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22回国会参議院1955/11/09

農林水産委員会 閉会後第12号

発言数
182
登壇者
18
会派数
4
開催日
1955/11/09

会議録

江田三郎日本社会党

○委員長(江田三郎君) それではただいまから農林水産委員会を開きます。  最初に参考人の出頭を求める件を議題に供します。水産業の振興に関する件について大日本水産会副会長伊東猪六君及び全国漁業協同組合連合会専務理事岡尊信君を参考人として出席を求め、意見を聞くことに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

江田三郎日本社会党

○委員長(江田三郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、その手続等につきましては委員長に御一任を願いたやと存じますが御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

江田三郎日本社会党

○委員長(江田三郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

江田三郎日本社会党

○委員長(江田三郎君) 次に、韓国抑留船員及び漁船の送還の件を議題といたします。かねて当委員会の問題となっておりますこの件につきまして、秋山委員から質問の御要求がございましたので、この際御発言を願います。

秋山俊一郎自由党

○秋山俊一郎君 きょうは政府の方からどなたが来ておりますか。

江田三郎日本社会党

○委員長(江田三郎君) ただいま外務省はアジア局長、水産庁は海洋第二課長でございます。水産長官はまだ……。

秋山俊一郎自由党

○秋山俊一郎君 法務省は見えておりませんか。

江田三郎日本社会党

○委員長(江田三郎君) アジア局長の方で法務省の考え方もわかっているからということであります。  なお水産庁の方は、長官は今おられませんが、次長は間もなく見えると思います。

秋山俊一郎自由党

○秋山俊一郎君 この問題はもう数回といいますか、しばしば論議をせられて参りまして、今さら取り上げるのもあまり回を重ね過ぎたような感じもしますけれども、もうすでに抑留されております日本人が、二百数十名の者がだんだんと非常に寒い大陸の寒風にさらされる時期になって参りまして、夏以来抑留されて、ほとんど無一物の者が非常に困窮していることは御承知の通りであります。これらの返還方につきまして、政府当局、特に外務省ではしきりにごあっせんになっていることも承知いたしておりますが、近ごろの新聞紙上等において承知しますところによりますと、韓国の代表と申しますか、側からも、また外務省との折衝において、大村の収容所に収容されております韓国人を解放するならば、日本の朝鮮において抑留されている者も返そうというような話が取りかわされているように承知しておりますが、それに対して法務省としては、外務省のさような折衝にもかかわらず、全面同意をするに至っていないというようなことが新聞に伝えられております。その辺の経緯がどういうことになっておりますか、関係者としては非常な心配をしておる次第でありまして、最近下関からは抑留者及び収容されております人たちに対しましての慰問品と申しますか、必要な品物を送り出したというようなことも伝えられております。かような際に、一日も早くこれらの人が無事に帰国できることは、関係者はもちろん、日本国民ひとしく念願しておるところでありまして、政府の間において意見の相違によってこれがもたつくということは、非常に遺憾なことであります。しかしそれらの点につきましては、十分の理由と根拠があることと存じますが、それらがどういうふうな状態に今日なっておりますか、御説明をいただきたいと思います。

中川融外務省アジア局長

○説明員(中川融君) ただいま秋山委員から御質問のありました点でございますが、すでに約一ヵ月以上になりますが、韓国側から日本人漁夫のすでに刑期を終えて釜山の外人収容所に集結しております人たちの帰国がどうして実現しないのかというこちらの質問に対しまして、ある意味においての返事がきたのでありますが、それは日本側でも韓国人を不当に抑留しておるではないか、大村収容所に現に三百数十名の韓国人が抑留されておる、これは韓国側から見れば何ら理由なくして抑留されて自由を拘束されておる。従って日本側でもやはりそういう不当に抑留した韓国人を釈放すべきではないかということを言ってきたのであります。そうして日本側の措置が実現すれば、韓国側においても十分日本側の要望するような措置を考慮しよう、こういうことの返答があったのであります。この大村収容所に抑留されております韓国人、これのうちで韓国側が指摘しておりますのは、終戦後に密入国で入って来たものではなく、終戦前から日本に居住しておる韓国人約三百五十名について言っておるのであります。これは日本側から見れば成規の法律に従いまして韓国に強制送還するというために抑留しておるのでありますが、韓国側はこれを引き取らないために抑留が継続しており、すでに長いものは二年余を経ておるのであります。二年余も引き取らないために抑留が継続しておるという実情でございます。日本側としてみれば十分の理由があって抑留しておる、むしろこの抑留が継続しておるのは、韓国側の措置に基くものであるというのが日本側の言い分であります。これは日本政府としてみれば当然と考えるところでありますが、韓国側はそれを当然と考えていない。国際問題にはこういう両国の見解の相違から起る問題がいろいろあるのであります。その一つの最も典型的な例であると見ることができると思うのであります。その間の事情をさらに少しく詳しく御説明いたしますと、韓国側の言い分は終戦前から日本に居住していた朝鮮人というものは、果して韓国籍をとったのかどうかという点について、はっきりした了解が日本政府との間にできていない。またかりに韓国籍であると仮定しても、そういう長期にわたって日本に居住しておった朝鮮人を果してどう処遇するか、一般外国人と同じに所遇するか、あるいは長期日本に滞在しておった、居住しておった、こういう事実にかんがみて、若干一般外国人とは違った取扱いをするかということについては、まだ両国間に何ら取りきめができていない。従ってそういう未確定な状況のもとに日本側の一方的な強制送還措置を認めるわけにいかぬというのが韓国側の立場であります。これに対して日本側の立場は、これらの終戦前からいる朝鮮人は、なるほど両国間の協定というものはまだできていない。これは日韓会談が決裂したために協定はできていないけれども、日本側においてもこれをすでに終戦直後から外国人として取り扱ってきておる。これに対して何ら韓国から、この強制送還とは別といたしまして、あの当時のことについては苦情が出ていない。また韓国側の国内法制からもやはり在日朝鮮人というものは全部韓国人として取り扱ってきておる。これはいろいろのところからそういう証拠があるのでありまして、たとえば韓国側の法規によりますと、ここにおる代表部というものを大使館に準ずるものとして在留朝鮮人の事務を取り扱わすというようなことが法規にも書いてあります。そういうようなこと、それからここにおります朝鮮人、終戦前から居住しておるものも含めまして、朝鮮人に対して国籍の登録等を韓国がやっております。日本に在留しておる朝鮮人の中でも相当数が韓国籍を持っておるという証明書は、すでに下付を受けておる、持って歩いております。そのような事実から、当然国籍は韓国にあると認むべきではないか。果してしかりとすれば、国際の通念に従って、この中で罪を犯したというような者は、当然引き取るのが当りまえである。これを引き取らないという韓国側がそもそも間違っておるというのが日本側の立場であります。しかしながら外務省といたしましては、この問題は日本側の言い分に十分理があるということを認めておるのでありますが、しかし、こういうことがきっかけとなって、何ら罪なく先方に抑留せられております日本人漁夫の方々が、不当に帰国を阻止されておるということは、はなはだ遺憾な次第でありまして、これは従来頻々と抗議申し入れ等をしまして、その早期釈放を折衝してきたのでありますが、韓国側が今のような両国の見解の相違を理由といたしまして、大村におります終戦前からの朝鮮人の抑留の解除ということを、いわば条件として出してきて参りました。この事態に即応いたしまして、何らかこの間に実際的な解決をやはりはかって、早期に抑留漁夫の方々の釈放、帰国をはかるべきではないかというのが外交の衝に当っておりますわれわれの考え方であります。この考え方に対しまして、法務当局と約一ヵ月にわたりまして折衝を続けてきております。法務当局の基本的な考え方は、先ほど申しましたような態度でございまして、この態度を変える何らの理由を認めないというのが法務当局の立場であります。しかしながらこの問題は単に事務的な、法理的な解釈の問題というより、さらにいわば高いレベルにおいて取り上ぐべき問題である、かように考えますので、この問題につきましては、単にそのような事務的な取扱いの問題としてではなく、もう一歩進んだ高い立場においての取扱いということを考慮したいというふうに考えまして、そういう趣旨から政府部内でさらに検討をいたしております。ただいま秋山委員から御指摘のありました通り、冬にすでに入ってきておるのでありまして、これ以上この冬を韓国の抑留所において、いろいろの帰った方々の話等によりますと、非常に設備の悪い所で、給与等も非常に悪い、そういう事態におきまして、この寒い冬を朝鮮で過さすということは、いかにも気の毒でありますので、何とか冬に本格的に入るまでに、この問題の実際的解決をはかりたい、かように考えております。近く政府部内の意見を統一いたしまして、韓国側とさらに折衝を続けたいと、かように考えております。

秋山俊一郎自由党

○秋山俊一郎君 大体の経緯はわかりましたが、韓国側としては大村収容所に収容されております韓国人を引き取るという意思があるのでありますか。単に釈放しろ、引き取りばしないが釈放しろというので、法務省との関係でもたついているのか。さらに外務省と法務省との間の折衝は、まだ今のお話では、どういう方向に向っているかということがわかりません。ただ平行線的に行っているようでありますが、この見通しはどうでありますか。日本の法律の解釈というものと実体というものとのそこに違いがあるのでありまして、その辺をもう一ぺんお伺いしたいと思います。

中川融外務省アジア局長

○説明員(中川融君) 第一の点でございますが、ただいま法務省管下の大村収容所には約千四、五百名の朝鮮人が入っております。そのうちの約千百名程度は終戦後の密入国者であります。この密入国者につきましては、韓国側の原則としては引き取りを拒否していないのでありますが、実際問題といたしまして、この四、五月ごろから、いわゆる終戦前の抑留者、終戦前から日本にいる朝鮮人の抑留者の釈放ということが行われないために、密入国者の引き取りも実際上は拒否してきております。しかしながら、これはこのあとの約三百五十名の終戦前から日本にいる朝鮮人の問題が片づけば、この千百名の密入国者は引き取るということは明らかにいたしております。従って韓国側が今要求しておりますのは、終戦前から日本に居住している者で、大村に入れられている三百数十名の者を、これを釈放するようにしてもらいたいということを言っております。この三百数十名の者は日本において釈放ということが先方の要望でありまして、これを引き取るということは先方は考えていないのであります。  第二の問題といたしまして、法務省との折衝の大体の方向および見通し等でありますが、これにつきましては法務省との事務的な話し合いは、ある意味で平行線とも見られるのでありますが、しかし、いずれも同じ政府部内の役所でありますから、政府自体の考え方というものによって事務当局は動くのでありまして、この点については政府全体といたしましては、早期に何らかの実際的な解決策という点に向って行きたいと考えております。私自身の観測といたしましても、決してこれは平行線に終るというようなものではなくて、何らか実際的な解決に遠からざる機会において到達するのではなかろうかと考えております。日本政府部内の意見がそういうふうにきまるということばかりでなく、韓国側と何らかの意味において話し合いをいたしまして、抑留漁夫早期帰還を実現したい、またある程度その見通しもあるのではないか、かように考えております。

秋山俊一郎自由党

○秋山俊一郎君 実は私は今日法務当局も呼んで法務省の御意見も承りたいと思ったのですが、外務省のアジア局長とせられては、当面の交渉の相手方でありまして、法務省の意向を代弁はしておられましょうけれども、ほんとうに法務省が一体どういう考えでいるのか、やはり平行線的に行くつもりなのか、あるいはある程度おやりになって、何らかの解決策を求めようとされるのであるか、私は外務省だけではちょっと納得いかない点があるのです。あえてアジア局長がうそを言っているとかいうような意味ではなしに、双方の折衝の相手方の話も聞く必要がある。いずれにしましても、われわれとしては、少くとも刑を終えて釜山に抑留されている邦人は、伝えられるところによりますと、非常な悪い処遇、待遇のもとに置かれておる、病人も続出しておるし、中には生命の危険も感ずるほどになっておるものもあるというようなことも伝え聞いておりますこの際に、何とかしてこれらの者を早く極寒の時期に向う前に、帰してもらいたい、かような念願から絶えず新聞その他の情報には神経をとがらしておるわけでありまして、何とか早く解決をするような策に進んでいただきたい、また日本の法律を無視してやるというわけには参りますまいが、そこいらは法の運用でもありますし、何らかの解決の方法はあるのじゃないかと私どもは考えるのでありまして、外務省当局としては一そう一つ努力をして、もう早いうちに、少くとも今月中ぐらいに早く片づけてもらわぬというと、私も朝鮮に住んだことがありますが、十二月になりますと相当寒くなって参ります。普通の住宅に住んでおりましてもかなり寒いのでありますが、収容所のごとき設備の不完全な、また食糧その他給与の悪い所におりますと、私は場合によっては犠牲者も出るのじゃないかというふうな感もありますので、一段の一つ御努力によってこれらの者が一日も早く帰られるようにお願いしたいと思います。  なお委員長にお願いいたしますが、次の機会にでもよろしうございますが、法務当局も一ぺん呼んでいただきたいと思います。一応私の質問は終りたいと思います。

千田正無所属クラブ

○千田正君 今秋山委員からるるお述べになっておりますが、私一点だけ一つアジア局長に伺っておきたいと思います。ただいまアジア局長の御説明によって大体のことはわかりましたが、とかく従来長い間韓国との間の李承晩ラインを中心としての問題は解決はできないでおるということと、今の御説明のように大村地区においてこちらの方で法的根拠から抑留しておる者との差しかえ等の問題が出ておるとすれば、なかなかこれは簡単に問題は尽きそうもないというふうにわれわれは考えるのであります。おそらく秋山委員からも申された通り、今月一ぱいぐらいに釈放を求めてやまないのですけれども、それはなかなか容易じゃないようにわれわれは考えられる。そこで私は二段がまえでこの問題は解決しなければならないのではないか、一応強硬にもちろん釈放を要求すると同時に、これは長引くに従って韓国に抑留されておるところのわが方の漁民の人たちの健康状態その他が非常に気づかわれる。この面に対して、向う側の所遇に対して、それを緩和する方向に対して、厳重なる申し入れをやられるというような御意思があるかどうか、その問題はどういうふうに現在考えておられるのですか、その点を一応伺っておきたい。

中川融外務省アジア局長

○説明員(中川融君) 先方に抑留されております日本漁夫の待遇につきましては、すでに前国会の会期におきまして、現地から帰りました人々の御報告によりまして、非常にその劣悪であるということがさらにはっきりいたしましたので、すでに七月の末長文の抗議書を先方に手交してあります。それには帰還された方々の報告に基くあらゆる状況を詳細に書きまして、先方の反省を求め、早速これを是正するようにということを申し入れておるのであります。先方もさらにその後しばらく返事が参りませんでしたが、約三週間ほど前に一応の回答が参りましたが、それにはこちらからの言ったような事実はない。ある意味で国際水準の待遇をしておるというようなことも書いてありましたが、決してそれはしかし具体的な例証等をあげての反駁でないので、われわれとしてはもとよりそれによって満足していないのでありますが、また待遇改善についてはさらにその後もこれは口頭でありますが、引き続き機会あるごとに申し入れております。これはしかしこのような政府間の抗議のやりとりのみではなかなか片づかない問題であると思いますので、これは国際的な人道上の機関である国際赤十字というものをやはり通じまして、先方の反省を求めたい、かように考えまして、これは日本赤十字からでございますが、国際赤十字にもそういう趣旨の申し入れをいたしております。その後国際赤十字がどういう措置をとりましたか、これについては的確な情報を持っておりませんが、察するに韓国側に対しまして国際赤十字からも十分強力ないろいろの措置がとられているのではないかと、かように期待いたしております。  なお御承知と思いますが、いろいろのこれから寒さに向うに当りましての毛布とか、医療品であるとか、あるいは食糧であるとか、そういう慰問品の差し入れにつきましては、関係方面の御努力を得まして、御協力を得まして、一昨日船に積みまして門司を出帆いたしております。本日くらいは釜山でその慰問品を先方に手渡していると思います。われわれといたしましてもこれらの慰問品が向うに抑留せられておる方々の慰問に役立つことになると思いますが、釜山の外人収容所に抑留されておる方々が、それらの慰問品を待たずとも帰国し得るように取り計らいたいと、かように考えて、片方の折衝の方をぜひ促進いたしたいと考えております。

青山正一自由党

○青山正一君 この問題と関連あるかどうかわかりませんが、ちょっと一点だけお伺いいたしたいのですが、日本国に在留している朝鮮人と申しますか、一体何人おりますか。それからそのうち何割程度、あるいは何人くらいが日本国で生活上の保護を受けておるか、その数を一つ明らかにしていただきたいと思います。

中川融外務省アジア局長

○説明員(中川融君) 日本にいる朝鮮人につきましては、御承知のように外国人登録を実施しております。その登録によりましてはっきりしております数は、大体六十万人であります。しかしながら密入国等で相当数がふ、えており、登録漏れの者が約十万から十五、六万いるのではないか、従って七十万から七十五万くらいは朝鮮人の方がいるのじゃないか、かように考えております。そのうちで生活扶助を受けております者の数は、私資料を持ち合せていないので、はなはだ申しわけありませんが、大体の考え方の標準といたしまして日本人の約十倍くらいの率において生活扶助を受けておる。日本人が百人について一人であるとすると、朝鮮人は百人について十人くらい生活扶助を受けておる。そんな大きな割合ではないと思いますが、千人に一人、あるいは朝鮮人百人について一人というふうに非常に大きな率の生活扶助の制度に均霑しておる実情であると聞いております。なお詳細につきましては厚生省所管になりますので、厚生省から資料を取りまして御報告いたしたいと思います。

青山正一自由党

○青山正一君 日本人が、もしかりに大体数量的にいえば、一分二厘というふうになりますが、そうなるとすると一割二分くらい日本の国税、いわゆる日本の私どもが出した税金から、朝鮮人のそういった関係者へ出しておる金が一割二分というわけなんですかどうなんですか。

中川融外務省アジア局長

○説明員(中川融君) 絶対額が十倍にはもちろんならないわけでありますが、人口率からいたしますと、相当朝鮮人の生活扶助を受けておる割合が大きいのでございます。なお的確な数は私も承知いたしませんので、果して十倍でありますかあるいは十倍よりもう少し少い率でありますか、その点もはっきりとは申し上げかねます。

青山正一自由党

○青山正一君 この数字を一つまた厚生省についてお調べ願いたいと思いま下す。

松浦清一日本社会党

○松浦清一君 南鮮の方の問題に関連してアジア局長に伺いたいのですが、今北鮮の方で抑留されておる船員の数、それから拿捕されておる船の数等、おわかりでしたらお知らせ願いたい。

中川融外務省アジア局長

○説明員(中川融君) 日本人の漁夫の方が北鮮に抑留されているということは、われわれ聞いておりません。従って、漁船で北鮮に抑留されているものはないと了解いたしております。

松浦清一日本社会党

○松浦清一君 船員で抑留されているのがございましょうか、あなたのおっしゃる漁夫です。漁船の船員。

中川融外務省アジア局長

○説明員(中川融君) 船員についても、特に北鮮に抑留されている船員というのはないと思います。

松浦清一日本社会党

○松浦清一君 最近国会議員が中共方面にしばしば行っておるわけですが、その人たちが北鮮からソ連を回って来る。北鮮に行った際に、北鮮の東沿岸等における日本の漁業問題についていろいろと話をしておるのですね、官辺筋それから業界筋と話をしておる。それに対して、日本の方から漁業関係の代表者を送ってくれれば、その諸君と一つ話をしてみようというようなうわさが伝えられておるわけですが、外務省として公式にお聞きになった話ではないでしょうから、その席から御答弁になれないかもしれませんが、もしそういうようなことが具体的に民間同士の間で話し合いができるというような事態が起ったときに、日本政府としてはどういう態度をおとりになりますか。

中川融外務省アジア局長

○説明員(中川融君) これは日本といたしまして、韓国とそれから北鮮と、この二つの対立したいわばグループが朝鮮にあるわけなんでありますが、これの対立は非常に難しくて、韓国側では北鮮と日本がたとえ民間ベイシスであっても、いろいろ商売するとかあるいは漁業の提携をするというようなことについては非常に神経過敏であります。これをもって日本の韓国に対する誠意の尺度ともしておるのでありまして、一時北鮮との間に民間ベイシスでの通商取りきめなり貿易取りきめができる、あるいは漁業の提携ができるという報道が新聞等に伝わりました際に、韓国政府は非常に怒りまして、口頭の抗議もしてきますと同時に、この春以来、日韓関係が一時よくなりかげながら非常に悪化した、ある意味で船員の李ライン等の先方の態度も非常に強化したということは、やはり北鮮とのいろいろの取引、通商交通等のうわさの出たことが相当大きな原因になっておる。これは事実問題として認めざるを得ないのでありまして、日本は、ことに政府といたしましては、北鮮との間には目下のところ何らの交渉を行う考えがない、先方におります抑留日本人の帰還問題については人道上の問題としてこれは交渉いたしますが、それ以外の問題につきましては、北鮮と何ら交渉を行う考えがないというのがただいまの考えであります。従って、民間の人が行かれまして漁業とか通商の話をなさいましても、政府としてはこれを承認するわけにいかないというのが今の立場でございます。

松浦清一日本社会党

○松浦清一君 中共の関係は御承知の通り民間同士で貿易協定ができておりますし、それから漁業問題についても民間同士話し合いをして漁業協定というものを結んでおる。中共と日本との間に民間同士で漁業協定、貿易協定ができたということの南鮮に与えた悪影響というようなことは具体的にございますか。

中川融外務省アジア局長

○説明員(中川融君) これはある程度はやはり悪影響を与えておるのでありまして、日本はいわばアメリカとかイギリスとか、ああいう自由主義国家と一緒になっておるということを言いながら、共産圏といろいろ交通を盛んにしだし、あるいは商売等も盛んにしようという態度は非常にけしからぬということを、韓国は事あるごとに攻撃をしておるのでありまして、その意味では中共との間に交通が盛んになったということは、やはり韓国の対日不信という感じを強めておると思います。しかしながら韓国としてはやはり当面の敵は北鮮でありまして、日本が北鮮といろいろの交通をするというのが一番韓国のいやがることでありまして、それに比べれば中共あるいはソ連と日本が交通をするということの韓国に与える影響は比較的薄いと思います。しかしながら影響があることはやはり否認できないのじゃないかと考えております。

松浦清一日本社会党

○松浦清一君 中共との貿易協定、それから漁業協定ですね、あれはやはり民間同士でやったことなんですが、先ほど局長はもし北鮮とそういうようなことになっても、政府としては認めないと、こうおつしやったのですが、中共とのこの二つの協定についても政府が認めたという形をとっていないのですね。そうすると、北鮮との関係においてそういう話が民間同士でできた場合、中共との間にできた場合と同じような態度をおとりになることになるわけですな。

中川融外務省アジア局長

○説明員(中川融君) 中共との場合に民間ベイシスの協定ができたわけですが、政府はそれを認めておりませんけれども、中共との貿易自体を政府は認めておるのでありまして、従って民間で契約ができれば、その商品を日本から先方に送る。あるいは先方からの商品を日本に輸入するということにつきまして、政府は税関等の措置あるいは通産行政の見地からのいろいろの許可等はいずれもしておるのでありまして、その意味では政府は中共との取引は認めておるのであります。しかしながら北鮮との関係におきましては、政府は一切これに承認を与えないという考えでありますので、たとえば北鮮との間に貿易上の契約が民間でできましても、その商品が日本の港を離れることを日本政府は許可しない。また先方からの商品が日本の港に入ることも許可しない、こういう立場をとっております。中共の場合とはその点が政府の態度に違いが現在でもあるわけであります。この違いはやはり続けて行きたいと考えております。

松浦清一日本社会党

○松浦清一君 そうすると、貿易の問題はさておいて、漁業関係について、先方の漁業者と日本の漁業者との間に純然たる民間同士で話し合いをして、ある種の協定を結んで、日本の漁船が北鮮の東海岸の漁場に出て行くと、こういうことになった場合に、政府はどういう態度をおとりになりますか。

中川融外務省アジア局長

○説明員(中川融君) 日本の漁船が公海で魚をとることはもちろん自由でありますから、この点については政府はむしろ奨励こそすれ、これに対して何らの妨害的措置はとらないわけでありますが、もしも北鮮の領海で魚をとるというような協定ができ、あるいは北鮮に上陸いたしまして、そこを根拠地としていろいろ漁業をするというような取りきめができました際には、これは水産庁の方の管轄になりますので、私は詳しいことは存じませんが、やはり政府機関といたしまして何らかこれに対して承認を与える措置が出てくるのじゃないかと思います。日本の船がそのような措置をとることについて、政府が許可するというような問題が出てくるのじゃないかと思いますが、そういう場合におきましては、政府の許可に関する限り、これは与えられないということになると思います。

松浦清一日本社会党

○松浦清一君 水産庁の方どなたかお見えになっておりますか。

岡井正男水産庁次長

○説明員(岡井正男君) ただいまアジア局長から御答弁がありましたように、公海でやる場合には日本の政府の建前による許可を与えることと相なりまするが、領海内でやるということになりますると、こちらの方はそういう措置がとれないわけであります。

松浦清一日本社会党

○松浦清一君 具体的に申しますと、北鮮の東海岸の方に漁業に出て行くというようなことをやる場合に、日本政府として許可を認めますか。

岡井正男水産庁次長

○説明員(岡井正男君) それはたとえば自由漁業であれば別でございまするが、許可漁業に該当するものでは許可を従来いたしておりません。

松浦清一日本社会党

○松浦清一君 たとえば底びきですね、そういうものが北鮮の東海岸へ出て行こう、こういうようなことを具体的にやった場合にやはりその許可が要るのですか。

岡井正男水産庁次長

○説明員(岡井正男君) 許可が要ります。

松浦清一日本社会党

○松浦清一君 どういう法規に照してその許可が要るのですか。

岡井正男水産庁次長

○説明員(岡井正男君) 操業区域の変更許可という建前で要ります。

青山正一自由党

○青山正一君 今の松浦さんの問題に関連するわけなんですが、たとえば北鮮の清津とか雄基とかあるいは羅津、これは戦前朝鮮といろいろ仕事をやっておったわけなんですが、北鮮政府で、清津とか羅津とか雄基を中心として底びきとかあるいはまき網とか定置とかそういうふうなものを、向うが日本の漁師の申し入れを承諾した場合には、やはり政府としてそれに許可を与えないというような方針なんですか、どうなんですか。まあ具体的に申し上げますとそういうことになりますが……。

岡井正男水産庁次長

○説明員(岡井正男君) 青山委員の御質問ですが、松浦委員からの御質問にお答えしたように、日本が現在国内法によって許可制度をとっている場合には、期間と区域をやはり限定した許可をいたしておりますから、それのワクをはみ出した区域において許可を申請してきた場合には、区域変更とか時期変更という許可を与えなければならないということに相なろうかと思います。

松浦清一日本社会党

○松浦清一君 岡井さんよく御存じですが、但馬の船ですな、あの船があの近海ではやって行けない、少々危険があっても北鮮の方へ出て行きたい、こう言っておる。そういう場合に、もし許可を求めてきた場合に許可しませんか。これをよく一つ調べてみて下さい。今わからなくてもいいですから……。

岡井正男水産庁次長

○説明員(岡井正男君) これは御質問に対するお答えとズレがあるかもしれませんが、私たちが心すべきことは、要するに朝鮮半島全般の区域にわたる漁業のウェートが高いという問題でありまするが、たとえば、今の国際情勢からいたしまして、先ほどアジア局長がお答え申し上げましたように、北鮮に対して日本が友好的な話し合いとか措置をとるというようなこと、たとえば漁業関係においてもそうでございまするが、そういう場合に、南鮮の方の出方、それは合法的じゃないにいたしましても、実力的に、出方がどういうふうな動きをとるかということも勘定に入れまして、操業としての漁業者がいずれにどういう措置をとった方がプラスであるかということも、やはり理窟以外の理窟といたしまして、われわれは考えを持って外務省とも緊密な連絡をとりながら、漁業の総体的な行き方ということについては十分漁業者のために考えてみたい、そういうふうな気持を持っておるわけでございます。

松浦清一日本社会党

○松浦清一君 アジア局長にもう一ぺん伺いますが、南鮮の方との関係はいつごろ話がつくのか、こういうふうな尋ね方をしてもそいつはわからぬとおっしゃるのでしょうが、とにかく私がここへ来てお聞きした御答弁の趣旨は、二年前から繰り返されていることなんです。一生懸命やっている、努力しています、一そう善処します、こういうことを何回となく外務大臣からも聞いているわけです。但馬に限定されたことではありませんけれども、朝鮮海域で漁業をやっておった連中が、李承晩ラインを引かれて、その中で漁業することができなくなった。非常に大きな打撃を受けていることは間違いないことなんです。その大きな打撃を取り返そうとして北鮮の方へでも、沿海州の方へでも出かけて行こうという気がまえを持っていることは水産庁でも外務省でもわかっていることなんです。その道を開いてやらぬ、李承晩ラインを解消するという道もなかなか困難だということで、二年も前から繰り返してわれわれは同じことを聞いているわけなんです。一体、漁業者はどうすればいいか、これに対して、これも水産庁の関係になりますけれども、こうしてやって行けばお前たちはやって行けるのだという指導的なことをおやりになったことはあるでしょうか。

中川融外務省アジア局長

○説明員(中川融君) 日韓関係が思うようにはかばかしく進んで行かない、解決されないということは、まことに松浦委員の御指摘なされました通りでありまして、われわれその衝に当っておりますものといたしましては、まことに遺憾に存じ、申しあげないと考えておるのでございます。しかしながら、やはり何と申しますか、この問題は忍耐をもって処して行かなければ、結局最終的な解決はむずかしいのじゃないかと思っております。忍耐にももちろん限度がございましょうが、今大体の様子を見まするに、日韓会談が一応話し別れになりましてからすでに大体もう二年たっております。二年経過いたしまして、韓国側においてもやはりこのような事態のもとにおける日韓関係を継続して行くということは、大局上決して得策でないという反省が相当強く内部に出てきておるのではないか、これは的確な証拠で申し上げるわけには参りませんけれども、さような私は観察をいたしております。これは諸般の国際関係から見まして、やはりそう無理押しをいつまでも続けるということはよろしくないというふうに考えてきつつあるのではないかというように思います。ただいま問題になりました、たとえば大村収容所及び向うにおきまする内部の抑留の件、これは一つの派生的な件ではございますが、これにつきましてもある意味で韓国側にも何らかの方法によって日本側とこの際話をしようという空気が出てきていることば事実でございます。このようなことから、さらにだんだんこの問題を少しずつ解きほぐして参りまして、大きな日韓問題それ自体という問題につきましても、何らか遠からざる機会においてこれの解決をはかるチャンスがつかめるのではないか、出てくるのではないか、かように考えておりまして、できるだけそういう方向に持って行きたい。今しびれを切らしまして韓国側を怒らす態度をもしこの際とるということになりますと、せっかく少しづつ解きほぐされてきておる問題がまたもとへ戻ってしまうということにもなりますので、北鮮との問題につきましてはやはり慎重な態度で進んで行きたい。しかしながらもとより犠牲者となっておられる日本の漁業者の方については、これはもうできるだけの保護措置、善後措置を講ずべきことは当然でありまして、その意味でたとえ北鮮に近い所でありましても、これが公海の領域であれば私ほその近海に行きまして漁業をするということを奨励して一向差しつかえないと考えます。しかしながら韓国を不要に刺激しないような考慮をやはり常にとりながら、日韓関係の打開を、ひまはとりますけれども、地道に、堅実に、はかって行くということが、やはりこの際とるべき大局的態度ではないかというふうに考えて、その方向に及ばずながら努力を継続しておる次第でございます。どうぞ一つその点御了承をいただきたいと思います。

松浦清一日本社会党

○松浦清一君 大村の話が出たから、もう一ぺん伺うのですが、今まで私どもが知り得ていることは、あなたと韓国の代表部ですか、向うとの今までの話し合いの経過では、大村収容所に戦争前から収容されておる三百名ばかりの人を釈放しろ、そうすれば、すでに裁判が済んで釜山におる二百二、三十名ですか、日本人漁夫を帰してやろう、こういう話し合いの経過になっていると了承しているわけです。そうですが、向うの要求は。

中川融外務省アジア局長

○説明員(中川融君) 大体さようなのが向うからの申し入れになりました内容であります。

松浦清一日本社会党

○松浦清一君 戦争前から大村に収容してある三百人の人というのは、何か日本の国法に照らして犯罪行為があった人ですか。

中川融外務省アジア局長

○説明員(中川融君) 日本の法規に照らしまして犯罪行為があった者でございます。それらの者がその法規に照らしました刑を受けまして、この刑を終えて強制退去処分という行政処分を受けまして、強制退去を待っておるために大村に入れられておるのであります。

松浦清一日本社会党

○松浦清一君 先方の方では、この三百名程度の人は向うでは引き取れない、日本国内において釈放しろと、こういうことを言っていると了承しているのですが、その通りでございますか。

中川融外務省アジア局長

○説明員(中川融君) その通りでございます。

松浦清一日本社会党

○松浦清一君 政府の御方針としては、その三百名程度の人はどんな人ですか私たちは知りません、知りませんが、向うが引き取れない、国内で釈放するということは、いろいろの点において危険が憂慮されるから、そういうことではいかぬ、どうしても引き取るべきだということを今主張しておられるわけだと思うのですが、将来ともにその方針で話し合いを進めて行く御方針なんですか。

中川融外務省アジア局長

○説明員(中川融君) 日本側の従来の態度は、ただいま御指摘のありましたように、これらの者は韓国側が当然引き取るべきものである、引き取ってもらいたいという態度できておるのであります。将来もこれで押し通すかということでありますが、これを押し通していては韓国側との話がつかないのでありまして、そこに何らかの意味においての実際的解決を韓国との間にはかって行く、それによって抑留漁夫のすでに釜山に収容されておる人たちを早期に帰したいというのが、ただいまの外務省の考え方であります。

松浦清一日本社会党

○松浦清一君 今とぎれておる日韓会談の話し合いの問題点は、漁業問題のほかにまた四つばかりあったと思いますが、それとは、従来の日韓会談の問題になっていたすべてのことと切り離して、漁業問題だけを先に片づけようという御方針でただいま努力されておるのですか。

中川融外務省アジア局長

○説明員(中川融君) 一番大きな漁業問題であります、いわゆる李ラインの問題、これはやはり日韓会談の一環として解決すべきであるというのが先方の一貫した主張でありまして、われわれとしては、漁業問題だけを取り上げて、別にこれだけ切り離して、当面の急を要する問題であるから片づけようではないかということを再三申し入れたのでありますが、先方は聞かないのであります。従って、漁業問題全体を切り離して先方と解決するという段階には至っていないのでありまして、ただいまのところは、目下抑留されております漁夫の方々、そのうちでもすでに刑を終えて当然帰されるべきものでありながら帰れない、この人たちの早期帰還ということを、その問題だけを切り離して先方と折衝しようとしておるところであります。

松浦清一日本社会党

○松浦清一君 今韓国に抑留されておる約六百の船員というのは、先方に言わせるというと、李承晩ラインを犯したからということが、いわゆる韓国の国法といいますか、それを犯したというかどで向うで抑留していると私は了承しているのです。今までの日本の政府の李承晩ラインに対する態度は、しばしば言明になりましたように、認めない、こういう態度をとって来ておるわけですね。だから、韓国側が朝鮮の国法を犯したんだとして向うに抑留しておっても、日本側から見た場合に、何ら国法を犯していない、こういう見解をとるべきはずだと思いますし、またそれをとっていると思うのですが、その態度は現在堅持されておるわけでしょうね。向うの李承晩ラインというものは韓国の法律になっておるかどうか知りませんけれども、とにかく向うの罪を犯したというので、こちらは罪を犯したのではないと言っておる、そこに主張点の相違があると思うのです。これはもしそれを日本が肯定するというような態度をとりますと、李承晩ラインそのものを肯定するということになるので、非常に重要な問題だと思いますが、将来ともに変更せられざる策を聞かしてもらいたい。

中川融外務省アジア局長

○説明員(中川融君) その通りでありまして、李ラインというものは先方が勝手にそういうラインを引きまして、それを国内法で出しておるのでありますが、日本側としてはそのような国際法以外の措置は絶対認めないという態度を堅持して、これに対しては抗議を継続しておるのであります。従って、その国際法上認められないことで、韓国の国内法に違反したからといってつかまり、刑に処せられておる日本人に対する措置というものは、これは根本から認められないという態度で、これもまた一貫してそういう態度を継続主張してきておるのでありまして、それらの主張は今後も変ることなく継続して日本側としては主張する考えでおります。

松浦清一日本社会党

○松浦清一君 日本の政府が単独で韓国と話し合いをしておるということは、長いことやっていて片づかないのですが、その点についてはさらにその努力をお願いするわけなんですがね。非常に向うとの交渉の力が、こっちが弱いように見られる。これを国際的な世論を喚起するという方法も大切だと思うのですが、そういうことをおやりになったことはございませんか、それとも、もしなければ、将来そういうことをおやりになることはございましょうか。

中川融外務省アジア局長

○説明員(中川融君) 日韓問題の解決に当っては、国際世論を動員する、国際世論に訴えるということが、やはりこれは非常に大きな重要性を持つ措置であると考えております。日本としてはただいまのところ、この話し合いによって韓国側と片をつけるほか片をつける方法がないのでありまして、そのためには日本単独で外交手段によって交渉いたしておるだけではやはり力が不足でございます。どうしても世界の世論を動員いたしまして日本側に味方さして、韓国に対して世界世論による圧力を加えるということがやはり必要な措置であると考えております。そのためにはあらゆる機会をつかんで世界世論を動かす方法を今までも講じておるのであります。たとえば国際会議がヨーロッパで開かれる、いろいろの大きな国の代表が集まりまして、アジア問題もあわせて討議するというような機会があれば、その機会にできるだけ日韓問題、李ラインの問題というようなものについての日本側の主張というようなものを、これらの代表にも伝えてもらう。これは政府のみならず民間の団体の方々が実に力を尽してやっていただいておるのでありまして、このような方法によって世界の世論をできるだけ動かして行きたいと考えております。なお、この李ラインの問題につきましては、われわれ見ておるところによりますと、世界の世論はほとんど一致いたしまして日本の措置を公正である、韓国側のやり方が横紙破りであるということに一致しておるようであります。この点につきましては、また日本が隠忍自重いたしまして決してかんしゃくだまを破裂さして力づくでどうこうというようなことをしない今までの態度がやはり世論を動かす上には非常に役立っておると思うのであります。従って、こういう世界の何人が見ても日本側の主張が正しい、また日本側のその主張を貫徹するための措置ということがやはり公正妥当である、こういうことを今後も印象づけて行くことによりまして、世界の世論をこの上とも日本側の味方につけて行きたい、かように考えております。

松浦清一日本社会党

○松浦清一君 四、五日前に内閣委員会に外務大臣の出席をお願いして、やはりこの問題を私は申し上げておいたのですが、この次のいずれかの委員会でお目にかかる機会がありました場合に、外務大臣が一歩前進した御答弁が願えるように努力していただきたいということをお願いしておきましたが、この農林水産委員会に外務省から出席なさるのは、この三日間のきょうだけの日程に組まれておるようでありますが、この次に農林水産委員会だけでなしに、いずれかの委員会に外務省からの出席を願いましたときに、私はまた出て行って伺いますから、一歩前進した御答弁が願えるように急速な御努力を願いたいということを申し上げておきます。

江田三郎日本社会党

○委員長(江田三郎君) よろしいですか。それではこの問題はこの程度にいたしまして、ただ委員の皆さんからの御発言がありましたように、なかなか外務省は希望的観測をしておられましても、どうも今までの実績がそう行っておりませんので、ほんとうに今度は一つ実を結んでもらいませんと、ちょっとしんぼうし切れぬというようなことになります。よろしくお願いします。     —————————————

江田三郎日本社会党

○委員長(江田三郎君) それでは次に藤原ダム工事による漁業被害の件を議題にいたします。これはかねて当委員会で問題になっておりましたが、飯島委員から質問の御要求がありましたので、この際御発言願います。なお、政府の方は河川局次長、関東地方建設局長、水産庁次長がおられます。

飯島連次郎緑風会

○飯島連次郎君 この問題については農林水産委員会でたしか二度目だと私は記憶していますが、この前の委員会で秋山委員からの御質問があり、私もそのあとを継いで結論的な御質問をしておいたわけであります。それに対して、金子関東地方建設局長のお答えもあり、それから河川局次長の御答弁もありましたので、私はそのお答えを信頼し、なお若干これを促進するという意図で私も二回ほど現場に調査に参りました。それからなおこれに関係する漁業組合側の資料では信酸性が薄い、従ってこれはどうしても行政指導をしておる関係があるから県庁側の資料も必要であるというふうな水産庁のお答えもあったので、私は現地の群馬県庁とも連絡をとって、これが解決の基本になる調査についての促進方に努力をいたしました。その結果、県の水産試験場並びに県庁の漁業担当官の現地調査に基く資料が提出をされて、この前建設省側でお答えになりましたような資料の不足に基く算定の困難、従って速急にこれが補償問題を解決したいという意図に対しては、おおむね必要な資料は整ったのではないかというふうに私どもは判断をするわけであります。従ってせっかくこういう忙しい委員会でこういう局部の問題についてたくさんの時間を費すことを、私はむしろこれはどうかというふうにも考えますので、きわめて簡単に、簡潔にお答えをいただいて、この問題についての終止符を打ちたいというふうに思うわけであります。従って私は一、二点簡単な御質問をいたしますから、どうかそういう意図に沿うような結論的なお答えをいただきたいと思います。その一つは、九月の二十日、二十一日の両日にわたる調査に基く報告が、群馬県の経済部長から水産庁の漁業調整第二課長あてにたしかされておるはずでありますが、これは藤原ダム工事施行に伴う河川汚濁による魚族に及ぼす影響についての調査、これが行っておるはずでありますが、これは現地の藤原ダム工事事務所長との連絡もありますから、建設省の御当局にも同様な書類が行っておると思いますが、それを入手されておるかどうか。

金子柾建設省関東地方建設局長

○説明員(金子柾君) ただいまの書類は届いております。

飯島連次郎緑風会

○飯島連次郎君 その書類がお手元に届いておれば、私はもうくどい質問はいたしませんから、その資料に基いて算出をされて、その計算の根拠に基く補償ができると思いますが、そういう点についてはいかがですか。

金子柾建設省関東地方建設局長

○説明員(金子柾君) ただいまの質問ちょっとはっきりいたしませんですけれども、今後どういうふうに取りきめるか、こういう御質問ですか。

飯島連次郎緑風会

○飯島連次郎君 いやそれは少し先ばしったお答えで、私はそこまでは言っておりません。それはこの前あなたがお答えになったのは、このダムの工事は来年までには大体竣工いたしますので、全力をあげてその調査をいたしまして、漁業組合の方とも十分御連絡をとり、調査を早く進めて、補償問題の解決をしたいと思っておりますと、こういうことをこの前の委員会のこの席でお答えになっておる。従って全力をあげて調査した資料がただいまお手元に出たわけです。その資料は補償問題を解決するためには不十分なのか、それでいいのか。

金子柾建設省関東地方建設局長

○説明員(金子柾君) ただいまの御質問でございますが、実はこの書類が手元に入ったという報告を受けましたのが一両日前であります。従ってこれからこの資料が十分かどうかということを検討いたします。十分ならばその資料に基いて今後補償額を決定したい、そういうつもりでございます。

飯島連次郎緑風会

○飯島連次郎君 大体御意図はわかりましたが、私は今のお答えにあわせて、特にこれはお願いしておきたいと思うのですけれども、これはやはり汚濁水に伴う漁獲高の激減あるいはせっかく辛うじてとれた少い漁獲高に対する市場価値が非常に減っております。質と量と両面からする損害というものが非常に大きいために、現地の組合員というものはかなり焦燥にかられておるわけであります。従って来年竣工すると、逐次汚濁水の被害というものも時を経るに従って緊迫感というものが減って参りますから、どうしてもこれは急いで解決していただかなければいけないということで、非常に急いでおるわけであります。でありますからむしろ調査に関しては、私は建設省の方が積極的に調査していただいて、そうしてむしろこういった問題解決については、われわれがしりをたたかれるのが順序じゃないかと思うので、私の手元に入ったのは一両日前でなしに、もうすでに十日も前、その上に、こういう資料を提出してもらうのに必要な促進の役割は、あなたの方でなさらないで、実は私どもがやっておる。まるで本末転倒だというふうに私は思っておる。ですから問題は、誠意と努力にかかっているのじゃないかというふうに考えますので、せっかく資料が出たのなら、私はたとえこれが一両日であっても、別にそう膨大な資料でもありませんし、きわめて常識で判定できる資料でありますから、今日の委員会にこの問題が出るということであれば、一応資料に目を通して御出席になっておるはずでありますから、大体この資料に対する信憑性なり、あるいはこれじゃきわめて不十分だというのか、おおむねこの程度で大体計算の根拠なり補償の基準なりが得られるというのか、その見通しというものを私は持って出席されていると思うのですけれども、これから帰ってもう一度見直すということでは、いかにもその場のがれの答弁だと思う。この点一体どうなんですか。

金子柾建設省関東地方建設局長

○説明員(金子柾君) 実は私二、三日前まで外へ出ておりましたので、飯島先生が十日ほど前にごらんになったと申されますけれども、私は実は一両日前に報告を受けて、その後まだ内容を検討しておりませんので、十分検討した上で結論を得たいと、かように考えております。

飯島連次郎緑風会

○飯島連次郎君 それでは私はこの問題について一、二の要点だけを、これは御出席の委員の皆さんにも委員会の問題になりました以上は、知っておっていただく必要があると思いますから、申し上げまして、これが解決に速かなる最終の御努力を願いたいと思います。  それは、この問題が起りましたために、利根川の上流、中流、下流と三つの流域について、それぞれ別個に漁業協同組合ができておりまして、それぞれの組合に基く漁業権の漁場の設定がなされておるわけであります。そこで一体どういう程度の被害があったかということを、これは科学的な調査に基いた資料を調べてみますと、この上流区域の調査は、昨年の成長率と本年の成長率というものの比較を……ほかに方法がございませんから、これは友釣しようとしてもああいう極端な汚濁水ですから、藤原ダムの下流部では魚類の生息を全然認めないというくらい被害が極端なので、これは実際行ってごらんになればすぐわかりますが、ああいう極端な汚濁水の中には魚は住める気づかいがない。実際調査をしてみると、生息を全然認めないというふうに資料は報告をしております。そこで「やな」で漁獲したアユを計量してみると、昨年は平均一番上流の鷺石という「やな」がありますが、そこでつかまえたのが平均三十匁という大きさに成長している。ところがこれを本年の九月の十五日に同じ「やな」で漁獲した現物によりますと、平均大体十七匁ということであります。ですから、昨年の約半量程度しか成長していない。これが一番最上流部における状況であります。そういうことでありますので、漁獲についてはあの地方では友釣と投げ網で一般にやっておりますが、アユが非常に小さいために、友釣はほとんどできない。従って友釣による漁獲は全く不可能な状況に陥っておる。従ってこれは釣と申しましても単に趣味の釣ではありませんので、釣をして生計を立てておる人たちの生活状態というものが非常に窮迫しておるということは御想像の通りであります。  それから中流部の状況はちょうど上越線の渋川の地先の鉄橋の下に落合という「やな」がありますが、その「やな」で先ほど申したのと同じ方法で漁獲したものを、昨年、本年と両年にわたって比較をしてみますと、昨年のアユは平均三十匁以上に発育しておりましたが、本年は汚濁水で飼料が非常に欠乏したために、平均二十匁以下、十匁前後に発育を余儀なくされているというわけであります。  それから下流部に参りましてその次の、これは坂東橋という利根川にかけられている大きな橋でございますが、その利根の本流の下に坂東という「やな」があります。これは前橋のすぐ上流部であります。この坂東の「やな」で漁獲したアユは、昨年は平均して大体三十匁以上、大きいのは大体五十五匁程度に発育しておったそうでありますが、今年は平均二十匁、これは九月十四日の漁獲でありますが、平均二十匁ぐらいであったということであります。まあ、こういう状況でありますので、アユの発育が、あの汚濁水が原因をいたしまして、つまり岩についている主としてコケ、それから水中に生息する昆虫をえさにして発育しているアユが、これは水産試験場の調査で詳しい資料が貼付されておりますから省略いたしまして、直接ごらんいただきたいと思うのですが、水中の昆虫も極端に減ってしまった、それから岩についておった、つまりアユの飼料になるモのたぐいが沈澱する泥土のためにだんだん腐ってしまいまして、アユのつまり飼料に適しなくなった、従って調べてみると、アユが岩についているコケをついばんだ形跡が非常に認められない、こういう状況になっております。なお非常に流れの如何によっては極端に泥土が沈澱いたしますから、岩についておったコケがもうほとんど壊滅してしまう、従ってそこの場所を繁殖場にした繁殖の価値がほとんどなくなってしまった、こういうふうな状況であります。  それからもう一つ、これに関係をする漁業組合員というものをいろいろ調べてみますと、大体九月一日現在の組合員数というのが約七千六百人おります。これに関係する漁業組合員というのは約八千近くもあるわけでありますが、こういった人たちのこの河川を中心にするつまり投資といいますか、繁殖等に対する今までの状況は、年々、アユにいたしますと約四十数万尾、それからマスも十万余り、それから、コイ、フナウナギ等もそれぞれ三万あるいは一万、そういった数を放流しておりますので、ウグイの、こときは三千百万粒という膨大な数を放流をして、そうしてそれぞれの生計を漁獲によって得ているわけでありまして、こういった天然のつまり魚を漁獲して、趣味の釣をやっているのとは全然趣きを異にしておりまして、これだけの資本の投下をやり、そうして施設をして今日のあの漁業権が確保されて参ったわけであります。こういう状況から考えても、この問題はすみやかに解決をしていただかないと、これはなかなか簡単におさまらないことであります。同時にこの建設省の当局におかれましても、この問題については積極的な関心とそうして調査に基く補償の策をお立てになることを私は強く要望し……要望と申しましてもこれは正規の委員会に取り上げられておりますので、すみやかにこの問題に終止符を打っていただかないならば、委員会としてもこれは委員長もお困りであろうと思いますし、私は地域的に関係もありますので、この問題についてほこれほうやむやで葬るわけには参りませんし、私も現場にまで数回足を運んでおりますし、事実今申しましたような状況を確認もしておりますので、これは何としても解決のすみやかだらんことを私は要望いたしますが、どうかこの問題についてほせっかくお手元に資料も提出されたわけでありますから、これを一つ御検討をいただいて、そうしてこの解決については委員長弄通じて吉報がもたらされて、しかも再度委員会でこういう問題が論議されることのないようにしていただきたいと、こういうふうに思います。これは他の委員諸君も非常に迷惑である、こういう地域の問題について、私も再三これを取り上げることははなはだ好ましくないと考えますので、これを一つ委員会における最終のものとして、せっかくのすみやかな努力を要望いたしまして私は質問を終ります。

江田三郎日本社会党

○委員長(江田三郎君) 何とか一つ答えていただきたい。

淺村廉建設省河川局次長

○説明員(淺村廉君) 藤原ダムの工事に伴います汚濁水の関係の補償問題、これにつきましていろいろ御指示をいただきましてまことに恐縮いたしておりますが、私どもといたしましては、要するに先般の委員会でも肥し上げました通り、実害については補償するという建前で進んでおることには変りはございません。ただいま局長からもお答えを申し上げましたが、私どもといたしましてはみずから調査も進めておりますし、また県側の意見等も徴しておりまして、その模様につきましては飯島先生も直接現地に足を運んでいただきましていろいろお調べ願っておりますし、また御鞭撻いただいておるわけでありますが、いろいろな報告はすでにあら方出尽しております。これは間違いございません。ただ漁獲が量的にも質的にも減っておるということはありますけれども、この濁水による減もございますが、また異常渇水というような事態もあります。あるいはアユの放流が時期的におくれたというようなことも聞いておりますが、いろいろおくれておりまするのは、そのような点について慎重に判断をいたしまして、最も適切な補償をいたしたいということで、関係者一同苦心をいたしております。その関係上なかなか早急に結論が出ずに今日に至っております。もはやこの段階にまで参りましたので、早急に結論を出さざるを得ないことになっております。また出し得ると考えております。いつまでも御迷惑をかけることなく、早急にこの問題を解決して、再びかような委員会で御審議をいただかないで済むようにいたしたいと私どもは考えております。  以上御答弁を申し上げます。

江田三郎日本社会党

○委員長(江田三郎君) それではこの問題につきましてはただいまの河川局長のお答えのように一つ早急に結論が出ますようお願いいたしておきます。     —————————————

江田三郎日本社会党

○委員長(江田三郎君) じゃ次に漁業用燃油の件を議題にいたします。  この件につきまして当委員会ではかねて政府の善処を求めておりましたところ、上半期分につきましては一応実施されたようでございますが、下半期分につきましてはなおいろいろな問題が未解決のまま残されておるようでありまして、これに関しまして森崎、千田両委員から質疑の御要求がありましたので、この際御発言を願います。

千田正無所属クラブ

○千田正君 通産省からどなたがお見えですか。

江田三郎日本社会党

○委員長(江田三郎君) 通産省は鉱山局長と通商局次長がお見えになっております。

千田正無所属クラブ

○千田正君 それではお伺いいたしますが、大体上半期の分はすでに割当が済んでおられて、しかもそれがポンド、特にまた原油じゃなく製品ということになりますと、これは非常に高いものについたということは、私が申し上げるまでもないのでありまして、たとえば一キロ当り大体二十三ドルで買い付けておるような状況で、そうなるというと一キロ当り米ドル関係でやると十八ドルからもうすでに五ドルも高く買い付けておる、これではせっかく生産漁業者のために安く提供しようとする意図が期待はずれになっている。このままで下半期の方の割当もやはりポンド貨の割当にされるというようなことであるとするならば、当委員会としては考えなければならぬ。通産当局といたしましては、今後の下半期の分も上半期と同じようなことで割り当てられるような御意向であるのか、それともそこは十分調整されて、当委員会として通産当局にこの前も要請しておりましたように、生産漁業者の生産意欲を高揚するために、この油の輸入に対して国家的な立場から十分な考慮を払われておるのかどうか、この点について一応お伺いしたいと思います。

佐藤清一通商産業省通商局次長

○説明員(佐藤清一君) 下期予算といたしましては、当初ポンド外貨、予算外貨資金百二十六万ドル、すなわち七万キロ分を予定いたしましたが、ただいま御指摘のようにドル外貨資金を割り当てようという御要望もございましたので、一般予算との振りかえを行いまして、ドルで八十万ドル、それからポンドといたしまして四十六万ドル相当分ということにいたしました。なお予算単価はただいまお話のございましたように十八ドルでは少し買えない、二十二、三ドルになっておるというお話もございますので、もしこの外貨資金の総ワクをもちまして所定の上期、下期合わせまして十万キロの確保ができませんような場合には、予算の追加をいたしましてこの十万キロの確保をいたすように努力いたしたいと、こう考えております。

千田正無所属クラブ

○千田正君 それでこれはやはり製品に対する割当ですか。それとも原油もある程度漁連の方において輸入させるというお考えでありますか、その点はどうなんですか。

佐藤清一通商産業省通商局次長

○説明員(佐藤清一君) 外貨予算で考えておりますのは製品でございます。

千田正無所属クラブ

○千田正君 そうすると製品とすれば大体あなた方の見当を言うというと、一キロ当りどのくらいの見当になりますか。これはやはり上半期と同じような単価になりませんか。

佐藤清一通商産業省通商局次長

○説明員(佐藤清一君) ただいま申し上げましたように一応予算上の単価といたしましては上半期の予算単価をとっておりますが、実際土予算に不足を来たします場合は、これを追加をいたしまして、所要の数量の確保をはかりたいと、こう考えております。

千田正無所属クラブ

○千田正君 われわれの要求しておりましたのはもうすでに前々から御承知のことと思いますが、要するに漁業用の燃油が非常に高い、どうかしてこの生産漁業者に安く供給して、生産を十分に上げて、そうしてそれがまたよく行けば、海外の輸出に対しても原料の点においても十分に間に合うような、いわゆる国策に沿うような方向に持って行きたい、これが当委員会の要望でもあり、また生産漁業者の強い要求でもあったわけであります。それに即応するようにあなた方の方で十分考えていただきたい。ところが上半期の状況を見るというと、必ずしもそうではない。このいきさつは、御承知のように長い間この問題についてはここでも論議を繰り返されておりましたが、石油業界の猛烈な反対もあったということは、われわれとしては一様に遺憾に思っておったのです。幸いにしてある程度話し合いがついてスムーズに行ったと思ったところが、結論においては決して安くなっておらぬ。これを調整してやっていただくのは、やはり行政官庁の立場において、通産省として十分考えていただかなければならない。幸い今のお話であれば、ある程度の調整がつくと思いますが、なお十分この点を考えられて、われわれは何も石油業者との間に、生産業者との間に摩擦を生ずるというようなことは好ましくないことであるということは、初めからわれわれ言っておるのでありまして、その間の調整は、やはり農林当局、通産当局において話し合って、そして行政が非常にスムーズに行って、なおまた生産業者も、石油業者も、ともに立って行こうというような立場を十分に考慮されて、この問題を処理して行っていただきたい。これが私の強く要望するところでありますので、なお今後とも十分にこの点をお考えになって善処していただきたい。この点を要望しておきます。

森崎隆日本社会党

○森崎隆君 全漁連の要求にこたえて割当がありましたときに、今千田委員からも申されましたように、上半期の方で全部ポンドで割当を受けたのですが、これには何か理由があったのでございましょうか。どういう理由でそういうふうにしたのですか。  それと、もう一つは、普通の場合、今度の下期の総額では、大体ポンドとドルの関係で、ポンドの占めるのは大体三七%近くじゃないかと思うのですが、そういう比率は一応きまっておるのでございましょう。そこで上期においてもそれがあったと思うわけです。ところが全漁連だけには全然ドルは配分されなかったというこの理由。  もう一つは、元売り業者もみんなそうですが、やはりある意味で国内産業の基礎的な問題にもなりますので、原油を輸入すると安くつくし、関税も安くなるし、いろいろな面でいいのじゃないか、また製品にいたしますと、たとえばポンドというワクと、製品というワクとを示されておるが、非常にこれは高くなって困るというような点も考え合せますと、従来原油で輸入するものと、製品で輸入するものとのパーセンテージ、そのパーセンテージはどういう格好で出てくるのか、国内的な計画上から出てくるのか、また日本へ売りつける国側の要望からそういうものが出てくるのか、そういう事情をお知らせいただきたいと思います。

松尾金藏通商産業省鉱山局長

○説明員(松尾金藏君) 上期におきましてポンド貨の割当ということをいたしましたのは、御承知のように、最近の外貨事情では、ポンド地域に対する輸出が非常に伸びております。ポンド手持ち外貨の状況が比較的ようございましたので、そういう意味も兼ねまして、ポンド貨を使っていただいたらと思います。現実にはお買いになりました状況を聞いておりますと、ポンドでお買いになりました結果は、FOB価格はなるほど若干高かったようでございますが、フレイト関係は、今度シンガポールから輸入された関係からいたしまして、フレイトはドルから輸入されるよりもかえって安くなっておる、結果においては若干本来のドル価格よりは少し高くなったかと思いますけれども。そういうことを考えまして、下期におきましては御希望もございましたので、先ほど、通商局次長から御説明申し上げましたように、約八十万ドルはドルで入れるというふうに、下期で調整をとったつもりでございます。  それから原油輸入につきましてでございますが、これは御承知のようにもともと漁業に利用される漁油はA重油でございまして、当然A重油の確保が問題の中心であろうと思います。ただ現実の問題といたしまして、A重油を買い付けることが、何か世界の油の事情から非常に困難であるとか、あるいはむずかしい事情を伴うようなことに相なりますれば、そういう情勢のときにはこれはA重油だけをということには参らないわけで、そういう情勢になれば原油をということに当然考えざるを得ないと思いますが、その場合でも現実には漁連の手に入りますのはやはりA重油が入るというような格好で処理するのが、本来の姿であろうと思います。現実にはA重油の買付ができておりますので、今回も全漁連の必要とされますA重油を中心に外貨の割当の対象とする、こういうわけでございます。

森崎隆日本社会党

○森崎隆君 大体お話わかりましたけれども、まあポンド地域の貿易が非常に振興した。その中に農林大臣のカン詰の売り出しも相当成功されたということもありましょうけれども、それはけっこうでございますけれども、その問題は、全漁連の割当だけに、そんな大した額ではないのですから、これは完全ポンドということで各漁連について配分を受けることは、各府県の漁連なんかでも非常に不審に思っておるわけですね。そこからいろいろなデマも飛びますし、それでまあ下期においては大体今のように公平の原則から立てられるのはけっこうですが、下期の場合を考えるときに、上期においてこのように全額ポンドのワクでやられるということを、多少カバーするような考え方は、もう全然ない。ただ下期で八十対四十六ということになっておるんですが、全漁連の場合だけは、この比率から一挙に、このドルの比率を、多少プラス・アルファにして、上期で全額ポンドにしたのを、多少いい意味で修正するというような御意図はないのか。大したものではないですよね、ほんのもうちょっぴりした金でございます。そういうことは全然考えておりませんか。これは年間を通じてやはり公平にやろうとすれば、当然そういうことを考えていただけるものだと考えております。

松尾金藏通商産業省鉱山局長

○説明員(松尾金藏君) 先ほど申し上げましたように、当初予算の計画としてやっておりました、計画を持っておりましたものを、特に全漁連からの御希望もございましたので、先ほども申し上げましたように、取り急ぎ改訂をして、今度の予算に組んだつもりでございます。その比率は大体予算全体の中でドルとポンドの使用の状況の比率を大体の目安にして、なるべくドルの方が買いやすいというようなことでございましたので、私どもの方の腹づもりでは、できるだけドルをというように配慮いたしたつもりでございます。まあ下期はこの辺で実施をしていただきますれば、円滑にやっていただけるのじゃないかと、こういうふうに考えております。

江田三郎日本社会党

○委員長(江田三郎君) この問題についてはこれで切りあげます。  それではしばらく休憩いたしますが、ちょっとその前にお手元に草資源の改良増成及び利用増進に関する件の申し入れの案文をお配りしてありますから、これは十一日の委員会で取り上げることでございますが、かねて数回にわたりまして参考人の意見も聞きましたし、当委員会でも検討しまして、非常に重要な問題と思いますので、この十一日に取り上げる前に、あらかじめ内容の御検討を願っておきます。  それではしばらく休憩いたしまして……。

森八三一緑風会

○森八三一君 休憩前に、十一日の議題の業務用の塩の問題に関連して、資料の提出を要求したいと思います。それは専売公社の買い入れについて輸入塩の種類別、輸入先別数量単価内地塩の種類別数量単価、昭和二十九年の実績、それから売却の種類別、売却先別数量単価、いずれも二十九年の実績で一応出してみていただきたい、それをお願いいたします。

江田三郎日本社会党

○委員長(江田三郎君) しばらく休憩いたしまして、午後は一時半から再開いたします。    午後零時二十一分休憩      —————・—————    午後一時五十五分開会

江田三郎日本社会党

○委員長(江田三郎君) それではただいまから委員会を再開いたします。午後の委員会は農林大臣の出席を求めておりましたが、午前中申しましたように農林大臣はお差しつかえがありまして出席せられませんので、食糧庁長官及び官房長の出席によって委員会を続けたいと思います。  最初に米穀の需給、検査及び管理等の件を議題にいたします。御承知のように十一月一日から新米穀年度に入ったのでありますが、本年は空前の大豊作と言われておりますが、それにもかかわらず第二回の予約売り渡しの申し込みがふるわない、あるいは業務用配給米の売れ行きが不振であるというような問題がございますし、また一方政府の方では農産物価格対策協議会において米の統制撤廃後における問題の検討をしておられるようにも伝えられまして、こういう数々の問題につきまして、生産者からも消費者からも非常に大きな関心が払われております。本日は当局から本米穀年度における米穀の需給を初め、産米の検査成績及びその後の米穀の管理方針などについて事情を明らかにしていただきたいと思います。

清井正食糧庁長官

○説明員(清井正君) ただいま委員長からお話がございましたが、本米穀年度、すなわち十一月から新しい米穀年度に入ったわけでございますが、実は御承知の通り毎年でございますというと、供出割当をいたしまして、供出割当数量が政府の買い上げ得る数量、従って配給し得る数量ということにいたしまして、配給計画を立て、従ってそれに伴いまするところの諸般の計画を立てるのでございまするが、本年は申すまでもなく第一回の申し込みが二千七百有余万石ございまして、さらに引き続き第二回の申し込みを、第二回と申しますか、改訂申し込みをただいま生産者に呼びかけておるような次第でございますが、実はまだ、ただいまもちょっと委員長からお話ありました通り、きわめて成績もただいまのところではよろしくない状況でございます。本月の十五日をもって改訂の申し込みの期限といたしておるのでございますが、その最近の申し込み状況にかんがみまして、さらにその趣旨が生産者に徹底いたさない部面もあるやに考えられ、同時にまた早場格差のできました日にちが十月末で終りましたので、その間生産者は相当出荷の方に努力を払われまして、しかもその間割合に天候不順な地域もありましたような次第でありまして、新たなる追加申し込みに対しましては、まだその用意もできていない部面もあったようでございますので、さらにこの日にちを延期いたしまして、生産者の申し込みを取りたい、こういうふうに実は考えておる次第でもあるのでございます。従いまして、政府にどれだけの数量が集まって参るかという事情がまだ判明をいたしてないのが今年の事情でございます。従いまして、新米穀年度に入ったのでございますけれども、いまだ私どもといたしましては、新年度の需給推算というものは、はっきり実は確定をいたしていない事情もあるのでございます。いましばらく追加の申し込みの状況を待ちまして、その申し込みの数量を勘案いたしまして、その後の計画を樹立し、新需給計画を策定いたしたい、こういうふうに実は考えているような次第であります。従って、新米穀年度の米の需給計画というものにつきましての確定的な数字の策定につきましては、いましばらくお待ちを願いたい。また、私どもといたしましても、そういうように実は考えまして、目下しきりに準備を進めておる次第でありますから、この点は御了承願いたいと思うのであります。なお、ただいま各地に職員を派遣いたしまして、それぞれのブロックごとに各県と需給計画につきまして詳細な打ち合せをいたしておる最中でございます。今週中で全部終了いたす予定でございますので、終了次第、全部の数字を集めまして、国全体の需給計画の数字を作りたい、こういうふうに実は考えておる次第でありますので、さよう御了承願いたいと思うのであります。  ただいま申し上げました通り、第一回と申しますか、本制度に基く当初の売り渡しが二千七百七十五万三千石ということになったのでございますが、その後引き続き申し込みの補正を要請いたしまして、その間七千九百万石の本年の収穫見込み等も出ている次第でありますので、私どもといたしましては改訂申し込みが相当数量に達することを実は期待いたしておるのでございますが、現在まだ六十一万石程度の数字しか集まっていないような次第でございます。主として東北、北陸等が主眼でございまして、その他の県にもございますが、約六十一万石程度、ごく最近、現在におきましても六十四、五万石という程度しか実は集まっていないのでございます。そういうような次第でございますが、ただいま申し上げたようなことで、それにつきましては、まだ趣旨の不徹底、あるいは早場等の問題に専心をいたしたというようなこともありますので、さらに十一月十五日の期限を延長することにいたしまして、補正申し込みの確保をして参りたい、こういうふうに実は考えておるような次第でございます。  その間におきます米穀の事情を申し上げますというと、ただいまも委員長からお話がございましたが、業務用米につきましても、一升百三十円の平均価格で政府が準内地米を売却いたすことにいたし、九月末から若干試験的な売却をいたし、十月からは本格的に始めたのでございますが、ちょっとただいま数字は持ち合わしておりませんが、あまり成績がよくないのでございます。そこでその間の事情にかんがみまして業務用米の売り渡し金額を一升百二十円まで引き下げまして、そこでこれを全般的に業務用に売却するようにということで、十月の末から本格的にこの売却の措置を取って参ってきたのであります。まだ最近の数字が集まって参りませんので何とも申し上げられませんが、過去の百三十円時代の実績はあまりかんばしい実績を得ていない実情にあるわけでございます。なお、百二十円に引き下げました結果がどういうふうに現われて参りますか、なお、その後の推移によりまして、また引き続き新たなる手を打って行かなければならぬかと考えておるのでありますが、事情はかくのごとき事情にあるわけでございます。七千九百万石という一応の収穫見込みがありまして、私どもといたしましても、相当の農家保有を考えましても、なお相当程度売り渡し得る数量があるわけでございますので、ぜひともこの数量につきましては政府に売り渡しの申し込みをしていただきまして、そうして政府の手においてこれを配給するようにいたして行きたいということで、目下改訂申し込みの促進をいたしておるようなわけでございます。ただいま申し上げたような事情により、引き続きさらにこの二、三日より職員を各府県に派遣をいたしまして、それぞれの事情によりまして、よくその趣旨の徹底をはかり、集荷団体等とも協力いたしまして推進したい、こういうふうに考えて、せっかく努力をいたしておるのが現状でございます。

江田三郎日本社会党

○委員長(江田三郎君) 御質問がございましたら……。

森八三一緑風会

○森八三一君 今のお話で、七千九百万石の収穫予想、十月十五日現在の農林統計調査事務所の集計が出て繁ります。そこで二千七百万石の予約申し込みに対して、自家保有の想定高を加えても相当の余裕がある。これが第二次に出てこない。その出てこないという理由は、一体那辺に存するか、御調査になったと思いますが、当局ではどうお考えになっておるのか、どういう理由で第二次の申し込みで出るべきはずのものが出てこないのか。政府が買いたくないというなれば放任しておけばよいのだが、政府が配給の責任をお持ちになっておるという関係から、どうしてもよけい買いたいという立場にお立ちになっておると思う。だから、集まらぬとすれば集まらない理由を確かめて、その理由になるものを除いて行くという対策がなければならないと思いますが、どうお考えになっておるのか、まず最初にお伺いします。

清井正食糧庁長官

○説明員(清井正君) 理由はどういうところにあるかということでございまするが、実はこれは非常にむずかしいことでございまして、私どもといたしましては、ただいまお話し申し上げた通り、収穫見込み等からいたしますと、相当数量の売り渡し得べき米が出て参るわけであります。本来ならば、割当の問題でございますが、本年は御承知のような状況でございますので、先般の二千七百七十五万石の申し込みを、さらに実収が上ったことによる改訂申し込みによって増加をしてもらうということで、十一月十五日を期限といたしまして実施をいたしたのであります。ところが、申すまでもなく、十月末日までのいわゆる早場格差の問題がございます。同時に、また天候不順で相当調製に困難があったというような事情もあり言して、県なり農業団体はもっぱらその方面の指導に努力をいたしておられたようでありまして、従って十月の末日まではもっぱら早場格差の方の関係等もございまして、政府に対する所定の申し込みの実施、実際上の売り渡しということに努力をされておったようであります。そこで、非常に実績が悪い状態でございましたので、私どもも先般来職員を各地に派遣をいたしまして、その実情を調査いたしたのでございまするが、各県並びに農業団体の首脳部においては、その趣旨を了とされまして、さらに農家に対しましてその趣旨の徹底をはかりたい、そうして改訂申し込みをさしたいということをはっきり言っておられるのであります。しかし、何しろ時期も迫っておることであるから、さらにこの趣旨を農家に徹底させまして、申し込みを取りまとめるためにやはり相当の期限延長をしてもらいたいということが、各地を回りました私どもの関係職員に対する地元からの一斉の御要望であったのであります。従いまして、その御要望に従って、今回早場の格差の問題も済みましたし、天候もよくなった事態もありますし、私どもといたしましては、この際改訂申し込みの趣旨を十分責任者に了承してもらいまして、本来の目的の達成に努力をして行きたい、そのために期限を若干延長する必要があるということで、いたしておるのであります。従って、生産者といたしましては、むろんただいま申し上げたようなことで、当初申し込みの実現の方に努力をして、申し込みをするひまがなかった。従ってこれから申し込むということであるので、十一月に入ってから相当申し込みが伸びるということに私は考えておるのであります。さらにまた、端的に申し上げますと、生産者あたりにおきましても、何と申しますか、不安感と申しますか、いろいろな感じを持っておる生産者もあろうと思うのでありまして、私どもといたしましては、この際追加申し込みの措置ということに万全を期して行きたいと、こういうふうに実は考えます。さらに引き続き職員を派遣するなりして、趣旨の徹底をはかるようにいたして行きたい、こういうふうに思っております。

森八三一緑風会

○森八三一君 ただいまの第二次追加申し込みといいますか、補正申し込みといいますか、非常に不振である、統計上は一応あるべきものが爼上に上ってこない理由として、集荷時における天候の不良、さらに早場米の奨励金の時期の関係で、わせ米の調製、供出に専念をしておったというような形式的な、常識的に想像のできる理由をおあげになったのでありますが、実際問題としては、私は大多数の農民諸君も、また米の供出について直接にその責任組織として活動をしておる各種の農業団体の幹部の意向等を総合しますると、現在行われておるような建前における供出制度と申しまするか、米の統制の制度を存続してほしいという要望はおおむね一致をいたしておると承知をいたしております。統制廃止ということについて、最近の情勢下において賛意を表しておるものはほとんど皆無と申し上げてよろしいと思うのであります。そういうときに、先刻委員長からもちょっとお話があったかと思いますが、政府の機構の中で、統制廃止後におじる米価のあし方というような問題の研究が進められておると、これは現在のような予約買入れ制度という姿における統制を要望しておる農民諸君に対しては、非常に不満なことであわ、それが米の統制に対する不信を招いておるという非常に大きな要素をなしておると思うのでありますが、食糧庁当局としては、こういう問題をどういうように取り扱っておられますのか、そのことをまずお伺いいたしたいと思います。

清井正食糧庁長官

○説明員(清井正君) ただいまの御質問の点でありますが、この統制制度の問題につきましては、先般農林大臣も御出席してはっきり申し上げたのでございますが、私どもといたしましては、当時米が相当の、ととしは増産になるというような予測が一般にございましたときに、言論界その他各界において非常に米の統制制度の改正の問題が議論せられたのであります。私どもといたしましては、この問題につきまして、それぞれ一応の考えは今後とも整備しておく必要があるというようなことを考えてはおったのでございますが、制度自体についてどうするこうするということについては、いまだ何も私どもとしては措置はしていないのであります。ただ一般に議論をされるときに、その議論に対しまして、相当の過去の統計数字なり、あるいは過去の調査資料なりを十分調査準備しておきまして、そういったような統制制度の問題に対する質問に対しまして、事務当局の責任においてこれに対しまして措置し得るだけの、資料的準備はする必要があるではないかと、こういうような考え方で折々部内におきまして資料的な措置をしておった事実はあるのであります。しかしながら制度自体の問題につきましては、これは申すまでもなくきわめて慎重を要する問題でありますので、大臣もこの前はっきり申し上げた通り、きわめて慎重な態度をとっているのであります。われわれといたしましても、制度自体についてはどうこうするという具体的な措置は、何らとっていないのであります。ただ私が申し上げたような世論の一般的な傾向に対しまして、資料的な、統計的ないろいろの準備を、事務当局の責任においてする必要がある範囲において、若干の資料的準備をしておった事実はあるのでございます。制度の問題につきましては、先般農林大臣がお話申し上げたような次第であります。

森八三一緑風会

○森八三一君 そうすると端的にお伺いいたしますが、今年行われた予約買入れ制度というものは、変更する意思なしというように理解してよろしいかどうか、端的にお伺いいたします。そこに農民の非常に不安がある。外国の米が非常に高かった時代には、パリティー計算という特殊なる算出方式で米価は圧迫せられ、そうして外国食糧の生産の増収に伴って、むしろ逆になってくるというと、外国価格にさや寄せするというような議論が発生してみたり、また統制を外して外国食糧の価格に引き下げて行くような結論を得るために、統制を廃止するというような、全く生産農民から見れば、始終犠牲を強いられるだけであって、何ら政治を通して恩恵を受げるということもないというような過去の苦い経験から、今申しまするような統制廃止というようなことを前提とする研究が行われているということは、やがてそういう時がくるのじゃないかというところに、私は第二次予約の不振が存在をしている。当局が今年の七千九百万石の米をつかみたいということであるなれば、そのことについて明確に態度を鮮明なさるということが、最大の私は要諦であろうと思うのであります。予算の関係で、九千何がしの予算米価が一万百六十円になったということで、おおむね石当り配給価格と買入れ価格との差が一千、そういたしますと、二千三百五十万石以上に第一次の予約があった。こういう結果ここにまた四十億程度の食管会計の赤字が生まれてきておる。その上にさらによけいな数量をつかむことは、食管会計の赤字が累増せられるということにもなるわけでありますので、というようなことから、形の上だけで第二次予約を要求しておって、予算の関係から実際買いたくないという腹があるとすれば、これは別でありますが、ほんとうに一俵でもよけいつかみたいということであれば、統制の根本的な対策というものについて、生産農民が期待するようなことについて、明確な線を打ち出さなければ、その実を上げるというわけには参りかねると思うのでありますが、長官はこういう点についてどうお考えになりますか、端的にお伺いいたします。

清井正食糧庁長官

○説明員(清井正君) 今後の問題につきましてただいま御質問がございましたが、これは私ただいま申し上げます通り、追加と申しますか、補正の買い入れということにつきましては、全力をあげて政府に対して売り渡しをしていただきたいということで考えておるわけであります。むろん御指摘の通り、予算よりもふえた分については赤字が起るわけでございますが、現在の制度の建前その他といたしまして、ぜひとも一俵でも多く政府に対する本来の売り渡しを要求するということで、努力をいたして参ってきているのでありますが、なお成績不振の状況でありまするので、十一月十五日の期限をさらに延ばして、さらに職員を増員し、その他あらゆる方法を講じまして、政府に対する売り渡しを確保するということに、全力をあげて行きたいというふうに考えている次第であります。

森八三一緑風会

○森八三一君 そのことの実をあげるために、その根本的な統制方式というものをどうするかということについて新聞等にも、とかくの研究が進められておるとか、あるいは二千三百五十万石以上に政府所有米がふえたことは、一両年前から、統制を解除するためには政府のある程度の準備、その中心的なものは操作米を持つことだというようなことも議論されたことがありますので、それがおおむね今度は完了する、そこで統制がはずれて自由に移行するのではないか、しかもそういう研究が一面には進められておるというようなところに私は問題の焦点があると思うのです。お話のように全力をあげて本年の有史以来の大豊作のあとを受けて政府の所有米、買入れ米をふやしたいということであれば、その生産農民が一番不審に思っておる点についてメスを入れなければ、その実は期待できない。これはもちろん長官だけの方針でというわけにはいかぬと思いますが、食糧庁事務当局としては、どう考えておるかということを御鮮明になるということが当面の私は最大の急務だろうと思います。それなくしては、いかに食糧庁の諸君が努力いたしましても、本気になって供出数量を確保して行くということには参りかねると思うのであります。その他にも関連があります。ありますが、地方に参りまして生産農民諸君の意見を承わりますと、その不安というものが一番大きな私は障害をなしておる要素であると、こう思いますので、重ねて現在の予約買入れ制度というものを続けて行く御意思であるのか、お変えになるのか、そういう点について事務当局としての御意見を承わりたいと思います。

清井正食糧庁長官

○説明員(清井正君) 今年の制度につきましては、先般の米穀懇談会におきます答申に基いて作られたわけでありますが、そのときの米穀懇談会の御決定におきましても、いわゆる三十年産米についてはこの制度を実施する、将来の問題につきましてはあらためて検討するというような御方針であったのであります。三十年度産米につきましては、右の御答申の趣旨にのっとり、事前割当制度をとりまして、御承知のような結果になっておる事情でございます。差しあたっての問題といたしましては、ただいま申し上げたようなことで懇談会の答申に基いてその精神にのっとり、三十年度産米に対して新制度を実施したのであります。三十一年度産米以降の問題については、私どもといたしましては、今後の措置によりまして方針が確定さるべき性質の問題でありまして、ただいま事務当局といたしましても、今後の措置につきまして、来年は必ずそれを継続するということをここではっきり申し上げることはちょっと申し上げかねるわけでありますが、私といたしましては、その問題は別といたしましても、本年産米の追加の申し込み、すなわち予約集荷の申し込みにつきましては、極力集荷に努力して行きたい、こういうふうに考えております。

森八三一緑風会

○森八三一君 といたしますると、逆にお伺いいたしまするが、審議会の答申は三十年産米についてはかくかくの方針によって進むことが妥当であるという結論を得たので、政府としてはその結論に従って三十年度産米の問題だけを取り扱った、その取扱いをおやりになった経験、経過から考えまして、事務的にその予約集荷というものは失敗であったのか、失敗でなかったのか、これがよかったといたしますれば、ここに逆論ではありますが、制度を改訂する必要なしという結論は私は出てきてしかるべきだと思うのであります。事務的にごらんになりまして、今回の制度というものは非常にまずかった、こうお考えになるのか、これは米価審議会が答申したから、それを実行したということであって、まずかったといたしましても必ずしも政府だけに責任があるとも思いませんが、端的に非常に成功であったとお考えになるか、まずかったとお考えになるのか、今までの経過を振り返ってみてどういうような感想をお持ちでございますかをお伺いいたすものであります。

清井正食糧庁長官

○説明員(清井正君) 私はこの制度を改変をするに当りまして、今までの割当制度がこういう制度に変ることにつきまして、生産者が申し込みを渋るのではないかという実は端的な気持を持っておったのでございますが、この制度を実施以来、関係団体等の十分な協力もあり、この制度は確かに成功であったというふうに私は考えておるわけであります。

森八三一緑風会

○森八三一君 そうしますると、米価審議会の答申は、三十年産米についてという一つの制限を設けての答申であったといたしましても、食糧の統制について事務的な責任をお持ちになっている食糧庁が、過去における強制的な強権をもって割当をしたという制度よりは、この自主的に申し込みをするという制度の方がまさっておったという現実をお認めになるといたしますれば、この制度を存続して行くという結論が事務的には出てきてしかるべきとこう思うのでありますが、そういう結論は出てきませんですか、どうですか。

清井正食糧庁長官

○説明員(清井正君) まあ事務的と申しましても、いろいろむずかしいのでございますけれども、確かにこの制度は、ただいま申し上げた通りのような成果を見ておるのであります。今後も申し込みが増強されると思いますので、本来のこの制度改正の目的は達せられておる、従ってこの制度は非常によかった制度であるというふうに私は率直に考えておるのであります。今後の問題につきましては、ただいま申し上げた通り、はっきりここでどうこうということは申し上げられないのでありますが、確かに本年度の施策は、いろいろな観点から見て成功であったというふうに私は確信をいたしておるのであります。

森八三一緑風会

○森八三一君 まあ同じことを堂々めぐりで聞いておりましても時間が経過いたしますが、私は本年の豊作のあとを受けまして、それはもちろん新聞紙が伝えておるような、また食糧庁でにぎっておられまする農林統計調査部の十月十五日現在における生産量というもののような非常に大きな豊作という結論ではないように存じております。二十六号台風の影響、収穫時における天候の不良などからいたしまして、調査時以後における悪条件が相当に累積をいたしておりますので、ある程度の減収というものは考えられると思いますが、と申しましても、昨年なり平年作に比べて相当量の増産であるということは間違いないことであろうと思うのであります。それを管理法に基いて完全に吸い上げるという措置が当面の食糧庁としての責務であろうと思うのでありますぶ、そのことを推進して参りまするために、最大の要諦は、この制度を存続することを言明するということが当面の私は急務と思うのであります。それなくして、ただ出張って行って演説をぶってみたって、それはなかなか数量的な期待を得るというわけにはいかぬと思うのです。本日そういう言明が得られぬとすれば、残念ではありますが、早急にそういう措置を講ぜられたいということを希望を申し上げます。  その次に、第二に私は障害をなしておるものは、強制的な供出制度の時代から、自主的な申し込みの時代に変りました場合に、農民諸君の所得をどう押えるかというその基礎の算出方式の変更ということが非常に大きなこれは私障害の要素をなしておると思う。これはもう新聞にも出ておりましたし、理論的にもまさにそういうことに移行することはやむを得ないと思いますが、いわゆる反当収量というものを作定をして、それによって農家の所得計算をするその反当収量というものが、農民団体の意見を聞いてということになっておりますが、最後の段階に参りますれば、これは税務当局の方で一方的にきめられるということは、過去の経験に基いても間違いのないことであろうと思うのです。そこで食糧庁としては、そのことが非常に大きな障害をなしておる原因といたしますれば、その米の所得に対する税というものが決して不当なものでなく、全く生産農民の理解し得る姿において計算をされるのだということを、何らかの形において打ち出さなければ、よけい出したということによって、あるいはその地方にほんとうに飯米をさいてまで政府に第二次の予約をしたということが、逆に非常に生産量が多かったんだと、数量の見込みをそれによって不当に見積られるということになるであろうという心配を、農民諸君は持っておるのであります。税務当局に聞きますれば、そんなことはございませんという御答弁がございまするが、実際問題としてはそういうことが行われておる。現に強制割当の時代におきましても、匿名供出のごときは絶対に課税の対象にはならぬような措置が講ぜられるというようなふうのお話があったと思いますが、それは単なる農林省の考え方であって、税務当局としては所得があったところへかけるのは当然だということで、出荷を奨励する当時には課税の対象にならぬという説明を聞いたけれども、税を納めるときになると、官庁が違ったので課税の対象にされたという問題が、現に不振の問題として各地でお話を聞かされるのであります。本年の豊作のあとを受けて、一俵でもよけいつかもうということが、長官再三のお話のごとく要求であるといたしますれば、そのことに対して、もっとはっきりした政府の態度というものをお示しにならなければ、私は実際出てこないと思う。結局いたずらに横流れを奨励するということにとどまってしまって、非常に残念な結果が生まれると思うのでありますが、その税の対策について農民課税の問題は、明後日全般的に審議をされますので、米の問題に限って、食糧庁としては米をつかもう、そのつかもうということに対して障害をなしておる米の所得に対しては、どういう対策をおとりになるのでございましょうか。今後それが第二次予約の障害であるとお考えになりますならば、どうおやりになって行くのか、その御方針を承わりたいのであります。

清井正食糧庁長官

○説明員(清井正君) 税の問題につきまして御指摘の点でございますが、御指摘の点は確かに実際問題として、今まで政府に対する売り渡しの障害になってきた事実はあるわけであります。私ども先般御承知の通り、御審議を願いました税の軽減の法律によりまして、政府に対してこの制度によって売り渡したものにつきましては、相当の減税をするということにつきましては御承知の通りでございます。従ってその措置が引き続きただいまもとられておるのでございまして、この制度により政府に売り渡した者は、売り渡さざる者に比較いたしまして、千二百円を基準といたしまして、減税の恩典があるということは申すまでもないことであります。今回の措置につきましても、この制度を利用いたしまして、政府に売り渡した者と、そうでない者との間に、所得税の減免につきましての措置が違うという説明をはっきりいたしておるわけであります。それはそれといたしましても、根本問題といたしまして、税金のために政府に対する売り渡しが阻害されるということの事実に対しまして、先般、ただいま御指摘もありましたが、水稲所得に対する所得税の課税について、十月二十八日に閣議決定がございまして、従来の石当りの所得標準から、反当りの所得標準に変えることになるのでありますが、その場合においても、その変更によって税の増徴が行われるということは絶対にないということと、実際問題の反当り所得標準の作定、並びにその適用等、現実の実務を実行するに当りましては、税務官庁は、現地の市町村長なり農業委員会及び農業協同組合等の農業関係諸団体と緊密な連絡をとりまして、現地の実情を反映した意見を尊重する。また必要によって関係官庁は必要な資料の提供に協力するということについても、閣議決定がございました。その趣旨を十分各府県団体に徹底をいたしておるのでありまして、私どもといたしましては、ただいま申し上げたこと、並びに政府に対して事前売り渡し制度によって売り渡した者に対しての税の特典、二つにつきましてさらに趣旨の徹底をはかりまして、努力を要請をいたしておるような次第でございます。  なお税につきましては全般的な御審議がまたあるようでございますが、私どもといたしましても、この税の問題が、政府に対する売り渡しに重要な関  係があることは十分承知をいたしておりますので、今後政府に対する売り渡しが円滑になるように、税の観点からの問題につきましては、常に注意を払いまして、税務関係当局とも十分連絡をとって参りたいと、こういうふうに考えておるような次第でございます。

森八三一緑風会

○森八三一君 過去でもその所得の計算については、農業協同組合とか、農業委員会とか、いろいろなその農民団体の意見を聞いて、適正な課税をやれということは、しばしば言われたことであります。また、そういうように団体に意見を聞かれたこともあります。ありますが、結論はいつでも一方的に決定されておるので、これはもう畜産の場合でも、養蚕の場合でも、タバコの場合でも、米の場合でも、あらゆる場合にいろいろ意見は聞かれますけれども、その意見を聞きっぱなしで、最後の結論というものは税務当局が一方的に決定するということであったのであります。そこで今お話のような、今回の石当り所得から、反当り所得に税が変ることによって、農民の負担が増高するということはない、これはあっちゃならぬことでありますが、それは形式的なことでありまして、実際はその反当収量というものを見込むときに、水増し見込みをやられたら、それは何にもならぬ。それがまた供出数量等に因果を持ってきておるという心配を持つところに、第二次の予約が不振をきわめておるという原因があるのであります。反当収量というものを作定する、決定するときに、ほんとうに生産農民の意思が税務当局の方に徹低するような、何らかの旋策を講じなきゃ、意見を聞くということだけじゃ……もう今までにも実は一切聞かれておらなかったというこれは事実があるのですから、そういう抽象的なものだけでは納得しない。私はそう思うのです。今までは聞かなかったかというと、聞いておった。しかしそれがいつも決定は一方的に押えられておった。これは事実なんですから、同じことを繰り返しておったって、農民はちっとも信用しないということになると、一方的に形式的なことを申し上げるということにとどまると思うのでありますが、そういう点というのは、もう少し突っ込んだ対策というものをお考えになりませんので、ございましょうか。もしそれがないとすれば、やはりこれは第二次の予約というやつはそう進んで行くものではないと考えます。むしろ少々政府の一万百六十円よりも安く売っても、統制規則違反でありますけれども、安く売ったところで、その方が農民の経済から見れば利益であるというような結果も生まれてくるのではないかと思うわけであります。その点について具体的に何かお考えになっていることがございますならば、お承わりいたしたいと思います。

清井正食糧庁長官

○説明員(清井正君) 御指摘の点は十分わかるのでございますが、この点は先ほど私が十月二十八日の閣議決定につきまして、その趣旨を御説明したことに尽きるのでございますが、さらに反当収量の実際の決定に当って、現実の事態についての決定でございますが、先般閣議決定にも農林統計調査機関で作成したいわゆる市町村別の収穫量と申しますか、反当収量と申しますか、それを尊重して、課税標準の基礎とすることを考えるというような項目も入っておるのでありますが、私どもにいたしましても、単に抽象的なことだけで終ることのないように、真に現実の実情を十分勘案した課税措置のとられるということに努力をして行かなければならぬことは御指摘の通りでございまして、私どもといたしましても、今後の具体的な適用ということにつきましては、十分に注意を払って行かなければならない、こういうふうに考えておるのであります。特にまたただいま御指摘のありましたように、結局これは反当の所得標準の切りかえでございます。まあ従来においてもそうでございますが、政府に売らないで他へ売るということによって、むしろ税が逃がれられる、あるいは税が軽減されるということの考え方に対しまして、私どもといたしましては、全体の所得が標準になるのであるから、政府に売る、売らぬということによる差でなくして、反当所得からくるところのその農家全体の所得が標準になるということであるのであって、妥当な反当収量というものの決定につき、十分考慮をするということによって、ただいまの農家の誤解は十分これは避けられるのじゃないか、こういうような考え方でおるのでありまして、結局税務官庁が具体的な、妥当な査定をするというところが実は御指摘の通り問題でありますので、私どもといたしましては、今後具体的な、適正な課税標準の決定ということにつきまして、さらに注意をいたして参らなきゃならぬと、こういうふうに実は考えておるわけであります。

森八三一緑風会

○森八三一君 これもここで結論を得るというわけにいかぬと思いますが、よく考えてみますと、税の対象になるときの所得というもの、収量というもの、それから従来供出割当をした場合に対象になった数量というものと、農民が災害を受けて補償法によってもらうときに基礎になる数量というものとは全部これは違っておったのです。これは理論的には一つでなければならぬ、イクォールでなければならぬものが、違っておるのだ。農民が課税を受けたり、出すときにはよけいで計算をせられた農民が、買うときの基準はいつも低かった、こういう事実が、どう説明いたしましても、今回の反当に切りかえられるというときには、やはり多い方へと持って行かれるのじゃないか。そこで第二次をやらなければならぬ。飯米までさいて政府に協力する。それはその収量があったのだ、反当収量が殖えるという一つの条件を農民みずからが作って行くということになるんだという心配があるので、理論的にはそうあってはならぬと思いますが、実際はそういう心配をしておる。だから心配をせぬでもいいということを、もう少しはっきりわかるようにしてやる。そのためにはその反当所得をいうものをきめることについて、税務当局が一方的にきめるのではないということを明確に打ち出す。閣議決定ではまだ明確になっておりません。ただ意見を聞くというだけで、何かそこにもう一歩踏み込んだようなことが考えられなければ、第二次の予約を私はそう期待できない、収穫がなかったというのではなしに、期待できないと、こう思いますが、そういうことをお考えになりませんのでございますか。

清井正食糧庁長官

○説明員(清井正君) まあ具体的にさらにこの点をはっきりさせるという問題でございますが、私どももこの点の閣議決定に至るにつきまして、いろいろ中で相談した点もございますが、結局閣議決定としてはこういう表現に相なったのでございますが、私どもといたしましては、さらに御指摘のような点は検討を要する問題であり、従来もいろいろ問題があったと思いますから、将来この問題についてさらに具体的に検討を進めて行かなきゃならぬというふうに考える次第でございます。

江田三郎日本社会党

○委員長(江田三郎君) ちょっと長官、お聞きしますが、先ほどからの森委員の質問と関連があるのですが、まあ大体近ごろは食糧庁長官もなかなかはっきりしたことは言われぬという方針のようで、何かよく聞いておってもわからぬのですが、私ちょっと別なことからお聞きしておきたいのですが、一体今年まあ七千九百万石とか何とかいう数字が一応出ていますが、それから飯米を差し引いた場合には何ぼが供出対象になる数字になるか、全体としてどれだけのものが供出数量になるか。

清井正食糧庁長官

○説明員(清井正君) 要するに自家保有米の計算をどういうふうにするかということでございますので、自家保有米の計算の仕方によって多少数字が違って参ると思いますけれども、私ども御承知の通り自家保有米の計算は、生産がふえればふえるほど不完全保有農家というものが減りますので、自家保有米がふえて参るわけであります。七千九百万石とかりにいたした場合に、一体どのくらい計算上自家保有が出るかという計算を、ちょっと私ただいまいたしておりませんので、はっきりいたしておりませんが、今までの大体平年作で自家保有を考えましたときには三千七、八百万石、六百万石から八百万石の間が、平年作の場合には自家保有であるというふうに考えておるわけであります。従って、それが七千九百万石に上りますと、この自家保有がふえて参る。従って、それを差引きましたものが計算上の販売数量になる、こういうことになるだろうかと思います。ちょっとその数字につきましては、はっきり申し上げられませんが、平年作の場合には三千六−八百万石が自家保有、こういうふうに実は考えておる次第であります。

江田三郎日本社会党

○委員長(江田三郎君) この今の数字を聞いても、平年作の場合にはそのくらいだ、これは今までのでわかるわけですが、実際ほんとうに食糧庁長官の言われるように一俵まで残さずに政府に売り渡してもらうのだというような考え方で言っておられるなら、私はやはり自家保有についても、七千九百万石なら幾ら、なんぼなら幾らということがてきぱき作業されておらなければならぬと思うのです。そういうところが何だか供出をさすかささぬような、あいまいな印象を与えるのですが、一体かりに三千七百万石として、ある程度ふえるとしても、四千万石近いものが供出対象ということになりますが、そういうものを買い入れる資金措置は全部もう完了しているわけですか。

清井正食糧庁長官

○説明員(清井正君) これは資金につきましては、ただいま二千六百億という最高の食糧証券のワクがございまして、ただいま実施をいたしているのでございますが、これは御承知の通り毎月々々の最高限度をいうのでありまして、数量とその進行速度によって若干その考え方が違っておりますので、私どもといたしましては、そこをどういうふうに考えるか、ちょっと問題がございますが、現在のような状況でかりに追加申し込みが相当数量に達して参りますというと、現在の二千六百億の食糧証券のワクでは、これがまかない切れぬという事態がやがて起って参るのではないか、こういうふうに実は考えております。

江田三郎日本社会党

○委員長(江田三郎君) そこでいよいよ政府が何を考えているかわからぬことになるので、最後の一俵まで買うのだというけれども、その資金の手当はまだできていない。そういうところにやはり腹の中では、何のかんの食糧庁長官やそれから農林大臣がうまいことを言っているけれども、やはり腹の中では統制をはずす気じゃなかろうかという不安を与えてくるわけで、私はただ統制をはずすはずさぬという言明よりも、そんなことが、統制撤廃をするのじゃないという裏付けになる措置が、一つ一つ講ぜられておらなければ、なかなか安心するわけに行かぬと思いますが。  さらにもう一つちょっとお尋ねしておきますが、一体本年度予算に食管会計、まあ相当な赤字ということになっていましたが、その赤字は食管会計の中で操作をして行くということを言っておられたのですが、その食管会計の赤字の操作は、その後どういうように進んでいるのですか、今後の見通しというものはどうされるわけですか、あるいはそういうようなものを結局は消費者にかぶせるということを考えておられるか、その点はどうなっていますか。

清井正食糧庁長官

○説明員(清井正君) その点につきまして補正予算の問題としてこれを取り扱うことになるかどうかまだ決定をいたしておりませんが、私どもといたしましては、当初決定いたしました後の実行上の見通しというものにつきまして、目下検討をいたしておるわけであります。先ほど申し上げました通り、数量が予定よりふえますというと、その分だけ赤字になるのでありますが、その後また申すまでもなく麦の買い入れの問題、あるいは外米が予定よりも値下りしている、一方また業務用の問題等いろいろとプラスの要素もございますので、そのときそのときのプラス、マイナスの面を操作いたしまして、それがどの程度の特別会計の赤字になるかということにつきまして、せっかく実行上の問題と将来の予想を入れまして、ただいま作業をいたしておる最中でございまして、まだ結論が出ておりませんので、かりに結論が出ました場合に、そのために赤字がよけいふえるということになりますれば、その赤字に対してどう措置するかということを予算の問題と関連いたしまして考えて行かなければならない、こういうふうに考えておりますので、ただいままでは、目下のところ、この点について作業をいたしておる最中でありますので、確たることは申し上げにくい次第でございます。

江田三郎日本社会党

○委員長(江田三郎君) これは新米穀年度に入っても需給計画がはっきりしない、それから食管の赤字についてもせっかく作業中であってまだはっきりわからぬと、そういうような前例というものはあるのですか。私はやっぱり新しい米穀年度に入れば、きちんと、将来変更されるとしましても、需給計画というものはでき上っておらなければならず、また食管会計のやりくりについても、もっとはっきりしておらなければならず、まして一俵も残さずに政府の買い上げの対象にしたいというなら、そういうような資金手当もできておらなければならず、一切のものが、将来変更があるとしたところで、あなた方の立てられた計画目標というものから、一応確たるものがなければならぬと思うのですが、そんなものなしのやりくり、お天気まかせといいますか、そんな状態というのは、今まであったのですか。

清井正食糧庁長官

○説明員(清井正君) 今御批判を受けたのでありますが、これは先ほどちょっと申し上げた通り、今年の事情は実はちょっと今までと違っておるわけでありまして、今までは九月末日ごろに供出割当をいたしましたので、割当数量がはっきり確定いたしまして配給可能数量がわかる。そこで所要持ち越しを出しまして足らない分を入れるというような一定の計画は立ったわけでございますが、今年はただいま申し上げたような状態で、一応のことは計画を立てましたけれども、さらに政府が買い入れるということになりましたので、幾ら買い入れるかというような数字がまだはっきりいたさないというような、ことしは特殊事情にありますので、ただいませっかく各県へ回りまして相談をいたしておる最中でございますので、今週一ぱいかかれば、来週程度には数字がはっきりわかると思います。御指摘のように、新年度に入りまして需給計画が立たないのはおかしいじゃないかという御批判を受ければ、まことにその通りでございますが、まことに恐縮でございますが、そういったような特殊事情がございますので、ちょっと全体の需給計画というものを立てるのがおくれておる、こういう次第であるのであります。  それからまた収支のバランスの問題につきましても、ただいま申し上げました通り、予算を立てましたときと、その後実行とが相当違って参っておりますので、違った要素を一つ一つ考えて、プラスの面、マイナスの面を比較考量いたしまして、そうして赤字が出た場合にはその赤字をどうするという操作をいたして行かなければなりませんので、これまた目下作業中なのでありまして、結論を出しますには、しばらくかかるのじゃないか、こういうふうに考えております。

江田三郎日本社会党

○委員長(江田三郎君) あなたの答弁を聞いておりますと、ちょっと錯覚を受けるのでして、というのは、供出制度が変って、従来なら九月にちゃんと供出割当をしたのだからと、こう言いましたところで、その後の作況によってその数字というものは変更されるわけです。ところで今年度七千九百万石というものがどう動くか知りませんけれども、食管法の三条というのはあるのでしょう、ほかのところに売ってはいかぬという規定は残っておるのでしょう。そうしますと、理論的にははっきり何ぼ買うかということは出てくるはずなんでして、それが今後の実収に当って変更されるということはあっても、これは収穫予想というものが立てば、何ぼ政府が買い上げるのだということが、自家保有の計算さえすれば、出てくるはずなんですから、それを制度が変って今度は予約なんだからというあなたの言うことをずっと聞いておると、結局これは政府に売っても売らぬでもいいんじゃないか、食管法三条というものはないのじゃないかという印象を受けるのですが、それはどうなんですか。四千万石から買えるはずのものが二千七百万石しかない、集まらぬから仕方がない、実質的には食管法の三条というものはもうないのだ、形の上では残っておっても、一切意味のないものだと、こう考えておけばいいんですか。もしそれがそうでないとするならば、今ごろ計算が立たぬというのはおかしいと思うのです。計算が立たぬと言われる以上は、食管法三条というものはあれは空文だと解釈して行くより仕方がないと思うのですが、その点どうでしょうか。

清井正食糧庁長官

○説明員(清井正君) 理論的な御質問でございますが、これは実は三十年産米に限らず、二十九年、二十八年産米についても同じような問題があったわけでありますが、推定実収高から自家保有を引いたものと、今まで供出割当いたしましたものとの間に差があるわけでありまして、従いまして、その差につきましては当然問題になっておったわけでありますが、その点につきましては、私どもといたしましても割当をいたしますから、割当をいたしたものは全部一応出てくるということで配給計画を作ったわけであります。本年度は割当にかわる部分の基礎数字がまだはっきりしないというような観点から、ただいま申し上げたようなわけでございまして、ただいまの追加の関係の改訂申し込みがもう少しメドがつきましてはっきりいたさせるということが、うまく配給計画を立てるもとだろうと、こういうふうに実は考えまして、最後的の確定数字を作るにはもう少し日がかかる、こういう意味で申し上げたような次第でございまして、その点御了承願いたいと思います。

江田三郎日本社会党

○委員長(江田三郎君) 大体需給計画あるいは食管の数字というものは、資金的な問題あたりがはっきりするのはいつごろになるのですか。先ほど食管の方は来週と言われましたが、食管のやりくりの方は。

清井正食糧庁長官

○説明員(清井正君) 需給計画の点が今週一ぱいで全部入って参りますので、その後全国的な集計、計算をいたしますので若干日にちがかかる、全部各県別の集計ができますのが今週一ぱいと、こういうふうに考えております。

森崎隆日本社会党

○森崎隆君 プリントをいただいておりまして、二十九、三十年度米穀検査等級別及び百分率というのがありますが、ことしの三十年産米の検査の方式は、基本的にはどういうふうにお考えでございますか、一応伺いたいと思います。従来のと変らないのかどうか。

清井正食糧庁長官

○説明員(清井正君) 検査の問題につきましては先般来いろいろ当委員会におきましても御決議等をいただきましたのでございますが、まあ二十九年までの実績につきましてはすでに数字が出ておるのでありますが、本年産米につきましては検査の根本的な規格につきましては昨年通りの規格でございます。ただ実行の問題につきまして、従来実行いたす場合にはそれぞれ各県の見本、この検査によって実施するという実質的の見本を作るわけであります。見本を作る場合に、従来のいわゆる規定されました規格とほんとうの見本との間に相当差があるということが従来言われておりました。そのために非常に過酷な実際の検査になっておったというようなこともしばしば言われたのでありまして、ことしは特にそういうことのないように、規格と実質的な見本米というものを、はっきりこれを適正に按分すると申しますか、いわゆる標準米というものを規格に合うようにして行くということによって、正確な検査をするようにということで、当委員会の御決議等もありましたので、そういうことでずっと実施をいたしておるのであります。ことしはまあ二十九年産米と比較いたしまするというと、まあ天候のかげんもあるわけでございまするけれども、三等の割合が四等に比較しまして相当割合がよくなってきておるのであります。もっともこの割合はまあ今後毎年、これは早いほど成績が悪いのでありまして、おそくなるに従って品質がよくなってくる状況にあるのでありまして、今後の状態によりましてはさらに三等の割合が相当高くなってくるのじゃないかというふうに考えておるわけでございます。少くとも三十年産米の検査の問題につきましては、ただいま私が申し上げたような心がまえで実施をいたしておるような次第でございます。

森崎隆日本社会党

○森崎隆君 まあこの表を見ますると、まだ全体の等級のパーセンテージが出ていないのでございまするが、まあ二十九年度に比べてややいいようには見られるわけなんですが、ただ私たちが予想いたしますのは、豊作ということになりますると、これはまあ一本の穂につく米の粒の数がある程度増大するということもあるかもしれませんけれども、むしろ一粒の粒の皮が薄く中身が非常によく太っておるということが根幹をなしておるのじゃないか、従いまして等級の検査の方でいえば、これは飛躍的に出てこなければうそだと考えるわけであります。そういう点から考えましても、ことしのまあ米です、まだ関西方面は検査までは行っていないからわかりませんが、大体の予想としましては従来非常に押えに押えられて、まあ二等がほとんど出ない、一等は皆無だという従来の方式から考えて、ことしは飛躍的に優良な米ができると予想されている。少くとも何%かの一等米は当然出るということは、大体作っている人々の予想なんです。これを見ると、大体二等米は二%から四%程度、三等米がややふえたようになっておりますが、一等米は全然ない、こういう点はどうも私たちには、見本米というものを作って、それによって合すといいまするが、作り方にもよりましょうが、どうも私たちにはこれは解せない。少くとも私たちは昔自由販売時代のころには一等米というものは相当あったし、二等米も相当あった。現在の等級は厳格なんですかどうか、だんだん下ってきておりますが、ことしの豊作の中で一等米は皆無ということは、私たちは実は考えられない。何か方針が変っておるかと思ってお伺いするわけなんですが、これはおもに北海道、東北あたりが中心のようにも見られるのですが、早場米も今はあまり質がよくないというお言葉もあるのでありますが、この点については、一等が全然ゼロということについては、どういう御見解を持っておられるのか。やはりこういう点から考えても、多少のパーセンテージの上昇はあろうけれども、結局検査というものが従来に比べましてある程度厳格に過ぎる点があるんじゃないかという、私たちはそういう見方をするのでございますが、そういう点について、長官の一つ御見解を伺っておきたいと思います。

清井正食糧庁長官

○説明員(清井正君) 三等が四等に比較して割合にパーセントがいいという現状になっておるのでありまして、これは十月二十日現在でございますので、今後また三等の比率が上昇して参るということは考えられるのでありますが、一等の問題でございますが、昨年もパーセントには載らない数量しか出て参りませんし、今年度もわずかの数量しか出て参りませんので、まだパーセントに載ってないのですが、この点考え方でございまして、一等というのは非常にいい等級のものでございまして、まあ数量は今まで七千俵程度しか出ておりません。七千俵が将来どの程度になりますか、それはまあ今後の検査状況によるわけでありますが、ことしは豊作等の関係もあり、割合に等級が上位等級のものが比較的よくなるパーセントを示すというふうに考えられるのであります。一等自体の問題につきましてどうこうということはちょっと私もはっきり申し上げられないのでありまして、これは全般的に等級そのものを取り上げまして、かつての、昔品質が非常によくて銘柄等級が分れておったときの等級と、本年あるいは現在の制度における等級とがどういうようなものであるべきかという根本的な問題からこれはさらに検討を加えて行かなければなりませんので、なかなか一等だけにつき、あるいは一等、二等だけについて取り上げましても、問題が多いかと思います。今後私どもにおきましても、等級の問題につきましては十分検討を加えて行かなければならぬということは十分承知をいたしておるのであります。毎回実は当委員会でも御議論のあるところでありまして、事務的に検討は進めておりますけれども、なかなか踏み切れないで今まできておるのでありますが、私どもはさらに等級の問題につきましては、明年産米等につきましてもさらに前進した方策をとらなければならないと、実はこういうふうに考えておるわけであります。

飯島連次郎緑風会

○飯島連次郎君 米の検査の問題が出ましたので、私はこれに関係のある問題を関連して伺いたいと思います。それは本年の豊作の声の中に、実は非常に悲惨な状況に追い込まれておる農民が少からずある。それは特に関東地方の畑地帯における例の陸稲の穂発芽、つまり刈り取って倒した後に、具体的にいいますと、九月の下旬以降の連続した降雨のためにほとんど発芽をしてしまって、それから特に陸稲は政府の奨励、価格等の関係で特にもちの品種が非常に多くなって参りました関係で、あの連続の降雨のために、刈り取らない立っておる陸稲のもちが、立ったままで発芽をしてしまう。従って、いざ奨励金を早く入手するために、脱穀調製をして俵にして検査を受けてみたところが、十俵農業協同組合へ持ち出したら、十俵とも不合格で持ち帰らざるを得ない。さあ一方では関東地方の畑地の経営農家は引き続いて直ちに麦をまかなくちゃならぬ。麦の手当の肥やしの金がつまり払えない。のみならず、予約はしてみたものの、検査に合格しないのだから、とても予約数量がおさまらないということ。それから金は入らない、予約にはもう違反してしまう、その上にあの忙しいさなか持ち出したけれども全然検査に受からないという状況だものでありますから、この検査に立ち会っておるあなた方の関係の検査員の諸君も、農民と協同組合等の間にはさまって極端に、これはまあ神経衰弱といいますか、こういう焦燥の状況下に置かれておるわけであります。そこで、この問題についてはいろいろ今までも所轄食糧事務所にも連絡をとりましたし、食糧庁の本庁の検査部長や検査課長あるいは業務関係の人たちにも連絡をとりまして、検査規格を若干改訂をしていただいて、被害率従来二割というのを一割増して三割にしていただきましたが、その改訂した検査基準でやってみても、それによって救済されるのは約一割程度ということでありますので、たとえば私のもよりの食糧事務所の例をとりますと、大体生産する陸稲もちの数量が概数で二千五百俵ある。そのうち、もちとうるちの品種別に分けて調べてみますと、大体七割がもちであります。そのもちの品種のうち、なかんずく農林四号という種類のもちがそのもちのうちのしかも七割くらいを占める。これがことしの穂発芽をした品種の一番王座を占めておるわけでありますが、一割をふやして被害率三割という検査基準でやってみても、かれこれ一万三、四千俵が一食糧事務所の管内において救済されない、つまり不合格という姿で残ってしまうであろうという状況にあるわけです。従って、これの処理をするについては、今までのつまり五等の検査基準を下げても一万俵内外の米が不合格で残ってしまうということでありますから、生産者農家としては非常にこれに苦慮しております。農業団体等もこれが処理については実に何回協議をしても一歩も前進しないので、非常に困っておるわけであります。そこで農家の立場からすれば、政府の奨励に従ってこういう特にもち米も生産がふえてきた。ところが、さあ作ってみた、しかし天候という理由であるにせよ、検査には合格をしないし、何とも処置のしょうがないということ。ですから政府でどうしてもぐずぐずしてこれを買い取ってくれない、検査には合格しないということであれば、われわれはもう自由に処分する以外には方法はない、従って自由に処分をする便宜を政府は何とかこれは認めないかということすら今言われておるわけであります。というのは、一日を争ってこれを金にかえなくちゃならないというそういった畑地地帯の農家からすれば、これはもうやむにやまれない状況でありますので、これを十日も二十日も過ぎてからこういうふうにすると言ったときには、もうそれでは事がおそいのであります。こういう点についてはいろいろな詳細な報告、あるいは現物等もごらんのことでありましょうから、つまり五等の検査規格を下げても、なおかつ合格できない数量に対する処置としては、まさかそれなら勝手にしろと言うわけにも政府としてはいかないでしょうが、何か特別の措置についてお考えがありますか。その点を一つ伺いたいと思います。

江田三郎日本社会党

○委員長(江田三郎君) ちょっと関連してお聞きしますが、今関東の陸稲の問題が出たのですが、私この間当委員会から二十二号の台風の調査に南九州を回ったのですが、御承知のように連年災害で、ことしも二十二号なり二十三号で相当の被害を受けて倒穂が非常に多い。そこでとても五等だけではどうにもならぬだろう、地元鹿児島、宮崎、大分、そういう所の共通した希望としては、ぜひ等外の上を作って買い上げの対象にしてもらいたい、こういう陳情をどこでも受けておるわけですが、あちらの四国、山口等の台風地帯でもそんな問題があると思うのでして、何と申しましてもこのあたりは連年の台風で、続いてそんな目にあっているわけでして、やはりこういう地帯についてはよほどあたたかい気持をもって臨んで行かなければならぬのではないかと思うのですが、そういう地帯についてはどういう方針でおられるか、今の陸稲の問題とあわせてお答え願いたいと思います。

清井正食糧庁長官

○説明員(清井正君) ただいまのお話でございますが、最初の芽出し米の問題でありますが、特にもち米についての問題、私は十分お話を承わっておるのであります。ただいまお話の通り、五等の規格のパーセントを、被害対策という特殊措置といたしましては、パーセントを多少引き上げる措置をとって参ってきておるのでありますが、なおそれによってもまだ不十分であるというようなお話であるわけであります。私どもこの間からいろいろ地元の実情を十分聞きまして、できるだけ現在の各等の、特に五等でございますが、五等の規格の許せる範囲内において措置し得るものは措置して行こう、それでどうしても救えないものがもしあるとずれば、その場合において規格外を考えるというような措置も実は必要かというふうに考えておったのであります。ただいま伺いますというと、それによって救われる数量はごくわずかである、まだ救われないのがだいぶあるというお話でありますけれども、なお私ども担当官の話を聞いておりますので、検討いたしておる最中でございます。実情によりましてはあるいは規格外というような特殊取扱いにする本の竜あるかと思います。何とかこれはいわゆる被害措置と申しますか、例外的な取扱いといたしまして十分措置をいたして行かなければならぬと、こういうふうに実は思っております。  それからただいま委員長からもお話がありました台風被害地、鹿児島、宮崎、大分等、これらにつきましても実は問題があることは伺っておるのでありますが、ただいまもお話がありましたが、これは私の方の専門家において今研究をしてもらっております。やはりこれは等外、あるいは規格外という形でやった方がいいのか、いろいろ実は問題がありますので、これは台風被害対策という特殊措置ということで、現在の規格の例外的の措置ということで、特に悪いものについて措置をするということを早急に手を打つということで、今研究をいたしておる最中であります。今しばらくその結果につきましてはお待ちをいただきたいというふうに考えております。

三橋八次郎日本社会党

○三橋八次郎君 穂発芽の問題につきましては、四国全体にあることでございましょうけれども、愛媛の南部の方で相当の多量のものがあるということでございますから、これも一つぜひ検討願いたいというふうに考えております。  それから検査の問題でございますが、今年のパーセントを見ますと、昨年よりは三等は上昇しておるというようなことでございますが、これは本委員会の決議もありましたので、標準米の取り方なども適正にできたと思うのでございますけれども、下部の方へ行ってみますと、昨年の検査の標準米ということが非常な頭へ入っておりまして、今年の標準米とよく照応ぜずに検査をしておるという向きも少くないのでございます。特に一つ標準米の方で決議の趣旨に沿うようにしていただいたものならば、その趣旨が下部まで徹底するように何かおやりになっていただいたのでございましょうか。それともただ標準米だけを押しつけての検査ということでございますか。その点はいかがでございますか。

清井正食糧庁長官

○説明員(清井正君) この点は先般来いろいろ問題がございまして、当委員会の御趣旨もあり、中央で標準米をきめまして、それをそれぞれブロックへ持ち帰りまして、実用標準米を作るわけでございます。御承知の通りその場合におきまして、先ほど申し上げたような趣旨によって実用標準米をきめるということを十分徹底いたしたはずでございます。あるいは所によりましてはその趣旨が徹底しない所もあるのかもわかりませんけれども、私どもといたしましてはできるだけの手を尽したつもりでございます。なお個々の具体的な問題につきましてはさらに私どもの内部でよく調査をいたしまして、適当に措置いたしたいと思います。

三橋八次郎日本社会党

○三橋八次郎君 一つその問題についてはぜひ下部に徹底さしていただきますように適正検査をお願いいたします。  なお、先般の決議の内容にもありましたように、硬質米、軟質米の問題は、その後どういうふうに進展しておるのでございましょうか。

清井正食糧庁長官

○説明員(清井正君) 根本的な検査のこれは問題になるわけでありまして、たびたび議論になっておりますところの硬質米の歩どまりの問題でございますが、この問題は本年度につきましては特にその部分だけを取り上げてどうこうという措置はとっていないのでございます。この問題は明年度の検査の方針のときに当然これは考えて行かなければならぬ建前ではあるというふうに実は考えておるのでありますが、単に硬質米、軟質米だけ取り上げられるか、あるいはその他の問題も取り上げて検査当局の問題として考えて行くかということにつきまして、目下部内で相談をいたしておる次第であります。この問題につきましても明年度以降の検査の問題といたしまして検討いたしたいというふうに考えております。

三橋八次郎日本社会党

○三橋八次郎君 これは別の問題でございますが、明年度の麦の買い入れ量、今までは無制限であったわけでございますが、これを制限するということが新聞に出まして、地方の農家は非常に騒いでおる状態でございますが、その真偽のほどはいかがでございますか。

清井正食糧庁長官

○説明員(清井正君) ただいまのところ麦の買い入れ数量を制限するということは考えておりません。

三橋八次郎日本社会党

○三橋八次郎君 これは先般の食糧事務所長会議から帰って来た食糧事務所長が、来年から麦の買いれを制限するということを発表しておるのでございますが、その会議の席上でそういうことは出なかったのでございますか。

清井正食糧庁長官

○説明員(清井正君) 先般事務の都合上いろいろ打ち合せることがございまして、食糧事務所長会議を開いたことは事実でございますが、その際に麦の問題につきまして検討いたしたことはないのであります。あるいはどういう意味の問題でございましょうか、私も部内で調べてみますけれども、そういうことを発言したこともありませんし、食糧庁としてもきめたことはないのであります。

白井勇自由党

○白井勇君 きょう問題になっておりました検査の問題ですね、今長官もお話のように、一応来年度の対策なりは当然これは考えなきゃならぬことになっておるようでありますし、また食糧庁としましてもいろいろ需要量を検討いたしましたり材料もあるわけでありましょうが、これは切り方の問題もあり、格差の問題もあり、それからいわゆる今お話の軟質、硬質というような地域的の銘柄格差の問題、そういう問題について十分御検討中ではありましょうけれども、やはりそれをきめますには、従来のように食糧庁だけで独善的にきめておるようなやり方というものよりも、やはり相当の権威のある一つの調査機関というようなものを置きまして、それで今からいろいろ検討を加えるということで、やっと来年に問に合うんじゃないかと思うんですね。ほかの雑多な農産物につきましてもそれぞれ専門の審査委員会というようなものがあって、そこで大体きまっておるわけですね。従来食糧庁の関係だけはそういうものが全然ないわけです。これはぜひ何とか今からそういう委員会なり、あるいは調査会なんというものを設けて、そこで物の出回っておる間に、ある程度の基礎固めをやって行くということが、とりあえず来年のことをお考えになる上に、今からそのことをやらぬと間に合わぬのじゃないかという気がするんですがそこはどうですか。

清井正食糧庁長官

○説明員(清井正君) 確かに規格の問題を早めにやらないと、実際問題として間に合わないのでありまして、今までも食糧庁の考え方につきましてもそれを実行するときには間に合わないで、延び延びになっておるというような実情でありまして、この問題につきましては確かに御趣旨の各方面の方の御意見を聞くということは、こういう問題の性質上あるいは必要かとも思うのでありますが、御意見等は十分一つ検討させていただきたいと思います。

白井勇自由党

○白井勇君 もう一つさっきお話していました当然集めなければならぬ米を集める方法としまして、全農連あたりで従来最後にとってきておりました特殊集荷といいますか、ああいうような措置をとらなければ結局やはりやみに最後は流れるだけじゃないかというようなことを非常に心配して、いろいろ騒いでおるようですが、あれにつきましては今食糧庁としましては何かやっぱり従来の特殊集荷というようなものをさらに拡大しましたような措置を講じて、できるだけやみ米を少くして、何らかの格好で集荷あるいは配給のルートに乗せて行くというような考え方は今ないわけですか。

清井正食糧庁長官

○説明員(清井正君) 実はそういう御要望が相当多いのであります。主として配給関係の業者の方……。特別集荷制度を前にとったことがありますが、それをこの際とって集荷を多少促進すべきであるという非常に熱心な御意見をたびたび伺っておるのであります。しかし御承知の通り農協の系統機関が集荷をしておるのでありまして、農協の責任において集荷をしていただくという現行の制度でもって集荷をして行く、実はこういうふうに考えておるわけであります。

飯島連次郎緑風会

○飯島連次郎君 さっきの長官のお答えで、陸稲の穂発芽とか水害地の品質の低下した米については救済的な措置が、あるいは等外米だとか規格外という方法があるからというお話ですが、少くとも穂発芽した陸稲に関して、われわれの関知する限りでは、等外の上というこの措置をされても御承知の一俵これは三千四百円という価格の限度がありますので、三千四百円ではおそらく持ち米を買い取ろうとしても無理だと思うのですが、従ってこれは長官の言われたように規格外という扱いをされるのでなければ、なかなか持ってこないのじゃないかと思う。ところが規格外の扱いをするということになれば、多少財政上の操作も必要とするのではないかと考えますが、そういう点については別にその方面からの特別の難色はないのですか。

清井正食糧庁長官

○説明員(清井正君) 実は五等につけるだけはつけたいという御承知の通り方針だったわけです。そこで、五等は御承知の通り被害が二〇%、死米が二〇%という限度がありますが、両方二〇%を合計した。パーセンテージということで現行の規格の範囲内で救うということをやったらどうかということでありますが、五等で救えれば一番けっこうな話であって、私は多分五等で救えるだろうという見通しを持っておりましたが、ただいまのお話の通り、むずかしいということでありますれば、あるいは考えられますることは、規格外の問題と等外の問題であります。等外になりますと相当価格も違うわけでありますが、これは品質によるわけでありますが、品質がその程度のものでありますればやむを得ないものでありますが、もしもそうでなければ、別途規格外という措置をただいまとっておるわけであります。たとえば青森とか福島県の会津など、特に水分の多い所では規格外としてとっております。そういうようなことで、規格外の措置をとりますか、あるいは等外で扱いまするかということにつきましては、専門家に研究を今いたさせておるのでありまして、なるべく早くその措置をとりたいという計画をもっておりますが、まだ財政的の措置としてはどうこうというところまでは行っていないのであります。

江田三郎日本社会党

○委員長(江田三郎君) なおこの問題いろいろあると思いますが、時間の関係上次に進みたいと思います。ただ何にいたしましても、先ほど来の質疑応答を聞いている限りでは、何だかはっきりとした方針がなくて、開店休業じゃございませんが、農林大臣も保守合同の方が忙しいし、食糧庁長官もなかなか大臣がどちらへ持って行くかわからぬという、自信がないというようなことじゃないかと思うので、それでは困ったことになるわけです。森委員が言われましたように、農協では、どこへ行っても統制撤廃の反対大会をやってている。ところが政府の方は統制撤廃をするのじゃないかというようなことで、これでことしの米を集めようと言ったって、食糧庁がやみ米を売る幇助者になるならば別ですが、ちょっとむずかしいと思いますから、一つこの辺で腹をきめていただかぬと困ると思います。     —————————————

江田三郎日本社会党

○委員長(江田三郎君) 次に昭和三十年産のイモ類澱粉及びなまイモ切りぼしの件を議題にいたします。本年産の澱粉、なまイモ切りぼしの政府買い上げ価格につきましては、すでにお手元にお配りしております資料のように決定いたしたのでありますが、これが決定の経緯並びに政府における澱粉及びイモ切りぼしの買い上げ方針等につきまして、森委員その他から御質問の要求がありますから、この際御発言を願います。

森八三一緑風会

○森八三一君 ただいま委員長からお話のように、三十年産のカンショ、バレイショ等の重要な農産物価格安定法に基く基準価格、それに関連いたしまして、製品たる澱粉あるいはなま切りぼしの買い入れ価格というものが過般発表になったのでありますが、この発表を見まして二、三お伺いをいたしたいと思うのでありますが、第一は、こういう価格を発表する限りにおいては、政府が買い入れするという具体的な措置を講ずる用意がなければならぬはずであると思うのでありますが、予算的措置は現在の確定予算において講ぜられておると見てよろしいかどうか、こういうような点、最初にお伺いいたします。と申しますのは、現在の予算には、たしか十四億であります、予備費が十四億円、両方で二十八億円であったかと思いますが、一応数字はあると思います。それは二十九年産の澱粉の処理ということに見合った予算であるかとも見、えるのでありますが、これは二十九年産澱粉というものはないわけでございますので、当然三十年産のこの価格によるべきものの買い入れ対象になる、こう理解してよろしいと思いますが、それでよろしいかどうかという点をまずお伺いいたします。

清井正食糧庁長官

○説明員(清井正君) ただいまの御指摘の通りこれは当初は実際問題として買い入れは四月以降に回す予定でありましたので、前年産のものを買うような予算が編成されておりましたので、実際は二十八年、九年ともに買ったことは一度もございませんので、予算に計上された金額だけでございます。今年は御承知のような状況で、その価格に基く買い上げが発動されるものとみな考えております。従いまして二十九年産といたしましても御存じの通り本会計年度で買うものは本予算を使って買うことになっております。ただいま数字は手元に持っておりませんから、当然その予算によって処置をいたして買い上げるということになるわけです。

森八三一緑風会

○森八三一君 その点はただそう考えておるということだけではいかぬのでありまして、予算の説明等からいたしまして、もちろん農林当局としてはそういう御趣旨で取り組んでいただけるものとは存じますが、財務当局の方で異議が出て参りました場合は、思うだけでは済まぬ結果が生まれる危険があると思うのであります。お話のように二十八年、九年は予算にあっただけで発動はなかった。三十年産につきましてはそういうことがお話の通り予測せられるわけでありますが、そこで現在予算にございます十四億及び予備費の十四億というものは、生産者がそれぞれ法律に基く売り渡しの申し込みをした場合には、買い入れの対象になる予算であるというふうに明確に理解してよろしいか。もう一ぺんお伺いいたします。

清井正食糧庁長官

○説明員(清井正君) この点は確かに買い得るわけでございます。価格をきめますときにも大蔵省と相談が済んでおるわけでありまして、その予算をもって本年産のものを買うことができるわけでありますから、さよう措置をいたしたいと思うのであります。

森八三一緑風会

○森八三一君 そこで数量の問題でありますが、ここに今年度のカンショ並びにバレイショの生産見込み量というものをちょうだいいたしております。こういうものからだんだん想像して参りますると、現在の食糧事情下におきましては、直接に食糧として消費するという数量にはおのずから常識的な限界があろうと思います。さらにアルコール等の工業原料に使うものにつきましては、これまた限界があろうと思うのであります。増産せられるという数量はそう考えて参りますると、おのずから澱粉原料としての増産量というものは、ある程度は必然的に上回ってくるということが予想せられるのでありますが、その結果として、価格の安定を期しまするためには、相当量の政府買い入れということに、常識的にも数字の上にも、根拠を求めたことは、理論的にも予測せられるのでありますが、三十年度予算に盛り込まれている今私が申し上げました記憶に間違いがなければ十四億、それに予備費というものだけでは、法律の趣旨を達成することは不十分であるというように私は想像いたすのでありますが、食糧庁はそういうような生産見込み量というものをどうお考えになっておるのか。それから出発をして、現在の予算で価格の安定を期し得ると見込んでいらっしゃいますか。もし私の想像のように現在の予算だけでは法律の趣旨を達成することに困難があるといたしますれば、その措置について近く臨時国会等にも予算の補正というようなことが考えられるような情勢もあるわけであります。さらに先刻お話のように三十年産の米の買い入れに関連いたしまして、常識的には食管特別会計に赤字を招来する、それを補正するための措置というものも当然起きてくるわけでありますので、そういう機会に澱粉の対策費というものを補正をしなければならぬ必要があろうと思うわけでありますが、そういうようなお考えがございますかどうか、数字的な根拠からお見込みを承わりたいと存じます。

清井正食糧庁長官

○説明員(清井正君) 実は御承知の通りこの法律で施行以来一度も買ったこともございませんし、それは端的に申し上げまして、どれくらい買い入れるだろうかという考えは出ないのでございます。生産は御承知の通り昨年はカンショ、バレイショ全部合せて九千万貫程度生産があったわけでございます。今年はそれに対して相当の澱粉生産量としても上回るのじゃないかというように考えるのであります。果してこの指示価格でどの程度のものが一体政府に売り込んでくるかということの数字は、ちょっとまことに恐縮ですが、実はないのです。ただ例年と違いまして、今年は豊作でございますし、価格もある程度将来出回りをして値下りを見て参りますれば、この価格による政府の買い入れということが、今年は実現されるのじゃないかというふうに、実は考えておるわけでございます。ただ、いつごろからどれだけの数量を買うかということは、今後生産者団体とよく打ち合せをいたしまして、買い入れの数量及びその時期等につきましては、措置をいたして行かなければならないのですが、まだその御相談をしておらない。おそらく例年は四月以降から買い始めまして、これまでは生産者団体で自主的に保存、貯蔵をしてもらってきたわけであります。今年はちょっと例年と違いますから、そういうわけには行かないので、買い入れ時期を早めるという必要があろうと思います。  数量等につきましてもまだきめておりませんので、農業団体等の御意見を聞き、あるいは今年の生産状況でありますれば、相当の数量を買い入れることになるのではないかと実は考えておるわけでございます。いずれにいたしましても、数量、時期等についてまだはっきりした見通しを立て得ない状況でございまして、今後買い入れ数量をきめました場合におきましては、一そう数量に基く買い入れのワクが、かりに所要の予算のワクをこえるということになりますれば、おそらく予算上の措置といたしましては、あるいはほかの農作物あるいは米麦等の買い入れ費というものの要請も起り得る、またそういうワクがなければ、予備費の問題になります。予備費という前に、買い入れのワクがございますれば、その流用の問題もあります。どうしてもなければ予備費の問題等になります。今後補正予算を組むことになれば、階段的に澱粉の買い入れ数量、価格等を勘案いたしまして、そうしてこの予算に対して措置をいたすということになるのじゃないかと思うのであります。いずれにいたしましても、これは申すまでもなく買い入れましたものをすぐ売るのではございません。買い入れたものは特殊財産として残るものでありますから、すぐ損失になるというふうに考えておらないのであります。買い入れの予算額のワクの問題になるわけであります。一定のワクができますれば、財産として一年持ち越されるべきものであろうというふうに考えておりますので、むしろ特別会計上は、損得の考えよりも、予算のワクの問題だろうと考えます。ワクの問題といたしましては、ただいま申し上げました通り、今後よく農業生産者団体の意見を聞きまして、これをきめました上、損得の結果によってこれの措置をいたしたい、こういうふうに考えております。

森八三一緑風会

○森八三一君 そうしますと、現在の三十年度予算にある分については、生産者団体が法律に基いて政府に買い入れを申し入れた場合において、直ちにその実施ができる範囲に関して、しかしながら、本年の原料カンショ、バレイショの増産に基きまして、私今申し上げますような想像のごとくに、よそに振り向けかねますために、ことごとく澱粉の方に回して参りまして、澱粉の生産量というものが非常にふえる。そこに需給のバランスが破れまして、本法の所期する価格の安定に支障を生ずるという事態が発生いたしますれば、買い入れのワクに関連する買い入れ費というものについての考慮をするというふうに食糧庁当局の御考慮を頂戴しておると理解してよろしいかどうか。

清井正食糧庁長官

○説明員(清井正君) さよう私ども考えております。

森八三一緑風会

○森八三一君 そこで、その買い入れの具体的な措置として今回価格が決定いたしましたのでありますが、この決定に至りますまでの一応のここに数字的な積算の基礎を示されております。その基礎の中で一番問題の焦点になりますのは、二十九年と三十年とを比較いたしまして歩どまり率を二〇%を二一%ですかというように上昇をいたしておるのであります。これはどういう根拠に基いてこういう措置を考えられましたのか。これは常識的に今年のような豊作の年には、カンショそれ自体が非常に充実をしておるということだから、当然歩どまり率が上昇するのだという観点に立っておやりになったのか、実際今年のイモが、澱粉質が多くて歩どまり率が二一だというふうに計算される根拠をお持ちになっておやりになったのか、この辺の二一と二〇の歩どまり率の問題につきまして、こういう結果を用いられましたいきさつをお伺いいたします。

清井正食糧庁長官

○説明員(清井正君) ただいまの資料はちょっと手元に持っておりませんですが、これは一定の計算の基礎に基きまして出したものであります。申し上げるまでもなく、常識的に考えましても今年は非常な増産でございますので、しかもまた非常にいわゆる夏季におけるところの高温の持続というような関係もございまして、当然過去の実績からいたしますと、昨年の二〇%という歩どまりが相当程度上るという一般の常識があるわけです。しかしそれだけではいけませんので、私ども統計調査部の調査によりまして一定の歩どまりを計算いたしました結果、二〇%を二一%に上げるということになったのでありまして、これは統計調査部の方の資料に基いて計算をいたしたわけでございます。バレイショの問題につきましても同じような資料に基きまして計算いたしたわけでございます。

森八三一緑風会

○森八三一君 統計調査部で何か食糧庁に呈示するような資料をお作りになるということは、私理解しかねるのですが、それは統計調査部がみずからそういうような歩どまり率についての試験をやる機構をお持ちになっているとも承知いたしておりませんし、そういうようなことについて、米の場合簡易な籾摺機を持っておって、その搗精率を見るというような器具、機械の施設を持っておるとも承知をいたしておりません。おそらく今お話があったように、こういうような日照時の長かったという年には内容が充実する、そこで歩どまり率がよくなるという理論的な立場だけからかくあるべきだという数字をお持ちになったのじゃないかと思うのですが、もし統計調査部の方で理論的に、実際的に今年のイモが、現実のイモが一%多いという数字を示したといたしますれば、そのことについてお伺いをいたしたい。

清井正食糧庁長官

○説明員(清井正君) いや私ちょっと言葉が過ぎましたかもしれませんけれども、統計調査部で、今年のイモによって澱粉を作りました結果で二一%に見たというわけではありません。今御指摘の通り、夏季における日照時、日照の程度その他を例年的に計算いたしまして、昨年のと比較いたしました結果、昨年の二〇%に対してこの程度の上昇を見てもいいだろう、こういう一応の計算で、それに基いてやったのであります。

森八三一緑風会

○森八三一君 私はそこに非常に誤まりが犯されておると思うのです。確かに今年のイモはそれ自体を見ますと一%の上昇率というものは計算されると思います。このことについて私は否定をするものではございませんが、これが原料として澱粉ができるという製造工業の過程に入ってくるというと違ってくるということをお考えにならなければいかぬと思うのです。というのは、もう試験場あるいは大学の実験の結果も、きわめて明確に数字が示されておりまするように、掘り取ってから一日、二日、三日という、その日の経過に従って、これはもう申し上げるまでもなく糖化作用が進行して参りますので、澱粉質というものは本来は保有しておったけれども、原料として澱粉質をよけいに持ってくるという結果は生まれてこないのであります。そこで、ことしのように増産の年になりまするというと、原料は一時に工場に殺到する。これはあとの作物の関係で畑に置いておくわけに行きませんから、増産のときには工場にその工場の製造能力以上のものが一時に殺到してくるといたしますると、工場に原料そのものとして一週間なり十日なり滞留するということが起きるのであります。その間の歩どまり率というものを御計算になったか。糖化作用の進行に伴って、本来は持っておるそれが、工場の倉庫に堆積しておるうちに、漸次澱粉質を減退せしめて行くということを御計算になったのか。その計算が入っているとすれば、どういう計算をおやりになったかをお伺いしたい。もし入っていないとすれば、そこに誤まりがすでに犯されているということになるわけでありますので、その点をお伺いをいたしたいと思います。

清井正食糧庁長官

○説明員(清井正君) 確かに御指摘の点もあろうかと思います。実はその歩どまりの見方は非常にむずかしい問題でございまして、私どももいろいろ検討をいたした経過があるのであります。ただいま申し上げました昨年の実績による日照率なりその他の関係からする率を出しますというと、若干多い率が出てくるような関係もあるのであります。しかしそれは単に計算上の率でございますから、それをそのままとるわけにいかぬというような、実は内部的の事情があったわけであります。そこでどちらにいたしましても、昨年度よりも一般にいいということが言えるわけであるというような前提に立ちまして計算をいたしました結果、これより若干多い率が出て参るのでありますけれども、ただいま御指摘になりました点等につきましても、非常に私ども勘案いたしましたのでありますが、今の御指摘の点を数字に表わす場合に、どういうふうに表わしたらいいかということについても、若干実は検討をいたしてみましたけれども、どうも数字の表わしようがむずかしゅうございまして、実はその点はお話としてはよくわかったのでありますが、数字にはここに表わしていないのであります。で、その全般的な傾向、計算上におけるものが、もう少し高い数字が出るというようなことを勘案いたしまして、昨年より一%増のところが適当であろうという実は判断をいたしたわけであります。

森八三一緑風会

○森八三一君 そこで法律はもう御存じの通り、こういう価格を政府が決定をいたしまする場合に、生産者団体の意見を聞いて、そのときの経済事情なりいろいろなものを参酌して決定するというように明確に規定をいたしておると思うのであります。今申し上げましたようなことは、農林統計調査部の方ではこれはわからぬことであり費して、日照時との関係、生産量の関係から歩どまりがこうなるのであろうという理論的な想像をされる。そのことには間違いがあるとは思いません。それでいいと思いますが、生産者団体といたしましては、そういう状態にあるイモを原料として使って澱粉工業をやった場合における歩どまり率が、かくあるべきであるという、今度は実際の工業家の立場に立って歩どまり率というものを査定をすると思うのであります。その両者をかみ合せて行くところに問題があるのでありますが、そこでお伺いいたしたいことは、今回の価格決定について生産者団体の意見をどういうように法律に基いておとりになったのかどうか。団体の意見を聞かぬとなれば、これは法律に意見を聞いて云々とあるということに矛盾すると思いますが、意見を聞いたというなら、団体に対してどういう意見を聞いて、それをどう参酌したかということの、そのいきさつをお伺いしたいと思います。

清井正食糧庁長官

○説明員(清井正君) ただいまの点は法律にもございますし、生産団体の意見を聞いてというのでございますし、当然生産団体の意見を聞いたのであります。生産団体といたしましては原料のものにつきましても、昨年度の程度の価格を維持するというような趣旨のお話がございましたし、あるいは澱粉の歩どまりにつきましても、ただいまのような御趣旨の製造過程におきまする原料等を数学的に見るようにというような御意見等もあったのであります。原料イモについての問題、大体歩どまりの問題等が、価格をきめます要点でございますが、原料イモにつきましてはいろいろ生産者団体の非常に切実たるお話も承わったのでありますが、計算上その年の生産状況を見るということになっております関係もあるので、われわれといたしましては御趣旨の点は十分わかったのでございますが、現行の規定におきまする計算の方法の範囲内においてできるだけ有利に計算をいたしました結果、昨年の価格に比べまして、ある程度の値下りになりますけれども、ただいま申し上げたような価格に実はいたしたようなわけであります。  それから歩どまりの点につきましても御意見等もあったのでありまして、私ども十分それを研究いたしたのでありますが、先ほど申し上げた通り計算上出てくる歩どまり率というものも若干二一%より高い率が出てくるというような関係もあり、またただいまの製造過程における歩どまり事情につきましても御趣旨はよくわかるのでありますが、それを数学的に表わしますと非常にむずかしい点もありまして、数字的に表わし得ないというような事情もありまして、御意見は十分あったのでありますが、イモの価格につきましてはここにあります通り、カンショにつきましては二百六十円、バレイショにつきましては二百十五円、歩どまりにつきましても昨年の二〇%に対して二一%というふうにきめたのであります。生産者団体の御意見を聞き、また御意見は、これに対しては実は反対の御意見であったのでありますが、いろいろな事情を勘案いたしまして、政府といたしてはこの価格を決定した、こういうふうな経緯になっておる次第でございます。

森八三一緑風会

○森八三一君 そういうことをやはり私は前の議題で申し上げた、米の第二次予約が進まぬということも直接反当収量というものについて生産者団体の意見を聞くのだということを言っておっても、実際は最後には聞いてくれぬ、農林統計調査部の統計なりあるいは試験場の統計なりというものでこういう日照時の非常に都合のよかったそうしてそれが生産にも影響して、増産を来たすというようなことになって、歩どまりがよくなります。私もそれは否定いたしません。二一・五くらいの歩どまり率が出ると思いますが、理論的にはそれを原料として使った場合に、工業過程では逆の作用が出てくる、糖化作用の関係でそうなるということはこれまた試験場なり大学の実験案における統計が明確に示しております。そういうことを生産者団体は自分が製造工業をやっておるのですから、その経験に基いて非常に貴重な意見を出しておる。そういうことを使われぬというところに問題が起きると思うのであります。そこでこれは今ここで理屈を言っておる必要はないので、私の申し上げるようなことが今後の製造過程においてはっきり実証されると思うのであります。これは価格安定法では一たんきめたものは変化しないということにはなっておりませんので、事態の推移に従って変更することもでき得るという条章もあるわけでありますので、今申し上げました事実が鮮明になった場合には、これを修正なさる御意図があるかどうか、これは当然修正すべきものであると私は思うのであります。二一、二〇という昨年との差は、そういう体験の上に立っての計算ではなくて、そういう意見を入れたのではなくて、ただ理論的な建前からそれを多少修正をしてやったという程度であるということでありますので、事実がここに鮮明されてくれば、修正をするということにならなければならぬと思いますがいかがでございましょう。

清井正食糧庁長官

○説明員(清井正君) ただいま森委員のお話がありました通り、実は少し内情を申し上げますというと、計算上は二一・五と出たのでございます。五と出たのでありますが、今申し上げた通りこれは計算でございます。なかなかその計算が絶対のものであるということは言えないのでございますが、一般的に歩どまりがいいという常識的な前提がありますので、実はただいまの製造過程中における欠減ということも、これも数学的にはなかなか表わすことができませんけれども、いろいろの事情を勘案して二一にしたということでございまして、私どもといたしましては数字にはございませんでしたけれども、とにかく計算上でむしろ二一・五というものを二一に下げたという事情もあるわけでございます。そういうようなことで、数字的には、足らないものは、生産者団体の御意見は、そういう意味で取り入れたつもりでございます。今後の事情によって、かりに非常に歩どまりが低いという事情があったら、価格を改訂するかというお話でございますが、法律には改訂することができるということが書いてあるのでありますが、ちょっとこの点については私どもただいまはっきり申し上げることはできないのでありまして、非常な差でもありますれば格別、そうでなければなかなかこれを一たんきめましたことは変えるということは容易でないのではないかと私は考えているような次第であります。

森八三一緑風会

○森八三一君 確かに私は理論的に計算をすれば今年のイモは二一・五ぐらいは出てくると思うのであります。がしかし試験場の実験でも大学の研究室の実験の結果でも、原料として倉庫に五日置けば三%下るのです。明確に出ているのです。今年のように増産の年には農家の諸君があと作の関係上、作ったイモを工場に持って来る。自分の畑へ置くことができませんから搬入する。また各工場もそれぞれ計画生産に入りますから、原料を搬入して来る。五日置けば三%違うのです。そうすると二一・五でとりましても、例年のような場合にはそういう差は起きませんが、少くとも今年は原料が非常に豊富であるということで、相当期間工場に滞留して倉庫に寝ておるという事実を計算に入れなければ、澱粉価格は適正ではないということに私はなると思うのであります。そこで一たんきめたものを変えることは非常に困難だということもわからぬわけではありませんが、三%も違ってきたらこれはもう非常に大きな私は差であると思うのであります。そういう事実がはっきりしたときには、当然変えるべきだと思うのでございますが、非常にむずかしいから、困難であるから、一たんきめたものは押し切ってしまうということでは、これはもうあらゆることに関連して、生産者の不満を買うだけであると思うのであります。いかがなものでございましょうか。

清井正食糧庁長官

○説明員(清井正君) 御趣旨の点は十分拝承をいたすのでございますが、これは必ず変えるということを私ただいまお約束申し上げることはできないのであります。かりにこれの価格決定をいたしましたときの事情と非常に違った事情が出まして、どうしてもやむを得ないということになれば格別でございますが、この点は非常にむずかしい問題であろうと思うのであります。御趣旨の点は十分了承いたしました。

森八三一緑風会

○森八三一君 非常にくどいことを申すようでございますが、これは法律には一たん発表したものを変えないとは書いていない。むしろ法律では変えると書いてある。それは上る場合も下る場合も変えるのですが、非常というその非常の限界はどうなのですか。私は少くともお話の通り今年のイモを理論的にずっとやって行けば、二一・五ぐらいは出ると思いますが、それは一応の計算であって、工業原料として使う場合には、別のファクターを入れて計算をしなければならぬ。それを〇・五ぐらいは見込んで、生産者団体の意見も聞かなかったわけではないが、しかしおもな生産者団体の意見は聞いておらぬ。その事実が判明した場合には変えてよろしいという法律になっているので、非常というその限界はどこにあるか、これは法律に書いてありません。ありませんが、私どもは少くとも一%も違えばこれは非常に大きな事情の変化であるというように理解するのでありますが、今私はこの計算された二一%というものはいけなかったと、こう申しません。これは当然その当時のお考えとしてはいいという前提に立って申し上げますが、本年の生産事情の好転というものが原料として五日も一週間も十日も寝る、それは工場に寝る場合もありましようし、畑で臨時加工して寝る場合もありましょう。いろいろの姿がありましょうが、とにかく昨年よりは原料が少くとも五、六日以上機械に入る時間がおくれてくるということはこれは否定ができぬと思います。そうすると、少くともその点の食い違いが起きる。その三%が違うか違わぬかということになれば、これは試験場の実験、大学の実験室の成績をごらんになれば出てくる。今私はここで架空の理論を言っているわけではないのです。とすれば、私は非常の状態にきたものと理解いたしますが、何%違ってくれば非常ということになるのか、その辺の限界はどうなんですか。

清井正食糧庁長官

○説明員(清井正君) これは先ほども申し上げました通り、計算上基礎になります二一・五というのを、ただいま御指摘のような事情もありましたので、二一%にしたという経緯もございますし、また昨年よりも当然歩どまりが高いということが常識的に考えられることは森さん御指摘の通りであります。そのようなことで決定したような経緯もあるのでございます。法律には、なるほど著しい変動が起った場合は変えることができるということがあるわけでありまして、著しいというものをどの程度に解釈するかということになるわけでありまして、数字的にどうこうということもちょっと私申し上げられないのでありますが、むろん法律にある建前はこれは考えなければならないと思いますが、現実問題としてどういうふうになりますか、今後の推移によって考えて行かなければならぬ問題だと、さように考えておる次第でございます。

森八三一緑風会

○森八三一君 今後の推移によって考慮するということで、一応質問は打ち切りたいと思いますが、その推移等は少くとも澱粉歩どまりにつき勘案せられた五%以上の変動が生じた場合には、当然これは改訂されるという措置を講ずべきものであるし、またわれわれといたしましては、そういう措置を強く要請をいたしておりますので、そういうような方向で善処していただきたいと思うのであります。

江田三郎日本社会党

○委員長(江田三郎君) ちょっと長官にお尋ねしますが、この場合の参考一として砂糖価格を見ておられたわけでありますが、このときの砂糖価格は幾らで見ておられたのですか。

清井正食糧庁長官

○説明員(清井正君) 実はちょっと申し落しておったのでありますが、この場合に、砂糖価格から推算した価格として三十三円二十銭という価格をあげましたが、この場合の砂糖価格は一斤七十六円が基礎になっております。これを計算した当時七十六円ということが想定されましたので、七十六円を基礎にいたしまして計算いたしますと、イモ価格並で三十三円二十銭、こういうことになっておるのであります。最近砂糖が少し下って参りましたので、計算いたしますとまた別個の価格が出て参るかと思います。

江田三郎日本社会党

○委員長(江田三郎君) そこで最近の取引所の価格三十六円程度ですか、それから逆算するとどういうことになりますか。

清井正食糧庁長官

○説明員(清井正君) 六十七、八円が最近なのであります。かりに六十八円といたしますと、砂糖一斤六十八円に相当するイモ価格は二十六円四十銭というふうに出て参ります。

江田三郎日本社会党

○委員長(江田三郎君) 今六十八円といわれましたが、私はきのうあたりの相場からいって、もっと低いように思うのですけれども、取引所が三十六円、まだもっと危ないのじゃないかということです。そこから税金を加算しまして六十八円にはならぬのじゃないかと思うのでありますが、今後やはり砂糖との競合関係が起きてくると思うのでありますが、一体砂糖の価格については、現在下った相場を大体この辺でずっと続けて行かれるような輸入措置等をおとりになるつもりですか。その点はどうなりますか。別途吸い上げ措置の問題もありますから、吸い上げ措置をするために、また砂糖価格を上げて行くという方針をおとりになるのですか。大体今あたりのものを適正価格とお考えになってやって行くのか、これは砂糖の価格も問題です。砂糖と澱粉との競合関係にも関係してきますから、お聞きしておきたいと思います。

清井正食糧庁長官

○説明員(清井正君) その点はちょっと問題があると考えておるのであります。砂糖につきまして一時非常に値上りを見ておったのでありますが、その後いろいろな措置をとりました結果、最近また非常な値下りを示しておるわけであります。どの程度のところに糖価を安定をしたらいいかということ、これは砂糖だけの問題じゃございません。ただいま御指摘の通り直接には内地の水あめの原料の澱粉という関係で砂糖の価格と澱粉の価格との関係があるわけでありますが、そういうような内地の澱粉価格との関連もありますので、砂糖価格というもののあり方というものを検討をいたさなければならぬと考えておるのでありまして、ただいまのところ、現在の価格そのままで維持したらいいのかあるいはどういうふうに考えて行ったらいいのかということについては、実はここではっきりしたことを申し上げるだけの用意はないのであります。もちろん価格差益の吸い上げと申しますか、措置から考えますれば、おそらくこういう価格でございましたならば逆ザヤになりますから、そういうことはできないのでありますが、そういうような問題とは離れて、砂糖価格というものを、消費者の立場としての砂糖価格と同時に、また内地の農産物の価格との比較においての砂糖価格と、両方の観点から、どういうふうにしたらいいかということは、もう少し一つ研究して行かなければならぬというふうに考えておるのでありまして、いずれにいたしましても、砂糖価格のあり方につきましては、もう少し今のような観点から研究さしていただきたいと考えております。

江田三郎日本社会党

○委員長(江田三郎君) よろしゅうございますか。それでは研究してもらうことがたくさんございますから、一つお忘れないようにお願いします。     —————————————

江田三郎日本社会党

○委員長(江田三郎君) 次に昭和三十一年度の農林省関係予算の件及び農林省関係試験研究機関の件を一括して議題にいたします。  これらの点につきましては、当委員会から去る八月十九日申し入れをいたしておるのでありますが、これらの問題について農林省における作業の状況をお伺いしたいと思います。

谷垣專一農林大臣官房長

○説明員(谷垣專一君) 三十一年度農林省の概算要求につきまして、今資料を取りに行っておりますから、後ほど説明中にお渡しができるかと思いますから御了承願います。  三十一年度の農林省の予算の要求につきましては、今やっておりまするところの農林水産の経済計画の推進、農林水産経済計画の第二年次の目標を達成いたしまするために、その経済計画によりまして推進して行きたいということ、それから試験研究機構の整備強化それから農林水産物の輸出の点につきまして、振興をいたして行きたいという点、それから流通改善の対策あるいは資材の対策という点、第五点は国際協力事業の強化、第六といたしまして草資源の対策等畜産関係の生産増強、第七点としまして災害復旧事業の促進、第八点といたしまして補助金制度の改善、九点といたしまして農山漁村のいわゆる低位生産地帯に対しまする総合助成方式を拡充いたすという点、第十点といたしまして融資等の積極的活用をはかりたい、こういうような大体十項目を重点事項といたしまして、総額一千六百四十七億六千万というものを総括いたしまして三十一年度要求といたしまして大蔵省と折衝をいたしております。実はいたしておると申しましたが、この中の経常費的なものにつきまして、すでに予算折衝をいたしておりまするが、この最終的な関係の締めくくりは、きょう実は省議で決定いたしまして、さっそくに持って行く、こういう格好になっております。これに対しまして三十年度の成立予算は九百五十一億四千五百万という数字になっております。以下大体重点事項の概要につきまして申し述べたいと思います。  農林水産経済計画の推進、これは農林水産経済計画の第二年次の目標達成のために必要な経費を要求いたすものでございまして、耕地の拡張改良等によりまして六カ年間に八百五十四万石の増産を目途としておる計画中で、三十一年度予算におきましては百三十八万石の増産をいたしたい、こういう計画にいたしております。耕種改善につきましてはこの経済計画においては六カ年に四百九十九万石の増産を目途といたしておりまして、三十一年度におきましては七十七万六千石の増産をはかる、こういうことにいたしておるわけであります。これは水稲健苗の育成であるとか、耕土培養等の生産力増強の施策を推進いたし、また後ほど御説明いたしたいと思いますが、農業改良基金等の新しい制度を創設いたしまして、改良普及制度の拡充、整備を期したいと考えております。第三点に治山治水の対策といたしましては、先年に引き続きまして水源林の造林、治山治水の推進あるいは奥地の未利用林の開発に重点を移していきたいと思います。漁港の整備につきましては、漁港整備計画にのっとりまして、引き続いてやって参りたい、かように考えております。  第二点の試験研究機構の整備強化につきましては、これも後ほど詳しく御説明を申し上げたいと思いますが、現在ありまするところの農林水産関係の試験研究機関を推進的にこれを総括し、あるいは総合調整する、そういう機関を新しく設けて、かりに現在農林水産技術最高会議と称しておりますが、これは仮称でありますが、そういうものを設置いたしまして、これらの機能を総合的に調節いたしていきたいと考えております。そのほか各試験研究機関の施設の整備、研究費の増加等、従来人件費と、これらの研究費とが、人件費の方がよけいになっておる、五〇%以上になっておりましたものを逆にいたしまして、人件費の比率をむしろ少くする形において研究機関の研究費を増額いたしたいと思います。また同時に施設費等につきましても、重点的に改善をいたしていきたい。また原子力の利用等につきましても従来に引き続きさらにこれを拡大いたしまして、技術者の海外派遣等あるいはその施設の整備をはかっていく予定にいたしております。  第三点の農林水産物の輸出振興でございますが、これは農林水産物全般にわたりますところの需要増進をはかりますために、海外の調査事業等を活発に行わせたい。かような観点からニューヨーク、ロンドン等に関係団体の事務所を設けさせたい。特に生糸、サケ、マグロ等につきましては関係の国際機関との協力態勢を確立する方向に持っていきたい、かように考えております。さらに輸出農林水産物の主産でありますが、季節的な性格を持っておりますために、この取引上の不利を除きますために、輸出農林水産物の信用基金を設置いたしたい、かように考えております。  それから第四点の流通改善の対策、資材対策等といたしましては中央卸売市場の整備、それから畜産関係の枝肉市場の整備をはかって行きたいと考えております。それから肥料、農薬等に関しましては全購連等によりまするところの保管事業を引き続き実施しますほかに購入飼料の対策としまして食管特別会計によりまする操作数量の拡大をはかって行きたい、かように考えております。  第五点の国際協力事業等の強化の点につきましては、従来農村の諸君を選抜いたしましてデンマーク等に出しておりましたものをさらに拡大いたしまして、西独、スイスあるいはブラジル、カナダ等の五カ国に派遣する、拡大をいたして考えたいと考えております。  草原源の対策の問題といたしましては草資源に関しまする試験研究あるいは草資源に関しまする調査あるいは試験地の設置等をはかって行きたいと考えております。  それから災害復旧事業の促進といたしましては過年度災害の復旧の促進をはかりますために二十九年度災害までは三十一年度におきまして百パーセント復旧をいたしたい、かように考えまして要求をいたしております。  それから補助金制度の改善といたしましては農業改良基金制度を設けまして、農山漁村への技術の普及を目的としておる補助金ではあるが、それらのものは技術的な要素の強い、ある程度リスクの考えられまする初期段階にとどめまして、それ以上の普及効果の上っておりまするものにつきましては、これを貸付金制度に切りかえまして、共同した農民の共同体あるいは個人施設、個人の事業等に無料の貸付を行なって行く、あるいは個人施設の改良、また改良普及組合等の組合によりまする施設の改良のために利子補給を伴いまするところの融資保証制度をいたして、従来ありました補助金の若干をこれに切りかえて行きたい、かように考えております。また人件費の補助の補助率を増加する、あるいは機械等の補助につきましては国有貸付制度に一部を切りかえたいと考えております。  総合助成方式の拡充の点につきましては、従来ありました総合施設を拡充いたしまして特定の山村をもこれに加えて参りたい。さらに新しく沿岸の漁村振興のために沿岸漁村の振興のための総合施設の助成をはかって行きたい、かように考えまして低位生産地帯の振興を総合助成方式によってやって行きたいと考えております。  第十点の農林水産業に対しまする融資等は従来もありましたけれども、公庫融資、農協によりまする系統融資、あるいは余剰農産物の見返り円資金、世銀等の各種の資金等を有機的に関連させまして積極的にその活用をはかっで行きたい、かように考えております。  これらの項目のうち、食糧増産その他農業関係の公共事業の経費の内訳を申しまするというと、三十一年度におきまして三百八十七億四千八百万円、これに対しまする三十年度は二百六十五億一千九百万円、治山治水の関係は百六十五億二千百万円、三十年度は九十五億四千万円、港湾修築は二十四億、三十年度は二十一億、災害復旧は三百二十五億六千四百万円に対しまして、三十年度は百四十九億七千九百万円、大体公共事業の総計といたしまして九百十一億三千三百万円の予算を要求することになっております。  以下それぞれの項目がございますが、それらを略させていただきまして、先ほど申しましたように、総計におきまして千六百四十七億六千万円、農林関係予算の総計でございます。これを三十年度の成立予算に比較いたしますると、約六百九十六億の増の要求になっておりますし、三十年度の成立予算は九百五十一億四千五百万円、かような格好になっております。ちょうど関係予算総額におきまして七三%の増、この農林省関係予算のうちで、たとえば北海道の開発庁の所管に移しますもの等、あるいは営繕等の関係を除きまして、農林省の純粋な所管予算は千三百五十五億の要求になっておりまして、これに対比いたしまする三十年度の予算は八百八十一億でございますが、その狭義の農林省所管予算におきましては、五四%の増になっております。  このほかに現在学校給食用の小麦あるいは脱脂粉乳等のいわゆる食生活改善経費、アメリカのグラントによりまするところのこれらの経費に相応じまするところの経費が約十七億程度加算されることになっております。  それから最後に、農林漁業金融公庫の大体の資金を申し上げまするというと、昭和三十一年度の貸付計画は四百五十五億、そり資金は一般会計から二百億、預金部から二百五億、回収金が五十億、計四百五十五億、こういう計画にいたしまして要求をいたしております。  一応こういうことで概算要求をいたしております。

江田三郎日本社会党

○委員長(江田三郎君) ちょっと速記をやめて。    午後四時二十四分速記中止      —————・—————    午後四時四十二分速記開始

江田三郎日本社会党

○委員長(江田三郎君) 速記をつけて。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時四十三分散会

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