内閣委員会 第14号
- 発言数
- 134 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1955/06/17
会議録
○委員長(新谷寅三郎君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。 まずお諮りいたしますが、国家公務員に対する寒冷地手当及び石炭手当の支給に附する法律の一部を改正する法律案につきまして、大蔵委員会から連合審査会開会の申し入れがございました。本案の内容には税法の関係もありますので、これを受諾することにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(新谷寅三郎君) それではさように決定いたします。連合審査会の日時はいずれ大蔵委員長と協議の上決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(新谷寅三郎君) 次に、労働省設置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 労働省からは西田労働大臣、江下職業安定局長及び堀大臣官房総務課長が出席しておられます。順次御質疑を願います。
○堀眞琴君 労働省設置法等の一部を改正する法律案の提案の理由を見ますというと、現下の失業情勢、なお今デフレ経済の進展によってすでに相当悪化しておりますが、ここしばらくは続くという工合に説明してある、失業問題は特に大きな社会問題であり、それは政治的にも非常な大きな意味を持っておると思うのですが、まず第一に、私は現在の失業状況、今年新規に生ずると思われるであろう失業者数、従来の失業者数等について御説明を願いたいと思います。
○国務大臣(西田隆男君) お答えいたします。二十九年度の完全失業者が労働省の計数によりますと六十三万人となっております。三十年度でふえます労働力人口は八十四万あると推定いたします。それを三十年度において、一般企業で吸収し得る労働者の数は、全部吸収できる状態であればいいのですが、約二十万人くらいは吸収できない状態におかれるであろう、こう考えまして、二十万人の増加する完全失業者を目標として、労働省としては失業対策を考えております。
○堀眞琴君 そうしますと、今年新規に出るであろうと予想される失業者が大体二十万人ぐらいという予想ですか。従来の企業等におけるところの労働者、雇用されているものは大体失業はしないという見込みの上に立って新たに出てくる……いや間違いました。二十万人ぐらい新規に出て来ると、こういう見通しの上に立っておられるわけですね。
○国務大臣(西田隆男君) 増加します労働人口と発生してきます失業者というものは、別に新らしく二十万人が増加するということではございません。新らしくふえた労働人口の中からも、あるいは現在労働をしている者で失業する者もそのうちに含まれて二十万程度完全失業者が増加する、こういう観点に立っております。
○堀眞琴君 その失業者の内訳ですね。たとえば従来雇用されていて企業の不振とか、あるいは企業がつぶれるとかいうような関係で失業する者と、それから新規に雇用を求めてそれが得られないという、たとえば学校の卒業者ですね、そういう者との割合いはどのくらいに見積っておられるのか、それをお尋ねしたい。
○政府委員(江下孝君) 二十九年度におきましては、労働力人口すなわち完全失業者と就業者を合わせて考えますと、四千三十四万という大体の数が出ております。これに対しまして、先ほど大臣も申されましたように、三十年度におきましては八十四万程度の労働力人口が増加するということで四千百十八万という数字を出したのであります。このうち、八十四万の増加いたしましたうち、完全失業者が今年度と約同様ということにいたしますと六十三万ということになります。そういたしまして、残りの二十万というものが一応完全失業者として増加するおそれがある。そこでこの二十万というものに対しまして失業対策を考えたのでございます。これを詳しく申し上げますと、実はこれは計画でございますので、果して産業別にそういうような事態になるかどうか、これは非常に予測が困難でございますけれども、一応の考え方といたしまして、第一次産業、すなわち農林水産方面ではほとんど異動がないであろう、しかしながら、第二次産業、第三次産業方面にはある程度の雇用の吸収ができるだろう。なおこの二次産業におきましては、これは政府として失業対策的に行います失業対策専業なり、あるいは公共事業等によります吸収者の増加ということも考えて計算を一応出しておるわけであります。で、その既存のものから幾ら出て、どうなるということについては実は的確にここで御説明はしにくいのでございます。
○堀眞琴君 その四千三十四万人というのは総労働人口ですね。本年度は四千十何万ですか……。
○政府委員(江下孝君) 四千百十八万です。
○堀眞琴君 そうすると、その四千百十八万のうち、八十四万人が完全失業者だと、こういうことになるわけですね。
○政府委員(江下孝君) そうではございませんで、この労働力人口と申しますのは、就業見込みの者と完全失業の見込みの者とを合わせまして四千百十八万と、そこでこれがどういうふうな数字になって不完全失業者が幾らになり、就業者が幾らになるかと、こういうことになっております。そこでその場合就業者がどう動くかということをまず試算いたしまして、差し引きまして完全失業がどのくらい、こういうことでございます。
○堀眞琴君 わかりました。つまり四千百十八万の中には完全失業者も含まれている総労働人口だというのですね。その四千百十八万の中で、今度は潜在失業者はどのくらいに労働省としては予想されておるのですか。
○政府委員(江下孝君) 就業者の雇用の形態でございますが、これは堀先生も御承知の通り、日本の雇用形態は非常に特殊な形態を持っております。すなわち近代的な雇用関係にあります者は、就業者のうちの三七、八%、残りの六〇数%と言いますのは自営業者または家族就業者、こういう形態に相なっております。大体半々程度でございます。そこで先生のおっしゃるのはあとの二つ、つまり近代的な雇用をされている者はこれは潜在失業者はない、しかしながら、家族就業者あるいは自営業者という者に潜在失業と申しますか、不完全就業と申しますか、こういうものがあるということになるわけであります。私どもも潜在失業者というものがこの中に相当程度含まれているのではないかと思うのですが、それでは的確な数字として幾らであるかということになりますと、これは把握が実はできていないのでございます。しかしながら、まあ相当数潜在失業者、つまり不完全失業者らしい者があるということは、これは承知いたしております。
○堀眞琴君 潜在失業者のそういう形態であるということは私も知っておりますが、大体の数で、たとえば家族労働者の中で失業している者や、それから自営業者ばかりでなくて、そのほかでも労働者でありながら、たとえば内職程度の仕事をやってわずかに生活をしているという者があるわけですね、そういう者を含めての概数をお尋ねしたわけなのです。的確につかむことはちょっと困難だと思いますが、しかし労働省としては失業対策を立てる上からは、顕在失業者に対する対策ばかりでなく、潜在失業者に対する対策も同じように重要ではないか、概数ぐらいはおつかみになっているのではないかと思いますが、その点をもう一度お尋ねしたいと思います。
○政府委員(江下孝君) これは的確な数字とは申し上げられませんことを初めにお断わり申し上げておきますが、内閣の労働力調査によりますと、これは完全失業者の出ます統計でございますが、これによりまして、まあある程度それらしいものがつかめる数字が出ております。これによって見ますと、就業時間の十九時間未満でありまして、追加就業を希望しておるという者が一応十七万という数字が出ております。それから二十時間から三十四時間未満の追加就業の希望者というのが二十一万という数字が出ております。それからちゃんと時間は働いておるが、他に転職を希望しておるという者が二百二十四万、今の数字は全部二十九年の数です。そこで私どもといたしましては、今申し上げました者全部が不完全就業者と言えないことはもちろんはっきりいたしております。転職希望者の二百二十四万のうちに一部はこの不完全就業者があるというような計算をいたして見ますと、ほんとうにこれはラフな数字でございますが、全体で二百万程度が一応労働力調査によります統計によれば、潜在失業者らしいということが言えるのではないかと思います。
○堀眞琴君 潜在失業者の中で二百二十四万が転職希望者で、一部が不完全失業者だと、それらを含めて全部で二百万、こういう数字ですね。私は八十四万の顕在失業者にしても、それから潜在失業者と言われる不完全失業者が二百万だという数字の出し方は非常に甘いのじゃないかという感じがします。というのは、今年は二十万人にふえるという予想は、昨年と同じような経済情勢で推移するのだという前提に立っておると思いますが、この説明書を見ますと、根本的に解決をはかるために長期経済計画を樹立するのだ、しかし当分はがまんしなければならぬというただし書きがついておるものですが、しかし実際に日本経済の今日の情勢はそんなに甘く解釈することはできないのじゃないか。昨年の場合においても労働省で出しました失業者の数は非常に甘かったわけです。たしかこれは具体的な数字は忘れましたが、しかし昨年度においても労働対策、失業対策としては十分、たとえば輸出産業の強化であるとか、あるいはその他の国内産業への吸収によってこれを解決することができるというお話であった。ところが昨年の夏以来、秋から冬にかけて、実際に中小企業においても、あるいは大企業においても相当数の失業者が出てきたということなんですね。多い月は七十万からの失業者が出ておるというような状態、従って今度二十万増加するという見方は、昨年の暮等から見て非常に甘いという感じがする。のみならず、日本の経済情勢というものは、昨年からずっと同じような状態を続けて今年も推移するだろうという、そういう予想をすることは、これは失業対策の上に危険な考え方ではないかと思う。おそらく二十万人どころか、それ以上の失業者が出るだろう、また潜在失業者も非常にふえるのではないか、こういうような感じがするのですが、その日本の経済状態に関する労働省としての見解ですね、それを御説明願いたいと思います。
○政府委員(江下孝君) これは一応内閣で、経済審議庁で作成いたしました経済六カ年計画というもので、私どもは本年度予算等についても考えておるわけでございます。もちろん先生のおっしゃいますように、本年度決して失業情勢が甘い、あるいは楽観的だというようなことは私は全然考えておりません。これはもう深刻化するおそれがあるということは当然でございます。ただそれでは問題はどの程度これが深刻化するかという点に問題があると思うのでございます。一応先ほど申し上げましたように、計画といたしましては、国民の財政投融資の予算、あるいは国民の総所得その他等も考えまして、先ほど申し上げましたように、もしこれを放置いたしますならば、本年度より約二十万程度、つまり昨年度と同じ程度の予算的な措置を講じないならば、二十万程度が完全失業者としてふえるであろうという一応の計画のもとに、実は二十万人に対しまして必要な予算的な措置を考えておる、こういうことでございます。
○堀眞琴君 経済との関連で私は御説明願いたいと思うのです。というのは、たとえば外国の場合について見ましても、アメリカの場合が一つの例になると思いますが、アメリカの最近の雇用情勢を見ましても、決して楽観すべき状況ではないと思います。今年の初めはだいぶ経済学者の間にアメリカの景気の問題について論争が行われて、そして警告を発するというようなところまで行っていることは御承知の通りだと思うのです。そしてこの三月、四月ごろは相当失業状態がアメリカにおいても顕著になって参りまして、そして四十九年の時のようなことはまだ出ていませんのですが、あれに近い情勢がおそらく早晩やってくるだろうということが見通されてくるわけです。日本の場合はアメリカと比べて経済的な基盤もきわめて弱いし、それから昨年あたり盛んに強調した輸出産業の面でも御承知のような状態です。それから六カ年計画と言っても、まだその計画がどういうものやら、具体的に果してそれが失業状態に対して何らかのきき目を持つかどうかということになりますと、かなり疑問ではないかという気がするわけです。従ってそういうような観点から、日本の経済との関連において失業は二十万人で、大体そのくらいで押えることができるのだということを、もう少し具体的に御説明を願いたいと思います。
○政府委員(江下孝君) これは実は先ほど申し上げましたように、経済審議庁で主として作成いたしました経済六カ年計画のいろいろな根本指標に基きまして実は考えたのでございます。従ってもちろん全般的な経済の基本的な考え方に基いて作ったものであることは間違いございません。ただ、今御質問がありましたのでお答えいたしますが、産業別に実はどれくらい人が入り、どれくらい出るというのを一応作ったものがございます。これをまあ先ほどは第一次産業、第二次産業、第三次産業と御説明いたしたのでございますが、これを先に説明さしていただきたい。農林業におきましてはほば同数、水産業におきましては四万程度の増加を見込んでおります。この四万程度の増加はこれは来年度におきましては相当、遠洋漁業等にもう少し本年度よりは活発な漁撈ができるだろうというようなことも見込んでおります。鉱業はこれは石炭の合理化等によりまして二万程度の減少を見込んでおる。建設業でございますが、これは政府の住宅の建設計画と合わせまして、失業対策的に行われます各般の事業というものも含めまして約十九万の増加、それから製造業につきましては十五万、これは十五万という数字の深い基礎は私御説明できませんけれども、実は十五万と言いますのは、もちろん総生産、つまり生産高のある程度の上昇に見合いまして、この程度の製造業においては吸収が可能である。そのほか商業、運通、交易、サービス等、これらの面におきまして四十数万の増加、こういたしまして、結局先ほど申し上げましたような一応の完全失業の数字の見通しを作ったわけであります。
○堀眞琴君 そこで六カ年計画を実施するといたしまして、それが完成された暁には雇用の率というのはどのようになるのか。完全失業者が絶対的に減少するのかという見通しの上に立って労働省としては失業対策を講じようとしていられるのか、その点をお伺いしたい。
○政府委員(江下孝君) 六カ年計画の完成年度でございます三十五年度には、完全失業者は、目標といたしまして労働力人口の一%、すなわち四十三万五千人程度のものを見込んで、この目標に向いまして中間年度の諸般の経済政策等を樹立して行くということに一応いたしております。
○堀眞琴君 そうしますと、六ヵ年計画が実施されることによって一%だけ減少せしめる。つまり雇用率がそれだけ高まるんだと、こういう見通しの上に立っておられるのですか。
○政府委員(江下孝君) 一応目標を四十三が五千に置きますので、当然雇用労働も全般的にふえるという見通しの上に立っております。
○堀眞琴君 そこで経済六カ年計画なんですが、これが果してそのような所期の目的を達成するような工合にうまく行くなら問題はないと思います。しかし日本の経済は世界経済から切り離されて存在するものではない、つまり世界経済と関連して日本の経済の情勢というものも動いて行くものであります。私は今日の段階において、日本経済の先行きはそんなに簡単に明るい見通しを立てることはできないのじゃないかという、前からそういう考え方を持っておるのです。よしんば六カ年計画を強硬に実行に移して、そうして雇用率を拡大する方向へ政策を持って行こうとしましても、国内だけのそういう措置ではとうてい不可能である、これが根本的に経済体制が変って、もし何らかの手段がとられるということならば、また別です。現在の情勢のもとにおいては、かなり困難ではないかという見通しを持っておるわけであります。従って失業者の数も、現在は労働省では二十万増加するという見込みの上に立っておるが、実際において今年はそれを上回るであろうということが予想されるばかりでなく、潜在失業者も従ってふえるだろう、労働対策としては従って従来のような労働対策ではとうていやっていけぬのじゃないかということになると思うのです。そこで労働対策の根幹について労働大臣から、今年度ないしはこの六カ年計画を遂行するに当って、労働省として基本的にこういう方針で臨むのだということについて御説明を願いたいと思います。
○国務大臣(西田隆男君) お答えいたします。大へんむずかしい問題でございまして、経済六カ年計画の最終年度の見通しそのものについても、堀さんが今言われるように、これは受け取り方によっていかような結論も生んでくると思います。がしかし、一応政府としましては、六カ年計画の線に沿って経済の規模の拡大と、生産の向上と、外国貿易の進展をはかって行こうという計画を立てまして、その線に沿って関係のあるいろいろな問題を解決して行く、こういう方針で進んでおりますので、さっきから安定局長が御説明しましたような一応結論を生んでおるわけであります。しかしながら、日本経済のこの底の浅い実態から考えますというと、ただ国内の現政府がそのような計画を立ててみましても、世界の経済情勢の変化に伴っては、そちらの方の受ける影響の方が大きい場合もありましょうし、必ずしもその想定通り行くとは考えられませんけれども、一応この計画を立てました以上は、それに基いて労働行政の面においても対策を立てる以外には方法がありませんので、労働行政の面だけ別な観点から労働行政の基本方針をきめて行くということは、御承知のように非常に困難でありますから、従って一応さっきから説明しますような観点に立ってやってはおりますけれども、今までやりました失業対策というものと、これからやらんとする失業対策というものの間には多少の変化はきておると考えております。それはどういうことかと申しますと、今までの失業対策と申しますのは、ただ職にあぶれておる人にある程度の職を与えて、ある程度の賃金を支払うということだけに終始しておったように私には考えられます。従って三十年度から考えておりまする失業対策事業と申しますのは、やはり日本経済の規模の拡大、生産の向上に即応するような形における失業対策、こういう、まあ観念的に申しますならば、考え方を持って三十年度の失業対策事業をやって行きたい、こういうふうに考えまして、予算の面でも御承知のように特別失業対策事業というものを考えました。これは今までの補助金よりも補助率を引き上げて、材料費も五倍程度に引き上げまして、そうして主として産業道路と言いますか、そういう道路の重舗装の方面に労働能力の大きい失業者を収容する、これに特に三十年度では経費三十五億円を特別にとっております。それから一般の失業対策事業の中におきましても、ローカルカラーの非常に濃いと申しますか、その地方の特有のいわゆる労働力の非常に少い弱い失業者が出る。その失業者に対する失業対策は、これはまあ厚生省の生活保護司との関連においてそれは考うべきである。それ以外の中程度と申しますか、ある程度の労働能力を持っておるものに対しましては、今までとこれは考え方を変えまして、これはやはり生産に寄与する形で失業対策事業を考えるべきである、それから建設省の中に、予算に計上してありまする今まで緊急就労対策事業と言っておりましたが、道路整備事業と今は変っておりますが、これが昨年においては九億であったのを五十億円に四十一億円を増額いたしております。鉱害復旧事業、これは御承知の通りでございまして、今年度からは通産省の方に変って、昨年度九億から十三億二千万円に増額になりました。いずれにいたしましても、労働省で考えておりまする失業対策事業に直接の対象となりまする金額が九十二、三億円、三十年度では増加いたしております。こういう九十四億円程度増加したので十分であるか、ないかは別問題でございますが、とにかくとりあえずそういう金額を増加することによって、できるだけ前年度で吸収したような姿でない姿の失業者を一人でもよけいに吸収いたしたい。従ってさっきから言いますように、二十万人増加したものを救済しますためには、今申しました三十五億円の特別失業対策事業の増加、それから一般失業対策事業において二万人の増加をみている。それから緊急就労対策の方面で四万五千、それから鉱害復旧で一万、これを二十一日間と換算しますというと、十三万名だけの就業者の増加を予定いたしております。そうしてインテリの失業者を救うという意味からばかりではありませんが、事務的な方面の失業者の吸収ということが、今まで比較的ルーズにされておりました。これも国勢調査、統計調査等のために一万人程度吸収する予定を作っております。従いまして、あと残ります五、六万の増加する失業者に対しましては、職業補導の予算をよけい取りまして、職業補導することによって就職の機会をよけいに与えて、これが年間に五、六万の就業予定を立てて、一応経審の経済六カ年計画によって推定しております三十年度に増加する失業者に対する対策の労働行政を立てております。根本的に将来の三十一年度、三十二年度の経済六カ年最終年度に至りますまでの計画は、労働省としては立案をいたしておりません。研究はいたしておりますが、はっきりとした結論は生んでおりませんが、とりあえず第一年度の三十年度は、今申し上げましたような観点に立って、経審六カ年計画の線に沿って考えておるのであります。
○松浦清一君 今御説明になった二十二万人の就業規模ですが、もう一ぺんちょっと言っていただきたい。
○国務大臣(西田隆男君) お答えいたします。特別失業対策事業で三万人、これは一カ月二十五日でございます。それから一般失業対策事業で十九万、それから道路整備事業緊急就労対策事業、水道と河川等で四万五千、それから鉱害復旧対策事業、通産省の予算に載っておりますが、これで約一万から一万四、五千、国勢調査、統計調査等によりまして約一万人、それを一カ月二十一日の就労と仮定いたしますというと約十四万人の失業者の就労が可能だ、こういう数字が出るのであります。あと六万名ばかり残りますが、これはさっき申しましたように、職業補導教育を行うことによって、職業補導所なりに収容して行く、そうして逐次就職の斡旋をする。こういう考え方で参っております。
○松浦清一君 今の御説明の特別失業対策で三万、一般で十九万とおっしゃったのですが、数がちょっと……もう少しわかるように説明して下さい。二十二万人の……。
○国務大臣(西田隆男君) 二万人ふえるのです。前年度が十七万人ですから、本年度は二万人ふえて十九万人。
○松浦清一君 まだわかりにくい。特別で三万、一般で十九万、緊急の道路整備で三万、それから鉱害のやつが一万、統計で一万人とおっしゃったのですが、数字がちょっと……、あとで明確な数字をちょっと知らせて下さい。
○国務大臣(西田隆男君) のちほど明確な数字を書いて……。
○堀眞琴君 ちょっと関連して……。特別対策事業であるとか、一般事業であるとかという、とにかく十四万人をことしは吸収することができる。あとの六万人は一般企業の方面に吸収してもらう。つまり職業補導所等に六万人吸収してもらう。こういう御説明だと思うのです。そうすると、結局失業者の出てくる産業面からは十四万人前後のものが新たに出てくる。こういう想定のもとに立っていると思うのですが。そうして六万人はなおその上に出てくるものとして想定されると思うのですが、これらの中で果して六万人を、職業補導等を通じてこれを雇用せしめることができるかどうかということが問題ですし、それから統計調査等に一万人のつまり事務用の失業者等をそれによって救済するというのですが、学校卒業者の数等は、この場合には六万人の中にも相当たくさん入っているのかどうか、先ほどちょっと質問申し上げたんですが、学校卒業者の数、学校失業者の数、つまり学校を卒業しても就職のできない卒業者です。そういうものの数を具体的にお示し願いたいと思うのです。
○政府委員(江下孝君) 先ほど申し上げました数字でございますが、十四万人が既存の産業から離職するということにはならない。これは全部含めまして、新規学校卒業者も入れましてそうなる、こういうことでございます。そこでさっき申し上げましたように、それではどこの産業から幾ら出る、これはごくラフなものをさっき申し上げたのでありますが、しかしこれは一つの計画であります。それから学校卒業者で、それではどの程度未就職者が残るであろうかということでございますが、実は本年の四月末の中学校と高等学校の求職者、あるいは就職者の実情を申し上げたいと思うのですが、中学校につきましては卒業者が全部で百三十六万ございましたが、そのうち安定所の窓口に求職をいたしました者が二十六万五千人ございます。この二十六万五千人のうち、現在までに就職いたしておりますのが二十四万二千人というところでございまして、九三%という相当高率の成績を上げている。まだもちろんこの点については現在就職あっせん活動を実施いたしておりますので、この率は一〇〇%近い数字になるものと存じております。高等学校でございますが、これは卒業いたしましたものが三十七万五千、そのうち求職者の実数が十一万七千、このうち就職いたしました者が約七万八千でございます。この点は中学よりはまだ成績が悪いのでございまして、差し引きまして十一万七千から八万でございますから、まだ三万程度の者が未就職で残っております。これにつきましては、今なお、就職あっせんを強化して継続をしておるというのが実情でございます。
○堀眞琴君 大学の卒業生はどうなんですか、短期大学、それから普通の大学……。
○政府委員(江下孝君) 大学につきましては、実はまだ三月末の現在しか把握いたしていないのでございます。卒業いたしました者は男女合わせて十万四千人でございます。そのうち就職いたしました者が五万六千、これは三月末でございます。自営業、家事従業という者が一万一千七百、進学またはインターンというのが九千百でございます。それから仕事をしないで、まあ遊んでおると申しますか、こういう者が一万六千ございます。その他不詳の者が約一万ございまして、就職率として見ますと七七・六%という数字になっております。これは、三月末でございますので、なお現在はこれよりは成績があがっておると思います。また報告がまとまりましたら本委員会で申し上げたいと思います。
○堀眞琴君 そうすると、高等学校の卒業生が大体三万少し、それから大学の卒業生が大体これまた四万近くというのがなお就職できずに残っている。失業者の中に入っているということになりますね。そうしますと、その合せた数が約七万人、二十万人の中にこれが七万あるということになると、一般産業の方面からの失業者が大体十三万前後、こういうことになるのじゃないかと思うのですが、いかがですか。
○政府委員(江下孝君) これは大学は三月末でございます。中学、高等学校は四月末でございますので、まだこの成績は相当上ると私は見ておるのです。従って現在におきまして、この完全失業者というものの二十万増加が、予定されるもののうち、この学校卒業者が幾ら占めるかということは申し上げることができないと思います。
○堀眞琴君 大体学校を卒業する前に就職がきまるわけですね。御承知のように、官庁等においては前年の末くらいには採用人員を試験をもってきめてしまう。それと同じように、各民間産業でも大体卒業前に、中学卒業者についても、高等学校卒業者、あるいは大学卒業者についても就職というものはきまってしまうと思う。もちろん卒業してからもなお就職する者もあると思う。しかしその数は非常に少い。従って大体高等学校卒業者ないしは大学卒業者の失業者は六万ないにしても相当数あるということは見込まれると思う。少く見積っても五万はあると考えなければならないと思う。そうなりますと、一般失業、完全失業者の増加する部分の中の四分の一が大体学校失業者、新規に就職を希望しながら、それができないという人々によって占められる。一般失業の面からは大体四分の三、十五万程度ということになるのじゃないか。そうしますと、前のお話の第一次産業、第二次、第三次という産業の部面から出てくる失業者の数というものは、相当甘く労働省としては見積っているのではないかという感じがするのですが、いかがですか。新規就職希望者の失業しているものを除いて計算した場合に、果して十四、五万のところでこれをとめることができるかどうかという問題です。
○政府委員(江下孝君) 学校卒業者につきましては、仰せの通り、これからかりに就職するといたしましても、そうたくさんふえるということもないだろうとは思います。しかしながら、相当また今後特に中学校、高等学校等については相当見込みは私はあると思っております。それで実は完全失業者の数字でございますけれども、これは二十八年度と二十九年度を比較いたしてみましても、二十八年度に四十三万でございました。二十九年度に六十四万、こういう数字でございます。そこで私どもの計算といたしまして、二十九年度から三十年度にこれの的確な対策を考えないとすれば相当ふえる、そのふえる数は、一応二十万ということでございます。それから先ほど来申し上げておりますように、完全失業者と言いますものの定義が非常に厳格な定義になっております。それからこの完全失業率がそうふえるかどうかということはやはり問題じゃないか。それから現実に学校を出ました者が、果して完全失業者になるかならぬかも、一応就職時期には確かに就職できなかった、しかしその後においてまた就職するということも考えられます。それから一般の産業に雇用されている者にいたしましても、これは離職したり就職したりいろいろございます。そこでなかなか出し入れを正確に計算することはむずかしいのでございますが、先ほど申し上げましたような、大体大づかみな計画といたしまして、私どもといたしましては二十万程度の完全失業者の増加が見られるであろうという前提のもとにこれを考えたのでございます。
○田畑金光君 労働大臣が見えておりますので、ここに労働大臣は、石炭関係の企業にも関係しておられまするから、この際お尋ねしておくわけですが、石炭鉱業合理化臨時措置法が実施されますると、相当数の失業者の問題を処理しなければならぬと思っております。この問題は後刻承わることにいたしまして、今二十二国会における重要法案の中にこの合理化法案は入っておると考えております。ところが会期は今月の末終ることになっておるわけですが、政府としては、この法律案の取扱いをどう考えておられるか。取扱いというよりも、議会における審議の状況が、今衆議院の方の商工委員会に移っておるかどうか、もちろん付託にはなっておると思いますが、実質的に審議が始まっておるかどうか、私承わっておりませんが、この法案というものをこの国会において成立をさしたいというお気持があるのかどうか。あるとするならば、この会期と関連いたしまして、どのように政府としては考えておられるのか、この点まず最初に伺っておきたいと思います。
○国務大臣(西田隆男君) 私の所管に属する法律案ではありませんけれども、内閣の一員として、重要な法律案として提案しました以上、ぜひとも成立さしていただきたい、かように考えております。会期が短かいからだめじゃないか、会期をどうするのだという御質問だと思いますが、現段階における閣僚の一人としての私の答弁は、ぜひ会期内に成立するように一つ御協力を願いたい、まあこう申し上げるよりほかお答えのしようがございません。
○田畑金光君 まあそういう御答弁しかないかもしれませんが、事実あと十日前後しかないのです。この法案は衆議院において、あるいは参議院において、本会議における質問をやって、その後衆議院の商工委員会に付託されておりまするが、全然これは取り上げられて審議が実質的に進捗をしていないように見ております。私は、要するに現在の内閣の、あるいは政府の実情というものをよく現わしておるものと言わなければならぬと思っております。この法律が仮に通ったといたしました場合に、石炭企業というものにどういう影響がもたらされるか、あるいは言葉をかえて言うと、雇用、失業問題に関しまして、どのような影響があるのか、またそういう影響に対してどういう処置を労働大臣としては考えられておるのか、当然この法案の閣議決定に至る間において種々の論議がかわされておると思いまするが、従って政府としても一定の方針があると考えまするが、その辺の事情を一つ聞かせてもらいたいと思います。
○国務大臣(西田隆男君) お答えいたします。閣議で論議いたしました内容をここで申し上げるわけには参りませんけれども、閣議決定をして法律案を提案をいたしました以上は、私どもできると考えております。今までいろいろ国が立法をすることによって当然生ずることが予測される失業問題に対しましては、何らの考慮が払われていないというような状態ではなかったものと私は考えておりますが、この石炭合理化促進法の問題に関連しましては、私が常日ごろから考えておることですが、日本の現在の経済問題を考える場合に、労働問題、雇用問題を度外視しての日本経済の解決はあり得ない。従って経済問題にある施策を行わんとする場合においては、必ずそれと一緒に労働問題、言いかえますならば、雇用の問題を当然考え、この問題に対する結論を生んだ上で経済諸施策を実行すべきである。私はかような基本的な考え方を持っております。石炭合理化促進法案の問題に関しましても、合理化の法案の狙っておりまする炭鉱の買い上げによって当然事業場は閉鎖する、それによって発生する失業者、この失業者をして、失業者のまま放擲することなく、すみやかに雇用関係に携わらせるという具体的な施策を少くとも並行して行わなくては、この法律が仮に国会を通りましても施行はひどく困難な情勢におかれる、かように考えまして、いろいろ閣議でも議論を戦わせました。その結果といたしまして、大体私の申し上げておるような方向に進もうということになりましたので、この法案によって生じる失業者は、炭鉱の買い上げを対象としまして、私の考えでは約二万七千名近くの人間が仕事を失うことになると思います。これに対しましては、その炭鉱の買い上げの行われる地区別の労働者によって、短期のいわゆる失業対策事業でなくて、相当長期にわたる生産的な建設的な失業対策事業、言いかえまするならば、雇用を三年なり五年なり継続させて行けるという見通しを持つ失業対策事業を計画して、それに収容すべきである、こういうふうな考え方で実は失業対策を立てております。具体的にこまかな数字は今ここに持ち合わせておりませんけれども、鉄道の新線の建設とか、あるいは河川の改修とか、あるいは水道の施設とかというふうに、こまかに地区別に一応分けて、そうして発生するであろうと予測される炭鉱買い上げによる失業者をまんべんなく収容したい、こういうふうな計画を持っております。よく石炭合理化法案の実施によって、六万人の失業者が発生するだろうということを言われております。私の考えておりますのは、直接買い上げの対象になるのは二万七千数百名、あとの失業者と申しまするのは、これは炭鉱の従業員の状態から考えまして、過去の実績を見ますと、平均毎月千五百名ぐらいずつ自然減耗、減少があるわけであります。月千五百名、年間一万八千名、この法案のねらっております三年間には五万四千名、これはこの法律案を実施いたさなくても、当然自然現象として炭鉱労働者が減って行く数でございますが、まあ六万名と言われておりまするが、あとの三万数千名のものに対しましては、これは普通一般の失業救済事業、失業対策事業に吸収するということで、十分とは申しませんが、今までやっておったようなことでやって行ける。従って直接集団的にまとまって発生する二万七千数百の失業者に対して特別な考慮を講ずる、こういう考え方で具体的に案を作っております。
○田畑金光君 大臣にもう一度お尋ねいたしまするが、最初尋ねたことに関連しまして、この法案がこの国会で通るものとお考えになっておるのか、通らないものとお考えになっておるのか、会期を今月の末と考えた場合に、衆議院で十分な論議を尽し、参議院で論議を尽すということを考慮したときに、常識からいってもこの法律は通りっこないのです。今月末に終る会期を前提として考えた場合に……。また仮に国会が会期を延ばしたといたしましても、この法律が通るのか、通らないかということは予断が許されないわけです。そこで私はその前に、この法律が通ったということを前提として今質問をいたしましたが、その前に、法律の通らぬ可能性が今濃厚です。そういう石炭界をみましたとき、労働省が何にも石炭部門に対する積極的な施策をやっていないということは遺憾だと思っております。ことに労働政策というものは、失業者が出たらそれを処理するという消極的なものであってはならぬので、労働大臣自身のお話にもあるように、労働改築の根本は生産力の増大でなければならぬはずであるし、経済の拡大発展を前提としなければならぬはずです。そうしますと、今の炭鉱部門に対する石炭労働政策というものは、いかにして現在の炭鉱を生かすかということ、炭鉱からどうして失業者を防止するかということであると、こういう問題にあると考えております。ところが今政府のやっていることをみると、最も大事な石炭部門に対して、この法律が通ったら、買い上げてそれから処理を、手を打って行こうとする考え方で行っておられるようだが、これは私は間違っておると思う。その前に、今の炭鉱をどう生かすかという問題を考えてもらわなくちゃならぬと思います。昨日の新聞を見ましたが、福岡県知事が上京しまして、とにかくつなぎ融資を何とか考えてくれろ、こういうわけで大蔵省にも折衝し、中小企業金融公庫を通じ、一件当り二千万の貸付額を三千万にふやすとか、あるいはワクについて十億ふやしてもらったとか、まあこういうようなことも私は読みました。福岡県自体といたしましては、県の財政の中から、金融機関の炭鉱に対する貸付について一五%の損失補償を考えよう、一五%の補償をやろう、こういうことも考えておると申されておりますが、福岡県は労働大臣の郷里です。労働大臣自身も最も中小炭鉱の実情というものは見て御存じと思いまするが、今の中小炭鉱を積極的にどう生かすかという道について、今の政府はどのような手を打っているのか、労働大臣はまたどういう政策を閣議において要求してこられておるのか、この辺の事情を一つ聞かしてもらいたいと思います。
○国務大臣(西田隆男君) お答えいたします。理論的に申しましたならば、あなたのおっしゃる通りで、炭鉱を買いつぶすというのはばかげた話だと、なぜ現在の炭鉱を使えるような産業政策をやらないのか、おっしゃる通りであります。理屈はあなたのおっしゃる通りなんですが、しかし実際問題はなかなか理屈の通りに行かないものでありまして、あなた御承知かどうかわかりませんが、現在の日本国内の石炭の需給状態というものは実に哀れな状態で、今、福岡県知事の中小炭鉱の問題に対する融資のことを言われましたが、私はこれは言い過ぎになるかもわかりませんが、昨年の年末からとにかくあらゆる方法を考えて中小炭鉱救済のためのできるだけの融資はやって参りました。ところが現在ではもう中小炭鉱と申しますというと、銀行の方がそっぽを向くのじゃなくて、しりを向けて走って逃げるという状態で、どこから幾ら金が要るといっても出すわけには行かない。従って私はまだ社会党の出身の知事がおられます昨年の十二月に、私が福岡県庁に参りまして、福岡銀行の常務と知事に会いまして、とにかく福岡は鉄と石炭の県であるが、これだけの苦境にあえいでおるのに県自体は全く知らぬ顔をしている、そういうばかげたことはないというので、信用保証協会の限度を広めたらどうか、県会でもやってくれ、今まで取引を持っておった炭鉱なんだから、この際若干の損失があっても目をつぶってやってくれということを申してあっせんしたのでありますが、これはただはできません。従って中央に帰りまして、中央から特別措置として十三億二千万円という金をまず流しまして、それで今まで中小炭鉱がどうにかしのいだ。ところが今年度に入りましてから、御承知の通り、石炭の需給のバランスがとれない。従って総合的な燃料対策を立てて、そうして将来の日本の石炭鉱業はどういうふうにあらねばならぬかという構想を考えない限り、個個まちまちの対策では何とも方法がないというので、そこで石炭合理化促進法案と並行いたしまして、内容的にはいろいろ議論があると思いますが、重油の規制とか、あるいは現在重油をたくようになっておるボイラーに石炭をたくとか、三つの関連性を持ったものを一応国会で御審議を願いまして、そうして将来の日本の石炭鉱業が、合理化法案の最終年度のねらいである四千九百万トン程度のものが国内で消費をされるようなことを今やって行こうじゃないかというねらいが、この石炭合理化促進法案の内容をなしておると思います。従ってこの法律案は今度この国会を通る見込みはないではないかと言いますけれども、これを通してもらわなければ中小炭鉱というものはもう自滅する以外に方法はない。自滅の状態におかれますと、中小炭鉱で働いております二万七千名に近い労働者諸君がそのまま街頭にほうり出されるという悲惨な状態になる。中小炭鉱の労働者をただ単に救うという意味ではございません。日本における石炭鉱業の将来のあり方を基本的に確立するという意味合いにおいて石炭合理化促進法というものを実は御審議願っておりますわけで、会期はまことに短くて申しわけありませんが、この法律が協賛を得られないということは非常に石炭鉱業だけではなくて、日本経済に及ぼす影響が大きいと思いますので、どうか一つ、私の口から会期延長をしてでもとは申し上げかねますけれども、できるだけ一つ早く成立いたしますように御協力をお願いしたいと思います。
○田畑金光君 労働大臣のお話の中で、県の方もしり込みをしたとか、こういう福岡県等の事情をお話になりましたが、これは福岡県でもそうでしょうが、私福島県におりますけれども、福島県の県財政も、ここ何年間の間一生懸命にやって常磐炭田の中小炭鉱のために損失補償制度等を通じて援助をして参っておることは事実なんです。ところが県は県の規模と能力においてできるだけの努力はしてきたが、それを裏打ちするところの国の方針はからっきりだめだったんですよ。この石炭事情がかくのごとく悪化したというのは、一昨年の秋ごろからだんだん兆候は出ていたのだし、ことに昨一年間は深刻な状況であって、昨年においてもすでにわれわれは重油の問題とか、あるいは外国炭の問題とか、あるいは金融債の問題とか、あるいは生産制限の共同行為の問題とか、諸般の問題について政府の施策を要求したが、政府は国会の答弁しか石炭政策は持っていない。国会の答弁をするための資料しか準備してない。現実の政策の中には何も出てこなかったと思うのです。石炭合理化法案に含まれたことは昨年の段階において行政措置によってでもできるようなことなんだ。これは全部とは言わぬけれども、これをやらなかった結果、炭鉱に今日の深刻な不況をもたらしておるわけで、労働大臣のお話のように、あらゆる銀行が炭鉱というと、もう逃げ回るという始末に追い込まれているわけなんです。これは帰するところ国の燃料政策というものかなかったということ、国が地方財政に対するそれだけの措置をしなかったというところに最大の原因があるわけなんで、これは地方の県や地方自治団体の責任ではなく、あげて国の政策の失敗だと私は申し上げたい。そこで西田労働大臣も炭鉱をやっておられるわけですから、大臣の山はもちろん法案に該当する山ではないと見ておりますが、この法律は通らないという見通しが私は強いのでないかと見ております。そうすると、夏場に入っておる炭鉱はどうするかという問題が出てくる。今の政府でも、今の内閣でも、単にこの法律が通ったらこうしようというのじゃ、これはおそいと思っております。私の質問しておるのは、夏場にもうすでに入る、この法律は通らぬかも知れない、そうなれば今の炭鉱に対してどういう生きる道を講じようとなされるのか、その辺の事情を私は承わっておるわけなんで、一つ誤解のないように御答弁願いたいと思います。
○国務大臣(西田隆男君) お答えいたします。夏場になって困るので、石炭合理化促進法が通るか、通らぬかは別問題として、根本的な対策をなぜ立てないかという御質問だと思います。なるほどおっしゃるように責任は業者でございません。政府に確かにあると思います。第一に、なぜ石炭がこういうことになったかと言いますのは、これは言っては悪いかも知れませんけれども、前内閣、前々内閣時代の日本の国内における石炭の消費が四千八百万トンであるという前提に立って、石炭生産の民間に、指令ではありませんけれども、通達を出した、民間では四千八百万トンは当然石炭の消費がなされるであろうという、いろいろ議論はありましたけれども、結論としてそういう観点に立っての採炭事業をやってきた。ところが実際は四千三百万トンにも満たない程度の消費しかなかったというのが、現在の石炭業界を不況に追い込んでおる重大な原因でございます。従って政策を立てて、その政策の実行を民間に求めた国の責任であることは、これはあなたのおっしゃる通り間違いございません。がしかし、それだけが責任ではない。今、日本の経済は自由経済である。業者は業者自体として、やはり政府がやりましても、自分の身に直接感ずることなんですから、やはり日本の国内の石炭の需給の見通し等について今少し注意をすべきであったと考えております。重油の削減等に関しましても、相当衆参両院を通じて議論されました。私も当時は参議院におりまして、ほとんど通産委員会で、開かれるたびに石炭の国内需給、重油の規制の問題について十分政府に要望いたしました、結果といたしましては、現在のような結果をもたらしただけで何ら効果がなかったのであります。従って新内閣、鳩山内閣としましては、第一次内閣が組閣されましたと同時に、この石炭の問題を、あなた御承知の通り、通産大臣と大蔵大臣との組閣直後の記者会見において大きく取り上げて問題にしてきたわけですが、とうとう今日まで完全な解決の方策が見出されずに、今の石炭合理化促進法案の提案という経過をたどってきたわけでありまして、夏場における石炭鉱業を困らないようにせよと言われても、これはもう掘った石炭が完全に使えるという実態がない限り、金融的にも打開の道はありません。従って石炭合理化促進法案が成立するもの、こういう仮定に立って、これを前提にして県の方の信用限度を引き上げる、再保険するという形を作りまして、銀行側が五%だけの利息を負うということで、石炭合理化促進法案が実施に付されますまでの期間の財政的な、金融的な解決をつけたいというので、私も今一生懸命奔走をいたしております。従って中小炭鉱の救済資金と言いますか、それが石炭合理化促進法案が成立するという前提のもとに、今月末に福岡県会ではおそらく信用保証限度の拡大の条例かできると思いますが、それができますれば、来月早々は中小炭鉱側に対する一応の資金の融通の可能性ができ上る、かように考えておりますので、そういうようなことで、非常に一時しのぎで申しわけないと思いますけれども、現在の日本の石炭鉱業と石炭の国内消費、需給のバランスを考える、それより以上の抜本的な方法は今のところ考えておりません。
○田畑金光君 労働大臣の御答弁の中で、私は当面の施策の一つとして、中小企業の信用保険を適用するということと、それから県の損失補償のワクをそれぞれの自治体がふやすというようなこと、そうして当面の銀行と中小炭鉱とのつながりをつける道を講ずるということ、この点は非常に私は大事なことではないかと考えております。先ほどの労働大臣のお話を承わっておりますと、今度の合理化法案が通ると、中小炭鉱はこれで生さるのだというお話でありまするが、正直に言って、あの法律が通ると中小炭鉱は全部抹消されることになると思うのです。結果から言うとですね。これは中小炭鉱はあの法律によってそれぞれ買いつぶしてもらって、大資本の山に生産が集中される、あるいは大資本でなくても金融資本につながりを持つ中企業の山でなければ残らぬ、これがあの法案の特色であって、いわゆる私たちの中小企業を生かさなくちゃならぬという考え方から言うと、労働大臣のお話はどうも甘過ぎると、私はこう見ておる。この点は法案に対する見方の違いだから私はここでは論議しませんが、その前の段階として、今、大臣のお話の金融とつながりをつけて行こうとする政府の努力ですね、福岡県のみをお話しになりましたが、山口の宇部炭田もあるし、常磐炭田もあるし、北海道もあるわけですが、私は単にあなたが郷里の福岡県だけでなくて、全国の炭田地帯の所在の県に対しまして同様な積極的な施策をとられなければならぬと思うのですが、その点どういう方針で具体的に話を進めておられるか、この点を一つ承わっておきたいと思います。
○国務大臣(西田隆男君) お答えいたします。私は特に福岡県という名前を引用されてお話しになったものですから、福岡県、福岡県と申し上げました。決して各地区に不公平な取り扱いをしようとは考えておりません。各地区ともそういうふうなことを考えております。福岡県の資金計画は八百万円程度でありますが、全国的に見ますと相当な額になると考えております。従って資金の方は非常に窮屈であります。日銀の方に、通産大臣と共同して、日銀の方からそういうことができました場合の資金の運用のことを御相談申し上げております。従って各県にそういうことができました場合においては、必らず……。
○田畑金光君 どのくらいですか。
○国務大臣(西田隆男君) 大体総額三十五億円程度を、今、日銀には相談をいたしております。全額で行きました場合わかりません。期間の問題もありましょうが、各炭鉱の特別な情勢もありましょうし、一々の炭鉱を慎重に検討いたしまして、そうして実施に移して行きたい、かように考えて今せっかく努力中であります。
○木下源吾君 西田大臣に、実は失業の問題は炭鉱ばかりでなく、富士モーター、あるいはその他特需関係、これは今五万や七万じゃないのです。石炭も入れば鉄鋼もそうでありましょう。そうしてデフレが進行してきた根本は前内閣のやったことが悪いのだ、これでは鳩山内閣として責任は遂行されぬと私は思うのです。基本的には今言う特需関係、そうして大きくはアメリカの軍需政策、こういうものとの関連において、この失業者がたくさん出ておるということは率直に認められると思うのです。そうである限り、今のような過渡的な失業対策事業費を予算に盛って、失業対策部、局、課ですか、そんなものを置いて解決するものではない。これはもう大臣も同感だと思うのです。そこで問題は、私は何べんも聞いたり何かしているからはっきり言うのですが、これの解決は平和産業に早く切りかえる以外にないでしょう。これはもう石炭なり、何なり皆ひっくるめて平和産業に切りかえるよりない。現に今、日中貿易で中国からこの間代表が来まして貿易協定をしました。その結果はもうすでに大豆五万トンのオファーが来ている。ところが、これがこちらから輸出することが不可能だというようなことで実際はもめている。この問題の解決はただ一つあると思うのです。いわゆる戦略物資でない限りは、いわゆる甲類の物資をやるということは、五万トンの大豆のかわりにバターでやるということなんです。これをやれば少くとも今のようなあんな当面の失業者のような問題は幾らでも解決できる。これは大臣も同感だと思うのです。あなたも参議院においていろいろそういう論議も聞いておられるし、町におられるときはやはりそういう主張をせられている。なぜ、一体政府はこの中共貿易に対してそういうような施策を、いわゆるココムの金融を解除するというような努力をせんのか、これは少くもそれなりの輸出をやることになれば五万や七万、あるいは造船界にもこれは影響する問題がある、そんなことは皆わかり切っている。何か今の失業対策課を置かなければ、そんなことでこの問題を解決するとは不思議でたまらん。私はそこに過渡的な仕事だと、これは失業者の救済だと、こういう御提案であろうとも、なおかつこの補助を出したところが、地方財政はとうていこれにたえられるものじゃない。なぜ目にみえてそういう矛盾した、不可能に近いところの政策を行なっているのか。大臣は民間から出ている閣僚でも何でもないのですよ。もっと思い切った閣僚としての努力をせられたらどうか、こう考えるのですが、そういう点について所見を伺っておきたい。
○国務大臣(西田隆男君) お答えいたします。木下さんのおっしゃる通りでございます。別に失業対策で日本の労働問題を解決しようとは毛頭考えておりません。考えてないといっても、現実に起きてくるであろう失業対策を考慮しないで、ほうっておくということは、これはできませんので、暫定的に今度の設置法の一部改正法律案を提案いたしまして、少くとも増加してきつつあるものに対して何らかの解決の策をよりよくつけなくちゃならぬというのがねらいで、この法律案の改正を御審議を願っておるわけであります。いろいろ木下さんのおっしゃいました、平和産業を拡大して行けば失業者はなくなると、お説の通りですが、平和産業を拡大して行くということは、これはなかなか一朝一夕でできることじゃございませんで、やはり相当な時間的な余裕がないと、すぐ労務者を吸収するというわけにも参らぬと思います。かつココムの問題は、中共貿易の問題につきましては、これは通産、外務が相当強力に折衝しておるようでございますが、なかなか今言うココムの制限は問題がありまして、非常に困難なことがあります。特需の減少の問題ですが、これはいわゆる経審の計画でも織り込んでおります。従って労働省としましても、特需の減退による、またおこられるかもしれませんが、要するに職を失った人の対策、こういうものは、そういう事態が発生した場合にはすぐ何とか処置をつけるように対策本部を作ることに準備は完了いたしております。実を申しますと、そういう特需の減退ということで一時に大量の失業者ができるということは好ましいことではありません。今度の富士モーターズの問題につきましても相当動いて、努力もしてみましたが、現在のような結果になってまことに申しわけないと考えております。出てきます失業者につきましては、万全の措置という言葉をよく使いますが、万全ではないかもしれませんが、迷惑をかけないように、配置転換、就職のあっせん等については実行に移したいと、こう考えております。
○木下源吾君 平和産業拡大のために一段の努力をしてもらわぬと……。あなた九州でしょう、水害で一つやってどれだけの人員が働き得るか、それはもうすぐにできないというけれども、そんなことはやらぬからできないのだ。もう少し努力して度胸を出してもらいたい。五万トンの大立の見返りというものは、ただ口で五万トンというけれども相当なものですよ。どうか一つ度胸を出して努力してやってもらいたいと思います。
○委員長(新谷寅三郎君) お諮りしますが、労働大臣がやむを得ない所用のために退席されるそうでありますから、労働省設置法の一部改正の法律案につきましては、なお質疑があると思いますから、来週でも適当な機会にさらに審議を続けることにいたします。本日はこの法案に対する質疑を打ち切りまして、総理府設置法の方に移りたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(新谷寅三郎君) それではさようにいたします。速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(新谷寅三郎君) 速記を始めて下さい。 次に、総理府設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 御質疑のある方は順次御質疑を願います。
○上林忠次君 今回総理府に付属機関として航空技術研究所及び海外移住審議会を設置されることになっておりますが、まず航空技術研究所の設置に対しまして御質問申し上げたいと考えます。航空技術の問題につきましては、戦後日本ではどこもやっていない。関係機関は通産省、運輸省、あるいは民間会社関係、文部省の関係、たくさん関係機関があるのでありますが、戦後のあのこんとんとした時期が現在まだ続いておりまして、将来の日本の航空の発展のために何ら機関が設けられておらぬ。もちろん国の大きな航空に関する研究機関をわれわれは要望しておるのでありまして、しかも従来のように、学校でやるとか、あるいは文部省がやる、あるいは通産省がやるというような工合に、多岐にわたったああいうような研究の機関でなしに、まとまった機関を一つ作る、そうしてそれに強力な予算を与えて人員を整備して行く、先進国に負けないような、航空技術の研究をやっていただきたいとわれわれは考えておるのでありますが、今回のこの総理府で設置されんとしております研究所の機構はどういう工合になっておりますか、この人員の配置はどういう工合にされるつもりでありますか。
○政府委員(田中榮一君) 私から御説明申し上げますけれども、足らざる点はまた所長から申し上げることと思いますが、従来お説のように、この航空技術の研究につきましては、終戦以来ほとんど進駐軍の命令によりまして、これが研究を禁止されておったような状況でございまして、その間非常にこの航空技術の研究に、世界各国のそれと比較いたしますると、非常にみぞができておりまして、全く空白状況にあったのでございます。で、昭和二十七年、日本に航空技術の研究が許されましてから、ようやく航空技術の研究に着手いたしたのでございまするが、しかしながら、何分にも長い間の空白がございましたので、技術の面におきましても、また設備の面におきましても、非常に遜色があるのでございます。 かような見地から、最近におきまして、お説のように、あるいは文部省、運輸省、防衛庁、郵政省、その他関係方面におきまして、ぼつぼつ試験研究等をいたしておりまするが、御案内のように、航空技術の研究は非常に多額の経費を要するものでございまして、乏しい財政から各省にこうした大きな施設を作る、あるいは多額の経費をつぎ込むというのは非常に困難でございまして、両三年来関係省におきまして、できれば多額の経費を要するこれらの施設をどこか一カ所に集中的に作りまして、そうして多額の経費を要する施設については、これを全部のものが共用をするというような格好で行くことが一番いいのじゃないか。それからまた民間の航空技術を向上させる上からも、この中央に設置されまする航空技術の試験機関等を、これを共用させることが最も適当な施策ではないかというような考えからいたしまして、両三年来どこにこれを置くかということが非常に問題でございまして、ずいぶんと論議されたのでございまするが、結論といたしまして、やはり内閣所属に航空技術研究所を置いて、この航空技術研究所を育成いたしまして、関係省の航空技術官がこれを共用することが最も適当であるという結論に達したのでございます。それからまた航空技術審議会というものが内閣に設置されておりまするか、この審議会におきまする答申も、また同様の答申が先般総理大臣あてに送られまして、この答申に基きまして、また関係省の一致した意見に基きまして、今回この総理府の中に航空技術研究所を設置することに相なったのでございます。この航空技術研究所は大体の目標といたしましては、そう急激に大きなものもできませんので、大体目標といたしましては六カ年計画ぐらいを標準にいたしまして、大体六十億から七十億程度の経費によって六カ年計画ということを目標にいたしております。従いまして、初年度におきましては調査費その他人件費、これは半カ年分でございまするが、千七百十三万五千円ほど予算を要求いたしておるのでございます。で、この組織につきましては、まだ十分なものではございませんが、いろいろ研究所でございますので、十分な設備はできませんが、大体ただいまの目標といたしましては、どういうようなものを研究し、どういう組織を作るかということでございますが、まあ理想といたしましては、管理部、空気力学部、それから機体部、飛行機の機体でございます。それから原動機部、計測部、材料部、それから航空医学、心理学研究室、それから調査室、工作工場、こういったものを将来の組織といたしまして予想いたしております。そうして、またこれがこの研究に当りまする人的要素でございまするが、所長にもなるべく各省にかかわりのない、相当すぐれた航空に関する知識を持った方を迎えまして所長といたしまして、また研究員もそれぞれ優秀なる研究員をなるべく多数これに採用いたしまして、この所長を中心といたしまして、一体となってわが国の航空技術の向上に資しよう、こういうまあ考えでおるのでございます。なお、これは最初は大体四十人ぐらいの人員を採用するのでございまするが、まあ将来は、これは六カ年後におきまする人員といたしましては、大体五百人ぐらいまで人員を収容いたしたらどうか、五百人ぐらいの世帯で運営して行ったらどうだ、こういう考えでおります。しからば航空技術研究所の予定場所はどこかということでございまするが、この場所は幸いにいたしまして、現在東京都下の三鷹市に旧内閣所属の旧中央航空技術研究所というものがございまして、このあとが相当広い敷地がございまして、この航空研究所の、元の中央研究所の敷地内に土地をきめまして、ここに将来施設を作ったらどうか。幸い東京都へ入る送電線の幹線が入っておりますので、風洞その他に要する大電力のためにはまことに都合のいい状況になっておりまして、なお受電設備等も、旧中央航研のものを補修いたしますれば十分使用ができまするので、ここへ作ったらどうかという大体予想をいたしております。それから、なお将来いろいろの意味におきまして、飛行場等も必要じゃないかということも考えられまするので、ただ現在の状況では、ここに飛行場を設けるということはとうてい考えられませんので、将来は必要に応じまして調布飛行場その他を使用する予定に相なっております。
○上林忠次君 先般私たちは浜松の航空隊を視察に行きましたが、案内されながらいろいろな質問をしたのでありますが、各国の戦後の航空界の進歩は、もう昔の日本の航空界から比べますと、長足の進歩をしており、とてもあすこまではいつになって追いつけるかわからぬようなさびしい話を聞いております。このような第一年目の計画を拝見しておりますと、ほとんどこれでは研究というようなものはできないのじゃないか。いかにして一日も早く諸外国のあのレベルまで到達するのに、どうして早くそこまで行くかというのがわれわれの当面の問題じゃないか。そういう工合にいたしますと、まあこういうような施設ができまして、研究者がそこに入るわけですが、研究者もいないのじゃないか、研究者の養成が必要じゃないかということになりますと、まずアメリカなり、あるいは各国の先進国の方に技術者をどんどん持って行って、向うで研究さした方が早いのじゃないか。もちろん日本の航空の中心研究機関というのは必要でありますけれども、その中核となるものは今から作っておかなくちゃいけませんけれども、まず人を持って行って向うで研究さしたらいいじゃないか。われわれそういうような気もしたのでありますが、現在この航空隊でやっているような仕事は、ただもう向うの技術を輸入して、それによってわれわれの技術の水準を高めるという程度の現状でありまして、とても研究にはならないのじゃないかという感じがするわけであります。さようなところから考えますというと、先ほど申しましたような、向うに三十人でも四十人でも持って行って、向うの施設を使いながら、早く日本の技術をもっと向うに接近さして行くということが必要じゃないかと考えますが、そういうようなことをされてはいかがですか、どういう工合にお考えになりますか。
○政府委員(田中榮一君) まことにごもっともな御意見でございまして、航空技術研究所の目標といたしまするところは、やはりお説のように進歩した飛行技術を研究いたしたいと思っておりまして、現在の推進機による飛行機ではなくて、むしろ一足飛びにジェット・エンジンの試験、研究に取りかかりたいと思っております。そこで音速を越えます小型エンジンのジェット機と、それから大型のジェット輸送飛行機というものを目標にいたしまして、これがエンジン等の試験、研究に取りかかるわけでございますが、そのほか機体のあらゆる方面の研究にかかるわけでございますが、幸いにいたしまして、アメリカと日本との間に、いろいろの経済援助の一環といたしまして、アメリカからある契約、協定がございまして、日本のいろいろの技術者をアメリカが受け入れる、その場合においては旅費だけを持てばアメリカにおいて滞在費等は向うで持って、できるだけ技術援助をしてやろうという協定がございます。それからまたアメリカの方から日本に来た場合においても、運賃等はアメリカが持つが、滞在費は日本が持って協力してやろうというような協定がございますので、こうした経済援助の一環である協定等も利用さしていただきまして、これらを利用して一つできるだけ、アメリカはもちろんのこと、欧米各国の航空会社等にも日本の技術者を派遣いたしまして、それによって得た知識をまたこの研究所で研究してもらう。それからまた民間航空会社の優秀な技術員もこれに来てもらって協力してもらったらどうか。お互いに技術というものはギヴ・アンド・テイクでございますから、アメリカの技術はもちろんのこと、国内民間会社の技術でもお互いにギヴ・アンド・テイクで、相互に援助しながらお互いに向上して行ったらどうか、かような考えで運営して行ったらどうかと考えておる次第でございます。
○上林忠次君 まあ研究も多岐にわたっての研究でありまして、どの方面を主にされますか、とりあえず六カ年計画というのができておるらしいのでありますが、どういうふうな方面の研究に重点を置かれるのか。原動機のことに重点を置くとか、機体に重点を置くとか、いろいろあろうと思いますが、とにかく何としてもこれだけおくれた技術を重点的に日本でやった方が都合がいいというような研究の項目もあろうと思いますが、全般にわたってこれをやっておってはとても、いつになっても向うのけつを追うような、そういうなまぬるいことをやるよりは、日本でも十分向うよりも優秀な研究ができるぞというふうに、金を使い、人員を配置するという必要があろうと思いますが、何としてもこの十年間のおくれは、これはとても取り返せないと私は考えるのであります。どうして早く取り返すかというためには、六カ年計画にもそういうような重点的な施策を講じてもらわなければいけないと考えますが、六カ年計画はどういう工合になっておりますのか、その点もお聞きしたい。
○政府委員(田中榮一君) 六カ年計画で、最初の第一年目は、今後これが運営に対してどういうふうにして行くかということ、それから将来の計画でございます。これを具体的にいま少し専門の研究家によって立案していただいたらどうか、それからいろいろどういう施設を作ったらいいかということの調査がまず第一に必要じゃないかと思っております。それがためには欧米先進国を実際に視察して、現実に見た上で、日本の現在の国力においてどの程度の施設が必要であるかということをまず調査、研究せねばならぬと思っております。それからだいぶおくれておりますので、今後一ぺんに何もかにも調査、研究したところで、とうてい先進国には追いつけませんので、重点的に私どもとしてはどういう点を先にしたらいいかと考えますると、まず空気力学に関する研究としまして空気力学を相当拡充したらどうか、それから第二には、原動機に関する研究でございまするが、原動機並びに燃料、潤滑剤に関する研究を第二に重点に置いたらどうか、それから第三は機体に関する問題でございまするが、現在の日本のこの気候その他いろいろの気流の点から考えまして、機体の構造、強度、振動その他装備品、これらの関連した研究を第三としてやったらどうか、一応この三つに重点を置きまして行いまして、さらに次の材料がどうであるとか、あるいは航空心理学であるとか、航空医学であるとか、そういう方面に逐次研究を移して行ったらどうかと、こう考えておるのであります。
○上林忠次君 今回航空関係の研究所が、総理府で一手に各方面との連絡調整をとりながらやって行かれるのはけっこうでありますが、現在航空技術審議会というのがあって、この審議会の構成なども私は知りませんけれども、審議会とこの航空技術研究所の関係はどういう工合になっているのか、あるいは大学の航空研究室ですか、こんなようなものはどういう工合に今なっておるのか、あるいはこれからの大学の研究室なんかの連絡調整はどういう工合にされるおつもりですか。
○政府委員(田中榮一君) 現在航空技術審議会がございまするが、この審議会を組織しておりまするメンバーは、主として各大学におきまする航空技術の相当な権威者でございまして、そのほか現在現実に航空機を生産をしたり、あるいは航空機の修理に当っております航空機製作会社の技術を担当しておる方であるとか、あるいは関係庁の次官級の方であるとか、そうした方がこの航空技術審議会の委員になっておりまして、従いまして、この航空技術研究所が将来できましたならば、これらの航空技術審議会と密接な連絡をとりながら、航空技術審議会でどの点に重点を置くべきであるかというようなことを御審議願って、これを実際に試験研究に振り向ける。それから幸いにしまして、この委員の中には相当大学の航空技術の権威者も入っておりますので、大学の技術をこの研究所の中に取り入れて御協力を願い、また設備等もできるだけお互いに共用し合って行くというような能勢で行ったらどうかと、かように考えておるのであります。
○上林忠次君 私はもちろんしろうとでありますが、アメリカの方では、国立の、州立のこういうような研究所というのを持っておるのか、あるいは航空隊あたりでも研究所を持っておるのか、あるいは会社で専門に研究さしておるのか、その辺はどういう工合になっておるのですか、向うの実情は……。
○政府委員(鈴江康平君) 実はこの研究所を設立いたしますために、昨年度総理府の方から航空研究施設の調査団を派遣したわけでございますが、団長は東大の航空学科の教授であります守屋富次郎博士でありますが、その他関係省並びに各会社の航空関係の技術者十三名が各国を見て参ったのでありますが、いずれの国におきましても、航空の研究施設というのは相当金がかかるものでございますので、いずれも国がその金を出しております。国有の研究所をそれぞれ持っておるわけでございます。特にアメリカにおきましては、大統領直轄の航空技術審議会と言いますか、ナショナル・アドバイサリイ、コミッティ・フォア・エアラナーティックスというのがございまして、この航空技術審議会が直接研究所を持っております。それでアメリカにおきましても、軍の研究、陸海空の三軍の研究でも多少はございまするけれども、しかし重要なるものは全部NACA傘下の研究所において実施しておるわけでございます。それから大学、あるいは会社等にも研究所がございます。しかしながら、それもやはり多額の経費を要するものは持っておりませんので、これは全部NACAの傘下にありまして、それが一手に研究をしておるという状況でございます。そしてまたそのNACAというのは大学の研究、あるいは会社の研究、あるいは自分の傘下の研究、その研究テーマを全部一緒に握っておりまして、その間の連絡に当っておるというような状況でございます。それからイギリスにおきましてもやはりミニストリー・オブ・サプライ、軍需省というようなところでございましょうか、このもとに大きな国立の研究所がございまして、そこがほとんど中心になって研究をしております。あと会社とか、あるいは軍、そういうところにも、あるいは大学にも航空研究施設はございますが、いずれもあまり金のかかったものはここで持っておりません。大体各国の例を見ましても、航空の研究というものは非常に金がかかるという特殊性から、非常に金を持っておる国におきましても、やはり一元的にやっておるというような状況でございます。
○上林忠次君 ちょっと筋は違いますけれども、問題とは触れませんけれども、まあ通産省にも、文部省、あるいはほかの省もあるかもしれませんが、各省の研究を助けるような、各省関係の傘下の民間事業者の研究なり、各省の研究なり、そういうようなものを助けるような研究奨励金のようなものが出ておりますが、多分航空関係でも、民間なり、あるいは運輸省、あるいは通産省あたりで研究をしますと、またそういうところに補助金が出るということにもなろうと思いますけれども、現在やっておりますああいうような文部省からも出る、あるいは各産業関係の省からも出るというような奨励金ですね、学術研究奨励金ですか、かようなものがあっちこっちから出るようになっておりますことは、まあ予算としてはどうもまずい使い方ではないか、たとえば学校で一つの研究をしようとしても、もらった金で中途半端で施設もできない。それよりはもっと民間の施設をもう少し強化してもらえば、もっと思い切った研究ができる。中途半端な金を民間と学校あたりが別々にもらっているというようなことでは徹底した研究はできない。かようなことは総理府あたりで、スタックの方でまとめていただきたい。多分そういうような審議はスタックの審議もあろうとは思いますけれども、金自身をスタックから出していただくということにして研究の調整をはかって行く、重点的な有効な使い方を考えてもらわなくちゃいかぬじゃないか、航空においてもそういうことが将来行われますならば、私はスタックの方で調整をとってもらいたいと思いますが、御意見を……。
○政府委員(田中榮一君) 航空技術研究に関しましては、将来ともそういう方向に一つ技術研究所を利用さしていただいたら非常に私は好都合ではないかと思います。やはり航空技術に関する一つの統一的な技術向上の方針に基いてやるからには、やはり将来の奨励金とか、何とかいうものも、なるべくならこの航空技術研究所において一貫して統一したような方法でこれを支出いたしまして、統一した方法で技術の向上をはかって行ったらどうかと考えております。そのほかのいろいろな技術の向上につきましては、これはまたいろいろ各省との関係もございますので、実情としてはなかなかこれを統一することはむずかしいと考えておりますが、方向としてはそういう方面に努力をするのがよいのではないかと考えております。
○荒木正三郎君 私は今の問題に関連をしてお尋ねをしたいと思うのですが、航空自衛隊の増強計画ですね。先ほども質問がございましたが、しかしこれについては、あまりはっきりしたお話がなかったようでございますが、大体の計画を御説明願いたいと思います。
○政府委員(田中榮一君) これは防衛庁の関係でございますので、私から説明をするのはどうかと思いますが、今回の航空技術研究所も、現在防衛庁の中にも小型の航空技術研究所はあるようでございます。しかしながら、やはり先ほども説明いたしましたごとくに、試験研究施設というものは非常に経費のかかるものでございまして、将来は別として、とりあえず、この航空研究所の試験設備を拡充いたしまして、防衛庁の航空技術に関する研究もこの航空技術研究所を十分に利用して、これによって技術の向上をはかっていただきたい、かように考えております。
○荒木正三郎君 私の質問に対して官房副長官が、不適当であるということであれば、これは防衛庁の方から説明していただきたいと思います。
○委員長(新谷寅三郎君) 荒木君に申し上げますが、いずれ防衛庁設置法なり、自衛隊法の一部改正法律案の審議の際に、防衛計画そのものの六カ年計画なり、あるいは今後の計画については御質疑願いたいと思います。総理府設置法の一部正法律案について、今審議しておりますから、関係の政府委員が今すぐに全部そろうことは困難だと思いますので、次の機会にしていただきたいと思います。
○荒木正三郎君 私は今日は主として飛行場の拡張の問題について質問したいと思います。それでこの質問が一応終ったらその問題に限って質問したいと思います。
○委員長(新谷寅三郎君) 総理府関係はありますか。
○松原一彦君 今のは初めて私お聞きするわけですから……。さっき上林委員からの質問にありました三鷹市の旧中央航空研究所というのは、およそどのくらいな敷地になっているのでございましょうか。
○政府委員(田中榮一君) 大体約八万坪ほどございます。その中に現在運輸省関係の運輸技術研究所というのが設置されております。そのほかに消防研究所、これが約二万坪ほどとっておりますが、現在この敷地の中に、今申しましたこの二つの研究所がすでに設置されてございます。しかしながら、まだまだ相当な余裕がございまするので、この旧中央航空研究所の跡地へ、この航空技術研究所を将来設置したらどうかということで、現在そういう考えで着々土地等も調べておる次第でございます。
○松原一彦君 この既設の設備の利用ができるというお話でございますが、既設の設備は相当のものがあるのでございますかか、われわれ想像もつかないのですが、大体どういうものがあるのでございますか。
○政府委員(田中榮一君) 前に残っておりました旧中央航空研究所は、終戦と同時に、いろいろなやはりある程度の風洞の施設であるとか、相当な研究機関はあったのでございまするが、これは全部撤去いたしましたので、それでその建物が残っておりまするのと、それから事務所が残っております。それから受電設備等がそのまま残っておりますので、これを修理いたしまして利用したならば、けっこう間に合うのじゃないかと考えております。
○松原一彦君 防衛庁の科学技術研究所ですか、あれが焼けて引っ越しておるのがここでございますか。
○政府委員(田中榮一君) 防衛庁関係の技術研究所は場所としては三鷹でございますが、全然これとは別なところでございます。
○松原一彦君 これと同じような、航空技術研究所が一カ所に集中するためというお話でありましたが、今あります既設のものはどういう種類のものがあるのでございましょうか、お聞かせ願いたいと思います。どこにどういうものがありますか。
○政府委員(田中榮一君) お答えいたします。現在ございまする航空技術の研究機関と申しますのは、非常にもう貧弱なものでございまして、これはいずれもその他の技術面も研究いたしておりまして、航空専門の研究所といたしましては現在一カ所もございませんが、ただいろいろの技術研究をしておりまするのが、一部航空の技術も研究しておるというのが現在の実情でございます。現在どういうところにあるかと申しますると、まず通商産業省におきましては、工業技術院機械試験所第三部というのがございます。それから運輸省関係といたしましては、運輸抜術研究所航空部というのがございます。それから文部省関係としましては、東京大学理工学部研究所、それから東京大学工学部の航空学科、これは今年から初めて航空学科が新たに設けられたのでございます。それから防衛庁関係といたしましては、技術研究所第六部、以上六カ所ございまするが、これは先ほども申し述べましたごとくに、航空専門の研究ではないのでございまして、いろいろな技術の研究の中に、航空を一部研究しておるという程度でございまして、その研究所の機構もきわめて小型でございまして、大体十名内外のスタッフを擁して研究しておる、こういう実情でおります。
○堀眞琴君 ちょっとお尋ねしますが、航空技術研究所の研究内容ですね、どういう方面を主として研究されるのか、それを具体的にお話し願いたい。
○政府委員(田中榮一君) 先ほどちょっと私から説明申し上げましたが、大体航空力学、空気力学に関する研究であるとか、あるいは機体関係であるとか、あるいは原動機、それから計測、それから機体に用い、その他のいろいろな部分に用います材料の研究でおりまするとか、あるいは燃料、潤滑剤、あるいは航空医学、航空心理学といったような広範なものにつきまして逐次研究を進めて行ったらどうかと考えておる次第であります。
○堀眞琴君 そうしますと、航空研究所でやられる研究内容というのは、原理的な部門と、それから技術的な面と、こう二つあるように思われる。いずれも大切な部門ですから、それは研究しなければならぬと思いますが、その原理的な面について、あるいは技術的な面について、今の松原委員へのお答えによりますと、ほかでもそういうような研究をやっている。原理的な面では特に東京大学でやっている、あるいは理工学研究所と言うのですか、理工研究所ですか、そういうところに緊密な関係があるでしょうし、それから技術的な面では運輸省関係、あるいはその他の研究所とも相当密接な関係があると思うのですが、従来、ともすると、そういう研究機関が運輸省にもある、総理府にもあるというので、それぞれセクト的になりまして、そうして研究所のいろいろな成果その他についての連絡であるとか、あるいはまた研究上のそうしたいろいろの便宜等について少しも連絡がないというのが従来の実情であったと思うのです。中央の航空技術研究所を作るからには、大学あるいはその他の官庁のそういう同じような研究所、あるいは民間の研究機関とも緊密な連絡がなければならぬと思う。そうしないと無意味であると思うのですが、その点についてはどのようにお考えになっているか。
○政府委員(田中榮一君) 実はこの中央の技術研究所ができますまでのいきさつにつきまして、ちょっと先ほど申し述べましたのですが、やはりお話のようにセクト的の関係が相当強くありまして、それぞれなるべくなら自分の方に航空研究所を作りたいという要求か非常に熾烈でございましたので、ここ三年間、これらにつきまして関係省において十分に協議いたしました結果、最後の結論としまして、先般航空技術審議会の方からも、できるなら無駄な経費を各所に使わずに、一カ所に年中して立派な施設を作ることが一番必要である、こういうような答申もございまして、この答申とともに、各省におきましてもいろいろと今後のことにつきまして十分御反省願いまして、ようやくこの中央航空研究所の方へ一カ所に施設をまとめて、これをお互いに共用するというところの結論に達しまして、まあ大体各省もそういう空気が醸成されましたので、今後はなるべくこれを中心にしてお互いに共用して、相互に技術を向上して行こうじゃないか、それから単に各省のみならず、民間の航空製作会社の関係も、これは一つなるべく共用して行こうじゃないか、こういう空気がだいぶ最近は強くなって参りまして、実はここまで持ってきたのでございますので、今後もさような空気によって一つこれを運営して行くことがもっとも必要じゃないかと考えております。
○堀眞琴君 研究所の定員等、あるいは予算等について、本年度ないしは今後何カ年かの計画で拡充される御予定ですね。そうすると、計画年度に従った大体の見通しですね。そういうものをお尋ねしたいと思います。
○政府委員(田中榮一君) この研究所は大体六カ年計画でこれを整備して行ったらどうだろうかと考えております。それで総経費におきまして、まあ現在のところ六十億ないし七十億の経費が必要であろうと考えております。今年度におきましては、とりあえず人件費、調査費がおもでございまして、これは予備調査等でございまするが、総額におきまして千七百十三万五千円の経費を計上いたしているのでございまするが、なかなかこれでは足りないのでございまして、昭和三十一年度、三十二年、三十三年以降におきまして大々的に整備して行きたいと考えております。それから人員につきましても、初年度におきましては四十人ということになっておりまするが、昭和三十一年度、次年度におきましては約百三十四名、これは一応目標でございますから、そのお含みでお聞き取り願いたいと思いまするが百三十四名、三十二年度におきましては二百三十九名、三十三年度におきましては三百五十五名、三十四年度におきましては四百三十五名、三十五年度に至りまして五百名に達すると、まあ大体かような予定を立てまして整備して行ったらどうだろうかと、かように考えている次第でございます。
○堀眞琴君 各年度に相当増員される予定で、相当それに従って研究も整備されて行くことと思いますが、初年度の計画が四十人、果してその原理的な研究、技術的な面の研究は、これでとにかく一応スタートができるかどうかという問題になりますと、相当疑問ではないかと思うのです。そういう点をどういう工合にしてカバーされるのか、その点をお話し願いたいと思います。
○政府委員(田中榮一君) 初年度におきましては、一応将来の計画に対する立案、それからまあいろいろな設備拡充の準備、それから将来これを人的に拡充して行きまする場合の拡充の方針というようなことを一応策定する必要があると思うのでありますが、私の考えといたしましては、一応まず優秀なる所長を迎えまして、この所長が一応あらゆる点を勘案いたしまして、航空技術研究所の将来というものを考えて、このものによってまず基礎的な調査を遂げ、これによって将来の拡充案を立案していただく、そしてどういう方面にはどういう優秀なる技術者を迎えたらどうかということも一応策定をしていただきまして、そしてまず幹部をできるだけ早く充員いたしまして、その幹部の指導方針のもとにさらに優秀なる技術員を集める、こういうことが必要じゃないかと考えております。従って将来の航空技術研究の一般原則、基本的方針、基本的態度をまずきめまして、それによってその方針に基いて優秀なる人材をできるだけ多数集めて行くという方向に持って行ったらどうかと考えております。
○委員長(新谷寅三郎君) それでは総理府設置法の一部を改正する法律案につきましては、なお質疑が残っておると思いますから、一応本日のところはこれで打ち切りまして、次回に譲りたいと思います。 なお、最後に私から一つお尋ねしておきますが、次の機会でよろしうございますが、こういうように非常に技術のおくれておる事柄を急速に発展させようということになりますと、ある程度外国の技術を使わなければならぬ場合が多いだろうと思います。そういう場合に、終戦以来過去の実績を見ますと、関係の業者が非常に競争をいたしまして、無用な競争をして、不当に高い特許料を各社が、むしろ日本側からせり上げて行く、そして外国の技術を使うという場合が非常に多かったのです。こういう航空技術研究所のように、中央機関ができるといたしますと、機体についても、あるいは発動機につきましても、その他の原動機につきましても、計器類につきましても、非常にこれは、一応外国から必要とする技術を受け入れるについても、特許の問題をどういうふうにお扱いになるか、これはあるいは通産省の仕事かもしれませんが、お打ち合せの上で、場合によりましてはこういう技術研究所が試作等をされる場合に、そういう問題に触れて考えられることがあるとすれば、政府全体として、こういう問題に対してどういうような方針で臨もうとされるのか、過去のような弊害を再び繰り返すことは私は愚であると思う。この点について政府の確信のある御答弁をこの次の機会にお願いしたいと思います。 ―――――――――――――
○委員長(新谷寅三郎君) 次は、国の防衛に関する調査を議題といたします。 本日は飛行場拡張問題につきまして調査をいたします。政府からは調達庁長官の福島君、調達庁次長の山内君、外務省欧米局長の千葉君、防衛庁からは、経理局施設管理課長高田君が御出席になっておられます。
○荒木正三郎君 ただいま委員長からお話がありましたように、私は飛行場の拡張の問題について、今日は主としてお尋ねしたい。かように考えているわけであります。と申しますのは、先般防衛分担金に関係をいたしまして、日米共同声明が出されました。その中に、日本政府は飛行場を拡張し云々の事項がございます。それで初めにお伺いいたしたいのは、アメリカとの話し合いで、アメリカ側としては、どの程度日本に飛行場の拡張を希望してきているか、あるいは要望してきているのかという点、それからこれに対して日本政府が同意を与えたということでありますが、どの程度同意を与えているのか、この点をまず伺いたい。かように思います。私はどの政府委員がお答え願うのが一番適当であるかということはよくわかりませんから、そこはよろしくお願いしたいと思います。
○政府委員(福島慎太郎君) 御質問の点につきましてお答えを申し上げます。飛行場の拡張と申します現在の問題は、アメリカ側の拡張の要望、飛行場につきましての拡張の要望から出発いたしまして今日の問題になっておりますことは、御指摘の通りであります。ただどの程度の飛行場をどういうふうに拡張するかという最近の結論に達しますまでは、かなり長い交渉経過がございます。手短かに申し上げることがちょっとできかねますので、多少時間をとりまして恐縮でございますが、一応経過を御報告させていただきたいと思います。 御承知の通り、米軍が日本に駐留いたしまして、当然空軍の施設というものが必要になり、終戦直後に米軍が日本に入って来ました場合には、軍事施設と名のつくものを一応全部接収したわけでございます。これはまあ自動的に日本の軍事施設を一応アメリカが肩がわりしたという形になります。そのときにおきまして、日本国内に飛行場と中しますものは八十数カ所、八十五カ所と記憶しておりますが、一、二の数字の違いはあるかもしれませんが、八十数カ所の飛行場がありましたわけでございます。それを米空軍といたしましては、ちょうど四十カ所になりますが、四十カ所の飛行場をもって今日運営しているわけでございます。残りました四十数カ所の飛行場はこれを廃止、つまり解除いたしまして、現在はおもに農耕地になっているはずでございます。そこで四十の飛行場につきまして、過去数年間駐留空軍が運営をいたして参ったわけでありますが、二年ほど前から、飛行機の性能の変化によりまして、滑走路の改良ないし拡張という問題が必要となったということを言って参ったわけでございまして、飛行機は御承知の通り数百時間、それも余り長い時間でないのだそうでありますが、何百時間まで使いますと、消耗いたしますと申しますか、オブソリートになる種類の消耗兵器である。適当な間隔をもって新らしいものと取りかえて行かなければならぬ兵器であるそうであります。年々歳々新らしいのと、おとからあとからと変って参る。従いまして、その形式も変化して参る。あとから古い形式の飛行機を作って供給して参るということは、ほとんど考えられないのでありまして、だんだんに変って参るということはこれは避けがたい。ところがたまたま旧型のプロペラ式の飛行機からジェット式飛行機に変化する時期に際会いたしましたので、だんだんに飛行機がすべてジェット・エンジン式の飛行機に変って参るという境い目の時期に遭遇いたしておりますので、アメリカ側といたしましては、数年間はどうやらやって参ったけれども、これからは飛行機のほとんど全部が、特に日本におきます飛行機は主として防衛用の飛行機を装備しております関係もありますので、戦闘機の部分が非常に多いものでありまして、戦闘機はほとんど例外なくジェット式の飛行機になるという事態になりまして、滑走路が、現在の滑走路と申しますか、旧式のプロペラ式の飛行機のためにできました滑走路、五千フィートないし七千フィートという滑走路が、ジェット式の飛行機のためには九千ないし一万二、三千フィートの滑走路にならなければ使えなくなるという問題が起ったということをアメリカが指摘して参ったわけでございます。これはアメリカの必要と申しますよりも、飛行機全体が、ひいては民間の輸送飛行機まで、そういうエンジンの変り方をすることが考えられるのであって、日本の飛行場というものを、すべてこれからの飛行機が飛べる飛行場にしてもらわないと困る。アメリカの問題としてのみならず、日本自身の問題としてもそういう処置が必要であるという議論が二年ほど前から問題となって参りました。当時アメリカは、現在でもそうでありますが、飛行場は日本国内におきまして四十の飛行場を保有しておりましたわけでありますから、話といたしましては、そのすべての飛行場につきまして飛行機が飛べるようにしなければならないという意味で話が始まったわけであります。私どもといたしましては、これを日米合同委員会の施設特別委員会におきまして、たまたま私が日本政府代表を勤めておりましたのでありますが、ここで受けつけたわけでありますが、現在ある軍用飛行場をすべて飛行機が飛べるようにする、滑走路を延長するということは、理論上そういう措置が必要であるということは了解できるといたしましても、国民の負担なり、あるいは財政の負担なり、あるいは社会経済上に与えます影響その他から申しましても、そうそうやって参るわけに行かない。これを最小限度の必要ということにこの数の制限をいたさなければ、当面取り上げるわけに行かないということで話し合いを続けて参りまして、そのまま結論といたしまして、五、六カ所の飛行場ということで、最小限度の要望を充たすことができるかどうかというふうな考え方になりまして、ただいまのところ、拡張いたさないでもどうにか使える飛行場というのが二、三あります。私の了解いたしております限りにおきましては、北海道の千歳、青森県の三沢、九州の板付というふうに了解いたしておりますが、それ以外の飛行場は全部飛行機が変って参りますと飛べなくなるという飛行場であるわけであります。そこで新潟と横田、立川、これは東京都であります。千葉県の木更津、愛知県の小牧、大阪、兵庫県にまたがっております伊丹、その六つの飛行場について滑走路を延長して、一人前の飛行機の飛べる飛行場にすることができれば、他の三カ所と合わせてどうにか最小限度の防御配備計画と申しますか、飛行場網というものを日本に設けることができるということが中間的な結論になりまして、一年ほど前にそういう結論に達したわけであります。そこでアメリカ側が飛行場の設備をする、日本側が用地の提供をする、これは行政協定上の建前でありますが、それによって具体的に案を立てようということになったわけであります。ところが日本側といたしましては、用地の提供というだけでありましても、飛行場にいたします場合に、これは最小限度の飛行場でありまして、将来アメリカ側が仮にいなくなるという時期になりましても、この程度の五つ、六つという数でございますと、日本の国に防衛というものか存続いたします以上は、やはり飛行場として残るということは当然に考えなければならないのでございまして、やはり用地を借り上げるといった程度のことではとうてい措置ができなかろう。従いまして、これを買収するという問題に当然なりますので、予算的なめどがつかなければ、いかに案ができても実施に取りかかるわけには参らないということで、昨年一年ほどかかりました諸般の研究も、昨年度の予算編成と申しますか、それからただいま御審議中の予算にどの程度のこれに関する予算を組み入れることができるかという見通しをつけるまで、案が立てられなかったわけであります。本年の四月に入りまして、防衛支出金中に飛行場の拡張のための用地の買収費、またこれに伴いますところの損害の補償費というものを織り込む程度のめどがつきましたので、先ほど申し上げました六つの飛行場のうち、本年度の予算があれば五つまではできるであろうという確信に達しましたので、ただいま申し上げました六つの飛行場のうち、伊丹だけは予算のめどがつかないということで案を立てるのを差し控えまして、他の五つの飛行場につきまして用地の買収並びに補償の算定という用意にかかりました次第であります。従いまして、アメリカ側のどの程度の要望があって、またそれを日本側の考えとしてどの程度のところで受けとめたかという御質問であったかと思いますが、長々と申し上げましたが、アメリカといたしましては、できるだけ日本において自由に飛行場が使えるようにという要求で出発いたしましたには相違ございませんが、日本といたしましては、アメリカ側が帰りましたあとの最小限度として、どうしても必要だと思われる限度、もしくは最小の限度というものでしぼりまして、当面は、当面と申しますと、あとが続いておるようでありますけれども、予算上のめどがつけば伊丹の問題は何とか措置したいと考えておりますという意味ですが、本年度の予算に関する限りは、伊丹を除きました五つの飛行場についての措置が、この予算がこれで成立いたしますれば可能であるということになったという程度でございます。
○荒木正三郎君 大体の経過をお聞きしまして、大体の様子はわかったのでございますが、最後の伊丹飛行場の問題、これは今提出されておる三十年度の予算の中には、これを拡張する経費の捻出が困難であるということで、この拡張は本年度はむずかしいのではないか、こういうお話のように聞いたわけですが、この共同声明の中にうたわれている「日本政府は飛行場を拡張し」というその内容は、大体当面六つの飛行場をさしておる、こういうふうに解釈して間違いございませんか。
○政府委員(福島愼太郎君) 共同声明の中に考えました飛行場というのは、御指摘の通り六つの飛行場を頭におきまして、これを指したものと私も考えております。しかしながら、申し上げております趣旨は、共同声明その他そういうことで、日米間に板付まで含めました飛行場の拡張ということを話合いせられたのでありましょうけれども、拡張のための土地の取得と申しますか、買収という任務を担当いたしております私ども調達庁といたしましては、予算が成立しました後与えらるべき予算額というものを大体今日想像がついておりますので、いかような事態になりましても、その限度までしか仕事ができないという予想もついておりますので、そこまでしかできないということに考えてもおり、またアメリカ側に対しても、あるいは日本の関係方面に対しましても予算がこれであれば予算のところまでしかできない、まあ他の飛行場につきまして、どこかの飛行場が地質その他の関係でできないとか、あるいは付帯する工事か何かの技術的な変化によりまして金がかからずにできる、そういうふうな事態でも起りません限り、確たる予算上の目途がないということでございます。
○荒木正三郎君 そこで予算の問題でございますが、この拡張のためにどれぐらいの予算が考えられているか、その点と、それからこの種類の施設の拡張等に使う予算というのは年々組まれておると思いますが、そういう予算は何らか繰り越しの金があるのかどうか、そしてまた繰り越せばその金は本年度で使うことができるようになっておるのかどうか、そういう点を一つ御説明願いたいと思います。
○政府委員(福島愼太郎君) この飛行場の拡張のための用地の買収ないしは補償と申します種類の事案は、御承知の通り防衛支出金によって支弁することになっております。防衛支出金はこれまた御承知の通り、本年度の予算におきましては約八十億の計上がなされているわけでございます。八十億の防衛支出金ということで、一括計上してございまして、細部にわかれておりません関係もございますので、その八十億のうち十二億ほど、私どもといたしましては飛行場の土地の買収並びに補償の引き当てにかんがえておるわけでございます。残る七十数億もすべて引き当てがあるわけでございまして、御承知の東京都内初め、各地にございます接収物件の借料、地代、家賃、漁業補償、あらゆる方面に引き当てがあるわけでございまして、八十億とは申しましても、ほとんど動きの取れない数字になっておるわけでございます。しかし予算の建前といたしましては一括しておりますので、私どもにはちょっと想像がつきませんけれども、何かの事情でこの八十億というもののうち使わないで済む金が出てくるという場合に、これを飛行場関係に流用するということは不可能ではございません。なお昨年度から繰り越した金額があるかというお話がございました。これは幾らかあるのでございまして、昨年度の施設提供費関係で本年度へ繰り越しましたものは、調達庁として繰り越しました防衛支出金は二億九千八百三十八万円でございます。なおこのほかに大蔵省で繰り越した部分が一億八千万円ほどございます。調達庁で繰り越し、大蔵省で繰り越しと申し上げましたが、防衛支出金の予算といたしましては大蔵省の科目についておるわけでございます。それを事案の進捗するに従いまして調達庁に移しかえて行きまして調達庁で支出いたします。従いまして、防衛支出金は両方に残る可能性があるわけでございます。両方での繰り越しが合計四億五千万ほどになっておるわけでございます。これらの繰り越しとは申しましても、すべて明許を受けておる繰り越しのはずでございまして、いろいろな関係で買収その他の交渉が妥結しなくても、いろいろな関係で繰り延べられておる次第であります。ただ金が余っておるというたちの金額ではございません。格別の大影響を全般の施設提供の関係に与えるという筋合いのものではないと考えております。
○荒木正三郎君 それで繰り越された金ですね、これは本年度に使うということができるかどうかですね。
○政府委員(福島愼太郎君) すべて明許繰越でございまして、本年度に使用可能な金額でございます。
○荒木正三郎君 今の御説明によりますと、飛行場の拡張のために十二億円の予算が組まれておる、しかし八十六倍円の全体のワク内においては、次第によってはこの十二億をさらに増額して使えるんだ、こういうふうに解釈していいわけですか。
○政府委員(福島慎太郎君) 仰せの通りでございます。しかしながら、それはあくまで建前、ないしは理論の問題でございまして、七十数億の中で余りが出てくれば回せるということは仰せの通りでございますけれども、私どもの調達庁で所管いたしております経費の支払い、防衛支出金の支払いと申しますのは、政府の他の各省の支払いと非常に趣きを異にしておりまして、他の各省の予算金額と申しますのは、助成的な費用とか、あるいは補助金とか、そういう傾向が多分にあると思いますけれども、調達庁支払います補償費は、私ども調達庁の仕事をいたしておりますもの観念といたしましては、いわば国民に対する法律上の債務であると考えております。損害を与えました者に対する補償でございますので、従いまして、これが予想されております。あるいは予定されております補償額というものを不用に立てるということは第一できない次第でありますし、また先方から辞退をせてれるはずもないのでありまして、容易なことでは変化をさせることのできない金額でございますので、建前は確かに御指摘の通りでございますけれども、事実問題としてはさよう簡単に余裕金額が出て参るというわけには参らないと思います。
○荒木正三郎君 滑走路の問題についてお尋ねをしたいと思うのですが、大体新しいジェット式の飛行機であれば九千メートルから一万三千メートルくらいの滑走路が必要であるというお話でございましたが、これはジェット戦闘機、あるいはジェット爆撃機においてもその程度の滑走路で十分であるのかどうか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(福島愼太郎君) 九千メートルないし一万メートルというお話でございました。私の先ほどの申し上げようが悪かったと思いますが、九千尺ないし一万尺でございます。フィートでございます。ずっと小さいものでございます。大体標準の飛行場と申しますものは、爆撃機用でございますと一万二千フィートくらいを必要とするというふうに了解いたしております。外国の事例その他もさようでございます。そこで従来のプロペラ用の飛行場は六千フィートないし七千フイートというのがおもでございます。それを一万二千にまで、それは理想でありましょうけれども、そうそうも参りません。最低限度、つまり九千フィートということで大体押さえたのでございます。大体の場合に、千尺ないし三千尺延長になるというわけであります。滑走路の幅は飛行場の用途その他によって若干違いますけれども、これはあくまで幅でございますので、これはそうむやみな長さでない、そういたしますと、二千ないし三千尺と申しますことは、三百間ないし四百間というふうに考えていただいていいのじゃないかと思います。現在の問題となっております飛行場の長さは新潟が六千尺、立川が五千五百尺、横田が八千尺、木更津が六千尺、小牧が七千五百尺、尺と申しますか、フィートと同じかと思いますが、そういう程度でございますので、これを九千フィート程度に延ばして参ろうという案でございます。
○荒木正三郎君 そうすると、今の程度の滑走路の延長であれば、爆撃機がこれを使うということは可能でないようにもとれるのですが、その点はどうなのですか。
○政府委員(福島愼太郎君) 飛行機の滑走路の使用という問題は、現在申し上げました通り、いずれの飛行場もジェット機用の飛行機の滑走路の体をなしていないことは事実でございますが、しかし御承知の通り、日本の空はジェットの飛行機が相当飛んでおるのでございます。これは燃料をごく少量に搭載しましたり、兵器、弾薬等を積みませんで軽くいたしまして飛んでおるわけであります。従いました、重装備をいたしました爆撃機は一万二千フィートぐらいが標準であろうと考えておりますけれども、燃料その他の加減をいたしますれば、搭載物の加減をいたしますれば九千フィートぐらいでも私は飛べないことはないと考えております。しかし主としてこのたび考えられました飛行場の配置、その他の関係から申しましても、防衛戦闘機用の飛行場を拡充するのが主眼でございますので、中には今申し上げましたような使い方で爆撃機が飛ばないということを保証申し上げることはできませんけれども、九千フィート程度の飛行場は主として戦闘機用の飛行場であるということは申し上げられると思います。
○荒木正三郎君 ここで欧米局長にお尋ねをしたいと思いますが、アメリカが使っている飛行場内の施設の問題でございますが、アメリカが使っている飛行場内の施設については、どういう施設がされるのかということについては、これは日本政府でよく知っておられるのかどうか、日本政府と協議をして施設をしておられるのかどうか、その点を伺いたいと思います。
○政府委員(福島愼太郎君) 施設の関係はやはり調達庁の方で担当いたしておりますので、私から申し上げた方が適当だと思いますが、先ほど御説明申し上げましたように、飛行場の拡張と申します場合には、日本側は行政協定に基きましてその用地を提供する義務があり、地上設備は一切アメリカがやる、こういうことになっております。従いまして、アメリカがどういう施設をするかということは、日本側としては完全にこれを細部にわたって承知していないのであろうと思います。しかしながら、問題は滑走路とまた格納庫と、場合によりましては弾薬庫という問題が生ずると思いますが、それと給油施設程度でございますので、御承知の通り飛行場を外から見れば隠しようのない施設でございますので、私どもの仕事の面におきましてはこれを飛行場に使う、飛行場の固有の滑走路、格納庫、給油施設、弾薬庫という施設をするという条件にはアメリカも縛られておるわけでありますが、その条件に基いていかなる形の、あるいはいかなる能力の施設をするかというような点は、細部にわたりましては事務的に大体判明しておると思います。しかし私どもといたしましては、そこまでは承知しておらないわけでありますけれども、飛行場本来の施設の状況という点の条件ははっきりしておるわけであります。
○荒木正三郎君 私が欧米局長にお尋ねしている趣旨は、これは日米行政協定に基いて行われておると思うのですが、その際に施設の内容については日本政府と十分協議をして、その上で施設をすることになっているのか、あるいはそういう必要なしに、アメリカの必要でするのであるからアメリカが勝手にやっても差しつかえない、こういうことになっておるのか、その点もあわせてお聞きしたいと思ったのです。
○政府委員(千葉皓君) お答え申します。ただいまの点は実は私もはっきり存じませんけれども、先ほど福島長官からお話がありましたように飛行場は飛行場として使うという、そういう一般的な申し合せがあるわけではあるまいと思いますが、そういうふうに了解になっておると思います。それ以上その施設の使い方、あるいは施設の中にどういうものを設けるかということについては別に制限はないのだと了解いたします。
○荒木正三郎君 そうすると、これは私は原子爆弾とか、水素爆弾というものがやがては日本の飛行場に貯蔵されるのではないかという心配があるわけです。そういう場合に、飛行場内に原子爆弾等の貯蔵庫を作ろうということをアメリカが考えた場合、もしこういう施設について日本側と協議しなければならない、こういうことになっておれば、日本政府もその点はよくわかるわけです。しかしそういう点は協議しなくてもよい、こういうことになっておれば、われわれの知らない間にそういう原子爆弾の貯蔵庫ができておるという場合があり得るわけです。そういうことが現に相当部分心配されておるわけです。そういう意味で今のお話ではそういう施設が作られても必ずしも日本政府に協議されなくてもいいのだというふうに私はとったわけなんですがね。そういう点なおあらためて御説明を願いたいと思います。
○政府委員(千葉皓君) 飛行基地に原爆が貯蔵されてもわからないではないかという御質問でございますが、その点につきましては、行政協定が締結されました二年前には、まだそういう原子兵器の問題が起っておりません。行政協定の文面から行けば、ただいまお話のような解釈もできますけれども、私どもは当時そういうことはとうてい想定されていなかった。これは協定の文面だけでいかない問題であると考えておるわけであります。その点につきましては、また外務省の方におきましてアメリカ側と折衝いたしまして、そういうことはなかろうと思うが、かりにそういう時代が参ります場合には、アメリカ側に対しまして必らず事前に協議があるものと確信いたしておる次第であります。
○荒木正三郎君 私はこの問題はかなり重要な問題ではないかというふうに考えておるわけなんです。これはただいまの説明では、そういうふうにアメリカが施設をしよう、こういう場合には日本政府に相談があるということを確信しておる。いわゆる確信しておるという答弁であったわけであります。しかしそれでは非常に私は心もとないと思います。やはりこういう重大な問題については、これはアメリカと正式に交渉をして、アメリカからはっきりした言明をとらなければならない。そういう重大な性質のものではないかというふうに考えるわけでありますが、こういう点について政府のはっきりした態度、それを御説明願いたいと思います。
○政府委員(福島愼太郎君) ただいまの御質問の何と申しますか、スケールの大きい御質問の点のお答えになるかならないか私もちょっと自信はございませんけれども、調達庁の間口からわかっておりますことだけを、御質問に対しますお答えの全部ではないと思いますけれども申し上げておきます。調達庁といたしましては、施設委員会を通じ、さらに合同委員会の承認を得まして、施設を提供いたしますときには、大体におきまして、これに一々条件をつけるということが多いのであります。それからまた提供いたします施設も、飛行場として提供した場合には、飛行場として使われることを約束したつもりでおるのでございまして、これを先ほど弾薬庫と申し上げましたのは、飛行場の内部におきましての飛行場の弾薬庫という意味でございまして、大きな意味での弾薬庫ではもちろんない。飛行場を空から、あるいは外から見ていただけば弾薬庫があることはよくわかる。飛行場に非常に大型の弾薬庫を設けろということは、今日提供しております飛行場におきましてはまず事実問題としてできなかろうと思います。それからまたこれは今回拡張する飛行場でありますが、この拡張部分につきましても、二千尺ないし三千尺、滑走路の幅ということを申しておるのでありますが、この拡張によって飛行場に大規模な弾薬庫ができるということは事実問題としてとうてい考えられないわけであります。飛行場は飛行場として使うということは、これはきまりであると思います。なお必要とあらば、提供いたします際にこれに条件をつけることは今日まで数多くの施設を提供します際に、あらゆる条件をつけております。先般来問題となりまして世間をお騒がせいたしました、たとえば北富士の演習場の問題につきましても、これの使用条件がついております。こういう使用の仕方をしては困る、こういう使用の仕方はできない、たとえば七月、八月、九月は弾は撃てない、その他の場合にはどうする、こういう条件を全部つけて演習場というものを提供しておる次第であります。飛行場につきましては、今日は用地の獲得を研究しておる状態でありますが、必要とあらば、提供に際しましていかような条件でもつける。本来の機能を奪う条件はつけられませんが、条件をつけることができるわけでありまして、仮に政府間の交渉において原爆の問題に関連してある種の話合いができる、あるいは話合いでなくても、日本側の意思で一方的にきまるということであれば当然に、もし飛行場についてそういう懸念があれば、飛行場の提供の条件に表明せられる部分であろうと思います。今日の、われわれの方では施設区域と申しますが、アメリカ側に対する用地の提供方法、今日の方法におきまして、そういう必要が起る場合には、防ぎ手はりっぱにあるわけであると考えております。
○荒木正三郎君 なお欧米局長に伺っておきたいと思いますが、私は防衛庁長官に出席を要請して、防衛庁長官にお尋ねをしたいというふうに考えておったわけなんですが、現在アメリカ側が日本に駐留している、いわゆる空軍兵力ですね、これを今後順次減少しようという考えがアメリカにあるのか、あるいは当分この現状を維持して行こうという考えにあるのか、あるいはさらに増強しようという考えを持っておるのか、そういう点についてどういうふうになっているのか御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(福島愼太郎君) 米国の日本国に駐留いたしております兵力について私が答弁する責任者であるかどうかはちょっと疑問でございますが、私どもの方では米軍のための施設を扱い、米軍の使用しておる労務者を扱っておりますので、大体の大きさなり、何なり、現状はある程度はわかっておりますし、また労務者の数の変遷、施設の変遷その他によりまして、将来の計画もある程度見通しがつくような気がいたしますので、まあその意味で事実の御報告としてだけの趣旨でございますけれども、お答え申し上げたいと思います。現在日本におります陸海空の三軍のうち、海軍につきましては、どういうような移動になるであろうかというようなことはちょっと兆候がございませんので、今日の状態においてお話申し上げるとすれば、大体このまま現状維持で行くつもりでおるのではないかというふうに考えております。陸軍につきましては相当な施設の解除も進捗しておりますし、解除の予定というような話合いもいたしております。それからまたこれは私どもの仕事の面から言いますと非常にめんどうな仕事になるのでありますが、労務者の減少ということもございますので、かなり早期に、しかもサブスタンシャルと申しますか、かなり実質的に減ってくる傾向にあるのであります。しいて事務的なことを申し上げれば、三年なり四年なりの間には相当な変化が起るのではないかという見通しを持っております。空軍につきましては、一時若干でも増加するのではないかというふうな感じを持ったこともございますが、最近では労務者その他の関係の面からみますと、これはまあ問題になっております飛行場の拡張でも実施されますと、どういうことになりますか、それも申し上げましたように、現在四十押えております飛行場を、結局は十以下になるということでございますので、やはりこれも減り加減、拡張いたします飛行場については増強でございますが、全体の関係から申しますと、これまた減り加減ではないか。従いまして、そう長いこと、十年も二十年もいるというような印象は全然持っておりませんので、それよりも短い期間において、米国の空軍も減って行く事実が現われてくるのではないかというふうに、私ども仕事の窓口からはみております。
○荒木正三郎君 この問題については、日本政府とそれからアメリカ側との間に、何らかのこの問題に関する情報について、日本政府は何らか情報を得ているかどうか。
○政府委員(福島愼太郎君) この問題につきましては、本筋の意味におきまして、外務省その他の関係のことは存じないのでありますが、私どもの仕事の窓口からいたしますと、年々予算を編成いたします際に、来年の施設区域はどのくらいになるか、労務者の数はどのくらいになるか、こういう質問は常にいたさないといけないわけであります。従いまして、毎年々々適当な好期に来年度の計画、来年度の施設区域をどの程度まで減らす気でいるのか、従ってわれわれとしてはそれらの予算をどの程度持っていればいいのか、来年度どの程度の拡張があればいいのか、労務者は来年度どのくらい首を切るつもりでいるのかということはしょっちう尋ねております。大体一年先ぐらいの見通しは常に連絡をしているつもりでございまして、その意味におきましては、米軍の配備計画というものも、施設提供ないしは労務者といったような、行政協定実施面に必要な情報を、私どもに関する限りは得つつある状況でございます。本質的な駐留という関係につきましては、米側との連絡と申します問題は、必ずしも調達庁の問題ではございません。またそこまで申し上げる意思もございませんけれども、私どもに必要な情報は得ておるつもりでございます。
○荒木正三郎君 欧米局長から……。
○政府委員(千葉皓君) 米軍の兵力の撤退につきましては、日本の側の防衛力の増強と見合って、漸次撤退したいという考えであろうと私どもは想像いたしておりますけれども、そのことについて具体的な意思表示に接したことは今日までございませんし、またそういう話をしたこともございません。ただ最近大阪方面に駐屯しております一個連隊程度の兵力でありますが、これが沖繩に撤退することになったという通報は受けております。空軍、海軍の方のことは存じませんが、陸上兵力については具体的に先方は考えているのではないか、そういうふうに考えております。
○堀眞琴君 ただいま福島長官並びに欧米局長のお話がありまして、アメリカ軍の日本に駐留する問題については、どのくらい駐留しているかということについては、アメリカ側に一応の方針があると思います。たとえば昨年すでに大統領の年頭教書あるいは予算教書の中に表われておりますように、将来ともできるだけ陸軍の兵力は減少する。特に外国に駐留する軍についてはそうである。そうして空軍、海軍の方は増強する。国内においても、例の三百五十万と言われた兵力を漸次減少して、二百何十万にするという年頭教書が出ております。今年の年頭教書に表われたところは、昨年の国防計画と大体同じで、この七月から始まる予算等を見ましても、大体空軍、特に原子力関係等に重点をおいて、海軍は現状維持、陸軍の方は減少する、国内においてもその傾向をとっている。これは外務省でも十分お調べになって、そんなことはおわかりだと思います。日本の場合についても、いわゆるニュー・ルック政策と呼ばれるこの国防計画の線に沿うて、今おっしゃったような、大阪の一部隊が沖繩に移駐というか、その他の、福島長官のお話のように、陸軍部隊については漸次減少する傾向が出てくる。ところがそれとあべこべに、空軍や、特に空軍だと思いますが、この方は拡充して行くのじゃないか、アメリカの国防計画の方針に従ったものではないかという工合に考えられるのですが、福島長官の話では 空軍についても大体少しづつ少くなって行く傾向にある、こういうお話なんだが、一体外務省として、あのアメリカの昨年あるいは今年の年頭教書や、あるいは昨年の予算、また新らしい年度の予算が組まれて七月から実施される、それらの面からみて、アメリカの空軍というものが減って行く傾向にあるとお考えになるかどうか、それをどなたでもよろしいから、お聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(福島愼太郎君) 空軍が減って行く傾向ということは、まだ本日言い切れないような気持でございますが、減る傾向が始まるのではないかと考えておるのでございます。と申しますのは、飛行場拡張問題というのがあるにはあるのでございますけれども、拡張を完了いたしました暁でも、十以下になるわけで、現在ありますものと合わせまして、これ以上のものをと言って参られましても、これは私限りで、政府を代表しているものではございませんけれども、とうてい飛行場の拡張などということはできないと思っております。従いまして、今日四十個の飛行場で運営しておりましたものが十カ所以下の飛行場での運営となるとすれば、だんだんにそこら辺が限度になるというふうに考えざるを得ませんし、それからまた、どうも何と申しますか、しっかりしないような話で恐縮でありますけれども、今回問題となっております飛行場の中に、木更津の飛行場というのがございまして、これは埋め立てをして滑走路を延長する、埋め立てというのは、私も技術者でございませんのでわかりませんが、二年や三年どうしてもかかるのではないかという議論をしているわけです。従いまして、二、三年かかって埋め立てをして、埋めたばかりでもいけませんから、地面が固まるまで待って、そうして滑走路を作ってということになると、相当先の話になるので、米国の空軍というものは、そのころまで勢いよくいるつもりであるかどうかというような話もそれとなくしておりまして、それらから得ております印象もあるわけであります。どうもそう長いこといるつもりはないと申しますか、それと、ここ数年たちますと減る傾向が始まってくるのではないかという印象を持っているわけであります。さらに空軍関係でも、これは御承知の通り、労務者の解雇といったような問題は、やはりちょいちょい起って参ります。私どもといたしましては、空軍が増強ぎみであって、労務者もふえて行くという場合に、一時は解雇する、続けて今日解雇する、明日また新規採用するといったようなことは、とうてい労務管理といたしましてもできない問題でありまして、強硬に、空軍がもし増強計画であれば、この解雇に応じないという議論などもいたしておるのでありますが、それらの面から出てきます印象といたしましては、そうむやみに現在ふえているわけではないということ、それから、必ずしも非常な長きにわたって、六年、七年という長きにわたっての考えというものも、どうも持っていないような気がすると申し上げざるを得ないのでありまして、いかにも役人の仕事といたしましての御報告の体をなしていないような答弁で、まことに恐縮でありますけれども、大体の傾向はそういうようなことではないだろうかという印象を持っている次第でございます。
○堀眞琴君 もう一つ今の点について、四十カ所のところが十カ所になるかも知れませんというお話でありますが、あるいはそうなるかと思います。飛行場をたくさん抑えているから強化されているというのじゃなくて、現在有効に使っている飛行場を、それをさらに性能を大きくする。飛行場としての能性を大きくさせるということによって、むしろ質的にアメリカの空軍を強化するということも考えられると思うのです。おそらくその方向に私はアメリカでは向いているのじゃないかと思います。で、アメリカの空軍が撤退する傾向を持っているかどうかということは、これは日本の問題じゃなくて、アメリカの国防計画に基いてそういうことが行われて行くわけですから、従ってアメリカの国防計画なり、あるいは予算面に表われた政策等について研究されれば大体の見当はつくのじゃないかと思うのです。くどいようですが、今年度の予算でも全体の軍事費としては昨年よりは減っております。昨年はまた一昨年よりも減っております。しかし空軍に使う費用は全体の軍事費の中ではパーセンテージが大きくなっているそういうようなこと、それからこれは昨年でしたか、USニューズ・アンド・ワールド・リポート誌の中に、アメリカの空軍の軍略、あるいは戦略等についての記事が載っておったことがあるのですが、具体的なことは忘れてしまったので申し上げられないのですが、あれらのことから考えてみますと、ともかく日本における飛行場の幾つかはあくまでも確保する、そのことが極東防衛の重要な環であるというような考え方をアメリカでは強くしているのじゃないか、こういう工合に考えますると、福島長官の言うように、四十カ所が十カ所になる傾向があるから減るのだという工合にはならぬ、むしろ質的には十カ所なら十カ所を強化することによって、アメリカの日本におけるところの空軍力をさらに強めるということも起ってくるのではないか、このように考えられるのですが、その点についてはいかがですか。
○政府委員(福島愼太郎君) ここで五カ所、場合によりましては伊丹もございますので、六カ所と申し上げることもできるかと思いますが、これは滑走路を延ばせば質的に強化されるということは御指摘の通りであります。ただ、今日一応使えるものを質的に強化するという延ばし方ではございませんので、今日の飛行場と申しますのに、燃料その他の搭載を極端に手加減いたさないと飛べない飛行場でありますので、飛べる飛行場になるのにすぎないというふうに私どもは考えております。従いまして、十カ所にして質的に非常に強化されるというふうにも考えておりませんけれども、しかし四十カ所のままどこもかしこも飛べなくなるというのに比べますれば、確かに質的に強化されることになると申しても間違いはないと思います。なお、アメリカの軍事費の関係で、本年は空軍関係は相当に軍事費の内容が充実しているという御指摘もありますが、それはその通りであります。私どもの方で、これは今後なおなお難点がございますので、いかように順調に参りますかわかりませんけれども、飛行場の用地を提供いたしますことになりますれば、アメリカとしては、これを工事するその予算はおそらく二千万ドル程度にはどうしてもなる、七、八十億の金はアメリカも金をかけなければ飛行場にならない。私どもと申しますか、日本政府で提供する分は十二億程度であります。将来さらに伊丹が入るかもわかりませんので、ちょっとふえるかも知れませんが、十数億の提供をするわけで、先方の工事費はおそらく七、八十億円であると思います。その意味で本年度の米国の国防予算の空軍関係が、これはまあ日本のことだけから推すわけにも参りませんだろうと思いますが、ふえているということ、これは不思議はないように考えております。この飛行場を数カ所ふやすことによって、アメリカの空軍がここで非常に、何と言いますか、増強されるということではない、飛行場全部が使えなくなったんでは処置ないというので、大至急これを救済するという処置の程度であるように私どもは考えております。
○堀眞琴君 もう一つ今の問題に関連してですが、六カ所の飛行場、まあ今年は伊丹を除いて五カ所でありましょうが、その飛行場の現在の坪数、拡張される坪数をお聞きしたいと思います。というのは、今のお話では空軍が増強されるというわけではない。しかも飛行場の数は減少の傾向にある、こういうお話ですが、その拡張される坪数、現在の坪数をお聞かせ願って、われわれそれに基いて判断したいと思います。
○政府委員(福島愼太郎君) 飛行場の坪数は、どこかに数を持っておるのでございますが、すぐに調べまして御説明申し上げますが、一応滑走路の長さについて申しますというと、新潟の飛行場は現在の滑走路の長さが六千フィートでございまして、これを三千フィート延長しまして九千フィートとする。立川の飛行場は現在の長さが五千五百フィートでありますのを一千五百フィート延長いたしまして七千フィートとする。これはジェットの飛行場でないのでありまして、輸送飛行場であります。横田の飛行場は現在の長さが八千フィートでございますものを二千フィート延長いたしまして一万フィートとする。木更津の飛行場は現在の滑走路の長さが六千フィートでありますのを二千五百フィート延長いたしまして八千五百フィートとする。小牧の飛行場は七千五百フィートが現在の長さでありますが、これを一千五百フィート延長いたしまして九千フィートとする、こういうことでございます。従いまして、これに必要な坪数と申しますものは、これと幅との積でありますのですぐわかるわけでございますが、どこかに持っておるのでございますが、のちほど申し上げます。まあ滑走路以外は多少ゆとりを持って要求その他もアメリカ側がして参っておるので、単純に滑走路の長さと滑走路の幅だけの計算では参らない点もありますけれども、私どもとしましては、提供は滑走路の延長ということが目的であれば、その目的を達すればいいだろうということで、あくまで切り詰める交渉をいまだに継続いたしておりますので、最後的には、滑走路さえ延びればというところへできるだけ落ちつけたいと考えておりますので、現在の先方の要求坪数というものが、提供坪数にはとうていならないであろうと考えております。基幹となりますのは、ただいま申し上げました長さの関係でございまして、大体が二千ないし三千フィートを延長する計画であると申し上げている次第でございます。
○荒木正三郎君 それではもう一点だけお尋ねしておきたいと思いますが、これは防衛庁に、先ほどちょっと航空自衛隊ですかの増強計画についてお聞きをしたわけなんですが、これはきょうはやめましょう。ただ航空自衛隊の増強計画があるということは、これはもうお聞きしなくても明瞭なことだと思います。この際航空自衛隊が増強された場合の飛行場は、どういうふうにしてこれを確保して行こうというふうな考えがあるのか、その点を伺っておきたいと思います。
○政府委員(石原周夫君) 航空自衛隊が現在使っておりまする飛行場は浜松であります。これはこちらのもともとのものであります。そのほかにこれは現在米軍と共同使用の形になっておりますが、松島と筑城と防府とがございます。あと陸海それぞれ小さい飛行場がございますが、これは航空自衛隊の大きい方でございます。今度の予算で考えておりますのは、大体におきまして米軍の飛行場の解除あるいは共同使用ということを考えておるのでありまして、この前、内閣委員会の方にも資料をもちまして御説明を申し上げたいと思いますが、今年度新しく新設をせられますのは、戦闘機の関係の航空団ということになっております。これはわれわれの今予定をし、考えておりますところでは北海道に作りたいと思っております。現在まだ向う側が共用がよろしいということには参っておりません。これが不可能でございますれば、また別の手段を考えなければなりませんが、もう一つは輸送航空隊であります。これは輸送航空機の一隊ができますので、これの基地を持ちます。現在は輸送機は立川を共用させてもらっておりまして、ここでとりあえずの訓練をいたしております。これが引続き増加をいたしまする形におきまして、輸送航空隊ができましたのちにおきましての共用ということが不可能でございますれば、また別の共用の関係をお願いいたさなければならない。入間川をお願いできはせぬかということも考えておりますが、これも同様に目下のところ共用されておりません。あとは補給処を、これは私どもの自分のものとして考えておりまして、大体宇都宮に補給処ができることになっております。もう一カ所実験航空隊というもの、これは実験用でございまするから、大きなものではないが、これは工場の関係上関東地区あたりがいいのじゃないかと思っておりますが、これは米軍の方の共用関係がなかなかむずかしいかと思いまするが、関東地区において求めてやるようにいたしたいというのが大体の航空自衛隊の今年度の関係でございます。
○荒木正三郎君 私の主としてお尋ねをしたいという問題は、本年度あるいは明年度ということに限定しないで、今後航空自衛隊の増強をはかって行く場合、だんだんその勢力は確大されて行くと思います。その場合に、この基地としてどういう飛行場を使うかという問題について、政府は五年とか、十年という先の問題を見通して、この飛行場問題をどういうふうにして行こうという方針であるかということを主として尋ねているわけです。その際にはやはり米軍が使っている飛行場を共同に使うとか、あるいはそれを解除になればそのまま譲り受けて使う、こういう方針をとっておられるのかどうか、そういう方針の問題についてお聞きしたい。
○政府委員(石原周夫君) この点はいろいろな機会に防衛庁長官からも申し上げておりまするように、防衛の長期にわたりまする計画は検討中でございまするので、今どういうような計画であるかということを申し上げるのには、まだ時期を得ないと思うのでありまするが、ただ常識的にものを考えてみますれば、今日のような状態におきまして飛行場の新設をいたすということは非常に困難なことは申すまでもありません。従いまして、先ほど来調達庁長官のお話にもございましたような、今後のアメリカの空の関係の推移でありますが、そこら辺のところがなかなか見通しは立てにくいのでございますが、そこら辺とも睨み合せまして、できる限り解除あるいは共用という形を生かして参りたいという基本的な考え方だけは、これは常識的にだれにも考えられることでありまするが、具体的にそれではそれがどういうふうになるかということにつきましては、これは長期計画というようなものの見当がつきましてからのことになりませんと申し上げかねます。
○委員長(新谷寅三郎君) 今日はこれにて散会いたします。 午後五時十九分散会