商工委員会 閉会後第1号
- 発言数
- 159 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1955/09/15
会議録
○委員長(吉野信次君) それではこれより委員会を開会いたします。 休み中でございましたので、皆さんに極力連絡をとるように努力したつもりですけれども、あるいは十分連絡がとれないで失礼を申し上げたことがあったかもしれませんが、ことに議題も、何か私が伺うと、委員長と理事会に一ぺんかけて議題をきめるのが今までの例のようでしたけれども、今回は休みなもので連絡が十分参りませんものでしたから、委員長におきましてかりにこの二つの議題を選びましてなにいたしましたから、この点もどうか御了承をお願いいたします。ですからこの議題に固執するわけではございませんから、きょうとあすとございますから、またその間に御希望がございますれば、またそれに沿うようにせっかく努力いたします。よろしくどうか御了承をお願いいたします。 なお通産大臣もじきにお見えになるそうですけれども、もし何でしたら局長からでも大体の貿易事情を説明しておいて……それで大臣がじきに見えるそうですから。
○海野三朗君 私、議題について二、三お伺いしたいのでありますが、昨年でありましたか、カーボン・ブラックを中共に輸出することについてココムの規約があって出されないという御答弁が大臣からありましたが、アメリカから輸入されるカーボン・ブラックではなくて、国内産の品質の劣っているもの、それを中共に輸出したいということで再三通産省に迫ったのでありますが、ココムの方にこれを懇請してそのワクをゆるめてもらうということで、交渉されたと思うのですが、その後そのワクがゆるめられた、それで今度はその上になおアメリカの許しがないというとこれができないというお話であった、そのアメリカの許しも最近得られたようでありますが、そのカーボン・ブラックの輸出のことはどういうふうになっておりますか。それをお聞きしたいと思うのですが。
○委員長(吉野信次君) ちょっと海野委員に申し上げますが、質問を三つあれば三つお述べを願いまして、そしてあと便宜貿易事情について一応の説明があるわけですから、それをやっていただいて、そのときにあわせて答弁をしていただいたらどうでしょうか。それでないと具体的の問題について応答しておりますと、全体の説明の方が……。
○海野三朗君 それでは今委員長のお話のように一応の御説明を願ってその後に質問をいたすことにいたします。
○委員長(吉野信次君) その方が大へんけっこうだと思います。
○説明員(板垣修君) お手元に貿易の概況というプリントしたものを御配付してございますので、一応それに基きまして最近の貿易の事情に関しまして要点だけを御説明申し上げたいと思います。 御承知のように、本年度は非常な輸出の伸び方でございまして、当初この四月に見通しましたときは十六億二千万ドルという程度の見通しをしたのでございます。本年度は例の砂糖リンクも廃止になりましたので、そう大きくは伸びない要因もあるというので、大体昨年度の横ばいという程度で十六億二千万ドルという予想をいたしましたが、その後非常な輸出は伸び方でございまして、結局最近の情勢から判断をいたしますると、ここにも書いてございまするように、十八億九千万ドルに達するのではないかというふうに考えられております。特に輸出の増加の激しい国は、まあアメリカでございまして、これが一億ドル程度当初よりはふえる見込みでございます。それからそのほかアルゼンチン、カナダ、英本国というようなところが非常にふえております。一方減っておる国もあるのでありまして、たとえばベルギー通貨地域、特にコンゴーあたりが非常に輸出が減っております。それからブラジル、韓国、こういうところが減っておりますが、全般的に見まして非常にふえております。従って通貨地域別に見ますと、ドル地域で約一億七千万ドル、ポンド地域で一億ドルの増加になります。清算勘定地域は大体当初見込み通りというような数字になりまして、結局合計十八億九千万ドル、約十九億ドルに近い数字が確実じゃないかというふうに考えております。商品別に申し上げますると、輸出の好調な品物は特に鉄鋼、セメント、スフ織物、毛織物、電気銅は最近とめましたけれども、こういうようなものが非常な伸び方でございます。 それから次に輸入の方を申し上げまするというと、当初の見込みはユーザンス分を含めまして大体十八億五千万ドル程度の支払いという予想をしておりましたが、その後輸入の方もずっと伸びて参りまして、結局年間におきまして、ユーザンスも含めまして、二十億程度の支払いのある輸入規模になるというふうに推定されております。輸出も非常に伸び、これに見返ります輸入も順調に進んできておるということが言えると思います。従ってこういう工合に貿易収支が非常に改善して参りまして規模も大きくなりましたので、特需収入の方は前年よりはやや減少の傾向にあります、しかしこれも減少の傾向は前に思ったよりはいい状況でございます。大体年間で五億ドル程度、昨年は五億九千万ドルでございましたから、これよりは減りましたけれども、当初のわれわれの見通しよりは少しいいと思います。昨年よりは減っておる、それにもかかわらず、国際収支全体といたしましてはユーザンス分を含めまして本年度大体一億七千万ドルぐらいの黒字になりゃしないかというふうに考えております。上半期だけで一億七千万ドルであります。従って年間におきましては二十億ドルの規模ということにいたしますると、大体二億ドル程度の黒字になるというふうに見込んでおります。特に国際収支の内容から見ましても非常な改善でございまして、先ほど申し上げましたように、ドルが非常に伸びておりますので、ドルの収入が非常にふえて参りました。ポンドもふえまするが、これは幾分輸入の方もふえまして、やや減りぎみ、清算勘定地域につきましては大体とんとん、あるいは少し減るという工合に数量もふえ、かつ質的にも改善をしたということが言えると思います。 この輸出が非常に当初見通しより非常に大きくなりました原因といたしましては、何といいましても世界の景気というものが重大原因でございまして、アメリカ及び西欧の好景気というものが、当初思ったほど、本年の四月におきましては下半期にはやや下降するのではないかという前提のもとに、十六億二千万ドルの予想をいたしましたのでありますが、一向衰える気配がない、ますます好調というのが非常な原因でございます、従ってアメリカへの輸出が非常にふえて参りました。 それからポンド地域への出超の傾向を持続しておりますし、清算勘定地域でもアルゼンチンというものは非常な出超傾向である。特に鉄鋼を中心としまして非常な輸出の伸びになっておりますのが原因でございます。 次に、特にこの市場別に問題になる地域を申し上げますると、まず第一にはアメリカでございまして、これは引き続き景気もずっと持続しておりますし、ことに最近ガット加入が正式にきまりましたので、その効果も現われるという関係で、アメリカに対する輸出の前途は非常に明るいのでございますけれども、一方また多少不安の原因もあるというのは、御承知の通り、アメリカに特に出ておりまする冷凍マグロであるとか、あるいは陶磁器であるとか、合板であるとか、ブラウスというようなものにつきましては、日本側の業者の過当競争の問題もありますし、アメリカにおける国内産業との競合問題もありまして、常に輸入制限をしようという動きがあることは御承知の通りでありまして、これに対しましてはわれわれといたしましても、外交上におきましても、あるいは民間当事者におきましても向う側と種々了解工作をとる必要があり、また現にとっております。なおわが国の方の輸出の仕方につきましても、やはりもう少し秩序のある輸出の仕方をやりたいということが非常な重大な問題になって参ると思います。現にそれぞれの業界からアメリカに人が行っておりまして、向う側の業界と隔意ない意見を交換して、両方が納得した形で日本の輸出を漸進的に伸ばしていくという態勢にもっていくことが、対米輸出を促進する上において最も重大なことであると私どもは考えております。 それからカナダにつきましては、一昨々年の関税引下げの効果が上りまして非常に輸出が順調に伸びております。しかしながらカナダにつきましてはアメリカよりももっとアンバランスの比率が多いのでございまして、この地域に対しましては、もっと今後ともわが方でも売り込み努力をいたしますればもっともっと伸びる可能性があり、またこの点については努力をしなくちゃならぬというふうに考えております。カナダ側においてももう少し日本の商品を買いたいという意欲を示しておりますので、私どもといたしましてはこの方面に一そうの努力をしたいというふうに考えておりますし、昨年から二回にわたりまして民間の使節団を派遣して向う側と折衝しておりますので、今後カナダヘの輸出も順調に伸びるものと期待をいたしております。何といいましても日本としましては、ドルの獲得ということが大事でございまするので、わが通商政策といたしましてもカナダ及びアメリカに対する通商振興策としましては一番金をつぎ込みたいというふうに考えております。本年度の予算でも相当額をいただいたのであります。主としてこういう地域につきましては通商の自由な地域でございますので、やはり海外広報宣伝、貿易のあっせん事業ということに主力を置くことが必要でございますので、この方面に予算を十分いただきまして、今後とも輸出の増進に力をいたしたいというふうに考えております。 それから次にポンド地域につきましては、これは御承知のように非常な伸び方でございまするが、このポンド地域につきましては輸出が伸びたということが非常に問題を起して参りました。すなわちイギリス側では一昨年は日本の輸出が非常に悪かったので、向う側は思い切って輸入制限を解除してそうして日本の商品を入れるようになった。その結果今年は、非常に最近は日本側の輸出が伸びたのであるから、今度は日本側としてはスターリング地域から輸入を促進してくれというのがイギリス側の強い要望でありまして、ただいまやっております日英通商協定におきましてもこの点が一番大きな問題になっております。一時会談が中断されましたが、最近向うの代表が帰って参りましたが、大体今申しました同じ線を強く出しております。第一にはただいま申しましたスターリング地域から大幅に買付をしてくれ、それからポンド貨の累積を防止する措置をとってくれということは・今後スターリング地域から日本側が得るポンドはこれを使うように一つやってくれ、すなわち現在持っておる日本のポンド貨は十分ある、あるいは過当であるというふうに向う側は考えております。私どもは過当でないと主張しておりますが、とにかく十分だからして今後得るポンドはやはりポンド地域からの輸入に使ってくれというのが第二の要望であります。さらに進みまして、日本の輸入を確実にするために現在日本がとっておりまする非常に複雑な輸入制度というものをもう少し簡素化し、もっと自由化してくれ、極端に言いますれば、やはり日本でポンド地域の物資に対して需要があれば、これを遅滞なくその許可をしてくれというような線で要請してきておるわけであります。これにはいろいろ技術的にも問題があるわけでございますが、ポンド貿易の非常な重大性にかんがみまして、私といたしましては、大局的な見地から妥結の道を見出したいというわけで、ただいま折衝中でございます。 それから次に清算勘定地域では非常に問題のある国が多いのでありますが、第一にはインドネシアにつきましては、御承知のように輸出権制度というものをやりまして、調整方式をとってきております。従って一昨年あるいはその前の年よりは貿易規模はずっと滅ってきておりますが、本年度は大体六千万ドル程度のところで輸出入が均衡を維持するというふうに考えております。インドネシアにつきましては、御承知の通りに幾らでも向うの方としては日本品の需要がある、しかしながら出せば出すほどそれに対する見返り輸入がなければどうしても焦げつき債権が累積するという困った関係にありますので、私どもとしてはどうしても当分の間は、この根本問題が解決するまでは、調整方式を運用いたしまして、貿易を拡大していくほかないと思います。すなわち賠償問題、国交回復という根本問題を解決するまではどうしてもほかに方法がないと思いますから、その範囲内におきまして、今後ますますインドネシア地域からの輸入を促進することによりまして、こちらの輸出を伸ばしていくという考え方で進んでおります。幸い最近砂糖の輸入につきましてインドネシアと折れ合いがつきましたので、砂糖も相当今までよりは多く買えることになりました。従ってそれだけこちらの輸出の幅がふえるということになります。できますれば、インドネシアとアメリカと日本を通ずる三角貿易方式によって日本の輸入製品を出すという方針をただいまアメリカに繊維局長が行きまして交渉中であります。そういう方法をとりまして、拡大の方式をとっていきたいというふうに考えております。 次に問題の国はアルゼンチンでありまして、これも非常にわが国の品物に対する需要の多い国でありまして、特に最近は鉄鋼を中心といたしまして非常な輸出の伸び方でありまして、本年度の末くらいに九千万ドルないし一億ドルに近い線に達するのではないかというふうに考えております。ただ問題は、この国から輸入する物資が非常に少いということでありまして、ありましても値段が高いということでどうしても輸入がしにくい、そうしますとここに非常な累積債権ができるおそれがありますので、この問題をどうするかは非常な喫緊の問題になってきております。通産省、その他の関係省とも相談いたしまして、できればなるべく早い機会に調査団を派遣いたしまして、アルゼンチンからどういう物資が買えるか、値段の点については日本が買い得る程度まで下ろせるか、そういう点について調査、ないし交渉を開始したいというふうに考えております。何と申しましても、アルゼンチンの貿易を拡大の線にもっていくためには、もっと買うということが先決問題になっておるのであります。 その次に全般的の問題といたしまして、清算勘定協定の運営というものがますます困難になってきております。いずれにいたしましても買わなければ出ないという形になっております。その国に買う物が十分ありますればいいのですけれども、非常に少いし、値段が高いという点がありますので、清算勘定の運営が非常にむずかしい。従ってできますれば貿易自由化の趨勢からいきましても、清算勘定協定方式を漸次やめるのが本筋だと思います。通商局といたしましても最近その線で研究しております。何と申しましても、東南アジア地域、あるいは南米地域というのはここで急に清算勘定協定方式をやめることができませんので、この点はやむを得ませんが、少くともヨーロッパの諸国はやめていこうという方針で今ずっと進めております。幸いドイツとは話がつきまして、この十月から清算勘定協定をやめまして、ポンド現金決済ということにする予定であります。なおスエーデンとも、交渉は開始しておりませんが、大体のところ来年の一月から清算勘定方式を廃止いたしまして、ポンド決済にする見込みでございます。その他の諸国、たとえばイタリアとか、オランダというところとも今後交渉を開始する予定でありますから、これらの国々がこの開始に同意するかどうかはまだはっきりいたしておりませんけれども、いずれにいたしましても少くとも西欧諸国は清算勘定方式を廃止いたしまして、通常の貿易取引形態に移していきたいというのがさしあたりの私どもの方針であります。 韓国に対しましては、本年の六月に焦げつき債権がずっとたまりまして四千八百万ドル、これはよその国と同じように、輸入を促進しなければこちらの輸出が伸びない、あるいは不良債権がたまってしまうという状況にありますので、従来とも鋭意韓国からの輸入の促進に努力してきたのであります。最近突如として八月十八日に対日輸出入の停止措置を韓国政府がとりました。どういう理由でとったか、日本としては寝耳に水であり、全く不明なのであります。ただいま外務省を通じまして理由を照会中でありますが、正式な回答がありませんので、わが方としてはとりあえず、向うが輸入を停止したのでありますが、ほうっておきますとクレーム等の問題が起りますので、とりあえず輸出手形の買い取り措置だけはいたしております。従ってただいま日本から韓国への輸出というものは中絶状態であります。なお輸入の問題につきましては、韓国ノリであるとか、鮮魚であるとかいうものを、買う予定にして、すでに外貨割当の発表も終ったわけでありますが、この点につきましては、そのまま放置してございますが、事実上向うから輸出許可が出ませんので入ってきておりません。従って本年度の見込みでは相当対韓貿易は落ちる見込みでありまして、二十八年度七千万ドル程度に上りましたのが、今年度はおそらく千万ドル程度に終るのじゃないかというふうに考えております。どうしてもこれは早く両国間の国交が正常化するということが両国間の貿易促進の前提要件であると存じます。 次に中共との貿易の問題につきましては、だんだん拡大して参っておりまして、昨年度は受け取り輸出が千二百万ドル、輸入が三千百万ドルという状況でありましたが、今年の四月から七月までの実績から見ますると、大体年間で、わが方の輸出が三千六百万ドル台にいくだろうと考えております。私どもの当初の見込みでは大体四千万ドルぐらいの線で中共貿易を考えておりますので、あるいはそれに近い線、それより少し低いところまでいくだろうと考えております。今後も中共貿易につきましては国際協力を維持する線で決済問題であるとか、あるいは商業的の渡航の問題というものの円滑化をはかりまして、なお禁輸の問題の緩和にも努力を続けまして、中共貿易の拡大に努力したいと、通商局としては考えております。 それから、次に輸出入取引法の改正につきましては、先般の国会を通りました法律によりまして、特定地域に輸出入組合を設立することができることとなりましたので、今般中共及びインドネシアの二つの特定地域を対象地域に指定するということを今考慮中であります。これができますと、中共に対しまして輸出入組合が設立されまして、輸出入の調整がうまくいくようになるかと思います。これにつきましては御承知のように中小企業との関係がございますので、これがかりに設立いたしましても、その運営におきまして中小企業との間に不当な摩擦関係が起らないように、政府側といたしましても十分配慮いたしたいと考えております。 次にガットにつきましては、九月十日についに日本は正式メンバーになりました。ただ遺憾ながら例のガットの三十五条を援用いたしました国が十四カ国に上ったということはまことに遺憾であります。この点につきましては今後わが国といたしましても外交的手段によってこれら援用した諸国に対してこれを撤回する、あるいはその他の方法によって、できればガット関係に似た関係を維持するというような点につきまして努力を続けていく必要があると考えております。 それから次に外貨予算編成方針について申し上げます。一番、資料の最後に書いてございます下期の外貨予算の編成方針につきまして概略御説明申し上げたいと存じます、三十年度の下期の外貨予算につきましては目下立案途上でございますので、まだ確たる詳細は申し上げられませんが、その編成方針につきまして大体を御説明申し上げたいと存じます。 第一に、予算規模の問題でございます。先ほど申し上げましたように非常に輸入が伸びて、日本の外貨収支が非常に改善をいたしましたので、こういうような動向に即応いたしまして下期の予算規模はずっとふくらませたいと考えておりまして、大体予備費を除きまして十二億五千万ドル程度の予算編成をいたしたいと考えております。従ってその結果、上期は予算総額十一億五千五百万ドルでございましたので、これを加えますと、年間で大体予算規模は二十四億ドルという規模に上るだろうと思います。従ってこの実際の支払い額は、先ほど申しました二十億ドル程度の支払い予算規模といたしますれば、二十四億ドル程度ということになる予定でございます。 それから第二に品目別の予算につきましてはまだ詳細を申し上げる段階でございませんが、大体の考え方を申し上げますと、これは従来とあまり変りません。生活必需物資、輸出原材料というような重要物資につきましては、従来よりもっとゆとりのある予算を組みたいというふうに考えております。それによって需給の円滑、物価の安定をはかり、民生の確保及び健全な基盤のもとにおける国民経済の拡大に資するということを考えております。ただ一方こういう工合に外貨収支が多少ゆるくなりましたけれども——楽になりましたけれども、やはりこの際不要不急物資を自由にするということはまた考えものでございますので、この点につきましては通商協定上やむを得ないものだけを限りまして、その他は依然として不要不急物資は入れないという方向は堅持したいというふうに考えております。 それから第三には買付地域の問題でございまするが、これが先ほど申しました通商政策の関係から非常に大きな問題になるのでありますが、輸出貿易を維持増大する見地からしましてやはり現状のように通貨地域別に分かれておりますので、やはりスターリング地域、清算勘定地域というものからどうしても輸入を促進しなければこちらの輸出が伸びないという状態にございますので、今度の外貨予算の編成につきましても、スターリング地域及び清算勘定地域からできるだけ輸入を促進するという方針をとりたいというふうに考えております。 それから輸入の方式につきましては、もう少しできますれば自由化したいというのが私どもの考えでございます。幸い外貨事情がゆるやかになった今日において世界の趨勢であります貿易自由化の方向へ少くとも外貨予算の編成、運営上におきましても一歩ずつ前進したいというふうに考えておりまするが、その具体的な施策といたしましては結局比較的自由に入れまするいわゆる自動承認制という品目を拡大するということが主眼点でございますが、この点われわれの理想としてはできるだけ自動承認制度を拡大したいというふうに考えておりますが、実際いろいろな品目に当ってみますると、今の経済状態ではなかなか差しさわりが多い。ことに国内事情からいいましてやはり急に原料がどっと入ってしまって自由化されたのでは、国内産業に影響があるというふうな業種もありますので、この点も勘案いたしまして、この点はそう無理のない程度におきまして漸進的に進めたいというふうに考えております。 それから外貨資金の割当方式につきましては、なかなか問題があるわけでございますが、御承知のように本年の上期にある数種の品目を除きましてば一応従来の最終需要者に対する直接割当方式というものをやめまして、発注限度内の消費者割当方式に切りかえたわけでございます。残っておる品目は繊維原料、鉄鋼原料、燐鉱石が残っております。これを今申し上げたような方式に切りかえるかどうかという点がまだ問題として残っております。なお国内業界との関係で調整を要する点がございますので、この点につきましては検討中でございまして、まだ結論には達しておりません。簡単でございますが、御説明を終ります。
○委員長(吉野信次君) 今の質問に対して答弁をして下さい。
○説明員(板垣修君) 今のカーボン・ブラックにつきましては、外務省の湯川経済局長からお答えいたします。
○説明員(湯川盛夫君) カーボン・ブラックの点についてお答え申し上げます。お話のように、これは一応関係国の間で輸出を認めるということになりまして輸出できるわけなんでございます。一方アメリカの国内法でPD八一〇というのがございまして、これによりますと、いろいろな物資がございますが、たとえばその一つのカーボン・ブラックを中共に輸出した場合には、これは輸出することはとめないわけでありますが、ただ今度は同じカーボン・ブラックをそこの輸出した国にアメリカから出すという方はとめなければならぬ、こういう法律がございます。それで日本が一ぺん各国の承認を得た以上は中共には出せるのでありますが、ただ今度は、日本が相当アメリカから輸入しております、これは品質の関係でどうしても国内産で間に合わないで輸入しなければならぬ、その方の輸入に差しつかえる、こういう問題だと思います。それでその後いろいろアメリカ側とも折衝をしておりまして、ごく最近になりましてともかく今回の分については一応解決をみました。従ってあるいはもう関係業界の方々は御存じになっているかもしれません、ごく最近でありますからもしまだでしたら近いうちにそのことが通報されるであろうと思います。
○海野三朗君 聞くところによればちょうど一年かかったわけですね。去年の九月——年末までに中共がほしいというやつを今年のようやく昨今になってそれが解決した、そうして中共に問い合わせたところがもう要らない、ほかから入ってくるから要らないというような返事が来ておる。そういうところは一体通産省ではどういうふうに見ておられるか。もう一年たつ、そういう点については私ははなはだ遺憾だと思うのですが、先のお話にもこの貿易が伸びた伸びたと言っておられるけれども、そういうようなカーボン・ブラックと類似した事柄が他にもたくさんあるのじゃないか、こう思うのですが、さっきの中共からの返答ではもう要らない、そういうふうなことになってしまって、結局ずるずる一年間かかったために商機を逸してしまったということになっておるのでありますが、そういう点についてはどういうふうにお考えになっていらっしゃいますか。
○説明員(板垣修君) 今カーボン・ブラックにつきまして中共側から要らないという返事があったかどうかは私は存じていませんが、御指摘の通り確かに相当この交渉には長く時間がかかりまして商機を逸するという事態がしばしば起ったことはまことに遺憾と存じております。しかしながらこれは何を申しましても他国との交渉問題でございまして、本件につきましては外務省の出先におきまして終始たゆまざる努力をしていただいたのでありますが、やっと最近になって話がついた。話のついたときには向うは要らない、弱ったという事情がございますので、はなはだ遺憾な事態でございますが、先ほど湯川局長からお話がありました通り中共に出すだけはよかったのでありますが、一方アメリカからの国内法によってアメリカからのカーボン・ブラックの輸出をとめられるということになりますと、またその方の業界が因るということでやむを得ず今日まで制限をしたのでございます。まことに遺憾な事情でございますが、事情やむを得ない問題であるかと存じます。
○海野三朗君 それがほかから入ってきたというのはイギリスからですか、ドイツからですか、ソビエトからなんでしょうか、この中共に入っておるのは、それはおわかりになっておりませんか。
○説明員(板垣修君) その点私は存じません。現実に中共に外から入っているのかどうかもわかりませんが、イギリスその他この禁輸関係に関係している国からではなく、やはりそれ以外の国から入ったとしますれば入ったのだろうと思います。それがソビエトからかどうかということについては私ども確認ができない。
○海野三朗君 それが要らなくなったということについて向うから断わりが来た。もう去年の暮までのつもりだったが、ほかから入ったから要らないという報に接したということを私は今業界からそれを聞いているのであります。そういうことについてはもう少し通産省は早くやるような方法がなかったのですか。ちょうど一年かかりました。私はそういう点については外務省にも文句を言ったのでありますが、このココムのワクをどうするという……、つまりカーボン・ブラックは日本で産するやつであって、アメリカから入るやつではない、全然種類が違うのであります。そういうものを、つまりココムに申請しておられたと言っておられるが、これは外務省でやったのでありましょうが、それが非常に長い、一年もかかっている。一年もかかったのじゃ商売はだめになってくる。そういう点についてはもう少しどういうふうにお考えになっておるか、ただ輸出貿易の方が数が増したというふうにお考えになっているように私は思うのでありますが、どれだけの基準に対してこの輸出貿易が伸びていったらいいのであるか、その大体の構想を私は一つお伺いしておきます。どれくらいの割合で貿易が伸びていったらいいものであるか、日本の八千数百万の人が生活をしていくという見地から考えましても、この貿易がどれくらい伸びていったらいいものであるか、つまり去年よりは今年は伸びたらいいというような安易なお考えでは私は困るんじゃないか。一体日本としてはどの点を目標にしてお進めになっているのか、それを通産当局から一つお伺いいたしたい。
○説明員(板垣修君) ただいま御指摘の今後の貿易の伸び方その規模につきましては、私どもといたしましてはそう三、四年先の長期計画は考えておりませんが、ただいま経済企画庁の方におきまして、御承知の六ヵ年計画を準備中でございます。その考え方によりますれば、大体年間八%程度の貿易の伸張率ということを予定しておりまするが、これは六年後の日本の全体の国民所得、完全雇用という見地から、やはり輸出貿易の規模二十六億ないし二十七億というものが必要であるという見地から逆算した結果でございます。通商局といたしまして、これを現実の伸び方から計算した場合に、果して今後ずっと六ヵ年にわたって八%ずつ伸びるかどうか、これはいつにかかって世界の市場関係というものが大きくものを言いますので、予測は立てにくいのでありますが、先ほども申しましたように、最近のような伸び方によりますれば、これは非常に八%以上も大きく伸びておるのであります。しかしこの理屈で今後三年後、四年後に伸びるかどうかという点につきましては予測困難でございます。ただいま経済企画庁の考え方では、六年後に二十六億という規模を考え、それから年間の伸張率八%ということを考えておるようであります。
○海野三朗君 経済企画庁の方がおいでにならないから、それはあるいは無理かもしれませんけれども、今日国内の中小企業の状態を見ますると、製品は町にあふれておる、こういう状態をお考えになるときに、この輸出がどれくらいに進んでいけばいいのであるかという大体の御構想がおありになりませんですか。今日ミシンにしたってそうであるし、あるいは自転車にしても生産過剰になっている、これはどうしたってほかに売り出さなければしょうがないんだ、こういう見地から考えますと、私は経済企画庁の六カ年計画というようなものは机上の空文にしかすぎないと私は思っている。その点について通産省あたりではどういうふうにお考えになっておりますか。
○説明員(板垣修君) 品物の別にまた検討いたしますと、非常に事情は変って参りまするが、全体といたしましては、昨年ないし今年の輸出というものは、少くとも通産省に関する限りは予想よりはるかに上回って伸びておるという事情でございます。当初の見通しから言いますれば、昨年は十四億程度、これが十六億になり、今年は十六億程度であったのが十八億程度ということで、常に予想より伸びているという状況でございまして、もちろん御指摘の通り、あるものは特に生産過剰ということがございます。これは全部余っただけは出せればいいのでありますが、これはやはり個々の商品によりまして、相手方との需要というものの関係がありますので、果して出るかどうか、これは予測できません。しかし国全体の貿易といたしましては、ただいまのところ幸いにもこれはわれわれの予想よりも上回って伸びているという状況でございます。
○海野三朗君 とにかくこの点につきましては、私はまた質問を後日に保留しておきますが、そのほかのことについて、もう一つ私はお伺いいたしたいのであります。たとえばカーボン・ブラックとか、あるいはピッチコークスとか、そういうものについての外貨割当、これは国内で一年間どれだけ使うということを大体目安をおいて、その何割を輸入を許可するというふうに案を立てておられるようでありますが、今日までの年々のこの外貨割当を見るというと、いつでもその水増しにお考えになっておる形跡が歴然たるものがあるのです。たとえば年間一千トン使うであろうと想像されておるが、事実は八百トンきり使わない、それを一千トンと見て、その四割なら四割というものの外貨を割り当てられるものでありますから、国内の業者にそのしわ寄せがいってしまう。そういうことについての通産省あたりの外貨割当は一体甘いのじゃないかと私は思うのですが、これはいかがなものですか。ピッチコークスにおきましてもそうでありますし、カーボン・ブラックについてもそうであります。業者の方では、割当をよけいに、通産省で水増しをするものでありますから、そのしわ寄せが業者にばかりいっておる、そのためには売れていっていない、これが現状であります。その点に対しての外貨割当をやる場合に、国内の年間の消費は何ぼとお見積りになりますが、それはいつも水増しになっておる、こういうふうに考えられるのでありますが、その点はいかようにお考えになりますか。
○説明員(板垣修君) 個々の品目によりましては多少狂いがあると思いますが、大体お話のように、生産量ないし消費量というものを関係各省と相談の上推計を出してやる一わけでありますが、しかし少くとも従来、今までに関する限りは外貨事情は常に窮屈でこざいましたので、水増しするどころかしぼり過ぎるような事情であったと思います。もう少し割り当てろ、割り当てろというような事情でございます。ただ特殊の品目につきましては、推計の誤まりからあるいは少し水増しになったものがあるかもしれませんが、全体の考え方といたしましては今まではむしろしぼり過ぎたので、これからゆるめたいというのが実情のように私は感じております。
○海野三朗君 もう一度申し上げますが、国内で使う品物、たとえばカーボン・ブラックにしても二千トン、一年間に二千トン使う、そういうふうにお見込みになるが、実際は二千トンは使っていないのである。一千五百トンとか、一千六百トンしか使っていないのです。二千トンと見て、その四割というふうに見られておるものでありますから、実際の国内で売れる量というものはずっと狭められて来るのです。それは実績がそうなっております。それは私は前にも申し上げたと思います、去年。いつも通産省で見る量が、国内消費量は幾らというその見積りが甘い。甘いからその四割というふうにやられるものですから、実際は国内消費量の五割ないし六割入って来ておる。そういうときに業者が苦しむわけです。これを私はお伺いしたい。それが甘いということを、つまり国内消費の見積りが甘い、実際にそうは要らないと私は申し上げておるのです。
○説明員(板垣修君) カーボン・ブラックのことにつきましては、具体的事実は存じませんが、確かにそういう面は起ると思います。これはしかし見積りが甘いというより、国産との競合の問題に関連があるわけでございまして、たとえばその他の化学薬品などにしましても、国産は相当程度ある、ところが一方需要者側からいいますと国産は値段が高いからほしくない、外国品をほしいという要請があるわけでございますが、そういう方面の要請と国産との競合の関係を常に調和して外貨割当をやっていかなければならないので、勢い外国品の方がよけいほしいということになる。そうなると国産の方にしわ寄せがあるという事実はあると思います。それから今お話のように、カーボン・ブラックにつきましては、全体の国内需要につきましては見積りが甘いこともあるかと思います。これは常にいろいろな品目について起って来るわけでありまして、通商局といたしましては調整問題に悩んでおるわけであります。今後ともそういう点に誤まりのないように善処いたしたい、こういうふうに考えます。
○海野三朗君 実際は今お話のように、アメリカから買うカーボン・ブラックは品質がよくて値段が安いものでありますから、業者としてはこれを使いたいのはもちろんでありますが、これをもっと広い見地から通産行政の立場から見ましたならば、やはり日本人が食うていくにはどうするかという問題です。そうしてみると、国内の産業を助長する意味においても国内消費をどっちかというと少し辛く見積ってその何割というふうにしぼって行くようにしていただかなければならぬのじゃないか、業者が作る、これを作る日本人が食うて行けない、そういう見地から考えてやはり相当ここにしぼってもらう必要があるのじゃないかというふうに私は思うのです。実際から申しますと、アメリカのやつは品物がよくて安い、大量生産をやっておりますから。ところが国内の業者が皆参ってしまう、そういうところも十分勘案してもらうならば水増しをしてもらってはいけない、明らかに水増しであるのです。去年あたりもそうなんです。そういう点を私はもう少し通産当局としては机の上の事務だけではいけない、現実に即した通産行政を私はやってもらわなければいけないのじゃないか、こういうふうに私は考えるのであります。その御所見を一つ。
○説明員(板垣修君) その点になりますと、水増しとかという問題は、さらに産業政策と通商政策をどういうふうに調和させるかという根本問題になって参りますが、もちろん通産省といたしましてもできる限り国内の産業の育成、雇用の機会を多くするということは当然でありますが、一方、貿易の伸張という点から考えますと何でも日本で作って外国のものを買わないということになれば、これでは外国が日本のものを買ってくれないので、どうしてもある程度外国のものを買ってやらなければならない。それが今イギリスの、たとえば英本国との関係におきましては生活必需物資でもない、どうしても日本と同じような完成物資の交換ということにならざるを得ない。そうしますとお互いに自国の産業に多少の競合摩擦があってもやはりお互いに買って売るという関係が樹立されなければ通商関係が拡大できないわけであります。この点と、今の国内産業をどの程度育成していくかということが根本問題であります。これは私ども今後鋭意研究したいと思います。
○海野三朗君 その点ごもっともであると私は思いますがどうかそのワクについては十分一つ実際に即したところの消費量を見ていただきたいということを一つ御希望申し上げておきます。 次に、この砂糖のような外貨割当については、つまりミシンなどを出す場合に原価を切って出す、そうすると赤字になる、その赤字を埋めるために砂糖の切符割当をくれるというような方式を今までとっておられたように思うのでありますが、そうしてその赤字を埋めるのは砂糖のもうけで埋めてやるというようなふうにお考えになっているようでありますが、その辺はどういうふうになっておりますか。
○説明員(板垣修君) その点は多少誤解があるのじゃないかと思いますが、ミシンと砂糖の関係はございません。今年の三月までいわゆるプラント類、重機械類と砂糖の関係にそういう関係がございまして、日本の船舶とかプラントの重機械類を出す場合にはどうしても国内の生産コストが高い、それがために砂糖に結びつけて多少補償する措置をとったことがあります。これが国際的に非常な非難を受けましたし、なお、国内的に産業合理化をおくらすという弊害が出てきましたので三月限りで打ち切りまして、現在砂糖というような他の物資で、利潤物資で輸出の損失を補償するという制度は全然やめましたし、今度正式に日本がガットに加入した以後におきましては、もとよりそういう点は当然出さないことにいたしております。
○海野三朗君 その場合に、今度はこうなったのですか、砂糖についてのもうけはやはり国家に納めてそうしてそれは国の収入とする、出血した場合には、それは何か国で補償するというようなことにでもなったのでありますか。
○説明員(板垣修君) 全然そういうことにはなりません。砂糖は先般法律案を提出いたしましたのでありまするが、今後過渡的な行政的措置でそういう措置をとりますが、この吸い上げました超過利潤は国庫に納めます。国庫がこれを適当と思う国内産業あるいは輸出振興策に使いますが、直接これをミシンならミシンを出した者の損失の補償に使うということは絶対ございません。従って一般的の輸出振興策としてのいわゆる財源としては使いまするが、そういう個々の輸出物資に対する補償ということには絶対ならないのであります。
○海野三朗君 肥料の問題はどうなっておりますか。肥料は国内の農民に与える値段よりも輸出の方は、つまり硫安などは安く出しているが、あの出血はどういうところで埋め合わすことになっているのですか。
○説明員(板垣修君) 肥料につきましてはそういう出血というようなこともございませんで、あの国内価格と国際価格で多少違うかもしれませんが、それは業界の自分の考えで輸出をいたしておりますので、何ら政府から補償とかそういう措置は講じておりません。
○海野三朗君 そういたしますと、その国内の…つまり肥料会社が国内の農民には高く売りつけて、外国には売れないからして安く売ってやるという、つまり外国の方のマイナスを国内の農民にかぶせるということになっていると思うのですが、その辺はどういうふうにお考えになっておりますか。明らかに安いのです、輸出の硫安が。
○説明員(岩武照彦君) その点はもうすでに御承知と存じますが、一昨年の国会でありましたか、肥料関係の二法案が通過いたしまして、それによりまして国内の価格はコストを見合いまして数量平均で価格をきめましてそれを国内の価格、だから輸出につきましては、当時は輸出の引合い価格はやや低かったが、日本硫安輸出会社という特殊会社を作りまして、そこにおいて国内価格と同じ価格で売りまして、その会社が輸出取引の主体でありまして、そこで当時はある程度輸出価格が低かったのでありますが、赤字をそこで負担をしている。最近はだいぶ輸出価格が上ってきて当時のような情勢にはなっておりません。従って国内に輸出価格の赤字を転嫁するということは全然できないような仕組みになっております。これはもうすでに御承知と存じまするが、そういうことになっておりますから御質問のようなことはないと思います。
○海野三朗君 国内の肥料の値段と今輸出の肥料の値段とはほとんど同じになっておりますか。
○説明員(岩武照彦君) 私今正確な資料を持っておりませんのでお答えできかねるかと思いますが、あまり差はないかと思います。もっとも、輸出の方はいろいろ地域によって差も違いますが、どこの地域はどうだったか私よく覚えておりませんが、一時ほどの差額はないように思っております。
○河野謙三君 久しぶりに通産大臣にお目にかかったので、先国会来懸案になっている砂糖、バナナ、こういうものにつきましてその後政府はいろいろ対策を御検討の結果、新聞を通じて知っているのだが、この機会に大臣の口からその後の経過並びに政府が現在まで決定されましたいわゆる決定版ですか、これを一つ御説明を願いたいと思います。
○国務大臣(石橋湛山君) あれは法律案が審議未了になりまして、しかしそうかといって、あのときにここの委員会でも御質問があったと思いますが、砂糖会社に砂糖の利益をただもうけさせるということも少し常識にはずれているように思うし、そこで砂糖会社とそのうち話し合いまして、とりあえずあの法律のときに予定いたしておりました利益を積み立ててもらうということにいたしております。ただし八月まででしたか、過去の分についてはその話が十分進んでおりません。過去の分についてはもう少しまけてくれというような話が出ております。これは話がつきませんが、たしか八月以降の分については予定通りに超過利得は積み立ててもらう、かようなことにいたしております。
○河野謙三君 そうしますと、砂糖会社に積み立てさせるということは、その前提は先国会に出ましたあの法案ですね、こういうふうな考え方で来たるべき国会にやはり砂糖の法案というものは出すという前提に立っておりますか。
○国務大臣(石橋湛山君) そういうつもりであります。
○河野謙三君 バナナの方も同様でありますか。
○国務大臣(石橋湛山君) そうです。
○河野謙三君 それからもう一つ、やはりこれも先国会来の問題ですが、例の油の問題が出ましたが、これは法案じゃございませんが、その後政府自体、特に通産省が油の中でも特に重油は非常に不当な価格である。不当という言葉は使わなかったが、適当な価格でないということは認めておられる。これは裏を返せば、元売業者といいますか、精製業者が非常に暴利をとっておるということになっておるのです。ところがその後市場価格はちっとも下っていない。これに対しましては、どういう措置を今とられんとしておるのであるか、現在までとっておられんようですが、これは至急におとり願わなければいけないと思います。
○国務大臣(石橋湛山君) その問題については、なお石油全体の政策にからんで研究しておりますが、まだお話の通り措置はとっておりません。
○河野謙三君 それは大体どういう措置をおとりになるか、具体的な方法等は御検討が済んだのですか。
○国務大臣(石橋湛山君) 省内としてはまだ済んでおりません。
○河野謙三君 これは、たしか私はことしの一月か二月ごろからの問題だと思うのですが、何か政府が七百円下げるとか八百円下げるとかいうことを声明されて、それ以来改善されていないのです。さっきのヵ−ボン・ブラックの話じゃないが、少し話が長過ぎると思うのです。でありますから、われわれ口の悪い者に言わせると、何で強い資本家の側に遠慮して、いたずらに時をかせがせなくちゃいかんのか、こういう疑いを持つのですが、ことにこの間油の法案も一応通りましたが、こういうものを足場にして、ある程度政府で適正な措置はとれると私は思うのですが、通産大臣の選挙区の漁民も油で非常に騒いでおる、私はすぐ隣だから聞いておるのですが、漁民が何か大挙して通産大臣のところに押しかけたという話を聞いたのですが、これは至急に措置をおとり願いたいと思うのです。
○国務大臣(石橋湛山君) 値段は下げるように指導しております。
○河野謙三君 下らないでしょう。
○国務大臣(石橋湛山君) 前に七、八百円下っております。
○河野謙三君 下っておりません。
○国務大臣(石橋湛山君) もっともあれは平均でありますから、場所によれば、それまで値段の安かったところは、たとえば静岡県のごときはあまり下らない。全体としては下ったのです。
○河野謙三君 新聞等で見ますと、政府が発表された全漁連への割当ですね、これも何か精製業者といいますか、元売業者が受けるとか受けないとかいって、まだ話がつかんようでありますけれども、それはどういうふうになっておりますか。
○国務大臣(石橋湛山君) そんなことはないと思います。あれはあの通りに実行することになっております。
○河野謙三君 もちろん実行するでしょうが、その実行の方法等については、すっかり具体的に成案が出たのですか。
○国務大臣(石橋湛山君) それは事務当局から……。
○説明員(岩武照彦君) ではちょっと私からかわりまして……。あの問題は御案内のように大体三つの部分からなっております。一つは全漁連にひもつきで十万キロの輸入を認める。もう一つはA重油等の値下げの問題が一つ。それからもう一つは、末端の漁業組合等における油代金の滞りになっておるものを至急解決させる措置をとる。大体この二つになっておる。そこで今私の方と事務的に話し合いを続けております。下げるとすればどういうふうにするか、ことに全漁連の関係は一体どういうことになるのかという問題が一つある。その問題と、それから金は一体どうしてくれるのか、これはちょっと問題があります。取引系統が変りますと、今までせっかく商売をしておった、借金がたまっているやつが返って参らない。これはこの際一緒に解決しませぬと、中小の油の業者はこれは金がとれなくなってしまう。その辺を一緒に解決しようと思って、今せっかく検討しております。それが一緒に片づきますれば、油の問題は、いろいろの問題も一緒に解決がつく、こう思っております。
○河野謙三君 この前の国会のときも、この委員会でも話が出ましたが、この油の問題になると、精製業者の団体にしろ、元売業者の団体にしろ、外国資本が大体半分なんです。ですからこれの解決をおくらすということは、国内資本の産業の問題をおくらすということよりももっと、日本経済からいけば弊害が多いわけです。ですからかりに国内産業で、国内資本でやっておる問題なら、これはまた私は、日本の国民の中で金が回っておるのであるから、場合によったら私は一カ月、二カ月おくれてもこれは仕方がない、油の場合は資本関係がそういうふうになっておりますから、これはもう少し国際的にものを考えたら、もちろん考えておいでになるでしょうが、これは一日も早く解決すべき問題だと思うのです。最近は精製から元売から直売で、日本に原料を入れて精製して、小売の段階まで入って、これまで外国資本が伸びておるのです。これは御承知だと思う。これはもう少し別の視野でものをお考えにならなければいかぬと思う。私はいつも冗談のように言うのですが、今に今にとおっしゃるけれども、今に今にと言っているうちに死んだ人がいる、死なないうちにやらなければ意味をなさないと思う。私に言わせれば少し時間がかかり過ぎると思うのですが、なんでそんなに外国資本に遠慮しなければいけないのか、戦前のようにいたずらに排他的な思想を持っているわけじゃない、大いに助け合ってやらなければならぬと理解しておりますけれども、今度三白にもう一つ油が入ってきた、油というものは一番大もうけしておる、そのもうけておる内容が、話はくどくなるけれども外国資本が半分を占めておるという形においては、通産大臣もう少し事務当局を鞭撻して急がしていただかなければ困ると思う。これはあなたの方の漁民が騒ぐのは当りまえです。私の方の漁民だって騒ぐ。漁民全体が油の問題については騒ぐ。私はいつ幾日までに解決してもらいたいと日にちは切りませんけれども、大体今月一ぱいとか来月上旬とか、その程度の日は切れませんか。
○国務大臣(石橋湛山君) 今官房長から言いましたように、借金の問題は一つ農林省と今相談して解決してもらわぬと困るのです。販売の方にも外国資本の入った販売業者もあるようですが、販売業者の方からいいますと、油は持っていかれる、あとの貸付金は取れないということになってもこれも気の毒ですから、そこでとにかく過去の債務の解決を至急にするように、実は催促しております。いつまでという期限を切ることはむずかしかろうと思いますが、これはできるだけ早く……。
○河野謙三君 いや、その配給ルートじゃない、流通過程の問題で、いろいろ今の代金等の問題があれば、これはいろいろ複雑なことはわかりますから、場合によればそれを切り離して、価格問題だけでも私は別途に解決つくと思う。価格問題だけでも、今の末端の不当な価格ですね、これを卸なり小売なり、その段階別にもう少し検討されて、もう少し適当な口銭でやるべきだと思う。もとは外貨割当から出発しているのですから、通産省からそのくらいの権限なり威力をもって、価格の方で改善できるはずだと思う。だからそれは配給ルートの問題と一緒に片づけようと思うと非常に時間がかかりますけれども、もしこっちの流通過程の問題が複雑で解決がおくれるなら、せめて一月以来政府が約束している価格の問題について、適正な価格によって油が消費者の手に入るように、これは私は別途にやっていただけると思うのですが、そういう点は通産大臣どうですか。
○国務大臣(石橋湛山君) 価格の問題はこの春ですか、七百円のやつは、これはさっき申したように実行されております。その上になお下げるという計画は、今まで実はしておらなかったです。
○河野謙三君 他の方に迷惑かけますから私はこれでやめますけれども、価格関係でも大臣にはなかなか、末端のことはわからぬでしょうけれども、大臣は事務当局から価格は片づいたという御報告を受けておるでしょうが、そんな問題じゃない、これはもう少し、場合によったら選挙区の人を呼んで調べてもらいたい。これは大臣がもう少し御調査になって……、大事なのは私は消費者の問題だと思う。それを一つ大臣に御調査いただきたい。
○海野三朗君 ただいまの河野委員の質問に関連して伺いたいと思うのですが、この前の委員会のときに、油の値段の問題が出たのです、これを精製するのになんぼかかるかという、そういう過程については通産当局はわからないという御答弁であったと思うのでありますが、その際に笑い話のようにであったかもしれませんけれども、この油のことに関しては通産当局は非常に甘いのです。これは、たとえば関税の問題にしてもそうでしょう。私は再三申します。関税の問題にしても国法をもって何ぽかけるということにきまっておるにもかかわらず、ことし一年だけかけない、ことし一年だけというのでずるずるべったりやる。そして油業者にもうけさしてやるから、ごらんなさい、何せ製油会社の積立金のあぶら太りを。(笑声)これは何であるかというと、通産省の古い役人が二十人も製油会社に流れておるという事実、これはこの前河野委員が言われたことでありますが、その際の二十人も古手の役人が流れて油会社に入っておるのだということとにらみ合せてみますというと、どうもそこに釈然たらざるものがある。甘いというのもむべなるかなと思われる。そういう点に対して通産大臣どういう釈明をなさるか、どういうお考えであるか、それを一つほんとうに率直に私は伺いたい。
○国務大臣(石橋湛山君) 私は通産省の役人がそういうあなたがおっしゃるように油会社と特別の関係があって、油の値段をしいて高く維持しておると思いません。それはもう調査をしておるのです。ところが、これはこまかくやりますと、やはり、いや精製の費用が幾らかかるとか、運賃がどうとかいうと、そう不当というか、まあ重油についてはわれわれもいささか高いように思うのですが、やはりそろばんを出してみると、そうひどい差がなくなるようなことがそろばんには出てくる。そういうようなことでできるだけ下げるように指導はしておりますが、なおおっしゃるような特別の関係で油会社に特別なフェイバーを与えておるということはこれは絶対にないと信じております。
○海野三朗君 そういうことがあるというふうには考えていないという御答弁でありますが、それをお考えになっていたら大へんですよ。それは当然ですよ。そういうことがあると思って御承知の上でやっておられたらこれは一大事であって、これは必ずそういうことはないとお考えになっておる、これはそういうふうに御答弁になりますが、事実二十人も流れておるという。私は官吏の人たちがそれ相当に仕事を求めて流れていくことはまことにけっこうなことであると思うのです。思うのですが、そこにおのずからその仕事の上においても限度というものが私はあるのじゃないかと思う。程度問題があるんじゃないか。油の会社に何人官吏の人たちが流れて出て行ったってかまわない、まことにけっこうです。私も賛成です。賛成でありますが、それであるからといってよそ目に見てどうもおかしいと思われるような、疑いを抱かれるようなあり方ではならないんじゃないか。それではいかぬのじゃないかということを私は申し上げる。で、そういうことがあろうとは考えておりませんという御答弁ですが、そういうことをお考えになっていたら大へんですよ。当然そうなんですが、その点については私は通産大臣がどういうふうに、ただ当座の、ちょっと大臣をしておるからその間だけというようなお考えであるか。ほんとうにこの日本の通産行政というものは国を富ます根本なのであるから、この見地に立って国を思うお考えからこの油問題は真剣に私取り組んでいただかなければならないんじゃないかと思う。そういたしますと、今までの製油なんぞに対してもその工程についてもやはり相当通産省としてはこれを調べてみる必要があるんじゃないか。あの会社の状態をごらんなさい、皆あぶら太りですよ。赤字なんぞになっている会社は一つもない。今日中小企業は赤字になっていない会社はない。ところがあぶら太りしているのは油会社、電気会社、肥料会社、セメント会社、きまっておる。こういうところがうんとふくれていっている。これを通産行政の立場からどういう措置をおとりになるお考えであるか、それを一つあんたの率直なる御信念を私伺いたい。
○国務大臣(石橋湛山君) まあ油が今もうけていると、これはもうかってもいるでしょうが、そうかといってこれを今の状態で、統制じゃないのですから、無理な統制でもって値段を下げさせるということもこれもまたできないと思います。前にやりました七百円値下げということもかなり行政措置としては無理をきかしたわけであります。まあそういうことでできるだけ行政的に指導をして下げさせるということは、まあ今でもある程度やれないことはありませんが、もしほんとうに油の、立ち入って検査をして、そして値下げをやるというのなら、これは一度油というものは何か統制、ほんとうに法律をもって統制するということにいかなければならぬと思うのです。ですからこれは現状においてはやはりいろいろの種類の油を入れて、そうして、供給の上から自然に競争をさせて下げるということがまあ一番の常道だろうと思うのです。ただしその意味において例の全漁連などに対する石油の一部の割当ということも批判はありますけれども、これはいいことだと思います。そういうことで果して全漁連が北海道の末端まで行ってどれほど安く売れるかということがこれが一つのテストになりますから、そういう意味で一つやっていただきたい、こういうふうに考えております。
○海野三朗君 その全漁連に対するお考えはまことにけっこうでありますが、この製油会社の、八つほどの会社のうち、七つまでは全部アメリカ資本ですよ。それは御承知と思います。そうして、しかも五割ないし多いものは五割五分の資本を持っている。そういう会社が輸入する際に関税を安くしておきながら、この間のガソリン税の問題だって実に大衆に課税せしめんとする法案だったのです。とんでもない話だ。私はそういうところを考えますると、少し筋道が違っていやせんかと思う。どうかしているのじゃないかと私は思ったのです。それで私はあのガソリン税のときには極力反対しておったわけです。消費者にかけるという、そういう点については、油の行政は非常に大事なものでエネルギーの源泉でありますから、この点については、もう少し通産大臣としては何とか打つ手がありそうなものじゃないかと私は思うのですが、何も統制して値段をこうせいというわけでもありませんが、ぼろいもうけをしておるから、そういうところに税金をもう少しかけるとか、何とかしてやる方法があるのじゃないかと思いますが、そういう点についてはいかように考えておられますか。
○国務大臣(石橋湛山君) 前から海野委員は関税のことをおっしゃるが、関税をかけて、果してその関税をだれが負担するかということになりますと、今のガソリン税の問題と同じことで、今の状態で関税をかければやはり消費者に転嫁されるのじゃないかと思います。それが製油会社なり輸入業者にかかってくれればいいけれども、そうはいかない。税金で特に油だけをとっちめるということは、今の税法上できないだろうと思います。ですからどうしてもこれは需要給供の関係から是正していく以外には道がないのだろう、かように私は考えております。
○海野三朗君 それは製油に対しての経費は前のごとくかかるという仮定のもとにおいての御答弁だろうと私は考えるのです。関税をかければ大衆にかかっていくとおっしゃることは、製油においてぼろいもうけを前の通りもうけさせておけばそうなんですが、その仮定においての御答弁だと私は思うのです。それですから、私は関税をかけてももう少し生産費の方に対して、目を光らせる必要があるのじゃないか。ただいまの御答弁によりますというと、生産費は前のごとく当りまえに見ておる。それだから関税をかければ消費者にかかっていくのは理の当然であります。そこを私は言うのではなくて、もう少し製油という作業なりそういうものをよく見て、途中でぼろいもうけがあるから、そういうところを考えましたならば、何も消費者にばかりかかっていくという、そういう論法は成り立たないのじゃないかと私は考えるのです。その辺の私の考えが間違っているでしょうか。
○国務大臣(石橋湛山君) 私はこう思うのです。今の油がもっとふんだんに国内で生産されればなおいいのですけれども、かりに国内では生産のない現状のままといたしましても、思い切ってたくさん輸入すれば、これはまたやりようがあると思います。現在はそうはいかないものですから、油を制限しております。ことに重油のごときを強く制限しておりますから、どうしても価格が、消費者の方が需要が多いものですから、だから消費者の何といいますか、売手価格……何と申しますか、とにかく消費者の方が弱いのです。そういう場合には、税をかけますとどうしても消費者に転嫁される危険が多いと私は思います。ですからこれは、うんと供給をふやすか、あるいは統制によって初めから、輸入から何から国家が力を加えてやるか、どちらかでなければ御趣旨のようにはなかなか今のところいかないのじゃないか、かように考えております。
○海野三朗君 その油の精製の費用なんぞについて、精細お調べになったことがありますか。
○国務大臣(石橋湛山君) これは事務当局としてはむろんできるだけ調べておりますが、これも立ち入って一つ々々検査するというわけに私はいかないと思うのです。現在のところでは、大体のことについては事務当局としては調べておると思いますけれども、一々の会社についてその内容について立ち入って、むろん発表された考課状等によっての調査の程度はできますが、その現場にまで踏み込んで帳簿を見せろとか何とかということはできないのですから、従って十分な調査はできておらないと思っております。
○河野謙三君 通産大臣、今、海野さんが、どうも油にだけ甘いじゃないか、こういう御質問でしたが、私も実はそう思うのですよ。今、通産大臣は、価格の問題等が統制できない限りそう踏み込めない、こういう御見解ですが、しかし、同じ通産省の扱っている物資の中でも、たとえば今度砂糖の、こときはああいう措置をとらんとしている。それから法的措置がなくても、たとえば外国から入れているカリ肥料の、ごときは、これは通産、農林両省がカリの輸入業者、もしくは全購連と話し合いの上で一つの指示価格を作っているわけです。燐鉱石にしても、これは燐鉱石からできる過燐酸については、年度、ことに一つの価格を指示しているわけです。これは法的根拠は何もないわけです。でありますから、なるほど自由ではありますけれども、重要物資につきましては、自由の中でもそれぞれの担当の産業界の人と政府がよく話し合って、価格については適正な価格を生み出しているわけなんですね。それで私は、今のカリ肥料なり、過燐酸なり、砂糖なり、こういうものと比較して、油が重要であるかないかという問題なんです。油が雑貨類であって、国民の経済に大した影響がないというものなら今の御見解でも私はいいのですが、同じ通産物資の中で、肥料なりあるいは砂糖なりその他のものはそれぞれやっておられる。せめて、具体的に言うならば、過燐酸における燐鉱石のごとく、またカリ肥料のごとく、また今度やらんとする砂糖のごとく、その程度までは私は油について通産省で踏み込んでやっていただかなければならぬ時期じゃないか、こう思うのですが、そういう点で私は油についてはどうも甘いという見解を、私は海野さんと同様に持っているのですが、統制しなくてもいいじゃないか、統制なんということは必要なら統制しなければならぬでしょうが、統制の段階に入っていない現在では、とにかく精製業者がもうけていることはこれは事実なんですから、しかも油というものは重要物資であるというなら、これについて何か法的根拠を持たなくても、行政面において何かの私は指導を積極的にすべきじゃないか、この積極的な指導というものを私は期待しているのですが……。
○国務大臣(石橋湛山君) それはお話のように、砂糖についてもある程度やっております。それから、それは行政措置でできる限りはやれないことはないと思います。ただお話は、どうも石油についてもっとやれというお話なんでしょう。やってはおるのです。やってはおるのだけれども、御期待ほどになっておらぬ、こういうことでしょうからそれはなお一つ、やれるだけやるように努力はいたします。研究いたします。この前、ごくわずかですけれども、幾らかでも下げたというのもやっぱり砂糖と同じことで、実は法律的根拠から言えばなかなか厄介な問題だろうと思うのですが、とにかく無理無理にそういうことをやったのであります。だから今後においても、やはり外貨割当等がありますから、それをてこにしてある程度のことはまたやりたいと思います。
○河野謙三君 くどいようですけれども、願わくは今私が具体的に申し上げた過燐酸のごとく、カリ肥料のごとく、法的根拠を持たなくても現にそういう指示をしておられるのですから、その程度のことは少くとも今油会社の経理内容等から見まして、また一面国民経済に非常に重大な影響のある油であるから、その程度まで直ちに踏み込んでいただきたい。何も法律はなくても私はいいと思うのです。その過燐酸やカリ、または砂糖、そういう程度までやはりお考えになって具体的に一つ研究して下さい。
○国務大臣(石橋湛山君) 研究しましょう。
○高橋衛君 先ほどの河野さんの質問に関連してお尋ねしておきたいと思うのでありますが、砂糖の差益の一部を業者に積み立てせさることについて、大体そういう申し合せができておるということでありますが、これは砂糖業者に積みたてさせることであって、政府として特殊物資資金特別会計の歳入というものにはならない、従ってあの金は輸出入銀行の政府の投資ということに予定されておったのでありますが、輸出入銀行の資金関係がどうなっているか。またあの政府資金によるものと、しからざるものと比較いたしますと、資金コストが非常に違っておりますが、その点は相当支障が生じておらないか、その点については政府はどういう措置をとっておられるかということが第一点。 それから第二点としまして、業者が政府の意見に従って積み立てた場合におきましても、それは現在の税法上から言えば当然にその法人の利益であります。従ってそれに対しては当然に課税せらるべきであると考えるのでありますが、その点に対して政府はどう考えておられますか、この二点だけ一つ。
○国務大臣(石橋湛山君) 実は私はそういう法律のことはよく知りませんが、この積み立てさせておりますのは、今後不幸にしてまた国会で否決されるなり何なりするかわかりませんが、法律も幸いにして次の国会で成立すれば、そのときにはその法律によりまして歳入にすることができると思います。それからもしそうでなければ積み立てたものは、寄付金は受けられるわけでありますから、寄付金として一般会計へ繰り入れることもできようと思います。ただし、それまではむろん政府として使うことはできませんから、これは大蔵省との打ち合せもしなければならぬのでありますが、あの法律の審議未了によって、とにかくある期間の間歳入はそれだけ欠陥を生ずるわけでありますが、その問題についてはなお大蔵省とも十分研究をして善処したいと思っておるわけであります。私どもとしては大蔵省へ連絡はいたしております。
○高橋衛君 税法上の問題は……。もう一度言いますと、つまり砂糖業者が差益を積み立てた場合においても、その差益はどこまでも法人税法上の利益金である、従ってこれに対しては四〇%の課税が当然なさるべきであるというようにわれわれは考えるのでありますが、その点はどうお考えでありますか。
○説明員(板垣修君) その点につきましては、国税庁との話し合いでは、これは寄付金であるからして当然損金として課税が免除されることは当然であるという国税庁の方の見解になっております。減免措置が講ぜられるということに打ち合せはなっております。
○高橋衛君 その点は国に対する寄付金の場合は損金としてやられると思いますから、その掛買いかんによってはそれでいいと思いますが、その次に冒頭に最近の貿易事情並びに外貨予算について御説明を承わったのでありますが、お話の通り二十九年度においても三十年度においても、予想よりもはるかに貿易と申しますか、輸出が好転してきておる。この事実は、これは非常にむずかしい問題だと思われますが、二十九年度以来のいわゆるデフレ政策、物価の引き下げ等によって国際物価にさや寄せができたおかげで、できたことが一つの理由であり、いま一つは外国の経済情勢が非常にいいという点にあるのでありますが、これは将来の見通しを立てる上において非常に重要なるポイントでありますから、数字的に科学的にこれをどういうふうに解釈するかということは非常にむずかしい問題でございますが、その点についてどっちの、原因が大きな理由になっておるか、またはどの程度、どの原因によって増進したというふうに考えるかというふうな専門家としての勘を一つ御説明願いたいと思うのであります。
○国務大臣(石橋湛山君) お尋ねの通りそれはむずかしい問題ですね、数字でどっちにどれだけのインポータンスがあるということは言えないと思います。けれどもとにかく物価が市場の変化によってではあっても、ある程度下ったということも確かに一つの大きな原因をなしておると思います。現在においても幸いに輸出も赤字輸出というものはあまりないようでありますから、とにかく現在の物価であるからやれるということは事実であります。しかし、最近のどうでしょう、輸出が非常にふえたのはやはり海外の市況の良好ということが非常に大きな原因をなしておるのじゃないかと思う。アメリカにいたしましても、英国のごときは少し最近悪いようですが、しかしこれは昨年以来この関税の関係等で日本品が入りやすくなっておりますから、そういうことで一般の市況、それからあるいは海外の貿易政策の影響がより一そう大きいのじゃないか。物価の方はもうどうも底をつきかけて世界的にもまあ鉄でありますとか、あるいは銅でありますとかいうものは上って参りましたが、全体に物価はどっちかというと上り勾配になっておるのじゃないかと思うのですが、この際現下の日本としては産業の合理化その他によって原価の引き下げを強力にやらないとその方の効果はだんだん薄れて来るのじゃないかと実は心配しておるのでありまして、まあその程度でありまして、それ以上のことは何ともお答えしかねます。
○高橋衛君 ただいま物価に言及されたのでございますが、政府は三十年度の予算を当初御説明なさったように三十年度においては年間約二%程度の物価の引き下げを行いたいという御説明でございましたが、最近までの情勢においては物価の引き下げはほとんどやっていない。このままの情勢で果して物価が下り得るかどうかということについては、私どもは非常なそういうような情勢におそらくなるまいというふうな考え方をしておるのでありますが、それはただいまもお話しになりましたように外国における物価がある程度上昇気味にあるという点から日本においては物価の下向き横ばいという格好は不安でないのであって、単純な横ばいであればけっこうであるというように政府としては御判断になっておるか、その点のお考えをお聞かせ願いたい。
○国務大臣(石橋湛山君) 政府としてはどういう判断をしておるかということはまだ大蔵省とも打ち合せしておりませんから何とも言いかねますけれども、私どもの考え方は今申し上げましたように世界的に、物にもよりますが、とにかく金属類はだいぶ上って参りましたが、今通産省としては極力鉄や銅の値段の国内における値段の値上りを押えたいと思っておりますが、なかなか押え切れない。またこれは下手に押えればいろいろ取引に弊害を生ずるというような懸念もありますので、ある程度やはり値上げを認める以外には方法はないだろうと考えておりますが、こういうわけでありますから、どうも三十年度においてはどういうことに来年の三月までになるかしれませんが、予想のように全体としてこれを下げるということは今の状況では私個人の考えではむずかしいのじゃないか。そうしてそれはしいて下げなくても世界の物価が上って来てそれにフォローするのならば自分らとしても差しつかえないのじゃないかというふうに甘く考えておるのじゃありませんが、まあ情勢上やむを得ないことだと思っております。こういうふうに考えております。
○高橋衛君 ただいまの点は非常に重要なポイントだと思うのであります。たとえば来年度の予算等を考える際におきましても、この輸出の好調がどの程度続くかという問題、何時に外国による物価の上昇傾向がどういうふうになって来るかという点が私ども今日日本としてはどうすべきかということを判断するに最も重要なポイントだと思うのでありますが、大臣としてはたとえばアメリカの景気はどうか、その他の諸外国の反響はどうか、従って日本の輸出は現在のこの上昇の割合をなお来年度一年くらいは続くものとお考えになっておられるかどうか、その辺の一つお考えをお聞かせ願いたい。
○国務大臣(石橋湛山君) 前途の見通しはむずかしいのであります。しかしまあアメリカの状況は私も実は最近事務屋になってしまって一向研究しておりませんが、アメリカの状況は多くの人の評論を見ましても少くとも現状を維持するというふうに考えられておるようでありますから私もそうだろうと思うのです。そのほかの国についてもアメリカがそうである限りはまあ大体積極的に悪くなるというほどのことはないだろう、ただ少し懸念されるのは英国でありまして、英国が御承知のように最近国際収支がだいぶ悪くなりましていろいろ問題を起しておるようですが、これも何とか切り抜けて行くのじゃあるまいかというふうに想像しております。ですから海外の状況は大体そう悪くない、こういう予想のもとにわれわれは今後の政策を考えていっていいのじゃないか。たださっき申しましたように、それに安心してしまっては因るので、どうしてもこの際国内の産業の原価をなるべく切り下げるようにいたしたい、そういう考えから三十年度の予算においても、たとえば中小企業の設備近代化というようなものも極力やる方針で今推し進めておりますので続けて三十一年度においてもなお大いにやりたい、そのほかに貿易の宣伝、ことにドル地域に対する宣伝というようなものは十分にやりましてこの上とも輸出が増進するように、何と申しましても購買力の多いのはドル地域でありまして、ドル地域に対して特に努力していきたいと、かように考えておるわけであります。
○高橋衛君 この地域の問題は事務当局からでもけっこうでありますが、当初の予定の輸出が十六億二千万ドルであったのが、ただいまの大体の予算では十八億九千万ドルになっておるということでありますが、その輸出が伸びたことによって必要となったところの原材料の輸入額はどういうふうに計算されておりますか。つまり下期の外貨予算を計算された先ほど十二億五千万ドルと言っておりました。しかも重点は原材料というふうにおっしゃられましたが、当初の年間の外貨予算をお作りになりました際においては十六億二千万ドルの輸出をする原材料の計算をやられておりますが、それが十八億九千万ドルになった場合に輸入はそれに応じてどれだけふえておるかという点を数字的にお伝え願いたい。
○説明員(板垣修君) ただいまちょっと数字が出ませんが、輸出の増強に応じまして当初今年の上期に組みました予算額がずりと足りなくなりまして漸次追加して参りましたその金額は必ずしも原材料ではございませんが、主として原材料が一億ドル結局追加になりました、上期だけで。結局先ほど申しましたように下期におきましてちょっと数字は一億何ドルかふえまするので結局年間におきましてやはり二億ドル以上当初見込みよりは輸入額がふえる予定になっております。数字の点はちょっとまたあとで調査いたします。
○高橋衛君 後ほど数字は一つ資料としてお願いしたいと思います。 それから最後に財政投融資の関係でございますが、昨日でありますか新聞で読んだところによりますと、大蔵省の発表として財政投融資の効果の画検討ということが言われておるのであります。その中に、たとえばコストの切り下げのために合理化の資金を相当出したけれども、これが操業度がうまく行かないため、または下請企業に行かないということが理由の一つとしてあげられておるのでありますが、操業度の方はこういうふうに輸出が相当に伸びて来れば私どもはそれほど憂慮する必要はないと思うのですが、下請企業が非常に合理化がおくれてそうして親企業がぐんぐん伸びてそれがためにその間にアンバランスができて結局合理化の効果も上げ得ないということが言われておるのでありますが、もしこういうことが言われておるとすれば、これは当初予想されたことであって、双方バランスのとれた、つまり下請企業にも親企業に応じた合理化資金を供給して行くことが当然だと思うのであります。従ってその点について通産省当局としてはどの程度のアンバランスがあり、また今後どの程度その方面に資金なり、または先般予算に計上されておる設備近代化資金というような方法もあり得るかと思うのでありますが、そういうふうな措置がどの程度必要であるというふうにお考えになっておるか。この問題は非常に緊急を要する問題だと思うのです。いやしくも国の税金から多くの財政投融資が行われておるのですから、出されているところの資金が十分に効果を発揮していない——アンバランスのために発揮していないということがあるとすれば、これは非常な重大な問題でありますので、通産省当局としてその点をどうお考えになっておるかお聞きしておきたい。
○国務大臣(石橋湛山君) 数字のことはただいま覚えておりませんが、今の新聞の発表か何か見ておりませんが、われわれとしては中小企業に相当設備近代化をやらしておるのであります。だからその親企業だけが合理化して下話企業の合理化が非常におくれる一それはなるほど下請企業の中小企業のテンポはのろいと私は思いますが、相当力を注いでおりますから、そんなアンバランスはない——最初から予想しないようなアンバランスが今起っておるとは私は思っていないのです。
○説明員(岩武照彦君) お尋ねの点は、これは一部では確かにそういうことも見られるかと思います。ざっくばらんに申し上げまして、原料、あるいは最終製品は巨大企業から出発することになるわけでありますが、その下請あるいは関連の中小企業の点にある程度手ぬかりが出て来ておるということはこれは業種によってあると思います。そこで私たちの方でも今実はこういう考えでやっておりますが、今までの合理化投資の中でその関係が継続的に一瞬うまくいっておりますのが合成繊維の関係、これが繊維を作りますものと、あとの糸を引くもの、それから織機や染色の関係も大体今できるだけ計画的にこの合理化資金を流しまして、これは新しい設備でありますから割合うまくいっていると思います。ところが他方、たとえば毛の関係なんかになりますると、なるほど毛紡の関係はある程度新しい設備が入っているけれども、織機の関係は依然としているというような関係がありまして、これは事実若干のズレがあります。これにつきましては、今度の中小企業の設備近代化の補助金等をもちまして相当集中的に手を入れたいと考えております。それから自動車なんかでありますが、これは自動車のアッセンブリー・メーカーにどうしても最初の合理化資金がいくわけであります。そこをある程度立て直しまして、だんだんにバネでありますとか歯車あるいはバッテリーなども、そういうふうないろいろな下請もありませんとこれは事実問題としてできませんから、そこで本年度あたりからそろそろそういうふうな自動車工業の部分品の関係である程度下請の系列がしっかりし、しかも技術的にもものになるというようなものにつきましては、その方にも合理化資金をいろいろな形でやっていきたいと考えております。そういうふうにいたしまして、だんだんとこの合理化の効果が全体としての関連業界に及ぶようにいたしたいと考えております。ただ、あるいは大蔵省のあれではっきりわかりませんのは、下請でなくて関連した産業部門が合理化してないからおくれているという問題もあることはあります。たとえば鉄の関係は比較的合理化して安くなっているけれども、工作機械とか、あるいはベアリングとかいうふうな基礎的な機械工業の、面が非常におくれている。これは確かに事実であります。これはどうもなかなかむずかしい問題で、御承知のようにあれだけ大きな設備能力を持っておる業態でございまするし、設備も量的に大きいだけでなくて質的には相当不備もございまするから、これを一体どういうふうにして近代化したらいいか。普通のやり方ですとなかなかこれは融資の対象にもなりません。そこで明年度予算あたりにいろいろまたお願いすると思いまするが、たとえば機械工業、ことに工作機械工業でありますが、この辺の近代化の補助金が現在ございます。これをむしろメーカーに出さないで使用者の方に出す一種の購入者の金融と申しますか、そういう形でこの工作機械工業の新しい機械の更新を考えたらどうか。あるいはさらにもう少し考えますれば、そういうふうな業界の中である程度比較的技術、性能のすぐれましたものをピック・アップして、それに集中的に合理化方策を考えたらいいのじゃないかというような検討をやっておりまして、何としましてもそういうふうな全体の関連業界がまあできるだけ足並みをそろえるようにしたいと思っております。いろいろ業界によりまして事情も違いますし、やり方もそれに応じまして一律一体にいくことはできませんので、いろいろな方法を講じてバランスをとるということを考えております。
○高橋衛君 私はなぜこういう質問を申し上げるかと申しますと、昨年中ごろまでは、たしか中小企業の支払い賃金も、労務者一人当りですが、大企業よりもそれほど差がなかった。ところが、最近の数字はあまり持っておりませんが、本年の三月の数字を見ますと、五百人以上の事業所、工場は支払い賃金が一人当り一万八千五百円になっております。ところが百人未満の場合は、一万五千円ちょっと、こういうことで、相当大きな差が出ている。これはどういうことかというと、業、中小企業については、合理化ではなく賃金の切り下げ、またはその他の出血による負担をもってコストの引き下げが行われている。従って財政投融資というものも重点がむしろそういうふうな方向に指向さるべきであると私どもは感ずるのでありますが、今までの財政投融資というものが、ただいま官房長の御説明の通り、技術的に事務的に非常に困難な問題もあろうと思いますが、何かこの辺もう少し徹底的な方策を講じておやりになることが、体としてのバランス、また輸出の増血においても絶対に必要であると私も考えるのでありますが、ことに日本のように中小企業が輸出の面に非常に大きなウエートを持つ点から考えて、このことは非常に重要な問題であると私は考えるのでありますが、それらの点について大臣のお考えを一応伺っておきたいと思います。
○国務大臣(石橋湛山君) お話のように中小企業の設備を近代化して、生産性を向上して、そうしてまあ従業者の待遇もよくするということは、ぜひ必要で、それは今までもそのつもりでやっておるのでありますが、今、官房長から申しました通り、繊維業などではだいぶ賃金は確かに最近下って、大企業と違うかもしれませんが、しかし設備近代化をだいぶ繊維業界の方では熱意を入れてやっております。福井県とか石川県とか、あの辺の織物業者などは、だいぶ一生懸命にやっております。ただ、今少し弱いのは、これも官房長からお話がございましたが、機械産業の方の小さなところであります。これは旋盤等はずいぶんがたがたになっているということでありますから、これも大蔵省に前から話しまして、現在賠償物資として持っておりました国有の機械などの優秀なものは特に安くそれらの中小企業者に譲るというようなことも、なかなかそれは各財務局で思うように動いてやってくれないようなところもときどき見ますけれども、大蔵大臣にしばしば申しまして、強力に機械の払い下げをしてもらっております。なお続けて、通産省としても特別なそういう方面の機械産業の設備近代化に対しては、今後の二十一年度予算においても何とか一つ強力にやるような措置を講じたい、かように考えております。むろんその方に大いに努力するつもりであります。
○委員長(吉野信次君) 念のために申し上げますが、質問をおやりになっていいですが、明日の午前の委員会に、今お話がありました財政投融資の問題も議題にしたいと、かように思っておりますから、そのお含みで、また、当局にも明日までいろいろ資料や何かの要求でもあれば、ほかの委員の方も同じですけれども、この際……。
○高橋衛君 もう一点だけ。ただいま大臣は、福井県、石川県というふうに、繊維産業を例にしてお話になりましたので、実情がどうであるか、私は実は福井県の人間でありますが、申し上げてみたいのですが、なるほど設備近代化につきましては今日相当思い切った金を計上されまして、たとえば福井県、石川県にそれぞれ三千万円程度の金を配しましたようですが、ところがこれは六分の一の金であって、そうして同時に県があとの六分の一を、同額を補助することを条件にいたしております。しかもこれは補助金という名前にはなっておりますけれども、実質の扱いはどうなっておりますかというと、これは貸付金です。要するに三分のの貸付金、それで、それは相手方に信用力があって貸し付けされるのでなければいかん。同時にあとの三分の二の近代化に要する資金というものは自分で調達しなければならぬというような状況になっております。従ってそのためにまず第一の難点は、府県当局が今日非常に地方財政が困難でありますために、この国で出しました同額の金を出さなければならぬというのが非常に困難である。泣きの涙で出すというような状況で、府県によっては出し得ないというような状況で、石川県ではとても出せませんというようなことを言っておるのです。これは知事が直接言っておりましたが、あるいは結論的には出すことにはなるかもしれません。そういうような非常に苦痛を訴えておるような実情であります。それからいま一つ、先ほど申しましたように三分の二を自己調達しなければならない。しかもこれは貸付金であるというふうな面から実際にこれが動くのには非常に大きな難点が多いのであります。従ってこれがもう少し手軽にほんとうに設備近代化に役立つような方向にぐんぐん迅速に行われるようなことをぜひお考え願いたいというふうに、これは希望でありますが申し上げまして私の質問を終ります。
○国務大臣(石橋湛山君) その点はよくわかっております。幸いにことしは福井県あたりはだいぶ力を入れてやってくれておりますので、今の貸付金制度がいいかどうかなお検討を要すものと考えますから、なお一つ研究をしてしかるべく取り計らいます。
○白川一雄君 局長にお尋ねをいたしたいのでありますが、北鮮貿易は韓国に対する外交的思惑から差し控えておられるものと了解しておるのでありますが、現在のところで将来の見通しはどういうようであるかお聞きしたいと思います。
○説明員(板垣修君) 北鮮との貿易につきましてはよく新聞紙上で騒がれているほど通産省には接触はないのでございまして、去年の暮からことしの初めにかけましてアズキと何かの輸入問題と関連しまして、小さな商談が三つばかり申請がございましたが、その当時外務省といたしましては日韓交渉を開始しようというやさきでありましたので、しばらく様子を見ようということで実施はされませんでした。その後御承知のようにある民間の使節団が平壌に参りまして貿易協定ができた。北鮮との貿易問題というのがだいぶ騒がれましたが、具体的には通産省には何ら接触はございません。もっともございましてもこれを通産省としまして正式に許可するかどうか、たとえ商談の内容が許される範囲内にいたしましてもこれはどうしても外交上、政治上の問題とからみ合せて判断しなければなりませんので、おそらくすみやかには許可できなかったろうと思いますが、それも具体的にはしかしこれこれの商談を許可してくれという申請が一つもないのが実情でございます。
○白川一雄君 今後申請がありましたときに韓国との関係の政治的、外交的思惑というものにどの程度に制約されるかということをお聞きしておきたいと思います。
○説明員(板垣修君) これは私通産省としてちょっとお答えする立場にないのでありまするが、私どもの今の外務省と接触しておる感じからいたしますればやはり先ほど李承晩大統領が先般ああいう対日断交の措置に出ましたのも、日本が北鮮と貿易をやるんじゃないかというようなものの一つの抑制策としてとった措置でございまするし、一方やはり日本としましては韓国と交渉を開始するということは必要でございますので、ただいまのところではおそらく許可は非常に困難であるというふうに感じております。
○左藤義詮君 私飛び入りですから一つだけ。今下期の外貨予算の編成をされたのですが、綿花について、これは私が貿易商社を、非常に傷を受けて弱くなっておる貿易商社を強化する意味において商社を中心にして綿花の割当を、ことに交渉その他のことをお考えになっておるかどうか。
○説明員(板垣修君) 割当の問題につきましては、先ほど申し上げましたように、まあ一挙に純粋商社割当というのは困難でございますので、通商局の方針といたしましては、まず発注証明付きの商社割当と申しますか、輸入担当商社割当という方式に漸次直接的な措置として切りかえていきたいという方針を上期の外貨予算からとりまして、先ほど申しましたような綿花、羊毛等につきまして四つか五つの品目が懸案として残されておるわけでございます。これにつきまして下期にこれをやるかどうかにつきましてはいろいろと綿花につきましては、ことに名古屋付近の紡績業との関係もございましてまだ結論に達しておりません。私どもといたしましてはでき得れば名古屋方面の紡績業者、あるいはこれと金融関係にありまする銀行というものと一応話し合いがつきましてもし納得のいくような線ができますればただいま申したような線に切りかえたいというふうに考えておりますが、ただいまそれを交渉中でございましてまだ結論に達しておりません。もしそれも不可能な場合はやむを得ませんので今期一期だけは見送りまして来年の四月以降の問題にしたいというふうに考えます。
○左藤義詮君 これ話し合いをつけるとなかなか新紡、新々紡いろいろあるようですし、商社の方もいろいろ立場がある、しかも商社は金融その他の点で非常に紡績に急所を握られていると思いますが、話し合いがつかなければ来年そのままということになりますととてもできないことになるのじゃないか。相当もう少し役所としては積極的にこの際お進めになるおつもりがないかどうか。ただまあ話し合いではおそらく私はできないのじゃないかと思うのですが。
○説明員(板垣修君) まあこの問題につきましては当商工委員会におきましても全然別の角度からの御質問がございまして、やはり通商局だけの考えといたしましてはやれぬこともないというように一応純理的には考えておりますが、一方通産省の中でも繊維局との意見の調整をはかる必要がございまするし、それは別といたしましても非常に業界で反対するのを無理に強行するという点も問題でございますので、できるだけ納得づくな線を出してやりたいというふうに考えております。
○左藤義詮君 新三品ですか、輸入以来、政府にも責任があると思うのですが、非常にたくさんな焦げつきをかかえ込んで、最近、銀行が非常に骨を折って商社が勉強して成績が上ってきた、だからこの際金利等についても考えよう、非常にいい傾向だと思うのですが、この機会に一つ商社ももう少し身軽になり、しっかりして国際的ないろいろな貿易にもっと力が出せるように、そのためには省内のいろいろな事情もあるようでございますが、一つ大臣も相当この問題についてこの際思い切った一つ処置をなさる、そういうおつもりはございませんでしょうか。
○国務大臣(石橋湛山君) それは大阪の方はまあ無理にやればやれると思います。ただ問題は名古屋付近なんです。あそこは商社が弱い、それから金融関係があまり今までよくないのです。そういうことからもしメーカー割当がなくなると生産資金の調達にも非常に困難をするという話がございまして、そこでかねがねまあ名古屋方面では銀行とも、それから業者とも話し合いをしておりまして、これはもう今局長が言いましたように、もしこの際話し合いがつけばむろんいわゆる商社割当にしようと、しかしこれがやはり生産の金融問題にもからみますから、実は名古屋の方に私もこの間行った際によく申したのでありますが、名古屋地区だけのそういう弱体のために全体の通商行政が曲げられるということは困るから、どうしても至急に商社の問題、銀行の問題を解決してくれという注文を出しております。ですから万一今度の十月からの実行が遅れまして、来年の四月になりましても、その間には必ず名古屋地区の問題も解決されるものと私は信じておりますから、御心配のようにいつまでもずるずるということはないと思います。
○左藤義詮君 非常にスクラップーくず鉄の不足のために、いろいろなこのカルテルがうまくいかないで、皆が裏をくぐったりして、だんだんくず鉄をつり上げている、それが鉄鋼に響く、造船等にも響いてくるわけです。何か今度の下期の外貨予算で、スクラップに対して特別に御配慮になっているかどうかですね。
○国務大臣(石橋湛山君) ともかく数字のことは私は知りませんが、このスクラップは輸入ができれば割合に簡単なんですが、実はその世界的に足りないと申しますか、輸入しようにも持ってくる先がはなはだない、こういうことでありますから、むろんわれわれとしましては、外貨予算にこれは下半期に組むかどうか、今まだきまっておりませんが、これは入るものならむろん入れたいと思います。今申しますように、外国の状況がスクラップについては必ずしもよくないので、現にアメリカなどは、むしろスクラップ等の輸出を制限をするというような状況になっておりますが、非常に厄介な問題で実は悩んでおります。国内のスクラップをできるだけ出したい。そこで大蔵省にも強力に言うて、さっき申しましたように使えるいい機械は機械として中小企業者に払い下げる、そのほかのものは至急にスクラップにしてくれということを要求しておるわけです。これはどれほどの数量になるか知りませんが、ぽつぽつ出て参るものと思います。
○説明員(岩武照彦君) 予算措置といたしましては十分につけるつもりでおります。
○左藤義詮君 国際的に非常に品薄であり、なかなか入らない。しかし、それにしても相当努力をして鉄鋼価格を引き下げるように、国内のものも相当私その他の物資に関連あると思うのです。どうもお役所仕事で、大蔵省がなかなかやらないようですが、これは一つこの際相当強力に大蔵省に交渉せられたい。妙にこの引っぱりだこになって、価格をつり上げぬように強力な手を打つように特に要望しておきます。
○海野三朗君 ちょっと私、今の韓国とのノリのことについてですが、朝鮮からのノリはどうなりましたか。
○説明員(岩武照彦君) 韓国のノリにつきましては、すでに八月の中ば外貨割当をいたしましたが、その後御承知のような李承晩大統領の声明がございまして、向うはただいまのところは輸出禁止をしております。しかし一方韓国の方ではノリはどうしても出したいものですから、業界としては向うの政府に陳情しておるようですが、私どもの方で得た不確実な情報によりますと、韓国政府といたしましては、中共貿易なりに関係のない商社に対しては、向うから言えば輸出を認めるというような線で動いておるように聞いておりますが、LCは開かれたようですが、まだ現物は一つも到着いたしておりません。
○海野三朗君 先ほどの砂糖のもうけですが、それは政府に一体寄付させるということはいかんものですか。
○国務大臣(石橋湛山君) それは法律がもし今後国会の御承認を得て通れば、これはもう法律で特別会計へ入れるつもりでいるのでありますが、不幸にしてそれがうまくいかなければ、一応寄付させるつもりでおります。
○海野三朗君 やはり寄付させるというときになりますと、今度はそう思う通りに法律でやるようなふうにはいかないので、やはりこちらでねらったところのあるいは七〇%になるか何ぼになるかわからないことになるのですか。ちゃんと確保されて寄付させるのか。
○国務大臣(石橋湛山君) 八月以降の分は確保されると思いますが、ただこの間の国会でいよいよ審議未了になりました前の部分については、いろいろの理由を言うて、少しまけてもらいたいという申し込みは受けております。
○海野三朗君 それについてはずいぶん巷間伝えるところによると政治方面に金が流れたように聞いているのでありますが、そういうふうなお話はお聞きになったことはありませんか。
○国務大臣(石橋湛山君) いや、それは聞いておりません。残念ながらもらっておりませんから、こっちは入っておりません。(笑声)
○左藤義詮君 この前の国会で、ああいうことで流れてしまった……保守合同おやりになるおつもりかどうかわかりませんが、この次の国会にも、どうももし通らなければ寄付しなければならない、しかし寄付になれば必ずしも全部が入らない、一体政府としてああいう特別会計のことまでお考えになって、それが通らなかったから、法律でいかないから寄付を頼むのだという、それでは一体政府として政治的責任をお感じにならないのですか。どうしても政府が微力で国会をよう通らない、だから頭を下げて業者に寄付してくれ、それで一体政府としての筋は通るものですか。
○国務大臣(石橋湛山君) 一体ああいう法律が通らなかったことは私は不思議に思う、どうしてあれが通らないのか不思議に思っておったのですが、残念ながら審議未了になりました。審議未了になったからそれで引っ込めて、さっき石油についてもだいぶきびしい批判を受けたが砂糖業者がみすみすあれだけのいわば過当利得を取るのをほっておくということも政府としてちょっと困りますので、そこでやむを得ずとにかく業者と話し合いをして、積み立てさせるということにいたしたわけでありまして、政治責任と申せばむろんあの審議未了になりましたことは政府としてはまことに面目ない次第でありますが、しかしまあどうも道理の上から申すと、あれは通していただくのがほんとうじゃなかったかと思うのであります。
○左藤義詮君 国防会議の法律が通らなかったので、防衛庁長官はきれいに責任をお負いになりましたが、それ以上に当然これはあなたのお考えからいけば通るべきものだとお考えになって、それが通っていないということは、私もっと政治責任が大きいのじゃないかと思う。それが不思議だとおっしゃっても、現実に当然通るべきものがよう通らなかったということ、そしてそれを寄付で片づける、この次の国会に対しても通るか通らないかは確信をお持ちになっておらぬ……むろんおやりになると思うけれども、それがおかしかったというけれども、おかしかったのは政府がおかしかったのです。
○国務大臣(石橋湛山君) これは商工委員会にかかれば多分通していただけたと思うのですが……。
○左藤義詮君 委員会じゃない。国会の問題ですから、どうもその点政治的責任ということに対して、私は飛び入りですからもう深くは追及しませんけれども、今の御答弁では満足できない。だからはっきりもっと現在の政局に対して、閣内で有力な大臣が、踏み切って通すべきものは通るように努力なされなければいかんと思う。何かそれに対して御確信を伺っておきたい。
○国務大臣(石橋湛山君) まあいずれ申し上げます。
○海野三朗君 今、左藤委員が言われましたことに関連しているのでありますが、先ほど私がココムのことにつきましても申しました。どうも通産省というものは大蔵省や外務省に対して頭が上らないらしい。農林省に対しても頭が上らない。どうも実にしわ寄せが商工委員会にきて、私は憤慨にたえないのです。たとえばココムの問題にしても外務省へ通産省がお百度を踏んでしたかどうか知らぬけれども、すべて外務省は通産行政のことをあまり考えてないように見受けられる。それはとんでもない話だ。つまり商工行政ということはあまり考えていないように考えられるのでありますが、どうも外務省にしてもそうだし、大蔵省にしてもそうだし、通産省というものはどうも非常に弱いように思うのです。それでまあいまだかつてない名大臣の石橋さんがなられたのでありますから、もう少しここをしっかり踏みとどまっていただいて、石油の問題にしましても、精製費に何ぼかかるかわからないというようなことでは私は不徹底であると思うのです。私は先ほどからずいぶん苦言を申し上げましたけれども、そういうことに対してはただ当座のおわびに終る御答弁だけでなくて、ほんとうの——巷間伝うるところによると、石油の方にみな買収されていると、それだがら油はこういうふうに甘いのだというふうなことを一掃をするように私はしていただきたいと思うのですが、大臣のそういう点についての御決意はどうなんでありますか。
○国務大臣(石橋湛山君) お答えいたしますが、特に大蔵省、外務省、これはココムの問題なぞはどうしても外務省を通さないと交渉のできない外交問題でありますから、外務省の門を通すという必要はございます。それに対してはまあわれわれとしてはできるだけ外務省にこれは頼む、鞭撻するという言葉を使っては失礼でありましょうが、とにかく外務省には十分言うてやっている次第であります。大蔵省の方はこれはまあやはり財布のひもを握っているのですから、これは通産省の方は使う方でありますし、一方は出す方でありますから、どうしてもいろいろ相剋摩擦は免れないので、妥協する以外に道はないと思います。その場合に通産省がどうも弱過ぎる、通産大臣が弱過ぎるというおしかりを受けてもやむを得ない、できるだけやるということをお答えいたすよりほかないと思います。
○海野三朗君 砂糖のお金が入ることは、これは予算に組み入れておったはずだと思うのでありますが、そいつが入って来ないとなると、どこでつじつまを合せなさるお考えでありますか。入ってくる金が入って来ない、つまり八月までのやつはまけてくれなんて言われてもうけられたとすれば、とにかくそういう予算の上でつじつまが合わないことがありませんか。あるいはどこかに隠し金でもあるのですか、政府に。どういうのですか。この辺ちょっと教えていただきたい。私は非常に疑問に思う。ちゃんと予定して入って来るお金で国が予算を立てておいでになるのではないか。それが入って来ないと困るのではないか。そういう点はどういうふうにしてつじつまをお合せなさるお考えでありますか。
○国務大臣(石橋湛山君) どうしても少しも入って来ないということになると、これはあらためて予算措置を講じてもらう以外に方法はないと思いますが、今の見込みでは、とにかくこの臨時国会なりなんなりでもし幸い法律案が通る、あるいは寄付金にしてもらうとかいう措置がきまれば、最初の予定より幾ら減るかしりませんけれども、相当金額が入って来ると思います。それまでの間は大蔵省で繰り合せてもらえば財源投融資は何とかなると、こう考えております。
○海野三朗君 委員長もう一つ。砂糖の問題なんかは商工委員会にかけるものと思ったのに、これは農林委員会に持っていったのはこれはどういうわけですか。
○委員長(吉野信次君) ちょっとそれに関連して、言わんでもいいことだけど、あとで誤解が起るといけないから、今大臣からあの法律は通らん方が不思議だという言葉がありましたが、それは過当な利益を占めていたのを吸い取るということですけれども、あの砂糖法案にはそのほかに価格安定帯という問題がありますが、この委員会でもあれをやるくらいなら専売にした方がいいんじゃないかという意見も出ておりますし、ああいう半端なことではいけないのじゃないかという意見も出ておりますから、あの法案そのものをああいう形で出されて、通らん方が不思議だということを言われてははなはだ迷惑いたしますということと、それからまた、今のかけ方ですね、かけ方があれは農林委員会にかかったのですけれども、もしあの金だけを取るということになると、これはよけいなことですけれども、あれは現に商工委員会にかかっているのですから、そもそも農林大臣の共管だというところに端を発しているのですから、やはりそこらの点についてもし早く通ることを御期待になるのなら、そこらの点も衣を新しくしておいでにならぬと、あれを通さぬ方が不思議だとおっしゃられても、その責任を商工委員会としてはちょっととりにくいということだけ念のために申し上げておきます。
○国務大臣(石橋湛山君) あれは通らないのが不思議だというのは失言でありまして取り消します。これはいきさつは大体御承知でありますが、砂糖というものはとにかく農林省と関係があるものでありますから、最初はバナナと同じ取扱いで国会にお願いしようかと思っていたのでありますが、まあ農林省関係がある、それから特別会計というもので大蔵省と関係があるというので、妙な三つの法案というようなことになりましたために、よけいに混雑をしたわけであります。今後あらためて国会にお願いする場合には、今、委員長から御注意がありましたように、衣がえをいたすことにでもいたしてお願いしたいと思います。
○海野三朗君 ちょっと私はもう一つお伺いいたしておきたい。大体砂糖をよけいにとりますと、人間の骨が細くなる、そうして人間が甘くなるのです。それは医学上はっきりした結論が出ているのです。で、イギリスがインドを征服している問に、塩をうんと高くして、砂糖をうんと安くした政策をとっている。そういう点から考えると、砂糖というものはあまりよけいに食わせないような方向にしなければいかぬのじゃないか。そういう点に対しては通産大臣はどんなふうに考えておりますか。ほかに虫歯が出ますな、甘いものを食うと。これをどういうふうにお考えになりますか。ちょっとその御答弁を……。
○国務大臣(石橋湛山君) それは、海野さんの御質問はむしろ厚生省の係かもしれませんが、まあ私どもは実は砂糖というものもこれは重要の食料品でありますしするから、実は今九十五万トン入れるということになっているのでありますが、あとはこれに十万トンなり何なり足せば、ほとんどもう何も妙な過当利得とか何とか言わぬでも済むようになって、通産行政としても実に砂糖というものは厄介で、やれ、フィリピンから買ってくれ、どこから買ってくれとしょっちゅう言われて、その応接にいとまがないというわけで困っているわけでありますから、できれば通商局長も言われたように、AA制でもやって自由に入れた方がいい、これは海野委員の衛生上の問題とはちょっと矛盾いたしますが、通商行政としてはそうしたいのであります。ただそうしますと、あめの関係がある、そこで農林と接触するわけでありまして、あめが下る、あめが下るとサツマイモが下るというようなことに矛盾があるために、砂糖の価格はある程度−今の四十円から八十円がらみにどうしても維持していかないと、農林行政上困るというふうな矛盾を感じているのであります。そういうようなわけで通産行政としてはちょっと御質問の趣旨と違いますが、砂糖のごときは自由に入れてしまいたいと考えております。
○藤田進君 私は法律と、それから外貨予算と関連をして、結局は昭和三十一年度予算がどういうふうな方針をとられるかという点に帰着するような気がいたします。御承知のように大蔵省には本日十五日までに一応各省予算を、常時予算を含めて新規要求などを出すようになっているということを大蔵政務次官から私過般聞いたわけです。これに伴って両院自体の予算も、実は鋭意議運等で検討を進めて来たわけです。昨日で一応一段落をいたしました。これらを通じて私見ますのに、いまだ各省とも政府の予算編成方針なんというものがきまらないままに、手放しで要求するために、私が見たところでも従来の予算の十倍近い要求をしているところもなしとしないように思います。今度の政府の御方針を立てられるには、中心的な閣内における経済政策に通産大臣がかなり大きな発言力を、ウエートを持たれると思いますが、そういう立場からもお答えをいただきたいわけですが、過般の新聞を見ますと、公債発行についてもあなたは言及しておられるように思います。建設大臣も建設関係の公債発行の問題を論及しておられますが、自後大蔵大臣によって何か否定されたような談話も出ていたりいたしまして、個々まちまちなといいますか、不統一なといっちゃ悪口になるかもしれませんが、われわれはちょっとつかみがたいわけであります。こういう事情でありますので、あなたも経済閣僚とせられて、これは閣議決定でございませんから通産大臣の構想でよろしゅうございますが、どういう御方針で臨まれるのか、全体の規模が一兆円はこすだろうという一応の常識になっておりますけれども、ことにこのかつても大蔵大臣をせられておられるわけですから、大体のところを一つお聞かせいただきたいと思います。あわせて公債発行等についてもどういうお考えであるか、これが第一点であります。
○国務大臣(石橋湛山君) 実はまだ内閣として三十一年度予算編成方針はきめておらないのであります。ちょうど今大蔵大臣も留守でありますから、帰ってきたら早々やることになると思います。それで実際に三十一年度の予算はどういう方針で編成するということは今申し上げることはできません。しかし今われわれの考えておるところでは、最近の日本の経済界の状況は御承知のように失業者等は多いし、ことにこの不景気の関係でありましょうが、金融は非常にゆるんで参りました。どっちかというと、オーバー・セービング、貯蓄が投資を上回っております。投資不足という感じもいたします。十分それらの点を検討してかような場合には、この間新聞にちょっと出ましたのは、私ちょっと理論的のことを申したけれども、新聞が書いたわけです。こういうふうにオーバー・セービングの場合には、そのオーバーになっているセービングの部分がそのまま民間へ投資にいかないときには、政府としてはその貯蓄を吸収して国家として何らかの投資に使うのがこれはもう定石なんです。そういう程度の国債の発行は許されるのじゃないか。それからなおまたこの余剰の設備あるいは余剰の労力というものが非常に余っている場合にはこのオーバー・セービングの部分を国家が吸収して投資に充てるという以上に、場合によったら新規のクレジットを創造してでもそういう労力及び設備を利用するということも、これも財政経済上許されることでありますからして、国債を発行することはどんな場合にでもよくないということは間違いであって、私は三十一年度のごときは十分そういう点を考えて予算の編成をすべきものだという意味のことを話をしたのであります。それは何か実際問題において私が三十一年度にそういうことを主張してそういう実行をするように私が申したように出た。少しニュアンスが違ったのでありますから、私が申しましたことはさようなことを申した。しかし私三十一年度においてその点はなおむろんこまかく検討しなければなりませんけれども、十分考慮に入れて予算を編成をしていいのではないかとただいまは考えております。
○藤田進君 結果的に見ますと、各省なり関連官公庁の方でそれぞれ予算の要求をして、それを見た上で振り返って方針をどうするかというようなことになりそうに思うわけです。かつて吉田内閣当時のいろいろ諸施策に対する御批判が当時の民主党なりあるいは鳩山さんの方なりなされていたと思いますが、その中で私どもある意味でその批判に対しては無理からぬことだと思っております。ことに日本のような経済ではやはり自由放任といえば少し過ぎるかもしれませんが、そういう政策でなしに、ある意味では、あるいはアメリカの経済人なり学者も言っておるが、日本の国内においてはもちろんのことですが、ある程度のやはり統制なりあるいは計画性なりというものが必要だというそういう対立があったと思う。内閣を担当せられましていよいよ三十一年度予算に取っ組まれることになろうかと思いますけれども、そういたしますと、この際そういう面がかなり強く施策の面に、ことに予算の面にも現われて来なければならぬのじゃないか。この間の国会では重油ボイラーの問題にしろ、あるいは石炭なり、今ほど来の問題になった砂糖なり、バナナのような特殊物資の問題なりいわば出たものを処理していく。いわゆる出おくれのような形になってきたわけですが、ある程度これも組閣以来日が浅いことでやむを得ないかと思いますけれども、まあ結局やはりそろそろ本年あたり、つまり三十一年度予算に取っ組まれるに当って従来唱えておられたところの計画性なりといったようなことを具体的に進められる時期に来ておるのじゃないだろうか。私は日本の現状から皆さんとともに何内閣であろうともこれはやはり貿易の問題しかり、長い目で見た場合かなり将来が暗いように思います。貿易の事情が伸展したといいながらこれはほとんど海外の市場の状況に基因しておることはお認めになっておるようであります。これがどの程度続くかどうか。ことにイギリスあたりにしてもこれに対抗すべき措置が考えられようとするというような説明もあったのでありまして、もう少し基礎的なものが心要になってくるので、どうしてもこれは何党にかかわらず、何内閣にかかわらずおやりいただくことがこれは急務じゃないだろうかと思うので、今度の三十一年度予算なり、あるいは財政投融資なり、外貨割当なり、そういう諸般の面で具現をしていただきたいと思うわけですけれども、無理ですかどうですか。今度の三十一年度、これは内閣が続くものと見ておやりになる、一つあなたがやはり中心になられなければおそらく無理じゃないですかね。ほかの防衛庁は防衛庁の要求はありましょうし、建設大臣は建設大臣の要求はある。何といっても経済全体をかなり大きく目ざすのはあなたの方になっていくわけですが、一つ御所見をほんとうに聞かしていただきたい。これを通じて国民が将来の二十一年度に関心を持つかどうかということになるだろうと思う。雇用指数も、貿易が伸展したといっても在庫が、滞貨が多少指数が少くなったというぐらいなことで、まだまだ就職戦線などを見ましたらとても問題じゃないかと思うですね。そういったような点で一つここでできればわれわれに約束をしていただきたい。
○国務大臣(石橋湛山君) どうもなかなかむずかしい御質問でちょっとお答えしにくいのですが、できるだけ一つ何というか、言葉は当るか当らぬか知りませんが、多少ニューディール的なやり方をしなければならないだろうと思っておりますが、これがはなはだ微力でありまして、私がそう考えましてもその通りになるかならぬか、これはどうも内閣全体の意向でありますし、また、ことにやはり世論の支持がないとなかなか動けませんから、ですからこの間国債のお話のときに申したのでありますが、ちょっと国債でも出して仕事をすればすぐにインフレーションになるというふうにある人はおそれ、ある人はそれをスペキュレーションの材料にする。そうしてすぐ金から物へというような運動が国の中に巻き起るようでありますと、これはやろうと思ってもなかなかやれないのでありますから、全体の国民の経済上の考え方をもわれわれは考慮して参らなければならぬと考えておりますが、しかし御説のように、相当思い切った政策をとることがどうしても、日本の現状としては必要だ、このままにおいては非常な危険な事態になるということを私は痛感をいたしております。
○上林忠次君 もとへ返りますけれども、砂糖の問題ですが、私の考えておることを申し上げるのは農林大臣の方が本筋ですけれども、二年ほど前に農林大臣に私やかましく言いましたけれども、はっきりした回答も得られなかったので、同じ砂糖を扱われる関係者としての通産大臣にもお話申し上げたいと思う。それは砂糖の問題、あの輸入数量が少いためにいざこざがあるのでありますけれども、なかなか先般出ましたあの法律案にしましても徹底的な案じゃないというので皆が賛成しない、熱意がなかったというところでああいうようなことになったのでありますけれども、専売にするのは一番簡単であるけれども、専売にはしたくない、統制したくないというのでひっかかっておるというような話を聞いております。欧州におきましてもどこにおきましてもサトウキビのできないような温帯地方でもいずれの国におきましても、大体大きな国は三割ないし四割というようなものは自給しております。日本も同じ温帯の国でありながら自給ができない、シュガービートができるのに一割程度の生産しかしておらぬというような状態で外国からの輸入に仰いでいる状態でありますが、私はこの少いまあ最低限度の輸入で適当な流通をさしていくためには、もう少し日本において増産ということを考えたらいいじゃないか。ドイツだって半分程度は自給しているじゃないか、日本でできないはずがないじゃないか、北海道、奥羽地方のシュガービートの増産方策を強化する。また私は今の澱粉ですね、澱粉を砂糖にかえたらいいじゃないか、これは今の砂糖会社で少し樽をたくさん置いて苛性分解させる樽を置いたらいい、簡単にできる。幸い、北海道のバレイショの澱粉が余っておる、この澱粉をあめにまでして何とか澱粉業者を救済もせんければならぬし、これを生産する農民も救済してやらなければならぬというような状態から考えて、この澱粉を今苛性分解してブドウ糖を作っていく、そしてこのブドウ糖をあとの九割の輸入糖に加えていくならば、十割の十分な量的な供給はできるじゃないか、どうしてそういうことを考えないのかということを申し上げたのでありますが、なかなかそれに対してはあまりはっきりした返答がなかったのであります。また戦争中アメリカ合衆国でもあのキューバの砂糖を使わずに、あの温帯地方で砂糖を生産することを考えている。それには支那でできている魯棄すなわちソルガムと申しておりますけれども、砂糖の分量を増した新しい品種を作った、新品種であります。ああいうような温帯地方でも相当な生産が上げられる新品種が戦争中できております。アメリカだってそういうような自給を考えた、日本の土地をもう少し砂糖の生産に合わすとか、よその国でも砂糖の自給生産をしているじゃないか、その量からいうならこんな砂糖の窮屈な目に合って、しかもこれからこれをディストリビューションをうまくやっていなかったためにいろいろなごたごたがあるというようなことも解消できるのではないか。一方農民のバレイショあるいはカンショの生産の方もこれで需要の用途が開けると思うのであります。こういうような問題もありまして、これは農林省の問題に主としてなるのでありますが、ソルガムの生産、あるいは澱粉から砂糖にして、その砂糖をくっつけていく、そして配給していく、こういうような点も考えなくちゃいかぬじゃないか、これは通産省としては直接の仕事ではありませんけれども、そういうような問題もあらためて考えていただきたい。農林省はあまりそういうことに対しては熱意も持たぬようでありますけれども、日本のこの気候で相当な砂糖の自給ができるのであるということを申し上げまして、いつかの機会に農林大臣と話し合っていただきたい。
○河野謙三君 私の伺いたい結論は、今度三井物産が昔の三井物産じゃありませんけれども、昔の三井物産に近いようなものを再建いたしましたね、こういうことについての御所見を伺いたいということが結論なんです。というのは、さっき左藤さんも商社の育成ということを非常に強調されて、その手段の一端としてインポート割当ということもある。これは商社の育成ということです。ところが商社の育成は私は必要かと思いますけれども、育成が過ぎて昔の三井、三菱というような独占形態まで行くのか、これは通産大臣としてどういうふうにお考えになるか、こういう点を私は伺いたい。そういう意味で先に三菱商事の再建があり、再び三井物産の再建がある。今後また住友なりその他そういう形になりはしないか。一体通産大臣は商社の育成の手段として望ましいとお考えになっていることは、それは少し行き過ぎる、そこまで商社の育成を考えているのじゃないということなんですか。私はどうも商社の育成が少し過ぎると、商社の育成によって国内の一般の産業界は商社によって圧迫されるというところまで行く危険もなきにしもあらず、そういう点について通産大臣に伺いたい。
○国務大臣(石橋湛山君) 私は今度三井物産がどういうことになるかもしれませんが、ともかく商社はやはり相当大きな強力なものができることが必要だと思うのです。それによって中小企業が圧迫されるとか何とかということになる懸念はむろんありますから、それはそれでまた別途何か方法を講ずることにして、やはり海外に対する市場の拡張あるいはクレジットを得るにしても、以前は政府が一々せわをしなくても三井物産なり三菱商事なりが相当海外のクレジットを利用して貿易をやっておった、そういうことが最近はほとんど行われないところにいろいろの困難も生ずるのでありますから、今の段階においてはまだ三井物産、三菱商事ができても、お話のようにこれを特に心配しなければならぬというところまでまだ来ておらないと思う。ですから三井物産の今度の統合などは私はむしろけっこうだと思っております。
○河野謙三君 今の段階ではもちろんまだ心配ございませんし、もっと育成しなければならぬでしょうが、育成の最終ですよ、最終段階は戦前まで持って行く、戦前の商社の姿まで持って行くというのが、通産大臣の商社育成のねらいであるのかどうか。それとも戦後においての商社の育成というのは別な尺度を持っておられるか。これも私は今のところで行くと、財閥の系列というものがあまりはっきりして、銀行を出発点として財閥の系列に参加して行かなければ何事もできないというこれが非常に私は露骨になってきたと思う。これは一、二年のうちに政府の行政の方向いかんによっては戦前のまま——むしろ戦前以上に外貨割当というものとからんで戦前以上の弊害が出てくるのじゃないかという心配をしているのですけれども、戦前をねらっておいでになるのですか。
○国務大臣(石橋湛山君) いや、戦前の財閥復活をしようとは思っておりません。しかしお話のように、私も旧財閥がある意味において復活する懸念というか弊害も現われる危険があるということは心得ておりますから、私はそういうものはそういうことにならぬように三菱とか三井というものが勝手なことをする、国内の経済界を襲断ずるというようなことは困ると考えております。
○河野謙三君 そうしますと、戦前のような姿には戻したくない。そこで何らか政府で行政的にチェックして行かなければならぬ、これは自然にほうっておけば戦前の姿より以上のものになると思う。そのチェックの具体的な手段としてはどういうものがたとえばあるでしょうか。
○国務大臣(石橋湛山君) たとえば中小企業ですね、中小企業の助成とか育成とかということによってやはりそれらのものも相当強くするということだと思います。これは大きくなるものを無理に押えるということはできませんから一面においてそれに対抗する勢力を作っていくということであろうと思います。
○河野謙三君 その一つの手段としてこれは理想はインポーター割当でありますが、戦前の財閥的な商社というものの再現をチェックする意味において単純にインポーター割当ということでは割り切れないので、そこである意味において実需者割当であるとか生産者割当であるとかというものをある程度常に採用していかなければならないと思うのです。それがやはりチェックの一つの手段として今の割当方式が複雑多岐になっておる、私はこう思うのです。
○国務大臣(石橋湛山君) それは為替割当というのは永久に続くものではないと思う。今の状況では、今お話のようにある程度それをてこにしてやるのでありますが、それ以外にやはり政府が特に為替割当をするということでチェックするというよりは、やはり中小企業等に組合を作らせるなり何なりによってこれらが相当大商社と公正な取引ができるようにすることがやはり根本じゃないかと思います。
○河野謙三君 ですから、為替割当というのは将来永久のものではない、またそういうことであっては不公平なんです。それはいずれ時期が来ればこういうものはなくなるのですが、為替割当は当分まだ続きますし、その為替割当が持続される限りにおいては、この為替割当を進めればいろいろそういう純単なインポーター割当ということで割り切れない複雑なものがからんでくる、それは為替割当がある限り続くのではないか、また続くべきではないか、私はこう思う。
○国務大臣(石橋湛山君) あれは過渡的な措置と考えておりますが、発注証明付きでメーカーともやはり関連を持たなければ為替割当をしないということにしております。
○河野謙三君 その点は同じ通産省の中でも大臣の下におられる各部局においても、通商局と重工業局、あるいは軽工業局、いろいろ意見が実際に違う、それは違うのが当りまえだと思う。それを往々にして通産省の意見だということでぱっとインポーター割当ということが新聞やラジオに出てくる。これは非常にこの産業界に微妙な影響を持ちますからこれはもう少し慎重に扱うべきではないかということを私は考える。と考えるのは、今度の三井物産の——これは三井物産の合同はけっこうでありますが、この次の段階が、これは昔のようになりますよ。これは民間の会社が合併したことで、それはどうなろうとおれの知ったことではないというのは私は政府ではないと思います。さらに戦前の姿を考えていないということで結論はよくわかりましたが、その危険は私より大臣の方がその経験者であるから、きわめて今のはスピーディに戦前の姿に戻ろうとしておりますが、十分私はこいつは強力に一つ指導をなされる必要があるのじゃないかと思っております。どうもいつも通産省というと、インポーター割当と単純に言いますが、私はそんなものではないと思います。
○国務大臣(石橋湛山君) やはり商社が微力だということも事実でありますが……。
○河野謙三君 それは同じことでございますが、大臣そのものはインポーター割当ということで単純に割り切っておいて、通産省そのものが主、張しておられる、こういう空気がほんとうに多い。そこで私が通産大臣に伺ってみればそうじゃないということなんです。これは一つ、ことにそういうような一般の大臣の意見と違ったことがあたかも大臣の意見として伝えられることは、大臣の私は慎重な態度を望むものであります。
○古池信三君 ちょっと委員長にお願いしたいのでありますが、明日の委員会の議題にはなっておりませんが、できましたら、今だいぶ問題にもなり、また実行に移されております生産性向上運動の面、あれについて大体の説明を政府から願いたいと思うのですが、いかがでしょうか……。これは明日でもけっこうです。そういうことから生産性向上運動に対して政府がどんな態勢をもって今当っていられるかということ、それから民間の団体としてはどういう団体がどうなさっているか、これに対して国からの支出があればその支出が今までどんなふうに使われているか、それからその効果はどんなふうに上ってきているか、それからこれと労働団体との協力の問題ですね、これらについて、さらにまた予算の編成を間近かに控えて、来年度においては政府はこの問題をどんなふうに進めていかれるつもりであるか、そういうことについてあらましの資料がございましたらば資料とともに御説明をしていただきたいと思います。
○委員長(吉野信次君) その問題に関連して、これは誤解だろうと思うけれども、中小企業というものの生産性の向上の面が今やっている問題では等閉視されている。ことに何かそういう本部というものがあると、そういうものの構成の面にも、これはアメリカなりのひもつきだろうから、あれの点がアメリカの方で中小企業というものはどうでもいいのだというなら別問題ですが、日本の経済全体の生産性を向上せしめるということに意味がある。ある意味から言えばむしろ大企業よりも中小企業の方が大事じゃないか、こういう声をちょいちょい私も聞くのであります。そうしてあの生産性本部というものが、われわれお互いのところに送ってくる印刷物をそういう頭で見ると、なるほど中小企業の面が非常に等閑に付されているということを私もああいう印刷物を見るとそういうように思いますから、これは誤解だろうとは思いますが、この点についてもそれはそうじゃないならそうじゃないと、その点を等閑に付しておったならおったとあわせて御報告を願っておいた方がよくはないかと思います。 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(吉野信次君) 速記を始めて。
○海野三朗君 この鉄板の問題でありますが、八幡、富士、あそこでは近代式の設備を使ってどんどん生産しておりますから、大阪のいわゆる中小工場と申しますか、そういう方面の板を作るところのものは生産が間に合わなくて、皆労働者が非常に困っておる。それに対しては、多量生産するところの八幡、富士の方の生産を制限しておるやに聞いておるのでありますが、そういうことに対して大臣はどういうふうにこの鉄鋼についてお考えになっていらっしゃるか、これをちょっとお伺いいたしたい。
○国務大臣(石橋湛山君) 鉄の問題は、ほかの問題でも同じですけれども、なるべく生産費を下げなければならぬという意味においては、やはり八幡、富士等の多量生産を、鉄板にしましても近代化した機械でやるのが適当と思います。それで今まで手でやっておりました薄鉄板等の工場のあるものはすでに閉鎖する予定になっておるものもありますが、これは中小企業については何かほかのものに転換をするように逐次持っていきたい、かように考えております。結局はやはり鉄板が高いということはカン詰にも何にも皆影響しますから、鉄板は安くする必要がある。そこに中小の今までやっておった鉄板業者とちょっと過渡的に厄介な問題が起るのでありますけれども、まあ逐次その中小企業の方はほかの方面へ転換してもらうという指導をしたいと、かように考えております。
○海野三朗君 そういう他に転換しようという際に、通産省としては何か特別の便宜を計らってやっておられますか。私は石炭の方と関連して考えるときに、やはりああいうものにしたって効果的な仕事をやってきたわけであって、これをほかに転換すればよいという際には、通産省がまた何か力を入れてそういう方面に骨を折っておられるのでありますか、その点お伺いいたします。
○国務大臣(石橋湛山君) 今鉄について具体的な事実を知りませんが、とにかく全体としては、先ほどから話の出ました中小企業の設備近代化ということで助成なり金融なりをして、そうして適当なものに持っていくように指導したいと考えております。
○委員長(吉野信次君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(吉野信次君) 速記を始めて。 それではちょっと委員の派遣承認要求に関する件についてお諮りいたしたいと思います。経済自立方策に関する調査のために委員派遣を行いたいと思いますが、御異議こざいませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(吉野信次君) 御異議ないと認めます。 なお議長に提出いたしまする委員派遣承認要求書の内容並びに手続等はもしお差しつかえございませんでしたら委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議こざいませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(吉野信次君) 御異議がないようでありますから、さように決定いたします。 それでは本日はこれにて散会いたします。 午後四時三十六分散会