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22回国会参議院1955/06/16

社会労働委員会 第16号

発言数
81
登壇者
13
会派数
4
開催日
1955/06/16

会議録

小林英三自由党

○委員長(小林英三君) それではただいまから委員会を開きます。  前回に引き続きまして、社会保障制度に関する調査を議題といたしまして、厚生省関係の昭和三十年度予算並びに厚生行政に関する質疑を行います。

榊原亨自由党

○榊原亨君 前回におきまして、高野委員から、輸血の問題について御質問がありました。それに関係いたしまして私が質問をいたしておりました途中で散会になりましたので、その続きにつきまして一、二御質問を申し上げたいと存ずるのでありますが、その一つは、この前私がお尋ねいたしました輸血銀行を増さなければ、直接になまの血液を輸血するということをやめるわけにはいかない。従いまして、だんだん輸血を要します手術の事例が日本じゅうたくさんになってきておるのでありますが、血液銀行がこれに伴いませんものでありますから、従いまして、やむを得ずなまの血液を輸血をしなければならぬ、こういう状態にあるのであります。従いまして、その場合に、この前も申しましたように、急を要しますときに、なまの輸血をいたしますということになりますと、従って梅毒反応なんかを完全に調べることができないというようなことになりまして、いろいろな不祥事が起ってくるのでありますから、どういたしましてもこの血液銀行を増す必要がある。つきましては、今度予算の部面におきまして、国立病院の中に血液銀行を数カ所増される予算が出ておるのでありますが、それを一つ国立病院だけにそれをしようということでなしに、一般にもそれを公開していただきたいということをこの間御質問申し上げたのでありますが、大臣の御答弁がはっきりしません。並びに医務局長の御答弁は、それは国立病院だけに使うんだというお話でありましたので、その点について重ねて当局の御見解を承わりたいと存じます。

高田正巳厚生省薬務局長

○政府委員(高田正巳君) 私から便宜お答えを申し上げまして、なお、足りないところがございましたら他の政府委員からお答え申し上げます。ただいま榊原先生がおっしゃいましたように、保存血が十分に供給されまするならば、これはなま血の輸血の必要がないのでございまして、それが必要であるということは私どもも全く同感でございます。ただいま一般の病院、療養所に供給をいたすことを目的としておりまする正規の血液銀行、これは全国で十九カ所ございます。それでこの増設を、私どもといたしましては、実は非常に念願をいたしておりまして、これには公共団体が医療の性格上やはりよかろうということで、公共団体がやって、それに補助金を出したいというふうな念願を持っておるのでございまするが、財政その他の関係で、これが予算に計上されなかったことは、はなはだ残念でございます。しかしながら補助金を出しませんでも、最近の傾向におきましては、一年に二、三カ所ずつはふえて参っておりまして、今申し上げましたように、目下のところ十九カ所ございます。それから国立病院のごとき、院内に供給をいたしまする血液銀行と申しまするか、院内患者だけをねらった病院に付設された血液銀行が、やはりこれは二十カ所ばかりございます。そこに本年度の予算で国立病院五カ所がふえるわけであります。しからばその国立病院の血液銀行を院外の一般の者にも供給をするようにしたらどうかという御質問でございまするが、これはごもっともなる御意見と思うのでございます。ただそこに若干事情がございまして、私どもの立場といたしましては、もし国立病院の現在の血液銀行が院内患者だけをねらわないで一般の不特定多数の人間をねらうのであるならば、私どもが薬事法関係で示しておりまする基準に従ってやってもらわなければならない。現在の病院の院内患者をねらっております血液銀行は、これは薬事法関係の基準よりは実はだいぶ低い設備、あるいは人的要素等について、その基準はマッチいたしておらないのでございます。しかしながらこれは病院の責任において、病院の医師の責任において、自分の患者に供給をされるものでございまするので、これは私どもの方の関係の法令の外にあるものとして、不特定多数の人をねらっておりませんので、これは認めておるわけでございます。さような関係で、もしこれを院外に出しまするとしますと、予算の関係等も、国が計上されておりまする予算では不十分になってくるような関係があるのでございます。さようなわけ合いで、本年度に予定をいたしておりまする国立病院の血液銀行は院内の患者に限って、その立前で予算が計上されておるのでございまして、これを直ちに院外の者にも供給をいたしますことは、今申し上げましたような点で、若干そこに問題があるのでございまするが、しかし将来の問題といたしましては、さような方向に向いますることは私どももけっこうなことだ、その際には設備なり、人的要素なりの充実をいま少しいたしまして、さような方向に向うことは非常にいいことであると思う、かように考えておるのであります。

榊原亨自由党

○榊原亨君 ただいま院内で使うものと不特定な人に分け与える場合と、設備その他で違うと言われますのは、保存の装置が違うのでございまするか、あるいは血液の性質を検査いたします場合に、その処置が違うのでありますか、その点はどういう点が違うのでありますか、簡単に一つ伺いたい。

高田正巳厚生省薬務局長

○政府委員(高田正巳君) 院内の方の関係は、これはたしか医務局関係の医療法でございましたか、その根拠法令は忘れましたが、この病院関係を規制いたしまする法律に基いた特定の基準というものがございます。それによって規制をいたしておるのであります。それからそうでない方は、先日私が申し上げましたが、薬事法の下の基準でやっております。その間に基準の程度に若干の開きがある。これはなぜそういうここをやるかと申しますると、院内の場合におきましては、大体において長く保存をされたり、遠方までこれを輸送したりするようなことなく、取ってすぐ使うという場合が比較的多いわけでございます。従いましてそれだけきびしい基準を要求しなくても間違いがない。ところが一般の不特定多数の方に供給をいたしまする場合には、三週間という有効期間一ぱいに、これはストックもできまするし、使用もいたしまする、従ってその期間保存する設備でございまするとか、あるいは諸般の点におきまして基準の高いところを要求いたしておりまして、従ってその間に金高の開き等が実際問題として出てくるわけであります。

榊原亨自由党

○榊原亨君 時間がとれますのであれでありますが、医務局の方の基準とそれとどこが違うかということを何か、資料か何かでお示しを願いたいのでありますが、薬務局長はその点がおわかりになりませんか。

高田正巳厚生省薬務局長

○政府委員(高田正巳君) ただいま手元に資料を持ち合せておりませんので、一つ次回に……。

榊原亨自由党

○榊原亨君 ではこの次までに、院内に使いますものと院外に使いますものとどこがどう違うかということで、その予算の上でどれくらい違うかということの一つ資料をお出し願いたいと思います。

高野一夫自由党

○高野一夫君 私は、前回に引き続いてつき添い婦の問題と覚醒剤取締法の問題を伺いたいのですが、大臣の御出席は……。

小林英三自由党

○委員長(小林英三君) 今呼びにやっておりますが、少しおくれるということで、今連絡して、間もなく見えると思います。ちょっと速記をとめて下さい。   〔速記中止〕

小林英三自由党

○委員長(小林英三君) 速記を始めて。

榊原亨自由党

○榊原亨君 ちょっとお尋ねいたしますが、人口問題研究所は、昨年はどういうことを御研究なのか、そのことを一つお話を願いたいと思います。

堀岡吉次厚生大臣官房会計課長

○政府委員(堀岡吉次君) ただいま手元に資料を持っておりませんので、研究項目というようなものを調べて後刻申し上げます。

榊原亨自由党

○榊原亨君 研究項目だけでなしに、人口問題研究所は、昨年度においてはどういう業績をあげられたかということを知らせていただきたいと思います。

堀岡吉次厚生大臣官房会計課長

○政府委員(堀岡吉次君) 研究項目並びにそれの結果いなかるものが出ているか、それらの点については、資料等を調べましてこの次に……。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 関連して一つ。厚生省関係でいろいろ各種のテーマで各局へといいますか、研究費の補助が出ておるわけですが、どういう題目で研究をしておるか、だれに研究を委嘱しておるか、何を研究させているのかわからないので、資料を一つちょうだいしたいと思います。並びに補助金の金額を。

高野一夫自由党

○高野一夫君 やはりそれに関連したことですが、私は前国会に、厚生省の政府委員に文句を申し上げておいたのだが、一向に実行されていない。厚生省から社会福祉、児童問題、医療統計などいろいろな統計、資料がたくさん出ている、ところが議員には一冊も配布されない。そこで厚生省に要求したところが、公文書でもって要求してくれと、こういうことだったから、私は、何を言う、そんなばかなことがあるか、そんなことを言うなら、厚生省関係のいろいろなことをわれわれは相談しないぞ、こう言って怒ったことがあるのですが、その次に、国会でこの委員会を通して正式に資料を要求したら、一ぺん私のところにたくさん来ましたが、それきりでその後は要求しないから一つも印刷物が来ない。こうかんないろいろな種類の印刷物があるのに、厚生省の問題をここで議するわれわれのところへは来ない。厚生省の統計部というか、調査部というか、広報活動というか、そういうところでいろいろ印刷物を出しているのに、来るのは「厚生」という雑誌ぐらいのもので、そのほかの大事な資料はほとんど送られてこない。それを言えば、政府委員室にありますとか、常任委員室の方に二、三部行っておりますからごらん下さいというような返事で、まことに不親切きわまるというか、言語道断だと思うのですが、ああいうような印刷物をどこに配られるかしらないが、われわれ厚生行政に携わる者に必要のないものなら予算を削除したらいい。配るのに委員がしばしば変更されて困ると言われるが、変更されたら適当に処置されたらいいので、それも委員がしょっちゅう十人も二十人も変るわけじゃあるまいし、一人や二人のことなんだから、委員になられた人にはそういう厚生省の調査資料はできるだけ配布してもらいたい。一体どこに配っておられるかわけがわからない。要求しなければ一冊も来ません。そこで貴重な統計資料が出ておる。これはどこの所管かしらないが、これは政務次官の方にお願いしておきますから、あなたの方から一つ善処して下さい。

小林英三自由党

○委員長(小林英三君) 高野さんに委員長から申し上げますが、私は、今高野委員からそういうような御発言があること自身がおかしいと思います。これは委員各位が各省に要求した資料については、各省が責任をもって委員会に提出する義務を持っております。これは私が申し上げるまでもなく、紅露政務次官もそういう御意見だろうと思います。

高野一夫自由党

○高野一夫君 どうぞ一つ御考慮を願いたい。

紅露みつ日本民主党厚生政務次官

○政府委員(紅露みつ君) 委員長がかわって一応お話し下さいましたけれども、そんなに資料が回っていないということに、私もちょっと御意見を伺って驚いたところでございますが、正式に要求なさったものを提出するのはもちろんですけれども、やはり法案の審議に関係ありと思われる資料については、当然お手元に差し上げなければならないと存じます。ですから一つどういうふうになっておるかよく調べまして、関係のありますような資料はさっそくできるだけお手元に差し上げるようにさせていただきます。

高野一夫自由党

○高野一夫君 法案に関係のある資料は要求しますから……。私の言うのはそれではなくて、厚生省からいろいろの刊行物がふだん出ておる。われわれに関係なく出ておる。厚生行政に対していろいろ調査した資料はあるわけであります。その平素出しておる刊行物をなぜこの厚生関係——社会労働の委員にお配りにならないかということです。これは私だけもらっていないのかもしれません。ほかの人はもらっているのかも存じませんが……。

高田正巳厚生省薬務局長

○政府委員(高田正巳君) ただいまお話の点については、たしか前のときにお話があったことを記憶いたしております。非常に申しわけなく恐縮いたしております。さっそく帰りましてどうなっておるか調べまして善処いたします。

高野一夫自由党

○高野一夫君 名簿を作っておいて配ればいい。

榊原亨自由党

○榊原亨君 次にお尋ねしたいのは、国立公園の指定ということについてはどういうふうにやっておりますか。その間の事情を伺いたい。

堀岡吉次厚生大臣官房会計課長

○政府委員(堀岡吉次君) 主管部長ただいまおりませんのでよくわかりませんが、それぞれの地方から候補地が出て参りまして、それについて指定の審議会がございまして、その審議会にかけて最終的に決定するというように記憶いたしております。

榊原亨自由党

○榊原亨君 そうすると国立公園の指定は、国立公園の指定審議会でもってそこで審議されました結果を、厚生大臣がそれを参考にして指定される、こういうことでありますか。

堀岡吉次厚生大臣官房会計課長

○政府委員(堀岡吉次君) はっきり存じませんのでお答え申し上げるのは恐縮千万でございますが、多分そうだと思いますが、後ほどその点は正確に確かめまして申し上げることにいたします。

榊原亨自由党

○榊原亨君 今日は予算に関係して質問をしておるので、大臣以下の御出席を願うということでありますから、予算に組まれておることにつきましては、委員の質問に答え得るメンバーが出ておられなければならぬと思いますが、そういたしますと、事によりましてはこの次、事によりましてはわからないというようなことでありますが、それはどういうふうに厚生省としてはお考えですか。

紅露みつ日本民主党厚生政務次官

○政府委員(紅露みつ君) もちろん御質問に対する答弁については、ここに各局長とも出席しておるのでございますが、どういう都合でございますか、部長が——森本部長の管轄でございますが、出席しておりません。どういう都合になっておりますか、今さっそく問い合せておりますから、御了承願いたいと思います。

榊原亨自由党

○榊原亨君 それではその点は別としまして、今おられる方に一つお聞きしたいと思うのですが、ラジウムを国立病院がお買いになるということがこの予算の中に出ておる。ところが御承知のように、各大学におきましては今ほとんどラジウムを使っておらぬ状態でありますが、そういう不要と思われる——まあ厚生省はいいとお考えになっておられるかも知れませんが、私どもからいきますと不要と思われるものを買い取って、それを貸すというようなことになって、特別会計ですかに入れるということになっておりますが、その点について、厚生当局はどのようなお考えでありますか、曾田医務局長に一つ。

曾田長宗厚生省医務局長

○政府委員(曾田長宗君) 三十年度の予算案に組んでいただきましたこのラジウム購入費と申しますのは、御承知のように放射線療法の用途というようなことは、繰り返すまでもなく重要性を増して参っております。にもかかわらず、今日各地方、特に交通不便の地方というような所には十分行き渡っておりませんのです。何とかしてこの療法を普及いたしたい、また利用したいという声は広くございます。で、それにこたえる方法といたしまして、私どもの国立病院でもこの需要があるわけでありますが、ただ単に国立病院が自分で使うということだけではなしに、他の医療施設あるいは民間の開業医の方々にも、必要に応じてはお貸し出しをいたそうというところから、きわめてわずかではございますけれども、かようの案を立ててみたわけなんです。さて、その趣旨に沿いまして、いかようなものを準備したらよいかということにつきましては、御承知のように最近はラジウムよりもより安価なアイソトープを使う、しかもこれがきわめて有効だというような事実は、私どもも承知しておるのでありますが、結局いろいろ具体的に考えて参ります場合に、一つは、自分の病院でもって使いますればけっこうでありますけれども、これを貸し出しをいたす、あるいはまた大都会というような文化の中心地で使うよりは、むしろ多少はずれた所に配置したいというようなことを考えますので、この例の放射線量の動いて参りますものよりはコンスタントな——言葉が悪いかも知れませんが、比較的定常的な放射線を出しますものの方がより使いやすいということが一つであります。それからもう一つは、この強力な放射線を用いますときには、今のようにコバルトが非常に有効でもあり、また安価であるというふうに言われておるのでありますが、今回準備をしようと思いますのは、非常に微量の放射線量を用いるということを考えておりまして、強力なものを用いるというのは、やはり大きなしっかりとした設備でやっていただくべきだ——比較的少量のものを施用するという場合を考えております。大体一ミリのピンを考えておるわけであります。そういたしますと、その放射性物質それ自身よりも、それをカバーいたします容器等の値段がかさんで参るので、値段といたしましても、あるいは多少違うかもしれませんが、ラジウムで一ミリの放射線量というものに該当するコバルトを入れたというのを比較いたしますと、ラジウムでたしか一万六千円、それからコバルトを用いましたときには一万四千円くらいというところで、きわめてその価格も差がわずかになって参ります。しかも一方はほとんど千年以上も用いられて変りがないようであります。片方は五、六年というくらいでございますので、さような点から申しましても、この今の用途に対しては、ラジウムのほうが適当ではないかというふうに考えた次第であります。

榊原亨自由党

○榊原亨君 そういたしますると、国立病院で買われましたラジウムは日本じゅうの——アイソトープを運ぶことがむずかしい——むずかしいというわけではありませんでしょうが、なかなか困難であるところの山間僻地にまで、そのラジウムをどこでも借りれるというようなお話でありますが、さようでございますか。

曾田長宗厚生省医務局長

○政府委員(曾田長宗君) 今回購入いたします予定のものはわずかに一グラムでありまして、大体百ミリを十カ所くらいに一応分散させておきたいというふうに考えておりますので、山間僻地という所までは参りがたいと思います。

榊原亨自由党

○榊原亨君 汽車があるくらいの所、あるいはバスが通う所くらいまでは行けますかどうか、それを承わりたい。

曾田長宗厚生省医務局長

○政府委員(曾田長宗君) 高価なものでございますから、紛失をいたさないように十分注意をせねばならぬわけでありますが、さような点について特別な支障というものが考えられない限り、いかような所にも供給いたしたいというふうに考えております。

榊原亨自由党

○榊原亨君 ただいま学界の趨勢は、御承知の通り、さっき言われました通り、コバルトのアイソトープを使った方が安くていいということで、ほとんど都市におきましてはコバルトのアイソトープを使っているような時代であります。特にこの際時代おくれのラジウムをお買いになるということである以上は、これが今おっしゃったように、遠方に持って行ったり、非常に僻地とはいかなくても、どこまでも貸し出すのだという御言明がありました以上は、一つそういう所から要求されたならば、国立病院はすみやかにこれを貸し出すということの実が上るように一つ御指示願いたいと思います。よろしゅうございますか、それははっきり。

曾田長宗厚生省医務局長

○政府委員(曾田長宗君) 御趣旨に沿って実施いたすつもりでございます。

榊原亨自由党

○榊原亨君 国立公園部長はまだですか。

堀岡吉次厚生大臣官房会計課長

○政府委員(堀岡吉次君) 今すぐ参ります。

高野一夫自由党

○高野一夫君 大臣お見えになりましたから、大臣に伺いたいと思いますが、覚醒剤の問題について、まず御意見を聞かしていただきたい。覚せい剤取締法の改正は、昨年参議院の当委員会が主唱して行なったばかりであります。特に処罰、刑罰、そういう点に改正の重点を置いたわけでありますが、取締り方法について検討をしたわけでありますが、その結果も、まだ実施後一年にもならぬわけでありますから十分の成果が上ったかどうかはわからない。いずれあらためて相当の時間をかけて詳細なる報告も承わりたいと思います。そこで新聞の記事によりますと、大臣の所属される民主党内部において、衆議院側でさらに覚せい剤取締法の改正を議員立法をもって企てたい、こういうふうな企図があるやに新聞で大きく報道されております。これは新聞の報道でありますから、私もその真実はわからぬわけでありますが、そこでそういうようなこと、あるいはまた厚生省自身においても覚せい剤取締法の改正の必要を認めておられるかどうかということについて御見解を伺っておきたい。覚せい剤取締法を改めて、昨年改正した直後であるにかかわらず、さらに改正する必要があるかどうか。そこで厚生省においては、昨年改正した取締法に対して、その後改正の趣旨にのっとって、厚生省、法務省、やっておいでになると思いますが、覚せい剤取締法を改正する必要を認めて、そういうような企画でもお持ちであるのかどうか。あるいはまた民主党において、新聞で伝えられるがごとき議員立法によって、その改正を企てるというような話が事実あるのかどうか。またあるとするならば、その必要があるようになったとお考えなのかどうか。こういう点について一応伺っておきたいと思います。

川崎秀二日本民主党厚生大臣

○国務大臣(川崎秀二君) 覚醒剤の問題につきましては、当参議院の厚生委員会等におきましても、しばしば取締りの強化ということを強く御進言をいただきまして、政府としても、吉田内閣以来、この問題について配慮いたしておる次第でございます。本年度は根本官房長官を覚醒剤対策推進本部の事務局長といたしまして、私が対策本部長となり、鋭意取締りの実が十分にあがるように努力をいたしておるのでありますけれども、なお不十分の点があるということを警察方面、あるいはその他におきましても議論がありまして、できるならば完璧な法律にして、日本から覚醒剤というものを、覚醒剤による被害を完全に撲滅をしたいというような観点から、立法を完全なものにしたいという動きがあるようであります。ことに民主党におきましては、今回覚醒剤啓発宣伝費のために、修正案の際に自由党と相談をいたしまして、宣伝啓蒙が足りないからというので、政府の原案に対して、さらに一千万円の宣伝費を組んだほどでありまして、この問題につきましては、非常に熱心に、推進をいたしたいという機運が院内にみなぎっておるのであります。そんな関係から、法律の方も一段と効果が上るようにしたいという機運があるようでありますが、まだ具体的にどの点をどうするかということにつきましての、内部における調整はついておらぬというのが現状でございます。

高野一夫自由党

○高野一夫君 改正の必要がある、この法律の完璧を期するために、さらに検討する必要がある、あるいは検察庁方面からも要望があるということならば、どの点にどんな欠陥があるか、改正したいという要望点があるかということは、大体においては対策本部長としては、一つのお考えをお持ちであろうかと思うのでありますが、細かいことは後日の審議に譲りまして、大体どういう点を一つお考えになっておるのですか。われわれもこの委員会において議題として取り上げておるわけでありますから、十分の調査を進めなければならぬので、一応、現在責任者としてどういうお考えであるかということを一応承わっておきたい。

川崎秀二日本民主党厚生大臣

○国務大臣(川崎秀二君) ただいま論点になっておるのは二つあるようでございます。一つは、この製造原料をもっと規制したらどうかという考え方が一つと、それから第二の点は、これは特に警察方面からだろうと思いますが、取締り法規でありまするから、罰則の点を——これを使用した場合の罰則の点をもっと強化して、そうして効果を上げたらどうかということになっておるようでありまして、これらの点について、民主党の党内においてはまだ最後的な結論には到達しておらない、こういうことだそうであります。

高野一夫自由党

○高野一夫君 まずこの罰則の強化の点について、昨年改正をいたしたわけでありまして、当時改正案をわれわれがこの委員会において作りまするときには、十分検察庁関係、あるいは国警関係、あらゆる方面の意見も徴し、要望もとって、その線に沿うて改正したつもりであります。その後、改正した結果、さらになお罰則の強化が必要であるということになったのであるかどうか。こういう点についてはわれわれは十分一つ深く掘り下げて吟味してみなければならないと思う。大体において、この刑罰の強化については、大体検察、警察の方面の要望に沿うたつもりでありますので、さらにまたより以上の強化の要望があるかどうかという点については、今後われわれも十分吟味をいたしますが、調査をいたしますが、やはり大臣の方でも多少その必要があるとお考えになるのかどうか。これは御承知の民主党内部においてそういう見解が行われているとするならば、これ非常に大事な点だと思うのでお考えおきを願いたい。  それから製造原料の規制の問題につきましては、これも約一年にわたって当委員会並びに私は衆議院にも行きまして、衆議院の委員会でも相当ないろいろな論議をいたしました結果、現実の改正法律になっておるわけであります。それが再びまた今日繰り返されてきた、こういうことになるわけでありまして、ここにも、法律が軽々に改廃されるというまたここに実例を作ることになるわけでありますが、その点についても、われわれとしても当委員会においては十分研究し尽した、論議し尽した改正なのであるということもお含みを願って御研究おきを願いたい。

榊原亨自由党

○榊原亨君 先国会から私は、チクロパン・ソーダの中毒について、再三申し上げたのでありますが、ただいま覚醒剤の法律を改正するのだというお話がありますが、その方面につきましては、民主党とされましても、政府とされましても、何らお考えがないのでありますか、承わっておきたいと思います。

高田正巳厚生省薬務局長

○政府委員(高田正巳君) 非常に専門的なことになりますので、お許しを得て私からお答え申し上げたいと思います。前の国会の時であったと思いまするが、榊原先生からチクロパンが、覚醒剤の常用者を中心にこれが併用されておって、なかなか害毒を流しているじゃないか、これを何とかしたらどうか、こういうふうな御質問ございまして、私どもも、その後状況をいろいろと調査をいたしました。それでこれをもう少し根本的に、たとえば麻薬取締法というようなものの中に包含をして取締りをするかどうかというふうな根本的な問題があるのでございますが、その点はいま少し研究をいたすことにいたしまして、とりあえず私どもがとりました措置といたしましては、第一は、昨年の暮に通牒を発しまして、次のような措置をとったのでございます。第一は、薬局の開設者とか、医薬品販売業者等がこのチクロパンの販売については、御承知のように法律に一定の手続を必要といたしております。薬事法の四十四条七号であったかと思いまするが、さような手続がありますのに、これを手続を踏まないで販売をいたしておるところに弊害が流れておるわけであります。従いまして、正規の業者がさようなことをいたしました場合には、遠慮なく行政処分をもって臨むということにいたしまして、この点は実際にびしびしと行政処分、営業停止なり何なりをびしびしと実はやっておるのであります。それから製造業者につきましては、厳格な帳簿を備えさせまして、製造数量なり販売数量なりあるいは販売先の住所、氏名等を記録させまして保管をさせる、そうしてその報告を毎月厚生大臣に提出させております。それからなお、この販売業者につきましては、製造業者から買った販売業者につきましても、大体同じようなことをいたさせまして、そうして都道府県知事の方に毎月報告をいたすということにいたしまして、作って売った、それを買って一般に売ったその間に追及ができるような態勢をとった次第でございます。で、かような通牒でさような措置をいたしましたと同時に、昨年の十二月に全国の薬務課長会議を開きましたので、その際に特にこのチクロパン問題を取り上げまして指示をいたし、さらに本年の三月に入りまして、各都道府県のブロック別会議を開催いたしました。地方に出張りまして、通牒を出しました後の各府県の取締りの実情等を聴取をいたし、なお具体的に打ち合せをいたした、かようなことをいたしておるのでございます。なお先ほど申し上げました製造業者、医薬品販売業者につきまして、先ほど申し上げました報告を徴しまするとともに、これを集計したものを各都道府県に私の方から流しまして取締りの参考にさせておる、大体かようなことを実はいたしておるわけでございます。これによりまして、私どもといたしましては、このチクロパンの弊害というものを防遏したいと、かような意図でおる次第でございます。これがなかなか効果を上げないということになりますれば、さらに強力な方途を考えなければならぬのじゃないかというふうな気持は持っておりますけれども、ただいまのところこの方法によりまして防遏いたしたいと、こういう心組みでおる次第でございます。

榊原亨自由党

○榊原亨君 申すまでもなしに、このチクロパンの弊害並びに中毒は、覚醒剤の中毒並びにその弊害以上のものであることはもう申すまでもないのであります。従いまして、ただいまこのチクロパンの流れますルートを押えてゆくというやり方をおやりになりましても、それは限度があることは明らかなことでありまして、現在覚醒剤の取締りが行き渡って参りますと、チクロパンの中毒というものが、実際の面においては青少年を虫ばんでいるという現状でありまして、ただいまお話しになりましたその流れるルートを押えるというだけでは、もはやこれは阻止することができぬ段階に来ておると私どもは思っておる次第でございます。従ってそういうまどろこしいことも、これはしないよりはけっこうかもしれませんが、現在の段階といたしましては、すみやかにこれを立法化されまして、そうしてこの中毒しておる患者そのものに対する対策を講じ、一方におきましては、これらのものにおきましては、単に行政処分だけでなしに、これらのものを悪用し、また流した者に対しましては、厳重なる処罰をするというこのチクロパンの取締り方法というものをぜひお考えになっていただきたい。もし政府の方でお考えにならなければ、私どもはこの方面の立法をいたしたいとさえ思っておるわけでございます。従いまして覚醒剤の取締り方法につきましては、高野委員初めこの委員会におきまして相当論議をされまして、改正されてまだ日も浅いことでございますから、むしろこのチクロパンの方に主力を注いでこれが立法化に努力をさるべきであると考えるのでありますが、その点に対する厚生大臣の御所見はいかがでございましょうか。

川崎秀二日本民主党厚生大臣

○国務大臣(川崎秀二君) ただいま榊原委員と薬務局長との間に質疑応答があり、薬務局長から詳細に現在とっておるこれに対する防遏手段を述べたわけでありますが、最終的に申しまするならば、そういう措置を講じましてもなおかつ効果が上らないということになりますれば、榊原委員の申されました通り、新たなる取締り立法というものを規定しなければならぬ時節が来ると思いますので、これらにつきましては、十分研究をいたすことにいたします。

相馬助治日本社会党(第二控室・右)

○相馬助治君 今のことに関連して、厚生大臣にお尋ねして、お願いをしておきたいのですが、立法化して取締りを強化する、こういうことももちろん大切だと思うのですが、私どもが覚醒剤の取締り等を見ますと、ある地域社会を限って、そこに非常に有能にして熱意のある警察署長がいたり、ないしは篤志家がいますと、少くともその地区においてはもう驚異的な成績が上げられる。ところがそれに反して、その妥当な手が打たれない所では予想以上の弊害が生じておる。そこで私は厚生省のやり方がいいとか悪いという前に、問題は、この厚生省あるいは文部省あるいは警察関係等の連繋がより緊密であることが望ましいと思う。それで今聞いてみますと、厚生大臣のお話では、官房長官を事務局長とし、厚生大臣みずから本部長として、そういう組織があるそうですから、それをなお一つの大きな国策として、この各省間の連絡を密にし、同時に民間団体等も大動員して、この際抜本的な取締りとそれから同時に教導方法とを御考慮願いたいと思うのですが、何か構想があるかどうか。並びにこれに対する御所見を承わっておきたい。

川崎秀二日本民主党厚生大臣

○国務大臣(川崎秀二君) ただいまのように非常にこの問題に対する理解のある地方公共団体、あるいは市町村の警察官というものがおります所において実績が上り、実績の上らないで、むしろふえているというような土地もあることは事実であります。ことにヒロポンの災いが、むしろ最近では農村方面に浸透するような傾向を帯びておりまして、これは非常に重大な問題であるとさえ考えておりまして、この間その意味で推進本部ができたわけでありますが、その第一回目の会合は、私はまだ就任しておりませんときのことでありましょうけれども、第二回目の、先日の総理大臣官邸におきまして開きました対策本部のお集まりには、予定しておりました参集人員全体がお集まりいただきまして、一人も欠席者がなくて、非常に熱心な御討議があり、私は途中から失礼をいたしたのでありますが——衆議院の予算委員会で失礼をいたしたのでありますが、そのゆえをもちまして、かなり効果が上るような方向にいくのではないかと思っております。しかしなお足りませんものでありますから、今回予算の修正に当りまして、一千万円の宣伝啓蒙費を設けたわけでありまして、この宣伝啓蒙費の内容も、一つまあ映画を作るというような話もあったのでありますが、映画ではすでに大映か、どこでありましたか、失われた青春ですか、何かすでに外国映画で来たのと同じような題名の映画がありまして、これが、すでに相当な効果の上る方法を民間でやっていただいておるものですから、むしろポスターとか、あるいはリーフレットとか、スライドとかというようなものをやった方がいいのじゃないかというような意見も出ておりまして、これらにつきましては、まだその一千万円の財源をこまかにどうどれに使うかということについては決定はいたしておりませんけれども、相馬委員等の御示唆もありますから、こういうふうな問題について、一大国民運動を起すようなことに、テレビやラジオ等にも協力をしていただきまして、本年は強力に展開をいたしたいと、かように存じておる次第でございます。

横山フク自由党

○横山フク君 今の大臣のお話でございますけれども、覚醒剤の取締り推進本部を厚生省に置きますことには、青少年問題協議会で、これは厚生省に置くべきではなくて内閣に直属すべきだという強い反対があったのです。厚生省にありますときには、今お話の通りに、司法関係も入らなきゃならぬ、あるいは教育関係で文部省も入らなきゃならぬ、そういう説明で、よく厚生大臣のもとで各省大臣が協力するかどうか、はなはだ疑問である。であるから内閣直属にすべきであると、全員がこぞって厚生省に持ってくることに反対いたしたのでございますけれども、鶴見厚生大臣が当時、これは自分の厚生大臣としての唯一の使命として果したいから、厚生省に持っていきたいという強い御意向であるということで、青少年問題協議会の人たちが、ではということでお願いしたはずでございます。でございまして、まああの当時からもう半年以上を経過しているはずです。その間に、今のお話ではスライドはこれから作ろう——作ろうはまあ予算がないから、仕方がないとして、相当、ある具体案というものがあるはずだと思いますが、今のお話では、具体的なところが一つも伺えません。でございますのと、もう一つは、必ずしもこういったスライドを作るとか、映画を作るとかいうことだけでこれが教化善導できるのでなくて、先ほど相馬委員のお話のごとく、よい地区活動が相当できますればこの点は効果が上るのじゃないか。地区活動をするために、厚生省に働きかけるために、そう大きな予算は要らないと思います。第一回の会議は前厚生大臣のときであった。二回目はこの間予算のときであった。その間にそういう会議はないらしゅうございますが、一体厚生省に推進本部ができましてから今日までの活動状況を詳細に伺わせていただきたいと思います。

川崎秀二日本民主党厚生大臣

○国務大臣(川崎秀二君) 私もかなりこの問題は知っておりまして、十分お答えをいたします。ただいまお話でございましたが、確かに厚生大臣のもとで作るということは望ましくないという反対があったのでありますが、前大臣もこの問題について非常に深い関心を持っておられる。自分が推進本部長になりたいというようなことで、推進本部は、一応本部長は——先ほど私は根本君に敬意を表するために先に根本君の名前を出したのですが、推進本部長は厚生大臣でございます。しこうして各省との関係もあるから、官房長官がその間をとって、今日でも各省の連絡をよくいたしておるのでありまして、その点、その間に何らの会合がなかったかというようなお尋ねでありましたが、総会は開いておりませんけれども、この総会の中にある各部門別の委員会等におきましては、活発なる活動を行なっておられたそうであります。私が引き継ぎましてからも諸種の報告に接しております。  それから具体案につきましては、実は民主党のこの一千万円の宣伝啓発に対する原案を書きました者と私とは連絡をとりまして、映画を一本と、それからスライドやあるいはパンフレット、リーフレット等の具体的な案を実は出したのであります。ところが大蔵省においては、すでに映画の監督なども外貨の節用とかいろいろなことからいたしまして、相当に監督をせられておる関係もありまして、よく最近における映画の実情も承知せられておると見えまして、先般私が申し上げましたように、民間側においてすでに相当な普及性のある映画が出ておる。根岸明美でありますか、有名な女優が出まして、かなりの効果のある宣伝もいたしておるのであるから、あえて官製の映画を作るということは効果が上らないのではないかという、きわめて剴切な反論がありまして、それは私もきわめて同感だ、やるならばニュース映画的な取材でやるよりほかにないのじゃないかということで、そういうようないきさつもあって、結論がついておらない。むしろもっと効果的な方法を今考えておるような次第でありまして、具体案がおそくなっておることは事実でありますが、具体案がないということでないことも御承知おき願いたいと存ずるのであります。  以上が大体今日までの経過であると御承知おき願いたいと思います。

横山フク自由党

○横山フク君 ただいまのお話でございますけれども、一貫した一つの映画として出るのが果していいかどうかでなくて、ニュースの中の一こまとして見せる、その方が大衆的にはいいのじゃないか、そういうことは青少年問題協議会でも出た言葉でございますけれども、あるいは私たち婦人議員のヒロポン対策の会議でも出ておったし、そう大きな予算は要りませんね。ニュース映画の方とも話し合いがつけばできたことであったのではないか。あるいはラジオ、テレビ等においては簡単なちょっとした話だけでも、それが大きく伝わる。黄変米のあのときでもちょっとしたニュースに、ネズミがころっと死んだというのが出ただけで黄変米のおそろしいことが全部に行き渡ることでございますから、その問題は簡単にできるはずです。もう推進本部が厚生省に、あのときに非常に各新聞に民主党が覚醒剤の取締りに積極的に乗り出すということは大きく出ておりますことはけっこうだと思ったのです。何も民主党の功績ということじゃなくて、覚醒剤がおそろしいということは、あらゆる機会に出るということはけっこうであります。そのアドバルーンの結果として、どのくらいデータが出ているのか。私はそういうこともこの際取締り件数はどのくらいであるか、その後にどのくらい熱心にやったか、データとしてもお示し願いたい。これが活動としても各県はどのくらい慫慂したか。各府県どのくらい会合が持たれたか。その際にどういうものを出されたかどうかということをお示し願いたいと思います。

高野一夫自由党

○高野一夫君 私も実はこの問題というのは非常な関心を持っているわけでありますが、われわれ法律を改正しました責任もあるわけで、そこであらためて厚生省、法務省、警察関係からすべて御出席を願って、そして改正法律のその後の実施状況について、詳しくデータをもって御説明願った上で、その材料によって実は質問したい、こう思って控えているわけでありますが、それでほかの問題に移りたいと思うわけでありますけれども、そういうようなふうにした方が委員長、話がはかどるのじゃないか、断片的に、私はよくはないかと思いますが、お諮り願いたい。

相馬助治日本社会党(第二控室・右)

○相馬助治君 私も結論的に高野さんの意見に賛成です。ただいまは本年度の当初予算に連関しての厚生関係の一般行政についての質疑ですから、ただいまの覚醒剤の問題も緊要な、そして非常に大切な問題ですから、ここで話し合うことはもちろん当然ですけれども、なおこれを重視する意味で、委員長におかれては、理事会においてこの覚醒剤に関連しての問題を取り扱うプログラムをきめて、後日これを議案に供されることが至当と存じますので、私は高野さんの考え方に、議事進行の発言を求めて賛成いたします。

横山フク自由党

○横山フク君 それでけっこうです。

小林英三自由党

○委員長(小林英三君) 高野君並びに相馬君から御意見が開陳されましたが、委員長におきまして理事の諸君と相談いたしまして、今後の運営をいたしたいと思います。

高野一夫自由党

○高野一夫君 そこで、私はつき添い婦の問題について大臣に伺いたいのでありますが、安田政府委員もお見えになっておりますから、あとで資料の問題についてお尋ねをしたいと思いますが、実は御承知の通りに、先日つき添い婦関係の各関係者、参考人を招致いたしましていろいろ意見を聞いたわけであります。それで私どももつき添い婦の生活問題あるいは患者の立場について非常に重大な関心を持たざるを得ないわけでありまして、この問題については軽々に決断を下すべきでないと思うわけでありますが、これと関連いたしまして、この間の参考人招致の意見並びに私の質問、それに対する答弁、政府側の説明、そういうことから明瞭になって参りましたことは、一部の療養所、病院におきましてつき添い婦に支払うべき手当に不当請求があって、そうして国家が結核予防、あるいは社会保険、あるいは生活保護の面において不当支出をしている。そしてある病院においては、それが不当の支出をされたものが組合の金庫の中に保管してあった。こういう幾多の事実が明瞭になってきたわけです。会計検査院で調査しまして報告された決算報告からしても、明瞭になっておる。しかしそのほか厚生省でもいろいろ御調査中であろうと思うのでありますが、このつき添い婦に対する手当——というよりも、看護婦の手当にいたしましても、医師の手当にいたしましても、薬代、診察料、手術料にいたしましても、それらはすべて広い意味の医療費である。しかも社会保険、生活保護法、結核対策、そういう方面における医療費には国家が予算を組んで国家から相当の金が出ている。その国の金が不当の支出をされて、そしてそれが何に使われるのかわからぬけれども、摘発したものだけはわかった、こういうことになるならば、いかに今後補助金を上げましょうとも、あるいは医療費の増額をいたしましょうとも、大きくいえば、極端な表現かもしらぬけれども、まるでざるの中に水を流し込むような思いがするのであります。そこでわれわれが社会保険問題を根本的に検討しなければならぬということは、現在われわれ当然のことなんだ。国民の医療費を安くしなければならぬという重大な問題は、この問題にメスを入れないで、いかなる法律案の改正をやろうとも、予算を組みましょうとも、私は根本の改善策は得られない。ところが二、三日前にまた新聞で、ある診療所において保険医が不正請求をして、そうしてそれが某方面の思想活動の資金になる、こういう記事が出ておった。こういうことについて国家の、国の公安調査庁でも相当十分の調査ができているはずだ。私も多少のことは材料を持っているつもりである。そこで、かような保険医なりそのほかの医療関係者が不正請求をやって、国から不当な金をとる、そうしてそれで私腹を肥やした、あるいはそれが一方の思想活動の資金になるというようなことがあったり、そのほかつき添い婦においても、これは何に使ったか、使うつもりであったかは存じませんけれども、不当な請求がされるということは、これは私はそのつき添い婦を廃する廃せぬという問題と別に非常に大事な問題だ。大きい根本問題だ。そこでこの問題については詳細にあとで政府委員から資料について説明を求めたいと思っておりますが、かようなことに対して、厚生省はどういうふうにお考えになっておるか。こういうふうな保険医、あるいはつき添い婦にしましても、すでに過去においてはっきりとわかった問題から考えましても、一つの御見解が浮んでこなければならないはずだと思っております。今後どういう取締りをされるのか。またこういう事態についてはどういうふうにお考えなのか。やむを得ないことだとお考えになるか、軽くお考えになるか。事きわめて重大な問題として今後の処置を考えなければならぬとお考えになられるか。それについて大体のところを大臣から一つ伺いたいと思います。

相馬助治日本社会党(第二控室・右)

○相馬助治君 議事進行。ただいまの高野委員の御質問はまことに重大なことで、私ども尋ねなくちゃならぬことだと思っておりますが、高野委員は、先ほどお聞きだったと思いますが、つき添い婦の問題については昨日実地に視察もした。事が非常に重大であるから、これはどういうふうにここで取り扱うかは一つ委員長に考えてほしいという私の発言に対して、委員長は、理事会を開いてこの問題は行き方をきめて取り扱いたいという御発言があって、全員が了解したので、この問題についての質問は各自あるけれども、私たちは保留しているわけだ。従って制度としてのつき添い婦の制度を廃止するか廃止しないかということは、今度の当初予算にからんで非常に重大なことであり、私どもとしてはこの制度について厚生省がどう考えるかということを重大視しているわけです。従ってこの問題はまとめてやって下さるか、ないしはそういう御質疑がここで行われるならば、制度としてのつき添い婦制度を一体どうするつもりなんだ、こういう質問がそれに対して先行してなされねばならないと考えている委員もあると思うのですが、私はあなたの質問に反対するのではないが、委員長としてはこれをどうお取り扱いになるおつもりか。先ほどの話し合いもあるので、一応議事進行上お尋ねを申しておきたいと思います。

小林英三自由党

○委員長(小林英三君) ちょっと速記とめて。   〔速記中止〕

小林英三自由党

○委員長(小林英三君) 速記を始めて下さい。

高野一夫自由党

○高野一夫君 それでは、方向を変えて質問をいたします。これは大臣からでも、政府委員からでもけっこうでありますが、先般石川県に参りましたところが、石川県で保険医療に対する監査を政府がやるのか、県がやるのかしりませんが、やろうとしたところが、じゃまをした者がある、それで非常に困っているという、私はだいぶその当時でありますから、その結果について承知しておらないのでございますが、その結果についてはどうなったか、監査が一体おできになったのか、ならないのか、そういうような保険医療のことについて国家が出した金について、あるいはそれが適正に使われているかどうかということを調べることについてそれを拒否される、その拒否されることを、それをうやむやにしておくことはできるのか、あるいはそういうばかなことはできないのじゃないか、何とか法律の規定に従って強引に調査を進めることができるのかどうか。その辺私は法的の事情をよく知りませんので、こういうような場合、今後起ろうとするものに悪例が開かれたというような場合にはどうしたらいいか、どういう法律によってこの問題の調査が、そういうような場合の調査を進めていくことができるのか、それを一つ伺っておきたい。

久下勝次厚生省保険局長

○政府委員(久下勝次君) 石川県においてこの保険医の監査をしようといたしました際に、監査場として選ばれました医師会館に多数の被保険者と称する人々が押し寄せまして、そうして監査を妨害いたしましたことは事実でございます。もともと保険医の監査と申しましても、この根拠規定は、健康保険法第九条の二に基きまして、診療録の検査をいたすことができるという規定があるのであります。これが法律上の唯一の根拠規定でございます。きわめて規定としては十分でないと私ども考えております。これにつきましては、実は若干解釈で補って運用いたしておりますけれども、今回健康保険法の改正の機会に国会に改正を提案いたしておる事情でございまして、いずれまた御審議があることと思います。  そこで石川県におきまして、第一回に多少私どもその懇談の際におきまして、監査官として出かけました点、及び厚生省の職員のやり方も不十分な点がございまして、一時監査はあきらめざるを得なかった。しかしその後におきまして、あらためて監査を実施いたしまして、これは平穏裏に監査が済みまして、地方医療協議会におきましても検討いたしました結果、石川県の場合は指定取り消しまではいかないで、軽い注意でしたか、戒告でしたかの処分をいたしまして、事柄は落着いたしました。

高野一夫自由党

○高野一夫君 今の御答弁で十分でございますが、私の伺いたい重大なポイントは監査ができる、こういうことでありますが、その監査を拒否された場合にはどうするか。あるいは暴力をもって、あるいはその他のあらゆる妨害工作をやってその監査を拒否する、こういうような場合にはどういうふうにされるか。

久下勝次厚生省保険局長

○政府委員(久下勝次君) 石川県の場合には今申し上げたような事情でございまして、当方の係官のやり方も不十分な点がありましたので、監査のやり直しをいたしました。ただいま御指摘になりましたさような問題は、一昨年の暮に大阪で発生いたしまして、何度戒告をいたしましても監査に応じなかったのであります。そこでその取扱いにつきましては、法制局並びに法務省とも十分法律の専門家と打ち合せをいたしました結果、正当な手続を経まして、監査を進めて参りましたが、結局終局の点において、保険医が何回誠意を尽してもこれに応じなかったという場合には、行政庁において得ました資料に基いて監査を終了したものと見て、処分をして差しつかえない、こういう専門方面の意見もございましたので、大阪府の問題につきましては、さような見解をとりまして、当該保険医を取り消し処分にしたのでございます。ただしこれにつきましては、当該保険医から訴訟が起っておりまして、まだ最終的な訴訟の結論には至っておりません。行政庁の解釈運用といたしましては、監査を拒否いたしました場合には、当方の得た資料に基いて取り消しの処分ができる、こういうふうになっている次第でございます。

高野一夫自由党

○高野一夫君 川崎厚生大臣に伺います。ただいま保険局長の御答弁ですが、実情はそうであろうと思います。そうであるとすれば、これは徹底的に国家予算か膨大な予算を使って社会医療を行なって、その医療費がいかに適正に使われているかいないかということを監査をする上からいったら、私はきわめて不十分な条文だろうと思う。この監査を厳重にすることこそ組んだ予算がやはり適正に使われることになってくるわけなんです。こういう点について法律を改正するというような御意向はございませんか。十分徹底的に、果断に迅速にその監査ができる方法を考えなければならぬ、こう思うのでありますが、この点については大臣は現在のままで差しつかえないのだ、やれると、こういうふうにお考えになるかどうか。改善の必要があるとお考えになるか。

川崎秀二日本民主党厚生大臣

○国務大臣(川崎秀二君) 最近医療費の増大に伴い、また保険監査に伴なって、諸種のただいま御指摘のような事件が起っていることははなはだ遺憾でありますが、厚生省としての方針は今日の法律の範囲内において、とりあえず監査を厳重にして、そして取り立てるものは取り立てるということの方針で進んでいるわけであります。しかし事態が非常に変って、全国各地において正当なる手続に基いて行なっておる国家の、いわば国家の行為に対してこれを妨害するというような事態が起ってきますれば、それに対してはまず第一段階としては行政上の処分をする、なおこれに対して暴力的な行為をもってこれをはばむというような事態が起るならば、これは私どもの範囲ではございませんけれども、連絡をいたしまして、当然法務省あるいは警察機関において適当なる措置をとるということに相なっているわけでありまして、こういうケースが今日まで昨年から非常に多くなってきたということが重大な問題にはなっておりますけれども、今日ただいま法律を改正するという意思はないのであります。現在の法律の範囲内において監査を厳重にしていく。しかしながら、もしこれが集団的な暴力行為によって監査をはばむというようなことになりますれば、これは当然内閣としては検察あるいは法務省の適切なる行動を期待しておるわけでありまして、そういう範囲内で今日は善処する以外にないと思っております。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 関連して。この種の問題は、私は健康保険法の一部改正法律案が出たときに審議の機会があると思ったのですが、しかし全般的な御質疑があるのですからけっこうに思うのですが、今大臣の御答弁の中に監査に関係しての法律の改正をする意思がないのだ、こういうお言葉があった。私は今度の健保の改正案には監査のために必要なる措置の改正が含まれておるのじゃないかと思うのですが、含まれてないですか。

川崎秀二日本民主党厚生大臣

○国務大臣(川崎秀二君) ただいまの高野委員のお尋ねは、監査に対して根本的な改正をやるかというようなお尋ねであり、これに対する取締りの意味において法的な強化をする、あるいはまた根本的な改正をする意思があるかということでありましたので、お答えをいたしただけでありまして、部分的な改正はもとよりいたしております。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 それは、私は大臣がそういう御答弁をなさるならそれでよろしいのでありますが、まあこれは健保の改正案のときにあらためてお尋ねしなければならぬが、この監査に関して必要なる改正をこのたびなされたのであろうと思うが、しかし、これは一部分暫定的の、当面のこそくな改正だと言われると、今度の改正で、監査に関する改正規定によって監査の従来不備であった点を改正するという、これは提案理由を承わらぬとわからぬのであって、もし大臣が説明なさればそういう御説明をなさるであろうと思う。今のお話ではまだ今度改正するその内容では十分な監査を行われぬので、監査に関するごく部分的な改正で、根本的な改正にはならぬのだと、この言明を今なさいましたが、その通りでありますか。

川崎秀二日本民主党厚生大臣

○国務大臣(川崎秀二君) ただいまの山下委員の仰せではありますが、私が今部分的な改正と申しましたのは、つまり現行健康保険法の内部におけるところの改正の問題でありまして、これにつけ加えてただいまの高野委員の御発言はあるいは生活保護法とか、あるいはその他のいわゆる保険全般、あるいはまた社会保障法全般にわたっての、つまり保険料を取り立てることができなかったとか、あるいはその他の問題に関連をして、いわゆる公務執行妨害的なものに対する取締り規定を強化するかのような非常に強い御発言でありましたので、そういう意味でお答えをいたしたわけであります。従って単なる監査の問題に対しまして、健康保険法の内部の問題でありますれば今日すでに、提案理由を衆議院で申しておるような趣旨では当然やっておるわけでございます。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 大臣の御言明は非常に広範多岐に関する厚生省所管事項についての生活保護、あるいはその他にひっくるめて、何か公務執行妨害的なことがあれば、それに対する取締り的な根本法を立法する考えがあるのだと、今健康保険なら健康保険の改正をするのは、これは健康保険だけの部分的なことであって、というような御答弁のように承わったのでありますが、それでよろしいのでありましたならば、後日速記録で明らかなのでありますから、これは後日の問題にいたしておきたいと思う。  私は関連して伺いたいと思ったのは、まあ今の御答弁を確かめることも一つでありますが、一つ一つの監査の拒否の問題だとか、あるいは生活保護の不正な要求の問題であるとかいうことを一つ一つのケースで伺うよりは、私は関連質問だが、実はこれも私の質問の番が来たら伺いたいと思ったのだが、そういう個々のケースでなしに、厚生省としては、私は端的に申し上げるが、あらゆる部面に向って共産党というか、これは露骨に言うことも言いにくいけれども、その面の組織的、計画的攻勢が行われている。あらゆる面に向ってそういう分子、あるいはそれに類似の、社会保障制度の盲点をついた不当なあるいは不正な行為がひんぴんとして行われておることに対して、厚生省としては、これは総合的にあなたの方にお考えがあるのでしょうおそらく。部分的にわれわれが尋ねなければ、口をぬぐうて、その場当りの当らずさわらずの御答弁をなさるが、社会局は社会局、保健局は保健局、医務局は医務局、公衆衛生局は公衆衛生局、あらゆる部面に向って、いかにして共産党のこの社会保障関係費の費用や制度や、あるいはあらゆる問題に向ってその戦術を集中して、攻勢を展開しているのに向って、どうして防禦するかということばかりあなた方の方はやっておると私には思われる。防禦しておらぬというのならそれでいい。そういう事実は知らぬ、そういうことは思うておらぬというのならそれでよろしい。しかしながら最近の諸情勢、少くとも厚生当局の最高地位にあられる方はその辺は御承知で、あらゆる面に向ってあなた方のなされるのは、すべてこのごろは防禦態勢というか、何というか、拒否態勢というか、そういうものをどしどしとやっていかれるという傾向があるのですが、ひっくるめて、私はそういう面に対する全般にわたって、厚生省はそういう攻撃を受けているのか受けていないのか。私どもは社会党であるが、共産党とは一線を画する。はっきり言う。新聞広告にもひんぴんと伝えられておる生活保護法の一部が共産党の、今高野君の御指摘の通りそういう事実がある。そういう個々の新聞に出る記事ではなくして、全般的に深い彼らの組織的の攻撃のあることを御承知か。そういうことをお認めにならぬのか。対策を持っておるのか。そういう根本的なお考えのもとにあらゆる改正なりあらゆる施策が行われておるのだと、私は邪推かあるいは推察が過ぎるかとも思うのでありますが、その点に対する大臣のお考えをこの機会に承わっておきたいと思います。

川崎秀二日本民主党厚生大臣

○国務大臣(川崎秀二君) 明確にお答えいたしておきます。これらの問題は非常に重大な様相をはらんで参りまして、たとえば健康保険法の料率の引き上げの問題に対して、各党において今日反対があることは事実であります。しかしながら、たとえば料率引き上げ問題一つをとってみましても、これらに関連をして、より左翼的な政党が非常な勢いで大衆生活の擁護ということに名をかりて、相当な宣伝、扇動をいたし、各種医療団体等の内部にも滲透した勢力を持っておるということの実情は見のがすべからざる状態だと思っております。また社会保険の不正受診あるいは不正請求等に関連をして、むしろこれを助長するような言動を全国的に、組織的に展開をして、むしろ今日の共産党の行動は従来までのような政治的、軍事的なものでなくして経済的なものに変りつつあり、ことに経済的なものの中で医療関係、すなわち大衆生活にとって最も結びつきの深い、ことに病人というものを対象にした活動を続けてきておることは事実であって、これは見のがすべからざる重大な問題であると考え、われわれといたしましても、これに対抗しては十分なる措置を講じたいと思っておるのであります。  ただこの際私の所信を申し述べておきますが、社会保障問題全般は何としても国の施策を充実をさせなければならぬ関係で、国費負担、あるいは国が責任を負う行為を増大をさせることが今日最も重要な施策であると私個人は考えておりますので、この施策とその施策に便乗して、むしろ過大なる要求を国家に転嫁をして、そしてひとり政府のみならず、一般大衆に非常な大きな災いを残すような言動をなしておる者があることについては十分なる取締りをなし、これに対抗する措置を講じようといたしております。しかしながらこの際山下委員に明確にお答えをいたしておきたいと思うのでありますが、先ほど高野委員のお話しになったことに関連して私が答弁をいたしておりましたのは、こういう各種いわゆる医療法等におきまして処罰規定を厳重にする、もとより処罰規定を今日のままで私は放置をいたしておくとは考えませんが、このいわゆる社会保障関係の諸法の中において充実をするよりは、むしろ法体系の建前からすれば法務省並びに検察関係の公務執行妨害罪の範囲を拡大するとか、あるいは適用に当っての措置を強化するという、法律体系としての問題は私はむしろその方に依存することの方が適当ではないかという信念を持っておりまするから、先ほどのような多少誤解を招いた言辞が出た次第であります。この点を明白にしておきます。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 国務大臣の御答弁は一応承わっておきます。御方針はですね。ただし私は今共産党的な攻勢について言及をいたしたのでありますが、御方針は承わっておきますが、私の所感は述べませんが、しかし一面厚生行政全般に向って、すきが非常に多くて、高野委員が御指摘のように、何が抜けておるかしらぬけれども、厚生行政の全般にわたって盲点が非常に多いというか、穴が多いというか、ということは何となしにわれわれも感じられる。どこにそれがあるかとおっしゃれば、時間をお与え下されば具体的に指摘するが、こちらはすきがあることは事実です。こちらにもいろいろ不行き届きのところがあって、勉強が足りなくて、努力が足りなくて、ややともすればいいころかげんにあらゆる施策が行われておればこそ攻撃の矢が向いてくる。私は今厚生省の全般の行政に向ってうんと引き締められると同時に、積極的に伸されると同時に、ただいたずらに防禦態勢、ただいたずらに取締り的な、ただいたずらに警察的な、ただいたずらに圧縮的な、こういうような傾向に移りますと、厚生省の元来の行政の目的とは、その行き方に非常にこれは私はズレがあるということになるのでありまして、お取締りも結構でありますが、そういう悪い、社会保障制度を極左政党の拡張に悪用するようなことは断固排していただかなければなりませんけれども、厚生行政全般に向っては活気横溢していただいて、そうして積極的な施策をこれは推進していかなければならぬので、近ごろの厚生省のおやり方は、何ぞといえば防禦する、何ぞといえば取り締る、何ぞといえば監査をきびしくするというようなことにばかり首脳部が頭を痛めておいでになるように感ぜられますので、その点は十分御留意を賜わることを申し上げておきたいと思います。

川崎秀二日本民主党厚生大臣

○国務大臣(川崎秀二君) ただいま十分承わりました。しかし山下委員のお考えと私は大体同様でありまして、厚生省としては社会保障の問題について充実をしたい。充実をする。こういうことは、やはり国の施策として国費負担というものをなるべく多くしたいという考え方で、単に予算だけではなしに、充実した施策を盛りたいという考え方であって、取締り規定は取締り規定としても、もとより載せなければならぬ、あるいは改正しなければならぬ部面がありましょうが、これは対抗措置としてはむしろ私は法体系のもとでは法務省並びにその他の関係の諸立法において、もっと厳重なる方法がとり得る、こう考えておるので、連絡を緊密にとって、厚生省としては、これは非常に重大な思想上の対抗形勢でありますから、十分この情勢を関知いたしまして、これらの取締り機関と連絡をとる。その取締り機関の中において、今日まで取締り当局といたしましても、今まではこういうような問題で攻勢が起るというようなことは、両二、三年までは考えられておらなかった問題でありまするから、その点に対する盲点もありましょうから、その盲点のないように努めたいと存ずる次第であります。

小林英三自由党

○委員長(小林英三君) いかがでしょうか、まだほかにも質問があるようですが……。

山本經勝日本社会党(第四控室・左)

○山本經勝君 厚生大臣にお伺いしたいのは、ただいま山下委員の方から御質問がありまして、お答えになりました中で、非常に重要なお話が出たわけですが、これはその中で、たとえば先ほどから事例をあげられておりますように、当然行われるべき監査等の業務に対して、大ぜいが、大衆動員といいますか、大ぜいが寄ってこれを阻止したというようなたまたま事例から問題が出発して、最近そういう傾向が非常に顕著であるということからお話のあった中で、左翼的政党という表現をされて、速記録でもさように残っておる。このことは非常に重大であって、左翼的政党というのは一体どういうような政党をお指しになっているのか、その点を明白にしておいていただきたい。  それから私は多くの問題の中で、やはりこの厚生関係の行政という仕事は、国民の中でやはり生活力が、みずからでもって治療をし、あるいは病気の療養をするということの不可能な者を国家が国民的視野に立って救済をする措置だと思う。従ってそれらの人々は多くは困窮者に属する、あるいはまたこれらの業務に携わっている人々の集団でもある、こういうことになってくると思います。従いましてそこから言えば、やはりこの国民の厚生、あるいは医療生活、救護等を含めて、現在行われているのがさらに拡大されなければならぬ。しかもきわめて不徹底な状態の中にあって、しかもその中に多くの不満が潜在しているのではないか。ですからそういう見地から、先ほども山下委員からもお話がございましたように、そうした現状にどうしても不満であれば、何らかの形でその不満を爆発させるだろう。従ってそれを爆発をさせないことが、厚生行政の重要な仕事であります。従ってただ単に取り締りをするということにたよるのじゃなくて、その根本を解決する方向に進んでいただくことをあわせて御要望申し上げておきます。ですから私の御質問申し上げたい点はただ一点、左翼的政党と言われた、左翼的政党という表現で言われましたが、それは一体どういうところに重点があるのか。この点は非常に重大な問題だろうと思うので、一つ明白にしておいていただきたい。

川崎秀二日本民主党厚生大臣

○国務大臣(川崎秀二君) 端的にお答えいたします。これは先ほど健康保険の料率の引上げの問題を先に論してから、そこへ入って行った言葉が、左翼的政党という言葉が出たと思います。そのあとで共産党の問題を申し上げておりますから、これは政党としては私は共産党一党であろうと思っております。思っておりますではありません。そう信じます。ただ共産党とタイ・アップをいたしまして、党籍のない容共分子もこれに動員をされておることは事実のようであります。

相馬助治日本社会党(第二控室・右)

○相馬助治君 山本さんの発言に連関して。  山下委員の質問に対して、厚生大臣の答えたことは、話の筋としては大へんに筋が立っているようですが、私一つ重大なことがかけていると思います。それは厚生省自体がそういう間隙を作らないように努力するということが大切なんであって、そして第二段に、法治国家として秩序を破るようなものがあった場合には、他面考えなくちゃならないということを言っただけではならないと思うのです。で、今日鳩山内閣において特に厚生問題に議論が集中してくるのは、二つの理由があると思う。一つは厚生省自体が、もう政策が不備であり、その財政的な措置が不十分であるということが一つと、もう一つは、先般の衆議院選挙において、国民に多大なる幻想を与えたということなんです。鳩山内閣ができれば吉田内閣と違う、幾らかいいことになるであろうという幻想を国民に与えた。ところが出てきた内閣の、特に厚生政策というものを見るというと、極端な表現をもってするならば、吉田内閣のそれよりもまずい、そうしてしかもあのつき添い婦制度というような問題についても、その根本にわたって抜本的な改正がなされなければならないほど、いろいろな矛盾は持っておりましょうけれども、具体的な問題としては赤児の首をねじるようなことをやっているという印象を国民に与えておる。そういうところにいろいろな問題が派生してくるのだと思うのです。従いまして、どうか川崎厚相も、みずからの政治力の限界と同時に、鳩山内閣が今日置かれている段階において、一方に再軍備を許容する、その筋においては厚生政策というものにも、これは非常なる限度があるのであるから、そういう点、それらを勘案されて、まずみずからを責めるというところから出発していただきたい。これだけつけ加えておきたいと思います。

小林英三自由党

○委員長(小林英三君) それでは本問題に関します本日の質疑はこの程度にいたしたいと思います。残りは次回以降に譲りたいと思いますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小林英三自由党

○委員長(小林英三君) 御異議がないようでございます。本日はこれにて散会いたします。    午後零時三十六分散会    ————・————

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