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22回国会参議院1955/08/17

農林水産委員会 閉会後第1号

発言数
174
登壇者
21
会派数
3
開催日
1955/08/17

会議録

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) それではただいまから委員会を開会いたします。最初に参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。アズキの取引に関する件について、十九日午前十時から、東京穀物商品取引所の田原秀郎君、榎本修二君及び久松警察署の萩原兼雄君を参考人として出席を求め、意見を徴したいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) 御異議ないと認め、きよら決定いたします。   ————————————— なお手続につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) 御異議ないと認め、きよら決定いたします。   —————————————

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) それでは議題に追加いたしまして、最初に李承晩ラインの件を議題にいたします。この件につきましては、先ほど御陳情がございましたが、本件につきまして秋山委員から発言が求められておりますからこの際御発言を願います。なお、秋山委員からは総理大臣の出席が要求されておりましたが、不在のためかわって外務大臣及び官房長官の出席を求めましたところ、これまた差しつかえ、あるいは不在のため、ただいま外務省アジア局長と水産庁長官、海上保安庁次長の出席を得ております。なお、本日の審議の模様によりましては、さらに、外務大臣は昨夜東京へ帰っておられると思いますからして、外務大臣の出席を求めるというようなことになるかもわかりません。じゃあ、秋山君。

秋山俊一郎自由党

○秋山俊一郎君 ただいま大日本水産会の伊東副会長から陳情がございました。韓国の南における李承晩内においての拿捕問題でございますが、この問題は私、先日来長崎に帰省いたして荒りまして、陸続と拿捕される実情を承わりまして非常に心痛いたしている承のでございます。それでちょらど本日からの委員会に、鳩山総理の御出席クいただきまして、重大なるこの李ライン問題の解決についての所見を承わり、なおかつわれわれも意見を申し述べたいと考えておりましたが、本席に出席のございませんことをまことに遺憾に存じます。外務大臣がもちろん当面の責任者とでもいえるのでありますけれども、先日来旅行中であるということを承知しておりましたために、外務大臣の出席は、私はしいて要求をしていなかったのであります。承わりますと、すでにお帰りになっておるよろであります。官房長官もおいでにならないということになりますと、この問題は政府の責任を持っている方々が御出席がない席においてわれわれが真剣な討議をするということは、まことに当を得ないのであります。しかしながら事はきわめて重大な問題になって参っておりますし、ただいま陳情にございました通り、李承晩ライン、俗に李ラインと申しております線が引かれまして以来今日まで二千六百有余の抑留者を出し、二百隻に余る拿捕船が出まして、今日なお残っている者は五百四十二人ということでございます。しかも最近八月に入りまして、ちょうど南鮮の海域においては、サバの漁期に入って参りました。この海域に入ることについては相当の危険のあることは、漁業者はよく承知いたしております。しかしながらこの李ラィンというものがきわめて不当な線であり、公海の自由を勝手に圧迫している線でありまして、しかもこの海域は、わが西九州、あるいは西日本の漁業者が長い間にわたって開拓した漁場であり、最も重要な生産海域であるの、であります。最近西日本における漁業は思わしい業績を上げるに至っておりません。いろいろな事情もございますが、イワシの漁にいたしましても、この二年ほどというものはきわめて不振の状態にございます。わずかにアジ、サバを目的とするまき網によってこの急場を繋いでおるのでありますが、それが今日の漁期は、ちょうど済州島の西海域にあるのでありまして、危険を冒してもこの海域に出漁しなければ、ただいま陳情に、ございましたように、漁業者は自滅のほかはないのであります。ほとんど背水の陣ともいったようなことで出漁をせざるを得ないような状態で、出て行きますというと、片っばしからこれを抑留しているのであります。これは長い間われわれが抗議を続けて参りましたが、一向ききめがないことは皆様の御承知の通りであります。最近新聞の伝えるところによりますというと、季承晩大統領は、鳩山内閣が親ソ、新中国関係の外交を打も立てる限りにおいてはますます日韓関係は悪化するだろうということを言及しているように新聞に見えております。私はさような面において、われわれ漁業関係の者のみが犠牲をこうむる、しかしながら、この犠牲はひとり漁業者のみでございません、これに関連しているところの造船業、あるいは燃料の供給者、食糧の供給者、その他直接間接の関連産業がみな参っているのであります。かような重大な問題をいつまでもほうっておくことはどうしても許されないのでありまして、過ぐる特別国会におきまして、私は予算委員会においても鳩山総理、あるいは外務大臣に対して質問をいたしましたが、どうもわれわれの納得のいくような御答弁を得ておりません、今日この段階に至りまして、なおかつじんぜんとこのまま過ごすことはできないと私どもは考えるのであります。この際総理の決意を促したいと考えておったわけであります。しかし本日お見えになりませんので総理に対しまして質問を申し上げ、また私どもの希望を申し上げることもできませんが、アジア局長がお見えになっておりますので、これらの問題につきまして、過去における幾多の折衝もございましたでしぅが、国民が考えますところは、一向折衝しているように見えないのであります。何らの手がかりの発表もされなければ、一体どういうことをやっているかということすらもわからないのであります。漁業者といたしましては、先ごろから、政府の交渉にまかしてわってはいつのことかわからない、民間においてこれを何とかしなければならぬという声もだんだんと上っておりますが、いまだこれが具体化するに至っておりません。この問題につきましては外務当局といたしましては今日までどういうふうな措置をとって参りましたか、この点を一つ、措置と同時に、どういう経過になっているかということを御説明いただきたい。同時に、また水産庁並びに海上保安庁の当局からは、これが保護に当って、いかような措置をとつでおられますか。最近八月に入りましてわずか十数日しかたっておらぬのに二百数十名の者が抑留され、十一隻の船が拿捕されるといったようなことに対しまして、一体どういうことをしているのか、この点を一つ国民の前に明らかにしていただきたいと存じます。

中川融外務省アジア局長

○説明員(中川融君) 李ラインの問題が、李ラインの宣言がありましてすでに三年以上経過いたしますにかかわらず、いまだ解決せず、しかも最近におきましては、現地へ抑留されております漁夫の方々が一向に帰って来られないというように、事態はむしろある意味で悪化しているということは、まことに政府当局といたしましても遺憾に考えておるのでございます。この点につきましては前国会開会中におきましても、累次御説明申し上げましたが、政府といたしましては熱心にこれが解決方並びに抑留漁夫の釈放方ということを交渉して参ってきておるのでございます。ことに先般七名の未成年の方々が釈放をされまして帰って来られて、その報告によりまして、いかに釜山の収容所における待遇というものが不良であるかということも現実に証拠が出まして、われわれとしても非常にあまりのことにびっくりしたのでございますが、国会におきましてもいろいろ重大なる御決議等もありまして、それにそういう事情にもかんがみまして、七月のたしか二十日ごろであったと思いますが、まず口頭で韓国代表部にこれらの事態の改善、抑留漁夫の即時釈放ということを申し入れたのでございますが、さらに七月二十五日には公文をもちまして外務次官から金公使に対しまして公文を渡しまして、そうして抑留漁夫二百七十六名の待遇改善及び即時釈放ということを要求いたしたのであります。この文書には詳細に現地の状況と、収容所の状況等につきまして詳細な資料を付しまして先方の反省を求めたのでございます。その当時におきまして先方の一応の内容によりますと、漁夫の釈双方については十分努力しておるというような話であったのでございますが、ところが八月になりますと、かえってただいまも御指摘のありました通り、大量拿捕及び船員の抑留ということが行われたのでありまして、むしろ事はさかさに逆行しておる観があるので、ございます。従いまして八月の十二日に、また私が韓国代表部の人を呼びましてこの大量拿捕、抑留ということにつきまして、さらに厳重に抗議したのでございます。このような事態はむしろ逆行しておるのじゃなかろうかということにつきまして厳重に抗議いたしますと同時に、まだ帰って来ていない漁夫の方々、ことにすでに刑期を終え、あるいは刑が免訴になりまして釜山の外国人抑留所に何らの理由なく数カ月にわたって抑留されておる方ほぼ百五、六十名の方につきましては全く理由がないのであるから、これは韓国の法律から見ても理由がないことであるから即時釈放すべきではないかということにつきましてじゅんじゅんとこれを説いたのであります。韓国代表部としてはもとよりこれは本国政府に取り次いでできるだけ努力をするということでございましたが、しかし今までのところどうも遺憾ながらそれではいっこれらの方々が帰国するかということについてはっきりした目途はまだないのでございます。はなはだ現在の事態ば遺憾な事態でございまして、われわれとしては何とか韓国側をさらに強くこれを押すことによりまして、抑留漁夫の方の早期の釈放をぜひ実現いたしたいと考えております。ただいま秋山委員の御指摘のありました新聞報道等によりますと、韓国政府はこの問題をさらに全体的な日韓の政治問題というようなものに関連せしめてこれを考えておるのではないかと思われる節もあるのでございますが、それにつきましてはわれわれはこの問題は全く人道上の問題であり、かっ何らの理由のない問題であるということを強く押すことによりまして、この問題をできるだけ早く切り離して片づけたい、かように考えております。なお李ラインの問題全体といたしましては結局これは日韓の政治的な全面的な話し合いの一環に先方は考えておるのでありまして、これは従来の交渉の経緯からどうしてもそういう結論が出てくるのであります。この日韓全体の交渉の問題は、もうぜひ何とか目鼻をつけて早き機会におきましてこれの再開をはかりたい、この方針には変りはないのであります。何と申しましても韓国側の態度というものが非常に日本に対して強い態度を、言葉の上及び実行の面、両方の面におきましてとっておりまして、なかなか日韓会談の再開という段取りになるのがおくれておるのでございますが、これが日本側としてもいろいろの方法を考えまして何とか韓国側との大局的な話し合いも開きたい、かように考えておるのでございます。はなはだ不満足な御答弁でございますが、現状及び従来の経緯を御報告申し上げます。

前谷重夫海上保安庁次長

○説明員(前谷重夫君) 本問題につきましてはただいま秋山委員からお話のように七月の二十日前後からサバ、アジの漁期に入りますので、業界とも相談いたしまして水産庁といたしましては指導船と申しますか、監視船と申しますか、を派遣いたしまして、情報の収集、漁船に対する情報の供給ということで、特に監視船を出しまして、そうして常時その海面におきまして必ず監視船がおるというふうに、交替によりまして動員をいたしまして、監視船を派遣いたしまして監視に当らしておるわけでございます。こういうふうな事態が起りましたことは非常に遺憾に存じておるわけでございまして、これの釈放方につきましては外務省を通じまして極力早期帰還をするように厳重に交渉してもらっておる、こういう現状でございます。大体この海面におきましては百隻ないし二百隻のものが常時出漁という形になるのではなかろうかということでもちましてわれわれといたしましてもできる限りの情報をキャッチして漁船に対する供給をする、それによって危険を避けるということには努力をいたしておるのでございます。

西田豊彦海上保安庁次長

○説明員(西田豊彦君) 海上保安庁のとっております保護対策を簡単に御説明申し上げます。従来から朝鮮近海及び東海、黄海方面の海域につきましては巡視船を二隻ないし四隻常時派遣いたしまして漁船の保護に当っておったのであります。特に最近の状況は他の地域は比較的拿捕事件が少くなって、逆に朝鮮の済州島の東方ないし西方の海面に事件が集中される状況にあり、かつ韓国における警備船の状況も漸次強化されておるようなふうに見受けられましたので、海上保安庁といたしましては最近におきましては特にこの方面に巡視船の全力を集中いたしまして、なお従来は李ラインの大体近所を哨戒しておったのでありますが、最近の実情にかんがみまして特に哨戒船を相当内側に入れまして、できるだけ漁船の状況を把握し、また保護に万全を期したいというふうにやっておる状況であります。これは一つの例でありますが、七月の二十二日に、農林漁区の二百三十二区といいますと済州島の東方でありますが、そこで底びき漁船第二千穂丸四十四トンが拿捕せられる事件が発生したのであります。このときにはちょうどその近所におりました巡視船こしきが緊急通信を受けまして、さっそくにその現場におもむいたのでありますが、そこには九時十分ごろでありますが、武装韓国兵数名が認められた第二千穂丸を発見したのであります。そうしてさっそくに停船信号を掲げ、とまってくれ、そうしてなお釈放を要求したのでありますが、相手方の船は全然これを無視して向うに行ったのであります。巡視船はさらにこれに近接して折衝を開始しようとしましたところが向うから発砲を見まして危険を感じましたので、これ以上やりますと問題が大きくなりますので、やむを得ず離脱したというような事件もあったのであります。こういうふうにいたしまして、われわれといたしましては極力この相手方の警備の状況をキャッチしまして、これを操業しておられる漁船にできるだけ通知してあまり危険のないように、危険から早く離脱するようにということのできるだけの対策をとっておるのでありますが、最近の状況は御承知のように夜間に火をたいてやりますサバの漁業が特に相手方を刺激する点があるかとも思いますし、またそういうふうな夜間で、こぎいますので非常にわれわれの警備保護の対策が困難な事情もあるということはまことに残念でございます。大体私たちのやっております保護対策につきましては以上の通りであります。

秋山俊一郎自由党

○秋山俊一郎君 今御答弁のございましたように、どうも御答弁によって一体どういうふうになりつつあるかということはさっぱりわからない、いわゆるどうにもならないということよりほかにわからない。現在の外交の行き方を見ておりますというと、外務省の行き方があり、鳩山総理独自の行き方もあるようであります。私はこういう重大な問題を、最も日本と近接した韓国問題がはったらかされておって、ソ連であるとか、あるいは中共のごときものとの交渉が積極的に進めておられるということに非常に私どもは不満を抱くものであります。もちろん国交の調整をすることはけっこうでありましょうが、一番大きくわれわれに害を与えておる問題について一向らちがあかないような状態であるということはまことにわれわれとしては不満にたえないのであります。先国会において衆議院でのこの問題を取り上げて論議されました際にとにかく八月十五日まで待ってもらいたいということを当局の方から発言があったそうであります。八月十五日はもうすでに過ぎました。過ぎてしまいましたが、その間に拿捕はどんどん進んでおる。これは一体どういうことを意味しておったか。われわれも実はそのお言葉を信じまして、八月十五日の独立記念日には、あるいは大量の釈放があるのではないかというような、非常な期待を持っておったのでありますが、それが釈放どころか、どんどんと抑留され、拿捕されるというに至っては、あぜんたらざるを得ない。当局はそういうことについて、どういうお見通しを持っておられますか。また私もお尋ねをしたのでありますが、政府の外交面におきまして、またその他の面でもいいのでありますが責任者が、じかに韓国に出向いて行って交渉するような段取りをなぜつけないのかというような問題についてはどうもこれもなまぬるい御返事で、そういう機会があればけっこうだといった御答弁であって、これまたわれわれとしてはまことに遺憾と考えておりますが、外務大臣といたしましても、何らかそういう方面についての構想は持っておられたのじゃないかと思います。遺憾ながら総理も、外務大臣も、当面の責任者がおられませんので、私は突っ込んでお尋ねしたいことがございまするけれども、事務当局の方にそれを申し上げても御答弁が得られないと思います。まあ外務当局として、今申し上げたような、こちらの責任者が韓国に出向いて行って話をしようというような段取りについて御交渉なすっておられるかどうか、あるいはまだしておられぬのか、しておらぬとすれば、なぜやらないか、やったとすれば、その結果はどうであるかということをお尋ねしたいのであります。  それから今の保護の問題でありますが、保安庁の次長の御説明のように、向うが発砲するので仕方がないから引き揚げてくるというのではほとんど処置なしであります。私は過般の予算委員会におきまして、日本にほそういう公海における暴力に対する自衛権はないのかということを質問いたしましたところが、外務大臣は自衛権はあると認めるというはっきりした発言がございました。もし自衛権があるならば、何ゆえに日本の自衛隊ばこれを保護に出ないのかと言いますと、それはまだ適当な方法でないというふうに逃げられております。その裏面にはいろいろありましょうけれども、国民は大きな血税を払って、そうして自衛隊を増強しつつあるのに、これが何らの国民の保護に当らないということに対しては非常な不信と不満を持っているのであります。こういう問題は、外務当局やら保安庁の当局にお尋ねしても御答弁は得られないと思いますので、私はぜひこの委員会の間に、責任者に出席いた、だいて、この問題を申し上げたいと思う。委員長におかれましては、ぜひ一つ、これはできるだけ総理をお呼び出しをいただくようにお願い申し上げますが、今前段にお尋ねしたような点、外務当局でおわかりでありますならば御説明をいただきたいと思います。ただこちらで金公使を相手に文書を出したり、あるいは口頭で言うことはもうずいぶんだびたびやっているでありましょうが、何らの結末を得ていない関係から考えまして、これは役に立たないと思います。これはどうしてもじかに向うの要路の人とぶっからなければならないと思いますが、そういう点についてどういう御努力をなさっているか、その点をお聞かせ願いたいと思います。

青山正一自由党

○青山正一君 関連して……。日韓問題についてこの三人の当局からお答えを承わりましたが、私どもとして政府がこの程度しか御返事ができない点まことに残念に思っております。この問題は今起った問題ではない。昭和二十七年の一月、たしかこれは四年前でありますが、私も本会議の壇上におきまして緊急質問したわけでありますが、今まで政府なり、あるいはアジア局長から御説明のあったように、民間も非常に努力しておったのでありますが、その効果というものは絶対に現われていない。中川アジア局長は日韓全般の問題として努力したい、こういうふうにおっしゃっておりますが、今までこれは日韓全般の問題としてやっておった、わけでありますが、李承晩は右に向かない。そういうふうな観点からして、先ほど秋山さんがおっしゃったように、現在の今までの行き方、たとえばアメリカに依存しちゃっていこうというような行き方、あるいは政府自身が折衝してもだめだ、事務当局自身が折衝してもだめだ、こういうふうな考え方ならば、向うさんがそういう考え方ならば、いっそのことやはり秋山さんがおっしゃったように鳩山さんなり、あるいは外務大臣が向うへ出向いて直接に折衝するとか、あるいは民間で国民外交というような名前で折衝するとか、そういった道を講じても差しつかえないじゃないかと、こういうふうにも考えておるわけです。ただ秋山さんがおっしゃったように、韓国の問題が、今まで国民自身として、国民大会も三回なりあるいは四回下関においても、あるいは長崎においても、あるいは東京においてもこの大会をやった。やったけれども、その効果というものは絶対に現われていない。現われていないとすればこれは当然韓国は思い切っちゃって、北鮮の問題に取りかかるとか、あるいは中共の問題、あるいはソビエトの問題に取りかかるというふうなことに国民の感情が動いていくのは、これは当然だと思うのであります。こういった意味合いからしてこれはあなたとして御返事はできにくいかもしれませんが、あなたらの考えとして、鳩山さんが行かれるとか、あるいは重光さんが行かなければこれは解決できない問題であるとか、そういった点について一つあなたらの考え方を御説明願いたいと思います。

中川融外務省アジア局長

○説明員(中川融君) 最初に前国会開会中におきまして、八月になったらこの問題は好転するのじゃないかというようなふうの意味合いのことを政府当局が説明したというお話がございましたが、私が記憶しておりますところでは、目下せっかくこの折衝中である、そうして向うも非公式にではあるが何とかこの漁夫の問題は解決できるのではないか、ある程度解決できるのではないかというようなことを言っておるから、遠からず何とかなるのじゃないかという意味合いのことを申し上げたと記憶しておるのであります。これが八月十五日の独立記念日ということには直接私は関係せしめて御報告したことはないと思っておるのでございます。いずれにせよ先ほども申し上げましたが、そういう意味合いの話が内々ではございますが、話があったことは事実でございます。従ってわれわれといたしましても、何とか遠からずこの問題についてある程度の打開ができるのではないかと期待していたのでございますが、その後むしろ逆になりまして、大量の拿捕抑留が起ってきておるのであります。その司どういう事情でこういうことになったのかということにつきましては、何回も先方へ問い合せますが、的確な回答はないのが実情でございます。従ってただいまのところは、いっそれではこれが解決するかということについてせっかく努力は今後もちろんいたしますけれども、何日、ころにどうというふうなめどは今のところつき得ない状況でございます。こういう問題を解決するために政府の要路者が韓国に出向いて直接折衝するということにつきましては、確かにこれはよい考え方であるとわれわれも考えております。従ってどうしてもこの通常の外交ルートで片づかない場合には、一度派遣して直接先方の首脳者とじか談判をさせるということを目下考えたいと思っておるのでありまするが、これにつきまして、まだそれではこういう人が行きたいというような意味合いにおきまして、先方と交渉しておる段階ではないので、てざいまして、この問題はまだわれわれのところと申しますか、政府部内で研究しておる過程でございます。従ってそれからなおこういう方法をとらなければ解決できないであろうかという御質問がございましたが、こういう方法も確かに一つの有効な方法であろうかという意味で考えておるのでございまして、これでなければ片づかない、たとえばこれが片づかなければさらに共産圏との接触を考慮すべきである、さようなふうにはまだ考えておりません。

清澤俊英日本社会党(第四控室・左)

○清澤俊英君 関連。ちょっとお伺いしますが、少くともこれを解決する上に、まあこういう非常識なことを継続して、あの小国が強行して参りますことにいて、率直に外務省ではその原因がどこにあるか、いろいろこういうことは不明だから聞き出そうとしても、聞き出さんければ話が進められないということじゃないだろうと思う。少くともこういう非常識なことを行うにはこういう原因が大体あるのだというようなことが目標として御交渉がなっておるのではないかと思うのです。そういう目標をいろいろお考えになっておることありますかどうか。と申しますのは、国民の中には、これは韓国がやっておるのじゃない、結局はアメリカが日本の再軍備をさせるために、武器も何も持たなければこういう問題が出ているじゃないか、こういうようなことをして間接に示唆してやらしているのだというようなことにさえ解釈している者もあるのです、実際問題として。率直な話ですよ。あるのです。大体こういう非常識な、常識で考えられないことはその原因がどこにあると、こういろいろ想定せられて交渉に当っておられるかどうか。そういうことを全然抜きにして、出て来た問題に対してまあ話し合いをつけるという形でやっておられるのかどうか。その点をまず明らかにしで、もしあったとするならば、こういう非常識の問題がどこにあるか、この点を一つ明らかにしていただきたい。

中川融外務省アジア局長

○説明員(中川融君) 韓国側がいわゆる李ラインというものを設定いたしまして、そこに入ってくる日本の漁船を拿捕するということは、直接にはやはりこの李ラインの設定ということから出て来ているものと考えます。李ラインの設定自体は国際法を無視した非常識な不法な行為でございますが、先方のどうゆわけでこういうものを作ったかという理由といたしましては、皆さん御承知のように、一つには韓国の初めは防衛措置ということに重点を置いて説明しておりましたが、その後におきましては韓国の幼稚な漁業を保護するためだということを主張しておるのでございます。この主張の根拠はわれわれとしてとうていこれは承服し得ないものでございますが、先方の考え方というのはさようなところにあると考えます。しかしながら、たとえこの先方の論拠に立ちましても、先方の国内法で作られましたこの条文等によりまして罰を課せられたとかいう場合に、すでにその刑を終え、あるいはその刑を免除された人たちまで一向帰さないということは、どうあっても、これはいかなる立場に立っても理屈がないのでありまして、これはもう李ライン問題とは直接関係がないと言わざるを得ないのであります。先方がどういう理由だということは一向申しません。しかしながら新聞報道その他に伝えられる先方の言動等で見ますと、何らかこれはそれ以外の一般政治的な問題というようなものをからめて考えているのではないか、全然理屈がないことではございますが、何か日本側がほかのことで、たとえば譲歩する、あるいは考えを変えるならばこの問題も解決してやるとか、さようなあるいは意図があって、こういう理不尽な行為を続けておるのかもしれないと、これは想像でございますが、いたすわけでございます。  なお、米国が意図してこういうことをさせておるかというようなことは、私どもは全然そういうことは思い当る節がないのでございます。アメリカは一貫してこの点につきましては日本の立場をむしろ援助してくれておるのでございます。

清澤俊英日本社会党(第四控室・左)

○清澤俊英君 まあ少くともこういう深刻な問題を解決するには、もっと向うがどういう意図でこういうことをやっておるかぐらいのことは、三年もたっておるのでありますから、それこそ諜報機関を使ってでもなんでももっと詳しく探り出さなければ片はっかないのではないかと思う。ただ国防の問題であるとか、あるいは漁権を守るのだとか、こういうことは向うの口実であろうと思います。ただ向うの口実だけを聞いて、それを土台にして話し合いなどを進あても、これは問題は解決つかないと思う。その口実自身が不当であるならば、その不当を行ううしろに何かあるということはこれは重大問題であると思う。そういうことを研究しておられるのですか、おられないのですか、現在。それは私は重大であると思う。向うがこれは国防上こういう李ラインを引いたと、漁権の擁護のために引いた、これは口実だろうと思う。口実のうしろには何があるかということばこれは重大な問題だと思う。それに対してお考えがございますか、それに対して対策はありますか、やっておられますか。(「関連質問」と呼ぶ者あり)

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) ちょっと今清澤君の御質問がありまして関連質問がありますが、これはちょっとこういう問題についてアジア局長にこれ以上御質問をしましたところでなかなかお答えにくいのじゃないかと思いますので、本件につきましては重光外務大臣が昨夜東京に帰られたようでございますから、この三日間の会期の間にぜひ外務大臣の出席を求めまして、さらに突っ込んだ御審議を願ったらどうかと思いますが……。(「賛成」「そうしていただきたい」と呼ぶ者あり)

池田宇右衞門自由党

○池田宇右衞門君 なお防衛問題でも、新しく砂田君が防衛長官になってから、防衛……、先の長官では物足りない。どろぼうしてもただ見ておる程度だから……。こういうのはよく防衛長官ばきちっとするのが当然であると思いますから、これを呼んでいただきたい。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 さっきのお答えの中のことだけをちょっと意味を聞いておきたいと思う。先ほど清沢委員の質問に対して、アジア局長からアメリカの態度等について若干触れられたのですが、アメリカはむしろ日本の立場がよくなるように考えておるというふうな意味のことをおっしゃった。一つは政治的ないろいろの問題は、今委員長お取り計らいの通り後日にこれは私ども聞きますが、全く事務的にあなたの方で知っておられる点があれば、そこの意味を若干つけ加えてもらいたいと思っております。というのは、私はこれだけ不都合な問題が起きておるわけですから、当然今の政府の外交方針から言うならば、アメリカにこの問題は訴えておるはずだと思います。これが防衛出動に該当する事案であるかないかということは別として、それに似通った性質も幾らか持っておるわけですから、これは当然あなたの方は今の日米安全保障条約の建前から言っても、非公式か公式かはしれぬが、連絡をされておるのだろうと思う。それに対して、そういうものがあるからアメリカの態度はこうだというふうにおっしゃったのだと思うのです。それで具体的にアメリカがどういうふうに日本側に好意的であるのか、そういう点をちっと知っておる限り、一つ差しつか、えない程度に明らかにしてほしい。  それからその中で一点は、たとえば抑留者の扱い方がこの陳情書等によっても非常に悪い。一汁一菜で栄養失調にかかっておる。こういうような状態は、これはもう漁業問題を日韓の間で解決するとかせぬとか、それを越えた問題だ。そういうものは何も大きな問題を解決しなくても、こんなものは当然改めるべき問題であると思う。そういう点について少くともアメリカの方が、根本問題ば別として、こんなことはやめたらどうか、こういうふうな意味で忠告が出ておるのかどうか、そういうような具体的な好意が示されておるのかどうか、そのような点をちょっと聞いておきたいと思います。

中川融外務省アジア局長

○説明員(中川融君) 一昨年の秋に日韓会談が決裂いたしましてから、この会談を何とか日本側としても早急に再開したい、それには日韓直接の話し合いではなかなかうまくいかない、感情のもつれもありましてうまくいかないというので、アメリカが一つ仲に入ってこの問題をほぐしてもらいたい、なお話し合いが始まったならば、アメリカもオブザーバーとしてこれに参加して、そうしてできるだけ円滑にいくように取り計らうことを考えてもらいたいということをアメリカ側に申し入れました。アメリカ側もきん然これを受諾いたしまして、たとえば今の水産業の問題につきましては、アメリカから専門家も派遣して、そういう話が始まったときにばこれにいろいろ仲介をさせようということを考えたことがあったのでありますが、なかなかアメリカが入りましていろいろ日本側の立場というものを韓国側に話して韓国側との間に何らかの妥結点を見出そうと努力してくれておるのでありますが、韓国側の態度が一貫して強硬でありますために、これが昨年の春から夏、ころにかけまして中絶してしまったのであります。その後におきましても、最近に至るまでアメリカはいつも日韓間の国交の正常化ということは非常に熱心でありまして、何とかこれについて協力をしたいという態度をとってき一ております。最近の例といたしましては、アメリカのアリソン駐日米国大使が韓国に参りまして李承晩大統領と直接話す機会があったのでありまして、その機会にもこの日韓問題についても触れた模様でありますが、この場台も結局韓国側の態度がやはり強硬であるということで実を結ぶに至っていないのであります。従ってアメリカはこの問題について一貫して努力してくれておるのでありますが、その効果がまだ出てこない、実を結び得ないというのがただいままでの実情でございます。  なお抑留者の待遇改善につきましては、これば今のところ韓国に直接談判でこれが改善を要求しております。こればお説のように人道上の明らかな問題でありまして、その意味では直接交渉のみならず、さらに第三国を通じて、あるいは国際赤十字を通じてこの問題をさらに強く申し入れるということを考えてみたいと思っておるところでございます。アメリカを通りじてそういうことの努力をしてもらっては、今のところはまだいません。しかしこれは早急に考えてみたいと思っております。(「今の……」と呼ぶ者あり)

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) ちょっと、ほかの、あとの日程の都合もありますから……。

秋山俊一郎自由党

○秋山俊一郎君 今の言葉の中に赤十字社を通じて云々という問題もございましたが、これば可能性の問題でありましょうが、業者の間においても、赤十字社間でソ連との問題あるいは中共との問題も今日まである程度交渉ができたのであるから、韓国についてもそういった点はないかということをしきりに希望しておるのでありますが、外務省のお見通しはいかがでございましょうか。それがもし可能であるならば、さような方法をもってこの問題を、抑留者の待遇改善なり、あるいは返還という問題をこの線で行くのが一番いいのじゃないかと私ども考えておりますが、今お言葉にありましたので、その点のお見通しがあるならば、早急にやらなければならぬ。もうすでにサバの漁期になっておりまして、決してこれは日本の漁船は引っ込みません、おそらく死を賭しても行かなければ、引っ込んでおったら自滅するのでありますから、やはり出かけて行くには違いないのでありますが、そこに私は取締り当局と保護の当局の今後の一段の努力を必要としますと同時に、早い機会にそういう返還問題等を赤十字社を通じてやる方法はないか、これをお尋ねいたしたい。

中川融外務省アジア局長

○説明員(中川融君) これは韓国側がそういうルートで行きました場合にこれを応諾する、あるいはこれに応じて問題の解決が促進されるかどうかという点になりますと、これは確たる見通しは今のところ私ども持っておりませんが、世界の世論に訴える、世界の世論を動員するという意味で国際赤十字にこれを訴えて、赤十字のルートを通じてこういう問題の交渉を政府のルートと並行して別にやるということは適切な措置である、かように考えます。従ってこの措置を業界の方、日本赤十字と連絡いたしまして早急に進めてやりたいと考えております。

秋山俊一郎自由党

○秋山俊一郎君 一つこれは早急に考えて下さい。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) なお、この問題につきましてはいろいろ御質問があると思いますが、先ほどからの御答弁を聞きましてもアジア局長自身がきわめて不満足でごごいましょうというような答弁しかできない段階でございますから、秋山委員から総理の出席という要求がございましたが、もちろんその手続もとってはみますが、特にこの会期中に、この三日間の日程の問に外務大臣の出席を得てもう少し掘り下げた取扱いをいたすことにいたしたいと思います。これは私の方もそういう手続をいたしますが、アジア局長の方も一つ外務大臣にぜひ連絡をとって三日間の間に出席なさるようによろしくお伝え願いたいと思います。

池田宇右衞門自由党

○池田宇右衞門君 防衛庁長官はどうしますか。質問もあるのだが、一つ防衛庁長官を呼んで下さい。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) そういう連絡はいたすことにいたします。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) 次にこの機会に先ほど陳情がありましたインドネシアにおける日本漁船抑留の件を議題に  いたします。これは先ほど陳情をお聞きのように、まことに不可解としか思えないような問題でございまして、これについての実情及び対策について政府の方の説明を求めます。

中川融外務省アジア局長

○説明員(中川融君) 第三繁栄丸の事件と申しますのは、先ほど陳情者の方が申されました通りで、ございます。七月二十二日にミンダナオとインドネシアのセレベスとの間におきましてインドネシア政府の居留民七名を救助したのでございますが、救助の結果インドネシアのシヤウという港に入らなければならないということで水産庁から連絡を受けまして、外務省はさっそくこれをインドネシア政府に通じたのであります。ジャカルタにあります日本の総領事館を通じましてインドネシア政府に通じたのであります。船自体は翌々七月二十四日にシヤウに入った模様でございますが、そのときまでに果してインドネシア政府からの通達がシヤウの現地当局にまで到達したかどうかは確認いたしておりません。その後この第三繁栄丸がシヤウの港に抑留されておるということがわかりましたので、さっそくこれはやはりジャカルタの総領事館を通じましてインドネシア政府に交渉いたしまして、インドネシアの国の人を助けるために、しかも事前に通告してまで港に入ったのを抑留して放さないというのは不可解ではないか、さっそく釈放するようにということを申し入れたのでございます。インドネシアの政府も非常にびっくりいたしまして、さっそく現地に通告を、訓令を発したのでありまして、その訓令の内容は、もしも入港の許しを得ないで日本の船が入一つたがゆえこ抑留したということであるならばさっそく釈放せよ、それ以外の理由があって抑留しているのならその理由をさっそく回電しろということをインドネシアの中央政府から現地に訓令したのであります。なお、インドネシアの検事総長からも現地の検事に対してどういう事情なのかさっそく報告せよということを訓令したのでありますが、その後現地から一向返事がない。ジャカルタでインドネシア政府に交渉いたしましても現地から一向返事がないということの回答なのでございます。インドネシア政府の一応の解釈といたしましては、どうも最近インドネシア国内における通信の能率が非常に悪くなっておる。シヤウの現地までは無電でも三カ所中継していかなければいけない。従ってどこかが故障して着かないのじゃないかというようなことでございます。  それからもう一つは、なかなかインドネシアの行政機構というものがまだまだ完全には動いていないのでありまして、現地の機関が能率が悪くて常識がないために事が長引いておるのじゃないかというようなことを説明していたのであります。われわれといたしましてはかようなことでじんぜん日を送るということでは、これは非常に第三繁栄丸の船員の人たち、その他関係者の方が迷惑されるばかりでありますので、そういうことで一向らちがあかないのならば一つ日本の総領事館の人間とインドネシアの外務省の人間とが一緒になって現地に飛行機で飛んでいって現地の実情を見てそこで交渉しようじゃないか、そこで事務処理をしようじゃないかということを九日の日に申し入れたのであります。先方は現地から何か返事がくるかもしれぬからもう二、三日待ってもらいたい、先週の土曜日すなわち十三日、十二日中に返事がどうしてもこないのなら十三日には現地に一緒に行くという問題について一つ御相談しましょうということであったのであります。従って十二日まで待ったのでありますが、現地から一向音さたがない、十三日には総領事館員はインドネシアの政府に現地へさっそく行くということを相談しに参ったのであります。ところがちょうどそのころインドネシア政府の政変がありまして、その結果新内閣ができた、新しい外務大臣がちょうど本日就任するところであってそれに報告しなければいかぬ、いろいろ報告事項があるということで、上級の係官がいないというために止むを得ずそのときは文書にいたしまして、口上書の格好にいたしましてそれを係官に渡して伝達を頼んで帰ったのであります。その報告が月曜日に参りましたのでさっそく現地に人を派するという問題について引き続き折衝せよということの訓令を送ったのであります。それに対して現地からの回答は今まで現在にはまだきておりません。これはしかし現地でせっかくそういう方法で交渉しておると思います。なおインドネシアで幾らやりましてもなかなかそういう様子でありますので一ここにおりますインドネシアの総領事館にも一つ厳重にこれを通告いたしまして、この総領事館からもインドネシア本国一に事情を具申してもらおうとい、うことになりまして、これは一昨日口頭をもってインドネシア総領事にこれを申し入れると同時に口上書、文書にいたしましてこれを申し入れたのであります。昨日に至りまして総領事からその件については本国にさっそく電報を打っておいた、なおそれと行き違いに本国からインドネシア外務省としてもこの第三繁栄丸の事件についてはこれは十分配慮しておる、考えておるのだということの返事がきておるということを昨日インドネシアの総領事から連絡して参っておる。現在のところこのような事情で、まだ釈放の段取りに至ってないのでありますが、いかにもこれは不可解な事件でございまして、しかもインドネシア政府自体としては十分努力しておりながら現地にそれが徹底しないという事態であります。これは今のような方法によりまして何とか早急に解決いたしたいと思っております。なお、この問題をさらに法律的に考えますれば、これは正確な事情をさらに調査した上で先方の過失、連絡不十分というようなことでこのように一ヵ月も抑留が統一い薫るということがはっきりいたしますれば、これはやはり何らかの形におきましてこれの損害の賠償ということについても当然交渉すべきものではないか、かように考えております。これはさらに将来の調査の結果を待って処置していきたい、かように考えております。

青山正一自由党

○青山正一君 私も昨年の夏インドネシアヘ二週間ばかり行って、あなたの指示を受けましてあちらに行っていろいろ様子を伺ったのでありますが、相当国内的に紛争があり、現在においてはアリ首相もやめられて、非常に国内が混乱しておる。そこでこの問題の拠点でありますところのフランダン島とか、それからメナド等ですか、これはインドネシア政府の管轄に入るのであるかどうか、おそらく入らないのじゃないかと思うのですが。つまり政府の力がそこまで及んでいないのじゃないかと思うのですが、どうもそういうふうに考えられて仕方がない。私が行ったときも、どうもあの付近に匪賊が多いというようなことも聞いておるので、そういうふうな点からしてこの問題が起きたのじゃなかろうかと、こういうふうに思うのですが、そのお考えのほどを一つお聞きいたしたいということと、それからもう一つは、先ほどアジア局長からお話のあった総領事館のどなたか、領事でもどなたでもけっこうですが、そのお方と、それからインドネシア政府のどなたかと一緒に行くべきが僕はほんとうだろうと思うのですが、つまりこのインドネシア政府のどなたかが行くことをおそらく拒んでおるのじゃないかと思うのですが、その点について一つ承わりたいと思います。

中川融外務省アジア局長

○説明員(中川融君) インドネシア国内のいろいろ治安状況等は満足すべき状態にないことは御指摘の通りであります。この事件の起きております現地が果してインドネシア政府の有効な統制下にあるかどうかということにつきましては、われわれもはっきりした自信はないのでありますが、しかしインドネシア政府の口ぶりで言いますと、十分監督し得る地点である、しかしながら連絡等が不十分であるために思うにまかせないのであるというふうな口ぶりでございます。結局これの解決策としては現地に飛んで行ってやるという以外にないのではないかと思っております。なお同様の事件はたしか二年ほど前にもあったということでありまして、これはインドネシアの船員を救助したというのではありませんが、何かの行き違いから入港した際につかまってなかなか釈放されない、二カ月も三カ月も釈放されないということも起きたのでありますがその際に現地の総領事館が一つ一緒に行こうじゃないがということを提案いたしましたら、現実に行かないうちにその問題が片づいたという事例がある。今回も行ければそれにこしたことはない。このような方法によってさらにインドネシア政府が一段の努力をいたしまして、早期に解決すればけっこうである。いずれにせよこの方法をさらに突っ込んでやってみたい、かように考えでおります。

秋山俊一郎自由党

○秋山俊一郎君 この問題は実に不可解といいますか、不都合といいますか、われわれの常識では全く判断のつかない問題であります。たとえインドネシア政府とメナドを管理しておる人との間に多少の意思の疎通を欠いたにいたしましても、自分たちの同胞を助けてもらったという点において抑留するということはどうしたってもわれわれの常識では考えられない。おそらくこの第三繁栄丸も、聞きますというと、日本を出て漁場に向う途中であった。いろいろ変なことをしたというようなことは全然われわれ考えも及ばない。ことにまた漁船に限らず、船長は遭難者を見ればこれを救助しなければならぬ国際法上の義務がある。その義務を履行しなければ後になって罰せられるということもあるのでありますが、その義務を履行した者をこういうふうにするということはどうしても常識で判断できない。ことにメナドという所は、私はもちろん行ったことはございませんけれども、かって戦前におきましては日本の漁夫、あるいは製造工員などは毎年あそこへ行って漁業をし、カツオぶしの製造をやっておった。従って相当の町でありまして、通信ができないなんということは、シヤウ島ならそうかもしれませんが、メナドでできないはずはない。これは政変もあったかもしれませんが、どうも私どもにはどうしても判断のつかない問題でありますので、ぜひ早急に人をやって措置をするというほかに道はないと思いますが、話を聞きますというと、すべて漁業の用意をいたしまして、氷も積み、あるいは燃料も積み、食糧も積んで、出かける途中でそういうことになったのでありますので、かように二十数日も抑留されますというと、氷は解けてしまうし、食糧は食いつぶしてしまうし、次の漁業に手を出すことができない。燃料はあるいはあるかもしれませんけれども、漁業をするえさであるとか、あるいは氷であるとかいうものは、なくなりますというと帰って来なければならない。この損害は莫大なものである。九十九トンの船が出て行って帰ってくるまでには、数百万円の水揚げは当然考えておりましょう。幾らマグロが安くても考えているわけです。それが皆無で、しかも大きな損失をして帰るということになりますと、これは黙って引っ込んでいるわけにいきません。もしこの漁船に不法行為がなくて、われわわの納得のいかないような、あるいは連絡の不十分であるとか、あるいは言葉が通じなくてそういうことをしたというふうなことで、抑留したという事実がわかりました場合は、先ほどお話のように、これに対する損害の賠償等についての要求について、お考えもあるかのようなお話でありましたけれども、今インドネシア政府と日本政府とがこの問題を交渉し得る段階にあるのでありますか、その点をお伺いしたい。

中川融外務省アジア局長

○説明員(中川融君) 損害賠償の件につきましては、私が今考えておりますところでは、十分これは成立し得ると考え得る問題であると思っております。しかし具体的には、それで今の船をまず釈放することが先決であろうと思いますので、船の釈放が実現いたしましてから、さらに十分事情を聞いてみまして、その上でこの措置を考えていきたいと思っております。

秋山俊一郎自由党

○秋山俊一郎君 賠償問題等については、台湾の例もあります。日本の漁船を台湾の蒋介石政権が拿捕したということはおそらく間違いないと思うのに、今日になっておれの方ではないと言って、賠償も見舞も何もしないというふうな実情になっておりますので、外務当局はこの問題については一つ慎重に初めから考えてもらいたい。ああいったような結果になりますと何にもならぬ。これはもう、だれが考えても、人を助けてやって、それをつかまえて牢に入れるというようなそんなむちゃくちゃな話がどこの世界にあるものではない。しかもこれによって生じた損害は、向うは辞を低うして応じるべきものである。こっちが言わなくても向うでやるべきものであると思うが、その点は外務当局の交渉は一つ慎重にやってもらいたい。私も台湾の問題は当然何らかの処置があると思っておりましたが、今日になって行き詰まってしまって、日をかせばかすほどいけなくなるような交渉は避けてもらいたい。絶対にこれに対する補償と申しますか、賠償と申しますか、そういう問題は、この釈放が解決した後において、必ず取るということで、一つ進めていただきたいと思います。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) なおこの問題につきましては、ほかに御質問もあるかと思いますが、この程度にしまして、この委員会三日間の間にさらに事態の進展あるいは変った模様等ございましたら、外務省の方でも委員会の方へ連絡をとっていただくことをお願いしておきます。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) 次に廃油によるノリ漁業被害の件を議題にいたします。  こればかねて問題になっておりましたが、その後の経過について農林当局から説明を求めます。

前谷重夫海上保安庁次長

○説明員(前谷重夫君) 廃油の問題につきましては、水産庁といたしましても、先般申し上げました自後の対策につきまして、県当局ともいろいろ交渉をいたしておったわけであります。第一には漁業用資材の購入資金の融資のあっせんでございますが、これにつきましては、千葉の漁信連から二千三百万円の短期融資をすることになっております。なお漁業権証券の資金化につきましては、これは明年度償還になる予定になっておりまするが、さらにこういう事情でございますので、これの資金化につきまして、買い上げにつきまして、大蔵当局と目下いろいろ協議中でございます。なお濡掘り工事に関する助成といたしまして小型浚渫船を購入することにいたしまして、これに対する補助を決定いたしております。ただこれにつきましては、千葉県側におきましても組合でやるか、あるいは県当局でやるかという点等につきまして、具体案を作成中でございますので、具体案が出ますれば、これの購入につきましては助成いたしたいと、かように考えております。  なお、これとともに貝類の稚魚の購入につきましては、すでに千葉県の浦安町より保護水面を設定いたしまして、そうしてこれに対しましては水産庁より補助を出しておるわけでありますが、アサリ、ハマグリの稚魚を県といたしましても、この地域に優先的に配給するように考えておる次第でございます。なお特融等にありまする乾燥機の問題は、これは来年と申しますか、次のノリの漁期の十一月以降の問題でございますので、具体的な計画を待ちまして、そうして公庫等の融資のあっせんをいたしたいと、かように考えております。

秋山俊一郎自由党

○秋山俊一郎君 この問題についての加害者といいますか、だれがそれを流してああいう害が起ったかということはそれきりになったのですか。

前谷重夫海上保安庁次長

○説明員(前谷重夫君) これは海上保安庁ともいろいろ協議をいたしたわけでございますが、結局付着いたしました油の分析の結果からは、何とも結論が出ないということで、ございまして、それ以外の事情についても調査いたしましたが、まだ結論が出ない、はっきりしない、こういう状態でございます。

清澤俊英日本社会党(第四控室・左)

○清澤俊英君 今の問題ですがね、これは保安庁はどうお考えになるかということはですね、大体加害者を否定する条項としては、このノリにつきました油と同質のものを使っておる船がおらんかったということが一つ、もう一つは油の質が違うということが一つ、それから潮流の関係でその方面に行かないということ、大体のこの三点だと思う、加害者がわからないというのが。そこで潮流の問題に対しましては、土地の漁民の潮流の動きと、大体学問を中心にした防衛庁の考え方がこれが違っておるのです。出しました参考書が違っておる。そこで土地の漁民は一応そういった条件のもとに試験をして流してみてくれという、こういう要求がある。少くとも私は海上保安庁とせられましてはこの犯人を探し出すためには最善の方法をとるとするならば、そういう一つの疑問がそこへ出たとしたならば、それは進んでおやりになって、そしてあなた方が出した参考書と現実が違っておるというようなことはもこれは私は非常に重要な加害者を探し出すことのできる要素になるのじゃないかと、こう思われる。と申しますことは、大体当時の演習艦には歩哨が立っておって、そして常に海上を見ておったが、その当時そういう油を流すような船は一つも通らなかったと、こういうことを言うておられるのです。そうすると、自分の船よりないのです。そうすると流したものは、これをしろうと的に見ましても、その自分の船以外に船がないとしますれば、流れ出たものはその船だと、こう考えられて、そういうことが第一に考えられておるところに、ただ潮流でそこへいかないのだと、こういう大きな線が出ておりますから、もし潮流でそこへいったとすれば、これば油は検討の結果、らしいということだけで、それはそのものと違うらしいということだけであって、全く違うという結論は出ておらない。そうすると九九%の疑いは当時演習しておりました船にかかることは当りまえなのです。少くとも私はあらゆる疑問のものがありましたならば、それを行って犯人を探し出す私はあなた方に責任があるのだと、こう考えまするが、そういうことをおやりになったのかどうか、漁民が言うているのです。

西田豊彦海上保安庁次長

○説明員(西田豊彦君) 千葉のノリの問題につきましてのだれが流したかということに関するいろいろな調査の中で、海流、潮流の問題が非常に大きな一つの要点をなしておるということはただいまお話の通りでありまして、ただ私たちといたしましては現在の条件においては現在ある資料による以外になかったので、その当時、現在としましては一応ああいう結論を出したわけであります。ただ潮流海流といいましてもその調査が数年前の調査であります。また非常にローカルなものの潮流海流についてまで非常に正確に調査してあるというわけでばありませんから、われわれといたしましては、ただいまちょうどお話にありました考えと同じ考え方から、さらに東京湾の潮流海流の再調査をやろうということで、私の方の水路部を動員しまして、大体半月ばかりかかると思いますが、これを近く実行する予定であります。今までもさっそくになぜやらなかったかと言われるかわかりませんが、これはいろいろと水路部の方のスケジュールがあるので少しおくれておりますが、近々に東京湾の全体の海潮流をさらにもう一度こまかく当ってみようというような予定でございます。

清澤俊英日本社会党(第四控室・左)

○清澤俊英君 私申し上げるのはね、土地の漁民は水深の工合とか、干潮満潮等を加味してやっておる、そうしてそこで長いこと住んでおるのです、だから同じ川が流れておりましても川上へ川が流れることも往々あるのであります。水流の工合で……。それと同じことで正常の潮流は一応あなたの御説のように流れておるかわからないが、あの特殊の場合だけはそうじやないのだ、必ずここに来るのだということを、漁民はあそこに住んで、あそこに育って、あそこで生活しておるのですから、これは子供の時から親の時代から知っておるという、それは間違いなしに、あなた方の潮流の図面が違う、こういうふうに回るのだ、こう言うておるのですから、漁民と一つ話し合いをつけてお調べになる御意思がありますか。それはどうしてもやってもらわなければならぬと思う、漁民が納得するように……。

西田豊彦海上保安庁次長

○説明員(西田豊彦君) 調査はそのローカルな点だけでなしに、全体もやるのでありますが、またその問題の点につきましてはさらに重点を置きまして両々やりたいと思っております。

秋山俊一郎自由党

○秋山俊一郎君 そうしますと、もしその潮流がその地点からノリのところに流れて行くケースが出たとすれば、保安庁は責任をとりますか。私はこの問題については途中ちょいちょい抜けておりますから、今までの詳しいことは存じませんが、どうもこの付着しておった油を試験してみると、検査してみると、そういう油を使っている船はないのだということが言われておったように思います。そうすると、潮流ばかり幾ら探してみたところで、油を使った船がなかったら、潮流だけ流れて行ったって何にもならぬ。もしその潮流を調べてみたところが、やはりノリ場の方にも流れて行く場合があるのだということがわかった場合には、その地点におった保安庁の船は、おれの方の船だろうということで責任をおとりになる考えがあるかどうか。私はこの油が、だれも使っていない油が流れるはずはないと思うのです。何と考えたってだれかが使っているに違いない。しかもこの油というものはタンクの中のものをそのまま出す場合もあれば、ビルジになって流れる場合もあります。混合されたものが流れる場合もありましょう。さらにそれがまた海中に入って海水の中のいろいろな成分との物理的、あるいは化学的変化によって付着している場合には、流したもとのものとは多少違った、変化したものがひつついているかもしれません。私はおそらくそうじやないかと思うのです。その検出したものが違っているとするならば、だれかその油を使っていたものがあるに違いないのですから、自然に天から降ってきて流れたのじゃないのですから、従ってもしその点について潮の流れの関係が判然とした場合には、それはどうもあのときに保安庁の船があそこにおったのだから、保安庁の船だろうということで保安庁が責任をおとりになるのならけっこうであります。しかし潮は流れて行ったのだけれども、依然としておれの方で流したのじゃないというのなら、潮流の研究を幾らしたって何にもならぬ。それで私はもう一つ、保安庁の船がお使いになっておるいろいろな油、あるいはその他相当章をお使いになっておる船の油を実地に流してみて、そうしてそれがそこへくっついたときの油の変化をさらに研究して考えなければ、この問題は結局何にもならぬと思うのです。インドネシアの問題じゃないけれども、これまた不可解の問題になってくる。そこで、本当に究明する意思があるならば、もっと科学的に、あるいは実際的に実地検証などをやってみなければいかぬ、そういうことをおやりになる御意思はありますか。

西田豊彦海上保安庁次長

○説明員(西田豊彦君) 私の申し上げたのは、現在の段階におきましては、現在ある資料によって判断する以外に方法がないということで、現在までの状況であったのでありますが、新しく潮海流を調べまして、もし万一反対の結果が出てきましたならば、そのときにはその次のまた調査研究ということを進めなければならないと思います。ただいま直ちに、私海上保安庁でありまして保安庁ではありませんから、保安庁が責任をとるかどうかということについては私申し上げられませんが、あのときの解釈といいますか、問題の究明の一つの大きな要素でありました海潮流にもし反対の結論が出ましたならば、そのときにはさらに突っ込んだことをやらなければならないのじゃないかと思っております。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) ちょっともう少しはっきりしておいていただきたいと思うのでして、この問題は、あなたは今までの委員会においでになっておったかどうか知りませんけれども、とにかく被害はあっだ、しかしながら陸上から流れた痕跡は一つもない。それで防衛庁の船は出したことはない、それからほかに民間の船が通っておるけれども、それも海の上をそういう油が流れておったことはないというのが、連絡船なりその他各方面が立証しているわけなんです。そこで問題は油の質だけからは答えが出ないで、あなた方が資料として持っておられる海潮流の、伏流といいますか何といいますか、そういう問題についで、なお今まで調べたデータというのは不十分な点があるのじゃないか、そういう点がはっきりされて、かりにこれが防衛庁の方の船から出たものだということになれば、防衛庁としてもはっきり損害補償の道を講ずる、こういうことになっておって、今問題点は一つ海潮流の問題が残っているわけです。いやしくもこれは李承晩ラインのかなたというところではなしに東京湾の中でこういう不可解な原因不明の事故というものがあってはならないわけですから、そしてこの委員会の審議を通じても委員の一部にはこれは防衛庁のことだから海上保安庁はきっぱりした態度をとり得ないのではないかというような疑惑を持たれた発言もあったわけでございまして、この点は海上保安庁としてももっと明確な措置をとられることが望ましいと思うわけです。そこで、今後も引続きまして、この海潮流等の調査を現地についてなさるのかどうか一つはっきりしておいていただきたい。

西田豊彦海上保安庁次長

○説明員(西田豊彦君) ただいま申し上げましたように、近く実行する予定で、必ず実地に調査する予定であります。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) それでは今の水産庁の方から出されましたこの救済措置というものは一応責任者がだれであるかということとは別問題にして、政府としての救済措置であって、今後海潮流の調査は続けて行き、その結果責任者が出た場合には、またそれに即応した措置をとるという、こういうことを確認して、この問題を打ち切ってよろしゅうございますか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) ではそういたします。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) それでは次に議題に追加して有明海の漁業被害の件を議題といたします。  この問題もかねて取り上げまして、一応七月二十七日農林当局からその対策について報告を受けたのでありますが、本日はその後におけるこれが実施状況について説明を求めることにいたします。

前谷重夫海上保安庁次長

○説明員(前谷重夫君) この問題につきましては、その原因の究明につきましては水産庁と農業改良局とが主催いたしまして、東大、九大、農事試験場、水産試験場等を集めまして既往の試験成績の検討、今後の試験設計の検討、研究課題の分担等を協議いたしたわけでございますこの原因の究明とは別個にこれの対策といたしまして、七月二十一日に水産庁の有明海の事務局におきまして関係四県の部課長関係担当官が集まりまして協議いたしているわけでございます。この点につきまして具体的な漁業種別の被害、この魚種別の被害状況、また漁業別の転換の計画、あるいは漁業者の専業者及び第一種兼業者、第二種兼業者別等の被害状況につきましてさらに具体的に検討を現在いたしているわけでございまして、目下のところではそういう資料の検討が八月の二十日までに大体まとまるのではなかろうか、かような連絡を受けているわけでございます。従いましてそういう資料が到着いたしまして、同時にそれに対する各県側の対策の希望についてもついて参ると思いますので、その資料及び対策の希望を検討いたしまして、水産庁としてはこれの転換その他の措置について研究いたしたい、かように考えております。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) ちょっと委員の方から御発言がないようですから、私が質問しておきますが、この問題と関連して最近各地を回ってみますというと、内海の淡水魚が非常に減っている、特にアユの漁獲などは今年は非常に減っているので、どうも農薬の関係ではないか、こういうことが言われている、特にドリン系統が、エンドリンとかそういうものはてきめんに被害があると、こういうことがいろいろ言われるのですが、もしそういう被害があるとすれば一方で食物の含水炭素の増産ができても、一方で魚類の蛋白が非常に減ったんではこれはプラス・マイナスして食糧問題はどっちかということにもなるわけですが、こういう有明海の問題の調査は調査として、さらに全般的に淡水漁業の方と農薬との関係について調査をなさるなり、あるいはさらにはっきりした点について具体的な措置をとったというようなことは、そういう点どうでございますか。

前谷重夫海上保安庁次長

○説明員(前谷重夫君) 水産庁といたしましては、この問題は相当重要な問題でございます。従いまして先ほど申し上げました水産庁、改良局が主催で、この原因の検討をいたしまするという場合におきましては、もちろん主として有明海でございますが、全般的な問題としても検討いたしたいということに考えておるわけでございます。従いまして研究課題の分担等もそれぞれ分けまして検討をいたしたい。また新しい農薬の問題につきましては、それによりましては今後の使用等につきましても問題がございます。そういう面にもわたりまして、広く研究いたしたいと、かように考えております。ただ具体的な問題といたしましては、まだ霞ケ浦等におきましてもこういう問題は出ておりませんし、淡水魚の面におきましてもそれぞれ御指摘のアユの減産ということもまだそういう影響か他の原因か、他の原因として考えられる点もございますので、そういう点もあわせて研究いたしたいと、かように考えております。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) それでアユのことはこれはわかりませんけれども、少くともエンドリンあたりのドリン系統が顕著な被害を来たすということだけは大体私どもが現地で見ても間違いないのじゃないかと思うのですが、そういう点、改良局の方ではお考えになっておりませんか。何か対策ございますか。

庄野五一郎農林省農業改良局総務課長

○説明員(庄野五一郎君) エンドリン、ディエルドリン、アルドリンといったドリン系統のものにつきましては、新農薬でございます。今年の稲作から初めて試験的に輸入して、各県と十分なそういう被害の防止という点を事前に7打ち合せて試験的に使っている、こういう段階でございます。特にこのドリン系統は温血動物には全然被害がなくて、冷血動物に被害がある。今までの。パラチオンと違いまして、人間には全然被害がないので二化メイ虫なんかの防除につきましてはかける防除作業は非常に容易でございますが、これが冷血動物、たとえば水棲動物等に被害を及ぼす関係がはっきりいたして参りましたので、今後といたしましては水田等にこれをかけるというようなことについては十分影響のないようなところに指導して行く、特にこういう水棲動物につきましての影響の多いドリン系統は畑作関係の方に散布を指導して行く、そういうような方向に持って行きたい。こういうような関係で今後の輸入等につきましてもそういうような指導のもとに輸入して、試験的に使って行きたい、こういうような指導方針を考えております。

田中啓一自由党

○田中啓一君 ドリン系統の農薬の化学成分は何ですか。  それから今人体には被害がないとおっしゃったんですが、実は私の方の川ではコイなどがやられて、ごろごろしているんですよ。ところがやはりこれを食ったらいかぬだろうというので、せっかくのコイをよう食わんでいるんですよ。岐阜県なども御承知のように海はないので、専門の漁師がきわめて少いので、ほんのウ飼いの漁師くらいのものなんです。あとは農民と一緒だもんだからそう専門の漁師もやかましくはよう言わんでおるというような状態なんです。  それから本年、アユの減ったことは事実は間違いないが、それは農薬のせいかどうかということはわかりませんが、非常な激減です。放流等は従来通りやっているのですが、現にそう声は大きくなりませんが、そこで私も小学生のような質問ですが、化学成分は何であって、ほんとうにそれで死んだ魚を食っても大丈夫かどうか聞きたいのですがね。

堀正侃農林省農業改良局植物防疫課長

○説明員(堀正侃君) ドリン剤は、今御質問ございました成分の詳しい組成につきましては私もよくわからぬのですが、大体DDTやBHCと同じ塩素系の毒剤です。成分は石油化学の途中におきまして塩素をくっつける塩素化水でございまして、毒性につきましては今御説明がありましたように、経皮毒性と申しますか、はだに触れて生ずる毒性は非常に少い、ほとんど考慮する必要がないくらいの毒性でありますが、これを飲みますとかなり強い毒性がある。従って水で薄まったやつを飲んだ魚を人間が食って毒性があるかどうかということまでは試験がまだできておりませんが、直接その原体あるいは散布液を飲みますと毒性のあることは間違いない。今総務課長から御説明がございましたように、今後この輸入につきましては慎重にしまして、畑作につきましてもまだ奨励の域ではないのでありまして、試験用に県の試験場が十分監督できる範囲内において何町歩というような小面積の試験をやっております、それもあわせて、果して畑作に使ったものが水路に流れるようなことがないか、あるいはかりに流れたとしても途中において土壌吸着等があって影響がないかというような種々影響を考慮しながら小面積の土地について試験をする、そういうふうな程度に考えております。

秋山俊一郎自由党

○秋山俊一郎君 水産庁、長官にちょっとお伺いしますが、農薬の問題が今非常にやかましくなっておりますが、従来水産庁では稲田養鯉、すなわちたんぼの中にコイを飼う、これはいわゆる海なし県、長野県とか岐阜県ではそれをやっておりますが、海がありましても佐賀県あたりでは相当やっておりますが、こういうような農薬を使うことになりますと、これはおそらく全面的にだめになると思いますが、この稲田養鯉ということは奨励も何もやめてしまうのですか。相変らずやっているとすれば農薬との関係はどういうふうになりますか。

前谷重夫海上保安庁次長

○説明員(前谷重夫君) 御承知のように、戦前におきまして稲田養鯉等の奨励をいたしたわけでございます。現在内水面に対する水産庁の考え方といたしましては、アユを除きましたものにつきましては種苗の供給を確保するという形におきまして種苗の、いわゆる養魚池でございますが、養魚池の助成をいたしておりまして、直接には稲田養鯉につきましての助成その他の措置はとっておりません。ただ種苗を確保するためのいろいろの措置に対しましてはこれを助成して参りたい、かような形で進めております。

秋山俊一郎自由党

○秋山俊一郎君 それは種苗はどうするかといえば、種苗はそれをこしらえてたんぼに入れるなり養漁池に養って大きくしてものになるのです。種苗を養うということは池に飼う場合と稲田に入れる場合とある。最初二寸なり三寸くらいのやつをちょうど田に水を戻ったじぶんこ田の中に入れておいて、水を引くまでに相当大きくなる、それをまた池に戻すということを稲田養鯉としてやってきたわけです。ただ種苗ばかりこしらえてみたところで養う道がなかったら何の役にも立たないので、その点稲田養鯉がどうなっているかということをお尋ねしているのですが、養魚池を奨励助成して稚魚をこさえて配るとしても養うところがなければどうにもならない。

前谷重夫海上保安庁次長

○説明員(前谷重夫君) 御承知のように農薬との関係もございますので、内水面の養魚は河川及び養魚池が主体になっておりますが、稲田養鯉につきましても農薬を使用していない田で行なっている場合がございます。これはそういう場合もございますので、そういう場所に対して稲田養鯉を指導して参りたい、その他は養魚施設をもって養魚を行なって参ります。こういう両様の形で進んでおるわけであります。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) 今の水産庁長官のお答えですが、どうも稲田養鯉については少し研究が足らぬようでして、これは大体稲田養鯉だけでなしに内水面の漁業については水産庁は従来あまり熱意がないと言ってば語弊があるかもしれませんけれども、 (「予算も少い」と呼ぶ者あり)欠けるところがあったと思うのです。その点についてもっと十分に研究されていただきたいと思います。  それからなおこの農薬の問題につきましては、先ほどのようにこの有明海の漁業被害の問題が、ただ有明海だけでなしに、全般の農薬と漁業の大きな解決をする一つの目安になるわけですが、先ほどの堀課長のお話を聞いておりましても、どうも改良局自身も新しい農薬を入れることに急であって、その影響ということについては慎重を欠いておるのではないかというような印象を受けますので、一つ有明海の問題を契機に、農薬と漁業の問題については確固たる方針を打ち出していただきたいと思います。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) それでは次に議題に追加いたしまして漁業用燃油の件を議題にいたします。  これは、かねて問題になっておりましたこの件は、過般、本年度十万キロの外貨を別ワクとして全漁連に割り当てたのでありますが、その後新聞等を見ますというと、この発注証明付外貨の行使についてなかなか難関が出ているように承わりますので、その後におけるこれが実施状況につきまして当局から説明を求めることにいたします。

前谷重夫海上保安庁次長

○説明員(前谷重夫君) 漁業燃油の問題につきましては、先般特別のワクといたしまして、十万キロのものを漁業用の燃油といたしまして全漁連に需要者発注証明制度と申しますか、そういう形におきまして流すということに決定したわけでございます。それと並行いたしまして、われわれといたしましては一般的に関税の賦課と並行いたしまして、そうしてこの漁業用の燃油に関税の賦課が転嫁しないようにという行政施策もあわせて進めて参っておったわけでございます。これの実施細目につきましては目下通産省といろいろ協議をいたしておるわけでありまして、大体そういう行政施策は二十四、五日ごろまでに案ができ上ることになっておるわけでございます。  なお漁業用の燃油の外貸当の問題につきましては、いろいろ巷間ある部分の配給面におきまして反対があるということを私たちも聞いております。通産当局とも打ち合せておるわけでございますが、通産当局といたしましても既定の方針によってこれを実行するということを言明いたしておりますので、目下細目の方法についていろいろ話し合いをいたしておる、かような状態でございます。

青山正一自由党

○青山正一君 この問題について質問を二点ばかりしたいと思いますが、おそらくこれは水産庁長官として御返事ばできまいと思いますからして、明日なり、あるいは明後日こういつた意味合いのことを、委員会に質問があったということを、鉱山局長にはっきり申し入れていただいて明日なり、あるいは明後日の委員会にその点を御返事願いたい。こういうふうに考えております。  そこで私の質問を申し上げたい。第一点は、この現状におきましては、ただいま水産庁長官から御説明がありましたが、この石油元売業者は、結束して全漁連の発注を受けていない、それからまた石油輸入業者も元売業者の申し入れによって、全漁連の発注を受けない態勢をとっている、この場合、全漁連は、一般輸入商社に発注を依頼してよろしいかどうか。または外貨の直接割当にする考えはないかどうか。こういった問題が、これは第一点の質問です。  第二の質問は、全漁連への上半期の割当はポンド貨を予定しているということでありますが、このポンド貨によるA重油買付は、英国のセール会社のみである、このセールの代行先であるジャパン・セールは、日本の石油元売会社の反対で取引を受けないというが、この場合は、ポンドをドルに変更できるかどうか。  以上のことについて水産庁長官は、明日なり、あるいは明後日、一つ鉱山局長と十分交渉の上、この農林水産委員会に一つ回答していただきたいと、こういうふうに考えております。  また委員長に申し上げたいと思いますが、ただいまの質問で大体おわかりのことだろうと思いますが、委員長の方において、この問題に関して通産大臣なり、あるいは農林大臣に、農林水産委員会としてある種の一つ申し入れをしていただきたい。こういうことを一つ委員各位に諮っていただきたい。こういうふうにお願いいたします。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) ちょっと速記をやめて。   〔速記中止〕

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) 速記を始めて。  先ほど青山委員から、委員会として何らかの申し入れをしたらどうかという問題につきましては、御懇談でまとまりましたように、次のような申し入れをいたしたいと旧心います。安築城君に読んでもらいます。

安薬城敏男常任委員会専門員

○専門員(安薬城敏男君) 朗読いたします。    漁業用燃油別枠外貨運用に関する申入(案)   さきに政府は漁業用燃油に対する輸入外貨を全国漁業協同組合連合会用として、別枠をもつて割当てることを決定したが、この外貨割当の趣旨が遺憾なく達成せられるよう、実施の円滑を期し、万全の措置を講ぜられたい。   右、当委員会の総意をもつて申入れする。   昭和三十年八月十七日       参議院農林水産委員会    通産大臣石橋湛山殿    農林大臣河野一郎殿

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) よろしゅうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) それではこの申し入れを当委員会の総意としていたすことにいたします。  先ほど、池田委員、あるいは秋山委員等から要求のありました大臣の出席につきましては、その後内閣と連絡をとりましたところ、総理大臣と防衛庁長官は、目下旅行中でおられませんので、外務大臣は今日出るようになるか、あるいは、あす、あさってに出るようになるか、午後の再開劈頭までには連絡をする、こうことでございましたから御了承を願います。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) 引き続きまして、中央卸売市場法の一部を改正する法律案を議題といたします。  この件に関しましては、先ほど開会前にお諮りいたしましたように、本格的な審議ば、休会中の議員派遣によりまして、大阪、愛知等の実情を調査の上、取りかかることにいたしまして、本日は、かねて説明されております農林省における本法改正に関する調査の進捗状況についてだけ説明を聞くことにいたしたいと思います。

大和田啓気農林省農林経済局経済課長

○説明員(大和田啓気君) それでは中央卸売市場法の改正の事柄についての事務的な進み工合について御説明申し上げます。その点につきましては、実はすでに一年半ぐらい前からでございますが、各地の市場長会議で問題が議論をされまして、それから各地の市場長会議の代表という意味で東京都の市場関係の人たちと、農林省の経済課と、水産庁の水産課の課長以下の係官で実はこまかい議論をいたしております。それでなかなかむずかしい問題でございますので、まだ成案というべきものはできておりませんけれども、今年度の予算で前々御説明申し上げておりますように、中央卸売市場対策協議会というものを作ることになっておりますので、その第一回を大体九月から十月にかけて開きまして、これは生産者、消費者、それから市場の開設者、卸、仲買い、小売あるいは学識経験者と広くいろいろな階層、お立場の方を網羅してやる予定でございますけれども、この協議会では中央卸売市場運営についての改善をすべき事項ということで、幾つか重要な問題をお諮りいたしまして、そうしてできるならばことしの十二月か、あるいは来年の一月前後にもう一度協議会を開きまして、そうしてそこで中央卸売市場法の全面的な改正の案を御協議申し上げるという、そういう見込みで現在仕事を進めておるわけでございます。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) それではこの問題につきましては先ほど申しましたような順序で今後の審議をいたしたいと思います。  なお、午後は二時半から再開いたしたいと思いますが、最初に、午後の勢頭に食糧庁の長官の出席を求めまして、二十二国会の最終日に決議いたしました米穀検査に対する問題、それから本年度の予約集荷の問題を取り扱いたいと思いますが、食糧庁長官が三時には他の会合へ出席されるということでございますから、一つ二時半に正確に始めたいと思いますが、その点御了承願います。  しばらく休憩いたします。    午後一時十四分休憩    ————・————    午後二時四十四分開会

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) ただいまから委員会を再開いたします。  最初に議題に追加いたしまして、米穀検査の件を議題にいたします。  去る七月三十日の当委員会は、米穀検査規格の改正に関して決議を行いまして、その決議に対しましては、吉川農林政務次官から、その趣旨を尊重して善処したい旨答弁されておるのでありますが、その後この決議の趣旨に従って、食糧庁としてはどういうようなことを具体的になさっておられますか、それを承わりたいということでございます。なおそれと関連いたしまして、二十二国会の間にも問題になりましたことですが、さらにその前々から問題になっております西日本の、かつて銘柄のあった地帯の米について、銘柄を復活してもらいたいという問題が出ておりましたが、これにつきましては、銘柄として直ちに復活するということは現在の統制下にありましていろいろ問題があるわけですが、ただ実情として産地によって同じような等級の米が、食糧庁としては払い下げの価格を変えておるのでこれは非常に不公平であり、当然日本全国を通じて、しかも国営検査としてやられるならば、同じ等級の米は、同じような払い下げ価格になるような検査の基準をきめるべきではないかということは、昨年以来問題になりまして、これについては、当時検査課長もそのことが妥当と思われることを答弁されておりますし、また当時の保利農林大臣もそのことを肯定されておったのでありまして、その後食糧庁長官がかわられましたけれども、農林省としては昨年来同じような方針を持っておられると思うのです。そこで昨年は、すぐには間に合わないからということで、今年に持ち越しておるので、その問題は、当然これから検査の始まる現在、解決がついておらなければならぬ問題と思いますので、それについても食糧庁の方でどういうような措置をとって、本年実施されようとするのか、承わりたいと思います。まず食糧庁の説明を求めます。

清井正食糧庁長官

○説明員(清井正君) ただいま委員長からお話のありました点でございますが、去る七月三十日の本委員会において、農産物の検査規格の改正についての御決議があったのであります。その際、政務次官よりも善処する趣旨のことをお答え申し上げたのであります。私どもといたしましては、実はその際にも御説明申し上げたと思うのでございますが、本年の三十年産米価をきめますに当りまして、規格の問題につきましても、われわれといたしましては相当検討をいたしたのであります。ただいま御指摘のありました非常に質のよい米の問題につきましても検討いたしましたし、あるいはいわゆる早場米の問題につきましても検討いたしましたし、いろいろの問題につきまして従来から問題になっております点につきましても十分検討をいたしたのでございますが、結論といたしましては、花般の米価決定の際には規格については全部前年通りということを建前といたしまして米価の決定を実はいたしたような次第であるのであります。その後こういう御決議をいただいたのでございますが、なるほど現在の政府の買却の実態から考えまして、こういう趣旨の御決議をいただくこともごもっともな点があることは私どもも率直に承認をいたすのでございますが、何分にもただいま申し上げた通り、米価を決定いたします際にはいろいろ問題があるけれども、検査規格等級につきましては前年の規格を踏襲するということを前提といたしまして米価を決定いたしたような次第でもあるのであります。米価決定後に起りました問題でもございますし、また、かたがた御承知の通りかりに規格等を変えるといたしますれば、やはり相当事務的な準備も必要でございます。かりにそれを決定いたしましても、ただいまの法律によりますと、一ヵ月後でないというとこの検査規格が実施できないことになっておるのであります。そういたしますと、相当検査規格を、かりにきめましてそれを施行するといたしましても、新規格を実施するに当りましては、すでに三十年産米の早い出荷がある、こういうことになるというようなことでありまして、旧検査と新検査の規格の間にお米の取扱いにつきましてもいろいろ問題が起り得るというようなことも考え、いろいろな点を考えまして、私どもといたしましてはこの御決議の趣旨につきましては御承知の通り規格につきましてばただいま申し上げた通りこれは前年通りきめました規格を動かすことま、ちょっとむずかしいのでまないかという結論には達しているのでありますが、ただ実際この規格に合わす検査をいたします場合には、御承知の通り検査の標準米の実は査定をいたすのでございます。検査規格に合うような標準米の決定をいたしまして、この標準米によって、実際に検査官が検査を実施するということでございますが、その標準米の決定を九月の上旬にいたしますということになっておりますし、さらにその全国的な標準米を、それぞれ地域別に、引き続いて九月の中旬、下旬にかけて検査の地域別な標準米の決定をいたすということに相なっておる次第でございますので、規格はそのままにはいたしておきまするけれども、全国的な標準米並びに地域別な標準米の選定に当りましては、従来とかく規定にきめられた規格とは、ちょっと違った意味の標準米が選定されて、それによって、実際上事実よりも苛酷に検査規格がきまるというような御非難のあった点につきましては、実態に即する標準米の検査の選定をいたすということにさらに注意をいたすことによりまして、全国の標準米並びに地域の標準米の選定にさらに適正を期して実施をいたすということによって御決議の御趣旨に沿うようにして参りたい、こういうふうに実は考えておるのでございます。すでにそのことを部内においても決定いたしまして、各事務所等にもそのことを連絡いたしておるのでありまして、来たるべき標準品の査定の問題等につきましては、ただいまの御決議の御趣旨に沿い、われわれといたしましても、規格の実際上の標準に合うように、標準品の検査選定に当りまして、生意をいたして参ることによりまして、検査の適正を期して参るようにいたしたい、こういうふうに実は考えておる次第でございますので、さよう御了承願いたいと思うのであります。

清澤俊英日本社会党(第四控室・左)

○清澤俊英君 ただいまの御説明だと、そういたしますと、規格の標準は変えないが、標準米でかげんする、そういうことに一口に言うとなりますか。

清井正食糧庁長官

○説明員(清井正君) かげんと申しましても、なんでございますが、要するに規格は変えないのでございますから、標準米のときに従来しばしば実態と違った標準米が選定されまして、実際の規格よりも非常に酷に検査を受けておるという実態であるという非難を受けているのでございまして、この問題も私どもは地域によっては相当あるということを確認したわけでありますので、今後の標準米の選定に当りまして、規格によく合うように、実質によく沿うように、標準米の選定をいたすということによって、検査の適正を期して参りたいと考えております。

清澤俊英日本社会党(第四控室・左)

○清澤俊英君 特別に変ったようなことを言われているが、どうもはっきりわからないが、その点を今少しわかるように……。

清井正食糧庁長官

○説明員(清井正君) 御承知の通り検査の規格は、これらの米価決定のときに実は検査規格を動かさないということで、米価決定をいたしましたものですから、米価決定後に変えるということは実際上は米価を変えるということになりますので、私どもとしてはちょっといかがかという感じを持つのであります。また実際問題といたしましても、変えるといたしましても、事務的に検討をいたしまして、これを変えて、告示をして、実施をするためには法律上は一カ月の間をおかなければならないということになります。そういうことになりますと、非常に混乱を生ずるということになりますので、私どもは米価決定の経緯にかんがみまして、この規定上きめておりますところの検査規格は変えない、ただしかし実際上は規格だけで動くものじゃないことは御承知の通りであります。これによって規格に基いて標準品の選定をいたしまして、検査官が検査するのですから、その標準品の選定というものを実態に合うようにいたして参りたい。従来しばしば規格以上に標準品がきまるということを言われておるのでありまして、そういうふうなことのないように、実態に即するように標準品をきめて行くということが末端まで行くようにして、御決議の趣旨に沿うようにして行きたい、こういうことであります。

清澤俊英日本社会党(第四控室・左)

○清澤俊英君 それで今度変える場合に、いわゆる格差といわれた各地区の実際の払い下げ値段の相違の分ですね。この分はその標準米の上でかげんを地区的にして行く、こういう御趣旨ですか。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) じゃちょっとつけ加えまして私からお尋ねいたしますが、この七月三十日全会一致で決定した決議というものは、政府買上げ価格の実質的な引き下げになっておる。読んでみますというと、「主要農産物の検査等級は出廻りの実態に即せず政府買上げ価格の実質的引き下げとなっている実情に鑑み、政府は、昭和三十年産米より適用するため速かに検査規格を整理改正し、もって生産農民の実質所得を保障する措置を講ずべきである。」こういう決議がこの米審の方針がきまって以後の七月三十日の国会で全会一致で決定されて、それによって政務次官は趣旨を尊重して善処するということを言われたわけです。今の長官の答弁もやはり政務次官と同じような趣旨を述べられておるものと思いますから、従ってこれは政府の買上げ価格が実質的引き下げになっておる実情を、生産農民の実質所得を保障するような措置をとるものとして、具体的に現われてくるのだ、こう解釈してよろしいわけですね。

清井正食糧庁長官

○説明員(清井正君) 委員長のおっしゃった通りに実施いたしております。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) なお、それと関連いたしまして、この実態に即する検査等級ということは、今、清沢君が二回目に質問されました地域によって政府が払い下げ価格を変えておると、そのことは明らかに実態に即せざる標準米の選定ということになっておるわけですから、それも改正されて、今後は地域によって同じ等級のものの払い下げ価格が違うことがないというような標準米の選定をされると、こう解釈してよろしいわけですね。

清井正食糧庁長官

○説明員(清井正君) まあそこの点でございますが、私どもといたしましては、ただいま御質問のありました点は、主としてこれば買上げの問題につきましてお答え申し上げたわけでありますが、ただいま委員長が申されたようなことで、過般の決議も実質的に引き下げになっておるということは、非常に四等が三等よりより多いという今の実績にかんがみてこういうような御意見が出たわけであります。私どもはそのことが実態的にあることは十分承知いたしておるのであります。従ってその御決議に沿うための実態的なやり方といたしまして、ただいま私がお答え申し上げた、また委員長がお確かめになったようなことで実際上の運営をいたして参りたい、こういうふうに実は考えておるのであります。その点は十分趣旨を徹底いたしておりますし、必ず三十年産米につきましては御決議の趣旨のように実質的な運営をいたして行く決心でございます。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) その第一段のお答えはそれでよろしいのです。第二段の答えとしては、今後政府が買上げた米を払い下げをなさる場合に、同じような等級の米を地域によって払い下げ価格が変るというような等級のきめ方なり買上げはしないということだと私は思いますが、それはそうされないということですか。

清井正食糧庁長官

○説明員(清井正君) その点はちょっと私どもも十分なお検討いたす点があるのでございますが、先ほど払い下げ価格につきましても委員長の御指摘があったのでございますが、規格等につきましては従来の規格あるいはその他の規格に関する諸般の規定は全部前年通りで実施いたして行くという建前でおるのでありまして、ただ標準の検査を、買上げする場合の検査の標準品の査定に当りまして、実際上の規格に十分マッチするような標準品を選定して行くということでやって参りますので、その他の点につきましては従来通りの行き方でやって行きたいというようなふうな考え方で大体進めるようなことになっております。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) それではちょっともう一ぺん聞きますが、長官の答えは首尾一貫しないのですね。ほんとうに検査の等級というものが実態に即するということであるなら、政府が同じ買い上げ価格をもって買い上げた米が、払い下げ価格のときには、それを違って払い下げるというのは、これは明らかに実態に即せざる検査ということになり、政府は中間利得を得たということになるのですね。そのことは今までの委員会でたびたび問題にされた。あなたが長官になられてからはあまりありませんが、去年の委員会ではそのことはしょっちゅう問題になって、検査課長もその点の不合理ば認められて、当時の保利農林大臣も不合理を認められているわけです。従って検査というものが実態に即するということなら、そういうばかなことはあり得ないことになるのです。少くとも政府が一定の基準で買うたものは、これは払い下げ価格が同じになるような、実態的な検査をしなければ、今あなたの言ったことは首尾一貫しないことになりますが、そうじゃございませんか。

清井正食糧庁長官

○説明員(清井正君) お話の点はよくわかるのでありまして、私どもといたしましては、この規格の問題等につきまして、まあ買い上げの場合と、払い下げの場合の首尾一貫性の御質問でございますが、なるほど、われわれといたしましては、細かにこれをずっと検討をして追及して行きますというと、現在の買い上げの場合の措置と、売り払いの場合の措置とによって、若干の、ここに統一を欠く点があることは、率直に私どもは認めざるを得ないと考えております。ことに御指摘の点の、西部の方面の良質米の点につきまして、相当に歩どまりが高いのでありますが、これをある程度標準的な歩どまりでやるということにいたしておりますために、あるいは御指摘の点によりますと、良質の米を比較的安く売るような格好になるのじゃないか、しいていえば、良質の米を安く買うということになる、そういうようなことになるのではないかという御指摘かと思いますが、その点につきましては、私どもも米価を決定するに当りましては、十分検討いたしたつもりでありますけれども、全般の銘柄と申しますか、産地銘柄と申しますか、あるいは品種銘柄の問題につきましては、いろいろ西の方にも問題がございますが、同時に東の方にも問題がございますので、そこら辺の均衡等も十分考えました結果、それらの問題につきましては、問題はあるけれども、ことしはいじらずに行こうという、こういう結論を出した次第であります。ただ、先般の御決議に基きまして、買い入れ検査につきましても、従来三等が標準であるのに、実際は四等の場合が多いということで、それが実質的な生産価格の形になっておるという御指摘がございましたが、その運用につきましては、検査規格そのものを変えることはちょっと間に合いませんでしたので、運用の妙と申しますか、運用の実際の実施に当りまして……

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) 同じことの説明を何べんされぬでもいいのですよ。そういうような四等が多いとか、三等ということは、もうちゃんと答えが出たのだから、そのことはそれでいいのであって、私どもが言っておるのは、銘柄を今設定するというのは、これは統制下においては無理があるから、それはできぬだろう。しかしながら、政府が一定の同じ値段で買うた米を、払い下げ価格では違った値段で払い下げるというような、首尾一貫しないことは、明らかにあなたの言われる実態に即しないやり方で、従って同じ値段で買った米は、同じ値段で払い下げができるような検査の標準米を作るべきであるということを言っておるわけであります。それは、あなたが初め言っておることから、その延長として当然出てこなければならぬ。それを何かその問題になると、態度をあいまいにされて、言葉を濁されるのですが、そうすると、私は逆に言いますと、今後も、同じ値段で買った米を、違う値段で払い下げをするのだ、今年もそういうばかげたことをやるのだ、こうなりますか。これをはっきりしてもらえばいいのです。

清井正食糧庁長官

○説明員(清井正君) ばかなことをとおっしゃいますが、確かにこの買い上げの米の品質の問題と規格の関係、それから同時に売却の取扱い等によりまして、首尾一貫しない点もあることは、私ども率直に認めざるを得ないのであります。こういうことはわかります、わかりますけれども、これは先ほど来御説明申し上げました通り、規格の点につきましては動かさないという形で行っておりますので、今度の売却等の措置につきましても、これを動かして従来のやり方を変えてやるという点につきましては、考えていないのであります。なお、今後首尾一貫性につきましては、できるだけこれを合わすように考えて行くということは、私ども今後検討を続けて参りまするし、御指摘の点につきましては、私どもは従来通りやって参らなければならない、こういうふうに考えておるのであります。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) くどいようでありますが、もう一ぺん聞いておきますが、外交辞令を抜きにして答えていただきたい。あなたの方は、生産者価格と払い下げ価格との点について、首尾一貫しない点があることは認める。首尾一貫しないということは、私はばかげたことと思いますけれども、あなたはばかげたということじゃないと言うのだから、どういうことか知りませんが、あまり利口なことじゃありません。少くとも合理的じゃないと思う。そういう首尾一貫しない不合理を認められていで、なお本年もそれを継続して行く。それに間違いない。どう言われても、本年もそれをやるのだ、それだけでしょう。

清井正食糧庁長官

○説明員(清井正君) お言葉でございますが、従来通りやって行かざるを得ないと考えております。

清澤俊英日本社会党(第四控室・左)

○清澤俊英君 それは不合理であるが、本年もやむを得ない、やって行くというなら、来年は何か考えられるか。技術的に調整し得る余地を考えておられるのですか、どうですか。

清井正食糧庁長官

○説明員(清井正君) この点は先般、米価をきめますときにも十分考えました問題なんであります。ことに西の方の歩どまりのいい米につきまして、従来からも知事から御希望がありましたが、これについて何らかの格差をつけるということは考えておりましたが、これはいろいろな事情を考えました結果、やらないことにいたしました。しかし、この問題は、従来から私どもわかっておる問題であります。全体の銘柄の、産地銘柄、品種銘柄の格差の問題等、今後引き続き検討を続けて行かなければならぬ問題であります。来年産の米について、これは私、はっきりこういたしますということを申し上げることは、早きに失すると思いますけれども、私どもといたしましては、誠意を持ってこの問題の検討を進めて行きたい、こういうふうに考えております。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) あなたは誤解をしておるのじゃないですか。私はどうもあなたの答弁はわからない。格差を変えろということを言っていない。格差を動かすということ、銘柄をつけたり何かするということは、今の統制下ではできないだろう。従って標準米の選定に当って、そういう実態に即したところの標準米の選定を行なって、同じ価格で買い上げた米を、同じ価格で払い下げできるようにせいということであって、格差の問題について何も言っていないじゃないですか。それを、私の質問に対して、格差々々という問題へ持って行って、あえてぼやかそうとするのか、あるいはよく問題がおわかりにならぬのか、どちらか知りませんけれども、もしそういうような、少くとも合理的でないということをお認めになっておられて、今の方針を強行されるということになれば、おそらくこれは出回り時期に当って、相当な反撃が出るということだけは覚悟をなさっておられるでしょうね。私どもも、せんだって農政研究会の関係で若干回りましたが、そこでやはり非常に大きく出てきたのは銘柄問題です。しかし私どもは銘柄問題ということは今の統制下では無理だ、だから銘柄でなしに、検査の標準を作るときに、そういう点が加味されたような標準になることが実態に即するものだ、こういう答弁をしてきましたけれども、それさえも、あなた方の方ではお聞きにならぬで、今まで通り、同じ値段で買い上げたものを、違う値段で払い下げるというばかげた不合理なことを続けて行かれる、そういうことでは相当な反撃が出るということは覚悟をなさっておられますか。不合理を不合理として押sつける自信がありますか。

清井正食糧庁長官

○説明員(清井正君) お話の点も私ども十分わかっておるつもりでございますが、御趣旨の点につきましては、私ども従来通りの方法によってやって参りまして、根本的な矛盾の点につきましては、引き続きこれと並行して将来考究を進めて行かなければならぬかと、こういうように考えております。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) ほかに御質問ございませんか。

池田宇右衞門自由党

○池田宇右衞門君 今委員長から聞けば、検査において、一番今度の予約からいって、検査の的確ということ、この検査の的確によって初めて等級の正しいということに相なってこそ、次の予約にも供出する、予約を契約する気になり、従って農民も安心してこれに参加することができるのであるが、ただいまの質問の趣旨から答弁の要点を聞いておりましたところ、検査においてたとえて言えば、三等米あるいは等外をとった場合に、それが消費者に配給の場合に、等外が三等になり、三等が二等になるというような検査上における疑問を持たれるというようなことが今後ありといたしましたら、これは農家が納得するものではない。従って検査の途上において手心が加わって、真に二等米のものが三等に落されるというようなことに相なりますならば、価格においても現金収入の農家の上に非常に影響が大きい。そこで検査はむしろ予約制度になれば、検査員の手をふやしても、的確なる検査、あるいは進んで集荷検査、あるいは庭検査というところまで農民の供出農家のため、予約した方々に対して特別なる方針のもとに便宜をはかってこそ、予約に対する完遂ができる、私どもはかように信じておるのでございます。しかるに今の検査上においてきわめてあいまいであるというようなことになると、せっかくの予約が目標を越えたというような、豊作と同時にまことによい時代に相なっておりますけれども、農民に大きな不安を与えることをわれわれはおそれなければならぬ、長官はその際もっとはっきり検査においては万遺漏がない、そしてまたきわめて親切に予約の完成に、あくまでも検査員には苦労であっても努力して、この方針をとるという決意があるかどうか、またそういう方針を各下部に滲透しておるかどうか、この点について重ねて承わりたいと思います。

清井正食糧庁長官

○説明員(清井正君) この点先ほどちょっと私も申し上げた点でございますが、先般の御決議に基きまして、私どももいろいろ相談をいたしたのでございますが、根本的な規格そのものを変、えるということは、ちょっと事務的にも間に合わない問題でございますし、あるいは米価を決定するときに、前年度の価格をそのまま維持して行くという建前で米価を決定したという次第もございますので、私どもといたしましては本御決議の御趣旨に沿いますためには、実際上の検査の標準品の選定に当りまして、これば御承知の通り全国的な標準品の決定と地区別な標準品の決定と両方あるのでございます。その決定に当りましても、従来ややもしますというと、検査規格と違った非常にきつい標準品を決定されて、それで検査が行われておるというような非難も相当ありましたので、今回特にその点を留意いたしまして、検査規格をよく実態に即するように標準品の規格を作るということに全国並びに地区によってこれをやって行くということにいたしたのであります。この点はすでに地方の事務所長、検査部長にもよく徹底をいたしておるのでありまして、来たるべき購入品の検査に当りましては、ただいまの御決議に沿い、私がただいま申し上げました通り、標準品の選定をいしまして、その標準品をもって検査員が実際に米の検査を実施するということによりまして、御決議に沿うようにいたして行きたい、こういうふうに実は考えておる次第でございます。

飯島連次郎緑風会

○飯島連次郎君 長官のお答えを聞いておると、私どもどうも迷路に入ったような気がしてさっぱりわからない。ですからそういう牽強付会の説明を幾ら繰り返されても、これは全く時間の浪費に過ぎないから、私は先般七月三十日付で当委員会で決議をした検査規一格に関する決議に対してあなたば時間的に間に合わないとおっしゃるけれども、あれは問に合うように七月三十日に決議してある。だからそれに間に合わさせないために、つまり日をおくらしたということなんだから、これは改訂する意思がないとわれわれは判断せざるを得ない。しかしあなたの説明の中では、標準品の選定において実態に即するようにして決議の趣旨に沿いたいと言っておるけれども、それはなかなかできない相談だと思う。ですからもしそういうできないような手品ができるとおっしゃるなら、そういう抽象的の説明はこれ以上必要としないから、もう少し具体的に、まだあした、あさってと二日間あるのだから、その間にできるならわれわれによくわかるように具体的な、文字通り実態に即した説明をしてほしいと思う。  それからもう一つは、さっき溝沢委員から質問されましたが、とにかく事務的にことしは間に合わない、一カ月の猶予期間がもうなくなってしまった、もう新しい米が出回ってくる、こういうことで責めを時間に帰しておるようでありますが、まあかりに百歩譲ってそういうことだと仮定をすれば、これは明らかにその裏には昭和三十一年産米からは、この間の決議に沿うような米の検査規格に関するわれわれの主張する根本的な改訂をされるという意思は私は十分に潜在しておると考えるけれども、そういう考え方は長官としては是認してのただいまの説明であろうと思うのです。この点ば私は確認しておきたい。また来年のためにも時間も随分ある、しかもこの検査規格の問題はひとり参議院の農林委員会のみならず衆議院においてももうしばしばこれは繰り返えされておった問題であり、実質的に生産者農民の所得が引き下っているということは、これば論議の余地のない天下周知の事実なのです。こういうことを私は二年も三年もじんぜんとして、この先にするということは、われわれとしてはどう見ても納得できない。それが先般の決議になった当委員会全会一致のほんとうの趣旨であることを十分に考えていただいて、その決議の趣旨を生かすなら、われわれにわかりのいい納得の行くような昭和三十年産米に間に合う当面の措置はこうなんだということを、計数をあげて具体的に今すぐできるならけっこうです。今もしできないとするならば、材料を整えて、どうです、あしたとあさってのうちに説明されたら。私はこれを強く要望する。

清井正食糧庁長官

○説明員(清井正君) 時間的な問題のことを申し上げましたが、まず第一の問題は、先ほど来御説明申し上げましたけれども、本年三十年産の米価をきめますときに、まず規格が前提となって米価をきめることは御承知の通りであります。私どもはそのときにいろいろ問題がありましたけれども、前年の規格をそのまま踏襲するということが建前で米価を決定いたしたわけであります。そういう点がございます点が第一点。それから御承知の通り御決議いただきまして、かりにその線に沿うて米価の規格を変えるといたしましても、又法理上一ヵ月の間隔がありますが、時日的に幾ら急ぎましても相当の日にちがかかります。従いましてその問に本年産が出て参りますから、規格の間に混清を生ずることがありはしまいかということを私は申し上げたのであります。従いましてこの規格の問題につきましては、今後引き続き検討を進めて参らなければならぬことはむろんでございますが、本年産の取扱いといたしましては、先ほど来申し上げました通り標準品の取扱いについて十分御趣旨に沿うようにやって行きたいということであるのであります。これを具体的に言へとおっしゃいましても、どれをどうするということは数字的にちょっと今申し上げられないのであります。標準品をきめますのは九月上旬、中、下旬にかけて全国的な標準品と地域的な標準品をきめるわけであります。そのきめる際に、よく規格を見まして、実質的な引き下げにならないような標準品を具体的に選定して行く、こういうことでございますが、数量的にこれを歩どまりがどう、一升重量がどうというようなことを数字的にちょっと申し上げることは……実際の標準品をきめる際に具体的な問題に即してやって行こう、こういうふうに考えておるわけであります。

清澤俊英日本社会党(第四控室・左)

○清澤俊英君 そうしますと、先ほど私が一番先に聞いたように、具体的な規格はずらされないが、標準米でかげんする、こういうことになるよりほかないだろうと思います。説明はそこにおってできないのですか。それば何か言えないのですか。大蔵省か何かの関係で……。まあ言わぬでいいのですが……。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) いや清沢君、そのことは長官はそういう答弁をしておる。ところが片方において払い下げ価格が違うという問題については、あなたの答弁というものは一つもわれわれは納得できないのですが、払い下げ価格が違うということは、一体規格とば違うわけですか。それも規格なんですか。払い下げ価格は違っているけれども、米価決定に当って、規格についていろいろ飯島君からの問題もありますけれども、間に合わんというなら間に合わんとしても、払い下げ価格ば違っているということは、これば一体規格とどういう関係があるのですか。払い下げ価格は今後も地域によって違えなきゃならぬということを米価決定のときに決定をしているのです。あなたの方が不合理だということを認めながら、それがなぜ改訂できぬのですか。これは規格の問題じゃない。それがどうして改訂できないのですか。そういうことをしてはいかぬということを大蔵省から言われたのですか。農林大臣から言われたのですか。自分で不合理だということを認めて、それは時間とか何とかの問題じゃないでしょう。片っ方は標準米において片づけると言いながら、そういう問題になってくると、いきなり答弁をそらされるということはどういうわけなんですか。あなたの方で実情がわからぬなら、検査課長でも、規格課長でも呼んでおいでなさい。質問するというと、その規格の説明ということに答えを持つで行って、価格のことは何も言っていないじゃありませんか。私の方が頭が悪いのですか。

清井正食糧庁長官

○説明員(清井正君) ただいまの御趣旨の点も私も十分……あるいは御質問の趣旨につきまして、了承できない点もあるかもしれませんが、これは先ほど来御説明いたしておりますことを繰り返すようになりますけれども、なお委員長のお話しの点は、十分帰りまして検討をいたして行きたいと考えております。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) 不幸にいたしまして一二年前からその答弁を聞いております。

三橋八次郎日本社会党(第四控室・左)

○三橋八次郎君 今年は規格の改訂はできない、来年度はするというようなお話がございましたけれども、検査は一体これは米の商品的価値全体にわたるような検査が非常に必要なんでありまして、払い下げのときに同じ規格のもので値段が違って払い下げると、こういうようなことは、検査のいわゆる商品価値を表示するというようなことについては全部含まれなければならぬと思うのです。歩どまりの少い地方から生産する米を、その価値通りに買い入れを願うというようなふうに、来年は実態に即したような改訂をする処置でございますか。いかがでございますか。

清井正食糧庁長官

○説明員(清井正君) ただいま委員長の御質問のあった点と同様の趣旨の御質問でございますが、この点私どももいろいろ買い入れ価格と売り渡し価格との間の若干のそごがあることは、私どもこれは認めるのでありまして、いろいろ検討をいたしておるのでありますが、すぐに切りかえるということはできなかったのでありますから、なお、そごのある点につきましては、率直に認めざるを得ない点につきましては、なお十分検討をいたしたいと思うのであります。なお、私ども帰りましてから、その御質問の趣旨につきましてば十分検討して行きたいと思っております。

三橋八次郎日本社会党(第四控室・左)

○三橋八次郎君 従前の銘柄でありますと、食味とか何か関係があるので、現在では不合理でありましよう。しかし歩どまり等で銘柄をつけられるのがこれが一番問題の解決が早いのでありますが、それをもしつけられないとしたならば、そういう銘柄を付することができるような価値のあるものにつきましては、検査の方でその商品的な価値をつけるような検査方法があれば、この問題は私は解決できると思う。いずれにいたしましても、払い下げの価格が違うということは、政府におきましても当然米の価値の違うということを認めておるわけでございます。買うときはその価値を無差別にしておきまして、売るときば政府はその差別をつけるということは、非常にこれは不合理だと思うのでありまして、当然そういう歩どまりの高い、良質の米は買い入れる際に生産者から高く買い入れなければならぬというような措置がなければ、これは公平じゃないと思いますが、そういう措置につきましては、来年度は十分お考えになるつもりでございますか。いかがで、ございますか。

清井正食糧庁長官

○説明員(清井正君) この点、先ほど来しばしばお話を承わった点でございまして、この点につきましても従来からもいろいろ検討いたしたのでありまするけれども、今回は前年通りな取扱いで行こうということに実はいたしておるのでございます。なお御趣旨の点は十分わかるのであります。十分帰りまして、この検討をいたして行きたいと、こう考えます。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) これは幾らやったって、よくわかっていると言われるのだけれども、何かこうわかっていないのじゃないかと思うのでして、もう一ぺん食糧庁の方では内部で御検討されて、この委員会の最終までにあらためてその答えを聞かしていただきたいと思います。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) 次に、米の集荷の件でございますが、これはその実施状況が一体どういう工合になっておりますか。まあ伝えるところによりますと、本年は統計の面でも七千万石を上回るような作況ではないか、こういうようなことが言われておりますが、そういうような作況に当って、食糧庁としては依然として二千三百五十万石というものを目標に集荷をなさるのか、もしそういうことになりますと、食糧庁こそ食糧管理法違反の、少くとも張本人でなくても、幇助者じゃないかというような声も出ておりますので、一体本年の作況をどういう工合に、こらんになっており、またこれに対して集荷の目標というものはどこに置かれようとするのか、また現在の段階はどうかということの説明をお聞きしたいと思います。

清井正食糧庁長官

○説明員(清井正君) 私ども二千三百五十万石の目標を立てまして、集荷団体に集荷を要請をいたしたのでありますが、昨日で二千三百七十八万石ということで、当初私どもが予定いたしました二千三百五十万石を約三十万石程度上回った数字に相なったのであります。なお、これは八月十六日でございまして、なお八月末日まで二週間ばかりありますので、今後相当の数量の申込みがあるものと予定を実はいたしておるようなわけであります。本年の作況につきましては、これまた何とも私どもははっきりしたことは申し上げられないのでありますが、大体においてこの天気でありますれば、相当な生産を見るであろうということが言われますので、従いまして、私どもといたしましては、農家が販売し得る米もこれはまた相当な数量に達するのではないかというふうに考えておるのであります。二千三百五十万石はもちろん配給の所要量ということをはじき出した数字でございますし、大体平年作を一応のめどといたしました数字でございますので、かりにこれが相当の生産量を見ますれば、従って農家の販売し得る数量も相当大幅になるであろうということが考えられるのであります。御承知の通り食糧管理法は現在そのままでございまするから、むろん政府に売却せざるを得ない法律の建前になっておるのであります。過般農林大臣もこの席で御説明申し上げました通り、実際上申し込みの数量を売り渡しても、なおかつ数量が生産者の手元に実際上あるだろうというようなふうな実態が成り立った場合におきましては、さらに申し込みを継続するというふうに考えるということを先般申し上げたのでありますが、私ども同様に考えておるのでありまして、今後どのくらいな申し込みになりまするか見当がつきませんが、その申し込みに基きまして実際上米が生産されて政府に出荷されまして、なおかつ生産者の手元に相当あるということがそのときになりまして実態上推測ができるようでございますれば、そのときに応じまして先般農林大臣がおっしゃいました趣旨によりました措置をとって、政府に集荷をして参りたいというふうに実は考えておるわけであります。

池田宇右衞門自由党

○池田宇右衞門君 ただいまの点でありますが、農家の手元に米があるとはっきりしたときは買い入れる。だれが見ましても、もう本年は一週間なり十日なり、豊作の上さらに進んでおって、相当早場出穂になったと、その点から申せば、もう順次買い上げて、今年こそは進んで予約団体にさらに徹底するような方法をして増産されたものはできるだけ政府が確保して、その政府の確保によってあらゆる食糧問題の安定の根本方針を立てる一番よい時期であると思う。今の御答弁から言えば、余ったときに買うというようなことば、やはりさっき委員長が言われたようにこの際手を打たなかったならば、政府みずからやみ米の横行を助長するというような結果になってくる。おそらくこのままで行ったら、政府は相当予約買付をして、また徹底的に買い上げる方針をとらなかったら、結果はそういうふうに陥りやすい状態がそろそろ出てきている。今こそ食糧問題に対する、ことに米価問題に対するところのほんとうの手を打ち、また当局としてもここはしっかり方針を定めて出発するときである。この際さらに今言う通り余ったら買うということではなくて、この増産したもの全部を政府に吸収する方針をまず立てるという決意があるかどうか、また大蔵当局に対してもその場合には相当融資する道も交渉すべきものであるが、その道も講じておるかどうか、この二つについて、簡単でいいですから。

清井正食糧庁長官

○説明員(清井正君) 融資の点については、まだそこまで話をいたしておりませんが、御趣旨の点につきましては、非常に生産が多いということで、農家の手元に相当米があるということでございますれば、積極的にさらに買い進めて行きたい、かように考えております。

池田宇右衞門自由党

○池田宇右衞門君 その場合は配給の方もそうですが。そういう計画は立てないのですか。

清井正食糧庁長官

○説明員(清井正君) その問題につきましてはなお具体的に数字が出てきましたときに考えて行きます。

清澤俊英日本社会党(第四控室・左)

○清澤俊英君 この点について農林大臣はこう答弁せられたのです。三十一日の予約買付後でも農民が売って出た場合はそのあとでも補正で予約買付と同じものにする、こういう趣旨のことを言っておられるのですが、それをはっきり何か公式に発表してしまえば、補正とか何とか言わないでも自然にうまく行くのではないか。そういう方針を閣議決定か何かで一つはっきり出して行けば、あなたが言う通り余ったものは全部補正で買い上げる方針なんだということならば、めんどうなことをする必要はないだろう。補正とか何とかいうごまかし……ごまかしじゃないが、めんどうなことをしないでも、三十一日の予約買付後といえども申し込みのあった場合には幾らでも取る。これは予約と同じ取扱いをするのだ、こういうことを閣議決定か何かでお講じになるならば、何もめんどうなことをする必要はない。これはもう農林大臣ははっきりと、その点は心配ありませんと約束せられておるのですし、あなたの言うことも結局はそれに落ちつくのだから、そういう御処置をとるお考えになったらどうですか。

清井正食糧庁長官

○説明員(清井正君) おっしゃる通りにするつもりであります。ただ補正ということでなしに、八月三十一日までに事前申し込みの制度は一応切れますが、そのときの状況に応じて引き続き二次、三次というように申し込みをとって、政府に買い上げをする、こういう方針をとるというように大臣は言われましたが、その通り実施しようということを申し上げておるわけであります。

清澤俊英日本社会党(第四控室・左)

○清澤俊英君 だからこれを閣議決定か何かで公示すれば、それで一ぺんで終ってしまうのじゃないか、こういうことです。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) それではこの問題につきましては食糧庁長官石橋をたたいて渡るような答弁をしておられますので、間違いはないと思いますが、ただそういう石橋をたたいて、あとで集めるべき米を政府が集め得なかった、政府が食糧管理法違反の張本人だという世論の非難をこうむらないように、積極性をもって進めていただきたいと思います。これはおそらく国民全体の声だろうと私考えております。   —————————————

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) その次に種バレイショの運賃の件を議題にいたします。  種バレイショの運賃については、今まで特別割引が行われたのでありますが、割引は今後も引き続いて行われるものと思いますが、今年もやがてその時期になりますので、この機会に右に対する当局の方針を確かめておきたいと思います。当局の説明をお願いします。最初に農林省の農林経済局大和田経済課長の方から御説明願います。

大和田啓気農林省農林経済局経済課長

○説明員(大和田啓気君) それでは種バレイショ運賃割引の問題について私から簡単に御報告申し上げます。  実はこの問題につきましては昨年の当農林委員会からの御要望がございまして、従来の割引をさらにもっと農民に有利なように変えるように国鉄と話し合いをいたしまして、昨年におきまして運賃の割引期間を延長いたしますことと、それから従来は北海道産の種メモだけに運賃割引の適用がございましたのを、最近ば内地産のものについても割引を適用いたすようになったわけでございます。ところが今年になりましてまた同様の問題が起って参りましたので、私の方で国鉄の当局とお話し合いをいたしておるわけであります。それで、ただいままでに大体はっきりいたしましたことは、昨年通りの割引を原則として本年もやるということでございます。たとえば昨年と同じと言いましても、国鉄だけ割引を適用いたしまして連絡社線についてはどうかという御議論も国鉄側にあったようでございますけれども、国鉄及び運輸省の御努力によって、昨年同様に連絡社線も割引の対象になるということにほぼ決定しておるように私伺っております。さらに割引の適用期間は従来は九月一日から十二月の三十一日というようになっておりましたが、生産地の事情によりまして、多少は生産出荷の実情が違うわけでございますから、一律に九月一日から十二月三十一日までといたしませんで、多少産地の実情に合わせまして運賃の割引の期間を変えてほしいという要望をいたしたわけでございますけれども、それもほぼ国鉄側でよろしいというようになっておるように伺っております。それ以外、たとえば運賃割引の適用のキロ程の短縮をお願いいたしたいとか、あるいは種バレイショの価格を極力切り下げるために、現在北海道ものについては二〇%、内地産のものにつきましては一五%となっておりますが、これをそれぞれ相当引き下げてほしいという要望もいたしておりますけれども、このキロ程の短縮問題と割引率を引き下げる問題は、国鉄及び運輸省側の問題がございまして、なかなかむずかしいところに至っておるわけでございます。  以上簡単に今の問題につきましての経過を御調明いたしました。

飯島連次郎緑風会

○飯島連次郎君 ただいまの御説明でややこの問題についてのあら筋がわかりましたが、さらに二、三の点について確認しておきたいと思います。  国鉄側で従来生産資材である極バレイショについて特別の考慮を払ってくれたことは、私はこれはきわめて食糧確保の上からこれはありがたいことでありまして、私ども食糧の自給度の向上を掲げて努力をしておるものとしては、非常に感謝にたえない措置だと思っております。先ほどの経済課長の御説明にもありましたが、バレイショの問題に関しましては、私ども日本全体の食糧事情等からいたしまして、北海道あるいは高原地帯の生産する種バレイショが、平坦地あるいは中部地帯に参りまして、その地帯で生産した種イモに比べていかに多くの増収の効果をあげておるかということは、もう農民周知の事実でありまして、ただこの点については、もうよく知れ渡っておりますが、いかんせんまだ若干種イモの価格が高いという、そういう非難といいますか、不満があることはこれまた争えない事実なんです。そういう観点から、私は何とかして種イモの価格を引き下げて、そしてせっかく要望しつつも、まだこういう優良な種イモを買えないという農家にまでこれを均霑せしむる必要があろうと考えるのであります。そういう考え方から二、三の点をさらに私は質問したいと考えます。  その第一に、先ほど説明もございましたが、せっかく特別割引を行なっていただく上は、この恩典を全国に均霑せしむるということが、私どもとしては非常に望ましいと考えますので、産地から搬出をされるものについては、すべてこの特別割引を適用してほしいということが第一の要望であります。この点については先ほどの説明でもまだはっきりしていない点がありましたが、従来に比べてもう一歩この点を前進して、特別割引を、管外に出たものにはすべて適用せしむるというふうな、そういう考え方はございませんか。

豊原廉次郎日本国有鉄道営業局貨物課長

○説明員(豊原廉次郎君) 種イモの割引の範囲の拡大でございますが、今の種イモの重要性またその価格を引き下げることの必要性というようなことは、私どももよくわかるわけでございますが、何分にも国鉄の財政状態というものは、御承知のように非常に苦しい状態にございます。今の割引措置をやっておりますものはほかにもいろいろあるわけでございますが、今年度におきまして、今までよりも割引の範囲の拡張をし、従って割引額がふえるという措置につきましては、本年度はきわめて困難でありますので、昨年通りの割引、まあ多少先ほど経済課長からもお話のありましたように、割引の期日その他を実情に合わせるということはやるわけでございますが、すべての産地から出るものを距離の制限なく割り引くということについては、きわめて困難であります。

飯島連次郎緑風会

○飯島連次郎君 私は距離の制限なくとは申さぬ。管外に出たものについては、こういうこと言っておる。そこに一つの条件がある。私の聞くところでは、たとえは北海道なら北海道のものが道外に出る場合とか、あるいは御承知の通り内地における極バレイショの主産地は長野、群馬を初め、西では岡山等数県に及んでおりますが、こういうものが県外に出る場合、道外に出る場合に、これを一つ特別の割引条件に適用せしむるということによる国鉄側の損失というか、それによるマイナスはきわめて微々たる額であるということを聞いておる。それにもまして、そういう特別運賃の適用を管外、あるいは県外に出たものには大体適吊せしめるということはおのずから一定の距離が出てくると思うわけでございます。その辺は農林省と十分一つ御協議の上にきめていただくことがけっこうだと思いますが、そういうことによる収入減よりも、そういうことをもし今年実施していただけば、そのことによる需要増は、私は収入減をはるかにこれはオーバーすることを確信をし、なおそのことによる増産の効果というものは、これはきわめて明瞭でありまして、期して待つべきものがあると考えるわけであります。そういう見地からこういうことを私は考えるのですが、この点はあまりしゃくし定木に、目先そろばんだけをはじかれないで、やはり大国鉄でありますので、今後のこともお考えになって、そこいらについては周到な考慮をお払いになる方が適当かと考えるのであります。その点につ  いてはあまりここで簡単に、できませんというふうな割り切り方をなさらないで、もし即答がむずかしければ、もう少し、もう二日間もありますから、もう一度御検討の上で私ども要望に沿えるような御回答をいただければ仕合せだと考えるのであります。この点をもう一度お尋ねしておきたい。

豊原廉次郎日本国有鉄道営業局貨物課長

○説明員(豊原廉次郎君) 先ほど私距離に制限なくと申しましたのは誤解でございまして、県外移出というような点からある程度の距離の制限はある。それによる割引額の増加というものはどのくらいになるかということにつきましては、詳しく計算してみたことはございませんが、仰せのごとく国鉄全体から考えますればそう大きな額ではないということは申せるだろうと思います。それから仰せのような増産の効果というようなものも期待できるということも了解できるわけでございますが、北海道と内地との間の輸送の状態というものは、御承知のように非常に輸送力がなくて詰まっているというような状態もございまして、そこを通る貨物の一部について割引をするということにも多少の問題がございますのと、また割引をしております貨物の種類は非常に大きな数に上っておるわけでございまして、今年度におきまして割引の範囲を拡大するということが、これのみにとどまるというような、これのみの、種イモについては拡大するが、ほかのものについては絶対拡大しないというようなことも非常にむずかしい問題でございますので、それらの点を考え合せますと、もしも国鉄が今これについて割引の範囲を拡大いたしますことは、問題が少し大きくなりまして、金額もこれだけを考えるというわけに参らないと考えますので、もちろんおっしゃいましたようにさらに検討はいたしましても、私といたしましては非常に困難な問題だと思います。

飯島連次郎緑風会

○飯島連次郎君 それでは私はこれ以上追及いたしませんが、今の割引キロ程の算定の問題については、たとえば一案を出せば、北海道と内地間は従来千四百キロ以上、こういうことだったのを、かりにこれを半分の七百キロにした場合に、一体どの程度の収入減になるか、それから内地の場合には、従来五百キロということであったようでありますが、これをかりに短縮して二百五十キロという、こういう計算の根拠をとった場合にどうなるか。それらの収入減と需要増とを見比べた場合に、私はやはり独立採算制に立っておられる国鉄とされては、そういうふうなはっきりしたこの計数に立脚しての一つ御検討をいただいて、そうしてこの割引運賃の適用キロ程に関する問題についても、農林御当局と十分御連絡の上で一つわれわれに回答いただけば、われわれも具体的に納得できると思いますので、この点について何か御案がありましたら、一つお聞かせをいただきたい。

豊原廉次郎日本国有鉄道営業局貨物課長

○説明員(豊原廉次郎君) 割り引くことによって輸送の需要増があるということの算定ば、非常に困難であると思われますが、需要増をどう見ますかという問題がございますが、今おっしゃいましたように、北海道を七百キロ、内地を二百五十キロ、こういうふうにいたしました場合の割引額の増加というものは、今種イモの輸送計画というものから見ますと、三百万円緯度ではないかと存じます。

田中啓一自由党

○田中啓一君 私どもも一つぜひ今飯島委員の要請いたしましたように、距離についても短縮をし、まあ県外移出のものはぜひやっていただきたいと、こう思うのでありますが、その趣旨は、まあ日本の今後の農業の発展の非常に有望な、ぜひ力を入れて開拓して行きたいという方面を見ますと、寒い所ではあり、内地では高冷地である。しかもそういう所から、暖くて病気になりやすくて種を作ることに適しない所へ向っての種の供給地になる。これは非常に私は大切なことだと思う。今おそらく百姓、そういう北海道とかあるいは高冷地の——まあ北海道も高冷地ではありますが、高くなくても冷地でありますから——種を使えば、確かにいいものがよけいできることはわかっておる、病気の危険のないことがわかっておりながら、とにかく一俵千何百円かかるのであります。しかもジャガイモというのは、米のように種の何百倍というようにできるというものではない。せいぜいよく行っても二十倍、私たちが作ると十倍くらいにしかならない。ですから下手をすると種代が取れぬというような結果を生むものなんです。でありますから使いたいが使えない、こういう状況なんですね。でありますからその種を安くしてやればよけい使うであろう、そういうことを飯島さんは言ったと思いますが、私どもまことに同感だと思うのです。でありますから、その運賃を割り引くことによって、どの程度輸送量がふえるかということの計算が非常にむずかしいというお話でありましたが、これは確かに今年もうここまできてしまって、今年それではどれだけふえるかと言われても、それはちょっと準備が整いませんから無理だと私は思います。ところが今年やっておいていただきますれば、来年は相当にふえるであろう、種の需要がですね。つまり百姓が種にしておるうちの何割が、よそから買い込んだ種バレイショを使っておるのだということを、農林省で計算していただきまして、ぜひとも一つ種バレイショの輸送量というものを増加……、まあ鉄道は難儀でありましょうけれども、よけい働いてよけい儲けるという原則に立っていただいて、そうしてこの問題をいい方に進めていただくということを私はぜひお願い申したい。  それからこの際あわせて一つ御注意を喚起いたしたいと思いますのは、この野菜、青果の運賃なんです。今年など非常に野菜、青果も大豊作で、非常に安い。これは去年までのように、野菜や果物が、肉や魚よりも高いというような状態から一転しまして、半値以下だということはいかばかり都市における消費者の生活というもの豊かにしたか私はわからぬと思う。青果なんか三倍食ってしまいましたよ。値段はそれは半分くらいのものなんですね、去年の。だから野菜、青果というものが三倍ふえるということば、それはとてもいいことなんです。ところが値段がだんだんこう下ってきますと、半値以下に……、そろそろ物によりますと、もともと安いものですから、を払うともう残らぬという現象で、きょうも池田委員の話を聞きますと、おれの方ではいいナスビや、キュウリや、白菜等があるけれども、運賃が高いから東京には送らぬのだ、あほらしいから積んで置くのだという、こういう話で、実にもったいないですね。でありますから、これも私は今ここに詳細なデータは持っておりませんです、御説明するような。しかし傾向だけは多少よく知っておるつもりであります。だから農林経済局とも一つ御相談を願いまして、どうも野菜、青果というものは、運賃を下げるわけにはいかぬ、あるいは材料ならば下げるというような便法でも講じていただけぬか。そうすると、あまり東京へ送り込めば、ますます下るという現象にもなるのですよ。なるけれども、食おせた方がいいと思うのですね。産地へ置いておくよりも……。そう家畜だって急にキャベツを食わしておくわけにはいかぬのですからね。でありますから、何か弾力性のあることでもまず取り上げてお考え願うとか、要するに消費者の買う値段の中に運賃をどれだけ含むかということを、一つ十分御検討願いまして、大方運賃だけじゃないかというようなやつは、運賃をどうしても下げていただいて、そうして何といっても都市の食生活というものをなるべく安易に安定するということが、まあ何ぼか私は経済再建の基礎になる、国民生活安定の基礎にもなり、物価を引き下げて、そして再建政策の基礎になると、こう思うのであります。でありますから、結局よけいまあ難儀州、けれども、運賃は安いけれども、運賃を五割下げて、五割よけい輸送すれば、それでおれの方は働く方だけはただ働きだということでも、しかし収入面の方ば一応経営面だけはカバーできるというようなところに一つ着眼をして、このバレイショのさしあたっての運賃問題を御解決願うとともに、あわせて一つそういった野菜、青果一般につきまして、これも高いもの、安いもの、いろいろ、ございますから、要するに運賃が大部分だというやつの運賃を下げる、こういうような点に一つ御処置を願いたいということをお願いしたいのです。もし御所見がございますれば、運輸省と両方から伺っておけば大へんよろしいと思います。

大和田啓気農林省農林経済局経済課長

○説明員(大和田啓気君) ただいまの野菜、青果の運賃一般の問題につきましては、青果、これはいろいろなものがございますのでちょっと別でございますけれども、ことに野菜につきましては、仰せのような点がもちろんあると存じますが、現行の運賃におきましても生活必需品というような見方から、最大限の考慮をいたしているつもりでございます。これは国鉄運賃の体系の根本に触れて参りますので、将来また十分な研究はいたしたい所存であります。臨時的なものにつきましては、多少の、今おっしゃいましたように割引率増送ということのかね合いで、地域的に考えているものは、もちろん御承知と思いますが、やっているわけであります。これらの点につきましては、まだ具体的な問題でございませんので……。

飯島連次郎緑風会

○飯島連次郎君 次に、割引運賃の適用期間について先ほど御説明がありましたが、各産地の実情に適するように、従来よりももう少し幅を広めてほしいという要望が非常に強いのであります。これは輸送能力その他に関係があることと思いますが、こればできるだけ各産地の実情に即するようにしていただきたいということが、これが一点、もう一つは、運賃の割引は従来のように国鉄、あるいは国鉄と社線、あるいは社線相互間、こういうものにも従来通り割引率か適用できるものとして考えるわけでありますが、この点についての鉄道側の所見を伺いたいことと、それから要約して第三点は、割引の率を従来ば北海道が二割、これは特別割引を含めて北海道が二割、内地が一割五分ですか、こういうことであったようでありますが、冒頭申し上げました趣旨にかんがみて、特に種バレイショに関しては従来よりも一歩進めて割引率をもう少し高くしていただくということが生産の増強にもなるし、使いたいけれども価格が高いために使えないという潜在需要者に対する、これは非常に大きな、何というか、市場の拡大になることだけは明らかでありまして、この点についても格別の御審議をいただきたいと、こう思うわけでありますが、この三点について特に鉄道側の御意見を承わりたいと思います。

豊原廉次郎日本国有鉄道営業局貨物課長

○説明員(豊原廉次郎君) 第一の割引の期間の問題でございますが、これは、昨年は九月の十五日から十二月の十四日までの三カ月間を、内地産のものにつきまして、年内だけでは不十分であるというお話もございますので、その点につきましては善処をいたしたいということを考えております。  第二の私鉄との関係につきましては、私から申し上げますよりも、運輸省の監理課長が見えておりますのでそちらの方から……。  割引率の増加につきましては、先ほど申し上げましたような実情でございますので、御承知のように国鉄も非常に困っておりますので、割引額が増加するという点につきましては、今年度から実施するということは御容赦をお願いいたしたい、こういうことでございます。

坪井爲次運輸省鉄道監督局民営鉄道部監理課長

○説明員(坪井爲次君) 連絡社線の運賃の割引でございますが、これは国鉄と違いまして、経営の基礎も相当脆弱であるので、まあ、いろいろと問題はあるわけでありますが、従来とも貨物運賃につきましては国有鉄道と同一歩調をとるよう指導しているわけであります。ただ、この割引によって著しい影響を生ずるおそれのあるものについてはということにしまして、原則として……。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) それじゃこの問題につきましては、飯島委員からいろいろおっしゃったことを、今後も当局とされましても十分検討していただきまして、その趣旨に沿うように御努力を願うことにいたしまして、この程度にいたします。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) 次に小作料の件を議題にいたします。この件につきましては、かねて問題になっておりまして、農林省における小作料対策協議会の答申も行われたようでありますから、本日は右協議会の経過及び結果ならびに農林省における今後の方針等につきまして説明を求めることにいたします。

立川宗保農林省農地局管理部長

○説明員(立川宗保君) お手許に資料を差し上げてございますが、この小作料統制の目標及び算定方式についての意見、小作料対策協議会、昭和三十年八月十一日という、大体この資料に基きまして経過を申し上げたいと思います。  小作料対策協議会は農林大臣が委嘱しました九人の先生方、すなわち我妻栄、東畑精一、近藤康男川野重任、大槻正男、大川一司、馬場啓之助、大内丈、宍戸寿雄、以上の九先生か組織をされましてメンバーとなられまして、七月の八日から実体的な審議を始めていただきまして、そうして八月の九日まで、四回の委員会と一回の小委員会で討議を重ねられまして、八月の十一日に、お手許に差し上げておりますような意見が、この協議会の結論として農林省に提示をされた次第であります。  そこでこの内容を簡単に御説明申し上げますと、農林省からこの協議会に意見を求めました点が二つございまして、一つは小作料統制の目標と申しますか、あるいは統制小作料の政策と申しますか、そういったような問題が一つ、それから第二は統制小作料の算定方式、農地法二十一条に小作料の基準を定めることになっておりますが、それの前提となりますところの算定方式、これを意見を求めたわけでありますが、それに応じまして、その二つに区分されて意見が出て参りました。  さて、小作料統制の目標でありますが、これについては五項目に分けて意見が提示をされたのでありますが、第一は農地改革は自作農創設を一つの目標とした。ところが全部が自作農地化せずに小作地が残っておる。そこでこの小作料の統制の見地から申して、小作地の耕作者についても、自作地の耕作者と同じような利益を与えるというような見地から考えるべきであろう。第二には、この小作農であると自作農であるとを問わず、農業者一般について申せば、それは単なる経済的に賃労働者というような性格に甘んずべきではなくて、小生産者として育成して行くということが必要である、つまり労賃収入以上のものが農家の収入としてあるべきであるというのが第二の点であります。  さて、その労働収入についてでありますが、これはいろいろ先生方が研究をなさったのでありますが、戦前は御承知の通り小作料が相対的に高かったのであります。そうして農地価格もそれに見合って高い価格があったわけでありますが、それはたまたま農民が自分の労働を非常に低く評価いたしまして、そうしてその前提のもとにそのような小作料が成り立っておった、こういう工合にこの委員会では判断をされたわけであります。農地改革はその点から申せば、この小作料を正常な地代にまで引き下げるというのが方針であるのであって、従って現在、農地改革以後の現在におきましては、農民の労働収入の評価は、少くとも都市の工業労賃と見合うものでなければならない、その程度に農民の労働を評価するということで考えられねばならない。そうして小作料の統制につきましては、統制の意義が議論をせられましたが、それはやはり現在統制は必要であるということが御意見でありました。  さてその次は、その算定方式に若干関係が出て参りますが、小作料を計算いたします場合に、収益計算方式を考えておるわけでありますが、その場合に、前提になりますところの小作農の農作物の収量でありますが、これは普通の平年の収量を前提といたしますけれども、その平年の収量にやはりある一定の変動の幅があります。減収の誤差があるわけでありますが、減収加算がつけられる程度の減収になりますならば、そこで減収加算という形で収入が裏打ちされますけれども、減収加算がつかない程度の減収であっても、なおかつ小作農の経営が安定をするような前提において平年の収量を見なければならない、こういうことが意見として出て参ったのであります。それから最後に全員の意見ではございませんでしたが、小作地を現在では積極的に残さなければならないという必要はない。小作地が残って、おるということは土地取り上げが生じたり、やみ小作料が出てきたり、その他好ましくない事情が起るのであるから、政策としてはむしろ小作地を漸次減らして行くということを強く考えるべきであるという意見がございましたことを明らかにしてあります。  さて次に算定方式に入るわけでありますが、以上のような前提に従いまして、農地に帰属せしめ得る地代の限度をどういう工合に把握するかということを計算を一いたしたのであります。それは一つの収益計算方式というものでごいますが、これは文字でここに書いてございますけれども、便宜数字につきまして御説明を進めたいと思いますが、四ページの表、これは一つの参考表でありまして、正式には算定方式の抽象的なものが意見といいますか、答申でありますけれども、それに基いて計算をするとこうなる、こういうものでございます。これは最近の作柄の安定をいたしておりました年と考えられます二十七年、昭和二十八年、二十九年はともに減収加算がつきましたような不作の年でありましたので、昭和二十七年をとりまして、その二十七年をペースにして一二十年の計算をやったというのがその方式であります。  まず収入から利潤を引いて土地収益を出す、こういう方式でありますが、その収入のつかみ方は平年の反収の二石二斗一升というものから先ほど御説明を申しました減収加算がつかない程度の減収額、すなわち四・九%の収量を落しまして、つまり従って二石一斗という数字になるわけであります。そこでその二石一斗の米を販売に回すものと自家消費分とに分けまして、販売分は先ごろきまりました昭和三十年の農民の手取り米価で計算をいたしまして合計一万二百六十八円という数字が出て参ります。それから自家消費の分は消費者公定価格、消費者米価から中間経費を差し引きまして、その中間経費を除いた原価、それが石当り九千二十五円、一等から四等米までの平均裸価格でありますが、それを単価といたしまして自家消費分一石六升に乗じまして九千五百七円を得ます。さらに副産物を加えまして収入合計が二万一千九百六十七円。  次に生産費用でありますが、これは昭和二十七年の生産費調査、先ほど申しました昭和二十七年の価格に、物材費につきましては経営部門のパリティ指数の昭和二十七年から三十年までの伸び方でもって調整いたします、ふくらまします。それから労働費等につきましては、これは都市の工業労賃でもって二十七年の生産費をもとにいたしました労働費を換算いたしまして、それに労賃の上昇率を掛けまして、二十七年から以降の上昇率を掛けまして数字を出す。かようにいたしまして、資本利子、租税公課を加えた費用が二万四十一円。  そこで以上収入から支出を差し引きますと、千九百二十六円、これは反当りであります。それから利潤につきましては四%を押えましで、これを差し引きますと、土地の収益が千百二十四円という数字が出て参ります。  さて以上のような考え方でやりましたこのやり方がこの算定方式のa、b、c、d、eのところまで抽象的な文句で書いてございます。さてこれがいわば基本になる土地の収益計算でありますが、この参考表としてもう一つ計算がございます。これは六ページの別紙2というところであります。この六ページの計算はどういうことかと申しますと、現在統制小作料の基準が五百二十五円、反当五百二十五円になっております。ところがこれは昭和二十五年にきめたのでありますが、この二十五年のときにきめました五百二十五円の基準統制小作料は、二十四年産の予算米価を基礎にいたしております。それが反当り四千四百三円であります。ところが昭和三十年の手取り米価は九千八百七十三円に相なりましたので、その間の米価の上昇率で五百二十五円というものをふくらましてみますと、ここにありますような掛け算をやりまして、答えが千百七十六円というように出て参ります。  さて、本文に戻りましてf以降でございますが、以上のような前提で小作料の算定方式を考えたのでありますが、これに土地による等級差をつけなければならぬ、いい土地はやはり周く、悪い土地は安くということをつけなければならない。で中には、統制小作料の性格を、一本小作料という工合にして、一つ全国一律に、もう一本でいい。これがもう一番上だということで、単純にただ一つの金額を出す方がいいじゃないかと、こういう御意見もございましたが、多くの委員の方々の御意見は、やはり差をつけた力がよかろう、こういうことで農林省が二年前以来やっておりました土地等級調査を一応とって、それでこれに基いて基準小作料から上下の格差をつけた方がよかろう、こういう御意見がございます。最後にgのところでありますが、これはこういう御意見が出たわけであります。  以上計算をされましたこの土地収益、つまり先ほどの数字で申しますと、四ページの数字では反当千百二十四円というこの数字でございますが、これは小作料として認め得る最大限である。そこでこれまで統制小作料の改訂をするということは、しない方がいいのではないかという御意見であります。で、それはこの辺は全員の御意見ではございませんが、こういう御意見があったということを明記をしてございますのは、以上のような小作料統制の見地に立てば、現行の小作料よりもこの答えとして出した小作料は上るが、そこまでは認め得るという理論上の計算になるけれども、それまで小作料を上げないで、その余裕分を農業経営の中に保留をして、農業経営の改善のために必要な投資に充てたらいいじゃないか。で、そういう見地から先のように出ました千百円何がしというようなところまで基準の小作料を上げない方がいいということにもなろうかという御意見が一つ。それからもう一つは、昭和二十五年以来の土地収益を以上のような方式でいろいろ計算をして参りました。年によって多い年も少い年もいろいろ出て参りますが、大体二十五年から多少不規則ではありますが、二十九年ぐらいまではどうやら減って行く傾向にある。かつまた年次間においても安定を欠いておる。つまり不規則である。一本でずっと下るという傾向が二十五年から三十五年まで通してあるわけではない。また一本でぐっと上るという傾向がその年間にあるわけではない。不安定でありますから、小作料を土地収益限度一ぱいに上げることは適当でないだろう、こういう御意見もありました。で、具体的にはここには表示されておりませんが、このような御意見からは現行の全国の最高反当六百円、基準が五百二十五円というこの現在の統制額は、そのまま据え置いたらよかろう、これを引き上げるという必要はないではないか、こういう御意見が展開されたわけであります。以上のようなことでこの協議会の御意見が出て参りました。で、以上に基きまして現在では農林省といたしまして、これをどういう工合に取り上げて、どういう工合に決定をするかということを今内部で検討中でございます。まだ全然結論には到達しておりませんが、このような御意見を大いに尊重して、これを前提として考えて行こうじゃないか、こういうことで目下作業及び討議をいたしております。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 ちょっとこの資料についてまず二、三補足説明をお願いしたいのですが、四ページですね、個々の生産費のところの中の労働費の一万一千四十六円、これの単価はどうなっておりますか。

立川宗保農林省農地局管理部長

○説明員(立川宗保君) 五ページのところにございますが、昭和二十七年の生産費を三十年に評価がえするための資料でございますが、労働費といたしましては雇用労賃、これは現実に昭和二十七年の米の生産費調査で出て参りました七百六十三円をパリティの上昇率で計算をいたしますと、三十年度七百九十六円になります。それから二十七年の生産費調査に現われて参ります家族労賃、これは男女平均の労働時間が百七十一・六時間ということになっております。で、このときの昭和二十七年の都市の工場労賃では時間当り四十八円十四銭ということになっております。ところが三十年までには、この三昇率ということに出て参りますように、都市の工場労賃の上昇は二四・〇七%の上昇をいたしました。それでこれを調整をいたしますと、時間当りの三十年の労賃は五十九円七十三銭になりますので、この一万二百五十円という金額が出て参る次第でございます。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 それからもう一つ三ページですね、三ページのgの中の一と2というのがここに出ておるのですが、このiiとiは若干意味が違うようであって、第一の方は少数そういう意見もあるというのではなく、全体の意見が一致しておるようにこの文字だけを見て行きますとそういう感じを受けるのですが、で第一項の方は結局意味は、何がしの出てくる余剰、その一部を小作料とすべきだ、こういう結論だろうと思うのです。それから第二の方は、そういう考え方をもっと強めて現状のままでよろしいというような意味が幾らか加わっておるというようなことで、若干何か意味が違う、説明等も照し合せますと違うように思うのですが、そうして第二だけが全会一致の意見でないように読めるのですが、もう少し詳しく御説明を願いたい。

立川宗保農林省農地局管理部長

○説明員(立川宗保君) お説の通りiとiiは多少ニュアンスは違いますが、iの、方はもう一ぺん御説明を申し上げますと、以上で計算された土地収益は許容し得る最大限度だ、だからそこまで取ってもいいし、取らないこともできる。そこで取らないという場合に、たとえば余剰分を経営の中に留保をして、そうして必要な投資分に充てるのだというような見地を強く考えるならば、限度一ぱい取らないということにもなろう、こういう意味でございます。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 それでそのことは全会一致でしょう、この第一の点は。

立川宗保農林省農地局管理部長

○説明員(立川宗保君) 「ことにもなろう。」という意味においては、大体大方の御意見の一致があったのだと考えております。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 資料についての直接の質問はその程度にしておいて、そこで私がお聞きしたいのは、農林省としては鋭意検討中だ、こういうふうに今部長の方から言われたのですが、こういう計算の仕方の大綱ですね、こういうことは大体承認されておるのでしょうか。どの点を検討中なのか……。

立川宗保農林省農地局管理部長

○説明員(立川宗保君) この収益計算の方式という、こういう考え方、これはおおむね妥当な考え方ではなかろうかというように私ども考えております。そこでまあ計算の方式はこのような方式でありますが、あとそのいわば計数の問題はなおいろいろ議論がございましょう。ここに備考のところにもいろいろ書いてございますように、このもののとり方についてはこれ以外の考え方はあり得ないかというと、それ以外の考え方もあり得るわけでございます。そこでまあ検討と申しますのは、一つは土地の収益の限度として、たとえば千百円程度というものが妥当な程度であるか、あるいは多少それを動かす方がいいかということが一つと、それからもう一つは、基準を何円なら何円、X円ならX円と置きまして、その上下の格差をいかようにつけるかという点と、この二つに検討の焦点がしぼられるということでございます。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 私の意見は、やはりこの問題は同じ二点ですが、一つの点はやはり生産費の内訳、私ども全体の考え方、構想というものは、こういうことも相当いいというふうに考えるのです。ただ具体的にどの年度のどういう数字でこれを具体化して行くかということになりますと、これは相当問題があろうと思うのです。ことに労務費等については、私はもっと慎重に検討すべき点があるのじゃないかと思っているのです。それと、それからその点はだれがこの方式を使うにしても同じことだと思うのですが、もう一つやはり重要な点は、先ほどちょっと質問をいたしましたgの点ですれ、ここに委員の人たちの若干今後の取扱いについての考え方がここへ出ているわけですが、農林省としてはこの点についてはどうお考えになっているのか。ほかの統計をつけるとか具体的な数字をどうするかということは別として、一たん出てくる線ですね、このやり方で計算して一千何がしというものが出る。じゃ筒一ばい取るべきだというのかりあるいはそれは危険だという考えか。危険なケースの一番極端なのは、もう現状のままでいいというところにくるわけですが、あなたの方としては、それはどういう考えですか。

立川宗保農林省農地局管理部長

○説明員(立川宗保君) それは非常に重要な点でありまして、まだどうも簡単に結論を出しかねておりますが、この御意見のところにもありますように、全員大方の御意見が大体このようなことであろうという御説明を申し上げましたが、それは引き上ぐべきでないという断定的なことで一致しておるわけではなくて、このような見地に立てば引き上ぐべきでないということにもなろうと、こういう御意見であります。その辺のことをよくかみ合せて、亀田委員の御指摘の通り、この委員会の御意見は非常に私どももりっぱな御意見であろうと、こう考えております、これを十分尊重いたしまして、これを基礎にして、すみやかに結論を得たいというように思っております。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 よくそれは一つ御検討願いたいのですが、せんだっての二十二国会中に、小作料の問題はきわめて重要であるから、具体的に農林省の意見等をきめる前には、いろんな農林省が集めている資料も提示したいし、また御意見も拝聴したいという意味の意思表示があったのですが、私はそこで対策協議会の専門家の人たちが出されたいろんな意見ですね、これば速記録のようなものでなくてよろしいのですが、これはもう項目的にわれわれがわかるようにしてもらえばいいのですが、重要な点についての考え方ですね、そういう点、ここに整理して出していただければ非常に参考になると思っておりますが、その点はどうでしょうか。

立川宗保農林省農地局管理部長

○説明員(立川宗保君) 速記録をとってございますので、非公開ということでございましたけれども、ただいま亀田委員が御指摘のように、非常に今後の農地政策を考えて行きます上に大事な御意見がここに直接出ておりません項目につきましてもあったわけであります。またここに出ております項目につきましてもさらにもつと、何といいますか、詳しい御意見があったわけでございます。それを、今お話のように何かの形で取りまとめまして、協議会の皆様のお許しを得て、何か公けにするというようなことをいたしたいと私は考えております。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 それからやはり資料の一の小作料統制の目標の中のeで、小作地をだんだん減らすという方向を強く考慮すべきであるという意見もあった。これば一部の意見として書かれてありまするが、しかしこれはむしろ農林省の方針としては、いろんな農地法の建前なり、あるいはいろんな予算等を見ても、農林省としては確定的な意見であるということに私は断言できると思うのですが、これはどうでしょう。

立川宗保農林省農地局管理部長

○説明員(立川宗保君) 農林省の方として小作地をふやして行こうという考え方は毛頭持っておりません。けれども小作料を固定させることによって小作地を減らそうという考えも、少し極端かという気がいたします。それで小作地を処理いたしますのにつきましては、いろいろ処理の仕方があると存じますが、その辺ばよく農地政策の方向として検討をいたしたいと存じます。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 ちょっと不明確なんですが、ここのeで書いておるのは、何も小作料を低くして地主をいじめて小作地をなくしよう、そういう言い方では書いてないわけであります。全般的に考えて、政策としてはやはり小作地を漸減せしめる、こういう考え方がここへ出ているわけであります。私はこの程度のことは学者の間ではなるほど意見がいろいろありましても、農林省の今の立っておる政策の上からいっては、これくらいのことは農林省の政策だと言えるんじゃないのですか。しかし小作地を減らすという方向については、こんなもの何も予算が出ていないわけですね。それくらいのことは学者問では少数の意見であっても、官庁としては絶対的な方針だ、それくらいのことははっきりしておるのじゃないですか。念のためにこれば聞いたのですが、愚問かもしれないのですけれど。

立川宗保農林省農地局管理部長

○説明員(立川宗保君) 小作地をふやして行くというつもりはもちろんないわけでありますが、小作地を減らすという、これは政策でありますから、減らす場台の減らし方、減らすやり方の問題であります。それで、問題は小作料統制の目標ということでここに出て参りますので、どうも小作料と結びつく。そこで小作料をてこにして小作地を減らすということば、ちょっと行き過ぎではないかというように率直に思うので、一般的に小作地を減らすなら減らすというために、どういう政策をとるかということについては、まともによく検討いたしたいと考えております。

清澤俊英日本社会党(第四控室・左)

○清澤俊英君 関連して。これはいかなることが書いてあるのか。「農地改革顛末概要」の百二十四ページヘくると、「一町歩の保有地は、地主擁護の立場からではなく、小作人保護の立場から定されたことである。即ち、『平均一町歩の農地で日本の家族の生活は維持されると思う。小作制度を全面的に廃止しようとするのは、いささか性急で、もしも小作人が存在する限りは、彼等は家族を維持するに足る面積で働く権利を持つべきだ』と。ここで考えられた地主、小作の関係は、単純な一地主対一小作の関係であろう。若しも保有限度が五反歩であるならば、小作人の経営面積も亦五反になると前提されたと思える。一町歩の残存小作地の小作人が数人あり、一町歩の小作人が数人の地主から小作している形態は氏によって容易に理解されなかったのであろう。」こういうふうに書いてあるのですが、これから見れば、結局全部を小作地に解放するために、五反歩百姓のようなものが存在することをなくするために、一応地主にこれを保管せしめた、こう説明しておられる。田辺さんにしいてここのところを聞いたら……。そうすると、土地改革のときすでに今亀田君がお伺いしております通り、農林省の方針は一町歩の保有地を持ったことは、これは将来地主とした持たすべきものではなくして、地主、小作の関係において、将来五反歩等の農民が正当化するために残された。ですからここに答申にあるがごとく、順次これを解放して正当な小作農を作る方向に持って行くという考え方が正しいのではないかと思うのですが、それを基本に考えられて行けば、また結果として小作料決定の基準も違ってきはしないか。と申しますことは、この小作料の中に六百二十七円という税引き土地収益というものが計算せられている。さきに言ったような建前のものであれば、こういう収益というものは考えないでいいのではないか、損害さえ与えなければ。何かまだこの決定以上に、新聞などを見ますと、千四百円ぐらいにまで引き上げようかとの審議が農林省内に進められているというようなことを聞きますとき、わしらは非常に心外という言葉はどうもおかしいと思いますけれども、どうも何かそこにいろいろ現実的な圧力が加わっているのではないか、こういうふうな考え方をしますが、その点どうなんでしょう。私ははっきりしているのではないかと思う。亀田さんの今の御質問に対してはっきりしたものがこの「顛末」の中に出ているのではないか。

立川宗保農林省農地局管理部長

○説明員(立川宗保君) 「顛末」は一つの歴史的な文章でございますから、公式に農林省の意見を表明したものではない点がいろいろございますから、それと一応離れまして考えますと、小作地を漸減させるというここの打ち出しでありますが、漸減させるさせ方、そのための政策がやはり非常に大事だと考えるわけであります。それでどういうような政策で減らすなら減らすということを考えるか。現在のいろいろな農地政策の基調あるいは現在の社会的な条件からいって、こういう政策は考えられるとか、こういう政策はどうもちょっと無理だろうというようなことがあろうかと思うのであります。そこで小作地が自然に減って行くというようなこと、これは現に農地改革以降毎年々々小作地は現実に減っております。このような傾向は決して憂うべき傾向ではないのであります。そこでそのような一つの目標に向って、摩擦なく事柄が進んで行くというようなことは、大変けっこうかと思いますが、それを減らすなら減らすという政策を立てて、どうでも減らすという、こういうやり方を考えます際には、いろいろ問題が出て参ろうかというような気がいたしますので、その辺は非常に農地政策の基本をなしますために、多少はっきりと申し上げられない、非常に重大問題でありますので、いろいろ研究をさしていただきたいと、こういう工合に申し上げておるわけであります。

清澤俊英日本社会党(第四控室・左)

○清澤俊英君 何か聞いておりますというと、日本の農政の基本とも言われる農地改革の当初の考え方がその後変ってきているように私は聞きとれる。これはただ歴史的な一つの筋道だと、こうおっしゃるところに私は不満がある。あなた方が少くとも今次の農地改革というものに対する所管的な観念とでも申しましょうか、は、大体この農地改革は画期的な非常によかったものだ。従ってそれに従って推進すべきで、一歩もあと戻りするものではない、こうお考えになっておるものだったなら、そういうような問題は出てこない。初めからきまった通りずっと進んでいいんじゃないか。河野農林大臣があなたのようなことを言われるのなら幾らか話はわかるけれども、少くともあなたの年輩で、農林官僚として、あと戻りをして行くという話をちょっとお伺いすることにつきましては、じくじたるものがある、こう考えるのですが、それは大臣はいろいろ世故にもたけておるのでありまするから、少しくらいのあと戻りは考えられるかもしれませんが、少くともあなた方がついておったならば、そういうことのないように私は御努力あるものだと信じてやまないのであります。これは考えようだとか何だとかじゃなくて、もうきまったものだと、こう私は考える。

立川宗保農林省農地局管理部長

○説明員(立川宗保君) 農地改革を後退をさせるということはもちろんさらさら考えておりません。農地改革の成果の維持ということについては、農林省として農地改革旅行後ずっと努力をしてきたつもりでございます。ただその努力が完全に百。パーセント効果的であったかどうかということは、なおその吟味の余地がありますけれども、考え方として、農地改革をあと戻りをするというような考え方には立っておらぬつもりで、ございます。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 よく検討中のようですから私は希望を申し上げておくのですが、そういう段階において小作料が幾ら幾らになるだろうというようなことが発表されますと非常にやっぱり工合が悪い。ああいう新聞記事は二、三回出たのですが、あれはやはり大臣でも腹の中じゃそう思っておって、国会の方も相当うるさいようだから、少しいろいろやってからということで、その結論だけ出しておるような印象を与えるのですね、ああいう談話のようなものが出ると。だからそれはちょっと農林大臣などの言い過ぎかあるいは聞き間違いであったのだというようなことにとっておいてよろしいのでしょうかな。

立川宗保農林省農地局管理部長

○説明員(立川宗保君) 事務当局として現在やっておりますことは、この意見に基きまして、具体的に行政官庁としてどういう取扱いをしたらいいかということについて、先ほど申し上げましたように、検討いたしておるわけであります。そこで検計いたしました結論がまだ出ておりませんが、出ておりましたらももろん大臣にも伺いまして、政府としての結論を出して行きたい、こういうことになる次第でございます。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 そういう点はあまり本人以外の人に聞いても答えにくいでしょうから、事務当局がそうおっしゃるのですから、大臣が大した根拠もなしにああいうふうなことを言われたというふうに私どもは解釈しておきましょう。  そこで、この農地法の第二十一条ですね、ここに書いてあるつまり条文によって今度農林省が検討されておるわけですが、農林省が何らかの考え方をきめて現在の小作料を引き上げると、こういう基準を示した場合に、今度小作人の方でこの計算方式を認める、しかしどうも単価のとり方だとか、いろいろな生産費の計算の仕方とか、そういう点について異議がある。あるいはまた農業経営者の内部に留保すべき利益率についても異議がある。で、われわれの計算で行くと、農林省のやつよりももっと低い数字が出てくる。きわめて合理的なそういう計算を主張して出てきまする場合には、この統制小作料に従わないということになるわけです、そうなればそういう意見を持つ人は。その場合に農林省が出した基準というものが、私、具体的なこの個々の地主、小作の間では、どれだけの一体意味を持つのかということが問題になってくるのですが、その点についての考え方を私、ちょっと聞いておきたい。これは必ず異議が出るから。私の考え方ではこれは最高小作料の基準を示しているだけなんです。この基準に従って、地主と小作がああその基準はもっともだ、だから今までの六百円というやつを二つここへ引き上げましょう、こういうふうな契約を両方ですればそこで円満に小作料改訂ができます。ところがそれができない場合は、私は個々の地主、小作人間の法律上の義務のある小作料としては、従来のものしか生きてこない、こう考える。これは基準を示しているだけで、それ以上のものは取ってはならない、その最高では幾ら契約してもいいわけなんですから。存在する契約というものは、従来の契約一つしかないわけなんです。こういうふうに私どもは、これは農民組合等で解釈しているわけなんです。この解釈は私どもは正しいと思っているのですが、どうでしょう。

立川宗保農林省農地局管理部長

○説明員(立川宗保君) お話は二つの点があると思います。政府が農地法二十一条に基きまして、農林省令でその最高額をきめたという、このきめた額そのものに御議論がありましても、これは行政処分としては確定をいたしますし、これはもちろん国民を拘束するわけでございます。  ところで第二の点として、具体的に自分の土地で幾らの最高額がきまった、それについて地主と小作人の間に議論があるという場合だと思いますが、その場合は、もちろん農地法二十一条におきまして、一つ一つの農地について最高額を告示をするわけです。あくまでそれは最高額でありますから、その最高額の範囲内において、地主と小作人の合意が必要である、こういう工合になります。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 そうすると新しい合意が成立しなければ、従来納めていた小作料が一応ものを言う、その問題が解決つくまで。そういう解釈になりますな。

立川宗保農林省農地局管理部長

○説明員(立川宗保君) それは具体的にはこの小作調停の問題なり、場合によれば訴訟の問題なり、そういうことになろうかと思いますが……。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 いや訴訟が解決するまで……。

立川宗保農林省農地局管理部長

○説明員(立川宗保君) あるいは農業委員会が介入するということになろうかと思いますが、契約が改訂されなければ、もちろんその改められた契約でない従前の契約が両者の間を支配する、こういうことになろうかと思います。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 そこで、今日は自治庁の方、見えているのですね。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) 自治庁税務部市町村税課の森岡君が見えております。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 ではちょっとまだ時間が……ちょっと聞いておきます、一つ。それは、まあ固定資産税の関係ですね。今度のやはり小作料値上げというような問題は、現在はどういう小作料が正当かというふうな立場で、こう理論的にいろいろ研究されているわけですが、しかし事の起りは、これは固定資産税がぐんぐん上って行く。こういうところに一つの大きなやはり動機があったわけですね。固定資産税の方が小作料より高くなっている、そういう場所もできてくる。そういう面から固定資産税をかける前提になるこの農地の評価の問題ですね、で、この点については、あなたの方の考え方をちょっと聞いておきたいのです。それは、あなたの方でも、やはり農地の評価額を出すのに、収益還元方式をとっておられるようです。ところが、私どもはそれで一応いいと思うのですが、ところが数字を出す過程ですね、これがはなはだ納得行かない点があるのです。たとえば生産費計算をやる場合に、現在では米価審議会でも、あるいは先ほどから御説明になった新しいこの小作料の計算の場合でも、労働費ですね。労働費なんかについては、やはり都市と農村との均衡という同一労働同一賃金という立場から、いわゆる非常に不自然な形で安くなっておる。この農村の雇用労賃ですね、こういうものを標準にしないのが正しいという考え方がずっと出てきているわけです。で、このことが米価審議会でも、今度の新しい小作料対策協議会でも、それはやはりそうだということになってきているのですね。ところがあなたの方の計算の中では、この点が相変らず占い農村における雇用労賃ですね、こういうものが算定の基礎になっているように私見ているのです。で、そうなりますと、従ってその差し引き収益が相当多くなってくる。小作料なんかの場合、この方式よりも収益が多くなりますよ。従って当然収益が多くなれば、それを基礎にしての農地の評価が不当に私は高くなっておると思うのです。で、この点、私は根本的にこれは同じ政府が二つの計算方式を出すなんてことは、これは認められないので、どういうふうにお考えになっているか、一つ御説明願いたいと思います。

森岡敞自治庁税務部市町村税課長補佐

○説明員(森岡敞君) 固定資産税につきましては、御承知のように地方税法におきまして適正な時価において評価する、こういうことになっておりまして、現実の評価は、これも御承知のように、市町村におきまして、個々の農地におきまして評価をいたしておるわけであります。ただその評価の市町村間のバランス、あるいは市町村内におきます農地のバランスを確保する必要があるか、こういう意味合いにおきまして、私どもの方で評価の基準を示しておるわけであります。今お話がありましたような、収益還元価格によって計算をして、一応のベースを示しておるわけであります。これは今申しました基準、バランスをとるための基準を示す、こういう意味合いで出しておる。ところで、そういう場合の収益還元価格をどういうふうにして出すかという問題でございますが、実はまあ今まで、今おっしゃいましたように、私どもの方としましては、その中の労働費につきましては、今の農林省のお出しになっておりますこれとは若干積算の基礎が異なっております。で、私どもの立場から申しまするならば、今までこのようなはっきりした統一的な形ですね、収益還元価格が出されたことは……今、政府としては出されてないのじゃないかと思います。で、私どもの方でこのような基準を出します際に、二十五年以来ずっと今と同じような形で出して参ったわけでございます。おっしゃいましたように、政府が同じ収益還元価格を出します場合に、二本の異なったものが公式に出るということになりますと、これは一つの問題である。しかし今では私どもといたしましては別の収益還元価格の形というものを、違った形で出ておるという気持を持っておるわけでございます。で、将来の問題といたしまして、このような収益還元価格が最も正しいものであると、そういうふうな結論が出されますならば、さらに農林省とも打ち合せて十分検討いたしたいと思っております。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 そういうところに大きな矛盾があること自身をお認めになっているのですが、これはもっと至急に根本的に検討してもらう必要があると思うのです。これは農民の人はみんなこんなことは知っておるのです、少しこういう問題について携わる人は。ところが同じ農地について税金の関係とか、それから供出の関係、小作料の関係、こんなものが違ってくるということは、これはとても農民感情として割り切れぬことでしょう。で、私はこれはぜひ一つ統一するようにしてもらいたい。しかしこれが統一されれば、私現在の固定資産農地の評価は、従って固定資産税は、当然税率がそのままなら下らなきゃならぬと思います。ところが今度はあれは三年間据え置いたのですが、そらでしたね。だから私その安い方で据え置いてもらったらいいけれども、非常に食い違って理屈に合わないよらな状態で、こら三年間据え置かれている状態なのですね。この間のこの改正からいらと、この点はぜひ一つやはり農林省と十分協議をして、農民がだれが聞いても納得行くような措置をやはり考えてほしいと思います。まあその一点です。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) ちょっと今の問題につきましては、先ほどお聞きのように小作料、この対策協議会の小作料統制という中の算定方式でも、「現実の価格を土地資本としての地価の評価として採用することは不適当である。」ということは、学識経験者全体の意見である。で、あなたの方がまあ地価と言われましたところで、農地のようなものの評価を地価でこの課税の標準にするということは、ただここに書いてあると同じような意味において、これは不適当ということはだれしも認めるわけです。そこであなたはまあ収益還元の一つの方式を示されておるわけですけれども、それが非常に違うということは、亀田君の言われる通りですから、これは一つ、自治庁のあなたが責任者ではございませんけれども、十分に検討して、農林省がどういう工合にきめるか、それと大体合ったものでないとおかしなことになるわけです。かりに、今度の小作料がどういうことにきまるかしれませんけれども、あるいはこの委員会、協議会の方式を大体そのまま認めるとしても、ここへ出てくるところの収益還元、地価が一万一千四百円、あなたの方は現在三万六千円ですか。それも二十九年度あたりは六万幾らというような評価をされて、非常に違うわけですから、その点は一致できるように、これは一つお帰りになってですね、よく話していただきたいと思います。なお委員会としては、いずれ今後もう少し自治庁の長官等にも意見を聞かなきゃならぬ思います。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 ちょっと農地部長に一点要求しておきたいと思います。そこで農地部長に……、今お聞きになったような点もあるわけですから、私としてはこれは固定資産税は下げらるべきだ。むしろそれが是正されれば、税金をちょっと返してもらわなければならぬくらいに思っておる。まあこれはそこまで言うのはどうかと思うけれども、実際はそうなんだ。そこまで考慮に入れて、さっきの検討中の、一つこういう点は大いに慎重にやってもらいたいと思っております。これは一つお願いしておきます。

清澤俊英日本社会党(第四控室・左)

○清澤俊英君 これは実際問題として議論になっておるが、最近の土地改良費の負担は地主じゃないですね、現に耕作しておる者が出すことになっておる。みんな負担金を出し、その上土地改良等は実経費を全部持って、改良ぜられた土地に対する小作料評価というものはどういうふうに取り扱ったらいいかというのは非常に疑問で、議論しておる状態ですが、その点どうお考えになっておりますか。

立川宗保農林省農地局管理部長

○説明員(立川宗保君) 小作人、耕作者がいろいろ土地の必要な経費を支出するという現状になっておりますことは一応前提といたしまして、それで、そういうことも前提とした上での計算であろうかと考えます。ただ、もちろん実際の非常に小作人の出費が多い。そのために非常にいい土地になっているというような場合に、一つはその土地の等級のつげ方が問題であろうと思いますが、小作人の努力でその土地がよくなったというものは、それに従って小作料の等級を上げるという上げ方はしない。つまり土地の本来の条件で小作料の等級をきめて、そこで小作人がみずからその努力をして水利の便をよくしたり、あるいは土地を肥沃にしたというものは、小作人のふところに入るというようなことで等級を考えて行くようにしたいと、こう考えております。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) それじゃまだいろいろ御質疑があろうかと思いますが、農林省のほどでも目下慎重に検討中ということでございますから、本日はこの程度にいたしたいと思います。なお、ちょっと私申しましたように、また機会を見まして、この小作料を契機に、固定資産税の問題につきましては、当委員会直接の問題ではございませんけれども、農村の生産に重大な影響を及ぼしますので、自治庁のしかるべき責任者の出席を得まして検討いたしたいと思います。本日は予定では試験研究機関の問題をとり上げることになっておりましたが、こういろ時間になりましたので日程を変更しまして、あす午前中に試験研究機関の問題を取り扱いますが、何しろ三日間の日程で非常に大へんなたくさんの題目になっておりますので、ちょっとこなし切れぬかと思いますので、あすは御出席の人数が定員ございませんでも定時に開会いたしたいと思いますので、御協力を願いたいと思います。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 きょうはもうおそいのですが、明日でも、できましたら農地局関係の御説明のときにですね、農地改革の跡始末がずいぶん残っておる所があるのです。その関係を私は実はもっと力を入れてやってほしいと思っておるのです。これは予算に関連させてですが、ちょっとその点お聞きしたいと思うので、ぜひ農地部長がもしだめなら、農地課長なりその関係の方が来てほしいと思う。お願いしておきます。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員長(江田三郎君) 御出席は求めますが、大体あすは試験研究機関の問題と各省の予算関係ということですから、それだけで大体時間は三時間ほどはみ出してくるだろうというような状態になりますが、整理して行くことを御協力願いたいと思います。それでは本日はこれで散会いたします。    午後五時十六分散会    ————・————

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