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22回国会参議院1955/07/22

社会労働委員会 第30号

発言数
76
登壇者
14
会派数
3
開催日
1955/07/22

会議録

小林英三自由党

○委員長(小林英三君) ただいまより委員会を開きます。  優生保護法の一部を改正する法律案を議題といたします。御質疑を願います。との前の提案者からの答弁が残っているそうでありますから……。

谷口弥三郎自由党

○谷口弥三郎君 前回の社会労働委員会におきまして、本問題について御質疑がありました場合に、山下委員のお言葉に対しまして提案者としてお答えをいたしたいと思います。その一つは御心配をいただいておりますところの、本法が可決されました後に、指導員が各婦人に対しまして、半ば強制的に薬剤の使用をしいるような場合がないように、もちろん診察をするとか、または状況調査の結果、個々の場合におきまして、その人に適合するところの薬を自分の判断によりまして、との品物をと言うて推薦をすることはこれは当り前でございますがその推薦しました薬に対しまして、もしもいろいろと先方において、十分な納得をされないというような場合に当りまして、無理に指導員がぜひとの薬を使うてくれということをしいることのないように、十分注意をしておきたいと思います。  第二番目には、本法の実施に当りまして指導員とか、または業界が利潤追求にのみ動くようなことのないように、特に今回のどの法律の一部改正と申しますのは、何と申しましても日本の人口対策として、過削人口に対する最も必要な受胎調節の徹底をするということが目的でございますので、この国策に沿ってその実現に努力するという神聖な職業を自分がやっているという自覚のもとに今後とも働くように、私どももあらゆる機会に当りまして指導員の方々に十分その点を説明し、御指導を申したいと思っているのでございますから、さように御承知を願いたいと思います。

高野一夫自由党

○高野一夫君 私はこの改正案の実際的の立案に当られた中原法制局第一課長に伺ってみたい。それは私も不敏であるからよくわからぬけれども、いろいろ法律の改正案を調べてみると、今度の優生保護法の一部改正法律案ほどまことにいわゆる暴論暴挙をもってした法案というのはないような感じがする。一条ぐらいでもって、ここで別個の法律の除外例をつけるというのならば、これは従来もあり得ることである。ところが徹頭徹尾ことごとく薬事法なる法律の改正案である。これは昨日も相馬委員並びに山下委員から強くこの点を指摘された質問が出ているわけでありますが、こういうようなことは徹頭徹尾薬事法の改正が優生保護法の改正の名において行われておる。そして何ページかのとの印刷物になっているわけでありますが、あなたは議員からの希望に応じてこの案を作られたわけでありましょうが、法制局の第一課長の立場において、国家公務員としての立場においてこういうような法律を作ることにあなた何もお考えにならなかったかどうか。こういうようなととは私から言わせれば、いかにも法律をあまりもてあそび過ぎる。これではわれわれ国民というものは一体法律を信用していいのか悪いのかわからん。いつの間にか親の法律が別個の法律でずらずらと何ページにわたる改正が行われる。こういうようなことであっては、国民は何をもって法律を信頼することができるかと思うわけであるが、あなたは議員の注文に応じてこれを立案された法制局の第一課長の立場において、こういうことに対して何にもあなたは良心的にお考えにならなかったかどうか。ただ頼まれたからこういうのを作ったのだ、やむを得なかったのだ、こういうようなお考えであるのか。頼まれたからやむを得ず作ったけれども、実際は自分は法制局第一課長としてとういうようなことについてはかよかように思う、こういうような何かお考えでもあるかどうか。これは今後の法制局のあり方について非常に大事な点であるから、あなたの見解をはっきりと伺っておきたい。

中原武夫参議院法制局参事(第一部第一課長)

○法制局参事(中原武夫君) ただいまの御質問は、法制局のあり方についての御質問のようでございますので、私から法制局のあり方についての見解を申し上げるととは、おこがましいと存じますので、私が仕事をいたします上の心がまえを申し上げたいと存じます。

高野一夫自由党

○高野一夫君 ちょっと待って。あなたは僕の言ったことを誤解している。法制局のあり方についてあなたに質問しようと私は思っていない。あなた方の一般的な仕事について、職務についてあなたの見解を聞こうとは思っていない。あなたがこの法律の改正案を委嘱されて、との作文をお作りになった、これについてあなたはどうお考えになるか、こういうことです。

中原武夫参議院法制局参事(第一部第一課長)

○法制局参事(中原武夫君) その御質問はどうもやはり根本の問題に関連するのではないかと存じますが私の方では御依頼を受けました際には、ごと政策の範囲に及ばない限りにおいて、法律の上から見て適当と思われる意見を申し上げておるのであります。そこでその御依頼になる事項がどうしても今の法律の体系の上からも法制化することができないというのであればともかく、可能であるならば御要求に応じなければならないと私は考えて仕事をいたしております。そこでただいま優生保護法によって薬事法の実体を動かすことは不都合である、こういう仰せでございましたが、それはどちらの方法も可能なのでございます。薬事法の一部改正でゆく方法と、優生保護法の一部改正でゆく場合とは、全然同じ内容の場合にどちらをとっていいかということになりますと、薬事法の一部改正でゆくのが本筋でございましょう。ところが今度の場合には薬事法の一部改正でゆくより優生保護法の一部改正でゆくことの方が適当であると私は考えたのでございます。それは先日来提案議員の方から申されておりますように、ここで販売を許そうといたしておりますものは、きわめて限極された対象であり、非常にしぼられた薬品であり、しかも販売する先が特定の者に限られているのであります。薬事法では、たとえば二十九条を見ますと、非常に一般的に販売業を登録制にするということが書いてございます。そこで但書がございますが、それは非常に一般的な場合についての但書であります。こういう特殊なごく限られた例外をあの条項の中に入れますと、まことに何のためにそういう例外が入ったのかわからないという気持を起させるような規定になります。と申しますのは、薬事法の見地から考えて支障がないから例外を設けるのだということよりか、優生保護法にあります受胎調節の見地から考えてやむを得ずこういう例外を設けなければならないのだという理由の方が非常に強い。そういう場合には優生保護法の改正でゆくことの方が適当であると私は考えたのでございます。そこで、そういう前例がないのかということになりますと、そういう前例は非常に多いわけでございます。たとえば、税のことにつきましては所得税法という大きな法律がございます。その例外をこの委員会で御審議になりました生活保護法においても、児童福祉法においても、未帰還者留守家族援護法においても、戦傷病者戦没者等遺族援護法においても、それぞれがその所得税法の例外、印紙税法の例外規定を設けられております。それから別に、国有財産につきましては国有財産法という法律によって統一的な規定をされております。それを長崎とか広島とか横浜とか。そういう都市の建設法におきまして、その一条文で国有財産法二十八条の大原則をくつがえす規定を置いてございます。また私的独占禁止法につきましては、私的独占の禁止・公正取引の確保に関してはあの法律は基本法でございます。それを輸出入取引法の二十二条では適用除外の規定を置いてございます。また非常に手続的な点を申しますと、土地台帳法という法律は、ほんの手続的な法律でございますが、そこで土地台帳に関する規定を統一的に設けてございます。それを農地法の七十七条の三項ではその特例を設けるという規定を置いてございます。そういうような前例がございますので、全然優生保護法に関係のない事柄を、そうして薬事法の例外になることを優生保護法で書くということはこれはいけないことであると存じますが、ただいまの場合は差しつかえないと考えて法案の作成のお手伝いをいたしたわけでございます。

高野一夫自由党

○高野一夫君 今の薬事法における薬品販売の原則をくずすことの是非の問題については、私もあとでまだ質問いたします。ところで、しからばこの四ページに書いてある第十五条の二の四項、「受胎調節実地指導員については薬事法第四十五条及び第四十九条の規定を準用する。」と書いてある、もそれに関連した条文がおいてある。これは昨日も山下委員から御質問があって、どうもどなたかの御答弁を聞いておって満足できなかったのでありますが、あなたは第四項の受胎調節実地指導員について、第四十九条をいかにして準用で香るとお考えになるか。これを法制局第一課長としての、あなたの法律専門家としてのお考えを承わっておきたい。私は不敏にして法律のことに詳しくないから、一つ御解釈を願いたい。

中原武夫参議院法制局参事(第一部第一課長)

○法制局参事(中原武夫君) 薬事法の四十九条には、第一段に、必要な報告を徴するということが規定してございます。次に強制立ち入り、強制検査、収去に関する条項が規定してございます。そうしてその対象を「薬局開設者、病院若しくは診療所の開設者、医薬品、用具又は化粧品の製造業者、輸入販売業者又は販売業者」と、こういうふうに限定してございます。それから強制立ち入りの対象を「薬局、病院、診療所、工場、店舗、事務所、医薬品、用具又は化粧品を販売又は授与の目的で取り扱い、又は貯蔵する場所」と、こういうように限定してございます。準用をいたしますと、受胎調節実地指導員は、薬事法にいう販売業者ではありませんから、四十九条の規定はこのままでは働らかないわけでございます。準用の規定を置きますと、たとえば医薬品販売業者を「医薬品を販売する受胎調節実地指導員」と読みかえて適用するような効果を発揮いたします。そこで必要な報告を徴することができるということが第一段に働くのであります。それからとの前問題になりましたのは、強制立も入りの権限が受胎調節実地指導員の場合にはどこに働くのか、こういうことでございます。そこでとの法文を読みますと、薬局とか、病院とか、店舗とか、こういうふうに列記してございますのは、業務上の場所を列記してございます。そういうような場所で医薬品が取り扱われたり、貯蔵されたりする、そういう所に立ち入ると、こういうことになっております。そこで受胎調節実地指導員の場合には、この準用によっては、販売に供する避妊薬を置いておるような場所、たとえば本来の業務場所である助産所のような所、そういう所には立ち入りができる、こう読んでおるのでございます。

高野一夫自由党

○高野一夫君 法制局第一課長、もう少し正直なあなたの解説を願いたい。第四十九条はあなたの説明を聞かないでもちゃんととこに書いてある。昨日も山下委員の御質問に対して、高田薬務局長からも答弁がありましたが、とにかく販売または授与の目的で取り扱う場所、貯蔵する場所、こういう所に立ち入ることになっておる。ちょうど受胎調節指導員が避妊薬の販売を許されれば、その婦人の家で販売する場合もありましょう。あるいは指導員の自宅で販売する場合もありましょう。これはほとんど行商を許しておるような改正案である。その場合に取り扱う場所、授与する場合、貯蔵する場所、そういう所には、いかなる場合でも薬事法四十九条は立ち入り検査ができることになっておる。その場合に指導員の家に立ち入り検査をする。それじゃ個々の人の奥さんが指導を受ける、そして指導員が行って個々の家庭で指導して、ここで物品を渡して、売った、金を取った、そういう場合にことが販売、授与の行為が行われた場所である。そとでとのときに薬事監視員は、しからば指導を受けたその一般の家庭に入っていかなければならないことに、私は四十九条を準用すれば、なると思うのでありますが、あなたはそうお考えにならぬのですか。

中原武夫参議院法制局参事(第一部第一課長)

○法制局参事(中原武夫君) 四十九条のただいまお読みになりました、販売または授与の目的で取り扱う場所という言葉だけをごらんになりますと、そういう解釈が出てくるのは当然であると存じますが、ずっと上に例示をしてありますようなことを受けて書いてある言葉だと私は解釈いたしたのあります。そこで配置販売業者というものが現在薬事法にございます。その配置販売業者が薬を各戸に置いて参ります。そういう場合には、配置販売業者の配置員に関する限りは、各家庭に入り込めるんだと、こういうふうに四十九条の運用がなされおるのであれば、私は受胎調節実地指導員についてもさようかなあと考えるのでありますが、これは薬務局長に運用の実際をお聞きいただきたいのでございます。

高野一夫自由党

○高野一夫君 高田薬務局長にお伺いしますが、ただいま中原第一課長の解釈は、私に言わせれば、全く三百代言の失礼ながら解釈というようにしか思われない。そこでこの第四項ないし第五項は「準用する」ということになっておる。との準用するということになった場合に、今の解釈だったら立ち入り検査ということができないということになる。そこで受胎調節実地指導員が、わずか一ダースか二ダースの避妊薬を買ってカバンの中に入れて持ち歩く、自分の家には何ら貯蔵がないという場合に、こうした場合は貯蔵場所を検査できない。カバンの中しかでない。そういう場合が出てくるのでありますが、実際問題として四項ないし五項の「準用する」という場合、これをどういうようなふうにして薬務行政の立場からこれを準用することができるかどうか、一つ薬務局長の御意見をお伺いしたい。

高田正巳厚生省薬務局長

○政府委員(高田正巳君) 第四十九条の立ち入りのことにつきましては、昨日山下先生からも御質問がございましたので、私ども少し法律的に研究をしてみたのでございますが、消費者の家庭に対して一体立ち入りができるかどうかということにつきましては、私どももこれはできないという解釈をいたしておるのでございます。その理由といたしましては、住居の不可侵ということが憲法に保障されておりまして、薬事法の四十九条によって立ち入りが認められておるのは、その対象となるものは、医薬品の製造業者、販売業者等の業務の内容が、医薬品を取り扱うことによって、国民の保健衛生上重大な影響を及ぼすものであるからという理由でこれが認められておるのでございまして、従って医薬品の、取扱いに関して、国と、言葉をかえて申しますれば、行政庁と特別な権力関係にない一般家庭に立ち入ることは、法律上の解釈といたしまして、できないものと考えるのでございます。それで高野先生が今御指摘の、従ってかりにこの改正案が成立いたしまする場合には、その指導員の、何と申しますか、事務所に当りまするか、住宅になりまするか、そういう所へ立ち入る以外にはこの規定ではやれないものと考えるのでございまするからして、もし家には全然置いてなくて、それをカバンに入れて持って歩いておるということでございますと、実際上の監督はできないということに現実には触るかと存じます。

高野一夫自由党

○高野一夫君 しからば中原第一課長に戻ってもう一つ伺いますが、あなたは受胎調節の指導という特殊の場合に限っては、薬事法の原則を破ることもやむを得ないかのごとき、言葉は違うかもしらぬが、そういうような御発言であったと思うけれども、薬事法の四十四条第八号の規定にかかわらず、受胎調節の実地指導員には販売させると、こういうことにこの改正案はなっている。ところで四十四条第八号は何を規定してあるかというと、医薬品の販売というものは店舗または配置販売、こういうことに限られているわけなんです。これはあなたも御承知の通り。ところでその次の第四ページの三項に参りますれば、これは受胎調節実地指導員に私は結局においては行商を許す形になっているんじやないかと思う。そうすると従来行商は絶対に認なかった薬事法の医薬品販売、取扱業、これにこの優生保護法の改正によって、全く従来考えられなかった、禁じてあるところの行商なる商行為を許す、こういうことに私はなろうと思うのでありますが、この点はあなたはどうお考えになるか。

中原武夫参議院法制局参事(第一部第一課長)

○法制局参事(中原武夫君) ただいまの点は、どうも法制局がいいとか悪いとか申し上げるべき事柄ではなくて政策の範囲に属するものと私は考えます。

高野一夫自由党

○高野一夫君 法的の解釈ですが、これをあなたが作文をされたあなたの法律家としての考え方から、あなたは第三項をどういう意味で作文をされたかと、こういうことを聞いているわけです。あなたは何も頭に考えがなくて作文ができるわけがないのでありまするから、注文をお聞きになって作文をされるにしても、その注文の意味がよくおわかりになって作文をされているに違いない。それだからあなたが作文をされた結果、この第三項というものは、ここで行商を許すごとになると、私はこう思うんですが、あなたはそういうふうにお考えにならなかったかどうかと、こういうことを私は聞きたいわけ並んです。

中原武夫参議院法制局参事(第一部第一課長)

○法制局参事(中原武夫君) 御指摘のように、行商を許すような結果になると考えます。しかしそのことを法律に絶対に盛れませんと私は言う権限を持たないのでございます。

松岡平市自由党

○松岡平市君 議事進行について。私はこの法律案、これは議員の提出された法律案です。この法律案を作るまでの過程においては、参議院の法制局がいろいろとこれをお手伝いを申し上げたという事態はあると思いますが、すでにここへ法律案として提出された以上は、これについて法制局が直接の責任を負うという事態でないと思います。それで高野委員はもっぱらここで法制局の第一課長に向っていろいろと解釈をお聞きになることは、いささか私は的がはずれているんじやないかと考えます。むしろそういう面については、当然これは提案者にお聞きになるべきものであり、法制局はこれを陰で手伝ったというだけのことであって、当面の責任者であるかのような私は質疑応答をここでやられることは、いささか現在の議員が法律を提案いたします過程、それとも関連いたしまして、いささか妥当でない。ことにこの法律をどう解釈するかということであれば、むしろ法制局長をお呼びになって、提案された法律についてどう解釈するか、これはあるいはまた政府の法制局長官にお聞きになるべきものである。立案に参画した法制局の職員に向ってこの委員会で論議されることは、いささか私は議員の法案の提出、立法ということに関連いたしまして、私妥当でないかのように考えますから、私はこの点について委員長でその点は適当にお取り計らいを願いたいと思う。

小林英三自由党

○委員長(小林英三君) ちょっと速記をやめて。   〔速記中止〕

小林英三自由党

○委員長(小林英三君) 速記を始めて。

高野一夫自由党

○高野一夫君 しからばただいまの御注意を私は一応順奉いたしますが、そこで谷口委員にしからば代表提案者としてお伺いいたしまするけれども、この薬事法の第二十九条第一項におきましては、すべて医薬品の取扱いについては、製造にしましても、販売にいたしましても、輸入販売にいたしましても、すべて登録制度になっております。これは御承知だろうと思う。登録制度になっておって、しかもその登録は一定の期間をおいて更新をするというぐらいに取扱者に対する取締りを厳重にする立場もありましてやっているわけなんです。ところが今度のこの第四ページの二項ですか、これに参りますれば、ただ指定証を受けて、これで証印があれば、許されたる範囲における医薬品の販売行為ができる、こういうことになるわけでありますけれども、原則においては今度はこの除外例においては、登録なくして、単なる届出によって受けた指定証、あるいはそれによる証印のあるものがこういうことになるということについて、何か矛盾と申しますか、あまりに軽々しい扱い方であるとお考えにならなかったであろうか。ことに原則として医薬品の製造取扱いについて登録制度であるにかかわらず、さらにそれは更新制度をとっておる。こういう点についてはどういうふうに曲考えになるか、全国三万の助産婦がおいでになるとして、これはことごと、受胎調節の実地指導員になられる。それがただ届出によって指定証を受ける、そのあと更新も何も行われない、やっているのかやっていないのかわからぬ。取締りをどうするかということが出てくるわけである。こういう点についてはどういうお考えをお持ちであるかということをお聞かせ願いたい。

谷口弥三郎自由党

○谷口弥三郎君 この点につきましては、今回われわれが改正をいたしたいというのは、ごく限定されたところの避妊薬に限っておるのでございまして、しかもその避妊薬は厚生大臣が指定したという避妊薬に限った、ごく限定された部分だから差しつかえないと思ってやっておる次第であります。

高野一夫自由党

○高野一夫君 限定されたものであるならば、避妊薬は御承知の通り毒薬を含んでおります。限定された医薬品であるならば、一般の医薬品を扱う者のそういう原則を、こういう取扱い方にして破って差しつかえないでしょうか。それは谷口さんのお考えの通りに、しごく簡単にお考えになっておるように私は思うんだけれども、それでいいものでしょうか。これは見解の相違かもしらぬけれども、もう一ぺん伺いたい。

谷口弥三郎自由党

○谷口弥三郎君 ただいま申しましたように、ごく限定されておりまして、しかも受胎調節実節指導員というのは、昨日来たびたび御説明を申しましたように、受胎調節に関する避妊薬については、十分なる講習によって知識を得ておるから差しつかえないと、こう思っておる次第であります。

高野一夫自由党

○高野一夫君 この点について薬務局長の見解を伺いたい。

高田正巳厚生省薬務局長

○政府委員(高田正巳君) 医薬品の販売業者につきましてすべて登録を受けさして、そうしてしかもその登録をただいまの規定では一年ごとに更新をするというふうな規定を置いておりまするのは、登録をする際にいろいろ人の要件とか、それから設備の要件等を審査をいたしまして、そうして登録をし、さらにさようなことを確保する意味におきまして、毎年それを更新をいたしておるわでございます。従いまして一般が全部さようなことに相なっておるということでございまするので、これだけ登録を更新しない、ただずっと一ぺん届け出ればそのままで続いて参る。あるいは今御指摘のように、もうやめているかどうかも把握する方法がないというふうなことは、監督上私どもの立場からいたしますれば工合が悪いというふうに申し上げざるを得ないと思います。

高野一夫自由党

○高野一夫君 谷口委員に伺いますが、ただいまこの行政の衝に当られる薬務局長としてはお聞きの通りの見解であります。そこで登録並びに更新ということの意味は御承知であろうと思いますが、ここで多くの人たちが届け出っぱなしで死ぬかもしれないし、やめるかもしれない、廃業するかもしれない、あるいは助産婦の仕事はするけれども、これはめんどうくさいからやめよう、こういう人があるかもしれない。そうしてただ指定証を持ちっぱねし、そうしてこれを使わないと、こういうことがあるかもしれないが、今のように、しかも次の四項、五項、六項というようなことにおいては、その受胎調節の実地指導員に対する取締りの処罰の規定もことに設けられている。ところがそれを準用するのかどうか知らんけれども、準用するのか、適用するのか知らんが、それを準用する、適用するについて、ほとんど不可能な実情に追い込まれるであろうということは、これは私も考えるし、厚生省政府委員が言う通りだろうと思いまするけれども、この点はどういうふうにお考えになるか。それとも受胎調節の指導員は一ぺん講習を受けたのだから、そういう必要がないとお考えになるか。しからば医薬品の製造販売についての正規の資格者はどういうふうになるのかと、こういうことにもなるわけでありますが、その点はどういうふうにお考えになるか伺いたいと思います。

谷口弥三郎自由党

○谷口弥三郎君 いわゆる指導員と申しますのは、むろん一度指導員にねる資格を得ましても、その後引き続いてよく指導員に対しては講習などによって知識の向上をはかっておるのでございます。ことにこれはもともとその資格が保健婦、助産婦、看護婦に限定をいたしているので、一般の者とはいろいろと違う点がございます。従ってその者にのみやらせているのだから差しつかえなかろうというようなふうに考えております。

高野一夫自由党

○高野一夫君 今の御答弁ではとうてい私は理解ができないのでありますが、しからばもう一つ別な問題で谷口委員にお伺いいたします。先ほど私はこの四ページの第四項に書いてある四十九条の立ち入り検査の規定の準用の問題については、この作文に当られた中原君に解釈を聞いたわけなんでありますが、あなたもお聞きになった通りである。これをあなたは四十九条の規定をどういうようなふうに実地指導員に準用することができるとお考えになるか、それを谷口委員の御見解を聞かしていただきたい。

谷口弥三郎自由党

○谷口弥三郎君 受胎調節員の居宅に入り込むということはできぬのじゃなかろうかと、こう思っております。

高野一夫自由党

○高野一夫君 受胎調節員の居宅ですか、指導員の……。それは違うでしょう。

谷口弥三郎自由党

○谷口弥三郎君 指導を受ける者の居宅です。

高野一夫自由党

○高野一夫君 そうすると、四十九条の規定の準用ということは、これは今までの医薬品販売と今度は状態が違うわけなんです。従来は店舖または配置と、こういうふうに限定しておるわけです。今度は行商を許しておるわけです。この三項で行商を許しておる。その行商を許しておる販売行為のこの形態に対して、どういうふうに四十九条の適用ができるのか、こういうことを私は伺っておるわけです。受胎調節指導員のところで薬を売る、金を取ると、それならばそれはそこの受胎調節指導員の家に踏み込んで立ち入り検査をやればよいけれども、今度は明らかに行商を許した。作文に当られた法制局の役人もそう言っている。三項は行商を許しておる。かってないやり方である。その行商を許した医薬品の販売員に対して四十九条の規定をどういうふうにして適用されるかどうか、こういうことを提案者に一つ伺いたい。

谷口弥三郎自由党

○谷口弥三郎君 この三項の場合は配置販売の場合とは違うと思っておるのでありますが、なかなかそこのところはむずかしいから、中原課長に一つ……。

高野一夫自由党

○高野一夫君 私はこの問題については、先ほど中原第一課長、作文に当られた第一課長から聞いておりますから、今さら中原君の話を聞く必要を認めないので、提案に当られた谷口さんが、どういう考え方で、四十九条の規定が準用されるとお考えになっておるかどうかということを提案者に伺いたい。

谷口弥三郎自由党

○谷口弥三郎君 配置販売の場合には、御承知のように現金取扱いをいたしておらんのですが、しかしその行為全体、主体は同じようなものであると、従って準用されるというようなふうに考えます。

高野一夫自由党

○高野一夫君 それは、ですから少しおかしいんですよ。高田薬務局長、こういう問題についてあなたはどういうふうに考えられるか。四十九条の規定の準用がこの行商形態においてどういうふうに適用できるかどうか。これは国会を通過すれば、今度責任を持ってあなたがこの法律の執行に当らなければならない責任者である。そういう場合に、どういうふうにして準用することができると考えるかどうか。

高田正巳厚生省薬務局長

○政府委員(高田正巳君) 先ほど来、中原課長からもお答えがありましたように、との法律が通過いたしますると、目下禁止をいたしておりまする行商の形態を認めるということになるわけであります。それで行商の形態になりますると、まあ結論的に申し上げて、監督ができないと私は考えるのです。従って今の薬事法は行商の形態を認めておらないのであります。これは昨日山下委員から四十四条八号でございましたかに、関連をしてその立法趣旨を申せとおっしゃいましたときにお答え申し上げた通りでございます。それで今配置販売が問題になっておるようでございますが、私はこの配置販売の場合とこの場合とでは、監督の関係におきまして若干違うと思うのです。結論から先に申し上げますれば、配置販売ならば私どもは監督が可能であるということであります。と申しますのは、いつぞやも申し上げましたように、配置販売業者が、それが販売業者でございまして、配置員と業者との関係は雇用関係にあるわけでございます。雇用の関係のない形態は配置販売として認めておりません。従って今日配置販売として登録をいたしておりまするのは、千四百数十の数でございますが、これが約二万五千人くらいの配置員を便って営業を営んでおるわけであります。自分自身が配置をしておる者もございますので、その数字は一部ダブる部分があると思います。私ども配置販売に対する監督は、その登録をとっておる、販売業者に対して監督を実施いたしております。ところがその販売業者と、それから配置員との関係は雇用関係にありまするので、その限りにおいて配置員に対してその監督が及ぶという格好になっておるわけであります。ところが今回の場合におきましては、たとえて申しまするならば、結局その個々の配置員が業者になったような格好になるわけでございます。それでその意味におきまして、非常に監督上むずかしいかと思うのでございます。なおこの配置販売というものは、御存じのように、昔からそういう形態をとって参りまして、これが相当国民の医薬品供給という仕事に、ことに農山漁村におきまして寄与いたしておりますので、元来は監督の上から申しますると、店舗販売が私どもの薬事法の一番ねらっておるところでありますが、その例外としまして、昔から行われておる一つの業態を認めたということにすぎないのでございまして、従って昔からやっておるということは、そこにおのずから一つの何と申しますか、実際上のこの訓練というものが行われておるわけでございます。なお、そのほかに配置員自体の教育というととも行政指導でやっております。さような関係がございますること、それからこれらの人間は、御存じのように、配置販売ということで飯を食っておるのでございまするから、いろいろな違反を出したりいたしまして、自分の飯が食い上げになるようなことがあってはこれは困りまするので、業者自体もおのずから自己の利益を守るという観点からも法律を守り、まあ違反のないようにやっていこうという気持で一ぱいでございます。さような点と比較をいたしますると、今のように行商形態それ自体を認めるということと配置販売を認めていくということと比較いたしまして、そとに若干の私は開きがあるように考えるのでございます。

高野一夫自由党

○高野一夫君 この問題については、あまりどうも谷口さんとやり合っても不本意ですが、一、二質問をお許し願いたいんですが、ただいまお聞き及びの通り、医薬品が生命に非常な重大な関係があるので、特に取締りを厳重にしなければならぬわけでありますが、従って行商の形態においては取り締りができないので、行商は今までやらせなかった。今度は行商を許すとこういう形になる。しかも四項、五項、六項においては四十九条の規定を準用する、あるいは薬事監視員の職権を行えるようにする、そのほかまた六項においては薬事法その他薬事に関する法律違反があったときはどうこうと、こういう規定がありますけれども、実際問題として、行商である限り、四項、五項、六項というものは全く意味をなさないと私は考えるのであります。それでこれが意味をなすとお考えに捻りますならば取締りができるとお考えでなきやならない。それならばどういうふうにして取り締れるかというところにさかのぼるわけであります。そこでこの法律が実施されることになりますならば、その執行の衝に当る政府側の、役所の方ではほとんど取締りができない、野放し同様だ、こういうふうに言っているわけでありますが、あなたとしてはお考えがあってのことだろうと思いますが、もう一度この点について率直なるあなたの御見解を伺いたい。

谷口弥三郎自由党

○谷口弥三郎君 配置販売、特に行商ということに対しまして、今までの形態をくずすということはまことにおっしやる通りだと思いますけれども、私どもの特に希望いたしておりますることは、受胎調節を徹底させる上においては、どうしても指導員が、その薬を携帯して持っていって、そしてよく見せんければ、その仕事が完全にいかず、しかもそれが受胎調節指導員がある避妊薬のみを持っていくのでありますからして、実はこれは監督とか、監査員を置かんでもいいものじゃないかくらいに思うほど、その方々はそのことに対してのみやっておるのですから、間違いはない。また人体に障害を起すというようなことも、この避妊薬に関する限りは、指導員にやらしても決してそういうようなふうの心配はない。いわゆる正当な指導をして、向うが正当なような方法によってやりさえすれば、心配はないというふうに考えるのであります。

松岡平市自由党

○松岡平市君 ちょっと御質問の途中ですが、私ちょっと薬務局長にお聞きしたい。今ここで提案されておる、この指導員に避妊薬だけを売らせるというととが法律で通ったという場合に、あなたはこれを監督するという場合に、どういう監督が必要だとお考えになるか。今言うように、一般薬局についてはこういう監督をする、立ち入りもするということですが、産婆、看護婦等のうち、妊娠調節のそれの指導員にこれを売らせるというようにきまった場合に、どういう監督が必要か、その監督の範囲を一つおっしゃっていただきたい。

高田正巳厚生省薬務局長

○政府委員(高田正巳君) これがもし成立いたしましたならば、監督といたしましては、その指導員の方の家といいますか、助産所といいますか、そういうところに参りまして、そうしてそこにある薬というものについて監督をいたすということがなすべきことであり、また準用規定によってできる範囲のことであろうと存じます。

松岡平市自由党

○松岡平市君 すると薬というけれども、するとその避妊薬が適当な避妊薬であるかどうかということを調べるのか。避妊薬以外の薬品を売っておるということを調べると、こういうことなんですか。どっちなんですか。

高田正巳厚生省薬務局長

○政府委員(高田正巳君) それは両方であると存じます。監督をするのは両方であると存じます。認められないような薬品を販売しておるといたしますれば、薬事法違反といいますか、この改正の優生保護法違反にもなりまするので、両方の監督をいたすべきものと存じます。

松岡平市自由党

○松岡平市君 その認められない薬品を売っておるかどうかということの監督はこれはいかなる場合でも、可もこの場合だけでなく今言うように、登録免許等を受けていない者が売っていないかということは、これはいかなる場合も監督しておらなきゃならぬだろうと思う、私は。この場合に避妊薬だけを売らせるという一つの許可を、今そういう権限、権利を渡したというときに、これはほかの、避妊薬以外の薬品を売りやすいという、そういう危険はあるけれども、監督としては、この危険は薬屋に勤めておる人間は、こっそり売っておるという心配もあるのだから、これはいつでも監督をしていなければならない。たとえばずっと配置して歩いておる、これらもあなた方が許可しない薬品を売って歩いているかもわからない。これは一般的に絶えず全体として監督しなければならん範囲だと思う。この法律が通ったからということで、あなた方が特にこのところで監督しなければならんことは一般とは別に私は範囲があるだろうと思うのですがね、そこのととろはどうでしょう。

高田正巳厚生省薬務局長

○政府委員(高田正巳君) たとえば無登録の業者が薬を売っておる、それからある薬しか売れない者が他の薬を売っておるとかいうことは、御指摘の通り一般的に監督しなければならぬことであります。従いまして、この際にもそれと同じような意味において監督をするということでございまして、特にそれがこのためにつけ加わるというわけではございません。そういうととはございます。先生の御指摘の通りでございます。

松岡平市自由党

○松岡平市君 だからこの法律が通ったために、特にあなた方がしなければならぬ監督を、先ほどから監督をどうずるか、どうして監督をするかということを言っておられるけれども、一般人が無免許で薬を売っておるかもしれんという監督はいつもしているので、これが通ったために特にあなた方がしなければねらぬ監督というものは、範囲があると思う。先ほど来監督々々とおっしゃるから、その監督というものはどういう範囲かということを言っているのです。

高田正巳厚生省薬務局長

○政府委員(高田正巳君) よくわかりました。具体的には監督の対象者が約三万ばかりふえることになります。それからその監督の内容は何かと申しますと、今申し上げましたように・それらが扱っておる薬が薬事法にいろいろと書いてあります不正標示医薬品ではねいか、あるいは不良医薬品ではないかという監督をいたすわけでございます。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 薬務局長に関連してお尋ねいたしますが、先ほどから提案者谷口さんは、厚生大臣の指定する薬品を扱うのだから指導で済むだろうとこういう意味の御答弁でした。高野さんは実際問題としてほとんど監督できんのじゃないかという趣旨の御発言です。そこで薬務局長にお尋ねするのでありますが、薬務局長として、監督の方法は先ほどお話しの通りに、産院というかあるいは産院が経営されておらん場合には助産婦の自宅とこういうことになりましょう、その監督の具体的の仕方あるいは指導の方針、あるいは監督ができるのかどうか。なかなかむずかしいという意味の御表現もございましたが、端的に一つ担当者の、責任者の所見を承わりたい。

高田正巳厚生省薬務局長

○政府委員(高田正巳君) この法律が通過いたしますれば自宅とか助産所、そういう所に立ち入る権限はできまするので、そこへ立ち入って監督をすることは可能であります。ただその場合に、私ども約千九百人ぐらいの薬事監視員をして監督に当らせておるわけでございます。その薬事監視員の立ち入る対象場所が三万カ所ふえるというととは御了承願えると思います。それで問題は、それだけではほんとうの監督はできませんので、実際に各戸で取引が行われるとしますならば、各戸で取引をするという面についての監督は非常に困難でできない。しかし配置販売というものがあるじゃないかというお話等が出ておりましたので、それについては先ほど申し上げましたように、そのもの自体を監督することは非常に困難であるけれども、それを雇っておるところの販売業者を通じて監督をいたす、そこに雇用関係がありまするので、その限りにおいて間接的ではありまするが、そういう間接的な方法で監督ができる。この際にはその配置員個々が業者になったのと同じことでございまするので、非常に監督がしにくいということを私申し上げたのでございます。そういうふうなことで先生の質問に答えたことになりましょうか……。

横山フク自由党

○横山フク君 薬務局長に伺いたいと思いますけれども、配置販売業者として許可されている人はどこにおりますかしら、またその実際配置販売に従事しております人はどこにおりますかしら。今のお話しでございますと、配置販売業者は千何百人、そして配置販売に従事している人は三万幾らということになりますと一人当り三十人分ぐらいになっていると思います。そして配置販売業者として許可されているのは富山県あるいは奈良県、配置販売をしておる所は東京都にあると思いますが、その業者も、富山県の人がその責任……東京におる一人当り主十人の人に対しての責任を持てるから、業者において許されておるという形をとっておるのかどうか伺いたいと思います。  またもう一つ、助産婦の場合あるいはその他の保健婦、看護婦の場合も自宅に……先ほど避妊薬をたとえば二十個ぐらい往診カバンに入れて歩いている場合には、検査の対象にならないというお話しでございましたけれども、実際問題とすると往診カバンも検査の対象になっておりまして、医師法違反の嫌疑、たとえば注射器が入っているか、いないかということで往診カバンを検査されることはままあることであります。そういったものもありますし、往診カバンあるいは自宅になくて、突然に受胎の調節をされる人の所に行って、いきなりその薬がわいて出るものではありません、自宅にあるか、あるいは往診カバン以外にないと思います。その往診カバンも検査の対象になっておりますことを、これは一言提案者として申し添えますが、前段の配置販売業者に対しては御答弁を願いたいと思います。

高田正巳厚生省薬務局長

○政府委員(高田正巳君) 配置販売業者は御存じのように大体富山、奈良、滋賀、佐賀そういう所に非常に多いのでございます。それらが大部分でございます。東京都に営業所を持っておるものもあるやに私聞いております。それから配置員はどこにおるのかという御質問でございますが、これは大ていの配置員は富山の人ならば富山の人が出ばって各県を歩いているようであります。そういうことでございます。  それから、この点については答弁は要らないとこうお話でございましたが、先生御引例の、持って歩いているカバンをちょっとあけてみろというやつは、これは医師法違反について罰則がありまするので、その罰則の、すなわち犯罪捜査のためならば、その罰則違反を摘発するという目的でならば、これはできると思います。ただ私が今問題にしているのは、薬事監視員とか何とか監視員というのは、行政的な監督でございますので、そういうふうなものは五十九条に規定してある権限しかないわけでございますから、その権限によってはではない。しかし犯罪捜査のためならばこれはできるわけでございます。しかし犯罪捜査の権限はまた別の者が持っておるわけでございます。

高野一夫自由党

○高野一夫君 公衆衛生局の関係者にどなたでもけっこうですが、伺いたいんですが、この受胎調節の実地指導員には、助産婦そのほか保健婦も当っておると思うのであります。これら実地指導に当って報酬が取れるとか、取れないとかいうことが私は基本の問題になっていると思う。従って一向報酬がもらえない、ただ働きをするのもいやだ、こういうので何かそれじゃ本業と違う薬でも売って一つ収入をはかろうということになると思うので、これはこの間も谷口委員からもお話がありましたのですが、ところが現在は厚生省は受胎調節の指導普及を大いに誇称されているけれども、この実地指導に当る者に対する手当といいますか、収入というか、料金を取る道というか、そういう点はどうなっているか。私はこの問題が解決すれば、こういう問題は起らなかったのじゃないかしらんとも思うのでございますが、現在そういう方法について厚生省の予算がどうなっているか、あるいは従来どういう実際方法をおとりになっているか、一つ聞かしていただきたい。

山口正義厚生省公衆衛生局長

○政府委員(山口正義君) 受胎調節実地指導員に受胎調節の普及をやっていただきたいということで、昭和二十七年に優生保護法が改正されましてから、私どもその線で進めて参っているわけでございますが、高野先生から御指摘のように実地指導員は業として指導を行なっておりますので、建前からいたしますと、指導に要する経費はつまり指導料は指導を受ける人から徴収するというのが建前でございますが、実際問題といたしまして指導料を払ってまで指導を受けるという人が現在の状態ではまだなかねかないというような状況でございますので、従って指導を受ける方々から指導料を取るということが現在ではまだなかなかできないという状況でございます。私どもやはり受胎調節実地指導員の方々に活動していただ誉ますために、ただいま高野先生から御指摘がございましたが、受胎調節を普及させますために何とか指導料を公費でみたいというようなことで、従来も予算措置につきましていろいろ財政当局とも折衝して参ったのでございますが、まだはっきり別建てで指導料を予算に計上するというところまではなっていないのでございまして、先般御審議いただきました昭和三十年度の受胎調節普及に要します予算につきましても、貧困者に対します特別施策といたしまして三千二百万円計上されましたが、これは器具、薬品を生活保護の該当者並びにそのボーダー・ラインの人たちに支給するというわけでございます。それで私ども財政当局といろいろ相談いたしまして従来実地指導に必要な経費、指導料という名目にはなっていないのでございます。全国で七百数個所ございます優生保護相談所、現在は保健所の業務の一つになって実施いたしておりますけれどもそこの経常費の中に謝礼金として若干計上しまして、それを実際指導に当っていただきました方々に謝礼として出すという方法をとっております。昭和三十年度には先ほど申し上げました器具、薬品を無料で支給するという特別対策をとるに伴いまして指導料を別に計上していただくことができませんでしたので、従来優生保護相談所並びに保健所の受胎調節普及に要します経費として二千六百万円昭和三十年度に計上していただいておるのでありますが、そのうち約二千万円くらいをこの実地指導に当る方々に、これは単に助産婦の方々だけでなしに医者も含めてでございますが、そういう人に対する謝礼金として出し得るように財政当局と一応話をつけたわけでございます。三分の一補助でございますので、全国になりますと事業費二千万円になるわけであります。しかしこれを非常に多数に上る実地指導員の方に一人心々割り当ててみますと、額はそう大きな額にはならないというのが遺憾なところでございますが、現在の状況はそういう状況でございまして、それで実地指導員の方々の実際に働かれております状況を見ますと、先ほど高野先生から御指摘がございました指導料の問題にからみまして、指導料を公費で負担しております。公費と申しますか、府県費並びに町村費で負担しております県、たとえば栃木県なり長野県の一部あるいは大きな企業体で実地指導料を出して実地指導員の方々に働いてもらっておる所がございますが、そういう所では活動状況は比較的いいのでありますが、そのほかでは現在のところなかなか思うようには働いていただけないというような現在の状況でございます。以上でございます。

小林英三自由党

○委員長(小林英三君) この際お諮りをいたしますが、本案に対する質疑は尽きたものとみなして御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小林英三自由党

○委員長(小林英三君) 御異議はないものと認めます。ただいま山下委員から委員長の手元に修正案が提出されておりますので、本修正案を議題といたしたいと存じますが御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小林英三自由党

○委員長(小林英三君) 御異議はないものと認めます。それでは山下委員より修正案の趣旨説明を願います。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 修正案は御手元に案文が配付してございますので、朗読を省略さしていただきたいと思います。修正の要点を申し上げますと、原案の十五条の改正規定を削りまして、そうして十五条の改正規定と申しますというと、原案のほとんどおもなる点が十五条関係でございますので、その点をすべて削ることにいたしまして、新たに第三十九条と申します一条を設けるわけでございます。この第三十九条はすなわち優生保護法の附則の規定でございますので、本問題を優生保護法の本文の中に置かずしてこれは附則による規定を置きますことが立法体裁上至当であろうと存じまして第三十九条という一条を設けたわけでございます。そういたしましてこの受胎調節指導員に必要な医薬品を販売させますることは恒久の制度と認めるのでなくいたしまして「当分の間」、今日の実情に応じまして当分の間かかる措置を認めようこういう考え方で「当分の間」ということを入れたいと存ずる次第でございます。  それから第三十九条の二項にこの販売に当りまする指導員の心がまえ、すなわちその販売に当りまして注意をしなければなりません点・違反しては相捻りません点を十分明確にいたしておきまして、すなわち厚生大臣が指定しまする医薬品でしかも薬事法に明らかにその規格を定めました品物以外は売ることができないようにいたしましたのが一号、それからその品物以外の医薬品を売ってはならないということを念のために戒しめておりますのが二号、それから受胎調節の実地指導を受ける者以外の他の一般の者に前の一号・二号の品物を売ってはならぬ、売る人はきまっておるぞと注意してございますのが三号でございます。そういたしましてこれらの規定に違反をいたしました場合の処罰といたしましては、指導員の資格を取り消しをするという行政処分に変えたのでございます。従いまして行政処分でございますから、これは原案にもございますが、すなわち第三項にヒヤリングを許しまして、その異議の申立てのことだけは人権尊重上とどめおきましたのでございます。従いまして、第二十九条以下は不必要となりますので、この改正規定を削る。これが大体修正の要点でございます。  実は私も昨日質疑いたしまして感じましたことは、原案におきましてはいろいろ疑義がたくさんございまして、われわれといたしましても、納得いたしかねる点がございますが、第一番に、原案におきまして納得いたしがたいと思います点は、販売に関しまする手続が繁雑でございまして、いわゆる指導員の指定証をまず交付して、その指定証に今度は販売の許可証を捺印したり、いろいろ繁雑な手続をいたしますが、それらの繁雑な手続が何の利益があるかと申しますと、ただ、それらを販売に当って持たせる。販売の許可を受けたという証明書になるだけのことでございまして、かかる繁雑なる、手続は、本改正案の目的上大した利益を与えませんことでございますので、すべてそういう繁雑なる手続を省略いたしまして、受胎調節の指導員には、との種の限られた医薬品の販売品の販売を許す、こういうふうに簡明にいたしました次第でございます。そのかわり、原案におきましては、薬事法に違反いたしました場合には単に販売関係の処罰だけでございまして、受胎調節指導員たる身分には何らの影響がないことになって分離してございます。もっとも回り回りまして体刑等禁固以上の刑に処せられましたときの影響は間接的にはございましても、一応本法律上におきましては関係がない。しかるに、との受胎調節関係の医薬品を販売するということは、指導員としての立場でやるのであって、指導上密接不可分の重要な施策であるという建前をとります以上は、この医薬品の販売に違反事項がありましたならば、ただ販売の資格が失われるというととでなくいたしまして、指導員たる本来の身分に影響があって取り消されるということが至当でございますので、その処分を密接不可分に一体にいたしたのございます。  それから薬事法との関係につきましては、われわれといたしましては、あくまでも例外規定である。すなわち薬事法が重きか、受胎調節上かかる施策が必要なのかということの両者いずれの問題をとるかということになるわけでございまして、今日私どももこの点につきましては、党といたしまして慎重に今朝来機関に諮って検討を加えたのでございますが、今日受胎調節の必要なことは国論でございます。この施策を強力に推進いたしますために、薬事法の原則の除外例を認めることは、ある段階、ある時期においては必要ではないかと考えますので、薬事法の除外例を本優生保護法の中におきまして認めるわけでございます。しかしながら、その除外例たるや、あくまでも除外例でありまして、しかも今日のこの時期に当面するいわゆる暫定的の施策でなくてはなりませんので、あくまでも恒久制度として薬事法の定める原則以外に新たなる医薬販売業者を認めようとするのではないのであるということを明確にいたします。すなわち限られたる対象者・限られたる医薬品及び限られたる場所において、その他しぼるだけしぼってやるということになりますというと、薬事法が戒めております弊害等は、可能な限り少ない範囲に防止し得るのではないかと考えるのでございます。従って原案におきましては、あくまでもその趣旨で除外例としてこの取扱いをいたそうとするにかかわらず、いわゆる薬事法に、非常に何と申しますか、薬事法を尊重すると申しますか、遠慮すると申しますか、そういう建前で、薬事法の全体の取締規定をかぶせるということになりますと、こういう特殊の除外例の場合に、薬事法において定めたる一般の取締方法をここに総体的にかぶせまするというと、昨日本員等の質疑におきまして明確に相なりましたように、実際におきましては、この薬事法が認めておりまするような監督、立入り検査等が不可能なことは明白なことであります。従ってとういうような取締規定を、しかも立法体裁上薬事法がすっかりとこちらに、移るかのごとき異様な感を与えまする規定を定めまするよりは、優生保護法の中におきまして、この販売上に違反事項がありましたときには、優生保護法自体においてこれを戒める、薬事法に御迷惑をかけないという建前をとりまする方が、私は施策を行いまする上におきまして立法上妥当な考えではないかと、かように考える次第でございます。従いまして、薬事法の取締規定をすべて省きまして、優生保護法におきまして、この販売に当りまして違反事項が起きました時分には行政処分をする、こういうことに修正の趣旨が相なっておるのでございます。  なおかつ、原案におきましては、いわゆるややもすると流れがちでありまする営利に走るという弊害につきましての配慮が、原案においてはなされてございません。その点を十分注意いたす必要があると存じますし、販売上におきます注意は先ほど申し上げました通り、また違反に対しまする制裁が指導員たる身分に及びますることは、すなわちとの取扱い上、十分その関係者が注意をいたしまするような考え方に基きますのでございます。  大体以上のような考え方をもちまして、実は修正案を提起いたしまするには、少しく何と申しますか、根本的な修正のような形になりまして、原案者に対しましては相済まないように存ずるのでございますが、しかしながら薬事法関係との間の重大性、またこれらの多数の受胎調節指導員の今後の活動の重大性、それらを彼此勘案いたしまして、また、優生保護法という法律の建前の上から申しまして、との程度の条件、この程度の方法をもっていたしますることがまず現状においては妥当ではないかと考えまして、ここに修正案を提出いたしました次第でございます。  何とぞ慎重御審議を賜りたいと存じます。

小林英三自由党

○委員長(小林英三君) ただいまの修正案に対しまして御質疑を願います。

阿具根登日本社会党(第四控室・左)

○阿具根登君 修正の点が個所だけ御質問申し上げたいと思いますが、第三十九条で「当分の間」というのが入っておりますが、これはこの趣旨の目的を貫徹するまでといろ意味ですか、どういう意味かお尋ねしたいと思います。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 ただいま阿具根委員から御質疑のありました通りでありまして、「当分の間」とございますのは、本法改正の趣旨がその目的を達しますることを期しますることはもとよりでございますが、元来、私どもといたしましては、受胎調節関係の専門家ではございません。しろうと考えではございますが、受胎調節の施策を推進して参りまする本筋は、ただいま公衆衛生局長が申しました通り、この指導に関する諸般の費用を国が進んでこれを負担をいたし、あるいは必要な器具薬品等につきましても、本年度の予算でその施策に一端が見えましたが、ただ単に生活困窮者のみならず一般の受胎調節者に、理想を申しますれば、この政策を奨励しまする間は無料でこれを配付し少しでも優秀なそれらの品物を政府が十分検討をいたしまして、それが廉価に需要者の手に入りまするような施策が行われますることが、これが本筋であろうかと思います。受胎調節指導員の活動を促し、あるいはなるほど医薬品を現場で携帯をいたして販売いたしますことは、確かに便利でもあろうと思いまするが、それがいわゆる指導員の何と申しますか、間接的な費用支弁の一助にもなるというがごとき考え方というものは、われわれとしては本筋ではないと思うのでございます。従いまして国の政策が、受胎調節推進に適当なる政策が行われるまでは、やむを得ずこの種の施策も必要ではないかと考えまして、これらはその政策が本筋に、本格的に相なりまするまで当分の間という意味でございます。なおかつ、受胎調節を必要といたしまする時期が果して数十年間であるかどうかということにつきましても疑問でございまして、あるいはまた時期が参りますというと、受胎調節を中止いたしまする必要な時期がないともわかりませんので、つまりこの種の施策が必要な、この施策を必要とするその間中という意味でございまするので、「当分の間」という字句を挿入いたした次第でございます。

阿具根登日本社会党(第四控室・左)

○阿具根登君 そうしますと、この一部改正案にしましても、ただいまの修正案にしましても、国策の線に沿って産児制限をやらなければならないけれども、その実効が非常に上っていないためにこういうことが出されたと思うのです。そうすると実効が上らない原因は何かということを考えなければならないと思うのです。私はいろいろあると思うのですけれども、表面に考えられることは、この種の薬品を買うということは非常に恥しいから買いに行かないということが、改正案の提案者の説明の一部になっております。そうして今度またほかに考えますならば、時間がない、あるいはこういうものを購入するだけの余裕がない、こういう三つぐらいの意見があると思いますが、この第一の意見は修正案を出されました山下議員がきのう強く否定されている。恥かしいというような段階ではないのだ、そういうことはないということを強く否定されておりますから、私の考える三つのうもの一つは、山下議員の本旨ではない、思います。そうすれば時間がないと、そういうことも私はあまり考えられない。そうするならば最後の問題だと、いわゆる今までよく使われておりました苦しい人のところには一番子供が多い。これが私は一番大きな問題になっておると思うのでありますが、こういう修正案が出されても、私は薬が安くなるとは思わない。そうするならば最初御質問申し上げました当初の目的を達成するということは、相当先のことであり、その前にこの所期の目的を達成するということになるならば、そういった方々にいかにして安くこの薬をやるか、あるいは無料で配付するかというのが前提でねければ、こういう販売業をやられても、所期の目的は達成することはできないと私は思うのでございますが、修正された山下議員は、この行商的な医薬販売を十分に消化されるだけのいわゆる一番苦しんでいる方々の生活が楽に触るのはいつごろだとお考えになりますか、一つお尋ねしたい。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 十分なお答はできかねると思いますが、阿具根委員のただいま仰せになりました御意見は、私は全く同感であります。これは受胎調節をしようとする人々が、生活が楽になり、いろいろだだいまお述べにんなりましたような状況にすみやかになりますることをわれわれといたしましても念願をいたしておるのであります。ただ、私はこの機会に修正案の提案者として思いますることは、原案におきましては私は納得しがたいのは昨日申し上げました通りであります修正案のこの程度ならば、私どもとしてはこの施策に賛成したいと思います。そうして実際におきましては、この従来の医薬品の販売業者の私は営業権の侵害、営業権の侵害と申しますか、営業利益の侵犯と申しますか、そういうことにはさほど心配しなくてもいいと思うのです。言いかえますと、新たなる需要者の階層が生れ、いわゆる新規需要が異常に激増いたしますれば、やはりこれはひいて従来の医薬販売業者の問屋、小売屋、どういう手を経てこれらの指導員が扱われるか知りませんけれども、決して利益を阻害するということは、これはあまり、心配しなくてもいいんじゃないか、むしろ新規需要が異常に増進するごとによりまして、従来の業者の各位も、あるいは利益を共にされるんではないかと思います。ただ戒むべきは、この医薬品の販売を指導員に与えたるために、その指導員が、あるいは心がけを誤って、あるいはこの業者からの奨め、誘惑、そういうものに陥りやすく相なり、あるいはこの指導員の団体が、あるいはメーカーと相結んで、そうして下部の指導員にわれわれの団体はこういう品物を扱うことになった、この製造業者とこういう特約を結んだ、こういう利益を受けることになって、これだけの分け前を与えることになった。従って下部の協会加入者、会員は、この品物を扱うことに努力せよなどと、中央の団体が指令いたしましたりなどいたしまして、そうしてこの販売を許可されたのを奇貨おくべしとなして、これが中央の団体の常となり、あるいは都道府県のこれら指導員の所属する各種のグループが、各種の医薬品の取扱いをはさんで、そうして種々なる好ましからざる現象が生じましたらば、そのことが受胎調節を普及する上におきまして、大きなる婦人間の阻害というようなことになりますことを、厳に戒めなければならんことであると考えておるのでございます。これは御質問ではございませんでしたけれども、われわれといたしましては、この受胎調節をなさる方々が、一日もすみやかに、この無料もしくは廉価な方法でこの目的を達成せられまして、生活が向上されますることがすみやかに到来しますることを念願いたす次第でございます。

小林英三自由党

○委員長(小林英三君) ほかに御発言がなければ、修正案に対する質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小林英三自由党

○委員長(小林英三君) 御異議ないものと認めます。これより原案並びに修正案につきまして討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。

竹中勝男日本社会党(第四控室・左)

○竹中勝男君 私ども社会党左は、この優生保護法の一部を改正する法律が目的としておる第一の目的、すなわち日本の産児調節することによって計画的な人口政策を樹立するという、こういう目的に対して私どもは賛成いたしておるものであります。さらにまた今日六万の助産婦、看護婦、保健婦、こういう人たちがこの国の政策に協力するために働いておられることについて、それに対する報酬が伴っていないということを、私どもは大へん気の毒に思っております。しかしながら先ほどの阿具根委員の質問の中にもありました通りに、必ずしもこの改正案によって産児調節の目的が十全に達せられるものであるかどうかということについては、まだ大きな疑問を持っておるものであります。すなわち最も必要としておるところの階級が避妊薬を購入する経済力がないというところに、産児制限の根本的な問題があるのでありまして、その根本の問題が解決されない限り、真の効果というものは、この法律の優生保護法の一部を改正することによっては達成されないと私どもは見ておるものであります。のみならず私どもの党としましては、この医薬分業によるところの新しい国民の医療体系を要望いたしております党といたしまして、こういう除外例、薬剤師以外の者がこの医薬を、薬剤を行商販売するというこの例外を作るということについては、根本的の一つの疑義を持っております。従ってこのことの中には、この疑義の中には、今日この薬剤業者、薬局というものが当然持っておるところの権利の一部をこれによって侵害することになるというふうに考えております。数百種の薬、数百か数千かわかりませんけれども、非常に多くの薬の中の一部、ごくごく一部というふうに形式的にはなりますけれども、しかしながら相当売れておるところの薬であるということは事実であります。この薬剤を販売しておるところの薬局が、その販売権を侵害されるということは相当大きな意味を持っております。そういう意味におきまして、私どもはこれを政策審議会に一応かけようということを今朝決定いたしました。そうして党の態度をはっきりしてこれに賛成あるいは反対の意思表示をするつもりでおりましたととろ、右派社会党から急にこの修正案が提出されましたので、これを政策審議会に諮る時間がなかったのであります。これを来週月曜まで延ばしていただきたいと私どもは希望いたしたのでありますけれども、その余裕がないわけであります。でこの点につきましては、この修正案が出ましたことについては、私どもは大へん残念に、ことの友好であるべき右社会党が修正案をわれわれに相談なしに出されたということについては、非常に残念に思っております。そういう意味におきまして私どもは今直ちにこれに賛成する準備を持っておりません、従って修正案に対してもわれわれは消極的な態度を示すよりほかに、今日現在ただいまのところそういう事情に立ち至っておるということを御了解いただきたいと思いまして、私の意見を述べます。

小林英三自由党

○委員長(小林英三君) 他に御意見もないようでございますので、討論は終局したものと認めます。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小林英三自由党

○委員長(小林英三君) それではこれより優生保護法の一部を改正する法律案に対しまして採決に入ります。まず山下義信君提出の修正案を問題に供します。山下義信君提出の修正案に賛成の諸君の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

小林英三自由党

○委員長(小林英三君) 多数と認めます。よって多数をもちまして山下義信君提出の修正案は可決されました。  次にただいま可決されました部分を除いた原案全部を問題に供します。修正部分を除きました原案に賛成の諸君の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

小林英三自由党

○委員長(小林英三君) 多数と認めます。よって本案は多数をもちまして修正議決すべきものと決定いたしました。  なお、本会議におきまする口頭報告の内容議長に提出する報告書の作成その他の手続きにつきましては、委員長に御一任願いたいと思いまするが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小林英三自由党

○委員長(小林英三君) 御異議はないと認めます。  それから報告書には多数意見者の署名を付することになっておりまするから、本案を可とせられた方々は順次御署名を願います。  多数意見者署名    松岡 平市  森田 義衛    加藤 武徳  榊原  亨    田村 文吉  横山 フク    長谷部廣子  有馬 英二    山下 義信  谷口弥三郎    相馬 助治     ―――――――――――――

小林英三自由党

○委員長(小林英三君) 次にあん摩師、はり師、きゆう師及び柔道整復師法の一部を改正する法律案を議題といたします。御質疑を願います。

榊原亨自由党

○榊原亨君 本問題につきましては、委員会を一時休憩せられまして懇談会を開催されることを、その懇談会において十分、懇談のあとにこの問題を議題に供せられることを望みます。

小林英三自由党

○委員長(小林英三君) ただいま榊原委員からお聞きの通りの御意見が出来したのですが、御異議はございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

相馬助治日本社会党(第二控室・右)

○相馬助治君 ただいま榊川原委員提案の懇談会のことについてですが、私たちは賛成いたします。そのことは本法の重大性にかんがみて、より慎重を期すために懇談会に移すことに賛成いたします。

小林英三自由党

○委員長(小林英三君) なおお諮りいたしますが、ただいまの提案に対しましてはこのままの形式でやりますか、部屋を変えて各派から代表でもお出になってやるお考えでございますか。ちょっと速記をとめて下さい。   〔速記中止〕

小林英三自由党

○委員長(小林英三君) 速記を始めて。  五時半まで休憩いたします。五時半から再開いたしたいと思います。    午後四時五十一分休憩   〔休憩後開会に至らなかった〕

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