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22回国会参議院1955/07/22

大蔵・決算委員会連合審査会 第1号

発言数
65
登壇者
17
会派数
5
開催日
1955/07/22

会議録

青木一男自由党

○委員長(青木一男君) これより大蔵、決算委員会連合審査会を開会いたします。  先例によりまして私が本連合審査会の委員長の職務を行います。  補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律案を議題といたします。  なお両委員長が協議いたしましたところに従い、まず政府側から、提案理由の説明、補足説明を聴取いたし、引き続いて質疑を願うことにいたしたいと思います。本日は両委員長協議の結果、とりあえず大蔵大臣、法務大臣、自治庁長官の出席を求めております。自治庁長官はただいま衆議院の委員会に出席中でありまして、出席が若干おくれる由でございます。なお大蔵大臣は所用があります由でありますから、説明後大蔵大臣に対する質疑はまず集中してお願いしたいと思います。政府委員はもちろん残っておるはずでございます。それでは提案理由の説明を大蔵大臣より聴取いたします。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) ただいま議題となりました補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。  国の歳出予算は、国民から徴収された税金その他貴重な財源でまかなわれており、厘毛たりといえども、これが不正不当に支出されるがごときことは許されないのでありまして、政府におきましては、常に、これを公正かつ効率的に使用するように努めている次第であります。  しかしながら、昭和二十八年度決算検査報告によれば、不当事項として二千二百余件が指摘され、そのうち支出に関係するものが千四百余件であり、このうち約九割近くを占める千二百余件は補助金に関するものでありまして、累年その件数は増加の一途をたどってきた現状であります。その内容は、事業費について過大に積算したり、不実の積算をしたものや、設計通りの工事を施行しなかったり、自己負担を免れたり、はなはだしいのは架空の工事や二重の申請をして国庫補助金等の交付を受けたもの等があります。補助金等が国の歳出予算の約三割を占めている現在、これらの補助金等に係る予算の執行の適正化をはかることは、喫緊の要請であり、今回、ここにこの法律案を提案した次第であります。  この法律案は、補助金等の交付の申請、決定その他補助金等にかかる予算の執行に関する基本的事項を規定することによりまして、補助金等の交付の不正な申請及び補助金等の不正な使用の防止等をはかるとともに、他面、補助金等の交付を受ける者に対する不当な取扱いを防止する等の措置を講じ、もって、補助金等にかかる予算の執行の適正化をはかることを目的とするものであります。  以下、この法律案の主たる内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。  第一に、この法律の適用を受ける補助金等とは、補助金、負担金、利子補給金及びその他、国が相当の反対給付を受けないで交付する給付金であって、政令で定めるものとし、補助金等に関しまして他の法律またはこれに基く命令に特別の定めのない限り、この法律によることといたしているのであります。  第二に、補助金等の交付の申請及び決定につき必要な手続を明確にいたしました。すなわち、補助金等の交付の申請及び決定の手続を規定するほか、決定に際し必要な条件を付することといたしますとともに、交付決定後に天災地変等特別の事情により補助事業の全部または一部を継続する必要がなくなった場合等において、当該交付決定の全部もしくは一部の取り消しまたは決定の内容もしくはこれに付した条件の変更ができることとしております。  第三に、補助事業等または間接補助事業等の遂行に当っては、常に善良な管理者の注意をもって遂行すべき義務を課するとともに、補助事業者等の提出する報告等により必要がある場合には、当該補助事業等を適正に遂行すべきことを命じ、また必要に応じ一時停止を命じ得ることとし、さらに事業完了後は必ず実績報告を徴し、その審査及び必要に応じて行う現地調査等により補助金等の額を確定することといたしているのであります。なお、補助事業等により取得した財産等につきましては、補助金等の交付の目的に反する使用、処分等を原則として禁止することといたしているのであります。  第四に、補助事業者等または間接補助事業者等が、補助事業等または間接事業等に関し、法令等に違反し、または補助金等もしくは間接補助金等の他の用途への使用をした場合には、補助金等の交付の決定の全部または一部の取り消しをすることができることとし、この取り消しがあった場合ですでに補助金等が交付されているときはその返還を命ずることとし、右の返還命令があったときは加算金を納付させることとし、返還金を納期日までに納付しないときはさらに延滞金を納付させることとするとともに、これら返還金等の納付がない場合には、他の補助金等の交付を一時停止しもしくは他の補助金等と未納付額とを相殺することができることとし、さらに、これら返還金等の徴収に当っては国税徴収の例によることができることとしているのであります。  第五に、偽わりその他不正手段により補助金等の交付を受けまたは間接補助金等の交付もしくは融通を受けた者、あるいは、補助金等もしくは間接補助金等の他の用途への使用をした者等に対し、所要の罰則規定を設けているのであります。なお、地方公共団体に対しては、その団体の性格上、団体自体には罰則を適用しないことといたしているのであります。  第六に、右のごとく補助事業者等に対し相当厳格な規律をもって臨むことといたしたのでありますが、他面、補助金等を交付する側においても、その取扱いをより適正にするため、補助金等に関する事務その他補助金等にかかる予算の執行に関する事務に従事する職員に対し、事務を不当に遷延させたりまたは必要な限度をこえて補助事業者等もしくは間接補助事業者等に対し干渉してはならない義務を課したほか、補助金等の交付の決定その他の処分に不服のある地方公共団体に対しては、不服申立の道を開くことといたしているのであります。なお、日本専売公社、日本国有鉄道及び日本電信電話公社に対しましても、この法律を準用することといたしているのであります。  以上、この法律案の提案の理由及びその概略を申し述べた次第であります。  なにとぞ、御審議の上、すみやかに御賛成あらんことをお願い申し上げます。

青木一男自由党

○委員長(青木一男君) 続いて事務当局より補足説明を聴取いたします。

村上孝太郎大蔵省主計局法規課長

○政府委員(村上孝太郎君) ごく簡単にこの法案の内容を御説明申し上げます。  この法案は、題名にございますように、現在三千億以上になっておりますところの重要な補助金等の予算の執行を適正にするというのが目的でございます。  まず第一に、この法案が適用になる対象でございますが、これは第二条の定義のところに、「補助金、負担金、利子補給金その他相当の反対給付を受けない給付金であって政令で定めるもの」、こういうふうに対象ば限定されております。現在補助金と申しますのは、これは昭和二十九年度のもので数を勘定したわけでございますが、約五百十ばかりあります。補助金等、これはどこで補助金といっているかということは、要するに、法律に補助すると書いてありますが、あるいは予算の科目で何々補助金というのが五百十三ございます。それから負担金と称するものが七十五ございます。それから利子補給金、補給金と称するものが十七ございます。そのほかに、この四号にございますように、国が相当の反対給付を受けないで交付する給付金というものの可能性のあるものは、たとえば交付金という名称で呼ばれておるもの、あるいは委託費という名称で呼ばれているもの等がございますが、その交付金と呼ばれているものが四十四ばかりございます。それから委託費と呼ばれているものが三百八ばかりございます。合せまして大体千ばかりの事項になっております。で、その中で、ただいま申し上げましたように、実質的に国がその反対の給付を受けないで給付するもの、要するに、給付する側、交付する側と受ける側とでとかくルーズになりがちな予算と申しますか、そういうふうなものが対象になるわけでございます。ただこれは呼称において補助金あるいは負担金と申しておるわけでありますが、中には、負担金のごときものの中には、現実に反対給付と申しますか、一定の事務をやってもらうというふうな負担金もございますので、この法律の目的から申しまして必要ないもの、あるいは手続的に非常に複雑になって困るようなものにつきましては、本法の二十七条におきまして逆に除外することもできるようになっております。まず対象はこういうものに限定され、その適用する適用のされ方としましては、補助金、負担金、利子補給金等、国から直接もらう補助事業者、あるいは、国からもらった補助金を原資としまして、さらにたとえば地方公共団体が末端に補助金を出すというふうな間接補助事業者、このいずれにも適用になるようになっております。これが大体この法案の適用範囲でございます。  で、こうした範囲のものに適用され、この法案は大体分類いたしますと二つのグループ規定からなっております。  一つは、いわば実体的規定と申しますか、予算執行の基本的事項、補助制度に関しますところのいろいろな手続その他の法律関係を明確ならしめておる規定でございます。これは従来も補助金の運用におきまして大体同様なことが行われておるようでございますが、この際法定化しまして、しかもその制度をできるだけ統一するということが補助金行政の一つの能率化のゆえんでございますので、そうしたことについて実体的な規定ができております。たとえば第五条の申請、補助金を交付してもらいたいというものが申請をするときにはどうしたらいいか。それから、もしそれに不服の場合には取り下げるのにどうしたらよいか。これは九条の規定でございます。それから、この申請がありましたときに、国の側といたしましてはどういうふうな調査をするか。そうしてどういうことを基準にして審査し、交付したらいいか。これは第六条にございます。予算で定めるところに違反しないかどうか。補助事業等の目的及び内容が適正であるかどうか。金額の算定に誤まりがないかどうかというようなことをよく調査して交付決定をしなければならぬということが書いてございます。  その次は補助金をもらいましたらば、もらいっぱなしではいかんので、常時どういうふうに補助金を使っておるかという状況を報告せねばならない。これは十二条の規定でございます。  それから、一たび補助金を交付するという決定をいたしましたが、その後の事情の変更によってその補助金が必要なくなったといいます場合には、国の大事な資金でございますので、それを国が回収して、別個のもっと資金的効率の高いところに使うべきでございますので、そういう事情の変更がありましたときの交付の取り消しという規定が第十条にございます。これはもらった方が不正なことをしたというわけではないのでありまして、まさにその後の事情の変更によって特別の必要が生じたときに限るわけでございます。その場合も天災その他云々と場合が非常に限定されております。  その次には、補助金をもらった事業が完結をした場合に、その実績の報告をしなければならぬという規定が第十四条にございます。  その実績の報告を見まして、交付官庁といたしましては補助金の額の確定ということをいたすわけでございます。それが第十五条の規定になっております。  これらのことが、大体補助金の申請からその金額の確定に至る一連の規定でございますが、今申し上げました、たとえば事情の変更による決定の取り消し、あるいは額の確定によって、前金あるいは概算払いをやり過ぎておったというふうな場合には、その与えました補助金の全部または一部を返還させるということになっております。これが十八条に規定してございます。  その返還に関する規定、たとえば国税徴収法の例によるとか、あるいは、もし返さない場合には同種の補助金を一時交付を停止するとか、あるいは相殺するとか、あるいは返還させますときに期日に遅れたときに延滞金を徴するとか、あるいは、これはあとで御説明しますが、不正なことによって取り消されたような場合には加算金を取るとか、そうした返還に関します規定がございます。  これがまずいわゆる第一のグループと申しますか、補助行政、補助制度に関する実体的な規定でございます。  第二のグループは、いわゆる取締り規定と申しますか、そういう部類の規定でございます。これは現在のところ補助金に関しまする観念というものがどうもはっきりしない。自分の私腹を肥やすわけではないから、補助金をたくさん取れば取るだけ得だ。どうも公けの資金と申しますか、この法にも冒頭に書いてございますが、第三条に、「国民から徴収された税金その他の貴重な財源でまかなわれるもの」だというふうな認識が足りないということから、従来の会計検査院の千に余る補助金関係の批難事項というものが因由しておるというふうなことから、いかに私腹を肥やすためでなくても公けの資金、パブリック・ファンドというものに対する不正な獲得、あるいは不正な使用というものは、これは反社会的な行為なのである。従って補助金に関する観念というものをはっきりせねばならないという点から、いわば補助金に関する道義的水準と申しますか、そういうものを確立するために一連の取締り規定が置いてございます。それは、たとえば、ただいま申し上げました第三条に、補助事業をする補助事業者とかあるいは間接補助事業者等は、補助金の元が国民から徴収された血税その他の貴重な財源なんだから、その交付の目的に従って誠実にこれを使わなければならないというふうな訓示規定に始まりまして、十一条におけるごとく、補助金の交付の決定の内容とか条件とかというようなものに従って、善良な管理者の注意をもって補助事業を行わなければならず、また行わないときは三十条の罰則までかけられるというふうな取締り規定が置いてございます。  で、こうした補助目的、補助金を交付いたしました内容通りに行われるかどうかということを確保いたしますために、この取締り法規に属します規定といたしましては、ただいま申し上げましたこのいわば刑罰によって道義的水準を確立するということ以外に、たとえば補助事業の中途において補助目的と反するようなことに使っているというふうな場合には、これを匡正させるような命令が出せる規定がたとえば十三条に置いてございます。もし、その命令を出しても聞かないときには、補助事業自体を一時停止しろという停止命令まで出せるようになっております。それから、事業が済みましたあとでも、その完了しました事業の内容について補助金交付の目的と合っていないところがあります場合には、それをさらに直させるというふうな規定もございます。これは十六条にそういう規定がございまして、交付の決定の内容あるいは条件に適合しないときには、それに適合させるための措置をとることができるというふうに書いてございます。その他いろいろの取締り規定がございますが、その執行を常時監視あるいは監督することができますように、立ち入り検査権あるいはいろいろな報告を聴取する規定もつけてございます。いわばこうした取締り的規定によって、補助金を受領する側のいわば道義的水準を確立して、決して村のためであるといいながらパブリック・ファンドという公けの財源に対する考え方をルーズに考えてはいけないというふうな規定を置きますと同時に、一方、補助金を交付します官庁の側に対しましも、補助金の執行が適正に行きますように、いわば厳正なる態度で臨まねばならぬということから、補助金を交付する側に対してもある程度の規定がございます。それは三条の一項にございます。予算の執行に当っては、各省各庁の長も、国民から徴収された税金その他の貴重な財源でまかなわれるものであるということを特に留意して、公正かつ効率的に使用するようにしなければならぬというふうな規定、さらに、二十四条におきまして、補助金を交付しますときには、最もその資金効率が高まりますように、最も適期に適正に交付すべきであって、不当に遅延させたり、あるいは補助事業の目的達成のためにじゃまになるような不当な干渉をしてはならないというような規定が置いてございます。交付する側と受領する側とのそれぞれに対して、この補助金というものが大事なものである、従ってこれが執行については適正にやらなければならぬというふうな規定が、これが第二の取締り規定と申しますか、そういうグループに属するものであります。  この実体規定と取締り規定、この二つの規定からこの法律は成立しているわけでございます。これによりまして、われわれとしては、まま従来の補助金に関しまするいろいろな不正不当な行為が大いに是正されることを期待しているわけでございます。簡単でございますが御説明申し上げました。

青木一男自由党

○委員長(青木一男君) まず大蔵大臣に対する質疑をお願いいたします。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 大蔵大臣に一つお聞きしたいことは、この法律によって補助金に関する不正をなくしようという全体の目的は、われわれは了承しますが、むしろこの出てきた法案では、果してその目的が全部達成されるのかどうか、また、ほかの法律と比較してこの法律が妥当かどうか、そういったような点について相当私は疑惑を持っているのです。しかし、これは主として法務大臣にのちほど聞いてみたい点でありますから、その点は別にしまして、大蔵大臣に対しては、ただいま説明もありましたように、この法律によってすべてをよくする、こういうことはおそらく考えておらないだろうと思う。やはりその根本になる、この法律とともに、もっと根本になる一つの問題があろうかと思う。そういう点について、この法律を出すに当って、大蔵大臣としてはどういうふうに考えておられるか。私は特にお聞きしたいのは、たとえば補助金の申請をして来る、そういう申請の仕方につきまして、これは非常に合理的科学的な申請の仕方というものが何かあるはずなんです。その問題に応じて、そういう点についての徹底的な検討をやって、こういうケースについてはこういうふうに申請して来たらいのだというものを作っていくような努力、これも一つは必要だろうと思うのであります。そういうルールが一つできれば、ごまかそうと思ってもごまかしがきかないというようなものを、これは従来のいろいろの経験をすべて総合して、さらにそれにいろいろな批判を加えれば私は出て来ると思うのです。これは一つの例ですが、そういうふうな点について、この法律と同時に、一つ大蔵大臣としてはどのようなことを考えておられるか。大まかなところをまず御説明を願いたいと思います。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 私は補助金のこういう適正化に関する法律案を出しますが、本当を言うと、すべて法律はそうでありましょうが、法律があって、しかもその適用を待たずして所期の目的が達成されるということが一番望ましいと思います。従いまして、そういうふうな基本的な線に沿う、この法律はまた別個にそういう基本的な点も考えなくちゃならない。同時にまた、今お示しのようないろいろな手続の上において、こういうふうな手続の形にしておけば、自然、補助金というものは適正な申請になり適正な使用にもなる、こういうふうに、そういう点も考えていきたい。かように存じているわけであります。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 私がお聞きしたいのは、そういう点について何か具体的な構想を練っておられるかということをもう少し詳しくお話を伺いたい。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) その点につきましては事務的にも研究いたしているのでありまして、政府委員からただいまのところを御説明申し上げさせます。

正示啓次郎大蔵省主計局次長

○政府委員(正示啓次郎君) それでは便宜私から若干の点につきまして具体的に申し上げたいと思いますが、先ほど法規課長から補足説明を申し上げましたように、たとえばただいま御指摘の申請の手続につきましては、第五条にはっきりと規定いたしたのでございますが、この点は、従来、御承知のように、各省あるいは各庁に、すべて一応の様式はあったようでございますが、それらの様式が必ずしもはっきりとしておらなかったような点もございます。そこで私どもといたしましては、少くともこの法律におきまして一応の基準をきめまして、これを、補助事業の目的、内容、補助事業に要する経費その他必要な事項、こういうふうなことにいたしましたが、これは、やはり補助事業の達成しようとするような目的をはっきりといたしまして、また補助金によってあがるところの経済効果を算定いたすに必要な資料等もこれによって確保いたしたいというようなねらいを持っているわけでございます。これらの点を、従来とかく各省各庁の、しかも当該担当の係官のきめるがままに任しておったというふうな点は、このことは、第三条の、国民の血税その他貴重な財源でまかなわれている補助金につきましてやはり適切でないという考え方から、今のような規定を一応設けた次第であります。先ほど御説明申し上げましたように、申請から金額の確定に至りますまでに、いろいろの段階があるわけでございますが、それらの段階につきまして、一応私どもの考えましたただいまのような基準を設定いたすことによりまして、大蔵大臣も申されましたように、おのずから名省各庁のただいままでやって参りましたものが立法的なレベルまで高められまして、これによって明確になるわけでございます。もとより、それですべてを尽しておるわけではございませんので、各省各庁のいわゆる一千件にも上るところの補助金でございまするから、それぞれ細部にわたって特殊な事情もございますが、これらは、それぞれまたそれを補足的に規制するというようなことをしておるわけでございまして、少くとも補助金その他補助金に類する万般の政府からの交付金等につきまして、最少限度必要な条件につきましては、この法律によって明確にすることによりまして、先ほど大蔵大臣がお答えになったような成果をあげて参りたい、こういうことを期しておるわけでございます。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 その点、一つ十分大蔵省の方で科学的なものをこの際お作りになるように要望しておきたいと思います。  それから大蔵大臣に、さらに、この法案の罰則等の問題ですね、これが相当この案が確定するまでにいろいろないきさつがあったと思うのです。私は、結論は、はなはだ不満足なんですが、大蔵大臣としてはこの点はどのようにお考えになっておりますか。これで妥当な罰則なりというお考えでしょうか。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) これはまあ法務大臣もおられますが、専門的にほかの刑罰との比較等からこれはどうなりますか、いろいろと専門的な見地のお考えがあると思うのでありますが、私といたしましては、今回こういうふうな補助金に対しての特別な刑罰を課する法律を出したので、各方面の意見を徴しまして、大体こういうところでよかろうと、 こういうふうな考えを持っております。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 ちょっと問題の性質が法務大臣に関連するものですから、法務大臣にも、ついでに聞きたいのですが、まず新法で、偽わりその他不正の手段によって補助金をとったという場合には五年以下の懲役と、こうなっておるのです。私はこの点がまず非常に不満です。私も本来は刑罰なんかをたくさんふやすことは賛成しない方なんですが、作る以上はいろいろなつり合いというものがあくまでもとれませんといけない。そういう立場から考えますと、偽わりその他不正の手段による公金の獲得、このことが五年以下というのは、現在の詐欺罪に関する二百四十六条の十年以下の規定ですね、これと比較すると、これはもう、はなはだしく均衡を失しておる。突き詰めて言えば、何だ公金の方はそういう個人の金をごまかすよりも軽いのか、こういう感じを与えるかもしれない。二百四十六条との関係をどのように検討されて、こういう結論をお出しになったか承わりたいのです。

花村四郎日本民主党法務大臣

○国務大臣(花村四郎君) 亀田委員の御質問まことにごもっともであると存じまするが、しかし、よく考えてみますると、二百四十六条の普通詐欺罪の場合においては、その詐欺によって得た金を自分のふところへ入れるか、あるいはまた他人のふところへ入れて、そうして私腹を肥やすというような関係が、そこに常につきまとっておるのでございまするが、このただいま御審議を願っておりまする補助金等に関する予算の執行の適正化に関する法律案におけるいわゆる公金の取得は、個人が私腹を肥やすというような関係がなくして、大体において公共団体もしくはその他の法人にその金を使わせるということで、しかも金の使途は比較的適正な方針に使われるというような関係にありまするので、その点が普通詐欺罪と異なるのではないかと、こういう意味におきまして、普通詐欺罪は最高十年でありまするが、この場合においては五年でよいのではないか。いわゆるこの場合における犯罪行為は、普通詐欺罪と多少異なりまして、   〔委員長退席、大蔵委員会理事山本米治君着席〕一面において行政権の侵害といったような観念が含まれておるように見ていいのじゃないか。ちょうど脱税の場合におきましても、やはり国家の財産権を侵害するという意味においては本法案と同様に見てよいと思うのでありまするが、国家の財産権を侵害する脱税の場合においても、あるいはまた税金の還付を受けまする場合に詐術を用いて不当なる税金の還付を受けたという場合の処罰規定も、やはりこの五年に相なっておりまするので、これらの法案を照らし合せて考えて参りまする場合において、普通の詐欺罪よりも、公金ではありまするけれども、やはり刑事政策上の見地から言うて低くしてよいのではないかと、こう私は考える次第であります。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 法務大臣は初めからそういうお考えであったのでしょうか、いろいろこの案を閣議でやっているうちにそういうふうになってきたのでしょうか。

花村四郎日本民主党法務大臣

○国務大臣(花村四郎君) いろいろのいきさつはありまするが、大体大蔵大臣も私も、始まりからそういうことで刑事罰をもって臨むべきものであるということを終始主張してきたわけであります。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 刑事罰はもちろんわかるのですが、その詐欺罪との比較における点です。その点どうも少しぼやかされているのですが、ただいま法務大臣は三つほど理由をあげられたわけですね。ところが、それはある点は納得できますが、必ずしもその説明は納得がいかないです。たとえば動機のことを盛んに言われました。しかし、これは裁判官が実際に裁判をする場合の一つの参考にすべきことであるので、普通のこういう補助金をごまかす場合でも、その公けの名に借りて、それに便乗して個人のいろいろな利益をはかる、こういうことは、やはり相当現実にありますし、また予想もできるわけなんです。そういうものは、名前は公けであっても、これは純然たる私的な利益です。従って普通の詐欺罪の場合と少しも変らない、そ心情からいったって、そういう場合には。しかしそれが少いとおっしゃるかもしれない。しかし、それは実際の裁判をするときに、そういう事態のものであれば軽く処罰したらいいですね。そうでなく、やはり個人的な利益をも公けの名においてはかろう、こういうものが出てくる可能性があるわけなんですから、従って法律そのものは、裁判官がこれはとても動機から言ってもにくらしいやつだから、五年じゃとても足らぬ、普通の詐欺罪の程度の一番重いところでいかなければならぬと思っても、法律がこういうふうになっていたら、これはどうにもできないわけでしょう。それから、普通の詐欺罪にしたって、例外的には、いろいろほかの困った人を助けてやる、そのためにちょっと悪いけれども少しごまかすような手段をとって、ほかの金を回すとか、そういうこともあり得る。だから、そういうことは決定的な要素じゃなかろうと思うのです、法律を作る場合の。これは裁判の場合の重要な要素であって、やはり法律の場合には、それじゃこの被害法益は何かということがやはり一番重点を置いて考えなければならぬのじゃないか。そうしますると、普通の詐欺罪は結局主として個人的な利益です。ところがこの場合には、明らかにこれは公けの利益なんです。この法律の中でも再三これは繰り返している通りなんです。だから、その被害法益の普通の状態というものを考えれば、これは刑法の二百四十六条よりも重くても軽いということは私は断じてあり得ないと思うのです。だから、百歩を譲って、先ほどの動機のようなことも少しそこへ加味するとしても、せめてこれは普通の詐欺罪と同じぐらいの水準にしておかなければ、これは、はなはだしく権衡を失する。で、法務大臣が盛んに行政権の行使に関連しておる問題だと、こういう点を盛んに言われる。私はむしろそこが問題だと思うのですね。実はそれじゃ、そういう行政権とかそういうことになれば、個人の場合よりも少しルーズにしていいか。これは従来の観念なんです。ところがそれが間違いのもとで、実はこういう問題が起きてきて、こういう法律まで必要になってきているわけですから、私は、そういう従来あるところのその常識的な概念、それをすっかり払いのけてしまわなきゃいかないと思うのですよ。だから、ざっくばらんに考えれば、行政権の行使に関連しているからと、事実は、なるほどそうかもしれませんが、一体そのことがなぜ罰則を緩和しなければならない理由になるのか。これは何にもない。ならんですよ。従来の常識でそんな感じがするというだけなんです。そうすれば、結局一番重要な問題は被害法益なんです。だれが一体これで損害を受けるのか。個人が損害を受ける場合と、たくさんの人が損害を受ける場合、これはもう明らかにこうはっきり段違いなんですね。だから、そういう点を私は、法務大臣の説明を聞きまして、法務大臣自身が、そういうふうな惰性にとらわれた考え方を持っておることについて非常に不満であるし、もしそういうことでありますると、いわゆるこの法律ができて、それでは実際にこれを検察官が使うという場合にも、そういう惰性がしょっちゅう働いて、実際はこれはもう棚ざらしになってしまうおそれが十分私はあるのじゃないか。その点、一体、その常識的な、従来の伝統的な考え方ですね、それに対して法務大臣どうお考えになっているか。私はそればもう訂正すべき時期だと、こう考えておる。そういうことになれば、これはもう被害法益が中心になって考えらるべきなんですから、当然これはもう五年間では一般の詐欺罪の規定とつり合いがとれない。で、先ほど税金の還付を受けるのにごまかしてやったという場合には五年になっておる、つまりこれは従来の法律なんです。そういう概念で律したのでは、大蔵大臣が所期しているような目的は私はだめになってしまうと思う。どういうふうにこの点、私は非常にあなたの説明を聞いて疑問を持つわけですが、どうお考えでしょうか。

花村四郎日本民主党法務大臣

○国務大臣(花村四郎君) まあ、この普通詐欺罪と、この法律とは、その性格的に私は異なるところがある。その主なる一、二をただいま申し上げたのでありまするが、さらに普通の詐欺罪から申しますると、欺罔手段を用いて、相手方を錯誤に陥らしむることよって、その対価を得るということが、詐欺罪の成立要件でございますけれそも、この法律においては必ずしも相手方は錯覚に陥る必要がない。御承知のごとく、今日までのこの補助金の不正行使のあとをたずねてみますると、大体においてその内容は不当であることを交付する方の側において承知の上で交付をしておるという事例が非常に多いのであります。でありますから、もしも交付をする者が相手方の欺罔手段によって錯誤に陥って交付をしたということでありまするならば、これは刑方の二百四十六条の詐欺罪によって処断ができるのでありますが、今日までの補助金交付の請求をして参ります事柄ろ、そうして実際にその金を使用する方法と異なっており、いわゆる詐罔手段を用いておることを知りつつこの交付をしておったというような事例が多いので、普通の詐欺罪でこれを処罰することができぬということで、まあいろいろ問題になって参ってきたことは、これは御承知の通りであります。でありまするから、普通の詐欺罪に該当せざる場合においてもやはり処罰をするということが必要ありとし、この法律ができてきたわけでありまするから、従ってこういう点において普通の詐欺罪と異なるところがあり、また普通詐欺罪で問題にすることのできない事案に対しては、この法律でいけるということに相なっておるのでありまするから、普通詐欺罪とこの犯罪との性格が、おのずからそこに異なっておりまするから、従って、一方はその刑罰が重くあるのにもかかわりませず、一方は低いというようなことも考えられていいのじゃないかと、こう存ずるのであります。

山本米治自由党

○委員長代理(山本米治君) ちょっと亀田委員に申し上げますが、質問の順序ですが、先ほども委員長からお話がありましたように、一萬田大蔵大臣がほかに行かれる予定がありますので、順序として、一萬田大蔵大臣に対する質問を先にお願いしたいと思います。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 それでしたら、ちょっと法務大臣にもう一つ……。「その他不正の手段」、こういう場合でも新法によれば処罰できるわけですね。そういう意味では、相手方が知っておるような場合でも、いろいろ結託して公金を取ったという場合は、これにひっかかってくる。それは確かにこの新法の効果なんです、その点は。しかしながらこの条文には、「偽り」と書いてあるわけでしょう。「偽りその他不正の手段」となっている「偽り」という場合には、これは詐欺罪の場合と構成要件が大して変らないでしょう、「偽り」という場合には。私はこの点は十分明白にしておきませんと、詐欺罪に該当するような場合であれば、こういう新法が出て来なくとも、従来といえども刑法の二百四十六条で検察官がやれたわけなんです。ところが、この新法がせっかくできたために、詐欺罪に該当すべきものがこの法律によって低められた、こういうことになるおそれが十分なんですよ。その「偽り」というのは、相手が誤解をしてそれによって出した、そういうふうにきまっているじゃないですか、これは。だから、言葉が欺罔と偽りと違いますけれども、この点は十分明らかにしておきませんと、非常に重要な問題になる。その点だけ一点ちょっとお聞きして、大蔵大臣がお急ぎになるようですから、一応中止します。

花村四郎日本民主党法務大臣

○国務大臣(花村四郎君) 実はただいま言われたようなことも問題として考えられるのでありまするが、しかし今日まで補助金を詐取したという事件は、大体において、すべて、まあ、すべてと言うと語弊がありますが、大体において執行猶予等の判決がありまして、大部分は軽く処分をいたしておるのでありまして、これは要するに一般の詐欺罪と異なってやはり軽く見るべきものではないかというふうに、刑事政策的の見地から考えられておったというようなことを考えてみまする場合において、やはりこの法律の五年が適当じゃないか、こう私は申し上げてよろしいと思います。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 ちょっと一応中止します。

白井勇自由党

○白井勇君 大蔵大臣に一、二伺ってみたいと思います。こういう法律の施行とあわせまして国で考えなければならんと思いますことは、補助金を国で交付いたします場合に、たとえば単価の計算とかあるいは補助の率というものが実態と合わない場合が多い。この間も川島国務大臣が七月の八日に決算委員会で話しておられましたが、地方の公共団体でいろいろ不正事件を起したということをよく検討してみますと、やはりそれにはいろいろ理屈がある。例をとって話されたのによりますと、学校の復旧の問題、老朽校舎について二分の一補助になっておる。その場合の単価が国では二万七千円しか見てくれない。ところが、実際地方に参りますれば、当然三万円以上もかかっている。こういう一つの例をとって話しておりましたが、私が知っておりまする面におきましても、最近は、よほど、たとえば人件費に対しまする補助等におきましても、実態に即しては来つつあるようでありまするが、しかしながら人件費の補助等におきましても、少くも一号か二号くらいの開きが、ならして見てもまだあるようであります。あるいはまた人夫賃の計算等におきましても、そういう面がある。これは当然こういうような法律を施行すると同時に、その面におきましても、やはり実態に合うような措置を予算的に講じてやらなければならん筋合いのものだ、こう思うわけですが、これが出ますれば、少くも三十一年度からは、大蔵大臣とされましても、どういう方針によってその辺の是正をされるお見通しでありますか、どうですか。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 従来も、不可能なようなそういう単価の組み方はしていないと私は思うのでありまして、大体そういう単価でできるというふうに仕事をしてもらいたいと思うのでありますが、しかしこういった法律もできて、補助金をもらうほうもいろいろと規制を受けるのでありまするから、出すほうにおいても非常に相手に無理をしているということは、これは私、考えなくてはならない。従来も特に無理をしておるとは思っておりませんが、その辺がいろいろと今後調整を必要とするところだろうと思いますが、そういう点は考えて行く考えでおります。

白井勇自由党

○白井勇君 もう一点伺ってみたいのですが、第三条に、「補助金等が国民から徴収された税金その他の貴重な財源でまかなわれるものであることに特に留意し、」ということが、一項、二項にわたって、はいっておるわけであります。これは事務当局で出しました考え方は、先ほどお話しがありました。どうも私たちこれを読んで見ておりまして、趣旨はよくわかるのでありまするが、何か人種の違った者が天降って来て、そうして何か一場の訓示を垂れるような表現というものは、法文の上にそういうものが特に必要であったものかどうか、こういうものにつきまして大臣としましての御感想はいかがですか。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) これはまあ、ごく率直な気持といいますか、こういうふうにあってほしいという考え方、私は、やはりこういうような刑罰の伴うような法案の場合におきましては、何としてもこういうものが適用されずして所期の目的を達するのが一番いいことは間違いない。刑法の場合に皆そうでしょう。そういう意味におきまして、特にこういうような条文を置きたい、かように考えております。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 大蔵大臣に二点伺いたいのですが、この目的は、さっき説明のように、パブリック・ファンドを公正に効率的に使うということが主であります。しかし、パブリック・ファンドは、何も補助金ばかりではないのです。大蔵省としては、補助金ばかりでなくて、全体の財政資金について公正、効率的に使わなきゃならんという一つの基本方針をお立てになって、その一環として補助金というものを提起しているのじゃないかと思うのです。そこで伺いたいのは、このほかにやはり不正不当支出として問題になりましたのは、財政投融資ですね、あるいは出資投資、前に造船疑獄なんかでずいぶん世間を騒がせましたが、この方面も、これはいわゆるパブリック・ファンドの不当あるいは非効率的使用が相当あると思うのです。これをやはり相当検討しなき心、ならんと思うのです。ですから、ただ補助金として出て来た——これは確かに精神はいいと思うのですが、これを機会に、この精神は非常に私はりっぱだと思うのです。中国などでは国家財産の盗騙なんと言っていますが、国家財産を不当に使った場合には、盗んだ、国家財産の盗騙として非常に重く罰するようなふうになっていますが、そういう意味で、こういう精神をここで強調されたことは非常に私はいいと思います。これを機会に、やっぱりほかの、特に今まで会計検査院の機能が十分末端に及ばなかったために、ああいう疑獄とか汚職が起きることがあったのです。それは出資、投資、財政投融資等、こういう面にも何か着想する必要があるのじゃないか。この点が一つです。  もう一つは、地方に補助金を与える場合です。今の重要な国策を見ますと、ほとんど補助政策になっていまして、たとえば公営住宅、公共事業、失業対策、生活保護あるいは児童保護、教育費にしても国が半分ぐらい持つというわけで、地方財政が非常に多くの国策の費用を負担していますね。そういうときに、国が予算を一般会計で計上する。しかし地方財政が赤字で弱っているために、心ならずも国の手当が十分でないから国の補助金だけでまかなうというのが、このまた対象にもなるわけです。これにはやはり相当国の責任があるわけですね。そういう面も、ですからこの点は、さっき法務大臣のお話は、私は、そういう点で国は責任があるからという面で、多少一般の詐欺罪と一緒に罰するのはどうかと思うというお話ならわかるのですよ。それで、さっきのような御答弁ですから、不満だと思うのですが、しかしそれは、これまでのこの資料を要求してあったのですけれども、そういう点については国に非常な責任がある面がたくさんあると思うのです。そういう点については、これは一因ではありますけれども、国の手当が不十分でありますために、そうして一般会計でどんどん公共事業費や何か失業対策費を組む、しかし地方財政が負担し切れない、政府の手当が十分でないし、そういうような場合には一体どうなるのか。そういうような点を一体どう考えておられるか。この二点伺っておきたいです。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 今お話しのように、国の補助金はいずれも適正に使用されなくてはならぬことは、これはもう申すまでもないことでございます。従いまして、この財政投融資というようなものについても、適正に使用すべきことは、これはもう申すまでもないことで、そういう点についてはまたそれぞれ今後考えていくのでありますが、特に今回の補助金の場合におきましては、すでに具体的に、非常に内容がといいますか、適正でない使用が明確にされておりまして、またこの補助金の性質からしまして、反対給付を伴っていないというようなことからも、自然これが特に放漫に流れやすい。まあこういうふうな点から、財政のうちに占むる金額も非常に大きいので、そういうところから今回これを取り上げておる次第であります。  なお、いま一つ地方財政に関連してお話がありました。まあこれはお話のように、地方財政が非常に苦しいから自然国の方に責任が……、まあいろいろあります。これは今後地方財政の再建整備については別個に考えて地方財政を強化したい、かように考えておるのであります。それだからといって、補助金もこのままにしておいていいということにもならない。かえってこういうような補助金の使用を適正化することによって、自然、地方の財政が健全化する糸口になるであろうと、かように考えておるわけでございます。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 どうも今の御答弁では非常に不満足ですが、第一の点に対する御答弁は、営利会社に対する政府の出資、投資であるからこそ、そこが非常にいろんな汚職とか疑獄が起るし、それがまた国家目的に使わない利潤追求の方にのみ偏してくるという危険があるのですから、従ってこの方面にも効率的に使わないものが現にあるのですから……。また事実相当あると思うのです。ですから、新しく政府がこの方面にも会計検査院の機能を強化するとか、あるいはまたこれについては国会においても、あるいは事前検査、決算委員会などの事後検査、これも重要なのでありますが、しかしそれでもなおかつ十分に適正に使われないのですから、まず大蔵省において、この出資、投資については、何かこの補助金と同じような法律を作れというのじゃないですけれども、やはりこれを効率的にあるいは公正に使用する何かを考えるお考えはないか。これはまた必要であると思うのです。補助金だけやっていて財政の支出は……、金額は大きいですよ。相当大きいです。その点については何らか、ただ適正にしたいというだけでは、ばくぜんとして、それだけでは、せっかく政府がこの補助金の適正使用に関する法律を作るに当って非常に高邁な精神をここでうたっているのですから、パブリック・ファンドというものは、これは国民の血税であって、おろそかに使ってはいけない、こういう高邁な精神をここでうたった以上は、この出資投資についても、何か今後私は手を打つ必要があるのじゃないか。これはぜひ私は要求いたしたいのです。どういう方法になるかは、これは非常に方法があると思うのです。これは私、研究してみたらいかがかと思います。  それから今の補助金のことですが、政府は、十分に手当すれば不当出資が起きない……そういう面があるのです、政府に非常な責任がある面が……。ですから逆の面もあるわけですね、こういう法律を作るから……。適正使用じゃなくて、実質問題として、政府は、たとえば失業対策事業なんか、もしこれで厳重に縛っていく場合、政府は、失対事業は大切である。予算は大へん立派なことを言って組む。今度は地方で、地方予算の負担分がないときは、もう失業対策で苦しいから、政府の方からの金だけでとにかく失業対策をやろうというときに、これに縛られるためにできない。そういうような実際の弊害も出てこないとは限らない。ですから、今までは、今度この法律で防げるかもしれないけれども、従来、かりにごまかして使った、というのは語弊がありますが、そのことのために実際に失対事業がとまるのがとまらないでできたという場合、そういうことがありますから、これを運用する場合には、国の方の責任というものを相当……国の方の責任もこれは相当感じて、予算措置する場合には、地方財政の負担分というものには相当手当をする。こういうことでないと、これは末地価において非常に混乱が起きてくると思う。この点、もう少し具体的に御答弁願います。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) いや、お考えに私、別に異論があるわけではございません。特にこの財政投融資については、その配分についても十分計画的に配分をしておる、またいろいろな監督もしておりますが、将来なおこの監督を厳にする。これはまあ再建関係が主要をなすのでありますが、こういうものについては何らかの管理の方法といいますか、あるいはそれに関しての法律というようなものも考えていきたい。  なおそれから、地方財政の関係におきまして、中央からやれば仕事はやっておるが、中央から金がこないという点が従来あったのではないか、私はこれは場合によってはそういうことも従来あったかと思いますが、別に否定はしません。そこで今回はこの地方財政再建整備について、三十二年にわたって本当に確立しよう、そうして地方財政の今日の苦況の起るあらゆる原因をここではっきりとして、そうして国のやはり責めというものがあれば、責めに属する点は、それは、やはり補正も考えよう、こういうふうにいくつもりでいたしておるのであります。そういう点についても別に私は御意見と違った点はなかろうかと思います。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 簡単に一点だけ。簡単なことなのですけれども、政府が出資して、ある会社なんかを作らした場合、国会議員がそこの役員としていくということについては、政府はどうお考えですか。たとえば具体的に言えば、今度の移民会社、ああいうところに、新聞の報道ですからわかりませんが、参議院議員が現職のままこれの総裁になるということが新聞に出ております。そういうことは財政資金の適正なる使用というものと関連して、またほかの別の見地からも問題になりますけれども、立法と行政との混乱が起るということはありませんか。そういう点については大蔵大臣どうお考えですか。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) これは実際的に考えてみなくてはならぬ、一概にも私がここで断定を下すわけにもいかんと思いますが、まあ趣旨といたしましては、私はごく抽象的に申せば、なかなかむずかしいのですが、(笑声)抽象的に申せば、それはやはり関与なさらん方がいいと思うのです。がしかし、これは世の中はなかなかそう簡単にいかんものですから……(笑声)それだけ付け加えておきます。

石川清一無所属クラブ

○石川清一君 私はこの法が通って実施される場合のことを予想して、そこから大臣に質問をしたいと思います。  地方公共団体の長がこの法律の二十九条に従って罰則を受ける、こういうことに相なります。今までの会計検査院の検査報告等を通じてそれぞれ受けました報告では四件しかないと、こういうように言われておりますが、もしこの法律が通りました場合に、二十八年度の会計検査院の報告で指摘されておる案件で、一体、この法律が適用された場合に刑罰を受けるのが幾らくらいあるか。これは予想でありますけれども、政府はそういう点について考えてみたかどうか。またこの点について会計検査院は、やはりこの法律に従ったらこの程度罰せられるであろうというようなことをお調べになったかどうか。お調べになったのであれば、概略の数字でもまずお聞かせ願いたい。私はもう一番心配するのは、今までの概念からいきますと、こうしたことは刑罰に触れないのだ、こういう建前に立っております。しかしこれが厳格に施行される場合には、おそらく町村において反対派がこれを利用しまして、この最高の刑罰と罰金で地方公共団体が非常に混乱に陥る。これを政略に使うには非常に便利がいいようにできております。この中で確かに二十五条では不服の申し立てをすることができます。しかしこの不服の申し立てをかりにしても、その間、地方議会あるいは町村長の立場として非常に複雑になる。これは法務大臣が先ほども言われるように、暗黙のうちにそれぞれの者が今まで知っておるのであります。そういう慣習の上に立って補助金が、それぞれ申請され交付をされておるのでありますから、そういうような点を十分お考えになって、地方公共団体の行政がこの悪用する人のために混乱をするようなことも予想をされ、これを法律の中その他で防止するようなことを考えておるかどうか。この点をまず承わりたい。  続いて、そういうものをなくしようとする場合には、この千件にわたっておる補助金、負担金、補給金、交付金、あるいは委託費までの交付のこの種目と申しますか、科目といいますか、これをしぼるかどうかしなければならぬと思います。しかしこの項目は、それぞれ今日までの補助金の重点主義という制度のとり方がいつも修正せられておる面から見ますと困難であります。従ってこの項目を残すというと、かりに四十三の府県に全部流しておったものがあったとすれば、それを半分かあるいは三分の一にしぼって、金額は同じでも重点的に、これは地域の経済事情やあるいはその他の情勢に従って流すというようなこともあわせて検討しなかった場合には、全部と言うていいようなものが、一つの項目で一町村十円であるとか、あるいは百円くらい補助金が流れたものが、全部ひっかかるようになる。適正に使用されません。このことはすでに指摘されておるのでありまして、いかなる補助金といえども政府がばらまくのではなくて、やはり申請書を出して、それに従って補助金が交付されるようになっております。目的通り使用されておらないのは、病害虫の駆除費でありましたか、一町村に一円当りしか当っていないというような点が指摘をされておるようなものもあります。従って、こういうようなものは、やはり相当各省と検討した上で、そういうものは、一府県あるいは一町村というようなところに重点的にするというようなことまで十分考えなかったら、この法案は売春法と同じで、作ったけれども効果が上らんと、こういうようなことになる心配が非常に多いのであります。  その次は災害復旧費でありますが、これは参議院でもすでに議決をされる段階になっておりますが、建設省関係で七百二十億過年度災害が残っておる。また農林省の農地関係でも、二百八十億でありますか、三百億近い農地だけの復旧費が残っておるようであります。これについても、この法律を政府が出そうとする限りにおいては、二年といわず一年にこれが解決できると、ことに農地なんかの場合は積極的に農林漁業金融公庫等からあっせんをして事業を完成するように仕向けてこそこの法律が効果が現われるのでありますが、こういうような点について十分決心をされて法案を提案せられておると思うのでありますが、今一番下の方からずっと申し上げましたが、いろいろ問題が起きて参りますので、その点についてお答えを願いたいと思います。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 先ほども申し上げましたように、従来でもそうでないと申すのでありませんが、この法律を執行するのに伴いまして、特に補助金については、出す方も受ける方も適正化を一つ考えていこうという基本的な条件があるのでありますが、従いまして、こういう法律ができれば、補助金の申請についても、あるいは交付につきましても、常に自粛ができてくる。何もこの法律によって、従来非常に違反が多いからこの法律を作って従来の違反をすぐつかまえてしまおう、そういうことはゆめゆめ考えておらないので、そういうふうな違反者が出ないようにして、ほんとうに国費が適正に使われるのにはどうしようかという考えからきておることをまず申し上げておきます。  それから補助金を重点的にまとめて使ったらどうかと、こういう御意向、これは私は非常に賛成なんで、できるだけそういたしたいと考えております。またこういう法律によってそういうことが促進されれば非常に私それはけっこうじゃないかと考えております。  なおこの災実復旧につきましては、ただいまお話しがありましたように、残事業がおそらく千億程度あると私も考えておるのでありますが、まあこれは財政の負担もなかなか容易でないのでありますが、今後財政が許す限りすみやかにこれを解決いたしたい、かように考えております。

石川清一無所属クラブ

○石川清一君 この法律が今度は通る通らないにかかわらず、書類の上で、手続の上では非常にりっぱなものが出てくると思う。しかしながら、その財政の効果の上っておるかどうかということについては、これは会計検査院でも、まあそこまでは立ち入れないというようなことを言われておるのでありますが、この法律が通らなかった場合といえども、そういう点は今まで以上に形式的にはりっぱにできておる。しかし財政の効果は上っていない。こういう点は確かに大蔵省でもお考えになっておると思いますが、万一通らなかった場合、そういうような不正があっても、その点については今までのままでお進めになるのでありますか。この際、先ほど木村委員からも申されたように、積極的に小さい部分にわたっても財政効果のあがるように、特にこのことを通じてお考えになって、指示等をなされたことがありますか。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) この補助金の財政的効果があがるようにということは、もうおそらくそれはどの大蔵大臣も考えておると思うんですが、私は三十年度の予算編成におきまして、特に考えたのでありますが、どうも微力いかんともいたしがたいので、思うようにいきませんでしたことは非常に残念に思っておりますが、三十一年度の予算編成におきましては、特別にやはり私は効果があがるように考えていきたい、かように考えております。

岡三郎日本社会党(第四控室・左)

○岡三郎君 今この法律案について、いろいろと今後これが審議未了になるか、これが可決されるか別にして、一応こういう建前を大蔵省が打ち出していくということについて、相当重大なる決意を持たなければ、これは、やはり実効が期せられないと思う。というのは、結局昔からのずっと政治を眺めてみても、厳格にやる場合については、それに対応する裏づけの策というものがないと、これは逆に、その政治がよいとしても、世人がこれを受け付けないという……まあ徳川時代においても、水野のいわゆる相当な厳格な施政というものは、逆に反撥を受けたということもあるわけです。それは、どこからくるかといえば、結局独善に陥るということが問題じゃないかと思うのです。そこで私は、こういう法案を出すときには、今地方財政が非常に困窮をきわめておる、この地方財政というものを、中央が責めるだけではなくして、根本的に、地方財政について欠陥はどこにあるか、再建整備法を出されて、地方財政のいわゆる救済をやるといっても、あのような交付税においては、果して今の地方自治の段階、地方財政が急速に救済できるかどうか、これは非常な問題があるわけなんです。そういった点から考えてみると、中央における補助金半額負担、あるいは八割負担、多いときは九割負担をやった場合においても、果して地方の自治体が、一割ないし二割あるいは五割の自己負担というものがなし得るかどうか。過去においてなら別だけれども、現在行き詰まっておる地方財政の現段階においては、そのような一割とか二割という自己負担でも、過去において五割負担以上に逼迫した自治体財政においては、相当これは困窮をきわめると思うわけです。ということになれば、やはりこういうふうな法の裏づけが出てきた場合において、やりたい仕事もできるだけ敬遠する、つまり実際に負担をしようとしても負担ができない——やらなきゃならぬけれども負担ができないということになれば、正直なる村長なり事業主体というものが、そういったところから、ごまかしもできないで、ついにつかまったということのようなことが繰り返されてきたならば、これは、とんでもないことになるという一つの意見があるわけなんです。私はこの意見も傾聴すべきものだと思っておったわけですが、そういうふうな観点から、こういう地方財政が困窮しておるときにおいて、中央の方の機関というものがよほど厳格適正にやらないと、これは片手落ちというそしりが出てくると思う。というのは、相当案件の中において、会計検査院が全体の一割なら一割を検査して、そして指摘してくるというふうなことになっておるならば、その逆に、こういうものを取り違えて、よし、おれが一つ犠牲になってやる、わかったときにはおれが犠牲になってやるというふうなところで、思い切ってとにかく補助金を取って、つかまったときには、これはもう、はりつけになるわけでもない。だから二年や三年はしょうがない、地方財政の困窮を救うためには、そのくらいやってやろうという間違った英雄的な気分が出てきても、これは困ると思う、逆にいうと。だから、そういった点において、私はこの法律を生かしていくためには、中央の監査機構というもの、つまり行政管理庁が片方の方で事前検査をやっている。会計検査院は別に補助金をやっている。一体どこをどうやっているのか。行政管理庁と会計検査院とが、どのくらい連絡して、同じ補助金を今後取扱うにしても、それを有効適切にやっているか。それから各省庁においても補助金を査定し、そういったものを中間検査し、あるいは成功認定をするというふうなときにおいて、一体内部監査とかいうものをどれだけ有効適切に中央官庁においてこれを実行し、それを監督しているのか。こういったものを総合的に引き締めていかないと、やはりそしりは下だけを締めていくということになるということを私は考えるわけです。そこで私は補助金をこの法律によって厳正にさせることについて大賛成です。大賛成だが、その裏づけとして、中央におけるところの政府機構というものを、やはり災害が多く発生したときには、なかなか中央のほうで厳格に判こばかり押して工事が少しも進捗しない。いつまでたっても民生安定という大きな大限月が生かされないで、やたらに書類というもの——調査というものがだらだらと行われるということも考えるわけなんです。そういった点で、中央におけるところの今言ったような検査機構、あるいは査定機構というものを、一体どのように統括し、あるいは能率的にやられる意図が政府全体としてあるか。それから地方財政において一つの問題ですが、かりに地方が自己負担が全然ない、しかしこれはやらねばならぬといったときに、全額これを国庫支弁でやるという考えをどの程度政府が持っているか。この点の説明を願いたいと思うのです。

森永貞一郎大蔵省主計局長

○政府委員(森永貞一郎君) 大臣はあとから御答弁いたします。  監査機構の問題でございますが、現在主として経理面においては検査院がございますし、また一方、事業そのものの執行状況についての監査という面で行政管理庁がございます。そのほか各省がやはり自己監査をいたしておりますし、また私のほうの所管の財務局で災害等につきまして立ち会いをいたしておるといったようなことで、一見いたしましていろいろに多岐にわたっているようにお感じになるかとも存ずるのでございますが、これはそれぞれ目的もあることでございますし、それをすべて一元化するというわけにも参らないかと存じます。しかし、いたずらに無用な監査をいたしまして、御迷惑をかけるということはもちろん慎しむべきことでございますし、また国費の節減という観点からいたしましても、これをできるだけ統一的な監査を行うということは必要なことと存じますので、最小限度のものはもちろんなければならないと存じますが、将来の行政機構の整理等の際におきましては、それらの点につきましても、もちろん考慮をいたすべきではないかというふうに考えます。  第二点の、地方財政にその負担能力がない場合は、全額補助で補助事業を実施させる例を開いたらどうか、こういうようなお話であったかと存ずるのでございますが、これはその補助事業の性格にもよりますし、やはり国と地方とが財源負担を折半する、あるいは七分の三分にする、そういったようなことで制度ができておるわけでございまして、単に財政能力の観点のみからこれを国が全額補助にするということはなかなかむずかしいわけでございます。しかし今回提案いたしておりまする地方財政再建整備法につきましては、若干お話がございましたような趣旨も取り入れまして、地方財政再建整備を実行いたしまする団体につきましては、経過的に特例的な措置といたしまして、場合によりましては補助率を引き上げる、あるいは分担金の額を少くするというような道は開かれておるわけでございます。これは特別な団体についての措置でございますが、地方財政全体の問題といたしましては、先ほどから大臣からお話がございましたように、できるだけ地方財政の財源の充実をはかる方法を今後講じて参りたいと考える次第でございます。ただ、この際一言申し上げたいことは、私ども従来地方財政計画の作成に当りましては、少くとも補助事業を行う所要財源はこれ寄算に入れまして、起債なり税その他なりで一応見ていっておるわけでございます。しかし他方団体の固有財政の面でいろいろ財政が不如意であるために、あるいは一部自己負担を免れるというような結果も起っておるわけでございますが、これは私は、やはり地方公共団体が自分の財政能力を考えまして、その程度において事業を執行するということがやはり根本でなくてはならないのじゃないか。もちろん失業対策事業のような例もございましたし、国の政策の観点から、地方財政の状況いかんにかかわらず、これを実行させなければならんという場合には、また別個の配慮も必要になってくるかと思う次第でございまして、例えば今回特別失業対策事業を起しまして、その場合には補助率を高めるというような措置も講じております。そういうものにつきましてはそういう配慮も必要でございますが、一般の公共事業、特にその地方団体が非常に経済力の発展というような利益を受けるというような事業につきましては、やはりその団体の財政力の限度内で一部やはりこれは必ず負担するような、負担できるというような限度において事業を執行する、そういう基本的な考え方に立たなければならんのでは、ないかと、そういうふうに考えます。

岡三郎日本社会党(第四控室・左)

○岡三郎君 大体今意向がわかったのですが、問題は、非常に数が多い補助事業、相当の膨大なる額になっているこの補助事業、これを抜本的とは言わぬでも、ある程度まで規制をしていくということになれば、これは単なる補助事業ではなくして、国政全般の引き締めになると私は考えるわけです。ところが閣内においても、これが一たん、ずっと前に出かかって、押さえられて、また出ようとして、政治罰とか行政罰とか言って、また、もんで出て来て、会期があと幾ばくもないというときにこれが登場してくる。そうすると、これは第三者は、どうせこれは売春法と同じように日の目を見ないのだというふうな、たかをくくった話が先般のNHKの録音なんかにおいても堂堂とある紙の記者が語っているのが出てくるわけなんです。どうせこれは君、通りゃしないから、まあ刑事罰でしておこうが、行政罰でしておこうが、もう時間切れだよ、というようなことをNHKの録音なんかでやっているのを聞いてみて、私はまことに慨嘆にたえなかったのですけれども、大蔵大臣としては、ずいぶんがんばられたと思うのですが、実際にこの補助事業を厳格にやっていうと、補助金というものが一体今までどのようにこれが使用されてきたかという問題と、この法案が通るか通らないかという問題が、政治的に私は、からまっていると思う。ですから通俗に言うと、やはり補助金等の申請をする場合においては政治力がからまっていくわけなんです。ですから、よほど今言ったような裏打ちをこうするのだということを大蔵省としては相当腹を固めてやってもらわないと、十七国会以来の期待される法案というものがまた審議未了だということになったならば、これは悪因縁がついて、今後五尺のコイじゃないけれども、簡単な釣竿では釣り上らんというようなことになることを心配をしているわけなんです。ですから、こういった点については、鳩山総理がこの前の委員会において言われたことについて、よう知らん、綱紀の粛正は鳩山内閣の一枚看板ではなかったかと言っても、よう知らんと言われておる。会計検査院の報告がどうなっているのかわからん、まあ、よそから見ると大蔵大臣が人太鼓をたたいてやっている印象なんですね。まことに私の見たところが皮相かもわからんけれども、そういうふうな形の中で悪戦苦闘してこの法案が出て来ているということから考えて、私は今主計局長が言ったことを了承しますよ、しますが、実際的に地方財政が非常に今苦しんでいる。使い方の悪かった都道府県もありますよ、あるけれども、現在における税法というか、税そのものが果して公平であるかどうかという問題も、これは私は内在していると思う。だから、そういった点で、ここから手始めに、全体を一ぺんではできないけれども改革していくんだという点で、緩急よろしきを得ないと、ただ単にこれだけを通して、あと大蔵省の方で三十一年度予算の査定のときに締めるんだというだけでは、私は通らんと思うのです。だから、そういう点で、今までの経過にかんがみて、これを両院特に衆議院の方を通してくれれば、参議院の方は通るという一つの自信を少しは持っているんですがね、一段ともう少しこれを徹底化して何とか通す御方策を考えてもらいたいと思う。あなたの意見をここで答えてもらうということでなく、私はここで、これだけお願いやら、見解を述べて、もう少し腹をすえて全体的に達成できるようにやってもらいたい、これだけ私は述べておきます。

山田節男日本社会党(第二控室・右)

○山田節男君 実は本法案が出されまして、参議院の決算委員会としては、これはもうわれわれ待望久しきものであった。超党派でもって一日も早く通したい、当大蔵委員会におきましても、この法律案はもう超党派で一日も早く通すことにしたいということで、一昨日青木委員長と私とが衆議院の大蔵委員長のところへ参りまして、この法案を一日もすみやかに通されたいと、今、岡委員の言われたような意を体しまして強く要請いたしました。さらにまた各政党から衆議院の政調会、政策審議会、国会対策委員会を通じて、実は各会派別に講じて参っておるというような実情であります。それから今、岡委員の御意見がありましたが、こういうような事情もありますので、この大蔵決算の連合審査会を二回と予定しております。大蔵委員会では全員これに対しては賛成だということを聞きましたので、連合審査会も実は本日一回をもって終りたいと思っております。  私から大臣にこれは質問でありますがその前に、先ほど亀田君から指摘されました本法律案の第六章の罰則規定でありますが、花村法務大臣からも、るる御説明がありましたけれども、これは外国の事例を見ましても、民主国家になればなるほど、たとえばイギリス、アメリカ、フランスなどでは、いわゆるパブリック・ファンドと言いますか、パブリック・マネー、国民の税金ということになれば、これは普通の詐欺罪によるプライベート・マネーよりも、もう一段と高い意味を持つ、これが通念です。さらに共産主義の中共におきましては、これを死刑にする、公物ないし公金を窃取した場合は極刑をもって罰する、これは私は極刑がいいか悪いかは別問題としましても、より重く罰しようというのが今日の民主主義国家の通念である。ことに、不幸、日本のように、主権在民の憲法がありましても、まだこういったような公金に対する観念が非常に乏しいときには、むしろ私は刑法上における詐欺罪に対しても、たとえば十二年くらいにすべきではないか、時限立法でもいいからより重くして、これを一つの教訓とする、こういう意味で、私どもは強くこの点を希望しておったのであります。このことは今後決算委員会におきまして審議する場合に、おそらく参議院の決算委員会としましては、十七国会に出された場合は十年、それが今国会において七年として閣議に出したところが、ある閣僚が行政罰でたくさんだというようなことで、がんばって、参議院におきましては、ここにおられる大蔵大臣はもとより、鳩山総理大臣以下四、五の閣僚に出ていただいて、この点に触れたのでありますが、それが遂に五年になって出るということは、こういうことは私どもとしてまことに不満に感ずるのでありますから、どうぞ大蔵委員会におかれては、この罰則規定はそういう立場から一つ慎重に御審議いただきたいと思います。  それから大蔵大臣に御質問申し上げたい点は、この法案を実施した場合、だれがこういう事態を摘発するのかということが問題であると思います。第一には個人でしょう。第二には関係各省あるいは公社の内部監査と申しますか、内部考査と申しますか、そういうものによってこういう違反を摘発する。第三にはいわゆる行政監察によってこういうものは摘発し得る。第四には会計検査院、第五にはいわゆる検察庁、しかしこれは実際的に見ますると、先ほど大蔵大臣の本法律案の提案の理由の御説明の中にあったように、われわれが昭和二十八年度の決算報告書を調べた場合に、会計検査院が出しておりまする一般会計、特別会計、政府関係機関の批難事項として二千二百三十二件出ております。その中で千四百件というものが、これが支出に関するものであって、その中の九割、すなわち千二百件は補助金に関するものだということを大臣が御説明になっております。この会計検査院が調べました批難事項、後に報告されました二千二百三十二件というものは、これはたとえば農林省のごときは六%くらいまでしか調べてない。それから建設省にいたしましても、これも八%くらいだったと思いますが、これは小峰君に訂正してもらいたいと思いますが、とにかくそういうような工合でありまして、会計検査院が各省、公社を調べました検査というものが、全体から申しますと平均一〇%ないわけであります。一〇%に足りない検査の結果においても、補助金に関して千二百件という批難事項であります。これはごく大ざっぱに、九%でありますから、かりに一割としまして、約十倍、一万二千件というものが、そういうものがあるのじゃないかということも、これは私は類推できると思う。かように考えますと、この法案を実施した場合、だれがその不正を摘発するのかということになれば、私はやはり会計検査院というものが多年の熟練、勘を持った会計検査院の検査官のみが私は有効適切なこういう摘発をし得るのではないかと思うのであります。たとえば私どもが参考人として呼びました山口県における油谷町の例の沈没船、偽わりの沈没船をもって補助金をとろうとしてみつかったという事件がございます。これは普通の内部監査で、たしか農林省だったと思いますが、内部監査で、今の制度ではわからない。非常に勘の強い会計検査院の検査官が参りまして調べて発見した。こういうようなことになりますと、私はおそらくこの法律の実績をあげるためには、会計検査院というものをもっと活動しやすいようにしなくちゃならない。国の会計職員に対しましては会計検査院法第三十三条によって、検査官が摘発し、検察庁に送付することができる。しかし地方公共団体に対しましては、行政監察も一つの大きな機能でございますけれども、会計検査官というものが国の最も適正公平に摘発し得る唯一の機関ではないかと思う。こういう点から考えまして、かりにこれが法律化、法制化しまして、これを実施する場合に、過去の経験からみても、会計検査院の機能を拡充強化する。私ども参議院の決算委員会におきましては、前々国会におきまして、かような見地から、こういう法律がまだ出ませんものですから、会計検査院の機能を拡充強化すべしという決議が決算委員会並びに本会議を通過いたしておるようなわけであります。その結果とも申しませんが、今回会計検査院法の一部改正が出まして、一局増設いたして六十名の人員をふやすということになっております。かようなまことに望ましい法律が出て、実際これを効果あらしめるためには、やはり会計検査院というものをよりよくもっと拡充強化する必要がある、私はかように考えるのでありますが、もしそういうことになった場合には、今年度にこれがさっそく実施されることになれば、大蔵省としては、今回の会計検査院法の一部改正法による一局の六十名のスタッフを増加するには二千三百万円の金が要るのであります。八ヵ月分に勘定いたしまして……。そういたしますと、この法律をもっと完璧にやりたいためには、たとえば人員はそう早急にふやせませんけれども、たとえば百二十名ふやすというようなことになった場合には、大蔵大臣としては、これに伴う予算を補正予算を出してでもやらせるというような私は意気ごみが当然なくちゃならぬ。ことに主計局長あたりとしては、実際問題としてこの点まで考えなければ、こういう法律を出しただけでは決して不正防止はできないと思うのです。この点に関しての大蔵大臣の腹がまえというものを一つこの委員会にお示し願いたい。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 会計検査院の増強につきましては、同じような考えをもちまして、先ほどお話がありましたように、三十年度では六十人増員をする、調査出張その他の関係の予算もふやしてあるわけであります。来年度予算編成に当りまして、特に御趣旨もありますので、考えることにいたしたいと思います。

山本米治自由党

○委員長代理(山本米治君) ちょっと申し上げますが、簡単にお願いします。

青柳秀夫自由党

○青柳秀夫君 簡単に御質問申し上げますが、この法律によりまして補助金等を不正に受けるものの適正は期し得ると思うのでありますが、大体補助金等を不正に受け取るというのには、申請者も不正であることはもちろんでありますが、これを渡す国の方がしっかりしていればそういう問題は起らないと思うのです。この法律ではその受け取る方に対する措置はできておると思うのでありますが、それを渡す国の方の側に対しては法律で一体規定があるのか、あるいはこの法律には載せないで、他の措置で何か取り締るといいますか、監督するのか、その点を伺いたいのであります。なお補足してちょっと申し上げますが、と申しますのは、詐欺罪というようなものがこの間成立するかどうかという問題になれば、欺罔しなければならぬ。欺罔というのは相手方を錯誤に陥らしめる。ところが相手方と申しますのは官庁の方でありまして、官庁の方がその事情を知っておる。知っておる場合には錯誤に陥るのではないのです。詐欺罪にもならぬ。しかしそういうことによって金が不正に出てゆくということになれば、事情を知っていて、それを認定して査定をして金を出すというような役所側の方の人というものは、きわめてまずい立場にあるのでありますが、そういうような場合において、何かこの法律自体で措置がとってあるか。あるいは、これでとってなければ、他に相当な措置をとる何かがあるか。そこを伺いたいのであります。

村上孝太郎大蔵省主計局法規課長

○政府委員(村上孝太郎君) ただいまの問題は、やや技術的でありますので、私から答弁させていただきたいと思いますが、先ほども補足説明でちょっと申し上げましたように、この法律案の、いわば半ばを占めております取締り法規の中には、受領者に対する取締り規定と同時に、交付する者に対しましてもある程度の規定が置いてございます。それは、たとえば原則的な訓示規定として、このパブリック・ファンドである補助金の交付におきましては、公正かつ効率的に使用しなければならぬ、あるいは法律案の二十四条で、不当に遅延あるいは不当に干渉してはならぬということが書いてあります。ただいまの御質問は、おそらく刑事罰等におきまして交付する側に対する制裁的な規定があまりはっきりしておらぬのではないかというふうな御質問ではなかろうかと存じますが、交付する者に対しましては、われわれは、現在ございますいろいろな法規、たとえば刑法百九十三条の職権乱用とか、あるいは公務員法の八十三条等の懲戒処分、これらの規定が、先ほど申し上げました関係者の責務に関するこの法律の訓示規定と相関連いたしまして、十分に働き得るのではないかと考えております。それから、さらにこの交付の際に、いろいろ額の算定その他についてよく調査をしなければならぬというふうなことが書いてございますので、この法律通りに金額の算定の適正であるかどうかをよく計算しないと、予算執行職員等の責任に関する法律という法律がまたございまして、これにもかかってくることになろうかと思うのでございます。ただ最後の御指摘の二十九条の「偽りその他不正の手段」という場合に、事情を知っている交付者側はどうなるかというふうな問題になるわけでございますが、これは刑事局の方がきておられますので、その方から正確にお答えしていただく方がいいのかと思いますが、われわれの考えでは、これは共犯になりますかどうか、そういう問題もございましょうし、さらにその交付者の条件によりましては背任というような現在の刑法の規定も適用になるか、こういうふうに考えております。

井本臺吉法務省刑事局長

○政府委員(井本臺吉君) この法律案の第二十九条の相手方でありまする公務員の方はどうなるかというような問題になると思いますが、一説によれば、この不正の補助金の交付をした者も共犯ではないかという説も一応ありますが、これは従来の経済統制法規における処罰規定が売りと買いとが別々に規定されており、あるいは金融緊急措置令においても、金を交付した者を処罰し、受け取った者とは区別して処罰規定のできておるような関係では、共犯として扱うことは少しく困難ではないかと考えますが、われわれといたしましては、事情を知って不正に補助金を交付したという場合には、刑法の背任罪もしくは業務上横領罪などの成立する場合が相当多いと考える次第であります。

山本米治自由党

○委員長代理(山本米治君) ちょっと皆さんにお願いいたしますが、大蔵大臣はさっきから急いでおられますから、大蔵大臣の質問を先にしていただきたい。もう大蔵大臣退席されて差しつかえございませんか——では大蔵大臣どうぞ。

天田勝正日本社会党(第二控室・右)

○天田勝正君 今、青柳さんからの質問がありましたが、実はこの法律案が新聞に報ぜられますと、数日前でありましたか、本院の大蔵委員会に提案される前日だとたしか記憶いたしておりますが、その新聞によれば、建設省、農林省等の見解、これはどなたが語ったかわかりません。ただそう新聞に書いてあるだけですが、それによると、補助金等を受ける側の罰則のみが規定されて、自分たちの方が何ら規定を受けておらない、何となしに面はゆいということが書いてあったわけです。これに、この法律にまっこうから反対であるという、そういう表現は私の記憶にはなかったのでありますけれども、何となしに平等の原則からも相反する、こういうことがむしろ役所側にちゅうちょがあり、そのために、この法律は鳩山内閣が当初から出すであろうとうわさされたのが、むしろ延長国会になって出されてきた、こういうことば、基本的に役所の中に、何となしに、要するに不安というか、それに基いた反対というか、そういうものがあったやに私どもは想像いたしておるわけでありますが、新聞等に出たことでありますから、おそらく関係当局は御承知でございましょうが、今日これまで遅れてきたのは、かかってその罰則の適用等の問題にあると思いますけれども、それらの経緯を御承知ならば明らかにしていただきたいと思います。

森永貞一郎大蔵省主計局長

○政府委員(森永貞一郎君) この法案の提出が非常に遅れましたのでありますが、遅れました事情を申し上げますと、これは予算の執行の適正化を期する意味での重要法案であることはもちろんでございますが、直接本年度の予算に関係していなかったというようなことから、提出の準備ないしは各省との話合いが若干あと回しになったのは事実でございます。しかし私どもといたしましては、延長国会にならない前の、六月中旬にこれを、次官会議、閣議に提出をいたしまして御審議を願ったのでございますが、その間、この前の決算委員会におきましても、たしか御質問がございましてお答えがあったかと存じまするが、法文の内容につきまして、主として罰則の問題につきまして、各省間の意見がなかなか調整できませんで、提出が遅れたのが事実であります。しかしただいまお話しがございましたように、建設省、農林省当局が面はゆいような感じでちゅうちょした、そういった点につきましては、私ども各省間の交渉におきましては、そういうお話しは一度も承わったことがございませんということを申し上げておきたいと思います。

天田勝正日本社会党(第二控室・右)

○天田勝正君 今、刑事局長並びに法規課長の御説明を伺いましたけれども、その答弁を聞くと、やはり私は、正式な各省間の打合せにおいては、何となしにきまりが悪いなあという話は出なかったかもしれませんけれども、実際においては、やはりさようなことであろうと思うのです。なぜかといえば、まあ法規課長が大へん訓示規定等をあげられて、交付する側の国家公務員にも同様に罰則があるのであるということを強調されたのでありますけれども、問題は、刑事罰を受けるという事態は、当然訓示的なものをじゅうりんしたところに起きてくるのであるし、元来罰則の問題を除くならば、この法案は、ずっと通覧して、当然国民の立場から言うならば、常識的なこれらのことはすでに守っておられなければならない事柄です。それを守ってこなかった、必ずしも悪意ばかりではなかったかもしれませんが、とにかく守ってこなかったことで、こういう新しい法律を作るに至ったのでございましょうから、私は、かかってこれを防止するために、やはり直ちに刑事罰を適用しないといたしましても、かかる罪にかかるぞという、これも大きな訓示になりましょう。こういうことで、不正な補助金等の使用を防止しよう、こういうことから国民の血税を守ろうという私は立場に立つものであろうと存ずるわけであります。どうも、この訓示規定があるとか、あるいは背任横領、こういうようなほかの法律によってなし得る道があると言われましても、私はおそらく国民の立場から見るならば、国家公務員が何か不正をやっても、ほとんどこれは辞職をすればすべてが帳消しで、しかも恩給等にはほとんど影響がない、こういうことがもう通例で、常識化されておると思うのであります。そうであるがゆえに、受ける方の側に罰則を規定するのならば、これは、やはりここで規定しなければ、どうしても片手落ちの気がいたすわけでありますけれども、しかも他の法律でやるといっても、それについては、どうも法規課長の答弁では自信がないような答弁であるし、刑事局長の答弁を聞けば、別に規定を受けているのだから、どうも共犯というようなこともいかがかと、こういうことで、結局は、この国の公務員の方の側の不正があった場合には、実際問題として罰則はなきにひとしい、こういうふうに考えられるわけでありますが、その点は明確に、これこれの法律によってどういう処断ができるのか、こういうことをお示し願えますか。

村上孝太郎大蔵省主計局法規課長

○政府委員(村上孝太郎君) まず私の方から答弁さしていただきますが、まあ、面はゆい感じの官吏がおるということは、私は全然聞いておりませんが、もしおるとしますと、それは、すねにきずのある連中かと思っております。われわれがこの適正化法によって、いかにして補助金の執行をうまくやるかということを考えましたときには、一体どういうふうな動機から、どういう経済原則をたどって補助金がこうも放漫に流れるかということを考えたわけでございますが、この場合に、補助金によって最も利得を受けるものは、最も補助金をうまくとると言いますか、補助金放漫の原因になりますような、原因と言いますか、その条件を作るのじゃなかろうか、まあ、こう考えますと、まず補助金で一番利益を受けますのは、補助金を受領する補助事業者あるいは間接補助事業者でございまして、その交付する官吏が、ある地方に非常にたくさん補助金をやりたがるということは、まあ、いろいろ不正な場合を考えれば別でございますが、そうでない限り、まあ、一般の職務熱心ということからくるのじゃなかろうか。職務熱心といたしましても、現在のところ、こうした補助金というものは、嫁一人に婿何人という状態でございますから、そうしたいろいろな事情からしますれば、やはり全部の均衡を見て厳格に査定せざるを得なくなるはずのものでありますので、われわれは、こういうふうな経緯から考えますと、やはり一番利益を受ける方に、補助金放漫の条件と言いますか、原因と言いますか、そういうものを招来する、まあ、動機があるんじゃなかろうかと、こういうことから考えて、この適正化法が昨年来できましたときにその刑事罰その他の構想というものは、まあ、こうした点から最も適正化のガンになっておりますところを端的に突くのはじうだろうかということから考えて、こうした刑事罰の規定ができたわけでございます。ただ、この補助金の執行と申しますものにつきましては、そうした偽わりその他不正の手段まで至らなくても、やはり国家資金の効率的な使用という面から申しますと、念には念を入れて、その資金源は国民の税金だという精神に徹して考えねばならんということから、ただいま申し上げましたような訓示規定が、交付する各省各庁の側の方にも規定されておる、まあ、こういうことでございます。先ほど自信がないようだと言われましたけれども、われわれとしましては、こうした、はっきり補助金の交付に当っては適正公正にやらねばならんという規定ができること自体、非常に画期的なんでありまして、そうしたこの規定に違反するということによって、懲戒とか、あるいは職権乱用とか、あるいは予責法におきまする罰則というようなものが適用になるということになりますれば、現在の交付する側に対する制裁規定としても非常に強力なものではなかろうか、まあこういうふうに考えているわけでございますが、さらに二十九条の問題については刑事局長の方から御説明いたします。

井本臺吉法務省刑事局長

○政府委員(井本臺吉君) 二十九条の条文のことでございますが、偽りの手段によって補助金の交付を受けたということでございますれば、これは詐欺罪の特別犯であるというふうに私は考えております。ただし相手がその偽わりを知っている、偽りと言いますか、不正な手段を知っているというような場合には、詐欺として扱いますのにいろいろな問題がありますので、「その他不正の手段により」という条文が出て来たと思うのでございます。かような場合におきまして、結局相手方でありまする公務員の方がどうなるかというふうな問題でございますけれども、詐欺罪の被害者というような立場におきましては、これはまあ行政措置の不当であったということにつきましてはあるいは責めらるべき点があったかもしれませんけれども、その不正の方法につきまして、一応知っておらなければこれは犯罪として扱うわけには参りませんが、一応知っておったという場合には、これは先ほど申し上げましたような、刑法の背任罪もしくは業務上横領罪が成立することが当然あり得ると私は考えるのでございます。ただし二十九条の共犯であるかどうか、そうした点につきましては、先ほども申し上げましたように、いろいろの説がありまして、これはまあ従来の判例に徴してきめるよりほかいたし方がありませんが、われわれが今まで扱いました判例の経過等に徴しますると、不正の補助金の交付を受けたものを共犯として扱いますのは多少無理があるのではないかというふうに考えております。

山本米治自由党

○委員長代理(山本米治君) 皆さんに申し上げます。本日この委員会が済んだあとで、決算委員会の方ではもう一ペん連合審査をやるかどうかということを御相談になるはずでございますが、今の見込みではもう一ぺんやれないかもしれないということになるかもしれないので、大蔵委員会の方はこの法案をまだ質疑をなさる機会が多分にありますので、決算委員をやっていらっしゃる方になるべく御発言を願いたいと思います。その点御了承願います。

天田勝正日本社会党(第二控室・右)

○天田勝正君 あとに留保しておきます。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 先ほどちょっと留保しておいたのですが、どうも公金と利金に対する考え方ですね、これが私はやはり納得ができない。それで、たとえば業務上の横領罪と普通の横領罪、業務上横領罪の最たるものは国家の公金だと思います。で、これも普通の個人の金を扱ってごまかせば五年、公金の場合、業務上の場合には十年、公金も含めて、私はこういうこの現行法の刑法の立場から見ても、当然この詐欺罪の場合はこれが逆になってきたわけですからね、これは公金というものに対する一つのいましめであるべき法律において、はなはだ不適切な罰則のきめ方である、こういう感じがするのです。法務当局の説明では、とてもこれは納得ができない。ただいま天田さんの質問に刑事局長が答えているときに、こういうことも言っておりましたね、共謀ではないが相手方の官吏だけが知っておった、知っていて、そうして、そういう市町村なら市町村がごまかしにきていることを知っていて、そうして渡したという場合には業務上横領になるかもしれない、そういう場合があり得ると思います。背任または業務上横領……。ところがその人は、これは刑法上十年でしょう、刑罰規定が……。これはただじっと黙って知っておるやつなんです。こっちの方は積極的にやっておるやつなんです。じっと知っておって、そこを注意しないというだけなんだな。そいつが十年で、こっちの積極的にごまかしを考えたやつが五年、これはどこから見ても、つり合いがとれないですよ。だから私は、ともかくやはり罰則をつける以上は、その罰則のつけ方によって、つまり一般的な評価が違ってくるのだから、個人の場合にはどう、公けの場合にはどうという、その国家のこれに対する考え方の表われがそこに出てくる。もちろん事情やむを得ずしてごまかしたという人が出てくれば、それはもちろん裁判所は事情をくんで執行猶予にする場合もあるだろうし、刑を下げる場合もある。それは、そこにまかしたらいいので、やはり規定そのものは、山田さんも先ほどほかの例も引かれておっしゃったが、これはどうしても納得がゆかない。この点、今の業務上横領などの規定と比較しても、これはどういうふうに刑事局長お考えですか。本心は実際は十年でなければならんというふうに、あなたたちは考えておったはずなんだがね。どうなんです。

井本臺吉法務省刑事局長

○政府委員(井本臺吉君) 背任罪は御承知の通り二百四十七条でこれは五年になっております。横領罪も単純横領であればこれは五年でございますから、今の業務上横領という点になりますと十年になりますので、少しく最高刑が軽くなったような感じはいたしますが、これまた先ほど大臣が答弁しておりましたように、元来かような国家の一つの行政権に対する侵害であるというような考え方で、税法上の詐欺その他の不正の手段による税金を免れたとか、税金の過分の払い戻しを受けたというようなものは、大体三年以下の懲役ということになっております。酒税法は多少高くなっておりますが、そでも五年以下となっております。さような点を加味いたしますと、これは五年では軽いというような感じを持たれるかもしれませんけれども、税法などの事件とにらみ合せて、まあ、このくらいでひどく軽いというのではない、これならばがまんできるのではないかというわれわれの考え方でございます。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 それから、この罰則規定の中に、一番重要な二十九条に罰金刑を同時に書いてこられたわけですね。罰金刑が入っておる。今までお聞きしておるような法務当局の考え方でありますと、結局この罰金刑の方にみな逃げてしまうのではないか。そういうことになれば、少々ごまかしても、結局幾らかそれに相当する金を出せばいいのだというふうな考え方にこれはなってしまうと思う。だから、こういう罰金刑なんかは取ってしまった方がいいようにも考えるのですがね、そういう面から考えると……。その点はどう考えるのです。

井本臺吉法務省刑事局長

○政府委員(井本臺吉君) 背任罪にも御承知の通り罰金の規定が付いております。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 詐欺罪の場合にはないでしょう。

井本臺吉法務省刑事局長

○政府委員(井本臺吉君) 詐欺、業務上横領罪にはないのでございますが背任罪にはついております。先ほど申し上げましたように、税法関係では全部罰金がついております。また今度の法案でも並科することができるということの規定がありまして、必ずしもお説のように全部が罰金に行ってしまうということはないので、やはり情の重いものは相当に処分されるのではないかと私どもは考えております。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 主計局長に一つこれは要求しておきますが、先ほどから、地方財政等が非常に圧迫されており、そういう面で無理がきておることは、これは事実なんです。私どもは、この法案を支持すると同時に、その面に対してはこれは私も重ねて要求しておきます。第一、陳情にわんさわんさ来なければ大蔵省が金を出さぬ、こういう非科学的なことは、本当にこれはやめてもらいたいのです。そんなことをしなくたって大体ずっと筋が通っておるということなら、もう電話一本ででも、さっと筋の通るものはやっていく、私が最初に何か考えているかと言ったのは、そういう面についての科学化を考えているんです。それがないと、これは非常に圧迫する法律になりますからね。だから、その点は一つ大蔵省で十分やはり、おざなりの研究じゃなしに、やはり徹底的な検討をやって、そうして一つ合理化してもらいたいと思います。

森永貞一郎大蔵省主計局長

○政府委員(森永貞一郎君) ただいまの御意見まことにごもっともでございまして、私どもも陳情には実はもう閉口しておるのでございます。私ども行政の運用に当りましては、陳情が来たからといって、まげて補助金をつけるといったようなことは、やっていないつもりでございますが、なお御指摘の点は私ども全然同感でございますから、将来もそういった方向で陳情をしなくても済むような行政に逐次近づけて参るように、今後も一そう努力をするつもりでおります。

青柳秀夫自由党

○青柳秀夫君 この補助金の問題につきまして、ある一つの補助金で不正があったという場合には、相手が村の場合等においては、総合的に考えて、その村に対する補助はできるだけ厳格にやった方がいいのだと思うのでありますが、そういうことに関連して、自治庁で地方自治体に対して相当強い総合的の指導監督権をお持ちかと思って、私、この前、川島長官にお伺いしたところがほとんど無力で何にもないのだというような御答弁がございましたが、政務次官に重ねてお伺いするのでありますけれども、その点がどういうふうになっておるか。それで、もし、その点について大蔵省の方で、自治庁の方が何もない、非常に弱いものだという場合においては、私はこれは地方自治体の本質論でありますけれども、本当の地方自治体である、アメリカ等におけるように、財政等が全然国なり国家なりの援助がなしに自まかないてやっておるという場合には、完全な自治体だから、そういうところにむりやり干渉することはいけないと思いますけれども、現在の自治体というものは財政等においても非常に国に依存しておる。ほとんど国に依存しておる傾向が多い。その場合に、本質的に自治体は干渉してはいけないのだからといって、じっとしているというのでは、何にも私はできないと思います。干渉は好ましくありませんけれども、実質がそういうふうに国に依存しておる場合は、国でも適当な指導監督といいますか、総合的に考えておやりになることが必要じゃないか、こう思いますので、その点の御意見を御両者から伺いたいと思います。

永田亮一日本民主党自治政務次官

○政府委員(永田亮一君) ただいまの青柳先生の御質問であります。それから今までの先生の御質問を承わっておりまして、大へん自治庁、自治団体に対してあたたかいお気持をお述べいただきまして、感謝をいたしておるわけであります。今の青柳先生の、自治庁が地方に対して指揮監督という権限があるかという御質問でございますが、実は今の法制上におきましてはございません。ただ単に指導、助言をいたす程度でありまして、地方自治体といたしましては国に依存しておる部分が非常に多いのであります。従いまして、ただいま議題になっておりますこの法案は、補助金を厳正にやるということについては、自治庁といたしましても全面的に賛意を表するものでございます。ただこの場合に、先ほど岡先生その他皆さんからも御質問がございましたが、十分に地方に財源をやっておらないではないか、片手落ちではないかという地方団体に対して御同情のあるお言葉がございました。私どもも、なるべくこの法案が補助行政の合理化ということが並行的に行われまして、補助金の問題、単価の問題、それから認証額の問題等も合理的に同時に並行的に行われるようにお願いをいたしておる次第でございます。

森永貞一郎大蔵省主計局長

○政府委員(森永貞一郎君) ただいまの青柳委員の御質問でございますが、たとえば、ある村なら村で補助金について何か不正があったような場合、その村に対する自後の補助金の関係において、たとえば補助金を交付することを停止するというようなことをやるというようなことも考えておるかどうか、そういう御質問のように承わりましたのでございますが、いやしくも不正不当がございました場合に、補助金の運用に当りまして、そういう団体に対しましては必然的に警戒的に臨まなくちゃならぬことは、これは当然であると存じますが、法律上の制度といたしましては、この提案いたしております法案の第二十条にございまするように、補助金につきまして不正不当なる行為があって、その補助金の返還を命ぜられたような場合、その場合には、補助金、加算金、延滞金等を含めまして全部または一部の納付がない場合には、自後そのものに対しまして、同種の事務または事業についての補助金の交付を一時停止する、あるいはまた今後補助すべき補助金と返すべきものとを相殺することができるというような規定を設けておるわけでございまして、不十分とも存じまするが、法律的な制度としてはこの程度かと存じまして、そういう規定が挿入せられておるわけでございます。

山本米治自由党

○委員長代理(山本米治君) 大蔵委員でない方の御質問はございませんか。  では本日はこれをもって散会いたします。    午後四時四十四分散会

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