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22回国会参議院1955/06/02

地方行政委員会 第8号

発言数
167
登壇者
16
会派数
4
開催日
1955/06/02

会議録

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小笠原二三男君) では、ただいまより委員会を開会いたします。  本日はまず理事の補欠互選についてお諮りいたします。理事の森下政一君が先般委員を辞任たされましたので、理事が一名欠員になっております。よってこの際その補欠互選を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小笠原二三男君) 御異議ないと認めます。  ただいまより理事の補欠互選を行います。互選の方法は成規の手続を省略して便宜その指名を委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございまんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小笠原二三男君) 御異議ないと認めます。  理事に赤松常子君を指名いたします。     —————————————

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小笠原二三男君) 次に先般の委員会の決定に従いまして、府県市町村財政と地方財政計画との関係等につきまして、参考人の方々より御意見を伺うことといたします。  議事に入ります前に、参考人各位に一言ごあいさつ申し上げます。本日は御多用中御出席をいただきまして、厚く御礼申し上げます。すでに各位も御承知のように政府におきましては、先般昭和三十年度地方財政計画を決定いたしのでありますが、本計画に関しましては、種々問題となるべき事項が多いと考えられるのでございます。またこれと関連いたしまして、現下の地方財政の窮乏状況につきましては、早急に適当な措置を講ずる必要に迫られておりますことは、これまた明らかなところでございます。当委員会におきまして、本問題につきましては、その重要性にかんがみ、つとに重大な関心を払って鋭意調査を進めて参ったのでありますが、本日は参考人各位より忌憚なき御意見をお述べ願い、当委員会の今後の審査に資したいと存ずる次第でございます。  なお御発言の時間はお一人二十分程度とし、御発言のあとに委員各位から御質問のあった場合には、簡明に御答弁を願いたいと存じますので、あらかじめお含みおきの上よろしくお願い申し上げます。  以上簡単でございますが、一言ごあいさつ申し上げます。  次に議事の進め方につきまして委員各位に申し上げますが、お手元に書類を配付いたしました通り、五名の方の御出席を願っておりますので、大体午前中に府県関係といたしまして、まず群馬県知事北野重雄君、岩手県副知事小川秀五郎君、前栃木県知事小平重吉君、以上三人の参考人の方々より御意見を伺い、その後に御質疑をお願いいたすこととし、午後は市町村関係といたしまして、川久保及び川村両参考人より御意見を伺い、質疑をお願いすることにいたしたいと存じますが、いかがでございましょうか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小笠原二三男君) 御異議ないようでございますから、さよう取り運びます。  まず群馬県知事北野重雄君に御発言願います。

北野重雄群馬県知事

○参考人(北野重雄君) 本日私ども参考人としてお呼びをいただきまして、地方財政の現状について御説明申し上げ、かついろいろな点につきましてお願いを申し上げる機会を与えていただきましたことを、委員長初め委員の皆さんに厚く御礼を申し上げます。大体口述の要点は印刷にいたしまして、お手元に参っておると思うのでありますが、大体それによりまして御説明をいたしたいと思います。  まず第一に地方財政問題の焦点でございますが、御承知のように、地方財政の窮乏がいよいよ深刻になって参りまして、地方自治の上におきましての最重要問題でありますのはもちろんのこと、デフレ経済下の経済問題として、さらにまた大きな政治問題として一般に認識されるようになって参ったのであります。  まず過去の赤字の状況でありますが、これは府県市町村を含めて地方団体全体でございますが、二十七年度の決算におきましては三百億円の実質赤字になっております。それが二十八年度には四百六十二億円、さらに二十九年度末におきましては、約五百六十億円というふうに見込まれておるのであります。かようにだんだんと赤字がふえて参りまして、地方団体の中には給与の支払いに事欠く団体さえ出て参っておりまして、赤字の状態がきわめて深刻であるのであります。かつまた非常に普遍的になって参っております。この過去の赤字につきましては、政府におかれましても、地方財政再建促進特別措置法案を提出されまして、御審議をいただくことになっておりますが、これによりまして約二百億円の再建特別債が認められようとしております。このことはまことに適切な御措置でございますが、しかしながら、これにつきましても、内容につきまして、さらにまた再建特別債の金額等につきまして、相当の問題がございます。しかしながら、この点は省略いたしたいと思います。  かように地方団体が赤字に呻吟するようになりました原因を一言で申し上げますと、要するに地方団体の歳出に見合う十分な財源が確保されていないということによるものであります。で私どもといたしましては、今日まで節約その他によりまして、歳出の規模を極力圧縮するに努めて参ってきておりますけれども、現在の制度の存続いたします限り、これ以上歳出を圧縮するということは非常に困難でございまして、どうしても赤字対策といたしましては、歳入財源を確保していただく、強化していただくということ以外には目下のところ方法がないのであります。  次に昭和三十年度の地方財政計画について申し上げたいのでありますが、御承知のように、自治庁におかれましては、今申しましたような過去の赤字に対しては、再建整備促進の特別措置によって措置をする。同時に三十年度以降におきましては、赤字の出ないような財政計画を立てる、またそれに見合う予算を獲得したいということから、当初自治庁としては一兆八百億という財政計画規模を目標に大蔵省と折衝をされたのであります。ところが非常な難航に難航を続けました結果、事務的にはそれが九千九百二億円になってしまったのであります。その内容を見ますと、六十八億円の相当無理な節約というものも見込んでおります。その上になお百四十一億円というものが当然赤字になるという計画になっておったのであります。これは全く私どもといたしましては承服のできないところであるのでありますが、それがさらに五月の十八日に至りまして、閣僚懇談会の結果、わずに一夜にしてこの百四十億の赤字が消されておるのであります。そうして歳出規模を九千七百六十一億円に削減をいたしまして、これが地方財政計画として最終決定になっておるのでありますが、この計画はかねてから問題となっておりました既定財政規模の是正、主として給与関係でございますが、これについては全然考えられておりません、のみならず今申しましたように、新規財政需要の増加につきましても、約二百億円というものを無視してしまっておるのであります。かような地方財政計画は、今後の地方自治というものはその機能を喪失してしまい、また国のいろいろな重要政策も、事実上末端において実行できないというおそれが多分にあるのであります。  第二に、地方財政の問題点を申し上げたいと思うのでありますが、地方財政がこのように苦しくなりました原因あるいは対策というものにつきましては、今までいろいろ論議がされておりまするし、また全国知事会議といたしましても、再三委員の皆様にお願いをいたしておりますので、繰り返し申し上げる煩を避けまして、特に私が日常痛切に感じております点だけをかいつまんで申し上げたいと思うのであります。その第一は、  国の地方行政に対する態度の不統一という問題であります。地方団体は御承知のように、中央からあるいは法律により、あるいは行政指導により、あるいはまた予算によりまして、多くの仕事を実行するように指令をされておるのであります。そして地方団体はその中央の指示に従いまして、ほとんどその仕事の——地方団体、ことに府県としての仕事の約七、八割というものは国から指示された仕事をしておるのでありますが、これにつきまして政府全体としての統一的な方針がないのであります。そういったことの矛盾が集まり集まった結果、今日の大きな赤字を生んでおるということを申し上げられると思うのであります。で、その例をあげてみますと、ことに終戦後の民主主義の政治といたしまして、特に占領軍のいろいろな指示がございましたために、事柄自体としては望ましいことではございますが、非常に金がかかり、制度として繁雑な政治をやらなければならなくなっております。たとえばいろんな行政委員会というものが非常に多い。そうしてこれによりまして、今まで知事に統一されておりました権限というものが非常に数多くの分れておりまして、それぞれの行政委員会が権限を持ち、また大きな事務局を持って仕事をやってゆく、これによりまして非常に金がかかるようになっております。また教育制度にいたしましても、これまた望ましいことではございますが、現在の日本の国力にはふさわしくない理想的な六三制の実施がされておる。さらにまた同じように社会福祉行政につきましても、非常に仕事がふくれて参りまして、たとえば社会福祉司というものも数多く設置しなければならなくなっております。またいろんなサービス行政の方も徹底的にやることになっておりまして、たとえば農業関係におきましては農業改良普及員あるいは生活改良普及員というものも数多く置かなければなりません。また公務員の福祉施設、あるいは強力な身分保障、また地方税につきましては、御承知のように府県と市町村はそれぞれ別個の税種目を持っておりまして、かって国税の附加税の体系をとっておりましたときとは、非常に徴税費がかさんできております。職員の数も非常にふえております。大体現在では税金の約八、九%が徴税費になっております。また義務教育における学級を編成する基準、あるいは教員の配当基準、これも財政の力を無視した理想的な基準が強要されております。また県庁におきまして部課を統合いたしたい、ある部を廃止したいある部を廃止したいということになりましても、中央官庁からの干渉がございまして、容易にこれができない。あるいはまたいろんな補助金、奨励金ということで、いやおうなしに地方で仕事をしなければならない。それがために苦しい財政の中から県費の相当多額を持ち出さなければならない。こういうふうな状態になっておるのであります。従いまして、もし中央におきまして、ほんとうに地方財政の、特に歳出の規模を圧縮しようというお考えが強ければ、実際上金がかからないように制度を思いきって改革していただくように、それもまた政府各省間の調整が十分にとられまして、単に自治庁だけが地方団体の側に立って、制度の改革あるいは歳出規模の圧縮に骨折っておって、他の各省が全然協力しないというふうなことがあってはならないと思うのであります。現に問題となっております地方公務員の停年制の問題にいたしましても、教職員についてこれを適用するということにつきまして、政府部内の意見が一致しないように聞いておるのであります。もし停年制をしくといたしましても、教職員に適用ができないということになりますると、ただ一般県庁職員にのみしわ寄せがくることになりまして、その不合理なことはもちろんのこと、人件費節約の実をあげ得ないということになります。また今申しましたいろいろな行政委員会の問題にいたしましても、たとえば教育委員会制度のあのあり方につきましても、どうするかというようなこと、これは全く政府全体として真剣に統一的に考えていただきたいというのが私どもの率直なお願いなのであります。  第二に申し上げたいのは地方債の問題でございます。国の財政につきましては、健全財政の建前から公債は発行しないということを厳重にやっておられまして、財政投融資さえも一般財源でまかなっておられるのであります。ところが地方団体につきましては、毎年一千億円以上の地方債というものを財源といたしまして、借金政策で地方はやっておるのであります。そうしてこの地方債の元利償還の額が年々累増いたしまして、これが地方財政を大きく圧迫するようになって参りました。かように国の財政と地方財政のやり方に非常な不均衡があるように思うのであります。国だけが健全財政主義で、地方は全く不健全財政をあえてせざるを得なくなるような形になっております。そこで私どもといたしましてお願いいたしたいととは、地方団体におきまする投資的な経費の財源というものはできるだけ一般財源に振りかえていただくか、それができないとすれば、年々政府に納付いたします公債の元利償還金につきまして、これが償還できるように財源措置をとっていただきたいと思うのであります。世間では、現在の地方債につきまして、毎年の地方団体の借り入れる額がその年に償還する額より相当多額になる、大がいの地方団体はその年に返しますものの倍に近いものを借り入れることになっております。そういう状態ならばいいじゃないか、こういう考え方があるようであります。ところで借り入れてやります仕事はいわゆる適債事業というものに限られるのであります。御承知のように大部分が公共事業でございます。ところが一方返す方は一般財源で返さなければならない。そういたしますと、地方団体といたしましては、起債を認められるからというので自然にこの投資的な公共事業というものをよけいにやり過ぎることになります。これはもちろん県民の要望もございますから、自然そうやらざるを得なくなります。ところがそれを返すお金がだんだん高まってきますと、それが本来県としてやらなければならない仕事の方に食い込んで行くのであります。いわゆる県単独事業というようなものはほとんどできないで、それは主として地方債の元利償還に充てなければならない、こういうことになって参ります。こういった地方債の状況が地方の赤字を生む大きな原因の一つになっておるように考えるのであります。一例を群馬県にとりましても、昭和二十九年度の県債の償還費は四億三千八百万円になっております。ところがこれに対して政府として財源措置をしてくれましたのは二億数千万円でございまして、差引二億円ばかりというものは一般財源を食い込みまして、これが赤字になっておるのであります。こういう状況は各地方にそれぞれ年々急激に数字もふえて参ってくるのでありまして、これがために各地方団体の金繰りが非常に困難になって参りまして、この状態で参りますると、もう三十年度におきましては、実際の金繰りができないために、公債の元利償還も実際上延ばさなければやってゆけないという団体が相当出てくるのではないかと考えております。なお地方債の問題につきましては、本年度の地方債計画では公募債を三百八十億円にしておられるのであります。二十九年度は二百億円でございまして、昨年の二百億円も実際の消化に非常に困難がございました。これを約二倍にされまして、果して本年度公募債の消化ができるかということになりますと、非常に困難がございます。聞くところによりますと、大蔵大臣はそれについては責任をとると言っておられるそうでありますが、実際上各地方におきまして、地方団体の信用もだんだん落ちてきております。また地方銀行から借り入れるほかないのであります。これが地方の産業資金を圧迫することになりますので、実際上は借り入れられません。そういう点も十分御考慮にお入れをいただきたいと思うのであります。  なお金のやりくりの苦しい団体は、今までも相当多額のつなぎ資金を借りております。これの利子もばかにならない状態になってきておるのであります。  第三に申し上げたいことは、給与費の問題でございます。府県の一般職員、それから小中学校教員の平均本俸というものと、地方財政計画の上で立てておられます給与単価との間に大幅な差違があるのであります。これが積り積りまして、すでに三百七十一億円という大きな金額になっております。群馬県の例をとりましても、二十九年度におきましてこの差額が三億二千六百万円に上っております。この問題につきまして、政府はいつも地方公務員の給与が国家公務員の給与よりも高過ぎるのだということを言われるのでありますが、これにつきましては、実は精密な実態調査をされたわけではないのであります。もっとも今度はやろうとしておられますが、今まで高い高いといわれますけれども、これは国家公務員の理論単価と数府県をお調べになった現実の単価を比較されまして、それで何百円高いのだというふうなことを言われるのでありますが、こういう単純な論拠によって地方が勝手に賃上げをしておるからいけないのだと言われることは、大へん迷惑なんであります。  それから国庫補助職員の問題について申し上げたいのでありますが、一例をあげますと、蚕桑パイラス病共通試験に要する職員、これは月六千八百円、土地改良法施行に要する職員、これにつきましては月七千五十円、これを基礎にいたしまして、その半額の補助をされております。これでは実際上四分の一にもなりません。そういたしますと、その足りない分は結局一般県費から継ぎ足しをしなければならない、こういうことになっております。こういうことも赤字の一つの大きな原因でございます。なお今度政府は一月一日現在をもって、国家公務員、地方公務員全般についての給与の実態調査をされました。その結果が十月頃には判明する、そこでいわゆる既定財政規模の是正の問題については、その調査の結果をもって所要の措置を講ずるということを言っておられるのであります。ここで長年の懸案を一挙に解決して下さるならばまことにありがたいことでありますが、ただ私ども今から不安を感じますことは、十月ごろに給与の実態調査がわかった結果、所要の措置を講ずると言われるが、果してどういうことをして下さるだろうか、かって二十八年度にやはりそういう調査をやったのでありますが、そのときに自治庁の調査と大蔵省の主張との間に相当開きがありました。その結果、そのまん中をとって妥協されたのであります。こういう形をとられますと、せっかく実態調査をされて、所要の措置を講ぜられると言いましても、その結果はやはり赤字の原因を残すことになるのであります。どうかやられる以上は今度こそはうやむやにしないで、ほんとうに的確な調査をした結果、出た数字は率直にこれを認められて、そうしてそれを政府の責任において財源措置をしていただきたいというのが私どもの願いであります。  次に恩給費でございますが、恩給費につきましても、それぞれ各地方団体におきましては、財政計画で認められております数字では足りないのであります。これがまた大きな赤字の原因の一つになっております。  それから最後に職員の人員整理の問題について申し上げたいのでありますが、最近では各地方団体とも赤字をなくするために特に人件費を押えますために、真剣になって人員の整理に当っております。組合等からの反撃も強いのでありますが、やむを得ずそういう措置をとってきております。この事実をもってしましても、地方団体がほんとうに赤字に悩んでおるということを知っていただけると思うのでありますが、この団体の中には人員整理をやりたいが、その年度に退職金の給与額が相当に上るために、手をつけ得ないというような場合もあるのであります。今度地方財政再建促進特別措置法案によりましては、いわゆる赤字団体指定団体には、この退職手当資金を貸し付けるということをお考えになっておるようでありますが、もちろんこれはけっこうでございますが、それと同時に、いわゆる指定団体にならないまでも、自主的に何とか赤字を少くしようとする努力を続けます団体には、人員の縮減に必要な資金を貸し付けるということをぜひ考えていただきたいと思うのであります。  第四に、地方交付税制度でありますが、御承知のように、もとの地方財政平衡交付金制度のもとにおきましては、その年度の赤字を補てんするというやり方であったのであります。ところが昨年度から実施されました地方交付税制度では国税三税に対して一定の割合の額を特別会計に繰り入れまして、その範囲内で財政力に不均衡のある団体の間の均衡をはかるという制度であるわけでありますが、それがために不足財源を全額補てんしなくてもよろしいのだ、こういう意見が一部にあるようであります。ところが現在の地方団体、ことに府県が処理しております仕事は、先ほども申したように大部分国から委任された事務でありまして、その支出というものはほとんど義務的支出でございまして、非常に弾力性に乏しいものであります。また地方交付税制度をお作りになりましたそのいきさつ、さらに二十九年度にあの法律をきめる際に繰り入れの率を二二%におきめになったときのいきさつからみましても、今申したように赤字の出つ放しでよろしいのだというふうな考え方は全く乱暴だと思うのであります。どうしても、地方交付税制度というものは、大体平衡交付金制度当時の実態を受け継ぎまして、地方に、より安定した財源を与えるという趣旨から国税三税にリンクする、こういう地方制度調査会の考え方に基いて作られた制度でございますので、地方団体の不足財源を補てんするという根本的な考え方は平衡交付金制度の当時と違わないと思うのであります。ただその違う点は、平衡交付金ではその年度だけのバランスをとるという考えであったのでありますが、交付税の方では国税三税に対する繰入率を一応法律できめておいて、そうして実際やってみて余るようならば引き下げるし、足りないようならば引き上げる、こういう考えで二、三年を通じた総体的なバランスを考える、この点に違いがあるだけであります。従いまして、地方交付税というものを、地方団体に対する打ち切り財源であるというような考え方は間違いでございまして、従いまして、この昭和三十年度の地方財政計画を立てるに当りまして、二二%の繰入率を動かすことができないのだという考え方も間違いだと思うのであります。先ほども申し上げましたように、今度の地方財政計画では明かに百四十一億という赤字が出ておったのであります。従いまして、地方交付税制度を置きました趣旨から言いますると、赤字は赤字としてはっきりと表に出しておかれているわけであります。財政計画上の赤字は赤字、それに対して地方交付税制度の関係から繰入率をどうするかということをこれに関連して考えていただけばいいわけでありますが、ところが先ほども申したように、閣僚懇談会の結果、一晩のうちに節約で収支の均衡をはかれ、ただ無理に数字のつじつまを合せたということになっておるのであります。こういうことになりますると、結局地方団体の財政の実態に応じて交付税の繰入率を変えていくんだという交付税法のこの根本的な趣旨というものは全く没却されることになりまして、一旦きまりました二二%というものがほとんど釘づけになってしまうおそれがあります。かようなことはもう地方団体としては非常な赤字の累積になってくるということであります。どうか地方交付税制度の根本の理念に立ち帰りまして、当面の歳入不足は歳入不足として率直に認められまして、その上で不足額を繰入率の引き上げによって補てんする、それがどうしてもできないとすれば、思い切って制度の改革でもやりまして、地方の歳出が減るようにしていただかなければならぬのでありますが、この根本的な制度の改革と、それに伴う歳出の圧縮ということは、これは容易なことでない。また三十年度には間に合わないことであります。なおこの際くどいようでありますが、申し上げたいのは、昨年二二%の率がきまったのでありますが、その後当然ふえておるものがあるのであります。御承知のように、今度国税三税の減税が行われることになっておりまして、三百二十六億円であります。それの二割二分に当ります。十二億円というものが当然地方に与えられる財源の中から減ってしまっております。そのほか奄美群島の関係の歳出増加八億円、警察費の是正の平年度化に伴う一般財源の増加五十三億円、それから先ほど申しました給与費の是正関係が、これは交付団体だけで三百三億円になります。事業税の基礎控除の引き上げによりまして、県の税収がそれだけ減るわけであります。こういうものをいろいろ集めますと、およそ五百十億円くらいになります。ちょうど交付税の率にいたしますと、約八%に当るのであります。現在の二二%ではとうていやっていけないということがこれで明瞭でございます。  以上のことを最後に要約して申し上げたいのであります。今申しましたように、地方財政計画というものは、大へん失礼な申し分でありますけれども、ただ歳入、歳出のつじつまだけをむやみに算術の上でつり合いをとりまして、そうして収支のバランスがとれたというようなことをしておられるのでありますが、先ほども申したように、六十八億円という、もう地方団体としてはとても節約のできないものを見込まれておりますし、百四十一億円というはっきりとした財源不足があります。これだけで二百九億円になります。ちょうど交付税の率にいたしますと、約三%になります。従いまして私どもといたしましては、これだけを見ましても、現在の交付税の率は当然二二%プラス三%、二五%にしていただきたい。ところがさらに給与費の関係が全然見込まれておりません。政府は給与調査の事態がわかってから処置すると言われるが、これに私どもは非常な不安を持っております。このままいけば、おそらくはおかぶりで通されるのじゃないか。この給与関係だけを見ましても、交付団体で三百七十一億になります。三百七十一億といいますと、交付税の率にかえますと、約五%になります。そこで私どもといたしましては、どうしてもこの際交付税の税率を二二%から三〇%に引き上げていただきたい、これが目下のところ全国知事会といたしましても、もう最後追い詰めたところのぎりぎりのお願いでございます。昨日も知事会におきまして、赤字対策の委員会を開きまして、ぜひともこの際地方交付税の税率を三〇%に引き上げていただきたいということを決議いたしまして、政府並びに各党にお願いをしておるわけでありまして、特にこの問題につきましては、かねがね地方財政の問題に深い理解と、また御同情をいただいておりますこの地方行政委員会の委員長初め委員の皆様にぜひこの地方交付税の税率を三〇%に引き上げるということにつきまして、格別御配慮をいただきますように切にお願いを申し上げます。  大へん時間を過ごして失礼いたしました。ありがとうございました。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小笠原二三男君) 次に岩手県副知事小川秀五郎君にお願いいたします。

小川秀五郎岩手県副知事

○参考人(小川秀五郎君) 県財政の現状と打開に関する意見を申し上げる機会を与えていただきましたことを厚く御礼申し上げます。地方財政全般の問題、それから地方財政計画に対する御意見は、ただいま北野知事さんからお話がございましたので、重複するようなことは避けまして、岩手県の最近の財政の実態を資料に基いて御説明を申し上げながら簡単に申し上げたいと存じます。  お手もとに差し上げてあります。一番先の表は、昭和二十五年度以降の岩手県の決算状況でございます。縦に御覧いただいて、歳入、歳出、差引Aとありますのは、繰越しがあった場合はそのままの数字、決算上の赤字が出ました場合は三角印、その次の欄は事業繰越しに伴う一般財源の額を掲げてございます。その次の欄は翌年度に支払いを繰り延べたものの額を掲げてございます。従って事業繰越しにかかわる一般財源所要額の欄は全部三角がつくものと御了承願います。支払い繰延べの金額も三角がつくものと御了承を願います。昭和二十五年度は八千八百万円の黒字でございます。昭和二十六年度は一億七千万円の決算上の黒字でございましたが、事業繰越しに伴う一般財源は四千八百万円、支払い繰延べ三億九百万円、差引しますと、実質赤字は一億八千六百万円となるわけでございます。支払い繰延べは、主として公共事業の国直轄事業に対する負担金の納付しかねたという実態によるものでございます。昭和二十七年度も同様ごらんいただきまして、実質赤字は五億四千万円となりました。二十八年度は五億八千六百万円、二十九年度は見込みでございますが、繰り上げ充用額は二億四千万円、全部合せまして六億四千八百万円の実質赤字が出る見込みでございます。こういう状態でございますので、前々から財源拡充に関しまして、政府にも御要望を申し上げておきましたが、なお自主的に経費の節減等にいろいろ努めて参ったわけでございます。その状況をごく簡単に要点だけをかいつまんで申し上げます。  二枚目の資料は、昭和二十九年度の決算見込額を予算様式による科目別にして内訳を示したものでございます。これはお手すきの際、ごらん願います。  三枚目の資料をごらん願います。一枚目の資料と合せてごらんいただきたいと思います。昭和二十七年度にはどうしても繰上げ充用が出てきそうだ、実質赤字がふえてきそうだということを考えましたので、思い切った行政費の節減を考えまして、これは政府の方針等にかかわりなしに、自主的に行政整理を断行いたしたのでございます。本庁の部が九部ありましたのを、一部減らして八部とし、課は四十五課ありましたのを十課減らして三十五課に統合いたしました。地方事務所は一応全廃の形をとりまして、なお現実に置かなければならぬ組織をまとめたものを地方事務所とするというような形で、思い切った整理をいたしました。そしてあわせまして、これは知事部局と俗称しておりますが、各種委員会に関係のない定員でございます。知事直接の部局の定数四千五百六十五名ありましたのを六百五十名減らしたわけであります。こういう措置を一つとりました。  それから昭和二十九年度に至りましては昇給、昇格の停止をいたしまして、これは条例でもちまして二号俸に相当する期間昇給を差しとめるというような非常措置をとったわけでございます。なお、旅費等の事務費等についてもそれぞれ圧縮の方法をとりました。県単独の事業等につきましては、極力圧縮をして参ったわけでございます。それからこまかなことでございますけれども、物品調達に関しては、合理的措置をとって特別会計を設けまして節減をはかったというようなこともやりました。それから三十年度の本年度は、これまた自主的に思い切って最近まで八部ありましたものを五部に統合しました。これは岩手県の規模から申しますと、地方自治法に指定されております標準部の数は六部程度でございますけれども、それよりもなお一部減らしまして、五部に統合したわけでございます。これは昨日から発足いたしました。課のことは目下検討中で、これも統合していくということを考えております。それから地方事務所はこの際町村合併も促進されたことでありますので、全廃をいたしまして、なお現地に置かなければならぬ税務に関する事務所、あるいは社会福祉に関する事務所等、最小限度に置くということで、近々に結論を出す予定で検討をいたしております。その他の出先機関に関しましても全部再検討いたしまして、思い切って節減の方法を考えたいと考えておるわけでございまして、人員整理につきましては、それらに即応して圧縮して参りたい、こういう努力を過去数年にわたってやって参りましたにもかかわらず、先ほど第一表で申し上げましたような赤字が累積されてきておるわけでございます。これはおそらく全国どこの府県でも同じような努力がなされていると思うのでございますが、そうしてやっているにもかかわらず、全国府県大方赤字を出しておる。二十八年度の決算状況を全国府県についてみますというと、四十六都道府県のうち実質赤字のないのは二十八年度では七府県、三十九府県が実質赤字を出していると、たしかそう記憶しております。これは異常な努力にもかかわらず、そのように赤字が出てきておるということは、やはり制度の上で検討しなければならぬ部面があるのじゃなかろうかと考えられるわけであります。大体地方団体の仕事は大部分が国の制度に基く仕事、あるいは国策に基く仕事が多いのでございまして、地方独自の、単独の事業というものはほんの一部分しかございません。それでそのほんの一部分しかないものについて、まあ岩手県の実例で申し上げますと、極力圧縮をはかって参り、国が定めた制度あるいは国策に基く仕事の施行についてもできるだけ経費を節減して、少い人員で所定の効果をおさめようと努力して参ってきたわけでございますが、にもかかわらず、多数の府県がそういうような赤字を出しているというわけでございます。これは地方財政計画全体の上でやはりどこかおかしいところがある結果じゃなかろうかと思われるのであります。  これを打開する方法は、結局は財政需要を圧縮するか、しからずんば財源を拡充するか、どっちかしかないと私ども考えまして、地方団体でやっております仕事で、財政需要を圧縮していくためにという見地に立って、やる仕事を検討してみますというと、どの仕事もみんな必要な仕事ばかりで、有益な仕事ばかりだと思われます。一つもこれは不要だと思うものはございません。どうしてもその仕事をやるとすれば財源の拡充をはかってもらわなければならぬ。財源の拡充をはかれないならば、国策として考えられておるような仕事についても手を加えていただかなければならないというような格好になると思います。  それから第四枚目の表は、これは第一表、第二表と関連するわけでございますが、一般会計の財政状況を一覧表にしたものでございまして、こまかくなりますので説明は省留さしていただきます。  それから第五番目の表も、これは交付税の配分基準になりますところの基準財政需要と実際の財政需要との差額をAマイナスBという形で最後の欄に出してございますので、これもごらんいただけばわかることでございますから、説明は省略さしていただきます。  そこで、関連して申し上げたいのは、こういう赤字がたくさん出て参りましたについて、中央でもいろいろお考えいただいて、地方財政の再建促進特別措置に関する立法措置をいろいろお考えのようでございます。これはまことに必要なことだと思うのでありますが、ただしかし、私ども仄聞しておりますその内容は、現在ある赤字を解消するということにあるように思われるのであります。そして将来計画を立てて赤字を出さないようにしようという意図はあるようでありますけれども、従来から累積して参りました赤字の原因、なお今後も続くであろうところの赤字の原因の解消についてはどういうことをお考えになっているか、うかがい知れないのであります。で、これは相関連してお考えいただいていることと思うのでありますけれども、もし根本的な財政制度あるいは仕事の上の制度等に何らの手を触れることなくして地方財政再建促進特別措置法だけが出るといたしますと、現在の赤字は解消されましても、今後出てくる赤字の原因は解消されないことになりますので、どうしても地方財政再建にはならないとしか考えられない、多分そうなるまいとは思いますけれども、そういう心配がありますので、申し上げたいのであります。ことにその赤字の原因が解消にならないことが最もひどいことでありますが、そればかりではなしに、たとえば岩手県に例をとって申し上げますと、国策として国土総合開発計画が立てられ、それに基いて特別開発地域として指定になって、国家的見地から開発される地域があるわけでありまして、それに相応の財政投資が要るわけでありますが、そういうような財源の措置もこれはお考えいただけるとは思いますが、ただ再建促進整備法だけから見ますと、そこらの配慮がはっきりわれわれにはうつらないのであります。そういう点につきましても、これはぜひ自治体なら自治体らしく、そしてまた国策に応じて自治体も相当負担しなければならぬならば、負担し得られるような、もっと根本的には今県にある赤字の原因を芟除するというようなことをあわせて御措置願いませんと、せっかくの措置法が片手落ちになる、実効が上げ得ない、現在の赤字を措置してもまた直ちに赤字が出てくるという危険性をはらんでおるということを心配するわけであります。  それから国で定める制度として地方に関係のあることについていろいろお考えをいただけると思うのでございますが、赤字を生ぜしめないために財政需要を圧縮するという建前から申しますならば、地方の諸行政機構の問題等につきましては、やはり再検討さるべきじゃないかという感じがいたします。各種委員会その他いろいろあると思いますが、そういう点も考えられます。それから財源拡充の上から申しまして、お考えいただきたいと思いますことは、独立財源を拡充していくべきか、それから交付税のような調整財源に、財源拡充の趣旨をもった財源を拡充していくべきかということが問題になると思いますが、この点は国民の負担を最小限度にとどめて、地方の財政需要をまかなうだけの財源を拡充しようということになりますれば、方法としてはやはり交付税のような調整の機能をもった財源を拡充していくべきだと私どもは考えておるわけでございます。  なお細かな点たくさんございますけれども、重複しても失礼と存じまするし、また御質問に応じてお答えを申し上げたいと存じますので、以上簡単に御説明を申し上げます。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小笠原二三男君) 次に前栃木県知事小平重吉君に御発言を願います。  ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小笠原二三男君) 速記をつけて。

小平重吉前栃木県知事

○参考人(小平重吉君) 本日は、参議院の地方行政委員会から、府県市町村財政と地方財政計画との関係について、こういう題で私に出てこい、こういうお話でありました。ちょっと私は解しかねたのでありまして、地方財政計画がどういう計画を三十年度はおやりになっておるかわかりませんので、実は昨日知事会に参りまして、いろいろ状態も聞いて参りました。要するにただいまも委員長さんからお話がありましたように、私をお呼びになったという委員会の御意見は、多分私がただいま知事をやめておりますので、八カ年間の在職中の地方財政に対する批判をしろ、こういう御意見のように私も拝承いたしておるのであります。従いまして、私も忌憚なくこれから御意見を申し上げて御参考に供したいと思います。  まず私は、ただいまも北野君から、いろいろ地方財政の赤字に悩んでおるという問題につきましてはお話がありましたので、この問題につきましてはあまり深くは申し上げたくはないと思うのでありますが、しかしこれもやはり一応触れておきませんと、御了解がつき得ないかと思いますので、この問題につきましても、知事側から申しますと、政府が赤字を生んだ最大の原因だ、こういうことが主張されておるわけであります。また自治庁側から申しますと、どうも地方にも責任があるのじゃないかという、こういう両論に責任が分れておるようであります。この点は私も公平に申しまして、一方的にやはり政府だけの責任ではない、地方側の知事も大いに反省の余地はあるということを私は申し上げてみたいと思うのであります。従いまして、私はこの地方財政の赤字の責任問題、それから財政を再建する方法はどうすればよろしいか、この二つの問題に分けて一つ御説明を申し上げます。  赤字の問題につきましては、これは私が申し上げるまでもなく、地方自治庁から、二十八年度の赤字はすでに四百六十二億円に達しておるということは、もう盛んに発表されておる通りであります。なおまた二十九年度においても相当の額が出るだろう、こういうことでございます。これは現在の機構あるいは現在の財政規模から申しますと、私は赤字が出るのが当然だろうと思います。これはどっちびいきでもありませんが、全く現在のような機構では、いかにこれは地方の県知事あるいは市町村長が骨折りましても、赤字を出さないということは容易なわざではないのであります。この点は十分これは議員諸公にも御了解を願い、御調査を願って、是正をしていただきたいということをつけ加えておきたいと思います。その内容につきましては、ただいまも北野君からこまかにお話がありましたように、現在の法律でいいますと、地方としてはほとんど政府が法律を作ったもののしりぬぐいをしていかなくちゃならぬ、こういう現状であります。かりに福祉事務所にいたしましても、あるいは農業改良員というような大量の人を使う問題にしましても、または府県警察の問題にしても、あるいは教育費の問題にしても、おそらくほとんど金を使わなくてはならぬような法律になっております。これがそもそも大きな私は原因であると思います。こういうことを今北野君からこまかにお話がありましたから、私は赤字を生ずる原因についての議論はいたしません。この点は十分北野君の御意見を尊重いたしまして、そうして今後府県財政が赤字でないように一つ御心配を願われんことを特に私は委員の皆さんにお願いをいたします。それと同時に府県側の責任についても、私はこの赤字の問題を申し上げておきたいと思いますが、どうも府県知事も県民の要求であるとか、あるいは議会の要求等によりまして、歳入方面に水増し予算を編成しておるというようなこともなきにしもあらずと私は考えておるのであります。従って予算を不執行にしなければいかぬ、あるいは執行すれば非常な赤字が出るということも考えられることであります。この点は十分府県知事におきましても、反省の要があると私は考えておるのであります。赤字問題につきましては、以上申し上げておきます。  次に財政再建の問題でありますが、この問題が一番大きな問題でありまして、今できてしまったことは政府の力によりまして、再建整備によってこれを処理していただけばけっこうなのでありますが、ただ今後の問題をどうするかということであります。私はこの問題について最も必要なことは、現在の地方自治法の改正であると考えます。敗戦後御承知のように十年にもなりますが、敗戦当時にできました地方自治法というものが、いまだ何らの改正も加えないで、これを行なっておるというところに、私は地方の赤字をたくさん出す原因をなしておる、こう考えておるのであります。まず、一番地方で問題になりますことは、地方教育委員の問題であります。あるいは教育に関係いたしましては、ただいまも北野君からお話がありましたが、学級編成の問題、あるいは一学級に対する教員の配置の問題、これなども私からいわせると、どうも文部省が日教組に負けたのではないか、こういう考えをいたしておるのであります。御承知でありましょうが、文部省におきましては、小額校については一学級教員の配置は一・五であります。中学校に対しては、一学級に対して一・八というような配置をしておるのであります。十学級とすれば、小学校は十五人である、中学校は十八人、こういうことになります。しかし実際に日本の教育の現状から見て、一学級に対して——これを延べまして、十学級に対して十八人の教員が要るかどうかという問題であります。おそらく各県とも私は財政需要の関係上、この十八人をなまなま受け入れておる県はなかろうと思います。栃木県におきましては十七人置いております。そうしますと、二十学級ありますと三十四人の先生が要るということになります。そういうことがこれは地方財政を困難に陥らしめる一つの非常な大きな原因になっております。ことに教育委員会におきましては、多数の事務員を擁し、事務局を設けまして、以前の府県制当時から見ますると、何十倍かの人を使っておるという現状であります。こういう点は十分これは御審議の必要があると私は考えております。なお県議会にいたしましても、従来の府県制時代には県会は年一回でありまして、参事会制度をやっておりましたが、現在は通常県会を五回も六回も開いております。ことにそれのみならず、常任委員会制度というものがありまして、これも衆参両院と同様であります。従来ああいうものはなかったのであります。なくっても市も町村も完全なる発達をいたしたのでありますが、ああいう制度を設けまして、金を使わなくちゃならぬように今できておる。金を使えという法律を作っておる。これではいかに府県知事にいたしましても、町村長にいたしましても、この制度が改善されないうちはどうしてもこれは赤字であります。この制度を政府が継続するならば、これにふさわしいところの金を出してくれればよろしいのでありますが、今申し上げました通り、毎日知事は集まって赤字対策をやっておりましても、政府がなかなか金を出してくれない。金を出さ安ければ結局私はこの制度を改正するよりほかないと考えております。対策といたしましては、どうしてもこの制度を改正することを私どもは要求いたしたいのであります。これは申し上げると限りがないのであります。おそらくこの委員制度によりまして、法律による委員制度が府県には四十幾つかあると思います。これらにはみな委員の制度の手当を出しておる。どの委員でもただの委員はありません。どの委員でもこれは委員には金を出しておる。そういう膨大な委員会を作らして、そして金を出さしておるのであります。おそらく私も政府においてはこれは御了承になっておると思いますが、しかしそういうこまかいことまではあるいは議員諸君はお知りにならぬかもしらんが、実にこれはたまげたものであります。かりに農業関係にいたしましても、農業委員会あるいは開拓委員会、幾つも委員会があります。そういうものに対しまして、いずれもみなこれは委員の手当を出しておるのでありまして、全くこれらの経費というものは膨大な額に達しておるのでありまして、この点は十分私は御調査を願いたいと思います。こういうことにいたしまして、つまりこの制度そのものを改正いたしまして、そうして財政規模を縮小するという以外に私はないと思います。現在の日本の予算の一兆円以内におきましては、なかなか地方財政に対しての地方交付税を出してもらいたいと言っても、今の二二%を三〇%に引き上げるという問題も、なかなかこれは困難な問題だろうと思います。しかし現状のままでいきますならば、これは北野君からただいまお話がありましたように二二%ぐらいの金をもらったんではとうていそれは府県はやっていかれません。どうしても三〇%あるいは三〇%以上をもらわなければ、とうてい府県財政というものは赤字を継続せざるを得ないという現状であります。この点は北野君からも、あるいは小川君からもお話が出ましたが、十分この地方行政委員会において御調査、御同情を願いまして、特にこの法律だけは変えていただくようにお願いいたしたい。それと同時に私が申し上げるように、根本策としては地方自治法の大改正、これをいたしまして、つまり地方の財政規模の縮小、これをやるよりほかに仕方がないと私は思うのであります。  なお私は、との機会にあまり私がかようなことを申し上げるのもどうかとは思いますが、しかしこの委員会に私も呼ばれました責任上、率直に私はとの県知事または市町村長に英断をもって行政整理をやっていただきたいということを私は申し上げます。行政整理、大行政整理をやるということであります。しかしこれはなかなか政府においても行政整理ができないのでありまして、市町村あるいは県においても行政整理をやるということは非常にこれは困難であります。なおただいま両君からもお話がありましたが、行政整理をやるということに、いたしますると、それに対するつまり退職金の問題がからんでくるのでありまして、退職金の問題どころじゃありません、今経常費が支出できないということでありますので、こういうことをやるという場合におきましては、十分国が考えていただく必要があると思います。そこでこの行政整理と同時にいやしくも県民の生活安定、福祉の増進には県民または県議会にこびることなく、きぜんたる態度をもって邁進をして、自己の信念が通らないというような場合には、府県知事もしくは市町村の市町村長というものは職を賭しても戦うのだというだけの私は覚悟が必要だと思います。県民や議会にこびて、そして押されがちで、歳入がないにもかかわらず予算を組むというようなことでは、かりにいかにこの制度そのものを改正いたしましても、赤字は継続いたします。従って政府においてこの法律が改正されました以上においては、ほんとうに府県知事あるいは町村長は捨身でこの財政というものを守るだけの決心が私は府県知事には必要であると、こういうことを私は痛感しております。  私は最後に、御承知のように二十二年から私は栃木県知事をやりまして、本年の一月に職を辞したのでありますが、私が一番痛感をいたしましたことは、私の前半の四カ年間は、御承知のようにアイオン台風、キャスリン台風、最後には、四年目には、今市の大震災に遭遇いたしまして、ずいぶん困難をいたしました。この四カ年間に公共事業として復旧いたしました金は六十二億の金を出しております。これは大部分政府の金でありまして、私の方でも二割は負担しております。そういうことで非常に困難に遭遇いたしましたので、今後栃木県の財政をどうするかということにつきまして、私も非常に苦慮いたしました。私はしかし最初、二十二年に栃木県知事に就任をいたしまして痛感いたしましたことは、府県の役人の多いということであります。非常に私はこれは驚いた、五千人近くの人間がおりました。しかしその当時を回顧いたしますと、戦後でありましたために、いろいろ終戦処理の問題、あるいは配給等の問題に人を要しておりましたからやむを得なかったかも知れませんが、とにかく今後の地方財政というものは、これは人を減らすよりほかないということを痛感いたしました。そこで全然欠員は補充しないということを部課長に言いました。断言したのであります。ということでほとんど四カ年間は人を絶対採りませんでした。ただ困ったことには、政府の方から出先機関をやめるからこの人間は引き受けろというなことを言われまして、これは非常に困難をいたしました。しかし私はその当時も、将来全部国費で持つならば引き受けるが、さもなければごめんこうむると言って、本省ともけんかをいたしたことがありました。そういうことで、条件付で引き受けましても、一年か二年のちには、政府は予算がなくなったから、県の方でどうぞ持ってくれ、こういうことを言われる。こういうことが出先機関にはたくさんあるのでありまして、これは北野君からお話がなかったようでありますが、私どもは非常にこの問題では頭を痛めました。今後はこういうことがないことだろうと思いますが、ほとんど出先機関も整理されましたから、あるいは今後はなかろうと思いますが、今までは実際そういうことがありました。そこで私は五千人近くの人間をだんだん減らして参りました。昭和二十七年度には行政整理を断行いたしました。九カ所ばかりあった地方事務所を全廃したのであります。大体この人間は九百人から知りましたが、三百人を首切ろという計画でやりました。三百人の首を切るについては、こういう時代でありますから、笑ってやめていただきたい、こういう気持でありましたために、ほとんど全国で類例がなかろうと思いますが、やめる希望者に対しましては一号俸を上げました。普通の行政整理のときの十三割増し、こういう制度を発表いたしたのであります。ところが三百人の人をやめさせる前に、議会におきましては、七千万円の予算を取りました。ところがだんだんその発表を見ますると、県の職員がおれもやめる、おれもやめる、こんなことはないからというので、どんどん希望者がありました。だんだん部課長に調べさしたところが、すでに五百十三人出ている、まだ出そうだということで、まあまあやめてくれということでストップをかけまして、そこで鳩首部課長会議を開いて、これ以上やめられたのではしようがしない。現在の一体やめる人間でどのくらいの金が要るかということを計算いたしましたところが、大体一億四千万円要る、こういうことであります。七千万の倍、一億四千万円を要すると、こういうことになったのでありますが、よろしい、一億四千万けっこうだ、それじゃ五百人やめてもらう、こういうことになりまして、五百十三人の志望者は全部首を切りました。しかし私のところにいずれもみな礼に参りまして、おかげさまで非常に退職金をたくさんもらってけっこうだということでおじぎに参りました。こうい五お礼に参りました。一人も不平はありませんでした。そういうことで、私どもは二十九年四月一日の現状におきましては、一般職員が三千六百二十三人であります。で、私の就任当時から見ますると、千四、五百人の人間を減らしておる、こういうことがわが栃木県が現在まで黒字を継続したという大きな原因であったと私も考えております。それと同時に府県会等の要求に対しましても、私は決して府県会の要求等も入れません。もちろん歳入歳出というものは、これは的確にやるべきものでありまして、一カ年の歳入というものは大体当初においてわかるはずであります。本年度は百億ある、あるいは百五億ある、多少政府の措置によりまして平衡交付金等が減る場合もありますけれども、そう大した差がないのでありまして、当然その歳入に見積りまして歳出を計上するならば、そう大して赤字がなくって済むのではないかと私は考えております。先ほども申しましたが、どうも各府県におきましても、相当これは県会あるいは県民から無理な要求をされまして、金がなくってもやはり予算は組まなくっちゃいかんというような場合もなきにしもあらずであります。それを断行することが私は知事として大きな役目ではないかと考えておるんであります。ずいぶん私も苦い経験を経ております。しかしその要求をいれたのでは、従って歳入を水ぶくれの予算を組まなければ歳出は合わないということになるのでありますが、その点は私が十分苦い経験を経ておるのでありまして、今後府県知事に対してそういうことはぜひやらないように希望を私は申し上げておきたいと思います。  一体私の方の県の概況を申し上げますと、昭和二十二年度におきましては、一億七千万の黒字が出ております。これは災害が非常に続きまして、二十二年、二十三年、二十四年、二十五年は毎年大災害、ただいま申し上げました通り六十二億からの復旧費を出しておるという現状でございます。で、二十二年には一億七千万、二十三年度には一億三千七百万、それから二十四年度には三億一千万、二十五年度におきましては五億二千八百万、それから二十六年度におきましては、行政整理をやりましたので、七億五千三百万というような数字が出ております。それから二十七年度は三億二千万、二十八年度におきましては七億七千五百万というような数字が出ておるのであります。もっとも二十八年度におきましては、このうち地方分担金あるいは国庫納付金等を差し引きますと、大体このうちから二億ぐらいは減るかもしれません。二十九年度におきましても、私がやめる前に大体財政部で調査をいたしたのでありますが、三十年度に繰り越せる金は五億数千万であると思います。すでに本県におきましては、当初予算におきまして二億の繰越金を見ております。この間の県会におきましても、知事が説明したところを聞いておりますと、大体三億前後の金は繰り越しておるということは言明しておりますので、九年度から三十年度に繰り越せる金は五億ぐらいはあると、こういうふうに私どもは見ております。で、なかなか、今私が申し上げましたが、この行政整理という問題は、二十六年度から出てきましたけれども、行政整理をやるということは、非常にこれはむずかしいと思います。私がやりました一号俸上げまして、普通の行政整理より十三割増しでも、現在におきましてはこのデフレの現状でありまして、失業者が続出しておる現状でありますから、なかなかそれは、この方法でやれといっても困難ではないかと、こう考えております。しかし、おそらくこの程度のものをやりましたならば、大量の整理はできないかもしれませんが、しかし普通の百人、二百人の整理ならば私はできるのじゃないか、年間におきまして四、五千人の人間であれば自然退職すらも百人、二百人はあるのでありまして、思い切った条件で整理をいたすならば、私は相当に整理できるんじゃないかということを考えておるんであります。どうか議員諸公におかれましても、重ねて申し上げますが、現在の機構のもとにおきましては、府県の財政規模の縮小はすこぶる困難であります。どうしても金を使うように法律ができているのであります。それを政府が金を出さん、交付税を思うように出してくれないということは私は無理であろうと思います。この点はぜひ一つ皆さんに十分御調査を願いまして、どうか地方財政が円滑にいくように一つ御心配を願いたいということを特にお願をいたしておきます。  最後に、なおこの再建の方途でありますが、これは私はそうむずかしい問題ではないと思います。議員の諸公が御了解願えるならば、いつまでもいつまでも地方財政がこの赤字で苦しみをせないでもいい。現在の地方自治法を根本的に改正をして、そうして財政規模の縮小をできるように法律を改正をしていただく、これは議員諸公の私は責務であろうと考えます。どうか十分にこれは御調査をいただきまして、一日も早く地方自治法の根本的改正を私は要求いたしたいと思います。  はなはだぶしつけなことを申し上げまして失礼でございますが、以上をもちまして私のお話しを終る次第でございます。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小笠原二三男君) これより質疑に入ります。ただいままでの参考人の方の発言に対しまして、質疑のおわりの方は順次御発言願います。なお念のために申し上げておきますが、政府側からは自治庁の永田政務次官並びに後藤財政部長が出席されておられます。

高橋進太郎自由党

○高橋進太郎君 私はちょっと小平さんにお聞きしたいのですが、まあほかの府県が赤を出しているのに、あなたのところだけが黒を出しているものですから、やり方によってはどうも府県というものが必ずしも赤が出ないというような現象になるんですね。そういう点ではほかの県も迷惑をしているのかもしれませんが、そこで私は今の黒字のお話しを大体聞きますと、非常に行政整理をおやりになったということそれからまあ県会の要求を押えたというお話しがございましたが、そのほかに、実際はたとえば公共事業はまあいろいろ国から言ってくるけれども、この程度に押えるんだとか要するに仕事の面で何と言いますか、押えていった結果、黒が出たのでしょうか。あるいは仕事は仕事として、とにかく公共事業に関する限りは、あるいはその他国でやれといったような仕事は一応やって、そうして大体この人件費でまかなうようなものについて県会側の要求を押えて、そうしてまあ大体これでやっていったのか。もう少し黒字を出した玉手箱を一つ披露願いたいと思います。

小平重吉前栃木県知事

○参考人(小平重吉君) ただいまの御質問にお答えいたします。もちろん私の県だけが黒字だというので、地方からは一体栃木県は公共事業をやらないのではないか、こういう御質問があるようであります。しかしこれは建設省方面につきましても、あるいは関係省にお聞き合わせになってもけっこうでございますが、公共事業等は私は進んでやっていたつもりであります。きのうも実は千葉県の柴田君に会いましたところが、どうもあんたのところは黒字だというので、おかしいので人をやって調べたが、あんたのところでは公共事業をやっている、僕の方と同じだ、こういうことであります。二十五年から三カ年間を調べてみたが、九十六億円の公共事業をやっておるし、黒字になるのはけしからんから一体公共事業をやらないだろうと思って調査にやったところが、えらい公共事業をやっているな、とこういう話でした。これは自治庁の方もおいでになるからおわかりでしょうが、私の方ではむしろ進んで公共事業をやりたいというので、建設省に対しましても自治庁に対しましても要求いたしておるのであります。少くとも国から割当てられました公共事業を返上したなんということは一度もありません。むしろほかの県で返上した分は栃木県にほしいというので運動をいたしておるのであります。十分この点につきましてはやったつもりであります。ほかの県でやらない仕事も栃木県ではずいぶんやっております。これは実地においでになってごらんになればよくわかります。鬼怒川の架橋のごときも、私の県では鬼怒川はえんえん二十五里栃木県のまん中を流れておる。しかもこれには永久橋は三本しかない。しかしこれに四本かけまして、今では七本になりました。しかもそれは八百五十メーターというような長い橋でありまして、一本の橋でも二億数万かかるというような橋であります。公共事業はずいぶんやっておるつもりではあります。また四カ年間の災害の復旧も大体は完了しておるというような見通しであります。さようなわけでありまして、何もほかに大した玉手箱というようなものもありません。まじめにただ人員を整理して、そうして消粍費もできるだけ切りつめた、つまりぜい費は一切出さないということのやり方で今日までやってきたつもりであります。従いまして、ずいぶん非難は受けましたけれども、どうも小平は実業家だからそろばん高い、どうも金を出すには困ったと言われるようなことがありましたけれども、しかしいやしくも一厘たりといえども県費を徴収している以上は、そういうことはできないというので、私は歳出方面におきましては、ずいぶんやかましくやったつもりであります。従ってほかの県と比較いたしますと、ここにみな私の八カ年間の歳入歳出全部を、この間自治庁からお話しがありましたから、財務課に命じて、一体おれはもう忘れてしまったから書いてくれといって書いてもらって持って来ました。これをごらんになれば大体わかると思います。実はこれを印刷して委員の方に配布いたそうかと思いましたが、しかし何だかそうなると、あまり私が手前みそを広告するようなことになりますから、私は遠慮して印刷物にしては参りません。しかしもしごらんの御希望がありますならば、これはことにありますから一つ見ていただいてけっこうだと思います。

高橋進太郎自由党

○高橋進太郎君 私は今の小平さんの持って来られた参考資料は私も印刷して頂戴したいと思います。ですからこれは一つ委員長からもお願いしていただきたいと思います。  それからそれについて、今の主としてそういう人件費の分と行政整理を手ぎわよくやったというようなことが骨子らしいのですが、ちょっと後藤財政部長にお聞きしたいのですが、栃木県の大体百八十万あるいは百七十万の人口で、今お聞きすると約三千二百三十人ぐらいの人なんですが、これを一体そういう人口数の比重からみて、栃木県は標準でしょうか、あるいは標準以下よりずっと減らしておりますか。全国的な比較が何か自治庁の方にございましたらお聞かせ願いたい。

後藤博自治庁財政部長

○政府委員(後藤博君) 非常にむずかしい御質問ですが、私どもは一つの標準としてあのくらいの人数でもやれる、こういう意味でむしろそれを標準にして、よその県と比較しておるのでありまして、全体の標準——まだ私は全然切りつめる余地がないということも私はないんじゃないかと思っております。しかし現実あの規模であの職員でやっておられますから、私ども付近の県にはあれと大体比較して大体千人多いとか、千五百人多いとかということで、その限度までは職員を減らすととは可能ではないか、こういうことを私は申し上げておるのであります。

高橋進太郎自由党

○高橋進太郎君 もう一点。そうすると、栃木県の場合は基準財政需要と実際の決算面とのあれでどうなんですか。やはり大体やっているのですか。あるいは栃木県はまあ大体基準財政需要の程度やっているので、しかも黒だということになると、栃木県のようなやり方を大体各府県がやるということになれば、地方財政はまあ過去の赤は別として、その赤は出ないということになるのですか。そこらはどうなんですか。

後藤博自治庁財政部長

○政府委員(後藤博君) これもまた非常にむずかしい問題で、まあ基準財政需要とそう変ったことをやっておられるわけじゃございませんが、しかし相当の仕事もやっぱりやっておられます。ともかく栃木県がなぜ赤字が出ないできたかということは、やはり二十六年の朝鮮ブームの翌年、まあその年及び二十六、七年に財政規模が非常に膨脹したのであります。アームの関係で税収が非常にふえてきた。そのときに普通の県であれば消費的経費をうんとふやしたのであります。それを事業にもっていけばよかったのでありますが、消費的経費をふやして人をふやした。二十七年になって参りますと、がたっと落ちて、その落ちてきたのと同時にベース・アップがやってきた。二十六年から七年にかけてたしか二回くらいベース・アップがあったかと思います。そのベース・アップの痛手が非常に大きくなって、その際に財政規模を落そうとしたところは現在も赤字をあまり出さないでおるのでありますが、そのときの財政規模を維持しょうとかかったところは大体赤字が出ておる。これは大まかに言えることでありまして、先ほど知事さんからお話しがございましたように、当初からあまりふやしていないということは、二十六年のブームのときの税収を非常にうまく使われて、それをまあ蓄積されて、消費的経費に回さなかったというのが私は一番大きな原因ではないか、こう思っております。ほかの県をごらんになりますと、二十五、六、七に非常に、まあ五年はいいのでありますが、六、七に広汎に非常に伸びております。その規模の圧縮をその後やっているかやっていないかということが、やはり今の赤字の大小に非常に関係してきておると私は思っております。

中田吉雄日本社会党(第四控室・左)

○中田吉雄君 小平さんにお伺いしますが、昭和二十九年は決算がわからないのですが、自治庁から出ています地方財政の計画から見ますと、非常に退職手当を十分出して人を整理したというようなお話しですが、昭和二十八年の決算を見ますと、消費的な経費と投資的な経費に分けて、お宅の方はかなり投資経費が北野知事さんのところよりも多いという、実際投資的な経費と消費的な経費、北野さんのところは六六・二ですが、お宅の方は六六・六であって、全国基準から見ても必ずしもまあ消費的な経費と投資的な経費に分けて見ると少くない。ところでその投資的な経費を見ますると、お宅の方は補助事業を非常にやっておられないというところが非常にこれから見ると決算上特徴的なんです。ところが単独事業というものはかなりの率やっておられるようですがね。むしろさっきはよその余ったやつもおれのところにくれというのでやっておられるということですが、この少くとも二十八年の決算では消費的な経費は全国基準よりも必ずしも少くない、パーセントにおいて……。ただ非常に目につくことは、投資的な経費の内訳で補助事業が非常に少くて単県事業が多いというところから私はなったんじゃないかと思うのですが、それはどうなんでしょうか。高橋さんが今も尋ねられたのですが、全国の基準より果してそんなに非常に低いかですね。どうもそこにあるのじゃないかと思うのですが、それはどうなんでしょう。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小笠原二三男君) 中田君両方にお尋ねですか。

中田吉雄日本社会党(第四控室・左)

○中田吉雄君 ええ、両方に……。

後藤博自治庁財政部長

○政府委員(後藤博君) 単年度だけごらんになりますと、おっしゃるようなことが出ておるわけです。この問題は、投資的経費というのをごらんになる場合に、ぽかっと新規事業とか何とかいう新しい事業ばかりあるのじゃなくて、この中の一番大きいのは継続事業なんです。継続事業が前年度において相当進んでおれば翌年はぽかっと落ちてくる。新しい事業がそのあとにぐっと入ってきまして、同じような規模にするのじゃないのでありまして、私どもこれを見ますと、投資的事業はおそらく継続事業がある程度進んで、そうして二十八年は補助事業を落して、そうしてその余分の財源を単独事業に持っていって、知事本来の仕事をやられたんだ、こういうふうにみて、逆にこれをみると非常にいいのではないかという……。

中田吉雄日本社会党(第四控室・左)

○中田吉雄君 これが悪いと言っているんじゃないが。

小平重吉前栃木県知事

○参考人(小平重吉君) お答えいたしますが、御質問になりました投資費用と消費費用でございますが、後藤さんから申し上げた通りでありまして、この投資の資金につきましては、他府県と比較いたしますと私の方の県は非常に多い、こういうふうに私は自信を持っておるのであります。関東地方の同じくらいの人口の百五、六十万くらいの府県に比較いたしますと、商業の関係にしても、あるいは農業関係にしても、私の方は御承知の通り足利、佐野方面は機業地でありますので、これらに対する投資あるいは融資というものは相当額に達しておるのであります。そういう点から申しますと、ほかの県からは決して劣っていないというふうに私は考えております。補助事業にいたしましても、相当要求に対しましてはやっておるつもりであります。他府県に比較いたしましても、これは少いということは言えないと思います。現に未亡人の補助金のごときは厚生省がようやくわが栃木県と同じようなことを今度やりまして、あるいは国保の事業にいたしましても、相当な金額を補助金として出しております。そういう点は私はそういうことをやらないから黒字になったんだということは当らないと、私は考えておるのであります。

中田吉雄日本社会党(第四控室・左)

○中田吉雄君 そのことが悪い、どうこうと言うんじゃないんですが、さっきのお話では昭和二十八年は七億からの黒ですか。

小平重吉前栃木県知事

○参考人(小平重吉君) 二十六年です。

中田吉雄日本社会党(第四控室・左)

○中田吉雄君 八年は。

小平重吉前栃木県知事

○参考人(小平重吉君) 二十八年は七億七千五百万ということになっておりますが、このうちから大体二億くらいは政府の分担金その他を納めますから、五億ぐらいだろうと思います。

中田吉雄日本社会党(第四控室・左)

○中田吉雄君 それで補助事業と単県事業を合計すると非常に水準が高いのです。やっておられることは。しかしそのひものついたようなそういうものはやらずに、集中的にやるというようなその辺の妙味、それからこの県税収入等もかなり徴税のとるとれないということもあるでしょうが、伸びというようなところが黒字になった原因とも言えないんですか。やはり人員整理ですか、一番大きな原因は。

小平重吉前栃木県知事

○参考人(小平重吉君) 私はまず黒字でやっていけたという一番大きな原因は人員整理ということに考えます。他府県に比較いたしますと、大体七、八百人から千人違う。千人違いますと、大体一カ年三億違います。一人三十万円平均としても三億違う。その他旅費関係とかそういうものを計算いたしますと相当額になってくるのであります。それから県庁の消耗品、あるいは交際費、その他の人件費につきましても、一般職員に対しては相当な給与をいたしております。他府県には決して負けておりません。あるいは年末賞与あるいは夏季賞与というようなことにつきましても、私は日頃少数精鋭主義でやれということを諸君に訓示をいたしておるのでありまして、政府の手当よりもプラス・アルファを出しております。その点は十分精鋭主義でやっておりますので、そういう点は十分に考えてやっておるつもりでありまして、何と申しましても、人員の整理と、それから消耗品の節約、その他委員会の経費、委員会の手当などは、ほかの県から比べて、私の方はおそらく半分くらいしか出してない。とにかく知事の私の歳費が四カ年間四万円であります。ようやく昨年から私がとらないとほかの連中がとれないので、副知事あたりが困るというので、それで今八万円でしたかね、私が最後やめるときには八万円。そういうことで交際費等も他府県に比較いたしますと、知事の交際費等も非常に少かろうと思います。あるいは県議会の交際費、あるいは県議員の歳費等もずいぶんこれは引き締められました。どうも委員、あたりが各県へ出まして調査をしてくる、どこの県はこういう待遇をしておる人だ、どうも栃木県の知事はわからぬということで、今度抗議をされましたけれども、それは皆さんたちは名誉職をやっているんじゃないか、そんなに金がほしけりゃ、やめて県庁職員になったらよかろうということで、その点は非常にほかの県とは違っております。そういう手当等の問題でも莫大な違いがあるのではないか。教育委員会のごときは、最初は御承知でありましょうが、GHQの方で教育委員会の手当を出してはいかぬということを言われ、これはとうとう出さなかった。そうしてほかの県では大分出している、二万円、三万円出しているという話で、これをついに出さざるを得なかったので、何でも最初一万円くらいに出して、だんだん上げていると思います。そういう方面の経費も、これはなかなか各種委員会がたくさんありますから、その経費だって容易じゃないと思います。  以上で終ります。

中田吉雄日本社会党(第四控室・左)

○中田吉雄君 おたくの方では、ずっと以前ですか、大規模に県政実態調査ですか、総合調査ですか、何か学者なんかを呼んでやられたようですが。

小平重吉前栃木県知事

○参考人(小平重吉君) 総合開発…。

中田吉雄日本社会党(第四控室・左)

○中田吉雄君 総合開発の調査としてたくさんのスタッフを集めてやられたようですが、それはこの単独事業の中に計画的に織り込まれているのでしょうか、そういう点について……。

小平重吉前栃木県知事

○参考人(小平重吉君) これは県で開発のため栃木県開発審議委員会というものを設けまして、国の方から相当の権威者を呼びまして、計画を作りまして相当な出費をしております。しかしそれはこの経費の中に入っております。

中田吉雄日本社会党(第四控室・左)

○中田吉雄君 主な仕事は何ですか、一番大きな仕事は……。

小平重吉前栃木県知事

○参考人(小平重吉君) これは那須野原の開発事業ですが、那須野原は御承知の通り昔は九尾のキツネが出たという所でありまして、相当原林、原野があります。そういう方面を大いに開発しょうそれから河川がたくさんありますので、そういう方面に力を入れて計画を立てておるわけであります。今各種の産業は、その線に沿って計画をやっておるという現状であります。

深川タマヱ日本民主党

○深川タマヱ君 さっき御説明下さいました三人の参考意見をお述べ下すつた方と、もう一人自治庁の方にお尋ねを申し上げますが、もちろん地方財政の赤字を少くいたしますために、さっきから皆さんが言っていらっしゃる広い意味における行政整理とか、あるいは委員会の統合とかというようなこともけっこうでございますけれども、この数年間毎年地方財政が赤字だ、困窮だという声をしきりに聞いておりますのに、いつまでたっても解決できない大きい原因というものは、むしろほかにあるのじゃないかと思うのです。と申しますのは、終戦直後日本ではシャウプ税制に基きまして、こういうことが行われておりますけれども、あの制度を私は根本的に再検討する必要があるのじゃないかと思います。と申しますのは、府県によりましても国民の富には非常に差がございます。従って財源に差がございます。違いまするのに、大きい財政支出になっております災害対策費にいたしましても、あるいは危険校舎の修築とか、あるいは社会保障費の多くの場合は、三分の二は国庫から出しますけれども、残りの三分の一は大体地方の負担になっておるようでございます。ところが貧乏県に今まで富裕県にまさるほどの災害を受けている所もございますし、また貧乏人が非常に多いことも事実でございます。そういたしますと、そういう大きい災害とか危険校舎の修築とか、あるいは社会保障費を非常にたくさん要る所は、むしろ三分の一を地方に背負させないで、金額を国庫が支出いたしますようにいたしまして、そのかわりその大きな財源になっております固定資産税とか、事業税ですか、こういうようなのは皆さん苦しいかもしれませんが、むしろ国庫に納めて、大きい国のプールに入れまして、仕事を全額国家が背負うというようにいたしますことが、各府県の国民に公平に恩恵を与えることもできますし、皆さんを直接に苦しめなくても済むのじゃないかしらん、こういうことを考えるのですけれども、乱暴でございましょうか。

後藤博自治庁財政部長

○政府委員(後藤博君) シャウプ税制及びシャウプ税制に基く徴税の方式が、私は方式としては必ずしも間違っていたとは思えないのでありますが、税制の裏打ちをするところの財源調整の方法としての交付金制度そのものがやはり完全でなかったということは言えるのじゃないか。その交付金制度の悪いところが現在の交付税制度にやはり残っておりまして、それがまあ人件費の問題として残っておると申し上げているのでございますが、その問題として現在残っておるのでありますが、その問題を解決しない限りはなかなか財政的にはうまくいかないというふうに私どもは考えております。しかしなぜうまくいかないかという点は、財政的な問題ばかりじゃなくて、国が現在地方団体の能力以上にわたるような重荷を相当負わしているということが一面あるわけであります。それが制度としてある、それは一つの国の責任でありますが、制度としてあるものと、現在の制度の下において一応はつじつまを合わして行われておる行政自体にやはり現実の問題としてあるという、二つのものがあります。それからもう一つは、一般にいわれておりますところの各府県市町村の財政運営の、まあ悪い言葉かもしれませんが、下手である点から起ってくる問題がやはりあるわけであります。そういうものがチャンポンになって現在赤字の問題として現われておるのであります。ですから、財政だけの観点で問題を解決し得る問題と、それからもう一つ進んで、やはり行政機構、国と地方との財源配分の問題まで入っていって、仕事の配分ももちろんでありますが、入っていって解決しなければならぬ点もあると思います。従って現在のまあ赤字の原因と申しますのは非常に深刻であり、複雑であるということが一言で言えるわけであります。簡単にこれでもって全部解決するという方式はなかなか見出せない一歩々々地方財政の確立のためにいろいろな施策を講じていく以外には手はないのじゃないか、こういうふうに私どもは考えております。おっしゃいますように地方負担をなくして、そうして国庫が全部持ってやるというやり方も一つの考え方であると思います。しかしその考え方を進めて参りますと、府県という自治団体は一体どうするのだという問題にぶつかってくると思います。あてがい扶持で全部これで一つやってくれという方式をとってそれで現在の府県の知事の公選制というものは果して意味があるかどうか、こういうことがやはり出てくるのであります。従ってある程度の財源を与え、そして自治的な解決ができるような方式を与えながら、国がそれに援助していくという方式がやはり地方自治の建前から望ましいのじゃないか、こういう考え方を持っておるわけであります。もちろん先ほど申し上げましたように、国の悪い点も直していかなければなりませんが、現在の府県の自治体としての性格をどうするかという問題になって参りまするので、非常にむずかしい問題になっておるのであります。現在は府県制度そのものの根底をゆすぶっているような問題というのはそういうことでありまして、府県制度の改革というむのはそういうところから起きてくる問題と私どもは考えております。

小平重吉前栃木県知事

○参考人(小平重吉君) ただいまの御質問に対しましては、後藤さんと私も同意見であります。ただいまのお話のように、社会保障制度の費用も、あるいは危険校舎の修築も全部国がやるのだ、そうして今までの税財源というものは全部国が取ってしまって、これを公平に各府県に配付するというようなことは、これは理想としてはいいようなものでありますが、ただいま後藤さんからお話しのように、地方自治体というものの意味がそれでは低くなってしまう。むしろ私どもはその反対に、地方自治体というものは独立の権限を法律が与えておるのでありますから、これに対しましては国の御厄介にならないで、十分これは独立財源を政府が与えるべきだ、反対に私どもはそういうふうに考えておるのでありまして、どうもただいまの御意見には承服しかねるということを申し上げております。

小川秀五郎岩手県副知事

○参考人(小川秀五郎君) 私も後藤さんのお考えに大体同感でございます。ただ最後に小平さんのおっしゃったのとは少し違った考えを持っております。自治の理想から申しますれば小平さんのおっしゃった通り独立財源を付与していくことがほんとうだと思います。ただし全国を通じて均衡のとれた財政力を与えようという建前からいたしますというと、現在の経済力の地域差がひどいのでありますので、どうしても調整財源を強化して、その財源能力を強めていくということをしなければならぬじゃないか、そうしませんと、結果的には国民の負担が相当かさんでくるということになると思うのでありますが、財源の交付の問題、交付税制度を強化していくことによってお願いしたいと考えておるのであります。  それから恐縮ですが、立ちましたついでに補足して少し申し上げたいことがございますが、それは根本的な制度の改廃の問題もございますけれども、当面三十年度の地方財政をどうして切り抜けるかということが大問題であります。で、二十五年以降の状況を先ほど申し上げましたが、三十年度の予算編成に当りましては、さらに緊縮方針を強化いたしまして予算を組んだのでありますけれども、大体歳入を基礎にして、歳入の面は自治庁でいろいろお考えになっておられる御方針にのっとりまして組んだのでございます。手一ぱいに歳入を見まして、歳出を極力圧縮し、単独事業のごときはほとんど全部と言っていいくらいに削ってしまいまして組みましたが、結果としては事務的な経費で計上しかねたもの、事務的な経費として出てくるであろうと予想されるようなもので計上しかねたもの、そういうものが岩手県の場合なお五億程度ございます。こういう当面の財政措置をこのままにしていきますと、おそらく各府県とも年度途中で手をあげてしまうんじゃなかろうかという気がいたします。そこで先ほど北野さんからもお話しがございましたが、本年度の地方財政計画をぜひ再検討していただいて、財源の拡充のことを今年度は特にお願い申し上げたいと思う次第でございます。

北野重雄群馬県知事

○参考人(北野重雄君) ただいま深川委員の御質問の問題でございますが、私も大体今岩手の副知事の小川さんのおっしゃったと同じようなことを考えております。ただ同時に栃木県の前知事の言われたように、できるだけ地方団体に自主財源を与える、早く申しますと、府県ならば三分の二くらいの府県は大体自分の持っている自主財源でまかないがつくと、残り三分の一くらい今小川さんの言われたように、貧弱県で自主財源だけではどうしてもアンバランスができます。それを補う意味において今の交付税制度というようなもので補っていく。従って自主財源を主体にして、三分の一くらいの県の自前でやれないものを補うための交付税制度、そういうふうに地方の税財政を改正していただけると、ほんとうに地方自治の自主性というものが出てくるのじゃないかと思うのであります。  それからついでに、先ほど私の申しました公述の問題で、もう一度誤解のないように御説明いたしたいと思いますが、この印刷にいたしましたものの最後の結びのところの三十六ページでございますが、地方交付税の繰入率を引き上げていただきたい、これにつきまして、これは私個人としての考えで、即刻二五%に改めていただきたい。そして第二段の措置として給与の実態調査がわかった上で、どうせこれは足りないことは明瞭なんですから、あとさらに五%をつけ加えて三〇%にしていただきたいと、こういうように申し上げたのでありますが、これは初めの二五%と言いましたのは、現在二二%でありまして、その三%というのは百四十一億の明瞭な赤字とそれから六十八億という事実上不可能な節約、合せて二百九億をすぐ埋めていただきたい。そして給与関係はやむを得ないならば、政府の方も実態調査を見てからと、こうおっしゃるのですから、それならば実態調査を見てからさらに五%を足していただきたい、こういう私の個人の意見なんです。ところが昨日の知事会の赤字対策委員会におきましては、率直に申し上げまして、給与の実態調査をみた上で処理すると言われるのですが、まあ今までの制度のやり方を見ますと、非常に心配されるわけです。そこでどうしてもこの際、もう先ほどのものをあわせて三〇%にお願いしたい。これがもう知事会全体としての希望なのであります。これに対しまして、国会の一部ではかねてから地方交付税の繰入率を二七%に引き上げてはどうかとこういう意見をお持ちの方があるようであります。その二七%を二五%でよろしいという意味ではありません。私ども申し上げたいのは、三〇%にしていただきたいという要望に対して二七%という考え方がある、こういう現状でございます。従いまして、私どもといたしましては、ぜひ三〇%にお願いしたい、これが現在の段階における知事会全体としての希望でございますので、ここに書きましたことにつきましての万一誤解があるといけませんと思いまして、申し上げた次第であります。よろしくお願いいたします。

西郷吉之助自由党

○西郷吉之助君 先ほど来いろいろお話伺いましたので、私は群馬県北野知事に御質問いたしますが、たとえばいろいろ地方財政の苦しい点もわれわれもよく承知いたしておりまするが、たとえば本年度のまあ今現在出ている予算案の交付税の百四十億の不足、そういう問題でもこの間予算委員会でも質問いたしましたが、政府は先ほど公述でお述べになった通り、これをすべて節約に仰いでそれでつじつまを合わしておる、こういうことですが、これがまた三十年度の赤字の原因をなしておると思いますが、そういう点については政府の施策が不十分であるということはよくわかりますが、そこでまあどっちみち地方財政の苦しい点を補てんするにしても、いずれもこれは政府からの交付税を初め国民の税金である、そういうふうな考えからいたしますると、たとえば地方財政の対策としては、従来地方制度調査会等でも御承知の通りいろいろ案を考えております。大体意見の一致するところは、やはり地方財政の対策としては現行地方制度に抜本的な改革を加える、その必要性が大体一致した意見であり、またその内容にはいろいろあると思いますが、現職の知事となさって北野さんのお考えは、そういう抜本的な改革の一番最初に断行すべき点はどういう点であるというふうにお考えであるか、それが第一点。  第二点は、非常に苦しい国家財政、地方財政でありますが、いろいろもちろん前提として政府の施策が適正であるということでなくちゃなりませんが、やはり地方の財政をみずからの手においてでき得る範囲縮減をする、冗費を省くというふうな点から考えますと、たとえば御承知の通り全国の府県のうち大多数が赤字を出しておる。たとえば先ほどの岩手県のお話しを聞くと、非常に根本的に改革を断行しておられるようでございますが、そういう県もございまするが、まだまだ府県自体で圧縮できる県も多々あるのじゃないか、たとえばさきに地方の新聞にも出ましたが、苦しい府県財政であるが、東京にほとんど各県が相当大規模な東京事務所というふうなものを持っておられるので、私の郷里なんかも苦しいのにやはり持っておりますが、さように東京にも出先機関を相当の数を置いておられる、こういうものについては、苦しい地方財政を言われるのですから、これは府県みずから断行され得ることである。そういう点を、やはりみずから節約する点は、東京の大きい事務所を全廃なさった方がいいとは思いませんが、必要最小限度の人員にとどめて、また府県の知事の会合なんかも、拝見しておりますると、ずいぶん東京で何回もなされる。非常にたとえばわが郷里なんか考えると、南の端から何回も出て来なくちゃならぬ、そういうことが頻繁に行われておる。その理由はやはり苦しい財政をいろいろ協議なさるというその必要性もわかりまするが、もう少しそういうことを縮減して、やはり知事は現地においてできるだけ多く時間を府県の行政の上にさく、そういう余裕を持ち得るようにみずからなさったらどうかというふうに思いますので、そういう二点についてお考えを伺いたいと思います。

北野重雄群馬県知事

○参考人(北野重雄君) まことに適切な御質問でございまして、まず第一に地方制度の抜本的な改革という問題でございますが、これは非常に広範多岐にわたるわけでございますが、特に私第一に考えていただきたいと思いますのは、いろいろな行政委員の制度なのであります。とにかく大がいの県には約七十から八十くらいの委員会がございます。これはアメリカ式のチェック・アンド・バランスという考えもありましょうが、一面また民主化という意味からきておると思うのでありますけれども、しかし必ずしもああいう制度なり機構なり、またあれだけの金を使わなければ民主化ができないかといえば、知事自身も民選知事でありまして、民主的に政治をやるということには十分意を用いているつもりであります。特に教育委員会のごときは御承知のように膨大な組織を持っております。そうしてしかも県教育委員会のほかに、地方教育委員会があるわけでございます、地方教育委員会がそれぞれ各市町村におきまして義務教育の事務を担当しておりますが、まず県の教育委員会というのは地方教育委員会に対して何らの力を持っていない。事実上調整するほかない。たとえば学校の校長で非常に給料の高い人をやめてもらう、これは原則的には地方教育委員会も賛成はいたしますけれども、さてとなると、自分の村へ帰って顔をつき合せている校長をやめさせるわけにはいかない。今ここで給料の高い校長が一人やめれば、新しい教員が二人か三人はとれるわけであります。ところがななかやめてもらえない。そのために今度も大学を出ました新しい卒業生がずいぶん失職しております。これは結局非常に急進的な思想を持つようにもなるのであります。私は急進思想を抑圧する意味から言いましても、まず教育委員会制度というものにメスを入れていただきたい、これが一番大きな問題であります。そうして県の教育委員会は御承知のように、知事の組んだ予算に不満があれば、別の予算が組める、そうしてそれを県議会がきめる、そうなりますと、県議会によほどの理解ある協力がなければ県議会というものはどうしてもやはり教育委員会の出した予算に引ずられるわけであります。せいぜいのところその知事の案と教育委員会の案の中間ぐらいで妥協する、こういうようなことになるわけです。いかに知事が県費を節約しようといたしましても、こういう四方八方にチッェクするものがありましては、どうにもならないのであります。私はぜひこの問題にメスを入れていただきたいと思います。このことは自治庁でもお考えになっておるようでありますが、よほど強い政治力といいますか、あるいはまた国会のこれに対する御理解深い御協力がなければ実現できない。  それから私は、あまりこれは公開の席で言いたくありませんけれども、六三制というものが今の日本の国力でやっていけるか、年々生徒児童の数がふえて参ります。それがためにいかに知事ががんばっておりましても、ある程度学校の先生の数をふやさなければならない。それが大きな地方財政の圧迫になってきております。これはもちろん望ましいことでありますけれども、もうここまでくれば、六三制というものはもう一度考え直すべきではないか。これは言いたくないことでありますが、そういう感じさえもするのであります。ぜひこういうことにつきまして、思い切ってやっていただきたいと思うのでありますが、大蔵大臣もこの三十年度の赤字は、これはどうも仕方がないじゃないか、こいつを埋めようとすれば、国が今度は赤字になるのだ、だから三十年度はほおかぶりでいくよりほかないという考えを持っておられる。そうして三十一年度からもっと金がかからないようにしようじゃないか、こう言っておられますが、それも一つの考えでありますが、それをおやりになるなら、よほど政府も腹をきめてかからなければなりません。これは自治庁だけではできません。また同時に国会の方もこれと御協力して下さるのでなければできないのであります。私、今思いつきで、一番先にやるべきはそれではないかとこう思います。  それから第二番の、知事といたしまして冗費の節約を考える。これはいろいろ御指摘のありました点は全く知事としては当然考えなければならぬことであります。ただ、東京の事務所の問題、これはよく地方がむだづかいをしている例にあげられるのであります。あるいはある県によりましては、比較的りっぱな事務所を持ち、人も大ぜいかかえて金を使っておるようでありますけれども、しかしこれもできるだけ縮減する必要があると思います。また現実に東京事務所というものは全然なくていいか、埼玉、千葉のごときは別でしょうが、多くの県は最小限のものは持っていなければならぬわけであります。そうして、ことに遠方の県になりますと、東京事務所が同時に宿泊所というようなことになっておりまして、そうしてむしろ県庁の知事以下職員が東京に出て参りました場合に経費を使わずに済ませる、むしろ経費節減の一つの方法としてやっておるところもあるようでありまして、もちろん御指摘の点は各県知事とも考えなければなりませんけれども、これも現実の必要からやむを得ずやっていることであり、しかも必ずしもこれが大きな金額になっていないということを御了解いただきたたいと思うのであります。また知事の会合の問題がございますが、実はわれわれ全国知事会というふうなものはそんなに開きたくないのであります。ところが、こういうふうに赤字で苦しんでおりますと、何とかこれを国会にお願いし、また政府にもお願いをして打開していただかなければどうにもならない。やむを得ず全国知事会もひんぱんに開くようになるのでありますが、これも決してむだには開いておりませんで、適時適切に行動を起す意味におきまして、十分考えながらやっておるのであります。そのほか知事の会合に限らず、県議会議員の中央に上京いたしまして陳情するということが非常に多いのじゃないか、そこに非常にむだがあるのじゃないかということをよく御指摘を受けるのでありますが、これももちろん各県としては大いに自粛はしなければなりませんけれども、これまた現在の政治のあり方からいたしまして、中央に出かけまして多方面にお願いをしなければ、各県の仕事がどうにもならないというところにあるわけであります。端的に言いますれば、現在は地方分権ではなくて、中央集権なるがゆえにかようになるのだということを申し上げても言い過ぎではないと考えるのであります。  なおそのほか、御質問はございませんでしたけれども、どうも中央の役人だとか、その他中央の方が各県に来られたときに非常にはでなもてなしをするじゃないか、ああいうことはむだじゃないかということをおっしゃるのでありますが、こういう点も各県とも相当注意をいたしております。私どもの方では決してはでなおもてなしはしておりませんで、ただ心だけは十分に真心をもって御接待申し上げる、こういうようなことをしておるのでありまして、こういった東京事務所の問題、あるいは陳情の問題、それから各県の接待の問題、これが非常に公選知事がむだの一つの例に言われるのでありますが、実態をよくお調べいただきますれば、決してそうむちゃはやっていない、しかもその金額というものは県財政の全体の規模から言ってきわめてわずかのものであるということは、おわかりいただけるのじゃないかと思うのであります。そのほか一般的に、先ほど栃木の前知事からお話がありましたが、各県知事ともにほんとうに真剣に赤字を克服するために冗費の節約をする、その他人員整理も思い切ってやるということは、当然やらなければならないと思うのであります。今では多くの知事が真剣にそういうことを考えておりますので、その点はどうか一つ御了解をいただきまして、目先の財源措置の問題につきましては、御同情のある御配慮をお願いいたしたいと思います。

松澤兼人日本社会党(第二控室・右)

○松澤兼人君 ただいま北野さんからお話がありました制度におけるいろいろな改革のお考えを聞いたのですが、常任委員会あるいは普通の各委員会などの整理ということは、ほとんどすべての人々がおっしゃることなんですが、県議会の構成、あるいはその運用について北野さんどういうお考えですか。先ほど小平さんからは相当詳しくお話があったのですが。

北野重雄群馬県知事

○参考人(北野重雄君) ざっくばらんに申しまして、こういう公けの席であまり県議会のことを申しますと、いろいろ当りさわりがございまして、あと知事が仕事ができなくなるおそれもありますので、ごかんべんをいただきたいのであります。たとえば、議員の定数をもう少し減らしていいじゃないかというような問題、それから常任委員会を廃止して、その方の冗費を節減したらいいじゃないか。これは一つ賢明なる委員の皆さんに適当に御判断いただきまして、御処置いただきたいと思うのであります。ただ一言申し上げたいのは、私はかねがね言っておるのでありますが、議員定数にいたしましても、大体率直に言いますと、現在の三分の二でよろしいわけであります。それを私はこの際やっていただきたい。この際自治法を改正して三分の二にするようにしていただきたい。それの実行は四年後になる非常にまどろっかしいやり方のようでありますが、こういうことはそう一朝一夕にやれるものではありません。現在幸いに全国の県会議員が改選になりましたので、この改選の直後が絶好のチャンスでありますので、この際四年後の県会議員の数は三分の二になるように法定していただく、これならば私は実現できるのじゃないか、こういうように考えておるのであります。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 ただいままでのお話では、教員の関係のお話があまり出なかった。教員の関係について先ほど小平さんから、小学校一・五、中学校一・八というのはあまりぜいたくだというようなお話が出ておった。栃木県は何ですか、まあその御意見は御意見として、実情はやはりこの一・五、一・八という基準定員は確保されておるのですか。その点はいかがですか。

小平重吉前栃木県知事

○参考人(小平重吉君) お答えします。ただいま申し上げましたように、文部省の規定は小学校が一・五、それから中学校が一・八ということになっております。しかし私どもは常識的に考えて、どうも小学校の一・五というような数字を、そういう必要はない、ことに県財政の面から見てもそういう必要はないのじゃないかということを考えて、現在では栃木県は私がやっておる間は小学校が一・三五と思いました。それから中学が一・七と考えております。しかし、この間新任知事ができまして、百六十人か百八十人の定員を増しました。従いまして、どういうふうな現在は基準になりますかわかりませんが、私の在職中はそういうふうな基準で教員を見ておりました。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 岩手や群馬はどういうことになっておりますか。

北野重雄群馬県知事

○参考人(北野重雄君) 今私の方は、正確な数字を持っておりませんでございますけれども、一学級五十人という編成基準で、そうして教員の配当は小学校で一・五人、中学校はたしか一・七人だったと思いますが、一・八かもしれません。現実は相当下回っております。最近特に御承知のように生徒、児童の自然増加によりまして、毎年の教育予算を組みますときに、この義務教育教職員の定員をどれだけ増すかということが県教育委員会と知事との間に大きな争いになるわけであります。もうこれはもみにもみまして、最後は妥協するわけでありますが、相当教育委員会の方も譲歩してくれまして、たとえば私の方では三十年度におきましては、小中学校を通じまして百二十人だけの増員にとどめたのであります。教育委員会の当初の要求に対しては三分の一でございます。まあそういうようなことで、各県知事も苦労しながらやっておりますけれども、それでもこれはもうだんだんふえて行きます。昭和三十年度までは新しくはいる生徒、児童がふえる一方でございます。こういうものをどうするかということも根本的に検討していただきたいと思います。それからこれも教育の理想からいえば非常にけっこうなんでありますが、教室の坪数なんかも初めのうちは二十坪、四間に五間という基準であったのが、その後十七・五坪というふうになっております。小さな教室を作って理想的な教育をしようという、この文部省の方針といいますか、考えできております。そういうようなことをやりますものですから、いよいよ生徒がふえてきた場合に、教室が狭くってぎゅうぎゅう詰めじゃ、どうにもならない。教室の面からも学校の先生もふやさなければならん問題が起っております。教室をふやすということは、これまた非常に市町村の負担でございまして、これが大きな問題になってきております。との生徒の自然増加という問題がありまして、それは教職員の増加、それから教室の増築、これが県なり市町村の財政の大きな負担になってくる、これはますます大きくなるということをどうか御認識いただきたいと思います。

小川秀五郎岩手県副知事

○参考人(小川秀五郎君) 岩手県の場合、昨年度は学級の自然増加にかかわらず教員数の増はほとんどやりませんでした。今年度は百八十名が増員したはずでございます。その結果今年度は実学級に対しまして小学校は一・二をかけております。それから中学校は一・五一九というところでございます。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 岩手の場合はそういたしますと、なんですね、栃木なり群馬なりよりはうんと教員定数が少いわけですか。

小川秀五郎岩手県副知事

○参考人(小川秀五郎君) 実学級に対しましてはその通りでございます。まあほかの県の実情はよくわかりませんけれども……。

北野重雄群馬県知事

○参考人(北野重雄君) 私の方も実学級に対しましては今の岩手県のと大差ないと記憶しております。その程度の基準で押えております。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 先ほど岩手の知事のお話しで、まあ経費の節減の有力な方法として、二十九年四月から昇給昇格を停止したというお話があったんですが、これは何ですか現在までずっとそのままの形で、停止したままになっておるのかということと、それからやはりこういう方法は非常に不自然で、これはなかなか赤字対策としても、そう長続きする対策でもないと思うので、何かこれを、今後の見通しはどういうことになるか、それから昇給昇格の停止ということは、県庁職員のみならず一般教職員等にも適用されておるのか。

小川秀五郎岩手県副知事

○参考人(小川秀五郎君) 昇給昇格の停止は、こういう形をとったんであります。二号俸に相当する期間、一号分ストップ、次の期間は上げ、次の期間はストップ、こういう工合にして二号俸が停止されるという格好であります。それでその期間が過ぎて、なお同じようにするかということは目下のところは考えておりません。ただいま御指摘の通り不自然な形でありますので、本来は好ましい形とは思っておりませんけれども、万やむを得ず非常措置をとったわけであります。そうしてもなおかつ、こういうような状態だと、財政の実態が……、

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 これは教員へも全部…

小川秀五郎岩手県副知事

○参考人(小川秀五郎君) さようでございます。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 それで、この昇給昇格の停止ということは最近あっちこっちで新聞にずいぶん出ておるんですけれども、これだけ思い切ったことをやられると、私は相当職員だとか、教員とかの間に摩擦が起るんじゃないかと思うのですけれども、そういう点の実情はどういうことになっていますか。

小川秀五郎岩手県副知事

○参考人(小川秀五郎君) これは若干摩擦がございまして、直接受けた一部の方から、教員の場合でありますが、訴訟が出てございます。これは、少し補足して申し上げますと、地方公務員法上予算の範囲内で昇給昇格させることができるという工合に定められておりますが、問題点を残さないために、はっきりと条例でそういう措置をとったのでございます。期限を限ってそういう措置をとったのでございまして、まあ大多数の方は万やむを得ずという考えでおられると思っております。しかし、ごく少数の方から、何人でございましたか、十人足らずの方だと思いますけれども、撤回に関する訴訟が出ております。まだ係属中でございます。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 それでまあ二号相当期間というと大体一年間ぐらいですか。

小川秀五郎岩手県副知事

○参考人(小川秀五郎君) 一年ぐらいで切れる場合も、完了する場合もありますし、上級者の場合はもう少し長くかかる場合もございます。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 現在まだそのままの状態で続いている人も相当あるのですが、何割ぐらいですか。

小川秀五郎岩手県副知事

○参考人(小川秀五郎君) 割合はわかりませんけれども、まだございます。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 もう一点ちょっとお伺いいたしますが、さっきいただいた表の最後の表を見ると、二十六年度から二十七年度の切りかわりのときに、非常に赤字がふえていますね。一億八千万から五億四千万円、これはどういう事情でこういうふうになったのですか。

小川秀五郎岩手県副知事

○参考人(小川秀五郎君) 二十六年度は先ほど後藤さんからもちょっと包括的にお話がございましたが、朝鮮ブーム等の関係で、税収入の多かったという点もございます。二十七年度は今はっきり記憶しておりませんけれども、たしかベース・アップがあったと思うのでございますが、それでまあそういう事態等を考えて、この二十七年度年度初めは資料として差し上げましたように、定数を縮減、六百五十名やったわけでございます。実質的にそれでもなおかつこういうふうな状態になったということでございます。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 その点がね、実は小平さんの栃木の場合は現在これを比べて見て、ただ人件費だけの問題で、それだけ急激にこの赤字がふえたということはどうもよくのみ込めない。いわんや岩手の場合も六百何十人の人員整理をやっておられる。栃木にしても幾ら整理整理といったところで、千人余りの整理しかやっておられない。で栃木の方はこれだけ黒字を残している。それからまた教員にしても、県庁の職員にしても、給与の水準というものは必ずしもよその県に比べて高くはない。むしろ岩手の場合は低いのだろうと思います。だから人件費だけでこれだけの大きな赤字が急激にふえたということは、私はどうもよくのみ込めないのですけれども、ほかに何かもっと大きい理由があるのではないのですか。その点いかがですか。

小川秀五郎岩手県副知事

○参考人(小川秀五郎君) 岩手の実情をもう少し申し上げます。これは直接お答えになるかどうか知りませんけれども、その岩手県の場合、大体四国四県と同じぐらいの面積があるのでございまして、どこかに片寄って山があり、どこかに片寄って町があるというようなわけではなしに、全地域行政費が均分して投資されなければならなという広い地理にあるわけでございます。それで諸般の費用がよけいかかるという実情にあります。それを極力こういうふうに切り詰めて参ったわけでございます。それからもう一つ、これはきわめて複雑な計数問題に入るのでありますけれども、この当時財源の上で考えていただきたいと思っておりますことは、当時の平衡交付金の算定基準の財政収入というのは、基準財政収入というのは実際の財政収入の七割であったわけです。で、三割はわれわれ俗称自由財源とこう称しておったわけです。ところが、この基準財政収入も従ってまた税収入の総額も、経済力の地域差によって非常に異なっておったわけです。それで自由財源部分の三割が各県ずっと比べてみて、どんな格好になるかということを調べてみましたことろが、とういう状態でありました。自由財源であるならば、そういう建物であるならば、本来は基準財政需要に応じて比率が同じであってしかるべきじゃなかろうかと考えられるわけでありますが、その基準財政需要の方に比べて、税収入の三割の増がどんな工合に比率をなしておったかと申しますと、その当時、岩手県の場合一七%ぐらいになっておったと私記憶します。そして裕福な府県においては三八%ぐらいに当っておったと思うのであります。その額は割合以上に非常に大きいわけでありますが、結局その自由財源と称するもので、まあ理論の上では地方の独自の、自治的な仕事が行われるという工合に一応考えてしかるべきではなかろうかと思うのでありまするが、そういう状態で税収入の額の少いところは、いわゆる自由財源、本来の地方独自の事業に使われるべきと理論上考えられる財源も非常に少いということになるわけであります。まあそういうようなことで、税収入の少いところはやはり財源の上からもそんな結果になる。それへもってきて、岩手の場合には、努力したにかかわらず財政需要が地域が広いためによけいかかるような要素もあるということを御了承願いたいと思います。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 その点、まあ栃木だとか群馬というような県と岩手というような比較的経済条件に恵まれない県との違いだと思うのです。で、その岩手の今の問題について、自治庁の方ではどういうようにお考えになっているかということを伺いたい。

後藤博自治庁財政部長

○政府委員(後藤博君) 私はこれを見ておりまして、岩手の場合は二十六年と七年とまあ税収が非常に変っておるのでありまするが、これは先ほど申し上げました朝鮮ブームの関係であろうと思います。このころ岩手では相当事業が行われておったと思いますが、やはり先ほど申し上げましたように、景気がよくなって税収が非常に思うように入って参りますと、投資的事業をやるわけです。ところが、その年たとえば橋をかけるというような投資的事業はその年で済んでしまうのです。ところが、保健所を作るとか、まあ新しい施設を作って、将来に人件費が残る、経常的経費が残るような事業をいたしますと、規模がそれだけふえただけでそのままいく。その上に、先ほど申し上げましたように二十六年の暮れにベース・アップがありまして、二十七年の暮れに平年度化して参りまして、それから二十七年の暮れにもら一ぺんベース・アップがありまして、それが半年分出さなければならない。二十七年という年は二重なベース・アップが影響した年であります。それからもう一つ大尋ね要素は、いつでも問題になります人件費の算定の仕方が、二十六年の当初までは実額を大体使って財政計画を立てていたわけです。ところが二十六年の補正のときからは、これを実額でなくて国家公務員の給与ベース使う、こういうことになりまして、三百六十円とか三百七十円とかいう問題が起きてきた。その差がやはり交付税の上に現われて参りました。交付税の方に現われて参りました上に、まだこの上に、交付税の計算方式を、最後に申された問題でございますが、八割にするとかしないとかいう問題がありまして、八割に改正したのは八年じゃないかと思いますが、財源の交付税の多いところと少いところとでは按分が非常にむずかしいのでありますが、不用財源と、それから交付税の額とが合わない場合、その場合には今調整率という言葉で呼ばれておりますが、調整率を掛けるときに、これを按分して掛けるわけでありますが、交付税をたくさんもらっているところは損をして、交付税を少くもらっているところが得をするという結果がこの年も出ておりまするので、これを二十七年から直しまして、今の財政需要を落すという方式に直したので、実はだいぶそういうようなことがなくなったのであります。そういういろいろな影響が二十七年度に出てきているのであります。それから税は二十六年度より二十七年が横ばいで伸びなかった、当てにしておったものが出なかったので、税収が伸びなかったために、財政状態がふくれっ放しでおった。こういうことが重なって、大体赤字の出ました県を見ますと、二十七年度に財政がふくれて、税収が横ばいをして、そうして赤字財政を作る、こういう格好になっておるのでありまして、これは岩手県なんか典型的なものではないかと私は思っております。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 どうもそういうふうに思えるので、この点は岩手県自身の責任もあるかもしれぬが、同時に国の方の手当がいろいろな事情でそういうように非常に手薄になったということも考えられる。それからいろいろな朝鮮ブームで、税収がふえたのをいろいろな消費的なものに使って、そのために次の人件費がふくらむ原因になっておるというお話しなんですけれども、この点はどうでしょうか。岩手の副知事さん、二十七年度に六百五十人の整理をやられて、そうしてむしろ今のお話とは逆に人員は縮小されているのですがね。だからベース・アップがあればあっただけ人件費はふくれているかもしれぬですけれども、人員は逆に減っている。しかもその減った状態は、今日まで続いておるのじゃないですか、どうですか。

小川秀五郎岩手県副知事

○参考人(小川秀五郎君) これは当時のベース改訂でたしか一億七千万円余りふえたのだろうと思っておりますが、この年間で……。ただし一方行政整理を定員で六百五十人、実員で五百名ほど退職したと思っておりますが、これは実はこの当該年度においては行政整理の財政好転に対する影響はないのでございまして、行政整理の特別退職手当を出しますので、とんとんにいけばいい方なんであります。二十七年度は持ち出しになったかと記憶しております。それから二十八年度からは財政需要額が減る効果をもたらしているわけでございます。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 これからさっきの後藤財政部長の調整率の関係で、岩手なんかは交付税の実支給額がちょっと不利になっているというお話があったのですが、この第二表に出ております二十九年度の予算額と、決算見込額と比べてみると、交付税なんかの場合、予算と決算とでは、三億七千万円という開きがついておる。地方交付税の予算は三十億、決算見込は二十六億で、三億七千万円、これは何ですか。交付税というものは比較的はっきりしたもので、こういう三億七千万円というような欠陥が出てくるというのは、どういうわけですか。

小川秀五郎岩手県副知事

○参考人(小川秀五郎君) これは二十九年度の場合に、予算に計上しますときに、義務的な経費でどうしても計上しなければならぬ場合に、財源より多くなるわけでございます。その財源が十分であれば問題はないわけでありますけれども、二十九年度においても各府県同じような状態で、財源補助の中央措置をお願いしておったわけであります。それで万やむを得ず起債額を載せたという格好であります。悪く言えばいろいろな言い方もありましょうけれども、それが寄せ寄せになってこういう形になっている。これが各府県の実際上つらいところでございます。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 まあ歳入の見通しの立たない分は全部ぶち込んだというのですか。

小川秀五郎岩手県副知事

○参考人(小川秀五郎君) 結局見込みの立たないのをぶち込んだと、言葉のあやもございますけれども、ぶち込んだと言うとおしかりを受けるかもしれませんが、ぜひそれはそうしてもらわなければならぬとして計上せざるを得なかったという実情にあったわけであります。

後藤博自治庁財政部長

○政府委員(後藤博君) 小川さん非常に苦しい御答弁ですが、これはまあこういう問題が一つこの中に入っておるのであります。岩手県は非常にまじめに交付税の計算なんかをやられる県でありまして、私どもも非常にまじめにやっておられる。そう思いますけれども、二十九年度の交付税のときには、財源不足額と、それから交付税の総額との間にこれは基準財政需要の問題にかかってくるのですけれども、三・二五%の調整率の問題があるのであります。つまり三・二五%だけ調整をしたわけであります。その調整した分は、これはまあどこの責任かという問題になりますが、府県の方では希望してもらいたい、われわれの方では計算をして、さっき申しましたように新しい調整率の方法でもって、財政需要を減らして、そうして配ったのであります。これは県と市町村との間の問題が中に入っておるわけでございます。県の方では何十億か損をして市町村の方にその国税が流れた、県の方は三、二五%の調整率というのはおかしい、こういう議論があって、これは地方団体の内部の問題なすですけれども、これは警察費の見足りない分と、それからオプション(2)の問題で、大体九十億ぐらい足りなくなった。九十億足りませんので、財政需要額を九十億だけ圧縮しまして、そうして基準財政収入と合わせて、その差額を出したわけです。その差が今申しました三、二五%、その分に当るものがたしか二億ぐらいあるのではないかと思っておりますが、大体二億近いものが岩手県はある、その分がこの中に入っておりますから、非常に大きな過大見積りになっております。これはだれ責任かということになりますと、県も地方団体も両方の責任、国にも関係がありますが、そういうことになるかと思っております。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 今の後藤さんのお話し県の責任もあるかもしれんが、政府の責任もあるというお話しなんですが、こういうものの跡始末はどういうようにつけられるのですか、政府としては。

後藤博自治庁財政部長

○政府委員(後藤博君) これは基準財政需要額を伸ばしていくか伸ばしていかないかという問題にからんで来るのであります。基準財政需要額というものが、あるべき財政需要額という見方をしておりますが、そのあるべき財政需要額というものを、年々多少でも上げてゆくようにもってゆくべきである、つまり現実の財政需要にどこまでおっつけてゆくべきかという問題にからんでくるわけでありますが、現在の基準財政需要額というものを上げていけばいくほど、差が大きくなります。差は大きくなっても交付税の額は一定しておりますから、調整率をたくさんつけてもいいから、できるだけ財政需要額を伸ばしていった方がいいか、それとも交付税の単位費用はそのままにしておいて、その差は常に一ぱいになるような計算の仕方をした方がいいかという問題になってくるのです。非常にずるく考えますれば、その差ができるだけ出ない方式にしておいた方がいいのであります。それは府県が一番固く見られるのでありますが、しかし私どもとしては、できるだけ基準財政需要額を現実の財政需要額に近づけていきたいということで、去年もある程度の改正をいたしました。その改正の結果はやはり調整率という結果で現われてくるのであります。私どもの理想としては基準財政需要額はできるだけ上げていって、そうして歳入はぴしっと見て、その差額は交付税でありますから、一定の交付税額をうまく分ければいいじゃないか、うまく分ける方式を考えていけばそれでいいじゃないか、非常にその差額がふえてきますれば、それは交付税自体の率の問題であるから、それは国で直すべきじゃないか、こういうふうにもっていくのがいいのじゃないかという考え方でありますが、それをぴしっと合せておけば、これはいつまでたっても交付税の率を変えなくてもいいじゃないかという議論も出てくるわけですが、その辺のかね合いをどうするかという問題もあるのでありまして、調整率が絶対にいかんということは私はおかしいのではないかと思います。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 そうなると、やはりさっき北野知事なんかが強調されましたように、地方財政計画なんかの今年の百四十億なんかのつじつまを合した問題、そういうこことやっぱり関連してくると思うのです。だから地方財政計画というものを、もう少しだから地方の実情に即したものに改めていかにゃあいかんのじゃないですか。

後藤博自治庁財政部長

○政府委員(後藤博君) それが既定規模の是正の問題なのであります。既定規模の是正の問題というものは、実情に合していこうというその一番大きいのは人件費じゃないか、人件費だと申しますのは、現在人件費をたくさん出さなければなりませんために、ほかの経費を圧縮して人件費の形でもって財政需要が出てきておるわけであります。従ってその人件費を是正することが全体の財政需要をあるべき姿を変えてゆくということになるというので、私どもは人件費を何とか是正をしてもらいたいということを言っておるわけであります。もう一つの問題は、百四十億の問題というのは、私は交付税制度というものの考え方から出たと私どもは考えておったのであります。交付税の制度でありますと、毎年々々財源をきめてしまうということではなくて長期にきめるという考え方でありますから、単年をとってみますると、やはりそれは赤になるときがあるし、むしろ余るときもある。従って交付税の建前からいたしますと、不足というのが出てくるのは当然じゃないか、こういう考え方を事務的にいたしておったのであります。その足りない場合には、やはり地方団体自体で実行上減らしていくという考え方がやはり筋ではないかという考え方であったのであります。ですから百四十億の問題というものは、私は交付税自体の問題で、交付税制度がいいか悪いかという問題にからんでおるのではないか、交付金制度でしたら、おっしゃるように赤を当然に交付金で埋めてもらうべきものであるというふうに考えております。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小笠原二三男君) ちょっと申し上げますが、相当時間も経過しておりまりから、簡単にお願いしたいと思います。

松澤兼人日本社会党(第二控室・右)

○松澤兼人君 簡単に……。今の話を聞いておると、やはり自治庁とそれから府県の関係と、それから自治庁と大蔵省の関係がここに出ているんじゃないかと思います。その点はどうなんですか。これはまあ考え方においては、実際の財政需要と合せていくということも一つの考え方だとこう言っている。それを伸ばしていくと、結局政府の部内において国の予算とそれから地方の予算とのつり合いというか、配分の仕方に一つ問題が出てくるじゃないですか。

後藤博自治庁財政部長

○政府委員(後藤博君) 二つの問題が今さっきからのお話にあるわけであります。交付税をいかに合理的に配分するかという問題と、これはまた中に入ってみますと、府県と市町村との間にいかにうまく配分するかという問題があるわけであります。府県と市町村との間の交付税配分の仕方自体にも、やはりもっと考えるべき点がございます。しかしこれはどちらかと申しますと、府県が損をしていると府県は言われるのでありますが、事実ある程度の計算、これは市町村民税の計算の仕方であります。計算の仕方においてその余った分がやはりさっき申しました調整率の問題になってきますので、その意味で全体の交付税が不足だということになって、府県が損してくるのであります。こういうことは言えると思います。これをどういうふうに解決するかという問題は、これは私ども交付税法の基準財政収入の計算の仕方の問題として考えておるわけであります。で、本年度からそれをやるというわけに参りませんので、三十一年度からもっと合理的な方法にしたいとこういうふうに考えております。  それから国と他方団体との間の問題というのは、やはり二二%がいいか悪いかという問題であります。府県が、地方団体内部の問題がまだまだ合理化する点があると私ども思っております。しかし、これをあまり基準財政需要なんか動かして参りますれば、府県の予定している交付税がそのままその府県に参らなくなりまして、予算上非常に大きな問題を起して参ります。去年多少つついたのでありますが、これは知事会あたりで非常に私どもつるし上げを食いまして……。私どもは別に取り上げるわけではなくて、いかに公平に分けるかということを考えたのでありますが、あまりにつつきますと、個々の府県では非常に損をする結果になりますので、あまりつつがないで、ふえる方だけを考えていこうというふうに最近はいたしております。しかしもっと合理的に考えるべき点が私はあろうと思っております。

中田吉雄日本社会党(第四控室・左)

○中田吉雄君 群馬と岩手の基準財政需要額と支出見込みの比較で共通な点は警察費で、群馬は一億五百万、岩手の方は五千四百万、それから教育費で共通して高等学校の教育費で両方とも不足しているのですが、それはどういう内容ですか。警察については去年手当てしたように思うのですが、それから教育費ではどちらも岩手の方は一億四千万、群馬の方は一億五百万と共通しているのですが、その辺の事情を少し聞かしていただきたい。

北野重雄群馬県知事

○参考人(北野重雄君) 警察費は補正予算でたしか四十億でございましたか、追加はしていただいたのでありますが、それでも実態に合いません。そうしてあの警察制度の切りかえに当りましては、中央の方針通りにやりましてなおこれが足りないのであります。すでに二十九年度でとりまして、三十年度またこれが平年度化して大きく赤字の原因になるのじゃないか。本来府県警察を作るについては、それが地方の財政に赤字の原因にならないということは、もう政府ははっきり言っておられたはずでありますが、いよいよとなりますと、結局数字をはじき出すときに、いろんな算術をやられて、それをほぎるというような傾向がありまして、それがためこういうことになっております。  それから高等学校の方は群馬県におきましては、これはけっこうなことでありますけれども、中学を卒業して高等学校に入りたいというのが非常に多くて、そうして一般平均の基準からいきますと、高等学校の数、それから生徒の数、教員の数というものが若干上回っております。非常に向学心が強く、これを受けてやってきておる。これは長年やってきておるわけでありますが、それがためどうしても自治庁で示される基準財政需要ではまかない切れないということになって参ります。

小川秀五郎岩手県副知事

○参考人(小川秀五郎君) 警察関係の費用につきましては、これは中央の関係筋で配分と申しますか、定められた方針に従ってやっておりますので、岩手の実態に即して、方針にのっとった結果そのようになっているということでございます。  それから高等学校の関係の分は、地域が広くて、それで学校の配置等にも他に見られない苦労もあるわけでございます。そういう実態から、幾分上回っていると思いますが、そういう状態でございます。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小笠原二三男君) ちょっと委員長からもお尋ねしておきますが、先ほど来秋山君から質問もございましたが、皆さんの方で地方財政計画の積算の基礎なり、地方税収入の推計の基礎というようなものははっきり知っておるわけですか。自治庁のやっておられるそれがどういう計数の基礎から推計されているかということは、各地方公共団体には周知されておるわけですか。

北野重雄群馬県知事

○参考人(北野重雄君) それはよく連絡もいたしまして、内容をつかんで知っておるわけであります。しかし、その自治庁のきめられた収入額あるいは需要額というものにつきましては、かなり卒直に言いまして、不満も持っておるわけであります。税収入の方は非常に無理にこれだけ取れるんじゃないかと言われているような面もございます。これは一概に言えませんが、そういう面もございます。それから基準財政需要の面におきましては、群馬のいろいろな特性というもの、利根川の一番奥であって治山治水の費用が非常によけいかかる、あるいは渉外関係の事務が多い駐留軍のキャンプが非常に多いわけであります。そういうものがみられていない。あるいは蚕糸業の、全国一の養蚕県であるというような実態必ずしも基準財政需要を割り振るについてのあの基準が、群馬の実情から見て適切でない、比較的不利におかれておるこういう感じを非常に強く持っております。

小川秀五郎岩手県副知事

○参考人(小川秀五郎君) 基準財政収入の方については、この理論にかくあるべしということでいろいろ客観資料等から計算されているようでありまして、その計算方式の基本的なものは了承しているわけです。これはやむを得ないことだろうという工合に感じております。ただし、実験の問題では捕捉の問題もありまするし、これはいろいろ議論のあるところであります。それから基準財政需要の方は、これはなかなか非常にむずかしくて、私ども一がいには申し上げかねるのでありますけれども、まあ制度がしかれてから、まだ完全に固定した形になっていないのじゃなかろうかと、やむを得ない点だろうと思います。で、もっと進むにつれて、地方の実際の財政需要に応ずるように、全部の現実の財政需要がそこに含まれてくるようになれば理想的だと思うのでありますが、現段階ではそこまではいきかねるであろうと思いますので、結局はやむを得ないだろうと思います。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小笠原二三男君) 後藤政府委員にお尋ねしますが、地方財政量そのものは国の財政量と匹敵するくらいのものですが、この各地方公共団体等と客観的なこういう基礎的な計数上の問題については、民主的なディスカッションをして、そうしてあるものを生み出すというやり方でやっているのですか。国の財政の都合上、皆さんの方だけで勝手に、と言うと語弊がありますが、専門的な計数をただ単にはじき出すと、こういうことでやってきているわけですか。

後藤博自治庁財政部長

○政府委員(後藤博君) 先ほどちょっと申しましたように、人件費の問題につきましては、国家公務員の基準べースでやっております。従ってこれは実際はとっておりません。この点の開きが大きいのでありますが、まあベース・アップも私どもは昇給を大体二・五%見ておりますが、これが足りないという問題が一つであります。それが一番大きな問題でありますが、それが恩給費についても同じ状態で、これは三、四十億の差があります。その他の物件費はこれは非常に出しておられる県とそうでない県とございまして、あるべき財政需要としてわれわれはまあ平均的なものを見ておるのであります。それから補助金を伴う消費的な経費でございますが、そういうものは国の予算査定を基礎にした負担額をとっておるわけでございます。多少中には国の負担額よりも、国の補助金を基礎にしたものよりも多いものもございます。見方を多くしておるものもございます。そうしないと、それではやれないわけであります。それから投資的経費もやはり国の予算を基礎にして、最後に国できまりましたところへはじいていくということでありまして、まあ個々の問題についてはあまり私どもは相談をいたしておりません。これは相談をしても、地方団体にわからない要素がたくさんございます。補助金を伴うものなんか全然地方団体個々にはおそらくわからんと思います。投資的経費もわかりません。御存じのように国の予算を最後にきめるときに、地方財政計計画の穴もやはり埋めると、こういうことになりますので、時間的な余裕も実際はないのでありますが、大きな問題につきましては、あらかじめ私ども翌年度の財政計画を作りまして、府県や市町村の団体にそれぞれ一応配りまして、来年はこういうことになると、大きなワクだけを不確定な要素は除いて出していろいろ検討してもらっておりますから、その間に大きな問題についてはある程度意見が出て参りますが、個々の数字はやはり国の予算と合せます関係上、しさいの点については当っておりません。それからそれをさらに基準財政需要額に引き直す作業をやるわけでありますが、これはまあこまかい補正係数の問題なんかは実はこれからやるわであります。従ってこの問題については、今までの経験上いろいろ各府県から特別な財政需要の意見も出ておりますし、今までの見方の不合理な点も、意見として各府県がそれぞれ私どもに意見を出しております。従ってそれをあんばいしながら、入れるものは入れていくという格好でやっておるのであります。基準財政需要額につきましては、やはり相当私どもの意見を入れていると思います。それから基準財政収入額の方の問題になって参りますと、これはなまの税をとるのではなくして、間接測定の方法でやっておるのであります。従って間接測定の方法が各府県の実情に合うかどうかという問題があるわけであります。間接測定の方法で、実際の税収入というものをうまく捕捉する方法があれば、それにのっていきたいのでありますが、やはり遊興飲食税等が問題でありましょう。これはなかなかいい方法がございません。従ってやむを得ず今のような方式をとっておるわけであります。しばしば問題になりますのは、府県で申しますれば、法人事業税の問題であります。法人事業税は前年の法人事業税……、前年も前年の上半期の法人事業税しかとることができません。従ってそれを基礎にして、一応基準財政収入をはじいて参りますが、実際に法人事業税の収入を見ておりますと、三月決算と九月決算と非常に差があるような場合があります。従って今年からは……昨年の終りからでありますが、特別交付税では十分みることができませんので、精算の制度をとろう、つまりその年には大体半分くらいみまして、その差額を埋めてあげまして、そうして翌年にそのさらに半分のものを計算上マイナスに立ててやるというふうな考え方をして、できるだけ実情に合わせるようにしていきたい、かように考えております。間接測定の方法でありますから不十分の点はあります。私どもいい方法があれば、すぐのっかってかわりたいのでありますが、いい方法がないということであります。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小笠原二三男君) それからもう一点お伺いしますが、北野知事の御発言の中に、先ほどの交付税率二二%の決定後に「(1)国税三税の減税へ(三二六億円)に伴う地方交付税の減額の補填七十二億円、(2)奄美群島経常費の算入に伴う一般財源の増加八億円、(3)警察費の是正の平年度化に伴う一般財源の増加五十三億円、(4)地方財政計画の算定替に伴う既定規模の是正に伴う一般財源の増加三百三億円、(5)事業税の基礎控除の引上げによる減収額の補填二十八億円、計四百六十四億円等の当時予期しない事情のためこれを変更する必要を生じて来て居るのでありまして、」ということで、この財源の補てんは国の責任である、こういう意味の御発言があるのでありますが、この財政需要が昨年以降において国の施策に伴うて生じてきたものである、従って国の責任としてこれを補てんすべきものである、こういう論理はお認めになりますか。

後藤博自治庁財政部長

○政府委員(後藤博君) このうちで第一の三税の減収とそれから奄美大島、警察費の問題は、これは昨年の二二%をきめました後に起きた問題でございますので、私どもは最後まで大蔵省に大体二%でありますが、二%の率を変更する必要があるんじゃないか、これは私どもやった問題なのであります。これは国家的財政の関係がありまして向うにも多少理屈があります。一番大きいのは税でありますが、税は総額においては昨年と変っておりません。つまり酒の増石をしました百数十億でありますが、それを自然増収と見るか、それとも税率の改正に準ずべきものと見るか、こういう問題であります。それが自然増収であるということであれば、当然にその税率を改正する必要があるのじゃないか、こういうことを私ども申したのであります。この問題は結局水かけ論で話がつかないままでいっております。それから第四の問題は、これは先ほど申しました既定規模の問題でありまして、人件費の差額……主として人件費であります。これは今既定規模の差額が四百六、七十億でございますが、それの交付団体分が三百三億となっております。その分がここに出ているのだろうと思います。それから事業税の基礎控除の引上げ分は、これも本年度からやるということになっておりますが、この分は私どもの計算では、ちょっと別の問題じゃないかと思います。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小笠原二三男君) そうすると、大きな項目については事務的には交付税率の引き上げを一時お認めになって交渉をせられたという経緯があるわけですが、この内閣においてそれが実現できなかったということは、結局民主党内閣としてはお認めにならなかった、こう考えていいわけですか、永田政務次官にお尋ねします。

永田亮一日本民主党自治政務次官

○政府委員(永田亮一君) 予算折衝の場合におきまして、われわれとしては極力かようにいたしたいと思ったのでありますが、いろいろの事情がありまして、かように参りませんで、自治庁としては遺憾に思っている次第であります。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小笠原二三男君) それでは他に御発言はございませんか……。他に御質疑がないようですから、午前はこの程度にいたします。  参考人の方に一言お礼を申し上げます。本日は御多用中御出席をいただき、貴重な御意見をお聞かせいただきまして、まことにありがとうございました。今後の委員会の審査の参考に資しまして、ぜひ皆さんの御期待に沿えるよう委員会として努力いたしたいと存じます。委員一同を代表いたしまして、厚くお礼を申し上げます。  ではこれをもって休憩いたしまして、午後は二時半から再開いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小笠原二三男君) では二時半より再開いたします。    午後一時三十八分休憩      —————・—————    午後二時五十一分開会

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小笠原二三男君) これより委員会を再開いたします。  参考人各位に一言ごあいさつ申し上げます。本日は御多用中御出席いただきまして厚くお礼申し上げます。  すでに各位も御承知のごとく、政府におきましては先般昭和三十年度地方財政計画を決定いたしたのでありますが、本計画に関しましては種々問題となるべき事項が多いと考えられるのであります。また、これと関連いたしまして現下の地方財政の窮乏状況につきましては、早急に適当な措置を講ずる必要に迫られておりますことは、これまた明らかなところでございます。当委員会におきましても本問題につきましては、その重要性にかんがみ、つとに重大な関心を払って、鋭意調査を進めて参ったのでございますが、本日は参考人各位より忌憚なき御意見をお述べ願い、当委員会の今後の審査に資したいと存ずる次第でございます。  なお、御発言の時間はお一人二十分程度とし、御発言ののちに各委員から御質問のあった場合には、簡明に御答弁を願いたいと存じますので、あらかじめお含みおきの上、よろしくお願い申し上げます。また午前の委員会が長時間にわたりましたために、大へんお待たせいたしました点を深くおわび申し上げておきます。  それではまず浦和市長の川久保義典君に御発言を願います。

川久保義典浦和市長

○参考人(川久保義典君) 浦和市長でございます。地方財政に関する件につきましてその要旨を申し上げたいと存じますが、この都市の財政の実態につきまして申し上げたいと存じます。  都市の赤字の額は、昭和二十八年度決算におきまして実に赤字額が百九十三億、約都市の七〇%が赤字の市となっておるのでございます。二十九年度の決算見込額から推計いたしますと、約八十五億円増加の見込みでございます。そこでわが浦加市を例にとって申しますと、二十九年度の欠損の見込額が約九千四百万円でございまして、歳出の総額に対しまして約一三%でございます。このような実情でございまして、この赤字の原因がどこにあるかということを申し上げますと、第一に、戦後の急激な経済情勢の変動によって、歳出が年々歳々膨張したということも一つの原因と考えます。また地方制度が改革になりまして、すなわち六三制の教育の実施とか、あるいはまた各種の行政委員会の問題、ことに教育委員会等もこれは大きなまあ原因になっておるのでございますが、その他また警察制度の問題等も大きなこれは原因になっておると存じまして、これらの制度が改革になりましたけれども、これに伴うところの完全なる財源措置が講ぜられなかったために、無理算段をいたしまして行なったことが、赤字構成の根本的なる原因と考えておるのでございます。  それとともに申し上げたいことは、地元の負担金でございます。ことに国の施設におきましても、県の施設におきましても地元に対しましていろいろと負担金がかけられるのでございます。たとえばわが浦和市の実例を申し上げますと、県のたとえば道路の問題にいたしましても、これに対する地元負担金が、約三割くらい地元が負担しなければならないのであります。また県立の学校の問題にいたしましても、県立の学校が浦和市にあるために、この増改築に対しましては、約四割の地元負担をかけられている状況でございます。その他また国の施設におきましても、やはり負担がかかってくるのでございます。お手元に上げてありますが、二十九年度の負担金の実例を申し上げますと、まず国に対するものでございますが、埼玉大学の設備の拡充強化のために二百四十万かかっております。それからまた県に対するおもなものでは、県立の高等学校が今度改築されるのでございますが、それに対しまして四割、すなわち二千二百万、その他埼玉県庁が燃えた関係で、これは今県庁舎の新築をしておるのでございますが、大体本年度は五百万でございますが、今まで四年計画におきまして、すでに浦和市が負担した額は約六千万に上っておるのでございます。その他県道の改築事業、これは二十九年度は非常に少いのでございますが六十一万、それから県立の図書館十五万、その他治安協会五十五万でございますが、この治安協会について一言申し上げたいと存じますが、昨年市から自治体警察が県に移ったのでございますが、この問題については、実は私ども市といたしましては、今後市にいろいろの負担をかけないという条件のもとに県に移管をしたのでございますが、現実の問題といたしましては、警察の巡査一人に対しまして一万五千円くらいの実費負担を治安協会といたしまして支出しておるのでございます。まあこういうようなこと、またその他の団体につきましてもいろいろと負担をしておるのでございます。大体二十九年度の負担額といたしまして、約六千二十六万という大きな金を出さねばならない状況にございまして、これらのような問題が市の財源を非常に苦しめているのでございます。従ってこのままで参りますと、どうしても自治体が非常に崩壊の一歩手前でございますので、何とかして財政の立て直しをお願いしたいのでございます。  まず第一にお願いを申し上げたいことは、地方交付税の増額の問題でございます。その交付の算定基準が現実とあまりにも差が多いのでございます。ただいま浦和市の場合におきまして、基準財政需要額が二億一千四百万円に対しまして実際の支出額は国、県の支出を差し引きまして約四億七千万円程度でございます。従って経常的経費に充当するだけで精一ぱいの実情でございまして、これに従いまして事業をやりますると、とれに事業の面がなおマイナスになるのでございまして、たとえば浦和市といたしまして昨年までに三年計画で結核療養所を作ったのでございます。三百ベットの結核療養所を作ったのでございますが、これは三年計画でやりまして国庫補助が二分の一ということがきまっておるのでございますが、実際問題といたしまして二分の一までは国庫補助がこないのでございまして、実際にかかった約三分の一程度の国庫補助しかないのでございますが、そういうようなことから自己財源をどうしても使わねばならない事情になったのでございます。そういうようなことが加算いたしまして、実態はますます財政窮迫になっておるのであります。  そこで、ことに私ども浦和市は東京に非常に近いのでございまして、省線で上野駅から約三十五分くらいで浦和市に着くという状況でございまして、東京のいわゆる衛星都市として非常に悩みがあるのでございます。浦和市の戸数が約二万七千戸でございますが、その約二万戸がいわゆるサラリーマンでございまして、その約七〇%が東京に通っておる状況でございます。従って事業所が東京にございまして、ただ浦和市が別居した寝ぐらの町でございまして、これに対しまして子供の教育という面におきまして非常に悩みがございます。現在浦和市といたしましては、市営の学校が夜間までまじえまして三十二の学校を持っております。そういうようなことから予算の約三〇%くらいは学校のために費しておる状況でございます。すなわち学校のために非常に浦和市といたしましては財政的に苦しいのでございます。東京に生活根拠を持っての市民でございまして、それに伴う市の収入というものは非常に少いのでございまして、そういうような点から非常にこの悩みがあるのでございます。そういうようなことで、浦和市が年々歳々赤字が多くなって参っておる状況でございまして、何とかこれを打開したいと考えておるのでございますが、いかんせん今の状況では……。いろいろな制度の更改とか、あるいはまたこれに対する特別な立法でもお願いをいたしまして、何とか立て直しをしていただきたいと考えておるのでございます。  それでそういうようなことからまずお願いいたしたいことは、財政の建て直しに対する意見でございますが、地方交付税についてその総額を上げてもらいたいということと、算定基準を引き上げ、実情に沿った適切なるものに是正してもらいたいというのでございますが、これは御案内の通り国勢調査の人口によりまして、ただいま算定基準ができておるのでございますが、浦和市のように年々歳々五、六千の人口がふえて参っておる状況でございまして、四年前の人口とはずいぶん違っておるのでございまして、そこに非常に悩みがあるのでございますので、この国勢調査の人口では不合理と考えますので、あるいはこの住民登録によるととろの人口とか、何とか現実に近い人口を基準としてお願いをしたいと考えておる次第でございます。  またもう一つ申し上げたいことは、新しい都市はどうしても土木事業が非常に多いのでございます。ことに大きな都の衛星都市といたしましては、住宅都市として発展せねばならない実情でございまして、それに伴うところの道路、下水等の問題につきましてもやらねばならないのでございます。これらの点につきましても何とか特別な御配慮を願いたいと考えておる次第でございます。それで財源処置といたしまして、昨年いただきましたたばこ消費税の税率の引き上げをぜひお願いをしたいと思うのであります。  二には、酒消費税のような新しい、また確実な税源を与えて下さることをお願いを申し上げるのでございます。  第三には、負担金の抑制でございます。先ほども申し上げた通り、非常にいろいろな負担がわれわれ末端機関にかかってくるのでございます。国の施設におきましても、県の施設におきましても、結局地元にいろいろと負担がかけられておるのであります。全国的に都市にいたしましても約七十億の負担がかかっておるのでございます。そういうようなことから、ぜひとも国の施設は国でやる、県のものは県でやるというようにはっきりとしていただきまして、末端機関のわれわれの実態までしわ寄せをさしていただきたくないのでございます。  以上簡単でございますが、申し上げます。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小笠原二三男君) では次に、茨城県牛久町長川村衞君にお願いいたします。

川村衞茨城県稲敷郡牛久町長

○参考人(川村衞君) 町村の赤字財政の原因といたしましては、ただいま浦和の市長さんのお述べになりましたのと大同小異でございますので、その原因並びに地元負担金、寄付金等については詳しく申し上げることを避けまして、私は町村合併下の財政運営の困難なる点について申し上げたいと思います。合併を啓蒙宣伝いたしておるとき、または合併計画書を作って、実際に合併いたしました結果において、いわゆる新町村建設計画等を立てますが、それに基く事業を実行するとしたならば、町村といたしましてはどうしても起債依存の方法をとらなければ、何らの事業もでき得ないということを、まず申し上げたいと存ずるのであります。  なお、この合併に伴いましては、各町村の住民も、合併いたしますれば少からず重点的事業ができ得るものであるということは同様認識いたしております。しかし、その住民の期待、認識を完全にわれわれが遂行いたしまして満足を与えるということについては、これは現在の町村財政の実情から申し上げましてはとうていでき得ない。まあ要するに、お手元に差し上げましたのが自町、牛久町の大体財政状況でございますが、合併前の事業そのものをただ踏襲しているというだけで、納税が九一・一%でありまして、辛うじて町村の生命をつないでいるというだけにしかすぎません。これを新町村計画に基くところの道路改修、あるいは新庁舎の建築、あるいは学校の統一というような合併の目的に沿うところの事業を行うといたすならば、これはどうしても起債をしなければならぬということをまず申し上げておきたいと思います。  さらにまた、この町村合併の目的は、行政費の節約と、しかして重点的事業に予算処置を講ずるということが、まあ第一のねらいとしてわれわれ伺ったのでございまするが、町村合併促進法によってうたわれてありまする条文から言うと、町村の一般職員の身分保障をはっきりとうたわれていたということが、まずわれわれとしては行政費節約の一つの障害となっております。なお、それと、特例法によって議員の任期を一カ年間延長なされたということが、これまた合併当初におけるところの行政費のむしろ膨脹でございまして、住民の期待に沿うことができなかったというような結果を生んでおるものでございます。もちろん、役場職員等において一律にこの身分保障をしてはまずかったというのじゃありませんが、御案内の通り、山村地帯の町村等においては、非常に老齢な、いわば生活の安定を得、隠居商売に役場職員をやっておるというような例がたくさんございます。さようなものもこの促進法によって身分保障をうたわれている以上は、おそらく任意的にやめるというようなことはございません。多少の退職賜金等の待遇をいたしましても、申し出てこないというような実情でございます。よって私は、かような点において少くともこの停年制を設けてほしかったということが私のこのときの考えと続いてのお願いといたしまして、さような結果、行政費は旧態依然たる予算そのものを持っていなければならぬ。のみならず、時期々々によって昇給等を行う場合においては、より以上の膨脹をする。なお、この合併に伴うところの行政事務の再配分、または機構の改革によって、多少人員に余剰をきたしましても、かような制度がありますために、ぶらぶらした何らかの機関を設けて、役場職員を保障していかなければならぬというようなきらいがありますので、かような点が、行政費の節約ができなかったために、合併いたしましても、町村というものはさらに財政的に楽になってこなという結果に陥っているのではないかと私は考えるものであります。  ほかは大体浦和市長さんと同じでありますから、次に私は、国として合併町村等に対する育成措置とでも申しましょうか、それに対しまする私の具体的な希望を申し上げてみたいと思うのでありますが、この地方債のワクを拡大していただきたいということが私のお願いであります。それから、この町村合併に基くところの学校の統一の場合に要する敷地、あるいは新庁舎建設の敷地、その他計画によるところの町村の公共事業的建設に必要とする敷地、さようなものを購入いたす場合に、これは起債の対象には相なりません。起債を申し込みましても、土地購入は起債を許してくれません。よって、大体発展街でありますというと、坪七百円から一千円程度いたしております。かりに中学校の統一で二、三町歩の土地を要しまするとすれば、学校敷地の購入資金のみにおいて一千万程度の購入資金を町自体が生み出さなければならぬというような非常に隘路がございます。さような点をどの地方債の適用をしてもらいたい。  それから地方債に対しまする利子、これを、もちろんこれは一般から申しますれば六分程度に相なっておりまするから、低率でありますが、これをさらに低率にいたしまするか、さもなければこれを国が補償して免除してもらいたい。これはあまりに欲々しいお願いかもしれませんけれども、かりに三百万円を起債いたしまして、三カ年据置九カ年間の年賦償還にいたしますというと、利子だけ百四十九万有余円支払います。半額の利子を支払ってしまう。よって先ほど申しました起債依存によるところの合併新町村計画に基く事業を遂行するとするならば、町村は逐次年次を追うに従って、地方債の利子において、町村財政の窮迫は極度に達してくるということを申し上げて、私は過言でないと信じております。  さらにお願いといたしまして、この地方交付税の額は、合併前の交付額を減じないようにしていただきたい。最初われわれ呼びかけを受けましたときは、合併町村において受けていた当時の地方財政平衡交付金、今日の地付税でありますが、これは五カ年だけはその額が減らないのだというような指導と御説明がありまして、安心したのでありますが、実際的に合併当初、その年においても約二百万に近い数字が減ぜられております。よってこの点もわれわれは非常に期待はずれいたしました。ゆえにこの地方交付税の額は、合併前の町村において交付されていた額を減じないのと同時に、さらに合併町村の育成の目的をもちまして、特別地方交付税を交付するように方法を講じてもらいたい。  それからこの交付税の減る原因が私はここにあるのじゃないかと思うのですが、もちろんこれは地方財政標準需要額の収入額を基礎として算出しておるのでありますが、かりに今度の税法におきまして、固定資産税、これが、税率が百分の一・五から一・四に減ったところは大へんに世間態はよろしゅうございます。非常に安くなったように感じます。しかしながら国、または県が指示するところの、評価額に対するところの平均価格が非常に引き上げられております。よってこの牛久町の一例を申し上げましても、予算総額三千四、五百万のところで固定資産税だけで百八万円程度これは増徴に相なっておる。従って百八万円程度増徴になっておりまするから、基準財政収入額が増加してきたから地方交付税はそれだけ減じてもいいという結果に相なっておるのじゃないかと思うのであります。よってかような点について一つ御検討のほどを願いたいと存ずるのであります。  それからさらに申し上げたいのは、この地方税法中町村民税の賦課対象となる所得の決定でありまするが、これがオプション(1)を使いましても、(2)のただし書きを使いましても、税務署の決定を基礎として課税基準額にするということであって、この地方税に対するところの弾力性を失っている。よってそれを参考として町村長または町議会において、格付けの変更をし得ることを認めるようにしていただきましたならば、これらに対するところの税の弾力性が生まれてくるのではなかろうかというような点を考えております。次に私一つ希望として申し上げたいことは、国の財源の処置の不適正と申しましては失礼かもしれまもんが、そういうような点から困難した実例を申し上げてみたいと思います。たとえばこれは牛久町における一例のことでございますが、庁舎の新築をいたしました場合に、県や財務局で指示するいわゆる国のきめてあるところの区分別標準坪数というのがございます。それによって牛久町の実情を算出いたしますと庁舎の坪は総延坪百八十坪の庁舎を建ててもいいということに相なるわけでございます。それで起債が約四百七十万円借りることができるというようなわけでありまして、私の方といたしましてはこの当初予算に四百七十万円の起債によるところの収入財源として予算処置を講じた。ところが国の地方債のワクを少くされたために、あるいはまた前と同じであっても、利用者がふえたために、そのまま利用者が多いにかかわらず、その額を三百万円に減じられた。よってここ一年において百七十万円の歳入に穴をあけてしまう。よって計画に一部変更しなければならんというような結果を生み出したという実例がございます。よってさような点につきましては合併促進をいたしました政府といたしましても、合併に伴う地方債のワクというものはさらに増額を加えて、極力便宜を与えてほしいというのが私の希望であります。  なお手元に上げました外廓団体に支出する負担金、補助金等の問題でございまするが、これはたくさんまだいろいろあるのですが、いろいろ判例等を見まするならば、それは外郭団体への負担金、補助金と認めないというような判例、実例もありましたので、さような点を引き抜きましてほんの一部を上げたのでありまするが、単なる牛久町、人口一万五千程度の町でありまして総予算三千四、五百万の予算でありましても、三十六万六千七百五十円の負担をいたしております。しかしこれに寄付を加えますというと、大体百万円を突破する。ただいま浦和の市長さんが述べられましたように、県立の高等学校建築に対しましても町村費の負担を押しつけてくる。また地元にある官立大学の設備拡充等についても町村に寄付を押しつけてくるというようなものまで取り上げましたならば、少くとも百万近くに相なっております。  大体さような点を申し上げまして御了承願いたいと思います。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小笠原二三男君) この際全国市長会並びに全国町村会から負担金及び寄付金等についての資料が出ておりますが、この説明を願うために両団体関係の方を参考人として意見を聴取したいと存じますが御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小笠原二三男君) 御異議がないようですから、さよう決定いたします。  まず全国市長会の財政課長舟戸実君に簡単に御説明を願います。

舟戸実全国市長会財政課長

○参考人(舟戸実君) お許しを得まして各地方におきます負担金、寄付金の状況につきまして申し上げます。  お手元に簡単な資料でございますがお配りいたしております。それについて申し上げます。  この調べは二十九年の二月に調べましたものでございまして、実はその後におきまして昨年の中ごろあらためて調査いたしましたが、ほとんどこの総額においては変りございませんでした。内容について申し上げますと、国及び国の機関に対するものといたしましては約十二億円が支出されているのでございます。一市平均いたしまして四百三十七万五千円になって居ります。次に、道府県及び道府県の機関に対するものといたしましては約二十四億が支出されております。次に、諸団体に対するものといたしましてはこれも約二十七億、その他約五億、総計いたしまして六十九億二千四百万、約七十億円に達しております。  それでなお国及び国の機関に対するものの内訳でございますが、これも表の下に簡単なことを列記いたしておきましたのですが、内容的に申し上げますと、国警関係、法務関係、労働関係、文部関係、運輸関係、建設関係がございますが、そのうち最も多いのは運輸関係でございまして、これは国及び国の機関に対するものを一〇〇といたしますと約一四%を占めておるのでございます。それから次の道府県及び道府県の機関に対するものの内訳より申し上げますと、土木衛生関係が四〇%を占めておるような次第でございます。  それで、なお、市民一人当りの負担額をこの総額から割り出してみますと、そごの最後にございますように、約二百三十七円の負担をしておるというような形になるのでございます。  この表は至って簡単なものでございますので、なおあらためて詳細なものを後刻文書をもってごらん願いたいと存じておる次第でございます。  簡単でございますが……。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小笠原二三男君) 次に、全国町村会政務部長杉山俊郎君にお願いいたします。

杉山俊郎全国町村会政務部長

○参考人(杉山俊郎君) お手元に町村における負担金、寄付金に関する資料がお配りしてありますが、その第一表をごらん願います。  本調査は全国町村会におきまして一昨年から大体各府県一郡を抽出調査いたしたものの集計でございまして、第一表に人口段階別に大体一人当りの金額を出しておりまするが、大体人口が遞増するに従いまして負掛金はまあ減るというような傾向でございまして、二十八年度におきまして住民一人当りの額は三千人以下の町村におきまして四百五十七円、一万人以上におきまして二百九十五円、二十七年度の教字と比較いたしますと、まあその平均につきまして申しますと、二十七年には二百五十八円、二十八年は三百二十三円、大体において両年間において二割の増加を示しておるというようなことが考えられるのであります。  それからそのうちの国に対するもの、あるいは県に対するものを分けますと、それぞれ二十八年度におきまして国に対して二十五円、県に対して八十一円、かような数字に相なるわけであります。この数字は先ほど申しました通り各県における抽出調査でありますが、集計に用いました府県は三十六県、町村数におきまして四百六十七カ町村なのでありますが、その平均をいたしますると、一カ町村大体二十八年度におきまして百八十八万二千、二十七年度におきまして百五十四万八千円、かようなことになるわけであります。この一人当りの額を人口によりまして推計をいたしました数字が、一ページの最後の註といたしております百六十八億九千四百万円というようなふうになるわけであります。  それから第二表をごらんいただきますと、国及び国の機関に対するものは総計いたしまして七・六%、県及び県の機関に対するものは二五・二%、諸団体に対するものが六一%、かようになっておるわけでありまするが、この最後の諸団体に対するものの中の農業関係あるいは福祉厚生関係あるいは河川、道路、土木、かようなものには、国の行政に対する寄付と考えてしかるべきものも入っておりますので、国及び国の機関に対するものは、七・六%よりよほど上回るのであります。それで国及び国の機関に対するものの最大のものは、国警関係の四・一%、県及び県の機関に対するもののうち最大なるものは、教育関係の六・四%となるわけであります。  それからその次の第三以下は、これは岡山県並びに兵庫県の実例を摘記いたしておるのでありまして、前者におきまして二億六千七百万円、後者の兵庫県におきまして二億七千七百八十七万一千円、大体この程度の県になりますと、三億円近くの寄付金が平均課せられる、かようなことを御了承願いたいと思います。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小笠原二三男君) これより質疑を行います。御質疑のおありの方は順次御発言願います。  なお念のために申し上げておきますが、政府側より自治庁後藤財政部長並びに永田政務次官の御二人がおみえになっております。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 浦和の市長にお尋ねしますが、二十九年度の赤字の見込みが大体九千四百万円だというお話しなんですが、少しさかのぼって二十五年ぐらいからの年次別の赤字の額はどうなんですか、ちょっと……。

川久保義典浦和市長

○参考人(川久保義典君) お答えいたします。二十六年度からちょっと申し上げたいと存じます。二十六年度に八百六十万円、二十七年度が一千七百万円、二十八年度が二千四百万円でございます。それで今年が九千四百万円。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 二十八年度の二千四百万円から二十九年度の九千四百万円と一躍四倍近く赤字がふえるわけですね。これはどういう関係ですか。

川久保義典浦和市長

○参考人(川久保義典君) 繰上流用額がだんだん積ってやりくりして、最後のしわ寄せがそこになります。この間にいろいろな何と申しましょうか、一時借入等によって無理があるのでございますが、結局そのほかに浦和市が非常に立ちおくれの町でございまして、宿場から市になった町でございまして、ことに東京に近い関係で、非常に施設がおくれておった関係で、積極的な政策で事業をやり過ぎたということであります。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 それは何年度に事業をおやりになったのですか。

川久保義典浦和市長

○参考人(川久保義典君) これをまあ二十九年度は私の一期の最後の年でございまして、いろいろな事業が続けて完成されたのであります。そういうような関係で、ことに結核療養所等が大きな仕事でございまして、約一億二千万円ぐらいの仕事でございますが、最後に完成されたのでございます。事業が少し多かったと反省しておるのであります。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 結核療養所をお作りになったのは、けっこうなんですけれども、やはり財政の見通しというものは立てつつおやりになったわけだろうと思うのですがね。それで、市長は今年再選されたわけですか。

川久保義典浦和市長

○参考人(川久保義典君) そうであります。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 結局そうすると、前の任期の最後にうんと仕事をやられたということですか。

川久保義典浦和市長

○参考人(川久保義典君) それはちょっと失言いたしましが、結局先ほども申し上げた通り、非常にかくれておった関係で、二部教授の解消を実は思い切ってやったのでございます。そのほかに今の結核療養所は三年計画でやりまして、百ベットずつ二年間かかったのであります。かようなことで積極的な政策をやって、町つくろいをしたのでございますが、今度二期目に立ったのは、財政の建て直しという看板を立てて出て、非常にじみな主張でやりたいと考えて立候補したのであります。ぜひ一つお願いをしておきます。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 まあそれくらいで、あまりお尋ねしてもどうかと思うのですけれども、それで先ほどこの膨大な赤字に対して、交付税をふやしてもらいたいとか、あるいはたばこ消費税の税率を引き上げてもらいたいというような御希望があったわけですけれども、市自体として自力による財政の立て直しということはお考えになってきたのですかどうですか。

川久保義典浦和市長

○参考人(川久保義典君) もちろんこれは市自体が立て直さなければならない責任を持っております。そういう関係からできるだけ経費を節約するという意味におきまして、実は今年度は約二千万円節約の、何といいましょうか、実行予算的なものを一つ考えております。その他考えておるのは、いろいろな、まあ何といっても出費が、委員会制度がありまして、たとえば議会費の問題にいたしましても、約一千四百万ばかりの議会費でございますが、これがいろいろな委員会がもしなくなった場合におきましては、相当にこれはまあ節約ができると考えておりますが、要するに三十年度におきまして、約二千万の節約をしたいという考えを持っております。その他国等にお願いいたしまして、制度のいろいろな面で改善をお願いしたいというのでございます。なおまた先ほど申し上げた通り、東京都の人口問題とか、衛星都市に対しまして何とか特別にお考え下さいまして、東京都あるいは国等におきまして、少しめんどうをみていただきたいと思っておるのでございます。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 国の方からいろいろめんどうをみるという点は、もちろんこれは重要な問題なんですけれども、まあその点は大体われわれもよくわかっておるのですが、浦和市自体の問題として、もう少しお尋ねしてみたいと思うのですけれども、ここに赤字ができたおもな原因として幾つかあげてあるのですが、これ以外にさっきおっしゃったような、どう言いますか、任期が切れる直前に次の選挙ということを考えられて、過大な事業をおやりになったということも一つあるようです。それからその他にも何か、たとえばよその市よりも職員数なんか非常に多いとか、あるいは給与なんかの点がよその市と比べて高いとか低いとかいうような面について、何か特別な原因があるわけじゃないですか。その点はいかがですか。

川久保義典浦和市長

○参考人(川久保義典君) 給与の問題は浦和市としては平均のところをいっておりますが、今市自体といたしまして、人事管理の関係上、科学的にいろいろ事務量等調査が始まっておるのでございますが、これがどこまで結果が出るかわかりませんが、人件費の問題については、全国的な平均程度だと考えております。それからなお一番赤字になった原因は、長い間の二部教授をやっておったのでございますが、これを二部教授の解消を、今二部教授はないのでございますが、浦和市は教育都市でございまして、非常にそういう面に市民の要望が強いために、二部教授を解消したという大きな仕事があるのでございまして、一応は二部教授は浦和市としてはやってないのでございます。そういうようなことが原因をしたのでございまして、住宅都市として市民の要望にこたえたようなわけでございます。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 二部教授の解消に相当経費がかかったと、浦和が非常に教育に熱心な町だということをおっしゃったのですが、ちょっとこれはまあ実情をよく知らんからわかりませんけれども、お話を聞いただけの感じから言うと、教育に非常に熱心な町であったのならば、特に二部教授解消というような問題が起らないほど、今までに長年にわたってそういう面は漸次改善されてきておったはずじゃないかと思う。それが二十八年度になって急に二部教授の解消という問題が大きく取り上げられて、それに急激に予想外の費用を食われなければならんという事態ができてきたということがよくのみ込めない。大体従来はどうなんですか、教育には熱心だけれども、それはただ精神的に熱心なだけで、実質的にはちっとも教育施設の改善とか何とかいうことはやられてなかったわけですか。

川久保義典浦和市長

○参考人(川久保義典君) 従来は、大体私が市政を担当した当時は、約二百教室不足であったのでございますが、その後非常に何と申しましょうか、六・三制組合というものができまして、非常に強く二部教授の解消を訴えられたのでございまして、そういう関係で二十六年度から始まって逐次やって参ったのでございます。二十八年度に限って特別にやったというわけでないのであります。だんだんにやって、まあ最後は馬力をかけたという状況でございます。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 その点がよく解せないのですが、大体六・三制という問題はもちろん戦後出てきたわけです。しかし二部授業という問題は、中学よりもこれは小学校の主として問題じゃないかと思うのですがね。その点はいかがですか。

川久保義典浦和市長

○参考人(川久保義典君) 確かに小学校の問題でございます。最近は中学も二部教授になりかかっており、そういうようなことで、結局この六・三制組合自体が、何と申しますか、金を実は作りまして、市がこれを保証して学校を建てて参って、三年の据置で三年後に返すということで、償還期が始っております。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 はっきりわからないのですが、組合が学校を建てて、市がそれを保証するとおっしゃるのですか。

川久保義典浦和市長

○参考人(川久保義典君) 組合が金を集めまして、そしてその金を市に寄付の形で受け入れていただいてやったのでございますが、それがまずいということになりまして、組合自体が大体学校を建てまして、それはもちろん工事は市が委託されるのでございますが、それで組合に金を返してやったと、金を返すというよりも、市がそれを取得するという形をとって、まあ無理をしてやって参ったものです。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 その組合というのは、どういう性格のものですが。大体中学校というのは市がやられるわけでしょう、市が責任者であり管理者ですからね、だから六三建築促進何とか組合というものができている、それはPTAみたいなのもですか、どういう性質のものなんですか。

川久保義典浦和市長

○参考人(川久保義典君) これは市民の教育に熱心な方、また関係者が申し合せてそういう組合ができております。それで市自体が作ればよいのでございますが、市民の教育に熱心なあまり、何とか早くして二部教授を解消したいという気持から、自発的にそういう組合ができまして、やっておるのでございまして、それが終って、今償還期になっております。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 そうすると、結局学校単位にPTAのような形のものができて、そうして市がやってくれるのを待っておっては、いつのことやらわからんから、一つお互いに金を出し合わしてやろうじゃないか、半額だけお互いが持つから、市のほうであとの半額を持ってくれ、こういう形でおやりになったのですか。

川久保義典浦和市長

○参考人(川久保義典君) この六・三制実施組合という組合がございまして、それは市民から、何というか、借りるわけですね。市民から借りて、相当な利息を払って、三年据置きで、三年計画でまた返す組合でございます。そういうようなことで、三年たちまして、丁度返還期がもう来ておるのでございまして、そういう関係で市が今度返してくれるという形になっておるのであります。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 じゃあ、その何とか組合というものが一時立てかえて、先に工事をやっておいて、それをあとから市が返す、こういう形ですか。

川久保義典浦和市長

○参考人(川久保義典君) それを予算化いたしまして、国の補助と相待って、国の補助の見通しがついてから、それを市に切りかえてゆくというようなわけでございます。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 しかしその点、国の補助の見通しがついて返されるのだから、国の補助をもらえば、市の自己負担というものがそう急激にふえるということはあり得ないのじゃないですか。

川久保義典浦和市長

○参考人(川久保義典君) 仕事を先にやってしまって、あとから金を返す工面をしてゆくような状況で、学校は建てちゃって、あとから市民に金を返すような結果になっておりますが、国の補助がきまってからやれば確かでございますけれども、学校の方を先に建てまして、あとから市が跡始末というような格好で、ちょっと後手になっておりますが、そういうようなことを浦和市としてはやったのでございます。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 まあそれでおやりになったとしてですね。そういうやり方をされたことによって、出てきた赤字というのが、この九千四百万円の赤字のうちどれくらいを占めるのですか。

川久保義典浦和市長

○参考人(川久保義典君) お答えします。二十九年度約六千万円であります。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 しかしさっきのようなお話でしたら、その六千万円は、今のところは六千万円の赤字になるけれども、しかしこれはあとから補助金はもらえるわけなんでしょう。補助金は来るわけじゃないのですか。

川久保義典浦和市長

○参考人(川久保義典君) この補助金というのが非常に少いのです。思うようにこないのです。(笑声)そこにその悩みがあるわけです。実際は市の金を使わねばならない現実でございます。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 いや、それはわかるのですけれども、十分に補助金の来ないということは、第一、単価の見積りだって、国の方は非常に低く見積っています。だからそれは十分来ないことはわかるけれども、しかしそれにしても、六千万円という赤字のうち、まあ十分な補助金は来ないにしても、その三分の一なり、あるいは五分の二程度の補助金というものはいずれもらえるわけでしょう。学校建築だったら…。だからそうすれば、二十九年度に今のところ六千万円という穴があくにしても、それは三十年度において中央から不十分ながらも補助金をあとからもらえば、それだけは埋まるわけでしょう。その点はどうなんですか、埋まるのですか、そういう見通しを持っておられるのですか。

川久保義典浦和市長

○参考人(川久保義典君) それはこっちで思ったように……、お願いいたしましても、切られたりいろいろしておるのでございまして、見通しは確かに、たとえば一校の分だけ申請して、一校作るということじゃないのでございまして、結局これが国のワク内でいろいろ操作されておりまして、認められなければなかなか来ないのでありますが、要するにあとから補助等が来ましたならばそれだけ減るわけでございます。確かにその通りでございます。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 来れば減るわけなんですけれども、市自体の財政計画には、補助金がどれだけ来るであろうということは別に組み込んではおられない……。

川久保義典浦和市長

○参考人(川久保義典君) さようでございます。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 来ればこれは思わぬ幸いであるし、来ないといってももともとだ、こういうことですか。そうすると二部授業の解消を大いにやられたということは、私はけっこうだと思うのですけれども、しかしそういうことで中央との補助金なんかの見通しなしに、地元独自でどんどん事業をやられて、そうしてその結果こういう膨大な赤字が出た。そうしてそのしりぬぐいをこれは国の方でやれ、こういう形になると、私は非常にまずいのじゃないかと思うのですが、この点は後藤さんどうですか。今の話を聞いておられて、どのようにお考えになりますか。

後藤博自治庁財政部長

○政府委員(後藤博君) 市長さんのお話は、おそらく私はこうだろうと思うのです。普通であれば、公募債で政府資金のワクをもらってやる。ところが市民の要求が非常に強いので、そういうワクをもらってはとてもやってゆけないというので、一種の公募の方式はとる、そうして有力な方々の出資を待って事業はやる。そうしてそれは一時借り入れのような格好でもってころがしてゆくという形式をとっておられるのだろうと思います。おそらくそうだろうと思うのです。それでわれわれから言いますと、それは一時ころがしておるのは赤字と称しております。そっくりそのまま赤字になるのであります。でこの表てに出ていないものが私はやはりあるのだろうと思います。九千四百万円じゃなくて、五千万円くらい事業繰り越しがあるのだろうと思います。そういうものも入っておる。別にあるわけです。だからわれわれから見れば、赤字は一億五千万円くらいあるのじゃないか、こういうことになるのであります。そこら辺がちょっと市の当局の方々とわれわれと赤字の見方が違っておるのでありまして、そのことはいいか悪いかということになりますと、それはいけないということに私どもはいたしておるのでありまして、それは市の当局と市会の状況、また六・三制の校舎の状況からして、私はやむを得なかった措置だろうとは思いますけれども、私の方から見ますと、それはちょっと正当な筋のものではないとこういうふうに思います。従ってその場合に今のお話しのように補助金がそれにくるか、起債がくるかと申しますと、私どもの従来からの経験では、でき上ったものに対しては文部省は知っておれば補助金は出しておりません。もしも出しておれば、まあいい理屈があって出しておるのでしょう。それから起債もこれは継続事業か何かであればもちろん出します。それから生徒増とかいうふうな一定の計算に基いて配分すべきものは配分をしております。いささかの起債は毎年つくのでありますけれども、補助金は今の私どものあれではすでにやったものは補助金は認めていない。というのは、これはほんとうは大問題ですけれども、済んでおるじゃないか、そういうものに補助金を出す必要ない、というのが今までの考え方であります。勝手にやったために、かえって地方団体が六・三制の問題には参っておるのであります。従って補助金があまり当てにならないで、あとの起債を、毎年つけていったやつが前のやつに放り込まれて、少しずつ減っていくということになりますけれども、翌年また人がふえて参りますから、そちらにつけた分が過去に使われてしまう。やはりころがしがころころころがっていくようになるのじゃないか。従ってこの辺で断ち切らないと、再建計画でも立てて断ち切って、過去のものは過去のものとして、赤字だという観念に立った再建計画をやらない限り、ちょっと救済の方法はないじゃないかと、先ほどから聞いておって感ずるわけです。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小笠原二三男君) ただいまの後藤政府委員の説明があったわけですが、浦和市長から御所見がありますか。黙っていると認めたことになりますが。

川久保義典浦和市長

○参考人(川久保義典君) その通りです。

深川タマヱ日本民主党

○深川タマヱ君 自治庁の方にお尋ね申し上げますが、あの地方起債をお許しになりますときにはどういう標準、許しますときの基準はどういうふうになっておりますか。

後藤博自治庁財政部長

○政府委員(後藤博君) 大まかに分けまして補助事業の起債とそれから単独事業の起債とございます。それから公営企業はこれも違います。大体大まかに分けまして三つのグループがございますが、補助事業と申しますのは国が、けさほど申されますように三分の二出した場合に地方負担が三分の一でございます。で起債計画ではこれに対してまあ六〇%とか六五%くらいの起債を認めると、こういうことになっております。でありますが、地方団体の中で府県と市町村との財源を見ますると、府県は一般財源がございませんが、市町村の方は一般財源がございますので、実際の配分は市町村の場合には大体四〇%ないし五〇%の起債を負担分としてつけております。これが補助事業であります。それから六・三制の場合の補助事業はちょっと形が変っております。これはなるたけ何と申しますか、学校の校舎ができるような格好でつけまするので、必ずしもそういう起債の仕方とは違っておりますけれども、大体補助事業の考え方は同じであります。六三制の場合には単独のものがございます。単独のものはやはり一教室を作るとか作らんとかいうことを基準にしてまあやっております。ただ今の補助金の配分が、まあ文部省の補助金の計算の仕方が、十万円とか二十万円とか補助金をつけるようなものがございまするので、この場合にはまあ起債は三十万円以下の起債は認めませんから、落ちる場合がございます。非常に小さくなりますと、起債を上げておりません。それから単独事業、一般に単独事業の場合には、そのものができるかできぬかということで、つまり適債事業であるかどうか。それからそれが非常に要求があるものかどうかということを、他の都市との比較においてつけて参ります。この場合には、一定の率ということではなくてつけております。それから公営事業の場合も、やはりこれは水道とか、電気とか、病院とかございますが、これも大体起債の内容の、つまり起債申請額を基礎にいたしまして、できるだけまあ形のあるものが、ちゃんとできるような格好で、ある程度継続的につけていくわけであります。ですからそれぞれのやり方が違っております。学校などでは補助金が小さいと、やはり起債額は三十万以下にはりますと、今までのところでは、起債は認められておりません。

深川タマヱ日本民主党

○深川タマヱ君 それでは続けますけれども、浦和市のように、実は先日こういう話がございました。私たちの方では、今度四十三万戸全国に家を建てるという話ができましたときに、浦和市のような衛星都市は、さっき市長さんのお話のように寝床の町のようなもので、生産地でないのに、収入が少いのに、子供が多い、従って学校が多い。住宅をたくさんふやしてあげようと言うと、住宅をふやしてくれると困ると言うのです。子供がふえて……。住宅の方は国費でしてくれても、学校の方は地方が背負うので、とてもやりきれない、こういうことを言う方がございまして、ちょっと気がついたのですけれども、今の市長さんの苦衷も聞いておれば、ここらに一つ原因があるのじゃないか。子供の数は非常に多いと、自然ほかの子供にも影響を及ぼしますので、二部教授なんか廃止しなければならないので、やはり地方起債をよけい許してもらわなければならない。自治庁の方からあまり許してもらえないということになると、自然市長さんがあんな困った窮余の策をおとりにならざるを得なくなってくる。浦和市のようなところに対しましては、自治庁の方でもよほど手心を加えて、実情に沿ったような特別の配慮でも今までしてあげてやっておいでになったんでしょうか。

後藤博自治庁財政部長

○政府委員(後藤博君) 二十九年はたしか生徒増の分については十数億認めたと思いますが、これは五大市が人口増加率が非常に高いものですから、五大市を中心にしまして、二十億近くだったと思いますが、それは付近の衛星都市の人口増加率の高いところもやはり入れたはずであります。しかしこれは非常に人口の増加率の低いところからみておりますので、増加率の低いところは自然にはずされていくわけであります。大体五%以上ふえたところを標準にとって、それをその都市をとって、その都市に幾らかずつ認めていく、こういう格好で私どもやっておるわけであります。まあそのワクそのものが十分でございませんので、額は大した、非常に少いかと思いますけれども、多少ずつは入っているのじゃないかと思います。

深川タマヱ日本民主党

○深川タマヱ君 それから二十六年から二十九年までの間に、毎年許可しました全国の地方起債の総額を年次別に分けたものが知りたいのですけれども、今すぐにおわかりにならなかったらけっこうですが、おわかりになりましょうか。

後藤博自治庁財政部長

○政府委員(後藤博君) ちょっとこまかい数字はわかりませんが、昨年は、当初一千九十億でございます。それが年末になりまして、少しふえまして、一千百四十一億でございます。昨年の、だから総計は一千百四十一億、それから一昨年は千二百三十億ぐらいだと思います。千二百三十三億でありましたか……。それからこれらは二十八年でありまして、二十七年はやはり千億ぐらいだと思います。それから二十六年は八百億と九百億の間ぐらいではなかったかと思います。あとからこまかい数字を申し上げますが、大体八百億から千億内外を往復しておりまして、ここ二年ばかり千百億台になっております。

深川タマヱ日本民主党

○深川タマヱ君 もう一つは、各府県別の二十六年から二十九年までの間に許可された地方起債の額とその内容についての資料がほしいのですが、皆さんがそれを必要なかったら、私だけに聞かして下すってもよろしいのです。あとでけっこうです。こまかいから…。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小笠原二三男君) ではただいまの深川君の要望につきましては、あとで自治庁において深川君の方に期待に沿う資料を御提出願います。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 資料の最後の表ですね、この負担金、寄付金、この中で、国なり県なりからいわば強制的に割当られた寄付もあれば、それから今度は、市の方からこれだけ持つから、ぜひこういう施設を作ってもらいたい、自発的な寄付ですね、そういうものの色分けを聞きたい。

川久保義典浦和市長

○参考人(川久保義典君) この表の中で市自体がお願いをしたと申しましょうか、というのはほとんどないのでございます。県道の改修の事業の一部はあるいはあるかもわかりませんが、大体強いられたこれはみんな負担金でございまして、希望は一つもしないで、逃げて逃げ回って最後にこういうことになったのであります。(笑声)

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小笠原二三男君) では私も関連してお尋ねしますが、牛久町長さんにどなたも御質問がなかったのですが、負担金、補助金のうち警察消防関係……。警察行政の事柄の性質上、国会でもいろいろ議論があった問題でございますが、地区治安協会あるいは部長派出所、これに対してお金が出ておりますが、この地区治安協会というのはどういう性格のもので、何をやるものであるか。そうしてこの金はやはり強制されているものであるか、自発的に出しているものであるか、部長派出所、これは何の経費として寄付されているものであるか、この点をお伺いいたしたい。警察当局においてはこの種寄付金、負担金は一文も取らないということは、再三国会で言明しておるところなんで、なぜこういう団体があり、なぜこういうことをやっているか、疑問だと思いますので、お尋ねいたします。

川村衞茨城県稲敷郡牛久町長

○参考人(川村衞君) ただいまの警察、消防署に対する負担金の第一点、治安協会の問題ですが、これは他県は私承知いたしておりませんが、茨城県は少くとも各警察地区ごとに治安協会というものが設立されております。のみならず、警察署の管内にその地区治安協力会があり、かつまた県に治安協力会連合会がございます。その性格は、警察の予算が非常に微々たるものである。よっていろいろの事件発生等の場合調査をする費用が不足であるから、その点を補助してもらいたいというのが第一のねらいでございます。それで一例をあげますというと、一つの犯罪が起きた場合に自動車を利用する、その場合に警察署の備えてあるところの一台の自動車をかりにフルに使うとすれば、ガソリンが足りない。よってガソリンをこの治安協力会からそういう場合には補給する、あるいはまた二台を必要とする場合は、他の一台はかような点からこの補助を出す。またさらに申し上げれば、この治安協力会として青少年の犯罪防止のために、いろいろな施設、事業をやるような場合は、ほとんどこの費用から出ております。これはわれわれ町村としても非常に悩みを持っておりまして、ともどもこれは町村長並びに議長等が治安協力会員ということに規約上ずっと前からの踏襲でなっております。よってわれわれもその機関に望むのですが、私は極力この負担金に対する削減を主張して、むしろ出す必要がないということを強調しておる一人なんであります。部長派出所という問題に更に触れますが、牛久町に部長派出所があるのでございます。部長派出所というものに対しては部長派出所の維持管理費というものはほとんど参っておりません。これは印刷する消耗品、用紙類、その他はなはだしきに至っては、炭、燃料等、一切これは地元町村でそれを補ってやらなければならない。また駐在所等においては、これまたはなはだしきに至っては、駐在所は町村の営造物であるからと称して、駐在巡査のいる期間中の障子の張りかえの障子紙まで地元町村が負担しなければならんというようなことになっております。これは牛久町では現在その駐在所に対しては負担しておりません。私になってから完全に拒否いたしております。しかし、おそらく他の町村においてはかような点がまだ多くあるのではないかと考えております。それで部長派出所の負担金が本町において二万四、五千円大体かかります。そのほか隣の韮崎から二万円出る。よってその分だけ一般治安協会から削減しておるような次第であります。大体以上が状況でございます。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小笠原二三男君) 浦和市長さん、先ほどの御意見中に警察官一人当り一万五千円程度の治安協会関係の負担があるということでしたが、それがこの表に出している五十五万円だろうと、考まえすが、これらの金はどういうふうに使われるものでございますか。

川久保義典浦和市長

○参考人(川久保義典君) 治安協会の問題は、私ども埼玉県の市長会といたしましては非常に問題になっておったのでございますが、大体市警察時代には治安協会というものはなかったのでございます。それが移管されまして、そこでその後の警察行政上どうしても必要であるということも、たびたび訴えられたのでございますが、最後までこれを拒否して参ったのでございます。しかしながら、よくいろいろなことを中を検討してみますと、多少みてやらねばならない事情もあるのでございます。たとえて申しますと、市自体がいろいろなことをお願いをせねばならないことございますし、その他いろいろな面で治安がわれわれ市民といたしましては一番大切な問題でございまして、そういうようなことからやむを得ず埼玉県市長会といたしましては巡査一人に対しまして五千円程度のものはみようじゃないかという申し合せをして、二十九年度はそれぞれ予算化したのでございます。従ってこれは七月以後の額でございます。三十年度は完全にどこの市も計上しておりません。三十年度は断わろうという予定になっておるのでございます。いずれにいたしましても、私ども市民といたしましては、この問題は非常にデリケートな問題でございまして、りっぱな警察行政をやっていただかなければならないのでございますが、いろいろなことから出す性質のものではないのでありますが、現実はそこに市民の治安をお願いしたいという意味合におきまして二十九年度だけは出したのでございますが、三十年度はこれはまあ絶対に出さないという線で、県の方で警察費はなるべくたくさん県費で出してもらいたいという御意見をしてあるのでございます。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小笠原二三男君) そうしますと一人頭五千円というのは食料費とか交通費とか何らかの名義による手当のような種類のものであって、個々の警察官の給与の一端になると、こういう筋合いのものでございますか。

川久保義典浦和市長

○参考人(川久保義典君) 治安協会というものを一応作りまして、治安協会に対しての補助という工合で、中に治安協会としてはいろいろ事業等がございますが、治安協会に対しての補助ということで出しております。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小笠原二三男君) この点は事柄の性質上政府と申しますか、自治庁の方の見解はどうなんですか、この種の寄付金、補助金については……。

後藤博自治庁財政部長

○政府委員(後藤博君) 従来の地方財政法には強制割当をしてはいけないという趣旨の規定があったわけであります。強制割当であるか、任意寄付であるかという問題がありまして、今までの解釈では一応任意寄付のものである、こういうことになって出しておったわけでございます。しかしその後問題がございまして、出してはいけないという規定を入れなければ、これは困るのじゃないか、こういうので、今度の地方財政法の改正では、特定の場合以外には出してはいけない、こういう規定を入れて両方から縛る、こういうことにいたしたいと思っております。警察ばかりではありません。これはいろいろほかに文部省関係にもございまするが、そういう規定でもって一応押えていくのが筋ではないかと思います。ただ自治団体でありまするから、あまりこまかいことまでわれわれがしゃくし定木でやっていくということには、やはり問題があるのじゃないかと思います。自治団体がやはり自分の判断で本来考えるべきことであって、こまかい法律的措置をするというのはいかんかと思うのでありまするけれども、再建整備までやらなければならない団体が非常に多いときでありますので、臨時にそういう措置をやっていこう、こういうふうに考えておる次第でございます。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小笠原二三男君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小笠原二三男君) 速記をおこして。……他に御質疑はございませんか。……御発言もないようでありますから本日はこの程度にいたしたいと思います。  参考人各位に一言お礼申し上げます。本日は御多用中御出席をいただき、貴重な御意見をお聞かせいただきまして、まことにありがとうございました。当委員会といたしましても、本日お述べいただきました御意見は、今後の審査の上に大いに参考といたし、御期待に沿うようせっかく努力いたしたいと存じます。委員一同を代表いたしまして厚くお礼申し上げます。  本日はこれをもって散会いたします。次回はあす午前十時より開会いたします。    午後四時三十二分散会     —————————————

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