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22回国会参議院1955/07/14

内閣委員会 第26号

発言数
261
登壇者
23
会派数
6
開催日
1955/07/14

会議録

新谷寅三郎緑風会

○委員長(新谷寅三郎君) ただいまより内閣委員会を開会いたします。  国の防衛に関する調査を議題といたします。  本日は、駐留軍の飛行場拡張問題及び駐留軍及び自衛隊の演習場問題について調査をいたします。各地から参考人として御出席願っておりますが、立川飛行場の問題につきましては、都下北多摩郡砂川町、農業青木市五郎君、また木更津飛行場の問題につきましては、木更津市長浜名儀三君、小牧飛行場の問題につきましては、愛知県西春日井郡南里村、舟橋久男君、新潟飛行場の問題につきましては、前新潟県農業委員田浦順二君、伊丹飛行場の問題につきましては、豊中市長の藤戸翼君、板付飛行場の問題につきましては、福岡市長の小西春雄君、東富士演習場の問題につきましては、御殿場市元印野村助役石田精市君、宝塚演習場の問題につきましては、宝塚市の小林英次君がそれぞれ御出席になっておられます。  参考人の方に申し上げます。  本日は非常に暑気きびしいところ、遠路わざわざ御出席いただきまして、まことにありがとうございます。時間の関係もございまして、わざわざ御出席いただいたのでありますが、各参考人には書面で申し上げましたように、大体十五分程度で各地の実情なり、あるいはそれに関して御意見もありますれば、つけ加えて要領だけお述べ願いたいと存じます。そのあとで、各参考人の供述が終りましたあとで、委員から各参考人の方々にお尋ねすることもあるかと思いまするから、それに対しましてはできるだけ詳細にお答えを願いたいと思います。その参考人に対する質疑が終りましたあとで、政府側と委員との間で質疑応答が行われますから、その場合には御用のおありのお方は御退席願ってもけっこうでございます。  ただいまから審議に入ります。まず、立川飛行場の問題につきまして青木市五郎君から御供述を願います。

青木市五郎農業

○参考人(青木市五郎君) 私は立川基地のそばの砂川町の農業青木市五郎でございます。  日夜飛行機の爆音、または砂塵に悩まされつつ、滑走路直下でもって網農業を営んでおります。このたび政府におかれまして、立川基地を拡張され、要するに滑走路の延長、これに伴いまして地元の農民また町民は非常に恐怖をもって毎日反対をしているのでございます。これというのも、わが町の周辺に軍事基地が戦前戦後を通じてたくさんできたからでございまして、戦争中私どもの町のこうむりました損害というのは、約三分の一が戦争中敵の燃夷弾爆撃等によって破壊され、または農地におきましても、すでに軍事基地におきます大小あわせて十一回という基地の拡張によりまして、わが町民はもう基地の拡張につきましては、ほんとうにこりごりしておる次第でございまして、目下の第一案としましては、この飛行場の拡張、要するに滑走路の延長につきまして、私どもの町、要するに町の南側に飛行場が、立川基地がございまして、その北側に約千フィート離れたところに町があるのございます。私の町は東西二里半もあるという細長い町でございまして、そのほんとうの中央を今度の滑走路が横断をしてしまう、こういうことになっておるのでございまして、この中央を横断されたならば私どもの町はほんとうに死んでしまうのでございまして、この中央の西側に町役場、興業協同組合等がございます。東側に中学校、要するに全町から通学する中学校がございます。こういった形態をなしておりますが故に、町の行政上におきましても、これを中断されたならば絶対に政治的、要するに町の行政がとまってしまうのでございまして、私どもの町の真中にあるのが五日市街道でございまして、五日市街道は要するに砂川一本街道と言いまして、五日市街道が一本あるのみでございまして、その南側は立川基地になっておりまして、その北側へいきまして約一里以上行かないというと青梅街道がないのでございまして、この道路をつぶされてしまうということは、この西側に残された住民はほとんど袋のネズミになってしまうのでございます。この西側に残された農家の方は、毎日野菜その他を立川、東京方面に毎朝のように三輪車その他をもって出荷しなければならないのでございまして、これを横断されたならば、結局昭島の方へ出るか、あるいは青梅街道へ出る、こういうふうになるのでございまして、目下のところでは通させる、こういったことを言っておるそうでございまするが、私はその飛行場の滑走路直下に毎日仕事をしております。はなはだしく低空した場合に六尺くらいの桑の木は飛ばされている、こういったところに作業をしております関係上、この道路をただ交通するということは絶対にこれはもう不可能のことというのは火を見るよりも明らかになっておるのでございまして、こまかく説明を申し上げますと、飛行場から北へ滑走路が伸びまするのが、要するに滑走路が千フィート、千フィートのところで道路がぴたっとあるのでございまして、それより北へ六百フィート余剰地として残る、こういうふうな形態になるらしく、もとよりわれわれは、わが町においてはこの飛行場滑走路の拡張については調達庁に、何ら聞く必要はない、絶対にこの滑走路の延長は、基地の拡張については耳をかさない、こう言っているので、細密の点についてはわれわれは少しも知っておりませんが、新聞その他の報道でわれわれも推定しておるのでございます。特に一番のわれわれの悩みとするのは、農家経営上、政府の方におかれましても、すべての御指導によって、農家は農業協同組合を利用して行くのが一番の、最善の今後の農業のとるべきことであるということは御指導を受けておるのでございますが、この滑走路が延長されたならば、われわれの唯一の頼みとする農業協同組合の利用ということは、この東地区より参りますものは絶対に杜絶されてしまうのでございます。目下の状況におきましては、各地で農業協同組合は非常に赤字続きになっておる関係上、わが町の農家が半分しか利用しないということは、すぐつぶれてしまわなければならない、こういう羽目に行くのでございまして、農業協同組合をつぶすということは、やはりわれわれ農民は結局経営難に陥らなければならないというのが現状でございます。かような意味合いにおきまして、農家経営がほとんど死滅してしまう、こういうことは結論が出ておるのでございまして、なおまた商業工業方面におきましても、一本しかない道路を中断されてしまったならば、結局町の繁栄は道路にあると思いますがゆえに、ほとんどその滑走路のために道路が杜絶されればほとんど人は入ってこない、こうなりますと、商業の方は全然これはつぶれてしまわなければならない。工業においてもしかりと思います。また特に百年の計を立てる中等教育、ほんとうにわが国を背負って立つという今後の子弟を養う中学校でございます。この中学校へ通う、毎日町から全部がそこへ寄ってくるのでございますが、その生徒すら半分は通えなくなってしまう。結局一万三千に満たない、一万二千からのわが町が、その中学校を二つ作るなんということは絶対にこれは不可能と思います。ことさらそんなようなことでは、りっぱな今後の日本を背負って立つという人物は出ないと思っております。特にまた目下中学校は飛行場のすぐ隣側にございますので、爆音その他によりましてほとんど授業も完全に行えない。ほとんどの生徒が中途半端な人間ができてしまう、こういったようなことは附近の中学校の生徒から比べまして非常に頭悩、能力が落ちているということはよくわかるのでございまして、おとなですら何か一つ事をまとめるとしても、毎日毎日頭の上でがんがんやられたら、とうてい何も考えることができないような現状で、ほんとうの教育をするという中学校の生徒が、この爆音のもとで授業をするということは、実に町民としてほんとうの悩みの種となっておるのでございます。このたびたまたま今度の拡張によれば、聞きますところによりますと、二百三十人乗りからの飛行機を飛ばさせる、こういったようなことを言っております。もちろん大きな飛行場にするには大きな飛行機を飛ばすだろうと思います。このようになりましたら、その中学校というものはどうするか、こういったことは一番先きにわれわれは考えなければならないと思います。また政府としても今後のこの日本を背負って立つ日本人を作り上げるに、それをかまわずに見て、むやみと飛行場をさえ拡げればよいという考えということは、絶対に考えてもらいたいと思うのがわれわれ町民のほんとうの真意でございます。  中学校につきましては、大体そのようでございますが、なおさらに、この飛行場の直下にありますわれわれ農民のほんとうに因るのは、女の方はもう毎日悩んでおりまして、大きな飛行機が上り下りするときには、ちょっとゆるい障子ははずれてしまいます。ほとんど満足な障子はない、ちょっと湿気がくると破れてしまうような現状で、ラジオの真空管等は月に二回ぐらいは締めてやらなければゆるんでしまう、かわらなんかも五年か六年で手入れをしなければ、みんなずれてしまうというのが爆音の響きによって起る損害でございます。また農家にとりましては、その周辺にあるわれわれ農家は、目下のところでは非常に空気も湿っており、また青いものがあるので、農家の農業上そうひどいことはなく、しかし作物としたらほとんど半分、または三分の一しかの収穫しかない現状でございますが、冬になりますと、ほとんど飛行機の乗降によりまして砂塵を巻き上げ、町の中央部はほとんど見えなくなってしまう。一日たって、あとで暮れ方女の人が掃除をするときには、すでに下へ字のかけるほど砂塵がたまってしまうというのが現状でございまして、子供等を寝かしておるときには昼間は寝つかない。朝はもう四時から飛行機は上っております。これは割合になれておりますが、一番因るのは育ち盛りの子供がほとんど寝つかない、要するにみんな神経過敏の、ごく落ちついた子供ができない、ほとんど半端な人間ができてしまう。こういったことを町の人はみな憂えておるのでございますが、しかしこの飛行場も、われわれは戦争中はやっぱり勝つためにはしようがないというので、みすみす土地をとられて泣き寝入りになっておる。また戦後におきましては、米軍によって農作物もろとも、目下の飛行場の三分の一、要するにわれわれ地元民の農業経営の土地三分の一がブルドーザーによって、農作物もろとも無断で削りとられてしまって、飛行場があんなに大きくなっておるのでございますが、これもやはり負けたつらさ、われわれは仕方がないというので涙をのんで今日に至っておるのでございます。この飛行機の爆音、また砂塵、中学校教育においても十分な人間ができない、こういったことで、われわれはいかなることがあっても、この飛行場を今度拡張をされないことにおいては、われわれは忍ばなければならないのでございますが、とにかくこれ以上大きくされるということは町は死んでしまう、われわれは地元に万一拡張になって取り残されたものは、ほとんどどうして生きて行けるかというのが目下の町の者の非常な悩みでございまして、ことさらこの拡張区域内に入りました農家のわれわれにつきましては、この土地というのは非常に戦争中家を焼かれ、農地は米軍によって削りとられ、そのときにわれわれは、何としてもこれはもう死んでしまわなければならぬような状態になった。部落の者が全部寄り合って協議の結果、町へ申し込んで開墾をさしてもらう、その開墾につきましても、くわ一丁ない、みんな焼けてしまって、これは焼けない家から借りてくる、食糧としてはほとんどない配給状態で、要するにほんとうにひどい人は草を食べて開墾した土地でございます。ようやっと草を食べてどうやら食えるだけの農業にさせてもらった、こういったほんとうにわれわれ農民には貴重な十地でございます。ほんとうの汗の一しずく、一しずくを重ねた土地でございます。でありまするから、このたびの拡張、要するに拡張地域内におけるわれわれ農民は、いかなることがあっても今度の拡張は絶対に反対をしなければならない、拒否しなければならない、こういうのが現状でございます。なお時間の関係がございますので、第一案の方はかような現状でございます。  それに引続きまして最近第二案として、斜めの線に計画をされておるのでございます。この斜めの線の計画につきましては、わが町の六百名以上の檀家を持つ菩提寺がそこにあるのでございます、流泉寺という菩提寺があります。その隣りに農業協同組合がございます。それより西へ行きまして小学校がございます。これへ今度の第二案が向けられたということは、目下六百名以上の檀家が総立ちとなって反対をせざるを得ない現状でございます。われわれの先祖を弔っている菩提寺が今度移転しなければならないということは、皆さんも御想像、おわかりいただけると思います。これがゆえに町をあげて絶対の反対をしております。ことさら農業協同組合も、われわれが第一案によってつぶされてしまう、こういった心配をしているのに、今度は農業協同組合が直接つぶされてしまうということは、実にわれわれ農家にとっては痛手でございます。なおさら小学校の上空へ大きな飛行機が飛んで行くということは、この小学校は絶対に移転をさせてもらわなければならないのでございますが、目下の現状におきましては、地形の関係上その場所をどくということは非常に困難が伴うのでございます。東西二里半もある町でございますので、これの適当な場所ということは、目下十一回も基地によって拡張された非常に狭い町でございまして、農業にとっての反別の余裕ということは少しもないので、これをどこへ持って行くということはなかなか大へんなことでございまして、こういったことにつきまして第二案の滑走路の延長につきましてもこれは絶対に反対をしております。御承知の通りわが町は、砂川町へ墓地を拡げるということは、ただ一坪でもどんなところへでも今度はしてもらっては困ると、全町をあげて血だるまになって目下反対しておるのでございます。さような現状でございまして、第一案、第二案とも絶対に拡張ということは反対でございます。  その後、調達庁の六月三十日より三日間の立入りにつきましても、ほんとうに測量に来るのだか何だかわからない。ほとんどわれわれに挑発的に持ってきて、要するに測量の妨害を積み重ねてそうして町のわれわれを縛って、しかるのちに拡張をする、こういったようなことをしておるということは、まことに町民は遺憾に思っておる次第でございます。なおまた警察当局におかれましても、この測量に対しまして、陰に陽にこの調達庁側を援助し、また調達庁も警察力をもってこの測量をするということは、実に一方的見地ではないかということを非常に町のものは憤慨しております。なおまた、今日時間がございますればいろいろと細部にわたって、この警察のとりました行為その他につきまして皆さんに御報告をいたしたいのでございますが、再三の御注意を受けましたがゆえに、あとで御質問によってお答えをさせていただきたいと思います。  なおまたわれわれの町に、十六日より今度は強制立ち入りをすると、先だっても調達庁長官が、死傷者を出してもこれは決行するということを新聞紙上によって発表しておるがゆえに、わが町は目下のところ悲壮な面持でもって、この十六日を迎えるべく着々と反対闘争について準備を行なっておる次第でございます。どうか政府におかれましても、このたび立川基地の拡張、要するに砂川町に飛行場を一坪でも拡張するということは絶対にこの際私はやめていただきたいと思います。どうか先生方におかれましては、ぜひとも砂川町のこの気持をお汲み取り下さいまして、この飛行場拡張を絶対にやめていただくべく、この壇上より切にお願い申し上げる次第でございます。  はなはだ長時間にわたりまして、駄弁を申し上げてまことに失礼いたしました。ありがとうございました。

新谷寅三郎緑風会

○委員長(新谷寅三郎君) 次は、木更津飛行場の問題について浜名儀三君から御発言を願います。  参考人の方に申し上げます。ただいまも大体の予定の御発言時間十五分をだいぶ経過いたしました。この調子で参りますと、本日全部を議了することが困難になって参りますので、あとで各委員から御質問もあることと思いますから、その際にさらに足りないところをお述べ願うことにして、発言時間十五分ということで要点だけお述べ願いたいと存じます。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 ちょっと議事進行ですが、大体十五分ということでお願いしてあるそうですが、おなれにならない参考人もおありになりますので、運用で適当に委員長においてお取り計らいを願って、あまり督促されることは御発言しにくいかと思いますから、その辺は一つ委員長において適当にお取り計らいを願います。

浜名儀三木更津市長

○参考人(浜名儀三君) 木更津市長の浜名でございます。  日夜国政の正しいあり方への御奮闘の諸先生の各位の前に、市民の衷情をお訴えする機会を得ましたことを冒頭厚くお礼申し上げます。  木更津航空基地は、昭和十年日本海軍の航空基地として建設されたものでありまして、昭和二十年の九月、太平洋戦争終結と同時に米空軍が進駐して参りまして、今日に及んでおる次第でございます。その総面積は七十八万坪でございまして、今回この航空基地の滑走路を北東と南西に拡張するために、昭和二十九年、昨年の十二月四日、木更津市江川地区に四万二千坪の安全地帯を、また本年五月九日に、木更津市木更津海面約十六万五千坪の埋め立てを行なって、地役権を設定することについて要望がありました。これはお手元に差し上げてございます末尾の図面をごらん願いとうございますが、ただいまの御説明が赤い線で引いてございます。第一案と称する部分でございます。これに対して、市の死活問題であるということで、反対の猛運動を起して参りましたところ、本年六月二十日に、第一案の被官を縮小する名目のもとに第二案、別紙図面の黄色い図面でございます。として滑走路拡張のため、航空基地の西側海岸線に沿うて、木更津市久津間地先約六万坪の地役権要求を前提とする立ち入り調査要望の通告を受けたのであります。これに対して、私どもは以下申し上げますような理由のもとに今日まで反対して参ったのでございまして、木更津市はすでに基地のために九十万坪の農耕地を失って、今回の拡張によりまたまた農地及び漁場を失うこととなるとともに、人家の移転もなさなければならないというような事情でございまして、今回の拡張はあまりにもその犠牲が大きいというので、関係農漁民は今仕事も手につかず、日夜心痛いたしておるような実情でございます。  このことにつきましては、関係御当局へ常に衷情を訴え、陳情いたしておるところでございます。しかるに東京調達局においては、これら拡張予定地を早急に立ち入り調査を行うこととし、地元民の反対に対しては法的立ち入りを準備するという通告を受けましたので、市民はひとまず立ち入り調査を承諾いたしましたが、これは法的立ち入りを施行された場合における混乱と不祥事を回避しようという考え方でございます。基本的な反対、基地拡張に対する態度は寸毫も変っておるのではございません。このことは衆参両院初め、内閣関係大臣、調達庁にしばしば陳情して参りました。その及ぼす影響が重大なるために、第一案も第二案も、これによる拡張については絶対に反対でありますので、事情御賢察の上、本委員会においてもこれが実施せられないように御配慮を賜わりたいのでございます。  以下その反対理由の重点を申し上げます。まず木更津地先海面埋め立て並びに地役権設定について申し上げます。木更津海面使用によって直接生計を立てている木更津及び木更津中央漁業協同組合に属する漁民及びその家族四千有余名は、この埋め立てを実施することになれば、それに伴い埋め立て周辺の地帯は潮流の異変を来たし、木更津海面の漁場は壊滅し、その年間の生計を立てている地域のノリ、貝類、海草類の養殖採取、稚魚稚貝の発生を妨げ、及び小型漁船による出漁不能となり、唯一の生活資源を失うこととなり、漁民四千人の失業となります。なお、木更津市内を貫流する小櫃川がはんらんするときは、通称ヌタと言う泥土がこの埋め立てされる北方に沈澱して、ノリ、魚貝類は全く死滅することになり、この付近に生まれる稚魚、稚貝は絶望となります。またこの埋め立てによって出漁の不利に加え、現在の航路の変更を必要とすることは必至でありますが、そうなればさらに多くの漁場を失うことになり、また木更津港を失うことにもなれば全市は死滅のほかありません。  次に、江川地区地役権設定について申し上げます。江川地区は、現在使用する航空基地はかつて日本海軍が建設に当り、全耕地約百九十町歩のうち約三分の二が買収さたため、同地区の農家はいずれも零細農家に転落いたしました。太平洋戦争勃発に際し、昭和二十年三月十五日、その月一ぱいのきわめて短時日の制限で強制疎開を命ぜられ、男子のほとんどが出征して不在であるときにこの厳命に接し、かよわい婦女子や老人のみで疎開を行なったが、これは戦争中のことでもあり、やむなくこの命令に従ったのであります。終戦となるや米空軍が進駐して、航空基地として使用を始めたため、昭和二十一年十二月二十五日には、占領軍の命令により、家屋や防風樹木はもちろん、庭木にいたるまで即時伐採が行われ、そのため電柱まで除去されたので、約十カ月も無電燈地帯となって、ろうそく生活を続けました。このような悲惨な生活を続けても、先祖伝来の墳墓の地を維持して、講和条約によりようやく安堵の胸をなでおろした矢先、今度の安全地帯設置による地役権の要求となったのでありまして、それによれば二十六軒の家が立ちのかなければなりません。  次に、久津間地区について申し上げます。久津間地区も日本海軍が航空隊建設当時、田畑宅地七万五千坪を買収されまして、農家は零細農に転落してしまったので、やむなく小櫃川の廃川敷地を払い下げ、向島耕地整理組合を組織し開墾、その間六カ年の歳月を要しまして田畑二万九千四百坪を開拓して愁眉を開いたやさき、昭和十八年、太平洋戦争のため日本海軍の基地拡張により、沖の山地区三十一世帯、久津間地区三十五世帯、計六十六世帯が強制疎開となり、これも江川と同様きわめて最悪の条件のもとにこれを行なったのでありまして、その心労のほどは容易ならざるものがあったのであります。そして終戦後は掩体壕や軍用道路を払い下げて開拓し、最近ようやく実を結びましたところへ今回の拡張計画に遭遇したものであります。またこの沖の山地先より岩根地区にわたって水田約六百町歩ございますが、この排水は既存の排水路を使用し、海に注ぐようになっておりますが、もし海岸平行線、(第二案)にこのまま工事を実施せられるとなると、降雨時は自然排水不可能となり、久津間地区の水田約五十町歩は冠水して水稲が腐敗全滅を来たすおそれが生ずることは明らかであります。さらに、農家としては農地を離れては仕事は成り立たず、今家屋を移転するにいたしても、この地区においては移転をすべき場所もなくこれがため私ども日夜心痛いたしておる次第です。なおこの際一言つけ加えておきたいことは、航空基地に接続している港湾内の立ち入り禁止区域のことであります。この区域は米軍占領後ずっと講和条約発効の今日まで継続されているのでありますが、昭和二十九年五月十七日、当時の基地司令官ボールドウイン大佐より厳重なる条件付で若干の期間、つまり日曜、休日等に限り一部解除の指令を受けましたが、漁獲は全然できません。これによる損害見積りとしては一カ年約八百十七万五千円に及ぶということでありますが、これも全く未解決であります。  また基地の風教上の影響及び爆音等については前公述者も申し述べたので、この点重複して申し上げませんが、よろしく御洞察賜わりたいと存じます。さらにまた日本海軍がこの航空基地を使用していた当時は、対象課税外として軍部から年々相当額の補助があったが、現在政府においてはこのような施設を持つ当市に対して何らの方策を講ぜられていないような状態でこれまた委員各位に深甚なる御考慮をわずらわしたいのであります。  以上の通りでありまして、今回の航空基地拡張のため埋め立て、または地役権の要求に応ずるときは、零細農家に転落する者が増加するのみならず、海津線の農漁民の多くは貧困者でございますので、その救済方法を講ぜねばならぬことになりますが、木更津市内にはこれを吸収する施設が全然ございません。農漁民の不況はひいては市内商工業者にも影響することは必然であり、木更津市は人口五万一千余の小都市でありまして、一部市街地を除けばほとんど農漁民でありますので、大規模の事業場等は全くないため、市民所得は少く、生活扶助者も四百世帯も現にございまして、県下都市の第一であります。これを実施せられることは、生活困窮者が二千世帯以上に激増することが予想せられ、この上の市民負担は市政運営をきわめて困難とすることになるのでありますので、市議会においても満場一致をもってこれが反対を決議し、市民こぞって反対運動に声援を惜しまず、市政の担当者としてはなおさら由緒深きわが木更津市の興亡の問題として、身命をかけて闘っているのでありまして、賢明なる委員諸先生の深き理解のもとにかような市民の心痛の取り除かれますよう御高配賜わりたいと存じます。

新谷寅三郎緑風会

○委員長(新谷寅三郎君) 次は、小牧飛行場の問題につきまして舟橋久男君から御発言を願います。

舟橋久男農業

○参考人(舟橋久男君) 私は舟橋久男と申します。小牧基地拡張の対象となっておりまする愛知県北里村の小牧基地拡張反対対策委員会の副委員長をいたしております。この反対対策委員会というのは、村長を委員長といたしまして、村会議員の全部、面接対象部落となっております部落の代表者たち、それに村内の、たとえば前村長といった学識経験者若干名を加えまして、総勢四十名程度でもって構成いたしております。従いまして、この委員会は全村の意思を代表し得る仕組みになっていることをまずもって御承知願いたいと存ずるのでございます。  北里村民は、今日約三千名が小牧基地拡張反対に署名捺印いたしました。北里村民の総数は老若男女全部合わせまして五千四百名でございます。どうしてそんな数字が集まったのかとお疑いになるようなこの数字が、実は今日のわが北里村における小牧基地拡張計画に対する意思表示でございます。小牧基地拡張の計画面積はもとより正確なことは私ども存じません。伝えられるところによりますと、二十四万五千坪、約八十二万町歩と称せられております。これに関係するのは、小牧、春日井の二市と、北里村、豊山村、楠村の三つの村でございます。もちろんこの二市三村の計画対象面積となりますと、それぞれ厚薄さまざまでございまして、たとえば小牧基地の名のつくその小牧市は、行政区画としての関係面積は十五町歩見当になるようでございますが、主として北里村からの所有権、耕作権を合わせ持った出作が大へん多いのでございまして、従って実際小牧市民としての関係面積は四町六反にすぎません。こういうように計算されております。最も大きいのが私ども北里村でありまして、約五十町歩、約六〇%、これがただいまの計画による拡張対象面積とされております。お手元に御配付願いました陳情書並びに陳情記録という資料の右開きの図面をごらん願いたいと思います。現在の滑走路、この地図では載せてはおりませんが、やや西寄りに南北に二本走っておりまするが、この滑走路をまっすぐに延ばしました延長路線に市之久田、小針という二つの部落が控えております。この両部落は拡張計画の対象地域内にございまして、現実に設計通り計画が進められるといたしますると、両部落合わせて百三十世帯のうち約四十世帯が移転せねばなりません。残りの約九十世帯は飛行場と全く鼻すり合わせて、もちろん今日よりもさらにジェット機の爆音を頭上すれすれに聞かされて、精神の一刻といえども安定することのない悩み多い生活にじっと耐えて行かなければならない、こういうわけでございます。  私ども北里村が小牧基地拡張反対で立ち上りましたのは今回が初めてではございません。すでに過去二回にわたって反対の体験を持っております。最初は昭和二十三年、アメリカの占領下の当時でありました。二回目は昭和二十七年でございます。過去二回とも、すなわち昭和二十三年は全計画の取りやめとなり、二十七年は小牧地区内の十四町八反だけをアメリカ軍の病院とか、兵舎、その他の施設拡充用として接収いたしまして、滑走路自体の延長は中止となっております。この中止の理由でございますが、われわれは、われわれ地元民が猛烈に反対したから中止されたというふうには残念ながら考えておりません。特に昭和二十三年のごときは、れっきとした名実ともに占領下ですから、もしアメリカさえその意思があったならば、やり遂げたであろうと思うております。われわれは過去二回ともこの滑走路延長計画が中止されました理由は、技術的に困難だという点にあったと承わっております。当時この小牧基地の技術面を担当するサモンという技術中尉がおりました。われわれ日本人に対してきわめて横柄な態度で臨んだ人であります。そして飛行場の端に自分だけの一戸をかまえまして、きわめてぜいたくな生活をしておったようであります。その他いろいろ側面から聞き込みましたところによりまして、このサモンという技術中尉が、小牧基地拡張についての技術に関する権威であるらしいと私どもまあ想像しておったのであります。このサモン技術中尉が、一体世界に滑走路の下を川が流れるというような飛行場というものはない。技術的に不可能であるという結論を当時出したと、私どもは信ずべき筋を通じて聞いたのであります。もう一つ、お手元に差し上げました参考資料をちょっとごらん願いたいのでございます。そこの図面を……。ただいまの飛行場の北の端を大山川という川が流れております。これは川幅が三十メートルに足るか足らないかという文字通りの中小河川でございますが、これが昔からの名うての厄介なあばれん坊でございます。あまりあばれるので、十年ほど前、全線にわたって改修いたしましたが、なお今日といえども、愛知県がこの川に国の補助金をいただきながら、災害復旧費として年々歳々つぎ込むのは必ずしも僅少ではございません。現に昨年の七月十四日のごときは、この飛行場上流の橋は全部きれいに流れてしまいました。飛行場北辺の計画対象面積となっておるようなあたりは一面の白海となりました。飛行場の滑走路自体が水没したためにアメリカ軍が大へんお困りになったということも聞いておるのでございます。滑走路の延長をしないでこの状態であります。もし滑走路が延長せられまして、伝えられるごとく百フィートの暗渠でもって大山川をこの飛行場の下をくぐらせるというような計画がそのまま実現いたしましたならば、一体大水の出るようなときにどうなるでございましょう。御承知のごとく農民は技術屋ではございません。しかし自分たちの関係しておる土地に対する治水の技術というものは、体験を通じて、机上の技術屋さんよりは時にもっと大きなものを持っております。むろんわれわれ地元の百姓は不可能であるというように考えております。今日となっても、以上申し上げましたような技術的困難が何らかの形で解決しやすくなったという客観情勢の変化というものは考えられません。従いまして、この三度目の滑走路延長計画が、実は三度目でありながら私どもにとっては寝耳に水でございます。どうして一体ほんの数年ならずして、権威あるはずのサモン技術中尉の結論がそう簡単にひっくり返るようになったろう。あるいはまたどうして技術的困難をあえて克服してまで、今日滑走路を延長しなければならないという差し迫った理由がどこにあろうというのが私どもの深い疑いであります。と申しましても、もちろん私ども地元民が小牧基地反対を唱えておる理由は、そういう技術的な画ではございません。土地あるいは家を取り上げられたくないからでございます。北里村は純農村でございます。しかもこの地帯はきわめて肥沃な農地続きでございます。百姓がたった一つの元手であるところの農地を手放して、どうして生きて行けますか。先ほど申し上げました昭和二十七年当時、小牧基地の外山部落の農民は十四町八反の土地と引きかえに相当の補償金をいただきました。しかし今日調べてみますると、その七割までは一たん預け入れた農協から引き出してしまって消えてしまっておるか、あるいは資本の形を失なっております。かえって外山部落の人たちは、一時金をもらったために今日不幸になっておるというのが現実です。従って外山部落におきましても、二度と金ではだまされないぞという反対決意を固めております。私ども関係の農民は、この身近な生きた例から、金とはかえられないということをはっきり教えられたのでございます。土地という元手がなくなったあとで、数年足らずで迫ってくるであろう経済的困難をおそれ、さらに祖先伝来の土地と家を孫子の代まで伝えるべく営々として守っている百姓なんです。その百姓が、自分の土地を自分の意思ならずして手放さざるを得ないとしたら、その精神的苦痛たるやいかほどでございましょう。小針部落の祖先の骨の埋めてある墓場が滑走路の下に埋め込まれる模様であります。祖先の魂のこもる墓をアメリカ軍のジェット機の車輪の下に踏みつけられる農民の心情を察してやっていただきたいのでございます。  小牧基地拡張をめぐりまして、私ども周辺の者と名古屋調達局とが最初に折衝いたしましたのは、去る三月二十六日でございました。口頭をもって立ち入り調査につき了承方を求めてこられましたが、もちろん北里村は反対でございまして、このことは陳情書の形式をもって名古屋調達局に通告いたしました。以来今日に至るまで立ち入り調査に対して了承を与えましたことは、基地拡張について賛成をしたことがないと同様にございません。しかるに、たとえば私どもここにございまする六月二十三日の衆議院の内閣委員会で調達庁より提出せられましたプリント資料、これを拝見いたしますると、まことに奇妙な感に打たれる文章が出ておるのでございます。たとえば四月九日の項に、「上記の結果、北里村長は調達庁不動産部長に対し異議ない旨の承諾書を手交した。」というように出ております。あるいはさらに七月十日、福島長官がわざわざ長良川のホテルにおいて、私どもの地方の中部日本新聞の記者の質問に答えられましたその記事を見ますると、要するに北里村での立ち入り調査は、地元民の了解のもとに円満に納得ずくに進められたという印象を世間に向って何とかして与えようと努力していると推察できるのでございます、このような資料が権威ある国会へ提出されたという、ただそれだけのことで資料が認められて権威づけられては、私どもとしてははなはだ遺憾と言わざるを得ませんので、この部分について以下若干御説明さしていただきたいと思うのでございます。  一体この承諾を与えたという根拠になっておる北里村長の承諾書なるものでございますが、これもこの同じ資料の末尾に写しとして出ておりまするので、念のために朗読さしていただきます。    小牧飛行場の土地立入の件  北里村大宇市之久田、大字小針、大字小針巳新田の土地測量等に調査のため四月十一日からの立入については村民は妨害せざるものと思料しますから、予定の如く進められて異議ありません。   昭和三十年四月九日       北里村長 船橋鏡治マル印  村長の承諾云々のことが実は六月三日の衆議院内閣委員会におきまして問題になりましたことを村長は知ったのでありますが、この点について、北里村長は大へん悲しむやら憤慨いたしますやらいたしました。要するに名古屋調達局のペテンにかかったというのが彼の結論でございました。そこで六月九日付けをもちまして、長文の声明書を出しました。その了解当事者として、当該村長たる私の名前があげられたのははなはだ迷惑に感ずるところである云々の声明書を出したのでございます。当人は、本日実は衆議院の外務委員会に本人自体が証人として参っております。名古屋調達局の石田不動産部長が来られ、北里の村長の説明によりますると、四月十一日から強制立ち入りをするから、一つ暴力による妨害はしないようにしてもらいたいという申し出があったのが四月九日であったそうであります。当時の村内の情勢といたしましては、立ち入りに対しましてはもちろん絶対反対でありまするが、強制立ち入りの強権をもって入ってこられるのに対しては、今日砂川町でおやりになっておるような、ああいう派手な、車を押し戻すという手のあることを実は私ども純農村である農民は知りませんでした。でありますから、あきらめに似た気持は持っておりました。従って村長はこのことを言って、暴力の妨害行為には出ないだろうということを話したのでございます。それではそのことを一筆書いてくれと言うものですから、そうして手本を見せられたのが隣村の豊山村長の書いた一文で、それをそのまま引き写して、深く検討することなくして渡したというのが、このいわゆる村長の一札でございます。以上の説明でおわかり下さいます通り、当時の村長の念頭にありました立ち入り調査というのは、強制立ち入り調査のことでございまして、いわゆる話合いによる立ち入り調査では断じてないのであります。このことはいわゆる調達局の言われる承諾書なる文面にも現われております。すなわち四月十一日からの立ち入りについては云々、この四月十一日という日付は、四月五日付で県公報に告示されました同じ文書が、村長に手渡されました強制立ち入り通告書にうたわれた、その強制立ち入りを開始する日付でございます。その強制立ち入りに対し予定の通り進められて異議ありませんという文句はおかしいとおっしゃるかもしれませんが、そこが村長がうっかりしていた点であり、同時にぺてんにかかったと怒るゆえんでもございます。なお村長は本業が医者でございまして、法律上の知識はあまり持っておりません。問題は村長の真意いかんというよりも、この文書を客観的に判断してその妥当性いかんということにあろうかと思います。そしてその客観的判断は賢明なる諸先生方にお願いするよりほかにございません。参考までに申し上げまするならば、村長がこのような一札を入れたということを直接関係の地元民は事前にも事後にも、そして一人といえども知らされておりません。一人も知らないのですから、もちろん一人も直接関係者が承諾しておるはずがないのです。立ち入り調査ともなりますれば、個人の財産権の侵害を伴う問題でございます。そういうようなことに一体村長が承諾を与え得る権限など与えられておりましょうか。従ってこれが強制立ち入り調査でないことは今日明らかであります。と同時に、話合いによる納得づくの立ち入り調査でないことも明らかだと私どもは考えております。そうすると、真実は果してどこにあるか。なお先ほど朗読いたしました、取り上げましたこの同じ資料の中に、たとえば四月六日の項、なお地元民から県知事の意向をただす空気もあったので、桑原知事及び水野副知事も現地におもむき、立ち入り調査の承諾につき、地元関係者の説得に努めたとか、あるいは四月二十六日の項は、午前十時三十分、前記調達局長を訪問し、農地の立ち入りについては承諾しているが、宅地内に立ち入るときは調達局は村当局の了解を得て、区長を通じ、区長の案内でやってほしいなどという文書が出ております。われわれはこの文書を見せられて、ただあぜんたるものがあるのみであります。先ほど私が申し上げました権威ある国会へ提出せられた資料であるから、この資料自体まで権威あるものと考えられては私どもが大へん迷惑すると申し上げたのはこういうような点であります。これらの現実は、今日私ども地元民にいろいろのことを教えました。調達局のぺてんにかかるなという警戒心のみいよいよ今日としては大なるものでございます。  北里農民は、鎮守の森に先般集まりまして、氏神様に厳粛なる祈願をいたしました。また北里村農民は、昨日から名古屋市の街頭に進出して署名運動を始めました。氏神様の祈願祭の写真は、アサヒグラフの六月二十九日号に載っております。いずれの場合におきましても、むしろ旗を立てまして、鉢巻きをしております。その鉢巻には「小牧基地拡張反対北里農民」と書き、日の丸が染め抜いてございます。日の丸でございます。赤旗は持っておりません。この日の丸とむしろ旗を押し立てて、あくまで戦い抜く、これが北里農民の決意でございます。外郭団体の応援も見境いなく受け入れておりません。現に村長を委員長とする対策委員会では、つい一昨日、共産党愛知県地区委員長あて、共産党よ手を引けという厳重なる抗議文を通達する決議をいたしました。好意ある外郭団体からのお話、資金カンパのごときも辞退いたしております。そのかわり、関係部落民はさらに運動費として、つい最近百万円お互いに拠出し合うことを決議いたしました。百姓にとって、いかなる形でも戻ってこないだろうと思われるこの百万円がいかに大金か、御理解願いたいと存ずるのであります。われわれはしかしながら、一方においていかに厳重に警戒しても、共産党が徐々に、アリがものを引いて行くように侵食してきつつあることは否定できないと思っております。ために反米意識は高まりつつあります。そうして原子爆弾のおそろしさを身にしみて、身近に感ずるようになって参りました。純朴なる農村においてでございます。これはおそるべきことであると言わざるを得ないと思うのであります。諸先生方の御賢明な、そしてお慈悲深い御理解によりまして、地元農民の堪えがたい苦悩を、一日も早くお救い下さいますることを、この機会に切にお願い申し上げまして、私の陳述を終ります。ありがとうございました。

新谷寅三郎緑風会

○委員長(新谷寅三郎君) 次は、新潟飛行場問題につきまして田浦順二君からお述べ願います。

田浦順二前新潟県農業委員

○参考人(田浦順二君) 私は新潟飛行場拡張反対期成同盟の役員をいたしております田浦順二でございます。日本の完全なる独立のために、日夜国政に御尽力下さいましておりまする議員諸公に対しまして、厚く御礼を申し上げる次第でございます。私は一昨晩、現地の農民と朝の一時まで、農民青年団、婦人団の方々と炉ばたを囲んで、この飛行場基地拡張反対のために御札談をして参ったのでございます。その現地のなまなましい人たちの悲痛の叫びを、参考人私の口を通じまして、皆さんにお訴えする機会を得ましたことを、厚く御礼申し上げておく次第でございます。  まず、今陳述申し上げまする新潟飛行場基地は、第四次と申し上げておりまするが、従ってその以前、第一次、二次、三次と過去にあったわけでございます。私は自分のことを申して恐縮でございますが、昭和二十三年から新潟県農地委員をいたしておりまして、昨年まで県の農業委員をしておりました関係上、第一次、二次の接収につきまして、地元の人たちと相談をしてきた一員でございます。従いまして、その経過を簡単にまず申し上げようと存ずるのでございます。  第一次は、昭和二十五年の七月一日に、その全耕地面積二十三町歩、当時日本の国が占領当時でございました関係上、占領軍の一方的の圧力によりまして、この農地がつぶされてしまったのでございます。地元の人たちは零細農経営でございまするので、農業の企業が成り立たぬという建前から、きわめて熾烈な反対をしたのでございまするが、これはその当時の村長、松ケ崎村と申しまするところの村長初め農業委員会、あるいは農業協同組合がこぞって反対したのでございまするが、遺憾ながら占領軍という大きな圧力のためについに彼らが立ち上れなかったのでございます。だが、しかし、当時その占領軍のブルドーザーを引っくりかえしまして、なお自分の耕地を守り通そうという人たちもあったわけであります。しかしながら、この圧力のためについに屈しました農民の人たちが、その願いは、どうか対価を支払ってくれという話でございました。しかるに当時吉田内閣は、この農民に対しまして、土地をつぶしましたけれども一文の補償も与えてくれませんでございました。しかるにこの問題が解決しないうちに、さらに昭和二十七年の十一月、農地だけ二町二反、これまたつぶされてしまったのでございます。そこで地元の方々は五人、六人、七人、私のところへ参りましたのは二十八年でございました。四年間自分のたんぼ、畑をつぶされながら一銭の補償も得られず、しかも現実にそれがつぶされているという状態に対しまして非常な忿懣を感じ、どうかこの補償の問題に対しまして、一日も早く農民の要求する対価を支払ってくれるように努力をしてくれという要請でございました。私はその現地の農民の姿を見ましたとき、あの農地をつぶされまして、どうしてそこまで農地をつぶされたのに取り返し運動をしなかったのかという考えを持ったのでございますが、しかし、これはあくまでも現地の所有者、耕作者の意思に従うべきでございますので、対価の補償の請求を当時東京神田の調達庁の調達部長に会いまして、この対価要求をした経験があるのでございます。このいきさつにつきましては省略いたしますが、こうして第三次におきましては、さらに二十七町歩、これは端数を切り捨てますから多少の食い違いがあると思いますが、それをつぶされたのでございます。これはつぶされたと申しまするが、訂正いたしまするが、これは現在でもまだ対価折衝中でございます。  ところが、この問題がきまりがつかないうちに、今これから申し上げようとしますところのいわゆる飛行場の面積七十町歩と称されております、私ども実質的に七十町歩がどうかはわかりませんけれども、その七十町歩を今度米軍の飛行場基地にするから測量をさせるようにという申し入れがあったのでございます。これは前々の話は昨年の十一月からございました。このとき農民の方々は一次、二次はわれわれはもうやむを得なかった。だがしかし、その飛行場は道路から、これは図面を皆さんにお渡ししませんで恐縮でありますけれども、その飛行場道路と申しまする幅約六間からのコンクリート道路でございますが、この道路が新潟市から北蒲原郡という郡に通ずる道路でございますが、阿賀野川を越しまして、この道路の左側の一角に飛行場がございますので、これはやむを得なかったが、今度はその道路を越えまして新潟農業大学の付近まで滑走路が延長されまして、しかもそれが重爆撃隊の基地になるという、こういう話を承わりましたところの農民の方々は、先ほどどなたか陳述人が申されましたように、もうがまんができない、もう今度はだまされない、こういう建前で反対をしているのでございます。反対の要旨を申し上げますると、まずこの河渡という部落と松崎という部落は、その部落の一戸平均耕作面積が一町でございます。田畑合計一町でございます。皆さんも御承知かと存じまするが、新潟県は一年のうち五カ月ないし六カ月は雪に埋もれているところでございますので、従って農作物の収入は、一年間たった一回しか見られないところの積雪寒冷単作地帯でございます。こういうところに小さい規模で農業を営んでいる農民でございますから、ここに農地がこの七十町歩のうち約三十町弱でございまするが、含まれている農地を取られて行きまするならば、もうわれわれの農業企業は成り立たない、しかもここにあります多少の松林でございます。この松林は、この農民にとりましては耕作上の防砂林であり、防風林であり、しかも農家にとりまして、農家の補修用材であり、しかも重要な農家の燃料資源地区でございます。こういうものを取られてわれわれは一体どこに生きるのであろう、私はこの農民の悲痛の叫びを聞きました。それは戦時中におきまして、われわれはサツマイモやバレイショを食って米の供出を強いられました、しかし勝つためだと言われたので、私どもは米を食わずに供出いたしました、だがしかし、戦争が終って平和になったのであるから、自分たちの農業を何とかして盛り上げて、少しでも生活を楽にいたしまして、そのお米の供出をいたし、国民全部の食糧をわれわれ新潟県も担当して行こうではないかという熱意に燃えておりますとき、飛行場に取られてわれわれは一体どうするのであろう、戦争の犠牲者というものはあるかもしれないが、われわれこそがまさに戦争の犠牲者である。こういうことを言われております。しかもこの現地の人たちは、終戦後におきまして、新潟農業大学を市が助成をいたしまして誘致いたしますとき、ここに農地だけ約六町五反の農地を取られているわけでございます。またさらに終戦末期におきましては、いわゆる本土決戦と言われまして、新潟を決戦の足場といたしまするために、三菱重工、あるいは石井精密という大会社に対しまして、農地を接収いたしまして、ここが工業敷地になると言われて取られてしまったのでございます。こうして日に日にやせ衰えた農業経営が、今日一町弱の零細に陥ったのでございます。しかも農業大学といたしましては、新潟県の農業を、いな全国の農業発展のために多くの学生を育成しているわけでございますが、この学生がほとんど勉学の道をふさがれまして勉強することができない、従って大学の職員組合や教授会もこぞって反対をいたしまして、今街頭に出て市民の皆さん、県民の皆さんから反対の署名をもらっている状態でございます。またその付近の小学校、大形地区という小学校の女の先生が参りまして、私どもは皆さんの貴重な子供をあずかっているが、子供が爆音に耳を傾けまして、ほとんど勉強をいたしてくれません。私は子供を教育するところの義務を仰せつかっているのでございまするが、子供がそれを覚えてくれようといたしてくれておりません。こういうことを訴えてきております。しかもこの現地は、もし飛行場道路という、いわゆる北蒲原郡に通じます道路が分断されますならば、ここが新潟市と、今度新地域になりました南浜という地区でございますが、ここは将来の新潟の工業地帯として考えられているところでございます。ここに参りますと、道路が全く遮断されてしまうという状態でございます。さらにそこは日本海のはなでございますので、漁業の面から申しましても、きわめて収獲が、非常に漁獲高が落ちているわけでございます。従って漁民の方々はその漁獲高の減産によりまして、生活がきわめて貧困の状態に陥っているわけでございます。しかも飛行場周辺から流れますところの汚濁水、これは原因が飛行機の油、掃除の油か何か私にはわかりませんが、そういう悪水が水田に流れてきております。これに対しての補償も考えてくれません。また気の毒なことには、私は率直に申しまするが、この現地の子供が気の毒にもパンパン遊びをするというような、気の毒な状態になっているわけでございます。しかも爆音に悩されますところの住民は、先ほど申し上げます通り、この夏と春と秋だけ精魂をこめて農業にいそしむところの農民が、お昼時間から二時間までは私どもの方では午睡をとるわけでございますが、ところがこの瞬間に飛行機が飛び立つためにほとんど睡眠はとれませんで、不眠症にかかっているような状態でございます。私は現地に参りましたところが、小さいいたいけな子供が飛行機の爆音に驚いて、外で遊んでいる子供が家に飛び込んでしまう、家にいる子供が押し入れに飛び込んでしまうという状態でございます。これに対しまして新潟の調達庁の出張所長に、爆音に悩まされて将来成長する子供が、もし精神的な障害を受けた場合、一体政府はどういうことを考えているのかと、こういうことを申しますと、そんなことをいうならば、飛行機の爆音のためにスズメが飛び立つから豊作になりますというような、実にばかげた話をしているわけでございますが、これはおそらく調達庁長官がそういうことをいい出されたわけではなかろうと存ずるわけでありますが、こういう考え方はどうかと思いますが、この点の御判断は賢明なる委員の方々の御判断にまつよりほかないと思うのでございます。  こういたしまして、この悲痛の叫びが新潟市議会に反映いたしまして、新潟市の議会は昭和三十年の三月二十五日に、全員こぞって飛行場拡張反対の議決をいたしております。新潟県会も越えて五月の二十四日に全員で反対議決しております。現在新潟県知事、北村知事はこの議会の議決を尊重いたしまして、五月十三日から向う三カ月間のうちに収容準備のための土地立ち入り調査、いわゆる土地収用法十一条に規定する通告を迫っておるわけでございまするけれども、知事は今日といえども工事はいたしておりません。議会の議決を尊重しておるわけでございます。さらに付近町村の亀田町町会、新津市会、加茂市会もこれは反対議決いたしております。そうして今のところこの反対は新潟県の労働組合あるいは農民組合、地元部落はもちろん中心でございますが、こぞって、新潟県全県的な反対運動に展開されておるわけでございます。しかもあの純粋な新潟県の青年団、私が聞くところによりますと、団員二十万と称しておるわけでございまするが、新潟県の青年団も奮起いたしまして反対期成同盟に参画しておるわけでございます。私が本日ここへ参りますにつきましても、青年団の方々からも激励を受けました。どうかお前、参議院の内閣委員会へ参ったら、われわれはくわを持って今日働いておるけれども、お前の陳述をどうなったか聞きたい、どうかわれわれの悲痛の叫びを賢明な委員諸公に訴えて、この新潟飛行場基地の絶対にできないように反対してきてくれないかということを言われてきたのでございます。どうか皆さん、この新潟県民の衷情をおくみとり下さいまして、この飛行場拡張につきましては絶対に反対されるように御協力を賜わりたいと存じます。  なお私は本日皆さんの方に一々御配付する資料を持って参りませんでしたが、私のお願いとしましては、どうかこの本委員会におきましても、新潟県の実情を現地調査いたして下さいまして、そうしてほんとうに私の言っていることと食い違いがあるかどうか、本委員会において調査をしていただきたいということをお願いする次第でございます。時間も参りましたので、はなはだ簡単でございましたが、あとで御質問等によってお答えをいたすことといたしまして、私の陳述を終りたいと思うわけであります。はなはだ長時間ありがとうございました。

新谷寅三郎緑風会

○委員長(新谷寅三郎君) 速記をやめて下さい。   〔速記中止〕

新谷寅三郎緑風会

○委員長(新谷寅三郎君) 速記を始めて下さい。午後一時まで体感いたします。    午後零時六分休憩    ――――・――――    午後一時十九分開会

新谷寅三郎緑風会

○委員長(新谷寅三郎君) 休憩前に引き続き委員会を開会いたします。  まず伊丹飛行場の問題について豊中市長藤戸翼君からお述べを願いたいと思います。

藤戸翼豊中市長

○参考人(藤戸翼君) 伊丹の飛行場の件につきまして、地元の意思をこの機会に申し述べる機会を得ましたことは、まことに感謝にたえない次第でございます。三市の住民にかわって厚く御礼を申し上げます。  私は豊中市、池田市、伊丹市の三市で結成いたしております伊丹飛行場拡張反対期成同盟会の会長として、現在豊中市長をいたしております藤戸翼でありますが、軍事基地でありましょうとも、また国際空港でありましょうとも、伊丹飛行場の拡張が地勢上いかに無理であるかということをまず立証いたしたいと存ずる次第でございます。  お手元に差し上げておきました地図をごらん願いたいと思います。この二万五千分の一の地図は、三里に二里半の区域になっております大阪市の北部に接着いたしまして、神崎川を境として豊中市が約二キロの幅で市街地を形成して、そうして北に八キロ延びております。続いて池田市が約四キロ、北に西に延びて猪名川に打ち当っております。その猪名川を南下いたしますれば、伊丹市があります。この三市はあたかも馬蹄形となって市街地を形成いたしておるのでありまして、その馬蹄形の真中に飛行場があるのでございます。すなわち幅三キロ、長さ八キロの矩形の外側に豊中市、池田市、伊丹市が市街地をなしておるのであります。その内部に、このたび拡張される飛行場が豊中市に接着をいたしております。そうして猪名川との間にやや南北に向って滑走路を持って、その飛行場の幅は約一キロ半、長さ四キロになっております。こういう部会の市街地の真中にある飛行場が果して適当であるかどうか、その飛行場があること自体が無理ではないかと私は思うのであります。  次に三市の公共施設について一言いたしてみたいと思います。小学校が約三十一ございます。中学校が十七、高等学校が十、大学が五つ、病院が十一、公共施設として約七十四あるのであります。しかもその範囲は、わずか二里四方の中にこれだけ多くの公共施設があるのでございます。三市の人口について申し上げますならば、豊中市が約十二万七千、池田市が約五万、伊丹市が七万五千、合計二十六万であります。伊丹市に接着をいたしまして南に尼崎市があるのであります。人口約三十六万。今回拡張されるであろう飛行場の拡張によって直接公害を受ける地域の人口は三市の二十六万と尼崎市の一部を含めて約三十万となるのでございます。拡張のために買収されまするところの農地は豊中市で約六十町歩、伊丹市で三十町歩、池田市で三十町歩合計百二十町歩、三十六万坪であるようにうかがわれているのでございます。  まずこの拡張によって直接被害を受ける者は農民でございます。農民が農地を取り上げられることになるのであります。農民が農地を取り上げられまするならば、その生活の基礎をもぎ取られることになります。もっとも土地代金やあるいは損害補償金の支払いを受けるのでありまするが、農民が一時に多額のお金を手に入れることは、決して農民を幸福にするものではありません。かえって農民を悲惨に陥れるものであることは、これまで伊丹飛行場が数度にわたって拡張せられまして、農地を失った農民が今日現在苦境に陥っているという事実が明らかに立証しているのでございます。農地を失うことによって農産物の収穫が減ることはもちろんでございます。現在飛行場の南端には伊丹市と豊中市とをつなぎますところの唯一の道路がございます。この道路は吹田市に至る幅員八メートルの伊丹吹田線であります。またこの道路に沿いまして猪名川から取り入れておりますところの灌漑用水路がございますが、この灌漑用水路によって五百町歩の農地が灌漑を受けておるのであります。この道路と水路が飛行場の拡張によって寸断されることになりまするが、その結果産業上に及ぼす影響はここに説明を申し上げるまでもありません。滑走路が拡張されまして大型のジェット機の編隊が飛び立ち、または着陸することになりまするならば、三市の上空は常時その爆音に悩まされるのでございます。場合によっては百雷が一時に落ちるように刺激と恐怖を伴うところの爆音にさらされまして、住民の生活は全く安静を失い、不安と焦躁の連続に陥ります。安住の都市として伝統を誇るこの三市が、根底より破壊されて、住宅都市としての発展は絶望に帰するのでございます。特にここに御注意を願いたいことは、家庭生活において乳幼児の発育やまた病院、保健上の問題、病院や自宅で療養する人々のこうむりますところの心理的な障害について考えまするときに、これまた黙過し得ない重大なるものがあります。  また学校教育に及ぼす影響について申し上げてみたいと思うのでございます。現在この飛行場に接着をいたしてありますところの学校は、日航機あるいはヘリコプターというその旅客輸送機によってすら関係区域の学校が授業に支障を来たしております。ましていわんや大型ジェット機が編隊で、超スピードで、この三市の上空をくまなく旋回いたしますと想定いたしまするならば、市内の全学校に与える影響は推して知るべきものがあろうと思います。豊中市における原田小学校は、この防音装置のために――せっかく調達庁の力で防音装置をしていただいたのでありまするが、この防音装置をしてあるところの教室に入って見まするならば、二重ガラス窓になっております。今日この暑いときに、二重ガラスの中に閉じこめられたる生徒の授業における苦痛、しかも換気がまことに悪い。わずかにタバコの煙を上に吸い込むくらいな空気の流通では非常に蒸し暑いのであります。御承知の通り、同じ温度でありましても、空気の移動が激しくありますれば、そこに凉味を感ずるのでありまするが、教室に扇風機でどんどん空気を入れるわけには参りませんので、わずかにベンチレーターか何かによって空気を引いておりますが、タバコの煙くらいは上の方に引かれております。しかしながら、上の方に空気を送ってありまするために、比重の重い炭酸ガスは下にある。机にすわっている児童が炭酸ガスを吸って三十分もすれば頭痛を起すというようなことで、換気がきわめて不十分であります。その結果、生理上、衛生上、また精神上の悪影響はまことに甚大なものがあるのであります。御承知の通り豊中市といい、池田市といい伊丹市といい、戦後数年間、市費の大半を教育費にぶち込んだのであります。そうして学校の校舎の建設あるいは教育施設の充実のために、ほとんど大部分の市費を投じて営々として築き得た教育都市でございますことは、自他ともに任じております。実際児童生徒の資質もすぐれて、全国にもまれな教育施設を持っておるのでございますが、この飛行場の拡張によって、これらの教育施設は一朝にして破局に立つことに相なるのであります。直接児童生徒に与える精神的、肉体的の悪影響を思いまするときに、まことに憂慮にたえないものがあるのであります。これがために、教育の低下を来たし、基礎教育に不安定を招来することになって、人間一生の損失を思いまするならば、まことに悲しむべき結果と相なるのであります。その他、離陸、または編隊で、三市の上空を超スピードで飛びますときに、おそらく皆様方の御想像に余る爆音がいたすのでありまするが、何を申しましても、脆弱な日本建築であるところのお互いの住宅、民家のこうむる損害もまた莫大なものがあるのであります。そのために、かわらがくずれたとか、あるいはたてつけが悪くなるというようなことであって、そのために家の構造に支障を来たして、一朝にして地震の襲来した場合においては、はかるべからざるところの結果を招来するのではないかと私どもは考えておる次第であります。  以上は、ほぼわれわれが常識的に想定のできる損害のおもなものであります。三市の住民は、かかる理由によって、今回の飛行場拡張に対しては、それが軍事基地であろうと、また国際空港としての拡張であろうと、絶対に反対を唱えておる次第でございます。巷間、軍事基地はいけないが、国際空港としてはいいんじゃないかという議論もありまするが、それはただ国際空港としての設備があったがいいか、なかったがいいかという点からのみ考えることでありまして、この飛行場拡張によって住民がいかなる犠牲をこうむるか、どういう損害をこうむるかということを無視した議論であります。私どもわずか二里四方のこの土地に住んでおるものが、今後飛行場が拡張されました暁においてこうむるところの損害を思いまするときに、このままじっとしておるわけには参らぬのであります。どうしても、飛行場の拡張というものは、軍事基地であろうと、あるいは国際空港の拡張であろうと、絶対に反対をいたしておる次第でございます。飛行場周辺の一部業者の中に、多少賛成論者もあるやに聞いておりまするが、それはきわめて少数であるということを御認識を願いたいと思うのであります。本飛行場については、去る昭和二十七年において一回拡張問題があったのでございます。その際におきまして、伊丹、池田、豊中の三市は、伊丹飛行場拡張反対期成同盟会というものを結成いたしまして、猛烈な反対運動をいたしたのでございます。その結果、政府におきましても、この飛行場の拡張が無理であるということをよく御認識になって、遂に拡張を中止していただいた次第であります。今回再びこの飛行場の拡張問題が起っているようでございまするが、三年以前にすでにその無理を認識していただいて、そうして拡張を中止された政府が、何ゆえに再びかくのごとき暴挙をあえてされるか、私どもはまことに了解に苦しんでいる次第であります。従って、三市におきましては、議会はもちろんのこと、住民一切立ち上りまして、すでに署名通勤を展開されております。私どもその衝に当っておるものは、前回約八万名の署名をとって関係当局に提出いたして陳情いたしております。次に重ねて今回さらに四万名の反対の署名をとって関係筋に陳情いたしておる次第であります。また三市をめぐって、西宮市やあるいは川西市、宝塚市、茨木市、高塚市、また箕面町におきましても、議会の決議をもって伊丹飛行場拡張絶対反対の意思を表明していただいておる次第であります。また、私どものおりまする大阪府におきましては、農地のつぶされることは農民の迷惑するところでありますることはもちろんのことでございまするがゆえに、大阪府農地委員会におきましては、すでにこれまた伊丹飛行場拡張絶対反対の決議をいたしております。大阪府会におきまして、また兵庫県会におきましてもこの問題を取り上げまして、去る六月三十日に議会の決議をもって反対の意思表示をいたしておる次第であります。従って、大阪府全体、兵庫県全体の府民、県民の人が、伊丹飛行場拡張絶対反対であるということを、議会の決議をもって表明いたして、官庁にそれぞれ陳情いたしているような次第でございます。どうか、このわずか二里四方の間に、小学校、中学校、高等学校、大学また病院、こういう公共施設が七十余も多数のものがあります。おそらくこれだけの地域にこれだけ多数の公共施設のある地域というものは、日本広しといえども、あまり私はないと確信いたしておりまするが、そういうところのどまん中に飛行場を持ってき、そうしてそれを軍事基地にされるか、あるいは新しい国際空港にされるか存じません、国際空港という美名のもとに飛行場を拡張して、あるいは軍事基地に使用されることもあるでありましょうが、そういった無謀な計画はどうしてもこの際やめていただかなければならぬ。聞くところによりますと、予算も成立している、その予算があるいは流用されるのではなかろうかということを懸念いたしているわれわれでございます。どうか三十年、三十一年度の予算には、かくのごとき無謀な計画を予算化されないように、私どもは念願してやまない次第であります。  まことにつまらぬことを申し上げて皆さん方のお耳を汚したことを厚くおわびをいたす次第でございます。

新谷寅三郎緑風会

○委員長(新谷寅三郎君) 次は板付飛行場の問題について、福岡市長小西春雄君からお述べを願います。

小西春雄福岡市長

○参考人(小西春雄君) 私は先ず最初に参議院がこの重大な問題に対しまして、われわれの意見を聞くチャンスを与えていただいたことを感謝するものであります。そこで私の板付に関する問題といたしましては、二点を申し上げたいと思うのであります。  一つはいわゆる高射砲陣地は絶対に許すべからずというのが一つ。いま一つは板付の飛行場を移転してほしいという、この二点であるのであります。  去る六月六日にピアス参謀長と会いましたときに、板付の飛行場は日航締め出しの考えは毛頭ない、また飛行場を拡張する考え方も計画もないのだと、しからば兵力を増強する点はどうだとこう言ったときに、兵力増強の考えも計画もまたないのだと、こういうはっきりした話を聞いたのであります。しかもそれは通訳は外務省の協力局の大森事務官の通訳によって五人の者がはっきり伺ったのであります。ところが六月二十一日付でもって市の周辺と申しますか、飛行場の周辺十三カ所に高射砲陣地を持ちたい考えがあるのだ、これに協力してほしいというきわめて儀礼的な手紙をマクノートン副司令官から私が受け取ったのであります。まことに異例の手続であります。それはそれといたしまして、今日飛行場のために大へん困っている際にもってきて、さらに十三カ所の高射砲陣地を市内に増設せられる、市内が九つと市外が四つ、合せて十三カ所、そういうことはとうてい耐え得ないところであるというのが、この高射砲陣地に対するわれわれの力強い叫びであるのであります。  この問題につきましては九大が実は一番最初から基地問題に反対の陳情を文部省等に数年前からやっているのであります。今日まで比較的穏健な態度であったのでありますが、この高射砲陣地を十三カ所、在来の分が四カ所ありますので、合せて十七カ所の高射砲陣地を周囲に持つというようなことは、もうしんぼうできないというので、現在におきましては九大の学生の団体四十五団体が一緒になり、また教授陣も全部立ち上って、ことに学長、総長は今まで最も温和な議論をやっておりましたが、現在におきましては最も有力な――われわれ市民によって構成しております移転促進協議会の中でも一番力強い――反対を叫んでいるような状態なのであります。  大体このジェット機の音に対する中央の方々、あるいは政府の方々の御認識が足りないと私は思うのであります。それは数日前陳情団が松村文部大臣にお目にかかりましたときに、基地は移転してもらうと言うが、君らは国際飛行場としては指定してくれというのを指摘されたそうでありますが、これもあの爆音の程度を御存じないからの話で、そういう考えでおられるのではこの問題のほんとうの解決はできないと、こう思うのであります。そこで高射砲陣地に対しましては根本官房長官、また担当大臣である西田大臣、あるいは福島調達庁の長官、口をそろえていずれもこれを許す考えはないのだということをはっきり陳情団としては承わったのであります。決して――大臣はほんとうのことを言っておられると信ずるものでありますから――間違いは万々ないだろうと私は思うのでありますが、また一面私の経験から申しますと、陳情団はうるさいから、一応こんな返事をしてまあ帰らせておいたらいいじゃないかというような考え方が絶無だとも……どうも少し心配があるのであります。私はそう信じたくないのでありますが、過去においてはそういうこともあった経験を持っているのであります。長官、官房長官及び担当大臣にあれだけ言っていただきましたので、大へん心強くは思っておりますけれども、多少の懸念はあるのであります。あの問題をイエスと言うか、ノーと言うかという問題は、私考えますと、行政官庁だけで、いわゆる調達庁でもって、閣議がきまれば、やれる問題だと思うのであります。そうするとせっかくの参議院の皆さん方が十分御承知にならない間に、それがきまってしまうというようなこともまたあり得るのじゃないかと、こういうことも考えられるのであります。予算に関係すれば皆さんのお手元にかかるでしょうが、あるいは既決の防衛費の中でもって措置するというようなことにでもなると、政府の行政官庁のやり方によって、事はきまって行くというふうにも考えるのであります。で、そういう点につきましては参議院の有力な皆さんの力強い御監視をお願い申し上げたいと思うのであります。  それからこの板付の飛行場に関連しまして、提供地区という不可解な地域があるわけであります。この地域は、日本政府としてはアメリカ側に相当の発言権があるというようなことになっているようでありますが、しかし土地の所有者は何らの契約を政府にいたしておりません、無契約であります。従いまして地代等は一厘も頂載いたしていないのであります。そこに私どもは中学校を建てたい、それも飛行場ができましたために県道がすっかり通れなくなって、非常に遠方から迂回しなければならないというので、中学校を建てるべく二十九年度の予算に主として計上いたしたのであります。建てたいということでどんどん話を進めて参りましたところが、アメリカ側から、あの場所はわれわれの方で計画があるからそれは承認できないと言うて拒否して参ったのであります。そういう拒否する権利があるかどうかということについて、市民としては今申し上げるように契約も何もない、賃貸借契約はしていないのだ、地代ももらっていないのですから自由だと心得ておるわけであります。それが政府側としては提供地区としてアメリカ側にそれだけの発言権があるかのように考えられるのであります。これは一体どういうふうに裁かれるか、現に一つの訴訟もすでに起っておるのであります。その地域内において火薬庫か何か地下の設備をしたいというのですが、地主の方では承諾できないというので問題が起っております。それが果して土地収用法によって収用ができるのかできぬものか、それは私としては何とも判断いたしかねるのであります。大体は土地収用法はそれぞれの法律に基いて適用されると、こんなふうに考えておるのであります。現にそれが今問題になっているのであります。そういう提供地区という実に不可解な憲法上からいっても民法上からいっても、所有者の所有権の制限を受けるはずはないと思われるのが、国と国との間の約束で制限を受けるというようなことになっておる問題であります。これもぜひ解決していただかなくてはならない大きな問題だと思っておるのであります。  この今回の飛行機の騒音、これがどんなに激しいものかということを、これは昨年六月十八日から七月二十二日までの統計を学校の先生が朝の九時から午後の三時半まで六時間半の授業時間について調査した表であります。この表によりますと、この三十五日間の統計をとったのでありますが、これを割ってみますと一日に六時間半の間に百七十五回というものが飛行機が非常な音でもって飛んでおる、その間は絶え間も何もなくて、講義もできないのであります。やったって口をぱくぱくやっていて聞く者には何もわからない、そういう状態が平均しまして百七十五回、そこで一時間を出してみますと、一時間に二十七回、だから約二分間に一回だ――っという非常な音に襲われておるということになるのであります。一時間のうちに約二分間おきに二十七回ということになるわけであります。それからこの表において一番音のひどかった、多かった日を取り上げますと、六時間半の間に三百七十八回、それを割ってみますと五十八回、おそらく一番最高のところなんですが、一時間の間に五十八回あのひどい音がして話も講義も何もできなかったということになっております。五十八回ですから六十分ほとんど全部がそういうことになっておる。少い日は十回というような日もありますが、平均しまして今申し上げますような百七十五回というふうになっております。この音がいかにひどいものかということをいろいろ形容して申し上げればさまざまな事柄があるのです。神経衰弱だとかあるいは馬が死産するとかいろいろな事実があるのですが、それを一々申し上げることは省略いたしますが、参議院の方々にお願い申し上げたいのは、きょうのような会合もきわめて有意義でけっこうでありますが、どうか御都合していただいて三日間でも二日間でも現地であの音を聞いていただきたい、あの音を実際聞いていただかなければ実感が出ないと、こういうふうに私は思うのであります。これだけはぜひ一つ実行していただいて、いかにこの市民が困っているかという現状の御認識をお願い申し上げたいのであります。五十三万福岡市民全部が革新と言わず、保守と言わず、市民全部が立ってこの問題には反対の運動を起しておるのであります。二十万人余りの署名をとって、調達庁長官その他アメリカ側にも今回の署名運動の結果を提出いたしておるのでありますが、これに隣接町村五カ町村、これを加えますと丁度六十万人、六十万人が一緒になってこの問題を取り上げて、立ち上っておるのであります。いろいろ国際的なお考え等があることは承知いたしておりますが、とにかくこの厳粛な事実に対して、何とか力を貸していただいて、解決をしてほしいのでありまして、この高射砲の問題はあれだけ政府当局がはっきりそれは承諾しないのだと、こう言明しておられますので、まずまず安心と言えば安心と思われるのでありますが……。次は、この移転していただきたいという考えであります。移転先について何か場所を指定しなければほんとうの運動にならぬじゃないか、移転先はどう思うのだというような話がよく出るのでありまして、一昨々年であったかと存じますが、参議院、衆議院からあの飛行場問題についておいでになったときに、その話が出たのでありますが、それは私は政府がきめる問題で、われわれはどこがよろしいだろうということを言い出し得ないのであります。そういう知識も持たぬし、軍事的な知識もなければまた技術的な面においてもわれわれは持たないので、そういうことは政府がお考えになる問題だと思う。そういっても、移転運動をやる以上はどこか代替の場所を示さなくちゃ運動にならぬじゃないかという話でしたから、それならばあなたの選挙区に持って行こう、あなたの選挙区に持って行って下さいというようなお話を申し上げたのでありまして、結局は爆笑に終ったのであります。そういうこともあったのでありますが、とにかくアメリカにおきましても市中に飛行場を持っておる所が三十何カ所の市があると、こういうことをアメリカ側が言うのです。これはいわゆる旅客機の飛行場である。軍事基地を持っておる所は一カ所もないと私は承知しておるのであります。なお、よくその点は御調査を願いたいと思いますが、とにかく市のまん中にああいう軍事基地を持つということ自体が、根本的な大きな間違いだと思うのであります。今度の高射砲問題はただいま申し上げたようないきさつで、大体私どもの目的が達成されるだろうと、こうは思っておりますが、行政官庁だけでおやりになればおやりになるというようなことにもなりますので、その点を心配いたしておるようなわけであります。  それからいろいろの申し上げたい問題もありますが、去る八日の参議院における吉田法晴議員の質問、あれに要点はほとんど尽きておりますので、同じことをここでまた申し上げるのもいかがと思いますから差し控えまして、御質疑の点に対しましてそれぞれお答えを申し上げたい。こういうふうに考えます。  それからいま一つは、小学校がこの爆音でとてもやりきれないというので、移転の問題がありますが、これもやっぱり提供地区の関係になっておるのであります。これは今度の高射砲陣地の、向うから緯度で示してくれたやつを図に表わして見たのでありますが、これがこのまん中が飛行場であります。これはぐるりと取り巻いて合せて十七カ所、新しく十三カ所、こういうことになっておりまして、市の繁華街にも二カ所以上はもうたしかに繁華街の中に作るようになっております。福岡市を守るのだという話でしたが、それならば、市はこっちへずっと大きな発展をしておるわけでありますから、これは全くこの基地を守るためのものということは、これはもうこの図面ではっきりいたしておると思うのであります。それからこの図面には学校が十三校か十四校か、爆音のために困っておりますから、学校の位置を示して、そうして距離を表わしておきましたから、御参考になればけっこうだと思うのであります。これはこちらに置いて行きたいと思っております。  かつて博多湾で水上飛行機をあそこにおいていろいろやりたいというのに対しましては、力強く反対いたしまして、見合せていただいた経験を持っております。なおまた、四つの高射砲陣地で実弾射撃がやりたいという申し入れに対しましても、それはどうも破片は落ちるし、市民の生活を脅かすこと大だと言ってお断わりして、これも承知していただいた経験を持っておるのであります。今回の高射砲陣地に対しましては、何といってもお断わりしていただくようにしていただきたい。移転の問題はさらにさらに深く研究して、それぞれの処置をとっていただきたい、こんなふうに考えます。どうぞよろしくお願いいたします。

新谷寅三郎緑風会

○委員長(新谷寅三郎君) 次は東富士演習場の問題につきまして、石田精市君からお述べを願いたいと思います。

石田精市元印野村助役

○参考人(石田精市君) 私は、東富士の演習場といたしまして、関係十カ町村、約三万五千の農民が直接関係しておるのでございますが、その三万五千の農民を代表いたしまして、本委員会に、いかに私ども演習場の周辺の者が、日夜苦痛をなめているかという衷情を訴えまして、ぜひともこれに対する根本的な対策をお考えいただきたいと、かように存ずる者であります。  そこで、私ども東富士演習場の現在の状況をあらかじめ申し上げまして、しかるのち、いかなる方途をお願いするかということに言及したいと思います。あらかじめお手元に配付してございます資料によりまして御説明いたします。  私ども東富士演習場は明治四十五年に日本陸軍が使用する所と相なったわけでございますが、その後終戦時まで日本陸軍との間には土地使用協定が相締結せられまして、ある一定額の報償金、そのほか使用条件におきましても、地元の農民の農業経営にはいささかの不便も与えずに、正常な農業経営が営まれて参ったわけでございますが、しかるに終戦に至りまして、これらの演習場が地元農民に返還になったのでございますが、その当時農林省におきまして富士裾野総合開発計画を、この富士裾野に計画をせられまして、これが着々実行の途について参ったわけでございます。ところが昭和二十二年に至りまして、ここは日本陸軍の演習場であったから、在日米軍が陸上演習場として使用するから、指定区域内の農民はこの区域から立ちのくんだという指令に接しまして、地元農民は驚愕いたしたわけでございます。さっそく大阪の第二十五師団、そのほか総司令部等へ陳情いたしまして、ようやく接収地内からの立ちのきを免除せられまして、一応米軍が使用するところの危険区域、すなわち赤線というものを設定をせられたわけでございます。その赤線は先ほど申し上げました十カ町村にまたがるところの約三千七百六十万坪、すなわち一万二千五百五十八町歩の広大な接収地を米軍が占領、接収したわけでございます。その一万二千五百五十八町歩の中には、民有地七千六百八十町歩、国有地が四千八百七十八町歩という所有区分になっておりますが、この国有の四千八百七十八町歩は、ほとんど旧来からの入会権、あるいは耕作権、使用権というものが地元についておりまして、ほとんど民有地と同じような、地元にとりましては必要不可欠な、重要な土地であったわけでございます。そこで、この一万二千五百五十八町歩の広大な接収地の中には、農耕地一千二百三十五町歩が接収せられて、農家にとりましては約七割の接収歩合になっております。すなわち平均いたしまして現在三割の農耕地に農民がたよって生活をしなければならないという窮状に置かれておるわけでございます。なお、山林は――植林地並びに厚生林でございますが――六千六百町歩の接収で、これも全山林面積の七〇%になっておるわけでございます。  それから富士山ろくの農耕地に特に必要とするところの堆肥並びに牛馬の飼料を採取するところの牧野、すなわち採算地におきましては四千七百二十三町歩、全体の九割、九〇%が接収地に画されたわけでございます。そこでこれら農耕地一千二百三十五町歩の接収になったところの農民は、完全に農耕地を失ったものが八十四戸、七割七〇%以上農地を失ったものが二百八十三戸、五割以上農耕地を失ったものが七百二十五戸。皆さんもおわかりのように、五割以上農耕地を失ったものが、いかに農業経営を継続して行くかと、こう思いますときには、前途暗たんたるものがあるわけでございます。そこで、これらの一万二千五百五十八町歩の接収地は、この周辺の農民と非常に密接不可分な関係があります。この演習場が、駐留軍の爆撃、あるいは砲兵の砲撃、戦車の演習、そのほか飛行場、キャンプ施設、あるいは火薬庫、軍用道路、あるいは演習に必要な発着陣地、こういった軍事施設が各所に建設せられまして、あの終戦後約一年半平和な富士すそ野に農業経営が営まれて参った農業の楽土が、この接収によりましてほとんど現在は見る影もないような哀れな状況になって参ったわけでございます。すなわち先ほど申し上げました民有並びに国有農耕地に依存して参ったところの農民は、接収地内の立ち入り禁止、あるいは農耕禁止というきわめて過酷な状況に置かれまして、その富士山ろくに入ることができずに、あるいは駐留軍の労務者に転落するとか、そのほか他の地区へ転業をする者が続出いたしまして、現在完全に農業経営のできるものは、ほとんど三割以下の状況でございます。そこで、この農地の喪失は養蚕業の壊滅を来たし、あるいは山林の喪失は薪炭業の壊滅を来たし、あるいはそのほか原野、すなわち採草地の喪失は農民から採草場を奪って農業経営ができなくなるという、採草不能による各種の被害を発生して参っておるわけでございます。なお、この原野すなわち採草地帯には、古来からこの地帯に薬草、あるいは山野菜類あるいはこの地方の副業であるところの竹こうりの原料その他農家の経営にとって不可欠なる各種産物が立ち入り禁止のために、ほとんどこれらが採取できないという状況でありまして、すなわち古来からの入会権というものがほとんど行使ができないという窮状に置かれておるわけでございます。  なお、この占領期間中に地元の灌漑用水、あるいは飲料水の水源地、あるいは水利施設というものが、立ち入り禁止であるがために、いつどういうふうになったかということがわからず、知らぬ間に米軍の施設にそれが引水せられているという事実を、占領中に発見いたしまして、軍の方へも抗議を申し込んだわけでございますが、いかんせん、占領中という覊絆に縛られまして、それが不問に付されて参ったわけでございまするが、講和発効後、この不法引水を何とか中止さして、農民の灌漑用水を確保せしめるべく、軍並びに日米合同委員会、あるいは調達庁当局へ陳情して参ったわけでございますが、これが現在も実現の域に至っておりません。なお、最近に至りまして米軍のキャンプの水が不足して困るから、新たに水を引かしてくれないかという要望があったわけでございますが、地元の農民は、前の不法引水すらも停止していないのにもかかわらず、新しく水をほしいとは何ごとだということで、地元農民がいきり立って、この反対運動をただいま起しているわけでございます。なお、これにつきましては日本関係当局におきましても妥協的な案を持ってきているようでございますが、地元農民は断固としてこれをはねつけて、自分たちの灌漑用の用水は、絶対に確保しなければならない。現在ごらんいただけばわかりますが、三百五十町歩の農地というものが、不法に引水せられているがために、本年の水不足に、ほとんど乾田のような状況になっているわけでございます。私がただいまお話している間にも、新たに水をほしいという計画は、立ち入り禁止であるがために、どういう形で進んでいるかということ自体も、地元民はわからないわけで、きわめて不安な状況におかれているわけでございます。  なお、富士山ろくの先ほど申し上げました山林地帯、あるいは採草、牧野地帯というものは、あの広大な富士山ろくの治山治水上のきわめて重要な役割りを持っているわけであります。これがただいまお手元に回わしております写真をごらんいただけば、そのなまなましい被害の現状がわかるわけでございますが、山林の六千六百町歩、あるいは原町の四千三百町歩というものが、ほとんど見る影もないような哀れな状況になってしまったがために、富士山ろくの雪解け、あるいは富士山の広大な高原地帯に降るところの雨が、一時にはんらんいたしまして、農道といわず、河川といわず、濁流のごとく押し寄せまして、せっかく接収から免れたところの演習場外の農耕地、あるいは人家、山林、農地というものが、その悪水のために大きな被害を受けているわけでございます。  なお、この演習場に見られるところの風教衛生の問題にいたしましても、米軍の着くところ、まことに風教上おもしろくない現象が所々に起っているわけでございます。これらも子供の教育、あるいは環境衛生の観点からいたしまして、地元民といたしましては何らかの適切な措置をとっていただくように再三要望して参っておるわけでございます。かかる現況におきまして、この東富士演習場の農民に今後自主自立の農業経営を確立させなければ、演習場の連帯もおそらく円滑に行くことはない。また自主独立の農業経営が営まれるような条件をここに備えることでなければ、演習場に対する反対の烽火はほうはいとして上って参っておるわけでございます。昨今この演習場を管理しておるところの調達庁におきましてもこの地元の空気を察知せられまして、種々これが善後措置をお考えいただいておることと思うわけでありますが、私どもこの問題を折衝さしてもらっておるわけでございますが、この調達庁の取扱い等におきましても、昭和二十七年の七月四日における閣議了解の補償要綱の線に基いて、すべて金銭補償によってこれを解決しておるという状況でございます。その金銭補償も現実に即しない、あるいは調査評価等におきましてもきわめて一方的な措置をとりまして、地元の不平不満も顧みず、一方的にこれが取り扱いをなして、百姓の弱いところをついて納得をさしておるような状況であります。私どもは現在の国家措置が金銭補償でもってこの広大な演習場が接収されて、いかに苦しみを農民が味わっているかという現況において、ただ一方的な計算による金銭補償によってこれが解決されるならば、きょう何をか言わんやでございます。ぜひともこれの根本的な解決措置につきましては本委員会の先生方皆さんに特に現地の窮状等をぜひごらんいただきまして、格別なる自主農業経営ができる措置をお考えいただきたいとかように存ずるわけでございます。  この措置の地元の案といたしまして、まず一千二百町歩あるいは四千町歩の農業に必要な広大な土地が喪失せられた農業に現状のままで農業経営をやれということはまことに無理な話じゃなかろうかと思います。しかしこれについては、たとえば先ほど申し上げました三割しか残っていない農耕地であっても、この農耕地を有効に農業経営に取り入れて行くために、土地改良を施すとかあるいは地下水源を開発し、あるいは農業の機械力をとり入れ、そのほか農業経営上に有畜農業の導入あるいは農業用施設の拡充整備と、こういう措置を、従来の金銭補償によって取り扱ってきたところの考え方を、この農業の生産条件を確立整備せしめるような方途を考えて、この生産条件を地元農民が活用することによって従来七割接収された農地の生産を確保する。すなわち農業の再生産態勢を確立するような国家措置をぜひお考えいただきたい。これによってその再生産、生産がなされること、すなわちこれが補償ではなかろうかと、かように考えるわけでございます。ですから金銭補償にかわるべき現物補償の形で農家の、農業の再生産態勢を確立せしめるような措置をぜひお願いしたいと、かように考えております。これがためには従来の農業関係の各種法律がございますが、これらはぜひとも基地の農業再建整備という立場に立ちまして、特別法にしていただきまして、法律によって接収農家の救済をお考えいただきたいと、かように考えるわけでございます。なお山林等の被害につきましては、占領期間中におきまして昭和二十七年に第一回の交渉を財産に対する直接被害として受けたわけでございますが、講和発効後三年になりますけれども、申請は昭和二十七年の六月に申請をいたしておりますが、調査は数十回調達庁において実施いたしておりますけれども、三年になります今日に至っても補償がまだなされていないという現状でございます。特に占領期間中における林野産物その他採草権あるいは富士山ろくから採取されるところの特産物であるフジシバの損害につきましてもこれが補償をいたすにつきましてはほとんど現実に即さない、きわめて一方的な評価によって一%に満たない補償がなされておる。これでも補償したのだということになるわけでございます。しかしそれによって農民の被害と対比するならば、あまりにも格差のはなはだしいことについて唖然たらざるを得ないものであります。なお先ほど申し上げました開拓国有農地につきましては、調達庁当局におきましてもこれが取扱いに御努力いただいておるわけでございますが、終戦前昭和十八年ごろから国家の要請に基いて開拓農地として国の補助措置を得て農耕地にして参ったものが、やれ国有財産法の根拠の問題だとかいろいろむずかしい問題があるわけでございますけれども、現実にこの農地が、特に開拓農地は零細農家がそこへ入植して食糧増産にいそしんで参ったわけでございます。そこで終戦後農耕禁止になるまでの間、これらの食糧増産に寄与して参った開拓農地が、零細農家の生活の基礎となって農業経営の重要な農地ということで、大事に守って参ったわけでございますが、これが接収並びに農耕禁止ということで現実に手放さなければならないという状況に立ち至ったわけでございまして、この零細農家の救済というおぼしめしをもって、ぜひともこれらの補償措置を適切にお考えいただきたいとかように考えるわけでございます。なお……

新谷寅三郎緑風会

○委員長(新谷寅三郎君) 石田君に申し上げます。御発言時間が三十分ということになっておりますので、残余の御発言は項目で簡単にお願いいたします。

石田精市元印野村助役

○参考人(石田精市君) 大へん長くなって申しわけございません。では結論的に申し上げます。いろいろ農家に対する被害は各種の被害がございまして、おそらく東富士演習場周辺の接収農家の被害は、全国的に見て、私どもも各種の演習場基地を見ましたけれども、すべての被害の要素を東富士演習場が全部背負っておるではなかろうかと、こういう実感が常々いたしております。これらの被害を先ほど来申し上げましたように、ぜひとも総合的に、接収農家がひとりで立ち上って、人の厄介にならなくても、あるいは金銭補償等の厄介にならなくても、完全に農業経営ができるようにしてくれるならば、あの広大な、また駐留軍等においてもぜひとも必要だと要望しておるところの演習場の運営が円滑に行くのではなかろうかと、かように存じておるわけでございます。何とぞ地元民のかかる窮状をお考えいただきまして早急に適切なる御処置をお願いしたいと、かように考えるわけでございます。大へん長時間ありがとうございました。

新谷寅三郎緑風会

○委員長(新谷寅三郎君) 最後に宝塚演習場の問題に関しまして小林英次君から御発言願います。

小林英次会社社長

○参考人(小林英次君) 宝塚演習場設置の実情につきましてここに御了解を仰ぐ機会をお与え下さいましたことを衷心、感謝するものでございます。  わが宝塚市は、昨年四月市町村合併促進法によりまして、兵庫県川辺郡宝塚町と武庫郡良元村とが合併し、さらに本年三月西谷村と長尾村とを合併しまして人口六万牧千、面積百二平方キロ、阪神間の中北部にあります。市内には有名なる宝塚劇場、阪神競馬場、また武庫川をはさみ、明媚なる風光と名所古刹を有する交通至便の地でありまして、市内には相当の料理屋、旅館等もあり、近接の大阪、神戸、京都、尼崎、西宮等の大都市住民のいこいの地、行楽の場所として広く全国民の遊覧地、観光地として利用されております。従いまして市の立市方針も観光住宅都市として将来の発展を期待されておるものでございます。昨年設置されました自衛隊宝塚演習場の場所は、市内中央部の長尾山の二十八万坪がこれでございまして、民間より買い上げられました。その隣接には国有地の百万坪もあります。この場所は宝塚劇場より千七百メートル、国鉄宝塚駅より千三百メートル、名刹清荒神より五百メートル、荷台住宅地より五百メートルの近距離にある山で、町の中を流れる武庫川の両岸よりすぐ目の前にあり、この山に登れば、町も歌劇場も足元にあり、しかも現地は激しい岩石山の上にあり、町の頭のてっぺんにあります。  この演習場反対理由の要点を申し上げますと、宝塚市内は、今後住宅は市周辺部の山地を開発してこれに求めるよりほかに方法なく、現に月々相当数の増戸を数えております。この演習場の場所は、すでに計画上も事実上も住宅地として推定されている地域であります。このふもと一帯数十万坪は現に住宅予定地であり、現に住宅建設中の場所でありますので、ここに演習場を設置することは、都市計画を破壊するものであります。  次にこの地は六甲山系国立公園の一環としてすでに国で指定されておる所で、演習場の設置でこの計画も停止のやむなきに至ります。この観光住宅都市への演習場の設置は、観光客、遊覧客の減少を来たし、転入者を阻止し、市の将来予定する税収源を失い、また観光客の減少は市民の収入減を来たし、市民経済生活に重大影響をもたらすものでございます。この演習場の山は、戦時中の乱伐によりまして、全山はげ山にひとしく、現在毎年台風時期等には、瞬間出水で洪水を起し、近接する数カ所の用水池が決壊の危険にさらされ、またこの場所は、荒神川、一后川、天王寺川等の源をここに発します関係上、大雨があれば、これら河川が増水はんらんして決壊の危険にある現状でありますので、さらにここを演習場に使用することになれば、その洪水の危険の増大は、はかり知れぬものがございます。  また教育上からこれを考えますると、この場所の位置が高く、近いため、地形上ふもと及び近くの小中学校、関西学院、神戸女学院、聖心女学院等各学校の教育上に相当の故障があると心配されております。またこの演習場の現地は、合併促進法によりまして、国有林八十万坪の払い下げを受けられる期待のあるものでありますが、この演習場設置によりましては、これも不能に終るものであります。しかして、以上の通り、この観光地宝塚の発展をこわすことは、ひとりわが宝塚市民だけの問題でなく、京阪神はもちろんのこと、日本全国の宝塚支持者の健康なる幸福を打ち破るものであると心配されております。  次に自衛隊出先当局が本演習場を設置した経過についてちょっと申しますと、この宝塚長尾山の演習場は、その買収交渉は出先当局の伊丹第三管が当り、ごく隠密裏に行われ、昨年六月に突如測量を行い、七月十七日に国有の登記の手続がされていたものでありまして、市民が気づいたときはすでに買い上げは済んでいたのでございます。  次に市民反対運動の性格と反対層について述べます。この演習場の設置を知った市民各層及び市議会では、これの対策について協議し、市会においては昨年七月二十九日反対決議をいたしました。また同月二十七日には市民各層よりの反対期成同盟が結成されました。すなわち自治会、PTA、青年団、消防団、婦人会、地労協等の各層一般市民全部が参加し、挙市一丸で反対しました。本年の新市会も再び反対決議をいたしております。また別に地方労組や近畿地方総評四十三団体も反対決議をなしております。昨年八月に全市にわたり市民の任意の署名を求めたところ、ただいまは六万市民でありますが、その当時の市民四万中、二万五千名が反対署名をいたしました。この数字は意思能力を有する市民の大部分のものと考えられます。  ここに申し上げたいことは、この反対運動は全市民を網羅しておりますが、これは超党派の市民運動でありまして、宝塚市内より演習場を排除することが唯一の目標であって、再軍備反対や自衛隊等に反対するものではございません。  次に防衛庁との交渉経過を申し上げます。昨年八月より防衛庁及び伊丹第三管に陳情並びに反対運動を全市をあげてやりました。昨年十月、市民の各層団体代表が防衛庁各官、国会、各政党、衆参議員に陳情いたしました。当時の木村長官のときより今日まで絶えず運動を続けております。  次に防衛庁は調査官を現地に派遣して調査しました。その結果は、防衛庁は宝塚演習場は調査の結果適地とは認めがたい、また市民の強い反対もあり、とりあえず使用しない、代替地を探して経理上等の手続済み次第変更しようと、こう言明されました。すなわち等価交換の線が妥協案として防衛庁より示されたのであります。  後日、大村長官のときになりましても、大村長官からも、宝塚演習場の場所は、演習場には向かないけれども、将来よい土地だから市で買っておきなさいと陳情のときにお話があったような次第でございます。そしてこの演習場の使用は、防衛庁より伊丹第三管に通牒によりまして、その後使用は中止されていました。ところが最近本年六月三十日と七月七日の二回に初めて道路修理の名目の演習が百名と二百十名との自衛隊員で行われました。ここで市民との間に、ただいま使用中止をせよ、せぬで現在現地での対立が起っているのでございます。  次にここでちょっと御参考に申し上げたいことは、この演習場の設置で特に市民及び地方民の納得のいかない不可解なことがあります。それは、防衛庁は、演習場はその設置場所の市町村の了解なしには設置しない、また地元の了解なしには使用しないと申しております。伊丹第三管自衛隊はこの宝塚の場合の地元の了解済みで設置したと言明されております。宝塚市民はもちろん知りません。宝塚市長は演習場設置は了解した事実は少しもないと言明しております。この食い違いはまことに不可解不明朗の点であります。かくて、伊丹第三管出先当局は、地方民の不信の的になっておる次第でございます。  次に、自衛隊がこの演習場を、もしこのまま使用を強行した場合を考えてみますならば、市民との摩擦はとうてい避けられません。また近畿地方総評傘下の四十三団体が、反対決議のもとに、第三管に抗議を申し込んでおる事実より見まして、合法的実力行使の線に出て、その対立がありはせぬかと憂慮されるものでございます。結論といたしまして、防衛庁自身も、この場所が演習場として適地でないと認めてあるのであります。そのゆえに、ここにこれだけの強い反対がありますものを、これを押し切ってここへ演習場はおかないで、ぜひ廃止撤去していただきたいのでございます。そして関西地方のいこいの場所を、日本全国の健康なる行楽の場所を破壊しないように、ぜひ国会の諸先生方の御協力をお願い申し上げる次第でございます。  終りに、宝塚演習場反対運動のため、参議院、衆議院の社会党、自由党、民主党等各党各派の諸先生方が超党派のお立場になって、こぞって今日まで御尽力下さいましたことをここに宝塚市民としてつつしんで感謝いたし、厚くお礼を申し上げる次第でございます。はなはだ勝手でございますが、なおこの上とも幾重にも御協力のほどをお願い申し上げる次第でございます。

新谷寅三郎緑風会

○委員長(新谷寅三郎君) ありがとうございしました。  以上をもって参考人の方の陳述を終った次第でありますが、ただいまから参考人の方々に対しまして、御質疑のある方は順次参考人の方に御質疑をいただきたいと思います。なお、この際お諮りいたしますが、荒木正三郎君から委員外発言の許可をしてもらいたいというお申し出がございます。これを許可することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

新谷寅三郎緑風会

○委員長(新谷寅三郎君) 御異議ないと認め、さように決定いたします。  それではまず、立川、木更津、小牧、新潟、伊丹、板付等の飛行場拡張問題について、御質疑を願ったらいかがかと思います。

田畑金光日本社会党(第二控室・右)

○田畑金光君 最初に立川基地の砂川町における先ほどの説明でなかったわけですが、警察官の介入というようなお話があったらと思いますが、その辺の事情を一つ御説明願いたいと思います。

青木市五郎農業

○参考人(青木市五郎君) 毎日飛行場のそばで爆音に悩まされている砂川町の者はみんな声が大き過ぎるくらいでございます、しかし、耳は非常に悪くなりまして、もうわれわれの年輩の者はみんな耳が悪い、こういったことはいかにこの飛行機の爆音が影響するかということを御想像願いたいと思います。  警察の介入につきましては、大体、順序を追って申し上げますが、去る六月の三十日より調達庁は道路を測量するのだ、こういう意味合いで道路の使用許可をとって立ち入って来たのでございます。がしかし、われわれ地元民は道路の測量にしろ何にしろ、やはり調達庁はこの基地を拡張をする前提であるがゆえに測量するのではないかという、こういうこちらの見方から強硬に、この測量ということは絶対にやめてもらいたい、こういう意見をもってわれわれは道路の測量はやめてもらいたく拒否をいたしまして、帰ってもらったのであります。引き続き翌日もそういう方法で入って来た。こういう点につきまして、第一回のときには矢崎次長が負傷をした、こういったことが新聞紙上に出たことは皆さんも御承知と思いますが、これは私すぐそばで見ておりましたのでございまして、とにかく負傷をしたというのは、みずから負傷をした、やはりわれわれ地元民がぜひともこの基地拡張に対する測量であるから帰ってもらいたい、こう言って回りに立ちふさがっておりましたところ、何だかしまいには青い顔をしてきた、それでもって、それではやめよう、こういったことで測量器をはずすその瞬間ちょっところんだと思ったら鼻の頭に何か傷ができた、こういう状況で、何だか青い顔をしたという格好で、こういったことは、われわれ地元民が見ておりますと、明らかにわれわれを挑発的に、地元民が妨害をして、要するに測量の公務執行妨害をして、そしてわれわれに危害を与えたのだ、こういった罪をわれわれ地元民に積み重ねるために第一番にしたのだ、こういったことはだれしも見ているのでありまして、写真等にも助けられていく格好でございますが、真に脳震盪等その他でけがをしたというのは、そのときもそんな青い顔をしていない、こういったことは、立川の警察吏員等も参りましたが、われわれは強硬にこういったことは認めてもらいたい。こういう申し入れをいたしました。その後、またさらに二日目に入って来た、そのときにもやはりわれわれは帰ってもらった、こういうことでそのときは何か一人部長さんが川に落っこった――あれもやはり回りを回ってなんだかんだ言っているうちにみずからあれは落ちたのでございます。すべって落ちた、落したのではない、落ちたのであります。こう言っております。そのときにはその市に乗って見ますと、測量器は絶対に何も入っておらない。測量器を持たずに来る測量というのはわれわれ初めて見ました。そのときにくいを一本打ちました、そのくいを一本打ったということは、結局ハイヤーで来たからぽいっとおりて、おりるが早いか、何も測量をせないでぽんぽんとくいを打って写真をとった。こういうことをして、われわれに、要するにくいを抜き取らせて、そしてその罪を一つ重ねよう、こういったことで、そのときに、私も直接見たのではないのですが、そのときに町民の中で、今ハイヤーの中に測量器は何も入っていないが、積んで来たのは、警察官が一名乗っていました。こういったようなことを耳にはさんでおります。これは私も自分で見たのでなくて、またその後確証を得ようと思いましたが、やはりとにかく全町村が出て反対しているんですが、とにかくそういったことは確証を得られなかったのは残念でございますが、そういった現状で、われわれは測量器を持たないで測量に来た、そのときに公安主任の方が、とにかくそのつどわれわれは非常に挑発行為に出ておるということはよく知っております、ですから皆さん手荒なことは絶対にしてはいけない、万一血の雨が降るようなことがございますと、基地拡張、そのために町民が血の雨を降らすということは、われわれ町民としても相当慎しまなければならないということはよく知っておりますがゆえに、それと、五日市街道をとにかく一分間交通をとめれば、自動車の三十台や五十台はとまる、こういうひんぱんな五日市街道でございますから、交通整理その他町民の暴力行為を防ぐために、宣伝カーを使ってそれを処理すべくわれわれは計画して、そのときに使っておりましたらば、警察はその宣伝カーは許可をとらなければいけない、こういうことになりまして、せっかくわれわれも……、それはわれわれも知らなかった。われわれはとにかく血の雨を降らすようなことがあったり、また交通の妨害になって皆さんに御迷惑をかけてはいけない、こういうことを自発的に防ぐためにやっている、しかしそれではさっそく許可の申請をしよう、こういうわけで一日に許可の申請を出したのですが、そのときは私が行きましたが、とにかく一応よくわかった、しかし字句の点において間違っておるからこれは直してもらいたい、次席の方もおられて、そういうわけだったら許可できないのだが、一応わかったから許可します。ついてはあす来い、こういうわけで翌日行ったが、ちょうど署長もまた次席も、公安主任も留守でした。それで八方へ電話連絡をして、私は半日待っておりました。ところが最初は三輪車である、要するに荷物車であるから許可できないといっておりましたが、われわれはとにかく町で費用をかけるということはできませんので三輪車を使いたい。あちらでは人の乗るハイヤーなら許可をすると最初は言っており、われわれやむを得ないからハイヤーでもって許可願いたいといったら、ちょっと待ってくれ、上司に聞いてみる……そうしたらまたハイヤーでもだめだ、幕を張ってはいけない、半日のうちにとっくりかえり、何もかも違ってくる、そのつど上司の方に電話をする。しまいには結局反対闘争に使う宣伝カーというものは百人力に値するから、その意味合いからわれわれは許可できないのだというようなことになってしまって、それではあなた方は、われわれの飛行場の拡張に対する絶対にやめてもらいたいと、こういったことを、とにかく上司の命令で……。あなた方も結局調達庁に援助するのだろうから、これ以上はわれわれはここへあなた方に申し入れはしない、こういって帰りました。ちょうどそのときこの基地拡張のことで衆参両院の方が来地を願いましておりました。そのときにそんなばかなことはないと町民の中から議員さんが出て、さっそく今おれが聞いてみるというわけで、警察の方に問い合せまして、とにかく今参議院議員さん、衆議院議員さんが来ておられるのだ、その声を聞いてぱっと許可をする、こういったようなことは、明らかに警察ではとにかく法を曲げても、われわれの基地拡張反対に、調達庁の手先となり妨害をする、こうではないかとわれわれ農民は直感しておるのでございまして、こういったような測量車の中に警察官が乗っており、要するに宣伝カーもとにかく反対のために使うのでは絶対困る、町民の代表が行ったのでは許可しないが、やはり参議院議員さん、衆議院議員さんの声を聞いてそれを許可する、こういったようなことは、ほんとうに警察としてもいま少し慎しんでもらいたい、こういう相当私も強い抗議を申し込んでおります。その後におきましていろいろとこの調達庁長官の新聞等の報道等によりまして、この調達庁側は負傷者を出しても決行するというのは、要するにあなた方の方が強いからそういったのだというが、われわれ町民はそうは見ていないで、調達庁の方ではわれわれに向って負傷者を出そうとも決行するのだ、こういったことは、要するにいかなる事態が発生しても調達庁の方でほおかまいなく入ってくるのだ、そうすると町民の方は、では最後は警察を動員し予備隊を動員し、すべてをもってやってくるのではないか、こういった空気を包ませて、いよいよ十六日を迎えて、今度は個人私有地に立ち入りをする、こういった通知も参っておりますが、しかしわれわれはそういうことでは絶対に入れられない、こういうので全部書類は返してありますが、もちろん入ってくるのではないかとこう思っておりますが、われわれ町民の代表といたしまして、一番目下の町の空気として心配するのは、血の雨が流れる、これを一番われわれは心配しておるのでございますが、調達庁長官がみずから負傷者を出しても決行する、要するに警察の方を聞いてみると、相当警察の方では調達庁に対して援護をしておるということは明らかになっております。そうなるといよいよ警察は相当の動員をしてくる、こういったことは町民も相当覚悟しております。この点につきまして残念ながらわれわれはこの拡張につきましては、何とか血の雨を降らさないで、われわれは先生方の御厄介になりまして、何とかこの基地拡張、要するに先ほど私も申し上げました通り町のまん中へ飛行場を作る、大立川市また砂川市も……、今立川をそばに控えまして相当の五日市街道は交通ひんぱんな道路である、それをも二つにするような無謀な計画の飛行場の拡張はぜひともやめてもらいたい、こういうような申し入れをしておるのでございますが、調達庁側は何らわれわれの申し入れもかまわずに一方的に、何としても命にかけても調達庁はこれを強行する、こういったことにつきまして十六日のこの立ち入りにつきまして、血の雨が降るということはわれわれほんとうに心外にたえないのでございまして、万が一……、これを防ぐということはぜひとも政府におきましても……。この警察官の増員、こういったことがまず血の雨を降らす前提とするものと思っております。この点もぜひとも何とかあまり手荒なことに出ないように御努力を、本委員会におきましてお取り上げ下さいまするようお願い申し上げる次第でございます。かような現状でございます。

堀眞琴無所属クラブ

○堀眞琴君 関連して。ただいま警察官の関与の問題についてお答えがあったのですが、六月三十日、七月一日、二日、三日間測量に来たわけですね、その際警察官は制服、私服、どのくらい動員して来ておりますか。

青木市五郎農業

○参考人(青木市五郎君) 制服の警官は一人も見受けられません。大体一回に五十名ぐらいを推定しております。これは全部調達庁が測量に入る約五分前ぐらいに乗用車をもって各要所に配置になります。われわれのいるところには絶対に参りません。ずっと町を通過して人のいないところで全部配置につきます。それからその警官が現地に到達すると同時に調達庁は測量車、乗用車によって入ってくる、これも調達庁側はわれわれの行動を始終探知して、二回ぐらい前に偵察をしまして一番手薄なところから入ってくる、こういったようなほとんど基地拡張の測量でなく、わが砂川町の町民に対する戦闘行為をやっている、こういったことをわれわれ町民が非常に憤激するということはここにあるのでございまして、どうかその点もよろしくお取り上げのほどをお願いします。

木下源吾日本社会党(第四控室・左)

○木下源吾君 ちょっと政府の方の防衛関係、それから官房長官、そういう関係をお呼び願えませんか。

新谷寅三郎緑風会

○委員長(新谷寅三郎君) お答えいたしますが、今すぐ呼んでも来られるかどうかわかりませんが、来られればすぐ来るように手配しておきます。

木下源吾日本社会党(第四控室・左)

○木下源吾君 せっかく皆さんのお話なんですから……。今政府関係で来ているのはどのくらい来ておりますか。

新谷寅三郎緑風会

○委員長(新谷寅三郎君) ただいま政府側の出席の方々は、調達庁の不動産部長、防衛庁の経理局長、防衛庁の教育町長事務取扱い、その他防衛庁及び調達庁の説明員であります。なお、調達庁長官の福島君は衆議院の方で委員会に呼ばれておりまして、出席中であります。もう大体用事も済んだころだと思いますので、すぐ来るかと思います。

木下源吾日本社会党(第四控室・左)

○木下源吾君 それで官房長官ですね、それから次官くらいを一つどうかごあっせん願います。

新谷寅三郎緑風会

○委員長(新谷寅三郎君) 次官とおっしゃると政務次官ですか。

木下源吾日本社会党(第四控室・左)

○木下源吾君 ええ。

新谷寅三郎緑風会

○委員長(新谷寅三郎君) 承知しました。   速記をとめて下さい。    〔速記中止〕

新谷寅三郎緑風会

○委員長(新谷寅三郎君) 速記を始めて下さい。

加瀬完日本社会党(第四控室・左)

○加瀬完君 参考人の全部の方にお伺いをいたしたいのでありますが、先般調達庁長官をこの委員会に呼びまして意見を聞きますと、全く現地の飛行場拡張の対象になられている方々の意見というものは調達庁の方には何にもいってきておらない。率直に言うならば衆議院や参議院や、あるいはその他のところには陳情するようだが、おれたちのところにはいってきておらない。こういうような言葉が繰り返されて発言されたわけであります。皆さんはそういう点で、今ここでお述べになられましたような御事情を、調達庁関係に十二分にお述べになっておられたかどうかという点をまず一点伺いたい。  次に、これは私どもが第三者として伺っておりますと、調達庁がそれぞれ現地の方に申し入れておりますることは、何かこの六つの飛行場の拡張予定地が話し合いによりましては現地の意見も聞かれるのだというふうな形でもっていっておって、事実においては皆さんの意見も受け付けない、こんなような交渉のコースをとっておるのじゃないかというふうに伺われるのであります。この点皆さんに対しまして調達庁はどういうようなお立場で交渉をなされておられるのでございましょうか。この二点をまず伺いたいと思います。どなたでもけっこうでございます。

青木市五郎農業

○参考人(青木市五郎君) 私ども立川基地拡張につきましてはもとより絶対拒否でございまして、調達庁と話し合うということは絶対にしたくないのでございまして、最初より話し合いということは絶対にいたしません。それがゆえにせんだってもラジオ東京でしたかから砂川町、新潟と三元放送をやってもらいたいと、こういう申入れがラジオ東京からありましたが、やはり三元放送で空中を利用して、要するに電波を利用して話し合うということでも絶対にわが町民はこれは拒否しなければならないと、こういう結論からラジオを通じてでもいけないと、こういう線で、わが砂川町は絶対拒否でやっておるがゆえに話し合い等は絶対にいたしたくないのでございます。

浜名儀三木更津市長

○参考人(浜名儀三君) 木更津の場合を申し述べますが、調達庁長官初め次長、当局調達庁に数回にわたって陳情しております。先ほど申し述べましたことは最大漏らさず申し上げております。それに対して、長官よりは木更津の地域は特に問題が多い、困難であるということも言われておりますし、また調査をいたしましても、それは、するかしないかは調査の後に属することである、特に海面でありまして、木更津の場合は唯一の海面問題だそうでありますが、そこに滑走路を作るには相当地盤が強固でなければならぬ、その地盤の調査をいたさなければやるかやらぬかの明確な回答もできないので、そういう事情だから調査をさせてほしい。同時に強制収用は絶対にいたさない。たとえて言えば、四百人中三百九十九人が同意いたしておって、そのまん中におる一人が同恋しないというような場合にのみ強制収用するのだ、そのほかには絶対いたしません。こういう公約をもっております。さようなわけで木更津といたしましては立ち入り調査を、つまり基地拡張を前提としない立ち入り調査ならば応諸しようというわけで応諸の意思を表示いたしたわけでございます。この長官の言明は、去る六月三日の衆議院内閣委員会におきましても、その木更津基地に関して陳情の際私たちに申したと同じようなことをはっきり申しております。万が一にも政府がさような意味で強制収用するというようなことがありましたら、この漁民、正直ですけれども、怒れば強い漁民でございますので、どういうことがありますか存じませんが、あった節は調達庁、政府の責任である、私はさように解して立ち入り調査の同意は一応いたした次第でございます。

舟橋久男農業

○参考人(舟橋久男君) 小牧地区、特に私ども北里村といたしましては、すでに差し上げましたこの陳情記録の三月三十日というところに、調達庁へ陳情したことを記録にとどめております。このときお目にかかったのは山内次長でございます。ここにはその後の日付になっておりますので、再録いたしておりませんが、この日付以後にも地元選出の代議士の御案内で、福島長官にお目にかかりました。そのとき約二時間にわたってるる陳情を申し上げたのです。中には、もしどうしてもこれをやるなら、われわれを殺してからやってくれというようなことを叫んだ農民もございました。そのときいきなり福島長官が私どもに言われたことは、大体まあ小牧は拡張するものと思ってくれという、その言葉でございました。ただしそれじゃ従来懸案になっておる技術的な問題はどうするのだというようなことをだんだん追及いたしていきますと、それらがどうしてもむずかしいということになればやめるということになるかもしれないと、一歩心々退却していただいたのであります。実情はさようでございますので、御了承を願いたいと考えます。

田浦順二前新潟県農業委員

○参考人(田浦順二君) 新潟の場合をお答え申し上げます。まず第一点の、長官に意見を述べたことがあるかどうかと、こういうお話でございますが、この点は長官に対しましては、日は私ちょっと記憶は忘れましたが、五月中だと存じておりますが、福島長官が参る、こういう話がありましたので、それで実は駅までお出迎えをしまして、そうして衷情を訴えようと考えておったのが、前日来たという話でございますが、そのときは行方不明であったかどうか、新潟の調達庁の出張所さえ長官の住所がわからないと、越えても翌日知事公舎に知事と話をしているからというわけで、私どもは地元の代表、それから反対同盟の役員全部 県会議員も中へまじえまして、知事公舎でお会いしたわけでございます。そのときは時間がないからと言って、きわめて簡単なあいさつで逃げようとする態度をとったのでございます、福島長官は……。そこで私どもはお会いいたしまして、衷情を訴えましたところが、君たちは国の自衛として要らないという考えがあるかどうかわからないが、私は日本の自衛上から考えて、基地が必要なんだから、これは平行線だから話にならない、こういう話だったのでございます。しかし私どもはそういう論争は長官とする考え方は全然ございませんので、いわゆる基地住民の衷情を、経済的の窮状を訴えたのでございます。そうしたところが長官は、いや、そういう点に対しては同感だ、従ってそういう点を解消するように僕らは努力しようと考えるのだ、ただしかし、先ほどおっしゃいましたように、この測量は決して接収するという前提ではない、従って単に基地にボーリングをさしてみて、適地か、不適地かを調査するのであるから、もしそれが調査しましても新潟が不適地だったら、これは予算の関連性があるのだから、全部だめになるかもしれない。ですから必ずしもこの調査というものは接収というものが前提ではないから、どうか調査さしてくれと、こういうお話だったのです。しかし私どもは知事に対しましての工事する命令が土地収用を前提とする工事命令でございますので、必ずこれは調査を許せば、当然新潟の飛行場は拡張されると解釈するものであるから、従って私どもは反対でありますと、どうか長官一つ私どもの衷情をおくみ取り下さいと言ったところが、時間がないから帰ります、こう言って早々に引き揚げてしまったわけでございます。  さらに第二点につきましては、受け付けるかのような態度をとっておるが、実際はどうかという点でございますが、これは長官だけでございませんで、私どもは現地新潟の出張所長に再三この懇談方を申し入れたわけでございます。そこで五月十二日の日に知事のもとへ参ったところが、十三日から三カ月間の予定で知事の工事命令が出ておることを知った。そこで新潟の出張所へ参りましてその話をしたところが、私どもは、あまりにあなた方は一方的ではないか、なぜそういうなら起業者である、私どもは仙台調達庁の管轄でありますから、起業者である仙台調達庁の局長がみずから新潟に来ていただきまして、地元の所有者、権利者と懇談を重ねた上で、しかもそれが平行線であろうということでも、尽すべき道を尽してからいくべきではないか、なぜ来ないか、こういうことを再三申し上げたのでございますが、あなた方の言い分は一々全部局長と長官に伝えておりますから、こういう一点でございました。従って今御質問の二点につきましては、全部漏れなく伝っておるということを、私どもは確信を持っておるわけであります。

藤戸翼豊中市長

○参考人(藤戸翼君) ただいまお尋ねの件でございまするが、私ども伊丹飛行場拡張反対期成同盟会は、毎回二十数名の反対陳情員が上京いたしております。六月二日調達庁において山内次長にお目にかかっております。つぶさに反対の意思を表明いたしております。続いて六月二十二日、衆議院副議長室において、大阪府第三区の選出衆議院議員並びに兵庫県第二区の選出の衆議院議員の方々とともに、山内次長にお目にかかったのであります。そうして約八万名に達する署名簿を明らかに面前に突きつけて、そうしてこの点を、われわれの反対の意思を表明いたしております。言葉の上では、聞いた聞かんという問題もあるかと思いますが、署名簿は確かに調達庁に届けてあります。これが何らの交渉を今まで持っていないということに対する物的証拠であるということを申し上げておきます。  また、六月の二十二日に福島長官に面会を求めましたところが、長官は長官室におられて現にわれわれに対して面会を拒否されております。昨日もわれわれは約四万名の署名簿をひっさげて調達庁に参ったのでありまするが、長官はお留守でありました。五時ごろお帰りになるということで、しからば五時ごろお伺いいたしましょうということを申し入れましたところ、秘書課の方から、今日はお帰りにならぬかもわからないというような回答を得たのであります。いずれも私どもは長官にお目にかかることができなかったのでありまするが、確かに反対の署名簿は調達庁に積み重ねてあるということを御認識を願いたいと思います。

加瀬完日本社会党(第四控室・左)

○加瀬完君 いろいろお話をいただきましてありがとうございました。で、総括をいたしますと、砂川町の場合は別といたしまして、他の方はいろいろ事情が十二分に申し述べてあって、調達庁は知っておるはずと、こういうように了解してよろしゅうございますか。(「はい」と呼ぶ者あり)しかし、長官と具体的ないろいろの問題を話し合おうといたしましても、積極的に話し合いをしようという長官の態度ではないと、あまり話し合いを好まない様子であると、こういうふうにお話を承わったのでございますが、かように了解してよろしゅうございましょうか。

藤戸翼豊中市長

○参考人(藤戸翼君) むしろ積極的に拒否された。消極的にではありません。積極的に拒否されております。

加瀬完日本社会党(第四控室・左)

○加瀬完君 ただいまの御発言の通り、それじゃ長官はむしろあなた方の御陳情、あるいはあなた方の要望に対しては積極的に拒否の態度であった、こういうふうに了解してよろしゅうございますか……。木更津の市長さんに伺いたいのでありますが、強制収用はしないと、木更津の場合は他の地区の場合と異なりまして、調達庁とだいぶ話し合いが進んでおるように、比較しますると考えられるわけでありますが、強制収用はしないというのはほかの方にもありましたが、ただこれは接収するための調査ではなくて、具体的に飛行場として適地か不適地かという前提調査をしなければならないから、そういう軽い意味の調査であるというふうに聞き取ったのでございますが、立ち入り調査をされるということが、収用をされる心配はない、ただ調達庁の言うように、これは単に調査であるというふうに一般の市民の方は了解されておるのでございましょうか。

浜名儀三木更津市長

○参考人(浜名儀三君) 一般市民が一人一人了解しているかどうか、その点は調査いたしませんので……、しかし私の見聞きしておる範囲におきましてはこの点を信じております。というのは、衆議院の先ほど申しました六月三日の内閣委員会におきます質疑応答の速記録を五十部とりまして要所々々へ全部配っております。かような関係でありますから、四百人中三百九十九人同意して、その中である一人が同意しないというような場合のほかは絶対にしない、こういうことを信じておるわけであります。従いましてそこに不安があるかどうかは、これは感じの問題でございますが、万一政府がさようなことに反する行為がある、よって生ずる責任はすべて政府にある、昨日も、きょうから立ち入り調査さしてくれということでございましたが、その点再確認いたしまして、正直者にばかを見させるようなことがあったら正直者も黙っておられなくなる、それは政府で責任を持っていただかなければならぬということを強調いたしておきます。

新谷寅三郎緑風会

○委員長(新谷寅三郎君) 御要求の内閣官房長官及び西田国務大臣の都合を聞きましたところ、内閣官房長官はただいま衆議院の議院運営委員会に出席中だそうでありまして、約二十分ほどすれば出席できるだろうということでありますが、出席があれば参考人に対する御質疑をしばらく中止しましても官房長官に対する御質疑をいただきたいと思います。それから西田国務大臣は本日衆議院の予算委員会に出席を求められておる、大体これが四時ごろまでかかるだろう、その後に衆議院の本会議に出席することになっておるそうであります。ただいまさらに衆議院の本会議が終ったらこちらの方に出席するようにという出席要求をしてございますが、その時間は未定でございます。御了承願います。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 ちょっと関連して。木更津市長さんに伺いますが、調査の立ち入りは第一案、第二案とも立ち入って調査するということに了承を得て入りつつあるというのでございますか。

浜名儀三木更津市長

○参考人(浜名儀三君) お答えいたします。昨日調査をさせてくれと申し入れて参りました部分は第一案に属するものでございます。第二案につきましてもごく近き将来にそういう申し入れになることと存じてはおります。これにつきましてはまだ具体的に申し入れはございません。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 第一案、第二案という考え方はほかの所にもあるわけでありますが、第一案、第二案というのをどういう工合に理解せられておりますのか、たとえば隣りにすわっておられる立川の例等では、米軍の要望は第一案。第二案は、これは調達庁が第一案が反対が強い、あるいは犠牲が多いということで、第二案を調達庁で考えた。それはまだ米軍とは打ち合せてないので、第二案というものを考えているというのが今までの実績のようであります。第一案について調査をする、そうするとこれは収用の前提ではないとこう申しますけれども、法的の根拠はこれは土地収用法である、そうすると第一案について調査ができない、そうするとあと告示をするかどうかということが残っておる、木更津との間にそういろ認定なり何なりにする案ではない、そのためのものではない、こういうまあ言明があっておるということでございますが、これはまあ収用との関係は、今一案、二案というものをどういう工合に木更津の方で考えておられるのか、その点を、理解しておられるところをそのまま率直にお述べ願いたい。

浜名儀三木更津市長

○参考人(浜名儀三君) お答えいたします。第一案はいずれの場合でもそうでございますが、調達庁が当初出された考え方でございます。木更津の場合第二案は千葉県知事案でございます。第一案によりましてはとうてい先ほど私が申し述べましたような事情で千葉県といたしましても絶対承服できないという立場で強調せられ、万一実施した場合の被害も調査せられたようであります。さような関係から第二案は被害を最小限度にするというような考え方から第二案を知事案として提案せられた。で、それをどう考えるかという実施の見通しでございますが、この点につきましては先ほども申した通りはっきりした見通しは持っておりません。ただし第二案にも米軍としても真剣に検討するというような態度を持っておるということを承わっております。従って第二案もすみやかに第一案と同様に調査を完了してほしいという意向があるというように承わっております。いずれが実施せられるかという面に対する考え方は正確には申し上げられません。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 もう一つ重ねてお伺いいたしますが、この図面を拝見いたしますと、第二案も木更津港にかかっております。それから久津間、あるいは江川の漁場にもかかっておるわけであります。それは第一案よりも長い、短かいの点もございますから、比較をすればこれは少いかもしれませんが、木更津港がこれで使えるのか、あるいは第一案について言われますような江川あるいは久津間の漁場との関係は影響がないのかと、こういうことを私図面だけ拝見すると心配をしてお話を承わるわけでありますが、そういう点はどういう工合に考えておられまするか、あわせて承わりたい。

浜名儀三木更津市長

○参考人(浜名儀三君) 仰せのごとく第二案が被害がない案だと申し上げるのではありません。第二案も非常な被害がございます。特に港の問題になりますと、図面で示すように第一案よりももっと大きな危険をはらんでおります。さような関係で第二案ならよろしいというような考え方ではございません。

加瀬完日本社会党(第四控室・左)

○加瀬完君 木更津の市長さんに伺いたいのでありますが、結局御趣旨は、一案でも二案でもこれは反対なんだ……。

浜名儀三木更津市長

○参考人(浜名儀三君) さようでございます。

加瀬完日本社会党(第四控室・左)

○加瀬完君 もちろん根本の原則は少しもゆるんでおらないのでございますが、それならば県のかりにあっせんがあったといたしましても、第二案というものの想定を一応地図の上でも認めるというふうなことは、かえって何か、この第一案ならば承服できないが、第二案ならば歩み寄れるというような印象を与えやすいような形に見られるのではないかと思う。こういう点についてこの第二案というものをも含めて立ち入り調査をさせるというような御経過は、ほかの方と比べますと幾らか違っておるようでありますが、もう少し事情をお話しいただきたい。

浜名儀三木更津市長

○参考人(浜名儀三君) 第二案なら認めるというふうな、これはさようにややともすれば解される危険があるというお話でございまして、御指摘の通りでございますが、結局地元、主として今沿岸での漁業関係者でございますが、先ほど申しましたように、まあ正直でございますから、一案、二案いずれに対しても反対だ、従いまして立ち入り調査の同意書にも、本同意は基地拡張を前提としないと明記いたしまして、同意書をそれぞれ作成したわけでございます。立ち入りと調査と土地の提供とは全然別個に切り離した考え方に立っておるので、一案、二案というような考え方でなく同意をいたした、かようなふうに御了解いただきたいと思います。

加瀬完日本社会党(第四控室・左)

○加瀬完君 もう一度伺いますが、調達庁の長官は、全般的な基地の拡張問題の対象の地域に対して、むしろ面会を拒否するような態度である、その点はよく御説明でわかったのでありますが、そういたしますと、長官はそうでありますが、ほかの調達庁の各機関、あるいは政府の各機関において、調達庁の長官の言葉をかりれば、これは国土防衛の上に必要で、あなた方がそれを認めないならばこれは平行線であるというような、あなた方の御主張の、結局生活防衛と申しましょうか、生活権を守るというその衷情というものを、どういうふうに親身になって政府側が聞きとってくれたか、こういう点もし皆さんの、砂川町なら砂川町の問題におきまして、あるいは新潟なら新潟の問題におきまして、学校の問題あるいは農地の問題、その他産業構造の全般にわたりましていろいろの地元の生活要求と言いましょうか、生活権を守る上からの要望というものを政府側がどう聞いてくれたか、この点についてはなはだ御不満がある地区がございましたら承わりたいと思います。

田浦順二前新潟県農業委員

○参考人(田浦順二君) いかんながら長官からは誠意ある言葉は全然聞かれませんでございました。新潟の場合は県庁の知事の面会室でお会いいたしましたのですが、ただ時間がないからまあごめんこうむる、こういう急がれた一言でございました。そこで私どもの経済的な要求、私どもは、たとえばこういうことも考えておったわけでございます。新潟市は裏日本でも唯一の港でございますので、従って大陸の貿易というものを考えてみた場合、当然新潟市の発展からいえば、この飛行場という問題は非常に重大な問題になるわけでございます。具体的な例を申しますると、昭和十九年には新潟の港へ出入りする入り船の総トン数が二百七十万トンにも上っておったのが、二十一年になりましてわずか七十万トン、今日ようやく百七十万トンに総トン数はなっておるわけであります。従いまして新潟の発展はそれ以外にないわけであります。しかもこの飛行場基地の周辺の都市計画地域で、従来の工場地帯、住宅地帯を考えるならば、これはとても保証される段階ではないと、こう考えておりましたし、また長官も農民個人の利益という問題に対しても何ら誠意ある答弁はなされておらなかったのであります。ただそういう問題に対してわれわれは今後解決のために努力するのだというばく然たる話で、今日は時間がないから帰りますと言って急遽逃げるがごとくに帰った状態でございます。

舟橋久男農業

○参考人(舟橋久男君) 先ほど申し上げました、私どもが十二名ほどそろって福島長官にお目にかかりましたときには、今申しましたように大山川の件が技術的に困難で不可能のときにはこれを取り下げる。ただしその前にこの川をつけかえるというお言葉がございましたが、つけかえたのではあまりに経費がかかり、さらには犠牲が多くなり過ぎるということを強調いたしましたところ、経費が多くなり過ぎるならば、これも一定の予算の限度があるから取りやめることになるでしょう、それにもう一つどうか私どもの地元の犠牲が多過ぎるということを取りやめの条件の中に加えていただきたいということを繰り返し申し上げたのです。これは私が申し上げました。しかしながらそれに対しましては、福島長官は全然御答弁がなかったのであります。犠牲というようなことについてのこれっぽっちの御答弁もございませんでした。この点をはっきりこの機会に申し上げさしていただきます。

新谷寅三郎緑風会

○委員長(新谷寅三郎君) ただいま根本官房長官が出席されましたので、根本官房長官に対する質疑をこの際願いたいと思います。

加瀬完日本社会党(第四控室・左)

○加瀬完君 官房長官がいらっしゃいましたので伺いたいのでありますが、今飛行場拡張問題の対象になっております地区の木更津、小牧、新潟、伊丹、板付の各参考人の方から来ていただきましていろいろ御意見を承わったのであります。そこでわれわれが政府に対しまして、どうもはなはだけしからぬじゃないかと文句をつけたい一つの点は、今も現地の方御説明の途中であったわけでありますが、お前たちの意見と政府側の意見とは平行線だから話してもだめじゃないかといろ態度で地元の要望なり、あるいは調達庁の長官あたりに面会をして地元の意見なりを十二分に聞くということはほとんどなされておらない、こういう点がるる述べられたわけでありまするが、この点長官はどうお考えになりますか、やはり現地の方が考えておられる政府の、すなわち国防は必要なんだ、お前たちがそうでないと言うのなら、平行線で話にならぬ、だから政府は政府の必要なものだけは取り上げると、こういう態度で臨まれるのか。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○政府委員(根本龍太郎君) 私調達庁関係の責任者でございませんので、詳細については私存じておりません。ただ各地から陳情に参りました際私が総理にかわって会いますので、そうした陳情者の方々のお気持なり陳情の要旨は承知しております。  ただいま御質問になりました平行線であるから全然話し合いをする必要はないというような態度をもってやるべきだというような考えは政府は持っておらないのであります。

加瀬完日本社会党(第四控室・左)

○加瀬完君 調達庁関係は全体をわれわれが……これは地元の方々からの御証言がそうあったというわけではありませんが、われわれが聞いておりましての受ける感じは、強制収用などということはしないのだ、だから立ち入り調査だけはやらせろ、こういう態度で臨んでおられるわけであります。しかしながら何のための立ち入り調査であるかということであれば、飛行場に収用するための立ち入り調査であるということは自明の理であります。しかし今内閣としての御態度が長官のおっしゃる通りでありまして、十分地元の意向も聞くということであれば、地元の意向も聞いて、これは相当無理である、こういうことであるならば、この飛行場の接収ということに対しては考慮をするというようなこと、特に地元が大多数の反対で、たとえば市町村長、あるいは市町村議会も、県知事も、県議会も、その他の大部分のものがもう生活権のためにはどうしてもこれ以上の拡張はまかりならぬ、それどころか飛行場そのものももう適当に撤収してもらわなければ、市民生活が成り立たないのだ、こういう強い飛行場拡張に対する反対の意見というものが一本にまとまっておるというときには、そういうときには絶対に飛行場の拡張はやらないのか、少くとも強制収用というようなことはしないのか、その点政府の御態度をお伺いいたします。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○政府委員(根本龍太郎君) その御質問は、私に対して……政府が確言をもってどうこうしたということでございませんので、個々の案件について、これは御承知のように、日米安全保障条約に基く条約上の義務として、日本の防衛のために必要なる施設の提供を要請された場合に、これに対して日本の政府はでき得るだけ協力して、その円満なる実現をはかる、これは国際信義にもかかわる問題だと思っております。しかし個々の問題につきましては、調達庁が担当しておりますので、個々の具体的事実について、私は今詳しく承知しておりません、しかし全般論から申しまして、これは国家全体として必要であるから、そういう協力態勢をとるのは当然でございまするが、しかし現実に、そのために土地、財産、その他に非常な迷惑をこうむる地元民の気持も、これは十分にそんたくされなければならぬものだと思います。そこでその間を国家的立場においてお話し合いをし、また現実に困っておる方に対する補償の措置とか、そういう点について円満に話し合いをして解決をはかりたいというのが政府の念願であることには変りはないのであります。

加瀬完日本社会党(第四控室・左)

○加瀬完君 この円満に話し合いをつけたい、今問題は円満に話し合いがみんなついていないから問題になっておる。円満に話がついていないときに国家の必要だとか、国家的立場だとか、こういうふうに、政府の言う国家の必要や、国家的立場で、国民の側から考える必要といいますか、国家的な立場でものを考えない国民は一人もいない。しかしながら生活権がこういうふうに壊滅されて失業群として流れ出して、しかも将来の生活の安定を失う、こういうことになりましては、いかに国家的立場というように考えましても、国家的立場ということを考えれば考えるだけ、またこういう強制的な収用というものを何とか国家的に考えてもらいたい、政府の立場で保護してもらいたいのは国民の当然の要求だ。そういうことで当然問題になっておることだ。長官のおっしゃるように、行政協定もできておりまするし、安保条約もあなた方が認めておりますから、協力しなければならない、しかしその協力というのは、国民が犠牲になっても、国民を犠牲にしても協力しなければならない義務というものではない。少くとも行政協定におきましては、日本の立場というものも十分話し合える形式的には機関が設けられている。今までの折衝の過程を見てみると、国民の側の立場というものは、権利というものはさっぱり考えられないで、一方的にただ政府のアメリカに対する協力という形で、国民を犠牲にするというような方向がとられている。こういう点について、そうであるのかそうでないのか、政府の態度を聞きたいのであります。長官は自分の管轄じゃないといいますけれども、調達庁の長官がどうこうできる問題ではなくて、飛行場の接収なり拡張なりというものは、これは少くも日本とアメリカとの協定によって、こういう問題が起ってきたのであります。これは一調達庁の問題ではなくて政府の問題である。これは当然なことであります。ですから閣議に上らないこともなければ、官房長官がその根本的な方針について知らないということもあり得ないことなんであります。ほんとうに政府の腹というものは、一体どうなんでありますか、それをはっきりと承わりたい。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○政府委員(根本龍太郎君) 私が先ほど申し上げましたのは、ただいま各地の地元の代表の方々の御陳述に関連しての御質問でございましたので、さように申し上げました。根本的な態度といたしましては、やはり政府としましては日米安全保障条約、これに基いて行われている飛行場の拡張については、日本側としてみても、これは最小限度これだけの要求には、応じなければならぬというふうになっております問題については、ぜひとも国民の理解の上に実現いたしたい。こういう考え方でございます。

加瀬完日本社会党(第四控室・左)

○加瀬完君 安保条約に基いて、行政協定によって立川以下六つの飛行場の拡張というものは、政府は約束をしてあるのですか、この点を。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○政府委員(根本龍太郎君) 要求を受けている事実ではあるようであります。これは私が向う側と折衝したのではありませんので、個々の問題については存じませんが、飛行場の拡張が要求せられて、そうして現実に調査を進められているということは、その地区について要請があるという事実に基いて、調査をしているということでございます。

加瀬完日本社会党(第四控室・左)

○加瀬完君 その要求は変更もしくは中止をできる幅を持った要求なんでございますが、それともこの六つの飛行場というのは、もう有無を言わせず拡張せざるを得ないところの、俗な言葉で言えば命令的な要求なんでありますか、もう一回申しますと、中止ができるのか、変更ができるのか、そういう幅を持っているのか、この点を伺いたい。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○政府委員(根本龍太郎君) その問題については、私直接担当しておりませんので、事重大でありますから、これは担当の閣僚から一つお確かめのほどを願います。

田畑金光日本社会党(第二控室・右)

○田畑金光君 まず第一にお尋ねしたいことは、最近飛行場の拡張、あるいは基地の新設、拡張について、近来において世論がこれを反対するという空気が出ているわけであります。今の国際的な情勢から見ましても、またアジアの動きから見ましても、われわれとしては平和の方向に進みつつあるという今日の事態において、ことに日本だけが非常に最近基地の拡張をめぐり、あるいは血の雨を降らすかもしれない、こういう情勢を見ますと、まことに情なく考えるわけであります。これは要するにわれわれの見るところ、現内閣が防衛分担金削減交渉のかけ引きとして、飛行場の拡張、基地の拡張の約束をなされたその結果が、こういうふうに各地における基地拡張反対運動の、国民的な動きになってきたように私は感ずるおけでありますが、その点に関しまして、一体政府はどのように観察しておられるか、これを最初に承わっておきたいと思います。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○政府委員(根本龍太郎君) 飛行場の拡張については相当大きな要求があったということを聞いております。しかし現在たくさんの基地があるそうでありまするが、そのうち特にぜひとも御指摘になったような地区については、日米両国の安全保障のために必要であるという意味において強く要請されておるものと解釈いたします。これにつきましては、日本側としても条約に基いて協力してその実現をはかりたい、こういう考えをもって国民の御協力をお願いしておる、こういう段階だと思います。

田畑金光日本社会党(第二控室・右)

○田畑金光君 日米安保条約並びに日米行政協定によって基地施設を提供する、あるいは日米の共同取りきめによって日本が提供しなければならぬ義務を負うておることは私もよく承知いたしております。ただ私の問わんとすることは、最近の一般的な情勢からいって、こういう紛争というものはむしろ下火になり、なくなって行くのが私は国際的な、国内的な情勢でなければならぬと判断するわけであります。にもかかわらず、最近こういう問題が非常に激しく全国各地で巻き起ってきているということは、今の民主党内閣がこの間の予算の防衛分担金削減に伴う基地拡張の取りきめのためだと、私はこう考えるわけであります。ただいまの答弁を承わりましても、相当に飛行場拡張については向うから要求がある、こういうようなお話でありまするが、それは皆さんの政府が約束されたことであります。私はその問題に関しまして、一体今の政府はこういう国民的な世論の動きに対してどう判断されておるのか、あるいはアメリカの要求に対しましては、こういう国民の世論というものもあくまでも力によって押えて、今取り上げられておる飛行場の拡張を中心として日米安保条約、行政協定による義務のためだからやって行こうとする方針であるのか、あくまでも政府は独自の判断で国民の世論に耳を傾けて拒否するなら拒否する、これだけの気魄を持って今後行こうとする決意であるのか、この点を伺っておきます。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○政府委員(根本龍太郎君) 基地拡張の問題は、この内閣になってから起きた問題じゃなく、従前から続いておる問題であることは御承知の通りであります。先般の防衛分担金の削減の問題について、交換条件としてこれを引き受けたということではないと私は了解しております。なお政府といたしましては、先ほども繰返し申し上げましたごとくに、安保条約並びに行政協定に基いて日本の防衛体制を確立するために、最小限度必要なるものについては当然協力しなければならないと考えておるわけであります。なおこの拡張のためにいろいろ反対もございまするけれども、その点は、政府といたしましては国民の御理解のもとにこれを円満に遂行したい、こういうふうな考えを持っておるわけであります。

田畑金光日本社会党(第二控室・右)

○田畑金光君 日米安保条約、行政協定によって基地を拡張する義務を負うておる。そこで負うておる義務の限界を私はお尋ねしたいわけでありますが、それは国民の生活権を奪ってもいいのかどうか、生活権をあくまでも保障する、国民の生活権というものと基地拡張権というものとは調整するという余地があるのかどうか、この点をどう考えておられるか、この点を先ず一つ承わっておきたいと思います。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○政府委員(根本龍太郎君) もとより政府といたしましては、条約に基く義務を遂行するという責任と同時に、国民の幸福を保障するということも国家的使命だと思います。従いまして、あるいは補償の問題、あるいは移転等について十分に施策を講じ、納得をしていただいてこの問題を解決したいというのが、政府の根本的態度と申し上げることができると思います。

田畑金光日本社会党(第二控室・右)

○田畑金光君 もしかりに、基地の拡張によって国民の多くの人方の生活権が奪われる、あるいはその土地の繁栄が完全にここで閉ざされる、あるいは土地の繁栄というものが全く失われる、こういう地域社会の地域住民の福祉というものが重大な危機に瀕するような場面にぶつかった場合には、政府はそういう基地拡張については、これを拒否するというだけの自主性を考えておるかどうか、この点を承わっておきます。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○政府委員(根本龍太郎君) 今問題になっているのは一部拡張でございまして、従いまして、従来の飛行機の機種がプロペラ式だったのがジェット機になったために非常に障害を起したり、あるいは墜落したり、その方面に非常な危険も負わさしておるし、また現在日本における自衛隊も、われわれといたしましては国防をみずからの手によって全うすべきである、こういうような考えからいたしますれば、これはいずれ米軍の撤退ののちといえども、やはり日本の国として自衛隊においても使わなければならない。こういう観点からして、やはりこれは整備は必要なものと考えておるわけでございます。なおしかしながら、その国家目的を達成するために関係住民の方に全くの犠牲を押しつけて顧みないということは、とうてい考えられないことでございまして、そのためにあるいは補償の問題、移転等、いろいろのこれは総合的な施策も必要と考えておる次第でございます。

田畑金光日本社会党(第二控室・右)

○田畑金光君 御答弁を承わっておりますと、私の問わんとすることに答えていないんです。あなたのお話を聞いておると、日米行政協定だの、日米共同防衛だの、あるいはまた駐留軍撤退後の自衛隊の存続の問題等のみに重点が置かれてお話をなさっておられまするが、私はその点を問うのではなくして、今そのような政府の政策のもとに地域の住民が生活権を抹殺されるかもしれぬ、土地の繁栄が全く失われるかもしれぬ、こういう事態が今回の飛行場の基地拡張の問題に伴うて出ておるというこのことであります。御承知のように、つい近くの立川基地の基地拡張に伴い、砂川町は完全に分断されるという情勢にあるということ、あるいはまたこの間国会でも問題となりました福岡の市のどまん中に高射砲陣地を設置する。先ほどの参考人の話によりますると、この点については、政府は福岡の高射砲陣地については要求があってもこれは断じていれない、こういう強い意思表示がなされたそうでありまするが、この点については改めてこの機会に政府の見解を承わりまするが、そのように福岡市のまん中に高射砲陣地を設置するというようなむちゃな要求が来ておる。砂川町は現にこの十六日には強制立入をするかもしれぬ、警察官を案内人に持って強制立入するかもしれぬ、こういう事態が現に発生しておるわけであります。あるいは伊丹の飛行場を見ましてもそうだし、あるいは宝塚の飛行場を見ても土地のまん中にこれが拡張されて、都市計画も、あるいは文化施設も、土地住民の生活も根本的に脅かされているんじゃないか、このことを私はあなたが何と考えるかということをお尋ねしておるんです。福岡のように高射砲陣地の設置を要求してきたが、これを拒否した。こういう気持をもって政府としては拒否すべき点は拒否する、国民の世論にこたえてそれだけの勇気をもってやるならやる、その御方針があるかどうか、この点を私は承わっておるわけであります。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○政府委員(根本龍太郎君) 現在調査いたそうとし、またいたしておるのは、アメリカ側の要求に基いて、いかにせば最小限度の犠牲においてその目的が達成するかということの私は目的ではなかろうかと存じます。従いまして、現在調達庁においても、あるいは  一案、二案を持ったりするのも、そこに問題が、根拠があるのではないか、こう考えるのであります。現在おそらく各地におきましても、ジェット戦闘機が飛んで非常な爆音を受けるわけでありますから、快適ならざること、また非常に迷惑だということは事実でございますが、しかし一方においてこれを全廃するということも、これはとうてい考えられないのであります。そこであらゆる施設、あらゆる方策を講じて、最小限度において両者の目的を調整する、これが私は政府としてとるべき態度ではなかろうかと考えておるわけでございます。今御指摘の、どうしてもできない場合はどうするかということでありまするが、今それについてどうしてもできないという事態そのものも、政府はまだ的確に資料を得ていないわけでございまして、われわれとしては十分に政府の立場を説明して、了解のもとに円満に解決したいというのが現在の政府の心境であるということを申し上げるよりほかない段階でございます。

田畑金光日本社会党(第二控室・右)

○田畑金光君 時間をとりますからこの辺で終りますが、御答弁を承わっておりますと、快適ならざるなんという、快適という言葉で御答弁されることはちょっと失礼かと思いますが、こういう深刻な問題に対しまして、快適であるかないか、快適でないから反対するというなまやさしい問題ではなかろうと考えております。この点もう少し一つ認識を深くしていただきたいと考えるわけであります。お話しによりますると、政府としては、どうしてもこれは拡張しなければならぬという前提に立って話をなされておりますが、私は全廃しろということを申し上げているわけではありません。少くとも現在の基地からさらに拡大しよう、しかもそれが市の死命にかかわる、地域住民の生活権を全く奪ってしまう、ことほどさような拡張を今やらなければならぬどこに国際的、国内的条件があるかということを、私は先ほど来お尋ねしているわけなんです。それに対する答弁は何もない。答弁なし得ないと思っております。しかし皆さん方の内閣が立派に約束してあるから、何ともこれは動きがとれない、こういうことだろうと思うわけであります。ただ考えていただかなければならぬことは、日米行政協定の第二条を見ますると、なるほど「日本国は、合衆国に対し、安全保障条約第一条に掲げる目的の遂行に必要な施設及び区域の使用を許すことに同意する。」、なるほど書いてあります。しかし第三項を見ますると、「合衆国軍隊が使用する施設及び区域は、この協定の目的のため必要でなくなったときは、いつまでも、日本国に返還しなければならない。」、第四項によりますると、「合衆国軍隊が射撃場及び演習場のような施設及び区域を一時的に使用していないときは、日本国の当局及び国民は、それを臨時に使用することができる。あるいは第三条の第二項を見ますると、合衆国は、たとえば「陸上交通を不必要に妨げるような方法によっては行使しないことに同意する。」、とにかくこの取りきめは、少くともこれは必要最小限度の施設や区域の提供であろうと考えるわけであります。しかし今問題になっておるのは、国民の生活権を脅かすかもしれぬ、脅かすという危険性があるわけであります。今政府は、たとえばこの十六日に砂川町に強制立ち入りをおやりになるようでありまするが、土地収用法を見ましても、収用法には明確に「公共の利益の増進と私有財産との調整を図り、もって国土の適正且つ合理的な利用に寄与する」、これは一体公共の利益の増進のために今飛行場拡張をなさるのかどうか、大きな疑問があります。とにかく公共の利益のためだと政府はおっしゃるが、それをかりに認めたといたしましても、私有財産との調整をはかるというのが土地収用法の目的であるはずであります。こういう行政協定を見ましても、土地収用法の精神を見ましても、今問題になっておる地域における飛行場拡張の問題というのは、これは重大な問題だと考えられるのでありますが、もう少し私としては、政府としてはこの国民の実情に耳を傾けて、拒否すべきは拒否する、認めるべきは認める、少くとも国民の生活権は守ってやる、この気魄がなければならぬと、こう思うのでありますが、あらためてもう一度官房長官の考え方を承わっておきたいと思います。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○政府委員(根本龍太郎君) 国民の生活を保護するということは、国家の重大なる使命でございます。従いまして、先ほどから繰り返し申し上げました通り、国家目的のためにそういう土地を収用しなければならないという場合においても、十分な御理解と、さらにまたそういう人々の将来の生活等について、保障等の十分な措置を講じてなすべきものと、こう考えておる次第でございます。なお先ほどからいろいろ御追及になりましたが、どうしても現実に拡張ができないというような事態になったと判断されるときには、これは日米両方においてその事実を認識し、そうしてそのもとにこれは話し合いが進むものと思いまするから、今政府として、この飛行場については反対する何とかということについては、まだそういう意見はございません。

堀眞琴無所属クラブ

○堀眞琴君 先ほど来官房長官のお話しを伺っておりますと、非常に答弁が努めて核心を避けようとするような答弁をされているわけです。たとえば土地所有権等については十分これを調整する、最小限度の犠牲において飛行場を拡張しようとする、そのためにたとえば補償等の問題についても考えているというような御答弁なんです。ところがたとえば新潟の基地の拡張、立川の場合も何様でありますが、その他の飛行場の拡張について見ましても、今度の拡張が第二回目の拡張ではなくて、四度目の拡張であり、あるいはさらにそれ以上の拡張という場合が出てくるわけです。ところが第一回、第二回、第三回と拡張されながら、それに対する補償もほとんど行われていないというような状態になっておる。あなたはできるだけ補償等によって犠牲を少くする、生活が立ち行くようにするのだ、こういうお話しなんですが、その点は少しも解決されておらぬ。口ではうまいことを申しましても、実際に農民の生活は、その土地を接収されたがために農業を経営することができない、補償がもらえないということで、非常に苦境に陥っているというのが現状であります。そこへ持ってきて今度の拡張であります。従って農民たちが今度の拡張に反対けるのは私は当然だと思う。で、政府ではそういう点どのように考えておられるのか、お答えを願いたいと思います。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○政府委員(根本龍太郎君) 個々のケースについては、私直接担当していないからよく存じませんが、先ほど私が繰り返し申し上げた通りに、これは日米安全保障条約、行政協定に基く要求については、政府はそれについて国際上の義務を負うているわけでありまするから、しかしながら、一面におきましては、でき得るだけ国民の犠牲を少くし、しかも国民の納得の上にこの問題を解決したいというのが政府の根本的態度であるということは、先ほど来繰り返し申し上げた通りでございまして、それ以上の他の具体的な内容については、私直接担当いたしておりませんので、新潟県において何回拡張し、それがどういうふうになっているかについては、担当の方面からお聞き取り願いたいと思います。

堀眞琴無所属クラブ

○堀眞琴君 担当方面から聞けというお話ですが、あなたは官房長官でしょう。おそらく今度の土地の接収についても、その収用についても決定している事項だと思います。そうしてそれに対する補償等の問題も、おそらくは閣議の席上において決定している問題だと思う。ところが実際問題として、新潟とか、立川とかいう例をあげるまでもなく、そのほかの場所についても、第二次、第三次と何回も拡張されておりますが、それに対する補償が必ずしも十分ではない、あるいは全然来ておらぬ。そこへまた今度拡張である、こういうことになっているわけです。あなたは官房長官としての立場においてこの問題をどのように考えられるか。閣議の席上でおそらくは決定されているだろうと思いますが、それについて私はお尋ねしたいと思います。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○政府委員(根本龍太郎君) 閣議の問題が出ましたが、閣議でどこそこをどれだけ拡張するとか、何とかということは決定いたしておりません。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 今、閣議では決定しておりません、それから先ほど立川その他防衛分担金の削減交渉に関連して飛行場の拡張問題が起ったのではない、こういう答弁です。それから先ほどの答弁の中に、どこそこをどういう工合に拡張して行くということはさまっているわけでない、こういう意味の御発言がありましたが、そこで今やっておるのは調達庁でたくさんの要求があったが、そのうちから数個地点を選んで拡張するかどうか、拡張の要求に対して、政府として案をきめるために拡張の具体的な決定をみない前に調査をしている、こういう御発言であったかのようでございますが、その点をもう少し明確に御答弁を願っておきたいと思います。そうしますと、どこを拡張する、あるいは土地を接収するといったようなことはもちろん考えておるわけではない。従って心配されておるような、言われておるような立川、木更津、小牧、新潟、伊丹等、拡張の具体的な計画というものは政府としてはまだきまっておるわけではない、かように了承していいと思うのでありますが、その点を一つ御答弁を願いたい。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○政府委員(根本龍太郎君) 先ほどから申し上げましたように、アメリカからの要求があっておることは事実です。これについてはこういう要求がある、従ってこれに対応して措置すべきであるというような意味における閣議の了解はございます。しかしながら、どの飛行場をいつまでにどういうふうに拡張するというようなことは閣議は決定していない、こういう意味のことでございます。従いまして、現在調達庁でいろいろ調査をしておるものを、どの程度まで拡張しなければ、アメリカ側の要求をそれで満たすことができるかどうか、そういう点をも含んで調査しようということと存じます。詳細の具体的な問題については、私がこれを担当しておりませんので、事重大でございますから、その点は担当のあるいは調達庁長官なり、あるいはまた担当の西田大臣からお聞き取りを願いたいと存じますが、政府全体の基本方針としてのお尋ねについては、私が繰り返してお答えしただけでございます。具体的な個々の問題、これについては私は十分に承知いたしておりませんので、責任ある答弁はいたしかねるのでございます。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 そういたしますと、閣議の点では、個所があげられたのですか、あげられないのですか。一応閣議に報告をされたというか、了承をされたというか、その辺も明らかでございませんでしたが、一応話はあった、しかし個所をあげてどことどことをどういう工合に拡張をする、こういう点については、これは政府としては決定はしておらぬ、あるいは了承もしておらぬ、こういうように聞こえるのでありますが、さようであるかどうか、重ねて御答弁を願います。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○政府委員(根本龍太郎君) 先ほど私が申した通りでございまして、閣議で飛行場提供の要求があり、それには原則として日米安全保障条約その他の条項に従って、これは協力しなければならないという意味の閣議了解はいたしております。個々の問題については今閣議では決定いたしていない。

木下源吾日本社会党(第四控室・左)

○木下源吾君 ちょっとそれではお尋ねするが、今話を聞いておると、政府としては全体として知っておるかのごとく、知らざるがごとく、しかしこの問題の起きたのは、この間予算が通った、これが根本だと思う。この予算を組んで、そうしてジェット三機の三カ年計画というものを立てて、この飛行場を拡張するということは政府が計画の中に入れて、そうしてやっておるわけです。それでわれわれはこういう反対がほうはいとして起ることはわかっておるから、あの予算に反対した。ところが政府はこんなことはたやすくできるかのごとき態度で国会を通過さしちゃった、この予算委員会あたりでみんなやっちゃった。私の聞こうとすることはこういうことなんです。すでにこの予算を編成してここへ出す以上は、これこれの問題が起きることは予想されておる。その予想されておるものに対して政府が承認を与えて、だれがやるかは知りませんけれども、そうして予算が通過しちゃってから、まだそれがきまっておらぬとか、きまっておるとか、無責任きわまると思うのだな。私はあなた方があの予算を提出して、これが通過せざる事前において、この問題に対してどれほどの用意をなさったか、これを一つお聞きしたいと思うのであります。次に御答弁によってまたお尋ねします。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○政府委員(根本龍太郎君) 政府といたしまして飛行場の拡張に関する要求がございますので、これは私担当しておりませんから、よくはわかりませんが、大体予算に要求した程度のことはどうしても必要であろうということで、これは関係当局から予算が提出されておる、それが計上された、こう考えておるのであります。その予算の根拠については私よく承知しておりませんので、調達庁長官から、できましたらそちらの方から御答弁を願います。

木下源吾日本社会党(第四控室・左)

○木下源吾君 それはあとで聞きます。長官忙しいようだから……。日米安全保障条約、いわゆる日米軍事同盟だ、これと行政協定に基いて義務を負っておると言うが、この義務は国内法の一切の手続、一切の問題は犠牲にしてもいい、こういうような先ほど来のお話です。ここに問題があるのですね。もし国内法の一切の手続を経て、そうしてあなたが言われるように民生を考えるのであるならば、現在起きておるような問題については最大の関心を払わなければならぬわけなんですね。先ほど来聞いておりますというと、何か一部分だけの問題ならば強制収用するとか、何とか言っておりますけれども、国内法においては、いやしくも私有財産というものは、その権利は尊重されなければならないし、その私有財産権を侵してまであなた方があの行政協定によって、日米安全保障条約から生まれた協定によって、そしてそこの合同委員会において、国民の権利を承諾のないものまでも提供するというようなことは、よもできないのだろうと思う。この点はどうか一つあなたがお話しになっておるように、簡単にアメリカとの協定がある、義務があるからして何でもかでもやらんならぬというように聞こえる。現にそういうふうになっておるのです。この点の見解を一つ承わっておきたいと思います。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○政府委員(根本龍太郎君) 政府は行政を行うに当りましては、条約とともに国内法を尊重することは当然でございます。従いまして、土地の収用等、そうしたことをやる場合においても、当然これは法律の条章に基いてやることでございまして、さらにその上に地元民の納得というようなことまで考えてやるべきものと考えておる次第であります。

木下源吾日本社会党(第四控室・左)

○木下源吾君 そうすると、日米の合同委員会には、土地の所有者が承諾を与えない場合においては、それは合同委員会にはかけないという御方針を持っておりますか、これを一つ伺いたい。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○政府委員(根本龍太郎君) どうもそのことになりますと、私は具体的に専門でありませんので、あるいはこれは合同委員会の外務省か、調達庁か、そちらの方から一つ……。

木下源吾日本社会党(第四控室・左)

○木下源吾君 これはさっきのあなたの御答弁は抽象的なんです。私は具体的に申し上げるのです。皆の国民の利益を守るということは当然でありますとおっしゃるから、国民の所有権というものがある、国民がその土地を提供するということに承諾を与えない場合に、その場合においては合同委員会にこの問題をかけないかということを聞いておるのです。これは基本的に私は問題だと思うのであります。これは官庁の専門だとか、何とか、そういう問題は要らぬと思うのだ。これは政府の見解として明らかに出しておいてもらいたい。

福島慎太郎調達庁長官

○政府委員(福島慎太郎君) 土地の提供を合同委員会で正式に決定いたします場合には、その所有者の合意があるか、あるいは収用等、その他の手続によってその提供の確保がしてあるか、いずれかがないと合同委員会の最終的な決定にはなりません。

木下源吾日本社会党(第四控室・左)

○木下源吾君 それではお伺いしますが、あの予算を政府が提案して、今度この拡張することを約束しておる、この限りにおいて、政府はもしも所有権を持った人が承諾を与えない場合には、ことごとく強制収用をしてアメリカに提供するという考えでおやりになったのかどうか、これを一つお伺いしておきます。

福島慎太郎調達庁長官

○政府委員(福島慎太郎君) 合同委員会の決定をもちまして、この五つの飛行場の提供がきまっておるわけではまだございませんので、合同委員会に対して、アメリカ側からこれらの飛行場の拡張方の要求が参っておりまして、それ以上にあったのでございますが、それをこの五つの飛行場につきまして、それについて、われわれとしてはアメリカ側に合同委員会において合意ができるかどうかという問題を目下調査中なのでございます。

木下源吾日本社会党(第四控室・左)

○木下源吾君 今の私の何とはちょっと違っている。私の言うのは、あなたが今言ったところの所有者の承諾を得られる、もう一つは強制収用をしてそれが使える場合、そういう場合を条件として日米合同委員会においてこれを決定するという御答弁である。そこで所有権を持っている人が承諾を与えるという場合は別といたしまして、もしそれが承諾を得られない場合は、強制収用をしてでもこれを提供するという心がまえであの予算を提案して、そうして通過をはかって今日になっているのか、この点を聞くわけです。

福島慎太郎調達庁長官

○政府委員(福島慎太郎君) その点は所有者の合意が得られません場合には、強制収用をいたしてその土地の確保をはかるということが、客観的にも社会的にも認められるかどうかというところにかかるわけでございまして、通常の場合、土地所有の関係者は多数に上りますので、大多数の人の承認を得たが、ごく一部の人の承認は得られないという例になりますれば、強制収用をいたしてでも、その土地の提供を貫徹するという手配になるわけでございます。それ以外の場合におきましては、たとえばその土地の犠牲に対する政府の代案というものが、客観的にも社会的にも認められる筋合いのものであれば収用の手続をとるということになります。だれが見てもその程度の補償、その程度の代案では収用委員会に持ち出すことはできないという程度のことでございますれば、収用法に訴えるということはできないということになるだろうと考えます。

木下源吾日本社会党(第四控室・左)

○木下源吾君 この重大な原則問題が今のようなあいまいな、客観情勢の認定をだれがやるのか、そうしてそういうようなことで、あやふやなことでこういう問題を遂行するということは私はあり得ないと思う。これは政府として私は答弁を承わっておきたい、政府から……。聞くところによれば、福岡のごときは反対があるから、何十万という反対があるからして、これはやらないのだ、こういうように言っておられる。これは客観情勢によってそう御判断なったんだろうと思うのだが、なおしかしこの住民の人たちは心配をしている。そこでどういう点を心配しているかというと、この客観情勢の認定が一体どこにあるかということに対して心配をしている。でありますから、私はこの席上においてこれをお伺いしておる、これは私は政府から明確に御答弁を願いたい。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○政府委員(根本龍太郎君) 強制収用をすべきかいなかの判定をお問いになっておるようでありまするが、これは政府が恣意的にきめることではなくて、そのために土地収用に関する土地収用委員会がありまして、これが客観的にこれはきめることでございます。

木下源吾日本社会党(第四控室・左)

○木下源吾君 それは収用委員会にかかったときの話で、それをやる根底を聞いているわけなんです。そういういいかげんなことで……、何十万という人が今心配しているのだから、今直ちにできなければ御相談の上に、私の質問は速記に載っていますから、これは書面の上ででも明確にしてもらわないと、これは国民が心配しているのですからいいかげんでは困る。警察権の発動並びに警察が故意にアメリカの義務を尊重するがごとき態度で、国民の利益を無視するがごとき行動を立川地区、砂川地区でやっているということに対して、まだ長官にお伺いしたいが、私ばかり持っている時間でありませんから、この程度にしておきますが、政府はもう少し真剣になって国民の利益を考えてもらわなければ困る。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 実は参考人の意見陳述が終って、質問の途中で官房長官こられたから、官房長官に政府を代表しての質問をしているので、官房長官に質問を集中して一つ進めたいと思うのであります。官房長官は、先ほど来アメリカの要請にこたえねばならない条約上の政府の義務がある、しかしながら、国民生活を守るのも政府の義務だ、そうして調査をやっているのが、拡張が、あるいは具体的に閣議できまっているわけではない、合同委員会できまっているわけではないということが官房長官からありました。国民の反対に会ってあるいは拡張ができなくなるかもしれない、なったらまたその時はその時で相談をする、こういうお話でございましたが、木下君からも尋ねておったところは、その根本的な態度と、先ほどの御答弁を私は念を押して尋ねるのでありますが、どこを拡張をするか、あるいは拡張の要請に応ずるかはきまっていない。あるいは拡張が事実しできないことになるかもしらぬ、そういう点で国民の生活をあくまで守るという政府の立場も最後までこれは失うわけではない、こういうことなんです。従って五つの飛行場なら五つの飛行場の拡張は、国民の生活を犠牲にするということで、その拡張をしないということに日本の政府としてはなるかもしらぬ、こういうことでありますのか、その点を伺いたい。それからあわせて伺いますが、私は新憲法のもとにおいては、いわゆる公共の利益、あるいは国家の利益というものは国民のためのものであると思う。国民の利益あるいは国民の生活の擁護というものが一番大きな公共の利益であると思うのでありますが、従ってアメリカの要望ならば、それは何でも聞かなければならぬということじゃなくて、日本の国民の利益あるいは問題のある場合には、土地所有者の利益というものも、いわゆる公共の利益あるいは国の利益ということを言われましたが、それと同じに政府としては守らなければならぬ、こういう根本的な態度に立たれるのかどうか。補償とか、移転とかいう問題は、これは収用なり何なりするときのあとの問題である。そうじゃなくて、私有権とその他の利益擁護というものを対等において政府としては考えなければならぬのだ、かように私は考えるのでありますが、これは具体的な問題ではなくて、原理的な問題として、そういう点について答弁もございましたけれども、念を押して重ねて答弁を承わっておきたいと思います。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○政府委員(根本龍太郎君) 現在日本は御承知のように、みずからの力をもって国の安全を保障する十分な力を持ってはおりません。そのために平和条約と関連しまして日米安全保障条約を締結しておるのであります。従って国が国民全体並びに領土を防衛する。これは一つの大きな公共の目的と信じておるのでございます。従いまして、土地収用法が適用される、いわゆる河川、道路、発電等、これも公共の目的と考えられるのでありまするが、収用という点については、やはり公共の福祉と私有権との調整は、これもまた性質は違いまするけれども、根本的には公共の目的に対する私有権との間の調整ということについては、これは飛行場においても同様と、こう考えておるわけであります。従いまして、政府としましては、国民の私有権を無視してやるということは毛頭考えていないということは先ほどお答えした通りでございます。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員外議員(荒木正三郎君) 先ほどの福島長官の御説明は、私は非常に重大な問題を含んでおると思います。福島長官の説明では、この基地拡張について、土地所有者が反対をしておっても、場合によっては土地収用法を適用して強制収用をする場合がある、こういう意味のことを言っておられるわけです。今日まで基地拡張についていろいろ問題がありましたけれども、私の承知しておるところでは、土地収用法を適用して基地拡張について強制収用をした例はないように思っておるわけなんです。そこでこの問題について政府の見解を明らかにしてもらいたいというふうに私は考えます。先ほど根本長官が繰り返し繰り返しおっしゃっている点は、地元民の理解を得て円満に解決をしてやっていきたい、これが政府の方針である、こういうことを繰り返し繰り返し説明しておられます。ところが土地収用法を適用して強制収用するということは、先ほどお話になった円満に解決をして行くという方針とは全くうらはらの考えであります。従って先ほど福島長官が言われたような方針を政府において確認しておるのかどうか、この機会に明らかにしてもらいたい。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○政府委員(根本龍太郎君) 私は先ほどから繰り返し申し上げましたのは根本の方針でございます。福島調達庁長官が言われましたのは、調査の結果、社会的通念から見ても、この程度の代案もしくは補償でやることが、より高き公共の立場において認められるものだというふうに相なった場合に、しかも多数の人々がこれに賛意を表しておるが、少数の人がなおこれに反対しておるという場合においては、これは基地拡張のみならず、御承知のように、ダムの開発とか、あるいは河川の改修等においても行われることでございますので、そういう意味においては強制収用ということも、これは個々のケースにおいてはあり得る、こういうふうに解釈いたします。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員外議員(荒木正三郎君) 私のお尋ねいたしておりますのは、基地拡張に関連をして強制収用をするのかどうか、そういう方針を政府でもきめておるのかどうかという点であります。ただいまの説明によると、政府は、場合によっては基地拡張について土地収用法を適用する、そういう考えをきめておるというふうに受け取れるのですが、これは非常に重大である。政府としても、いまだこの方針については今まで言明がなかった。また従来もそういうことはとられなかった、新たに今度の飛行場拡張の問題についてそういう方針をとる、こういうふうに言明せられておるのですか、どうですか。これは重要な問題である。明確に言ってもらいたい。ダムの問題について聞いておるのではありません。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○政府委員(根本龍太郎君) 私が申上げましたのは、根本原則として、政府の立場を関係国民に御理解の上に、円満に解決したいというのが根本方針であるということを申し上げておるのはその点であります。ただし調達庁長官から言われたごとくに、大部分の人がそこに理解されて協力されても、一部分の人の反対のために全体のそうした計画ができなくなるような場合において、土地収用法を適用することあるべしということについて発言なさったことについては、政府としてもそういう場合はやはり考えなければならぬじゃないか、こういう意味のことを私は申し上げた。一たん政府が候補地として認定した場合、初めから土地収用法で何でもかんでもがむしゃらにやるというのは決して基本方針ではございません。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員外議員(荒木正三郎君) この問題について、先般の本会議で成瀬君が質問をいたしました場合に、調達庁長官は、八割ぐらいが賛成をして、二割ぐらいが反対である、そういう場合には収用法を適用する場合もある、こういうふうに説明しておられる。そうすると、これは何ですか、この調達庁長官の言明、それから今、根本長官がお話しになった、大部分が賛成をしてごく少数の者が反対している場合には収用法を適用する場合がある、今、福島長官が割合を示してお話しになった点を肯定すると、こういう意味でありますか。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○政府委員(根本龍太郎君) 私はその何%とか、何とかいうことについては申し上げておるのではございませんのでありまして、これは土地収用法を適用する場合におけるいろいろの前例がございまして、そういうものによってこれが判断さるべきものと考えるのでございます。その意味におきまして、現実の個々の場合、たとえ人数は少くとも、問題の性質によっては土地収用法を適用するか、いなかについてもまたこれは考えなければならぬ場合もありましょう。その個々の問題について、これは土地収用法を適用すべきかいなかとの判断は、原則的には何%のときにはいい、何%のときには悪いというようなことを申し上げることは困難なのでございます。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 そうしますと、政府を代表して根本官房長官は、国民の納得が得られなければやめるかもしれない、こういう御意向ですか、国民の納得を得たいということは、これは全体についてもまた個々の飛行場拡張についてもでありますが、国民の納得が得られなければやめることもあると、こういう趣旨の御発言であったと思うのですが、その点を重ねてお答えを願いたい。もう一つ、今の収用法の問題については、大多数が反対である場合には土地収用法を適用するようなことはないと、こういう従来の調達庁長官なり、その他責任ある大臣からも答弁がされて参りましたが、そういう場合に政府の方針として考えておられるのか、五つの飛行場の大部分についてほとんど関係知事、あるいは市町村長を初め全員が反対をしておられる、先ほど来御答弁がありましたが、そういう場合には収用法を適用して、強制的に国民の世論あるいは理解を無視して収用法を適用して、がむしゃらに収用する方針ではないと、こういうことかと思うのでありますが、重ねて明確に御答弁を願いたいと思います。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○政府委員(根本龍太郎君) 土地収用の場合は、個々の場合についてこれは検討しなければならぬ問題だろうと思います。原則論を申し上げれば、これはでき得るだけ強制収用せずに、話し合いのもとに第一段階としてきめたいというのが政府の根本方針であるということは申し上げた通りであります。しかし何しろこの問題が非常に深刻でありますので、これはまた利害も同じ場所におる人でありましても、いろいろまた個々の場合で違いましょうし、そのために十分説得もし、了解をしてもらいたい、こういう努力は続けるべきだと思います。その結果、社会的に見ましても、これは多数の人々がこれは納得ができ得る、またそれが認められるという場合になって、なおかつ少数の人々の反対があった場合においては、これはより高き判断のもとに強制収用をしなければならないような事態になるかもしれません。それは個々の場合において判断するよりほか仕方がないと思います。

加瀬完日本社会党(第四控室・左)

○加瀬完君 今の結論は、多数の反対があった場合は土地収用法はかけないと、こういうふうに了解してよろしいのですか。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○政府委員(根本龍太郎君) 問題は具体的に理解ができないために反対を言っておる場合もある、よく納得してお話をすれば、だんだんわかるようになるということもあり得るでしょう、従いまして、収用法はできるだけかけたくないという建前はとっておるのでございますが、常識として、ほとんど全面的にそれをやることによってかえって重大なる結果が生ずるような場合においては、その紛争のままに土地収用をいたすということは、これは十分考えなければならないと思います。

加瀬完日本社会党(第四控室・左)

○加瀬完君 答えは簡単だと思います。多数の反対がある場合にはやらないと、やるのかやらないのか、やらないとおっしゃればそれはわかる、やらないと言い切れないで、具体的にはとか、理解がとどかないで反対しておるものとか、そんなことは大きなお世話だ、そんなものは、土地を取り上げられる者が自分の立場で理解をして反対すれば、それは反対だと認めるのが当然である、私はそういうことを申し上げるのは、私が一番最初に強制収用をしないのかと聞きましたならば、これは円満に解決したいと、こう言いました、円満に解決したいというならば、話合いの結果、今問題になっている五つの飛行場が地元との話合いによりまして、これはまずいということになれば、変更あるいは中止の可能性があるのかと、こう伺いましたらば、この問題は非常に重要な問題だから担当大臣から答えたい、自分じゃ答えられないと、こうお話になった。そうすると、吉田委員がさらに質問をいたしまして、どの飛行場をいつまでという決定が閣議でなされておるのかと伺いましたところが、そういう問題は閣議では話されておらないと、こういうふうにお話になられた。さらに荒木委員の方から、一体いろいろの問題があってさっぱり官房長官の態度は明瞭でないが、どうするのだという問いつめに会いまして、円満に解決したならばと、こう言われた。円満に解決するということは土地収用法を適用しないのかというと、それもあいまいなんだ。そこで私は、官房長官は閣議にかけておらないとか、決定しておらないとかと言われるけれども、五月の九日の衆議院の予算委員会で、今澄氏から、日本は小牧、板付、伊丹、立川、横田、千歳等の飛行場は、アメリカから要求されて、おって、その実現がはかどっておらないので不信をかっているじゃないかという点を質問をされた。それに対して外務大臣は、飛行場建設の進行ぶりでアメリカが不満を示しているのは事実であると、こう答えておる。これが、ここにおられる調達庁長官は、滑走路の延長を予定しておるのは小牧、新潟、木更津、立川、横田の五カ所である。アメリカはそれ以外に千歳を初めほとんど全部の飛行場の拡張を現在期待しておるけれども、政府としては予算の制約もあるので目下拡張は考えておらないと、こういうふうにはっきりと、小牧、新潟、木更津、立川、横田の五カ所はアメリカから要求されていると答えている。調達庁長官が答えているものが閣議で決定されておらないというようなことはあり得ない。さらに外務大臣は、従来の飛行場はジェット機に不満足だと、大陸の空軍基地は重大な状態になっておるので、これに対抗するためにジェット機を要する、これは滑走路が長くないと困るので、責任を果すため延ばしてほしいという要求があって、これに日本側は初めから協力する約束があるので、これに応ずることが条約の趣旨に合致しておると、こう答えておる。この最後の外務大臣の発言だけを見ても、日本が一方的にアメリカに協力する義務を初めから持っておるような発言なんだ。この有力な予算委員会での発言があるにもかかわらず、立川以下の飛行場が具体的には閣議に上っておらないとか、いつまでに拡張をしろという時期の決定はないとか、こういうことを言われましても、決定がないものであるならば、住民の意向というものも十分聞かれるであろうし、ましてや荒木委員から御指摘があったように、大多数の反対があるものを強制収用しなければならない理由は一つもなくて、そういうことは絶対いたしませんという答弁が出るはずだ。出ないというのは、すでに閣議でも幾つかの飛行場は決定されておるし、時期も限って、あるいはやらなけりゃならないという話し合いまでついていると想像するのも、これはあながち牽強付会と言われないと思う。そうなって参りますると、円満に話し合いをすると言ったって円満に話し合いができるはずがない。あなた方は取りたいと言う、片方はやりたくないと言う。そうなって参りますると、それはお前らが理解が足りないから、これは強制収用せざるを得ない、土地収用法を適用せざるを得ない、こういう結論が当然出てくる。土地収用法によっても、もうアメリカとの、外務大臣の言葉をかりて言うならば、日本側の初めから協力する約束によりまして、土地収用法によっても、あらゆる手段を選ばないで飛行場実現というのにもうやるのだ、こういうことが言外にはっきりと出ておるじゃありませんか。それを隠して、いつまでとの決定は閣議ではないとか、どこという場所の決定はないと言っておっても、政府が、外務大臣なり、調達庁長官なりが正式な予算委員会で答弁したことと、ここの委員会で今あなたの答えていることと、どちらをわれわれは信じていいということになりますか。少くも正式な政府の見解というものは、予算委員会の担当の大臣の発言というものはわれわれ重視しなければならない。そうなって参りますと、あなたは多数の反対があれば必ず土地収用法は適用いたしませんと、この飛行場には中止もすれば、変更もするところの幅を持って政府は住民の希望にこたえられますという答えがおできになるのです。もっとアメリカと取りかわされている真実というものに対して率直に語ってもらいたいと思う。この点どうです。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○政府委員(根本龍太郎君) 重光外務大臣が予算委員会においてそういうふうに言明されておるから、お前の言う言葉は役に立たぬというならば、それは私を呼び出す御必要なかった思いますが、それはまあさておいて、私が申し上げましたのは、閣議では、飛行場提供の要求に対して原則的了解を与えたということは、これは申し上げます。しかし今日といえども、これはどこそこの飛行場をいつまでにこれだけ拡張して提供するという閣議は決定していないことは事実でございます。従いまして、現在調達庁が、また政府としましては、この要求をでき得るだけアメリカに対しては条約上の義務であるから満たしてやりたい、一方においては関係国民の理解のもとに円満にやりたいというために苦慮しておるのが現状の姿でございます。ここに問題があるということでございまして、私は決して閣議決定しておることをひた隠しにして、ここで言いのがれをしようという考えは毛頭ございません。

加瀬完日本社会党(第四控室・左)

○加瀬完君 それではこう了解してよろしいですか、アメリカからの原則的飛行場の拡張に対しては、閣議において取り扱ったけれども、場所、期限その他については閣議においては全然取り上げておらない、そうすると、調達庁長官のいう小牧、新潟以下の五つの飛行場を現在対象にして接収交渉をしようとしていることは、調達庁限りでおやりになるということになりますね。それからこの五つの飛行場、あるいはきょう参考人として御出席いただきました、その他の関係の方たちは、飛行場なり、演習場なりの拡張ということに対する反対で、これはたびたび陳情をされ、あるいは新聞紙にも報じられていることは、これは長官よく御承知だと思う。これだけ国民的世論がやかましくなっておる問題であるし、かつまた当然政府として十二分に対策を講じなければならない問題を、今まで一回も閣議では上せておらない、こう了解してよろしいのですね。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○政府委員(根本龍太郎君) 先ほど私が申し上げた言葉を繰り返すことになりまするが、閣議において向う側の要求がこれこれにあったということは、これは認めております。従って政府が、現在調達庁がやっておることを、これは調達庁が勝手にやっておるということは毛頭考えておりません。向うの方からの要求があり、またこれには応ずべきだという見解で、これは調達庁が仕事をしておるのでございます。しかしながら、どの飛行場をいつまでにどれだけ拡張するかという問題については、閣議決定していないということは、先ほど繰り返した通りでございます。問題は、今アメリカ側の要求をいかに円満に、できるだけ円満に、この件をすみやかに解決するということに努力をしておるのでありまして、調達庁が勝手にあそこはよかろう、これはよかろうなどということで勝手に判断してやっていることではございません。向うの要求に応じて、またこの要求にはできるだけ応じなければならないという方針については、先ほど言ったように、これは閣議で了解しております。ただし、どこそこをいつまでにどれだけ拡張するということについては、閣議決定をしていないということは、先ほど何回も繰り返した通りでございます。

加瀬完日本社会党(第四控室・左)

○加瀬完君 実に言葉の魔術と言いますか、うまい言いのがれをしていると思う。どの飛行場をいつまでとの決定を閣議ではしておらないとおっしゃるけれども、そうすると、聞いておるわれわれは、どの飛行場をというのだから、たとえば木更津とか、立川とか、こういう飛行場の名前も出ておらないと了解するのが常識なんです。ところが、これこれという場所は閣議でもうきまっている、そうすると、結局どこの飛行場、どの飛行場というのもきまっているのだ、ただいつまでということだけが、どれだけ拡張するかということだけが閣議の話合に上っておらないということだけになるのではありませんか。それならばそのように初めから、飛行場もこれこれの飛行場の指定はあった、しかし拡張の区域あるいは時期というものについては話合いがなかったというなら話はわかる。もっと明瞭に御答弁をいただきたい。それからですね、私は先ほど第二番目に指摘をいたしました、これだけ問題が大きくなっておるのに、場所がどこだの、時期がどこだのということ以外に、こういう国民的の世論ともなって行われているところの基地に対する反対、あるいはいろいろのトラブル、こういう問題を閣議でどう対処しようかという話合いが一回も持たれておらなかったということは、長官がわれわれは苦慮しているとか、心配しておるというけれども、苦慮も心配も現実には一つも現われておらないじゃありませんか、この点について御答弁を願いたい。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○政府委員(根本龍太郎君) 第一点は、アメリカ側の要求がこれこれについてあったということ、そうしてこれについては政府も協力しなければならないということについては、場所もこれは明示されております。それからまた、従ってこれに伴いまして政府は協力するという態度をきめておるということも事実でございますが、御承知のように閣議において、いつまでにこれをやるという、閣議決定というあなたの方の言葉でございまするが、それはいたしておりません。それについては、場所についても時期についても、それからその具体的な面積等についても閣議で正式に決定はしていないのでございます。それを申し上げたのでございます。それから第二点の基地拡張の反対の運動について、全然議題となっていないかということでございまするが、そうではございません。担当の西田大臣からは非常に困難な旨、そうしてまた現在の進行の状況等、これは数回にわたって報告のあったことは事実でございます。また私は地元住民の方々の陳情があった場合には、次の次の閣議においては陳情の旨は閣議に報告はいたしておる次第でございます。

加瀬完日本社会党(第四控室・左)

○加瀬完君 だんだんはっきりして参りました。今のようなお話になればはっきりしてくる。そうすると、場所の指定はアメリカからあった。で、この指定された飛行場については、これに対して協力するということも閣議できまっておる。そうなって参りますると、場所もきまっておって、これに協力するという態度がきまっておれば、あなたが言うような話合いの余地も何も残っておらないじゃありませんか。なお西田国務大臣から、基地の問題について困難であるというふうな話があったということになれば、当然結論としては、土地収用法は適用するのか、しないのかという、さっきから繰り返されておる問題の結論は出るはずです。これはどうなんです。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○政府委員(根本龍太郎君) 私の言った言葉が足らなかったためかしりませんが、どうも私が申し上げたことと、あなたの判断はちょっと食い違いがあります。アメリカ側の要求があったということは閣議で了解しています。従ってそれに協力すべきだということも、政府の態度としてそれはやっておるわけでございます。そこでこれは非常に技術的な問題になりますが、閣議決定ということと、閣議においてそういう要求について了承して、それに応ずべきだという態度をとっていることと違うのでございます。閣議決定ともなりますれば、それこそ強制収用も何も、一定の期日に従って政府がすぐに全面的に一切の行動をとらなければなりませんが、今はそうではなく、この要請に基いて、その目的達成のためにあらゆる調査並びにいろいろの準備をしておる、こういうわけでございます。決定になりました場合には、それこそ個々にこれは決定いたさなければならないのでございます。

加瀬完日本社会党(第四控室・左)

○加瀬完君 よくわかりました。そこでそういうお立場で慎重に事をお取り運びになっておられるのであるならば、もう担当大臣から非常に問題の困難さも逐次閣議で報告され、あるいはそれぞれの関係者からの陳情も長官みずから聞いて知っておるというのであるならば、この結論の出し方は、土地収用法にかけてまであくまでも強制収用をするというのか、それとも多数の反対が現実にあるならば、これは多数の反対の地元の要求というものを政府は受け入れて善処をするというのか、いずれでございますか。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○政府委員(根本龍太郎君) この問題は、先ほど話したように、具体的な問題について措置しなければならない問題でございまして、その点は今後の工作、まあ折衝の結果に基いて、調達庁長官を通じて閣議にはおそらく西田大臣から提案があることと思いまするが、私が今からそれを、いつの場合にどうする、強制収用を頭からやるかやらぬかというようなことは、私としては申し上げられません。

加瀬完日本社会党(第四控室・左)

○加瀬完君 具体的な問題の処理と言いましても、政府として同じようなケースが、問題が出てくるわけでありまするから、解決の基本線というものがきまっておらなければ具体的問題の処理というものはできないじゃありませんか。そこで具体的な事情がわかっておる、そういうことであるならば、繰り返されておるような土地収用法をあくまでも住民の意思にかかわらず適用して、接収作業を進めるようにやるのか、そういうことを絶対にしないというのか。この基本線というものは、もう今までの話合いで十分閣議において取りかわされておらなければならないはずのものです。この基本をきめないで、調達庁長官、お前具体的にやれと言っても、場所は指定されております、了承いたしました、この場所については政府は協力をいたします、こういう閣議の決定で、下僚は具体的問題の処理は、強制収用でも何でもして、飛行場の拡張という実現をするよりほか手がなくなるじゃありませんか、その基本線はあなた方が出さなければならぬ。出すだけの材料は出ておる。地元の要求を聞くのか、地元の要求は聞かないのか、この点をはっきりおっしゃっていただけば問題ははっきりする。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○政府委員(根本龍太郎君) そのことは先ほどから繰り返し申し上げたごとくに、このことは具体的なケースにおいて、これは強制収用にかけるべきかどうかということが出てきた場合でなければ、それは言えないのでありまして、初めから強制収用で何でもかんでもやるというような決定、それから反対に何もしないでただ引き下るというようなことも、これは決定できないのでございます。非常に複雑な問題でございまするから、これは時間と忍耐と理解のもとに解決したいということでございます。

加瀬完日本社会党(第四控室・左)

○加瀬完君 時間をかけ、忍耐の限りを尽してどうにもならないから、先ほどから政府の不審を立つ人ごとに口をすっぱくして訴えておる、地元の人は……。具体的な問題を解決する具体的な場合の心証がないと言うけれども、具体的問題を解決する基本線として、地元民の要求というものは聞くという方向で行くのか、有無を言わさず、軍部がかつてやったように、土地収用法でも何でもぶっかけるというようなことで行くのか、こういうことを聞いておる。そういうことはいたしませんとか、地元民の要求は聞くとか、そういうことをおっしゃれば問題は解決する。多数の反対があればやらないというから、そのつもりで喜んでおりますると、しかしこれは個々の理解が届かない場合は別だ、理解が届くといって、あなた方と同じ気持になるまで、住民がいろいろな方法でああやられ、こうやられしておっては、これはどうにもならないのです。そういう点を、住民の意思というものを尊重してやるのだ、こういう点をはっきりとおっしゃっていただけば私ども安心するのです。その点どうなんです。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○政府委員(根本龍太郎君) こういう問題は、二者択一で、答弁せよといっても、これは非常に困難な問題でございまして、従いまして、これは先ほど申し上げたことを繰り返すよりほかないのでございまして、話合いの上で、そうしてできるだけ理解を得て実現したいと、こういう政府の方針で今後も進みたいと、こう言うほかございません。

加瀬完日本社会党(第四控室・左)

○加瀬完君 それが危いんです。できるだけということは、できない場合はどうするんですか。できない場合……。できない場合はあくまで話合いをつけるということならいいけれども、話合いをして、政府の要求のように乗ってこなければ、そこでちょんとその問題は切って、そこで強制収用する、こういうことでは何にもならないじゃありませんか、それを心配している。さっきおっしゃったように、多数の反対があった場合には、絶対そういうふうなことはいたしませんと、もう一度おっしゃっていただければ安心する、どうなんですか。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○政府委員(根本龍太郎君) これは何回言われても同じことでございまして、多数の反対ということがあればやらないとか、やるとかということを言って、この問題を解決することは困難だろうと私は思うのであります。従いまして、この個々のケースについて十分にお互いが話合いをして、円満に解決するという政府の方針に従って、あくまで個々のケースに従ってこれは処置しなければならぬのじゃないかと、こう考えているわけであります。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員外議員(荒木正三郎君) 強制収用の問題は、これは私は非常に重大な問題であると考えますので、念のためお伺いしておきたいと思うのです。仮に強制収用する場合、どの機関が決定するかという問題です。調達庁において決定するのか、あるいは閣議において決定するのか、これは非常に重大な問題ですからね。どの機関で決定するか御答弁願いたい。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○政府委員(根本龍太郎君) 強制収用ということは、非常にこれは重大な国民の権利に関するものでございまするので、強制収用をすべきであるという事務的な申請というか、判断の資料を持ってくるのは調達庁でございます。これを最後的に決定するのは内閣総理大臣でございまするから、従ってこれは閣議で決定することになるのでございます。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員外議員(荒木正三郎君) その場合伺っておきたいのは、今、長官は、個々のケースの具体的な場合を考慮して強制収用するかどうかということを決定すると、こういうお話でございました。しかしこれには何か基準というものなしに、ただその場当りで、そのときどきに強制収用するか、しないか、そういうふうな決定には至らないと思うのです。やはり原則的な基準というものがあるはずであります。私はこの際どういう基準が考えられているのか伺っておきたいと思います。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○政府委員(根本龍太郎君) 閣議において収用すべきか、いなかを判断する場合におきましては、これはその場においてきめることはできない問題だと思います。これはやはり総合的な政治判断に基いて、それから従って現地の情勢、あるいはまたそれに対する補償等、一切の万般の手配が至当であるかどうか、またこれをやることによって目的をほんとうに達することができるかどうかという、いろいろの問題をこれは考えて判断しなければならないと思いまするが、あらかじめどういうふうな条件のときにできるかどうかについては、これはまだ閣議でもこれは問題になっておりませんので、今決定しているとは申し上げられないのでございます。

田畑金光日本社会党(第二控室・右)

○田畑金光君 具体的にお尋ねしたいわけですが、官房長官から御答弁願いたいと思いますが、今までの御答弁を聞いておりまして、われわれの求めていることと大へん離れているわけであります。この辺の繰り返しはいたしませんが、先ほど立川基地の問題で参考人の青木市五郎君からお話がありました。立川基地の問題については、すでに政府当局よく御存じであります。ところがこの十六日には、調達庁の方から強制的に立ち入りをするという通達を受けているのであります。土地収用法の十一条、あるいは十二条に基く形式的な手続はとっているという解釈のもとに、調達庁としては十六日に立ち入りを強行されるだろうと考えるわけでありまするが、もし強行されるということになりますると、事態はゆゆしい段階に入ると私は見るわけであります。そこでお尋ねしたいことは、このように地元の空気が非常に険悪である。しかもあなた方のお話のように多数のものが同意するならば土地収用もやむを得ないという、多数の同意どころではありません、町をあげて反対をしておる。こういう事態を目の前にして十六日に、もし皆さん方が立ち入りを強行されるならば思わざる不安が起きるかもしれぬ、こういうことを観察いたしましたときに、官房長官がたびたび御答弁になっておりまするが、具体的にしからば、もう明後日のことでありまするが、十六日に立川地区については強制立ち入りを敢行するはらであるのかどうか、これをまず聞いておきます。

福島慎太郎調達庁長官

○政府委員(福島慎太郎君) 明後日になりますが、十六日から立川地区の立ち入りをするかどうかという御質問でございます。これは御承知のように、市有地につきましては立ち入りの通告をいたしておりますので、われわれとしては立ち入り権利があると考えております。また砂川町の御議論では、町長の公示がないのでその権限は発生しておらないという見解はわかっているわけです。そこで町の方からは立ち入り禁止の仮処分の申請がされている。で、われわれとしてもそういう裁判所の見解の発表があるまで、接収地に対しては行政機関の解釈だけで立ち入ることはおだやかでないと考えておりまして、仮処分の決定がいかようになるか、国に権利ありということに決定されるか、権利ないということに決定されるかの決定を待ちたいと考えております。十六日と申しますのは、十五日ころにはそういう裁判所の決定があるであろうということから十六日ということがまあきておると思います。しかしこれはわからないことでありますので、裁判所において法律上の見解が明らかになりましてから、これに従いたいと考えております。ただ十六日からできたらやりたいと考えておりますことは、立川工場の裏側になります砂川町の道路に立ち入ってこの調査をしたい。これは土地収用法の関係ではありませんので、この許可を警察署長からもらうことになっております。この許可を十六日からもらうように手配をいたしたわけで、それが伝わっておるのだと思います。市有地につきましては、裁判所の決定に基いて処置をしたいと考えております。公道につきましては警察署長の許可もありますので、これは今の裁判所の決定とは関係ありません。十六日からやってやれないことはないわけであります。なるべく早くやりたいと考えておりますけれども、まだ十六日からやるというふうにきめておるわけではございません。

田畑金光日本社会党(第二控室・右)

○田畑金光君 十六日の問題については一応事の進行状況についてわかりましたが、そこで私官房長官にお尋ねしたいわけであります。それはまず第一に、今、調達庁長官の方から、公道あるいは市有地の問題について法的な手続の整備の段階にあることを明らかにされましたが、とにかく市有地についても裁判所の認定で国が立ち入りをする権利を認められるか、認められたとまあそう仮定いたしました場合に、そのような仮定のもとに考えました場合、しかし現地の実情は、それは公道であっても市有地であっても、今立ち入り、測量し、調査をするということは明らかに基地の拡張に連なるものである、こういう前提で猛烈な反対が巻き起っておる。このような住民の空気あるいはその地方の険悪な情勢ということを判断されたときに、政府としては強制立ち入りというようなことは治安確保のためにも、またお話のような地方住民のことも考慮するという政府の方針からしても思いとどまられるのが適当かと考えまするが、この点についてどうお考えになられますか、この点お尋ねしておきたい。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○政府委員(根本龍太郎君) その問題は、現地をあずかっておる調達庁の官庁、あるいはその庁首としての調達庁長官、さらにその担当の国務大臣があります。それから治安上の問題については国家公安委員長の判断によってやれるのであろうと存じます。

田畑金光日本社会党(第二控室・右)

○田畑金光君 私のお尋ねいたしますることは、政府の方針として、かりにこのような事態が発生した場合には、どう対処されるかということをお尋ねしておるわけであります。すなわち今お話のような治安に関する重大なる事態が発生するかも知れぬ、そういう事態を予測しながら、あるいは目の前に見ておりながらも、なおかつ政府は強制立ち入りということを断行する御意思なのかどうか、こういうようなことを私はお尋ねしておるわけであります。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○政府委員(根本龍太郎君) 個々の行政権の発動につきましては、おのおの所管の大臣があり、その責任においてやらなければならぬことでありますので、私から今その具体的の問題について申し上げることは遠慮いたしたいと思います。

田畑金光日本社会党(第二控室・右)

○田畑金光君 この点はこれ以上追及いたしませんが、私もう一つこれはお尋ねしておかねばならぬことは、ただいまのように問題が起きておりますのは、私が先ほど申し上げたように、直接的には本年度の予算編成に伴い、防衛分担金削減の裏づけとして政府が基地拡張を約束されたために、このような事態が発生しておるわけであります。また間接的には、これは私大きなアメリカの戦略の一環として来ておる問題のように見受けるわけであります。と申しますのは、今アメリカの陸上兵力が日本に幾らあるか知れません、二個師団あるかどうか私は確めておりません。とにかく日米安保条約、MSA協定に基き自衛隊を強化する、この自衛隊の強化に対しては陸上兵力は漸減して行く、そうして行く行くは陸上兵力は撤退するでありましょう、しかしそのあとに残るのはアメリカの空軍兵力と海上兵力だろうと思っております。すなわち一つの戦略から来る一つの発展の姿だと、こう見るおけであります。こう考えてみたとき、空軍基地の問題は今後さらに増強こそされ、これは今のような政府の方針であっては漸減する、あるいは食い止める、これは不可能な事態なのかも知れぬ、こう考えるわけなのであります。私はこういう根本的な問題に触れたときに、政府としては、一体日米防衛のアメリカに対する義務のみを強調されておりまするが、同時にこれに伴うところの、政府は国民に対する義務をどう考えておられるかという問題であります。すなわち政府は少くとも憲法上国民に対し、その最低限度の生活を守るべき当然の義務が負わされておると考えます。そういたしますならば、防衛上のアメリカに対する義務と、国民に対する政府の義務とは少くとも均衡調整をされなければなりません、こう私は考えるわけであります。ところが今の政府のやっておることをみると、新らしいアメリカの戦略からくる日本におけるアメリカの兵力配置、この一環として今基地問題もかくのごとくやかましくなっておる、この場合に日本政府としては少くともこういうアメリカの戦略に対して日本はどういう態度をとるか、あるいは国民の生活権擁護のこの義務と、アメリカに対する義務との調整をどこにはかるか、こういう根本的な問題について私はしっかりした方針がなければならぬと考えまするが、この点どういう御方針でおられるか、いま一度承わっておきたいと思います。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○政府委員(根本龍太郎君) 国土並びに国民を防衛することも、これは国家の主権の重大なる義務でございます。従いまして、そのゆえにこそ日米安全保障条約が結ばれて、日本の安全を保障しておるわけでございます。この国家が国民全般並びに国土の安全保障に対する責務と同時に、個々の国民の人権を、さらに生活を保障する、この二つの義務があるわけでありまするが、その間を調整して行くというところに政治の真諦がある、こう考えておるわけでございます。従ってその間の調整のためにでき得るだけ、一方においては条約の義務を守りつつ、他面におきましては個々の国民の基地拡張に基くところの被害を最小限度にいたして、そうしてそれらの人々の生活の保障の措置をとって行くというのが、政府の基本的態度と申し上げることができると思います。

田畑金光日本社会党(第二控室・右)

○田畑金光君 幾度繰り返しても同じ御答弁であって、まことに遺憾であります。私はもう少し日本政府は自主性を守り、自主性を貫いて、日米共同防衛の問題についても自主性を貫くことが、むしろ日米共同防衛の本来の趣旨にかなう道だと考えております。今のような屈辱的なアメリカ一辺倒の外交方針や政府の方針をもってするならば、反米意識はますます上昇するばかりであり、基地に対する闘争はますます熾烈化することは明らかであります。日米防衛の任務はまさにかえって政府が考えられておることも逆行することが明らかであります。このわかり切った民族意識、国民意識というものを忘れて政治というものはあり得ないと考えるわけでありまするが、どうでしょう、もう少し一つ政府は自主的な立場に立って、日米共同防衛について外交上、条約上の義務が負わされたとしても、国民のこの叫びというものを忘れてはすべてを失うわけだと思うのでありまするが、もう少し国民の声に耳を傾けて、この問題を解決する決意を持たれたらどうでありますか。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○政府委員(根本龍太郎君) 戦後、特に独立後におきまして、国民の間に反米感情が醸成されつつあるということについては、これは非常に重大な問題として、これは政治上重大な反省をしなければなりません。従ってこれは政府としても、またアメリカに対しても十分その点を理解していただき、そうしてこれに対処すべき方策をとるべきことは当然のことと考えております。

堀眞琴無所属クラブ

○堀眞琴君 ただいまの御答弁、反米思想の醸成に対しては非常に重大であります。これに対する対策等についても慎重を期さなければならない、こういう御答弁なんですが、なぜ反米感情がそのように高まってきておるか、言うまでもなく、安保条約によるところの義務を遂行するそのために基地を拡張しなければならぬ、住民の利益というものもほとんど無視するという態度から私はきておるものだと思います。一体鳩山内閣としては、施政方針の演説にもありましたが、国民の生活を十分考慮するというこの考え方が、少しも今度の基地問題について現われておらないと思うのです。あなたは基地の住民からの反対の陳情等はそのつど閣議にも披露している、こういうお話しであります。一体なぜ地元の住民がこの基地に反対しているのか、その点についてあなたは官房長官として考えられたことがあるか、まずそれからお尋ねしたいと思います。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○政府委員(根本龍太郎君) 基地の方々が反対する理由は、書面において、口頭において申されておりますから、その筋はよく了解しております。たとえ国家的あるいは条約上の義務といえども、現実にそのために生活上の不安、脅威を受けている人が反対するのは、これは当然だと思います。人情の自然だと思います。これはいずこにおいても同じだと思います。しかしながら、同時に政府としては、その点は何か公共の事業をやる場合にも当然そういうことが起るのでありますから、でき得るだけそうした人々の犠牲を少くして、そうして一方における国家的な責務を果さなければならない、こういうのが私の考えであります。

堀眞琴無所属クラブ

○堀眞琴君 住民の生活が破壊されるから住民は反対している、このようにあなたは理解しておられる、確かにその通りです。飛行場が拡張されるために町が二つに分れさせられたり、あるいはまたその私有地が接収されたり、先祖伝来の墓場までが接収されるという、そういう事態に立ち至るわけです。従って住民がこれに対して、ほとんど全部が全部どこでも反対している、決して政党が指導したり、あるいは何かほかから出かけて来て、それを指導してそういう運動が盛り上っているのではないということは、おそらく官房長官も御存じであろうと思う。そんなにあなたは住民の国民生活の破壊されるのだということを御存じながら、しかも安保条約の義務は果さなければならない、そして場合によっては強制収用もやむを得ないのである、こういう態度をとっておられる私は日本の政府であるならば、日本の自主的な外交方針に基いて、そして日本の国民の生活を守るという態度をとるべきだと思う。先ほど加瀬君の質問がありましたが、大多数の人々が反対している場合に、強制収用はやらないということを言明してくれという質問があり、ところが、あなたはそれに対してのらりくらりと避けておられる、強制収用はいたしませんということは一音も申しておらない。具体的な事例について一つ一つ検討をして、これをきめるのだということを言っておられる。そんなことではほんとうに国民の生活を守るということにはならないと私は思う。あなたは日本の政府の官房長官、鳩山内閣の官房長官として、もう一度ここで私ほお尋ねいたしますから、大多数の人々がその生活が破壊されるので反対している、この反対を押し切ってまで自分は強制収用というようなことはやらないということを言明していただきたいと思います。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○政府委員(根本龍太郎君) 先ほども申し上げましたように、強制収用をするかいなかは、総理大臣が閣議にかけて決定する次第でございます。従いまして、今私が反対のある場合には、多数が反対の場合には強制収用をする、しないということは、私が言明することは適当でないと存じます。ただし非常に多数の人間が反対して、それが深刻なる問題の場合において強制収用をすることは妥当ではないという個人的意見は持っているのでございます。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 その点について個人的な意見を今述べられたんですが、一般的に、従来調達庁の長官でさえ、これは衆議院その他、われわれも聞いておりますが、大多数の反対の場合にそれを押し切って収用法を適用することはないと、こういうことを言ってこられた。従って今の個人的な意見じゃない、おそらく私は先ほど来の国民の意向をさんしゃくして云々という民主政治の建前からするならば、私は政府の方針として、大多数の反対がある場合に収用法を適用して、何でもかんでもやって行くのだ、こういう方針はとっておらぬ、これは私は言明されてもいいと思うのであります。個人の意見じゃなくて、これはまあ官房長官個人という今のあれもありますけれども、個人の意見じゃなくて、政府を代表した官房長官として言明をされても一向差しつかえないと思う。重ねて官房長官として一つ御答弁願いたい。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○政府委員(根本龍太郎君) 官房長官として申し上げれば、今強制収用するか、いなかということは、閣議を経てこれは総理大臣が決定することなんでございます。従ってその個々の事実についてこれは検討の上なされることでありまして、御承知のように、私は今現在閣僚でございません。閣僚がきめることを私がここで言明をするということは当を得ていないという意味でございます。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 今日は官房長官として政府を代表してここにきてもらっておる。そこでその答弁を求める。従来調達庁長官も、大部分が反対がある場合に土地収用法を適用するというようなことはないと、こういう方針である。私はこれは調達庁長官だけの言明じゃなかろうと思う。そこで従来の政府の方針、それは変っておらぬと思うが、個人の意見じゃなくて政府の方針がそうであったと思うから、その点を一つ明確に官房長官から答弁願いたいと、こういうのであります。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○政府委員(根本龍太郎君) 私が申し上げていることは、政府として強制収用をいつの場合にやるかどうかについては、閣議においてまだこれは何ら決定していないのであります。従いまして、政府の責任ある答弁をここで求められても、決定していない事項を私が申し上げることは適当ではないということを申し上げておるのであります。

堀眞琴無所属クラブ

○堀眞琴君 先ほど官房長官は、地元住民の納得を得て、その上でやるのだと、こういうお話でありました。私はそれが最も正しい民主的な政治のやり方だと思うのですが、その考え方から行きますならば、当然他元住民の大多数あるいは全部が反対している場合、これを無理にも強制収用とするというようなことは、これは民主主義の政治にもとることだということは長官お認めになりますか。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○政府委員(根本龍太郎君) 全部が正当の理由をもって反対しておるということが認められた場合に、無理に強制収用をすることは私は考えておりません。

堀眞琴無所属クラブ

○堀眞琴君 全部がということに非常にアクセントをつけられたようでありますが、先ほどは大部分という言葉でお話になっておった。その全部という、これは大部分ということに了解して差しつかえがないかということを一つ。それから正当な理由があるならばと、こういうことなんですが、生活が破壊されようとするのに、それを守ろうとすることが正当な理由であるかないか、そのことをお尋ねします。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○政府委員(根本龍太郎君) 今あなたから全部という言葉も出ましたので、全部という言葉を使いましたが、これは言葉の使い方の問題ですから、大部分ということは当然含まれることだと存じます。それから民主主義の立場からして、そういうような場合に不当不法なる措置をもってこれをやるという  ことは、政府として考えないことだと私は信じております。

松本治一郎日本社会党(第四控室・左)

○松本治一郎君 先ほど官房長官は、反米思想がぐっと高まってきているという発言がありましたね。その原因はどこにあると思われるか、それをちょっと聞きたい。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○政府委員(根本龍太郎君) 先ほどどなたか委員の方から、こういう行政協定、こういう問題のために反米思想が起っているのじゃないかと言われたわけでありますが、それは現実の問題として、国民の中に反米思想が醸成しているということは当然これは認めなければならぬことであり、これに対して重大な政府は考えをもって、これらの問題が片付くように努力するというふうに申し上げております。それで反米感情がどうして起ったかということについては、これは非常に広範ないろいろの理由がございましょう。また人によってその解釈もいろいろ違うだろうと思います。占領が長きにわたって行われた、その間において日本の国情と必ずしも合わないようなところのいろいろの諸法令が行われた。あるいはまた急激な変化に対して十分国民が理解できない、あるいはさらには現在の基地問題、諸般の問題が相錯綜してこうした問題になっているのではないかと考えております。

松本治一郎日本社会党(第四控室・左)

○松本治一郎君 私は初めから講和条約と安保条約に反対をした。これは結局不平等条約が結ばれる、こういう観点から反対したのです。ところがその不平等条約が、だんだんに国民に不平等条約であったということが知られてきて反米思想が高まってきている、こういうふうに解しているが、あなたはどう考えるか。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○政府委員(根本龍太郎君) これは松本先生のお説でありますから拝聴はいたしますけれども、私は必ずしもそうは考えておりません。

松本治一郎日本社会党(第四控室・左)

○松本治一郎君 それはもとより立場が違うから、それはそうおっしゃられると思うのですが、しかしどうも基地の問題から非常に反米思想の何が高まってきている。この基地は日本にとって何らの役に立たないということを国民は皆知ってきた。あって害があって、なうて国民が安心する。今の世界の動きを見たときに、この貧乏な日本にどこの国が攻めてくるか、こういうことが考えられる。これはアメリカの防衛のためであって、日本の防衛のためではないということがだんだんにわかってきたためだと、こう思うのです。私がこの基地に反対している理由はそこにある。この間福岡で開かれた収用委員会、私は直接その関係者だからその収用委員会で質問した。ところが私どもの代表者が、このいわゆる企業者の方といろいろわたり合うその言葉の中に、公益、私益という言葉を使われる。この私益という点から行きますと、私はこれは捨ててしまう、私益を捨てて日本のために闘わなければならぬ。日本人の正義を、生活権を守らなければならぬという建前から闘っているわけです。そういう関係からいたしまして、公益というそういう場合に使われた言葉というものは、これは米益だ、アメリカを益するために公益、私益という言葉を使われるということは当らぬ。今に各地に基地反対の声が一そう高まるであろうということが考えられる。あの爆音です。何びとが聞いても、いいと思うものはいない。日本人をばかにする爆音である。日本人を殺すジェット機である。日本を守るジェット機でないということがはっきりわかってくる、そういうことにお気づきにならないのですか。一応福岡の基地に行って、あの音を二、三日聞いてもらいたいと思う。きょうの参考人としてこられた皆さんの話を聞きますと、もうだまされぬという言葉で満ちております。調達局の方は日本人をだましてまでも、もうだまされぬと言うまでだまして、そうしてアメリカに奉公しなきゃならぬ理屈はどこにあるか、こう私は考えるのです。そういう考えから、どうしてももう少し日本人に帰ってこの問題を解決つけてもらいたい。つけさせなきゃならぬという考えを持っている一人であるということだけを申し上げておきましょう。

堀眞琴無所属クラブ

○堀眞琴君 先ほど私の質問に対しても、それから松本委員の質問に対しても、反米思想が国内に醸成されている、これに対しては、鳩山内閣としては重大な考えを持っている、こういうお話しであります。重大な考えというものを具体的にお述べを願いたいと思います。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○政府委員(根本龍太郎君) これは非常に憂慮すべき事態であると考えておる次第であります。

堀眞琴無所属クラブ

○堀眞琴君 憂慮すべき事態だと考えて、それに対してどういう対策をお持ちであるか、それをお尋ねしたいのです。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○政府委員(根本龍太郎君) これにはただいま御指摘のありました基地の問題もございましょう。あるいはまたいろいろと、松本先生から御指摘のありましたように条約の問題もございましょう。あるいはまたMSA協定に関する問題もございましょうが、これにはまた一面においてはいろいろの誤解もあるものとわれわれは考えておるのであります。そうした誤解をなくし、お互いの善意によってこれは解決しなきゃならぬと同時に、またアメリカ側におきまして、占領中からずっと引き続いて日本に残したいろいろの制度についても、また再検討しなければならぬ問題もございましょうし、そうした問題を一つ一つ取り上げて、国民の反米思想を醸成していると思われる原因について探求し、それの解決をはからなければならぬと、かように考えておるわけであります。

堀眞琴無所属クラブ

○堀眞琴君 その原因を探求して、これを解決する道を講じなければならぬと、こういう工合に今私は伺ったのですが、そうしますというと、具体的に、たとえば基地問題についてはどのような今後方針をとられるのか、それを具体的にお話しを願いたいと思います。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○政府委員(根本龍太郎君) 基地問題については、先ほどたくさんの委員の方々からいろいろと御質問がありまして、これに私がお答えを申し上げたのが政府の現在の態度であります。

堀眞琴無所属クラブ

○堀眞琴君 今後の方針です。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○政府委員(根本龍太郎君) 今後の方針でございますか、今後の方針につきましては、これは現在われわれがとっておる態度を、今のところ私は堅持していいんではないかと考えております。

堀眞琴無所属クラブ

○堀眞琴君 そうしますと、あなたが今までとってきた態度を堅持されるということになると、基地問題等は解決されないと思うのです。住民はこぞってこれに反対しているわけです。それでもやはり義務を遂行するために、どうしても基地を拡張しなければならないということになれば、ますます反米思想は醸成されるでありましょうし、勢い政府としても強制収用ということにならざるを得なくなってくると思うのです。その点は私十分考えなきゃならぬと思う。従って政府としては反米思想を緩和するという意味で、この際基地等の拡張については再考慮するというようなところまでお考えになれないかどうかということを最後にお尋ねしたいと思います。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○政府委員(根本龍太郎君) ただいまのところは、政府といたしましては、アメリカ側からの要請されたうち、一応御指摘になっている五カ所の程度については、これはできるだけ国民の理解のもとに、日本側として協力しなければならないではないか、こういうふうに考えておるような次第でございます。

木下源吾日本社会党(第四控室・左)

○木下源吾君 私はさっき書面で一つ明確にお願いしたのですが、忘れられては困るから今再確認しておくのです。と言うのは、実は合同委員会で決定してしまうと終りなんです。その合同委員会は一対一なんですな。アメリカ一人、こちら一人、で、施設委員会はそこにおられる福島長官でしょう。施設委員会でいろいろなことをやって、結局合同委員会にいってすべてはおきめになるわけだ。そうすると、福島長官一人でみなやっておるようなものですよ、これは……。先ほどから聞いていると、政府の方では名前は総理大臣だとか、何とか言っておりますけれども、そこが神様でありませんでな、実際……。神様でない。私の要請するところもそこなんですよ。政府の見解をまとめてやってもらいたい。ただし内容は長官が個々のケースによる客観情勢、そういうものを考覈した結果、適当と認めるものは強制収用をやると、こういうので、その点を明確にしてもらいたい。地域の大部分であるのか、所有者が大部分であるのか、持っておるのは公共的なつまり団体が持っておるのを含めてなのか、まあいろいろそういうことを具体的に一つ出してもらいたい。なぜならば、この間の新聞を見ますと、立川か、砂川の方では、これはまあ誤解かもしらぬが、新聞には長官は血の雨を降らせてもやるのだということが出る、これは非常に読みました者が心配ですよ、全部が心配です。また個々のケースはまだ出てきておらぬと、こう言われるかもしらぬけれども、すでに今の政府が予定した地域というものは、大多数の相手の意思がもう明瞭になって出てきておるんです、政府の方へ……。ですから私が書面に書いて出してくれということは、一般的なケース、一般的なつまり状態に対する政府の態度、また具体的に今出てきておる個々の飛行場に対する見解と、これを今要求しておるわけなんです、最後的に……。それでもちろん長官の立場もよくわかっておりますし、官房長官の立場もよくわかっておるので、これは限界を越えて私はかれこれ責任を追及しようというのではありませんが、しかしながら、官房長官である以上は、このことだけは閣議へ一つお伝えを願いたい。それはどういうことであるかと言えば、すでにあなたがおっしゃったように、前内閣からこれは約束せられておるのだと、こう言うけれども、今回の予算、それは現内閣の責任において提案されておるのであって、であるからして、これは責任はのがれることはできません。断じてそれは許しません、国民は……。従ってこの予算を提案してこれを実施するという、しかもこれほどの重大問題であるということはわからないはずはない。事前においてこれを準備をして、そうして予算を提案し、そうしてかかるのが当り前なんだ。こういう処置をやっておるから、そういう準備を進めないから、従ってアメリカに対する非難も出てくるであろうし、政府に対する非難も出てくるであろうし、そういう手続をなぜ私はしないか。そういうことは一切をあげて政府の責任であるが、これは今しかしながら過ぎたことである。だがその過ぎたことであるからと言って不問にすることなく、その上に立って政府の責任を明らかにしてこれから進む。そうしてすでにここへ参考人が来ておる背後は従来のような型と違う。市長さんがおり、あるいは団体の長がおり、元の町の助役さんがおり、おそらく百万に近い人の、これは国民の代表が見えておる。これに対して、一方においては皆後には駐留軍がある、内には警察がある、自衛隊がある、いろいろなことで力で押えようとすればするほど、あなた方の政策というものがどこへ最後に行くかは明瞭であるのです。でありますから、私が要求することは、決して今あなた方の答弁を要求しないで、書面でくれということは、閣議においてこの問題を一般的な問題として、また個々の問題として明らかに回答してもらいたいという要求をしておるのでありますから、どうか慎重に一つ取り上げていただきたい。これを再確認してもらう意味で私は要求するわけであります。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○政府委員(根本龍太郎君) 御趣旨のほどはよくわかりました。そこで御承知のように、議員の質問はこれは当然の権限としてありまするので、これに対する回答は閣議をもって決定の上報告いたします。つきましては、御質問の趣旨がかなり重要で、かつかなり多岐にわたるものと存じますので、正式に書類をもって回答を求めていただきまして、それに対して回答を閣議を経て差し上げたいと思います。

木下源吾日本社会党(第四控室・左)

○木下源吾君 承知しました。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 時間も移りましたから、官房長官に確かめておきたい点を三点ほどただしたいと思う。第一は、福岡の周辺十三カ所に高射砲陣地を作るために調査を申し入れた。こういう事実に基いて本会議でも質問いたしました。それからここに見えております市長さんは、官房長官の所においでになりませんでしたけれども、代表が十数名おいでになって官房長官も会われた。それから西田調達庁担当国務大臣も会っておられます。その他にも会っておられますが、根本官房長官、それから西田国務大臣二人からは、十三カ所の高射砲陣地を作りたいという要望にこたえるつもりはない。こういう政府の態度が表明されておる。しかもこれは代表にあなたからお話があったことであります。あるいは西田さんからお話があったことでありますから、この席上をかりて明確に一つ御答弁を願っておきたいと思う。十三カ所の基地の設定ないし調査について政府として要望を受けておるのかどうか。それからそういう文書が市長に参っておることは、これは間違いない事実であります。これに対して政府としては今のところどう考えておられるのか、それを一つ明確に承わりたい。あと二点ありますが、答弁を伺いましてからにいたします。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○政府委員(根本龍太郎君) 高射砲陣地の問題は、福岡の関係者の方々が陳情に参ったときにお聞きしております。しかし政府に対しましては、調達庁にはあるいは行っておるか知りませんけれども、いわゆる内閣に対してはまだ申し入れてきておりません。そこで私はその日申し上げたことは、現在基地の移転の陳情が来ておるとき、その上にさらにこういう問題を起すということは、これは非常に大きくするような気がするので、政府としてこれは決定したことでもありませんし、政府は正式に聞いたことでもありませんから、政府のまとまった見解として申したことではございませんけれども、私はこれは取り上げたくない。この問題を取り上げたくないという意味のことを申し上げたことは事実でございます。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 なお高射砲陣地の調査申し入れに対しても、五十万市民の非常な心配と反対とがございますが、それは板付基地があるため、あるいはそれを拡張して大型ジェット機が飛ぶようにという意図を含んでおる。あるいは過去においてたくさんの犠牲を出して参っております。私どもが知っておる限りにおいても十数名の犠牲を出しておる、それから九大を初め三十校に近い学校の教育が不可能になる、あるいは一週間のうち実質五日しか授業ができない、こういう実態にもなっておりますが、これは本会議でも申し上げましたけれども、それについては板付から朝鮮戦争に参加する飛行機が飛び立って参ります。それが帰りにあるいはガソリン・タンクを海上に捨てて漁獲を不可能にしたというような点もございます。あるいは水豊ダム爆撃のために演習ならざる警戒警報が出て、福岡市が一瞬にして暗黒になったという事態もあります。そこで福岡市内の戦闘基地としての板付空港を、軍事基地としての板付空港をやめてもらいたい、平和的な国際空港にしてもらいたい、あるいはこの福岡市をそうした防備、武装都市にするのではなくして、平和都市にしてもらいたい、こういう要望もあっておるわけでございます。この委員会にあっております最中、二時に近かったのでありますが、総理大臣にもお目にかかって、市会議長その他から陳情もございました。文書を出してもらいたいという要望も向うからございましたが、あるいは被害等について実情を詳しく出してもらいたいという希望もございましたが、これを取り上げてアメリカ側に取り次ぎたい、そういう鳩山総理のお話もございましたので、政府として福岡の軍事基地を移転することについて取り上げる、地元民の要望、五十万市民、二十万世帯の署名が集まっております。この要望を取り上げる意向があるかどうか、私は総理はあると承わって参りましたが、ありますかどうか、官房長官から重ねてここで一つ明確に御答弁を願いたいと思います。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○政府委員(根本龍太郎君) 板付飛行場の移転の署名がたくさん参りまして陳情が出たことは事実でございます。ただしこの問題は、移転先を探すことが非常に困難という問題と思われますし、なおまたこれは私が今担当しておる問題でないものですから、ここで責任ある答弁は困難でございます。この点は関係閣僚並びに担当長官とも十分に連絡をして研究すべきものと考えます。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 その点重ねてお尋ねをいたしますが、あなたも総理大臣あての二十万署名というものは預っておられる、その移転に関する福岡市民の切実な要望も聞いておられる、これは総理大臣に取り次がれたと思うのであります。その取り次がれたあと、総理にきょう二時前に代表がお目にかかった。そのときあるいはアメリカ大使館なり、あるいは司令部に出される書類を詳しく書いてもらいたい、こういう要望もあり、そうしてお話はよくわかりました、取り上げてお話をしたい、こういうお話がございました。官房長官として、あるいは政府として、福岡市民の要望を聞いて、それを取り上げるかどうか、その点について重ねて明確に御答弁を願いたい。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○政府委員(根本龍太郎君) この要望は強い要望として取り上げます。そうしてそれに基いて研究は十分にいたしたいと考えておる次第であります。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 板付の問題について担当大臣にお目にかかりました際、これは私の話でございます、ですから名前もここで遠慮をいたします。そういたしました場合に、鳩山内閣の閣僚から、占領中今までの基地を減すべく努力をすべきであった、伊丹のごときも市内にある基地としては、これはあるいは羽田あるいは福岡市内と同様な事情であるが、それは私が申し上げた、今までに取り去る点についてわれわれは努力すべきであった、こういうような私見が漏らされたのであります。伊丹その他の点について、市内に何十万という市民が住んでおります。その市内に戦闘機が発着する、あるいはジェット機が発着して、そして朝鮮戦争その他に参加する、こういうことは、これは外国の事例にも、私も若干歩いて参りましたけれどもございません。タイにおいてすら私はないということを見て参りました。これがイギリスあるいはアメリカの場合にはなおさらだと思うのであります。伊丹の点についてせっかく閣僚から私に発言がございましたが、政府として取り上げて、市内にある戦闘基地はこれを取り除くために努力をする、こういう御意向がございますかどうか、官房長官からもう一度御答弁を願いたいと思います。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○政府委員(根本龍太郎君) 閣議において飛行場、特に都市の中にある飛行場を撤去もしくは移転するという問題については正式に閣議で議題になっておりません。この問題については、おそらくあなたとお会いになった閣僚が私的な意味においてそういうふうな感想を漏らされたことではなかろうかと、こう想像いたします。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 私的にお話がございましたから、きょうの公述はあなたはまあ直接聞いておられぬと思う。調達庁の担当官は聞いておるかと思いますが、それをここで繰り返す時間はございませんから、伊丹、板付の問題について話をいたしました閣僚との私のお話をここに持ち出して、この関係者の要望に基いて、その一部については長官もみずから聞いておられるから、政府としてあるいは閣議で市内の空軍基地、戦闘機発着基地の移転、あるいは撤去について取り上げる意向があるかどうか、これは取り上げるべきだという要望を伝えた、私としてここで重ねてあなたから公けに取り上げてもらいたい。取り上げる意思があるかどうかということをお尋ね申しておるわけであります。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○政府委員(根本龍太郎君) 明日定例閣議がありまするから、その旨はお伝えしておきます。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 最後に、土地収用の問題についても皆さんから心配をして御質問がございましたが、これはまあ先ほどの答弁で、まあこの委員会はこれより仕方なかろう。私の意見ということで政府の方針を述べられましたから、それ以上の追及はいたしませんが、先ほど来参考人からも述べられましたが、政府は従来、あるいは妙義の場合には地元の根本的な再検討を日米合同委員会で取り上げるという実績がございました。これはあなたを通じて総理に話をして取り上げられたと思っております。その後あるいは防衛分担金削減交渉において、政府がまあたたかれております。あるいはその後自由党からたたかれたかもしれませんが、漸次吉田内閣時代のような態度に戻りつつあるのではないかと心配をしておるのであります。参考人からも、たとえば新潟において福島長官に面会をして、いろいろ衷情を訴えて、拡張反対の陳情をされたが、福島長官は時間がないということで知事室から逃げられた、こういうお話もございました。あるいは小牧についても同様な御発言がございました。それから先ほど木下君から、けが人を出しても云々という長官の談話が出ましたことも、これも先ほど来申されたところであります。これを言っておるときりがございませんが、官房長官はこの席では、関係者がその生活を守るために、その土地を守るために反対するのは当然だ。その生活を守るためにも政府はその責任を果さなければならぬという話がございましたが、私はここで引き合いに出すのはどうかと思いますけれども、あるいは立川の関係者が陳情に参りましたときに、官房長官もこれは怒りなすった。それから福岡の関係者が参りましたときに、これは陳情者ではございませんけれども、これは福岡なり、周辺の市町村民の心配を代表して、地方の放送局がまあ入っておったわけでありますが、非常に叱り飛ばされた。私はこれは陳情者に対する一つの威嚇であると思うのでありますが、どうもここでのあなたの態度と……。従来の政府機関なり、あるいは政府委員の態度からいたしますならば、強圧的にその陳情もけ飛ばす、こういう態度であったかのように思う。警察の態度については立川その他からもお話がありました。私は法務大臣が先般公安関係の検事を集めた際に、基地関係についても暴力行為が伴うかのごとき印象を与える訓辞をして、これを取り締まれといったような訓辞をされたかのような新聞記事も出て参りました。法務大臣のそういう訓辞は私は法務委員会で取り上げるつもりでございますが、政府の態度というところが那辺にあるか。これは先ほど来の答弁ではございますが、総括して一つ官房長官から明確に陳謝するところは陳謝し、取り消すところは取り消して明確にしてもらいたいと思う。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○政府委員(根本龍太郎君) 立川の陳情の方々が参ったときには、代議士の方の二、三名の紹介もあって私は聞きました。陳情は十分聞きましたが、そのときに若干興奮したところが出まして、相当きついことが出まして議論になりました。議論はいたしません、議論であるならばお断わりします、こう言ったのであります。それから福岡の陳情が参ったときに、写真をとらせてくれという申し出がございました。それは私は許可しております。ところが録音をとるということについては申し込みがございません。それについて陳情者が陳情され、私がしゃべっているときにずんずんやりましたので、それはここでお互いに話をするとき、一々そういうふうにすることは困る、やめてくれ、こう言ったのであります。そうしたら取材の自由だ、こう言うから、それは違う。これは初めから私の部屋でやる場合においては許可なくしてはこれはいけません。お断わりするということで忌避いたしました。こういう状況でございます。従いまして、その問題について私は今陳謝するという性質のものではないと考えます。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 立川の場合については、あなたが怒った原因が、そういう議論が並行線だから云々と言われたけれども、私はそうではないと思う。あのときの町会議員の人、地元の町会議員の一人でありますが、それが胸に院内バッジをつけていた。これは前に社会党の控室におりました事務局員でございますから、バッジをつけているのは当り前であります。おそらく長官は誤解をして、町民でもない人が云々という感情があったのではなかろうかと私は想像したのであります。しかしあのときの態度は私どもが見ておりましても、これは立会をいたしました議員が怒りましたくらい感情的であります。そこでそれらの点について、これは釈明をさるべきだと私は思うたのですが、一般的な態度を申し上げておる。先ほど生活ができなくなるように追い込められる関係者の点については、その生活を十分見なければならぬ。あるいは生活を守るために、土地を守るために反対をされるのもこれは当然だ、それと、あるいは政府が負っている、アメリカの要望にこたえなければならぬという点を調和するのが政府の苦心の存するところだ、こういうお話があった。国民の権利義務、あるいは国民の生活というものについて考え、あるいは陳情も聞いて、国民の信託によってやって行く政府というならば、私は当然陳情も十分聞くべきだし、それからその権利を守ろう、生活を守ろうという動きに対しても、十分な理解と、それを守り抜くための政府の責任というものも私はあると思うのであります。その国民の利害と、それから生活に関連して先ほどのような、今に至りますまでの答弁があるならば、私はあなたの示されたようなああいう態度は私は間違いだと思う。それから警察なり、あるいは法務大臣なりの点も言いましたが、それに関連して、総括して政府の態度というものはどういうところにあるか、間違っているところは間違っている。あるいは感情的に行き過ぎたところは行き過ぎておった、あるいは長官等が人をけがさせても云々といったような点は、これは間違いだと言われるのが私は当然だと思う。その政府の一般的な態度について、官房長官から総括してここで釈明を願いたいと、こういうことであります。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○政府委員(根本龍太郎君) この問題は非常に深刻な問題でございますから、政府は誠意をもって善処いたしたいと思っております。(「善処じゃないよ」と呼ぶ者あり)

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員外議員(荒木正三郎君) 福岡市内の高射砲陣地の問題に関連して、私は政府の態度に非常な了解しがたい点を持っておるわけであります。と申しますのは、今度高射砲陣地の問題について、アメリカ軍当局が直接地元の当局に対して調査方を申し入れておるという点であります。私どもの了解するところでは、少くともアメリカの要望、あるいはアメリカの意思というものは、日本政府を通じて行われるものだというふうに考えるわけであります。ところが直接そういう話し合いをするということは、もしそういうことによって事が運ばれるということであれば、これは日本政府は要らない。この問題について日本政府が黙認をしておるのかどうか知りませんが、何らの意思表示をしておらないという点について私は非常な疑惑を持っておる。この点について政府はどう考えておられるか、ちょっと官房長官から、日本政府はどういうこれに処置する考えであるか、こういうことが今後も許されるべき性質の問題であるかどうか、そういう点について私は答弁を求めたいと思います。

福島慎太郎調達庁長官

○政府委員(福島慎太郎君) その点私から申し上げた方がよろしいかと思いますが、アメリカ側の、福岡の市長に手紙を出しましたことはまことに異例なことであります。その手紙にもはっきり書いてあります通り、日本政府の方に意思表示はしてあるのだが、福岡市長にもお願いするからよろしくたのむ、こう書いてあります。そこでこういうことは今までなかったことであります。で、アメリカの空軍の副司令官の名前で出た手紙でありますので、空軍司令部につきまして、参謀長に、一体どういうつもりで、どういうわけでそういう手紙が出たのであるかということを聞きただしました。全くの間違いである、将来こういうことは二度とないことであるということであやまっておりましたので、その事態もわかりましたし、今後はないということもはっきりいたしたわけでございます。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員外議員(荒木正三郎君) 私はこの種類の問題は、そういうことで済まされる性質の問題でないと思う。日本の主権に関する問題です。行政権の独立に関する私は問題になってくると思うのであります。アメリカ軍当局が直接に地元当局と交渉する、こういうことは許されないことだと思う。当然今後もあってもならないことでありますが、これに対する政府の処置です。またこの問題に対する政府の考えです。私は明らかにせらるべきだと思うのです。そうでなければ占領下と変りないじゃないですか。アメリカ軍が直接地元当局と話をして、どんどん事を進めて行く、それじゃ占領下ではないですか。これについて政府当局は何らの意思表示をしない。これは非常な国民に対して疑惑を与えておる。そういう意味において、この機会に、私は明らかにしてもらいたいと思います。

福島慎太郎調達庁長官

○政府委員(福島慎太郎君) この手紙は、これは異例であることは確かに異例でございましたが、これは御指摘のような主権の侵害というほどのものでは私はないと考えます。それは手紙にも明らかに書いてあります通り、施設委員会を通じて日本政府に申し入れてある、その写しを送付するから、日本政府から話のあった場合にはよろしく頼むという手紙になっておるわけで、それが直接市長に対して、どうしてくれ、ああしてくれということを手紙の中で交渉しておるのではないのでございまして、日本政府に出した手紙の写しの内容を知らせておる。それから福岡市の件に関して、日本政府にこういう申し入れをしたからという手紙で、これはその手紙それ自体で、これによって主権の侵害という、行政権の侵害というふうにはなっておらないというふうに考えておりますのみならず、ただいま申し上げましたように、事務上の手違いでその手紙が出てしまったと陳謝をしておるわけでございまして、問題としては落着しておると考えております。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員外議員(荒木正三郎君) 私はこれは官房長官から答弁をしていただきたいと思います。政府はああいうアメリカ軍当局の行為を黙認して差しつかえないと考えておるなら、そういうふうにおっしゃっていただきたいと思います。私どもは非常に重大な問題であるというふうに考えている。これは政府の答弁を求めます。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○政府委員(根本龍太郎君) ただいま調達庁長官から言われた通り、これは一種の抗議でございます。その結果が事情が明らかになって、向うの方が陳謝をし、かつ今後はそういうことはいたさないというお答えでございまするから、今後はそういうことはないものと考えております。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 ちょっと議事進行。今、福島長官は、施設委員会における日本の政府に出した書類の写しが、福岡市長のところに行った、こういうまあ説明でございます。私どもが承知しておる限りではそうではないと思うのであります。幸い参考人として福岡市長が来ておられますから、福岡市長にその手紙がそうであるのか、違うのか、一つ説明を求めていただきたいと思います。わかりましたな。(「重大問題ですよ、これは」と呼ぶ者あり)

小西春雄福岡市長

○参考人(小西春雄君) あのマックノートンの手紙が日本政府へ出した写しであるかどうかということは手紙に書いてありません。こちらでそういうことを上京してから承知いたしたのであります。でありますので、あれは全く異例の書類だから、突っ返したらどうかというような意見も民間では非常に強く出ておるのであります。しかしわれわれもまた二十万人の署名を先方へ出して、いろいろ話をしておるのであります。で、こちらがこの問題の基本になったものを突っ返すということをやるのでは、問題の基礎を消すことになりますから、私としては突っ返すことは見合せておるのであります。

野本品吉緑風会

○野本品吉君 きわめて簡単なことですが、一つお伺いしておきたいと思います。これは参考人の方にお伺いしたいのですが……。   〔吉田法晴君発言の許可を求む。「ちょっと今の問題はこれは重大だ。写しじゃないのだ」と呼ぶ者あり〕

新谷寅三郎緑風会

○委員長(新谷寅三郎君) 野本君、いかがですか。

野本品吉緑風会

○野本品吉君 けっこうです。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 大へんおそれ入りますが……。写しであるかどうかという点をお尋ねしたところが、写しでないと、こういうお話であります。福島長官は写しであると、こういうまあ対立をしたままここでこのまま参りますと、福島長官が写しであるということもそのまま見過ごされて参りますので、小西市長さん、おそれ入りますが、長官は政府に出した写しをあなたのところに送ったと言う。ところが私どもがその写しを拝見しますと、あなたあての手紙を拝見しますと、写しではないようですね。ですからその手紙の内容を概略一つここで御披露を願いたいと思います。

小西春雄福岡市長

○参考人(小西春雄君) 写しであるかないかは私としては承知いたさないのであります。そういう写しだということをこちらで承わったのでありまして、書面には写しという文句はないように思っております。それからいずれは調達庁の方から話があるだろうということは書き加えてあります。それだけを申し上げておきます。

新谷寅三郎緑風会

○委員長(新谷寅三郎君) 吉田君に申し上げますが、この問題は福岡市長あてのこの書簡の写しを委員会に提出してもらって、その上でさらに御質疑を願ったらどうかと思いますが、確めた上で……。

木下源吾日本社会党(第四控室・左)

○木下源吾君 今のに関連して。だいぶこれは相当重大なんです。これは内政干渉でもあり、アメリカのどんな……、写しではあっても強大なアメリカの力で、福岡市長というもののこの関係は、これは非常な力がある。この力のある今の書簡、そして飛行場を要請する、これはなるほど手続としては返すことも、あるいはまたあなたの言う通り陳謝したからいい、これはいろいろそういうことも妥当だろうと思いますが、これは日本としまして非常に重大な問題だと思います。ことごとに今日まで防衛力を増強しろ、日本の生産力の何%をやれ、あるいはその防衛庁費を九百億以上にやれ、覚え書をやれ、いろいろなものがきておるのでありますが、こういうものに対して政府は非常にあまったるく、まるで御親戚づき合いのようなことをやっておるから、だんだん日本の国民は米国の隷属も隷属、もう取り返しのつかないような状態になっておる。こういうときにこの問題を、単に間違ってやったからというようなことでは不問に付せられないと思う。いやしくも国会で問題になった以上は、ただいま委員長の言われた通り、その写しを国会に出してもらって、この処置をあらためてしなければならない、かように考えますが、政府は今までのアメリカが陳謝をしたというだけで不問にこれを付する考えであるかどうか、もう一ぺん長官からでも一つはっきり御答弁を願いたいと思います。

福島慎太郎調達庁長官

○政府委員(福島慎太郎君) このアメリカの書面と申しますのは、確かに福岡市長にあててある書面でありまして、あと先はつけ加えてあるのであります。しかし中身は全く調達庁にきたものと同じ意味であります。その意味において写しを送ったにすぎない結果になる、こういう結果を申し上げただけでありまして、市長さんも申しておられますように、調達庁にも書類は出してあるから、いずれ話があるであろうということが中に書いてある。国の方に先に話をして、そういう話を、福岡市に関連のある事項を国に申し込んであるからということで市にも通達をしてきたということになります。各地にあります施設区域の問題につきましては、それぞれその地方心々の事情によって地方的に相談をするように、まあ地方によりましてはいろいろな名前をつけております。日米協議会とか、いろいろな名前をつけて、県知事なり、市長なり、その他地元の市民といろいろ話し合う機会を自発的に作っておるところが多いのであります。中央に対して申し入れすべき事項でありますから、中央に対して申し入れたのち、こういうことを申し入れたからということを相互に通報し合う。私は実質においては特別重大な政府の行政の権限を侵害しているというふうにはなっていないと思います。しかしながら、運び方としては誤解を生ずるおそれもあります。そういうことをしないように、またどういうわけでしたのかという抗議をしたわけであります。先方も将来繰り返さない、今回のやつは間違いであって、はなはだ申しおけないということを言っておったということを申し上げておきたいと思います。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 もう一点だけ念を押しておきますが、私も実は緊急質問をするに当って、福岡市役所で翻訳をされたものと、それからその原文の英語の写しを拝見をしたのであります。その中にはなるほど十三カ所の点は、これは調達庁というか、あるいは施設委員会に、施設分科委員会に出されたものかも知れない。しかしその中には市長において、これは福岡市民を守るためのものであって、その調査ができるように御協力を願えれば大へんけっこうだということと、それから福岡市を守るためのものであって、別に危険があると言いますか、心配はないということを言うてもらいたい、こういうことが書いてございまして、写しを単に送ったという問題ではございません。あくまで写しだと言われるから、私はそれは事実違う、こういうことを申し上げておるわけであります。それからそういうものを、単にこういうことにきまったから、地方における連絡協議会に話を出すというようなものでなくて、全然施設分科委員会でも正式に取り上げて論議をしていない。あとから聞くと、そういうものを直接市長に送って、調査について協力を願いたい、あるいはその説明も市民にしてもらいたい。こういう十三カ所の高射砲陣地設置のための調査なり、あるいは市民の説得を要望した手紙だ。その点を先ほど来荒木、木下両委員は問題にしていると思うのであります。あれは写しであって、事新らしく市長に要請したものではない、こういうことを言われた。そのことは事実に反していると言わなければならぬ。福島長官はあくまでも、写しを単に送った、しかも事務上の手違いで送ったということを説明せられるのですが、もう一ぺん福島長官からはっきり釈明を願いたい。

福島慎太郎調達庁長官

○政府委員(福島慎太郎君) 福岡市に参っております手紙は、福岡市長宛の宛名も書いてあります。従って純然たるコピーを送ったというものではない。しかし内容は、調達庁によこしたものの写しを送ったに過ぎない、こう申し上げているわけであります。従いまして、その市長に宛ててある部分に、いずれ調達庁から話もくるであろうから、その際はということを書いてある。直接市長から米軍に対して連絡しろとは書いてない、調達庁に対して、施設委員会に対してという方が正確でありますが、そういう申し入れをしたから、日本政府でそれを取り上げる機会に、福岡市民の意見も聞くであろう、自分の方でそういう処置をとったということを、福岡市にこちらから通報するというふうに理解できる性質のものであろうと考えております。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 もう繰り返しませんが、原文が手元にございませんから、先ほど委員長のお話のように、写しなり、あるいは原文を市長から取り寄せた上で論議をいたしたいと思います。

新谷寅三郎緑風会

○委員長(新谷寅三郎君) さようにいたします。書簡の写しを、当委員会に福岡市長から御提出願いたいと思います。

小西春雄福岡市長

○参考人(小西春雄君) 承知いたしました。のちほど……。

新谷寅三郎緑風会

○委員長(新谷寅三郎君) お諮りいたしますが、官房長官は大体五時ぐらいで終るという予定で、あとは党の用事を大分控えておられるようでありますが、きょうは他に委員会もないのでお引きとめしておりますから、官房長官に対する残りの御質疑は簡単に願います。

上林忠次緑風会

○上林忠次君 先ほどから特に問題になっているのは、飛行場の問題が取り上げられておりますが、五カ所の飛行場が今問題になっている。以前から私聞いておりますところによりますると、もっとたくさんの飛行場の拡充について向うの要請があった。それをようやくここまで集約したのだというように私も聞いておりますが、果してどのくらいの要請があって、どの地域の要請があって、最後折衝の結果、ここまで来たのだというその経過をお聞きしたい。しかもこの五カ所に対しては、この地域の五カ所ということになっているのか、あるいは日本中で五カ所適当に選んでくれということで話がついたのか、その辺の五カ所が決定した結末を、これに至った経過、そういうことをお尋ねしたいと思います。私は特に福岡とか、今の豊中ですか、あの飛行場を考えますと、これは軍用基地じゃないじゃないか、しかも基地としてはほかの基地もまた影響されますし、特に都市の中にある飛行場、これが軍用に使われるということになりますと、永久に文化施設なり、あるいはわれわれの生活が大きな犠牲をこうむる。もっといい適当な場所がほかにあるのじゃないかと考えられるのであります。何もああいうような都市の中心地に軍用基地を作る必要ないじゃないか、いつかはこれはまた変えなくちゃならぬ。今変えるにしても相当に、あとでも金が要りますが、新らしい予算が要するわけでありますが、変えるなら今のうちに変えたらどうか、アメリカに行きましても、よそは知りませんが、軍用基地がああいうような都市の真中にあるようなところはないのじゃないか、商業飛行場として存置するならいいですけれども、軍用機が発声するというような、そういうような基地をあのようなところに求めて、もしも一朝事あった際は周辺の都市が大きな被害を受ける、しかも一度作ったからには地域の国民の生活に大きな脅威を与える、大きな損害を与える、しかもそれが長年の将来にわたって与えるのだということになりますと、この際、この基地の選定は改めてもう一回考え直さなくちゃいかぬのじゃないかというような気がするのであります。さような、五カ所を決定されるに至りましては、どのような経過があったのか、そういうことをお聞きしたいと思います。

根本龍太郎日本民主党内閣官房長官

○政府委員(根本龍太郎君) その具体的な問題については私詳しく承知しておりませんので、これは調達庁長官が折衝しておりますので、調達庁長官から答弁をお願いします。

福島慎太郎調達庁長官

○政府委員(福島慎太郎君) ただいま御指摘の通り、確かに五カ所の飛行場を候補地として調査をしたいということになっているわけであります。これに至りました経緯は、米軍が現在使用しております飛行場はちょうど四十ある、かつては日本陸軍と申しますか、海軍と申しますか、日本軍時代には、これは戦時中急増したせいもございますが、全国に八十幾つあった時代もあり、米軍になりましてから、その四十幾つを解除いたしまして、四十でやっておりました。二年ほど前に飛行機の性能の変化から、四十飛行場はあっても、どれもこれも滑走路が短くて、これからの飛行機が飛べなくなるという問題が起りまして、アメリカ側から、どこの飛行場ということの指定はありませんが、滑走路を、これからの飛行機が使えるように延長するという問題を提案して参りました。従って提案の目的は、現在使っております飛行場の滑走路をそのまま延ばすということにあったと思います。しかしながら、日本側といたしましては、四十の飛行場について、たとえば千尺にしろ、千五百尺にしろ、延ばすということは相当な大問題でございますので、できないという返事をいたしました。それでは最小限度にしたらどうなるかという相談が始りまして、またわれわれも、四十の飛行場が全部一つも使えなくなるという事態は、日本で飛行機が飛べなくなる事態も、これは非常識な事態だと考えまして、ごく少い飛行場は飛行機が飛べるようになっていなくてはならぬのであります。そういう意味において検討を、かれこれ二年間かかりましてして参りましたわけであります。そこで五つといい、六つといい、伊丹を含めました六つの飛行場の数をアメリカ側が最終的に希望したわけで、これならばこの六つだけで、なおそのほかに若干滑走路の長い飛行場があるにはあるのでございますけれども、この六つの飛行場を基本にして、ほかの飛行場の滑走路を延ばさなくても、大体最低限度の要求は満てるであろう、ただどこでもいいから六つということでは困るけれども、四十の飛行場をだんだんに減らしてくるわけであるので、場所は六つでないと困る、こういう意見でありました。そこで私どもといたしましては、本年度最小限度の仕事はしてやらなければならない。飛行機が飛べなくなる事態は考えられないということで、仕事を開始するに当りまして、アメリカの最後まで詰まって参りました六つの飛行場を引き受けて研究してみよう、閣議に将来提出して、これらを提供してよろしいか、この面積でということで、閣議決定を願う案がこの六つの飛行場についてできるかどうかという調査をしたいということになりましたわけでありますが、その六つ目の飛行場については予算の関係その他の関係から、どうもわれわれ自信がない、従って本年できかねるとして、五つだけやるということにようやく話を落着させまして、アメリカ側の方は、六つ目はいずれはやってもらわないと困るということをいまだに言ってはおります。ほかの三十幾つでございますか、この方は諦めておる。六つ目はいまだにねばっておりますが、われわれの方はできないという返事をいたしまして、五つについて調査にかかりまして、地形なり、地質なり、大きさなりの調査をいたしまして、最終的にどのくらいの拡張をすれば目的を速成することができるか、大体その平均は千五百尺、二千尺、多いのは二千五百尺というのもございますが、滑走路を延ばすということで、その調査にかかっておるわけでございます。調査の結果拡張するのに適当であるということにつきましては、地理的、地質的な条件とか、そういう技術的な条件もございます。もちろんその地元の犠牲を払われる諸君の補償をどういうふうにするか、替え地をどういうふうに発見するか、移転をどういうふうにするかということについて、われわれの案が立たなければ、これまた強行することもできないかと考えておりますので、そういうすべての点について、これならば大体成案化し得るという見通しがつきますれば閣議決定を仰ぐということになるわけでありまして、五つになりました事情は、そういうふうな事情で、四十ぐらいの数から詰って参りましたので、どこの五つでもいいというわけに参りませんことと、六つ目という問題ははなはだあいまいではありますが、アメリカ側においては、もしも五つだけで日本側はやめますと、また来年あたり言ってくるのではないかという意味で、中途半端的な形になっておりますということであります。

上林忠次緑風会

○上林忠次君 やはり五カ所の最後の決定が、この指定された今の場所ということにたったかどうか、これははっきりしませんが、その点をお答え願いたい。東京でも何カ所ありますか、相当個所があると思います。日本中に八十もあったやつが四十になっておる。四十もまだ残っておる。その中には立川を選ばなくても、ほかの飛行場で間に合うじゃないか、もっと犠牲の少いところもあるのじゃないかということも考えられますし、もうすでに使わない飛行場が四十もあるならば、一部は農地に返したらどうか、そういうことも国民感情としてはいい反応があるのじゃないか。今の使う見込みがあるならば、そこまでは強行しないでも、四十あるからには、そう使わない飛行場が相当あると思います。一部を返してやる、そうして替え地を与える。特にこれは飛行場ばかりでなしに、演習地の問題も同じであろうと思いますが、農民の土地に対する執着というものは、これはもうとても理屈じゃない。特にこの日本の小さい耕地を持っておる農民としては理屈なしに執着を持っておる。この執着に対して、公用徴収で簡単な処置をつけるというようなことで行きますと、従来のような例で行きますと、だれもがえんじない、相当な生活の安定のための処置をとってやらなければいかぬ、こういうような処置に対しても、あらかじめ地元の連中と話し合い、こういうようなことでどうか、これでしんぼうしないか、古い土地は捨てて、そこに新らしい農地を作るから、そこを選択せんかというような手もありますし、近くにいいかわりの飛行場がないなら新らしく作る、たとえば立川をやめるなら立川はもっと犠牲の少い地域を選んでそこへ移転させる、そういうような手もあります。また立川を強行するなら、その近くの適当な農地を替え地に考えてやるというような手もありますし、とにかく生活の安定ができるような措置を考えてやらなくちゃいかぬじゃないか。そういうような交渉がまだ行われておらぬ、地元がとにかく土地に対する執着が強いというようなことで、まっこうから一坪もいやだというようなことになってくるのは、これは農民の普通の気持でありまして、われわれ想像できるのであります。従来二回、三回、あるいは四回目のまた拡張というようなことで、政府に対する不信任ということもあるのじゃないかと私は考えるのであります。もう少し調達庁におきましても、こういうような仕事をされる前には、地元を納得させるような穏便な措置をとらなくちゃいかぬじゃないかというふうに考えるのであります。その点が私たち聞いておりまして、大へん欠けている、また飛行場の問題でありますが、先ほど申しましたように、都会地の軍用飛行場なんというのはこれはおかしい。私は特に先ほど申しました二カ所の、あの繁華な周辺都市の中に軍用飛行場を作るというのはおかしいじゃないか。これを作ったからには、町のまん中に高射砲の陣地を作るというようなこっけいなこともできてくる、これはいよいよこの飛行場がほんとうに防衛のために使われるという現実になりますと、大きな犠牲がその周辺の町にやってくる。かような土地を選んでなぜ軍用基地を作るか、おかしいじゃないかと思うのであります。そういうような点を一つまあ御意見を伺いまして、なるべくそういうような方向に気持を変えていただきたいと考えておるのであります。

福島慎太郎調達庁長官

○政府委員(福島慎太郎君) 御指摘にもありましたこの五つの飛行場を、その場所でということがどうかという点でございますが、今の話はその場所で研究してみるということになっております。ただその飛行場についてということでございますので、延し方の方角その他いろいろな案を立てつつあるわけであります。アメリカの申して参った方角だけでやろうとは考えておりません。その地域で最も犠牲の少い方角に延ばす案を調査をしたいという考えでおります。なおそれ以外の、今回問題となります以外の飛行場について解除すべきであるということは仰せの通りでありまして、解除の話し合いも相当に進捗しております。どうせ拡張いたさない飛行場は一人前には使えない、飛行機が飛べなくなるわけでありまして、解除される飛行場が相当出て参るだろうと思います。たとえば羽田の飛行場は日本の民間飛行機のために解除するとか、埼玉県のジョンソンでありますが、これらも要らなくなる。その他具体的な事例はかなり話し合いに上っておりまして、拡張工事の方の進捗を待ちまして、ほかの三十幾つの問題については解除という方角がはっきりして参ると思います。ただほかの犠牲の少い飛行場でもやったらということでございましたが、延長いたします最後の大きさというものが、九千フィートなら九千フィートという規格がございますので、なるべくそれに近いものから延ばして参る。短いものには五千尺くらいの飛行場もたくさんございますが、これを九千尺にするということになりますと問題もなかなか大きくなります。八千尺あるものを九千尺にするとか、七千尺のものを九千尺にするとか、比較的大きなものを選ぶとか、関連いたします地理的配置というようなものもございますので、アメリカ側の希望としては、今日指定されている五つということになったわけでありまして、われわれも一応これを候補地として調査をしてみようということが現在の仕事の段階でございます。これが可能であるという結論に達しますれば、この五つということで拡張をはかるということになります。いずれか一つ不可能なものが出て参る、技術的に不可能であるとか、あるいは補償その他の関係について、政府として対案が浮かばないというところが出て参るとかいうことになりますと、その一つをどこに変更することができるか、あるいはそれを変更する関係において五つの配置というものそのものを根本的に考え面さなければならないとか、いろいろ問題はあると思います。当面は現在の五つを候補地として調査立案しようということで作業が行われている次第でございます。

上林忠次緑風会

○上林忠次君 何回も繰り返しますが、目前の安易な道を選ぶということでなしに、将来長い用途に使うのでありますから、特に学校の密集した所とか、文化施設の密集した所、またたくさんの人間が生活を基盤においている所というような土地はこの際思い切って捨てて、新らしい土地を選ぶ。一時金がかかるかも知れませんけれども、そういうような方向に進んでいただきたい。また土地の買収に対しましては、換地の問題とか、生活の安定を確保してやることに重点をおいていただきまして、納得づくでやっていただきたいと考えるのでございますが、さような点希望を申し上げて、これで私終ります。

新谷寅三郎緑風会

○委員長(新谷寅三郎君) 官房長官に対する本日の質疑は一応これで打ち切ることにいたします。  これから参考人に対する質疑を継続していただきたいと思います。ちょっと速記をとめて下さい。   〔速記中止〕

新谷寅三郎緑風会

○委員長(新谷寅三郎君) 速記を始めて下さい。

野本品吉緑風会

○野本品吉君 参考人の方にお伺いいたします。皆さんの属しております市町村会、それから府県会等において、この問題に関しまして、公的に反対の決議をされておるかどうかをきわめて簡単にお願いしたいと思います。

浜名儀三木更津市長

○参考人(浜名儀三君) 市会におきましても、県会におきましても反対いたしております。

舟橋久男農業

○参考人(舟橋久男君) 北里村は村会におきまして議決いたしております。それから関係の春日井市議会においても議決いたしております。小牧市議会においては、対策委員会で決議いたしております。県議会においては、愛知県会においては議決はいたしておりません。

田浦順二前新潟県農業委員

○参考人(田浦順二君) 新潟は、新潟市議会は三月二十二日に全員で反対議決しております。それから県会は五月二十四日で全員で反対議決をいたしております。それから付近町村でございますが、すぐ隣りの亀田町という町会で全員で反対議決しております。同時に新津市、鉄道の交差点でございますが、新津市議会で全員が反対議決しております。また加茂市議会も全員で反対議決しております。

石田精市元印野村助役

○参考人(石田精市君) 御殿場市議会におきましては、先般この演習場に関しましては、一応住民の意思を尊重いたしまして、従来の束富士演習場関係の未解決事項が解決しない限り、三十年度の継続契約は拒否するという態度をもって進んでおるわけでございます。なお県会におきましても、これに同調いたされまして、正式に県議会の意見書として中央当局の方へ御提出になることになっております。

小西春雄福岡市長

○参考人(小西春雄君) 板付飛行場の軍事基地撤廃並びに国際空港指定についての決議を、これは昭和二十七年十二月三日に市会で決議いたしておるのであります。その後二十九年の三月十九日、これは航空機の沖繩及び板付間の問題についての決議であります。二十九年十一月二十六日、これは日本航空の板付空港使用存続並びに国際空港誘致についての決議であります。それから商工会議所からは、三十年の四月八日付でもって、会頭から板付空港問題に関して緊急要望というものが出ております。内容は同じものであります。三十年四月十一日、これに福岡市議会議長、福岡市長、福岡商業会議所会頭、三名の連名をもちまして、外務、運輸、国際協力局、調達庁、航空局長に板付空港の使用存続についての要望書を提出いたしております。今回の板付基地の移転促進協議会も、これも市議会において検討いたしました結果、そういう協議会を作ろうということを決議して作っておるのであります。

小林英次会社社長

○参考人(小林英次君) 宝塚演習場の場合は、昨年七月及び本年四月に新旧両議会とも市会は反対の決議をしております。わが県会においては反対することについて協議中で、本会議にはまだ上程になっていないのでありますが、県知事は設置反対を陳情しょうということになっております。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員外議員(荒木正三郎君) 時間の関係もございますので、一括してお尋ねをいたしたいと思います。初めは宝塚の自衛隊の演習場の問題でございますが、先ほどのお話しでは、防衛庁自体が宝塚に演習場を設けることは適当でないという意見を漏らしておったということを聞きましたが、私ども防衛庁が宝塚の演習地は適地でないと認めながら、なぜ演習場を設けるのが、理解に苦しむわけなんです。そこでお尋ねいたしますのは、防衛庁のどういう人が、もし御承知でございましたら、だれがそういうことを言っておったのかということが第一点。それから第二点です。この演習場については、宝塚市当局には何ら諮るところなく設けられたというようなお話しでございました。私もそういうことを開いております。しかし私はしばしば防衛庁から、演習場を設ける場合には地元の了解を得て、その上でやるのだ、これが防衛庁の方針であるというふうに聞いております。ところが先ほど聞きますと、市当局の了解を得ないであの演習場が突如として出現した、こういうふうにおっしゃっておりますし、私がいただいておる宝塚市長からの陳情書にもそういう意味のことが書いてございます。何ら相談にあずかっていない、何ら市に諮ることなく突然設置されたというふうに書いてありますから、おそらく間違いないと思いますが、この点間違いないかどうか、お伺いしたいと思うのです。で、この問題に関連して、防衛庁にこの際私は説明をしていただきたいと思うのです。なぜ宝塚市当局に相談をしないで、地元に相談をしないでやったのか。その結果がこういう今日のような事態が起っておるということになれば、防衛庁の責任は私は免れないと思う。そういう意味において、この答弁のあと防衛庁の方から説明を願いたいということであります。次に、小牧飛行場の問題に関連いたしまして舟橋君にお尋ねいたします。私どもの手元に参っております調達庁の書類によりますと、このように書いてあります。「四月二六日午前一〇時三〇分頃北里村長、議長、村議及大野春吉外数名、調達局長を訪問し農地の立入については承諾しているが」と書いてあるのです。これはおそらく私は名古屋の調達局長名をもっての本庁に対する報告文書であると思います。それがわれわれの手元へ出されておるものと解しておるわけです。そういたしますと、この立ち入り調査についてはこういう人たちは了承しておる、こういう報告書になっておる。これが事実かどうか、この際舟橋君から私は再度説明を求めたいと思います。この問題についても私は調達庁長官に答弁を求めたいと思います。もし誤まった報告を調達局長がしておるという場合にはどうせられるか、こういう問題です。私の聞いておるところでは、この報告書は誤まりがあるというふうに思うのです。なお参考人から御意見を聞きますが、そういう誤まった報告に基いて立ち入り調査をしたということが、問題をさらに複雑にしておるという事情がありますので、この処置をどうせられるか、これは調達庁長官にお伺いしたいと思います。

新谷寅三郎緑風会

○委員長(新谷寅三郎君) 荒木君に申し上げますが、調達庁及び防衛庁からの答弁は、参考人に対する各委員からの質問が終って後にしていただきますから御了承願います。

小林英次会社社長

○参考人(小林英次君) 伊丹自衛隊大阪建設部におきまして、宝塚市民はもとより、市長にも了解を求めないで設置したことは、宝塚市長のお話によって、市会におけるお話、あるいは市民に対するお話によって明白であります。伊丹自衛隊はあいまいな御説明をしておりますけれども、結局防衛庁の係官に聞きましても、伊丹自衛隊は初めは承諾を得たと説明したのだけれども、突き進んで、しからばその証拠を見せろと防衛庁係官が伊丹に追及したところが、証拠はないというようなあいまいな答弁であった、こう防衛庁の係官からも聞いております。そういう意味で、伊丹自衛隊は宝塚市の承諾は得なかったことは事実であると信じます。次に、宝塚演習場の現地は演習場として適していない、こういうことでございますが、昨年の九月の二十日にわれわれが反対運動を防衛庁にいたしました結果、防衛本庁から布沢調査官がわざわざ現地に調査に参られまして、また伊丹自衛隊の現地の係官も一緒に調査に参加いたしまして、市民約三百人の公聴会をそのときに小学校で開きました。そのときに布沢調査官のお話は、自分は実地に初めて山を見た、今までは伊丹自衛隊の報告によりますと、相当りっぱな、演習場にふさわしいいい所だ、写真も見た、ところがきょう行ってみると、案に相違して岩石のはげ山で、しかもあんな高い所、すべてが演習地に適していない、それは率直に認める、しかも諸君はその上にこれだけの反対運動をやっておる、現地は反対でないという報告があったけれども、これほどまでの猛烈な反対があるのか、こういうことは案に相違して今発見したことである。このことは防衛庁に帰って上司に報告して地元の要望になりべく沿いたい、何も悪い所を知って、買い上げたからといってこれを演習場に強行する必要もないだろう、自分の個人的な意見としてはそうである、よろしく諸君は私の個人の今後の上司に対する報告を待ってもらいたい、こういうお話でありました。その後十月になりまして、われわれが防衛庁に各衆参両議院の先生方をお願いして行ったときに、江藤政務次官、木村長官、また増原次長その他に陳情運動をいたしましたときに、現地を見た防衛庁の考えは、あんな所をなぜ演習場として買収したのか、今は不思議に思っておる、係官の失敗である、こうも申されました。すなわち江藤政務次官にそのとき立ち合ったのは、社会党の山口丈太郎先生、淡谷悠藏先生、また現在民主党の永田亮一先生等でありました。しかして木村長官も、そういう場所ならばそれば変更しよう、悪い所をわざわざ演習地に使わぬでもよろしいから、宝塚市に限っては変更しようと、こう申されて、その後先ほどの防衛庁の係官布沢調査官、また高田施設管理課長等もそれに同調されましたのか、命令なのか、変更するのだ、ついにそういう言葉を発せられました。高田課長のごときは頑強で、なかなか長官の言うことも聞かないけんまくでありましたけれども、われわれ大勢たびたびの陳情に、上がそうならば命令に従わなければならぬ、こういう最後の結論でございました。宝塚市当局に対しても防衛庁から、地元の要望にこたえて、等価交換の線に持ってきて代替地を探して、防衛庁と両方で協力しよう、代替地が見つかり次第に、経理局等の準備が済み次第変更しよう、こういう公文書も参っております。ところが昨年から約一年たつ今日において、その間内閣がかわりました時に大村長官も、前内閣の言った通りに、あすこは自分も個人的に山も知っておるし、あんな所をわざわざ演習地にせぬでもよかったのだ、あれは確かに防衛庁の出先当局の間違いだと大村長官もわれわれに言明されました。そこで、できたらあの山は演習地には悪いのだけれども、将来とっておけばあすこは別荘地帯にもなるいい場所だ、こうも申されたのであります。そういう状態でありますけれども、また内閣がかわりまして、防衛庁の課長さんあたりのお方は、どうも長官がかわるというと、もう前言った命令やら言明されたことはお忘れになる傾向があると思います。われわれが人をかえ、またたびたび陳情運動の跡始末に参りますと、あるいは二、三人市会議員が今度行った、そうすると、どこ吹く風と、そんなことを前に言ったかもしれないけれども、確かに言ったろうけれども、宝塚市が代替地を見つけてそれを買ってちゃんとおぜん立てをして持ってくれば、こっちがよろしいと言えばそれできまるのだ、早く持ってこぬのか、こういう不親切な態度に最近は出ております。期成同盟会長もやって先頭に立ってきた私には、まさかそんなことも言いません。しかしながら、ある市会議員の有志の者が来ますと、平然とそんなことを言って追っ帰しておるそうであります。この六月二十五日に防衛庁に参りまして、高田課長に会って、あなたは代々二代の長官があれほど言声明されたことを御存じないのですかと言ったところが、知らぬことはないけれども、それは長官を譴責しようという冗淡を飛ばしております。まことにふまじめなる防衛庁の役人であります。こういう役人が今もって課長の席におる以上は、宝塚演習場設置問題は解決はできない、百年河清を待つものではないかと考えるのであります。この点諸先生方に特に御研究、御助力をお願いいたしまして、この問題の早期解決に一つ御尽力をお願いしたいと思います。

舟橋久男農業

○参考人(舟橋久男君) ただいま名古屋の、おそらく調達局長が、東京の調達庁に報告しておるであろう文書の一部分を御朗読になりまして、要するに北里の村長以下若干名の者が名古屋の調達局長に陳情に行った、そのとき承認したという報告があるが、事実かどうかという御質問でございました。私も先ほどの最初の陳述のときに、その部分はごく簡単に触れて申し上げたのでありますが、結論から先に申し上げますならば、断じて否でございます。そんなことをわざわざ名古屋の調達局長のところへ言ってくるほどの状態ならば、今日村をあげての反対などしておるはずはありません。そしてまたただいま御指摘になりました報告の文書のすぐあとに引き続いて、北里村からは調達局員が立ち入り調査に行くとき身分証明書を持ってこない、だから泥棒や共産党と間違えられるから身分証明書を持ってきてくれという要望があるから、翌日から持たしたということが書いてございますが、泥棒や共産党員に間違えられるということは確かに言ったのです。しかしそれは身分証明書すら持ってこないということは、何とけしからぬことであるかという非難をしただけで、だから明日から身分証明書を持ってきたから、そのまま自由に立ち入って御調査下さいなどということは断じて申しておりません。その辺のところを歪曲か、ねじ曲げか、堂々と公文書として、しかも権威ある国会に出ておるということに、私ども国民として全く納得できないものを感ずるのであります。しかもこれが事実でないという証拠は、翌日から調達局が実際に立ち入りにこられましたが、北里村においてはこれを拒絶いたしまして、その後一度も今日にいたるまでまだ立ち入り調査をされておりません。その前の段階で立ち入り調査なるものは終っている。ですから繰り返すようでありますが、事実と全く相反する、陳情に行きました若干名のものが全部口をそろえて……、事実と反しておることが堂々と文書、資料として提出されたということはまことに私どもは残念に存じます。今後調達庁と話し合いをするときには、テープレコーダーでもかけて録音をとりながら話でもしなければ、油断がならないというふうな考え方が今日私どもの間に一ぱいでございます。先ほど官房長官は録音することを拒絶されたと言われましたが、官房長官と話をするときには何も録音は要りません。しかし名古屋の調達庁と話し合いをするときには、どうしても録音が必要じゃないかというふうに思っております。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員外議員(荒木正三郎君) この答弁は改めて願いますか。

新谷寅三郎緑風会

○委員長(新谷寅三郎君) そういたします。

木下源吾日本社会党(第四控室・左)

○木下源吾君 私は東富士の参考人に簡単にお尋ねしておきますが、今来処理の問題、未解決の問題があると言われましたが、この分はどういう問題か、これをお尋ねしたいことと、それから今演習場が地元の所有者と無契約状態にあるということ、これはどういうことを言っておるのか、そうして自衛隊が無断で使用しておるということが言われておるが、それはどういう事実か。それから今まで補償料を受け取っておる、その補償料はいつの分であるか。それから補償料もいろいろあろうと思いますが、解決の方法が補償してもらう地元農民の希望とどのくらい離れておるか。それから講和発効後において米軍に提供するときに承諾の証を与えておるかどうか、それが期限が切れておるという意味なのかどうか。なお今演習しておる所はやはり富士山の国立公園地帯であるのか、非常に荒されておるようであるが、これは非常に北富士よりもひどいように新聞で拝見しましたが、これらに対するつまり復旧措置と言いますか、そういうようなことが行われておるかどうか、以上、まあそのくらいのところを一つ簡単に御説明を願いたい。わからないところはあとで書面でもよろしい、わかるだけ……。

石田精市元印野村助役

○参考人(石田精市君) ただいま私ども東富士の問題についての御指摘がございましたのですが、無契約状態にあるというこの原因のものは、お手元に回しておりますところの要望書にも概要書いてございますが、まず個人の重要財産であるところの山林並びに市町村の重要な基本財源であるところの山林というものが、講和発行後三年有余になるにもかかわらず、この甚大なる被害に対する補償が一銭もなされていない、まして申請が三年にわたるけれども、調査に日が暮れて補償が一切なされていないということも地元が怒りだしておる一つの原因であります。それからなお先ほども申し上げましたように、演習場の中から発するところの悪水の被害による道路並びに河川の決壊というものに対する演習場外の被害、これは特別損失という名称を使っておりますが、この特別損失に対する補償が全然なされていない。しかしこれに対する防災措置は、総理府の規定によりまして一昨年一部実施をいたしましたのですが、これも実施を要する個所の五%以下にすぎないという状況でありまして、これらも何らかの手を早急に施さなければ被害はますます甚大をきわめるという点もあるわけでございます。それから問題が自衛隊の問題とも錯綜するわけでございますが、駐留軍の用に供するというために当初契約をして参ったものが、あそこに自衛隊の富士学校ができたという関係もありましょうが、そればかりでなく練馬部隊、その他自衛隊の各地の演習部隊があそこを、現地の米軍の了解のもとに演習に使用しておるという話はほのかに聞いておるわけであります。私ども現地におきましては、自衛隊からそういう話は一切ございませんけれども、米軍の方から静岡県の渉外事務所を通じまして、自衛隊が使うから米軍が休む日であっても演習場の立ち入りは禁止という通告も受けております。なお自衛隊の最近の演習のやり口が駐留軍以上に激しいことであります。戦車が二十台、三十台列を作って通ったあとは、採草地なんかはほとんど革が一本もなくなってしまうという、きわめて哀れな状況に変って行くわけであります。こういった地元農民に対する演習場がいかに重大な不可分関係を持っておるかという、この因果関係から推しまして、被害があまりにも重大であるということから、これらの未解決事項が調達庁当局における事務的な処理、あるいは事務処理に対する誠意の問題にも触れて行くわけなんでありますが、この処理に当っては、私ども関係者といたしましては、誠意がみじんも見られないということに地元の怒りが発しておるわけでございます。かような点で、三十年度の契約等につきましては、これらの問題がすべて地元の納得の行く線で解決しない限り、継続契約は一切応ずることは相ならぬという、先ほど申し上げましたような各市町村議会の意向でもあるわけでございます。なお最近この問題を早期に解決しなければならないという地元農民の意思の集まるところ、接収地域農民生存権確立期成同盟というものが、御殿場市長を筆頭に結成せられまして、この問題の解決に地元農民一丸となって邁進しておるわけでございます。それから今まで受けた補償はいつの分かという御質問に対しましては、昭和二十二年に接収になりまして、これは先ほども申し上げましたように、占領接収でございますが、昭和二十二年から昭和二十六年の十月三十一日までの立木中間補償を受けております。それから土地の借り上げ料といたしまして、山林原野につきましては本年の三月三十一日まで受けております。なお農耕地の借り上げ料等につきましては、やはりこれも額等の問題で妥結をいたしません、昨年の十二月三十一日までで、本年一月からの分は契約ができていないという状況でございます。それから入会権に対する損害につきましては、講和条約発効後の損害といたしまして、当時十カ町村から約七千万円ほどの被害があったわけでございますが、調達庁当局の一方的なる計算あるいは調査、評価という問題に遭遇いたしまして、地元町村当局から再三の異議の申し立て、あるいは要望等を出しましたが、わずか五十万円足らずに査定をせられたということが、この広大なる約一万町歩からの林野産物に対する損害補償の実情でございます。なお、受領した補償料との関係は直接ございませんけれども、こういった現在の補償の措置につきましては、地元農民は根底からこれに対する憤激を買っておるわけでございますが、でき得れば、こういった問題については何とか定期的に一カ年間の被害のある一定水準を定められて、これを毎年定額補償することによって、調達庁の事務簡素化、あるいは地元の方も事務的簡素化並びに精神的な問題も緩和せられるではないかという点も考えられるわけでございますが、こういった点についても、調達庁当局へ二年以来再三規則の改正その他によりまして、地元の要望するこういった線に沿うようにお願いして参ったわけでございますが、この問題につきましては一歩も進捗しておりません。なお、講和条約発効後、この演習場の使用について地元は承諾書を出しているかいなかという問題でございますが、これは昭和二十年に静岡県に軍政がしかれて、軍政部の管理下におきましてあの演習場が米軍に強制接収せられた、このときは地元の反対も相当あったわけでございますけれども、一応強力に接収をせられるということで、いかんせん、軍政で占領治下であったがために、その反対が表面に出なかったわけでございますけれども、この間、今日九カ年になりますが、やはりその当時の反対不満というものが、調達庁の事務的な処理と相待って連綿と続いて参っておるわけでございます。そこで昭和二十七年の講和発効を境といたしまして、この演習場の取扱いが切りかえになるというときに至りまして、日米合同委員会等の方から地元町村長に対して演習場の使用について承諾してくれという要望もございました。しかしそれはずっとおくれての九月、十月に入っての話でございまして、東富士演習場が正式に、日米合同委員会で決定になったのは、たしか昭和二十七年の十一月ごろじゃなかろうかと思われますが、その間は保留の形になっておったように記憶しております。そこで地元としては、その反対の空気は十分下部には、一般農民の中には流れておりまして、しかし米軍の使用は、そういう状態があろうが、なかろうが、継続して現実に使っているという事態に非常に農民としてはあきらめ的な考え方でこれを見過ごしたわけでございますけれども、その間の反対の空気はまことに内部的に深刻なる問題があったわけでございます。そこでずっとおくれまして、十一月中旬ごろ、まあ仕方がないということで、町村長が一応関係者から委任を受けまして、やむを得ず使用の承諾をいたしておるわけでございます。しかしながら、これは毎年調達庁、つまり日本政府の代表機関であるところの調達庁横浜調達局の不動産部長が相手方になりまして、土地の賃貸借契約を締結するわけでございますが、この毎年の賃貸借契約によって形式的に演習場が使用せられるということに相なっておるわけでございますが、この契約につきましては、契約を更新するつど紛争が絶えないわけでございます。そこで本年の、すなわち三十年度の契約につきましては、もうこういうお互いに問題を処理するということを言われながら、これが遷延されているというこういう気分の悪い話し合いには乗りたくない。ましてや、地元の農民の意思を、気持を考えれば、こんなお互いに言い合ったりなんかすることはつまらない。もう少し根本的に解決して、真に接収された農民が再建整備ができない限り、演習場の継続使用には反対をするのだという空気なんでありまして、先ほど申し上げました期成同盟の結成の意義がここに表われておるわけでございます。それから富士山ろく国立公園が、昭和十年ごろ、あの辺箱根山と一帯、富士山を中心といたしましたところの国立公園に指定されたわけでございますが、この御殿場の駅へおりていただけばわかりますが、アメリカの西部劇に出てくるような、昔の御殿場の純真な空気はみじんも見られません。ほとんどアメリカの兵隊と特殊慰安婦によって埋まっておるような御殿場駅前の状況でございます。かかるがゆえに、この七月一日から御殿場の富士山の登山が始まるわけでございますが、その御殿場口の玄関であるところの御殿場駅において、かかる状態であるがために、富士登山客は、戦前における富士登山客のほとんど一割にも充たないという哀れな状況になっております。さらに富士山東口演習場にノース・キャンプ、ミドル・キャンプ、サウス・キャンプ、三つのキャンプがございますが、このキャンプの周辺も御殿場駅前のような状態になっておるわけでございまして、あの秀麗な富士山がアメリカ兵のそういったいまわしい環境に汚されまして、国立公園樹上山、こういう名前はほとんど有名無実にひとしい状況になっておるわけでございます。これにつきましては、地元観光協会におきましても、非常に憂慮しておるものでございますけれども、一応これらの人たちを相手にするところの商工業者といたしましては、やはり基地の悲しさで、半面、こういった人たちを相手にしなければ生活が成り立たないということで、地元の観光並びに商工という面におきましては、葛藤を、争いを、続けておるわけでございます。願わくばこの国立公園富士山というものが昔の姿に返って、日本の富士山、名実ともに日本の富士山というものを確立していただきたい、かように念願するものでございます。

宮田重文自由党

○宮田重文君 ちょっと小林参考人に伺いたいのですが、先ほど荒木委員の御質問に答えて、現地の演習場は不適当な所である、こういうようなことを防衛庁の首脳部の人も言われたということでありますが、現在その演習地に対して、何らかの施設をし、あるいはまた演習を実際に選定以来行なっておるかどうか。その使用の状況について現地の状況を伺いたいと思います。なお、この市会あるいはいろいろな団体においてもこれに反対しておるというのに、伊丹の自衛隊の方では、市長あるいは市民の人たちが演習地として了解しておるというようなことを言うておる、この間の事情がどういうことになっておりますのか、もう少し具体的に伺えたらと思います。

小林英次会社社長

○参考人(小林英次君) お答えします。演習場の現地は防衛庁本部からの伊丹第三管に対する通牒によりまして、使用は昨年来一回もされておりません。ところがそれは最近になりまして、先ほども申しましたように、この六月三十日及び七月七日の二回、雨季にさしかかったので道路を修理するのだというのです。これは実際に道路の修理だと思います。演習のために二百人ばかりが二回無断で、通告なしにやって来まして、市民はびっくりして山にかけ上ったという現状でございます。その後はそのままで一回もありません。すなわち使用はされていないのでございます。しかしその現地は、先ほど申しましたように、もともと住宅地に計画された分譲地でありますから、山の頂上までがほとんど舗装された道路で、この分譲地の半数は分譲されております。そういう住宅予定地であります関係上、使わないで、上の方は山くずれがしておるのを、道路の修理ということで参ったという程度ですから、現実に使用はされておりません。それは防衛庁本部のお指図であり、また防衛庁本部の公文書によって市当局によこされたところの公文書によって、代替の土地を探がせ、その適当なる土地があれば手続を済まして交換しよう、こういう約束が市当局、つまり市民と防衛庁の間に取りかわされております。しかし先ほど申したように、前内閣からそういうお約束をしていただいたのですけれども、防衛庁事務御当局の、先ほど言い過ぎかも知れませんが、まことにわれわれが不愉快な感じを抱きます態度によって、市にそれを委して探がさした所が、そこがよいと言っても、さてそれを金で買うのだ、あるいはそこに農民等がおれば、それは補償を市が払ってきれいに整理して持って来い、最近はそういう状態までも押しつけるような防衛庁本部のやり方であります。もとは木村長官時代、大村長官時代にはそうではなかった、防衛庁の係官も金は――代替地のために、今の演習場を払下げる実費――もともと九百二十六万円だけでよろしい、その金を作ってくればここで手続もしてやる、そこまでわれわれに言明されたのに、最近の態度はまことに不可思議なほど変っております。これはあるいは市民及び地方民の今の感情から考えますと、防衛庁は伊丹第三管を通じて、まま市民運動とか地方民の運動が、代替地を持ってくるには金がたくさんかかるだろう、まあまあそんなおっくうなことはやれぬだろうというようなことを待っておるのではないか、あるいは不可能なことを待っているのじゃないかと、そこまで地方民は疑っております。そしてその暁にこのせっかく買ったものは不適地であっても使用しよう。こういう考えでないかとまでうわさされております。まことにこれは国のために残念に思います。われわれ地方民は最も困る問題でございます。あとは何でしたか。

宮田重文自由党

○宮田重文君 市長や市会や市民は了解しておると、伊丹自衛隊は言っておる、ところがその市会や何か決議しておるのでしょう、反対の、各種団体も反対しておるというのですね。

小林英次会社社長

○参考人(小林英次君) それは市会も市民も全部反対しております。再会も市民も、新旧両議会も反対しております。それから市長も了解をした事実はない、こう再三言明しております。現在でも。この間二回防衛庁が突然演習に来たときでも、全市民が急速協議会を開いて、各階層、団体を通じて、市長が先となって現地交渉までやっておる、こういう実情であります。

上林忠次緑風会

○上林忠次君 宝塚は、昭和十何年ですか、水害のときのあの状況を思い出しますと、あそこの裏のはげ山、あのはげ山の処置が悪いために大水を出したことがある。電車がトンネルを入って両方泥でふさがれて、中でタバコのきせるの図のようになったというあの惨事を聞いておりますが、かようなあのはげ山、演習地としては適地かもしれませんが、ああいうようなはげ山を今すぐにでも水害防除のためには木を植えなければいかぬ、そういうような所をまた荒地にするというような方向に進む今の演習地問題、これに対しましてはこの基地の演習地の現地におられます小林さんは、どういう工合にお考えになっておられますか。これは大体先ほどのお話では、家屋がどんどん建つというようなことも聞きましたけれども、家屋の建つのは危ないのだ、あそこは植林にして、あの土地を守るためには、あの山をもっと植樹しなければならぬ、それをまた荒地にするというような方向に進んでおりますが、これに対してはどういう工合にお考えになっておりますか。

小林英次会社社長

○参考人(小林英次君) 先ほど申し上げましたのですが、山のふもと、中腹までは分譲地ですでに売られておるし、また舗装した道路は自衛隊が一方は中腹までは今度の演習のために道路まで買収した、急遽道路を買収した事実があります。ですから中途まではすでに今から二十数年前に舗装されて、道路は中腹まで分譲され、その予定地になっております。山のふもとは先ほど申しました数十万坪ですが、これは今の阪神電車が分譲し、なおどんどん家が建っておりますから、これは住宅地として差しつかえない、またよいものと思います。また山の上の岩石山、今の演習場設置地は、現在でも荒れまして、今のお話のように実は昨年の夏、台風期に、私の家もその山のふもとでありますけれども、その山の高台という地域一帯でも四尺の洪水があった、瞬間出水で、どっと大雨が降りますと洪水が出ます。また先ほど申しましたように一后川、天王寺川等の河川がはんらんしまして、大雨がありましたならば今でさえもその危険は大変なものです。また洪水で堤防が決壊いたします。それを山の上を演習場に使われたならば、これこそ地方民が誰でも知っておる通りの大洪水が出ることは間違いないのでございます。ところが現地に伊丹第三管が参りましたときも、洪水の損害ができた場合は考えていない、こういうふうなことを公言しておりますけれども、植林はしなくちゃならない、山ははげ山であって植林を必要とする砂防地区であると言っても、あの山には木は生えないので植える必要はないのだというような、三管の財務当局は無茶な説明をしておりますけれども、地方民、市民の心配は大へんなことであります。ですからこれはどうしてもここを演習場に接収されては洪水が出ましたならばまた千戸、二千戸は水浸しになります。そういう現実の、問題が迫っております。しかし防衛庁はまだそこまでは知らぬようであります。

宮田重文自由党

○宮田重文君 先ほどの小林参考人のお話に関連して防衛庁にちょっと伺いたいのですが、一体不適当だということで先に――今は変っております首脳部の人たちであるかもしれませんけれども――そういう話が出ている所を、しかも今日まであまり使っておらないというような所を、道路を補修というような名目のために、六月三十日と七月七日に二百人くらいの自衛隊をもってそうして何か使用するかのごとくに行動していると、そういうことは防衛庁としてどういう御方針を持っているのか、またそれを施設を充実して拡張しようというようなことを考えておられるのか、前の首脳部の人たちの意向というものは、先ほど小林参考人のお話によりますと、ある課長や何かが、何か上級の人たちの考え方とは違った考え方を持っているということにも伺ったのでありますが、その間の現在の防衛庁内における意向がどういうふうになっておるか、また伊丹の自衛隊としてはそういうものはどうしても必要があるかどうか、そういう点について一つ伺いたいと思います。  それからそういう道路の補修、そういうことをするときに、一体市長初めあるいは現地における市会、各種団体というものは反対をしているというのに、そういう了解もなしに、そんな行動をしているのかどうか、その二点を簡単にお願いいたします。

新谷寅三郎緑風会

○委員長(新谷寅三郎君) 他に参考人の方に対する御質疑はございませんか。(「もう少しある」と呼ぶ者あり)  それでは先ほど荒木委員の御質問のありました点につきまして防衛庁及び調達庁当局から御答弁を願います。なお宮田委員の御質問のありました防衛庁当局に対する質疑につきましてもなお合せてお答え願います。

福島慎太郎調達庁長官

○政府委員(福島慎太郎君) 荒木さんから御指摘のございました小牧の立入り調査に関連しての問題でございますが、これは小牧に立ち入り調査をいたします際に、調達庁側としては地元の了解を取り付けようとして努力したことはしたわけです。そこで関係五町村があったわけでございますが、そのうち四町村につきましてはまあ合点は成立したということになっております。最後の北里村についても合意が成立したというか、承諾を取り付けたという報告が参っておりますことも御指摘の通りでございます。ところが一方において調達局としては承諾を取り付ける努力をするかたわら、法律手続によります立ち入りの手配も進めておった、県知事に対する国としての通告、県知事から町長に対する通告、調達局から町長に対する通告、こういう一連の必要手続が行われたわけです。そこで今日になりまして、まあいろいろ私も考えているわけですが、そこで北里の町長さん、村長さんの立場とすれば、国としては法律手続をすべて完了した、国は立ち入り権を取得したわけでございます。従いまして今さら合意も何もないわけで、ただその法律手続で立ち会ってくるものに対して、調達当局は妨害その他の問題が起っては困るからということを言ってきたので、法律手続によって入るものを、別に妨害する意思はないという一札を書いたという見解なのでありまして、私もあるいはその当時いろいろな行き違いがあったにせよ、村長さんの手紙を、その文章を書かれた動機はおそらくそうであろうかと思うのです。ところが調達局長の立場にしますと、たまたまその文章というものが隣の村について同意をとりつけたときにこしらえた文書とまた同文でこしらえたわけであります。で、この村も同じであるという考えになったわけなんでありましょう。事実は、おそらく今日になって考えてみますと、調達局長の方も誤解があるのでありましょう。それから、その後村長さんの声明せられた通り国は法律手続によって立ち入り権をすでに取得してしまっておる。今さら同意したわけでもないが、しかし断わるわけにもいかない。むしろ妨害行為その他をさせないというふうにしておいて、事態を平静にしておくべきだということで書かれたという御説明なんであります。そういう声明も私どもちょうだいしたのであります。調査が済んでしまってから、実はちょうだいしたわけで、今さらどうにもしようがないということになっております。従いまして、御指摘のように調達局長がわれわれのところに同意を得て立ち入って調査をしたということが、今日になって考えてみますと、多少一方において法律手続を完了しておきながら、そうしたわけでありますから、どちらの手続で入ったのかはっきりしないという関係は確かにありますので、調達局長の報告が正確でないということは考えられると思います。しかしながら、同時にまた、調達局長がそういうふうに解したということも全然いわれがないというふうにも考えられませんので、なおよく私も考えてみたいとは思っておりますが、幸か不幸か立ち入り調査そのものが済んでしまいましたので、さかのぼってこの調査そのものを無効にするというわけにも参りません。第一、法律手続によります立ち入りは成立しておるわけでございまして、それはそれで有効ということになりますれば、立ち入り調査そのものは成立しておりますので、今後各庁に関連します河川の付けかえの問題、あるいは暗渠の問題、技術的に検討しておりますので、これが技術的に可能だということになれば、はじめて土地の提供をお願いするという段階にこれから達します。そういう今後の交渉が始まりますが、その際にも北里の村長からは立ち入りについて同意をもらったことがあるとか、とりつけたのだとか、そういうようなことは一切今後口にしないようにさせて参りたい、そういうことを将来にわたって援用しないようにして参りたいと考えております。調達局長が立ち入りの同意をとりつけたというふうな考え方になったということについても、若干の事由はなきにしもあらずとも考えておりますので、なおよくそのへんのところは考えた上で処置をいたしてみたいと思っております。村長さんの声明せらるる国としては法律手続によって立ち入り権をすでに取得してやってきたのである。権利を持っているのだからやむを得ず妨害その他についての書面を与えたという御声明がある。これはおそらくその通りであろうと私は考えております。

石原周夫防衛庁経理局長

○政府委員(石原周夫君) 荒木委員及び宮田委員の御質問にお答えを申し上げまするが、まず第一の市の当局の了解を得てやったかどうかという点であります。これは御承知のように、また私どもいろいろな機会に申し上げておりまするように、私どもの方の演習場にいたしましても、その他の施設にいたしましても、取得に際しましては大体市なり町村なりと御相談をいたしまして、現実に施設の取得をやっておるわけであります。この場合におきましても、私どもの承知しておりまするところでは、本件の起りまする以前から御承知のように伊丹部隊及び千僧部隊、この両部隊の基本訓練所と申しておりますが、いわゆる小演習場、小演習場といたしましていろいろな土地を探しておりまして、ある程度そういうことが知れていた面もあるかもしれません。ただ本件の取得に関連いたしましては、昨年の六月七日に、私どもの地方建設部というのがございますが、大阪の地方建設部長が市に出向きまして、私、今これをはっきり正確に申し上げるわけではございませんが、私の承知しているところでは、市長にお目にかかったように承知いたしておりますが、いずれにいたしましても市の当局者にお目にかかって、私どもの方の申し入れをいたしているわけであります。その際に私どもの方で判断いたしましたところでは特に反対もなかったので、了承をいたしたというふうに承知をしている。その点につきましての誤解と申しますか、私どもの方の受け取り方、市側のお考えというものにだいぶ食い違いがあります点が、今日までいろいろひっかかっているのでありますが、私どもの承知いたしておりますところでは、その際にこの点の申し入れを市長でありますか、あるいはこれにかわる当局者にお話は十分に申し上げたというふうに承知しております。それから七月十七日をもちまして、先ほど参考人の御説明のございましたように、買収を了しているわけでございますが、その間一カ月少々でございますが、その間に私どもとしましては土地の評価につきまして市側に照会をいたしております。これが文書で返事が来ておったかどうか、私ちょっと確かにいたしておりませんが、その点での交渉と申しますか、照会が行っているわけであります。七月十七日の買収までに至ります間におきましては、何ら反対というような意思表示は一つも受けていない。そこらへんのところが、今日にいたしますと何か両方側に誤解か何かがございまして、いろいろな紛議をかもしているのかもしれません。事柄の経緯はそういうような経緯であり、そういうような経緯に基いて一応買収を進めた、こういうふうに御了承願いたいのであります。  第二の点で、適当でないという点でありますが、これにつきましては、私も実は専門家でございませんので、私自身が正当な判断をいたす立場ではございませんが、聞くところによりますと、地目は山林であります。灌木がばらばらと生えた、先ほどお話ありましたような岩山といいますか、いずれにいたしましても相当でこぼこな所であります。土地がでこぼこでありますということは私どもの訓練にとりまして必ずしもマイナスにはならない。ただ何ぶんにも二十八万坪程度の基本訓練所でございますので、いろいろなあらゆる適性を兼ね備えているということはなかなかむずかしいのでありますが、土地がでこぼこであるということは必ずしも全面的にマイナスではないが、もっといい条件の所はあり得るわけでありまして、その意味で、演習場として地形の点から申しまして非常に適当であるということにはあるいは申し上げかねるかもしれません。ただ申すまでもなく、基本訓練所でありますので、訓練をいたします伊丹及び千僧部隊これの駐屯地から遠く相なりますと、その点でマイナスがありますから、従いまして地形の条件は当然部隊との距離というところから判定しなければなりませんので、当時におきましては、ほかに若干の候補地を探したのでありますが、先ほどお話しございましたように、現に国有林がこのすぐわきにあるのであります。これは先ほど上林委員もお話ございました土地柄でございまして、これは保安林になっております。従ってこの国有林は全然使い道にならない。これは演習場にしようということはできない。いろいろ探しました結果のことであるのでありますが、今のようなふうに適当か不適当かということはそういう総体的なものでございますので、私どもの方の担当部員が、これはそういう意味の教育訓練の専門的知識を持った人間ではございませんので、事務の方の担当者でありますが、しかしなかなかその道に精通しておりますので、相当しっかりした基本訓練所が立ち得ると言っております。言っておりますが、何分にも今申し上げたような意味の総体的な意見を申し上げたわけでありますが、総体的な条件といたしましては、私どもの担当管区であります第三管区といたしましては、いろいろな地形並びに地理的な近さというような点から考えまして、ここらへんでまあまあよかろうという判断をいたしたようであります。  そこで問題のそれからあとの経緯のことを申し上げるわけでありますが、あとの御質問にお答えいたすことになるかと思いますが、私どもの方はそういたしまして七月十七日に買収を完了いたしたわけであります。その後に至りましてただいま参考人からお話のございましたようないろいろなお話がございました。反対の陳情もいろいろ伺ったわけでございます。そこで私ども現地とも相談をいたしまして、結局先ほどお話がございましたように、十一月の二十五日のようでありますが、現地で、それでは一つ代替地を御提供願えれば、われわれの方も今申しましたような地理的条件及び地形の条件のもとにおきましては、必ずしもそうあの土地でなければならぬというわけのものでもございません。従いまして代替地を、交換をもって提供していただくということでございますれば、われわれの方は賠償を完了しておりますので、どうしても手続は交換状態になるわけでありますが、それならばわれわれの方としても考えようがあると申しまするか、御相談に応じましょうと申しますよりは、代替地を持ってきてもらって、それを拝見してよろしいということになりますれば、今申しましたような交換ということになる、つきましては相当買収以後期間もたっておりますので、一月二十日までの間にお願いしたいと思っておったのであります。そこで現地で、市側でいろいろ御心配いになったのだと思うのでありますが、実は、場所を申し上げてもよろしいと思いますが、西宮の金仙寺という所でありまして、そこがよかろうというので、これを市側と私の方と両方で共同の調査をいたしております。それで、これならばよろしかろうということに相なりまして、その後におきまして市側でそれを取得いたしますような方向でおやりになったと思うのでありますが、今申しました一月二十日を過ぎましても、いつまでもらちがあきませんものですから――なお申し遅れましたが、先ほどの御質問にお答え申し上げますが、その際に、その代替地の提供をせられますまでの間は使用を停止いたしておりましたが、適当でないというので停止したのではございません。市側とのそういうような解決の方法として話がつくまでしばらく使わないということで、そのために使っていないのでございます――そこで最近に至ったわけでございまするが、大体一年近くに相なりまするので、市側に対しまして督促をいたしまするとともに、市長あるいは市の理事者並びに市会の方の代表者の方々と数回往復がございまして、これは場合によりましては報道関係者を加えましていろいろ話し合いをいたしたようでございまして、なかなか代替地の提供というものが困難である。場所は今申し上げたのでありまするが、現実に取得をいたして、交換という手続がなかなか困難であるということでありまするので、なかなか話し合いがつかなかったのであります。そこで、その際に、先ほどもお話がございましたように、私は現地を存じませんが、相当地形の何と申しますか、高台でございまするので、道路が荒れておりまして、これを修復をいたしませんと、国有財産としての保存という点から申しましても、あるいはしも手の方に対しまする実害からいたしましても、これは私どもの方でいわば買収をいたしました国有財産でございまするので、これを保存するような意味におきまして補修をいたしたい。この点につきましてのなかなか御納得ができなかったようでございまするが、もう重ねて一週間ほどの予告をもちまして申し上げて、先ごろ補修をいたしたようなわけでございます。結局、結論といたしまして、今考えておりますることは、その補修のときにおきまして、また市側からいろいろのお申し入れがありまして、現在といたしましては、われわれとしましては、当然代替地が、引き続き交換ということで御提供に相なるならば、われわれの方としては、もちろんそれに乗りたいつもりでおります。ただ訓練の方の都合からいたしますと、相当長い間放置せられておりますので、われわれの方の訓練の点から申しましても支障がございまするので、できるだけ早く使いたいという立場にあることは御了承を願いたいと思います。ただそこら辺のことを円満に解決いたしますために、県の副知事が、最近におきましてあっせんをせられておりまして、県の方と市町村、私どもの第三管区との間におきまして円満な打開のための御相談を始めているわけでございます。この調停と申しまするか、あっせんと申しまするか、これによりまして平和裏にお話が進むように、県、市側との話を進めているわけでございます。

高田賢造防衛庁経理局施設管理課長

○説明員(高田賢造君) 施設管理課長でございますが、先ほどの宝塚の点につきましては、ただいま経理局長から詳しくお話がございました通りですが、なお先ほど小林さんのお話の中で私に関することが多少ございましたので、ちょっと簡単に一つ御説明申し上げたいと思います。  一つは、まあ防衛庁の中で事務当局と大臣との間に根本的な意見の対立があったというようなお話でございましたが、私の承知いたしておりまする範囲におきましては根本的な対立などというようなものは全然なかったと承知いたしております。  それから第二点でございますが、私がこう申したというようなことがいろいろございましたけれども、これも私に関する面に関しましては私はこれを責任をとるわけに参りませんので、この点実は小林さんともしばしばお目にかかりまして私としてはできるだけ丁寧にそのつど条理を尽しまして詳しくお話を申し上げたつもりでございましたが、まあその結果なお御了解が得られなかったんじゃないかと思いますが、その点私の足らんところでございますが、その点を補足いたしたいと思います。一言だけ御説明申し上げます。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○委員外議員(荒木正三郎君) この問題につきましては私は防衛庁当局に対しましていろいろ質問したい問題があるわけですが、時間が相当たっておりますので、私は他日の機会に譲ってもいいと思っております。ただ若干の食い違いがある点は指摘しておきます。それは防衛庁の方は、市当局は了解しているものと防衛庁は考えておったと、こういうことです。この問題については私は市長からの陳情書をもらっております。その中にもはっきり何ら了解をしておらないところ、突如として起ったというふうにあるわけなんです。私は先般市議会における市長の答弁の速記録を見ますと、それにおいても了解しておらないということをはっきり言っております。非常な食い違いがあるわけです。この点はどういう理由によって食い違いが起ってきたのか、これはやっぱり市長を証人として国会に呼んでたださなければならぬという問題が一つ起っている、かように思うのです。  それから防衛庁の方もあそこが適地であるかどうかという問題、これは私自身も大臣に会っていろいろ大臣の見解も聞いております。しかし今申し上げませんが、いずれにしても代替地があればかわってもよろしいということは文書をもって出しておられますから、それは間違いないと思いますが、しかし私が言いたいことはあんまり不親切だということ、宝塚市当局に、ちゃんと土地を買うて持ってこい、それならばかえてやろう……そんなことはとてもできる問題じゃない。だからこういう不親切なことはやめて、防衛庁はもっと私は骨を折るべきだ、こういう問題があります。そういう問題についてもいろいろ質疑をしたい点もあるわけですけれども、時間が相当今日は経過しておりますので、そういうことをやっておったら相当時間がかかります。従って私は今日の参考人も来ていただいて、趣旨からいっても私はどうかと思いますが、しかしこの問題はいろいろ問題を残している。従って今後この問題を取り上げなければならぬということになるのです。  ただ防衛庁にこの際希望しております。この問題が円満に解決するまで、現地はやっぱり若干延びても使わないようにしてもらいたいという要望だけはしておきたい。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 私も実は時間がおそいので御遠慮申し上げておきましたが、先ほど小牧の問題について調達庁長官から答弁がございました。その点はこれは看過ができませんので、一点だけ問題は残ると思いますのでただしておきたいと思うのでありますが、北里村長の暴力行為はないだろう、こういうことを他の村長が書いておられたので掲げた、こういうことで立ち入り権はできた、そこで立ち入り調書は済ました、多少の手落ちはあったろうけれども云々、こういう話がありました。その点だけは明らかにしておきたいと思います。調達庁は土地収用法の十二条は要らぬような話をされますけれども、これは参議院の法制局にも尋ねて、まだ回答が保留されておりますけれども、十二条の措置が講ぜられなければ、十三条の受忍の義務は起きないだろう、こういうことが今言われておる段階であります。北里村の場合に暴力行為は云々という点はございますが、しかし町村長の通知なり、公告がなかったことは、これはお認めになるだろうと思う。そうしますと、北里村の立ち入り調査について条件を具備して、そして立ち入り調査が終った、合法的に立ち入り調査がなされた、こういうことはこれは答弁できぬはずだ。その点を一応明確に答弁願っておきたいと思う。で、衆議院の参考人を呼んでの委員会の際に、これは私横から聞いておったことでありますが、今後法的な手続を完備してもやりたい、こういう御答弁でございました。それは小牧の場合、あるいは特に北里村の場合に、町村長の承認を得て、法規の手続がなされておると思っておる、こういう前の答弁に対して、あのとき問題になったので、それは不備が若干あったということを認めた上での私は発言だと聞いておった。先ほどの答弁は合法的な、完全に立ち入り調査が終ったかのごとき答弁でございました。答弁の訂正を願って争いは残りますけれどもその点だけは一応明瞭に願っておきたいと思います。そこで、完全に合法的な立ち入り調査は終っておらぬではないか、そしてその調査立ち入りを、先ほどそれが終ったからそれによってあとの手続を進めるのだと、こういうことはしない、過去において立ち入り調査について瑕疵があるので、これを基礎にして、たとえば認定をするとか、こういう、村長を追い込むような、これは責任問題におそらくなって参ると思うのですが、追い込むようなことはしないと、こういう答弁だけは調達庁長官に一つここで願っておきたいと思います。

福島慎太郎調達庁長官

○政府委員(福島慎太郎君) 御指摘のございました収用法十一条、十二条、十三条の関係でありますが、十二条の町長の公示でございますか、これがなければ法的手続としては完了しないという御意見があることは事実であります。政府といたしましては、立ち入り権そのものは、十二条の手続を経なくても権利そのものは成立しておる、十二条の規定は土地所有者に通知をして、不測の損害をこうむらせないようにできておる条文である、こういう行政としての解釈をとっておるわけであります。ということは、ほかの機会に法制局長官からも答弁されておるわけであります。私どももそれに従いまして権利そのものは、北里の場合はそういう趣旨ではなかったのでありますが、そういう権利も発生しておったというふうに申し上げたわけであります。まあこれにつきましてはわれわれの方はそういう解釈であるということで、今日の状態におきましてはまあ水かけ論という傾向もあるわけでありますが、まあ幸いというわけにもいきませんが、幸か不幸かその点に関しまして立川の問題に関連して仮処分の申請が出ておる、それの裁判所の決定が数日中に出るだろうと思われておりますので、裁判所の決定を待ちたいと考えております。われわれとしては、十一条の手続によって立ち入り権は発生するのである。北里についてそのつもりでやったのではなくて、そういうことも一方において行われながら、町長の同意を取りつけるように努力したといういきさつはございます。それを離れまして、十一条、十二条、十三条のこの問題は、政府としては申し上げましたような行政的解釈をとっておるというふうに考えております。申し上げましたように、仮処分に関連して裁判所の意見の決定も出てくるはずであります。それに従いたいと考えております。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 十一条、十二条、十三条の解釈については、今のように裁判所の判決もあるだろう、それを待ちたい、それはわかるのです。衆議院であれだけ争って、行政府の解釈と、それから立法府の解釈とが対立して、大へん紛争をして、そこでその問題は、今まで行政府としてこういう解釈をとってきた、しかし、その問題をここで争うということは考えない。  もう一つ、北里村についてお話を申し上げたわけですが、先ほど十二条の手続がなくても、十一条で立ち入り権はできているはずだ、こういう議論がされたから、それは今の答弁のように、土地収用法十一条、十二条、十三条という関係なしにやってきたのだから、そこで合法的な、土地収用法十一条に基いて、十二条の手続もなしに北里村の場合にやったのではない。従って、その北里村の調査というものを基礎にしてその後の土地収用手続をするというような、強引なやり方をするのでなくて、問題は、北里村の問題については法的な立ち入り調査であったとは思わないので、その後の手続をここで政府として進めるつもりはないか、こういう点を明らかにしておいてもらいたい、こういうわけであります。

福島慎太郎調達庁長官

○政府委員(福島慎太郎君) 十一条、十二条の関係につきましては、政府としては、かりにそういう手続で進行したのだとすれば、これは合法、適法な手続でありますので、それに基いた調査というものは、適法な権利に基く調査でありますので、不適法に調査したということにはならぬし、少くとも行政府の法律解釈として不適法でないと考えておるわけであります。いずれにいたしましても、裁判に関連してその辺のことは明らかになると考えております。将来にわたってこの調査は援用しない、調査の結果を使用しないと申せ、というお話でございますが、私どもは適法な調査と考えておりますので、適法な調査であれば、必要があればこの調査の結果に基いて出ました事実を将来の処置に適用することはできると考えております。しかし、いずれにいたしましても、先刻来官房長官が申し上げておりますように、話し合いによって土地の提供という問題を片づけて参ろう、最後までしんぼう強くその努力をしようと考えておりますことは事実でございますので、そういう方面が進捗いたしますれば、格別調査の結果に基いて、これを収用委員会に提出するというような事態にはならないかと考えております。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 どうもはっきりしませんが、先ほどの答弁の中の北里村の問題について、あれを依然として適法と考える、あるいは、それに基いてその後の手続を法的に進めるつもりなんですか、それとも、北里村の村長を私どもはペテンにかけて一札をとった、こういうことだと思うのですが、それらについての多少の瑕疵はお認めになっても、政治的に問題を解決したいということであって、あれに基いてこの北里村の土地収用手続を進めるつもりはない、こういう御答弁であるか、そこのところ北里村の調査と、それから、それを法律的に使用する意思があるかないか、その点をもう一ぺん重ねて伺います。

福島慎太郎調達庁長官

○政府委員(福島慎太郎君) 最初に申し上げましたのは、北里村の村長に同意書を書いてもらおうということで交渉いたしました際に、村長としては調達局側の法律手続の進行状態を見て、法律的に調達局としてはすでに立ち入り権を収得しておるのだから、立ち入りは差しつかえない、妨害はないはずである、こういう文書を書かれたということになる。ですから村長としては調達局側の法律手続がすでに済んでしまっておるので、認めないとか、認めるとか言っても、済んだものは済んだものとして、立ち入り権はあるものとして承諾をした。別に、村長がその一札を書いたことによって承諾をして権利が発生したものではない、こういう考え方をとっておるわけであります。それはおそらく今日になって考えてみると、その通りであろうと私どもも思う。一方調達局長としては北里村の村長にその際に書いていただいた文書というものは、隣の村に同意を取りつけたときに書いてもらった文書と全然同文書になっておるのでありまして、従って同じような意思表示を受けたものと理解して、合意による立ち入りであるというふうに考えて、まあ立ち入り作業を開始したということであります。今日になってみると、調達局長がそういう錯覚を起したということもまんざら柄のないところに柄を据えて、無理をしてそういうふうに考えたというふうにも考えられる節もありますけれども、同時にまた町長の御説明になっておるように、法律的に権利を取得してしまったのだから、だから入って差しつかえないと言っただけの話であって、新たに同意したのでも何でもない、こういう御説明もこれまたその通りであろうかと考えておるわけです。従いまして別に調達局側の処置に瑕疵があると申し上げたわけではないのですが、そういう行き違いが発生して、双方とも善意に自分の処置というものを自分なりに考えて、一札を取りかわし合ったという結果になったのであろう。従いまして町長のお立場もあるし、またそういう動機でそういう一札をお書きになったということも、今日となってはわからぬではないわけであるから、北里村の村長から同意を取りつけたとか、何だとかいうことを将来の問題にする必要はない。そういうことで、別に村長の同意というものは、かりにこれがあったと仮定いたしましても、立ち入りだけの同意でありますので、今後の土地提供その他の問題に影響を与えるべき筋合いのものではありませんので、別に援用する必要が起るとは思いませんけれども、援用しないように、町長の同意をしてもらったことは援用することは遠慮した方がよろしかろう。たまたま同時にとった法律手続によって入ったとしても同じであるからというように申したわけでございまして、調査の結果を将来にわたって使用しないというふうに申し上げたつもりではないのでありまして、町長から同意を得て入ったということは、今日においてもはや将来のためにこれは援用しないようにしたいというふうに申し上げただけでございます。

堀眞琴無所属クラブ

○堀眞琴君 立川の基地の問題について、これは最後に私はだめを押すつもりでもう一度調達庁長官から御返事を願いたいのです。というのは、明後日からいよいよ立ち入り測量に入る。もちろんこれは公道である。今までの長官の説明によりますというと、立ち入り禁止の仮処分の裁判所における決定を待ってそちらの方は何分の処置をする、こういう工合に答えられているわけですが、十六日からの公道の測量ないしは調査等は、町民のあのような反対の中でも敢行される意思であるかどうか。それからもう一つは、裁判所における仮処分に対する決定によって適当の措置をされると言うのだが、もし立ち入りが至当なものであるという決定が行われた場合に、どういう話し合いを進めて、この問題に対して調達庁としての態度をきめていかれるか、その二点を最後にお尋ねしたいと思うのであります。

福島慎太郎調達庁長官

○政府委員(福島慎太郎君) 仮処分の点は、私有地に対する調達局側の立ち入り通告に対しまして、これを禁止の仮処分の申請が出ておる。で、調達局側にその権利が与えられているかどうかという点について裁判所の決定があるだろう、それに従って権利がないということになれば、裁判所がないというものをあると言ってがんばるわけには参らないと思う。で、まあ調達局側に権利があるということになれば、どうやって立ち入るかということをこれから考えてみたいと思っております。十六日からやると言っておりますが、道路の問題はただいま申し上げました仮処分の問題とは関係がございませんので、これは道路に立ち入る権利は調達局も持っておるわけです。ただ御指摘のように私有地について仮処分の結果、調達庁側に有利な判決が出ても、また道路は調達庁が使う権利があるにしても、事実上の反対があるから相当な混乱が起るがどうするかという、こういう御質問だと思いまするが、われわれといたしましては、さらに町の諸君と話をしてみたい。町の諸君が申請された仮処分の決定というものが、調達局側の意見を支持して、裁判所の決定もあるくらいだから、これ以上従来のように調達局に権利はないんじゃないのだということでの御議論を続けていただいてもせんないことでもあるのですし、さらに一段の努力をしてみたい。調達局側の権利、立ち入り権その他のものによって、これを裏づける裁判所その他の決定が出てきますれば、また話し合いも自然に進捗する余地のあるものであろう。また道路についてもこれは申し上げるまでもなく、調達局側に立ち入り権があるとかないとかいうところまでいかないきわめて素朴な問題でございまして、これを立ち入らしてもらう、立ち入らしてもらうという交渉それ自体すらおかしいようにも思いますけれども、話を続けて参りたいと考えております。まあ、しかしながらそれすらも御存じのように、全然話をしないという建前を立川の砂川町のケースはとっておられますので、話ができるかどうかという点に若干の不安もあります。  いずれにいたしましても私どもといたしましては、飛行場の拡張といったような問題に反対があるのは当りまえだと思っておるのです。ただその反対の状況が、この国においては飛行場は必要でない、飛行機は飛ばなくてもよろしいというたちの反対でございますと、これはわれわれとしても立場が違いますので議論にならないわけなのでありまして、そういう反対で引き続いてこられるということになりますと、ぜひとも調査をしたいという方角とこれは平行線でいつまでたってもつかないということになりますれば、何らかの方法を研究してでも調査をしなければならないというふうに考えております。ただその反対というものが、話し合いが始まりました結果、取り上げられる土地というものを一体どこにかえてくれるか、立ちのかなければならない家の立ちのき先はどこにあるか、一体補償はどうしてくれるのかというような話になって参りますと、これはわれわれとしては、それらに対してこういう答案を用意しておるとか、こういう対案を用意しておるとか、そういう話をいたしまして、これが納得を得るとか、あるいは全面的に納得を得られないにしても、それを世間に示して、妥当性を承認される程度までいくとかということになれば、われわれとしてもあくまで話し合いができる、またわれわれの立場も主張できるのだと思っております。その際にそういう種類の反対になりますときに十分にわれわれの答案が書けない、立ちのき先の案は出ない、引っ越しの補償ができない、そういう条件についてわれわれが案を示すことができなければ、これは拡張そのものが実行不能な事態になると考えざるを得ない。従いまして立川の問題についても裁判所の決定その他の関係でかりに調達局の主張が支持せられますならば、それをまた土台として、さらに一段の交渉をしたいと考えております。  十六日からという問題は先ほどもちょっと申し上げましたが、十六日ごろまでには裁判所の決定がありはしないかということ、またわれわれも道路使用の最後の許可を十六日から得ておるという関係で、十六日という日取りが出ておるわけであります。十六日からすぐさま立ち入るということに考えておるわけでは実はないのでありまして、ただできる限り早く、せめて道路の分だけでも立ち入って調査をしてみたい、その結果アメリカ側から示された立川の滑走路延長計画以外にもう少し犠牲の少い案が成り立つものである  かどうかという点も早くつかんでみたいと考えておるわけであります。

堀眞琴無所属クラブ

○堀眞琴君 もう一つお尋ねしますが、これはこの前の内閣委員会でも質問の中に出て参ったのでありますが、負傷者が出てもまあとにかくしゃにむに測量をやるのだ、こういうお話がありました。長官からはそれは町民の負傷者を意味するのではなくて、調達庁側の負傷者が出てもあくまでもやれという意味だと、こういうお話があったのでありますが、今でもそういうお考えでいるものかどうか、これを最後にお尋ねしたいと思います。

福島慎太郎調達庁長官

○政府委員(福島慎太郎君) この負傷者云々の話は、どうも多少間違えて伝わりまして、はなはだ私も残念であり、また恐縮でございますが、これはまあ毎日新聞の記者の人に話したのでありますが、大体質問が初めから、調達庁関係者が二度も三度も行くたびに負傷者が出るようだが、どうするのだと言いますから、これはまあ道路を通っちゃならないという規則はないはずなんです。調達庁といえども人間なんだから、道路の方はりっぱに通れる道路だから、そこへ入っていって負傷したというのでは、これは収拾がつかないわけです。一ぺんや二へん負傷者が出たくらいのことで気落ちをしておったのでは仕方がないから、やはり道路の調査はやらしてもらいたいというふうに考えておる、こういうふうに申しましたのが、まあああいうような新聞記事になりまして、私が読んだときには私の言った通りに書いてあるような気もしたのでありますが、お読みになった人によっては先方に負傷者を出してまでもという非常に勇ましい受け取り方になっておるようで、こちらがあわててしまった。そういうつもりでは毛頭ないのでありまして、天下の道路を通るのだから、負傷者を出さなければ通れないというはずはないのだから、もう少し丁寧にやってみろ、こういう話をしただけであります。今日これからも同じに考えておるかということでありますが、考え方としては正直なところ同じであります。天下の公道を通行するのに、けがをしなければ通れないということはまさかないだろうから、もう一ぺんくらいやってみたらどうかと思っておりますが、まあ角を立てることばかりが能ではありません。できるだけ角が立たないようにやって参ろうと思います。

新谷寅三郎緑風会

○委員長(新谷寅三郎君) お諮りいたします。調達庁及び防衛庁に対しまして多少質疑が残ったようでありますが、先ほど委員から御要求の資料の提出等を待ちまして、適当な機会に質疑を行うことにいたしまして、本日はこれにて散会いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

新谷寅三郎緑風会

○委員長(新谷寅三郎君) それでは最後に参考人の方に一言ごあいさつ申し上げます。本日は各方面の基地問題につきまして、実情をお伺いしたいと思って御出席を求めましたところ、遠路わざわざ御出席をいただきまして、ことにきょうは暑い中を長時間にわたって事情の御開陳をいただきましてまことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして一言お礼を申し上げます。  本日はこれにて散会いたします。    午後八時三十三分散会    ――――・――――

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