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22回国会参議院1955/11/14

社会労働委員会 閉会後第2号

発言数
39
登壇者
7
会派数
3
開催日
1955/11/14

会議録

小林英三自由党

○委員長(小林英三君) それでは、ただいまから委員会を開会いたします。  本日は社会保障制度に関する調査の一環といたしまして、食品衛生法及び栄養改善法の改正に関する件を議題といたしまして、前回に引き続き質疑を行いたいと思います。  まず、今政府側からして、先般の榊原委員の質疑に対する政府側の答弁といたしまして、ちょっと判明いたさなかった点がありまして、その後の調査に基きまして、ここでまずもって御答弁いたしたいということでありますから、楠本部長に発言を許します。

楠本正康厚生省公衆衛生局環境衛生部長

○説明員(楠本正康君) 先般御質疑のありました点のうち、明確を欠いておりました点につきまして、一応お答えを申し上げたいと思います。  最初に徳島工場におきまする製品の種類の問題でございますが、徳島工場におきましては他の工場同様、一等乳並びに二等乳の種分けをいたしまして、その結果に基きまして、それぞれ調製粉乳あるいは全粉乳、加糖練乳あるいはバター等を作っております。ただし製品の約七割程度はおおむね調製粉乳でございます。この点明らかにいたしておきたいと思います。  次にカンを洗っておるかどうかという問題でございまするが、まず調製粉乳を入れまするカンは、工場におきましてそれぞれ七〇%アルコールをもって機械消毒をいたしております。その後消毒をしたところにでき上りました調製粉乳を加えまして、密閉してからさらにガス充填を行いまして、品質の変質を防いでおるわけでございます。  また加糖練乳等を入れます大きなカンにつきましては、最初蒸気でこの消毒をいたします。この場合に多少付着いたしておりますようなごみも洗い落す作用をいたしまして、さらに乾燥室に入れまして乾かしてから使うことにいたしております。なお原料乳を運搬いたします牛乳カンは、これは蒸気消毒をいたしまして、それぞれ農家に返すことといたしております。  なお前段申し上げました二つのカンはいずれも東洋製罐の製品で、新しいものであることは申すまでもございません。  なおこの調製粉乳と加糖練乳等の製造過程は著しく違っております。申すまでもなく加糖練乳の場合にはきわめて簡単な経過でございます。なお加糖練乳は、その製品の性質上第二燐酸ソーダその他の添加物というようなものは使用をいたしておりません。以上でございます。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 ただいまの答弁に質問もございますが、現地に行かれた質問者の御当人がおいででないので、先に進ましていただきたいと思います。現地を十分調査されておる榊原委員がおいでになりますならば、まだ私たちの質問以上な突っ込んだところを御承知だと思いますが、その当の質問者である榊原先生が見えておりませんので、本問題はあとにしてもらいたいと私は思います。

小林英三自由党

○委員長(小林英三君) なおその点について私からもちょっと伺いたい。今の楠本部長の御答弁は榊原君とだいぶ食い違いがあるのですが、榊原君のはその当時の問題がそうでございまして、あなたの御答弁はその当時のことでなくて、現在そうしているというのじゃないのですか。その当時からという意味ですかどうですか。

楠本正康厚生省公衆衛生局環境衛生部長

○説明員(楠本正康君) これはその当時現地へ参りました者の調べて参りました資料のほか、さらにその後旧にさかのぼりまして調べた成績でございます。

小林英三自由党

○委員長(小林英三君) ただいま阿具根委員のおっしゃったように、あの問題は質問者がおられませんから、今おっしゃったようなことに保留して……。

山下義信日本社会党

○山下義信君 私はきょう若干の質問をしたいのでありますが、先般の委員会では同僚委員から、主として政府の食品衛生の監督の立場から有益な御検討があったことと思いますが、私は本日は政府の本問題についてとりました諸般の対策につきましてお尋ねをしたいと思います。  第一点は政府の報告を見ますと、本件の原因その他の調査等について、きわめて形式的な、いわば事務的な可もなく不可もないといったような御報告なんであります。こういう御報告ですと、ややもするとこういう重大事件を起しました当該製造工場の責任というものの性格というか、内容というものがきわめて不明瞭になりやすくなるという弊害が私はあると思う。たとえばわれわれの手元に御配付になった昭和三十年十一月八日現在での森永ドライミルク中毒事件の経過というものの中をうかがって、アラビア数字での第十五番目ですが、そこに記載されてある数行の表現を見ましても、さりげなくたんたんとこの文章が書いてある。私はこの種の化学製品の専門家でありませんからわかりませんが、しかし私の承わったところによりますと、この徳島工場で使った、森永が使った第二燐酸ソーダというこの工業用の粗悪品、非常な学者がうんちくを傾けてその成分その他で議論をしなくても、しろうとが見ても一見して粗悪なものであるということはきわめて明瞭な品質であったということであります。誤まって使用したとか、はからずも間違えたとかいうような種類でなくいたしまして、だれが見ても非常な粗悪な品物であるということはわかっておったということであります。でありまするから、この粗悪な工業用の第二燐酸ソーダを徳島工場が使ったということは、その粗悪であるということを承知してこの工場が使用したのか、そういう点が政府の報告においては明白でない。こういう品が使われて、それがためにこういう被害者が起きたというだけである。常識では判断しがたいような明瞭な粗悪品をしかも多量に、しかも長日月にわたって製品の中に混入して使っておったというようなことは、何がゆえにそういうことをしたかということ、これを報告しなければならない。当該森永会社、当該工場が何がためにかようなことをしたか。従来の製品よりはなお一そう優良品を作らんがために苦心して従来使用しておった安定剤よりはこれがいいのではないか、また試験その他が不十分であるにかかわらず早急に誤まって使ったとか何とかいうような動機があればともかくも、どういうわけで使ったかということ、これが政府の報告に明らかでない。そういう粗悪な第二燐酸ソーダのこういう工業品を使ったらば製品がよくなると思ってその会社は使ったのか、悪いことを承知の上でこれを使えば安くなると思うて使うたのか、従来の製品よりはより以上にいいものができると思うて使うたのか、製品の技術的な面からそういう手段をとったのか、あるいは利益追求の上からそういうことをしておったのかということが政府の報告に明らかでない。私はこれを政府の調査の上で明確にしていただきたい。そのことが犯罪になるかならぬかは、これは司法関係に移されておるから、その方面でわれわれは事態を明白にするが、一応かくのごとき行為をなしたその動機はどういうところにあると調査をしたのか、ということはこの際私は明白にしておく必要がある。御答弁を承わりたいと思います。

山口正義厚生省公衆衛生局長

○説明員(山口正義君) 最初におわびを申し上げなければなりませんことは、お手元に差し上げました、ただいま山下先生から御指摘いただきました事件の経過の記載でございますが、これはおおむね時日を追って、順序を追って記載してございますので、最初のときにはそう考えておりませんでしたものが、次のときには別の事実が現われたというようなことも出ておりますので、その点いろいろ御不審の出てくる点があるかと存じますが、いずれもよく御説明申し上げたいと存じております。  ただいま御指摘いただきました第二燐酸ソーダの件でございますが、これは私ども最初どうして第二燐酸ソーダを使ったかということにつきまして、私どもが入手いたしました報告は、森永本社から各工場に対して、安定剤として第二燐酸ソーダを使った方がいいのではないかという文書が四月に出ているわけでございます。それで私どもは徳島工場におきましても四月から第二燐酸ソーダを使ったのではないかというふうに考えておったのでございます。しかしその後だんだん調査いたしましたところ、徳島の工場におきましては、製造工程中にこの定安剤に第二燐酸ソーダを使います方が溶解度が高まるためにいいというような理由で、そういうことに理由をつけて昭和二十八年から第二燐酸ソーダを使用しておったのでございます。それは森永の方の説明によりますと、先般も御説明申し上げましたが、原料乳を荒煮いたします際に、こういう安定剤を加えますと、溶解度が非常に高まるということで使ったというふうに説明しているのでございます。しかしこの問題につきましては、先般横山先生からも御指摘がございましたように、原料乳が悪い、その酸度を調整するためにそういうことをしたのではないかということも当然考えられることでございますが、とにかくこの第二燐酸ソーダを使いますと溶解度が高まって、そうしてまたその粉乳から乳を作ります際に非常によく溶けるというために使ったのだというふうに説明しているわけでございまして、そういう第二燐酸ソーダを粉乳に使うということは、外国にも文献があるそうでございまして、森永本社としては、そういう文献などを参照して各工場で使った方がいいのではないかという指示をことしの四月にしたということでございます。その際にどういう種類の第二燐酸ソーダを使えというようなことは、本社としては特別な指示はしておらないのでございまして、食品でございますから、品質のいいものを使うのは当然考えなければならないことでございます。現にその次の、ただいま御指摘になりました十七番目のところに、徳島工場以外では使っていないというふうに最初聞いておったのでございますが、あとでよく調べてみますと、福島の工場においても使っているのでございますが、福島の工場におきましては、質のいいものを使っておったのでございます。それで徳島の工場におきましては、ただいま申し上げましたように、また御指摘になりましたように、工業用の第二燐酸ソーダを使っておったのでございます。昭和二十八年から工業用の第二燐酸ソーダを、今回購入いたしましたのと同じ商標のものをずっと使っておったということでございますが、なぜ二十八年から使っておって今まで幸いに事故がなく、今度こういうようなことが起ったのかという経過を、これはいろいろな点から検討しなければならないと思うのでございますが、私ども理解いたしておりますのは、昭和二十八年から森永の徳島工場が購入しておりました第二燐酸ソーダは、先般も御説明申し上げ、またその書類にもございますように、徳島市内にございます協和産業という会社から購入しておったのでございますが、その協和産業は大阪の松野製薬という会社から購入したものを森永へ販売しておったのでございます。松野製薬は米山化学工業という所で作ったものを仕入れて、そうしてそれを協和産業に売って、それが森永へ行くという経過をずっととっておったのでございますが、たまたまことしの四月ころになりまして、松野製薬が米山化学からでなしに別のルートから材料を得まして、それは先般も申し上げました日本軽金属のボーキサイトからアルミナを作ります際に出て参ります産物を利用して作ったのでございますが、それが非常な粗悪品であった。普通こういうものに使われべきものでないのがそういうことへ入って参りましたので、今回のような事態が起ったのでございまして、森永が食品に使いますのに工業用薬品を使っておったということそれ自体が常識上から考えますと、非常な間違ったことだったと思うのでございますが、普通の製造工程におきます工業用の第二燐酸ソーダでございますと、これは専門家の意見をよく徴したのでございますが、砒素の含有量はきわめて微量だそうでございますが、今回のような別の作り方で作られましたものを使いましたために、今回のような事態を起したという状況でございます。

小林英三自由党

○委員長(小林英三君) なお申し上げますが、先般のどなたかの御質問の中で、軽金属関係のあれで通産省の森という金属課長が見えておりますから、御紹介申し上げます。

山下義信日本社会党

○山下義信君 今の局長の御説明は、この粗悪品が森永の徳島工場に入手されたルートの御説明なんですね。なぜさような粗悪品を森永工場は買ったか、使ったかということなんですね。粗悪品ということがわかっておりながら、なぜそれを使ったかということがあなた方の調査で御追及になりましたか。それが厚生省当局でおわかりになっておらなければよろしゅうございます。いずれこれは裁判の上で明確になることと思いますが、しかし一応御調査にならにゃならんはずなんですね。

山口正義厚生省公衆衛生局長

○説明員(山口正義君) 今回のこの粗悪品が四月に入りました点につきましては、私どもなぜ今回そういう事件が起ったか、非常に今度の製品が安かったからそういうものを仕入れたのではないかという点、当然私どもも疑いを持って調べたのでございますが、森永が購入いたしております第二燐酸ソーダの価格は、昭和二十八年からずっと購入いたしておりました価格と全然同じでございまして、今回まぎれ込みましたその粗悪品を森永としては特に値段が安いからというので買ったのではないという点は明らかになったのでございます。

山下義信日本社会党

○山下義信君 支払価格が同一であったということは、森永の今回の過失が故意もしくは悪意でなかったという立証にはならない。これは表面の支払価格は帳簿上同価格にし同一の価格が現れてあって、裏面では商売人は何の約束をするかわからぬのであって、これは当然裁判で明確になるでしょう。もし粗悪品であって安いであるにかかわらず同じ金額を支払っておったら、過当な儲けをする者がどこかにあるのでありまして、第二、第三の犯罪があるいは伏在してくるかもしれない。その粗悪品ということは、よほど試験でもしなければわかりませんか。外見ではわかりませんか。従来入れておった製品と、今回納めた製品というものはだれが見ても同じものであるというふうで、その品質の識別は外見ではわかりにくいのですか。もしわかりにくいというような種類のものであるならば、すぐにこういうものは使用者側の方において納入の都度に分析するか試験するかしていなければならぬはずなんです。そういう会社においての制度とか設備というものがなければならぬのです。それは外見ではわからないのですか。

山口正義厚生省公衆衛生局長

○説明員(山口正義君) 今回の第二燐酸ソーダ、それからこれはいろいろ申し上げなければならぬと思いますが、いわゆる局方の第二燐酸ソーダ、第二燐酸ソーダには局方と試薬と工業用と三通りございますが、局方のものとそれから試薬のものとそれから工業用のものとこれは外見上区別がつくと思います。ただ今回使われました工業用の第二燐酸ソーダ、それから一般に使われます今まで使われておりました第二燐酸ソーダとの——今回は非常な粗悪品でございまして、先般も申し上げましたように、第二燐酸ソーダとは申しながら実質は第三燐酸ソーダが主で、それに付随して砒酸ソーダがたくさん入っておったという状況でございますので、注意すれば区別がつくというふうに考えます。

松岡平市自由党

○松岡平市君 関連して。私はこの間も御注意申し上げておいたけれども、今でも局長の御答弁は大へん間違っていることをおっしゃっている。もっと御調査にならなければいかぬのです。工業用の第二燐酸ソーダを使っておったとおっしゃるけれども、私の調査した限りではずっと試薬一級を使っておる。あなたの方で今の政府の答弁として責任をあとお持ちにならないといけませんよ、よろしゅうございますか。申し上げておきますがそんなあいまいな調査で御答弁になっちゃいけません。私は非常に詳細に調べてきております。工業用の第二燐酸ソーダの価格が幾らするか、それから試薬特級が幾らするか、試薬一級が幾らするか、薬局方は幾らするか、そして森永の使っておったものはどのものであるかというふうなことでも、これは重大な問題を含んでおるのですから的確な御答弁を願いたい。工業用々々々というようなことを言っておられますけれども、あとで論議をする際に政府の御答弁と各委員の調査あるいは質問と非常な食い違いができて論議がわかれてしまいますから。一つ局長よく御存じなければ、他によく知った方から正確な御答弁が願いたい。

山口正義厚生省公衆衛生局長

○説明員(山口正義君) 松岡先生からの御指摘ででございますが、私ども今回使われました、あるいは従来から使われておりました第二燐酸ソーダの箱のレッテルを見たのでございますが、それには別に工業用とは書いてないのでございます。第二燐酸ソーダ大阪松野製薬というふうに書いてございまして、局方ならば局方というふうに書いてございます。それから大体大きな石油カンに入れたものを箱に詰めて取り扱われておったということでございますので、工業用と理解しておったのでございまして、別に表示として工業用という表示はなかったのでございます。そういうふうに私ども理解して御答弁申し上げたわけでございます。

松岡平市自由党

○松岡平市君 私はいわゆる第二燐酸ソーダの各メーカーについても調査しております。そしていわゆる燐酸ソーダというものにはあなたのおっしゃる薬局方とそれから試薬というか、試薬に特級、一級とか、特級というものはもっぱら分析その他の特別な試験に使う。それから一級というようなものはこれは工業用規格でできております。特級、一級というのはいわゆる工業薬品としては日本工業規格にちゃんと工業用燐酸ソーダというものがあるのです。銘柄がある。そうして森永が使っておったのは工業用燐酸ソーダじゃない、いまの試薬特級、試薬一級、こういうものを使っておる。これはメーカーでも立証しておりますからね。もう少しきちっとこういう重大な問題についてはちゃんとした調査をして御答弁願っておきませんと、重大な問題が出てくると思うのです。よろしゅうございますか。

山下義信日本社会党

○山下義信君 この点は今松岡委員も御指摘になりましたが、この問題の重大な一つのポイントであると思います。これはいずれ司法関係で明確になるだろうと思いますが、一応しかし政府としては私の申し上げたようなこういう粗悪品を徳島工場が使った動機といったような点についても行政上調査をなさってあるべきであるので、伺ったのであります。これは当然他日明確にされなければならぬ点であると思います。  その次に私伺っておきますが、質問点が飛び飛びになりますが、いろいろな善後措置をなされて、とりあえずこの製品の回収等をなされた。この回収なされた製品はどういうふうな処分になるのですか。これはすべて廃棄させてしまうのですか。あるいは聞くところによりますと、いろいろなブローカーが暗躍しておる、あるいは菓子業者がそれを買い入れようとして動いておる、密輸のブローカーがいろいろに動いておるというようなうわさもあるのですが、この回収品はどういうふうな処分にすることになっておりますか。

楠本正康厚生省公衆衛生局環境衛生部長

○説明員(楠本正康君) これらはもちろん廃棄処分をいたします。ただ廃棄の方法をいかにしたらいいかという点を目下研究をいたしております。ただ何分にも最近になりまして検察当局からこれを動かしあるいは廃棄処分することの許可を得ましたために、目下研究をいたしておる次第でございます。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 関連して。この前の委員会でも言いっぱなし聞きっぱなしみたいになっておりましたが、私はそれに対する的確な御答弁があるものと思って聞いておりましたが、ただいま松岡委員から指摘されたように、まだこの前のような答弁をされておる。松岡委員の言われておることが間違いであるか、あなた方の言われておることが間違いであるか、はっきりしていただきたい。あなた方はこの前でもこの薬品はこれは分析の結果そうじゃないのだということを松岡委員から突っ込まれたときに言っておられる。それにもかかわらず第二燐酸ソーダ、第二燐酸ソーダということを言っておられる。これを今突っ込まれておりますけれども、何らそれに対する的確な答弁をされておらない。それから先ほどの部長の答弁でも、製品の七割はこれは粉乳に使った、あとはバター、その他に使ったのだ、こういうことを言っておられる。榊原委員はこの五割はお菓子やバターに使っておる。そうすれば五割の品物は毒の入っているものを国民は使っておる、こういうことを指摘されておる。そういうものに対してどういうふうにお考えになっておるか。ただいまの答弁が正しいとするならば、あなた方の調査不十分で三割は国民が食ってしまった、こういうことになるわけです。あるいはまだ残っておるかもわからない。そういうものに対してどういう対策を持っておるか。あるいは第二燐酸ソーダであったかどうか、そういうことをはっきりここで言われなければ、何回指摘されても今まで通りの答弁をされたのではほんとうに真剣な答弁にはならない。政府当局はまだまだもやもやしたところがある。はっきりそこのところを答弁願いたい。

山口正義厚生省公衆衛生局長

○説明員(山口正義君) 今回の第二燐酸ソーダ、実際は第二燐酸ソーダでないのにまだ第二燐酸ソーダと言っておるというお叱りでございますが、これは今回森永において第二燐酸ソーダを使いましたということで、それからその仕入れました表示等を見まして第二燐酸ソーダというふうに書いてございましたので、私ども第二燐酸ソーダとして最初から取り扱っておったわけでございます。しかしながら分析してみました結果、先般も御報告申し上げましたように第二燐酸ソーダはごく一部であって、主成分は第三燐酸ソーダ、それに砒酸ソーダが相当量まじっておるというようなものでございますので、正確に申しますれば、第三燐酸ソーダと砒酸ソーダと第二燐酸ソーダの混合物というふうに言うべきかと、今回の使われましたものはそういうふうに表現すべきかと存ずるのでございますが、従来からいわゆる今回使いましたのは第二燐酸ソーダというふうに言われておりましたので、私そういう表現を使っておりましたので、二十八年の四月からずっと使われておりましたのはおそらく普通の第二燐酸ソーダだと思うのでございますが、今回の四月から使われましたのは第三燐酸ソーダ、砒酸ソーダ、第二燐酸ソーダの混合されておったものというふうに考えるべきだと、そういうふうに存じております。ただ便宜上、いわゆる第二燐酸ソーダという表現を使わしていただいておったわけでございまして、これは普通の第二燐酸ソーダとは違うということははっきり申し上げ得ると思うのでございます。  それから松岡先生から御指摘の試薬一級品というふうに考えるべきであるというふうな御指摘でございます。森永の方におきましても、これは試薬一級品というつもりで買っておったということでございますが、しかしこれはその方の技術の者に私確かめましたのでございますが、試薬一級品というように言われるものならば、粗末な木箱入にするということは普通ないというような報告を受けておりましたので、先ほども申し上げましたように、工業用という表示はございませんでしたけれども、私そういうふうに解釈して御報告申し上げたわけでございます。

松岡平市自由党

○松岡平市君 関連して。あとで木箱に入っていたとかいうことについてはまた申し上げますから……。

山口正義厚生省公衆衛生局長

○説明員(山口正義君) 御答弁を落しましたが、これは先ほど環境衛生部長からお答え申し上げましたので、環境衛生部長から重ねてお答え申し上げるのが筋かと存じますが、調製粉乳と練乳との関係でございますが、森永の徳島工場で仕入れました原料乳を二通りに分けまして、そうして調製粉乳の方とそれから加糖練乳の方と二つに分けて作っております。先般楠本部長から榊原先生の御質問に対してお答え申し上げました際に、仕入れました原乳の全部にすぐにいわゆる今回の第二燐酸ソーダをまぜたというふうな表現になっておりましたので、その点楠本部長からも訂正してお答え申し上げたわけでございますが、一部には、一部と申しますか、調製粉乳の方には第二燐酸ソーダを加えました。それから加糖練乳の方の原料乳には加えておりません。従いましてそちらには第二燐酸ソーダは入っておりません。それでできました製品につきましては、加糖練乳の方を調べてみましたところが砒素は検出されておりません。それから調製粉乳の方はたびたび申し上げておりますように砒素が検出されております。従いまして、加糖練乳をお菓子の原料に使ったのでございますけれども、そちらの方には砒素がまじっていたという心配がないというふうに考えたわけでございます。

山下義信日本社会党

○山下義信君 一つだけ。ほかの人の質問はあとでして下さい。  私は最後に——実はお尋ねしたい問題がたくさんあるのでございますが、すべて次回に保留いたしておきます。それで一つだけ伺いたいのは補償の問題ですね。五人委員会を作ったということはこれは後日問題になると思うのです。それで五人委員会の裁定というか、あっせんというか、それが被害者の満足する状態であれば、それは事柄は一応補償のことは済むかわかりませんが、済まなかったら、五人委員会というものを作ったということ、これを厚生省がそういうものを森永の依頼に応じて作ったということ、これは後日問題になるだろうと思う。五人委員会というのは一つの仲裁ですね、非公式の仲裁です、話し合いの仲裁ですね、法律的の訴訟その他によらないで一つの話し合いでまあつけようという仲裁でしょう。仲裁なら双方から頼まなければならない。一方の森永の方からだけ頼まれて、そうしてすぐそれに応じてこの種の委員会を作って、ここで補償の金額をきめていく、森永は順奉するでしょう。従いますと言うでしょう。被害者は従いますというげたを預けてはいないのでしょう。およそ仲裁というものは双方から白紙一任します、無条件一任いたしましようと言うて立つのがこれは仲裁というのだ、一方からだけ頼まれてそうしてこういう機関を作って、これを社会に発表して、いかにも権威ある仲裁機関のごとくに社会に印象せしめて、ここできまったものをそれが不満足であっても被害者をして泣き寝入りさせようというような行き方というのは、考え方というのはこれは後日私は非常に問題になると思う。しかしこのことは今言いませんが、この五人委員会の経過はどうなっておりますか。この報告書には第一回は森永から依頼を受けてそれから五人委員会で経過を説明した、第二回は何日に会合を開いたと、先般衆議院の社会労働委員会では、何か新聞で見るというと、今月中に結論を出すとかどうとかいうことを政府側は答弁をしているということでありますが、経過はどうですか。どういう経過になっておりますか。また見通しはどうでありますか。先般被害者の代表者等が出て来て大へんここで陳情もあったように不満足な状態、不安な状態で帰っている。全国の被害者が非常に不安な心配をしている状態であると思われる。この五人委員会を作った経過などはもうようございすから、これは後日追及しますから、とりあえずせっかく作っている五人委員会でどういう話し合いが進みつつあるか、どのくらいにしようという話し合いが行われつつあるかという現在の段階、これを一つ伺いたい。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 これは次官から答えてもらおう、政治的な問題だから次官にお答えしてもらわなければいかぬ。

山下義信日本社会党

○山下義信君 せっかくまあ阿具根君の御注意でありますが、一応公衆衛生局長から、五人委員会が今話し合っておる経過などはようございますから、大体どの程度の補償をしようという腹がまえでこの委員会の話し合いが行われておるかという実質的な報告をして下さい。

山口正義厚生省公衆衛生局長

○説明員(山口正義君) 経過は省略せよとのことでございますので詳しく申し上げませんが、ただいままで数回関係者の意見を聞いておられまして、ただいま山下先生の御質問の点の、どの程度の額に落ちつけようかということにつきましては、まだそういうふうな具体的なお話が出ておるというふうには私ども伺っておりません。現在実情をいろいろ調査されて資料をお集めになっておるという段階だというふうに承知しております。

山下義信日本社会党

○山下義信君 資料を集めているというのは被害者の数とか、そういうふうなものの資料を集めておるということですか。

山口正義厚生省公衆衛生局長

○説明員(山口正義君) そういう数字的なものもございますが、関係者、たとえば医療に当られた医者、それから被災者の家族、遺族、あるいは学識経験者、それから地方の行政当局の者、こういうような者を集められて事情を聴取しておられるわけでございます。

山下義信日本社会党

○山下義信君 そういうことをやっておるということになると、今月中に済みますか。

山口正義厚生省公衆衛生局長

○説明員(山口正義君) これはもう十分資料なり、あるいは意見を聴取されてきめていただかなければならないというふうに私どもも希望いたしております。ただ先般来、早くそういう補償の線を出すべきではないかというような御意見も出ておりますが、私どもの方からはなるべく早く結論を出していただきたいということをお願いしてございます。しかしお急がせしたからといって、不十分なことでやっていただくはずはないと思いますし、またそうあるべきではないと存じますが、先般、いつごろ結論が出るお見込みでしょうかというふうなことを非公式に伺ってみましたところ、大体今月一ぱいぐらいたったら結論が出るのではなかろうかというふうなことをお漏らせしたわけでありまして、はっきり今月中というふうな御意見ではございませんでした。

山下義信日本社会党

○山下義信君 この種の被害に対する補償の何か基準になるべきようなものの資料といいますか、そういうものを集められて、この委員の諸君に参考資料として当局は何か出しておりますか。あるいは当局の行政上の立場から、どの程度が適当ではないかといったような、そういうような参考意見を出しておりますか。

楠本正康厚生省公衆衛生局環境衛生部長

○説明員(楠本正康君) ただいまお話しのございましたような資料も要求をされまして、私どもといたしましては、昭和二十三年、京都で起きましたジフテリア予防接種事件のときのてんまつにつきまして、資料として提出をいたしました。なお同様の事件の処理についてもいろいろお話しもございました。ただ国鉄関係の資料につきましては、これがいまだ公表されていない関係もありますので、特に資料としては出してございません。

山下義信日本社会党

○山下義信君 今おっしゃったような前例は、これは不可抗力の遭難事件であってみたり、あるいは、全く過失に基いて製造上遺漏があった、それに基く一つの奇禍であったり、そういったような従来行われたこの種の補償額というものは、大して私は参考にならぬと思うのですが、そういうことでなくして、非常に相手方の不道徳な、あるいは重大な不注意等によってかもされたる損害に対する補償は、これはそういったような従来ありきたりな方面の、名目的な、僅少なる額であったような事例でなくて、もっと民間でもたくさんあるでしょう。あるいはまた労災関係といいますか、そういったようなもののまた基準もあるでしょう。いろいろあるでしょうと思うのでありますが、政府はそういう点は何か御調査になりまして意見をお出しになっておられますか、どうですか。あるいは被害者の方の要求などというものも、委員の諸君に出しておりますか。

山口正義厚生省公衆衛生局長

○説明員(山口正義君) ただいまの被害者からの要求、もちろんこれは委員会の方には出ております。またいろんな民間の事例等、私どもの方に要求されましたのは、政府関係のものを要求されたのでございまして、民間のいろんな事例につきましても、これはその方面の専門家も入って、専門家と申し上げては失礼でございますが、そういう事例をよく御承知の先生方も入っておられますので、その委員会の手でいろいろお集めになって御判断いただくということになっておるわけでございまして、私どもの方といたしましては、資料を要求したときに、できるだけ協力していろんな資料を出してくれるようにという御要望が出ておりますので、御要望がありまする資料はそのように作っておるわけでございます。

山下義信日本社会党

○山下義信君 最後に政府の態度を御賛同いたしますが、政府は被害者へ十分一つ責任を持って心配してやろう、もし森永の賠償額が不十分ならば、政府としても考えなければならぬ、というようなことを、厚生大臣がここにいないから確かめることをできないが、そういうことを言明しておると私は新聞紙上でも見て、ここに記事も抜萃してきておる。この被害者に対して政府はどういう誠意を持ってやろうとしておるのか。この五人委員会の意見というものはまあ有力な参考であろうが、何ら裁判の判決ではないから、服従する義務はないが、有力な意見であろうが、被害者が相当満足するような結論を出すように、政府は心配しておるか、またそういうことに対しての確信があるのかどうかという点について、政務次官御承知であるならば一つお答えを願いたい。

紅露みつ日本民主党厚生政務次官

○説明員(紅露みつ君) この補償の問題につきましては、厚生省といたしまして非常に心配しておるところでございまして、被害者の側からの要望も十分聞いておりますので、これがだんだん御指摘の通りほんとうに過失によるか、あるいは不可抗力であったとかいり種類のものでございませんので、森永もその覚悟をしておるようでございますが、厚生省といたしましては、十分被害者の納得のいく線に補償を持っていけるように協力をして参りたいと、かように考えておる次第でございます。

山下義信日本社会党

○山下義信君 私の質疑はまだ尽きませんが、時間の関係やいろいろなことであとは保留しておきます。  ただ私は政府に注意しておきたいと思いますことは、この種の大事件がいかなる理由によるか知りませんが、世論の追及というものが次第に影をひそめてきてぼやけてきており、たとえば新聞紙などもあまり大きく取り上げないくらい追及の手をだんだん加えないこの原因はどこにあるかということは知る人ぞ知るで、そしてだんだん被害者はこれは数府県に散在しておりまして、そうして力を合せてというようなことは、被害者同盟という名だけは作っておるが、なかなか容易にできないくらい弱い。そして一方は巨大資本を持っておるところの大資本である。いつのうちにかだんだんだんだんぼやかされてきたりして、たとえばこの被害者が多数出ておるところの各府県においては、死亡確認については審査会を設けたり、いろいろなきびしいことをやっておって、そうしてなかなか被害者に対する圧迫というか、きびしい制限というか、ワクというか、そういうものを加えてきたりしておるということであります。冒頭に申し上げました五人委員会の設置等も、これも厚生省がよほど力を入れて委員の人たちにも結論の出るまでに懇談され、尽力を懇請されて、今政務次官の言われたような線に、何もそういう人たちの判断を無理に曲げて要請する必要もないでありましょうけれども、十分の御尽力がなけらにゃいかんのですね。先ほど政府がおっしゃった世界にまれなこの事件の跡始末としては、私は非常に不安なものがあるんですが、私は他日機会をいただきまして、さらに追及したいと思います。被害者の補償いまだ済まざるのに何の何がしの何の表彰式ですか。この問題がすべて済んでからでも表彰はまだおそしとしない。何の表彰式ですか。せっかくの私はよいことにきずをつけたいと思いませんが、当り前のことです。それ以外の小児科の医師は何をしておったのか、私はしろうとでありますが、数カ月も同じような症状の不思議な赤ちゃんが二人も五人も七人もきた、どの病院でも保健所と連絡し衛生部とも連絡をやらなければならぬのに、患者が発生したのが五月か六月ころで、二カ月も三カ月も放っておいて七人も八人も同じ症状の体に斑点——しろうともわかるような不思議な斑点が出るような赤ちゃんが五人も十人も病院にやってきても、それを究明しようというようなことをしなかったそれらの怠慢な無能な医師こそ処罰すべきであって、その原因を究明したり探究したり、これは医者としてあるいは病院として当然のことが、偉大なる大発見でもないですよ、それは原因がわかったということだけの当り前のことだ、それを表彰する。そして、こういうような赤ちゃんが不思議な症状を呈してきて、たった一人、二人来たのならこれはわからぬということがある、一月に来て八月に来たというならわからぬでしょう。しかしどかどかと一つの病院に十人も十五人も行っている。しかるにその原因の探究というようなことを怠ったそれらの医師こそ処罰すべきです。しかるに一方当り前のことをしたのにぎょうぎょうしく時を移さずに表彰する。被害の片をいつまでもつけずにおいて、なぜ医師の表彰式などしたのです。被害者の補償が済んで、死者の霊もとむろうて、遺族の涙もおさまって、この事件の跡仕末がついて表彰式をやってもおそしとしない。何でもかんでも勲章を乱発するなんということは何たることですか。そうして被害者は五万円か三万円のはした金で泣き寝入りをしている。それで慰撫あっせんに努めているということは一体何です。これは私はもっと厳粛に一つ政府は考えて、そうして善後措置その他につきましても、国民の納得するような、安心してこれからあらゆる栄養品なり、食品なりがいただけるように、私は一段の御奮発を願いたいと思います。その他の善後措置、あるいは法律関係、あるいは行政強化の対策等につきまして、他日私は質問させていただきます。

小林英三自由党

○委員長(小林英三君) 他にも御質問があると思いますが、本問題に関しまする本日の質疑はこの程度にいたしまして、他は次回に譲りたいと思いますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小林英三自由党

○委員長(小林英三君) 御異議がないものと認めます。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時二十四分散会

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