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22回国会参議院1955/06/14

商工委員会 第17号

発言数
112
登壇者
10
会派数
5
開催日
1955/06/14

会議録

吉野信次自由党

○委員長(吉野信次君) それではこれより開会いたします。  ちょっとお諮りしておきたいと思いますが、この前いつでございましたか、銃砲刀剣類等所持取締令等の一部を改正する法律案に関係しまして、スイッチ・ナイフのことを栗山委員から緊急質問がございまして、刑事部長が来ていろいろ答弁されたわけですが、あのときはまだ法案が正式にかかっていないようでしたから、いずれそういうふうな法案が正式にかかって来た場合に、その機会にこちらの方も、連合審査を申し込みたいという意味の栗山委員からの御発言がありましたのですが、いよいよ、今私が言いました一部を改正する法律案が地方行政委員会の方にかかっておるようですから、栗山委員のお申し出によりまして、連合審査を地方行政委員会の方に申し入れをしておきたいと思いますが、いかがでございましょうか。御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

吉野信次自由党

○委員長(吉野信次君) 御異議がないと認めまして、そういうように取り計らうことにいたします。     —————————————

吉野信次自由党

○委員長(吉野信次君) きょうは最初にこの間じゅう新聞に出ておりまするガットの加入に関する協定が大体済んだようですから、そこで一応通商局の係の方から説明を一つお願いしたいと思います。

佐藤清一通商産業省通商局審議官

○説明員(佐藤清一君) 通商局の佐藤でございます。お許しを得ましてガット加入につきましてのいきさつを簡単に御説明申し上げたいと思います。ガット加入のための関税交渉は本年の二月二十一日からジュネーヴで開催いたされまして、わが国も加入のための関税交渉を行なったわけでございます。五月の二十五日に実質的に関税交渉を終了いたしました。わが国と今回の関税交渉をいたしました国は、ビルマ、カナダ、チリ、ノルウェー、パキスタン、アメリカ、インドネシア、デンマーク、ドミニカ共和国、フィンランド、ギリシャ、イタリア、ニカラガ、スエーデン、ドイツ、ペルー、ウルグヮイ、以上の十七カ国でございまして、このほかにセイロンとトルコが、関税交渉はいたしませんけれども、相互に最恵国待遇を与え合うという約束をいたしまして、都合十九カ国がわが国と交渉いたしたわけでございます。で、御承知のようにガットに加入いたしますためにはまず第一に、その前提としての関税交渉をやること、それからガット加盟国の三分の二の積極的な賛成を得るということが必要でございまして、これらの十九カ国につきましてはすでにわが国の加入に対して積極的に賛成の意思を表示したことになるわけでございます。なお、ガット加盟国の総数は三十四カ国でございますので、その三分の二を獲得いたしますということは、すなわち二十三カ国以上の積極的賛成を必要とするわけでございまして、この十九カ国のほかはなお四カ国以上の賛成を必要とするわけでございます。で、これらの意思表示はいかなる形においてなされますかと申しますと、一応わが国の加入に関する議定書というものが六月七日にジュネーヴにおきましてわが国ほか八カ国によって署名されたのでございますが、この議定書が本年一ぱい署名のために開放されております。従いましてこの議定書開放の日、すなわち六月七日から八月十一日まで約二カ月の間にガット加盟国は郵便をもってわが国の加入に対して賛否を投票いたすことになっております。で、八月十一日までに二十三カ国以上の賛成を得ましたときにはその八月十一日から一カ月後、すなわち九月十日にこのわが国加入に関する議定書が効力を発生いたしまして、わが国のガット加盟ということが九月十日に確定をいたすということになっております。ところが、わが国と関税交渉いたしません残りの国につきましては、たとえばイギリスが前々からわが国の加入に対して消極的な態度を見せておるほか、英連邦の豪州とか、フィンランドであるとか、南ア連邦とかローデシアというような国、あるいはフランスであるとか、あるいはオランダ、ベルギー、ルクセンブルグ等いわゆる欧州の若干の国、あるいはキューバ等の国々があまり積極的な賛成の態度を見せておりませんので、これらがいかなる投票をいたしますかにつきましては確言はできないのでございますが、大体各方面の情報等を総合いたしまして八月十一日までに少くとも二十三カ国以上、すなわち三分の二以上の賛成を得るということはほぼ確実であろうと思います。その場合は先ほど申し上げましたように九月の十日以降わが国はガットの正式のメンバーになりますと同時に、今回の関税交渉によりまして譲許いたしました新たな税率がとれることになります。ガット加盟国でガット規約三十五条を援用されなかった国に対して適用されるということになるわけでございます。  この三十五条の問題につきまして簡単に御説明申し上げますと、ガットに新たに加盟する国があります場合、もしこの加盟に対して反対であり、あるいは消極的な態度を持っておる国でガット規約三十五条というものを援用いたしますと、この新たに加盟する国とその三十五条を援用した国との間ではガット関係が発生しないといういわゆるエスケープ・クローズが認められておるわけでございます。で、もし、かりにある国が日本がガット加盟に対して、他の国の多数の賛成を得て、正式メンバーになった場合も、日本と正式にガット関係に入りたくないと申しますことは、日本に対してガット税率の適用をお互いにしないというような態度をとりたいというような場合には、この三十五条の援用ということをいたすわけでございます。で、これはかりに日本が三分の二以上の多数を得まして、正式メンバーになりました場合でも、三十五条の援用をする国がありますと、その国との間では、ガット関係が発生しないという関係になりますので、わが国といたしましては、極力このガット関係に立たない、つまり三十五条を援用する国の数を少くするべく、在外機関等を通じて交渉いたしまして、努力をいたしておる次第でございます。ところが実際問題といたしましては、相当数の国がこの三十五条を援用するのではないかという懸念も持たれておるのでございまして、いかなる理由で三十五条を援用するかということになりますと、はなはだ遺憾なことでございますが、従来の日本の繊維品、雑貨品の一部等に対するダンピングあるいは不正競争等が行われたと称しておる国がございまして、これらの国は、日本がガット関係に入って安い税率で物を輸出してくるというようなことになりますと、それによって不測の損害を受けるということを理由といたしまして、三十五条を援用するというようなことを言っておるのでございます。そういうような関係で、一応わが国の加盟ということは、九月の十日ごろに実現を見るのではないかと考えております。  次に、今回の交渉の内容につきまして簡単に御説明を申し上げたいと思います。私ども帰国いたしまして、一体今回の関税交渉によって、日本が損をしたのか、得をしたのかということをよく聞かれるのでございますが、これに対しましては、大体今回の交渉全般を総合いたしてみますのに、決して不利な取引ではなかったということを確信いたしております。その一つの例証になると存じますが、わが国の与えました譲許、つまり関税を引き下げるとか、あるいは据え置くとかいうのを取りまとめまして、コンセッション、すなわち譲許と申しておりますが、このわが国が与えました譲許と、外国からわが国に与えられました譲許との比較をいたしてみますと、わが国が他の交渉の相手に与えました譲許は、総数にいたしまして税番で二百四十八件、そのうち税率を引き下げました件数が七十五件、据え置きが百七十三件、これに対しまして、先方からわが国が受けました譲許の総数が二百八十八件、そのうち現実に引き下げを受けましたものが二百十五件、据え置きが七十三件ということになっております。しかも、わが国に対する最も大きい交渉相手はアメリカ合衆国でございますが、このアメリカ合衆国から受けました譲許のうち、引き下げにつきましてその総平均数を見ますと、大体約七%の税率引き下げを単純計算で受けております。それに対しまして、わが国の七十五件の引き下げにつきまして、その引き下げ率がどの程度かと申しますと、大体五%以下で済みました件数が五十六件ございます。引き下げの数から申しましても、引き下げの率から申しましても、はるかにわが国は少いという結果になっておりますが、そのほかに、一番大きな交渉相手であるアメリカ合衆国あるいはカナダ等につきましては、先方が全く自由貿易をとっておる国でございまして、わが国のごとく為替の制限等はいたしておりませんので、この輸出が伸びるかどうかの最大のキイ・ポイントは関税であるということになっておりまして、関税が下れば、すなわち即日からその効果として輸出が伸びるということは大体間違いのないところであろうと思います。それに対しまして、わが国といたしましては、現在まだ為替事情等、国際収支の状況からいたしまして、輸入の為替制限をやっております。輸入のコントロールをいたしておりますので、たとえ関税の引き下げがありましても、即日これが輸入の増加となって現われてくるということはまず当分ないだろうというようなことでございます。大体その面からいたしましても、一部心配されるような関税の譲許によって、外国の品物が大量に輸入されて、わが国の産業を危殆に陥れるというようなこともまずないのではないかと考えております。  なお、わが国が外国から獲得いたしました譲許につきまして、若干の品目を申し上げますと、関税交渉をいたしましたプリンシプルといたしまして、できるだけわが国の国産品で、しかも輸出の増加の期待されるものというものに対して、集中的に相手方の譲許を求めたのでございます。その若干の品目につきまして申し上げますならば、たとえばアメリカ合衆国に対しましては、マグロの輸出が一九五三年の数字で申しますと、二千六百万ドルあったのでございまして、これが対米輸出の約一割を占めております最も大きな輸出品目でございます。これに対しましては、ビンチョウマグロの、冷凍マグロにつきまして無税の据え置き、現行無税でございます。これを無税で据え置きをするという約束を得ましたほかに、油漬けのマグロカン詰につきましては、現行の四五%を三五%に下げ、それから塩水漬けのマグロカン詰につきましては、現行固定税率二五%で、現在アイスランドに対して一二・五%の協定税率を与えておりますのを、日本からの輸出の一定数、一定数と申しますのは、前年度の米国生産の二〇%に相当する数まで、一二・五%の据え置きを約束する、こういうような状況であります。このマグロにつきましては、アメリカ国内におきましても、日本のマグロの輸出に対して相当脅威であるというので、関税の引き下げ等はとても問題にならず、むしろ関税の引き上げをしなければならぬというような世論も非常に強かったわけでございまして、私どもこの点は非常に心配しておったのでございますが、アメリカといたしましては、今回の関税を有意義に終らせるためには、どうしても日本として最も関心を持っておるマグロについて、相当実質的な譲許をしなければおさまらないというので、行政部の非常な努力によりまして、このような結果を持ってきたわけでございます。もちろん、わが国といたしましては、ことに塩水漬けにつきまして、若干のタリフ・クォータをつけておるというようなことはまだ不満であるというので、相当これの拡張を要求したのでございますが、まあ全般の情勢から見まして、この程度の譲許を得たということは、まずまず成功ではなかったかと存じております。そのほかに、たとえばグルタミン酸ソーダ、これはいわゆる味の素でございますが、この輸出は七十万ドルございますので、これに対しまして、現行の二五%を二〇%に下げる。それから寒天等につきましても、二五%を一五%に下げる。それから陶磁器でございますが、これは総額一千二百ドルという、カン詰に次ぐ大きな輸出品でございますので、これが従来、欧州等に対しては相当な譲許をされておりまして、日本から出る、つまり日本相手と申しておりますが、日本から主として出るような、比較的安い陶磁器については、高い関税のまま残っておったのでございますが、これを今回の関税交渉によりまして、ヨーロッパ諸国に与えたと同じ比率で、日本から出る陶磁器にも、関税の引き下げを実施した。これは、陶磁器につきましても、御承知のように、米国内の世論は相当強硬な態度を示しておるのでございます。これもまずまず予想程度の譲許を得たと考えております。なお、そのほかに、日本の特産品とも称して差しつかえない光学機械類、あるいは竹製品、あるいは綿糸布につきましても、これもただいまの陶磁器と同じような譲許で、日本関係の、いわゆいるはずであります。でありますから外貨割当につきましても、これは非常に大きな権利であるということについて、この権利を政府が持っているのであるから——それは私は口はきたないですけれども、大臣の管轄の通産省の通商局へ行ってごらんなさい、まるであれはやみ市みたいじゃありませんか。これはここに局長なんかおられるけれども、局長やなんかは迷惑をしておられるでしょう。とにかく押すな押すなの騒ぎです。あの形をもっとはっきりしたものにしてもらいたい。委員長はかつての通産省の大先輩であるが、今通産省に行かれるかしりませんが、ああいう姿がかつての通産省にございましたか。情ないじゃありませんか。これは制度の欠陥です。行く方より制度そのものが悪いので、政治家の責任だと思います。これについては非常に具体的にここにどうするという御回答を求めようとは思いませんが、私はこれについて大臣のお考えは聞いておかなければならん。これは速急にやらなければならない。これについて大臣に特に御考慮を願いたい。委員長からも昔の通産省と今の通産省と比較してどう違うか、委員長の発言が多くても差しつかえありませんから、委員長発言して下さい。

吉野信次自由党

○委員長(吉野信次君) それは、今お話の通り私の役所におった時代にはそういうものは全然なかった。多分なんでしょう、これは戦時のいわゆる統制というものの余波があってきているのだろうと思いますが、私も個人的には外貨の割当などについて、あの外貨割当をどうするのかということは、非常な重要な、産業政策を左右するものなんですね、それを一体閣僚審議会か何かあるようですが、国会というものの権限というものに何らの関係なしにああいうことをぽかぽかやるということが、いいか悪いか。とにかくプリオリテーというものをある特殊の産業に与えるわけですから、もしこれをアメリカ流の議会の観念からいえば、議会の委任がなければやっちゃいけないのだというくらいの重要な問題だと、私個人は考えているわけであります。しかし、戦争後の状態を見ておりますと、そういうことが一つもやられない。実は河野さんもそうで、私自身も、用もないものを、たとえば日本の産業の現状からいえば、その設備は一つだけ入れれば国内の需給の関係からたくさんだというものに対して、運動があればその大切な外貨を二つも三つもやっており、生産過剰に苦しんでいるというような実例も私は寡聞でありますけれども、一、二知っているのであって、実は私はこの間から高碕さんの六カ年計画云々を聞いているのですけれども、あそこで御承知の通りどういう道具立てであの計画をやっていくのかということを質問しているのですが、もし、ほんとうにやるのなら外貨の割当についても政府の六カ年計画に沿うたようなことをやらなければならん。それは今の機構ではできないのであって、どういうふうな法的な措置をとるかとかなんとかいうことが必要であろうというふうに実は考えているわけであります。今せっかく河野委員から、私に対して何といいますか、お言葉がありましたから、委員長としてはあるいは適切でない発言かもしれませんけれども、まあ、感想だけを一つこの程度に述べておきます。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 私は委員長に質問したのじゃなくて、この際、私程度でもこのくらいの考えを持っているのだから、もっとそれに肉をつけて委員長からこの際大臣に根本的な問題に入って質問をしていただきたい、それを私は参考にここで聞かしてもらいたかった、こういう希望だったのですよ。今たまたまこの過剰設備になるような物資までも輸入する云々というお話がありましたが、それは石橋通産大臣もお聞きになっているわけであります。この問題は、私、実例をかつて国会で追及したことがある。現在名古屋精糖の神戸工場というのがある、これはたしかアメリカから入れた機械です。しかも製糖設備というものは、今、国内の需要量九十万トンないし百万トンに対して二百五十万トンぐらいの公称設備能力がある。すでにその面に持っていって名古屋精糖の神戸工場を新設するために、アメリカから機械を輸入した、それに対して無税の措置をとっている。それによって税金にして私が聞いたときには七千万円とか、八千万円とかいうむちゃなことをしている。これは通産大臣も御承知だ。これは一つの名古屋精糖の例ですが、今の日本の産業は何でも過剰設備になりつつある。外貨の割当については十分引き締めなければならないのじゃないかというふうに思う。しつこいようですが、私は委員長に御質問申し上げたのではなくて、委員長はだいぶこのごろ委員長の発言が多いというので御遠慮されているようですが、あなたが発言されることは何でもない。特に通帳行政の権威者でありますから、私は委員長に全員を代表して質問していただきたい。

吉野信次自由党

○委員長(吉野信次君) お聞きの通りですから、大臣も一つよく御善処あらんことを希望いたします。

白川一雄日本民主党

○白川一雄君 ガット加入の説明を聞きまして、日本の輸出はだんだん伸びるだろうという希望の点を承わって喜ぶのですが、同時にわれわれ一つ不安を持つのであります。この点に関して政府の方のお教えを伺いたいと思うのです。と申しますのは、先ほど大臣からもお話があったように、プラント輸出に対して砂糖輸入をし、その利益で輸出の困難をカバーしていくというような事柄が、ガットに入った関係上やはり当然の義務として制約を受けるだろうと思います。そうしますと、今日日本の産業態勢というものがまだ十分整っていない形において、いいものを安く売るという腕づくの市場において競争しなければならんということになりますと、現在の状態では非常な困難にむしろ追い込まれる面があるのじゃないかという点が非常に不安に思っている点なんであります。その点に関しての御意見も一つ承わりたいと思います。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) この砂糖のリンク制みたようなことは、必ずしもガットに加入するしないにかかわらず、やはりなかなかいろいろの非難がありますし、長く続けることは困難であろうと思います。今度のガットに加入しましても、たとえばこの輸入に対する数量の制限というようなものはまだ残されている、だんだん撤廃はしなければならんと思っておりますが、残されております。そう急激な変化があろうとも思わないのであります。ですから、むしろ御心配のような点がありますから、これは日本の産業自体が非常に弱い、価格が高過ぎるという点がありますから、これは将来を考えますと、やはりこの際努力して、産業の基盤を強くし、あるいは価格の引き下げに努力することが必要なんでありますから、ガットに加入ができれば加入をした方が、まあ差し引き多少の困難がありましても、やはり日本のために利益だろう、こう考えておるわけであります。むろん今のままでの産業状態で安心とは申せませんから、その点特にガットに加入した機会において一段と努力する必要が政府においても、当業者においてもあると存じます。

白川一雄日本民主党

○白川一雄君 たとえば鉄を見ましても、基本産業の大きな金額の輸出品を見ましても、現在のままでは、裸のままでは、とうてい海外で外国品と競争できない状態なので、やはり輸出を伸ばすとすれば、国内のこれの援助方法等をやらなければならないことになってくるだろうと思う。ガットに入ったために、もちろんガットに入ることはけっこうなんでございますが、けっこうな反面に、本腰で生産態勢を整備するということの非常に切実なものが迫って来たような感じがいたしますので、特に不安となってくるのでお尋ねいたすような次第であります。今後補助とか、そういうことで輸出を振興するということが、ガットに入ったためにいろいろな制約を受けて義務的にそういうことができないというようなことが生じた場合に、その結果として輸出不振ということが起ってきやせんかという点が非常に心配な点でございます。糖を輸入する者が、そのまま輸入して内地に持って参りますと、大変な利益があるという現象を生ずる。これは砂糖ばかりではございません、バナナなどにも同様な現象を生ずるのでございますが、そういう不当な利益をそのまま放任しておくことはおもしろくないし、また前のリンク制をやった関連もありますから、この際リンク制をやめると同時に、砂糖の輸入について、少し過当と思われる利益を国庫に吸収するのが適当であろうというので、かねがね通産省でそういう問題を研究しておりました。ところが砂糖はまた農林省とも関係がございますので、価格安定とあわせて、農林省と共管で砂糖の特別の立法をして、そうして利益は国庫へ適当な方法で吸収するということにいたすのがしかるべきであるということで法案を作ったわけであります。  内容のこまかい詳しいことは、通商局長がおりますから、政府委員から御説明をいたしますが、大体の趣旨はさようなわけで、砂糖、それから砂糖以外のバナナあるいはパイナップルのカン詰というようなものについても、同様の趣旨で特殊物資輸入についての法案を提出したわけであります。どらか御了承を願いたいと思います。説明を政府委員からいたさせたいと思います。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 幸い大臣が御多忙のところお見えになりましたから、砂糖やバナナの問題の審議は別にさしていただきますが、この機会に政府の基本的な態度を伺いたいのですが、バナナや砂糖の問題はとりあえず二種目を取り上げたのであって、これに類するものにつきましては、順次何らかの方途によって、過当な利益をおさめておるものに対しての法制的な措置を順次とるというふうに政府の態度を伺ってよろしいのでしょうか。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) さようなことを考えておる次第でございます。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 そういたしますと、続いてすぐ考えられますのは、石油の問題であるとか、小さくはノリの問題であるとか、あらゆる輸入物資で十分に外貨割当をしておるものは何にもない。輸入物資は国内の事情からいえばすべて不足物資である。従って輸入物資については、すべて極端にいえば大小の別なく、末端のこまかいことをいえば朝鮮のノリの輸入に至るまで、これらの弊害というものは伴っているわけです。これらのものを全部時期を得て今回の砂糖やバナナと同じような措置をとる、これが政府の基本的な態度である、こういうふうに了承していいですか。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) 朝鮮のノリなどは問題にはしているのでありますが、それが御承知のように、問題はなかなか複雑しておりますけれども、小さいものですから、そこでまだ取り上げておりません。それから石油の方は、これは実は私もよく存じないのでありますが、輸入価格も大体国際価格であります。従って販売価格と輸入価格との間に、非常に砂糖やバナナのような差があるようには今見ておらないのであります。そんなことで、今まで石油の問題には実はまだ触れておりません。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 砂糖やバナナほど石油には値段の開きがございませんけれども、やはり何と言っても根本的には不足物資でありますから、相当国内の流通過程において、不自然な形が現に残っております。具体的に申すならば、国内の油関係の製油業者から卸業、小売業にわたっての利益の分配というものは、ほとんど製油業者が大部分取ってしまっている、外貨割当をもらったその人自体が大部分の利益を壟断している。こういう形になっていることは、これは程度の差は多少ありますけれども、砂糖やバナナと何ら変りはないと思う。これはたとえば今ノリの話が出ましたが、ノリあたりは多少高くなっても安くなっても、国民経済というものには大して影響ありません。ありませんけれども、こういう輸入物資をめぐって、いわゆる政商というものがばっこする、これは政界の粛正という方から見て参りますれば、国民から見て一番いやらしい問題である。むしろ国民生活に及ぼす影響、台所に及ぼす影響いかんということより、もっと私は大きい観点から、これらの物資については適当な措置をとるべきものである、かように思います。私はバナナや砂糖だけ取り上げられて、ほかの物資が取り上げられないことはむしろおかしいと思いますが、どうなんです。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) 河野さんのお話のようになりますと、ずいぶんそういうものはたくさん現われてくるわけでありますが、御意見を承わりましてなお研究いたしますが、これまでそういう計画はいたしておりませんです。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 実は先日高碕長官がおいでになったとき、私はこういうお尋ねをしたのです。外貨割当に伴う物資、または国内においては政府資金を貸し出している物資、もしくは補助金を出している物資、これらのものはすべて最終価格底で政府の権力において、それが統制の形がいいか行政指導の形がいいか、それは程度の問題でありますけれども、何らか政府の権力において、これらの補助金が出ている物資、外貨割当に伴う物資、もしくは政府資金、低利資金をあっせんしている物資、これらについては政府が監督の責任を負うべきじゃないかどうかということをお尋ねした。ところがお説はごもっともであって、その方向で関係大臣ともよく連絡して漸次その方向に向って進みますからと、こういう御答弁をなさっている。その一つの現われがこの砂糖とバナナの法案だと、こう受け取ったのですが、これはしかしその弊害というものは、砂糖やバナナの問題じゃなくて、もっと広範にわたっていると思いますが、これについてすみやかに手を打っていただきたい、こう思うのですが、私は何か統制会社を作って、公団を作って、マル公にしてというふうな極端なことは考えませんけれども、今のように全くもとだけ外貨割当にして統制しておっても、しりがあいておって一部の人がもうけている、額に汗もしないで、手も使わない、足も使わない、ただやみ取引でもうけている。こういうことは国民全部が知っている。このことは政治的な影響というものは非常に大きいと思うのですね。これを私は何とかしなければならぬ、こう思うのですが、今通産大臣は、方向はその方向に賛成するけれども、まだそれについてバナナ、砂糖以外は具体的に考えておらない、こういうことは少し私は手ぬるいと思いますが、いかがですか。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) いや、お説はごもっともな点がありますが、これはなかなか大問題でありまして、全体においてそうすると今の日本の状態は、実は私どもはできれば、もう輸入制限や外貨割当なんというのはないようにしなければならないと思っておりまするが、これがなかなかむずかしいことで、いつ実現するかわかりませんが、困ったものだと私は思っておりますが、そうかといって今の輸入に関するものを、お説のようなものをすべて拾い上げるということになると、かなり大きな統制になるか、あるいは何になるかしりませんが、かなり大きな機構をもってやらなければならないと思うのです。これはお説の点はごもっともであると思いますが、これの実行についてはよほど考慮しませんと、影響するところが大きいと思います。ですから、研究はいたしたいと思います。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 これは非常に大きな問題であり、また非常にむずかしい問題であると思いますから、大臣がお見えになる機会を待っておったのでありますが、これは大きな問題である、むずかしい問題でありましても、これはいたずらにその研究に時日を費やすべきではないと思います。これは至急何か立案されたいと思います。この問題等は、先ほどちょっとお話しましたが、具体的にいろいろな問題がある、油の外貨割当をもらって、割当はもらったけれども、その割当だけのものをとらないで、外貨を横に流している実例もある、こういう極端な例まである。これはすでに通産委員会でも出ていか。私は最初に聞きましたときにはそうだとおっしゃったので、そうだとすればその吸い上げようとする金の見通しがあるならば、これを業者の方にも押えてとにかく政府の方でその差金というものを取ることにせずに、それをもって消費者の方にカバーするというような方法をとるということはできないかということを申し上げておるのです。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) これは統制をいたしまして切符制度にでもする、そしてマル公を作るということになればお説のようになるかもしれませんが、それは実はあまり好ましくない、こう考えるのでございます。統制経済にまた戻ることは避けて、しかもその砂糖の価格は安定させて、それは海外の市場から見れば日本の価格は高いのでありますが、しかし高いけれどもまあ昨年あたりから見れば低い値段に安定をきせて参りたい、こういうことであります。

小松正雄日本社会党(第二控室・右)

○小松正雄君 そういたしますと、この法案を制定して通過後には全然この砂糖の今後高騰しないという見通しがありますか。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) それはごく一時的な波乱、これは将来のことですからなかなか必ず少しも動きませんと、いうお約束をすることは危険かもしれませんが、もし暴騰する危険があれば先ほど申しましたように、少し輸入をゆるめればすぐに下る。

小松正雄日本社会党(第二控室・右)

○小松正雄君 輸入をせずに切符制にでもしてマル公に押えて、そうして国民の絶対なくてはならない砂糖は必需品でありますから価格をマル公において安定させるというふうに政府はすべきではないかと、まあかように考えますが、その点だけを。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) それは先ほど申し上げましたように、どうもこの際また戦時中、あるいは戦争面後のようなマル公制度に戻ることは全体の経済の上から申して好ましくないと考えております。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 今、ここに参りますと陳情書が配付されておりまして、全国砂糖協議会会長安部信治というのがあります。この全国砂糖協議会というのは、おそらく砂糖の精製業者の方の団体だろうと思いますが、どういう団体であるか、ちょっとお伺いしたいと思います。  それから第二点は、この陳情書の四項に、今、大臣のおっしゃったことと全然逆のことを書いてある。たとえば「仮に臨時的財源を求めざるを得ぬとしても生活必需品たる砂糖にこれを求めることは不当であり、」ここまではいいが、「強いてこれを強行するときは糖価を高騰に導くこととなり、低物価政策に逆行し、国民大衆の期待に反する結果となる」云々と書いてあるが、もし政府が今のことをおやりになるとすれば糖価を高騰に導く、こういう工合に書いてあるが、この間の見解はいかがですか。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) これは今初めて見たのでありますが、これは精製業者その他業者もみんな入っている団体だそうでございます。これはどういうつもりでそういうことを言っているのか、実はまだ調べておりません。私どもは、この法案によって安定帯を作って、そして今の輸入の数量によって調整をすればこれも今お読み上げになりましたように砂糖の今後暴騰する、高騰するということは絶対にないと確信しております。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 これは前にも、実は議論したことがあると思いますが、先ほど来大臣がおっしゃったように、砂糖というものは百万トンの需要があるとそれを九十五万トンなり九十万トン輸入するから投機的な値上りが行われる、これを百万トンの需要があるので、それを百五万トンとか百十万トン輸入すれば自然的に供給の力が多いので、値段は需要供給の原則に従って安定する、こういうことを議論したことがここであったと思う。今ちょうど通産大臣がそのことをおっしゃったが、糖価が非常に上れば輸入をふやすと、従ってやはり鳩山内閣なり民主党なりの政策としては、そういう工合に少しよけいに輸入してやる、そして自然的に糖価を安定して行くという方が正しいのではないか。実際今、お話を伺うと、製糖業者も小売業者も卸売業者も全部含めてですが、その団体というふうに向ったんですが、専門家の団体がこう言って堂々と書いて陳情しているのですからいかがですか。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) これは専門家の団体ではありますが、いろいろの利害関係がございますので、決してこれを頭から疑うとか何とかいうわけではございませんが、このままにも受け取れないと思います。そこで砂糖については私ども専門家ではございませんので詳しいことは政府委員に申し上げさせてけっこうですが、いろいろな問題がありまして、一つは外貨関係から、なるほどAA制でもってもう野放しに輸入すれば安くなるにきまっている、いわばこうした外貨関係があってそう簡単に輸入をさせることができないということが一つ、もう一つは日本の貿易関係から台湾からも入れてやる、ブラジルからも入れてやる、安いのはキューバが安いのにきまっているので野放しにすればキューバ糖が入ってきますので安くなる、砂糖は。そのかわりに台湾との貿易が妨げられる。非常につらいところであります。実は砂糖には閉口しているのでありますが、とにかく日本のものを輸出しようとすれば台湾からも買ってやらなければならない。砂糖を売るというのは、この東南アジアにずいぶんワンサありまして、どこからも砂糖を買ってくれと、こう言ってくると思う。それである程度買ってやらなければ日本のものが輸出できない。高いとは知りつつ高いものも買う。砂糖だけについてみると、もう野放しにしてキューバ糖を入れれば一番簡単なのでございますが、そうはいかない苦しみがありますので、そこで実は苦しまぎれの実は法案であります。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 私は非常に疑問に思っているのは、それは政府の政策がよろしきを得なかった、あるいはよろしきを得たかもしれませんが、終戦後急速度に精製業者の設備というものは大拡張になっておる。必要のおそらく倍くらいの拡張をしている。それを逆にいえば操業度が五〇%あるいはそれ以下である、そういうような過剰設備をもって今日砂糖精製をして、しかも必要よりも少いというので、非常に五〇以下のような操業度であってもあれだけの利潤が生まれてくるというところにこれは魔術のような問題があるわけなんです。従ってやはり根本を改めないというと私は砂糖の値段というものはなかなか落ちつかない。特にあなたはマル公でもやることはいやだ、やはり自由の建前をとるのだとおっしゃるのですが、そういう行政指導能力というものはあるのでしょうか。私はそれは非常に疑問を持つのです。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) それはなかなか行政で価格をいろいろ操作するということはむずかしいことでございます。しかしこれは例がございまして、昨年砂糖がかなり高くなって参りましたときに、実は私が新聞記者に砂糖はもう少し五万トンばかり輸入したいと言ったらたちまちその翌日暴落したのです。そういう点にまた危険がありまして、政府が輸出入の数量を調整する権限を持っているだけに、実はもし通産大臣とか農林大臣が砂糖でスペキュレーションをやるとすればずいぶんできかねない、できそうなことになっておることでありますから、かなり鋭敏、そのかわりに正しくやれば鋭敏に価格の調整ができると思います。それから今の設備が過剰になったということはもうすでに過去のことでございますが、これは設備の割当ということで今まできたのですが、ここで設備が多ければ輸入の原糖の割当がよけいもらえるというようなことから争って設備を拡張した、こういうようなことに弊害がありますので、今度は必ずしも設備の大きさだけで割り当てをせず、設備を無視するわけにいきませんが、一部分は設備にかかわらず砂糖の内地供給をしてやろうじゃないかということにも考えております。だんだんそういう点も一つ砂糖だけの問題ではござい

板垣修通商産業省通商局長

○政府委員(板垣修君) ただいま御指摘の点は、私どもが昨年砂糖のリンク制度を廃止しようと決意をしたときに、一番心配になった点でありまするが、いずれにいたしましても、ただいま大臣からお話がありましたように、ガットに入ると入らんにかかわらず、あるいはことにガットに入りました以後は、いわゆる補償的な輸出振興策というものはもうできなくなります。そこで私どもは考えておりまするのは、世界的に通用する一般的な輸出振興策というものは幾らでもとり得る余地があるわけでございます。それで今度の予算にも、たとえばプラント類の輸出振興策につきましては、第一には輸出入銀行の資金源を確保する、第二には重機械相談室がございまするが、これを拡充いたしまして、間接的にプラント類の輸出振興に援助を与える、こういうような面に金を使いまして、側面的にプラント類の輸出振興をしやすくするということを考えております。しかし、何と申しましても、基本的にはこういう情勢になりますれば、産業の合理化によるコストの切り下げということを、どうしても急がなければならん状況でございます。さしあたって本年度の問題、砂糖のリンク廃止後の本年度のプラント類の輸出状況を見てみますると、幸いに海外の状況がずっと好転を続けておりますので、ことに船舶などはほとんど何らの影響なく砂糖のリンクをやめました後におきましても、昨年と同じケースで契約ができておりますので、そういう点は、われわれ一安心をしておるわけでございますが、来年以降の問題といたしまして、今の鉄鋼、その他の消費財などの合理化による価格の長期的安定化というような点をぜひ進めていかなければならんというふうに考えておる次第でございます。

白川一雄日本民主党

○白川一雄君 われわれ国会の委員会等に出まして、いろいろ法律の審議をされ、中央でやられる事柄についての方針はよくわかるのでございますけれども、それを実際実行する面のところにおきまして、非常に一貫性を欠いておる点があるのじゃないか、これはここで申し上げる筋ではなくて、今後石炭の合理化の問題とか、あるいは重油の問題、その他の問題のとき審議すべき性質のものだろうと思いますけれども、抽象的な方針等は非常に明確になっておりますけれども、それを現実に運ぶ面におきましては、はなはだ朝令暮改の点があって、何度でも繰り返し繰り返しやっておるような面がありますので、どうしても今度のガット加入の機会において、当局は産業の方針のみならず、その方針が浸透する、現実の面をもう少し強く指導していただかなければ、働けども働けどもの結果になるんじゃないかということが、われわれ体験上非常に多いのであります。なかなか産業というものは一朝一夕に動くものではありませんので、やはり紙一枚重ねたようにいって結果が上るものを、少し重なったところで、重油を奨励しよるかと思うと今度重油を規制して石炭にせいと、こう言うし、聞くところによると八幡なんか七十億円もかけて重油にして、そうして現在ではトン当り銑鉄が二千円も安くできるというようになっておる、今度、これを石炭を使わすということになると、結果はどうなるんだろうかというような面で、おのずからそこに限度があると思うのでありますが、もう少し総合的な一貫性を持った指導を願わないと、朝令暮改では産業の背伸びする余地を失ってしまうんじゃないかというような感じがいたしますので、どうぞその産業の、現場の苦労しておる、理屈ではいかない面を十分御指導を願うようにやっていただかなければならないんじゃないかという希望を申し上げまして私の質問を終ります。

小松正雄日本社会党(第二控室・右)

○小松正雄君 私は河野委員の質問に関連してでありますが、大臣のただいま提案されておりまするこの砂糖の価格安定及び輸入に関する問題と合わしたものの中でございますが、まず業者が輸入して来た砂糖によって、国内で売る価格が高いから収入があまりにも多過ぎると、そういう意味で多過ぎるやつを政府でまた取り上げよう、こういうように私は聞きましたのですが、そう考えていいんでありますか。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) とりあえずそういう処置をとるわけで、お説の通りであります。

小松正雄日本社会党(第二控室・右)

○小松正雄君 そういたしますと、さきの本会議におきまして私どもの同僚である戸叶氏から政府に対しまして、昨年この砂糖の暴騰が日々に進んで来ておると、こういうことでは家庭において絶対なくてはならない必需品であるからして、政府はこの種の暴騰を押える方法はないか、かように政府に対して質問を試みたわけでございます。それのかわりとして本日ここに出て来ましたものが、その法案がそれにかわるものとしてここに出て来たということになりますると、私はまことに遺憾でならない。ということは、少くとも政府は国民の生活の安定を期するべきだということを考えて言っておられる。ところがこの国民の消費者に高く買わせることを逆に言いますと、奨励して、そしてその余裕金を国の収入に吸い上げよう、こういうふうな考え方であろうかと私は考えるのでありまするが、そんなことの考え方でなく、政府はもう少し変った角度から財源収入というものを何かに求めてほしいと、そういう意味において、少くともこの砂糖、その他のものでもありましょうが、ただいま問題になっておるのは砂糖の暴騰に関する問題ですが、これをさっきも同僚河野委員から指摘されましたように、少くとも政府はこういうものでもって収入を得るということでなくて、変った角度からマル公の制定でもして国民に砂糖を安く売らせるというような安定方法を考えられないかということをお尋ねいたします。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) 今度の法案は、確かに過当と認めた利益は政府に吸収するのでありますが、しかしそうかといって砂糖の値段を上げようというんではありません。昨年も一時だいぶ砂糖が高くなりましたが、その後下りました。この法案では安定帯を設けて消費者にあまり高い値段でない砂糖を供給するということが一つの主眼になっております。ただそれでもなお原糖の輸入と国内の価格との間には非常な大きな差がありますので、その差をただ製糖会社とかその他商人というものに利益を得させるということもまた不当である。こう思うので安定価格を標準にしてそれ以上に利益がある部分だけを国庫に吸収しよう、こういう意味でありますから、お説のように決して高い砂糖を売ろうというのではありません。できるだけ引き下げ、もしこれを間違って、なお砂糖が暴騰するようなことがありますれば、現在の状況としては少し砂糖をよけいに輸入すればすぐに下るのでありますから、それは農林省から要求があればいつでも追加輸入をして、そうして砂糖の価格を押える方法はとろうというようなことになっておるのであります。

小松正雄日本社会党(第二控室・右)

○小松正雄君 そういたしますと高騰しておるという理由はどこにあるか。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) それは輸入数量が制限されておりますから、外貨の関係で本年度は九十五万トンでありますか、野放しに輸入すれば百何十万トンか入れれば国際価格と同じ値段で国内の価格も安定するでありましょうが、そうはいきませんので数量を制限しておるため、どうしても希少価値が出て来るわけであります。

小松正雄日本社会党(第二控室・右)

○小松正雄君 数量を制限しておる今日でさえも余裕の差額の金がその業者にあるとかように認められておる。しかしながら私のお尋ねをマル公についても、砂糖に限らずその他のものにおいてもですが、低物価政策の一面から安くするということにすべきではないかと、こら申し上げたのに対して、大臣は今のままでどうしても、また自然に上げていこうとする場合にはもう少し輸入をふやせばそのバランスはとれる、安くなるのだと、こう言われるところに私はどうも合点のいかないところがあるのですが、ただいまでさえも差益金が出ておるだろう。差益金が出ておるということを見込んでいるためにその金を業者に与えずに国が吸い上げよう、こういうふうにするのではな

板垣修通商産業省通商局長

○政府委員(板垣修君) けっこうであります。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 私は常識問題としてちょっと通産大臣にお尋ねしたいのですが、ただいま行われている外貨割当のことですね、これはある意味において経済のコントロール・システムではないですかね。そういうふうにお考えになりませんですね。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) お説のように、私は外貨割当というものは、一種のコントロール・システムと言えると思います。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 そうしますと、あなたの方の経済政策から言って、マル公の復活は非常に困ると、こうおっしゃるけれども、やはり外貨というものを通じて、需要供給の原則を自然にまかせないで、相当強い統制を加え得るものであり、加えているわけであります。従ってこういう異例の物資については、あまり機械的な政策の進め方にこだわられないで、率直にやはりマル公システムを適用せられて、何人もその疑惑を生じないように、きれいな格好で業界の指導というか、経済の運営ということをやられた方が、かえって私はよろしいのではないかと思いますが、この点はやはり民主党内閣はどうしても工合が悪いのですか。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) 別段イデオロギーにこだわっておるわけではございませんで、マル公というものは過去の戦争中から戦後にかけて実行した結果から見まして、なかなか運営がむずかしく、非常に繁雑な、ことに行政上の手数というものは非常なものになります。砂糖一つやりましても、切符制とか何とかいうことをしなければならぬ。それがどれほど実際にうまくいくか、机の上の計画としてはいくはずでありましても、実際にはなかなかうまくいかんというような欠点がございますので、できればマル公制度でやりたくないと、こういうふうにわれわれも考えております。マル公にしてはいかぬとか、これは主義としてはやらぬとか何とか、そういうつもりはないのであります。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 この法律は結局この委員会にかかっていないわけですから、委員長としましてはやはり農林委員会に対して連合審査の要求をされるとか何とか、というお考えはありますか。

吉野信次自由党

○委員長(吉野信次君) それは委員長は皆さんに諮らなければならないと思いますが、私個人の考えでは今日は大臣から大体の説明がありましたけれども、こまかいことについてはまだ政府委員から聞いていないですね。多分政府委員も御用意があるかと思いますが、さっきの言葉のはしはしからみますと、何か農林省の所管なんで、そっちの方が何しないと、というような御様子もあるようですから、もう少し、もう一回だけこの法案をどういうふうにして実施するかという政府委員の細目を伺いまして、さっき河野委員がいろいろお話しになりました安定帯価格というもののきめ方の方法、それをどういうものでやるかということを、大体荒ごなしをして、われわれの疑問を少ししぼって、その上で農林水産委員会の方に合同審査を申し込んだ方が審議の便宜じゃないかと、こう私だけは考えておるのでございますが、そういたしませんと二つになりまして、同じ問題を双方の角度から開きとるということはかえって審議の進行を妨げるのではないか、少くとも私、委員長としては、このものは大臣が言われる通り、共同主管だと、こうおっしゃっておるのですから、やはりこの委員会に対しても農林水産委員会と五分の重みを持ってやはりいろいろな資料もお出しを願うし、また説明もしていただく方がやはりよくはないかと、こういうことを実は希望しておるわけであります。どういたしましょう、これは皆さんにお諮りするわけですけれども……。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 その点の皆さんの御意見を今まとめられて決定すると思いますが、問題は資料なんか農水委員会からも請求せられるだろうと思います。この委員会からどういう要求が出るかわかりませんが、重複を避けたりする意味において、農水委員長とお打ち合せをいただいて、向うで請求されているような資料はやはりこの委員会にも当然配付をされるように、そういうことを事務的なお打ち合せを一つお願いしたいと思います。

吉野信次自由党

○委員長(吉野信次君) 承知しました。それはぜひさっそく取り計らうことにいたします。

苫米地義三日本民主党

○苫米地義三君 今の砂糖の問題と油の問題ですね、これの重要な点は国内生産がないということ、砂糖にしましても九割ぐらいは輸入に仰がなければならぬ、しかも生活の必需品である。それから油の問題も国内の生産はきわめて微々たるものである。そこでこれを国としてどういうふうに考えたらいいかということが大きな問題点であろうと思うのです。砂糖に対しては河野農林大臣が何だか就任早々専売にするというような構想を述べたことがある。それも一つの考え方かもしらんと思うのです。もう塩が御承知のように専売をして長い経験を持っておる。国内生産が不可能だ、将来とも不可能だというふうな見地に立って考えれば、特に国家的な施策として何か考えてみる必要があるのじゃないかと思うのです。それから石油の問題についても、現在製油業が施設のまるで競争をしているような工合ですが、これまた製油能力が余っておることになると思うのです。そういう資材と資金とを無用に使うということの調整をしなければならんし、同時に絶対必要である燃料を、これは国策としてどうしてやったらいいかということは、今後の見通しをつけ、もう一ぺん検討してみる必要があるのじゃないかと思うのですが、そういう点はどうでしょうかな。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) 専売までいきますならまた問題が大きくなりますが、これは御承知のように塩なども専売を長くやっておりますが、これも一時は専売だから困るというような説もありましたように、専売にまたやりますといろいろ問題が起るだろうと思います。そこで今回砂糖は実は専売という話も出ないではなかったのでありますが、とにかくそこまでいくことはこの際避けるべきだろう、とにかくとりあえずこれはさっき申しましたように、実際の外貨事情からやむを得ずやっていることで、長くこのまま砂糖にしてもほかの物資にしましても、現在の外貨割当というようなことが永久に続くことは好ましくない。いっそういうことをやめ得るかわかりませんが、できるならばなるべくやめたい。それで今でも外貨割当については私はできるだけAA制にしたい。ある設備に割当てるとか、ある業者に割当てるとかいうのでなく、自由輸入の範囲を拡げたい、かように考えて指導しているわけでありますから、そういう立場から砂糖はすぐにAA制にするわけにもいきませんから、かような一つの臨時措置として法案を作ったわけであります。専売にするという覚悟はしておらないのであります。

苫米地義三日本民主党

○苫米地義三君 砂糖の専売はしないことはそれではっきりいたしましたが、油の方についてはどうでしょう。これもただ輸入価格と販売価格との差が相当多いようですね。そして製油業が製造工場を争って今獲得することに奔走しているようですが、これは何か政府としては考えておるのですか。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) 製油工場は、実は今まである程度できましたが、これはこの方の増設はそう許さない。もうすでに一定の計画を持っておりまして、それ以上の、政府の考えておる計画以上の増設は許さない方針であります。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 私、この際最近問題になっておりまする原綿、原毛の問題について通産大臣に二、三お伺いしたいと思います。問題がだいぶ複雑ですが、まず最初に原綿、原毛はただいま暴落に暴落を続けておりますが、これのために業界は非常な混乱に陥っております。私は実は地元としても、機業地として有名な愛知県に席を持っておるのですが、非常な今、混乱をしているのです。これについて通産大臣として、どういう収拾策をお持ちになっているか、これをまずお伺いしたいと思います。ませんが、改めていきたいと考えております。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 重ねて伺いますが、今過剰設備の話が出ましたが、これは砂糖は二倍半か二倍八分くらいになっていると思います。これのみならず、あらゆる産業部面に過剰設備というものは非常に随所に現われていると思うのです。過剰設備に対する対策は何か通産省基本的にお立てになっておりますか。基本的に整理統合していかなければほんとうの産業の合理化というものはできないと思うのです。今の砂糖の場合も、栗山委員がおっしゃったように、これはこの程度の法制を布かれても何せ娘一人に婿八人という形で、設備が余っているからみなでせり上げるから、せり上げればせり上げるほど政府は砂糖の利益というものを取り上げるのならいいかもしれませんが、その背後の国民というものはちっとも救われない。これは砂糖に限らず、あらゆる産業の過剰設備というものは非常に多いのです。これに対する通産大臣は何か構想をお持ちになっておったらこの際お漏らし願いたいと思います。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) 特に今の過剰設備を積極的に合併するとかスクラップにするとかいうことは全然まだ考えておりませんが、この上の設備がふえることはこれはぜひ押えたいと、かように考えておるわけであります。紡績のごときもお話の中の一つでありまして、すでに過剰設備のために非常に弱っておりますが、こういうのはおのずからそういうことになりますれば自然整理もできてくるかと思いますが、今積極的に政府の方から働きかけて、とにかくやっております設備を積極的に減少させようという計画は持っておりません。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 積極的にこの整理をする方針は持っていない、スクラップ等にするようなことも考えていない、これはまあ当然でしょうが、価格政策の面あたりからこの過剰設備を整理するような方法はお考えになっておりませんか。たとえば非常に非能率なボロ工場等につきましては、価格政策の面から自然その工場が他の能率的な工場に統合されるとか、また転業するとかいう、価格政策の面からもある程度この過剰設備の整理統合というものは効果があるのじゃないかと思うのですが、今各業界でみな組合ができております、同業組合で。これらの組合で統制ではありませんが、それぞれ生産費を通産省に出しておるわけです。この生産費というものはいつも限界生産費、いつも米の場合は限界生産費がいいか悪いか問題になっておりますけれども、米では大体限界生産費ということになっていないのです。一番ボロ工場の生産費というものを基準にしてこれこれの製品はこれであるというようなことをやっておるわけです。それを是正して価格政策の面から中庸生産費等によって価格政策を立てていけば、自然にこれらの過剰設備というものはある程度整理統合されていきはしないか、この程度のことは通産大臣お考えにならないと、いつまでたってもボロ工場温存政策であって、産業の合理化にはならんと思うのですが、どうでございましょう。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) 確かに生産費が非常に違いますものは行政指導によってもさようなことができると思いますから、それは今でも必ずしもやらないでおるわけではございませんが、今後なお一つ十分に研究をいたしましてできるだけさような方向に指導いたしたいと思います。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 通産大臣、決して私は何か他意あって御質問申し上げたのではなくて、ざっくばらんに御答弁願いたいのです。研究というようなことではなしに、今のお考えは、積極的におやりになる意思はありませんか。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) 非常にけっこうなことでありますから一つやれるように研究いたします。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 最後にもう一つ。砂糖の価格の問題ですが、安定帯価格を作る、そうして消費者にも迷惑のいかないような価格で安定させる、こう言われるのですが、その安定帯価格の中心というものは大体七十円ですか、七十五円ですか、八十円ですか、その辺のところはどうお考えになりますか。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) これはまあ今後起る問題でありますが、今考えておるのは七十四円から八十円ぐらいの間を考えております。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 これは少しこまかくなりますけれども、その七十四円から八十円というのは、どういう根拠でしょう。国内のたとえばいもあめ、でんぷん、こういうふうな価格との比例ですか、それとも何か根拠があるのですか。

板垣修通商産業省通商局長

○政府委員(板垣修君) この価格の安定の方は実は農林省の主管でありまして、農林省で設定をいたすわけでありますが、ただいままで私の聞いておりまするところでは、法律にも大体その基準はございまするが、大臣が今おっしゃいました甜菜糖であるとか、あるいはでんぷんであるとか、そういうものとの関係、それから一方は国民所得の関係から消費水準というようなところから、両方から見まして大体見当をつける、それから砂糖の輸入から、こういうようなもの全体を勘案してきめるということにしております。これは一定の方式で農林省の方で計算をしておるわけでありますが、まあ詳しい話を聞いておりませんが、今申し上げました七十七、八円ということが標準価格になる模様です。

吉野信次自由党

○委員長(吉野信次君) ちょっとそこですが、私はさっき大臣の御説明でも共同主管であるというように聞いておるのですが、今の説明だと価格の方は農林省がきめて、こっちは脇役になっておるような御説明ですが、しかし今の安定帯を作るのでも、私はやっぱり河野委員が質問されたような、製糖工場のコストのやっぱり何があるだろうと思うのです。そこをマージナル・コストをどこをとるかということは安定価格をとるときにも問題でして、やっぱりあとで資料としてそういうこまかい資料を出していただかぬと、果して適当であるかどうかということはわからんのですが、まあ主管の方はこれは向うの方だと言われずに、少くとも法案は両大臣の共同主管だと御説明になっておるわけですから、共同主管になる法案も審議する上においての一つの重要な要素ですから、それですからやはり……

板垣修通商産業省通商局長

○政府委員(板垣修君) 私は逃げておるのではなくて、農林省でもまだそこまで来ておらない……。

吉野信次自由党

○委員長(吉野信次君) 通産省農林省と相談されて、そうしてやっぱり資料として出していただかぬと工合が悪いと思いますから、一つこの次までにそういう資料を整えて、果してこれによってその大臣が言われるように値段が上らないものか上るものか、そういうことの資料を一つお出しを願いたいと思います。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 ただいま御説明いただきました安定帯価格というものは、現行の砂糖の市場価格よりもちょっと安いわけですね。そうしますと、われわれはこの法案を審議し、この法案が通過することによって、その結果として砂糖は現在よりも下るということは期待を持っていいわけですな。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) それはどれほど下るか存じませんが、少くとも現在よりは上らんということは言えると思います。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 現在よりは上らんということは当然ですが、今御説明の安定帯価格の線までは、現行価格より沈むということは期待していいわけですか。

板垣修通商産業省通商局長

○政府委員(板垣修君) 価格の安定の目標といたしましては、従来よりも低めに安定させるということが本質でありますから、お説の通りであります。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 低めとか、高めとかいうことよりも、七十四円から七十八円くらいのところを安定帯価格として考えておる、こういうことでありますから、この法のねらいはそこであります。この法律が通ることによって、今までの価格が、現行価格が下るということに期待を持つのは当然でありますが、そういうふうに期待していいのですか。おればいいのですが、今商社に割り当てるというのが、一つの経済的なルールだ、そのルールを確立したいというので、それを強くするために製造業者割当をやめて、商社割当に……、製造業者割当を今のままにしておけば、何ら波乱なしに、きわめてスムーズに、安心して経営のできるものを、そこに波乱を巻き起すというようなことが出るのは、これは私は避くべきことだと思うのですね。従って中京地区の特殊事情については大臣にお認めいただきましたから、言葉をその通り私は伺って、いずれ業界の方にも話をしたいと思っております。その点ははっきり伺ったわけですから、よろしいわけですが、しかし日本全体の商社対メーカーの場合を考えた場合には、今のお考えだけでは、まだちょっと私は理解しにくい点があると思いますね。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) いや、混乱を起しても……、そのように主義とか、主張でやっているのではないのです。実際の問題としてどうするのが一番いいのかという実効上の考えでやっておる次第でありますから、決してただむやみにどんなことが起っても、商社割当が正しいからやるのだというような気持は持っておらないのであります。ですから特に紡績などについては考慮いたしておるわけでありますが、これはまあメーカーの商社とやはり相協力してやらなけりゃだめなんでありまして、なるべく今中京方面においても、しかるべき商社、あるいは金融業者が、協力態勢をとってもらえるように、これはもう紡績も御承知のように、むろん大阪あたりでも反対をしておりますが、しかしどうしても困るというのは中京だけなんでありますから、あれだけの大きな産業地域になったのでありますから、どうか一つ商社や、それから金融業者と、一つメーカーと相協力してやってくれるというようなことに、御尽力を願いたいと思います。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 今の商社割当の問題は、通産大臣の言葉を私はそのまま百パーセント理解しまして、今後六カ月の期限、一応の目標が到達したあとにおいても中京地区における特殊事情というものが十分に考えられて、そこに与える悪い影響というものが除かれるという見通しがない限りにおいては行わない、こういうことを考えたという工合に承わり、またそういう工合に忠実に履行きれることを強く要望して、次の質問に移りたいと思います。  次に、原綿の割当を停止せられたのですがね。これは一体どういう目的でおやりになったのですか。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) 今政府委員にやらせますから。

永山時雄通商産業省通商局長

○政府委員(永山時雄君) 原綿の最近の割当停止は、御承知のような綿業市況に当面いたしまして、綿花がかなり先安の状態になっておりますために、従ってこれをできるだけ輸入を抑制して行くことは将来のためにいいということと、当面まあ何と言いましても、従来の観念からしますと、割当を受けた原綿はすぐに必要のあるなしにかかわらず、せっかく割当を受けたものをむだにしたくないという気持が、従来の経過からいたしますとかなり強く働いております。従ってすぐに必要のないものでも、とにかく一応輸入しておこうという傾向が事実問題としてあるのでありますから、それを今申し上げたような先安の状況からすると、この際ある程度抑えておくことが業界のためにもなる。また一方において御承知のような生産制限、綿紡績の操短というふうなものを五月からやっておりますが、その趣旨の達成のために、原綿をできるだけ輸入をセーブしておくということも必要だと、かように存じて停止をいたしたのであります。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 原綿、原毛の先安というのは国際相場のことだと思いますが、それはまだやはり先安の傾向が相当強いんですか。

永山時雄通商産業省通商局長

○政府委員(永山時雄君) これはまあ極端に言いますと、その日その日の相場によって違うことなんですが、現在の一般的な情勢からいたしますと、御承知のように、アメリカはああいう非常に原綿をたくさんかかえて、過剰生産で困っておる状態でありまして、これがまあ直接の誘因になって、世界的に大体原綿はかなり先安だということが大体の一般の予想になっておるのであります。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 綿花の暴落の問題は別としまして、この紡績の操短の措置ですが、操短の措置というものは、今、通産省はどういう工合におやりになろうと考えておられますか。またそういう行政指導というものは、うまく行くのか行かぬのか、ここが非常に問題だと私は思うのです。たとえば原綿の割当を中止しても、十大紡から始まって新々紡まで工合よくほんとうに生産制限というものができて行けるのか行けないのか。この点は割当中止の問題にも非常に関係がありますので、もう少し私は突っ込んでお尋ねしたいのでありますが、実際に操短の可能性ということについてはどういうことになりますか。特に永山局長は一生懸命最近お骨折りになっておるようですが、あなたの御努力が実際に実を結ぶかどうかですね。この点に対して私は非常に疑問を持っておるのでありますが、どういうふうにお考えになっておられますか。

永山時雄通商産業省通商局長

○政府委員(永山時雄君) 操短の何と言いますか、操短を必要とするに至った事情は、大体御承知のような状況で、需給の関係が均衡を失していると……、で大体まあ私どもの見方からいたしますると、おそらく現在の需要は、輸出も不振でございますし、内需も国内の経済状態も現在のような状態でありますから、これも大体期待すべきものもないというようなことで、大体月々十六万から十七万くらいの間くらいであると思います。十七万コリですね。単位はコリですね。十六万から十七万コリの間くらい、かように考えておるのでありますが、一方従来の生産は大体二十万コリくらいの生産が月々行われておったのであります。そうして最後は、最近におきまして大体五十万コリくらいでありまして、まあ普通の形状の最後が、これも人によっていろいろ見方があると思いますが、まず大体三十万というところが普通の見方じゃないかと思います。そうしますと、約二十万コリぐらいが在庫としても過剰な在庫になっておるというようなことで、生産は月々の実需要をかなり上回っておる。一方においてまた在庫が二十万コリぐらいのところが過剰在庫になっておる。非常に需要供給のバランスが失われておるというのが現状であります。現在の綿糸の価格も、つい一週間ほど前主での陥落の原因はこれは必ずしも需給関係の今の不均衡状態だけが原因ではなく、直接にはむしろ海外の事情が直接の誘因になっておると考えておりますが、しかし少くとも今の需給の事情が均衡を失しているという点もこれに拍車をかけておる点でございまして、一方において今後先々需要が非常に伸びるというような点がありますならば、一時的な供給過剰の状態はこれも大して問題にするに足らんと思いますが、先の見込みからいたしますると、すぐに需要の方が輸出の面においても、内需の面においても急速に伸びてくるというような事情はあまり見当りませんので、従って当面の需給を失している状態をできるだけ均衡な状態に返していくことが今後の綿業界を健全な形に動かしていくのに必要な措置である、かように考えたのであります。そこで、だれが考えても結局供給過剰を直すという点になりますと、まず生産をできるだけ縮小するということを考えるわけでありまして、そこで五月一日から現在綿紡績の勧告操短を実施いたしておるのでございますが、これは大体従来の生産のペースに対しまして一割二分ぐらいのところを縮小させようということで一応スタートしたのでございます。ただし、実施上のいろいろな問題をやってみますると、これが現在各工場に勧告して操短が厳格に実行をいたされますと十六万八、九千コリ、約十七万コリ足らずというぐらいのところになるだろうと思いますが、ただしこれは百パーセント完全に実施をされた場合ということになるのですが、御承知のように工場としましては労務者も多数かか  それから少しさかのぼりますが、おそらく全国の各関係者から大臣に対していろいろと陳情があっておると思います。私はその陳情のあっておると思われるうちの一つとして、名古屋の東海経済懇話会というのがありまして、あらゆる紡績業者がメンバーに入っておりますが、その東海地方紡績会社の名簿ですか、がございますが、その団体が四月の二十日付で石橋通商産業大臣に、原綿、原毛の商社割当、これはぜひともよしてもらいたい、中小企業を著しく圧迫するので、よしてもらいたいという、その理由を付して陳情があっておるはずです。これについてはどういう形式で行われたものかしりませんが、今後六カ月くらいは一応商社割当はしないでいこう、こういう方針が内々漏らされて、業界は安定をしておったのです。ところが聞くところによりますと、商社割当そのものを通商産業大臣は否定せられないで、六カ月先には商社割当をどうしてもやるのだ、こういう御意向があるように承わっておりますが、そのためにまた非常な混乱を生じておることが一つ。  それから第二点としては、五月の十八日の日に原綿の割当停止を方針として通商産業大臣は決定をし、これを断行せられた。この原綿の割当停止というものは、おそらくただいまの原毛等、綿糸布の暴落に対する事前の対策であったかもしれません。しかしこれをやられてもなおかつ続々として暴落をしているわけです。従ってこの原綿に対する割当停止をせられたことの意味ですね、あるいはこれに対するところの将来の措置、こういったようなものについてもお伺いしておきたいと思います。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) 綿業界の非常な困難については実は絶えず注意を怠らずに状況を見て、何らかの対策があれば、時を移さず行うつもりでおりますが、現状においてはちょっと、まあ第一アメリカの綿花事情がはっきりしないというような根本的な問題がありまして、ここで何らかの手を打つということが困難な事情にありますので、実はしばらく様子を見ておるようなわけであります。ただいかにも事情が悪いので、そうしてこの原綿を、ただ御承知のように不景気であってもとにかく操業しなければならぬということはごもっともでありますが、そのために原綿を食いつぶして、そうしてますます滞貨を増加するということも困りますから、この間とりあえず原綿の割当を中止したわけでございます。  それから商社割当のことは、まあ主義としては外貨の割当は商社に行うというのが、これが適当であろうと思いますが、しかし紡績あるいは毛織等、毛織は少し違うようでありますが、紡績の方の特に中京方面の紡績業者の特殊の事情がありますので、とりあえず六カ月だけはその方面だけは商社割当をやめておいた。これはまあ永久にやめるかやめないかということはきまっておらないのでありますが、六カ月たてば必ずまた商社割当にするときめておるわけでもないのであります。この間私も東海経済懇和会ですか、というものが東京にありまして、出席を求められて行ったときに、いろいろそういう話がありましたから、そこで外貨の割当についての問題は、まあ中京の特殊事情はあるだろうが、一体どういうことであるかという事情を聞くと同時に、まああそこには商社が、有力な商社がないというので、という話でありましたが、もうこれは長いこと今のような状況で中京だけが特殊の事情であるといっておることはいかんから、そこでわれわれとしてはとにかく商社に割り当てるということは、元来商売の通例なんだから、それに合うように一つ中京の方面も努力したいということを言っておるわけです。六カ月たてば必ずやめるということを申したわけではないのであります。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 そうすると、中京地区においてただいま商社割当を断行しました場合には、新々紡、あるいは新紡等が非常に窮境に陥るということだけはお認めになっての御議論でありますか。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) 外貨ですか。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 この間商社割当を断行しましたが、中京地区の特殊事情とおっしゃったけれども、特殊事情というものがあって、今直ちに商社割当を断行したときには、中京地区の新紡、あるいは新々紡等が非常に窮境に入るということはお認めになっての御議論でありますか。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) ある意味においてさようであります。あそこは金融上の問題だけですね。つまり外貨を割り当てられれば、金融が大へん楽だ、割り当てられないと金融がむずかしい、こういうことで、ちょうど東海銀行の重役も来ておりましたから、そういう話もしたのでありますが、こういうことでありますから、もう少し研究を中京方町でもすれば何とかなるのではないかと思うのですが、とりあえずただいまのところとしては、まあ問題は金融だけのことのようでありますが、とにかく中京方面の中小紡績は外貨割当をされないと困難をするということだけは認めておるわけであります。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 そうしますと、六カ月先に直ちに商社割当を断行するという意味でもない、今後の研究課題と、こうおっしゃったわけですが、その意味は、中京地区の特殊事情というものを十分考慮せられて、中京地区の新紡あるいは新々紡に与える、今懸念をされておるような影響というものが、何らかの対策で解除せられる見通しがあるまでは、商社割当は断行しないと、こういう御方針だと解釈してよろしゅうございますか。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) 大体さように考えております。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 それからもう一つ、商社割当の問題は原則としてはやるべきであるということをおっしゃったのですがね。それは確かに原則は原則でそうであるかもしれません。しかし今日の日本にある商社というものは、戦争前にあった商社とは違って、経済的な力が非常に弱いわけですね。従って商社は、なるほど看板は掲げているけれども、それが商行為を行おうと思う場合には、大ていメーカーである紡績会社が、これは保証ですね、そういうものがあって初めて商行為が成り立つのが私は現状であると思う。商社というものは非常に弱いわけですね。従ってそういうような状況にあるときには、まだ商社割当というものは、理屈の上ではあるいはそうかもしれませんが、今直ちに行うべきでない。商社というものがもっと経済力を高めてきて、自分の力において戦争前と同じような商行為ができるときになれば、これは話は別ですが、それでない場合には、そういうことは行うべきでないというような、私は見解を持っておるのですが、この点はいかがですか。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) そのお話は、まあ申し上げると堂々めぐりするかもしれませんが、とにかく商社の力が強くなるということは、確かに必要なんです。その商社の力を強くするための一つは、やはり外貨割当が商社に行われて、商社がその本来の仕事が外貨の入る面で行い、やれるということも、商社を強くする一つの手段だと思います。しかも重要な手段だろうと思いますから、そういう意味においてこれはまあ中京の中にも、特殊の中小紡績の中にも、多少意見というものを持っておる人もおりまして、やはり商社を強くすることが、自分たちのためにもなるというような意見を持っておる人も現にございますから、やはり紡績の中でも結局商社が強くなって、商社を利用するということが、紡績のメーカーのためにも結局はなるのだ。ですからこれはまあやはりそういう意味において、商社割当になるべくして行く方がいいのではないかと、私どもは考えております。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 いや、その商社割当を強くするのに、メーカーである紡績会社に譲らして、砂をかけながら自分だけ強くなるというのでは、ちょっといけないので、そこは私は調節の問題だと思うのです。自力でもって強くなってです。現に中京地区で、私一昨々日ちょっと事情を調べて来たのですが、まあ現に工場の操業を完全にとどめざるを得ないものが、資金繰りの問題と暴落の問題と両方で出ております。従ってまあそういう工場ですから、市中綿花を買いあさってやっていくところまでは力がないわけです。  これは、通産大臣にお伺いしたいのですが、今のような状態に大紡績、あるいは紡績会社と言っていいかどうか、その糸を使って二次製品を作っているところが非常に今恐慌に見舞われているのですね。それで操業をとめてしまう。いわゆる機屋ですね、こういうものがとめてしまう。そうして多くの工員が解雇される、こういう事態が各所に起きているわけですが、これについて救済の道を何かお考えになっているかどうか。いわゆる糸価安定と申しますか、あるいは買い込んだものが暴落したり、製品の売りさばきの見通しがないために、受けた打撃を回復することができないために、一時操業をやめてしまう、こういうような問題が起きておりますが、その実情をよくお知りになっているか、それでお知りになっているとすればこれに対してどういう救済対策をおとりになるか、この点をお伺いしたい。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) まあ、今度の紡績操短の起りは機屋の方から起って来て、結局紡績操短までいったわけです。今直接に機屋の非常に困難をしているのを救済するという方策は実はないのです。率直に申しまして、これは今のところではこれを操短によって糸価の安定ないし回復を待つという手段だけは今とって参っているのでありますが、それ以上の方策は今残念ながら持っておりません。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 そうすると結局今先ほど砂糖のときにも問題になったのですが、その意味においてはこれは過剰設備なんですね。過剰設備があって、こういうパニックのような状態が来たときにちょうどこれ幸いというので、政府としてはもう若干企業を整理しよう、整理してもやむを得んと、こういう考え方でおられると私どもは見るよりいたし方ないのですが、そういうふうに見てよろしいのでございましょうか。それで、それではあまりこれは酷なんで、一国の産業政策としては終戦後どんどん設備がふえてくるのを助長して来られて、そうして今になって若干輸出が伸び悩んだとか、国内需要が頭打ちだというので、今度はばたばた機屋なり紡績業がつぶれるのもやむを得んというのじゃ、ちょっと私は日本全体の資本蓄積を一層やろうというときに非常な浪費をするわけで工合が悪い、この道については非常に私どもはしろうとなんで、大臣は大権威者であるからもう少しはっきりしたことを伺っておきたいと思います。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) これは、総合的に今の過剰設備であれば過剰設備を何とか整理する。決して今それだからといってちょうどこれ幸いとしてここで整理をしようというような考えを持っておりません。とにかく失業者が現われるということは一番おそろしいのでありますから、何とかしたいことはやまやまでありますが、そうかといって直接に今の状況をどうするという実は手がないのであります。はなはだいくじがないといえばいくじがないのでありますが、特に救済をするということが、直接の救済策はちょっとむずかしいと思います。やはりこの繊維業全体に対する処置を講ずる、まあ総合対策というようなものをやると思いますが、綿糸だけじゃない、すべてのスフその他の繊維にまで及んで全体に日本の繊維というものをどうするか、ただし私は非常に大ざっぱなことでありますが、今過剰だからといって永久不変に過剰なものであるともなかなか言いかねるのでありまして、日本としてどれだけの繊維量を保っていかなければならぬかという、これは将来を勘案して作るということは容易ならざることでありましょうが、そう消極的になるべきものではないと考えております。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 永久という時間的な限度の問題、見通しの問題ですけれども、そう経済というのはあすあさっての問題も含んでいるわけですから、そんなに悠長に永久という言葉を使って話をするほど悠長なものでは私はないと思う。従ってもっと差し迫った問題なんですが、今対策がないとおっしゃったのですけれどもね、対策はやはり立てれば私はあると思うのです。たとえば滞貨融資をしてやるとか、あるいはまた糸にしても織り上った製品に対しても買い上げして糸価の安定をはかってやる、いろいろな私は道があると思いますが、そこまでの御決意は持っておられないわけですか。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) いや、それはごもっともですが、滞貨融資にしても、あるいは買い上げにいたしましても市況の前途がある程度見通せませんと、なかなか手がつけられないのじゃないかと思います。その機会は今できるだけのことをやるつもりでたえず注意をしてはおるわけでありますが、今すぐどう手を打つと、こういうお尋ねでございましても、今すぐに打つ手は持っておらぬ、こういうことでございます。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 永山局長は最近東奔西走していろいろ御苦心を願っておることは、私は知りませんが、業界の代表の諸君から聞いて知っておるわけですが、その東奔西走しておられるというのはやはり当面の問題を何らかの形であまりひどい犠牲を発生しないように措置しようというおつもりでやっておられるのじゃないですか。

永山時雄通商産業省通商局長

○政府委員(永山時雄君) 当面の問題については、大体今大臣から御答弁申し上げたような事情でございますが、要は根本的には、お話のような、この最近において非常に戦前の綿業と、現在の綿業というものがポジションが非常に変ってきている。一方において新しい繊維というものが非常に伸びてきて、従ってそちらの方に非常に需要を食われておりますので、そういうような戦後において繊維の事情というものが、繊維界の事情というものが非常に変ってきた。それに対しまして設備の方はかなり戦前の観念で、いろいろ設備の復旧や増設がされてきた面もありますので、従って今後の見通しをある程度つけた上で、何らかそれに対して総合的な面で解決をするということで、綿もスフもその他の化繊も入れた立場から総合的な施策をやるということが、ただいま大臣の申し上げた趣旨でございます。その措置を最近において打っていきたいという考えでおるわけですが、しからば当面の問題をどうするかということですが、当面の問題として今の大臣の答弁の中でも触れておったのですが、先の見通しが必ずしもめどがはっきりしていない点があるのです。これが特に綿の場合には原綿の価格というものはすこぶる決定的ファクターでありまして、その原綿の価格というものがアメリカが御承知のような非常に過剰綿花をかかえておる関係から、一時はその輸出をするために補助金を出すんではなかろうかというような想像がかなり一般的に行われておったのであります。それでかりに補助金が出るということになりますと、現在の綿花の相場がかなり安くなるわけでございますから、従って場合によっては今ずいぶん下った糸の値段でも、なおあと十分そろばんに合う、あるいは極端にいえば高過ぎるというようなことにもなりかねないというようなことで、多少先々のめどがはっきりしていないという点が現在の相場の何といいますか、不安な点、あるいは先般の暴落についての相当大きな原因になったと思うのでありますが、それと輸出補助金の問題、現在でもはっきりしていないのです。これはアメリカの綿花年度が八月から始まりますので、おそくもそれまでにはアメリカの政策がはっきりすると思いますが、現状においては出すとか出さぬとか、出す場合にはどのくらい出すかということもはっきりしておりませんので、従ってそこのめどが立たぬ限りは的確な対策というものも実施ができないということになるわけでございますが、ただ先ほども申し上げましたように、国内の需給関係が均衡が失われておるというえておりますし、それから資金繰りの関係、いろいろな経営事情がそこにはまつわりついておりますので、従って簡単に数字的に必ずこれだけの操短ということで四月から五月に変ったとたんにそれだけ落してしまうというようなことはなかなか工場によってはできがたいというような点もありますので、五月はある程度工場によって緩和の措置をとったのでございます。これは具体的な事情をそれぞれ判定をしてその緩和の程度をきめますが、通産局長に認定に当らせまして各具体的な事情に即応した、そしてできるだけ操短に協力するという程度の操短を実行させたのでありますが、その結果つい昨日でしたか判明したところによりますと、生産としては五月は十八万一千コリ程度に生産が下ったのでございます。四月が二十万何千コリか、二十万コリを少しオーバした生産実績に対しまして約二十万コリ強、減産の状態になっておるということでかなり改善を示してきたのでありますが、六月につきましてはさらに五月一カ月過ぎたわけでございますから、一そうこちらの期待しているような操短の線まで操短の実をあげるということで折角督励をいたしておるのでございます。従って六月についてはさらに五月より何らか一そうの改善を示すんじゃないかということを期待しておるような実情であります。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 今の割当の中止ですね、これは大体私どもよく見通しつきませんが、いつごろまでこれを実施せられる予定ですか、いつごろまでストップしておかれる予定ですか。

永山時雄通商産業省通商局長

○政府委員(永山時雄君) 操短の問題に関連した問題でございますが、私どもの今政府が勧告をしておりまする操短は、先ほど申しました平均は大体従来の生産ペースに対して一割二分ぐらいのところでございますが、これで行きますと、先ほど申し上げましたように十七万コリちょっと足らずというところに、百パーセント行われた場合に、そのくらいになるんですが、需要の方が先ほど申し上げたように大体十六万から十七万の間くらいということで、これでみますとまず需要供給大体とんとんということになるんですが、一方の過剰在庫二十万コリ足らずのものを減少するというところにまで行かないわけです。そこで私どもの考え方としては特別に何か需要なり何なりが出てくれば別ですが、大体現在の状態で行く場合にはでき得べくんば少しずつでも在庫を減らす方向に持って行きたいということに考えております。ただし、これも労務の事情や資金の事情いろいろ問題がございますので、多少の時間をかけてだんだんそこへ持って行くということにするよりしようがないと思いますが、従って大体のそこの操短のラインといいますか、めどというものがやや安定的についてきたというときにそこで原綿の計画というものをさらに再検討いたしまして、それによって割当をして行くということで、それに至るまでの間は過渡的の措置としては一応原綿の割当を停止しておきまして、ただし、原綿の割当停止によって操業に支障を来たすようなことはさせない。従って大体平均いたしますと六カ月ぐらいの在庫があるんですが、これは現物もそれから今輸送中のもの、そういうものを含めて大体六カ月ぐらいの在庫があるわけですが、ただし、これは工場によって多かったり、少かったりしていますので、従って手持ちの少い工場で割当停止のため操業に支障を来たすというようなものがあれば、それは割当停止を一応解除いたしまして割当して行くということで、具体的な不都合の問題は避けて行きたい、かように考えております。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 そうしますと、今のお話を一口で申しますと、十七万コリまで今勧告操短でやって落している、こらおっしゃるわけですね。ところが需要は十六万ないし十七万コリなんだから、今の過剰生産になっておる二十万コリを征伐するのには十七万コリの勧告操短ではこれはだめなわけですね。今おっしゃるように二十万コリ減らすためには従って将来勧告操短というものをもっと率を引き上げられるお考えがあるかどうかということが一つ疑問として残ります。もし二十万コリの整理をするということになれば、従ってそうするというと操短勧告の率を引き上げる度合によって割当を全面的に解くという時期というものがおのずから計算で出てくるわけです。その関係を一ぺん明らかにしておいてもらいたい。十七万コリだけでずっといかれるならば、これはおそらく永久に割当が中止のままで残ってしまう、こういうことになります。

永山時雄通商産業省通商局長

○政府委員(永山時雄君) ごもっともな御質問ですが、それでその点は先ほども申し上げましたように、できる限りこの過剰在庫の数量を少くしていきたいということ、言いかえていけば現在の需給状況からすると、生産を、現在の操短のラインよりもう少し強化をして、生産を少くして少しずつでも在庫を減らす方向にもっていきたい、かように考えてはおりまするが、ただし、これもどうも、要するに相場の問題が非常にからむのでございまして、数字的な立場だけからいえば、そういう考え方になるわけでありまするが、一方しかし、そうした過剰在庫をかかえていながら、綿糸の相場なり何なりが何らかの事情によって高くなるというようなことになりますれば、綿糸の操短によって一瞬相場を高くするようなことにもなりまするので、従ってその辺の事情をよくからみ合せて、そのときどきの事情によって具体的な措置をとっていきたいと、かように考えております。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 そこで、もう少し話が前進するわけですが、今の割当停止をやっておる綿花というものが、品物がないのに高くなるおそれがある、こうおっしゃっておるのですが、それは私ももっともだと思いますが、今市中綿花ですね、これは一体どれくらいのお見通しですか。市中綿花、要するに紡績業者が裏で買える綿花ですね、そういうものは一体どれくらいあるのか、それは正規の割当でなくて、商社割当だとか、リンク割当だとか、そういうもので横流しされるものはあるわけです。それのことを私は伺っておる。

永山時雄通商産業省通商局長

○政府委員(永山時雄君) 原綿の割当には、御存じだと思いますが、直接紡績業者に割り当てます割当方式をとっておるものと、それから商社に対して割当をしておるものと、両方あるわけですが、今のお話の市中の関係に流れておりますものは、大体後者の関係だと思いますが、そうしますと、大体昨年で三万八千、今年の計画で六万八千ばかりの数量でございます。従って全体の量からすると、ごくわずかなものでございまして、全体の輸入量が約百九十万俵ばかりでございますから、その中のそれだけの数でございますから、きわめて微々たるものでございますが、ただしそのほかにふとん綿とか、特繊と称しまして、普通の綿紡績とは別個の取扱いをしておる業態なんでありますが、そういうような関係に割当をしておる原綿が年間に約二十二万俵足らずでございます。これがふとん綿や何かは季節的な需要、秀節によって需要の強さ弱さというものが非常に変っておりまして、夏を迎えるその直前の時期が何か非常に需要が少い、冬に向っていく場合が非常に需要が強いというような関係で、そして割当の面でも多少その点は考慮はしておりますけれども、中にはふとん綿用として渡したものが紡績業方面に行ったりしているような例もあるのであります。ただ、それがどの程度の数量かということはちょっと想像がつかないのであります。大体そんな事情でございます。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 先ほどのお話は、割当停止をやっておるが、勧告操短のラインまでは支障を来たさないように個々の工場を対象にして審査をして割当をしてということですね。先ほど伺った通りです。で、問題は、そうしてずっとしばらく停止をせられますというと、どういう現象が起きて来るかというと、私はおそらく原綿の在庫の非常に少い新紡とか新々紡ですね、これが非常な苦境に入るだろうと実際思うのるジャパン相手だけが非常に高い税率として残っておったのでございますが、これも大体諸外国並みにこれを低めた。そのほか絹製品関係だとか、あるいは真珠であるとか、人造真珠、おもちゃの類、造花、あるいはクリスマス用の電球、釣道具というふうに、日本から相当大きな金額で輸出されております品物につきましては、ほとんどこれは実質的な関税の引き下げを獲得した、こういうふうに考えております。  それで、それではアメリカに対しまして、これだけ関税が引き下げられたので、どれぐらいの輸出が伸びるであろうかということを聞かれるのでございます。この計算は、実は非常にむずかしいのでございますが、先ほど申し上げましたように、単純な計算をいたしまして、大体七%の引き下げが、一九五三年度の数字をとって見ますと、総輸出額が二億六千万ドルでございます、その中で、今回の関税交渉によりまして譲許を得ました品目をカバーする金額が一億三千万ドル、約五〇%に相当する、項目につきまして関税の譲許を得たわけでございまして、これらの項目について七%平均の譲許を得たと申しますことは、大体一千万ドルに相当する金額の税金を軽減されたということになります。これはごく単純に計算いたしますと、七%でございますが、このほかになお心理的な影響、あるいは非常にこれによって取引の安定を得たというような諸般の状況を考えますと、約二千万ドルないし三千万ドルの輸出の伸張は期待できるのではないかという見方をいたしております。しかし、アメリカの新聞等に出ております、先方の予想では、日本が三千万ドルをみているのはむしろ少くな過ぎる、もっと伸びるのではないかというような記事もみえておりますが、これはまあ受ける方の、つまり脅威を感じている方の側の観測でございますから、まあ大体二千万ドルないし三千万ドルというふうに見ることが妥当ではないかと思います。なお、そのほかに関税が低くなる、こういうような国におきましては、輸出が伸びるという一つの現実の例証といたしまして、昨年中ごろにカナダと日加協定を結びまして、カナダの税率を最恵国待遇を受けるということになったのでございます。すなわち、昨年の下期におきまして、わが国からカナダに輸出しておる品物が実質的に非常な関税の引き下げを受けるということになったのでございますが、昨年の上期と下期と比較いたしますと、他の原因はもちろんでございますが、大体輸出の数量が倍になっております。上期に約七百万ドルのカナダドルのわが国の輸出が、下期には千四百万ドルの輸出になっているということは、関税の引き下げということが、米国、カナダ等の自由貿易をしている国にはいかに大きな要因であるかということの一つの例証と存じます。なお、アメリカ以外で、おもな交渉をいたしました国はカナダ、ドイツ等でございますが、その他の国につきましては、たとえば南米の諸国、あるいはアジアの諸国等ともいたしましたのでございますが、アジアの諸国につきましては、わが国の貿易関係は非常に大きいのでございますが、何分これらの国は関税収入をもって国の財政収入の一番大きな財源にしているというような国でございまして、これらの国から関税の譲許を獲得するということは容易なことではございませんので、大体アジア諸国に対しましては、ノミナルな交渉になっております。なお南米等につきましては、一番わが国と大きな関係にあるアルゼンチンはガット加盟国ではございませんし、ブラジルはガット加盟国でございますが、今回の交渉に入らなかったというような関係で、他の諸国とはやはりノミナルな交渉をやっております。そのほかヨーロッパの諸国につきましても、ドイツ、イタリア以外の諸国につきましては、あまり実質的に大きな交渉にはなっておりませんが、しかしとにかく十七カ国を通じまして、相当数の関税譲許を得ましたことは、将来のわが国輸出貿易の促進にも相当大きな効果を与えるものと考えております。これに対しまして、わが国が与えました譲許でございますが、これは数は先ほど申し上げた通りでございますが、その品目につきましては、たとえば米であるとか、麦であるとかというような主食類については、これは一切関税譲許をしない。あるいは、わが国に相当競争産業がありまして、もし関税を譲許することによりまして、これを危殆に陥れるというような産業におきましては譲許をいたさない。わが国で譲許をいたしましたのは、相当品目をセレクトいたしまして、大体原料品その他で実質的にこれを従来より低い税率で入れておって、どうせ外国から買わなければならない、あるいはわが国に同種の産業はございますが、非常に競争力が強くて、少々の税率を下げても、大丈夫太刀打ちができるというような品目を選びましたものでございます。そういうようなことから、大体わが国の産業に対する影響は、まあこれにおいて、先ほど申しました輸入に対するコントロール、つまり為替の制限が行われていることとあわせまして、さしあたり大きな影響はないものと確信いたしております。このガットに入りますための議定書というのは、本来から申しますれば、国会の御承認を得た上で手続署名をいたすのが当然でございますが、今回はアメリカの大統領の権限、つまり互恵通商協定法によるアメリカ大統領の権限ということの、アメリカ大統領の関税引き下げの権限というのが六月十二日に失効いたすことになっておりまして、その延長法案が米国の議会に提出されておりましたけれども、これが果してどうなるかわからないというような状況のもとにおきまして、どうしても五月の下旬までに実質的に関税交渉を終らせて、大統領の裁可を得るというところまでいきませんと、もしこの六月十一日までに大統領の裁可を得なければ、後におきましてはこの権限がなくなる心配があるというようなことから、タイム・リミットをつけられまして、非常に急ぎました関係上、その実質的な交渉と手続の間に相当無理をいたさなければなりません関係上、両院の御了解を得まして、交渉終了後議定書に署名をいたした次第であります。で、事後承認の形になりますが、いずれ正式にこの案文が整いまして、両院の御承認を得るという運びになりますので、その折にはいずれまた正式な御説明をいたすことと存じますが、一応概略、お許しを得まして、今回の交渉の状況を簡単でございますが、御報告申し上げた次第であります。

吉野信次自由党

○委員長(吉野信次君) ただいまの何についていろいろ御質問もあると思いますが、ちょうど通産大臣が見えておりますから、通産大臣に対する、いろいろ予算の関係で時間の何はあるかと思いますが、御質問があればお願いいたします。  それから、この間から一つ問題になっておりますのは、特定の物資の輸入に関する臨時措置に関する法律に関連いたしまして、砂糖の価格安定及び輸入に関する臨時措置の件が農林水産委員会にかかっておるわけなんです。実態は商工委員会の主管の事項に非常に関係が深いものですから、一応政府の方からこの法案の砂糖の価格安定云々の臨時措置に関する法律案の提案の趣旨の説明も伺っておきたい、こういう何もありますので、特に通商産業大臣にきょうお願いしたわけであります。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) この砂糖の、委員長からお話がありました法律案は、実は御承知のように、昨年までは砂糖をいわゆるプラント輸出の見返りとして、これにリンク制と結びつけまして輸入をしておったというようなことをやっておったわけなんでありますが、それにも非常に弊害がございます、また海外との関係から申しましても、特に日本の輸出奨励のために砂糖をくっつけるというようなことが非難の的にもなりますので、かたがたリンク制はやめまして、ところが御承知のように、また砂糖は今自由に輸入しておりません、数量に制限を施しておりますから、従って、内地の価格と外国の価格に非常な開きがありまして、砂ことが今のような事情にしんにゅうをかけて事態をひどくするということになりますので、まず当面の問題としては、できるだけ国内の需給関係のバランスを回復をするということをわれわれとしては手を打つべきである、かように考えて綿糸の操短をやっておりますし、それからお話の機の関係も生産制限を実行いたしておるのであります。これもまた御承知のように、機屋の状況は中小企業で、しかも数が非常に多いとうようなことで、一口に生産制限と申しても、なかなか実行困難な点があるのですが、それでもできるだけ品種別、あるいは地域別に具体的な需給関係というものを取り上げて、それに即応したような方法に今の操短をできるだけそういう方向に改善をして行くということで一応当分の間進んでいきたい、かような考えであります。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 今、一番大事な問題として提示されたのは、この綿糸の暴落が影響して、需要に相当な悪影響を与えているということを言われましたが、私ども全く同感なんですが、問題はとにかく輸入綿花よりも加工を加えた糸や、あるいはそれでさらに加工をした製品の方が安いというのは、これは経済現象として実に不安定な矛盾したものなんです。そういう状態があるから、従ってわれわれの家庭にしても、もう今に製品が下ってくるというので買い控えすることは当然だと思うのです。従って暴落をしたから算術級数的か、幾何級数的かしりませんが、需要というものは買い控えをして縛られていると思うのです。ところが、消費者は一時はそれで工合がいいと思いますが、そういう意味の暴落というものは、結局において需要者の私は仕合せでないと思います。工場をつぶし、多くの労働者を失業させて、そうして暴落を放置しておく。そうして安い物が買えたからといって国民が喜んでも、次の瞬間にはまた高いものになる。そういうことになるので、そこはやはり政策的にどの工場においても一応最低限度の採算はとれる、労働者は失業させないという程度で、通産行政というものを行われなければならない。これは繊維だけに限ったことではありませんが、特に今当面している繊維の問題については、そこを中心にしてやらなければならぬと思う。そこで私は先ほど大臣にお伺いしたように滞貨融資なり、あるいは政府の買い上げということの措置をきめて、そうして糸価の安定というものを積極的にはからなければ、国民はただいたずらに待っていればどこまで落ちていくかわからないような、そういう暴落というものはない。一応この辺で製品というものの価格はとまるのだ、それなら安心して一つ夏物を買いましょう、秋物も買いましょうということになる。そこでやはり積極的な施策というものを石橋大臣おとりになるのが妥当じゃないかと思います。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) ただ困ることは、綿だけに限っていえば、綿価の底がわからないということなのですが、これは一般しろうとの消費者はさることながら、やはり相場の問題は、やはりくろうとが出動しなければ動かない。くろうとが出動するには、われわれしろうとして考えるよりも、やはりそういう綿花とかいうことになりますと、一応そんなことを言ってははなはだいくじのない話でありますが、世界的商品だけに海外の影響をひどく受けて、実は今局長の言ったような程度の方策以上のものが今講じかねておるような次第でございます。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 これは、大体わかりましたらから質問は私、打ち切りたいと思いますが、現地における混乱は予想以上なんで、実に深刻なものがあります。従って当委員会は、先行きについてもとうてい安心できませんので、ちょうど国会も開かれておりますから、今後とも関心を持って、そうしてあまり悪影響を広範にまき散らすことのないように、ただいまの通産大臣の対策ではなかなかそこまで落ちつきそうもありませんから、さらに一つよく事情を伺って、善処のできるような態勢を一つ委員長の手元でとっていただきたい、お願いしておきます。

吉野信次自由党

○委員長(吉野信次君) ほかに大臣に対する御質問ございませんか。なければ大臣は予算委員会に出席せねばなりませんので……。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 資料の要求……砂糖関係の資料ですが、統制撤廃後の砂糖の外貨割当の明細、各工場別とか、商社別とか……それから砂糖会社の借入金の状況、それから一口にいえば砂糖会社の経理状況、それから砂糖会社の設備能力の膨張の経過ですね、そういうものを。そのほか私が今お願いした以外で砂糖会社の一切がっさい、一番わかりやすい資料を一つ工場別にいただきたいのです。

白川一雄日本民主党

○白川一雄君 委員長に御相談申し上げますが、石炭鉱業合理化法案につきましては、衆議院の審議状況を勘案しながら慎重にやらなければならんと思いますが、この法案は本会議で提案理由の説明もあり、代表質問もあったという重要法案であると思いますので、当商工委員会におきましては、公聴会を開いて各業界の権威者の意見も一ぺん聞いてみるということが必要でないかと思います。もし、そうしますと、国会会期の関係もあり、その手続に日にちもかかることでしょうから、至急に御決定を願って、そういう公聴会の開催をしていただきたいと思うのですが、いかがでございましょうか。

吉野信次自由党

○委員長(吉野信次君) 承知いたしました。いずれ理事の方とも相談しまして、正式にやるとするならば二週間くらい間がある方がいいとかいう話ですけれども、そうはなくとも一週間なり十日くらいあれば来てもらえると思いますから、どういうお方をお呼びするかということについては、これまたいずれ各位に御相談してみたいと思います。なるべくそういうふうに取り計らいたいと思います。  それでは本日はこれで散会いたします。    午後四時十五分散会      —————・—————

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