内閣委員会 閉会後第2号
- 発言数
- 251 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1955/09/20
会議録
○理事(宮田重文君) これより内閣委員会を開会いたします。 本日の委員会は国の防衛に関する調査を議題といたします。 昨日の委員会におきまして本日の委員会に参考人五名の出席を求めることを御了承願ったのでありますが、そのうち山形県村山市の細谷富士朗君が出席できないとのことでありますので、細谷君にかわり齋藤久藏君を参考人に選びたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(宮田重文君) 御異議なければ、さように決定いたします。 なお、参考人の御陳述の時間は一人当り大体二十分以内にお願いいたしたいと思います。参考人全部の陳述が終りました後に委員より参考人に対して質疑を願います。 なお、参考人の方に一言御あいさつを申し上げたいと存じますが、本日は非常に御多忙のところ遠路御出席をいただきましてまことにありがとうございます。委員一同にかわりまして厚く御礼を申し上げます。 なお、これより陳述に入りますが、陳述をなさる場合にはお一人ずつこちらの方にお出ましを願って御陳述をいただきたいと存じます。 では直ちに東京都北多摩郡砂川町の若松貞次郎君。
○参考人(若松貞次郎君) ただいまお呼び出しにあずかりました砂川町の若松貞次郎であります。 委員の皆様方もすでに新聞紙上で御承知の通り、砂川町は過去四ヵ月反対闘争を続けて参ったのであります。去る九月の十三、十四の両日にわたりまして調達庁の方の強制測量が行われました。その際不幸にして流血の惨事を見たような次第でございまして、まことに遺憾な次第でございます。それにつきまして、この問題につきまして私の前途の見通しを申し上げてみたいと思うのでございます。砂川町全体としますると、この飛行場の拡張は、町としましては中止ができるものならば、これは中止してもらえばこれが一番町民としては喜ぶのでございます。しかしながら、私の見通しといたしましては、これは絶対に中止ができないと判断をするのでございます。それはどういう意味かといいますと、私が申し上げるまでもなく、委員の皆様方がすでに御承知のように、アメリカの政府と日本の政府におきまして安全保障条約、行政協定が結ばれておるのでございます。この条約が結ばれております以上は、日本の政府としても絶対に中止ができないと私は考えるのでございます。個人としましても、約束をほごにしたり、不渡り手形を申せば社会的の信用はゼロになり、人が相手にしなくなります。ましてや国と国の条約がある以上、これを一方的に拒むということは絶対に私はできないと考えるのでございます。絶対に中止ができないとするならば、これは反対をするということは無意味であると私は考えるのでございます。この意味におきまして反対を中止して、これは関係住民が犠牲に相なるのでございまするから、この関係住民に十分の補償料、あるいは移転料、買収価格等を国において最高限度に出していただきまして、住民の今後の生活の安全を保障をしていただきたいと考える次第でございます。 さらにまた公的の問題としますと、砂川町は五日市街道の両側に立ち並んでおります。この五日市街道を今度の拡張によりまして分断されますることは、砂川町の産業経済あるいは文化の面におきまして非常に支障をきたすのでございます。こういうことも十分政府の方でお考えになりまして、最善の道を講じていただきたいと念願する次第でございます。なお、役場、中学校等も今度の拡張によりまして滑走路のふちに相なるのでございます。従来からも役場の会議などは飛行機の上るたびに会議を中止しなければならぬような状態に置かれておるのでございまするが、今度はこの拡張によりましてさらに支障を来たします。当然会議ということがあるいは不可能になるのではないかと考えておるのでございます。こういう関係から、役場の移転料を十分出して安全な地帯に移転する移転料を政府の方で出していただきたいと念願しておる次第でございます。なお、中学校も滑走路の拡張によりまして、これも非常な支障を来たし、児童の教育に多大な支障を来たすと考えております。この中学校の移転料も政府においても十分出していただきまして、安全な地帯に児童の教育のほんとうにできる地帯へ移転したいと思うのでございます。こういうことを条件としまして、政府に、国のしわ寄せが砂川町に参ったのでございまするから、こういう移転料を十分に出していただきまして、児童の教育も完全に行いたいと思うのでございます。 なお、地元の情勢を申し上げますると、現在賛成される方が半分、まあ反対される方が半分というようなことに相なっております。ただ表面は反対される方に気がねをして調達庁の方へ直接に賛成の手紙を出した方がありまするから、反対の方の方の数が殖えておりまするけれども、実際は約半々に相なっております。それでこの反対される方の方は非常な宣伝をねらいまして、土地収用法、あるいはそういうことは当然政府で行えないんだ、あるいはまた収用法にかかった方が金額が多いんだ、あるいはまた収用法にかかっても二年ないし三年はかかるんだと、こういうような宣伝をされておりまするが、そういうことは最近の横浜の岸根の土地収用法を見ましても、一筆調査からわずかに二ヵ月をもって解決しております。こういう実例もありますので、必ずしも反対派の宣伝の通りには行っておりません。これは当然横浜の岸根の土地収用を御調査になればよくおわかりと思います。七月のうちに一筆調査を行いまして、判決があったのが九月の十五日でございますから、わずか二ヵ月くらいで完全に土地収用法が行われております。こういうことからいきますると、反対派が宣伝しておるようなことは全然ないと私は考えるのでございます。どうかこの砂川町に不幸が参ったのでございまするから、政府の方々におかれましても十分御考慮を願いまして、この砂川町を救っていただきまして、一番不幸をみるのが関係の住民でございますから、この住民の方を十分に将来生活の安全を見ていただきたいと私は考えるのでございます。どうかその意味におかれまして、委員の皆様方にもこの砂川町の関係住民に十分の御同情を寄せられまして、今後政府の方を鞭撻されまして、十分の補償料、あるいは移転料、あるいは土地の買収価格を最高限度に引き上げまして、なお公的問題としましては、役場の移転、中学校の移転、道路の問題等も十分御考慮を願いまして、何とぞ砂川の町の再建に御協力あらんことをひとえにお願い申し上げまして、私の参考者の御意見を申し上げまして終りといたします。
○理事(宮田重文君) 次に砂川町長の宮崎傳左衛門君。
○参考人(宮崎傳左衛門君) 私は参考人として出席いたしました砂川町長の宮崎傳左衛門であります。 立川飛行場の拡張は——御承知の通り立川飛行場は大正五年に立川旧五連隊飛行場として旧日本軍隊によって発足したのであります。そうして砂川町はその後数次にわたる拡張によって、ついに五日市街道のすぐ南までバラ線がきておるのでございます。その五日市街道を今度は分断して、その北に延びようとする飛行場拡張でございます。ここに居住する農民の皆さんは三百五十年来営々として祖先からその生活の基盤を築き、そしてここの土地に愛着し、住んで参ったのでございます。すでに今日まで数度にわたる拡張により手と足をもがれ、今度はついにその首をとられるというような状態になっておるのでございます。そうした面から町民は、その地元民は一丸となって反対をしておるのでございます。ただいま若松前町長から半々だというようなことを言われるがまことに私には不可解でたまらない。あるいは条件闘争派もございます。それは最近移住してきた借家人、借地人その他に多いのでございます。先祖伝来ここに住んだ祖先の地、墳墓を守ろうとする人に一人もそんな人はございません。その点を議員さん諸君もよく御承知願いたいと思います。 それから町全体の問題ですが、御承知の通り砂川町は東西二里半、一本街道でございます。この一本街道の中心地でございます。この四番組、五番組のこの飛行場拡張地域がほんとうの中心地でございます。この中心地を分断されたら、この町は東西に分離することもちろんでございます。従って町の自治体が破壊されることもちろんでございます。ただいま前町長若松氏からも申された通り、この拡張が実行されたならば、役場の存在、中学校の存在も何らの価値がないのであります。それはなぜであるかといいますれば、今日でも役場で会議をするときには、その時間の三分の一は会議ができないのです。飛行機の騒音、爆音によってその会議が実行不能でございます。中学校の教育についてもその通りでございます。調達庁においては、すでに防音装置をするというようなことを言っておりますが、いまだ今日何らの手配もないのであります。調達庁はうまいことを言っても、その実行するところは何もしないのでございます。今日までも数度にわたる拡張をしても、町民の生活の安定のために何らの施策を施していないのでございます。そこで地元民はもちろん、町全体が一丸となってこれに反対の闘争をいたしたのでございます。 それからもう一つは、砂川町は御承知の通り飛行場の周辺なるがゆえに、戦争中大きな傷手をこうむっておるのであります。十九年二月十七日に艦載機の爆撃に始まり、B29の数度にわたる爆撃によって、しかも町民の皆様の家屋は破壊され、あるいは焼夷弾攻撃によって焼かれたのであります。それは八月一日に一夜にして百数十戸がついに灰じんに帰し焼却しておるのであります。これらに対しても、何らの国家はこの補償もしなければ恩典もないのでございます。町民の怒りは、戦争というものを極度に忌避し、この飛行場拡張をいかに反対するかという事実は、これだけでも皆さんにおわかりになると考えるのであります。そこで私ども町民は一丸となって拡張反対の闘争を続けて来たのでありますが、去る八月二十四日には、しかも測量時間切れの時間に多数の警官隊が出動いたしまして、そうして御承知の通り、測量は午前八時から午後四時半まででございます。この時間に無謀なる警察力を多数に動員いたしまして、これが測量の貫徹をいたすべく調達庁は警察の暴力に基いて測量を敢行しようとしたのであります。町民の一丸となったこの熱意は、ついにこれら測量隊を追い返したのであります。そうして八月三十一日の告示切れに際して、再び九月十三日から十月二十七日までの知事の告示を得まして、去る十三日多数の警察力を動員して来たのであります。いまだかつて日本では、電力会社でも、鉄道を作るにも、警察力を動員してこうした測量を実行したことがございましょうか。もちろん住民との話合い、納得によってこれを実行したのでございます。ここで参考までに申し上げますが、五月の四日、調達庁は突如飛行場拡張の通知をして参ったのであります。そうしてその裏には、応じなければ土地収用法があるというような伝家の宝刀を振り上げて、そうしてわれわれ町民を威喝し、暴圧したのでございます。そしてその十三日、十四日のこの測量に際しましては、無抵抗の町民に対しまして、まことに遺憾ながら多数の警官隊が、ける、なぐる、まるで市街戦にひとしいところのあの惨状、あの流血の惨があったのであります。皆さん方のお手元にこの参考計がありますが、町内において二十五名、町外において百四十四名の負傷者ができたのでございます。こうした暴力によって調達庁は町民の財産を奪い、生活権を奪おうとしているのでございます。そしてなおかつわれわれが許すことのできないのは、その警官隊の中には、町民の腕時計をとり、あるいは万年筆をとった人があるのであります。そうしてまた一部の関係官庁と通じまして、そうして自治体の破壊と混乱をいたそうと考えているのであります。私どもはあくまでもこの拡張には反対するものでございます。調達庁はあらゆる脅迫、欺瞞の手段と、地元の切りくずしに当っておりますが、百二十六名の地元の町民のうち、現在九十六名の反対者があるのでございます。前町長若松貞次郎氏は、半々というのは何を根拠にこれを言うか、私にその根拠があるならそれを示してもらいたいと考える。われわれはその数字に基いて——その反対者の数字が明確に現わしておるのでございます。町としては中止できるものならしたいということが若松前町長のお話でございます。昨日も内閣委員会において、これはアメリカと約束がしてあるのではないということなんです。約束がしてなければ、別に国際信義に反することもなし、何にもないのであります。そうしたならば、これを取りやめて私は差しつかえないと思う。町の全体の砂川一万三千人の町民が、日本国のこの八千万の国民のしわ寄せによってその犠牲にならなければならないということ、なおかつ、小さい自治体ならばこれを破壊しても差しつかえないという法律がどこにありますか。私はこうした観点から絶対にこの基地拡張を反対するものであります。最近西田労相は、早く応じないと、条件に切りかえないと、しまいにはお前たちの財産は二束三文であるといっている。第一次に応じた人にはたくさん金をやる、その次はその次にやるのだ、こういう暴言を吐いている。一国の国務大臣がそうした暴言、われわれの財産を、生活権を、そうした暴言で、そうして威喝と弾圧によってせしめようという、そういう考え、まことに私は遺憾でございます。こうした大臣は弾劾処分にしなければ私はならないと考える。その事実が明瞭ならば弾劾処分にしなければならないと考える。どうか委員各位におきましては、地元居住者の生活あるいは今後の居住権等を十分御尊重下さいまして、村の自治体の破壊をしないように、ぜひこの基地拡張を取りやめてほしいと考えるものであります。
○理事(宮田重文君) 次に砂川町の青木市五郎君。
○参考人(青木市五郎君) 私は砂川町の農業の青木市五郎でございます。 私が今日参考人として、まず第一番に申し上げさせていただきたいことは、私も前にもこの参議院の内閣委員会に参考人として呼ばれまして、私の気持の一番のおもなるものは、今回この立川基地拡張につきまして、何とかして私地元代表として選ばれました以上、流血の惨事を巻き起したくない、こういったことを第一の念願に思っておったのでございますが、まことに残念ながら、私もこの本委員会でも申し上げ、また知事さん等にも申し上げましたが、とうとう最後に十三、十四日のあの調達庁、また政府におかれましても、警察官のあの大挙出動によって、ほんとうに全町民、ただいま町長の申されました砂川町は血に塗られてしまったということは、私今度代表といたしまして、ほんとうに心外に思っておる次第でございます。こういった負傷者の方々に対する損害につきましては、今回ぜひとも政府において十分なる責任をとっていただきたいというのが、私の今日参りました、第一の政府へのお願いでございます。なおまた調達庁は、砂川の町民は何も政府の言うことを聞かないでむやみに反対するのだと、こういったことを言っておりますが、われわれは決してそういうわけじゃないのです。がしかし、このたびの基地拡張につきましては、今まで調達庁のとってこられましたこの行いが、われわれ町民には絶対に信頼できないのでございます。目下立川基地の接取されておりますわれわれの政府に貸してある土地につきましても、昭和二十八年ごろから調達庁では買い上げを計画して、砂川の町民が売ってもいいという希望があれば申し出せ、こういったことにつきまして、われわれ町民はその申請をしておるのでございまするが、二十八年より何ら調達庁でも行いをなしておらない。私も責任上この本年三月末期に至りまして、調達庁に申し入れをいたしましたところ、今のところ予算がないから買えないと、こう言っておられたのであります。それは私もごもっともであるとして了承しておったのですが、そのときには、今はどうしても買えというならば坪五百円か、あるいはそれ以下である、こう言われたんで、一応帰って地元民にお話をした結果、それでは一応目下貸しておきましょうと、こういう結論になっておったのですが、しかし今度たまたま立川基地拡張に対しまして、調達局では今度この基地拡張を認めたならば、砂川町民の希望通り幾らでも高く買ってやる、こういったことの申し出があったのでございますす。われわれ町民は、そのときに三月末期に予算がないから坪五百円以下でなけりゃ買えないと、こういったのに、五月に至って、希望があれば幾らでも高く買ってやると、こういったことは、まず第一番に、われわれ町民は政府、調達庁に信頼がおけなくなったのでございます。なおまた近くの例をとりますと、大和の中学校あたりも前回米軍宿舎の問題で、大和中学校の補償問題は八千万円をもってあれを認めさせておったと聞き及んでおります。今回この基地拡張につきまして、やっとこせと四千万円を出したとか、こういうことも聞き及んでおります。すべてにおいて、大和町でも今度の基地拡張がありましたから四千万円がちょうだいできたのです。これがなかったならば、やはり不渡り手形に終ってしまったのでございます。先ほど前町長さんの若松さんが申されましたが、役場の問題、学校の問題、町をどうするんだと、こういったことはわれわれ頭には十分あるのでございまするが、われわれがそういうことを出して、われわれ代表として政府、調達庁より空手形を受け取っておいて、そうして町民の間で私またわれわれ、また町長初めこの反対同盟のいろいろ世話をやかれる方々の間にはさまって、不渡り手形をいただいておいて、あとをどうするかということもよく感じておるのでございます。こういったこともほんとうにこの参議院の先生方もよく御理解願いたいと思います。なおまた、福島調達庁長官の言われる換地の問題で、農業の関係上から特に皆さんにお願いしたいことは、目下五万二千坪の接収予定地というのはよくわかっております。であるから、六万坪を出せば余るんじゃないかと、こういうほんとうに簡単な問題でございます。がしかし、われわれ農業を営みまして、今度の五万二千坪の中以外にわれわれの農地は三分の二以上の農地があるのでございます。今度移転する先は大和町の奈良橋付近だということを言っておりますが、かりにこういったところへ移転してしまったとして、農業の者が一里半も隔たったところから毎日々々残された土地へ耕作ができるかということは三つ子でもわかると思います。こういったところを調達庁、政府でもまだまだ研究もしておらないのでございます。そうしてわれわれ町民は、調達庁の言うことはちっとも聞かないで、一方的に砂川町民はむやみに反対する一方だとか何とか言っておられるようでございます。決してわれわれは一方的に反対しているのではないのでございます。むしろ調達庁、政府がほとんどわからないのでございます。八月二十九日の最終の交渉におかれましても、ほとんど福島長官は少しでも自分の意思を翻さず、耳もかさないで基地拡張をやるんだの一点張りなんです。そうなれば砂川町民は反対一点張りで行くのが当然でございますが、長官にはまだわれわれの納得いかないことは、この測量をしても基地拡張をやるんだか、やらないんだかわからないと、こういうことで何だかほんとうにますますわれわれは信頼感がおけないのであります。われわれ町民はこの基地拡張をされたならば、前回われわれもるる申し上げる通り、また町長も申された通り、これをやったならば、われわれ今度の地元民はほんとうに死んでしまうのです。死以外にはないのです。また町全体から、前町長さんも現町長さんも、町がつぶれるということはお二人さんが申しております。こういったこと等につきましても、われわれよく考えているんですが、こういうことがあるがゆえにわが町の者は絶対反対である。反対以外にはないんです。また条件を入れても不渡り手形というのはよくわかっています。それでありますから、われわれ町民が反対するというのは絶対に正しいんだといって、きょうはここにこれだけの最後の反対の署名を持ってきておりますが、あとで申し上げますが、今日ただいまにおきましても調達庁の方では何だかあいまいな、やるんだか、やらないんだかわからない。そうしてだまして測量をさせておいて、あとでいよいよ収用法でがんと送って、他の土地へ砂川町民を流し込もうというのが、私が言うんじゃないんです、きょうここに九十六名の最後にどうしても、死んでもがんばるぞといって調印をなさった方々が言っておるのでございます。なおまた今回町会議員の中で十名ばかり反対してはいけないといって意を別にしました、これが町長さんの言われる半分でございます。町全体から見れば絶対にそうではないのです。ほんとうのわずかの者が賛成をして、何とか条件だ、何だと意味を知らないで条件だと言っておる人に過ぎない。またこの十名の町会議員さんの中でも、昨晩砂川町の副議長の田中さんという方が、私も一応反対同盟を行きがかり上抜けてはみたが、よく考えてみましたならば、やはり反対しておる者の方が正しいのだ、こう言ってわれわれの方へ帰ってきてくれました。なお本日あたりいま一名の方も帰って下さるというような情報が入っております。田中さんもこう言って、この際その十名の方は、やはり前町長さんの派の全貌を記者団の前に明示されて、そうして盲脱された議員と絶縁した、この御決意を表明されております。決して私はでたらめを申し上げるのじゃございません。なおまた盲脱された議員たちの行動の裏面を田中さんが申されました。これらの方々は町長の失脚をねらう以外には何ものもないのでございます。徹底的な利己主義を終始行なっておるのであります。金銭至上主義をはっきりと打ち出しておるのでございます。従って口にしておるすべては、裏面を糊塗する口実であって、町愛の精神は少しもないのでございます。これらの脱落された議員は、こういった半分の議員というのは……。われわれが何とかして町を救って、町を救うということはやはり国を救うのじゃないかとわれわれ反対同盟の者は結論を得ておるのでございます。今この日本の国情を見ますと、町の者が金をたくさんもらうとか、何とかというような時代ではわれわれ反対同盟の者はないと思っております。中学校の補償、役場の補償等もわれわれのためにあります。がしかし、そんな問題じゃないのです。われわれはこの基地拡張をされれば、予定地内の百二十七人というものは即座に死んでしまうのです。先ほど町長の申されました通り、最近居住された方々のほんとうにおしりの軽い人だけがそういった希望を持っておるのでございます。またこれらを指導するものは土地のブローカー、建築業者等が大体指導しておるということはよくわかっておるのでございます。この際何とか動くときにお金もうけをしようとか、おれはこの際早くお金をもらって、町はどうなってもいいからどこへでも行ってしまうと、こういったことははっきりしておるのでございます。われわれ農民は三百五十年続いた伝統ある先祖伝来の土地を何とかして子孫に渡したいというのが、これが念願でございます。目下のところ絶対に条件というのはやはりお金に決着するのでございます。今日はわれわれ同盟としては、お金のことなんか言うのは全く日本人として恥ではないかと思ってわれわれはがんばっておるのでございます。町を守るというのはひいては国を守るのだというのが念願でございます。どうか参議院の先生方にも、どうか砂川町のこういった気持をぜひともよく把握していただきたいと思います。われわれはほんとうに町を思い、国を思う以外には何ものもないのでございます。 なおまた最後に皆さんに、ほんとうに砂川町が今度の基地拡張にはあくまで反対しておるのだというのは、ここに昨日私はこの委員会を傍聴させていただきまして、よく調達庁長官殿の中されたことを聞き及んで、そうして地元の一人々々によくお話をしました。私は終始一貫、いかなる機会においても、いかなることをするにも地元の一人々々の気持を聞かない以外には何もしないのです。私が一人でこの基地拡張の反対を叫んでいるのではないのです。この地元のここに書いてある連名のこの方々が絶対に死んでも離れない、はりつけになっても離れない、こういうので、私は代表をもってこうやって声をからして全国に叫びつつあるのでございます。どうか参議院の先生方、私は決して私腹を肥やすの、自分の名誉を得るの、そんなようなことは絶対ないのでございます。先ほど申し上げました通り、何とかして目下のこの国のいき方をほんとうによいものにしていただきたい、もし国の法律等にまずいことがあるならば、国全体のものが反対するならば、やはりこういったことは治していただいて、そうして一番いい政治に持っていっていただくのが、この日本国の再建ではないかと思うのでございます。前町長さんもやはり町を愛するがゆえに、きょうもわざわざ来ていらっしゃるのでございますが、これらの方は条件派でございまして、条件というのは結局お金でございます。そんないやしいことはほんとうに私は恥かしくってたまらぬのでございます。あくまでわれわれここに連名してございますものは、そういったことは言わないで正々堂々と町を愛する、そうして最もいい国を作っていただきたいというのが、この反対同盟の精神でございます。これ以上は私は涙が出ますので申し上げることはできないのでございます。どうか先生方、真剣に、また政府の方々にもこの国を守るという反対同盟だけはぜひともこの際取り上げていただきたいということをお願いしまして、ここに参考としまして、昨晩私が命じたわけでもないのです。青木がいかに言ってがんばってもやはりわれわれの気持はなかなか通らない、やはり記名調印の上青木持って行ってもらいたいと言って、はんこを持ち寄ってわざわざ十一時から十二時の間にかけ参じたのがこの全貌でございます。どうか委員長さん、ぜひともお取り上げ下さいまして、私のほんとうの血の出る叫びをお取り上げ下さいまして、よろしく善処方をお願いいたします。御清聴ありがとうございました。
○理事(宮田重文君) 次に、大高根射撃場の問題につきまして、山形県村山市の市長伊藤興道君にお願いいたします。
○参考人(伊藤興道君) 私はただいま御紹介にあずかりました村山市長の伊藤興道でございます。 大高根の射撃場の問題につきまして、すでに皆様方御承知の通り、去る十六日より以来、数日にわたりまして反対者と調達庁との間に非常なるトラブルができまして、重傷者数名を出し、そのうちに特に全治三ヵ月を要するというような重傷者を出したのでございます。こうした不祥事がどうして起り、またこの射撃場に対しまする反対がどうして生まれたかということにつきまして、一応その経過と全貌を簡単にお話し申し上げまして、委員の皆様方の一応御理解を深めていただきたいと思うのでございます。 この大高根の射撃場が昭和二十一年の十二月に占領軍によって接収せられまして、その総面積が約四千七百町歩でございます。もちろん射撃場でありますので、大体が山林でございます。この四千七百町歩の山林並びに水田、畑の耕作関係者が約七百人おるのでございます。そうしてこの広大な面積の中に砲座を設け、射撃をいたしまする関係から、たまたまこの元戸沢村の宮下部落という部落、約二百二、三十戸ございますが、その部落の頭の上を大砲のたまが飛ぶようになり、あるいはまたその村の中学校の頭の上を、教室の上をたまが飛ぶようになりましたので、いわゆる弾道下の問題といたしまして非常に大きな問題になったのでございます。これに関しましては、政府といたしましても非常に努力せられまして、その弾道下の問題を避けるために砲座の移転が行われました。その結果、砲座の移転は行われましたけれども、新たに射撃場の拡張が行われたのでございまして、これがAスリー地区ないしAツー地区という名称をもって現在呼ばれておりまする地点でございまして、大体におきまして水田が七町歩、畑が十二町歩という、全体からいたしますれば、わずかな反別ではございまするが、このいわば農耕地が新しく拡幅され、そうしてバズーカ砲座として使用されるということがわかりましたので、この関係者がこの農地をとられるということは全く生活を脅かされる、殺されるにひとしいというので反対が生まれたのでございます。特にこのバズーカ砲座の設置によりまして、関係者が六十名ばかりございまするが、そのうち十二月というものがほとんど全部の農地をつぶされてしまうのでございます。この十二戸の農家が全く農地を失うということは、ほんとうにこの人たちにとりましては殺されると同様でございますので、この人たちを中心にいたしまして、約三十六名かの者が白鳥厚生同志会という同志的な結合を作りまして、反対をいたして参ったのでございます。そうしてこの反対の白鳥同志会と調達庁との間にいろいろと折衝が重ねられたのでございまするが、なかなか円満なる解決の道が見出されません。そうして昭和二十九年の九月でありましたが、同志会の方から、仙台の調達局の磯局長さんに来ていただきまして、現地におきましていろいろと折衝いたしましたときに、同志会の方から二十三項目の要求がなされたのでございます。この要求項目を完全に入れて下さるならば、同志会としてはあえて反対しない、契約にも応じようというようなことで、この二十三項目を申し込んだのでございます。しかしこの二十三項目につきまして、そのときの磯局長さんははっきりと、これは実行するということを同志会員に公約をいたしたそうでございまするが、しかしそれは単なる公約だけであって、これが完全には実施されておらなかったのであります。もちろん全部実施されないというのじゃなくて、二十三項目のうち、六つか、七つか履行されないでおるのでございます。従って同志会といたしましては、一つでも履行されないうちは断じて土地の契約には応じられないということで強く反対をいたして参ったのでございますので、調達庁といたしましては、どういたしましても円満妥結の道を見出すことができないので、本年の四月十八日に、総理大臣のこの土地に対しまする使用認定をいたしたのでございます。総理大臣の使用認定が下りましたので、当然これが強制収用へと法的な手続を進めて行く段階に相なりましたので、そのときに山形県に調達庁の中山不動産部長さんを初めといたしまして、農林省の入植課長である和栗課長さんたちが参られまして、山形県庁におきまして、知事初め私どもといろいろ御相談をしたのであります。そのときに調達庁の御意向といたしましては、使用の認定はいたしたが、しかし何とか話し合いで円満に解決の道を見出したいのだ、そうしてこの土地を買い上げたいのだ、買収したいのだ、その買収価格については、大体、田は十二万円くらい、畑は十万円から八万円くらいの金額で買い上げたいのだという意向を私どもに漏らされたのであります。そのときに、私どもは県も私もともに同様でありまするが、そういうような安い価格でこれを買い上げる、しかもなかば強制的に買い上げるとするならば、これはとんでもないことであって、そういうような価格で、かりに私どもに、また県に、地元関係者に話をせよということであるならば、それはまことに無理なことであるから、私どもは遺憾ながら調達庁の意向に従って地元民にそういう意向を伝えるわけにいかぬということで、何とかもっと金銭的に国としてほんとうに農民の土地を買い上げるような、実際に通用する価格で買い上げてもらえないか、買い上げるとするならば、そういう価格で買い上げてほしい、そういうことであるならば、事情によっては関係者にもお話をしましようというようなことで、強く農林省あるいはまた調達庁に対しまして価格の引き上げを、これは現地に関係なく、県と私どもは調達庁に強く要望をいたしました。そうしてそのことを一応調達庁本庁にお帰りいただいて、東京においてそういう最終的な決定をしていただいて、あらためて私どもに本庁の意向をお漏らしいただきたいというふうにお願いをいたしたのでございます。それから数日たちました後において、なるほど先に示した価格ではあまり安過ぎる、それじゃもっと上げましょうというので、水田は約十九万円くらい、畑は十二万円くらいの価格にしよう、これでどうだろうかというようなことで、しかもこの価格というものは最善で、しかも最後の価格だから、これ以上どうがんばっても調達庁としては考えられない。だからこの価格で一応、成否はともかくとして、白鳥同志会の方々に話をしてもらいたいというようなことでございましたので、一応私が県と相談いたしまして、私が代表となって白鳥厚生同志会にそのことを申し伝えたのでございます。ところが白鳥厚生同志会としては、そういうような価格で田を買い上げられるということは、これは断じて賛成できない、先に磯局長が二十三項目のわれわれの要求に対して全部履行すると公約しておきながら、これも全部履行しておらないで、しかもこの土地を十九万円ぐらい、あるいは畑を十二万円ぐらいで買うということは、実際の価格からいっても安過ぎるし、第一、農民としては土地を金にかえたくないのだ、金は持っておればすぐなくなってしまう、百姓は土地から離れては生きていけないから、どうしても土地を手離すことはできない、金銭で手離すわけにはいきません、遺憾ながら、そういった調達庁の意向には従うことができないということで、調達庁の買収に対しまする相談に応じなかったのでございます。その後いろいろと折衝いたしましたけれども、どういたしましても円満に妥結の道を見出し得ませんので、調達庁といたしましては、やむを得ないという考えでございましょう。去る八月二十三日に、前の使用認定の期限が切れましたので、再び使用認定をいたしまして、一ヵ月のうちに強制測量をするから、市に立ち会ってほしいということを申し伝えて参ったのでございます。そこで市といたしましては、この農民の持っておりまする土地を強制収用するということは、これは私としては絶対反対である。あくまでも国としてどうしてもこれを提供してもらわなければならないとするならば、あくまでも話し合いで、真心と真心のさらけ出した話し合いで何とか解決をつけて行くべきであって、あくまでも法の建前によってこれを収用するということは絶対に反対である。だからこういうような強制収用を前提とするような強制測量には遺憾ながら村山市長は立ち会わないということで、この立ち会いを拒否をいたしたのでございます。県は法規上立ち会わざるを得ませんので、最後の立ち会い人に相なります関係上、法規上立ち会わなければならないというので、県は立ち会うことにいたしたのでございまするが、私は立ち会いを拒否いたしました。そうして去る九月十五日、いよいよ強制測量ということに相なったのでございます。そうして仙台の石川不動産部長さんを初めといたしまして、測量隊の方々が現地に乗り込んで参りました。いよいよ測量をするというその日に、山形県の副知事の華山さんを初めといたしまして、西村さん、あるいは上林代議士さん、私どもがいろいろ御相談いたしまして、何とかここで強制測量をすれば不測の事態が必ず起るから、この強制測量だけは少しやめて話し合いをしてみようじゃないか、話し合いに応じてもらいたい。できるならば責任者である仙台の福間局長さんに現地に来ていただいて、直接農民と私どもと話し合ってみていただきたいということを、華山副知事が電話で約三十分も懇請に懇請を重ねたのでありましたが、どうしても福間局長さんは応じてくれませんで、ただ測量は法によってやるのだから、そういうような話し合いには今さら応ずるわけにはいかぬということで断わられたのでございました。それは測量の日の午前中でございました。午後に至りまして測量隊はどんどん進んで参りまして、ちょうどピケラインの前のところで組合員と対峙いたしました。そのときに私は、このいわば一触即発の危機の前に立ちまして、どうかここでストップして下さい、話し合いましょうということで、石川不動産部長さんと川崎副部長さんにとどまっていただいて、路傍の上で白鳥同志会幹部十数名と私と三者が集まって、そこでピケラインの前で相談をいたしました。何とか一つ話し合いができないものかということを両者に私お話しいたしましたところが、白鳥厚生同志会の方から、私どもはあくまでも国に反対するのじゃない、ただ無意味に、むげに反対するのじゃない、ただ食えなくて、この土地を取られれば食えなくなる、われわれだけが食えないならいいが、私どもには子供もおる、妻もいる、おばあさんもおじいさんもいるのだ、こういった一家のものが全部食えなくなる、あしたからどうしていいかということを考えた場合には、どうしても反対しなければならないのだ。しかし、どうあっても国の事情で提供しなければならぬというなら、やむを得ないから提供には応じましょう、しかし条件がある、先に昨年の二十九年の九月二十五日に磯局長が二十三ヵ条の項目を提示したように、いろいろと私どもにお願いすることがある、要求もある、条件もある、この条件を一つ提供を前提としての代表者会談を開くことにしたらどうだということに相なりまして、同志会からそういうような申し入れがありましたので、そのことをただちに仙台の不動産部長さんに、現地測量隊の責任者に申し伝えました。ところがその石川不動産部長さんも、それはいいだろう、われわれ測量隊といえども、あるいはまた調達庁といたしましても、何もむげに必ずしも強制収用しなくちゃならぬというわけじゃない、使わしてもらえるならいいんだ、だからそれじゃ話し合いはしましょうやということで、その路傍の上で現地のものだけでは話し合いができたのであります。それでは一つ代表者会議を開きましょうということで、その期日もあすの朝の八時までに一つ代表者会談を続けることにしましょうというようなことで、現地の話し合いが成立いたしまして、ただちに石川不動産部長さんの方から仙台の福間局長さんの方に、そういう話し合いをしていいか悪いかということをお伺いをいたしました。ところが仙台の福間局長さんの方から、それは断じてならない、お前は測量だけの命を受けておるのであるからして、その他のことには断じて話し合いに応じてはならない、いかなる内容の話し合いに応じてもならない、あくまでも強制測量を強行しなさいという、きつい命令を受けましたので、現地の石川不動産部長といたしましては、一応私どものその話し合いの申し入れを了承はいたしましたけれども、福間局長の命によって前の了承を取り消しまして、明日の八時半より測量を断行いたしますということの声明をいたされたのでございます。ここにおきまして最後の調停と申しましょうか、話し合いというものも全く望みを絶たれたのでございます。今にして考えますならば、あのときにほんとうに調達庁がこの問題を平和的に解決して行こうという一片の誠意が仮にあったといたしますならば、おそらく不祥事は起きなかったかったかもしれません、あるいは会談そのものが不成立に終らなかったかもしれませんが、しかし一応そういうふうに地元の者が提供の意思があるのだということをはっきり表明されたのでありまするから、この地元の方々の真心をくんでいただいて、会談の成否はともかくといたしまして、一応会談に乗って下すって話し合いを続けていただきたかったということを私はいまだに残念に思うのでございます。しかし事実はこの話し合いは成立しませんで不調に終りましたので、あくる十六日におきましては、午前八時を期しまして測量隊が測量を強行する、また地元同志会を中心にいたしまして、組合の方々はあくまでもこの強制測量を阻止せんとする動きができまして、そこで、路上におきまして反対派のいろいろの動きもございまして、いろいろと流血の惨事を見るようになったのでございまして、この間に警察隊の出動もあり、まことに村山市といたしましては、いまだかつてないような不祥事をここに引き起しましたことは、まことに遺憾であり、残念しごくであったと思うのでございます。結局この大高根の問題は、全体から見まするならば、先に申しました通り四千七百町歩という広大な地域でありまして、そうしてこの反対せられております白鳥同志会のAスリー地区、Aツー地区は僅かに二十町歩でございます。でありますから、数の上から申しますと、あるいは量の上から申しますならば、まことにりょうりょうたるものであるということも言えるかもしれません。しかしいかに数が少く、量が僅かであっても、この射撃場のために生活権を奪われ、生きることができないというような人が一人でも仮に起きるといたしましたならば、これは断じて許さるべきことではないと思うのでございます。基地拡張の犠牲というものは、関係者のみだけにこの犠牲は強いらるべきものではないのでありまして、あくまでも国全体の責任において、あたたかい心によりましてこの問題を解決して行かなければならないと思うのでございます。私は村山市長といたしまして、この問題は一応強制測量は終りました、そうして事務的には強制収用への段階と日一日と進みつつあるとは思いますけれども、この強制収用の前に、何とか参議院の委員の皆様方のお計らいによりまして、一つ円満解決への道を見出だしていただきたい、そうすることが地元厚生会の方々の仕合せであり、また国全体の仕合せでもあると思うのでございます。何とぞ皆様方の御理解ある御協力によりまして、この大高根の基地拡張の問題を平和のうちに、強制測量によらずして平和解決の道を見出だしていただきたいということをお願いを申し上げまして、私の説明を終らしていただきたいと思います。
○理事(宮田重文君) 次に同じく山形の村山市字白鳥の齋藤久藏君にお願いいたします。
○参考人(齋藤久藏君) ただいま御紹介にあずかりました大高根射撃場の厚生同志会の齋藤久藏というものであります。 本日の参考人としては、同志会の細谷会長さんが出るはずなんであります。ところが細谷会長さんは都合上出席できず、それでかわりまして伊藤副会長さんが出かけられたのであります。それに対して私は付添人として来ましたのでありますが、中途遺憾ながら伊藤副会長さんは、けさ六時半ににわかにからだが悪くなり、現在のところ意識不明というような重態に陥っておるのであります。そこで私はその代理人として本日の参考人のかわりとなったわけであります。ただし、私としては同志会の会計をやっておるために、明細なところは遺憾ながら皆様方に満足を与えることができないという点は多々あると思います。そこで私の記憶にあるだけをここに申し述べさせていただきます。 同志会の方はなぜ賛成できなかったかという原因を説明いたします。それは調達庁に誠意がないのがこれが一つの原因であります。その一つとして、二十九年九月二十五日、権現堂においてあの仙台の磯局長さんが県の外事課長さん立ち会いの上に、はっきりと公約をしておりながら、その実現をいまだしないということが一つなのであります。それからまた調達庁のやることです。あの肝心かなめな測量に至っては、われわれとして信じられない測量をやるということが一つであります。それからまた、このたびあの強制測量をやって、そうして測量をやったのを見ますというと、実際お互いの境界の間もわからずして、そうして二週間なり、二十日もかかるというところを、たった二日間でごまかしてやる、ああいうことがそもそも調達庁の不誠意だと私は信じます。なおまた、私が出発以後のことでありますが、このたびの闘争におきましては、ここに、この国民を騒がしたほど重大なるにもかかわらず、この解決もいまだなされないうちに、調達庁は一級酒を一斗警察署に持って行ったということを私は新聞で見ました。実に残念なことであります。こうしたことも、一つは調達庁が悪らつなることをやって、そうして一方的にわれわれを苦しめるということは、これは実に情ないことであります。それからまた、私らとしてなぜあの基地に反対するかということは、大高根の基地は農家に至って近いところに設けられております。そのためにこれまであの射撃をやっている間に数名の犠牲者を出しております。その数名の犠牲者のうち二人の犠牲者には私は立も会っております。それを今考えますとき、尊い人命をなくするような基地は絶対反対いたします。この先もあの基地を拡張され、今後もやられましたならば、その犠牲者が出ることは火を見るよりも明らかであります。どうか皆さん、こうした点をよくお察し下され、審議に審議を重ねまして、この大高根射撃場基地をお考え下さいまして、私たちをお救い下さらんことを切に切にお願いいたしまして、あまり簡単でありまするが、参考人としてのごあいさつにする次第であります。
○理事(宮田重文君) 以上をもちまして参考人の御発言は全部終了いたしました。これから質疑に入ります。御質問のあります方は逐次お申し出を願います。
○吉田法晴君 簡単に伺いたいのですが、第一は砂川の前町長若松貞次郎さんに二つお尋ねをいたします。置いてあります紙に前町長と書いてございますが、拡張するという五万何千町歩かの土地のお持主でありますかどうか、そのことを一つ。それから先ほどの参考人の陳述の中に、町は分断され、それから役場、学校が、何といいますか、非常に影響を受けるような状況になるという陳述でありましたが、その砂川町の分断に対して最善の道を考えるということでありますが、前町長として、いわば御賛成になっているあれから言いまして、この拡張をいたしますために農耕ができなくなり、あるいは立のきをしなければならなくなる人たちが、どういう工合に生活ができるようになると、どういう工合にお考えになっているのか、その具体的な方策についてお考えがございますならば、あるいは案がございますならば一つ承わりたいと思うのであります。 それから砂川、大高根両基地の問題に関連をいたしまして、宮崎町長からはちょっと簡単に御説明がございましたが、非常に多くのけが人が出た。新聞紙で拝見いたしますと、大高根も七十名、それから砂川においても先ほどお話のところでは二百名近いけが人が出ていると思いますが、そのけが人が出た模様、重傷者もあり、肋骨骨折であるとか、あるいは骨盤骨折というような負傷者があるようでありますが、そのけが人の模様と、それから先ほど出ましたことを簡単に補足御説明をしていただきたいと思います。
○参考人(若松貞次郎君) 第一の問題今一ぺん御説明を願います。
○吉田法晴君 若松さんにお尋ねいたしたいと思いますのは、若松さんが五万何千町歩かの土地に御関係がありますかどうかということが一つと、それから最善の道が講ぜられるようにというお話でしたが、それについて農耕ができなくなる、あるいは立ちのきしなければならぬ人たちが生活ができるような方途について、若松さんとして何かお考えがございますのか、先ほど最善の道というお話がございましたので、それを伺いたい。
○参考人(若松貞次郎君) ただいま御質問になりました接収されまする住民が農耕地を奪われて今後の生活に困るようなことがないかどうか、その困らないような方策、こういうような御質問でございまするが、砂川町は現在接収されまするところは、すでに数回にわたって立川飛行場が拡張されておりますちょうど砂川の中央でございまして、四番、五番、ここのところはちょうど立川の裏になっておりまして、非常に耕作面が少くなっておる土地でございます。だから当然今度五万二千坪か三千坪接収されますと、さらに農耕地は少くなるのでございます。砂川町は現在耕作反別が農家戸数平均九反歩に相なっております。中央部は至って少いのでございまするが、両端へ行きまするとまだ余裕があるのでございます。農地改革によりまして非常に土地をもらって、その土地を放棄する方も現在あるのでございます。果して五万三千坪あるかどうかははっきりわかりませんが、両端へ行きますると余裕はあるのでございます。ただし農家としますると、遠くへ耕作に行くということは非常に困難ではありまするが、砂川町は一本街道でございまして、現在非常に道路がよくなっておりますので、まだ多少の余裕はありますので、現在犠牲になっておりまする方に、その余裕のありまする耕作地も多少なりとも分けてあげて生活の安全を期した方がいいと考えております。なお調達庁では大和町に六万坪の耕作地があるということは伺っておりますが、これは現在の四番、五番の接収予定地から行きますると約三十町ぐらいございます。これも非常に農家としては遠方でありますので、農業経営上非常に困るとは思うのでございまするが、農家でも現在は三輪車もたくさん使っておりますので、多少遠方でもがまんしていただいて、そういう耕作地を配分してあげたらどうか、かように考えておる次第でございます。なお、町を両分されますことは非常な痛手でございます。砂川町としてはほんとうに一本道でございますので、非常な痛手でございまするが、承わりますと、横田飛行場の滑走路は砂川町を起点として北へ向って瑞穂町まで行っております。約四キロあるそうであります。この四キロのうちに一番瑞穂に寄った所は一丈八尺高くなっておるそうであります。これは私実際に見たわけではありませんが、横田飛行場の関係の方がそういうことを申されました。四キロの道が一番最初から最端まで行きますると一丈八尺上っておるそうでございます。砂川町は立川飛行場の滑走路が拡張になりましても、途中から拡張になるのでございますので、一丈八尺上げるということは私としては不可能ではないかと、かように考えております。立川町から、最初の起点からであれば、あるいは一丈八尺上るかもしれませんが、途中から拡張になりますので一丈八尺はどうかと思いますが、たとえ八尺でも一丈でも滑走路の傾斜をつけていただきまして、少しでも地下に、半地下でなくても、少しでも地下にしていただきまして、現在の道路をあまり坂をつけないでやっていただけばよろしいと考えておるのでございます。そうしますると、上へ八尺、下へ八尺ということになりまするが、そういうことにしていただけば、大へん町民としても、多少の事情はありまするけれども、幾分でも緩和されると考えておる次第でございます。
○吉田法晴君 それではあと御質問がちょっとできにくいようですから、具体的にお名前を申し上げて、砂川の方は青木さん、それから大高根の方は齋藤さんから、けが人がどの程度出ておられるか、それからけが人がたくさん出られた、警察が出ましたときの模様で、齋藤さんの方は全然お話が願えませんでした。大高根の方はその点を一つお話を願いたいと思います。
○参考人(青木市五郎君) 負傷者のことでございますが、この九月の十三日、測量によりまして警察力の無謀な行動につきまして町民の負傷者は二十五名でございます。町外百四十四名、合計百六十九名、これだけの負傷者を出しております。
○参考人(齋藤久藏君) 大高根のこのたびの闘争においてけがしたのは、このたびの強制測量によって、同志会としてはどうしても話し合いのもとにやっていただきたいということの一念のために道路にすわり込みをいたしたのであります。それに対し警察は、測量するに道をあけて下さいと言うてわれわれを押しのけた、ただ押しのけただけだったら、ああしたけが人はできなかったのであります。むりしゃりに手を引っぱったり足を引っぱって、そして放り出して、あげくのはてに警察官の中に放り込んで、あの鉄のはまっておるところの靴でもって踏んだりけったりやったのであります。そのためにああいう犠牲者ができたのであります。どうかそういう点、警察は人民を保護するところの警察であると私は信じてきました。そして二十七年には私も警察より表彰されました。だがしかし、このたびのあの暴力を見まするというと、警察はどんなことをやるのが本物であるか、何かさっぱりわかりません。どうかその点をよく政府としてどうかお考え下さらんことをお願いしたいわけであります。
○加瀬完君 村山の市長さんでも、砂川の町長さんでもけっこうです。今、齋藤さんからも幾分出ましたけれども、私どもが伺いたいのは、警察庁の長官も来ておると思いますので、あなた方が警察官の行動としてはあまりひどいじゃないかという具体的なあの当時の様子をお話いただきたいと思うのです。
○参考人(青木市五郎君) 青木市五郎でございます。私は十三、十四日のその際、私がさき参考のために申し上げました、私は終始一貫町において血を流したくないと、こう言って、町の方々がこの測量をやられてはほんとうに町が困ると、やはり測量は基地拡張を前提とする一番肝心なことであるといって、町全体の方が出て参ったのでございます。われわれ反対同盟としましても、この流血の惨事を起すには、どうしてもそこに町の者であるかどうかというのを標識を作れというのが一番根本問題で、われわれは標識を渡したのでございます、町の方に……。そうしてその腕章を渡したのは、やはり町の者であると、これでないと、やはり町を愛するためにこの警察官が入ってきたのを阻止すると、もし無責任な方々が入ってきて、暴力でもふるいますと、われわれはほんとうに心外でございます。これが血を流す種と思いましたがゆえに、その腕章を渡して、そうしてわれわれはこの立川基地を拡張されては死んでしまうのだ、町をつぶされてしまうのだと、この意思表示のために町の道路にすわり込んで、この立ち入りはよしてもらいたいと意思表示したのでございます。にもかかわらず、警察官は何ものも言わせないで、すわり込んでいるところへどしどしと踏みにじって入ってきたのでございます。はなはだしいのは、けったり踏んだり、町議の中にもまだ足が相当はれた者がおります。どんどんくつでけるのでございます。鉄かぶとをかぶっておりますがゆえに、かかえて出すときにここをぐんとやるのです。そうすると、みんなけがをするのです。はなはだしい方は警棒で婦人の局部まで突っ込んでいたずらをするような行為をやった者もあります。これらのことはあとでわかったのであります。婦人としても恥かしいからそのときには叫ばなかったが、実に警察官が無謀だということは、何で泣いているのかと思ったら、あとで聞いたらそういうことであったのであります。若い娘さんが、この町をつぶされてはわれわれは今後ほんとうにどうするのだとまで意思表示してすわり込んでいるときに、警察はいたずらをすると、こういったことで、若い娘さんがほんとうに真剣に今後政府に考えてもらいたいということによく決意が固まっております。あるいはまた町の幹部その他が警察にも不法検束等をされたのも、やはりこういったけが人が出るので、まあまあとこうやったところ、ぽんと引きずって行く、われわれ反対同盟ではこの血を流すことを避けておったのでございますが、警察はほとんど一方的でございまして、何としてもわれわれが見ていられないような状態でございました。はなはだしい方は、もうほとんど腕をとるときに時計をぷつんとやって、五十個もなくなっておるのでございます。これはまだまだ証拠不十分でございまして、中にはおれが見ておったから、青木、これは告発しろと、こういうことで、私はあまり余裕も持っておりませんが、一部は告訴しております。五十個以上もなくなっているのです。暴虐はこれを見てもわかる。このなぐる、けるを証拠づけるのは、警察は催涙弾まで持ってきた、防毒面を持っております。こうしたことは、われわれがすなおにすわり込んでいるというのは、この基地拡張をやってもらっては困るということを意思表示したにすぎないのでございます。こうした方は、警察当局としても絶対にこの負傷者に対しても責任をとってもらいたいと思うのでございます。その惨状を、願わくば長官には見ていただきたいのでございます。実に見ているものはみんな泣いたのでございます。こういったことにつきまして、われわれがこの狂奔きわまる、狂犬のような警察に、あくまでわれわれは手を出していたのでは、いたずらにわれわれ町民の間に犠牲を出す一方で、何ら意味ないというので手を引いたのが十四日でございます。このとき若い娘さんがほんとうに泣いて、ぜひとも行動隊長、これだけはよしてもらっては困るのだと、われわれは死んでもこの警察には刃向うのだという意思さえ燃え立たせたのは、この幼い娘さんに、ほとんど手をとってここのところをこれをやるのです。これをつかんで、手をつかんでぎゅっぎゅっとやってほとんどあざだらけです。この娘さんが将来そのあざがなおらなかったらどうする、こういったことを娘さんたちが——、そのときほんとうに苦労をし侮辱をされて、けったり踏んだり、こういったことを何ゆえに警察がするのだというような惨状でございました。そのほかいろいろ、労働組合の方々も肋骨を折ったり、あるいは肝臓を痛めたり、このようなけがをするというのは全く見ていられない暴虐ぶりであったのでございます。これは私代表として、責任上この際十分訴えさせていただきたいと思います。なおまだまだ話せばたくさんあるのでございますが、時間の関係もありますと思いまして、ほんの一端を述べて御参考に供していただきたいと思います。
○参考人(宮崎傳左衛門君) 十三日に多数の警官が出動して、そうして、ただいま青木さんが話しました通りの暴力的な行為が行われたのであります。そうして地元民主党の並木代議士が、これではいかぬというふうにかけつけてくれたのでございます。で、私も町長として、これが継続したならばいかなる流血の惨があるかわからないということで、並木代議士とともに、当時の警察の最高指揮官たる井出第八方面隊長に面接して、そしてこの警察力はぜひやめてほしいということを申し上げたんでございます。しかるに第八方面隊長は、さらに自動車の中に入って出てこない。最高指揮官がちっとも出てこない。そうして津田と申しましたその警部が衝に当りまして、そして、どうしてもこれは今日警察力によっても測量をするのだという、そういう事態のもとにあの悲惨事が発生したのでございます。私どもはどこまでも警察力を排除すべく、また円満に話し合いをすべく地元選出の並木代議士に依頼して、並木先生も大へんな努力をして下すったのでありますが、ついにその話は聞き入れられなかったのであります。そしてついにああした事態が発生したのでございます。
○参考人(伊藤興道君) 村山市大高根におきまする流血を見た惨事につきまして、私は十六日の日、警察隊と地元反対者並びに組合員とが対峙しておりましたときに、その中に入っておりましたが、そのときは先ほどもお話し申し上げました通り、何とか話し合いを持とうということで円満に話し合いができましたので、そのときは双方円満に別れましたので何らのトラブルが起きませんでした。翌十七日に円満話し合いが決裂いたしましたものですから、調達庁は測量を強行する、地元反対者並びに組合員は話し合いに応じないような調達庁はあくまでも測量に入れないといって、これはがんばって、道路に横たわり、あるいはピケラインを組み、すわり込むというふうに、何段かにずっと道路に連なっておりました。これは午前中の様相でありますが、そのときに警察の方では、そういうような道路に横たわって道路のじゃまをして交通妨害をしておれば、法によって処置しますというようなことを盛んに言っておりましたが、むろん組合員の方なり、反対者はどきませんので、私の見ておりましたときに、三十分ぐらい対決しておりました後に、警察の者が出てきて、道路に横たわっております者を片方は足、片方は頭を持って道路のわきへ置く、そうしてジープが進むというようなことで、そこのときには大した乱闘がほとんど起きませんでした。それからピケラインのところでは押し合いがありました。警官隊とピケラインで押しっこです。押し合いのときには手は出さなかったように思います。お互いに手は出さなかった。押しくらで、ここにピケラインの棒がありますから、組合員が棒を持っていますから、その棒のために押されてだいぶ悲鳴をあげておった人が組合員の方にはおったようであります。警察官の方には悲鳴をあげておりませんが、農民の方には、あるいは組合員の方には、何か断末魔のような叫びをするような実にいやな悲痛な叫び声が聞えました。そのときに、こんなことではいかぬからというので、どっちからともなく、話し合いの上で三尺ぐらいの間隔を置いて一応押し合いが中止になりまして、その後しばらく対決したままでお互いにいささか一服の形になったようでして、その後測量隊がうしろの方から現地に測量にずっと入ってしまったというようなことで、そのときには、午前中にはその通路の上では大したことが起きなかったように思います。私測量隊がずっと横の方から入ってしまったので、測量隊の方に走って参りましたので、道路の上の対決、対峙はそのとき見ておりませんでした。測量の場所では、何か上林さんがけがをなされたのはそのときだと思いますが、その現状を私は見ておりません。私の見ておりました範囲内では、大した乱闘はそのとき出ておりませんでした。それから午後十二時半ごろからまた対決、対峙になりまして、非常な乱闘が起きたということでありまするが、そのとき私は支所の方に急用がありまして、戸沢支所の方に参りまして留守になっておりまして、私の留守中に安宅という県労評の議長が検束されると、それを中心にして非常な乱闘が起き、さっき齋藤参考人からも言われました通り、石川敬太郎という人が骨盤骨折で全治三ヵ月を要する重傷を負ったのであります。それから川樋という方が脳震蕩を起しまして人事不省に陥って、何でも死んだのじゃないかといって非常に驚かされたということでございました。そういったようなことがあって、そのときには、十二時半ごろのこの騒ぎというのは非常にものすごいものがあったということでございまして、警官の方が悪いという方もむろんありますし、また組合員がすわり込んでいるからだという人もおりますし、ここのところはいろいろ立場々々によって甲論乙駁があるようでございますが、現実には私そのとき見ておりませんので、あとからそういう重傷者が出ましたことを聞きまして、かけつけて行ったときにはすでに解散した後で終っておりました。ただ重傷者が出まして、先ほど申しました通り全治三ヵ月を要するような重傷者が出たということは事実でありまして、これは何でも聞くところによりますというと、警察官が頭と足を持ってリレー式に送った、送るときに落したのではないかというようなことを言う人もおりました。現実には見ておりませんので、はっきりしたことは申し上げられません。以上参考人として知っているところを申し上げた次第であります。
○千葉信君 砂川の若松貞次郎さんにお尋ねをしたいのでありますが、あなたは今回の問題については地方で相当重要な役割を演じておられる方ですから、そういう意味では、先ほど陳述されたその内容について私はちょっと不審を抱かせられた点がありました。どういう点かといいますと、砂川町が今回の飛行場拡張の対象になっているということは、これは安全保障条約ないしは行政協定に基いて飛行場の拡張の対象地としてもはや決定されておるものだというお考えの上に立って行動された。そうして実際先ほどの陳述でもそういう意見をはっきりと吐いておられる。しかしこれは、なるほど条約上は飛行場あるいは軍事基地提供の義務はありますけれども、しかしその義務は何も砂川町を飛行場にしなければならぬという問題には直結していないのです。日本国内のどこかの地域はそういう基地として提供しなければならぬという義務は条約上あっても、その土地が砂川町でなければならぬということは何も条約上規定されていない。ですから、直ちにそういうふうな結論を、砂川町がもう飛行場になるのだということを頭からきめてかかるということは、これは論理の飛躍といいますか、結論が少し飛び過ぎているのです。この問題については、昨日の委員会でも、調達庁の長官が、砂川町の問題その他の基地の関係について、何もそれは決定していることではない、それから測量の済んだ後といえども、それでも決定ではない、あくまでも予定だと、昨日政府の方では次官会議が行われた。それから今日閣議でもこの問題が取り上げられたかもしれない。しかし昨日現在までの状態は、実際調達庁長官がそう言っている通りなんです。ところがあなたの場合には、その点を非常に簡単に、砂川町の基地になるということは避けられないという観念の上に立って行動され、ここでもそういう意見を陳述された。これはちょっと私は問題だと思うのです。で、私はあなたに対して議論をしかける気持もありません。それからまたこの問題について、一体あなたの見解が正しいかどうかということをここで私はあなたに問い詰める気持もありません、参考人としてのあなたの立場に私は敬意を表しますから……。従ってただ私のお尋ねしたい点は、そういうお考えになられたのは、あなた自身が自分の直観でそういうふうに判断されたのか、ないしはまた従来のあなたのいろいろな政治的な経験の上からそういう判断をされたのか、ないしはまたそういう判断をするに至った原因としては、何らかの暗示なり、何らかの教唆なりがあなたに加えられたか、この四つの点についてあなたから御答弁を承わっておきたい。
○参考人(若松貞次郎君) お答えいたします。ただいまの御質問でございまするが、私は自分の自己判断で申し上げたのではございません。調達庁の方から、日本全国の基地が四十ヵ所とか、四十一ヵ所あるうち、三十ヵ所を返して立川ほか十ヵ所を拡張するのだと、こういうはっきりしたお話を承わっておりましたために、それをもととして申し上げたわけでございます。立川は当然重要基地であるから、どうしても拡張するのだ、調達庁でそう申されましたので、私は調達庁の言葉を信じまして申し上げた次第でございまして、それにつきましては、どうしてもこれは拡張するのだ、政府の意向であるならば、まことに砂川町としては悲しむべきことではあるが、これは国策上やむを得ない、こういうふうに考えて申し上げた次第でございまして、委員の皆様方はすでにそういうことは御承知のことと私は思っております。そういうわけで、私が申し上げましたのは、調達庁によく聞き合せて申し上げたのでございまして、私の自己判断ではないのでございます。もし調達庁がわしに言ったことがうそだとすれば、それは調達庁が……、そういうふうに確かにわしが聞いておるのでございます。私の決して自分だけの判断ではない、この点申し上げておきます。
○理事(宮田重文君) 時間も過ぎておりますから簡単に……。
○千葉信君 重ねて簡単にお尋ねしますが、その調達庁の方からあなたに話があったときに、四十二ヵ所のうち三十一ヵ所については拡張しなければならない、基地拡張をしなければならない、こういう話があったときに、そのときに、その拡張しなければならない所に砂川町もはっきり入っておるという、そういう御連絡であったかどうか、この点が一つ……。
○参考人(若松貞次郎君) ただいまの御質問はあべこべなんでございます。三十ヵ所は日本政府に返還する、立川以外に十ヵ所は残す、そのうち五ヵ所を拡張予定地にする、立川もそのうちに含まれておる、当然拡張になりますると、砂川の役場に連絡があったのでございますから、立川の基地は砂川の方に拡張される、こういう判断をいたしたのでございます。
○理事(宮田重文君) ちょっとお諮りいたしますが、あと、五、六人の方の御質疑があるということのお話なんですが、だいぶ時間も過ぎておりますが、続けてやりますか、それとも……、(「簡単にやっちゃいましょう」と呼ぶ者あり)それじゃなるべく一人一つずつ具体的に聞いて下さい。
○加瀬完君 議事進行について。簡単にという大体皆さんのお話のようですが、参考人の方々の今までのお話を承わりますと、やはり政府と合わせてまた参考人の御意見を承わらなければならないという問題が出て来ると思うのです。そこで私は休憩をいたしまして、おそれ入りますが、午後も参考人の方に出ていただきまして、政府も列席させて、そこで参考人の質問を重ねるなり、さらに政府との問い合せを重ねるなりしていただいた方がよろしいのではないか、そういうふうにお取り運び願いたいと思います。
○相馬助治君 今の加瀬君の御意見ごもっともですが、大筋としては私それに賛成ですが、委員の方でも注意して、自己の意見を付さずに、午前中だけ、ほんとうにたださなくてはならないことだけ私はただしたいと思う。いわゆる見解の相違と明らかに思えるようなことじゃなくて、事実を事実として、私たちが知らなければならない問題で、私はぜひ聞かなければならない問題があると思う。従ってこれはこうだ、あれはああだというような水かけ論になるような議論がそこに伏在するような問題をお互いに排して、端的に尋ねなくちゃならないことは私は午前中にやっていただいて、それで満足されない状態のときに、初めて加瀬さんが言うように午後の議事の取扱いをきめていただきたい。しばらく質問を許していただきたい。
○堀眞琴君 では私はごく簡単に一、二点お伺いしたいのですが、今、千葉君の方から若松さんに対して、あなたのそういう条件派としての態度をおとりになったことについての根拠についてお尋ねがあったのであります。若松さんからは、調達庁からの話で自分はそういう態度をとったのだというお話でありましたが、それに関連して、条件派と呼ばれる方々の態度も、若松さんと同じような関係で条件派になられたかどうかということを質問したいと思います。それからもう一つは、警察とのいろんないざこざの結果、負傷者も出ましたが、同時に検挙者も相当出ていると思います。その検挙者の問題について、砂川と、それから大高根の方の方々から御答弁を願いたいのでありますが、検挙者は何人くらい出たかということと、それから現在もなお検挙者の中に留置されている人々があるかどうか、その人数等についてお伺いしたいと思います。
○参考人(若松貞次郎君) お答えいたします。この条件のつきまする、条件派の方の根本の問題でございますが、私は大体八月ごろからこの反対闘争をすることに非常な懸念を持っておったのでございます。それで自分個人としても、八月十三日にも声明書を発表し、また関係住民に対しても個々に、これは住民の自由意思によるべきものだということを関係住民の方に一々通知をしております。それでその声明の内容につきましては、私はこの問題は関係住民以外の第三者があまり深い関係になりますると、非常に複雑を来たしまして、円満なる解決に持って行けないというような議論を持っておるのです。で、声明書にも、これは関係住民が一番犠牲者になるのであるから、関係住民が自由意思によって、反対でも賛成でもきめべき問題であって、第三者があまりにもこれに容喙すると非常に複雑になりまして解決が困難になる、かように考えておった次第でございまするが、六月十八日に町民大会がありまして、それ以後外部団体が入って参りまして、非常に町が、デモ行進をやったり、あるいは労働歌をうたったりいたしますので、非常に解決が複雑になって参りました。そういう関係から一般の関係住民の方は非常にその意気込みに押されまして、これは当然この拡張はあるいは中止になるのでないかというような観念を持たれたのでございます。非常に威勢のいい労働歌あるいはデモ行進、こういうことによりまして、関係住民あるいは町民の方等が非常に先行きが常識的にわからなくなったような私は感じがいたしましたので、八月十三日に至りまして私が声明書を出した、これは第三者を入れては当然解決の道はない、これは関係住民だけで解決すべき問題である、かように声明書を出したのでございます。それで一人々々の関係者に自分から私書を送りまして、これは皆さんが解決すべき問題である、皆さんの自由意思をあくまでも表現して、それによって解決した方が、簡単に何とか円満な解決の方向に向くのじゃないか、こういうふうに考えておったのでございます。今でも私は決して反対同盟の方を切りくずすようなことをやっておりません。それは関係住民の方の自由意思を尊重して、あくまでも関係住民の方の、反対とか賛成でも、どちらでもいいから、関係住民だけできめてもらいたい、かように申しておるのでございます。
○堀眞琴君 ちょっともう一つ忘れたのですが、条件派の人々の中で、関係者というお話がありましたが、その関係者はどういう立場の人か、先ほど町長さんから、条件派の人は借家人や借地人の人が多い、そういうお話があったのですが、そのことも合わせて御答弁を願いたいと思います。
○参考人(若松貞次郎君) それは先ほど町長が申されたように、農家の方でない方も相当入っております。それから農家の方も入っております。
○堀眞琴君 その割合はどのくらいですか。
○参考人(若松貞次郎君) それは私がはっきり数学的には……。
○堀眞琴君 大ざっぱに……。
○参考人(若松貞次郎君) まだ調べてございませんが、昨晩おそく電報が参りましたので、調達庁の方を調べて参る余裕がなかったのでございますが、農家の方の方が、ただわしの想像では幾らか少いでございましょう。消費者の方が多いと思います。それで先ほども申し上げましたが、非常にその近所に気がねをしまして、両方に調印をしておるということを聞いております。それで現在条件の方は対策連盟というのが前から作ってございましたが、その方へは全然名前を出さないで、調達庁の方へじかに賛成の書類を送っている方がある。こういうことも聞いておりまするが、調達庁の方の立川出張所の方では、その名前は申し上げられないと言っておりますので正確な資料がございませんが、その名前を発表されるということを非常に賛成した方がこわがっておるというような話を聞いております。そういう関係で、反対の方と賛成の方と両方にダブっておるのでございます。そういうことは確かにあるのでございます。私はただいま正確な資料を、これこれだということを申し上げられませんが、そういうことは確かにございます。両方へ判を押しましてダブっておるということを聞いております。
○堀眞琴君 検挙者がどのくらいあるか、なお今日留置されている数がどのくらいか、それは青木さんか、あるいは宮崎さんの方から、砂川の方、それから大高根の方、数だけでよろしゅうございますから……。
○参考人(青木市五郎君) 青木市五郎でございます。検挙者について申し上げます。町側から十三名出ております。労働組合側から十六名、合計二十九名で、目下拘束中が三名でございます。以上でございます。
○参考人(伊藤興道君) 検束されましたのは三名だけでございます。そうして現在まだ検束されておるかどうかですが、私来るとき、安宅という県労評の議長さんはまだ入っておるのじゃないかと思うのですが、その他の方は出たようでございます。
○堀眞琴君 在名のうち大高根の地元の方は何名ですか。
○参考人(伊藤興道君) 地元はございません。安宅さんという県の労評の議長と、須藤という全電通の委員長、それから尾原という電産の副委員長の方だけでございます。
○豊田雅孝君 若松さんにきわめて簡単に一点だけお尋ねします。それは若松さんから最初反対と反対以外の者とは大体半々だという説明があったわけでありますが、一方宮崎さん、あるいは青木さんの方からは反対は九十六名、ほとんど全部反対だというような表現の説明があったのでありますが、そこに非常に大きな食い違いがあるのですね。ただいま若松さんの方からは、一々はわからぬというようなお話でありましたが、半々というのと、ほとんど全部というのでは非常な大きな食い違いであります。それでその点についてあなたの率直なお答えを願いたいと思います。
○参考人(若松貞次郎君) ただいまの御質問でございますが、先ほども申し上げましたように、調達庁の方へ賛成の手紙を出した方が七十何名とか聞いております。それが正確な名前を申し上げられませんのは遺憾でございまするが、とにかく今日、昨晩の電報で急に参ったので正確な資料がございませんが、七十何名とかいいましたが、これは測量が最初の測量でございまして、その後また測量があったときに多少の異動があるということは聞いております。それから除外された方も幾人かあるように聞いておりますが、最初の測量では賛成をしたのが七十三名とか、五名とかいわれております。そういうわけで、あとの測量につきまして多少の異動があるかもしれませんが、調達庁の方ではそう申されております。
○相馬助治君 私は若松さんに不審の点を個条書風に聞きますが、失礼ですが、鉛筆でメモしながら個条書に簡単に漏れなくお答えを願いたいのです。 先ほど同僚吉田委員の質問にもありましたが、お答えがないのでこの点はあらためてお尋ねしますが、若松さんはいつから砂川町にお住いでございますか。第二は、何を御商売になすっていらっしゃいますか。
○参考人(若松貞次郎君) もう少し静かにお願いします。
○相馬助治君 一番は、いつから砂川町にお住いでございますか。二番にお尋ねしたいことは、失礼ですが、何を御職業としておやりでございましょうか。その次に伺いたいのは、従来この基地の問題について政府に取り上げられた土地がございますか。四番目には、現在問題になって拡張が予定されておりまする土地の中にあなたの所有の土地がありますか、あるとすれば、それは面積においてどの程度でございますか。その次は、あなたの御証言はきわめて重要だと思って謹聴いたしました。かくかくの条件が満されるならば、砂川の町の町民もある程度の犠牲はやむを得ないから、政府に協力すべきであるというこの御議論は一応筋も通っていると思います、話としては……。そこでかくかくの条件が満されるということについて、あなたが希望的な観測だけで言うのでなくて、調達庁とだいぶ御懇意のようでございますが、何かプライベートにでも、そのあなたの自信を裏づける根拠がございますか、そうしてまたその根拠を持つに至った交渉等がございましたならば、この際お聞かせを願いたいと思います。その中の具体的な問題ですが、買収価格、支払時期、そういうふうなものについても、調達庁と条件派のあなたが別途話し合っておることで非常に参考になるということがございましたならば、この委員会に資料としてお漏らし願いたいのです。そうしてその次の問題は、役場と学校の問題を取り上げましたが、役場は飛行機の騒音のために会議を中絶しなければならないという町長さんの証言はきわめて大へんなことであって、役場には同情しますが、しばらく役場はがまんしてもらって、学校ですが、学校をあなたは移転するとおっしゃいますけれども、私どもの調査では、接収される土地に学校があった場合は、これは移転しましたが、その付近にあるという場合には、日本国中で政府で金を出して移転した事例は一件もありません。そこでこれは防音装置というものをやっておりますが、この防音装置もきわめて不完全であり、かつまた夏は暑くて子供は勉強にも何もなったものでないのですが、そういう児童教育上の問題についても他の実例を御調査の上、学校の移転問題について本日お述べになったのでしょうか、それとも全くの私見でございますか、これをお尋ねしたいと思います。その次、労働組合その他の第三者が入ると問題を紛糾する、こういう町の人以外の団体並びに個人の巻き込まれることを排除すべきであるという声明を出されたそうでありますが、そうすれば、当然警察もまた口を出すな、町と調達庁とで話し合うからというのが筋だと存じますが、警察に対してあなたは介入するなということを、労働組合がまざるなというのと同じ立場から当然抗議もして下さったし、またその声明文の中にも入っていると思いますが、その声明文を読んでおりませんので、その声明文では警察の問題をどう扱ったかお聞かせ願いたいと思います。最後にいま一点、昨夜電報を遅く受けたので、調達庁と連絡をとれなかったというのですが、これは何を意味するか私にはわからないので、折り入ってお尋ねをいたします。条件派では調達庁のどの機関とどのような形で常時連絡をおとりでございますか。また個人若松さんが最も親しく、かつまた資料を提供し、あるいは資料を提供される調達庁関係の係官の代表的なお名前を一つお聞かせ願っておきたいと思います。なお、七十数人の調達庁の方に出した賛成者がある。しかし名前は言えないということですが、これはわれわれは国政審議権を発動して名前をあなたにまで申し上げられるかどうかわかりませんが、当委員会は調査いたします。他には発表いたしませんが、調査いたしますから、そういうことをおっしゃった人の名前を聞かして下さい。七十何人があったが名前は言えなかったとおっしゃった人の名前、これを聞かして下さい。 以上お尋ねがたくさんございましたが、簡単でけっこうですから、一つも漏れなく御答弁をお願いします。
○参考人(若松貞次郎君) 一の問題、砂川町に住んでおります。先祖、もう約三百年ばかり住んでおります。(笑声)それから二の問題、これは職業は農業でございます。三の問題ですが、ちょっと書き落しましたが……。
○相馬助治君 今まで取り上げられた土地がありますか、それからこれから取り上げられそうな土地がありますかということです。
○参考人(若松貞次郎君) そうですが、今まで数回にわたって拡張されておりますので、二百五十町くらいはあると思います。
○相馬助治君 あなた自身の土地が……。
○参考人(若松貞次郎君) 今までに拡張のために接収された土地が買い上げと借り上げと両方で二百五十町くらいと思います。
○相馬助治君 いや、この問題は非常に失礼ですが、あなた個人のことを尋ねているので、若松さんが何ぼ取られましたか、何ぼ取られそうですか。
○参考人(若松貞次郎君) わしのですか、個人のことですか。個人のはありません。
○相馬助治君 今度取られそうな分は幾らですか。
○参考人(若松貞次郎君) 今度もありません。
○相馬助治君 はあ、なるほど、わかりました。かくかくの条件が満たされればいいんじゃないかというのは、かくかくの条件が満たされると御自信を持っておっしゃる根拠は何ですかと、こういうことを聞いたのです。
○参考人(若松貞次郎君) もう一ぺんおっしゃっていただきます。
○相馬助治君 みんな反対しているが、こういう条件が満たされるならば、砂川の町も砂川の者も反対すべきじゃないのじゃないか、こうおっしゃっておるのです。従ってこうこういう条件というものがほんとうに実現される保証があるならば、それは砂川の人もむげに反対するのはおかしいという理屈が成り立つと思うのです。私は理屈を言っているのではないのです。あなたが自信を持って、かくかくの条件が満たされるならば砂川の住民は反対すべきでないと断定したから、かくかくの条件が満たされるというその自信はどこから生れたのですか、そのためには調達庁とどのような話し合いがされておりますか。そうしてそれは土地の価格、支払いの時期、その他について非公式に何か調達庁とお話し合いがあるならば、この際お聞かせ願いたい、こういうことなんです。
○参考人(若松貞次郎君) はあ、わかりました。それがまだ調達庁としては、具体的の案を示しておりません。しかし私が調達局長と会いましたときに、こういう質問をしたのです。砂川町の、わしが町長のときに、二十七年ころと思いますが、接収がありました。そのときに農地の接収価格は坪千百円、一反歩三十三万円でございました。それでごく大ざっぱではございますが、局長に会いまして、今度接収される土地は前回よりもどのくらい高いのだと聞きましたら、はっきりは申されませんが、前回よりも高いということを申されましたので、わしも多少の自信を持ったのでございます。前回よりも高い、こういう、はっきりした具体的のことは申されませんが、前回より高い、こういうことを申しましたので、わしの方もそれ以上であるという自信を持ったのでございます。
○相馬助治君 そうすると、頼りはないのですね、まだ。
○参考人(若松貞次郎君) まだ具体的には伺っておりません。
○相馬助治君 わかりました。
○参考人(若松貞次郎君) それからそれ以上の交渉もまだやっておりません。
○相馬助治君 今度は学校のこと、役場のことも問題だが、役場のことは町長さんにがまんしてもらって、学校のことは問題だからお尋ねしたのです。
○参考人(若松貞次郎君) 学校の問題でございますが、これは隣りの大和町に実例がございます。大和町にアメリカの兵舎ができました。そのそばに中学校がございます。その中学校が別に接収はされたのではないのですが、アメリカの兵舎が近い所にあっては非常に児童の教育にまずい結果が現われるのじゃないかというので、今回、先ほど青木さんからも申し上げましたように、四千三百万だか出して移転をされております。こういう実例がございます。これは別に接収ではないのです。
○相馬助治君 最近ですか。
○参考人(若松貞次郎君) 最近……まだ今年です。四千三百万出して大和町の学校がその兵舎より遠い所に移転されております。
○相馬助治君 四千三百万は全部国費の支弁ですか。
○参考人(若松貞次郎君) それはわしの方はわかりませんが、東京都の方から出ておると思います。
○相馬助治君 そうすると、四千三百万あれば、すっかりもとの規模の学校ができ上る金額ですか。
○参考人(若松貞次郎君) それはその工事のことはわしは知りません。補償は出ております。移転補償は出ております。
○相馬助治君 それはよろしいです。
○参考人(若松貞次郎君) それから第三者が介入する問題、これはわしとしましては、第三者が介入しなければ、ああいう悲惨事は起きなかったと私は想像しております。地元の方は農家の方で非常に温厚な方が多いのでございまして、決して暴力をふるって警官と衝突するようなことはわしはなかったと想像しておりますが、今回の検束者のうちにもそういう方は至って少く、むしろ外部団体の方の方が多かったようにわしは思っております。だから第三者が介入しなければ警察官の出動もあるいはなかったのではないかと、こういうふうにわしは想像いたしておるのでございます。それから調達庁の関係でございまするが、別段わしは調達庁と懇意というわけでもないのでございまするが、町長時代にたびたび調達庁へ行きましたり、いろいろして顔は知っております。それで一々本庁の方とは交渉もしておりません。おもに立川の出張所の方でございます。出張所の所長さんの方と、東京の方は遠いのでございますので、一々出張はいたしておりません。そういう関係から立川の出張所の川畑所長とは必要のつど会っておりますが、先ほどお尋ねの名前は言えないと言われたのも立川の出張所長さんが言われたのでございます。本庁の方ではないのであります。東京局あるいは本庁の方ではなく、立川の出張所の方で申されたのでございます。おわかりでございましょうか。
○相馬助治君 私の尋ねたことについてはおおむねわかりました。ただ一点、私の質問に対して御答弁の中にこういうことが現われたのは、その事態を正確にお認めになりましたか、第三者である労働組合が暴力をもって警察に立ち向うようなことが云々とあったのですが、そういう事態がありましたのですか。
○参考人(若松貞次郎君) お答えします。わしは現場におりませんので、第三者が暴力をふるったか、ふるわなかったかわしはわかりませんが、わしの想像では、第三者が介入しなければこういう悲惨事は起きなかったのではないかと想像を申し上げたのでございます。
○相馬助治君 それはあなたの御意見ですか。
○参考人(若松貞次郎君) そうなんです。
○相馬助治君 意見を開いておるのではなくて、第三者が暴力をもって立ち入ったから云々と言われたが、そういう事例を見ているか、聞いておるかしておられますか。
○参考人(若松貞次郎君) 現場で見ておりません。見ておりませんからわかりませんが、第三者がいなければ、これだけの悲惨事は起きなかったのではないかという、わしは想像をしております。
○田畑金光君 若松さんに一つだけお伺いしたいのですが、ただいまのお話しを承わりますと、前回までの拡張の節にも土地を取られていない、今回も幸いに買収の対象になっていない、こういうような立場であるわけであります。先ほど声明書を出されたということでありますが、その声明書の内容も、そういうような問題は関係住民の自発的の意思にまかした方が円満に解決ができるであろう、第三者の介入等は排除しなくちゃならぬ、こういうお話しがあったわけであります。関係住民と申しますと、お話しの筋から察しられますることは、土地をとられる人とか、立ちのきを命ぜられる人とか、あるいは今回の収用に伴って利害関係を強く持たれる方々と、こう感じられるわけであります。そうしますと、若松さんは関係住民の中に入っておられないように私はお見受けするわけであります。ところが関係住民でない方が声明書を発せられたということは、これはどういう立場で声明書を発せられたのか、前町長という資格はおありであっても、これはただそういう名称を持っておられるだけであって、御職業は一農民であるといたしますならば、どういう資格で声明書を発せられたのか、このことを承わりたいと思います。 次に第二点として、私は青木さんにお尋ねしたいわけですが、お話しによりますと、大へん地元においては政治的な争いが、今回の基地反対闘争の中にもぐりこんでおるようにお聞きし、また新聞でも見ておるわけであります。現町長派という動きと、前町長派という動き等があるようにけさの新聞でも見受けたわけであります。副闘争委員長の田中さんの談話等もお見受けいたしましたが、先ほどの若松さんのお話しを承わりますと、やはり現地には町長派と反町長派という、純粋な基地問題と離れた政治的な葛藤があるように見受けるわけであります。このことは調達庁あるいは政府としても非常に乗じやすい問題を提供しておるように見受けますが、もし差しつかえなければ、こういう政治的な葛藤と申しますか、これらの点について、いま少し事実等をあげ得るならば御説明を願いたいと思います。
○参考人(若松貞次郎君) ただいまの御質問にお答え申し上げます。私は仰せの通り、ただいまは無官の大夫でございます。しかし前町長、この春まで、町長を三月までやっておりました。そういう関係上、現在の指導者ではございませんが、町長も二期やっておりまして多少の経験を持っております。そういう関係から一般住民の方々に間違った方向に向っていただいては気の毒である、こういう観点から自分の声明書も私見として発表いたしたのであります。それでその私見の内容につきましては、先ほど申し上げましたように、関係住民、ただいま仰せになりました接収される方々、そういう方々の自由意思によってきめるべきことである、こういうことを私見として申し上げたのであります。かえって第三者が入ると非常に複雑になる、こういう立場から私見を発表して、ぜひ関係件民だけで取りきめていただきたい、こういうような私見を発表した次第でございます。
○参考人(青木市五郎君) ただいまの御質問にお答えします。私どもの町は非常に派閥的の強い町でございます。それがゆえに目下町長派、反町長派というのが議員間に非常に濃厚になっておりますがゆえに、せんだって十名のこの反対闘争を抜ける、こういうような議員が出た、この議員も採決のときにおりまして、いろいろと基地問題で議論が出てきたのでございますが、終始一貫、せんじつめると、やはり派閥的のようなことをはらんで、すでにこの基地の問題で、真剣にわれわれ地元民を思って下さる議員さんならば、はっきりと派を分けて、ばさっと分れるような道理はないと思います。おのおのの気持において、みんなこういうふうにしたらば砂川の町民にいいのではないか、こういうふうにしたらいいんじゃないかということを真剣的に考えるならば、そういう派閥的はできないと思って、同じ派のうちでもやっぱり考えは違ったことが出ると思いますが、そこにおいて、最終段階において決をとって、反町長派の申し入れによって今までやって来たが、もうこれ以上は議員として地元のこの反対をする者にはかまわない、こういうことが提案があったわけでございます。その提案につきまして、議長採決をしました。そういたしましたらば、八名の者が連記でその申し入れをしたのですが、採決いたしましたら、やはり八名にすぎなかった。この八名の者は全部反町長派で、残った田中議員、砂川議員というのは、これはそのときに態度保留で、二名はどちらへも立たなかった。それで町長派九名、反町長派八名でもって今まで闘って来たが、その地元の者にはかまわない、こういったほんとうにめくらめっぽうけいの議員さんの意見は通らなかった、否決されたのでございます。そうして田中副闘争委員長、今、田中副議長でございますが、これと砂川昌平氏はどっちへも立たないで態度保留、それでその後即座に田中氏も砂川氏も責任を感じて闘争委員を辞職いたしました、即時。そうして翌日八名の方は闘争委員を辞職をして、そうして分派行動に移って、条件派をこれから大いに支援するんだ、こういったことが盛り上げられてございまして、その会議の席へ上田中さんが参りまして、いろいろと田中さんの意見も申し入れたのでございますが、終始一貫基地問題は絶対に触れないで、やっぱり政治的の派閥的のこと一方、先ほど私が申し上げましたやはり町長の足でも引っぱっちまう、これ以外になかったということが、政治的のいかに濃厚であるということがよくわかるのでございます。がしかし、田中闘争委員は、副議長は、もとよりこの基地反対については真剣的に考えて、これはどうしても町を救い、また地元の者がこれほど心配して、どう考えてもこれは基地拡張すれば地元は死んでしまうんだということをよく最初から把握しておられまして、やはりそういった、この際この町がつぶれれば国まで影響して、国がつぶれるのだというような精神であの方はやっておりますがゆえに、あの方だけは昨晩その反町長派より脱落して、また私の同盟の方へ帰って来られておるようなわけで、なおまた一名も本日あたり帰る、こういうようなことになっておりまして、この砂川町で派閥的の強いということは私が証言できるのでございます。以上でございます。
○参考人(若松貞次郎君) ただいま青木さんが申されたことは全部、全部というわけではないが、大へん間違っております。これは決して政争の具に供したわけではございません。それは今回の議員の闘争委員を脱退された方をお調べになればよくわかるのでございます。従来議員のうちの青木直助君は私の同志でありましたが、今度は反対の方へ加入しております。それから町議員の加藤榮寿君は今までは現町長の宮崎さんの方へすべてを賛成をしております。私から申しますと、加藤榮寿君は私の同志ではない。ところが今度は、この問題は最終的にはどうしてもこれは円満な解決に持って行かなければならぬというので、今度は闘争委員を脱退されたのでございまするから、こういう関係で行きますると、つまり現町長の方の賛成している方も今度は条件の方へ移る方もあるし、また前に町長さんの方へ協力しないような方も反対の方に入った方もありますので、そういう実例はお調べになればよくわかると思うのです。そういう青木さんのことは、言葉を曲げて言うことでありまして、実際はそうじやないのでございます。与党、野党と分れましても、与党の方でも条件に持って行った方がいいという方もありますし、そで通りでございます。 〔参考人青木市五郎君「発言さして下さい、一方的じゃ困ります」と述ぶ〕
○理事(宮田重文君) この問題は、昨日の打合会でも、実は今のような点についての質問はいたさないと申し合せしておりますので……、(参考人青木市五郎君「今の若松さんのことで一言」と述ぶ)その点でおやめを願いたいと思います。(「わかっている」と呼ぶ者あり)
○長島銀藏君 私はただいま参考人からのお話を聞いておりまして、だいぶわかって参ったのでございますが、町民の方から労働組合に対して応援を依頼して今度のような問題が引き起されたのかどうか、つまり応援を依頼されたのかどうか、あるいは労働組合が勝手に来られたのかどうか、この点につきましてお尋ねをいたしたいと思うのであります。それからもう一つは、参考人のお話を聞いておりますと、警察隊員だけが非常に不行跡な行動をやったようにどうも聞きとれるのでありますが、(「その通り」と呼ぶ者あり)そうでありまするというと、まことに遺憾のことでございます。従いまして、私は参考人に承わりたいと思いますのは、住民の総数に対して総評から労働組合員の諸君がどれくらい応援に来られたのか、これに対しまして警察隊がどれくらい来られたのかという点につきまして、砂川町の若松さんと、それから青木さんにお伺いしたい、それからなお大高根の伊藤興道さんにお伺いしたい、こう思います。
○参考人(若松貞次郎君) 労働組合の方が申し込んでやったのか、こちらから依頼したのかということは、私は当書者でありませんのでわかりませんです。それ以上のことは労働組合のことはわかりません。
○参考人(青木市五郎君) 労働組合の方々は、地元のわれわれはほんとうの百何名という微弱でございます。こうしてだんだんにいろいろな交渉の過程から、われわれだけではとうていこの先祖伝来の土地は守り得ない、これをわれわれが強硬にやられたならば、あすから生活権を奪われる、こういったことにつきまして地元よりお願いをし、そうして御理解ある労働組合の方に支援をもらったのです。なおまた労働組合はいろいろと長期間にわたって支援して下さるのでございましょうから、ほんとうに地元は虫のいいお願いでございましたが、費用等は一切私の方じゃ持つわけにいかない、労働組合においてすべて費用は持っていただきたい。これもやはり労働組合としても、砂川町がつぶれるというのは日本国がつぶれる、日本国がつぶれたらば労働組合もやっぱり食うことができないんだ、こういう意味合いで真剣的に支援して下さる、こういうような意味合いでほとんど費用は地元へは損をかけない、こういうわけで納得の上でこちらからお願いし、また労働組合も気持よくやって下すったのでございます。なおまた、当日の労働組合の出動は大体千五百くらいと思いました。また警察官はこれに対して二千とか申しております。こういったようなことも、労働組合の方も決して警察を暴力でもって追い払う気持は絶対にないのでございます。やはり組合の方も地元と同じ気持で、いつも終始一貫労働組合の方は地元の意向を問うて、どうであるということを聞かないうちは行動しなかったのでございます。それで地元の者は、われわれはとうてい武装警官にはかなわないんだ、手を出して……、これに刃向うには武器を持たなければならない、こういう意味合いにおきまして、地元のわれわれは始終この協議の結果、やはりわれわれはこの土地を取られるということは死んでしまうのだと、この意思表示のためにやはりすわり込んでお願いをする以外にはなかった。反対を意思表示するためにすわり込み、労働組合の方々もやはり砂川の町がつぶされる。町がつぶされることにおいては国がつぶされる。
○理事(宮田重文君) 同じことはけっこうです。
○参考人(青木市五郎君) これはだめだと、こういうわけで、やはり労働組合も砂川のものと一緒におとなしくすわり込む行動をとったのでございます。以上でございます。
○参考人(伊藤興道君) 組合の方から、あるいはまた地元の農民がどの程度に出動したかということでございますが、実は村山市といたしましては、この組合なり、あるいは地元の今回の動きに対しまして直接のつながりはございませんので、組合が何人で、あるいはまた地元厚生会が何人出動し、そうしてどちらから要請したかというようなことにつきましては全くわかりません。従ってまた警察の方もどの程度に出動したかということもはっきりしたことはわかっておりませんが、ただ新聞紙上によりますれば、三百ないし四百というようなことが書かれておったようであります。
○長島銀藏君 ただいま青木さんから御説明があったのですが、労働組合もわれわれ住民と同じ気持で行動したのだと、こういうお話でございましたが、なるほど先祖伝来の土地を取られるということは、いかにも残念であろうというその気持はよくわかりますが、この土地の地形その他の調査に対しまして、たとえばすわり込みその他の戦術をとっていたしまして調査をさせなかった。少くとも法治国である以上、この公けの道路に立り入りをさせないというようなことは、これは法治国の国民として違反であろう、違法であろうと私は考えるのですが、そういうお気持で、法治国であろうが、なかろうがかまわないのだという態度をおとりになったのですか、どうですか。労働組合も同じ気持でおやりになったというお話でありますから、あなた方もそういうお気持でおやりになったのですか、どうですか、ちょっとその点を一つ……。
○参考人(青木市五郎君) われわれは真剣的に先ほどから申し上げます通り、その土地を取られますと生活権の根拠を奪われる。真に生活権の擁護のためにすわり込んでこれを拒否したのでございます。
○理事(宮田重文君) 齋藤君、先ほどの長島委員か、の質問で、伊藤村山市長は労働組合がどのくらい参加したか、あるいは警察がどのくらい参加したかということについての御質問は、市長としてはあまりよく御承知ないようですが、そういう点についてのお答えですか。
○参考人(齋藤久藏君) さようです。
○理事(宮田重文君) それではその点だけ発言を許します。
○参考人(齋藤久藏君) ただいま市長さんから、この動員した人数の方はわからないとおっしゃいましたから、その点について御回答申し上げます。組合員側としては百四十人が参加しました。それから共闘委側からとしては、十八日の一番多いときで二百名参加したので約二百五十名参加しております。それに対して警察官は八百五十名ないし千名近くもいたかと思われます。なお一言つけ加えますが、さっき伝えました細谷会長の代理として来た副会長さんは、その後ますます重態になって今危篤ということを受けております。
○中川以良君 私はきわめて簡単にお尋ねいたしますが、ただいま長島君から御質問があったのでございまするが、なるほど祖先伝来の土地を取られるということは私どもまことに御同情にたえません。政府はできるだけこれに対しては善処すべきだと存じます。しかしこれを静かにお考えいただきまして、今次おとりになりましたところのいわゆる立ち入り調査を阻止する御行動につきまして、国の法を少くも乱した点があるというような点につきまして、これは警察官側にも悪い点がございましょう。しかし地元の方に、労働組合の方々につきましても、これは御反省をしていただく点も多々あると存じます。こういう面につきまして、地元の方々につきまして皆様方はなるほど行き過ぎがあったという御反省のお気持が少しでもおありかどうかという点をお伺いしたいのが一点。それからもう一つは、あすこを取られると日本がつぶされてしまうという御発言がしばしばあったのでございますが、なるほどお気持はよくわかるのでございますが、その基地の拡充にあすこの一角がかりに取られるといたしますることによりまして日本がつぶされてしまうという御議論の御根拠を承わりたいのでございます。(「そう感じたのだよ」と呼ぶ者あり)
○参考人(青木市五郎君) お答えします。警察力が入って来まして不祥事態の起ったということは、今日参考人として私が一番先に遺憾の意を表しておるのです。何としてもこの砂川町で血の雨を降らしたくない、こう言ったにもかかわらず、あのような事態が起りました。それは警察官の方は国の法律で配置したのです。それにまたこちらで刃向うということはわれわれは悪いかもしれませんけれども、われわれはこの際真に生活権の擁護のためにすわり込んだのでございまして、この点は御了承願いたいと存じます。
○中川以良君 御反省の余地はないというわけですか。
○参考人(青木市五郎君) これはまたとにかく地元とも相談いたしまして、また今後そういったことが……(笑声)いや、私ですか。私はとにかくそれが悪いということになれば反省しなければならない。それて私の気持としては、こういったことは今後なるべく望みたくない、こういうことは気持でよくわかっております。なおまたこの際……。(中川以良君「日本がつぶれる問題について」と述ぶ)日本がつぶれる問題については、とにかくわれわれはこの基地拡張につきまして、砂川町を取られるとわれわれは本当に死んでしまうのだ、こういったことにおきまして、やはり目下われわれが反対しておりますと、日本中の方が激励をしてくれておるのでございます。あなた方の気持はよくわかる、やはりわれわれもあなた方のようなことになったならば大へんじゃないか、こういうことを全国から書面で寄せられております。こういったがゆえに、やはりわれわれもこのような悲惨な目にあって、あくまで拡張されたならばわれわれも死んでしまう、こういう意味合いにおいてやはり日本中の方も同じ気持である。なおまた強いて用いますれば、目下ほんとうに苦労するところはアメリカ方面からもオネスト・ジョンとか、何とかいうものが入って来ておるので、こういったことはわれわれも今後相当考えなければならないということも頭にあります。がしかし、そこまでわれわれは伸ばして議論しておるのではございません。真に今生活権を奪われる、これでやっておるのでございます。そういう私らが死んでしまうのだという一念から、やはりこのようなことがあったら日本中の方が死んでしまうのじゃないかということが頭に来て申し上げたようなわけでございます。
○木下源吾君 大体皆さんが御質問で尽きておるようでございますが、なお一、二点お伺いしたいと思うのであります。前町長若松さんにいろいろお話を伺っておるうちに、第三者が介入したから不祥事が起きたと、こういうような結論のようでありますが、だんだん御答弁によると、はからずも若松さんそれ自身が第三者のように受け取れてしようがないのです。そこで、若松さんがこの問題にどうしても介入して指導して行かなければならないという何か深い事情があるのかどうか、これをお聞きしたいのであります。それから次に、第三者が介入しなかったならば農民は暴力をふるわなかったであろうと、こういうことを今おっしゃったのですが、果して農民が暴力をふるったということを見たか、あるいはそういうように想像したのか、この点をお伺いしたい。それから次に、もはやいろいろのお話によると、あなたが御心配になったような根拠がなくなったと思う。たとえば、先ほど同僚千葉君から質問のあったように、何も砂川のあそこの基地をやらなければならないということが、国際条約にも国と国とにもきまっておらぬということは明らかになったと思うのです。こういうことが明らかになっておるのに、なおかつ、先ほど来のお話では、特調のだれかから、砂川は拡張の十ヵ所のうちに入っておって、必ずこれは拡張を実行するんだということを聞いた、そのことによってあなたの一切の今日までの行動あるいは議論が成り立っておるように思うのでありますが、この点については、一体そういうことを特調のだれが、いつあなたにそういうことを話したのか。あるいはあなたの前町長時代に公文書ででもそういうことを言うて来たのか、こういう点を一つお尋ねするのであります。もしもそういうことがなかったとするならば、あなたの一切の今日までの議論及びその行動は根拠は全くないので、ただ一点、あなたは町を思い、町民の犠牲者を少くしようというこの立場に立つならば、大体今までの行動とは違った行動をなさらなければならぬと私は考えるのですが、そういう点について御反省があるかどうか、こういう点をお尋ねします。次に、この現地の写真を見まするというと、農民もいわゆる第三者も、何ら暴力をふるった形跡は一つもない。これは大高根においても同様である。何らここには——皆すわってガンジーのごとくだ、一口に言えば……。そうして無抵抗である。しかも警官はこん棒をふるってなぐりつけておる。これは写真だから、次のなぐった行動はないけれども、なぐりつける行動は、だれが見ても、三才の児童が見てもある。あるいはこれは同僚堀眞琴君の写真だと思うが、警官が腕を取ってそうしてろうぜきを働いておる、こういう現物を私どもは現実に見せつけられておるのに、なお農民や第三者が暴力をふるったというような証言は、これはまともに受け取れないのではないか、こういうように私は考えるのだが、今もなお、農民や第三者は暴力をふるって法律を阻止したと考えておるのか、この点は重大であります。今、同僚中川君のお言葉にもありましたように、法を阻止するために行動をした、こう言っておる。果してすわり込みがこの法を阻止するための行動であるか、生活権を守る、基地拡張には反対だという意思表示である、この点はまだ今後に議論の余地が多分にあるのであって、私どもはこのことを暴力だという解釈には行き過ぎがあると考えておる。しかし一方の警官隊の問題を、私どもは現実のこの写真によって見て、明らかに乱暴ろうぜきで、暴力その極に達しており、事実において百数十名の負傷者を出しており、大高根においては瀕死の重傷を負わしておる。こういうような国民が苦しみをして、農民も苦しみをしておるのに、証人は果して、法を阻止したこのようなことは当然と考えておるか、この点について明確なる一つ御説明を願いたいのであります。
○参考人(若松貞次郎君) お答えいたします。第三者が入らなければあれだけの流血の惨事がなかっただろうというのは私の想像でございます。どうしても多数の人が寄りますと、お互いに感情の激するところ思わぬ不祥事が起るのでございます。少数ならばそういう不祥事も起らないと私は想像するのでございます。なお、農民が暴力をふるったということは私は認めませんが、ただいま申し上げましたように、多数の人が相対峙しておりますると、どうしてもそこに感情の激突を来たす、かように私は想像して申し上げたのでございます。それからその次に、私が第三者的な立場で介入をしておるような御質問でございまするが、私は第三者的な立場で介入はしておりません。ただ私は前町長として、町を混乱に陥れるということは非常に憂慮にたえませんので、これは老婆心からそういうことのないようにしたいと義務的に私が考えて、いろいろ自分の私見を発表したり、また関係住民にも申し上げたのでございます。それから、ただいま基地の御質問でございまするが、立川の基地は拡張の必ずしも予定地ではないという御質問でございまするが……。
○木下源吾君 予定地じゃない。取り上げることがきまったということは、あなた、だれに……。
○参考人(若松貞次郎君) きまらなくても、予定地にはなっておると思うのでございます。それで役場の方に、五月すでに通知してきておるのでございます。役場の方にも通知がきておりましたり、立川ほか四ヵ所、都合五ヵ所は拡張を実施するのだというような調達庁の意見もありましたので、これはその通りだと思います。立川ほか都合五ヵ所、十ヵ所残るうち五ヵ所を拡張するのであるということは調達庁の方から聞いております。そういう関係から、当然立川は拡張になるものだと、私はそういうふうに信じたのであります。
○木下源吾君 それで一番最後のは一番重大だ。五ヵ所拡張するのだということを役場に言うてきたというのは、これが重大なわけです。それは一体いつ、調達庁の公文書か、あるいは口頭であるならばだれか、それを聞きたいのであります。
○参考人(若松貞次郎君) それは調達局長の川崎さんから聞きました。
○木下源吾君 いつ。
○参考人(若松貞次郎君) 日は忘れましたが、四十ヵ所のうち、先ほど申し上げました三十ヵ所は日本政府に返還する、十ヵ所は残す。その十ヵ所のうちの五ヵ所は拡張をする。そのうちに立川は入っておるということをはっきり聞きました。
○木下源吾君 いつ、大体。
○参考人(若松貞次郎君) それは日は忘れました。
○木下源吾君 大体いつごろ。
○参考人(若松貞次郎君) 大体七月下旬ごろではなかったかと思います。
○木下源吾君 どこで。
○参考人(若松貞次郎君) 調達局の方へ来て聞きました。
○木下源吾君 川崎さんですか。
○参考人(若松貞次郎君) 川崎局長です。
○理事(宮田重文君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○理事(宮田重文君) 速記を始めて。
○参考人(伊藤興道君) 実は大高根の白鳥同志会の代表として副会長の伊藤直春氏が参りましたが、先ほど申し上げました通り、上野に着く前から急に重態になりまして病院に入院中でありましたが、ただいま危篤の報がありますので、代表になっておられました齋藤久藏氏が直ちに病院の方に急行したいというので、参考人としての齋藤氏の尋問をこれで打ち切らしていただいて欠席をさしていただきたいと思いますのでお取り計らい願いたい。お許しを得たいと思います。
○理事(宮田重文君) 了承いたします。 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○理事(宮田重文君) それでは速記を始めて。
○加瀬完君 簡単にお伺いをいたします。大高根の方で骨盤骨折あるいは脳震蕩というふうな重症者が出たわけでございますが、これはどういう状況であったかということをある程度私ども知りたいと思うのであります。しかし市長さんも現地でお立ち会いでなかったようでございますので、どなたか一緒に参っておる御関係の方でもけっこうでありますから、文書で骨盤骨折などの重症がどういう状況で与えられたかということを御報告いただきたいと思います。次に、砂川の方に伺いたいのでありますが、一つは現町長さんに。それは条件闘争派と申しましょうか、そういう方々のお話しを聞くと、いろいろ代替地その他のことが問題になっておるのでありますが、現町長として、今まで話に出された代替地その他の移転条件というものは話し合いに乗れるものなのか、いわゆる話し合いできる条件なのか、全然農業経営その他町の経営の上から話にならないということなのか、この点。それから若松さんはたびたび多くの方から御質問をされましてお疲れだと思いますが、あなたがお考えになっておりまして、調達庁なり政府なりの今までの地元に対する話し合いというものは、今までのような形で万全であったか、言葉をかえて言うならば、調達庁は地元に対して十二分に話し合ったけれども闘争派はきかないんだ、こういうふうにお考えになっているか、この三点でありますが、一点は文書でお答えをいただきますから、若松さんの方と現町長さんの方と、それぞれ簡単でけっこうでございますからお話しを願いたいと思います。
○参考人(宮崎傳左衛門君) 私どもは代替地につきましては、調達庁から正式にどこがあるというようなことを一ぺんも聞いておりません。ただ新聞紙上で大和町の通称青梅橋というところがあります。その附近に元日立航空の土地で六万坪あるということを新聞紙上で聞いております。そうしてその土地はかって戦争中空襲がひどかった、大きなこんな穴がたくさんあいておって、とうてい即時農地になるものではございません。なおかつ私どもが現在の土地を追われたときに、やはり私どもの農地は散在しているのでございます。移転をしてそれが全部かかるわけではございません。その他にも農地が残るのでございます。その農地にどうしてそこから耕作に通えるかということ、これはアメリカさんのような各自が自動車の二台も持っていれば通えるかもしれませんが、私どもの農業経営では、今日の状態ではリヤカーの程度でございます。そのリヤカーを引いて青梅橋というところから私どものこの散在する農地に通勤するなれば、約一里ないし一里半あるのでございます。近道をして一里、いい道を遠回りすれば一里半あるのでございます。そうしたところに転住して果してその農業経営が成り立つかどうか、これは私は成り立たないと考えております。
○参考人(若松貞次郎君) ただいま御質問の、調達庁は十分関係住民に納得がいくようによく話したかどうかという点について、私も別段関係住民の中に入っておりませんので、はっきりはわかりませんが、最初調達庁でいま少し親切に住民に呼びかけたら、あるいはこれほどの騒擾には至らなかったと思うのでございますが、だいぶ反対の気勢が強くなった五月末から六月にかけましては、相当調達庁でも一生懸命戸別に歩いたようでございます。一番最初にいま少しやっていただけば私はよかったと考えております。初めの点に多少遺憾な点があったと、かように考えておるのであります。
○野本品吉君 大へんおくれて御迷惑をかけておりますが、二、三分でありますから御了承願います。宮崎町長さんにお願いいたしますが、町会で御相談になって反対闘争に入る、こういうことをおきめになったということを聞いておるのですが、これだけの非常に大きな反対をする場合に相当な経費の負担ということを予想されたと思うのです。その点についてはどういうふうにお考えになっておりますか。
○参考人(宮崎傳左衛門君) 反対闘争の経路につきましては、地元の移転の対象の皆さんから、初めぜひ反対をしてほしいという申し入れがございました。それはよって町議会が開催されまして、町議会は満場一致をもって反対決議をいたしたのであります。従って町議会議長が闘争委員長となり、副議長が副委員長となり、町議全員が闘争委員になったのでございます。予算につきましては、一応第一案というものがございます。調達庁の云う第一案、そのときに十万円の予算を計上いたしました。第二案というのがあります。これがインチキなんです。調達庁長官もここにいますが、第二案というものは、調達庁が私に土地の測量をしたいという申し入れのときに、しかもその重要な土地の表示があやまっておるのであります。第一案が所沢道東並びに大山道東なのでございます。しかるに第二案についても同じようなことを書いておる……。
○野本品吉君 ちょっと宮崎さん、私の質問の趣旨がよくおわかりにならないようですから、もう一度申します。町会で反対の運動を徹底的にやろうとおきめになった、これはただではできない、その費用についてどういうふうな心組みでおられたか、それをお伺いいたします。
○参考人(宮崎傳左衛門君) それは町議会における十万円、その後十万円、二十万円の費用で闘争をする、こういう決定でございます。
○野本品吉君 最初そういう予定でかかられたということですが、現在において費用はどれくらいかかっておりますですか。
○参考人(宮崎傳左衛門君) 私は会計をしておりませんので、その面がしっかりしたことがわかりません。会計を私はやっておりません。
○野本品吉君 概算でもおわかりになりませんか。
○参考人(宮崎傳左衛門君) 概算は資金カンパが五十万円、現在の費用が四十万円、それくらいかかっております。
○野本品吉君 そうすると、百万前後ということですか。
○参考人(宮崎傳左衛門君) 資金カンパ五十万円、一方が二十万円ですから七十万円ですな。
○野本品吉君 もう一つお伺いいたします。皆さんの運動に非常に共鳴された多数の人が応援に出ておられるようですが、これは町の方から応援を求めたのですか、自発的にいろいろな組織なり団体なりが応援に来られたのですか、それを一つ。
○参考人(宮崎傳左衛門君) もちろん町が主体でございますが、応援には三労、地評、総評というものが自発的においでになった、こういうふうに解釈しております。
○理事(宮田重文君) 以上をもちまして委員会は休憩をいたします。時間は二時四十五分まで休憩いたします。ただし二時半から各派の代表の方と一応また昨日のように運営につきましてのお打ち合せをいたしたいと思いますから、この部屋へ二時半にお集まりを願いたいと思います。それでは休憩いたします。 午後二時六分休憩 —————・————— 午後三時十九分開会
○理事(宮田重文君) ただいまより委員会を再会いたします。 会議の前にお諮りをいたしたいと思いますが、理事の互選に関しての件であります。松原一彦君の委員辞任に伴い、民主党の方に理事が欠けておりますので、補欠互選を行いたいと存じます。互選の方法はいかがいたしましょうか。
○長島銀藏君 理事の互選の件につきましては、成規の手続を省略して、委員長に一任いたしたいと考えます。 右、動議を提出いたします。
○理事(宮田重文君) ただいまの長島君の動議に御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(宮田重文君) 御異議がないと認めます。それでは私から理事に木島虎藏君を指名いたします。 —————————————
○理事(宮田重文君) さらに、先ほど砂川町長の宮崎傳左衛門君から、先ほどの発言のうち、訂正を要すべき点がある、こういう申し入れがありますので、この委員会において簡単に訂正の要旨の発言を許します。
○参考人(宮崎傳左衛門君) 訂正いたします。先ほど私が、労組が私の方で頼んだのでないと、応援に頼んだのではないということを申し上げました。これは反対同盟の方で依頼をして、そうして応援をしていただいた、そういうことになっております。その点訂正をいたします。 —————————————
○中川以良君 私はまず砂田防衛庁長官にお伺いいたしたいと思います。先ごろ砂田長官は、めでたく防衛庁長官に御就任になりまして、自来非常に御努力になっておられます。新聞紙上に伝えられまするところによりますると、しばしばまことに勇ましい御放言を、至るところでおやりになっていらっしゃる、これがまたいろいろと問題を私はかもしていると思うのであります。この御放言をなさいましたゆえんのものは、ちょうど重光外務大臣がアメリカにおいでになるにつきまして、日本の将来の防衛問題等についての御折衝のための、一つの大きな援護射撃のつもりでなさったのであろうと私は推察をするのでありまするが、しかし昨日も私が申しましたごとく、日本の防衛というものは、いやしくも、独立国日本の防衛というものは、他の国から強要さるべきものでも絶対ございません。また政府が国民にこれをしいるものでも私はないと思います。これは全く国民とともにわが国の国力の許す最小限度において、独立国といたしましての自尊心、愛国の熱情を注いでの防衛力を確立をいたすというところに努力をしなければならぬと思うのであります。こういう点におきまして、むしろアメリカ向けの放送をなさるよりも、国内に向けて国民各階層が、いかに今日日本が防衛力が大切であるか、独立川として防衛力を持つべきかというような点、しこうして今日の日本の今なお経済が復興途上にあり、国力がいまだ十分なる回復をしておらない今日の場合には、アメリカその他に協力を願うということは、これは当然のことでございまして、これはいわゆるわれわれの自立的立場におきまして、アメリカの協力をあくまで日本のためになるように、経済的にも、あるいはその他の点におきましても、最も効果あらしむるということが、われわれのなすべき点であり、また防衛庁長官がこれを国民に訴えて、国民各層をして納得をさせるように御努力になることこそ、最も今日大切ではないか、昨日来論じておりまする当地問題等もかようなる点が徹底をいたしておりまするにおきましては、ああいうような悲惨なる惨事は私は起きていなかったと存じます。こういうような点に対しまして、まず基本的な防衛庁長官の御構想を承わりたいのでございます。
○国務大臣(砂田重政君) 中川さんから砂田放言に対する構想を聞きたいと、その通りでございます。私はこれをあえて砂田放言と申します。閣議でまだ決定しておる事項ではありません。各派に折衝して御了解を得るべく、これから努力したいと思って帰って参りましたところが、突然この委員会が開かれまして、今日は私はまだすべての問題は閣議の了解を得ておりません。砂田放送でまことにけっこうだと思っております。(「大臣として不謹慎だな」と呼ぶ者あり)私の考えておりますることは、重光さんに対してアメリカに対する一つの援護射撃のような意味にとられたかもしれませんが、それだけではないのであります。(「声を大きく話すように御注意願います」と呼ぶ者あり)だんだん聞えて参りますから、もう少し……(笑声)私は、この意味で、日本の防衛というものはどうしてもアメリカの協力に待つべきことは当然でありまして、従って、アメリカの協力を求めるためにも、また国定をして納得せしめる政治を行いたいというのが私の放言として現われておる。御承知の通り、アメリカは日本に対して安保条約による協定の上において支援をしようという考えはあるのであります。しかしながらこの支援を求めるためには日本の方でも防衛に対するもう少し認識を深め、根強い防衛力を持つことが必要であります。これに応じて支援を求めるのが当然だと私は考えております。その意味から私の考えましたのは、第一に今まで日本ではあるいは警察予備隊と言い、あるいは保安庁と言い、あるいは今日の防衛庁という、わずかな間に三回も名前が変っておる。こういうふうで、もはや今日の時代においては装備であるかないかということを議論する時代は去り、また戦車を特車というような言葉で国民を欺くような言葉を用いて行くことはもう誤まりである、むしろ防衛の内容、その極限を国民をして納得せしめ、そうしてこれをアリメカに反映することによってその支援を求めるのが当然だと考えたのでございます。従って今まで歴代の方々が考えておりましたのも、陸上部隊は十八万という数で今まで出尽している案である、それを私の構想のように誤解されておりますが、そうではないのであります。従来から日本はこの線を主張して来たのを、国民にだけ知らさないできておった。私はむしろこれをはっきり声明をした方がいいと考えまして、これを十八万という線を出し、そのかわりこの十八万の数をもって陸上を警備いたしまするなら、日本の国は日本人の手で守りおおせて、あえて直ちに他の支援を求めなくても行けるということを考えましてその線を出したのであります。従ってこれを装備をする暁には、陸上のアメリカの部隊はすみやかに帰ってもらうということを前提としてこの主張をいたしたのです。さらにまたアメリカの支援を求める上で一番大きな問題は、アメリカに、日本の装備で十八万の数を持つことは楽であります。今日これは徴兵制度を行わずとも、今日までの実績によって、志願者でもって十分にまかない得るという確信を得たのであります、従って徴兵制度を行わず、あたかも徴兵をやって、今にも日本の国民はまた引っ張り出されるんだぞというような宣伝に乗ぜられることのないように、はっきりこの線を明確にいたしたい。同時に、しかしながらこれには相当の今日の進歩しておる時代に、これに伴うだけの装備を持たなければなりません。ところがその装備を持つ前提として相当量の支援がなくては日本の産業が成り立ちません。朝鮮事変の当時の特需等によって一時の景気は出ましたが、漸次これも減退して参りましては、日本の防衛産業というものは、日本の国内の需要だけを満たすにはその一月分も足りないようなものよりできない、これらの人々を失業の中に陥れる危険がある、これらの装備の会社も自然にこれは中止をすることになりましては、日本の装備が成り立たないのだから、この点に対しては相当量のアメリカからの特需と申しまするか、防衛に必要な注文を出してもらうことを前提として、国民の中に失業者をなくするということに全力を注ぎたいと考えて、この二点を中心として私は放言をしたのです。それでこの放言がこれを土台として進んで行ったことがいいか悪いかは御批判に待ちまするが、私は今日といえどもこの行き方で進んで行くよりほかにないという確信を持っております。幸いにして今度重光さんがおいでになった結果、大体においてアメリカにおいてその了解を得て帰られて、日本においてそれぞれの今後の問題について検討を加え、さらには折衝を重ねてこれらの問題の解決ができる曙光を認めましたことは、私非常に喜びとするところでございます。従ってここに私の申し上げるのは、この陸上部隊にしても海上にしても飛行機にしても、まだ全く……海上のごときは七万トンぐらいのものがありましょうが、これは掃海艇だとか駆潜艇だとかいうような小さな戦闘の能力のないものを合せての数であります。こういうものだけではとてもやって行けない。また飛行機にしても今日戦闘に従事し得るものは陸海を通じてわずかに十数機よりない。こんなもので日本全国のこの国土を防衛することは困難であると考えます。従ってこれらに対しても相当の計画を立てておりまするが、これらのすべての計画はやはり財政と相待つものであります。従って日本の財政の許す範囲において計画を立てなければならぬ、こう考えておる次第であります。ただいま申し上げましたことが骨子となって、ここにおいて郷土防衛隊の問題であるとかいう問題もあわせて私はこれを述べた次第で、そういう点に対しましてはこまかいことはまだ事務的にも成案もできておりません。閣議にはかかっておりませんが、私はこれを実現することを私の使命として考えておる次第でございます。どうぞ御了承を願いたいと思います。
○中川以良君 ただいまの長官のまことに理路整然たる日本の防衛計画の基本的の御構想をお示しいただきまして、それに対しましては私も敬意を表するものでございます。ここに承わりたいことは、さような御構想のもとにできたものと存じまするが、先ごろ重光外務大臣が御渡米になりまするに当りまして、アメリカとの折衝のために防衛六ヵ年計画をアメリカにお示しになって御折衝になった、この防衛計画につきましては、前国会におきましても本委員会において当時の杉原長官に対して私どもはお示しを願うことを迫ったのでございまするが、ついにこれが明らかにされなかった。その後これはおそらく砂田長官のお手元においてその計画が成って、これを重光さんがひっさげてお出かけになったのでございます。しかし私どもの存じておりまする範囲においては、この計画はきわめて重大な日本の将来の防衛を確立をいたしまする問題でございます。それがただ防衛庁だけでお作りになって、閣議にもかかっていない。ことに与党であらせられるところの民主党の諸君も知らない、こういうようなもの、いわんやわれわれ国会は全くこれに対してはタッチしてない、こういうものを外国との折衝にお持ちになって、これであるというふうにお示しになった点に国民は非常な疑惑を持っており、われわれも多大な不安を感じておりまする次第であります。これらの点につきまして、この防衛六ヵ年計画に関しまする点を一つ明らかに本委員会を通じて国民にお示しを願いたいと思います。
○国務大臣(重光葵君) ただいまは私の米国における折衝の内容についてお話がございました。私はその報告にこう申しております。日本側は日本の防衛力は現在相当の程度に達し、なお今後日本の能力の許す範囲において増強の意向であって、防衛庁はこれがために計画を立てておる、よってこれまでのごとき安保条約、行政協定のごときものは改めてもらいたいという趣旨のことを言っております。私は六ヵ年計画をもってこれをアメリカ側に示したとは御報告を申しておらないのでございます。またそういうことはないのでございます。私は防衛庁長官の御意向はいろいろ伺っておったのでございまするが、それをそのまま私の腹におさめておいて、全部は先方には申さなかったのでございます。私は防衛庁長官の非常なかたい御意図、すなわち日本の防衛力を増強するというこの意気込みを向うに移せば私の仕事はできるわけでございますから、それを十分に移したわけでございます。防衛庁としては計画を立ててこれからやる、こういう意気込みを示したわけでございます。さようでございますから、今六ヵ年計画云々のことは、何かの機会にこういうことはございました。経済六ヵ年計画というものということは申しましたが、防衛庁の六ヵ年計画として提出したものは、私は出さなかったことを今申し上げておきます。
○中川以良君 今の外務大臣のお話はよくわかるのでございまするが、しかしいやしくも日本の防衛に関してアメリカ側と従来の片務協定を双務協定に改めていって、日本の自立的立場を一そう明確にしようという重要なる会議にお臨みになるに際しまして、ただ、今の計画中のものであるというような不明瞭な確定的でないものをお持ちいただいたところに、私は今回あちらで御折衝になっても、ほんとうの結論が出なかったのではないかと思うのであります。しかしこの点は事外交に関する問題でございますので、私はあえてこれ以上申し上げませんが、しかしさようにただいま御折衝になったからには、一刻もすみやかにこの防衛六ヵ年計画は樹立をせらるべきでございましょう。またしなければならぬと存じます。これは従来政府のお立てになった経済六ヵ年計画とともに、これは密接不可分の関係がございますので、この経済計画の中に当然織り込まれまして、できなければならぬと思うのでございます。この問題について新聞等に伺いますと、ようやく昨日か民主党において総務会等で御説明になった、近く閣議にかけてこれを了承を得るのだというような話がございまするが、その程度にしかまだ進んでおらないのでございましょうか。そうすると今日は御発表できなければ、いつごろこれをわれわれに御発表になるのか。これはもう来年度の予算の編成も迫っております。アメリカとの今後日本におけるところの軍事会談等も開かれるでございましょう。一日もこれは私はじんせん日を過ごすわけにいかぬと思うのでありますが、この点防衛庁長官はどういうふうにお考えになりますか。
○国務大臣(砂田重政君) ごもっともです。ただいまお説の通り、私はなるべくすみやかに案を立て、閣議の了解を得たいと考えております。できましたら、私はこの内容をいつまでも隠しておくという、今までのやり方に対しては、不満を持っておる。むしろはっきりこれは国民に示し、そうして了解を得ることが必要だと考えております。予算とともに皆さんに見ていただく機会があると思います。
○中川以良君 どうぞ一つなるべく早くお示しをいただくようにお願いをいたします。そこで先ほどの御説明の中に、陸上兵力を十八万にするという話がございました。これは以前からもいろいろ論議された点でございまするが、十八万になるならば、もはやアメリカの陸上部隊は帰ってもらう、われわれはいつまでもアメリカに依存するのではなくて、一刻もすみやかに独立国家として、みずからの軍隊でみずからこれを守るということに努力するのは当然でございます。ところが先ほど来のアメリカにおける会談の模様を承わりますと、十八万ではアメリカでは承服できない、三十五万にしろということを誓われておる次第でございますが、これは果してそういう事実があるのかどうか。かりに三十五万を、国力の充実と相待ってこれは当然やらなければなりませんが、三十五万にいたした場合には、砂田長官の先ほどおっしゃったところの郷土防衛隊制度とかあるいは予備幹部自衛官制度等によりまして、徴兵をすることなしに、今までの志願兵制度でこれができるかどうか、この点につきまして一応明らかにしていただきたいと思います。
○国務大臣(重光葵君) 交渉の内容に関することでございますから、私お答えいたします。三十五万云々ということは、少くとも会談には出ませんでした。これは会談外でございます。今度の問題じゃございません。ずっと前にはアメリカ側の軍部ではそういう意向を持っておったということを私は承知しております。しかしそれは再検討を今アメリカ軍部でもしておるので、考え方をそれに固着しておるわけじゃないように私は承知をいたしております。そこでアメリカ側がどれだけのことでそれでは満足するかということは、これはまだ何にも表示がございません。これらのことはアメリカ軍が撤退をするということと関連をして、日米双方の当局者の間でこれは打ち合せをしなければならぬと思います。将来の打ち合せ事項になっておるのでございます。さように御承知を願いたいと思います。
○国務大臣(砂田重政君) 私の開いております範囲では、三十五万という数は、アメリカの政府から出たものではがなく、また重光外務大臣のお説でもなく、ただニューヨーク・タイムスにそういうことが出ておったというだけであります。私は日本の陸上部隊の装備は、十八万を持てば、必ず帰ってくれるという確信を持っておる次第であります。
○中川以良君 今の点で非常に明確に私はなったと存じます。そこで今後の防衛については、先ほどいろいろ御構想があったのでございますが、兵力の問題等はむろんこれは漸増すべきでございましょうが、もっともっと急激に改善をしていかなければならぬところは装備の問題であり、ことになかんづく科学兵器の問題、この科学兵器の点につきまして将来やはり日本は日本としての立場において確固たる構想がなければならぬと思います。この点はおそらく長官も重視しておられると存じますが、この点について一つ御意向を承わりたいと思います。
○国務大臣(砂田重政君) お説の通りであります。これは装備さえあれば十八万よりもっと少くてすむかもしれないというくらいのものですが、今日の日進月歩の科学の発達の模様から見まして、現在あるものだけではとうていいけないのです。のみならず、たとえば飛行機でお話をすれば、まだジェット機の部品までも今日はアメリカから全部支給を受けておる。これを国内生産に移すことによって産業は興る。そうしてさらに現在の研究の上に新しいものを持ってこなければならない、こういう考えをもって、その点については私どもも非常に心配をするとともに、非常にこの点に力を入れなければならぬと考えております。一々ここで例をあげることは繁雑でありますが、お説の通りに、私ども考えて、その装備の点に相当思い切った力を入れなければなりません。今度は青山教授を大学から迎えまして、装備の研究に専念してもらうようにいたしておる次第であります。
○理事(宮田重文君) ちょっと申し上げますが、質問のいろいろの御準備もありましょうけれども、先ほど来お話のありましたように、大体基地の問題についての御質問を中心にするというようなこともあり、従って御病気の西田担当国務大臣もわざわざ御出席を願っておりますので、その点をお含みの上御発言をいただきたいと思います。
○中川以良君 基地の問題は、すなわち防衛力を日本がいかに今日みずから持つ必要があるかという問題が基本をなしますので、私はそういう意味でお尋ねしておるので、決して基地の問題と関連のないものじゃない。この点は委員長一つ誤まりのないようにしていただきたい。 そこでお尋ねいたしますが、三十五年になると、大体アメリカの方は帰ってもらうというような御構想をちょっと私、新聞か何かで拝見したのでありますが、その中に航空機が三十五年で千三百機になる、そうすると米国の空軍は要らない、海軍もやがて帰ってもらう。これは帰ってもらうことは非常にけっこうでございますが、たとえて申しますると、飛行機の点等もこれからジェット機になってどんどん発達するのでありますが、千三百機あればもうアメリカの空軍はなくてもいいという御構想でございましょうか。
○国務大臣(砂田重政君) 大体その線に向っております。千三百機のうち戦闘に従事し得るものが七百七十七機、練習に使用するものが残りということで、日本の防衛を全うすることができると、こう考えておりますが、こまかいことは私にもまだわかりません。それだけは申し上げておきます。
○中川以良君 私は一刻も早く日本だけでやりたいことはやまやまでございますが、ことに飛行機は非常にこれは金がかかり、先ほど御指摘の通りに日本の経済力がなかなか許しません。やはり日本の経済力に見合って、これはやらなければならぬ。そういう意味から申しまして、ただアメリカだけ帰ってもらえばいいということでは私はないと思う。むしろアメリカの今日の協力というものを、日本のために、日本国民のためにこれを有効に使って行くと申しますか、これは語弊があるかもしれませんが、日本の防衛のためこれを生かして行くというところに、やはりこれを合理的、経済的に考えて行くべきじゃないかと思う。そういう意味における一般の認識も大分欠けておるのではないか、ドイツが先ごろ再軍備いたしましたが、アメリカの軍隊は帰ってもらっては困る、やはりこれはある程度アメリカの軍隊をドイツの今日の現状からいって、これをしばらく活用しなければならぬということを自国のために言っております。アメリカのためじゃございません。こういうような観点を、やはりピントをはずしてしまうと、いろいろ議論が出る、これが反米思想となり、また妙な考え方になって、国民の行くべき道を誤まらしめるということがあるのでございますが、こういう点はどういうふうにお考えになりますか。
○国務大臣(砂田重政君) むろんその点は、ただいま考えておりまするのは、日本の国内の防備が国内でできるという点に至りまするまでには、いろいろな物が必要であります。ただいまお話のジェット機のごときも日本でその部品は一品もできません。これからこれら特許権を買いまして、そうして新たに作って行くのでありますから、相当の期間を要することと思います。その間に日本においてすべての防備も計画してできるようにして進めて行きたい、それができたときが初めてこの計画の完備するときでないかと考えております。陸上の部隊についても同様のことが言えます。これらの点につきましては十分それぞれ研究を続けておりますが、私はこれはできるという確信を持ち、ただいまのところでは航空機でいえば、ヘリコプターの部品だけが日本でできる、ジェット機の部品なんというのは全然まだできておりませんが、これは遠からずしてできる時代に到達すると思っております。
○中川以良君 ジェット機……だんだんこれは飛行機が発達して参る、そういう意味において航空基地の拡充というようなことも問題になるわけです。かりにこれを拡充しないで依然として古い飛行機で日本の防衛をする、またアメリカの協力を古い飛行機で頼むというようなことは、これは日本国民に対して相済まぬことになり、まことに一つのナンセンスだと思う。こういう点においてやはり国民の皆様にも十分に理解をしていただくように、政府みずからが一つお努めをいただかなければ、こういう点に私は大きな誤解があると、また将来の日本の防衛に大きな欠陥を生じ、取り返しのつかない事態を生ずると思うのでございますが、この辺一つ御意向を承わりたいと思います。
○国務大臣(砂田重政君) 今日はアメリカからただいま支援を受けておりますのはジェット機ばかりです。ただいまそれぞれの部品は全部船に積んでもう日本に到着しつつあります。これからの飛行機は前のようなトンボのような飛行機はもはやもらう必要はない、それくらいのものなら日本でもできますが、そんなものは何にもならぬ、むしろジェット機、ジェット機と申しましても、これもだんだんに改良を加えられ、改善されたものができてくるので、このまま晏然としてアメリカに依存しておるだけでは、まだ本格的にはならぬと考えておりますが、ただいまのところではジェット機をみな作ることになっております。
○中川以良君 なお、いろいろ御質問をいたしたい点があるのでございまして、外務大臣、西田国務大臣にお願いをしたい点もございまするが、時間がございませんので最後に私はお伺いいたしたいのは、今日世界の四巨頭会談がありまして、自来幸いにいずれも平和の方向に強く向って参った、この点は非常に喜ばしいことでございまして、私どもも戦争が再び起らないようにひたすら念願をしてやまない次第でございます。しかし昨日も重光さんのお話がございました通りに、アメリカにおいても極東の政策等についてもう大きな戦争はないであろうが、なかなかまだ油断ができないというようなことをダレス長官が言明をしておられる、そういう点をいろいろ総合して考えますると、今、日本の周辺の外国の兵力の配置というものが一体どうなっているか、私どもが聞きまするのに、沿海州から北鮮それから中共の各沿革には至る所ジェット機の基地ができておる、優秀なる新式のジェット機が配置されており、さらにソ連との交渉においては日本海、津軽海峡、宗谷海峡の航行はソ連だけに認めろというような強い要求等も出ておりますところを考えますると、これはなかなかどうも安心ならぬものがあるのじゃないかと思います。そこで一つこれは外務大臣なり防衛庁長官に伺いたいのでありますけれども、なかなか外国のことは、今日日本として察知できないかもしれませんが、ともかくも今日情報として得ておられる点は、これらの日本の周囲におけるところの他の国の兵力の配置というものはどういう現状にあるのでございましょうか、こういう点もやはり国民に一応知っておいてもらわなければならぬ点じゃないかと私は思うのであります。
○国務大臣(重光葵君) 今日日本の自衛軍備、すなわち国土防衛の軍備を整備することに実は没頭しているような状況でございます。それ以上のことには十分に手がむろん回らぬわけであります。それ以上に伸びる考え方を持っておらないことはたびたび申し上げました。自衛軍備だけを一つ急いでやろうということで、むしろ国内問題だけに没頭しているようなわけであります。しかし日本周辺にどれだけの——どういう状態になっているかということは、むろんこれはできるだけの情報を得なければなりません。今外国からの直接侵略があるというようなことは少くも予想しておらぬことをたびたび申し上げておりますが、その通りでございます。しかし周辺の外国の軍備というものはこれは参考になりますけれども、日本周辺において今軍備と申しましても結局飛行機の数ということが一番大きな参考資料であるだろうと思います。飛行機の数は大体日本周辺には外国の飛行機が約七千ないし八千機ばかりはあるということを情報に持っております。これは日本周辺の大陸等での全体でございます。しかしそれがむろん敵性を持っているわけではございません。従いましてこれに相当するだけの日本の防衛力を持たなければならぬと私がいう意味ではございません、しかし大要さような数の飛行機があり、たまこれに相当する飛行基地が日本周辺の大陸にあるということは情報を持っておる次第でございます。
○野本品吉君 私は先ほど砂田国務大臣の御答弁の冒頭におきまして放言であるということをみずから肯定されておる、この点につきましてきわめて遺憾の意を表したいと思います。閣議で決定されないことであるとはいいましても、全日本の国民は防衛庁長官である砂田大臣の一言一動に対しましてきわめて深く耳を傾けまして、一言一句を聞き逃さないような関心を持っております。そのことはどういうことを意味するかというと、たとえば予備幹部自衛官制度というものを御発表になられており、このこと一つの発表が現在の全日本の幾百万の青年にどういう精神的な、心理的な深刻かつ広範な影響を与えておるかということが考えられます。また防衛産業に関する構想も御発表になった。こういうものを、これは日本の大企業はむろんのこと、幾十百千の下請小企業のものもこれまた非常に大きな問題として関心を払っているわけです。あるいは郷土防衛隊の問題、私は砂田大臣の御発表になられた事柄が、大臣がお考えになられておる以上に、全国民に大きな影響を与えておるというこの事実を考えて、また現在及び将来におきましても大臣の言葉に熱心に耳を傾けるような日本の国民であってほしい、日本の国であってほしい、こういうことを心から念ずるものでありますので、従って大臣の言葉じりをとらえてとやこう申そうとするものではございません。委員会の席上でみずから放言をもって任ずるそのことは、大臣の今後の重要な任務の遂行の上に、非常に好ましからざるものであると思いますので、その点はっきりと訂正していただきたいと思います。
○国務大臣(砂田重政君) 先ほど中川さんからの質問に、砂田放言として御質問になったので、それで私はその点を肯定したのです。閣議を経ておらぬのでありますから、放言と言われても私はこれは甘んじて受けますということを申し上げたわけであります。私の責任としてはこれは放言でないつもりでおります。私自身はみずからこれだけのことは実現したいということの構想も持っております。従いましてその点は誤解のないように、私はみずから放言である、こういった意味ではない。そういう意味の質問でありましたのでそう申しておきました。それでありますから、私はその九百万の学生諸君に衝動を与えたということはそれは事実だと思います。しかし、私は全国民が防衛に対して熱意を持つ時代でなければ、ほんとうの日本の防衛はできない、こう考えておるのでございます。その意味で国民全体に防衛の意思を強く持たせたい、この希望は今日でもこれは変っておりません。どうぞその意味に御了承願いたい。
○野本品吉君 ただいま大臣の御釈明がございましたが、どう仰せられましても放言という言葉に対する社会の通念は、責任のある言葉とは受け取らないということだけを申し上げておきます。 次にお伺いしたいのでございますが、前国会の特別国会におきまして、政府が国防会議の構成に関する法案を出しました。これはこの法案に反対される方の非常なる努力によりましてついにああいう状態になったのでありますが、そののちを受けまして、国防関係の閣僚懇談会というものが設けられたということを聞いております。この閣僚懇談会の運営というものはどんなふうに行われておりますか、その内容をお聞かせ願います。
○国務大臣(砂田重政君) これはこの国防会議とは何の関係もありません。国防に関する問題は交通にも道路にもさらに産業計画、いろいろな方面に連絡を持たなければ国防はでき上りません。それで、閣僚の中のそれらの関係のある方々をもって閣僚懇談会を作りまして、そうしてその人々に私は御協力を願って、そうして防衛計画を立てたいと、こう考えておるのであります。
○野本品吉君 そうしますと、その閣僚懇談会におきまして、防衛庁設置法の四十二条に規定されておりますような、国防の基本方針、防衛計画の大綱あるいは産業の調整計画の大綱、これらの問題が当然出ることと思うのでありますが、これは内閣総理大臣が国防会議に諮らなければならないということが規定されておるわけです。従ってその防衛閣僚懇談会においてそのような事柄が話合いがされ、またいろいろ大きな方針がその結果としてきめられるということになりますというと、私はここにこの防衛庁設置法との関係におきまして、法律無視と申しますか、法律を踏みにじっておると申しますか、そういうふうな解釈がつくと思いますが、これはどうお考えになっておりますか。
○国務大臣(砂田重政君) 私は法律のことはよく知りませんが、しかしその事務的のそういう問題に懇談会を作りますことは、総理大臣の許しを受けて作っているのであります。根本は、むろん防衛上の最高の指揮官は総理大臣であることは間違いありません。それだからその指揮は相当に……必要なことは了解を得てやっております。
○野本品吉君 そこでそういう運営が将来長く続くということになりますと、この法律の規定が全く空文に終るということになる、この点について将来どういうふうに御措置なされようとしますかお考えがありましたらば伺いたい。
○国務大臣(砂田重政君) ちょっとただいまの、私聞き漏らしたのでありますが、国防会議との関連ですか。
○野本品吉君 そうです。
○国務大臣(砂田重政君) 国防会議とこの閣僚懇談会というものとは全然関係がありません。これは国防会議法は国会において通過しなかったのです。それだからあらためてこれは次の議会に提案をすることになるのではないかと考えておりますが、まだその点は確定しておりませんが、国防会議とただいまの懇談会というものとは全く……、早く言えば一つの私的の懇談会ですから、どうぞそいつは全く違うものだということを御了承願いたい。
○野本品吉君 そこを私は実は問題にしておるわけなんです。国防に関する大方針なり大きな計画というものが私的な懇談会で扱われるということ自体に問題がありますので、将来そういう大きな問題を扱うためには、そういう座談会とか懇談会とかいうことでなしに、しっかりした根拠の上に立ってその協議をし、結論を導き出すという方法をとるべきである、かように私は考えるのであります。それはいかがですか。
○国務大臣(砂田重政君) その通りです。
○野本品吉君 もう一つお伺いいたしますが、昨日の新聞かに、かねがね発表されておったことでありますが、旧軍人による顧問制度と申しますか、これもまた大臣のほんとうに懇談の相手といったような表現がされておりますが、そういったものが決定されたということですが、それはその通りでございますか。
○国務大臣(砂田重政君) 旧軍人というものと普通の日本人との間に差別待遇をすべきものじゃないと私は確信しております。旧軍人といえども国防のことをまじめに研究をしている人々はこれを……、私のようなしろうとが防衛長官になっているので、私は旧軍人じゃないけれども、前にはやはり追放を受けた一人で、それが経験のない私ですから、そういう人々を網羅し、さらに科学的の有力な人も網羅して、そうしてそれらの意見を徴し、私の助言者となり相談の相手をしてもらうという意味で助言を頼むつもりでおります。
○野本品吉君 私には旧軍人を特別扱いにしたり軽視するという気持は全然ないのです。ただ問題は、今大臣はみずからしろうとだとおっしゃいましたが、十年前の世界情勢、十数年前、二十年前の日本の情勢の中で成長され、研究されたそれらの将軍が、そのまま現在において、いわゆる軍政、軍令その他の面において、今のときに指導力を完全に持っておられるというような御認識に立たれて御相談されますと、これは私は非常に問題があろうと思う。その点について大臣はどうお考えになりますか。
○国務大臣(砂田重政君) これはちょっと申し上げておきますが、私の防衛長官個人の顧問であって、防衛庁の官制による顧問ではない。それから顧問という言葉が混乱されますと非常なめんどうになるようですが、私はその人々の進言を聞き、助言を得て、そうして少くとも陸海空の間の対立でもとの軍閥のごときものを作りたくないと、この根本の私はまず第一に意見を聞きたいということを考えておりますので、決して軍閥の復活をはかろうとかそういうような観念は毛頭持っておりません。このことを申し上げておきます。
○野本品吉君 大体大臣のお気持はわかりましたが、あえて私はこの際申し上げておきますが、時代に対する感覚その他諸般の問題につきましては、実は砂田長官の方が私は新しいと、こう思っておる。従って、古いと申しましては失礼ですけれども、旧軍人、陸海軍の軍人の助言が長官の頭の全部を支配されるようなことになりますというと、これは大へん考えなければならないことだと思います。こういうことを、非常に悪口のようでありますが、まじめに考えておりますので、あえてこの顧問制度の運用につきましては(「ずばりと言え」と呼ぶ者あり)特別な御考慮をわずらわしたいという希望を私は申し上げておきます。 次にもう一つ、これは重光外務大臣にお伺いしたいのですが、昨日重光外務大臣は日本の防衛の問題について、世界の大勢が平和への動きをしておることはこれは認めざるを得ないけれども、ヨーロッパにもアジアにもいまだ不安の要素がなしとしない、ゆえにということで御説明を進められたわけです。で、私はこの不安な要素というものは何であるかということを明確に国民に知らせること自体が、お考えになっておられますような事柄を進める上において必要である、かように考えますので、具体的な御説明をお願いいたしたいと思います。
○国務大臣(重光葵君) 世界的に不安がこれまで起っていると、戦争が今にも起るようなふうに考えられておったことがずいぶん長く続きました。これはたとえば冷い戦争とかいう言葉でもってずいぶん言い現されて、今日まで非常に長い間の不安が続いたということは、これは一々私は御説明をするまでもないことだと思います。ヨーロッパにおきましても、御承知の通りにずいぶん形勢の緊迫したことが起ったからして、北大西洋条約の問題が起ったり、いろいろやってきていることはこれは御説明をいたすまでもないと思います。また東ア方面においても最近まで台湾海峡の危機であるというようなことまでもいわれておったわけでございます。しかしそれらのことはジュネーヴの巨頭会議によって非常に緩和をされて、そうして大きな戦争はもう遠のいた、こういう状態になっておる。しかしまだそれでも従来の不安はまだ残っておるということでございますから、その情勢は十分に国民一般にもわかっておることだと私は考えております。またそういうことについてわからせることの必要であることは、これは私は異存はございません。 —————————————
○野本品吉君 先ほどの委員長の御注意もございましたので、大へん失礼いたしましたが、あと基地関係の問題につきまして、若干、主として西田労働大臣、それから調達庁の長官にお伺いいたしたいと思います。 昨日同僚木下委員は、日本に三十八度線が形成されつつあるというような御発言をなさったのでありますが、私も実は年来そういうようなものの考え方をしておりました。そういうやさきに、砂川の問題のような、山形の問題のようなことが起りまして、逐次その問題が大きくなりまして、悲惨な状態が起って、このことは私どもといたしましては実に遺憾なことだと思います。そこで基地問題の具体的な問題につきましては、これは省略いたしまして、私といたしましては、基本的な問題と考えられる若干の点をお伺いいたしたいと思っております。 飛行場の拡張に伴いまして、かような問題が起ったのでありますが、これはその土地を手放す農民自体の立場から考えますというと、まことに無理からぬ点であろうと思います。金を多く持っておるわけでなし、特別な技術を持っておるわけでなし、土地に依存する以外に生きる道を持たない農民にとりましては、まさに生死の問題でありますので、いろいろと反対の運動の起って参りますのも当然であると私は思っております。そこでそういうことを私は、実は私自身が子供のときに利根川の大改修で私の村は百戸ばかり、墓場も土地も全部捨てて移転させられた地帯でございますので、従って農民のその気持は私はよくわかる。そこで飛行場の拡張その他自衛隊の演習場の問題等に関連しまして、農民の持っておる土地なり山林なりに関係を持ちます場合に、私はいつも考えておるのですが、またそういうことを言っておるのですが、金を相当やれば補償が終るというような、そういう事務的な表面的なものの考え方ではいけない。ある飛行場を拡張する場合には、その飛行場の拡張によって土地から離れる人たちの、家族の、部落の、村の将来の生活設計が成り立つような具体的な準備、研究、構想を持ってかかるべきだ、これなくして、割合に値段を高く土地を買ってやればそれで済むのだというような、そういう考え方が、これは調達庁にも、またダム建設等を行なっております建設省等にもあるように感じられて私にはなりません。たとえば、この砂川の問題にしろ、ほかの問題にしろ、調達庁は土地の拡張をします場合には、かような考慮を払われておるか。またかような点からの具体的な構想をあらかじめ持って、この土地の住民に臨まれたのかどうか。そのことを私はお伺いしたい。
○国務大臣(西田隆男君) お答えいたします。 野本さんのおっしゃることはまことにごもっともであります。私も百姓の子でございまして、土地に対する郷愁は農民がいかに強いかということは、よく承知いたしております。砂川の問題に関しましては、かえ地を準備いたして、現在持っておられる土地ほどの効果をかりに発生することは、野本さんも御承知のように、現在の農地の状態では不可能でございます。従って、開墾にある程度の時日と努力を要することは、これはやむを得ないと思いますが、できるだけ農地を取られる人々の近い土地でかえ地を準備いたしておりますので、詳細なことは調達庁長官から一つ具体的にお答えをさせます。
○説明員(福島慎太郎君) 農地を買収いたします場合の補償のみならず、かえ地という問題でございますので、本日問題になっております砂川なり大高根なりの例について申し上げたいと思いますけれども、砂川で農地を買収しなければなりませんのは、かれこれ三万五千坪くらいであります。五万二千坪程度の計画でありますけれども、そのうち一万五千坪程度は安全地帯というだけで、滑走路にはなりませんので、その地帯は引き続き耕作をしてもらうことになっておりますので、かえ地を必要とする面積は二万五千坪程度になるわけでございます。砂川の付近にはかえ地の候補地は十万坪以上ございます。農民諸君の希望によって、あちこち見てもらっておる。またそれらのかえ地の所有者にもあらかじめ了解を取りつけておる。砂川は、御承知の通り、水田地帯ではありません。オカボ地帯、あるいは南京豆とか、そういう地帯になっておりますので、これにかわる地域というものはあると考えております。坪数も三万五千坪の三倍以上はある、砂川の町自体においてある、隣の町にあるという状態であります。 大高根の場合におきましては、水田についてわれわれ反当り十八万円という程度の値段をつけておるわけでありますが、県が御斡旋いただいたかえ地というものは、大体五万円くらいのかえ地というようなものを考えておるわけであります。もちろん、かえ地には開墾費、あるいは造成してあと普通の状態の収穫になりますまでの損害というようなものもあるわけであります。こういうものももちろん補償する必要があると考えております。
○野本品吉君 次に昨日私の手に砂川の飛行場拡張問題に端を発しました地元の者とそれから政府側と申しますか、との間にいろいろと実力行使が起って、そのために非常なけが人が出たという資料が入ったわけであります。私はそれを見ると、実は泣きたいほど悲しくなるわけなんですが、日本国内で国民同士が血を流し合わなければならないというようなことは、われわれの歴史の上におきまして、最近におきましてはほとんどないのでございまして、これは非常に悲しむべき現象だと思っております。そこで、どういう方々がおけがをなさったのかということを克明に調べてみました。そこで全部にはわたりませんが、この私の計算から申しますというと、町民が二十五名、国鉄の労組の諸君が二十四名、社会党の党員というのが十九名、それからその他の者としましてまあ官公労組と申しますか、職員組合と申しますか、これが十八名、うち教員組合という肩書きで示されておりますのが六名、こういう結果に相なっておるわけであります。事の是非は別といたしまして、さようなけが人の出るような事態が起ったことはまことに残念であります。そこで翻って警察方面のことを調べてみましたところが、政府側と申しますか、六月三十日に調達局側の者が二人、それから七月二日に同じく調達局側の者が二人、九月十三日に警察側が六十四人、十四日に二十七人、合計いたしまして九十五名の者がこれらの土地の者との対立関係において起った実力行使によってけがをしておる。それからその他警察の方面といたしますというと、帽子をとられたとか、服が破けたとか、時計がなくなったとか、集計いたしますというと二百七十二であります。私はこの数字を通して見まして、そのとき現場におったわけではありませんが、これはなまやさしいものではなかったということを想像いたしまして、心が暗くなるわけであります。そこで一つ私が、これだけはどうしても私の気持の上において割り切れないものがありますので、お伺いしたいのですが、国鉄の労組の諸君が二十四名、それから官公関係、総理府の者もおります、農林省の者もおります、各方面の者がおりますが、それが十八名。これらの国鉄の者にいたしましても、官公の関係の者にいたしましても、それぞれ法によって身分が保障され、法の忠実な奉仕者として国民全体に奉仕しなければならない立場に立っておる者と私は考えます。こういう立場に立っている者が、ああいう事態の中でけがをされた。この数十名の人たちのけがは、これはけがをしただけの数でありまして、もしこれが十人に一人、二十人に一人の割合でけがをしたとしますならば、その数字は推定いたしますというと相当多数の者が参加したということを現場を見なくても推定せざるを得ない。このことを考えて昨晩おりますとき、たまたま私は部屋に夕刊が配達されたわけであります。その夕刊を見ますというと、私は決して社会党を誹謗しようとか何とかというのじゃない、昨日の社会党の左派の大会の演説会で、鈴木委員長が次のような演説をしたということが新聞に報道されたのです。それは新聞が誤まりとあれば別でありますけれども、一応新聞の記事を正しいものとして私はいろいろ考えてみました。鈴木さんの御演説は、今や日本の保守政党とその政府は、アメリカの経済力と権力とを支柱として、暴力的な狂暴性に陥っている。そして見よ砂川を山形を、武装した警察官の暴力によって、農民から土地を奪いつつある、かくて外には派兵、内には徴兵、こういう調子で御演説をなさっております。私がこの演説に深い関心を持ちましたのは、ただいま申しましたような悲惨な事実をながめ、これを数えながら、いろいろと考えておったやさきに、この新聞が手に入りましたために、そう深刻な感じに打たれたわけです。こういうような問題に対しまして、労働行政に携わっております西田さんはどんな御感想をお持ちであるか、また将来どういうふうなお考えで進もうとされておるか。私は労働組合の健全な発達のためにも、かようなことが将来認められていいものか、悪いものかということに対しまして、大きな疑問を持っております。先ほど砂川の現町長に、それらの労組その他の団体の人は頼まれて行ったのか、進んで行ったのかと私が聞きましたのも、そこにあるわけです。ところが、頼んだのではない、進んで来られたのだと午前中私に答えました。午後になりまして、それは進んで来たのではなくて、反対同盟が頼んだので来たのだ、こういう御訂正があったわけです。私は両方の言葉を聞いて、また別に考えさせられることもあるのでありますけれども、この点は一般の自由な立場にある人がそういう行動をとられることに対しましてとかく申すのじゃありません。私はこの事実と昨晩見ました鈴木左派社会党委員長の演説を比べてみますときに、おそらく反対の立場に立ちました者は、鈴木さんのような思想の持ち主が個人的に参加されたのでしょう。しかしながら、少くともそういう思想の持ち主であり、あるいはまたそういう思想の上におどっておるのであるというふうな疑問も持たざるを得ません。こういうような点に関しまして、私は労働大臣及び総理大臣のかわりとしての重光副総理に対しまして御感想、御意見を承わりたいと思います。
○国務大臣(西田隆男君) お答えいたします。労働行政を担当いたしております立場から私の答弁をお聞き取りを願いたいと思います。労働組合の人たちが砂川の地元の人の要請によって動いたのか、あるいは自分たちみずから率先して動いたのかということは、今度の問題に関して大したファクターではないと思います。労働三法の保護を受けております日本の労働組合は、それが労働組合である限りにおいては、自分たちの経済の向上発展を条件とする場合においてのみ労働三法の私は保護を受けておると考えております。従って、その範囲内におけるある種の政治的な行動は、現在の日本の経済の実態から考えましてこれまたやむを得ない点もあると思いますけれども、限界は少くともそこに置くべきである。従って、今回の砂川における労働組合員のああいう行動は労働組合としては行き過ぎであると、私はかように考えております。従って、対策をどうするかというお話でありますが、労働行政の面において、御承知のように、労働組合の政治的な行き過ぎた行動に対する何らの罰則の規定も何もありません。従って、少くとも日本の労働組合が民主化されて自主的に適正な判断のできるような行動を常にとられるように労働行政の面においては指導するということ以外に、現在ではありませんので、私は現在も将来もそういうふうに労働組合の人たちが行動してくれるように労働行政の面で努力をいたしたいと、かように考えております。
○野本品吉君 時間がありませんからもう一つだけ。これは調達庁の長官にお伺いしたい。と申しまするのは、俗には調達庁の長官はアメリカの役人だとこう言われておる。そこで、そういうような言葉からもいろいろ考えさせられる問題ですが、日本のためにやっておるのだということをあなた方がずいぶんおっしゃられると思うのでありますけれども、そういうような感じを国民が持っておる限りにおいては、非常にそれはマイナスだと、一方調達業務としまして相当大きな調達部面を持っておりますのは、防衛庁の調達業務であります。そこで調達庁の調達業務と防衛庁の調達業務というものは、どうしても切り離しておかなければならぬものであるか、あるいは特別な角度から検討を加えて、その重複を避けて、考え方の上においてもすっきりした気持で業務に当ることができるような形に持って行くべきではないかと、こういうことをしろうと考えに考えておりますが、この点について実際に調達業務に当っております長官の御感想を承わります。
○説明員(福島慎太郎君) 調達庁長官はアメリカの役人では決してないのであります。堂々たる日本の役人で、(笑声)堂々たるということは、なんですが、調達業務は広範にわたっております。防衛庁関係の調達業務に類似した点も多々ございます。国の防衛に関係する面も調達庁の業務の中に多々あるわけであります。調達庁が担当いたしております施設特別委員会というものでアメリカ側との協議を行なっておるわけでありますが、これには防衛庁の担当官に参加してもらいまして、防衛庁の意見によってわれわれの判断をきめるということもやっております。また防衛庁にございます調達機関には、われわれの方の、普通行政というわけには参りませんが、かつて調達庁におりました者が多数入ってやっておるわけでございます。漸次アメリカ側の調達関係が少くなって参りますにつれて、これらの機構について統合と申しますか、調整と申しますか、そういうような研究も必要になって参る時期が来るかもしれないと、私は感想は持っておりますが、今日のところはまだまとまったことを考えておるわけではございません。
○吉田法晴君 新聞あるいは参考人の公述その他を通じて伺っておりまして、私どもどうしても納得が行かぬのであります。福島調達庁長官は、前の国会における内閣委員会において、強制収用を前提にしない調査をしたい、あるいはきょうの答弁で答案を書くために云々という言葉を使われましたが、こういう収用を前提としない、収用するかしないかもわからぬ、とにかく案を立てるについて、測量をするというのに、警察官を動員し、あるいはその警察官が数十人のけが人を出し、もみ合ってけが人が出たと説明をしても、あるいは砂川において六人でしたか、肋骨骨折その他を起しておる、あるいは大高根においては骨盤骨折を起しておる。あるいは先ほど公述人は婦女子の膣に警棒を突っ込み、あるいはあざを作ってまで、何と申しますか、調達庁の仕事を援護しようとした、こういうことでございますが、そういうことをし得る——国民の権利を制限いたしますのに、あるいは制限をしようとする行為について、どこにそういう政府が、あるいは国の機関が、暴行、陵虐をあえてし得る——根拠があるのか、副総理をもって任じておられます重光さん、あるいは西田国務大臣に一つ明確に承わりたいと思います。(「副総理その人だよ」と呼ぶ者あり)
○国務大臣(西田隆男君) 吉田さんのただいまの御質問、私にはよくわかりかねるのですが、今回砂川及び大高根でやりました測量に対する警察官の護衛が不適当ではないか、こういう御趣旨かとも考えます。土地を収用するとかせぬとかいう問題は別に大した論議にならぬと思うのでありますが、これは御承知のように地方自治法にも規定してありますように、業務用としてその土地を使用もしくは買収するような場合に、相手方と相談いたしました結果において、相手方がどうしてもがえんじない、しかしながらこれは認めてやらなければいけないということになりました場合において、片一方の相手方から申請を受けました場合、それを正当と見た場合は、警察官はそれを護衛して、測量はできるということに、条文は私記憶しておりませんけれども、法律の趣旨がそういうふうに条文として書かれておると考えております。そういう見地に立って今回のことは実行されておるのである、私かように解釈しております。
○吉田法晴君 警察の不法と申しますか、あるいは行き過ぎと申しますか、私は職権乱用なり刑法上の責任もあると思いますが、それは警察の責任者から御答弁を願うことにして、政府を代表する国務大臣にお尋ねをしておるのは、国民の所有権、それをあるいは制限しあるいはこれを収用するかせぬかは、まあ先の段階でありますが、収用も前提としない測量をやるのに、警察権を動員をして、そして言われたような暴行、陵虐が行われ得る法的根拠をお示しを願いたい、こう言うのであります。
○国務大臣(西田隆男君) 何回言っても同じと思うのですが、私の方で国警の人たちに暴力をふるってくれということを依頼したわけではございません。ただ測量するについて、吉田さんも御承知のように、たびたびトラブルが起きておりますので、測量をする人たちの身の安全を保護してもらうという意味において調達庁長官がそういう申請、話し合いをしたのであろうと思うのであります。決して警察官に暴力をもって排除してくれということの目的をもって警官隊を依頼したわけではございません。
○吉田法晴君 調達庁職員の身辺に危険があったから、警察の出動を求めた、こういう御説明でございますが、事実も説明もそうではございません。警視庁では初め、これは地元の人たちが祖先伝来の土地を守られる自由はございます、あるいは反対される自由はございます、こういうことを申しておりましたが、実際に行われたのは午前中のときもそうですが、調達庁としては測量が合法的である、そこでその測量を援護するために、測量をするために警察権の発動を求めた、かような説明がなされておるのであります。少くとも私ども従来はさように聞いておる、その点大臣の答弁と食い違いがございますが、私がお尋ねしておるのは、国家権力で調査をするという、それが国家権力の発動とこう言うけれども、しかし案を立てるか立てないかわからぬ。人の土地に入ってそしてそれから測量をして、それから案を立てたい、その案はどういうことになるかわからぬ、そういう場合にその入って行く活動というものは強権的な性質のものでなかろう。福島さんは二十二国会のときに、だから強制測量をやるわけではございません、こういうようなことを言って参ったのであります。その強制力を持たない測量に警察官が出て、しかも何十人というけが人を出す、それから先ほどまあそれ以上のことを申し上げましたが、そういうことがどうしてできるか、それはどういう法律に基いてやっておるのか。こういうことをお尋ねしておるのであります。
○国務大臣(西田隆男君) 何回言っても同じだと思います。(「何回言ってもわからぬ」と呼ぶ者あり)測量に行く人の身辺を保護するということは、その目的を達成させるために保護するということであります。目的を達成するために保護する、妨害者が出て来たということによって警察側が警察権の発動を適当なりと認めてやったことであります。これは法律の条章に従ってやったことであります。別にあなたのおっしゃるようなことではございません。
○吉田法晴君 それじゃ警察関係の方が出席しておると思いますが、今の西田国務大臣の答弁に間違いございませんか。測量を援護するというのではなくて、調達庁職員の身辺が危いから、そこで出動したのだ、こういうお話でございますか。しかと相違ございませんか。
○説明員(石井榮三君) お答えいたします。 今回の砂川の問題、ないしは大高根の問題に対しまして、警察の行き過ぎがあったのではないかというふうにいろいろと御批判をいただいておるのです。元来基地問題につきましての地元民の方々の強烈な反対運動というものに対しましては、われわれ警察といたしましては不介入、不干渉の原則を堅持して参ったのであります。地元民の方々のお気持を察しますならば、まことに無理からぬ点が多々あるのであります。その点は私どもも衷心から御同情申し上げておる次第であります。従いまして、合法のワク内において反対運動が行われることは、これはわれわれ警察としては、先ほど申します通り、何ら干渉せず、介入せずという態度を今日まで堅持して参ったのであります。また将来もそうであるつもりであります。ただ、その反対運動が、勢いが余ってと申しますか、行き過ぎまして、合法のワク外に出る、いわゆる不法事態が発生するということになりますならば、警察の職責上、われわれは出動せざるを得ないのであります。こういうわれわれ警察としましては一貫した態度、方針をもって臨んでおるのであります。今回の砂川の事例について申しますと、第一回の測量はたしか六月三十日から七月二日にわたっての三日間、調達庁測量班の方々が現地に測量すべく出向かれたようであります。当時は、われわれ警察といたしましては、相方手と申しますか、地元の方々の反対もそれほど熾烈ではなかったのであります。厳格に申しますならば、測量班の方々を包囲してその車を押し返えす、中には若干実力を行使されまして、けがを調達庁側に与えたという方もございましたけれども、警察側といたしましては、地元側の熾烈な反対の、勢いの余ったところ、ある程度やむを得ないというので、その当時は黙認いたしたのであります。第二回目の測量の八月二十四日においてもまたこれは第一回の測量の際に比較いたしますと、非常に多数の方が五日市街道をほとんど占拠して、検問を実施するということまであったのでありますが、そしうた検問を実施するというような行き過ぎはやめていただきたいという警告、制止程度にとどめまして、警察官を多数出動させることは差し控えました。そういった過去の再三の事例に徴しまして、第三回の九月十三、十四日にわたる測量の際には、反対気勢がいよいよ熾烈になり、相当多数の方が出動するというような情報もありましたので、道路交通の安全確保のため、また調達庁側の成規の手続によりまして測量が行われるのでありますから、それに対する業務の妨害等がありますならば、これは違法ということになりますので、そうした違法状態の起らないように犯罪を予防する、あるいはすでに起った場合にこれを迅速に処理する、こういう建前から警察官を出動せしめたわけであります。
○吉田法晴君 そうすると西田国務大臣は、調達庁の職員の身辺が危険であるから出動を要請した、こういうことでありますが、そういうことはなかった、そういうことですね。
○説明員(石井榮三君) 調達庁係官並びに測量班等が成規の手続に基く立ち入りをいたしまして、測量調査をいたすという、その業務が妨害されるということは、一つの違法状態を惹起しておるわけであります。さらにそれが行き過ぎますれば測量班の方々の身体、生命にも危害が加わるようにもなるかと思いますから、先ほど西田大臣の言われたように、測量班の身辺を守るということも必然的にあることだと思います。
○吉田法晴君 おかしいじゃないですか、一応最初のお話は、道路交通の安全なりあるいは業務の妨害云々ということで出動した、一番最初は不干渉、不介入の態度を堅持して参った、これはその通りだと思います。が今の出動の理由については、農初の答弁とそれからあとの答弁とはこれはつけたり……、違っている。その点を押問答しておりますと時間がなくなりますからあれしますが、業務妨害ということでありますが、業務と言われますけれども、これは西田さんなりあるいは重光外相に申し上げることですが、戦前と違って個人の、国民の権利というものと、それから国の権利というものとが対等に置かれたのは、これは民主主義の原則だ、国のやることならば何でも国民の権利はじゅうりんし得る、制限し得る、こういう考えは民主主義のもとにおいてはなくなっている、国民をおいて国というものはない、しかるにアメリカからの要請があったとか、そこがどこで必要であるという決定がなされたかしらんけれども、実際に今まで調達庁以外にございません。閣議では決定をしていない、今までのところ。そして調達庁の必要に応じてはからしてもらいたい、はかった結果そこを取るようになるかならんかわからぬ、どういう案を作るかわからぬというときに、いわば権利を、わずかですが制限をしようというときに、武装警官を何百名も出し、あるいは大高根のときは話し合いもっこうという空気の中で、何でもとにかく泥靴でじゅうりんして側量してしまうのだ、こういうことでは民主主義の政治のもとにおいて許されるか、あるいは大高根においても砂川においても警察があるいはそういう国の行為が国民に指弾されておる、これは間違いないところで、そういうことがこれは合法、非合法ということを越えて、国を代表する、政府を代表する大臣たちでありますからお伺いするのでありますが、それが妥当であると考えられるか、そのことをお伺いしたわけであります。重光副総理なりあるいは西田さんから一つお答えを願いたい。
○国務大臣(西田隆男君) お答えいたします。吉田さんは警官隊のことばかりおっしゃるようだけれども、警官隊も相手のないことには検束もいたしませんし、歩哨の排除もしない、従ってあなたは抽象的におっしゃるけれども、実際の形式的な手続上の問題として、するかせぬかわからぬけれども、測量しなければならぬ事態、その事態に対して、するかせぬかわからないという点に重点を置かなければ、地元側に反対する人が多数おりましても、反対するという理由は成り立たないと思うのです。従ってそういうような片寄った議論をせずに、もう少し公平に御議論を願えれば、私の申し上げることはおわかりになると思います。(相馬助治君「そんなこと言われて黙っておるのか」と述ぶ)
○吉田法晴君 こういう見方と申しますか、私は党派にも……公人の立場から離れておらぬと思うのです。民主政治のあり方として申し上げておるのでありますが、西田国務大臣は大へん失礼な、私は議員を侮辱した発言であると思うのです。なお私の論議に対して片寄った議論だというお話でありますが、先ほど来言っておることは、何べんも繰り返しますけれども、なお依然としてそういうことを言われるのか。重光副総理からもさっきから答弁を求めておるわけでありますが、重光副総理からも一つ御答弁願いたいと思います。
○国務大臣(重光葵君) 私は公務遂行妨害を排斥するために警察力が用いられるということは、これは法治国の通常のことだと、こう考えます。そして法の以外に国民の声を聞けというような御趣旨のようでございましたけれども、やはり民主主義は、国民一般において法のもとにおいて生活をしなければならぬと、こう私は考えております。以上をもってお答えいたします。
○吉田法晴君 法のもとにおいて生活しなければならぬということはもちろんであります。強制測量ではないと、収用を前提とするものではない、こういうお話でしたが、実際には土地収用法の十一条、十二条に基いて手続をなされたかのごとくでありますが、十三条に受忍の義務が書いてございます。しかし十一条から十三条までの手続に従ってやるというならば、これは何も収用を前提としてするのではないというならば、これに従ってやったらいい、いいですか、国民の権利を制限するには、あるいは土地を取り上げるについては、ちゃんと法律的の要件があり、そして法律的な手続を済ましてやるべきです。あるいは犯罪を犯したといっても、犯罪を犯した人間でさえ対等の、とにかく立場、国家と対等の立場に立たせて、そして弁護の制度も設け、そして公正な判断を求めて、そして自由を拘束しておる、いいですか、どういう案を作るかわからぬ、土地に立ち入らしてくれ、その立ち入るのも、しかしそれが収用というか、拡張の前提になるようだから、それは困るという話なら話でいいじゃないですか。警察官を何百人も動員しなくてもいいでしょう。それはなるほど労組が介入した云々という話もありますけれども、しかし強権的なあれがなければ、地元の人にしても、大高根のごときは特にそうですが、あの状態の中で、知事、副知事、市長が中に入って話をしようとしたら話し合いができます。国際的な問題でさえも話し合いができておるときに、国内で話し合いのできぬわけはないと思うのです。そういう事態の中で、警察権を行使しても権利をじゅうりんして行くということ、あるいは権利の制限がなされて行くということになると、これは警察国家の再現であるのではないか、こういうことを政府を代表する皆さんにお尋ねしておるのですが、依然として同じような答弁をされるか、あるいはやり方について、これは外務大臣でありますから、他方において外務大臣でありますから、国際緊張の緩和について話し合いが行われた体験もお持ちでしょう。あるいはそれがそういう方向に動いたと考えておられるでしょうから、国内政治においても私は何でもかんでも警察力を動員してやればいいのだという御答弁にはなるまいと思うのですが、どうでしょうか。
○国務大臣(重光葵君) その点は私はお話の通り、何でもかんでも警察力をもってやろうということは毛頭考えていないということは、初めから私は政府の答弁として申し上げておる。それで、あらゆる方法を尽して納得ずくで話し合いで行きたいという政府の方針であります。それがとうとうできなくて、いろんなことに発展をした。その発展の事情は、私はこれを御説明するのに適格者ではございませんが、そういうことになっておることだけは、これは私も承知をいたしております。そこで警察力 いうことになるのでありまして、決して警察国家的の考え方をもってやって来たわけでないということははっきりと申し上げ得ると思います。
○吉田法晴君 その点については、これは議論にわたりますので、これから先は具体的な点について御質問することにいたしますが、警察庁長官ですか、石井さんにお尋ねをするのでありますが、午前中お話がございましたような、砂川において百数十人のけが人のうちで、肋骨骨折をしておる者が六人。その中の木村君という社会党員に伺ってみますというと、あれは警察官がわれわれは人権をじゅうりんする権利があるのだ、こういうことで大勢で踏んだりけったり。その踏んだことによって肋骨が折れておるわけであります。しかも、このことを取り調べ中に言うても、取り調べの中間においては横になることを許されたそうでありますけれども、医者にも見せておらぬ。監房の中でも横になることを許さなかった。出て来てあまりに弱っておるので見せたところが、肋骨が折れておる、こういう状態でしたが、そういうのが六人あるわけでありますが、こういう点について警察としてはこういう場合に踏んだりけったり、人権をじゅうりんする権利があるということでけがをさせ、あるいは瀕死の重傷を負わせることも辞さないという工合に御指示になっておるのかどうか、一つ御説明を願いたい。
○説明員(石井榮三君) 警察官が人権をじゅうりんしてよいなどということは、全くたれしも考えておらない。人権の尊重すべきことは、口のすっぱくなるほど、耳にたこのできるほどわれわれは指導、教養の面において徹底をはかっておるのであります。決して警察官が人権をじゅうりんする権利があるなどという放言をすることは、私は絶対にないと思うのであります。おそらくそういうことは現地においてもなかったことと確信をいたしております。なお、御指摘のありました木村何がしという方が十四日に検挙されまして、胸の痛みを訴えたにもかかわらず何ら措置をしなかったということでございますが、私どもの方で調べまして、私の伺っておるところでは、胸の痛みを訴えられたので、直ちに警察医に診察を勧めましたところ、胸部打撲であったということであって、肋骨骨折でなかったというふうに聞いておるのであります。その他の方々でどの程度肋骨骨折等の事故がございましたか、私どもまだ詳細に全体を調査をいたしておりませんので、判明をいたしておりません。
○吉田法晴君 石井さんに、もしあなたの否定にかかわらず……これは間違いない事実だと思うのでありますが、肋骨が折れておることは間違いない。木村君はレントゲンをとったのです。警察医は外から当って、膏藥か何か塗った程度にとどまるから、そういうことが起るのです。それからその他の人たちについても、これはレントゲンをとるなり、はっきりした証拠をとらなければなりません。警察官がそういうことをやった、あるいは人権をじゅうりんする権利があるのだということを放言したことは、これは木村君が言うので、もしそういうことがあったとするならば、警察庁長官として責任をとられるかどうか。あるいはそれぞれの警察官について責任を追及せられるかどうか、明らかに伺いたい。
○説明員(石井榮三君) 個々のケースにつきまして、もし行き過ぎがありまして、当然法の規定に抵触するようないわゆる警察官の職務執行の行き過ぎがありますならば、これは当然責任を追及されるべきものであろうと思います。
○吉田法晴君 調達庁の長官に伺いますが、午前中の大高根から来られました参考人の御証言には、警察官が調達庁の職員の援護をして測量をいたしましたあと、酒が一斗届けられた、こういうことでございます。あるいは砂川等で伺いますと、早く調達庁の、何というか、意を迎えた人には特別の買収補償をやりたい、ポケット・マネーとして、これは局長ですか出張所長であるかわかりませんけれども、やりたい、こういうことでございますが、調達庁にはそういう、何と申しますか、局長とか出張所長、そういうところにそんな機密費がありますのかどうか、その点を一つ伺いたい。どういう予算があってそういうことがなし得るのかということを伺いたい。
○説明員(福島慎太郎君) 済んだあとで酒を届けたとか、あるいはその他のものを届けたとかいう話、私は全然知っておりませんし、そういうことはあるべき筋合いのものでないと思っております。(「事実ある」と呼ぶ者あり)私はないと思います。
○吉田法晴君 これはあると言うた。それから新聞にも書いてある。もしあるとするならば、それはどういう予算から出ておるのか、そういう機密費があるいは局長なりあるいは出張所長にありますかと、こういうことを丁寧にお尋ねをしておるわけであります。
○説明員(福島慎太郎君) あるべき筋合いでないと言っているのですから、どういう予算と言われてもちょっと困りますけれども、そういう予算、私もよくは知りませんが、別段そういう予算はないと心得ております。
○吉田法晴君 これは先ほど警察庁長官もお話がございましたが、先祖伝来の土地を守りたい、あるいはかえ地を用意したと言われるけれども、しかし砂川においても過去戦災を受けたり、それからだんだん耕地が狭くなってきて、しかも未墾地を営々と耕し、何年もかかって美田になっておる。それをさらに追い立てられておる。これは大高根においてもそうでありますが、そこで、さらにこれから生活ができるかどうか。かえ地を作ったといっても、一里半もある。こういう所で土地を取り上げられれば、生活ができなくなるんだ。大高根の場合においては、十何軒ですか、全耕地を取り上げられる。そうすると土地を守ろうとするので、これは西田国務大臣のさきほどの説明じゃありませんが、百姓に生まれられた人ならば、おそらくおわかりになるだろうと思うのでありますが、いわゆる土地を取り上げられることについて、必死にその土地を放すまいとするのは、人情の常であります。しかるに、そういう反対をする者については、あるいは警察官でこれをじゅうりんする、あるいは補償についても早いおそいによって差別をつげる、こういうことは、もしかりにあるとするならば、これは国費——国会の協賛を経あるいは事後においても監査を受けるわけでありますが——国費の妥当な使い方ではないと思いますが、巷間伝えられるところでは、早いおそいによって差別をつける、あるいは補償基準によってできなければポケット・マネーから出す。ポケット・マネーから出すという話だから、そういう機密費はどこにありますかと言ったら、ないというのでありますが、そういうことは許されると考えられますかどうか、これは福島長官ではなくて西田国務大臣にお尋ねをいたします。百姓の心理がわかるという西田国務大臣にお尋ねいたします。
○国務大臣(西田隆男君) お答えいたします。私は決して土地を買収をされる対象になっておられる方々がお考えになっておること等について、御非難を申し上げたことは一回もございません。その気持はよくわかっておりますが、万やむを得ずそうしなければならないことになっておりますので、御同情申し上げながらも、自分の立場をお考えになって御了承いただきたいと、かように考えておるわけであります。 それからまた反対しておる人たち、賛成しておる人たちに段差をつけるというお話でありますが、私はいまだかつてさようなことを申し上げたことはございません。なお、ポケット・マネー云々のお話がありましたが、これはポケット・マネー云々ということではなく、現在法律によって規定されておる金額の範囲内において、額の違った場合においては、やむを得ないから特例措置を講じてでも農民諸君の御期待にできるだけ沿えるような措置をとらなければならぬだろうということを私は申し上げたのであります。そういう意味合いでありますから御了承願います。
○吉田法晴君 それじゃ最後の点について西出国務大臣に重ねて念を押しますが、これはポケット・マネーというものは別にあるはずはない。それはやはり国費であるということは間違いない。しかもその国費については、基準があればその基準の範囲内であるいは予算の範囲内でやる。それについて厚薄をつけるということは考えない、かように解釈してよろしゅうございますか。西田国務大臣の今の答弁の補足ですから……。
○説明員(福島慎太郎君) 私から申し上げる方が適当な問題であると考えます。段差をつける考えはないという大臣の御答弁でございますが、しかしわれわれ事態によっては段差はつきます。と申しますのは、どうしても御反対になれば収用委員会へ持って行く。収用委員会でおきめになる値段というものは、われわれのどうすることもできない値段であります。収用委員会で勝手におきめになって、私どもは私どもで補償の価格を算定いたしますが、違うものがやるのでございますから、違うことがあり得るわけでございます。
○理事(宮田重文君) 時間はもうきていますから……。
○吉田法晴君 最後に一つ。収用委員会の裁決による場合に、幾らになるかわからぬ。収用委員会をあなたが指図されるのでなければ、それは当然でございます。ところが収用委員会でそれじゃ裁決される場合、その補償の金額が、あるいはその場合に高くなることがあるかもしれません。そのかわりに低くなるかもしれません。それは指図をしないならば、収用委員会の自主的な判断によってきまるでしょう。しかしそれが収用委員会にかかったら下るということは、これはあなたが裁決を、政府の圧力に基いて、下げろということなら別問題でございますが、差がつくかもしれませんけれども、それは収用委員会にかけたものはそれは安くなると、こういうことはあり得なかろうかと思いますが、重ねてお尋ねしておきます。
○説明員(福島慎太郎君) 収用委員会に私どもが指図などというのはこれはもってのほかであります。そういうことは絶対にできない。これはあくまで反対で、収用委員会にお願いせざるを得ないケースにつきましては、これを収用委員会に集めてその御決定通りになる。私どもは条件ということであれば、土地を提供してもよろしいという方々との話し合いをつけて、値段をきめて行くわけであります。最後まで反対で、収用にかかった方が初めから協力して話をしたものよりもその方が有利であるということになった日には、調達庁はこれから世の中を歩けなくなりますから、収用委員会の済んだあとでわれわれの決定をいたしますから、必ず高くなるわけです。
○理事(宮田重文君) だいぶ過ぎておるのだが……。
○吉田法晴君 ちょっと一つ今日の閣議がどうなっておるのか。それからこれから問題になっております大高根、砂川それから五飛行場のあれについてどういう何といいますか心組みというか手続をされるかその点だけ説明を願います。
○説明員(福島慎太郎君) 砂川の問題につきましては、本日閣議の決定を得まして、この立川の飛行場も砂川の三万五千坪と安全地帯一万五千坪によって執行するということになりましたので、これによりまして、私どもは条件の話なり予算上の措置をすることができるようになりましたが、明日以後条件派と条件を話してもよろしいという諸君との間には条件を示して交渉に入るわけであります。なお引き続き反対、話はしないという方もおられると思いますけれども、これらの諸君に対してもなお一人々々話をしてくれるかどうか、条件はこれであるということで話をするつもりであります。その上で、相当な期間がたちましても、依然として反対であるということになれば、収用委員会にこれを持ち込むということになります。(「そんなことは余計じゃないか」と呼ぶ者あり)余計じゃないのです。収用をやらないとだめなのです。(吉田法晴君「しかしこの前の国会と違うよ。国会をだます」と述ぶ。)収用は最後まで御反対ということになれば、決定した事項について収用委員会に持って行くという手続はあるわけであります。大高根の方はこれはまあ話が一段進んでおるわけでありまして、収用委員会へ提案するための調査を今やったわけであります。その用意ができるわけでありますけれども、なおもう一度県当局、市当局の御援助を得て、一人々々話し合いによる解決をしていただけるかどうかということを若干の時日をかけて協議、交渉することになると思います。その上で、これまたあくまで提供はしないという方が残れば、これらの諸君については収用手続を取り運ぶことになるわけであります。
○田畑金光君 砂田長官にお尋ねいたしますが、ただいままでの応答で、基地問題がどのように深刻であるかということは当然おわかりのことと思うわけです。現在基地をめぐる国民相互の血を流すこの争いというものは、国民の感情の上から申しましても、あるいはまた国民のいわゆる防衛意識に対する問題からいたしましても、重大な関心事であるわけであります。先ほど来防衛庁長官のお話を承わっておりますと、国民の防衛観念が非常に薄いので、まずこれをふるい立たすことが大事である、こういうようなお話があったわけであります。そこでこういう基地をめぐる争いが一体国民の感情からいって、あるいは国民の防衛意識を鼓吹するという意味合からいって、長官はどのように考えておられるか。ことにこの基地の問題というのは、先ほど申し上げたように、国民同士が血を流しておる、しかもこれはだれのための軍事基地であるのか。政府は将来は日本のためであると、こう言っておりますけれども、しかし結局はアメリカのための軍事基地である。政府はアメリカ軍の撤退を期待しておると言うけれども、いつ撤退するのかその時期もわからない。重光外務大臣の答弁を聞いてもあいまいである。こういうことを考えたとき、あなたは基地問題というものは防衛観念を振起するという点からどう見ておられるか、まずこの点を承わっておきたいと思います。
○国務大臣(砂田重政君) ただいまのお話は、砂川の問題としてのお話ですか全体の防衛基地の問題ですか、どちらを御質問になるのでしょうか。
○田畑金光君 砂川の問題もそうですし、山形の大高根の問題もそうですし、こういう深刻な基地をめぐる争いが発生しておるわけです。でありまするから、こういう問題は防衛という点から見たとき、一体あなたの言われる防衛意識を高めるのに役立つと思っておられるのかどうかと、こういうことなんです。
○国務大臣(砂田重政君) 御承知のごとく飛行機がだんだん大きくなってきまして、そして速力も早くなってきております。そのために防衛基地がだんだん広まっていくような場所が相当にある。その必要があることは、日本の防衛のために必要であるということはもちろんでございます。これは将来日本のためになるというのではないので、現実にただいまもその必要があるという意味に私は解しております。しかしながら、こういうことが起る、こういう不祥事の起ることは、非常に残念です。だからでき得る限りそういうことの起らないように努力するのは、これはもう各大臣が御答弁に今までなった通りであります。で、その問題と防衛に対する国民の認識を新たにすることとは、これは別に考えなきゃならぬことだと思います。私どもは日本の国土を守るために必要なものは、防衛意識の問題を離れて国民の理解を求めたい、こういうふうな希望を持っております。
○田畑金光君 あなたの御答弁によりますると、基地の問題と国民の防衛概念をふるい立たすこととは別の問題である、かように考えておられるわけです。まことにこれはわれわれからみますと感覚のずれはなはだしいものありと言わざるを得ないわけです。と申しますのは、あなたが先般学生の諸君と座談会を持たれた。それを私たちは雑誌で見たわけであります。あなたがいかに気負い立って考え方を述べられても、一人の学生もあなたの御意見には賛成していないわけです。まず学生に愛国心を求めるならば、学生をして学生がまじめに勉強のできるような環境を作ってくれろ、東大の学生食堂を大臣はちょっと見てもらいたい、あの食堂の営業でもって学生が学業を続けて行けるか、あるいは今日の学生がアルバィトに追われておる、こういうようなまず学生をして落ちついて勉強のできるような環境を作ることが、要するに愛国心を起す道である、あるいはまたあなたのいわゆる防衛意識を高める道である、こういうことを言っておるわけなんです。今基地をめぐって百姓が土地を取られる、生活権の問題です。生活権の問題ほど基本的な権利はないと思うのです。この権利を国が尊重し、これを保護するということほど大事な政治はないと思うのです。あなたは今基地の問題と農民の土地の問題は無関係である、あるいはまた防衛意識の問題と、学生をして学生らしく勉強させる政治をやることは別問題である、防衛観念は別の面から出てくる、こういうような考え方でおられまするが、一体どういうようなことからそういう防衛意識が出てくるのか、それを私たちは教えてもらいたいと思います。
○国務大臣(砂田重政君) それの意味ならですね、私は最初あなたの質問を誤解しておったのです。今現実に起っておる土地の紛争問題と防衛意識と関係があるかと言われるから、それは別問題だと申し上げたのです。私の感想のずれとは言えない。ただ、私が学生との間に話をしたことは、御説の通り、その通りで、その点に対しては私も相当今日まで苦しい経験をなめたことの答弁もしてあります。従ってそれとただいまお話の二、三の地域で起っている問題とは別個に考えなければならぬ、こう申し上げたのであります。防衛意識の必要なことは私は依然として今日も変りがありません。
○田畑金光君 あなたは、基地の問題と私が学生の問題を取り上げたことが、さも別々の問題で起きている問題であるかのごとく考えておられるわけです。要するに、私たちは単なる兵隊の頭数を並べる、飛行機を作る、あるいは原子兵器を備えて、それだけで国を守れるとは考えていないわけです。まずその根本に守るに値いする国を作る、そういう政治を行う、このことが大事ではないかと思うのであります。そこで私は防衛庁長官が、たとえば防衛意識を高めるために大学を卒業した諸君を一定期間自衛隊に入れて、これを教育する、そうして国家意識を高めて行く、あるいは人間としての教育を深めて行く、こういうようなことを申されているわけです。それは何をねらってやろうとしておられるのか、さらに突き詰めて言うと、あなたの防衛観念というものは、今の自衛隊に対しどのような教育によってそれを施しておられるのか、学生に対しあるいは一般の青年に対して求められる前に、今の自衛隊というものの教育は、何によってやっておられるのか、何をよりどころにして防衛意識を、防衛観念を、涵養しておられるのか、この点をまずあなたの直接担当しておられる面において答弁を願いたいと思います。具体的に願いたいと思います。
○国務大臣(砂田重政君) 現在の日本の国土を防衛するということについての私の第一の出発点は、人類愛に基いて出ているのであります。人類愛の基礎はやはり社会愛から出発しているもので、この国土が対立——対立と言っては語弊があるかもしれませんが、各国が存立して、そうして防衛の任にそれぞれ当り、装備を持ち、兵力を持っている限りは、日本だけが無抵抗、無装備のままではやっていけないということを基礎にし、そうして防衛の任に当ることが、ここに自覚を持つことが根本である、こう考えて、私はその意味において至るところで訓辞を行なっております。
○田畑金光君 なかなかわかりにくいわけです。わからぬわけですが、人類愛とか、社会愛とか、まあこういうむずかしい話から突然軍備を進めると言う。こう論理が飛躍してこられると、同じ面で論議を進めても時間のむだだと思うわけです。 そこで私は副総理としての重光さんにお伺いをするわけですが、すでに本日で閣議の方針も決定されたように承わっております。しかしこの問題は昨日から申し上げておりますように、こうして国の権力のもとに農民の最も大事な生活権を剥奪して行く、しかも警察権力を乱用して進めて行くということは、私は本来の日米共同防衛のためにもまことにこれは嘆かわしいことだと考えるわけであります。重光外務大臣はアメリカに渡られまして、一般的な話し合いをなされた、具体的な問題については何ら触れてきてない。これから日本で日米両者の話し合いを進める、こういうようなことを申されておるわけであります。しかし、一般的な話し合いの中には、当然国民のこういう感情な沸き立たしておる問題等については、少くとも政治家であるならば、アメリカと話し合いをなされるのが当りまえのことだと思うわけです。日米安保条約や行政協定に伴うて最大の問題がこういう基地問題に集約されておる。こういうことを私たちが考えましたときに、政府のとられようとする力の政治というものは、砂田防衛庁長官の人類愛、社会愛という立場からすると、まことにこれは矛盾もはなはだしいと考えておるわけなんです。ことに警察の行き過ぎがあったということは、先ほどの質疑の中で明らかになっております。警察庁長官は、それを認めたのか、認めないのか存じませんが、とにかくそのような事実があるならば適当に処分をする、こういうことを申しておるわけであります。何らの抵抗もしない農民に対し、労働組合員に対し、一般市民に対しまして、鉄かぶとをかぶった警察官が権力を行使して、その結果百数十名のけが人を出しておる。あるいは山形においては骨盤骨折等を起しておる。明らかに権力の乱用だと考えます。国民に対しまして、どうこれを申し開きされようとするのか。このような警察官に対しまして、政府はどのような処分をなされようと考えておられるか。この行き過ぎに対しまして、政府の明確な態度を承わっておきたいと思います。
○国務大臣(重光葵君) 政府の方針といたしまして、基地の問題についても関係者の了解を取りつけて、そしてこれを実現して行きたいという方針で進んできたことは、もうたびたび繰り返して申し上げた通りであります。決して権力を乱用して事を遂行しようという態度は少しもとっておりません。とっておらないことは、これは一般にすでに私は認められておると思う。(「認めてない」と呼ぶ者あり)この点について行き過ぎがあったとすれば、それは事実を調査して、それに対する法的の処置をとることは少しもちゅうちょするところではございません。しかし、さような方針のもとにこれをやってきたのでありますから、さような事実は私は調べてみてもないと、こう感じます。そこで私は、国民に対してはあくまでもさような態度をとって政府はやっておるのである、そして法的に、法のもとにすべて行動しておるのである、国民自身がこしらえた法によって、国民——政府も国民であります——みんながこれによってやるということは、これはそうやらなきゃならぬ。しかし、国民のうちの一部分がそれを守るというだけじゃない、これは全部がそういう考え方をもってやらなきゃならぬ、私はこう考えております。政府もむろんその法のもとにおいて行動をいたす、また、今後もそういう方針であることを私ははっきり申し上げて差しつかえないと、こう思います。
○田畑金光君 私の伺いたいことは、警察官の行き過ぎがあった、それがもし明らかになるならば、政府は明確にこれを処分する意思があるかどうか、これを伺っておるわけです。
○国務大臣(重光葵君) 今申し上げたことを繰り返して申し上げます。すべて法に従ってこれに対処する、こういうことを申し上げております。
○田畑金光君 福島長官にお尋ねしますが、話し合いによってどこまでも片づけて行こう、そういう努力を払ってこられたという一貫した説明がなされていたわけです。ところが午前中の山形の代表のお話によりますると、九月の十五日の午後の強制測量のときでありまするか、副知事が中に入って両者話し合いを進めよう、ここまできたにかかわらず、当時の仙台の石川不動産部長のそういう話し合いに応ずるという態度をとったにかかわらず、仙台の局長から、何が何でも強行測量をやれ、こういうことで、あの当日の悲惨な出来事が起きたということが明らかにされたわけであります。このことは、市長の証言として明らかにされたわけです。私も、先般小牧の飛行場へ行って見ましたが、いろいろ調達局長、不動産部長のお話を承わりましたが、努力をされておられることもよくわかりますし、立場々々ということも私たちは十分顧慮して上げなければならぬと考えております。ただしかし、ともすれば役人にありがちな、功を急ぐ、成績を上げる、こういうことが先に立って、地元の話をまじめに聞いて上げる、こういう態度が間々薄いわけであります。仙台の場合等はまさにそのいい例ではないかと考えます。こういうような職員に対しまして、政府はどういう方針をとって指導されておるのか。あるいはこれが、もしそういう事実があるとするならば、当然責任問題であると考えまするが、長官はどのように考えられるか、その点を承わっておきます。
○説明員(福島慎太郎君) 大高根の件につきましては、けさほど村山市の伊藤市長からそういうお話がありましたことは、私も伺っておりますが、仙台の局長が出先で警官隊とピケ隊との間に伊藤市長が入って、ここでもう一ぺん話し合いをしないかということになりまして、出先に行っておる石川不動産部長は、やってもよろしいということになり、仙台局に請訓したところが、測量の方を急げということになった、これはその事実の通りであります。それは私の方にも連絡はありまして、測量の方を先にやれと私が申したのでありますから、仙台の局長には責任はないのであります。私どもはさきに苦い経験を再三踏んできているわけで、どたんばにきて、話し合いということでずるずると引きずられて、期日がなくなってしまうということを何回も何回もやってきているわけであります。大高根の測量という問題も、初めはたしか八日、九日に測量を開始するということになっておったのですが、安孫子県知事と華山副知事が東京までわざわざお見えになりまして、ここでもう一ぺん話し合いをやろう、政府において計画を取りかえないか、待たないかというお話がありましたので、先方、共闘委員会とか何とかいうのだそうですが、延ばしにくいところであるけれども、せっかく知事さんもそうやって話し合いの道を開いていただけるというならば、話し合いは開こう。しかしあまりに短気を起して話し合いをしてもしようがないから、延ばすならば思い切って一週間ほど延ばそう、その間一つでき得る限り話し合ってもらいたいということで、九日の測量を延ばしまして、そのときに話し合いに入ったわけなんですが、共闘との話し合いは一日でつぶれてしまったのです。一週間用意しておいたのですが、どうにもならないということで、いきなり決裂してしまったのです。まあ先方は一週間、話し合いを始めるということで一週間延ばしたから、それで目的は達したということなんでしょう。一発でいきなりつぶれてしまったわけなんです。安孫子知事からも華山副知事からも、一週間ほど、とにもかくにも話し合いの努力をしてみようということで、調達庁の計画変更までさして、しかも一日の話し合いしかできないで、非常に残念だったという御連絡もあったわけなんです。そこでまた十六日ですか、そういうことにまあなりましたのですが、これは私といたしましては、この前の砂川の八月の二十四日の事例とちょうど同じになるわけです。あのときにも山田不動産部長というものが隊長で参りまして、まあぶつかる最前線で話し合えということになって話し合いを始めて、まあ何時間か空費したわけなんです。一度はその話し合いは別れましたけれども、夜になって帰って来て、山田不動産部長から、先方の話し合いをしたいということは相当大まじめではないかと思うからやはりやってみた方がいいということで、われわれはそのときにはそれではそうかなということで、砂川の問題は今まで話し合うということはついぞ行われなかったのですから、二十五日から話し合うということにまあなったわけなんですが、その話し合いというものはとにもかくにも毎日々々引きずって行って、八月三十一日で、すとんと落そうという以外の話し合いの何ものでもなかったわけです。まあだらしない話ですが、まんまとひっかかって期日がなくなってしまったということになったわけであります。十六日に砂川に参りましたときも、並木代議士からお昼頃私に電話がありまして、ちょうど今昼めしを食っておる、今休んでおる、この際に一つ本日の測量はあとやめて話し合いということにすれば非常にいいじゃないかというお電話がありましたので、並木さんのお話だけでもわからないので、そばにおられる反対同盟の人とも電話で話したのです。そのときに、拡張をやめるということなら話し合いをしようと、こういうことなんです。私もちょっとひっかかるところだったのです。よく考えてみたら、その話し合いをしてはいかぬということに気がついたものですから、これはお断わりしたのですけれども、まあそういう意味での話し合いをやろうということに、どたん場にいっていろいろよくひっかかるものですから、あるいは私の判断が違っておったかも知れません。違っておれば私が責任をとらざるを得ませんけれども、再三再四そういう経験をなめておりますので、もう一ぺんひっかかった場合には事だということで、地元に参りました不動産部長はそういうふうな意見を申したことに間違いありませんけれども、いかぬということにいたしまして、測量を強行いたしたわけでありまして、何回も何回もそういうことでは苦い経験をなめておりますので、はなはだ話し合いをするのにという点で申しわけございませんけれども、御了承を願いたいと思います。
○田畑金光君 防衛庁長官にお尋ねいたしますが、少し問題が先ほどの質疑の問題に戻りますけれども、非常に先ほどの答弁を伺いましても、また今まで長官が旅先での談話等を見ましても、威勢のいい談話が次から次へと出ておるわけでありまして、この点に対しては責任をもって自分としてはやり遂げる気持だ、こういう話があったわけです。そこで私は今のような国内の情勢のもとにおいて、たとえば防衛庁を国防省に機構の改革をやるとか、あるいはまた郷土防衛隊を設置して民兵制度を確立するとか、あるいは学生や青年の自衛意識を高めるために、学生に対しては就職前に自衛隊等においてこれを教育するとか、要するに予備自衛官の幹部を作る等々、いろいろな談話を発表しておるわけであります。お伺いしたいことは、このようなことは放言でなく、長官として、国務大臣としてこれをやろうという決意があるといたしますならば、当然次期国会にはこのような問題に関して法案が提出されるものと予測されまするが、そういう御意思があるのかどうか、また閣議にかけていない、しかしこれだけ重大な問題であるからには、当然総理等との連絡はあるものと考えまするが、そのような点は全くの防衛庁長官個人の意見であるのか、あるいは総理等の見解を聞いて、このような発表をしておるのか、次期国会には当然出べきものと考えまするが、その点承わっておきたいと思います。
○国務大臣(砂田重政君) 大体私はこれらの案を具して御協賛を得るべく予算を組み、法案を出したいと考えております。しかしながら、これは内閣の閣議できまったものでもありません。また総理大臣の一々了解を得たものでもありません。これは私の構想として述べて、そうしてこの構想を実現するべく私はこれから努力するつもりでおります。いずれ出ましたら御協賛を願います。
○理事(宮田重文君) 大体時間をちょっと過ぎるようですから……。
○田畑金光君 それではもう一つだけ承わっておきますが、防衛庁長官の話を聞いておりますると、あらゆる面に十年前に戻ったような感じがするわけです。そうしてまたたとえば先般のオネスト・ジョンが入ってきたような場合の談話等を見ましても、自衛隊に原子砲を備えたい、あるいは教育を施したい、こういうような談話等も載っておるわけであります。また学生との座談会なんか読んでみますと、防衛力についてはもう衆参両院で、国会できまっておることであるから、どしどしこれを進めて行く、こういうような考え方のようであります。そうしますと、長官の考え方のもとでは、現在の戦力の保持という問題は、憲法上の限界があると私たちは考えており、政府は全くこれに違反しておると私たちは考えておりまするが、憲法を改正しないでも原子兵器でも何でもどんどん備えて行くのだ、自衛のためであるならば差しつかえないのだ、こういう考え方で長官はやって行こうとせられるのか、所信を承わっておきたいと思います。
○国務大臣(砂田重政君) 私は国土防衛のために装備を持つことは、国会において大体において大多数をもって認められておるものと確信しております。それだから昨年のごときも海外派兵には反対をするということで、参議院においても全会一致でこれを了承されております。また衆議院においても予算の返上論はしばしば繰り返されましたが、しかしながら、多数をもって国土防衛は差しつかえないと、これは今まで認められておるのだろうと思っております。これは国土防衛に反対だということが多数で決定をしておるのなら、これだけの装備を今日持っておることがこれは憲法違反なりという議論の方が多数でなければならぬ。ところがそれが少数でつぶれて、国土防衛は差しつかえない、憲法九条違反にあらず、こういうことが大多数で認められておるものと確信しております。
○田畑金光君 ちょっともう一点だけ重光副総理にお尋ねしますが、今の解釈でありますると、国会で多数できめれば憲法第九条には違反しない、国土防衛を多数で認めるならば憲法第九条からくる戦力保持の限界はない、こういう態度を防衛庁長官がとられておるわけです。海外派兵についてもそのようなことに国会の決議を経ておるからそれはできないがという御趣旨であります。従って国会の多数が海外派兵を決議するとするならば、当然これは国会の多数が認めたということで、憲法第九条には触れないんだ、このような解釈をとっておられるわけです。海外派兵の問題も憲法上の制約がない立場をとっておられまするが、これは副総理としても同様な見解であるのか、現内閣の態度はそのような憲法解釈をとられておるのか、この点を承わっておきます。
○国務大臣(重光葵君) 憲法解釈の問題は私はやはり国家の最高機関である国会の意思によってやるべきものだと、こう考えておりまして、これが国民の意思として発動するのは国会を通じてやるべきものだと思います。私が自衛隊は国土防衛隊である。これを海外に派遣をしないという考え方を持っておるのは、私は政府としての自衛隊に対する政策の基本的の考え方だということを申し上げたいのでございます。私は自衛隊は国土防衛隊であるから、これは海外派兵ということはしない、こういうふうに考えておるのでございます。
○田畑金光君 ちょっとその点もう一度、もう一つお尋ねいたしますが、そうしますと、国土防衛隊というものは海外派兵しないというのが政府の政策であるからやらないのだ、こういうような立場のようであります。ところが政府の政策と申しますると、歴代の政府がかわることが予測されます。しかし今日の憲法のもとにおいては、いかなる内閣が立とうとも、その政策としては海外派兵というものはできないものと私たちは考えておるわけです。政策の以前に憲法の厳たるこれは命令であると私たちは考えておるわけです。ところが今お話によりますると、政府の政策によって海外派兵はできないのだ、ところが防衛庁長官のお話によりますると、国会の多数によって決議をすれば、海外派兵も考えられるのだ、認められるのだ、すなわち自衛隊というものは国際紛争を解決する手段としてこれは使えるのだ、利用できるのだ、こういう憲法に明らかに違反する立場をとるわけであります。この点をもう一度明確に御説明を願いたいと思います。
○国務大臣(重光葵君) 私はきわめて明白に御答弁をいたしたつもりでございます。憲法の解釈問題に疑義があれば、今のところでは、私は国会の意思でもってこれを解釈して、それに従うのが当然だと考えております。私は今日自衛隊をこしらえる、自衛のための軍備をこしらえる、国土防衛のために軍備をこしらえる、これが憲法の命ずるところであって、政府の方針といたしましてはそうであるから、つまり国土の防衛のためであるから、これを海外に派遣することはいたさないという方針をとることが憲法の趣旨でもあり、国民の意思にも沿うわけであり、参議院の決議の趣旨に沿うわけである、こう考えておるわけであります。
○理事(宮田重文君) ちょっと速記をやめて下さい。 〔速記中止〕
○理事(宮田重文君) 速記を始めて。 それでは十分ほど休憩いたします。 午後六時五分休憩 —————・————— 午後六時四十二分開会
○理事(宮田重文君) それでは再開いたします。 本日は先ほどの申し合せによりまして、これにて散会いたしまして、明日のまた議事につきにましてはお申し合せのような順序をもって進行して参るようにいたしたいと思います。なお、申し合せ事項中には、当委員会といたしまして、基地の問題について、委員会の意思を政府に申し入れるような形をとることにいたしております。その案文は専門員室において作成いたしまして、明日決定いたすことに運ぶ予定であります。 以上をもちまして散会いたします。 午後六時四十四分散会