社会労働委員会 第21号
- 発言数
- 37 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1955/06/28
会議録
○委員長(小林英三君) 委員会をただいまより開会いたします。 まずお諮りいたします。日程を変更いたしまして、先に麻薬取締法の一部を改正する法律案、歯科衛生士法の一部を改正する法律案の提案理由を求めます。
○政府委員(紅露みつ君) ただいま議題となりました麻薬取締法の一部を改正する法律案につきまして提案の理由を御説明申し上げます。 現在、麻薬取締法によって取締りの対象とされている麻薬は、同法別表に掲げるところでありますが、今般国際連合より同表第二十一号三−ヒドロオキシ−エヌ−メチルモルヒナン及びその塩類並びに第二十二号三—メトオキシ−エヌ−メチルモルヒナン及びその塩類のうち右旋性のものについては、一九四八年の麻薬に関する国際条約第三条の規定に基き麻薬から除外する旨の通告があり、その除外事由につき検討いたしました結果、これらのものは麻薬としての危害が全くありませんので麻薬から除く必要があると考え、所要の改正を行おうとするものであります。 以上がこの法律案を提出する理由でありますが、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことを御願いする次第であります。 次に、歯科衛生士法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。 改正のおもな点は、歯科衛生士が歯科診療の補助に関する業務を行うことができることにいたした点であります。 従来歯科診療の補助に関する業務は、保健婦助産婦看護婦法によりまして、看護婦または准看護婦でなければ業としてはならないことになっており、歯科衛生士は歯科医師の直接指導のもとに予防のために歯石の除去あるいは薬物の塗布等の業務を行い、歯科医師の診療の補助の業務はできないことになっておりまして、現実に非常な不便がありましたばかりでなく、教育内容から見ましても、歯科衛生士は、歯科診療の補助に関しましては十分その能力を有するものと考えられますので、今回これを改正いたしたのであります。 なお、これに伴って看護婦または准看護婦の場合と同様に主治の歯科医師の指示があった場合のほか、診療機械を使用し、または医薬品を授与する等、歯科医師が行うのでなければ衛生上危害を生ずるおそれのある行為をしてはならないことといたしたのであります。 以上の改正に伴い歯科衛生士の免許は女子に与えるのを建前とすることとし、これに伴って名称を歯科衛生婦に改めることにいたしたのであります。これは現在でも歯科衛生士はその業務の性質上、女子のみしかいないのでありますが、今回の改正により、従来看護婦または准看護婦のみに許された業務でありました歯科診療の補助という業務も行うことができることといたしましたので、ますますその業務を行う者を女子とすることが適当となったからであります。 なお、この点につきましては、保健婦助産婦看護婦法の例に準じ、附則において、男子たる歯科衛生手についての準用規定を設けまして例外的に男子でも歯科衛生婦と同様の業務を行うことができる道を開いておきましたのであります。 以上が、この法律案を提案するおもな理由でありますが、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。 —————————————
○委員長(小林英三君) それではこれより麻薬取締法の一部を改正する法律案についての質疑をお願いいたします。
○榊原亨君 今度除外しようとされます薬は右旋性のものでありまするが、左旋性のものと比較いたしまして、その製造過程において、また製造方法において著しい違いがあるのでありますか、承わりたいと思います。
○政府委員(高田正巳君) お答え申し上げます。右旋性のものと左旋性のものとは違うと存じまするが、実はこの薬は右旋性のものも左旋性のものもわが国では全然作っておりませんし、また流通もいたしておりません。これを麻薬に指定いたしましたのは、国連の方の通告に基きまして、先年これを麻薬に指定をいたしたような次第であります。
○榊原亨君 右旋性と左旋性の鑑別方法において、監督上簡単に鑑別することができるでありましょうか。
○政府委員(高田正巳君) お答えいたします。鑑別は旋光計にかけますれば、光の回転によりまして、ごく容易に鑑別ができます。
○榊原亨君 ただいま承わりまするというと、製造方法についてははっきりわからぬ。学問上わかっているかもしれませんけれども、わが国においてはまだ製造しておらないということでありまするからして、従いまして将来この二つの右旋性、左旋性のものをわが国において製造するという段階になりました場合には、製造過程が右と左と非常に似ておりますならば、右を作ると申しまして、左を作るというようなこともなきにしもあらずでありまするが、その点については、いかがお考えになっていらっしゃいますか。
○政府委員(高田正巳君) お答えいたします。ごもっともな御心配と存じます。従いまして、これを製造するというふうな段階に至りましたならば、この製造につきましての過程における、あるいはその製品の厳重なる監督が必要だと存じます。なお、つけ加えて申し上げますれば、右旋性のものを左旋性に直すことは絶対にできないのであります。
○谷口弥三郎君 ただいまのに関連いたしまして、いま一つお伺いしておきたいと思いますが、これには中性はありますか。
○政府委員(高田正巳君) お答えいたします。中性のものにつきましては、まだわかっておらないのであります。
○谷口弥三郎君 右旋性のものは普通光学的に調べます場合、たとえば乳酸のようなもののときにでも左旋性のものを右旋性にするとか、右旋性のものを左旋性にするというような場合には、人体を濾過するとか、人体の組織を通過させるとかいうことをやれば行くのですが、この方はいかがですか。
○政府委員(高田正巳君) お答え申し上げます。これは右旋性のものを左旋性に直すことは化学的にできないというふうな実は報告が参っておりますが、大へん恐縮でございますけれども、私ども現在承知をいたしておりまする技術的な知識というものが、このものにつきましては、ただいま申し上げましたように、あまり十分でございませんので、この程度のお答えしかできないことを御了承いただきたいと思います。
○谷口弥三郎君 突っ込んで聞くようでまことに恐縮でございますが、日本の薬理学者、あるいは薬学者におきましては、これについて研究した者は今現におりませんですか。
○政府委員(高田正巳君) お答え申し上げます。左旋性のものにつきましては、研究室で若干研究をしておられる方があるそうでございますが、右旋性のものにつきましては、わが国にはまだ研究がないと聞いております。
○委員長(小林英三君) ほかに御質疑はございませんか。——御質疑がないようでございますが、質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小林英三君) 御異議がないと存じます。それではお諮りいたしますが、麻薬取締法の一部を改正する法律案を問題に供しまして、この際討論を省略いたしまして、直ちに採決に入りたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小林英三君) 御異議ないと認めます。それでは採決をいたします。本案に御賛成の諸君の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(小林英三君) 総員でございます。よって本案は原案の通り可決すべきものと決定いたしました。 —————————————
○委員長(小林英三君) 次は日程を前に戻しまして、社会保障制度に関する調査を議題といたしまして、赤痢予防注射等に関する件について、昨日本委員会におきまして決定いたしました決議に対しまして、厚生大臣より発言を求められております。
○国務大臣(川崎秀二君) 昨日の委員会において御決議のあとに、慣例に従い、政府の意見を申し述べようと思いまして待機いたしておりましたところ、委員長より、政府もこれにより考慮せよとの御発言があり、議事が進行し、かつ本院予算委員会に出席を要請され、その約束の時間も過ぎておりましたので、急ぎ退席をしました関係上、所見を申し述べませんでしたが、この機会におきまして御決議に対し所見を申し述べます。 戦後公衆衛生の向上には見るべきものがありまして、国民の福祉の増進に寄与するところ少からぬものがあると認められておりまする中におきまして、一抹の暗影を投じておりますのは、御指摘の通り赤痢等の蔓延でございます。政府といたしましては、御決議の趣旨を十分に体しまして、反省すべき点は反省をし、対策に遺憾なきを期する所存でございます。 なお、委員長から特に御要望のありましたこの御決議の趣旨の実現のためには、それに要する予算の問題につきましては、御趣旨を体し十分努力する所存でございます。
○委員長(小林英三君) 本問題につきましてはこの程度にいたしまして、次に移りたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小林英三君) 御異議ないと認めます。 —————————————
○委員長(小林英三君) これより歯科衛生士法の一部を改正する法律案の質疑を行います。
○榊原亨君 衛生士は婦人が主としてあるということで、士を婦に改められたということでありますが、婦人であるからといって、どうしても婦という名前をつけなければならぬのでございましょうか。その点の御意見を承わりたい。
○政府委員(高田浩運君) 今回の改正法案におきまして、歯科衛生士の名称を歯科衛生婦と改めることを提案いたしました趣旨は、ただいまお話の趣旨に基くものでございまして、すなわち歯科衛生士が従来やっておりました仕事に加えて、歯科診療の補助という業務をプラスいたしました機会に、ますます女子の適職としてその旨をはっきりするという趣旨の改正をいたしますことに関連をいたしまして、いわゆる名は体を表わすと申しますか、そういう考え方から、ないしまた法制上の見地から、女であるという趣旨を名称のうちにも盛り込むことが妥当であると考えまして、歯科衛生婦と名称を改称いたしますように提案をいたした次第でありますけれども、しかしながら名称の問題は、これはいろいろな考え方がもちろんあり得るわけでございますし、この名称が最上の名案だとは私どもも考えておりません。ほかに適当な——その基本原則に即応した適当な名前があれば、あえて固執するものではありません。
○榊原亨君 今の御所論によりますと、これは私の考え違いかもしれませんが、栄養士は大部分婦人と思うのであります。そういう御議論でありますならば、栄養婦とこれは改めなければならぬと思うのでありますが、いかがでございましよう。
○政府委員(高田浩運君) 提案をいたしました法案をごらんいただけば御理解いただけると思いますが、改正案の第二条におきまして、「左に掲げる行為を行うことを業とする女子をいう。」というふうに書いてあるわけでございますが、私どもの承知しておりまする範囲におきまして、栄養士につきましては、こういう言葉はないと存じております。
○榊原亨君 それではもし将来男がこれになった場合の道を開くために、歯科衛生士というものを別に法律で道を開いておられるのでありますが、どうしても女であるならば、衛生婦という名前をわざわざここにお用いにならなくても、衛生士には希望すれば男もなれる、主として女であるというなら、今までの士で別に差しつかえないと思うのでありますが、その点はいかがでしょう。どうしても女子でなければならぬという御見解であるならば、特に今後衛生士というものを設ける必要はないわけであると思うのでありますが、その点はいかがでございましょう。
○政府委員(高田浩運君) 今のお話の点は保健婦、助産婦、看護婦等の例にならった次第でございます。
○榊原亨君 第十三条の二を見ますというと「主治の歯科医師の指示があった」と、こうあるのでありますが、この歯科医師のほかに歯科医業を営むことができる医師が入っておると思うのであります。それを除外してあるわけはいかがでございましょう。
○政府委員(高田浩運君) これは第二条におきまして「歯科医師(歯科医業をなすことのできる医師を含む。)」ということで、それでいっておるわけなんです。
○委員長(小林英三君) 本法案の今日の質疑はこの程度にいたしまして次に譲りたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 —————————————
○委員長(小林英三君) なお、先ほど全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました麻薬取締法の一部を改正する法律案の、本会議におきまする委員長の口頭報告の内容及び報告書の作成その他の手続は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小林英三君) 御異議ないと認めます。 それから報告書には多数意見者の署名を付することになっておりますから、本案を可とせられる方の御署名をお願いいたします。 多数意見者署名 竹中 勝男 山本 經勝 森田 義衛 河合 義一 有馬 英二 榊原 亨 田村 文吉 常岡 一郎 山下 義信 相馬 助治 谷口弥三郎 阿具根 登
○委員長(小林英三君) 速記をやめて。 〔速記中止〕
○委員長(小林英三君) 速記を始めて。 それでは本日はこれにて散会いたします。 午前十一時十八分散会