内閣委員会 第2号
- 発言数
- 31 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1955/03/29
会議録
○委員(新谷寅三郎君) それではこれより内閣委員会を開会いたします。 まずお諮りいたしますが、先般参議院規則が改正されまして、各常任委員会の所管事項が、従来は行政庁別でありましたのが事項別に改められました。従って内閣委員会の所管事項は、参議院規則第七十四条によりまして、皇室に関する事項、国家行政組織に関する事項、国家公務員に関する事項、恩給に関する事項、国の防衛に関する事項、栄典に関する事項、一般統計調査に関する事項の七項目に改正されることになったのであります。当委員会としましては、右所管事項の改正に伴いまして、参議院規則の規定によりまして、この所管事項の主要なものにつきまして、法律案等の付託案件のほか、何どきでも調査を行い得る態勢を整えておく必要があろうと存じます。去る二十五日に委員長及び理事打合会を開きまして、この件について打ち合せをいたしました結果、当委員会の行う調査項目といたしましては、一、国家行政組織に関する事項、二、国家公務員制度及び恩給に関する事項、三、国の防衛に関する事項、以上の三項目とすることにだいたい打ち合せができたのでございますが、右調査を行うことの可否の点につきまして、御異議がないでございましょうかどうか、お諮りいたしたいと存じます。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(新谷寅三郎君) それでは御異議がないようでございますから、参議院規則の規定に、よりまして、議長に承認の要求書を提出いたしたいと存じますが、この案文等は委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんでしょうか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(新谷寅三郎君) それではさように決定いたします。 —————————————
○委員長(新谷寅三郎君) 次に、本委員会に予備付託となっております海上保安げ法の一部を改正する法律案を議題に供します。 まず本案に対する政府の提案理由の説明を求めます。
○政府委員(河野金昇君) 大臣が他の委員会で発言中でありますから、かわって海上保安庁法の一部を改正する法律案の提案理由を説明いたします。 この法律案の要点は、海上保安訓練所を廃止して、従来、海上保安訓練所所が行なってきた教育を海上保宏学校に統合することであります。 従来、海上保安庁におきましては、呉市に海上保安大学校及び海上保安訓練所を設置し、舞鶴市に海上保安学校を設置いたしまして、海上保安大学校においては、幹部となるべき職員に対する高等教育を、海上保安学校においては中堅職員に対する専門教育を、海上保安訓練所においては船舶の下級乗組員となるべき初級職員に対する基本的教育をそ、れぞれ実施して参りました。これらの教育機構につきましては、かねてから行政機構簡素化の一環として検討を加えていたのでありますが、海上保安訓練所を廃止して初級職員の教育を海上保安学校において行うこととすれば、教職員の定員及び経費の両面において節約となるばかりでなく、これら二つの教育機関が行なってきた船舶の下級乗組員に対する教育が一カ所に集中されて、教育上便宜な結果が得られ、また従来海上保安大学校と海上保安訓練所が同一敷地内にあって幹部教育と下級職員の教育が混存することから生じていた弊害を除くこともでぎますので、本年四月以降、海上保安訓練所を廃止し、同時にル、の教育内容を海上保安学校に移すことにいたしたいと存ずる次第であります、なお、海上保安庁法の規定の文言中、「法務総裁」が「法務大臣」に改められたこと、「刑事訴訟法」に法律番号が附記されていないこと及び市町村の廃置分合により海上保安管区の区域を示す地方公共団体の名称に変更のあったことについて、字句修正の必要一がありますので、この際所要の改正を行うことにいたしております。 以上がこの法律案を提出した理由であります。なにとぞ慎重御審議の上、御可決下さいますようお願いいたします。
○委員長(新谷寅三郎君) 本案に対しまして御質疑がございましたら、順次御発言を願いたいと存じます。
○千葉信君 一緒に逐条説明もやっておいてもらったらどうですか。
○委員長(新谷寅三郎君) それでは千葉委員からの御要望がございましたので、当局から逐条説明をお願いいたします。
○政府委員(山口伝君) 改正いたしました部分につきまして簡単に御説明申し上げたいと思います。 まず、第十条第二項ただし書の改正でございますが、法務府設置法等の一部を改正する法律、昭和二十九年法律第二百六十八号によりまして、法務府設置法については法務総裁は法務大臣に改められましたが、海上保安庁の他の法令中には法務総裁とありますので、これらを前に申し上げました改正法律規則第一項に基いて法務大臣と読みかえるのみで、法文上の形式的な改正は行われなかったのであります。従いまして、この際ちようどいい機会でございますので、法務総裁とありますのを法務大臣というふうに今回かえるわけでございます。 次に、第十一条の二の改正でありますが、海上保安庁といたしましては、教育機関といたしまして海上保安大学並びに保安学校、さらにその下に海上保安訓練所、かように三つの段階に附属機関を持っておりまして、先ほど提案理由で御説明申し上げましたように、今回最下級の海上保安訓練所の教育内容を海上保安学校の方へ統合いたすために訓練所関係の規定を削除いたしたわけでございます。 次に、第三十一条の改正でございまするが、これは一般に法律の中で他の法律を引用いたします場合には、法律の公布の年と並びにその法律番号を添えて書いておりましたのが例でありまするが、ただいまの海上保安庁法の三十一条におきましては、それが抜けておりましたので、この機会に一般の例にならいまして附記することにいたした次第でございます。 さらに別表の改正がございますが、これは先般の地方における市町村の配置分合の結果、行政区域が変更を来たしたものでありまするのでそれらによって、実質的には同じでございまするが地名の変更をこの際行いましたようなことでございます。 大体それらが今回の法律改正の内容でございます。
○野本品吉君 この改正によりまして教職員の定員及び経費の両面にわたって節約となるという御説明でございますか、この内容と申しますか、具体的に、どこがどうなるのだかということの御説明を願いたいと思います。
○政府委員(山口伝君) まず予算関係でございまするが、これまで、と申しますより、二十九年度の予算で洲上保安訓練所が年額約三千百万円くらいの予算でございました。減りますのは金額といたしましては約二百万円、百九十何万円かと思いましたが、それくらいでございます。人員の方におきましては、教官が五名、事務職員が六名、合計九名でございますが、もともと訓練所の定員としては教官が十二名と事務職員が十一名でございまして、合計三十三名の中から九名ばかり減って、これは海上保安学校の教職員と統合される結果、かような結果を来たしたわけであります。しかし、かような定員の減によりまして失職するということのないように、すべて配置転換その他でそういうことのないように適材適所で配置転換をいたすことに考案いたしております。
○野本品吉君 その次に、やはり御説明にあります、海上保安大学と海上保安訓練所か同じ場所にあったたために教育上好ましくない点があったからということが、この改正の理由の一つになっておりますが、それも内容的にどういう点だかお聞きしておきたいと思います。
○政府委員(山口伝君) 海上保安大学校は新制の高等学校を出た者を資格として採用いたしたわけであります。一方訓練所の方は新制中学の卒業生でございます。で、い、ずれも一方は四級一号、訓練所の方は三級一号ということにして待遇が違っておりました。服装も一方は幹部になりますので、普遡の、ボタンのようなものを着ておりますか、訓練所の方は、要するに一般でいえばセーラーとか、ボイラー・マンになりますので一番下の乗組員でございます。従って服装も違います。それで御承知のように、両方とも全寮制度で、同じ校内に寮で二十四時間教育を受けておるわけであります。いろいろ待遇の点、それからいろいろ訓育の点で同じように扱うわけに行かないものでありますから多少不便を感じました。今回の統合される舞鶴における保安学校の方は、一部は現職の職員が派遣されまして研修を受けるのと、それから新制中学を出、ました新人を燈台と水路の両科に新人教育をいたしておりまして、これまた非常に接近しているわけです。それに教科内容も大学に比べれば、ずっと実験施設から、その他の施役双を利用いたします場合にも、先生の教養あるいは実験上の教養という点は、大学と比べればより近いわけでありますから、それらの点で舞鶴に施設に余裕がございますので、ちようどそこへ持っていった方がいろいろな点でいいということで、かような案を考えたわけでございます。
○野本品吉君 この際もう一つお伺いしておきたいので記フが、従来日本海あるいは東支那海、そういう方面におけるいわゆる海上保安業務というものが、いろいろな点からいって幾多の問題が起り、た事件等が起っておるわけでありますが、あちらの方面の事情があなた方の海上保安業務という御点から見て、最近どういう傾向になっておるか、また従来起りました事案というものがどういうふうな工合に解決されつつあるか、その実際の状況につきまして最近の状況をこの際お伺いしておきたいと思います。
○政府委員(山口伝君) お答えいたします。ごく最近のこれらの特別哨戒の警備の方針でありまするが、これはもう従来と変っておりませんであります。もっとも新しい現在の状況を申し上げますと、韓国の近海並びに東支那海の方面に対しましては、巡視船が従来通り四百五十トン並びに、二百七十トンの一隻ずつを加えまして、海上保安庁としては五隻程度の済州島の周辺並びに東支那海に哨戒に出ております、さらにこれも御存じの通りでありますが、水産庁の監視船が現在では、二隻程度が主として東支那海の南方海域の方を分担してもらっております。合せて都合大体七隻ぐらい出ておるわけであります。それで一方最近の日本の漁船のこの方面に対する出漁の状況でございまするが、御承知のように、韓国の南方の済州島周辺のアジ、サバの漁期というものは最成期を過ぎておりまして、現在では非常に閑散でございまするが、それでもなお韓国の南東海域に底びきの漁船が約十隻、これが対島の北端、北々東三十海里ないし五十海里附近で操業をいたしておる程度でございます。東支那海におきましては、以西底びきの漁船及びトロール漁船が約四百六十隻出漁いたしております。済州島の南方からずっと上海の沖あたりまでこれらが出ておるわけでございます。最近における韓国の艦艇の動静でありまするが、巡視船の方探によって知り得たところによりますると、韓国の艦艇は済州島の北西方から西方に至る海域で約三、四隻が常に行動しているというふうな情報が入っております。一方中共船の動きでありまするか、これは御承知のように、中共は漁船をもって、あばれておるわけでありまして、これまた巡視船並びに水産庁の監視船の無線探知によって状況を知り得るのでありまするが、上海の沖のバーレンという島の周辺から上海の北東方二百二十海里、これはもうほぼ東支那海のまん中近くになりますが、この附近に中共の船団が約十組、組と申しますのは、底びきをやるために一組二はい、十組程度が行動を現在でもいたしておるということであります。幸い中共関係につきましては、最近まで、今年に入りましてから拿捕は一応ございません。申し遅れましたけれども、韓国につきましては、今年になりましてから六隻拿捕されております。もう去年、一昨年あたりのひどいときに比べますと、割合静かにはなっておるわけであります。それから中共につきましては、御承知のように、先般日本から漁業使節団が約二十名のかたか行って、いま北京でいろいろ折衝をして、先方の意向なり、またこちらの申し分なりやって打合せをしていただいております。が、まあこれらのことも反映しているものとも思いまするが、われわれとしてもこの使節団が帰りましたらば、十分向うの気持なり、資料が入ると思いますし、日本の漁船も恐らくかような使節団が行っておる際でありますので、多少遠慮もしておるのじゃないか、これらのことが原因として、幸い今年になっては拿捕が中共関係だけは出ておりません。次に、北海道方面でありますが、北海道には巡視船としては北の道北方面に対し一隻程度が哨戒をいたしております。それから道東、即ち根室、それから納沙布とか、あの辺でございますか、知床半傷の方面でございます。この方面には巡視船が常時二はい哨戒をいたしております。今日までかなり氷の関係で、活動が漁業におきましても巡視船の哨戒にも不自由でございました。この方面に対する日本漁船の出漁の状況は、ここ一週間か十日ぐらい前から出漁ができるようになったわけでございまして、道北におきましては底びき漁船が約五十隻、紋別の東方であります。それからタラ釣船が十隻ぐらい出ております。それから道東方面、すなわち根室の東の方でございますが、ここにはちょうど、ただいまこれからがシーズンでございます、カニの刺し網漁船が約百十隻程度根室の北東五海里ないし十海里附近に底びき漁船が五十隻、これが落石の沖合、それからタラ、ホッケ及びタコ漁船が約五十隻、これが根室から釧路に至るまでの沿海域にそれぞれ出漁いたしております。拿捕臨検等の状況でございますが、今年になりましてソ連関係では五隻拿捕されました。それでそのうち三隻が帰って来ております。すなわち未帰航が三隻であります。なお昨日納沙布燈台からの報告と、それから漁船からの報告によりまして、どうもつかまえられたのではないかというカニ刺し網漁船が四隻ございます。これはいま調査中でございます。幸いソ連関係の拿捕関係もときどき起りまするが、最近では二、三時間の現場における臨検で釈放されたものもありまするし、また連れて行かれた、すなわち拿捕も一週間あるいは長くて二週間ぐらいで帰って来るのが通例であるわけであります。今回の、特にきのうあたり多数拿捕されたように思われるのでありますが、これらがどういう取扱いを受けますか、疑問でありまするが、これらの海域についてのこれからの警備でありまするが、いよいよ漁期がそれぞれの地域において最盛期に入ります場合には、もう少し船を出していろいろいたしたいのでありまするが、海難等で手配する船との見合いにおきまして、今日の東支那海方面の五隻、北方水域で合計三隻、これ以上がなかなか出せないのであります。それで五月以降はさらに北洋方面に相当の船団が出て参りますので、でき得れば一隻くらいはその近くに出て行って、いろいろ問題に対処したいのでありますけれども、現在のところではせいぜい大型船を根室に待機させて、何かの場合そこから応援に行くというくらいの手配しかできないのであります。船が足りないので、はなはだ困っておるのであります。
○野本品吉君 私がそういうことをお伺いいたしましたのは、最後にお話になりましたように、漁期が近ずいておるのであります。そうして従来のようないろいろな事態の発生に対しまして、海上保安としても最善の措置を希望したいと、そういう意味で申したのであります。幸いに逐次事態は改善されつつあるように思います。それだけに、ことしの漁期の最盛期を無事に経過するようにということを希望しておりますがゆえに、お伺いしたわけであります。
○木下源吾君 この大学は、幹部職員を高等教育するというのですが、大ざっぱに、内容はどんなような教育をするのですか。次に保安学校ですか、この中堅職員に対してはどういうようなことを……、今の訓練所は、下級乗組員といいますか、大体のことはわかりますが、大学とこの保安学校ですか、その内容を一つ伺いたい。
○政府委員(山口伝君) お答えいたします。海上保安大学校の方は、まずここへ入って来る生徒の資格は、先ほど申し上げましたように、新制高等学校の卒業生でございまして、それを試験いたしまして、中で科目は商船大学で申しまする航海科、機関科をあわせたような船乗りとしての高等級育です。大学教育です。それとほとんど匹敵するとお考え願っていいと以います。さらに将来海上保安官として働く幹部の方でありますので、単に船乗りというだけではありませんで、いろいろな法律、特に海上の法令等には通暁しなくてはなりませんので、むろん基本でありまする憲法から、行政法その他の基本的なものから、さらに船舶関係の海上における海事法令関係については、一通りの基礎教育をここで与えるわけであります。それからなお従って、いわば商船大学の卒業生と匹敵する程度であり、しかも法律、経洛等についても必要な、従って非常な広汎な知識をまあ広く与えるということに相なっております。次に、その海上保安学校の方は二通りあるのでありまして、現にもう現場で働いた職員が、半年を単位といたしておりますが、研修にやって来るわけです。だんたん職員か年を経て参りますると責任のある地位について参ります。従ってそれらがさらに高度の知識技能を持たなくてはなりませんので、海上で巡視船で五年くらい働いたら、そこへまた入って来て半年くらい、そうして上の職階につくという形のための研修制度でありまして、その科別としては、航海科、機関科、通信料、主計科、看護科と、この五つのコースがございます。それからなおほかに研修でございませんで、新人教育として、燈台科、水路科というのがございますが、これは新制高等学校を出た人を一年間ここで教育いたしまして、燈台、水路関係の業務に従事し得るような教育内容を教えておるわけであります。従って舞鶴にあります保安学校の方は、中堅職員の研修と、それから部燈台、水路についての新人教育、年間でこれはやっております。で、先ほど申しおくれましたが、大学の方は新制大学と同じように四年間学校に在学いたすわけであります。それから訓練所の方は、先ほど申しましたように、新制中学を出た人を半年の間、巡視船乗組員としての基本的な知識技能を与えるという格好でやっております。ちょうど商船教育で言えば、従来の海員学校に当る制度がこの訓練所でございます。
○木下源吾君 お話のようなあれであれば普通の商船学校ですね、そういうようなものでもいいのではないかと、こう考えるのですが、特に保安大学、保安学校と言う以上、何か特殊任務につく特殊的な何か教育をするのではないか、そういう面がないのかどうか。
○政府委員(山口伝君) お答えいたしますが、海上保安大学では、現実に申しますと、商船大学において志望者がないということが一つの理由でありまするし、また一方商船大学だけの教科内容では海上保安官として将来不十分であるというので、いろいろの海上保安官としての必要な知識を、まあ新制大学のような形で盛り込んで教育をいたしておるわけであります。海上における一切の行政的な面を受け持つために、税関のことも知らなければなりませんし、むろん警察のことも知らなくちゃならないし、水産のこともわきまえておかなくちゃならない、まああらゆる点から考えまして、海上における各省の出先をいたしますので、よろず屋のような形になります。従って単元等もいろいろあんばいいたしまして、単に商船の船乗りだけでは工合が悪いというので、かような制度に相なっておるわけであります。
○木下源吾君 そこで最近の実情でありますが、開くところによると、南でも、北でも、漁船が相手国、向うのソ連とか、あるいは中共に拿捕されるというよりも、こっちの方船の、つまり監視といいますか、そういうことがきびしい。こういうことをしばしば聞くのですが、向うよりもこっちがおそろしいというのです。これはもう漁民の諸君は皆そう言っております。これはどういうわけで一体そういうことを漁民が言うようになっておるのか、そういう点がちょっとわれわれに了解できないわけなんですがね。それを一つ御説明を願いたいと思います。
○政府委員(山口伝君) 向うの監視船よりも日本の巡視船の方が取締りがやかましくて、こわいとおっしゃるが、そういうことはないつもりでございまして、非常にやかましく申しておるのは、主として密漁の点は、あるいはそういう御批判があるかもしれません。ただいま問題になるような北方水域とか、東支那海等でも、申しておるのは、情報を流して、危険であるというようなことはやっておりまするが、絶対にそこに行っちゃいけないとかというようなことでやかましくするようなことは、私どもとしてはないはずだと思うのでございます。どちらの方でそういう、まあ問題がおありですか、調べてみたいと思います。
○木下源吾君 それでは南の方の問題でお尋ねしますが、先ほど漁業の民間使節団が行っていろいろ話し合いを進めておるというので、これについて政府として何か民間の話し合日いが円滑にいくような、援助するような措置を講じておるのかどうか、ただ傍観しておって成り行きにまかしておるのか、こういう点についてお尋ねしたいと思います。
○政府委員(山口伝君) 私ども東支那海の警備に当る側としては、むろんそういう点非常に関心を持っておるわけでありますか、今回も七田団長以下行かれる場合に、どういうふうに政府側としてこの交渉について、注文をつけたのか、要望されたのかは、寡聞にして私どものほうとしては詳しく知りません。ただ帰ってみえたら詳しく向うの意向は十分、今後の警備の方針にも関係があろうと思いますので、鶴首して待っておるのでありますけれども、出かけられるときに、いかようなる交渉で臨むかという、いわゆる水産行政としての内容については私ども聞かしてもらっておりません。
○木下源吾君 先般中間に帰って来て報告があったのですが、これはまだお聞きになりませんか。
○政府委員(山口伝君) それは聞いておりません。
○木下源吾君 聞くところによれは、中共の側はつまり互恵平等という線で話を進めておる。しかるに日本の側は、こっちの側にだけ有利なような進め方をしておる。従って条件が、緩衝地帯を設けて、まだ政府間の話ではないのだが、お互いに緩衝地帯を設けて、そこでいろいろ調整したらどうか、こういうような話し合いが進んでおるらしいです。しかしながら、日本の現実に行っておる漁は、そういうことにおかまいなしにどんどん、互恵平等的なやり方よりも、どちらかというと向うのほうに進んでいる、話はちっとも進まぬ、実情はそうなんである。進まないで、できるだけ話し合いかつくまで、そういう向うの話し合いのつかぬところにどんどん行くことを一時やめようじゃないか、こういうことでこの間戻って来たという話を聞いておるのですが、これらはあなた方の仕事と十分な関係があるわけなんですね。ですから、そういうことがおわかりになっておることは私は非常にいいと思うのです。政府として当然まだ国と国との交渉ではないけれども、漁船を保護するという上について、しかもやり方がどっちが一体いいのか悪いのか、そういうことについてもやはり資料を集めておかれるのが私はいいと思うのです。そういう点についてあなた方のほうで不十分ではないか、そういうことが、結論においてただ取締ればいいのだ、この漁船は向うのほうよりこちらの方がきびしくて困る、こういうことになるのじゃないかと私は思う。そういうように考えておる。もしその方面のことかおわかりにならぬならばよろしい。北のほうのことを一つお尋しますが、北のほうで今カニ刺し網で拿捕されておることも新聞にも出ております。これからどんどん問題が起きてくる可能性がある。特に四十七度線の以南における鮭鱒流し網の問題ですね。ここの漁場はあんなにたくさん許可しても、つまり商売にならないのです。漁場である以上魚がとれなれはならぬのだが、そんなに魚のおらぬところを指定しておるのです。四十八度以北の北洋は例の遠洋の、つまり鮭鱒の仕事になっている、ここでは資本漁業である。それから四十七度以南というものは零細漁民である。三十トン未満から行っておるわけです。しかも北海道庁だけでも千九隻からの許可をしているわけです。それに本州のほうからのを加えると二十以上になる。そこで、魚がとれないところでみんなひしめきあっている。全国の鮭鱒流し網業者が、昨年以来しばしば大会を開き政府に要請しているわけです。というのは、漁区を拡張してくれ、五十一度線まで拡張してくれ、ところが政府はこれになかなか言うことをきかない。そうして却って北洋のほうに、新聞で御覧の通り、農林省は昨年の暮に一挙に倍近くも船団を許可したわけなんです。ますます一方の、つまり零細漁民、それからいまの流し網のほうが憤慨して、そうして先般も雨の中を日比谷公園で大会を開いている。これは大会の決議ですが、今後この問題はわれわれは自分たちの生活を守らなければならないから直接行動でやる、こういうことを決議している。これはおわかりだろうと思う。これは当然そういうことになれば、自然の問題ではなくして、意識的な問題が起きてくるわけなんですよ。そういうことについては、保安庁は一体どういうような考えでいるのか。いまのような実力行使をやるという場合に、それをやはり日本の規則によってどんどん日本で禁止するか。こういう点について一つお伺いしたいと思うのです。
○政府委員(山口伝君) 水産のことについては私も十分ではないのですけれども、単に北海道方面のみならず、日本沿岸全体の水産の関係が、いわゆる沿岸の零細漁民とその他中型以上の、あるいは遠洋漁業の関係で、問題が随所に起っているように私は考えるわけです。ところが数にしてみると、沿岸漁業のほうか九割以上だというふうに開いているわけであります。そういうかたがだんだん漁獲が減って、なりわいが立たない、要するに生活問題になってきている。そこに中型以上の底びきとか、その他の漁船が、いわば沿岸の零細漁民の領域であるようなところと荒すというような、密漁等で非常に問題が深刻なんですね。私どもとしては、各管区それぞれ地方の出先機関で、むろん水産庁の御方針を基本として、それから地方、都道府県の水産部あるいは水産課、これらと随時相談をしながら、これらの問題に対処して参ったわけであります。ある場合には、まことにどうしていいかわからんような場合にも逢着したわけでありますが、今日ではある程度だんだん慣れて来つあると思うのですけれども、実際お話の通り、沿岸の零細漁民と、多少資本のある大型船あるいは中型船との間の調整問題というものについては、ほとほとわれわれも苦心しているわけであります。今後とも十分水産庁と連絡して、あるいはまた出先では出先の事情を勉強して、過酷た取締りというようなことのそしりは受けないように、何とかみんなで立っていくように問題を解決していきたい。いろいろ取り締ったり、強権発動というようなことは好ましくないわけでありますから、何とか問題の解決ができるように、われわれのほうも協力するといいますか、自分でどういうふうにさばいたらいいかきめかねる問題があります。しかし現実に現場に立ち会うことも、ございまして、いろいろわれわれの苦心も申し上げて、水産行政のほうで基本的なこれらの将来の目標を立てていただく、教えていただくよりないわけて、あります。さようにいたして参りたいと思います。
○木下源吾君 保安庁としては海難その他に対して十分おやりになる、これは非常によろしい。この前の輸送船が根室の近海に来たときに保安庁はなかなか手ぎわのいいことをやって、事実上の国交の話合いを進めた。これは非常にいいと思うのだが、しかしそういうこともただ常識でやるだけでなく、根拠がなければならん。しかるに今のような、私が話したような問題についても大体四十七度以南の鮭鱒流し網、こういう海区、この海区の漁区の決定は水産庁がやるわけなんです。沿岸のほうは御承知の通り、いわゆる民主的な海区調整委員、まあ民主的にいっているかどうかは事実は別としましても、そういうことになっておる。沿岸のほうはそういうことになっておるか、一たび沖へ出ますと、これは水産庁という上のほうの天下りの決定です、そうでしょう。そこであなたに私は聞いておるのです。天下りの決定だから、あなたたちの御相談の上にやっておるんじゃないか、こういうことを私は聞いておるのです。あすこもやはり海区調整委員が調整してやっておるなら、そういう問題はその海区の、つまりそういう決定に民間のほうの意見が十分浸透するわけなんです。ところか肝心のところへいくと、いまの天下りで水産庁か、誰が権限でやるか知らんけれども、そういうようなことになっておる。いまの四十七度以南なんというのは十万の漁民です。鮭鱒流し網の関係家族みな入れると相当な数になるのです。この人たちの死活問題なんです。いろいろな矛盾があり、やり方に無理がある。従って先生たちはこれ以上、やるよりほかにないということが、いまの実力行使をやろうということです。これは五月から先へ行けぱ必ずやる。五十一度のカムチヤッカの突っぱなの南のあたりで安全操業なんて言っておりますけれども、魚がおるから漁師は何といったって、命がどうなろうが頭からしけと戦って命をまとにかけてやっております。魚がたくさんおる。去年ですか、非常に低調で、それまでは赤字で困っておったが、わずかにその五日間でそこに行って漸く黒字を出した、こういうような事実があるわけです。先生は長年やって知っている。ところかいま言う天下りでそこの所へ行ってはいけない、四十七度で線を引いてしまって、四十七度以北を無鉄砲に保護しておるわけなんです。不法に保護しておる、というのは、従来母船はなかなか許可しなかった、これは何億という利権であるからです。それを昨年の暮に農林大臣がかわった、とたんにもういきなり日露漁業会社に数隻許可してしまった。それで北海道の泉盛という人が告訴したのです。そういうむちやなことをやって、反面においてそういう所に戸を立てて、ここを通って来たやつは、あなたたちがつかまえてどんどんぶち込んでしまうというのでは、これはむちやに事件を多くするのじゃないか、私はそう考える。あなたたちの苦心はよくわかるのだが、保安大学あたりは、いまお話のように種々雑多ないろいろなことをここでは研究し、教えておるのだというから、もう一歩行って、そこらまで一つ手が届くようなことをやったらどうか、こういうことを私は考えて、いまお尋ねをしておるわけなんです。それで片っ方のほうへ行けば片っ方のほうで苦心しておるというし、片っ方のほうに行けば、いまのような状態では、これは何ぼ金をかけても、何ぼ教育したって円満な解決にはならぬ、それですから、むしろ根本的な解決はなかなかほど遠いであろう、それはソビエトとの間における漁業協定ということは、あるいはそれはほど遠いであろうけれども、当面だけでももう少し手ぎわのいいことをやってもらわんというと、犠牲者ばかりたくさん出て、そして肝心なみんなの仕事が苦労ばかり多くて、さっぱりほめられないことになるのじゃないか、こう考えておるわけであります。この点については長官もあるいはまた大臣も一つじっくり実情を調査して、実情に即するようなことをやってもらわんというと、もうひどいですよ。これから……。いまの鮭鱒流し網の連中は、この間曳船の旗五十本も立てて日比谷公園で雨の中を大会を開いておる、これは北海道でも大会を開いておる。これはこれだけ警告しておいても、なお今までのようなだらしないことをやっておったのなら、その結果はみな責任は政府にある、こういうように私は言いたいくらいですから、これだけ申し上げておきます。
○委員長(新谷寅三郎君) ほかに御質疑ございませんか………。ちょっと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(新谷寅三郎君) 速記を始めて。次回は明日午後一時から開くことにいたしまして、本日はこれで散会いたします。 午前十一時四十分散会