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22回国会参議院1955/03/30

商工委員会 第3号

発言数
190
登壇者
11
会派数
3
開催日
1955/03/30

会議録

吉野信次自由党

○委員長(吉野信次君) それでは委員会を開会いたします。  ちょっと、理事の件でございますが、この間私の方から三名を御指名申し上げましたが、あと残り一名を三輪君にお願いいたしたいと思いますので、さよう御了承願います。

吉野信次自由党

○委員長(吉野信次君) 次に、昨日に引き続きまして、自転車競技法等の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案を議題にいたします。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 本件に関しましては、質疑を打ち切り、討論を省略いたしまして、直ちに採決に入ることの動議を提出いたします。

松平勇雄自由党

○松平勇雄君 ただいまの栗山君の動議に賛成いたします。

吉野信次自由党

○委員長(吉野信次君) それではただいま栗山君から、本件に関しては質疑を打ち切って、それから討論を省略して、直ちに採決をしたい、こういう動議が提出されましたが、それで御異議はございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

吉野信次自由党

○委員長(吉野信次君) それでは異議がないものと認めまして、さように決定いたしまして、これから直ちに採決に入りたいと思います。  それでは自転車競技法等の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案、この全部を問題に供します。本法案を原案通り可決することに賛成の方の挙手をお願いいたします。   〔賛成者挙手〕

吉野信次自由党

○委員長(吉野信次君) それでは総員挙手でございますから、本法案は全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。  それでは本法案を可とされた方は順次に御署名を願いたいと思います。   多数意見春署名     小野 義夫  深水 六郎     松平 勇雄  加藤 正人     上林 忠次  山川 良一     海野 三朗  栗山 良夫     三輪 貞治  白川 一雄     苫米地義三

吉野信次自由党

○委員長(吉野信次君) なお本会議における報告、手続などは、慣例によりまして委員長に御一任を願いたいと思いますが、よろしゅうございますか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

吉野信次自由党

○委員長(吉野信次君) それではさように決定いたしたいと思います。  それではこれで暫時休憩をいたしまして午後一時から再開いたします。これで休憩いたします。    午前九時五十九分休憩    ————・————    午後一時四十五分開会

吉野信次自由党

○委員長(吉野信次君) それでは午前に引き続きまして再開いたします。  昨日経済自立に関する調査承認項目が御決定になっておりましたから、その一環としましてちょうど経済審議庁から次官、次長がお見えになっておりますから、経済情勢の分析、見通しというふうなことにつきまして御説明をお願いしたいと思います。

田中龍夫日本民主党経済企画政務次官

○政府委員(田中龍夫君) 一言ごあいさつ申し上げます。このたび経済審議政務次官に就任しました田中でございます。実は本日大臣が出席いたしまして御説明を申し上げることになっておりましたが、ただいまちょうどエカフエの議長を勤めることになりまして、本日はさような関係から出席ができませんことをどうぞお許しをいただきたいと思います。なおまた私も就任早々でございますので、どうぞよろしくお願いいたします。詳細な点につきましては次長並びに事務当局から申し上げることにいたしたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。

石原武夫経済審議庁次長

○政府委員(石原武夫君) ただいまお話のございました最近の経済の状況と、それからもう一つ事務局の方から伺っております来年度の見通しを一応側説明するようにとございましたので、それを申し上げます。  最近の経済状況につきましては、経済審議庁で毎月お手元にございましたような月例経済報告に出しておりますので、これをごらん願いますと、これを中心にして御説明をさしていただきたいと思います。なお三十年度の、来年度の経済の見通しにつきましては、今御承知のように予算も作成中でござまして、大蔵省とも打ち合せをして経審内部で今作業をやりつつありますので、まだ来年の確たる見通しなり、経済情勢というものもまだきまって御報告申し上げるまでに至っておりませんが、ごく概略のところを私から御説明をさしていただきたいと思います。ただ来年度につきましては、先に最近の経済状況をお聞き取りを願いました上で来年の点を御説明さして頂きたいと思うので、どうぞさよう御了承を願いたいと思います。なお月例経済報告につきましては、調査部長がおりますので、調査部長から御説明さしていただきたいと思います。

須賀賢二経済審議庁調査部長

○説明員(須賀賢二君) それでは私からお手元に差し上げております「月例経済報告」につきまして簡単に最近の経済の動きを御説明申し上げたいと思います。  この資料は毎月私どもの方で閣議に最近の情勢を報告しておりまするものを便宜用いましたものでありまして、三月二十九日に二月を中心の状況を御報告いたしたのであります。初めにごくあらまし最近の動向をかいつまんで述べておるのでございまするが、この一、二ヵ月の動きといたしまして、特に注目されまするのは、最近物価がやや騰貴をいたしております点でございまして、この点を一番初めに取り上げておるわけでございます。かいつまんで申し上げますと、卸売物価は御承知のように昨年デフレの過程におきまして、大体八月ごろまでずっと下って参ったのでございまするが、九月ごろから大体落ちついて参りまして、大体九月から去年の年末ごろまでは朝鮮動乱前と比較いたしまして、大体五割高、動乱直前を一〇〇といたしまして大体一五〇ぐらいのところでずっと推移をいたしておったわけでございます。ところが去年の暮、特に今年の一月、二月とこの物価がやや上向いて参りまして、二月の終りには二五四という指数になったわけでございます。ただその中身をやや詳しく見てみますると、全体の物価が上向いておるというわけではないのでございまして、比較的物価の上りました品目は限定をされておりまして、特に金属関係、それも鉄鋼、銅、それから雑品の中でゴムというような、特に海外の市況と非常に密接に関連をいたしておりまするものがかなり大幅に上ったというようなことになっておるのでございます。今年の二月終りに一五四というような指数が出ました時期におきましては、かなり物価の先行きも心配をされましたのでございまするが、その後の状況を見ますると、二月の下旬あたりを境にいたしまして次第に落ちついて参りまして、特に鉄鋼金属関係、ゴム等の関係におきましても大体頭打ち、一時のようなあまり目立った騰貴の傾向は一応おさまったというような形になっております。従いまして最近の物価指数は大体一五二を前後いたしておるような状況でございまして、一応警戒をされました物価の先行きも現在の段階ではやや小康を得ている、一応落ちついておるというような形になっておるのでございます。こういう形になっておりまするのは、やはり何と申しましても、まあデフレ基調と申しまするか、いわゆる安定的な経済の基調はやはり続いておると、それから去年の十月ごろから物価が比較的堅調な態勢を続けて参りました背景には、やはり輸出が非常に順調に伸びたという面が多分にあるのでございまするが、その方もあとで申し上げまするように、一応輸出の実勢も一ころのような伸び一方というような形ではなくなりまして、まあ停滞気味と申しまするか、いわゆる輸出の増勢も一応まあ一服というような形にありまするので、それらの面からやはり物価も一応落ちついてきたというような形になっておるのではないかと思うのであります。  それから物価に次ぎまして申し上げたいと思いまするのは、最近の国際収支の動向でございまして、御承知のように去年の下半期以来非常に輸出が順調に伸びた、それから輸入の方が比較的低い水準で、ぐっと推移をしておるというような関係から、去年の下期以来非常に国際収支の面は相当大幅な黒字で推移をいたしてきておるのでございます。ところがごく最近になりまして、やや国際収支の黒字の幅も縮小をしてくるような傾向が見えておるのでございまして、特に二月につきましては、ここにも書きましたように、一月より黒字の幅が三千二百万ドルばかり減少いたしまして、四百万ドルの黒字にとどまったのでございます。ただ国際収支の幅がこういうふうに縮まって参りましたのは、二月の四百万ドルという幅はやや低きに過ぎるのでございますが、ただ実勢といたしましては先ほど申し上げましたように、輸出の水準が以前のように伸びなくなったということと、一方輸入の方が二十九年度は比較的あとの方にずれておりまして、毎年一、二月ごろになりますと食糧でありまするとか、あるいは綿花でありまするとか、そういう比較的金額のかさみます輸入がふえて参るのでございますが、ことしは米の買付が遅れておるというような関係もありまして、例年の傾向に比較いたしまして輸入がまだそれほど水準が上ってきておらないのでございます。そういうような関係からまだ黒字がずっと続いておるわけでございまするが、特に二月につきましては特需が非常に減少いたしまして三千数百万ドルにしか二月は受け取りがなかったわけであります。毎月四千万ドルないし五千万ドルの受け取りがあったものが、二月に、これはある程度特需の要因があるようでございまするが、大幅に減少いたしましたような関係がありまして、非常に国際収支の黒字の幅が縮小し、特に二月につきまして特に目立ちますことは、この国際収支の中での貿易収支、いわゆる輸出と輸入だけの関係から見ました収支は赤字になっているのでございまして、例月貿易収支だけで黒字を続けておりましたのが、二月に貿易収支だけの範囲内では少し赤字が出たというような結果になっております。  それから財政金融関係でございますが、これはちょうどこの一、二月が揚超期にありますので、これは例年の傾向でございますが、ことしの二月もかなりの幅の揚超になっております。これは二ページに書きましたように四百八億程度の揚超になっているわけでございます。一方銀行の預金、貸し出し等の関係を見てみまするというと、最近の傾向といたしましては一般の産業資金の方の需要はそれほどに活発ではないように見られるわけでございまして、二月について特に地方銀行を中心としてやや手元が前月等に比較いたしまして窮屈になりましたのは、去年もあった現象でありますが、ことしも地方公共団体に対する融資がかなりの額出ている模様でございまして、これが二月の銀行貸し出し増加の一つの要因をなしているようでございます。去年も特に一−五月の間におきまして地方公共団体が金繰りのために地方銀行から金を借り入れるというような傾向がありまして、これが一般の産業資金をやや圧迫したというようなあれが出たのでございますが、ことしもすでに二月において若干そういう傾向が見えるような格好になっております。  それから日銀券の発行還収の状況でございますが、日銀券の還収状況は非常に順調でありまして、去年の年末最高発行額から二月末までの間に千六百十七億円、還収率九七形ということになっておりまして、大体去年の還収率九八%と同じ程度の還収を示している状況でございます。  それから生産活動の方について申し上げて見まするというと、4のパラグラフに鉱工業生産の状況を書いてございますが、最近の生産の実勢は昨年七、八月ごろまで鉱工業生産がいわゆるデフレ環境の中でずっと下って参りましたのが、九月ごろから回復して参りまして、その回復の調子を去年の年末ぐらいまで続けておったわけでございます。ただ去年の年末、それからことしの一、二月の傾向といたしましてはかなり高い生産水準を続けておりますが、数字で申し上げますと、ことしの一月で一五四・二、これは昭和九−十一年を一〇〇といたしました総合生産指数でございますが、鉱工業生産で大体戦前の五割強高いというような数字になってきているわけでございまして、かなり高い水準にあるのでございますけれども、前年の同期、いわゆる二十八年の終りから二十九年の初めごろに比較して見まするというと、ごくわずかでありまするが、その当時の水準からはやや下回っておるというような生産水準になっております。なお、業種別の動きといたしまして、かなりはっきり出ております傾向といたしましては、やはり二十九年中のいわゆる投資需要の減退という面が生産の面にもかなり明瞭に反映をいたしておりまして、投資財の関係が比較的水準が低い。一面、消費財の方の生産はかなり活況を維持しておるというような形になっておるわけでございます。  大体の全体の傾向はそういうことでございまするが、この四ページ以下の財政、金融、生産、貿易その他につきましてそれぞれ項目を分けて説明をいたしてございまするが、この中からおもなところだけ拾って申し上げて見ますると、初めの財政資金と金融資金の動きは先ほど申し上げました通りでございまして、この部分につきましては特につけ加えて御説明申し上げる必要もなかろうかと思うわけでございます。  それで2の物価の動きが今月の動向の中で比較的注意をいたさなければなりませんので、これにつきましてさらに若干つけ加えて申し上げますと、物価の動きは、二月も先月の一・一%上昇に続きまして、これは次はちょっと消えておりまするが、〇・八%の騰貴をいたしたわけでございます。二月末の指数は一五四というような水準まできたわけでございまして、大体これは去年の四、五月ごろの水準にまで戻った。昨年の二月が一番物価が高かったわけでございまするが、それが九月の底値までに約九・二、三%下ったのでおります。鉄鋼の中でも特にくず鉄がございまするが、この下った分の約四割くらいをこの一、二カ月の間に戻したというような格好になっておるのでございます。それで上昇の原因でありますが、これは先ほども申し上げましたように、鉄鋼、銅、ゴムといったような海外相場の堅調に引きずられたものがおもでございまして、それ以外のものにつきましてはそれほど目立った大きな変化はないわけでございます。商品類別に見ますと、金属関係がこの下の方に書いてありますように昨年の九月から本年の三月までの間に鉄鋼が二三%、非鉄金属が六%と上って非常に値上りが激しかったわけでございまして、二・三倍といったような上り方をしておるわけでございます。ただ最近に至りましてこの騰勢もようやく鈍って参りまして、大体最近では頭打ちといったような格好になっていることは先ほど申し上げた通りでございます。  それから卸売物価の動向はただいま申し上げた通りでありますが、消費者物価、いわゆる一般消費者の家計に結びついておりまする小売価格の方はこの十二ページの右側に消費者物価指数が出ておりまするが、これは御承知の通り非常に動きが緩慢でございまして、卸売物価に見られましたような大幅の変動はいたしておらぬわけでございます。去年の七月ごろが一四五・七、これは朝鮮動乱前が一〇〇でございますが、この辺が一番高かったわけでございしまて、その後若干、まあ十月等の特例はありますけれども、若干下って参りまして、去年の十一月、十二月ごろに大体一四二から一四一ぐらいのところまで下っておるわけでございまするが、今年の二月には食糧の反騰、特に生鮮食料品の反騰によりまして、ややこれがもとに戻りまして、大体一四三・二というような都度の価格になっておりますが、ただこれも去年の同期と比較してごらん願いますと、去年の同期は一四五くらいでありますので、やはり数パーセントは下っておることになるわけであります。  それから次に十四ページ以降の、生産と在庫の動きでございますが、先ほど申し上げましたように、生産水準は一月一五四・二、それから二月が最近出ておりますが、二月が二五七・五というような数字になっております。これで見ますると、去年の同期よりやや下回った程度のところに現在ごくわずか下回ったところの生産水準にあるわけでございます。ただ商品類別で見ますると、十六ページにございまするように、去年の二十九年三月の鉱工業生産が一七二・四、これが戦後の最高でございますが、これに比較いたしまして三十年の一月は、一五四・三、これは三月、一月でございまするけれども、三月という月は毎月ちょうど電力事情がよくなったりいたしまして、生産が急にはね上る月でありまして、それに反しまして一月は、十二月分直後の月ということで、毎年生産がやや下回る。従いまして一月と三月と比較いたしますことは、比較の条件がよろしくないのでありますが、一応この資料では比較いたしております。それによりますと、大きな商品ブロックでは、非耐久財が二・六%下っておる。それから耐久財の方は二一%低い水準にあるという形になっておりまして、先ほど申し上げましたように、投資財関係の生産の下の方が非常に大きいというような形になっておるわけでございます。やはり昨年来の傾向といたしまして、一番下っておりまするのは、投資需要でございまするが、その方の影響を直接に受けておる、かような形になっておるわけでございます。  それから通産省で差し上げておりますメーカー在庫、この指数が十七ページに出ておりまするが、これは、去年の上半期はずっと在庫がふえて参りまして、在庫の減少傾向に転じたわけでございますが、最近もその傾向が続いておりまして、三十年一月では、二十五年を一〇〇といたしまして、一五二・八というような水準にきておるわけでございます。ただその後商品ブロック別に、やや最近では傾向は変ってきておりまして、十八ページの表にありまするように、最近、在庫が増勢に転じたものが品目によっては出てきているわけでございます。これで見ますると、ゴム製品、皮製品、窯業−セメント関係、それから鉄鋼、非鉄金属等ごくわずかでありますが、やや在庫は増勢に転じております。  それから企業整理、雇用関係、いわゆる労働関係の資料について御説明申し上げますると、雇用の関係は二十三ページに表がございまするが、見てみますると、常用雇用の推移といたしままして、昭和二十六年を一〇〇といたしました、これは労働省で調べておりまするが、「毎月勤労統計」から取りました指数でございますが、この表で非常ははっきりいたしておりますことは、去年の三月ごろから雇用水準が毎月ごくわずかずつではありますが、毎月きまって低下をして参ったことでございます。その低下の割合は比較的緩慢なんでございまするが、毎月一定のきまった下り方をしておるということがこの指数から読みとれるわけでございます。従いまして毎月の低下の傾向が累積をして参ります関係から、今年の一月と去年の一月を比較して見まするというと、雇用水準が全産業で約二%ぐらい下っておるというような形になっておるのでございます。これは十九ページの下のところに説明がつけられてございまするが、全産業で二%の減少になっております。  それから失業関係も最近の一月左右の傾向としてはそれほど目立った変化はないのでございまするが、これもだんだん累積をして参りまして、失業保険の受給者数は三十年一月で五十六万三千人というようなふうにだんだん累積をしてきておるわけでございます。去年の一月が約四十二万であったのに比較いたしますと、十五、六万ふえておるというような格好になっておるわけでございます。  それから完全失業者の数でありまするが、これも毎月労働省で調べておりまするものでありまするが、これは二十四ページに毎月の完全失業者の数が出ておりまするが、これは御承知のよりに去年の八月が七十一万が最高であったのでありまするが、その後大体六十万から七十万に達しない範囲の間で動いておりまして、三十年一月は六十三万、しかし去年の一月三十九万に比較いたしますとかなり大幅に上っているわけであります。  それからいわゆる労働市場、まあ労働市場という言葉はどうかと思いますが、公共職業安定所の求人、求職状況、これは三十年一月に求職が百五十一万人、それに対して人を求める方が五十万人ということになっておりまして、その比率が三三・一、こういうような状況にあるわけであります。ただこれは一月新規卒業生等の関係もありまして、やや一月はこの数字が上っておるのでありますが、それ以前の状況は大体この求職、求人比率が二〇%前後になるわけであります。求職、求人関係の比率は去年全体のベースにしては非常に悪くなっておるわけでございます。  それから賃金の動きを二十五ページの上の表に出しておりますが、二十九年は年間を通じまして賃金の上り方は非常に緩慢であったわけでございます。ここ数カ年の間でこんなに賃金が動かなかった年は去年が初めてでございます。大体一月の平均賃金は一万七千四十円、これは全産業労務者でございますが一万七千四十円。前年同期に比較いたしまして全産業で約四%、製造業だけは〇・八%というような程度の水準にあるわけでございます。なお実質賃金の方も最近、先ほど申し上げましたように消費者物価がやや下っておりまするので、前年の同期を約一%上回ったというようなところにいっておりますが、これはむしろ最近の消費者物価の低落傾向が影響しておると思うのであります。  それから二十六ページ、消費の動向について簡単に出ておりますが、東京都勤労者の消費水準、これは現在の家計調査から出しました家計支出額と、昭和九−十一年の家計支出額とを比較いたしまして、その倍率を消費者物価指数の上り方によってデフレートしたものでございまするが、それによりますと、二十九年一月から十二月まで大体九−十一年を一〇〇といたしまして一〇〇にほぼ近いような数字でずっと動いておるわけでございます。これで一月から十二月まで平均いたしますと、ちょうどこれが、ぴったり一〇〇になるのでございまして、去年の消費水準は大体九−十一年の水準に勤労者の消費水準がいっておるというような形になっておる。ただ月々の動きを見ましても十二月などが非常に飛び上りますのは、これは年間の平均を一〇〇といたしております関係で、十二月のように非常に支出のふえます月が飛び上るわけでございますが、大体年間水準としては月々の傾向といたしましてもそれほど大きな変化をいたしておらんわけであります。大体消費水準は一応落ちついておるというような形になっておるわけでございます。特に今年の一月は去年の同期に比較いたしますと六・三%、やや目立った上り方をしておるのでありまするが、これは毎月のその一月だけの傾向を見ますると、たまにこういうことは出るのでございまして、数カ月をならして傾向を見て行くようにして判断をいたして見まするというと、それほどの上昇はいたしておらないというふうに見られるわけであります。  それから最後に国際収支の関係でございますが、これは先ほど申し上げましたように、二月は輸出が、三十八ページの表にございますように、輸出が一億三千三百万ドル、輸入が一億四千八百万ドル、これに対しまして貿易外の受け取り及び支払いがこの表にありますようにあったわけであります。特需が三千二百万ドルというふうに非常に二月は大幅に減ったのでございまするが、これは三月にはある程度回復をするというような情報もありまするので、大体二、三ならして大体四千万ドルくらいのベースのところではなかろうかと見ております。それで最近の輸出の水準といたしましては、三十ページの表にありまするように、通関、認証、信用状接受高、いずれも大体一億四千万ドル台にあるわけでございまして、おおむね去年の七月ごろからの非常に輸出が好調になって参りました時期の水準にあるわけでございます。従いまして二月のこの指標から輸出がやや下向いてきたようなことは、この指標だけでは申し上げかねるのでありますが、ただ最近の輸出成約の状況等の資料によりますと、特に綿製品の関係でありますとか、あるいはカン詰類でありますとか、そういうようなものが一時上りやや下ってきたような傾向も見られますので、今までのような増勢傾向は一応とまって、ほぼ横ばいに転ずるのではないかというような見方をいたしておるわけでございます。  それから輸入の方はここにもありまするように、二月が通関一億七千四百万ドル、為替で一億四千八百万ドル、信用状開設一億五千万ドル、こういうようなところにありまして、先ほど、今年は輸入の時期が多少ずれておるということを申し上げましたが、例年に比較いたしますと、それほど、なお例年の調子より多少遅れておるのでございまするが、これから米などが大量に入って参りますということになりますと、輸入の方は、これからはこの数字が若干上っていくというような傾向になるのではないかと思うわけでございます。従いまして国際収支の方も一時のような大きな黒字の幅は出て来ない、大体最近の経済の指標として私どもの方でとりまとめておりまするのは以上であります。

石原武夫経済審議庁次長

○政府委員(石原武夫君) ただいま最近の経済指標について御説明を申し上げましたが、引き続きまして来年度の見通しをごく簡単に申し上げたいと思います。これは先ほど申しましたように、今経審内部でもいろいろ作業中でございますし、なお、予算の編成とも関連をいたしますので、まだ的確なところを申し上げかねますので、ごく概略の見通しだけを申し上げさせていただきたいと思います。  まず第一に、鉱工業生産の関係でございますが、これは先ほど御説明がございましたように、最近はほぼ前年と同じくらいの水準の横ばいになっているわけでございます。明年これがどうなるかということは主としてこれらの物の需要がどうなるかということであろうと思いますが、内需につきましては、御承知のように財政も一兆くらいということでございますし、金融面も引き続き引き締めと申しますか、現在の基調をくずさないという建前で考えておりますので、大きな増加はないと考えるわけであります。それから輸出面につきましては、これは後ほど御説明を申し上げまするが、本年度に対しましてそれほど多く伸びることが期待ができないのではないかと思いますので、鉱工業生産は今年に比較いたしまして大体一・五%くらいの上昇にとどまるのではないかという一応の見通しでございます。  それからその次に農林水産関係は、これはもう御承知のように天候に支配されますので予測することは困難でございます。一応もし平年作であるという前提で考えますれば、これは昨年は米が不作であったというような関係もございますし、その他の伸びを考えますと、これは約四%くらい本年よりは上回るのではないか、全体といたしましては、大体昭和三十七年度とほぼ同じくらいの生産になりはしないかという見込みでございます。  それから次に、国際収支の関係でございますが このうち一番問題になるのは輸出の見通しでございます。これは相手のあることでございますし、的確な判断はなかなか困難でございますが、今御説明を申しましたように、最近は輸出はもちろん好調ではございますが、従来の、昨年秋見ましたような上昇傾向は頭打ちの傾向にもございますし、昨年度におきまする輸出については上半期についてはいろいろ特殊の事情もございました。インドネシアとかそういうものが下期から輸入抑制をいたしておりますし、いろいろ各種の事情もございましたので、昨年のような伸びはとうてい期待できないのではないか。二十九年度といたしましては輸出は約十六億ドルになると思いまするが、これが明年度におきましては、これはいろいろ見方もございます。かたく見るのと、そうではないのがございますが、一応われわれの調べた結果では十六億二千万ドルから五千万ドルぐらいという見当を現在は持っているわけでございます。  それから特需につきましては、これは相当減少をする傾向にあると思いますので 昨年度は本年より約一億五千万ドル則後減少するのではないかというふうに一応考えております。従いまして四億二千万ドル前後くらいになるのではないかということを一応想定いたしました。なおこれらにつきましては、まだ的確な根拠がございませんので、多少変った数字のものになるかもしれませんが、今のところはそういうようなことを考えております。  次に輸入は、明年度といたしましては本年のやや一億ちょっと増加いたしました十九億ドルくらいという見込みを考えております。本年度はこの数字より一億ドルくらい少い数字でございますが、これは御承知のようにああいう金融引き締め等によって輸入が特別に押えられたという関係もございますので、明年度は本年より多少ちょっと上回った程度の生産を維持するためには大体十九億ドルくらいの輸入があればできるのではないかということを考えております。輸入は一応の見当といたしましては、本年度為替ベースで十九億ドルぐらいということを考えております。この程度で大体来年度の国際収支というものはほぼバランスをするということに相なろうかと思います。本年度は御承知のように為替収支面では三億ドル余黒字になっておりますが、来年度はさようなことではなく、ほぼ収支が均衡をする程度に落ちつくのじゃないかという現在見通しでございます。  それから次に物価につきましては、これもなかなか見通しが非常にむずかしいのでございますが、昨年の暮及び本年に入って参りました、先ほどいろいろ御説明いたしました卸売物価の上昇というようなものも、これは主として海外の市況の影響を受けておりますので、その他の物資については今いろいろ一般的に上ってくるという傾向も見受けられませんし、また明年度におきます需要の関係を考えましても、消費水準も先ほど申しましたように特段にふえるということも考えられないので、そう大差はないかと思いまするが、しかし需給の関係からやはり多少軟調ぎみに相なるのじゃないかというふうに考えております。  次に、以上総合いたしまして、国民所得でございまするが、国民所得は二十八年度は確定数字がすでに出ておりますが、これは御承知のように五兆九千六百四十九億という数字でございます。これが本年度−二十九年度につきましてはまだもとより確定数字ではございませんが、本年度は六兆一千九百億ぐらい、相当昨年に比較すると増加するのではないかという見通しでございます。これは後ほどいたしますと、確たる数字が出てきますが、六兆三千億ぐらいに……達しません、それに割合近いところにきているのじゃないかという予想をいたしております。来年度につきましては先ほど申しましたような指標から勘案をいたしまして、二十九年度の数字から約一千億、あるいは一千億ちょっとこしたくらいのところの国民所得になるのじゃないかという推定をいたしております。数字で申しますると六兆三千億前後くらいに相なりはしないかという見通しでございます。  それから次に雇用の問題につきましては、これは御承知のように労働力人口が多少ふえております。一応われわれの方としては三十九万人ぐらいの予想をいたしておりますが、これが新たに就職戦線に出てくるのであります。これらにつきましては明年度先ほど申しましたように、鉄工業生産が多少伸びて、また国民所街もある程度伸びるというような関係で、各部門にある程度の人口は吸収されていくと考えておりますが、それにいたしましてもなおこれらの第一次、第二次、第三次部門に吸収でき得ない労働人口というものが出て参ると思います。これらについては今いろいろ精密に計算いたしておりますが、それらの吸収の困難と思われます数字につきましては、来年度予算におきまして公共事業費、失業対策費、緊急就労対策費等そういう面で予算的な措置を講ずるように大蔵省といろいろ相談中でございます。かようなことで計算上出て参ります数字につきましては、予算上の措置を講じて参りたいと、かように考えております。ただいま申しました数字は先ほどお伝えいたしましたように今検討中でございますので、あるいは予算編成がとられます際までにはもう少し確定的な見通しが出てくると思いますが、その際には多少数字が変るかもしれませんが、その際には御了承を願いまして、その際にまた御説明をさせていただきたいと思います。

吉野信次自由党

○委員長(吉野信次君) いろいろ委員の方から御質問があると思いますが、私は初めてだものでございますから、ちょっとしろうとくさいお尋ねだけれども、経済の分析というものをやられるときに、これは二月だけの今お話があったのでございますが、これだけ伺ったのでは一体景気がいいのか悪いのかということがちょっとぴんと来ない。だから何か日本経済全体の分析というか、情勢がどうだということを、国会に対してどういう方法で……、たまたま三月末に委員会を開いたものだから二月の表をやっておるわけだけれども、一体その前というか、全体の表の中の、こまかく見ていないけれども、標準のとり方も、鉱工生産については戦前をとっているし、物価については朝鮮動乱をとっているし、雇用については三十六年と、こういうことになっている。何ゆえにそこを標準としなければならんのか。何かないと、そこの標準が一〇〇だとか一五〇だとかいっても、一体日本の経済が一五〇でいいのか悪いのかという判断がつきにくいのだな。だからそういうことについて、全体的に経済審議庁で景気というか日本の経済の情勢についてどうかということの目安というものが何かあるのだろうけれども、そういう全体的なものはどういうふうに心得たらいいのか、あるいはそういうものについては前の委員会でどういう資料があってどういうふうに説明しておるかというようなことについて、ちょっと伺っておきたいと思います。

須賀賢二経済審議庁調査部長

○説明員(須賀賢二君) ただいまお手元に説明いたしましたものは、初めにもちょっとお断りいたしましたように、毎月の動向を追っかけましてごく最近の情勢を御説明申し上げるという目的で実はいたしたのであります。従いまして、資料その他につきましてもできるだけもとの指数をそのまま使いまして、基準時点等につきましても必ずしも統一をいたしておらんわけでございますが、一面私どもの方では、毎年大体六月の終りから七月の初めぐらいを一つの区切りにいたしまして、前年度からその時点までの経済の動きを中心にとらえまして経済白書を実は作成いたしております。この場合には、その前一カ年の経済の動きをいろいろな角度から十分分析検討いたしまして、またその時点におきまする日本の経済の水準ないしそれに対する見方等も一定の統一した基準で分析した結果をお示しいたしておるわけでございます。従いまして、今年も今ちょうどこれからそれに取りかかるところでございまして、でき上りましたら、そういうものによりまして全体の見方なり、また現在の時点がどういうふうになっているかというような総合的なものを申し上げることにいたしたいと思っております。とりあえず月々の動きはこういうものであるということを申し上げておるわけであります。

吉野信次自由党

○委員長(吉野信次君) 月々の表は委員がみなもらっているのですか。

須賀賢二経済審議庁調査部長

○説明員(須賀賢二君) 従来経済安定委員会で配っております。私どもの力で月例経済報告というものを出しておりますが、今後もっと詳しいものを別に経済月報として作りましてお手元に差し上げるようになると思います。

吉野信次自由党

○委員長(吉野信次君) それでは経済白書といったものも、今までの予備知識がないと今の御説明を聞いてもわからんということだな。これからもあることだが、われわれ伺うときにちゃんとそういうものを調べてきて伺わんと経過がわからんということになるので、大体情勢を分析されるのだから、まあ一年のうちどこかで区切りをつけて、四半期なら四半期でもいいから大体の情勢というものを私どもが簡単に伺えれば非常にいいのではないかと思うのです。最近のことはこうだと言われても、前のことのつながりがないものですからわかりにくかっただけのことです。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 人口推移の問題について少し説明していただけませんか。

石原武夫経済審議庁次長

○政府委員(石原武夫君) お手元にございます人口の推移を表にしたものでございますが、その御説明を申し上げます。これは六カ年計画をいたします際に、将来の人口がどういうふうに増加をしていくかというのを一つの前提においておりますので、それの推移の資料でございます。これは厚生省の人口問題研究所で将来の人口予測をしていらっしゃいますその資料でございます。それでここにございますように、二十八年が八千七百万、二十九年が八千八百万というふうにいたしまして、三十五年に九千三百七十九万五千人に増加するという予測をしておるわけでございます。それをここに書いてあるのですが、ただ人口がかように増加をして参りまするが、その下に年令構成別人口図というものがございますが、これは普通ならピラミッド型と申しますか、若いところの人口が一番多いというのが通常の形なんでございますが、御承知のような最近の日本の死亡率の低下というような関係からいたしまして、三十五年に至りますると中がちょっとふくれたような人口構成になるということを示したものであります。従いまして、こういう点からいたしまして、いわゆる生産年令人口、満十四才以上あるいは労働人口になって参りますところが一般の人口増加率よりもなお多くなる。従って、雇用問題というものはこういうような人口構成で非常に困難な情勢になるということを示しておるものであります。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 大体日本の人口が一番最高に達するのは何年ぐらいですか。

石原武夫経済審議庁次長

○政府委員(石原武夫君) これはちょっとあるいは記憶が誤まっておりましたら訂正さしていただきたいと思いますが、昭和六十五年に一億六百万ぐらいになると思います。あるいは間違っておりましたら、次の機会に訂正をさしていただきたいと思います。それから多少減るような形で、今の推定で申しますとそうなっております。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 そうすると、昭和六十五年というとただいまからちょうど三十五年先ですね。三十五年先に一億六百万人の人口を一応養い得る経済基盤というものを長期計画として立てればいいと、こういうことになるわけですね。

石原武夫経済審議庁次長

○政府委員(石原武夫君) 人口問題から言えば一応そういうことになります。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 だから、経済審議庁で計画を立てられるときにやつぱり長期計画としてはこういうところを目標にして毎年の短期計画をだんだんと受け継ぎ、あるいは拡張していかれるわけなんですね。

石原武夫経済審議庁次長

○政府委員(石原武夫君) 今回は一応六カ年で三十五年を一応目標にしてやったわけであります。その前に一ぺん昭和四十年というのを、十年先でございますが、その年だけを一ぺん人口をはじいてみたことがございます。六十年というようなことば今まで手がけてございませんが、今後どういたしますかはまだきめておりませんが、さしあたりはこの六カ年計画というのをもっと検討いたしまして、一応計画と申しまするか、十分検討したものにいたしたいと思っておりますが、その先一年、二年たった際にそれを先をやるかどうかということは現在としてはまだ決定をいたしておりません。

海野三朗日本社会党(第四控室・左)

○海野三朗君 この、ただいまの人口ですがね。二十八年度から三十五年度までずっと数字を並べられましたが、三十年度以後の人口の増加率はむちゃくちゃなようでありますが、一体何を基準にしてこういうことをおやりになったのですか。この数字を計算してみますとね、これは合わないのですよ。年ごとに増加していく率が多くなったり少くなったりしておるのですよ。これは何かこの人口の増加と過去における人口との関係を書いてそれを曲線にしてプロットして、そこからでも割り出したのであるならば根拠がありますけれども、こういうただ増加していくといったってどうもこれはちょっとおかしいですね。

佐々木義武経済審議庁計画部長

○政府委員(佐々木義武君) これを出しました根拠は先ほど次長から御説明ありましたように、人口問題研究所の方で研究したのでありますが、その出し方といたしましては現在の産児制限の姿と申しますか、あるいは都市と農村の関係とか、あるいは男女別の関係とかいったような、そういう出生率の最近の動向を見まして、それに対する今申しましたような産児制限の傾向とか、そういうものを加味して計算すると、こういうふうになるわけでございます。

海野三朗日本社会党(第四控室・左)

○海野三朗君 三十四年度、三十五年度の差は九百六十五となっているのですよ。それが今度は三十二年度、三十三年度の差は九百十七となっている。そうかと思いますと、二十九年度と三十年度の差は七百九十となっておる。これはおかしいですよ。こういうふうな数字の立て方が私はおかしいと思うのですが、その辺についていかなるものですか。

佐々木義武経済審議庁計画部長

○政府委員(佐々木義武君) この三十年度はこれは大体まあ年の伸びは昔は三十万くらいだったのが最近は百万くらいになるのでありまして、そして今申しましたような最近の傾向、あるいは人工的な調節の関係等を考慮して出しますと、まあこういう計算になるということで、これは人口問題研究所が権威なものですから、そのまま出しました数字をとったわけなのであります。

海野三朗日本社会党(第四控室・左)

○海野三朗君 そこでこの年数と人口の増加率というものは直線にはいかないものなんです。直線にはいきません、増加が、決して。これはいろいろな産児制限とかいろいろなファクターが起ってきますからカーブになるのです。それであるのにこの数字の方を見ますと、直線よりもまだ激しい上昇の仕方を示しておるのです。そのあなたの方のこの基準の置き方が数学的にいっておる。つまりほとんど想像でもっておやりになっておるように考えられるのです。そこを私は伺いたい。

佐々木義武経済審議庁計画部長

○政府委員(佐々木義武君) 大体これをごらん願いますと、年度別に差し引いて参りますと、年の伸びというものはだんだん増加して参りまして、お説のようにカーブのようになっておる、直線に伸びないように私は解釈しております。二十八年から二十九年度までは大体百三十万近く増加しております。それからその次にはぐっと減りまして九〇−一〇〇万足らずになっておる。三十四年、三十五年になりますと九十六万五千ですか……。

海野三朗日本社会党(第四控室・左)

○海野三朗君 これは、このカーブの求め方につきましては、私はあとから申し上げまするが、その次に私お伺いいたしたいのは、この経済審議庁でいろいろお調べになっておるのであるかと思いますが、貨幣価値がだんだん減っていくのですね。スエーデンあたりの状況を見るとやはり昔の百円が、四、五年たってもやっぱり百円で値打がある。ところが日本のは去年の百円は今年の八十円くらいにしか当らない。来年になるというと、その百円札は実質六十円くらいしかない、去年のですよ。そういうように貨幣がだんだんと漸落していく、そういうことについては経済審議庁あたりはお考えになったことありませんか。ですから、同じ俸給でも賃上げをどうしてもここに要求しなければならないことになってくる。われわれが衆議院へ出しましたときには、月二百五十円の歳費でした、最初。ところがこのごろでは何方となっている。どうしてそういうふうな水ぶくれといいますか、なってくるか。そういうところをよく御研究願って、その辺をぎゅっと一つやっていただかないと、これは実におかしなことになりはしないか。こういうふうに私は思うのでありますが、その辺いかがでございましょうか。

石原武夫経済審議庁次長

○政府委員(石原武夫君) 今お話のように、日本の貨幣価値は長い目で見てみると、ぐっと下落しておる。ことに戦後は非常に下落しておるわけであります。これは一口で申しますと、インフレーションの結果なんです。そうしたインフレーションが起れば、今のような非常に毎年でも貨幣価値が下落していくということになりますので、やはり経済の正常の発展をはかるためには、どうしても貨幣価値の維持ということが必要であろうと思いますので、この六カ年計画を作ります際にもこうした貨幣価値の維持ということを一番大きな眼目にいたしまして、インフレ的に経済拡大をはかるということは厳に慎しむということで計画を作っておるわけであります。お話のように、貨幣価値がどんどん下落していくということでは、国民生活の維持もできませんので、少くとも今後は計画を策定する際にもインフレは絶対起さないでやっていきたい。この範囲内で将来の拡大をはかっていきたいという考え方に立っております。

海野三朗日本社会党(第四控室・左)

○海野三朗君 もう一つ、それはどうしてそういうことになってくるか、その根本を一つやはりお考え願わないとならぬ。ただインフレにならないように、インフレにならないようにといっても、一方ではそういうふうになるようにちゃんとなっておったといたしますと、その原因をとっつかまえて、そこにメスを入れるのでなければ意味がないのじゃないか。つまり俸給にしたって去年一万円もらっておった人が今年一万円では足らない。来年になればなおさら足らないということになってくる。それはなぜそういうふうになってくるか。その根本はどうしてそういうことになってくるのでしょうか。あなた方のお考えはどういうふうにお考えになっておるのでしょうか。その原因ですよ、その根本……。

佐々木義武経済審議庁計画部長

○政府委員(佐々木義武君) ただいまの問題ですが、非常にむずかしい問題でありますけれども、戦後主としてこの通貨価値の低落といいますか、これはやはり終戦直後のあの猛烈なインフレでそうして一ぺんに何百倍というふうに物価がはね上って、それがドッジ・ラインで少し引き締めをして、そして今度は、その引き締めがそのまま続いておればもっと安定した経済にあるいはなったかもしれませんが、その直後朝鮮動乱が起りまして、そうしてもう一ぺん物価がはね上って、そのはね上った物価を極力財政金融で締めまして、そして順次通貨の安定というものをはかってきたわけであります。で去年を見ますと、物価そのものもずいぶん落ちついて参りまして、CPIの関係から見ましても、生産財関係から見ましても大体落ちついた、安定した、落ちついた傾向に向いつつあるのじゃないか。ただ対外為替の海外相場と申しますか、この点につきましては、これは一番いわゆる物価水準、あるいは通貨の価値という面からしますと、尺度になる基本かと思いますが、これも最近は順次対外的な価値というものは高くなって参りまして、その面から見ましても、もう日本の物価、あるいは通貨の価値というものは非常に堅調になりつつあるのじゃないか。ですから今この線をくずしますと、御承知のように通貨がどんどん下り、従いまして逆にいいますと物価がどんどん上るという格好になりますが、そういう点を、インフレの傾向を起さないようにということで進みつつありますので、朝鮮動乱、あるいは終戦直後のインフレ、こういったようなことは今後はないのじゃないか、こういうふうに考えております。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 これは先ほど当委員会の調査案件を一応具体化したらばどうかという意見を私非公式に申し上げたのです。その考え方の一つに付随するわけです。実は今経済六カ年計画、あるいは五カ年計画というようなお話も承わったのですけれども、僕が最近考えておることは、日本の人口の大体頭打ちする限度が昭和七十年ごろにくるのじゃないか。それから先はあまりふえないと、こういう一応の見通しが人口問題研究所の発表した数字で大体明らかになっておることを、私は詳しいことは知りませんけれども、概念は知っております。従いましてこれからの日本の経済というものは、あと三十年か、せいぜい四十年先の計画ですから、そういうものを一応長期計画として作業してみるということも私は無意味じゃないのじゃないかということを考える。そしてそのワクの中で五年とか六年伸ばしていけばいい。そこでこまかいことはとうてい不可能ですから、従って大づかみに頭をつけるものとして、まず人口の出産率、死亡率、あるいは差し引き増加率、そういうものから、絶対人口ですね、そういうものを年度別に一応予想をつけてみてもらうということが一つ、それからそれだけの人口を扶養していくためのいろいろな要素があるでしょう、あるでしょうが、一番やはり中心になるのはエネルギー源だと思います。ですから石炭、電力、重油、薪炭その他のエネルギー源というものが毎年ふえていく人口に対して毎年どれぐらいずつ確保していくかと、そういう大よその見通しといいますか、そういうものが立たなければならない。一人に対するエネルギーの消費というもりが予想がつきます。  それで文化の程度が進めばそういうものは少しずつふやせばいい、そういうものができないといけない。もう一つは、人口を扶養する上において一番大事なことはやはり衣料問題、着物の問題だと思いますから、そういうものを、最近の合成繊維のように、国内で調達できるもの、綿、毛のように輸入に仰がなければならん、そういうものをひっくるめてどの程度拡張していかなくちゃならんか、絶対量ですね。それからその次に食糧の問題、食糧は山地改良、開拓等を含めて国内で生産する、足りない分を海外から輸入するとか、あるいは食生活の改善、蛋白その他の脂肪等の吸収をよけいふやしていくわけです。そういうものを入れてどういう工合に食糧というものは動いていくかというような三つぐらいの要素を一つ出していただきたい。それからさらに結論として貿易の伸びというものは毎年どの程度に四十年先までふやしていかなければならないか。そういったほんとうの人口の増を中心にして考えたときの経済の規模というもののおよその輪郭というものをチェックしていただくということが一番望ましいのじゃないかと思うのであります。このことは経済審議庁でいろいろ資料をお持ちになっておりますから推算していただければけっこうです。あるいは委員会の専門員の方でお作りいただいてもけっこうなんです。何かそういうものを緊急に一つお作りいただけないか。これは資料要求とまでちょっとあまり程度を越しておりますから申し上げませんが、私の意見を申し上げてちょっとお考えを伺いたいと思います。

佐々木義武経済審議庁計画部長

○政府委員(佐々木義武君) 栗山先生の御要望はまことにけっこうそのものだと思います。実は先ほど次長からもお話が出ましたように、昭和四十年という時期を限りまして、今御質問ありましたような観点から作業をやったのが一応できておりますけれども、これはまだ非常に未熟なものでございます。そこでもう一歩伸ばして人口が最高になる年もつかんで計算してみたらどうかというお説、これもごもっともだと思います。ただちょうど少し時期は狂っておりますが、この八月にジュネーヴで国連の会議がございまして、これは原子力の平和利用という問題でソ連側も米英側も全部三カ国が一堂に会するわけでございますが、その際第一に千九百七十五、年から二千年の間に至る世界の資源状況、あるいは貿易状況等を中心にしたテーマが与えられまして、そうして各省集まりましてせっかくこの資料を作成しつつございます。こういうものもある程度固まって参りますと、お説のような点も中心にして一応の作業はできるのじゃないかというような感じがいたしますが……。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 ですから世界的にはもちろん世界の人口状態を考えながら計画を盛らなければならない、しかし日本は日本として一応の構想を持っておらなければならない。なぜ私はこれほど痛感しているかと申しますと、例えば東京で、昔後藤新平市長が昭和道路を作った、ずいぶんでっかいものを作って物笑いになりそうになった、ところがあれを笑ったばかりに、その後道路計画を東京都がやらないから自動車がはんらんして動きがつかないようですけれども、これは一つの例ですけれども、しかしあの年代は考えてみるというと、そう昔じゃないわけですね。五十年昔じゃないわけです。そういう意味でやはり一番大事な人口の増加という問題を考えるときには、作って別に弊害になるのじゃないから、やはりやっておく必要があるのじゃないかということを私は痛感しているものですからこのことをちょっと申し上げておきます。

海野三朗日本社会党(第四控室・左)

○海野三朗君 この人口の増加についてちょっとお伺いいたしますが、経済審議庁には数学とか、理科をやった人がおりますか。

佐々木義武経済審議庁計画部長

○政府委員(佐々木義武君) 私の部内で申しますと、八つ課がございますが、そのうち五つは課長は理科出身でございます。従いましてその構成メンバーも大半は技術者でございまして、非常に技術者は多いのでございます。

海野三朗日本社会党(第四控室・左)

○海野三朗君 そうしますと、この人口の増加は、私はいろいろな国の統計をとった経験があるのでありますが、こういうふうに増加していくというふうに想像されることは非常に私は疑問があります。それで今栗山委員が言われたように、これはリミットがあるのです。無限に人間がふえていかれるものじゃないのです。同じ国土内で必ず飽和の状態がくる。ただいまそれが何年はと先に来たるかということを、やはり見きわめておく必要があると思う。また食糧の増産にいたしましても、年年増加して参りましょう。減っていくときもありましょうが、総じて改良進歩がありますから、これも増加して参ります。その増加率というようなことも、もう少しこれは数字的にお調べにならなくちゃならないのじゃないかと思いますが、審議庁の方に私は直接申し上げますが、どうも非常にあやふやな仮定をお入れなさっておやりになっておる。いわゆるあまり実際に即しないようなことをおやりになっては困るのじゃないかと考えてますので、これについては、まあ、しかし、これは現在においては十分なるものとお考えになっていらっしゃるのか、どういうものでしゃうか。その点も御所信のほどをちょっと承わっておきたいと、こう思うのであります。

石原武夫経済審議庁次長

○政府委員(石原武夫君) 今、人口の問題を実は私の方はあまり深く研究いたしておりませんので、この作業をいたしますのにも、先ほど申しましたような人口問題研究所というのが、そういう問題を中心にやっておりまして、それが数字を出しておりますため、それをそのまま拝借をして使ったわけでございます。今いろいろお尋ねでございますが、十分御説明をするほど知識がございませんので、よく調べまして、いずれ人口問題研究所ではそれぞれ一応根拠があって数字を出していると思いますので、あるいは直接お呼びを願ってもいいかもしれない、しかしわれわれの方としてももう少しよくこれを、出て参りました算出の根拠を聞いておきまして、適当な機会に御説明をさせていただきたいと思います。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 私は今、意見を述べたのですが、一応、委員長なり、あるいは専門員の方でアイデアを一つ御検討願いまして、大体よかろうということにしたら、一つ経済審議庁の方とも打ち合せを願ってまとめていただくようにお願いをしたいと思います。

吉野信次自由党

○委員長(吉野信次君) 経済審議庁にさっきお話の、四十年までは栗山委員の言われるような項目に当てはまる調査はお持ちになっているのですか。

石原武夫経済審議庁次長

○政府委員(石原武夫君) 四十年だけでございます。

吉野信次自由党

○委員長(吉野信次君) 今の内容がですよ。

佐々木義武経済審議庁計画部長

○政府委員(佐々木義武君) 内容は全部あります。

吉野信次自由党

○委員長(吉野信次君) そうすると、あと問題は人口の増加の、何というか、マキシマムの年が何年かという問題が一つあるわけですね。それが先ほどのお話の七十年になるか、六十何年になるかしらぬが、そこまでの四十年間のギャップをどうするかということが問題になるのですね。そうすると栗山委員の言われた資料が整う、こういうわけですね。よくまた一つ、お話の点よくわかりましたから、委員長においても……。

佐々木義武経済審議庁計画部長

○政府委員(佐々木義武君) 四十年のときを見ましてもエネルギーや何かの問題というのは、どうもだめなのであります。大へんな問題で十二、三年先を考えただけでも……。

吉野信次自由党

○委員長(吉野信次君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕

吉野信次自由党

○委員長(吉野信次君) 速記をつけて下さい。

高橋衛自由党

○高橋衛君 おくれて参りましたので経済六カ年計画について、あるいは御質疑になったのかと思いますが、ただいまいただきました資料の点について一、二の点だけちょっとお伺いしてみたいと考えておるのであります。  その第一点は、この六カ年計画の前提として一つの問題、物価については二十八年度を基準にしておられる、ところが二十九年度においてすでに卸売物価が五%程度下落しておる。しかも基本的なものの考え方としては物価の低下を予想するというふうに規定しておられるのでありますが、五%下っており、さらに物価の低下を予想するということを前提にしておられる。その物価低下の予想の程度、どの程度に低下を予想しておられるか。それが第一点。  それから第二点は、この前提の中にやはり労働生産性が三十二年度までは二・三%、それ以後は二・五%までに上昇するということを規定しておられるのでありますが、われわれの考えと申しますよりも、大体想定しておりまするところでは、三十二年までは自立のためにむしろ耐乏生活を要請し、現在の合理化を急速に進めるというところに非常な大きな努力が払われておる。従ってそういう面からむしろ消費生活を抑えるというふうな方策をとられざるを得ないというふうに考えるのでありますが、そういう点から申しますると、むしろ労働生産性はこういうふうにこの前後において差があるということがどういう理由に基くものであるか、その点を一つ御説明を願いたい。またこれが過去の実績に基くものであるか、どの程度のたとえば財政投融資を予定してこの数字が出てくるか、国民所得の増額に対して何%を新らしい投資として見込んだ場合にこの労働生産性の増加が得られるのか、この点が第二点。  第三点は平均労働時間が現在の四十七時間から四十六・三時間というふうに減少しておるのでありますが、この減少ということは、もちろん働く時間が少くて所得が多くなれば、それはこれにこしたことはないのでありまするけれども、日本のここ当分の経済情勢等から考えましてそういうふうなことが、ことに国際競争上の見地から考えましてもなかなか甘く考え得られないのじゃないかというふうにわれわれは考えるのでありますが、その点週平均の労働時間というものを減少するということを予想しておられるか。これは悪く考えれば、むしろ四十三万人で一%という完全雇用の失業者の状態に持っていくためにこういうふうな数字が予想されたのじゃないかというふうなことすら想像されるのでありますが、そうじゃなしに何か合理的な根拠があるかどうか。この三点を一応お聞きいたしておきたいと思います。

佐々木義武経済審議庁計画部長

○政府委員(佐々木義武君) 初め物価の問題から御説明申し上げます。  物価の面は二十八年度を基準にしてございますが、御承知のように、何カ年計画という場合には一つの計算価格といったようなものがありませんと全般の伸びその他がわからぬのでありますから、一応計算価格を基準として二十八年度をとったのでありまして、従って二十八年度を基準にとって参りますと、そのものの伸びというものがそれを基準にしてわかるわけでありますから、その二十八年度というものを基準にして計算をいたした次第でございます。今後それでは下る率は一体どのくらいなのかと、これは計画そのものの問題になって、政策の問題になるわけでありまして、もちろん物価が政策的に下げまして輸出も伸びますればそれが二番好ましい姿でございますから、それでは政策としてはそういう計算価格もけっこうだが、それでは物価政策としてはどう考えるのかという点の御質問かと思いますが、その点は特に六カ年でとれほど下げるというふうな基礎も今のところございません。ただし昭和三十年度、来年度の問題に関しましては、これは当面の問題でございますから、その点はいろいろ工夫いたしまして目下今よりは、少くとも今年の三月末よりは何%か下るということで計画してございます。  それから第二点の労働生産性の問題でございまして、二十八年度より一人当りの生産が七十五円が三十年度において七十八円五十銭、三十五年度に八十円六十銭、この出した根拠はどうかということでございますが、これは計画全般を御説明させていただきますと非常に御理解がいくのじゃなかろうかと思うのでありますが、この計画の立て方は今までの賃上げした計画と違いまして、一種のソーシアル・アカウントと申しますか、グロスでもって問題を取り上げるのでありまして、労働人口から完全失業人口を引きまして、そうして就業人口が出て参りますから、これが過去の趨勢等からこの程度の増加率であればそう大して無理がないということで出して参りますと、それに労働者の労働時間をかね合せますと、いわゆる総生産というものが出てくるわけであります。その総生産を出してそれを需要配分等に割りましてその需要に見合うように生産構造というものを考え、あるいは貿易規模を考えるというような組み立てになっておるものですから、どうしてもこの生産性を上げなければいかぬという、それがない限りは、国民の総生産はふえぬわけでありますから、上げるというゾーレンが生まれてくるわけであります。そこでゾーレンがあったからといって、めちゃに上げるわけにもいきませんので、大体従来の傾向から考えまして、この程度であれば無理がなかろう。この方にまた今後生産性工場その他の施策等も加味して考えてみますれば、このぐらいまでは当然世界の資本主義その他の因の希望から見ましても当然のことじゃなかろうかということで、この数字を出したのであります。  それから第三点の労働時間でございますが、労働時間の方は、これは別に意識をもっての失業対策云々という関係じゃ毛頭ございませんので、そうじゃなくて、今の労働時間はあらゆる国から見ましても相当長い時間でございますので、これを順次改善いたしまして、そうして生産が上昇し規模が増して参りますと、それに相応して労働時間というものは減らすのが妥当じゃなかろうかというので、これは基礎数字でございますから、一種のそういう要求を見ましてそうしてこういうのは一体どうしてその現実の政策としてつかんでいくかという点が今後の問題に残されておるわけでございます。

高橋衛自由党

○高橋衛君 ただいまの御説明によりますと、結局一%の失業人口を除いて、就業さすべき人口をもって、その当時におけるところの可能なる総生産額を割った、その結果がこういうふうな労働時間が出て、また労働生産性の増加が出てきた、こういうふうに解釈していいのでありますか。

佐々木義武経済審議庁計画部長

○政府委員(佐々木義武君) ちょっと説明がまずかったかもしれませんが、通でございましてそうじゃなくて、労働人口が基本になりまして、そうして働いておる人がそれでは一時間当りどのくらいに増し、それで労働時間が年間どのくらいになればいわゆる総生産というものがどの純度増せる、そうしますと、そのくらいの基準でいわゆる雇用と申しますか、生活支出と申しますか、そういう点も上昇し、あるいは鉱工生産等もそれに見合って伸びるといういわゆるグロスの計算が出てくるわけでございますから、それをかね合わして計算を出して、そうしてそれに到達するための施策等はいろいろございますが、目下検討しておる最中でございます。ただ来年度どうするかという問題になりますと、これはもう積み上げ作業的な具体的な数字がこれに追いついていかなければならぬものでありますから、来年度少くともここ三年ぐらいの年間にかんがみまして、各省から将来の資料を取りまして、いかにしてこういう方向に近づけるということで積み上げて参りたいと存じます。

高橋衛自由党

○高橋衛君 来年度の問題については後ほどもう一度お聞きしたいと思っておりまするが、六ヵ年計画に関連した問題として、この基本的な前提としての御説明では、三十二年度までは将来の発展の基盤を育成するということを一応標準にしておられる。三十二年度以降は明るい面が次第に増加するということを言っておられるのでありますが、これはおそらく国民消費水準のことについての御説明じゃないかというふうに想像されるのでありますが、国民消費水準というものは大体どういうふうに想定しておられますか。

佐々木義武経済審議庁計画部長

○政府委員(佐々木義武君) 国民消費水準は二十八年度を基準にいたしまして、三十二年は一〇五・一、それから三十五年は一一四・九ということになっております。

高橋衛自由党

○高橋衛君 なお、もう一つ資料についての御説明を願いたいのでありますが、この付属諸表といううちの労働生産性の上昇率という中に、第一次、第二次、第三次というふうに数字があるのでありますが、これはどういう……。

佐々木義武経済審議庁計画部長

○政府委員(佐々木義武君) 第一次作業と申しますのは、主として農業関係のようなものであります。原始的な意味でありまして、第二次は鉱工業、第三次は流通、あるいは物価関係のものでございます。

高橋衛自由党

○高橋衛君 それから、一応、われわれは来年度の予算を審議する前提として、本予算の審議の前提として、この際、大体お聞きしておきたいのでありますが、先ほどもちょっとお触れになりましたけれども、たとえば、物価であるとか、国民所得、生産または消費水準、来年度についてどの程度経済審議庁として、または政府として前提にしてそれを検討しておられるか。その点の数字を、ただいままでの段階におけるものでけっこうでございますから、ぜひ一つ御説明願いたいと思います。と申しますのは、政府は十五日には必ず予算の提出をするという約束をしておられるのであります。従って、今日なお事務的にそういうふうな基本的な数字が固まらないで予算の編成はでき得ないとわれわれは考えますので、この際、一つその点を明らかしておいていただきたいと思うのであります。

石原武夫経済審議庁次長

○政府委員(石原武夫君) 三十年度につきましては、先ほどちょっと概略申し上げましたのですが、ただいまお話ございましたが、これは予算の編成と合せてこまかい作業をやっておりますので、多少数字が変ってくるかとも思いますが、暫定的に今までの見通しということで御了承を願いたいと思います。  鉱工業の生産につきましては、先ほど本年の見通しを申し上げましたが、結論を来年度申し上げますと、本年度に比して一・五%鉱工業生産は上昇し、指数で申しますと、戦前に比して一六六ぐらいになるだろう。二十九年度に比して一・五%程度上る。  それから農林水産業の方につきましては、これは、一応、平年作という前提でやっておるわけであります。これは天候に支配されますので、現実にはちょっとどうなるかわかりませんが、  一応、平年作ということで想定をいたしたしております。

高橋衛自由党

○高橋衛君 ちょっと途中でございますが、二十九年の実績を平年作に比較してどうなっておりますか、農林水産業について。

石原武夫経済審議庁次長

○政府委員(石原武夫君) ちょっと二十九年度は平年作の数字がわかりませんが、二十七年を基準にいたしますと、九六・五でございますけれども、二十七年が大体平年作に近いと考えれは、九八・一五でございます。そうすると、二十九年度平年作とのあれはわかりませんが、こまかい……。

高橋衛自由党

○高橋衛君 ちょっと途中でございますが、二十九年実績で大体もう御検討になって、その上に積み上げの作業が来年度について行われるのが普通の仕事のやり方だと存じますが、大体の見当はついておられるのじゃございませんか。

石原武夫経済審議庁次長

○政府委員(石原武夫君) 指数で出しておりまして、二十九年度は……今手元に持っております指数は、二十七年を一〇〇にしまして、九六・五ということなんでございますが、その九六・五が今二十九年を、一応平年作として換算した場合に、それに対して指数が幾らになるかという御質問かと思いましたので……ちょっと三十九年を平年作とした指数を出しておりませんのでわかりかねたのでありまして、二十七年を一〇〇としまして九六・五でございます。これに対しまして、来年度は、一応、四%くらい増加すると想定をいたしております。  それから次に国際収支でございまするが、国際収支のうち輸出を先に申し上げますが、輸出は本年度為替べースで申しまして、ちょうど十六億ドルぐらいの輸出になると思いますが、為替の支払いベースで計算をいたしまして十六億ドルと思いますが、これを明年度は十六億二千万ドルから五千万ドルぐらいというふうに考えております。それから特需につきましては、これは相当本年度よりも減少するだろうという見通しを立てております。的確なことはまだわかりませんが、一応、四億二千万ドル程度、本年に比較いたしますと約一億五、六千万ドルぐらい減少になりますが……。

高橋衛自由党

○高橋衛君 二十九年の……。

石原武夫経済審議庁次長

○政府委員(石原武夫君) 本年度の実績は、多分、五億九千数百万ドルぐらいになるかと思います。  それから次に輸入につきましては、一応、これも為替の支払いベースで約十九億ドルというふうに考えております。本年は約十八億と思いますが、それが十九億ドル、約一億ドルぐらい増加をする。これは先ほど申しましたような生産等を見合いまして、この程度の輸入が必要であろうという数字でございます。これに貿易外等を加えまして、明年度は収支がほぼ均衡するという程度に相なろうかというふうに考えております。  それから物価につきましては、本年度−二十九年度に比して約二%近くぐらい下るというふうに考えております。  その次に国民所得でございますが、国民所得は本年度が、まだこれは正確な数字が出ておりませんが、六兆二億に近いところまで、二千億には達しませんが、六兆一千九百億とかという約二千億に近いところにはなるのじゃないかと思っておりますが、来年度はこれが約一千億近くふえまして、六兆三千億前後というふうに現在想定をいたしております。  それから消費水準でございまするが、これは名目で申しまして一・五%ぐらい上るのじゃないか。これは名目でございまするが、実質でこれを計算いたしますと二%少しこすかというふうに考えております。

高橋衛自由党

○高橋衛君 ただいまの数字の点につきまして、消費水準については、もちろん消費資材についての物価が影響するのでありまするから、従って二%まで一律に実質に影響するということにはなるまいかと存じますけれども、一応、通俗に申しますと二%の物価下落を見、名目的に二・五%の増加ということになれば、二%の上昇にはとどまらんというのがわれわれの常識でありますが、その点の御説明をいただきたいと思います。

石原武夫経済審議庁次長

○政府委員(石原武夫君) 御質問のように、今ちょっとCPIとかその辺を計算をしておりますので、あるいは三割近くのところまで計算が出てくるかもしれません。

高橋衛自由党

○高橋衛君 ちょっと、希望でございますが、本日はまだ六カ年計画についての御説明はなかったのですか。

吉野信次自由党

○委員長(吉野信次君) ないです。

高橋衛自由党

○高橋衛君 私ども資料を今初めていただきましたので、資料を読ましていただき、なお近い機会に一つその点の御説明をお願いいたします。

吉野信次自由党

○委員長(吉野信次君) それではちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

吉野信次自由党

○委員長(吉野信次君) 速記を始めて。  それでは御承知の通りきのう政府で四月一日以降の電気料金についての何か発表がございましたので、それにつきまして大臣から発言を求められております。お聞きしたいと思います。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) 電気料金は御承知のように昨年前内閣時代に改訂されまして、夏、冬二つの料金があったのを一本にするということで、電力会社からは値上げを希望したので、ありますが、政府の方針としては値上げはしない、で当時のいわゆる冬料金であります、その冬料金をそのまま据え置いていくと、こういうことで決定をいたしました。ただし四月からは、つまり昨年から申せば来年の四月一日からは今までの制度なら夏料金に移るわけであるのが、いわゆる冬料金でそのまますべり込むことになりますから、以前の夏料金に比較するとだいぶ値段が高くなる、その点は会社それぞれのいわゆる企業努力やら、あるいは税金、金利等の考慮をして、何らかの処置をするというような意味のことを前内閣は一種の公約というほどでないかもしれませんが、約束を一応しておるわけであります。そこで内閣はかわりましたが、しかし政府としては前内閣がそう申しておるのでありますから、ことに通産省としては何とか四月一日から前の内閣の約束を果したいと考えまして種々研究もし、努力もいたしました。だが、どうもこの税金を下げる、あるいは金利を下げるということは現に石炭、あるいは鉄鋼等についても根本策を立てなければならん段階にきております。又電気も四月一日からの料金だけでなく、根本的に一つ考え直して、だんだん設備資金が高くなって、従って電気料金も上るという傾向を是正をいたす必要があります。そこでその場合に一つ金利とか、税金とかいうものは総合的に考える必要がある。今四月一日からの、まあいわば一種の暫定措置的の場合に、ただ電気だけの金利を下げる、税金を下げるということは関係するところが大きい。そこでそれはこの際延ばしまして、幸い電気会社の経理状態は昨年十月のころの、料金改訂ころの見通しでは二十九年度の下半期は赤字になるだろうと考えられておりましたのが、 いろいろの事情で、まあ会社によって大へん違うようでありますが、必ずしも赤字でない。全体としては相当の黒字が出るというような見通しがつきましたので、それらの会社の経理状態が改善されておる、それを利用しましてとにかく四月一日から、さもなければ以前の夏料金に比較して三割以上上るところも出ますので、その家庭電灯については三割以上上るところはすべて三割にカットする、三割で頭打ちをするということをさせて、それから産業方面の電気は、前から三割で頭打ちをしておる、それは全部でございませんが、公益事業、またはそれに類するものについて行われておりますが、その後も継続してやるということで今回とにかく前内閣が申しておりました約束の全部とは申せないまでも一応一部を果していく。そうして世間の期待にある程度こたえたい、かように考えて四月一日から家庭料金の三割以上値上げになるところは三割で頭打ちということを発表いたしたわけであります。なお引き続いて電力の問題は、根本的に現在検討を進めておりまして、鉄鋼、あるいは石炭等と関連をして、できるだけ早い機会に皆さんの御審議を受けるように処置を講じたいと考えておる次第であります。何とぞ御了承を願いたいのであります。

吉野信次自由党

○委員長(吉野信次君) 何かただいまのにお尋ねはございますか。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 電気料金に直接関係ありませんが、この際通産大臣に非常に重要なことなんで一言伺っておきます。それは通産大臣は電源開発会社の総裁がしばしば電力行政の問題について記者団と会見して発表をよくせられますが、そのこと御承知になっておりますか。もし御承知になっていなければ意見をお聞きすることにならないのですから、よく御承知になっておればお尋ねをいたしたいと思います。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) それは何か私こまかく存じませんが、融通会社にしたいというような小坂総裁が意見を持っておることは新聞で見ました。それ以外のことは私存じません。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 電気料金の問題についても意見を述べられた。あるいはあなたが前に電発の経理について述べられたときにも、そういう電気行政についていろいろと総裁が意見を述べられたということを大体御承知になっておりますか。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) 知りません。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 しかし、この前あなたがおっしゃったときに小坂総裁が反駁せられたことについては、ここの委員会で問題になったことあるじゃありませんか。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) 何かやめるとかやめないとかいうようなことを言っておったようなことを記憶しております。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 と同時に、経理の内容については絶対にやましいことはないと、そういうことを御承知でございますね。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) はあ。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 それから今度の料金の問題については再評価をして、それに資本組み入れをするようなことはけしからん、そういうことをやめてやれば料金の引き上げの必要はないのだというような意味のことをおっしゃったことは御承知でございますか。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) それは聞いておりません。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 公益事業局長どうですか。

中島征帆通商産業省公益事業局長

○説明員(中島征帆君) 新聞で承知しております。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 大体わかりました。とにかく意見をだいぶ述べられておることは御承知願いたい。そうすると、電源開発会社の総裁は電源開発促進法に一よっておのずから権限というものは規制されているわけです。電源開発調整審議会の委員にはなっておりますか。

中島征帆通商産業省公益事業局長

○説明員(中島征帆君) 委員にはなっておりません。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 なっていない。そうすると、政府監督の電源開発会社の基本に関することについて意見を正式に記者団に発表しておられるということについては好ましいことだとお思いになりますか。これをまず伺いたい。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) どうもある個人がそれは位置が電源開発会社の総裁でありますが、意見を述べることはこれはいたし方ないと私は思います。ちょうど私は日銀の総裁などがしばしば意見を述べたりなさる。これがいいことか悪いことかということはまたいろいろな見方がありまして、電源開発会社の総裁として電力行政に干渉がましい発言をするということはこれはよくないことだと思いますけれども、まあ何か電気に関する大局論をやるというようなこと、それからさっき申しましたが、私は決して電源開発会社の経理内容が怪しいというようなことは言ったことがないのです。何かの関係で必要があれば調べることもあるというようなことは言ったかと思いますが、それに対して小坂総裁でございますか何か誤解をしたのですか、経理には何にも暗いところはないという見得を切ったということでありますが、これはまあ私が最初誤まりに新聞に経理の問題を申しましたものですから、これに対する反駁でございましょう。これもいたし方がないと、こういうふうに思っております。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 少くとも電源開発会社というのはこれは政府の監督下にある特殊法人であることは御承知だと思います。会計検査を受けておるわけですから。そこの会社の社長が抽象的な、あるいは全般的な電力行政について意見を述べられることは、それはあるいは大臣のおっしゃる通りだろうと思うのです。しかし政府、あるいは高碕国務大臣、あるいは石橋通産大臣が何か自分の所信を述べられた、すぐそれについて具体的な問題について新聞談、私はここで新聞に載っていることを、三月十七日の日経に載っているのを切り抜いて持っております。そういう具体的な問題についてしばしば反発的な所信を述べられておるということがよろしいかどうかということについて、私はちょっとお尋ねをしておきたいと思います。通産大臣の監督下にある会社の総裁ですから。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) それはある程度で、まあ限度はありましょうけれども、全然いけないとも私としては言いにくいと思います。ですから、それがあまり度を過ぎて監督庁として目に余るというようなことがありますれば、これは警告なり何なりいたさなければならないと思いますが、今のところではさような気持を持っておりません。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 大体大臣のそのお考えはわかりましたが、私非常な関心を持っていますので、いずれまた機会がありましたら具体的の問題でお尋ねいたします。  それからこの電力料金の問題について、私はきょう大臣何かお急ぎになるようでありますから、内容的な問題についてはあまり触れる時間がないと思いますから、行政としてのあり方について一言お尋ねを申し上げておきたいと思います。それは昨年吉田内閣当時に、あれは九月十三日でしたか認可になっております。認可には三つばかり条件がついております。これはどの程度の拘束力を持っておるものかしりませんが、とにかく条件がついて認可になっておる。その条件をつけてある料金の認可になった過程をずっと検討してみますというと、電気に関する臨時措置に関する法律、これに基いて行われておるわけであります。そうしてしかもその精神は、電気料金を総括原価主義によって行なっている。一応そういう形式をとっておるわけであります。そのことは大臣は今もお認めになっておりますか、それをちょっと伺っておきたい。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) それは認めております。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 そういたしますと、そういう工合に半ば理詰めにこの電気料金の問題が扱われておるわけです。そのときに言明された精神を通産大臣はくんでおいでになりますことは、私も新聞紙上を通じて知っております。たとえば三月十五日に朝日新聞に載りました「通産相語る」というこの問題の中には、やはりその精神のことが書かれておりました。諸公課、あるいは金利の引き下げというようなことはにわかに行いがたい、従って値下げの時期というものは、四月には準備がととのわないのでできない、できれば五月から実施したい、こういうことをおっしゃっております。これはやはりこの臨時措置法の精神をくみ、昨年の九月十三日に通産省当局が認可をしたその善後措置を、十分法律的に考えながらおっしゃった発言だと、私どもはこの紙上で拝見しておる。ところが昨日の閣議でもって四月の一日から三割の頭打ちの料金を実施する。こういう工合に急に態度をお変えになっておやりになる、こういうことでありますが、その考えをお変えになった趣旨はどこから出ておるのか。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) それはたとえば税金にいたしましても、地方税に、地力の歳入に非常に影響があるということのために、電気だけで税金の問題を考慮するということは少し困難でありまして、同時に石炭とか、あるいは鉄とかいういわゆる基幹産業全体の問題として取り上げた方がいいのじゃないかという考えになったわけであります。金利においても同様でありまして、開銀の金利を六分半を五分に下げるということは簡単なようでありますが、これは電気だけでなく、石炭についても、あるいは鉄等についても同じようにしてやらなければならんことになるのじゃないかというふうに考えております。それらの問題を検討中でありますから、これをやるときには一緒にやるようにいたしたいと、こういうことでありますが、そうなりますと、相当時期があとへおくれますから、そこで何しろどうも四月一日からということが強い家庭等から要望になっておりますので、とりあえず幸い会社の経理内容がある程度そういうことにたえ得るように見られますので、会社の負担としてとりあえず三割頭打ちを実行してもらいたい、こういう考えになったわけであります。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 鳩山内閣の政策としてそういうことをお考えになるということは、一向私は差しつかえないと思うのです。しかしその政策としてお考えになったことを法律的に実行する場合には、やはり法規に基いておやりにならなければこれは私は問題だと思うのです。そうすると、今の、その昨年九月十三日に吉田内閣がやりましたことを、大体精神としては御了承になっておるとおっしゃる、その精神を御了承になっておるが故に、三月十五日における新聞等に載った石橋通産大臣の態度というものをわれわれは了解しておる、それが急に変えざるを得ないということになっても、やはり法律的な筋道だけは通さなければならん、それはどこに通しておいでになるのでしょうか。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) これは事務当局から説明を申し上げた方がいいかと思いますが、なるほど聴聞会を開くとかいろいろな手続を要するわけでありますが、しかし時期的にそうしますと相当長くかかるということ、実際問題としては。それから法規の上において第四十二条の第一聖のただし書きでありますか、それによってやれば料金規程の例外の問題として取り扱い得るんじゃないかと、かように考えております。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 それは通産大臣、法律をお読みになっているかどうかしりませんが、四十一条の第二項に「通商産業大臣は、電気又はガスの料金その他の供給条件が社会的、経済的事情の変動により著しく不適当となり、公共の利益の増進に支障があると認めるときは、公益事業者に対し相当の期限を定め、電気又はガスの供給規程又は料金の変更の認可を申請すべきことを命ずることができる。」第二項は「通商産業大臣は、前項の規定による命令をした場合において、同項の期限までに認可の申請がないときは、電気又はガスの供給規程又は料金を変更することができる。」と、こういう強権の発動規定があるのですが、この法律を審議したときの精神は、今通産大臣のおっしゃったように鳩山内閣の内部における政策を遂行するために法律がじゃまになるから、ノルマルな法規がじゃまになるから、従ってそういうときにこれを発動しなさい、そういう解釈には全然なっていなかった。便宜的に適用をするものでは絶対にないはずです。そこのとこはどういうふうに御解釈になっておるか。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) もちろんさようでありまして、私の申しましたのはその次の第四十二条の「但し、特別の事情がある場合」というのを適用できるのじゃないかと考えた次第であります。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 これは公益事業局長に伺いますが、今通商産業大臣の主張しておられる第四十二条というのは、第四十一条から経過的に事務処理を進めて行く一つの法規でありませんか、やはり中心になっておるのは四十一条じゃないのですか。

中島征帆通商産業省公益事業局長

○説明員(中島征帆君) やはりこれは第四十三条、それだけの独立の規定でございまして、今までも四十三条を運用いたしまして弊害を起した例はござ  います。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 ただいまおっしゃっているのは四十二条の第一項ですか。

中島征帆通商産業省公益事業局長

○説明員(中島征帆君) そうです。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 ただいまの第四十二条は「特別の事情がある場合において、通商産業大臣の認可を受けたときは、この限りでない。」と書いてありますが、認可を受けるというのは、認可をだれかが申請をしなければならん。この場合は電気事業者であります。電気事業者が申請しなければならん。ところが電気事業者に申請を命じたのは、四十一条のこういう精神から命ぜられたのじゃないか。自発的に電気事業者が出しましたか。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) 自発的にと言われると、まあなかなか面倒でありますが、実は希望はこっちから述べましたけれども、形式においてはこの事業者の方から認可を受ける形式をとってもらいたいと存じております。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 そうすると、その「特別の事情がある場合において、」というのは、この特別の事情というのは、やはり鳩山内閣の特別な事情、鳩山内閣の人気維持のための特別の事情と、そう解釈してよろしゅうございますか。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) まさか、そうでございません。実際の世の中の希望に、要求に応じたい、応じなければならんという特別事情で、特に四月一日からできればやりたいと、こういうことであります。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 まあ大臣も率直におっしゃるから私も率直に伺いますが、この法律の規定を適用して今度の電気料金措置をとられたことは、これは異例の措置であって相当無理なものだということはお感じになりませんか。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) 確かに少し広い解釈でございます。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 いや、広い意味じゃなくて、無理じゃないですか。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) 法律のことは私よくわかりませんが、無理と言えば無理だと思います。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 そこのところをはっきりしておきたいのです。なぜかというと、旧憲法時代に電気事業法というのがありました。そのときに「主務大臣は第一条第一号の電気事業者の電気料を決定す」こういう強い法文があるのです。これは異議を差しはさむ余地のない規定なんです。そういうときでも、当時の電気事業法の三十二条には「主務大臣は発電送電の予定計画若は電気料金に関する事項の決定」その他重要な「命令若は処分に付いては中央電気委員会の議を経べし」旧憲法時代でもこうなんですよ。しかるにこの臨時措置法は。ポ勅によるところの公益事業令、またただいま電気事業法ができておりませんから、公益事業令をそのまま法律として期限が切れてからも暫定的にこれは効力を発生せしめておった。その精神というものは、あくまでも料金の決定等については通商産業大臣はきわめて民主的に需用家の意見も聞き、電気事業者の意見を聞き、そうして決定すべきで、ただいまのように鳩山内閣の都合によって一つのこの問題に強権を発動する、ただいま私の質問に答えて石橋通産大臣も若干無理だということを承認されざるを得ないような、そういうことをやるということは旧憲法時代よりももう少し強い強制的な態度でおやりになると、こういうものは見なければならんと思う。この間の肥料五円引き下げの問題でも私は問題があると思います。五円下げられたことは私どもはけっこうと思いますよ。しかし、それはけっこうであるということと、そういう行政を行われたことがよかったか悪かったかということはこれは別問題であります、全然。そういう無理をやる政治というものは容認されていいかどうかということに対する批判になる。従ってこの点は、内容のことは申し上げておりません。そういう行政をやって行くことが通産大臣として良心上お恥じにならないか、こういうことをお尋ねしておきます。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) 法規の上から言うと御指摘のような弱点を持っておることは率直に認めざるを得ない。たださっきから申しますように幾らかでも世間の期待に沿いたい、こういうことから業者と話し合いをしまして業者の発意として特別な措置をとってもらおう、これは確かに私の方から希望したことは事実であります。何も言わずに業者がそれを持ってきたということは申し上げかねるのですが、事実はそうじゃございませんが、しかしそうかといって鳩山内閣の都合でやったというわけのものではありません。この際何かしら下げる、下げるというほどじゃないのでありますが、上るのを押えるということは非常に強い要望で家庭の主婦などからしきりに言われておりますので、何か期待に沿いたい、こういうことからいたしたものであります。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 まあ、鳩山内閣の都合ではないとおっしゃるのですが、肥料の五円引き下げのときには私の仄聞するところによりますと、河野農林大臣は、民主党の選挙をやるためにはどうしても五円下げてくれなければ困る、こういう工合に硫安業者におっしゃって強引に押し切られたというので今世上問題になっておると私は聞いておる。それと全く同じように、この電気料金の問題もやはり鳩山内閣の都合ではないかもしれないが、鳩山内閣の人気維持の都合であったということだけはこれは否定できないと思うのです。これは私の所信ですけれども、大体まあこれくらいのところでよろしいでしょう。  次に第二点として伺いたい問題は、そういうお考えでおやりになったとすれば、非常に問題がこの中にございます。その一つは、昨年の吉田内閣当時にやりました電気料金の総括原価、これを見まするというと、各社の改訂料金の単価、値上げ率というものが非常に違っておるのです。各社によって一律に三割値上げだとか、四割値上げだということではなくて、非常に区々まちまちになっておる。区々まちまちになっておるということは、昨年の九月当麻の、電気料金改訂を申請した当時の九電力会社の経営内容というものが相当同一水準になかったということを私は雄弁に示しております。そういうことを大体通産大飯は御了承になるのでしょうか。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) その通りであったと思います。現在においても経営内容は相当違います、電力会社では。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 実際は別です。計画として料金改訂の作業をやったときにそういう基本のもとにそれが行われた。この料金改訂をやれば少くとも改訂後は九電力会社の収支の状況というものは大体同一水準にもう一ぺん調整をしよう、またそういう御意思でこういう結果が出たと理解してよろしゅうございますか。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) 私は直接衝に当っているわけでもございませんが、そうだと思います。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 そういたしますと今度の三〇%頭打ちを一律にやりますというと、昨年の九月十三日の認可のときには、九電力会社の収支が一応バランスをするように水準がそろい得るという計画のもとに作られておったものが、今度三〇%一律に頭打ちをすると、九電力会社の収支というものは相当アンバランスが出てくる。そのためにアンバランスが出てくる。そういうことはお認めになりますか。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) それは認めます。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 そうしますと、そのアンバランスの出工合はどの程度になるのか。これは公益事業局でわかっておりますか。

中島征帆通商産業省公益事業局長

○説明員(中島征帆君) まだ来年度の事業益ははっきりきまっておりませんから正確なところはわかっておりませんが、かなり会社によってはプラス、マイナスの面が出てくると思います。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 大体けさ日経にも出ておりましたが、私の聞くところによると十四億ばかり、三〇%頭打ちで出るそうでありますが、その十四億の頭打ちによって減収になる金のうちで東北、東京、中部、この三社でほとんど全額を持つということになっておる。これは、まあ昔の料金制度からいって当然こうだろうと思います。水力ダムが非常に安かったと思いますから……。そうすると三〇%頭打ちということは、昨年の九月十三日の料金値上げで経営状態が悪い。悪いから特にああいうめんどうを見てやろうということで値上げ率が高くなっておった。東京と中部と東北と、こういうようなところにまた最も大きな犠牲が入ってきておるという現象が出るわけですが、これは御承知の上でやっぱりおやりになったのですか。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) ある程度それは起るということはこれは承知しておりました。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 その点も大体わかりました。  さらに需用家の方から考えまするというと、三〇%の頭打ちというのは、やりますというと、電灯に関する限りは実に奇妙な現象が出てくる。これはおそらく需用家も内容を知れば、民主党の人気政策といってもあまり人気が出て来ないのじゃないかと思うのです。それはなぜかと申しますと、たとえば定額電灯においては中国と四国と九州電力の一部に適用されるだけです。ほんのわずかです。もう定額電灯には問題になりません。それから従量電灯ですと、七灯以下の需用家については、東北と東京と、中部、北陸、この四社の需用家の、しかも七灯以下の需用家の一部に適用する。それから従量八灯以上の需用家に対しては、北海道、東北、北陸、東京、中部、それから四国、この五社の一部にだけ適用するというものであります。三〇%頭打ちといって、全国の需用家に全部その恩典が行くように見えますけれども、今申し上げましたような、会社別でいっても適用できるのはほんのわずかです。しかも需用家から申しますと、パーセンテージはほんのわずかでしょう、全電灯需用家の……。そういうまことに奇妙な政策的な行為というものを唐突におやりになるという真意は私はどうも理解できない。この点は一つ大臣、あなたがお認めになりましたから、私は今の具体的な例を申し上げて、公益事業局長もよく御存じだろうと思いますから、そういうまことに筋道が通らないことがここで行われているということについて……。そこで第二に私は申し上げたいのは、昨年に、料金変更と同時に行われたような供給規程の、これは非常に大きな変更が行われた。この供給規程というものは、これは需用家と電気事業者との間の取引における一番大きな問題です。重要な問題です。その供給規程が三〇%頭打ちをされたために、ほとんど事実上は供給規程としての格好をなさなくなってしまった。一つの形態を整えなくなってしまった。こういうことをお認めになりますか。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) それは説明員にちょっとお答えさせます。

中島征帆通商産業省公益事業局長

○説明員(中島征帆君) この三〇%の頭打ちを受ける限度におきましては、供給規程はそれだけ適用を受けなくなりますけれども、その他の部分、大部分のものはそのままの姿で実行されるわけであります。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 まあ、この点はあまり細微にわたりますから、議論はやめましょう。  その次の問題としまして、通産大臣は企業の合理化ということを非常によくおっしゃるのですが、私どもけっこうです。電気事業者にそんなべらぼうにもうけさせる必要はありません。その点は全く異議ありませんが、企業の合理化をお叫びになりますけれども、今度この三〇%の頭打ちをやらせようと思いますと、電気事業者の中における料金の計算、これがきわめて複雑多岐なものになるわけでありますが、そういうことについて具体的な数字をお持ちになっておりますか。ただいまの電気事業者がこの料金の計算に使つておるのは、婦人労働者が主として多いわけですが、その数が一体何名あるか。現状においてこれらは時間外勤務をしておるが、そういう熟練を要する婦人労働者にとって、去年の料金と今度の新らしい料金と二度計算さして、しかも差し引きをさせるわけです。そういう非常に重労働に近いような、そういう労働というものを、これは婦人なのです、ほとんど婦人にさせるということは、通産大臣、お好みでございましょうか。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) いや、お説のようなことは知りませんが、事務的の研究によりました一覧表を作っていったり、それほどの繁雑なことではないというふうに考えております。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 公益局長もそれと同じでありますか。

中島征帆通商産業省公益事業局長

○説明員(中島征帆君) 現在でも電灯につきましては、使用の数量別に一キロワット・アワーごとの料金表がございます。それを今度三割頭打ちの関係で訂正しましたものをあらかじめ作っておりますから、その表を見れば簡単にやって行くことができます。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 相当簡単におっしゃるが、今でも、在来時間外勤務をしているのですよ、料金調査をやる職場におる女の方は……。それよりも相当やはり手間がかかることだけは事実ではないですか。

中島征帆通商産業省公益事業局長

○説明員(中島征帆君) この今度の頭打ち制度によって特に手間をかけるということにはならないで済むのじゃないかと思います。それは現在でもたとえば家庭の従量で四十八使ったら幾らになるかということをあらかじめ計算しまして、表を見ればすぐわかる。従来たとえば五百円だったものが頭打ちの関係で四百五十円であれば、その表を四百五十円というふうに訂正しておけばそのままその数が出るわけであります。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 それではそのことはまたいずれ後に譲ります。  もう一つ通産大臣にぜひお伺いしておかなければならぬことは、去年からそうなんですが、あの料金の中に、電気労働者の諸君の賃金ベースというものは非常に古くさいものが使われておりまして、現行のものは入っていないのです、現行の料金、現に一年以上支給している実際の賃金ベースというものは……。これはそういう状態に放置しておいていいものだと、こうお考えでしょうか。企業合理化とおっしゃいますが、そういう前の賃金ベースと今の賃金ベースとの差額が年間幾らになるか、これを一つお尋ねしたいと思います。その膨大なる金額をそのまま料金に織り込まないでそのままになっている。こういうことがありまするから、ただいま電気労働者の諸君は賃金ベースの改訂、給与改訂にしても全然できない状態だ。これは今までにないことなんです、そういうことは。それを今度初めて去年おやりになった。こういうことは通産大臣としてはどうお考えでしょうか。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) それは、根本的に料金の問題を検討するときにはむろんそういう実際に応じて計算をしなければならんというふうに考えております。これは私は知らなかったのですが、現に支払中のベース・アップ分の三十五億円はこれから織り込みますから。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 それはいつですか。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) 今ではないです。今後料金の根本的改訂をする……。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 三十五億ですね。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) 三十五億、現に支払中のものであります。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 私は職場におる労働者諸君の立場を考えて言っておるのですが、会社側の企業努力とおっしゃるのだけれども、そういう隠されたものをことし一年ぐらいやられておるわけです。実際問題としてこういった点が世の中に全然発表になっていないのです。そういう点は一つ通産大臣よく御記憶にとどめておいていただきたい、こういうことが一つであります。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) 昨年改訂後のベース・アップですね、料金改訂後の。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 いやずっと前の……改訂前からです。

中島征帆通商産業省公益事業局長

○説明員(中島征帆君) 今の料金、すなわち昨年改訂しました料金のベースをきめたときには中労委の裁定は出ておりましたけれども、まだ実際にそれで妥結しておりませんでしたので料金に織り込んでありません。従って今度改訂します場合には当然これは織り込まなければならんものだと思います。それから三割頭打ちをやった場合にどういう結果になるかということの一応の見通しを立てました場合には、これはすでに払うべきものだということで織り込んで終始予想を立てております。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 それからもう一つ、今度は別の観点になりますが、先ほど通産大臣が会社の経理内容は予想よりは非常によろしいとおっしゃいました。私もそうだと思います。なぜ予想よりもいいかと申しますと、経営会社の企業努力もありましょうか、それよりも格段の影響力を与えておるのは、これはやはり通産省当局が料金査定のときにお使いになった川の水の予想、これよりも実際の川の水が多かった、こういう天然現象だと思います。この天然現象がそういう工合に会社の経理をよくしたからというのですぐ料金を下げるということになりますと、今度はそういう渇水がありますとすぐまたこの料金を上げるということになる。ですから通商産業大臣は今後水が予想よりもふえたときには料金を下げる、水がうんと足りなくて渇水になったときには料金を上げると、こういうふうな工合に御操作をなさる御方針であるか、それを伺いたい。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) さような方針ではございません。安定をさせたいと思っております。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 安定をさせる。とおっしゃるけれども、水の方を安定させるということは、これは幾ら通産大臣でも不可能だと思う。たとえば平水で計算をしておいて、ことしは雨がよけい降ろうとするのを降っちゃいかんと天に向って命令するわけにいかん。ことしは渇水が来そうだからといって降れ降れと命令するわけにいかん。そういう不可能なことを、今あなたの御所信を伺っていると、このわかり切っていることを安定させたいという工合にお逃げになることはちょっと当を得ないと思う。だからどういうふうになさるか、そこをはっきり伺いたい。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) いや渇水、豊水を安定させようというわけじゃございません。天然現象ですから、渇水が実際に起ればやむを得ないのですが、これは準備金もございますし、それからもう一つはこれは私は全くしろうとでよく知らないのですが、最近の状況は平水の……。(栗山良夫君「原爆実験で」と述ぶ)いや、原爆はどうかしりませんが、今まで平水というものを標準にしておったのですが、それに再検討を加える必要があるのじゃないかということを専門家の一部の人は言っております。つまり、今までの計算は少し甘かったのじゃないか、従って赤字になるなると言いながら黒字になったりするのじゃないかということもありますから、そのようなことを十分勘案して今後の料金の決定をいたしたいと思います。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 今の御答弁ならよくわかります。そこで、平水のとり方ということはこれまた議論がありましょう。ありましょうが、今までのやり方というものは、私がこの委員会で非常に力説して、どなたの大臣のときだったかしりませんが、大体決定をしていただいたのは、水というものはなかなか考えた通りにはいかない。出たり出なかったりする。従ってその間の年間の調節をやるために、水がたくさん出たときには渇水準備金という制度を置いて、これは免税措置を講じて社内留保をしよう。渇水が来たときにはその積み立てられた渇水準備金で電気料金には手をつけないで安定した電気料金をとって需用家にサービスをすべきである、こういうふうな工合に主張をして実行に入り、もう今日までに渇水準備金はおそらく九社で百十億円か二十億円くらいになっておる。そのくらいふえておる。従ってこれがそのときどきにただ通産大臣が水がよけい出て黒字になったとおっしゃるのでなくて、そういう長期のやはり安定策というものはすでに二、三年前に料金制度の上で十分に講じられているのです。だからそういうことをよく御勉強になれば、今ここで水がちょっと出たからといってびくびくされる必要はちっともないわけです。そういうことをよく御承知になって閣議でいろいろ問題をお取り扱いになっておるかどうか。私が聞くところによると、大蔵省当局は渇水準備金もだいぶたまったから、今度の料金引き下げにこれを使うべきである、こういうことをおっしゃっているということを聞いて実に驚いたのですがね。そういう話が閣議の中にあったかとうか伺いたい。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) 閣議ではその話は出ません。ただ渇水準備金というものもずいぶんたまりましたので、これをこの上いつまでも幾らでも積み立てていいものかどうかということは検討すべきものと考えております。が、これはお話のように料金の安定をするためにはある程度の渇水準備金は要りますから、これは平水問題の研究もしなければならないし、渇水準備金というものをどれほど積み立てればいいかということも、ある限度があると思いますから、それらを検討いたしたいと思います。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 最後にもう一点ですが、先ほど石橋大臣は、今度の措置というものは、非常に無理な点があったということをお認めになりました。無理な点のあったことをお認めになって、強行される以上は、やはり早くこれを軌道に乗せられなければいかぬと思います。たとえば金利の引き下げにしましても、公課の減免にしましても、これはやはり早くおやりになる必要があると思いますが、大体いつごろおやりになりますか、お見通しとしましては。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) 先ほども申し上げましたように、電気だけでもなかなか大きな問題でありまして、ほかに石炭も検討いたさなければならぬ。鉄鋼もありますし、これらと並んでやりたいと思いますから、何日何日というわけにも参りませんが、そう遠くないうちに一応の案は作りたいと、こう考えております。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 そのときに、先ほどちょっとおっしゃいましたが、最近高碕国務大臣なんかもおっしゃっておりまする電気事業の再々編成、あるいは電源開発会社の性格、そういうような御構想もその中に含んでおやりになる御予定ですか、あるいはそういうことは全然別関係におやりになるのですか。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) 再々編成をするか、しないかという結論は出しておりませんが、これもその検討の議題の一つになると考えております。あるいは、電源開発会社の性格というようなものも考えなければならぬと思います。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 そういうような、日本産業の、特に基幹産業の将来を左右せられるような重要問題ですね、そういうものを鳩山内閣でお進めになる、そのときにお進めになる具体的な構想というものはどんなふうにしてお進めになるのか、ただ石橋通産大臣が高碕国務大臣と相談をされて、御決定になると、そういう程度のものであるか、あるいはずっと前にありましたような、特別な民間の業者を入れての委員会を作って研究を慎重にされるというのか、どういう御構想で結論をお出しになるのですか。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) 今どんな委員会を作るということは、具体的にはきめておりませんが、とにかくむろん政府だけで勝手にきめてはならぬと思っておりますから、それぞれ専門家の意見を十分徴して、当業者の意見も聞き、需要者の方の意見も入れまして、そしてやっていきたい。どういう構想で、何かコミュニティを作るか、作らぬかということはきめておりませんが、何かの形で十分各方面の意見は徴していきたいと思います。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 そうすると、大体進め方の構想をおまとめになるのはいつごろになりますか。電気事業法案は特別国会にお出しになるのですね。これは電気事業法案に直接御関係のあることでありますから、いつごろお出しになりますか。そうすると、電気事業法案を国会に出すときには、ただいま石橋大臣が私にお約束願ったことは大体わかる、こう理解してよろしゅうございますね。  それから第二としまして、先ほどお認めになった九電力会社の収支の状態が乱れておったものを、一応昨年の料金の更改によってある水準に調整された。それが今度また乱れてしまった。何か今のお話によると、その乱れを直すのに相当長期を要するという見通しが立ったわけでありますが、そうしますと、その間、乱れたものを乱れぱなしにされるのか、あるいは何か別な方法を講ずるのかどうか、この点を一つ。最初おやりになったことが無理だとお認めになったわけでありますから、それを前提にしてお答え願います。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) 金利を下げたり、税金を下げましてもやはりでこぼこは起ります。そこで各会社ごとの経理上のでこぼこは、たとえば融通電力の問題などを調整するようにしてもらいたいと考えております。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 公共事業局長、その程度のことでできますか。

中島征帆通商産業省公益事業局長

○説明員(中島征帆君) これからの見通しでございますが、今年の下期は比較的成績がよかろうという見通しと、それから今後の収支バランスを考えた場合、各社別に若干の問題が起りましても、できるだけ各社の相互の自発的な援助によりましてそれを解消するように持っていきたい。それで少くとも三十年度くらい中に、かりにでこぼこがありましても、それをあらためて全部根底からいじるということをしなくてもやっていけると思います。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 そうしますと、行政指導によって大体できるというお見通しですか。

中島征帆通商産業省公益事業局長

○説明員(中島征帆君) 必ず平たくしてしまうというふうに確信はいたしておりませんが、何とかなるのではないかという程度の見通しは持っております。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 今の点は、先ほど石橋大臣にもお話し申し上げましたが、とにかく十四万人の電気労働者諸君の、九会社の給与のアンバランスが非常に出てくる。これは盆手当、年末手当はもちろんでありますが、いろいろ給与面で出てきます。しかも賃金ベースは料金の原価には入っていない現状です。従って労働問題として非常に問題を必ず起してくると思います。この点は大体今構想を伺いますと、行政指導によって何とかしようという御意思はわかりましたが、具体的にアンバランスになっておることは大体資料に出ております。これをどういう工合に始末するのか、これを一つなるべく早い機会にこの委員会で御説明していただきたい。具体的にどうなさるのか、これを一つお願い申し上げておきます。

吉野信次自由党

○委員長(吉野信次君) ちょっと申し上げますが、さっきから予算委員会の方で大臣にきていただきたいということでございますから、はなはだ申しわけありませんが、一つ簡単に願います。

高橋衛自由党

○高橋衛君 二点だけお伺いいたしたいと存じますが、政府が昨日発表された電気料金対策要綱は、これは応急的の措置であって、根本的にはできるだけすみやかに御改訂になるというふうに私ども承知いたしておるのでありますが、その時期はいつごろになるかということが第一点。  それから第二点は、この発表のうちに金利、税、補償費等の軽減ということが書いてあります。この金利は、いわゆる開発銀行等の政府機関のみを考えておられるのであるか、それとも市中銀行全般の金利を考えておられるのか、これが第二点であります。この第二点についてなぜお聞きいたしますかと申しますと、先般大蔵大臣は市中銀行に対して貸し出し金利の引き下げを要請しておられる。これはわが国の産業開発のために絶対必要な事柄であると私ども確信いたしておるのでございます。ことに国際競争に打ち勝っていくためには、外国並みにならぬまでも、戦前に近い程度に金利を引き下げていくということは絶対必要であると考えるのであります。かりに現在三兆円程度の貸出金の金利を一%下げるということにいたしましても、これは三百億円の金利の引き下げになります。しかもこれは直接に電力会社のコストに大きな影響を及ぼすのでございます。また市中銀行の金利が引き下げられれば当然に株の値段にも影響してくる。従って現在自己資金において一割二分の配当を一応予定しておられるようであるが、これは相当引き下げられてもいいと、われわれ考えるのでありますが、この点について産業行政を担当しておられるところの石橋大臣は鳩山内閣においては非常に有力な立場におられるわけでありますし、また日本の産業を振興するためには、われわれと同じような考えを持っておられると思います。従って大蔵大臣も要請され、また通産大臣もこれを強く要請されるならば、これは必ず実現できるという確信をお持ちになることができると思います。従ってその点を織り込んでお考えになるのが、この際、妥当だというふうに私も考えるのであります。この点について大臣はいかに考えておられるか、この三点だけお聞きいたしたいと思います。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) 第一の御質問は、これから多分どうしても準備は一月くらいはかかると思いますが、五月になりましたならぜひ一つ御審議願う段階に持ち込みたいと思います。  第二の金利の問題は、開銀の金利を下げてもらうということはこれはもちろんでありますが、今の電気や石炭に関しましては、市中から借りているものを開銀に肩がわりをしてもらうということも考えております。それからお話の日本の金利全般を引き下げるということはむろん必要なことでありますが、それにもいわゆるオーバー・ボローイングの解消ということがやり前提条件になると思っております。これが全般的にオーバー・ボローイングの解消ということはなかなか今の状態ではむずかしいのであります。そこでこの電力会社、あるいは石炭というものについてのオーバー・ボローイングの解消は市中金利に影響を与える、こういうように考えております。

高橋衛自由党

○高橋衛君 第三の問題の金利の点につきましては、必ずしもオーバー・ボローイングの問題と私は関連なしにも、政府として施策をお考えになってしかるべきではないかと考えるのであります。と申しますのは、戦前と今日と大体預金コストはそう差がございません、統計によりますと。しかるに、貸出金利については、戦前において五分、高いときにおきましても五分三厘の平均貸出金利であります。今日たとえば二十九年の九月末におけるところの決算の総平均によりますと、八分九厘三毛という四分五厘程度も上回ったところの平均貸出金利であります。従って銀行のさやというものは戦前の三倍程度になっているということが、これは統計にはっきり現われている点でございます。従ってオーバー・ボローイングがどうあろうとこれは全然別個の問題として、この問題を相当真剣に取り組んで努力されてしかるべきである。ことに産業行政を担当しておる石橋通産大臣はこの点に関心を持ち努力されるのが当然であると思いますが、その点についてもう一度御決心のほどをお聞きいたします。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) 銀行のコストが高い、銀行自身の経営費、人件費でありましょうが、大部分人件費だと思いますが、それが非常に高くなっておるということは事実でありますが、この人件費を引き下げるということはなかなかむずかしいことでありますが、ですから銀行のコストをどうして引き下げるかということについては、どうしても、取り扱い一資金量がふえるということがやはり必要ではないかと考えます。しかし、これもむろんお説のようにできるだけの方法を講じて市中銀行の金利を引き下げる方向に持っていくことの必要なことは言うまでもございませんから、これは大蔵大臣等に要求して努力いたします。

高橋衛自由党

○高橋衛君 私がお聞きいたしたいのはできるだけ努力するということではなしに、この電気料金の改正についてどの程度いろいろまた御努力の結果として金利の引き下げを予定して料金の改訂をお考えになるでありましょうか、もちろんそれが株価にも影響するわけでありますから、言うまでもなく電気料金はほとんど、コストの大部分が銀行金利といっても差しつかえないくらい金利の占めるウエートが大きいのであります。従ってそれは重大な問題でございますからその点を特に大臣のお見通しのほどをお伺いいたします。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) 現在考えておりますのは、開銀の金利を現在六分五厘を五分くらいに下げる、それから市中のものも開銀に肩がわりして同様に引き下げていく、電気に関する限りそういうようにしたいと思っております。

高橋衛自由党

○高橋衛君 そういたしますと、市中金利そのものの引き下げについては、電気料金の改訂に関連しては何らコストの減をお考にならない、こう承知して差しつかえございませんか。

石橋湛山日本民主党通商産業大臣

○国務大臣(石橋湛山君) 現在のところではさようでございます。

海野三朗日本社会党(第四控室・左)

○海野三朗君 大臣は今日はお忙しいようですから、私は質問を保留しておきます。

吉野信次自由党

○委員長(吉野信次君) せっかく予算委員会の方から何がさておりますから、一つ大臣に対する質疑はこの程度にいたします。それから政府側にもし御質問があればお願いいたします。

海野三朗日本社会党(第四控室・左)

○海野三朗君 一つ局長に伺いますがね、この前電気料金の値上げについては公聴会でもっていろいろ話を聞いたが、あらゆる方面から反対があった、電気料金を上げないで、こうこうこういうふうにしたらどうだという話があったのですが、知らないでいる間にぽかっと政府がこれを認可した、そうしたところが、その結果を見るとまことにでこぼこでなお一そう悪くなったと考えられるのですね。それで今度通産省が三割の頭打ちというものを取り上げてやったのは、決してあの料金の値上げが当を得たものだというふうに考えていなかった証拠だと私は思います。この前料金を上げるということに対してあれほど反対があったにもかかわらず、あれを認可したというときのあの辺の内部のいきさつはどんなものでしたか。それをちょっとあなたが知っておられる範囲で、みんな反対したでしょう、全部がほとんど。

中島征帆通商産業省公益事業局長

○説明員(中島征帆君) あのときの聴聞のときの結果を取りまとめた資料はたしか当委員会にもお配りしたと思いますが、絶対反対のものももちろんございますけれども、いろいろ条件付反対とか賛成も中にございます。全部が反対だというわけじゃございません。それから反対の理由も制度の変更についての反対でありますとか、値上げそのものが高過ぎるという反対もございます。いろいろな点で反対の意見のポイントが違っておりまして、いろいろな意見が出たというふうに了承している次第であります。

海野三朗日本社会党(第四控室・左)

○海野三朗君 私はあのときに実際人をばかにしたやり方としか君えられない、しかるにあれは当時自由党内閣であって愛知通産大臣がやっておったのでありますが、ところが皮肉にも、電気料金の引き下げに対しての地方の陳情に骨をおってきた代議士諸公が、自由党の連中ばかりがこの前、やってきた、私はおかしくてしょうがなかった、そうしてみると自由党の中でもあの節は、つまり電気料金の値上げに対してあれは賛成しておったというのじゃなくて、自由党のある一部分の意見でもって料金を値上げしたのじゃないかと思いますが、局長はどういうふうに見ておられますか。ただ言ってきたので認可したというのですか。

中島征帆通商産業省公益事業局長

○説明員(中島征帆君) 自由党の中でも当初いろいろな議論がございまして、反対意見も相当ございました。結局において最後にきまりましたようなあの線でよかろうということで党内の議論もまとまったわけであります。

海野三朗日本社会党(第四控室・左)

○海野三朗君 私はもう一つちょっと伺いたいのは、あのとき通産大臣は初めはあまり上げるということを言っていなかったが、あのときあれはあなた方がよくはっきり調べて細目資料の提供の仕方がどうであったかということが非常に遺憾に思いましたか、このでこぼこもはなはだしきは七割——十割上っているのですがね、これは実にひどい上げ方で、ああいう上げ方がよろしいということになったのですか、あれは。

中島征帆通商産業省公益事業局長

○説明員(中島征帆君) 通産大臣は最初からこれはもう上げざるを得ないということを決意しておられました。ただその表現が初めはできるだけ抑えるためにやわらかく言っておりました。あとはだんだん上げるという表現になりましたが、決意は最初からされておりました。値上げ率が非常に違うということはお話の通りでありまして、電灯にいたしましても電力にいたしましても、需用者についても見ると三割−五割、あるいは二倍になるものもあるわけですが、しかし本来から言えばそういうものを全部今度いたしますような頭打ち制度で押えてしまうということは、今度の料金改訂は制度そのものを改訂いたしておりますので、制度改訂の本旨にそむきますから、本来ならばやりたくないのでありまして、どうしてそういうことになるかと申しますと、従来制度を行なっておりましたために、ほんとうに有利な電気を使えた需用家と、それから超過料金をたくさん食いまして比較的単価の高いものを使っておったというものがございました。それを今度は割当制度を撤廃して一応これが一本化の方向に近づけたために現在の制度におきましては、大体電灯につきましては完全に一本化しておりますために、使用量に応じて比例的に料金が出るという結果になっております。これがほんとうの姿であろうと思っております。現在の制度の方がむしろ合理的であって、従来は割当制度という人為的なものがあったために実際の姿がゆがめられておった、それを修正したのだというふうにわれわれは確信を持っておるわけであります。ですから、頭打ちで三割以上のものを抑えるという部分的な措置をとりますのも、いかに合理的であっても急に大きな影響を受けては困るので、過渡的にこういうことをしようという程度でありまして、将来はやはり現在の制度で全部統一すベきだと、こういうふうに考えております。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 先ほどの石橋大臣の話でも大体うかがえますが、この電力料金の問題はやはり電気事業の本質の問題とすいぶんからみ合っておるので、今国会には電気事業法も出るし、それから料金再調整のための特別な措置をやるとか、こういう非常に重要な問題ですから、やはり当委員会としても、政府側から何らかの案が出てくるまで拱手傍観しておるというわけにもいかないでしょうから、これもやはり一つの調査案件の具体的な事項としましまして、院外のいろいろな方の意見を聞くとか、委員会で調査を進めるとか、そういうこともやはり一つ委員長の腹の中にあたためておいていただきたいとお願いをいたします。

吉野信次自由党

○委員長(吉野信次君) 承知しました。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 それで一番問題は、今日は議論いたしませんでしたけれども、ただいまの電気事業は公益事業だということになっておりますけれども、それは確かに公益事業であるがゆえに地域独占を許されておるわけです。しかし、今発生されておる電力が全部公益事業としての性格で売られておるかと言えば、私はそうではないと思います。やはり相当な部分は、基幹産業として、鉄鋼なり石炭と同じ性格のもとに取引されておる面があるわけであります。現に通産省が出しておられる料金の部厚い説明書の中にも、私読みましたけれども、はっきりそのことが書いてあります。基幹産業と公益事業との使い分けはこの中にはっきり書いてあるのです。そういう問題であって、しかも新らしく発電所を起して原価高の電気が出てくると、その発生電力というものをほとんど基幹産業に供給されているのですね。公益事業としての部面ではないのです。公益性を要求されておる部面ではないわけです。しかもそういうところが、当然資本主義経済でやっておるわけですから、原価主義のもとにやられるわけでしょう。そういう大産業が、電気は要求する、発電所の開発は要求する、ところが一たび原価高になるというと、すぐに否定して、全部公益事業としてサービスをしなければならん、電灯の方にそれを転嫁してしまう、こういうことをやるから、この電気事業なり電力料金が非常に工合悪くなってしまう。だから、産業が発展して新らしい原価高の電気を吸収することができないようなことになるならば、それはその相手の基幹産業というものの存立ということをもう一ぺん検討を加えなければならん、こういうようなことになるわけです。それから金利を下げる、あるいは税金を下げるといいますが、これも今起きている電気を全部考えてみれば、大産業向けに全部使われてしまう。そうすると、税金を下げたり金利を下げたりして国民の大ぜいの犠牲の上に開発された電気というものは、やはり大産業サービスになる。そういうような内容分析というものが足りないのです。足りないからいつでも混乱してしまう。通産省の方に聞くと、公益事業局の方では、そういう点の解釈がむずかしいから、いつも公益事業と基幹産業との間はきわめてあいまいな答弁で過ぎてしまうのだけれども、去年の十月出された改訂料金の概観というところには、十ページの下のところにちゃんと書いてある。ただそういうところが概念としてちっとも伸びないからこういうことになる。そういう点を一つ基本的に研究するようなことをお考えいただきたいと思う。

吉野信次自由党

○委員長(吉野信次君) ほかに御発言ございませんか……、さっき栗山委員から四十一条、四十二条の関係の御質問がありましたが、私全体を読んでいないけれども、この四十二条は、つまり電気料金、供給規程というものはみだりに動かしてはいかんということですね。それから四十一条の方は、それを動かし得る場合は経済事情とか社会事情とかいう場合だけに限ると書いてある。それは特別と書いてあるけれども、特別と書いてあるからといって、主管大臣というものの絶対の自由裁量を許すという法律の精神ではなくて、みだりにいじってはいけないのだが、しかし何があるかわからないから、ほかにも特別な事情があるかもわからないからということでただし書きがついているわけであって、従って、よくあるでしょう、法律にしても、明文がなくても前後の関連か何かから見て行政官庁というものの自由裁量の余地というものが制限されるということは立法例に多々あるのだからこれはやはり四十一条と関連して解釈されると、特別なということがあるから何をやってもよいということにはならないものだと、私はそう思うのです。おそらくこのごろの法律の解釈はそういうふうになっておるのではないかというふうに思うのですが、どうでしょう。別に本件について特別に認めたことがいいとか悪いとかいう実質的なことを私は言うのではない。ただ法難上の解釈としてこう思うから、四十一条と関係なしに無制限にやってもよいのだという解釈をとらない方がよいのではないかとこう思うのですが、局長どうでしょうか。

中島征帆通商産業省公益事業局長

○説明員(中島征帆君) お話の通り、やはり供給規程と違った条件で供給する場合には、供給規程の変更の手続をするというのがこれは本筋だと思います。四十二条の特別の事情というものは、これは例外的な措置でありまして、むろんいかなる場合でも特別ということを拡張解釈をしてやれるというようにはわれわれも考えておりませんですが、今度の場合は時期の切迫というようなことが特別の事情ということになるというように解釈しておるわけであります。

吉野信次自由党

○委員長(吉野信次君) そういう制限的に御解釈を願いたいということだけ申し上げておきます。  ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕

吉野信次自由党

○委員長(吉野信次君) 速記を始めて。  それでは本日はこれで散会をいたします。     午後四時四十八分散会

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