内閣委員会 第38号
- 発言数
- 533 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1955/07/30
会議録
○委員長(新谷寅三郎君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。 憲法調査会法案を議題といたします。本案は衆議院議員清瀬一郎君外四名提出のものでありますから、提案者から本案の提案理由を聴取したいと思います。
○衆議院議員(清瀬一郎君) ただいま御上程になりました憲法調査会法案の提案理由を説明させていただきます。 この理由の大体は、本月の四日でございましたが、本院の本会場におきまして大体の御説明をいたしたのでございます。 すなわち、現行の日本国憲法は、その成立の経緯、わけてもわが国の政治行政の全機関が自由意思を拘束されておった時代に成立したということから考えましても、今日独立を達成いたしました日本において、再検討の必要があろうと存じたのであります。またそれのみならず、この日本国憲法実施以後八年間の経験によりまするというと、幾多現実に検討を要する問題があることを発見いたしました。よって私の属しまする日本民主党は、国民的立場に立ちて自主的に、また全面的に日本国憲法を再検討をするという必要を感じたのでございます。そのために日本国憲法並びに関係の諸問題を調査、審議して、その結果を内閣に報告し、また内閣を通じて国会に報告するために、憲法調査会を設けることが適当と考えました。 この調査会は、内閣に置かれるのでございます。従って、内閣法にいわゆる主任大臣は内閣総理大臣と相なります。この調査会は、国会議員三十名以内、学識経験者二十名以内の委員から成るのでありまするが、なお、そのほかに専門の事項を調査するための専門委員若干名を置くことができ、また委員を補佐するために幹事若干名を総理大臣より任命することができるようになっております。調査会に置かれる会長一名と副会長一名は、これは委員の互選でございます。 この調査会には必要あれば数個の部会を設けまするが、各部会に所属すべき委員、専門委員及び幹事は会長が指名いたします。部会を設けて審議を進める以上は、部会長を必要といたしまするが、部会長は部会に属する委員が互選することになっておるのでございます。以上のほか、本調査会の議事に関する手続、調査会の通常に関しては、会長が調査会の議を経てこれを定めることにいたします。庶務の処理については、これは政令で規定いたすことになっております。 なお、本調査会の委員並びに専門委員は、これを国家公務員法上の特別職とすることを適当と認めました。それがために必要な国家公務員法中の改正規定、また特別職の職員の給与に関する法律の改正規定が本法の付則の中に設けてございます。 何とぞすみやかに御審議あらんことを特にお願い申し上げます。
○千葉信君 配付されました説明書とはだいぶ違っておりますが、今の説明のプリントを一つあとから御配付願いたいと思います。
○委員長(新谷寅三郎君) 配付されておりまする提案理由と多少違っておりまするので、ただいま御説明の提案理由の原稿をいただきまして、これをすぐにプリントにして配付して下さい。
○千葉信君 だいぶ違っておりますよ。多少じゃない。
○委員長(新谷寅三郎君) 本案に対する質疑はあと回しにいたします。 —————————————
○委員長(新谷寅三郎君) 昨日に引き続いて次に国防会議の構成等に関する法律案を議題にいたします。 本案についての審議に入ります際に申し上げますが、昨日総理大臣との質疑応答の間において、原子砲の問題に関しまして、外務大臣から説明を聴取してくれとの総理大臣からの発言がございました。外務大臣の出席を求めましたので、外務大臣からこの間の事情の説明を聞きまして、なお、これに関して御質疑があれば若干御質疑を願いたいと思います。外務大臣の御説明を願います。
○国務大臣(重光葵君) 昨今外電がしきりに伝えております新兵器輸送に関する報道につきましては、昨日の本会議における質問に対しまして、私は米国側によく問い合せた上でその結果をお答えすると申しておいたわけでございます。その結果、米国大使館当局は次の通りに通報して参りました。新型兵器を日本に輸送する計画はあるが、これは原子爆弾とは何ら関係はない、もっともこの兵器には原子弾頭、たまの先に原子力の装置をするということのようでございますが、原子弾頭も必要があれば装置し得るけれども、日本向けのものにはかようなものはついていない、こういう回答でございました。この問題が日本側の重大なる関心事になったことは、原子爆弾に対する従来からの問題がありますので、それに関係するものと思います。原子爆弾に対するわが方の態度及び方針は、従来しばしば国会において御説明を申し上げた通りであって、何ら変更はございません。今後もこの方針によってすべてを処置する考えでございます。
○委員長(新谷寅三郎君) 重光外務大臣に対し、ただいまの御説明につきまして御質疑のある方は御質疑を願います。
○堀眞琴君 ただいまの外務大臣の御説明でありますが、日本に持ってこられるいわゆるロケット砲は、原子爆弾とは違うものである、こういうアメリカ側の回答であるということでありますが、広く原子兵器であることにおいては、私は間違いないと思います。なるほど飛行機から投下する原子爆弾ではないでありましょう。しかしアメリカの側においても言明しておりまするように、このロケット砲には原子弾頭を装置し得る砲であるということが明らかになっております。なお、外電によりまするというと、原子弾頭もグァム島に貯蔵されて、随時飛行機をもって日本に運ぶことができるということになっているのでありまするが、そういう意味から申しまして、原子爆弾ではないが原子兵器であるということには変りはないと思いますが、外務大臣はどのようにお考えになりますか。
○国務大臣(重光葵君) 私はかような兵器の問題について知識を欠いております。しかし先方の説明によりますというと、これは普通のたまを使うこともできるし、それからそのたまを改造して原子弾頭——ウォア・ヘッドというのですか、それをつけることもできるという説明でございます。しかし、さような原子力を応用した弾頭のごときものは、日本には持ってこないと、こう言っておるのであります。日本向けのものにはそれはないと、こう言っておるのであります。
○堀眞琴君 広く原子兵器として認めるべきではないかと思いますが、その点についてはいかようにお考えですか。
○国務大臣(重光葵君) これは兵器の定義に相なります。兵器の定義には相なりますが、私はこれを広く言えば、これは新型の兵器であるけれども、私はこれそのものが原子兵器であるとは考えませんが、しかしこれは一つ十分知識のある方面から十分お答えをすることに願います。
○堀眞琴君 新型の兵器ではあるが原子兵器とは考えないというのは、私は外相の答弁としては非常に重大だと思うのです。外相の答弁の中にも、普通の砲弾も使い得るし、原子弾頭をつけたものを発射することもできるという御答弁であります。従って原子砲弾を撃つことのできるロケット砲であるということは間違いがないと思います。(「その通り」と呼ぶ者あり)今の段階ではまだその原子弾頭を日本には持ってきてないということは外電も報じております。しかしその原子弾頭はグアム島に貯蔵されている、いつでも飛行機をもって日本に随時運ぶことができるのだ、こういうことになっております。従ってそれを発射すべきロケット砲は、原子兵器の中に加えられるものである、原子兵器として認められるべきものである。なるほど新型兵器には違いないでありましょうが、原子弾を使うことができるという意味で原子兵器であると言わなければなりませんが、もう一度その点を外相から御答弁願いたいと思います。
○国務大臣(重光葵君) 向うの説明によりますと、普通のたまも使えるし、そういう装置をしたたまも使える、こういう意味でございます。それを広義の原子兵器であると定義されるならば、そうなるのじゃないかと思います。
○加瀬完君 外務大臣のただいまの御説明によりますと、この兵器は原子弾頭を必要あれば装置し得るが、日本向けのものはこの装置がない、これだけの御説明でありますが、新聞紙の報道するところによると、在日米大使館に問い合せたところ、原子弾も装置し得るが、米軍としては原子弾を日本に持ち込む考えは今のところない、こういう回答をしたと言われておるのでありますが、外務大臣のただいま御説明になったのと、特に原子弾を装置し得るが、今は原子弾頭を持ってこない、今のところは持ってくる意思がないということとでは、ずいぶん違いがあると思う。これは外務大臣のお答え以外に、アメリカ大使館の新聞紙に伝えられている報道は正確を欠くものだ、こう了解してよろしゅうございますか。
○国務大臣(重光葵君) 私の得た向うの回答は、今申し上げておる通りでございます。しかしわれわれの承知しておるところでは、戦争の起るような場合にはそれはわからんけれども、そういうような場合でも起らなければ、そういうものを日本に輸送する意向はないというふうに承知をしておるのでありますが、発表文の責任は私にはございません。
○加瀬完君 その他の新聞紙の報ずるアメリカの説明によれば、日本におけるロケット砲の発射演習を、場所はまだ富士山ろくとはわからないが、いずれにしても発射演習を行うということは言われておる。原子弾頭を使うロケット砲の発射演習が行われるということは、当然これは今原子弾頭がきておらなくても、原子弾頭を使用する予想というものは立っておる、こういう点については、それでは外務大臣は今持ってくるものには原子弾頭の装置がない、そうであるならば、今装置がないものをそのまま持ってくるならば、将来でも原子弾頭を使わないであろう、こういう結論を独善的にきめるわけには参るまいと思うのです。そこで発射演習までも向うが予想しているとするならば、一体今後このロケット砲を持ってくる、原子弾頭の使用の関係あるいはその輸送の関係、こういうものについて相当念入りな将来の見通しというものについて、相手方の態度というものも検討して見なければならないと思うのです。この点はいかがでございますか。
○国務大臣(重光葵君) その点はお話の通りだろうと思います。そこで私は向うの意向を探ったわけでございます。それは、かようなものを使用する場合には……、戦争でも起るという場合には、それは考えられることであるけれども、それまではそういうこれを日本に輸送するという考えはないというふうに了解をいたしております。
○加瀬完君 今この装置がないということは、将来とも原子弾頭を使っての使用ということはあるまい、こうお考えになる前に、一体こういうものを持ってきて使うからには、当然これは原子弾頭を使用するためのものであるということはこれは当然のことだろうと思う。そうすると、新聞にも出ておるのでありますから、アメリカ側に今のところないということ、将来持ち込む予想があるというふうに逆にも解釈されるわけでありますから、この点はもう少し具体的にアメリカにどういう問いをいたしまして、アメリカがどう答えたかということを聞かせていただきたい。
○国務大臣(重光葵君) これは言葉が重要でありますが、その向うの言葉としては今私が申した通りでございます。戦争の場合にはそれはわからぬ、しかしながら、そういうことでもなければそういう意向はないと、こういう意思表示を受けておるわけでございます。
○加瀬完君 そうすると戦争になれば日本が原爆使用の場として使われてもよろしい、こういうことになるのですか。
○国務大臣(重光葵君) それはそういうわけではございません。そういう場合に必要なるときには先方からあるいはその必要が起れば相談を受けるだろうと思います。
○田畑金光君 重光外務大臣は、昨日の吉田委員の本会議における質問に対しまして、新聞の報道が重大であるから真相をきわめるために米国の大使館に問い合せをやっておる、このような趣旨の答弁がなされております。ところが本日の新聞によりますと、米極東軍司令部スポークスマンは、二十九日夜「原爆ロケット砲部隊を日本に派遣することについては鳩山首相は米国から通告されていないと述べたが、事実はすでに日本政府に通告ずみである。ただしこの通告を受取ったのが日本政府のどの省であるか、またいつ通告が行われたかはいまはいえない。それは日本政府側が知っているはずだ」このように確言したと申しておるわけであります。先般来重光外務大臣は衆議院においても参議院においても、アメリカ大使館との話し合いによって原子爆弾の持ち込みについては日本政府と相談の後でなければやらない、こういうようなことを繰り返し述べてこられたわけであります。なるほど原子爆弾の持ち込みという話であったかもしれませんが、今問題となっておる原子砲とかあるいはロケット砲というものは、いつでも原子爆弾を装着し得る弾頭を持っておる、こういうことも明らかになって参ったわけであります。あなたの今まで国会に話してこられたこと、また昨日の答弁を承わりましても、これは重大な食言だと、こう言わざるを得ないと思います。極東軍司令部が明確にこのように申しておる。にもかかわらず、重光外務大臣はアメリカの大使館に問い合せてみなければわからない、これは重大な私は食言であると考えます。こういうことを今さら大使館に通告しなければわからなかったのか、私たちはこの新聞報道を見ますと、事前に政府はこのことを知らされている、こう言わざるを得ないのであります。ことに昨日のこれは毎日新聞の夕刊によりましても、外務省もまたこの事実を否定していない、こういう経緯もあるわけであります。この辺の事情についてどうお考えになっておるか、どういうわけでこのような秘密のやり方を今日まで続けてこられたのか、この点について重光外務大臣の考え方を承わっておきたいと思います。
○国務大臣(重光葵君) 今の御解釈は少し私は事実と……少しじゃない、事実に相違する点が非常にあると思います。米国が兵器を持ち込むということについては、これは兵器を持ち込むことは、これは何も従来日本側との関係は、一々そのたびに会ったわけではございません。あくまで米国側からどういう兵器を日本に持ち込むということを打ち合せをしなければならぬとか、またそういう協定があったわけでも何でもございません。私は米国軍の人が兵器のことを話した場合には、日本に持ってくる兵器は一体原爆を持ってくるようなことがあるのかということを端的に聞いてみたことがございます。日本に兵器を持ち込む、こういう話し合いが出たときには、そういうことを聞いたことがございます。原爆を持ち込むことはないという意思表示をはっきりと得ております。得ておりますから、それを一つの材料にして私は議会に対して、米国側は現に原爆を持ってこない。また原爆を持ってくる場合においては日本側に相談があるのだと、こういうふうにはっきりと向うの意向のあるととろを私は了解して、それをもとにして議会に対してそう説明をいたしたのでございます。それはその通りでございます。ところが今回も米国側の説明によりますと、これは原子爆弾には何も関係はないのだ、原子兵器、原子弾頭の話がございました、しかし原子力に関係するような原子兵器ということならば、あるいは飛行機でも艦船でも原子爆弾に関係はないとは申されません。そこでこの兵器が原子爆弾に何ら関係のないということを向う側がはっきりと責任を持って説明をしておるのでありますから、その説明は従来の説明と変りのないわけでございますから、私はそう受け取っておるわけでございます。
○田畑金光君 それじゃその問題についてはあとで質問することにいたしまして、(「関連々々」と呼ぶ者あり)ちょっとその前に、その問題に関連いたしまして、あなたのお話を聞いておりますと、原子砲とかあるいはロケット砲とか、これは現在の段階では爆薬を持ち込まないから認めてもよろしい、これは普通の兵器であるから日本政府としては文句を言う必要はない、こういうことでロケット砲を持ち込むことも、原爆ロケット砲を持ち込むこともこれは今までの話し合いと何らの食い違いもない、こういう考え方でおられるわけですか。
○国務大臣(重光葵君) これは原子爆弾とは関係はない、主として原子爆弾もしくはそれに類似のものは日本には持ち込まないと、こういうわけでありますから、従来の関係と変りはないと私は思います。
○千葉信君 重光さんにお尋ねいたしますが、私はこの問題が新聞に報道されましてから後の、国民に与えた非常に大きい衝撃を十分考えなければならぬ。これは重光さんも家族をお持ちだと思うが、家族のこれによって受けた動揺や衝撃というのは、重光さんも御承知だと思う。それほど重大な問題ですから、こういう問題の真相はあくまでも究明されなければならぬ。また外務大臣としてもこの委員会なり国会における答弁は、在来のいろいろな問題と非常に様相を異にしている。従ってその答弁に当っては、いうところの国会答弁といいますか、その場の質問さえ体をかわして言い逃れてしまえばそれで済むんだというようなお気持でこれを扱ってはいかぬと思う。あくまでも国民の不安や動揺を解決してやるという態度がなくちゃならぬ。そこで私はそういう態度でお答えを願うということにして、御承知の通り原子爆弾の問題については、国会における質疑応答におきましても、五月の三十一日に外相とアリソン大使とが会われて、日本政府の承諾なしには原爆は持ち込まないということをアリソン大使が言われて、外相はこれを確認された、こういうことになっております。しかし原子爆弾を日本に持ち込むか持ち込まないかということを外相はアリソン大使に確認されたということは、条約上にその制限がないから、場合によると持ち込まれるかもしれないというお考えで、その点を外相は確認される必要があったはずなんです。ですから私ども国会におけるその後この問題についての質疑応答からいいますと、私どもはこの問題が実に重大であるからという立場に立って、そこまでアメリカ側が言明したことが確実なら、この際日本政府としては事の重大性にかんがみて、これを文書によるなり、最も望ましい方法はこれを協定とするか条約の中へ盛り込むことだ、こうすれば国民は初めて納得する。外相のおっしゃったことを信用しないわけじゃないけれども、しかしながらかりに信用するとしても、もしその口頭で約束された外務大臣が、更迭されたらどうなるか。口頭の約束では、前にこういう約束であったなんて言ったって、これは場合によれば相手はそれに対して責任を持たないかもしれない。ですからこの委員会でも私は総理大臣に対して、もう一歩進んで具体的に措置をとって、さっき申し上げた措置です、措置をとって、国民に対して安心を与える必要があるということについて、総理大臣を追及したのです。ところが総理大臣は今のととろ政府としてはそこまでやる意思はないという御答弁なんです。しかし何らかの措置をとらなければ、国民はある程度の口頭の約束では安心しないということは、総理大臣も認めているわけなんです。こういう状態です。ところが事実は私どもが最も心配していたような事態が今日もう現われてきた。外務大臣は一番最初に堀委員に対して答弁された答弁とは違って、最初は広い意味の原子兵器であるということを認められながら、今度は田畑委員の質問に対しては、これは原子兵器ではないという答弁で、その答弁のニュアンスがはっきり変ってきた。しかし私はその答弁に対してこれを追及しようという考えじゃないのです。外務大臣も少くともそのロケット砲なるものが原子弾等を使用できる兵器であるということはお認めだと思うのです。しかもまだ日本にそれは持ち込んでいないかもしれない、今は。しかし兵器は持ち込まれる、そうしてそれに使う原子弾頭、それから原爆等については、グァム島にはもう来ておるし、これからも来るということは、外務大臣も御承知だろうと思う。新聞もそれをはっきり報道しておる。で、政府の立場としては、少くとも原子爆弾はまだ持ち込まれておらない、それからこのロケット砲に使う原子爆弾関係の砲弾は今のところ持ち込まれておらない、まあ政府の方から発表されましたところによりましても、原子弾を装置し得るものだが、今のところ原爆を日本に持ち込むことはない、一つはこう言っている。今のところ持ち込むことはないということは、もし必要があれば条約上何らの制限をアメリカ側としては受けていないという考えのはずだから、持ち込むかもしれない、それがつまり外務大臣が今戦争というような事態になったならば、いざ知らず、あなたはこう言って、そういう事態に対してまでちゃんとその場合の弁解の口実を用意しておられる。一体軍備なり、兵器なり、防備力なるものは、戦争を予想して、それに備えるものです。もしくは戦争を防止するために備えられるものです。あくまでも戦争ということが前提条件なんです。そういう意味からいいますと、私どもが従来この問題に対して非常に心配してきたように、条約上の制限がないということが、逐次、かりに外務大臣が全責任を持って持ち込ませないようにアメリカと交渉する用意があり、そういう努力をされたとしても、実際問題としてはそういう段階に進んでしまう。日本の国民はそれに対して非常におそれているのです。ですから私はこういう問題の起った機会に、外務大臣としてははっきりそういう国民の不安を取り除くために、口頭約束をしてあるのだということで国会で答弁をして、それでぬけぬけとしておるのではなくて、もっと進んでまじめにアメリカ側と文書による取りかわしなり、もしくはまたできれば協定という形に外務大臣としてはその責任上持ち込まなければならぬと思う。政治というのは、もちろん外務大臣としては、国の利益のために外交を展開しなければならぬと同時に、国民の幸福のために、国民の不安を除くということのために、外務大臣としての外交上の責任があろうと思う。その意味で私は外務大臣の所信をはっきりこの際承わっておきたい。
○国務大臣(重光葵君) 今のお話の御趣旨の、これはこういうものについて十分一般国民に安心を与えるように措置し、努力しなければならぬというお話は、私はもう全然そういうふうに考えております。全く同感であります。それでありますから、機会のあるたびにアメリカ側の意向もいわばはっきりとしってみたわけであります。そこでアメリカ側においては、この原子爆弾のことについては、はっきりとそういう意向はないということの了解を私に与えておるわけでございます。それならば、今回のことははなはだ不都合じゃないかと、こういうことを言うわけです。しかしアメリカ側の説明は、今申す通りに相なっております。これは、まあ向うが責任をもって言っておるのでありますから、そのままに私は行くと思うわけでございます。そこで、これでアメリカ側の意向も、また事態も、十分に私は国民の前にはっきりさせなければならぬと思います。しかし今お話の通りに、さらに一歩を進めて、いろいろな措置をとったらよいじゃないかと、またそうすべきじゃないかという御忠告は、私はつつしんで受けます。私さっそく努力してみようと思います。しかしながら従来の条約の範囲ではどうなっておるかと、こういうことは、条約の規定によってすべてが行われておることでございますから、そこにおいて、向うの考え方もございましょう。しかし向うの考え方は、はっきりしておるんです。こういうものは日本に持ち込まないという意向なんでございまして、そこで、さらにこれをはっきりさせる手段をこの上ともとった方がいいじゃないかという御趣旨は、私もそう考えます。
○松浦清一君 議事進行。ただいまの御審議は、昨日の総理大臣に対する堀委員の質問がこの問題に入ってきて、まだ時間が残っておるままで今日の外務大臣の御出席を待っておったわけでございます。外務大臣が出席されて、アメリカ大使館との話し合いの報告がされて、残りの時間に対する堀委員の質問が始まったわけです。それに対する関連質問が今行われておるわけですね。十時半か十一時に総理が来るというお話でありましたから、私も関連質問がある、外務大臣に対して、質問したいことがあるのですが、しかし総理が来たら外務大臣がさようならと言ってお帰りになるようなら、私は関連質問をしたいし、外務大臣に質問のある部分は、外務大臣ここにおってもらって、質問させるということならば、私は順番を待っておるのですが、どうですか。
○委員長(新谷寅三郎君) 大体こういうふうに承知しております。外務大臣は、本日参議院の本会議それから衆議院の外務委員会に出席を要求されております。しかし昨日の約束もありますから、今当委員会に優先的に出席をしてもらって、とにかく、一応外務大臣の説明を聞き、その経過なり御意見なりを一応聴取したいということで、今、昨日の続きの関連質問として審議をしておるわけでございます。それで、総理大臣が見えまして、その間外務大臣も一緒におってもらうことは望ましいのですけれども、他の本会議とか、委員会の出席要求もありますので、必ずしもそれが十分総理大臣のおられる間おってもらえるとは限らないのです。ですから、この際に十分とは行きませんでしょうが、一応の関連質問をして、外務大臣の眞意を確かめるということだけはしておいていただいた方が、審議上都合がいいかと思いますので、関連質問としてお考えを願いたいと思います。
○松浦清一君 議事進行の継続。それで、外務大臣は何時までおられますか。
○委員長(新谷寅三郎君) 外務大臣は多分こうだと思います。参議院の本会議何時から開かれるかによって、外務大臣の出席時間は変ってくると思います。本会議のことですから、本会議には出席しなければならぬと思います。それから、今政府側からの報告によりますと、衆議院の外務委員会でも早く来てくれということを言って催促に来ておるようです。しかし、これは、当委員会は調査事項ではなくって、法律案の審議に関連してお聞きしておることでありますから、これは衆議院の方にもできるだけ了解を求めて、こちらの方に優先的に出席してもらうようにいたします。本会議が始まればこれはやむを得ないと思いますから、外務大臣は本会議の方に出席していただくようにします。
○松浦清一君 それでこの問題はいいかげんなことでは済まされぬと思います。本会議が始まってどうしても入らなければならないということは、これはやむを得ませんが、中断されても……。衆議院の外務委員会でもおそらくこういう問題に関連してのことであろうと思います。こちらの方はやはり法案に関連した重要な問題が起っているので、こちらの方にとどまってもらって十分審議をしたい、これは私が質問をするからどうこうというのではなしに、各委員の得心が行くまでの質問時間を、この問題にとってもらいたいと思います。(「同感」と呼ぶ者あり)
○委員長(新谷寅三郎君) 承知いたしました。できるだけ松浦委員の御発言の趣旨に従って私も善処いたします。
○千葉信君 先ほどの質問の続きですが、外務大臣の御答弁で、日本とアメリカの間に結ばれている条約上では、原子爆弾もしくは原子爆弾関係の兵器を日本に持ち込むということについての制限がない、これはそう明言されたわけではございませんが、そのために外相はわざわざ原子兵器を日本に持ち込まないでくれということを意思表示されている。そうしてアメリカ側もこれに対して今のところ日本に持ち込む意思はない、日本の承諾なしに持ち込むようなことはしないということを言われた、こういうことです。ところがこういう問題が起ってきてみれば、なおさら私どもが最初から考えておりましたように、場合によってはアメリカはその欲するときには持ってくるようになるかもしれない、ですからそういうことを避けるために、この際国民に安心を与えるためにも、政府としてはもう一歩進んで、条約、もしくは協定、もしくは文書による回答をとるということについて、外務大臣としては今努力するということを答弁された、その努力は、国民のその不安と動揺に比例して最も眞剣にその努力がなされなければならないことは、外務大臣御承知でしょうから、私はこの点では外務大臣を信頼してよろしい、しかしもう一つの具体的な問題については今この委員会でも論議されましたように、外相は広義の意味の原子砲弾であるかのごとく、原子兵器であるかのごとくないかのごとく答弁された、私どもは新聞の報道によって、それからアメリカ軍当局の発表談話によって、これは原子兵器であるという確認の上に立っている。そこで、今私どもが外相とまた論議をすることは、質疑をすることは、外相もこの兵器に対してはしろうと、私もしろうと、そうして外相はアメリカ大使館とのきのう来の打ち合せに基いて答弁をされているようですが、少くとも私どもは外相の答弁は、この際は信用できません。そのままその言う通りだということは信用できません。私どもはあくまでも国民の不安と動揺とを私自身の不安と動揺として、私はアメリカの報道なり、新聞の報道なり、アメリカの軍当局の発表している談話を信じて、それだからこそ重大なる問題としてそこで現在質問を申し上げている。そこでですね、ここで外相にはっきり答弁願いたいのは、ここでしろうと同士の質疑応答ですが、もしこれがはっきり原子兵器であるという事実が明確になったときには、外相はどういう態度をおとりになるか、これは一日もゆるがせにできない問題ですから、外相の答弁を求めます。
○国務大臣(重光葵君) 私はこれは原子兵器であるかないかということについて、先ほどお答えした通り、この原子弾頭の装置をし得るたまをこれで使うことができる、そういうような意味のものを原子兵器であると言うならば、それは原子兵器と言わなければなりますまいと申し上げましたけれども、しかしまたさような特に装置をすればそれは原子力にも関係があるというようなものは、まあその以外にもいろいろあるのでございますから、実はこれは私は自信のないお答えをしたことは事実でございます。そうして最初に申し上げました通りに、私はこの問題について、兵器の問題について知識を欠いておりますからと申し上げておるわけでございます。私の御説明に、意識的に私は矛盾をしているつもりはございません。そのことだけをここでお答え申し上げます。
○千葉信君 外務大臣、もう一つのあとの問題、もしはっきりとしたときには……。
○国務大臣(重光葵君) そこで、これが専門家の研究によってはっきりして、日本側としてはこれは非常な不安なものである、私は原子爆弾、特に原水爆弾、これがビキニのような威力を持つ原子爆弾が日本にたくわえられるということになれば、そうして何どきでもこれを使用するというような状態になる場合において、それは日本にとってはこれは非常に何と申しますか、私は死活の問題であるとすらこれを批評したわけでございます。さようなことは私は困る、こう思って極力そういうことのないように努力をして参ったのでございます。ところが今回のことはそれはまあアメリカ側にはよくわかっている、そういう意向のないということもこれまで意思表示がありましたし、今回においてもそういうものでないということをはっきり意思表示をいたしておるのでありますから、それは向うの言うことを私はそのまま受けておるわけでございます。これは責任者が責任者に対して言っておるわけでございます。ただこういうものについて、たまの先にウオア・ヘッドというようなものをつけて撃つことができる、こういうことはこれはもう率直に認めておるので、鉄砲にたまをこめる、そのたまにしかけをするというのは普通の何にでもできるようなふうに説明も聞いております。しかしそういうたまはむろん日本に持ち込んでおらないのである。これだけは私は相当事を分けた説明であるように感ずるのでございます。しかしさような装置、普通のたま以外にそういうたまを使うことができるというようなものが、非常に今申しましたように民族の、原水爆弾を一つやられれば本当に日本人はどうなるか、さようなことと関連して考えるべきであるかないかということは、これは一つ知識を持った専門家の意見もとくとこれは聞いて確かめなければ、私としては先に進まぬ。うっかり言い出してそれは普通の兵器の部類じゃないか、それは普通にやっているごとじゃないか、こういう簡単な反駁を受けてもまずい話でありますから、十分にこれは検討しなければならぬと思っております。そうしてそういうもので非常な原水爆と似たような危険性を持っておるものであるというような結論にでもなりますれば、これは放任はできません。私は全力を尽してそういうことは明らかにしたいと、こう思っておるのであります。そうしてそういうことはアメリカ側もこれは共同防衛の責任とはいいながら、さようなことは防衛の意味からいってもこれは目的を達するゆえんでないかもしらんのだからやめてもらわなければならぬ、こういうことを十分に調べたい、こう思っておるのであります。
○千葉信君 最後にただいまの御答弁から確認したいことは、外相としては専門的な立場からやはり検討を加えて、果してそうであるかどうかということをはっきり調べたい、これはまあそういう措置をおとりになることは当然だと思います。そうしてそういう措置をとってはっきり私たちが心配しておるような原子兵器というようなことが判明した場合には、外相の答弁でいいますと、それに対しては結論的にいいますと、日本の国土からは排除するということは外相としてははっきり措置するようになされる、こういうふうに確認していいわけですね。
○国務大臣(重光葵君) 私はそういう考えでございます。これはしかし相手あってのことでございますから、結果がどうなるかということは、そのときに十分に御報告を申し上げます。
○松浦清一君 今までのいわゆる原子兵器に関連した質疑応答の過程を昨日来聞いておりますというと、きのうの鳩山総理の答弁もそうでございましたが、UPとAPに報ぜられておる、極東にロケットを持ち込んでくるという報道を否定しておられて、今朝は正式にアメリカの大使館との間に質問されたのか話し合いされたのか知りませんが、話し合いの結果というのが外務大臣から報告された。平面的にこれを考えてみるというと、やはり新聞に報ぜられておる情報というようなものよりも、正式に日本の外務大臣がアメリカの大使館との間に取りかわされた文書かどうか知りませんが、回答というものを信ずるわけで、私は明瞭にいたしておきたいのは、新聞で報じておるのはロケット砲というものである、そういう表現を使っておる。あなたが今報告されたのは新型兵器という言葉で表現されておる。アメリカの方から説明を聞いたときにはロケット砲という具体的な表現ではなくて、新型兵器というばく然たる表現であるかどうか、まずそれを伺いたい。
○国務大臣(重光葵君) 新型兵器というのが、新聞に言うロケット砲のことであると私は解しております。
○松浦清一君 そうすると今のアメリカの回答の中で、ちょっと明確を欠く点があるのですが、この新型兵器は原子弾頭も必要があれば装置し得るけれども、日本向けのものはそれがついていない、こういうふうにあなたはおっしゃった。それはついているかいないかというととはアメリカの大使から回答を得ただけをもって信用しておるので、あなたが現場でそれを見たわけではないし、実際にそれはどうであるかということはわかっていないわけですね。そうすると、アメリカの大使のそういう回答にかかわらず実際はロケット弾を装置し得るものであるわけですね。それは今までの新聞に報ぜられておるAP、UP電がすべて原子弾を使い得るロケット砲と報じておるわけです。そこで新聞報道とアメリカの大使があなたに答えられたのと食い違いがあるのです。あなたの答えられたのをそのまま信用するとしても、実際にその兵器を調べてみるというと、原子弾を装填し得るものであるかもわからぬのですね。
○国務大臣(重光葵君) 食い違いはないように思うのですがね。
○松浦清一君 今あなたのおっしゃるのは、日本向けのものは原子弾を装置し得るものではない、こういうアメリカ大使の回答であったと報告された。新聞に報じておるのは原子弾を装置し得る新兵器であるということを伝えてある。違うんです。それはどっちなんですか。
○国務大臣(重光葵君) いや違わないのですそれは。原子弾頭をも装置し得るけれども、だから普通の弾もつけ得るのです、ロケットで。しかしそのロケットに対してたまの種類に、たまの頭にいわゆる原子弾頭というものをくっつける装置、そういうくっつけても撃てる、こういうのです。しかし日本に向けて持ってきておるロケット砲……持ち込もうとしておるロケット砲なるものには、そういう原子弾頭のついておるたまは一切つけてこない。
○松浦清一君 ですから新聞に報ぜられておるAP、UP電報の報道というものと、今の大使の回答との間に食い違いがあるのです。今私はその新聞を持っておりますけれども、これは煩雑を避けて読みませんけれども、やはり原子弾を使い得るものであるということを言っているのです。
○国務大臣(重光葵君) それはまだ持ってきていない。
○松浦清一君 だからそこの食い違いはどっちをわれわれは信用すればいいのですか。
○国務大臣(重光葵君) それはもちろん公けの説明を信用なさる以外にない。
○松浦清一君 そこでもしアメリカ大使の言うことを一応信用するとして、実際に新聞に報道しておるように、持ってきたものが原子弾を装置し得るものであった場合にどうするかと、こういうことなんです。
○国務大臣(重光葵君) 装置し得るものだと向うは説明しておるのです。し得るものだけれども、そういうたまは持ってこない、こう言っているのです。たまを持ってくるかこないかというと、それは持ってこない。
○松浦清一君 あなたの言うことはわかっておる。アメリカ大使がこう回答されたという報告はわかっている。それは原子力を装置し得るけれども、日本に持ってくるものにはそれを装置することができない……わからんですか。問い方が悪いですか。日本に持ってくるものにはそれを原子弾を使い得る装置を持っていないのだ、こう回答されたのだとあなたはおっしやるのですか。
○国務大臣(重光葵君) いや、そうでないのです。
○松浦清一君 装置がないとおっしゃる。もっと簡潔に言ったら。そうしてあなたはそれを繰り返しておられる。
○国務大臣(重光葵君) いや、そうじゃないのです。
○松浦清一君 どっちなんですか。そこが、肝心なポイントなんだから明確にせにゃいかぬ。
○国務大臣(重光葵君) それなら繰り返しましょう。これには、新兵器には原子弾頭をも装置し得るけれども、日本向けのものにはこれは原子弾頭はついていない。持ってきておらぬです。だから装置はし得る……。
○松浦清一君 わかりました。
○国務大臣(重光葵君) そういうことです。
○松浦清一君 日本にはたまを持ってきていないということですか、簡単に言うたら。
○国務大臣(重光葵君) そうです。大砲を……。
○松浦清一君 装置し得ることはできるけれども、そのたまを持ってきていない。
○国務大臣(重光葵君) 大砲は原子力の威力を加えるたまも込めて撃つことはできるけれども、大砲は持ってきているけれども、たまは持ってきていないと、こういうことなんです、説明は……。
○松浦清一君 そこでその辺は明確になりましたが、原子弾頭を装置し得るものを持ってくるのですから、もし、いわゆる原子弾頭をも装置し得る道具を使うために原子弾を持ってくる、きたい、こういうアメリカ側から要請があった場合には、はっきりこれは断わると、こういうふうにあなたはさっき明言されたのですね。その辺が明確にならなけりゃこの問題は結論つかぬですよ。きのうあなたのおいでにならぬときに、鳩山総理が答えられたのは、原子力兵器は日本に持ってくるというようなことが将来あったとしても、それは拒絶をいたします、こういうことをはっきりおっしゃっておる。あなたもそれをはっきりおっしゃいますね。
○国務大臣(重光葵君) 私は先ほどの意味において申し上げます。
○松浦清一君 そこで問題になるのは、今までのアメリカの日本に対してのやり口というものは、最初は日本に飛行基地を持ちたい、あの飛行場も使いたい、この飛行場も使いたい、大したものじゃないのだ、こういうようなことで日本に注文があって、相当多数の飛行場をアメリカに提供したわけなんです。駐留軍に提供したわけなんです。しばらく使っておるというといよいよジェット機も使わなければならぬことになったので、この飛行場はジェット機の発着に使い得るような飛行場にしたいと、拡張をしたいと、こういうようなことの申し入れがあって、そうして地元の大きな反対にかかわらず、日本政府はそれを応諾せしめられているわけなんです。富士のすそ野でも演習をやりたいから使わしてくれという要請があって、演習くらいならよかろうというので応諾しているというと、合同委員会で解決がついたかつかんかわからぬうちに実弾射撃が始まったのですよ。実弾演習が始まった。兵庫県の青野原では演習するにいい所だから使わしてくれと、こういうことで、それはけっこうだと、こういうふうに言って貸しておいたところが、アメリカの駐留軍がほとんど使わないで日本の自衛隊が又借りをしてちょこちょこ使っていると、つまりあんな広々としたいい演習場で、あれくらいの所をほっておくのはもったいないから爆弾の演習をやりたいと、こういうようなことを申し入れてきているわけです。青野原については承諾をしたという話は聞いておりませんが、今まで貸してあった飛行場をジェット機が発着で登るように拡張をしたいという要求に対しては、応ぜしめられているわけですね。そういうような今までの経過を考えてみても、あなたはそうおっしゃいますけれども、せっかく持ってきた道具を使ってみなければ、これはおもしろくないというので、やはり原子弾を装置してどこかで演習をやりたいというようなことを言ってこないとは限らぬわけです。ですからしっかり腹をきめてですな、もしそういうようなことを言ってきたときには拒絶されることはもちろんであるが、そういう危険性のあるものを日本に持ち込むということに対して今から拒絶をされると、そういう明確な態度をおきめになることはできませんですか。
○国務大臣(重光葵君) これでずるずる原子爆弾などを持ち込まれてはたまったものじゃありません。(「それははっきりしておいてくれよ」と呼ぶ者あり)それははっきり、今でもはっきり原子爆弾は持ち込まないと言っておるのでありまして、これはもうあらゆる機会と申しますか、まあ今回のようなことがさらにこの点をはっきりさせる機会であると私は思っておるのであります。ただまあ普通の場合の協力ということは、私はこれは混同してはならぬと実は思っておるのでございます。条約で引き受けておる普通の協力は、これは日本はあらゆる努力をして、気持としては十分協力する気持で協力していいと私は考える。しかし日本国民と申しますか、民族の死活の問題に関するような原水爆をどうするかというような問題に対しては、これは私はたびたび申し上げる通りに、行政協定締結のときにはそういうことを考えておらぬのだから、条約の義務じゃないと、私はそれは向うは義務であると言っても、こっちは義務でないという立場をとって、そのときには協議なしに、承諾なしにそういうことをされないために全力を尽さなきゃいかぬ、かように思っておるのであります。これはどうしてもそういうことは……。従いましてこれで原水爆がずるずると持ち込まれると、そういうことは絶対に避けなければならぬ、こう考えております。
○松浦清一君 今の私が尋ねておるのは、原水爆を日本に持ち込むということについては鳩山総理もはっきり拒絶するということをおっしゃったのでそれは問題ないのです。あなたも鳩山総理と同じように拒絶するということをおっしゃったから、その点は問題がないのです。ところがそういうものを装置し得る、そういうものを使い得るような兵器を持ち込めば、今飛行場に例をあげましたように、せっかく原子力を使い得るような新兵器を持ってきたのだから、どこかで使ってみたいという気になることは当然の推移だと思うのですよ。そういう危険性のあるいわゆる新兵器なるものを持ち込むこと自体に対して、反対を表明される御意思がないかということなのです。
○国務大臣(重光葵君) その問題については先ほどお答えいたしました通りに、その新兵器の性質を明確にした上で、これは処置したいと思っております。
○松浦清一君 明確にした上でとおっしゃいますけれども、結局原子力を装置し得るロケット砲ということは間違いないのでしょう。
○国務大臣(重光葵君) 原子弾頭……
○松浦清一君 原子弾頭を使い得るという新兵器であるというととは間違いないのですから、そういう危険性のある、将来使ってみたくなりそうな、危険な兵器を拒絶なされる御意思がないか。こういうことを伺っておるわけです。
○国務大臣(重光葵君) これがどのくらいな性能を持っておるかということは、私ははっきりとこれを突きとめなければならぬと思います。これが原水爆を装置し得るものであれば、原水爆の問題は、これは問題はないと思います。しかしどのくらいな程度のものであるか、しかも原子弾頭というのはどのくらいのものでありますか知らぬけれども、それすら持って入っておらぬ、持ち込むことはないと、こう言っておるのでありますから、その点は十分考究を要する。
○堀眞琴君 各委員の質問に対する外相の答弁を伺っておりまして、私はまだまだ不安は去らないと思うのであります。この砲が原子弾頭を装置し得るロケット砲であるということははっきりしておるわけです。外相の御答弁では十分研究をした上で適当な措置をとりたいと思う、こういうお話であります。しかしその性能等については、外電等も詳しく伝えておりますし、もうすでに一年も前から西ドイツにはこれが装置されておる。きょうの日本タイムスには、原子砲の写真が載っております。ことしの初めのUS・ニュース、ワールド・リポートには、ドイツに装置された原子砲並びにロケット砲の性能についても報告が行われております。外務大臣としてすでに一年も前から西ドイツに装置されておる原子砲なり、ロケット砲なりの性能について御承知がないということは、私は非常に怠慢だと思います。しかもこの報告によりますというと、大体広島の原子爆弾の四分一ないし五分の一の破壊力を持つのが原子砲である。ロケット砲弾の先につけられた原子弾についてもやはりそれに劣らないだけの威力を持つものであるということが、すでに報告されておる。そうしますと、あなたは先ほど原子爆弾ではないというお話でありますが、原子力を用いた原子兵器であることには間違いがなく、そういうような危険な砲弾を撃つことのできる原子砲でありますから、外相としてはこの際日本国民の不安を一掃するために、そういうロケット砲を日本に持ち込むことに対してはっきりした態度をとっていただきたい。とのように思うのですが、外務大臣はどうお考えになりますか。
○国務大臣(重光葵君) 私のお答えし得ることは先ほどの御答弁を繰り返すことになります。私はかような問題について十分に事態を明らかにして、そして一般国民と申しますか、日本人一般の安心の行くように処置をとらなければならぬ。そういう御趣旨については私も御賛同を申し上げるわけであります。しかし今これが原子弾頭の装備をしたたまを撃ち得るところのロケット砲であるということで、これを純粋な原子兵器として原子爆弾等と同じカテゴリーに入れてこれに対処すべきであるかどうかということについては、もう少し、私の怠慢かもしれませんけれども、私は実はその知識を十分に持っておりませんから、十分にこれは検討して、専門家の意見も聞いて処置したいと思うのでございます。日本に持ってくるのは、情報によると原子砲でなくして、ロケット砲である。このロケット砲はいろいろな弾を撃ち出すことができる。こういうふうなことを今注意を受けました。それからロケット砲の射程は十五マイルから二十マイルで、敵の陣地の破壊等は大砲と同じ目的で、ただ性能がそれよりも大なるものであるというふうな情報も今得ました。しかしこれは要するに枝葉なことでございます。
○委員長(新谷寅三郎君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(新谷寅三郎君) 速記を始めて下さい。
○松浦清一君 私は先ほどアメリカから極東に持ち込まれるロケット砲に原子弾頭も装置し得るものである、ロケット砲は。そういう危険な兵器を持ち込むということについて、それを拒絶する御意思はないかと、こうお伺いを申し上げた、原水爆を日本に持ってくるということについては、これは反対するということは明確に総理もあなたもお答えになりましたが、私はそれでよろしい。そういうものを使い得るような兵器を持ち込むことに特に反対をなさる御意思はないか、こういうことについて明確に御答弁願いたい。
○国務大臣(重光葵君) それは私はその兵器の性能について的確に検討した上で、私は決定したいと、こう申し上げたのであります。
○松浦清一君 原水爆を持ち込むということについては反対するんだ、こういう御意思がきまっておって、そうして原子力を使用し得るような機械を持ち込む。その威力がどれくらいであるかということは、これはもちろん私はしろうとでわかりません。あなたも今直ちにおわかりにならぬことは当然です。しかし原水爆を持ち込むことは危険であるから拒絶するという基本的な態度がおきまりになっている以上は、その威力が非常に大きいか、大したものでないかは別として、それを使い得るような兵器まで拒絶なさるということは、これは当然だと思うのです。これは私の主観かもしれませぬ。もし外務大臣が単独でそれに対しての明答ができがたいとすれば、閣内で御相談の上でその態度をはっきり表明してもらいたい。今あなただけで御答弁なさるのか、閣内で御相談の上で御答弁なさるのか、それだけお聞きしたい。
○国務大臣(重光葵君) 私のお答えは今申した通りでございます。さらに他の閣僚には意見を聞きません。
○松浦清一君 それは明確じゃないのです。それはコンニャク問答というのです。そういうコンニャク問答は私はしようとは思わない。一区切り、一区切り物事が明確になって行かなければだめなんです。
○木島虎藏君 私外務大臣にちょっと御質問しますけれども、私の拝聴しましたところでは、今回アメリカが持ってきたロケット砲というものは、これは原子弾頭のついた弾も撃てるし、そうでないものも撃てる。そういうロケット砲なんだ。今度持ってきたたまの方は原子弾頭がついたものは持って来てないというふうに聞いたのですが、今の松浦委員のお話だと、そういうロケット砲を持って来るというのはよくない。それは原子弾を撃てるからよくない。それが、直ちにそういうロケット砲を持ってくるということは、原子弾を持って来たと同じように解釈されておるように聞こえるのですが、私の聞いたのでは。ものを分けるというと、そういうふうに聞こえるのですが、それはどうですか。
○国務大臣(重光葵君) 私は今お話の通り、つまりそういう装置はし得るけれども、その原子弾頭、そういうものも一切日本には持ち込んでおらない、こういうことなんです。しかしそういうたまが来れば、それは使うことができるというこれは性能を持っておる。そういう性能を持っておるから、原水爆と同様にこれを危険視しなければならないかどうかという点については、私は一つ専門家の意見によって私の見解もきめたい、こう申し上げたのであります。
○木島虎藏君 そのたまの方に二種類あって、原水爆弾頭をつけたやつとつけぬやつとあるが、今来たとか来ぬとかいうものは、問題になっておるのは、つけぬ方だということですか。
○国務大臣(重光葵君) そうです。
○木島虎藏君 それで、次につけたやつを持って来るならお断わりになるのか、お断わりにならぬのか、そこの点です、今問題になったのは。
○国務大臣(重光葵君) もしそれが原水爆の持つと類似の危険の伴うものであれば、これは断わらなければならぬ、ちゃんと断わらなければならぬ。そこを十分はっきりする手段は、私としてはとらなければならぬと、こう申し上げたのであります。
○委員長(新谷寅三郎君) それでは委員会の再開のときに総理及び外務大臣の出席を求めまして、さらに政府としてのまとまった御見解を聞きたいと思います。 暫時休憩いたします。 午前十一時四十九分休憩 ————・———— 午後二時十一分開会
○委員長(新谷寅三郎君) 休憩前に引き続き、ただいまから内閣委員会を再開いたします。 重光外務大臣から、午前中の各委員の質疑に対しまして、総括して要点を御答弁願いたいと思います。
○国務大臣(重光葵君) それでは午前の御質問の要点についてお答えをいたします。 第一に、今回問題となっておる兵器が、原子兵器であるかないかという点でございまして、かようなものは原子兵器ではないとお答えをいたします。 それから原子弾頭のついたロケットの問題が、問題になっておりますが、それについては午前中にはっきりと申し上げておる通りに、日本に持ってくる兵器にはかようなものはついておらぬと、持ってくる意向のないということを米国側が言っておるのでありますから、今拒否云々の問題は起っておりません。 将来のことについてはそのときに処理いたします。 それから従来申し上げておる原子爆弾のごときものは持ち込まない、こういう米国側の意向につきましては、従来十分の言質を得ておるわけでありますから、これに満足をいたしておるわけでございます。 以上でございます。
○松浦清一君 けさほどの委員会に引き続いて本会議場でこの問題について大へんどうも御苦労でございました。大へん御苦労をかけましたが、今までのこの問題に関する質疑を通して明瞭になったことは、従来からしばしば政府が言明をしておるように、原子爆弾を日本に持ち込むようなことがあれば、先方から相談があるだろうし、もしそのようなことの相談を受けた場合でも、これは断わる方針である、こういうことが鳩山総理並びに重光外相から明確に答弁をされたということが、質疑の過程を通して結論のついた一つでございます。そのほかの問題について、私は本会議に入る直前に原子力を使用し得るような、このロケット砲を持ってくるということは、将来非常なる危険が予想されるので、これを持ち込んでくることに対して断わる意思はないかということを尋ねた、それに対する明確な答弁が得られないままに本会議場に入ったのです。今承わりました答弁によりましても、原子弾頭の……どういうふうに表現をしたらいいのかしりませんが、とにかく原子力に関係のある砲弾を日本に持ち込む意思はないという向うの回答であるから、その点については今どうのこうのという限りではないという、そういう答弁をされた。これは午前中、原水爆弾と、こういう表現をしておりますけれども、それを私は善意に解釈をして、爆弾も、また原子弾頭の、いわゆる先ほど本会議で、たま、たまと言っておられたが、そのたまだ、そういうものも含まれて原子爆弾、水素爆弾と、こういうふうに表現されているものと私は善意に理解をするわけです。現在日本に持って来ておるB29にしてもF86にしても、私の理解するところによれば、これは原子爆弾を搭載し得る性能を持った飛行機であることは御承知の通りである。B29も足はおそいけれども原子爆弾を搭載し得る。F86も搭載し得る。今このロケット砲を持ってきても、結局は爆弾を搭載し得る飛行機と同じような程度のものであるから差しつかえないんだという了解で進めて行きますと、日に日に新しい原子力に関係のある兵器というものがアメリカには生産されつつあるのでありますから、それが日本にどんどんと持ち込まれてくるということは、ますます原子力に対する脅威を深めて行くと私は理解をするわけです。従って今まで入って来ておるB29もF86も、賛成であるとか反対であるとかいうことは別問題として、もうこの辺のところで、いわゆる原子力に関係のある兵器を日本に持ち込むことは、日本人に非常な不安を与えるので、恐怖観念を与えるので、お断わりを申し上げるというような態度には出られぬかどうか、こういうことで私は聞いておるわけです。それに対しても本会議でいろいろ質疑がありましたけれども、結局原子爆弾だ、水素爆弾だという論議に尽きまして、その兵器については断わるとも断わらぬとも、明確な御答弁が得られないままにこの部屋に入って来ておるわけですから、その辺のところを一つ明確にまず第一番にしていただきたい、こう思います。
○国務大臣(重光葵君) その点についても私が申し上げました通りに、従来話し合いに上っておる原水爆と同程度の危険のあるものならば、当然これを断わらなければならぬと存じます。そういう同種類の危険があるかないかということをよく検討してそのつどきめたい、こう考えております。
○松浦清一君 それで、結局俗な言葉で言いますと、刀剣のさやにおさまるものは竹でもおさまる。それから非常な名刀でもさやの中におさまるんですよ。これはしろうと談義ですけれども、私はそう常識的に理解する。原子力を使うことのできないような武器であれば……今まで日本の国において原子兵器は使用しないと、こういう理解に基き、またその方向に向ってあなた方は努力されてきたのでありますから、こいねがわくは刀剣のさやにおさまるものが私は竹でいいとは言いません。竹でいいとは言いませんが、非常に危険な気違いのような名刀であることを、私の感覚から言えば欲しない。今来ているB29も追い返せ、F86も追い返せと、こういうことは別の議論になりますから、この席上では申し上げませんが、だんだんと拡大されてくる、だんだんと原子力化されてくる、その傾向に対しては、ある程度で一つ日本の抵抗線というものを考えておく必要がある。これは私の感覚ですよ。ある程度で踏みとどまっておかなければ、それ以上まだまだ原子力的な新しい兵器が日本に持ち込まれるという危険を予想しなければならぬので、国民の恐怖、不安は限りないものがある、こういうふうに思うのです。今までのアメリカの日本に対するやりくちからずっと判断をしてみると、午前中にも申し上げたように、飛行場はだんだん拡張されている。兵器が近代化されてくるというその傾向に対してとやかく言うわけじゃありませんが、ともかくも戦争に負けた日本人は、戦争に使われる原子力の脅威というものに対しては、心の底から大きな恐怖を感じている。ただに広島で原子爆弾の被害をこうむった人ばかりじゃありません。長崎で原子爆弾の被害をこうむった人ばかりじゃありません。あのことによって日本人のすべてが、戦争に使われる原子爆弾の、人の上に加えられる大きな危害、大きな脅威というものを身にしみてこれを感じている。私は今ここで鳩山総理の言われるようにUPがうそのことを伝えている。それを一体どうするのかというようなことを私は聞きません。しかし現実にそれが持ち込まれてくるということがアメリカの大使から正式に回答され、またそれよりも積極的な行動が世界的に信用の高い通信社から報道されている。こういうことを日本の国民がどう判断するかということを考えてみれば、いわゆるコンニャク問答でああだこうだということで結末のつく性質のものじゃないと思うのです。もしも鳩山内閣が際限もなくアメリカから持ち込まれる原子兵器を、あなた方の理解する共同防衛の精神に基いて拒否することができないという判断を持っておられて、あんなものを断わることはできぬ。今度持ってこられようとするその新兵器を、日本に持ってくるということを拒絶することはできないと、こういう信念を固めておられるなら、断わることはできぬのだとはっきりとお答えなさい。その方があっさりしていいのです。それを酢だのコンニャクだのと言って、とりとめもない御回答をなさるから話がもつれてくる。今、日本の国の政治は政党政治でありますから、あなた方の政党と私どもの政党とがそういう問題についても考え方が違うのでありますから、これはやむを得ぬのです。それほど日本の国民がどんな大きな恐怖の中にさらされようともこの鳩山内閣は押しきって行くのだという御方針であれば、明確にそれをお答えになればそれでいいのです。それに対しての可否については第二次的に論議せられるものであって、第一にお答えにならなければならぬその明確の線というものが、本会議を通してもお答えになっておらないから、問題は複雑になりつつある。御答弁を願いたい。
○国務大臣(重光葵君) 私ははっきりと先ほどの答弁を繰り返します。原水爆のごとき危険なものは日本に持ち込むことを断る、こういう考えで進んでいるのであります。それで行けると、こう思っております。
○松浦清一君 それは午前中も本会議でもあなたはそれを繰り返してきたのです。それでは結末がついていないというのです。原水爆を持ち込むことに対しては許容ができないということは、本会議に入る前に明確になっているのです。それも答えられる必要はないのです。ところが今度持ってくる新兵器というものは、原子力を使用し得る兵器であるということは明確になっている。原子力を使用し得る兵器であるということが明確になっているのだから、そういう危険の想定されるものは将来いわゆる原子力もまじった、いわゆるあなた方のおっしゃるたま、それを持ってくる、こないにかかわらず、その兵器それ自体を日本に持ってくることを拒絶なさる意思はないかとお伺いしているのです。ないならないとはっきり答えてください。
○国務大臣(重光葵君) 私ははっきり申し上げております。それは原子兵器という種類に入っておらぬ。すなわちこれは今までの了解による持ち込まない部分には入っていない、こう申し上げているわけです。
○松浦清一君 それでいいのです。私はあなたに別に敵意を持っているわけじゃないのです、問題を解明するために伺っているわけですから、問の核心に対して答えてもらいたいのです。それでわかりました。今持ち込まれようとするロケット砲は原子兵器でないと解釈されている、それもわかりました。原子兵器でないロケット砲であっても、原子力を使用し得る兵器であることは間違いない。これは間違いないでしょう、それはあなたの先ほどの説明の通りです。私の言うのは原子力を使い得るような兵器を重ね重ね日本に持ち込まれるということは、日本人の恐怖と心配をさらに大きくして行くので、この辺で一線を描いて断る意思はないかと言っているのです。
○国務大臣(重光葵君) それを先ほどから明確にお答えしているわけです。その兵器それ自身は原水爆と同程度の危険なものでないから、従来の持ち込まないという話し合いの中に入っておらぬ。こういうふうに申し上げているのです。入っておらなければこれはこちらが拒否するわけには参りません。
○松浦清一君 あなたは、私が原子力を使い得るような兵器を、たまを持ってこなくても、将来持ってくるかもしれぬ危険が想定されるのであるから、持ってこられてどうだこうだという前に、原子力を使い得るような兵器をこの辺でお断りする意思はないか、こう申し上げているのですから、ないならないと、あるならあるとおっしゃればそれでいいのです。
○国務大臣(重光葵君) 今それはありません。
○松浦清一君 それでわかりました。
○千葉信君 この際、先ほど外相が午前中の私どもの質問に対して三点にわたって御答弁を総括的にされましたが、私の承知する限りでは、この答弁された三点とも午前中の私が質問したときに答弁されたその内容とはっきりと食い違っているのです。
○国務大臣(重光葵君) どういうふうに違っておりますか。
○千葉信君 外相もおそらくまだ忘れていないだろうと思うのですが、午前中私は結論として、ロケット砲がこれを原子兵器であるかどうかということは外相もわからない、私もわからない。従ってこれははっきりその専門家がしっかり問題を検討して、確かめて、これはもう原子兵器であるとか原子兵器でないというととがはっきりした場合、これは原子兵器である場合には自分としてはそれに対して措置をする、こう約束をされた。ところが今あなたは今度はロケット砲は原子兵器でないという答弁をされた。いつ一体あなたは専門家によつてそういうことを確かめられたのかどうか。 それから第二点は、原子弾頭ロケットを日本に持ってこないと言っているから問題はないと、こう第二点で答弁された。一体原子爆弾については、五月三十一日にはっきりとあなたは口約束されたということを言っておられるけれども、原子兵器についてはっきり日本に持ってこないということをいつ確かめたか、これが第二点。明らかに午前中の答弁と食い違っておる。 それから第三点は、原子爆弾を日本に持ってくるなどということについては、五月三十一日の会談で一応アメリカの意向ははっきりした、自分の方としてもそれで了解したという御答弁になっていたんだが、今朝来私はその問題について、少くとも今度のこういう問題を考えてみても、原子爆弾を持ってくるのではないかという予想は出てくる。そこで今回の問題で、国民に与えた衝撃の点から考えてみるならば、私どもが最初から懸念していたように条約にも規制されていなければ、それから文書で取りかわしたものでもない。一片の口頭の約束では、もし外務大臣が更迭されたりした場合に、その口頭の約束が生きるかどうかということも疑問だ。従って国民に対してほんとうに安心できるような状態にするためには、委員長から念を押されたように、できれば条約、できなければ協定、それもできなければ文書によって、はっきりと取りかわしておいてもらいたい、私はこう申し上げたのに対して、重光さんはこうはっきり言われた、私もそういう点については御趣旨には同感でございますから、その努力を一生懸命いたしますとはっきり言っているのだ。今あなたは何と言われました。原子爆弾の問題については持ってこないと言っているんだから、自分はそれで満足している、こう言っているじゃありませんか。三点とも違う。午前中から見たら何時間たっておると思います。たったこれくらいの時間の経過の中で、同じ委員会の席上でこんな食い違った答弁をして、それであなたは一体、責任ある大臣といえますか、はっきり答弁してもらいたい。
○国務大臣(重光葵君) それははっきりお答えします。私は今回の兵器は原子兵器でないとの結論に達しましたとお答えしています。これは午前中お約束申上げた専門家の意見等を聞いて、一つ私の考えをきめると、こういうお約束に基いてこれをきめたのであります。いろいろ聞いてみました。あれから非常に努力をしていろいろな専門家の意見を聞いてみました。こんなものは原子兵器じゃないと、こういうことになって、それで私はなるべく早い機会、あまり機会もありませんから、そのことをお答え申し上げたわけであります。 それから第二点は、それは今問題になっておるロケット砲は、午前中に申し上げた通りに、これに原子弾頭という装置ができるんだ、しかしその原子弾頭は日本に持ってきておらぬのだ、こういうことを向うは言っておる、こう申し上げました。だから、それはここに書いてある通りに申し上げました。それで今私がこれを答えたのは、そういうわけであるから今問題になっておらぬ。問題になってきたときに、これは十分検討しなければならぬ、こう申し上げたのでございます。 それから第三点は、こういう原子爆弾を日本に持ち込まないという、アメリカからわれわれの得ておる了解は、できるだけ国民一般の納得するように、明瞭にすることが必要であるという御趣旨だったと私は解しております。その点は全然同感です。今日も同感です。これらの問題については、その方法は私は検討しなければならぬと思う。それを条約にするか、どういう形にするかということは別でございますが、それに向って私は努力をしようと、これは本会議にもそう答えました。それから、それは今申し上げたところの原子爆弾を持ち込まないという従来の約束に……約束と申しますか、現実に満足をするかと、こういうお尋ねでありますが、私はそれは満足をする、私自身はそれで満足するのであります。しかしながら、さらにこういう問題について一そう形式を進めて行くという方法があるならば、これはやりたいと、こう考えておるのであります。
○松浦清一君 議事進行。 僕の質問中に、関連質問ですが、僕は外務大臣に対する質問が終ったからこうやってもらったのと違いますから、関連質問が終ったら、外務大臣にまた質問しますから、委員長御記憶を願います。
○千葉信君 第一の原子兵器ではない云々という問題、まあ重光さんが果して午前中の質問のときから今までの間に、はっきりそれは自分としては確かめたとおっしゃるなら、私は一応それまでもうそだとは言い切れませんから、仕方なしに私はこの際承認いたします。しかし確かめておきたいのは、この短時間の間に、これほど重大な問題、少くともこれは政府ばかりじゃない、国民にとっても重大な問題です。それをこの程度の短時間に、はっきりと国会で午前中の答弁をくつがえすほど、はっきりと答弁できるまでに確かめられたという、その確かめた相手は一体だれか。これが第一点、いつ確かめられたか、これが第二点。 それから第二の問題については、重光さんがここでも問題をそらそうとして答弁しておられるのです。私は午前中の質問で、原子弾頭ロケット、このロケットに使うたま云々の問題じゃなくて、はっきりしておる。ロケット砲を持ってこようとしておる。その事実に対して、これが原子兵器であるかどうかということをお尋ねしておるわけであります。いいですか。ですから私のお尋ねしたのは、そういうたまを持ってきておるとか、きていないという問題じゃなくて、実際に今行われようとしておる兵器及びたまを除いて、この際、兵器のこと、器具のことを言っておるのです。そういう問題については、今までの外相とアメリカ側の交渉の中には入っていないのです。いいですか。入っていないのです。これは新しく起つた問題だと政府は言っておるのです。新しく起った問題だと言っておるのですから、これは何にも今までアメリカ側とそんなことを交渉しておるはずがない、外相の答弁を信用すれば。そうすれば日本に持ってこないと言っておるから、こう言うから、だから私は、そういう約束を一体いつとったのか、これを聞いておるのです。これが第二点。 それから原子爆弾の問題、この問題については外相も先ほどはっきりと、僕は腹に入れておかれたと思うのでありすまが、私の御質問申し上げた趣旨は、重光外相がアリソン大使と話し合いをして五月の三十一日にそういう申し合せをしたという事実は、私は否定していない。いいですか。否定していないけれども、その問題については、私どもの了承する限りでは、条約上の制限の規定もない。そうしてまた、そういう約束をするくらいならば、こちらの方から要求すれば、約束をちゃんと守る腹ならば、文書でも、それからこれを協定にすることも差しつかえないはずだ。それをやらないところにわれわれの疑念が生じ、国民の疑念が生じたりするのだから、だから、こういう申し合せだけでは国民は安心できない。そこへ持ってきて今回のような問題が起ってきているのだから、従って、国民に対して、政府の責任において……、政府は八千万国民を預っている。政治の要諦というのは、私が申し上げるまでもなく、これは国利民福をはかるために行われることがその要諦だ。従ってそういう立場から行けば、今回のこの問題でこういうように動揺している、衝撃を与えられている国民に対して、安心を与えることが政府の責任であろう。そうだとすれば、政府としては五月三十一日に口頭の約束をしたんだからそれでいいという態度は、国民に対して不親切だ。従ってこれ以上に文書によるなり、協定によるなり、もしくは条約によって、この問題をはっきりさせるというような親切な態度が当然の政府の責任である。こう私があなたに質問したのに対し、あなたは全然同感である、従って私はそのために努力をいたしますということをけさはっきりと答えられておられる。ところが今三つの問題にわたって総括的に答弁をされた、その最後の原子爆弾の問題については、私は満足しておる……。満足しているということになったら交渉するはずがない。交渉はする、するけれども誠意が……、あまり一生懸命にならぬことは、国民の不安など忘れている証拠なんです。はっきりと三つとも食い違っている、あなたの答弁では……。これじゃいかぬと思うのだな、ぼくは。
○国務大臣(重光葵君) お答えいたします。最後の点からお答えいたしますが、私はこのアメリカ側の与えておる言質は、これは政府間のものとしては決して不満足なものではないと思っております。しかしあなたの言われるように、これは念には念を入れて、みんなの満足するような方法をとった方がいいという手段は、全然私同感です。だからそういう方向に向って努力しよう、私は少くともそれを否定するわけではございません。
○千葉信君 それならそれを注釈としてつけ加えなければならないじゃないですか。満足しているというのは、それは誤解しますからね。
○国務大臣(重光葵君) いやそれは同じことです。しまいから二番目の新たな問題、これは新たな問題です。しかしかような原子弾頭というようなものを持ち込んでおらないということは、実は昨日はっきりとこれは聞いておるわけであります、これは。その点はもう今朝から私は繰り返して申し上げる通りであります。 それから第一点は、原子兵器か否かだれと相談してやったか。私は主としてこういう方面において権威を持っておる防衛庁と共同してこういうことを言いました。防衛庁と協議してこういう言葉を……。
○千葉信君 最後の、私の質問では一番最初の問題ですが、防衛庁のと言えば、防衛庁の長官と了解していいですか。
○国務大臣(重光葵君) 長官も含めてです。
○千葉信君 それから私の質問の第二のロケットの問題については、あなたがただいま答弁されている根拠は、これはきのうアメリカ大使館の方に照会をしてもらったあの返事、あれを根拠にしてそう言っておられるんですか。
○国務大臣(重光葵君) そうです。けさから御報告の通りです。
○千葉信君 それから第三点ですね。この点私は大臣としてああいう問題を国会で答弁されるときには、はっきりわかるように、回りくどい言い方ではない答弁をすることが必要だと思うんですが、重光さんは大体の場合において、私どもがいくら辞典を引いてもわからないような回りくどい表現で答弁されるために、それで質疑応答が始終重なってきている。ところがさっきの場合だけに限っては、あまりにそのはっきりと言われ過ぎていて、そのために私は質疑を行わざるを得なかった。そこで今質疑応答を繰り返しているうちに、大臣の方から、実はさっきの答弁は注釈を要することだけは、つまり大臣としては、政府としては、一応口頭の約束だと了承したけれども、いいですか、約束したけれども、しかし先ほどの質疑応答から言っても、国民に対してほんとうに安心感を与えるためには、当然大臣としては、大臣の責任において国民に安心を与えるような措置を講じなきゃならないと大臣は午前中に答え、そうして実はその意味も含めて自分は答えたつもりだった……。ですからその意味では大臣の言葉は非常に足らな過ぎているのです。そのために大臣は、今後国民に安心を与えるために、原子爆弾を持ってこないという条件を、もっと具体的にして、明確化し、形式化して、国民に安心を与える措置をとるということについては、依然として今後も努力をされるのだ、こういうことに触るわけですね。
○国務大臣(重光葵君) 私の答弁ぶりが、非常に、あるいは長かったり、あるいは短かかったりするために、御迷惑をかけまして、まことに申しわけございません。
○千葉信君 いや、迷惑じゃありませんが……。
○国務大臣(重光葵君) 私はその点については先ほど申し上げた通りです。できるだけやってみようと……。しかしこれは午前中も御懇談のようなお言葉でありましたから、私はずいぶん誠意を披瀝して、私も、相手があってのことであるから、結末は、目的を達するか、達しないかは別としては、全力を尽してやってみようということを申し上げたのでございます。これはもうそれに違いないでしょう。
○千葉信君 最後に一つだけ……。 外務大臣は妙にはぐらかされて、午前中の私の質疑が何か懇談のようであったという印象で答弁されるとすれば、これは私としては実に心外千万ですから、言葉はたとえ上品な言葉、穏やかな言葉を使っている場合があるとしても、私どもこの問題については、国民の代表として、国民のほんとうの気持をつかんで、眞剣にやっているつもりですから、大臣もそのつもりで今後は御答弁願いたいと思います。
○国務大臣(重光葵君) どうぞあなたも。そこをお願いします。
○松原一彦君 私も一つお尋ね申し上げたい。日本国民は世界で最初の原子爆弾の犠牲になっておりますので、この原子力兵器に対して異常な恐怖を持っております。従って原子兵器といったような言葉が軽々しく使われることにつきましては、神経をいら立てることも、世界中の人々よりも強いと思うのであります。従って政府は、そうでなくても身近にありましたこの犠牲を顧みましても、原子兵器といったような言葉がどういうようなものであるかを、この機会に一つ明らかにせられて、今の禅問答でないように、(笑声)はっきりとおつけ下さることを希望するものであります。私の所見によれば、これはお尋ねするのですが、杉原長官にもお尋ねしたいのでありますが、沖繩に参るという六門の大砲は、二十八サンチの大砲で、普通の二十八サンチなら、昔からある普通の大砲です。ただしこれは原子弾が撃てるというところから、世間で原子砲と言っておると、こういうふうに聞いておる。公開せられた武器であります。これが原子砲と言うと非常な脅威を持つのでありますが、撃つ弾丸が原子弾であった場合における原子砲であります。また日本にくる今度のオネスト・ジョンというものは、これは御承知のロケットであって、弾頭に原爆の火薬をつければ非常な危険な武器となるが、つけない場合においては普通のロケット砲に過ぎない。こういうものを果して原子兵器と言うべきか。私は原子兵器というものの定義をこの際はっきりと国民にお示しを願いたい。というのは、原子爆弾に類するものはもちろん原子兵器でありますが、原子力を使うものが全部原子兵器ならば、原子力によって動いておる潜水艦もまた原子兵器である。また将来あらゆる産業の面におきましても、電気は原子力によって発電をしようとしておる。将来の、私は世界の兵器は原子に関係を持たないものはまれであるようになるだろうと思うが、(「平和産業とは別だよ。」と呼ぶ者あり)しかし防ぐ以上はこれに対する用意もしなければなりませんけれども、日本人は必要以上に原子力をおそれますから、(「あたり前だよと。」呼ぶ者あり)原子兵器というものは極力避けることが必要であろうと思う。その御用意があるかどうか。(「ないと言っている。」と呼ぶ者あり)将来原子力を利用するならば、平和産業の方には極力利用しなければならぬ。そういう意味におきまして、私は日本の政府はアメリカの了解を得ると得ないとにかかわらず、将来の方針としても、必要以上に恐怖心を持っておるのでありまするから、単に原子爆弾が撃てるというだけでもって、これを原子兵器と言って恐怖に陥らしめないように管理もせなければならないし、そういう方針をもって国民に安心感を与えられるように御努力を願いたいと思うのでありますが、杉原長官いかがでございますか。
○国務大臣(杉原荒太君) ただいまおっしゃいました理由によりまして、今回の問題になっております兵器は原子兵器ではないと思っております。
○松原一彦君 そればかりでなく、将来ともに一つ、かような原子爆弾に対する恐怖心を持っておる国民に対する政治家の態度としても、革新派の諸君からしきりに繰り返されておりまするように、原子兵器といったような言葉をうかつに使わないようにし、それが混乱しないように御努力を願いたい、こういう希望を持つものでありますが、それはいかがでございますか。御用意がありますか。
○国務大臣(杉原荒太君) その点は御質問の通りに考えております。
○植竹春彦君 私は三つ簡単に関連質問を申し上げたいと思う。 第一はこのロケット砲は原子弾を詰めれば原子弾が飛び出す装置がしてあるのだから、やはり原子兵器だと認めるべきである。(「その通り」と呼ぶ者あり)それで民主党の政府といたされましても一向差しつかえないじゃないか。 第二には、この原子兵器ではあるけれども、原子弾を現にわが国に持って来ていないのだから実害が伴っていない。それでよいじゃないか。 第三番目には、原子兵器であると、万が一原子弾を持ってきて込めて撃ったとしても、今回のロケット砲はその射程距離において、使用目的において、まさかこの日本の基地から海を遠く越えて大陸まで飛んで行く射程距離があるものでなくして、この沿岸の舟艇に対して防備するとかあるいは外敵、直接侵略に対して航空機に対して使う、対抗して使うという程度のものであって、原子兵器には非常に大なる性能を持っておるものから小なる性能を持っておるもの、いろいろあるので、今回のロケット砲については、問題とするに足りない、こういうお考えでもって、事がどんどん進んで行くように思われますが、その三つの私の考え方について御答弁願いたいと思います。それは外務大臣からでも杉原長官からでも、あるいは防衛庁の専門の役目の方からでもけっこうです。
○国務大臣(杉原荒太君) 今問題になっております兵器を原子兵器と呼ぶことは適当でない。原子兵器ではない、こう考えております。
○植竹春彦君 それは通念と言いますか、まあ良識に反するのじゃないでしょうか。
○国務大臣(杉原荒太君) もし、たとえば飛行機でも原子爆弾を運び得る、用い得る、そういうものは原子兵器というふうに……、その場合と同じでありまして、この場合でも、これを原子兵器という言葉では、世界の軍事的の標準的の言葉ではそうは解していない、こう解釈いたします。
○植竹春彦君 それは一般の大砲に原子弾を詰め込んでそうして撃つ場合と、それから特に原子弾を装填して、そうしてたまを飛び出させる特殊の装置が必要の大砲と、おのずから違うのじゃないでしょうか。長官のただいま答えられました一般の飛行機で原子弾を運べるからどの飛行機も全部原子兵器であるというのは、それはちょっとお話の筋が違うのじゃないかと思います。
○国務大臣(杉原荒太君) 原子兵器というのは、原子弾それ自体及びその原子弾のみを発射することを目的とするところの兵器、こういうふうに解しております。
○植竹春彦君 すなわち今回のロケット砲は原子兵器である、しかもそれはそう言いまして一向差しつかえないと思います。つまり性能が小さい場合は一向差しつかえない。ことにその目的、性能ともに防御兵器で、決していわゆる大陸攻撃の兵器でも何でもない、そういうふうに論理を進めて行って、事実を認めて、どんどん議事を進行して行かれていいのじゃないでしょうか、もう一ぺん。
○国務大臣(杉原荒太君) その点は、原子兵器であるかどうかという問題につきましては、ただいまお答え申し上げた通りであります。そしてこれをさらに攻撃的といいますか防禦的といいますか、これはそう簡単に言い得るものではないと思いますが、これが直ちに侵略的の兵器だ、そういうふうに断定することはできないと思います。
○植竹春彦君 私のただいまの攻撃的というのは、むろん侵略的という意味ではなく、ただ通俗に言っただけで、その点は御了承願いたいと思います。 この問題につきましては、まだ他に発言者も大ぜいおられるので、ことに私は議事進行を含めての発言でありましたので、この程度にいたします。
○松原一彦君 議事進行。私承わっていると、これはやはり原子兵器そのものの定義及び解釈の差であって、ことさらに原子力を持ち込むという意思が政府にあるでもないのであります。従って政府に厳重なる警告を発し、それから将来国民に安心感を与えるように、危険感を持たせないように政府の努力を希望して、そうして私はこの問題はこの際一応打ち切って、直ちに総理大臣に対する質問の残りを継続せられるように希望いたします。
○加瀬完君 議事進行について。この問題は非常に重要な問題でありまして、まだ私たちは質問をしておりませんし、もう少し質問の時間を許していただいて、やはりある程度政府に的確な答えを出していただくという時間をいただかなければならないと思います。もう少しこの時間を続けてもらいたいと思います。
○松浦清一君 松原委員の議事進行の動議に私は反対いたします。それはなぜかといいますと、別に議事を引き延ばすためにこのことを究明しているのではないのです。(「その通り」と呼ぶ者あり)私は与えられた時間内において質問を始めておったところに関連質問が出ているわけですから、一応私のところに返していただいて、質問を続行させていただいて、それに関連する質問があればまた若干お許しになって議事進行をして行かないと……。松原委員のお気持もわかりますけれども……。
○委員長(新谷寅三郎君) ちょっと速記をとめて下さい。 午後二時五十九分速記中止 ————・———— 午後三時三十三分速記開始
○委員長(新谷寅三郎君) 速記を始めて下さい。
○松浦清一君 ただいまお話合いの筋もございますから、簡単に要点をかいつまんで私の疑問とするところを二、三お伺いしたいと思います。 その第一点は、ただいま日本に持ち込まれようとするロケット砲が原子兵器であるかどうかということが問題になりました。委員側からは、これは原子兵器だと言うし、杉原防衛庁長官は原子兵器ではないと、こう言われたのです。しょせんは、私の想像するところ、考えるところ、杉原防衛庁長官も兵器に関するこまかいことについては専門家ではないと思うのです。それから尋ねておるものもまた、これがどういう兵器であるかということについての専門的な知識を持っておるかどうかということは問題だと思うのです。本来言うならば、これが原子兵器であるかどうかということについては、兵器に関する知識の深い参考人を呼んで十分これは調査する必要があると思うのです。しかしその問題を今ここで提議をいたしましたところで、これはおそらく取り上げられるべき性質のものではありませんから、新たな問題として私は提議をいたしません。しかしそういう内容をはらんだ問題であるというととは御記憶を願いたいと思います。この問答は私は繰り返しませんが、原子爆弾は日本には持ってこないという約束ができておって、仮に将来そういうことがあったとしても、これは拒絶するということは明確に答弁されたのであります。そこで原子力を使っておるたまと、それからそれを使い得るロケット砲と一緒にすれば原子兵器であるというととは、これは間違いないと思うのです。実際にそれを使ってやれば原子兵器であるということは間違いないのです。切り離して別々にすれば、杉原長官のおっしゃるように原子兵器ではないという議論が出てくるでしょうが、その問題については、おそらくこれから何時間議論を繰り返しても同じことを繰り返すのだろうと思いますから、これは次の機会に専門的な兵器に関する知識の深い人を参考人に呼んで、きょうではありませんよ。適当な機会に十分政府側も委員も、その性能、その兵器の性質についての解明をする必要があるということをここに提起をしておきます。 それから第二の点は、今持ってこようとするロケット砲を拒絶する意思はないかということに対して、拒絶しない、こういう御答弁があった。それは考え方の相違でありますから、これ以上議論をしても進展しない。さらに私は考え方を進めて、今持ってこようとするものに対しては拒絶はできないが、これ以上新たなる原子的な、原子力を加味された新兵器を持ち込もうということをアメリカが言うてきた場合に、それを拒絶する意思があるかどうかということを第二の問題として伺っておきたいと思います。なぜ私はこういうことを伺うかと言いますと、日米共同防衛の大局的な方針というものは、今までしばしば言明をされております通り、日本の自衛兵力を漸増して行くに従ってアメリカの駐留軍隊を引き揚げて行く、漸減して行くという方向をたどっていることは、これはもう申し上げるまでもない。ところが国民の側から今のアメリカの日本に対する兵力の駐留と言いますか、武器の搬入と言いますか、そういう状態を見ておりますと、日本の自衛隊が漸増して行くにかかわらず、漸減をして行きつつあるという実証を見ないわけです。幾ら陸上部隊が引き揚げたということもわからないどころではない、先ほど申しましたように、飛行場などの拡張が次々と要請されて、そうしてジェット機を使うために少し滑走路を幅を拡げたり、長くしたりすることだけだというふうに簡単に片づけられて、それを承諾して行きつつある。今またこのような新しい原子力を使い得る新兵器が日本に搬入されるということを知った国民は、だんだんそういう危険な原子力的な兵器が日本に増強されつつあるという傾向を見るわけです。これは先ほどの論議を繰り返しませんが、国民に与える恐怖、国民に与える心配を増大しつつある状態であるということを私は考える。そういう意味から、今持ってくるものを拒絶をしてもらいたいが、せぬというのでありますから、これは押問答になりますから、この次にその種のものを日本に搬入しようとしたときに、はっきりと拒絶をなさるべきだと思いますが、重光外務大臣はどうお考えになるかを伺いたい。
○国務大臣(重光葵君) この問題は先ほどお答えした通りに、その場合に考えることにいたします。
○松浦清一君 その場合にお考えになるということは、今までアメリカから要求された飛行場の拡張等について、簡単に応諾したとは思いませんけれども、とにかく非常に強いアメリカの要請があれば、これを応諾しておるという経緯にかんがみまして、この次にまた新しい兵器が搬入されることをあなたが拒絶し得るかどうかということに対して、国民もまた私も非常に心配をしておる。だからそのような危険性のある兵器がだんだんとふえてくるという状態をある程度で阻止するという腹をきめてもらいたい、こう思うのです。
○国務大臣(鳩山一郎君) 私から答弁いたします。日本は安保条約を結びましたけれども、安保条約において目的とするところはおもに日本の防衛だと考えております。日本の防衛を目的とした安保条約で、日本側からいえば自衛のために戦う力を持ち得るという憲法のもとおいてでありますから、自衛のためだという目的から考えまして、重光君の言われるそのつど判断するという意味では自衛のためになるのか、攻撃を目的とするのか、そういうことを土台として判断せられるものと思うのであります。それによってきめて行くよりほかに私は道はないと思っております。
○松浦清一君 そのような答弁をなさるから話が長くなるのですよ。今までの防衛三法の論議の過程において、一体総合経済六カ年計画を立てておるが、これに並行して防衛六カ年計画も立っておるというそうであるが、それはどうなんだ、こうお伺いしたところが、防衛計画は立っていないという。それなら今年三万一千ふやして、来年はどうかといえば、来年度も立っていない。一体日本の国を防衛する自衛力の限度というものはどの辺であるかという質問に対しても、それはわからぬという、茫漠として、日本の自衛力を増強しつつあるし、またアメリカの、鳩山さんのおっしゃるように共同防衛が必要であるという意味で、アメリカからものを申し込まれれば、そうかといってこれを受けて行く、易々としてアメリカのその要望を容認している。その傾向の中にこそ日本人が大きな不安を感じているのですから、日本の国を防衛する限度は、あなたはあなたなりに、どの辺が限度であるということを明確にされて、日本自身の力によって持ち得る限度はこのくらいのものであるから、それ以上のものは非限度として、アメリカからこれくらいのものを援助してもらう必要があるという、いわゆる限度を示せば、反対であっても大体防衛力の増強の限度というものはこの辺だと、安心するか、しないか知りませんが、ともかくもその辺と見きわめがつくわけです。それが茫漠として見きわめがついていない。そこに大きな不安がありますから、もしアメリカ側からそういうものを持ってくることに対して、そのときに相談をするというなら、それならアメリカから持ってくるものと、日本自身が持つものを合わせて、どのくらいのものがあれば日本が防衛できるということをお考えになっているかという線を明確にする必要があると思うのです。いかがですか。
○国務大臣(鳩山一郎君) そういうような防衛の限度を申し上げることはできません。
○松浦清一君 それでは、まるきし無計画であるからこそアメリカから搬入される、いわゆる新しく新しく進歩して行く原子力的な新兵器が持ち込まれるということに心配をするわけなんです。ですから今まで持って来たものは拒絶はできぬというのですから、それの賛否は別として、これからはこのような、日本人が眞に心配をしたり、恐怖を感じたりする兵器の搬入に対しては拒絶をするのだ、こういう態度をおきめになるのはできないのですか。
○国務大臣(鳩山一郎君) いかなる兵器がどういうように発展して行くかはわからない今日でありますから、兵器を制限したり、その量を制限してお答えすることはできません。
○松浦清一君 それでは、これから先にいかなる兵器も、水爆なんかでない限りは、アメリカが持ってくれば応諾をせざるを得ぬという立場をとられるのですか。
○国務大臣(鳩山一郎君) それと同時に、自衛のために必要なる武器という条件がつくものと思います。
○松浦清一君 その必要なる武器というのはどの辺なんですか。
○国務大臣(鳩山一郎君) それはあらかじめ想像はできません。
○松浦清一君 そういう日本の防衛に対する考え方では、無計画、無理想、そういう何にも計画性のない行き当りばったりの外交と、防衛態度であると私は判断いたしますが、いかがですか。
○国務大臣(鳩山一郎君) そのときの国際情勢をしんしゃくしない、あるいは武器の発達をしんしゃくしないで、あらかじめこれを言うことは無理でございます。
○千葉信君 議事進行と今の質問に関連して。先ほどの話し合いによって、委員長から提議された問題の取扱いの方法について私から申し上げたように大体議事が進行しておるわけです。まあ松浦委員の質問の途中で失礼ですが、それは私どものさっき話し合いをした趣旨とは違う方の、まあ全然違うわけじゃありませんが、少しそれた質問に入っておる。聞いておるところによると、松浦さんはこれは代表して質問しておるのじゃない。が、松浦さんの時間だから当然松浦さんはいいと思うのです。しかし、やはり今のような問題に入るためにも総括的に先ほど委員長が言われた三つの点についての問題の真相が究明されれば、私はこの問題についての、質疑は相当簡略化すると思うのです。ですから松浦さんには悪いけれども、松浦さんの質問をこのあたりでちょっと打ち切ってもらって、委員長からさっきの私が申し上げたようなやり方を、かわって先ほど委員長の方から言われたような形で一つ質問してもらった方が、この際議事進行上条件としてはいいのじゃないかと思います。松浦さんの質問は松浦さんの質問として当然やっていいのです。
○委員長(新谷寅三郎君) 松浦委員、今の千葉君の提案のような趣旨ですから、ちょっとあなたのさっきの初めの御質問がありましたが、これに対する政府の答弁がございましたが、それに関連して、ほかの委員から政府に対して確めたいという点があれば、ごく簡単に関連質問を許しますから、ちょっとしばらく待って下さい。
○堀眞琴君 先ほど三点に要約されて委員長からお話しがありました。しかしその三点に対する政府側の答弁が必ずしも十分ではないわけです。そこで私は問題の所在を明らかにする意味において、原子兵器かどうかという問題をもう一度私は政府の側にお尋ねしてみたいと思うのです。政府側では原子兵器ではないということを言明されておりますが、その理由については少しも説明されておりません。なぜ原子兵器でないのか、普通の砲弾も発射するから、それは原子兵器ではないと、こういう意味で主張されておるのか、しかしながら、そうだとするならば、同時に原子弾を頭にくっつけたロケット砲弾を発射することができるロケット砲なんですから、それは原子砲ではないか、こういう工合に考えられる。それから問題は私はその性能、その破壊力等にあると思うのです。原子爆弾が日本国民のこぞっての反対のところであるところも、要するに原水爆というものが非常に大きな破壊力を持っておる、そういうところに私はあると思うのです。原子砲弾を頭につけたロケット砲弾についても同じように大きな性能がある。従ってわれわれは、それがためにこのロケット砲が日本に持ってこられることに対して非常に不安とおそれを持っておるわけなんです。従ってこれが原子砲ではない、原子兵器ではないということの理由をもう少し詳しく、国民の納得の行くように御説明を願いたいと思います。
○国務大臣(杉原荒太君) お答え申し上げます。その理由は、今問題のロケット砲は原子弾等をつけたものを発射することができるけれども、また一般の弾丸も用いる場合も大いにある、決して原子弾等をつけたものばかり使用するものではない。そしてそういう意味において原子兵器ではない、またすでにたびたび申し上げておりますように、今回のロケット砲のいわゆるオネスト、ジョンというものには原子弾頭はアメリカ側は持ってくるのではない、こう言っているのです。そういうところから原子兵器ではない、こう解しております。
○堀眞琴君 ただいまの杉原長官の御答弁では、原子弾を頭にくっつけたロケット砲弾を使うが、しかしまたそうでない砲弾も使う、だからこれは原子兵器ではないという御説明なのです。しかし原子砲弾を頭にくっつけたものを使う砲であるからには、原子兵器であることは私は間違いないと思う。さっき植竹委員から同じような意味の質問があったのですが、政府の方では、いやこれは原子兵器ではありませんと言って答弁されている。それからその性能の問題です。あなたは防衛庁の責任者ですから、おそらくこのロケット砲でもって撃ち出される原子弾をくっつけたロケット砲弾というものが、どのような破壊力を持つかは御存じだろうと思います。すでに発表されているのですから……。そういう点から申しますというと、これは確かに原子兵器であると認めなければならない。問題は、あなたが二番目にお答えになったそういう砲弾は日本にはただいまは持ってこない、こういう点にまあ重点を置かれて答弁されていると思いますが、この原子弾を頭にくっつけたロケット砲弾はグァム島に貯蔵されているわけです。いつでも持ってくることができるわけです。先ほど松浦委員が心配されて質問されたのは、たとえば飛行場を日本側では要請されて向う側に貸した。ところがだんだんとその飛行場を拡張することを向うから要請された。すでにジェット機の発着のために今問題になっているような飛行場の拡張というところまできた。今度のこのロケット砲についても同じように、向う側ではまた将来においてそういう原子弾を頭にくっつけた砲弾を日本に持ってくる心配がある。だからその点を松浦委員は質問されたわけです。ところがそれに対する外相の答弁は、そういう場合には考慮いたします、こういうことなんです。で、これははっきりと、そういう原子兵器については日本の政府としては五月三十一日のアリソン大使との話し合いもあるので、原子爆弾並びにその類似の兵器としてこれを拒否される意思はないか、こういうことをお尋ねしたい。
○国務大臣(重光葵君) そういうものを持ち込む意思のないことが今日わかっておるのであります。それでありますから、今日の問題ではございませんけれども、将来そういう場合が万一あった場合には、そのときにこれに対して日本側の意向をはっきりと示して処理することにいたします。
○堀眞琴君 ただいまこちらにそういう砲弾が来ていないことは、私どもも外国電報によって承知しているわけです。しかし今から日本政府の態度をはっきり示しておくということが国民の不安を除く上に一番大きな私は効果があると思う。そういう意味で政府の方では、そういう原子兵器については、日本側は困るから持ってきてもらわないようにしようという意思表示を私はすべきではないかと思いますが、この点はいかがですか。
○国務大臣(重光葵君) 従来のきまった方針によってこれを処理したいと考えます。
○田畑金光君 関連してちょっとお尋ねしますが、防衛庁長官のお話しによりますると、今の答弁を聞きましても、これは原子兵器ではない、こう言い切っておられます。だれがそういう解釈を下したのか、午前中まではこれは不明であったのです。だれがその解釈を下したかというと、防衛庁長官を含む防衛庁の方で解釈を下した、こういうわけであります。してみますると、防衛庁のいかなる人がそういう解釈をとったのであるか、いかなる部局、あるいはいかなる人がそういう解釈をとったのであるか、これが第一点。第二の点として伺いたいことは、これはすでに原子ロケット砲と呼ばれ、あるいは原子砲と呼ばれておるのです。これが原子兵器でないとするならば、あなたの言われる原子兵器というものは具体的にどのようなものを言うのか。先ほどの答弁は、原水爆弾、あるいはこれを専用に使う兵器のみを原子兵器と、こう呼ぶと言われておりまするが、そういう専用に使う兵器というものは一体具体的にどんなものであるのか、この点を第二の点として伺います。第三の点として伺っておきたいことは、今、重光外務大臣の答弁を聞いておりますると、現在のところは持ち込まない、こういう約束ができているが、将来は将来のそのときに話し合ってみると、こういうことであります。これが先ほど来非常に国民に不安を与えておるということでありまして、原水爆を持ち込まないということは、いわゆる将来あるいは戦争の場合とか、あるいはまた日米共同防衛が具体的に発生したような場合、そういうときこそ原水爆は持ち込まぬというその確約が実際効力を発効すべきときであり、そのことによってのみ初めて国民は救われると、こう思うのでありますが、平時の現在において、平和の今日において、原水爆を持ち込まない、将来はそのとき相談をする、こういうことでは国民として納得がいかぬわけでありまするが、重光外務大臣に明確に答弁願いたいことは、将来ということは何を意味するのか、このことを第三点として伺っておきます。第四点として伺っておきたいことは、単なる口頭によって満足をしておらぬわけでありまするが、明確にこれを文書でかわす、協定の形で文書によって取りかわす、政府はこれだけの明確な腹がまえをもって臨むべきであると考えまするが、これだけの決意がないのかどうか、このことを明確に答弁願いたいと思っております。私は繰り返して申し上げますが、先ほど植竹委員からも、議事進行のためにも政府は率直すなおに原子兵器であるというようなことを認めるべきではないか、こういうような発言がありましたが、あなた方の言うことは、どこから聞いていてもわれわれは納得いかぬ。どうか一つわれわれの納得のいくような明確な答弁をしていただいて、議事進行のできるように、政府自身一つ協力を願いたい、こう考えます。
○国務大臣(重光葵君) 私へのお尋ねの点は二点であったと思います。将来とは何ぞやと、私の言う将来というのは、さような兵器を持ち込むというような場合があったときということをさすのでございます。それから原子爆弾の持ち込みについてどういうような処置を将来するかという点については、先ほどたびたび繰り返して申し上げた通りでございますから、これはお答えいたしません。
○田畑金光君 まだはっきりいたしません。先ほどじゃない。私の今の質問に対して具体的に答弁してくれと、こう要求しておるのです。明確にもう一度答弁して下さい。私の質問に対して答弁して下さい。どういうことなのか……。
○国務大臣(重光葵君) 原子爆弾を日本に持ち込まない、日本政府の承諾なくして持ち込む意思を持っておらないという言質を得ておる、この言質は将来できるだけこの言質の度合いを強めて行くように処置をしよう、その形式はある人は文書といい、その他の方法も考えられるじゃないか、さようなことについては十分に一つ努力をいたそう、こういってさっきから繰り返して申し上げておることであります。
○国務大臣(杉原荒太君) 第一の御質問に対してお答え申し上げますが、これは防衛庁のこういう方面の専門家の意見を……。
○田畑金光君 だれですか。
○国務大臣(杉原荒太君) そういうことまでは私ここで申し上げなくても、そこは私を信用していただきたい。私の方の専門家でございますから、そこはもし必要があれば申しますが。
○田畑金光君 必要があるから申して下さい。
○国務大臣(杉原荒太君) 統幕の事務局長の意見を徴しまして、この人はさらによく相談した上で私のところにその意見を持ってきました。それから第二は、具体的にどういうものか、これは先ほど申しましたように、原子兵器というのは、原子弾それ自体、または原子弾のみを発射することを目的とする兵器、こういうものを原子兵器と了解しております。
○田畑金光君 それじゃ答弁になっておりません。定義はわかりました。杉原長官に私がお尋ねしておることは、あなたの定義はよくわかったのです。いわゆる原子兵器はこうこうこういうものであることは、その定義はわかった。要するに原子爆弾とか、あるいはこういうものを専用に使う兵器を原子兵器と総称する、こういう定義なんです。そこで今言われているロケット砲とか、原子砲とかいうものは原子兵器でないとするならば、具体的にはどのような兵器というものが原子兵器と呼ばるべきものであるかという、その具体的なものをお示し願いたい、こういう質問です。
○国務大臣(杉原荒太君) いわゆる原子爆弾、原子砲弾、原子弾頭を装填したものは具体的な例です。
○田畑金光君 そうしますと、あなたはさっきたまだけを言っている、あるいはたまと言われた。今のはたまを発射するようなやつですね。そうしますと、飛行機なんかに積んで落すやつだけが原子兵器であり、原子爆弾であって、それを発射する、こういうようなものは原子兵器の範疇に入らないということと、ちょっと今のはそこがおかしいじゃありませんか。
○国務大臣(杉原荒太君) 今回の伝えられておりますロケット砲は、原子弾頭を装填したもののみではなくて、それ以外の場合に大いに使われるということでございます。
○田畑金光君 今の問題大事ですから……。
○委員長(新谷寅三郎君) わかっておりますが、千葉君から議事進行の発言を求められておりますから……。
○千葉信君 今まで内閣委員会の、この法案に限らず、内閣委員会ごとに委員長はすこぶる頭脳明晰なやり方で、にくにくしいほどにあざやかに議事をさばいてこられた。しかし今だけは委員長は完全な黒星です。これは委員長一人の罪じゃない。委員長も、委員の諸君もみんな疲れているから、委員長ばかりでなく、みんな少し頭に上っておる。ですから私は休憩の動議を出すのですがね。私は休憩の動議に次のような条件をつけたいと思うのです。少し休んで頭を冷やして、それからさっき私が議事進行について申し上げたように、同じことを堂々めぐりしているから、委員長のところから三点にわたってはっきり政府の態度を究明してこれは委員長に責任を持ってもらって、委員長の究明で明らかにならない点、それからまたその他の自余の二、三の点について疑議が残れば、また各委員から質問してもらう、こういうことで、私のさっきの議事進行の動議のように軌道に乗せてもらいたい。その前に十分ぐらい休憩してもらいたい。
○木島虎藏君 議事進行。ただいま千葉委員から休憩の動議が出ましたが、総理大臣は先ほどからずいぶんお待ちになっている。だから総理大臣の質問を続けていただきまして、そうしてその間に所要の措置をしてもらいたいと思う。ともかくこの際は休憩をしないで、総理大臣に対する御質疑を続行していただくようにお願いしたいと思います。そうして先ほどのお話と違いまして、委員長の代表質問にかわるような質問とはちょっと違ったように受け取れます。ですから今の原爆、原子砲論議はこの辺で適当にケリがつくようにやってもらいたいと思います。
○中川以良君 先ほど私が動議を出して多数賛成者があったにかかわらず、委員長がいろいろな意見を途中でお聞きになって、そうしてお取り計らいになって、私も御善処を促したのでありますが、私のせっかく出した動議が何にもならない。今また休憩の動議が出ておりますが、一つ前に戻して、休憩しても同じことですから、総理もだいぶくたびれておられるようだけれども、冷静になって、皆さんの聞かんとすること、言わんとするととはよくわかっているのでありますから、その意味で委員長が御質問になることが、公平なる立場において御質問になるから皆が納得するので、それを他の人に、委員長にかわって質問させるというところに間違いがあると思う。委員長が一つ公平に御質問いただきたい。政府側も、皆さんから御質問があってだいぶ頭が混乱しておられるようだけれども、一つポイントをちゃんと出して御答弁いただきたい。ことに御答弁中どうも語尾がはっきりしないので聞くのに頭が要るので、わかるように、明瞭に御答弁をいただきたいと思います。
○千葉信君 中川君が言われる前に、私のところから事情を話して、休憩した方がいいということを申し上げたときに、一つだけ私実は落しているから、勘違いをしていろいろな議論が出ていると思うのですが、委員諸君も委員長も相当疲れているから、合わせて最も大事なととは、総理がかなりお疲れのようだから、そういう点も含んで、総理に敬意を表してこの際十分ぐらい休憩して、われわれも頭を冷やして、さっきの委員長のお話しの通りに議事を進めていただきたいということです。勘違いをしないで……。
○委員長(新谷寅三郎君) それではお諮りいたしますが、議事進行についていろいろの動議が、千葉君、木島君、中川君から出ております。私のさっき申し上げたところまで今戻ってやっていると私は思っているのですが、関連質疑があまり長過ぎるので、これは最後には政府側と意見の違いがありましても、これは政府の意思が明らかになればやむを得ないと思うのであります。その点であまり関連質問が長過ぎる傾向があるので、こういうことになっているのですが、私はこれで先ほどのように進んでいるかと思っているのです。それでできれば、私も動議を採決をするのはわけがありませんが、ここで十分ほど休憩しまして、すぐにその間にでも各派でもっていろいろ話し合いを願って、今後の進め方につきましても各派でよく御相談を願って、そうしてとにかく内閣委員会が最後まで運営よろしきを得るようにして行きたいと思いますから、十分間休憩しまして、今の中川委員、木島委員の言われたような、再開しまして私から質問しまして、それでこの原子砲の問題についての質疑は私の質問で打ち切ることにして進めたいと思うのです。(「異議なし」「関連が出るぞ」と呼ぶ者あり)打ち切りと言いますけれども……、ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(新谷寅三郎君) 速記を始めて。それでは十分間休憩いたします。 午後四時十三分休憩 ————・———— 午後四時三十五分開会
○委員長(新谷寅三郎君) 休憩前に引き続き、ただいまから会議を再開いたします。 この際、委員長から政府に対して各委員の意向を代表いたしまして質疑をいたします。 先刻来、各委員からの質疑の内容を総合して見ますると、これらの、次に述べまする諸点についての政府の所見を明らかにしていただく必要があると考えるのであります。その第一は、現在問題になっておりまする原子砲という新兵器は、原子兵器ではないという政府の御答弁でありますが、これが場合によりまして、原子弾頭のついたロケットも発射できるということでありますから、こういう性能を持ったものでも、なお原子兵器ではないとお考えになりますかどうか、この点が質問の第一点でございます。第二点は、原子弾頭のついたロケットを発射するという、かかるロケットを日本に現在持って来ていないという御答弁であります。その事実は明瞭になったのでありますが、今後もしもアメリカにおいて、日本にかかるロケットを持ってこようという場合には、日本政府はこれを拒否せられるお考えでありますかどうか、その点を第二点としてお伺いいたします。次は第三点につきましては、かりに現在原子弾頭のついたロケットが日本にないといたしましても、これを持ってくればやはり原子弾を発射し得る性能を持っておる兵器でありますから、そのような危険性のある原子砲というものを日本に持ってくることを拒否するお考えがあるかどうか。この三点でございます。この三点につきまして委員会を代表して御質問申し上げる次第であります。政府におかれましては、各委員の質疑の内容を十分お考えになりまして、その三点につきまして明確に御答弁をいただきたいと存じます。国務大臣(鳩山一郎君) 私からそれぞれお答えをいたします。 第一の御質問の原子兵器がどうかということについては、現在日本に来ておりまするロケット砲というものは原子弾頭もありませんし、原子弾を撃つ兵器ではないのでありますから、原子兵器とは考えません。第二の、今の日本には原子弾頭は来ておらないが、今後もし日本にくる場合においては、日本政府はこれを拒否するかどうか。第三には、かりに日本に今ないにしても、このような原子砲を拒否する考えはないかどうか。この第二と第三については、同じようにとにかく自衛の見地から必要ならば、やはりそういう兵器のあることが必要と考えますので、国際情勢等を慎重に考慮いたしまして決定をいたしたいと思います。
○堀眞琴君 あとの方がよく聞こえなかったのです、もう一度お願いします。
○国務大臣(鳩山一郎君) 第二と第三につきましては、国際情勢等を慎重に検討いたしまして、日本の自衛を守るためにはどうしても必要だというような情勢においては、私は許可したいという考えを持っておるので、慎重に考慮して決定するつもりでございます。
○委員長(新谷寅三郎君) それではその点について、第二、第三の問題についてさらに確かめますが、鳩山首相は、以前から原子弾を日本に持ってこようという場合には、これを拒否するというつもりである、これは攻撃的な兵器と思われるから拒否するのだと、こういうお考えであったようであります。
○国務大臣(鳩山一郎君) そうです。
○委員長(新谷寅三郎君) ただいまの御答弁によりますと、その原子弾頭を有する砲弾というもの、あるいはそれを発射をする原子砲というもの、これについては、現在の情勢ではわが国の自衛上必要とお考えになりますか、現在は必要でありませんか。将来に対してはただいま御答弁がありまたしように、国際情勢のいかんによって、自衛の見地からあるいは必要になってくるかもしれんというお言葉でありますが、現在の情勢においてはいかようにお考えになりますか、重ねてお答え願います。
○国務大臣(鳩山一郎君) 現状のような状態においては必要ないと思います。これは攻撃的の武器ではないので、自衛のために暴力を防ぐことを主とするようなことを聞いておりますので、原子砲というようなものは攻撃的の武力を感じたときに使う武器だというように考えておりますので、国際情勢の模様によって慎重に考慮して決定したいと先刻申したのであります。
○委員長(新谷寅三郎君) それでもう一点、これは杉原防衛庁長官に伺いますが、ただいま問題になっておりまする原子砲というものは、これは攻撃的な武器ではない、どこまでも防禦的な武器であるというふうに確言できるのでありましょうか、その点杉原長官に伺います。
○国務大臣(杉原荒太君) 今問題になっておりまするロケット、オネスト、ジョンというのは、これは射程圏の二、三十キロのものだと承知しております。そうして原子弾頭をつけました場合と、それをつけない場合とがあるわけでございますが、そのつけない場合の威力というものは、大体二十八センチ大砲程度のものと同じだというふうに聞いております。それから原子弾頭をつけた場合はTNTの一・五ないし二万トン程度のものと聞いております。いずれにいたしましても、これは射程圏の約二、三十キロというのが普通の場合と聞いておりますし、これを侵略的の、いわゆるそれと同意義における攻撃的のむのというふうには解しません。そうしてまた日本としてはあくまでも日本の安全を保障するというこの見地から、すべてこういう問題は考えて行かなければならぬ問題だと思いまするし、そういう点からいたしまして、これは決して私は侵略、攻撃的なものではないと、こう考えます。
○堀眞琴君 今の防衛庁長官の、質問ではないんです。二十キロと、こういうお話ですが、二十キロは二十マイルとだいぶ違うわけですが、今の御答弁でいいのですが、私は新聞で見ると二十マイルとあるのですが、二十キロは二十マイルの間違いではないですが、もしあれでしたら訂正していただきますし、二十キロでよければいいのですが。
○国務大臣(杉原荒太君) これは二、三十キロと聞いております。
○堀眞琴君 二十キロですか。
○国務大臣(杉原荒太君) そう聞いております。
○委員長(新谷寅三郎君) 先ほどの申し合せに基きまして、私から大体各委員の疑問とせられる点を取りまとめて質疑いたしましたところ、ただいまお聞きのような答弁がございました。これについては各委員とも必ずしも答弁に満足せられておるとは考えませんけれども、この問題についての質疑は、後刻総理に対する、質疑を終えました後に、各大臣に対する質疑をいたしますので、その際必要があればしていただきたいと思います。
○木下源吾君 今の御答弁はっきり聞こえないんですよ、こちらに……。あと先がぼけたり、まん中がぼけたり、委員長もう少し大きい声で要点だけ一つ言うて下さいませんか。
○委員長(新谷寅三郎君) 答弁の要点ですか。
○木下源吾君 ええ。こちらの方に聞こえないんです。あなたのお尋ねの点もつけ加えて一つ……。
○委員長(新谷寅三郎君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(新谷寅三郎君) 速記を始めて。さらにもう一点お尋ねいたします。私ども専門家でありませんので、この原子弾頭を有するロケットというものがどういったものであるかはよくわからないのですが、かりに広島や長崎に落されましたような原子破壊を起すような武器、それがそういったロケット弾でありますかどうか、この点についてよく事情をつまびらかにしないのですが、かりにそうであるとしても、自衛の見地から必要とあれば、将来これを持つ場合もあるというふうに政府はお考えになっておりますか、どうですか。日本が持つと言いますのは、将来日本にそういったものを持ってこられる場合にも、拒否しない場合があるというふうにお考えでございますか、その点をもう一点お答え願いたいと思います。
○国務大臣(杉原荒太君) ただいまの委員長の御質問でございますが、原子弾頭をつけたロケット砲、これの威力、これは相当大きな威力を持つとみられるが、そういうものも受け入れる意思があるか、こういう御質問だと思います。これにつきましては、先ほど総理からもお答え申し上げましたように、根本は日本の自衛、安全保障ということを元にいたしまして、国際情勢等をみて決することにしたいと思います。
○田畑金光君 議事進行の関係もありますから、一つだけお聞きしたいことがあります。
○千葉信君 委員長に私ども一任して聞いてもらっているのですから、委員長の質問に対して、今の答弁で委員長は了解されるかどうかというととが問題であると思うのです。ですから私どもここで発言するよりも、委員長に一任したのだから、もう少し委員長にはっきりしてもらいたい。今の問題なんか、特に委員長は、原子破壊を伴うような武器という条件なんかもつけているのです。片方はそれに対して完全にぼかしている、重大なんですから、そういう点は……。
○委員長(新谷寅三郎君) ちょっと速記をとめて下さい。 午後四時五十五分速記中止 ————・———— 午後五時十一分速記開始
○委員長(新谷寅三郎君) 速記を始めて下さい。
○松浦清一君 道草をくっておりまして、だいぶ時間をくいましたので、いよいよ国防会議の御質問を申し上げたいと思います。声があまり大きくありませんから耳をすまして聞いて下さい。ただいま審議を始めようとする国防会議の構成等に関する法律案は、御承知の通り、防衛庁設置法第四十二条に基いてこの国防会議が設置されようとしておるのであります。四十二条で規定しているところは「国防に関する重要事項を審議する機関として、内閣に、国防会議を置く。」、「内閣総理大臣は、左の事項については、国防会議にはからねければならない。」という義務規定にねっておるわけでしょう。そこで私は冒頭にお伺いを申し上げたいのは、内閣総理大臣が「国防会議にはからなければならない。」という義務規定になっておる第一の「国防の基本方針」というのは一体どういうことでありますか。現内閣の考えておるその基本方針の大綱でよろしうございますから、お示しを願いたいと思います。
○国務大臣(鳩山一郎君) 日本の国防は日本単独の力では達成できませんので、アメリカとの安保条約に基いて、協力によって日本の防衛をしておるわけでありまするから、アメリカとの意思の疎通をはかりつつ国防会議を進めて参りたいと思っております。
○松浦清一君 これは私の方の賛否の考え方は別問題として、現在の日本の防衛のやり方というものは、今までしばしば論議されましたように、アメリカとの共同防衛の方針に基いてやっていることはこれはもうわかっているのです。今おっしゃるように、アメリカとの共同によって日本の国を防衛して行くというととが基本方針であって、それが国防会議に諮られるのだというふうに私は聞き取ったわけです。それなら日本単独で日本の国が防衛できる時期はいつごろだとあなたはお考えになっていますか。
○国務大臣(鳩山一郎君) 日本の国防はアメリカの援助を受け、あるいは武器などの供給を受けてやって行くのでありますから、日本の自衛力がだんだん漸増して行きまして、理想とするところは国防六カ年計画というものが成立をして、その時分までに日本の国防が独立することを希望をしております。
○松浦清一君 防衛三法の審議の際は、防衛六カ年計画があるのであろうという私どもの質問に対して、その六カ年計画は持っておらないということを頑強に政府は主張されてきたわけです。しかしもし日本の経済力というものが、これからぽつぽつ防衛六カ年計画を立てられるとしても、立てられた方針通りに日本のあなた方のお考えになる防衛力が充実をしなかったという場合には、アメリカの援助を今から十年でも二十年でも受けなければならぬ、そういうふうにお考えでございますか。こう私がお尋ね申し上げるというと、六カ年計画でその完了した年度には引き揚げてもらえるように努力をするとお答えになるかもしれませんが、大体その辺の目標というものを、せっかく総合経済六カ年計画等を立てられたのでありますから、この機会を通して大体の目標をお示しを願いたいと思います。
○国務大臣(鳩山一郎君) 国防会議が成立いたしましたならば、さっそくに長期防衛計画を立てたいと思います。長期防衛計画の立っていない今日におきましては、いつごろであるかということは明確に答弁するととはできません。
○松浦清一君 もし国防会議設置法が国会を通過成立をした場合には、一番最初の国防会議はいつ招集されるおつもりでございますか。
○国務大臣(鳩山一郎君) この案が通過いたしますれば直ちに国防会議を開きたいと思っております。
○松浦清一君 当初衆議院に提案をされて、参議院に予備審査で回って参りました最初の政府の原案には、国防会議の議員中、民間から練達たんのうの者を五名議員に加えるということが原案でありましたが、衆議院においては民主党、自由党の話し合いによって、民間からの五名の議員は出さないということにきまって、その修正案がここに回ってきておるわけです。民間側からの議員を出さないようにした経過、理由等を御説明を願いたいと思います。
○国務大臣(鳩山一郎君) 私は民間議員のある方がいいと思っておるのでありますが、これをなくなしましても、運営の上に概して差しつかえがないと思います。民間議員を削除したいという希望を持っておった自由党は、内閣の責任性の維持と秘密の漏洩を防ぐためには、まあ民間人がない方がいいという、その二つの理由をあげて、民間議員の削除の法案を提出したというふうに記憶しております。
○松浦清一君 防衛庁設置法が成立しました際に、当局の原案では、今修正をされているように、民間の議員は入れないというのが当初の案であったものが、これまた当時の自由党と改進党との話し合いによって、民間の議員を入れるということに話し合いがついて、この防衛庁設置法が成立したと、そういう経過をたどっているわけです。それがまた今度民間議員を入れないと、内閣がかわるたびごとと言いますか、国会ごとにその内容というものが変遷して行くということは好ましくないと私は思うのです。全く政治の実態というものに妥協のない政治を確立するということは困難であることは、これは常識で判断することができます。しかし私が問いたいのは、民間議員を入れなければならぬと考えてみたり、入れなくても差しつかえないと考えてみたりするほど、これほど軽々しく扱うべき性質のものだと御認識になっておるところに、この国防会議に一点の疑いなきを得ないわけです。その点について、国防の基本方針、防衛計画の大綱等の重要な問題を内閣総理大臣が国防会議に諮らなければならぬと義務づけているこの国防会議に対して、非常に重要な会議であると考えておられるのかどうか、日本の防衛計画を立てるために、簡単なものに考えておられるのか、その辺の簡単なのか、簡単でないのか、その辺のところをはっきりしていただきたい。
○国務大臣(鳩山一郎君) 私は非常に重大な会議だと考えております。
○松浦清一君 第二の防衛計画の大綱の問題ですが、国防の基本方針と防衛計画の大綱は、これはうらはらの関係にあることは、これは申し上げるまでもないのです。国防会議のこの法律が通れば、すみやかに国防会議を招集したいということを総理は念願としておられることは、ただいまの御答弁によって明らかになったのです。直ちにできるだけ早く招集したいと考えているこの国防会議に対して、防衛計画の大綱はいかにあるべきかということについての政府の考え方、何も持ち駒なしにこの国防会議に諮られて、そして国防会議自体がそれを決定して行くという方針をおとりになるお考えですか。
○国務大臣(鳩山一郎君) 日本の国防の大綱は、日本が単独に決定することができないような現状だと私は思います。それでありますから、アメリカとの協力関係、あるいは国連との関係、それらの集団安全保障のことをよく考えて、そうして日本自身の防衛力はどの程度かということを勘案して行かなくちゃならないと思います。そういうような見地から、日本の国防計画というものを国防会議に諮って、そうしてきめて参りたいと考えます。
○松浦清一君 これはいい悪いのことは別問題として、日本の防衛計画というものが、日本単独では立てることのできないような状態に今おかれているということは、これはよくわかります。いいことか、いいことでないことかは別問題として、現在日本のおかれている実情というものは、アメリカと協議の上でなければ防衛計画が立って行かない実情にあるということは、これはわかっておる。私が尋ねているのは、アメリカと相談をしてきめられる防衛計画という追随的な防衛計画の大綱という考え方でなしに、日本は日本として日本の自力でこれだけの防衛力を持つことができる、しかし日本の国を防衛するための全体の力というものは、この程度必要であるということの判断は、一体アメリカが下すべきでなくて日本自体が下すべきだと思うのです。これは鳩山さんが内閣総理大臣であるときには、鳩山さんは鳩山さんとしての防衛に向って防衛計画の大綱、防衛し得る力の総量、そういうことを判断なさるでしょうし、またほかの政党が政権を担当したときには、その政党はその政党なりに、自国を防衛するには軍備がなくても守って行けるというような考え方もあろうし、これだけの軍備は持たなければ防衛ができないという考え方もあろうし、その量なり、力の総体量についての考え方は、各政党なり、人によって異なると思う。鳩山内閣は鳩山内閣としての防衛計画、アメリカ側から要請される力の総量ではなくて、鳩山内閣自体が持っている防衛力の総量というものが考えられておらなければならぬと思うのです。それを一つお漏らしを願いたい。何にもそれがないということではちょっと困るですね。
○国務大臣(鳩山一郎君) 松浦君の御質問の通りに、日本自体としてはどの程度の防衛力を日本自体でできるかということは、もとより考えなくてはならないと思います。その程度がどの限度であるというととは、私は今、日本の防衛計画ができていない今日でありますから、答弁することはできません。
○松浦清一君 今度の防衛関係三法によって自衛隊が三万一千人ふえて十九万何がしになる、それにプラスアメリカが日本に持って来ている軍備である、この二つ合わせた総量が現在の日本を防衛するに足る力だとお考えになって三万一千人の自衛隊をふやされたのですか。今年の日本を防衛するためには十九万の自衛隊と、それからアメリカが持ってきている装備なり、あるいは兵力によって守り得る限度であると考えるが、ところが今までの防衛三法の際に、それなら来年はどれくらいあったらよろしいですかといって聞いたところが、来年のことはわからないと言うのです。これは杉原長官のお答えであったと思いますが、来年どの程度持ったらよいかというととはわからないという、そういう経緯から判断して行くというと、今の鳩山内閣には、現在眼前のただいまの日本の国を防衛する力の全体量というのはわかっているけれども、来年や再来年のことはさっぱりわからぬ、無計画、無方針で防衛をやっておられるということになると、先ほどのロケット砲の論議が発展しましたように、極東の諸般の情勢をアメリカ流に考えて、日本はこのくらいの自力で持ち得る防衛力を持つべきである、アメリカはこれだけ日本に新兵器等を搬入して、そうしてこれだけのものを持ってこなければならぬというような、アメリカ側の考え方に基いて、日本に計画がなければ、日本の防衛力の維持と言いますか、増強と言いますか、持って行くのだと、向うさんのおっしゃる通りに日本の防衛は持って行くのだと、こういう結論になるような気がしてしょうがないのです。国会の審議で、会期も迫っておりますから、来年の計画はありません、六カ年計画はありません、そのときに応じて考えて行くというようなことを言っていれば時間は過ぎて行きますから、今夜の十二時で国会はおしまいになります。しかし私の憂慮しているのは、幾たびか繰り返しますように、国会の法案に対する審議が、議員が何かを聞いて何かを答えて、時間が切れて、会期が済んでおしまいというような、そういうことではいかぬと思う。何かをやっぱりお互いに協力し合って探求をして、そして日本の全体から言えば、日本の行くべき方向、日本の防衛に対する考え方の方向、そういうものを国会を通して国民に示すべきが国会の任務だと、そう私は真から考えているのです。真から考えている。こういうことを聞くと、どうもないものはしようがないと、こういって今まで逃げてこられたのです。話は、ほんとうにないものなら幾ら尋ねてもないものはしようがなくて、これで時間が過ぎて行くわけで、あなた方の方にとっては万歳万歳で、あしたあたり各党を回って御挨拶されりゃ、それでおしまいと、こういうことになりますけれども、そういうことで国会が終ってはまことに私は残念至極だと思う。つづめて申しますと、日本には将来の防衛計画を持っておらないで、アメリカ側の判定する防衛計画に基いて日本の防衛はなされて行くのだ、こういうふうに考えられますが、そうではない、日本は自主独立の自衛態勢を作るのだという建前で、警察予備隊が保安隊になり、自衛隊になって増強されていっておるんですから、その方向は、鳩山内閣としての防衛に対する考え方は、アメリカのおっしゃる通りではない、日本の考えておる防衛の方針、考え方はこういうことだ、そういうことぐらいは、この国会を通してお示しを願いたいものだと、私はこれはあなたにお願いをする。
○国務大臣(鳩山一郎君) 松浦君のお考えはもっともであります。ただわれわれは、現在松浦君に示すべき内容のある防衛計画を持っていないのでありますから、やむを得ずその説明はできません。
○松浦清一君 そういたしますると、もし来年は日本の自衛隊をさらに三万人ふやして二十二万くらいにせねばいかぬと、こういうようなことをアメリカが言ってくる。先ほど問題になっておる新型兵器、ロケット砲が持ってこられる、さらに日々進歩しておる新しい原子力を配合するというか、原子力的な新兵器が向うから持ってこられる。日本に考えられる大綱や方針がなければ、それが日米共同して国を守る、防衛をして行く状態だ、そういうふうに考えて、やすやすと応じなければならぬ。こちらに一つの目標なり、限度があれば、それ以上はお断わりするということが言えますけれども、こちらに何にも計画も方針もなければ、向うさんのおっしゃる通りに追随をして行かなければならぬ、こういう結果になりそうに思えて仕方がないのですが、断じてさようなことはないと、こういうことを証拠立てる説明の仕方があればお聞かせを願いたい。
○国務大臣(杉原荒太君) 日本の自衛態勢の整備については、基本として日本自体が自主的にやらなくてはならぬ、それを元にしてやることは当然でございます。ただその間アメリカ側の援助の関係も考慮に入れてやって行きたい、こう考えております。
○松浦清一君 どうも鳩山総理の御答弁といい、杉原さんの答弁といい、正直に言って防衛三法審議以来うんざりしているんだ、ほんとうのところ。しかし、うんざりしているからといっても聞かざるを得ぬ重要な問題でありますから、続いて私は聞きますが、今御答弁された内容では、先ほどのときにも反対なら反対、できないならできないとおっしゃった方がいいんですと私が申し上げた通り、そういうことすらも明瞭にならない点が多い。防衛計画はありません、基本方針はきまっておりませんというならば、アメリカのおっしゃる通りになさるんですかという質問に対して、今、杉原さんが、何かわけのわからぬ御答弁をされたけれども、一つも理解ができない。お尋ねを進めて行きますが、第三の目的である国防の基本方針、防衛計画の大綱、この二つの計画に関連する産業等の調整計画の大綱とか、鳩山内閣が総合経済六カ年計画を立てられたのはことしの一月です。そうして閣議はこれを了承している。この経済六カ年計画の中に、六カ年を通しての防衛計画が入っておらないといたしましても、この法律が成立して間もなく開かれる国防会議で、国防の基本方針や防衛計画の大綱に次いで産業等の調整計画の大綱が、もし国防会議で決定をすれば、あの経済計画、六カ年計画との関連はどういうことになりますか。
○国務大臣(杉原荒太君) その際には六カ年計画の関係において調整をはかって行かなくてはならぬと考えております。
○松浦清一君 これは高碕さんに聞くべき筋合のものかもしれませんが、総合経済六カ年計画というものは、そのつど変って行くんですか、何か新たな事象が起ってくるたびごとにあの内容というものは変えて行くわけですか、そんなに頼りないものですか、あれは……。
○国務大臣(杉原荒太君) あくまでも六カ年計画の構想の目的はわが国の経済自立、雇用の機会を充実するということを目標にして、それを達成するために必要な理想的な構図を画いたものでございますので、これが客観情勢の状況いかんによっては、この目標数字などはこれは当然に変って行くことがあると思います。
○松浦清一君 この間の防衛三法の討論の際にも私申し上げましたが、政府が防衛六カ年計画はないといってひた隠しに隠している。まあ非常に善意に解釈をしてないものといたしましょう。ところが世上には防衛六カ年計画はあると伝えられておる。しかしまあUP電報でも、あんなものはでたらめだとはっきり言い切る政府のことですから、日本の新聞など問題にはしていないでしょうが、日本のいろいろの情報の伝えるところによれば、六カ年最終年度に陸上自衛隊十八万、それから海上自衛隊三万ですか、航空自衛隊が四万ですか、とにかく制服の自衛隊が二十五万人になるんだ、それに関連してどのような装備を陸上自衛隊が持つか、海上自衛隊が持つか、航空自衛隊が持つかという、その装備の増強されて行く経過というものが世間にはもう伝えられておるわけです。日本の自衛隊が増強するに従って防衛産業は、つまり防衛庁の発注にかかる防衛産業というものはだんだんふくれ上って行くわけです。ですから今までの御答弁の筆法からすれば、ただいまのところ日本の国を防衛する力の限度はこれくらいで足りるとお考えになっておるか、来年はわからぬという、そうすると、総合六カ年経済計画は毎年々々これに変更を加えられて行く、まあ、ああいう雑なものですから、閣議が了承したというのがおかしいほど内容の空疎なもので、取るに足りないものだと私は考えますが、とにかくも鳩山内閣の総合経済六カ年計画というものは、選挙のときも持ち出したし、閣議で了承して、これが鳩山内閣の経済計画だと、こういって打ち出しておる。内容が充実しておるか、空疎であるかという議論は別問題としても、とにかくあの筋書き通り、日本の経済計画を立てて行くのだと、こういうことが説明をされている。しかるに来年の防衛計画が立って、そして関係産業等の調整計画が国防会議において立てられたときには、経済六カ年計画はそのつど修正をして行くのだと言いますから、年々きまっておらない防衛力の増進の線に沿うて、この計画も毎年々々変更されて行く、こういうことになると思うのですが、その通りですか。
○国務大臣(杉原荒太君) 私どもといたしましては、長期の防衛計画、それを一日も早く作りたいと思っております。そしてそれによって経済の六カ年計画との関係も調整して行きたいと、こう考えております。
○委員長(新谷寅三郎君) 松浦君、これであなたの質疑時間三十分は済みました。一応三十分ずつで各委員の質疑を公平に回して行きたいと思いますから、今一点だけ御質問願います。
○松浦清一君 それじゃもう一つぐらい意地きたなくやったって仕方がないから……。
○木下源吾君 外務大臣にお尋ねしますが、この前、外務大臣とアリソン大使との間で、原子爆弾は黙っては持ち込まぬ、こういう何かお話をなされたようでありますが、そういうことをしなければならない何か動機はどこかにあったんですか、何か根拠があって、そういうお話になるのですか。
○国務大臣(重光葵君) 根拠というのは別にございませんが、原子爆弾に関する当時相当論議があったように思っております。そこでそういう誤解を解くために話し合いをしてみたことを覚えております。
○木下源吾君 どういう論議がどういうところで行われたのでしょうか、この前から原子爆弾は日本には持ち込まないということを確約があるかのごとくしばしば御答弁がありましたので、その根拠を何に求めておやりになったのか、実は疑問に思っておったわけですが、今でも疑問が氷解しない。重大な問題ですから、そこで今お話になりましたいろいろ論議があった。一体どういう公式の論議か、あるいは非公式の論議か、そういう点を、またその論議はどういう動機においてなされたのか、こういう点も一つ合わせてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(重光葵君) 当時国会において、行政協定によってはどんな兵器でも持ち込むことを許さなければならぬのかという議論がございました。いかなる種類の兵器でも持ち込むことを認めなければならぬのであるかという議論がございました。そうして特に原子爆弾のごときものも持ち込みを日本が承諾しなければならぬのであるか、どうかという議論がありました。そうであってはならぬのではないかという議論がございました。私は原子爆弾のごときものを持ち込むというような、日本で使うということは、行政協定締結の当時は想像をしておらなかったことであるから、そういう事態が生ずれば、それは協定にはっきりしてないことであるから、明らかでないことであるから、それは別に、そういう場合には話し合いをしなければならぬ、こういうふうに解釈をしておるということを御答弁をいたしておりました。その答弁をアメリカ側にはっきりと、その通りの話しをして、つまり通告をして、こういう工合にやっておる、これを是認するかどうかというようなことで話をしたのでございます。
○木下源吾君 だんだんわかりました。それでは、それはつまり国会の論議が基礎となって、また半ば公式な面からの会談で、そうして御回答を得たと、こういうように了承してよろしうございますか。
○国務大臣(重光葵君) そういうわけです。
○木下源吾君 そこで、もしそういう場合が起きたときは話し合いをしてと、こういうことでありますが、その場合にきっぱりこちらからお断わりすることのできる何か根拠がございますか。
○国務大臣(重光葵君) 私はそこで、日本の承諾なくしては、つまり話し合いがまとまらなければ持ち込むことができぬということができぬということになりますから、結果は日本の承諾なくして持ち込むことはできないと、こういうことになります。
○木下源吾君 そこで日本の承諾ということは、先ほど来の政府側の御答弁を聞いておりますと、客観情勢、日本の防衛のため必要だというときには、そういう話し合いに応ずることも予想される。こういうふうに了解してよろしいのですか。
○国務大臣(重光葵君) むろんその話し合いに、相談をするときの形勢によるだろうと思います。形勢によります。国際情勢その他周囲の情勢にもよりますし。日本の自衛のために果してどういう必要性があるかということも考慮しなければならぬと思います。しかし今のところでは私はそういうことを予想しないで、そういう場合においてはこれを拒絶したいと、こういう答弁をしておることを申し添えます。
○木下源吾君 それでは今の現状ではいかなることがあっても断固拒絶すると、こういうようなお考えということで了解してよろしうございます。
○国務大臣(重光葵君) そういうふうに考えて参りました。
○木下源吾君 もしもそのようなことが、国防会議でその逆に決定したときにはどうなりますか。
○国務大臣(重光葵君) それは国防会議の本質に立ち返らなければならぬと思います。国防会議が決定機関であって、そういうことを決定するということになれば、それはそういう国防会議の決定に従わなければなりますまい。しかし今の案では国防会議なるものは諮問機関でありますから、国防会議の意見を諮問して、そうして政府は慎重にそれを尊重して最後的に決定をするというふうになると思います。
○木下源吾君 私のお尋ねしておるのは、諮問機関が今のあなたのお考えになっておることと逆な答申をしても、政府は現状ではきっぱり断わる、拒絶するという、こういうように政府の意見がまとまっておりますか。
○国務大臣(重光葵君) 現状は、今日においてはそういう方針に政府は考えております。
○木下源吾君 その種の爆弾、原子爆弾とは、大体お考えになっておるのは広島、長崎に落した程度の爆弾のものとお考えになっておるか、そうでなく、いかなる種類の原子爆弾でもという、そういうように了解してよろしいですか。
○国務大臣(重光葵君) 当時の話し合いは、ビキニの水爆によって非常に世界も日本も震駭したというような状況でございまして、非常な強力な原子爆弾のことを考えておりました状態でございます。つまり戦略爆撃に使われるというようなふうに言われておったのでございます。
○木下源吾君 そうしますと、大体の標準は、原子爆弾は攻撃用のものであるというお考えのもとでありますか。
○国務大臣(重光葵君) そうでございます。
○木下源吾君 どのくらいの程度まではそのお考えと大体一致せられるとお考えになっておられますか。
○国務大臣(重光葵君) どのくらいの程度と言われますのは、力……。
○木下源吾君 性能、威力等が……。
○国務大臣(重光葵君) 性能、威力等は、当時言われておったのは原水爆の威力等を考えておりました。
○木下源吾君 今のお話からいたしまして、どうですか、アリソンとあなたの会談の結果を何か文章にでもして置くという、こういうようにしたならばよほど効力が強いと考えますが、そういうものにして置こうというお考えがございませんか。
○国務大臣(重光葵君) 私は今のところは責任がある言明でございますから、これを信じて、それで十分であると、こう考えておったのでございます。しかしいろいろ御意見を伺ってみて、一そう念を入れた方がよくはないかという御意見には私は共鳴を申し上げておったのでありますが、努力をいたしてみようと、なかなかその結果を今保証することはできませんけれども、十分努力をしてみよう、こう申し上げておったのでございます。
○委員長(新谷寅三郎君) 木下委員に申し上げますが、大体あなたの残りの時間は七分ぐらいだったのですが、大体二十分ぐらい許そうと思ってやっておりますから、六時ちょっと過ぎでおやめ願いたいと思いますから、まとめて御質問願いたいと思います。
○木下源吾君 なかなか質問もめんどうになってきましたが、時間の都合もありますので……。実は昨日私は今度の新兵器のことについて新聞を見まして質問をいたしまた。防衛庁長官から御答弁を得たのですが、私はこの件について新兵器、富士山の軍事基地の問題について本会議で緊急質問をしたのですが、そのときに富士山を原子爆弾、原子砲、そういうものを発射するに好適な地域とアメリカは選定している。こういう情報を私は得たものですから、これは大へんだと、こう考えまして質問をしたのであります。まあ突如として今度新聞に発表になった。いろいろ聞いてみた、ところが、さつぱり要領を得ない、わからない、私は実は非常に不愉快に感じたのは、私ども緊急質問をしておるのには根拠があってやっている。その根拠もこれは重大な問題だから、ところがこの緊急質問のときにも何もそれには触れて答えはなかった、そのことについては……。そしてその後もそういう重大問題に対して政府は何ら調査をなさったという形跡もない。昨日の御答弁では、これは私は昨日非常に親切だと、こういうふうに考えておったのですが、なるほどそれは立場上、皆さんで見れば、もっとそういううような大砲がたくさん来ている方が気を休ませていいというお立場の方々はそう考えるかもしれませんけれども、御承知の通り、戦争で非常な痛手をこうむり、そしてこの八月六日には広島で、今世界の人々が集まって原爆大会を開くのです。こういうように重大問題の原爆のあるいは類似の問題について政府は非常になおざりではないか、こう考えているのです。何か新聞の中には、すでにアメリカは日本政府に通告済みと、こう言っておりますので、その点をお伺いしたら、そんなことはないと、昨日杉原さんはおっしやる、それで昨日はそのことでだいぶ時間を費したのです。ところが今この新聞を見ますと、あなたの政務次官の園田さんが衆議院の方で言われている、三月二十五日、大きい字で三月二十五日に通告したと、こう書いてある、新聞に……。三月二十五日、大きい字ですからわかりましょう。これは園田さんが委員会で言っているのですよ。これを私は見て、何ともうあなた方に対して私は申しようのない感じを持つている、政府は参議院を侮辱しているのではないか、本会議の緊急質問、かっこの委員会においても非常にのらりくらりと要領を得ないことを言われておりますが、全く私は参議院を侮辱しておられるように、ほのかな憤りを感じている、実際に……。そうでなければ、外務省はあなたの防衛庁の方に、こういうことの何らの連絡もしていないということですね。これは非常に内閣の不統一ではないか、物事を、私は原子爆弾であろうが、原子砲であろうが、われわれを守るためだから、それはもう何でもこれは日常の当り前なことだと、こう考えておってやったのかは知りませんけれども、国民の多数においてやはり心配しておるという点は、多少あなた方も御考慮願わなければいかぬと思います。私はこの点について参議院を一体侮辱なさっての昨日来の御答弁であるのか、また内閣内部におけるこの問題についての不統一であるのか、この点を一つ総理大臣から御答弁をお伺いしたいと私は思うのであります。私は老躯をひっさげての総理大臣に対して、昨日来全く同情と敬意を表しておるのであります。しかしながら、このような現象ということになれば、私一人の憤りではないと考える。私はできるだけこの問題を通して、あなた方と立場は違います。これは保守党諸君と革新党の諸君とは立場が違う。われわれは軍備を持つかわりに、軍備を持つべきじゃない、再軍備反対である。われわれはそういう存在です。われわれは兵隊に引っぱられて行く側です。あなた方は指揮する側なんだから、(笑声)これはやむを得ぬ、そういう存在が現実にあるんだから……。だがしかしながら、この国会におけるところでは、私どもはそういう考えで言っているのでない。私どもはもっと明瞭に事実は事実として国民に知らしてもらうことを望んで、この国会で私は論議をしておる、かように考えるのであります。ただいまのことについて、なぜ昨日その点についてああいうことをおっしゃったか、真意を一つ総理大臣からお伺いしたいと思います。
○国務大臣(鳩山一郎君) 外務大臣が自分で答弁するとおっしゃいますけれども、私からも答弁をいたします。こういうような通告があったということを全然知らなかったのであります。
○木下源吾君 そうでしょう。お知りにならないでしょう。(「それは大へんだぞ」と呼ぶ者あり)
○国務大臣(重光葵君) それはこういうことを政務次官がはっきり言ったかどうか、一つ政務次官を呼んでいただきたいと思います。
○木下源吾君 そういうことをおっしゃるものじゃありません、この事態になって……。一つの新聞じゃない、新聞はみなそういうことを書いているんですよ。
○国務大臣(重光葵君) 新聞は新聞です。一つ所から出たものですから…。それでただいまどういう根拠で説明をしたか、いつしましたか、私はずっとここにおるんだから何も打ち合せを聞きません。よく事情を聞いて、また私も聞かなければ答弁ができません。
○堀眞琴君 ただいまの問題は非常に重大な問題でありますから、ことに私に関して申しまするというと、きのうUP電報を私は引用しながら、向うの陸軍当局が日本政府に事前に報告をしておるということを報道している。ところが鳩山さんはそれをご存じないという御答弁であります。きょう私は本会議での質問の中でもこの問題を出しましたが、外務大臣は何ら通告を受けていないということ言われておる。ところが外務政務次官は、新聞に出ておりますように、三月二十五日、日本側に対して通告を発しておる、こう答弁をしているわけです。従って私は委員長に、外務政務次官をここにお呼び下さって、その上でこの問題を明確にしたいと思います。
○委員長(新谷寅三郎君) さよう取り計らいます。
○木下源吾君 これは取扱上も非常に重大だと思うのです。こういうことを解消しないで先に進むというととは非常に障害が大きい、どうかそれはその間現状のまま休んででも外務政務次官を呼んでいただいて、参りましたら私は二、三質問したいと思います。
○委員長(新谷寅三郎君) ちょっと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(新谷寅三郎君) 速記を始めて下さい。
○堀眞琴君 昨日鳩山首相に対しまして、私は米陸軍当局スポークスマンが、日本側に事前にロケット砲を派遣することについて報告済みである、こういう記事の報道が日本に向って発せられておるのでありますが、それに対しまして、鳩山首相は何も知らない、そういう事前の報告は受けておらない、おそらくUPの誤報であろうという答えであったわけです。今日の本会議の私の質問は、この点に関してもう一度念を押したのでありますが、重光外相は何らこれに対して通告を受けてはおらない、こういう御回答があったわけです。ところが本日の衆議院の外務委員会において、外務政務次官園田君の答弁によりますると、アメリカ側から三月二十五日に、すでに日本側に向って通告してあるということを御答弁になっておるわけであります。鳩山首相並びに重光外相の昨日から本日にかけての御答弁は、全く園田外務政務次官の御答弁と食い違っておるわけであります。私は閣内の不統一の問題もさることながら、参議院に対する政府の態度は非常に遺憾に思うのでありまして、この点に関して鳩山首相、重光外務大臣並びに園田外務政務次官の御答弁をわずらわしたいと思います。
○政府委員(園田直君) 私の衆議院の外務委員会における答弁が、あたかも本件に関する通告を受けたという印象を与えて誤解を受けましたことはおわびを申し上げます。本日の本会議において柳田議員の質問に対し、本件に関しては全然通告は受けていないと答弁いたしました。外務委員会における私の並木委員に対する答弁の中に、米当局はすでに通告したと言っておりまするし、こちらは聞いていないというこの言葉の食い違いは、原子爆弾について、持ち込みについて通報は受けていない、こういう意味でございまして、新らしい型の兵器を持ち込む計画があるということは三月の二十五日ごろ聞いております、こう答えておきましたが、これは率直に申しますると、新聞等で米軍当局は数回にわたって通告したと言っておりまするし、わが方では通告を受けていないということになっておりますので、多分委員会等におきましては、疑念の残るところであろうと思う。実は今朝打ち合せの際、大臣に率直に再三にわたって聞いたわけであります。その際大臣並びにその他の関係当局からも、原子兵器の持ち込み及び本ロケット弾の持ち込みについては全然通告は受けていない、こういう話でありますから、しからば何かこれに関係のあるようなことで、お聞きになったことがございませんか、こう聞いて、いろいろ話をいたしておりまするうちに、私がつい勘違いをいたしまして、三月二十日ごろの会談の中で、これと全然関係はないが、ほかの問題で話し合いがあったような勘違いをいたしましたので、実はこのようなことでございましょうと答弁をいたしておきましたが、その後大臣と連絡をとりましたるところ、それが間違いであるということでありますので、ただいま衆議院の委員会におきまして陳謝をいたしまして、これの取り消しの了承を求めた次第であります。以上御報告を申し上げます。
○堀眞琴君 ただいまの園田政務次官の御答弁によりますと、全然三月二十五日に通告を受けたということは間違いであったと陳謝されたということでありますが、しかし、外電はいずれも日本の政府との間に事前の通告済みである、こういう工合に報告いたしているのでありますが、この点に関しまして、昨日鳩山首相の御答弁では、なお詳しくは外務大臣に聞いてくれということでありますので、私は重ねて外務大臣の御答弁をわずらわしたいと思うのであります。
○国務大臣(重光葵君) 外電でございましたか、東京電でございましたか、そういうことが伝えられたことを私は承知いたしております。そうして今、それでいろいろ調べてみたのでございますが、調べてみましたが、そういう事実はないのでございます。ただこういうことは私記憶いたしております。それは米軍当局が防衛分担金の交渉の最中のようでございました、そのときに、日本駐留軍の若干の交代があるというようなことを言ったことを覚えております。そこで私はそのときに、いや、交代をするというときがあっても、それはまさか原子爆弾を持ち込むのではなかろうかどうかということを、その機会に追及したことを覚えております。追及したところが、いや、そうじゃないのだ、そうじゃないけれども、この軍隊が交代をするのだ、こういうことを言ったことを覚えております。そこでそのときに、新しい兵器のことなどは聞いてはおりませんが、軍隊の更迭ということがございましたから、そういう意味で、あるいは向うの方で言ったのじゃないかと思いますけれども、これは実はずいぶん前の話で、今回のこととは全然この交代のこととは関係はないのでございます。その後もそういう種類のことも両三度ございました。両三度ございましたから、実はさような話の起るたびに、私は原子爆弾のことを申し出たのでございます。何となれば、ずいぶん国会でも問題がだいぶやかましく論議されているのでありますから、そういう機会に十分に先方の意向を確かめることが、私は時宜に適していると思って、原子爆弾のことをしょっちゅう申し出たのでございます。いや、そういうことは全然ない、原子爆弾の持ち込みということは考えておらぬのだ、またそれは日本の承諾なくしてそういうことをしようとは思わぬのだと、こういう説明でございましたから、私も非常に自信を得て、さらにそれを大使館の当局の意見をも確かめて、私は議会の答弁の資料といたしたわけでございます。そういうことでございまして、私はこの今回の持ち込みということは、もう今は七月の末日になっておりますし、一向それに関係のないことでございます。そしてなお三月二十五日にこういうことがあったということが何かの問題になりましたから、三月二十五日にはどういうことがあったかということを、今外務省の方を、詳しい日記をつけておりますから、いろいろ調べてみますと、そのときには、外交交渉としてはやはり防衛分担金の問題の交渉がございました。そういうことでございますが、その交渉の議事録もございますが、それにはそういうととはございません。まあ以上の通りでございますので、この点は今、園田政務次官から釈明した通りのように私は存じます。はなはだこういうことが突発しまして非常に議事の進行を妨げましたことを私からも陳謝を申し上げます。
○堀眞琴君 なおその点に関して実は共同通信が寄せている電報がある。それによりますというと、日本大使館の談話が載っている。日本大使館の談話では、原子弾頭を装着し得るロケット弾を日本に持って行けるということであって、原子弾頭そのものを持って行くか、いなかは必ずしも明らかでないと、こういう意味のことを述べている。従って日本大使館からは外務省に向ってそういうことが、陸軍当局によって発表されたということが、おそらく昨日問題になる前に外務省には電報が入っていることと思いますが、その点はいかがですか。
○国務大臣(重光葵君) その点はワシントンから何も通告はございませんでした。新聞情報の方が、新聞で突如としてこれが現われて、昨日はすぐそれでもうほかの方法がありませんから、米国の大使館に問い合せをいたしたわけでございます。
○堀眞琴君 先ほどの重光外相の御答弁では、アメリカ側にはロケット砲を日本に派遣する計画がある、こういう工合にアメリカの大使館では答弁をしている、こういうお話であります。私は、二十九日には日本に向けてロケット砲を派遣することになっている、外電はこう伝えていると、こう申しましたが、外相はまだ日本には来ておらぬ、こういう御答弁であったと思います。
○国務大臣(重光葵君) そうです。
○堀眞琴君 ところがきょうの朝日新聞夕刊であります。「〔大津発〕アメリカ軍西南地区司令部では三十日、」、きょうであります。「米陸軍省は最近北カロライナ州のフオート・ブラックで訓練を終った第六三三野砲大隊を三十日極東米陸軍に配属したと次のように発表した。」、こういう工合にございまして、そしてその発表の文書が載っておるのであります。これによりまするというと、もうすでにそういう配置を米陸軍の方においては完了している、こう見ることができると思うのでありますが、この点に関しまして外相はどのようにお考えになりますか。
○国務大臣(重光葵君) 私はまだその内容を、情報を見ておりません。おりませんが、私どもは昨日午後大使館からの責任のある情報でございますが、それは新兵器を日本に輸送する計画はあるかとして、原子爆弾には何ら関係はないとして私の読み上げた通りでありまして、私の読み上げない部分に、これらの兵器はまだ到着はしていないのだという注釈を米国側はつけております。
○堀眞琴君 ちょっと新聞をごらんなさい。
○国務大臣(重光葵君) それでその新聞は新らたな情報として値打ちがあれば、すぐ米国側に、アメリカ当局側に問い合せることにいたしましょう。
○堀眞琴君 これによりまするというと、米陸軍当局では、すでに第六百三十三野砲大隊を三十日極東米陸軍に配属したと、このように発表しているのであります。その内容を見まするというと、もちろん大砲が来たということは書いておりません。しかし陸軍当局の方針によるというと、「米陸軍最大の巨砲二八〇ミリ砲をもち原子爆薬使用可能という高度の性能がある。またこのほどオクラホマ州のフォート・ヒルで訓練を終った第五野砲隊も近く米極東陸軍(第八軍)に配置される予定である。」、これは向うにある軍隊がこちらに近く配置される予定であるというのでありまして、単に計画があるというだけのものではなくて、もうすでに実施の段階に入っていると見なければならぬと思うのです。こういうような重要な問題について、米陸軍当局が日本政府に向って、何らの通告もこちらから催促をしなければ向う側は回答を与えないというようなことでは、私は非常に遺憾ではないかと思いますが、その点について重ねて外務大臣の御回答をお願いしたいと思うのです。
○国務大臣(重光葵君) 重要な問題につきましては、たえず連絡をいたしておりますととは、前に申し上げたと思いますが、さようなことについてまだ連絡は来ておらないことも事実でございますし、それで新聞の情報はずいぶん早手回しのこともございますし、そうしてその情報をもって十分一つ向うの事情を問い合せるということにいたしましょう。
○堀眞琴君 私はその新聞情報ということで、ここでお話申し上げておるのではないのです。これには明らかにアメリカ軍西南地区司令部では、三十日こういう発表をしたということを載せているのでありまして、これは陸軍西南地区司令部の発表に基いて新聞が書いたものでありまして、決して単なる情報ではないと思います。こういうような重要な問題について、あらかじめ日本の政府、特に外務当局に対して何の通告もないということは私は遺憾だと、こう申しておるのであります。それについて外務大臣としてはどういう措置をとられるのか。さっそく向うにこのことについて確かめましょうとか、何とかいう程度のことでいつも済まされているわけなんです。私は根本問題として、日本政府側とアメリカ陸軍当局なり、あるいはアメリカ政府当局との間に、もっと緊密な連絡があるのが私は常識じゃないかと思うのです。ところが少しもこれが発表されるまで政府側に何の通告もないわけです。その点を私は申し上げておるのであります。
○国務大臣(重光葵君) いや、私もその点は満足であったとは決して申し上げません。しかし今日までそういう事実の通報を受けておらぬことも事実でございますから、何と申しますか、その事態の改善に向わなければならぬと思います。従いまして、そういう材料をもって直ちに向うの情報の通報に至ることに努めたいと思います。
○堀眞琴君 この問題はこの程度にとどめまして、私はさらに……。
○田畑金光君 ちょっと今のに関連。
○委員長(新谷寅三郎君) 堀君の質問時間があと五分くらいですから、田畑君のを先に関連質問で済ましてしまいますから、いいですか。
○堀眞琴君 はい、いいです。
○委員長(新谷寅三郎君) 田畑君、今の問題につきまして、堀君の質問に対して答弁があったわけですから、あなたの御質疑は大体十分以内で、その一点だけお願いいたします。
○田畑金光君 園田次官にお尋ねいたしますが、本日の朝日新聞によりますると、並木芳雄氏の質問に対しまして、あなたは明確に、去る三月の二十五日ごろ、外務省は米側から新兵器の持ち込みについて通知を受けている。米側としてはこれが今問題のロケット砲についての通報のつもりでいたようだが、日本側ではその後いろいろ問いただした結果、これがオネスト・ジョンについての通報だったということがわかったような次第だ。さらにまた同じく東京新聞を見ましても、あなたは並木氏の、「では今度の計画は何省のどこにいつ通告されたか」、これに対して「今度の新兵器についての通告は本年三月二十五日ごろ外務省に通報されている。」、私の手元にある二つの新聞を見ましても、明確に三月二十五日に通告を受けておる、このように答弁なされておりまするが、この答弁自体はあなたはお認めになりますか、どうか。
○政府委員(園田直君) 新聞の答弁はいささか違っております。ここに速記録を持ってきておりまするが、これを要約いたしますると、こういう意味のことを言っております。原子爆弾の持ち込みについて通報は受けていない、こういう意味でございまして、新しい型の武器を持ち込む計画があるということは、三月の二十五日ごろ通知を受けております、こうここで言っておりまするが、あとの方で、この新しい型の兵器というのは原子兵器でもないし、今問題になっておりまするロケット発射管の通告でもない、ただ三月二十五日ごろか、向うといろいろな折衝のときに、何かそういう兵器に関する話し合いがあったので、これでこれを向うは通知だと言っておるのじゃなかろうか、こういう意味の私は答弁をしたわけでございます。ところがそれは、その後大臣と連絡しまして、それは私の誤解で、私の答弁を取り消しをいたしたのでございます。
○田畑金光君 そこまで……。わかりました。それで一応あなたの御答弁を承わりまして明確になりましたことは、原子爆弾ではないが、新しい兵器についての話し合いがあったというととは、明確にあなたの速記録を見ましても答弁なされているわけであります。昨日重光外務大臣がアメリカの大使館に問い合せましたその回答書にも、新型兵器を輸送することにはなっておるが、原子爆弾とは関係ない、これと全く符合するわけであります。そこでですね、あなたが明確に発言していることは、速記録から明瞭になったわけです。そこでお尋ねしたいことは、どういうわけで衆議院の外務委員会で陳謝をなされたわけですか。この夕刊にも載っておりまするが、けさ何時ごろそのような発言を衆議院の外務委員会でなされたわけですか。
○政府委員(園田直君) 時間ははっきり覚えておりませんが、たぶん十一時半ごろであったと覚えております。十一時半ごろ答弁したあと、気になりましたので、大臣と連絡いたしましたら、それは君の勘違いであるという話があったわけでございます。
○田畑金光君 衆議院の外務委員会で陳謝をなされたのは何時ごろでありますか。
○政府委員(園田直君) ここへ出頭いたします直前、約十分間くらいでございます。
○田畑金光君 どういうことで自分の発言に疑念を差しはさまれて外務大臣にお聞きになったのですか、またそれは何時ごろお聞きになったのですか。
○政府委員(園田直君) 衆議院の委員会が終了したのが午後の一時半ごろだと考えます。そこでいつも委員会で答弁いたしましたことは大臣に報告するのが私の慣例でございます。報告したるところ、それは君の感違いで兵器の話は全然なかったと、こういうことでございますので、重大な問題を感違いして報告したことはこれは大へんでございますから、午後の衆議院委員会に報告をしてお許しを求めたわけでございます。
○田畑金光君 私はちょっとおかしいと思うのですがね、園田外務次官ともあろう人物が、そういう思い違いをされるような人物じゃないですよ、私も今まで内閣委員会であなたの答弁を何回か承わって参りましたが、あなたはそういうような男じゃないはずです。(笑声)それでこちらに入ってくる十分前に陳謝をなされた、これは明らかに、この午後の委員会が開催されたのがちょうど五時ちょっと過ぎでしたか、あなたはこちらからの通報によってそのような手続きをとられたことも、私使者の行き帰りを見て明瞭に看取したわけです。まことにこれは無責任きわまる言動じゃないかと、こう思います。私は、いやしくも園田政務次官が衆議院の外務委員会においてきょうの十一時半には答弁しておる、それをすでに一時半には会議が終って、あなたの話を聞いてみましても、外務大臣にそのような報告を申し上げた。陳謝をしたのがこっちに入ってくるつい十分前だというと、この休憩後の委員会が始まった後に連絡がとられていることは時間的にいっても明らかです。そういう無責任なことは園田政務次官としてもやっていかぬと思います。なぜこのように自信のないことを、外務大臣に報告したらそれじゃ間違っていたぞと言われるような、そういう無責任なことをどういうわけで三月二十五日という日付まで入れて答弁なさったのですか。
○政府委員(園田直君) ただいまの誤解はごもっともでございますが、それはこちらからの連絡でやったのでは決してございません、責任をもって申し上げます。一時半に衆議院の委員会が休憩になりまして、その後大臣の代理で衆議院の本会議で本件に関しては通告を受けていないという大臣と同等の発言をいたしまして、そうして衆議院の外務委員会が再開されましたのが、ここにくる十分前でございまして、劈頭発言を求めて取り消しを発言したわけであります。
○田畑金光君 私のお尋ねしておることは、あなたはなぜ三月二十五日という日付まで入れて衆議院の外務委員会でこういう明確な答弁をなされたかということなんです。あなたの速記録を私お聞きいたしましても明確にお答えになっておるのです。それは新型兵器で、ロケット砲かどうかということは今になってわかったということもあなたの答弁の中にはっきり出ておる、それは昨日のアメリカ大使からの回答書にもはっきりと同じ言葉を使っておる、私はあなたがそういううそを言うような男じゃないと、平素思っているからして、なぜそれじゃあなたは衆議院の外務委員会において、いやしくもこういう重大な問題について発言をなされたのか、もしあなたがそのような誤まった発言をしたとするならば、その責任をどうとるのか、どのように考えられるのか、この点を承わっておきたいと思います。
○政府委員(園田直君) 率直に申し上げまして、私は新聞を見て、向うが二回も通告済みだといっておるので、何かあったのではないかと私も疑いを持ったわけでございます。そこでいろいろ聞いておりまして、大臣に報告するといっても直接会って報告したのではありませんので、二十五日に帝国ホテルで部隊返還のことで話があったということでございます。多分それを耳にはさんで自分が気にしておったので、さてはこのことが米国では通告をしたつもりであって、こちらがそれを聞いていないつもりだったのではないかと、しろうとの悲しさで早合点をいたしまして、まことに申しわけございません。
○田畑金光君 あのね、園田政務次官は、あなたは御苦労をなさっておるような感じがしますがね、ただ、あなた自分が実際そうだったらそうだということぐらいは勇気をもっておやりなさいよ。そういうような秘密独善的な、と申しますか、何でも向うの電報でもこなければ国民には何一つも知らせない、国会においてもほんとうのことを語ろうとしない、この伝統的な秘密のワクの中に閉じともっておる今外交方針というものは、徹底的に究明しなければならぬと思うのですが、アメリカが本年度中に一個師団を減らすということは、もうすでに数カ月前から明らかにされております。その部隊の漸減のかわりに強力な新型兵器を持って行こうとするということも、ヨーロッパにおいても、アジアにおいても、極東においてもとられつつあることも常識になっているんです。そういうような問題、諸般の情勢から判断したときに、これはすでに三月二十五日、おそらく防衛分担交渉の前後においてなされたことは確実です。重光外務大臣はまことにぼやけたような態度をとっておられるが、こういうような間違ったことは私は許すべからざる行為だと思うのです。そういうようなことじゃ園田政務次官は政務次官の責任をわきまえたとは私には考えられないんですが、そんなことでいいんでしょうか。
○政府委員(園田直君) 決してそういうわけではございません。疑いを持つ、あるいはわからない点は大臣からお叱りを受けるほど追及して承わっております。本日のことに関しましては全くその通りでございまして、率直に申し上げますと、私も大臣と打ち合せをした上で本委員会に入りたいと思いましたが、種々打ち合せをするひまもなく、率直に申し上げて皆様方におわびをしようという決意で入って参りました。
○田畑金光君 おわびをして済むような問題ではないはずです。あなたも昨日から参議院の本会議においてこの問題が質問されておる、あなたの所管の問題であるし、きょうこの国会において国防会議法案という最も重大な法律に関連する問題、あなたは昨日の新聞を見ていないはずはないはずです。昨日の参議院本会議における吉田君の質問、これに対する外務大臣の答弁、それは明確に明瞭に見ているはずです。それをあなたは承知の上で衆議院の外務委員会に臨んでおりながら、事前に外務大臣の話を聞かなかった、連絡をとらなかった、こんなことはあり得るはずはないはずです。どこから見ても、私は、ここで問題になったので、重光外務大臣からさっそく使者が参って連絡をとった結果が、今のような外務委員会に対するおわびであり、またこちらにおけるおわびになったと考えております。これは私としては納得行きません。しかし幾ら追及してもあなたがほんとうのことを申さないかもしれません。重光外務大臣は園田外務政務次官がこういう重大な失言をいたしたわけですが、どのように政務次官の責任を追及しようというお考えであるか、承わっておきます。
○国務大臣(重光葵君) これにつきましては十分に事情をさらに究明してみたい、こう考えております。これはしかし私の十分連絡手数が足りなかった点から来ておると思います。そこでもしかような手違いをするのは、それは外務大臣自身の責任であると、皆さん方がそういうふうにお考えになるならば私はそのお考えに服します。
○田畑金光君 今の外務大臣の最後のお言葉聞こえないんですよ、ちょっともう一度お尋ねしますが、重光外務大臣に……。
○国務大臣(重光葵君) 私はかような行き違いが起りましたことは私自身の指導よろしきを得なかったことであると思います。連絡等の手違いがあったことと思います。そのことについて私の行き届かなかったことを痛切に感じております。まことに御迷惑をかけたと思います。そこでもしそういうようなことで私の責任を追及されるならば、皆さん方の国会の何でこれに服しようと思っております。
○委員長(新谷寅三郎君) ちょっと申し上げますが、加瀬君も、菊川君も、このことで総理及び外務大臣に対する質疑時間を持っておられますから、その際に御質疑を願いたいと思います。その前に、木下委員から三分でいいから一つだけ大事な問題について質疑をしたいということですから、特に発言を許します。
○木下源吾君 これは本件とは直接関係がありません。きょうの新聞を見ました。原爆の被害、これが世界に、つまり広島の八・六ですね、これを記念日にするというので、世界から平和愛好の人々が集まるということになっておるようであります。ところがいわゆる共産圏からくるものはヴィザを出さぬ、こういうように書いてありました。これも私は何かの間違いじゃないかと、こう思っております。御承知のように、すでに国会からは三十数名はこの二十三日にソビエトに招待を受けて参るようになっておったり、その他いろいろ今は平和のとびらを明けかかっており、交流が十分に行われようとしておるときでありますのに、広島の八・六お祭りと言いますか、あるいは祭と言いますか、これにくる人が、共産圏からくる者はヴィザをやらない、こういうことは私は平和外交をモットーとしてやっておられる内閣の外務大臣はおやりにならぬと考えますが、何かの間違いだと思いますが、この点一つどういういきさつになっておるかちょっとお伺いして、私は日本の平和のために交流を盛んにするために、ヴィザを出してやることを一つお願いしたい、こう思いまして、かたがたお考えを伺うわけであります。
○国務大臣(重光葵君) その問題の詳しいいきさつは私自身十分にまだ承知をいたしておりません。がしかし、今出入国、国を出たり入ったりすることについては、相当むずかしい制限がずっと従来からございます。私どもはこれをなるたけ緩和したいという考え方を持って進んでおるのでございます。その出入国の管理は司法部で、つまり法務省でこれはいろいろ調査の上厳重に調べてやっておるわけでございます。その結果出入国許可をしてもいいということになれば、外務省はこれに対して査証をすぐ出すことになります。そういう手続をやっております。その手続中ではないかと考えます。手続中にやっぱりいろいろむずかしい考え等が新聞に出たのじゃないかと思いますが、よくそれを調査をしまして、そうして善処することに尽力したい。直接私の問題ではないかもしれませんが、そういうふうに考えるのであります。
○木下源吾君 法務省とも関係あるようですが、これは政治的に今まで大体おやりになっておるようでありますが、総理大臣、一つお考えをお述べを願いたいと思います。
○国務大臣(鳩山一郎君) これは閣議できめるべき問題ではないので、まあ事務官にまかしたのです、事務的にやれということで……。それで事務官の方でまだ考え中らしいのですけれども、私の考えとしては、日本の人に約束しました通り、お祭りなんであるから早くヴィザを出した方がいいだろう、こういう意見は通告をしておきました。私から所管省にそういう意見の通告をしておきました。
○堀眞琴君 関連質問ですが、僕はまだ何分か残っておるはずであります。ほんのわずかの時間……。
○委員長(新谷寅三郎君) 五分ありますから、五分だけ……。
○堀眞琴君 私は国防会議構成法のことに関しまして最後に一つだけお伺いしたいのです。それは御承知のように、日本にはアメリカから顧問団というのが派遣されて参っております。この顧問団というのはどういう仕事をするのか、日本の防衛計画の作成の場合には、アメリカ側の意向を代表してこれらの顧問団が何らかの意見を述べることができるのかどうか、こういう問題について、これは鳩山首相と杉原長官にお尋ねしたいと思うのですが。
○国務大臣(杉原荒太君) 私からお答え申し上げます。いわゆる軍事顧問団というのは御承知の通り、いわゆるMSA協定に基いて置かれたもので、これはMSA協定に基く援助業務をやるということがその任務として条約それ自体に規定されておるところでございます。
○堀眞琴君 そうすると、長官何ですか、その顧問団というのは単にMSA協定によって日本に貸与される武器についてだけの顧問団であって、実際にはその他の問題については何ら発言する権限を持っていない、こういうわけですか。
○国務大臣(杉原荒太君) さようでございます。
○堀眞琴君 MSA協定に基く顧問団の任務については私も承知しているわけなんです。私がお尋ねするのは、先ほどもありましたが、日本の防衛計画の作成には日本だけの考え方ではいかぬのだ、こういう御答弁がありました。私もその通りだと思う。むしろ向う側の計画に沿うか沿わないかということが日本の防衛計画が通るか通らないかということの私は目安になると思うわけです。先ほどから松浦委員から六カ年計画後の兵力についてのお話しがございました。二十五万、これはかってアメリカ側が立てたと称せられる三十何万の兵力から漸次減らされて、そこまできたものだと、こう言われているわけです。その二十五万の兵力、これは実際にそうなるかならないかは、まだ今後の問題かもしれませんが、しかしそれらの計画については、国防当局の方から日本の防衛当局に対して話し合いがあるだろうし、それからまた外務省当局に対しても何らかの話し合いがあるからまた外務省当局に対しても何らかの話し合いがあるだろうし、同時にまたMSA協定によって日本に置かれている軍事顧問団についても何らかの発言権があるのではないかと思う。現にただいままで問題になっておりましたロケット砲の問題などについても、おそらく軍事顧問団は相当な発言権を持っているのじゃないかと思いますが、同様に防衛計画についても何らかの発言権があるのじゃないかと思いますが、念のためにもう一度それをお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(杉原荒太君) これは、この軍事顧問団の任務はただいま申し上げた通りでございます。
○加瀬完君 先ほど委員長から、原子弾頭を有することは広島、長崎で行われたと同様な原子破壊を起すものなのか、またこのようなものでも自衛のためなら保持するのか、こういう質問に対しまして、杉原長官は、原子破壊を起すものでも自衛のためなら保有を考慮する、こういう御答弁があったわけであります。そういたしますと、日本列島が将来必要があるならば原子兵器を保有する、こういうことになるのでありますが、当然このことは相手国の原子攻撃を誘発する原因ともなるわけでありまして、すなわち原子兵器の保有というものは、相手国からの原子攻撃の目標となる心配があるわけでございます。この点総理大臣はどうお考えになるか。
○国務大臣(鳩山一郎君) 杉原君の答弁も、いかなる種類の原爆、水爆に同意したというわけじゃないと思いますが、非常に大きな原爆、水爆というものは攻撃的の武器だと思います。自衛の目的を逸脱するような大規模の爆撃については日本としては同意をしない。それは外務大臣が従来もしばしば申し述べた通りであります。外務大臣の従来の発表を修正するというふうな気持は杉原君も持たれないと思います。
○加瀬完君 申し落しましたが、質問を進めて参りますと、アメリカ大使との間に重光外相が取りかわしました原爆についての話し合いの事項というものが出てくるわけであります。この問題は総理に、明日話し合いの内容を文書にしたためて委員会に御提出願いたいという御依頼をしておいたはずであります。その文書を先に御提出いただきたいと存じます。
○国務大臣(鳩山一郎君) 私は文書に提出せよということについて同意はしておりませんでした。重光君が今朝この会議に出るのでありますから、あなたは重光君によく聞いて下さるものと思っています。
○加瀬完君 その問題についてかかずらわっておりますと質問が進みませんから、次に進みますが、原子破壊力を有するところの新型兵器を日本が保有するということは、自衛のためならばあり得るということを証言されたわけであります。そうすると、総理は原爆とか、水爆とか、何か大きなものだけを原子破壊力を持っているものというふうに概念づけておるようでございますが、私どもの心配するのはそうではなくて、原子破壊力を持つところの装備を日本側が持つということは、原子破壊力の装備を持つということは相手国を原子攻撃の目標に誘発をして行くということになるんじゃないか、そういうおそれがないか、こういう点であります。
○国務大臣(鳩山一郎君) ロケット砲あるいは原子砲などというような兵器、そのロケット砲で使うような程度の、つまり原子力のあまり威力を持たない部分については、先刻杉原君が申した通りに、自衛のために必要な場合においては、そのときの国際情勢を検討して慎重に考慮する、こういうことを申したのであります。
○加瀬完君 そうではありません。委員長が原子弾頭を有するということは原子破壊力を持つものと思ってよいか、これを認めたのだ、あなた方は……。しかもこのようなものでも、すなわち原子破壊力を持つものでも自衛のためというならば保持をするのか、こういう念を押しましたが、杉原長官は、原子破壊を起すようなものでも自衛のためなら保有を考慮する、こう言われた。この言葉通りには言われませんが、委員長がこういうふうに了解すると言われましたら、それをあなたは肯定した。そうすると、原子破壊を起すものでも自衛のためなら保有をするということをあなた方は認めておって、今になって原子弾頭がどうでの、これが原子破壊力を持たない限りにおいて認める、そういうことは言われないはずだ。そのために委員長が整理して念を押して、確実な政府としての答えを出してもらいたいという前提に立って質問したことに対して、原子破壊力を自衛のためなら保有をすると答えたのだから、このお答えについては責任をもって答えてもらわなければならぬ、どうですか、これは……。
○国務大臣(鳩山一郎君) 私は先刻の答弁を変更する意思はありませんが、つまり重光君の従来の声明と杉原君の先刻の答弁も、その間の調節をはかって答弁を今したわけであります。決して矛盾はしていないと思います。
○加瀬完君 大矛盾ですよ、それならば総理のような考えであるならば、いかなる理由があろうとも原子破壊力を持つ兵器は持たない、こうはっきりと言い切れるはずなんです。そうでない、政府のさっきの御答弁は、原子破壊を起すものでも自衛のためなら保有を考慮する、こうお答えになった。この答えでは私の解釈が正しいじゃありませんか。あなたのような御解釈ならば、そうではないということを御訂正して下さい。
○国務大臣(鳩山一郎君) 自衛のために必要なる程度の兵器というものは攻撃的のような武器じゃないのです。自衛のために必要なる程度のものでありますから、そういう程度の破壊力があるものはいわゆる原爆、水爆の爆弾とは程度が違う、私はこういうように解釈をしております。
○加瀬完君 いや、私はあなたの新しい解釈を伺っておるのじゃない。委員長のだめ押しに対して、はっきりと原子破壊を起すものでも自衛のためなら持つ、こうおっしゃった。だからそうじゃないのならば原子破壊力を持つところの兵器は一切ごめんでございます、持ちませんと、こう御訂正願いたい。
○国務大臣(鳩山一郎君) 訂正するまでのことはないと思います。原子破壊をするものでも非常な程度があるのでありますから、その程度のものについて、自衛のためになる部分と自衛のため以上の自衛の範囲を越えた分があるはずだと思います。
○加瀬完君 兵器に攻撃のためだの、自衛のためだのと、兵器そのものに区別をつけることは非常に困難であります。またいかなる戦闘行為でも攻撃のための戦闘行為という外交上の名目がつかないのが通例であります。そこでもしも原子破壊力を持っておっても、今度のようなロケット砲は日本の自衛上必要だ、こういう御認定の上に立つといたしましたならば、しかも今までの交渉の経過を伺っておりますと、これは何ら外務省にも、あるいは防衛庁にも事前に打ち合せがない、しかしわれわれ条約によりましても協定によりましても、少くともこういう問題、国民の感情の上に、あるいは国民の政治の上に大運な安定度について心配をもたらすような問題については、当然これは話し合いの議題として出きるべき性格のものだ、ところがそういう話し合いは一つもない。そうすると、次から次へとアメリカの防衛上の必要ということになってくれば、原子破壊力は今は二万トンだけれども、これが五万トンなり、十万トンなり、あるいは数は今はどれくらいか知りませんが、それがさらに数を増して、日本にアメリカ軍によってもたらされるということも想像しなければならぬ。今後原子兵器の投入が激しくなってきましたときに、あのとき断わっておけばいいということじゃ間に合わない。そういう心配はないかどうか、この点。
○国務大臣(鳩山一郎君) これは杉原君から……。
○国務大臣(杉原荒太君) こういう問題を考えるときに、あくまで日本の安全保持ということを基本にして、それで国際情勢をよく見て、その具体的の場合に応じて決さなくちゃならぬ、こういう趣旨で私委員長に対してもお答え申し上げたところでございます。
○加瀬完君 要は原爆あるいは原子兵器というものを日本列島の中に所在させるということが日本の安全をさらに増すことか、あるいは相手方に原子兵器の攻撃の口実を与えることになってマイナスになることか、こういう点を勘案して、今までの政府の態度は原子兵器と名のつくものは、鳩山総理の言葉をもってすれば、昨日は原子兵器という言葉よりももっとゆるやかな、攻撃兵器は所有しないと、こういうのです。その今までの態度と、きょう自衛のためならば原子破壊力を持つ兵器でも所有するということでは、これはずいぶん違っている。一体どうなんです、この違いは……。今までの政府の態度とまるっきり違っている。この違いについて、あなたの今の御答弁はその違いを説明するにあまりにも不満足です。総理大臣、もう一回お願いします。
○国務大臣(鳩山一郎君) 私は別に違ったとは考えておりません。性質においては同じことです。
○加瀬完君 あなた方は原爆は保有しない、あるいは原爆を所有しないと、こういうことをたびたび声明している。少くも原爆を保有しないという重光外相のアメリカとの交渉ということは、どう解釈すればいいのです、それじゃ。じゃ新しくこの解釈を伺います。総理大臣でも外務大臣でもけっこうです。あなた方は原爆を保有しないというアメリカとの話し合いはどういう内容なんです。
○国務大臣(重光葵君) 私は原水爆のような爆弾を持つということは、これは自衛の範囲を超越しておるものだと、こういうふうに考えております。これはまあ原水爆でも自衛のためならばというような考え方も理論上あり得るかもしれませんが、それは私は今日の状況では日本としては自衛の範囲を越すものと考えます。従いまして、かようなものは持たない方が自衛のためにも、それから平和外交のためにもいいと、こう考えて進めているわけです。
○加瀬完君 その点で二つ伺います。原爆の持ち込みは禁止されておるという政府の発表をするからには、当然原爆同様大きい被害を与えるその他の新兵器の使用というものについても禁止の話し合いというのが当然進んでおらなければならないと思う。この点どうです。もう一つは、原爆を持たないということは、正確な解釈をするならば原爆を使用し得る一切の条件は存有させないということでなければならない。こういう解釈をするけれども、これでよろしいかどうか。
○国務大臣(重光葵君) 私はかような問題はきわめて実際的に外交上取り扱うべきものである。また取り扱った方がいいと考えております。そこでまず原爆の問題を十分に、この原爆の問題について処理をして、そして必要があれば漸次その他の方向に行きたいと考えております。たとえば原爆以外の兵器でいろいろ問題になっておるのは、たとえば細菌戦術による兵器のごときはそうであります。かようなものは禁止しなければなりません。しかしこれは国際間において戦争法規でこれは禁止されておると思います。その他国際法規で禁止されていない兵器で、原子爆弾と同様な危険のあるものというのは、今のところ日本としてはそれを考えておりませんので、まず原爆の問題について地固めをして行きたいと、こういうふうに考えております。
○加瀬完君 そのあとの点ですね、原爆を保有しないということは、原爆を使用し得る一切の条件を存在させないと、こういうふうに解釈してよろしいか、またそういう意味で御交渉存をなさったか。
○国務大臣(重光葵君) 私の何は原爆それ自身の問題でございます。
○加瀬完君 今度のように原爆そのものではなくても、条件を変えれば当然核兵器として使用できるようなものを持ち込まれてくれば、これは原爆を禁止するといったところで、広い意味の原爆としておそれられているところの核兵器を使用させるということの禁止にはならなくなってしまう、こういういろいろのいわゆる新兵器と称せられる核兵器の問題について、原爆の禁止と同様にこまかい打ち合せをなさっておられますかどうか、その点……。
○国務大臣(重光葵君) 今申し上げまする通りに、原爆について話し合いをしたのでございます。そのほかの問題にはまだ手が回らぬ状況でございます。
○加瀬完君 現在常識の上から考えても、新兵器といえばあなたが御指摘になったような細菌兵器ということもありましょう。誘導弾兵器というものもありましょう。あるいはガスもあるでしょう。核兵器もその一つでしょう。広島、長崎の原爆などといもうのは新兵器の部類からすれば最も古いのです。それを問題にするくらいであるならば、進んだ核兵器の今度参るロケット砲問題もあれば、あるいは当然その他いろいろの核兵器のことについても、日本におけるところの使用の問題については話し合いに出されなければならないと思う。そうでなければ、原爆ということを国民がおそれていることを代表しての政府の交渉ということには一つもなっておらないと思う、この点どうですか。
○国務大臣(重光葵君) お話のような方面にもいろいろ考えを及ぼさなければならぬようには考えます。しかし今申し上げましたように、まだそこまで手が回っておりません。まず原爆の問題について十分地固めをしよう、こういうふうに考えておる次第でございます。
○加瀬完君 次に伺いたいのは、このロケット砲が日本に持ってこられるという事前の交渉があったかどうかということについて、総理も外務大臣も全然そういう通告がなかった、話し合いもなかったとおっしゃっておったわけであります。そうすると、こういうこの問題は思い違いであると陳謝をしながらも、園田さんは新型兵器のことについては三月二十五日に話し合いが持たれたということをおっしゃっておる。これを蒸し返すようで恐縮でございますが、前後の関係を見ておりますというと、堀委員から新聞を出されて外務大臣はがく然としたようであります。しかもそのときに、このことは政務次官から話があったけれども、お前の勘違いだということで注意をしておったということは一言もお話にならない、ところが園田さんが……。そういう一つの問題があると思う。もう一つの客観的な情勢として、今毎日の新聞でも、あるいは参議院、衆議院を通じて、ほとんど問題の中心が委員会あるいは本会議の問題の中心がこのロケット砲に集中しているときに、外務政務次官ともあろうものが、何月何日にこういう話があったという確実な日を指定して話の内容をつけて発表するなんということは、根拠のないときにありようはずがない、常識で考えて……。こういうことを発表しておいて、これは思い違いでありましたといって、国内の問題だからいい、これが外務省としての国際関係の問題であって思い違いで済みますか、最も慎重であるべき外務省で、しかも次官がこういうふうなことをうかつに発表し得るはずがない、こういうふうにわれわれは判断をする。そこで、これは園田さんが言うのがほんとうで、重光さんの言うのと食い違うから、園田さんがあやまった、こういうふうに類推をするわけであります。それは園田さんの勘違いであった、だから注意したというのなら、それは園田さんがここへ来て釈明する前に、園田さんが言うのがほんとうの実情ならば、大臣みずからが事情をこの委員会であかさないのはどういうわけだ。その点どういうわけだ。
○国務大臣(重光葵君) 実はこの問題はきょう起ったことなんでありまして、きょうは終日私は本委員会に出席しているような状況で、実は他の委員会でどういうことが起ったかということは知りませんでした。知りませんでしたが、しかし、園田政務次官が事前に通告を受けた、こういうことを説明したという報告は受けておりますが、それは何かの非常な考え違いじゃないだろうか、よく調べてみるようにということだけは間接にそう申したのでございます。しかし、それはここで問題になりましたときに、すぐそういうことを、何か行き違いはないかということを言ったということを、私から申し上げればよかったかもしれません。しれませんけれども、私は、私の口から申すよりも、直接どういうわけでそういうことを言ったかということを、政務次官自身から皆さん方に御報告することが、一番、これは何と申しますか、適当なことじゃないかと考えて、私は沈黙をしておったのであります。私は、その前にいろいろなことを申し上げることは、かえって皆さん方の御判断に資するところじゃないと、こう考えた次第でございます。
○加瀬完君 総理大臣に防衛関係の予算の点について伺いたいのでありますが、防衛分担金の折衝を通してみますると、いわゆる広義の防衛費というもの、予算外契約まで含めての広義の防衛費というものは、三十九年度は千四百億ちょっとであります。三十年度におきましては、大蔵省の押えたのは、千三百五十億ぐらいであったと思われます。これは鳩山内閣の公約といたしまして、防衛分担金その他防衛費関係を内政費あるいは生活保障、こういったような方向に回すという大きな線を打ち出した結果は、防衛費というものを減らしていかなければならないという建前をとった。で、大蔵省自身が財政当局として考えるときには、防衛費というものは昨年よりも減らさなければ、そういう意味の内政費とのバランスがとれない、こういう判断をされたと思うのであります。ところが、交渉後の結果というものは、一千四百八十億にふえている。これを見ますると、問題の焦点は、分担金の削減ではなくて、日本政府の示す防衛関係費の総ワクであるといった、アメリカの要求がそのまま通ったという形をとっているので、さっきの新兵器の輸入につけ、あるいはこの分担金の関係につけ、防御費の総ワクにつけ、アメリカの要求というものに一方的に押されているというのが、日本の防衛関係の予算における現状だと思う。この点、どうですか。
○国務大臣(杉原荒太君) 私からお答え申し上げます。 予算外契約が百五十四億、かなりふえております。これらのふえました主なる理由は、船舶関係、船舶建造の関係で最初アメリカ側から警備船二隻の供与を期待しておったのでありますが、この域外調達による供与を期待しておったのでありますが、これがだんだんあとになって供与を期待することができなくなったということが一つの大きな理由、もう一つはF86とT33の機種二つのものにつきましてアメリカ側の供与を受けて、日本側で船を生産するという話し合いが成立した、これがおもな理由でございます。
○加瀬完君 アメリカの現地軍は、軍事顧問団を通しまして、アメリカの軍事予算が削減されて、この上日本の防衛分担金を減らされては運営にも事欠くというので強力に主張したということが伝えられておる。その要求額は九百五十二億であったとも伝えられておる。この軍事顧問団というものは、今でも防衛庁の予算の折衝に相当な力を持っておる。そこでこの新しく国防会議というものが生まれて、国防会議の事務局というものができたときに、その事務局というものとこの軍事顧問団というものはタイアップして国防会議を動かして予算獲得に防衛費優先という形をとるようなおそれが当然生じてくると思う。これは過去の日本の軍部の歴史を見ても、当然政治優先と言っておるけれども、そうではなくて、軍閥に優先されるような傾向が生じてくると思う。こういう心配が出てくる。国防会議を持ちまして、事務局を構成いたしまして、軍事顧問団の関係というものを考えますときに、再び軍部の台頭という根源を新しく作り出すというような心配を総理はお持ちにならなかったか。
○国務大臣(鳩山一郎君) 内閣の方は命数がありますし、軍事顧問団とか、あるいは計画を立てる方は継続的なものでありまするから、よほどの注意をして、あなたの御心配のようなことにならないようにする必要があるとは思っております。けれども、そういうような弊害を除去せんがために、政治優先の形式を認めてこの国防体系ができていることはあなたの御承知の通りであります。そういう結果が起きないように努めなければならないと思っております。
○委員長(新谷寅三郎君) 加瀬君、七時半までですから。
○加瀬完君 鳩山総理と重光外相の御説明を承わっても、あなた方の政府におきましては、あくまでも国防よりも外交が優先するのだ、政治が優先するのだ、こういう建前をお説きになっておる。そこで、振り出しに戻りまして、重要な問題でありまするから一つ念を押しますが、委員長の、原子破壊力を持つものでも自衛のためなら持つのかということに対して、あなた方はそういう原子破壊力を持つものでも自衛のためならば持つと言ったけれども、これは間違いがないのか。訂正するならば、そういうものを持たないということであるならば、そういうものを持たないというならば、御訂正をいただきたい。
○国務大臣(鳩山一郎君) どうもそういうように抽象的に言うわけにはいかない。
○加瀬完君 抽象的と言ってもあなたの答弁がそうであった。
○国務大臣(鳩山一郎君) 原子力も程度の問題で、原子力もある程度のものはどうしても加味せられなくてはならないと思います。
○加瀬完君 私は委員長に伺いますがね。あなたはさっき原子弾頭を有することは、広島、長崎で行われたと同様な原子破壊を起すようなものでも自衛のためなら保持するのか、こう御質問なさった。これに対しまして、政府は原子破壊を起すものでも自衛のためねら保有を考慮する、こういうふうに答弁したものと解釈をすると委員長がおっしゃって、それをそのまま認められた。ところが、今はぐにゃぐにゃだ、もう一回委員長は改められて、そういうことを一体考えておるのか、持つのか持たないのか、はっきりともう一ぺん再確認をお願いしたい。
○委員長(新谷寅三郎君) 加瀬君のお尋ねですが、先ほどの私の言葉の使い方等は速記録に載っておりますから、それによって御了承願いたいと思います。私の聞きましたのは、政府側で御答弁になった最後の点で、侵略的な武器は持たないけれども、しかし自衛上必要とあれば国際情勢を見て考慮をすると、こういう御答弁がありましたので、それには自衛上必要と認め、国際情勢から見てこれも必要と認めて持ち得る新型兵器の中には原子破壊力を持つようなものも含むのですか、ということを申し上げたところが、杉原国務大臣からその通りであります、という御答弁があったのであります。言葉の使い方は多少違うかもしれませんが、そういう趣旨で質問をし、そういう趣旨の答弁があったわけであります。
○加瀬完君 私もそのことを言っているのです。今御説明の通りに政府は答えられたのだ。要約をするならば原子破壊を起すものでも自衛のためなら持つと、こういうことになるのだが、この通りでいいのか。もしお改めになるのならばはっきりと持つのか持たないのか、その点だけをおっしゃっていただきたい。
○国務大臣(鳩山一郎君) 委員長がただいま報告した通りに私どもは答弁をいたしました。
○菊川孝夫君 まず鳩山総理にお伺いいたしたい第一点は、どこの国でも今世界中で侵略軍を持っているというような言明をする国はございません。いずれも自衛のためである。アメリカでもソビエトでもこれは自衛のために持っている軍隊だと言明をいたしております。従いまして、軍隊というものはこれはもう主観的には必ず自衛のためだと主張するものであります。そこで最近自衛力の漸増、独立したのであるから自衛軍を持たなければならないといって実質上の満州事変以上に相当するくらいな兵員を国内において装備をする。一方政治的には国防会議を設置をして、かっての最高戦争指導会議のような役割りを果させるような印象を与えることになるこの法案を提出されまして、いよいよ日本も、終戦直後においてはもう戦争にはこりごりをして再び軍隊は持たない。あれだけ約束してほっと安心して、日本から戦争中にいろいろの被害を受けたアジア各国においても、日本に対する信頼感が回復しようというやさきにおきまして、またまた国防会議というようなものを設置した場合に、旧日本軍隊が被害を与えましたアジア各国に対して猜疑心を呼び起させることになり、今後の日本のアジア各国に対しまして貿易、移民、技術の提供、経済の交流等についてきわめて悪い影響を与えるのではないかと思うのでありますが、この点について鳩山総理はいかに考えられるか、御所見を承わりたいと存じます。
○国務大臣(鳩山一郎君) 各国との国交関係を正常化いたしまして、そういうような誤解の生じないように極力注意をいたします。日本の防衛としては自衛のための必要にして最小限度ということを堅持して、そういうような誤解のないように断じていたします。
○菊川孝夫君 それはみずからがさように考えましても相手のある問題であります。今も申しましたように、ソビエトでもアメリカでも決して侵略軍を持っているというような言明をするところはございません。これは御承知だと思います。みんな自衛だと言っております。従ってかりにあなたみずからだけが自衛だと言い切りましても、相手方にそういうような脅威を与えるような心配、特に誤解を生じさせているというようなことがないかということは一番警戒もし、また細心の注意を払わなければならぬ問題だと思いますけれども、こういった点について了解を求めるような措置を講じておられるのかどうか、この点について伺っておきたい。
○国務大臣(鳩山一郎君) 他国が侵略戦争を予期するような、他国に脅威を与えるような程度の防衛力、自衛力というものは持つべきものではないと確信をしております。
○菊川孝夫君 次に国防という問題でありますが、これはいまだに私どもの脳裏を去らない悪夢でありますが、国防という解釈でありますが、これは広義に解釈しますと、これも国防である、これも国防であるというので、教育、文化、あるいは財政経済政策全般に国防のためである、高度国防国家というようなことが言われたわけであります。その当時の悪夢がいまだに脳裏を去らないわれわれにとりまして、国防の限界というものを鳩山総理はどの程度に置かれよう、今後国防会議が設置されまして、もし国防問題について審議されようとする場合に、どの程度までは国防だとして審議の対象にされようとするか、一つ伺っておきたいと思います。
○国務大臣(鳩山一郎君) 直接間接の侵略を防衛し得る程度のものを国防と考えます。
○菊川孝夫君 次に直接間接の侵略に対して防ぐというのでありますが、直接侵略ということについてはどのような侵略をまず想定し、これに対して対処しよう、あるいは間接侵略というのはどういう事件が起こるということを、一応想定されなければ国防会議というものが対策を立て得ないと思います。従いまして鳩山さんの今脳裏に浮んでおられる直接侵略、間接侵略のケースというものは、もちろん仮想敵国ということはいえないといたしましても、こういう場合もあるかもしれないというような点について一つ具体的に二、三例示をしてお話し願いたいと思います。
○国務大臣(鳩山一郎君) 私は仮想敵国を想定しない方がいいと思いますので、その点は申しませんが、およそ独立国家をなすものは不時の侵略に対し最小限度のものはどのくらい持つべきものかというような限度から日本の防衛を考えたいというふうに私は考えております。それですから、たとえば例をもってくればソ連を相手として、そうしてこれを防衛するに足る自衛力を持つということは現在の日本においてはとうていできません。そういうようなわけですから、ただ独立国家として漸次直接の侵略、あるいは間接の侵略に対して、自分の国を防衛するのにはどのくらいあればまず最小限度の自衛力であるかというようなことを考えて最小限度の自衛力を持つのが関の山だと思います。
○菊川孝夫君 これは、将来もしこの法案が可決されまして設置された国防会議において一番問題になるところだと思いますけれども、直接侵略、すなわち日本に外国部隊が征服その他の意味において侵入いたして参りました場合に、これを防ぐ場合には、少くとも防ぐというのは非常に不利な立場に立つわけでありますから、攻めて来た勢力に対して、十のもので攻めて来た場合には少くとも十一以上の勢力をもってこれを防ぎ得ると思うのでありますが、そのくらいのものを目標に今後国防会議というものがいわゆる国防の基本計画、あるいはその他の財政計画も伴って立てようと、こういうふうにお考えのつもりであるかどうか。これはもちろんアメリカ軍も含めてでありますが。
○国務大臣(鳩山一郎君) アメリカとの共同防衛により、あるいは国連の集団安全保障の体制によって日本は防衛する日以外には手はないと思うのであります。それですから、直接の侵略に対しては、まあ暫時の間日本は日本の実力をもって防衛し得れば、アメリカもしくは集団安全保障の体制によって日本は防衛し得る、そういうような気持で日本の防衛計画を立てなければならぬと考えております。
○菊川孝夫君 そういたしますると、水ぎわにおいて一週間なら一週間持ちこたえて、それをアメリカ軍が応援に来てくれるまで水ぎわにおいて持ちこたえよう、こういう御方針のもとにあるのか、本土決戦、こういう目標のもとに、ある程度は本土に侵入されてもいい、そうして一週間のうちに東京を少くとも守り通す、こういうような構想を鳩山さんが議長としてお立てになる場合、これは本土防衛といったって、非常に国防というのはむずかしいと思うのですが、日本の重要な部面だけは少くとも確保しておいて、そこで国連の警察軍なり何なりが参って、そうしてこれからまた反撃をしてもらう、こういうような構想でこの国防会議が基本的計画を立てようとするのか、それとも日本の本土には一歩も上陸させない、一週間持ちこたえている、そのうちに救援軍が来る、こういうような計画、どちらが基本計画になるのか、どう議長として考えられ、将来については、もうすぐこれができれば開こうというのか、これは一番大事だと思うので、どちらを一体目標にされるのか。
○国務大臣(鳩山一郎君) 日本の防衛は、外交的な手段により、あるいは集団安全保障の体制によって、あるいは米国との協力による以外には日本の防衛はできないのでありまするから、そういうような国際情勢のでき上るように努力して、日本の防衛は外交的手段によってできるだけ保持するようにしなくちゃならないと思っております。
○菊川孝夫君 外交的手段によってやらなければならないというのはよくわれわれもわかるのだが、国防会議というのを持たれる以上は、これは国防会議において、外交的手段によってこれを解決するような協議をされるのですか。それが国防会議の一番の目標ですか。国防会議というものは、あなたの今の答弁では、私は水ぎわで防ぐか、それともある程度持ちこたえようという目的で国防会議の基本計画をするのか、こう質問いたしますと、あなたは外交的政策によって防ぐのだと、こう言われるのだが、そういうことを国防会議が協議をするのですか。
○国務大臣(鳩山一郎君) 国防会議は、そういう点についても留意する必要があると思います。あなたの御質問に対しては詳細なことは杉原防衛庁長官にお答えいたさせます。
○菊川孝夫君 いや、杉原さんにはいいです、時間がありませんから、それではもう一点伺っておくが、あなたは外交的手段によって防ぐというのですから、国防会議が設置されましたならば、それだけを特に強調されて、ほかのことは答えられないのでありますから、外交的手段によって国防をやるということが一番の国防会議の目的であり、そうして国防の基本計画というのをそこに置かれようとしておるのでありますかどうか。重ねてこれだけ伺っておきたいと思います。
○国務大臣(鳩山一郎君) 日本の国防計画は、第一にアメリカと相談しなければできません。アメリカからいろいろの援助を受け、武器の援助も受けて日本の防衛をしていくのでありますから、アメリカとよく意思の疏通をはかることがまず第一であると思います。それから国連の集団安全保障を得ることが第二であります。しかしながら、他力本願だけで日本の国防ができるはずはないのでありますから、日本としては自衛のための必要にして最少限度の自衛力を持つことにおいては、衆知を集めて最善の方法を考慮しなければならないことはもとより当然のことでございます。
○菊川孝夫君 アメリカとの意思の疎通ということを先ほどから繰り返し総理は答弁をされるのでありますが、今回のオネスト・ジョンといいますか、ロケット砲の一事をもってみましても、外電で発表がされて、それから重光さんがあわてて外務省からアメリカ大使館に聞き合わさせて、ようやく新型兵器が日本に送られる計画があるといっておるのでありますが、もうすでにそのときにはサンフランシスコの港をあとにして日本へ向って輸送をされている、こういうのが、少くとも意思の疎通ということは、今回のことに関しては欠けておったと思うのでありますが、向うも軍でありますがゆえに、軍の秘密その他がありまして、将来もそう簡単に、われわれが鳩山さんが非常にお人好しで、何でもお話しになるという工合にアメリカ軍も話に乗ってくれると甘く考えてはちょっと甘過ぎるのじゃないかと、こう思うのでありますが、今回の事例はいい例というか、悪い例を一つわれわれに示しておると思うのですが、こういう問題をどういうふうに今後処理していこうとせられるのか、議長になられる予定である総理から一つ伺っておきたいと思います。
○国務大臣(鳩山一郎君) アメリカとは十分意思の疎通をはかることができると思っておるのです。この点について、非常に心配をせられる方もありますけれども、アメリカとの協力関係は、完全に成立し得るものと考えております。
○菊川孝夫君 それでは、重ねて伺っておきますが、再びこのように外電によって日本国民が知る、そうしてそれは大へんだというので国会で聞いてみる、その後にあなたやあるいは重光外務大臣がアメリカに問い合せて、ああこういうことであった、このような説明が行われるようなことがないように今後はせられるか、少くとも新型兵器がくるということは日本の防衛にとって、これはもう防衛庁にとっても早く知っておって、そういうものがくるならば、これと協力してやはりやる、こういうふうにせにゃならない。それがサンフランシスコの港を出てから重光さんあわててアリソン大使に電話をかけて聞いてみて、そういうものがくる計画はあるけれども、これは原爆と関係がないというようなことを知らされるということでなしに、その前に、これはこのくらいの威力というか、効力のあるものである、しかもこの辺を主として守ってやるんだ、そうですかといってこちらも対応策を立ててこそ初めて意思の疎通、緊密な連絡があるということになると思います。再びこのようなことがないように処置をされなければならないと思いますが、将来そのようなことが起らないようにされるかどうか、この点について鳩山さんから伺っておきたいと思います。
○国務大臣(鳩山一郎君) 国防会議法が通過しまして国防会議が厳然として存在するに至りましたならば、アメリカとの意思の疎通、さらに緊密の程度を増して、十分意思の疏通はできるものと思います。今回のようなことの再び起きませんように努力をいたします。
○菊川孝夫君 今の総理のお話では、これは国防会議はあなたは何でもえらいできるように言っておられますけれども、国防会議というものが、できたら、あなたはえらい強いようなことを言っておられますが、これはそう言われても、どういう権限を持つのか、総理大臣に対して一つの諮問をするんじゃないんですか。国防会議がすべてを決して実際行動、執行に入る、こういうふうにお考えになっておられるのか、その点からまた国防会議というものは非常に強いものになってしまうということになるのか、かっての戦争指導会議というような性格を持つものであるか、それとも内閣総理大臣の諮問に応じて答申する、こういうおそらく格好になるものだと思っておったんですが、だいぶ性格が違う、国防会議ができたら、これがアメリカとの意思の疏通をやるといっておられるんですが。
○国務大臣(鳩山一郎君) 内閣がすべて責任をとりまして、国防会議はただ諮問機関でありますが、国防会議が長期防衛計画を立てる所でありまするから、日本の長期防衛計画が十分できまして、その研究が積んでいけば、アメリカはここと最も相談をしたいと考えるだろうと思います。
○菊川孝夫君 それでは、次に伺っておきたいのですが、鳩山総理は、先ほども六カ年計画は大体これはまだできていない、国防会議において六カ年計画といったようなものを立てて、それが完成した暁においては、アメリカ軍が日本から全部撤退するようになるのが理想的である。しかしなかなか経済力その他でその通り行くか行かぬかいろいろまだここで確答はできないが、大体それが理想であるというのですが、そうなった場合には、少くとも国防会議としては今の政府として国防会議に諮問しようと考えておられることは、少くとも兵器であるとか弾薬というものを、将来そのころには日本製品でもって自給自足ができるように、この経済計画も立てようとしていかれるものであるか、それとも半永久的に大体そういったものはアメリカに頼っていこうという方針でこの国防会議というものを立てていくつもりであるか、この点について伺っておきたいと思います。
○国務大臣(杉原荒太君) お答え申し上げます。理想といたしましては、日本側で自給自足というととが理想でございまするが、しかし実際上は全部というわけにいかぬと思います。ただ、しかしだんだんアメリカ側の装備品等の援助も漸減していくというふうに見ております。
○菊川孝夫君 この国防会議の法案の中で、議長は、すなわち鳩山総理として議長に就任された場合に、「関係の国務大臣、統合幕僚会議議長その他の関係者を会議に出席させ、意見を述べさせることができる。」というのですが、関係者の範囲、先ほども盛んに自由党の方では、民間人を入れるということは、何というか、秘密の保持上あるいは内閣の責任上おもしろくないというので修正された、まあそれをのんだ、こういうお話でございましたけれども、「その他の関係者を会議に出席させ、意見を述べさせることができる。」、この「その他」ということにつきましては、当然アメリカの軍当局者であるとか、あるいはアメリカの大使館筋である、あるいは軍事顧問である、こういった筋の者も「その他の関係者」の中に含まれるものであるかどうか。この点外国人を含むのか、それとも「その他」というのは、これはあくまでも日本人であるのか、こういう点について一つ伺っておきたいと思います。
○国務大臣(杉原荒太君) これは明白に外国人は含んでおりません。
○菊川孝夫君 これは総理大臣もその点ようございますね。運営上外国人は一切こういう国防会議に入れて、意見を述べさせるというようなこともさせない、これはようございますね。
○国務大臣(鳩山一郎君) その通りでございます。
○菊川孝夫君 今度は国防会議に事務局を置く、実際には、この国防会議の法律案を見ましても、この修正案によりますと、ほとんど関係の総理大臣以下の数名の大臣が構成メンバーになるにすぎないのであります。従いまして実際には総理大臣の官房に設置されるところの国防会議事務局、いわゆるこれは戦争中の例を引くとまあ悪い感じはいたしまするけれども、いわゆる青年将校といいまするか、企画庁の官僚群といいますか、これが実際に仕事を実質上やることになると思います。何と申しましてもまあ鳩山議長のもとといっても、忙しくてなかなかそうこまかいことを一々できませんから、これが実権を握ることになると思うのでありますが、この国防会議の事務局にはそれぞれ専門家を置かれようとするだろうと思います。財政経済あるいは軍事その他の専門家を置かれようとすることは明らかだと思いまするけれども、この専門家の中には、旧軍人、まあ名前を上げることは控えまするけれども、今非常に旧軍人の方々で、かつては参謀本部におられた方、あるいは軍司令官のもとに参謀長を勤めたような方々で、名前をここで上げることは差し控えまするけれども、盛んに個人的な見解として、国防論あるいは自衛隊の整備計画に対する意見というようなものをいろいろの雑誌で発表されております。従って私のお聞きしたいのは、この国防会議の事務局の中には、旧軍人のそれらのいわゆる昔陸軍大学、海軍大学等を卒業しました秀才であったと称するような連中を相当この中に含もうとしておるのか、これは鳩山さんのお考えを、これは杉原さんじゃなしに、これは防衛庁の方からいろいろそういう申請もあるだろうが、そのときに資格審査を当然されると思うのですが、そういう者を入れて今後事務局を編成されようとするのか、議長としての鳩山さんからこれを伺っておきたいと思います。
○国務大臣(鳩山一郎君) 事務局の編成は非常に重大であります。慎重に検討いたしまして、災いを残さないように注意いたしたいと思います。
○菊川孝夫君 その災いを残すようなことをやってもらっちや大へんでありますが、いわゆる昔の軍隊において秀才であったと称せられる連中をここに起用しようとしておられるかどうかということを一つ伺っておきたいと思います。
○国務大臣(鳩山一郎君) ただいまそういうようなことについて考えておりません。
○菊川孝夫君 そうしますと、ここに事務局に大体置かれるのは、いわゆる文民ですか、将来旧軍人でないような人をもって構成しようとするんですな。この点について防衛庁長官目からも伺っておきたい。
○国務大臣(杉原荒太君) 現在考えておりますのは、そういう軍人の方は考えておりません。具体的に申しまするというと、現在の総理府の者と、それから関係省の者を、兼務者合せて約十名前後を考えております。
○菊川孝夫君 そうすると、防衛庁設置法に基きまするところの国防の基本計画というものは、もちろん用兵作戦と申しますか、いわゆる昔の統帥権といったようなものはもちろん含まれないのであって、ただ兵員と財政計画、あるいは外交と、それから国内自衛軍の増強計画、こういったような問題を主として扱うのであって、いわゆる用兵作戦、こんなものについては関与するものではない、こういうふうに解釈してよろしゆうございますか。
○国務大臣(杉原荒太君) さようでございます。
○菊川孝夫君 そういうようなところにおきまして、この自衛隊法あるいは防衛庁設置法を見ますると、いわゆる出動ですね、防衛出動、あるいは治安出動、あるいは依頼出動ですか、要請出動というようなものを判断する場合におきまして、全然平素におきましてはそういう建軍計画と申しますか、国の財政経済政策、あるいは外交政策、国民生活、これらと自衛軍の増強ということとに常に取り組んでいる、まあ申しますると経済企画庁的な仕事をしておった連中、事務局はそうである。それから会議の構成メンバーは、ほとんどこれは軍事的な知識のあるというのは防衛庁長官だけだと思うのでありますが、従ってこれに対して防衛出動に応ずべきものか、あるいは要請出動、治安出動を行うべきかというようなことを判断する場合に、一体どれだけの部隊をここに派遣するかということもこの国防会議で決せられなければならぬと思うのでありますが、そうするとふだんはそういうことには全然考えておらないという連中は、このくらいな事件が起きたから、これに対して何個師団といいまますか、今は違いまするけれども、まあ何個師団を出動させる、何個大隊を出動させるというようなことをきめることが一体できるでしょうか。その点について鳩山さんから伺っておきたい。
○国務大臣(鳩山一郎君) そういうことを決定するのには適当な人の意見を聞く組織ができておりまするから、間違いがないと思います。
○委員長(新谷寅三郎君) もう時間ですから、もう一点だけ。
○菊川孝夫君 それでは最後に締めくくりとして総理大臣から伺っておきたいのは、あまり時間をせかれますけれども、この国防会議と、それから閣議との関係でありますが、なるほど今は総理大臣の権限が非常に重いのでありまして、まあ大統領と総理大臣との仕事をかね、これに国防会議ができますると、軍の統帥権まで握ると、こういうような結果になりまするから、内閣総理大臣が、たとえば一、二、三、四、五とある国防会議の構成メンバーが防衛出動を行うべきかいなかということで意見が対立する、いうことをきかないようなときには、これらを、議長が大臣を罷免するということになったら、全部首切ってしまうことができます。この間の解散するか総辞職をするかというときに、いわゆる副総理以下を罷免しようとしたような話も聞いておるのでありますが、これと同じことでありまして、防衛出動に応じないというときに、副総理以下を全部首切ってしまう。ああいう解散か総辞職かの場合でも首切るというのですから、ましてや相当軍事的な考え方を持った総理であったならば、それは全部首切っちゃって、そしてまた新たな防衛出動を主張するような連中を閣僚に据えまして防衛出動をやらせる。これは今すぐには、鳩山さんのような人はこういうをことやるとは考えておりませんけれども、一たんこしらえてしまいましたら、これは機構としてだんだん強くなってくるのであります。だから、できるときにやかましくいっておかなければならぬと思うのでありますが、そういうような場合に調整がどうされるのかということは大事な問題だと思いますので、この点総理から一つ、はっきりと伺っておきたいと思うのでありますが、というのは、これは満場一致制、全会一致制で防衛出動、要請出動、治安出動の場合にはきめられるのか、それとも一部の反対その他があっても、議長としては相当権限を持ってこれを押し切ることができるのであるかどうかです。これは鳩山さんが第一回の運営に当られるのでありますが、この原則をはっきり示しておかなければならぬと思うのであります。そうすると、これは慣例ということにもなるので、どのように考えておられるか承わりたい。
○国務大臣(鳩山一郎君) 出動は例外の場合、議長の職権によってきめられ得ますけれども、原則としては国会の議決を経なくちゃ出動はきまりませんから、そういうような乱暴な出動はあり得ないと思います。むろん国防会議は内閣の諮問機関であり、それから幕僚会議がありまして、これは杉原防衛庁長官の補佐機関となっておりまするから、めったな間違いはあるはずはありませんけれども、しかしながらむろん出動の場合は、国会の議決も経なくてはなりませんし、むろん統合幕僚会議の決議というものは、そういうような会議も経ておらなくてはなりませんし、間違いのあるようなことは事実上はあり得ないと思います。
○千葉信君 これは質問というよりも、私はこの際御質問申し上げる前提条件がそろっておりませんので、今の私の発言は私の持ち時間から除外していただきたい。
○委員長(新谷寅三郎君) どういう理由ですか。
○千葉信君 実はこれは私は、意地が悪くこういうことを申し上げるのでもない、それからまた、だれも非難する気持もありませんが、実は私は、政府提案にかかわる原案と、それから衆議院の方で修正されました部分の関連において、私は相当問題となる点について疑義を持っております。ですから、そういう意味からいいますと、私は質問に入る前提条件として、参議院規則の第四十一条にいう修正案の提出者からまだその修正案についての説明を聞いておらない。御承知の通り第四十一条では「委員会は、衆議院提出の議案につき又は内閣提出の議案中衆議院の修正にかかる部分につき、衆議院の委員長、発議者又は修正案の提出者から、説明を聴くことができる。」そこで、一つ私は、この問題は単に説明を聞くというこの条件を満たしたいばかりでなく、先ほど申し上げたように、その修正の内容等について、実は首相の御答弁に関連して、首相はこの修正されたものには私は意見としては反対であるということを言われました。ですから、これはかなり重要な問題を含むと思われるわけです。この際一つ委員長に、その措置をとっていただくように私はお願いいたします。
○委員長(新谷寅三郎君) 千葉君にお答えいたします。昨日この委員会で、議事の進め方について協議をいたしました際にも申し上げてあるわけでありますが、一応総理に対する質疑を行なっていただいて、その直後に、衆議院の修正案の提案者の代表者に来ていただきまして、修正の要旨及びその理由について聞いた上で、それに対する質疑をしたいということで御了承を得ておるはずでございますから、千葉君の言われるように、衆議院の提案者の代表に来ていただいて説明を聞いた後、さらに提案者及び政府に対しまして質疑を続けたいと思ってておりますから、総理に対する質疑をこの際、申し合せ通り行なっていただきたいと思います。
○千葉信君 質問に支障もありますが、承われば、これは理事会等における話し合いの連絡の点に十分な措置がとられていなかったことにも原因しますから、私はこの際、質問がかなり困難な条件を伴いますけれども、ただいまの委員長のお話を了解して、これからあとの私の質疑は持ち時間でやらしていただきます。
○田畑金光君 ちょっと今のことで、お尋ねしたいのですが、今の委員長のお話によりますと、総理に対する質問が終了した後に、衆議院の方から修正された代表の方に来ていただいて説明を求める、そのあと、衆議院の方に質問する、こういうわけですね。
○委員長(新谷寅三郎君) 今申し上げましたように、これはこういうように考えていただきたい、総理に対する質疑は、非常に不満足であったでしょうが、三十分ということで、大体千葉君でもって一応一巡するわけであります。そこで、そのあと直ちに衆議院の修正案の提案者代表に来てもらって、その提案の趣旨、理由等について説明を求める、そのあとで提案者並びに政府に対しまして、政府も鳩山総理のような意見を述べておられまするし、なおこの修正に対しては、政府としては同意しておられますから、この両方に対して、その修正部分等について質疑をしてもらいたい、こういうふうに考えておりますので、今千葉君にその通りにお答えしたわけであります。
○菊川孝夫君 その点について簡単に委員長の心境を伺っておきたい。
○委員長(新谷寅三郎君) 心境というのは……。
○菊川孝夫君 委員長の今後の議事運営について、というのは、このような実質的にはあるいは大差ないという見解をとられる方もあるかもしれないけれども、われわれから見ると、非常に重要な法案だと思います。これらについてはもっと審議の機会があって、あるいは公聴会を開く等、僕らも意見を聞きたい。たとえ賛成する方々でも、衆議院の修正案がいいか、それとも政府の原案の方がいいかということについては、これはやはり各方面の専門家等の意見も聞かなければ、なかなかむずかしいと思うのであります。しかし今この場合になってから、そんなことを言い出しても、これは無理難題というものであります。従いまして、できる限り委員長におかれましても、その場合には一つわれわれに質問の時間を、会期の関係もありますから、そうむちゃは決して言いません。けれども、できる限り質問の機会を与えられるようにお運び願いたいと思いますが、委員長としてその点どうですか。
○委員長(新谷寅三郎君) どうですかと言われますが、私は本法案に対しましても、従来この委員会で審議して参りました法案に対しても、同様の態度をとっております。でありますから、時間の許す限り、私は慎重審議をいたしておるつもりであります。特に私の心境の変化はありません。
○菊川孝夫君 もう一点。関連質問をお願いしましても次々というのですが、先ほど園田君が向うに用事があるといって、聞こうと思ったら行っちまわれてなかなかできないので、今になってから差しさわることは言いませんけれども。
○委員長(新谷寅三郎君) それは長くなりますから簡単に申しますが。園田君に対して御質問があるかどうかとお聞きしたところが、千葉委員もあなたも、園田君に対しての質疑はもうないからいいという返事があったということで、園田君は退席されたわけであります。私は関連質問を整理しているのは、なるべく多数の委員に公平な質疑の機会を与えようということで、とにかく一巡を早くしてもらうということで、関連質問等の整理についてやかましく言っているのです。質疑の時間を特に制限するためにやるのではありません。御了承願います。
○菊川孝夫君 了承いたしました。
○田畑金光君 よくわかりましたが、総理大臣の質問は、千葉委員がこれから三十分やったあと、一応総理大臣の質問はもうこれで終るわけですが、修正案提案者のお話も承わって、もう一度総括的な問題について総理に質問申し上げたいと、こういうようなことになった場合は、一つあらためて御考慮をわずらわしたいと思います。
○委員長(新谷寅三郎君) そういう問題につきましては、委員会において十分相談をした上できめていきたいと思います。 千葉君の質問をお願いします。
○千葉信君 私は、私の質問が総括質問の最後ですが、ただいまの経過で、私はこの総括質問が終りましたあとで、どうしても聞かなければならない修正案の提案者に対する質疑を行う機会をいただくことになりましたので、そこでこのままで私は質疑に入りたいと思います。 首相にお尋ねをいたします。鳩山総理は、きょうずいぶん長い間熱心に質疑に応ぜられまして、だいぶお体も参っておられるようですが、これが大体総括質問の最後ですから、御苦労でも一つ御答弁をいただきたいと思います。 ただいまも修正案の問題について、提案者から聞く聞かないということを申し上げたことは、鳩山首相も御承知の通りでございますが、今夜での委員会の審議の経過の中で、首相は依然として、衆議院送付にかかわる修正を含む原案に対して、民間の議員を除くことになった修正については、首相は反対の意見をお持ちのようでございます。確認して差しつかえございませんか。
○国務大臣(鳩山一郎君) 私は修正案に同意をいたしましたのです。民間人を入れておいた方が適当だとは思いますけれども、民間人を入れることについては自由党が反対でありまして、入れたのでは本案は衆議院を通過いたしませんので、さりとて入れなくても運営はできると思いましたから、運営ができれば通過した方がいいと思いましたので、自由党の修正案に従ったわけであります。
○千葉信君 首相の心境はわかりました。私が心配しますことは、首相はやむなしにこの修正案に同意したけれども、方針としては、依然として首相は御賛成の意見にはなり切っておらない。今も御答弁がありましたように、私はやはり民間の議員を入れた方がいいという考えを首相はこの席上でもはっきり述べておられます。私はこの国防会議の法律案が通過いたしますと、何といいましても、その最高の責任者は首相でございます。この国防会議の関係等については、私は行政組織法上疑義を持っておりますが、しかし本法の第九条によりまして、「国防会議に係る事項については、内閣法にいう主任の大臣は、内閣総理大臣とする。」当面これは首相が完全な責任者であります。その責任者である首相が、依然としてこれと異なる意見を持っておられるようでは、私はこの法律案通過後における万全な措置については疑念を持たざるを得ません。私はしかし、その点について首相の御答弁をいただこうという考えを持っておるのではなくて、そういう問題もあるにはあるけれども、一方には私は、首相の国会における答弁が、それからまた首相のいろいろな時日を経過しての心境の変化及び状態が、首尾一貫しておらない。私はほんとうは、従来のこの委員会におけるいろいろな問題について首相の御意見を聞き、首相の御意見が変ったので、その変った理由を聞いてみますと、たとえば国会における結論が出て、自分としては必ずしもその意見ではなかったけれども、そういう既成事実として発生した状態に対して私はこれを認めて、そうして自分の意見が変ったのだ、こういってこられたことと、今ここで、衆議院を通過するに際して同意をされておきながら、これの場合には依然として、おれは最初の意見を捨てておらない。これは私はおかしいと思うのであります。たとえば憲法第九条の問題を首相は、この間、首相の意見の変化について私が御質問申し上げましたときにも、首相は、なるほど自分は在野時代には、憲法第九条の解釈において、この条文がある以上、憲法改正をせずに自衛隊を持つことは違法であるという考えを持っていたが、しかしその後、自衛際が国会の承認によって日本の国内においてそういうものができてしまった以上、自分はそういう発生した事実に基いてこれを認めるという立場から国の動向、国のこれに対する考え方が変ったという意味において、自分は自分の意見を変えたのだ、こう言っておる。私はそのとき首相に対してそういう心境の変化というものは、これは私は納得できない。これは変説改論じゃないか。私はそういう失礼な言葉まで申し上げたわけでございます。私はそういう私の品の悪い追及に対してまではっきり首相は完全に抵抗されて、何といってもおれはそういう事実の発生に伴って自分の意見を変えたのだと、こう言って再度主張された。そういう首相の心境の変化ということを考えますと、今度の場合には私は当然衆議院における審議の経過において、同意をしなければ政府の提案した法律が通らないという意味において、これに同意してこの通過をはかられた、そういうことになりますと、首相は今の段階において、なおかつ私どもの質問に対して、自分の意見は依然として前の意見の通りに、民間の議員を入れることについては賛成し切れないという答弁は、私はいささかふに落ちないことだと思う。この点について首相の御心境を承わっておきたい。
○国務大臣(鳩山一郎君) もしも民間人の削除によりまして国防会議が、運営ができなくなるならばむろん同点をいたしません。けれども民間人を削除いたしましても、そのよって起ってくるような弱点は、やり方によって防ぎ得ると思います、運営は遂行できると考えましたから同意したのであります。
○千葉信君 結論から言いますと、大したことはないというつもりで、そういう態度に出られて法案の通過をはかられた、こういうことですね。
○国務大臣(鳩山一郎君) そうです。
○千葉信君 しかし、これは私は相当問題だろうと思うのです。今までの経過を見ますと、たとえば防衛庁設置法等が昨年国会に提案された、その審議の経過において首相も百も御承知のように、あの当時民間議員を入れるべきであるということを強硬に主張されたのが今の民主党の中核をなしている改進党、民間議員を入れるべからずという立場に立たれたのが自由党、それが今日立場を変えたとはいえ、そういうみずからの基本的なこの法案に対する考えを、大したことがないであろうという格好で妥協されて、一体そんなに簡単に妥協できるほど大したことじゃないという問題を、なぜ一体今まで両方で突っぱってこられたのか。そこで私はその問題を今後の責任者としての、この法律施行後における国防会議の運営等について一まつの疑念を抱かざるを得ない。私はそういう角度から、首相はもっとはっきりした態度をとる必要があるんじゃないか。私はこの法律が通るか通らないかはわかりません。わかりませんが、しかしここでとにかく審議をしている条件は、この法律が通過するかもしれないという一応の条件の中で審議をしているわけですから私は、この際やはり首相にもっとはっきりした考えを、大したことがないから妥協したというようなことでない、従来の経過から見て決して大したことじゃないというけれども、事実は大したことだから、これまでそれぞれの党が自分の主張を頑強に主張してこられたわけです。大したことじゃないという答弁はそのまま私はいただけないと思う、いかがですか。
○国務大臣(鳩山一郎君) 先刻の答弁によって御了承を願いたいと思います。別に付加する何物も持っておりません
○千葉信君 まあ私は時間の関係もありますから、執拗な質問はいたしません。しかし疑念も残るし、私は気持の底から今の御答弁なんかでは釈然とできない。しかし質問は次に入ります。 次に御質問申し上げたいことは、今の話にもありましたように今回衆議院の方から送付されました法律案によりますと、民間人が入らないことになっております。そうして、その会議を構成する者は、議長が総理大臣で、その他は国務大臣である。それからまた第六条、修正された六条によりますと、関係国務大臣等の出席も行われ、そういう形で国防会議が持たれるわけでございます。私は民間の議員を入れることがいいとか悪いとかいうことをここで質問を申し上げるつもりはないのです。しかし、この変貌した修正案を基本として質問申し上げることになるわけですが、私は本来国防会議を設置するということが、防衛庁設置法の第四十二条によって起ってきて、私はこの措置自体が、少し国家行政組織法の体系を乱していると思うのです。もともと首相も御承知の通りに、従来こういう政府の諮問機関もしくは各省の諮問機関、行政委員会としての諮問機関、いろいろな諮問機関が設けられましたが、これが設けられるごとに、設けられ方はそれぞれ単独立法ないしは各省設置法によって、その省ごとに設けられてきた。ところが今回の場合は全く異例の措置として防衛庁設置法の第四十二条、去年通った法律です。私はそのことに文句を言うつもりはないのです。しかしその防衛庁設置法の四十二条によって今回提案されましたこの国防会議の法案、私は先ほども総理大臣に対して、総理大臣の意見がすでにこの法律案はいただけないというお気持、でき得るならば、御自分たちがお考えになった法律案の方がよろしいと考えていて、少くとも最善ではない。法律が通ったあと、運営についていろいろの問題があろうかと思うのです。行政組織法の体系を乱しているか乱していないかということはいいとしても、一体その民間人の入らない、全く総理大臣を初めとする閣僚ばかりの国防会議、まあ大臣以外の者も第六条によってその会議に出席することができる。しかしいずれにしても、これは全く行政機関内部における会議といっても過言じゃないと思うのです。もっと具体的に言うと、これは何のことはない、閣僚懇談会そのものじゃないかという追及に対して、この間首相の方から、いやそのほかに第六条によって出席する者もあるからという答弁がありましたが、しかし閣僚以外の者が出席して答弁したからといって、そんなことは、私は閣議の模様は知りませんけれども、閣僚以外の人に出席を求められておる場合もしょっちゅうある、そうすると、何のことはない閣僚懇談会そのものじゃないか。審議する内容についてはなるほど違います。相当重要な案件を審議するということはわかっております。審議することはわかっているけれども、そういう閣僚懇談会みたいな国防会議法なんかをこんなに無理して通して一体どうなるか。首相のお考えでは必ずしも最良なんだとは考えていない。私はそういう閣僚懇談会みたいな国防会議が、一体失礼な言い草かもしれないが、何ができるかと言いたい。第一私はこういう点について首相にお尋ねしたい。私は今閣僚懇談会みたいなものだということを言いましたが、かりにその内容等がいかに重要であろうとも、いかに国家の安危に関する、たとえば防衛出動等の問題、国防計画の基本的な決定、これは諮問に応じてやるわけですが、そういう問題をかりに国防会議できめても、きめるその人たちがすでに各省の大臣もしくは呼び出されたそれぞれの事務官諸君、こういう人々が重要な問題についてウの目タカの目になってきめておる。これは諮問にすぎない。しかし、これは当然今までも各省のもとに設けられている諮問機関には大体その程度の権限しかないわけですから、私はそういう権限のことについて文句を言つているのじゃない。せっかく国防会議なぞというものを作って、そこで閣僚懇談会などみたいなものを開いて諮問に応じてみても、内閣法によりますと必ず諮問に応じた内容については第四条に基いて内閣がその職権を行うのは、閣議によるものとして、つまり行政権を執行することになれば……防衛の出動もそうであります。本来防衛庁などという機構は変則的に行政組織の一環として国家行政絹織法の範囲内にある、このこと自体現在の状態ではおかしいと思うのですが、たとえば行政組織の中にありましても防衛庁は今や十九万以上になんなんとして現業郵政省に次ぐ膨大な行政機構、行政機構ということが実はあまり実際に適合していないと思います。しかし適合しているかいないかは別問題として内閣法の第四条によりますと、好むと好まないとにかかわらず閣議にかけなければいけない。そうなりますと、鳩山さんどうでしょう。私が今質問の中で申し上げているように、こういう内閣法の第四条は厳格に守らなければなりませんし、守られるとすれば、ことごとくもう一回どんな答申事項にいたしましても閣議でこれをきめなければ行政権の発動はできない、こういうことになりますと、これは全く法律上から言っても閣僚懇談会みたいなものになってしまうと思いますが、鳩山さんの御見解を承わりたい。
○国務大臣(鳩山一郎君) この防衛会議には重大なる権限がありますので、この重大な権限にかんがみてこの国防会議というものはどうしても作らなければならない会議だと考えております。
○千葉信君 鳩山さんそれだけですか。
○国務大臣(鳩山一郎君) それだけです。
○千葉信君 どうも木ではなをくくったような答弁ですね。私も国防会議にかける案件についてはさっきちゃんとその内容等については重大な案件がかけられるということは率直にこれを認めて言っておるのです。たとえばその例として私が申し上げましたように、防衛出動の可否であるとか、あるいは国防の基本方針とか、取り上げられる問題は実に重要な問題です。それはわかっておる。わかっておるけれども、しかしそういう重要な事項をかりに審議をするとしてもこれは、直ちには行政権の発効にはならぬじゃないか、行政権の発効のためにはもう一回これを閣議にかけなければならぬじゃないか、そうしたらその国防会議を構成しておるそのものが閣僚である、ほとんど全部が閣僚である、ほとんど全部が閣僚で閣僚のうちの一部分の者がこの会議を構成していてもそこできめたことがもう一回閣議にかからなければならぬ。何のことはない、これは閣議のフラクション活動みたいなものです。フラクション会議みたいなものです。重要だということは私はわかっておる。わかっておるが、その重要なことをきめてもう一回閣議にかけなければならぬということになると、その決定は内容がどんなに重要な決定であってもずいぶん軽い決定ということになってしまうじゃないか、これはどうですか。
○国務大臣(鳩山一郎君) 閣議の一部の人がメンバーになるわけでありますけれども、この閣議は適当な人を何人でも呼んで意見を聞くことができますから、それによって意見には間違いなきを確保することができようかと考えております。
○千葉信君 私はその決定される内容がいいとか悪いとかいうことを今お尋ねしておるのじゃないのです。それからまた私はさっきも質問の冒頭で申し上げたように、今回の第六条によりまして、首相が今言われるような条件、つまり大臣以外の者も呼んでその意見を聞くことができる。その呼ぶ者は民間人まで含まないということは、さっきの、質問者に対しても答えておる。行政機関内の職員……。ですからそういうことになると今の首相の御答弁はピントをはずれておると思う。私はまあいつ政権をとれるかわからない野党ですし、従って私は閣議の状態なんということはこれはもううかがい知るとともできませんが、しかし聞くところによると、閣議でもそれぞれ必要な場合には次官だとか、局長なんかを呼んでいろいろ意見を聞かれたり実情を聞かれたりしておるようです。今度この法律案によって大臣以外の者を呼んで意見を聞くのだと言っておられますけれども、同じじゃありませんか。国防会議でそれぞれの練達な者、有能な者、必要なものを呼んで意見を聞くというと、閣議で必要な次官や局長や事務官を呼んで意見を聞くということと同じじゃないか、何も違いないのじゃないですか、これはどうですか。
○国務大臣(杉原荒太君) 国防のことは大事でございますから、慎重の上にも慎重を期したい、こういう趣旨で国防会議の運営を希望している次第でございます。
○千葉信君 答弁になっておらぬですよ。それじゃ私は今度は違う角度からお尋ねしたい。そういう格好で、あまり役に立ちもしない国防会議を今設けようとしている、最終決定は閣議にかけない、何のことはない、閣議のフラクション会議だ、論じ詰めていけばそういうことになる。そこで私は今度は立場を変えて、そういうふうな全くこっけい千万な格好の閣僚懇談会みたいな国防会議であるが、しかしその国防会議の持たれることによってですね、その日本の国防計画そのものについての非常な危機、憂うべき現象が生じてきはしないかということです。私は民間人を入れることがいいとか、悪いとかいうことはこの際全然触れません。触れませんが、しかしこの法案に関する限りは、今度はこれは全くまあ閣僚懇談会のような形で持たれざるを得ない、そこへもってきて民間人は入らないで、行政機関内におけるそれぞれの必要な連中を呼んで聞くということになるが、しかし何と言っても国防計画に関する限り、産業経済をどうするか、ここには防衛庁設置法の第四十二条第二項第三号によりますと、「前号の計画に関連する産業等の調整計画の大綱」、こういうような点から言いますと、それはもちろんかなり広範な格好で通商産業省の諸君だとか、あるいは農林省の諸君だとかが呼ばれて意見を徴されることはもちろんあろうかもしれない、しかし大体において私は呼ばれて行って意見を吐いたり、意見を聞かなければならないという対象は何と言っても防衛庁関係の連中になると思うのです。これはまあ鳩山さんも否定できないと思います。そこで私は一利一害があるけれども、民間人を除いたということによって起る弊害ですね、いい点もあるかもしれないですよ、民間人を除いたことによって。私はそれは聞く必要はない。そうじゃなくて、悪い点として指摘する必要があるのは、今申し上げたそういうような形において国防会議が持たれる、そうするとどうしてもそこに原案の作成といいますか、基本的な考えといいますか、そういうものが防衛庁の諸君の影響をかなり強く受けるということは否定できないと思う。ところが、この委員会における質疑応答にもはっきり現われておりましたが……。
○委員長(新谷寅三郎君) 千葉君に申し上げます。時間が参りましたから簡単に願います。
○千葉信君 防衛庁に職員諸君の中にはかなりたくさんの旧軍人が含まれている。そして相当上層部においてもこれらの諸君がのさばっておる。防衛庁の考えというものについてかなりいろいろな法律案の提案の際にも、その他の問題をきめる際にもこれら旧軍人の連中がかなり影響を持ってきている、むしろ支配的な力をもって決定される問題もあるのです。そういう連中が国防会議において最も根本的な影響力を与えることになりますと、私は重大問題だと思う。まあ、私がこう言えば、鳩山さんは、いや、今の憲法の建前からいっても文民優先だ、しかもわれわれは決してそういう心配になるようなことにならないようにがんばるとおっしゃるかもしれない。まあ、前にもそういう答弁をなすっておられますが、しかし必ずしもそういう希望的な意見通りにいくかどうかということです。これは非常に大事な問題だと思うのです。相当覚悟をきめてやってもらわなければ、私はかつてのような非常に悪い弊害が国家の上におおいかぶさってくるかもしれない、しかも全く国家の予算も無視して、国民化活も度外視して今度もまた膨大な自衛隊の増強計画が実行される、どしどしふえていったらどうです。首相は先ほどの答弁で防衛六カ年計画が完成されるころには駐留軍部隊は多分帰ることになることが理想だとおつしやった。私は他の委員の質問ですから黙って聞いておりましたけれども、これはもう世迷言です。陸軍はある程度帰ることになるかもしれぬけれども、海軍や空軍がおいそれと引揚げるような格好になるまいということは、従って首相のそういう理想なんというものは、全然今のところ見通しの立たない、このままで無事的な永久支配を日本が受けていかなければならないような格好なんです。しかもその中で軍国調の復活が顕著に目立ってきている、自衛隊はどんどんふえてくる、そういう中で、文民優先だ、今の憲法がどうだこうだ言つてみたところでこれは単なる口頭禅だ。まあ、鳩山首相がその病躯を押してがんばろうとも、一たんころがり出した悪い条件というものは、いい条件よりもむしろころがっていく速度が早いし、雪だるまのように大きくなっていくことも早いのです。そういう弊害について、私は鳩山首相はどういう具体的な方策で国防会議の中に私が心配しているような条件が現われてこないようにやるつもりか。私は単に、そうやりたいと思うとか、理想論だけをここで首相にお尋ねしているのじゃないのです。具体的には首相はどういう方法でそんな心配のないようにするという方法をとられるか、それを私は承わりたい、この際お尋ねをしておきたい。
○国務大臣(鳩山一郎君) 議会が最高の権力を持っている現在の民主政治において、あなたの御心配になるようなことは起るまいと私は考えております。
○委員長(新谷寅三郎君) 千葉君の持ち時間は五分ほど経過しておりますから、これでおやめを願います。 以上を、もちまして、一応総理を中心とする本法案に対する総括質疑の通告者の質疑は終了いたしました。 次に先ほど申し上げましたように、本院規則第四十一条により、内閣提出の国防会議の構成等に関する法律案中、衆議院の修正にかかる部分について、衆議院の修正案の提出者から説明を聴取することにいたします。
○衆議院議員(江崎真澄君) 国防会議の構成等に関する法律案に対する修正案の要旨並びに理由を申し上げたいと思います。 国防会議の議員に閣僚以外の民間人を充てることは次の理由でこれを排除することとし、これに伴って関係条文に所要の改正を行おうとするものであります。すなわち国防会議の構成員に識見の高い練達の民間人議員五名以下を加えることは、意見を広く求め、諮問機関としての機能を発揮しようとするものであり、また民間人議員の任期を三年とすることによって国防の基本方針が内閣の更迭によって動揺することを幾分防止しようと考えたもののようであります。これらの点は私ども衆議院における審議を通じまして、その得るところよりも、むしろ失う点が多いことに思い当ったのであります。政治が軍事に優先する原則を正しく貫くためには、本来国会議員自身の深い軍事知識に待つべきものであります。在来政治家の多くが戦略、戦術の常識に欠けておるとの通念は、新しい自衛隊の発足と並行して打破されるべきものであり、戦後政治家が国家の防衛力につき格段の関心と意見を持たなければならぬことは、けだし当然であります。すなわち政治が常識であるように、軍事もまた常識であるべきはずであります。政治家たる者は、政治の軍事より優位にあることを深く感じ、過去の誤まれる国防はおれたちにまかせておけといったような軍閥跳梁の弊を再現せられざるよう、十分の研究と努力を払うべきであります。これがむしろ私どもは根本であると考えるものであります。そこで、いかに識見の高い練達の人と称しましても、非常勤の人々に政府の言うがごとき国防の基本方針に一貫性を持たせようとする大きな期待をかけることは、むしろ言うべくして実際上は無理であります。で、また民間人という一個人によって方針や重大なる問題点がチェックされることではなく、だれしも首肯できるところの理論によってチェックされるべきであることは言うまでもありません。これは一面においては事務局機能を充実強化することによりましても補うことができると考えるものであります。で、しかも民間人たる議員が重大な機密を漏洩し、国家国民に多大の災いを及ぼす場合も想像されるのであります。その場合、単にその議員を罷免するのみでは事態の収拾は考えられません。そういうようなことが閣僚に起りました場合には、ときに内閣総辞職という責任の帰趨を明らかにする方法もありまするが、民間人の場合、これを縛り、また責任を糾明する方法を見つけるのは困難を覚えるのであります。 次に、国防会議は諮問機関ではありまするが、内閣総理大臣はその議決による答申または意見につきまして、実際上ある程度の束縛を受けざるを得ないのであります。で、このことは内閣責任制をとる憲法の建前から大きな疑義が存するという本質的な問題をも包蔵しておるのであります。で、たとえば原案の通り民間人五名以下として、五名が充足された場合には、防衛出動のごとき重大問題が民間人五名にただ一人の閣僚が同調すれば、他の四閣僚が反対をしてもその方向がきまり得る可能性もあり得るのであります。で、かかるとき、内閣責任制と国防会議の権威との間に紛淆を生じたり、議事に混乱を生じ、将来不測の事態を予想せしめることも考えられるのであります。なお、アメリカ、イギリス等の諸外国におきましても、国防会議のごとき会議体には民間人を加えておる例を見ておらないのであります。 以上簡単でありますが、その理由の大要を申し述べて、本法原案にある民間人議員を削除修正せんとするものであります。よろしくお願いいたします。
○委員長(新谷寅三郎君) ただいまの江崎君の御説明に対し、これに関連して政府側に対し御質疑のある方は順次御発言を願います。
○堀眞琴君 ただいまの江崎君の御説明でありますが、私ども、その御説明の要旨をプリントしたものを手元に持っておりませんので、十分に審議ができませんので、至急に私どもに、説明の要旨を御配付願いたいと思います。それによって質問いたしたいと思います。
○衆議院議員(江崎真澄君) 大へん御質問ごもっともでございまするが、どうぞ一つ私どもの方も会期末でございまして、つい要旨の印刷に手おくれを生じておりますが、いかようにも一つお答えを申し上げますので、この場面で御審議をこのままお続けいただきますことを特にお願い申し上げたいと思います。(「だめだ、だめだ」「了承」と呼ぶ者あり)
○堀眞琴君 ただいまの御答弁ですが、衆議院でこの法案が通過したのは一昨日ですか……、三日たっております。三日間の余裕があるのですから、私は衆議院の修正案提案者としては、当然説明の要旨をプリントして用意されるべきではなかったかと思います。あなたは丁寧に質問に対して答弁して下さるということですが、今のあなたのお読み上げになったところはなかなか早急につかむということは困難であります。理由は二つほどあげておられたようでありますが、それらの理由についても十分に私どもここで審議するには必ずしも十分だとは申し上げることはできませんので、もう一度読んでいただいて、それに対して質問したい。もう少しゆっくり読んで下さい。あまり早口に読まれたのでどうにもならぬ。
○委員長(新谷寅三郎君) 江崎君からいま一度要点だけをかいつまんでもう一度述べていただきます。
○衆議院議員(江崎真澄君) それでは要旨を簡単率直に一つ申し上げさしていただきますので、ぜひとも御了承を賜わりたいと思います。国防会議の議員にわれわれは閣僚以外の民間人を充てることを削除した、これが修正のまず一点でございます。そこでその理由といたしますところは、内閣のですね、責任制に背くのではないか、反するのではないか、これが第一点。それから第二点といたしましては、この民間人を入れることに対しましての処罰規定等が現われておりません。こういった点についても私どもは多大の疑問を持っておるのでございます。また私ども自由党がかつて朝にありましたころにも、民間人は入れないという方針で昨年この防衛二法案を御審議賜わっておりました。われわれの方針としてはそこにございましたので、この機会に私どもの以上簡単に申し上げたような理由によって、ぜひ皆様方の御同意を得て修正をしたい、これが私どもの考えでございます。率直に簡単に私どもの抱懐するところを申し述べた次第でございます。
○堀眞琴君 ただいまの御説明で要旨は大体つかむことができたのでありますが、しかしながら第一の理由であります責任制、内閣責任制に反する、こういう問題であります。何か提案者はこの国防会議が諮問機関ではなくて、行政上の責任を持つ執行機関であるかのごとき印象を持っていられるのじゃないかと思います。国防会議はあくまでも諮問機関であり、内閣の諮問にこたえて答申をして、答申されたものについて内閣がこれを決定するのであって、決定の最高権は内閣にあるわけで、あります。内閣がそれを採用しようと採用しまいとを決定するのでありますから、私はどういう理由で内閣の責任制が民間人を入れることによって乱されることになるかということの理由を承わりたいと思います。
○衆議院議員(江崎真澄君) もともとこの国防の方針を決定するということは総理大臣として私は最高、最大の大責任だというふうに考えております。そこで諮問機関ではございまするが、少くともこの国防会議の議題となりまするところのものは、防衛庁設置法第四十二条の二項にあります御承知の通り五項目にわたる点でございます。こういった重大な問題を諮問する場面に必ずしも民間人を入れなくても目的は達成することができるという私どもは確信に立っておるわけでございまして、同時にまたこの五つの点について何も直接会議の議員として民間人が参画しなくても、ちょうどアメリカにこの国防会議と同様の機構がございまするが、この機構に大統領が非公式のこの二名の顧問というものを持っております。従ってそういう非公式な民間人、顧問といったような形でもこれを補い得ることはできるのではなかろうか、かように考えておりまするがゆえに、私どもはこれを否定しておるわけでございます。
○堀眞琴君 ただいまの御説明でも内閣の責任制に反するということは必ずしも明確ではないのです。先ほど総理大臣に対しまして総括的な質問を行いました際に単なる閣僚の懇談会ではないという意見が出ました。もっとももう一つあなたが心配されておるようなインナー・キャビネットの性格を持つものではないかという点については何ら質問は行われませんでした。これはあとで個別的な質問のときに私は伺おうかと思っているのです。民間人を入れないことによって、私は内閣の責任制を乱すということより、一つは閣僚懇談会に堕し終って、何ら実効のある国防会議を組織することができなくなるということが心配されることと、もう一つはむしろインナー・キャビネットとしてそれが強大な権限を持つ心配があることが心配される。民間人を入れないことによって、むしろその点が心配される。そういう二つの問題があると思うのです。民間人を入れることによって、むしろ私はあとの方のインナー・キャビネットになった場合には、内閣責任制というものを無視する結果になると思いますが、この点についてはどのようにお考えになりますか。
○衆議院議員(江崎真澄君) 私どもは民間人一、二が入ることによって、今御意見として承わりましたほどこの民間人が十分の能力を発揮する、それに期待をかけるということはできないのではないか。この民間人の入るということにそれほどウェートを感じないのでございます。また民間人を五名入れてあるのでありまするが、この五名が充足されました後には会議体は十一名の多数に相なります。もともとこの国防の基本方針、この五項目に並べられましたような大目的を達成するための会議というものは、むしろ少人数が全面的な責任を持つことによって、長時間をかけてゆっくりとこの雑音を入れない形で、正しい情報によって判断していくことがむしろ適当である、こういうふうに考えております。(「議事進行」「委員長」「議事進行」「委員長、議事進行」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)
○委員長(新谷寅三郎君) 速記をとめて。 午後九時五分速記中止 ————・———— 午後九時五十七分速記開始
○委員長(新谷寅三郎君) 速記を始めて下さい。
○木下源吾君 今何分ですか。正確なところを……。
○委員長(新谷寅三郎君) 三分前です。
○木下源吾君 政府にこの際お伺いします。時間が非常に切り詰められているので答えも要領よく、そうしてきちっと答えて下さい。 まずお伺いすることは、この国防会議の目的、いわゆる国防の基本方針とはどんなことを考えているか。
○国務大臣(杉原荒太君) 日本の国防がいかにあるべきかの基本的態度について、いかなる方針をとるべきかということをきめるのが、この基本方針を定める問題として、この会議の必要的諮問事項になっていると思うのでございます。
○木下源吾君 大へんに抽象的でわからぬ。具体的にもう少しはっきり。(「委員長、議場を静粛にして下さい」と呼ぶ者あり)
○委員長(新谷寅三郎君) 御静粛に願います。
○国務大臣(杉原荒太君) たとえば日本の国防としては非武装でいくべきか、あるいは集団防衛でいくべきか、あるいは自衛中立でいくべきか、そういった国防の基本的あり方についての方針であります。
○木下源吾君 防衛計画の大綱とは何ぞや。
○国務大臣(杉原荒太君) ここにいうところの国防の計画と申しますのは、わが国の国防の、防衛力の規模をいかにすべきか、また、その規模についての計画を達成するについて、どういうふうにやっていくか、そういうことでございます。
○木下源吾君 次に防衛計画に関連する産業の調整計画の大綱とは。
○国務大臣(杉原荒太君) それはいわゆる防衛生産と民需との関係の調整をどうするのか、そういうふうなことの関係でございます。
○木下源吾君 すでに今日までいろいろの、自衛隊になるまで、計画をして、そうして実施してきたわけでありますが、この今までやってきたことと、これからやることとの関連はどういうことになりますか。
○国務大臣(杉原荒太君) 従来のことを基礎にいたしまして、これとの関連においてやっていくわけでございます。
○木下源吾君 その関連を聞いておるのであります。たとえば、すでにこの前の質疑応答にもあるごとく、政府においては六カ年計画、あるいは五カ年計画というものができて、陸上十八万とか、あるいは航空隊も、その他海上自衛隊は警備艦十隻を中心とする二百隻とか、トン数は十二万トン、総人員が三万人等々のことがもう一応きまっておる、このきまっておるやつをただ今度の会議にそういう案を出すにすぎないのではないか。
○国務大臣(杉原荒太君) そうではございません。これから案文を作りまして、そうして諮問するつもりであります。
○木下源吾君 わが国の経済力に見合うところの自衛力、こういうことを言っておられる、その経済力に見合うところの自衛力というのは、一体何を基準とするのか。
○国務大臣(杉原荒太君) 経済力に相応する自衛力の規模等をよく考えてやっていかなくちゃならぬと思います。
○木下源吾君 経済力ということの内容を聞いておるのに、それでは答弁にならぬ。
○国務大臣(杉原荒太君) それは根本的には日本の国富、さらに具体的には財政力というようなことを十分考えて見ていかなければならぬことだと思います。
○加瀬完君 修正案の提案者に伺いますが、排除の事由といたしまして、第一に政治優先ということを御説明なさったわけであります。その政治優先には特に国会議員なるものも戦術的知識を持たなければならない、そこであえて民間人を入れる必要はない、こういうお話でした。しかし政治優先ということをすれば、政治ということは民主主義政治というもののルールが基本になるわけでありますから、民主主義のルールからいえば有識者を集めて意見を聞くというのは一向民主主義のルールにはずれない、そこで政治優先という意味からいっても政治家よりもはるかに軍事的に国防的に有識者を集める、民間人を採用することにしても意味を失うことはないのじゃないか、これが一点。 次に、民間人を入れると個々の方針というものがチェックされることになってよくない、こういうことで御説明がありました。しかし民間人を入れることによって国民の意思がより代表されるということもあり得る、この点はどうですか。 その次に、事務局機能というものを強化するというお言葉があった。事務局の機能を強化するというのは、再び軍閥のばっこというものの温床になるということが考えられる、この点をどう考えるか。 第四点として、総理が会議から束縛されるということである。民間人を入れるというと、国防会議から束縛されるということであったのでありますが、内閣の責任制というものがはっきりと法律にうたわれておる以上、また内閣総理大臣の責任によって国防会議を運営する以上、民間人を入れて諮問機関としての意見を聞いても、こういう内閣の責任制が云々されるということにはならないのじゃないか、この四点。
○衆議院議員(江崎真澄君) 最初の一点は、私どもはこの会議に二、三の民間人を入れたからといって直ちに全体の構想が変るほど民間人にウエートを置きません。むしろ民間人の意見というものを民主的に、今あなたのお説にありましたように受け入れようというのでありまするならば、この構成法の第八条に「議長は、必要があると認めるときは、関係の国務大臣、統合幕僚会議議長その他の関係者を会議に出席させ、意見を述べさせることができる。」こういう条項によってこれを補うことができると思います。これによりまして、私はまた第二点についても同様のお答えができるというように考えます。 また、第三点の事務局機能は、政府のお考えによれば、だんだん事の推移によってそれにあわせて整備充実していこうと、こういう構想に承わっておりまするので、われわれはむしろ、あなたのおっしゃるように、事務局が力を持つことによって昔の軍閥思想がまた出てくるというふうには逆に思いません。防衛庁の機構をいうものは、事務局がただ単なるお茶を出す程度の会議運営の補助機関である程度のものであるならば……これは逆に防衛庁の統合幕僚議長の報告ないしは答申といったものが会議全体の傾向を占めることになるのでありますから、この国防会議というものにおいてチェックせられる上からは事務局というものがある程度整備せられていくことが適当であると考えております。
○菊川孝夫君 江崎君にお伺いいたしますが、この国防会議の構成法は、何と申しましても新憲法下において総理大臣の権限が非常に強い、従いましてこれをある程度チェックしなければ、今の鳩山総理がそういうことをやろうというのではなくて、長くこの制度は持たれるのであります、従いましてここで、今は危険がないのであります、いつでも発足のときにはめつたに危険がない、ところが大きな組織というもの、その組織に対して権限を持つ者が長くその位置にありますると、どうしても権限を持つことになります。日本がかつて何回もそういう軍閥の支配と申しますか、権威者の支配、独裁政治に走る危険があるのであります。日本というのは、非常にわれわれ反省しなければならぬが、極端から極端に走る、非常に民主主義だ、民主主義だと言つておりますが、またそいつが逆に軍国主義に走る。たとえば一例を申し上げて恐縮でありますけれども、戦争中にはソビエトは味方であった、で鬼畜米英であった、その鬼畜米英はにわかに友だちになって、ソビエトはもうかたきのようにしているというのがはやりになってきた。こういうように極端から極端へ走るのであります。きのうまでの友は、きょうの敵になる。こういうように、極端から極端に走るのでありますから、そこでこういう国防会議の議長というようなものがあまり権限を持つことに今きめておきますと、やがて極端になつてかつてのあやまちを犯すということのないようにという配慮から民間人を入れるということになつておるのではないかと思います。というのは、大臣でしたら言うことを聞かぬときには、この前の解散のときには副総理さえ首切つて解散をやろうという総理さえ現われてきたのでありますから、防衛首相の言うことを聞かぬやつは首切ってやろうということにならぬとも限らぬ、従って民間人を入れるのじゃないかと思いますが、十分その点について衆議院において論議されたか、そうしてその論議の結論はどうであったか。 第二点として伺いたいのは、こういう会議にA級閣僚ばかりを列席させるのは小閣議にすぎません。この小閣議におきまして、閣僚のうちでA級閣僚とB級閣僚とがはっきりできると思います。こういうことになると、国防会議に列し得る閣僚とそうでないのと、たとえば厚生大臣とかいうのは国防会議が審議されておるのに天井さじきに上げられる、こういうことになる。そこに新しい内閣制度の弊害が起きるのではないか。一級と二級とこしらえてしまうのはよくない。A級とB級とをこしらえるのはよくないと思いますが、この点について特に衆議院議員は閣僚に列せられる機会が多いのでありますから、従ってこの点についても十分審議されて、そういうことがいいか、悪いかということも審議されたか。戦時中にこういうことがあつた。ちようど戦争指導会議、これに列することができるのはA級閣僚であった、列することができないのはB級閣僚であつた、そのA級閣僚がみなきめてしまう、B級閣僚は外に置かれたのであります。これらについて論議をさせられたかどうか、一つ江崎君からどういう結論からこういうことにされたか、伺いたいと思います。
○衆議院議員(江崎真澄君) お説の存するところはよく承わりましたが、結局私どもは民間人の一、二によって総理大臣がチェックせられるとは思いません。で、むしろそれは今後私ども衆参両院の国会議員等が総理の方向、思想的な動き、これを十分監視、監督すべきものである。そうしてまた右か左かを決する場合、これが防衛出動のような重要な問題でありますときは、やはり責任の所在というものを明確にいたしておかなければなりません。この責任の所在は、あくまでそういう最後の断をおろすのは総理大臣にある、これでなければならぬと思います。今、菊川委員からのお説のように戦争中のことを繰り返すとしまするならば、戦争中の場面でもどこに一体防衛出動等の責任があったのか、枢密院にあったのか、青年将校にあったのか、国会にあったのか、どこにあったのかわからぬという形がずるずるとあそこにきたのであります。だから、むしろ私は総理大臣を、右か左かきめる最後の断をおろす重大責任の場に立たしめるべきである、こういうふうに考えております。 それから第二点につきましては、国防に関係ある大臣が、国防という国家の大事について自分の所管事項以外に、この国防に絶えず責任をもって処するということは、これは私は一番大切なことだと思います。従ってそこに重大なる国防の問題に対する全責任を負う、こういう形においてそれぞれの大臣が考えることが必要だ、かように考えております。
○木下源吾君 杉原長官にこの国防の基本方針をさっきお伺いしましたところ、無防備にするかなんということも含めて、そういうことを基本方針の中に入れておるというが、すでにこれは防衛庁法の中から見て、そうしてできる国防会議が無防備なんということはあり得ようがない。そういうでたらめを言われちゃ困る。おそらくこれは基本方針その他の問題はアメリカの基本方針に従って日本がやるのだろうと思うのですが、その点はどうですか。率直に言って下さい。
○国務大臣(杉原荒太君) 全然そういうことはありません。
○委員長(新谷寅三郎君) 時間が参りましたから第二控室の方に……。
○松浦清一君 修正案の提案者である江崎さんにお尋ねいたします。大体民間の議員を入れないというふうにした理由について、説明が配付されておりませんから、詳しいことはわかりませんが、私の理解するととろでは、今まで質問のあった軍事に政治を優先せしめるためだろうということになっている。そのほかにもう一つ重大なことは、内閣の責任制を尊重するということが一点、それから民間議員を入れておくというと秘密が漏洩されるおそれがあるから入れない方がいい、この二点であったと理解するわけです。その通りですか。
○衆議院議員(江崎真澄君) 最初の、政治は軍事に優先するという点は、私は原則論としてその前提として申し上げたのでありまして、だから民間人を入れない、こういうのじゃありません。だから、むしろ国会議員がこの役割を十分果すべきである、こういう前提を申し上げたのでありまして、その点は一つ御了解願います。
○松浦清一君 それで、民間の議員を入れることがいいとか、悪いとかいう議論をする時間がありませんから端的に申し上げますが、修正されたこの案によりますと、内閣法第九条に指定されている大臣と、それから外務大臣、大蔵大臣、企画庁長官と防衛庁長官、こういうことなんです。今のように外務大臣が内閣法第九条によって指定されている副総理を兼任している場合には、外務大臣兼副総理たる重光さんと、それから大蔵大臣と防衛庁長官と企画庁長官、この四人になるのでしょうが、その四人と議長たる内閣総理大臣とによって国防会議が構成されるわけです。先ほどいろいろ議論があったように、単なる防衛関係閣僚懇談会というような形になるのでしょうが、そういうものに防衛の大綱とか、あるいは基本方針だとか、それから出動の可否とかいろいろ重要な問題を審議さして、どれくらいのことがやれるか、その点について衆議院ではどのように審議されたか、あなたはどのようにお考えになっているか、ちょっと伺いたい。
○衆議院議員(江崎真澄君) 私どもは民間人が入ったからといって、しからば非常に慎重にこの会議が進められ、そしてまた正確を期し得られるというふうには考えておりません。むしろ閣僚たる責任者が、みずからの所管に関連する重要なる国防事項を、ほんとうに大責任を感じて議するところに、初めて国家の国防の方向というものが明らかにせられるものである、こういうふうに考えております。また必要に応じまして、第八条にありまするように、議長は、適当と認めれば、だれしもこの会議に呼ぶことができるのでありまするから、そういう点においては困難はないものと、かように考えております。
○松浦清一君 防衛庁設置法の第四十二条に、内閣総理大臣は、国防の基本方針、防衛計画の大綱なり何々は、こういうことは国防会議にはからなければならないということが、義務づけられている。そして国防会議の議員になる議長以外の大臣諸君は、内閣総理大臣から任命される。会議の議員になる閣僚を総理大臣が任命しておいて、そして内閣総理大臣が議長になる、そしてもし内閣総理大臣の意に反するような大臣があれば、これは任免権は総理大臣が持っているから、いつでも首を切れる。内閣の責任制の所在というのはどういうところにあるとあなたは判断しておられるか知りませんが、結局内閣総理大臣の思った通りになるのだ。そうすると、防衛庁設置法の四十二条に義務づけられているほど重要ないろいろな計画をなさなければならぬこの会議が、非常に意義が減殺されるわけですね。民間議員のことについては議論しませんよ。入れた方がいいという立論から言っているのではない。ただ何にもならない骨抜きの会議になってしまうのではないかと言っているので、衆議院の方はその点についてお気づきにならなかったかどうか。それでもいいのだ、こういうことで出してこられたか。
○衆議院議員(江崎真澄君) 衆議院の方では、十分そういう問題について慎重に検討いたしまして、むしろ民間人を削ることの方が適当であるというふうに考えたわけでございます。また閣僚というものを、そこまで意思のないものとは思っておりません。同時に、また閣僚の罷免等をされます場合には、それは国会というものがございますし、日本の民主主義というものも、やはり私は相当信頼をしていいのではないかというふうに考えております。
○松浦清一君 時間がないので残念ですが、あなたが防衛庁長官だったらもっと鋭く追及しょうと思っているのですが、あなたは同僚だから、この次に内閣が改造されて、あなたが防衛庁長官になってきたら眞剣に立ち打ちをやりましょう。 それでもう一つ問題は、防衛庁の組織一覧表を見るとわかる。自衛隊の上に幕僚監部があって、その上に幕僚長がおって、それが次官につながって、長官につながって、内閣総理大臣につながっているのが、防衛庁の組織機構である。そのまん中にある幕僚長、三幕僚長が集まって、統合幕僚会議というものをやる。その統合幕僚会議で何をきめるかというと、防衛庁設置法の第二十六条に、統合幕僚会議のいろいろ相談する事柄が書いてある。「統合防衛計画の作成及び幕僚監部の作成する防衛計画の調整に関すること。」云々というととが六項目も書いてある。これは四十二条の国防会議の中で規定してある根本的な方針をきめる前提となる案を作成することだと思う。ほんとうを言うなら、統合幕僚会議でこういう重要な案件を作成して、あなたのおっしゃるような内閣の責任制を尊重するという建前からいくならば、こんな会議はやめちゃって、統合幕僚会議で作成をした案を防衛庁長官に報告をして、防衛庁長官が内閣総理大臣のところに持っていって、それでこれはいいか悪いかということを相談すれば、内閣総理大臣は閣僚に諮るなり閣議にかけるなり、あるいは今言うような関係のある大臣に集まってもらって相談をするなりして裁断を下せば事が足りる。今の世界の列国の防衛会議というのはどういうことになっているかというと、イギリスとアメリカとフランスとイタリアに国防会議らしきものがある。そのほかの国々にはそういうものはないのですよ。イギリスの形は、今日本で構想されているような、単に内閣総理大臣の諮問機関とは違って、イギリスの国防会議はもっと強化されたもので、閣議よりももっと強い力を持っている。国防何とか委員会というととろできめられたことは、閣議よりも優先すると言われているほど非常に強い力を持っているのだ。アメリカやイギリスのような大軍隊を持っていて、このいい悪いは別問題として、とにかくその大軍を持っていくだけの経済力を持っておるイギリスやアメリカなんです、そういう国々にあるような大きな格好の国防会議なんというものをこしらえて、閣僚懇談会と同じものをこしらえて一体何をやるのだ、それを衆議院は眞剣になって二カ月もかかったのですから、十分御検討になっただろうと思うのですが、その検討の過程において私が申し上げるような面が出たのか出なかったのか、出なかったら衆議院の人はまことに国防の関係について無関心だと思う。御説明を願いたい。
○衆議院議員(江崎真澄君) 統合幕僚会議というものは、本来防衛庁長官の補佐機関でございます。ですから、私は今の御意見とはちょっと違った感じを持っておりますが、なお、ほんとうは私ももっと詳細に審議の経過などについても御説明を申し上げたいのでありますが、私の方の説明があまり長くなりましては、かえって失礼だと思いますので、(「いいよ、やれ、やれ」「簡単々々」と呼ぶ者あり)そこで私どもは閣僚というものが、ただ自分の所管任務だけでなしに、やはり国防会議というものに列して責任を果すところに、この統合幕僚会議から防衛庁の長官を通じて送って参りました議案、議案なるものが慎重に再検討せられ、チェックをせられるということになると、かように考えております。またイギリスのお話が出ましたが、イギリスの、この国防会議と同様の機関ができましたときに、趣意書にもはっきり書いてあります、どこまでも内閣に責任を持つものである、特に防衛出勤等については、これはもう一番重大な点だから内閣において決すべきであるということがはっきり書いてあって、民間人はやはりイギリスの場合にも入っておりません。どうぞ御了承願います。
○松浦清一君 あなたは私がいろいろ質問しておるのは民間側の議員を入れた方がいいのではないかというような観点に立って質問をしておるという先入観が入っておる。私は民間人を入れた方がいいのだという質問をしておるのではないのです。これが閣僚の若干の人たちだけにしぼられてきたのでは、単なる関係閣僚懇談会にすぎないことになるから、あなたの今おっしゃるように各閣僚に国防に対する責任を分担せしめるというなら、むしろ閣議においてその方向を決定する、案の作成等は統合幕僚会議において作成をさして、それを内閣にもってきて閣議で検討すればいいのではないか、そうすれば内閣の責任制というものが十分に果されていくし、変な懇談会を少数の閣僚によってもって、それに関係のない大臣は国防に関しては肩幅が狭いというような立場に置かんでも、全部の閣僚が全体の国の防衛のために責任をもってやっていくと、こういうふうにすれば、いいのではないかと、こういうふうに私は言っておるのであります
○衆議院議員(江崎真澄君) 御趣旨の存する点はよくわかりました。広くいえば全体の閣僚が責任ある立場をとるべきでありましょうが、やはり当然これは諮問機関としてはかられる場面で責任を持つ閣僚が指定せられておることは私はちっとも差しつかえないと思います。そうして諮問をして、また全体の閣議にはかられることは、これはもう当然でありますし、そういうふうになるだろうとかたく信じております。(「そういうふうになるかわからぬぞ、それは」 「大蔵大臣にでもなればいいけれども、労働大臣じゃさびしいぞ」と呼ぶ者あり)
○松浦清一君 一体日本の国防をやるのに大蔵大臣や外務大臣や防衛庁長官、企画庁長官が非常に関係が深いことはわかりますよ。しかしその他の閣僚があの防衛大綱をきめていく上に何も関係がないということは、言えないわけですよ。日本の行政事務というか、そういうものは非常に煩瑣な経緯をとってややこしくてしようがないのだ。今あなたがおっしゃるように三人か四人かの閣僚が集まって防御会議を開いて、そうしてそれできめたものが、また閣議にかけられるのだという話だが、その今作られようとしている国防会議にかけられる案というものをどこで作成するかといえば、実際にこれを運営していく、作っていく者はやっぱり統合幕僚会議等がその作成をするようになると思うのだ。事務局が非常に拡大されて、専門的な、われわれが非常に警戒をしている職業軍人等がたくさん事務局に集まってきてやるというなら別だが、そういうことはないと、こう防衛庁長官は言明しているのだから、一番防衛計画の大綱等についてよく知っている統合幕僚会議が案の作成をするのだろうと思う。その統合幕僚会議で作られた案が一ぺん閣僚懇談会みたいな国防会議にかけられて、また閣議にかけられて、また閣議にかけられるということでなしに、直ちに閣議に直行していって、そこで審議をすればいいのじゃないか、こういうわけなんです。それから先はあなたと議論になるから……。そう私は思うのだ。そういう意見が衆議院では出なかったかと、こう言うているのだ。
○衆議院議員(江崎真澄君) 出なかったかと言われますると、あるいは出たかもしれないと思います。ただ私は結論としては、この統合幕僚会議から現在としては議案が出てくるわけでありまするが、その議案を責任を課せられた閣僚が十分……懇談会とおっしゃいますけれどもが、これは国防会議の議員であるという自覚において、所得事務以上にも、それと同じ、あるいはそれ以上の十分責任を持って御審議を願えるもの、かように考えております。また願わなければならぬと考えております。
○松浦清一君 これは議論果てしないのだ。私まだたくさんの問いたいことがあるけれども、十五分の約束をして、田畑君がまだ二分ほど時間が残っているからやらなければならない。これで質問がなくなったわけじゃない。また機会があったら聞きますから……。
○委員長(新谷寅三郎君) 田畑君、あと一分です。
○田畑金光君 江崎さんにお尋ねしますが、この大幅な修正を受けまして総理大臣はどう考えるか、こう聞いたところが、やはり私は民間人を入れた方がいいと思う、そうすると取引のためにそういうことを認めたのか、それを肯定するとも否定するともやらないのです。で、衆議院の方で自由と民主との間で長い間若労されてこの修正をなされたわけですが、その修正の経過について少しく承わりたいと思います。 第二点は、御承知のように、今日の憲法、内閣法、あるいは防衛庁設置法、自衛隊法によると、内閣総理大臣の権限が非常に強大なんですね。そこで民間人を入れるか入れないかということは、要するにこの強大な内閣総理大臣の権限をどこかで抑制しなければならぬ、こういう考え方に基くものと見ているわけなんです。で、あなたのお話を聞くと、そんな必要はない、それは国会において調整する、あるいは監視する、こう言われておりますがね、しかし私は江崎さんによく考えてもらいたいのだが、あんたの方の吉田総理という人が、あんた方はもちろんだが、副総理以下あごの下で使っていたと、ああいう人が現われてきたのじゃこれは危険だというので、こういう法律案がまず考えられたのです。この点あんたはどうお考えになるか。 第三にお尋ねしておきたいととは、この国防会議ならば、結局これは閣内における、経済問題について経済閣僚懇談会ですね、今度は賠償問題について賠償問題の懇談会と同じことだと私は思うんですよ。国防会議懇談会を作っても、あなた方の修正された案とは全く同じじゃないか、どこに違いがあるかというととが第三点、いいですか。 第四点、お話のように、政府の説明を聞いておりますると、本年度は陸軍兵力が十五万、その他空軍、海軍力についてはまだ話にならないほど弱い勢力である、こう言っているのですね。こういう政府の表現を借りると、こういうまだ大した勢力でもない自衛隊について国防会議というものが必要であるかどうか。たとえばアメリカを見ても、イギリスを見ましても、それは外交政策、国内政策、産業政策、労働政策、こういう全般的な総合政策を調整するのが国防会議なんですよね。そういうことを考えたときに一体日本で必要かどうか。 この四点について、一つ丁寧に御説明願いたいと思います。(「簡単々々」)と呼ぶ者あり)
○衆議院議員(江崎真澄君) 最初の御質問の点は、これは鳩山総理大臣及び関係大臣にしてみれば、国会において修正せられれば、政府としては確信を持ってお出しになっておる法律が修正せられることは残念だと言われることは、これは当りまえだと思います。しかしながら、また同時に、われわれ国会における審議権というものは御尊重願いたいという主張も、これもまた一面においては政府において十分考慮を願わなければならぬ点であったと、こういうふうに考えております。 それから第二点の、この民間人の問題は……。
○田畑金光君 江崎さん、その経過をもう少し折衝の筋をお聞きしたいというのです。
○衆議院議員(江崎真澄君) 私ども内閣委員会の審議の過程においてこの修正案が正しいとして出したのでありまして、いろいろ党の幹部同士が話し合いをするということは、これはあり得ることでございます。どの場面においてもあると思います。しかし私どもはそういう問題は公式の問題としては承知をいたしておりません。 それから第二点の、民間人において強大な総理大臣の権限をチェックすると、こう言われまするが、非常勤の民間人が二人や三人入ったからといってにわかに総理大臣がチェックされるとは思いません。私は先ほどから申し上げましたように、だれしもが首肯できるところの議論によってチェックされなければならない、と同時に、これは当然これは新しく生まれかわった国会議員というものの軍事知識によってチェックすべきことが当然であると、かように考えております。 それから第三点は、吉田さんの点は、これは見方の相違でございまして、この点については私どもはきょうには考えておりません。 それからその次は、この軍人が大きくなったとか、あるいは小さいということでなしに、これはどんな構成法ができましても、条文によって内容というものが全部決せられるというものではないと思います。条文にあらずして、やはり内容にどれだけ誠意を持って自分の責任を果すかということ、この精神的な面によって法の満足な運営ができると考えております。関係責任閣僚がこれを会議員になりながら顧みずしてこれを軽く扱うというようなことならば、どれだけこういう法律をきめてみたところでこれは物の役に立たぬ。この法律ができる以上は、責任閣僚たる者は必然国防の重要性に目ざめて全責任を果される、こういうことであってもらいたいし、またなければならぬと私どもは考えております。 以上申し上げます。
○田畑金光君 もう一つ答弁がないのですが……。
○委員長(新谷寅三郎君) 田畑君に申し上げますが……。
○田畑金光君 この国防会議というものは、今の自衛隊の力に比較しましたとき、ちょっと作るにはまだ早いのではねいか。たとえばイギリスやアメリカを見た場合に、これは私が先ほど申し上げたように、外交政策についても、あるいは経済政策についても、労働政策についてもいいのですが、全般的な問題、あるいは人力資源、一切のものを戦争計画、軍事計画に動員するための機関としてこういうものが置かれておるわけですね、憲法によって再軍備を禁止されておるわが日本において。
○衆議院議員(江崎真澄君) よくわかりました。あとの点思い出しましたからお答えいたします。この点は見解の相違と申しては言葉が端的過ぎるかもしれませんが、私どもは今日の段階において国防会議は必要なり、しかし政府においては防衛六カ年計画という長期にわたる大計画を立てようとしておられますからには、どうしてもこれは国防会議は作らなければならぬ、かように考えておるものでございます。
○委員長(新谷寅三郎君) 菊川孝夫君、松浦清一君から動議が提出せられました。暫時休憩せられんことの動議を提出するというのでありますが、この際休憩するかどうかについて……。(「反対々々」と呼ぶ者あり)
○菊川孝夫君 提案理由の説明をさせて下さい、なぜそうするかということを。 〔「反対々々」と呼ぶ者あり、その他発言する者多く、議場騒然〕
○委員長(新谷寅三郎君) 暫時休憩せられんことの動議を提出するという動議が提出せられております。この動議を採決いたします。
○菊川孝夫君 いや、採決前に提案理由の説明をさして下さい。ちょっと提案理由を説明さして下さい。いろいろの理由があったのだよ、それだけ聞いて下さい。その上で採決してもらいたい。
○委員長(新谷寅三郎君) 御着席を願います。
○菊川孝夫君 提案理由の説明をさすかどうか。
○委員長(新谷寅三郎君) 御着席を願います。
○田畑金光君 簡単に説明さしたらどうですか。
○委員長(新谷寅三郎君) 動議に賛成の諸君の挙手を願います。(「ちょっと待った」と呼ぶ者あり) 〔賛成者挙手〕
○委員長(新谷寅三郎君) 少数でございます。
○菊川孝夫君 提案理由の説明をさして下さい。
○委員長(新谷寅三郎君) 私は今採決の宣言をしておるのでありますから……。
○菊川孝夫君 その採決の宣言前に提案理由を説明さしなさいよ。その説明を聞かずに採決するということがありますか。
○委員長(新谷寅三郎君) 私はすでに宣言をいたしましたから……。
○菊川孝夫君 どういう宣言をしたのですか。
○委員長(新谷寅三郎君) この動議に賛成の諸君の挙手を願いますという宣言をいたしました。
○菊川孝夫君 それはちょっと待てと言うのだ。
○委員長(新谷寅三郎君) この動議に賛成の諸君はございませんか。賛成の諸君がなければ、この動議は否決せられたものと認めます。
○菊川孝夫君 発言さして下さい、提案理由の説明を。
○委員長(新谷寅三郎君) もう一ぺん申し上げますが、菊川君及び松浦君の動議に賛成の諸君の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(新谷寅三郎君) 少数であります。よってこの動議は否決せられました。
○豊田雅孝君 議事進行。国防会議の構成等に関する法律案及び憲法調査会法案の審議の経過とその重要性にかんがみまして、国防会議の構成等に関する法律案及び憲法調査会法案、両法案を閉会中もこれを審議することの動議を提出いたします。 〔「反対」「賛成」「話が違うぜ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多く、議場騒然〕
○菊川孝夫君 そういうものを出すからこれに説明さしてくれと言うのだ。そんなことはいかぬ反対だ。
○委員長(新谷寅三郎君) 委員長から諮りますから御着席を願います。お静かに願います。御静粛に願います。 ただいまの豊田君の動議の通り、国防会議の構成等に関する法律案及び憲法調査会法案を継続審議することに賛成の諸君の挙手を願います。……挙手を願います。 多数でございます。……多数でございます。よって同法案は継続審査とすることに議決されました。 〔議場騒然〕
○委員長(新谷寅三郎君) 委員の方は御着席願います。御着席を願います。(「不信任案が出ているぞ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)御着席願います。 お諮りいたします。ただいま豊田君の……(「理事会を開け」と呼ぶ者あり)御着席願います。 お諮りいたします。ただいま豊田君から国防会議の構成等に関する法律案及び憲法調査会法案につきまして、本会期中審議が困難であるから、これを継続審議にしたいとの動議が提出されました。右、豊田君の動議に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(新谷寅三郎君) 多数であります。よって豊田君の動議は成立いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 午後十時五十三分散会