社会労働委員会 第15号
- 発言数
- 61 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1955/06/14
会議録
○委員長(小林英三君) ただいまから委員会を開きます。 本日は、前回に引き続きまして、社会保障制度に関する調査を議題といたしまして、厚生省関係の昭和三十年度予算並びに厚生行政に関する質疑を行います。質問を願います。
○高野一夫君 私は、また各委員にしばらくごしんぼう願って、四、五点の問題について、大臣の御意見を伺いたいと思うわけですが、これは前々の国会でございましたか、この参議院の厚生委員会で決議をした事項の中に入っておるわけでございますが、それは日本の医療制度を健全な明朗なものにするために、各医療関係の団体を作ることに法制化する必要がある、こういうような考え方から、たとえば医師会法、歯科医師会法、薬剤師会法、こういうような法律を作って、団体設立につてい一つの規制を設ける必要がある、こういうことをこの厚生委員会で決議をしたことがあるわけですが、その後、これについて、厚生当局はどういう準備を進められたか、あるいは進められてないかどうか、あなたは新しく厚生省に御関係になったのですから、御存じなければ、ほかの関係政府委員からでもけっこうでございますが、しかし大臣からは、こういうことをすることがいいかどうか、賛成であるかどうかということについての御見解があろうと思いますから、ありましたら一つ簡単でけっこうですから、お答え願います。
○国務大臣(川崎秀二君) あれは昨年でしたか、参議院の厚生委員会で決議されたことは私伺って個人的にも知っておりまするが、どういう準備状況になっておりますか、まだ実は知りませんですが、十分検討はいたしておることと思いますので、関係局長から答弁させます。
○政府委員(曾田長宗君) ただいまのことにつきましては、いろいろ団体の方からも直接御意見等も拝聴いたしておるのでありますが、いろいろ戦前と違いまして、かような団体の性格が変ってきておりますので、慎重に考究せねばならぬということで、私どももいろいろ検討いたしておる状態でございます。そのほか薬剤師協会等におきましては、関係の局長見えておらないようでありますが、大体連絡をとっておりますから、同じような考え方であろうと思っております。
○高野一夫君 検討しつつあるということは、いつごろまでにか何らかの結論を出したいと、こういうような大体の目標でもお持ちでありますか。ただ漫然と御調査中でありますか。これは当委員会の決議でありますから、この問題は。
○政府委員(曾田長宗君) 今のところ、いついつまでに結論を出すというところまで考えてはおりません。
○高野一夫君 当委員会が決議して、政府にも通告してあるのでありますから、少くとも大臣がおかわりになっても、事務当局の方で十分の準備を進められて、そうしてわれわれが質問しなくても、委員会の決議で政府にもう通告した以上は、この問題はこうなっている、この問題はこういうふうに調査して、いつごろまでに出る、いつごろまでに出ないという釈明くらいは最初にあってよかろうと思う。われわれが質問しなければ、一向様子がわからぬということでは、何をここで決議しても意味をなしません。そういうように十分一つ事務当局で、政府委員の間でお打ち合せを願って、次の機会にでも、これに対する確たる方針をお示しを願いたい。 次に、大臣に伺いたいのでございますが、これは厚生省が従来私的医療機関、病院、診療所に対しまして、整備資金として一定の額を押えて何か長期低利の方法で資金の貸付の方法をやっておるように思うのでありますが、そういうことが本年度はどうなっているか。予算説明でもその問題についてはお触れにならなかったかと思うわけですが、どうなっておるかということでありますが、大体、今年は私的医療機関の整備に対して、どのくらいの額を押えて、そうして国民金融公庫なり、あるいは中小企業金融公庫なりから貸し出させる方針であるということが、お話がついておるかどうかという点が一点。 それから大臣も社会保障制度審議会で御承知おきであろうと思いますが、当時私も委員であったわけでありますが、昭和二十五年に審議会が政府に第一回の勧告をしました場合に、医療機関とはどういうものかということの定義をきめまするときに、医療機関とは、病院、診療所、薬局、三機関である、こういうことになったわけであります。ところが、二十五年に厚生省の命令で全国の薬局の整備をやった。約四十五億の金がかかった。それは全部薬局が自分で調達し、あるいは自己の資本で、政府の命令による基準の整備でありながらやったわけであります。当時、政府はそれに対して何ら融資のあっせんも何もしておらない。そうして審議会の決議も、さような医療機関には薬局を含む決議になっているわけでありますが、今度の趣旨はともかくといたしまして、今年度政府資金のワクができておるとすれば、それには当然医薬分業実施の態勢のこともございまするが、病院、診療所並びに薬局の整備資金としてお考えになっていると、こう思うのでございますが、その点はどういうふうになっているか、はっきりとこの点を聞かしていただきたいと思います。
○国務大臣(川崎秀二君) 医療機関整備のために貸し付ける資金については、おおむね五億円、その内訳は、国民金融公庫に一億円、中小企業金融公庫から四億ということになりまして、本年は予定をいたしております。しかし、こういう医療機関の整備の問題に対する貸付に対しましては、財政当局も十分に考慮をいたしてくれておるような関係で、昨年は十三億に伸びたそうであります。予定よりも伸びておるような傾向を含んでおりまして、これが許可になっておるような状態でありますが、一応当初の計画としては、おおむね五億ということになっております。で、このうちには医療機関という形で、一応薬局は含まれておりませんけれども、薬局に対するところの融資がふさがれておるというわけではないのでありまして、これは病院、診療所等とは若干異なるところがありまするけれども、貸付等においても、十分考慮をしてくれておるような状態であります。 なお、社会保障制度審議会の勧告の中には、ただいま御指摘の通り、医療機関には薬局を含むということが勧告をされておりますが、厚生省並びに今日の法的用語と申しまするか、その中には、医療機関ということで薬局を含んでおるようなことにはなっておらぬのであります。しかしこのことは別にして、要するに薬局は、医学上きわめて重要な機関であることはもちろんでありまするし、勧告もあったのでありまするから、その線に沿って指導監督をいたし、整備をいたしておるような状態であります。従って、貸付等については、十分考慮をするように措置をいたしたいと思っております。
○高野一夫君 そうしますると、これは政府委員に伺ってみたいと思うのでありますが、厚生省は、当初この医療機関の貸付の額として、もっとこれの十倍近くの額を相当最初は予定されておったのではないかと思うのでありますが、その点はどうなっておりますか。三十億か四十億くらいのことを考えておられたんではないかと思うが、それを考えておられて、あるいは大蔵当局と折衝の結果、五億に切られたのかどうか、その経過を一つ伺いたい。
○政府委員(曾田長宗君) この問題は、いわゆる医療金融という名称と申しますか、言いならわしで、しばしば各関係団体及びこちらの国会の先生方にも御検討を願った問題でございます。私どもとしましては、具体的には四十億を要求いたしました。これでもって、大幅に融資の道を講じたい、また国民金融公庫及び中小企業金融公庫というようなものの屋根を借りるのではございませんで、独立した医療金融公庫というようなものを設けたいという趣旨でいろいろ折衝いたしたのでありまするけれども、こういう幾つかの公的な金融機関ができるというようなことはわずらわしい。また事務費が非常にかさむであろうというようなところから、これはただいま御承知の、国民金融公庫、中小企業金融公庫という屋根の下で、医療施設に融資の道を講ずるがよかろうということになりまして、また金額も今日の国家財政の立場から、この程度でがまんをしてもらいたいというようなところから、先ほど大臣がお話しになりましたような形になっております。
○榊原亨君 ただいまの問題につきまして、厚生大臣にお伺いいたしたいのでございまするが、その医療金融を受けます場合に、一般の診療所、病院にはこれを流さずに、特に結核あるいは精神病に重点的にお流しになるという御方針でございましょうか、その点を承わりたいと思うのでございます。
○国務大臣(川崎秀二君) ただいま御質問の要旨は、結核対策に十分流すというお話でございますか、もう一度…。
○榊原亨君 ただいま私の申し上げましたのは、医療金融の金を貸します場合に、特に結核あるいは精神病の医療機関に主として流す、一般の診療所、病院についてはこれをほとんど流さないという御方針でおやりになる大臣のお考えでありますか。
○国務大臣(川崎秀二君) 何か通牒等の関係がありましたそうですから、政府委員から答弁させます。
○榊原亨君 通牒等の関係があるかもしれませんが、一応大臣の御方針は、これはいろいろな事情があるわけでありますので、特に結核あるいは精神病というものと区別してお流しになるかならぬかという大臣の御方針を承わりたい。
○国務大臣(川崎秀二君) 通牒等の関係もありましたので、その点に触れての御質問かと思いましたので、従来の経緯を申させたいと思っておったのでありますが、当然それは重点的に結核医療等に対して流すべきものと私は考えております。一般よりは。
○榊原亨君 最近こういう通牒が出ておるのを私は承知しておるのでありますが、人口二千人以下に対して一つの診療所、病院があります場合には、それにはこの金融は流さないのだ、結核あるいは精神病は別だけれども、一般の診療所、病院の場合には人口二千人、一診療所、病院当り二千人に満たない場合にはこれをしないのだ、こういうような意味の御通牒が出ているように承わったのでありますが、そういたしますると、人口二千人に一つの病院ということになりますと、一般の病院、診療所は全然、ほとんど日本全国をおしなべまして、これの融資を受けることができぬという状態になるのであります。ことに火災でありますとか、あるいはその他の異変でありますとか、あるいはいろいろな突発的なことがありましても、そういうことをお流しになりますというと、もはやそのワクに拘泥されまして、ほとんどそれを借りるという余地がないということになるのでありますが、こういう点については、どんなふうにお考えになってそれをお流しになったのでありましょうか。結核あるいは精神病の方に重点的にお流しになるという厚生大臣の御意思は、今承わったのではございまするが、そうまで画然とした制限をしなければならぬのであるかどうか。その点について厚生大臣はおわかりにならぬと思いますから、事務当局でもけっこうでありますから、御説明をお願いいたしたいのであります。
○政府委員(曾田長宗君) この点につきましては、御承知のように非常にこの融資希望の向きが多うございます。それで先ほど大臣からもお話しございましたように、この中小企業金融公庫といたしましても、予定よりも多額の融資が医療機関に行われたというようなところから、これが果して全国に公平に、また必要な施設に十分流れておるだろうかどうだろうかというようなことを考えられたようでありまして、まあそういう意味で、幾分規制をすると申しますか、どういう方面にまあより重点的に融資を行うかというようなことを考えられた模様でありまして、そういうところから、一般の施設よりは今ベッドが不足だと言われております精神病あるいは結核という方面に重点を置きたい。また地域的にもたくさんベッドのあります地方よりは医療機関の普及の薄いところに多く流したいというふうに考えられた模様でありまして、これがこの中小企業金融公庫の中央から地方に流された通牒の内容であったようでございます。正直なことを申しまして、私ども事後にかような通知が行ったということを通知を受けまして、で、その際に、この今のような御趣旨には私どももある程度賛成できるのでありますが、あまり窮屈に行われますと、いろいろ支障が生ずるというようなところから、公庫の方に対しましても、また通産省の方に対しても、さようなこちらの意向を申し伝えて、この善処をいたしたいというふうに話し合いをいたしておる状況でございます。
○榊原亨君 ただいまお話しいたしましたように、御方針はそれでいいと思うのであります。結核の病室が余っているということは、私は認めません。結核の病棟については、別な意見を持っておりますけれども、大体において、そういうふうに規制されることは私はいいことじゃないかと思うのでありますが、ところが、そのワクでもって、もう一歩もそれを動かぬということになりますと、現実の面において火事があったような場合、今までの病院を復興するといってもできないということになるのでありまして、これはぜひ大臣から一つ向うの方へ御連絡下さいまして、そういう方針はけっこうであるけれども、特別の場合はこれは別だということを一つ御交渉をお願いいたしたいのであります。ことに医療金融は、先ほど独立してやろうということを曽田医務局長が言っておられるのに、厚生省の方に一ぺんのごあいさつもなしに、そういう通牒を中小企業の方から末端の方にお流しになるということに対しましては、私どもは非常な遺憾の意を表します。従いましてこの点については、非常に強力な厚生大臣から、特に事務当局におまかせになっておってもだめなことでありますから、川崎厚生大臣の強い政治力によって、この問題は御解決を願いたいと思うのであります。
○国務大臣(川崎秀二君) 私、ただ自分のしろうと考えで、先ほど御答弁申し上げたのでありますが、結核医療並びに精神医療に重点を置くような——立て方としては当然だろうと思いまして、御答弁申し上げました。いろいろ政府委員との質疑応答を伺っておりますと、御指摘の点はごもっとものように存ずるのであります。重点は重点でありまして、二千人以下の人口のところには、一般診療所に対する一切の融資の道がふさがれるようなことになりますれば、きわめて重大問題であります。この程度において線を引くというのは、一応今日の融資のワクをきめる際におきましての、金の使い方に対する方針だとは思いますが、御指摘の点はだんだんにわかりますし、先般も実は生活協同組合の問題で通産省の官房長と直接に話をしたことがありますが、申し入れがあり、ことに厚生大臣が重要だと認められたものに対しては、相当の融資の道を開いている。去年はわずか一件しかなかったのだけれども、でき得るだけ開きたいというようなことも言っておりましたので、医療関係に対しては、特に重点的にやりたいと思いますから、仰せのことは、通産大臣と直接話をいたしまして、善処をいたしたいと思っております。
○谷口弥三郎君 ただいまの経過のお話も出たようでございますが、医療金融公庫を初め作ろうと言った時分、四十億が出ぬためにだんだん狭くなりまして、五億になりました当時におきましては、結核とか精神病を重点にするか、それを主にするというようなことは絶対になかったと存じます。医療機関におきまして、どうも、あるいは先刻榊原委員が言われましたようなふうに、火災におうたような場合、あるいは新築改善をぜひせにゃならぬような場合に、金を何とかして金融をしてもらいたいというのがもとであったのですから、中途において、結核とか精神病に重点を置くというふうにお変えをいただきますというと、これは医療機関の整備は絶対にできぬようなことになりますので、ぜひとも前からの方針をお続け願いたいということを特に申し上げておきます。
○政府委員(高田正巳君) 私からお答えいたします。御承知のように、医療金融の問題が始まりましたのは、一般の医療機関の整備、改築等のための金融が非常に困っておるので、これを何とか金融をいたしたいということでございました。そういうことで、初めは医療金融公庫のような独立の機関を作って医療機関に適合した金融の方途を講じたいということで始まりましたけれども、先ほど来お話がありましたように、そういうことでなくて、中小企業金融公庫の金を借りるということになったのであります。初めは、今日のようにたくさんの金が貸し出されるとは自他ともに予想しておりませんで、中小企業金融公庫の当局並びに通産省の当局も非常に好意を持って貸し出しに骨を折っていただいたのが実情でございます。しかしだんだんやってみますというと、これは予想以上に金融が医療機関に対して行われておる。そういたしますと、まあ向うの立場になって考えれば、一般中小企業金融公庫をそれだけ圧迫するということもまあ言えるわけです。そういうような観点から、何とか向うとしては、これをある程度締めなければならぬという心境に立ち至った、そういう意味で、今まで相当広範囲な金融の方途を講じておりましたのが、だんだん範囲を狭めようじゃないかということを隠密の間に向うの方としては考えようとしている、そういうところから、先ほど来お話のありましたように、あるいは医療機関の普及していない無医村、あるいはこれに準ずるところ、ないし結核、精神病床の増床、そういうものを一つ重点的にやろうじゃないかということで、その結果として、一般の診療機関、病院等はおのずから薄くなるという結果を来たすというようなことを向うの方で考えて進めておったのであります。で、私どもの方もそういう事態を憂慮いたしまして、そういう方針をとらないようにせっかく折衝いたしまして、努力中でございます。さよう御了承願いたいと思います。
○高野一夫君 次に、大臣に伺いたいと思いますが、行政機構改革の問題に関連して参るのでありますけれども、先年厚生省の医務行政と薬務行政を合同する案が出て、これは当委員会において非常な反対が展開されまして、ついに取りやめになった。それは医事衛生と薬事衛生は本質的に全然違うものであるということから参ったのであります。ところが当時の説明を聞きますというと、これはわが党内閣の大臣の説明であったわけでありますが、医事、薬事が似通ったものであるから一つにした方がよかろうというきわめて簡単率直な御意見であって、そして互いの討議の間に、本質的に違うものであるということを確認されて、これは取りやめにして現在の通りになっておるわけであります。ところが最近地方の府県におきまして、この医務課と薬務課との合併がひんぴんとして行われておる。これはどういうことになるのか。厚生省の直接の圧力のかからないところでありますから、やむを得ないかもしれませんが、しからば地方の厚生行政、民生部あるいは衛生部、そういう方面の機構改革が適正に行われておるかということをつぶさに調査してみますというと、そうでもないように思います。たとえば公衆衛生関係、予防衛生、環境衛生、似たような課が幸いに残っておる。そして医事衛生、薬事衛生については、これを一つにしておる。こういうことが最近至るところで行われておる。これに対しては、厚生省はどういうふうにお考えになるか。何らかの各都道府県に、この本質が違うということ、あるいはこの機構改革に対して手を打つといいますか、何か適当な勧告の方法でもおとりになっておるか、この点について御見解を伺いたい。さらにまた、今後こういう事態に対してどういうようなふうにお考えになるかどうか。
○国務大臣(川崎秀二君) ただいまのは中央と地方の両面にわたっての御質問だったと思うのでありますが、中央において、薬事行政並びに医事行政を一本の局にまとめるというような考え方は今日は持っておりません。この地方財政の窮迫からいたしまして、なるべく局、課を少くしていこうという方針が地方の自治体でとられておることは、これは何としても避けられない現象ではないかと私どもは考えをいたしております。しかしながら、そのために医事行政、薬務行政が非常に縮小をする、そして保健衛生の最も重要な仕事が圧縮をされるということは、はなはだ遺憾でありますので、これを食いとめるような形の発言は、閣内におきましてもすでに二、三回行なっておりまするし、またいろいろな地方との連絡会議、あるいは知事会議等におきまして、厚生省から出ておる関係官の発言等にも、それらは現われておると思うのであります。ただ先ほど申し述べましたように、地方においては、民生部において衛生部の仕事を代行させているというようなふうに、だんだん行政機構が簡素化しつつあるような傾向でありまして、これは主として財政面から来たのでありますが、元来から申すならば、行政機構を簡素にするという方針は、われわれも尊重しなければならぬと思っております。ただその民生部の中における保健衛生行政の仕事が圧縮をされる、民生部の中に包含されるということに対しては、われわれは決して反対するわけじゃございませんが、その内部におけるウエートを減少させるということのないように努めておりますし、また地方におきましても、一たび民生部の中に包含されるというようなことがあっても、現に社会保障行政並びに保健行政の実績が伸びつつあるような状態でありますから、民生部の中におけるウエートは決して下ってきておらぬ、こう私は考えているのであります。
○高野一夫君 今御見解を伺ったわけでございますが、今後もぜひ一つこの点に関心をお持ち願わなければならないことは、医薬分業の実施によっての日本の医療制度の改革も行われるし、ことに薬事行政の中に、日本の重要産業の一つである化学工業、製薬工業の問題が薬務行政として、これは通産関係、商工関係から離れて行われているわけでございますから、今後十分お骨折りを願いたいと思います。 あと二点簡単に伺いたいのでありますが、ネズミ、蚊、ハエ等のこん虫驅除の問題でございます。これは厚生省が十分調査をされていることであるし、われわれも調べているわけでございますが、ネズミの被害額を調べましても、衛生関係はもちろんのこと、食糧の被害、あるいは漁村——水産業の被害、治水土木工事の被害、森林資源の被害、家庭における被服の被害、こういうことを経済的に見積っても、国家予算に比較して一割に達する——千億円を突破するか、千億円に達する問題じゃないかと考えております。そこで厚生省の資料その他の文献を調査いたしてみましても、英米においても、すでに立法ができて、中共においては、御承知の通りハエや蚊を追っ払うために、愛国衛生運動のような国民運動が展開されている。そうして日本は、外米百万トンを輸入するが、百万トンの穀類をネズミに食われている。こういうような事態は、私は食糧増産の面からいっても、この輸入するとか、増産をするとかいうプラスの面だけではなくして、このマイナスの面、水産業からいっても、土木あるいは植林の問題からいっても、まず厚生関係からこのマイナスの面を撤去するということに重点を置く必要がありはしないか、こう思っているのでありまして、われわれ各委員同士語らい合って、その問題について調査を進めているわけであって、法制化でもしたいと考えているわけでございますが、そこで、現在このネズミあるいは有害な蚊、ハエの駆除に対して、厚生省は予算的にどういうような処置を講じておられるか。これは政府委員の方からでけっこうでございますから、簡単でいいから、要点だけかいつまんで御説明を願いたいと思います。
○国務大臣(川崎秀二君) ちょっと私から基本的なことについて……。ただいまだんだんお話のネズミの被害については、非常に莫大なものがありますので、実は私個人も最近そういうこん虫の駆除について、環境衛生部で一つ案を作ってみてくれということを楠本衛生部の方に申しているような次第でありまして、この問題と蚊とハエの駆除というものを、まあはなはだ非衛生国家のようで、世界に対する聞えはどうかと思いまするが、現実は現実でありまするので、十分認識をして、そういうことを排除する閣議決定もいたしたいと思って実は案を練らしておるような次第でありまするが、ネズミの驅除については、本年は驅除技術の向上、モデル地区の設置による指導をいたしますために必要な経費を計上はいたしたのでありまするが、はなはだ少額であります。百万円計上をいたしております。
○高野一夫君 政府委員に、楠本部長に伺いますが、従来、終戦直後ネズミ驅除のために、各府県に相当多額の、何十億かの補助金を流しておられるわけであります。それはわれわれが記憶しておる限りにおいては、二十億とか三十億に達しておったのじゃないかと思う。現在百万円というのはどういうわけなんですか。百万円では報酬をやるとかただ役人の出張とかいうような経費にしかすぎない。私は各都道府県を回って、一体都道府県がネズミ驅除を、そういうものをやっているかどうかといってたんねんに調べ上げてみると、非常にまじめにやってくれているのが新潟県です。新潟県は、あそこは米どころでありますから、そのネズミによる被害額を算定して、これは大へんだということで、そこで平衡交付金の中から、昨年でありましたか一昨年でありましたか、私が調べに行ったときには、相当の金額をさいてネズミ驅除に努力しておる。厚生省の方針に非常に協力しておる唯一の県だと私は考えておるわけです。その当時、昔二十億なり三十億の補助金を流しておる。それが平衡交付金の中に入ってしまうというわけなんでありまするが、現在百万円でネズミ驅除に対する何らか中央が手を打つのに助けになりますか。これは一つ環境衛生部長の方に、専門でありますから伺います。
○説明員(楠本正康君) お答えを申し上げます。ただいま御指摘のように、昭和二十四年までは、ネズミ、こん虫の驅除事業として補助費で最も多かったときは、約六億円が補助をされておりました。二分の一補助でございますので、事業量は十数億に達しておったと存じます。その後二十五年から平衡交付金制度が始まりましたときに、この仕事は平衡交付金でまかなうのが適当だという考え方をしいられまして、現在はその後引き続いて平衡交付金に算定されております。本年は約二十億円が基礎計算として算定をされておりますが、これらの実施の状況というようなものは、平衡交付金であります関係上、ただいま、これまた御指摘のように、きわめて特殊な府県においてのみ実施をされておるというような点を、はなはだ遺憾と存じております。 なお、本年百万円を計上いたしましたのは、とりあえずモデル地区でも設定をいたしまして、なるほどネズミはとれるのだという、いなくなるのだという実績を示して、逐次他にこれの成績を及ぼしていく、あるいは必要な技術を地方に浸透さしていくというために、実は計上したわけでございまして、たとえささやかでありましても、これらの実績をもちまして、逐次全国的規模に拡充していきたいと、かように考えておる次第でございます。
○高野一夫君 二十億の相当の金が基礎算定の中に入っている。これを使うか使わぬかは地方長官の権限内にあるわけでありまするが、私は、先ほど申し上げたように、まじめにそういうことを考えてやってくれているのは、まあ新潟県ぐらいのものじゃないか、私の知っている限りにおいては。そのほか私の承知している限りにおいて、相当の各府県において、衛生部長自身がこういう金が基礎算定の中に入っているということを知らない、こういうのはどういうわけです。これは衛生部長が、勉強が足りないのですか、それとも厚生省からの通牒そのものが、趣旨説明が徹底しなかったのかどうか。これは過去のことをあえて問いません。今後はこの点について、一応われわれも法制化の点について研究を進めていきたいと思うわけでありますが、これらの点について、厚生省は、都道府県に対して十分に一つ喚起といいますか、ほんとうにやっていってくれるような試験的にでも何でもいいから、十分こういうような金を一つそういう方面に有効に使えるように、これは大臣が信念を持って一つ御連絡していただきたいと思うわけであります。
○政府委員(堀岡吉次君) ただいまお話の平衡交付金の基礎につきましては、毎年詳細なものを地方庁に送っております。それから説明もいたしております。ただ平衡交付金の方は、御案内のように標準団体として計算いたしますので、それを府県々々ごとによって、実情に応じて換算いたしますことは非常に困難でございます。 詳細について、衛生部長各位が御存じなかった点があるいはあったかもしれませんが、毎年衛生部長会議、民政部長会議等におきましては、前年度のそういうような経過の御説明を申し上げております。
○高野一夫君 今の問題はそれで打ち切りますが、実際は衛生部長が知らなかったということは、私は実見している。知事の前で話をしまして、民生部長は知っているか、衛生部長は知っているか、どっちが所管であるかということを、一応集まってもらって、いろいろ私プライベートに、あるいは公的な立場であったこともありますが、相当おいでになる、それで私は実は申し上げるわけでありますから、なお十分一つ気をつけていただきたい。 それからもう一つだけ質問さしていただきたいと思います。それは別に榊原委員の質問をまねて質問申し上げるわけでもないのでありますが、最近、六月三日か四日ごろの新聞であったと思うのですが、輸血の問題が出ておったわけです。例の、梅毒患者の血液を重症患者に輸血をした事態が大きく社会問題として扱われて出ておったのであります。そこでこれは大臣または政府委員でよろしゅうございますから、伺いたいのでありますが、血液銀行というのがある。その血液銀行というのは一体どういう組織になっているのか。そうしてこれはどういう法規でどういう取締りを受けておるのか。あるいは血液銀行とかそういうものではなく、直接開業医のととろですぐ供血者から血をとってすぐ輸血をする。そういう場合に血液の型は調べるでありましょうが、病毒菌を含んでおるかどうかというような調査は行われているかどうか。新聞記事は、そういう検査をしないで直ちに輸血したような記事だと思うのでありますが、そういうような場合に、われわれが輸血をしてもらうという場合が起った場合を考えましても、まことにこれはりつ然とせざるを得ないわけであります。輸血をするので型はとる。B型、A型、合っているから輸血をする。病毒菌があるかないかの検査をしないで輸血をするということになっては、赤痢の予防注射どころの問題ではなく、とんでもないことになるわけでありますが、この血液銀行に対する取締り、または医者が直接血をとってすぐ輸血をする場合の取締り、これはどういう法規があってやっているのか、われわれ不敏にして知りませんので、どういう取締りが行われているかということを、一つお知らせ願いたいと思います。
○政府委員(高田正巳君) 私からお答えいたします。輸血をいたします場合には、今御指摘のように、二つの場合があるわけでございますが、一つは、血液銀行を通じて、製剤の形になった保存血を輸血する場合でございます。それからいま一つは、直接供血者からなま血を患者に輸血する場合と、二つの場合がございます。それで前者の場合におきましては、これは今日の扱いといたしましては、御指摘のように、いわゆる血液銀行というものが供血者から血を採血いたしまして、そうして自分で正確にはクエン酸塩加人全血液という名前で呼んでおりますが、いわゆる保存血を製剤いたしまして、そうしてこれを不特定多数の病院、診療所の要求、求めに応じて分与いたしておる、こういう形でございます。その際に、しからばいかなる法令でどういうふうに縛られておるか、そうしてその血液の安全性はいかにして保証されておるかという御質問でございますが、血液銀行の場合におきましては、この薬事法の規制のもとにあるわけでございます。製造から販売まで一貫して薬事法の法体系のもとで規制をいたしておるわけでございます。もう少し詳しく申し上げてみますると、血液銀行を営もうといたしまする場合におきましては、まず薬事法によりまして、製造業の登録を得なければなりません。それから保存血という一つの医薬品の製造許可を得なければなりません。そういたしまして薬事法のもとにありまする省令、生物学的製剤製造検査規則、それからさらに薬事法に基いて、より詳細にいろんな規定をいたしておりまするクエン酸塩加人全血液基準——これは製造基準でございますが、基準というふうなものによりまして、厳重な規制を受けておるわけでございます。なお、販売につきましても、薬事法五十二条に基きまして、この告示がございまするし、なおその他通牒等で厳重に縛られておるわけであります。 それで今御指摘の梅毒の血液等を輸血いたしましたり、あるいはまた血液によって感染する病気等についての保証は、しからばどういうところにあるかと申しますると、ただいま申し上げました一環の法令によるわけでございまするが、具体的に一番詳細に規定をいたしておりまするのは、先ほど申し上げましたクエン酸塩加人全血液基準というもので縛られておるわけでございます。この中身といたしましては、非常に詳細な規定をいたしておるわけでございます。具体的な例をあげてみますると、梅毒につきましては、梅毒検査を行わなければならない。国立予防衛生研究所で認めた検査機関において、衛生検査指針というものがございますが、衛生検査指針に定める方法のうち二つ以上の方法を行なって、この梅毒のプラスかマイナスかということについての検査をしなければならないというふうな規定をいたしまして、その血液の安全性を保証いたしておるわけであります。それから第二番目の、直接なま血を輸血する場合におきましては、これはあるいは医務局長からお答えいただいた方が適当かとも存じまするが、立ちましたついででございまするので触れてみますると、お医者さんがかような血液を輸血する場合には、かような方法でやらなければならないという意味の告示が、医師法に基きました告示が出ております。この告示の内容も実に詳細をきわめておるのでありまして、大体規定されておりますることは、大局的に申しますると、血液銀行の場合の先ほどの製造基準に似たり寄ったりの内容を盛ったものでございます。かような工合で、そのいずれの場合におきましても、今申し上げましたような方法によりまして、輸血される血液の安全性を保証いたしておるわけに相なっておる次第でございます。
○高野一夫君 血液銀行は、なるほど製造業の登録を受け医薬品の製造許可を受け、販売許可を受け、いろんな省令基準に基いてやるということで、これは薬事法の医薬品としての取扱いを受ける、一方の直接なま血をやる場合は、医師法による告示であるということでありますが、この告示が完全に行われているかどうかという点の監督といいますか、取締りといいますか、これはどうなっておりますか。これが事実できているかできていないか。もしも告示違反の、告示通りやっていなかった、ただ血液の型だけを調べて、病毒菌いかんは調べないで輸血したという場合に対する処罰の方法は、この告示でできますか。そのもとの医師法にさかのぼって処罰ができますか。その取締りの方法、実態。
○政府委員(曾田長宗君) ただいま薬務局長から話のございました医師が新なま血をもって輸血を行います場合に、いかような注意をいたさねばならぬかということに関する厚生省告示は、医師法に基いて出ておるのであります。これは今もお話しございましたが、輸血を……。
○高野一夫君 告示の内容はわかったからよろしい。告示が行われておるか、行われてないかがどうしてわかるか、どういうふうにしてお取調べになりますか。従来この辺の検査監督をやっておられるかどうか。それからもしもそうやってなかったとした場合に、何をもってあなた方はこれを取締る——いわゆる処罰するとか、戒告するとかということをなさるか。告示でしょう。厚生省の告示にすぎない。それはどういうふうになっておるかということを法的の立場から伺っておる。
○政府委員(曾田長宗君) これはこの医師法に基きまして、医師の業務が一応定めてあるわけであります。この医師の業務につきまして、こまかい詳細な診療業務について、一々監督するということは、これは立ち入ったところまでは、率直に申し上げれば、これはできかねるのであります。しかしながらその際にいかような点を特に注意してやってもらいたいというようなことにつきましては、厚生大臣が必要に応じて医療審議会に諮問いたしまして、これを医師に指示するということができることになっております。その指示にのっとって今のような告示が出ておるわけであります。この注意を十分に守って診療に当っていただきたいということになっておるわけであります。 それが守られておるかどうかということにつきましては、これは一般的に、この医師の診療業務に対する行政的な監督ということで参りますので、そこにいろいろ不十分な点あるいは過誤があったというような場合には行政的にこれを監督し、また処罰すべきであるというようなところまで参りますれば、さような処置もとるということになる次第でございます。
○高野一夫君 そういうことならば、われわれ全日本の国民は安心して輸血してもらえないじゃありませんか。それで良識ある医者ですから、たまにはそういうすっぽらかしたのがあるかもしれぬけれども……、しかしこれでは、われわれは死ぬるのか生きるのかというときに輸血をするのですから、ただけがをしたというときだけじゃない、生きるか死ぬか一番の重患のときに輸血をする。その輸血をするときに、なま血を輸血する、そのなま血が病毒があるかないかのその患者にとってはっきりした鑑定がつかないで、安心して輸血してもらえない。先ほどあなたのお話を伺っても、何かちゃんとしてやっておるのだろうかと思うよりほかにない。それがわかった場合は——、わかるかわからないかわからない。わかった場合は行政処分でいくよりほかにない、あるいは医師法で処罰をするとおっしゃるが、しからば医師法の第何条によってどういう、その場合に発見されたとして、医師法の何条でどういう処罰をされますか。
○政府委員(曾田長宗君) これは輸血のみではございませんで、輸血以上にむずかしい手術もいたします。処置もいたします。
○高野一夫君 輸血の場合だけ質問しておる。輸血のことを答えて下さい。
○政府委員(曾田長宗君) さような場合に、医師の業務上の過失がございますれば、業務上の過失としての処罰の道があるわけでございます。
○高野一夫君 輸血の場合でも、それは業務上というと、医師法に定めてある医療の違反行為になるわけですか。
○政府委員(曾田長宗君) 今までの事例によりましても、血液型の検査を誤まって判定した、あるいは血液型が明らかであり、輸血すべからざる事例にさしたというような場合には、これは処罰もされております。
○高野一夫君 それじゃ、くどくなりますから一つだけ伺いますが、その処罰というのは、あらためてはっきりしたところを伺いたい。それは医師法の中に、第何条かしりませんが、医療ということがきわめてある。その医療の違反行為ということでそれに該当する罰則が適用されるわけですか。また適用された事実があるかないか。この間、六月三日の新聞記事に対しては、どういう処罰をおとりになったか。その三点だけお尋ねしておきます。
○政府委員(高田浩運君) 私からお答え申し上げます。ただいま医務局長からお話しありましたように、業務上の過失等に基きまして傷害を起した場合につきましては、これは刑法の規定によって処理するものでございます。それと別個に行政上の問題といたしましては、医師法の第七条によりまして、いわゆる行政処分として、あるいは業務の停止をし、あるいは免許の取り消しをする、そういうようなことになっておる次第でございます。 先般の事件につきましては、私どもの承知いたしております範囲では、警視庁において取調べ中でございます。その結果に待ちまして、行政上の処置をすることが適当であるかどうか、ないしその内容をどの程度にするかということは、地方庁を通じまして私の方で処理いたしたいと考えております。
○高野一夫君 高田次長から非常に明快な御説明でありますが、それじゃもう一ぺん高田次長に伺いたい。 その刑法に触れるというのは、業務上の、たとえば今のそういうような悪い血を受けて非常な病気になった、その損害といいますか、あるいはそのために死んでしまったというような場合には、刑法のたとえば業務上にいろいろな過失致死罪とか、過失傷害罪とか、そういうものに該当するわけでありますか。そうして医師法の七条によっては、単なる行政処分にしかすぎないのでありますが、行政処分以外の措置はとることに医師法にはなっておりませんか。私は医師法は知らないものでありますから。
○政府委員(高田浩運君) 医師法の罰則によっては罰を課する道はございません。医師法によっては行政処分だけでございます。
○高野一夫君 それじゃ大臣に一つだけ伺いますが、ただいまの私の質問と曽田政府委員の御答弁をお聞きの通りで、そこでこういうような重要な問題について、きわめて軽微な問題で業務違反が起った場合は別といたしましても、こういう非常に大きい人命にかかわるような問題で間違いがあったとかなかったというようなことがあった場合に、単に特別のそういう医師法なら医師法なり、別の法律なら法律によって、行政処分ということだけでもってこれを始末してそれでこういうような禍根が防げるものでしょうか、その辺はどういうふうにお考えに、なりますか。
○国務大臣(川崎秀二君) これは最近新聞紙上におきましても非常に世上に注意を喚起されておる問題でありまするし、単に従来までの法律で全部これをカバーすることができるかどうかについては、相当検討を要さなければならぬことであろうかと思います。従いまして質問者の考え方にあられますように、これらの問題は人命に非常な直接影響を持ち、また体質にも、たとえ人命に影響を持たずとも、誤まった場合には相当に大きな影響もあることと思いますので、私どもとしても十分検討いたしまして、何らか従来の法律以上の措置を講ずるような必要も起ってくるのではないかというふうに考えをいたしております。
○山下義信君 関連質問。私は同じようなことを実は二度聞くのですが、いつでありましたか、一昨年でありましたか、昨年の春でありましたか、当委員会で不正の輸血の問題が取り上げられまして、そのときの輸血の中にやはり梅毒菌か何かがありまして、それからこの不正業者の問題が取り上げられて、そうしてこれに対する取締りの方法があるかないかが当委員会で検討されて、直接取締りの方法がないわけで、そのときは、これはまあ重大なことだから一つ取締りの方法を当局で検討してもらおうじゃないかということであって、十分厚生省としても検討しましょうということがあって、相当年月がたったように思うのです。今再びここでお取り上げになりまして、今のようなお話があったのでありますが、相当研究も進んでおるのじゃないかと思う。いろいろ技術的にはむずかしいところもあろうかと思うのですが、先ほどから質疑応答されましたのは、主としてこの医師が不良な血を使って事故を起したときのことが問題になったようでありますが、根本的には、そういう不良な血を作る業者といいますか、そういう設備の不完全なものをもってやっておるこの施設といいますか、何というのですか、このごろ採血業者といいますか、それらの基準、取締りというようなことが問題になるのだろうと思うのです。あわせて私どもがその関心を集めておるのは、いわゆる新聞などでやかましく言っている、社会的な問題になっていることは、生活に困って、そうして血を売りに行く、そういうものを食いものにする業者、しかも問題はそれを買い取る料金です。実はそれが私にはわからぬが、専門家がほかにもいらっしゃるが、再び血を再生産するに足りないだけの金をもって血を買い上げるというようなことが行われているということは、まことに許すべからざる非人道的なことで、そういうことが公然と業として行われておることを黙過するということが公然と業として行われておることを黙過するということは非常に大きな社会問題だと思うこういうことが問題になるのです。従って取締りされることは、私はそういう点にも配慮をされて、そうして不当な廉価をもって人民の血をあがなうというような、許し得られない買い入れの価格等についても一定の何というか、最低制限というか、というものがなくちゃならぬとわれわれは考えておりますので、これは先年当委員会で問題になって、再びここで繰り返されてけっこうなことでありますが、厚生省としては、考える考えるというのではいけぬのであって、できるのかできないのか、できるというめどがついて、いよいよ取締りの立法の準備を進めるのかどうかということだけをはっきりしておかぬと、相当前から検討するということを言っておられましたので、もうそろそろ結論が出ていいころじゃないかと思いますので、関連して私は伺っておきたいと思うのです。
○政府委員(高田正巳君) 事務的なことについての御質問でございまするので、この問題につきましては、今山下先生から御指摘がありましたように、三つの面があると思います。一つは、先ほど来御論議のございました安全な輸血をされる、血液の安全性を確保するという問題、それからもう一つは、供血者の健康を保護するという問題、それからもう一つは、血液の値段であるとか、あるいは仲介あっせん業者というような問題として先生が御指摘ございましたが、そういうふうなことに関連をいたしまする何といいますか、むずかしく申しますると、供血者の基本的な人権に関連をしたような問題というふうなものがあるように思うのでございます。それで先ほど来御説明を申し上げましたように、ただいまの法制の立前といたしましては、安全な血液を供給するということについての保証は、先ほど高野先生から御質問がございましたことについてお答えをいたしましたようなからくり、しかけでやっております。一応この点についてもいろいろ御論議があるわけでございますが、間違った場合にどういうふうな処罰をするかというような御論議があるわけでございまするが、一応さようなわけで、しかけといたしましては、形が整っておるわけでございます。 それから二番目の血液を供血する人間の健康を保持するというふうな点につきましては、先般の委員会で榊原先生からちょっとそれに関連した御質問がございましたが、これは先ほど私が申し上げましたクエン酸塩加人全血液製造基準、それからもう一つは、医師の準拠すべき基準、この二つの内容におきまして、かくかくの者からは血液をとってはならぬ。たとえば妊娠中の者、あるいは過去六カ月以内に妊娠をしておった者、あるいはまた血液の比重が一・〇五二以上の者でなければとっちゃならない、そういうふうな規定がございまして、その立前といたしましては、血液の質を確保するという立前で規定したわけでございますけれども、反射的に、そのために供血者の健康を保護するという目的を達っしておるのでございます。さようなわけでそれも不完全ながら今日手当ができておるわけでございます。 ところが最後の問題でございまするが、これは主として直接なま血を輸血する場合に、御存じの輸血協会というふうなものが存在いたしまして、その間にいろいろと問題が生じておるというふうなこと、あるいは値段を非常に安く買い上げる、あるいは支払う方では相当な値段で買い上げるけれども、中間のものがこれをふところに入れてしまうというふうな問題、私が先ほど供血者の基本的な人権に関連するような問題というふうに申しましたのでございますが、さような問題につきましては、今日のところ、今日の法制のしかけでは実は穴になっておるのであります。それでそこを何とかふさぎますれば、一応格好はつくわけでございます。しかしながらそのふさぎ方にもいろいろと方法があるのでございまして、私どもただいま考えておりまするところは、この血液についての問題を総合的に取り扱ったような一つの立法を考えてみたらどうか、そういたしますると、薬事法からはそれだけは、血液銀行に関する部分だけは抜けるわけでございます。そういうふうな単独法みたいなものを考えてみたらどうであろうか、こういうことで、これは私の局だけでなく、医務局にも非常な関係がございまするので、医務局の方と御相談をし、さらに官房においてこれをどういうふうに考えていくかということを、ただいま検討をいたしておるような次第でございます。さようなわけ合いで、これはいつまでにそういう立法ができるかという期限についての御質問については、今お答えするだけの用意はございませんけれども、ただいまそういうふうなことで努力をいたしておるということだけは申し上げておきたいと思います。 なお、その際に血液の価格がきめられるかどうかというようなことにつきましては、あるいは最低の価格でもきめられるものかどうかということにつきましては、これによほど検討いたしてみませんと、私どもただいまのところ、さようなことをいたすべきものかどうかというようなことにつきましては、まだ結論を持っておらないような次第でございます。くどくど申し上げて大へん恐縮でございますけれども。
○山下義信君 私は、前回の榊原委員のこの点についての御質疑を聞き漏らしましたので、あるいは重複いたしたか存じませんが、なおこのことについて他の委員の方の関連の質問があるかわかりませんが、私は希望を申し上げておきます。しろうとであるからわかりません。しかしながら、耳に入るところでは、これは非常に最近俗にいう、平たい言葉でいえば流行しておるので、盛んに需要があって、従って供給もある、至るところで繁盛しておるといわれておる。もうかる。それで非常に設備を持ってする人たちもあるんでしょう。あるいは日赤その他大きな病院でやっておる人もあるのであるが、きわめて簡単な個人的診療機関等であって、簡単にやってすぐに輸血をやって使っておる人もある。従って新聞などに出るような不正業者、もぐり業者の悲惨な事実等はその片りんが出るのであって、全国でどのくらい採血が行われ、供血が行われ、輸血というような事柄が行われておるのか、われわれは実態としてはわからぬ。第一に私は御注文を申し上げておきます。これは新聞を見て新聞の記事だけでわれわれがお互いにここで言っておるだけではいけない、厚生省も実態を調査して、だれが調査するか、だれがそういう業者のところへ行って調べるのか、これは厚生省の所管か、私が言うような問題は警視庁が調べるのかしらぬが、あなた方に医事あるいは薬事、そういう方面の取締りの権限があるのかどうか、調査権があるのかどうかしらぬが、病院であろうと、正規のブラッド・バンクであろうと、そういう業者であろうと何であろうと、厚生省は実態の調査に乗り出さなくちゃならぬ。新聞に書かれては、新聞を見ておるのじゃ、それで言っておるのじゃ、答えておるのじゃいけない。それで私は総合的に全国的に調査なされて、どれだけそういうことをしておる施設があるのか、どれだけの水準でやっておるのか、不正のものがどれだけおるのか、もぐり業者がどれだけおるのかということは、これは最近の医療傾向としても、またそういうものの関係者も増大の傾向がある等から考えて、これはやはり十分実情をキャッチをしてもらわなければならぬと思うのでありまして、至急にその実態調査に乗り出していただきたい。そうして悪徳業者も征伐していただきたい。今他の同僚議員から御指摘のように、安心して国民が輸血が受けられるようなことにしていただく、この希望を申し上げておきます。
○国務大臣(川崎秀二君) 私、ただいま夏季手当の問題について閣僚懇談会が開かれるということでちょっと連絡をしようと思いましたところ、山下委員におしかりをこうむったのですが、この問題につきましては、私も関心を持っておるだけではなしに、ただいま薬務局長から大体血液銀行の問題並びに採血をする、ことにまあ二番目の採血業者の問題が非常に世上の問題となり、これに対する法の盲点もあるので、でき得る限り新法を準備をしたいということについての事務当局の一応の考え方が示されたと思うのでありまして、私も実は事務当局の言明を待たずして、私自身の考え方も申そうと思っておったのでありまするが、この問題に対する十分なる部内の打ち合せが済まずして私から発言することは、いまだ時期が尚早であると思いましたので、とどまっておった次第であります。ただいまいろいろ御注意があり、かつこのような非人道的な、あるいは反ヒューマニズム的な行動が世上に現われて、単に時のジャーナリズムの指弾にあうだけではなしに、本質的な法律上の欠陥がありといたしますれば、事はきわめて重大でありまするから、特別な問題といたしまして措置をいたさなければならぬと思います。もとより調査研究には相当の時日も要しようとは思いまするが、問題は本年に始まったことではなくして、御指摘の通り一昨年にもこのような事件が発生をいたしたことも記憶をいたしておりまするから、すでに事務当局の責任者が一応方向を明示いたしました以上は、なるべく早い機会において結論を出す、少くとも今国会中にはいずれの方法をとるかということについての言明は責任をもっていたしたい、かように考えておる次第であります。
○榊原亨君 今度のこの予算の中に、国立病院に対しまして血液銀行を設置するという費用が出ておるのでありますが、この血液銀行は公開されるものか、あるいは国立病院だけでお使いになるのでありますか、その点を承わりたいと思います。
○政府委員(高田浩運君) 予算に組んであります血液銀行の経費と申しますのは、国立病院において使うものであります。
○榊原亨君 私はこの問題を申しまするのは、先ほどから問題になっておりまするところの、直接人からなま血をとるということがどうして行われるかと申しますると、結局血液銀行が間に合わないからであります。民間における病院その他の診療所においての輸血を要する患者に対しましても、血液を得ることができぬ。従ってやむを得ないからなま血をとるという結果になる。さような急迫した場合に、この血が梅毒があるかないかということや、遺伝とか、見る方法があると思いますが、完全に見ることができないのであります。従いましてたとえそういうことが起っても、直接それが医師の業務上過失にはならない。たとえばそこで血が出て死んでゆく患者に毒血でもやって、死なせぬことが必要な点でありまして、そういうことから申しまして、どうしても血液銀行を拡充せざるを得ない。今回予算をとりまして、私の繩張りだから国立病院の中だけで使うという、そういうセクショナリズムの問題ではなしに、血液銀行というものは、一般の開業医、診療所にも公開されるという立前のもとにやっていただかなければ、この問題は解決しないのです。その点の厚生大臣の御意見はいかがですか。
○国務大臣(川崎秀二君) 血液銀行の方を拡充して、これを充実するという方向に進めるのは当然だと思っております。
○委員長(小林英三君) この際、皆さんにお諮りしますが、厚生大臣は閣僚懇談会に……先ほどから委員長に申し出があったのですが、いかがですか、今日は。それでは本件に対する本日の質疑はこの程度にいたしまして、残りは次回以後にいたしたいと思います。御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小林英三君) さよう決定いたします。
○高野一夫君 実は私、ネズミ族こん虫類駆除の問題ですが、これを当委員会で取り上げていただいて、そして何らかこの委員会で成案を得られるならばまことにけっこうだと思いますので、あらゆる方面から材料を集めて、そして研究し合うということで審議を進めたいと思うのですが、実はその動議を取り上げていただきたいという動議を出したいと思います。
○委員長(小林英三君) 今の高野君からネズミ、ハエ、蚊等の駆除に関する問題について当委員会で取り上げて研究いたしたいという御意見でありますが、いかがでございますか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員喪(小林英三君) 御異議ないようですからさよう決定いたします。 それでは本日はこれにて散会いたします。 午後零時十五分散会 ————・————