P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
22回国会参議院1955/10/19

大蔵委員会 閉会後第2号

発言数
117
登壇者
15
会派数
4
開催日
1955/10/19

会議録

青木一男自由党

○委員長(青木一男君) これより委員会を開会いたします。  本日は午前中、租税の収入見込及び税制改正に関する件について主税局長より説明を聴取し質疑を行います。午後はたばこ販売収入見込及び葉タバコ輸入に関する件について専売公社当局より説明を聞き、質疑を行う予定であります。  なお、大蔵大臣は午後二時に出席の予定でありますので、租税、金融の一般問題について質疑をいたす考えであります。  これより渡邊主税局長の説明を徴します。

渡邊喜久造大蔵省主税局長

○説明員(渡邊喜久造君) まず本年度の租税収入の状況及び今後における見通しにつきまして、御説明申し上げたいのでございます。  お配りしてあります資料が二つになっておりますが、大体似たようなものですが、一番最後のところの欄に前年度同期対決算割合というのがついている方をごらん願いたいと思います。片方はそれがついておらないだけの違いでございますが、九月末における一般会計の収入の合計は三千七百四十六億でございます。総体的に申しまして、予算に対する収入の割合いは四八・四%になっております。われわれ常に考えておりますのに、前年における収入金額が予算に対してどのくらいの割合になっているか、あるいは決算に対してどのくらいの割合になっているかという点を常に注目しております。と申しますのは、御承知のように季節的にいろいろ変動がございますので、必ずしも十二分の幾つということにはいきませんで、一応前年のそうした上り下りというものを考えて、予算に対して前年度どれくらい入った、本年はどれくらい入っている、それから前年はちょうど二百億程度の自然増収かありましたが、その決算に対して前年九月にどれくらい入った、こういう点を見ているわけでございますが、四八・四%という数字は奇しくも前年の決算に対する割合四八・四%とちょうど同じになっております。前年は予算に対しましては九月末の収入金額は四九・六%、決算に対しては四八・四%、われわれはこの数字をこう見ております。四九・六%という数字、この動きでいきますと、前年に二百億ほどの自然増収が出たわけでございます。従いまして本年の、たとえば収入歩合が予算に対してもし四九・六%あるとすれば、前年度と似たり寄ったりの自然増収が出得る、決算に対する四八。四%という数字、これとまあ本年は同じでございますが、このままで本年が動いていきますとすれば、自然増収が全然ゼロで、ちょうど本年の決算額は予算額と同じ、こういうふうに考えていいのじゃないか、実績に対しまして昨年は九月までは四八・四%入ったわけですから、本年も四八・四%入っているとすると、結局それがその元である予算、それとまあちょうど同じ、従ってこの数字だけからいいますと、まあ大体予算程度ということが一応ごく大づかみに言えば言えるのであります。実は八月にもちょうど同じような数字になりまして、八月の末におきます歳入総額は、一般会計の租税収入総額は三千二百八億でありまして、予算に対して四一・四%だったのですが、これがやはり同じように決算に対して四一・四%だったのです。これはわれわれただ偶然の一致だと思っておりますが、九月も決算に対して四八・四%、昨年が決算に対して四八・四%、本年も四八・四%、まあ本年は予算に対しての分でありますが、そう考えて参りますと、一応ごく概括的に言えば、大体予算程度という数字が一応出てくると思っております。ただそれは全部の税を総合しまして、一応概括的に見た数字でございますので、われわれはさらに本年の税収入の見込みを、決算見込みを作ります場合におきましては、各税についてもう少し内容を検討してみております。従いまして以下各税についてわれわれがそれをどう見ているかということについて多少付言して申し上げたいと思います。  まず、所得税でございますが、所得税は九月末までに源泉の方が千百十五億入っておりまして、これは予算に対して五四・二%、昨年は九月末におきまして収入の割合は予算に対して五〇・九%、決算に対して五〇%、今年は四。二%成績がいいわけであります。ただこの場合にわれわれが考えなければならないことは、御承知のように今年減税をやりましたが、これは七号からの減税でございまして、税収入にすれば原則として八月以降にその数字が影響して参ります。政府の役人の俸給だけは七月の収入にすぐ反映しますが、民間の関係は一月ずれますので、八月以降にそれが入ります。従いまして九月までに入ってきておる分は、その大部分が減税前の数字であります、ということを考えてみる必要があると思います。従いまして源泉関係で約三百億ほどの減収を見込んでおりますが、この関係はむしろ今後の関係である、そういうことを考えますと、現在までは五四・二%としまして、相当過去、前年に比べましていい成績が上ってきておりますが、これはむしろ当然の話でありまして、減税関係がこれから出てくるというところをわれわれとしては考えてみる必要があるのではないか、そういうふうに見て参りますと、九月の収入が百五十一億でありまして、割合に入り方としては減税後でありますが、順調に入ってきておりますので、減税をこめましても源泉の方は予算に対しましては多少増加するんじゃないだろうか、今言いましたように、現在までの五四・二%はそのまま将来も伸びてゆくというふうに考えるのは行き過ぎだと思いますけれども、しかし今後行われる減税の分を考えましても、九月の収入から見ますと、割合にいいのではないか、十月がもう少し出て参りますと、割合にその傾向がもう少し自信を持ったお話しができるのではないか、こういうふうに思っております。  それから申告の分でございますが、これは収入歩合が三三%、前年は決算に対しまして三四・五%、これは昨年よりやや落ちております。ただ申告の分は源泉と違いまして、毎月々々歳入がきまってゆくというものではなくて、年分を通じてきまってゆくというところに違いがあります。そこで申告について特にわれわれが一つ大きなファクターとして取り上げておりますのは、農業所得の関係であります。御承知のように今年は米の作柄も非常によろしいわけでございまして、平年作に比べまして千万石近くの増収になっておる、米価の関係は、それにもかかわらず、一応きまっておりますので、増収だからといって値段が下るという普通の商品に見られる傾向はございません。従いましてそれだけ歳入がふえることが予想されるのでありますが、ただこの方は何と申しましても農家の負担というのが現在予算で見ております数が約七十億、全体に割合こまかく分散されておりますので、いろいろ経費の点なども考えますと、この千万石の増収というのは非常に大きいように考えられますのですけれども、どうも歳入として出てくる数字がおそらく三十億か四十億という数字じゃないかというふうに一応われわれは考えております。かれこれ考えまして、営業関係の収入がどうなっておるか、事業所得営業関係がどうなるか、もう少しわからんと見当がつきませんが、まあ言えますことは、予算に対してある程度の増収は期待できやせんだろうか、ただそう大きな額とも言えないのじゃないだろうかという点でございます。  それから次に法人税でございます。法人税は予算に対しまして本年の収入額が今までの収入額、九月までで八百九十九億ございますから四六・二%になっております。で、前年同期におきましては決算に対して五割になっておりますから、これは本年の方が成績がちょっと落ちているわけでございます。ただ毎度申し上げますことでございますが、昨年は三月の決算が比較的よくって九月の決算が悪かった。で、本年は三月の決算が悪くて九月決算がいいということが一応われわれ予算を組むときにおいても予想していたわけでございまして、それは現実の事実としましても大体その傾向にあるようでございます。問題は、大体程度の点でございますが、われわれが予算を組みましたときは、昨年の九月の決算に対しまして本年の三月の決算も大体横ばいであるということを一応想定しました。そうして九月の決算は大体三月の決算に対しまして一割程度いいんじゃないか、こういう予想をつけておりました。三月の決算はすでにわかりまして、まあわれわれは大体横ばいと考えておりましたが、一応の数字は九八・幾らというようなことですから、当らずといえども遠からざるところへ来ているようであります。それから九月の決算でございますが、これは実は目下盛んに資料を集めております。だいぶ集まって参りまして、もちろん大きな会社だけを中心にしまして資料を集めております。申告が出て参りますのは十一月の末でございますから、正式な申告書としてはまだわれわれとして数字はつかめませんが、いろいろ会社等に伺いまして、大体の見当を伺っているわけですが、今までわれわれの方へ入りました数字としましては、大体一割五分くらい三月に比べて向上しているのじゃないか、一割五分、一割六、七分といった数字もあります。もう少し参りませんと確実な数字はわかりません。大体われわれはまあ一割程度向上するのじゃないかということで予算を組んでおりましたので、ここにおきましても多少の増が考えられるというふうに思っております。  それから相続税、再評価税、この辺は多少予算、決算、本年の予算に対する割合、昨年の決算に対する前年同期の割合いろいろ違っておりますが、額全体が少うございますからこれはあまり御説明申し上げることを省略さしていただきます。  それから次は酒の税金でございます。九月末の収入が七百八十一億、予算に対する割合が四八・九%、昨年同期におきましては、これが昨年同期の収入額の昨年の決算に対する割合は四八・七%、大体収入歩合としまして、〇・二%よくなっているという程度でございます。  酒についてちょっと申し上げますと、本年はビールの出方は非常によろしゅうございました。特に七月の出方がよろしゅうございまして、四十一万石という数字でございました。これは実は戦前戦後を通じて一カ月の庫出し高としては今までになかった数字でございます。八月は三十万石をちょっと超えておりまして、これは大体昨年の八月の庫出しと同じでございました。ビールにつきましてはもう季節も過ぎましたので、ほぼいわば勝負がついたというふうに思っております。予算では二百十万石の庫出しを見込んでおりました。昨年の実績は二百六万石でありまして、それが多少ふえることを予想しまして、二百十万石予想しておりましたが、天候が非常によかったゆえもありますが、申しましたように七月の出方がよかったものでございますから、現在として見ますと、大体二百二十万石から二百二十五万石までの間が本年の庫出しになるのじゃなかろうか、予算に対して十万石ないし十五万石ふえるのじゃないかと思っております。十万石ふえますと税収としまして二十億、十五万石ふえますと三十億の増収になります。ただ酒の方でございますが、これはまあある意味において当然予想されることかもしれませんが、特級酒、一級酒の売れ行きが非常に落ちております。三月から九月までの関係で一応予定されている関係から割り出して参りますと、特級酒は大体予算に組んでいた特級酒の分に対しまして、六割二分くらいの出方になっております。それから一級酒が八割八分くらいの出方になっております。二級酒の方は相当出ているのですが、特級酒、一級酒は御承知のように相当税率が高い、これが二級酒の方に回ってしまいますと、この分が税収が相当減ることを予想せざるを得ません。で、大体特級酒、一級酒の減がやはり二、一、十億どうも出そうであります。従いましてビールの方から出ます増収が大体特級酒、一級酒の方の減収で一応食われてしまうという、端的に言えば食われてしまうということになるのじゃないかというふうに考えられます。で、合成酒は割合にまあ今は予算を組んだ程度は順調に出ておりますが、これもどうもちょっと現状は悪いようであります。そのかわりしょうちゅうの方が、夏場相当出ております。この方はどちらにしましても多少のプラス・マイナスはあると思いますが、それほど大きな額とは思っておりません、予算に対しまして。問題は清酒でございます。で、清酒が果してどれだけ出るか、ちょうど季節にかかったところでございまして、九月から需要期に入るわけでございまして、九月の出荷は割合順調に出ております。十月にどうなりますか、清酒の方がまあ政府の見積り、予算としましては二百八十三万石というところで見込んでおりまして、酒造組合の方で大体月割り的なことをやって、何月にどのくらい出るだろうといったような月割りをやっておりますが、八月まではその月割りよりもちょっとへこんでおりまして、九月におきましてもまだ月割りにまでいっておりませんが、しかし今後の見込からしますと、まあある程度それは回復できるのじゃないだろうか、そんな意味で、二級酒の出方がどう出るかということが、実はまだほんとうに見当がついておりませんが、ビールの方の増収、それから特級、一級の減収という関係は、どうも特級、一級の減収はビールの増収で大体カバーできたといいますか、ビールの増収が特級、一級に食われたといいますか、大体そんな関係になっております。  それから砂糖消費税でございますが、砂糖消費税は収入金額が九月末で二百二十一億、歩合にして四九・七%、昨年の決算に対する割合は五二・二%、これも落ちております。ただ昨年はこの分は実はちょうど徴収猶予の期間を三ヵ月を二ヵ月に減らしていることを昨年やりまして、このころにその分の収入が九月に入って来ております。従いまして昨年はこの三ヵ月分実は入ったわけでございます。そういうことを考えて参りますと、別にそう悲観した材料とは思っておりません。輸入数量九十五万トンをベースにしておりますが、外貨割当では十万トンふやしましたけれども、それは輸入がちょっと割当よりもおくれますので、本年度の収入という分にはちょっと入らないのじゃないかというふうに考えておりますが、これも収入見込み程度よりは若干いいのじゃないか。しかしあまり大した額とは思っておりません。  それから揮発油税でございますが、これは収入歩合が四二・四%、昨年同期が四五・七%これも若干落ちております。しかし揮発油も実は昨年は半月徴収猶予期間を繰り上げまして十二ヵ月半入っております。それから揮発油は下期においてだいぶ予定よりもふやすようなことも考えられておりますし、これも収入としまして予算に比べましてはそう悪くないのじゃないかというふうに思っております。  それから物品税でございますが、これが割合に思ったよりもよく入って来ております。九月末の収入金額で百二十七億、収入歩合で五五・三、昨年が四七・六、昨年に比べましてだいぶ入り工合がいいように思います。ただこの辺のものでございますと、よほど増収になったとしましてもまあ十億とか二十億という数字程度じゃないかというふうに思っております。  それからこまかい分は飛ばしまして関税でございますが、関税は本年の分が四九・五、昨年が五〇・九、これもいわゆる関税の関係がこれからの問題でございますし、まあ大体予算程度ということはそう悲観しなくても前後しましても大した数字じゃない。上下になりましても大した数字じゃないと思っております。  それから印紙収入の関係でございますが、これも本年の歩合が予算に対して五〇・六、昨年が決算に対して五〇、どちらにしましてもそう大きな数字とは思っておりません。  大体以上申したような関係でございまして、総体的に見ますと、九月における予算に対する割合が四八・四は昨年の九月末の収入金額の決算に対する割合四八・四というものと同じでありまして、まあこれで行きますと自然増収でない、といって自然減も出ないで一ぱい一ぱいというわけでございますが、個々に見て参りますと、多少いいんじゃないかと、減税の効果がどのくらい出て参りますか、それが一つの問題でありますが、ただまあ昨年二百億自然増収が出ましたが、本年はなかなかそうした大きな額にはとても希望できないのじゃないか、どんなふうになりますか、まあ十億台の自然増収といいますか、まあ百億までくらいじゃないかと現在のところでは思っております。  歳入全体としましては、先ほど伺いますと午後に専売公社のたばこの関係は別途お聞き下さるそうでございますので、つけ加える必要はありませんが、たばこの専売益金が実は悪いので、われわれ同じ歳入官庁として実は心配もし弱ってもおります。当初予算で組んでおりましたのに対しまして、本数において昨年よりはふえておりますが、予算額よりは減っております。それからもう一つより大きなファクターとしましてはピースが減り、それから最近は光まで減りましてみんな新生、売り上げにしましてこの聞いたところでは百億前後予算よりは減るのじゃないか。そうしますと、専売益金としまして七十億くらい減るのじゃないか、こういったようなことを聞かされております。  税収の方はまあそういった調子で順調でございますが、そういうことを考えますと、歳入全体としまして予算を切るとは思いませんが、かなり苦しいところへ達するのじゃないかというふうに考えています。  それから特別会計の方でございます。これは入場税は大体月十億ないし十一億の線が出て参りまして、比較的順調に出ておりますので、予算が百三十五億ということを組んでございますが、現在の見通しとしましては約十億くらいは自然増収が出るのじゃないかというふうに一応考えております。それからこれは収入歩合がごらん願いますと、本年は四七・四、昨年の決算に対する割合は二八・九、ただ昨年は途中で始まった税でございますので、昨年の決算に対する割合というのは実は大して意味がございませんので、これはちょっと比較するのは無理じゃないかというふうに思っております。むしろ九月の収入が十億といったような数字になっておりますと、まあこれで平均すると百二十億、しかし大体一月が相当多うございます。例月より七、八割多い月になっております。まあ予算の百三十五億はおそらく大丈夫十億ぐらいの自然増収が出るのじゃないかというふうに現地としては見込んでおります。  それから地方道路税の関係につきましては、これは大体揮発油税と同じ傾向を持つ税でございますので、これもおそらく予算に対しては若干の増収というところでおさまるのじゃないかというふうに思っております。  本年度の決算見込みに対しましては大体以上の通りでございます。  明年度の歳入がどうなるかという点でございますが、これはあるいは若干つけ加える意味において、ごく簡単に申し上げておいた方がいいと思いますが、われわれといたしましては、本年度の収入実績を大体見込みをつけまして、それからその上に乗っかって明年度の予算の見込みを立てるわけでございますが、今申しましたように源泉所得税などにしましても、どうも八月という月はボーナスが入った七月の次の月でございますから、われわれのよりどころとしましては、ちょっと異常な月として取り得ない。九月になりましてやっと普通の月になるわけでございますが、どうも九月一月だけではまだ不安でありまして、やはり十月の実績と九月の実績せめて二月くらいの実績がありませんとどうも見通しがつかんということがございますし、また酒の問題にしましても十月の出方というのがわかりますのはやはりもう一月、十一月にならないとわかりませんし、また法人の決算にいたしましても現在早耳的にいろいろやっておりますが、もう少しこれも固まってみなければわからぬ。こういった関係でもう少し材料が整備した上でやりませんと、明年度の歳入の見通しもちょっとつきかねるように思います。御承知のように明年度は減税が平年度化いたしますために、その分だけで実は二百六十一億減収がふえます。企画庁などで考えておりますように、国民所得が順調に伸びて参りますればまあ二百六十一億は当然埋め得ると思っておりますが、二百六十一億を埋めてさらにどれだけ税として本年度予算よりも多く期待できるか、いろんな角度から検討しておりますが、まあ、百億出るものやら二百億出るものやら、われわれの方としましては、もう少し材料を固めましていきたいと、大体十一月一ぱいぐらいの間に見当をつけるつもりで目下せっかく材料を集めております。さような次第でございますので、その辺は御了承願いたいと思います。

青木一男自由党

○委員長(青木一男君) 税収見込みにつきまして質疑を願います。  質疑がなければ税制改正の問題について引き続き説明を願います。

渡邊喜久造大蔵省主税局長

○説明員(渡邊喜久造君) それでは、現在進行中であります臨時税制調査会の議事の進行の状況、それからいろいろ論議されております点などにつきまして御説明申し上げたいと思います。  臨時税制調査会は、本年の八月二日の閣議決定に基きまして、一応閣議決定による調査会といたしまして、内閣に二十五人の委員をもって組織されました。現在臨時委員が一人入っておりまして、全体として二十六人になっております。会長は原安三郎氏が会長になっております。第一回を八月の二十六日に開きまして、この日は一応資料をお配りしまして御説明申し上げ、その資料はお手元に毛お配り申し上げたと思いますが、ああいうような資料をお配りしまして、一応御説明申し上げました。それからそのあと、一応税制改正に関して検討すべき主要事項を幹事の方で作りました。これに基きまして現在までの間に九回、一応会合を開いております。当初地方財政の問題が相当大きな問題になっておりますので、この点につきましてのかなり論議が続けられて、当初の三、四回はその問題に論議が集中しました。そのために、本論の方が多少あと回しになりましたのでも進行の状況は少しおくれております。地方財政の問題も、結局税制調査会としては、結論を得ないままでもう一ぺん振り返って見るというところでいろいろ論議が尽しただけで進行しております。  そこで、一般事項というところから、この検討すべき主要事項について、順次検討をしておりまして、現在の段階におきましては各委員から一応自由に意見を申し述べてもらうというところまで進んでおります。  一般事項は、第一には租税負担の総額の問題でございますが、この点につきましては主税当局の方から大体先ほどお話したような本年の歳入見込み、それから明年度の歳入の見通し、これはあまりまだお話できる段階になっておりませんが、そういうお話を申し上げ、同時に主計局の方から明年度の歳出問題、歳出の見通しというものについて御説明申し上げ、同時に、先ほどお話しましたように、地方財政というものの実態についての説明ないし論議、これがだいぶなされたわけであります。それで、負担についての問題につきましては、大体委員の一応の、まあ一般的なお話と言っていいと思いますが、どうも歳出のいろいろ話を聞いていくと、昭和三十一年度におきましては、三十年度にやった減税がちょうど平年度化するわけであります。半年減税が一年減税になる、これ以上一般的に減税するというのは大体無理じゃないだろうか。どうも歳入歳出の話を聞いていくと、それ以上の減税ということはなかなかできそうにもない。ただ租税負担全体としてはなお減税後においても相当重いとわれわれは思う。従ってできる限り歳出の方を圧縮することによりまして、これ以上減税というのはさしあたっては無理ではあるが、といって増税というのはもうできるだけこれは廃止すべきだ、こういう御意見のようでございます。公債につきましては、これは健全財政を堅持するという建前を維持する意味において、これはやりたくない、で、どうしてもまあ財源が足りないならば、あるいは間接税等において若干の増税を考えなければならぬかもしれない、増税するなら間接税だ。しかし増税はもうぜひ避けろ、まあ人数大ぜいございますので、いろいろな御意見がございますが、ただいまはまあ増税すれば間接税、しかし一般的な空気としましては、一般的に税負担を軽減するような、本年度やりましたような減税は、これは無理だろうけれども、しかし逆に増税はできるだけもう廃止すべきだ、将来機会があれば減税ということをさらに考えるべきだ、こういったような御意見のように伺っております。  国と地方団体との関係等につきましては、これはずいぶんいろいろ内容的にお話が出ましたのでございますが、一般的に申しまして、地方団体が相当苦しいということは、これは大体皆さん認めているようでありますが、その原因の問題につきましては、国が考えなければならぬ問題と、地方団体が地方団体として考えるべき問題、独自で考えるべき問題、御議論は大体、地方団体の代表の方も入っていらっしゃいますので、二つに分れまして、全員が一致している点は、地方団体が困っている原因は、とにかく国の側にも地方団体の側にもある、この点は大体全員が認めていらっしゃるようでございます。ただその主たる部分が地方団体の側にあるんだ、現在でもずいぶん何とかやって、けっこうやっている地方団体もあるのじゃないかという意味において、主たる原因は地方団体のやり方にあるのだというふうに、その点に重点をおいて御議論をなすっていらっしゃる方と、それは地方団体も考えなければならんところもある、しかし現に大いに努力しているが、しかし主たる原因は法令自体から変えていただくとか、あるいけ国の行政のやり方を変えてもらうとか、そういったような意味において大いに国が考えてもらわなければならぬのだ、ひいては交付税の問題とか、いろいろだ問題、あるいは地方税の問題、あるいはそういった問題に論議が発展していくわけでございますが、まあどちらに重点をおいてこの問題を考えていくかという点では、必らずしもまだ委員の方の御意見は一致しておりません。そのような点で、一応具体的な問題にさらに入っていくために、論議はその辺で終えまして、第二の問題、租税体系の問題について議論がなされました。  租税体系の問題につきまして一番やはり問題になります点は、先ほど申しましたように、明年度以降すぐに大きな減税ができないというふうな考え方からいたしますと、租税体系そのものをどう考えていくかという問題になるわけでございます。で、税制調査会といたしましては、一応少し腰を据えた研究をしよう、その意味におきまして三十一年度の税制というものにつきましては、とりあえず中間報告的にまず実施すべき事項というものを報告しよう、そして根本的なものの考え方については、これを検討した上で最終報告としては三十二年度の税制改正ということを目途に答申しよう、こういったようなスケジュールで大体動いていらっしゃいます。従いまして租税体系の問題といったような問題になりますと、結局三十二年度以降の問題としてのことになりますが、この点についての論議は二つにはっきり分かれておりますが、結局は一口に言えば、一般的な売上税と言いますか、取引税を取り上げるか取り上げないかという点にまあかかっているようであります。考え方としまして、現在面接税の負担が重いから直接税の負担を何とかしてまず軽くすべきだ、こういったような点は大体皆さんのお考えは一致した点でございますが、しかし行き方としまして、歳入にゆとりがあれば、それを徐々に使って直接税を中心とした減税をやり、現在の体系はあまりそう動かす必要がない、こういう考え方と、それから、どうしても直接税を大きく減税しようとすれば、ある程度まとまった財源を得なければならぬ、といって消費税にこれを求めようとしましても大体もう限度がある。従いまして、やはりこの際、取引高税か付加価値税か、これは過去において一ぺん実施しまして、ある意味において失敗した税でございますが、これはやはりその時期が悪かったとか、いろいろな原因があるだろうから、もう一ぺんこれを振り返って検討してみたらどうだろう、こういった御意見がございます。これはまあ非常にそれこそ税制の根本に関する問題でございますので、よほど慎重に御論議になっておりまして、もちろんまだ軽々に結論を出すところへはきておりません。一応とりあえず過去にやりました取引高税、それから付加価値税、これを内容をよく検討してみる、それからあの当時の歳入量から考えまして、もしあのままで現在行なったとすれば、どのくらいの収入が上ることになるだろう、これは税率などでもちろん違いますが、とりあえずあのままでやったとしたらどのくらいの収入になるか、それからあれが何で失敗したかという点をはっきり検討してみる、その事情が現在は変っているか変っていないか、まあ取引高税を支持なさる方、付加価値税を支持なさる方は割合そういう方面に興味を持っていらっしゃいます。しかし税自体としてはあまり好ましくない税なんだから、どうもそれは取るべきでない、そうなりますと、現行の税制を大きく基本的に動かすわけにはいきませんが、むしろそれで満足すべきじゃないか、こういった御意見であります。いわば委員方の半分々々といっちゃ語弊があるかもしれません、頭数はよくわかりかねますが、少くとも相当数の方が取引高税に賛成し、相当多数の方がやはり取引高税に反対していらっしゃいます。この問題はどちらにしましても大事な、非常に重要な問題でございますし、とっくり研究しようというところで問題をもう少し将来に残しております。  あとの点につきましてはいろいろ論議がございますが、むしろ各税の細かい点において議論すべきだという点におきまして、それほど御論議がございませんでしたが、給与所得者、営業者、農業者の負担均衡が保たれているかどうかというこの点につきましては、これは税制の問題と執行の問題と両方がからみ合うわけでございますが、負担としては現在どうも一番負担しているのは給与所得者ではないだろうか、それからどうも農業者の負担は軽いのじゃないか、あるいは農業者においても特に府県税の関係からみまして、農業事業税というものを、営業者とは違った率であるにしろ、ある程度負担していいんじゃないか、こういう御論議が一部に出ております。しかしまあこれに対しては、大体の空気は農業者に対してある程度の県税などは負担してもらっていいのではないかという御気分のようですが、農業事業税というようなことはなかなか政治的にむずかしいことではないだろうか、違った角度でものを考えていった方がいいんじゃないかという御議論もございます。総体的に見まして、御論議のところをずっと伺って参りますと、給与所得者が負担が重い、これは執行の面と税制の面といいますか、大部分は執行の面にかかるのでございますが、これを何とかすべきではないか、結論は出ておりませんが、一応そういう御論議が強うございます。  それから営業所得者、農業所得者の関係におきましては、これは主として事業税の問題になります。事業税が農業所得者は全然負担していないという点についてどう考えるか。固定資産税の関係などもございますが、どうも全体としまして、県などの歳出の相当大きな部分が農業関係に支出されているのにもかかわらず、税負担としては農業者の負担する税金というものは、非常に現在直接税としましては府県民税だけでございますので、何か考えるべきではないかといったような御論議が多かったようでございます。  それから法人形態と個人形態の企業の負担関係、これもやはりいろいろ論議がされております。この点につきましては現在の法人成りといったような問題をやはり相当重要視しまして、どうも個人と法人というふうに並べてゆくと、法人形態を持っているものの負担が相当軽い、この点を何とかすべきではないかという議論が相当論議されておりますが、具体的な問題につきましては、なかなかむずかしい問題もりまして、まだつまっておりません。  それから特定の経済政策的効果をねらった税制上の各種の特別措置についてどう考えるか。これにつきましては、やはり負担均衡ということに重点を置いて、この点はできるだけ臨時的なこうした制度はやめてゆくべきではないか、こういう御議論がかなり強うございます。しかし同時に一部にはやはりそれぞれ相当の理由があって設けられているのだから、その理由と同時にこういう減税の効果をはっきり見きわめまして、効果があり、同時にそれに相当国家的に見て当然目的に合致するようなものなら、やはりこういう制度も残しておくべきではないか、まあそういう意味において、こういう減税の効果というものをはっきり見きわむべきではないか、これはなかなかわれわれとしても課題として与えられ、むずかしい点でございますが、とにかくそういった面におきまして、できるだけ範囲はしぼって、同時にほんとうに効果のあるものにまだ認めていっていいのではないかという御議論、それから全体的にこういうものはできるだけやめてゆくべきではないかという御議論、そういったような御議論が戦わされておりました。  それから税制の簡素能率化の問題でございますが、これはまあなかなか租税の負担公平ということを考えますと、税制もつい複雑になりますし、それからいろいろ特殊免税をやりますと税制も複雑になる。そういった意味から、今申しました特殊措置の問題と、この簡素合理化の問題とも、かなり密接な関係を持つのでございますが、できるだけ簡素でありたいといったことは、だれも御希望になっておりますが、それが他の要請とどう調整されるか、どっちにしても、もう少しわかりやすい税法を書けというような点で、だいぶ事務当局おしかりをこうむりまして恐縮しておりましたが、まあ何分まだフリートーキングで、それぞれの委員の方が御自分の御意見を自由にお述べ下すっている段階でございますので、そう問題がつまったところまではいっておりません。  それで現在までの段階は、その第一が済みまして、第二の国税に関する事項、所得税、これに入りまして、所得税につきましては、控除、税率等については、これは控除の関係につきましては、先ほども申しましたように、少くとも三十一年度においては、一般的な減税がちょっと無理なんだから、従って基礎控除とか、扶養控除をあげるということは、ちょっとこの際はまあ考えられないのじゃないだろうか、ただ将来の問題としましては、これも当然取り上げていい問題でしょうし、それから特に税率の累進度の問題は、もう少し間延びさせた税率、すぐに十五、二十、二十五、三十といったあのきざみが、少し累進がどうも早過ぎるから、もう少し間延びした累進に持っていくべきじゃないか、こういう御議論が多かったようでございます。  それから概算所得控除でございます。これは国会修正で入った条項でございますが、どうも概算所得控除という制度は、はっきり理由がわからん。あるいはこれが給与所得者に対しては、あまりフェーバーに一なっていない、こういった意味からして、これはむしろやめて他の制度に変えた方がいいんじゃないかという御議論は、相当出ておりました。  それから各種所得間の負担関係をどう出やえるべきかという問題でございますが、給与所得につきましては、先ほども言いましたように、他の所得に比べてどうも負担が重いから、何とか考えなければいかん、これは執行の問題と結びつくのだということで一応議論が終っております。  それから利子の関係につきましては、現在臨時ではありますが、免税している、これはどうも行き過ぎじゃないか、従って少くとも期限が切れたら、これはもうやめるべきじゃないかという御議論が相当強いようでございます。ただその後においての利子課税をどうするか、これについては分離して比例税率で課税した方がいいのじゃないかといったような御議論も相当あるようでございました。  それから配当に対する関係でございますが、これについてもいろいろ利子との関係、バランスの関係でありますが、何と申しても利子が全免でございますので、バランスも何もないじゃないかといったような御議論もございました。  それから他の点につきましては、まだそれほど御議論を伺っておりません。  それから最後の外国人に対する課税の問題でございます。これは御承知と思いますが、本年で特例が切れますので一体どうするかというので、これは一応御議論を伺っているのでございますが、とにかく特例は少し行き過ぎであるということは大体一致した御意見のように思いますが、とにかく特例が全部なくなってしまっても、日本人の負担と別にそれ以上のものを外国人に負担してくれと言うんではないんだから、もうそれでほうりっぱなしでいいんじゃないか、こういう御意見、これがかなり多いのですが、一部には特例が切れることが、実は負担が非常にふえる、その意味において多少段階的に考えて行った方がいいんじゃないか。これは御参考までにちょっと申し上げますと、年一万ドルの所得でございますと、現在では国内に送られたものか、国内で払われたものかその合計にしか課税になりません。アメリカならアメリカで払われて国内に来ないものは課税になっていないという点が第一と、それから所得から半分控除、三百五十万円までが限度ですが、これが控除される、これが第二、その二つのフェーバーが重なっておりますために、一万ドルの場合に負担している分が八%ぐらいの負担になっております。で、アメリカ合衆国でそれだけの所得を持った場合におきましても、一二%ぐらいの負担になります。特例が全部やまりますと、大体向うからの送金率といいますか、国内払いプラス送金されたものの割合と、向うへ残った分ですね、課税と非課税の分を見ますと、これは二十八年度の数字ですが、六二%ぐらいしかこちらへ来ていない。ですから現行の特例でいきますと、六二%にまずなって、その半分になる。三一%になる。そういった関係で負担そのものが八%になるわけです。両方がなくなってしまいますと、これが四二%ぐらいになります。で、八%から四二%になるのは、ちょっと一ぺんになるのは、少し何としても行き過ぎじゃないだろうか、従ってまあそこに一年なり二年なり三年なり、少し段階をおいたらどうだろうか、こういう考え方の方と、まあとにかく日本人以上に負担してもらうわけではないんだから、今までが少し行き過ぎたんだから、四四%でもやむを得ないんじゃないか。先ほど申し上げましたように、アメリカの税法でいきますと、大体一二%でございます。イギリスの税法ですと三〇%ちょっとこえると思います。日本の税法ですと四四%ぐらいになるんじゃないか、とにかくもう少し、どういう人が課税を受け、どういう人がこれによって影響を受けるかという点を、もっとはっきりつかんでみよう、われわれも二十八年の資料はありますが、二十九年の資料に基きまして、もう少し分析してみまして、一体どういう人たちがこれによって恩典を受けているか、いろいろ問題がございますので、もう少し検討してみることにしておりますが、委員会の空気としては、大体まあ現状のままというのは、これはいかにも行き過ぎだ、これは一致したところでございます。ただまあ今申しましたように、八%が一万ドルのところで四四%になるのでございますから、それでもいいじゃないかという方とですね、ちょっと一ペんに五倍になるのはあまりひど過ぎるから、激増しんしゃくということを昔よく言いましたが、そういった意味で多少そこに、四四に持っていくにしても時間をおくことを考えられないだろうか、こういった方、その二つの御意見がまだ対立したままで残っております。  以上申しましたように、現在までのところでは、実はここまでで終っております。で明日、明後日続けてやります。それから来週もおそらく二日続けてやると思います。そこで一応全部済むまではわからん、しまいまでさらいまして、そうしてその上で今後どうしていくか、今月一ぱいで一応さらってしまいまして、そうして懇談会でもお開きになりまして、そうして将来の持っていき方、それからとにかくこの際としては、中間報告を出そうというおつもりでございますので、起草委員会にでも回しますか、一応とにかく取り上げる問題、考え方の方向というものを一応さらった上できめよう、こういったような段階でございます。  非常に雑駁でございますが、大体御論議そのものがまだそうした非常に、ある問題を取り上げて右か左かというふうに問題をつめておりませんので、ただ皆さん方の考えている方向というものがいろいろ出て来ておる、それをとにかく一応申し上げまして報告といたします。

青木一男自由党

○委員長(青木一男君) ただいまの説明に対して質疑を行います。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 御説明の中の一般的事項のうちの階層別から見た納税者租税負担の均衡についてのお話があったんですが、税制調査会では給与所得者、営業所得者、農業所得者の負担の均衡については、どうも幾分か給与所得者が多過ぎやせんかという程度の議論しかなかったように伺ったわけなんです。私はこの点にもっと論議が集中されなければならぬと思っていたのを、今の御説明の通りなんで、実は驚いているわけで、この点からしても調査会の構成の人々がどういう階層かというのがわかるような気がするんです。これらの人たちが給与所得の名前で所得を受けておられても、実質的には他に補ういろいろな、たとえば自動車を実際は専属されておるとか、そういう人々が多いからだろうと思うのです。そういう議論をしても、これは税制調査会の報告ですから、あなたに質問しても仕方がないのですが、これは大蔵当局でよほど私は考えていただかなければならないと思いますことは、生活の実態調査からよほど所得税については考慮を払わなければならないというのが私の意見です。それというのが、かつても私はこの委員会で申し上げたことがございますが、給与所得者の場合ですと、もし子供を大学へやるためには、これをアルバイトなしに大学へやるならば、おそらく年額二十万円くらいの所得税を納めなければ、これはやれないのが実情なんです。私どもの埼玉県の部長の方などでも、アルバイトをさせながらやっている事実を知っているが、私はそれが給与所得者とあれば、まことにまじめな生活態度なんです。ところがこれに対してもし営業所得を受けておる人だったら、七、八万円あれば、これは楽々に、要するに大学へやれるというのが事実です。ある階層においては一銭も国税を納めなくて、アルバイトなしで大学へやっているという事実がある、多くの階層に、一人、二人の例外ではなしに。こういうことを考えれば、給与所得者の税負担というものがいかに重いかということがすぐ思い当りますし、それから先ほど説明を受けました所得税の中でも源泉分と申告分、源泉分の中の主要なる部分は給与所得であることは間違いないんですが、その申告分と源泉分がここ数年のうちにおそろしい開きを見せてきた。かってはこれはむしろ申告分の方が若干多かったはずなんです。それがこのごろでは今ここに数字に見えるように非常な違いになってきた。そこで減税がこの面に源泉分に及んでないかといえば、いつでも実は低額所得者の減税なんというようなことで実は源泉分により多くの減税がなされるようなかけ声なんです。しかし全体の数字とすればこういう結果に現われておる。こういう状態は大蔵当局もよく御承知だと思うのです。そこで私は最低大蔵当局は毎年自然増という見込みをいろんな税種に見込んで参りますけれども、その分だけでも勤労控除の引き上げか何かで少くとも給与所得者の減税に振り向けられるということを私は一番やさしい可能な方法だと思うのですが、この点についての大蔵当局のお考えはいかがなんですか。

渡邊喜久造大蔵省主税局長

○説明員(渡邊喜久造君) 私の御説明が不十分でございまして、多少給与所得に対する論議が非常に微温的であったようにお取り下さいましたのはちょっと恐縮でございますが、その問題は実は税制調査会でも非常な多くの論議をされております。特にもう一つ申し伝えておきたいと思いますが、この給与所得に対する課税の関心は、実は給与所得をもらっておる人と同じように、経営者の側に現在は非常にあります。と申しますのは、とかく賃金闘争などにおきまして、最近は多少変りましたが、従来特に激しかったのは税引き手取りでもって幾らもらえるか、こういう論議が非常に激しかったわけでございます。それだけに経営者の側におきましても、給与所得の負担をどう考えるか、これは非常に関心が強うございますし、まして給与所得者である方々におかれましては、それは非常な問題になっておるわけでございます。ただ問題は税制そのものというよりもむしろ執行の問題が非常に大きな問題だと思っております。税制そのもので給与所得者を特に冷遇しておるという制度というものよりも、むしろ先ほどのお話にもちょっと出たと思いますが、たとえば給与所得者であれば比較的もらった金額がそのまま課税の対象になる。大体全部が課税の対象になる。どうも営業者とか農業者であれば、それが全部が全部課税の対象になっていないのじゃないか、この点が問題の中心だというふうに私は思っておりますし、一応その点は議論されております。  それで申告納税の分と源泉の分と、所得税におきましてかつては申告の方が相当多かった。むしろ多かったのに、最近源泉の方がずっとふえてきておる。この点についてはいろいろの点をやはりお考え願いたいと思いますが、一つは先ほどもちょっと問題に触れましたが、個人形態における事業と法人形態における事業との負担問題、これが原因が大きくあると思いますが、法人成りというものが毎年三万とか相当ございます。三万から五万法人成りがどんどんふえてきております。それで個人で事業をしておりますとこれは申告納税になります。法人になりますと一部は法人税になり、そうして従来の経営者は重役になって報酬を取るという関係で、結局法人税と源泉の所得税に分解してしまいます。それで現在におきましては、たとえば営業所得で百万円といったような人は大体もうどんどん法人成りしまして、そうしてまあ五十万円から百万見当の関係の人にもかなり法人成りがふえてきておる。そうしますと、個人の事業者でもっての納税者というのが大体法人になってしまっておる。こういったようなところにも申告所得税が伸びない一つの大きな原因があるというふうに思っておる次第であります。従来と同じ人が納税者としておって、そうして源泉の方が伸びて申告が伸びないというのじゃなくて、納税者の方たちが変ってしまいまして、従ってそれが申告所得税としては減ってしまいまして、そうして法人税の方に一部出てきており、一部は勤労所得税の方に逆に出てきておる、こういう点があるのじゃないか。それからもう一つこれはまあ金額としてはそれほどでもありませんが、やはり申告所得税としては一つの大きな事実としましては基礎控除、扶養控除が上って参りました機会に、扶養家族の多い家もありますが、農業所得というのが非常に農業の課税人員がずっと減ってしまっております現在におきましては、大体農業の課税を受ける人が全体の一割程度といいますか、六十万人ぐらい、一時ずいぶん税金の問題でやかましかった当時におきましては、この数が現在よりも三百七十三万人といった時代がございまして、この時代はもう農業課税が非常にやかましかった時代でございますが、そういった関係からいたしまして、申告所得税の基礎控除、扶養控除の引き上げはそういった点には相当顕著に現われてきておるのじゃないか、こういうふうに考えてきております。給与所得が実際の負担としては重いのじゃないか、これはわれわれも実は同じように考えておるわけでございますが、問題は結局主たる理由は、私は執行にあるのじゃないか、結局百万円の所得のある人が百万円の所得として課税になってないところに問題があるのじゃないかというふうな点がございますので、この点は執行の問題と税制の問題とをどう調和さしていくべきかという問題については、われわれも今後大いに研究すべき問題だと、かように考えます。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 これは先ほどおっしゃる通り税制そのものについてのアンバランスということはあり得ない。同じ所得があれば同じパーセントで税率がかけられてくるわけですから、その点はもうおっしゃる通りなんです。ところが執行の問題というが、じゃ生活実態に合して同じ税金をとるということにかりにしたならば、おそらく営業者、農業者というのは現在の数倍あるいは数十倍、こういうことになってくることは腰だめ見当で毛羽かなことなんです。事実ですよ。それは東京都のように隣は何をする人ぞという式のところに生活しておればそれはわからないが、田舎の市などにいけばこれは明瞭にわかってくる。たとえば民間会社に二、三十年勤めておる。それが四万円見当の俸給をもらっておる。必ずその町内においてはそれがトップです。それがすべて市民税等に至るまで恐ろしい差ができるのです。その何分の一の人が旅館を経営していたり、カフェーを経営していたりというので、その生活実態たるや給与所得者の数倍、数十倍といってもいいくらいの生活をしておるのに、地方税の面なんかを見てもはるかに低い、これが事実です。こういうことに首をかしげられるところに、給与所得者が重くなってしまうのですよ。それは執行の面だといえばその通りです。よけいとればよい、こうすれば一応アンバランスは解消するとおっしゃるけれども、そういうことになれば、その面から何倍もとらなければならない。それよりかむしろ今負担が重過ぎる給与所得者の減税、こういうことを考えてもらうよりほかに仕方がない。それに私は一つの試案として、一番安易な方法だろうけれども、毎年自然増なんかを見込まれる部分だけでも給与所得者の減税は簡単にできるのじゃないか、こういうことを先ほど申し上げたのでありますが、そういう意見を長くやっても仕方がないですが、いかがなんですか。臨時税制調査会にいたしましても、大蔵税務当局としても、生活実態ということをこの際調べ直してみる、こういう御意思はないのですか、あるのですか。

渡邊喜久造大蔵省主税局長

○説明員(渡邊喜久造君) 生活実態というものにつきましては、われわれもいろいろな角度から実は検討しております。おっしゃるような意味において、多少あなたのおっしゃることは、程度の問題についてはわれわれは異議はありますが、そういう意味のお話ということはわれわれも実はよく伺っております。ただ営業者にしましても、これは私率直に悩みを申しますが、アベレージ計算であるというと、確かに私は百なら百つかまえてないといえると思います。しかし個々の一人々々についてみれば、ある人はやはり税務署の方で更正決定をやって、異議の申し立てをして、相当の手数をかけて減ってくる人もいるのですから、全部が全部百のものが何十しかつかまれていないというものでもないのじゃないだろうか、こういうふうに思うのです。そこに私たちは一体営業関係の課税関係をどう直していくべきかという問題があるのじゃないか。現在としましては、御承知のように、青色申告というのはだいぶ普及して参りました。この青色申告にしましても、数こそ相当ふえてきておりますが、その質の問題になりますと、まだまだ改善すべき余地があるのじゃないか。しかしこの場合におきましても、非常にまじめに青色申告をつけていらっしゃる方、形は一応帳簿を備えておりますが、実態は必ずしもそうでない方とか、いろいろあるわけであります。従いましてそれを税務執行の上においてどう改善していくかという問題、それを考え合せながら、税制というものをどう考えていくべきかという問題として、私は今おっしゃった問題は検討されていくべきものであるというふうに考えております。

平林剛日本社会党

○平林剛君 今の課税対象の各層に対する比較権衡がどうなっておるかということは、大いに議論があることであります。あなた方も非常に困っておることだと思うのですが、私も今度地方へ出てみまして、各税務署の資料を集めてみたのでありますが、どうしてもわからない。つかめないわけであります。気持としては給与所得者が非常に税が重いということはわかるのだけれども、数字としてなかなかつかめないわけであります。問題は今お話しのように、税率なぞにおいてはそれぞれ権衡が保たれるようになっておると御判断をなすっておられるようですけれども、私が得た実態では、やはり大蔵省は数字に頼っておるだけに、長い間、数字に頼っておるだけに、数字だけの権衡では実態とかけ離れておるのではないかという印象を非常に得て来たわけです。それだから、私は適当な機会でようございますから、今日までいろいろな税率をきめていく場合に、各層の比較権衡をどういう角度でつかんで今の税率が定められておるか、主税当局の判断だけでなく、政治的の配慮が加わるから、たまには先国会のようにくずれるところもある。しかし一応なにか大体の見当がつけられるようなものがもしできるならば、次の国会までの間に資料を出してもらいたいと希望するのです。  それは私の希望としてあとで御意見を輝きますが、もう一つは、もちろんこれは一つ一つの執行にかかっておって、今の税率でも執行がちゃんといけば大体権衡がとれるという理屈は一応成り立ちますけれども、実際の税務行政の面からいくと、末端にいけばいくほど非常にそれが困難になっておる。実際にはそう額面通りにいかない、いけばまたそこに新しい摩擦が起きてくるという工合で、捕捉することが困難なことも実情です。そういうところから見ると、私はもしかりに比較権衡の資料と実際の執行との間におけるズレを考えたならば、次にはやはり今議論が出て来たような方法も一つであるが、やはり給与所得者に対する特例というようなものをもう少し真剣になって、その資料と合せて検討すべきじゃないかという感じがするのですけれども、政府では先回、年末における給与所得者の年末手当に対しては何か特別の措置を研究しておると私は話を聞いたのですが、この点についてはどうですか。何回も聞くようですが、この二つの点について伺いたい。

渡邊喜久造大蔵省主税局長

○説明員(渡邊喜久造君) 今お話の各層というのは多少書き方が悪かったのですが、所得の大きい人と小さい人との関係ですね。その関係を一応われわれは各層と呼んでおりまして、それから所得の種類によるものは所特別の負担権衡、二つの面からわれわれは負担権衡を考えて見なければならないと思っております。御承知のように現在累進税率になっておりまして、大きな所得の人は割合いからしても大きな負担をし、それから所得の小さい人は全然負担をしないか、割合いとしても小さい負担をする。これは一般論として大所得者の方が大きな負担をし、小所得者は負担しないか、小さい負担をする。これは財政学の方からいいましても、いわば一種の常識になっておりますが、ただその程度をどう考えていくか、どの程度の大きさの所得であれば、どの程度の負担をしたらいいか、さらにその人よりももっと大きく、どの程度の所得であれば、たとえば百万円の人ならばどの程度の負担をする、五十万円の人ならどの程度、三十万円の人ならどの程度負担すると、これは累進税率の問題がそこに出てくるわけですが、その累進税率の累進の度あるいは最高税率はどの程度上ぐべきかということになりますと、実はなかなか理論的にこれを割り切る論拠は私はないように思います。一応累進税率はこれはもう是認されていいとしまして、どの程度の速度とどの程度の幅で累進していくべきか、これはなかなか理論的に割り切れず、結局実際問題としまして結び付けながら大体現状の方がいいか、あるいはもっと上の上を上げるべきか、あるいはもう少し間延びさすべきか、こういったところで考えていいかどうかの問題ではないかというふうに思っております。  それから今平林委員のおっしゃいましたのは、おそらくその各層の問題とおっしゃるのは、先ほどのお話から連繋しますと、給与所得者と営業者あるいは農業者、その所得の種類、そういう場合におきましては、むしろこれは税務の上に現われた数字というのではなくて、実態において、たとえば百万円の所得者、その人が給与所得者であればどうか、農業者であればどうか、営業者であればどうか、三十万円の人が給与所得者であればどうか、営業者であればどうか、農業者であればどうか、こういう点で所得を一応同じ線に並べてみて、そうして所得の形態として考えてみる、比較してみる、こういう問題ではないかと思います。このあとの方が実は、先の方も同じですが、なかなか問題がむずかしいのです。税務署がつかんでいる三十万円の人を並べたのではすでに御議論としては違うのですから、税務署のつかんでいないといいますか、おそらく税務署が三十万円といっているが、この人は五十万円あるだろう、その五十万円ある人と税務署が給与所得者で五十万円とつかめば五十万円だろう、この人を並べてみろ、こういうお話だろうと思うのです。となりますと、今あなたのお話にもありましたようにばく然としたあれとしては、われわれも一つの感覚が出るのですが、実態が果して五十万円なりや——五十万円だということがはっきりわかれば税務署も五十万円はつかんでおるわけですから、そこに実はわれわれとしてもいろいろな面から推察的なことは言えると思いますが、つかみにくいと思います。それからまあこういう面も考えてみなければならぬと思いますが、たとえば農業を経営していれば、その裏の畑から野菜ぐらいは持ってきて、そしてそれが晩のおかずにもなるだろう、月給取りであれば、その野菜一つにしましても、八百屋から買って来なければならぬといったような問題ですね。その野菜を売れば、これはまあ売れるような野菜、農家であれば課税の場合に当然問題として浮び上って来ます。主としてたんぼを作っていて、そうして庭の近所でその野菜を作っている、家族で食べる野菜だけ一応持って来る、こういう場合におきましてそれを一々所得に換算する、こういうことはやっておりません。またそれをしもやるべきとは思っておりません。そこにやはり生活の点からみますと、月給取りなら八百屋へ行って買って来なければならぬから相当それだけ生活費が上って来る、農家なら自分で作るから負担が軽くなるといったような点で、そういうものを所程に計算して毛、なおかつ所得として同じでありまして毛、生活においてやはりゆとりがあるかないかという問題も相当あると思います。あるいは農家の場合におきましての普通の生活とそれから都会の月給取りにおける普通の生活、これはたとえば農家であればなかなか映画を見に行くにしてもしょっちゅういけない、部会でしたら割合に行く、割合に行くのが普通の生活で、その辺がいろいろ比較してみなければならぬのじゃないか。どうもわれわれも数字的なきめ手がなかなかないものでございますから、いろいろ苦労しておりますが、何かあれば実はお出ししたいのですが、いろいろな意味においての検討はやっております。しかしきめ手になるような、なかなかもとが実はつかめないわけでございます。それでお話のように先ほど天田さんのおっしゃったような市町村民税なんかの関係で並べてみると、どうも月給取りばかり上に行ってしまっておかしいという話をわれわれもしょっちゅう聞かされておりますし、これもずいぶん実際に市町村に人をやりまして、その出てきている数字とか、それからその付近の八のいろいろな話を聞いてみたこともありますが、一応の一般論としてのお話としては伺いますが、どうもはっきりきめ手にならないというところで、まだ結論を出しかねております。

平林剛日本社会党

○平林剛君 今の話とは少し離れますが、今の資料についてはできるだけばく然としたものでもいいから適当な機会に示してほしいと思います。いずれにしてもそれであなたのほうは根拠を立てて税率や何かをきめておられるわけですから、われわれも知っておきたいと思います。  もう一つはきょうもお話がありました税制の臨時調査会ですか、この構成の件です。休会中に主税局の方から資料をちょうだいしてみると、第二十二特別国会における税制改正は割合とこの税制調査会の結論というものを尊重した形で結論付けられておるのを見まして、政府の機関としてはこれは割合と尊重されている機関であるように私も感じているのです。それだけにこの構成がいつも問題になると思うので、きょうも指摘されたように、構成委員のメンバーを見てみても、勤労層ご代表している層というのは何だか比較的少いように思うわけです。今日議論せられているように勤労層に対する負担の割合がやかましいときだけに、やはりもう少しそれらの層の意見は聞くべきじゃないだろうかという気がいたします。そこで私も不勉強でこの選任の基準について先国会ではうっかりしておったのでありますが、これは一体どういうことを考慮して委員を選任されておるのか、あるいはまた今行われている委員会の中に、勤労者の層の意見は代弁してくれる人はあるかもしれませんけれども、もう少しそれらの層を含めるような考慮が必要だと思うのだが、変更することができないものでありますか、そういう点についてお伺いいたしたいと思います。

渡邊喜久造大蔵省主税局長

○説明員(渡邊喜久造君) 委員をどういう委員の選任をしたかということにつきましては、われわれとしてもできるだけ広く一般の意見を聞きたいという意味におきまして、できるだけ各層から委員をおいで願うということに考えております。ただ、いわば一種の利益代表的な意味でここで議論をするという場面ではないだろう、ただ、できるだけ各種の御事情のよくわかった者ですね、農業方面にも御事情のわかった者も出ていただく、それに勤労階級の生活についてもよく御事情のわかった者も出ていただく、その意味におきまして金正委員にも実はおいで願っているわけでございます。実は今度選びますにつきましては、前回の税制調査会の委員のこともありまして、多少これにある程度の方はお残り願いましたが、相当程度の方に入れかわっていただいた。前回は役人の者も三人ほど入っておりましたが、これは意味がないからもうやめてしまえ、そのかわり学者の方を少し余分に入っていただこう、そんなような意味におきまして、正直いいましてはっきりした基準というものを持っていたというよりも、前回どういう方が委員であった、従ってその方はある程度入れかわり願うとして、どういう方がいいだろうか、こういったことを頭におきまして、そうして一応お願いをいたしたようなわけでございます。考え方としましては、あまり一つの層の利益代表といったような意味で御発言願うという意味でなしに、一応全部の方がある意味においては学識経験者という立場、ただ広くいろいろな点で、一人の方ですとどうしても面が狭くなりますから、各層の方においでを願うということがその意味でもって必要じゃないかという意味で相当の配慮は払ったつもりでございます。ただ一応現在二十五人の委員がもうきまっておりますので、これを動かすとか何とかということは、ちょっと困難じゃないかというふうに思っております。

平林剛日本社会党

○平林剛君 まあ利益代表を含めるという意味ではないというが、私も勤労層の代表のようなものを入れろというのは、決して利益代表という意味ではなくて、実際の勤労層の生活の実態というものを心得ているものの意見をその中に含ませたらどうかという意味です。現実の問題として、人の名前はあげませんけれども、構成の中に明らかに勤労層ではない、いわば金融関係の人の利益代表的な人もないとは言えないわけです。そういう意味からいいましても、私は今後のこういう選任をする場合には、今の層よりももっと強い、そういう意見を述べられる人を含めるように考慮すべきだという意見を申し上げておきます。  もう一つだけお聞きしておきたいんですが、私は税制については、臨時税制調査会で議論があるように、むずかし過ぎるというのは定評がある。主税局長は答弁に当っても、非常に親切に説明してくれるから、われわれ大いに勉強になるのですけれども、しかし国民層というものは税制というものはほとんど理解ができないわけです。地方の税務署あたりを調べてみて、その税の対象となる人たちでも、税務当局に非常に頭のいい人がいて、税の教育をするところは青色申告などを利用するにしても割合が違ってくる、非常に税の恩典をその上で受けておる、その税教育がされないところでは、せっかく青色申告があっても、それを利用する人が少い、こういう工合のように、税の教育自体で、国民が税法を正しく使うかどうかということで損をしたり得をしたりするわけです。私これを通じていろいろの意見を聞いて歩いたのでありますが、やはり今日のように税金の問題が国民の生活に大きな影響を与える段階に入ってきますと、税の教育ということを十分考えるべきだということを痛感したわけです。税務署の役人が国民に対して取り立てての教育をするという、あるいは法律の教育をするというだけでなくて、学問としてもやはり小さいときから税制という問題について理解を持たせる。大学あたりへいきますというと、いろいろ細かいことを教えますが、少くとも新制中学程度までは必須科目の一つとして税法の教育をしてもいいのではないだろうかという意見も地方にはかなり強いわけです。私もこれからの税金ということを考えますというと、国民として当然知っていなきやならないもの、これはあなたの方は直接教育関係じゃないから違いますが、ふだんいろいろ著述をなされて、国民に対する税の教育ではなかなかあなたの努力は私は認めるわけであります。こういう意味で政府当局の間でも、具体的に国民教育の中でこれを徹底するというような措置をどういう程度おとりになっているか、また政府部内との間においてこういう問題を話されたことがあるかどうか。

渡邊喜久造大蔵省主税局長

○説明員(渡邊喜久造君) 税法をできるだけ簡明にしたいというのは実は私も非常に苦労しております。ただ御承知のように、現在の税法というのは、非常にわれわれが見ましても、二、三回読んでみないとちょっと意味がとれぬような文章がままありまして、私ももう少しわかりやすく書けぬか、これは多少余談になるかもしれませんが、一つはどうも何のためにこういう規定になるかということが一応実は裏にあるんですが、たとえば所得税法をごらん願いますと、みなし配当という条文がございます。これはみなし配当という条文は、それをみますと非常にわかりにくい、裏に思想があるんですが、その思想は税法としてはこういうわけだからこうなんだ、これは書けません、結局出た結論だけ実は書く、そうすると計算の方法はわかるけれども、何でこうなるだろうという点が——わからぬというような点などが、おそらく思想がわかれば、おのずから結論も頭に入りやすいんですが、結論だけが書いてあるがゆえに、いわば棒暗記しなければならぬというような点が一つは税法を理解しにくくし、それから一ぺん読んでみただけじゃわからぬ、あるいは頭に入らぬということにもなるんじゃないだろうか。昔、私昭和十五年に所得税法の原案を書いたことがあります。その当時に比べますと現在は条文が多くなっております。これは幾つもいろいろな原因があるようでございます。昔ですと施行規則などに譲ってしまって、命令の定めるところによりと書いていたやつが本文に入った。施行規則に譲りましても、結局施行規則を見なければなりませんですから、何にもならぬわけですが、ただ法律の方に割合に太い線が出ていて、そうして細かいことを知りたいとき、あるいは細かいことが必要なときに初めて施行規則にゆく、こういったような関係になっていたのですが、現在ではそれが太い線と細い線が法律に割合に平面的に並べられておるというようなところから、やはりわかりにくくなっておるのじゃないか。それは別に法律施行以下に落す必要はないのですが、何かその辺などももっと工夫すべき点がありはしないかということを考えておりますが、なかなか実行にかかれません。こんなことを申し上げてはなはだ恐縮ですが、アメリカの税法とかイギリスの税法とかいろいろ見てみるのですが、これも正直言うと、語学の違いもありますけれども、なかなかやはりだんだん最近の税法は複雑になってきておりまして、むずかしくなってきておるようでございます。それであればなおさらのこと片方において税法自身をわかりやすくする努力は続けなければならぬと思っております。それにしても、そこにおのずから限度があり、さらに一そう平林委員の言うような努力は私は続けるつもりでおります。実は国税庁が中心でございますが、現在におきましても、不満足かもしれませんが、できるだけのことはしております。「租税教室」というようなパンフレットなどを作りまして、これは文部省の方へ連絡しまして、高等学校の方に——ちょっと今係がおりませんので部数はわかりませんが、相当部数お配りしております。これは社会科の科目をお教えになる機会にこれを御利用願いまして、そうしていわば一種の補助材料として御利用願うということで、これは相当御利用願っておるように思います。この間、これもちょっと余談になって恐縮ですが、国税庁に税務行政懇談会というのがあります。これは各方面の方からお集まり願って、これは主として税務行政についてのいろいろな御意見を伺って、反省すべき点を反省するわけですが、どうも「租税教室」の部数が少いから、もう少し余分にたくさんくれないかといったようなお話もございまして、まあそんな点からしますと、割合に部数さえあれば読まれるのじゃないかと思いますが、経費の点などを見合いまして、できるだけそういった点につきましては、今後とも努力をしていきたいと思っております。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 もう時間がないようですから一点だけ伺いますが、今の平林委員のおっしゃったこととやはり関連いたしまして、何にしても税制というのは納税意欲を盛り上げるようなものでなければ私はならぬと思うのです。それで私、少年時代のことを思い出しますが、昔は国税の徴税令書、県税の徴税令書とみな色が違っておって、多分国税は赤だったのですが、その赤の徴税令書をぴらぴらさせながら村の道を行くと、だんな、何でございますか、と言われて、まあ役場納めだと言うと、御苦労さまというくらいで、税を納める方も誇りを持っておったし、それを見送る人も若干羨望といいますか、これはまあ選挙法との関係も当時あって、多分に封建的な羨望も含まっておったことは事実ですし、いずれにしても、当時国税を納めるという人は非常な誇りを持って、これを見せびらかしながらやった、こういうことなんです。ところが、この頃はあまりにでこぼこが激しいものですから、彼が少し安い税金を納めればうまくやった、何か税務署につながりがあるのではないかというような気分というものが一般化したのですね。これは意見にわたって恐縮ですが、私が一昨年でしたか、町の風呂屋業者に減税方を実は頼まれて、その実態を見てみたのです。驚いたことには風呂屋をやり、かつ旅館をやっているものが、年額どれだけ納めておるかというと四万円程度、いかに扶養者がおっても、何人が見ても……、私らが当時たしか三十一万何がしか私は国税を納めたつもりですが、今は少くなったけれども、それと風呂屋と旅館をやっているものがその九分の一、こういうふうに至っては、何としても自分が頼まれながらお断りしたのですが。それはあなた、これを文句を言ってやったら、税務署の役人でこの程度のものを納めておるのは下っ端でもございますよ、その当時でも。それだから恐らくだめでしょうということを申し上げたのですが、そういうことがちょっと国税の面で頭を出しますと、これが地方税にずっと行くのです。町の寄付に至るまで行く、だから中程度の月給取りが町内において上位にすべて行ってしまう、こういう結果になってくるのです。このバランスをうまくとるかとらないかが、要するに教育もさることながら、このわかりにくい税法の問題を研究する国民というものはほとんどないのですが、お互いでさえなかなかわかりにくい。それよりも一般国民をして納税意欲を何するように、あそこの家もこれだけ納めるので、自分もどうもやむを得ないという気分、今のようにあそこの家に比較して自分の方がこれだけ、たとえ千円でも高い、これはどうも了解できないというような気分とは、天と地ほど実際違うのです。だから私はそういう意見を言ってみたところで、先ほど来あなたのお話で、実は実態がつかめないのできめ手に困っておるということをおっしゃるけれども、私はきわめて簡単な方法がある。さっき学校のお話をおっしゃいましたが、学校を調べて見ますとすぐわかると思うのです。たとえば私の知っている農村で、今年度の高校進学率はたった二人を除いた全部が進学です。そうすると、あなたのおっしゃるように若干全国平均よりよろしいが、国税を納めている人は二割しかない。もし国税を全く納めない八割の人、二人だけを除いてとにかく高校にやられる。もし、これを給与所得の場合とあなた比較してごらんなさい。おそらく一銭も国税を納めないという人は生活保護法を受けるすれすれの人です。高等学校どころのさたではない。だからこういう点から言っても、さっき私が言うように、われわれよりえらく上位の生活をしておる者が営業所得の場合であったら七、八万の国税はざらですよ。人によってはまじめにというさっきの御答弁がありましたけれども、そんなものでない。全体その階層というものが全部そういうことになっておるのです。町なんかでも手にとるがごとく、あの人がいくら納めるということはわかる、給与所得は源泉だからわからないが、そのほかは全部わかる。地方税の関係では給与所得を含めてあるいは断り切れないPTAの負担金ですが、一般の会費以外の負担金というような寄付になると、収入総額に大体割りつけて参りますから手にとるようにわかる。何人がいくら納めるということ、こういう段になると、そのあまりに生活実態に比較してアンバランスのひどさに驚く。だから私はこの辺でこの生活実態の調査をして税制というものをやりなおししなければ、納税意欲を全く国民が失ってしまう、こういうように考える。意見にわたりましたけれども、だから今現在、さっき言うように、そういう生活実態をよくお調べになって、私の希望としては、全面的に行う、こういうふうにしていただきたいと思う。で、このアンバランスの問題を言いますと、なかなか言いにくい、給与所得の高いということは何人もやります。やるけれども、他の比較はやりにくいのです。それは他のものはあたかも増税せよというようなふうに受け取られる心配があるから言わないけれども、実際に国税を一銭も納めていない者が、何らのアルバイトなしにどんどん大学にやっている。ところが十万ぐらいの国税を納めている人は、これはアルバイトをやらなければ大学に行かれない、これはおかしい。これは一、二の例でなく、全部の例にそういうことがあるということは、このことは簡単な調べでわかると思います。これは意見になりましたが、一つぜひ生活実態の調査をやり直していただきたいということを希望しておきます。御答弁があれば、なおさらけっこうであります。

渡邊喜久造大蔵省主税局長

○説明員(渡邊喜久造君) あまり答弁を要求していないようですから御答弁申し上げることもないのですけれども、その生活実態をどういうふうにどこをきめ手にして調べていくか、実はわれわれもそれが仕事でございますので、いろいろな面で苦労しておりますが、その点になかなか今おっしゃったような程度ですと、われわれも実はよくわかるのですが、それをもう一歩踏み込んでのものになりませんと、はっきりいたしませんので、そこに苦労があるわけだということだけを申し上げておきたいと思います。  それから平林委員のお話にもう一つ付け加えさせていただきたいと思いますが、先ほど申しましたのは「租税教室」でありますが、そのほかに「税のゆくえ」というのも、これもやはり同じようにパンフレットに作りまして配付しております。これはよくお話に出る点でございますが、税金はとって——それはわかりますが——一体その税金は何に使われるか、主としては歳出の面でございます。何のために税金を納めているのか、納めなければならぬということはわかるのですが、一体それがどんなふうに使われているか。これがやはり租税というものについての観念を植え付ける上に——培養する面においては非常に大きな問題でありますので、「税のゆくえ」というパンフレットも「租税教室」と同じようにやっております。それから所得税の問題は多少一般的に関係が深うございます。それから「租税教室」の方は全部の税にわたっておりますので、所得税だけについてもう少し詳細なものとして「私たちの所得税」というふうなものを別に作っております。いずれ機会を得圧して、できておりますものを御参考にお目にかけたいと思っております。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 ちょっと変っていますがね、関税の問題で、まあだんだんよくなったのですが、相当まだ密輸というものがある。そういう点で読売なんかの小説にも「幸福号出帆」というような、いわゆる税関の官吏がそれに関連してやっているというふうな——これは小説ですが、相当私はまだまだあるのじゃないかというふうに見ているわけです。これは単に主税局の中の関税部あたりで、どうこうしてもなかなか第三国人とかいうものについての取締りはむずかしいと思うのですが、こういう面に対してどの程度終戦以来現在までに大蔵省として対策を考えられたか、また他の官庁と連絡をしてどの程度やられてきたか。そういう実績はなかなかつかみにくいのだと思うが、そういう点について一つちょっと聞いておきたいのですが。

渡邊喜久造大蔵省主税局長

○説明員(渡邊喜久造君) 密輸の点につきましては、これは経済がだんだん落ちついてくるにつれまして、密輸の問題も密輸の範囲が非常に狭くなってきたと言いますか、そういう傾向は一つ大きくあると思っております。通常日用品などが不足していた時代、こういったような時代にはそれ自体の密輸が相当問題になりますが、現在のように一応落ちついて参りますと、大体密輸の対象になっておりますものは比較的小いさなもので、同時に高価なもの、あるいは麻薬のようなもので、これは何と申しましても、密輸しやすいということが要因になりますし、同時にわずかな量でありませんと、そう簡単に密輸もできない、同時にわずかな量の密輸によって相当の大きな利益が出るというところにだんだん対象が集中されてきているのじゃないかと思います。従いまして最近われわれの方で目につきますのは、麻薬の問題もありますが、そのほかとしましては小型の婦人持ちの金時計でありますとか、ああいったような種類のもの、あるいは男持ちの懐中時計ですね、こういったようなものに集中されてきているのじゃないかと思います。それで税関部といたしましては、これは全国の税関に監視部を置きまして、これはまあいわば警察と同じような役割になるわけでありますが、密輸とかそういうものを中心としまして監視、監督しているわけでございます。もちろん警察庁あるいは水上警察、こういうものと非常に緊密な連絡をとってお互いに仕事をしております。大体現在の傾向からしますと、飛行機による密輸、これが一つございます。航空機による密輸であります。これは定期航空を使っております。同時にまた船による密輸、大体航空機による場合におきましては、航空機の国籍というものよりも、むしろ入って来る人の国籍ですね、大体密輸をやる人というものの属している国籍というものは相当注目されますから、まあいわゆる日本と香港との関係、この関係の密輸が非常に密輸としては多いようであります。それから船の関係にしましてもやはり香港辺から入って来る船ですね、あるいは韓国からの船、そういったようなものが割合に多いように過去の経験として見られます。従いましてどうしても限られた人数でございますから、あまり密輸の心配のないといったようなところにおきましては、これは第二になりまして、そうして今申したように従来の経験に徴しまして、大体この辺に、密輸をするものはこのルートを大体使っているというところに重点を置いて監視し、また現に相当密輸事件があがってきております。われわれの資料といたしましては結局何年にどれくらいの密輸事件をあげた、この違反事件の数字は実はございます。ただ違反としてあがらなかった密輸がどれだけあったかという数字は実は遺憾ながらこれはないわけであります。(笑声)従いまして違反事件を相当最近あげておりますが、まあ密輸はどんどん多くなって、あがってくる事件が多いのか、あるいは密輸そのものが少くなって、しかもあがってくる事件が多いのか、こういうことの判断によって結局あがってくる事件が多いということだけで、成績がいいとも何とも言えませんし、むしろそのバックにあるあがらない密輸がどのくらいあるかということが問題だと思います。ただ一般論といたしましては、非常に従来に比べれば、終戦直後なんかに比べればもちろんですが、その後だんだんあがらない密輸が少くなっているのではないか、あがった密輸の数字は別にございますから、これは資料として御提出申し上げてけっこうでございます。まあわれわれとしましてはできるだけの努力をしまして、今言ったような問題はやっております。これは正直に言いまして、一番問題が残りますのは麻薬のようでございますが、この麻薬のような本のは同じあげるにしても、あげにくいんだという事実があるのでございます。その方は私も多少私の領分ではございますが、別に税関部の専門家がおりますから、さらに詳しい御答弁が必要でございますれば専門の方からお答え申し上げます。

青木一男自由党

○委員長(青木一男君) ちょっと速記を止めて。   〔速記中止〕

青木一男自由党

○委員長(青木一男君) 速記開始。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 もう一点、法人税の問題にも関係しますが、   〔委員長退席、理事西川甚五郎君着席〕  戦後特徴的なものはネコもしゃくしもみんな株式会社を作ってきた。それでまあ一時社用族とか公用族とかいうのでずいぶん新聞紙上をにぎわした。会社組織にして利益その他償却費を相当見ておる、そういうことになっていると、そういう面から個人の交際費という面が会社の交際費のようた形でどんどん出ていくというふうな面が、相当こういう傾向を助長してきたんだというふうにも、しろうとながら考えておったわけですけれども、それでまた個人営業にしても給与所得者にしても、われわれにしてもその中に入るわけですが、結局大幅に税金を徴収されるというと非常に手取りが少くなる、その中で、それのみで生活しておるものであっても、相当交際費が要るわけです。そういう点と、そういう事業会社を経営しているものが個人の交際費というべきものをみんな会社に入れてそれでやっていくというふうな点で、どうも生活実態ということの中からいって、相当不均衡になっていっているんじゃないかということも、実感として考えさせられるのです。要するにわれわれとしても給与の中から税金を取られて、そしてその残ったものから生活費を差し引いて、そして交際費へ持っていくということになったらば、相当これは苦しいわけです。ところが今の社会状態を見ていれば、そういうふうな純粋な個人の所得の中から交際費を使っていくという部面が非常に少くて、今言ったような形の中で消費されているという部面が非常に多いというふうなことを考えていった場合に、こういったような点についてもう少し、まあ税法上で考えてもらいたいと思っているんだが、結局株式会社なんかそれでだいぶん償却というものをだんだん多く見てきているわけですね。そういうふうな点で私はやはり相当考えてもらわんというと、ひいてはそういうことが国民の大きな問題になるんじゃないかというふうに考えているわけです。ある人間が非常に窮屈な生活をしている、ところが同じような俸給を取っていても形式上は非常に生活ははなやかで非常にぜいたくだ、ところが表面上見たところの給与所得というものはいささかも違わない、こういうふうなことが私は妙だと思う。  それからもう一点、これはちょっとこまかい問題になるかもしれませんが、前にちょっと、衆議院議長の堤さんが奥さんを離縁する場合に八百万円とかを出すとか何とかということを聞いたのですが、あのときに、堤さんが言ったことがほんとうかどうか知らぬが、自分には財産がないのだと言っている。私はこれはうそだと思う。で、いろんな面で財産が隠されている。そういうふうな形の上で八百万円が妥当か妥当でないかということは私はここで論議する必要はないと思うが、結局多くの金を持っている人はそういう形で、いわゆる自分の純粋の所得の中から交際費を出していくというふうな形でなくて、みんな別個の形で、そういうふうな生活実態というものを表面だけで押えていこうということだと、私は、やはりこういう方面は相当考えていかないというと、国民の精神的な面で、これは非常に問題があるのじゃないかというふうに日ごろ考えている一人なんですが、こういう点はどうでしょう。

渡邊喜久造大蔵省主税局長

○説明員(渡邊喜久造君) 交際費の問題につきましては、いろんな角度における考え方があるように思っております。いわゆる非同族会社といいますか、普通の株式が上場されているような会社、この会社におきまして使われている交際費、これがまあよく社用族といわれるような名前のものを片方に生み出しているわけでございますが、これにつきましてはいろいろな論議がございまして、昨年の改正で、とりあえず三年間の臨時措置でございますが、二十九年の税制改正で、二十八年の前年実績よりもとにかく三割の交際費を減らし、もしそれ以上お使いになったら、それの半額は損金に算入しませんと、こういう制度を今やっております。多少そこには、従来非常に節約してきた会社というものもありますので、別に売上金額の何%といったようなものももう一つ別ワクは作っておるのでございますが、原則は今申した通りです。これにより、交際費課税により税収がどう上っていくかということは、これは一応最近の実績で見ていきますと、大体年間で十五億円その分で税金を取っております。しかし、この分は直接交際費がオーバーしたということによって出てくるものでございまして、会社におきましては、ああいった税制が作られましたのを機会に、たとえば経理部の人とか経理課の人たちは相当会社の中で、重役におそらく指示を受けていると思いますが、締めたようでございます。従いましてこの分は交際費としては超過しませんが、それだけ会社の収益がふえているわけで法人税の増加になって表われているわけだとわれわれは思っております。まあそういう手段によりまして、一面としてはわれわれとしましても、それが一応手ぬるいか手ぬるくないかという議論はあると思いますが、一応三年間の臨時措置ということで明年までそれは続いております。それ以降の措置はどうするかということは今後の検討に待ちたいと思います。それ以外におきましては、たとえばある営業課の人は客を招待するという名前で派手な生活ができる、あるいは他の課の人は、そういう接触のない人は、同じ俸給の者でありながら、とにかく片方は会社の金でもって遊べるからという、今のお話のような問題だと思いまするが、これはしかし会社のことを口実に遊ぶのはこれは僕は行き過ぎだと思います。と同時に、また会社のためにぜひ必要な交際のために出かけていくということはあるのじゃないかと思いますので、そこはむずかしい問題だと思います。それから今言ったような関係は、そういったような交際費課税の問題で私はなかなか効果はあったと思います。ちょうどデフレの時期ともからみ合いまして相当の効果はあったのじゃないか。これは大体資本金五百万円以上の会社について実は適用しております。いわゆる調査課が所管している会社でございます。小さな会社についてはそれは適用しませんでした。と申しますのは、小さな会社においてはいわゆる社用族というのはないだろう、ただ小さな会社にもってきて問題になりますのは、今度は交際費と全然別な問題が出てくるわけです。それは、これもあなたのお話の中にあったわけですが、たとえば親戚の者が来て、そして一緒によそで飯を食った。こんなのははっきり商売とは関係ないのですから、営業費の中に入るわけないわけですが、そういうものを会社の交際費で払う、こういうことがないとは言えないわけです。これはしかし、現在の税法からしまして、個人の経費を会社の中に入れたわけなんですから、こういうものは会社経費の中から、税法上からは当然否認さるべきもので、ただ、要するに税務執行の上におきまして、そこにそういうものがどこまで区別できていくかというところに、やはり執行の改善という問題を結び付けていかなければならん問題があるのじゃないか。税法の上で一応かえてみましたところで、これをすりかえていればなかなか今度は実際についてそれを調べる以外にないわけですから、現在の税制の建前としましても、親戚の者を呼んでごちそうしたなんということは、これは一番はっきりした事例でございますから、これはもう会社の経費に当然すべきものじゃないと、これは個人の営業の場合においても同じ問題になってくるわけでございます。ただそういう会社におきましても、たとえば得意先を呼んで飯を食ったという場合は、やはり会社の経費、事業の経費というふうに見なくちゃならない。そうすると、そこにそれをすりかえる余地がある。われわれ勤労者でありますと、やはりつき合いでもってずいぶんお金が要りますが、これをいわゆる必要経費というわけにはいかんというので、はっきりしておりますから全部がアウトになってしまうのに対して、事業をやっている個人の場合、あるいは同族会社の場合、その中にはある部分はやはり交際費の存在をこれは認めざるを得ない、理屈から言いまして……。と言って、その人たちが確かにまた個人の交際費もあるわけでございまして、その両者をはっきり税法に規定されているように使い分けていただくと、今言ったような不公平の問題は私はないだろうと思います。ただそういうものがあるが故に、個人のものを会社の経費に持ち込むという余地がそこにあるわけでございます。それをはっきり見きわめるのが税務執行の問題だと思います。従いましてその点において、行政の面におきましては大体今言ったたようなことで一応は整備していると思いますが、もう一歩、それだけじゃなお足りない、現実の事実をどうするのだという問題で御議論だと思いますが、これはやはり執行の問題をどういうふうに改善していくかという問題と、その方の努力を結び付けて対策が講ぜられるべきものじゃないか、かように考えております。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 私はひとしからざるを憂えるという気持は国民の階層に非常にまだまだ多いと思う。結局税金に対してもばく然とながらもこれはどうも不公平な点が多い、執行の面に多いと思うのです。それで、税務事務所とかいろいろな事務所がそれぞれに繁盛してやっていることは、これはそこに入って行かれないところのやはり困った人が多くて、それが税を大体払わされているというふうにもとれるように思っているのです。こういう点で、私の言わんとしているところは、純粋に給与だけでやっている者は、非常につつましい生活をしていても、しかもそれで同じ年令層で同じ仕事をしていても非常に生活がじみというよりも、自分の家族に与える印象としたって実に困るような点も多いと思う。そういうふうな常識的な点から考えても、給与所得者に対してはある程度まで、一ぺんにはいかんとしても、たえずそういう配慮があってこそ、まじめな納税ということが国民階層にしみ込んでいくと思うのでございます。フランスの話を聞き、また新聞でも見ているのですが、これは主税局長も知っていると思いますが、フランスでは税制問題、税金問題で非常に大衆運動が起って、もう政府としてもある程度手をあげたというような新聞記事もあったわけなんです。そういうふうな点で、私はやはり相当潜在的に税に対する、これはおもに執行面かもわかりません、そういう不満があると思うのです。私は官公庁関係の組合の議長もしておったので、国税庁の方々あるいは税務署関係の人ともよく話をし、聞きますが、実際この執行面で天引きされている給与所得者ぐらい実際つらいものはないんじゃないか、ほかの方はどこかに執行面で抜け穴が、息つくところがある。あれがきちんきちんとやられればいいが、とても今の人員では手不足でやり切れたものではない。ところが天引きにとられるから、給与所得者はもう事務的にも手数をかけないで、全く百パーセント国家に御奉公申し上げておる。ところが片方の方は、もっととれるはずなのに、手数をかけ、日数をかけて、それでやはり抜け穴というものはとても防げないというふうなことで、こまかいことを言ってもしょうがないけれども、何とか給与所得の方について抜本的に一つ考えてみる必要があるのではないか、こういうふうな声は私は依然としてとまらぬと思うのです。そういう点で、これは意見にわたりますが、私の言う点は、やはり給与所得者としてもいろいろ考えられて参っておるわけですが、まあ年末ぐらいには少しはスペシャル・サービスくらいしたって私は国家として悪くないというふうに考えるのですよ。これはせめてもの罪滅ぼしだと思うのです。これは意見になりますから、これでやめておきます。

西川甚五郎自由党

○理事(西川甚五郎君) それでは午前中はこれで休憩いたします。  午後は一時半から再開いたします。    午後零時五十三分休憩    ————・————    午後一時四十四分開会

土田國太郎緑風会

○理事(土田國太郎君) 休憩前に引き続き委員会を開きます。  まずたばこ販売収入見込み並びに葉タバコ輸入問題について大蔵省当局より説明を聴取いたします。

大月高日本専売公社監理官

○説明員(大月高君) お手元に資料がお配りしてございますと思いますので、まず最初に本年度のたばこの販売状況を御説明申し上げます。   〔理事土田國太郎君退席、理事西川甚五郎君着席〕  本年度の上半期の製造たばこの販売状況はこの表にもございますように数量におきまして五百十八億九千一百万本ということになっております。それに対しまして金額におきまして一千十一億二千九百万円という金額になっておるわけであります。これを本年度三十年度の予算に比較いたしますと、三十年度予算におきましては本数におきまして一千九十一億本ということになっております。また金額におきましては二千百八十三億四千二百万円ということになっておるわけであります。そういたしますとこの四月−九月の上半期におきまして予算に対してどのくらいの実績になっておるかということでありますが、数量におきましては四七・六%、金額におきましては四六・三%、こういう実績を示しておるわけであります。なお、これに対しまして昨年度昭和二十九年度の上半期の実績を参考までにとって見ますと、数量におきまして五百七億九千万本ということであります。それに比較いたしますと、数量におきましては本年度の方が増加いたしておるわけでありまして、約二・二%の増加ということであります。それから金額におきましては一千四十一億四千五百万円ということでありまして、本年の実績をやや上回っておるわけでありますが、代金におきましては三十億三千二百万円、つまり二・九%の減少になっておる。数量におきましては若干の増加、しかし代金の面においては減少というのが著しい特徴であろうと存じます。こういうような傾向を示しました原因は、結局上級たばこの売れ行きが悪くって、下級品の売れ行きに食われておるということでございます。具体的に申し上げますと、ピースにおきましては前年度に比較いたしまして、数量では十一億三千四百万本の減少であります。パーセントにいたしまして二八・二%というところでございます。それから光でございますが、この減少が三十八億四千六百万本、そのパーセントにおきまして三六・九%、こういう減少を示しておるわけでございます。その半面、新生が非常に売れたわけでございまして、この昨年度の増加の割合いを見ますと七十三億九千五百万本の増加、つまりパーセントで申しますと四二・三%の増、約四割方の増加を示しておるわけであります。こういうように下級品の売れ行きが多くて、上級品の売れ行きが少いという結果、公社の方におきましてはこの採算を見ますために、十本当りの単価を常に見ておるわけでありますが、この十本当りの平均単価は前年度におきまして二十円五十一銭を示しておったのでございますが、それが本年度の実績におきましては十九円四十九銭という数字になりまして、結局一円二銭、結局五%の低落となっておるわけであります。こういうような状況がそのまま下半期に持ち越されるといたしますれば、売り上げも相当減るのではあるまいか。予算に比較いたしましてこれを確保するのには相当の困難があると思います。  それに対しましてこの財政収入を上げますために公社といたしましてはこの十月一日からパールを売り出しているわけでございます。このパールの売り出しによりまして従来の新生の階層をできるだけ多く吸収いたしたい、こういうことであります。なお、下期におきましては景気の若干の好転も期待される。それに伴ってたばこの売れ行きも上昇するのではあるまいかというようなことも考えられます。また公社の出先機関を督励する、小売人に対しましても検討してもらう、あるいは座談会を開催する等、あらゆる機会をとらえまして販売高の増進に努める一方、経費の節約あるいは場合によりましては現在建設いたしております工場の建設工事を若干繰り延べするというようなこともあるいは考えまして、財政収入の面にできるだけ負担を少なからしめるように努力いたしたい。その結果どのくらいの不足が生ずるであろうかというようなことはまだ今後の見通しによりまして的確なことは申し上げられないのでございますけれども、あるいは六、七十億くらいの不足が生ずるのではあるまいかということでございますが、これはできる限りの努力をいたしまして、いろいろな方策を講じて極力この欠損を少なからしめるように努力いたしたい、こういう考えでおります。  第二に余剰農産物の関係でございます。余剰農産物、第二回の余剰農産物は御存じのようにこの間仮調印が済んだのでございますが、その結果アメリカ製の葉タバコにおきまして千五百トンを輸入する、こういうことに取りきめ上なっておるわけであります。その結果その前提となっております輸入の葉タバコが現状どうなっておるかということを御説明するための表が、もう一枚の紙でございますが、これをごらん願いたいと思います。今回対象となりました葉タバコはこの表のうもの上の欄が国内産葉でございまして、下の欄が輸入葉でございます。輸入葉のうちの米国葉というところに該当するわけでございますが、この米国葉の二十九年度の越し、つまり二十八年度から二十九年度に繰り越しました分が五千五百七十二トンあるわけでございます。それに対しまして二十九年度中に三千二十一トンの通常輸入をいたしました。それから使用量、ピースに入れましたり、あるいは光に入れたり、そういうことで使いました量が千九百七十一トンあったわけであります。その結果三十年度、本年度におきましては六千六百二十二トンという持ち越しになっております。三十年度におきましては通常輸入、現に入れておりますのが二千七百四十四トンの通常輸入でございまして、これは現在契約ができまして輸入中でございます。それから三千三トンという余剰農産物の関係の輸入でございますが、これは前回の取りきめに基く輸入でございます。その結果三十年度中におきましては、輸入が五千七百四十七トン、こういうことになっております。で、三十年度の使用の見込みは本年度の使用計画を勘案いたしまして二千三百二十五トンという見通しでございますので、これを差し引きますと、三十年度から三十一年度にかけまして一万四十四トンの黄色種の米国葉を繰り越す、こういうことになるわけであります。  このアメリカから入れます葉は高級たばこの味付に使われておるわけでありまして、そのストックは大体二年程度が理想であるというように一般に言われておるわけであります。参考のために三十年度へ繰り越しましたこの六千六百二十二トンを本年度の使用計画で割ってみますと二四・三ヵ月になるわけであります。六千六百二十二トンは二四・三ヵ月分になるわけであります。ちょうど二年分になるわけであります。三十年度の終り、越しになります分が一万四十四トン、これを使用量で割ってみますと三三・三ヵ月という数字になるわけでありまして、そういう観点からいたしますと標準の理想的な持ち越し高をはるかにオーバーする、こういうことであります。余剰農産物の交渉の始まりました当座、専売公社といたしましては、この輸入自体は必要がないという見解をとっておりますのはこういうようなストックの状況からでございます。ストックが相当にある、従って早急に輸入する必要はないのだということが第一点であります。  それから需要の面におきましては、現在先ほど御説明申し上げましたように高級の葉タバコの売れ行きが非常に減退いたしておるわけでありまして、その結果アメリカから輸入いたします葉タバコ、味付け用の葉タバコの需要はそうたくさん要らない、こういうことであります。  それから第三は、国内の葉タバコが今年非常に多くできるという見通しでございまして、昨年度に比べまして約二割ぐらいの増になろうか、こういう見通しでございます。そういう観点から国内産葉の補充用としても特に必要はない、こういう観点であったわけでありますが、余剰農産物全体の協定の成立という建前から、アメリカの方の希望が非常に強い、こういうことでやむを得ないのじゃなかろうかということで了承いたしたわけでございます。  その結果それでは非常に障害が起るかということが問題だと思います。しかしこの表にございますところから、さらに通常輸入を入れまして三十五年度までの使用計画を立てたところによりますと、需要供給入れまして大体昭和三十五年度で理想的な持ち高になるだろう。今二千九百トンが通常輸入の数字になっておりますので、その通常輸入が今後続くということを前提にいたしまして計算いたしますと、昭和三十五年度で平常の持ち高になる、こういうことであります。従いましてこの余剰農産物を受け入れることによる一つの困難というものは、当座必要のないものを若干抱いておる。従ってただこの抱いております余分の分は年々の使用が輸入よりも多いという事柄自体、正常の在庫に近寄りまして、三十五年度で元へ戻ると、こういうことでございます。しかし今申しました数字は、二千九百トンという通常輸入をずっと引き続きやるという前提でございますが、余剰農産物は一回々々の協定できまるわけでございまして、二千九百トンの義務輸入量というものは、来年度には適用はない。つまり三十年度に入れております二千九百トン、これが基礎になりまして、余剰農産物の今度の千五百トンが入るわけでございます。従って、法律的に申しますと、来年度の通常輸入には制約がないと、来年度の需要供給の状況を見て輸入してもいいと、こういうことになりますので、在庫の調節は、ある意味では千五百トンだけを前提として調節していったらいい、こういうことでございますので、そう大きな障害はないだろう、こういうふうに見ておる次第でございます。   —————————————

西川甚五郎自由党

○理事(西川甚五郎君) ちょっと皆様にお諮りいたしますが、大蔵大臣が三時十五分にアメリカの要人とお会いになるそうですから、ここには三時までいられるそうでありますから、その一時間の間に御質問を願いたいと思います。その後再び専売公社の方から御説明を願いたいと思いますから、さよう御承知願います。  それでは大蔵大臣に対して御質問のある方はお願いいたします。

菊川孝夫日本社会党

○菊川孝夫君 じゃ、できるだけ簡単に要点だけ申します。  第一に、拡大均衡ということを一般にこれはよくいわれてきたのですが、いよいよあなたの言われる八合目のミルクから入っていかなければならないと思うのでありますが、来年度の予算編成方針から見まして、一体どの辺に、ことしの予算と来年度の予算の編成方針とを比較いたしまして、どういうふうな形になった場合に、一応これは拡大均衡になったんだと、一歩を踏み出したのだということが言えるかということの構想をお考えになっておると思いますので、お示し願いたいと思います。それとも三十一年度も三十年度に引き続いた同じような状態でやっていこうとしておられるのか、その点を一つお示しを願いたいと思います。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 三十一年度のこの予算編成でありますが、この編成方針の基本につきまして、これは近いうちに閣議におきましても、あるいはその他の関係とも十分意見を徴してきめることにしております。今のところではまだその段階までいっておりません。  ただ今日考えておりますことは、どうしてもこれはまあ、当然のことでありますが、健全財政の線を貫く、これはだれも異存がない。今のところでは予算の編成について事務的に各省からの概算が来まして、費目を整理しておる、こういう段階であります。

菊川孝夫日本社会党

○菊川孝夫君 そうしますと、健全財政の線を貫くということになると、こう赤字公債だとか、公債類似というようなものについては考えずに、あくまでも均衡でいこうと、こう考えるのでございますか。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) ただいま公債を発行して、それを一般会計の歳入に充てていくと、こういう考えは持っておりません。

菊川孝夫日本社会党

○菊川孝夫君 次に賠償問題について伺いたいと思うのですが、今フィリピンとの賠償の問題が大きな政治問題になっておりまするが、あなたの談話か何かでちょっと出たのでありますが、一つのお考えとして、たばこの値上げによって——賠償はそういう深刻なものであるということを国民に認識させるために、たばこに賠償税をかけるというようなこともまあ一つの考え方であるというようなことが新聞に発表されたのでありますが、このフィリピンの賠償問題が一応八億円という線で、日本の今後の財政規模から考えて、あの線が一応のめる、こういうふうに大蔵大臣がお考えになっているのかどうか、この点を一つ伺っておきたいと思います。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) この機会にちょっと私申し上げておきたいのでありますが、この賠償に関連しまして私が、これは大阪に私が参ったときの話で、まあごく友人連中の集ったところの話であったのでありますが、それが不用意に出て、いろいろと論議の種になっておりますが、私の考えたのはこういう意味であったことを一応申し上げておきます。  それは、日本が戦争に負けたのも今度が初めてだ。従って賠償というようなものを払うのも初めてだ。しかも、これは今度は賠償を請求する国も多数の国に上っている。この負担がまた今後国民の十年や二十年の負担にもなる。それでこういうふうなまあ国の払いというものはまあ類例のない、日本では初めてのことであるから、この扱いは単なるまあ普通の、この財政の方からいえば歳出の一項目として取扱っていくというようなことでいいだろうか。もう少しこういうふうなものについては、国民全体でこう考え、納得いくような何かの扱いについて考える必要はないだろうか、こういうふうに話したのが、まあそういうときに、場合によってはこれはいろいろしょっちゅう賠償を背負っているということは、いいとは決断しないのですが、賠償というものを背負っているということを日常生活の上に考えるようなことも、これは一つ考えるべきじゃないかというようなことをお話したことが、まあたばこですか、何かの税金の、賠償税というものに結びつけられたのですが、必ずしも私は税金をとるということに考えてはいないので、そういうような扱いについて一つ考えるべきじゃないか、こういうふうなことであったのであります。  それから今御質問のフィリピンの賠償の点でありますが、今せっかく外務省と政府との間においてやっているのであります。これについてはまあいろいろこちらも要求もしているようでありますから、私はどう出るかということは控えたいと思います。

菊川孝夫日本社会党

○菊川孝夫君 ちょっとどう言われたか、私はよく聞き取れなかったのでありますが、八億円くらいのところはまあやむを得ないものだ、こういうふうに財政責任者として一応腹を据えておられるのか、それともまだできるだけこれは値切るべきだ、こういうふうにお考えになっているのか、この点。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 賠償八億ドルではないのでありまして、一応八億ドルといわれておりますが、あのうちで、あのくらいにしても、二億五千万ドルは純民間の借款で、政府は何もこれについては義務を負わない、こういうふうな話し合いになっていることを承知いたしております。ですから実体においては五億五千万という問題がいわゆる賠償の本体であります。これについてはいろいろと、また金額もさることでありますが、支払い方法やいろいろな内容に関することで、まあその内容等について、その点についても交渉している、こういうふうなことであります。

菊川孝夫日本社会党

○菊川孝夫君 外務大臣が外交折衝によって金額をきめることも大事だと思いますが、またこれを将来長く負担していくのでありますから、この負担にたえ得るかどうか、こういう判断をするのは、一つ何と言ってもこれは大蔵大臣の大きな責任だと思います。で、その点から考えて、大蔵省としてはどういうふうなこれに準備ができているのか、あるいはそれが検討されているのか、きまったらきまったでそれはしようがない、こういう態度か。それともこの程度は負担の限界であるというようなものが、一応ここで金額その他について示されないにいたしましても、あなたの方では用意はできておるのかどうか。これをお伺いしたいと思います。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 五億五千万ドルということが問題になるのでありますが、この五億五千万ドルは日本の負担にたえるかたえないか、これは同時に他の賠償、全体の日本の対外債務ということもむろん考えなければならない。これだけ離して考えるわけではありません。しかし同時に五億五千万ドルにしてもこの払いの条件次第では、これは五億五千万ドルですから、日本の国の全体の経済その他から見て、これは払い得るか払い得ないかという議論はなかなかこれは、払えるともいえましょう。ただ日本の国民に対して負担の加わり方がどういうふうに加わるかということに私は帰すると考えておるわけであります。むろん一挙にすっと払えという条件では、これはとてもできないということはいえますが、どういうふうに日本国民が負担にたえるような内容を持つか、こういうことになると私は思います。

菊川孝夫日本社会党

○菊川孝夫君 それで内容次第だとおっしゃるのは、それはその通りだと思います。しかしこれは向うから要求された場合に、こちらはどうしてものまされなきやならぬと思うのでありまするけれども、あくまで、対抗手段といっては言い過ぎかもしれませんけれども、負担の限界内において私はのまなきやならぬと思うのでありますが、その用意は大蔵省で一番、これは何といっても、そんなものをのんできてもらっちゃ困るというか、それとも総額でのんだものならば、それを負担するようにこちらから、多少日本の財政規模から考えて、それをできるようにこれをやっていくというのと、これは限界であるからこれ以上はのんでくるなというので出かけていくのと、おのずから行き方は違うと思うのだが、大蔵省はどちらの方法をとるのだということを私は聞いておきたい。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 今申し上げますように、こういうふうな内容を持てばこれはやっていける、われわれとしても考えられるこういう内容はある、そういうような内容についてせっかく折衝しておる、こういうふうに御了承願いたいと思います。

青柳秀夫自由党

○青柳秀夫君 関連して。今フィリピン賠償のことが出ましたが、その八億ドルという中の二億五千万ドルは純然たる民間の賠償であるというようなことの御説明でございますが、そうすると国の方は絶対にそれに関係がない、こういうふうに了解していいものでございましょうか。そこいらがはっきりしませんとこの問題に対する何といいますか、考えがまとまらないわけなんでありますが、政府は絶対に関係しない、こういうふうに解釈していいものですか。これは国家としても非常に大事なことでございますから、特にはっきり御答弁を願いたいと思います。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 私はさように承知いたしておるのでありまして、またそういう疑念がないように一つ明確にすることが必要であると、かように考えております。

菊川孝夫日本社会党

○菊川孝夫君 それではもう時間が……、一人で取ってはいかぬから次に進みます。  今度臨時国会が開かれるということになりましたならば、一番大きな問題というか、中心議題の一つとして、地方団体の赤字をどう処理するがという問題がどうしてもこれは大きな問題になってくると思います。そこで大蔵省におきましては交付税の税率引き上げということについては今年はこれをやる意思はないというような省議決定をされた趣きであります。そうしますると、この地方財政の赤字処理については大蔵大臣としてはどういう方針でこれを処理をされよう、どういうお考えを持っておるのか、構想を一つお示し願いたいと思いますが、自治庁長官の、説明によりますると、赤字解消の一つとしては交付税率の引き上げも考慮しておる、ただいま折衝中であるというような答弁が一応過日の地方行政委員会でございました。ですから政府部内においてまだ調整はできていないのですが、ほかに方法があればこれをやらないでもいいと思うが、どういう方法でおやりになろうとしているか。地方自治体の赤字は地方自治体の財政で、自治庁長官がどう言おうと、大蔵省としてはこういう方針でゆくのだということがきまらなければ、交付税の引き上げに反対だということは言えないと思うのですが、どういう構想を持っておられるか、お示し願いたいと思います。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 御質問の点につきましては、ただいま大蔵省としてもいろいろの関係委員会に諮問もして、意見も聴取しておるわけであります。それらの意見も十分聞きまして考えようと、こういうふうに思っておるわけであります。なおこれについては政府においても今せっかく関係者の間で検討を加えておる、こういうふうに御了承願いたいと思います。

菊川孝夫日本社会党

○菊川孝夫君 そうすると今のところは大蔵省としてはこういう方針でやろうというようなこともきまっておらない、何も一向きまっておらないのであって、交付税率の引き上げというようなことをやらないというような方針もまだきまっていないのですか。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 今申しましたような状況でありまして、まだ最終的なむろん大蔵省としてこういうふうなというようないろいろな考えは、いろいろと検討を加えておりますが、最終的決定はまだいたしておりません。

菊川孝夫日本社会党

○菊川孝夫君 そうするとこれはまあ地方自治体の赤字は一番大きな、今度臨時国会が開かれますと問題になると思うのでありまするが、臨時国会もおそらく時間的に考えましても、十一月の中旬にはおそくともこれは開かれることになるだろう、要求は出ておるからやらなきやならぬと思うのですが、従って早急にこれはまとめなければならぬと思いまするけれども、いつころになったらこれは一体まとまる見込みでございますか、早くまとまるのと臨時国会の開会ということがどうしてもからみ合ってくるだろう、そこで大蔵大臣としてはいつころまでにまとめて、そして大蔵省の方針もきめて、予算の補正を行うかどうかというようなことも方針が定まらなければならぬと思うのであります。こちら側としてもそれに対処するようにやはり国会に臨む対策も考えていかなきゃならぬと思うので一つ……。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 仰せのように臨時国会も迫っておりますので、なるべくすみやかにそういう点について考えをきめたい、かように考えております。

菊川孝夫日本社会党

○菊川孝夫君 もう一点最後に……。もう一つだけでやめます。  失業問題は一つの大きな政治問題になってくるだろうと思うのでありますが、特に来年の三月に学窓を巣立つところの卒業生の就職事情というものは非常に悪いと見通さざるを得ないのであります。今からもうそろそろ採用試験等も始まっておりますけれども、従ってその対策はどうしても考えなきゃならぬ。学校を出た、それが就職口がないという場合には、当然これは思想の悪化、社会不安の醸成ということに拍車を加えることになるだろうと思います。そこでこの点について今度の来年度の予算編成の場合には何らかの処置が講じられなければならぬのじゃないかと思います。それを考えるか考えないかによって、明年三月の卒業生の就職口もある程度緩和されるかどうかということがきまってくると思うのでありますが、この点については大蔵大臣として考慮をめぐらしておられるかどうか、最後に伺っておきたいと思います。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) ひとり学生に限りませんが、やはり今後雇用の点は重視していかなければならぬと考えております。同時に財政のむろん許す範囲で、そういうふうなもろもろの条件を勘案しつつ、できるだけやはりそういう学校卒業生等の就職ができるように関係の方面と協力してやりたい、まあかように考えております。

土田國太郎緑風会

○土田國太郎君 私は食管法につきまして大臣に伺っておきたいと思いますが、食管法も大体行き詰まりのような状態にあることは御了承と思いますが、われわれ消費者層といたしましても、米の問題には重大なる関心を持つと同時に、この改正をすることは、これは農林省の管轄でありますから、農林省へ聞くのが当然でありますが、しかしながら国家財政といたしましても非常な関係がありますので、まず大臣のお考えを聞きたいと思うのであります。私は食管改正をいたしまするには一番いいチャンスではないか、こう考えているわけであります。貿易は順調である、米は豊作であるというようなことで、備蓄米をやりまするにも好機会であるというように客観的の情勢はなっているわけでありまするが、かように本年のごとく——毎年々々米価を高くしていく、これは国家財政の負担によっていくよりほか仕方がないのでありますが、こういうことが将来だんだんたび重なるというと非常に迷惑をする。また国民も税金をだいぶとられなければならぬというような結果にも相なるのでありますので、こういうことを考えられて、大蔵省といたしましては食管法の改正をする御意見であるかどうか。もしおやりになるとすれば、自由販売であるとか、間接統制をやるとかいう方法がありましょうが、どういうような面をお考えになっておるか、御参考にお聞きしたいと思う。それが第一点。  これも食管関係の問題でありますが、仄聞するところによりますというと、一般の業務用米といたしましては、一石一万二千円で業務用にお売りになるというようなことを承わっておりまするが、これに対して酒造原料米であります。すなわち酒米でありますが、これは一万三千八百円というようなことが新聞紙上等に出ておりますが、事実酒造米は一万三千八百円とおきまりになったかどうか。もしおきまりになったとすれば、はなはだ私はその当を得ておらない問題ではないかと思うのであります。御承知の通りこの酒造米というものは、原料米一石で間接税及び所得税、事業税等を加えますというと、原料米一石で約九万円からの収入をとっているのであります。しかるに業務用のごときはただ売りっぱなしのものであるのでありまして、こういうようなことを考えますというと、業務用は一万二千円、酒造米は一万三千八百円であるということが果して事実であるとしますならば、非常に均衡を失しているのではないか、こういうふうに私は考えられるのであります。かりに外国米を日本に輸入をいたしましても、御承知の通り一石九千五百円程度ならば入るのであります。これが酒造米に使うような場合には約十倍にもなって、国家の財政として非常に利益になる問題でありますが、そういうことを御勘案になって一万三千八百円というものをこれからおきめになるのか、あるいはきめられたのか、それらの構想について一つ御腹案をお伺いしたいと存じます。   〔理事西川甚五郎君退席、委員長着席〕

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 米の管理制度につきましては、先般といいますか、三十年度の米価をきめるときに関連いたしまして根本的な検討を加えるというようなことになりまして、今日検討を加えているわけであります。まあ私としては、いろいろな準備が要るということはむろんでありますが、統制の緩和が望ましいと思うのでありますが、しかしこれは非常な準備も要ります。ただいまいろいろと検討中で、まだ結論を得る段階にまで参っておりません。これは準備がととのわず、なかなか複雑でありますし、また影響も大きうございますから、やはり十分な準備、検討をして、それからこういうことはやるならやる、あまり中間でごたごたいうこともなかろう、かように考えております。  それから業務用米と酒造米の値段のことについてお尋ねがありましたが、大体ただいまお話のような価格になるだろうと私は考えております。そうきまったという数字については、私今記憶しておりませんが、そうなるという話し合いでそうなるだろうと、こう考えております。ただ値段の差がありますが、この業務用も御承知の通りで、私がかれこれ言う筋合いでもないのでありますが、米がだいぶ違いますし、自然値段がそうなる、かように御了承願いたいと思います。

土田國太郎緑風会

○土田國太郎君 もう一つお聞きいたしたいのは、三級清酒の問題でありますが、酒類販売業界といたしましては、合成酒九合に清酒一合混ぜたものをこれを三級清酒と称して、しかも税率を百二十円程度に引き下げて、販売価格を一升三百五十円程度で売って、そうして大衆の飲料に供したい、こういう方法で宣伝され、また来るべき二十三国会にも政府提案としてやらせたい、もし政府提案ができない場合には議員提案としてでも、これは法律化するのだというようなことが盛んに現在巷間に伝えられておるのでありますが、そういうことに対しまして、私どもはこの三級清酒に対しては、これは根本的に反対の態度をとっておるわけです。もしこういうものが実現いたしました場合には、私どもの調査によりまするときには、これは清酒の利害関係のみならず、あらゆる酒類に悪影響を及ぼしまするので、販売業者の称するごとく、三百万石の密造酒に対抗するためにやるのだということを声明されているのでありまするが、実際におきまして現在は七百五十万石の致酔量が製造されております。その上また二百五、六十万石をやりましたならば一千万石でありまして、今日の日本の人口から比例いたしましても、とうてい販売能力がないことははっきりしているわけであります。  かりにこの三級清酒を三百五十円というような値段で売るということに相なりますれば、ほかの高率の現行税法によりまする酒類の売れ行きというものはほとんど致命傷であります。私どもの調査によりますると百六、七十億のこれは国庫の減収になるはずです。そういうようなことを考えますると、私どもはこの三級清酒というものについては政府は慎重に検討していただかなければならぬと思うのであります。  なお、この販売業界におきましては、米をつぶすからいかぬ、こういうようなことを言うておりまするが、いずれの国の酒類を見ましても、ほとんどその国の主食にあらざる酒類というものは作っておらないのであります。果実酒はこれは別でありますが、ほとんどその国の主食であります。日本におきましてもわずか年額百万石程度でありまして、米を酒類に使うのはその程度であります。平年の作柄から見ましても一、一・五%ぐらいのわずかのパーセンテージでありまして、何ら食糧の大勢に悪影響はないのにもかかわらず、そういうようなことを宣伝されておりまするということは、はなはだ遺憾に存じておるのでありまするが、政府としてこの三級清酒に対しまする考えはどうであるかということと、それから本年の酒造時期もすでに近づいてきておるのでありまするので、本年のこの酒造米としてどの程度の割当をなさるのか、御構想をお伺いしたいと存ずるのであります。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 三級清酒のお尋ねでありますが、これは結論からいえば、大蔵省としてはお説のようにきわめて慎重に検討いたしたい、また基本的な考えとしても、これは税収入と他面また清酒業界の問題、いろいろあります。慎重に検討いたしたい、こういうことであります。  それからその次のお尋ねは、予算といたしまして百十万石の割当を予想しておりますが、そうしてさらにこれを増加するかどうか、なお検討を加えて……。

松澤兼人日本社会党

○松澤兼人君 いつも大蔵大臣にお聞きすることは、来年度予算の編成の方針などについてお伺いしているわけなんですけれども、だいぶ各省の予算要求も出そろっているようですから、この時期に、どんな方針で編成なさるのか、大蔵大臣の御見解を伺っておきたいと思います。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 先ほどちょっと御答弁いたしましたように、この予算編成の基本的の方針については、今後この関係者の意見を伺いまして、その上で政府としての、党の意見もむろん入れなければなりませんが、きめたいと思っております。まあ私自身の考えとしましては、何としても健全財政を貫いていく、こういうところに今のところ……、従いまして相当御協力を得まして、歳出面、まず歳出面においてやはり合理的な調整といいますか、歳出の緊縮をはかるのはむろんでありますが、同時に合理的な調整も加えていきたい、かように考えて、今事務的にそういう方針で作業をしておる、こういうことでございます。

松澤兼人日本社会党

○松澤兼人君 どうもしかしもう少し大蔵大臣として何か御方針を示してもらいたいと思うのですが、たとえば規模はどのくらいか、あるいは減税のためにどのくらいの収入が、歳入が減る見通しなのか、あるいは国民所得がふえるということでどの程度まで増収の見込みがあるのか、プラス、マイナス両方にわたってふえる要素と減る要素というものを考えて、規模は大体このくらいというようなことはお示し願えるのじゃないかと思うのですけれども、ただ健全財政の線だけで、ほかのことはまだ何もおっしゃれないような状態なんですが、もう少し大蔵大臣としての方針はこれこれの点で一つ重点をおいてやっていくというようなことをお示しになってもいいのじゃないかと思うのですが、いかがですか。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 結論的に若干そういう点について申し上げれば、実はこの歳入面、税収入、それからいろいろ専売益金等についての数字、こうだという数字はまだ報告を——おそらくこういうものについて検討を加えておりますが、まだそれについては受けておりませんが、私の考えでは歳入面、減税等の平年度化もありますし、いろいろな関係、それから先ほどたばこについての御説明が事務局からあったように伺ったのでありますが、たばこの売れ行きその他から見まして、やはり全体の歳入の何は一兆をそう多く上回るということはやはり期待ができない、こういうふうに考える。この歳入を目安にしてそうしてこの健全財政といものを考え、今のところ幾らというわけにもいきませんが、ほぼ一般会計の規模というようなもが想像がおつきになろう、かように考えております。

松澤兼人日本社会党

○松澤兼人君 大蔵大臣、外国へ行って帰っていらっしゃったばかりですから、事務的に省内とも十分に話を聞いていらっしゃらないことはよくわかるんですが、それではもう一つお伺いしたいことは、保守合同の線では、これは新党で予算を編成すると、こういう線が出ているわけなんですが、大蔵大臣としては大蔵大臣として、つまり民主党内閣として予算を編成される方針か、あるいは新党で予算の編成をなさるというお考えでありますか、その点はいかがです。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 私が今御質問に答弁し得ることは、鳩山内閣の私は大蔵大臣として予算を組んでいくということ以外には何も申し上げることはありません。

松澤兼人日本社会党

○松澤兼人君 そうしますと、現在予算の編成過程にあるわけですが、民主党内閣の大蔵大臣として、その限りにおいて予算を編成なさる、この点については保守合同がどうあろうとも大蔵大臣は責任を持って民主党内閣の予算を編成なさる、こういうお考えのように承わったんですが、その通りに理解してもよろしゅうございますか。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) この保守の合同の問題はこれは将来になります。またそのときの内閣の大蔵大臣が予算を編成する。それが保守合同に何も支障があるというわけでも私はないと思う。そのときの内閣が予算を編成する、これはまあ当然のことだと、かように考えております。

松澤兼人日本社会党

○松澤兼人君 事務的に言えばそういうことでしょう。しかし政治というものは、すでに鳩山さんも言っておられるように政策の一致ということがまず第一の条件だと、こういうんでしょう。そうすると政策の一致ということは、民主党の政策もあるし自由党の政策もあるし、その政策がきまらなければ予算がきまらない、こういうことになるんじゃないか。たとえ一萬田大蔵大臣が民主党内閣の予算としてお組みになりましても、その後また保守合同という線が出てくれば新らしい政策が当然織り込まれなければならないし、そうすると民主党内閣の予算というものでなくて、いわゆる新党によるところの予算ということになると思うのですが、そういう点やはりどこまでも一萬田大蔵大臣は民主党の予算を編成するんだ、で自由党との合同の問題があっても、それは民主党内閣の予算として押し通されるお考えなのか、いやそれはそのときの話だ、政策の一致を見たならば自由党の要求もどんどんいれていって、そうしてまあ保守合同の予算、こういうものになることはやむを得ないと、こうお考えになりますか、これは大蔵大臣の決意の問題だと思う。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 先ほど申しましたように予算のこの基本的な方針がまだ今後にきまるのですが、問題は要する何事か、どういうことか、たとえば民主党の内閣のやるということに私はなると思うのであります。この予算の編成に当って各般の情勢を考慮していかなければならぬ、これはもう言うまでもない。何が一体予算の内容をなすかということに私はあるのじゃないか、それで御了承が願えるかどうか……。

松澤兼人日本社会党

○松澤兼人君 予算の内容をなすものは私は政策だと思うのです。どこまでも、先般の衆議院の選挙のときに民主党が掲げられた公約ということでいくのか、あるいは自由党が政策として掲げているもの、それを取り入れていくのかということだろうと思う。結局予算の内容をなすというものは政策でしょう。だからどういう政策をその中に織り込むかということがこれは重大な問題だと思う。民主党だけの政策でやっていくというふうに現在まあ一萬田さんはそういうふうに考えていらっしゃるようです。まごまごして十一月の末、ころになって保守合同ができたということになると、今までまあ民主党の政策を内容とする予算を作ってきた。ところが保守合同の方が出てきたから、今度はまた自由党の政策を入れていかなければならぬ、結局私は一萬田さんがそういうふうにがんばっておられても、この前と同じように、この前は修正という形できましたけれども、今度は予算の事前折衝ということになってきますでしょう。そうなった場合に、一萬田さんはどこまでも民主党の大蔵大臣として押し通されますか。あるいはそういう情勢にあっては保守合同のいわゆる自由党の政策も織り込んでいかなければならぬ、こういうふうに考えていらっしゃるか、その決意を私伺いたいと思います。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) これはまあどういうふうな御真意か、はかりかねる点もあるのですが、これはそういうふうな情勢の進展を待たなくては、私は今言い得ることは、今日のところでお答えするという以外に私はないと思う。将来どういうふうに変化があるか、それをお前どういうふうにするか、具体的にどう変化していくか、その変化を見た上でなければ何ともお答えいたしかねます。

松澤兼人日本社会党

○松澤兼人君 大蔵大臣がそういうふうにおっしゃれば私も開き直って聞かなければならない。それではあなたは民主党内閣の大蔵大臣として自分の信念をどういうふうに予算編成に表わしていくか、その信念をおっしゃるのが当りまえじゃないか。そのことについては何も言わずに、今度は私が民自の政策協定ということについて言えば、それはまあ将来の問題で、どういうふうに出てくるかわからない、そうすると現在はあなたは自分の現在の考えを言わず、それで政策協定の問題についてはこれは将来の問題だから言えない、何も言わないことじゃないですか。もう少し私は大蔵大臣として、われわれもやはり国会に臨むというその気持を持っておりますし、政府はこういう方針でいくのだ、それじゃわれわれもこういう方針でいくのだということを率直に言ってもらった方がいいのじゃないか、こう思うのです。現在のことも言わない、将来のことも言わない、それじゃ何も言わない。そういうことじゃ私はいかぬと思う。今何も自分としては考えていないということであれば、それはまあお考えの熟するのを待たなければならぬということになります。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 私何も考えていないと申しておるわけじゃない。

松澤兼人日本社会党

○松澤兼人君 言っていただいたらいいでしょう。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 何も考えていないというわけじゃない。先ほど申しましたように、やはり予算の編成についてはこの基本の予算編成方針というものがあり、ここに立たなくてはならない。その予算編成を立てる上に私が主観的にどうというのも少し言い過ぎになるのでありまして、予算方針をすみやかに立てるようにいたしまして、またのときに十分御答弁を申し上げたい。

松澤兼人日本社会党

○松澤兼人君 もう一言だけ……。

青木一男自由党

○委員長(青木一男君) 今の点はいいじゃないですか、時間もないようですから。

松澤兼人日本社会党

○松澤兼人君 もう一つだけ。それで私さっきお伺いしましたように、歳入がこの辺である、そうするとこの辺の歳入で何ができるかということを考えてみると、たとえば民主党の公約の中で、住宅ならばこれだけできるはずなんだ。社会保障の点はこういうふうになって、ここまできたのだ。まだ残った問題はこれこれだから、こういうところに重点を置いてやっていきたいという御方針、大綱というものは言っていただけるのじゃないかと、こう思うのですが、それで三十一年度予算を編成するに当ってどういうところに重点を置いて考えたいという一つの御見解の披瀝というものがあってもいいのじゃないかと思うのですけれども、それはいかがですか、重点的に取り上げる施策……。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) ごもっともであるのでありまして、実はそういう点もお話ができるといいと思うのですが、それは今各省からのいろいろな考え、それが予算概算に現われて、今事務でそれをいろいろと集計していろいろ見ておるわけであります。それらを私も今後各省について一々見まして、各省大臣がどういうことをお考えになっておるか、こういうことを考えつつ、総合して予算を編成していく。自分の考えをも、またその間に予算編成方針というのも政府等を通じてきまってくる、こういうふうに考えておるわけであります。今はそういう点について各省の考えを一々見ていくという段階であります。御了承を願います。

青柳秀夫自由党

○青柳秀夫君 大臣に親しくお伺いする機会がございませんので、きょうごく簡単に基本的のことを一言だけ伺いたい。  それは大蔵大臣とされましては、国の財政、歳出の重要な問題についていろいろお考えでありますが、結局これは歳入がなければまかなえない。その歳入の一番重点は税であります。この税につきましてはきょう午前中主税局長からお話がございましたが、税制の調査会等で御研究にもなっておるようでありますが、これに関連して私が伺いたいのは、税の中でも一番国民に響きますのは直接税、ことに所得税などが一番響くわけでありますが、この所得税に対する大臣の基本的のお考えはどこにあるか。私がお伺いしたいのは、国民の担税能力に応じて租税をかけていくという基本線を強く打ち出して日本の税制をやっておいでになるのか、それともそれは弱めて、他の要素、たとえば国民経済の伸展というようなことが大事であるからといって、それをこの方にやや力を入れるといいますか、とらわれて税をかけていかれるか。私がこれをお伺いいたしますのは、現在の税制がなってない、かように思うわけであります。できるだけ税制というものは国民が納得するすっきりした姿でいかなければ納税もうまくいかない、かように思いまするので、いろいろ問題がございまするけれども、その点をはっきり一つお伺いしたいのであります。  現在ではいろいろの税法の措置がとられましたためにこんがらがりまして、勤労所得の方がむしろ財産所得よりも軽くなっておる。預金の利子の免税があり、あるいは配当の課税に対する減税があるというようなことのために、勤労所得の方が……いろいろ低いところには免税の措置もありますけれども、同じ収入がある場合において、どうしても勤労所得の方が重くて、財産所得の方が軽いというようなことは、どう考えても私は納得ができないのでありますが、こういう点についての大臣の基本的のお考えを伺いたいのであります。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 御承知のように、この税として、この税を使って一つのある経済効果を求めるというのは、これは私むしろ例外的というか、それは税としては本道じゃない。税としてはやはり担税力のあるところを公平に、そうして国民の納得するように税というものはある。こういうふうなお考えについては、私も全く同感でありますが、ただいろいろとお説の問題もありますので、ただいま臨時税制調査会でこの税についての御審議を願っております。いずれ近いうちにここからもいろいろと答申が来るだろうと思っております。

青柳秀夫自由党

○青柳秀夫君 私はむしろ税制調査会は調査会で、諮問機関といいますか、参考にされることはいいのでありますが、大蔵大臣とされましては、国の財政をまかなっていくこの税制における最高の責任者であられるわけでありますから、一萬田大蔵大臣とされまして、自分でどっちがいいかという線を先にお出しになって、それを税制調査会で批判を仰ぐというくらいの強い線をお出しになることが必要じゃないか。それには税についてもいろいろな事情から現在の租税特別措置法なり、いろいろのことが生まれ出ていることも私はわかります。それは戦後のいろいろな事情からそうなっているので、やむを得なかったかもしれませんけれども、現在すでに十年もたって、一人前になってきた日本としては、税制をやはりはっきりする方が私はいい。それにはまず大蔵大臣が自分でこれはいいのだという案を公けでもいいし、あるいは個人的でもいいのでありますけれども、何か強い線でお出しにならないと、いつまでも第二義的の要素の方が強くなって、非常に租税というものは公平じゃないのだ、担税力よりはむしろほかの方が中心になっていくというので、私はどんなことをやっても国民全体は納得しないのじゃないか、かように思いますので、何とか一つ大蔵大臣とされまして、先に立ってそこを打ち出しておいでになることが必要じゃないか、この点において大臣の強い御意思を伺いたいのであります。  今のを伺いますと、非常にゆるやかなお考えのようでありますけれども、私はもっと国民が納得する……他の点は見ないでも、産業振興については他の助成策をとればやっていけると思うのでありまして、同じ収入があるのに片方は重くて片方は軽い。ことに財産収入の方は軽くて、勤労収入の方は重いというようなことは、税そのものからいって絶対に私は納得できない。それでは日本の国もやっていけない、かように思いますので、重ねてその点をお伺いするわけでございます。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 御意見なり御注意の点は十分拝聴いたして、今後努力をいたす所存であります。

木内四郎自由党

○木内四郎君 質問じゃありませんけれども、ちょっと希望を述べます。  先ほど賠償問題に関しまして菊川委員、それから青柳委員にお答えになった点、私ども新聞その他いろいろな方面を通じて間接ですけれども、知り得ているところに照らしまして、あの程度の御答弁では実は釈然としない点があるのでありますけれども、問題は今外交折衝の過程にあるという段階ですから、私は今これについてこの席で大蔵大臣から言明をしてもらったり、言質を取ったりするという気持は少しもありませんけれども、五億五千万ドルとおっしゃる総額につきましても、あるいはその大要、支払い方法等につきましても、また二億五千万ドルと称せられる役務賠償、これにつきましても、この金額についても、また大要あるいは国家の責任との関係などにつきましても、私はここで今申し上げませんけれども、国民経済、国民負担、その他、他の賠償などに関する関係などにかんがみまして、特に大蔵大臣の一つ御検討を私は切望しかつお願いしておきたいと思います。

青木一男自由党

○委員長(青木一男君) 他に大蔵大臣に対する質疑がございませんければ、大蔵大臣には帰っていただくことにいたします。  ちょっと速記をとめて下さい。   〔速記中止〕

青木一男自由党

○委員長(青木一男君) 速記を開始して下さい。

平林剛日本社会党

○平林剛君 私は余剰農産物の受入れの中でタバコに関する件と、最近の製造たばこの販売状況について当局からお考えをお聞きしたいと思います。大蔵大臣が出ておりましたから、ほんとうは大蔵大臣から聞きたかったのでありますが、現在の専売公社の運営状況からいきますと、大蔵大臣というものの権限というようなものは専売公社の上に乗っかかっておりますから、そういう意味で大臣にも直接聞きたかったのでありますが、法律上は専売公社というものは一つの単独機関になっておりまして、そこには総裁もおり、副総裁もおることでございますから、私はそれを尊重して、大臣の答弁を求めなかったのであります。そういう意味でありますから、専売公社当局もなるべく積極的に私の質問に対してお答え願いたいと思います。  最初に、余剰農産物の件につきましてお尋ねいたしますが、今度河野農林大臣がアメリカへ渡って小麦、大麦あるいは綿花などの余剰農産物を買い入れてくるとともに、葉タバコについても千五百トン買い入れてきました。前回の第二十二特別国会における第一次協定に加えますというと、この葉タバコの購入については非常に私どもとして理解に苦しむことが多いわけであります。先ほどの説明のように、この葉タバコのストックがすでに三年間に相当するものがある。しかも農林大臣は要らないものは買わぬという方針で行ったにもかかわらず、結果においては不必要なものを買わされてくるという結果になったわけであります。こういう点で、これが外交問題としても、余剰農産物に関する日米協定の問題は当然議論が起きると思うのでありますが、私は特に葉タバコの購入に対してこういう結果になった責任というものをただしたいわけです。  一体外国葉を買い入れる権限というものはだれが持っておるか、少くとも河野農林大臣は自分でも言明をしておりますように、タバコとかあるいは綿花の面についてはしろうとであるから、関係者をつれていって、それにおもに当らせたという話も、先回の農林水産委員会で答弁をされております。タバコについても非常に理解がなさそうであります。それにもかかわらず、余分なタバコを買い込んできたということは、これはやはり政府部内における一つの意見の調整といいますか、あるいはタバコに対するところの理解というものが欠如した結果にほかならないと私は見ておるわけです。こういう結果になったのは、専売公社当局にタバコの輸入に関する権限がどの程度与えられているかということも、やはり問題になるわけであります。私の聞きたいことは、タバコの輸入に対して専売公社当局は一体どの程度の権限を持っているのか、今回の余剰農産物の買い入れにおいて当局は一体どういうことをしたのか、そういう点を最初に明らかにしてもらいたいと思います。

大月高日本専売公社監理官

○説明員(大月高君) 葉タバコの輸入の権限はどこにあるかということでございますが、これは日本専売公社にあるわけでございます。で、今回の余剰農産物の交渉は、もちろん直接には農林大臣があちらへ行っておやりになったわけでございますが、最終的に決定いたしましたのは、内閣の責任において受け入れを決定いたしまして、その事前に日本専売公社とも相談をしてございますので、そういう意味におきまして、日本専売公社に権限があるということと、今回余剰農産物の受け入れを政府が調印したということとは矛盾がないと存じております。

平林剛日本社会党

○平林剛君 今のお答えによりますと、今度の余剰農産物のタバコの受け入れについては内閣の責任においてきめられた、こういう御答弁のようであります。その中で事前に専売公社の意見を徴してやったというお誓えが含まれておりましたけれど竜、それは事実ですか。あとで帰ってきて大蔵当局に対していろいろな説明をして、その結果やむを得ず了承したというのがほんとうじゃないのですか、この点を明らかにして下さい。

大月高日本専売公社監理官

○説明員(大月高君) 先ほど御説明申し上げましたように、当初交渉を始めますときには、日本専売公社はアメリカ産の葉タバコは今回要らないのだということを申しておったのは事実でございますし、またその方針で出かけたわけでございます。しかし、累次の折衝過程におきまして、結果においてこうなりまして、しかも調印をいたしました。その前に専売公社とは逐次情勢の打ち合せをいたしておりまして、専売公社も特に希望するわけではございませんが、全体の調印の必要上やむを得ないという了承はいたしておったわけでございます。

平林剛日本社会党

○平林剛君 私はもうそこに間違いが始っていると思うのです。タバコの買い入れについては、国としては専売公社当局にその責任を持たせたわけであります。それにもかかわらず今回の措置というのは、今お聞きした中でうかがえるように、あとで内閣の責任ということで公社当局が結局それを買わされるという結果になった、こういうところに現在の農林大臣の力というものを別な意味では知るわけでありますが、どうもタバコの収納価格の面についても、あるいはタバコ全般の運営のことにつきましても、最近の政府のやり方を見ておるというと、そこの力関係でもって国がきめた規定というものをこえた権限外のことをやりがちなような気がするわけです。こういうことになるというと、責任態勢ということが乱れてくる、私はそういうふうに思いますので、この件につきましては、後に国会がありました場合に、内閣全般の問題についてはこの責任をやはり問いただしていきたいと思っております。  これは別でありますが、もう一点専売公社当局にお聞きいたしたい。それは結局今のような経過をたどって葉タバコが余分に買い付けられた結果、ストックが三三・四ヵ月分となって、通常の理想の二年間をはるかにこえてしまって、これはおそらく品質の面でも、あるいはこれからピースや光が売れないような現実の中において、公社当局の運営におきましてもかなり無理が出てくると思うのであります。タバコの買付の結果さしたる影響はないといいますが、現実にこのストックの面でも私は現われてくると思います。また第一次の二千七百二十一トンと今度の一千五百トン、これを加えますから、これを葉タバコの耕作面積に換算してみますと、約八百町歩が千五百トンに相当しますから、二千三百町歩くらいの葉タバコを買ってきた結果になると私は思うのであります。これが六十数万の耕作者の利害に影響がないということは言えないと私は見ております。これは後ほどさらにもし影響がないというなら、具体的な数字でもって公社当局の見解を聞きますけれども、現に黄色種の場合には来年度の増反計画というものは頂点に達している。農家の換金政策としての葉タバコ耕作については頭打ちをしている現状であります。でありますからただいまの増反計画の面でも影響が出てきておる。耕作者はせっかくいろいろ乾燥室などを政府の奨励で作りながら、実際には増反を、あるいは耕作を許可されないという結果になっている。心理的にもまた現実的にもいろいろな損害を受ける結果になってきておるわけであります。またこの輸入価格の面から見ても、私はこれは重大な問題が出てくる。たとえば第一次の協定のときに買い付けたタバコは、キロ当りにすると六百二十七円になっているように記憶するのであります。今度の第二次協定の中でも、百ポンドについて八十四ドルという、調べによればキロ当りが六百六十四円、ところが今年収納の始まっている黄色種の収納価格を見ますというといずれも四百円である、三百円であるという葉タバコが多いわけであります。タバコの価格からいったって高いタバコを今度は買い込んでくるわけであります。これは一方において専売益金という面でタバコ耕作者にタバコの耕作を奨励しておきながら、一方においてはこういう高いタバコを要らないのに買い込まれる。これは将来の耕作者に対する生産意欲にもやはり関係が出てくると思う。こういうことを考えますと、どうも皆さんだけの責任でないにしても、政府当局の責任として、これは軽視できない要素を含んでいるように思うのでありますが、将来の専売事業という面から見て、専売公社は一体どうお考えになるか、むずかしい質問かもしれませんけれども、一つお答え願いたいのであります。

大月高日本専売公社監理官

○説明員(大月高君) 今回の一千五百トンの葉タバコの輸入が主としてタバコの耕作者に悪い影響を及ぼすのではあるまいか、こういう御質問だと存じます。これにつきましては、まず今回輸入いたしますアメリカの葉タバコは味付用として輸入するわけでございまして、全体の国内産の葉タバコを主にいたしまして、それに一定の数量のアメリカ葉を入れることによって味をよくする、こういう趣旨のものでございます。従って国内の葉タバコの生産と米国葉の輸入というととは直接の関連はないわけでございます。もちろん国内の葉タバコができないときに非常にアメリカの葉タバコを入れても、それは使えないという意味において関連はございますけれども、アメリカの葉タバコを入れたので国内の生産を制限する、こういう方面の影響はないわけでございます。  現実の問題といたしましても、今回の余剰農産物の輸入を決定いたす前に、すでに昭和三十一年度におきます国内産の葉タバコの耕作反別が八月にすでに決定されまして、それはすでに公示されておるわけでございます。昭和三十五年度までの耕作反別はすでに計画としてきめておるおるわけでございまして、これは今回の余剰農産物の受け入れと無関係に立てられております。それは先ほど申し上げましたように、米国葉の性質と国内産葉の性質とが違う、こういうところから御理解願えるのじゃないかと存じます。従いまして昭和三十一年度、三十二年度以降の作付反別をきめますにつきましても、今回余剰農産物の関係で葉タバコを入れたということとは無関係に進行していくものと御了承願いたいと思います。  それからそういう立場から申しますと、輸入価格が国内産の黄色種上りも高いということでございますけれども、それはやはり性質上の違いがあるわけでございまして、品質もきわめて優秀でもありますし、特に割高だというわけではないわけでございます。ただこういう高価な葉タバコでございますので、ただ味をよくするというためにたくさん入れるということは、専売収入の上から不経済でございますので、使うことはいたしませんけれども、少くともこの葉の性質として別の用途の方面がある、こういうことで御了解願いたいと思います。

平林剛日本社会党

○平林剛君 どうも御答弁を聞いておるというと、今のような考え方だから、タバコ全体に対する国民の不信というものが出てくるように私は思うのです。非常にはっぱのいい、味のいいやつだからなるべく使わない、経済的に割高になるから使わないというなら、何のためにそれを買い込んできたかということは、普通の常識からいえば判断できるわけです。この点はあなたのお答えは矛盾があると思う。また耕作面積の点につきましても、今影響がないということは、私は額面通り受け取っておきますけれども、ぜひそういう影響が地方に具体的に現われないように、責任を持ってもらうようにお願いしておきます。  私の言い方が皮肉かもしれませんが、現実にそういう地方が起きてきたときに、きょうの大蔵当局としてのそういう言明というものは生きてくるわけでございます。十分その点は記録しておいていただきます。耕作者もそれで安心するでしょう。  そこでもう一つ問題は、これは何と答弁されようとも、これは一般的常識から見ても、国民として何となく理解しがたいものを当然持つということは、何と言明されようともやむを得ないことだと思うのであります。そこで現在当面の対策として私はこう思うのであります。今協定は仮協定である、先回の農林水産委員会において、農林大臣は不必要なものは買わないという言明をしている、今の御答弁の裏からわかるように不必要なものであります。現在ピース、光にたくさん入れるということになれば、割高になるから専売益金にも間接的に影響してきますし、公社の経費節約という点から見てもずいぶん無理が伴ってくるというわけで、この問題についてはやはりいずれもっと筋の通った解決をしなければならぬと思う。また農林大臣は今持っているものがストックになるということが将来の見通しとして出てくる場合にはあらためて考慮してもよいではないかという意味の答弁をされておるわけです。これは十月六日の農林水産委員会で議員の質問に答えておる。将来どころか、現在もうすでにその見通しが出てきておるわけであります。ですから私はこれを本協定にするまでの間に、もう少し外務、農林当局と話し合いしてみて、今日の日本の経済の中でたとえば十億であろうとも二十億であろうとも、余分なものを買う必要はないわけでありますから、何とかして国民の手前からいっても余分なものを買わないで済むような折衝ができないものかどうか、専売公社並びに大蔵当局はこれについてどれだけの熱意を持っておられるか、そういうことについてお伺いをしたいと思います。この点は大蔵大臣に聞きたいところでありますけれども、先ほどのような理由で私は遠慮したわけであります。専売公社当局の方からぜひ積極的にお答え願いたいと思います。

大月高日本専売公社監理官

○説明員(大月高君) この千五百トンを輸入いたします結果、相当のストック増になるということは、先ほど申し上げました通りでございまして、当初の希望としては、これがなかった方がよかったと思います。しかしこれが入りました結果としましてどういうマイナスがあるかということになりますと、結局通常在庫の二年をこえる、こういうことでございまして、これをやや長期的に考えますと、昭和三十五年度のところで通常在庫のところまで落ちてゆく、こういうことでございまして、一時在庫がふくれるというマイナス面がある。これも二千九百トンという通常輸入を毎年続けるという計画の想定のもとにこういうことでございまして、この余剰農産物の関連によって昭和三十一年度の通常輸入は縛られることはないわけでございます。そういたしますれば、もしこちらの方の需給関係を考えまして、輸入量を減らそうと思えば来年度から措置できる、こういうことでございますので、そう大きな障害はないのじゃあるまいか。  それでは今回の仮調印から本調印までの間に何らかの方策がないかということでございますが、この二千九百トンというのは、従来アメリカの方との話し合いできまっておる数字でございますので、必ずしもこれは絶対的な数字であるとは考えられておりません。そういう意味で、具体的に輸入をいたしますときの交渉の余地はあると思います。ただ前回に余剰農産物を入れましたときの数字が二千九百トンという通常輸入で具体的にきまっておるわけでございますし、その協定も、今回は前回のを踏襲するというふうになっておりますので、二千九百トンという数字はございません。個別の折衝によってきまる数字でございますけれども、常識的に言えば二千九百という数字が前提にされておる。こういうことで折衝の余地は十分にございますけれども、結論においてはなかなかむずかしいのではあるまいか。従ってその二千九百トンという数字は一応前提として、その次の年から直接減らしていくということで、次善の策を考えても大して障害にはならないのではあるまいか。しかし今回二千九百トンの通常輸入を減らすということについても、もちろん具体的に輸入いたしますのは来年になるわけでございますので、そういう観点からも努力はいたしてみたいと思います。ただ仮調印と本調印との間に早急に結論が出るかということになりますと、すぐには出ない。徐々に具体的に買付の段階において折衝の余地がある、こういうふうに御了承願います。

平林剛日本社会党

○平林剛君 よけいな心配になるかもしれませんが、専売公社の予算は外国葉購入については、昭和三十年度の政府関係機関予算によれば二十二億五千二百数十万円になっておりますが、ところが第一次の五百万ドルに今回の二百七十万ドルを加えますというと、国会が定めたところの予算をこえるということに相なるわけであります。余分なたばこを買い込むために、結局国会が定めたところの外国葉の購入経費をこえてしまうということになるわけです。私はこの予算を一体どこから持ってくるのか。元来予備費なんていうものは、どうしても必要な経費に使うということに相なるわけでありますけれども、この不足分を一体どこでカバーするつもりでありますか。

大月高日本専売公社監理官

○説明員(大月高君) ただいまの千五百トンは金額で申しますと二百七十万ドルということになっております。正式にはタバコの千五百トンは計算土の基礎の数字でございまして、数学的には二百七十万ドル、これを円に換算いたしますと約十億円ということになります。従いまして買付の予算上から申しますれば当然十億円を追加しなければならぬ、こういうことになるわけでございます。ただこの補正予算が要るかどうかということになりますと、具体的の買付は来年度に回してもいい、こういう時期的なずれがございます。今来年六月末までの買付でございますが、早く買おうと思えば本年度の予算、ゆっくり買い付ければ来年度、こういうことでございますので、いずれかで措置することになると思いますが、もちろん葉タバコの買付につきましては、本年の国内産の葉タバコも二割方増産でございます。予算に比べて一割方ふえております。しかもこの価格は前年同様据え置きということでございますので、これを全部収納いたしますと、約六十億円ばかりの追加が要るわけでございますが、これは必ずしも葉タバコ購入だけの予算ではございませんので、ほかの面を節約することによって買入れることもできる。果たして予算的に補正予算が必要かどうかという点は今検討いたしておりますが、本年度としてはどうにかこの点はやれるのではないか、こういうように一応もくろんでおるわけでございます。

平林剛日本社会党

○平林剛君 結論としては、私は当局でよく考慮すべきだという意見を申し上げておきますが、専売公社と大蔵当局はもう少し農林省との見解を調整するように努力すべきだと思います。どうも最近の農林大臣の言説を聞いておりますというと、非常に実態に合わないことをしゃべっておるわけです。たばこ収納価格の問題についても、米価と比較をして、実際にタバコの生産費のことを知っているか知っていないかわからないけれども、とんでもない間違いをしゃべっておる。こういう点などはもうな少し正しい理解のもとに、大蔵省と農林省は仲が悪くて、個人的な感情でどうのこうのといっている間はいいが、それが普通の正しい理解をこえて、間違ったことで政治を運営すると、迷惑を受けてくる国民層がどこかに出てくるわけで、こういう点を専売公社と大蔵省は政府部内の意見の調整をよくはかるようにすべきだと思います。  それから今仮調印が本調印になるまでの間に葉タバコの買付を削ることは困難だと言いますけれども、これは大蔵大臣とよく話をして、もう少し常識的な結論が出るように努力をしてほしい。かりにそれが非常に困難であったとした場合には、筋が通らないことはもちろんでございますけれども、やはり来年の外国からの買付については慎重な態度をもって臨んでもらわなければ困る。三十五年までの間にストックを正常化するというようなことでは、これはどうも来年と再来年の外国のやつは普通に買ってやるというようなのんきな考え方と同じで、国民に対してのせめての申しわけとして、その点についてはやはり来年度の外国からの購入については考慮するとか、あるいは購入する葉タバコの価格についてはまだ最終的な取りきめは専売公社でもしていないと思いますが、それは安く買うように努力すべきだと思います。そういうことを要望いたしまして、この問題についてはこの程度にいたしておきたいと思います。

杉山昌作緑風会

○杉山昌作君 ただいま平林委員からもちょっと農林大臣の言説についてのお話が出たのですが、これは今月六日の農林水産委員会の速記録を見ますと、農林大臣がいろいろこの葉タバコ予算に関連して国内タバコの耕作について説明をしております。その中でわれわれは従来葉タバコの耕作者等から聞いておることとだいぶ違うような印象を受けておることもありますので、それらの点についてどちらがいいか悪いかという問題は別といたしまして、実際は一体どうなっているのか、これの御説明を願いたい。  その第一点は、葉タバコの価格の決定は、米価その他主要農作物の価格の決定との間には関連がなくて、葉タバコの価格は他の農作物の価格より有利にきめられているというふうなことを農林大臣はおっしゃっておりますが、実際専売公社が葉タバコの価格をきめられるときの方針なり——どういう方針でやってきているのか、またその価格と米麦価格との関連はどういうふうになっているか、その実情を一つ聞かしてもらいたいと思います。

大月高日本専売公社監理官

○説明員(大月高君) 農林大臣の直接のお言葉は、私は不幸にして承知いたしませんが、一般に農業経済の学者、専門家のおっしゃっているところでは、必ずしも葉タバコの価格は一般の農作物に比べて高くはないと、むしろ低きにすぎるのじゃないかということを言われているように承知いたしております。専売公社あるいは大蔵省の見解といたしましては、この価格は適正なものであると考えているわけでございます。  まず、この葉タバコの収納価格を決定いたします根拠及び方式について簡単に申し上げますと、葉タバコの収納価格の決定は、米、麦と同様に農業パリティ方式を基礎といたしまして、生産費その他経済諸般の事情を考慮に入れて年々決定するという方針をとっております。その根拠法規といたしましては、たばこ専売法の第五条によりまして、日本専売公社の総裁が定める、こういうことになっておりますが、この収納価格は単に専売事業とか、あるいは財政上の問題に関係するばかりでなしに、国の物価政策あるいは他の農産物の価格との関係、いろいろな重要な関連を持っておりますので、政府の決定いたします米麦の買上価格の動向等を参考といたしまして、かつ、葉タバコの収納価格審議会というものを専売公社の総裁の諮問機関として設けまして、その意見をもとといたしまして慎重に決定する、こういう方式をとっているわけでございます。  具体的に申し上げますと、葉タバコの収納価格はできる限り早くきめなくちゃいかぬ、植えるときにはきめておかなくちゃいかぬ、こういうことでありますので、従来は麦と同様のパリティ方式によってやっているわけであります。五月末の農業パリティ指数に基きまして価格算定を行いまして、麦の場合に考えられております小麦価比——小麦、大麦、裸麦等についていろいろ比率が変っております。そういう比率を考えて加算をいたしまして、全体としての葉タバコの収納価格の水準をきめまして、それを基礎にいたしまして種類、等級別の具体的な価格をきめる、こういうことにいたしているわけであります。そういうふうにしてきめました結果は、昭和二十八年までは年々引き上げを行なって参りましたが、昭和二十九年と三十年の二ヵ年間は据え置き、こういう結論になっております。そういう点からいたしまして、葉タバコの収納価格は米、麦とおおむね同様の取扱いをしているということを申していいと思うのでありますが、米の場合に認められております追加払い、あるいは所得税を減免する、むしろこういうような特別な措置は講じておらないという逆な面の違いがあるわけでございます。  それでは価格が米に比べまして高いのか低いのか、こういう具体的な数字でございますが、葉タバコの戦前、昭和九年−十一年に対する価格の倍率を見てみますと、昭和二十九年度におきましては、葉タバコは四百三十三倍、こういう倍率になっております。それに対しましては米は、これは農林省の調査でございますが、四百四十三倍でございますので、タバコよりも高い、こういうことであります。ただ麦でございますが、裸麦が三百六十一倍になっておりますので、これは葉タバコよりも低い、こういうことになっておるわけでございます。なお麦と比較いたしましてこれだけの倍率が違う点につきましては、葉タバコは戦前に比べまして相当品質の改善ということもやっておりまして、大体戦前に比べて三割程度の質は上っておる、こういうように見ております。そのほか葉タバコは御存じのように作りました葉タバコを全部収納される、いわゆる自由販売というものがございませんし、いろいろな監視、監督を受けておるというような制約を受けておることも考えますと、収納価格としては適正なものではあるまいか。しかも手続も相当公正な手続を経てきめられているのではあるまいかと考えるわけであります。なお、一日当りの家族労働報酬をとってみますと、葉タバコは非常に少いと、こういうことでありまして、家族労働を償う賃金としては葉タバコには非常に無理がある。これは御存じのように、ほかの農作物に比べまして、葉タバコの耕作が非常に人手が要ると、こういうことからくることでございまして、具体的には葉タバコは一日当りの家族労働報酬が百九十七円の非常に低額であるのに対しまして、米は四百七十二円も大麦は二百三十六円、こういうように大きく米、麦においては計算上出ておる。葉タバコにおきましてはわずか百九十七円の計算にしかなっておらない、こういうことであります。しかし農林大臣が非常にタバコは有利だとおっしゃっておるのは、多分一反歩当りの労働報酬が葉タバコにおいて非常に高い、こういうところからじゃないかと思うのであります。具体的には米が一万二円という数字に対しまして、葉タバコにおきましては二倍以上の二万六千二百六十八円、こういう数字になっております。これは家族労働を多分に注ぎ込み、肥料その他をたくさん注ぎ込んでおるので起きてくる現象でございまして、さっき申し上げました一日当りの家族労働報酬、そういう点とちょうどうらはらになっておるこういう点でたばこの現金収入は多いわけでございますけれども、必ずしもそれが価格として有利であるとは言えないのではあるまいかと考えております。  なお今度は農政の立場といたしまして、一部にタバコが非常に有利だと、従ってほかの食糧作物と競合する、ほかの作物を食っていくのじゃあるまいか、こういう御心配があるかと思うわけでありますが、タバコの耕作面積が今年昭和三十年度で約七万五千町歩になっております。全国の耕地の面積が五百四十五万町歩ということになっておりますので、比率をとってみますと一・四%にすぎない。なおこのタバコの耕作は、前作には、一部の例外を除きまして、もっぱら大麦が作られておるわけでありますし、またあと作としていろいろな食糧作物が植えらる、こういうことであります。また水田の場合には水稲の栽培が全国的に普及しておる。タバコの耕作自体は、それを専業するというわけではなくして、農家の現金収入を助けるという方向に向いておるわけでございます。そういう意味で、必ずしも農村の経済を圧迫し、あるいは食糧作物を圧迫すると、こういうことでなしに、農村の過剰労働力を消化して、結果的には農家の経済を潤しておるのだ、こういうふうにお考え願えるのではないか。これが専売公社としてこの価格が適正であるということを考えております理由でございます。

杉山昌作緑風会

○杉山昌作君 まあそれで価格の面等はわかりましたのですが、農林大臣のその話を読みましての印象は、何か農林省は農家といいますか、農業というものの繁栄をはかることをやっているのだ、ところが葉タバコは非常に有利で、一般に悪影響を、ほかの農作物というか、農家に非常に悪影響があるというふうな印象を持つような言葉を使っております。そこで承わりたいことは、タバコの耕作者というものは百姓じゃないのかどうか、言葉がおかしいのですが、タバコだけを作って、ほかの農作物なんかやっていないという農家が多いのか、それともあるいはタバコもほかのものも同様にやっていくのか、米麦その他ほかの農作物が主であって、タバコの耕作はほんの一部の補完的であるものかどうかという問題は、農林大臣または農林省で一生懸命なすっている農家経済そのものを補強するために、タバコが有利なことは役立っているのかどうかということになってくるのですが、そのタバコだけ作っているかどうかということを伺っておきたいと思います。

大月高日本専売公社監理官

○説明員(大月高君) 結論的に申しますと、タバコの専業農家はほとんどないと申し上げていいかと思います。統計的に今年の三月末のタバコ農家を調査いたしてみたところによりますと、種類を三つに分けまして、タバコ耕作に非常に依存しておる度の高い農家、それから中間的な農家、それからタバコに依存しておる度の非常に低い農家と、この三つに分けて統計をとってみますと、タバコに依存している程度の一番高い農家、これは一四%であります。戸数にいたしまして六万戸という統計が出ております。それから中間的な農家は三〇%ということでございまして、これは戸数におきまして十三万戸であります。それからタバコに依存している度の非常に低い農家五六%、約半数でございまして、これが二十五万戸、合計四十四万戸と、こういうことでございます。依存度の非常に高い農家と申しますのは、この統計では農家の粗収入の中で、タバコの収入が四〇%以上を占めておる農家を一応分類いたしました。それから中間的な農家といたしましては、二五%から四〇%までの依存度の農家であります。それから依存度の低い農家はそれ未満、こういうことであります。こういう点から見ましても、比較的依存度の高い農家のパーセントが低いと、しかもこの四〇%以上と申しましても、大体最高が六〇%くらいというようにお考え願っていいかと思うわけでありまして、これは先ほどちょっと触れましたように、米とか麦とかそういうものと一緒に作っておるわけでございまして、タバコだけを作るということは、土地の経済からいってとうてい常識的に考えられない。それからタバコは連作を嫌うということもありまして、三年に一回程度しか土地が使えないと、こういうことから程度は非常に低くなっておるわけでございまして、タバコだけを作っておる農家があって、それが農政に非常に害がある、こういうことは言えないじゃないかと考えております。

白井勇自由党

○白井勇君 私自分でたばこをのまないですから、かってなことを聞くわけですがね、最近二十二、三億の外貨を使って大体米葉その他を入れておるわけですが、あれを全然入れないということはどうなんですか。

大月高日本専売公社監理官

○説明員(大月高君) 大体最近のたばこの傾向といたしまして、各国そうですけれども、いわゆるブレンドということをやっております。国内産の葉が幾らたくさんできましても、それにヴァージニアの葉も入れる、トルコの葉も入れる、こういうことをやっております。従いまして、アメリカから葉を輸入しております反面、こちらもトルコとか日本産の葉を出しておるわけでありまして、向うは向うで日本の葉をちょっとした味つけに使っておる、こういうことでございますので、日本の葉だけで作りましたたばこの味というものは非常に悪い。悪いと申しますと専売公社の立場から非常にまずいのでございますけれども、非常に味が落ちる。新生は全然それが入っておらない。ピース、光、それから富士、これまでが入っておる、こういうことです。

白井勇自由党

○白井勇君 結果からいたしますと、入るのと出るものからいえば、やはり入る外国の方が多いでしょう。現実に新生が非常に売れ行きがよくって、せっかく味をつけたあなたの方の自慢にするピースとか光というものは最近売れ行きが悪いのです。そういう事態から見れば、われわれのまない者からいうと、むしろそういう量産をして、もっと安く大衆に供給することを考えることが、現実の日本に適するのじゃないか。何もたばこだけぜいたくなもの……、それはまぜればいいことは私も想像つきますけれども、そういう考え方もちょっと今の日本の経済状態から見ればおかしいというふうな感じがするのですが、それはどういうものですか。

大月高日本専売公社監理官

○説明員(大月高君) これはいわゆる国民の生活を豊かにするという面から考えまするとそういうことかと思います。ただ、たばこの専売の趣旨は、財政専売ということになっておりまして、ある程度財政収入を上げるという・点がむしろ主になっておるわけであります。そのために非常にまずいたばこをのませるというわけではございませんけれども、これは味つけを入れて余分にかせぐということも、一つの専売事業の目的になっておるわけでございますので、ほんとうに国内産葉で安いたばこを作ってどんどん売れ、こうおっしゃる御趣旨はよくわかりますが、専売の立場からいって非常につらい。先ほど申し上げました専売益金にある程度穴ができるかもわからんと申しますのも、あまり新生が売れ過ぎて上級たばこが売れない、こういうこと一になるわけでありまして、財政の立場から御了承願いたい、こういうことでございます。

白井勇自由党

○白井勇君 それから、今度の余剰農産物で米葉を入れますことは、先ほど平林委員からいろいろとお話があったので、私もあれにつきまして全く同感なんですがね。一体ああいう味なりにおいなり、特殊の葉というものは、こっちへ来ましてから一体どのくらい収納されましてからもつものか。ほかの一般の植物から見ますれば、そういうものであればあるほど、貯蔵期間の非常に短いものであって、期間がたてばたつほど、やはりそれだけ価値というものは減ってくると私は思うのですが、そこはやはり二年も三年もきくという筋合いのものですか。

大月高日本専売公社監理官

○説明員(大月高君) 大体今度入れて参ります葉は黄色種の葉でございまして、黄色種は世界的に標準が二年、二年後に使うのが一番いい、こういうことになっております。それからついででございますが、国内産葉につきましては大体一年半というのが標準になっておりまして、あまり早くてもあまりおそくても、使い方としてはうまくない。ただ今の具体的の問題としましては、二年過ぎるストックができるわけでございます。それで非常に味が落ちるかということでございますが、最近は貯蔵法も発達いたしまして、たる詰の貯蔵などをやっておりますので、二年過ぎてもそう実は落ちないという一応試験所の試験の結果もございます。従いまして、これは採算的にいって余分なものを買ったということ以外には、非常に大きな障害はないのじゃなかろうか。  それから先ほど平林委員から五ヵ年計画でこれを減らしていくのはのんき過ぎるというお話がございましたが、先ほど御説明申し上げましたように、二千九百トンを毎年入れるものとしても三十五年度にはもとに戻ると申し上げましたのでもできれば来年度から逐次調整していきたいというのが公社の方の方針でございます。

白井勇自由党

○白井勇君 もう一点、この前あなたからか、専売公社総裁から伺ったのか、将来一応たばこの何といいますか増産計画なり、消費計画といいますか、これは農産物の関係もありますから、やはり先々ある程度の計画を持っていらっしゃるのじゃないか、こう思って、ちょっとお尋ねしたのですが、そう積極的にふやすという考え方はない、ただ他の競合作物との関係もありますからというお話で、当時は七万四千町歩しかないというお話だったわけです。今お話を聞きますと七万五千町歩で一千町歩ぐらい違ってきたわけですが、これはあれですか、最近はよほど何といいますか、農家から見ますれば採算がいいからタバコをやりたいという農家が相当ありましても、押えられている面が相当あるようですね。今後はあなたの方としましては、大体耕作反別をどのくらいまでふやす、どのくらいタバコを出してやってゆくというような先々の見通しというものがある程度立っておるものでございますか。

大月高日本専売公社監理官

○説明員(大月高君) ただいまのお尋ねでございますが、作付面積につきましては、大体昭和三十五年度まで計画を立てておりまして、三十一年度は先ほどお答え申し上げましたように、七万五千八百七十町歩というように、すでに告示も出て、来年度の準備をいたしております。三十二年度七万六千五百三十五町歩で約七百町歩ほどふやすことになっております。それから三十三年度以降はこれはふやさないという計画で、これは七万七千町歩でずっと押える、こういう計画にいたしております。それから三十五年度までの需要も、大体アメリカ産その他の外国葉を含めまして、需給計画を一応見通しを立ててやっております。

白井勇自由党

○白井勇君 恐縮ですが、今の計画ですね。それ何か資料に載っているものがありましたら教えていただくか、あるいは後ほどいただけますか。それから将来生産利益もそれに伴って出てくるわけですね。それに伴いましてまた益金なんかも出るわけでしょうが、そういう何か資料がありましたら、何かに出ておりますものがありますればお教え願いたいと思います。  それから今のお話でいきますと、大体農家で希望しますれば、希望する程度の農家というものは、希望が満たされるような格好に面積がふえてくるわけでありますか、そこの点を一つ……。

大月高日本専売公社監理官

○説明員(大月高君) タバコの耕作の希望者が非常に多いのかという御質問でございましたが、これは相当多うございます。それを専売公社の一定の計画に基いて許可をいたしておるわけでございます。しかも、この土地にはこういう種類の葉タバコを何本植えるというところまでやかましく言っております。従いまして、先ほど申し上げましたような作付反別につきましても、相当強い査定を加えていくということになると思いますが、ただタバコの耕作の適地というものは、必ずしもどの土地でもいいというわけでもございませんので、それとにらみ合せて考えていくという方針になっております。

平林剛日本社会党

○平林剛君 先ほど保留しておきましたたばこの販売状況につきまして若干質問をいたします。  上級たばこ——ピース、光なとの売れ行きが悪いという原因はどこにあるかということについて、当局者のお考えをお聞かせ願いたいと思います。

大月高日本専売公社監理官

○説明員(大月高君) 戦後たばこの非常に不足いたしておりました当時では、たばこの質も非常に悪くて、率直に申し上げまして下級たばこではまあそうおいしいものはなかったということで、ある程度当時の比較的上級のたばこを吸っておったということが一つあると思います。それから昭和二十八年度、二十七年度ころには、むしろ例のパチンコが非常に流行したというようなことがありまして、あれにピースを大いに使ったというようなことから、ピースの売れ行きが非常にふえた。それから当時は御存じのように非常な特殊な消費景気がございましたので、その消費景気にもあおられて、上級たばこの方がふえていった、こういうことだと思います。従って現存下級品が次第に売れておるということは、次第にある意味では正常化しつつあるのではあるまいか、異常な上級品の売れ行きがとまって、下級品の方に移りつつあるのではあるまいか、こういうふうに見ておるわけであります。それから新生その他のたばこの質も次第によくなって参っておりまして、新生でも十分吸えると、こういうようなことが実質的にはあると思うのです。

平林剛日本社会党

○平林剛君 上級たばこの売れ行きが悪いという理由について、私はまた別な見解を持っているわけでありますが、それは別にいたしまして、本年度の専売益金の目標を達成するための専売公社並びに大蔵当局の対策は先ほどお聞きいたしましたが、パールを販売して、新生を好む国民層をそちらの方に向ける、あるいは今後の景気を期待する、出先機関を奨励する、経費の節約をする、これをやったところで約七十億円は赤字、これは現在のたばこの売れ行き状況から見まして、私どもも常識的にわかるのであります。しかしただいま説明を受けた対策だけでは、おそらくこの七十億円の赤字を克服すること自体にも無理があるし、今後の景気を期待したといたしましても、現在の国民全般のたばこに対する要求というものと少し専売公社の考え方との間にはズレが私はあるのではなかろうかと思うのであります。たとえばパールの発売につきましても、全国的に評判を聞いてみますというと、専売公社当局はどういうふうにおつかみになっておりますかどうか知りませんけれども、最近の世論を見てみますというと、あまりよい評判ではなさそうであります。また後半期の景気をどの程度に見るかということも、これは非常に問題がある。先ほどのお話のように、消費景気がなくなって正常化しているんだというけれども、むしろ国民の低額所得者の方の層が非常に追い詰められてきておるから、かえってピースや光に反発をして新生、バットを買う。最近ではバラ売りを求めるというような声も出てきておるわけですね。そういうようなことから見ますというと、正常化どころか、むしろ国民の低額所得者の生活実態から来ているもので、今の政府の政策のままでいけば、ますます私は景気の回復による専売益金の確保ということは困難だというふうに見ておるわけであります。  また出先機関を奨励するといいましても、私が全国でたばこの小売店の実情を調べてみますというと、どこでも専売公社から手持たばこをたくさん取ってくれと言って押し売りをされているけれども、実際にはもう悲鳴を上げている。たとえば初め専売公社の手持たばこの指示日数が七日間であったのが、十五日になり、二十日になり、こういうことになりまして、たばこの小売屋さんは、結局自分の資金がないために、金融機関から金を借りて専売公社の要求に応ずる。そうしないというとたばこの小売店の指定を取り消され、生活の手段を失うことになるから、勢い無理をする、こういう無理が伴ってきておる。あなた方の方が出先機関を奨励する奨励すると言ったところで、七十億の赤字を克服するためにこういう無理をやるという結果になると思う。この点からしても、私は今の考え方からだけではお話の赤字を埋めるということは困難だと見ている。  経費の節約ということでもそうです。大体専売公社当局が初めからそれだけ余分な経費があるというようには国会はきめていない。結局仕事の面において無理が出てくる、こういうことに私はなるのではないかと思うのであります。でありますから、私の言いたいことは、これは大蔵大臣にもよく話をしてもらいたいと思うのでありますが、どうしても七十億円の赤字を消すことができる自信があればこのままで押し通してもよろしい。しかし私が今指摘したような無理が方々に起きてくるということであって、どうしても赤字を克服することが困難だとすれば、この際専売公社は、大蔵当局は、いさぎよく補正減をすべきではないか。国の予算全体が、七十億円あるいは八十億円になるかもしれないこういう穴をかかえたまま運営をすることは、不健全な財政になると私は思う。そういう意味から言えば、臨時国会に対して他の要求もあることでありますから、どうしても補正予算を組むということを考えなければいけない、こういうふうに思うのでありますが、どうなんでしょうか。あなた方はこのまま押し切っていけるつもりなのでありますか、それとも補正予算について、この分については減ですが、考慮することを検討しておるのかどうか、この点お聞かせ願いたいと思います。

大月高日本専売公社監理官

○説明員(大月高君) この先ほど申し上げました六、七十億と申しますのは、このままの趨勢が続けばそうなるであろうということでありまして、平林委員のおっしゃいましたようないろいろな対策は、六、七十億を減らすために努力したい面でございます。ただそれだけでもって十分カバーできるかということになりますと、目下検討いたしておるところでございまして、まだ十分成算を持つところまで参っておりませんが、その他十分根本的な検討も加えまして、できるだけこの穴を埋めるようにやっていきたいと思っております。予算の面につきましては、具体的には専売益金自体については補正の必要はないかと考えておりますが、もう少し今後の情勢を検討いたしてみたいと存じております。

平林剛日本社会党

○平林剛君 私はまあこれは無理をすれば、専売公社まかり通るでもって、無理が通らないことはないと思いますが、実際上の現実から見ると、素直にいけば、やはり専売公社としてはこの点は、大蔵当局も、予算の目標全般について検討しなければならぬ。少くとも高いたばこを売っておる専売公社でありますから、税金が非常に課せられておる財政専売ですから、そういう意味からいきまして、私はやはりこの点は全般的な予算の面で検討して、政府自体としても補正予算について検討すべき情勢だと見ておるわけであります。今のお答えのように、一つここしばらく情勢を見て、国会の始まる前までにはしっかりした妥当な結論を出してほしいと思います。これは要望いたしておきます。  もう一つパ一ルの件でありますが、これは専売公社はパールを新らしく発売をするときには、専売公社法の規定によりまして国会の承認を求めなければならぬというふうに思うのであります。日本専売公社法の第四十三条の二十二によれば、「公社における専売品の価格の決定及び変更については、財政法第三条の規定を準用する。」と、こう書いてある。財政法の第三条によれば、「租税を除く外、国が国権に基いて収納する課徴金及び法律上又は事実王国の独占に属する事業における専売価格若しくに事業料金については、すべて法律又は国会の議決に基いて定めなければならない。」、こうあるのでありますが、当局としてはこれはどういうお考えでおりますか。

大月高日本専売公社監理官

○説明員(大月高君) この点に関しましては、特別法がございまして、「製造たばこの定価の決定又は改定に関する法律」というのが昭和二十三年七月二日、法律第八十四号で出ております。これによりますと、今出しておりますパ一ルは、これは試製品でございます。試製品は一般のたばこに準じて販売することができると、この場合においては販売期間は六ヵ月をこえないことを例とすると、こういうことになっておりまして、その六ヵ月をこえて販売されるためには、最近の機会に、六ヵ月以内に国会の承認を得ると、ただいまお話がございました国会の承認が要ると、こういう建前で目下六ヵ月間の試験販売をやっておると、こういうように御了承願いたいと思います。

平林剛日本社会党

○平林剛君 まあたばこの価格についての考えは別にしまして、今のお話ですと、国会の承認を求めるようになっておるわけですね。それでわかりましたが、ところで、そこで問題があるのでありますが、現在試製品だというのだが、別に試製品という銘も打ってないから、私もこの間調べてみたのであります。そこで私は先ほど言いましたたばこの今後の売れ行きについては、先ほどのような政府当局の御説明を受けましたが、この中にはやはり高級たばこが売れなくなったという理由の中にぜひ考えてもらいたい点は、ピースが前回値上げをしたということがやはり影響を与えているように見ておるわけです。これは専売公社当局だけの考えによらず、先ほど議論になりました税制調査会ですか、あそこらの答申案が、値段を高くすればよけい税収が上るだろうくらいに考えてやったこと自体に失敗の原因があるのであります。こういう事態に対して、私は高級品が売れなくなったという理由も一つあるのじゃないか、加えて不景気になったという理由があると思います。  この間も読売新聞その他の世論、国民の世論を見ておりますというと、だいぶ専売公社が現在の国民の生活実態と離れた価格で売っておるから、それに対するレジスタンスを起しているのだろうというような意見も出ておったのであります。二回の真理かと私は見ておるのであります。そこで先ほど白井委員からもお話がありましたけれども、この際にパールの国会の承認を求める、こういうのであれば、最近のパールの売れ行き状況や、今後の見通しをすぐ立てることは困難かもしれませんけれども、一つこれを試製品三十円に売っているのを二十五円くらいに売ったらばどうだろうか。またこの機会に、たばこに対する国民の関心が高まってきているときでもありますから、気分を一新する意味で、ピースなどむしろ四十円くらいにしたならば、かえってみんながあらためてたばこの値下げをやったことに対して拍手を送って、少しくらい吸うてくれるかもしれない。あるいは余剰農産物で余ったたばこが来ておるのですから、新生あたりの味を少しよくする、まあピースが売れなくなるかもしれないけれども、そういうような考慮などはどうなんでしょうか。私はやっぱりこの機会にたばこの価格についても再検討して、そうして販売政策をととのえるべきことが必要じゃないかという感じを持つのでありますが、専門的に皆さん御検討なさっておられましていかがでしょう。もっとも専門的に検討なさっておっても、これはたばこのことはよくわからぬ国会議員がきめるのだからどうにもならぬと言えば、そうかもしれませんけれども、専門的に見た場合には、この機会にたばこの価格を引き下げて、気持を一新して、一つ勝負をしてみるというのはいかがでしょうか。

大月高日本専売公社監理官

○説明員(大月高君) 目下のところ出しております各種のたばこの値段を改定する意図は持っておりません。ただ専売公社、財政上の必要に基いてできてほおりますが、一つはまた商売でもございますので、常に需要層の嗜好がどう変っていっておるか、いかなる価格でいかなる品種のものを売ったらいいかということは常時検討いたしております。今、平林委員のおっしゃいましたピースの値下げをするとか、あるいはパールを五円下げるとかいうこともあるいは一つの案であろうかと思います。あるいは新生を値上げするというようなことも考えられるかもしれません。その他価格及び種類の組み合せはいろいろあると思うのでございますが、何分にも財政収入を上げるために値段を改定して、またこれが減収になるということでも困りますので、その点は十分に慎重に考えてみたいと思います。ただこういうような売れ行きの状況でございますので、いろいろ価格の改定というようなことも、常時内部においては研究をいたしておるということは申し上げていいと思います。

平林剛日本社会党

○平林剛君 私は新生の値上げなどは要望してないのでありまして、むしろ安くしてうまくしてもらうということです。特にたばこは今までの物価の水準から比較するというと高いのです。基準をいつにとるかによって違ってきますけれども、私の調べたところによりますと、一般物価に比較をして、一つの基準によると四百倍くらいになっておる。だからそういう意味ではたばこの値下げということは、財政専売のことを考えたって、当然国民の世論だと思うのです。かたがた今までのやり方を見てきますというと、どうもピースの値上げにいたしましても、最近の実情を見ても、不可抗力的なといいますか、そういう情勢の結果、赤字を出してきておるわけでありますから、これをやはりはねのけるには、一つ国民層が非常に期待をしておるところのたばこの値下げをやるというようなことで、かえって関心を寄せるということも大きな意味ではできるのじゃないだろうか。私はこれは皆さんのように専門家ではなくて、政治的にものを言っておるわけですけれども、やはりそういう心理というものもかえってしろうと的かもしれませんけれども、いい場合もあるわけであります。今専門的にあなた方が御研究になっておるように、パールを売れば新生の層が果してそっちに振り向くかということは、これは一年間見て議論すればおのずから明らかになることであります。十分この点について当局でもパールの国会承認を求めるに当っては、せめてパールだけでも価格を検討してみて、その結論に立って御提出になるように希望しておきます。

杉山昌作緑風会

○杉山昌作君 先ほど予算に比べて非常に今年も赤字になりそうだ、百億円くらいの売上減になるだろうというのですが、昨年の実績も当初の予算に比べて百五十六億円赤字になった。今年も赤字になるということなんですが、これはどういう原因かということは、さっき御説明になったように、結局気違いじみた消費景気がなくなって、経済状態も人々の心持も落ちついてきた、こういうことだろうというので、私もまさにその通りだと思います。そうするとそういうようなことが通常の状態になると、一体たばこの上級、中級、下級なんかというようなものの売れ行きがどうなるかということが、一番の見当のつけどころであると思います。戦争前ですと下級品が八割、中級品が二割、上級品はほんの数字で申しますと二%ないし一%、それが最近は下級品が七割から六割、中級品が二割八分−二割三分、上級品が一割から一割五分というような実績を示しておる。これが今の気違い景気なんですから、それが去年から落ちてきたということになれば、結局去年にしてもことしにしても、予算に比べてうんと赤字になったということは、赤字があるような実績がほんとうの世の中の実態なんでして、結果から見たら、予算なんかの方がほんとうは気違いであったということになるのです。  それでことしの対策はいろいろとお話がありまして、補正予算を作るか作らないかというようなお話もあったのですが、私は来年について、幸いこれからが来年度の予算をお組みになるときで、しかも来年はけさあたりからのいろいろなお話を主税方面、あるいは大蔵大臣の全体の予算の組み方響を聞きますと、従来の歳入については相当高い見積りをせざるを得ないような羽目になりはせぬか。相当自然増収でも見積らないことには、歳計のつじつまは合わないということになって、無理な見積りをやるというようなことにもしなると、それにひきづられてたばこがやはり従来のような売り上げ、従って益金を計上するということになると、また来年も予算に比べて非常に大きな赤が出る、こういうことになるのじゃないか。そうなればまあ予算と実績の食い違いの不手ぎわということは別として、歳入面におきましてもあるいはそれをカバーするために、先ほど来おっしゃっておるように、経費の節減をするというふうなことにしましても、事業としてそこに損を来たしごてごてを来たすということになるのです。絶対にそういうことをしないためには、見積りを十分にしなければならんということになってくると思う。私は今のような情勢だと、今年の予算よりも来年は売れ行きをうんと減らしていかなければならんのではないかという気がするのです。もしそれを今年くらいにしよう、あるいは歳入増をはかろうというのであれば、値上げをするか、値上げは今の平林委員なんか値上げは反対だと言っておる。歳入をやるためには値上げをする。あるいは値上げをしないでやるというのは、終戦前後にやったように下級品の売りどめをする、上級品だけ出す。これは商売としては非常に外道でありますけれども、専売という一つの権力的な商売であり、そこに隠れてせっぱ詰まってやるという、一つの外道でしょう。商売としてはほしくないものを売りつけるというのです。そのどちらかをやらないと、とても今年のような売り上げをやるわけにはゆかない。ただピース娘を踊らしてみたり、景品付きの販売をやったりというような程度ではとてもできやしないと思うのです。その点を来年の予算をこれからおやりになるときには十分お考えになって、腹をきめてやる必要がある。来年はぜひとも予算に比べて百億だの百五十億だのという赤の出ないような予算を組むように一つ、これは御答弁要りませんが、最後に希望だけ申し上げておきます。

青木一男自由党

○委員長(青木一男君) それじゃ他に質疑がなければ本日はこれにて散会いたします。    午後四時十二分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗