社会労働委員会 閉会後第1号
- 発言数
- 149 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1955/11/11
会議録
○委員長(小林英三君) それではただいまから社会労働委員会を開会いたします。 初めにお諮りいたしますが、本日は調査事項が多量でございますので、派遣委員の報告につきましてはなるべく簡単にお願いすることにいたしまして、でき得れば地方の要望事項等で、重点的事項につきまして質疑応答を願って、それぞれの報告書の全文は速記録に掲載してごらんいただくことにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小林英三君) 御異議ないと認めます。それでは報告のある委員の方は要点のみを簡単に御報告願いまして、報告の全文は速記録に掲載することに決定いたしました。 ただいまの決定に基きまして特に地方の要望等につきまして、重点的に補足したいという希望がございましたらどうぞお願いいたします。——それでは別にないようでございますから、皆さんの報告書の全文を速記録に掲載することにいたしまして、次に、移りたいと思います。 —————————————
○委員長(小林英三君) 次に社会保障制度に関する調査の一環といたしまして、食品衛生法及び栄養改善法の改正に関する件を議題といたします。 まずミルク中毒事件につきましてその概要、経過、それに対する補償の関係、及び今後の対策等につきまして、厚生省の当局から説明を願います。
○説明員(山口正義君) 先般森永乳業株式会社徳島工場で製造されました粉乳によりまして、多数の中毒患者が出ました。また多数の死者が発生いたしましたことは、その原因が食品にございまして、ことに乳幼児の主食と考えられます乳製品にございましたので、食品衛生を監督いたしております私どもといたしまして、まことに申しわけない事態の出来いたしたことと存じておるわけでございます。 ただいま委員長からのお言葉によりまして、私から今回の中毒事件につきまして概要御報告を申し上げさせていただきたいと存じます。私どもが今回の中毒事件の情報を最初に入手いたしましたのは本年の八月二十四日でございまして、岡山県衛生部から電話連絡がございましたのでありますが、その情報といたしましては、本年の六月ごろから岡山地方に乳幼児に一種原因のはつきりわからない症状のある患者が相当数発生しているという状況であったのでございますが、その八月の二十四日近くになりましてから、だんだんその様子がわかって参りましたので、その状況を報告して参ったわけでございます。症状といたしましては、各家庭の人工栄養児に限られておりまして、共通症状としまして発熱、それから皮膚が黒くなる、下痢が長期持続する、食慾が減退する、顔面が蒼白になって貧血症状を呈してくる、全身の発疹を起す、また肝臓が肥大して触れるようになるというような症状を伴った赤ちゃんが、たくさんお医者さんの手にかかっているということでございまして、そうしてそれをいろいろ疫学的に検討してみました結果、いずれもドライミルクを使用しておった子供である。そうしてさらにそのドライミルクの疫学調査を進めて参りますると、森永乳業の徳島工場の製品を使っておった者にそういう症状が出ている、こういう結果がだんだんはっきりして参ったそうでございます。そこで岡山大学の法医学教室において、その徳島工場製造のドライミルクを検査いたしましたところ、砒素を検出をいたしましたので、どうも砒素の中毒症状だろうという判定が下されてきたのでございます。そういう情報が厚生省に八月二十四日午後になりまして岡山県衛生部から入って参りました。直ちに厚生省におきましては、全国に電報を打ちまして、徳島工場の製品全部販売停止をするというような措置をとったわけでございます。なお直ちに報告を受けました症状その他のことにつきまして、詳細に速達便をもって各府県に通達を出したわけでございます。と同時に、その原因と思われまする徳島工場の製品を数カン国立衛生試験所にとり寄せまして、そうして検査をするということにいたしたのでございます。もちろん厚生省からは直ちに現地に技官を派遣いたしまして、一人は岡山へ、一人は徳島へというように出したのでございます。それから当時出張に出ておられました厚生大臣がすぐ岡山へ行って、患者の様子を見回り、政務次官はその製品を作りました工場の所在地でございます徳島へ行きまして、現地をいろいろ視察しておるわけでございます。詳細に時を追って御報告を申し上げておりますと非常に長くなりますので、要点だけをかいつまんで御報告さしていただきたいと存じますが、そういう状況でございましたので、とりあえず私どもその患者の発生状況を直ちに各府県から情報をとったのでございますが、その状況から見て最初岡山から報告して参りましたように、森永の徳島工場の製品によるというような推定が行われたのでございます。患者の発生の分布状況から見て、そういうふうに考えられたのでございまして、森永乳業といたしましては、徳島工場のほかに、松本工場、平塚工場、福島工場とほかにもございますが、患者の発生状況から見まして、徳島工場で製造されたものを飲用したものにこの患者が発生したように思われましたので、そこに重点をおいて調べたのでございますが、もちろん他の工場の製品、それから森永以外の会社の製品についても衛生試験所その他でいろいろ検査をいたしたのであります。結論的には一時ほかの工場の製品からも出たというような情報も入ったのでございますが、詳細に調べてみました結果、現在までのところ、森永の徳島工場の製品からだけ砒素が検出されておりまして、そのほかの会社あるいはそのほかの工場の製品からは砒素は検出されておらないのでございます。それでどういう経路でその森永の徳島工場の製品に砒素が混入したかということにつきまして、二十四、二十五、二十六日ぐらいの当初におきましては原因を探究することができなかったのでございまして、二十五日には、徳島からこの調製粉乳に添加いたしましたカルシウムの中からごく微量の砒素を検出したというような情報もございましたので、そのカルシウムの製造工場でございます群馬県の白石工場の製造状況なども視察をいたし、また、そこで作られましたカルシウムの製品につきまして砒素の検出というようなことを試みましたし、またその出荷状況などもいろいろ調べて見たのでございますが、結果的にはそのカルシウムからは砒素は国立衛生試験所で調べました結果、砒素は検出されません。また製造状況からみましても、そういう疑いがあまりないというような状況になったのでございます。ところが二十八日になりまして、私ども報告を受けましてから四日目になりまして、森永乳業の徳島工場で調製粉乳の製造過程において、安定剤として使いました第二燐酸ソーダの中から砒素が検出されたという報告に接したのでございます。それで最初どこで砒素が入ったかということがはっきりわからなかったのでございますが、二十八日になりまして、この砒素はその徳島工場で製造過程中に用いました第二燐酸ソーダの中に砒素が混入しておったんだということがはっきりいたしまして、そこから粉乳に入ってこのような大事件を引き起したというようなことが明らかになったわけでございます。 そこで私どもといたしましては、直ちに各都道府県に通達を出しまして、省令五十二号に定める乳製品に入れます添加物につきましては、局法の規格に合致するもの、または特に厚生大臣の承認したものを使用せしめるように厳重に指導されたいという通達を出して、とりあえずの措置をとったわけでございます。それでその旨を各府県にも第二燐酸ソーダからそういうことになったんだということを通達いたしまして、それから患者の検出につきましても大体以上のような経過からいたしまして徳島工場の製品ということが大体しぼられて参りましたので、徳島工場の製品を飲んだ子供さんについては、たとえ現在症状が出ていなくとも一週間ないし十日飲んだ人は一応保健所なりあるいはそのほかの医療機関で健康診断を受けて、中毒症状が出やしないかということをよく調べてもらうようにという通達を出したわけでございます。そういうふうに片っ方に行きまして患者の検出に努めますと同時に、とりあえず、また同じようなことが起っては困りますので、地方に対して通達を出したわけでございます。 それからその第二燐酸ソーダはどういう経路で森永の工場に入ったかということにつきましては、森永の徳島工場が、徳島にございます協和産業という会社から購入したのでございまして、その協和産業は大阪にございます松野製薬から購入しておるということがわかったのでございまして、その第二燐酸ソーダは四月の十日と、五月の十日、六月八日、七月三十一日というように、四回にわたって徳島工場に入荷されておるわけでございます。 それからこの第二燐酸ソーダに含有された砒素による中毒ということが確認されましたので、私どもといたしましては徳島県知事に対しまして、森永乳業の調製粉乳事件について、衛生部長において徳島工場長を、食品衛生法第四条違反として直ちに告発するようにという措置をとったわけでございます。 それから先ほどとりあえず通牒で出しておきました措置と同様の趣旨に基きまして、厚生省令を昭和三十年八月三十日付で乳及び乳製品の成分規格等に関する省令の一部を改正いたしまして、調製粉乳等の乳幼児の主食となる乳製品に添加するものにつきましては、薬事法に規定する公定書に収載されている医薬品または厚生大臣の承認を得たものでなければ使用してはならないというふうに省令を改正したわけでございます。 それから行政措置といたしまして、八月三十日森永乳業の徳島工場に対しまして、徳島県知事をして営業停止処分を行わせることとしたのでございまして、九月の十五日から三カ月間営業停止処分を徳島県知事にとらせるということにしたのでございます。とりあえずまあそういう行政的な措置をとったわけでございますが、私ども今回まここにこういう遺憾な事件が起りましたにつきまして、まず第一に考えなければなりませんことは、このお気の毒な被災者に対して、その医療に手落ちのないようにしなければならないということを考えたわけでございまして、その点につきましては私ども報告を受けますと同時に、各府県に先ほど申し上げましたように患者の検出に努めますと同時に、検出されました患者につきましては、それぞれの医療機関において、できるだけ最善の治療を講ずるようにという指示をいたしたのでございます。この医療の問題と、それから次に起って参りますのは、被災者に対します見舞金あるいは死者に対する弔慰金というような問題が起ってくると思うのでございますが、それはいずれどうしても考えなければならない問題でございますが、当初におきましては、とりあえず患者の医療ということに全力を注いでやるようにしたわけでございます。 それからもう一つの問題は、今回の事件にかんがみまして、私ども食品衛生を担当しております者といたしまして、食品衛生の指導監督の面から、あるいは法の規定の面、あるいは法の運営の面から今後二度と再びこういうことを起さないようにするためにどういう措置をとるべきであるかという点についていろいろ検討しなければならないということになるのでございます。 それでまず医療の問題、それから弔慰金あるいは見舞金の問題、それから食品衛生法並びにこの衛生に関する指導監視の問題、この三つに分けて御報告申し上げたいと存ずるのでございます。なお申しおくれましたが、患者並びに死者の数につきましては、今まで私どもとして発表しております数字は、死亡者が六十二名、それから患者が九千七百六名というふうに今まで御報告申し上げておりますが、しかしこれはあとでも申し上げたいと存じますが、診断基準というものを小児科の専門の先生方にお願いして作っていただきましたので、この死亡者の数あるいは患者の数というものはある程度動いてくるというふうに考えられるのでございます。しかしこれもあとで御報告申し上げたいと存じますが、小児科の専門の方々、日本医学会の小児保健学会の方々から私どもにいただきました御報告によりますと、患者は大部分よくなっておって、後遺症の問題も、これはあとで申し上げたいと存じますが、そう心配はないのではないかというような御報告を受けております。その衝にお当りいただきました医療関係者の御努力によりまして患者はおおむね良好の経過をたどりまして、現在入院されておる方も非常に数が少くなりましたということは私ども不幸中の仕合せだというふうに存じておるものでございます。 それで医療につきましては、どういうことをいたしましたかと申しますと、医療につきましては、全部医療費は森永において負担する、これは事件が起りましてから間もなく私どもの方に森永の方からも申し出がございまして、私どもの方から各府県に通知を出しまして、また日本医師会の方にもその旨お願いをいたしまして、日本医師会の御協力を得るようにしたのでございまして、ただいままでのところ、医療費の問題につきましては、大体順調に行われておるというふうに伺っておるのでございます。ただ細部の具体的な問題につきまして、いろいろ患者側の方に御不満の点があって、私どもいろいろ陳情を伺っております。私どもといたしまして、何はともあれ、これらの犠牲者の方々が医療に事欠くことがあっては絶対困るというので、その点は森永本社に対しても強く指示をいたしております。患者側の方から陳情を受けますたびごとに、その実情について森永の方に指示をいたしまして、森永もそれに基いて私どもの指示あるいは患者からの要求に応じて、医療についてはいろいろ手を打っておるのでございます。 それから医療につきまして、今回の中毒事件は、わが国はもちろん今まで前例のないことでございます。イギリスにおいてビールによりまするこの砒素中毒が多数出たということは文献にあることでございますが、前例のないことでございますので、初め診断に非常に各医療機関において苦労をされたということを伺っております。またどこをもって治癒したかというふうなきめ方、あるいは後遺症についてどういうふうにあと考えていかなければならないかということは非常に専門的な問題にわたりまするので、私どもといたしましては、日本医師会を通じて日本医学会の小児保健学会の御意見を伺っておったわけでございますが、小児保健学会におきましても専門家の先生方、この患者たちの治療に当られた専門家の方々にお集まりいただいて、診断についてこういう症状を呈した者を今回の中毒患者と見なすべきであるというふうな御答申もいただいておるわけでございますので、それを各地方庁に私どもの方からまた通達を出しまして、そうして今まで扱われておりました患者について漏れておる者はないかどうか、あるいは誤診、誤診と申し上げてははなはだ失礼でございますが、考え直す点がありはしないかというようなことをもう一ぺん検討していただくということで、各地方庁に通達を出しておるわけでございます。従って先ほど申し上げました患者並びに死者の数字がある程度変るということを御了承をお願い申し上げたいと存ずるのでございます。 それから問題になります後遺症につきましては、専門家の小児保健学会から御答申をいただいた内容によりますと、現段階における所見、たとえば眼底所見でございますが、眼底所見あるいは肝臓障害などが後遺症となり得るかどうかということはまだ断定し得ない。従いまして今後経過を見ていただくということになっているわけでございます。これらの後遺症に対する措置、つまり医療並びにその他のいろいろな措置につきましても、森永本社において全部負担をするということになっておるのでございまして、具体的な措置といたしましては、その後遺症の残る疑いのあるというようなものにつきましては、定期的な健康診断をするということ、あるいはそれについて医療の必要があれば、もちろん医療を行わなければなりませんし、作業能力などに障害が参りますれば、それに対する措置は当然とっていかなければならないというふうに考えておるわけでございます。 それから患者あるいは死亡者に対する見舞金、補償金というような問題につきましてでございますが、これは事件の発生いたしました当初におきましては、たびたび申し上げておりますように、医療に重点をおいて行なっておりましたので、差し当って具体的にどうこうということがなかなか取り上げられにくかったのでございまして、とりあえず森永といたしましては、入院しておられる患者に一万円、それから通院患者に三千円というようなことでお見舞を出しております。それからなくなられた方には十万円ということでお見舞を出したそうでございます。しかしその後通院されておられる方々は、三千円ではどうもまだだいぶ日にちがたってきて、いろいろの費用の点において足りないというようなことがございましたので、それをさらに五千円に増額したということでございます。 それからこれは医療の方で申し上げるべきことかと存じますが、入院されておる方には、つき添いの費用として四百三十円、それから通院の方には一日について百五十円を出しているということでございます。このただいま申し上げましたことは、医療の際に申し上げなければいけなかったかと存じますが、つけ加えさしていただきたいと存じます。 それで見舞金、補償金というような問題につきまして、これは民間の会社の製品が原因になって起ったことでございますので、被害を受けられた方、それから森永会社と当事者同士いろいろと話し合っていただくのが筋だと思っておったのでございますが、なかなか話し合いがうまくつきません。私どももあまりこれの問題が解決しなければ、何かあっせんをしなければならないのではないかというふうに考えておったのでございまして、厚生大臣もそういう意思を表明しておられたのでございますが、先般森永の方から、何かこの補償問題について指示を仰ぎたいということを言って参ったわけでございます。そこで私どもといたしまして、ちょうど私どもも何かあっせんの労をとらなければならぬというふうに考えておりましたときでございますので、私どもの方といたしましては、考え方といたしまして、中立的な立場にあられる方と、それから被災者の方々、それから森永の当事者、その三者の方方に入っていただいて、いろいろ話し合いをして、一つの線を出していただくということも一つの考え方かと存じます。またあるいは、これはほかでもいろいろ御要求がございましたが、厚生省が何か一つの線を出したらどうだというふうなお話もございました。しかし私どもといたしまして省内でいろいろ検討いたしました結果、この問題はどちらの利害関係でもない純然たる第三者の方に一つの線を出していただくのがいいのではないかというふうに考えまして、一応中正な方々、人数といたしましては三人、五人、七人、あるいは十人、いろいろな人数が考えられると思うのでございますけれども、一応五人くらいの方にお願いして、何か線を出していただいたらどうかということに省内で意見がまとまりまして、それでその五人の方はどういう方方をお願いするかという点についても検討したのでございますが、法律に明るい方、あるいは医学者の中から一人、御婦人の中から一人、それから新聞関係の方から一人というようなことを考えたらどうかというようなことで、先般新聞にも発表いたしましたように、山崎佐、正木亮、内海丁三、小山武夫、田辺繁子、この五人の先生方に何か一つの線を出していただいたらいいのではないかという結論に達しまして、その方々にお願いをしたわけでございます。その先生方も、自分たちの一応出した考えを森永が正しく守ってくれる、それから厚生省もそういう一応結論が出たならば、それをできるだけ実施させるように厚生省も努力するならば、自分たちはそういう結論を出すことを引き受けてやってもいいというふうなお話しでございますので、その線で現在五人の先生方にいろいろ検討していただいておるわけでございます。もちろんこの五人の方々のお集まりは、決して法令の根拠に基いて設けられたものでもございませんし、また森永本社の機関でもございません。あるいは労働争議の調停を行う労働委員会のような仲裁機関でもございません。もっぱら社会的に妥当な線を出していただく事実上の組織というふうにお考えいただきたいと存ずるのでございます。それでその五人の先生方は、今まで数回お集まりいただきまして、この五人の先生方の中には、現地へ行かれて患者の様子をよく御存じの先生方もございますが、まだそうでない方が大部分でございますので、関係の方方、つまり診療に従事したお医者さん、あるいは被災者の遺族、学識経験者、あるいは府県の行政当局の人たちというものをお呼びになりまして、いろいろ資料をお集めになっておるわけでございます。私どもといたしましては、まあなるべく早い機会に結論を出していただきたいということをお願いいたしておるわけでございます。いずれそのうちに妥当な線を出していただけるのではないかというふうに期待いたしておるわけでございます。 補償の問題はそういうことでございまして、最後に食品衛生の行政について、今後二度と再びこういうことを起さないようにするのにどういうふうな措置をとっていくべきかという問題でございます。その点につきましては、とりあえずの通牒とか、あるいは省令改正等をいたしておりますが、根本的に食品衛生法というものをこの際再検討すべきであるという御注意もしばしばいただいておりますので、それを拝見しながら私どもの方で現在食品衛生法の改正という素案をいろいろ検討いたしておるわけでございます。まだ案として今日御報告する点までにはなっておりません。もちろん案ができますれば国会でいろいろ御審議をお願い申し上げなければならないのでございますが、現在のところ、省内でどういうふうに今後やっていくべきかということを検討いたしております段階でございます。非常に長時間をとらしていただきましたが、以上をもちまして、今回の事件の発生から患者の状況、それから医療の問題、補償の問題、食品衛生の問題についての私どもの考えております点を御報告させていただいたわけであります。
○委員長(小林英三君) ただいまミルク中毒の問題につきまして、山口局長から経過の報告があったのでありますが、この際速記をとめて皆さんにお諮りいたしたいと思いますことは、森永ミルクの被害者同盟全国協議会副委員長の岡崎君、それから保田君、徳島県同盟代表の岩橋君、死亡者遺族代表の佐藤君等がぜひ一つ委員会にこの問題について陳情申し上げたいことがあるということを委員長に対して言ってきております。私は本問題の審議にも——調査にも参考になると思いますから、ぜひ皆さんの御異議がなければ、この機会に二、三分速記をとめたまま陳情さしたいと思いますが、いかがでございましょうか、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小林英三君) それでは速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(小林英三君) 速記を始めて。
○横山フク君 今度の事件の起きましたことは私どもとして非常に残念でございます。そうして患者の方、死亡された赤ちゃんに対しては非常に心からおいたみ申し上げるわけでございますが、こういう問題が起って今局長さんのお話では、医療関係についてはこまごまとお話しがございましたけれども、私は残った処置に対してもちろん万全を期していただかなければなりませんけれども、この根源です。三月に雪印の問題が起きまして、九月にまたこの問題が起きましたけれども、これは決してこれで跡を断つという筋ではない。私の存じておりますところでは、農林関係の方に、今度の問題に対してどういうお話し合いをなさったか、それを伺いたいと思います。もとを言いますると、食品衛生法でもばい菌は四百万以下、それから〇・一八%以下ということに酸度並びにばい菌についてのことがきまっておるわけでございます。しかしそれが実際に施行になっているかというと、今度の徳島の工場に入っているミルクにつきましても、ばい菌は二千五百万以上になっている。ひどいときには八月中には六千七百万以上になっている。こういう四百万を限度としているところを六千七百万からのばい菌がある。しかも酸度は非常に低くなって〇・一八%というのが実際にはそれ以下の一七%になっている。おそらく農家でも安定剤をすでに使っているということは言えると思うのです。そういう農家で安定剤を使っているような牛乳を集めてそれを処理しなければならぬというところに問題がある。そういう問題に対して農林省と何ら話し合いをなさらずに、末の食品衛生法をいじっておっても、こういう問題は私はとうてい解決できるとは思えない。しかも二十五年に高温殺菌については一時間後には冷却措置をするということが出ているのに、それを何かの事情で取り消された。こういうことはいつも問題を繰り返して、食品衛生法でなくて、その施行細則とか、取扱い方とかいったことに対して、いつも農林関係から押されておるところに、不良牛乳を持ってきておるところにこの問題の根源があると思うのですけれども、そういうことについてどういうお話し合いをなさったのか、今後なさろうとするのか、そこを伺いたいと思うのです。
○説明員(山口正義君) 日本の乳製品と申しますか、あるいは牛乳、そういうものの原料乳が非常に悪い。従って今度のような問題が起ったのではないかという御指摘でございますが、日本の牛乳につきましては、原料乳が非常に悪いということは、私どもも先生の御指摘の通りだと思うのでございます。私どもは日本の乳業あるいは酪農につきまして、その原料乳の品質の改善をはかるということについては、これはまず何より先にやらなければならない一番原因になることでございますから、先生の御指摘の通りの私ども考えをもって農林当局と機会あるごとに畜産局——直接には畜産局になるわけでございますが、そういうところと折衝いたしておるわけでございます。ただ現在の日本の酪農の状態からいたしまして、非常に小さな酪農家がたくさん散在しております状況から見まして、原料乳をよくするということには非常に困難を感じているということは事実でございます。私どもも機会あれば出かけていって、搾乳場等の様子を見て一そうして衛生的に支障のないように手を打ってもらうようにいろいろやっております。 先ほど御指摘の低温の殺菌の問題でございますが、殺菌いたしましてから一時間後に冷却するということにからむわけでございますが、これも原則はやはり現在の省令できめておりますように、低温殺菌をやる。ただ非常に地方に参りまして、事実上なかなかそれをやりにくいというようなところでは例外を認めるというような措置をやっているのでございます。そういう点につきまして農林当局の関係の人たちと話し合いをいたします際に、必ずしも意見の一致をなかなか見ないということも事実でございますが、その点は私どもの事情をよく話しまして、また農林当局の申します事情もよく聞きながら、できるだけ食品の衛生上支障のない線を出していくように努力して参っているのでございます。御指摘の原料乳が悪いためにいろいろな措置を講ずる。そのためにひいては今回のような事件が起ったというような御指摘、まことにごもっともでございまして、原料乳の改善につきましては今後とも——従来もやって参りましたが、今後とも農林当局とその点は十分相談しながらやって参りたいと存じます。
○横山フク君 今のお答えでございますけれども、機会あるごとにやっているというお話しですが、今度のことは非常にいい機会だと思うのです。で今度のことがあってから後どういうことをなさったか。農林当局にどういうお話し合いをなさったかということを私は伺っているのです。それをただ抽象的に、機会あるごとに話しているということだけでは私はおかしいと思う。いつこういう問題について、どういうお話しをなさったか。さっきも申し上げましたように、徳島工場にきているのは二千五百万以上、夏は六千七百万、十倍以上の細菌があるということがはっきり調べに出ているじゃないですか。四百万以上はいけないということになっているのに、六千七百万からの細菌があるということははっきりしたことなんです。こういうときにこそ私は農林省に対してはっきり言うべきだと思う。この間はあなたのほうでもって農林省に押しきられるところまで—すんでのところまでいったのじゃないか。そういうときには問題がなかったからやらないで、こういう問題が起ったときに初めてそこでぎゅうぎゅう押していくべきじゃないですか。それを私に言わせたら酪農家を保護することに重きをおいて、消費大衆についての保健衛生をあまり考えていない。そこに根本の問題がある。こういうときになぜそれを押していって、そして農家の牛乳はこういう状態にある、東京においては夏は六〇何%が適格牛乳じゃない。冬でも一八%はだめだというようなことを言っている。東京でもそれなのに、まして徳島県あたりはほとんどが六千七百万というような細菌が入っているということ、これをなぜこのときに農林当局に対して、世論が高まっている、そして世の批判が高まっているときに一言でもおっしゃったか。いつおっしゃったかということを伺いたい。細菌は多いけれども、酸度が低いということは農家でもって安定剤を使っている証拠なんです。ところが安定剤について何にもあなたのほうで話し合いがない。もっとも安定剤については必要不可欠なものとしてあなた方のほうで認めている。必要不可欠なものとして差しつかえないということが京都からの問い合せや何かについて出ているわけです。しかもその必要不可欠な安定剤として入れておいて、今度問題が起ったときに局方以外のものはいけないとか、厚生省の指示以外のものはいけないと初めて言う。そういうことに対して当然気を使うべきはずだったと思う。しかも森永のようなところに対しては、そういうことに対しての監督はできるでしょうけれども、農家でもって安定剤を使っているのをどこでお調べになるか、どこでもってそれを監督なさるかという問題です。今度の問題は徳島で起きましたけれども、岡山医大でもって発見されて初めてそれを知るということではおそいと思う。一体衛生監視員というのはどこにあるのか。ことに森永のような大きな工場には当然衛生監視員が行っているべきはずです。それは大きな森永だから信用している。衛生監視員はそれほど手が届かない。衛生監視員は末端の食料品屋さんのハエの処置のほうの監督や、手の洗い方の指導をやっているのだ。それならば衛生監視員じゃない。末端の食料品屋さんの少しくらいの不潔は波及する影響は少い。こういう森永のような大工場だからこそ影響が大きい。ところが徳島県で四月に入った安定剤、第二燐酸ソーダから起きているのが、それが八月二十四日に岡山で発見されるまで、徳島県で衛生監視員が何らそれに対して監視していなかった。私は伺いたいのですけれども、徳島県の県のほうから森永の製乳工場に対して衛生監視員が何回行っていたか。その間においていろいろな注意がどれだけあったか。その結果はどうであったかということの報告があるかどうか。あったらそれをお示し願いたいと思うのです。
○説明員(山口正義君) ただいまの衛生監視員の監視状況でございますが、徳島県の県当局の衛生監視員がこれは一カ月一回は必らず行かなければならないことになっておりまして、その記録を私どもの方に届けて参ってきております。それで監視をいたしております。そしてその記録がございますが、ただいま横山先生からも御指摘がございましたが、私ども乳製品の製造工場につきまして、いろいろな施設の面とか、そのほか従業者の状況というようなものは監視させておったのでございますが、まことに申しわけない次第でございましたが、化学的な分析というようなことは監視項目の中に入っておりませんでしたもので、せっかく監視に行っておりながら、今度の状態を見出し得なかったということはまことに申しわけないと存じておりますが、しかし衛生監視は規定通り森永の工場に対してやっておりまして、その記録もちゃんと保存してございます。私どもの方に届けて参っておるわけでございます。
○横山フク君 衛生監視員が衛生状況を監視する、それだけなんですか。私は衛生監視員が行きました場合に、その行程において何が安定剤として入れられておるか。安定剤が必要不可欠なものであったとしても、その安定剤としてどんなものが入っているか。それらに対して当然私は衛生監視員が見るべきであったと思う。それを見なかったということは衛生監視員の失態というか、私は厚生当局としても私は監督不十分だと思うのですけれども、どうなんでしょうか。
○説明員(山口正義君) ただいま申し上げましたように、今まで乳製品につきまして細菌学的あるいは脂肪というような面に重きをおいておりまして、化学的な面において十分でなかったということは、これはまことに申しわけないことでございます。その点は今後法の改正等でぜひやっていかなければならないと存じておりますが、衛生監視員が監視いたしますのに、一つの何と申しますかか、監視票がございます。それに項目がいろいろ書いてございます。それに従ってやっておりましたもので、まことにさっきも申し上げましたように、化学的に分析をさせなかったということはまことに申しわけないと思います。
○横山フク君 化学的分析をしなかったということはまことに申しわけないということはこれははっきりしたことです。今のお話しでこれは速記録に残る。細菌学的検査をなさったとおっしゃいますけれども、六千七百万以上の細菌があって、四百万以上はいけない、六千七百万以上あったということは森永の工場でちゃんと記録に残っている。森永の工場からも報告が来ているのです。あったのをそのままでもって何ともおっしゃらなかった。それに対してはどういう処置をおとりになったのですか。
○説明員(楠本正康君) お答えを申し上げます。先ほどもお話しがございましたように、原料乳の状態を向上することが極めて重要な問題でございますので、従来ともこの処置をとっております。特に今回の事件にかんがみまして、私どもといたしましては目下農林省と相談をいたしまして、各農村に広く原料乳の冷却施設を普及するような予算を農林省と相談の結果、農林省の予算に組むことにいたしております。一方厚生省及び農林省が中心となりまして、いろいろな団体を網羅いたしまして、一つの原料乳改善の大きな委員会を作りまして、各部門ごとに学者にも入っていただきまして、目下組織的に原料乳をよくする方法を考えて実行中でございます。さらに私どもといたしましては、先般蚊とハエのいない運動を実施いたしておりますが、実際の問題といたしましては、蚊とハエのいないような環境におきまする原料乳はきわめて優秀でありますので、目下さような線に重点をおいて進んでおるわけでございます。従って農林省と特にこの問題以来原料乳改善につきましては密接な連絡をとって交渉をする点は交渉し、進んでおる次第でございます。なおはなはだ申しわけございませんが、今の日本の乳業の現状というものは何分にも分散飼育でございますので、私どもの方としては、一日もすみやかにこれを規定通りの原料乳に持っていきたいと思っておりますが、これをあまり厳重にいたしますと、何としても分散飼育の現状でありますから、なかなか実行できないというような苦しさもありますので、場合によりますと、ただいま御指摘のような点もないではない、こういうように考えております。この点はすみやかにただいま申し上げましたような施策によりまして解決いたして参りたい、こう考えております。
○横山フク君 ただいまの御答弁は私の質問に対して違っていると思います。(「そうだ」「その通り」と呼ぶ者あり)私は六千七百万からの細菌があった、もうすでにそれははっきりと出ている、それをどういうふうにしてお調べになったか、どういうふうにして処置をなさったか、指示をなさったか、注意をなさったかということを聞いているのです。これはあなたがたの怠慢ですよ。
○説明員(楠本正康君) お答え申し上げますが、ただいまもお答え申し上げましたような、何分にも日本の酪農が分散飼育、ことに農家が一頭ずつ牛を持っておるというような現状でございますので、これを改善いたしますことはきわめて困難な実情もございますので、場合によりますとやむを得ず比較的細菌数の多いものも取り上げざるを得ないというような状況もあるかと存じております。
○横山フク君 比較的多数な細菌という段じゃないのです。十倍以上なんです。四百万以上はいけぬということを出しておきながら、六千七百万あるということがはっきり記録に残っているのに、そのままということは、法律をそのまま監督する人が法律を無視してそれを見逃しているのじゃないですか。それならいっそのことこういう食品衛生法なんかお作りにならぬ方がいいのじゃないですか。それをこういう規格以上あるということを知っていながら、そのまま済まして、食品衛生法が不完備でございますから、今後完備いたします……完備したって何にもならない、実際にはそれ以上のものが出ているのがわかっていながらそれを無視してやっている、それを農家が一頭ずつですから何ともいたし方がないというのは、三月の雪印の事件と、今度のは砒素、雪印の方とは問題は違います、違うけれども、今度は形を変えた災いが今後三月や半年のうちに起りかねないということは言えると思う。だからその問題についてどうするか、しかも農家においては六千七百万以上も徳島の工場であるということがすでにいけないのに、いけないだけでなく、農家そのものが安定剤を使っているということが、証拠がある、それを山口局長認めていらっしゃる。六千七百万からの細菌があるのに、そのくらいの細菌があるときは相当酸度が高い、三五%、四〇%になっている。しかもその酸度を低めるために薬品を使う。いつも徳島工場ではそれに第二燐酸ソーダを入れたことに対して取締りすらできない、厚生当局が農家の一軒ずつで使っている安定剤に対してどういう取締りをするか、今後その農家が安定剤に変なものを使った場合にどうするのかということが問題じゃないですか。徳島の工場で一つの安定剤を使うことに対して、その一つがどんなものを使っているかという化学的検査すらできない。それは調べてみればすぐわかる、それさえもできない人が、農家何万軒からある人たちが、その人たち一一が安定剤を使っていることは証拠が出ているのです。その安定剤をどういうふうにしてお取締りになるか、これだけやったってどうにもならないことじゃないですか。それをあなたは、機会あるごとに農林当局に対してそういうことに対しては申し入れをしておりますというのでは、私は今後あとから追っかけ追っかけ災いがくる。この問題についてはっきりしたことをやっていただかなければならぬと思うのです。
○阿具根登君 私も同じ問題なんですが、当局の答えが化学的な分析をやっておらなかった、細菌学的な分析をやっておった。ただいま横山委員から指摘されたように、最近それだけのことがありながら、それを見逃している、そうすれば何のために監視をしているのかわからない。監視員は何をやっておるのか。これは農家一軒々々の問題もあって、六千七百万もある細菌を見のがしておる。今言われた通りなんです。そうすれば監視は何を監視しておるのか、こういう責任は当然あると思う。それからもう一つ、徳島工場で監視されておった方はどういうことをされておったか。これだけの大きな社会問題を起した人を、どういう処分をしたか、どういうやり方をしたか、これに関連して御説明を願いたい。
○高野一夫君 関連して……。私はいま一つこういうことを申し上げたいわけでありますが、横山委員の御質問、まことにごもっとも……。ところが日本の現在の食品衛生界を見ますというと、まったく百鬼夜行ともいうべきもので、これは、森永事件のようないろいろな不祥事件が起るべき状態にある、日本の食品界の現われの一つである。単なる現われにすぎないじゃないかと思っておる。そこでこの牛乳問題、乳製品の問題、これを解決するためには、そのほかの食品問題についてはやはり研究する必要がある。たとえば牛乳並びに乳製品ということについても、定義からして私どもは第一気に入らない。非常にあいまい模糊たる定義であり、そのために私が調べた範囲におきまして、われわれが日常口にするもので、ジャム、ビスケット、たくあん、バター、それから白みそ、しょうゆ、清涼飲料、魚の燻製、小麦粉、カン詰、びん詰類、つくだ煮、ソーセージ、ハムさらに簡易水道に至るまで、この間にいかに今のお話にも出ましたが、化学的検査、そういう面が非常にルーズであるか、さらに細菌的な取締り検査もルーズであるということ、と同時にこれは非常に制度の欠陥があるのだ、この食品衛生法の非常なる欠陥その他やり方の欠陥、行政機構の欠陥、食品衛生監視員に対する問題、こういう一連のすべての問題を考えていかなければ、森永の徳島工場の問題は解決できない。そこで今横山委員のお話の点も私も実はお尋ねしたいと思っておった一つの点なんでありまして、これらのすべての、現在私が先ほどあげました日常われわれが口にしなければならないような食品がいかにいかがわしい状態にあるか、いかにいかがわしいということよりも、いかに危険なる状態にあるかということを私は申し上げたい。そこで、時間をいずれあとで十分ちょうだいしまして、ジャムはどう、ビスケットはどうというように分けて、私は具体的な例をあげてお尋ねをしたい。そこで、そうなれば今の阿具根さんの御質問なり、横山さんの御質問なり、衛生監視の本体、あるいはそのほか取締りの本体、行政機構の実態、この衛生試験法の欠陥というものが明確になってくるのじゃないか、こう私は考えるわけであります。そこでその問題に関連しまして、いろいろこまかい点も御質問に現在なっておりますが、それも当然局長か部長かお答えになりましょうが、それと関連しまして、現在そういうような、今御質問があるような点は、食品衛生法の欠陥なんです。それと同時に行政機構の欠陥、取締り員の教育の仕方、あるいは指導の仕方に欠陥がある。こういう点について、総論的にそういう欠陥があることをお認めになるかどうか、あるとすれば、どこに一番大きい欠陥があるか。そこで今横山さんの御質問のようなそういう問題がなぜ起ってくるのか、こういう点について一応総括的にあわせてお答えを願いたい。あとは私順次ジャムからビスケットからたくあんからしょうゆからお尋ねいたします。
○委員長(小林英三君) 各委員別に御答弁願います。
○説明員(山口正義君) お答え申し上げますが、横山先生のお尋ね、それから阿具根先生のお尋ねの中で、食品衛生監視員の処分の点はあとでお答え申し上げたいと存じますが、検査の状況につきましては、いろいろ項目がございまして、結局食品衛生監視に行きました際に、その監視票に記入いたしますのは細菌数を特に記入するというような状況になっておりません。腐敗、変敗、未熟なものであるようなものの処分をしなければならぬものはどういうものか、処分しなければならぬものであったかというようなことを抜き出して検査することになっておるのでございまして、検査に参りました日の細菌数がどういうふうになっておりましたかという点につきまして記録がただいまこちらにございませんので、その点先ほど横山先生の御指摘になりました細菌数、非常に大きな細菌数でございますと基準以上になっておりますが、私どもの方で、監視員が調べておりましたときに見のがした、故意に見のがしたのか、あるいは検査しなかったのかというその細部の点詳細に調べまして御報告させていただきたいと存じております。 それから食品衛生監視員の処分につきましては、これは監視員が私どもの規定に従いましてやりました範囲内では、指示いたしました通りの検査をいたしておりましたわけでございますが、しかし実際にこういう事件を起しましたその監視員に対しましてどういう処分をするか。これは現在まで行政処分をいたしておりません。しかしこれは当初から問題になっておりまして、刑事責任の問題とからんでいろいろ調べられておったわけでございますが、検察庁の調べの方はまだすっかり終了はいたしておりませんが、私どもの方としても、行政処分等につきまして考えなければならない事態がはっきりいたしますれば、その点は私どもとして当然取り上げなければならないというふうに考えております。ただ私どもの指示に対してどういうふうな措置をとっておったかということを、こまかく資料などを調べてやるように進めているわけでございます。 それから総括的に食品衛生法にどういう欠陥があるかという点、高野先生のお尋ねでございますが、この点につきましては、従来食品の製造に当りましての原料等につきまして、十分な規制あるいは添加物につきましても規制の抜けておったような点があるように思われるのでございまして、また検査いたします際に先ほどからもたびたび申し上げておりましたように、化学的な面についての注意が足りなかったのではないかというような点も総括的に考えられるわけでございます。しかしこれはものによりましては化学的な面も相当やっておったのでございますが、今回のようなものにつきましては、そういう点が非常に手落ちがあったのではないかというふうに考えられるわけでございます。総括的な食品というものの考え方につきましても、いろいろ検討しなければならぬ点があるのではないかというふうに考えております。
○山下義信君 横山委員の質問並びにその答弁につきまして私関連して質問したいのですが、横山委員の御質問非常に傾聴をいたしておったのです。その中に、前段にこれは私もお尋ねしたいと思っておったのですが、この種の酪農製品関係については厚生省は力が弱くていつも農林省に押され気味で実にたよりないということであって私も同感です。それで一体この善後措置について農林省とどういう話をしたか。そのつどそのつど話し合いをしていると言っているが、いつもそういうことを言っているが、一体どういう話し合いをしたかという質問が前段にあったのです。それから後段には今のように、ばい歯数の多い場合の処置や、その検査をどうするかという御質問があって、前段の農林省と善後措置についてどういう話をしたかという質問に楠本部長が答えた、一部御答弁になったのです。それは違う、答弁が違う、後段の質問と合わないというお声もあったのですが、農林省とどういう話し合いをしておるかという質問の答弁には一部なっておった。聞いてみるというと、原料乳の処置の仕方で、結局粗悪な牛乳を使おうとするから、かくのごとく極悪非道の事件を起したんだ。結局、その原料乳というのか、原料牛乳の処置の仕方について、冷却装置やその他を厳重にやらせるように、今後しようとしておる。それを農林省と話をしておるのか、したというのか、話がついたというのか、その辺が語尾があいまいであったが、そういう御答弁があったのです。私もその点が聞きたかったのであります。それで原料乳の処置の仕方を厳重に、設備やら何やらをいろいろ基準を作ってやらせようとするとなかなかこれは重大だと思う。常に農林当局並びに農林関係者は、酪農家を保護するために実にルーズなこと、その便宜のみをはかっておる。これは横山委員の指摘された通り、消費者のことは考えないで、主としてそういう酪農家の保護に傾きやすい、こういうことを指摘された。その通りであります。それで、今後の処置について、果して農林当局と話し合いがついたのか。どうせその処置をしようとするならば、政令の改正をやらなくちゃならない。政令の改正をやるということになれば、言うまでもなく、これは閣議の決定事項であります。厚生大臣だけではできない。あるいは厚生大臣の厚生省省令だけでやるのか、もし政令ならば、閣議で決定しなくちゃならぬ。おそらく、私の思うところでは、この種の処置は少くとも農林大臣を押さえ得るだけの力がある厚生大臣が新たに来ない限りは、容易に、私は厚生当局が意図するがごとき、そういう原料乳の規正の強力なやり方はできないのじゃないかと危ぶんでいる。しかし、今環境衛生部長が言うように、話をつけたんであるということであれば、非常にこれは仕合せである。一体だれとだれとが話をして、この種の処置をするということが、どういうふうに具体的にきまったのであるか。農林大臣と厚生大臣との間に話がついたのであるかどうかということを、いま少しく明確に御答弁を願いたいと思う。
○説明員(楠本正康君) お答え申し上げます。原料乳の質の改善につきまして、農林省と話し合いをいたしたのは、一つには事務的に各農村に広く冷却施設を設置するに要する点について話し合いをいたしました。農林省もこれを納得いたしまして、予算に組んだわけでございます。組ましたわけでございます。ただし、これは大臣同士の話し合いではございません。従ってその予算は目下大蔵当局に出ておるわけであります。 次に、何分にもこの農家の衛生思想と申しましょうか、こういうものがルーズであります。一方畜舎の環境改善というようなこともきわめて重大であります。これは先ほど申し上げましたように、農林省と話をいたしまして、いろいろな酪農関係の団体がございます。そういうものを網羅いたしまして、そこに一つの大きな委員会を組織いたしまして、これには学者も参加してもらいまして、組織的に原料乳の改善をはかる措置を全国的に広める手配を決定いたしております。 次に厚生省といたしましては、先ほど申しましたように蚊とハエの駆除、蚊とハエのいないような畜舎で生産されます、環境において生産されます牛乳は、きわめて質がよろしいという事実がございますので、たまたま蚊とハエの駆除の運動の一つの重点をこの畜舎に、酪農地帯におきまして、この点につきましては農林省にも十分な援助を求めまして、目下実施中でございます。
○山下義信君 そういうふうに広範に大規模に、相当根本的にこの酪農関係の、また関連して乳製品関係の取締り監督をやろうとするということになりますると、食品衛生法の改善というような程度で法規の上では十分でありますか。あるいは牛乳と申しますか、乳製品と申しますか、その取締りなりその施策なりが、厚生省なり農林省なり相関連をして広範多岐にやらなければ所期の効果も上らない、しかもそれらの品物は非常に重要であって、あるいは一部は主食のごとき、ミルクのようなものもある、これらが再びこういうような不幸な事件を起さぬようにするためには特別の——それらを網羅したこの乳製品を中心とする特別の法規でも要るのではあるまいかという気持もするのであります。これは私は研究の価値があると思う。ただ食品衛生法というがごとき一般的な規定というものだけで目的が達し得られるかどうか。特別法というようなものがあるいは要るのではないかという気持がするのですが、もし十分にやるとするならば、食品衛生法の非常に大がかりな改正をしなくちゃならぬ、私はそういう気持です。つまり言いかえれば、その法律は厚生省の所管は言うに及ばずして農林省関係の行政までも規制をしていくという法律でなくちゃ私は効果がないように思うのですが、食品衛生法の、今回厚生省が新たに意図しているという程度の改正で、今言うがごとき相当大きな構想をもったこの乳製品関係、この酪農関係の取締りなり監督規定が十分であると考えておるかどうか、その辺を聞いておきたいと思う。
○説明員(山口正義君) ただいま山下先生からいろいろ御指摘いただきました、特に乳製品というものの質改善、食品衛生の立場からも、あるいはその他の面からも、乳質改善ということをやって参りますのに、食品衛生法だけで足りないのではないかという御意見、ごもっともと存ずるのでございます。今回私ども企図いたしておりますのは、食品衛生の立場から規制できるという面だけを今考えているわけでございます。ただいま御指摘のように、酪農自体まで立ち至っていろいろ規制をしていくというようなことになりますれば、もっと総合的に大きく考えなければならないというふうに存ぜられます。私ども現在考えております点だけでは不十分な点も出てくると思うのでございますが、そういう点いろいろまた御注意をいただきながら現在私どもの考えておりますことに付け加えさしていただくか、あるいはまた別の方法を考えさしていただくか、その点よく研究さしていただきたいと思います。
○高野一夫君 山下委員の御質問に対する今の答弁に関連して、先ほどの私の質問と相関連してもう一つお伺いしたい。私は今最後の山下委員の御質問に触れますが、私は先ほど局長に対して食品衛生法に非常なる欠陥があるはずだ、行政のやり方に欠陥があるはずだ、食品衛生監視員なるそのものに欠陥があるはずだと思うがどうかとこうお尋ねした。ところがあなたの御答弁は、食品衛生法の欠陥だけを認めた御答弁しかなかった。あとはいいです。あとは順ぐりどうせ伺いますからいいですが、その食品衛生法の欠陥と認めておられる点もわずか二つしかあげられない。添加物の問題が一つ、これを厳重にする必要がある。もう一つは化学的な検査が不十分であったことを認めて、わずかに二つしかおっしゃらない。ところがいろいろ日常毎日食わなければならない食品について調べてみるというと、食品衛生法そのものの中ですらもわずかそんな二つの欠陥でなくいろいろな欠陥がたくさんある。そこで今私は山下委員の御質問に関連してくるのですが、厚生省は農林省と協力して食品衛生法をやめてしまって食品法というものを制定される研究をされる気はありませんか。
○説明員(山口正義君) ただいまのお尋ねは衛生の面だけでなしに、食品そのものを全般的に規制するというような御指摘かと存じますが、私ども今までまあ食品そのものにつきましては、厚生省の立場から食品衛生という立場、それから栄養という立場と両方考えておりまして、いわゆる危害防止という点につきましては何か外から加わってくる化学的なあるいは細菌学的な危害に対する防止ということを食品衛生法で律し、それから栄養の面につきましては、先般御制定いただきました栄養改善法に基いてやって参りたいとそういうふうに考えておったわけでございます。まあそのほかに食品の規格というものにつきまして、これは農林物資規格法とも関連して参るのでございますが、その三つをいろいろ組み合わして考えれば、その食品法というようなことも考えられるのじゃないかということが出てくるわけでございます。私どもただいまの先生の御指摘のように、これを食品全部何もかもひっくるめてやってみたらどうかということを従来も検討したことはございますが、現在までのところでは食品衛生法、栄養改善法の二つの面でやっていったらどうかというふうに考えておるのでございます。
○横山フク君 ただいま山下先生からお話ございましたけれども、私は農家のものたちが安定剤を使っているじゃないか、その成果はここにあるじゃないかというけれども、その安定剤を使っているのを取り締ることができるかどうかということ、これはやはり農林省関係の取締りに関連するわけです。私は食品衛生法を改善するということだけで解決はできないと思う。乳牛の問題は農林省関係のほうで法規ができているはずです。私はその法規を、二つか三つ、具体的に名前まで覚えてないのですが、そういう方面にまで立ち至らなかったら、今日の原料乳の改善ということは考えられない。ただ冷却装置だけを、予算に組んだとおっしゃるけれども、それじゃそれをどういうふうに組んだのか。ただこの場の答弁逃れのためじゃ困るのです。一軒々々の冷却装置はできないから集配所に作る、それじゃ徳島県だけで何ヵ所あって、東北から何から全部合せたら何カ所で、どれだけの予算が要る。その予算は大蔵当局から削られるかもしれない。削られるかもしれないが、現に農林当局で一年間でどれだけの予算をどういうふうに組むことにしたかということが問題だと思う。しかしその冷却装置ということだけが全部じゃないはずです。委員会を作るといっても、お役人は委員会を作るのが好きですぐ委員会を作ってやりますとおっしゃるけれども、委員会を作るのにどれだけの時間がかかるか。実際に末端の原料乳が改善されるまでどれだけの時間がかかるか。それでこれを改善するのに厚生省は蚊とハエだけで言い逃れている。それならば、蚊とハエの撲滅運動ということは、新聞でもって厚生省の御構想は伺いました。しかしそれがどれだけやれているか。あるモデル地区で、一つでも二つでも蚊とハエのなくなった地区があるかどうか。そんな数字はどこにもない。蚊とハエをなくなせば原料乳がよくなりますから、そのほうに重点をおいておりますというようなことだけで問題をごまかしているところに問題の禍根があると思うのです。もっとはっきりと、それならばどういう形を法律的にとるのか、ちょうどこういう事件が起きたのは不幸です。不幸ですけれども、だからといってその不幸を処置するだけの問題ではない。不幸を転じて、究明して不幸を未然に防ぐのじゃなくして、幸いに転じてゆくという形をとるのが当りまえだと思うのです。それを厚生省のなさることは問題の善後措置だけにきゅうきゅうとしている。しかもその善後措置についてもう一つ言いたいと思うのは、森永に対する営業停止、けっこうです。当然だと思う。しかしこの営業停止は法律によっては施設に対する営業停止です。施設に対する営業は停止させておいて、その停止された施設を即日使う、名前を変えておけばいつでもできるのですか。私はそうは思わない。今度の生じたことは悪いことだ、だから施設をとめたが、ほかの名前でまたするということになったらどういうことになるか。それは酪農家の人たちのミルクが困るから施設に対する営業は停止したけれども、ほかの人にすぐさせたというのですけれども、酪農々々といって、酪農と一般消費大衆とどちらが大事か。施設が悪いから営業を停止する。今度の安定剤を使っても施設が悪くなければ営業停止はされないということになる。施設が悪いからといって営業を停止しておきながら、即日ほかの人の名前で許可させる、そんなことまで押し切られている厚生省の腰の弱さに禍根があると思うのです。今度の問題でも局方の安定剤を使いなさいという通知を出した、それだけにすぎない。それで、今問題は検察庁にある。いずれ処分するでしょうけれども、事件が判明してすっかり済んでから処置いたしますという。しかし事件は済んでいるのです。森永に営業を停止させた。これはすぐやった。私はそれはえらいと思う。そうしておきながら同じ仲間の役人に対しては現在調査中でございますから追って事件が判明いたしまして処置いたします。そういうやり方はないと思う。この問題は確かに森永が悪い。悪いけれども、森永だけが悪いのじゃなくして、それを監督するあなた方のほうに大きな失敗があると思う。それをしないで、先ほどの局長の説明では、ただ森永、森永といって転嫁して責任をおっかぶせて逃げている。雪印なら雪印で逃げる。そういうところに問題が発しているわけです。それで今度農林当局とちょうどいい機会だから話しなさいといったら、それは今まで機会あるごとにやっているとおっしゃる。今度は冷却装置を予算に組んだ。委員会を作るようにいたしました。委員会が一体どれだけできる。私も小さいながら全国組織について知っています。一体委員会を作るのにどれだけ時間がかかるかよく知っています。それから今度は蚊とハエをなくします。問題はそれだけじゃないのです。そこに問題の禍根があると思う。今度の営業停止の問題でも、食品衛生法では施設に対しての問題で、人に対してではない。そこに問題がある。人が悪くても施設がよければいい。人がよくても施設が悪ければいけん、ここに食品衛生法の禍根があると思うのですが、それはどうお考えですか。
○説明員(楠本正康君) 御指摘のように、徳島工場は閉鎖を命じました。ところが、御指摘のようにこれを他に転換いたしまして操業いたしているわけであります。この理由は、毎日百数十石集まって参ります牛乳の処置に困っておるのは御指摘の通りであります。ただこの場合、従来は調製粉乳を作っておったわけであります。しかしながら事件後はこれを危険のない全粉乳及び練乳に切りかえさせまして、その施設を使っておるわけであります。従って内容も十分変えてやっておるわけであります。 なお経営者につきましては、これは森永は今経営しておるわけではございません。他の適当な経営者が経営いたしております。 次にこの人に対する問題につきまして、これもただいまお話のあったようであります食品衛生法そのものの考え方は、施設衛生の面であるとか、人に対するそういうものはお言葉を返すようですけれども、検察当局の決定にまって処理するような建前でございます。さように実施をいたしているわけでございます。
○松岡平市君 議事進行。十二時半過ぎました。先ほど私は本日だけでなしに、委員会はさらに理事会で検討して、必要があれば開くということになっております。十二時半過ぎましたから休憩されて適当に昼食をとらしていただきたい。われわれ委員の衛生上、健康のために昼食をとらしていただきたい。
○竹中勝男君 議事進行……。重要な大きな問題で、これは根本問題は食品衛生に関する問題で、これは相当時間をかけて審議しなければならぬと思いますが、直接いまもう一つ大きな問題は、これを一方に根本問題を食品衛生の問題として処理すると同時に、被害者の問題が差し迫ってわれわれはあると思います。六十二名の死亡者と一万名近くの患者というものを持っている、そういう被害者の遺族というものが非常に今差し迫って大きな問題をわれわれに持ってきておるわけでありますが、この問題を先に一つ取り上げて午後なら午後でもよろしい、昼食の時間は休みまして、直ちに被害者の問題を委員会として取り上げたいと思いますが、厚生省はやはりそれに対してどういう態度をとっておられるか、まず聞きたい。被害者に対してどういうようにこれを賠償というか、これはもちろん森永自身が賠償すべき問題でありますけれども、厚生省の責任において、監督の責任においてこの問題の重要性を認められれば、この当面の問題の解決についても厚生省は真剣にやられなければならぬと思いますが、その点について午後の委員会で取り上げたいと思いますが……。
○松岡平市君 議事進行について私は先ほど申し上げました。それを先に諮って下さい。午後は午後のことで……。
○委員長(小林英三君) 議事進行として、松岡君の御意見がございましたから、暫時休憩をいたしまして、午後二時から再開いたします。午後は食品衛生法及び栄養改善法の改正に関する件を議題といたしまして質疑を継続いたします。暫時休憩いたします。 午後零時三十四分休憩 —————・————— 午後二時三十四分開会
○委員長(小林英三君) それでは午前中に引き続きまして会議を開きます。 食品衛生法及び栄養改善法改正に関する件につきまして、午前中に引き続いて質疑を行います。
○竹中勝男君 午前中にちょっと議事進行に関連して発言したのですが、できればこの委員会で、午後にはこの被害者に対する対策についての協議をしたいと思いますが、すでに午前中に参考人の方々の陳情を聞かれたはずですが、午前中にも申した通りに、この食品衛生行政に関する根本的な施策というものと並行して、現に起っておるところのこの被害者に対して、相当責任を明らかにするということが、また食品衛生の取締り行政上の責任を明らかにするということの裏からいったことになるので、どうしても真剣にこの被害者に対する補償をどうするか、それについてまず私は厚生省当局のお考えを伺いたい。
○榊原亨君 議事進行についてですが、ちょっと速記をとめていただきたい。
○委員長(小林英三君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(小林英三君) 速記を始めて。
○高野一夫君 さっき私は政府側にお尋ねしたのですが、あらためてお尋ねしますが、どうも御答弁が要領を得なかったように聞きましたのでお伺いいたします。さっき厚生省と農林省の問題が出たときに、食品法というものを制定することをお考え、研究されたことがあるかどうかということを私は伺ったんです。ところがそれについては、そういう意思がないようなお話でありましたが、少し具体的に伺いたいのは、もしも研究されたとするならば、その内容がむずかしいとお考えになるのか、それとも食品法はできるが、それはその法律によって行政をやる主務官庁の厚生省、農林省との管轄があるので、そこでそういうような面からむずかしいとお考えになるのかどうか、何かその辺まで研究されたことはありませんか。
○説明員(山口正義君) お尋ねの食品法というものにつきまして、法の内容を一々こういう点、こういう点というところまで分析しては検討しなかったのでございますが、先ほども申し上げましたように、現在食品につきまして、厚生省では食品衛生法と栄養改善法がございます。それから農林省では農林物資規格法などもございますので、実際にこれを一本にして運用するという、すべての食品についてそういうふうにやって参りますということについて、実際問題としてなかなかやりにくいんではないかという、あまり深くも研究せずにそういうことを言うのはけしからぬじゃないかというおしかりを受けるかもしれないのでございますが、従来のいろいろないきさつから考えまして、現段階におきましては、食品衛生法、栄養改善法、この両者の運用によってやって参りたい、そういうふうに考えておったわけでございます。
○高野一夫君 そこで食品衛生法の一部を改正する法律要綱案が、厚生省の考え方がここに回ってきておりますが、これを見まするというと、私は厚生省が食品衛生法の改正とか、食品衛生面の改善ということについて、果して本気にいろんなことを研究されているのかどうか非常に疑わしいと思う。ここにいろいろ書いてありますが、四項目書いてあるけれども、こんなような改正でもって森永事件はもちろんのこと、これに関連するような一連のいろいろの食品に対する衛生取締りが果してできるかどうか、現在できないから困っているのです。こういう厚生省で考えている程度の改正で、果してほんとうの食品衛生の改善ができるとお考えになりますか、それを一つ私はまず聞きたい。 それでは私続けて伺いますが、これは環境衛生部長に伺ってもいいと思いますが、なぜ私が食品法ということを先ほどの農林省の問題と関連して申し上げるかというと、しからば厚生省の方の考え方、これに関連して、あなた方は、こういうような場合はどういうふうにお考えになりますか。バターを作る場合には必ず食塩を入れる。その食塩は岩塩を使うことがある。ところが岩塩には硼酸が入っている。硼酸を食品に使うことは毒物として禁止しておる。これはどういうふうにお取り締りになるか。現在の食品衛生法なり、あるいは今度あなた方が改正されるこの範囲においてバターを作る。これは添加するのじゃないのです、添加物かどうかしらぬが……。もっとほかの場合もあるが、それは原料として食塩を使って——いろいろの過程に使って、あと防腐剤を加えるとか、漂白剤を加えるとか、中和剤を加えるとか、こういうことでなくして、原料として使ったものの中にいろいろな禁止すべき毒物が入っておる。バターを作るのに食塩を使う。しかしあの中に硼酸が入っている。硝酸は食品としては禁止してある、毒物として。こういうような製品が出た場合に現在の食品衛生法と、この今度改正されようとする法律要綱案、こういうような範囲において、私が申し上げたような実際の場合においてはどういうふうに取り締るのか、取り締られようとするか、それはできるかできないか。
○説明員(楠本正康君) お答え申し上げます。現在は、午前中局長からもお答えを申し上げましたように、乳製品に関しまする限りは、局方に指定されたものあるいはそれ以外に……。
○高野一夫君 バターの場合を言っているのです。私は具体的に問題を聞きます。
○説明員(楠本正康君) バターの場合は乳製品に入っておりますので、この場合は中に含みます塩等につきましては、局方または局方以外のものにつきましては、個々に厚生大臣の承認を得たものを使うことになっております。従いましてこの点につきましては、ただいま御指摘のような心配は一応なくなった、かように一応考えております。
○高野一夫君 その食塩はどうして取締るのですか。バターを作る場合には、バターそのものは食塩なくても、いわゆる牛乳だけが原料であるかもしらぬけれども、バターという一つの製品に対してわれわれの口に入りますバターには必ず食塩が入っておる。食塩はバターについておる原料です。この原料の中からそういう毒物が出てきて、それが放置されておる。それをわれわれが食っておる。どういうふうにしてこれを取り締りされるか。これが添加物とか何とかということで取り締られるのですか。
○説明員(楠本正康君) 失礼申し上げました。これは現在添加物といたして取締りをいたします。従いまして第四条関係でさようなものはないように取り締っておるわけです。
○高野一夫君 それじゃその点は私も記憶しておいて、あとで添加物の点であわせてお尋ねしますから、あなたもこの食塩は添加物として取り締ると言明されたことを御記憶願いたいと思います。 それではこの場合はどうなりますか。アミノ酸しょうゆに塩酸を使用する。これは製造原料ですよ。その塩酸を使用する場合に砒素が入っておる場合がある。その砒素は不良であるかもしれん。しかも毎日毎日そのしょうゆを食っておる間には、砒素が蓄積されるかもしれない。こういうような場合ばどういうふうに取り締りますか。
○説明員(楠本正康君) ただいまは乳製品に関して申し上げたわけです。従いましてその他乳製品以外の食品につきましては添加物の定義を変えまして、さらにそれに対する規定をいたさない限りは、まことに残念ながら現在のところにおきましては指導はいたしておりますが、法規をもって取り締るという段階には参らんわけです。従ってそれがお手元に差し上げました第一の改正点であります。
○高野一夫君 これは「政令で定める食品、添加物の製造又は加工を行う営業者に食品衛生管理者を設置させる」こう出ておるだけでしょう。
○説明員(楠本正康君) 一です。
○高野一夫君 「添加使用される」、これはあなた方添加物と原料ということを混同されておりませんか。添加物というのは一つの製品ができていく過程において、たとえばこれを塩辛くしようとか、甘くしようとか、色を漂白しようというようなときに、たとえば白みそを作るときに、みそを白くするときに漂白剤を使うのを添加物、アミノ酸しょうゆを作るときに塩酸を使うのは、これは原料じゃありませんか、一番根本の……。添加物でもなんでもない。この添加物と原料の区別がつかないところに厚生省の取締りの仕方の欠陥がある。それじゃアミノ酸しょうゆの製造についてあなた方がおっしゃる通りに、塩酸を使うことが添加物であるか、原料であるか、きょう専門家の出席を要求してあるはずですから、どなたか化学者の方から御説明を願いたい。こんなことはすぐわかるじゃないですか。そういう区別がつかんから、全部がだめになってしまう。
○説明員(金原松次君) おっしゃるように、アミノ酸しょうゆを作るときに塩酸を入れる。こういうのは現在の法律の添加物という定義の中には入ってきません。それから通念でいう添加物という概念には入っていないものと思います。従って現状のままにおいては、これを添加物としていろいろの規制をするということはできないと思います。その点は現段階における法律の欠陥であったと、こう認めます。
○高野一夫君 今の御説明では、私もこれが原料であるということを認められた点においては了承します。そうするとここで環境衛生部長なり公衆衛生局長が、私が言う通りにアミノ酸しょうゆを作るのに、唯一の一番根本の原料である塩酸を添加物として従来考えておられた。従ってここに添加物に関する改正の案を出せば、これによってそういうような非常に危険なるアミノ酸しょうゆをわれわれは飲まなくてもすむようなふうに取り締れるとお考えになったことが私はおかしいと思う。これはどうなんですか。
○説明員(楠本正康君) 今考えております点はまことに御指摘のようでございまして、今後は食品に使いますものはすべて食品用として定義をいたしまして、表示をいたしましたものだけを使わすようにいたしたいとかように考えております。従いまして食品用塩酸というものを当然使わすことに相なると存じます。
○高野一夫君 それはどういうところできめることができますか。現在の食品衛生法にそういう規定がありますか。それともあなた方がお出しになったこの改正案の中にそれが含まれておりますか。
○説明員(楠本正康君) お手元に差し上げました資料には書いてございませんけれども、それは省令の段階においてできますことでありますので、さように省令の改正と同時に省令の操作で実施をいたしたいとかように考えております。
○高野一夫君 私は食品製造工業というような製品は、われわれが日常食わなければならない製品、それの大きな食品工業界のそういう原料を、簡単に厚生省や何かの省令で規制することがどうかと思うのです。そういうことができますかね。日本の全国の食品工業界をごらんになって、至るところでアミノ酸しょうゆを作っている。バターを作っている。ソーセージを作っている。その原料をどういうふうにしてあなた方は規制することができますか。省令でもっておきめになったところで、そんなことで取り締ることもできやしない。それを法律によってきめないでおいて、簡単に国会の承認を経ずして勝手に厚生省の考え方できめるというようなやり方について、われわれは了承することはできない。これはどうですか。
○説明員(楠本正康君) これはもちろん法律の根拠によりましてさようなことを考えておるわけでございます。御指摘のような点につきましては目下進行中の操作でございますので、十分研究をいたしたいとかように考えております。
○高野一夫君 御答弁はとうてい満足できませんが、私はこれからあまり今日は時間がありませんが、できるだけ短時間の間に一つ一つ具体的の問題でお尋ねします。そこで明快なる厚生省の御答弁が得られるか、あるいは得られないかということは、食品衛生取締りに、いかに厚生省が真剣に取っ組んでおられるかおられないかということがこの委員会においてはっきりして参る。そこでそういうような意味で伺いたいのでありますが、一体牛乳と乳製品というものは何なんでしょうか。現在食品衛生法ではどういう定義になっておりますか。牛乳と乳製品というものは主食品であるのか嗜好品であるのか。あるいは乳製品の一部は主食であるが一部分は嗜好品、お菓子類であるのかどうか。この点は厚生省ではどうお考えになっておりますか。
○説明員(楠本正康君) 現在牛乳、市乳とは原料そのままの何ら何ものも防腐剤その他を添加しないはだしのものを牛乳と考えております。次に乳製品というものは、牛乳を原料とし、それに若干の操作を加えましてできた品物を乳製品の範疇に入れております。
○高野一夫君 これは衛生法でそうきまっているならば、これはあなた方がおきめになったわけでないだろうから仕方がないことでありますが、ここに牛乳と乳製品に対する取締りがうまくいかないという非常なる原因があるということをお考えになりませんか。たとえば牛乳はもちろんでありますが、それはかねて、乳製品の中でも幼児の主食品にすべき乳製品もあるわけです。アイスクリームもあれば、キャンデーもあります。いろいろなほかの乳製品もあります。こういうものを同じ乳製品の範疇に定義を下して入れておいて、そうしてあなたはどういう取締りができるか。乳幼児の主食品であるべき乳製品と、アイスクリームやキャンデー、そういうものも、あるいはコーヒー入り、駅で売っているコーヒー入り、これも一緒に考えているのか。現在の食品衛生法をあなたはどう考えているか。これを改正する必要があるということをお考えになりませんか。
○説明員(楠本正康君) この点につきましては、御指摘のように率直に考えております。従いましてとりあえずアイスクリーム等のようなものは一応はずした次第でございます。しかしながらこれも御指摘のように乳製品のうちにかなりいろいろなものが入っておりますので、これらの点につきましては目下法律改正に伴いまして研究をいたしておる次第でございます。
○高野一夫君 それからもう一つ伺います。先ほど徳島の森永の工場において第二燐酸ソーダを使っておるという話があった。かりにこれが薬局方の第二燐酸ソーダであろうとも、あるいは試薬等であろうとも、そのほか非常に不純物の多い工業製品であろうとも、それは一応問わずとして、これを中和剤として使用することは現在差しつかえはないわけでありますか。
○説明員(楠本正康君) 現在は差しつかえございません。
○高野一夫君 何で差しつかえないのですか。その解釈はどこにそういう解釈が下されますか。
○説明員(楠本正康君) 現在は先ほどお答え申し上げましたように、牛乳の中には何物も入れてならないことになっております。しかしながら乳製品を作ります場合に、一つの製造の操作に入りました場合には、すでに牛乳という範疇でございませんので、理屈を申せば差しつかえないと私はかように考えております。
○高野一夫君 そんなら何を使っても差しつかえないのですか。しぼった乳は乳であるが、製品としてやる場合にこれを使っても差しつかえないというのは、何を入れてもいいのですか。たとえばその腐敗を防ぐために防腐剤を使う。あるいはこういうような中和剤を使う。いろいろなものを、何を使ってもいいのですか。毒物であろうと、劇物であろうと差別なく使って差しつかえないのですか。今のあなたの御答弁ではそうだ。何を使っても差しつかえないというのです。これはあなたゆゆしい問題である。
○説明員(楠本正康君) 防腐剤は使用してはならないように規定はされているのでございます。
○高野一夫君 中和剤はどうなんですか。たとえば第二燐酸ソーダの場合はどうなんですか。これは勝手に森永なら森永の徳島の工場でこれを使おうと思えば、勝手に使ってよろしいのですか。それともどこかのお許しを得て、そしてそれならばこの範囲においてならば使ってよいということになっておるのかどうか。そしてもし許しを受けるとするならば、食品衛生法の第何条に従ってそういう許しを受けて使うことになっているのか、それを一つ伺いたい。
○説明員(楠本正康君) 第二燐酸ソーダが防腐剤であるかどうかという問題につきましては、私どもは防腐剤ではないと考えておるわけでございます。従いまして、現行法におきましては、第二燐酸ソーダを使うことは少くとも違法ではない、こう考えておるわけでございます。
○高野一夫君 もしもその通りでありましたならば、これはもう大へんなことだろうと私は考えます。バターの中にも、あるいはソーセージの中にも、そのほかビスケットの中にでもそういうような毒物を使って違法でないということになりますならば、これはあなた大へんなことになるが、事実そうですか。これはあなたよく研究して返事して下さい。もしそうならばこれは大へんな問題になりますが。
○説明員(楠本正康君) 第二燐酸ソーダの点について申し上げたわけでございますが、もし第二燐酸ソーダ……。
○高野一夫君 いや、私は第二燐酸ソーダを牛乳の中和剤にして使うことが差しつかえないか、違法か。差しつかえなければ許可を受けて使っているのか、許可を受けないでも差しつかえないのか、具体的問題として伺っている。抽象論は一切ごめんこうむりましょう。
○説明員(楠本正康君) 第二燐酸ソーダを使う場合には、現在の法の建前では違法ではございません。ただしそれに毒物が含まれているような第二燐酸ソーダを使いましたような場合には第四条の違反となります。
○高野一夫君 そういうことになれば、そこに私はまた大きな改正の要点が出てくるのじゃないかと思うのでありまするけれども、これと関連して、それじゃもう一つ伺うのでございますが、化学的合成品というのがありはしませんか、食品衛生法に。化学的合成品ということに第二燐酸ソーダは抵触しないのでありますか。化学的合成品を食品に使う場合に、何かむずかしい条文が、規定があったはずだと私は記憶しているのでありますが、第二燐酸ソーダは別といたしまして、化学的合成品、その規定があるかどうか、それを使う場合にはどういう規定になっているかどうか。その抽象論、今度は抽象論として伺いたい。どこかにあったと思う。
○説明員(楠本正康君) 化学的合成品を使います場合には、第六条によりましてそれぞれ認可を受けたもののみ使うことになっております。しかしながら従来は第二燐酸ソーダの類はこれを化学的合成品の範疇からはずしておったわけであります。
○高野一夫君 そうするとあなたがたのお考えというものは、われわれどうしても納得ができないのだが、第二燐酸ソーダは化学的合成品でない、化学製品でない、そうするとこれは何になるのですか。
○説明員(楠本正康君) 化学的合成品以外のものになるわけでございます。(笑声)
○高野一夫君 化学的合成品以外のものであるという解釈……、これは山口公衆衛生局長もさようにお考えになりますか。あなたも自然科学の方で化学をおやりになった技術者出身の方であると私は考えておるのだが、そのあなたが最高学府でケミをおやりになって、そうしてそれがこの第二燐酸ソーダなるものが化学的合成品以外、化学品以外のものであるのかどうか。何なんですか。着物なんですか、それともげたなんですか、砂なんですか。(笑声)
○説明員(山口正義君) ただいま楠本部長のお答えになりました表現方法につきまして、いろいろ御疑問があるようでございますが、第二燐酸ソーダは厳密に申しますれば、化学的に合成された化学的合成品というべきだと思うのでございます。ただ、この食品衛生法を施行して参ります場合に、従来行政当局からこれは通牒が出ておるわけでございますが、化学的合成品の解釈といたしまして、化学的合成品とは、化学物または元素をさらに原子数の多い物質、または構造の新たな物質に化学的手段により変化させた物質を言う、そういう意味では化学的合成品になるものでございますが、その際に分解反応及び単純な造塩反能を除く人工手段をいい、生活現象に関連して起る発酵熟成等の化学変化を含まないというようなただし書きをつけて、解釈上行政上そういうふうに取り扱っていなければならないわけでございます。従いまして御質問の純粋な化学的意味におきましては、これは化学的合成品というべきだと思います。
○高野一夫君 学問的、技術的製品に対しまして、今山口局長は学問的に明快に化学的合成品であるとおっしゃった。それが一たび厚生省からの通牒が出て、別個の解釈が付加されて、化学的合成品として扱われない。それで森永の工場においてはいわゆる第六条の規定を準用する必要がないから勝手にお使いになる。そうして勝手にお使いになって数十人の人命を殺し、数千人の人が病院に入らなければならなくなってしまう。これに対して厚生省は何も責任をお感じになりませんか。
○説明員(山口正義君) 御指摘の点、私どももいろいろ反省しなければならない点があると存ずるのでございますが、第六条で申します化学的合成品の中に、今まで従来の解釈ではそれをはずしておったわけでございますが、もしもこれを入れておったといたしましても、第二燐酸ソーダそのものについて、これを化学的合成品というふうに考えるのでございます。従いまして化学的合成品云々よりも、むしろ添加物の取り扱いをしていなかった、あるいはもし加えます場合に、そういうものを使うときに、一々規格、基準を制定していなかったという点において、私ども法の運用上、遺憾な点があったというふうに考えているわけでございます。先ほどから高野先生もたびたび御指摘いただきましたように、添加物というものの解釈、これはその解釈は、そう勝手にやるのは困るというようないろいろ御指摘があるかと思いますが、単に加工に使う添加物ではなしに、原材料までさかのぼって添加物の解釈の範囲を広げていくというふうにしなければならないと存じます。また製造に対していろいろ使用されますものについて、できるだけ規格基準をきめて、結論的には四条違反ということで取り締っているわけでございますけれども、その道中において、できるだけ事故を発生させないようにやっていかなければならぬと存じております。
○高野一夫君 大体実態はわかって参りましたが、そこで厚生省が学問的製品であるにかかわらず、学問的解釈を無視した取扱いをされたというところに、従ってこういうものを使うことが野放しにされておるというところに、人を誤まりに陥れるすきがあったわけです。そこでこれをこういう不純なものを使って、そうして不純なる乳製品を使ったところも悪いけれども、そういうすきを与えた、私は解釈の仕方に、取締りの仕方に非常な大きな欠陥があったものと思われる。これはあなた方現在お認めになる。しからばあらためて伺いますが、化学的合成品に対する解釈を厳重にして、そこでこの点について食品衛生法の改正をされる意思をお持ちになったかどうか、それだけ伺います。
○説明員(山口正義君) 御指摘の通りの考えで進んでおります。
○高野一夫君 それじゃ時間がありませんから、私の質問はまだたくさんありますが、あと一点だけ伺って、きょうはほかの方に時間をお譲りいたしますが、簡易水道、簡易水道の水源地に特殊なる鉱物があって、その鉱物の中から毒素が飲料水の中に入ってくる。こういう事態があったかどうか、そういう事例を御承知ありませんか。御承知なければないでもいいのです。無理に作らなくても……。
○説明員(楠本正康君) この水道に起因いたしまして、若干の支障をきたした例はありますが、いまだ御指摘のような点につきましては、確たる承知をいたしておりません。
○高野一夫君 四国のある県から、県の名前は申し上げませんが、その簡易水道の中に、弗素の多い水源地より水が引かれてあって、そうしてきわめておそるべき弗素の多い飲料水を飲まされておったという事実があったことは御承知ないですか、報告しておりませんか。
○説明員(楠本正康君) 弗素につきましては、この恕限度以上に水道の水に混入せられたという例は、正式なあれを受けておりません。
○高野一夫君 簡易水道は厚生省の認可によって、機関によって敷設されるものであって、しかも朝晩飲まなければならない飲料水である。それが日本の国内の、この広からぬ国内の四国のある県において、非常に弗素の多い水源地から出てきた水があったということは、すでに事例があがっているのです。摘発されているのです。それを厚生省の公衆衛生、環況衛生の取締りの面で御承知がなくて、これに対する何らの対策も行われなかったということになれば、これは今度はわれわれは簡易水道というものの問題について非常に十分な調査といいますか、何といいますか、水源地の探索といいますか、こういう点について十分厳重なる監督を加える法律を作らなければならなくなる、これはどうお考えになりますか。水源地の弗素以外にさらに有毒なる鉱物を有する水源地から水を引くことがあるかもしれませんが、普通の場合ですと、川から引くからいいのですけれども、簡易水道みたように山の中から水を引っぱることもありましょう、そういうことに対する何らの取締り、監督、指導をする道がなく、現在行われていないというのが、これが日本の公衆衛生行政の実態でしょうかね。
○説明員(楠本正康君) はなはだお言葉を返すようでございますが、現在は水道を敷設しますに対しましては、まず水源の水質について十分な調査をいたしまして、規格に合ったもののみ水源として選んでおります。なお一応水源を選びましても、その後ただいまお話のありましたような理由で汚染、汚れる場合あるいは他に別の原因で汚れる場合等もありますので、一月に一回必ず水質検査をいたすことになっております。その検査方法につきましては、細菌試験等のほかに化学的試験等も行いまして、水質試験をいたしておるわけでございます。従ってこれの規格にはずれました場合には、直ちに原因を改めていくという措置をとっております。
○高野一夫君 私は他の質問は次の機会に留保をしておきたいと思います。はっきり厚生省側に申し上げておきますが、私はいろいろわれわれ日常食べなければならん食品についての具体的な事例を全国から集めております。これについて今後詳しく御説明を願いたい。そして厚生省の環境衛生、食品衛生のあり方、やり方にいかに欠陥が多いかということを私は一応この委員会において明確にしておきたい。それはただあなた方をとっちめるのではなく、私は欠陥を突きつめて、そして欠陥があるということがほんとうに認められ、あなた方そう認められるならば、どうして法律を作っていくかという建設的な方面に持っていきたいと思いますので、どうかそういうお気持で御研究を願いたいと思います。私の他の質問は次回まで保留しておきます。
○榊原亨君 時間がありませんから、また竹中委員が補償の問題に触れられますので、食品衛生につきましては質問を保留させていただきまして、牛乳に集中して一つ承わりたいと思います。厚生省の保健衛生並びに環境衛生についての監督行政の非常にゆるやかであること、ことに食品衛生について十分御注意を願いたいと申し上げたいのは、前国会私は緊急質問を本会議にいたしたわけです。その後この森永の事件が起りますまで厚生大臣は、はい、榊原の言う通りやりますとおっしゃったのでありますが、どういうこの方面についての施策が行われたかということをまず承わりたい。先ほどから森永の事件が起ってから、こうしますああします、またいろいろ食品衛生はああします、こうしますというお話がありますが、私は前国会の本会議におきまして、ことにドライミルクの問題まで持ち出しまして、そうして厚生省の監督行政が弛緩しておる。これはどうしてもこの食品衛生について十分注意をお払い願いたいということを、先ほどから各委員の諸君がお話しになりました通りの問題について、私は例をあげて本会議で質問申し上げ、厚生大臣もそれをするとおっしゃったのでありますが、森永の事件が起りますまで、厚生省といたしまして、この私の質問に対してどんな措置が行われたかということを、具体的に一つお示しを願いたいのであります。
○説明員(山口正義君) 具体的にどういう措置をとったかというお尋ねでごさいますが、具体的の事実を——事実と申しますか、日にちを、私今ここではっきり記憶いたしておりませんが、その後、これは単に食品衛生だけではございませんでしたけれども、公衆衛生関係の主管課長会議を開きまして、そうして従来いろいろ起って参りました事件についても引用いたしまして、今後指導監督を厳重にするようにという総括的な指示はいたしております。そのほか、たとえば先ほどからいろいろ御質問いただきました乳製品製造業者及び牛乳搾乳業者に対する衛生取締りの強化というようなことにつきましては、先ほどお答え申し上げました食品衛生監視の状態が全般的になっておりますので、この乳製品、市乳というようなものは、先ほどからもたびたび御指摘がありましたように、特に乳幼児につきまして重要な食品でございます、また特殊な性格のものでございますので、その監視指導のやり方についても、従来の一般の食品に対する監視のやり方では不十分だというふうにも考えられますので、別に監視の要領というものを作りまして、それを私の名前で各府県の知事に出しまして、実際には主管課長に対してそのことを注意をしてやっているわけでございますが、それが今年の八月八日付で通知を出しているわけでございますが、一つ一つ具体的にどういう措置をとったかということを、ただいまここで全部一つずつお答え申し上げかねますことを恐縮に存じますが、一つの例をあげて申しますと、そういうふうな措置をとっているわけでございます。
○榊原亨君 ただいま承わりますと、何かいろいろな措置を講ぜられたようでありますが、ところが、実際において末端の保健所がこの牛乳並びに乳製品に対して非常な感覚のズレがあるのであります。具体的に申し上げましょう。私はどこの保健所ということも知っておりますが、これを私ここで申し上げますと、保健所の方の責任があまり重くなりますので、県の名前だけは申し上げますが、広島県のある保健所であります。その保健所に、ある病院の患者が牛乳を飲みますとずいぶん下痢をいたしますので、一つ大腸菌を調べてくれぬかということを保健所に持ち込んだのであります、牛乳の大腸菌を。ところが、その保健所は、先生、このごろの低温滅菌にはもう大腸菌はうようよしております、どうか暖めて煮て食べさして下さい、こういうことを保健所が答えておるのであります。低温殺菌がいいか、高温殺菌がいいかということは、ずいぶん楠本環境衛生部長も御議論になって、あなたは低温がいいというお話でありますが、末端のあなたの部下の保健所が、このごろの牛乳はもうだれが見たって大腸菌がうようよしておりますとか、煮て食べさして下さいということを保健所が答えておるのであります。これをどう思いますか。それは九月のできごとでありますが、今いろいろ山口局長が御指示になり、お集まりになって指示されて、綱紀が弛緩しているのは、私がやかましく申し上げますからでもないかもしれませんが、緊張しているべき保健所、末端の保健所がそういうことを答えているのは、一体どういうことでございますか。先ほどの横山さんの、何か大腸菌が何方いるとかいう問題以上だと思いますが、その点について私は、保健所の名前を言えとおっしゃれば私はここで申し上げますが、そういう事実があることについてどうお考えになりますか。
○説明員(楠本正康君) 現在私どもの方におきましては、常時牛乳検査を行なっておりますが、これはまあはなはだ片手落ちのきらいがございますが、細菌中心の検査をいたして、週報でとっております。これらの成績から見ますと、もちろん大腸菌がすべての場合に陰性とは言いかねますが、逐次成績はよくなっております。なお、これは週報を各府県からとっております。従いまして、どういうことを現場の保健所の職員が申したかは別といたしまして、最近大腸菌含有は非常に成績はよく向いておりますが、これらの点につきましては、後ほど資料をもって差し上げたいと思います。
○榊原亨君 私の申しますのは、あなたの部下である末端の保健所が医者にそういうお答えをされることがどうでありますかと、どんなお感じであるかということを申し上げるのでありまして、あなたのお手元に、うそかほんとうかしれませんが、大腸菌が少くなってきたようでございますが、末端の保健所ではうようよしているというが、どうか。私の質問に対しまするあなたのお答えが違うと思いますが、どんなお感じですか。私の申し上げることが事実とすれば、私は事実名前をここで申し上げてもよろしいのですが。
○説明員(楠本正康君) むろん、うようよというお言葉には意外の感じをいたしたわけでございます。もちろん、いかなる場合にも全部陰性であるということは、これは正直申しまして、言い切ることはできないかもしれませんが、うようよというようなことは少し言い過ぎではなかろうかという感じがいたしております。
○榊原亨君 確かに保健所はそう申しておりますから、あなたにこっそり名前だけはあとから申し上げます。これは速記にとられたらあなたの方ではお困りでしょうから……。うようよと現に言っております。それでそれは別といたしまして、いろいろな乳製品からその反応を調べるということは、これは無理だと思います。砒素の反応を調べるということはできることじゃない。そこで砒素が出たということは、監督が不行届きだということを私は申し上げるのではないのでありますが、今度の事件がいよいよとなって参りますと、それは徳島の工場なり、森永の工場の製品の過程については、十分の御調査、御検討があったでございましょうと私は思うのであります。また改良すべきところは改良していると私は思うのであります。 そこで、これはあとの補償の問題とも関係してくるのでありますので、特に私はお聞きしたいのでありますが、そういたしますと、先ほどから細菌と酸敗の問題のいろいろなことが、腐敗の問題があるのでありますが、これと徳島の農業協同組合ですかなんかにさしておられるところの過程におきまして、その牛乳をお集めになるときに、何か先ほど、低温滅菌かなにか冷却装置を作るというお話でありますが、この末端で煮たらいけませんのですか、どうしても冷たくしておいて、そうして工場へ持ってきてからそこで煮るなり焼くなりするのと、末端で簡単に煮たら、それはかまの中で煮てもいかぬのでございますか、その点いかがですか。
○説明員(楠本正康君) あまり高熱を加えますことは栄養上からも好ましくありませんので、私どもといたしましては、できるだけ衛生的に原料乳を処理して、ものを加えたり煮たりしないで、原料乳として扱うことが当然だと考えております。
○榊原亨君 けれども、粉乳を作りますときに、熱を加えて粉乳を作る過程があるのですが……。
○説明員(楠本正康君) 現在徳島の粉乳工場は比較的古い形の施設でございますが、熱を加える温度は八十度でございます。(「その通り」と呼ぶ者あり)
○榊原亨君 それでは、末端で八十度に熱を加えたらいかがなんですか。わざわざ冷たくする高い装置を使わないでも、末端でやったらどうですか。それが一つ。 それから、そういうことを私が申し上げると、それは運ぶうちに、消毒しないものを持ってきた方がかえって腐敗が少いというお話があると思うのでありますが、それを私は承知しておる。承知しておりますけれども、今この場合理想的な、ハエや蚊を全部なくしてしまうような空理空論を申しましてもいかぬのでありまして、今現に製造しておるのだから、その製造を何とか救わなければならぬということになれば、この場合、あなたがいつも低温低温と言っておられますけれども、このときだけはちよっと少し暖めるくらいに簡単になべの中に入れて、あるいは消毒装置に入れて、そして持ってくるというような方法をしないと、これは今間に合わぬのです。そういうお考え、どうしてもあなたのイデオロギーで低温殺菌をしなければならぬ。冷たくして持ってくるといっても、現場へあなたはお行きになったことがありますか。徳島からあすこへ行くのに、二十分かかる。牛乳を持ってくるのに、愛媛県、高知県から持ってくるのであります。その間トラックで行けば何時間か、そういうことを考えれば、細菌がうようよするということはわかっているのですよ。そこで今低温殺菌を何ぼやってみても、低温の、何かあなたの言われる冷たいことをやってみても、そんなことでは今は間に合わぬ。それよりも各農業協同組合にちゃんと暖める機械を、高温滅菌なら高温滅菌で、八十度に暖めてぱっと送るということを具体的にやる。あとから低温で殺菌なさってもいい。予算をとるまで待とうというようなお話であっては間に合わぬのです。そこでそういうお考えが出ていないかと私は聞きたい。
○説明員(楠本正康君) 原料乳に防腐剤を加えましたり、あるいは煮沸滅菌をいたしましたりすることは、それだけから考えますと、栄養の点その他を離れては安全に思われますが、ただしそこまでいきますと、原料乳の質がだんだん低下するばかりであります。私どもの方としては、原料乳はできるだけ質をよくして、操作を加えないことが、栄養上から見ましても、また衛生上からも、正しいんじゃなかろうかということで、指導をいたしておるのであります。
○榊原亨君 これ以上は時間を取りますから、この次にこの議論をすることにいたしますが、百の完全なことをやろうとしてできないのならば、八十まででがまんして、今応急措置を講ずるのがほんとうだと思うのです。それを、どうしても低温殺菌でやらなければならぬ、低温でやっていくのだ、それでなければ栄養が落ちるということは、その考え方自身が間違っておる。これは議論になりますから、この次にいたします。 そこでもう一つお聞きしたいのでありますが、今農業協同組合がやっておいでになるその製造の過程は誤まりがないのでございますか、完全にいっているのでございますか、そこをお聞きしたい。
○説明員(楠本正康君) これにつきましては、比較的簡単な装置で、しかも安全の保証される製品に切りかえておきます。なお常時、県の監視員を常駐させまして、監督を厳重にいたしておる次第でございます。
○榊原亨君 それでは、製品を入れますカンは洗浄をしておいでになりますか。
○説明員(楠本正康君) これは洗浄をしていると考えております。
○榊原亨君 それはどなたが御確認になっておられますか。あなたが直接ごらんになっておられますか。今農業協同組合が作っておりますそのものを入れますカンは洗っておりますか。それは現在行ってごらんになったのですか。
○説明員(楠本正康君) 直接は見ておりませんが、私どもの方におきましては、特に意を用いまして、現場に常時県の担当官を常駐させまして、指導いたしておる次第であります。
○榊原亨君 森永が製造いたしておりますのは、大阪の工場からカンを取ってきまして、何ら洗浄せずに今まで入れておったのであります。また炭酸カルシウムを入れますカンも、何ら洗うことなしに炭酸カルシウムを、森永の工場へ持っていって炭酸カルシウムを入れて使っておる。おそらく今あなたが完全に今農業協同組合がやっておるのだとおっしゃる過程においても、洗浄装置はないと私は思うのでありますが、それでもあなたは監督が十分行き届いておるとお考えでありますか。
○説明員(楠本正康君) 私は直接見ておりませんが、先ほど申しましたように、比較的古い形の施設でありまして、従って、機械的にカンを操作滅菌する施設はないそうであります。しかしながら十分に洗浄いたしまして、あとで熱気で乾かすという方法をとっております。
○榊原亨君 もう一度その点をお調べを願いたいと思うのであります。私は先ほど高野委員のおっしゃったように、日本の食品衛生ということについても重大な関心を持って、私はどうしてもこれは改めていただかなければならぬと思っております。現に問題になっておるその工場においては、私はおそらくカンを洗っていないと思うのでありますが、そういう過程を監督しないでおいて、どうして日本全国のありとあらゆる食品を監督するなんということが、法律一片を改めて監督するということができるでございましょうか。この補償の問題でもそうでございます。ただ、たくさんの子供さんが死なれた。その死なれた者に弔慰金を出すのだ。そうしてなんぼくれ、なんぼくれということを厚生省が中に入ってやられるということは、何か厚生省も弱点があるのではないでしょうか。厚生省もこれに対して責任をもって補償しなければならぬ部分があるから、そこで中に入ってやるというようなことではないかと私は疑うのでありますが、そういうことではないと私は思いますけれども、ほんとうに先ほどから聞くと、遺憾な点が多い。そういうことについてはやはり厚生省としては、この遺族の方にある程度の責任を持たなければならぬのではないかと私は思うのであります。ことにカンを洗っていないというような問題になってくると、これはもう大きな問題だと私は思う。 次に私は承わりたいのでありますが……。
○山下義信君 ちょっと榊原君の御質問に関連して承わりたいのでありますが、それは、非常に大きな問題を起した今の工場の現地を見たか見なかったかという質問が出た。これはいかに当局でも、国じゅう何十万何千というあらゆるケースを見るわけにいかないだろうけれども、これほどの重大な問題を起したその工場の現地を、厚生省のだれが見たかということは、私は本件の審議の上に重大だと思うのです。それで今楠本部長は見ていないと言う。山口部長は……。
○説明員(山口正義君) 私も現地の工場は視察しておりません。私の方の専門家の恩田技官を派遣いたしまして視察させたわけでございます。
○山下義信君 私は、この問題の発生の場所に大臣や政務次官が飛んでいくことは、これはまあ政治的な責任者ではあるが、実際の監督行政の最高の責任者は結局部長だ。大臣などが幾ら行ってみても、ガラスのような目で見たって、何にもならぬので、いいかげんなことの選挙演説をぶっておるようなことでは、何にもならぬ。実際に信頼すべき、あとの処置なり方針をきめていく最高の事務当局者は部長なんです。それがこの重大な問題の発生の現場を見ていないということは、私は非常に遺憾だと思う。それだけ申しておきます。
○説明員(山口正義君) 私も楠本部長も現地に参りませんことにつきまして、ただいまおしかりを受けまして、まことに恐縮に存じます。先ほど私がお答え申し上げました中で、恩田技官を直ちに現地に派遣したのでございますが、そのあとで、時日が経過しましたあとでございましたけれども、主管の乳肉衛生課長が現地へ参って視察をいたしております。私、部長が参りませんでしたことは、まことにおしかりを受けて恐縮に存じます。
○榊原亨君 カンを洗わないで使っていることを、私は徳島の工場長自身からも聞きましたし、炭酸石灰を製造しておりますその工場長から直接聞いたのでありますが、なお念のために申しておきます。 そこで第二燐酸ソーダでありますが、第二燐酸ソーダを安定剤として入れたというのは、とってきた牛乳にすぐ入れたのでありますが、どの過程で燐酸ソーダを入れたのでありますが、それをちょっとお伺いいたします。
○説明員(楠本正康君) 工場におきまして一たん加熱タンクに入れます、そのときに、砂糖その他の添加物と一緒に、混入をいたしております。
○榊原亨君 そういたしますと、あの中毒いたしました当時の製品は、全部粉ミルクになったのでありますか。
○説明員(楠本正康君) その通りでございます。
○榊原亨君 それは間違いであります。私が行って工場長から直接聞きますというと、半分は粉ミルクにいたしました。半分は練乳にいたしましてお菓子に回しておるのであります。そういたしてみまするというと、私それは工場長から直接聞いているのですから、あなたがいくら言ったってだめです、私は調べてきたのですから。そういたしますと、どうでございましょう、全国のいろいろの森永の製品の練乳をお調べになって、そこで徳島工場から砒素が出たというお話でありますが、それじゃお菓子にされたものはお調べになっておらぬということですね。
○説明員(楠本正康君) 菓子類は砒素を目的にしては調べておりません。
○榊原亨君 これは重大なことです。徳島工場に入ってきたところの牛乳は、半分は粉ミルクに出した。半分はお菓子に回した。私ちゃんと調べてきているのです。工場長から直接私聞いてきている。そこで先ほどから山下委員もおっしゃったように、その全国の食品の中で砒素を探せというのではないのでありますが、それは無理ですけれども、少くとも問題になった徳島工場で、私どもが行ってきてさえ調べ出してくるのに、それがお菓子に回ったことを御存じないのは大へんなことです。一体だれがその点を追及なさったか。その点、私非常に重大な問題だと思う。そこで砒素を含んだこの第二燐酸ソーダを粉ミルクに移行するところの過程で入れているならば問題ないのですが、来たままの牛乳の中に入れておることになると、大きな問題だと思う。この点はとくとお調べ願わないと私はいかぬと思う。あまり時間がないので申し上げられませんが、厚生省では、口では、大へんな問題だから大いにやるのだ、今度食品衛生法も変えていろいろやると言っておられますけれども、実際しておることがそこまで徹底しておらぬということは、この一例を申し上げても、その他いろいろ問題がありますが、申し上げる必要はないと思うのでありますが、徹底しておらぬ。とにかく現地に行って実際上のことを見て、こうだという結論がはっきり出ていない。そうしてただ補償の問題で、中に入って、五人委員会か七人委員会か知りませんけれども、そういう問題で一生懸命御努力なさるならば、もう少し根本的なことをお調べになってからのあとでなければ、この問題はできないと思うのでありますが、これはどうですか。そういうことをあなたお調べになったことはないのですか。
○説明員(楠本正康君) ただいま御質問の点は、まことに残念ながら、調べてございません。ただ、私どもといたしましては、この調製粉乳に使っているものと考えておりましたために、注苦心をいたしませんでした。
○榊原亨君 これは確かに私は工場長から聞いたのでありますから、間違いないことでありますから、お調べ願いたいのでありますが、次に入れました第二燐酸ソーダ、この第二燐酸ソーダに砒素がこんなにたくさんあるのは不思議だということは、衆議院からも八田委員が指摘されている。この分析で、これは第二燐酸ソーダでなくて、亜砒酸ソーダを使ったのではないかということを、八田委員が申されている。その分析はいたしますということを衆議院で答弁されているのでありますが、その分析の結果はいかがでありますか。
○説明員(山口正義君) 第二燐酸ソーダの分析値でございますが、乾燥原料が四五・九%、燐酸根が二一・七%、砒酸根が一一・〇%、ナトリウムが一九・九%というふうな分析の結果になっております。しかし、さらにスぺクトル分光器にかけた分析の結果によると、第二燐酸ソーダも相当含まれているというふうに考えられます。従いまして、以上の結果からこの使用されました第二燐酸ソーダの組成を推定いたしますと、これは推定でございますが、第二燐酸ソーダが九%、第三燐酸ソーダが二八%、砒酸ソーダが一七%というような数字を得ているわけでございます。
○榊原亨君 先ほどから各委員がいろいろ御質問なされ、私が一、二の例をとって厚生当局にお尋ねいたしましても、厚生省当局の現地の御調査が十分でないということはそれではっきりしてきたと思うのであります。そこでその原因ははっきりしておるのでありますが、この問題の解決に厚生省が乗り出されるのには、まだ私はその時期じゃないと思う。もう少しこれは十分なる現地の御調査をなされ、その責任をはっきりされ、しかも先ほどお話し申し上げました菓子類についてもいろいろお調べにならなければならぬ。そういうことが先であって、その補償問題で委員会を作って、そうしてしかも一方の父兄の方が御納得のいかないような委員会を作って、厚生省が中に入って補償の問題を論議されるというのは、尚早じゃないかと私は思うのであります。もう少し厚生省はまじめに、自分の責任というものの限界はどこであるかということをみずからの調査によってはっきりされ、責任者をはっきりされて、しかる後に責任があれば責任をおとりにならなければならぬし、責任がなければ、こういうわけでないのだということをはっきりされなければならぬと思うのであります。補償の問題でいろいろあとにつかえているようでありますから、私はその他こまかなことは、私詳しく調べてありますが、これは次回に保留さしていただきまして、私の今日の質問は終らせていただきたいと思います。
○松岡平市君 今局長が読まれました分析の結果という発表は、これは第二燐酸ソーダですか、それは……。
○説明員(山口正義君) 徳島工場において第二燐酸ソーダとして使いました、その材料を、こっちに持ってきて調べた結果でございます。
○松岡平市君 しかし、あなた方は先ほどから第二燐酸ソーダ、第二燐酸ソーダと言われるが、今まで私たちが称しているのは工業用の第二燐酸ソーダ、こういうことで、今あなたの言われた分析の結果では、工業用の第二燐酸ソーダでは、そういうものはないはずだ。もう少し適切に誤解のないような御発表を願いたい。そういう御意思ございませんか。御意思がなければ、きょう私はいたしませんが、詳細私の方で調べたことを言いますが……。
○説明員(山口正義君) これは、私どもはその材料は、第二燐酸ソーダというふうに、徳島工場が第二燐酸ソーダとして使っていたということでございまして、その第二燐酸ソーダをどこから入手したかということにつきましては、けさほど御報告申し上げました通り、森永の工場は徳島市内にございます協和産業という工場から入手したのでございます。その協和産業は大阪にございます松野製薬というところから入手をいたしました。松野製薬はその材料を、これはその後いろいろ調査いたしましてわかったのでございますが、この製品の一番のもとは日本軽金属の清水工場でボーキサイトを作っておりますが、その際の廃品を材料として——廃品と申しちゃ言葉か間違ったかもしれませんが、その際に出て参ります副産物を材料として製造したということになって参りました。従いまして、先ほど申し上げましたような組成で、むしろ第二燐酸ソーダと申しますよりも第三燐酸ソーダの方が非常に多いというような状態で、しかもその中に相当量の珪酸ソーダがまじっておったというようなことで、これは普通考えられます第二燐酸ソーダとは、私どもの了解しておりました第二燐酸ソーダとは、非常に性質の違うものであると私ども現在考えておりますが、最初は森永がこれは第二燐酸ソーダを使っておったということで、その砒素の検出にいろいろ努力をいたしておりまして、分析の結果、現在のような状況がわかってきたわけでございます。
○山下義信君 竹中君が多分補償の問題の質問をされるだろうと思うのですが、それでは私が二、三分、一つだけ聞かしていただきたい。私は厚生省の対策でいろいろ尋ねたいことがあるのですが、今徳島の工場の話が出ましたから、午前横山委員からも御指摘があった中で、ちょうど紅露政務次官が地元の方でおいででもありますし、それで徳島の工場がどうなっておるということをついでに聞かして下さいませんか。報告の中でよくわからん。私が承わりたいのは、この問題に関する厚生省の態度全般にも関連するのですが、どうもようわからぬ。それで、あれは食品衛生法ですかの二十二条で、三カ月の営業停止をしたりですね、徳島工場に対して営業停止をしたのですね。そして横山委員がおっしゃっている——私どもの聞くところによると、何か地元関係者がすぐあとを使っているのですね。ほかの品物を作るんでしょうが、使っておるでしょう。何のために営業停止を命ずるのですか。また三ヵ月という期間は、何を目的で営業停止を三カ月間という期間をきめたのですか、この行政措置は。そうして経営者を、その施設の使用者を変えたというのは、何のためですか。また製品を変更したというのは、何のためですか。私は森永そのものにその施設を、製品を異にしても使用ささぬという趣旨なのか、営業停止を三カ月と命じたのは、その工場によって作る製品を変更させる目的でこの行政措置をとったのか。営業停止を命じた施設は、名前だけ変えれば、翌日からでも他の者がそれを使用して差しつかえないのか。この法の、二十二条の行政措置はいかなる目的ですべきものなのか。一体森永の徳島工場に対する厚生省の処断の目的というものは、何の目的でやるのかというのが私どもわからぬのです。それで、これは議論になりますから、私これだけ問題を提起しておいて、今日お答えを願っておくのですが、議論すればきりがありません。そうして一体今工場は、あとの使用者と森永といかなる契約のもとにこれを使用させておるということだけ聞かしていただきたいと思います。
○説明員(山口正義君) けさほど御報告申し上げました中に、営業停止の行政処分ということで、現在森永工場はどういうふうな処置になっておりますかということについて御報告し落しましたので、ただいま山下先生から御指摘を受けたわけでございますが、私どもこの行政処分をいたします際にいろいろ検討いたしたのでございますが、今回の原因が、この行政処分をいたしますときには、すでにその徳島工場でその製造工程の最中に第二燐酸ソーダを使って、これはまああとで、先ほども松岡先生から御指摘がございましたけれども、第二燐酸ソーダが大部分でございましたけれども、その第二燐酸ソーダを使った。その中に砒素がまじっておった。施設そのものではなくて、むしろその製造工程のいわゆる管理の方法というものに非常な欠陥があったというふうに考えられたわけでございます。 それで、一つの方法といたしましては、そこでの製造を全部禁止してしまいまして、三カ月間そういう管理のやり方をいたしておりましたものに対して行政処分をするということも考えられるのでございましたけれども、先ほどもお話が出ましたように、楠本部長からお答え申し上げましたように、毎日百二十石ずつの牛乳が、あるいは先ほど榊原先生のお話のございました香川県からも参りますので、それでこれらを別のところへ持って行って処理する、遠方まで運んで処理するということも考えられたのでございます。この点につきましては、農林当局とも私ども事務的にも相談をいたしまして、また出張から帰ってこられました厚生大臣が直ちに、当時大蔵大臣は御出張中で経済企画庁長官がかわりをしておられましたので、高碕大臣のところに行かれて、いろいろと御相談なさったのでございます。それで結局、その付近の酪農の乳を他へ運ぶということ自体がほとんど不可能に近いという状態になりましたので、それを何とか処理しなければならない。なお今までのような管理のやり方をやっておった森永に対して、それをやらせるというわけにはゆかないというので、行政処分をいたしまして、森永営業所に対しまして営業停止をしたわけでございます。しかしその施設に欠陥があったというわけではございませんでしたので、その施設を使って全国酪農業連合会に責任を持たせて製造させるということにしたのでございます。しかし、その間にもしも製造にまた手落ちでもあってはいけないというので、比較的安全な加糖練乳を製造させるということにいたしました。それから先ほど楠本部長からもお答え申し上げましたように、県の食品衛生監視員がそこに常駐して、その三カ月間監督をするという措置をとったわけでございます。 森永はその資材、施設、まあそういうものは全部無料でもちろん提供しておるわけでございますし、その間にできました製品は全国酪農業連合会の名前において、その責任において販売しているわけでございまして、実際に光熱水料等は全国酪農業連合会の負担になっているわけでございまして、労務者に対する、従業員に対する費用は森永が負担して出しているわけでございまして、それに見合うだけの実費だけは全酪連から森永に支払うということになっております。と申しますのは、やはりその工場の労働者の雇用関係が切れるということになりますと、労働者自体に非常に不利になりますので、そういう措置をとったわけでございます。
○山下義信君 私はこれにはいろいろ疑義がありますから、次回にこの問題について、営業停止の処分についてお尋ねしたいと思うので、保留させていただきます。ただ、この三カ月の営業停止の処分の期限が切れたらどうするか。
○説明員(山口正義君) その期限が切れました暁には、またその処分をいたします。従前の形に戻ると……。戻るはずでございます。
○山下義信君 森永に戻る。
○説明員(山口正義君) はあ。
○山下義信君 森永は、三カ月の営業停止処分では結局、痛いこともかゆいこともない。何ら懲罰を——懲罰といってはおかしいが、処罰、譴責といったようなお灸をすえた意味は寸毫もない。この行政処分によっては寸毫もないと私は思う。非常にゆるやかな寛大な、これだけ大事件を起したその工場に対する行政処分としても、考え方としても非常なゆるやかな寛大な、ちっとも行政処分としてのお灸をすえたようなことが少しもないように思いますが、何か、これだけの事件を起した工場がこの処分によりまして非常に痛いところがありましょうか。
○説明員(山口正義君) 実質的には、そこで従来製造して、それを販売して利益を得ておりましたその行為が停止されますので、まあその程度の、何と申しますか、被害はこうむるわけでございます。 それから先ほど申し落したのでございますが、現在働いている者に対しましては、全酪連から、労務者にその費用は森永が払いますが、それは全酪連からくるわけでございますが、働いていない者に対しまして、すなわち現在の生産に直接関係していない、しかもその工場の労務者に対しましては、森永自体がその間の賃金を払うということになっているのでございます。 御指摘のように、非常になまぬるいようなふうにも考えられるのでございますが、これはその工場で全部生産をとめてしまうということになりますと、付近の農家への影響などもございますので、そういう措置をやむなくとったような次第でございます。
○松岡平市君 四時までの時間が切れて参りましたから、私は質問はいたしません。ただ、問題として、一応厚生省に私は今後質問をするについての問題を提起しておきます。 今回の事件につきましては、私が直接行って厚生省から聞いたところによるというと、森永が安定剤として使っても差しつかえない第二燐酸ソーダを使った。しかしながら、それが現在の薬局方によるものではなくて、工業薬品を使ったために、こういう事態が起きたのだ、こういうふうに新聞にも書かれ、私も直接厚生省当局からさように聞いて来た。私はその後いろいろ調査いたしまするというと、あにはからんや、工業用薬品の第二燐酸ソーダはほとんど砒素というものはないのだ、調べてみるというと。これはもう私は、専門家の厚生省が、工業用の第二燐酸ソーダを使ったためにこういう事態が起きたのだという御解釈を、今後どういうふうに御説明になるかお聞きしたい。ただいま山口局長のお話によるというと、森永工場は第二燐酸ソーダなりと称して買っておる。そうして厚生省はこれは工業用の第二燐酸ソーダなりと理解しておられたものは、ただいま御説明によるというと、第三燐酸ソーダと砒酸ソーダの混合物である。しかも、これは日本軽金属清水工場の、先ほど局長は何か廃棄物みたいなものであったと、こういうことです。私はそういう性質のものがちゃんとあなた方の監督下にある製薬会社を通じて、第二燐酸ソーダなりとして売買された。こういう事実が発生してくるまでの間に、日本軽金属清水工場においてそういうものを作ったのか、薬品として。あるいは少くとも工業薬品として売買されることをだれがやっておったか。そしてこれが製薬会社に第二燐酸ソーダなりとして売買されることについてどういう監督をしておられたのか。これはあなた方の問題ではない。これは薬務局の問題である。あるいは清水工場の、日本軽金属のそういう製品を出す過程、これは毒物です。砒酸ソーダと第三燐酸ソーダというものはこれはおそるべき毒物である。そういうものを市販させるというような状況下におく、これはごく新しく起った事柄である。私はよく清水工場に行って調べてまいりましたから……。そういう状態に放置しておくと。これは特別な軽金属の、アメリカから入ってきた、二十八年に入ってきた特別な工場製品の残滓物ですよ。そういうものを市販させるというようなことを認めておる。これは通産省の問題もあるだろうと思うのですが、そういうものをあなた方はよく一つ、もう少しきちっとされて……。何もかも森永におっかぶせておられる。森永は第二燐酸ソーダなりとして、信用のある薬店を通じて買っておる。それが信用のある薬店で、第三燐酸ソーダと砒酸ソーダとの混合物が第二燐酸ソーダなりとして売られておる。私は問題は森永ではなくして、日本のこういう事態を放置してある、あるいは放置せざるを得ないような状況下に持ってきた通産省当局なり、あるいは厚生省の薬務局などのいろいろな責任が私は先に起ってくると。その事態について十分私は皆様方の納得いくまでの事態の解明を聞いてから、必要があれば森永の責任を問います。しかし森永の責任を問う前に、政府御当局に果して、この問題は森永の負うべき責任なりや、むしろかような状態を招致した政府が負うべき責任なりやということを解明したいのです。一つ御研究になりまして、次回に通産省の関係があれば通産省から、これはもう私よりもあなたがたの方がよく御存じだ。薬務局の関係ならば薬務局の責任ある方々に御出席を願いたい。
○竹中勝男君 だんだん審議していきますと、これはいろいろ問題は重大性をはらんでおります。そこで私はきょうは質問いたしません。次回に、これは次回をいつやるか、あるいはそういう点については後ほど理事会ででも御相談したいと思いますが、大臣や、それから薬務局関係や、あるいは森永の責任者を呼ぶようになるだろうと思いますが、そういうようにして、これをもう少し慎重に、賠償問題を解決するにつきましても、もっと前提的なことをもう少し審議する必要があると思いますので、きょうは私は質問いたしませんから、ほかに質疑がなかったら、できたら、いろいろ松岡さんのお気の毒な事情もありますし、早く切り上げて、次回に譲りたいと思います。
○松岡平市君 ちょっと政務次官に私は申し上げておきます。先ほどこの委員会が始まりますときに、ちょっとお姿をお見せになりましたが、その後お見えにならない。非常に重大な問題を審議しております。事務当局はいろいろと御説明になりますけれども、これは政府としては、私の考えでは、今日一森永に全部の罪をしょわしておる。そうして役所は知らぬ顔をしておる。いかにも森永が悪いことをしたのだ、そして先ほど同僚議員から森永に対する制裁が足りないかのような御発言があったけれども、私をして言わしめれば、森永に制裁を加える前に、政府みずからが責任を負わなければならないことがたくさんある。それについてはほうかむりをして全部を、森永、森永と、森永だけをいじめることで問題を解決しようとするその態度自体について、私は非常な憤激をおぼえておる。政府として一つ大臣にもよくお話しを願い、次官からそういう態度でなしに、こういう問題はもう少し政府自体も反省して、一森永というようなものに責任をおっかぶして、ほうかむりをするような態度はおよしになっていただきたい。こういう問題を追及いたしますこの次の委員会には、ぜひ大臣も次官もそろっておいでになって、こういう重大な問題の論議には、ただ事務当局に答弁さしてほったらかしておるというようなふまじめな態度は今後改めていただきたい。特に政務次官に要請しておきます。
○山下義信君 私は松岡さんの発言に異議ありませんが、今森永の責め方が足りないという発言者の一人でありますから、私は一言しておきますが、私は森永に非常に責任がある、責めるべきだと思う。森永が悪くて森永を責める必要があればこそ、政府に責任がある。森永を責める必要がなかったならば、政府には責任はない。森永が非常に不都合をしたという事実があるから、この事実について政府の責任があるのだ。だから、われわれが政府を責めることが唯一であって、森永は一向に責める必要がないという御議論には同意しがたいのである。でありますから、われわれは政府の勧告と同時に、森永に対する態度が非常に手ぬるいということを言うのです。この手ぬるいことはまた政府の責任になるのでありますから、森永に一向責任がなくして、この問題は政府のみの責任であるという御議論には、私は遺憾ながら、親友松岡君の御発言であるけれども、同意しがたい。従って、私は森永だけを責めようというのじゃない。森永の悪いということはまだ責めていない。本日の委員会でまだ森永を責めるところまでいっていない。終始政府当局に対して事実についての意見を交換し、質疑応答を重ね、森永を責めるのはこれからなのだ。これだけの極悪非道な不都合なことをしておいて、そしてあの会社がつぶれないというのは、天下の実に奇々怪々事であると考える。森永の責任を責任として陳謝してこそ、まだ足れりとしないので、人命は幾千金をもってもあがなうことができない。またほうかむりをしてこの問題を糊塗してゆこうとしておる。私はこれだけの大きな失態というか、大それたことを起して、しかも故意である過失でない、そういうような事業会社がのうのうとして営業が継続せられてゆくということの方が、天下の奇怪事である。政府の責任は言うまでもない。従って、私は政府のみを責めて森永には罪がないかのごとき考え方には、同意いたしかねるのであります。
○松岡平市君 私はこの問題についてはこの段階でやめますが、私は森永が罪がないとは申し上げておらぬ。私は森永も十分なる責任を負うべきであり負わなければならぬと思うけれども、私をして言わしむれば、森永をしてそういうあやまちを犯すまでの過程を調べてごらんなさい。そうすれば、私は森永よりもむしろ責めらるべきものは政府である、私はこういう見解を持っておる。これはいずれ質疑の段階で、あるいはいろいろな段階において、私は明らかにいたします。この段階では論議いたしませんが、森永に罪なしとは言っておらぬ。私は森永をしてこういうあやまちをなさしめたものは、さらに森永よりも先に罪を天下に謝すべきものであると、私はかように考えておる。その段階は全然かくされておるということを明らかにしようというのです。
○阿具根登君 私は、こういう重大な問題に大臣も見えない、次官もさきに見えただけだ、しかも事務当局の説明を聞いておって、私みたいなしろうとだったらそのままうのみにしたかしれない。今日の委員会は何のために開かれたかわからない。高野委員の質問に対しましても、あなたは第二燐酸ソーダを使って、これは法に違反しておりませんということを口のすっぱくなるほどここに言われておる。しかも局長は知っておる。これは第二燐酸ソーダでなかったと、松岡委員から指摘されて、初めてそういうことを言われた。しかもこれは第三燐酸ソーダということは局長は知っておる。松岡委員から指摘されて初めてこういうことを言われた。こういう委員会を侮辱したような行動をとっていただきたくない、私は、なおまた政府も知っておるはずだ。しかもこの報告書にもこういうことは一言だって書いてない。何のためにそういうことをかくされておるのか。しかも榊原委員から言われたあの問題などでも、粉乳だけでなくて、練乳の中にも入ってお菓子になっておったとすれば、国民の大多数の小さい子供はこれを食っておる。しかもこういう重大問題に対しては、局長も部長も言っておらない。委員会において一言の釈明だけで責任は終ると私は思わない。もう少し真剣に考えてもらいたいと思うのだ、今日の答弁を聞いておって、私だけであったら、あなた方の答弁をそのままうのみにしたかしれない。私は政府並びに事務当局、まだ当局が何かかくしておるような気持がして、どうしてもこの裏にはもっともっと大きなものがあると思う。委員会は今日は閉めていただいて、この次にはもっと大臣も出てもらって、責任のある回答をしてもらいたいと私は思います。
○説明員(紅露みつ君) 今日は、予告を前から承知いたしておりながら、途中中座をいたしまして、大へん御無礼をいたしました。だんだんと御審議の途上で、厚生省といたしましてはまだ調査も行き届いておらないところ、その他の問題が幾つかあるようでございまするので、十分この次までにできるだけの調査をいたしまして、大臣にもよく今日の模様を伝え、そうして次回にはできるだけの解明ができるように一つ努力をいたしたいと存じます。今日は国会が第一義でございまするので、ほかに差しつかえと申すことは通らないと存じまするけれども、非常にごたごたしておりまして、心ならずも失礼をいたしましたので、どうぞあしからずその点はお許しをいただきたいと存じます。この次はできるだけ調査も進めて参りたいと存じます。大臣にも出席いたしますようによく申し伝えますでございます。
○委員長(小林英三君) お諮りいたします。本問題に対しまする本日の質疑はこの程度にいたしまして、他は次回にいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小林英三君) 御異議ないと認めます。 本日は、これにて散会いたします。 午後四時二十一分散会 —————・—————