商工委員会 閉会後第5号
- 発言数
- 177 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1955/11/10
会議録
○委員長(吉野信次君) それではただいまから委員会を開会いたします。 昨日の委員会で国産自動車工業振興のための小委員会を作ることに御決定になりまして、その構成等につきまして私に御一任になりましたので、各派の方と御協議を申し上げまして、小委員として山川君、上林君、古池君、高橋君、藤田君、小松君、白川君、石川君、この八名の方を御指名申し上げたいと思います。御多用中まことに御迷惑と存じますが、よろしくお願いいたしたいと思います。 なお小委員会の小委員長の互撰の手続を省略いたしまして、白川委員を小委員長に御推挙せられることに御協議がなったようでありますから、白川君に小委員長をお引き受けを願いたいと存じます。 それから小委員会の名称ですが、国産車振興に関する小委員会とでも呼ぶことにいたしたいと思います。これも御了承いただきたいと思います。 —————————————
○委員長(吉野信次君) それでは本日の議題である電力問題の調査に入ることにいたしまするが、議事の進め方といたしましては、初め参考人の方から御意見の御開陳を願って、終ってから参考人並びに政府当局に対して御質疑を行う順序にいたしたいと思います。 参考人の方に一言ごあいさつ申し上げます。本日は大へん御多用中のところ御出店下さいましてまことにありがとうございました。御説明をしていただく点は、電源開発に関する件〜、電源開発株式会社の運営に関する件でございまして、お手元にあらかじめその説明を求める事項というものをお渡ししてあると思いますから、その項目順につきまして、どうか忌憚のない御意見を伺ってみたいと思います。それではまず藤井副総裁からお願いいたします。
○参考人(藤井崇治君) 本日は御多用のところ御参集願いまして、電源開発の問題につきましていろいろ御検討願いますことは、事業をあずかっておりまする私どもといたしましてまことに感謝にたえません。厚くお礼申し上げます。実は小坂総裁がお伺いするはずでございましたが、先般来の現地視察のため風邪をいたしまして引きこもっておりますので、私がかわって出席さしていただきました。どうぞあしからず御了承いただきたいと思います。本日は委員長、いかがいたしましょうか、先にこちらにいただいているものをずっと御質問を待たないで御説明申し上げましょうか。
○委員長(吉野信次君) そうした方がいいかと思います。
○参考人(藤井崇治君) ではさようさせていただきます。
○委員長(吉野信次君) 一通りの御説明を願って……。
○参考人(藤井崇治君) それではこちらにいただいておりまする説明を求める事項という、この問題につきまして、順序を追いまして、簡単に御説明申し上げます。 昭和三十年度はおかげをもちまして佐久間、糠平、足寄、西吉野第二、各発電所四十四万五千キロワットが運転を開始する運びになったのでございます。これによりまして、三十年度末における当社の発電出力は、既設の胆沢及び東和両発電所と合せまして、合計出力四十八万七千キロワットとなるのでありまして、継続工事及び熊野川、奈半利川を含めまして、合計の計画出力百六十三万五千キロワットに対しまして、約三〇%を開発することになったのでありまして、当社の建設もようやく本格的な段階に入るわけでございます。これらの工事は明年はその頂点に達するものと存じております。 三十年度の事業計画につきましては、本年度に完成します四つの発電所、及びこれに関連する送変電工事に重点を置きまするとともに、一方三十一年度以降に完成を予定いたしておりまする只見川水系の発電所、及び天龍川の秋葉発電所、それから庄川水系の御母衣発電所の工事につきまして、今後電力の需給の均衡に貢献するように計画いたし、着々実行に移しておるのであります。 しこうしてこれに必要な本年度の資金はすでに決定を見ました財政投融資の三百八億五千万円と、市中借入金、外貨、その他合せまして、最小限度三百六十億円を必要とするのであります。 明三十一年一度の事業計画につきましては、目下政府に提出いたしておりまするように、総資金は四百五十五億円を必要とするのでありますが、そのうち財政投融資としてぜひともお願いいたしたいと存じておりまするのが、三百八十六億円を期待しておるのでございます。これらの資金は田子倉、奥只見、秋葉、御母衣などの各継続工事を施行いたしまするとともに、二十九年度に電源開発調整審議会において開発地点として決定を見ました熊野川、奈半利川面地点の工事着手準備を予定しておるのでございます。継続工事につきましては、すでに仮設備を完了するか、あるいはダム本体の掘さく等の本工事に着手しておる地点もございまして、工事は予期以上の進捗を示しておりまするから、資金効率の面からも、また予定される工期を確保する上からいたしましても、どうしても明年において先ほど申しました四百五十五億円の資金が要るわけでございます。で電力需給につきましては、電源開発の進捗によりまして著しく需給は改善されてきたのでございまするが、しかし政府の経済計画に基きまする見通しによっても、今後の電力需給は依然として堅実かつ旺盛に増加する見込みでございまして、電源開発の必要はいささかも減じていないのであります。また目下電力会社が建設しておりまする新鋭火力の合理的運営の上からも当社の開発する大規模な貯水池式発電所の一貫運営が前提となっておるのでありまして、このために当社の建設が非常に急がれておる次第でございます。当社の営業につきましては、佐久間発電所の運転によりまして本格的軌道に乗るわけでありまするが、今後さらに引き続き他の大規模かつ困難な地点の開発を行いまして、しかも良質で安い電力を生産するためには何よりも完全な工事と低利の資金が必要でございまして、これらの目的はまた、当社の設立の趣旨でもあると存ずるのであります。こういうわけでございまして、政府の当社に対する積極的な財政投融資を切望いたす次第でありまするが、財政投融資につきましては量的な確保はもちろん必要でありまするが、特に政府出資分の増加をはかっていただきまして、資金コストの引き下げに格段の御配慮をお願いいたしたいと存ずる次第であります。かりに今後相当量を市中金融をもってまかなうといたしますれば、電気料金の高騰を招くことは申すまでもないのでありまして、年々このほかに元利の償還支払いに追われまして、営業はもちろん建設にも非常な支障を来たすのでありまして、ひいてはそれが当社設立の意義を疑わしめることになるおそれがあると存ずるのであります。もちろん政府財政の状況に応じまして不幸にしてかかる事態になることもあり得るかとも思いまするが、もしそういう事態になった場合におきましては、料金を安くするためには特別な政策が持たれることが必要になってくるかとも存じまするが、営利を目的としない国策会社でありまする当社の性格にかんがみまして、そういう場合に逢着いたしましたときには、何か特別の政策を立てていただくことをお願いしなければならないと存じておるのであります。 以上ごく簡単でございまするが、三十年度の電源開発の実績状況と、三十一年度の電源開発計画とその資金の状況を申し上げた次第でございます。 なお後ほど御質問にお答えした方がよろしいかとも存じまするが、つけ加えて説明さしていただきます。 実は皆様方からかねがね電源会社の資金の問題につきまして格別の御配慮を願い、なお今日におきましてもいろいろ御心配をいただいておることは私とも感謝にたえないのでありまするが、その状況につきまして概略申し上げておきます。 本年度の当社の資金は御承知のごとく財政投融資としてきめられた額が三百八億五千万円、この内訳は政府出資が三十億円、それから余剰農産物の見返り円が百八十二億五千万円、預金部資金が九十六億円、こうなっておるのでありますが、そのほか当社のでき上りました発電所の収入等が約十五億四千万円ばかりございます。さらに大体話を進めておりましたり、あるいは外国の、これは主として日本に支店を設けておる外国銀行でありまするが、そういう方面からの借り入れ交渉の大体済んでおるものが三十一億七千万円ほどございまして、合計三百六十億五千万円ばかりのものを使う予定にいたしておるのであります。ところが今日までの実績を申し上げますと、政府出資はいち早く御出資願ったのでありまして、これはもう本年度の当初にいただいて使ってしまったのであります。ところがその後余剰農産物の見返り円の入り方が非常におくれましたために、今日までのところ、今日というのは十月末でございまするが、十月末までのところ余剰農産物の見返り円は玉十七億六千万円使わしてもらっておる程度であります。その他の当社の収入は六億三千万円ほどでございまして、相当資金に窮屈を来たしておるのであります。従ってその金のやりりくをどういうところに求めたかと申しますと、預金部資金を一時拝借することにいたしました。預金部資金は先ほど申しましたように、本年度中に九十六億円拝借することになっておるのでありまするが、それをすでに百十六億五千万円拝借いたしまして、これは借り越しになっておるのであります。しかしこれはやがて余剰農産物の見返り円が入ってくるに従いましてこの方は逐次減らして行くことになっておるのであります。 かようなわけで、今日までのところ資金として二百十億四千万円というものを使っておるのであります。ところが現実に使っておる金は二百二十五億二千万円ばかりでございまして、差引十四億八千万円ばかりの資金の不足を来しております。この問題につきましてはあるいは支払いの繰り延べとか、あるいは建設業者の立てかえ払いというようなことによりまして一時をしのいでおりまするが、最近余剰農策物の方の見返り円等の資金も入ってくるようになっておりまするので、これはやがてそういうことは解消すると思っております。もちろんそういう場合におきまして金利等については私どもの方も業者に迷惑をかけないような措置は講じつつやっておりまするが、そういうことをやっております。 なお市中銀行からの借り入れも三十億円ばかりのものをいたす必要は存じておりまするが、今日までどうしてやっていないかというと、まあ金利が預金部資金等に比べますと相当高いので、なるべく金利等の節約をする意味におきましてこういう金利の高いものは年度のなるべくおそく借りるようにして資金効率をよくしようと、こういう考えからかような措置をとっておる次第でございます。 それからその次の、今度は電源開発会社の運営に関する件でございまするが、この問題につきまして次に御説明申し上げたいと存じます。申し上げるまでもございませんが、当社はその使命並びに性格におきまして、普通の民間の他の電力会社のそれとは根本的に違っておるのであります。御承知の通りに、民間会社では開発することが困難であり、適当でないと認められるところの大規模な開発困難な地点を、国家資金をもって開発する、そうしてできるだけ良質低廉な電力を作って電力会社に供給するというのが、この会社ができた目的であることは法律に記載してある通りでございます。従いまして当社の建設所要資金は、その大部分を長期低利な国家資金でまかなうことがこの趣旨に沿うゆえんと考えるのでございまするが、このような国家資金による当社の開発成果は、同時にひとしくこれを国全体に還元すべきものであると考えておるのであります。当社はかような使命を達するために、完成後の発電設備は引き続きましてこれを当社において所有し、また当社の主要電源相互間を連係いたしまする送電線、あるいは大きな需用地に対するところの送電線を当社が建設し、これを自分の手で運用して電力会社に卸売をすることが最も妥当であると考えておるのでありまして、現在のところ、そういう方針ですべての計画を進めております。また当社は単に電源の開発並びに電力の供給を行うばかりでなく、将来はこの目的を円満に遂行させる必要上直接必要な付帯事業も行わねばならない場合も生ずるものと考えておるのであります。これはたとえていえばどういうことかといいますると、水源地の涵養、涵養林の培養、といったようなことでございまして、こういうようなことはどうしてもやらなきやならないときがくるのではないかと考えておるのであります。なお当社は独創性を発揮しまして金企業能率を上げるためには、公社であるという御意見もありまするが、今のところやっぱり株式会社の形態がよろしいのではないかと、かように考えておる次第であります。 次に当社の設備の建設方針でございまするが、まず発電設備について申しますると、当社は当面水力電源の開発に重点を置きまして、大規模困難な地点、国土総合開発の一環として開発すべき地点、経済的、社会的ないしは技術的に総合的に開発せざるを得ない地点、地域的電力需給の調整に必要な地点、かような所をねらって開発を行なっていくべきものであると考えておるのであります。しこうして電気料金の長期安定化のためには、どうしても大規模な水力地点の開発が、たびたび申しまするように低利な国家資金をもってする当社がもっぱらこれな相一当することが最も合理的であろうかと考えておるのでありまして、そういう見地から一応の建設目標を次のように立てております。すなわち昭和三十年度末までに約五十万キロワット、三十五年度末までに約百五十万キロワット、これは累計でございます。昭和四十年度末までに三百万キロワット、こういうことを一応の現在の目標といたして計画を立てておるのであります。で、この場合当社の開発は国家資源的な見地から、将来に悔いを残さないような最も適当な規模とすることが必要であると存じまして、そのためには当社におきましても積極的な水力調査々行いまして、みずから進んで計画を立てて、これを実行に移していただくように政府当局の方にもお願いを申し上げていきたい、かように存じております。当面の建設方針といたしましては、現在継続工事中ないしは着手準備中の百六十万キロワットを予定の工期内に完遂することに全力をあげておるのであります。また当社は、水力電源の開発と合せまして、将来は今、朝野の問題になっております原子力発電でありまするが、これも行うのがよいのではないかと考えております。特にパイロット・プラントは民間会社で建設することは非常に困難な場合がございまして、どうしても巨大な国家資本を必要とする必要がありまするので、当社の性格上、これを当社が担当することが適切ではないかと考えておるような次第であります。 それから送変電設備でありまするが、当社はもとより電気の小売をする会社ではないのでありますが、当社の発電力の効果的運営をはかりまするためには、主要な電源相互間を連係する送変電設備、あるいは大需用地相互間を連係するところの超高圧の大容量送変電設備は当社がこれを建設せざるを得ないのではないかと考えております。 次に当社の運営方針でございまするが、設備の運営方針につきましては、当社は自分で給電指令をいたしまして電力の卸売を行い、全国の地域的の需給の調整と全電力系統の合理的経営、経済的の運営に寄与したい、貢献したい、かように考えております。もちろんこの問題につきましては、九電力相互間でいろいろお考になり、やっておられるのでありまして、私どもは側面からそういうことの協力をしたい、かように考えておる次第であります。また国土総合開発の一環といたしまして、発電設備はその総合開発効果が十分発揮できまするように運営する考えでございます。現にこういう問題につきましては、関係のあるいは建設省、農林省方面ともよく打ち合せまして、貯水池の有効利用について万遺憾なきを期しておる次第でございます。 次に営業方針でございまするが、当社は前にも申しましたように、電力会社に電力の卸売を行いまするが、その場合、電力配分は電力需給状況に応じまして効率的運用が可能なように配分いたしたいと考えております。 次に、当社の卸売料金は可能な限り、できる限り低廉で、電気料金の長期安定化に寄与し、当社の卸売料金を通じまして、全国の電力会社及び需用家に何らかお役に立つようにしたいと考えておるのであります。しかしこの場合といえども、当社の卸売料金は、原則として、全体としては総合原価をまかなうものでなければならないと考えております。しかしながら、建設の初期では全国を総合するというわけにも参りませんので、あるいは水系別にあるいは地点別の発電原価に関連いたしましたところの送変電原価を加えまして、そういう料金で卸売をせざるを得ないと存じております。なお必要に応じましては、特定地域に対しまして政策料金を適用せざるを得ない場合もあると思いまするが、この場合といえども、資金コストを割らないということはこれは事業運営上必要ではないかと存じておるのであります。しかしこの政策料金につきましては、これは一に政府御当局の御方針によるものでありまして、政府の御方針に従ってすべてのものがきまって参るのでありまして、ただいま具体的にどうということを申し上げるわけには参りません。その点は一つ御了承願いたいと思います。 最後に資金の調達方針でございますが、当社の開発資金は政府出資によるべきものでございまして、不足分を政府の融資によるのが至当かと考えておるのであります。当社の設立の趣旨あるいは経緯にかんがみましてもこの点は特に皆様の格別の御配慮をお願いいたしたいと存じております。まあ運営形態につきましては大体かような考えで参っております。最後に佐久間発電所の電力配分と料金問題、そういうことが議題になっておるようでございまするが、佐久間発電所につきましてはおかげをもちまして大体予定の工事進捗状況を示しておりまして、約二カ月間当初の予定よりはおくれましたが、水没いたしまする飯田線のつけかえも明日開通式が行われる段取りに相なりましたので、これから水をためる作業に移るわけでございまするが、すべてができ上りますのはもちろん明年の夏になりまするけれども、完成以前に相当な水もたまり、営業運転に入り得る状況になっております。それで目下これが配分につきまして関係会社と折衝中でございまするが、もちろんこれは最後的には政府並びに電力調整審議会の御決定によることでございまするが、われわれ当局者の考えといたしましてはこの電力は東京電力と中部電力、この両社に供給する予定でおります。世上伝えられておりまする点で、この点一つまあ誤解のないようにこの際御説明申し上げたいと思っておりまするが、まずあの設備は最大電力三十五万キロでございまするが、これを東京及び名古屋に送りますために二十八万ボルトの超高圧送電線を建設いたしまして名古屋と東京にそれぞれ東京には最大二十四万キロ、名古屋には最大二十七万キロの変電設備を建設いたしております。これはほとんどもうでき上っております。この使い方につきまして半分に分けるということが伝わっておりまするが、これはさようなことにはしないで設備の最大限度におきまして使い得るようにいたしたいと、かように考えております。すなわち名古屋の需給状況が非常に悪い場合においては名古屋方面には最大二十七万まで送れる、東京方面が非常に悪いときには二十四万キロまで送れる、こういうふうにしたいと思っております。よく世上折半するのだというふうに、折半というと十七万五千キロしか送れませんが、かような機械的な配分はしないことになっております。 それからもう一つ電力の分け方でございまするが、いろいろ今検討中でございます。検討中でございまするが、まずやはりいろいろの需給の状況等を勘案いたしまして、まず大体年間を通じまして半々ぐらいに東西にキロワット・アワーで分けるという結果になると思うのであります。ただ冬季間の、十一月から二月までのこの渇水期の補給用の電力につきましては多少その配分が変るかもしれません。大体東西の両方の需給状況を考えましてせっかく折衝中でございます。ただ何か裏融通をするようなことが伝えられておりまするが、そういうことはおもしろくございませんので、私の方は直接東京あるいは中部電力にそれぞれ売る料金はその通りに売るつもりでありまして、それをまた裏でいろいろやると複雑な手数をかけると、こういうようなことはなからしめるつもりでございます。この点は多少誤解があるかと思いまするので蛇足ではございまするがちょっとつけ加えさせていただきます。 なお料金問題でございますが、料金問題は先ほどちょっと触れましたように全国的な総合原価ではじくわけに参りませんので、おそらく暫定措置といたしましてしばらくは別の考慮に立たなければならないと思っておるのであります。この料金の問題は先ほど申しましたような、あるいは地域的、あるいは河川別の総合原価というようなことを基礎にいたしまして目下検討中でございます。まだこの料金の問題については関係方面と折衝する段階になっておりません。さよう御了承願いたいと思います。 以上ごく大ざっぱでございまするが、大体お示しになっておりまする質問事項の大要を御説明申し上げました。
○委員長(吉野信次君) 続いて電気事業者連合会の松根君から。
○参考人(松根宗一君) 私からそれでは九電力側のお話を申し上げます。今日は会長の菅がちょっと神経痛でまいっておりまして、私かわりまして一応御説明申し上げたいと思います。 御質問のことに直接お答えします前に、大体電力会社がどういう考えでやっておるかということを概略まずお聞き取り願いますことが、いろいろ御理解を願います上に早いのじゃないかと思いますので、簡単に今九電力としまして考えております考え方を一応お聞き取り願いたいと思います。 一番問題になりますのは、電気を豊富に作っていくという一番大事なことと、それがあいにくとだんだん作れば作るほど高くなるというこの矛盾が今一番電気事業者にとりまして悩みの種なんであります。と申しまして、その電気を作ることを抑制するわけにも参りませんし、一方料金を上げるということは、基礎産業である公益事業の立場から、なかなか許されないので、何とかして原価の高騰を抑えようということを先般来いろいろ業者の間で研究いたしました結果、この五月に大体九電力の基本方針というようなものを打ち立てまして、自来その方針にのっとりましてやっておりますわけでございます。この料金をどういうふうにして安定さしていくかという今の問題なんでございますが、まあわれわれの方として三つ実は方法を考えております。 一つは、従来の水火力の開発の方式を変えまして、大きい容量のダムをピーク・ステーションにいたしまして、最近非常に進みました新鋭火力にベースロードを持たせるという従来と逆の方式をとりたい。これによりまして相当の原価の高騰が抑制され得るという確信を得ましたことが一つの安定策の一方途なんであります。これはさっき藤井さんからもお話がございましたが、特に最近外国の大きな火力が、石炭の消費が非常に少いものができ出すようになりましたことが、一つのこの式の編み出されたことでございまして、もう一つ先を申しますと、原子力発電になりました場合も同じような将来が考えられるのじゃないかというようなつながりも持っておるわけでありますが、この方式にのっとりますと、火力の方は九電力側で皆やりますわけでありますが、大容量のダム式の水力は主として電発さんにお願いいたしますことになっております関係で、こいつが時期的にも容量的にも一致してできませんと、この新しい方式の運営はうまく参りません。そういう意味におきまして、特に最近は電発さんと非常に緊密な提携をいたしまして、将来とも共存共栄の立場でやっていかなければならぬという必要度を非常に増しておるわけであります。 それからもう一つは、一般的にコストを下げます問題でございますが、これはまあ大きな問題を取り上げてみますと、送電上のロスの軽減をしようという問題。それから各社門の電力の融通を強化いたしまして、余ります水が極力少いように、これを有効に使いたいという問題。もう一つはこの新鋭火力を入れますことによりまして、石炭の消費数を非常に下げていく。こういうふうないわゆる一般的な企業努力により原価の高騰を抑制する方策を着々今やっております。それぞれすでに実績が上って参っております。 第三番目は、この電力原価の一番大きい二割内外を占めております資本費の軽減の問題でございますが、これをどういうふうに抑制するか、どういうふうに吸収するかという問題なんでございますが、いろいろ工事上の問題につきましては、工事の機械化によりまして期間を短縮するとか、これは極力今やっておりますが、建設費の低下についてはこれはかなり非常な影響を持っております。 それからもう一つの問題は、非常にこのごろ膨大になりました補償費の問題でございますが、大体平均いたしまして総建設費の二割程度を今占めておる状況でございますが、との問題につきましてはほかの方面にも同じような問題があるようでございますが、特に大きなダムを作ります場合に埋没面積がふえますために、この問題がいつも工事費の増大と、工事期間が延びます。ともにこれは建設費が高くなります要因になりますので、いろいろ立法措置も考えられておるようでございますが、特にこの席で皆様の御高配をお願いしたいと存じておる点でございます。 それから次に金利の問題でございますが、大体われわれの方で先刻申し上げたような六カ年計画というものを立ててみましたのでありますが、この間に電発さんのお作りになる以外のものとしまして約四百八十万キロの水火力を作らなきゃいけない計算になりますわけであります。これに要します金が六カ年で七千三百億、年に千二百億見当でございます。このうち大体われわれの考えといたしましては、増資を六、七百億と、それから開銀資金を二千九百億、年額にいたしまして三百五十億くらいを期待して計算を立てておりますわけであります。これが最近は一般金利はだいぶ低下して参りましたこと、これは非常に電気事業といたしましてはいい影響を与えております。この点につきましてはなお後段開銀資金削減問題のときに詳しく申し上げたいと思います。 ともかくも以上のような措置をいたしまして全力をあげますと大体電力原価はどれくらい上るだろうということを計算いたしてみますと、在来考えておられたのは約二割見当値上げになるのじゃないかというのに対しまして、一割弱くらいで六カ年の値上りが抑えられるのじゃないか、われわれの立てましたことをやりますれば一割見当で抑えられるのじゃなかろうかというようなおよその想定が立ちましたわけでございます。なお、この一割の高騰もなお企業努力なりで吸収して行きたいというその上のことをいろいろ考えております。が、なかなか企業努力も限界がございまして、むしろこれは最も大きい問題は今後の金利の低下というような問題が非常に大きなわれわれの期待になっておりますわけであります。もちろんその間この税金等の措置につきましても、いろいろ特別の御配慮を願わなければいかぬ点もあると存じますが、これを要しまするにこの一割近い高騰を何とかできるだけ吸収する、もし値上げをしなければいかぬといたしましてもなるべく値上げの期間を先に延ばしていきたいというふうに懸命に努力いたしておりますわけであります。幸いここ数年今申し上げましたいろいろの企業努力の結果も生まれて参りましたし、また非常に天候的に豊水にここ数年恵まれまして社内留保もややふえて参っております。これらのものはあげて今申し上げましたような原価の上っていくことの吸収に用いまして、結局においてこれを需用家に全部還元する、別に増配もしませんという考えでやっておりますわけでございます。ところが最近この開銀の金が削減される、これは政府の資金上にもよることでございましょうし、あるいは一面この異常な金融緩慢という問題と両方からみ合いましてそういう議論が出ておるようでございます。一体これはどういう影響を与えるだろうかということになるわけでございますが、簡単に考えますと開銀がかりに百億減るという金利の差と、全体的に民間金利が下ります率と、これを比較いたしますと確かに民間金利が下ります方が多いのでございます。先刻申し上げましたように、民間金利の低下ということは、実はわれわれの方としては一割の原価の上ることを吸収する上に実は見込んでおりまして、実際から申しますと開銀に民間資金が振りかえられることによる金利の増がその吸収率を落すという実は結果になるのでございまして、これを大体換算いたしますとこの六カ年計画をやりました三十五年におきましては年額三十億ぐらいの金利の増が開銀資金に振りかえられますとそういうような計算になるのじゃないかと思います。なおこの金利の問題は別といたしまして、電気事業というのは一つの工事が三年も五年もかかりますような長期にわたります関係から、今年は金があるからやる、来年は金がないからやらぬというわけに実は参りません。それは結局工事費が高くたることになります。どうしても資金源というものはある程度計画的にこれをつかんでいきませぬと実施が非常にむずかしい問題を生じますのは、ちょうど船であれば今年は金があるから三十ぱい作る、ないから今年は十ぱいにしておこうというわけにいきますが、電気の場合は先ほど申し上げましたようなことで、なかなか金が長期にわたって継続しますので、非常にその間の事情が違います。今年のごとく年の暮れも近くなりまして巨額な削減を受けますことは、もちろん一方に非常に民間の金融がゆるみました事情があるにいたしましても非常に計画が狂いますし、特に今回の金融緩慢ということが長期の計画を必要とする磁気事業の立場から見まして一体いつまで続くのか、われわれの過去の経験に照らしてみましても、そうなかなかいつまでもこういう状況は続くとは考えられません。そういう際に一体電気事業はどういうふうになるのか、まあそういう際は政府資金がまためんどうを見るという話も出ておるようでありますが、非常にそういう不安定な状況に置かれますことは電気事業の性質といたしましても因るのであります。でありますから政府の事情もわからぬではございませんが、どうしても政府資金がなければ電気事業がやっていけぬということではございませんが、やはり計画的に遂行さしていただきますためにはあまり急激な削減をやられますと結局電気事業はうまく進展しない、同時にそれがある経度原価の高騰にはね返っていくということも十分御勘案願いたいと存ずる次第であります。 なおもう一つここで付言いたしておきたいと存じますのは、われわれが立てました六カ年計画の四百八十万キロの開発にいたしましても、実際の需給状態はどうかと申しますと、実は、ぎりぎり一ぱいの供給でございまして、たとえばこの夏のようなちょっとの渇水でも、火力設備もすべて動員いたしましてなお一部には供給の制限をしたければいけないというようなほとんど全力のない供給状態なんであります。従いまして戦前程度の安定した良質の電気を供給するということは、これはむしろこれをお使いになる側からいいまして、私は非常に必要なことじゃないかと思うのでありますが、そういうある程度の余裕、たとえば五%くらいの余裕を持たせるということになりますと、さらに百五十万キロくらいの予備設備が要るようになるわけであります。必ずこれはすべてのものが安定して参りますと需用家からも要望される状態になります。これらのことを勘案いたしますと、今の開銀資金の問題も簡単にもう電気はいいのだということはぜひ一つ認識を改めていただきたいと存じます。 大体九電力の立場でどういうふうなやり方をしておるか、どういうふうに考えておるかということは以上の通りでございますが、御質問の中身につきましてこれに当てはまるようなお答えを申し上げたいと思うのでございます。 三十年度の電源開発はどういうふうになっておるかと申しますと、九電力側におきましては継続工事が水力で六十二万キロ、火力で七十二万キロ計百三十四万キロでございます。なおこれに新規工事といたしまして水力が二十七万キロ、火力が四十七万キロ合計七十四万キロをやっております。そういたしましてこれが今年度中に竣工いたしますものが水力が三十五万キロ、火力が六十五万キロ計百万キロでございます。これに要しまするお金は約手二百億でございまして、これをどういうふうにまかないます計画かと申しますと、増資分が約五十億、開銀融資、これは今度減らされそうで、今までに決定いたしておりますものは約二百八十億、民間社債で百五十億、興長銀その他民間金融から借りて参りますものが四百億、あと三百億程度のものが社内保留、つまり減価償却その他の社内保留ということになっております。計千二百億という数字に相なります。 それから次に三十一年度の新規開発計画でございますが、これは実はまだはっきり確定いたしておりません。おそらくこの年末か来年平々の電力審議会で決定するわけでございますが、大体申しまして今申し上げたような数字にほぼ大差ないと存じます。その際に要しまする金が約千三百億、これにつきましてはわれわれの方の計画といたしましては、先刻申し上げましたように開銀に三百五十億、増資に百億、民間の社債、銀行借り入れに六百億、社内保留に三百億というような大見当の見当をつけております。開発数字につきましてもほぼ三十年度と大差ない数字になっております。 三番目の開発銀行の融資切りかえにつきましては先刻申し上げました通りであります。 それから第二の電源開発の問題でございますが、これは実はひとさまのことで、かれこれ申し上げることはいかがかと思いますが、われわれの考え方といたしましては電源開発会社は公社になさらんで、今のままでやっていただきたい。と申します理由は、いろいろ公社につきましては国鉄その他最近問題になっておりますので皆様御承知だと思うのでありますが、やはり運営あるいは資金問題、開発、そういうような問題についての機動性が非常に失われるのではないかということを一番密接なる関係を持っております九電力といたしましては心配いたしますわけであります。ことに先刻申しましたように、九電力と電発とは一体になって電気の開発、運営をやっていかなければいけない立場にありまして、あまり性格の変ったものでは非常に話が円滑になりにくい点も起るのじゃないかというような抽象的な懸念もございますわけで、もちろん公社になります結果、税金が減るとか、いろいろ措置がとられ、有利な点もあると思いますが、これらにつきましては現状においてもそういうことが考え得るのじゃないかというふうに考えております。 それから佐久間発電所の電力の配分並びに料金問題につきましては、さっき藤井さんからお話がありましたが、これは今実は三者の間でせっかく話し合いをいたしております。どういうふうにこれを配分するかという問題は受けます方の東電、中部電力の電力需給関係にもよりましょうし、またその料金につきましても業者の一般に売ります料金の原価の関係もございましょうし、原則的な話は藤井さんがお話しになったような問題だと思いますが、実際にはこの三者の間でその経営首脳者が十分な常識を持ってお話し合いいたしますれば、必ず私は解決がつく問題だと考えております。 簡単でございますが、私から申し上げておきたいことはそれだけであります。
○委員長(吉野信次君) それでは御質問を願います。
○藤田進君 それでは私から質問いたしますので、それぞれお答えいただきたいと思います。 まず最初に今公述していただきました順序で若干の質問をいたしたいと思いますが、資金の問題について当初通産省二百八十億、これは九電力についてですね、割当をきめて、ちょうどわれわれ本院の商工委員会も開会中でありまして、種々説明を求めたわけです。ところがその後約八十億ばかり市銀に肩がわりをするという問題が出て来たように思います。今までの説明を聞きますると、六カ年間で約三十億ばかりの金利の差がつくという説明もあったと思うわけであります。こういう点についてもう少し詳しい実情と、たとえばすでに委員会等では八十億ばかり肩がわりするようにきめたという話を聞いております。これは電力会社とされて、私ども遺憾に思うのは……あるいは事情がわからないのかもしれませんが、要するに金利が高い、コストが高くなればそれだけ料金をふやせばいいのだという安易な考えがあるのじゃないか。市銀で八十億なり百億なり幾ら肩がわりしたって、要するに資金さえ確保できればまあまあ何とかやっていく、あとは料金によって何とかやっていけるだろう、こう思ってきたのだったら非常に公益事業としては問題があるだろうと思います。従ってそういう点等から今肩がわりをするということで響くのはいずれ需用家に響く、電力料金に響いてくるわけでありますが、この点について、もう少し詳しい事情をお聞かせいただきたいと思います。その点から一つ。
○参考人(松根宗一君) ただいまの御質問はこういうふうに承わりましたのですが、八十億が民間資金に肩がわりがきまった、それによって金利が高騰する、原価がそれだけ上る、その場合に電力業者はそれだけを電力料金にはね返せばいいのじゃないか、こういう安易な考えでやっておるのかどうかという御質問のように承わりましたが、実は私が前段申し上げましたことは、そういう原価の高騰をどういうふうにしてこいつを吸収するかという努力を申し上げましたので、できるだけそれをこなして行かなければいけないというところに非常に苦心があるわけでございますね。そうでなくても、この開銀の肩がわりがなくても一割くらいは上る、こいつを民間資金の金利がかりに下るといたしましょう、五カ年後を想定してみますと。現在下っております程度で四十億くらいは下るのじゃないか、この民間資金の金利がさらにこれが倍下るということをかりに想定しますと、八十億くらいの金利の下りが見込まれる、一方それじゃ一割の高騰、原価が一割上るということはどのくらいになりますかと申しますと、約二百八十億くらいの原価の高騰になりますわけですね、五年後におきましてですね。そうしますと二百八十億を一体どういうふうにして原価を上げないように吸収するかという問題があるわけでございますが、先刻申し上げたように、もし金利が現状で四十億下っている、さらにそれが倍下る……うまくいきましてですね。約八十倍ぐらいは民間資金の金利の低下で吸収できるのじゃないか。 それからわれわれの方で今考えておりますさらに企業努力をやろうという問題でございますね。一口にどこをどうということも言えませんが、まあ、五十億から百億ぐらいは何とかこれは五カ年間に出ないだろうか。主としてこれはロスをもっと減らす、今、年に一%か二%下っております。これには相当にやはり内部の金をつぎ込まないとロスの軽減はできない、こういうことはできないだろうか。あるいはまた新鋭火力の熱効率なんというものが、だんだんアメリカで今遊んで来まして、一時から見れば、われわれが戦前やっていた当時から見れば半分以下になっておりますが、こういうものの技術の遊歩が今程度に進むならばこれらも或る程度見られるのじゃないか。それらのことを含めた企業努力で五十億——百億ぐらいは何とか五年間に吸収できないだろうか。それと金利の低下を八十億と見ましても二百八十億にまだ及ばぬわけでございますね。これをあとどういうことで吸収していくかということが今までの考えであったわけです。そこへ逆に今度開銀資金の削減によって民間に振りかえられるとすると約二十億から三十億ぐらいの金利がさらに増加するということになって来ますと、吸収すべき金利が太くなってくるわけでございますね。その点をわれわれとしては非常に悩んでいる、これをどういうふうにしてやるかという問題でございます。ですから今の御質問の、いや、そのまま振りかえたらいいじゃないかという実は安易な考えじゃないので、一生懸命そういうことをこれからやっていかなければならない、一そう吸収しなければならない金利がふえることは、一そうそういう努力の必要を要請されるのじゃないか、こういうふうに考えております。
○栗山良夫君 議事進行で。私ちょっとおくれて来ましたのでどういうふうになっているかわかりませんが、きょうこの委員会は、参考人にお話を承わって質疑をしてそのあと政府の方に対する質問があるのですが、許されますか。
○委員長(吉野信次君) そういうつもりです。
○栗山良夫君 そうしますと、私は実は電源開発促進法の基本精神と今行なっておる電力行政との間に非常な矛盾を感ずるので、これはいろいろな問題について。それでそれを尋ねたいと思うので、ほんとうならばこれは政府々々と書いてあるから総理大臣でしょう。総理大臣が出て来られるわけにいかないでしょうから、少くとも石橋大臣なり高碕大臣なりの一つ出席を求めたいと思います。その点一つ御配慮願いたい。
○委員長(吉野信次君) 承知しました。 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(吉野信次君) 速記を始めて。
○藤田進君 今松根さんにお伺いしましたのは、当面現実に市銀への肩がわりということで開銀の方からもまた受け入れの民間銀行筋からも話が固定化しつつあるように私は見ているわけです。それに対してもう少し詳しい事情と、どういう努力をなさっているのか。もうすでに九電力への関係では打つ手はないという実情にあるのか、そこらが私はよくわかりませんので、そこのところをお聞きしたわけですが。
○参考人(松根宗一君) その開銀の方の問題については、今申し上げたような事情をよく関係当局にはお話をしておるのでございますが、どうもわれわれとしては十分なる手ごたえがないような気がするのですよ。結局八十億を減らされるのじゃないか。ことしは今のような場合に民間銀行に開銀融資のうち百五十億全部を市銀に肩がわりしてもいいというようなことを大蔵省が言っておられるので、この情勢が今後もいつまでも減らしていくのだということになりますと、私は今申し上げたような数字が結果になるわけであります。この問題については大蔵当局にも私伺ったのですが、来年度以降もそうするとは今限っていないのだ、またそれはそういうことになるのじゃないかと思うのですね。というのは、電気の開発はどうしてもしなければならぬ、お金は要るのだ、その場合に民間金融の情勢とにらみ合せてやはり政府資金の放出をお考えにならなければいかんので、そうなるとは思うのですが、ただことしの減りました、二百八十億から八十億減るとすると二百億になるのですが、こういう情勢でいきますと、大体新しく民間資金を百五、六十億調達しなければならぬ、従来以上に、しかも電源の開発は減るということはないのでございますから、そういう百五十億の民間資金の調達が、果して電力原価の高騰を来たさないような状態で調達できるかどうかという問題はわれわれとしては非常に不安に思っておるわけです。これは情勢の見方についてはいろいろ楽観的な見方、悲観的な見方あるでしょうが、私どもの見方からしますと、この金融緩慢のほんとうの原因は、一つは異常な輸出の振興、一つは異常な豊年というようなことが私としましては原因になっておると思うのです。こういうようなことからして金融緩慢がいつまで持続できるかということを考えてみますと非常に不安なのでございます。ことに長い間の計画を立てなければいかんでしょう。この点についても銀行当局と話をして見たのですが、来年度以降のことについては何も確言をしません。銀行方面もできるだけやりましょうという程度でしてね。これはなかなかわれわれの立場としては微妙なむずかしい立場にあるのでございますよ。ですから結果としましては非常に急激に減らされると電力事業が行き詰まる。そうして無理に金を作ると今度は原価にはね返ってくる。こういう危険がありますので、今度の開銀融資の削減もできるだけ徐々に減らすような姿をとっていただきたい。民間金融情勢とにらみ合せてやっていただきたいということをお願いしておるわけでございます。
○藤田進君 どうもどこらまで来ているかはっきり御説明がないので何ですが、これはいずれ午後大臣が見えれば政府の態度は明らかになると思いますが、大臣に御質問をいたします前に公益事業局長、今の点ですでに当委員会は過般の委員会において通産省が一応の査定をして、それが開銀によってまたなたがふるわれるという二重になっている点について、いろいろな計画上遺憾な点がありはしないかという議論が出た。今のところまさにそういう格好でこの金利問題にやはり直接関係を持つというのが問題点のようでございますが、通産省とされてはどういうふうにこの問題の処理を考えておられるのか。当初の計画とはまさに通産省の案とは狂ってきた。まだ打開の方途があるのかどうか。
○説明員(川上為治君) この問題につきましては私どもの方としましても急激に、しかもその期の途中におきまして八十億も市銀に肩がわりをするということは非常にこれは困るということで、大蔵省に対しましてもいろいろ事務的な折衝をいたしておりますが、まだはっきりとその点につきましては折衝がついておりません。まあ私どもの方として最もおそれますことは、本年度八十億削減されて市銀に肩がわりしましたとしましても、また来年同じようなことをされ、また再来年というようなことになりますというと、さっきから話がありましたように、結局金利が相当大きく負担がくる、そうして料金の方へ響いてくるということになりますし、これは非常に大きな問題だと考えておりますが、ただその金利の問題だけではなく、果して今年この八十億削減されて、来年、じゃあ金融状況が、非常に市中銀行は悪くなって、ではその財政投融資の方からよけいつけられるかという点になりますというと、これまたはっきりした期待も持てないというようなことになりますというと、その資金源という点から見まして、非常に私は大きな問題ではないかというふうに考えますので、その点は大蔵省側に対しましてもいろいろ折衝もいたしておるのでありますが、今のところまだはっきり折衝はついておりません。そういうような状況でありまして、もちろんこれは大臣にもその点は十分お話し申し上げて、そうしてこれは政府の最高責任者のところでそういう問題については十分一つ検討していただいて、決してこの電源開発につきまして心配がないようにしていただきたいということは、強くお話し申し上げております。
○藤田進君 どうですか、けさの新聞等に出ているように、八十億はもうきまったんじゃないですか。その点はまだ打開の余地があるようにも聞えますが……。
○説明員(川上為治君) 私の方ではまだこれがきまったというふうには聞いておりません。これは通産省におきましては、全体の産業の関係もありますので、企業局長が主として折衝をいたしております。私ももちろん理財局長にも折衝いたしておりましたが、私の方としましては、まだはっきりそういうふうにきまったということは全然聞いておりませんし、折衝中でございます。
○藤田進君 政府の方はなるべくあとにいたしまして、私当初の質問者でありますために、一通り資金問題その他質問いたしまして、時間がありませんから、他の委員の質問をむしろ持ちたいと思っております。 そこで松根さんの方に引き続いてお伺いいたしますが、社内保留の関係で三百億一応の用意をするというお話がありましたようでありますが、最近の電力事情等から、ことに豊水というか、そういういろんな事情で、かなり社内保留が増大しておるということが報ぜられております。そういう面で、二面この市銀に肩がわりはされても、これを保留するに十分余りある社内保留が、たとえば渇水準備金なども実際にはあれだけ必要なのかどうかというような疑問が出ているように思われるわけです。この点について少し数字的にわれわれの納得のいく説明をいただきたいと思います。
○参考人(松根宗一君) 社内保留のお話が出ましたが、この社内保留というものの使い道はいろいろあると思いますが、一つは社内保留の主たるものは、減価償却でございますね。これが九社で大体二百五、六十億でございましょう。その他はそのときの豊水その他によって出ますものがそれにプラスされるわけでございます。最近の情勢は、さっきも申し上げましたように、非常に企業努力が進みましたのと、一つは豊水の関係で、石炭の消費が減るというようなことからこの一、二年——今期の決算はまだ私全部を集計しておりませんが、おそらく前期と同じくらいの社内保留が出るものだと思いますが、これらのものは主としてどういうふうに使われておるかと申しますというと、一つはこの借金の返済でございます。今の料金の中には、実は借金の返済をする原資は一つもないわけでございます、減価償却を除きましては。ところが減価償却というものは三十年、四十年かかる。それから借金を返しますものは、一番長いもので開銀の三十年、短いのは七年、五年、あるいは十年、今度延びますと十年ぐらいになりますが、そういうふうな、つまり借金を返していくという一つの原資になる。それからもう一つは、さっき申し上げました企業努力の中に、配電線以下の改修でございますね、これが非常なロスの軽減に役立つわけでございます。これに大部分ぶち込んでいるわけでございます。おそらく毎年正確には私ども数字をつかんでおりませんが、この改修が百億近い数字が私は出ておるんじゃないかと思います。このうちには、一部は今の建設費の中に入るものもありますが、そういう社内保留が出ましたときは、そういう改善工事を非常に進める、というのは各社の大体のやり方になっております。従いましてこの社内保留が結局間接にですね、原価の吸収になり、それが需用家に返っていくという姿を全部とっております。従いましてですね、今のその一部が、今の減価償却のようなものは、借金の返済と今の改善費と同時に、今の新しい建設につぎ込まれる。こういう三つの使い方になっております。そうしてその数字が最近の状況では割といい数字、多い数字が出ております。昨年あたりで六、七十億出ておるんでございませんか、昨年あたりでこの配当後のいろいろな原価を引きましたものですね、そういうものが大体今申し上げましたふうにぶち込まれていくわけですね。従いまして今私が申し上げました資金計画の中にも、減価償却の百五、六十億のほかに、一緒にしまして三百億くらいのものが新しい建設費傘につぎ込まれておる勘定になっております。
○藤田進君 すでにもう上期も終って、集計されていると思うわけですがね。最近の数字ができていなければならぬのですが。
○参考人(松根宗一君) 大体の見当は前期と同じくらいのものでございます。
○藤田進君 前期と同じ……前期よりもふえるんじゃないですか。
○参考人(松根宗一君) いや、あまりふえないです。
○藤田進君 どのくらい。
○参考人(松根宗一君) ですから六、七十億くらいのものですね。一般の原価を除いたものがですね。
○藤田進君 渇水準備金は。
○参考人(松根宗一君) 渇水準備金というのはですね、これは積み立てでございますから、その中に入るわけでございますね。今度は二十億くらいでございます。二十一億か……今度計算が変りまして二十一億くらい出ましょう。今期の。
○藤田進君 二十一億を含めて約六十億。
○参考人(松根宗一君) 六、七十億のものと思います。
○藤田進君 かつてはかなりこの電気事業の中で、人件費というのがおよそ半分くらい占めていたように思うわけでございます、経費の中においてでございます、電気原価の。
○参考人(松根宗一君) そうですね、総支出の中において……今は二〇%くらいのものじゃございませんか、そんなものでございましょう、原価構成で申しますと。
○藤田進君 原価構成の中では、順位で見ると何が一番大きいのですか。
○参考人(松根宗一君) いわゆる資本費というものですね、金利、税金というものが大きいんですね。
○藤田進君 何%くらいですか。
○参考人(松根宗一君) 四〇%くらいになりますか。
○藤田進君 幾らですか。
○参考人(松根宗一君) 今ちょっと……申し上げます。傾向で申しますと資本費がだんだんふえていくんですよね、年々。
○藤田進君 そうすると、その点はあとでお管えいただくとして、資本費が増大するに反比例して何が減るんですか。人件費が結局減っていくんでしょう。
○参考人(松根宗一君) 比率としましてですね、比率としては減りますが、しかし絶対額は減りませんね。
○藤田進君 減ったら大事ですよ。
○参考人(松根宗一君) 絶対額もふえていますが、要するに仕事の量がふえていますから、その量はふえていく。その、原価の中に新しいやつはどうしてもそういう資本費をたくさん食いますから、金がたくさんかかりますから、どうしても資本費の方がふえていくから、比例的には人件費が下って参ります。
○藤田進君 まあそれはそれとしまして、他にも質問が多いようですからその点はあとで……。 開発計画の重点を若干変更せられて従来の水力を主にして火力を従に扱われてきたものがいろいろな方の提唱もあったりして今度は九電力においては火力を主に開発するように——新鋭火力のいわゆる新設とかいうお話でありましたが、これはなるほど電力部面だけを考えるとそういうことが得策かもわかりませんけれども、日本の国土の事情から総合的な開発、ことに水害あるいは早害等々治山治水の面からすると、国策としてやはり火力を主にすべきかどうか、これは当面石炭の企業がいろいろ問題になってこれにも刺激されるでありましょうけれども、長期的な立場からすれば九電力におかれてもかなりの開発をされるわけですけれども、水力資源はまだ相当に残されている状態でありますが、これはあくまでも基本方針がそのように切りかえられて火力がむしろ主で水力は従にするということになるわけですか、重ねてお伺いしておきます。
○参考人(松根宗一君) どうも非常に私の言い方が誤解を招いたかもしれませんが、従来の大体開発の方針でいきますと、水力が二で火力が一くらいの割合だったようでございます。ようやく今度われわれが立てております計画でいきますと水力が一の火力が一の割合になりまして一対一、ですから火主水従ということにはならぬので、対等の線まできましたことは結局先刻申し上げましたように火力を開発したら水力はいらぬかというとそうではなくして、絶対に水力は必要なんですね、必要な水力の姿が従来のような流し込みの水力で夏になれば枯れる、枯れたやつの補給を火力でやるということでは原価が高くつくから逆にベースを火力でもたして、そのピークを大きなダムで調整するものでやっていくということが原価を安くするということなんでございまして、水力の開発を決してなおざりにするという意味でなく水力も大いにやはり開発せねばいかぬのです。
○藤田進君 藤井さんにお伺いいたしますが、開発計画は一応述べられ、一方番数でも願いておりますけれども、部分的に見ますと、たとえば北海道のような場合今建設中でもありますが、どうも開発と需用面を見るとうまくあれが消化できるだろうかというような心配があるわけです。しかし計画はお持ちのようですが、北海道のような場合にはどうなんですか、今後の開発について。
○参考人(藤井崇治君) お説の通り現状におきましては北海道は供給力の方が多くて需要が思うほど伸びない。この原因についてはおそらく一般工業、ことに炭鉱の不振だと思いますが、お説の通りなんです。ただ御承知のように電源開発会社ができました当初まづ先に北海道の開発ということに重点が置かれましてそれで北海道としては非常に大きな糠平発電所が建設されたわけです。全体が需用の少い北海道において糠平発電所のできました結果の比重は非常に大きいのであります。それが加わりましたためにむしろ需用以上に供給力ができた、こういうことになっておるのでございます。ただこの点が非常にむずかしいので電源開発というものは当初北海道の計画を立てられたときには石炭の需用がどんどん伸びておる、これを想定してあれが計画を立てられたものだと思うのですが、一たび工事に着手しますと、それを需用が減ったからといってスローダウンするわけにはいかない。どうしてもやりかけたものはやってしまわないと非常に高いもの、不経済なものになりますので、これをスローダウンすることはできないというのであれをやっておるのでありまして、そういうわけで、今新しい地点をやろうというのはほとんどないのでありまして、ただこの計画に載っているししからば糠平の方面で申しますと、芽登でございますが、芽登をするのはやめたらどうかという議論もあるのでございますが、あそこの計画は、糠平、足寄をつなぐ芽登が入ってこそ初めて非常な安い電力になるのであって、途中、中間にあるところの芽登をやらないでおくというと非常に高い電力になるので、そこに一つの悩みがあるわけでございます。どうしてもこれはやらなければならぬという状況になっておるのでありまして、そのためには、北海道も最近やや需用がふえてきたようでありまするから、そのうちそんなことにはならないと思いまするが、当面の問題として火力をなるべくとめてもらって、水力で全部運転してもらう、こういうふうにしていく以外に方法はないのではないかと思っております。 それから、幾春別の問題でございますが、幾春別は御承知のように総合開発の一環としてあれはやられておるので、すでに治山流水の関係上、あるいは他種利水の関係もありダムは間もなくでき上ります。ところがダムはできるが、それにつながるところの発電所というものをそのままほうっておいていいかと言いますると、いろいろ仮設設備を作っておりますので、その工事を放擲してしまったらむだになってしまう。そうすると発電所の建設費がまた高くなる。こういう状況になりまするので、これまたやっぱりやって、あの方面の火力をストップして、一、二年のバランスをそれでとっていくというようにせざるを得ない状況に追い込まれておるのでありまして、建設の途上においてこれはやむを得ないと思うのであります。しこうして、北海道の場合においては、本土との間に送電連係がございませんので、向うの磁力を東北方面にもってくる方法がございませんので、これはやむを得ずそういうふうにやっているのであります。その他の地点におきましては、今北海道のようなそういう問題には逢着しないと思います。むしろもう少し開発にテンポを加えていきませぬと、あるいは電力会社の方の要望にマッチしなくなるのではないかということをむしろおそれているくらいでございます。
○藤田進君 開発会社の関係が主だろうと思うのですが、昨日われわれ委員会は建設協力会の方の方の陳情を受けたわけですが、その説明とただいま副総裁からの公述の内容とが食い違いはないわけで、建設業者、いわゆる請負人の方で金を出して工事をやってもらっているというのが、かなり、十数億か何かあったように思うのですが、これはやはり融資が問題で、従来開発工事のみならず、こういうような事態というものはなかったと思う。それから同時に開発というのは、かなり危険の伴う重要な技術を要する仕事なんですが、それが資金まで手前の方でもって仕事をやっておけということになると、その跡始末というものにかなりやはり問題があると思う。これらの解消について、資金が裏づけとして機動的に回らなければ、工事計画の方で何か考えるとか、そういう点のもう少し合理的な調整ができないものかどうか、お伺いいたします。
○参考人(藤井崇治君) お説ごもっともでございまして、これは工事の進め方につきまして、できるだけブレーキをかけられるものはかけるようにいたしております。ところがああいう建設工事というものは一応の段取りをつけて、業者といたしましても設備なり、あるいは人の配置を相当終っているというようなものは、調子がついてきた場合におきましてはそれを引っ込めると、これは業者も非常な損害をこうむるし、会社といたしましてもそれをほうっておくわけにもいきませんので、非常に高いものになるためにブレーキがきかないという事情があるのであります。それに対しまして支払いがおくれておる、これは先ほどちょっと申しましたように、余剰農産物の見返り円等の入り方が予定よりおくれましたために、金の入り方が悪いというために、やむを得ず支払いを立てかえてやってもらった。そこで立てかえてやってもらう場合におきまして、これに対してはやはり業者に負担をかけるわけにいきませんので、しょせんは金融の問題でございますので、その金融の面におきまして会社も協力して業者にあまり迷惑をかけないようにいたしておりますが、しかし幸いに余剰農産物の見返り円の方も逐次最近入ってきておりますので、御迷惑をかける点もなるべく早く解消させようと努力しております。
○藤田進君 どうも時間がないので残念ですが、次の開発会社の運営について若干質疑いたしたいと思います。 先ほどの御公述によりますと、建設せられました発電所はこれを保有し、さらに送電線の建設をなし、これを補充し、従って送電端における卸売を考えられているように伺うわけです。従ってこれにやはり機構としては給電司令所を併置したい、こういうふうに言われておったと思いますが、その通りですか。
○参考人(藤井崇治君) さようでございます。
○藤田進君 そういたしますと、いわば発送電と、特に大きい発電所については今回せられるものを含めて開発会社が保有することになるわけで、これをわれわれわかりやすく言えば、従来の日本送電と異なることはない、ただその規模が多少出発早々であるから小さいとしても、やり方については発送電と同じことになるだろうと思うのです。なることのよしあしは別として、もしそうでなければ、かつての発送電と違う点があれば、どういうところが違うのだというふうに説明いただければ私は非常にわかりやすいと思います。
○参考人(藤井崇治君) ごもっともな御質問ですが、これは発送電と全然性格が違いますることは、発送電は御承知のように全国の電源のほとんど九割近いものの水力電気を持ち、火力はあげてこれを持っておったのでございまして、それで発送電の給電司令の場合におきましては、全国的にその需給関係を見てやっておったのでございますが、電源開発の場合においてはこれがかりに私どもの今計画しておりまする第一次計画の百六十万キロのものができましても、全国の供給最からいったら微々たるものでございますので、これは発送電のような機能も持ち得ませんし、発送電のような供給計画も持ち得ないのでございまして、先ほど来松根さんからもお話があったように、電源開発が持っておりまする発電所は、その大部分は大貯水池でございまして、それはすなわち同時に火力の設備につながっておるので、火力の補給用のような役割りをするわけであります。ただ御承知のように、まあ佐久間に例をとって申しますると、この電気は東電さん側が持たれても円滑にいかない、また中部電力さんが持たれても円滑にいかない、どうしても両方の調整をとりながら水の使い方をかげんしてやらなければならぬというような必要上、これは電源開発会社がやはり持って、そうして適当に両者の需給状況を見、両者の要望に応じてコントロールしていかなければならないのでありまして、そういう意味でどうしても司令所を持つ必要があるのでありまして、根本的に全国の給電司令を持って電気の配分を徹底的にやるということはできないので、これは発送電会社のような性格とは全然違いますし、またそうはできないと思います。
○藤田進君 だけれども計画通りにやると、あれは今百数万キロですか。
○参考人(藤井崇治君) 三百万キロです。三百万キロになりましたときにも全体の二割、火力を入れましても二割にもならないのですから、とてもそういうことはできないのです。それから第一、そういうふうに全般に及ぶほどの送電線を持ち得ないと思いますから、とても発送電のようなことはできません。発送電のときは御承知のように一時九州まで中央の電気がいったのです。そういうことはとうていできない相談でございますので、発送電とはよほど趣きが違うと思います。
○藤田進君 いや、私は発送電の通りがむしろいいのではないかと思ったりしたのですが、実は当委員会としても来たるべき通常国会までに通産大臣としても開発会村の性格についていろいろ検討をして結論を持ちたいという御答弁もあったわけであります。いずれが国民の立場から一番電気事業としてあるべき姿かということについて検討しつつあると思います。何も発送電の通りだといえば、解体した発送電の通りを再現するというそしりを免れようとされるようなどうも気配が強過ぎる、私はそんなことに何もこだわっていないわけです。ただ将来三十二年度に開発せられます御母衣あるいは奥只見を含めて田子倉等かなり下流発電所に影響を持つ大水力発電所を持たれておるわけで、これの保有ということは、単に設備能力が三分の一キロ・ワットであろうと、やはり下流に対する影響があるので、そうなれば給電司令というものはどこで行なったらいいか、一元的の司令というようなことも考えられるでしょうが、これについてまちまちな御意見があるようでありますから、むしろそういうことを聞きたかったのであります。これに対して今藤井さんの公述のように、給電司令所を含めてさような運営をしたい。これはかなり根強い御主張でもあるし、一部実施段階で、送電線のごときはもう実施せられつつあるように思うのですが、松根さんの方の書類を見ますると、これとはおおむね変ったお考えのように思います。この点をこの際明らかにしていただきたいと思います。
○参考人(松根宗一君) この問題は実はまだわれわれの方の意見としてもいろいろ意見がありますが、この問題につきましては電源開発さんともうそろそろ話し合いをしていかなければなりません。同時に、さっきお話のように国民経済的に送電線の問題にいたしましても、すべて水が有効に使われるような方式はどういうふうな形にしたらいいかということをとくと御相談しなければならぬ時期に私は来ておると思います。これからわれわれの方はそれを開始するつもりでおります。
○藤田進君 結論が出てないとおっしゃるのだが、私どもに与えられましたこれを見ますると、電気事業連合会は三十年六月……。
○参考人(松根宗一君) それはわれわれの考え方をそう書いたのでありまして、話し合いはまだそこまで進んでいないということを申し上げておるわけです。
○藤田進君 これはあれですか、お伺いしますが、九電力会社と電源開発さんとが協議の上、この電源開発会社の今後の運営、性格をおきめになる性質のものですか、どうなのですか。
○参考人(松根宗一君) こっちだけでこれをきめるわけにも参りませんし、電発さんとしても今後の運営方式をこういうふうにしようという今はっきりしたお話を伺ったわけです。今私初めて電発さんのお考えは伺うわけで、それを電気事業全体としてどういう姿にしたらいいか、九電力側のお考えもそこに原則的には書いてありますが、実際問題としてどういうふうにやるかということは、かなり技術的な問題もありますし、これからいろいろお話し合いをしなければいけない時期だと思っております。
○藤田進君 藤井さんの方はどういうふうになっておりますか。
○参考人(藤井崇治君) これは先ほど電源会社の方のあり方としては申し上げた通りでございまするが、今の現在の段階においてわれわれが実際問題としてやる場合においては、具体的な問題についてそれぞれ関係の会社とお打ち合せをしていく以外に方法はないのでございますが、根本的に、しからば国の政策としてどうしたらよろしいかという問題になってくれば、これは別の問題でございまして、私個人の意見はございまするけれども、この機会に申し上げることは差し控えさしていただきたいと思います。
○藤田進君 それじゃまああとは政府等の関係においてわれわれは明らかにしたいと思いますが、最後に佐久間発電所に関連してお伺いしておきたいのですが、藤井さんのお話では、世上伝えられていることは必ずしも真相でないので、半々の配分というのでなくして、そのときの需要に応じて機動的なやはり需給を考えていきたい、配分をしたいというふうに聞えるわけなんです。それは時間的に、あるいは日々問題がありましょう、東京電力管内と中部電力管内でありましょうけれども、一応やはり年間の供給量といいますか、そういうものについてはまず目安がなければならぬと思うのですが、これが開発会社の単独な自主的な立場で東京ないし中部電力に配分がなされるようになっているのか、そうではなくて、年間の量というか、あるいは上、下期の量というか、そういう一応の目安があるのじゃないだろうかと思う点が第一の点です。 それから第二の点は、料金については両者ともにいまだ話し合いも何もないようなことなんですが、もうすでに送電を開始しようか、開通式も来月ですかにあるというような状態の中において、一応私的資本とせられて九電力会社、ことに中部、東京がやっておいでになる料金の方はもうどうでもいいということにはならないと思うのです。これはやはり密接不可分の関係にあろうと思います、営業上。これが実際にまだ触れられていないのはまことに不自然な形なんですが、どうなんですか。これは地域的な料金差が現実にありますね、現在中部、東京にはわずかであるが。東京に送れば送電ロス等があるからコストは高くなるのか、あるいはどうなるのか、これはやはりこの際お伺いしておきたい。臨時国会も遠からず開かれますからその際お伺いしてもいいんですが、もうしかし御発表になってもいい段階じゃないかと思います。
○参考人(藤井崇治君) 先ほど御説明申し上げました点に足らないところがありまして徹底を欠いたかと思うのですが、配分の問題につきましては、そのときそのときに変えるという意味ではございません。もちろん年間を通じて配分の方法を変えよう、ただ年間を通じてにいたしましても、大体の需用の状況も勘案してきめたいと思っております。そこで今一応両電力さんからの申し入れは受けております。受けておりまして、それの検討をいたして大体まあ腹案は固まりつつありまするが、これは御承知のように佐久間の鬼気というものは下流の逆調整池である秋葉ができてしまいませぬとほんとうに完全な運転ができたということはできませんので、秋葉ができるまでの特定措置といたしまして、一応両電力さんの申し入れを基礎にいたしまして、そうして今両方の数字をいただいて検討中でございますが、大体両者間において相当折衝してきめられたもののようでございまするから、これをベースにいたしまして、一年間キロワット・アワーでどういうふうにする小、冬季問をどうするというふうにきめたいと思います。大体今のところ半々というようなことに近いものになるのじゃないか、こう思っております。キロワット・アワーでもまだ正確なところは出ておりません。これは不日出します。 それから料金でございますが、料金は営業遺伝に入るのが来年の四月一日でございますが、もちろんそれまでにはきめなければなりませんが、一応配分がきまりましてから……、それから御承知のように佐久間−名古屋までと佐久間−東京までの間は送電距離が違いますし、電力量も変って参りまするが、それをベースにして先ほど申しましたような天龍川系、ことに秋葉ができたときを想定しての電力原価をはじいて、そうして料金の折衝をして行きたい。そうして電力配分がはっきりきまりませんと、実はそれが出ないのでございます。あすこは大体火力代用に使われると思うのでありますが、火力代用に使うといたしますれば、また原価ばかりではなしに利用価値も違いますので、そういうことも勘案して料金をきめなければならぬというので、料金の問題もいろいろやってはおりますけれども、まず配分がきまってからこれは算定していずれ政府の方へ提出したい、こう思っております。これは来年の二月ごろまでにはきまる見込みであります。
○藤田進君 議論になりますから……、これは配分がきまって実施してみなくとも、キロワット・アワー当りの原価なり送電原価もきまるでしょうからやはりあわせ行なってもらいたいと思います。 先ほど松根さんの方に経費の中でどういう順序にパーセンテージがあるかということをお尋ねしたのですが、保留されておりますから……。
○参考人(松根宗一君) 先ほどお尋ねの電力原価の構成比率を申し上げます。これは概算でございますが、資本費が二八%、これはその内訳を申しますと、利子、配当が一四%、償却が一三%、その他一%。その他が燃料でございますが、これが二二%、それから給料——人件費、これが二〇%、それから税金が八%、それから一般経費が二二%、こういう内容になっております。
○河野謙三君 松根さんの方から今電力のコストの問題で資本費が非常に大きいということはよくわかりましたが、その資本費の中で利子、配当とありますが、配当はどのくらいになりますか。
○参考人(松根宗一君) 一割二分になっております。
○河野謙三君 一割二分というのは承知しておりますが、一割二分じゃなくて、それ以外の増資等による無償交付その他——そういう株主に還元しているものは幾らになりますか。
○参考人(松根宗一君) 配当の比率は三%でございます、今のを含めまして。
○河野謙三君 私は、これは一年くらい前になりますけれども、一年くらい前にたしか東京電力なんかで聞いたのですが、数次にわたる増資等による株主への還元、それから一割二分の配当、こういうものを見ますと、たしか二割八分何厘かに私はその当時の計算で回っているように記憶しましたがね、そういうことはございませんか。
○参考人(松根宗一君) その計算は私ちょっと今即答しかねますが、大体昨年度の増資は、無償交付が四分の一でございますか、それから今年は三社しかやっておりませんが、大体二割、こういうふうになっております。 そこで今の御質問は、当初からの無償配当を計算すると何ぼになるかというお話かと存じますが、その計算は今ちょっといたしておりませんが、ちょっとこの資料は私の方ですぐ御返答できませんから、あとでまた。
○河野謙三君 そこで私が伺いたい結論は資本費が非常にかかっておる。その中で特に株主に対する還元というものが非常に多いと思うのです。将来、最近の金利の情勢等から見まして、一割二分の配当を持続して、そうしてあなたの方のコストを下げる云々という資格は私はないと思います。少くとも一割二分の配当というものをするには、税金その他を考えれば三割五分なり四割利益を出さなければその配当はできないはずです。税金の問題もからんできます。それから、今の増資の問題には必ず無償交付の問題が起ってきます。そういう問題を考えますと、これだけの公共性の強い事業をやって、しかも国民の負担において事業が運営されているのに、株主の還元というものは今までのようなことを前提にしてこれからの資金コストを考えるようなことはあり得ないと思います。先ほど将来一割弱のコストの切り下げができるということですが、一割弱のコストの切り下げといううことは、将来株主配当についてもこれを一割にするとか、八分にするとかいうこともその中へ織り込んであると思いますが、そうじゃないのですか。
○参考人(松根宗一君) 公益事業の配当率はどの辺が妥当かという問題は、戦前の例をとりますと、大体八分見当だったと記憶しております。公共事業、特にガスにしましても、電気にしましても、あるいは鉄道のようなものでもだんだん増資をしていきます関係から、そのときの金融情勢によります利回りと申しますか、その辺を勘案して配当率もきめなければいけない点もあると思います。現在の情勢で申しますと、資金その他が……、大体一割二分になっております。将来金利が低下して参りまして電力株の方は最近五百円株が、いいところで六百七、八十円、悪いところで額面すれすれというところでございまして、必ずしも増資が、一割二分の配当をしておりましても、資金の調達が容易でない。もちろんお話のように増資をいたします場合の金利は増資分については非常に高いものにつきますので、それは非常に電力コストを引き上げる結果になりますので、今後の資金計画においても増資は五カ年間に倍額増資しか考えておりません。ただ、今の配当率の問題は、金利が低下しまして株価採算というものがかりに一割で六、七十円を維持できるような時期がくるんじゃないかもそのときにはおのずからそういう今お話のような一割をこすことがよいか悪いかというような問題が先には起きてくるのじゃないかと思います。それからさっきの一割の原価の吸収ができるのじゃないかというお話、その中には配当されていることを考えておるかというお話でございますが、これは一割二分を計算しております。
○河野謙三君 私はいずれにしても将来はまあお考え願わなければならぬと思うことは、今までのように私の計算が正しいとすれば、株主へ二割八分何厘かの利回りになるような待遇をしておって、そうしておいて開発銀行がどうだとか、やれ市中銀行がどうだとかいうことは私は矛盾があると思うのです。少くとも最近の一般の民間の会社の配当の引き下げの要請からいって、またこれは金利の一般の情勢からいって、将来の資金コストを計算される場合に、まず自分の手元の株主に対する利回りを一体どこで押えるのかということが前提でなければ、私はならぬと思うのですが、それで伺ったのですが、将来やはりもちろん増資の場合は無償交付等も考えておられるのでしょう、そうではないのですか。
○参考人(松根宗一君) 今の無償交付、従来やりました累積したものを計算すると、二割八分になるというのは私は初めて伺いますが、これはなお研究しまして、御返事申し上げますが、無償交付をつけるつけないという問題は、結局増資ができるかできないかということで、従来、戦後の再評価その他に関連して行われている場合が非常に多いと思うのでございますが、従いまして無償交付の問題、あるいは配当の問題は、先刻から申し上げておるように、一般株価の採算情勢によりまして、だんだん引き下げられていく傾向にあるということが言えるのじゃないかと思います。資金調達ということと非常に関連いたしておりますので……。
○河野謙三君 ではほかの方の質問もありますし、時間もありませんから、ここで打ち切りますが、政府においても電力会社の資金コストの、特に株主に対する問題につきましては、これは十分検討される余地が私はあると思うのです。そういうものをほうっておいて、私、先ほど申し上げましたように、外貨の問題とか、余剰農産物とか何とかの問題というのを言うのは、私は少し順序が違うと思うので、場合によったら午後この問題については、政府としても将来の電力会社の資本費、特に株主に対する配当の問題は一応答弁を一つ取りまとめて御回答願いたい、こう思うのです。
○小松正雄君 私は藤井副総裁にお尋ねする前に、松根さんにちょっとお伺いいたしますが、九州の電力需用に対して、九州での電力の生産ですね、これがまあ並行して、よそから電力をもらわずにいかれるような態勢に今なっておるかどうか、それを一つ。
○参考人(松根宗一君) 結局これは安い電気をどう入れるかということと、外から持ってくる場合ですね、これには送電線のいろいろな問題もありますが、先刻申し上げたような電力需用の、冬季によりましてかなり豊水の場合ですね、関東の電気を九州へ持っていっており、現に数量は必ずしも多くありませんが、持っていっている。なおそういうことを含めまして、九州の今後の電力供給、いわゆる電源開発等の問題は、何といっても九州が石炭の、燃料の産地でありますだけに、火力が重点に置かれていると思います。ほかの地区から見ますると……。ところが幸いに先刻申し上げましたように、火力設備、新鋭火力というものは非常に優秀でありまして、すでにお聞き及びの通り、そういうものが九州にも入っておりますが、これを基幹にして、今の大きな、この間できましたような上椎葉のような貯水池を持ったようなものも組み合せていけば、心配ないと存じます。
○小松正雄君 そういたしますと、たとえば九電力では営業ということを主体にして考えて、需用と供給とのバランスはその九州管内ではとれないけれども、安く電力を使用させるという意味で他の方から配電をして、それによって需給をする、こういったようなことであるのでありますが、私の基本的に考えておることと非常に電力会社の考え方が違うということは、同じ国民であって九州に住んでおるために地域差というものがつくだけでもこれは非常に私どもは遺憾な点があるわけなんです。副総裁劈頭のごあいさつの中にもありましたように、全国民の電力使用については平等にあるべきだ、そういう意味において地方的に漸次足らない所には行かすように新たに電力会社をして開発さしていきたい、こういうふうなお話から考えましてもあなたの方の営業からいきやそれがいいかと思いますが、営業から言ってもその地域差というものがついておるということが私どもは非常に遺憾に考えておるわけなんです。九州人であるがために、九州で営業を営むがためにそういった地域差の電力の料金を他のところと違って払っていかなければならないというようなことが非常に私どもは残念に思う。そういう意味からいたしまして、この電力問題が起るたびごとに私は球磨川の電源開発はどうなっていきよるということを常に尋ねて参ったわけでありますが、それからいたしまして、今日までその進捗状況がどうなっておるかと考えて心配して参っておりましたところ、たまたま本日ここに開発会社の建設計画というものの資料をいただいた。これを見ますと、球磨川はまだ設計といいますか、そういったような程度のことのようになっておりますが、九電力を総合しての代表である松根さんといたしましては、九州に対するこの球磨川の水力の開発がおくれて来ておっても供給と需用に対しては余るところからとって入れるから、そういうものは必要でないというようなお考えかどうかを一つお尋ねしたい。
○参考人(松根宗一君) 今の私は前段申し上げましたことは、この地域差の問題がありますことはまことに困るのでありますが、一般情勢といたしまして、水力の開発原価はだんだん高くなっていく。それから火力の方はだんだん安くなってくるという傾向を申し上げましたが、その結果九州の料金差というものはそれである程度だんだんカバーされていくのじゃなかろうかという傾向を申し上げましたのでございます。もろんそれには今お話しのように火力だけではなかなか供給できませんので、次に今の球磨川のような水力と組み合せた——大容量の貯水池を作ってそれと組み合せていくということは絶対に必要なことだと存じます。
○小松正雄君 副総裁にお尋ねいたしますが、今もうお聞きの通りに水力、火力並行して九州ではやっていかなきゃならない、こういうふうな御趣旨のように承わりましたが、それに伴いまして先にも藤田委員よりも御指摘されましたように、開発会社として一応電力の需給をする意味においてこの開発がなされるときの計画と申しますか、からいたしますと、北海道ではもうすでに需用と供給というものについては、供給の方がはるかに余裕ができて来た。しかしながらやりかかっておる仕事であるからしてやっておかなくては新たにまたやろうとすれば経費もかかることであるし、将来を考えると国家的な損である、今やらなくてもいいがやらざるを得ないという立場に追い込まれておるというようなことからいたしますと、私どもの九州の方では電力が足りなくて、今日では幸いに割当制というものがなくなりましたが、割当制のなくなる前というものは少量をもって炭鉱を経営し、少量をもって諸般の産業をやっておる業者といたしましては、超過料というものは三倍にも四倍にも取られておる。そういう苦難をなめておるわけです。幸いに今日では割当制というものがなくなりましたが、そういうことから考え合せますると、開発会社としての責任ある副総裁としては北海道の地点にそういうことが必要であろうという考え方であったのと、九州では足りないということがはっきりしておるんだ、こういうことからいたしますと、球磨川は早く着手すること、早くこれが成立しておらなくてはならないんではないか。なおまたもう一つ申し上げますと、資金の面におきましても、この球磨川の電源開発資金と北海道の必要でなかろうというところに始められた資金との差というものも、おのずから、球磨川の方が金額は少いんではなかろうか、かように考えますると、副総裁としては今日ではまあ私が指摘するまでもなく藤田委員が指摘されたように北海道では必要性のないところにそういうことを増えてやったというその基本的な計画というものが誤っておったというようなお考えが今ごろできられておると思いますが、それにまあ並行いたしまして繰り返して申しますと、松根さんからも九州では水力、火力並行して作っていくことが当然だろうとおっしゃられておりますが、副総裁はどういうふうにお考えになりますか、一つ……。
○参考人(藤井崇治君) 九州の問題でございますが、九州において水力発電の必要なことは、これは申し上げるまでもないのでございまするが、遺憾ながら九州は水力資源にあまり恵まれておりませんのと、すでに大部分が開発し尽されておりまして新しく着手すべき点がはなはだ乏しいのでございますが、しかしそのうちでも球磨川の問題でございますと、これは一日も早く着手したい、こう考えまして実は本年度も瀬戸石と、これに出ておりますが、瀬戸石の地点について相当な努力を払って来たのでございまするが、財政投融資のワクが思うほどいかなかった点もありまするほかに、実は鉄道の補償の問題がなかなか早く思うほど進んでいないのであります。ところが最近ようやくこの問題もやや前途に明るい見通しがつきかけて参りましたので、実はもうすでに建設の準備のための海錨二百に着手したようなわけでございまして、今鉄道の問題の補償が解決いたしますれば一挙にこの建設に着手しようと思っております。鉄道の問題も明年中には必ずこれは解決すると思いますので、本格的の建設は明後年が最高にたると思いますが、遠くないうちに工事に着手する運びになると考えておるのでございます。 なおこれはお尋ねではないかとも思いまするが、九州のような、九州、中国同様でございまするが、資源の乏しいところの水力開発をどうするかという問題は、これは実は非常に重要な問題でございまして、われわれもいろいろ研究しておるのでございまするけれども、先ほど申しましたように、何分にも地点に恵まれておりませんので、なかなか名案が浮んで参っておりません。まだ今のところ私がいろいろ申し上げることは私の一個の私見に過ぎないことになりますので、この席で申し上げることはいかがかと存じまするけれども、やはり四国、中国を一環にして考えていかなきゃならないときがくるのではないか、こう考えていろいろ、まだ外へは出しておりませんけれども、検討を続けておるような次第でございます。
○小松正雄君 副総裁の私見であろうともかまいませんが、私どもの苦境から今訴えたわけでございまして、総括して六カ年計画では球磨川の流れ、二十万キロワットかしれませんが、の完成は多分見られることになるとして私どもは期待をしておるわけであります。ところがただいま申し上げますように、何年とたって参りましたが、期日は過ぎたが、日はたちましたが球磨川の進捗は停滞をしておるというような現状である。その内容はただいまお話のように鉄道との土地交渉等が長引いた、こういう点もあるかもしれませんが、いずれにいたしましても、副総裁としての、この九州に関する球磨川の電源開発の心組みと申しますか、御決心と申しますか、明後年あたりに着手されようというのじゃ、これは六カ年計画の中で完成ができないのじゃないか、かような私どもは考えを持つわけでございまして、九州の人に限って先ほど申し上げましたように、地域差のついた電力を使って、そして同じ国民でありながらにもかかわらず、公共的な電力を使うのに高い電力を使わなければならないというような、地域的にそういう場所におるだけに損をするようなことのないように、早くそういった面を是正するために、私は全国的に電力が平均になるように開発会社としての副総裁としてはそういう御決意を持ってほしいと、そういう意味においてこの球磨川の電源開発が早急になされるのか、あるいは六カ年計画の中で完成するかせぬかわからないのか。それだけを最後に、まあ時間もございませんので、私どもの同僚の御質問もあると思いますので、その一点だけをお聞きしておきたいと思います。
○参考人(藤井崇治君) これは私の言葉が足りなかったかもしれませんが、球磨川の、もうかりの準備工事は着手いたしましたが、本格的工事もそう遠くないうちに着手いたします。明後年着手するわけではないので、仕事の山が明後年になるであろうということを申し上げたので、今の計画では三十三年の一月からはもう完全に供給できるようにする目途で一生懸命やっております。
○委員長(吉野信次君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(吉野信次君) 速記を始めて。
○栗山良夫君 私、松根さんにちょっと簡単に御質問いたしたいのですが、電源開発の方の融資の問題は、これは政府との関係が非常に強いので、あとで政府が出席されたときに質問したいと思います。それで松松さんに簡単にちょっとお聞きしたいのですが、金融情勢の問題ですが、おそらく今の産業経済界を見ますれば、どうしてこういうように金融が緩慢になってきたかという原因は決して資金需要が減退しているわけではないと思うのです。ただ銀行筋から見た安定した融資先がだんだん乏しくなり、そうして金融が緩慢になってきた、こう見なければならぬ。しかもそういう情勢というものはここ数年の間に急角度に転換をするというようなことは今の政府なりがずっと続いていく間にはそう私は期待できないと思う。われわれとしては非常に遺憾に思うけれども、一応そういう見通しを立てなければならない。従って電気事業連合会においても今後の資金調達については、先ほどはまあ来年はどうなる、再来年はどうなる、若干希望的な見通しも立てられたが、自主的に電気事業連合会がほんとうに資金の調達を真剣に考えるならば、やはりもうことしから始まった自己調達方式ですね、そういうものに対して私はすっきりした決意をきめて対策を立てていかなければならない。われわれはまあそういうことのないようにしたいと思うけれども、何しろ銀行が命が余ってしまって貸す先がない。政府を動かして一つつけかえようという動きが出てきている以上はなかなかそう簡単には私はいかない。従ってそういう意味で決意を新たにされるということは必要だと思うけれども、そういうことが必要であるかないか。私はそう考えるのだが、電気事業連合会は率直にそういう物事を割り切ってお考えになるというところまでいっていないかどうか、それを伺っておきたい。
○参考人(松根宗一君) 今のお話は財政投融資が減ったらお前たちどうする覚悟だという、簡単に言うとお話のように伺うのですが、これはまあ簡単に言いまして、銀行屋さんに、どうだお前さん、財政投融資減ってもめんどうみるかというような念を押しましても金の余っているときはにこにこするし、足りなければ渋い顔するのは、これは銀行屋の原則なのでございまして、まあわれわれの腹づもりとしましては、電気事業の現在の安定さから申しまして、日本の産業界の立場からいって、まずこれだけのものは資金の調達は普通であればできないとは思わない、ただ金融界の情勢が非常に急変いたします。今度のように非常に金融が緩慢になりました理由は、今御質問の方の理由ばかりでもないと思いますが、従って非常に変動があると思います。そういうときに一体どうするか、これが一番困る問題でございまして、さっき藤井副総裁もお話しがありましたように、そうかといって金がなくなったから工事を中止するわけにいかない。ですから、そういう意味におきまして安定した財政資金をある程度つけていただくとか、またその減らし方も急激に減らしては困るというのがわれわれの考え方なんです。
○栗山良夫君 希望はいいのですが、現実の進め方というものはただいまの希望の方向とは違った方に行きはしないか、そういう見通しを私は持っているのだが、あなたの方はそこまで削り切って見通しをまだ立てるようになるところまできていないかという質問なんです。
○参考人(松根宗一君) ただいまの御質問は、簡単に言いますと、財政投融資がゼロになった場合にどうするかというお話でございますか。
○栗山良夫君 そうでなくて、ゼロになる、ゼロにだんだん近づいていく可能性が強い、そういう見通しを電気事業連合会としてはお持ちにならないかということなんです。
○参考人(松根宗一君) そういうことが長い将来に私は起ってくると思います。
○栗山良夫君 長い将来じゃなくて、もう現にことし出たわけですが、来年、再来年ずっと非常に近い将来において、僕らそういうことをさせないようにしたいと思うけれども、先ほど申し上げましたように金融緩慢になってきて、その融資先を金融機関が熱心に考えておられる。今日の、このさきの経済の状況からいってそういうことになりはしないか、幾ら努力をしてみたところが。そういうことを私は憂慮しているわけです。
○参考人(松根宗一君) これは大へん見方の違いじゃないかと思いますが、私どもはそう実は楽観しておらないのでございます。そんなに金融緩慢がいつまでも続くとは考えられないのでございますが。
○栗山良夫君 どうもそこのところの……そういうもしお話しであれば、話が少し長くなるから、またあとにしたいと思いますが、それでいいのですかね、実際に……。 もう一つ、今の松根さんのお考えであれば、財政投融資は相当つくだろうという見通しだからそう心配する必要はないし、われわれもいいと思います。政府にあとでただせばいいわけですからね。問題は、ほんとうに自己調達を相当大幅にやらなければならぬということになったとき、今の電気事業者の間において具体的に集まると、こうおっしゃるけれども、実際に集め得るかどうかということが僕は一番心配だから御質問申し上げている一わけです。その場合に、先ほど河野委員からの質問もありました、そういうこともあるでしょう、あるが、一番問題はただいまの九電力事業者の要するに資金調達能力というものですね、こういうものが、電気事業体全体としてはあるかもしれませんよ、個々の電気事業体として果して差等がないかどうか、資金調達能力に。私はそこを今日はお伺いしたいと思うのです。ですから個々の電気事業者の資金調達能力、もっと具体的に言えばあるいは利益率といわれるのかもしれませんが、あるいはもっと総括的に各事業者の企業格差というものがどの程度になっているのか、そういうことでもいいと思いますが、従ってそういう内容を分析して、果して今あなたが一括して表現せられたようなことでわれわれが安心していいのかどうかということを私はお尋ねしている。それで若干あと私休みのときでもけっこうですから、九電力会社の企業格差を一番悪いやつの係数をとられてもいいし、一番いいやつをとられてもいいのですが、具体的に九電力会社の企業格差というものは最近の状態はどの程度になっているか。これを一つお示しを願って、そしてあとでもう少し突っ込んでお尋ねをしておきたいと思う。今のお話だけではどうも私了承いたしかねます。
○参考人(松根宗一君) それじゃあとにいたしましょうか、継続いたしましょうか。
○委員長(吉野信次君) それではこれで暫時休憩いたします。 午後一時三分休憩 —————・————— 午後二時十一分開会
○委員長(吉野信次君) それでは午前に引き続き開会いたします。 ちょっと申し上げますが、参考人の方お二方とも三時から先何かお約束があるそうですから、もし何でしたら、参考人に対する御質問がございますればそれまでの間に早くやっていただく方がいいだろうと思います。
○海野三朗君 松根さんにお伺いいたしますが、このダムを作っていくと、作るのに莫大な経費がかかるから、従って電気料金もふえていくということで、発電計画を進めれば進めるほど料金が高くなっていくということになるのだろうと思うのですが、これは発電計画と料金とをカーブに書いてみると、一体どこでそのカーブが上昇しておるか、そのリミットは一体どういうことになってくるのでありましょうか。品物について見ますというと、品物は余計に作れば作るほど値段が下ってくるのが根本原則だろうと思うのですが、電気の方は発電計画をやってどんどん電気を作れば作るほど料金が高くなってくるというのは、一体どういうところに……、その根本原理がちょっと納得しかねるのでありますが、それは一体どういうわけでありましょうか。そのリミットはどこにいけばいいのか。つまり在来の電気というものは安い。ところが発電計画で新しくやっていくと料金は高くなっていくというそういうあり方が正しいのであるかどうかということを私は一つ疑問を持っているのです。そのことについての松根さんの御所見を承わりたいと思うのです。
○参考人(松根宗一君) 午前中はそれをどういうふうにして上げないかということの電力業者の考え方を申し上げたのですが、どういうわけでそれでは上るかということについては申し上げませんでしたが、こういうふうにお考えいただくと一番よくわかるのじゃないかと思います。戦前の施設をたくさん電気事業者というものは持っておりますわけでございます。これを再評価もしくは再々評価いたしましたけれども、なお新しく作りますものに比較いたしますと、非常に安い設備を持っておりますので、従いまして現在の料金が新しくて高いものを作っていく料金を基準にいたしておりますれば、それが上らないわけであります。ところがその低い設備、値段の低い、価格の低いものを大部分持っております関係上、現在の価格はそれを基準にして電気料というものはきめられているわけですね。ところが電気をたくさん作りますと、その高い設備がだんだん入って参ります。そういたしますと勢いその分だけは上ってくるというのが普通に常識的に考えられるわけでございます。従いまして現在の料金のきめ方が新しいものであれば、新しい設備、つまり高い設備を基準にしてきめられておれは、そういう矛盾は起らないわけであります。従いまして電気の料金は——今日本の物価の中で、あるものは三百倍、あるいは五百倍しておりますが——倍率から申しまして百二十倍くらいで、一番最低になっております。このきめ方が、前のたくさんの資産を持っております関係上安いところで今までの施設でいけばいいわけです。ところが年々百万キロ以上の高い電力を作っていかなければならぬということになりますと、どうしても勢い上らざるを得ない。これは午前中申し上げたのですが、時々そういう高くなって行きますのを何とか食いとめまして、上らないようにしたいということに今電気業者はけさ申し上げたような方法で全力をあげておるわけであります。 それでは一体いつまで持つかという問題でございますが、まあ今後の開発計画なり物価なりいろいろのファクターが入って参りますので、はっきり申し上げられないと思うのですが、少くともここ数年は電力料金を上げないで行こうということをおもなる業者はみんなそういうふうにきめて内外に話をいたしておりますわけであります。
○海野三朗君 ただいまのお話を伺っていますと、物価は三百倍になっておるから電気もその割合から考えると百二十倍だから安いとおっしゃるけれども、電気そのものの性質は物の生産と違いまして、大自然の威力によって生ずるものであって、設備さえできれば寝ておっても電気が起ってくるわけじゃありませんか。他の物品を作る業者というものは、その原料がなければできないのであります。そういうところからして私は電気卒業というものは非常に趣きを異にしておると思うのです。それでありますから、物価が三百倍に上ったが、電気料は百二十倍になっておるからといっても、電気料が安いということは言われないのじゃないか、設備さえできてしまえば水力発電なんかは自然に水が流れ、電気が黙っていてもそこに発電してくるわけでありますから、私はそれを同一に考えることはできないのじゃないかと思うことが一つと、それから今のお話によると、発電計画をやれば料金が高くなるというその考えが、私は非常にここに疑いなきを得ないので、工場を新設して品物がどんどんよけいになってくれば、品物は安くなって行くのが原理なんです。それを発電計画をやって行くと料金が高なるということは、莫大なる金を借りてやる、その利息というものを払わなければならぬから、これが高くなるのだ、こういうことですけれども、そういうこと自体が私は企業努力が足りないのではないか、こういうふうに私は考える。電気も一つの物品と見るならば、多量生産すれば安くならなければならないということは、これはもう自然の、原理だと私は思うのですが、電気だけは上反対になるというのは、こういうわけなんでありましょうか。これを縮めて私どもが考えますと、どうしても電気事業というものは公益事業と申しますけれども、これほどつまり閥がいい商売はないと私は思うのです。電気料金を支払わなければ電気をちょん切ってしまう、必需品であるけれども電気をとめさえすればいいのだ、ところが一般の市場の品物を私どもは見ますというと、高ければだれも買いません。ところが電気は高くても買わなければならないのだ、そういうような特権を付与されたる事業であってみますれば、ここにある発電計画が進めば料金が高くなるということ、そのこと自体に非常に私は疑問を持っておるのでありまするが、その辺は松根先生いかがなものでございましょうか。すべての原則に反する、これは。(笑声)
○参考人(松根宗一君) 大へんおしかりを受けたような感じがいたしますが、私の答弁が御納得がいきますかどうかしりませんが、たしかに電気は物でございまして、ただ材料はお話のように水力の場合は水で、流れてくるもので、ただということが言えましょうが、火力の場合は石炭をたきますわけで、それからまた発電をします設備が高いか安いかの問題でございまして、電気が古いものと新しいものとでは、古いものよりも新しいものは高いということは、設備が非常に高くつく、たとえば戦前で申しますれば一キロワットの水力が二百円でできた、今は十何万円かかる、十万円以上かかるというような状態でございまして、従いましてそれに対する金利もやはり何百倍かになる、こういう計算になりまして、結局新しいものを作りますと電気の原価が上るというわけでございます。それからたくさん作れば安くなるじゃないかという原則でございますね。これも確かに電気ではそうなっていっておるのでございます。たとえばいろいろな人頭当りの扱い電力量というようなものにしましても、だんだん電気がふえて参りますと一人の扱い量がふえて参りまして、従いまして先刻もお話が出ましたが、キロワット当りの人件費というものは下って参っております。これは一般の経済事情とちっとも変らないのでございますが、ただその下がる率は、普通の下がる率が、先刻申し上げました非常に戦後の施設が高い施設でございますね、言いかえますと原価として入って参ります資本夢、金利というものの方が非常に大きいものでございますから、いわゆる多量生産による原価の切り下げは、その高い方へ吸収されまして、どうしても原価が上る、こういう理屈になりますわけなんでございますが、そうかといって、それじゃ上るから料金をそのまま高くちょうだいしなきゃいかぬということは、業者として考えておるわけじゃないのでありまして、先刻もお話のように、幾ら高くてもほかから買うわけにいかない独占事業でありますし、公益事業でありますので、そこでやはり業者としましては公益事業の立場を十分自覚いたしまして、何とかそういうふうに、元値は上るけれども、こいつを食いとめて上らぬように一つ一生懸命にやろう、ついてはきょうもお話が出ましたのですが、なるべく政府の安い資金等もその意味で今までお出し願っておるわけでありますが、なるべく切らないように一つ御配慮を願いたいということをけさから申し上げておるわけなんでございますが……。
○海野三朗君 ただいま私申しましたことに対しましては、お話もよくわかりますけれども、私が申しますのは、たとえば工場を建てた、品物を作り始めた。そうしますというと、どうしたって市場に在来売っておった品物よりも安くしてやって行くか、高くしたってわずかだけの高さでもってこれを経営していかなければならない、事業というものは。ところが電気を起した、事業を始めた、今度は高くなった、というのじゃ、これは根本の考えにおいて私は間違っておると思うのでありますが、あなたは現在の電気事業の企業努力というものは、これでもう十分であるとお考えになっていらっしゃいますか。その点を一つお伺いいたしたいことと、過日の電気料金の値上げにおきまして、通産当局を私が責めましたときに、非常なでこぼこがあるからして、このでこぼこを直すのであると前の企業局長はるる答弁をしておりましたが、実際の上った率を見るというと改悪です。でこぼこを直しておりゃしません。この前の愛知通産大臣のときには平均五分か六分の値上げはやむを得ないのじゃないか、こう言っておりましたが、平均でありますよ。ところがある場合には十割も値上げをされており、あるものは六割八分、むちゃくちゃな上げ方をしておったのであります、それに対しましてはここにおられる石橋通産大臣は、三割頭打ちということの、まず緊急措置をおとりになったのでありますけれども、ああいうふうな電気料金を上げるということに対しましては、いかなる基準に基いて、あの率を各会社のものが上げたり下げたりやっておられるのか、非常に合っておらぬわけなんです、むちゃくちゃなんです。私はただいまも申しましたように、この料金というものに対しては、もう少し企業努力が必要なんじゃないか、こういうふうに私は思うのであります。この料金の点についても現在の料金がそれでいいとお考えになっていらっしゃるかどうか、そういう点も私は伺いたい。 それからもう一つ伺いたいのは、その経費のうちで使用品質が二八%、人件費が約二〇%ある、こういうお話でありました。だんだんやっていく間に人件費の方は減っていくであろうというようなお話でありまするが、人件費というものは、これはつまり給料なんでございましょう。そうすると、だんだんその金高が増していけば、つまり経費というものが増していけば、同時に人件費というものもひとしく。パラレルに増していかなければならないのじゃないか、こういうふうに思うのですが、こういう点についての松根先生の一つ御高見を承わりたいと思う。(笑声)
○参考人(松根宗一君) お前たちどうも企業努力が足らぬじゃないか、もっとやれないものかというお話、ごもっともでございまして、先刻も申し上げましたように、最近までの実績を見ましても、かなりロスの軽減であるとか、あるいは電力の融通の問題であるとか、あるいは石炭費の節約であるとかいう面が実質的に企業努力として計数の上に出てきております。なおこの努力は今後も続いていかなきゃいけないと思います。またそれによりまして先刻からお話のありますような原価の上っていきますものをそれで吸収して行きたい、そうして何とか長く電力料金を上げなくてもいいように持って行きたいということを先刻お話申し上げたのでございますが、それで一つ私どもの考え方を御了察願いたいということと、それから人件費の比率がだんだん下る、だんだんふえていかなきゃならぬじゃないかというお話でありますが、これは百分率にいたしますと率が下る、これはどういうわけかと申しますと、資本費という方が急増いたしますために、おそらく人件費はだんだんふえては参りますが、率から申しますと、資本費の方の急騰が多いために、百分比でとりますと、そういうふうにやや減少するという姿をとるだろうということを申し上げたわけであります。絶対額が減るという意味ではございません。
○海野三朗君 それからもう一つのこの前の料金の問題は、何を基準にしてああいうようなむちゃくちゃな上げ方をされたか。
○参考人(松根宗一君) 実はこれはまことにおそれ入るのでございますが、私当時まだ商売を始めたばかりで、この春からこの仕事に関係いたしましたので、ちょっと私からくわしい御満足な御答弁ができないかと存じますが、むしろこれは当時の事情は、通産省の方が御事情くわしいのじゃないかと思いますので……。
○海野三朗君 ちょっとも一言だけ。 いや、ありがとうございましたが、私、先ほど申しましたように、ある一つの仕事を始めますときに工場を作りますわ。そうすると莫大な資本が要りますよ。資本は要っても売る品物は高くならない品物でもって競争していくのです。それほど企業努力をしているのです。ところが電気の方だけは金がかかったから高くなるのだというのっぺらぽんとしたやり方のように私は思うので、どうか、私がこういうくだらないことを伺いましたけれども、根本原則は、よけいに電気が出れば安くしなければならない、安くならなければならぬというのが一般の原則なんである。電気のみがはずれたということは私は考えられないのでありまして、こういうことについて、また後日一つ折もありましたら御教示をいただきたいと思います。ありがとうございました。
○栗山良夫君 私大臣にちょっと二、三お伺いをいたしたいと思います。 第一に、最近新聞等でも問題になっております開発銀行を通じての国家財政の融資を、資金運用部資金が少し不足しておるという理由をもって、民間の金融機関から融資をするように切りかえたいという動きが政府部内にあるように私聞いております。そういう動きがどの程度進んでおるのか、しかもそういうことをやるのに経済閣僚はもちろん御参加になっておると思いますが、最終的にはどこでおきめになるのか、もうきめてしまわれたのか、これからおきめになるのか、その辺を一つお尋ねいたしたいと思います。
○国務大臣(石橋湛山君) 事務的には大蔵省あたりと話はあるようでありますが、まだわれわれの方のところへは正式に出ておりません。最後はどうきまるにしても閣議できめなければならぬと思っております。
○栗山良夫君 閣議で御決定になると、それは間違いないわけですね。
○国務大臣(石橋湛山君) 間違いありません。そうしてもらうつもりであります。
○栗山良夫君 そういたしますると、私がこれから御質問申し上げることとちょうどピントが合いますのでけっこうなんですが、その場合に、閣議で上程になったときに、通商産業大臣あるいは高碕企画庁長官等は、ほかの問題は知りません、ほかの問題は知りませんが、少くとも電源開発促進法に基いて今行われておるこの融資というものについては、法律を曲げれば別ですよ、法律を曲げれば別ですが、法律を忠実に行政に移していこうということであれば削減をすることはできないのじゃないかと私は考えるのですけれども、そういうお考えはお持ちになりませんか。
○国務大臣(石橋湛山君) 私、法律の関係は今存じませんが、とにかく実際問題として、電源開発に、これは資金の量とそれから条件でありますが、ことに金利その他の条件が悪化されることは、今、海野さんの御質問の中にもあったように、電気料金の問題にすぐひっかかります。そこで私としては極力一つ今まで通りの資金計画でやってもらうように努力したいと思います。ただし政府の資金全体の関係がありますから、そう電気だけにどうというわけにもいきませんから、全然何にも妥協の余地がないということまでは申し上げかねるのであります。
○栗山良夫君 大臣がおそらくそういう御答弁をなさると思ったから、それで私はわざわざ電源開発促進法という法律の名前を出して申し上げたのです。そういう御態度でもし今後進まれるということになると、私は法律そのものの根本的の検討を加えなければならぬと思います。なぜそういうことを申し上げるかと申しますと、電源開発促進法は、私は全部これを読み上げる必要はありませんが、第一章のところに基本政策がずっと並べられております。その中に、第五条に、「(資金の確保及び配分)」というのがあります。「政府は、電源開発及び送電変電施設の整備に必要な資金を確保し、且つ、電源開発等を行う者に対し、その資金の公正な配分が行われるように努めなければならない。」と書いてありますこれは義務規定だと僕は思います。従って、まあ内容の問題は別です。で、その第五条の行われなければならぬというこの文章が出たのですね。実際具体的の数字はどうかというと、電源開発促進法を審議した当時に何度もわれわれは数字的な検討を加え、そうして数字的な検討の結果ただいまの電源開発というものが国家的に計画的に行われておるはずなんです、これは計画事業ですから。従って第五条に簡単にこういう表現はされておりますけれども、この裏には十分たくさんな議論もし、また可能性の問題も論じて論議も積み上げてある。今通産大臣がおっしゃるようにそういう気安いものでは私はないと思う。
○国務大臣(石橋湛山君) 必要資金を確保するということはこれはむろんやらなきゃならぬと思います。
○栗山良夫君 確保してですね、「電源開発等を行う者」これは電発と九電力事業者、公共事業者、その他たくさんありましょう。そういうものに公正に配分が行われるように努めなければならぬ、こういうことです。従ってこれからの御質問は、閣議に諮ると、こうおっしゃったわけですから、大蔵省がどうして最近ああいう態度をとっておるかということについてわれわれも若干その真意を忖度できないわけであります。まあ金融事情からいってわかりますが、そういう時々に動いてくる経済界、金融界の動きにつれて大蔵省が行おうとすることについて少くとも産業行政として計画的にやっておる、しかも根拠法である法律に基いてやろうということについてまでも譲られるかどうかというその決意のほどをまず承わらないというとあと質問がちょっと出ないのですが、伺っておきたいと思います。
○国務大臣(石橋湛山君) これは大蔵省も資金の確保をしないと言うておるのではあるまいと思います。とにかく資金を……ただしその資金はどこから出すか、今までのいわゆる財政投融資というあの格好で出すか、それとも一部を民間資金に切りかえようとかというその確保の仕方についてのことを考えておるのじゃないかと……実は大蔵大臣から直接まだ交渉を受けませんから私自身ははっきりしたことは言えませんが、資金の確保と、それから公正な配分ということには大蔵省は今何らの異論を唱えておるものではないと考えます。
○栗山良夫君 いや、そういうふうにおっしゃると非常に問題が起きてですね、これは前のことをもう一ぺん蒸し返さなければなりませんが、第五条の資金の措置というものは今おっしゃったような民間の資金でも何でもいいからやるのだと、こういう意味ではないですね。これは厳格に言えば政府が独立をしている市中金融機関について融資の命令を出すわけにいかない。そういうものでなくて、当時非常に資金難に陥っておったためにできなかった電源開発というものを政府資金を中心にして開発をしようと、そのためのこれが法律であるわけです。従って私は今この非常に古い資料を、その当時議論した資料をちゃんと持って来ておるのですが、これは当時池田大臣とずいぶん論争し、これは私だけじゃありません、みんなの者が論争をして、そうして結局どういうことを政府が説明したかというと、資金調達計画として、二十七年度から三十二年度までであります。そうして初年度の二十七年度を五十億、これは政府が株式を持つわけです。直接投資をする。その直接投資する額が五十億、二十八年度は百五十億、二十九年度は百七十億、三十年度は二百億、三十一年度は二百五十億、三十二年度は百七十五億、こういう直接投資を政府はしますということを完全に約束したのですよ。それだからこそ長期計画というものができた。ところが現在政府はこれを御実行になっておるかどうか。実行されていないのです。実際これですらも、それにかかわらずなおかつ開銀の利息をつけている融資を切るなんというに至っては、政府は法律がありながら法律をちっとも忠実に実行していない。これは、そこに佐々木部長が当時説明を陣頭に立ってやられたんだから、この資料を提出されたときに……。
○説明員(佐々木義武君) お答え申し上げます。実は先ほど午前中にお話がありましたので、帰りまして当時の資料を出してみたんでありますが、御承知の通りの資料でございます。ただこれには二つ問題がありまして、第五条の規定は栗山さん等が特に奮闘されましてお入れになった条文でございますが、その後運営に当りまして、五カ年計画というものは基本計画の中の一部というふうに考えておりまして、電源開発の基本計画というものは毎年これを変えるということで、毎年五カ年間の見通しを作って、そうして電源開発審議会で細部にわたって検討の上毎年変えてございます。これがまあ第一点で、必ずしも当時の作ったものがそのまま現在生きているというふうには実は解釈していないのであります。 それから第二点でありますが、第二の点は、それでは当時のこういう資料がその後着実に実行されているかどうかという問題でございますけれども、それは御承知のように、もうむしろそれ以上に大幅に開発ができておりまして、あの当時まだたしか六百億くらいしか年間電気には使っておらぬ金が、その後大体千六百億という足取りで開発を進めておりますので、非常に実施の面から申しますと、むしろ計画以上に進んでおると申して差しつかえなかろうと感ずるのでございます。 それからもう一つ、あのときの資料で、あの当時の議事録を今見ておりますが、参議院の合同委員会の際に、いろいろ先ほどもお話ありましたように、この計画の資金面の確保に対して御議論がございまして、そのときに、時の大蔵大臣の池田さんが答弁してございますが、ちょっとその部面に該当するものを読んでみますと、木村穂八郎さんの御質問ですが、それに答えまして、「財政資金で行くか、民間資金で行くかということは、そのときの財政状況、民間の資本蓄積の状況によってきめなければならん問題だと思います。民間資金にいたしましても、自己の増資で行くか、社債で行くか、借入金で行くか、その場合においても金融債で行くか、一般の市中銀行の引受けで行くか、いろいろな場合があるのであります。面して私は財政の面といたしましては、余り産業資金に財政資金が行くということは常道ではない。特殊のものに対しましては勿論財政資金というものは必要でございますが、できるだけ民間資金で産業経済を賄うのが本質であるのであります。」といったようなことが一応述べてあるのでございますが、あのときの考えからしますと、私古い話でございますのではっきりいたしませんが、総量といたしましては資本蓄積の面からいたして当然確保できると存じますから全部確保するように努める。しかしその内部のどこからどういうふうに出すかという問題は今から確実に予測することはできないというふうな御趣旨で御説明申し上げたんじゃなかろうかと思います。現に資料を見ますと、まだ見返り資金等のあった時代でありまして、相当程度見返り資金でもってこの電気事業者には金をやるというふうな資料にもなっておりますし、現在はもう御承知のように見返り資金なんかございませんもので、だいぶ情勢も変ったのでございます。そういうことで計画自体としては着実に実行はしておりますが、ただその資金の出し方、トータルでなくて、どこからどういうふうに出すかというのはそのときどきの情勢によって確保していけばよろしいというふうな答弁のように実は相なっておりますのでございます。
○栗山良夫君 それは、今の話というのは一つ非常に大きな矛盾を持っております。それは計画が変ったということは私も認めます。それがあるからこそ電源開発審議会というものをおいて毎年検討を加えておる。それは当然のことなんです。問題は私は国会で審議したときの計画、説明の通りに行政をしなかったからいけないと言っておるわけじゃない。私はあくまでもこういうものを出された精神を聞いておる。精神が尊重されておるかいないか。精神の尊重ということはどういうことかと言えば、電源の開発というものは非常に多額を要する。従って高金利の金であれば資本金がかさんで電力の単価が高くなるから、なるべく低金利の金をつける。できるならば利息のない直接投資によってやろうというのが基本精神です。それは否定されないと思う。そういう面から答弁をしてもらわなくちゃならない。 それからもう一つの矛盾があるのは、最初に計画したよりよけいやったとおっしゃる。これはけっこうなことです。よけいやれば、よけい金が要ることはわかっている。従ってよけいやったから今度は民間の高い金利のものに切りかえてもいいということは成り立たないので、よけいやらなければならなかったことは電源開発審議会の結論がよけいやるということになった。よけいやったところで第五条の精神はちっとも消滅するものではない。それだから低金利、あるいは金利のない金で電源の開発を進めるという、この開発促進法の根本精神を否定されれば別です。否定されれば別ですが、否定されない限りにおいては、第五条の精神というものは当然政府の方で尊重してやられるべきものである。私は今の御答弁では少し言辞を弄し過ぎていると思う。
○説明員(佐々木義武君) お言葉を返すようで恐縮でございますが、何と申しますか、ただ当時の実情を申しましただけでございまして、その精神が今変っているといったようなことを申し上げたわけではございません。
○国務大臣(石橋湛山君) 私から申し上げますが、さっき申しましたように、この資金の量、それから条件と二つ問題がございます。今のお話では、つまり資金の量の確保は形の上においては民間になるか何になるかしらんが確保はする、しかしその場合に条件が悪くなるのではこの立法の精神に反するというお説、それは私も同様に感じておりまして、これはもう法律のいかんにかかわらず私は金利の高い金を電源開発に使うことは好みませんから、それはどこまでも大蔵省が相談に乗った場合には、ぜひ電源のごときには安い金利の金が使われるようにいたしたいと思います。
○栗山良夫君 そこで問題は僕はこう思うのです。電発の方は別ですよ。私はまだ電発のことは申しませんが、九電力会社の方の融資について開銀融資を受けているが、これは六分五厘です。市中銀行は六分五厘で貸しますが、私ども聞いているところでははるかに高い一割近い融資を受けております。その金利の差だけ資本量がふえるが、どうして始末をつけるか。もしやるとすれば私どもは今まで電力料金のときにずいぶんこれを問題にしたのですが、その場になってみるというと、政府はいつも逃げてしまう、こういう問題になると……。きょうはっきりしておかなければならぬことは、今まで六分五厘で開発促進法の精神にのっとってやってきたでしょう、それがときたま大蔵省の都合なり、あるいは金融界の都合によって一割近い金に切りかえた、現実にそれだけの差額だけは電気料金にはね返ってくるわけです。だからこれを純理論的に言うならば、今までの通りに電力事業者はやってきた、しかし政府の施策によってこれだけ金利が上ってきたということになれば、それだけの電力料金の値上げを認めましょうと言われなければ理論的には成り立たない。上げる上げないは別だけれども……。そういうところは全然デスカスしないで、言葉のやりとりだけでいつでも問題を過してしまうから、あとでいろいろな問題が起きるのです。私が大臣にそういうこと言っては申しわけないが……。
○国務大臣(石橋湛山君) お説はごもっともですからその通りに主張しますが、ただまあよけいなことですが、こういう議論もあるわけです。民間資金が今度金利が何がしか下る。そうすると、全体に電力会社が使っている民間資金というやつがあるのです、だから一部分の開銀資金を、民間のまあそれだけをとれば、それに移しても総体としては金利が下るのじゃないかという議論もありますので、まあそれらのことも全然無視するわけにもいかないかと思います。ですから、私としては特に電源開発については低金利のものをそのままを使いたい、市中金利が下る、その利益は今後の電気料金の低下ないしは少くとも安定のために使いたい、こう考えております。ですから、そういうふうにいたしますが、しかしながら全体の資金計画の上から全然妥協の余地がないということ、これはまあここでちょっと申し上げかねるかと思います。
○栗山良夫君 それだから、私が申し上げるのは、法はあくまでも法ですから、法が時世に合わなくなれば、法そのものを変えるということはやむを得ないと思うのです。そのときの国会で承認されれば、それで法になるわけですからね。しかし依然として当時ものすごい意気込みをもって電源開発をやろうとして作ったこの法律をそのままずっと引き続いて運用してきて、しかもその法を作るときの考え方というものは、国会を通じてこれは国民に明らかにせられている、そればいささかも変っていないはずなんです。そういう考え方をやっていて、ときたま内閣の都合によって、しかも三十年度の予算は通り、三十年度の予算の実行の中途においてこういうことを変更するなんということは、これは開発計画工事としてやっているのだが、そちらの方は計画なんという字は全然使っちゃいかぬことになる。それは、それこそ計画なんてどこにありましょうか。三十年度の予算の実行の最中に変えるなんて、不見識もはなはだしいと言わなければならない。そういうことについて私は今日はほんとうは、これは電源開発法の運用の最高責任者は総理大臣ですから、総理大臣が出てこれを答弁すべきである、ほんとうから申せば、と思うのです。それですから、一つ今申し上げました精神にのっとって、閣議で問題になるというわけですから、大臣は開発法の精神をよく一つ理解せられて、善処を願いたいと私は思います。
○国務大臣(石橋湛山君) まだ正式の話し合いがございませんからして、ここでとやかく政府がどう決定するかということを申し上げるわけにいきませんが、非常に御鞭撻下さいましてありがとうございました。
○栗山良夫君 私、もし間違ったことをやられれば、本会議で必ず問題にいたします。そういうでたらめな逆用がかりに一省の都合によって行われるということになれば、法律を審議する熱意を失ってしまう。そういう意味において僕は特にその問題を言うわけです。 それから第二番目の問題は、電源開発会社です。電源開発会社の資金構成というものは、先ほどの佐々木さんの話は、九電力会社の問題については、あるいは少し程度が違って、あなたのような考え方も閣僚の中で主張する人もあるかもしれないが、電源開発会社に至っては、そういういいかげんなものでは絶対にない。電源開発会社の開発する資金というものは、とにかくこの表に示されてありますが、そういう意味で、だからこそ小坂総裁でも、ことしの春三割の頭打ち料金が決定されるまでの電気料金の扱いのときの途中においては、電源開発はあげて電源開発がやるべきである、しかも直接投資による利息のない金、あるいは低金利の金でもって電力の値上げはとめるべきである、こういうことを言われた。当時僕はその考え方については異論を若干唱えましたが、精神はそうだ。ところが、今政府がやろうとしておるやり方というものは、電源開発会社に対しても三十年度の計画をもう一ぺん検討を加えて、最初法律を作ったときの精神がどこで通っておるか、一つ一番最初法律を作ったときの年度の計画と、それから本年度の電発に対する資金措置と比較して説明を願いたいと思います。工事量がふえて今までよけいにやり過ぎた、こうおっしゃるけれども、それは法律にのっとって電源開発審議会の審議を得てそういう計画が毎年増加してきておるので、これは当然何も非難する理由はない。その審議会で出た結論の通りに実行するそのための資金の裏づけというものは、もう審議会で具体的な開発の結論を出した瞬間に資金の裏づけとして政府が考えなきゃならぬ。それだからこそ、電源開発審議会のキャップには総理大臣を当てるということになっておるわけです。内閣を全部掌握しておる総理大臣がやるということになっておる。だから、こういう問題については、あまりはっきりしないことで過ごしていきますというと、問題を将来に非常に残していく、そうしてよろしくないと思いますので、僕はせっかくの機会だから、この問題をはっきりもう一ぺん再確認をしたい、こう思う。だから、今の問題について電源開発会社の方の言い分も開発促進法にのっとって承わりたいし、政府当局の考え方も承わりたい。
○参考人(藤井崇治君) 電源開発会社の資金の問題についていろいろあたたかい御助言、まことに感謝にたえませんが、政府の財政資金の都合で多少の狂いはございまするが、本年度までの政府の電源開発に対するところの資金は、大体私どもの要求したところに近いものをつけていただいておるのでありますが、ただ本年度は財政投資の面において従来に比較いたしましてわずか三十億でございまするから、非常に減ってはおりまするが、そのかわり別の金利の安い預金部資金よりも安い、あるいは見返り円であるとかその他の御配慮を願っておるのでありまして、その点については私どもは主務省はもちろんのこと、財務当局に対しまして感謝しておるのであります。ただ、本年度は財政計画に多少の入り狂いがありまして、あるいは見返り円がおくれておるというようなことで、いろいろの措置をしておりますが、そういうことに対しても、実は御承知かと存じまするが、あるいは外国映画の蓄積円を安い金利で電源開発の方へ使わせようというような配慮をしておっていただくのでありまして、この点は大体栗山さんの御期待に沿うようにいっておるのではないかと思っておるのであります。ただ、今後の問題でございまするが、これも政府の財政事情で予断は許しませんけれども、おそらく従来のようなやっぱり理解のある態度をとってもらえることと確信いたしておりまするが、これに対しまして皆様方の御支援もぜひお願いいたしたいと思います。何と申しましても、やっぱり財政投資の方が当分無配当で済みまするから、一等安い金利になるわけでございまして、なるべくこの方をよけい使わしてもらうということが望ましいのでございます。そういう面についてもぜひ一つ御配慮を願いたいと思います。
○説明員(佐々木義武君) 開発会社の促進法を作りました際の資金予定は御承知の通り全部で千八百五十億、これは三十二年度までの総計でございますが、この中で大体資本金を千億見まして借入金を八百五十億というように分けて考えておったわけであります。で、千億の中の九百億は政府出資でありまして、あと百億は民間からという計算で、八百五十億の内訳は五百二十億が預金部、社債で主として考え、残りの三百三十億は外資等が入ればというふうな当時の判断でありましたのですが、その後この方向はそう大きくは狂っておりません。と申しますのは大体あのときの利子のはじき方は平均四分ぐらいで見たらよかろうというふうにたしか見ておったわけでありますが、ただいま借りて使っております利子は平均いたしまして大体三分一厘かそこらかと記憶いたしております。従いまして当時の予定からいたしますと、いわゆる資金コストといたしましてはそう予定を狂えてやっておるというよりはむしろ当時よりも低いコストで開発を続けておるというふうに御解釈いただいてけっこうではなかろうかと考えます。
○栗山良夫君 その平均金利が四分を予定したがの三分一厘ぐらいだから非常にけっこうだとおっしゃいますが、これもやはり先ほど申し上げた通り計画工事をやっているわけです。だから資金も計画投融資をしなければいけない。ところが、では政府の持株というのは計画の通りいっておりますか。特に本年度は三十億の投資をしただけで、しかも電源開発会社が民間融資を、これはたしか予定をされて若干はありましたけれども、市中銀行の直接融資を受けるようなことを計画を立てておる。そういうようなことを最初は毛頭も考えていなかった。だから問題としては結果からいってやったことがどうにかこうにか最初とつじつまが合うからまあそれでがまんしろということは、それはいかにも便法であって、内閣がかわろうとこういうような重要な一つの計画事業を遂行していこうというときには歴代の内閣はやはりその法の持っておる根本精神というものを十分尊重して運用せられるべきだと僕は思うのです。これは操り返して申します。従ってこの法律を出すためには大蔵省としてもちろん参画して、通産省も参画をし、経済企画庁も参画をして、そうして当時はまあ自由党が非常に力を入れて作られた法律ではあるけれども、その法律をやはり運用していくときにはこういうところで疑惑の起きないようにつけ過ぎじゃないかといってだれかから異議の出るぐらいにやるのがほんとうであって、三十年度の途中になって行き過ぎだから切れとか切らないとかそんな議論をするようなやり方というものは当を得ないと私は思う。聞くところによると運用部資金が少し足りない、こう言います。足りないかもしれないが、そういうことはもっとほかのところで何とかすれば、砂糖の吸い上げの六十億なんかでもいいかげんにしてしまうとか、問題はほかにあるのです。ほかにあることをこういう法律でやっている仕事にまで波及させるようなことでは全くけしからぬことだと思う。で、通商産業大臣としては少くとももう少しという言葉は使えないので、とにかく徹底的に強力にやってもらいたいと私は思います。
○国務大臣(石橋湛山君) 御趣旨はその通りで、私としては大へん賛成なんです。その通りやって参りたい。
○参考人(藤井崇治君) ちょっと補足いたしますが、本年度は民間の方のお金を借りるといいますが、これはただ資金の金繰り上短期のつなぎ資金として借りる程度でございまして、もちろん投融資という面において借りておるわけじゃございませんので、その点はけさほど説明がちょっと足わなかったかと思いますので、補足させていただきます。
○栗山良夫君 私がなぜこういうことをやかましく申し上げるかと申しますと、皆さんは現場を、ごらんになっておるから最もよくおわかり願えるかと思いますが、最近の水力、あるいは火力の開発工事というものはわれわれ青年時代にやったのと全然違いまして、これは最も重点的に最短時間で最高能率を上げて完成をしよう、建設利子というものは極端に縮める、こういう熱意で行われておるわけです。その仕事を進めていくためには絶対条件になるのはやはり資金の供給だと僕は思います。その資金を供給すべき一番重要な仕事が内閣によってぐらぐらしてしまって工事の方があおられてしまって、せっかく最短時間で最高能率を上げてやろうというその工事計画に狂いを生じさせたらその工事全体が昔のように人夫が背中にセメントを背負ってやった仕事とちっとも変りないと思う。これは内閣の責任だと思う。そういうことが現に若干出ておる、それをどうするか、こういうことです。まあ大体私の考えておることは申しましたが、この問題はこれで終りにいたします。とにかく善処をお願いいたします。
○委員長(吉野信次君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(吉野信次君) それじゃ速記を始めて。
○栗山良夫君 今の問題はこの次にいつこの委員会が開かれるか知りませんが、一ぺん経済閣僚で打ち合せをしていただいて、懇談をしていただいて、私が今ここで発言しておるのは委員会の発言ですから、委員長が許可を与えて私が発言をしてだれも異議を申し述べる人がないのだからこれは正式な発言ですから、それに対して大臣は賛成の意を表せられておるわけですから、経済閣僚として一ぺん打ち合せをせられて、次の機会には決定前にとにかくこのわれわれの要望にこたえられるものかこたえられないものか、それを一つ明らかにしていただきたい。もしどうしても要望にこたえられないということになれば、また次のことをわれわれは考えなくてはならないということになりますから……。
○国務大臣(石橋湛山君) 何ですか、私の方で閣僚の打ち合せをしてお答えをしろ、こういうわけですか。
○栗山良夫君 いや、この委員会の空気としては私が今述べたことに対してだれも異議はありませんから、これは委員会の発言、委員会の意思ということになっております。従ってその意思に対して通商産業大臣はまた賛成をせられたから、そういうことであれば今度は内閣においてその実現を期さなければならない。実現を期すためには内閣の中で特に関心の深い経済閣僚が一つ決定前に、閣議にかかる前によく御相談を願って、われわれの考えておる通りに実現の可能性があるのか、あるいは実現の可能性がないのかということを大体瀬踏みをせられてこちらの方に知らしてほしい、こういうわけです。
○国務大臣(石橋湛山君) それは承知いたしました。
○栗山良夫君 そうすれば可能性がないということであれば、この委員会としてはまた別なことを考えなければならない、こういうことになろうかと思います。 それから午前中の私の質問の中で電気事業連合会の方へちょっと先ほどお尋ねいたしたことがありましたが、あれはどういうことになっておりますか。
○参考人(松根宗一君) けさほどの御質問について、ちょうど昼になりましたので、お答えが延びておりましたが、財政資金が将来だんだん細っていった場合に九電力の方の覚悟のほどはどうだ、また九電力の中にもいろいろ実力の差があるものもあるが、そういう点についてはどういうふうに考えるかという御質問の御趣旨だったように記憶いたしておりますが、根本的に申しますと、たとえば戦前の例をとってみますと、現在の九電力のあり方というものが異常事業でございまして、狂いまして基本的には政府の補助、あるいは投融資を受けるということはこれは変態であるということはだれも申すことだと思います。ただ戦後の異常な経済情勢からして急速なる電力開発をやらなければいけない、先刻もお話のありましたような促進法等の制定も見まして、この財政投融資の問題が電発並びに九電力に行われておるものなのでありますが、午前中るる申し上げましたように、なかなか今の電気事業の開発ではこれでもういいのだというところに参っておりません。従いましてますます開発の必要があるのでございます。さて一方そういうふうな資金の住になっております財政投融資が細るという問題になりますと、さっき栗山さんのお言葉にありましたように、急激に減りますことはこれは非常に実は困るのであります。長い将来につきましてはいろいろ考え方もあると思いますが、何を申しましても三年も五年もかかるような工事であるし、しかもそれを次から次へやっていかなければならない、これが急激に減ります場合に、たとえば今年のごときは民間の資金の融資が得られるかもしれません、金利の問題は別といたしまして。それでも必ずしも私どもはそういう状態が続くとは思えないのであります。従いまして財政投融資の削減の問題につきましては減らす度合いを一つゆるくしていただく。なお九電力の内部におけるそういう問題の難易の差はどうかというまことに行き届いた御質問なんでありますが、これは実はここでどこの会社がいいか、どこの会社が悪いかということはちょっと申し上げることをはばかるのでありますが、たしかに大きい会社、小さい会社、いい地区を持っております会社、余裕のある会社、いろいろ差等がございます。ことにそれに持っていきまして、これからやろうとする各会社の工事量というものが、必ずしもその会社の優劣と言いますか、大きさというものに比例しない場合が起ってくる場合があると思うのであります。これはまだきまった問題でもありませんが、たとえば北陸電力で有峯、跡津の開発をやろうとする計画、あるいは関西電力で黒部第四ダムをやろうというような大きな計画につきましては、みなそれぞれある程度の財政資金を期待しておるものと私は思うのであります。会社によりましてはどうしても政府の財政資金が出なければ独力でもやってみせるという意気込みの会社もありますし、またそういう実力のある会社もあると思います。また中にはそういうことのむずかしい会社もあるわけであります。従いまして全般から申しますと、やはりある程度の財政資金をつけていただいて、そうしてこれらの電源開発を開発会社とともに協力してやっていくということがどうしても私ども九電力の立場からしては必要であるというふうに考えるのであります。 それからもう一つこの機会に今大臣からのお話のうちに、大臣には応接私どもこの問題についてはしばしば陳情いたしておりまして、よく事情は御承知なのでありますので、さっきのお言葉の中には、あれは大臣の御意見ではないと思うのでありますが、先刻も申し上げたように、財政投融資が減るための金利の上りは民間資金の金利が下ることによってカバーして余りあるじゃないかという議論なんでありますが、これは先刻からたびたび申し上げておりますように、民間資金の金利の低下というものは今後の電力原価が上ることをそれによって吸収しようというわれわれの一つの期待の原資になっております。結果から申しますと今度の削減されます民間への振りかえによる金利のふえますだけはどうしても原価が上るのだ、先刻申し上げましたように六カ年間に約一割弱原価が上る、こいつを一生懸命何とかして吸収して上げないように持っていこうと今努力しております上に、さらにこの開銀振りかえによる金利の増大が一つの負担になりますので、ぜひこの点は今のような簡単な算術的計算でなく、長く計算をとってみますとそういう勘定になります。十分その辺の御理解を得まして、われわれの希望のありますところをかなえていただくように御配慮を願いたいと思います。
○栗山良夫君 私の午前中の質問とちょっとぴったりしないところがあるのですがね。それは何かと申しますと、私この前七日の特別国会の開会中だったと思いますが、開銀融資の振り割りのことについて、ここで政府を若干鞭撻したというような、批評をしたというような——少ししたことがあります。そのときの考え方ですね、まあ、今まではそれでよかったと思いますが、これからは、今あなたのおっしゃったように企業の優良の度合いと資金の要る度合いとが比例をしないものがたくさん出てくる、そういう情勢がくるからもう今年度くらいからは開銀の融資というものは、工事量だけによる比例按分では不適当である、会社の資金能力というものを千分に勘案して按分をせらるべきである、こういうことを私は主張をして、原則的には大臣も承認せられた、そのあとがどういう工合になったか私は知りませんが、承認をせられたからには誠実な石橋大臣はおそらく実行していただいていると私は確信しているわけなんでありますが、まあ、そういうことなんです。従ってそれはその限りにおいて今好転しつつあるからいいと思いますが、問題は今の九磁力事業者の企業内容というものが、一番上と下がどの程度の開きになっているか私はよくわからないのですが、これがやはり電力料金の調整のときには通産省の基本方針が、前の中島局長が認めた通り、九企業の内容というものは一応水平化するという精神のもとに料金の調整が行われている。ところがそういうことがあるにかかわらずどんどん開いていくということであれば、これは電力行政としてやはり考えて、企業格差というものを政策の面で、九会社とも同じような努力をしておってなおかつ企業格差が出るということであればこれは電力行政としてチェックしなければならない、このことを私は申し上げた。従ってこのこともだれも私の言うことに対して否定される人はないのです。ないということであればこのことについては役所の方もそうだし、電気事業者自体においてももう少し内容を明らかにせられて、それをわれわれの方に知らしていただいて、そうして実現するように当然せらるべきものと私は考える。だからそういう意味のことを、先ほどは申し上げませんでしたが、頭に置いて質問申し上げたのですけれども、そこまでちょっと答弁がなかったのです。
○参考人(松根宗一君) 今の御質問は非常にむずかしい問題でございまして、ただいまここで、では、これはああだ、こうだという実はお話は申し上げかねるのでございますが、今御質問者の御趣旨は私よくわかるのでございますが、またそういうことについての業者の一致した考え方と申しますか、そういうものもまとまっておりません。大へんお考えはよく私わかるのでございますが、次の機会にわれわれの仲間で一つよく御質問の趣旨を打ち合せまして、適当な機会にお話し申し上げたいと思いますが、いかがでございましょうか。
○栗山良夫君 それでけっこうですが、たとえ卑近な例を申し上げますと、北海道電力会社ですね、あれはどんなに努力されたって私は大体見通しはつくと思うのです。先ほどのお話のような需用の伸びというものは、今の電源開発を進めてもスピードに追っつかない、どうしても。そうして置かれておる供給地域の状況からいって、これはなかなかうまくいかないと私は思います。たとえばそういうような観点に立ってその数字をとって見れば、何というか現在の稼働設備と固定負債、そういうものの例証をとって見ると北海道が最高ですねもこれはもうとうていうまくいきっこないと思う。それと同じように、その次に最高なのは九州、これを今大ぜいの要望でもって電力をどこの地域差を縮めてもらいたい——北海道が最高でその次が九州、これじゃ非常に不穏当だから縮めてもらいたいという要望があるけれども、こんなに固定負債、稼働設備というものが全国の最高をいっているようなものでは、これはどうしようもない。そのほかその次にあるのはどこですか、北陸、北陸もそうです。それから東北がそうです。その次には中部、四国、こういう工合にずっと序列がもう説明されなくても決算書だけもらってきてちょっとそろばんを入れて見れば、そうお隠しにならなくったって数字を計算できます。そういう数字の中にもうはっきり出ている。そういうものが現実にあるのだからそれはいろいろなものに私は影響していると思います。これは一つの例証にすぎませんけれども、そういうものをみずから進んでチェックをし、そうしてみずから進んで直していく、そうして電力行政においては少くとも公平になっておる、その中で企業努力をしてよくなるということはかまわないけれども、電力行政もでこでこで、そうしてその中で企業努力をやったところで非常に苦しいことになります。そういう工合に私は考えるのです。この点については大臣にもう一ぺんお尋ねいたしますが、三割の頭打ちですね、あれは暫定措置ですが、それで電力料を引き下げるためには諸税と利子等の引き下げを行うという吉田内閣当時の約束ですね、あれは鳩山内閣に引き継いだごとく引き継がざるごとくさっぱりはっきりしないままになっておるわけですが、あれは一体どういうことになっておるか。
○国務大臣(石橋湛山君) むろんその方針に変りはないのですけれども、まあ実際の話が実現がまだ行われてないということはこれは事実です。
○栗山良夫君 その電力事業に対する——少くとも国会で問題になったようなことは、今はどうにかこうにか電力の状態が、需給が安定しているということ、それからまた近い将来に電力料金を値上げする意向がないということ、これによって表面的には非常に平静になっておる。しかし内部において政府が電力行政の上において——私は欠陥とは申し上げませんけれども、そのかわり幾つかの行き違いがあり、そして若干上手でなかったところがそのまま残っておって、これをほうっておけばいつか問題になる点があることを私は指摘しなければならない。そういうことがあるからなるべく早い機会にそういうものがきれいに処理せられてしかるべきだと思う。またいずれ近いうちに電気事業法でも出されることになれば、当然そのことは話題になります。なりますからいろいろな重要な問題は一個所に集めないで、一つずつこう漸次かみ砕いていくように政府の賢明な御努力を私は願います。そういうお考えはないのですか。
○国務大臣(石橋湛山君) いや、ありますが、今の問題を解決するということは、つまり根本問題を解決することになりますね。たとえば資金のつけ方などはこの前の国会における栗山さんの御意見にできる限り従って資金の配分をやったつもりでおります。ただし企業努力でもって楽になったが、全部まるまる繰り上げてしまうとか、資金配分の場合にそれを全部マイナスするということは行き過ぎでありますから、かなりめんどうな計算をしたのであります。十分御趣旨に沿ったかどうかしりませんけれども、御趣旨に沿うて今の資金配分はやっております。そういうことでやっておりますが、しかしながら目に見えて、その金利の引き下げ、それから税金の問題ということは解決しておりませんことははなはだ遺憾と存じます。
○藤田進君 それでは私一言だけ、時間がないようですから、大臣が見えてからと思っていた数件の中で一つだけ要望。
○委員長(吉野信次君) どうでしょう、参考人の方から御用があるようですが、もしお差しつかえなければ……それでは大へん長時間ありがとうございました。
○藤田進君 今朝来参考人の公述等をずっと整理してみますと、かなり国民的な立場で政府は、あるいは国会が方向性をきめて行かなければならぬ問題が出ているようです。たとえば今の開発会社が発電所をどんどん開発して行き、これを保有して送電線を作り、いわば卸売をやるような場合は、当然給電指令所をほしいという要望があった、そうだろうと思います。そうなると、九電力会社の指令所なり、需給の調整というものが、電気のような瞬間を争う問題としてはとうてい円滑に行かない。これが一番むずかしい技術的な問題でありますから、勢い手をつけないで時を過ごすということになりがちなんです。しかるに開発会社と九電力会社との間に話がつく性質のものではないと思います。かなり対立があるのでありますから、国会としては本来特別委員会でも設けるとか、最悪の場合でも小委員会を設けるとか、この問題には十分政府とも協力して円滑に進めなければならぬ問題と思いますが、しかしすでに臨時国会も目睫に控えております。続いて通常国会もありますから、当商工委員会で扱うとしても、その国会が開かれるまで、少くとも通常国会までには、かねて言明されていたように、電力行政について特に開発会社の性格なり、九電力会社の関係なりということについて方向性を政府として急速に検討して、その結論を得ていただきたいと思います。もちろんそれまで石橋さん通産大臣になられてあれなんだけれども、しかしいずれにしても政府としてこの問題は真剣かつすみやかに取り組んでいただきたい、その際にはやはり国会方面の意向も十分取り入れるように配慮をお願いしたいと思います。
○国務大臣(石橋湛山君) 御要望に沿いたいと思います。
○海野三朗君 この鉄鋼の輸出制限をおやりになったようですが、こういうような抜打ち的なやり方は私どうかと思うのですが、もう少し前もって業者に予告するというような方法をおとりになったらいかがなものですか。
○国務大臣(石橋湛山君) ちょっとわかりにくかったのですが。
○海野三朗君 鉄鋼の輸出制限でございますが、百七十万トン、それをまず百五十五万トンを見当に政府が予定して十八社に指令を出した、そういうことがもう少し前に、ああいうふうな作業を見ておりますと、ちゃんと計画を立ててやっているものですから、そこまでやってはいかんと言われても、品物をつけておる途中でありますから、ぽかっとやられると、実際生産業者は非常に困るのです。私はよくそれを知っているのです、技術者でありますから、そういうときにやはり通産省がもう少し前もって予告される要があるのじゃないか、もう少し引き締めろとかなんとかいうことでありますというと、かげんをいたしますから、たとえば銅片を焼いたままでロールをかけておる、そのときにストップをやれと言われても非常に因るのであります。ですからそういう点に対しては通産省がもう少しその辺をお考えになって、突然でなしにおやりになったらどうかというふうに私は思うのですが、その辺大臣はいかがお考えになりますか。
○国務大臣(石橋湛山君) あのときは相当前に当業者の人たちとは話をした末にやったつもりであります。あるいは中小企業者のところまでは十分に話が届かなかったと思うのであります。御注意はごもっともと思いますから、ただああいうことをなかなか予告するということは事実上困難であり、予告すればまたその予告期間にいろいろな動きが起るものですから、やはり輸出に対する禁止とかなんとか解除とかいうようなことは突然やらないとまた弊害もありますので、つい突然になりがちでありますから、何も決して外で見るほど突然にやったわけではないのであります。
○海野三朗君 そうですか。それからもう一つくず鉄の問題でありますが、くず鉄は今特級品が二万七千円もしており、戦時中よりも高い値段、こういうふうに飛び上ってきておる際には、少くとも輸入ということをもう少し市場の鉄鋼の価格を安定する上においてスクラップの価格を安定するような方向におやりになる必要があるのではないか。で、国内のスクラップというものはごく数量が少い、少いやつでありますから、外国から輸入をやるかやらぬかということももうびんびん響くのです、国内の鉄鋼の値段に。ですからそういうことに対しては、どういうふうなお考えを持っていらっしゃるのか、そのスクラップに対する御所見を伺いたい。
○国務大臣(石橋湛山君) ごもっともでありまして、われわれも輸入ができるものならスクラップを大いに輸入したい、ところが実際に輸入しようとしても供給源がはなはだ乏しいようであります。アメリカあたりからも来ませんし、ずいぶんそこら中あさっておるわけでありますが、非常に世界的にスクラップの供給が少いようであります、最近やむを得ませんから銑鉄を輸入するというようなことをやっておるわけでありまして、原料の輸入については通産省としてはあらゆる方法を講じて輸入をするということに努力をいたしておりますが、今のようなありさまであります。
○海野三朗君 朝鮮には相当のスクラップが今戦争のあれで残っているのです。そういうものにはやはり通産省あたりもお考えになっていらっしゃるのでしょうか。もう赤さびになっているわけです。
○国務大臣(石橋湛山君) 何か朝鮮のスクラップの問題がありますが、今の朝鮮の関係でありますから、故障があっておいそれというわけにいかないらしゅうございます。
○海野三朗君 それで鉄鋼の値段でありますが、それに対しては通産省はどういうふうにお考えになっていらっしゃるのですか、この国内の価格ですね。つまり鋳物銑鉄などが非常に高いのです。なんぼ金を積んでも入らないというものでありますから、やはり鋳物銑鉄なんかもお入れになるお考えでございますか。
○国務大臣(石橋湛山君) さようでございます。銑鉄は入れることにきめました。鉄鋼の価格のことはきのう局長らお答えいたしたのでありますが、私も詳しいことは存じませんが、スチールなどについてはまあ欧州の値段とは日本の現在の値段でも必ずしも高くないようであります。
○海野三朗君 なお鉄鋼につきまして、ミシンなどの足を作る業者からこの間私陳情を受けたのですが、国内で非常に困っておるので、これを何とかこの方策を立てていただきませぬと、輸出の方にもすぐ響いて参りますし、そういう方面についてはやはり相当関心をお持ちになって、今度輸入という方面に手をお伸ばしなさったわけでありますか。
○国務大臣(石橋湛山君) むろんでございます。くず鉄なども、国内のくず鉄も大蔵省へ前から迫っておるのでありますが、最近においてまたさらに指令を出して、強力に大蔵省の所有している国有財産に関する機械とか建物をくず鉄として概して、それらも今の中小メーカーのいろいろの鋳物などをやる方にも回るようにいたしております。
○海野三朗君 このカルテルなどでもってこのくず鉄の割当をまた再び強化しようというお考えのようでありますが、このくず鉄のカルテルが破れたのはどういうところに原因があるのでございましょうか、前からやっておりましたカルテル……。
○国務大臣(石橋湛山君) あれは鋼鉄のメーカーが、やはりこのカルテルがあったにかかわらず、抜けがけをして少し買いあさったようであります。そういうことから一部の業者にくず鉄が集まって、従って価格が暴騰してきた。そこでほかのメーカーも黙っていられないということで、やむを得ずくずれたようなわけであります。
○海野三朗君 今度カルテルが再び強化されるということは新聞で見ておりますが、これは果して相当実行されるのでありましょうか。そういうことに対しては通産省はどういうふうに御監督をなさるお考えですか。
○国務大臣(石橋湛山君) この間の鉄鋼の輸出一部禁止も、そのくず鉄カルテルなどの再建を促す意味でやりましたことで、当業者もその善後処理として今しきりにさらにカルテルを作って、くず鉄の価格の安定をしようということに努力しておりますから、近いうちにできるものと考えております。
○委員長(吉野信次君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(吉野信次君) 速記を始めて。 それじゃこの際ちょっとお諮りしたいのですが、砂利採取法案と経済自立方策に関しまして、これはいずれも審査並びに調査を完了するに至っておりませんので、本院規則の第七十二条の三によりまして、閉会中審査未了並びに調査未了の旨の報告書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(吉野信次君) さよう決定いたします。 なお報告書の内容及びその手続などは委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(吉野信次君) 御異議がないものと認めます。さように決定いたします。 それでは本日はこれにて散会いたします。 午後三時三十八分散会