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22回国会参議院1955/05/19

地方行政委員会 第4号

発言数
110
登壇者
7
会派数
4
開催日
1955/05/19

会議録

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小笠原二三男君) では、本日の委員会を開会いたします。  本日は地方行政の改革に関する調査のうち、昭和三十年度地方財政計画に関しまして審議したいと存じます。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 それはいいですが、その前におとといのこの委員会で選挙の実施状況についての調査案件の問題で私の質問を保留しているのです。ちょうど長官が見えているので、そう時間をとらぬ問題ですから、これを先に質問を片づけさせていただきたい。いかがですか。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小笠原二三男君) 承知しました。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 川島長官にお尋ねしたいのです。実は一昨日この委員会がございまして、そのときに自治庁の方へ過ぐる地方選挙の実施状況の問題についてお尋ねしたのですが、そのときに選挙部の課長が一人しか見えていなかったので、重要な問題について質問を保留せざるを得なかった。と申しますのは、ちょうど地方選挙が行われておりました四月十五日付の官報に、地方選挙についてその意義と選挙人の心構えという表題の自治庁から出た資料が大きく載っておる。それをずっと読んでみますと、ここにある地方選挙は党よりも人だということを非常に強調して書いておられる。この点について、これはただ事務的な問題でなしに、これは相当重大な内容を含んだ問題だと思うのです。党よりも人だということを特に自治庁において強調されることは……。だからどうしてもこれは自治庁の長官のお考えでこういう指導をやられたのかどうかということをお尋ねしてみたいと思います。

川島正次郎日本民主党行政管理庁長官・自治庁長官

○国務大臣(川島正次郎君) ただいまの御質問でありますが、前回の委員会のときにそういう御論議が出たことを聞きまして、いろいろ調べてみたのでありますが、官報の付録として資料という名前で各官庁いろいろ統計その他を載っけておるのでありまして、そういうことは私もつい気がつかなかったのでありますが、最近の官報付録で始終やっているのだそうでありまして、いわゆる資料でありますからして、まあ大体事務当局だけでこれまでは勝手に作って、それを印刷局の方に回して掲載しておったのだそうであります。そこで今問題になりまする地方選挙の場合の資料でありますが、資料でありますから、どこまでも平面的の記事を掲ぐべきであるにもかかわらず、いかにも選挙民を指導するようなことを掲載したことは、これは私は非常に行き過ぎなやり方だと、もう率直に認めないわけにいかぬのであります。実はその点につきましては、全く関係の事務当局だけでいまの資料扱いをしてやっておったので、私どもも全く知らなかったわけであります。次長も知らぬというようなわけでありますが、お話のことはまことにごもっともでありまして、今後十分注意をいたしまして、再びこういう間違いのないように関係の事務当局を戒飭するつもりでおりますから、どうぞ一つその点を御了解願いたいと思います。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 ただいまの御答弁で問題は、一つはこの示された印刷物の内容に関する問題、それから一つはどういう手続をなされたかという事務手続の問題なのでありますが、あとの事務手続の問題についてもこれも変だと思うのですね。実は一昨日出て来られた課長の話によると、最初私がお尋ねしたときは、これが大臣の方針かといって聞いたところが、いやそれは大臣の決裁を受けてやったことだから、大臣の方針だとこう言った。ところがあとからそれを取り消されて、そしていや大臣の決裁は受けたかどうか確認してない、とにかく鈴木次長のはんこをもらってやったことだというように言い直した。ところが今の大臣のお話によると、鈴木次長も知らなかった、全然事務の方で勝手に資料として出されたというようなことは、まあそういういい加減な扱いで、しかも地方選挙のさなかに、地方選挙の際、具体的に候補者をいかに選ぶというような問題について、これだけ自治庁が確信を持った強い意見をしかも官報に発表されるというのは、私は事務的にだけから考えてもあまりにも不用意であり、軽はずみなやり方じゃないかと思うのですが、それはただいまの御答弁によりますと、次長も知らなかった。一体誰が知って出したのかということになるのですけれども、ほんとうのことはどういう手続で出されたのですか。

川島正次郎日本民主党行政管理庁長官・自治庁長官

○国務大臣(川島正次郎君) 私は次長にも経過を聞いたのですが、一切次長も知らなかった、こういうお話でありまして、従来資料という安易なものですからして、全く課長程度でもってそういうものを作って印刷局へ送っておったようでありまして、たまたまそれが少し行き過ぎの文章であったので問題でありますけれども、普通の統計類だけ送るならばそれでよかったのでしょうけれども、若い事務官連中が自分の思いつきで書いたのを、それをそのまま送ったことが非常に間違いのもとでありまして、これはまことに私は申しわけないと思っているわけであります。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 ちょっとその内容に入る前に、その手続の問題なんですが、一体何ですか、自治庁という名前でこうやって重要な、名前は資料であるにしても、いやしくも官報へ載る以上は、これは単なるそこら辺にころんでいる何かの資料を引っぱってきて、ちょっと載っけた、新聞資料を載っけたという問題とは違うと思うのです。やはり相当強いこれは指導性というか、何かそういうものを、これはもう当然前提された資料だと思う。そういうものの扱いについて、ただ若い者が適当に書いて載っけたということでは、これはあまりにも私は無責任じゃないかと思うのです。自治庁の名前において、しかも選挙で全国が血眼になっているさなかに、これだけ強いものを官報に載せられるという以上は、選挙をその方向で持って行こうという前提に立っておられるに違いないと思う。その点はどうですか。

川島正次郎日本民主党行政管理庁長官・自治庁長官

○国務大臣(川島正次郎君) 全くお話の通りでありまして、そういうものを、たとえ資料といえ、官報に掲載する場合には相当自治庁の幹部の意向も聞き、決裁も仰いでやるべきものだと思うのですが、とにかくそのときの手続は全く簡単に扱ってしまいまして、そういう間違いが起ったのであります。まことに申しわけないのでありますが、今後十分注意を与えることにいたしますから、御了承願いたいと思います。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 今後注意して頂くのはもちろん必要なんですが、ただ事実関係としては、じゃどなたが最終の責任において事務的にはなされたわけなんですか。その点はいかがですか。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小笠原二三男君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小笠原二三男君) 速記を始めて。

川島正次郎日本民主党行政管理庁長官・自治庁長官

○国務大臣(川島正次郎君) 秋山さんのお話まことにごもっともでありまして、そうしたミスをしたことについては、自治庁としましては相当責任を痛感しなければならぬのでありますが、何といたしましても、すでに過ぎ去ったことでありますので、今後は十分事務当局を戒告いたしまして、再び間違いのないようにいたしますから、どうか一つ御了承願いたい。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 手続の問題は、それで今後とにかく今さら取り消してもらってもどうもしようがないのですから、今後の問題でこれは厳にこういうようなことのないようにしていただきたい。  それからもう一つは、こういう問題が簡単に、軽い考えで資料として出てくるというところに、やっぱり自治庁の選挙を指導しておられる人たちの物の考え方というものが、やっぱりこういう考え方をしておられるのだと思う。そのしておられることが不用意にこういう形をとって出たので、問題は手続よりもさらにその頭の問題だと思う。それでこれはお互い政党人でありますから、もう国の政治といわず、地方政治といわず、これは政党政治であることはもうはっきりしている。また現在ないにしても、いずれ将来は政党政治に地方の末端までなってくるだろうと思う。どこの国の例をみても、また正しい姿の政党政治というものが、徹底してくることによって初めて議会政治もりっぱになってくるのだと思う。だから政党政治というものを、やっぱり選挙の指導に当っても正しく育てていくという、少くとも基本的な頭を持ってやってもらわなければいかぬと思う。ところが、この資料の底に流れているものは、とにかく政党政治は悪いものだ、政党は悪だという考え方が基礎になっておるのです。官僚制度の考え方だと思う。これは、こういう指導をされたのでは非常に選挙を誤まると思うのです。その点いかがですか。

川島正次郎日本民主党行政管理庁長官・自治庁長官

○国務大臣(川島正次郎君) まことにお説の通りでありまして、私どもも政党人として秋山さんと同様に考えております。今後事務当局がそういうことを取り上げて有権者を指導することのないように、厳重に戒告いたすつもりでおります。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 これはしつこいですけれども、重大な問題ですから重ねてお願いをしておきたい。これはとにかく、よく一般に中央の政治は、政党政治だけれども、地方には党派は要らぬということは一般には常識論としてよく耳にするのです。しかしそれはごく皮相な見解であって、一皮、一歩突っ込んで考えてみると、そういうことはほんとうに皮相の見解だと思う。だからあくまでそういうことでなしに、やはり主義主張だけは地方政治においても初めからはっきりして、自分の政治的な立場を明らかにして選挙を争うということによって初めて地方政治も、私は今までのような因縁情実で不明朗などということから漸次すっきりしてくると思う。ところが、それをこういう党よりも人だということを自治庁の公けの責任を持った立場の人が、いやしくもそういう潜在意識を持って指導されるということになると、これはもうますますここに書いてある「因縁情実にとらわれぬように」ということとは逆なことを奨励することに私はどうしてもなると思う、結論的には。だからこの点は一つ大臣の方から自治庁の係官の教育指導を、これはほんとうに徹底してやっていただきたいと思う。そうしてほんとうに政党政治を正しく健全に育てていくということに協力をするという基本的な線だけは、これはもうはっきり自治庁において確立しておいてもらいたい。

川島正次郎日本民主党行政管理庁長官・自治庁長官

○国務大臣(川島正次郎君) ただいまのお話まことにごもっともでありまして、再び間違いを起さぬように適当な処置をとりますから、どうぞ御了解を……。

中田吉雄日本社会党(第四控室・左)

○中田吉雄君 地方政治と政党の問題等については、いずれ別な機会に、今日は財政計画の問題なんですから、これは……。しかしこれを見ると、この背後のなかなか純粋でないものが、これは地方選挙は党より人だと言いながら、ここに載っている統計表を見ると、衆議院選挙の結果をはっきり載せて、そうして民主党が第一党だということを、政党分野をはっきりして書いている。これはもうはっきり第一には党派別の当選人の衆議院の三九・六%、四百六十七名のうち民主党が百八十五名持っている、自由党幾ら、社会党左派幾らと書いてある。第二には党派別の得票数を書いてある。これは何を意味しているか、こんなところにこれを入れたこと自身非常に問題なんです。これは日本の中央政治の議会分野と地方議会の選挙というものは、もう不可分な関係にあるのです。ずっと古い自治法の行なわれた際にも、まあ政府与党につかぬと平衡交付金も起債も、補助金も取れないというようなことから、もう決定的にそういうことになるのです。たとえば昭和二十六年には自由党さんが二百六十四名という圧倒的な多数だった。そのときには二千六百名の地方議会で千二百人というものが自由党だったのです。これは私は、そういう党より人だと言いながら、何の関連性もない衆議院選挙の結果をここに持って来たようなことは、非常に計画的な、秋山さんの言ったような政党は悪だという一般的な通念の問題だけでないんです。これは何の関連があって衆議院選挙の結果をここに入れているかということです。これはやはり非常にまた民主党の大臣の方が出られて、地方選挙に来られて、わが党のものがせぬと、平衡交付金、起債も補助金もしないということをわれわれはたくさん聞いているんです、このたびの選挙には。そういうことの関連で見ると、これは非常に重大な、純粋に単に地方議会では穏健中正にという観念を越えた一つの選挙運動だと見ても、これは決して言い過ぎじゃない。さらにまた鈴木次長は朝日新聞の座談会において、選挙中に野村秀雄さんその他との座談会でもその点を力説しておられて、これはやはり民主党内閣における地方選挙に対する援護射撃というような意味が含まれていないと、これは否定できないと思うのです。何と言っても日本の地方選挙というものは、ほとんど中央選挙に影響されているのです、これまでのずっとの……。そういう点から考えて、この衆議院選挙の結果を入れているということは、なかなか含蓄のあることだと思うので、この問題は今日は財政計画の問題が議題になるわけですから申し上げませんが、もっと、これはそういう意味でも非常に問題だと思う。そういう点はこれはどうなんですか。一体どういう関係があって、中央選挙の当選者や得票数を入れたり、何の関係があるのですか、どう思いますか。

川島正次郎日本民主党行政管理庁長官・自治庁長官

○国務大臣(川島正次郎君) それを起草しました事務当局者の考え方は、私はちょっとわからないのでありますが、お話のこともごもっともであると思いますので、よく帰えりまして、調べて見ます。私としてはもう全然関与しないものですから、全くどういうつもりで、どういう方針でそれを書いたかわからぬのですが、よくなお調べまして、適当な機会にまたお話いたします。

中田吉雄日本社会党(第四控室・左)

○中田吉雄君 地方選挙の結果が載っているのならばこれは納得できるのです。これは一つ本質論の問題もありますし、鈴木次長、特に事務系統のトップにおられる鈴木次長が出ていただいたときに、一つこの問題は十分やることにして私の質問を終ります。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 これは鈴木次長が出られたときというようなことでなしに、やはりほとぼりのさめぬうちにこの問題を片づけておいた方がいいと思うので、午後にでも出てもらったらと思うのですが、そのとき全然どうも手続上の事情を知らなんだという長官だけでは、やはり実際具体的にこの長官に相談せずに勝手にやったという事務当局者にも出てもらおうじゃありませんか。委員長にお願いいたします。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小笠原二三男君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小笠原二三男君) それでは速記を起して。  それではただいまの秋山君の御提案につきましては、委員長において善処いたします。  では本日の調査案件になっております昭和三十年度地方財政計画に関する御説明を願います。

川島正次郎日本民主党行政管理庁長官・自治庁長官

○国務大臣(川島正次郎君) ただいま御手元に配布いたしました昭和三十年度地方財政計画について、その概略を御説明申し上げます。  昭和三十年度地方財政計画の策定に当りましては、わが国経済の現状にかんがみ、国の予算編成の方針に呼応して、極力その財政規模の合理的縮減を期待するとともに、多数の地方団体が多額の赤字に呻吟いたしております地方財政の状況に照らして、過去の赤字を整理し、財政の再建を促進することを念願し、次の事項を具体的指針として策定したのであります。  すなわち、その第一は、行政事務及び地方行政機構の簡素化を推進することであります。その第二は、国の経費節減の方針に呼応して地方団体の自主的努力による経費の節減を期待するとともに、収入の確保を期することであります。その第三は、町村の合併を促進することであります。その第四は、国の補助金等の整理合理化によって地方負担を軽減することであります。その第五は、地方道路譲与税の創設等、地方自主財源の充実をはかることであります。その第六は、地方財政再建整備の促進のため適切な法的措置を講ずることであります。  右方針に基き、本計画策定の前提といたしました地方行財政制度の改正点を申し上げますと、第一に、あらたに地方道路譲与税を創設すること。第二に、入場譲与税法の一部を改正して三月分の入場税を繰り上げ譲与することとするとともに、昭和三十年度に限り入場税の全額を入場譲与税として譲与すること。第三に、昭和三十年度に限り、たばこ専売益金から交付税及び譲与税特別会計へ三十億円を繰り入れ、たばこ専売特別地方配付金として地方交付税交付金の総額に加えて交付すること。第四に、地方税法の一部を改正して、道府県民税法人税割及び市町村民税法人税割の税率、軽油自動車にかかる自動車税の税率について調整を行う等の措置を講ずること。第五に、義務教育費国庫負担金制度の一部を改正して、負担金の制限を受ける団体を地方交付税の不交付団体に限定すること。第六に、地方財政再建促進特別措置法を制定して、赤字地方団体に対しては再建整備計画の樹立及び実行を条件として歳入欠陥債の発行を認めることとし、利子補給を行うこととするとともに、地方財政の健全性の確保をはかるため、寄付金等の支出に対する制限を設ける等の特例措置を講ずることとすること、等の諸点であります。なお、行政事務及び行政機構の簡素合理化につきましても、一昨年行われました地方制度調査会の答申に基き、別途制度の改正を準備いたしております。  ただ、従来から問題とされております、いわゆる既定財政規模の修正、すなわち現行の地方財政計画と、財政運営の実態との相違点の修正につきましては、それが主として給与関係経費にあることにかんがみ、ただいま実施いたしております給与実態調査の結果が判明し次第、給与の適正化等に関する諸措置とともに行うものとし、今回は一応これを見送ることといたしたのであります。  以上のような前提のもとに、昭和三十年度の地方財政規模を算定いたしました結果、その歳出規模は九千七百六十一億五千余万円となり、昭和二十九年度に比して約二十八億円を増すこととなります。  次に歳出及び歳入の増減額のうちおもなるものについて簡単に御説明申し上げます。まず歳出面の消費的経費の増減でありますが、そのおもなるものは、1、本年度小、中学校合せて七十七万余人の生徒児童の増加に対応して必要な増加教職員の人件費及び物件費の増加に要する経費の増加額五十四億円、2、一般職員及び教職員の昇給に伴う経費の増加額七十二億円、3、公債費の増加額百十八億円、4、警察制度改正の平年度化に伴う経費の増加額五十三億円、5、地方選挙に要する経費の増加額十七億円、6、奄美群島にかかる経費の振替算入に伴う増加額十億円、7、人口の自然増加に伴う経費の増加額十四億円等の増加額と、8、昨年度より実施中の行政整理の進行に伴う経費の減少額五十六億円、9、町村合併に伴う消費的経費の節減額二十八億円、10、普通補助金の増減及び改廃に伴う経費の減少額三十一億円、11、旅費、物件費、国に対する寄付金等の抑制及び地方行政事務の簡素合理化等に伴う節減額百十五億円等の減少額が見込まれ、差引合計百十八億円の増加となっております。  次に歳出面の投資的経費の増減のおもなるものを申し上げますと、1、失業対策事業費の増加額五十五億円、2、町村合併に伴う新町村建設計画に基く単独事業の増加額四十二億円、3、住宅公団に対する出資金の増加額十六億円、4、奄美群島復興事業費の振替算入に伴う増加額七億円等の増加額と、5、住宅、文教施設、食糧増産事業等を含むいわゆる一般公共事業の減少額五十六億円、6、公共災害復旧事業費の減少額七十八億円、7、単独災害復旧事業費の減少額六十七億円、8、単独事業費等の縮減額七十六億円等の減少額が見込まれ、差引合計百五十七億円の減少となっております。  これらの昨年度に対する経費の増減を見込みました結果、歳出の規模は地方交付税の交付団体において七千百二十二億円、不交付団体においては、その収入の規模に応じて行われている財政計画算入外の歳出規模九十八億円を加えて二千六百四十億円、合計九千七百六十二億円となったのであります。  次に歳入面についての増減を申し上げますと、1、地方税において自然増収八十億円、税法改正による減収二十九億円を含めて増収額五十一億円、2、入場譲与税法の改正、揮発油譲与税の廃止、地方道路譲与税の新設等に伴う譲与税の減収額二十七億円、3、地方交付税の増加額百三十三億円、4、煙草専売特別地方配付金三十億円、5、義務教育国庫負担金、公共事業費補助金、失業対策事業費国庫負担金等の増減による国庫支出金の減少額十二億円、6、地方債の減少額百十一億円、7、競馬競輪の平日開催禁止、高等学校の生徒増等による雑収入の増減が差引六億円の減等でありまして、差引合計昨年度に比して五十八億円の増加であり、歳入の規模は地方交付税の交付団体において七千百二十二億円、不交付団体において二千六百四十億円、総計九千七百六十二億円となっておるのであります。以上が昭和三十年度地方財政計画の大要であります。  最近の地方財政の状況はますますその困窮の度を強め、多数の地方公共団体が財源の不足に呻吟いたしておりますことは、まことに遺憾とするところであります。政府といたしましても、つとにこれが対策として、過去における赤字の整理と将来にわたる赤字原因の根絶について検討を加えて参ったのでありまして、すでに生じた赤字の整理につきましては、今回地方財政再建促進特別措置法の制定を考慮しており、赤字原因の根絶につきましては、根本的には地方制度の改革を検討しつつ、可及的に地方行財政制度の改正を準備いたしておるのでありまして、今後この地方財政計画の実施を通じ、誠心誠意地方財政の改善合理化に努め、もって将来の措置に対する地盤をつちかって参りたいと存じております。

後藤博自治庁財政部長

○政府委員(後藤博君) 大臣の御説明を補足いたしたいと思います。お手元に説明の資料がございまするので、おおむねその中に載っておりますことをかいつまんでここで御説明させていただきたいと思います。  三十年度の財政計画と従来の計画とまず違っておる点が三点ばかりございますので、従来のやり方を直しました点を最初に申し上げますと、最初の既定規模でありますが、既定規模は、二十九年度の補正後の既定規模の総額は九千八百三億でございます。このうちに直轄の負担金の交付公債分が百億ばかり入っております。で、これは全額交付公債でございまするし、翌年から支払いするものでありまするから、一応財政計画から本年からは抜くことにいたしました。従って既定財政規模は消費的経費と投資的経費合せまして九千七百三億という計算でいたしております。その点が第一に違う点であります。  それから第二の点は、従来は総額を府県、市町村に割っておりましたが、この府県、市町村に初めに割りますると、いろいろ交付税の計算と合わなくなって参ったりすることがございますので、一応従来のやり方を変えまして、府県、市町村は別に出すのでありまするけれども、交付団体と不交付団体との区別をいたした方がわかりやすいと、そういうわかりやすく出してもらいたいという要求が地方団体にもございますので、交付、不交付団体を区別を出しております。この交付、不交付の区分をある程度従来のものを是正をいたしております。これは二十八年度決算がわかりましたので、その決算を基礎といたしまして交付、不交付の率を一応団体別に分っております。従ってその団体別の率を基礎といたしまして一応区分して、その上に立って警察費の振りかえが行われましたので、その振りかえをいたしまして、なお市町村の決算の不明のところにつきましては、二十九年の基準財政需要額によって按分をいたしまして、この区分をいたしたのであります。従って従来の区分よりもより正確にいたしたつもりであります。それが第二の点であります。  第三の点は、従来、財政需要額の一番しまいのところに超過財源の増減額というのを入れておりました。超過財源の増減額を一定の比率でもって落して行く、増減していくという考え方をしておったのでありますが、これも従来何年かやりました結果から見ますると、非常に不合理な点がございます。既定規模の内容まで変えて行くような場合もございまするが、そういう計算が出て参りませんので、この計算方式を改めたのであります。今回は、一枚目の一番下から二行目にCという項がございます。地方交付税の不交付団体における財政計画外の歳出、こういう項目にはっきりいたしたわけでございます。これが従来と変ってきておる点であります。  内容を御説明申し上げますと、既定財政規模のうち消費的な経費は、二十九年度の補正までで六千七百七十六億一千九百万円になります。三十年度の新規の財政需要額は消費的経費では二百三十三億四千百万円になります。そのうちでまず第一に教員の増加に伴う給与費増、旅費を含んでおりますが、御承知の通り三十年度には小学校の生徒が五十二万三千人ばかりふえます。それから中学校の生徒が二十四万七千人ふえます。あわせて七十七万人ふえて参ります。それから盲学校が学年進行によりましてやはり教員の増加を必要といたします。小中学校につきましては、二十九年度の平均の学級編成をとりまして、これは東京、大阪、神奈川、それからその他の府県、こういうふうに分けます。そうして学級増加数を推定いたしまして、その増加学級数一学級について小学校は一人、中学校は一・四人とこういう計算でもって教員の増加数を出したわけであります。出しますると、小学校は九千七十一人、中学校は五千百二十六人の教員増になります。そのほか先ほど申しました学年進行による盲学校の教員の増が五百一人でございます。合せまして教員の増は一万四千六百九十八人という計算をいたしております。旅費は大体従来通り四千円組んであります。  それから次の児童生徒増に伴う物件費等の増、これは児童生徒がふえますので、机やいすが要りまするし、また備消耗品が要ります。従いまして、そういうものを小学校は一人につきまして千五百七十八円、中学校は千七百九十三円、こういう計算でもってはじきまして、十二億六千九百万円の増加を計上したわけであります。  それから3の一般職員および教育職員の昇給に伴う給与費の増、これは従来通り一般職員および教職員の昇給分二・五%分を今年もやはり組んでおります。増加は七十一億六千八百万円で、一般職員分が三十七億六千四百万円、教員分が三十四億四百万円という計算になっております。  それから次の行政整理に伴う経費の増減額、これは昨年から本年にかけまして、県市町村の整理をいたすことにいたしておりまするが、二年間に二万八千人の整理をいたしまして、三十年度は八千三百五十人だけやるという計算になっております。八千三百五十人分の整理によりまして、経常経費が五十五億七千万円だけ減って参ります。本年の整理率は県五大市が二・五%、市が二%、町村は全体の比率が一・七%で昨年全部やる、こういう計算で本年はございません。それからその内訳でありますが、給与費および物件費等の減が八十一億四千六百万円になっております。このうち給与費が五十九億ぐらいであります。それから物件費は二十二億であります。それから退職手当及び恩給費の増は二十五億七千六百万円、そのうち退職手当が二十億、それから恩給費が五億であります。  その次の警察費の平年度化に伴う経費の増、警察費の平年度化に伴いまする経費は平年度化に伴う経費が三十五億、それから需要費の増が十八億で合せて五十二億九千五百万円になっております。この中には、六千四百人の整理、警察職員でありますが、六千四百人の整理により落ちる分も計算してございます。  それからその次の公債費の増であります。公債費は百十七億七千四百万円ふえております。で既定規模の中にも公債費がございまするので、本年支払うべき総額は五百十億になります。そのうち元金が二百三十四億であります。で増加分の百十七億のうち府県と市町村とを見ますると、府県で七十七億、市町村が四十億元利償還費がふえております。で先ほど申しました五百十億のうちで元金と利子とを加えまして市町村と府県とで支払うべき元利金の総計は府県が三百十七億、市町村が百九十三億ということになっております。  それからその次の人口等自然増加に伴う経費の増、これは本年は百十八万人人口がふえて参りますので、それに伴いまするところの物件費を従来通りの計算によりましてふやしております。  それから8の選挙に要する経費の増減額十七億四千万円、これは地方選挙、四月に行われました地方選挙の経費二十一億、これは県で十二億、市町村で八億であります。それから農業委員会の選挙、これは昨年ございまして今年はございませんので、この分は落したわけでございます。  それから次の市町村合併等による経常経費の減二十七億六千二百万円、これは従来の実績を基礎にいたしまして、はじいたわけでございますが、従来の実績によりますると、人口三千人の町村が四ヵ町村合併をいたしました場合に、大体五年間に六百万円ばかり経常経費が落ちております。六百万円落ちまするが、一町村に直しますと二百万円、従来の一町村に直しますると二百万円ぐらい落ちる計算になります。これは一度に落ちるのではなくて五年間に落ちまするので、逐次落ちてゆくという計算をいたしたのであります。最初の年は全然落ちない、翌年に一割落ち、その翌年に三割落ち、三年目には六割落ち、四年目に八割落ちる、まあこういうふうな計算をいたしまして、二十七億六千二百万円を計上いたしたわけであります。  それから次の奄美群島にかかる経費の計画算入による増、これは従来は財政計画外でありましたのを、財政計画の上に載せたわけであります。このうち人件費が六億九千万円、一般行政費が約三億、特別財政需要額は一千万円ばかり見ております。  それから次の普通補助金の増減及び改廃に伴う経費の増減二十億八千五百万円減であります。これは普通補助金が国の予算のうちで落ちております。従ってそれに伴いまして地方負担も落ちてくるわけであります。その関係の減を立てております。大きなものを申しますと、減で大きいのは生活保護の関係で国の補助金及び地方の負担を合せまして十億ばかり落ちております。それから増加したものの大きいのは児童福祉関係で十一億ばかり財政需要がふえております。それから交付税回しと称して財源の振りかえが行われたものがございます。市町村の農業委員会あたりで約十三億ばかりの財源振りかえが行われております。その他のこまかい補助金の整理に伴って負担が変って参っております。こまかいところは説明の資料の中に各省別に載っておりますから、ごらん願いたいと思います。  それから次の節約等に伴う経費の減、まず第一にこれは旅費、物件費及び交際費の節減額八十四億三千万円、これは国が旅費、物件費及び交際費の節減額を一五%立てておりますので、地方団体としてもそれにならって一五%の旅費、物件費、交際費の節減額を立てたわけであります。それから次の寄付金等の抑制による節減額、これは地方財政法を改正いたしまして、寄付金等の抑制をいたしたいと考えておりまするので、それによりまして二十四億九千四百万円の減を立てております。それから第三に、地方行政事務の簡素合理化による節減額、これは自治法の改正によりまして、常任委員会、つまり議会制度の簡素化、非常勤職員の報酬の制度の切りかえ、それから府県より大都市への事務の移譲等によりまして六億一千六百万円の減を立てたわけであります。合せまして節減額の総計は百十五億四千万円に相なります。消費的経費の総計はそこにございますように、六千八百九十四億二千万円に相なるわけであります。  投資的経費でありますが、投資的経費の既定規模は二千九百二十七億一千四百万円であります。三十年度の新規財政需要額は逆に投資的経費では減になって参ります。それは八十一億五千万円の減になります。まず公共事業費の増減でありますが、公共事業費が大きく落ちて参りまして、百三十四億七千七百万円減になります。このうち一般公共と災害とに分けてございますが、一般公共が五十六億六千七百万円落ちます。これは各省別にこまかい計算が資料の中に載っておると思いますが、このうちで大きく落ちまするのは、食糧増産関係が二十八億ばかり減って参ります。これは国の補助金及び地方負担合せてであります。それから公営住宅の関係が公団ができました関係と、昨年よりも公営住宅の戸数が落ちております、また規模が小さくなっておりまする関係で、国の補助金及び地方負担合せまして二十四億ばかり落ちて参ります。その他の公共事業は少しずつ落ちて参りまして、合計財政需要といたしましては五十六億ばかり落ちて参るわけであります。それから災害の七十八億一千万円の減は、災害復旧事業が漸次落ちて参っております。公共災害で国、地方を合せまして百五十三億ばかり落ちて参ります。その他の災害復旧で増加するものもございますが、全体的に落ちて参りまして、七十八億の減になります。  それから次の失業対策事業費の増加額、失業対策事業費は総事業費がふえて参っております。新しく特別失対事業というのができて参りました関係で、財政需要は五十四億九千九百万円増になっております。この総事業費は二百八十九億であります。一般失対が二百三十四億、特別失対五十四億、県と市町村に分けますと、国の補助金が非常に高くなっておりますので、国の補助金が四十八億ばかりふえて参ります。地方負担は七億ばかり増加しております。  それから次の単独事業費の増減の減、これは五十億でありますが、このうち非常に落ちておりますのは、一般——一般というのは、この単独事業費の一般は住宅公団の出資分十六億がございます。それから災害のほうの六十六億七千万円は、単独事業は二十八年度と九年度にやりまして終りましたので大きく落ちてくるわけであります。  それから次の町村合併に伴う新町村建設計画に基く単独事業費の増、これは先ほど経常経費のところで申しましたが、消費的経費の方で申しましたが、市町村合併によって経常費の浮きまする分が大体五カ年間に六百万円ばかりある、一町村二百万円ばかりあると申しましたが、その節減経費を基礎にいたしまして、逆に単独事業を行う場合にどういうふうに単独事業がふえて参るかという計算をいたしたのであります。合併の年は大体単独事業が一割くらいふえるだろう、第二年は二割五分、第三年は二割五分、第四年は二割、第五年は二割、こういうふうにだんだんふえていくという計算をいたしまして、二十五年以後の合併町村につきまして計算いたしますと、四十二億二千七百万円であります。  それから次は奄美群島の復興事業費の六億七千万円増、これは従来入っておりませんでしたのをここに入れたわけであります。奄美群島復興事業費の総額は十九億八千二百万円、そのうち国費は十一億ございます。地方公共団体関係のものが六億七千万円あるわけでございます。その分をここに計上いたしておる。公共団体以外に組合その他の事業費がございますが、その分は落してございます。  その次は単独事業費等の節減額を七十六億四百万円計上いたしております。単独事業の総額は七百三十六億であります。既定規模の中に七百三十六億入っております。そのうちで災害関係と義務教育施設を除いたものが五百二十五億ございます。災害と義務教育の施設を除きますと五百二十五億、この五百二十五億の一割五分を落しますと、約七十六億になるわけであります。そういう計算で七十六億を出しております。投資的経費の計が二千七百六十九億六千万円になります。投資と消費と合せますと、九千六百六十三億八千万円、それに先ほども申しました不交付団体の財政計画外の歳出を加えますと、財政規模は九千七百六十一億四千六百万円に相なるわけであります。  先ほどお話がございました百四十一億をどういうふうに始末したかということもあわせて申し上げます。この消費的経費の第三項の一般職員及び教育職員の昇給に伴う給与費の増の中に九億八千万円ばかり減を立てております。この減を立てました根拠は、先ほどはこの昇給は二・五%を認めて計算をしたということを申し上げましたが、もとになりますところの教員の増加数、教員の数というところに、文部省とわれわれの方との間に開きがございます。文部省は昨年の五月一日の教職員の数を基礎にいたしております。われわれは一番近いところがいいというので、十二月の一日を基礎にいたしまして計算いたしますると、政令府県で約三千人、それからその他の府県で四千人の違いがございます。この四千人の違いをどうするかという問題があったのでありますが、文部省の方では一応五月一日を基礎にいたしておりまして、それを基礎にして本年の児童、生徒に伴う教員の増を計算いたしまして、国庫負担金の予算を組んでおります。従って文部省の通りに直しますると、九億八千万円の減が立つわけであります。これは私どもからいたしますると、今ここで計上するか、三十一年度に三十年度の精算分として歳出、歳入を計上していくかという問題であります。事実十二月一日から年度末までの間にどういう変化があったかということは、これはまあどちらも資料がないのでありまして、結局その分は精算されるわけであります。実額の半額国庫負担でありますから精算されるのでありまして、この計上を繰り延べたと、こういうことになるわけであります。精算分の計上を繰り延べた、文部省の負担金の数に合わして大きくこういう計算をいたしまして落した、こういうことになるわけであります。それからその九億八千万円の内訳は、交付団体分で五億四千万円、不交付団体で四億四千万円であります。  それから節減額、消費的経費の三項の節減等に伴う経費の減の中に入っておりますこのうちで、旅費、物件費、交際費の節減額、これは私どもの計算では府県が一五%、市町村一〇%という計算を従来しておりまして、今度の節減の場合にやったのでありますが、それを府県、市町村あわせて一五%、こういうふうにいたしております。従って旅費、物件費、交際費等の節減額は、前の事務的な計画よりも十五億八千五百万円ふえております。交付団体分が十億三千五百万円、不交付団体分が五億五千万円だけふえております。  それから次の寄付金等の抑制に伴う節減額二十四億九千四百、これはまるきり従来立てておりませんでした。法律の改正を要しますので、法律がきまってから入れるつもりで、従来全然見なかった経費であります。  次の地方行政事務費の簡素合理化に伴う節減額、これも全然従来事務的には見ておりませんでした。  それから投資的経費の中に、失業対策事業費五十四億というのがございます。ここで二十二億二千百万円の減を立てております。これは従来問題がございました資材費の問題でありますが、資材費の超過負担の問題であります。国の資材費の計算は失業者一人当り四十五円という計算であります。私どもの方の従来の計算は四十五円ではできないから八十四円十四銭という計算でこれをやっておるのであります。だんだんまあ資材費を上げてきておるわけであります。われわれと国の予算の基礎になっておりますものとの間に三十九円ばかり差がございます。その差の分を落したわけであります。今年は地方団体も苦しいから資材費は国の計画通りやってもらいたい、こういうふうに考えておるわけであります。  それから次の、最後の単独事業費等の節減額、これを従来入れておりませんでした。単独事業費の節減額、これは全額新しく入れたものであります。それで百三十億くらいになると思います。交付団体分につきまして、それから歳入のほうに十億ばかり不交付団体を減らしまして、交付団体に持って行ったものがございます。それで不交付団体から交付団体の方に十億ふやしております。総額は変りありません。これでもって百四十億の始末をしたわけであります。  次に歳入を申し上げます。歳入はまず地方税でありますが、この三十年度見込額は、三行目の欄でありますが、三十年度の地方税の総額は三千五百八十二億七千四百万円に相なります。地方税は五十億ばかり自然増収がございます。  税で変っておりますのは、あと三枚ばかりめくっていただくと、一番最後に表がございますが、地方税の収入見込額と書いてあります。大きく変ったものだけを申し上げますと、一番右の欄、比較増減であります。府県で申しますと、府県民税が四十七億四千九百万円増加いたします。これは法人関係で大部分ふえて参ります。それから事業税では基礎控除の引き上げその他によりまして、個人事業税が四十億ばかり減りまして、法人が二十七億ふえて、差し引き十二億のマイナスになります。基礎控除の引き上げは約三千億くらいだったと思います。  それからたばこ消費税が、これは府県と市町村とございますが、府県と市町村と合せて三十億ばかりふえて参ります。府県で十億、市町村で二十億ふえて参ります。それから自動車税が十二億ふえて参ります。それから府県では法定外普通税旧法税収入が四十四億四千四百万円落ちて参ります。これは主として旧法の税収入がだんだんなくなって参ったわけであります。つまり現在の地方税法の前の調定分の旧法税収入が落ちて参った、だんだんなくなって参りますので、四十四億四千四百万円落ちております。  新しく府県に、大規模償却資産のある部分の固定資産税が府県に移って参りますので、その分十五億一千百万円、府県の普通税で、合せまして三十一億九千六百万円の増加になります。  それから次の市町村の普通税では、市町村民税が六十億九千百万円減になります。これは所得割、法人税制がそれぞれ落ちて参りまして、大きく町村税は落ちて参ります。それから固定資産税では四十五億五千八百万円の増加になります。土地で五十一億、家屋で十一億の増、償却資産は十七億減になります。これは府県に移って参ります関係であります。それからたばこ消費税で、二十一億六千九百万円の増加になります。あとこまかいものでありまして、市町村の普通税は十八億八千七百万円の増加になります。で、普通税で合せまして、府県と、市町村とで五十億八千三百万円、一番下から二行目の一番右のところが普通税の計であります。五十億八千三百万円増加いたしました。  それから譲与税関係もついでに申し上げますと、府県の譲与税が二十八億六千八百万円減になります。これは揮発油税の関係、入場譲与税の関係で二十億と、それから昨年の揮発油譲与税と本年の地方道路譲与税との差額分が減になりますので、その関係であります。  それから市町村のほうの譲与税でありますが、これは大体五大市だけであります。市町村の譲与税は五大市だけが関係があります。昨年よりも二億一千四百万円の増になります。これは揮発油譲与税と地方道路譲与税の差額分であります。譲与税まであわせて参りますと、税関係では二十四億二千九百万円の増加があるわけであります。もとに返って申し上げますが、従って先ほど申し上げましたように、地方税及び譲与税とをあわせて二十四億の増しか自然増収がございません。  それから交付税でありますが、交付税は二二%という率になっております。国税の三税の総額は六千三百十二億六千万円であります。この二二%になりますると、千三百八十八億ということになります。そのほかたばこ専売特別地方配付金という名で三十億ございますので、これは交付税と一緒に配るわけでありますが、交付税として配りますものの総額は千四百十八億七千七百万円ということになるわけであります。法人税、所得税、酒税が案外昨年から伸びておりませんので、ほとんど課税標準は変っておりません。従って自然増収というのがあまりないわけであります。  次の国庫支出金は二千七百九億六千六百万円でありまして、昨年よりも十二億千八百万円減であります。増減になりますものを、そこに増減になりますものだけを書いてございますが、義務教育関係で三十七億増加しております。これはまあ生徒数の増に伴う教員の給与費の増であります。その他の普通補助金では十五億二千六百万円減になります。公共事業費では八十七億七千百万円の減になります。失対関係では四十八億七千万円の増加になります。奄美大島の補助金が五億ばかりでございます。合せまして十二億一千八百万円の減になります。  それから地方債でありますが、地方債の総額は後にも表に載っております。ついでに申し上げますが、二枚めくっていただきますと、地方債の総額がございます。本年度の地方債の総額は千百二十四億であります。このほかに百五十億円の範囲内において従来短期でころがしておりますところのものの長期の振りかえの分がワクの外にございます。昨年は当初は千九十四億であります。本年は千百二十四億であります。最後が千百四十一億であります。当初は千九十四億。で、普通会計分と公営企業会計分とございますので、普通会計分だけが財政計画に関係がございまして、公営企業会計分は財政計画には関係ございません。普通会計分の地方財政計画と公営企業会計分と分けてございます。つまり一般会計分だけが関係があるということです。一般会計分のうちで一般補助事業の分が三百七十七億、これは国の補助金に伴うところの地方の負担分の六百三十億の約六〇%に相なります。これは昨年四百三十一億でありました。それから次の過年度補助災害復旧事業は昨年度同様の計算をいたしますと、七十二億になります。大体地方負担額の八〇%くらいになります。それから単独災害復旧事業四十七億、これは昨年は単独災害が相当ありましたので、九十億当初見込んでおります。これは火災とそれから純粋の過年度の単独事業と二つございます。火災は実績を基礎にいたしております。昨年の実績は、過年度のものは本年度施行量の大体六割をやるということにいたしております。  それから義務教育関係に百九億、これは昨年百二十四億でありましたが、六三制と単独事業と二つございます。これも六三制は補助金に見合う負担、八割の増強を見込んでおります。それから単独事業費は老朽校舎の二十五万坪の改修予定の計画と、生徒増に伴うものと合せまして八十三億を計上いたしております。  それから一般単独事業は昨年は百十億でありましたが、本年は百億であります。  次に六項の現年度災害予備費、現年災害は予定がつきませんので三十五億ばかり予定しております。これは国の方の予算では災害予備費は五十億を含んでおりますので、その大体七割、三十五億を予定しております。それからそのほかに三十億分だけ、一般会計に関係ございます退職金の分の三十億をこの中に含んでおります。退職金の方は下のほうに三十億ございまして、合せて六十億円でございます。地方財政計画計上分七百七十億、つまり一般会計に関係のある分は七百七十億でございまして、そのうち政府資金六百二十五億、公募が百四十五億になります。  それから公営企業会計分は、電気事業百二十億、上水道事業百十億、病院事業十五億、交通事業二十一億、その他八億、計二百七十四億であります。昨年は当初は二百四十億でありました。公営企業会計分も少しふやしております。これは電気事業及び水道事業で本年度の事業の実施量が非常に多くなっております関係でふやしたわけであります。公募債が八十五億、政府資金が百八十九億であります。その他と書いてありますのは再建整備関係のものでありまして、内訳を申しますと、純粋に再建整備の関係のものが五十億、それから退職金の分が三十億入っております。全部で八十億でございます。合計いたしますと千百二十四億、うち政府資金が八百九十四億、公募が二百三十億ということになります。昨年度の公募債の総額が二百億であります。  それからもとにかえりまして、最後に歳入でありますが、雑収入は六億一千六百万円の減を出しております。これは使用料、手数料では六億ばかりふえて参ります。ふえますのは、高等学校の授業料が四億ばかりふえて参ります。そのほか度量衡の検定の手数料が地方に移って参りましたので、その分がふえる。また人口増によりまして、ある程度ふえる。そのほかの使用料なんかも上っておりますが、六億ばかりの増を出したわけであります。それから雑人の方で十二億の減を出しておりますのは、競輪、競馬の開催期日が土曜、日曜制にこの六月からなります。五月、六月ごろからそういう態勢になって参りますので、それに伴って、雑人の減を立てたわけです。競輪、競馬で大体十七億ばかり減って参るという計算をいたしたのであります。そういたしますと、歳入の合計は九千七百六十一億四千六百万円に相なるわけであります。  次の第二表は、消費的経費と、投資的経費の区分をいたしまして、さらに交付団体と不交付団体と区分をいたしまして、補助金と地方負担金の財源関係を明確にいたしました資料でございます。参考資料としてつけたわけであります。  以上大臣の御説明を補足いたした次第であります。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小笠原二三男君) これから質疑に入るわけでございまするが、時刻も時刻ですから、ここで一たん休憩して、午後に回したいと存じますが、いかがでございますか。——御異議がないようですから、午後一時から再開することとして、それまで休憩いたします。    午後零時二分休憩    ————・————    午後一時三十三分開会

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小笠原二三男君) ではただいまより午前に引き続いて委員会を開きます。  では、財政計画の説明について質疑を願います。

中田吉雄日本社会党(第四控室・左)

○中田吉雄君 地方財政計画は、国家予算と一体の関係で中央、地方のなんで、総合的な関係から検討することが適切だと思いますが、そういう点で衆議院におきましては、予算審議をすでに一カ月近くやって、ようやく今ごろ財政計画がだいぶ難航したようですが、出たわけですが、特に数回修正されているのですが、後藤財政部長からは、百四十億の埋め方についての説明があったのですが、当初一兆八百億ぐらいということで、一兆四百億とだんだん落ちてこうなっているのですが、その関連で特にここまで遷延したことについて、いろいろ経緯があると思うのです。特に最初は百四十億……。

後藤博自治庁財政部長

○政府委員(後藤博君) 従来の計画をこの際本年から改めまして、既定財政規模の不足分を是正しようという考え方を昨年の秋から持っておりましたので、そういう数字を入れて出したものが一兆八百億になったわけであります。この計画を基礎にいたしましても、既定財政規模の是正を入れますと、消費的な経費で約四百七十億、それから投資的な経費で約二十三億、合せまして四百九十億ぐらいの是正を要するという考え方を今でも私ども持っております。しかしまあそれを既定の規模の九千七百三億に加えて参りますと、それだけで一兆二百億になります。その上に新しい財政需要を積み込んで参りますと、相当な規模になるわけでありますが、政府の方針で、従来の規模是正は将来の問題、こういうことになりましたから、それを落したわけであります。で、その間たびたび多少変った、不足財源の変った数字が百五十三億とか百五十九億とか、まあ百六十億になったことはないのでありますが、いろいろ新聞に出たことがあるかと思いますが、それは補助金の負担分がはっきりしなかったのが一つと、もう一つは、直轄と補助事業との区分がはっきりしませんでした。一番最後になって、農林省関係の直轄事業が十億ばかりふえたものがわかったものですから、その関係で十億ばかり落しまして、これは公募公債の方に回ったわけであります。そういう関係で最後を締めたわけであります。締めた結果百四十億足りない、こういう計算が出たのでありまして、主としてまあ既定規模以外の問題といたしますれば、補助事業の問題、これがまあ非常に変っております。それから消費的経費の方で、前の計画と変っておりますものは、教員増加をどのくらいに見積るかという問題でありまして、当初の計画はたしか二万人ふえるという計画になっておりました。これは簡単な計算でもって二万人、こういうことになっておりましたのでありますけれども、その関係で数字が変っておりますが、それ以外はあまり変っていないのであります。

中田吉雄日本社会党(第四控室・左)

○中田吉雄君 川島長官にお伺いしますが、地方自治担当所管大臣とされて、これまで赤字を整理するという問題とともに、本年度赤字が起きないようなやはり財政計画が立てられるということが必要だと思うのですが、この計画で昭和三十年度をやりましても赤字は出ぬようにこれでやれるのですか、そういうことに対する自信のほどをお伺いしたいと思います。

川島正次郎日本民主党行政管理庁長官・自治庁長官

○国務大臣(川島正次郎君) 午前中に御説明申し上げました地方財政計画は、二十九年度の財政規模を基礎としまして、それに補助事業その他いろいろ勘案して、まあ当然減少し得るものと、また当然増加するものとを計算して歳入を出したのです。一方歳出面におきましても、交付税、国庫支出金、地方税その他いろいろ計算しました、その結果が大体百四十億近く不足になるということに計算が出ましたので、この百四十億は地方の単独事業費の節約と、それから地方の機構改革、事務簡素化等によって生み出す節約と、それに公共事業など重点的に施行することによって処置をいたしたい、こういう意味で一応案を立てたのであります。百四十億が赤字のままというのでありませんで、各県の状況にもよりますので、これは一応今申し上げた範囲内におきまして、府県それぞれ赤字を処置してもらう、こういうことでありましたが、一応これは財政計画の性質からいいましても、地方で財政計画を立てたり財政運用をする一つのこれは基準になりますからして、百四十億はそれぞれ国の考え方を入れた財政計画書を作ることが適当だということになりまして、ただいま申し上げたこの財政計画書ができたのでありますが、私はこれで三十年度に赤字が出ないとは考えておりませんし、また現実がそうでありまして、この三十年、二十九年度もそうでありまするが、地方財政計画に基く地方財政規模と現実の財政規模とはこれは違っておるのでありまして、これは昭和二十六年度以来主として給与費において差ができておるわけでありまして、この給与費の差額をどうして解決するかということが、地方財政を健全化する上において大きな問題でありまして、この点は今後給与実態もわかるし、その他地方の行政機構の改革、事務の簡素化その他によって生み出す金など計算した上でいずれ処理しなければならぬ、こう考えておるわけでありまして、今日の段階におきましては、この財政計画の範囲内で赤字の出ないようにまかなってもらいたいと、こう考えておるわけであります。

中田吉雄日本社会党(第四控室・左)

○中田吉雄君 そうすると財政計画というものは一応つじつまを合せて出したので、実際はこれと大きく離れるだろうということなんですか、結論は。

川島正次郎日本民主党行政管理庁長官・自治庁長官

○国務大臣(川島正次郎君) 結論といたしましては、二十五年度以来、地方財政計画による財政規模と、現実の財政規模とは違ってきまして、それがたまりたまって二十八年度の決算時において四百二十億赤字が出たわけでありますから、これはやはり地方において緊縮してもらいますけれども、こういう数字が出るということは、これは否定できない事実です。これは別に考えて解決したいと、こう考えております。

中田吉雄日本社会党(第四控室・左)

○中田吉雄君 いろいろ長官申されたのですが、現実の財政の動きはこの計画とは違う。この地方財政計画と決算との差が年を追うてひどくなってきているのです。たとえば昭和二十六年は、地方財政計画は六千七十億であったものが、決算期におきましては六千六百八十七億で六百十七億も開きができてきている。昭和二十七年は財政計画は七千四百三億ですが、歳出の決算は八千四百二十億で一千十七億の開きになっております。昭和二十八年は財政計画が九千百四十九億で決算額が一兆六百九十七億、一千五百四十八億の開きができてきている。これは昭和二十五年以来、長官の言われたように、計画と実際とは開いておるし、その開きが年とともにひどくなって、昭和二十八年度は、さきに言われたように、四百二十億の赤であり、昭和二十九年の五月の出納閉鎖の決算の推定では百五、六十億になるでしょうし、これはだんだんふえてきて、財政計画の信憑性といいますか、だんだん失われてきておるのですが、後藤財政部長にお伺いしますが、二十九年の大体の推定ですね、赤字の、それから考えてこの累年の開きで私はもっとひどく開いてくるのじゃないかと思うのですが、そういう見通しはどうです。

後藤博自治庁財政部長

○政府委員(後藤博君) 今おっしゃいました数字は、私ども承知いたしております。二十九年度の数字は、またさらに実際の決算との開きが多くなっておりはしないかと思いますが、今までのような殖え方は、私はしていないのではないか、こういうふうに考えております。財政規模はそうむやみにふえないで、非常に圧縮しておるところが多いと思いますから、ただこの決算の問題でありますが、決算の中に特別会計の公営企業分——特別会計の分は除いておりますけれども、公営企業分がある程度入っている。はっきり公営企業とは言えない、たとえば市場だとか病院だとかいうようなものが入っております。財政計画上見ていないものが入っております。一応除いたことになっておりますけれども、こまかくはやはり除いておりません。それから特別会計との間の繰り出し金だとか何とかいうものも多少あるかと思います。従ってわれわれの財政計画と合わした数字としての決算というのはそれより大分落ちたものでなければならぬと思います。これはそういう意味で二十八年の決算を洗いますときに、そういう観点から洗ってみまして、純粋に財政計画に対応するものだけで不足分を出しましたのが、先ほど申しました五百億という数字が出てきたわけであります。この分が二十八年度におけるほんとうの足りない分、それ以外のものは、今申しましたような特別会計分に関連するような財政計画外のものがやはりあるわけであります。

中田吉雄日本社会党(第四控室・左)

○中田吉雄君 それでは、そういう財政計画に対応するものを年次別に出していただきたい。

後藤博自治庁財政部長

○政府委員(後藤博君) これは二十八年度の決算を洗いましたので、二十八年度分は出ると思います。ところが二十七年度とか六年度になりますと、こまかく決算を洗っておりませんから、やはり推計の格好になるので……、二十八年度分は私はわかると思っております。二十八年度分でよろしゅうございましょうか。

中田吉雄日本社会党(第四控室・左)

○中田吉雄君 ずっと年次別に……。

後藤博自治庁財政部長

○政府委員(後藤博君) 年次別と申しますと、もう一ぺん決算を洗い直さなければなりませんので、二、三カ月かかるわけですが……。推定であれば出ると思います。二十五年の決算はわかっております。それから六年、七年は、去年やりましたような決算の方式、分析の方式をとっておりませんので、その分は、二十五年と八年との間をやはり推定すると、こういう格好になるかと思いますけれども、できればやってみたいと思います。

中田吉雄日本社会党(第四控室・左)

○中田吉雄君 この財政計画に対応するような仕方でも、五百億と言われているんですが、それにしては、いろいろあとで御質問もいたしますが、この財政計画はです、当初からどうにも処置がないというような、ほんの衆議院の予算審議に間に合せる、新たなる赤字ができないというようなふうになっておるように思うんですが、これはどうなんですか。何かもう現行制度のワク内ではどうにもならぬから、衆議院の本会議での答弁でも、三十年度ではどうしようもないから、三十一年を含めてのような発言もあったようで、根本的な改正等とからんで、まあ一応つじつまを合していくと、こういう考えなんですか、その辺どうですか。

川島正次郎日本民主党行政管理庁長官・自治庁長官

○国務大臣(川島正次郎君) 何といたしましても地方財政はあまりきずが深すぎまして、これには根本的に機構の改革なんかをする必要がありますので、三十年度でもって全部赤字を消すということは不可能でありまして、私どもの考えとしましては、三十年度、三十一年度にわたりまして、両年度で根本的に機構の改革その他の施策をしまして、地方財政の健全化をはかりたいと、こういう考えでやっておるわけであります。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 ちょっと今のに関連して。三十年度だけではできないから、三十一年度を通じて機構の改革を考えるというお話なんですが、しかしこの今までの地方の赤字のふえ方から今後のことを想像しますと、とてもこれは何とか赤字がふえることを食いとめることすら、これは今年の財政計画では不可能だと思う。おそらくますます赤字がふえていくだろうと思う。で、そういう激しい勢いでふえていく赤字を食いとめ、しかも一方地方自治を伸ばして行くという建前をもこれは無視するわけにいかない。そうなりますと、思い切った機構改革をやられるとおっしゃるのですが、その思い切った機構改革の構想というものは大体どういうことをお考えになっておりますか。

川島正次郎日本民主党行政管理庁長官・自治庁長官

○国務大臣(川島正次郎君) 地方自治体の機構改革は、一つは、道府県庁の内部の改革であります。一つは、行政委員会制度の改革、一つは、議会の改革、この三つからいろいろ考えておりまして、ただいま各省間で折衝中なんで提案がおくれていますけれども、できる範囲内において、なるべく広い改革をしまして、議会の御審議を願うと、こう考えているわけであります。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 今おっしゃられる程度のことでしたら、これはせんだって新聞で発表されました自治法改正の政府原案ですね、あの程度のことを含んでいるわけですか。

川島正次郎日本民主党行政管理庁長官・自治庁長官

○国務大臣(川島正次郎君) たとえば議会の関係でありますが、議会の方の常任委員会制度を廃止したいと考えているんです。常任委員会制度を全廃するのでなくて、今縦割りし、水産委員会、土木委員会、農林委員会となっておるのを、それを横にしまして、歳出委員会、歳入委員会、請願委員会、法規委員会というようなやり方にしようと思っているわけですが、常任委員会を減らして、縦割りを廃止しただけでもってどのくらい費用が浮くかというと、それは根本的に地方財政の改革の費用はそれ自体では浮かないのですけれども、私どもが期待している副作用としては、たとえば土木委員会がありまして、その土木委員会というものが、県庁内の土木部なり、民間の業者なり、あるいは一般地方の要望なりに応じて活動して土木費がふえていく。農林委員会、水産委員会みなそういうことになりまして、ちょうど国会の常任委員会が一時批判されて、何か常任委員会が官庁の出先じゃないかと言われた時代があったのですが、府県、市町村においてもやはりそういう時代がありまして、これが予算が膨張する一つの原因にもなっているのですからして、常任委員会を減らすというようなことは、それ自体の費用もさることながら、そうした地方財政の膨張を食いとめる一つの方策になるのじゃないかというようなことを、いろいろ今考えておるわけでありまして、あの手この手でもってやりませんと、なかなか地方財政を救済することができないわけです。そんなことをいろいろ考えております。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 そういう地方議会の常任委員会を廃止するとか、整理するというようなことも、もちろん考えられるのですけれども、しかしそのよしあしは別として、これをやるとしても、これをやった程度でどの程度の金が浮いてくるかということになると、これは大した金は浮いてこぬのじゃないかと思うのです。やはり今まで赤字がこうやってふえてきた原因をいろいろ考えてみますと、これは政府から出された地方財政白書にもはっきり書いてあるし、また今まで自治庁当局のいつもおっしゃっていたことなんだけれども、今の地方財政計画というものの基礎が、これはもうすでに一昔前の昭和二十五年の決算を基礎にして、十年一日のごとくやっておる。そこに非常に実際の地方財政規模というものと、それから政府が机の上でお立てになる財政計画というものがあまりにも食い違うという一番大きい原因があるのであります。特に給与費なんかの点については、これはあまりにも食い違いがひど過ぎると思う。たとえば二十八年度の決算の中で、人件費について、財政計画と決算との間にどのくらいの食い違いがあるかというと、人件費だけで四百四十二億の食い違いがある。こういうことを毎年繰り返しておったら、これは赤字は私は絶対にふえこそすれ、押えられもしなければ、今までよりも減ることはないと思う。この点については、財政白書にも政府自身が書いておられるように、地方の人件費の実態をすみやかに調査して、そうしてあまり実態とかけ離れた財政計画を机の上で立ててゆくというようなことをやめたいということをちゃんと書いてある。一体この実態調査なり、またその調査に基いての計画の是正ということをいっておやりになるのですか。これは昨年の財政計画のときにも非常に問題になったし、一昨年の財政計画のときにもこれは論議したことがある。それで依然として毎年々々次から次へ、先へ先へと見送っているのです。その点いかがですか。

川島正次郎日本民主党行政管理庁長官・自治庁長官

○国務大臣(川島正次郎君) 実態調査はあまり遠くない時期に完成することになっておりまして、それができますれば給与の面については十分考えまして、国の分担すべきものと、地方において支出すべきものとはっきりさせまして、国の分担すべき分については、国として財政的措置をする必要がある、こう考えているわけであります。実態調査はそう遠くないうちにできることになっております。

後藤博自治庁財政部長

○政府委員(後藤博君) かねがね国会で問題になっておりました国家公務員自体の実態調査がやはり必要であるという考え方がありましたので、政府は前にいろいろ相談しておりまして、やっと今年の一月に警察を除く全公務員、地方公務員、国家公務員両方の実態調査を全国的にやったわけであります。その結果を今統計局でまとめております。その統計局の方のまとまりますのが秋、十月頃になるのじゃないか、こういうふうに私どもは考えております。その場合に、相前後してやはり公務員制度調査会の答申も出てくることになっております。従ってその公務員制度調査会の給与に関する答申等も参酌して、給与の実態と計画との差額の措置を、やはり国、地方銘々講ずることに相なる、そのときまでこの人件費の差額の問題はお預けしよう、こういうことにこの財政計画ではなっているわけであります。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 そういたしますと、今度の財政計画は、全然地方の人件費の実態というものには目をつぶって、そうして今まで通りのやり方で機械的に計算をしている、こういうことですか。

後藤博自治庁財政部長

○政府委員(後藤博君) そういうことになっております。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 そういたしますと、もう地方財政の中で一番金額からいっても大きな比重を占めているこの問題が、そもそも初めからこういうように非常に実態と食い違っているということになりますと、これはほんとうにさっきの話じゃないけれども、地方財政計画なんかというものに一体意味があるのかということに戻ってくるのです。この点いかがですか。

川島正次郎日本民主党行政管理庁長官・自治庁長官

○国務大臣(川島正次郎君) 給与の実態調査ができますれば、そのときに、先ほど申し上げたように、国で負担すべきものは負担し、地方において負担すべきものは地方において犠牲を払わなければならないし、そのときはすっきりした地方財政計画に基く財政規模と現実の財政規模を合せるようにいたしたいと考えまして、そういったことを思っておるわけでありまして、それが、これは私たちの考えでありまして、まだ大蔵大臣とも相談しておりませんし、内閣の議を経ておりませんけれども、必要ならばこれは補正予算で御審議願うことになるか、あるいは来年度の予算で御審議を願うことになるかしりませんけれども、これはとにかく二、三年来このままで来たのでありまして、もうこれ以上、毎年これは放置できない問題でありますから、少くとも本年のうちに解決する方向だけはぜひきめたい、こう考えております。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 その点については、まだ大蔵大臣とも話し合いができていないというお話なんですけれども、大体こういう問題は、先般来地方財政計画が一日々々とおくれておったのですが、いろいろその間大蔵大臣と話し合いになったと思うのです、財政計画の問題について。これは徹底的にお話し合いになったとすれば、これは一番こういう問題が話の中に出ておるはずだと思うのです。

川島正次郎日本民主党行政管理庁長官・自治庁長官

○国務大臣(川島正次郎君) その話は大蔵大臣と私とはしばしばやっておりまして、私が申し上げたのは補正予算で措置するか三十一年度で措置するかということは話がついてはいないということを申し上げたのでありまして、とにかくこの問題は毎年同じようなことを繰り返すことができないのだからして、給与の実態調査ができたならば早急にこれは解決しよう、こういう話ははっきり大蔵大臣との間にしてあります。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 じゃその結論が出たときに、補正予算を組むというはっきりした取りきめはできていないけれども、しかし出れば必ず早急にそれに従って新しい計画のやり直しをやらなければならぬ、それについては大蔵大臣も必ず協力をするという話し合いははっきりできているのですか。

川島正次郎日本民主党行政管理庁長官・自治庁長官

○国務大臣(川島正次郎君) その通りであります。はっきり話ができております。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 まあその通りだといたしましても、これは実際従来の例から考えましても相当これはむずかしい問題じゃないかと思うのです。そうこうしてだんだんと時を過ごしておるうちに、今度は別の面から今伝えられておるような道州制というような問題が出てきて、そうしてそれとこんがらがってしまっても、もうめんどうくさいことをやらずに一気呵成に道州制へ逃げ込んでしまうのじゃないかというようなことになる私は危険性が非常に大きいのじゃないかと思うのです。現に五月十七日の新聞には、府県制をやめてそうして道州制を採用するという記事が大々的に載っているのです。この記事を読みますと、この道州制という問題については、自治庁の方で草案を作られて、そうしてそれを作るに当っては、中央各官庁の意見を十分尊重するとともに、閣議にも報告し了解を得ているので、実質的には政府案そのものということができるというような、もう非常に断定的な報道がなされておるのですが、そういう事実がございますか。

川島正次郎日本民主党行政管理庁長官・自治庁長官

○国務大臣(川島正次郎君) 今日地方財政の膨張した一つの原因は、府県、市町村ともに完全自治体であって、自治体が二重になっているところにあるのでありますからして、道州制なり府県の統合なりして、府県の性格を変えたらよかろうという議論は各方面には出ておりまするし、また地方制度調査会からもそういう意見が参っておりまするし、道州制の問題、府県の廃合等は、ただいま進行中の市町村の合併等の完全に施行された上でなければ考え得られない問題でありまして、私といたしましては、直ちに道州制問題を取り上げて、これを実行に移すということは現在のところ考えておりませんし、またそういうことを閣議で報告したこともなければ、閣議の了解を得たこともありません。ただそういうことが必要だという議論は、地方制度調査会から私の方へ出ております。これは何としても問題が重大でありまして、これは直ちに解決するという段階には至っておらぬわけであります。そういうふうに御了解願いたいと思います。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 では、今私が読み上げました新聞記事はこれは全然誤報……。

川島正次郎日本民主党行政管理庁長官・自治庁長官

○国務大臣(川島正次郎君) 私はどういうふうに新聞に出ておったかしりませんけれども、閣議でそういうことが議論になったことはまだないのですし、私が閣議に報告したこともありません。

後藤博自治庁財政部長

○政府委員(後藤博君) 私は地方制度調査会の幹事でありますので、幹事の立場から申し上げたいと存じます。これは地方制度調査会に小委員会がありまして、学識経験者を中心として何回も地方制度の改革の問題、特に府県制度をどうするかという問題については議論をされたのであります。何回もフリー・トーキングをされました結果、大体まあ一つは、府県合併論、一つは、道州制論と申しますか、二つの意見があります。その二つの意見を何とか事務当局、つまり幹事の間で調整をしてもらいたい、こういう調整をして一つにして出して、それを中心にしてまた論議をしよう、こういうことになりましたので、われわれ幹事が集まりまして、その調整をした、皆さんの御意見の最大公約数をとったものを盛って出したものが、おそらく新聞に出たものではないかと思っております。従ってこれは自治庁としての意見ではございませんで、幹事として調整側の意見を取りまとめたものと私どもは考えております。それを中心にして今は、現在小委員会でもまだ議論をされておりまするのでどういう方向にこれから参りますか、その案自体について、ずいぶん議論がまだあるようであります。そういう経過になっておりますので、御承知を願いたいと思います。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 自治庁としてでなしに、幹事として、いわば小委員会の事務局という立場で出されたということなんですけれども、しかしそれであったにしても、やはり自治庁の、その幹事に当っておられる自治庁の方々のお考え方というものは、別に幹事の場合も自治庁の役人として働かれる場合も変りはないわけです。やはり自治庁としては、何ですか、今すぐこれをやるとかやらぬとかいうことを考えていないにしても、今後の大体の方向としては、府県制を廃して道州制に切りかえて、そうして知事を官選に持っていくということを考えておられるのじゃないですか。

後藤博自治庁財政部長

○政府委員(後藤博君) 道州制ということに私はなっていないと思います。今の私どもの考え方は。つまりそのときの意見は、道州制論もございますが、道州制に対するいろいろ反対意見もありましたので、たしか府県合併という方向で三県ぐらいを合併していくような格好のたしか案に私どもはなったものを出しておると思っております。それをまあ道州というか、府県合併というか、これは議論があるところでありますけれども、たしか道州という考え方はとっていないのじゃないかと私どもは考えております。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 この新聞記事にはこれははっきり書いてあるのです。

後藤博自治庁財政部長

○政府委員(後藤博君) 内容もございますか。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 ここに「要旨次の通り」として、一、道州制を採用する。これは全国九ブロックに分けてやる。それから二として、知事は官選とする。三、道州に議会を設ける。ただしこの議会は議決権その他について重大な制限を受ける。その他いろいろ書いてある。

後藤博自治庁財政部長

○政府委員(後藤博君) 今おっしゃいましたのは、中で直接一つの意見としてはありましたけれども、自治庁の幹事会でまとめたものの意見ではございません。それよりもっと九ブロックでなくて、幾つになりますか、大体三分の一くらいに府県がなるという案であったと思っております。そういう意見も中であったことは私ども聞いております。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 まあおっしゃる通りとして了解しておきますが、それでは現在の長官のお考えとしては、まあ長官というか、政府の方針としては、そういうことはそのときになってあらためていいか悪いか検討すべきことであって、今はとにかく現在の府県制というワク内において、地方財政の問題とあくまで徹底的に取り組んでいくと、こういうはっきりした御方針なんですか。

川島正次郎日本民主党行政管理庁長官・自治庁長官

○国務大臣(川島正次郎君) 秋山さんのおっしゃる通りでありまして、これをすぐ取り上げまして実行に移すという考えはございません。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 すぐ取り上げて実行に移すと言わぬでも、まだ結論が出ないのですから、それはすぐとはいかぬでしょうが、たださっきいろいろ議論があったような、いろいろな地方財政の実態とあまりはなはだしい食い違いがある。あるいは赤字の解消の問題だとか、こういう当面の問題はあくまでこれはその問題として、今まで通り真剣に取り組んでいかれるという御方針なのか。それとも適当にお茶を濁しておって、そうしてこの問題に、道州制に逃げ込むというようなことでは困るのであります。

川島正次郎日本民主党行政管理庁長官・自治庁長官

○国務大臣(川島正次郎君) 赤字の解消の問題と道州制とこんがらがしてものを解決しようとは考えておりません。赤字は赤字の問題として取り上げて解決しようと思っております。

小林武治緑風会

○小林武治君 先ほどからお話しが出たのでありまするが、地方財政計画というようなものは私は大して意味がないと思う。ことに今までおそらく何年も財政計画を出しましたが、初めから赤字を見込んだ財政計画を出したことがない。ところが、ことしはとにかく我々ほとんど公式的に百四十億の不足のある財政計画を発表されたと、こう断定していいと思うのですが、これは私は自治庁としましては、ふてくされた考えである、こういうふうに言わざるを得ない。あるいは大蔵省に対する一つのレジスタンスというか、こういうふうに考えるのでありますが、こういう百四十億も足りないということは、大臣が承知して発表されたものであるかどうか、この点の一つ御説明を願いたいと思います。

川島正次郎日本民主党行政管理庁長官・自治庁長官

○国務大臣(川島正次郎君) 先ほどお話し申し上げました通り、二十九年度の財政計画をもとにしまして、三十年度で想定し得る減少額を計算して、歳出の額を集計しまして、一方歳入の方も交付金、国庫支出金、並びに地方税、雑収入その他を計算して、両方対照しますと約百四十億の不足になるのでありまして、私はこれを赤字とは考えておらぬのでありまして、この百四十億というものは、府県の単独事業の節減なり、あるいは機構改革、事務簡素化なり、もしくは公共事業の重点的施策によってこれを埋めていきたいと、こう初めから考えているのでありまして、ただそれをどの項目で幾らということはこれを限定しないで、それは一応府県の自治にまかせようじゃないかというのが、初め私どもが考えた案でありまして、ところがいろいろ研究しました結果、やはり百四十億というものは、一体単独事業でどれだけ減らすのだ、府県の旅費、物件費、交際費の節約で幾ら減らすのだということをはっきりさせた方が、地方で財政計画なり、また財政を運用するときの基準を示す方がよかろうという考えのもとにこれをワク内に入れたのでありまして、初めから作った書類を見ましても、百四十億が赤字という意味のことは一向明示しておりませんし、考えてもいないのでありまして、それを地方団体の任意によってそれを解決するか、あるいは一応ワクの中に入れて方針を示すかというその相違でありまして、決して私どもがふてくされるとか、大蔵省に対する示威運動的にやったという意味ではないのであります。

小林武治緑風会

○小林武治君 これは大臣はそういうことをおっしゃっても、新聞には初めから赤字と、こう出ておりますし、また地方団体も、われわれもこれは赤字、すなわち歳入と歳出のバランスのとれていないのはどう見たって赤字であって、どういう言葉を使ってみても赤字なんです。それを出されておって、私は、じゃ、どういう経過でもって一応これをしかるべきところに、閣議に出すことになったのか。どういう事情でもってこれは閣議で問題になって、そうしてまた百四十億をなくすることの作業を自治庁に指示したのか、それはどういう経過になっておりますか。

川島正次郎日本民主党行政管理庁長官・自治庁長官

○国務大臣(川島正次郎君) 新聞には百四十億赤字と書いてありましたけれども、先ほど申し上げました通り、これは地方の自粛によってこれを消化してもらおう、こういう考えで初めから財政計画を作ったのでありまして、私どもは初めから百四十億赤字になると、こう考えて作ったのではないのでありまして、こういう経過を閣議へ一応報告をしまして、いろいろ相談をしてもらったのですが、大体先ほどお話ししたように、それを地方が勝手にするよりも、どの項目で幾ら減らすということをはっきりさした方が、地方が財政を運用をする上にいいのではないか。もともと地方財政計画というものが、地方財政運営の一つの基準を示す指標でありますから、これをはっきり項目に分けた方がよかろう、こういう意見もありまして、その意見を取り入れまして、けさ御説明申し上げました地方財政計画ができたのでありまして、私は百四十億は赤字でもってすぐに地方が困ると実は考えておらないのであります。

小林武治緑風会

○小林武治君 それは大臣はそういうおつもりであったかもしれませんが、世間で受ける印象は、百四十億の赤字を出す、しかもそれでは体裁が悪いから、また自治庁に無理を言ってこれを訂正さした、要するに今度の財政計画というものはしんこ細工だ。どうでっち上げても赤字だ、こういう印象を与えておりますが、財政計画というものはさらでだに地方では重視しておらない。ところが今年のごとく初めから百四十億も赤字だと言っておきながら、これを自治庁でもっていじり直してから百四十億とるということであれば、財政計画に対する信用というものはますます下落する。私はことしのやり方は非常に悪い影響を及ぼした、こういうふうに考えておりますが、すなわち地方としましては、赤字を出さないように努力しようと思っても、自治庁が初めから赤字のあるような財政計画を作っておるのであると、地方に対しそういう口実を与えたとさえ私は考えております。大臣のお考えはそうであったかもしれませんが、こういう印象というものはぬぐえない。従って私は財政計画というものは大して意味がないというような判断を下さざるを得ない。自治庁の人間が鉛筆をなめれば百四十億はどこかへ行ってしまうということは、まことに机上の計画にすぎない。一つも実態に沿っておらない。こういうことで自治庁みずからこれを表明したというふうにさえ考えております。大臣の御答弁はきわめて自信のないことで、むしろわれわれとしては非常に遺憾に思っておりますが、何とかしたもっと実態に沿うものを作る、こういうふうな考え方を、ただ鉛筆をなめて何とかしろ、こういうような考え方で財政計画はできない、こういうふうに思っております。ことしのやり方については私はきわめて残念な印象を中央、地方ともに与えておる、こういうふうに思いますが、その点は大臣はそういう印象を与えたとは思いませんか。

川島正次郎日本民主党行政管理庁長官・自治庁長官

○国務大臣(川島正次郎君) 地方で自粛しておられまして、赤字を出さないようにするについても、百四十億というものをただそれはワク外において単純に地方の自粛に待つよりも、はっきりとワク内においてどの項目で幾ら減らしてもらうということを明瞭にした方が、地方の自粛を呼び起すことになる、こういう今の御説と逆な考えでやったのでありまして、たとえば先ほど説明した中に旅費、物件費及び交際費の節減がある。これは前は五大都市及び府県は一割五分、その他市町村は一割減額に計算したのでありますが、やはりこれは一般の市町村にも節約してもらう意味で、一割五分節減をはっきりうたった方がよかろうというので、こういう点を入れた。あるいは単独事業費につきましても、七十六億の節減をしていただくというので、はっきりここに表示したというので、これをはっきり項目に表示した方が府県の自粛を促すによかろう、こう考えまして、ワク内に入れたのでありまして、今のお話しごもっともでありますけれども、私どもの考えといたしましても、この表の方がいいんじゃないか。もう一つ申し上げますと、寄付金、分担金等もはっきり中に入れまして、前は百四十億でありましたのを、それに入れたり何かいたしまして、そして地方の自粛を促す、こういう措置をとったわけでありまして、ただ新聞に百四十億赤字、こう大きな見出しで、うたわれましたのですから、私ども非常に迷惑したのでありますが、初めから百四十億の赤字を覚悟したわけではありません。この程度は一つ地方でもっていろいろな方面から節約をしてもらうような意味で、初めから財政計画を作っておるわけであります。

小林武治緑風会

○小林武治君 あとの今出されたものの善悪を言うのではなくて、初めからこれが出ておるのならわれわれも了承できる。ところがああいうものを出しておいて、要するに私は繰り返して申しますが、自治庁がいじくれば何とでもなる、こういうふうな印象はどうしても受けざるを得ない。初めからこの案が出ておるなら、われわれはかれこれ言いません。要するに財政計画の信用というものを極端にいえば失墜させる、こういうことは私は言えると思う。それで先ほどのお話のように、もう今から、たとえばけさの一例を申せば、教員を四千人も差がある。それの給与を含んでおるというのは、現実に初めから非常に大きな赤字があるということは、その一つをもってみても、この財政計画は赤字になるというふうに言われると思うのですが、その点いかがですか。初めから穴があいておるということもあるのですか。

川島正次郎日本民主党行政管理庁長官・自治庁長官

○国務大臣(川島正次郎君) 教員の問題は大蔵省とはっきり話がついておりまして、あとでこれは是正するということになっておりまして、これは五月一日の現在数で見るか、十二月末日の現在数で見るかというだけの事務的の数字でありまして、これは足りないものは是正するということを大蔵省からはっきり了解を得ております。

小林武治緑風会

○小林武治君 是正するについても、これはもう赤字財政でしょう、それだけのものはないのだから。また補正予算を組まなければ、今の財政計画に関する限り赤字財政……。

後藤博自治庁財政部長

○政府委員(後藤博君) 教員の問題をもうちょっと詳しく申し上げますと、午前中に申し上げましたように、五月一日の教員数の上に新しい人を加えていくという方式を文部省はとっております。文部省はその基礎の上に立って国庫負担金をきめて、国の予算の上にちゃんと載せておるわけであります。われわれは十二月の数字をとりまして、加えてみて、差額分は国庫負担の方で将来埋めてもらう、こういうことにしておったのでありますが、国のやつに合わせて参りますと、先ほど申しましたように、政令府県で三千人、普通府県で四千人の差が出ます。この一番正確な数字は、三月三十一日に何人おったか、こういう数字を基礎にすべきものだと思います。従って何人現実にふえて、その給与費がどうなったかということになりますと、これは水かけ論になるわけであります。結局まあ実額の半額国庫負担でございますので、これは当然に清算をされる。今までの例を見ましても、翌年度で清算をいたしております。従って本年度中に清算分がはっきりわかれば問題ありませんが、わかりませんでしたら、少くとも三十一年度当初においてこれは清算をされるということに相なります。その際に財政計画をしてもいいのじゃないか、というはっきりした私ども根拠があれば、三月三十一日の数字をもっておればもっと強く押したのであります。一応私どもの数字で押しておこう、こういうことで途中で向うの意見と分れたのであります。今まででありますと財政計画のこまかいところまで一々相談をいたしまして、数字を合わして参りましたが、本年度は交付税制度の建前からいたしますと、交付税が一定率でありますから、これは普通の場合でもおそらく収支がとんとんになるということはあり得ないというふうにも考えられる。すなわちその場合には不足が出るか余るかどっちかになる。不足が出た場合は、地方団体が経費の節減をしてやっていくという建前をとらざるを得ないのですが、それを明確にするために百四十億が一応足りない、そういう数字を一応出したのでありますが、それを実行で出していこうというのがわれわれの考えで、これは自治団体として当然でありますし、現在の交付制度の建前からいたしますと、それが筋ではないか、こういう考えであったのでございますが、その実行を計画化しろという御意見でありますので、計画化して、歳入の方、あるいは歳出の方のある程度の改訂を行なったわけであります。載せましたのは、一つ一つ問題のあるものでございますが、特に水かけ論になりました点、この教員の数の問題は水かけ論でありましたので、これをとったわけであります。

小林武治緑風会

○小林武治君 今そういうこまかいことを言われましたが、教員は、前年は、二十九年度は幾らおりましたか。

後藤博自治庁財政部長

○政府委員(後藤博君) 毎年五月一日現在の教員数を基礎にいたしまして、翌年度何人ふえるかという計算をいたしまして、実際の実額の半額負担の側から、今度は足りない分が出て参りますと、それに見合うところの財政需要をあとから足しておったのであります。

小林武治緑風会

○小林武治君 実行でもって百四十億何とかさせるといっても、財政計画というものは百四十億というものは相当な数字ですから、実行をある程度見込んだ計画ができる。百四十億と赤字が出る、これは勝手に減らせ、こういうやり方は非常に不親切だ。あとのやり方は、内容はどうかしりませんが、やり方はいい。初めのやり方は非常に悪いと、こういうふうに私は思っております。こういうことはいまだかつてなかった。不足があればあと勝手にしろというやり方をやったことありますか。

後藤博自治庁財政部長

○政府委員(後藤博君) 今までは交付金制度でありますし、昨年は交付金制度から交付税制度に移る建前でありまして、財政計画は交付税制度の建前になっていた。財政計画を組んで、その収支の不足分を基礎にした額に、逆に交付税の率をはじいた、こういうことになっておりますので、純粋に交付税の建前に立って財政計画を組んだのは本年度が初めてであります。従って従来のやり方は交付税の建前からして変えてもいいのじゃないか、こういう立場に立ちまして、一応不足財源というものを明確にしておこう、こういうことを考えたわけであります。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 交付税制度に変えたらいいとおっしゃるのですが、たまたま交付税制度に初りかえたときの基礎というものを、さっきも言ったように、非常に地方の実態とかけ離れたものを基礎にしてはじき出した数字から出てきた。交付税の率なんかだってそうですからね。だからやっぱりこれはちょっとむずかしい問題になると、これはもう交付税であてがい扶持だから、もう今までとは違うのだということで逃げてしまうということは、私は非常に不親切でもあるし、おかしいのではないかと思うのですが。

後藤博自治庁財政部長

○政府委員(後藤博君) 私ども昨年から大蔵省に対して申しておりましたことは、このままの状態でいけば赤字が、不足財源がどうしても出る、出るからもしも不足財源が出た場合に、その措置をどうするかということをいろいろ申し上げておったのであります。その場合に自治団体の立場から、また現在の交付税制度の建前からいたしますれば、増税と節約によってまかなう以外に手はない。二つの方法しかない。もしも政府でもう一つの手が考えられるとすれば、それは補助金制度の改善によって、地方の財政需要の伸びを、一般財源を使用するところの補助事業を少くしてもらいたい、それによって節約がまたできる。この三つの方式をとる以外に手はない、こういうことを去年の十月から申し上げておったわけであります。で、その方針に沿うてわれわれは大蔵省とずっと折衝をして参っております。ところが内閣が変りまして、増税はいかぬという考え方が出てきたわけであります。従って増税がだめになる、だめになりますと、残された問題は、補助金制度の改革によって地方負担を減らしていくということと、節約をさせるという二つの方法しかないわけであります。従ってその補助金制度の改革を大きくやるということを大蔵省の方で申しておりましたので、それに大いに期待をしておったわけでありますけれども、それもわれわれが考えますと大して補助金制度の改正は行われておりません。私どもの計算では、補助金制度の改正によりまして、昨年よりも四十五億ばかり財政需要が減っただけであります。そのために地方負担が十五、六億しか減っておりません。従ってまあ声は大きかったが、実際の効果はあまりなかった、そういうことになって参りますと、勢い不足財源というものは節約にもってゆかざるを得ないということに追い詰められてきたわけであります。もしもその節約ができないということであれば、これは交付税の改正ということになる。その場合に、交付税の率を改正してもらいたい、この交付税の率の改正ができなければ、たばこの専売益金でもよろしいから、これをほしいと言って要求を最後までやったのであります。しかし多少の財源の増加は最後にございましたけれども、力足らずして百四十億の不足財源が出るという結果になったのであります。従ってその百四十億の不足財源をどうするかということに立ちますと、現在の制度のもとにおいて、また交付税制度の趣旨から申しましても、理屈の上ではやはり地方団体が自主的にその判断をして節約をしてゆくのが筋ではないかと、こういうふうに私どもは考えるわけであります。その場合におきましても、また三つの方法があるわけであります。それは単独事業を全部落していくという方式をとるか、つまり国の公共事業はやってゆこうという方式をとるか、その場合は単独事業を全部落すわけでありますが、公共事業にもある程度がまんをしてもらいたいという立場をとるか、それとも他の消費的経費を多く落していく立場をとるか、こういうことをいろいろ考えあわせました上で、この二つの方法を加味して実行するような方法として、それぞれの団体において節約をしてもらいたい、こういう立場をとった方がいいのではないか、こういうことで実行案というのを考えたわけであります。実行案を比較して参りますれば参りますほど、いろいろな障害ができて参りますので、最後は簡単な、と言っては文句がいけないかもしれませんが、その三つの方法がとれるような方式を一応財政計画でしておったのであります。それをさらに計画化しろ、こういうことでありますので、けさ説明いたしましたような方式にまた引き直したわけであります。以上概略の経過であります。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小笠原二三男君) 簡単に私からお尋ねしますが、さっきから議論しておるのを聞いておると、私にも納得ができない、自治庁と大蔵省とが、金が足りないから金を取ろう、出せない。だから結論として国が地方に援助する金のワクがきまってしまった、だから結果として赤字になった、だから地方は節約をして赤字を解消しろ、これは私は政府部内のあれやこれやの取引でなくして、この委員会への説明としては、今日民主党政府としては、内閣としては、百四十億は地方に節約させて赤字にならぬようにさする、これが政府の方針なんだ、初めから財政の建前をそう考えておるのだ、こういうことのようにいえば、最もさっぱりしてよいと思うのですが、そういうふうにも、御発言にならぬで、大蔵省と自治庁がどうこうやって、そうして計算上こうなったからしてつじつまを合せたとか合せないというのじゃおかしいと思う。内閣の方針として、今日の地方公共団体は、三十年度においては百四十億だけ財政計画として一応は必要と認められる部分を切ってしまえ、こう言っておるのか、そういうことならばそうだと御答弁願いたい。

川島正次郎日本民主党行政管理庁長官・自治庁長官

○国務大臣(川島正次郎君) 三十年の地方財政を処置します際に、地方財政の窮乏の度がよくわかっておりますので、交付税が昨年に比べて今年は百三十億ばかりふえたのですが、それ以外に、特に大蔵省と私どもと折衝しまして、たばこの専売益金から三十億、それから入場税は十分の九だけを地方に譲与して、十分の一はこれを国に収納しておったのを、これも吐き出させる。もう一つは、三月分はこれを国に回していたのを、とりあえず三十年度はこれも府県に交付するというようなことで、相当金額を生み出したわけでありますが、なお私どもが計算しますと足りないわけでありまして、足りない分が約百四十億になります。これは単独事業で節減してもらうことと、機構の改革その他をやりまして経費の節減をしてもらうことと、もう一つは、公共事業の重点的施策、補助単価の改正等によりまして、地方の負担を軽減する、こういう方針であって、これを減らそう、こういうことになったわけであります。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小笠原二三男君) だからそういうふうに減らそうとか節約させようとか、こういうことは、現内閣の政策としてそうするものだということでございますか。

川島正次郎日本民主党行政管理庁長官・自治庁長官

○国務大臣(川島正次郎君) 私どもは地方財政の現在の窮乏にかんがみまして、これは国家でも犠牲を払うべきものは払うし、地方もまた犠牲を払うべきものは払わなければならぬ、ことに三十年度、三十一年度両年度にわたっては、事業その他において縮小すべきものは極端に縮小して地方財政の健全化をはかることが必要だと、こう考えておるわけでありまして、地方でも単独事業その他においてはこれを節減してもらいたい、こういう考えに立っております。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小笠原二三男君) もう一点お伺いしますが、午前の国務大臣の御説明をお聞きしたあとで、後藤政府委員は、第一次の事務局案と対比した部面を御説明になりました。その際に先ほど言われておる教員給につきまして、人数について水かけ論であるから、九億八千万円を落した、そうしてこれは来年度において実額によって清算されるものである、こういう御説明でした。従ってこれは落さない当初の必要額として自治庁が良心的に計算したものから見れば、確実に来年度に回すということは、小林君に対する答弁のいかんにかかわらず、これは赤字である、それから経費節減等に伴う経費減で、県は一五%ときめ、市町村は一〇%ときめたというのは、これは一つの方針だったものを方針が変更されたということなんです。この両方を節減するということは、方針が変ったということです。従って方針が変らない限りにおいては、やはりこの部分は赤字として残った分、それを方針を変えたということは、つじつまを合せたということではないか。  次に、それでなお、つじつまが合わぬ部分をしわ寄せしているのは単独事業費の節減ですが、たまたまこれが一五%という国並みにこれが見られてつじつまが合ったからいいが、よその節減ができない場合には、ここに来て二〇%なり二五%という節減をして、結果としてはつじつまを合せる、こういう場合もあり得ることを考えれば、初めからこの財政計画そのものは、やはり大臣がいかに申されようとも、赤字になるであろうということを、赤字にならないという建前で何と申しますか、地方公共団体並びに各方面をつくろうという考えが強かったのではないかと思われる。この点について御所見を承わっておきたい。  もう一つは、後藤政府委員は、補助金等の交付あるいは節約等で見なければどうにもならないのだということを言っていますが、交付税あるいは揮発油譲与税、これらは実際の税収額が見られた場合に、決算額においてよけい出ている部分ははじき出すことになっている。ところが内閣の方針としての、内閣の出しておる統計では、昨年よりは本年、一昨年よりは去年は国民所得がふえておる。従って税収入もふえておる。その見込というものが立てられた場合においては、必ずやこの税収というものも今後において補てんさるべきものがあることは見込まれていいのではないか。その見込みがちっとも出ていない。たとえば昨年の揮発油譲与税の三月の国税庁の集計においては、もう徴税見込額よりは八十億ぐらいはよけい取れておるという計数が出ておる。ましてや所得税、法人税あるいは酒税、これらについては、多分昨年当初において見込んだものよりは、本年三月の国税庁の集計はふえておると思う。これらがあとあとにおいてカバーされてくるということも、この節約ということだけでなくて考えられる財源となるのかどうか、この点もお伺いしておきたい。二点お伺いしておきます。私の申上げているのは、川島大臣は、あくまでも初めから赤字として出したのではないということについては、委員会の各委員必ずしも承服できないという意向がありますから、的確な御答弁を願っておきたいと思います。二点については政府委員からでもいいです。

後藤博自治庁財政部長

○政府委員(後藤博君) 一番最後の清算の問題でありますが、二十九年度の交付税の基礎になっております三税の決算ができますのは、来年の数字を今年の暮からの通常国会に出されるわけであります。決算の確定は大体年度の終りになって参りますから、従って通常の例から申しますと、翌々年度の収入には見ていいとは思いますけれども、翌年度の収入に見るというのは非常に危険であるというように私どもは考えております。決算が早く確定いたしますれば、もちろん翌年度で見ることもできます。交付税の方では、そういう考え方から翌々年度に清算をする、こういうことになっております。それから揮発油税についても、もちろん清算をしなければなりません。これもやはり三十一年度の財政計画の上にはっきり出てくるわけでありまして、三十年度の財政計画に、まあ私どもは今のところ載せるのはちょっと危険ではないか、これは決算が早く出てきて早く国会から決算の承認がございますれば、本年度中に財源として使えることも考えられますけれども、その辺の問題がございまして、本年度の財政計画に昨年のものを増加したものも私どもわかっております。大体大まかにわかっておりますが、それを入れていないわけであります。

川島正次郎日本民主党行政管理庁長官・自治庁長官

○国務大臣(川島正次郎君) ただいま旅費、物件費、交際費など、当初府県、五大都市は一割五分減、その他の市町村は一割減、こういう見積りをしてみたのですが、府県、五大都市になりますと相当やりくりもつくのでもって、こういうこともよかろうかと考えましたけれども、実際はその他の市町村においても、できるだけ節約してもらいたいというむろん気持があるのでありまして、やはりはっきり財政計画の中に、一般の市町村も一割五分節減してもらいたいということをうたったほうがよかろう、こういう意見がありますので、こう直したわけでありまして、先ほど申上げた通り、百四十億というものをただ一本にして、地方団体の自粛に待つというのでなしに、各項目に分けて、この点自粛してもらいたいのだということをはっきり申出たほうが、自粛の実があがるのじゃないか、こういう考え方であるのであります。

秋山長造日本社会党(第四控室・左)

○秋山長造君 この財政計画は、単なる地方に自粛してもらいたいという基準を示した程度だというお話がありましたけれども、これはやはりそうではなしに、私は川島自治庁長官のいわば地方財政についての施政方針だと思うのです。だからただ自粛々々といったところで限度があるので、去年の財政計画なんかの場合も、地方制度調査会では、地方の財政規模を少くとも三百億程度は是正しなければならぬということを強く言っておったにもかかわらず、百四十九億ですか、その程度の是正にとどまって、しかもその反面に百二十億という膨大な節約を地方に押しつけた。今度は政府の最初の原案では六十八億の節約ということを言っておったのですが、さらにつじつまを合せるために、もっとうんとふやすというような形になっておる。節約をするのは当りまえのお話なんだけれども、一体節約というようなことを簡単に、どんどん水増しをしてそうしてつじつまを合せて、実際地方がその数字通りの節約ができるのかどうかということを私は考えるのです。その点の見通しがあるのですか。

森下政一日本社会党(第二控室・右)

○森下政一君 ちょっと関連して。一昨日も私後藤君から一応の御答弁を得たのですが、今私山さんの言われたように、先刻来大臣のお話を聞いていると、節約の方針というものを示した。こことここと、こういうふうに節約してもらいたい、そうすることによって歳出歳入のバランスがとれる、これが三十年度の地方財政計画であると、こうお示しになったとおっしゃるが、実際そういう節約が地方団体によって行われるものかどうか、あるいは政府の言うことには初めから無理があるというので、節約はできないかもしれないということを私は考えなければならぬと思う。そうなると、ことに先刻小林さんが指摘されたが、世間一般に百四十億の赤字がある、これをいろいろ節約をするところを示して、そうしてつじつまの合う地方財政計画を立てるんだ、これを示すんだと言われるけれども、自治庁の職員が鉛筆をなめていろいろ工作をして、大体政府の方針をして節約するとこうだという基準を示した、こういうことですが、どうも一般の受ける印象というものは、初めから無理がある、その無理を知って、なお地方財政窮乏の時なんだから、こういうふうにやってもらうということを政府が要請されれば、非常な無理があり、どうも実際にはできそうにないというふうに、地方団体が初めからそういう気持でこれを受け取るのじゃないかということが心配される。そうなると、そういった地方財政計画というものに何か意義があるのですか。そんなものを示して、何か確かにこういうものを示すことが有効適切なんだというほんとうの値打というものは一体どこにあるのですか。どうも私はそれは疑えるのですね。何なんですか。それは何でそんな無理をしてまでつじつまを合わすとか何とかいうことをやらなければならぬのか。小林さんは、一向どうも意味のないものだと判断されたが、どうも私にもそういうふうに思えるのですね。しかもなお、こういうところで節約するのだというようなことを示してまでつじつまの合うようにして、これが地方財政計画だというものを示さなければならぬという根本の値打というものは一体どこにあるのですか、それを教えてもらいたい。

川島正次郎日本民主党行政管理庁長官・自治庁長官

○国務大臣(川島正次郎君) これは平衡交付金制度の時代ですと、一応地方財政計画を立てて、その足りないしりは全部これは国が見るんだというのですからして、どうあっても財政計画というものは立てて、これをしっかりしたものにしなければならぬのですけれども、先ほど来しばしば御議論のあるように、交付税の時代になりまして、大体国から交付税としてこれだけ与える、今二二%ですか、それに国庫支出金、それから地方税その他いろいろの収入があるのですが、この範囲内で地方でですね、適当にできるものは節約して地方財政を運営しろ、こういうことの法律の建前になっております。しからばこの財政計画なんて無意味のものじゃないか、こういうお話でありますけれども、やはり地方で財政を運営する一つの基準になるわけでありまして、これを基準にして地方公共団体も財政計画を立てまするし、またその財政計画に基いて運営するということでありますからして、一つの基準になるという点については、やはり必要なものではないか、こういうふうに私は考えているのですが、しかしながら平衡交付金時代の財政計画と、交付税時代とは意味が違うということは、これは事実であります。

小林武治緑風会

○小林武治君 それならなぜかわまぬでおかないのか。百四十億不足して……、かまわぬでおいたらいいじゃないですか。さっきの交付税になったからしてこうだというのなら……。

川島正次郎日本民主党行政管理庁長官・自治庁長官

○国務大臣(川島正次郎君) これは地方財政運営の一つの基準になりますからして、運営する上において百四十億をどうして消したらいいかということを明示した方がいいじゃないかという考えに基きまして、一本にしないで各項目に分けて作ったわけなんでありまして、御議論のこともごもっともかもしれませんが、私どもとしては、その方が地方が自粛するのにいいじゃないか、こういう考えに立って作ったわけであります。

森下政一日本社会党(第二控室・右)

○森下政一君 大臣、それだとすると、私思うのですがね、地方団体は赤字を何も歓迎してはおりません。赤字をどんどん抱いてやりくりのつかぬような状態になるということは、決して地方団体のどこに行ってもそんなものを歓迎しているところはないのだから、政府がそんなことを言わなくても、どこでどういうふうにして節約をして赤字が出ないようにすべきかということは、大わらわになって、研究して努力していると思うのですがね、私は。だからそれからいけばむしろすなおに自治庁の事務当局が考えたように、どうも収支バランスをとってみると、三十年度では百四十億足らぬものがあるのだから、そのままこれを財政計画はこうなんだ、百四十億足らぬのだということを示された方がよけい一生懸命になるのじゃないかと思うのですがね。何も民主党内閣から基準を示してもらって、旅費を削れ、どこを削れということを言われなくても、できるだけのことをやりますというのじゃないかと思うのですが、そんなものじゃないでしょうかね。(笑声)

川島正次郎日本民主党行政管理庁長官・自治庁長官

○国務大臣(川島正次郎君) それは確かに一つのお考え方であります。私がこういう策定をしたことも、一つのやり方ではないかと考えて、この方がいいと思って私はこの案を作ったのです。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小笠原二三男君) ちょっと速記をとめて。    午後二時五十六分速記中止    ————・————    午後三時二十二分速記開始

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小笠原二三男君) 速記をつけて。

中田吉雄日本社会党(第四控室・左)

○中田吉雄君 地方財政計画が、平衡交付金の場合と交付税の場合との、ただいま言われたようなことが正しいかどうか、私まだこれは異議があると思いますし、いろいろそういうことについては追って質問したいと思いますが、この財政計画の信憑性、そう値打というようなものを判断したり、本年度の財政がどうなるかというようなことを判断するために、昭和二十八年のこの地方財政計画決算額で、消費的な経費、投資的な経費、内容別、費目別にどことどこがどういうふうに違って、それは何%ずつ財政計画と実際の決算と違ったかという、その詳細な内訳を一つ、昭和二十八年度の地方財政計画。

後藤博自治庁財政部長

○政府委員(後藤博君) さっきのやつですね。さっきは二千五年から八年までというお話じゃなかったですか。

中田吉雄日本社会党(第四控室・左)

○中田吉雄君 まあそれだけでいい。二十八年だけで。その財政計画とその決算ですね。それを消費的な経費、投資的な経費というふうに分けて、できたら二十五年から……、大体できると思うんですが、私は持っているんですよ、ここに、集計したものを同じ財政計画に見合った形で。仕訳がわからん……、わかるはずですよ。

後藤博自治庁財政部長

○政府委員(後藤博君) わかります、二十八年は。五年もわかる。六、七がわからないんです。五年は今の財政計画の基礎になっておりますから、これはわかります。

中田吉雄日本社会党(第四控室・左)

○中田吉雄君 それを出して下さい。そうすれば百四十億をこういうふうに処置されたことの妥当性いかんということも判定できるし、一つ出して下さい。

後藤博自治庁財政部長

○政府委員(後藤博君) わかりました。承知しました。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小笠原二三男君) では本日はこれで散会いたします。    午後三時二十四分散会

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