大蔵委員会 第15号
- 発言数
- 55 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1955/06/10
会議録
○委員長(青木一男君) これより委員会を開きます。 農業共済再保険特別会計の歳入不足をうめるための一般会計からの繰入金に関する法律案、これを議題として質疑を行います。
○藤野繁雄君 昭和二十九年度分の農業勘定の共済金というものはもうすでに各農家に支払い済みであるかどうか、もし支払い済みでなかったならば、どのくらい未済があるか、あるいはこの法律案が通過後に支払われる考えであるかどうか、その点をお伺いいたしたいと思います。
○説明員(橘武夫君) 二十九年度の共済金は大部分が農家に支払い済みでございますけれども、ただ水稲につきまして四件ばかりまだ再保険金が決定していないものがございます。それの金額にいたしまして、まだ未確定でございますけれども、これが大体十億近くのものがまだ未決定のままになっております。
○藤野繁雄君 四件で十億円ぐらいが未決定であるということであったならば、それはいつごろ決定して、いつごろまでに支払われる御予定であるか承わりたい。
○説明員(橘武夫君) これは再保険金につきましては、各農家から一応被害申告が出まして、それを市町村の組合が一応決定いたしまして、その決定に基きましてさらに保険者としての連合会がそれをさらに被害額を査定する、その連合会から申請して参りました再保険金の請求に対しましては、農林省の統計調査の数字などとにらみ合せまして、さらにその額を承認して、その承認した場合に支払いがなされるというふうな建前になっておりまして、今申し上げた点につきましては、私どもの農林省の統計調査の数字から見ました被害の程度というものと、連合会から出して参りました被害額との間に開きがございましてまだ決定に至らないで、さらに連合会に対して再検討して再提出を求めているという段階でございます。これが再提出があってそれが承認が得られ次第、直ちに再保険金が支払われるという段取りになっております。これは少くとも今月中には全部支払いを完了いたしたいというふうに考えます。
○藤野繁雄君 それでは次に農業再保険費のうちの再保険金が前年度よりも三十億円くらい減っておるが、その理由はどこにあるか。また一方予備費の方は一億六千万円以上も増加しておるが、一方の方が減り、一方の方が増加しておるところの理由を承わりたい。特別会計の二百二十一ページです。
○説明員(橘武夫君) それは昨年に比べまして再保険金が減っておりますのは、被害が、二十九年度の被害というものは、二十八年度が非常に異常災害のあった年でございまして、それに対しまして二十九年度はやはり異常な災害が、風水害がございましたけれども、二十八年度に比べましてはその災害が少なかったということでございます。
○藤野繁雄君 三十億円減ったのはそれでわかる。しかし一方の方の予備金をふやしたのはどういう意味ですか、この特別会計の二百二十一ページの下から二行目です。
○説明員(橘武夫君) ただいまの御質問の予備金の関係、これは家畜共済と同じく農業共済再保険特別会計でやっておりまして、各共済につきましては、一年間の期間を切って漸次共済に加入いたします関係上未経過保険料が残るわけでございまして、その関係でそれの二十九年度と二十八年度の差がこの予備費になって現われてきたんだろうと思います。
○藤野繁雄君 今家畜保険のことをお話しになっておりますが、政府は家畜、畜産というものについては非常に奨励するという段取りになっておって、奨励するということだったらば、家畜の再保険金も自然増加してこなくちゃいけない。しかるにこの予算を見てみるというと、再保険金が前年度よりも二千二百万円以上減少しておるところの理由はどうですか、二百二十四ページ。
○説明員(橘武夫君) ただいまの家畜の再保険金を減額いたしておりますのは、家畜に対しまするいろいろな衛生施設、その他が次第に進歩いたしました関係で、年々家畜の死亡率が低下する傾向がございまして、それの関係で家畜の掛金も、今年度におきまして相当低下が見込まれる。それに応じまして、それに対しまする家畜の支払い事故も低下して、それに対する再保険の支払額が低下するということが見込まれておるためであります。
○藤野繁雄君 今、政府の方では家畜共済の一元化の実施を奨励しておられるが、そういうふうな関係でこれが減るのですか。一元化の現在の状況、将来の方針、あるいは法律的措置も今講じつつあられるかもわからぬが、大体でいいですから……。
○説明員(橘武夫君) 家畜の一元化はすでに一昨年から実験的に全国の四割程度の組合につきまして実施しておりまして、その成果がすでに相当現われておるわけであります。その関係からの死亡率の低下というものがここに現われてきておるように考えます。
○藤野繁雄君 次には、農業共済組合連合会の交付金が昨年度よりも一億九千万円以上も増加しているのでありますが、前の方では、前年度は非常に災害が多かったからこういうふうなことで減じた、しかし連合会の交付金というものは前年度よりも一億九千万円増加しているということであれば、その理由がどういうふうなことであるか伺いたい。
○説明員(橘武夫君) 連合会の交付金は、災害の現実の発生に基いて交付するわけでございませんで、あらかじめ算定いたしました掛金の国庫負担を政府がいたして、それから組合から上って参ります掛金、それがさらに組合から連合会に保険料となって上り、連合会から国に対して再保険料となって上って参るわけでございますが、県によりまして上ってくる再保険料の方が多い県、それから国が国庫負担として県に渡します方が多い県というのが、県の被害の程度に応じていろいろあるわけでありますけれども、国から国庫負担をする方が多い県につきまして、連合会に対して交付金が交付されるわけであります。それが上りましたのは、結局保険の対象となる農作物の価格が上りました関係から、それに応じまして、それの単位収量当りの共済金額というものも上って参ったために、その額が自然にふえてきたという事情でございます。
○藤野繁雄君 これは大臣かあるいは次官にお尋ねせなくちゃいけないかもしれませんが、農業共済事業については、現在衆議院においても、参議院においても、特別の委員会ができて、慎重研究されておるのでありますが、大体今日までどういうふうな程度に進行しておって、将来どういうふうに改善したならば、この災害に対するところの完全な支給ができるというように考えておられるか、今日までの成り行きの状況を承わりたいと思います。
○説明員(橘武夫君) その問題はお話しの通り、衆議院におきましても、参議院におきましても、それぞれ農林委員会で制度の根本的な改正についての決議をなされたわけでございまして、それぞれの委員会の御意向を尊重いたしまして、それをどうやって実施に移すかという点をさらに研究いたしますために、昨年来農林省に各院の議員の方、それからそれ以外の学識経験者の方などに御参加を願いまして、農業災害補償制度の改正のための協議会を設けて検討を続けておる次第でございます。 その協議会におきまして昨年末、さらになお検討が続けられておりますけれども、一応暫定的にある部分についてとりあえず結論を得たということで、農作物の共済につきまして今の反別に共済金額をきめる制度を、一筆ごとに収量に応じた石建の共済金額に改めること、それから農家に対しまして共済金額の選択を認めること、それから共済組合の組織というものをさらにもう少し大きな組織にしていって、従来合併前の市町村の単位を原則にしてできておりましたものを、新しい合併後の市町村の区域を基準としてさらに共済組合を大きくして、それを強化していくということ、それと、そういうようなことを中心とされました申し合せをされたわけでございます。そのうち組合の組織を拡大すること、これにつきましては私どもすでに三月でございましたか、各県に通達を出しまして、県ごとに合併の計画を立てさせて、組合の範囲を広げていく、それによって組合自身の事務処理能力を充実させていく、そうすることによって共済事業の運営を確実にしていく方向に進みたいということで極力指導をいたしております。 その他、農作物の共済制度改正の問題等につきましては、その実施につきまして非常に検討を重ねたわけでございますけれども、そういうふうな組合の組織自身が必ずしもまだ十分に強化されていない、そういうところに、こういう非常に複雑な選択の制度を入れて、今年度から直ちに実施いたしますというと、準備の関係もありまして、水稲の共済制度をこの五月から六月に開始する、それまで万端の準備を整えて、法律的措置もとらなければならぬという事情も考えまして、一方においてそういう組合の能力の問題ということも考え合せまして、さしあたって組合をさらに充実、強化していく、それによって、そういう改正を受け入れる能力を組合に持たせまして、その上で先ほどの協議会の申し合せにありましたような事項につきましての実施の細目についての検討をさらに進めていって、明年度以降にこれを実施に移したいというふうに考えております。 もう一つの大きな点は、農作物共済につきましての客観的の損害というものをどうやってつかむかという点でございますが、これにつきましては、協議会のやはり御意見で、従来は県ごとに、先ほど申し上げました農林省の統計調査部の数字を使いまして、県ごとの損害をある程度認定しておるわけでございますが、それをさらに一歩進めて、郡単位ぐらいまでの統計の数字を使って損害を確定するということが、正しい損害額をつかむ上において、そういう方向に進むべきではないかという申し合せがございまして、これにつきましても、そういうことで予算の要求をいたしまして、統計調査部では今年度から申し合せの趣旨に従って、郡ごとに被害額をつかむという計画のもとに現在準備を進めておる次第でございます。
○藤野繁雄君 この農業共済の一番大きい問題は今の問題なのです。それでいろいろと会計検査院あたりから問題にされておるのも今の問題です。下から上ってきたところの数字と、上から下ってきたところの数字が一致しません。それでどういうふうに決定するかということで、今お話しの四件の十億円の金も出ていないというような状況になっておる。それでこの農業共済の再保険を完全にするということになれば、どうやって被害の程度を決定するかということの根本的解決をせなくては、今後といえども会計検査院その他から指摘をされることであろうと思う。であるから、今そういうふうなことであるといたしましたならば、農業共済の根本的改善は被害状況の決定にあるということであるから、これを土台にして話を進めていかなくちゃできないと、こう考えておるのでありますが、今お話によれば、郡単位まではそういうふうなことになるということであるが、それでもまだ話はまとまらない、であるから、最後においては自分の作物の被害を農家自身が決定して、それを出したのと、上から下ってきたのと一致しないのだから、そういうものがどうしたって一致するような方法を講ずるようなことまで考えなくちゃできないと思っておるのであります。しかしこういうふうなことは、大臣か何かでなくちゃ御答弁できないかわかりませんが、そういうふうなことは一番この問題の大きい点であるということだけ私申し上げておきます。
○委員長(青木一男君) 他に御質疑がなければ次の問題に移ります。 —————————————
○委員長(青木一男君) 昭和二十九年の台風及び冷害による被害農家に対して米麦を特別価格で売り渡したことにより食糧管理特別会計に生ずる損失をうめるための一般会計からの繰入金に関する法律案について質疑を行います。
○藤野繁雄君 この食糧管理特別会計で、私などの一番感じているのは、昭和二十九年度の米の減収加算が大体において約三十三億ぐらいに決定したということなんです。それがこの特別会計にいかなる影響を及ぼすか、こういうふうなことを一つお尋ねいたします。
○説明員(永野正二君) 昭和二十九年産米につきまして、減収加算石当り百四十円を支出するということが先般決定されたわけでございまするが、これの食管会計上の取扱いにつきましては、昭和三十年度の食糧買入費の中から支払われるわけでございまして、昭和三十年度の食管会計が成立いたしました後におきまして、この実行上の問題といたしまして、いろいろ予算を編成いたしました当時の事情と、最近の事情におきまして若干の変更要素がございます。たとえば輸入食糧の価格というような点につきまして、実行上相当努力をすれば節約をできるのではないか、また食糧管理で扱っております管理費と申しますか、中間経費と申しますか、それらの部面につきましても、できる限りの節約をいたしまして、これをもって食管会計の損益関係を合わして参りたい、こういうふうに考えて、目下実施計画につきまして検討をいたしておるわけでございます。
○藤野繁雄君 そうするというと、簡単に言えば、外国から入れる食糧が安いと思うから、それで一部分は補うし、一部分は経費の節約によって補う、こういうふうにお考えですか。
○説明員(永野正二君) ただいまお述べになりました通りでございます。
○藤野繁雄君 昭和三十年度の米価の問題もいろいろ出ておるのでありますが、昭和三十年度の米価は、今新聞で報ずるところによって見れば一万幾らというようなことになっているようであるが、もしそういうふうなことになるといたしましたならば、この食管特別会計はさらに変更せなくちゃできないのであるか、どういうふうに米価が一万円以上に決定したならばなるのであるか、この特別会計をその際においてはさらに変更されるのであるかどうか、大体の構想を承わりたい。
○説明員(永野正二君) 三十年産米の価格につきましては、いろいろ御指摘がございました通り、目下政府部内におきまして検討をいたしておるのでございまするが、まだ成案を得ておりませんので、この程度で御了承をいただきたいと思います。
○藤野繁雄君 今日の本会議でもある議員が発言しておられたようでありますが、食生活の改善というものは今後やっていかなくちゃできないと、そのためにはまず小学校の給食を実施していかなくちゃいけないから、これを奨励しなくちゃいけないと、こういうことであるのでありますが、将来においても食生活改善のために、小学校の給食を奨励せられるお考えであるか、奨励せられるお考えであろうと思うのでありますが、奨励せられるということだったらば、予算を見てみるというと、食生活改善費が一般会計から繰り入れるところのものが前年度よりも非常に減じておる、こういうふうなのはどういうふうな理由で減じておるのであるか承りたいのであります。
○政府委員(原純夫君) 給食費本体でございますと総額において十八億円余りを、所営は農林、文部にまたがりますが、計上するということにいたしておるわけでございます。お話のは、おそらく二百万円程度の奨励費のお話であろうかとも思いますが、それでございましょうか。
○藤野繁雄君 これの百九十七ページの上から二行目。
○説明員(永野正二君) 食生活改善につきましては今後とも大いに政府全体といたしましていろいろな方面から力を入れて参らなければならないと、こう思っておるのでございますが、今御指摘になりました食生活改善の補助金につきまして、実は昭和三十年度の予算は、前年度に対しまして節約の関係で若干の減少を見ておるのでございます。これは一般の経費節約の強い要求に対しまして、この程度の節約はやむを得ないことではないか、なおこれ以外のいろいろな施策につきまして、食生活改善ということを積極的に進めて参る所存でございます。
○藤野繁雄君 今の御答弁では不満でありますが、もうこれ以上質問したって同じですから……。
○委員長(青木一男君) 他に御発言がなければ次に移ります。 —————————————
○委員長(青木一男君) 漁船再保険特別会計における給与保険の再保険事業について生じた損失をうめるための一般会計からの繰入金に関する法律案について質疑を行います。
○藤野繁雄君 漁船の再保険をできるだけ少くするためには、再保険の原因をなくするような方法を講じなくちゃいけないと思っておるのであります。そういうふうなことをするのについては、現在政府でどういうふうな対策を講じておられるか。拿捕であるとか何であるとかいうようないろいろの問題があって、自然漁船再保険特別会計の金も大きくなるのでありますが、そういうふうな、現在この金を出さなければできないところのものがいろいろ発生するのであるが、さっきも申し上げたように発生しないような方法を講じなければならない。そういうふうな対策は現在どういうふうに講じておられるか、まずこれをお尋ねいたしたいと思います。
○説明員(中村正路君) 特殊保険あるいは給与保険の事故の原因をなくすようなことを考えるのが大事だという御意見でございますが、まことにごもっともな御意見でございます。しかしながら、昨年から起りました拿捕、抑留というような事件は、韓国あるいはソ連、中共というようなところで起ったものでありまして、いずれも政府としての積極的な効果的な措置が十分とれていなということは、はなはだ遺憾だと存じますが、私の方といたしましては、できるだけ危険区域等に出る船につきましては、規律ある操業を行い、そうして誤解による拿捕とか、そういうことをできるだけ避けるように指導しておるわけでございます。
○藤野繁雄君 この問題も大臣か次官でなくちゃほんとうは答弁ができないと思っておりますから、このくらいでとどめます。
○岡崎真一君 この漁船再保険の問題について、金額的にいうと七百万円になっておりますね。これは非常に少い金額でありますから、このもの自体についてはいろいろ議論があろうかと思いますが、それは差し控えますが、この再保険で発生原因ですね、もちろん今藤野さんからお話があったように、拿捕とかいう特殊なことで、これは日本の現在の状態においてはやむを得ないところもあるかもしれません。一体こういう補助をしなければならなかった支払いの種類ですね、損害発生の原因を、少し大まかでも差しつかえありませんから一つ御説明願います。
○説明員(中村正路君) この給与保険と申しますのは、漁船の乗組員が外国に抑留された場合に、その抑留期間中の給与、これに相当するものを保険で払うという仕組みになっております。従いまして、この七百万円の不足金といいますのは、全部その給与のための保険金の不足でございます。これもなぜこういうふうに不足が出たかということにつきましては、昨年度におきまして予想以上に漁船の拿捕があり、そうしてまたその船員の抑留期間が予想外に長かったわけであります。長かった国といいますのは、主として韓国であります。韓国が相当長くて、現在年度末におきましては二百数十名の乗組員が抑留されております。そうして、それの大部分につきまして給与保険の支払いを行なっておるわけであります。これにつきましては、昨年一度補正予算の機会に、昨年の十月までに起りました不足額は、一応繰り入れたのでございますが、その後に年度末から今年の春にかけまして韓国でまた相当な拿捕が行われまして、そのためにこのような損失を招いたわけであります。
○岡崎真一君 最初この給与保険というものを考えられた際に、見込み違いがあったというお話がありましたが、一体どれくらいの見込みで考えておられたのでありますか。
○説明員(中村正路君) 大体当初は二千万円程度の保険金支払いで償うのではないかと思ったわけでございます。ただこの事故の発生が、自然の災害と違いまして、非常に人為的な災害でありますから、これを一定の過去の実績から割り出すといいましても、現実と一致しないということも非常に第一の原因ではないかと思います。
○岡崎真一君 これは今御説明があったように、予測し得なかったいろいろな事故の発生でふえたということでございますが、大体当初これを考える場合に、二千万円でよいかどうかということについては基礎的に十分検討なさったことだとは思いますが、しかしその検討される場合に、どうせいけないなら一般会計から繰り入れたらよいというような安易な考え方というものが私はあったのではなかろうかと思うのです。そういったような甘い考え方で再保険の支払い金額の想定というようなことは、これはもちろん考えられたわけではないのでしょうね。
○説明員(中村正路君) 実はわれわれといたしましては、この計算の基礎といたしましては、昭和二十五、六、七、三カ年の数字を基礎にいたしたわけでございまして、ただその以後の実績等を考えます場合に、多少保険料を上げなければいけないのではないかという考えも出て参ったのでございます。ただ漁業者といたしましては、普通の保険のほかに、漁船に対する特殊保険、さらにこの給与保険と、三つの保険に入らないと安心して出漁できないというような、非常に一部の地方では苦しい状況になっておるわけであります。そうしてまた、そういう海面の制約のために、操業も意のごとくならないというような非常に苦しい状況にあります。そういう点も考慮いたしまして、保険料はできるだけ上げたくない。しかし、はっきりしたデータがわかりまして、もっと上げなければならぬということになれば、これは考えなければならぬと思いますが、人為的な事故でありまして、果してどれだけ出るか、場合によっては三カ月も四カ月も何も事故がないこともございます。それから抑留期間も、つかまって一週間くらいですぐ帰される場合があります。そういったいろいろなことを考えまして、一応保険料につきましては据え置いたのであります。
○岡崎真一君 今の損害が不測にふえたということは、人為関係とおっしゃるけれども、これは人為関係と言っても国際関係と言っても同じことだと思いますが、そこで、これは別に、こういう国家の再保険というような問題に関係して一応伺いたいと思いますのは、前の、ここで一応質問が済んだものも一緒にさかのぼって伺いたいと思いますけれども、こういうふうな農業関係とかいろいろな保険の場合、毎年こういう法案が繰り返し繰返し実はこの委員会に出ておるわけです。これは恒例のごとく法案をわれわれはいつも審議して、そのたびにいろいろ議論はあるのですけれども、この漁船というような場合は、いろいろの国際関係というような問題のために不測の損害をこうむったということは、これはわれわれ納得できまするが、農業関係のごときものは、これは長い間の日本の統計というものがあるはずであって、たとえば台風が来てどうしたとか、あるいは冷害が来たというようなことは、特殊な事情かもしれませんけれども、これは長い目で見れば予測されると思います。もちろん、こういうものを織り込んで、今年はこれだけの損害が起るというように実は測定をして行くのが保険の本質であろうと思います。これは、そういったような、多少保険的な考え方を持っておる者からすると、われわれは保険ではないと言いたいのであります。あえてこれを保険の名においてしておられるということに何か理由があるのですか。
○政府委員(村上孝太郎君) ただいまの岡崎先生のお話ごもっともでございますが、この農業共済再保険と言いますのは、普通の保険の原則から申しますと、短期保険でありますと、その年の、あるいはある程度一定の期間の間における保険計算が違っております。その場合には保険料率を変えまして、そうして、その間の調整は、損失を繰り越すなり、あるいは益金が出たら積み立てするなり、保険料率を上下することによってバランスがとれるというのが原則でございます。この農業共済保険につきましても同じような原則でございますけれども、これは御承知のように約二十年の間の長期のバランスということを目的とした保険でございまして、従いまして五年ごとに、保険料率といいますか、共済掛金率と申しますか、それを変えて参りますが、その改訂いたします保険料率と申しますものは、前二十カ年の被害率というものを平均いたしまして、その間にいろいろ数学的にむずかしい……、災害の多かった年だとか、あるいは非常に豊作だった年とかいう、非常に異常なデータをのけまして、大体平均的に見られる過去二十年の期間の被害率の平均をもって掛金率を作っております。そこで理論的に言いますと、二十年たつと、その間に出入りはあるけれども、結局バランスする、こういう話になるのでありまして、第一の農業共済再保険特別会計の繰入金につきましては、ちゃんと法律に書いてございますように、黒が出たら一般会計に返せ、そういうふうな規定がついておるわけでございます。ただ現在におきましては、過去二十年間と申しますと、戦争中をはさみまして前後十年ずつになるわけでございますが、戦前の統計というふうなものが現在の進歩しました農業統計のごとく信憑できるものかどうか、それから戦後における、戦時中の乱伐によるところの大きな災害とか、非常に災害があるという事情その他から、実際に現在の掛金率というものが妥当なものかどうかということについては、いろいろわれわれも検討いたしております。そこで現在は過去二十カ年の被害率を平均します場合にも、最近の五カ年のウエートは四とか、その前は三だとか、二だとか、いろいろウエートに差をつけてやっておるわけでございますけれども、こういうふうに毎年繰り入れの法律案をお願いするところから言いますと、掛金率が果して正当なものかどうか、ちょっと自信がないのでありまして、そこで、現在いろいろな方面から検討いたしております。そういう点からも今後改められるものだろうと思いますけれども、一応農業共済再保険特別会計につきましては二十カ年の長期バランスということを考えておるのだということで、御了解を願いたいと思うのであります。 それから第二の食管の問題につきましては、これはまあ繰り入れと申しましても、去年災害がございました地域の飯米がなくなった農家に対して、安く米あるいは麦を売り渡すという議員の方の立法がございまして、それによって生じた損失でございますので、これは政策一般の元締めをいたしておりますところの一般会計からその赤字を繰り入れるのが当然であるということで、繰り入れをいたしておるわけでございます。
○岡崎真一君 御説明は一応筋は通っておると思います。ところが、去年であったかと思いますけれども、これに関連して、私は要求しなかったけれども、どなたかが要求されました資料が出ております。その資料をはっきり記憶しておりませんけれども見ておりますと、今お話のように、毎年赤字になっておる。そうして、それはたしか十年くらいの統計、もっと古い統計であったと思いますけれども、それをずっと見てきても、ちょっと考えてみてみると、明らかにこれは……、一体何も保険は利益を出すのが保険じゃないのですけれども、とんとんにゆく見通しがないように見えるのですね。そうすると、要するに補助金をやめるとかやめぬとかいうようないろいろな問題と関連して、形をかえて、そういう保険の形で補助してゆこうというような意思が濃厚に実は動いておるというような私は感じを持つのです。そこで、それなら、いっそのこと保険なんて、しちめんどうくさい仮面を脱いで、そういうふうに持ってゆくのが、補助金的なものにしてゆくのが本筋ではなかろうかと思うのです。そこで私は、あくまでそういうふうなことをおきながら、今おっしゃるように、二十年の統計であるとか、やれ何とか、いろいろそれはお話の筋道をお立てになってお話になっておるけれども、根本的にいうと、そこにもう一つぴりっと来ないものが私はあると思うので、これはあくまで保険の形でそんなものを将来ともやってゆかれるつもりなのか、それとも補助金というようなものに、すっきりしたものにしてゆこう、こういうことが政府あたりのお考えか、これは時の政府によって違うでしょうが、行政官の立場においていろいろ困られることもあろうと思うのですが、しかしそれを抜きにして、一応あなたのお考えとしては、こういう問題についてどちらがいいというふうにお考えになるかということを伺っておきたいと思います。
○政府委員(村上孝太郎君) 農業共済制度というものが、農村におきまして、国民健康保険と相並びまして、農村の二つの大きな社会保障制度をなしておるわけでありまして、非常に重要なことは認めるわけでございますが、われわれの立場といたしましては、そういうふうな非常に重要な制度ではございますけれどもこれを補助金としてやり放しにしようという考えは毛頭ないのでございます。先ほど、農業共済再保険につきましては、上からの査定と下からの要求とが合わないために、非常にでたらめな給付が行われておる、たしかに現在のところ、あまり整った保険制度という体をなしてないかもしれませんけれども、われわれといたしましては、農村で相互に共助して、そうした毎年の災害というものに対して、特に作柄に依存する農林経済というものをお互いに保険制度でもって負担するということは当り前の話じゃないか、これを補助金としてやるつもりは毛頭ございませんし、この法案にくっ付いておりますように、いずれ保険が、昭和二十七年当時相当黒字が出ましたけれども、昭和二十七年当時のように黒が出れば一般会計に召し上げるというつもりで考えております。
○岡崎真一君 それは、なるほど理屈としては、補助金というようなものにすることについての弊害はたくさんあると思います。だから、それは今おっしゃるように、いわゆる損害を多勢が負担し合うという意味合いで保険制度にするという考え方は、これは私は成り立つと思います。ことに先ほど健康保険なんかと同じような筋であろうと思いますけれども、これは納得ゆかないことはないのですが、しかし、そのものについて成り立たないようなレートをやるということ自身に、むしろ保険ということにどうしても考えてゆかなければならぬなら問題があろうと思います。そこで、そうかといって、それでは保険レートを、掛金を上げるということは、これはもとより非常に多くの農村の人にそれだけの負担をかけてゆくということだからできないという、そこにジレンマさえ起って来ると思うのですが、それならはっきりと改正でもして、今のどうしても安い、二十年間の統計をとって、そうして、それによってとんとんにゆくようにレートを改正してゆくという趣旨を貫かれるならば、これはむしろ改正でもなすって、これをやるときまでは戻し入れをするということをやめて、ファンドとして積んでおいて、二十年くらいたって、そのときに初めてやるということのほうが、これは御説明の趣旨が一貫すると思うのですが、これはどうですか。
○政府委員(村上孝太郎君) ファンドという考えはまさにその通りでありまして、ファンドを実はやっておったのでありますが、食いつぶして一般会計から要求しているという状態であります。この農業共済制度というものは保険として成り立つかどうかという問題があります。これはいろいろ非常に複雑な制度でございますから、検討いたしてみないとわからないのでありますが、確かに長期保険というものは統計に依存しておるわけです。よるべき統計というものの信憑性如何によっては、いわゆるわれわれが考えている長期バランスというものがとれるかどうかわからぬ、その面から、現在農林省あたりも、いろいろよるべき被害の統計について検討いたしておるのであります。もう一つ、保険がうまくゆかないのは、乱給と申しますか、そういう給付が乱雑に流れるということが大きな問題だと思います。これは先ほど御指摘になりましたように、現在上からの基準がないものですから、たとえば下から四倍要求して上から二分の一に査定しておるから、結局二倍の金が獲得できたというふうな例も会計検査院の指摘の中にはございます。そこで先ほど申されましたように、査定をする、共済組合から連合会、さらに農林省へと、この過程におきまして、査定をする当局がしっかりした被害の基準というものをもちましてやるということは、これは非常に大事な問題であります。それからまた、現在のところ、一万の組合がありまして、市町村の方は合併できたけれども、組合のほうはそのままに入れずにあるという状態で、従って組合の理事者のしっかりしたものを入れたいでしょうし、そういう関係から、組合の組織あるいは給付制度に対する査定の客観的基準というようなものから、一つ今年あたりは立て直す必要があるのではないかということでやっております。ただ先ほど申し上げましたように、日本の農民がこれに依存しておりまして、一挙に急激に回復をいたすということは、これはまた農村に対する影響もありますので、漸進的な方法ではありますけれども、われわれとしては、保険としてこういう制度が成り立つであろうという確信のもとに給付をやっておる、こういうように御了承願いたいと思います。
○委員長(青木一男君) ほかに御質疑がなければ次に移ります。 —————————————
○委員長(青木一男君) 臨時通貨法の一部を改正する法律案について質疑を行います。 私一つ質問いたします。一万円の紙幣というのはどうなっておりますか。
○説明員(石野信一君) 一万円紙幣の問題につきましては、最初に結論から申しますと、今これを発行する計画はいたしておりません。いろいろ理論的に申しますと、ただいま千円札が全体のうちの八〇%以上流通しておりまして、ある程度さらに額面の大きな通貨を出した方がいいというふうにも言われますし、それからまた、これについて銀行等における経費の節約に資するというような考え方もあるのですけれども、ただ御承知のように、通貨というものは非常に一般の経済心理というものに微妙な影響を持つのでございますので、先にも、一万円札が出ると、インフレというようなものに対する不安と結びついて、いろいろ論議がなされたようなこともございますので、なおそういった点について全然不安がないということになりませんと、理論的にいいからというだけで割り切るわけにも参りません。今のところこれは発行する考えはございません。
○藤野繁雄君 これは参考のためお尋ねしたいのですが、この間のお話しにあったかわかりませんが、十円と五十円と今度できるとするならば、これがどのくらいの費用でできるのかということ。それから、十円紙幣だったか、五十円紙幣だったか、八カ月くらいしか保存がきかないということでしたが、そういうようなところを具体的に御説明を願います。
○説明員(石野信一君) 議題になっております五十円のニッケル貨幣は、製造の単価は十二円四十銭程度でございます。それから十円の青銅貨幣が二円八十九銭、五円黄銅貨幣が一円七十四銭、なお、最近発行することにいたしております一円のアルミ貨幣、これは九十六銭六厘程度の単価がかかります。それから仰せの通り、同じ五十円でも、紙幣の場合には、九カ月程度しか保ちませんので、こういう意味で、コストは五十円の紙幣の方は二円六十三銭でございますけれども、硬貨の方は、五十円補助貨幣の方は大体半永久的でございますので、長い目で見ると、コストの点でも硬貨の方が有利になるわけであります。
○委員長(青木一男君) 他に御質疑がなければ次に移ります。 —————————————
○委員長(青木一男君) 証券取引法の一部を改正する法律案及び証券投資信託法の一部を改正する法律案を一括議題として質疑を行います。 御発言がなければ、本日はこの程度で散会いたします。 午後三時十一分散会