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22回国会参議院1955/11/17

社会労働委員会 閉会後第3号

発言数
106
登壇者
10
会派数
3
開催日
1955/11/17

会議録

加藤武徳自由民主党

○理事(加藤武徳君) それではただいまから委員会を開きます。  派遣委員の報告を議題といたします。北海道雄別炭鉱茂尻鉱業所ガス爆発による被害状況の調査に関する派遣委員の報告をお願いいたします。

阿具根登日本社会党(第四控室・左)

○阿具根登君 去る十一月一日、北海道赤平市離別炭鉱鉄道株式会社茂尻鉱業所の坑内において発生したガス爆発事故による労働災害に関しまして、その実情を調査するため、三日から六日間、私と横山議員は委員会から現地に派遣されて調査して参りましたので、その概況を御報告申し上げます。  事故の発生した雄別炭鉱鉄道株式会社は東京に本社を有し、資本金四億円、大手十社の一つに数えられ、問題の茂尻鉱業所のほか、離別鉱業所、尺別炭鉱をもっております。茂尻鉱業所は労働者数、鉱員一千九百五十三人、職員百九十四人で合計二千百四十七人、出炭量は月平均二万五千トン、良質の弱粘結性瀝青炭で、カロリーは六千五百ないし七千カロリーであります。  次に災害の状況について申し上げますと、災害の発生いたしました個所は、同鉱業所内の桂本坑六片及び七片の全域に及び、災害発生の日時は昭和三十年十一月一日午後四時五十分ころと推定されております。  災害の発生原因は、私どもが茂尻鉱業所の災害現地を視察いたしました五日には、まだはっきりしておりませんでしたが、七日に至り、北海道札幌鉱山保安監督部から中間報告の形で一応の推定が発表されております。それによりますと、六片坑道の坑道掘進中、断層が出て炭層が岩石に変ったため、引立面の全面発破を施行しておったところ、断層面から一部分石炭層が現われ、そこから多量のガスが湧出し、それに引火して爆発した。従って爆発災害の原因は、七片十番層払いの肩坑道の掘進作業における発破によるものと推定されるということであります。なお本坑は炭塵が多いので炭塵爆発を誘発し、あわせて、あとガスの発生により多数の犠牲者を出したものと推定されるとつけ加えられております。  被害者数は死亡六十人、軽傷六人で、救出状況について申し上げますと、一日五人、二日二十二人、三日六人、四日六人、五日十四人、六日六人、七日一人でありまして、いずれも死体となって搬出されております。昨年の八月三十一日、太平洋炭鉱釧路鉱業所において発破作業中ガス爆発が起り、三十九人の死亡者を出し世論を騒がせましたが、今度の災害はこれを上回り、当初の予想を越え、戦後のものとしては、昭和二十三年の三菱勝田炭鉱のガス爆発事件に次ぐ大きな災害となったのであります。  死亡の原因といたしましては、直接ガス爆発に起因するもの、坑道の崩落によるもの、爆発後のあとガスによるもの等考えられるわけでありますが、今回の場合あとガスにより死亡したものが割合多いようでありまして、これらの人の中には、爆発個所から約千メートルも離れたところで死亡しているのであります。  救助が困難をきわめ、手間取ったのは、爆発による坑道の広範な崩落とそれに伴う通気の閉幕によるものと考えられます。  以上が災害及び救出の状況の概略ですが、次に鉱山保安に関する監督の実施状況について御報告申し上げます。  鉱山保安の問題は、鉱山に働く労働者の労働環境あるいは労働条件の問題として取り上げられるのが私は本来のあり方だと思うのですが、現行法では、労働基準法第五章の安全及び衛生に関する規定の適用はなく、鉱山保安法によって規制され、従って監督責任は鉱物資源の保護を第一義的立場とする通産省にあるのであります。私はこのこと自体賛成できないのですが、その問題は今ここに取り上げないことといたしまして、茂尻鉱業所に対しましては、北海道の鉱山保安監督部はことしになってから三回監督官が検査を実施しており、特に今回の事故発生の約一カ月前にも検査が行われ、九月六日の日付で監督官の注意事項が会社に渡されております。それは私どもの手元にある資料によりますと、全部で十一項目にわたっておりますが、その第一項では、前回注意を受けたガスの問題は改善されて、いずれもガス量が規定以下に減少されたという監督官の判断が述べられております。言いかえれば、七月二十七日、二十八日両日の検査の結果、流動ガス等が発見され注意をされたが、その後改善され、いずれも規定以下になったという状況のもとで、今回のガス爆発が発生したのであります。私はこの点、保安監督部の監督が不十分であったのではないかという疑問をもっているのでありまして、茂尻に来ていた北海道札幌鉱山保安監督部の石炭課長にこの点を問いただしたのでありますが、石炭課長は、責任を災害発生現場に働く労働者に転嫁するような態度でありまして、今回の事故に対し、監督官庁としての責任を何ら自省していない様子であったことははなはだ残念なことであったと思っているのであります。  なお茂尻鉱業所の最近の災害状況について申し上げますと、昭和二十五年の一月二十七日、ガス爆発により、死亡者十五名、重傷者九名、軽傷者一名、昭和二十六年二月八日、二月十五日に自然発火の誘発によるガス爆発により、死亡者六名、重傷者八名、軽傷者四名を出しております。この地帯一帯の炭鉱はガス発生量が多く、先月も十日に離別茂尻鉱業所に隣接する住友の赤平炭鉱で自然発火に対する密閉作業中のガス爆発があり、死者五名、重傷者五名を出しております。  次に罹災者等に対する補償措置について申し上げます。労働基準法は、労働者が業務上死亡した場合においては、使用者は遺族または死亡当時その収入によって生計を維持したものに対して遺族補償を、また葬祭を行うものに対しては葬祭料を支払うことをきめております。遺族補償は平均賃金の千日分、葬祭料は六十日分ですが、これは労災保険から支払われるわけでありまして、今回の場合、支払い総額は約四千五百万円になるということであります。一人平均約七十五万円となるわけでありますが、具体的数字については、金額の算定の基礎になる平均賃金が、事故発生前三カ月間の賃金総額を基礎とするため、十月分の支払い賃金の締め切りができず、そのため決定されておりませんでした。労働基準局関係の方の話では、不幸な犠牲者の方々の賃金だけでもより出して、優先的に取り扱うよう会社に要望し、迅速にはかりたいということでありましたから、もうすでに終っているかもしれません。のちほど労働省から御説明願いたいと思いますが、ここで私から申し上げたいことは、ちょっと考えると、相当の補償金が支給されるよう考えられるかもしれませんが、決してそうではないということであります。現地に参りまして、当時判明しておりました罹災者の名簿をいただいて参りましたが、一般的に非常に扶養家族が多く、かつ幼い子供をかかえた人が大部分であります。今日のような経済情勢のもとで、一体今後遺族の方はどのように生活をされていくのでありましょうか。私は非常に困難なことだと思います。委員会においても十分この種の問題を御検討願いたいと思います。横山議員は、支給された補償金が悪い人の手にかかってむだになくならないように会社の方に申しておりましたが、こういうことも重要なことと思います。  なお会社が独自の立場で行う補償等の措置については、私どもが視察に参りましたときには具体化しておりませんでしたが、その後どうなりましたか、私どもとしては会社側の善処を要望いたしております。  以上で大体御報告を終るわけですが、最後に一言炭鉱の災害とその対策について所見を述べてみたいと思います。  茂尻炭鉱では、ガス爆発により、一挙に六十人の労働者の尊い生命が奪われ、新聞等も一せいに大きくこれを取り扱ったので、世間の注目を浴びたわけでありますが、しかし炭鉱の労働災害の全体から比較すれば、これはまさに氷山の一角に過ぎません。統計的に見ますると、鉱山の最近数年間の災害状況は、毎年千人近くの死亡者と、三万人前後の重傷者を不幸な犠牲者として出しており、しかもその大部分は炭鉱における災害であります。出炭量に対する災害の割合を国際的に比較してみても、わが国の災害率は絶対的に高く、数日前の某新聞が指摘しておりましたごとく、わが国の出炭百万トン当りの死亡数は、米国の九倍、英国の六倍、西独の三倍であります。そこで私はなぜ炭鉱にばかりこんなに災害が多いのかということを考えるのでありますが、これを一言で言えば、わが国の炭鉱が非常に自然的な条件に恵まれていないということに尽きると思います。もちろん会社がもっと熱意をもって保安対策に積極的であれば災害は減少するでしょう。またある場合は、現場に働く人の不注意で事故が起ることもあるわけですから、より注意をすれば事故を起さないで済むこともあります。従って法規による監督を強化すればよいという意見も出るわけですが、これによって確かに改善される面はあります。しかし生存競争の激しい営利的企業自体の手でなし得る対策というものにはやはり限界があります。条件に恵まれないわが国の炭鉱においてはかようなことが特に考えられるのではないかと思います。私が調査をして北海道から戻ってくるやいなや、その日の新聞は、福岡県の明治鉱業赤池炭鉱で十一名の労働者がガス噴出によって死亡したことを報じておりました。昭和二十八年を底にして、その後再び災害が多くなるような形勢にあります。私は皆さんの御協力を得て炭鉱労働者が安心して仕事に励めるような労働環境を作りたいと願うのであります。委員会においても特にこの問題を御研究願いたいと思います。  最後に、今回の派遣に関係された現地の方々が、突然調査に参ったにもかかわらず、よく調査に御協力下されたことを感謝するものでありますが、ただ一つ遺憾なことは、北海道の札幌鉱山保安監督部長が災害原因に関する私の質問に答弁を拒否しておきながら、三十分後に新聞記者会見をしてその問題に関し見解を述べるというような不可解な態度をとったことであります。かようなことは私は許さるべきでないと考えるのであります。  以上をもちまして、北海道派遣に関する御報告を終ります。

加藤武徳自由民主党

○理事(加藤武徳君) 労働情勢に関する調査の一環として、ただいま阿具根委員の報告のございました雄別炭鉱茂尻鉱業所の爆発事件につきまして、これを議題にすることに御異議ございませんか。——御異議がないようですからそれでは議題にいたします。  本問題につきまして、政府に質疑がございます方は逐次御発言をいただきたいと思いますが、ただいま政府からは、通商産業省から政務次官の島村一郎君、鉱山保安局長の正木崇君、労働省からは労働基準局長の富総総一君が出席されております。

高野一夫自由民主党

○高野一夫君 今阿具根さんの御報告を伺ったわけでありますが、なお当局としてはいろいろ調査中でもあろうし、結末もつきかねる点もあるのかとも思いまするが、率直にいって一体最近北九州、北海道にガス爆発事件がひんぴんとして起っておる。これは阿具根委員のおっしゃる通りです。ところでその原因は一体どこにあるのかということなのですが、これは土質や鉱山の性質は別問題として、企業者側の監督なり、注意というものが不十分なのか、鉱夫の注意が不十分なのか、それがともに両方とも不十分なのか、あるいはお話にもありました監督官庁の監督指導なり、注意が不十分なのか、それらの点がすべて総合された不十分さがあるのかどうか。これは一体どんなものでしょう。通産省としてどういうふうにお考えになっておるか。すべての点に責任はあるのかもしらぬけれども、特にどこに一番最大の原因があるのか、どういうふうにお考えなのか、その点だけ私一つ伺っておきたい。

島村一郎自由民主党通商産業政務次官

○説明員(島村一郎君) この事件の起りましたことにつきましては、私どもも今の御質問にお答えいたします前に、一応通産省といたしましての気持を申し述べて御了解をいただきたいと存じます。こうしたことがただいままでも時折起りまして、その後でき得る限り鉱山保安局といたしましては注意もいたし、監督指導もいたして参ったつもりでおりますのでありますが、はからずもここにこういう大きな爆発事件が起りましたことは、まことに恐縮にたえないところでございます。  ただいまの高野委員の御質問に対しましては、これは今まだ調査中でありますので何とも申しかねておるのでありますが、要するにこれは監督は監督者の立場から、あるいはまた鉱山の経営者は経営者の立場から、あるいはまたその労務に従事されるお方にいたしましても、できるだけ三位一体となってこれが防止に努めていきたいということが現在の考え方でもございますし、将来もそうあってほしいと考えております。しかしながら通産省は何と申しましても監督官庁でありますので、今後とも皆さんの御期待に沿い得ますような監督指導を実施して参りたいというふうに考えておりますので、御了承をいただきたいと思います。

高野一夫自由民主党

○高野一夫君 もう一つだけ事務当局の方に伺いますが、通産省なりそのほか地方の鉱山監督局は監督を十分やっている、特に鉱夫側——働く側、それから企業者側、三位一体になって十分注意しなければならぬというお話であるけれども、すでに過去において、今度だけでなくもうこの二、三年来ひんぴんとして過去において起っておったのです。その調査はすでに済んでいるであろうと考えられる。今度の北海道の雄別炭鉱は別問題として、北九州そのほかにひんぴんとして過去に起った原因については十分調査が済んでおると思う。そこで私の知りたいのは、そういうようなガスの発生しやすい炭鉱に対する特別の措置はいろいろあるのでしょうけれども、一体私はしろうとで疑問に思うのは、一、二度起るのはやむを得ないとして、五度も六度も起る、北海道に起ったから調査に行ってみれば、今度は北九州で起る、こういうようなことでは安心してその炭鉱で掘れぬと思う。何か私はここに欠陥があるのではないか。やはり三位一体で注意されておってもやむを得ない何か法律上の、制度上の不備があるのではないか、欠陥があるのではないか、そのほかどこかに欠陥の大きい一つのポイントがあるのじゃないかしらんと思うのですが、平等に欠陥があるというのでなくて、特にこの点に注意が足りない、これは施設が足りない、ここに法規上の欠陥がある。何か一つ二つ問題がぽこっと浮び上ってきていると思うのです。それはどうですか、事務当局から一つ伺っておきます。

正木崇通商産業省鉱山保安局長

○説明員(正木崇君) 本年に入りまして六月に三菱の大夕張、それから同じく六月に三井の田川と、この二つの炭鉱で自然発火をいたしまして、この自然発火の消火の措置といたしまして、密閉作業を継続中にガス爆発を誘発いたしまして相当な犠牲者を出しましたので、通産省といたしましても、特に大手筋のような資金の面も技術の面もまた人材の面においてもそろっておりまする大炭鉱におきましてかような不祥事件を続発いたしましたことにつきまして、重大な関心をもちまして、六月の三十日に日本石炭協会の会長を通産事務次官のところへ呼び寄せまして厳重なる警告書を手交いたしまして、いやしくも指導的立場にある大手がかくのごとき災害を重ねて繰り返すことのないように万全の措置をとるようにという警告書を手交いたしまして、その後の措置を監視しておった次第であります。日本石炭協会におきましても近々に評議員会を開催いたしまして対策を協議し、特にガス自然発火並びにガス爆発の危険の多い北海道におきまして、大手の本社の保安の担当重役、それから北海道におきまする現場の所長、保安管理者というものを集めまして、私も北海道に参りまして十分なる警告をいたし、またはその善後措置につきましても、あるいは今後の指導の方針につきましても十分なる打ち合せをいたして帰って参った次第でございますが、不幸にして十月になりましてまたまた住友の赤平でやはり自然発火の密閉作業中にガス爆発を起す、こういう事態になりましたので、これは捨ててはおけないというので、これらの自然発火の原因追究、あるいは自然発火対策としての密閉の方法、あるいは採炭の方法等につきましても何らか画期的な措置を講じなければ災害の続発を防止できないという見地からいろいろ協議いたしまして、十一月から来年の二月までにかけまして、自然発火並びにガスの爆発の防止の対策の強調運動を起しまして、これが運動の対象といたしましては、ガス爆発のおそれの多い炭鉱のブラック・リストを作りまして、そのリストに載った危険な炭鉱に対しましては厳重な監督指導をいたしますと同時に、技術的な研究もいたしまするし、またその措置と指導もいたしまして万全を期する、なお炭鉱に働く方々に対しましてもガス爆発の危険を強調いたしまして十分御戒心を願うというような運動を行う準備を完了いたしました際に、さらにまた十一月一日に今回の茂尻炭鉱のガス爆発事故を起したことはまことに申しわけなく思っておりますが、かような一連の大手筋の事故の連続に対しまして何か共通の原因がないかというお尋ねは各方面からしばしば寄せられておりますけれども、この自然発火というものはいろいろ採炭方法が向上いたしますことによってある程度は防止し得ますけれども、どうしても防止し得ない自然発火も起り得る、そういった場合に直接の消火がいいか、あるいは密閉してその払いを放棄するほうがよいか、いろいろ議論はございますが、その場合々々によりまして適宜方法を講じまして、ガス爆発の災害の発生を防止するというような研究もいたしましたし、また今後も続けて参りまして、こういった事故が再び起り得ることのないように指導いたしたいというように考えております。もちろんたとえばガス爆発を予防いたしますためには、払いの形式として前進払いと後退払いがございますが、後退払いのほうがガスの予防は容易であるし、また爆発を事前に防止しやすいという見地からこういった方式を採用することを勧奨する、あるいはさらにどうしてもたとえば自然発火のおそれの多い場合には後退式は採用できませんので前進払いを行う、そういった場合にはボーリングを行いましてガス抜きをやる、ガスを抜きまして安全な状態にしてから採掘をする、こういった指導をいたしますことによって今後災害の減少を期待し得るのじゃないかというふうに考えております。

高野一夫自由民主党

○高野一夫君 もう一つ今後のわれわれの研究の参考にするために伺っておきたいわけですが、監督官庁としてこうもしたい、企業者側にこうもしてもらいたい、けれども法律上こういう不備があるためにできない、こういうような点は何かありませんか。

正木崇通商産業省鉱山保安局長

○説明員(正木崇君) ただいまのたとえば採炭方式を変える場合には、御存じの鉱業権者が鉱業法によりまして施業案というものを作成いたしまして、これにつきまして地方の通商産業局長の認可を受けております。この施業案の変更につきまして保安上必要があります場合には、地方の鉱山保安監督部長は変更命令を出す権限もございますので、その変更命令の権限の運用によりまして十分目的を達し得るというふうに法制的には私は考えております。

松岡平市自由民主党

○松岡平市君 先ほどの阿具根君の御報告の最後に、札幌鉱山監督局の部長かの行動について遺憾の意を表された。内容をつまびらかにいたしませんが、この点について私は適当なだけ阿具根君から御説明を願い、それに対して政府当局の御答弁をいただいて事態を明らかにしておきたいと考えます。

加藤武徳自由民主党

○理事(加藤武徳君) 阿具根君いかがですか。

阿具根登日本社会党(第四控室・左)

○阿具根登君 ただいま松岡委員から御質問がございましたので、私からその当時の状況を報告申し上げます。  私どもが茂尻に横山議員と二人で行きました日、局長並びに部長は札幌に帰っておられまして、現場でお会いすることができなかったのであります。そこで現場では石炭課長と会いましたが、しかも往々にして議員が調査に行く場合には重大な仕事をされておる方のじゃまになることがございますので、極力私どもはこれを避けまして、そうして向うではずせる時間を特にしばらくお借りしてごく短時間聞きまして、そうして二人とも坑内に下ったわけであります。そういう関係で部長とも局長ともお会いすることができませんでしたが、その翌日は局長の方からその原因を札幌におって発表されておったのでございます。その翌々日の午後私どもは札幌に参りましてそして基準局に参り、保安監督部に参ったのでございますが、部長は会議のために行方不明、それをやっとこさ探してお会いしたのでございますが、何の資料も御提出願えないし、そこで現場の実情をいわゆる炭塵爆発だということを局長は発表されておる。直接爆発したのではないだろうと私どもは坑内で見て参りましたので、その前にガス爆発があっておると私どもは思うのでございますが、そういう実情はありましたかどうかというような御質問をしました場合に、その原因は全部私どもとしては知っております。局長も引き上げて東京に帰ったのばそういう原因がわかったから帰ったのでございます。しかしただいま発表することはできません、こういうことでございます。そうして私と話しておる間に、今度は電話をかけてそうして新聞社に対して、一時に発表するからそれまで待ってもらいたい、一時に真相を発表します、こういうようなことを再三電話をかけておられる。私どもが行ったのは十二時もうすでに過ぎていました。そうしますと、あと三十分か四十分の間であるし、何も知っておるならば、私どもはその晩の五時の汽車で東京に帰らなければならない日程でございます。それで私どもが一番知りたいガス爆発の現場の実情を話してもらいたい、こういうことを申し上げました。ところがそれは局長に言ってもらいたい、こういうことでございます。局長は東京へ行っておるから聞けないではないか、あなたに聞きたいのだ、こういうことを申し上げますと、私は局長の命令で動いております、局長から口どめされておることは言われません、こういうことなんです。しからば今言ったならば何か不幸なことがあるか、私は議会から正式に派遣されてきておる、そういうことでは帰れないのだ、こういうことを申し上げましたところが、今発表すれば証拠を隠滅されるというようなこともあるかもわかりません。何か炭鉱で証拠を隠滅するようなことがあるか、私どもも現場へ下ってきているし、それぞれの責任者の方から事情も聞いておるから、一応自分たちもこういうことだろうということは知っておる、それにいけないということは何事かということを聞いたのでございますが、局長の厳命でございますから申し上げることはできません。こういうことで三十分余りすったもんだしてそうして私たちは一応引き上げて、一時半になって再び電話でお尋ねして、そのときにこの原稿を持ってお見えになりましたが、これを私が見た場合でもどこが秘密になるのか、どこが私たちに言えないのか全然わからないのでございます。特にここでこういうことを申し上げると非常におそれ入りますが、私は感情的に申しておるように聞えるかもわかりませんけれども、私どもが感じた考え方というものは、監督部長はただ警察権の発動みたいな考え方で自分たちはさばく者であって、まるで私たちがさばかれる者のような感じを受けて非常に不快に感じてきた、こういうことでございます。

松岡平市自由民主党

○松岡平市君 阿具根君の御報告のある部分については当委員会の名誉にかかわります。委員会から正式に派遣をした調査議員に事実を発表することは困難であるという。政府といたしましては、あらゆる事態をすべて議会に発表しなければいかぬというわけもございません。ある部分については秘密を要することはもとよりわれわれも了承しておりまするが、休会中非常に重大な事件であるとして当委員会が決定し、この委員会を代表して調査に行った議員に、現地の鉱山監督の部長が事実を隠蔽しておる。しかも今阿具根委員のお話によるというと、それから間もなく新聞には発表した、新聞に発表するまでは議員の調査に応じかねるという事態は、これはわれわれ了解に苦しむことであります。私は政府当局からさような事実の有無並びに、もし今阿具根委員の報告のごとき事態があったとすれば、何がゆえにさような処置をとらなければならなかったかということについて、はっきりした意見の御開陳を希望いたします。

島村一郎自由民主党通商産業政務次官

○説明員(島村一郎君) ただいまの阿具根委員のお話につきましては、私どもまだ詳細を承知しておりませんので、できる限り急ぎまして、よく調査の上、何らかの措置に出たいと思いますから、どうぞさよう御了承いただきたいと思います。

阿具根登日本社会党(第四控室・左)

○阿具根登君 そこで局長にその問題について一言お尋ねいたしますが、私が行っておるわずか三十分の時間の間に、局長から電話があって、そうして一時に発表しろ、こういう指令がありました。この発表文は、部長の家に持って帰っておられる、非常に重大な秘密だということで、ここにはございません、すでにこれはできておる、それを自分の家に持って帰っておるから、今から取りにいってそうして帰ってきて一時に発表して、そのあとであなた方にも御報告いたします、ということを聞きましたが、そういう指示をされたかどうか。

正木崇通商産業省鉱山保安局長

○説明員(正木崇君) 私は今の経緯を詳細に存じておりませんけれども、私が横田監督部長と打ち合せましたことは、内容につきまして、検察当局と打ち合せいたしまして、発表の時間は、私が東京に帰りましてから電話でお互いに連絡をとって発表いたしましょうということだけでございますので、私の指令がなければ発表してはならぬというような指示をいたしたことはございません。

松岡平市自由民主党

○松岡平市君 そうしますというと、局長の言われる発表ということは、新聞の発表を意味されるのか、当委員会の調査に対して返答するということも発表のうちに含まれておるのか、それを明らかにしていただきたい。

正木崇通商産業省鉱山保安局長

○説明員(正木崇君) 委員会の御調査に対しましては、新聞発表ではございませんので、申し上げることは一向差しつかえないと私は了解しております。

阿具根登日本社会党(第四控室・左)

○阿具根登君 私もこの質問をします場合に、これが調査に行った私どもの一番大事なところであろうと思って質問したわけでございますが、その質問に対しまして、それを申し上げれば、局長の命にそむくことになります、私は官僚でございまして、弱い立場でございまして、上官の言う通りでなければ動けませんから御了解願います、こういうことでしたが、今おっしゃられるのとずいぶん違いますが、部長に対しましては、私は公式にこのたびは参っております、委員会に報告する義務がございますということを私は申し上げたのですが、そういうことは何かそのあとで連絡がありましたかどうか、お尋ねいたします。私の行ったときに、電話があった。私がそういう話をしておるときに電話がきたといって、あなたと電話で話ししておられる、その場合に……。

正木崇通商産業省鉱山保安局長

○説明員(正木崇君) 私は発表の当日直接横田君とは連絡いたしておりません。これは私どもの部下を通じまして監督部と連絡いたしておりましたので、私自身は横田君とは話をしておりません。  ただ、私はその点ちょっと釈明さしていただきたいと存じますが、今回の事件は重大な事件でありましたので、私も現地に参りまして検事と一緒に捜査をいたしましたし、横田君はもちろんのこと、三日ばかり不眠不休で非常に坑内の危険な場所を出入りしまして、疲労こんぱいいたしておりましたので、その意味で非常に失礼なことを申し上げ、あるいは判断をあやまって行動したというようなことがあったかと想像されまするので、その点はそういった精神状態のもとにおきまして行動いたしましたことでございますので、どうぞ御了承願いたいと存じます。

高野一夫自由民主党

○高野一夫君 今局長のお話を伺い、阿具根議員のお話を伺っていると、どうも相当食い違いがあるようであります。これはわれわれが何らかの災害がありますれば、炭鉱の問題にしても、台風の問題にしても常に参議院、衆議院から正式に派遣されて調査に行くわけであります。今後のこともありまするので、この問題は私は先ほど松岡委員からも申し出がありましたが、十分詳細に一つ御調査願いたい。  それで委員長にお願いしておきますが、時と場合によっては、札幌の部長もこの委員会に出席を要求してそうして局長にここにおいで願って、その真相をきわめる必要がある、こう思いますから、それは理事会に一つお願いして、理事会でその点についてあとで御相談願いたい。

加藤武徳自由民主党

○理事(加藤武徳君) 速記をやめて。   〔速記中止〕

加藤武徳自由民主党

○理事(加藤武徳君) 速記を起して下さい。

横山フク自由民主党

○横山フク君 局長はいつ札幌のほうに向われましたか。札幌からいつ東京へお帰りになりましたか。その点をお教え願いたい。

正木崇通商産業省鉱山保安局長

○説明員(正木崇君) 私は十一月一日、事件の発生の報告を受けまして、二日の午後二時の飛行機で直ちに現場へ参りました。それから直ちに坑内に下りまして調査をいたしましたのですが、ガスが多く危険のために一時出坑いたしまして、さらに三日の昼ごろからまた坑内へ下りまして、かなり危険な場所でございましたが、事件の重大性にかんがみまして、なお前に昨年の八月に太平洋炭鉱で同様の事故がございまして、この事故に対しまして監督部といたしましては書類を送検いたしましたが、どうも証拠の不十分のために不起訴になってしまったという事例もございますので、また重ねてそういうことになりましては申しわけないものですから、一番大事なことは災害発生現場の確認と維持といったこと、あるいは証拠の保全ということに重点をおきまして、かなり危険を冒しまして写真員を連れまして現場を調査いたしました。そして夜になりましてから出抗いたしまして、さらに監督官を集めまして災害原因の究明の会議をいたしました。ほとんど二晩寝ないで相談いたしました。翌日は山の連中を呼びましていろいろまた山の説明を求めました。札幌へ帰りましたのは四日でございます。これは札幌の高等検察庁の次席検事と札幌の地方検察庁の検事正、この方々と今後の捜査の方針、あるいは従来集め得た証拠でどうであるかというような検討をいたしまして、今後の監督官の調査方針を授けるというようなことにつきまして議論いたしました。その結論を得まして、さらに従来はこういった災害の場合には原因の発表はかなり時間的におくれておりましたが、今回は幸いにして私ども早く現場へ到達することができましたし、いろいろな面から災害発生の原因を確認することができましたので、早くこういった社会的な反響を呼びました大事件につきましては、真相を究明した結果を皆様に申し上げるほうがいいということで、発表の文案につきまして相談いたしました。しかしながら、これは同時に刑事事件としての性質を持っておりまするので、刑事責任の問題にわたる事項につきましては、検察当局としても発表しては困るということで、かなり詳細に文章の末まで検討いたしました。その結果時間がかかりまして、というのは私はすぐ東京へ五日に帰りたかったんですけれども、飛行機がとれませんし、また六日は日曜でありましたが、なるべく最近の情報を持って帰りたいということで、六日の飛行機で東京へ帰って参りました。

横山フク自由民主党

○横山フク君 今の局長のお話によりますと、四日の日は札幌の方へ引き上げられて、四日の日にはすでに原因等についてはわかっておるというお話でございますけれども、その通りでございますか。

正木崇通商産業省鉱山保安局長

○説明員(正木崇君) お話の通りでございます。

横山フク自由民主党

○横山フク君 私が四日の日に着きまして五日の日に石炭課長と会いました。石炭課長はまだそのとき原因についてははっきりわかってないということを言っておりました。そうしてガスの量についても、労働者の方々も、また資本家の方も規定以下になっておるということ、少くとも四十でしたか、以上でなければ爆発しないこと、おかしいということで、そこでもって話が食い違っておりました。一番問題はそこだと思う。しかしそのときに石炭課長だけしか私たちのところにはそういうことについて説明してくれなかったけれども、そのときにすでにその点については食い違いがある。しかも新聞では、その日の夕刊に炭塵爆発だという局長の発表があって、しかしその後においての発表では、炭塵は第二次的であって、前のガスが多かったための爆発だったということが最後に出ております。そうすると、今のお話では、四日の日にはもう原因がわかったから引き上げた。もう私たちがいくということははっきり基準局長から局長の耳に入っていたはず、しかし原因がわかったので、あとの処置をするので急いで引き上げたというお話ですけれども、急いで原因がわかって引き上げたのに、その後においての発表が、石炭課長の話も、またあなたの新聞の発表も、その後の発表と三度違っているのはどういうわけなんでございますか。

正木崇通商産業省鉱山保安局長

○説明員(正木崇君) 先ほど阿具根委員からのお話で、私が札幌で原因を発表したというようなお話でございますが、これは事実に相違いたします。私は札幌の監督部で会議中に新聞記者の方が見えましたので、お会いはいたしました。しかし原因の発表につきましてはなお捜査を要する点もございまするし、わかり次第、私が帰京した上で、現場と東京と両方で発表するから、それまで待ってほしいということを申しただけでして、炭塵云々につきましては私は申し上げた事実はございません。従ってその後の公式の発表が、第一次原因はガスが爆発した、ところが二次的に炭塵爆発を誘発したという事実は、これは前後いたしておりませんので、私が間違った発表をいたしたことはございません。  それから現地の石炭課長がそういった事情を御説明申し上げなかったことは非常に遺憾に思いますが、石炭課長としてはなお若干の疑念を持ちまして、現場に備えまして、これは一般に刑事事件を処理いたします場合御存じだと思いますがいろいろな因果関係がございまして、そのいろいろな因果関係の線をいろいろな証拠によりまして、消して参りまして、最後に残った線で捜査を本格的に進めるということをやっておりますので、多少疑念を持っておりましたために、石炭課長としてははっきり申し上げまして、またあとで間違ったことになりますと申しわけないので、御説明を差し控えたというふうに私は推定をいたしております。

横山フク自由民主党

○横山フク君 今の局長の話ですと、新聞は局長の言わないことを言ったということになるのです。新聞にはっきり出ておるのですから、新聞がうそを言ったということになるのです。  それからもう一つ。私たちは社会労働委員会の方から行ったのです。そして、その会は非公開の会であった。そこで私たちが石炭課長から聞いたのです。その際、ただ私たちは先月行ったときには、一カ月半前に行ったときにはガス量や何かについて注意をした。しかし今度はその点についてはなかった。それから働く方の人たちもその点については何ら限度内であったということ、資本家側、会社側も言っておるのです。であるので、これはどうしても突発的にガスが出たとしか思えないというような意味のことをちらっと言って、あとの疑念があるとかないとかは一つも説明をしていないのです。そうしてあとで、そうでなくて、むしろ石炭課長のあのときの説明では検査を怠っていて、ガス量が多くなっていたところがあったのだというような、むしろそこで死んだ人たちに責任を一切転嫁するような形の発言があった。それでありますから、私はよその場所でおっしゃるのならばいいのですが、私たちは委員会から行っているのです。今のお話ですと、四日の日にはわかっていた、しかしそれは御承知でありましょうけれども、検察の関係や何かがあるから、そういったことについて疑念を持つといけないから、とやかくぼやかしておったというお話ですけれども、外部の人はそれでいいのですけれども、私たちが一応調査に行って、その点についてはとことんまで、阿具根委員は専門家ですから突き詰めた話をしたのですが、いつもそこでとどまって堂々めぐりをしておったのです。それがおかしいのです。それから局長のお話しでは、新聞はうそを言ったということになるのですが、この二つについてはどうもはっきりしないのですね、いかがでございましょうか。

正木崇通商産業省鉱山保安局長

○説明員(正木崇君) 私は新聞へは発表はいたしませんが、新聞の質問に対しては若干答えました。しかし原因につきましては、先ほども御説明申し上げましたように、あとで発表いたしますから、原因についての御質問に対してはお答えいたしかねます。一般論としてはどうか。一般論としては炭塵の場合もあるし、ガスの場合もあるというようなお話をおよそ五分ばかりいたしましたが、それを適当に記事にお作りになったと思いますが、私は発表いたしておりませんので、その点は御了承を願いたいと思います。

阿具根登日本社会党(第四控室・左)

○阿具根登君 関連もありますので、太平洋炭鉱の爆発のその後のことをお尋ねしたいと思うのです。なぜかと申しますと、太平洋は御承知のように、〇・八か〇・九%のガスしかなかった。たまたま電源故障のために停電した。その間の爆発でございますから、これはマイトのための爆発だということになっておりますが、すべて今度の場合でも、お聞きいたします場合、監督部が行って調査をした。ここはガスがある。ここはガスがない。ここは炭塵が多いのだということを注意をしたのであります。そうすると、今度会社側の方はその注意によって万全にやっておりました。会社の記録を見てみましても全部〇・八か〇・九%しかガスはない。また監督部が行って、これは〇・八、〇・九%、あるいは一・〇であって、絶対ガス爆発はしないのだ。ところが現実に爆発しておる。爆発したということは四%か一〇%以内のガスがあったから爆発した。そのガスがなかったならば爆発はしないのだ。そうするとこれは瞬間こういうのが出てきたか、あるいは今度は死んだ人がガスが出ておるのを検定せずにやったのだ、いわゆるガスの爆発は化学的に四・五%以上でなければ爆発しないのだ、それが爆発したということは、それだけのガスがあったのだ、それは君たちが検定しなかったから爆発したのだ、結果はどう見てもその労働者だけの責任に考えられて、頭からそれをやられておる、こういうことなんです。そうして太平洋のやつも、私が聞いたのが間違っておるかもしれませんけれども、検定器が故障しておった、死んだ保安係の人の検定器が三十五メートルものうしろの方で故障して置いてあった。ところがその付近には同じ保安係員が二人も検定器を持っている。そうして死んでいる。そうするならばそのガスは検定しておるに違いない、こういうことにしか見られない。そこで証拠不十分だったと思うのですが、どういうふうな経過になったか、また考え方はどういうふうな考え方で監督されておるのか、その点をお聞きしたいと思うのです。

正木崇通商産業省鉱山保安局長

○説明員(正木崇君) 太平洋炭鉱の場合は監督部といたしましては刑事責任を追及するために書類を送検いたしました。ですけれども、先ほど申し上げましたように、どうも証拠の保全と申しますか、そういった面につきまして十分でなかったために、検察当局として自信がなかった、こういうような結論でございます。  それからまあ大体もちろん茂尻の場合にも、これはちょっと責任論に入るので困るのですが、私どもが考えておりまするのは、先生もごらんになったかと思いますが、爆発地帯の引立面に断層があります。これは爆発したあとで発見しております。断層をいつ発見したか、その断層を発見した会社がどういう処置をとったかということを今調べております。これがわかりますと、大体事件の核心に触れて参りますのですが、その点はただいま捜査中でございますので、この程度に一つお願いしたいと思います。大体断層が出ますと、御存じのようにガスが多くなる可能性が多いわけでございまするから、その際にはもちろん発破をかける場合には、法規にもございますように、発破のつどガス検定をやっていただかないと危険なのでございますから、その指導は十分にやっておりまするけれども、発破のつどかけるのはめんどうだというようなことをよく言う方々がおりまするので、あるいは最初ガス検定をして発破をかけたかもしれませんが、まあ数回やっているうちに、どうも大丈夫だということでそれを怠った、そのときにガスがよけいになって、爆発限界にまで達するガスが出ておったということが想像されるわけでございますが、その辺の事情は今調べておりますので、一体何発めまで検定しただろうかということも、さらに現場の取り分け等をやりまして十分調査をいたしたいと思います。

阿具根登日本社会党(第四控室・左)

○阿具根登君 捜査中の問題で、じゃまになるとかえっていけませんから、質問はやめますが、それでは、その茂尻は今までに二回も爆発しておる。先ほど言われましたブラック・リストにはイの一番についておる炭鉱だと思います。また石炭課長もそう言っておりました。そうすれば——しかも注意された中に炭塵が非常に多い。これは下った方は誰でもおわかりだと思いますが、六方の十一番層さえもまっ黒に炭塵がくっついております。そうすると七方の十一番層が炭塵爆発したのじゃないかということを、局長がお話しになったかならないか知らないけれども、私もそう思うのですが、その炭塵の予防を、これは入気の方は注水でやっておられる。注水だけでやっておられる。これもけっこうだとは思うのですけれども、今度排気の方は岩粉をまいておられる。それで爆発した入気の方の十一番層は岩粉は一つも準備されておらない。これはあとで聞いたのですが、そこでは聞きませんでしたが、そのあとで聞けば、岩粉をまいておけば岩粉と水とが一しょになってだんごになる、こういうことでございましたが、問題は炭塵の爆発に対しては監督官庁がとっておった処置が私は間違っておるのではないか、間違っておるとは言わなくとも、これはやはり手抜かりがあったのではないか、なぜ人気の方に岩粉を設置しなかったか、この点についてはどういうふうにお考えになりますか。排気の方は岩粉は全然散っておりません。

正木崇通商産業省鉱山保安局長

○説明員(正木崇君) 炭塵の防止でございますが、これは今年に入りましてから監督官は六回茂尻炭鉱に調査に行っております。そうしましてその監督状況の報告を見ましても、また会社に与えました注意を読みましても、ガスの点はもちろんでございますが、炭塵の防止、炭塵の処理につきましても数回警告をいたしております。坑道の清掃、あるいは岩粉棚の整備ということを言っておりまして、監督上につきましてはかなり徹底してやっております。しかしお話のように、私も参りましたが、人気側にはシャワーと噴水ということで炭塵の発生の防止をやっておりましたようでございますが、排気側にありまする岩粉棚は今回のような爆発にはあまり役に立ちませんで、爆発は人気側に参っております。従いまして、従来とも指導はいたしておりますが、さらに今後は人気側に対して岩粉棚を設けるということを強く指導していきたいと思います。しかしながら、どうも会社側は、また労働者もそうでありますが、人気側に岩粉をまきますと作業上非常にめんどうなものですからいやがりまして、なかなか指導に従わないというような事例もございますが、今後はいかような場合におきましても厳重に入気側に岩粉棚を設けるということを実行いたしたいと思います。  それから岩粉の量でございますが、ここでは大体出炭トン当り一・六キロぐらい使っております。北海道の平均は二・五でございますので、その点は多少少いという感もいたしますが、これは北海道の平均と申しますのは、採掘あとの充填にも岩粉を用いております。その数字が平均になっておりますので、著しく少いというようなふうには考えられませんが、しかし御指摘のように、確かに人気側の岩粉の散布というものはもう少し十分にやらせる必要があるというふうに私は考えておりますので、今後はその点を十分指導いたしたいと考えております。

阿具根登日本社会党(第四控室・左)

○阿具根登君 炭塵の問題につきましても、あるいは三井、芦別の爆発の問題につきましても——三井、芦別は衆議院の方でやっておりましたからもうやりませんが、これは特免区域で爆発する。これもいろいろと事情があるでしょう。しかし監督部がここは一応よろしいのだという条件をつけて許した所が爆発した、そうして犠牲者は労働者である。今度会社側は会社側なりにそれぞれの処罰を行われておる、ところがそういう許可をした監督官庁はだれも処罰されない。今度の茂尻炭鉱でもそうだ、ここが爆発するのだということを十分注意していた、そうして会社もやっておる。そうして一カ月前、二カ月前にはこれで上等だ、よくできておると認めておる。それが爆発した、そうして六十人余の人が死んでいった、そうした場合、会社の責任者も今までのままでは済まんでしょう。ところが、そういうものを、たとえば今のように入気側に岩粉を置けば労働者がきらうから、会社がきらうからということでほうっておかれたとするならばゆゆしい問題、あなたはそれをさせるだけの権限を持っておられる、そうして、それをやらせるだけのあなたは責任があるはずなんです。ところがそれをやっておらなかったために第二次爆発を起しておる、炭塵爆発を起しておる、そういうときにはその責任はどうなりますか。今まで保安監督部長なりあるいはその他の方々が、こういうたくさんの人間を殺して、処分された人がだれかおりますか、私は、だれを処分せいとかどうとか、その処分を対象にしておるのではございません。しかし一年間に千人近くの人が死んでおる。その監督をあなた方がやっておるのです。何かそういうのがあったかどうかお知らせを願います。

正木崇通商産業省鉱山保安局長

○説明員(正木崇君) 従来そういった場合に、大きな事故に対しまして監督官の監督が十分であったかどうかという点は十分調査をいたしまして、かりにもし遺漏があったとすれば、その場合には行政上の処分として訓告等の措置を講じておりますが、私の知っている範囲では、その程度以外に処分をしたことを聞いておりません。それから先ほどの岩粉棚の設置の問題でございますが、その後の情報によりますと、何か人気側にも岩粉棚を置いたというようなことを言っておるそうでございますが、この点は置きました場所は非常な崩落をしておりますので、取り分けませんとその確認ができませんので、はっきりいたしませんが、しかし私どもといたしましては経営者に気がねをするとか、あるいは労働者が困るとかいうようなことは念頭になく、監督官として与えられた権限は十分に行使いたしましてやっております。しかし経営者が聞かなかった場合に、これをかわってやるという権限まで持っておりませんで、注意して、それを勧奨し、また重ねて監督をする際に発見して叱責する、あるいは通達をして改善を命ずる、こういつたことはやっておりますけれども、その意味におきまして、監督官としては自分に与えられた権限で、できるだけのことをやっておるというふうに私は了解しております。

阿具根登日本社会党(第四控室・左)

○阿具根登君 ただいま監督官庁が注意して会社側が聞かなかった場合には、それをやる権限はないというようにおっしゃったと私は聞いたわけですが、そうですが。そうだったらそれは法の何条ですか。あなたがたの権限はそういう生ぬるいものですか。ただ注意して会社側が聞かなかったらやむを得ない、また注意する、そういうものですか。

正木崇通商産業省鉱山保安局長

○説明員(正木崇君) 鉱山保安監督部長が鉱山保安法の二十五条によりまして必要な命令を出す権限を持っております。しかしこれはその行為が鉱山保安法並びにこれに基く保安規則の各本条に違反しているという、違反の事実がある場合に命令を出せるということでございます。それからもしも法律違反がない場合には二十五条の命令は出せませんので、通商産業大臣がどうしても勧告を聞かないという鉱業権者に対しましては、法律によりまして鉱業の停止命令を出す、こういう権限を持っておりますので、そこまで権限を行使いたしますればできないことはないわけでございますけれども、今まではそういった権限を発動いたしませんで、できるだけ勧奨、話合いということによりまして目的の達成をはかっておりますのは、何分にもやはり鉱業権者なり労働者の方々の御協力がなくては、こういった保安の措置も十分できませんので、一方的な命令ということで十分目的が達成されるわけではございませんので、なるべく関係者が了解をした上で十分に行なっていくという方針でやっております。

阿具根登日本社会党(第四控室・左)

○阿具根登君 この保安の問題はあまり労働者の協力とか、あるいは会社の協力とか、もちろんそれは要りますが、しかし先ほどの答弁にあったように、ここは炭塵が非常に多くて爆発する、普通のところでも今までに自然爆発している、そういうところだから炭塵については特に注意しておった、それにもかかわらずそれが爆発をした、しかしそれはたまたま注水してやったので、岩粉の装置はしてなかった、なぜ岩粉の装置をしてないのですかと質問したのですが、ところがそれに対して、岩粉装置をすれば経営者、労働者がきらうから、こういう言葉があったと思うのです。そうして今の答弁では岩粉棚も作ってあったようだとおっしゃるけれども、私が現場で会社側にも聞きましたし、石炭課長にも聞いておりますが、人気側に岩粉を装置しておりません。そうなりますると、そこの弱さがそういう原因を持ってくるのだ。それならば完全の上にも、完全注水をした上にでも岩粉をやって、少しぐらい作業に影響があっても生命にはかえられぬ、そういうために鉱山保安法ができていると思う。資源を守るための鉱山保安法ではない。人命を守るための鉱山保安法だ。そうすれば資源のために、会社のために、あるいは労働者は金を儲けるために過酷な過程でやっておりますから、それを遂行するためにはあるいはじゃまなものはいやだと言うかもしれませんが、しかしそこは監督官庁がそういうことではいけないということを言える立場にあると思うのですが、それは当初からこれはこうしたならば労働者がきらうのだ、こうしたならば会社側がきらうのだ、しかし危険だ、こういうことであったら私は将来爆発は絶えないと思うのですが、その点はどうですか。

正木崇通商産業省鉱山保安局長

○説明員(正木崇君) 炭塵の防止につきましては、法規の上では岩粉の散布でもあるいは散水でも、いずれかの措置をとればよいことになっておりますので、今回の場合におきましては、散水措置ということをやっておりましたので、監督官としては、それで一応炭塵の予防措置はとられておったというふうに了解しておったというように私は聞いております。  それから、先ほどの私の御説明の中に、気がねをしてというようなことを申し上げたように思いまするが、これは私の想像でございまして、もしもそういった危険な状態がある限りは、だれに遠慮もなく、監督官は十分権限を行使いたしまして、法規の厳正な適用をはかるように、私は就任以来機会あるごとに申しておりまするので、ただいまの監督官がいやがるとか、あるいは鉱業権者がいやがるとかいうようなことによりまして監督に手心を加えるというようなことは、私は絶対にないと確信いたしております。

阿具根登日本社会党(第四控室・左)

○阿具根登君 そうすると、ガスの場合は、私が当初言ったように、四・五%以上なければ爆発しないのだということになっているとすれば、爆発したということはガスが四・五%以上あったのだということになる。それは突然出てきたガスかもしれないし、あるいは検定不足であったかもしれない。それは今調べておられますからいいとして、炭塵の場合は、これは突然炭塵が出てきたのではないと思う。今までもあったのです。幸いにして六方の方は炭塵が爆発しておりませんけれども、全面的に炭塵が飛散しているのはごらんになっていると思うのです。そうすると、炭塵の爆発というのは、注水か岩粉散布かどちらかでよいと思っておったことは間違いだと、こういうことになりますが……。

正木崇通商産業省鉱山保安局長

○説明員(正木崇君) これはいろいろ技術的な問題になりまするので、散水だけでいいか、あるいは散水と岩粉散布と両方やらなければならぬかということにつきましては、いろいろ学問的にも議論がございまするので、ただいまの技術者の一致した見解では、どちらかを十分に行なっておけばいいということになっておりまするので、法規におきましてもどちらかをやるということになっております。また岩粉の量におきましても、どの程度がいいかということにつきましては、試験所等でいろいろ研究しておりまするけれども、この爆発を起しました現場におきまする岩粉の量、あるいは散水の量が適量であったかどうかということは、なお詳細に調べまして、今後の指導を強化していきたいと思っております。

松岡平市自由民主党

○松岡平市君 議事進行……。十二時半に近くなりました。午後続行することにして、一応休憩せられんことの動議を提出いたします。

加藤武徳自由民主党

○理事(加藤武徳君) ちょっと速記を落して。   〔速記中止〕

加藤武徳自由民主党

○理事(加藤武徳君) 速記を起して下さい。ただいまより休憩いたします。    午後零時二十三分休憩      —————・—————    午後一時五十二分開会

加藤武徳自由民主党

○理事(加藤武徳君) それでは再開いたします。  午前に引き続いて炭鉱爆発事件についての質疑を行います。

阿具根登日本社会党(第四控室・左)

○阿具根登君 質問を続けますが、一番最初に質問をいたしておきましたように、まず政府の確固たる意見を聞きたいと思いますが、もうすでに昨年の八月の三十一日から六回から七回にわたりこういう爆発事故を起しておられますが、これに対しまして今後の対策をどういうふうに考えておられるか、それをお聞きしたいと思います。

島村一郎自由民主党通商産業政務次官

○説明員(島村一郎君) 概要につきましては私からまとめて申し上げたいと思います。先ほどもちょっと申しましたように、監督指導の任に当る者といたしましてはあくまで経営者並びに従業者の皆さんと密接な連絡を保ちつつその実効をあげて参りたいというふうに考えております。もちろんできる限りこうした災害は少くして行かなければならないということは私どもの責任でございますので、十分その責任を感じつつ将来に処して参りたいと存じます。

阿具根登日本社会党(第四控室・左)

○阿具根登君 事務的な問題ですから局長にお尋ねいたしますが、こういう事故の続発する今日、保安法に対して何か不備な点があるように私は考えますが、その点何もお考えになりませんか。

正木崇通商産業省鉱山保安局長

○説明員(正木崇君) 鉱山保安法に基く鉱山保安規則につきましては、いろいろの災害の経験に徴しまして、そのつど必要な改正を行なっておりまするので、先般も本年の十月三十一日に石炭鉱山保安規則と金属鉱山保安規則の両規則の所要の改正を行いました。従いまして今日の段階におきましては目下のところ、現行の法規で十分であるというふうに考えております。十月三十一日に改正いたしました要点と申しますのは、鉱害の予防に関する事項とかあるいは重要災害が続発しておりまするので、特に乙種炭鉱として指定されておりましたものを甲種炭鉱並みに監督を強化するという点を改正をいたしましたし、また先般けい肺特別保護法も成立いたしましたので、これに関連いたしましてけい肺の予防に関する措置は従来もとっておりましたが、さらにこれを強化する規定を設けるといったような点に関する改正を行いました次第でございます。

阿具根登日本社会党(第四控室・左)

○阿具根登君 たとえば保安管理者とようのがございますが、これは鉱業権者が保安管理者というのを選定しておるわけです。この保安管理者というのはこれは会社関係の経営陣にある方々であって、当然この人たちの職務は保安管理者であるけれども、その人の性格はこれは会社の経営に当っておる人である。そうすれば人命よりもまず生産、地下資源、こういうことになってくるのではないかと私はこう思うし、またかりに現場に参りましても、あれだけの災害があっておって、それでは労働者の意見はお聞きになりましたか。極端に申し上げますと、監督に行かれる局長もそうだったろうと思いますが、行かれる方々は全部会社の建物の中に閉じこもってしまっておられる。労働者と隔離されておられる。何も労働者や経営者という問題ではございませんよ。しかし保安管理者から聞いたのみでいいのかどうか。実際現場で仕事をしておるのは労働者である、こういうことをお聞きした場合も、いや私たちは労働者からあるいは組合からそういうことを聞く必要はありません。法に規定してある通り、保安管理者に聞きます、こういうことですが、私が最初言ったように、保安管理者はその性格は会社側の性格で、その人からただ聞いただけでそれで事足れり、それでいいかどうか、こういう点についてはどういうふうにお考えになりますか。

正木崇通商産業省鉱山保安局長

○説明員(正木崇君) もちろん鉱山の保安は経営者なりあるいは保安管理者あるいは保安係員というものの手だけでは十分にその目的を達することができませんので、直接作業に従事しておる方々の全部が保安の目的を解しまたそれに協力していただかなければならないのでありますので、私も常々監督官に対しましては、単に山の鉱業権者あるいは保安管理者という方だけでなく、組合の方にもよく意見を伺い、また現場に関係しておった労働者の方々の意見もよく伺って監督に万全を期するように指示をしております。従ってそういった監督も十分されておると思いますけれども、あるいは場合によりまして、時間等の関係で組合側との会見ができないという事例がないとは申せませんけれども、原則といたしましては、公平の立場から双方の意見を聞くというような指導をいたしております。

阿具根登日本社会党(第四控室・左)

○阿具根登君 局長の御答弁を聞くとまことにりっぱですけれども、それならばそれを下部が十分に実行するようにやってもらいたい。私が部長に聞いたときには、先ほど申し上げましたように、何も労働者の意見を聞かなくてもその意見は管理者が持っておるはずでありますから、管理者に聞けばわかります、聞く必要はございません、こういう意見であったわけです。  それからもう一つ、まあ二月に一回か、三月に一回、予算の関係、人員の関係等もございましょうが、監督に参られる、視察に参られる。そうした場合にはただ会社にだけ連絡がしてあってそうしてその間だけ坑内を非常に最良の状態に置いてやる。保安監督官が今日は来られる、そのために扇風機もこちらに持ってこなければいかぬ、あるいは岩粉ももう少し整理して置かなければいけない、いろいろなことをされる、こういうことも聞いておりますが、そういうことはありますか。

正木崇通商産業省鉱山保安局長

○説明員(正木崇君) 経営者側にだけ連絡をして監督に参るというように私は承知しておりませんけれども、今後もしもそういった事態が起りますと非常に問題でありますので、十分注意をいたしまして、双方に通知をいたしまして監督の万全を期するように指導いたしたいと考えております。

阿具根登日本社会党(第四控室・左)

○阿具根登君 そのようにしてもらいたいと思います。私どもは双方の意見を聞いて参ります。その場合に組合の方から聞く意見はやはりそういうことなんです。私どもといたしましては、君たちの生命を守ることではないか、そういうことこそなぜ法三十八条によって監督官に申告しないのだ、こういうことを言っておりますが、坑内の保安の問題につきまして法三十八条を適用して労働者が局長のところに申告したことが今まであるかどうか、お伺いしたいと思います。

正木崇通商産業省鉱山保安局長

○説明員(正木崇君) その事例は相当ございまして、昨年と記憶しておりますが、岐阜附近のある亜炭山におきまして災害事故が起きまして、これにつきまして調査をいたしましたところが、鉱業権者が隠蔽措置を講じたということを労働者が知りまして監督官に申告をいたしまして、その結果これを厳重に処断した、こういうような例もございますから、その点は十分注意してやっておると思います。

阿具根登日本社会党(第四控室・左)

○阿具根登君 鉱山保安法の四十五条による保安協議会、中央地方はできておると思いますが、どういう活動をやっておるかをお聞かせ願いたい。

正木崇通商産業省鉱山保安局長

○説明員(正木崇君) 中央の鉱山保安協議会は大体省令の改正の必要の起りました場合には、それは必ず付議することになっておりまするので、招集いたしましてその意見を徴しております。なおその場合にいろいろ関連する重要な問題につきましても御説明をすることになっております。それから地方の鉱山保安協議会もときどき改正いたしまして、特に監督部長の権限あるところにつきましても、認可の基準というものにつきましても、中央の保安協議会の意見を徴してきめておるような次第でございます。

阿具根登日本社会党(第四控室・左)

○阿具根登君 現地の意見では、この協議会が非常に開かれておらない、何回開かれたか、北海道の問題について一つ御答弁願いたいと思いますが、また四十二名の構成はどうなっておるか。それからもう一つは、それによって各炭鉱に保安規則が作られておるはずであります。また保安委員会が各炭鉱にそれぞれできておるはずでございます。ところがそれについても、ただこれは単なる諮問機関であるということで、保安委員会の意見が取り上げられておらない。ということは、監督官が行かれても、今局長は労働者の意見も聞きますと言われておりますけれども、聞いておられない証拠です。保安管理者の意見だけを聞いておられる。管理者はそれを取り上げない、これは管理者の責任であります。意見として承わりますということで、ただ聞いて聞き流しておる。それを現場ではただ保安管理者だけに会って聞いておられる。こういうことになるのですが、そういう運営はどういうふうにやっておられるのか、地方の協議会ですね。

正木崇通商産業省鉱山保安局長

○説明員(正木崇君) 私はこの監督部長会議を開きましたつど、協議会の運営につきましては最も民主的な運営をする、要するに協議会の皆さんの御意見を十分に尊重して運用するようにということを重ね重ね申しておりまするので、私自身が地方の保安協議会に出席したことはございませんので、ただいままで私の承知いたしておりまする範囲内におきましては、私の趣旨が徹底し、実行されているというふうに信じております。

阿具根登日本社会党(第四控室・左)

○阿具根登君 私は現地でこれは聞かなかったのですが、中央へ来てから九州のことを聞きましても、地方の協議会というのは近々三カ月前に発足しただけだ、まだ緒についておりませんということを聞いておるが、それはうそでしょうか。北海道ではどういう構成で、四十二名の法に従った地方協議会ができておって、何回開いておるか、おわかりだったらお知らせ願います。

正木崇通商産業省鉱山保安局長

○説明員(正木崇君) 地方の保安協議会も最近結成されたというふうなものはございませんので、保安法施行と同時にそれぞれの地区におきまして協議会が開かれたと存じます。と申しますのは、いろいろ監督部長の意見なり、認可事項の基準を作るにいたしましても、協議会に諮問することが必要になっておりますので、法律上そういうものをおかないでやったことはないと存じます。大体地方の協議会は四半期に一ぺんは必ず開くという建前で指導いたしておりますので、場合によりましてはそれ以上開かれておる場合もあると存じますが、少くとも一年に四回以上は開かれておるというふうに御承知いただきたいと思います。

阿具根登日本社会党(第四控室・左)

○阿具根登君 これは何も官庁だけではなくて、会社も組合もの責任だと思いますが、非常にこの保安協議会が軽視されておる。この問題についてはこれは保安監督部の責任だろうと私は思います。なおまたたとえば法三十八条の経営者が省令あるいは法令に従っておらない、あるいは危険で作業ができないというような場合には、保安監督部長に対して労働者は個々にこれを申告することができるというような法律まであることはほとんど知っておらないのであります。そうして自分の与えられた職を、ちょうどあなたの部下の人があなたの命令だといったならばほかのことは何も考えずにやるように、やはり職制があってしかも何トン出せば幾らだという仕事を坑内の炭鉱の人はしておるわけであります。そうすればこういうことも知らずに、ただ働かされるだけでやっているからこういう災害が非常に多くなってくるのだ。かように思いますので、こういう法の解釈、あるいは省令等を出される場合には、組合員が全部経営者はもちろんですが、全部の労働者がわかるようによく指導していただかねば、実際現場の人はそんなことは全然知らない。保安委員会もただいま申し上げましたように、ただわれわれは諮問されるだけだ、何も権限がないのだ、そうすると保安管理者は会社の息のかかっている人です。  そこで最初の質問に戻りますが、保安管理者を会社の鉱業権者が選定するということは、この法を生かす方法ではないと思うのですが、そういうふうにお考えになりませんですか。

正木崇通商産業省鉱山保安局長

○説明員(正木崇君) 保安管理者が保安の維持の上に不適任な場合、その措置が適当でなかった場合には解任の勧告をすることができますので、その運用を十分に行いまして、単に鉱業権者の意見だけを尊重するような保安管理者がおりましたような場合には、遠慮なくこういった権限を発動いたしまして、十分に中正な態度でもって物事を処理する管理者を求めるというように今後指導したいと考えております。

阿具根登日本社会党(第四控室・左)

○阿具根登君 今までその法を適用されて、保安管理者を解任されたことありますかどうか。

正木崇通商産業省鉱山保安局長

○説明員(正木崇君) 正式の命令によりまして解任した例は私存じておりませんけれども、大体勧告によりまして目的を達しまして、保安管理者の更迭をした事例は相当ございます。

阿具根登日本社会党(第四控室・左)

○阿具根登君 次官に御質問申し上げますが、こういう問題がたび重なるほど起ってきて非常な不安を坑内の鉱夫は感じておる。坑内の労働者は考えておる。しかも犠牲になるのはその人たちであり、今度は会社もそれ相当なやはり犠牲を払わなければできないと思いますが、その監督の任にある方、保安監督の方々は処罰も何もされていない。先ほどの炭塵の問題ではございませんけれども、保安官を処罰できぬということは私はあり得ないと思う。そうした場合にどういうふうな処置をとっておられるか。今までのように、爆発が起りますれば十何カ条かのものを出される、あるいは戒告を出される、書類で譴責をされる、それを繰り返しておったのではいつまでも直っていかない。今までの爆発のあとに抜本的な、これはこうしなければできない、こうしないからこそこういう爆発が起るのだということは何もない。その現場の実情だけをつかまえて、これは保安教育をもう少し厳重にやりなさい、あるいは注水をしなさい、そういう忠告だけで終っている。しかも太平洋のごときはどこまでが真偽か、その程度はわかりませんけれども、死んだ人が責任になってそうして告訴されて、本人が死んでいるから証拠不十分で不起訴になってそれで終り。そうすればこういうことは年々歳々また繰り返されていく。こういう場合においてもやはり保安監督部の責任というものは十分あるはずだと思うのです。それに対してどういうふうにお考えになっておりますか。

島村一郎自由民主党通商産業政務次官

○説明員(島村一郎君) これはなかなかむずかしい問題であろうと存じます。要するに爆発原因なら爆発原因がどういうところにあったかというようなことを十分探究いたしました後に、もし処断すべきものがありといたしましたならば、厳重にこれは処断していかなければこの監督の任には当れない、これが全うできないというふうに考えますので、その事件心々によりまして十分御期待に沿うような検討をし、調査をいたしましてやって参らなければならないかと存じます。

阿具根登日本社会党(第四控室・左)

○阿具根登君 北海道の保安管理に当っておる方はたしか六十九名だと思いましたが、それも七十一名のを六十九名に減らされたというように聞きましたが、そうですか。

正木崇通商産業省鉱山保安局長

○説明員(正木崇君) これは本年度の監督方針といたしまして、一律な監督を避けまして、災害率の多い山には重点的に集中的な監督をするという方針によりまして、監督の回数というものを計算いたしまして、その結果実は件数から申しますると、北海道よりも九州の方が非常に多いのでございますので、九州を大いに充実したいという気持から北海道から二名さきましたことは事実でありまするけれども、これも実は事務官でありまして、監督官は減らしておりません。従いまして陣容を減らしたことによりまして、災害の発生の防止に不十分な陣容であったというようなことは私は申せないと思うんです。

阿具根登日本社会党(第四控室・左)

○阿具根登君 坑内の災害が全然なくなるということはこれは自然条件がこれだけ悪いんですから、また自然条件のいい世界各国でもやはり幾ばくかの災害がありますから、これがゼロになるということはこれはできないかもしれませんが、あまりにも日本は多過ぎる。しかも最近この一、二年が特に多くなった。こういうことについてもう少し何か保安監督部としてはっかんでおられるところがあるのではないか、そうしなければどれも不可抗力みたいになってくる、いつまでたっても、たとえばガスが突出したんだということになってくる、そうでないものは本人の不注意だということになってくるわけなんですが、何かもっと抜本的なことを何回もこれはお尋ねしたんですが、考えてもらわなければ、この種災害は絶えないんですが、その点何かお気づきの点はないんですか。

正木崇通商産業省鉱山保安局長

○説明員(正木崇君) 鉱業権者に対しましては私は厳罰方針でもって臨みまして、私はいやしくも悪質な法規違反がある場合には刑事制裁を受けるという趣旨を徹底いたしまして、法の目的を十分に達したいと考えておりまするが、さらにただいまお話がございましたように、従来不注意とか過失ということで片づけられておりました事件をさらに分析いたしまして、その不注意なり過失の背後に何かないか、これを心理学的あるいは生理学的に分析いたしまして、その不注意なり過失の発生する以前の原因と申しますか、それを除去するといった点にまで——保安教育の面まで伸して参りませんと、そういう災害の防止ができないということに結論を出しまして、本年から保安教育をさらに徹底する、その徹底の仕方もただいま申し上げましたように災害の心理的、生理的な分析をいたしまして、これをいかにしたらそういった過失なり不注意という精神状態を避けることができるかという一歩奥に踏み込んで指導する、これはスライドとかいろいろなポピュラーな方法を用いまして労働者の方々、あるいは労働者の家庭の方々にまでしみ通るように指導をしたいということでいろいろ企画もいたしましたし、現に指導もいたしておる次第でございます。

阿具根登日本社会党(第四控室・左)

○阿具根登君 特免区域について何かお考えございますか。

正木崇通商産業省鉱山保安局長

○説明員(正木崇君) 特免区域の処分につきましては従来とも非常に厳重な現地の調査をいたしまして、その上でまたさらに必要に応じては相当きつい条件をつけまして許可をいたしておるような次第でございますが、不幸にして二、三特免区域において災害を起しております。これを詳細に調べてみますと、もちろん異常な気圧の低下とか、あるいは坑道の途中で大きな崩落があってそのために通気の量が十分でなかったというようなことはあとからわかりますが、監督官といたしましては監督のつど、そういった特免区域といえども油断をしないで十分監督いたしまして、特免区域としての条件を欠くような事態を発見いたしましたら直ちに特免区域を取り消すという措置をとっておりますし、またこういった方針は将来も続けていきたいと考えております。

阿具根登日本社会党(第四控室・左)

○阿具根登君 茂尻の災害が済んだ直後、明治の赤池が爆発して、十一人の人が死んでおりますが、赤池問題につきましてのその後の情報を知らせていただきたいと思います。

正木崇通商産業省鉱山保安局長

○説明員(正木崇君) 明治の赤池のガスの突出事故につきましては、ただいま調査中でございまするが、大体あそこの払いは後退払いでございまして、ガス爆発の危険は比較的少いということでございまするが、しかしながら赤池は前にもガス突出の事故をやったところでありまするので、坑道の掘進につきましても、先進ボーリングを行いまして、十分ガス抜きをいたしまして、またガスの探求をいたしまして作業を進めているように承知いたしておりまするが、今回の事故はその点の先進ボーリングが果してガスのたまっている事実の発見に十分であったかどうかという点はなお調査をいたしてみないとわかりませんが、おそらくボーリングはしておってもその点に若干の問題があるのではないかというふうに私は想像しております。従いまして、もう少し捜査を続行した上でなければはっきりした結論は申し上げるわけには参りませんけれども、その点に重点をおきまして捜査をいたしておりまするし、また発破個所からの待避の場所につきましてもちょっと問題があるように見受けられますので、その点につきましてもよく事情を調べるように指示してございまするから、もう少し時間がたちましたら、さらに詳細な御報告ができると思います。

阿具根登日本社会党(第四控室・左)

○阿具根登君 基準局に一、二お尋ねいたしまするが、今次災害についてその後の労災に関する手続がどうなっておるか、これをお尋ねいたします。

富樫總一労働省労働基準局長

○説明員(富樫総一君) お答え申し上げます。  労災保険の支払いにつきましては、当方の支払いの準備は一切現地におきまして完了いたしてございます。いつでも支払、請求がございますれば払える態勢になっております。まだ今日まで、私の方から直接現地に一人やっておりますけれども、その者からまだ支払い請求が出て払ったという報告に接しておりませんが、これにつきましては、おそらく御承知のように、遺族の方の受け入れ態勢等につきまして、いろいろ整備する必要がその方にあってまだ出ていないかと存じます。当方の準備はでき、かつ向うの事情も現地に人を派遣しておりまして、その方の配慮も十分するように、こういうふうに申しつけてございます。

阿具根登日本社会党(第四控室・左)

○阿具根登君 法第五十四条によりますと、労働大臣は通産大臣に対してこの種災害の防止に関して勧告することができるというようになっておりますし、基準監督局長は鉱山保安局長に対して同様な勧告ができるようになっておりますが、次々に起るこの大変災に対してどういう処置をとられておりますか。

富樫總一労働省労働基準局長

○説明員(富樫総一君) 炭鉱災害が近来頻発いたしますることは、労災保険の観点のみならず、人道的な観点から見ましてもわれわれの重大関心事であり、ことしに入りましても、御承知の佐世保のボ夕山の大事件等におきましても強く申し入れしたのでございまするが、今回におきましても、たとえば石炭鉱業のガス爆発に関する死亡は、おととしが三十名、去年が九十名、今年四月から今日に至るまですでに百人、こういう状態でまことにわれわれといたしましても遺憾でございまして、正木局長にきわめて強い申し入れをいたしますとともに、また別に石炭経営者協会長に対しましても私から公文をもって厳重な警告を発したような次第でございます。

阿具根登日本社会党(第四控室・左)

○阿具根登君 報告にも申し上げましたように、今度の問題は六十人の死亡者でございますが、炭鉱は年々千人近くの人が死んでおる。三万人からの重傷者を出しておる。軽傷者まで合せたら十万人こすだろうと思います。そうすると全国の炭鉱労働者二十七万人とみて一年間に二百人のうち一名ずつは死んでいっておる。三名のうち一人はけがをしておる。こういうまことに悲惨な仕事でございますが、これがこういう問題が起れば一応新聞でも相当取り上げられるけれども、その間は保安監督の任にあられる方々も私はまだ万全でないと思うのです。一千人も死んでおるということをいつも頭に持っておられるなら、もっと私は積極的な対策が講じられるのではないか、かように思います。特に通産省の立場からするならば、資源確保が第一に考えられておるのではないか、人命がその次にきておるのではないか、こういうようなおそれを私は多分に持っておるのでございますが、通産次官といたしまして衆議院の方でも人命が大事だということははっきり言っておられたと思いますが、通産省の所管事項の中で人命を扱っておるこの鉱山保安局の仕事に対してもっと積極的に指導していただきたいと思うし、資源の確保ということよりも人命の尊重がまず第一だと思うのですが、その点どういうふうにお考えになっておるでしょうか。

島村一郎自由民主党通商産業政務次官

○説明員(島村一郎君) 仰せまことにごもっともであると存じます。ことに私はこの間九州の炭鉱を一つ二つ見て参りました。あの坑内の生活の状況等もつぶさに拝見いたして参りました。充填場の方まですっかり見て参りましたけれども、あの労働はなかなかこの辺でやっております労働とはちょっと趣きが違うと大いに同情心をもって戻って参りましたような次第でございます。従って言葉の上だけでなく、まことにお説の通りだと痛感いたしております。今後あらゆる点から考えまして少しでも災害の少いように持っていかなければならないというふうに考えておりますので、これは鉱山保安局長ともよく会って、いやあそこの従業員はちょっとそこらの工場の従業員と違うから一つしっかり同情心を表わしてやってもらいたいというようなことまで申したような次第でございます。どうぞそこらで御了解を願いたいと存じます。

加藤武徳自由民主党

○理事(加藤武徳君) それでは炭鉱爆発事件に対する質疑はこの程度にいたしまして、次に移りたいと思いますが御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

加藤武徳自由民主党

○理事(加藤武徳君) 御異議ないものと認めます。

加藤武徳自由民主党

○理事(加藤武徳君) それでは次に公報に登載しておりますごとく、労働争議に関する件を議題といたします。  まずいわゆる綿紡ストにつきまして政府の説明を聴取いたしたいと思いますが、政府からただいま労働省労政局長中西實君が出席いたしております。中西労政局長からいわゆる綿紡ストのまず説明を聴取いたすことにいたします。

中西實労働省労政局長

○説明員(中西實君) 先般の綿紡十社の賃上げ争議の概況につきましてただいまお手元に経過概要をお配りいたしました。日誌式に日を追って書いてございますので、これをごらんいただければ大体おわかりかと思いますが、一応おもなところをかいつまんで申し上げますと、まず今回の綿紡十社関係の組合側からの要求は月額一人平均千円アップ、それを四月から実施するようにという要求でございました。これが実質的な交渉がうまく参りませんで、中労委に組合側から調停申請がなされました。中労委は九月二十三日に調停案を労使双方に出しました。内容は一人平均三百六十円を七月から増額支給するようにというのを骨子にしたものでございます。ただしこの調停案には労働者側委員の少数意見が付されておりました。これに対しまして組合側は拒否をいたしまして、会社側は一応受諾を決定いたしましたが、組合側の拒否のために妥結に至りませんで、そこで中労委は重ねて集団的な話し合いで事を解決するようにという勧告をいたしました。これに基きまして十月十一日集団的話し合いの席上、三百七十五円を七月から増額するという回答をいたしましたが、組合側はこれを重ねて拒否いたしまして、そうして十月十一日、十三日に事務部門隔日二十四時間スト、一般工場隔日一時間スト、さらに十七日、十八日には事務部門、一般工場が四十八時間ストを実施いたしました。さらに十九日からは化繊部門と特殊工場の仕込停止のスト及び二十日以降は特殊工場を含む全面無期限ストに入ったのでございます。この間に中労委は労使双方が話し合いを始めた直後、公益委員の藤林、中島両委員が大阪におもむきまして労使双方から事情を聴取してあっせんをいたそうとしたのでございますが、やはり時期でないということで、現地の調査を打ち切って東京に帰って来ております。十月三十一日の未明に東洋紡関係が会社と組合個別交渉によって三百九十円アップ十月から実施する、さらにそのほかに一時金千二百円を支給するということで妥結をいたしました。さらに呉羽紡が会社申し入れの単社交渉に応じまして、三百九十円アップ、一時金約千三百三十円ということで妥結いたしました。このために組合ではそれまで集団で話し合いで事をきめてゆくという方針を緊持いたしておりましたが、こういつた事態に対しまして戦術を変えまして、個別交渉をすることにする、ただし妥結の条件については綿闘争委員長の承認を必要とするということで各社単位組合の交渉に移りまして、その結果十月三十一日から十一月一日、二日にかけて最後の表のごとく十社それぞれ大体月額三百九十円ないし四百円、実施月は十月ないし十一月、一時金は一千二百円ないし一千三百三十円ということでそれぞれ妥結をみまして、妥結されましたところから順次直ちにストを中止されたということで本争議は終了いたしました。

加藤武徳自由民主党

○理事(加藤武徳君) ただいまの中西局長の説明に対しまして質疑がございましたら順次御発言をいただきます。

阿具根登日本社会党(第四控室・左)

○阿具根登君 これは局長が言われた言葉ではございませんけれども、今次綿紡争議に当りまして、海員組合が同情ストをやるというような決議をした場合に、西田大臣はそれは違法であるという見解を示されておりますが、どういう根拠に立って違法だと言われたのか。局長は御存じなかったら、答弁の必要はございませんが、御存じだったらば一つ御答弁願いたいと思います。

中西實労働省労政局長

○説明員(中西實君) 問題は同情ストが適法か違法かの問題でございます。この点につきましては、わが国の判例上、あるいはわれわれの解釈をいたします上で正式に発表いたしたことは私の記憶ではあまりないのでございますが、この海員組合の同情ストがおそらく今度の綿紡ストの際には実際問題として起らないだろうという見通しがございましたので、よりより研究はいたしておりましたけれども、これに対する正式な見解発表にまでは至らずに終ったわけでございます。西田大臣がこの海員組合がもし綿紡の申し入れに従って行なった場合に対する見解の御発表は、これはたしか事務当局において十分にさらに検討しておる、なお法制局その他権威ある機関と相談をしておるということをおもにお話になったと記憶しております。ただ概して申せば、同情ストというものはいわゆる労働法上の正当なストではない、こういうことを言われたのじゃなかろうかと思っております。従って具体的に同情ストがどういうふうに行われるかということによって、そのときどきによっていわゆる労働法上の保護を受けるもの、あるいは受け得ないものと差が出てくるのでありまして、同情ストは全部いけない、あるいは全部いいということは、これはいずれも言いすぎでございまして、概して申せば、同情ストは労働法上保護の対象にならない場合が多いということが言えると思うのでありますが、現実問題として事が起りませんでしたので、なおわれわれとしましては、あらゆる場合についての日ごろ研究はいたしておりますけれども、具体的に今回の海員組合につきましては、意見発表をしなかったわけでございます。

阿具根登日本社会党(第四控室・左)

○阿具根登君 局長のお話では認めるごとく、認め得ないごとく、しかも実際はこれは法の保護は受けられませんよというようなことをにおわしておられますが、この問題については大いに議論がございますから、後日ゆっくり一つ御答弁願いたいと思いますが、問題はああいうストの時期にああいうことを発表するのがいいか悪いかということなんです。ああいうことを発表するということはどちらを利して、どちらを害するかという問題なんです。しかも官庁の責任のある方々がそういうストライキはいけません、こういうストはいけませんというようなことを言うことは私は不見識だと思う。そういういった時期についてどういうふうにお考えになりますか。

中西實労働省労政局長

○説明員(中西實君) この労使間の問題は往々にしていろいろ発表の時期、方法等について御批判があるわけでございます。私は率直に考えまして、やはり法において認められないものならば、認められないものだということをはっきりとした方が、認められると思って行なったものの犠牲がなくて済むという意味において、いいのではなかろうか。あいまいにしておくことがかえって一般健全な労使慣行、あるいは労働慣行にかえって不幸をもたらすのじゃなかろうかというふうに考えるのでございます。もしはっきりやっていけないことなら、やはりいけないということを言うことが私はやはり行政管庁としては親切じゃなかろうかというふうに考えております。これについては御議論もあろうかと思いますけれども、やはり今までいい悪いがあまりにも大目といいますか、観過されて来た傾向がございますので、やはり率直に善悪ははっきりさした方が私としてはいいというふうに考えております。

阿具根登日本社会党(第四控室・左)

○阿具根登君 ここで中西局長と討論しようとは思いませんけれども、局長もやはり非常な雲の上からごらんになって、そうして組合なんかは幼稚な運動をやっておるというようなことで教えてやるんだ、それは法に違反しますからといって教えてやるんだという態度で出ておられますけれども、あなたが考えておられますほど組合は幼稚でも子供でもございません。自分たちの行動はあらゆる法律も研究してこうやるべきであるということでやっておると思いますが、どうも局長の話を聞いておれば、親切に教えてやるのではなくて、お前たちはわからんから教えてやるんだというような態度にあるようでございますが、もう少し組合も十年間の年をとって相当伸びておることを一つ御認識願いたいと思います。私はこれで終ります。

竹中勝男日本社会党

○竹中勝男君 報告のときに私が中座しましたのですが、この十五項の、十月二十五日に中労委藤林、中島両公益委員は大阪に行かれたと、大阪に行かれた目的は事情聴取と、これは労働省の方から、あるいは労政局の方から依頼されたんですか。

中西實労働省労政局長

○説明員(中西實君) 実は双方が対立の状態になりまして話が進行しなかったのでありますが、この中労委から二人の公益委員が行かれました前日あたりから代表者の話し合いというので、労使双方の代表者数人ずつでの話し合いが始まったわけでございますが、これがやはり相当難航の状況にございました。そこで二日目、さらにその話し合いを続行するということになっておりましたが、あるいは当事者同士では決裂になってしまやしないかというおそれもございました。で、その際に中労委としましてはそういう事情を見て、これはやはり一応現地へ行って、できれば中へ入ってあっせんができるものならした方がいいんじゃないかという判断のもとに出かけたのでございまして、この出かけるにつきましては、労働省は何ら要請もせず勧めもいたしませんでした。

竹中勝男日本社会党

○竹中勝男君 公益委員の両名の判断を支持されておるわけですか。

中西實労働省労政局長

○説明員(中西實君) 一応争議のあっせん調停の活動になりますと、労働委員会は独自の判断でやることになっております。で、当時行くという連絡を受けましたときに、若干早いのじゃないかという意見は申しました。しかし公益委員の二人の方が、この際行ってみるというお話でございましたので、その判断にまかしたわけでございます。

竹中勝男日本社会党

○竹中勝男君 私も当時党から派遣されてこの争議に行っておったのですが、この中労委が大阪に来ておるということについて組合側は非常に反感を持った。調停ができるものもむしろこういう態度で行かれると結果は悪いというふうに私は当時情勢を判断しました。こういう点については、殊にこれには労使双方から事情聴取するというふうに書いてありますが、事実上組合側の情報は調査できなかったと私は聞いております。むしろ経営者側との折衝の方が多かったという印象を少くとも組合は受けておりますが、そういうことは今後相当慎重にやらないと、中労委というものが全く不信な状態に陥って機能を発揮できないようになると私は考えておりますが、労働省の御意向はどうですか。

中西實労働省労政局長

○説明員(中西實君) すべて事案が済んだあとでいろいろと、あのときこうすればよかった、ああすればよかったということが反省されるわけでございます。あの際には私も、当時思いましたように、若干時期として適当じゃなかったというふうに考えております。しかしこれはやはり判断いたしまして、あるいはあのとき行ってうまくいったかもしれません。それはいろいろにあとでは批評できますけれども、結局問題はそのときどきに正確な情報をキャッチするということが一番必要でございます。この点についてさらに中労委とも、あるいはその他の、労働委員会が活動します場合はわれわれの方からも正確な情報をなるべく流しまして、今後とも判断に誤りのないようにいたしたいというふうに考えております。

竹中勝男日本社会党

○竹中勝男君 もう一つ、今の阿具根委員の質問に関係することですが、ああいう最中に労働大臣が海員組合の行動に対して警告というか、むしろこれは組合の活動にとっては非常に不利な発言をされたということについては、私もそのときに社会党から大臣に会いまして申し入れをしたわけです。ことに法律上の根拠も薄弱なそういう発言をされたということについては、これは非常に今後の争議については重要な意味を持っておると思いますが、一つそういう点については、これは大臣、次官もおられないものですから、私どもは徹底的にあれは適当じゃなかったというふうに感じておりますが、もし法律上の何か根拠があって発言されたのだったらこれは当然だと思いますけれども、私はどういう法律の根拠で発言されたのかと言ったら、まだ研究さしておりますと、こういうことだが、研究させなければならないような発言を、ああいう重大な場合に大臣が発言をされるということは私は軽卒だと思います。これは意見ですけれども、この際申しておきたいと思います。

加藤武徳自由民主党

○理事(加藤武徳君) ちょっと速記をとめて下さい。   〔速記中止〕

加藤武徳自由民主党

○理事(加藤武徳君) 速記を起して下さい。  ただいまのいわゆる綿紡ストにつきましての質疑はこの程度にいたしまして御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

加藤武徳自由民主党

○理事(加藤武徳君) 御異議ないものと認めます。     —————————————

加藤武徳自由民主党

○理事(加藤武徳君) お諮りいたします。戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部を改正する法律案、社会福祉事業等の施設に関する措置法案、調理改善法案、社会保障制度に関する調査、労働情勢に関する調査、右の案件が閉会中に審査及び調査を完了するに至らない場合は、本院規則第七十二条の三によりまして、閉会中審査及び調査未了の旨の報告書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

加藤武徳自由民主党

○理事(加藤武徳君) 御異議ないものと認めます。  なお報告書の内容及びその手続等は委員長に御一任願いたいと存じますが御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

加藤武徳自由民主党

○理事(加藤武徳君) 御異議ないものと認めます。よってさよう決定いたしました。  本日はこれで散会いたします。    午後二時四十五分散会

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