農林水産委員会 第7号
- 発言数
- 50 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1955/05/17
会議録
○委員長(江田三郎君) ただいまから農林水産委員会を開きます。 昭和三十年産米の管理方式に関する件及び昭和三十年産米麦の価格に関する件を一括して議題にいたします。 昭和三十年産米の管理方式については、いわゆる事前売り渡し申し込み制によることにして、去る五月七日閣議決定をみたようでありますので、本日はその方針及び実施方法並びに本年産米麦価等について政府当局から説明を聞き、審議を願うことにいたします。 なお、この問題につきまして本日は政務次官と食糧庁長官が出席されておりますが、ほかに大蔵省主計局長及び主税局長の出席を求めておりますが、まだお見えになっておりません。 それでは政府の説明を先に一つお願いいたします。
○政府委員(吉川久衛君) 昭和三十年産米の集荷に対しまして、五月七日の閣議決定に相なっております要領を御説明申し上げます。昭和三十年産米につきましては、さしあたり現行食糧管理法の改正をすることなく、事前に売り渡し申し込み制をとることにいたしまして、従来の供出割当制にかえて生産者の自主的売り渡しと、生産者から委託を受けた集荷業者の活動促進を基調とした集荷方式をとることにいたしました。 次に政府は集荷業者の団体に集荷予定数量を示しまして、これに基いて集荷業者は生産者の売り渡し申し込みとその履行を促進するものといたしまして、そのため集荷業者の集荷力の育成をはかるようにいたすのであります。 それから本制度の円滑かつ能率的な運営をはかるため、都道府県知事、市町村長、集荷業者、またはその団体、その他関係機関をもって構成しまする米穀売り渡し推進のための機構を設けることにいたしました。 生産者の自主的申し込みを促進するために、申し込み時に買い入れ代金の一部概算払いを行うほか、所得税の軽減を考慮することにいたしております。 それから米価につきましては、従来の諸奨励金を廃止するとともに、価格差制度を検討することにいたしております。これは別途に措置することにいたしております。 極めて概要でございますが、かような点が閣議決定事項と相なっておる次第でございます。
○委員長(江田三郎君) 御質問ありましたら……。
○森八三一君 政務次官のただいまの御説明は、配付いただきました閣議決定事項についての説明でありますが、さらにその内容について具体的にどういうことをお考えになっておるかということを一つ聞いてみたいと思います。 まず第一に、集荷業者は、常識的には了承しておりますが、一体具体的にどういうものをお考えになっているのか。おそらく農業協同組合がその主軸になると思いますが、そのほかにどういうものを一体考えていらっしゃるのか。それからその集荷業者の団体に対して集荷予定数量を示すというのでありますが、その団体の具体的な対象はどういうものであるかという点が一つであります。 それからその次には、その集荷業者の活動促進をはかるというのでありますが、その促進方策、それには集荷奨励金とかいろいろなものが考えられると思いますが、そういうような具体的な促進方策はどうお考えになっておるかということが第二の質問であります。 それから第三は、一部概算払いを行うということを決定されておりまするが、その概算払額はどういうように政府としてはおきめになったのか。概算払額の具体的な額についてお示しをいただきたい。 第四点は、引き続いて所得税の減税を考慮するということでありますが、当局でお考えになっておりまする所得税の減税に関しまするその内容をお伺いいたしたいと思います。 さらに第五点として、直接この三十年産米の集荷に関することではありませんが、今年の一月二十四日に当委員会は総意をもって政府に申し入れをいたしております。御案内と思いますが、「昭和二十九年産米の推定実収高に徴し、よろしく政府は、既往の措置にかんがみ、すみやかに、昭和二十九年産米の価格の減収加算及び供米割当の減額補正を行われたい。」というのであります。このことの後段に要請いたしておりまする供米割当の減額補正を行われたいということにつきましては、十分ではありませんが、その後政府当局と各府県知事との間に折衝が行われまして、おおむね解決をみたように思いますが、このことはすでに処理済みと考えるのでありますが、その前段に申し上げておりまする昭和二十九年産米の価格の減収加算をなすべしという一点であります。このことにつきましては、去る三月三十日に大臣が当委員会に御出席の際に私も質問をいたしました。このことは昭和二十八年産米が全国的な冷害、病虫害等の災厄にかかり、引き続いて九月に全土を襲いました十三号台風によって相当多く被害をこうむり、そのために予期せざる減収という結果になりました。そのことを受けまして、これまたわれわれの計算に基く数字とは多少の相違はありましたが、一石五百五十円というものが減収加算金として交付されたのであります。さような過去における実情に徴しまして、昭和二十九年産米も政府当局の発表によりますれば、五%以上の減収ということはきわめて明確に相なったのでありまするので、当然減収加算額を交付すべきものであるという観点に立って御質問を申し上げたのでありますが、大臣は、農林省としては、と申しまするか、大臣としては、当然そういう措置を講じたいというように考えておりますが、昭和三十年度の予算の編成の関係もありまして、ただいま大蔵当局との間に折衝中であるというお話があり、その折衝の模様はいかがでございますかという質問を申し上げますると、大蔵当局では昭和二十九年産米九千百二十円という三等価格決定に際しまして、すでに減収加算に相当すべき部分は織り込み済みであると、前払いがしてあるという主張をされておる。そういうために非常に折衝に困難をきわめておるというようなお話でございました。しかし、その際にも申し上げたことでありますが、なるほど昭和二十八年産米には八百円という完遂奨励金が存在をしておりましたが、今回の九千百二十円という価格を決定するに当りましては、パリティ計算方式によって機械的にはじき出されました金額に、過去の例に徴するいろいろの加算金を加えまして、その上に一千円という米価が加えられたということでありまして、八百円の完遂奨励金を廃止をして、加えるのに一千円を基本米価として差し加えたから、二百円だけは前払いをしてあるという主張と想像いたしましたので、そのことは、その当時のいきさつは、政務次官も十分御承知と思いますが、当時改進党が基本米価一千円をアップすべしという主張をされ、もしその一千円が値上げになるということでありますると、消費者米価を改訂せざる限り形式的に二重米価ということに相なります。当時は自由党の内閣でありまして、二重米価ということは党の方針としてこれを採用しないという態度を堅持せられておりましたので、そこに両者の意見の食い違いが生じ、現大臣である河野さんが日本自由党の幹事長という立場で御斡旋をいたされまして、改進党の主張が一千円の基本米価の値上げということは税引きに考えますればおおむね八百円程度で計算は成り立つ。実質的にはそれでも農民の受くる経済的な利益というものは同様になるというようなことから、自由党のいわゆる二重米価問答を調整するために完遂奨励金ということにいたしまして八百円ということにし、これを無税にするという措置をとったのであります。そういういきさつを考えますると、一千円基本米価を上げると申しましても、税込み、税引きという関係で二百円を前払いをしておるという観念にははまらないと思います。大臣もおおむね一千円の基本米価を考える場合に、税が幾らになるかということについては、明確な数字ではなかろうと思いますが、三月三十日の御答弁では百五十六円という数字をおっしゃっております。百五十六円という数字が正しいものといたしますれば、大蔵省の主張する観念は、四十四円だけは前払いをしておるということには相当すると思いますが、減収加算金として昭和二十九年産米から計算をされまする二百五十円前後の金額には相当の隔たりがあるということでありますので、これは当然措置せられなければならん筋合いであろうと思うのであります。大臣は三十年度との予算の編成の関連において解決をいたしたいということを三月三十日の当委員会ではっきり答弁をされておるのでありますが、この問題はその後どういうように経過をいたしておりますか。第六点としてお伺いをいたしたい。 取りあえず以上六つの点についてお伺いをいたします。
○政府委員(吉川久衛君) ただいまの第六点の減収加算の問題については大体お話の通りでございます。大臣もそういう考え方で大蔵省とただいま折衝中でございますが、三十年度の米価を早急にきめなければならない関係上、それとあわせて折衝いたしておりますので、近く結論が出ると思っております。大蔵省の考え方についても森委員のお話のようなことを言われておりますが、私どもの方としては、特に私の考え方では、どうも大蔵省の方で言われることに納得のいかないものを、あの当時の経過から感じておりますが、さような考え方で極力減収加算のできるような努力をいたしたい、またいたしている状況であることを御承知願いたいと思います。その他の点については食糧庁長官からお答えをいたします。
○森八三一君 ただいまの政務次官のお話では、昭和三十年産米の価格を決定することと、昭和二十九年産米の減収加算金の問題と、何か決定をするのに関連があるようなふうに受け取れる御説明でありますが、これは全然別のものでありまして、昭和三十年産の米価につきましては本年の集荷方式が、ただいまも御説明をいただきましたように過去の方式とは変るわけでありますが、そういう観点に立って御計算を願い、お定めを願えばよろしいので、二十九年のやつはこれは過ぎ去ったことでありますから、これは機械的に物理的に数字が出てくるので、そいつを出すか出さぬかということは財政上の問題だけであります。そんな問題がここでふらふらしてきまらぬということでは、この集荷制度を変革をいたしまして、ただいまお話し下さいましたようないわゆる事前売り渡し申し込み制度ということに変えていこうといたしましても、この仕事の実際の担当者でありますのは、いずれ後刻御説明があろうと思いますが、いわゆる集荷業者、農業協同組合であろうと思う、その農業協同組合は、米価の問題について政府の施策が納得のできるものでなければ、新しい制度はその成果をおさめるわけにはいかぬであろうし、同時に集荷業者としても政府に協力をしなければ相ならぬということをはっきりと打ち出しておるのでありまして、そういうような最近における農林関係団体の動きなどを考えますると、全然関係のないと思われまする昭和二十九年産米の追加払いのごときものは、切り離して早く決定をして、政府が新制度に移行する場合における熱意というものを十分お示しになりませんというと、切りかえましてもその切りかわった新集荷制度というものは、十分の成果を期待するわけには参りかねると思います。あるいは参りかねることによって集荷数量が非常に減る、そのことは主食の統制を解除をして自由にするという時期が早くくるので、そういうことをねらうためにおやりになるということであれば、これはまた何をか言わんやでありますが、われわれは国際的な食糧事情の好転等々から考えますれば、さらに現在の食糧管理の実体から考えますれば、主食の統制はこの際冗談にも統制を廃止するというようなことは言うべき筋合いのものではないと考えるのであります。そういうような御意図はないと思いますが、その辺の事情をもう少し詳しく御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(吉川久衛君) 三十年度の米の価格と二十九年度の米の価格とは、これは別個の問題であることは御指摘の通りでございます。ただ私が話し合っておりますときに、米の価格の問題ということで折々一緒に交渉をしたことがございましたので、ついそういう表現になったのでございますが、御指摘の通りでございます。 それから河野大臣が自由になることが好ましいということを言われたことは、需給のバランスがとれるようになったときが、統制の廃止されるときであろうと思います。しかし今のようにはなはだしいアンバランスのときには、統制を撤廃することが非常に危険であるということは、これは大臣も認めていると思います。しかしそれは理想であるということを言っていられるのでありまして、決してこの集荷制度が成功したら、統制を撤廃するとか、あるいは失敗をしたら統制を撤廃するとか、統制撤廃を前提にしていないということだけは、はっきり申し上げられます。さように御了承を願いたいと思います。
○政府委員(清井正君) 先ほどの御質問の点でございますが、第一点の集荷業者ば、お話の通りこれは現在の指定集荷業者の制度をそのまま維持しておりまするから、現在の単協を中心といたしましたところの指定集荷業者の活動に待つわけであります。ただし御承知の通り、ごくわずか商人系統の方へ登録している生産者もあるわけでありまするから、その商人系統の集荷業者も残るわけでございまするけれども、結局現状の通りの集荷の業者の制度でもって進めて参る、こういうことが前提となっているわけであります。そこで、それでは集荷予定数量をどういうふうに示すかということでございますが、これは申すまでもなく、全国集荷団体に集荷予定数量をお示しをいたすことにいたしておりますので、大部分の数量は、いわゆる集荷業者の全国団体であるところの全販連に対して予定の集荷数量をお示しするということになるわけでございまするけれども、全販連以外にも、ただいま申しました商人団体の全国団体が、全国集荷業者団体連合会というのがございますので、それにもお示しするというふうに実は考えております。もっとも全糧連と申しますか、配給業者の団体で、一部かつて集荷業者の登録をしたものがありまして、ごくわずかでございますが、その系統もございまするけれども、それは数字的にどういうふうに取り扱うかということはまだきめておりませんけれども、建前としては集荷業者の全国団体がありますれば、その全国団体に集荷予定数量をお示しするということになる建前になっております。もっとも数量的には九五%までが全販系統でございまして、残りは五%以下という数字でございますから、数字的に申し上げればほとんど問題にならないのでありますけれども、建前としては、全国集荷団体にお示しする、こういう建前になっておるわけであります。 それから集荷業者の集荷力の育成をはかるということでありますが、その経済的な裏打ちがあるかという御質問でございまするが、その点につきましては、今回の制度がこの閣議決定に書いてございます集荷業者の活動促進ということを基調といたさなければならないのでございまするので、大いに生産者より所要の申し込み数量を集めていただくということのために、本制度の趣旨をよく生産者のかたに徹底していただくという活動をもちろんお願いいたすわけでありますが、その経済的背景といたしましても、今までより以上に趣旨の徹底なりいろいろ御活動を願うという部面が多くなって参りますので、われわれといたしましては、集荷手数料並びに集荷奨励金におきまして、前年すなわち二十九年度より増額をいたしております。すなわち集荷手数料につきましては、ただいまは米一俵当り四十円でございますが、今度三十年度におきましては一俵当り四十八円というふうに、八円増額をいたして計上いたしております。 それから集荷奨励金でありますが、これは現在超過供出の分につきまして、系統団体に出しております集荷奨励金、これは二十九年度が三億七千六百万円の予算でございますが、三十年度は八億六百七十万円計上いたしておりますので、前年度の予算額に比しまして四億三千七十万円の増額になっているのであります。それからついででありますから申し上げますが、従来集荷委託費と申しまして各県、団体等に交付いたしておりました金が前年度予算で三億ございましたが、今回は三億七千四十万円ということで七千万円これは前年度予算より増額になっております。そういうことで集荷手数料につきましても、一俵当りの集荷手数料を増額し、集荷奨励につきましても、四億三千万円ばかり増額をいたすということで、集荷業者の集荷力の育成をはかる経済的な裏打ちといたして参りまして、所要の御活動を集荷業者に円満にいくようにいたしていきたいということで予算を計上いたしておるわけでございます。 それから一部概算払いはどのくらいの金額かということでございますが、実はまだ、ただいままで金額についてはきまっておりません。いろいろ試案を具して大蔵省とも相談をいたしておるのでありますが、概算払いを行うという閣議決定を見たのでありますが、まだ金額につきましては、目下折衝いたしておる最中でございますので、ただいまはっきりしたことを申し上げることができないのは遺憾に存じます。 それから所得税の軽減を考慮するという点でございますが、これは従来御承知の通り基本価格以外の奨励金につきまして、これは経費に算入する等の措置によりまして所得税の軽減の措置がとられてきておったのでありますが、今度はいわゆる奨励金という制度はなくなりまして、いわゆる基本価格と申しますか、価格一本になります関係もございます。われわれといたしましては、この制度によって申し込みをいたし、この制度によって政府に売り渡しをいたしたものから得られる所得につきましては、一定率をかけまして、その一定率に相当する金額を経費に算入するというような形で所得税の軽減をしたいというようなことで、原則的には大蔵省においても了解いたしておるのであります。ただこれをどのくらいの率にいたすかということにつきましては、目下折衝をいたしておるのでございますが、米価のいわゆる具体的な金額との関連等もございまして、まだ話を決着するに至っておりませんのでございます。建前といたしましては本制度に基く政府に売り渡しの所得から一定率を経費に算入するということにいたしまして所得税の軽減をはかっていくということにいたしたい、こういう建前にいたしておる次第でございます。
○委員長(江田三郎君) なお、主税局の税制第一課長が来ておりますから。
○森八三一君 先刻の政務次官のお話に直接関連する事項でございませんが、大臣の意図されておるところは、需給のバランスがとれたときには、国内における混乱も想像されないので、統制解除のときではないかと。そういたしますると、方針としては統制解除が理想だ、そして需給のバランスがとれるように国内の食糧の総合的な増産をはかっていく、自給度を高めていくということに指向されると思うが、そこでその昭和三十年度予算はきょうは審議をしないということですが、今はそういう話が一つ出ましたので関連してお伺いしますのですが、昭和三十年度の今われわれの審議に託されております予算は、そういう意図を具現するような方向に打ち出されているとお考えになっておりまするかどうか。食糧の統制は理想としては廃止するのだ、が、しかしそれは無計画、無謀ではいかんので、需給のバランスがとれて、生産、消費の面に何らの支障が起きないという見通しがついたときにはやるのだ、といたしますれば、そういうような事態を完成することのために努力を払う義務があると思う、理想に向っての努力を払うという義務がある、それを年々の施策において推進していく、こういうことにならなければならぬのでありまするから、昭和三十年度の政府御当局の考え方はそういう態度でなければならぬと思うのであるが、この予算はそういう態度を具現しているとお考えになるかどうか。ごく卑近な例を申し上げますと、われわれの承知しているところでは、年々つぶれ地が大体三万町歩ぐらいある。人口は百万あるいは百二十万程度増加をいたしますると、そういうような不可避的な要請だけでも、米換算の二百万石から二百二、三十万石のものは増産をはからなければ、外国食糧に依存をする度合いが高くなるというように承知をいたしておるのでありますが、三十年度予算はそのことすらも満足に行えないという状態ではないかと思うのであります。といたしますると、おっしゃることと、実際に予算化されているものとは非常に、食い違いがある。そこで、そう申し上げますると、いやそれは昭和三十年度は将来の拡大均衡への地固としてやる。だから先でそういうことは取り返しがつく、こういう御説明をなさるかと思いますが、それじゃもう一ぺんお伺いしなければならぬ。昭和三十一年度の財政規模は一体幾らになるというお見通しであるのか。昭和三十一年度の財政規模が一兆一千億円という予算が組めるというようなふうに見通しがあるとおっしゃるなれば、本年度の足踏みしている部分を昭和三十一年度で取り返しをするということは可能であろうと思いますが、そういうような見通しはまだまだ国民負担が重いので、減税措置をしなければならぬというときでございまするから、なかなか思いもよらぬことであろうと思いますが、そういうようにただ口先きだけで後年度へ後年度へとしわ寄せをしていっても、後年度の財政規模というものの見通しがはっきり立たなければ、それは具体化されないという当座の言いわけに過ぎないというように了解をせられるのであります。そのお見通しは一体どうなっているか。こういうことを一つお伺いをしてみたいと、こう思います。
○政府委員(吉川久衛君) 私がお答えしようという点まで触れていただきましたので、結論だけ申し上げますと、おっしゃる通り、政府では次年度からの地固めである、こういうふうに言われているのであります。食糧増産その他の施策においてはあるいはそれで十分かもしりませんが、少くとも食糧の自給度を拡充するということにいたしましては、私は遺憾ながら十分でないと思っております。この点は一つ皆様の御協力をいただかなければならないと思っておりますが、私どもといたしましては、何とかしてこの少い予算額を十分に効果の上るような運用をしていかなければならないと思っております。そのために、ただいま農林省でも全国の経済関係の部長会議にもこの点を強く打ち出しまして、予算の運用の妙味を十分に発揮して、効果の上るようにというような指示をいたしているのでございます。それにいたしましても、大体百二十万石近い増産を見込んでの計画でございます。八十万石ぐらいは自然消費増といたしますと、四十石万ぐらいは残るのではないかというような計算をいたしております。これが単なる予定でなしに効果の上るようにするためには、予算の効率的な、効果の上るような運用をいたしていきたいと、かように考えております。
○森八三一君 今百二十万石ぐらいは増産ができる。これは計算の方法と耕種改善等に関する効率的な運用ということで多少計算は違いますが、一応百二十万石ぐらいできる。そこで自然消費の増を八十万石というお話でありますが、昭和三十年度には過去における平均実績のようなつぶれ地は起きない。人口もそうはふえてないという見通しに立っての御議論であるのか。人口が百二十万程度はふえるということでございますると、それだけでも相当の数量であり、三万町歩くらい平均減っておりますので、本年も今までの例のごとくに推移すれば、どうも八十万石の自然消費増という数字に非常な問題があるかと思うのでありますが、それはどういう計算からそうおっしゃるのか、その点を一つ。 それからもう一つは、米価の問題でありますが、昭和二十九年産米の追加払は、これははっきり大臣も政務次官も出すということをおっしゃっておりますので、これを昭和三十年産米の価格とは切り離して、早急に決定をされ、新制度がうまく運営される一つの過程になるように、早急に取り運ばれることを希望します。そこで昭和三十年度産の米価でございますが、これもただいま折衝中だ、そうして米価審議会の議を経なければ確定的なものにならぬので、米審の意見を聞いた上で、政府は政府の財政事情とからみ合せて決定すると、こういう御答弁だろうと思います。今は確定したものはない、こういうことだろうと思います。予算米価として打ち出されております九千七百三十九円というものを、大体堅持していくという農林当局のお考えなのか、生産者の諸君は、少くとも各種の奨励金なり、格差なりというものをひっくるめて、一万二千五百円程度の平均にすべきだという主張をしているが、農林省当局が大蔵省と御折衝になるときの心がまえは、予算米価をベースとしてお当りになっておるのか、実際に苦労している生産者多数の諸君が要請をいたしております金額がベースになって、大蔵省との折衝が展開されておるのか、その辺を一つお伺いいたします。
○政府委員(吉川久衛君) ただいま御質問の初めの部分については、つぶれ地あるいは人口の増加等を考慮いたしております。人口の増加につきましては、厚生省の人口問題研究所の資料等によりますと、最近人口の増加率が非常に低下をいたしてきております。そういう関係で、従来通りの数字とは多少変更を要するような要素を持っております。 それからただいまの米価の問題でございますが、五月の二十日ごろには専門委員会の答申を得られると思っておりますので、本月中には、暫定になるかもしれませんが、米価を決定いたしたいと思っております。農林省で考え、期待をいたしております米価というものは、せんだって発表になっております予算米価を上廻るものを考え、期待をいたしております。これは暫定米価とも申すことができるかと思いますが、暫定米価の効果というものは、それよりは本決定の場合に下らないという効果があるのではないか、かように考えております。
○溝口三郎君 ただいま政務次官から御答弁がありましたが、本年度の食糧増産が百二十万石、それで消費のほうが八十万石くらいだから、四十万石は余るのだというような御答弁でございましたが、昨日衆議院の予算委員会におきましても、農林大臣はそれと同じような趣旨の答弁をしていられたように、けさほど新聞で拝見いたしたのでありますが、その考え方は何かの間違いだと思う。その御議論をいつまでしていてもきりがないと思いますから、御訂正になった方が私はいいと思います。私の承知しておるところでは、三十年度の食糧増産は、土地改良、開拓で百一万石の増産が出るのだ。そのほかに耕種改善で二十万石の増産が出るのだ。百一万石の増産は本年度の食糧ではなくて、三十一年度の食糧計画に入ってくる。本年度の食糧計画に入るのは二十九年の土地改良、開拓をやった百十四万石というのが入ってくる。それと耕種改善が入ってくるのです。先ほど政務次官の御答弁の八十万石というのは、これはつぶれ地の一年平均二万五千町歩の補給に要する分なのです。人口は、先ほどお話がありましたが、人口問題研究所の人口の推算で違ってくるのは、昭和三十五年から違ってくるので、二十九年から三十年には明らかに百四万人は増加しておる、現実にそれだけ生まれておるのです。それに対して米麦に換算して一石二斗八升八合をかけると、百三十万石要るのです。食糧の増加は、そうすると、百三十万石の食糧の増加とつぶれ地の八十万石と加えると、二百五、六十万石になります。それに対して石三十万石ぐらいの食糧増産よりか今やっていないのです。だから百万石はこれは輸入を増加するのだ、はっきりそういうことに結果としてなってきておるのでございます。そこで私は政務次官なり、農林大臣は四十万石ぐらい余るというお考えがあるから、食糧増産の予算が減っても、そう苦にならぬように考えておられるのではないかと私は思う。もし四十万石余るなら、それだけ二十九年よりか外米の輸入量を減らすお見込かどうか、予算説明書にはやはり二十万トン程度外米の輸入をふやしておる。毎年そういうふうにふやしておる。すでに六カ年計画の食糧については、三十一年度の分が本年度の予算で出ておるのです。それは六カ年で自給度の向上をするといっても、六カ年のうちの二カ年分、三十年度、三十一年度はもう半分よりか計上ができないようなことになっておる。だから食糧の自給度の向上といいますけれども、これは非常にむずかしいことなので、むずかしいのに何か今年度は余るように考えておられるから、そういう結果が出るのではないか、この点をもう一ぺん明確にしておく必要があると思うので、お伺いしておきます。
○政府委員(吉川久衛君) 人口増の部分につきましては、ふえただけの数を全部内地米で充当するという計算ではないので、それで八十万石という数字が出てくることと、そしてなお他の部分は人口増あるいはつぶれ地の関係もありまして、外国の食糧に依存しなければならないというところで、輸入増の数字が出てきておるのであります。 それから三十五年からという人口の問題でございますが、昭和二十六年の上期までは非常な勢いで人口の増加が進んで参りましたが、下期からだんだんと下降いたしましても二十八年は一年間に堕胎だけでも百万、やみが三割ないし四割あるのではないかと推定しておるといわれております。そういう不健全な人口制限の方式がとられていてはいけないというので、本年度は厚生省で相当この方面の積極的な指導をするための予算を計上しているようなわけでございます。それで二十八年度あたりから非常に目立って人口の増加が減少してきておりますので、そういう点等も考慮はいたしておりますが、溝口委員の御指摘の点については、私どもの考え方が数字の上に、あるいは絶対的でないかも知れません。そういう点は、十分に一つ御意見を尊重して善処したいと考えております。
○溝口三郎君 人口の、二十九年から三十年までに百四万人というのは、これは統計に出ている数字でございますから、今の受胎調節のようなことをやった結果は今後出てくる、これは三十二年から三十五年に、現在では五、六十万人で、百五十万人くらい人口減になるということを聞いておりますが、現実に出てきているのは百四万人ふえている、それで今のお話によりますと、どうもはっきりしない点は、今までいろいろ推算したりしているのは、農林省では今まで一年につぶれ地の減少が百万石だ、二十八年からの五カ年計画のときには、つぶれ地の補充を要する部分が百万石だ、人口は一年に百二十万人増加する。それに対して一人あたり一石二斗何升というので、そうすると一千七百万石の増産が必要だと、六カ年計画も同じようなやり方をやっているが、今政務次官のお話では、何か別に農林省ではつぶれ地と人口増で八十万石しか要らないという計算のようなんですが、それは何か食糧庁でそういうことを別途に考えているかどうか伺っておきたい。
○政府委員(吉川久衛君) 要らないのではありません。先ほど森委員にお答えしたように、拡大均衡の地ならしとして、まあこれがうんと圧縮した最小の限度である、これをもってしては六カ年計画で政府の考えているような初期の目的は全然達成できません。これは最小の限度でございますから、これを基礎にしてだんだんと増強をしていかなければならない。こういう考え方でございますから、これをもって事足りるというわけではありません。できるだけ自給度をふやして、予算を少くしていくという方針であることを御了承願いたいと思います。
○重政庸徳君 関連して……。農林大臣も政務次官も、あらゆる席で今年度の食糧増産の基礎をなす土地改良及び開拓の予算は削減したが、これを重点的に、効率的に使用して万全を期すると言うてみたり、あるいは、本年度は予算は減ったが、それには基礎控除をやる、伸びるための基礎控除をやるのだということを言うてみたり、全くわれわれは少しもわからない、何を言われようが大体重点的、効率的に使用するということばどういうことをおやりになるのか、一つそれをお伺いいたしたいのであります。おそらく各内閣も毎年重点的、効率的な予算で、特に食糧増産の基礎をなす農業に対しての控除と、そういう方針で今までやってきている、それをどういう限度において今年は重点的、効率的にと、新らしく声を大にして言われるような、どういうことをおやりになるのかということを、まず第一にお伺いいたします。
○政府委員(吉川久衛君) 今までは新規事業を次から次へと手を広げまして、結果的に見ますると総花的な予算の使い方であったと思います。これを今年度に限りまして、新規のものは調査程度にいたしておきまして、次年度から着手のできるような一つ基礎を作っておく、そうして今までやってきたところのものについては、一つこれに重点的に予算を入れまして、そうして早く効果のあがるように、完成のできるようこ持っていこう、これがその重点的という考え方でございます。
○委員長(江田三郎君) さっきの溝口さんのは、あれはいいのですか、計算は合いましたか。
○溝口三郎君 合わない。
○委員長(江田三郎君) あれはどうしますか、ちょっと保留しておきますか。
○溝口三郎君 保留にしておいて下さい。もう少し研究していただきたいと思います。それは訂正しないと誤解を招きますから。新聞にもそういうふうに説明が出ておりますから、誤解を招くと……。もう少し明確にした上で、次に御答弁をお願いしたい。
○委員長(江田三郎君) それではそういうふうにお願いいたします。
○重政庸徳君 伸びるために三十年度は調査の予算を一億幾らふやした、これにこだわって、伸びるためにそういう基礎控除をされると思うのですが、しかしお調べになったら、今まで調査をしてそうして着手しておらないものが非常にたくさんある。三十年度に御調査にならぬでも、もちろんやられることは結構ですけれどもが、おそらく今までに調査して着手に至らぬものが、三十一年度の全部済むものじゃない、三十二年度でも済むものじゃない、私の見当では。そういうことはお調べにならぬのじゃないか、どのくらいあるか、ここに資料としてお出し願います。そういうことからいうと、今の御答弁はおそらくあまり意味がないということに私はなると思うのであります。それから重点的、効率的というのも、これも先ほどあげましたように、各政府が各年度ごとにそういうつもりでやっておるので、だからこれはやはり新しい意味ではないと解釈していいですか。昨年の内閣も重点的に、効率的にやったのだ。これを、今まで着工しておるものを中止して、そうして一つか二つか余計完成してみたところが、こういう仕事というものは御承知のように継続性の仕事である、なおかつ計画性を持っておる仕事である。だからこれをある部分をやめてある部分を三十年度に幾ら完成してみたところが、あるいは一年、二年後にはその継続性及び計画性を破って、マイナスがより多く出てくる。そういうことから言えば、やはり今着工しているものは進めていかなければならない。私は予算をふやさずして、そうして重点的に、効率的に効果をあげるというような、そういうまるで手品みたいなことはあり得べからざることだと私は考える、どうお考えになりますか。それからなおかつこれはあとで法案も出る準備になっておりますが、食糧増産の予算は減額したが、余剰農産物の金を三十億保留しておる、これを合わすと二十九年度予算よりもいかにも上廻るというようなことを言われるのですが、この考えは全く間違っておる。これは別個として、たとえて言えば愛知用水に三十年度三十億入れてみたところで、五年先に米が三十万石できる、そうすると今おっしゃる食糧増産の予算は重点的、効率的に使用するということが全く意味がないことになる。この辺はどうお考えになるか。それから私どもは、全国の農民が非常に要望しておるこの事業を打ち切って、犠牲にしてこれを減らして、そうしてそういう愛知用水とか何とかそういうものに持っていくということはこれは全然反対いたします。こういうものを犠牲にして、そうしてそういうものに持ってきてみたところが、これは政府は従来の増算計画事業より別途にしておやりにならねば意味がない。そこはどうお考えになりますか。これは三十年度は三十億でいいですけれども、これが三十一年度、三十二年度になったら非常に大きな金になる。だからそこをしっかり区別してお考えになっておるかどうか、一つ……。
○政府委員(吉川久衛君) 拡大均衡を将来にやるというその下地を作るという考え方で、今年は緊縮をもう少し続けることによって、まあ来年度から諸物価が相当に下って、それでその単価も下って、予算は一兆のワクをそうこえなくとも相当に事業が進めていかれるのではないか、そうすることによって拡大均衡が得られるのではないか、こういう考え方で予算編成をやっていると私は思いますが、日本の今要請されておりますところの食糧の自給というこの緊要な問題については、私は重政委員のおっしゃることに全く同感なんで、先ほども森委員に皆様の御協力を得なければならないと申し上げた点はここにあるのでございまして、まあはっきりと同感と申し上げた方がよろしいのかと思います。どうぞ……。
○委員長(江田三郎君) ちょっと質問がほかの問題に入っていったのですか、集荷と米価の問題については……。
○池田宇右衞門君 今委員長からも、横道へ横道へとそれたというお話でございますが、私はこの案そのものには決して反対もしないし、またこういう過程に入るということも想像はしておりましたが、これに対する準備がどの程度にできておるか。たとえて申しますならば、私今3を読んでみましたが、「都道府県知事、市町村長、集荷業者又はその団体その他関係機関をもって構成する米穀売渡推進のための機構を設ける。」こういうふうにできておりますが、予約申し込みの取け入れ態勢は、まずすでに受け入れ態勢を作らなければならない、それからこういう段階に入ってくれば検査も予約を申し込むと同時に、農家の労力があるとは申しますが、なるべく検査は部落の検査か、あるいは部落のうちでも多量にするには庭検査程度までも要求するようなふうに必ず展開してくる。同時にその場合にもし商人においてもこれが商人を通じて政府に売り込むというような過程が設けられるとしたならば、よく商人は集荷いたしますから、その方へ流れて果して政府が思うように、政府の買い上げができるかできないかという程度に非常な混乱状態があるだろうと思います。これらの点にはどの程度の準備ができておるか、また今の予算でこれが完遂できるかできないか、非常に疑惑を持っておるのでございます。そういう場合には食管特別会計からその方に予算を流通するワクがあるかどうか、まあこの点について、順次聞こうと思うが、一つ答弁を得たいのであります。
○政府委員(清井正君) ただいまの御質問の御趣旨の点、あるいは御趣旨をはき違えて申し上げましたならばあとで御答弁申し上げますが、今回の趣旨は閣議決定にもございます生産者の自主的売り渡しと、生産者から委託を受けた集荷業者の活動促進を基調とするということになっております。先ほども御質問ございましたが、末端は現在の制度がそのままで動くわけでございます。従いまして、登録を受けておりますところの指定集荷業者、すなわち大部分はこれは単位農業協同組合、これが指定集荷業者になっておるわけでございますが、一部には商人の系統があるわけであります。これも一般の生産者が商人に登録した場合にあるいは指定集荷業者たる商人でございますが、大部分が単協、一部に商人ということになっておるわけでございますが、いずれもこれは現在の制度によりますというと、生産者の努力によってすでにできておる状態であります。それがそのまま維持されて、三十年産米の集荷に入るということでございますので、今度の新制度によってすぐにその商人系統が農業団体と申しますか、そういう系統の方に進出してくるということはないわけでございます。制度としては現在の制度がそのままになる、こういうことになっておるわけでございます。それぞれその活動分野において活動をいたすということになるわけでございます。そういうようなわけで、集荷業者の活動促進のためには先ほども御説明申し上げましたが、集荷手数料を増額いたしております。あるいは奨励金というものも増額をいたしておるわけでございます。あるいは集荷委託費というようなものが今度は名前が変りまして維持されることになっておるわけでございます。ただその集荷業者の活動に待つわけでございますが、そればかりでは不十分でございますので、ただいまもお話ございましたように、米穀売渡推進協議会というようなものを中央なり県なり市町村に設けまして、関係団体あるいは関係の行政機関がこれに加わりまして、そして集荷団体の本制度による集荷に協力をいたすということにいたしていきたいということにいたしておるわけであります。中央にも県にも市町村にもございまして、それぞれこの制度の思想の普及徹底、あるいは集荷予定数量の決定、その要請並びに売り渡しの実際の申し込み、また売り渡し申し込みのあったものについての現物の確保、そういうような問題につきまして十分に協力をいたすというために協議会ができるわけでございます。そういうようなわけで、主たる活動は集荷業者の活動に待ち、それを援助協力するものに、それぞれの団体に米穀売渡推進協議会があるわけであって、しかもまた集荷活動を容易にするためにはただいま申し上げましたような経済的裏づけがある、そういうようなことで今回の集荷を促進していくということであり、建前があるわけであります。
○池田宇右衞門君 そういう活動の予算がとれてありますか。
○政府委員(清井正君) ただいま申し上げた点を重ねて申し上げることになりますが、活動をするためには、いわゆる集荷業者の活動のためには今まで一俵当り取り扱いいたしますと手数料を国から払うわけであります。
○池田宇右衞門君 それはわかっております。今度活動団体を設けるという、その活動団体に対する経費はどこから持ち出すと、こう言うんです。
○政府委員(清井正君) この点につきましては先ほど申し上げました今まで県に交付いたしておりました集荷委託費というものがございますが、それが去年の予算では三億円でございます。これが今度は三億七千万円、これは実行額でございますが、計上してございまして、その県に交付してありました集荷委託費が集荷促進協力費ということになりまして、これを県を通じて交付いたしますので、県に今まで交付しておったのでありますが、その費用の運用によって各府県なり市町村の米穀売渡促進協議会の費用に充てようじゃないかと、こういうふうに実は考えております。
○池田宇右衞門君 計画はなかなかうまく立てるのですが、実際とはつり合わないで、割当が各町村の段階で割り当たらして、そして供出を督励しても、今まで完遂するには非常な骨が折れて、早期供出の奨励あるいは完納の奨励がもうなくなってしまって、しかも、今まで通りの経費をもって新たなる団体を組織してやる農業委員会の経費は申し上げるまでもなく半減してしまったというようなことから申しても、またこういうことになりますならば、私は当然申し込みはして、二割の申し込みに対する予約金をもらうけれども、農家としてならば、まあ私らは出すことにきめたから取りにきて下さいというようなことになるし、検査員に対しても、検査は庭で検査して持ってきなさいと、予約にはそういう弊害が伴うのだが、これらを十分考えてあるかどうかということをお尋ねするのですが、答弁がないから、これは十分考えて下さい。庭検査まで行くのかどうか、部落検査までしてやるのか、そういうことになると、検査員に対するところの臨特補助員というものが、いわゆる非常勤というものが必要になってくる。この非常勤の人員が予算の間に盛り込んであるかどうかということをお尋ねするのであります。ありますか、どうです。ないだろう、今の予算では。
○政府委員(清井正君) お話の通り、末端において検査員が生産者に対してできるだけ親切な扱いをしてきまして、それで、この組織を促進するためにできるだけの努力をしなければならんということはお話の通りであります。従って、所要の人数につきましても、できるだけこれを円滑に活用いたし、努力いたすことは必要でございますが、ただ、しかし、今お話の非常勤職員なり検査員をふやすということの費用の増額はいたしておりません。現在までの人をできるだけやりくって努力していきたい、こういう考え方であります。
○池田宇右衞門君 長官、計画はいつでも立てます。ことに文書計画なんて楽なもんだ。人を動かすにはただ動かすわけにいきませんよ。予約申し込みをして、その成績を上げるためには、人手間というものが要る。予算の計上なくして、ただこれを実行しようとして、実際成績は上りませんぞ。なぜ予算を先に計上しておいて、そうしておいてこの仕事をするのだということをしないで、農業予算を至るところで削ってしまって、そうして、仕事だけは成績を上げようということでは、絵にかいた餅と同じ式になってしまう。私は質問したくなかったけれども、聞いてみると、今度の予算はデフレ予算でやろうと思ったけれども、ことごとく不可能に陥るようにできているので、まことに感心しないのだ。決してこれは農林省を攻撃したくないのだ。農林省は内輪だから、農林省の仕事もよい成績を上げたいし、また国民には食生活の安定を与えたい。農林省の仕事を円滑にしたいのだけれども、予算を計上してなかったら仕事なんか計画倒れに終ってしまう。この二カ月のズレは非常な、地方へ行ってごらんなさい、仕事が停頓してしまって、小さい例であるけれども、農家は、たとえば、溝口さんは専門だけれども、水を引くにしても、小さな農道でも水利の河川でも全部修理しています、今年ほど予算が何もないし、あてがないけれども、苦しい労力を供出し、費用をさいてほんとうにやっていますぞ。けれども、この予算、継続事業を打ち切られてしまったら、米を出せと言っても……これは計画倒れに陥ったことは政府も窮屈に陥ると同時に、われわれが参加するこの国会におけるところの農林水産委員会というのは一体何をしているのだ、めくらっきりそろっていないという結果に陥ってしまう。私は農業政策を通してみまして、米の供出も予約制度の徹底をはかるには、やはり今年度は倍にならなくても、少くとも五割ぐらいの予算の増額をもって初めてこれに着手しなかったら成績は上りません。前年度に機構が変ったから直ちにできるなんて思うことがすでに間違いの種でございます。どうかかようなことのない、予算問題はいずれ予算の委員会でやりますけれども、あらかじめ念のために……成績まことに不良に陥る前提がある。同時に現在も部落検査、庭検査まで施行して、そうして農協なり、あるいは指定商人と申しますか、免許商人と申しますか、そこらの人たちに渡るとしてもきわめて円滑に渡るようなふうにしてやらなければならない。従って、検査員にしても非常勤の検査員を準備して、あらゆる計画を達成して仕事に着手しなかったならば成績が上らない。いま一度計画と同時に予算を大蔵当局に向って要求するの決意を新たにしてほしい、これだけ申しておきます。
○政府委員(吉川久衛君) 池田委員の御指摘の点はまことにごもっともでございますので、この点は十分に検討を加えあやまちのないように善処したいともっぱら努力いたします。
○飯島連次郎君 先ほどの五月七日の閣議決定の五番目にある「価格差制度を検討する」ということが閣議決定に載っておりますが、価格差については具体的にいうとどういう考慮をしているのですか。
○政府委員(吉川久衛君) これにつきましては予約したものと予約以外の米穀に対する価格とに差等をつけよう、こういうのでございます。具体的な問題については今しばらくお待ちを願いたいと思いますが、大体今月中には決定をみると思います。
○委員長(江田三郎君) ちょっと私から質問させてもらいますが、一体今の未定の事項というのは価格差だけでなしに、ほかの問題についてもいつごろまでに決定されて、予約集荷最を示すというのはいつごろまでに示すという目標なのか、その時期をはっきり……。
○政府委員(吉川久衛君) 委員長にお答えします。価格の問題については五月中にきめたいと思っております。きまると思います。その他の数量等の問題については六月の上旬に決定することにいたしております。
○飯島連次郎君 価格差については具体的に今の答弁では私は非常にまだ検討が足りないのじゃないか。さらに時期別、あるいは地域、もしくは銘柄等については価格差の考慮というものは全然払わないのですか。
○政府委員(清井正君) 価格差の根本問題につきましてはただいま政務次官がお答え申し上げた通りであります。時期別の価格差、これは今までの早期供出奨励金という制度を廃しますけれども、時期別の価格差はこれは持って行くということを考えておるのであります。今までの早期供出奨励金にかわるものであります。一定の時期までに政府に売り渡したものにつきましては一定の価格差を持つということによる時期別価格差でございます。それから銘柄、あるいは地域銘柄の問題でございますが、この点は、御答申の中にはそういう方向でやれというふうに書いてあるわけでありますが、ただ実行問題としていろいろ実は問題がございます。確かに一部の地方におきまして非常に歩どまりがいいとか、あるいは品質がいいとかいう地域には、価格差を設けろという熱心な御要望があるわけでありますが、あるいはこの際さらに品質をよくするという建前から、まあ昔のままには戻らんにいたしましても、銘柄を設定したらどうか、従って銘柄別の価格差を設けたらどうかという御要望もあるのでありますが、この点はもう少し検討さしていただきたいと思っております。確かに御要望もありするのでありますが、今度の米価の決定に当りましてこれをどういうように採用するかということについては、もう少し検討さしていただきたいと思っております。はっきりいたしておりますことは、申し込みによる価格差と時期別の価格差とははっきりいたしております。等級からの価格差はもちろんでありますが、この二つについての価格差ははっきりいたしておりますが、その他の点につきましてはもう少し検討さしていただきたいと思っております。
○森八三一君 今の銘柄価格差の問題でございますが、これは今始まった問題ではないので、すでに相当前からいろいろ問題があるので、検討をさしてほしいということでずっとこれは推移をしておる問題でございますが、どういう点が一体研究の課題になっておるのか。長官も認めておられまするように、搗精歩合からいっても、平均して岡山、三重など五%も違うという点は、これは食糧庁の統計にも出ておるので、それを同一価格で買い上げて同一価格で売るとすれば、これは卸売業者なり小売業者が不当の利潤を得るということになりまするし、もし価格に差等をつけて払い下げをするということになれば政府が不当利得を占めるということに計算をされるのだし、どうしてもこれは理論的に筋の通らんことであると思うのであります。そういうわけで、すでに数年前からこの問題が論議せられ、引き続き問題があるので検討、問題があるので検討ということで日を送ってきておるということである。ただいまもそういう御答弁でありますが、一体どういうところに問題があるのか、その問題の所在点、今までずっと研究なさったのですから、研究なさいましたその経過を一つお示しをいただきたいと思うのであります。
○政府委員(清井正君) これは非常に御指摘の通りむずかしい問題でございます。前から問題になっておりましたことも、御指摘の通りであります。御指摘の県が確かに歩どまりがいいということにつきましても、私どもも存じておるのであります。ただこの品質について差を設けるということにつきましては、これは米の制度自体の問題にも関連いたすのでございますが、まあその問題はしばらくおきましても、今までは御承知の通り米の数量確保ということに念願をおき、いかにして所定の数量を確保して配給を確保するかということにありましたために、われわれといたしましてはむしろ質よりもまず第一に数量ということでずっと進んで参ってきたのであります。そこで一本化ということで、価格を一本にして等級間の価格差だけで進んで参った。しかし、だんだんと米の問題につきましても内地の生産状況が漸次よくなって参りまするというと、消費者側の立場からいいましても質による差を設けろということがいわれますし、また業者の立場と申しますか、生産市場の立場から申しましても、質のいい米を作った場合におきましてはその価格を高くするということも当然考えられる方向ではあると思います。ただわれわれといたしましては、現在の食糧管理法の建前で、ことに今回も食糧の現行配給量を確保するということで、配給量は確保しなければならんという建前をとっておりますので、質も必要でございますが、同時に数量も必要だという両面の要請にこたえなければならんというようなわけであるのであります。そこでわれわれといたしましては、従来からもたびたび要請があり、だんだんとその方向に向っていかなければならんことも了承いたしておるのでありますが、今にわかにこれを価格差をつけてやるということも、急激な変動をかえって生産者に与えることが生産の将来の指導に対してもいかがかと考えられますので、やるといたしますればこれは漸次にやっていかなければならんことであると存じます。いつこれをどういうふうな方法によってやって参るかということにつきましては、いろいろそこに問題がございます。特にこれは当該県の生産者としては非常に熱望するところでございますが、また一方これは生産者間の均衡というようなことも、これはまあ実際問題として考えなければならん問題もあろうかと思います。そういったようなことをにらみ合せていくというと、三十年産米の米価について価格差をはっきりと立てて、そうして品質の差をつけるということをやるということがどの程度実行できるかということについて少し具体的に検討をさしていただかなければならんというふうに考えましたので、はっきりお答えをいたさなかったのでございますが、多年の要請であり、また御要望でもあるのでありまして、われわれといたしましては、何とかこの問題につきましてさらに一歩進んだ具体的措置をとらなければならんものとは思っておるのでありますが、今ここではっきり価格差をつけますということを申し上げるまでに至っていないことははなはだ恐縮でありますが、いましばらくこの問題を検討さしていただきたいと、こういうふうに考えておる次第であります。
○森八三一君 まあその数量の確保ということだとすれば、搗精歩どまりが五%も違うということであれば、配給をするときにその搗精歩合のいい部分を計算に織り込めば、そういう品質の米を確保することは数量を確保したことにつながると、こうなるのでありまするから、当然これは措置しなければいかんことのように思うのですが、数量を確保すると、それは搗精歩合がいいのですから、卸に卸すときにそういう換算でおやりになれば数量を確保したということになるのであります。もしそれをおやりになっておらんとすれば、配給を受けた卸売業者はその搗精歩合のいいものだけは不当の利得をしておるということになるし、もしそれに差等をつけて払い下げをしておるということになれば、政府が一定価格で払い下げて不当な利益を得る、それは明らかに農民の犠牲の上において政府は商売をしておるということになるので、どうしてもこれは割り切れない存在だと思うのですが、それが早急に実施されないということは、どうも多年の問題であって、理解をいたしかねますので、これは少くとも三十年産米には新しく事前売り渡し制度というような、制度の上にも大変革の年でありますので、こういうようなときに断行しなければこの不合理を是正するチャンスというものはそう急にはないと、こう思いますので、この機会に断行されることを特に希望しておきます。
○委員長(江田三郎君) ちょっと私今のにつけ加えてお尋ねしておきますが、先ほどの長官の答えでいくと、森君が言われましたように、数量の問題に重点を置いて、質は考えないということだけれども、この銘柄の問題というのは、味とか何とかそういう問題もあるけれども、今のお話のように、明らかに搗精の歩どまりが違って、食糧庁としては払い下げ価格を変えているわけでしょう。ある地方の米とある地方の米とは卸業者に払い下げるときに値段を変えているわけなんですから、これは明らかに質の問題でなしに、量の問題、質が量に変って来ておると思うのです。だから、その味とか何とかいうことばかりに逃げなくて、そういう計算上はっきりしている問題があるのですから、もしこれを質と量という問題だけでいくならば、明らかに質の問題もあるけれども、量の問題というものが大きなウエートを占めておるというふうに言えると思うのです。この点は、もう一つの時期別の価格差というものを、今までの早期供出の奨励金をやめて、時期別の価格差をつける、その時期別の価格差というのはどういうような根本的建前でやるのかしりませんけれども、あるいはもしそれが自由販売の時代に端境期に値段が違っておったからというような意味でやられるのならば、やはりこの銘柄の問題についても同じような歴史的事情が出てくるわけです。そういう点は今の食糧庁長官の答えだけでははっきりしないと思うのですが、もっとお答えできますか。
○政府委員(清井正君) 確かにそれは、ただいままでは売り払い価格差をつけておりますので、委員長並びに森委員の御指摘の通りであるわけであります。その点が確かに問題であることは十分私も認識をいたしております。そこで方向として私は何も質を考えないということを申したわけではありませんが、今まではそういうことでやってきたという過去の歴史を申し上げたわけでありますが、ただ全体の食糧事情の緩和と申しますか、最近特に質の点を強く要請され出してきておるということで、やはり米の買い上げにつきましては、等級のみならず、一定の銘柄なりそういう関係を十分考えていかなければならないという方向に参っていることは、私も十分了承いたしておるわけであります。まあ時期別の価格差につきましても、やはりこれは昔割合に高く買えたというようなこともありますし、あるいは生産費が非常に高くかかった、あるいは単作地帯であるとか、いろいろな理由があろうかと思うのでありますが、そういったようなこととも関連をいたして、この銘柄別といいますか、地域別価格差ということもあわせて考えていかなければならんということは、御指摘の通りであります。ただこの問題につきましては、やはり一方全国的な数量という観点から申しますと、やはり生産者のこれによって受ける気持と申しますか、いわゆる価格差を受けない生産者の方の側の気持ということもある程度考えなければならんという部面もあろうかと考えます。そういったようなことも関連をいたしまして、この問題をいましばらく考えさしていただきたいというふうに考えておる次第であります。
○委員長(江田三郎君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(江田三郎君) 速記を始めて。 それでは本日はこれにて散会いたします。 午後零時三十五分散会