大蔵委員会 第33号
- 発言数
- 46 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1955/07/29
会議録
○委員長(青木一男君) これより委員会を開きます。 まず請願に関する小委員長の報告を聴取いたします。
○西川甚五郎君 請願に関する小委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。 第十九号は、旧軍港市における旧軍用財産、貸付使用料の引き上げ増額措置を停止されるとともに、貸付契約内容の改訂について善処せられたいとの趣旨であり、第百二十五号は、旧外貨債のうち内地に寄託し、強制借りかえられた海外移民のドル貨購入、旧外貨債を有効化せられたいとの趣旨でありますが、政府において研究させることが妥当と考えられ、第四百五十二号は、中小企業等協同組合の法人税軽減等をはかられたいとの趣旨であり、第四百八十八号は、計理士が税理士業務を行い得るようにせられたいとの趣旨であり、第七百三号は、海外引揚老令民間人の海外留置財産に対し補償措置を講ぜられたいとの趣旨であり、第八百十三号は、引揚者の在外財産補償内払いとして、一世帯平均三十万円等の支払暫定措置を講ぜられたいとの趣旨であります。第八百十九号は、大かん練乳用砂糖消費税免除の措置を引き続き実施せられたいとの趣旨であります。第八百七十七号は、引揚者の在外財産補償をすみやかに実現せられたいとの趣旨であります。 第八百九十三号外百五十四件は、三級清酒設定により、全酒類業界は収拾しがたい混乱状態に陥り、ひいては国庫収入にも甚大な悪影響を及ぼすことになるから、三級酒の設定に反対であるとの趣旨であり、第九百六号は、葉タバコの収納価格の適正化、災害補償制度の改正等について善処せられたいとの趣旨であり、第千八十二号は、運動用具に対する物品税を撤廃せられたいとの趣旨であり、第千二百五号外二十九件は、大衆酒だる清酒二級の酒税率を大幅に引き下げられたいとの趣旨であり、第千二百五十三号は、ブリキ屋が工賃のみによって生計を立てている日雇労務者にすぎないのであるから、これら業者の所得税を勤労所得税並みに扱われたいとの趣旨であり、第千二百九十一号は、東北地方のタバコ栽培振興のため、福島県に国立タバコ試験場を設置せられたいとの趣旨であり、第千六百十一号は、労働金庫に対し適正かつ簡易に資金運用部資金の長期融資の措置を講ぜられたいとの趣旨であり、いずれも妥当と考えられます。 よって以上百九十八件は、いずれも採択すべきものと決定いたしました。 なお、本国会において本委員会に付託されました請願のうち、輸入石油の関税引き上げ反対に関する請願、葉タバコ生産者に対する補償の請願、揮発油税引き上げ反対に関する請願二十九件、当せん金付証票法改正に関する請願、秋田県の酒造者に対する旧基本石数返還の請願、物品税撤廃に関する請願、オ一ルウェーブ・ラジオ聴取機の物品税軽減に関する請願、原油、重油関税復活反対に関する請願、生命保険の保険料控除額引き上げ等に関する請願三件、国内産砂糖の消費税廃止に関する請願地方道路税創設反対等に関する請願は、いずれも現状においてはなお検討を要するもの、または今国会提出法案により措置済みのものである等の理由で留保するものと決定いたしました。 以上、御報告申し上げます。
○委員長(青木一男君) 以上報告のありました請願につきましては、小委員長の報告の通り決定することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(青木一男君) 御異議ないと認めます。よってさように決定いたしました。 —————————————
○委員長(青木一男君) 次に昭和三十年産米穀についての所得税の臨時特例に関する法律案(予備審査) 金融機関の資金運用の調整のための臨時措置に関する法律案(予備審査) 以上、二案を一括議題として政府より提案理由の説明を聴取いたします。
○政府委員(藤枝泉介君) ただいま議題となりました昭和三十年産米穀についての所得税の臨時特例に関する法律案につきまして、提案の理由を説明いたします。 政府は、現下の食糧需給の現状にかんがみ、昭和三十年産米穀については、生産者からの事前売り渡し申し込みにより集荷を行うこととしたのでありますが、この制度によって所要数量を確保することに資するため、事前売り渡し申し込みに基いて政府に対して米穀を売り渡した者の昭和三十年分の所得税については、玄米一石当り平均千四百円を非課税とすることとし、このため、昭和三十年九月末日までに売り渡された米穀については一石当り二千四百円として、六十キログラム当り九百六十円、同年十月十五日までに売り渡された米穀については、一石当り千八百円として六十キログラム当り七百二十円、同年十月末日までに売り渡された米穀については一石当り千五百円として六十千ログラム当り六百円、昭和三十一年二月末日までに売り渡された米穀については一石当り千二百円として六十キログラム当り四百八十円を非課税とすることとしたのであります。 なお、右に申し上げました非課税措置により、昭和三十年度において二十九億円程度の減収が見込まれるのでありますが、一方において米価の引き上げによる増収が見込まれますので、同年度予算に計上いたしました程度の所得税収はおおむね確保できる見込みであります。 次に、金融機関の資金運用の調整のための臨時措置に関する法律案につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。 この法律案は、日本経済の自立とその健全な発展に資するため、金融機関の資金の運用を調整して緊要な長期産業資金の調達を円滑にすることを目的として、所要の規定を整えようとするものであります。 以下、簡単にこの法律案の内容の基本となる諸点を申し上げます。 第一に、銀行その他の金融機関の資金の運用に関しましては、従来とも大蔵大臣が随時行政指導を行なって参ったのでありますが、この際本法の目的を達成するための勧告を行うことができることを法文に示すことといたしました。 第二に、緊要な長期産業資金の調達を円滑にするため、必要かつ適切であると認める場合には、大蔵大臣は、金融機関の預金等が増加した場合は、その一定割合に相当する金額を、金融債、いわゆる公社債、緊要な長期産業資金の調達のための社債、国債、地方債等の保有の増加に充てなければならない趣旨の命令をすることができることといたしました。 第三に、この法律の運用に当り、大蔵大臣の諮問に応じて金融機関の資金の運用に関する基本方針を審議し、及びこれに関し必要と認める事項を建議する機関として、大蔵省に各界の権威者をもって組織する金融機関資金運用審議会を設置することといたしました。 以上昭和三十年産米穀についての所得税の臨時特例に関する法律案、外一法律案につきまして、提案の理由及び内容の概略を申し上げた次第であります。何とぞ御審議の上、御賛成あらんことをお願いいたします。
○委員長(青木一男君) 本案の質疑は別に譲ります。 —————————————
○委員長(青木一男君) 次に、地方道路税法案を議題として質疑を行います。
○木村禧八郎君 まず今度の修正によって結局ガソリン税はどれだけの増税になるのですか。ややこしくてわからないのですが、一応ガソリン税は一万三千円を一万一千円に引き下げる。一方地方道路税は、ガソリン税については原案は四千円であったわけですが、今度修正で二千円になったわけですね。これを通計して見ますと、原案では一万一千円に対して地方道路税四千円で、一万五千円になるのですが、今度の修正案では、ガソリン税一万一千円に対して地方道路税分のガソリン税二千円、一万三千円になるわけでしょう。そうなるとトータルすると変らないというように見えるのですが、昨日連合委員会で聞いておりますと、いわゆる増税になる。その増税の影響について、主税局長からも、バスにはどのくらいはね返る、バス料金には……。あるいはトラック方面にはどの程度はね返るといわれましたが、結局修正によって増税になるのかならないのか、その点よくわからないのですが……。
○政府委員(渡邊喜久造君) お答えいたします。政府原案では、木村委員のおっしゃっておりますように、施行の日から揮発油税が一万一千円、地方道路税四千円、従って揮発油に対する負担は、一キロリットルについて二千円増税になる、こういう案であったわけであります。それで、衆議院の修正がありまして、揮発油税は一万一千円、地方道路税に二千円ということになりましたから、現在の揮発油税は一万三千円、今度も両方合せますと一万三千円になります。従いまして増税はないのです。 昨日私が、バスにどのくらい響くとか、バスのコストですね、あるいはトラックのコストにどれだけ響くと申し上げましたのは、早川委員の御質問で、政府原案がそのまま実行されたとしたら一体それはどのくらい響くかとこういう御質問がありましたから、従いまして、政府原案がそのまま実行された場合においては、コストの上で、バスでは一・一%、トラックでは〇・七%程度、まあこれは二千円まるまる揮発油が上るという前提で計算してみまして、その程度に響くのでございますと、こういうことを申し上げたのでございまして、これは政府原案が実行された場合における影響を御説明申し上げました。現在当院に回付されております案は、衆議院の方で修正になっておりますので、この案で参りますれば、現在の負担とは別に増加はないわけでございます。
○木村禧八郎君 そうしますと、ガソリンに対する税負担分については現在と変らないということはもうわかりました。しかし現在の制度をそのまま続けるのと、今度は一万一千円と二千円に分けるわけですね、これはまあ配付するわけです。そこで現在と実質的にどう違ってくるか、その点。
○政府委員(渡邊喜久造君) 納税者の負担の関係から申しますと、税が二つに分れたということがありますが、負担の実態からいえば別に変りません。ただ歳入官庁といいますか、歳入課税の主体といいますか、これはまあ国ですが、その課税によって得た収入が、これが一万三千円である場合と一万一千円である場合とは、御承知のように一万三千円であれば、一万三千円がそのまま一般会計に入ってくる。今度は一万一千円が一般会計に入りまして、二千円は地方道路税の特別会計に入っていく。で、こういう違いがまだあるわけであります。今度はその第二段の結果でございますが、御承知のように道路五カ年整備計画の特別な立法がございまして、それで揮発油税の税収額を下らない範囲の金額をあの法律によって道路整備に使わなければならぬ、こういう規定があるわけです。従いまして一万三千円がそのまま揮発油税になって参りますれば、あの法律が同時にあのままで生きておりますれば、一万三千円に相当する分が道路五カ年計画の財源にそのまま充てなければならぬ。ただこの間の事情も木村委員よく御承知でございますが、五カ年計画の法律は、地方財源の裏づけが十分にできておりません。従いましてあの五カ年計画の法律ができた当時の揮発油税は一万一千円であったわけです。従って昨年一万三千円に上げましたが、このときはやはり地方財源の裏づけを必要とするという政府の見解に基きまして、二千円上げましたが、同時に三分の一をこれは地方に譲与するんだ、こういう案を御提案申し上げたわけです。この案は一応国会を通過しましたが、政府原案が修正されまして、これはまあ一年限りだということで、本年度からはまた別途考えなければならぬ、こういうことに相なったわけであります。従いましてわれわれの方でいろいろ検討した結果として、とにかく整備計画ができたとき、一応一万一千円のガソリン課税がかけられており、それを基本としてまあ五カ年計画という毛のも、一応国の方の費用だけでございますが、立てている。と同時に、一面においては地方の財源も考えなければならぬ。そうなりますと、やはり揮発油税としては一万一千円が一万三千円に上った経緯なども考えまして、やはり一応一万一千円は、これは道路五カ年計画の財源に充てらるべき揮発油税として確保すべきであろう。二千円は、これは少くとも地方財源ということを勘案して昨年も増税したわけでございますから、これはやはり譲与税という、形はいろいろまあ関係がありまして、道路税という形に直した方が適当と思いますが、これはやはり地方財源の確保に充てるべきじゃないか、同時に、まあ政府原案におきましては、二千円だけでは少しまだ足りないから、もう二千円ふやした四千円を確保すべきじゃないか、そういたしませんと道路五カ年計画そのものの実行にも支障を来たすような問題が起きてくるんじゃなかろうか、こういうつもりでまあ原案を出したわけでございますけれども、修正によりまして一応二千円になった、こういう経過になりました。 従いまして以上御説明申し上げましたところで、大体負担としては変らない、しかし二つに分れることによって、その入ってきた金の使われ方がいろいろ変ってくる、こういうことになるわけでございます。
○木村禧八郎君 この前に道路整備五カ年計画の裏づけとして、ガソリン税を上げる場合、二つのことが問題になっているのですが、当時やはり主税局長は渡邊局長であったわけです。それは第一に、これは目的税ではない、われわれは実質的に目的税ではないかと言ったんですけれども、目的税ではないという原則に立ち、大蔵当局は目的税には反対である、こういう意向を表明されたわけです。当時の大臣はそういう御意見を表明された。第二は、ガソリン税はやはり物価に影響があるから上げたくない、これは主税局長みずから言われた。その後の推移を見ると、これははっきりと目的税の実態をますます備えている。それで昨日竹山建設大臣は連合審査会ではっきりと、もらこうはっきりと目的税になった以上は云々というふうに答弁されております。はっきりとこれは目的税になっていると政府は観念しているようですが、この点はわれわれの立場としては、また予算全体をにらんで考える場合に、やはり問題だと思います。前に目的税制度自体にわれわれは反対であったんですけれども、ですからこの目的税的になるために、ある一定のガソリン税収入というものにとらわれると、今度のようなことがあって、四千円に上げようとしたけれども二千円に削られて、その財源が不足してしまった、こういうようなことが起ってくる。その点について一つはっきり伺っておきたいんです。この税の性格ですね、それからもう一つは、税負担としては、最初政府原案は二千円の増税になるはずであったけれども、今度の修正によって税負担は現状通りということになる。しかし今後のことについてはどうお考えになるか。最初政府はどうしても四千円上げなければ地方の道路財源を確保するに当って不足である。川島自治庁長官も、今度はこの道路税によって地方の道路財源を確保するための一つの恒久的な制度として考えたい。昨年までは何分の一を上げるというのは、主税局長のお話しのように一年限りである、これを恒久化するというわけである。そうして今のお話しでは、四千円でないとやはり地方の道路財源は五カ年計画に見合ってやるときに不足である。ところが今度半分に修正されたわけです。そうなると今後やはりガソリン税の値上げというものを考えられるのか、それともガソリン税を値上げしない場合にどういう財源措置が考えられるか、この二つの点です。
○政府委員(渡邊喜久造君) 昨日竹山建設大臣が、ガソリン税を目的税であるというふうに御説明になったことは、これは私も伺っております。しかしまあわれわれは、依然ガソリン税は目的税であるとは思っておりません。目的税的なものであるとは思っております。といいますのは、歳入について非常に拘束を受けておりますから、ただ目的税ということになりますれば、厳格にいえば、まあ歳出の必要から、税率とかというものもかなり規制されてきていいんじゃないかというふうにも思われますが、いろいろな関係がありまして、目的税に非常に近い実質を備えておるものであるということはわれわれも認めておりますが、目的税そのものとは私は考えておりません。しかしまあこれは一つの議論のある問題だと思っております。 ただ道路税の方は一応収入の使途を、これは道路だけに使うんだと書いてございますが、これは一応目的税だとわれわれも考えております。われわれも目的税というものをできるだけこれはもう原則としては排除すべきだ、といいますのは、特に国の財政などにおきましては、目的税を作りますと、その上ってくる歳入が一応特定の使途にもう限定されてしまいますので、とかく財政全体のバランスから見まして、適切な運営が非常に困難になってくるというような意味におきまして、目的税は原則としてわれわれは賛成いたしかねる。これもわれわれは現在同じような考え方を持っております。ただガソリンに関する限りにおきましては、各国の事例を見ましても、ガソリンに相当高い税率がかかっている。これはなぜか、これは道路というのは国の大きな施策でございますから、一般経費でもってやはり一つ負担すべきものだと思っておりますが、同時に、現在道路に対して非常に巨額な経費が要るについては、やはり自動車とかああいう車両が道路をよくしなければ使えない。いろいろな意味においてその必要が出てきているというところで、各国の事例も、まあガソリンに相当高率な課税をしている。はっきり目的税にしている国もありますし、そうでない国もありますが、やはりガソリンというものについて大きな負担をかけるということについては、これはやはり私は道路と結びついた考え方が裏にあるのじゃないかというふうに思います。そういうような意味におきまして、ガソリンというものの性格からいって、同時に地方道路税は地方税であるという性格からいって、これはある種の目的税であるというのが許され得るのじゃないかというふうに考えまして、現在の案は目的税として地方道路税ははっきり打ち出した姿で提案してございます。 それから将来このガソリン税あるいは地方道路税を引き上げるつもりが、今度の修正によりまして当然そこに財源の不足ができるわけでございますが、一体この財源の不足をどうするつもりか、こういうお話しが第二の御質問のように伺っております。本年につきましては、これはいろいろ御説明があったと思いますが、多少技術的な操作になりますが、地方道路税ができる前の揮発油税の配分を地方道路税の方に多くするということにしまして、一応地方財源として不足しない程度のものは確保できるわけでございます。明年度以降におきましては、二千円増税したならば得べかりし歳入ですね、それがまあなくなってしまうわけであります。従いまして明年度以降においてそうした地方の財源をどう処理するかという問題は当然問題になってくるわけでございますが、まあこの点につきましては、われわれとしましても明年度以降の問題としまして、地方財政全体の財源の問題として検討して参りたい、かように考えております。
○木村禧八郎君 その金額は幾らになりますか。明年度以降財源不足と、地方の道路財源の不足と言われる額ですね。
○政府委員(渡邊喜久造君) 現在地方で使っております道路に対する経費は、実は地方道路税の範囲だけではとても足りないのです。で、今度相当五ヵ年計画の場合におきましても、国の補助率をふやすとかいうようなことをしまして、なおかつ五カ年計画だけの分でもって地方の負担額は約百四十億なんです。百三十九億九千万円、それで政府原案通り、まあ修正になりましても、今年度は大体それがいくんですが、この政府原案の場合におきましては、地方の道路税が七十二億、残り六十七億というものは一般財源で負担する、こういうまあ建前になっていて、このほかに五カ年計画に関係のない地方の道路費が府県だけで百四十億というものがあるわけであります。従いましてこれで道路の財源が、どれだけ負担するかという問題になりますと、非常に問題が複雑になりますから、簡単に申し上げられませんが、ただまあ地方道路税が二千円であった場合と四千円であった場合と、その違いは幾らかということならば、これも明年度以降における揮発油の消費量でまた変って参りますが、一応本年度の予算に見積りましたベースをそのまま取って申し上げますれば、約四十七億という数字が、四千円ならばふえるのであったでしょうが、それがふえなかった、こういう結果になると思います。
○木村禧八郎君 そうしますと、明年以後はガソリン税の引き上げということで考えているんじゃない、そのほかの地方に対する地方財源一般の問題として考えている、こういうふうに理解していいわけですか。
○政府委員(渡邊喜久造君) まあガソリン税の引き上げということは、もう全然明年は考えないと言うのも少し私は言い過ぎだと思いますが、しかし明年またガソリン税の引き上げをすぐ持ってくるというような気持も別にございません。いろいろ御批判を受けた点もございますから、十分反省しまして、同時に総合的に全体の地方財政のやり繰りをどう考えていくかということで考えていきたい。はっきりこの際、明年はガソリン税の、地方道路税の引き上げをいたしませんと言うのも私は少し早過ぎると思いますが、今すぐに明年に持ってくるということを考えているわけでは毛頭ございません。
○木村禧八郎君 地方財源一般として考える場合に、これは直接すぐとガソリン税の問題とは関連ないんですが、財務当局として地方に対する交付税のやり方が非常に複雑になってきておりますね。一本化していない。三十年度予算を見ましても、一応一般会計から千三百八十八億交付税をやりますね。そのほかに入場税三十五億、それから地方道路税、政府原案では七十二億ですか、それから専売公社から一三十億、それから前年度繰越十億、百四十七億交付税以外に出す、そういうような形になっておりまして、だんだん複雑になってきているんです。こういう点はどうなんですか。やはり今の百分の二十二という交付税、あれに無理があるので、それでこういうこま切れ的に、部分的に専売公社から三十億振り向けたり、あいるは入場税、地方道路税、こういうような形になっているんですけれども、この点どうなんですかね。
○政府委員(渡邊喜久造君) 現在、お話しのように、所得税、法人税、酒税、これの二二%の分、それから入場税の分、それから今度この法案が通りますれば地方道路税の分、この三つはそれぞれ一応まあ沿革的にも、同時に目的といいますか、あるいは配付の基準が違いますから、これは私はそれで一応それなりの意味があると思っております。入場税にしましても、一応従来地方税であるものを国でとるわけでありまして、交付税のように富裕団体には全然やらぬという性格のものとはちょっと違って考えるべき性格のものじゃないか、ただまあお話しの中にありましたたばこ専売益金の中から一応交付税へ持っていくというようなことは、これは私は今年度限りのやむを得ない措置であったというふうに思っております。これは明年度以降におきましては、御承知だと思いますが、たばこの税率を引き上げることになっております。ただまあその金額を本年度からすぐにたばこの消費税を引き上げるということになりますと、年度途中になりますし、また必要の額だけ地方へやろうとしましても、本年度は高い税率になって明年度逆にまた低めなければならないというような事態にもなりかねませんから、これはまあ本年度国会がおくれたというような関係もありまして、四月一日から施行になり得ないような特別な事情がありましたがゆえに、やむを得ざる手段としてとったものである、これは本来はたばこ消費税の方に吸収すべきである、こういうつもりでやったわけでありまして、今御指摘のように本年度の予算におきましては、たしかにおっしゃるように妙な異分子が入っておりますために複雑に見えますが、こういうものは整理されていくべきものである、今後はそれを繰り返したくない、かように考えております。
○木村禧八郎君 それはそれだけで。 今度ガソリン税の方においては、政府の原案において予定された財源は確保されなかったのですが、全体として来年度の税収確保の問題ですね、これは今年度の減税も平年度化されるということもありますし、それからこれも部分的のようですけれども、今度のガソリン税四千円——地方道路税の方に当てる四千円が二千円に修正されて、それだけ財源が不足になるということもありますが、来年の税収確保の問題でですね、一応見通しを……。これは来年のことですから、はっきりしたあれは困難かもしれませんが、特に来年は歳出が非常に大きくなるので、歳出に見合う歳入がどうしても足りないと思われますので、特に歳入面について、この際、今見通し可能の限度でけっこうなのですから、できる限りそういうところをちょっと教えておいてもらいたいのです。もう来年度予算も編成しなければならん時期に来ているのですから、その程度の見通し作業は行なっておられると思うのですが。
○政府委員(渡邊喜久造君) 来年度の歳入の問題、これは歳出がお話のように相当ふえそうな傾向にあるものですから、正直な話、われわれも非常に頭を痛くしております。それでまあ来年度の歳入がどうなるかという、実はこれはどうしてもまだずいぶん先のことでございまして、われわれも一応材料を集めまして、ある程度の見通しを立てますのは、どうしてもやはり十一月ごろになりませんと必要な材料が集まりません。法人税で言えば、大体九月決算で見通しがつきますとか、それから源泉の所得税にしましても、一応それまでの傾向が数字として出てくる、またはさらに大きな税目であります酒税、酒の消化の状況などにしましても、やはり十月、十一月の秋口がある程度どんなふうな出方をするか、こういうような問題が、ある程度見通しがつきませんと……。これはどれぐらいだろうという大ざっぱの見当はつきますけれども、それは七千億から八千億の間の千億台の問題になり、三百、四百、五百ぐらいが一体どれぐらいに動くかという点につきましては、われわれは非常に心配はしておりますが、ちょっと見当がつきかねます。 御承知のように本年度の減税が来年度平年度化することによりまして、それだけで相当の減の要素があるわけでございまして、それをカバーして一体本年度の税収に比べまして、どれぐらいのプラスが期待できるかと、われわれは少くとも非常に大事をとったものの言い方では、平年度化したのちにおいて、本年度見積りました程度の税収ぐらいは見積れるのではないか、こう申し上げているのでございますが、それ以上に一体どの程度見積り得るだろうか、片方歳出の問題が相当重要な問題でありますだけに、われわれの方も足りないながらも、できるだけ最近までの資料を集めながら、何とかして早い機会に一応の見通しを立て、それをその後における資料で漸次補足していく、これはまあ毎年やっていることでございますが、その作業は命じてございますが、まだちょっと何とも見当がつかんわけでありまして、これはごく大ざっぱの言い方をすれば、減税の平年度化によって相当減る要素はありますが、本年度ぐらいはこれは何とかなるのではなかろうか。それではまだ足りないのではないか、それをどうするかという御質問のように伺いますが、この点につきましては、もう少し全体的の見通しを立てた上でありませんと、われわれの方としてはちょっと御答弁いたしかねます。どうぞ御了承願いたいと思います。
○木村禧八郎君 税収だけでなく、その他専売益金とか官業収入等を入れまして、大体本年度程度の歳入な確保できれば、これはいい方である、そういうふうなお考えですか、税収以外の歳入もひっくるめて大体……。もちろん今主税局長が言われたように、ファクターがたくさんあるのですから、今から推測するのは無理ですし、御答弁願うのは無理ですけれども、来年、特に歳入の問題は重要な問題ですから、伺うのですが、大体、全体で税収及びその他専売益金それから官業収入等を入れて一兆円は確保できますか。
○政府委員(渡邊喜久造君) この税収は減税の平年度化ということがなければ、私はある程度増は期待できると思います。で、減税の平年度化のマイナスのファクターとプラスのファクターとをにらみ合いますがゆえに、多少大事をとって申し上げておるわけですが、しかしそれにしても、何とか確保できるのじゃないか。専売益金の問題、雑収入の問題、その他の問題、そちらの方は減税の平年度化というようなファクターがございませんので、ある程度の伸びが期待できるのじゃないかと思っておりますが、ただ一応歳出の方ももう少し検討してもらいたいと、実はわれわれ歳入の方をあずかっておるものとしては思うのですが、歳出の方を受け持っておる主計局の方でふえるファクターだけ一応上げていくと、どうしてもついていけないぞというような感じがいたしますが、これは歳出の方においてもやむを得ないものもありましょうが、同時にそれだけふえるなら、その点でやはり全体の歳出をできるだけ圧縮するように努力してもらう。こういうことから当然考えていかなければならんと思いますし、歳入全体としましては私は本年度よりはある程度増加は期待できると思いますが、専売益金なり全部入れますれば、ただそれがどの程度期待できるかということになりますと、ちょっと何とも申し上げかねます。ただ、今のところよほど何か考えて参りませんと、歳入と歳出とがうまくマッチできるかどうか、これはかなりむずかしい問題じゃないか。それだけにわれわれも真剣にこの問題に取り組まなければならない時期に来ているのではないかということは考えしおります。何分まだ時期が少し早いのでありますので、必要なデーターが揃いかねるところに、今の御質問にお答えしかねる事情があるかと思います。
○委員長(青木一男君) 他に御発言もないようでありますが、質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(青木一男君) 御異議ないものと認めます。これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
○木村禧八郎君 私は本法案に反対であります。反対理由を簡単に申し上げますが、前からわれわれは目的税的性格を持つガソリン税については反対して参ったのです。道路整備五ヵ年計画の裏づけとしてのガソリン税については反対して参りました。当初はガソリン税を値上げしないということを大蔵当局は相当はっきり言われたのです。その後二千円値上げしたのであります。そういう関係から反対する次第であります。また地方道路税についても、これはやはりもっと地方財源について全体的な視野から再検討する必要があるので、道路の整備の重要性についてはわれわれも決してこれを理解するにやぶさかではないのです。重要性を認識しておりますのですが、この財源調査方法については、どうしてもこういう形では賛成できがたいのです。そういう意味で道路の整備を急がなければならんということ自体については決して反対ではないのです。ただこういう財源措置については、財政、税制、全般からにらんで賛成できないと思います。これをもって私の反対理由といたします。
○委員長(青木一男君) 他に御発言もないようでありますが、討論は終局したものと認めて御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(青木一男君) 御異議ないと認めます。 これより採決に入ります。地方道路税法案を衆議院送付案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(青木一男君) 多数であります。よって本案は衆議院送付案通り可決すべきものと決定いたしました。 なお、諸般の手続は慣例により委員長に御一任願いたいと思います。 多数意見者の御署名を願います。 —————————————
○委員長(青木一男君) 次に、交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改正する法律案を議題として質疑を行います。
○藤野繁雄君 入場税を全部地方譲与移に繰り入れるというようなことにしても、入場譲与税が前年度よりも二十億減ずるというのは、どういうふうに考えてよろしいのでございましょう。これは入場税が非常に減収になった関係でございましょうか。
○政府委員(正示啓次郎君) お答え申し上げます。これはすでに御承知のように入場税につきまして税率も大幅の修正がございました。非常に減ったわけでございます。昨年は簡単に考えて一般会計で最低保証をいたしたのです。本年はそういうことはいたしませんで、そのかわり一般会計に繰り入れます一割相当額の繰り入れはとりやめる。なお、一カ月期間の繰り上げもいたしまして、なお、かように減ったわけでございます。
○藤野繁雄君 前年度の決算で十億円も剰余金が出ているようでありますが、剰余金を出さなくても、前年度に適当に処理すべきものであると考えるのですが、どうして譲与金を生じたのでありますか。
○政府委員(正示啓次郎君) これは昨年度の年度末におきまして、やはり地方へ譲与する関係上、借入金をもって処置をいたした分がございますが、それが現実に入って参りまして、それを、去年の三月でございますが、今年四月に譲与する、こういうことで前年度の分をば譲与するという格好になったわけであります。
○委員長(青木一男君) 他に御発言もないようでありますが、質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(青木一男君) 御異議ないと認めます。 これより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御発言もないようでありますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(青木一男君) 御異議ないと認めます。 これより採決に入ります。交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改正する法律案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(青木一男君) 多数であります。よって本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。 なお、諸般の手続は慣例により委員長に御一任を願いたいと思います。 多数意見者の御署名を願います。 —————————————
○委員長(青木一男君) 次に継続調査要求についてお諮りいたします。 本委員会におきましてはさきに議長の承認を得て租税及び金融等に関する調査を行なって参ったのでありますが、今期も切迫し、会期中に調査を終了することは困難でありますので、閉会中に引き続き調査することとし、本院規則第五十三条によりまして、継続調査要求書を議長に提出いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(青木一男君) 御異議ないと認めます。 なお、要求書の内容及びその提出時期等につきましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(青木一男君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたしました。 速記中止。 〔速記中止〕
○委員長(青木一男君) 速記開始。 —————————————
○委員長(青木一男君) 今期国会閉会中に租税及び金融等に関する調査のため委員派遣の要求があるかと思いますので、この際、一応本院規則第百八十条の二により、委員派遣承認要求書を議長に提出することにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(青木一男君) 御異議ないと認めます。 なお、ただいま御決定を願いました要求毒の内容及びその提出時期等につきましては、委員長に御一任を願いたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(青木一男君) 御異議ないと認めます。よってさように決定いたしました。 本日はこれにて閉会いたします。 午後十一時五十九分散会