標準生産費ではなくて、限界最高生産費であるというように見えるかと思いますが、そういうことで決定をされ、昨年の九月改訂されました電力料金にいたしましても、それぞれの電力会社の生産費というものを基礎にしてきめられておるというような重要な政府の関係する物価がことごとく生産費というものを基礎にして再生産を保障し得る姿に決定されておるというときに、米価だけが過去のしきたりによるパリティ方式というものではじき出されてあるというように私はやはり農民の供出意欲というものを阻害しておる大きな原因があるように思うのであります。今度の価格制度変更に伴いましてこの線がはっきり割り切られて納得のできる米価というものが策定されなければ、どう考えてみましても新制度はその成果を期待するわけには参りかねると思います。そういう決定をしなければならん時期がすでに十五日の後に迫ったというときに、今もって推定の生産費というものもまだはっきりはしないし、過去における実績というものも明確でないということでありますれば、これは非常に遺憾なことであると思うのであります。この点については少くとも十五日に決定されるであろう新米価につきましては、そういうことについて十分一つ早急に資料をお集めになりまして納得のできる説明のできる基礎に基いて米価を決定していただきたいということを特に希望いたしておきます。  それから少し米の、今論議されておる新集荷制度の問題とは離れまして恐縮でありますが、アメリカの例の余剰農産物の一環として麦が非常にたくさん入って来ておる。そこで今年度の新しい麦が収穫をせられて政府に売り渡し申し込みの時期が近づいて参って来ております。ところが現在輸入小麦、国産小麦の滞貨が非常に多いということのために倉庫が満庫になっておるというために、売り渡しを申し込みますれば非常に遠隔の地点まで輸送をしなければ政府の買い入れに相ならんというような事態が発生するおそれが多分にあると思うのであります。こういう事態に取り組んでどういうように対処されるのか。余剰農産物、MSAの関係を昨年も論議をいたしたのでありますが、あの協定に基きますと、通常の取引を阻害してはならぬということから端的に解釈いたしますると、アメリカで滞貨しておる姿のものが日本へ来て滞貨をするというかっこうになるのであります。そういうような姿が現実に現われて来ておるために相当の滞貨があるということでありますが、こういうことのために内地の生産農家が非常に経済的な負担をしなければならぬということにはなるわけに参らんと思うのであります。食糧庁としてはどういうふうに始末なさるおつもりなのか、その点をお伺いします。

清井正食糧庁長官

○政府委員(清井正君) 今の麦の問題でございますが、これは申すまでもなく余剰農産物の関係で入って参ります麦は、全部わが国としての麦の不足の範囲内で入って参っておるのであります。総体といたしましてはわが国の要輸入量の外ワクじゃございませんで、内ワクとして特殊な取扱いとして入っておる。こういうふうに需給計画上では計画いたしておるはずであります。ただ時期的に見まして、あるいはお話の通り、非常に輸入麦なり国産麦なり滞貨して、それが新しい麦を政府に対して売り渡すときにたまたま近在の倉庫が一ぱいであるから一方へ持って行かなければならぬ、こういうことの御指摘かと思いますが、その点私ども具体的に当って見ませんと何とも申し上げられないのでありますが、われわれといたしましては麦の取扱いにつきましては、できるだけそれぞれの工場の所在地とかあるいは消費地とか、こういう適正のところに手近かなところに配当いたすとか、運送いたすということにいたしておりまして、むしろ産地にありますよりも消費地の工場なりこういった近所に適正にただいま配置をいたしておるはずであります。従って生産者が麦を政府に売るというときに農業倉庫に政府が先に買った麦が満庫になっておることも絶対ないとは申しませんけれども、私どもといたしましては、万々そういうことのないようにいたしておるつもりでございますけれども、なおこれから新麦が出回って来るときでありますから、われわれといたしましては、できるだけ注意いたしまして、新麦が回って来たときに地元の倉庫が満庫でほかに持って行かなければならない、こういうことにならないように考えておりますが、ただ具体的な問題といたしましては、われわれといたしましては、できるだけそういうことのないように一つ倉庫の配備なり、あるいは手配なりをいたして参りたい。現在でもそういたしておるはずでございますけれども、あるいは場所によってそういうことが起らんとも限りませんので、できるだけ御趣旨の点は体してやって参らなければならん、こう考えております。

森八三一緑風会

○森八三一君 そういたしますと、こういうように了解してよろしゅうございましょうか。自分の町村所在の農業倉庫が政府に売り渡し済みの食糧保管のために満庫になっておる場合には新麦の買入れに支障を来たしますので、政府の責任で旧保管穀物は他の倉庫に倉がえをして売渡し申し込みの数量が自村で収容されるような措置をする、もしその措置がとれない場合には、自村から他の指定倉庫まで運送いたしまする輸送費は政府の負担において買い上げが行われるのだ、こういうように了解してよろしいかどうか、もしそのことがそうでないといたしますれば、滞貨麦のために生産者が特別な負担をしなければならぬという結果が起るのでありまして、そういうようなことは調査をしておらんために明確でないということでありますが、おそらく本年の実情はそういう事態が私は全国麦の産地におきましては至るところに発生をするこういうことを憂えておるのであります。昨年もそういう問題が起きた実例がございますので、本年はさらに一層そういう事態が多くなると見ておるのでありますが、先刻申し上げましたように、処置されると了解してよろしいかどうかお答えいただきたいと思います。

清井正食糧庁長官

○政府委員(清井正君) お話の筋はお話の通りだと私は思うのであります。ただ具体的にどういうふうになっておりますか、私もはっきり調べないと何とも申し上げられませんが、ただ政府に売り渡された前の麦等が満庫になっておるために新しく売り渡された麦が遠くへ持って行かなければならぬ、そういうために直接に農民が負担をするということはおかしい、こういう趣旨であると思うのでありますが、その点の趣旨としてはまことにごもっともに考えるのでありますが、実際の取扱いとしてはどういうふうにいたしますか、私どもの方といたしましては、できるだけそういうことのないようにいたさなければならぬことはもちろんであります。政府が買い入れをいたす制度になっておりますので、できるだけそういうふうにいたさなければならぬと思っております。ただいま係官が各庁へ出ておりまして、ただいまお示しの数量の在庫の問題等適切に配置かえをやる会議をやっておるそうであります。そこでできるだけそういう御趣旨のようにいたすつもりでありますが、できると思いますが、かりにそういう問題が起きましたときには具体的の問題として御趣旨の線に沿って解決するように努めたい。こういうふうに考えておりますが、いずれにしろ全国的な問題でありますので、はっきりこうということをお約束いたしかねますけれども、御趣旨の線を体しまして措置いたしたいと考えております。

森八三一緑風会

○森八三一君 それから今余剰農産物MSA関係は、需給関係のワク内で処置をしておるので、プラス・アルファではないというお答えでございましたが、だといたしますると、両国間の協約とどういう関係になりますか。これはあの当時予算委員会でも十分論議をした問題でありますが、三条の規定から参りますれば、当然通常取引を阻害してはならぬということになっておりますので、常態の生産のときにおいて必要とする不足数量の内ワクとして入れるということでありますれば、協約の違反ということになると思いますが、ほんとうにそういうように処置されておるということでありますれば、まあその協約との関係はどうあろうとも一応問題はないと思いますが、どうなっておりますか。当時の保利農林大臣は、解釈はそうなるだろうが、昭和二十八年のあとを受けた二十九年で非常に減収の年だから、何とかそういう実質的な欠陥が巻き起らないように措置ができるであろう。それから食生活の改善を奨励するのだから、どんどん麦をよけい食ってもらうのだから、そう心配はない、麦をよけい食えば米が余っちまう、そうすると外米を輸入する数量に影響を持ってくるが、それも通常の取引を阻害するという結果も生まれるので、そこでぶち当ってくるのじゃないか、こういうことも議論したのでありますが、今お話のように、内ワクで処理しておるというようにはっきり了承してよろしいかどうか、もう一ぺん念のため伺っておきます。

清井正食糧庁長官

○政府委員(清井正君) その内ワクと申しますのは、私の申しましたのは日本全体の需給生産高の内ワクということを申したのでありまして、対アメリカ関係では今までの通常輸入量の外ワクになっておるわけであります。ただいま数字を持っておりませんので正確に申し上げられないのは恐縮でございますけれども、現在までの通常輸入量というものを策定いたしまして、これは対アメリカ関係であります。この通常輸入量の外ワクで、その上積みといたしまして余剰農産物が入ってくるということになります。これは対アメリカ関係であります。ただそれはわが国全体の大麦なり、裸麦なりの需要の数量といたしましては、これは内ワクになっております。わが国全体の需要の数量としては内ワクだけれども、対米関係としては今までの通常輸入量の上積みになっておる。こういうことでありまして、アメリカ関係ではそうでありますが、わが国全体としては内ワクになっておる、こういう意味で申し上げたのであります。

森八三一緑風会

○森八三一君 それはちょっと新しい解釈が生まれたのですが、あの協定は対アメリカとの関係だけではなくって、日本と各国との間における通常の取引を阻害してはならぬ、こういうことに私どもは受け取っておるのであります。そういたしますると、対アメリカ関係だけでは外ワクになっておるが、ということでございますと、その結論はアメリカ以外の他の国に対して通常の取引きを阻害していくと、こういう結果が生まれてくるということにならなければ、常態における日本の需給生産の内ワクには相なりかねるということになりますが、そういうことであの協定はよろしいのでございますか。

清井正食糧庁長官

○政府委員(清井正君) ここで私ちょっと数字を持っていないので数字的にお話申し上げられないのであります。私どもはこういうふうに考えておるのであります。これは確かにただいまのお話によりますと、対アメリカ関係で上積みになれば、上積みになった分だけほかの国はそれだけマイナスになるじゃないかと、こういうことでございますが、数字的にお話し申し上げますというと、ことしの輸入量をアメリカ関係とそれ以外の国と比較した場合には、アメリカ関係では今までの通常輸入量よりも上積みになっておりますけれども、全体の総輸入量というものも逐次ふえておりますので、従ってアメリカ以外の国に対してもそれまでの通常輸入量よりもふえている、こういう形になっている、従って全体がふえておりますから、アメリカ関係について余剰農産物が上積みになっておりましても、その分だけほかの国は減ってくるというわけじゃない、ほかの国も全体的にふえているから総体的にふえている、こういう結果になって、ほかの国との関係でございますが、これは特に価格の点につきましても、特に安く買うわけでもなし、高く買うわけでもなし、国際的な競争価格によって買うという約束になっております。その間のことは無理のないような価格でやって行くというふうにいたして参りまして、アメリカ以外の国との取引等につきましても、その点を注意して輸入いたして参りますので、その協約と申しますか、その余剰農産物によってそのほかの国に非常な悪影響を与えることはないと考えております。

森八三一緑風会

○森八三一君 まあ、一応の説明はそれでわかりますが、実際問題として最近麦の滞貨数量というものが非常に私ども激増しているというふうに見えているのであります。そこでお話しの通り日本の需給生産の内ワクで関係各国の間が全体処理されているということでありますれば、私どもの見ている、聞いていることに誤まりがあるということになりますが、五月末の最近三年なり四年なりの滞貨数量というものを表をお出しをいただきますれば、アメリカのMSAによる余剰農産物が私たちの心配しているような結果をこれで生んでいるということが明確になりますので、そういう資料を一つ出していただくように委員長お願い申し上げます。

清井正食糧庁長官

○政府委員(清井正君) 滞貨数量と申しますと、わが国の保有分の在庫数量という、森さんの意味はそういった意味でございますか。

森八三一緑風会

○森八三一君 そうです。

清井正食糧庁長官

○政府委員(清井正君) それじゃさっそく作りましてあれいたしますが、ちょっと申し上げますけれども、さっき申し上げました通り、在庫数量と申しますのは、要するに国全体のこれは買い上げと不足分からくる操作によっての在庫量でございますので、わが国全体の総需要量からすれば、アメリカの分は内ワクになりますから、特にアメリカ関係がふえたから、それがすぐ在庫に影響するということは現われないと思いますけれども、お話の点は至急一つ作成してお示しをいたしたいと思います。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) 先ほどからこういろいろ質疑なり、答弁が続いておりまして、まだ問題は尽きないのでありまして、かえって聞いておりまして、新しい疑問が起るような問題もありますが、この問題につきましては、先刻申しましたように、次回の委員会におきまして大臣の出席を求めてまた審議いたすことになっておりますので、本日はこの程度で終りたいと思いますが、ただ一つだけ食糧庁長官にお伺いしておきたいのは、これに伴いまして当然政令を変えていかなければならぬと思いますが、それはどうなりますか。食管法は変えないが、政令の方は……。

清井正食糧庁長官

○政府委員(清井正君) 政令は改正いたさなければならぬと思っております。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) 今度の場合は政令が非常に重要になるのでございますが、政令を改正される場合はそれを事前に当委員会へお諮りになるというようなことはお考えになっておりますか。

清井正食糧庁長官

○政府委員(清井正君) いずれ政令案について御説明を申し上げる機会もあろうかと思いますが、その際にいろいろ御意見を伺う機会があろうかと思います。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) それは事前に……。

清井正食糧庁長官

○政府委員(清井正君) はあ、出す前に……。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) それでは本日はこれで散会いたします。    午後四時三十九分散会      —————・—————

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