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22回国会参議院1955/11/01

内閣委員会 閉会後第5号

発言数
187
登壇者
14
会派数
6
開催日
1955/11/01

会議録

新谷寅三郎緑風会

○委員長(新谷寅三郎君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。  本日は国の防衛に関する調査を議題といたします。  議事に入ります前に委員長から御報告いたしたいことがございます。  去る十月二十九日に理事会を開きまして協議の結果、委員長から本問題に関しまして総理の出席を求めてほしいという御要望がありましたので、私から内閣官房の方にその旨を申し入れたのでございますが、総理はただいま健康上の理由で出席ができないということでございましたので、当日の理事会の申し合せに基きまして、総理にかわるべき閣僚の出席を求めたのであります。  本日は副総理として重光外務大臣、防衛庁長官の砂田大臣、調達庁関係の西田国務大臣御三人がそろって出席されたわけであります。  なお、十月二十九日及び本日午前中に理事会を再度開きまして、本日の議事の進め方について御協議を申し上げたのでありますが、結局防衛関係の問題につきましての質疑をこの際前回の委員会に引き続いて継続して行いたいということ、日程といたしましては防衛関係は一応本日質疑を終了するようにしたい。明日は公務員制度及び恩給等についての調査を議題として審議をしたいということ。なお、今月四日の委員会では継続審議となっておりまする諸法律案についての審議をしようということに決定をいたしたのであります。  なお、本日は質疑の通告者も多数あることでありますから、大体各委員ともお一人応答時間を含めまして三十分以内にしていただきしたい。質疑の順序ほ前回の委員会における申し合せを尊重いたしまして、ただいま申し上げます通りの順序で質疑をしていただくということに理事会において打ち合せをいたしましたので、御了承をいただきたいのであります。質疑の順序を申し上げます。まず第一に堀委員、二番目が長島委員、三番目が豊田委員、四番目が岡田委員、五番目が加瀬委員、六番月が藤田委員、七番目が松原委員、八番目に宮田委員、九番目野本委員、十番目松木委員、大体このような順序で質疑をしていただきたいと存じます。以上御報告の通りでございますから、その通りに御協力いただきたいと思います。

宮田重文自由党

○宮田重文君 本日の委員会は、今、委員長から御報告のような順序で行われることは先ほどの理事会においてもわれわれ了承しておるのでありますが、実は国の防衛に関する問題については、委員長がお留守の間に九月の十九、二十日、二十一、二十二日と四日にわたりまして委員会を開催して、やはりこの問題についての質疑応答が行われたわけでありますが、特に基地、演習地の問題については最近におきましても、その後砂川町のごときは総理が最後の断を下されて、最終的な段階に入っているような様相でありますが、これらにつきましてその後あの委員会もいかように進んで参ったか、また政府がこれに対する基本的な考え方をどういうふうにお進めになって行かれるお考えなのか。これらに対して質疑に入る前に一応お伺いをして、それから質疑に入って行きたい、こういうふうに考えるのでありますが、政府側からその御説明をいただきたいと思います。

重光葵日本民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) 基地の提供が条件上の義務にたっておるということはかれがね御説明を申し上げた通りでございます。しかしたがら基地提供に際しまして、利害関係を持っておる人々の意見及び利害は十分に考慮をいたさなければなりません。従いまして政府といたしましてはその条約上の義務を遂行するに当って利害関係者の十分納骨を得るような処置をとって、そうしてその条約上の義務を遂行したい、こう考えて方針をとって参ったのでございます。あくまでさような方針で進むのでございます。しかして納得を得なかった、もしくは示談ができなかったという場合には、これは法規の命ずるところによってさらに丁重なる措置をとって行くということになるわけでございます。  大体の今日まで政府のとっています方針は右のような方針に従って措置をとってきたのでございます。

新谷寅三郎緑風会

○委員長(新谷寅三郎君) 政府の基本的な考え方について外務大臣から説明がありましたが、それをも含めまして質疑に入りたいと思います。

堀眞琴無所属クラブ

○堀眞琴君 ただいま副総理から、十分納得の行くように基地の問題については政府も処置をしたい、こういうお話でありますが、たとえば砂川の問題であります。御承知のように去る十四日に収用認定が下されまして、本日から個別調査の段階に入っているのでありますが、ところがそれまでの間に果して十分に納得の行くような政府の方針に従って話し合いが行われたかということになりまするというと、私は大へん疑問だと思うのです。その間の事情についてもう少し御説明を願いたいと思うのです。福島長官は先々月の十三日でありますが、砂川で問題が起って間もなくであります、ラジオを通じまして、この問題は物理上の問題であるという意味のことを述べておられる。物理上の問題というのは、力と力との問題であるという意味だろうと思いますが、そういう考え方でたとえば砂川に対して臨んでいられるということは、今副総理の言われた十分納得の行くような態度で基地問題を処理したいという方針とはだいぶ違っているのではないか。従って私はその後の政府のこの納得の行くようなというそれにふさわしいような態度をとられたかどうか、それを御説明願いたいと思います。

福島愼太郎調達庁長官

○説明員(福島愼太郎君) 本日まで政府のとりました態度につきましては、事務上の担当者は私でございますから私から申し上げた方がいいと思いますが、なお先々月の十三日でございましたか、先月の十三日でありましたか、ラジオの放送での物理的云々というお話がございました。どうもさっぱり記憶がございませんけれども、あるいはオネスト・ジョンその他に関連して申し上げた言葉かもしれませんが、副総理からお話しのありました通り政府としては納得の行く交渉をしたい、納得の行くところまで話をした上で処置をとりたいという方針を貫いておることに変りはございません。ただ砂川の場合には絶対に反対をして納得をしないということを決心しておられる人を相手にしておるわけです。納得しないという決意をかたく固めておられれば、これは納得させるということはできないことになるわけなんで、今日までいろいろな話し合いをしてみたり交渉に行ってみたり、各種各様な手段を使ったわけでありますが、納得しないという決心にお変りはないということになりまして、納得させるためのあらゆる努力をしたにもかかわらず、納得したという状態にならずに引き続き手続を進めなければならないということは、はなはだ遺憾でございます。納得させるためにあらゆる努力をするという政府の方針に変りはない。それに従って私どもも事務をとっておるつもりでございますけれども、納得という問題、相手方のある問題で納得しないということに御決定になって、これを動かせないということになっておりますので、納得させるための努力はいたしましたが、納得したという事態ができておらないということでございます。政府の御方針通り努力もし、またそのような結果を招来したいと思っておりますが、必ずしも完全に全部の人に話し合いが進んでという事態になっておりません。遺憾でございまして、若干の人たちはいかようにしても承知するわけに参らないということでございますので、御了承いただきたいと思います。

堀眞琴無所属クラブ

○堀眞琴君 納得の行くような話し合いを続けようとしたが、とうていできなかったと、こういうお話ですが、私が先ほど申し上げた一つの例は、政府の態度を示しているのではないかと思うのです。というのは、政府の方では一方的に政府はこういう考えだということを押しつけるだけで、話し合いで行くというからには、双方ともある程度譲歩しながら話し合いを続けなければならぬのに、政府の方では何らそういう態度をとらないで、力でもって解決するというような態度がその間に見られると思うのです。それで私は一つの例を、ラジオであなたが話された物理的な問題だということに、ただ一例を引いただけに過ぎないのです。しかしそこに私は政府の態度が現われていると思うのです。従ってまた他方、現地の人々もその政府の態度に対しては、あくまでもわれわれは反対なんだという態度をとらざるを得なくなると思うのです。そこに私は問題があると思うのです、それからさらに進んで、きょうの問題等を見まするというと、やはり九月十三、十四日の場合と同じような事態を繰り返すことになるのではないかと思いますが、そのきょうの場合の問題もやはり政府側の態度にそういうものが現われてきているのではないか、それで私は今お尋ねしたわけですが、一体福島長官は現地へ行かれてどういうことをされたか、それをお尋ねねしたいと思います。

福島愼太郎調達庁長官

○説明員(福島愼太郎君) 現地へ参りましてどういう努力をしたかというお尋ねでありますけれども、御承知の通り先般の問題の前後にわたりまして現地へ行きましてやったことは、つるし上げられたということ、こちらは一生懸命話をしているわけでありますが、先方はつるし上げたつもりでいるのでありましょう。その後にああいうような事態になりまして、その後はさらに収用認定に持って行かざるを得ないという事態でございますので、ただいま堀さんからお話のありましたような、話し合いという以上は、双方ともその立場以外何らかの妥結点な見出すという考え方を持たなければならないということは、私の申し上げたことでありまして、その後先方では絶対反対以外解決案はないというお話であったわけであります。やむを得ずわれわれの方も収用認定を仰ぎましたときに、これでやるということをきめたわけであります。初めから、頭からきめてかかったわけではない。収用認定を仰ぎまして、いわゆる収用認定という手続、それが土地収用委員会に持ち込むという前提になることではありますけれども、認定を得たからといって、収用手続に入る必要もないことでありますので、私は地元に出かけて話し合うことはいたしませんが、担当の者をも相当上級の者を派遣いたしまして、地元に寝泊りもいたしまして、今日の事態の以前に、できれば話し合いのきっかけを作りたいということで努力をいたしたわけであります。当面の先方の責任者、町長なりその選挙民、行動隊長ですか、青木さんなり、お話しにならないという態度でありますので、顔は見て、人間は一ぺんはつかまえてみても、話をしないということであります。これまたわれわれの考え通りに……拡張をとりやめるならば話し合いに応ずるというような話を私も一ぺん電話でされたことはあります。これでは話し合いにならないのであります、そういうような事態で、それは私どもの方にばかり責任があるとは思っておらない。話し合いをしない、口を聞かないという者を相手にして話し合いをするということ自体がむずかしいので、いわんやこれを納得の段階まで持ってくることはなかなかむずかしい。御了承をお願いいたします。

堀眞琴無所属クラブ

○堀眞琴君 政府当局では、今度の測量は、接収すべき土地が適当であるかどうかということについての答案を書くためのものである、決して測量すなわち接収ということにはならないのであるということを、これまで何度か説明されてきたと思うのです。その考えには今も変りがないかどうかということが一点と、それから収用認定が下された今日、なお測量後においても話し合いを、続ける考えでいられるかどうかということを、政府当局にお尋ねしたいと思います。

福島愼太郎調達庁長官

○説明員(福島愼太郎君) 最初の測量のころに、最初のいわゆる外郭測量というものは、必ずしも収用というものにつながっておらない、答案を書くためであると申したことは事実でございます。そのときは最初の外ワクの測量をし、中の実態を把握して答案を書きたい。しかしながらその測量はついに承諾を得られなかった。そうして収用認定という事態になりましたので、従いまして今日の収用認定以後の一筆測量というものは、手続的には収用委員会にかけるための測量であります。しかしながら収用委員会にかけるための資料がそろいましても、話し合いが始まればどうしても収用委員会に持って行かなければならないということをきめてかかる必要もない。いつでも話し合いには応じなければならないと思っております。従いまして本日も話し合いをすることを命じ、またそれだけの能力のある連中を一組にして派遣し、一方においては測量する担当者も派遣しておるという次第であります。

堀眞琴無所属クラブ

○堀眞琴君 そうしますと、政府当局としては、今後もなお話し合いを続ける態度である、こういうことに了承できると思うのですが、ところがその一筆測量の段階に入りまして、やはりこの前と同じように、警官隊が相当動員される形勢にあります。新聞などによりますというと、何百人とか、千何百人とかの警官がすでに待機の姿勢にある、あるいは現地にはすでに何百人か行っておるとかいうようなことが報道されているわけですが、それらの問題について、またもう一度この前と同じような、非常になぐる、けるといったような暴状を現わすのじゃないだろうかということが心配されるのでありますが、その点に関しましてはどのように政府の方は考えていられるか。  なお、この前に私は質問することができなかったので、大へん残念だったと思うわけですが、実は警察官の方の暴行の一例として、たとえば時計を強奪するとかいったようなことが幾つかあげられておるわけです。その中で明確になっておるものが二件あるわけです。ところが砂川の町民を応援した労働組合の側では、カメラを強奪したという容疑でもって何人かの、三人ですか、三人の人が検束されておるわけですが、警察官の方の暴行については、当時政府当局の方から、法に照らして、もし行き過ぎがあった場合においては適当な措置をするということが答えられたわけですが、この時計の強奪等の問題については、これはどのような措置をされたかということと、それからきょうまた警官が動員されて同じような事件を繰り返すのではないかということがおそれられるわけですが、その点に関しては、政府の側としてどのように考えていられるか、それをお伺いしたいと思います。

福島愼太郎調達庁長官

○説明員(福島愼太郎君) 本日の状況が、再び警官騒ぎに相なるのではないかということで、私どももその点心配いたしております。本日は警官の出動を初めから要請するという態度はとっておりません。しかし万一公務の執行ができないということになれば、あらためて出動を要請することがあるかもしれないということは、警察当局に連絡してあります。その意味での、警察側の御用意はどうかしりませんけれども、私どもの方の出かけました人数は、警察官を伴なわないで出かけておりまして、案の定ピケット・ラインにひっかかりまして、にっちもさっちも行かないで、もみくちゃになって多分逃げて帰ってくるだろうと思っております。逃げて帰りまして公務の執行ができなければ、どういう状態でやらなければいかぬかということを考え直してから出かけることになる。いわんや警察官の保護を求めなければ公務の執行ができないという事態になりますれば、まあ警察官と地元側とのせり合いというようなことも起ってくるのではないかと憂慮いたしておりますが、今のところは調達庁だけがもみくちゃになっておるということでありまして、これから、逃げて帰ってからいろいろ考えようと思っております。

堀眞琴無所属クラブ

○堀眞琴君 収用認定が下りまして、いよいよ一筆調査に入り、その結果収用委員会が招集されて、そこで事実上の収用に関する事柄がきめられると思うんですが、その際利害関係者はもちろんでありますが、第三者の意向等も、その収用委員会において述べることができるかどうかということについて政府側の御意見を伺いたいと思います。

福島愼太郎調達庁長官

○説明員(福島愼太郎君) 収用委員会にかわりまして私が申し上げることは差し控えなければならぬと思います。私どもと地元の利害関係人とは、対等の立場で収用委員会の採決を仰ぐわけであります。収用委員会にかわって私が収用委員の意見を述べる立場にはないと思います。しかしながら私ども収用委員会がどういう御処置をとられるかわかりませんけれども、私どもの感じでは、関係者の言いたいこと、また第三者というのはどういうことか知りませんけれども、いやしくも関係のある人の意見を聴取するということは私どもも期待しております。

堀眞琴無所属クラブ

○堀眞琴君 次に、代々木の米兵宿舎の問題についてちょっとお尋ねしたいんですが、これはたしか七月二十九日の本会議で請願が採択されまして、政府の方にそれが送付されたと思います。米兵宿命に対する入舎反対だという請願であります。この請願の送付を受けて、政府の方ではその後どういう態度をとられたか、それを具体的にお話し願いたいと思います。

福島愼太郎調達庁長官

○説明員(福島愼太郎君) この請願は、たしか外務委員会を通じて、そういう言葉使いでございましたかどうですか、外務委員会を通じて請願が御採択になったんだと思います、そうしてその外務委員会で、その請願に対してどういう処置をとったかという御質問がございまして、お答えを申し上げたことがございます。ワシントン・ハイツといいます代々木練兵場における米軍の独身宿舎の設置反対という請願であったと思いますが、そのときお答えいたしましたのは、請願をちょうだいいたしましたときには、建物が大体できておったという事態でございますので、まあごかんべんをいただいて、そのまま完成させる以外に方法はなかった、ほとんど九分通りできておるときのたしか御請願であったと思います。従いまして建物を完成いたしまして、最近においてこれに引き移る処置をとりつつあります。それに伴いまして都内の各ビルの解除が促進されるということになっております。

堀眞琴無所属クラブ

○堀眞琴君 その問題ですが、たしか請願の中には、犯罪あるいは風紀上の問題が相当考慮されるということが非常に大きな理由になっておると思うんですが、そういう問題について政府としては、たとえば風紀上、あるいは、またたとえば犯罪に関してはこうというような、何らか具体的な考えをこの問題に関して持っておられるかどうか、これをお尋ねしたいと思います。

福島愼太郎調達庁長官

○説明員(福島愼太郎君) この話の中には、代々木練兵場跡にそういう設備ができると風紀が悪くなるのが一つ、渋谷区において学校を作るのに困るから、そのうちの地所を少し割愛せよ。この処置もしているわけです。風紀が悪くなるからといって、そのまん中に学校を作らせろというのがおかしくはないか。どちらか一つ取り下げを願わんと理屈が合わない。私どもは風紀が悪くなるとは思わない。引き続き学校の地所は探さなければいけないのですかというお話、お願いをしたのですが、学校の地所が引き続きほしいのだというお話です。風紀上の問題については、米軍に対してもでき得る限り厳重な処置をとってもらうように交渉しております、学校の敷地を探すということで処置をとりつつあるわけです。

堀眞琴無所属クラブ

○堀眞琴君 風紀が悪くならぬとおっしゃるのですが、実はあそこの神宮の内苑といいますか、あれをめぐって約百カ所の旅館あるいはキャバレーというようなものができているのです。それから山谷だけの地域を限りましても十九軒か、そういういかがわしい宿屋ができておる。実は昨日ちょっと友人をたずねてあの辺を通ったのですが、町のまん中に、しかも住宅のたくさん建っている中にそういうようないかがわしいホテルが新築中のものが一、二軒あるというような状態で、あの辺の子供を持つ親たちは非常に風紀上のことを心配していられる。それからそれに伴っての犯罪等も相当予想される。従って政府としてはこれに対して何らか具体的な措置を講じてもらわなければ困る、たとえば渋谷区のあのかいわいを立入り禁止区域にして、そうしてメイン・ストリートは別として、その他の横町には米兵の立入りはしないような措置を講じてもらえないだろうかということがその土地の人々の切なる要求だと申し上げてもいいと思うのです。それらの問題について政府としては具体的に何らか考慮されることはないだろうかというので、私はそれをぜひ聞いてくれということで今この問題を出しておるわけでありますが、実際行って見ましても、地元の人々が心配しているような状態なんです。政府としても建物がもうすでに九分通りできておるのだからどうにもならぬというお話ですがもしかしその建物に米兵が入舎することによって生ずるであろうそういうような風紀上の問題、あるいは教育上の問題、その他の問題について、もっと積極的に考慮さるべきではないかという工合に考えますので、もう一度何らかそれらの処置について政府としてどう考えていられるか、それをお尋ねしたいと思うので出す。

福島愼太郎調達庁長官

○説明員(福島愼太郎君) 完成いたします兵舎と申しますか、アパートは、すべて将校——婦人の将校並びに男の将校——に限るということにいたしておりますので、一般の兵舎等に見られますような風紀問題は起らないものと考えておりますが、さらにアメリカ側としても日本側の心配もさることであるので、できる限りの取締り方法を講じたい。渋谷方面に対する立ち入り禁止というようなお話でございますが、そういうようなことも考えられるかどうか、必要であるということになるかどうか研究はいたしてみたいと思います。厳重な取締りを講ずるというのでございますので 相当な案が成り立ちますれば相手が将校ばかりのことでございますので、その励行も一般の兵員の問題とは違って、確保できるものとも考えております。風紀問題、それはまあ最近においてそういういかがわしいものができつつあるというかもしれませんが、必ずしも宿舎に基いて起ったものとも考えられませんし、またその状況も、学校を建てるという問題などに関連しても、いろいろ地元ともお話をし、この程度で学校を建てようというようなことにもなりつつある次第でありますので、何とか処置できるものと、考えております。

堀眞琴無所属クラブ

○堀眞琴君 次は日米共同声明の問題について外務大臣の重光さんにお尋ねしたいのです。まず第一に、重光さんがダレス長官と会談された、そのときの重光さんの資格の問題についてお尋ねいたしたいのであります。この共同声明の翻訳文も、それから原文も、日本国副総理兼外務大臣重光葵と、こう書いてあるのですが、その点について重光さんは、そういう資格で出られたかどうかということをもう一度、この原文にはありますが、重光さんの御意向を確かめて、その上で若干質問したいと思います。

重光葵日本民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) 全くその通りでございます。

堀眞琴無所属クラブ

○堀眞琴君 それでほお尋ねしますが、一体副総理という言葉ですが、これは政治上われわれは重光さんを呼ぶのに副総理という、こういうアトリビュートをつけて呼んでいる。そういう官名というよりも政治的な名前で呼んでいるのですが、副総理という言葉は一体官制のどこに出ているのですか、それをお尋ねしたいと思います。

重光葵日本民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) 私は副総理ということは官制のどこにあるかということを今はっきり記憶をいたしておりませんけれども、これは従来の例によりまして内閣総理大臣が閣員を副総理に指名することができることになっていると承知をいたしております。その指名によりまして、私はそういう資格を持っております。そういう意味であります。

堀眞琴無所属クラブ

○堀眞琴君 慣例によって内閣総理大臣から副総理に指名されるというお話でありますが、官制上は副総理という名称はどこにもないのです。内閣法の規定によりましても、内閣総理大臣に事故のあるとき、あるいは云々ということが第九条にあります。しかしそれは何も、政治的には副総理を意味していても、官制上は副総理という名称をここに規定したものと見ることはできない。そうとするならば、重光・ダレス会談に関する日米共同声明は公文でありますから、公文の中には政治上慣例として用いられる言葉で、重光さんの資格を規定するということは、私は違法ではないかと思いますが、この点はいかがですか。

重光葵日本民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) 私は総理の指名によりまして、総理を代理する意味において副総理の資格を持って参ったのでございます。そこでこの共同声明でありますが、これは官制とは違うのでございますから、その資格をはっきりと示した方が、先方に対する交渉の上においても都合がいいと思いまして、さようにはっきり示したわけでございます。

堀眞琴無所属クラブ

○堀眞琴君 私がお尋ねしているのは、こういう公文には官制上認められた職名、あるいは官名を書くのが適当だと思う。もしあなたの言うように内閣総理大臣にかわる国務大臣として出席されたのならば、そのことを明記されるのが当然だと思うのです。官制上にない副総理というような名前で、兼外務大臣とこういうふうに書いてありますが、外務大臣は、これはあなたの官名で間違いないと思いますが、副総理という方は、今あなたのおっしゃったような形で書かれるなら、それは了承できるんですが、官制上にない副総理ということを書くことは私は間違いだと思う。これは公文でありますから……。これが公文ではなくて単に政治的なものとして、両者の間に取りかわされた文書であるというだけに過ぎないならば、私はこれで了承できると思います。しかしこれは公文でありますので、その点は私はあなたの説明では納得できないのであります。その点をもう一度御説明願いたいと思います。

重光葵日本民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) 私は今申し上げました通り、これは国内の法規として共同声明をしたわけではございません。外交文書でございます。従いまして私のさような実質的の資格を明瞭にすることは外交文書として適当なことだと、こう考えて行なったわけであります。

堀眞琴無所属クラブ

○堀眞琴君 私、時間がないそうでありますが、もう一度その点をはっきりさせないというとまずいと思うのです。今のお話では、これは国内の法規ではない、おっしゃる通り法規ではないのです。しかし日本とアメリカ両国の外務当局の責任者の間にかわされた、従って政府当局相互の間にかわされた共同声明であります。従ってそこに書かれる官名は、外国の場合を見ましても正式にその国で官制上認められている官名を書くのが普通であります。政治上慣習的に呼ばれている名前を書くというのは、おそらく外国には例がないと思います。今までの日本の例を見ましても、そういう例は私はなかったと思います。その点私はこの副総理という名称を用いられたことは非常に不謹慎な態度ではないかと思いますが、その点についてもう一度、あと時間がありませんからこれだけを最後の質問にして、お尋ねしたいと思います。

重光葵日本民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) 私はそうは考えません。米国との基本的の関係について了解を進める、こういうのでありますから、日本の総理大臣の代理の意味でデピューティ・プライム・ミニスターとして話すことが最も有効であると、こう考えまして、それをそのまま共同声明に表わすということは、これは外交しの慣例としても私は多々あることと思います。そして少しも不思議はございません。最も有効な方法を選んだのだと、私はこう考えております。決して私は不謹慎だとは考えません。

長島銀藏自由党

○長島銀藏君 私は砂田長官にお尋ねしたいのですが、二、三点あるんですが、ごく簡単にお尋ねをいたしたいと思います。調達庁が設置せられたときのいきさつが、わが国の無条件降伏直後でありまして、進駐軍の物資万端の調達の必要からこれがまあ設置された。独立後三年後の今日に至る長い年月を経過して存立しておるという点で、一部の国民の間においては、今米国のみのための調達庁であるごとき先入感があると思われるのであります。ただいま問題になっておる砂川町の飛行場の問題にしても、この国民感情の機微の問隙を縫って軍備復活の阻止をもくろみ、かつ住民の郷土愛の気持を扇動してと申しましょうか、反対運動が展開されて、ついにあの不祥事件に及んだものと私は解釈しておるのであります。飛行場の基地の諸問題は、自由国家群の一群に属するわが国に対しまして、自衛のための重要な施設の一環と考えるのでありますが、アメリカの希望もあり、拡張計画を実施する運びとなったものと思うのでありますけれども、私の考えでは、昔の飛行場ならばいざ知らず、現在では非常に技術その他が発達いたしまして、音速以上のスピードを必要とする現在の飛行機を、将来もっともっと発達するであろう飛行機を発着せしめるには、私の乏しい知識から申しましても、この急ピッチな科学文化の発達に伴いますることを想像いたしまして、もっと大きな滑走路の備わった飛行場が必要だと私は思うのであります。それで現在四千フィートぐらいの規模の滑走路ではたちまちその利用価値をなくしてしまいはしないか、私はこういうふうに考えるわけでございますが、この点については十分将来性のある大計画を進めて建設して行かなければならないと思うのであります。そこで私のお尋ねいたしたいと思いまする点は、現在のこの砂川基地にいたしましてもそうでございますが、さしあたって当分の間というものは米軍の航空機による利用の方が多いかもしれませんけれども、しょせんはわが国の防衛隊が活用するということは、これは間違いない問題でございますが、このわが国の国防のためにこういう基地が要るのだ、こういう飛行場が要るのだということを地元民諸君に十分納得をさせる、つまり日本国民の愛国心をもとといたしまして、十分理解をしてもらうという点が、何をおいてもこれが必要な点だと私は考えるのでありまして、これに対しましては調達庁の宣伝といいましょうか、精神的に国民に納得させるという方法が非常に拙劣ではないか、工作が拙劣ではないか、私はこう思うのであります。そこで現在も不幸にいたしまして、また十一月一日に砂川町の問題が起っておる。私どもこの前、内閣委員会を開いたときも、ちょうどこの基地問題で大騒ぎした。偶然の一致かどうかしりませんけれども、これらはつまり宣伝工作が拙劣のためにこういうことになるのではないかと私は思うのでございます。長官はどういう方法をおとりになるお考えであるか、一つその点につきましてお尋ねをいたしたいと思います。

砂田重政日本民主党防衛庁長官

○国務大臣(砂田重政君) 立川基地の問題は非常に紛糾を来たしておりまして、まことに遺憾であります。飛行機の発達に伴いまして基地の拡張をしなければならぬということは、むろん私ども考えております。しかしながら御承知のように防衛庁では、ただいまの程度におきましてはやはり米軍の使用に立川基地はなっておるのであります。将来の問題については現在まだ具体的な見通しはつけていないのでございます。従って防衛庁として砂川問題に直接関与するということは、ただいまの程度のところでは考えておりません。将来の問題として、日本の飛行機がだんだん発達して参りまして、駐留軍がいなくても国土の防衛が完全にできるという時代に到達いたしましたときに、初めてこの問題に重大な関係を持つことはむろんだと考えるのであります。それまでの間、所管の違います調達庁の問題に、あまり私どもの方からくちばしを入れることはいかがかと考えておりますので、ただいまの程度においては、直接これに関与することは差し控えた方がいいのではないかと、かように考えております。

長島銀藏自由党

○長島銀藏君 ただいまの長官のお説では、防衛庁としては調達庁の問題にはあまり関与しない方がいいというおぼしめしのように伺ったのでありますが、私のお伺いしている点は、国民の愛国心をどういう工合に燃え上らして行くかという点と、それからどうしてもこの防衛をするには現在の四千フィート程度の大きさのものであるというと、急ピッチに発達して行く音速以上のスピードを出す航空機基地としてはまずいのである、それであるのだからもっと大きくも場合によってはしなければならない、もうそういう世の中になってきているのだ、どうしても国防上こういうものが必要なんだという点を十分に国民に納得させるように、宣伝というと言葉が悪いかもしれませんが、そういう意味の宣伝を十分にするお考えがあるかどうかという点についてお尋ねしたわけなんでございます。その点をどうぞ一つ。

砂田重政日本民主党防衛庁長官

○国務大臣(砂田重政君) ただいまの御質問の点でありますが、それはその通りであります。また、私どももその意味から考えまして、飛行場についてはだんだん拡張をして行かなければならぬことは、国民の心がそこに行くような時期の到来することをむろん期待いたしております。また、それに向っては、われわれといたしましても他の閣僚の諸君も皆同じ意見であります。この問題につきまして防衛庁がもう少し宣伝をしたらどうかという御意向のようでありまするが、できるだけこの点は国民の理解を求めるべく非常な努力をしておるのでありまするが、御承知の通り、ただいまは調達庁というのはむしろ駐留軍に対する一つのサービスの役所になっております。そういう所で努力されておりまするのを、独立した国家として防衛庁が先に立ってこの中に飛び込んで行くということはどうかと考えております。国民の愛国心に訴えるという意味におきましては全く御同感でありまするが、直ちにこの問題にあまり大きな宣伝をしたりすることはいかがかと考えておりますので、差し控えております。

長島銀藏自由党

○長島銀藏君 私は、この愛国心という点については非常に宣伝が政府自体足りないのじゃないかと思うのであります。一昨年のことでございますが、一昨年も昨年も私北京に参ったのでありまするが、十月一日の国慶節というのに出っくわしまして、中共軍の観兵式みたいなものを北京の天安門の大広場で見たのであります。そこへ行っておりまする日本の議員団も、やはり観兵式のような形のものを見ますと拍手をもってこれを迎えておる。この迎えるのが、われわれ保守党系の議員ばかりじゃない、社会党系の方もどの方も皆拍手をするのであります。私は奇異の感じを実はしたのでありまするが、日本の国防軍に対しては非常に御反対をなさるのでありまするが、中共軍に対しては拍手をやられる。それから一体どうも私納得が行かないのでありまするが、ちょうど一昨年の秋でございましたが、トンシュジャク先生に会ってみた、そうして日本の国防の問題についてあなたどういう考えを持つかと聞いてみますと、共産圏の国々は今までは日本の再軍備にあるいは防衛隊に反対だったんだが、その後自衛軍ならば差しつかえないという結論に通したということをその当時言っておられた。去年参りましたときも周恩来先生に会ったところが、やはり当然国は守るべきであると言って賛成をしておられたわけであります。にもかかわらず、日本の保守党以外の方の中では相変らず反対をせられることがあるので、相当ずれておるのであります。私は不思議に感じておったのでありますが、そこで国の防衛ということにつきましては社会党の諸君にも一つ御賛成を得て(笑声)大いに自衛の体制を整えて行かなければならぬと私は思うのでありまするけれども、(「質問をやれ」と呼ぶ者あり)その防衛隊員の教育つまり中共でいえば、中共の軍隊を見ますと、もうことごとく祖国を愛するためにわれわれは立ち上って行くんだということを誰に聞いても言っておるのであります。それで祖国愛というものが非常な熱烈な態度で示されるのでありますが、日本の防衛隊長の祖国愛というものあるいは精神教育というものは、どの程度になっておるか。私は昨年は実に忌まわしい場面を見せつけられたので、それが胸の中にこだわっているのでありますが、日本の防衛隊の諸君の精神教育、一つこの点については一そういわゆる精神教育を盛んにしていただいて、りっぱな、後顧の憂いなくいつでも国難には殉ずるのだというところまで持っていっていただかなければならぬと私は思うのであります。この点私は非常に心配しておるのでありまするけれども、長官はこの点に対しましてどういうお考えを持っておられるか承りたいと思います。

砂田重政日本民主党防衛庁長官

○国務大臣(砂田重政君) 自衛隊の精神教育につきましては十分留意を払っておるのであります。留意を払うというよりもむしろその質を向上せしめ、国民の尊敬を受ける自衛隊を組織したいと、かように考えておるのでございます。このためにはあらゆる機会にこの問題について十分に繰り返し訓育するように努力をいたしまして、決してこれを軽視しておる考えはございません。すなわち、これを基調としてこの国土を守るという使命を完遂するよう、いろいろの機会をとらえて教育をしておるのであります。また一般国民と遊離することのないように、国民とともにあるべき自衛隊の隊員にふさわしい教育を進めて行きたいという固い決心をもって一日々々その時期に到達しつつあることを私は確信しておるのであります。ややもすればあるいは退職金がよけいもらえるから自衛隊に入っておるとか、いろいろのことを言われますが、先刻来お話のごとく、中共においてもソビエトにおいても国土愛という上においては、これは国民全体に変るところはないと思います。日本の国においても、いかなる反対がありましても、この国土愛のために努力奮闘されておる周辺の各国家を見まするときに、日本がひとりこれに反するがごときことがこのまま続かるべきものじゃないという私は固い確信のもとに自衛隊員を養成するために十分の努力を払いたい、かように考えております。

長島銀藏自由党

○長島銀藏君 私はただいま長官の御決心を伺いまして、非常に安心をし、かつ喜んでおるわけであります。私は、この問題を解決しなければ国が危ういという考え方で、実は遺族会というものを全国に作りまして、国に一命を捧げても後顧の憂いは全然ないのだというので、遺族扶助料とか、その他の恩給措置によりまして、いかなる場合でも国のためには一命をささげるとい体制を整えなければならない。そうしなければ、日本が将来怪しくなるのだ、どうも怪しいと、かように考えまして、努力を続けて参ったところの一員でございますが、ただいま長官のお話を聞いて、非常に私もよくわかったようなわけでございます。  次に長官にお尋ねいたしたい点は、仙台の基地に国府軍等の方が滞在しておるということを聞いております。これは新聞記事でも見たのでありますけれども、ビザの入国理由は、見学のために入国した。ところが、そういうビザで入国しているにもかかわらず、演習をやったり何かする、あるいはその他の教育を受けている。なおPXから軍票によって物を買っておる事実があるのだというようなことを聞いたのでありますが、この点についてはどういう御措置をおとりになりますか。これは防衛庁長官というよりも、外務大臣の方がいいのかもしれませんが、できればお二方からお伺いしたいと思います。

重光葵日本民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) 私からお答えいたします。実はその問題があったのでございます。それは米軍側の方は共同防衛の精神から、米軍に直接属していない第三国の人員を日本に招いて、米軍の直接の指導のもとに若干の教育をすることが共同防衛の目的を達するゆえんだという考え方から、そういうことをいたしたのでございます。それにつきましては外務省にはそういう人々の短期の入国を申請してきたので、それを十分に検討するいとまもなく、これを入国を許したことがございます。ところがだんだん調べてみると、そういう事態であるので、これは十分了解を遂げなければ、さような事態はおもしろくないというので、向うに話をいたしましたところが、それでは一つそれをやめようというので、やめておるわけでございます。しかし話し合いを十分に遂げて、そうしてそういういかなる取扱いのもとにおいて、またいかなる法規のもとにおいて、規定のもとにおいて、こういうことをすべきかということを十分検討しなきゃなりませんから、そこでさようなことについて十分今研究を各官庁とも相談をしてやっておるわけでございます。今PXの問題もございます。そういうことを詳細にわたって検討いたしているわけでございます。その上で、これは法規上どういうことになりますか、十分検討を尽した上で、しかも十分な理由がある限り、協同防衛というような点で協力する意味において理由があると、こう判断しますれば、その判断に従って差しつかえないと思います。しかし今日では何も申上げられません、十分に一つ研究をして、その結果を待って政府としての判断をしたい、こういう段階に相なっているのでございます。以上……。

長島銀藏自由党

○長島銀藏君 今のお話で了承いたしました。どうぞこれは国民の皆さんが了解のできるりっぱな御措置をおとり下さるように善処をお願いいたします。  なお、ついでに外務大臣にお尋ねいたしたいのでありますが、日ソ交渉の顛末につきまして、松本全権の現在帰国せられておりまする際に、あまりソ連問題をここで突っ込んでお尋ねするということもどうかと思いまするが、お差しつかえない程度にその後の経過なり、何なり参考になることがございますれば、承りたいと思うのでございます。

重光葵日本民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) 日ソ交渉の問題でございますが、その交渉の大要でございますが、大要はすでに私はこの委員会ではございませんでしたが、外務委員会でございましたが、今申されるように公表して差しつかえない程度において、できるだけ一般に了解でき得るように、私は説明いたしてきたつもりでございます。ところがこの交渉は、御承知の通りに先方の全権委員が交渉地を離れたために、事実上中絶されております。もっとも代理者によって必要な交渉の継続はやっておりますけれども、それはごく枝葉な問題に、もしくは手続問題にとどまるので、従いまして先方の全権委員が交渉地に帰ってくるのを実は待っているわけでございます。交渉はあくまで継続いたす方針であることは、その当時すでに発表してある通りでございます。従いまして交渉が事実上進められないことになりましたから、わが全権も帰朝をして、報告並びに打ち合せに帰っているような次第でございます。従いまして、その留守中の交渉は、ここで申し上げるように進捗を見ておらぬようなわけであります。  そこで、どういう点で打ち切られているかと申しますというと、これはすでに御説明いたしている通り、先方も主張すべき点の項目はすべて出している。わが方もわが方の主張する項目を全部出している。しかしその妥結の点にはまだ至っておらぬ。先方の全権が交渉地を離れたということは、これは御承知の通りに国際連合の総会に出席するために離れたのであります。交渉が一段落ついたというわけではなかったわけでございます。そこでその交渉は今中途にあるわけです。従いまして交渉の内容について私が公開の所でこれを十分に申し上げるという自由を持ちません。持ちませんが、大体のところはそういう工合になって今中絶をいたしております。しかしこれは決してこれでもって交渉が終るというまた打ち切られるという意味を少しも持っておりません。わが方はもちろん従来の方針によってこれをあくまで継続して成果をおさめたいと、こういう方針でございます。それから先方といたしましても交渉を打ち切ろうという考えは私には少しも見えません。従いまして時期がきますれば、先方の全権も任地に帰ってくるであろうと思います。そしてわが方の全権は何どきでもこれに応じて交渉を継続し得る姿勢をとっておりますので、従来の方針通りにこれは進め得ることと私はそう信じて方針を立てておる次第でございます。大体これで御了承を願いたいと思います。

長島銀藏自由党

○長島銀藏君 日ソ交渉は、重光大臣は古い外交方面のエキスパートでございますから、すべておわかりで、私どもから申し上げることはかえって失礼と存じますが、私もソ連とは三十何年いろいろ関係がございましたので知っておるのですが、非常に気の長い外交ぶりで、とても一年や半年でものを片づけるというようなことは考えられない。そこで新聞や何かの記事に出ておりまする総理の談話を見ますると、比較的短時間にものを片づけようとおっしゃるようなことが出ておるのですが、三年でも五年でも七年でもあるいは十年でもかかって差しつかえないような気長なお考えを持っておられるかどうか、その点を一つ伺いたいと思います。

重光葵日本民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) 交渉がいつまでかかるか、時の問題でございますが、これは私はいずれの場合においても交渉をやる場合においては目的を達することが主でありまして、時期を限ってやるということは、私はすべての交渉、ことに外交交渉としてはとらないのでございます。しかしながらこの日ソ交渉でございますが、これはもう御承知の通りのような方針で日本としては進んでおるわけでございます。これは政府としてというよりも、日本として進んでおるわけでございます。大体のそういうとっておる方針につきましては、議会においても詳しく私は説明を申し上げております。その方針によって目的を達したい。その目的は結局は日ソの国交の正常化ということ、これは私は理論としては少しでも早く目的を達して、その結末に到達したいと、こう考えておるのでございますから、すみやかにこれを進めたいと、こういう御返事をする次第でございます。しかしそれがいつその目的を達してどうなるか、達っしない場合にはどうするかということは、今日は申し上げる時期でむろんないのでございまして、あくまでも目的を達して、そして、日ソの関係を正常化いたしたいという方針で進んでおる次第でございます。

新谷寅三郎緑風会

○委員長(新谷寅三郎君) 大体食事の時間等もございまして、約一時間ほど休憩をいたしたいと思います。    午後零時四十五分休憩      —————・—————    午後一時五十八分開会

新谷寅三郎緑風会

○委員長(新谷寅三郎君) 休憩前に引続き、ただいまから委員会を再開いたします。

豊田雅孝緑風会

○豊田雅孝君 西田国務大臣に政治的な御答弁をお願いいたします。基地の設定の問題なんでありますが、政府の方では納得させるようにやっておるというお話しでありますが、実際問題としちゃ納得していない。これは法律的な関係とか、あるいは事務的な関係から見れば私はそれで一応済むような御答弁になれると思うのでありますが、しかし政治的な問題としてこれを見たら、それではいかぬと思う。それで地元の関係者に対する関係について、いろいろこれはもう批判もあるでありましょうが、むしろ私がお尋ねしたいと思いまするのは、一般国民との間における関係をどういうふうにして行かなけりゃならぬかという問題についてお尋ねしたいと思うのでありまして、要するに、これはたとえば砂川の問題、そういう具体的な問題、またその関係者の範囲という問題じゃなく、国全体として非常にゆゆしい問題であると思うわけであります。従ってこれはどういう具体的な手順で、しかもそれも法律的とか、事務的とかいうことではなく、政治的に見て具体的な手順でお進みになっておるのか、たとえばそういう具体的手順というのは、きわめて重要なる意味を持っておるのでございますから、閣議決定などを経ておるものかどうか、そうしてまたそれを明らかにせられることによって、一般の国民が納得するようになり得る程度のものを従来お持ちになり、またお進めになっておるのか、この点について、もしも足らぬことがあるならば、西田国務大臣としてはこういうふうに今後持って行こうというふうなお考え等につきまして、政治的な立場から御答弁を願いたいと思います。要するに一般国民が納得する程度には、この際国会を通じて御答弁になっておくことが私は国全体として非常に必要ではないか。そういう意味合いからお尋ねをいたしたいと思います。

西田隆男自由民主党労働大臣

○国務大臣(西田隆男君) お答えいたします。大へんむずかしい問題でございますが、御承知のように、この日本が敗戦国になりまして、日本の国全体の思想の落ちつきが取りもどされないでおるということが一つの大きな原因になっておるかとも考えますが、政府としまして、国民に国を守る上におけるある程度の軍事基地と申しますか、そういうものが必要であるということを周知徹底さして了解を求めるような大きな宣伝と申しますか、啓蒙と申しますか、そういうことを今まで豊田さんもおっしゃって、十分にやっていないことは、これは事実でございますが、今までの政府としても、そういうことを大胆に率直に国民諸君に訴えてやり得なかった実情もあっただろうと私考えております。そういうことからして、国民全体に対する基地の問題に対しまして、国民がいろいろな考え方を持っておって、御承知のように自衛隊を置く、置かぬという問題に対しましても、国民の中に議論が分れておるし、政党関係の中にもいろいろ議論が分れておる。団体もいろいろの団体がありますが、団体の中でも軍事基地絶対反対ということをスローガンに掲げて反対運動を国民の中に展開されておるという現状から考えましても、国民全体が政府の考え方に同調してもらえるに足るだけの努力を今までの政府はやらなかったということは、私は率直に認めざるを得ないと考えております。現実に起きておる問題に関連しまして、現内閣としても八月の五日に条約国の……、閣議で了承しました基地に対する一応の考え方を発表いたしまして、しかしながら、御承知のように日本の全体の情勢が必ずしも政府側で考えておるようにすなおに行われるというような情勢でもございませんし、また現在ありまする調達庁と申しまするのが、駐留軍に対する調達の事務的なことを行うという権限しか持ってないように私承知いたしておりますが、そういう関係上、調達庁担当の国務大臣としても国民に、現在国民の考えておられる線に沿って最小限度に被害をとどめて、外交上の条約の義務を果すということの方に重点を置きましたために、国民全体に対する理解と協力とを求めることに十分でなかったという点も私は率直に認めざるを得ないと思うのでございます。従って憲法との関連におきまする問題は別問題としまして、現在自衛隊というものを持っておりまする日本の国が、将来駐留軍に撤退してもらって、日本の国防を日本だけで完全に実施するというような細密な計画ができ上りました場合においては、これは調達庁等による国民諸君の協力を求めるという姿でなくして、当然内閣全体としても、現在の防衛庁としましても、国民に対して理解と協力を求めるように活発な活動を当然すべきであると考えますが、現在の日本の憲法に対するいろいろな議論のありまする段階、特に今までの内閣がとってきました、さっき申しましたように非常に消極的な宣伝啓蒙という点から考えまして、現在ではまだ十分でないということを考えております。しかし急に今すぐに活発に展開するということは、実情からして非常にむずかしい状態にあります。逐次日本の国防という問題に対しての国民の関心を深めて協力態勢を作って行かなければならぬ、かように考えております。

豊田雅孝緑風会

○豊田雅孝君 前半においての御答弁に、率直に西田国務大臣は政府の措置について足らざるところがあることをお認めになったということについては、私はその率直さには敬意を表するのであります。またその率直さが、率直なところが今後の新しい施策の出発点になると思うのでありまして、その点で足らざるところをお認めになったことはまことにけっこうであると思うのでありますが、後半の点において、すぐ今までと違った画期的な行き方をやろうと思っても、これがなかなか困難だというようなお話があったのでありますが、今までの行き方というものは、事務的に事が進められているというところに私は非常に大き欠陥がある、そういう点でかような国全体に、しかも国民の感情に大きく響くような問題については、私は内閣全体がぶつかって行くような態勢をお示しにならなければいかぬ。従って政治的に手を打って行く手順等については、閣議決定くらいははっきりとおやりになって、それについて私は一人の閣僚のみならず、全体がこれに当って行かれるというようなことが必要じゃないかというふうに考えるのであります。そういう点についておやりになろうと思えば私はできないことはないと思うのでありますが、その点について一つ重ねてお尋ねをいたしますと同時に、もう一つ具体的な問題といたしましては、もう今の段階になって、防衛庁でなく調達庁自身があの問題をお取り扱いになっているというところに根本的な問題があるのじゃないかというふうに思うのであります。というのは、前の委員会の際にも副総理として重光外務大臣が答弁せられたのでありますが、全くこれはわが国の国防のためにやっているのだということをはっきり明言されているのであります。わが国の国防のためはっきりやるということならば、もうこの段階においては防衛庁自身がこれに当るべきではないか。防衛庁の内局の一つとして調達庁を包容して、またそれにふさわしいような法律改正をやられ、そして機構も改革せられ、そうして防衛庁の仕事としてこれをおやりになるということ自身が国民感情の上から必要なのではないか。またそれが問題を刺激することのないようにする一つの大きな踏み切りではないかというふうに考えるのであります。この点につきまして、ただいま申し上げます画期的にやろうと思えばやれる道は、閣議決定その他によって閣僚を総動員して当られるという行き方、さらに事務的な行き方としては、法律改正による防衛庁の仕事としてこれをやって行くというふうにやることについての御意見を伺いたいと思います。

西田隆男自由民主党労働大臣

○国務大臣(西田隆男君) お答えいたします。非常にごもっともなことと承わりますが、第二の方から先に御答弁を便宜的にします。調達庁をどこの所属にどうするかという問題は、いろいろ内閣でも協議をいたしております。ただいま労働大臣が担当大臣として担当しておりますのは、終戦直後、労務問題が主として調達庁の仕事であるかのように考えられておった関係上、労働大臣が担当することが適任であろうというような解釈で労働大臣が担当しておったように私は聞いておりますが、その本質を尋ねますというと、現段階におきましては調達庁の業務そのものが日本の国防と切っても切り離せない、密接不可分の関係にあります。自衛体制も逐次増強されて参っておる現実から見ますというと、将来は防衛庁の一局にするか、あるいは外務省の内局にするか、いずれかの方法をとることによって調達庁というものは仕事をして行かれるようになるのが私は当然の帰結であると思います。労働大臣が担当大臣としておることには現実の段階ではいささかも私自身は矛盾を感じておりません。従って内閣のこの問題については、内閣官房でいろいろ議論もし、協議も重ねておりますので、近い機会に何らかの結論が生れるものと考えております。それからもう一つ、内閣全体がこぞってこの段階においては啓蒙宣伝なさったらどうかという御意見、それはごもっともと考えております。この問題につきましても、閣議等においては数回議論されておりますが、いまだ調達庁自身の問題、それから防衛庁の考えておりまする国防計画等が審議の段階にありますために、内閣全体としてはどういう具体的な方法でどうやろうという決定を見ていないという段階でございまして、それも防衛庁の自衛六カ年計画というような問題が結論が生れまする際には、必ず豊田さんのおっしゃるように、国全体、内閣全体として強力に日本の国防の問題についての国民の理解と協力とを求める手段に出るだろうと、このように考えております。

豊田雅孝緑風会

○豊田雅孝君 もう今の段階から見まするというと、慎重に考えておるということではもう追いつかないような段階に来ていると思うのでありまして、事態は刻々悪化しつつあると思うのであります。従ってただいまの御答弁の趣旨はそれでけっこうでありますから、それをすみやかに具体的にお移しになるように実行に移していただくことをこの際一つ特に希望をいたしておきます。  次には、砂田国務大臣にお尋ねいたしたいのでありますが、砂山国務大臣は御就任以来非常に防衛に熱心におやりになっておるのでありまして、そのお立場から防衛六カ年計画もだいぶ進捗いたしておるのではないかと思うのでありますが、この防衛六カ年計画の進捗ぶりにつきまして、お差しつかえのない限り御答弁を願いたいと存ずるのであります。同時に、これに関連いたしまして国防省の設置問題が出ておるようでありますが、国防省の設置の構想についても伺えればけっこうであると思いまするし、同時に、次の国会に国防省設置法案をお出しになるおつもりであるかどうか、その御意見について伺わしていただきたいと思います。

砂田重政日本民主党防衛庁長官

○国務大臣(砂田重政君) ただいまの二つのうち第一は、現在の防衛庁を国防省に昇格しようという考えであるかということ、これを次の国会に提案する考えであるかという点につきましては、現在の防衛庁の定員が十九万五千余になるのであります。その機構の内容からして優に一省をなす仕事を備えておるのであります。総理府外局たる地位から、これを独立の省に昇格させたいと思っておりまするが、その具体的構想についてはただいま事務的に検討中でございます。でき得る限りすみやかに次の国会に提案をして御協賛を仰ぎたいと考えております。それからその次の六カ年計画でありますが、防衛六カ年計画につきましては目下各省と折衝中であります。いまだ結論に達しておりませんが、その計画の目標はおおむね次のようなものであります。陸上自衛隊制服十八万、管区隊六、機甲団四、海上自衛隊艦艇約十二万三千トン、航空機約百八十機、航空自衛隊実用機が約七百八十機、練習機が約五百二十機と、この程度でもって進んで行きたいとただいま折衝を重ねております。御了承をお願いいたします。

豊田雅孝緑風会

○豊田雅孝君 砂田長官は、今御答弁になった点から見ましても、積極的に非常に御努力になっておるようでありますが、これに関連いたしまして、憲法第九条との関係について積極的にお動きになっておられまする砂田防衛長官としてのお御心境を承わりたいと思うのであります。と申しますのは、御承知のように憲法九条の解釈については、今まで紆余曲折を経て参りまして、まあだんだんと進んで参って、今日自衛のためならば戦力を持ち得るという程度にまではなって来たようでありますが、しからば交戦権をその範囲内において認めるのかというと、いや、交戦権は認めないのだというのであります。ところが自衛の範囲内において戦力を持ち得るということならば、その自衛の範囲内において交戦権を認めるという、これは文理的な解釈も立ち得るという説すらあるのでありまして、そういう見地から見ますと、砂田長官非常に熱心に防衛、特に士気の高揚というようなことを努めてやっておられるようでありますが、自衛のために戦力は認めるが、交戦権はないというような憲法の解釈で依然として進むということになりますと、自衛隊の士気というものは上らない。と申しますのは、憲法を改正したらいいじゃないかといいますけれども、憲法の改正は言うべくしてすぐには行われないのでありますから、憲法の改正必要なりということ自身、自衛隊の士気を低下せしめることに現実にはなっているのじゃないかと思うのでありまして、こういう点から見まして、積極的に推進せられておりまする砂田長官は従来の長官とまた違った御心境を持っておられはしないか、こういう点につきまして、憲法九条の解釈について自衛の範囲内ならば戦力のみならず交戦権も認めるというところまでお進みになるかどうか、その点を一つお伺いしたいと思うのであります。

砂田重政日本民主党防衛庁長官

○国務大臣(砂田重政君) この問題は従来からありました大きな問題であります。憲法九条の第二項に当りますか、あの問題でありますが、これは御承知のごとく、従来の政府では、この九条二項の問題を交戦権は認めないのだという意味に解釈をされておりました。私もまだこの点についてははっきりしたことをここにお答え申し上げるのに苦しむのですが、まあとにかく憲法九条は最高の立法府である衆参両院において、自衛の任務を有し、かつ自衛のため必要な限度の実力部隊を保持することは憲法九条に禁止するものでないということに大体一致した御解釈になったようであります。またこの事実は過日来の統一社会党における政策の発表にも、自衛隊はお認めになっておることがあるようであります。(岡田宗司君「そんなばかなことはないよ」と述ぶ)議論はないと思います。ただこれからこれを理想化せられるかということだけが議論になっておるようであります。この点は異議ないと思います。この九条の二項の「前項の目的を達するために」云々というこの交戦権を認めるかいなかということは、これは重大な点であって、たとえば交戦国以外の外国の船がいわゆる国際法上の禁制品を積んで領海内に入り、もしくは公海上で敵にこれを交付するということが明らかになった場合に、これをいかに処置することができるかということは、これは非常に大きな問題であります。この解釈につきましては、私もう少しかすに時間をもってしていただきたい。これは重大な憲法の解釈上の問題でありまするので、もう少し研究をしてからこの点はお答えをすることにいたしたいと思います。御了承を願います。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 議事進行。ただいま砂田長官が、統一社会党は云々というようなことを言われた、私それを繰り返そうとは思いませんけれども、勝手な御解釈はおやめになっていただきたい。従ってここで今の点をお取り消しを願いたいと思います。

砂田重政日本民主党防衛庁長官

○国務大臣(砂田重政君) 間違っておりましたら取り消します。ただ私は新聞で見た事項と座談会等の雑誌にあった記事を見たのです。あるいは間違っておりましたら取り消します。

豊田雅孝緑風会

○豊田雅孝君 いろいろ砂田長官積極的に御努力になっておるのでありますが、ただいまの憲法解釈の問題につきまして、従来通りの解釈でありますると、いかに積極的におやりになりましても、言葉は過ぎるかもしれませんが、砂上の楼閣になるのではないか。少くとも自衛隊の士気高揚という点からは、さようなことになるのではないかというように思われるのでありまして、その点につきましては御研究になることでありますから御研究になりまして、どうか砂田国務大臣のほんとうの真価をそこでお示しになることを私は期待をいたしておるのであります。  次の点は、最近防衛産業が国有になる、ならぬというような問題が出ておるようでありますが、この問題につきまして防衛庁としてはいかなる御見解を持っておられるのでありましょうか。特にただいまの自衛隊の利用程度では、これを国有にいたしましてもフルに動かすことがなかなか困難ではないか。従って海外に対して武器の輸出というようなことが見通しがついてこないと、なかなか困難な問題があるのではないかというふうに思うのでありますが、これらの点につきまして防衛庁として砂田長官の率直なお見通しを伺いたいと思うのであります。

砂田重政日本民主党防衛庁長官

○国務大臣(砂田重政君) この問題は対外的の関係もありますもので大事な問題であります。防衛産業の育成が防衛力増強の裏づけとしてきわめて重要でありまするとともに、片やこの産業を育成され、またさらに輸出を進めてこの産業が起るやいなやということは、労働力にも重大な関係を持つ問題であります。主としてこれは今日まで関係産業の育成は米軍の域外発注を通じて行われてきたのが事実であります。しかし今日の段階では米軍からの援助を期待できないものもあります。また部品の発注、補給、工具品の取りかえ補給は日本側で充足すべき時期に至っておるものもあります。これらの点を考えまして、すべての点を考え、同時に各国の情勢を考えまして、火器、特車については本年度において百五ミリ、百五十五ミリの榴弾砲と及び特車の試作研究を行い、国産化の計画も進んでおって、弾薬については朝鮮事変に伴う米軍の特需により、すでに相当の規模の生産態勢が整備されておりまするが、さしあたり防衛庁の大幅な発注は不可能であります。今後において防衛庁として発注調達する必要が考えられるものもあります。その生産設備について諸般の事情を考慮して、通産省及び経済企画庁等と緊密な連絡をとりまして、ただいま研究をしております。航空機については、メンター初等練習機がすでに国産化が進んでおりまするが、ジェット機については、先に締結されたF86、T33の航空機の組み立て、その生産に関する日米間の取りきめに基きまして、その国産化を進めておるのであります。さらに軽ジェット練習機についても本年度においてその試作研究に着手することにいたしております。艦艇等については米軍側の援助があまり期待できない見通しでありまするので、国内発注、国内造船業者の活用育成と、その技術の向上をはかって行きたいと考えております。ただここに問題になりまするのは、国有、民営がいいか、あるいはそれだけの金をもってただいまの産業の状態に発注をして、そうしてこれらのものを国内に貯蔵しておくのがいいかという問題につきましては、今日まだ各省の間に連絡をいたし、折衝をいたしておりますので、はっきりしたことを申し上げられない、こういう事情にあります。

豊田雅孝緑風会

○豊田雅孝君 ただいまの問題に関連いたしまして、聞くところによりますと、工業倶楽部に政府、それから財界、それから極東軍代表が集まって、日本の兵器をSEATOの加盟諸国には輸出するという方針が公式にきめられておるように聞くのでありますが、さような事実があるのかどうか、その内容につきまして砂田国務大臣及び重光外務大臣から伺いたいと思います。

砂田重政日本民主党防衛庁長官

○国務大臣(砂田重政君) 産業関係の方々からはいろいろの希望が出ております。また経団連の方からの御意見も承わっております。まだその間が全部はっきりした一定した方針がきまったとは聞いておりません。ただいま折衝を重ね、研究を重ねておりまするので、この産業全体の興廃は国の産業全体の上にも重大な関係がありまするので、よほど十分に研究をして決定いたしたいと考えております。

重光葵日本民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) 砂田長官の御説明の通りでございます。今の件については、関係の実業界の人々の意見を十分に聞かなければならぬ、またその意見を聞くべき私の会合があったことを承知をいたしておりますが、しかしそれは何ら公のものでございません。正式の交渉等をいたしたものでないことを申し上げます。ただ目下そういうことで、いろいろとれは重大な関係のあることで今御説明の通りでございますが、今その研究を進めておる、こういう程度に承知を願いたい。

新谷寅三郎緑風会

○委員長(新谷寅三郎君) 豊田委員に申し上げますが、時間がありませんから……。

豊田雅孝緑風会

○豊田雅孝君 それじゃ一つだけ外務大臣に伺うのでありますが、日米会談後、アメリカの政府筋の方で会談の要旨を発表したものとして、当時朝日のワシントン特派員から電報をよこしておりまする中に、日米双方とも将来日本が海外派兵できるようになることを考え方の基本にしておるという記事があるわけなんでありますが、それからまた一面この会議については議事録はもちろんなかったようでありますけれども、河野農林大度の洩らしたという会談メモを見ましても、海外派兵はもちろん約束はせられなかったでありましょうし、また現在の問題としては、これに触れられなかったということもわれわれ了承もできるのでありますが、問題は将来の問題として海外派兵に触れたという点はあるのじゃないかというふうに考えられるのでありますが、その点もちろん約束はせられたかったし、また現在の問題としても触れなかったのでありまして、将来の問題としてのことのみでありますから、この点について率直に外務大臣のお気持を伺いたいと思います。

重光葵日本民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) この問題については、私はアメリカから帰って参りました直後において、いろいろ御質問もございました。そこでそのときに全部私は申し上げて御了承を得たつもりでございます。会談につきましては正式の議事録はむろんございません。しかし私自身の詳細なメモは私自身が持っておるのでございます。これはその会議の状況をそのまま写したものを持っております。この会談において実は海外派兵なんぞという問題は話に上る機会はございませんでした。日本の防衛力というものと日本の憲法というものがどういう関係にあるかということはちょっと話題に上りました。それは先ほどからの憲法第九条の問題に関連しておることでございまして、そこでまた海外に日本の軍隊を派遣するかどうかということは、今申す通りに話題に上りませんでした。従いまして、約束のことはむろん何も現在においても将来においてもないのでございます。ただ新聞記者との、米国側の国務省の新聞係りの質問応答がいろいろ話に花が咲いた、そこで一体将来絶対に日本の防衛軍というものは海外に出さないのであるかどうかというようなことが議論に上ったようでございます。それは議論としては海外に出すことも想像ができるというようなことは説明したのじゃないかと私は邪推を実はいたしております。そこでそういうことがあったのかどうかということを正式に米国の国務省にあとから聞き合せをいたしました。ところがそういうふうなことは何もなかったのだ、海外派遣の問題は会談においてもその他の席においても話し合いは出なかった、こういう答えでございまして、その旨を米国国務省は発表をいたしております。そこでありますから、これは話はそれが全部でございます。しかしまたこれは議論として、それでは将来日本が国際連合へでも入れば、国際連合の一国として、共同操作によって日本の自衛隊は一切日本領土以外に出てはならぬといえるか、もしくは出なければならぬ問題が起る場合がありはせぬか、こういうことは議論としては当然起ってくるわけであります。またこれは議論を進めていけば、日本の自衛隊に属しておる軍艦があります。この軍艦は自衛力を行使するために一歩も……、領海から出る、領海から出るということがつまり海外ということになりますが、極端に言えばそういうことがないか、こういうようなことにも議論が及ばなければなりません。しかし今海外に派兵するかどうかということを議論になるのは、日本がこの海を越えて出兵でもして、そうして憲法第九条で禁じられているような政策のために兵を動かすというようなことであるならば、これはもうむろん将来においてもそういうことはあってはならぬのでありますから、この点でははっきりしていると思うのであります。従いまして、この問題は今日問題になる、またなったということのないことは御推察にかたからぬことだと思います。そこで将来そういう場合に国際連合の加盟の問題も起りますし、いろいろな議論はこれはあり得ることだと私は考えております。それはそのときにこの問題を処理すればそれでけっこうだと、こう思っております。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 福島調達庁長官にお伺いしたいのでありますが、砂川のきょうの事態について、先ほど福島さんは、調達庁の者が向うへ行って多分迫っ返されるであろう、こういうお話だった、で、もうあれからだいぶ時間がたっておりますが、現在までのところ、あなたのところへきている報告はどういうことになっておりますか。

福島愼太郎調達庁長官

○説明員(福島愼太郎君) ただいままでの連絡では、けさほど九時半ごろから測量隊が出かけまして、地元の諸君とも話をしたり、議論をしたり、なかなからちがあきませんで、一応昼前に事務所まで引き下って参りまして、午後からもう一度出直して見ようか、こういうことを考えているようであります。もうぼつぼつ午後からの測量のためにもう一度行ってみるということではないかと思っております。その後の報告はまだ聞いておりません。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 午後の測量は、それでは先ほどあなたの言われたもう話し合いではだめだ、そこで警官隊の出動をさせて、それによって警官隊の保護のもとに行うということを意味するのですか。

福島愼太郎調達庁長官

○説明員(福島愼太郎君) まだ警官隊の出動を要請しているということは聞いておりません。午後出かけてみまして、公務の執行ができないということを確認いたしましてから要請することになるんだろうと思います。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 それではその警官隊の出動の際には、出先の方からあなたの方に警官隊の出動を要請すべきかいなかということを問い合わしてきて、そうしてあなたがうんということになるのか、そうすれば警官隊が出動するということになるのですか。

福島愼太郎調達庁長官

○説明員(福島愼太郎君) 今回の測量の調査の担当者は東京調達局長になっておりますので、東京調達局長の手元において公務の執行ができないということになれば、警官隊と言いますか、警察と申しますか、その方面に保護を要請することができるということにあらかじめ指示してございます。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 そういたしますと、もう今日もしそういう事態があるとすれば、それはあなたはもう何らタッチしない。すでにあらかじめ警官隊を出すということについては、場合によって調達局長がやってよろしいという指示は与えてある、こういうことでございますか。

福島愼太郎調達庁長官

○説明員(福島愼太郎君) あらかじめそういう指示を与えておるということでございまして、私がタッチしていないのではないので、私が指示したのでございます。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 私が申し上げたのは、きょうそれでは調達局長が自動的にやるのであって、あなたはその相談にきょうはあすからなくてもいいことになっておるのか、こういうことなのです。

福島愼太郎調達庁長官

○説明員(福島愼太郎君) 調達局長は自動的にやるのではありませんで、本人の判断に基きまして、公務の執行ができないということになれば警察の方に連絡をして出動を要請することができるわけで、そういう処置をとることになります。私はそういう事態になれば、こちらまで連絡をしておるということも間に合わない事態も予想されるので、実質的に次長その他もおりますので、事実上の連絡はとっておると思いますけれども、責任の問題といたしましては、あらかじめ私が指示をしてあるということで私が責任をとり、事実上の時間的の問題は調達局長の責任においてやるわけであります。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 そこで西田さんにお伺いするのでありますが、砂川の事態は非常に重大な問題だと思う。というのは、今後各地におきましての基地の拡張の問題とも関連しておりますし、またこの問題の成り行きいかんによりましては、これは国民の上に与える影響も非常に大きい。そこで西田大臣にお伺いするのですが、西田さんは、この問題につきまして警察の出動ということはやむを得ないものだ。従ってただいま福島長官の言われたように、警察を使うことはもうあらかじめ仕方がないことだというふうにして、あなたから福島さんに指示を与え、さらに福島さんから局長に指示を与えた、こういうことになっておるのですか。

西田隆男自由民主党労働大臣

○国務大臣(西田隆男君) 私は警察の力を使うことをやむを得ないという前提には立っておりません。従って本日の測量に行く者に対しましては警官隊を同道してはならない、護衛をつけてはならない、測量班だけおもむくべきである。しかし公務の執行をする段階において、公務執行が妨害されるという事実を確認した場合においては、連絡をとってその後警官隊の出動を求めて測量する場合もあり得るだろう、そういうふうな処置をとるようにということを昨日福島君に示達をいたしたのであります。その後のことにつきましては、私の伝えましたことによって長官が処置をしたものと思います。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 そういたしますと、今の西田さんのお話によると、きのうすでにそういう指示を与えておる、それで警官隊はもうすでに立川に待機しておる。で、けさの状況によるというと、調査隊は話し合いがつかないでもって一たん引き揚げた。で、午後もう一度出動する、こういう段階になれば、先ほど福島さんの言われたことから推定すると、あるいは警官隊の出動ということが、きょうもう今ごろ、あるいはもう少したってかから、現実の問題として出てくるんじゃないかと思う。私はまだきょうはそういうことにならないことを望むものでありますが、一体こういうような事態まで立ち至っておるのに対しまして、もう一度国務大臣の方において、あるいは長官の方において事態と検討して、そしてきょうは一応測量隊を引き揚げて、さらに最善の手段を尽すというふうにお考えになりませんか。それともきょうはもうぎりぎりおやりになる、そういうふうにすでに警官隊の出動を要請してあるということは、結局きょう中にやる、やらなければならぬという御決意であるのか、あるいはまだ余地があるのか、そこいらのところを一つ西田国務大臣からはっきりお伺いしたい。

西田隆男自由民主党労働大臣

○国務大臣(西田隆男君) お答えいたします。今日警官隊の出動を求めるか、求めないかということは、現地の情勢のいかんにあると考えております。強制収用の権限に基く測量を実施する上において、あしたまで待って話し合いがつくという見通しが調達局長にあれば、警官の出動はおそらく求めないだろうと考えております。しかしどうしてもいけないという判断を調達局長がしました場合においては、公務の執行に差しつかえのないだけのことはやらざるを得ないだろう、かように考えておりまして、私は必ずきょう中にどうしても警官隊の出動をしてでも測量を完了せよという示達は与えておりません。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 そういたしますと、もう今日すでに三時十五分前です。おそらくこれから警官隊が出動することになりまして、そうしてそのもとにおいて測量隊が測量をするといっても、これは暗くなるのはおそらく五時になれば暗くなってしまう。事実上時間的にみてもできそうもない。そこでこういうことは今日はおやめになってほしいと思う。夜になって乱闘なんていうことになりますと、これはとんでもないことだと思う。従って時間的にみても私はきょうはおやめになるように一つ指示を出していただきたい。少くとも包括的に警官隊の出動までしてもいいということを局長にいわれたのですが、しかし同時にやめさせることもあなたの方からできると思う。今日はおやめになるように一つすぐ指示していただけないかどうか、それを西田国務大臣にお伺いしたい。

西田隆男自由民主党労働大臣

○国務大臣(西田隆男君) 岡田さんは一方的に警官隊の出動のことばかりいわれるようですが、これは現地で測量を阻止する妨害の事実の程度のいかんにかかることと考えております。私自身そういうことのないことを期待いたしておりますし、時間は、勤務時間は五時までの測量の実施の申請になっておりますので、五時と申しますれば、そう暗い時間でもないのであります。あなたの御心配になるような事態が発生するという情報を現在受け取っておりませんので、時間一ぱい一ぱいやるのか、あるいは四時で打切るか、四時半で打切って帰ってくるかということは、現地へ行っているものでないと判断がつきませんので、調達局長といえば相当な責任を持っている人が行っておりますので、責任を持った人の判断に一応まかせるという以外に方法がありませんし、なお五時が近くなるまで、どうしても夜間になって紛争でも引き起すというような情勢であれば、それはその場合になれば測量を中止して帰ってこいという指令を出すかもわかりません。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 そういうふうに、東京調達局長の方に権限を御委譲になった。しかし今言ったように、衝突して警官隊の出動を要請しなければならぬような事態まであなたの方では予想されて事をはかられておった。しかし私はそういうような事態が起ってくるということになりますれば、先ほど申し上げましたように、これは国民の全体の上にも大きな影響を与える問題であるし、またこの問題が単に現地の関係者だけの問題ではないし、それから各地のやはり基地、今日の飛行場拡張の問題とも関連してくるし、また全体として基地問題についての大きな問題にもなると思うので、そういうような点からみて、このやり方についてもう一度御検討になる必要もありはしないかと思うのです。今日のところは、衝突に導くようなことはおやめになったらいかがか、重ねてお伺いしたいのであります。

福島愼太郎調達庁長官

○説明員(福島愼太郎君) 本日参っておりますが、午前中は引き揚げて参りましたし、午後出かけまして、これまたはじめから警官隊の出動を要請して参ったわけではありません。そういたしまして、現地で公務の執行をどうしても妨害するということになり、まあ御指摘もございましたように五時には暗くなるわけです。また五時には帰ってくるということになっておりますから、五時前に多少でも仕事ができるということであれば、いたして参ってくるでありましょうし、どうせもう時間がなくなって、できないということであれば時間は余してでも帰ってくると思います。非常識なことをしないようにするつもりで出かけて参っておりますので、その辺の間違いはないと思います。ただ、たとえば今日三時になっておる、五時までに時間がないから測量ができないということにはなりません。これは一筆調査でございますので、五十坪の地面もあれば、百坪の地面もあるということでありますから、従いまして、一筆ずつ調査をするわけです。それは一週間の予定にしております。一日の予定はまあ三つですか、四つですかということもあり得るわけです。一筆でも調査できればよいわけです。時間がないからというようなわけには今からはきめられないと思っております。地元の妨害が公務の執行を妨げるという事態にならない限り衝突は起るはずはないと考えております。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 地元の人たちが公務の執行を妨害しない限りそういう事件が起るはずはない。黙って引っ込めば、それで公務の執行妨害が起るはずはございません。しかし土地を死守する農民たちが、自分たちの土地を死守するのだということで、そういうような立場から行動しますれば、これは必然的に衝突が起るのであります。衝突が起ることを予想しなければ、あなたの方で警官隊の出動を要請しておるはずはない。立川にはおそらく千名か、あるいは千名以上の警官隊がすでに来ておるということを私は聞いておるのです。それほどの警官隊をすでに要請しておるということは、あなたの方ではちゃんとあらかじめ起ることを予想しているんじゃございませんか。それを予想して、それを押えてでもやろうというところに私は問題があると思うのです。先ほどもあなたは、もう物理的の云々ということを堀君から言われまして、これに対する答弁を濁しておりまして、もうそういうことは早くからお考えになっておるものとしか私には思われない。きょうは物理的に抵抗を排除する、そしてそれは公務執行を妨害する者を排除するのだ、そういう立場でやはり今から、二時間の間に強行してもいい、こういうお考えですか。

福島愼太郎調達庁長官

○説明員(福島愼太郎君) 公務の執行を妨害する者を排除していいという考え方です。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 そういたしますと、そのためにすでに警官隊を要請しておるということになりますれば、きょうのうちに少くとも一筆でもいいから調査を強行するという態度で臨んだとしか思われない。先ほどからあなたの言われておるところとはだいぶ違うようですが、やはりきょう中に一筆でも強行する、こういうことでお臨みになっておるのですか。

福島愼太郎調達庁長官

○説明員(福島愼太郎君) 公務の執行を妨害する者があれば、これは排除してでもやらざるを得ないときにはやるということであり、それを別の言葉で申せば、強行するという要請もあるわけだと思います。そういう事態はあるいは妨害の程度によってはあることがあるかもしれません。きょう中に一筆でもやって必ず帰ってこい。やらなかったら承知しないと言っているわけではないのです。きょう中に測量に出かけたのですから、でき得るだけ了解を取りつけるなり、談判をするなりして、警官隊の出動という事態に至らないように最善の努力をしてやってみろ。あくまでも妨害するということで警官隊の出動を要請をせざるを得ないのならば、やむを得なければ、それも仕方がない。先ほど時間の御指摘等もございましたが、今三時だから、もうやったところで測量はできないから、もうきょうは店をしまわれたらどうかというお話もございましたが、三十分でも一時間でも、でき得る仕事の量はあるはずだという意味を申し上げたわけです。きょう一筆でも必ず行ってやってこいということをのみ込ませて出かけて行ったわけではありません。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 西田さんにお伺いいたしますが、もう一ぺんきょうのうちにもなおやらすつもりであるか、それともきょうはもうここいらでもって事実上不可能な場合も起るから、衝突は避けるという意味でもって、あらためて指示を与えるおつもりがあるのか、どちらか、もう一度あらためてお伺いしたい。

西田隆男自由民主党労働大臣

○国務大臣(西田隆男君) さっきから福島君が答弁しておりますように、必ずきょう調査を、きょうの分だけはやってこいという示達は出しておりません。妨害なしに測量をやれるものであればやって帰るのが、これは当りまえであります。私としましては、さっきから岡田さん言われておりますが、妨害のあることを予測したから警官隊の出動を準備しておるのではないかと、そう言われますが、私は妨害があることを予測して、あるいはそういうことを伝え聞いたということによって警官隊を派遣してはならない、現実に了解を求める工作を今までもやっておりますので、本日調査に参ります場合にも、測量班だけを派遣せよ、そうして実際に測量に現地に行ってみて、どうしても測量ができないという場合が起きた場合、それを調達局長が確認した場合にしか警官隊の出動を要請してはならない、そのときにあらためて警官隊の出動を要請するという、かような示達が与えられておりますので、あなたの御懸念になりますように、妨害という極端な例ではないにかかわらず、測量を一筆でもやろうということで、警官隊の出動を求めて測量をやろうというほど非常識な調達局長ではないと考えております。従って時間的な関係は先ほどから福島君が言っておるようなことでございますから、本人が、調達局長がどういうふうに判断をしますかは現地におりますのでわかりません。三時になったら帰ってこいという示達は与えておりません。私最後に示達はまだ出すつもりでございます。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 ただいまのお話ですけれども、私は納得できないので、きょうこれから起るような事態を想像しますというと、これは私は不安であります。そこでいずれあなたの方で包括的に局長に指示を与えるとしても、おそらく局長の方から、警官隊の出動しなければならぬような事態があればあなたの方に報告が必ずあると思う。報告があった場合には、あなた方の方でその報告に対しまして、あらためて、これはそれでよろしい、あるいはそれで悪いとか、まあきょうはやめたらいいだろう、こういうことは言われるだろうと思う。ただ報告の聞きっぱなしで向うまかせということではないと思う。今まだ報告がないのかとも思いますが、もし報告がありました場合には、あなた方は、それではそれでよろしい、つまり出すということにあらかじめ承諾を与えて、あらかじめ指示をしてあるのだからその通りやらせるのだ、こういうふうにお考えですか、それとも、そのときの情勢を考慮して、きょうはやめろということも言い得ると思うのですが、それをおやりになるのかどうか。

西田隆男自由民主党労働大臣

○国務大臣(西田隆男君) それはあなたのおっしゃる通りで、今の報告の内容いかんによって、報告があれば判断をして私の方で善処することは間違いありません。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 善処する場合に、ぜひ一つ無理な事態が起らないように、そうしてきょうそういうことがこれから夕方にかけて起らないように一つぜひやってもらいたい。率直に言いますれば、きょう測量を強行することをやめてもらいたいということを私一言西田さんと福島さんに申し上げて私の質問を打ち切ります。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 九月の下旬の新聞に砂川初め一連の基地問題について評論家の亀井勝一郎氏が次のような一文を寄せておられるのでありますが、「責任ある地位の官僚の発言のなかには、ひどく挑戦的なのがあったことに私は驚いた。砂川の場合などことにそうであった。「こうなれば断固として押し通す」とか、「あくまで既定方針ですすむ」とか、これは戦前からの官僚用語であった。事件の性質によっては、そうせざるをえないこともあろうが、しかしこういう言葉を、少くとも砂川のような場合は官僚は最後まで口にしてはならないと私は思う。同じ日本人同士が血まみれになるような紛争が基地問題を中心にひんぱつするおそれがあるが、そのとき官僚は一体だれを「敵」とみなすつもりか。砂川の強制測量の報道や写真などみていて、私は寒心にたえなかった。そこには「取締りの対象」としての住民のみがあって、「苦境にある同じ日本人」といういたわりの気持は少しもみられない。」、この感情は心ある国民がひとしく持つ感情であると私は思うのであります。この点当面の責任者である政府はどういう御見解をお持ちでありますか、まず承わりたいと思います。

西田隆男自由民主党労働大臣

○国務大臣(西田隆男君) 亀井さんの例を引かれましたが、私不幸にして亀井さんの論文を読んでおりませんが、亀井さんのおっしゃるような考え方は政府としては毛頭持っておりません。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 それならば伺いますけれども、先ほどの副総理の御説明の中にも、条約上の義務を遂行するためにあくまでも地元に納得をさせて話し合いの上で事を進めるのだ、こういうことはたびたび繰り返されたわけでありますが、話し合いの機会というものが政府において親切に作り出されておるか、こういうことになりますと、新潟の場合でも、小牧の場合でも、あるいは砂川はもちろんのこと、参考人にここに来てもらいましたが、地元の代表の意見といたしましては全然政府は話し合いに応じておらない、あるいはまた政府の接収に対する態度にいたしましてもずいぶん違っておる。一、二の例を申しますと、調達庁の長官はある基地の対象にされておるところに対しましては、四百人のうちの三百九十九人が同意いたしておって、そのまん中におる一人が反対するという場合ならば強制収用ということも考えられるが、そのほかには絶対強制収用ということは考えられない、こう言っておる。あるいは根本官房長官は、強制収用というふうなことは政府としてはとらない、こういうことをはっきり言っておる。あるいはまた福島さんは、かりに強制収用というふうな問題が起ったときでも、客観的にも社会的にも認められるということが条件になる。あるいはそれ以外の場合におきまして土地の犠牲に対する政府の代案というものが、これも社会的に客観的に妥当なものだという裏づけがなければ強制収用ということは考えない、こう言っておる。あるいは地元の理解を得て円満に解決したい、このためには政府は相当の忍耐が要る、こういうふうにも発言しておる。ところがその後の西田さんの御見解、あるいは福島さんの御見解というものは、それとまるで違っておる。これは条約上の義務で当然法律に従ってやることであるから、何も一々地元の了解というものを得ることは要らないのだ、こちらの説明を聞かなければ聞かない方が悪いのだ、おれたちは力ずくでも取るんだ、こういう考え方に変っておる。これでは、初めはまるで地元の要求を十二分に受けて立つような立場をしておって、あとになれば政府は一方的に要求だけを押し通してくる。こういう政府に対する不信、地元民はこういう感情を強く持っておる。こういう状態で話し合いを進めようと言ったって話し合いはできるはずはない。こういう最初とこのごろとはなはだしく政府は折衝の態度というものを変えておるのであります。これについてはどういうふうにお考えになっておりますか。

西田隆男自由民主党労働大臣

○国務大臣(西田隆男君) 加瀬さんは何か私が考え方を変えておるとおっしゃいますが、私はちっとも変えておりません。ただいま加瀬さんが例にお引きになりましたところの四百名のうち三百九十九名が賛成し、一人の反対があった場合には強制収用をすると言ったということですが、それは福島君じゃなくて私が閣議でそれに類似する発言をしたことがございます。その発言の内容は、四百名の関係者があって、三百九十九名が賛成されても、もしその土地のまん中にたった一人の反対した土地があったとしたら強制収用はやらざるを得ない、こういう意味で言ったのであります。四百名のうち三百九十九名、一人だけ反対があったから強制収用するという意味合いにおいて言ったのではありません。私の閣議における発言がそういうふうに伝わっておるかもしれませんが、福島君がそう言ったかどうか知りませんが、一言だけ弁明しておきます。先ほど申し上げましたように私の考え方は変っておりません。加瀬さんは強制収用、強制収用と言っておられますが、現実に小牧、横田などは話し合いを進めて、個人個人に当りまして折衝を現在進めておりまして、強制収用をやらなくても基地の拡張は、飛行場の拡張はできると判断しておる。たまたま砂川の問題がこじれまして、はなはだ遺憾ではありますけれども、現在のような強制測量をしなければならないということになっておりますだけでございます。その点は一つ御了解願っておきます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 こまかいことはとにかく、言い違い、聞き違いということもありましょうけれども、そのままあなたの御弁解を承わっておきますが、しかし根本的な態度が、初め基地問題を委員会で取り上げたときには、内閣を代表して出られた官房長官は収用法というふうな問題も全面的にそれをやることによって、かえって重大な結果が生ずるような場合においては、その紛争のままに措置することはいたさない、こういう発言をしておられる。あるいは今日といえども、どこそこの飛行場をいつまでにこれだけを拡張する、提供するということは閣議で決定しておらないので話し合いの幅があるということを言っておられる。その立場と今のお話ではまるきり違っておるのではありませんか、私はこれを言っておる。

西田隆男自由民主党労働大臣

○国務大臣(西田隆男君) それは官房長官のいつごろの話か知りませんが、加瀬さん御承知のように、内閣の基地拡張に対する方針を発表いたしております。八月五日でございますか、その中ではっきりしたことが、場所も書いてありますので、その前に官房長官が言ったことを加瀬さんは引用されているのではないかと思います。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 これは御指摘のように七月十四日であります。しかし内閣としてそういう正式な発表ができて、八月の七日になって今のような強い線に変ってこなければならない理由が国民に対して何ら説明されておらない。また八月になってから基地問題が急に要求されてきたわけではない。これはもう二十二国会の始まった当初から、たびたびいろいろな委員会で問題になったことなんです。それでそう日も違わない間に、そういう非常に強硬になってきた政府の態度というものは、それは強硬にならなければならないような客観情勢が生まれたのではなくて、初めから基地に対する条件というものがきまっておって、それを国民に対するゼスチュアで、初めはいかにも国民の要求にも話し合いにも応ずるようなふうに接して、最後の段階にきばをむきだした、こういう印象をわれわれは受けざるを得ない、この点どうですか。

福島愼太郎調達庁長官

○説明員(福島愼太郎君) ただいま御引例になりました事態はいろいろあるのですけれども、それは政府の立場と言いますか、こういうふうに若干の相違のある点はあります。それは時期が違うからであります。初めの方は話し合いを十分にして、大きさその他についても地元の間に談判もし、大きくすることはないかもしれませんが、だんだんに縮小するとか、あるいは代案を考えるとか、いろいろなことで変って参った例の方が多いわけです。たとえば横田のごときも、初めの計画の二十何万坪という拡張案を地元の要望に従ってだんだん縮小する、一五、六万坪になり、さらに地元の要望によって五、六万坪は替地をこしらえるということになって、初めの計画に対して現実の地面の大きさは半分以下になる。小牧の場合でも、三十万坪を二十二万坪くらいにする、こういう交渉によってだんだん変って行ったわけです。そういう話し合いの初期におきましては、政府としても小牧の飛行場の拡張をする、横田の飛行場の拡張をするということ自体はきめてかかってきておっても、それをどういう坪数でやるか、どちらに向けるかということは修正の余地ありということで相談をしておったわけです。ところがだんだんそれが固まって参りますと、横田の事例で申しますならば、地元との話し合いが完全に済んで、それならばよろしいという時期に閣議決定をいたしたわけです。砂川の方は話をしないと初めから言うわけなんです。それを無理やりに話をしました時期もあるわけです。話し合いの機会を政府が与えなかったというはずはない。私のごときは何日も何日も砂川まで出かけて夜中までつるし上げをくった。政府が話し合いの機会を与えなかったということは言わせないわけです。従いまして、そういう時期を経まして固まってしまったときからは動かなくなるわけです。従いまして、今日収用認定なり、具体的に何万坪についての閣議決定というものをいたしましたあとには、それに基いてやらなければならないというきまり方をしているわけです。それに至るまでに地元に相談をしかけたわけであり、その相談の成功したところの方が多いわけです。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 私の言っているのは、そういうさまつなことではないのです。伊丹にいたしましても、小牧にいたしましても、新潟にいたしましても、ここへ来た参考人は調達庁長官のところまで行って話し合いをしようと思っても、あなたに拒否された、こういうふうに証言をされたのです。あなたはそこにいて何ら弁解も答弁もしておらない、そういう過程があった。そういう一つのことが基地のものにどう響いておるか、そういう感情というものをほぐさないで、政府が急に硬化したような態度で臨んでも、話の円満な解決ということは生まれてこない、そこを申し上げておるのです。時間がありませんから次に進みますが、それならばこういう点は一体どうなんです。条約上の義務ということをあなた方は言う。たしかに条約上の義務というのは国民としても大事だ。重光さんのおっしゃる通り、やはり国際信用の上からも条約上の義務は履行しなければならない。しかし政府には国民の権利を保護するもう一つの大きな義務がある。ところが代案を出すというふうなこと、権利に対する代案を出すというようなことを調達庁長官は述べておっても、砂川なら砂川の問題をとっても住民に納得し得るような代案がどうできているか。木更津にしても、新潟にしても、代案というものを政府が先に示して、こういうわけで国民の権利を守るのに懸命なのだ、これで了解してもらおうという、国民の権利をまず守ろうという政策はそこに打ち出されておらないではないか。あるいは打ち出されておっても、条約上の義務を守るというウエートをおけばかすんで見えない。こういう国民に対する態度が、一体ほんとうの国民の権利を守らなければならない政府のお立場を国民に納得するように訴えておるというふうにお考えになられますか、この点どうですか、大臣に一つ。

重光葵日本民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) 条約上の義務は当然守らなければならない。国民もこれは条約上の義務を国家が負うた以上は、これは守らなければならぬということをお認めになっての議論はまことに私はその通りだと思います。しかしむろん政府としては条約上の義務を守る上において、利害関係者の利害というものを十分に考慮し、またそれに対して措置をとらなければならない、これは当然のことであります。そうでありますから、それらのことに対しては日にちをかけても十分納得し得るようにやるべき問題だという方針をきめて進めているわけでございます。しかし話し合いで結局どうにもならぬということになりますれば、国家の負担をしている義務を遂行するために、いろいろそれに対する必要な手続がございますから、その手続によってそれを進めて行くというよりほかに政府としてはやる方法がございません。ただしそれについてすべての場合において、国民一般の理解の行くように、あらゆる努力をして進めて行きたいというこの方針は終始変らぬところでございまして、この席でいろいろ関係当局の説明によっても御了解になると思います。ずいぶんその手続は尽していると、政府は判断せざるを得ないのでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 ずいぶん尽しているとおっしゃるけれども、具体的に砂川なら砂川の農民たちを満足させるような代案をどう作ったか。新潟なら新潟の対象になっている国民を満足させる代案をどう作ったか。それどころじゃない、あなた方はこういう発言をしている。話し合いによる土地の提供は値段が高いから収用分は必ず安くなる、こういう政府の意思表示をいたしている。これは同一物件が、政治的な配慮によって高くなったり、安くなったりするということで、これではわれわれは国民が憲法に保障されておりまする基本的人権、平等権ということを政府が破っているということになるのじゃないか。こういう発表をいたしておって、われわれに親切丁寧に納得の行くように言っているのだと言ったって、ただ口先だけでそういうことを言っておって、逆に裏ではこういうおどかしを言っておっては、話し合いがまとまるはずがありませんが、これは一体どうですか。

福島愼太郎調達庁長官

○説明員(福島愼太郎君) それは収用手続の方が安くなるとか、高くなるとかいうようなことで、親切丁寧に収用というわけにはこれは参りませんのでして、収用になれば収用委員会の決定ということになりますので、われわれの権限に属さないのでございますから、収用委員会がいかような裁定を下して、幾らということになるかということは、私ども保証ができないのです。従いまして……。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 そういうことを聞いているのじゃない。

福島愼太郎調達庁長官

○説明員(福島愼太郎君) ですから違うのだ、違えば高低もできる。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 そういうことを聞いてるのじゃない、それくらいのことは当りまえのことだ。初めからお前の方は言うことをきけば高く買ってやるし、言うことをきかなければ収用法にかけて安くするというおどかしで国民に接しておって、それで親切丁寧に納得の行くような方法を講じておりますと、どういう顔をして言えるか、これで国民に対して親切を尽したとあなた方は言い得るか言えないか、そういうことを聞いている。副総理に御答弁願いたい。

重光葵日本民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) そのいきさつについていろいろ御批判がございました。そういう御批判は十分にわれわれも伺わなければならぬのでございます。しかし政府としてあくまで納得をする方法でやろうという、その精神は終始貫かれていると、私はこう見ます。それは見方がお前の方の間違いだというおしかりでございます。でございますから、その何は十分にわれわれも注意はいたしますけれども、この上とも注意はいたしますけれども、しかしできるだけの手段は今日まで尽していると、こういうふうに私は判断をしているわけでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 それでは外務大臣である副総理に重ねてお尋ねをいたしますが、二十二国会の七月の二十八日の当委員会におきまして、私は国民感情がアメリカの基地拡張ということに対して非常を反撥を示している、この問題についてアメリカに反省をしてもらわなければならないと思うのだが、外務大臣はどういうお考えかと、こういう質問に対して、重光さんは、国民感情の悪化が基地問題等においてあるから、これらについては反省すべきはアメリカ側に反省をさすべきだ、こういう御意見に対しては私はその通りだと思う。しかしながら、条約上の義務を履行するように国民にも理解してもらわなければならない、こういう説明を加えて、最後に「最善を尽した上で、いろいろまだ日本国民として不便なところもありましょう、それは事実でありますが、そういう点において十分アメリカ側にも協力の意味において理解していただくということは、これは必要なことだと思います。」、こうお答えをいただいた。その上で日米交渉におもむかれたわけでございますが、この基地問題について、日米交渉の間で、国民のアメリカに対する感情あるいは基地に対する感情、そういうものをどういうふうにお話し合いをいただいたか。具体的に申し上げますと、日本の基地設定に対するアメリカの基本方針というものがどういうものであるというふうにお尋ねいただいたか、あるいは日本の国内事情というものをどう御説明いただいたか。この間の話し合いというものについて、どうしても現状のような基地拡張をしなければならぬという御結論がどうしておできになったか、この間の事情はその後御説明をいただいておらないので、今あらためて伺いたいのであります。

重光葵日本民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) 私は渡米をいたしました際に、アメリカの当局者と正式の会談におきましては、具体的の基地問題等に関する具体的の問題を討議するに至りませんでした。一般的の日米協力関係については十分に意見の交換をいたしたわけでございます。しかしその正式の会談以外において、基地問題等においても先方といろいろ話をする機会はございました。そこで私はこの基地問題が今お話の通り、これは条約上の義務としてこれはやるのであるから、私は米国側に対しては、条約上日本が負担しておる義務はこれは誠意をもってその実行を期するということは十分に説明をいたしました。しかしその場合において、日本国内においても、また日本国だけじゃない、どこにおいてもそういう問題が、困難な問題が国内においてあるのであるから、それについては米国側も十分に一つ理解を持ってもらって、そうしてたとえばその時期の問題等について非常にこれを切迫したように考えてもらったりしてはいかぬと、あらゆる忍耐をもって一つわれわれの尽すべきところを尽さしてもらいたい、そういうことで、向うもそれはむろんのことである、そこで一つ十分協力をしよう、こういうような大体の双方の話し合い、理解で今日まで進んでおった。また今お話を伺っておる私の言明でありますが、その趣旨でずっと参っております。そこで先ほどの話に戻りますが、それじゃお前たちはどうも十分に力を尽しておらぬのじゃないか、こういう御批判でございます。しかしこれは私どもがほんとうにこの問題を誠心誠意、国民関係者の利害を考えてやっておる今日の方針でございまして、それは私は大体において貫かれておると一般も思っておるのじゃないかと、私はこう判断をいたしております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 貫かれておらないから、こういう問題がさっぱり解決をしておらない。また重光さんがお帰りになって基地問題が幾らか日本の条件がよくなったということもないわけです。しかし時間がありませんから、それを省きまして、あと個条的に幾つかの問題を伺います。オネスト・ジョンの持ち込みの問題でありますが、今わが国は外交上日ソ平和交渉でありますとか、日中賠償交渉でありますとか、非常な重大な問題に当面いたしておると思う。こういう時に日本の外交交渉の相手方の国に、日本の防衛力は強化されておるという印象を与えるような措置が国内でとられるということは一体好ましいことか、こういう点が一点。第二点は、原子弾頭を日本に持ち込まれていない、こうアメリカは発表いたしております。将来とも原子弾頭を持ち込まないとは言っておらない、かえって将来は持ち込む可能性というものが裏づけられておる。そうすると、日本本土が原子戦の戦場になるということも予想されるわけです。オネスト・ジョンというものはそんな大したことはないかもしれませんが、原子兵器の戦場になる糸口をつけたということは重大問題だと思う。なお砂田さんはこういう点において、さらに日本の自衛隊でオネスト・ジョンを使用したいと言っておられるが、それならば今後の日本の防衛態勢というものは、原子戦争に立ち向うという態勢を作るのか、こういう点を明確にしてもらいたい。第三点、アメリカの見解によると、今までの射撃訓練場のどこもオネスト・ジョンの発射場に使えるという、そのために非常に各射撃場の、アメリカの射撃場を持っておる地区では物議をかもしております。千葉県のごときにおいては、県議会で豊海射撃場でオネスト・ジョンを使用することは絶対に反対するという決議までとり行なっておる。そこでオネスト・ジョンの一体射撃場というものを、政府はどこにしようと思っておるのか、あるいは今引いた例のような地区で、強い反対のあるところを、今度こそは基地の問題とは別に地方の意思を取り上げてくれるのかどうか、これが第三点。第四点、オネスト・ジョンの問題とは離れますが、これは西田さんにも防衛庁長官にも関係のある問題でありますが、先ほどの問題にも返ることになりますが、福島さんは、もう政府のやり方は至れり尽せりだという御態度でだいぶお強い。しかしそれは国民に奉仕する公務員の態度ではないと思う。なぜかというならば、豊海射撃場においては、地元は砂川以上の効果が爆発寸前にある、それは海上補償は幾分か行われておっても、一番影響のある陸上補償というものは全然行われておらない。これは科学的なデーターに基いてたびたび陳情をしておる、陳情をしてありますけれども、解決はなかなかひまがかかって、いまだ糸口が見つかっておらない、こういうふうなことを続けられておりましては、政府に対しまして信頼を持とうと国民が思いましても持ち得なくなるわけです。こういう具体的な問題は所々方々にあると思う、基地あるいは射撃場、こういうふうなものに関係する具体的な問題を、政府はいかように解決しようという御対策をお持ちであるか、この点について伺いたい。以上であります。

重光葵日本民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) オネスト・ジョンの武器を日本に持ち込んだということに関係をしまして、こういうものを持ち込んで防衛力を増強する、こういうことはいかにも今、日ソ交渉もやっておるし、そのほかの国々に対する関係上おもしろくないじゃないかという点が第一点だと思います。(加瀬完君「好ましくないじゃないか」と述ぶ)私は日本が独立国として国防について十分に独立を完成するために努力をするということは、これは外交上むしろ適当なことであると考えております。しかしこれはたびたびこの席でも申し上げたと思いますが、何も外国に対して侵略はおろか、挑発的なことであってはならぬ、また、そうでないということで国防という観念をわれわれは了解をいたしております。自衛軍の建設ということも全くその意味であります。自衛の準備がなくして、備えなくして、私は一国としてりっぱな外交はできぬように考えます。これは何も強硬論だとか、何とかいうことでは少しもございません。われわれはあくまで平和的の外交を推進して行くのであります。そのためにこれは障害にはならぬ、むしろ助成的のものであるとすら考える次第であります。オネスト・ジョンの持ち込みについてこのお話しも次にございました。これはオネスト・ジョンは専門家の意見を聞きましても、普通の兵器に属する性質のものであることが明らかでございます。さような普通の兵器は、従来の慣例によって持ち込みは行われておることでございますが、しかしいろいろな重要な問題、重要視される次第でございますから、そういう問題についても十分情報は向うに要求したいと、こう考えております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 今持ってこられてしまっているじゃありませんか、今さら要求してもしようがないでしょう。

重光葵日本民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) 私は将来のことを、それは将来のことじゃないですか。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 現状持ってきているじゃありませんか、これはおかしい。

重光葵日本民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) 通常、普通の兵器を持ってきているといって答弁しているじゃありませんか。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 この前の国会で要求しているとお答えしているじゃありませんか。

重光葵日本民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) この前の国会には、自衛のためであるか、ないかということを判断をして申し上げておる、それは将来のことであります。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 あとから質問いたしまいす。

西田隆男自由民主党労働大臣

○国務大臣(西田隆男君) オネスト・ジョンを駐留軍の演習地でどこでも撃てるじゃないかという御質問に対して……。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 アメリカが持ってきておるけれども、一体どこでやらせるのか、やらせないのか。

西田隆男自由民主党労働大臣

○国務大臣(西田隆男君) それは演習場提供の基地条件の中に、今のオネスト・ジョンを持ってきて撃つということは抵触しない、こういうふうにわれわれは解釈いたしております。従って駐留軍の演習場のどこで駐留軍が使用するかということは、私たちの方にはあまり関係のないことでありまして、現地と調整すべき点があれば、現地と調整をして撃つということになろうかと考えております。それからその次の問題としまして、豊海の海の方の補償はできておるが、陸の方ができてないじゃないかという御議論、これは私の聞いておりますところでは、かわらが爆弾その他のために二十年もてるものが五年とか十年とかですべる、ゆるんでくるというのが懸案になっておる。この問題につきましては、専門家の人々に御協議願いました結果、そういうこともあり得るであろうという結論が出ましたので、調達庁としまして、その方針に従って現地側との交渉をして、早期に妥結いたしたいと、かように考えております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 委員長……。

新谷寅三郎緑風会

○委員長(新谷寅三郎君) ちょっと待って下さい。防衛庁長官の答弁要りませんか、今あなたが要求しておられた。

砂田重政日本民主党防衛庁長官

○国務大臣(砂田重政君) 今、外務大臣から御答弁になったから、それでいいのじゃないですか。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 オネスト・ジョンは普通の兵器であって原子兵器じゃない、だからどこの演習場で射撃しようとも勝手だと、政府の御見解は以上のようでございますが、この前の二十二国会のときに、委員長から、オネスト・ジョン・ロケット砲は広島や長崎のような原子破壊力を持つものであっても、自衛のためならば政府は受け入れるのかという念を押したはずだ。それに対して原子破壊力を持つものでも、自衛のためなら受け入れると政府は答えられた。そこで今持ってこられておるオネスト・ジョンは、これは原子弾頭を持ってきておらないけれども、原子弾頭を持ってくることは当然なんだ、これは原子弾頭の使える兵器なんだから、原子兵器であるということは、これは常識なんです。そうなって参りますると、将来原子戦争の戦場に日本がなり得るということも考えなければならぬ。こういう糸口を、今持ってきておるオネスト・ジョンの持ち込みによってそういう糸口を与えたことになる、これに対して政府は一体どういう見解を持っておるのか、砂田構想によれば、自衛隊もオネスト・ジョンを使うということであるが、それならば原子戦争に立ち向うだけの原子兵器を持つということになり、ラッパもここまで大きくなるとわれわれはうなずけない、それで聞くのです。それに対して、国民がオネスト・ジョンというものに対して非常に心配しておるのに、今持ってくるのは普通兵器だ、こううそぶいておられるとするならば、私はあまりにも政府は国民に対して不親切だと思う、こういう点なんです。

砂田重政日本民主党防衛庁長官

○国務大臣(砂田重政君) 大へんオネスト・ジョンを御心配になっておるようであります。(「心配しますよ」と呼ぶ者あり、笑声)オネスト・ジョンが好ましいか、好ましくないかということが劈頭の御質問であります。好ましいとも思いません。しかしながら、好ましくないとも考えない、できておる空鉄砲が来ておる。原子爆弾を、弾頭を持って来ない以上はこれは外務大臣の言われる通りに他の武器とも変らないとも言える、しかし弾頭がくれば、これは原子兵器とも言えるわけであります。で、私は何かこれを持ってきて、このオネスト・ジョンを駐留軍の方でもらって、そして原子兵器にこれを使うという放言をしたようなことを言われましたが、さようなことはかつて言ったことはありません。そういう放言をしたこともありません。それはあなた一人言われておる、(「どういう放言をしたか、今まで」と呼ぶ者あり)これは私の申したのは、この兵器のごときは最も研究しなければならない大事な問題であるから、できる限りはこの兵器をもらって十分研究したいということを申したのであります。従ってこれを日本の国で現実に直ちにこれを演習に使うとか、弾頭を持ってきてやろうというような考えは今日毛頭持っておりません。で、こういうふうに原子兵器で、原子爆弾を持ち込んでくることがないと断言ができるかと言われますと、これは両国の間の約束によりまして、非常有事の場合を除くのほか、こういうものを持ってくることは日本が同意せざる限りはくる気づかいはないのであります。この点は御了承を願いたい。しかしながら、事重大になってきて、日本の国に今現実に侵略を行うものが現われてきたときに、これは日本を防衛するために持ってこないと断言はできません。それはできませんが、そういう点はこれは政治的に解決の道があると思いますから、私が今申し上げておるのは、この原子弾頭を持ってきて非戦闘員に至るまでを犠牲にするような、広島や、長崎のようなものにこれを使おうというような考えは毛頭ない。いわんや国内においてこれを使おうというような考えはない。ただ今日は弾頭も何もないのですから、ないものは、すなわち空鉄砲なんですから、空鉄砲を持ってきて、その先の方の原子爆弾のかわりにコンクリートの固まりを入れて撃ってみるというのなら空鉄砲とあまり違わない、これは皆様の中にはごらんになった方もありましょうが、大砲ほどの音もしないくらいのもので、大して心配するほどのような問題ではない。それよりも私どもの一番恐れているのは、オネスト・ジョンという、そういう非戦闘員までも侵すようなものから、順次世の中が進歩して、今日は原子力というものがすべての産業に使われるようになると、この次には戦争にそういうものを利用するような小型のものがだんだんにできてくるのではないか、もはやオネスト・ジョンなどというものは、これは時代遅れのものであるから使うものではないのではないか、そういうものを持ってこられておるが、そのあとにくるものはいかなるものがくるかということを考えますると、原子兵器としてもこれは研究をしなければならぬ大事な問題である、こう私は考えております。で、これらの点に対してまだ日本には原子力の施設もようやくこれから緒につこうかというところでございますが、こういうものをすべて閑却して、よそ事のようにはしておれない状態にあるということを考えまするから、できる限りこういう新兵器については、これだけではありません、あらゆる誘導弾その他のものもアメリカにただいま要求をして、できるだけ日本に持ってきてもらって、これを研究したい、こう考えております。これは原子兵器ではないので、その他の科学兵器についても十分の研究をして、一朝事があるときに備えるだけの装備を持つことには十分の努力をいたしたい、かように考えておる次第であります。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 藤田さんのを三十分ばかり回してくれるそうですけれどもいいですか。

新谷寅三郎緑風会

○委員長(新谷寅三郎君) ちょっと速記を止めて下さい。   〔速記中止〕

新谷寅三郎緑風会

○委員長(新谷寅三郎君) 速記始めて下さい。

藤田進日本社会党

○藤田進君 先ほどオネスト・ジョンに関連いたしまして、質問の答弁がかなり重要な問題を含んでいるように私は聞き取れたわけです。防衛庁長官のおっしゃるのを要約すると、日進月歩、要するに兵器は質の進歩があるので、ことに原子兵器はどういうものが将来できるかわからないと、これに対応するためにはあらゆるそういった面の検討をしなければならぬ、この一環としてオネスト・ジョンをもらい受けてこれも研究したい、あるいはその他のロケット云々と、こういうふうに要約できると思います。そうだと思いますが、よろしうございますか……。しからば、そうだとすれば、ちょうど日本の防衛関係について中心をなすのは近い将来原子兵器と、こういうふうに考えるわけですか、そのようにとってよろしうございますか。

砂田重政日本民主党防衛庁長官

○国務大臣(砂田重政君) 私は原子兵器ということには考えておりません。しかし原子力というものがある限りは、これをいかなるものに利用するものが起るかもわからないという時代にある以上は、これに対する対策を講じ、これに対する知識はやはり防衛隊で持たなければならぬものであると、こう考えております。これから先の戦争は原子兵器に限るというような考えは毛頭持っておりません。

藤田進日本社会党

○藤田進君 その問題わかりましたが、しからば、今いろんな兵器の進歩で引例されたのがオネスト・ジョンで、これを借り受ける、またロケット弾、こういうふうになって参りますと、原子兵器に対応するいくさのいわゆる防備としてあなたが用意せられる中心が、あるいはあらゆるこの放射線等に対抗するような研究、いわば防衛的なですね、地下室なり、あるいは防空壕の構造なり、そういう引例でないものですから、そうでなしに、直接これに刃向う、対抗するために立つということであれば、自然原子兵器に対抗して、向うが三マイル飛ぶ原子兵器を持つならば、こちらは三マイル半以上の弾着距離を持つものが必要でしょうし、どう聞きましても、そういう点がそれが中心になるというのが、私の質問が悪ければ、そういうやはり原子的なものを取り入れなければ対抗できないと、そこまでもうすでにこの軍備計画が来ておるのだという印象を受けるわけです。わが国の場合には、そういたしますと、原子兵器に関連するものは全然防衛隊としては考慮してない、原子関係のお考えはない、こういうふうにはっきり言い得るというのかどうか、お尋ねいたします。

砂田重政日本民主党防衛庁長官

○国務大臣(砂田重政君) ただいまの現在の程度においては、日本が原子兵器を持つ、これに対抗しようという考えは持っておりません。で、これに対してのいわゆる防衛をする上におけるいろいろの研究はしなければなりません。現にしつつあります。それはありますが、しかしながら、そのために永久に原子兵器に関する問題を研究しないでおくということはできません。だからそれは一定の時期になり、日本にも原子力ができるようになった時期に研究すべきもので、ただいまのところではそれに対する防衛がまず第一であると考えます。それから、もしあなたが私の答えを原子兵器によるものだというふうに印象されたということでありましたなら、その点ははっきり申し上げておきますが、現在の程度において原子力を用いた装備を持ちたいという考えは毛頭持っておりません。このことをはっきり申し上げておきます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 そういたしますと、日本に現在平和利用ということで諸般の原子力研究とこれが製造等について進んでおりますが、まだそういう過程にあるので、日本では……。だから原子力の問題はもう少し進んだときには、それは考え直さなければならぬけれども、現段階ではそういう考えはない、こう理解してよろしゅうございますか。

砂田重政日本民主党防衛庁長官

○国務大臣(砂田重政君) ええ。

藤田進日本社会党

○藤田進君 それでは、図らずも平和利用ということで進めるこの原子力問題が、その段階では自衛隊にこれが取り入れられるということは、ここに明確になったわけですが、当面の検討せられている中のオネスト・ジョンについてみましても、先般本院の本会議でも問題になりましたように、いわば無警告、無了解でもって一方的に持ち込まれてきたのであります。将来もどういうものが持ち込まれるかわからないが、当面原子弾頭の問題が世上いろいろ問題になっているわけですが、これとても一方的に持ち込むかもしれない。今の御説明を聞きますというと、要するに空鉄砲なんだということでわれわれは安心してよさそうに思いますけれども、しかし過去の事例なり、あるいはものの道理から、銃砲、火薬、刀剣類の所持が禁止されている。しかしそれはやはり単にピストルを持っているということが悪いのでは本来ない。元来それが飛び道具になって人畜に危害を及ぼすという、こういうところで、たまがないのだから、空鉄砲だからということでは許されていないはずなんです、国内法でも許されていない。これは同様であって、ましてや全然一方的に処理せられる外国の軍隊が何を持ってくるかわからない。こういうオネスト・ジョンについてはもう少し国民が安心できるような外交なり、また防衛庁におかれても関心を持っていただきたいと思うのです。  次にお伺いいたしたいのは、私は防衛問題が本日の主要な課題であるようですから、これと離れたくないのですが、外務大臣兼副総理にお伺いいたしたい点は、やはり何と申しましても将来の防衛ということは、取りあえずあの第二次大戦の処理、こういう点からやはり出発せられなければならぬであろうと、そういう意味合いで一つ日ソ交渉の問題を若干お尋ねいたしたいと思います。先ほど同僚委員の質問に対する御答弁を聞いておりますと、まだかなりわれわれは日ソ交渉に大きな内容的な期待を持ってしかるべきかのような印象を受けるわけであります。いろいろ伝えられておりますが、しかしわれわれ真相が全然わかりません。われわれの政党の党首にも松本全権からお話があったようですが、しいて私もこれが公表さられる筋合いでないということであるのでただしておりませんが、しかし私の全体の印象からこれを要約いたしますと、まずマリク全権が途中でどういう態度で立ったか知りませんが、要するにロンドンから離れ、さらに今回また交渉場でありまするロンドンから離れている。で、外務大臣の先ほどからの答弁によりますと、とにかく相手がいなくなったのだ。相手がいないので交渉ができない。留守だから松本全権もこちらへ帰っていろいろ報告をしているということであります。こういうことは他からも若干聞きましたし、ソ連に直接参った議員団の諸君が、あるいはフルシチョフ、あるいはブルガーニン首相等に会ったその事情が、これは民主党の議員の手記によって、これは新聞にも発表されております通りでありますので御承知だと思います。それによれば、要するにこれ以上どうにもならない。のむか蹴るか、日本の態度いかんだ、これはのめば早く諸般の問題も解決するし、われわれよりも日本が利害が大きいんじゃないか。ドイツではどうだ、アデナウアーが来てわずかの間に解決して帰ったじゃないか、こういう言い分のように聞える。またこれと前後して、松本全権が日本に帰られて、第一声、談話といいますか、その時期はわかりませんが、私は新聞の報ずる限りにおいては、実はもうぎりぎりまできているのだ、要するにわれわれがここで最後の腹をきめるかどうかというどたんばにきているという発言でありました。ところが一方国内の、たとえば放送討論会などを聞きますと、まだまだ日本においては国民世論の背景というものが、あるいは松木さんに言わせれば、政治力の背景というものがあるというふうに、同一人なり同一政党なり、そういったところから多面的な事情が発表されている、いずれが真なるかわかりません。あなたこそほんとうにこうだということをおつかみになっていると思うのです。この委員会を通じて、一つガラス張りとまでいかないとしても、もう少しわれわれに真相がわかるように、ひいては国民も全般がつかめるように御答弁願いたいのですが、そこで具体的にお伺いいたしたいところは、今ソ連が提案している一連のものがあろうと思います。日本が主張している一連のものがあろうと思う。その間においての折衝が進んで、今きている、こうなってきますと、結局ソ連の皆さんが言うように、もうここらで乗るかけるかの腹をきめるかどうか、技術的にはそれは交渉だ交渉だといって粘りでぐずぐずやっていく等、外交場裏における技術はございましょうが、しかし今もちろんここで、この委員会で言われたから、この交渉がだめになるとかいうそんなような事態じゃないと思いますけれども、一体まだ交渉が続けば、この交渉をぶちこわさないで、しかも続いて、しかも今言われているようなソ連が主張しているような内容よりもまだ前進するという見込みがあるのかどうなのか、まずここのところをお伺いいたしたい。

重光葵日本民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) 日ソ交渉の経緯及び現状は、私は先ほど相当こまかく申し上げたつもりでございます。今御質問の第一点、すなわちわが議員諸君がモスコーに行かれて、向うのソ連の総理並びに党書記長の意見を聞き、またこちらの側の意見も向うに伝えたわけであります、そのとき先方の言うのには、もうこの辺でぎりぎりのところにきておるのだとか、日本がソ連の言うことを聞くか聞かぬかによってきまる、そうでなければ、抑留者の問題も解決しない、こういうような趣旨のことを向うから言われたことは私も詳細報告に接しております。その状況はソ連の新聞にも詳しく発表されております。それはことごとく日本側において研究もいたしております。しかしそれはソ連側の外部に対する意見の表示でございます。そしてその意見の表示はむろんこれは重要な意味を持っておりますが、しかしソ連の立場を世界にと申しますか、外部に公表したものであることは争うことができません。この発言を研究してみましても、結論は何かというと、できるだけ早く日ソ交渉をまとめたいということが結論のようであります。ロンドンの日ソ交渉を全然無視するというようなことは少しも言われておらぬようでございまして、私はもしそういう意味で気持の表示であるとするならば、私も実は同様な気持を表示したいのであります。なるたけ早くこれは妥結に導かなければならぬ。しかし日本側としては、今意見の相違がある点をソ通側で十分認めて、日本側が正当と主張するところを認めてくれれば、これはすぐまとまることでありまして、同じことを向う側に公に私は言いたいのであります。しかし交渉のことでございます。相手のあることでございますから、向うにもそういう気持であるならばロンドンにおいて両方の正式の全権が交渉しておるのでありますからそれを進めて行って目的を達するようにすべきであるというのが私は現状としては最も常識的な考え方であろうと、こう考えております。それからまた、それでは今これから交渉の余地が全然ないのか、イエスかノーを言わなければならぬのかという点についての御質問については、私はこれからまだ十分双方の主張を調整し得る余地が残っておると、こう考えます。それは先ほども御説明をいたした通りに、この会談が今とぎれておるのは両方がもう交渉の必要がないといって別れてしまっておるという関係でない、先方の全権の不在ということが主たる原因になって今日とだえておると、こういうことでございます。実は正確に申しますと、とだえておるわけではございません、代理者において進められておるというわけでございますけれども、実際においてはこの主要な問題は取り上げられていけないのでありますから、向うの用意のでき次第にこちらも従来の考え方通りにこの交渉を進めて行こう、また進めて行き得るわけでございます。そういうような工合にして十分主張を尽して、そしてなるべく早期に目的を達っそう、すなわち日ソ国交を正常化したいと、こういう方針で進んで行くのがわが方の態度でありまして、これは最も常識的であると、こう考えます。私は決してそうこの問題について悲観をしておるわけではない、その必要はないと思います。十分に一つ努力して、さらに行く余地があると、こう考えておる次第でございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 もう十何分しかないようですから、簡単にいたしますが、そういたしますと今国民の世論として、こんな方法でこれが集約せられつつありますし、もちろんこのことは十分大臣のところにも反映して行かなければならぬと思いますその国論の帰一するところは十分がんばれるだけがんばってもらいたい。しかしこれが要するに失敗に終って外交交渉場裏においてはもう話し合いの余地がなくなってこういういわばぶちこわしなことはこれまた望まない、これはたしかにむずかしい芸当でありますけれども、かなり後者の方にこわれない範囲においてがんばってもらいたいということではないかと思う。ややもいたしますとそれが紙一重でこわれるかもしれない、そこがあなたの見通し、あるいはこれに対する諸般の御検討に待つことと思います。そういう点から申しまして、今おっしゃる、要するにがんばるんだということのなかに、保守合同との関連、聞くところによるとどうも自由党の方では日ソ交渉にあまり熱意がない、消極的であるというようなことも伝えられておる、また重光さんと鳩山さんの関係においてもこれは録音ニュースなどで聞きますからまさかうそでないと思いますが、どうも食い違いがあるように思いますのでこの食い違いが国民の世論に統一をせられなければならぬと思うわけですが、この点最後にお伺いいたしたいのは、ねばることも必要であるしいたしますけれども、最終的にはやはりまとめていくという腹なのか、そうでないのか、わかりやすい表現でお伺いいたしたいと思ます。

重光葵日本民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) 御質問の点はだいぶ多岐にわたっておりますが、集約して申し上げます。私と鳩山総理との意見は日ソ交渉に関しては完全に一致をいたしております。これは既定方針の通りに進んでいくわけでございます。それから既定方針の通りに進んでいっても、わが方の主張が全面的に通らぬ場合はどうなるかという場面が出てくるでございましょう。しかしさような場合には十分に国論を尽して、そうしてあくまで目的を達するように努力をするということを、今申し上げるようにその結果を予想して申し上げることは、私は今その地位におりません。しかし目的を達するためにはあらゆる努力をして、そうして国民の国論を尽して、そうして今お話の通りにだんだん帰一するところがあると、私はこういうふうに実は考えております。それからまた、今党派の問題がございました。合同問題と何か関連がありはしないかというようなお気持での御質問があったようでございます。私は実はかような国民的と申しますか、国家的の重大な外交問題については、これはもう私の気持は御承知の通りでございましょうが、私は党派以上と申しますか、もしくは党派を超越したと申しますか、さような心組みでやっていかなければならぬし、また私自身もそういうつもりで今日まで各党の意見を十分聴取し、そうして国家的に前進することを誤まらないように努力はいたしているつもりでございます。今後もそういう方針で国論の帰一するところを見きわめつつ進むべきだと、こう考えている次第であります。

藤田進日本社会党

○藤田進君 時間がないので残念ですが、この際調達庁担当である労働大臣にお伺いいたしたいと思います。大へんどうも就任せられて以来おやせになっているし、御健康どうかと思って実は心配ですが、民主党内閣における労働大臣には実は私も大いなる期待を持っていたわけですが、今度の綿紡スト等、かなり御苦労になったと思うんですが、しかしこの状況を見ますると、どうも従来自由党内閣における労働省の性格、これは御承知のように当初労働者のサービス省として社会党内閣のときに出発したものでしたが、かなり性格が変ってきて、労働者のサービスということよりも、そうでない資本家へのサービス省となりつつあったわけです、民主党内閣になるまで……。これがどういうふうに変っていくかということに、かなり大きなわれわれは関心を持ち、かつ期待を持っていたわけです。今度の場合に見ますると、あの綿紡ストというものは一つの例でありますけれども、労働政策に対する現われだと思うのですが、ああいう争議に対して何か日清紡の社長にその調停ですか、何かお願いをするというようなことで、およそどうも適当であるかないかの議論の余地のない相手方の方に調停を依頼しようかというような働きもあったやに報じられているんです。それからこれは私どもも調査しておりますし、そのうち全貌が明らかになると思いますが、これはあなたが直接とはいいませんけれども、やはり今度の場合を見ても、公正なる国家機関、第三者というそういう労働省の態度よりもかなり偏した態度がほんとうに見受けられる、そのためにいわばあの綿紡の場合でも、昨日来にかけて組合側にとっては非常なる苦慮の中に解決をしたと思います。一方使用者側にとってはおそらく凱歌をあげ、昨晩あたりはかなりの賑わいであったろうと思うのです。こういう点はやはり長い目で見て、私はもう少しこれに処せられるについて態度があったのではないかと思う。関連いたしますけれども福島調達庁長官も私ども非常な公正な——まあ吉田内閣当時においてはなかんずく公正な方だと思っていたが、最近公正である、ないは別といたしまして、非常に官僚的になられておるように思うのです。私は人に関するそんな力はないのだが、言わしていただけば、どうも録音ニューズやらいろんなことを聞いてみても、あれではやはりものはおさまらぬだろう、寄らば切るぞの態度でその語気の激しいこと、(笑声)同じことを言ってもこれは発音で違うわけですが、その音符たるや実に強度なあれでありますが、私はたとえば今委員の質問に対する答えのときにも、ちょっとその端が、惰性というか出ていたように思うのです。(笑声)やはり労働問題なり、殊に先祖伝来の去りがたい気持をもっている基地の補償の問題等については、十二分にそういう点は適任者を得ることも必要ですし、当事者はもっと謙虚かつ冷静に折衝していただかなければならぬ、それがうわべだけでなしに、気持の上でアメリカにも加担しないし、そうして一方の利害関係だけでいうのでなしに、一つ公正にやっていただくということを望んで、それが実現すれば、ほんとうはもっといくと思うのです。アメリカの政府でないのだから、基地の問題については、全面的に日本の人民に中心を置かなければならぬと思うのですけれども、これは一連の策としましては西田さんの日ごろの、大臣になられる前の人となりからいってどんなものだろうか。具体的に質問いたしたいのは、今度の綿紡の場合、あまりにも資本家といいますか、使用者側に——両者間における一方の側に加担し過ぎ、そうしてたれそれとは申し上げませんが、これに携わる一連の労働省の皆さんもかなりこの労働組合の皆さんの方の側に不利益な行動があったと、いろんな事実が今もたらされておりますけれども、これらについて御承知かどうか知りませんが、過ぎたことは過ぎたことで将来また是正していただかなければなりませんが、今後についても一般労働政策についてこの際どういうお心がまえなのか、ひいてはあの綿紡ストについて、具体的にどういう御感想を結論としてお持ちなのかお伺いしたいと思います。

西田隆男自由民主党労働大臣

○国務大臣(西田隆男君) お答えいたします。綿紡ストライキを例におとりになって、私が経営者側に有利なようにやっているのじゃないかというお話でございました。これは全くあなたのお考え違いです。私が労働大臣に就任いたしまして経営者と会ったことは、ほんのごあいさつに二、三の人が見えただけで、私の方には見えません。組合の方はしょっちゅうお見えになれば会っております。なぜかと申しますと私経営陣におりました関係上、綿紡であろうと何であろうと、日本の企業について多少の知識を持っておりますので、ごまかすといえば悪いかもしれませんが、都合のいいように、私に会って話しても解決が得られぬだろうというような懸念からおそらくお見えにならないのじゃないかと思います。一回も会ったことはございません。組合の方々はしょっちゅう見えますので、いろいろ事情を聞いております。特に綿紡のストに関しましては、私がかねがねから申しておりますように、もし労使間に紛争が起きた場合、労使間の話し合いで事が片づかなかった場合には、公正妥当な第三者の機関で調停、あっせんをしてもらって、それを両方とも尊重するという建前をとっていくことが一番いいことであるという意思表示を私はしょっちゅうやっております。従って今度の綿紡ストにおきましても、中労委の裁定が適正妥当であったかどうかということについては、これは議論があろうと思いますけれども、中労委の裁定が一応下りまして、それに対して労使双方とも異論もあってああいう状態になりました。これは普通であれば中労委が一回裁定した問題について現地まで出向くということは中労委自身としてなかなかやりにくかったと思いますけれども、私は行くことを了承いたしました。そうして中労委は大阪の現地に出向きましたが、あそこでもまとまらなかった、そして帰るという情報を受けましたから、私は労政局長を通じて解決のつくまで関西にいるように、そして実情を調査いたしましてしかるべくやるべきではないかということを再三再四連絡をつけましたけれども、どうしても見込みがないというので実は土曜の日に中労委に引き揚げて帰って参りました。月曜日の日になりましてまだ労政局長あたりは労働組合の方々と会って労使双方にどうかして統一交渉をまとめるようにやろうという動きをしております最中に実は東洋紡が脱落して片がついたというのが実情でございまして、決してあなたがおっしゃったように私は経営者側に有利になるような交渉をすることがあったとかいう事実は全くございません。今後いろいろ御調査になればその事態ははっきりしてくると考えます。  それから今調達庁関係の仕事につきましても私は公平にさばくということを建前にしてやっております。少し調達庁の事務、業務に関しては介入をし過ぎるかもわからぬと思われるくらいに実は注意をし、示唆を与えておる次第でございます。結果としていろいろ誤解を招かねばならぬような事態が起きておりますけれども、私としては良心に恥じないつもりでおります。この点誤解のないように御了承願いたいと思います。

藤田進日本社会党

○藤田進君 私は時間がございませんから要望いたしますが、お開きいたしますと組合とはしばしば会って組合の、今度のストの参謀であったように私は聞えるが、私は経営者に会う会わない、そうではなくて、むしろ今聞いてみれば、そうだとすればやはり組合の方からもいろいろな抗議的な内容も持ち込んだかもしれませんし、時のやはり労働大臣として所管大臣ですからこれはやむを得ないことだと思うのです、と同時にむしろやはり経営者に対しても労働組合の言い分をあなたを通してでも向うに伝える方法もありましょうし、やはり解決すべき勧告はなさった方がいいだろう。私はむしろそういうことはなさっているが、その中でただ日清紡の桜田社長ですか、何かに調停を頼んだとか何とかいうような報道が出たりするものですから、その点むしろそういう方向でなしに、やはり公正な立場の解決策を講じられるということが、中労委においてこれはもちろんやることでありますけれども、しかし時の労働大臣とせられても、時宜に適したやはり行動はあってしかるべきだとそういう気持でおりますから、ただ経営者側とはお会いにならないで、組合側だけと会うということを私は決して希望しているものではございません。どうか将来においてもそういう点を御考慮をいただきたい。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 委員長ちょっと、福島長官に……。さっきの報告についてですが、今、四時十二分でございますが、警察隊の出動についての報告はまだございませんか。

福島愼太郎調達庁長官

○説明員(福島愼太郎君) 午後出発いたしました測量班は二時半までであるというのですが、主として山花代議士その他の方々と現場で交渉したのですが、話しく合いがまとまらない。そこで測量班は、これは三時ごろの報告なんですが、目下事務所へ引き揚げつつある。で本庁との連絡をしておるそうですが、本庁では安田次長の手元において指導しているわけですが、もう一度警官隊をつけずに行ってみろという指導をしておる。こういう話だそうであります。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 西田さんにお願いしたいのですが、こういう事態になってきて、おそらくもうあと四十数分であります。今日はおそらくこのままで片づくでしょうが、すでに御承知だと思うのですが、砂川の農民の方から東京地裁に対しまして、仮処分の申請が出ておる。結果はどうなるかわかりませんけれども、数日後に裁判所がこれに対して何か表示をするものと私は思っております。それまで待てないことはないだろうと思います。政府が法を尊重するならば、裁判所のそういう決定を待つこともまた当然だろうと思うのですが、それをそれまでこの警官隊をうしろに控えさして測量をやろうということをお待ちになるつもりはないかどうか、その点をちょっとお聞きしたい。

西田隆男自由民主党労働大臣

○国務大臣(西田隆男君) お説一応ごもっともと存じます。しかしながら実際に裁定を求められておることに対して裁定が下った場合、それに従うということを確約をお願いできれば、あるいはそういうことも可能かと考えます。裁定は下ったけれども、依然としてそれにお従いにならなければ、やはり絶対反対だという立場をとられることになると、これは二日待つということもどうかと考えられます。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 そういたしますと……。

新谷寅三郎緑風会

○委員長(新谷寅三郎君) もう簡単に。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 裁判が終るまでそういうことを予想して待てない、前にやっちまうのだというふうに私どもにはとれるのですが、そうすると裁判の、つまり裁判所の方のそういう意向などはもうかまわぬ、おれの方の見通しでは、農民側の方は聞かないのだから一つやっちまえ、こういうつもりと解してよろしゅうございましょうか。

西田隆男自由民主党労働大臣

○国務大臣(西田隆男君) これは私専門家でないから、よくわかりませんが、法律関係というものは、あなたのおっしゃるようなことではないと考えます。現在法律の規定に従って強制立ち入り調査をすでにやっている、従って裁判の継続中はやってならないという規定があれば、これは当然やめなければならぬと思いますけれども、そういう規定がない限り将来の話し合いのつく方に従うという見通しが的確につかめない限り、今直ちにここでやめるという御答弁はいたしかねます。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 私はそれまで待っていただくことがやはり一つの何というのですか、手を尽すということになるだろうと思うので、そうしていただくことを希望いたします。

新谷寅三郎緑風会

○委員長(新谷寅三郎君) 速記をやめて下さい。   〔速記中止〕

新谷寅三郎緑風会

○委員長(新谷寅三郎君) 速記を始めて下さい。

野本品吉緑風会

○野本品吉君 私は独立国として、自衛のための実力を持つことの必要を認めておりますが、従って日本の自衛隊の幹部も隊員も、全体が自衛の任務の遂行について強い責任を感じて上下全員が一心同体になりまして、厳正な規律のもとに能率的な、経済的な自衛隊として育っていただきたいということを念願しているわけです。従ってその自衛隊の実質的な最高責任者であります長官がどのように自衛隊を運営し、指揮統率していくかということは、自衛隊の将来の健全なる成長、発達の上に非常に重大な問題であるということを絶えず考えておりますので、従って前回の委員会におきましても、きわめて簡単ではありましたけれども、この点に触れての質問をいたしたわけです。そこでそのとき例の顧問団の問題についてお伺いいたしたのでありますが、長官の説明によりますというと、これは全く官制上の顧問ではなくて、防衛庁の長官としての砂田の個人のいわば私説の顧問であるという御説明がありました。でその後この問題についての推論をだんだん注意深く見ておりますというと、かなりこの顧問の問題につきましては、新聞でも雑誌でも、その他の方面におきましても、いろいろと批判が行われております。でその批判を要約してみますというと、結局旧軍部の代弁者を重く考えるという考え方についての批判であり、さらにそれが旧軍部あるいは軍閥の台頭の一つの現われであるということになろうと思う。そこで私が一つお伺いいたしたいのは、世間の誤解があってもいけませんし、また事実そうであっては困るのでありますが、陸軍関係の今村さんほか六名、それから海軍関係の沢本さんほか六名、この陸軍関係の方は、旧陸軍の方々の団体でありますところの偕行会に推薦を求められ、それから海軍関係の方は、水交会と申しますか、水交社と申しますか、その団体から適当な代表者の推薦を長官が求めたということが新聞等で報道されておるのでありますが、それは事実なんでございましょうか。

砂田重政日本民主党防衛庁長官

○国務大臣(砂田重政君) ただいまの御質問の点でありまするが、ただいまは私の個人の顧問として私が経験が乏しいことですから経験のある人に、私に対する意見を求める意味でこういう方をお頼みしております。なおそのほかに技術面においても科学の知識を持ったいろいろな方々をこれに加えたいと考えておりますが、まだこれは折衝が全部終っておりませんから発表はいたしておりません。でこれは全く私個人の知識の足りないところを助言を求めるのがその趣旨でありまして、そうしてまたこういう人々をお願いをいたしましたのは、ただいまお話の偕行会あるいはその他の団体に御推薦を願ったことも事実であります。しかしながらその願って書いてみえたのをそのままとったわけではない。その中で徳望の高い、またまじめに研究をなさっておるような方を選んで人選をしました。ただいまお話の通りそれぞれ七名であります。これが統合幕僚会議が軽視されるような御心配は絶対にないと確信しておりますのは、この人々の大体教えた人なんです。師弟の関係にあるような方を特に選んで入れたのであります。で主として私のこういう方々にお集まりを願ってお話を承わる私の趣意は、旧来のごとき陸海空の対立抗争を絶対になくする、そのためにいわゆるこれらの方々の意見を聞きましてこういうことを第一にお尋ねをしたいと考えております。それからさらに進んでは装備その他の面において万遺漏なきことを期するためにこういう方々の御意見を承わりたいと思うので、やはり軍政ということよりも、むしろ軍事的な装備をいかにするかというようなことを主としてお尋ねしたいと考えております。これは現在の幕僚諸君とは師弟の関係にあるような間柄の方でありますから、その間に扞格が起り意見の衝突が起り、あるいは幕僚を軽視するというようなことは絶対に起らないということを私は確信しております。どうぞその点は御安心を願いたいと思います。

野本品吉緑風会

○野本品吉君 私が先ほどお伺いしましたそういう推薦団体といいますか——について世間がいろいろと警戒し、かつ疑いを持っておりますから、これらの点については長官とされましては十分細心な御注意を払いまして、そうして一般の誤解や疑惑を一掃するというふうにお考えおきを願いたいと思います。  さらに、幕僚会議との問題でありますが、ただいま長官は今の顧問の方々と幕僚の方々とは古い師弟関係にあるから心配ないと、こう仰せられたのでありますが、実は私はその点を心配しているのです。と申しますのは、あの人たちの集まりに私は何べんか他の用事で参ったことがあるのでありますが、若い人は古い人に対して——これは礼儀が正しいと言えばそれで済むわけですが、依然として不動の姿勢をとって何々閣下と呼んでいる。このことはよく考えれば礼儀が正しいということになり、先輩を敬うということになると思いますが、しかしまた別な角度から見ますというと、心理的にもし先輩、指導者に対して何らかひけ目と申しますか、気がねと申しますか、遠慮というようなものがその底に流れているのじゃないか、これを私は考える。もしそういうような関係にあり、そういう心理状態に幕僚の皆さんがおありになりますというと、長官の最高の補佐機関であります幕僚会議というものが、果して日本の自衛の根本の大きな問題について全責任を感じて長官の補佐に遺憾のないような積極的な意欲というものに欠けるようになってくるのじゃないか、このことを私は心配するわけです。ある場合を想定してみまして、かりに幕僚会議の意見が、これらの顧問団の意見を長官が採用することによって否定され、あるいは抑圧されるということになりますというと、幕僚諸君の熱意、責任感というものが後退するのじゃないか。これを私は非常に心配するのですが、長官はどうお考えになりますか。

砂田重政日本民主党防衛庁長官

○国務大臣(砂田重政君) ただいまの点につきましては私は御心配はあんまり必要ないのじゃないかと思います。と申しまするのは、その諮問をいたしまする事項というても、これは一ところに寄ってそうして意見をまとめてこの通りやれというようなことはやってもらっておらぬ。皆各自の意見のあるところを述べていただいて、それを取捨選択して幕僚と協定してやることに私は進めておりますから、そういう問題が起るようには私のおります限りは持っていかない、こういうつもりでおります。どうぞその点は御安心を願って差しつかえないと思います。ただいまのところでは今日ではそういうふうにしていきたいと、こう考えておりますので、むしろただいまの顧問になっておる人は私に意見を述べるのには幕僚と意見の衝突があっては困るからということを非常に心配されております。そういう間柄でありまするから決してお話のような御心配はないことと考えております、どうぞ御安心を願いたいと思います。

野本品吉緑風会

○野本品吉君 ただいまの長官の御答弁で先ほど申しました私の心配は杞憂に属するという御答弁でございますが、それはまことに私としてはけっこうなことだと思うのです。しかしこれは長官は心配ないとおっしゃっておりますけれども、一般のものは心配しておるのですからこの点も自衛隊の運営、特に幕僚会議と顧問団との関係、調整等につきましてはこれまた格段の一つ御注意をお願いしたいと思います。  さらに今まで申しましたことを私はまとめて一つ長官のお考えを承わりたいのでございます。総じて言えば私の気持としては古い力と申しますか、昔の力と申しますか、そういう古い力に頼るのよりも新しい力を全面的に信頼して新しい力の育成、成長のために十分お考え願うことが望ましい、こう思うのです。それについての長官のお考えを承わりたい。

砂田重政日本民主党防衛庁長官

○国務大臣(砂田重政君) 十分その点には注意をいたします。いたしますのみならず、私はこの方々の劈頭のお集まりの際にこれはもとの再軍備をやるのではない、九千万の国民をかかえていく郷土の防衛にあるのだ、国土の防衛にあるのだ、その心持のもとに新しい装備を考えてもらいたいということを劈頭に私からも述べまして、この点は皆様方も御了承下さっておりまするから昔の轍を繰り返し、あるいは再軍備をやるというような考えの方は一人もないことを確信しております。お説の通り新しい防衛の計画に向って進んでいきたいと、かように考えております。どうぞ御了承を願います。

松浦清一日本社会党

○松浦清一君 外務大臣に簡単にお伺いをしますが、ちょっとおつき合いを願います。  私がお伺い申し上げたいのは最近問題にまたなり始めた韓国との漁業問題、本来申しますと外務委員会あるいは農林委員会の所管に属することですが、ただいま外務委員会も農林委員会も開かれておりませんので、外務大臣に御出席を願ったこの機会にお伺い申し上げたいと思いますが、御承知の通り韓国が李承晩ライン、正確に申しますと海洋主権宣言というものを発表して以来しばしばこの問題について私は外務大臣にお伺い申し上げておりましたが、前の岡崎外務大臣時代から、またあなたになりましてからも韓国の一方的な海洋主権宣言というものを日本の政府としては認めない、外交上そういう態度をとって今日に至っているわけです。ところがこちらが認める、認めないにかかわらず、先方はやはり李承晩ラインというものを引いているのだという建前から、あの周辺に行って漁業をしておる漁船がしばしば捕えられて、九月三十日現在で船が百三隻、それから船員が五百八十二人抑留されたままに放任されているわけです。最近新聞なんかの報道によりますというと、六百十一人ということになっておりますが、この辺がどうなっているか知りませんが、とにかくそれだけの船員が抑留されておって、これを早く返してもらうようにしたい、早く返してくれ、こういう交渉が始まったということが伝えられているわけです。中川アジア局長ですか、それから在日韓国代表部の柳さんというのですか、参事官との間でその話が進められた。李承晩ラインを侵犯したという向うの一方的解釈に基いて抑留されている五百八十二人のうちの二百二、三十名はすでに裁判が済んで釜山の収容所にいる、今まで伝えられているところではそれは返してやるから、大村収容所に収容している三百三十名の韓国人を釈放せい、こういうことを向うが要求をしている、こういうことが伝えられているわけです。まあ後ほど御答弁を伺えばその真相がわかるわけですが、従来の日韓会談とは切り離してこの船の返還、抑留船員の送還等については別に早急に話し合いをするのだという態度をきめたということはほんとうでございますか。

重光葵日本民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) 大体お話の通りでございます。この件については外務委員会でございましたか、私は出席できなかったときに係官から詳細に御説明をいたしたはずでございます。内容は私は今十分記憶いたしておりませんが、数字等はもしお入用ならば十分調べて、差し上げて差しつかえはございません。そこで全般の問題として韓国との関係はこれは何とか正常化したいということを目標にして、いわば隠忍自重をしてそしてその目的を達したい、こういうふうに進んでいるわけでございます。しかし国交正常化の全般の問題について交渉を続けておったのでございますが、それは十分今日全般の問題について交渉を進めるわけにはいかないことになっております。しかしそうでありますから漁区の問題についてはこれはその問題だけでも一つ何とか救済のできるようにいたしたいと思って、実は一生縣命にやっているわけでございます。その問題について、大村収容所の関係もお話の通りでございますが、しかし今その交渉の内容を全部申し上げるのはまだ時期でないと思いますが、さようなことで最善の努力をいたしておるつもりでございます。まあさようなことで、どの問題といわず韓国の問題は少しでも解決が進めばそれだけ関係もまたなめらかになるわけでございますから、全体の解決についてこれはいいことだ、こう考えている次第でございます。

松浦清一日本社会党

○松浦清一君 先方の方から二百二、三十名の者は返すから大村収容所の三百三十名は釈放しろと、こういうことを言っていることは、私は新聞報道だけでお伺いを申し上げておりますがこれはほんとうのことでございますか。

重光葵日本民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) 今その数字をはっきり私は申し上げられません。しかし関連して話し合いがあったということは事実でございます。

松浦清一日本社会党

○松浦清一君 大村収容所の三百三十人というのは、戦争前から日本に住んでおって、どういう犯罪行為か知りませんけれども、何かをやって収容されておる人たちである。それを韓国が引き取るというなら問題はないわけですけれども、引き取らないままに日本の国内で無条件に釈放されるというようなことは、相当慎重に考えなければならぬ問題だと私は考えておりますが、その辺のところを政府としてはどういう方針で交渉に当っておられますか。

重光葵日本民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) われわれといたしましてもそれは十分慎重に考えなければならぬと思っております。これは刑の執行のために収容しておるのではございません。刑が執行されたその後の何であります。

松浦清一日本社会党

○松浦清一君 それから、それはまあともかくとして、日本の認めない李承晩ラインという一方的な線を引かれて、その周辺で捕えられて船が抑留をされたり、拿捕されたり、あるいは船員が抑留されたものを帰してもらえない。こういう実情に対しては、強力に外交折衝を行なってもらわなければならぬことは、これは当然のことでございますから、まあ言葉を激しく言えば、何をしておるんだ、早くやってくれと、こういうことで質問したいのですが、言葉だけ激しくてもこれは解決のつかない問題ですから、とにかく所定の方針に基いて、たゆみなき交渉を続けて、早く解決のつくように御努力を願いたい。  それからもう一点は北鮮の関係です。北鮮には、これは私も数字は明確に知りませんが、相当の船が拿捕され、相当の船員が向うに抑留されたまま放任されておるわけです。このことについても、いずれかの機関を通して交渉をやってもらいたいことは当然ですが、最近伝えられるところによるというと、向うの政府機関の人たちも、それから漁業者関係でも、漁業の問題について話し合いをしてもいいというような意向が表明されていると私は聞くわけです。それからまた伝えられるところによると、日本の政府は北鮮側との貿易その他の問題について話し合いをする意思はないのだ、こういうことをしばしば表明をしておられるわけです。先方の言い分を直ちに甘く受け取っていいか悪いかということは、これは問題でしょうけれども、向うで言っておると伝えられておることは、日本政府がしばしば表明をしている態度との間では、正反対の方向をさしておるわけです。これははなはだ遺憾だと思うのですよ。そこで中共との関係も、国交はございませんけれども、昨年私ども向うに行って、あのいろいろ問題のあった東支那海、黄海等における漁業問題については、漁業者同士で一日も早く会ってもらいたいということをこちらから要請をして、周恩来総理がそれを快諾をして、そして今年の春、日本の漁業者の代表が向うに行って、曲りなりにも民間同士の漁業協定が結ばれて、そして今までの懸案が解決して、円満に操業しているということは外務大臣御承知の通りです。ああいう方式でもし向うがやろうと言うならば、これは漁業に限定された問題ではございませんが、漁業や貿易関係等についても民間同士で話し合いをさせる、そういうような方針をお考えになったことはございませんでしょうか。

重光葵日本民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) 北鮮も朝鮮でございますが、朝鮮の問題の解決の順序といたしましては、私どもは最も近い所にある韓国、すなわち今では南鮮になります。それとの間の関係を正常化するということがまず手始めだと思っております。これが一番重要なことだと思っております。のみならず、韓国との関係は、これは国際連合その他の関係から見て、これは当然そうでなければならぬことと考えております。北鮮は御承知の通りに韓国とは敵対関係におるわけであります、これはあまり強く見過ぎることも私はいかがかと思いますけれども、そこで北鮮との関係が、すぐ韓国との関係に影響するわけでございますから、順序としては韓国との関係をまず整理をしていきたいと、こうまあ考えておるわけであります。しかし今お話しのようなことは、実は人道上の問題でございます。そういう政治的の問題とはおのずから違う問題でありますから、従いましてそういう問題について全面的の外交関係を害しない限りにおいて実際的の方法をいろいろ考究するということは、これは当然のことでございます。それを実は考究しつつあるわけでございます。お話しの件についても、十分一つ検討をいたしてみたいと思います。また外務省としては検討しておるわけでございます。そのことを申し上げておきます。結局抑留者の帰還ということになりますが、できるだけそういうことの目的を達したい、こう考えております。

松浦清一日本社会党

○松浦清一君 北鮮側の諸君も、日本政府との間に、そう簡単に交渉をやろうというような意図は持っていない模様ですね。ですから中共において貿易協定なり漁業協定ができて、そのためにほかの国々に対して、日本の外交上悪い影響を与えたというような実証はないのでありますから、北鮮側が漁業問題等については、民間同士で一つ話し合いたいという意向が表明されれば、あるいは政府に承諾しろとかせぬとかいう問題でなしに、やはり中共に対して漁業協定、貿易協定をやるのに、まあ貿易協定などは側面的に、あるいは裏面的に援助をしたとかしなかったとかいう問題もございましたけれども、とにかくああいうものができたんですから、全然そういうことは日本政府としてはやらないんだというような方針を立てられることは、民間同士で話し合いができるという可能性をぶちこわすことになるので、そういうことはやはり控えられて、外務省がチャンスがあるならば、民間のどれとの間においてでもそういう話し合いができるということを考えてほしいと、こう私は思うんですよ。もしそういうようなチャンスがあって、北鮮の方から日本の漁業者の代表に一つ来てくれ、つかまえている船も帰そう、抑留しておる船員も一つ帰すような話し合いをしようというような招請があったとしたら、あなたはどういう態度をとりますか。それでも日本人はやらないんだという態度をおとりになるわけでしょうか。

重光葵日本民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) これは今申し上げる通りに、そのことが直ちに韓国との交渉に悪影響を及ぼさないということであるならば、そうしてまたこれは人道上の問題であるという見地から、十分研究し、考慮しなければならぬと思います。

松浦清一日本社会党

○松浦清一君 あなたのお考えなり、立論からいけば、北鮮の方につかまっておる船員、あるいはソ連等につかまっておる船員等は、南鮮との関係が、もしその話し合いを進めれば悪くなるからやらないんだ、そういうふうに解釈されて、どうも釈然としないわけですが、人がつかまって外国に抑留されておるという、そういう状態に対しては、日本政府として、進んでやはり帰してもらう、取り返すということに対して、やはり努力をなさらぬと、南鮮の方、南鮮の方とおっしゃるけれども、いつまで待ったら南鮮との問題が解決がつくのやら、これは従来の経過において、全面的にあなたが責任をとる必要はない、前の内閣からの問題ですから。しかし日韓会談が始まってから何年になりますか、私の記憶によりますと四年くらいになるが、一向解決しない。二度も決裂した、そうしてつかまえられておる人は帰してもらえない、こういう状態のままに遠慮をしておるというわけじゃないのでしょうが、何かしらぬわれわれの方から見ておると遠慮をされておる。李承晩がいいたい放題なことを言い、したい放題なことをしてそれに対抗する外交措置が日本政府にして講じられないということは、まことに情ない次第なんです。私はかつて李承晩ラインが引かれたときに、前の岡崎大臣に、あなたが韓国に行ったらどうですかとたしかこの部屋だったと思うのだが言うたことがあるのです。在日韓国代表部とか称するところに、書簡でどうだこうだといっておるようなことでは解決をせぬのだから、その他にも重要な問題があるので、もう少し積極的に外交攻勢を展開する必要があると、このように私は考える。どうもなまぬるい、手ぬるいような感じがしてならぬのです。韓国と、その李承晩大統領と話し合いをするということについては、どこの国の妨害があるはずはないのですから、結局これは李承晩との外交の拙劣さというか積極性に欠けておるというふうに結論づけざるを得ないような状態に放置されておるように私は思うのです。ですからあなたがおっしゃるように、北鮮の方と話し合いをすれば南鮮の方との関係が好ましく好転をしないかもしれぬということを憂慮されておるというように聞き取れるような御答弁であった、しかし北鮮につかまっている人を帰してくれといって北鮮に交渉することがどうして南鮮との外交に障害があるのか、その点も不思議でならぬ。南鮮に不利益になるような協定なり条約なりを北鮮と締結しようというのならば、あるいは南鮮に対して若干調整をはかって行く必要があるかもしれぬけれども、つかまっている人間を帰してくれという堂々たる日本のその権利というものを主張するということに対して何を遠慮しなければならぬかと、こう思うのですよ。

重光葵日本民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) 今の意見はすベて御意見のようであります。私は十分に伺いました。私の申し上げたのは、決してこの人道問題についてこれを遠慮しておるとか何とかということではございません。北鮮からの引き揚げの問題については政治的に災いをされない範囲内において、この最も適切だと思う措置は実はとっております。間接にいろいろやっております。それをぜひ実現をしたいと思っております。これは人道の問題であります、しかし政府と政府との関係ということは、この際はなるべく避けたいと、こう思ってそのほかの方法でやっておるわけであります。

松浦清一日本社会党

○松浦清一君 それで私あなたを詰問をしておるのではありませんから……。

重光葵日本民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) わかりました。

松浦清一日本社会党

○松浦清一君 南鮮の問題は先ほど最終的にお願い申し上げたように、もっと積極的に交渉をなさって、早く人が帰してもらえるようにやってほしい、こういうことでそのケリをつけているのです、私の質問は。あと北鮮の方で向うの政府機関なり民間の業者関係の方から、抑留した船員を帰す等の問題について話をしますから一つ代表を送ってもらいたい、こういうような要請があったときに、いや北鮮と話し合いはならぬのだというような態度をとってほしくない。最終的に私の申し上げたのは、そのことなんです。日本政府としては北鮮は話し合いしないのだと、政府としては話し合いなされないかもしれぬが、民間同士で話し合いをするその範囲内においては、中共ともああいう話し合いをして来たのですから、そういうことはやはりじゃまになるような発言は差し控えられて、陰に陽にいわゆるあなたのおっしゃる人道問題解決のために道が開ければ、それをやはり助成していく、助けていく、こういう態度をおとりにならぬというと、じゃまをされるというような発言が今までしばしばわれわれも聞いておるものですから、それじゃ困ると思う。このことなんです。

重光葵日本民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) それはよく御趣旨はわかりました。実はそれに対する私の考える最も適切な方法で今受け答えはいたしております。そうして目的を達することを実は期待しているわけでございます。今やっているわけです。その点だけを申し上げておきます。

松浦清一日本社会党

○松浦清一君 その旅券の問題でも今北鮮に行こうとすれば中共を回って入っております。そういうふうに、行こうと思えば中共を回って何ぼでも行けるのです。そういうふうに行こうと思えばやれないことはないのですから、そういうことについても堂々と行けるような状態になれば、北鮮に向って日本のだれかが入っていかれるということぐらい、じゃまをしないように一つやってもらいたい、こういうことなんです。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 やはり送還の問題なんですが、昨日ラジオで放送されたところによりますというと、浜松の収容所におる百三十八名の中国人を台湾に送還する、こういうようなことが伝えられている。ところがこれはみんな台湾に帰ることを希望しておるかというと、そうではない。すでにそのうちの五名ははっきりと手紙でもって、それでは困るから一つ中国本土、すなわち北京政府の治下の方に返してもらいたいということでいろいろ訴えてきている。これは五名だけでなくて、他にもそういう人があると思います。この問題は非常にむずかしい問題だと思うのですが、実はこの間中国へ行きました議員団、あなたの方の党の上林山榮吉君が毛沢東氏、あるいは周恩来氏といろいろ話してきました中に、向うの戦犯の問題等について、年寄りだとか、あるいは病弱者だとか、あるいは刑期が尽きようとする者というものに対して本年中に返すという措置をとろう、こういうことを約束されている。もしこの問題で何でもかまわず全部台湾に引き渡すということになりますというと、これがその方に響いてくるおそれもあるわけなんです。さらにこの問題につきましては、すでに人民日報等で、この浜松の収容所におる者を台湾に渡すのはけしからぬと言っている。これはもちろん全部台湾に渡すのはけしからぬと言っているのではないと実は思っている。おそらく中国本土へ帰りたい者を、渡すのはけしからぬと言うのだと思うのですが、この点はお考えいただかないというと、こちらにも非常に響いてきます。一つ入国管理局がただ法規に従って事務的に処理するということでなくて、外交的、政治的に考えて、この本土へ帰りたい者は一つ別に考えて、何らかの方法で本土へ返す、そのかわり向うの方もすでに上林山君に約束したことは円滑に実行するように、こういうふうにしていただきたいと思うのですが、その点はよく外務大臣としてお考え願いたい、こう考えるのですが、いかがでしょうか。

重光葵日本民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) 実はその問題は私は耳に十分入っておりません。つまり私承知をいたしておりませんが、お話の点は十分一つ心得まして処置することにいたしましょう。十分御希望の通りになるかならぬかということは、いろいろ検討しなければわかりませんけれども、私はごもっともなお話だと考えます。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 この中国本土へ帰りたい者も台湾へ送還する問題については、毛沢東氏もはっきり言っておることでありますし、しますからこの点ははっきりした御処置を至急にとっていただきたい。そしてこういうような小さな問題からつまらない大きな問題が起らないようにお願いしたいと思います。

松浦清一日本社会党

○松浦清一君 外務大臣、私はきょうはあなたにこういう御質問を申し上げることを事前に通告してなかったので、帰還の問題だとか、交渉の経過という問題について具体的に伺うことをやめましたが、この次いずれかの委員会であなたに再会をするときに伺いますから、その時分には事前に通告をしておきますから、もっと詳しい経過の御報告を願って、やはりその状態というものがわれわれは知っておきたい。あなたが新聞記者団と会見をして話をされる程度のことはわれわれも知っておらぬというと、新聞を見ては尋ねるようなことでは因るので、その点一つお願いします。

堀眞琴無所属クラブ

○堀眞琴君 先ほど松浦委員から北鮮にいる日本の抑留者帰還の問題についての御答弁があったんですけれども、御承知のように、向う側では赤十字を通じてこちらの赤十字に抑留者を帰すという意思表示がありまして、その際日本側から代表を送ってもらいたい、その代表には赤十字ばかりでなくて、日朝協会の代表者も送ってもらいたい、こういう希望が述べられてきているわけです。ところが外務省の意向としては赤十字一本でいいじゃないか、こういうことで臨んでいられるんです。前の中国の抑留者を帰す場合には、御承知のように三団体から代表を出して、向う側と折衝して昨年二万何千人かを帰してもらった例があるわけですが、向う側でも中国の場合でもそういう態度を向う側では要請されて、こちら側でもそれに応じて外務省もそれを認められたわけです。北鮮の場合も赤十字が中心になることは、これは当然なわけですけれども、同時に向う側で要請しております日朝協会の代表者をそこに参加させるということについては外務省は反対だということなんですが、その点をお尋ねしたいということと、それからもう一つ岡田君の質問の問題ですが、御承知のように法律上はともかく、本人の希望するところへ帰すということになっており、従ってそのように御努力を願いたいということと、この問題非常に差し迫った問題だと思うのです。従って外務省当局あるいは外務大臣としても、この問題についてなるべく早く適当な措置を講じていただきたい、この二点について外務大臣の御答弁をお願いします。

重光葵日本民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) 十分検討して措置したいと思います。今すぐどうするということを、今この席で申し上げられないことは、はなはだ遺憾に思いますが、御趣旨は十分了承いたします。

堀眞琴無所属クラブ

○堀眞琴君 その適当に処置するというのは、私の申し上げたことを参酌しながら、それに沿うようにできるだけ処置するという意味ですか、それともそうでなくて従来の外務省の態度をとられるという意味なんですか。

重光葵日本民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) 実は外務省がどういうふうな検討をしておるかということは、はっきり私は調べた上で判断をしたいと思います。北鮮のなには、向うがどの団体を代表にしてくれ、こういうことがどういう意味を持っておるかということもこれは考えなければなりませんが、一応赤十字と赤十字が話せばいいということは、なるほどその通りだと思いますが、しかし目的を達する上において、向うの希望はできるだけ重んずるということもまた一つの考え方じゃないかと思います。そういうことをよく——どういう事情になっておるか、よく検討をいたしまして措置したい、こう申し上げておるわけでございます。

堀眞琴無所属クラブ

○堀眞琴君 北鮮はそれで、それから台湾の……。

重光葵日本民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) 台湾の場合は、それはほんとうに聞いたこともないのですが、よくなにして、それはもっとものように思いますが、何かそこにわけがあるのでしょうが、非常に困難な……。

堀眞琴無所属クラブ

○堀眞琴君 わけはそちらの方にあるので、こちらの方にはないのです。

重光葵日本民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) そうでしょう、ですからそれはよく検討したいと思います。

新谷寅三郎緑風会

○委員長(新谷寅三郎君) 以上をもちまして本日の質疑通告者の質疑は全部終了いたしましたので、明日は午前十時から開会することとして、本日はこれにて散会いたします。    午後五時五分散会

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