決算委員会 第21号
- 発言数
- 510 件
- 登壇者
- 33 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1955/06/27
会議録
○委員長(山田節男君) ただいまから第二十一回決算委員会を開会いたします。 昭和二十八年度一般会計歳入歳出決算、昭和二十八年度特別会計歳入歳出決算、同じく昭和二十八年度政府関係機関決算報告書を議題といたします。本日は公報にも記載してありますように、公共事業に対する国庫補助金、国庫負担金の経理に関し、参考人から意見を聴取することになっております。まず、参考人としてお呼びした皆さんに対して、委員長から本委員会にかわりましてごあいさつ申し上げたいと存じます。 時節柄非常に御多端な折柄にかかわらず、しかも遠路大へん御迷惑とは存じましたけれども、本委員会の招待に快く応じて今日御出席下さったことに対しまして、深く感謝いたす次第であります。すでに御案内申し上げた中に記載してあったので御承知願っておることと存じますが、本委員会は目下昭和二十八年度の一般会計歳入歳出決算を会計検査院の報告書に基いて審議いたしております。その過程におきまして、本委員会でいろいろな問題について論議されたのでありますが、ことにこの補助金、国庫負担金を含んでのその他たくさんな補助金が国庫から出ておるわけです。これに関する批難事項が相当会計検査院から指摘されておりましたので、われわれは慎重審議の結果、何とかこの補助金の交付ということにつきまして、求められる市町村に対してもできるだけ公平かつ有効に、もとより国民の血税を充てる問題でありますだけに、本決算委員会としましては慎重審議する必要もございますので、本日参考人の方々をお呼びいたした次第であります。もとより本決算委員会は検察当局ではないのであります。国民の代表として国民に決算の結果について政治的責任を追究し、また不当不正の事項を是正するというのが本委員会に課せられた任務であります。かような建前からお呼びした参考人の諸君から、忌憚のない率直な御意見を承わって、今後の補助金の行政に対する厳正かつ公平な運用を政府に注意せんがために今回のような企てをいたすようなことになったわけであります。参考人の方々におかれましても、そういう点を十分御了承下さいまして、各委員にその実態について、真実について一つ公述下さいまして、本委員会のこの企てに対し、御助力たまわらんことをひとえにお願い申し上げる次第であります。 本日参考人として出席される方々は、農林省関係では批難事項千三百九十七号関係の徳島県鳴門市長近藤尚之君、同じく徳島県農務部長玉置康雄君、批難事項第千五百六十九号、大分県玖珠郡玖珠町町長吉岡好太夫君、大分県農地部長波多野俊君、午前の部がこの二件に関してであります。農林省からは安田官房長、武田会計課長、渡部農地局長、櫻井建設部長、大塚災害復旧課長、会計検査院からは小峰検査第、三局長が出席しております。 先ず徳島県の部から始めまするが、その前に池田専門員からこの批難事項に対する概略を説明いたさせます。 それから大分県の吉岡町長と波多町部長は本事案の徳島県の部が終了するまで別室でお待ち願いたいと思います。御退席願います。 それでは池田専門員。
○専門員(池田修蔵君) それではちょっとお許しを得まして、徳川県大津村の工事の御説明をいたします。本件は検査報告には詳細な記半がございませんので、別途資料を差し上げておきましたが、徳島県板野郡の大津村におきまして、二十四年の災害に対する復旧工事として、設計によりますと、水路延長五百七十二メートルの粗朶柵工及び樋門一カ所、橋梁三カ所、百十万円で復旧するとしておりますが、実際はこの水路の粗朶柵工は全く施行せられておりませんで、また付帯工事となった樋門、橋梁等のコンクリートの用材、砂、砂利等はそれぞれ立米当り六百七十六円、七百七十六円を要したとなっておりますが、実際はそれぞれ五百円あるいは七百円で足りた等でございまして、工事費は結局三十九万九千円で足りたものである、これは百十万円に対する補助金の七十一万五千円をずっと下回った工事費で済んだという案件でございます。
○委員長(山田節男君) では参考人からの説明を聞くわけでありますが、時間の関係がございますので、約十分間程度で参考人側の御意見を承わりたいと存じますが、徳島県の鳴門市長並びに徳島県の玉置農務部長からの御説明を願いたいと思います。まず近藤鳴門市長。
○参考人(近藤尚之君) 申し上げますが、私この春の選挙に新たに拡大せられました鳴門市の市長に就任いたしました関係上、そのときの事情は承わっておりますけれども、十分つまびらかにいたしておりませんので、徳島県の農務部長さんから御説明を先にお願いしたいと思うのですが、委員長さんいかがでございましょうか。
○委員長(山田節男君) それでは玉置農務部長から説明をお願いいたします。玉置徳島県農務部長。
○参考人(玉置康雄君) 徳島県の農務部長玉置でございます。 本件の旧大津村、現在は鳴門市でございますが、その排水路の工事につきまして、かよりに参議院の決算委員会においてまで問題になりましたことを深く恐縮に存ずるわけでございます。この問題がいろいろの小違いによりまして、かようなことになりましたことをまず最初にお詫び申し上げるのでありますが、それと同時に、これはいろいろな事情で、またいろいろな手違いからかようになりましたのでありまして、何も国家の補助金をだまし取ろうというような悪意によってできたものでないということを御了解願いたいのであります。 事情から御説明申し上げます。これが問題の旧大津村の地区でございまして、問題の水路は、これからこう行っております排水路なんであります。問題の地区はこれでありまして、それからこれは問題ではございません、別の水路でありますが、こう行きまして、ここで大代川という川に入っておるわけであります。これが二十四年のデラ台風によって被害を受けまして、先ほど池田専門員の方から御説明がありました通りに、これからこれまでが五百七十二メートル、あと橋梁が、三カ所と、せきとめ樋門と樋門が一カ所ずつあったわけでございます。これがデラ台風によって流されまして、災害復旧をすることになったわけでございますが、その実際の補助金がつきましたのは、二十八年度で初めてついたわけでございます。そういたしまして、その橋梁と樋門とは補助金のつく前、二十六年度にやってしまったわけでございます。そこで、どうしてこの堤を上げる方の工事、これができなかったかということが一番問題になるわけでございます。その際ちょっとお断わりしておきたいのは、この堤を設計通り上げる工事はやっておりませんけれども、めいめいこのたんぼの所有者が、流れなくなっておりますから、その底をかき上げまして、その堤の所に土を置く、その程度のことは実際やってしまったわけでございます。何分二十四年度の災害で二十八年度まで補助金がついておりませんから、少しずつ泥を上げるくらいのことはやってしまったわけでございますか、ほんとうの設計書通りのことをやらなかったわけであります。 それをなぜやらなかったかということを今から御説明いたしたいのでありますが、ここにかような道路がございまして、この道路が境目になって、こちらが大幸地区でございます。こちらが段関という地区でございます。そこで、こちらが山になっておりまして、この山から流れてくる水が、昔は全部こちら側に入りまして、この南側に大谷川という川がありまして、そこに入っておったのであります。ところが、この問題が起りましたころから、大体終戦後でございますが、一つの原因は非常に雨が多くなったということだと思うのであります。もう一つの原因は、やはり、山が荒れたせいだと思うのでありますが、非常にここに落ちてくる水量が増して参りまして、昔はあまり越えなかった道路を越えまして、こっちの水があふれてくるのであります。そして、あふれて参りますために、昔はこの辺でせきとめておったのでありますが、この地区にまで水がたくさん入ってくるわけであります。この地区よりはこの地区の方が少し低いのであります。そこで、ここに高い堤を築きますと、この地区の人はこっちから水が流れて参りまして、しかも、水が引く際には、ここに堤がありますと、この排水路の中にうまく入らないということになるわけでございまして、一番問題になるのは、この地区のたんぼの所有者なんであります。ここの人たちが非常に反対いたしまして、実際の工事がなかなかできなかったわけであります。そんならこの道路を少し上げまして、こっちの水がこっちに入らないようにすればいいじゃないかということになるわけであります。そういたしますと、今度はこっちの人が反対するわけでございまして、大幸地区の人は常にどこかに水が流れなくちゃ困るのでありますから、この道路のかさ上げをすることには絶対反対であります。そして、旧大津村の村長がこちらの地区とこちらの地区の間に挾まりまして非常に弱りまして、ついに工事はできないままになってしまったわけでございます。そこで二十八年度に補助金がつきましたけれども、二十八年度の末、二十九年、三月三十一日までには、先ほど申し上げました橋や樋門の工事は済んでおりますけれども、その堤を上げることば水争いの関係からついに実施できなかったのであります。そこでその際に、実は県の方でも。あっさり補助金をお返しすればよかったのでありますけれども、当時村長といたしましては、何とかしてこの工事をしたいということを申しておりましたために、ここのところは県も悪いのでありますが、一応この工事をできたことにいたしまして、その補助金を支出いたしまして、そしてその金を県で雑部金という制度があるのでありますが、出納長のところで雑部金として保管したわけでございます。そこてこの金は、現在まで地元には一銭も行っておりませんで、全部出納長のところで実は保管しているのであります。この雑部金という制度は、非常に変な制度でありますが、県ではときどきこういうことを実はしておるのでありまして、年度末までにどうしても工事ができないという場合に、あとわずかでできるという場合には、本来ならばそれは補助金返還とかあるいは繰り越しというわけでございますが、急にこの問題で県議会をお願いして繰り越しをやるというわけにも参りませんので、しばらくして工事が終るという場合には、こういう便法を使っておるわけであります。この工事につきましても、もし村長がほんとうにやろうと思えばすぐやれる工事でありますから、日数はそうかからない工事でありますから、一応雑部金に入れたわけでございます。しかしながら、その後もやはり両地区の水争いは解決いたしませんので、村長の方でもついに工事をやらなかったわけでございます。そのうちに二十九年の八月、会計検査院の方から検査に見えまして、それは県の方でも包み隠しはいたしません。橋と樋門だけやりまして、堤のかま上げはやってないということははっきり言っておるのでありますが、検査官もれをその通り報告されまして、先ほど池田専門員の方からお話しありました通りに、結局、三十九万九千円だけお認め願いまして、一番肝心の水路の七十万一千円はお認め願えない、むろんやっていないのでありますから当りまえでありますが、お認め願えないということになったわけであります。そういたしまして、この工事をやっておりません七十万一千円に当る補助金四十五万五千六百五十円でありますが、これにつきましては、今年の四月二十日付で岡山の農地事務局から返納の指令が参りまして、先ほども申し上げました通り、この金は地元には渡っておりませんけれども、県でまだ保管しておるのでありますから、すぐにお返しするようにできるわけであります。またお返しするつもりでおるわけでございます。 大体時間十分ということでございますので、至って簡単でございまして、おわかりにくい点もあったかと思いますが、大体以上のような事情で、根本は両地区の水争いで工事ができなかったわけでありまして、最初お断わりした通り、補助金をだまし取ろうというような意思でやったわけではございませんので、何とぞ御了承願いたいと思うのであります。
○委員長(山田節男君) 近藤鳴門市長にお伺いしますが、いつ新任市長に御就任なさったか。それからこの記録によりますと、今問題になっておる大津村が鳴門市に合併されたのじゃないかと思いますが、それならば合併された年月日をおっしゃっていただきたい。
○参考人(近藤尚之君) 近藤尚之でございます。申し上げます。本年の二月十二日に大津村を旧鳴門市に吸収合併いたしました。その後四月三十日の選挙に当選いたしまして、私が五月一日から就任いたした次第でございます。
○委員長(山田節男君) 御質疑をお願いいたします。
○小林亦治君 玉置部長に伺いたいのですが、二十八年の三月三十一日から今日までその剰余金といいますか、七十万一千円、それが返らなかったという事情はどういうところに理由があるのか、今日なおその県が保管しておるということですね。
○参考人(玉置康雄君) 先ほど申し上げました通りに、まず三月三十一日にこれを雑部金に入れましたのは、先ほど申し上げました通り、県の方でときどきこういう便法を講ずるのでありまして、本来は繰り越しをするか、あるいは農林省にあっさりお返しするのが本当でありますけれども、あと数日で工事が終る、もしやりましたならば終るというような場合には、一応これは違法かもしれませんが、工事は終ったことにして金を支出いたしまして、県の出納長のところで保管して、そうして実際に工事ができましたら、それをまた渡すという便法を講じておるわけでございます。そうしておったのでありますが、その金が現在なお国庫に返ってないのはなぜかという御質問でありますが、それは先ほど申し上げましたように、昨年、二十九年八月の会計検査によりまして返すように言われたわけでございますが、実際に岡山の農地事務局から返納の指令が参りましたのは今年の五月であります。まだごく最近であります。そこでその間にもう一つ事情がありますのは、今御質問がありましたから、少しその次の事情をつけ加えておきたいと思うのであります。二十九年の八月に会計検査院から見えまして、こういうことになったのでありますが、その後実は二十九年の十月に岡山の農地事務局にこの事情を打ち合せたのであります。これが検査院の問題になったということを打ち合せましたところ、岡山の農地事務局の方では、さようなことならば三十九万九千円ももらうのはおかしいのじゃなかろうか、全額返すべきじゃないかというお話しがあったのであります。それはなぜかと申しますと、何分本工事は水路の方が本工事でありまして、橋とか樋門というものはこれは付帯工事であります。そこで付帯工事だけやって本工事をやってないというのではおかしいじゃないか、全額返した方がいいのではなかろうかというようなお話しもあったのであります。そこで岡山の農地事務局から四月二十日付の返納の指令が、実際に到着しましたのは五月でありますが、その指令が参りました際にも、これは岡山の方の最初のお話しと少し違いますので、百十万円に当る補助金七十二万五千円全額の返納の指令がそのうち来るのではなかろうか、こう思ったわけであります。そこで現在までそれがそのままになっておった次第でございます。しかし、その後また本省の方とも打ち合せましたところ、それは全額ではなくて、会計検査院の方のお認めになった七十万一千円に当る補助金四十五万五千六百五十円、やはりこれだけでいいのだというお話しでありますので、これにつきまして至急返すように考えておる次第であります。
○小林亦治君 会計検査院に伺いたいのですが、検査院としてはいかがでしょう。今部長が御説明になるように、雑部金というような制度をどういうふうにお考えになり、どういう批判を従来お与えになっておったか。
○説明員(小峰保栄君) ただいまお話しのありました雑部会でありますが、これは各県で、今も一お話しがございましたように、数日あるいは一カ月、二カ月くらいに工事ができるというような場合には一応そういう処理をやっておるのであります。しかし、本件などはこれはもうひどいのでありまして、二十八年にとっくに終るべき工事を、いまだに雑部会にほうり込んだまま県が勝手に使っておると、こういう事態でございます。これなんかちょっと程度がひどいのではないかと思うのであります。国の工事でも短い期間に、たとえば四月一ぱいにできるというようなものですと、一応予算を不用額に立てることができませんから、いろいろな便法を講じますが、補助工事でもとかくこれは一般に行われておるわけでありますが、これは短い期間を限って黙認できるものではないかと、こう思うのであります。
○三浦辰雄君 私この問題を聞いてみて、かねて心配をしていた問題が出たのです。これはよく見ますというと、結局二十四年の災害ということで、しかも契約の年月日は二十六年一月五日、その二十六年のうちにこの仕事がとにかく批難はあるけれども、できた分についてはでかしたのです。しかし考えられるのは、結局こういった農業関係の被害というものの復旧に当っては、これはたとえば五・三・三とか、いろいろと比率をもって三カ年計画でもって復旧をやろうという問題だけれども、その一カ所についてそれぞれの個所を見ると、それぞれ次の年のいわゆる増産と申しますか、農作のためには何とかして間に合せなければならないというのが実態なんです。この場合もそうなのであって、どうも被害のあった年から少し年はおくれておるようだが、とにかく二十六年にやっちゃった、それで出てきたものは金は二十八年度にやる、こういうようなところに私は考えなければならない一つの問題が確かにあると思うのですが、それはとにかくとして、ここに現われた面から見て、予定価格を百十万円でやり、請負を同額で、これは随意契約だから当時やったのでしょう。そうなってくると、これでもって岡田組なるものに渡したのだから、私は相当にこれはそういった事情を含めて岡田組に対して契約をしたのではないかと、こういうわけなんであるけれども、しかしまあ予算としてはこういうふうにしたわけなんだからまあ一つやってくれ、ただ請負額というものは、百十万円というものを契約高にするけれども、しかしそれは形であって、内容としてはこういうふうにしてそうしてやっていくんだと、しかも先ほど玉置部長からお話しがありましたが、水路の問題についてはこういう事情があるのだから、やがてはそれは解決したい、あなたの方でこの金の中でやってもらうのだよ、こういうような複雑な経緯を含ませての契約をしたのだと思うのですが、そういうことなんですか。
○参考人(玉置康雄君) ただいま三浦委員のお尋ねの点は、村長と岡田組の間の話でありますので、私どもつまびらかにしないわけでございます。むろん村長の方にとりましては、それが一番重要な問題でありますから、やはり岡田組の方も実際そこで橋なんかをやったのでありますから、その間の事情は知っておったということは十分想像がつくことでありますけれども、直接県の工事でございませんので、その間の事情ははっきりわからないわけでございます。
○三浦辰雄君 ここにお見えにならないその当時の村長さんがすべてを知っておられるのでしょうが、それでは伺いますが、県の方はその間においていわゆる実地の検査あるいは指導ですね、そういうようなもの、さらにさかのぼれば設計ですね、こういうものはおやりになったのだと思うのだけれども、その点はどうなんですか。
○参考人(玉置康雄君) 今お話しの実地の指導、それから設計についての指導、そういうものは県でやっております。
○三浦辰雄君 だとすれば、たれが行ってみても、すぐこういった水路の問題については気がつくわけです。こんなものはすぐ気がつく、それがやってないのだ。おそらくこの当時、県庁から近くでもあるし、一回くらい行かれただろうと思うのだけれども、そういう事実はなかったものなんでしょうか、どうなんでしょうか。
○参考人(玉置康雄君) 排水の問題で両方の地区の争いがあるということは、県の方でも十分よく知っておるわけでございます。そこで先ほど申しましたように、県の方でも、また村長の方でも、岡田組に請け負わせる際、そういう話をしたということは想像つくはずでありますけれども、何分その当時の村長、また実際に現地に参って指導しておりました県の係が現在おりませんので、はっきりは申しかねるわけでございます。
○青柳秀夫君 この工事の竣工検査というのがございますが、竣工検査をするその検査員の氏名は嘱託の駒留三郎となっておりますが、この方はどこの嘱託なんでございますか。
○参考人(玉置康雄君) 検査に参りましたのは県の嘱託であります。
○青柳秀夫君 それではお伺いいたしますが、この県の嘱託が行って竣工検査をされて、そうして指令をされておる。その検査が昭和二十九年の五月二十六日となっております。この竣工検査をされて現場を見届けて、補助金を七十二万五千円交付になっておるように、この私の方の刷りものでは見えるのでありますが、その点はどうなんでございますか。検査をされたときにただ七十二万五千円というものを交付するという見込みを述べておられるのか、それともすっかりこれはできたものを実際検査されて、これだけを交付されたのか、この検査というところがかなり私は重要だと思うのであります。と申しますのは、検査をされたとなれば、実際それが水路でも付帯工事でもできておる。できておるからそれによって補助金というものがいくわけなんで、もしできてないものをできたと検査されれば、できてないものをできたというのは全く間違いのもとでありますから、その点をお伺いしたい。嘱託がされたことについての事実、またその嘱託に対する上司の監督の責任というものを伺います。
○参考人(玉置康雄君) ただいまお話しのありましたように、その検査の点が間違いのもとでありますが、先ほどお話しいたしました通り、雑部金に入れます際には、すべてそういう本道からいいましたならば違法の方法を講ずるのでありまして、一応竣工検査をやりまして、できたということにいたしまして、予算の方から金を出しまして、そうして雑部金という、これは予算にない費目でありますが、そっちの方に入れるわけであります。これは確かに違法の方法ではあります。
○青柳秀夫君 全体の工事を大局的に見て、善意でこれを完成したいという御趣旨からいえば、幾分恕すべき点もあるかと思いますけれども、これは公けのことでありまして、いやしくも公務員が検査するといえば、検査を正確にすることがその人の正しい職責だと思うわけです。ほかの目的はともかくとして、検査員が誤まった検査をするということは、もう検査にならないわけであります。そういう点からいえば、公務員としては非常に、まあ部長もお認めになっておりますから、くどいことは申し上げませんけれども、そういう精神ですべてやられれば全く検査の権威というものはないわけです。また公務員の本来の職責である綱紀粛正というような意味からいいましても、非常にその点はまずいと思うのでありますが、県の方の知事さんなり、すべての綱紀に対する平素の心がまえというものはどういうふうにやっておいでになるか、また部長御自身も部下に対してどういう御指導をなさっておるか、その点を伺いたい。
○参考人(玉置康雄君) ただいまお話ありました県の綱紀につきましては、私どもも非常に注意しております。またその後工事が疎漏に流れるという点につきましても、非常に注意しておりまして、この点で非常に力になる、というと悪いのですが、バックになりますのは会計検査院でありまして、会計検査院の検査を厳重にされますことによって私どももだんだん工事はよくなっておると思っております。おととしから去年、会計検査院の検査の件数、その指摘を受けました件数は大分減っておりますし、ことしもまた、実は先日検査院の検査が終ったばかりでございますが、一例を申し上げますと、昨年は徳島県の検査の結果出来高不足が六千万円の指摘を受けたのでありますが、ことしは一千万円の指摘を受けたのであります。一千万円の指摘を受けながら何も自慢なんかできる柄ではありませんけれども、十分その点も注意しながらやっておるつもりでありまして、まあだんだんよくなっておると思うのであります。県の綱紀も十分注意いたしまして、こういうことを利用いたしまして、特に役人が堕落するというようなことはないようにしておるわけでございます。ただ一言その当時の事情を申し上げておきますと、問題のもとは先ほどおっしゃいましたように、こういうインチキの竣工検査をやりまして雑部金に入れることが問題のもとだったのでありますけれども、少くとも二十八年度ごろにおきましては、こういうことはぼつぼつ行われておったことでありまして、そのとき参りました嘱託が特に悪いと、こういうことではないのでありまして、一般に行われておったということを御了解願いたいのであります。
○青柳秀夫君 会計検査院の検査の状況からいうと、成績がよくなってきておるということはまことにけっこうだと思います。しかし本来からいえば、県自体がしっかりおやりになれば、会計検査院が検査しようがしまいが、私はこういう問題は起らない、県の責任は相当大きいと思います。もちろん県というよりも、その市町村でおやりになるところがもとでありますから、そこにさらに御注意を願うことが必要だと思いますけれども、しかしただ会計検査院が見にゆくといいましても、日本全国きわめて多数の工事なり実地を見るということはなかなか不可能でありますので、自発的に県なり町村で御注意を願うことが一番必要なのでありますが、今部長のお話しを伺いますと、この嘱託に対する態度が非常は私は寛大過ぎるのじゃないか、もしもこういうことに対してもっと厳格な訓練をされていれば、これだけの問題を起した嘱託に対しては相当なる措置をとられておっていいのじゃないかと思います。慣例であるからこういうことは当り前だというのでは、なかなか私はこういう国の貴重なる金がどうなってもいいのだというところに問題が返って参りますので、非常に私は遺憾に思うのでありますが、いま少し厳格に検査なら検査ということに対する職務の執行についての心がまえ、またこういう問題を起した人に対しては相当なる措置をおとりになる気はないのでありましょうか、このままでいいとお考えになっておるのでありますか、その点をお伺いいたしたいと思います。
○参考人(玉置康雄君) 先ほど申し上げましたように、こういうことになりましたのは非常に遺憾でありまして、現在私どもも締めておるわけであります。一昨年から昨年、またことしと、非常に締めた結果が、会計検査院の検査におきまして成績が少しずつ上っておるということを申し上げたのでありますが、二十八年度ころのことを取り上げて、その問題をとがめるということになりますと、少くともその嘱託一人を責めるのは気の毒な気がするのであります。なぜならば、当時そういうことはぼつぼつ行われておったことでありまして、ほかにも例がある、そう申しましたならば、青柳委員の方では、それなら全部懲罰にでもしろという御意見かもしれませんけれども、当時と現在とで少し気分の違った点があるような気がいたしますので、当時のことで現在の何といいますか、道徳のレベルと申しますか、それに照らして二十八年度ごろの非を処罰するのは少し苛酷に過ぎるので、当時のことはまあ出時でお見逃し願って、今後一つ締めて行く、こういうことで御了解願いたいのであります。
○青柳秀夫君 私は別に一とかめるという言葉は非常にまずいのでありまして、お互いに注意をして、国なり地方の事務を公正にやって行きたい、熱心におやりになっている検査院の方心、職責をむしろ励ますということが趣旨でございまして、とがめ立てをするというような気持は毛頭ございません。ただ、今お話しになったようなことが全般に、かりに日本国中にあるとすれば、検査の権威というものは失墜いたしまして、何ともしようがない、かように思いまするので、適当にそういう人に対して激励をされる、またできれば適当なる行政上の、これは注意でありますから、そういうことを遠慮されるよりは、むしろおやりになる方がいいのじゃないか、かように思って申し上げるわけでありまして、ただ人の過失をつついて云々するというような気で申し上げておるわけではございません。どうか一つその点はよくおくみ取りいただきまして、できるだけ熱心に、公平にやっていただきたいということをお願いして、私の発言を終ります。
○委員長(山田節男君) 玉置君にちょっとお聞きしますが、玉置君はいつ農務部長に就任されたか、それからその前は何をしておられたか、お聞きしたいと思います。
○参考人(玉置康雄君) 私が徳島県の農務部長に就任いたしましたのは、二十八年の八月十六日付でございまして、その前は農林省の林野庁の森林組合課長でございます。
○岡三郎君 今青柳さんは、その程度でとどめましたが、私は今の玉置農務部長の言葉を聞くと、これは簡単に見過ごすわけにはいかぬと思う心境に至ったわけであります。それは結局会計検査院が本事件を指摘して、そうしてこのようなことが非常に工合が悪いといっておるのに対して、当局者は当時この席におらなかったといっても、何かこのような事件が指摘されたことが非常に運が悪かったというふうな私は印象を受けるのです。つまり事実は竣工承認をして、百十万円の工事が完成したということになっておるわけでしょう。工事を完成したといって、そうしてその金を雑部金に入れておる。そうして県がこの金を流用しておるということになれば、私は当事者は詐欺行為になると思う。つまりそういうふうな中でこの嘱託の駒留三郎という方がやったことに対して、これは当時ありふれたことなんであって、この者だけをとがめ立てするわけにいかぬということになれば、これは農林補助金に対しては、当時課長であった玉置さんがそういうことを言うならば、これは農林省全体にびまんする傾向の一つであると指摘されても私はやむを得ないのではないかと、こういうふうに思うわけであります。そこで私は一つお伺いしたいのは、そのようなできてもいないものを竣工承認をしたということに対して、そのように言っておるわけですが、初めに部長はこれはそのような悪い意思があってやったのではない、この事件に対してこういうふうに冒頭に言っておられますが、この事件に対しては、会計検査院は架空工事として指摘しておるわけなんです。そこで私はその前に架空工事としての性格を第三局長に聞きたいのだが、架空工事というのは災害を受けた事実がないのに災害復旧工事を施行すると称して補助金だけはもらっておるが、その必要がなく、現に工事も全く執行しておらない。もらった補助金は他に使ってしまった、こういうことを指摘していると思うのですが、そうすると会計検査院で指摘した架空工事と、当事者が冒頭に説明しておる理由とはこれは食い違っておると思うのですが、その点どうですか。
○説明員(小峰保栄君) 検査院で全国を検査いたしまして、不当工事というのがたくさん出るわけであります。これを十ぱ一からげに並べましてもなかなかわかりにくいわけでありまして、一応いろいろの引き出しに入れると申しますか、一応整理するわけであります。疎漏工事とか便乗とか、架空工事とか、二重否定、出来高不足、設計過大、大体これくらいの見出しを用意してあるわけであります。本件などはいろいろな見方が立つと思うのでありますが、架空工事というのはわれわれどういうものを架空工事といたしますかというと、大部分のものが結局災害を受けておらぬ、あるいは災害を受けたか、特に国庫補助金をもらって復旧をするほどの災害を受けておらぬ、そうして現に工事もやっておらぬ、これを架空工事として整理するわけであります。全額、全然やっておらぬというのもあります。部分的に大部分のものをやっておらぬというのもあるわけであります。そうして本件などはいわゆる部分架空と私どもは言っておるのであります。全然やっていないわけではないのであります。付帯工事は一応やっておるのであります。付帯工事と申しますと、やってもやらなくてもいいというとおかしいのですが、本体工事ではないのであります。肝心の排水路の方はやっていない、そうして橋だとか何とかはやっておるわけであります。本来ならばやらないでも、災害復旧の対象にならぬものだけをやっておる、こういう案件であります。これは部分架空、こういうふうに私どもとしては整理したわけであります。
○岡三郎君 二十四年の災害に対して二十八年度に補助金がきた、その間ずいぶん時間がたっておるわけですが、これに対して農林当局の方では二十四年の災害に対して四年もたって補助金をやった、その補助金がどうなっておるかということもいいかげんになっておるのである、こういうことに対してどうお考えですか。災害というものを復旧するために予算を組んで補助金を出すわけでしょう。それを二十四年に災害があって申請したものを二十八年になって金を出した、そんなばかげたことで災害の復旧がかりに行われておるということになれば、災害が起ってそれに対する復旧をしなければならぬということになれば、これほど間の抜けた金の与え方というものはないと思う。これはどういうふうに農林当局はお考えになりますか、官房長でもどなたでもけっこうです。
○政府委員(渡部伍良君) 本件は、先ほど来玉置農務部長のお話しがありますように、災害復旧をどういうふうなことでやるかということでもめておったのであります。すなわち排水路の両わきの農家の意見が一致しなくて復旧工事の設計がおくれておった。その復旧工事の設計ができて、補助金が出せるというときまで待っておったわけであります。そういうわけでありますので、便々と待っておったというわけではないのでございます。
○岡三郎君 そうすると、そんな程度のものならば、これは補助金をもらってやる工事ではないというふうに指摘されてもやむを得ないと私は思うのです。つまり、工事をするということは、必要欠くべからざるもので申請してくると思うのです。ところが、便々と待っているのではないということなら、そんなものは必要ないのじゃないかというくらいの見識を私は持たれて至当ではないかというふうに考えるのです。それがしかも二十六年の一月五日に契約されて、書面では着手が同じく一月五日になって、完成年月日が二十六年の十二月二十五日になっているわけです。そういうふうにして二十八年に金をくれたというならば、二十六年まで待ったとしても、それからまた二十八年までなぜそういうふうに金がおくれたのか、支出の仕方が。
○三浦辰雄君 関連して。今岡委良からの質問に関連するわけですが、私はこの問題は農地関係の災害復旧に対して、これはたまたま指摘されたのだけれども、指摘されたと言うと悪いけれども、いわゆる架空工事をやって、まことに恐縮にたえない点だろうと思うのですが、およそこの経過の中にはやっぱり農地関係の災害復旧というものに対する一つの問題がはいっていると思うのです。でありますから、委員長が冒頭に皆さんにごあいさつされたところでおわかりのことと存じますが、この一件、あるいは今後今日やる予定の六件というような問題、たまたま選ばれたその問題だけを糾明するというのがこの委員会みんなの気持じゃなくて、これらを通じてこういった種類の問題をなくなさなければいけない、そのなくなすためにはどういうような原因があるのかという真相をつきとめたいというのが、この催しの主眼でございますから、どうか一つ遠慮なく、たとえば今まで天機部長あたりの答弁に対してわれわれのここらに聞こえるところの言葉というものは、失礼ながら非常に形式的である。非常に形式的であるとみんな見ている。そうでなくて、どうか一つ率直に、農地の復旧というものにはこういう事情があるためにこういう格好になる、まさに指摘の通り二十六年の中に終ったやつを二十七年、二十八年、二年後の二十八年にようやくワクに乗せたといったような関係、そういったいろいろな問題を率直に一つ御答弁願った方がわれわれのこの目的に沿うゆえんだと思うので、そういう角度からもお願いいたします。
○政府委員(渡部伍良君) まず第一に二十六年に完了しておるのに、二十八年に交付の手続をとった、こういう点でありますが、私の方の承知しておりますのでは、橋梁その他について付帯的な仕事は完了しておるけれども、根本の排水路の堤塘をどうするかという方針がきまったのは、二十八年の補助金を交付するのにやっと間に合った、こういうふうに承知しておるのであります。さらにこういう問題はなぜ起るか、御指摘の通り、農林省のやり方がまずいのじゃないか、こういうのは、われわれも痛感しておるのであります。たとえば二十八年の大災害のときなどは、全部合すと十万件以上の災害地の申請が出ておるのであります。それを厳密に査定しなければどうしても机上査定ではうまい査定ができないのであります。そこで、こういうことが起らないためには、農林本省、地方農地事務局、県庁、これが本気になって査定をするという態勢を整えなければならないというふうに考えまして、おそまきながら三十年度におきましては、災害査定官を本省に増しまして、機動的に災害地に出動して地方事務局、府県を指揮しまして、こういった何といいますか、査定の手落ちによって貴重な国費がむだにならないようにということは順次改善していきたいと、こういうふうに考えております。もちろんいわゆる国の直轄事業でありますと、早くはっきりするのでありますが、市町村あるいは末端の方で小規模のものになりますと、なかなか目が届きにくいので、一方ではい補助金の交付がおそいという非難が出るかと思いますが、その両者をにらみ合して災害時には不眠不休で正確な査定をやると、こういうふうに今後やっていきたい、こういうふうに考えております。
○岡三郎君 私一、二でやめますが、私は二十六年の十二月の二十五日にこの工事が完成して、まあそれが水路延長の本工事ができてないから、それをやるのかやらないのかを確かめて二十八年度に金を出したというふうに今聞いたんです。ところが、二十九年の五月二十六日に検査院が検査して、できていないものもできているというふうに承認をして、これを通そうというふうに考えておるように書面では見られるわけですが、二十八年度になってだれがやるということをもう一ぺん言ったのですか、その点をどういうふうに確かめたのですか。つまり、補助金をいよいよ出そうというときてにどういう形で確かめたのですか。こういう延び延びになって、しかも一応二十六年の十二月二十五日に完成するんだ、しかし本工事が完成してない、これをやると言って来たから金を出す、そういうふうな確かめ方をどこでされたのですか。
○政府委員(渡部伍良君) 御承知のように、農林省が補助金を出す場合には、県の申請に基いて出すのであります。本件については、県の方からもお話がありますように、どういうふうにするかともめておりましたので、その点は所管の岡山農地事務局において、これは指定された時期にやるんだという県側の申請を確かめまして出したのだと思います。先ほどからお話しがありますように、初めからこれが何年もできないというのじゃなしに、雑部金の短かい期間でできるものという認定のもとに出したことと思います。これは県の方にもいろいろお話しがあると思いますが、私の方ではそういうふうに承知いたしております。
○岡三郎君 そうするというと、県の方でいよいよやるから金をくれというふうに言ってきたので、金を出したということに今の答えはなると思うのですが、そうするというと、先ほど県の農務部長が言ったように、だまし取ったのじゃないと言うけれども、だまし取ったのじゃないかという私は気がいよいよしてきたわけです。そこで日時を要して、そうしてあれやこれやといろいろともめて、そうして付帯工事をして、工事の完成年月日を二十六年の十二月二十五日にして、そこまで行ってさらに二十八年度までこれを延ばして、いよいよやるんだから金をくれと県から言ってきた。そこでこれを農林省のほうで金を出したということになって行った経緯を見れば、県側の方としては、それだけかりに問題があったとしても、やるというのだから出した。それでまあ短期間に工事を申請するので雑部金に入れておいておいた。ところが二十九年の五月の二十六日にこれができ上ったというふうに検査院か検査報告をしてそうしてきたわけなんです。そうすると会計検査院の方から本事件が指摘されなければ、永久に私は雑部会として、その予算の費目にない金として――県の予算の費目に載っていればまだいいけれども、県の予算の費目に載らない形でこれが雑部会という形でいつまででも続いていく。そのうちに年数がたって、これが指摘されなければ雲散霧消してどこにこの金が行ったかわからぬようになる経路を私はたどっていった事件ではないかというふうに想定されるわけです。これは悪く解釈するのではなくして、どうしてもそういうふうにとれるのです。そういうふうに考えていけば、私は本事件が、二十四年の災害復旧から現在までまだ金が、国庫補助金が返ってないということから考えてみても、どうしてもその点がふに落ちないのだが、その点農務部長いかがですか。
○参考人(玉置康雄君) これはだまし取る気でなかったかということでありますが、もしほんとうにだまし取る気ならば、私は竣工検査をやりましたときに、すぐ村にでもやってしまったろうと思うのであります。しかし村長の方もそういう気はありませんし、県の方でもむろんそういう気はありませんから、ほんとうからいえば、これはインチキな方法でありますが、一応雑部金に入れておきまして、先ほど申しましたように、それが現在まで返ってないという話でありますが、実際にこれは県の方で返そうとしましても、岡山の方から返還の指令が来なければ金の払い場所もないわけでありますが、その岡山の方から返還の指令が参りましたのが四月二十日付の文書になっておりますが、実際に参りましたのは五月であります。それ以前に、先ほど申し上げましたように、昨年の十月でありますが、岡山の方では、本工事はやってないで付帯工事だけやったというのはおかしいから、全額返したらどうかという口頭の話もあったわけであります。そこで五月にこの文書が参りましたときにも、岡山の方のこれは間違いじゃなかろうか。岡山の方では全額返せと初め言っておったのですからというようなわけで、そのままにしておったわけであります。そこで繰り返して申し上げますが、だまし取る気はない。また雑部金のわけのわからぬ金とおっしゃいましたけれども、雑部金の方でも出納簿の方でちゃんと整理されておりますので、雲散霧消する金ではないと思います。
○岡三郎君 どうも回答がはっきりしない。私は、これが村に行っているならばまだはっきりするが、県の方でやるというふうに言ってそうして補助金をとって、そうして県の金庫だかどこかへ雑部金という名前で入れておいた、それがおかしいと思う。このこと事態かおかしい。しかも回答書に――照会要旨に対して回答書に、昭和二十九年九月の二十八日事業主体の経済状態が悪くこのような事態になったもので、七十万一千円に対する国庫補助金四十五万五千何がしは返還する。と、こう書いてある。この回答はいいのですが、「事業主体の経済状態が悪く」というならば、一体この補助金をやるといって県がなぜ取ったか。これは事業主体の経済状態が悪くてやらなかったのかどうか、こういう問題になると思うのです。回答要旨というものがここに書いてあるのです。この点、どうですか。事業主体の経済状態が悪くと、こう書いてあるこれはどうですか。
○参考人(玉置康雄君) 当時この事業主体は大津村でありますが、そうして村長がやるやると言うので県もそれを信用して、二十八年度にやる、だろうと思っておったわけでありますが、実際に事業主体である村がやり得なかったのは、最大の原因は、先ほど申しました水争いであります。そこで経済状態が悪くということは、直接には当てはまらないような気がするのであります。ただ、あるいはその意味の中にこういうことかあったかと思います。先ほど申し上げましたように、この堤を上げました場合に一番問題になるのは、この地区の水がかえってはけが悪くなるということか一番問題なのでありますが、その際に、この地区の人たちは、この地区にもう一本別な排水路を作ってくれれはこの堤を上げることを賛成するというような話もあったのであります。そこで、その経済状態が悪くという中には、そういう話も含まれておったかと思うのであります。つまり非常に村の方でいま少しく経済力もありましてですよ、ここにもう一本別に排水路でも作るならばこの堤の方も設計書通りのものをやれたわけであります。
○岡三郎君 どうもおかしい。どうも初めの方とだんだん話が私はずれてきていると思う。そういうことではなくて、私は率直に聞きたいのですよ。率直に聞きたいということはですよ、だまし取ったなんということをあなたが言うわけもなし、またそんなことを言わなくても、ははーとこっちは思いますから心配はないのですが、そうでなくて、一体県が雑部金としていつまでこういう中に入れておいて、そうして照会が行ったならば、「事業主体の経済状態が悪く」ということで、まあ事業主体の方から回答が来たのですかどうですか。こういうふうな形で補助金というものがいいかげんにとめおかれているということ自体がこれは問題だと思う。それでこれは鳴門市長さんは、合併されたので私の知ったことじゃないというふうにお考えだと思うのですけれどもね、これは鳴門市長さんの方としても、来る前に十分この大津村のこの問題を御調査になってこられたと思うのです。そういう点で私は今ここで近藤市長にどうのこうのとは言いたくないけれども、県の力が雑部金に入れてそれをそのままずっと検査まで来て、しかも岡山農地事務所の方から返還指令が来ないから返すわけにはいかぬと、どこへ返していいのだかわからぬと、そういうことを言われたならば、農林省の方としては、こういうふうなこの金を返還すると回答要旨があるわけでしょう。それを四月の二十日付で云々とまあ出ておりますけれども、こういうふうないいかげんな状態でですね、こういう問題を放置しておくところに禍根が私は絶えぬのじゃないかと思うわけなんです。いつこれをお返しするようにあなたの方では措置するのですか。もうどうですか、現在国庫に入っていますか、この金は……。
○政府委員(渡部伍良君) 先ほど来、玉置部長からお話しがありますように、付帯工事的なものであるからこの補助指令は取り消し、全部返還さしたらいいじゃないかという説もありました。しかし現実に付帯工事といえどもやっておるのだから、その分は災害復旧の一部だから、その分だけは認めていいじゃないか、こういう意見もあったのであります。その両者の意見を会計検査院等とも相談いたしまして、その結果四月二十日付でここにありますように付帯のものだけは認めて、それの差額を返還せよという指令を四月二十日付で出したのであります。従って県の方からはすみやかに返還すべきものと考えております。
○岡三郎君 それで今どうなっていますか、入っていますか。
○政府委員(渡部伍良君) まだ入っておりません。
○岡三郎君 なぜ徳島県の方としては、そういうふうに明瞭になったものをすみやかに返還しないのですか。
○参考人(玉置康雄君) 先ほど申し上げました通りに、岡山の方の話は全額返納しろということが口ではあったわけでありまして、その後四十五万五千六百五十円だけ返還しろという指令は参りましたが、それはまた出直すのじゃなかろうか、つまり七十一万五千円全額返納しろという通知が来るだろうと思っておったわけです。
○岡三郎君 やめようと思っても、おかしいと思うのです。本省の方でこれだけ返せと言っているのに、岡山の出店の方が、出先の方がまた七十万一千円を返せと言ってくるわけがないじゃないですか。それはどうなんですか。一体どうなっているんです。
○参考人(玉置康雄君) その四十五万五千六百五十円は岡山から来たわけであります。本省直接じゃなくて、岡山の方が最初の話では七十一万五千円全額返せということを口ではおっしゃっておったんでありますが、その後文書で参りましたのが四十五万五千六百五十円だったわけであります。
○岡三郎君 それをなぜ多く返したいの。あなたの方で四十五万五千何がしを返せと言ってきたら返したらいいじゃないですか。それを七十万と言ってくるかもわからぬから待っているのだ、そんなばかな話がどこにあるのだ。県の方では金がないから出さなかった。できるだけ少額に返すというのならば実情に適すると思うのだけれども――それが話は逆に七十万と言ってきて四十五万に減るかもわからぬというのなら、これはもうちょっと符ってみようというのならわかるけれども、四十五万という金で来たのに七十万という金が来るかもわからぬから待っているなんて、そんなばかげたことがありますか、常識的に言って。どうです、農務部長、そんなばかな話はないです。
○参考人(玉置康雄君) 私どもはこれは決してだまし取るような気はないんで、岡山の方から口では全額返した方がよかろうと言われたときに、全額返すつもりにしておったわけであります。そこで手続としましては、その全額の返還指令が来るかと思って待っておったわけでありますが。――それからその雑部金の金をほかに雲散霧消させようとか、ほかの予算に使おうといったってこれはできない金でありますから、決してそれをインチキしようという気は何もなかったわけであります。
○島村軍次君 この問題は要約いたしますと、これは結局工事完了したものとして雑部金に入れたというところに問題があるのです。そこでまあせんさくすればあるいは詐欺というようなことも考えられると思うのでありますが、究極するところ、今申し上げたようなことから考えますと、これは私の意見になるかもしれませんが、県の取扱いというものがルーズであるということは言えると思います。工事が続いてやるというようなことは、農地の状態としては考えられない。しかしもうこの件は州出の期間を経過しておるから、会計検査院の指摘されたように、これは当然返すべきものであって、問題は完了として扱ったというそれ自身が第一点と、それから次には、早く処理するということが第二点であったと私は思うのです。そこで私は会計検査院に伺いたいと思うのですが、こういうケースは、会計検査院で補助金の実態をお調べになった結果であろうと思うのでありますが、むしろ今お話しになったような点から考えますと、この竣工検査とかあるいは途中の設計当時の設計者というものまでも、本来ならば十分当時の事情を調べた上で、そうして雑部金までに及んだ調査がほんとうじゃなかったか。そういうことはお調べになっておりますかどうか。その点を伺っておきたい。
○説明員(小峰保栄君) この案件でございますが、二十四年災を二十六年になってようやく契約をいたしました。しかも補助金が行ったのが二十八年、そしてその補助金が参りました直後にりっぱな検収調書が完成した、検収調書ができていたわけであります。これなどは二十四年災害復旧はぜひやらなきゃいかぬようなものは、これと同じように補助金が参りませんでも、先に工事をやるというのが相当多いのであります。これもちょうど補助金が着く前に先にやったかのように見えるのでありますが、実際はよく検査してみますと、今問題になっておりますように、工事はやっておらぬ、それで金も行っておらぬ、県の雑部金に入って県がそれを勝手に使っている。雑部金に入れるのがいいか悪いかでありますが、これはもちろん悪いのでありまして、ただ先ほど申しましたように、短期間でしたらある程度黙認するほかはない、と申し上げますのは、補助金が一たん不要で返してしまいますと参りませんから、工事ができなくなるというような関係がございまして、短期間でしたら黙認するほかはないと思うのでありますが、これなどは少し長過ぎる。しかも先ほどお話がありましたように、返還命令が出ているのにまだ返らぬというようなケースでありまして、徳島県は一体に、たとえば工事費の中から補助金を、設計監督料、監督費というようなものをとっていたりするような県でありまして、あまり私どもとしてはいい経理の県と思っていないのでありますが、これなんかもその一つの現われじゃないだろうか。雑部金ですか、これに入れておきますと、一年たつとあとわからなくなってしまうのであります。一年たちますと、かりにわからなくしてしまおうとすれば、わからなくできる性質の金でありますから、おもしろくないケースだと、こういうふうに考えておるわけであります。
○島村軍次君 問題はそこにあると思うのでありまして、雑部金の扱いというものは、お話の通りに、県ではすこぶるルーズに考えられておる。それから県でもやはり最初の全体の補助金交付の場合に全体を通じて、ここにも雑費が内訳にありますが、この雑費で監督費をお出しになっておるのがこれは事実なんです。そう考えますというと、人は入れておる。そこで嘱託をしてやらした。そういうことに問題はかかってくるのでありますが、むしろ、繰り返すようでありますが、工事完了したという扱いを、県で実際の取扱いの上にどういう措置を講ぜられて、この形式の書面では竣工検査というものができておるというようなことになっておる。そういう形式上の問題もむろんこれは書類を変革したというか、間違った書類を作ったのじゃないかと思うのであります。私は大体の事情はわかりましたので、今後のこういう問題に対する扱いに関して、一つ委員長にお願いいたしたいと思うのですが、検査院との間の十分な打ち合せをする必要がありますので、検査院との懇談会を、ほかのケース等もありましょうから、やるということを一つ提議をいたしまして、質問を打ち切りたいと思います。
○木内四郎君 雑部金という制度はあまり好ましくない制度であるけれども、検査院の方でお話があったように、まあある程度黙認されるような場合にはやむを得ない一つの制度であるかとも思うのです。本件のごときは、ややその度を越したということは検査院の御指摘の通りなんですが、農務部長のお話しだと、やや度を越したものまで、雑部会という制度はやむを得ないかのごとき印象をわれわれに与えておるのですが、ことに私はあなたの御説明の中で特に伺っておきたいのは、あなたは雑部会という制度は相当活用しておられるらしいのですが、今月あなたの方で雑部金として納めておられるのは何千万円くらいありますか。金額はどのくらい今ありますか。
○参考人(玉置康雄君) 第一に、私がこの雑部金を相当認めておるような印象を出しましたとしましたら訂正いたしたいと思います。私が最初申し上げましたように、こういうことになりましたことは遺憾だと思い、また最初におわびしたわけであります。ただ補助金をだまし取ろうというような悪い意思でやったことでないことだけをお認め願いたいと、こういうことを最初からお断わりしておるような次第でありまして、雑部金がいい制度だということは一度も言っていないのであります。ただお話のどのくらいあるかということは、現在調べてきておりませんのではっきりいたしません。ただ少くなっていることは確かでありまして、これはつまりおととしの事件でありますが、雑部金から去年、今年と工事もだんだんよくなってきております。しかしこういうことをやることは少くなってきております。
○木内四郎君 あなたを責めるわけでもありませんが、私も雑部金という制度はあなたがいい制度だというふうに言ったとは申しておらないのであります。やむを得ざる制度として相当活用しておられるということを私ども感じ得たのであります。それにつきまして、あなたはお手元にお調べはないようでありますけれども、私どもこの決算委員会においてこれを調べておりますのも、あなた方を責めようという目的じゃないということは、これは先ほどからもお話のあった通りです。これを全体の公共事業に対する補助金を、あるいは分担金等を含んでの問題に間違えないようにしたいという念願からです。その参考にいたしたいという念願なんですが、あなたの方の県について、こういう事件について何百万円、こういう事件についてどのくらい――合計何千万円、どういうふうになっておるか、その受け払いのことを参考のために当委員会に提出願いたいと思います。 それからさらにもう一つ申し上げておきたいのは、さっきから他の委員から検査院を嘱託して検査された、この検査院の責任であるかのような御質問をされたのでありますが、それももちろんあるでしょうけれども、私は本件は検査院は必ずこれは未完成であるというふうに報告をしたにきまっておると思うのですが、三十九万九千円だけの完成をした、他は完成をしておらないという報告をしてきたにもかかわらず、あなた方の御指導によって、他のものを完成したごとく装おって、そして国費をだまし取ったんじゃないけれども、国費をそういう形のもとに取ったということに間違いは私はないと思う。そこでこれは検査院の責任でも何でもないので、むしろこれ々指導されたところの農務部長がこれを画策し実行されたものと私どもは判断するのです。その点はどうですか。
○参考人(玉置康雄君) その点は、これはほんとうのことを申しますと、この竣工検査が出ておりますけれども、実は私就任前の話でありまして、存じないわけであります。そこで想像をまじえて話をいたしまして相済みませんが、私の感じでは、つまりその後のいろいろ仕事を扱っております感じからいたしましても、それはおそらく反対ではなかろうか、常にこういう話は地元の方から何とか補助金を返還せずに一応取っておいて、そうして一応雑部会に入れておいてあとで工事ができたら出してくれぬか、こういう話は地元から出てくるのでありまして、県の力ではこういう会計検査院に怒られ、参議院まで呼ばれて、これはたまらぬ話しですから、ほんとうはこういうことばしたくないのですけれども、地元の村長や地方事務所の方から、返すよりか何とか待ってくれという話が起ってくるから、こうせよ、こういうことになるのでありまして、これは私就任前の話でありますから想像でありますが、おそらくそういうふうではなかったかと思うのであります。 なお、これは要らぬことを申し上げるのでありますが、一言この全般につきましてお断わりいたしたいのは、いろいろその地元の関係、また手続がおくれルーズに流れた関係でこういうことになったのでありますが、ここに一言お断わりしたいのは、昭和二十四年の台風の被害の中で、耕地課関係だけで個所数が約四千カ所あるのでありまして、被害額にいたしまして四億五千万ほどの被答があったのであります。それからその後も毎年徳島県における災害は数千カ所あるのでありまして、耕地関係の災害はそれに対しまして、耕地課の災害を扱っております職員、本庁も地方事務所の耕地課も全部入れまして約百人あります。約百人の人数で数千カ所の工事個所をやっておるのでありまして、その一々につきまして、その本庁の農務部長の方から、これはお前一つ雑部金に入れておけというようなことを一々指令するはずがないと思うのであります。おそらくそういうお話は村の方から上ってき、地方事務所の方から上ってきて、本庁としてはまあやむを得ず認めた、こういうことだと、想像でありますが、思う次第であります。
○木内四郎君 あなたの御就任の前だというお話だけれども、あなたは二十八年に就任されておる。二十九年三月末にその金を雑部金に入れたということも確かな事実だと思うのでありますが、あなたが自分からこれをこうしろ、ああしろという命令はされなかったかもしれないけれども、あなたが指導しかつ監督しておられるところの町村から、今あなたが上げられた膨大な計数、そういう事件について、これは完成していないのだけれども、こうしてくれ、こう言ってきたことだけは確かです。それをあなたが指導監督の立場におられて、そういうふうに指導監督されたということも確かな事実だと思うのです。今後につきましても、もしそういう心がまえでやられるということになりますと、先ほど委員長も言われたように、これからいつまでたってもこういうことの根源を断つことができないのです。そこであなたが今後積極的に指導、命令されないにしても、管下の市町村からこういうふうにしてくれと言ってきた場合に、それに対してどういうふうな措置をされる心がまえであるか、それを当委員会として特に私どもは関心を持ってあなたの答弁を伺いたいと思います。
○参考人(玉置康雄君) おっしゃるまでもなく、一昨年以来会計検査でいろいろ事件を起しまして、それ以来、常に地方事務所に対しましても、町村に対しましても、こういうことのないように締めておるのでありまして、雑部金に入れるようなことはいたしたくないと思っておりますし、また部下に対しても、そういう指導をやっております。ですから今後雑部金の制度を使うということはおそらく非常に少くなると思います。ただ全然なくなるかと申しますと、ちょっとそこはむずかしいのは、たとえば三月三十一日で年度が切れる、あと数日待てばそれで工事が完了するというような場合に、その場合にもやはりやめて補助金を返還すべきかどうかということになると、ちょっとむずかしいところがありまして、多少の例外は起るかと思いますが、できるだけこういうことをやりたくないと思っております。
○木内四郎君 あなたは僕の質問しておる趣旨を誤解しておられる。私は初めから検査院が黙認されておるような雑部金の制度は好ましくないことで、これはやむを得ないことであると思っておるのです。度を越したこうしたものが下から出てきた場合にあなたが指導監督する立場におって、こういうふうに指導監督して、今後においてはどうされるかということを伺っておるのです。三月三十一日が来て、あと十日間で完了するものをどうとかというようなことをこの委員会で言っておることじゃないということはよくあなたは頭に入れておいていただきたい。あなたは本末を転倒しておられると思う。重ねてお願いしておきたいのは、われわれの参考にしたいと思いまするので、雑部金としてあなたの方の出納長の手元に保管しておる何千万円かの金、それをどういうふうに受け払いをされたか、一つの参考のために出していただきたい。
○委員長(山田節男君) どうでしょう。予定の時間もだいぶ過ぎたようですか、まだ次に大分県の参考人がすでにお見えになっておるので、この程度で終えたいと思いますが。なお最後に私から一言お願い申し上げておきますが、ただいま木内委員から要求のあった資料、これは徳島県の出納長が現在保管しておる細部金、もちろんこれは農林省関係、建設省関係、運輸省関係その他これは幾多あるのじゃないか。こういうものを科目的に分けて、二十八年以来の出納長の手元に保管しておった――また現在しておる保管額の総計を至急本委員会に御提出を要求いたします。 それから今農林省から正名、官房長初め局長が見えておりますからして、ただいま徳島県の玉置農務部長の説明を聞いても、雑部金の制度というもの、これは非常に乱用されておる。御承知のように、昭和二十六年度、二十七年度の決算の審議に当りまして、本委員会においてもう口をすっぱくして、農林省はもう少し内部監査を厳重にしろと、再三大臣を初めここに呼んでわれわれは強く要請しておる。にもかかわらず、農林省の監査の実績等も本委員会に出されておりますが、雑部金制度の乱用ということは、今日ここにおいて初めて徳島の農務部長によってここに露呈されたということは、まことに本委員会として快しとしない。一体、農林省が会計検査院の指摘もあるように、本委員会として特にこの点に内部監査を厳重にしろと――なるほどそれは復旧個所が十数万件もあって、これはめんどうなことだと思います。会計検査院としても、農林省に対しては全体の、こういう事業者に対して六%のものだけしか調べなくて、なおかつわれわれが憂えざるを得ないような事故かここになされておるわけです。この雑部金制度というこの好ましからざる制度を一日も早くこれは改善して、もう非常に本委員会として心痛しておる補助金行政はいかに解決するかと、これは国民の名においてわれわれは重大な関心を持っておるのです。農林省においてはこの雑部金制度について全国的に調査しておるのかどうか。これに関する資料をこれまた至急本委員会に提出願いたい。 ほかに御質疑のある方がおありかとも思いますが、時間がすでに二十五分超過しておりますので……。
○小林亦治君 ただいまのケースは、これは的確に調べれば、あるいは犯罪にもなりかねないことになるのです。最後に委員長から委員会の総意を一つ訓戒することは、これは当然な二となんでありますが、会計検査院も見えておりますので、その検査院からも、委員長の今最後の結論的な御意見なんですが、それに対してどういうふうに検査院がお考えになるか。検査院からもこういうケースに対しては、この際遠慮のない意見をおっしゃっていただいて、そして、このケースはこの程度で次に移りたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○委員長(山田節男君) 今小林君の御発言、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山田節男君) これは本委員会におきましても、過日御審議願いましたように、こういったような架空工事、あるいは二重査定、こういったような予算の執行の責任者に対しては、詐欺罪が適用できるかどうか、本委員会は参議院の法制局並びに会計検査院等といろいろ協議いたしました。大体、過日の法制局長の見解によりまするというと、これは詐欺罪が成立するという見解に立っておるのであります。御承知のように、刑法第二百三十六条並びに会計検査院法第三十三条の義務規定がありまして、通告の義務規定がある、こういうところから勘案いたしまして、今後こういう事故をいかに是正するか。過日委員会におきまして審議いたしましたように、この参考人の全体的弁論が済みました後に、会計検査院と、また参議院の法制局長とも本委員会におきまして協議いたし、先ほど小林君の御発言のあったような点も、本委員会の会期中において結論を出したい所存であります。 なお、本日わざわざ徳島県から近藤市長並びに玉置農務部長の御出席を願いまして、いろいろ有益な資料を御発言願いまして、その点はまことにありがたくお礼申し上げます。申すまでもなく、今日の非常な緊縮財政の折から、特にこの予算の執行につきましては、本委員会といたしまして、従来非常に慎重に審議して参りました。やはりこの補助金行政というものの改善を一日も早く完成しないと、いわゆる百年河清を待つと申しますか、また今日の地方財政の逼迫も一つに補助金行政の乱脈が因をなしておるのじゃないかと、実はこういうわれわれ見方をしておるわけであります。で、われわれは、今日はるばるお見えになりました御向君のいろいろ忌憚のない御意見を承わりまして、今後のわれわれ毎歳の資料上まことに有益な結論を賜わりたように解釈いたす次第であります。今後におかれて、ただいま会計検査院からは、徳川県はあまりこの点においては名誉ある県ではないというような、きわめて穏当な表現でありましたけれども、この点は特に一つ徳島県にお帰りになったら、あるいは知事にも、あるいは県議会等で、あるいは鳴門市長さんは、徳島県下の市町村の指導者に対しても、今日ここに御出席願った経緯、実情等も十分一つ御報告願いまして、今後一そう健全な地方財政、健全な公共団体のあらゆる建設、復旧事業か円満に、しかも効果的に進むことを念願してやまない次第であります。本委員会を代表いたしまして、今日お見えいただいた御両君に心から慰謝の意を表します。 それでは御両君御退席願います。 ―――――――――――――
○委員長(山田節男君) 次に、検査院検査報告批難事項千五百六十九号、検査報告書本文の説明百八十ページであります。大分県玖珠郡森町が施工した二十八年度災の森町川底頭首工災害復旧工事、工事費百十九万二千円、うち二十八年度国庫補助金百七二千八百円についてであります。 参考人として御出席願いましたのは、大分県の玖珠郡玖珠町町長吉岡好太夫、大分県農地部長波多野俊、両君であります。 参考人の方にははなはだ時間を制限して申しわけございませんが、議事進行上の制約もございますので、大体十分程度で御説明を願いたいと存じます。 まず池田専門員より本件に関する概略の御説明を願います。
○専門員(池田修蔵君) 御説明いたします。これは検査報告百八十ページの数字の(17)というところに概要を書いてございますが、大分県の玖珠郡森町、今は玖珠町になって、おりますが、森町で二十八年災に対しまして、百十九万二千円で施行しました川底頭首工二十八年災害復旧でございまして、その工事の内容は、井ぜき二十三メートルを復旧するもので、えん体は玉石コンクリート、水たたきは配合比一・三・六のコンクリートで施行したこととしておりますが、その実際の結果を見ますというと、配合が非常に粗悪であるばかりでなく、水たたきの部分は設計の半量程度を施行したにすぎないのでありまして、二十九年八月に水たたきの大部分が崩壊しておる状況でございます。なお工事は、国庫補助金を下回る――補助金は百七万二千八百円でありますが、国庫補助金をも下回る七十九万六千円で施行しておりまして、同町はその負担したとしておりますところの十二万九千円を全く負担しておりませんばかりでなく、二十七万六千八百円の剰余を生じまして、その分は町の一般経費に使用しているものでございます。
○委員長(山田節男君) 参考人の供述を求めます前に、一応お尋ねいたしておきますが、波多町君はいつ大分県の農地部長に就任されたか、その年月日並びにその前職名並びに在任期間をお示し願いたいと思います。並びに玖珠町長吉岡君の現町長御就任の年月日を御報告願います。
○参考人(波多野俊君) 昭和三十年五月四日に農地部長になりました。その前は農林部長をいたしておりました。
○参考人(吉岡好太夫君) 私はこの三月二十二日に就任いたしました。森町は四カ町村合併いたしましたので、玖珠町の中に併合されたのであります。
○委員長(山田節男君) それでは御両君から本件に関する御説明を願います。
○参考人(吉岡好太夫君) この件につきましては、二十八年の災害は一応六月の二十日までに工事を完成しておったのでありますが、それが八月十七日に大分県といたしまして今までかつてない大雨が降りまして、約九百七十ミリりくらいだったと思っております。それで八月十七日に一応決壊したのであります。そうして二十二日に会計検査院から山本検査官がおいでになりまして、その跡を御検査になったのでありまして、その結果が、先ほど申されましたような状況だったということを実証されたのです。それでこの百七万二千八百円に対して、実際工事が粗悪であったために、七十九万六千円でこの工事は完成しておるということを認められたので、これに対しましては当時、町当局も一応その点について了承したのであります。工事差につきまして、いわゆるその補助金の百七万二千八百円を下回るその工事の差額が二十七万六千八百円という剰余を生じて、これは町の一般会計に使っておるということでありますが、この点につきましては、私が調査しましたところでは、はっきりわかっておりません。で、これはともかくといたしまして、確かに工事の粗悪であったということは認めますし、その後も二回手直しをやりました際に、工事事務局並びに会計検査院の検査官がおいでになったときも不良であったということを申されまして、その後手直しをいたしまして、手直しとしてこれに加えますのに、町が二十七万円と、それから地元受益者が人夫で八十人、二万四千千円、それから請負者が負担いたしたのが四十三万一千円、計七十二万五千円で手直しをいたしまして、この五月三十日に全部実際は完成いたしておるような状況であります。で、こういう認証になったことにつきましては、私も実際その当時の状況は、もちろん私当事者でありますけれども、自分が直接それに触れておりませんのではっきりいたしませんけれども、この認証に対しましては、私もその当時の工事の不足並びに質の悪さ等から考えまして、こういう認定を一応そのときになされたということは妥当であったといふうに考えております。従ってこれをできるだけ早く直して、そうして当りまえの工事が施行できるようにするということが私どもの仕事であるというので、両者合しますというと百五十万円余の工事費、になりましたけれども、極力これによって一応手価しをして今日完全にしたということに考えておる次第であります。
○委員長(山田節男君) 農地部長から何か補足的な説明はありますか。
○参考人(波多野俊君) ただいま町長からお話があった通りでございますが、県といたしましては昭和二十九年の八月三日に、ここに先ほどお話のございました七十九万六千円の出来高というものに対しまして、工事の疎漏であり、手直しをすべきであるという指示をいたしておったのでございますが、その直後二十九年の八月十七日の台風第五号によりまして、えん体はそのまま残ったのでございますが、護岸の一部の水たたきが崩壊いたしまして、ここに先ほどお話の通りのはなはだ遺憾な結果になったわけでございますので、そこで二十九年の十二月二十日に七十二万五千円の手直し工下を着手いたさせまして、本年の三月三十一日に竣工いたしましたので、中間におきましてはなはだ遺憾の点が多かったのでございますが、手直しの三下が完了いたしましたので御了承願いたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○委員長(山田節男君) 御質疑をお願いいたします。
○木内四郎君 会計検査院に私から一言お伺いしたいのですが、こういうことは初めに工事を完了して、そうしてそれに対して一定金額を、ごまかしたと言ってははなはだ悪いけれども、ごまかされた。それでまあその事業はそれで終った。あとで未曾有の災害でそれがいたんで、やった工事を手直しということで処理するということはできるのですか、これは。
○説明員(小峰保栄君) 本件は水たたき――井ぜきの水たたきというのは致命的に市要な部分でございます。洪水のときに滝のように落ちますから、それでこれは平均七十センチの厚さ――二尺余りでございますが、こういうことになっていたのを、平均四十センチくらいしかやっていなかったわけであります。で私どもといたしましては、未曾有の災害を、受けた結果こわれたか、工事が疎漏のためにこわれたか、この判断に相当迷うわけでありますが、設計だけやっていれば、かりにこわれたといたしましても、まあこれは未曾有の災害、不可抗力ということにもなるかと思うのでありますが、何分にも半分くらいしかやっておらぬ、しかもコンクリートの質が非常に悪い、一・三・六の配合が一・三・六どころじゃなくて、非常に粗悪だ、こういうことでこわれたのじゃないだろうかと一応の推定をしたわけであります。で、補助の目的を達していないという場合には、全額返納というのが法律では規定されているわけであります。ただこれが手直し、補強によりましてまた元通りの設計通りの強度が得られればある程度はこれは黙認してもいいじゃないか、こういうふうに扱っているわけであります。法律から申しますと、補助の目的を達していないようなことをいたしますと、全額返納と、こういうことになるわけであります。
○木内四郎君 農林省へ伺いたいのですが、そういう場合には、もう手直しということで処理させるのですか。悪い場合には悪いので、工事をしておらなかったのだから、今、会計検査院の言われたように全額返納させる、そしてまた新たなる災害としてそれを処理するのだ、こういうふうにはやられないのですか。
○政府委員(渡部伍良君) こういう場合にはよく検査院とお打ち合せいたしまして、返還すべきか、あるいは手直しをやらすべきかということをきめております。本件の場合は、手直しということにいたしたのであります。かつあとの御質問で、新たなる災害と見るかどうかということは、新たなる災害とは見ないで処置しております。
○島村軍次君 この検査院の報告によりますと、一般経費に使用しておると、こう書いてありますが、ところが今町長さんのお話では、これがはっきりせぬようでありますが、一体どういう経理の仕方をやっておるか、その点を一つ。 それから十一万九千円の負担金はしていないということでありますが、町長の説明によりますと、その後、手直し、工事で八十人の人夫で二万四千円の負担をしたと、こういうわけでありますが、こういう場合に十二万九千円と二万四千円との関係なり、あるいはどういうふうな処置をすべきかという問題に対する検査院側の一つ意見を……。
○説明員(小峰保栄君) これは町の一般会計でやっているわけであります。それで二十八年度の決算を見ますと、百二万三千円、まあ大部分の工事費になるわけでありますが、これが一般会計の歳出として上っておるわけでありします。ところが実際にはここにございますように、百万円も負担していないのでありまして、七十九万六千円しか負担しておらぬ。一般会計で決算に上りましたのは百何万円で、実際に使いましたのは七十九万円、この差額は当然に一般会計の他の経費に使われておるわけであります。私どもとしては、ここに書きましたように、剰余を生じて、しかもそれは一般の経費に使われておると、こういう判断をしたわけであります。 それから検査報告に書きました事態以後に村で手直しをし、あるいは補強するというのに金をお使いになるのは、これは検査報告で批難後の問題でありまして、私どもが指摘いたしました結果、そうなるわけでありますが、ここにはそれは平後の処理としては私どもとして考慮いたしますが、検査報告には当然書けないわけであります。
○島村軍次君 そうしますと、町の決算によっては百十万円ですか、それの支出をしたと上っておって、しかるに実際はそう出してないということになれば、その経費は決算面で決算にならぬじゃないのですか。どこへ決算では支出したことになる。しかるに事実はそう出しておらぬというと、ほかへ使うたということになるのですが、その決算面で、それだけの支出をしたものか、事実はそれだけ要らなんだということになれば、これは架空の経理ということになると思うのですが、その点はどうですか。これは検査院側の意見を承わった上で、町長の意見を、一つ……。
○説明員(小峰保栄君) 架空と申しますか、現実に金はどっかで使われておるわけであります。その工事には使われていなかった、こういうことになるのでありまして、決算の上に事実と相違する面があるということは、これは言えると思います。
○参考人(吉岡好太夫君) 負担金の十万円というものは、これは実は出しておりません。それで出しておらずにその当時検査官から指摘されまして、それが出していないという――事実上帳簿の上には出したというようなふうに書かれておりながら、それは事実上出してなかった。ただその負担金を地元の労力負担において出そうというふうに町の方では考えておりまして、それでそのときにはまだ百五十人の人夫でその一部を負担しておったという形式をとっておりましたので、その方は事実上確かにその負担すべき金を負担していなかったということは事実でおります。で、決算につきましては、私三月二十二日就任いたしましてから極力町の決算、二十九年度の決算につきまして早く整理をするようにということを申しておりますけれども、まだ私が出発するまでに、その決算の締切りがまだ実はできずにおりましたので、その点につきましては、まだよく了承いたしておりません。
○島村軍次君 県の農務の方では、この指摘に対して一般経費に使用したということに対する御調査なり御大兄をお持ちになっているだろうと、思いますが、この点一つ……。
○参考人(波多野俊君) 県の方では、ただいまの御質問のようなことを特に深くその面から探求はいたしませんで、ただわれわれの方といたしましては、そういった疎漏の工事でございますので、手直しの工事に全力をあげるように督励をいたしまして、事実において立初予定設計されましたような工事の完成に力を注ぎましたのでございます。
○島村軍次君 町長はまだ御就任後間もないことであるし、今日下調在中ということですから、一応了承いたしますが、二十七万六千円の支出は、当時決算面ですでに百何万円の支出ということになれば、ほかに支出されておったということは、これは事実だろうと思うのです。従って非常に悪意に解すれば、その経費である二十七万六千円の経費というものがいかように支出されたかということに対しては疑問を持たざるを得ぬということになると思うのです。そこでこれはその後お調べの結果がわかりますれば、ちょうど批難事項で上っておる、この検査報告で一般経費に使用しておるというその事項に対する批難の点をはっきりされる必要があるのじゃないかと思います。従いまして、何といいますか、弁明といいますか、その事情を具した書類は当然会計検査院にも報告され、あるいはまたせっかくおいでになっておるのだから、当委員会にも御報告を願いたい、こういうことを希望申し上げておきます。 それからもう一つは、今回の手直し丁半の二十七万円を一般町費で持たれたということは、二十九年度の町費の一般経費に予算として計上されたものですか、あるいはそうでないものですか。その点を一つ。
○参考人(吉岡好太夫君) 前の問題につきましては、もちろん私といたしましては調査はいたして、一応の回答は出ておりますけれども、これにつきましてはまだ十分私が調査いたしておりませんので、たとえて申しますならば、二十八年度の九十二万七千円に対する支出につきましては、三十万円は二十九年の五月の二十五日、二十万円は八月八日、それからそのほかに五十二万三十円を六月二十九日に出したと申しておりますやつが、実はその負担金を出していないので、四十二万七百円というものを出したこういうふうに一応帳簿上には記載されておるのでありますけれども、これにつきましては、なお私は果して正確なものであるかどうかということを十分調査しました上に御報告いたしたい、こう存じております。 それから後段のことにつきましては、私は森町の二十九年度の予算につきましてはまだ十分調査いたしておりませんが、これはおそらく二十七万という町が支出した金というものは、予算面に現われていたのかどうかということは、私疑問を持っております。よく帰りまして調査の上、御報告申し上げます。
○岡三郎君 県の方へちょっと伺いたいのですが、この仕事に対して、工事の施行中または工事完了時に、どの程度県は検査したのか。ここには大分県技師安藤波夫さん、安藤という方が昭和二十九年六月二十五日に竣工検査をしたというふうに出ておりますが、その点について一つお答え願いたいと思います。
○参考人(波多野俊君) ただいまお話しのありましたように、安藤波夫君が竣工検査をいたしたわけでございます。
○岡三郎君 どの程度にしたのですか。
○参考人(波多野俊君) それは現地につきまして検査をいたしましたものを、文書によりまして報告いたしております。
○岡三郎君 そうすると、予定価格が百十九万二十川、請負額百十九万二十円、こういうふうになっているわけですが、結局検査をしたときにはこの金額で補助設計通りに完了した、こういうふうに確認したわけですか。
○参考人(波多野俊君) その当時は、一応そういう工合にしたわけでございます。なお、そのときに、二十八年災害は玖珠郡、日田郡市に集中的な大災害であった関係上、件数も非常に多かったわけでございます。そこでさらに精密に各個の検査をするようにいたしまして、八月三日に精密な検査をいたしました結果、工事に粗漏の点ありというわけでもって、文書をもって指示をいたして手直しを命じたわけでございます。
○岡三郎君 そうすると今波多野さんが言っている程度の竣工検査しかしないわけですか、ふだんは。
○参考人(波多野俊君) その六月には、私も当時のことを知悉いたしておりませんけれども、そう深い検査ではなかったのではないかということを結果的に認めております。
○岡三郎君 そうすると、町の方ではどの程度こういう検査をやっておられるですか、事業主体として。
○参考人(吉岡好太夫君) そのある場所が非常に山間の僻地でありまして、戸数が十五戸でありますし、町の方から出かけて行くのにも、実は朝早く出かけて午後の二時くらいでなきゃ着かぬというような状況の所であります。従って、私はその監督が不十分であったのじゃないかということも考えられますし、また地元に住んでおりますところの者に、地元民の要望もありまして、町の委員会で請負者を指名したというような関係がありましたために、若干そうした点においてもあるいは監督の粗漏があったのじゃないかということを私考えるのであります。
○岡三郎君 会計検査院にお伺いしたいのですが、この七十九万六千円で施行しているというのは、これはどうしてわかったのですか。
○説明員(小峰保栄君) 私ども検査に参りますと、まず工事のでき方というのを調べるわけであります、設計書と照し合せまして。そうしてこれなんか非常に悪い、現にこわれてしまっておるこういうので、設計通りのまともな金を払っていないというような一応の想像がつくわけであります。さもなければ、請負人にひどく手を抜かれた、こういうことになるわけであります。それで初めは、請負人が手を抜く方が多いと、こういうようなことも考えていたのでありますが、いろいろ調べて参りますと、実はそうじゃなくて、事業主体が値切ってしまうというケースの方が多いのであります。大体負担金を出さないでやるというのが非常に多いのであります。これなどは、二十八年災害は御承知のように九割の国庫補助というので、非常に率が高くなったのでありますが、なおかつ従来と同じように六割五分くらいに値切ってしまうというようなケースが実は非常に多いのであります。これはなかなか事業主体も正直なことを言ってくれませんし、それから書類は一応、これで申しますと百何万円という契約書ができているのであります。ところが、調べて参りますと、大体いくらくらいでやれたかというようなところの見当がつく者が検査に行くわけでありますが、いろいろ調べて参りますと、今のように地元負担はしているように予算、決算はできていながら、実は負担しておらぬ。それから裏帳簿というようなものがだんだん出てくるのであります。ところで、まあなかなか調べるのもむずかしいのでありますが、結局、本物が出てくるというようなことになりまして、これなども今の七十九万という事実がわかったわけであります。ちょっとこれは簡単にはなかなかわからないのでありますが、検査の力もなれて参りました関係で、現在では大体裏帳簿、第二裏契約というようなものを結局最後には引っぱり出してしまうというようなところまで行っているわけであります。
○岡三郎君 そうすると、帳面ずらは百十九万何がしでできたように出ているわけですか。そうするというと、この十一万九千二百円、それから二十七万六千八百円、この金が一体どうなっておるかということが問題になると思うのです。あとで手直し工事をしたということは別問題だと思うのです。これは別問題で、結局決算として、百十九万二千円で工事を請け負わして、そしてその金で支払ったということになっておるわけです。で、実際は十一万九千二百円の同町が負担したと称している金と剰余金を合せると、三十九万六千円の金が、どこへ行ったのかこういうことになると思うんです。それで、会計検査院の方で「町の一般経費に使用している」とごうあります。町長さんは当事者でないので、会計検査院の方にお伺いしますが、一体どんな経費に使っていたのか、それから町から出したと称している十一万九千二百円ですね、これは一体どう使われているのか、ちょっと伺いたいと思います。
○説明員(小峰保栄君) 書類は、これは決算で水増しのふくらました決算ができておるわけであります。それで、剰余金を抜きますと、結局国庫補助金の頭をはねた分については、一般会計でやっておりますので、どこへ何が使われたか、これはわからなくなっちまうわけであります。町の経費に使われたということはわかりますが、収支がないものでありますから、どこへ使われたかわからない。とにかく町の一般経費、これだけはわかりますが、どこに幾らこの分が行ったかということは、ちょっとわかりかねるわけであります。ものによっては、たとえばこれは会議費に使ったり、飲み食いに使ったりということがわかる場合もあります。本件の場合は一般経費全体の一部になっておりますから、ちょっとわかりかねるわけであります。
○岡三郎君 すると、町長さんに先ほど他の方が質問されたときに、まだわからぬということですが、吉岡町長さん、一般的傾向は、こういう工事に対してどうですか。こういうふうなことが行われた場合に、剰余金とかそういう支出していない金を支出した上称して、一体どんなものに使っているのですか、大体は。あなたでないから率直にいろいろなことを言って話してもらいたいのですが……。
○参考人(吉岡好太夫君) 実は私は今まで学校長をしておりましたので、そうした方面に対して不なれで全然わからないのであります。しかしおそらく、このうちで町で負担すべきところの一割の金というものは、明らかに収支面の方では支払ったとして計上しているやつが実は支払っていないということは事実であります。それはその当時指摘された問題でありますからして、だからそうした金の行方というものがどんなふうにたっておるかということは、恥かしいことでありますが、私はそうしたものに対する経験がありませんので、よく存じません。
○木内四郎君 関連して、検査院に伺いたいのですけれども、歳出をこれだけ、百十九万円幾ら出したと書いてある。そして現実にそういうふうにして決算を締め切った場合に、それは出しておらなかったとかりにしますと、それは他の経費に使ったと見られることがおかしいと思うのです。他の経費に使いようがないと思うのですが、どうでしょうか。
○説明員(小峰保栄君) これは二十八年度の決算では、百二万円決算にはっきり上っているのであります。あと残りは二十九年度の決算に上るわけでもりまして、これは使いようがないということはないのでありまして、ただいま工事に使ったと言いながら、実はそれを一般の旅費なら旅費に使うということも、これは自由にできるわけであります。国の歳出でございますと、一一書面検査をし、証拠書類をとりますから、これは全然違う目的に使いますと、すぐに検査院として文句が言えるわけでありますが、町はなかなかそこまで私どもとしては検査もいたしませんし、これはなかなかわかりかねるのでございます。どこへ使ったか、一般の経費にもぐってしまいますと、なかわかりかねる。ものによっては飲み合いに使ったり、あるいは学校の建築費に流用しているということがはっきりわかるものもありますが、この程度の金で一般の中へ入ってしまいますと、ちょっと、収支がない関係もございますが、わかりかねる、こういうことでございます。
○木内四郎君 他の金を使う場合には、やはり他の予算の費用を通さなければ使えないので、その残ったものは他に使ったと言われるならわかるけれども、他の一般経費に使ったと言われることは、ちょっと言い過ぎじゃないのですか。あるいは飲んでいるかもしれない、食っているかもしれない。どこに使っているかわからない。一般経費に使ったと言うことは、ちょっと言い過ぎじゃないのですか。
○説明員(小峰保栄君) これははっきりわかりますと、たとえば他の県なんかで書いてありますように、学校の建築費に流用した、あるいは飲食、会議費に使った、こういうのでありますが、はっきりわかりませんので、一般経費と、一番広い意味で書いたわけでございます。
○木内四郎君 今の一般経費というのは、それは町なら町の予算を通した経費でなく、予算を通さざる経費ということになりはしないかと思いますが、そうなってくると、一般経費であるのか、飲んだのか、食ったのか、歩いたのか、これはわからぬと思うんですが、今町長さんに伺いたいのですが、あなたの方の町には予算や決算を通さない秘密の金があるのですか。
○参考人(吉岡好太夫君) この点につきましては、私は実際言とよく存じませんのですけれども、そういうこともあり得るのじゃないかというようなことは……。私想像であります、これは。
○木内四郎君 あなたはまあ、当時町長さんじゃなくて、学校の校長さんであったから、当時のことはおわかりにならないが、現在やはりそういう秘密の金はあなたの方の町にあるのですか。
○参考人(吉岡好太夫君) 現在そういう金があるとは、私は思っておりません。私は、現在のとろでは……。
○岡三郎君 今お話がちょっと発展したのですが、政府の方から出した金のまあ剰余金といいますか、二十七万六千八百円と、それから町が負担した十一万九千二百円、これは一応百十九万二千円の工事を請け負わしてその工事心それだけかかったということにして落しているわけですね、実際は。ですから、三十九万六千円というものは浮いているわけです。その金はどこへ行ったかわからぬけれども、今言うような一般経費に使用していたんだろう、それは予算を通さないでどっかへ使われているのじゃないか、こういう話です。そうするというと、結局またあとで災害があったので出てきたんですが、その問題のポイントになる点は、この工事が随意契約でやられているわけなんです。それで請け負った人は、やはり森町の伊藤義雄という人が請け負っているわけです。この森町の伊藤義雄という人と随意契約をしたときに、どういう話をしたか知らぬけれども、請負人の方として、まあとにかく百十九万二千円でやったことにしてくれ。そういうふうな様子だから、工事も疎漏になるし、また出来高もいいかげんにやらなければならぬようなことにたったのかもわからないと思います。それで、随意契約というものはずいぶんこの地方に流行しているように見受けるのですがね、大体あなたが就任する前から就任した現在において、どの程度町長さんがこういう工事にタッチし、実際問題としてそういった工事の請け負いについてやられているのか。特に吉岡さんが校長さんで、私はそういう悪いことをしておらぬのでわかりないと言われても、実際にこういうことをなくするようにこれからまあ町長さんにもやってもらわなければならぬと思います。そういう点で、わからぬといっても、こういうのはそれぞれいろいろな話があると思うんで、との程度タッチし、随意契約をどう考えて、現在どういうふうになっているか、これを一つ実情をお話し願いたいとうのです。
○参考人(吉岡好太夫君) 私が就任いたしましてから、工事に新しい契約は一つもいたしておりません。それはまだ、実はこの末に予算を提出するようにいたしておりますので、議会の方でもそういうことはいたしておりません。しかし、従来私が話を聞きますところによりますというと、よくそうした随意契約などが行われておったのじゃないかという節も、実は考え得る点もあります。
○岡三郎君 随意契約がひんぴんとして行われるということになるというと、こういう事例が多く起ると思うのですが、その点、町長さんどうです
○参考人(吉岡好太夫君) 実は私もそう思っておりますので、先日も実はそれについて係とも十分話し合いをしまして、今後絶対に随意契約はやらないというようなことに方針をきめております。再びかかることのないように、今度の問題につきまして私も始めて遭遇しまして、また自分が町長とし就任する以前にもそうした忌まわしい話をときどき耳にすることもありましたので、私が就任以後こういうことは絶対にやらない、再び不正を繰り返すようなことは、一切しないというかたい決心を、今持って、おります。
○岡三郎君 県の方へ聞きたいのですが、こういうふうないわゆる工事の設計あるいは補助申請に、いろいろと県の方が相談を受けられると思います。こういったような随意契約というものを、大分県に関してですが、一体どの程度に行われているか、あなたの所見を伺いたいと思うのです。随意契約というものがどういう弊害を伴うか、一般に随意契約というものがどの程度行われているのか、あなたの所見をちょっと聞きたいと思うのです。
○参考人(波多野俊君) 県の農地部関係の工事といたしましては、新たに工事をいたします場合の随意契約というものはありません。継続工事その他に関しまして、やむを得ないものだけにとどまっておるわけでございます。この場合のように、町の場合におきましても、私案はこの事件が起りまして調べてみまして、ただいま御指摘になりましたように、この工手が随意契約になっておるのみならず、その保証人が部落の代表の人になっておるというような点が、これがいい面に働らけば愛郷的ないい施設になって残るわけでございますが、そうでなかった点にはなはだ遺憾に存じておる次第でございまして、今後随意契約というものが、現在県下にどの程度随意契約が行われておりますかということは私わからないわけでございますけれども、今後こういった県の工事施行規則も出ておりますので、各町村もそれに準じた扱いをするようにということを強く指示して参りたいと、かように考えております。
○岡三郎君 そうするというと、児の方として、まあ一業主体がいろいろと分れておるという点があると思いますが、補助申請その他に相当相談を受けたりいろいろとやられると思うので、やはりこういうふうな補助金関係の問題はいろいろと起っている際に、やはりある程度――ある程度というよりも、厳重にそういった問題が起るということを防ぐために、やはり適切なる私は指導をする必要があるのではないかと思うのですが、どうですか。
○参考人(波多野俊君) お話の通りだと思います。今後厳に戒しめて参りたいと、かように思っております。
○岡三郎君 最後に、手直し工事をしても、この十二万九千二百円、特に国庫から支出した二十七万六千八百円というものは、これは返さにゃ私はならぬと思う。手直し工事をしても、実際はこの点はどうなんですか、会計検査院に私は聞きたいと思うのです、返すべきだと思うのですがね。この点について農林省の本庁の方からも農地局長の言明を聞きたいと思うのです。
○説明員(小峰保栄君) これは、本件のような疎漏工平で補助の目的を達していないというようなものにつきましては、法律の建前では、先ほど御説明いたしましたように、全額返納、こういうようなことになるわけでありますか、私どもといたしましては、あとで相当の補強工事なり手直し工事なりをして補助の目的を達すれば、まあまあ勘弁と申しますか、それで済まそう。そうしてそれで済ます限界は農林省と御相談いたしまして、ものによっては手直しくらいでは直らぬものもあるわけであります、全然やりかえなきゃいかぬというものもあるわけでありますが、こういうのは特に疎漏工事ということで批難するわけでありますが、まあまあ手直しなり補強なりして済ませるものなら、何とか、少し甘いかもしれませんが、それでまけておこう、こういうようなあれにしておるわけであります。これは限界は、手直しなり補強をして目的を達するというところに限界を置くわけでありまして、これは一件々々、農林省の専門の技術家の意見を聴取しました上で、私どもとしては処理しておるわけであります。これを一々金を返させるということになりますと、相当にいろいろな大きな問題になりますしするので、従来はそういう比較的甘い方法をとっておるわけであります。 これも農林省と御相談をしておるのでありますが、毎年々々千件も二千件も批難事項が出る。そうしてこれを繰り返していても、なかなかよくならぬ。この際、今までの甘い態度を検査院として捨てて、何でもかんでも金を返させてしまうというような方向へ行った方がいいのじゃないだろうか、こういうことも現在としては考えておるわけでありますが、今までは手直しなり補強ということで一応認める、こういう態度をとっております。
○政府委員(渡部伍良君) 手直し工事を行なった場合の処置は、ただいま小峰局長からお話があった通りでありまして、農林省としましては、その程度において、ただいま局長の方からお話がありましたように、会計検査院と十分打ち合せた上で、返還さすかしないかということをきめております。 将来の問題にわたりましては、先ほど徳島の場合申し上げましたように、こういうことが繰り返し繰り返しして起るという原因でありまして、一方においては農林省の補助が足りないというような点もありました。そういう点は、三十年度の予算で定員を増してもらって、災害復旧の最初の査定、最初の指導に重点を置く。さらにそのふえた者で、実際の竣工検査等に当りまして本十分目の届くようにしまして、同じような性質の過誤が起らないような体制を作る以外にないと思います。根本的にこういったものに全部返還さすかどうかという問題につきましては、今後会計検査院ともよく御相談いたしまして、態度をきめたいと思います。
○岡三郎君 最後に、この会計検査院の「予算は適正に使われたか」というパンフレットの中に、農林省で五百億円、建設省で八百二十七億円、運輸省で五十三億円、合せて千三百八十億円を公共事業関係の補助金として使われておる。しかもそれが年々歳々相変らないのである。そこで検査院自体が、前を受けて、「したがって、不誠実な事業主体に対しては、この際補助を取り消したり、悪質な請負業者に対してはその指名を停止するなど、思いきった施策がとられてしかるべきである。」こう報告してあるわけです。こう報告しておきながら、第三局長の言っておる微温的なことで直ると思いますか、こういう工事が。小峰さんらしくもない、ずいぶん微温的な態度をとられてきたと思いますがね。私は今、吉岡町長のようなまじめな方をここで、何とも問題をどうこう言いたくはないけれども、しかしこういうふうな事態というものは、もう数限りなくあるわけなんです。で、これを何とかしなければ、日本のこれは、まあ抜本的な改善はできないと言っても過言ではない。 三千億円ということをここに指摘しているのです。一兆億円に対してですね、平衡交付金の金を抜かしてもですよ、三千億円というものが、補助金として三千億円近くあると、こう書いてある。これをほんとうに生きている方向に使おうとするならば、相当なものが私はできるのじゃないかと思うわけです、実際問題として。しかし読んでみるというと、波多野部長にしても、吉岡町長にしても、農林当局の方にしても、おれがやったんじゃねえんだという顔をしている、おれの知ったことではないという顔を。これは昔あったことなんです。それほど官僚の地位のすげかえというものは激しいのかもしれませんけれども。私はそう責任当事者というものがここへ出てきておらないので話はこの程度におさまっているのではないかと思うのだが、とにかくこれは抜本的に検討してもらわにゃならぬと私は思う。それで結局、政治問題として米価をどうするとか、濃縮ウランを買ってどうだとかいろいろな問題があるけれども、そういう問題よりも一番大きな問題は、私は補助金だと思っている、根本的にいっても。この前も伺ったが、農業共済保険の掛金の仕方やその支出の仕方なんか、むちゃくちゃなんです。 だから、私はそういう点を考えてみるというと、請け食いしている土建業当がまじめにやろうったって、まじめにできる私は仕組みにはなっておらぬと思う。町の人、村の人の中心になる人が、まじめにやろうという気持のある人がほとんど少いのじゃないか。それを指導している県及び中央官庁が、一体これをどうするんだというふうな迫力のある、確信を持った御答弁を、今まで聞いたことがない、私は。私は、だから、大分県農地部長にも積極的に、こういうふうな事例があったということは、自分が直接関連していないけれども、はなはだ済まぬと思うと。従って、今後ともこういう問題が起らぬようにこれこれこういう措置をする、現にしていると。また農林当局からもそういう答えを現に聞きたかったのです。ところが、金の返させ方もまことに微温的だし、そのことの指摘の仕方自体もまことに微温的だ。こういうことでは農地部長さん、改善されると私は思わぬかね。今後の事態についてもう少し私は、単刀直入に、こういう事態のケースについてはもうわかっていると思うので、はっきりした処置をとってもらいたいと思うのです、具体的に。もうさっきの県の部長のように、ああいう検査をしたのは悪くたいのだ、みんなやっているのでしょうがないのだ。こんなばかげた課長が県に行って、地方に行って、部長になったって、直りっこないじゃないですか。だから、こういう点で、私はここでお体裁的にこういたしますということを聞いても、しようがないと思うのだがね。 実際にどういう処置をとられるのですか。この金を、二十七万幾らというのを、吉岡さんにはお気の毒ですが、吉岡さんがやったのでなければなおいいのですから、これを取るということをはっきり断言できますか。手直し工事をしようが何をしようが、そういうことは認められぬ。とにかく九割の補助をしているのですからね、そういうことはできぬ。この金を取り返すということをここで言明してもらう必要がある。会計検査院のそういう微温的な態度では、私はこういう是正はできぬと思うのですが、どうですか。その点、会計検査院からもう一ぺん聞たきいと思う。
○説明員(小峰保栄君) 会計検査院は微温的である、こういうお話でございました。私どもも何年もこの検査をやっておりまして、一向によくならぬというので、先ほど申し上げましたように、これからはやっぱり金を返させられるのが、事業主体としては一番痛いのでございます。ただ、私どもとして懸念しているのは、私どもは農林関係でも六%くらいしかまあ検査していないわけであります。たまたま検査院に見つかったところだけがそういう処置を受けて、その大部分のものはのがれてしまうというようなことになるのも、これはどうだろうかというようなことを実は懸念しているのでありまして、いろいろ今までは微温的というおしかりを受けるような態度ではなはだ申しわけないのでありますが、まあそうせざるを得なかったような実情もあるわけであります。
○政府委員(渡部伍良君) 岡委員の御注意、まことに、われわれとしてもはっきりした態度で将来に対処していきたいと思うのであります。先ほど申し上げましたように、本省事務局、府県の態度、それからそれを受けてこういった災害復旧をやる市町村当局の態度、そういうものが直らない限り、こういう事件が跡を絶たないだろうと思いまして、先ほど来申し上げましたように、私の方の体制も整えております。それからまた農林省としましては、昨年度から官房に考査室というのを置きまして、これは出発したばかりでまだ十分な功績を上げておりませんが、この同じ局の人が自分の担当の仕事を洗うのはなかなかむずかしいから、官房におきまして各局の補助金の行政につきまして事前に調査をしていただくような制度を去年からやっておるのであります。本年度からさらにこれに対する人員も増して、局としても、局が痛くても、農林省の中で悪いものは悪いとしてはっきり指摘して直していく、こういうふうな態度をとっております。 あとでお話しがありました本件に関しての不当に使っておる金は、その工事を手直ししても返したがいい、こういうお話でありますが、これは先ほどから申し上げておりますように、本件に関しましてはこのままにいたしまして、将来こういうことが起らないように、将来としてはこういうことがあってももう大目に見ないというふうな態度で臨みたい、こういうふうに考えております。
○大谷瑩潤君 私、希望を申し上げておきたいと思います。農林省と検査院の方に要望を申し上げたいと思うのであります。それは、この二十八年度に再び風水害が起りました結果、この工事の不正といいまするか、手を抜いた点がはっきり現実の上に現われて参ったと思うのであります。もしこれが風水害が再び起らなかったら一体どうなるか、こう考えますと、結局はそのまま見送られてしまうということになりますから、言うてみれば、政府の補助金を多く請求して受けておきながら、実際の工事はそれだけの金を使っておらぬということになりますと、事業主体と請負者との間に、私ははっきり言えば、共謀して、そうして余計補助金を取って、そうして余ったら事業主体なり請負者なりがそれを自由に使っていこうというようなことが含まれておると思うのであります。こういうようなことでありましたならば、将来、まあわからずに済めばそれでいいじゃないかというところから、こういう種類の、こういうケースの補助申請というものは跡を絶たないということになるのではないかと思いますので、ぜひとも今岡委員が言われました通り、将来再びこういうようなことの起らないということを期せられる上において、農林省としてもよほどよく熟慮してその対策を講じていただきたいと思う。ところが、今承わりますと、人手が足らなんだとか、あるいはこういうことを発見するために官房室に何かそういう機関を置くというようなことを考えているというような、生ぬるいお考えのようでありまするが、そんなことぐらいで私はこれはとうてい防止することはできないのじゃないか。一々こういうような山奥まで農林省の人が、ふえたからといって、行って検査ができ得るものであるかということも、事実の上において私は疑いを持つものであります。ゆえに、どうぞこれからは、検査官におきましても、農林省におきましても、再びこういう国損の起らないように、正しい運営によって補助金が実際の国民の利益になるように、使われて参るように、一つ御配慮、願いたいと存じます。
○委員長(山田節男君) 時間がだいぶ過ぎましたので、大体このくらいの程度で質問を終了いたしたいと思います。 なお、波多野農地部長にお伺いしますが、大分県にこういった災実復旧工下等の補助金に関しての一時金を使わないということで、雑部金というような、県にそういったような会計制度上雑部金というものがあるかどうか。これはもしあれば、その雑部金に繰り入れられておる農林省関係、建設省関係、運輸省関係、出納長が保管しておる金額の総額を先ほど申し上げた区別をして、金額を当委員会に至急御提出願いたいと思います。 それでは時間がだいぶ過ぎましたので、これで質疑を打ち切りたいと存じますが、本日は当委員会のために、大分県から吉岡玖珠町長並びに大分県の農地部長波多町君の御出席を求めたわけです。両君からいろいろ本件に関しまする実情につきましてるる説明をいただきまして、本委員会の決算審査上まことに有益な資料をお与え下さったことを感謝いたします。 なお、本事案につきましては、これは昭和二十八年の大水害のときのできごとであります。当時この九州における水害の非常に甚大であるということをわれわれ国会議員も十分認識いたしまして、衆参両院に水害対策に対する特別委員会を設置いたしまして、ここにおられる決算委員の諸君は、予算委員会、あるいは大蔵委員会、農林委員会、各常任委員会の方々なのであります。当時政府が、一兆億の予算の制限上、この災害復旧費に対しまして支出を渋ったのでございます。しかし、ことに本国会におきましては、あの気の毒な事態を見るに忍びずいたしまして、政府を督励いたしまして三百五十億の支出をとりあえずいたしたのであります。かような次第でありまして、われわれが当時、甚大なる災害復旧は一時もすみやかにということを願って、かような惜置をとったのであります。しかるに、たまたまこの国会として特別の処置をした災害復旧費の補助金あるいは交付金に関しまして、かような事態が少からざる数に上っておるということは、われわれ国会といたしましてまことに遺憾にたえないのであります。ことに、先ほど玖珠町長吉川君は、町長におなりになる前に教育家としてお立ちになっておった、また問い決意もお述べになりまして、われわれは今後吉岡町長がこの方面におきまして特に厳正な監督、指導をされることを切に要望する次第であります。われわれもまた国会におきましていろいろの事案について審議いたしますのも、要は国民の福祉の増進である、国民の税金の的確かつ有効な使用を念願いたしておるのであります。この点をも一つ十分御了解願いまして、今後自治体の発展のために一そう御努力賜わらんことを、あわせてお願いいたす次第でございます。本日はまことにありがとうございました。 では、本件につきましては、意見の聴取はこれで終ります。 なお、農林省当局に申しておきますが、農林省の一般会計の決算につきましては、質疑はまだ全部終了いたしておりません。この案件についての農林省の一般会計の歳入歳出の決算に対しまする議決承認は、いずれ時期が定められて御通知できると思いますが、その前に、今日各委員からの要求の資料並びに内部監査機構の充実改善等に対する具体的の意見を、この承認議決を受ける前に本委員会に御提出せられんことをお願いしておきます。 それでは、午前の部はこれをもって休憩いたしまして、午後二時から開会いたします。 では、暫時休憩いたします。 午後一時二十七分休憩 ――――・―――― 午後二時二十一分開会
○委員長(山田節男君) ただいまより午前に引き続きまして決算委会を再開いたします。 午後は建設省関係三件と運輸省関係一件でございます。まず建設省から始めますが、検査報告批難事項は第二千六十六号から始めることといたしますが、審議に入る前に委員長から今日参考人として御出席を願いました皆さんに、一応ごあいさつを申し上げたいと思います。 非常に御多端の折柄、本委員会の招諸を受けられまして、今日遠路はるばる御出席下さいましたことに対しまして厚く御礼を申し上げる次第であります。本決算委員会は、目下昭和二十八年度の決算報告を議題にいたしまして、審議いたしておる最中でございます。その間今日一兆の予算のうちで約三割に当ります金額、すなわち国民の税金をもってまかなう予算、補助金につきまして、本委員会におきまして適当に審議をいたしておるのでありますか、批難事項として検査院の指摘されました項の中におきまして、いろいろな形において国家から補助をいたしておりまする問題につきまして、問題が非常に多いのでございまして、本委員会といたしましては、国民の税金をもってまかなうところの予算の執行は、あくまで適正にかつ効果的でなければらぬということを第一としまして、決算の審査をいたしておるのであります。これは今さら私から申し上げる必要もないと存じまするけれども、このきわめて尊い国民の税金というものが不法に補助金としてこれが放出される場合におきまして、いろいろな経路を経るとはいえ、まことに遺憾な事態が多いのでございまして、われわれは国民の税金を有効にいかにして使うべきかという見地から本件を審議しておりますので、本日皆様方においでを願って、この批難事項の実際につきまして、われわれの審議の資料として率直に明快に御説明を願いたいとお願い申し上げたいのでございます。もとより本委員会は検察官的な仕事をいたす委員会ではございません。あくまで国民に協力し、国家の予算の執行を是正し、またその効率的な予算の使用をわれわれは念願いたしておるのであります。いろいろ各委員から御質問があると思いますが、あくまでその見地に立って質問するのであるということを十分御認識下さいまして、今日御出席の方々から一つ忌憚のない事情を御説明願えるように重ねてお願い申し上げる次第であります。 これからいよいよ御説明を承わりますが、まず最初に秋田県の方から始めていただきたいと思います。残余の方々はしばらく控室でお待ち願いたいと思います。 検査報告批難事項第二千六十六号を議題といたします。本件は秋田県山本郡響村が施行した二十六年災の村道国代線災害復旧工事、工事費百四十万四千円、うち二十八年度国庫負担金百万三千八百六十円となっておるのであります。なお、本日秋田県から御出席の方は響村の村長の成田龍三氏、実は秋田県は一昨日来水害がございまして、土木部長はその水害対策のために御上京願えないので、本日は秋田県の監理課長補佐の藤肥正三君が出席されております。なお建設省からは、向って左から斎藤会計課長、石破官房長、米田河川局長、浅村防災課長、斎藤防災裸事務官が見えております。会計検査院からは小峰検査第三局長が見えております。参考人の方に御注意申し上げますが、時間が非常に制約されておりますので、はなはだ御無理と思いますけれども、大体本件に関する説明は十分程度ということでありますので、さよう御了承願いたいと思います。それでは秋田県山本都響村村長成田龍三君から本件に関する説明を求めます。
○参考人(成田龍三君) このたびお呼び出しにあずかりました私どもの災害の事情でありますが、実は非常に大事へ緊要な個所であります。災害と同時に村としましては応急の工事に移されたのであります。その後査定の方をお願いしまして、そうしてやるまでに相当間を取りまして、そうしてその間工事はそれぞれに進められたのであります。その場合に、前の請負人の小玉清、こういう者に五十五万円をもって請負工事をやって、そうして仕事を進めたのでありますが、その後その個所が最初柳かごの詰くい工、こういう工事でやったのが、それは不適当である。それで練積の石張り工として査定になったのであります。工事がほとんどそうした間に終りかけておりまして、その後そういう事情になったので、これを変更しまして、そうして今年の四月の三十日に竣行したような事情になっております。 その間、実はこうしたことにつきまして、補助金の申請等の場合に、実はそれぞれの手続を踏めばよかったのでありますが、村の事情、そうしたものから、ほかの災害工事等もありまして、それと一緒に含めてやった関係上、その間にこの補助金が早く参り、実際の工事がおくれてしまった、こういうふうな事情になったのであります。それでそれではもちろん通るものではありませんので、引き続きその査定に基きまして、現在は検査等も受けまして竣工しておるのでありますが、その間補助金の指令を受けました際、村としましてもそれぞれ財政的にも困っておったような事情もありまして、その経費を使ってしまったような事情になっておる次第であります。概要申し上げますと、以上のような状態であります。
○委員長(山田節男君) 県庁側から何かこれに対する補足的な説明ありますか。
○参考人(藤肥正三君) ただいま村長から概要を御説明さてれましたが、県の方といたしまして、一応今日までの概況を申し上げたいと思います。 二十五年の全額国庫負担特例法時代から現行の国庫負担法に移りまして、児としては大臣から大きな権限を委任されて町村工事の指導監督をやるということになったわけであります。それで県といたしましては、在来の町村の入札の問題とか、工事の施行の仕方とか、いろいろ問題がありましたので、どうしてこれを軌道に乗せようかといろいろ考慮して参りましたが、補助金の国からいただきました負担金を町村に交付したあと、その年度分につきまして各個所ごとに徹底的に現地調査をするのが建前でございますけれども、この響村の今回御指摘になりました工事につきましては、響村に事務検査並びに技術検査の中間の検査で二回係員を派遣しておりますが、距離が遠いというだけの理由で、遺憾ながらこの個所についての実査を完了しておりません。まことにこの点申しわけなく、遺憾に存じております。
○委員長(山田節男君) 秋田県で何かこの事案に対する位置等について御説明になる資料をお持ちでないですか、お持ちになっていませんか。
○参考人(藤肥正三君) 資料は持って来てございます。
○委員長(山田節男君) 地図だけでもちょっとここで、委員にお見せいただきたいと思うのです。地図ありますか。
○参考人(藤肥正三君) 地図は持って来てありません。工事個所の図面だけでございます。
○毒員長(山田節男君) それをちょっと各委員にお示し願いたい。それでは各委員から御質疑をお願いいたします。 響村村長さんにお尋ねしますが、あなたはいつ村長に御就任になったか。それから前に何か村会議員か県会議員か名誉職をやられたこともあるか。もしおありになれば、その期間をお伺いしたい。
○参考人(成田龍三君) 村長はことしの四月三十日であります。それからその前に昭和二十三年から二十七年の六月まで助役をやっております。あと名誉職はございません。
○三浦辰雄君 これはまあ村長さんとしては最近になられたのだから、この問題でも頭を痛くしているという話は、風のたよりに聞いていた問題だけれども、結局これは、先ほど県の方からもお話しになったが、あまり僕はそう遠いとは思わないけれども、さっぱり行かなかった。こういうことでこういった事件をしでかしてしまったのですが、検査院の方から言えば、これは全くのいわゆる不都合な工事であるから、いわば全部認めないで返させちゃうのがほんとうだ、こういう態度、ところが一方政府の方の国会に対する説明書を見ますとですね、全面的に手直し工事を行い現地に適合するよう変更させだというだけ載っているのです。ですから私どもとしてはこの二つの問題、書類だけから見ると、これを全く手直しさせて、当初計画通りに手直しさしたのだというふうに、まず二つの答弁書と指摘の点から見ると思われるのでありますが、詳細にこれを見るとですね。その設計をかえて法長を前は五メートルであったというやつを三メートル五十というところが最もいいなどというように今度は考えを変えてやって、そして設計変更によってできた過大事業分に相当する金額四十四万二千五百八十五円は返納をさせて、あとの残は工事を全面的に手直しをさせた、こういうふうに読めるのですが、秋田の県の方どうなんですか。
○参考人(藤肥正三君) この点御説明申し上げます。この工事は先ほどの村長からの御説明の通り、当初応急工事を査定とは別の方法で実施しておりますが、その後建設省の査定を受けるための設計を組むに当りまして、その設計書を作成する仕事を一般の工務店と申しておりますが、そうした人に依頼しております。それで話によれば、工務店の方は現地を見ないで設計を組んだようでありまして、当時の写真だけを見て、あとは模様を村の人から聴取して設計を組んだような次第であります。それで設計そのものが現場に合っておらなかったわけであります。最初から過大積算をするという、そういう意思があったとは県の方でも認めておりませんけれども、現場にきわめて即応しない設計ができ上っておった、こういう事情でございます。
○三浦辰雄君 今の工務所というように聞えましたが、そうするとこれは県庁の、いわゆるこういった方面の技術者というのでなくてですね、 つまり町にあるといいますか、一般にいわゆる設計監督等を、あるいは工事等を担当されるのを業務としている、いわゆる業者、あるいはそういう設計屋さん、こういう人に頼まれたように聞こえるのですが、それはあなたの力のこういった災害復旧等にですね、そういうケースが、そういう場合が相当にあるんですか。
○参考人(藤肥正三君) お答えします。工務店と申しますのは、今おっしゃいました通りでございます。で、実情を申し上げますと、各町村は専門の技術職員を持っておるところが非常に少く、現在秋田県で申しますと、市を除きましてはほんの五、六カ町村しか専門の技術屋を雇用しておらないのであります。それで、災害発化当時、県の職員が町村の設計調査相談に協力できますればまことにけっこうなのでありますけれども、災害発生のときには、当然県の方も同時に忙しくなるものですから、査定を受けるまでの必ずしも長くない期間中に、全部査定を受ける、申請設計の作成を終らなければなりません。そんな関係で、ほとんど大部分の町村がそうした工務店と、俗称工務店という、そうした仕事をやっておるものに依頼しているのが実情であります。
○三浦辰雄君 それは確かに各町村でそういったよけいなといいますか、りっぱな、そうしてあるいは毎年は必要でないような人を仕事のために人を持っているということのできないことは私どもはわかりますが、県としてはやはり相当に指導監督なさる立場ですから、そういったような工務店を利用されたその設計に対しても、当然そういうことを知っていればいるほど、いわゆる事前検査といいますか、その設計が実際に当っているか、当っていないか、あるいはそんなことが土台になって、町村費に、さらに言えば、国費に、あるいは県費に、むだというものができ、あるいはさらに不正というものができては困る、こういう考え方で常時いなければならない、いたんだろうと思いますが、そういう工務店などのお作りになった、設計されたものに対して、実際あなたの県、秋田県ではどのくらい事実問題として実際に照合して県の立場からその適否を見ておられます、実際は……。
○参考人(藤肥正三君) お答えいたします。県の方といたしましては、町村から査定申請が県を経由して大蔵大臣あてに提出されますので、査定申請として設計書が貼付されて出て参ります。その際に一々現地に当って調査するのが当然でありますけれども、まことに遺憾ながらそこまで参っておりません。それで遠いものにつきましては、やむを得ず貼付された写真をもとにしまして、その方法が妥当かどうかということは調査いたします。
○三浦辰雄君 まあこの委員会として、こういった今までにかつてない参考人を非常に遠いところから御迷惑をかけて呼んでいる趣旨については、委員長が先ほど御説明された通りであって、私どもとしてはたまたま選ばれた、全体で六つある、たまたま東北では、あなたの方の、しかも秋田県の中でもいろいろな問題がある中で、響村の一つのまあ問題をつかまえて、この参考人に呼ばれたのでありますが、これはあくまでも、このような問題を通して、そうして今後再びこういったような問題のないようにやるのには、一体どうしたらいいだろうか、この税金の行方をめぐっての問題、あるいは地方財政の非常に困っている際、県の財政も赤字だと言われている際、どういうふうにしたらいいのかということが眼目なんですから、私は率直にお答えを願いたいし、私どもも聞くべきだというふうに考えているんです。一つ、あなたの担当者だとか、ことし当選された村長さんといったその人に対する問題じゃないのですから、この点私一つお話願いたいと思います。露骨にお話を願いたい。そこで聞きますが、一体この響村みたいな、こういうような恵まれない、きわめて恵まれない村にこれだけの仕事をしなければならないというのですし、また建設省自身もずいぶんがんばっても、この災害復旧の金などというものは、要求した額に対してずいぶん割り引きされて、せいぜい三分の一あるいは四割程度しか大蔵省からもらえないということは過去の歴史が示している。従って県の方も、あるいは町村の方も、まあ大体のところで大きめに出しておいて、そうしてちょうどよくなるというとおかしいが、それでもだんだん査定をされるとむしろ足らなくなって、ほんとうの目的を達成するためにはむしろ出すべきところよりも以上の金を出さなきゃ、ほんとうの目的を達しないのだということから、まあ早々の際でもあるし、その辺で出そう、出しておけば、まああとはきまったときだ、こういうようなことになる空気が私は事実あるのだと思うのですが、率直にこの点どうなんでしょうか。
○参考人(藤肥正三君) 一般的に申しまして、そうした幾らかでも補助金をたくさんいただきたいという気持は仰せの通りだと思います。ただこの災害の査定申請を提出するに際しましては、災害を災害個所として合格するかどうかという不安が、はっきりした見通しがないままにそれを申請して、査定で認めていただけるような場合は非常にありがたいわけですから、ただそこで全然架空なものを作り上げて、でっち上げて持って行くとか、そういうものではないのであります。あくまでも受ける立場としまして、これが通るだろうか、通らないだろうかという、それだけの疑念のあるものが提出されてくる程度でありまして、また特に一カ所ごとにつきましてはそう過大な、百万で済むものを二百万かけるとか、そうした設計は組んでいないと思います。
○三浦辰雄君 それだから聞いてもしようがないけれども、組んでないと思うと言ったって、工務店が設計をされて、そうして写真などつくかもしらぬけれども、中には沈まない船を沈んだ格好の写真さえつける世の中なのだから、そういうことだけであなたとしての、この場合今のような言葉はあなたとしてはそうなくちゃならないと思っている言葉に違いないけれども、事実問題はそうはいかないんだと私は思うのです。ですから、その点については聞かないのですけれども、結局跡始末とて聞いているのは、いわゆる工事の設計変更によって、過大工事と見ていたいわゆる法長を三メーター五十に直す等のことによって要らなくなる設計過大分と思われた六十万九千円というものを工事量からはずして、従ってその負担額四十四万二千五百八十五円というものは返納させて、この処理をつけようとしているのは、これは建設省、事実なんですね。
○政府委員(米田正文君) お話しの通りの事務手続で進んでおります。
○三浦辰雄君 そこで初めとの関連ですが、政府の回答書というのを見ると、全面的に手直し工事を行い、現地に適合するよう変更させたとあるのですが、こういった言葉は、ずいぶん方々に指摘された問題については同じ言葉が使われているのです。その中でもって、あるものはこういったいわゆる具体的に、この例でいえば一部返納を命じてやっているといった、これは事実だというのですが、ほかの県の場合でもこういった言葉で表わされている。政府答弁書の中で事実返納を相当さした、させようとの手続もしたというのは含まれているのですか。河川局長から……。
○政府委員(米田正文君) おっしゃられるようなケースが他の県の場合にもございまして、そういう実例はございます。
○三浦辰雄君 そうであれば、私ども建設省の方は一応終ったわけですけれども、私どもとしてはああいった比較的短い期間、しかもこの決算委員会としては従来の決算委員会の経験に徴して、さらに根本的な問題をなるべく扱おうとい態度で、従って個々の件数などというものはあまり、これを読んだ程度で、特に取り上げたというものは特殊の例しかない。ところがこの説明書というものの裏に、さらにこういう具体的処置があるとすれば、私はこの席で言うのはおかしいのですけれども、もう少し来年からははっきりした政府の説明書にすべきものだと私は思うのです。これはあとの問題ですから別にしますけれども、そうすると、響村の力では四十四万二千五百八十五円、これはもう返納をするということに何とかやりくりはできそうですか。実際問題として、あなたの方の村は、僕の知っている限りではずいぶん何というか、恵まれない村のようなんだが、あとを収拾する立場のあなたとしては、村長としては、新村長としてどういうふうにお考えですか。どういう状況ですか。
○参考人(成田龍三君) 実は先ほど簡単に申し上げましたのですけれども、当初の設計がさらに石張の設計になりまして、実際この工事におきましては全部やり直したような形になったのであります。そういう事情からしまして、一応できたものをばらしたために相当な、三、四十万の金がかかっておるのであります。で、その後ことしの四月に全部やりましたのですが、実際この工事におきましても、プラス、マイナスは、もうマイナスになってもプラスになっていない、こういうふうな事情になっておりますことと、実は村の方でもいろいろな関係で非常に財政的にも困っておりますが、還付命令がございますれば、議会の方に諮りまして、そうして収拾しなければならぬと、そう考えております。
○三浦辰雄君 どうもはっきりしませんが、今の返納しろと言われた四十四万二千五百八十五円というものは、あなたの方でまあ何というか、返さなければならぬ格好になったわけだから何とかして出そうと思っておるのだと思うのたけれども、そこはどうですか、そこのところをはっきりしてもらいたい。よく聞えなかったのだが……。
○参考人(成田龍三君) 実際の工事面におきまして、実は一度やったものをさらに取りこぼしまして、そうしてやった関係で、実際の事業においても欠損をしているような実情で、四十四万何がしのものを返すと、こういうことは非常に困るわけでありますが、一般の財源等の方の節約等も考えなきゃならぬと思いますが、非常に村が財政的に逼迫しております困難な実情でございますが、還付命令がございますれば、議会と諮りまして処理しなければならぬと、こう考えております。
○三浦辰雄君 この設計過大分を査定されたその基礎はどういうふうになっているか、県の方にお聞きしたい。あるいは建設省からも聞きたいのです。設計過大分というものを出しましたね、算定を……、その基礎と申しますか、積算の基礎ですね。これはどういうことからこれが出たのでしょうか。
○参考人(藤肥正三君) 御説明申し上げます。査定設計が決定しておりますが、その査定を受けました設計が、たまたま先ほど申し上げましたような事情で、現地に即応していないわけでありしなす。それで査定の精神を、趣旨をそのまま生かしていただいて、そして現地に合致した設計を組み直し、そして建設省の認可を申請したのであります。
○三浦辰雄君 まあそれには違いないとは思うのだけれども、私思うのには、これをやった当時の関係者、町村というものも、非常に悪意があったならなおさらいかんが、かりに不注意きわまったもので、悪意がないとしても、こういった過大な見積りをするということはまあ不都合であるわけですが、また県の方だってそれをいかに忙がしいまま、あるいは人員が不足のままと言いながら通した、そういうことで、しかも町村としては指摘されたような金はみんな出してあって、事実その手直しに使っちゃって、なおさらにこれだけの返納をさせられるということになれば、これは相当貧村としては痛いだろうと思うのです。県としては、これについてはずいぶん町村に対しては工合の悪い話だと思うのですが、そういう点はどういうふうに考えておられるのですか、県としては……。
○参考人(藤肥正三君) 県としましては、実地検査をして、その結果判明したものは今回のような例、こういうように会計検査院から指摘されたからというのじゃなく、知事の大臣から委任された権限ないし義務、その範囲内で発見した場合でありましても、あくまでも町村の事情はどうでありましょうとも、あるいは酷だとお考えかもしれませんが、査定通りに実施するように今市で進めて参っております。この場合にありましても、響の力は非常に困っておられるようですが、やはり還付していただかなければなりません。
○三浦辰雄君 それはわかるのですよ、それはわかるのですが、そうすると、今後あなたの方としては、何かそういったようなことがなくなるようにするために、最近あなたの方の県としては特に何か配置転換等でもして陣容を強化されたような事例、そういったようた方策をおとりになったのですか。
○参考人(藤肥正三君) 今おっしゃいましたような配置転換等による対策はまだいたしておりません。ただし根本的には町村自体に専門の技術を修得している職員がおらないということが一番の根本になっていると考えまして、実は災害を受けている町村が寄り集まりまして、防災協会というものを組織しておりますが、その組織の中にぜひとも、個々の町村では一人々々それぞれ雇うことは困難であっても、一郡あるいは二郡とまとまれば、共同でそうした専門家を雇用することができるのじゃないかということで、そちらの方で特別の会計を設けまして予算化はしました。ただここ二、三年、秋田県はこの二十六年災以降、大きな災害を受けておりませんでしたので、まだ発足はしておりません。
○三浦辰雄君 私はそうならば二十五日に起きた東北の水害、ことにあなたの方は相当な被害を受けておる。そうなってくると、またぞろこういったことを同じように繰り返さなければならぬというようなことになって、全くあなたの方としては何ら弁明の余地ないのじゃないか、こういうふうに思われるのですが、全く残念なことなんで、私どもはこういったような事案が一つでも少くなるように、なるべくこのようなことがなくたるようにということでまあやっている立場からみれば、全くどうもあなたの方としては残念だと思うのですね。ましてあなたの方なぞは、最近までの知事は土木出身の知事さんだ、そうしておいてなおかつそういうことをやっていたんでは、私どもは全くどうも期待に反し、この二十五日か起きた東北の秋田の大水害なぞについても、もっともっと非常に厳重に県としての態度をとってくれなければ、私は県自身も、県民自身のためにも損だと思うのですよ。一つよく帰ったときには十分県の人へ注意して下さいよ。そんなことであれば県民が望んでいる復旧などに対する金なぞも、それはどうも危なっかしくてしょうがないというふうに見られても私は無理がない、それでは県民のためにあなたの県としては立場があるものではない、十分御注意を願って、私はもうこれ以上お聞きすることもないのです。
○飯島連次郎君 これは村長さんと県の方に伺いたいのですが、せっかくこういう工事をやったにもかかわらず、でき上りが非常に疎漏であるという批難を受けておるのが第一点でありますが、上流部は石垣が非常にはらんでいるということであり、下流部の方は柳かごや詰くい工を応急にやったという程度で、これでは前回と同じような災害が起った場合には再び崩壊の危険があって、そして災害復旧の目的を達していないんだろうと、こういう点を指摘されておりますが、この点はどうなんですか、心配ありませんか。
○参考人(藤肥正三君) その点は御指摘の通りでございます。ただこの個所につきましては、現在査定の趣旨にのっとって認可いただきました変更設計で完了しております。
○飯島連次郎君 先ほどの県側の説明によると、査定を受けた設計が現場に合わないということを答えられました。そうすると、その現場に合わない査定をしたのはどこがしたのですか。
○参考人(藤肥正三君) これは災害の査定は、建設省の方から係官が大臣から派遣されて来られるわけですが、たまたまここの査定は机上査定を受けた個所でありまして、実査を願えないでしまった場所であります。それで写真並びに参考の資料を元にして御判定を願ったわけなんです。
○飯島連次郎君 そうすると、本省も実地は見ていないし、県側でも見ていない、それから村当局では技術者がいないために工務店に依頼したと、こういういかにも、これだけ大きな痛手を受けた災害復旧工事に対して、せっかく国の金を支出し、あるいは現地の関係でも少なからざる負担をして、こういう仕事をやるについては、われわれがその点を聞いただけでも、いかにも責任がないと、何のために一体国がそれだけ骨を折り、そしてまた被害者がそれだけの負担をしてまでやらなければならないかという、そういう点にむしろわれわれとしては了解に苦しむのですけれども、一体同様の災害に逢着した場合には、再び同じような、これは崩壊をするであろうというふうな工事をやり上げておいて、それで現地の村当局としては、こういうことが依然として行われて差しつかえないんですか、私はこの点が非常に疑問なんです。もう少しいかに技術者が村にないとしても、村自体がもっと積極的な熱意を示して、県の方に忙しいといっても現地まで来て見ていただくとか、あるいはせめて設計を依頼した設計人だけでも現場に連れて来て、現地によく合った設計をするとか、そういう熱意があってしかるべきだと思う。その点が私は非常に第一遺憾というか、疑問に思っているわけです。 それから第二は、県並びに建設省とされてもそれじゃ忙しい、工事個所数に対して技術者が足りないから行けなかったということは、一面われわれもその点は理解できないこともありませんけれども、それならこういう検査院から指摘された後に県なり本省は現地を見ていますか、この現場を。
○政府委員(米田正文君) この問題は一般にも通じる非常な問題を含んでおるのは御指摘の通りでございます。で、おもなる原因が主として人手不足にあったのでございまして、私どもとしては査定官の充実というのを第一目標にして、逐次この二十六年以来増強をして来ておるのでございます。それでその当時は半数以下の実地査定でございました、当時の状況は。今日は非常にそれが進みまして、二十九年度のごときは実地査定が九二%にまで上って来ております。こういうことによって、この問題を解決いたしたいと考えておるのであります。 それでお尋ねの、今この問題の現地を見たかというお話でございますが、これは会計検査の問題としてとり上げられましたので、事務的な打ち合せはいたしましたが、現場についてはまだ見る機会を持っておりません。
○飯島連次郎君 県側は。
○参考人(藤肥正三君) 県の力としましては、この個所についての先ほど申し上げた通り、中間の現地検査は、この個所については漏れております。で、その後全面やり直しをやったあとにつきましては、ことしの六月十七日の日に係員をやって見させております。
○飯島連次郎君 そうすると、最後にお尋ねを私はしたいと思いますが、せっかくそういうことで紆余曲折を経てでき上った工事だ、ところが災害復旧の目的を達していない、つまり同じような災害があれば再び崩壊をするであろう、こういう判定を下されているこの工事に対して、一体村当局とされては一度やった工事がやり直しの余儀なきに至った、石積みに変えたためにその経費も、かなりの経費を予定外に使っておるし、しかもこれは国庫負担の相当額を還付を命ぜられようとしているわけです。そうすると、それやこれやを合せれば、村当局としては予想しない経費というものがかなりかかって、しかも工事は災害復旧の目的を達しないということであれば、これは全く二重のつまり災害と言わざるを得ないと、こう思うのですが、一体村当局とされてはこのでき上った工事に対しては、別にこれであとどういうふうになさろうと考えておられるのですか。この石垣がはらんだり、応急復旧した柳かごや詰めくい工事の今の状態で、来たるべき災害を待つという状態なのか、それとももう一度しっかりした徹底した工事の仕直しでもしょうということを考えておいでになるのか、その点を明らかにしていただきたい。
○参考人(成田龍三君) 本個所は昨年の十二月に全部もとの、ただいま先生からお話がありました工事をばらしてしまいまして、そうして県の指導を受けて実施設計によりまして完全になっております。で、災害等がありましても今後は十分にそれでまず耐えると思っております。
○木内四郎君 関連して一点だけ伺っておきたいのですが、災害の個所が非常に多くて、あなた方の人手が少くてその現場を見られなかった、それもある程度わからないじゃないですけれども、参考のために伺っておきたいのですが、二十七年のこの災害のあったとき何箇所ぐらい秋田県でありましたか、そのうち何パーセントぐらいあなたの方で御覧になったか、実地にどのぐらいは見ないでこれをやったか、どのくらいありますか。
○参考人(藤肥正三君) はっきりした数字はわかりませんが、私二十六年からこの災害の方の事務を担当しておりました関係上、大体の私として記憶している範囲内でお答えして差しつかえありませんか。
○木内四郎君 けっこうです。
○参考人(藤肥正三君) この二十六年の町村災害は約六億ありました。全県で六億の額に達したのであります。
○木内四郎君 個所にして。
○参考人(藤肥正三君) 個所数にしてちょっとはっきり申し上げられません、あまりにも推計でございまして。当時十五万以上の工事が査定負担工事として認められておったのです。町村の災害復旧工事は一件が平均百万円までしりませんです。非常に零細な工事個所が多いのでありまして、そんな割合の推計しか現在のところ資料がございません。で、その個所について県がどの程度実際に検査したかとのお尋ねでございますが、その点につきましては、ちょうど秋田県の場合は冬期間は幾ら県の方で手があきましても現地を見るわけにはいかないのであります。それで勢い期間が九カ月ないし十カ月間にしぼられて参りますが、その間でまことに申しわけないですけれども、年に春と秋に限りまして二回担当者を、災害係の技術者を各方面に郡ごとに派遣して、まず現在のところは大きな災害を受けている個所は、その町村は大体七、八〇%の個所が実際に検査を終っております。響村の場合は二十六年の災害が八個所に及んでおります。そのうちの一個所がこうして御指摘を受けたのでありますが、響村につきましては五個所ばかり実査を完了しております。そうして県といたしましては、二十六年の災害が今後全面的に完了いたしますと、成功認定のための実地検査をしなければなりません。その節、残工事を全部確認して、そうして成功の認定を行い、建設大臣に報告したいと思っております。
○木内四郎君 今あなたのお話だと六億くらいあるかと思います。そうして一町村平均十個所百万円前後、そうすると六百個所ですが、そのうち二割か三割はみているわけですか、どのくらいみてあるわけですか。六百個所について……。
○参考人(藤肥正三君) 総体としましては五〇%くらいとみております。その検査が五〇%程度までいっております。ただその後町村には二十七年災、二十八年災、二十九年災それぞれ次々と発生しておりますので、遺憾ながらそうした低率で申しわけないと思っております。
○久保等君 成田村長にお伺いしたいと思うのですが、この契約の当事者は、請負人が小玉清ということになっておるようですが、村のやはり村長がその一方の契約当事者になっておったんじゃないかと思うのですが、当時畠山村長だったようですが、畠山村長が契約の当事者だったのですか。
○参考人(成田龍三君) 当事はその前の村長の石山長五郎という方でした。それで小玉清というのは県の登録業者でありますが、その当時の事情によりますと、実施機関と執行機関、みんなごっちゃになるようでありますが、土木委員会が現場を見まして、単価、工事の方法、応急工事でやったのでありましたが、工事の方法やそれからそれぞれの金の関係等をそれぞれ見つもりまして、そうしてその後工事が八個所ありまして、そうしてそれぞれ契約をしまして、やったのであります。そう記憶しております。
○久保等君 この工事の検査員は畠山村長ということになっておるようですが、その検査の行われた日が二十七年八月十日ということになっておるのですが、この契約そのものを行なった村長というのはその前村長になるわけですか。
○参考人(成田龍三君) そうであります。
○久保等君 そうすると、この内容をみてみますと、百四十万円余りの工事契約が実際はなされていながら、工事に使った事実上の支出というものが五十五万円程度であった。概略眺めてみますと、大体工市契約の価格の三分の一程度で実際の工事は仕上っておるわけなんですが、そうすると、村長そのものが、私は当時村の財政上のいろいろな事情はあったと思うのですが、何とか一つこの工事で大半の金を浮かそうというような意図をもって、こういったような契約は百四十万円であるが、実際上は五十五万円程度の経費でやれるだろうということを予想されながら、百四十万円に上る工事契約を行なったのじゃないかというふうに思うのです。当時、先ほどのお話だと成田村長も助役であったというようにお話を伺うのですが、そうすると畠山村長の前村長が契約を実際行なった場合に、それらのいきさつ等について当時の助役であったあなたも、いきさつを私は御存じじゃないかと思うのですが、表面から見れば少くとも三分の一程度でやれる工事を、約三倍に上る百四十万円程度の契約をやったというようなことについては、何か私はそこに相当な深い理由があったのじゃないか、ただ表面的にこれだけを見れば、これは非常に悪質の詐欺行為的な工事契約をやったということにならざるを得ないのですが、その間のいきさつについて、もしおわかりならば、成田村長の方からもう少し御説明願いたいと思うのです。
○参考人(成田龍三君) ちょっと先ほど不十分に申し上げたのですが、当初査定を受けまして、そうしてその工事をやるつもりでないから、急ぎまして、そうして村自体が応急工事をやるために、土木委員会とそれから当時の村長が行って、現場の工法とそれから経費の関係をやって着工したのであります。その後先ほど申し上げました工務所の方に設計を依頼しまして、そうして今度査定を受けたところの工事に着手するわけでありましたが、それがまた現場に合わない、そうしたような事情から、そうしたことも長引いておりまして、ところがその査定に基きましてこの工事を進めた形をとって、そうしてやりました関係につきまして、先ほど申し上げましたように、別に切り離して、そうしてこの事業の遅れた関係、あるいはやり直しをしなければならぬ関係を結びつけて、そうしてやればよかったのですが、一律に出来型報告の方は進めていって、補助金の方は入った、それを経費の都合で使ってしまって、そうしてさらに、それでもその工事は、そのうちに会計検査院の方にも、事業の方が遅れている間に、会計検査院の方に二十八年かに見てもらったわけですが、そうした事情からしまして非常にその点は、当時出来型等にも私らもタッチしておりましたけれども、その現場とのいろいろな関係で、今御指摘のように事実ごかましたような形になっておりますが、工法が当現場と合わない。またそれをすっかりやる間にそうしたことをそれぞれ正当な手続をしてやればよかったのですが、そうしたことを思ったために、今日に及んだような事情でありまして、あえて最初からそうしたつもりでなかったのですが、応急工事がその後現地を見ないところの設計が出てきて、そうしてごたごたしている間に実は出来型報告を出したような事情で、このような次第になったので、この点は申しわけない、こういうふうに考えております。
○久保等君 途中で査定を受けたというのですが、設計の内容についての査定を受けたと同時に、金額も従って当然変ってくることが予想されるのですが、その査定された結果の一体その査定価格と言いますか、その価格はどの程度の価格になったんですか。
○参考人(成田龍三君) 百四十万四千円であります。
○久保等君 いやそれは一番最初のときの契約価格が百四十万四千円ということじゃなかったのですが。それでそれが非常にまあいわばずさんというか、現場に合わないような設計であったので、それに対しての査定を受けたということですから、当然これは金額の面で変ってくるでしょうし、工程の内容が変ってくると同町に当然契約価格そのものも変ってこなければならぬと思う。今のお話の百四十万円というのは初めの百四十万円の話じゃないのですか。
○参考人(成田龍三君) 実はその後私も役場の方をやめまして、詳しいことはわかっておりませんでしたが、今村長にまた就任しまして、そうして今御質問の点にちょっとピントがはずれておりましたが、七十八万八千円になっております。二十八年の十月の二十一日の認可でございます。
○久保等君 しかも査定を受けて実際やった工事は、これは結果から見れば、むしろむだ骨を折って、しかもむだの経費を使ったということになっておるわけなんですが、私少くともこの問題については事情はいろいろ考えられることもあるわけですけれども、しかし少くとも非常に約三倍に上るといりような金額の予定価格を請求し、またこれを事実交付してもらって、非常にしかも工事の内容そのものはずさんな工事をやり、しかもこれに対して全般的な手直しをやらざるを得なかったというような結果になって、最近ようやくにしてその工事そのものはある程度完成をしたというお話なんですけれども、金額の点においても、相当むだ金を使った結果になっておると思うのですが、今度の手直しをやったことによって、どのくらい経費がかかったんですか。最初は五十五万円程度の経費を使ったということで、その後さらに非常に石垣そのものがはらんでおるといったようなずさんな工事であったので、それに対する手直しをやったということで、先ほど非常に金がよけいかかったというような説明もあったわけなんですが、それはどの程度経費がかかっているのですか。
○参考人(成田龍三君) ちょっと自分の土木の係りの者に聞いてよろしうございますか。私ははっきりつかんでおりませんから……。
○委員長(山田節男君) 村長の言われるのは数字がわかっている係りが来ているというのですか。
○参考人(成田龍三君) そうです。
○委員長(山田節男君) 係りの者をちょっと出して下さい。
○参考人(成田龍三君) 昭和二十九年の十二月の二十日にこの工事を施行するために契約いたしました金額が百二十四万五千円であります。
○久保等君 それは現に支払いが完了しているのですか。
○参考人(成田龍三君) 四月分二十六日で支払い済になっております。
○久保等君 非常に村財政は苦しいというお話だったのですが、しかしこういった当初の工事以上の実は経費が総体ではかかっているような結果にたっているようです。そうすると私はますます当初の予定価格、これが随意契約で契約をせられたようです。その当時の経緯についていろいろここでせんさくすることは差し控えますが、少くとも非常に、先ほどもいろいろ各委員からの御質問もあったのですが、いわば一種のこれは明らかに詐欺行為的な案件だと私は実は思うのです。しかも村民の立場に立って考えてみた場合に、非常に結果から見れば、むしろ当初の予定以上の村に大きな負担をかけているという結果になり、しかも少くとも対政府に対しては、この案件の最後にも回答要旨として言われていますように、四十四万円余りの金額は返納させるのだというようなことも、これは県当局の方でも明確に言っているわけですが、それに対しては返納せざるを得ないというようなことも、先ほど言われているのですが、この点も単にそういう指示があった場合には返すのだというようなことなんですか。この点についてもはっきり村当局としてはぜひ早急に返すのだという本当の誠意と熱意、それから実現性のあることなんですかどうなんですか。適当に要するにそう回答しておかざるを得ないという程度なんですか。率直に私は気持を伺いたいと思うのです。
○参考人(成田龍三君) あいまいなお話を申し上げたのですが、私は事務上のいわゆる手続というような意味でお話したので、その額の方もはっきりつかんでおりませんし、還付命令がございますれば、お返しすることにいたします。
○青柳秀夫君 私一言建設省にお伺いしたいのであります。災害関係の補助金というのは非常にたくさん出ておりますが、建設省ではそれを、結局は市町村に行くわけですけれども、交付される場合は、県の方に一度先に渡されて、県が竣工検査なら検査をやった場合に、適宜に申請の町村に渡すのを認めておいでになるのでしょうか。あるいは逆に竣工検査というものが出てきて、それをまとめてそのあとで金をお渡しになるのですか、どちらですか。
○政府委員(米田正文君) 今の市町村の工事につきましては、府県を通じて予算を渡すわけでございまして、国から府県に渡します場合には一括して府県に渡すことにいたしております。その中から府県はそれぞれの各市町村の工事別に予算を交付することになっております。
○青柳秀夫君 そこでお伺いしたいのは、建設省の御方針としてはここに竣工検査というのが私はきわめて重大な意味があると思うのでありますが、これは別に建設省の何か規則かなにかで、どういう人が検査しなければいかんというふうにおきめになっているのですか。それともここで言えば、村長さんが検査しているということになって、それに対して県が補助金を出しておりますが、村長さんでいいのか、あるいは県の職員、検査をした県の職員でなければいけない、こういうことにおきめになっているのか、どちらでもいいのか、その点は建設省の方は何か規則があるのですか。おまかせにただなっているだけなのですか、そこをお伺いしたい。
○政府委員(米田正文君) 中間の検査につきましては知事にその事項をゆだねまして、検査をやる建前にいたしております。それは検査につきしましては建設省の内規がございまして、その方法によってやることになっております。しかし建設省体が検査をすることもできる建前でございます。
○委員長(山田節男君) 青柳君、簡単に願います。
○青柳秀夫君 ごく簡単にいたしますが、そうしますと、建設省自身がおやりになることはけっこうですけれども、県にまかせてあるというだけで、ここで言えば、県の職員が直接やらんで、町村がやられておるのを、これは違法ではないかというような意味に解釈できるわけでありますが、それだとどうも県の方へお尋ねした方がいいと思うのでありますけれども、非常に検査というものが、ただ補助金を受ける方自体が認めれば、それで検査が済んだというところに一つの欠陥が、まあこういう場合に起るのじゃないか。やはり県なら県がとにかく検査をきれて、その検査に基いて県自体も国の金を交付するといういき方の方が間違いがないのじゃないか、私かように思いますので、もう時間が迫っておりますから、くどいことは申し上げませんけれども、建設省でも御研究になった方がいいのじゃないかと思うのでありますが、お考えはいかがでございますか。
○政府委員(米田正文君) おっしゃられる通り、市町村自体で検査をしたのでは検査の正確は期せられないのでございまして、そこで建前といたしましては、知事が、いわゆる県が検査をすることになっております。長がしたというのは、長と契約を結んだ業者のやった仕事の竣工について検査をしたのであって、これは当該業者との契約の履行を検査したという性質のものでございます。
○白井勇君 ちょっと一つ県に伺いますがね。先ほどのお話によりますと、国費負担の四十四万円ばかりなんですが、これは返させなければならないという方針がきまっておるわけですね、去年から。今お話を聞きますと、すでに手直しの工事も完了した、こういうことのようですが、返させる方針がきまっておって、一切合切現場の工事を皆終っておるというのにかかわらず、還付命令というのがまだ出ないというのはどういう事情なんですか。
○参考人(藤肥正三君) この点はちょっと説明漏れになっておりますが、最終の設計を建設大臣に申請した場合に、そのときの設計額は七十八万五千円になっております。ところで建設省の方としましては、それに条件を付されまして、一部増額になるわけです。その計算が私の方として計算してみますと、三千円の増になる、最終的には七十八万八千円になるということを先ほど来御説明しているわけです。で、今その事務の手続きが、実は町村の方で、その認可条件に基いての変更設計の作成がおくれておりまして、県の方としましても、まだ国の方に最終的な精算額を報告しておらないわけであります。その報告が村の方から県になされ、県の方から国になされれば国の方からは当然還付命令が出されるわけであります。
○委員長(山田節男君) 所定の時間も経過したようでございますから、大体この程度で質疑を打切ったらどうかと考えますが、最後に私から建設省の方へお尋ねしたいと思います。第一点はただいま秋田県庁当局の話を聞きますと、この事案に対しても机上査定をしている、こういうことなんです。それから先ほど木内委員からの御質問に対して、全体の災害復旧を要する個所に対していわゆる成巧認定ですか、工事ができたのちにくるものが三割か幾らかきた。この地方に移譲した公共団体において、工事の現場監督といいますか、検査指導について厳重でなければならぬのに机上査定をやった。それから本省においては直轄工事を初め非常に事業量が多いために、とにかく今日まで本委員会において問題になったのは、現地奔走というものが厳粛に行わなければならないということは、石破官房長に昨年来申し上げておるわけであります。そうしますと、今のような例を聞きますと、地方の自治体においても、現地査定をやらないのみならず、検査指導、工事現場監督が非常に徹底を欠いておるわけであります。先ほど米田河川局長の御意見がありましたが二十八年度はこれで、二十九年度あるいは三十年度において、こういった地方の公共団体にやらしている工事を、机上査定を極めて少くする、こういうことに対して当然対策が行われなければならぬと思うのです。建設省は年々こういったような決算報告において改善されつつあるということを会計検査院も報告しておりますけれども、この点に関しては一体どういうような具体的な施策をおとりになっておるかお知らせ願いたい。まず第一点お伺いしたい。
○政府委員(米田正文君) 先ほどからのお話の、根本は十分な検査をするということが、この解決をいたす重要なかぎでございます。お話の通り机上査定をやったところにいろいろと問題を生じておるのは過去の実績が示しておる通りでございます。で二十六年では全体の五三%が机上査定になっております。二十七年は五四%が机上査定、二十八年は一九%が机上査定、二十九年度は八%が机上査定になっております。で、こういうふうに実は最近特に二十八年から実地査定に切りかえて参りまして、逐次机上査定を切り詰めてきております。今年は、二十九年度は九二%の実地否定をいたしたのでございましたが、一十年度はぜひ百パーセントに目標を置いて実地査定をいたしたい、こういう努力をいたしておりまして、ただいま審議を願っております予算案の中にも、この予算が通りますと、査定官として十名の増員をみる予定でございます。最近年々、二十七年以来十名ずつ査定官をふやしてきております。ふやしてきてこういう実情でございますから、もう三十年度で十人の査定官を増加いたしますと、今年の奔走は実地査定をほとんど百パーセントに近いものを、ぜひ強行いたしたいと考えております。
○委員長(山田節男君) 時間がございませんので第二の質問は打切りますが、これで大体本件に関する質疑を終了することに御異議がございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山田節男君) 御異議ないものと認めます。よってこの件に関する質疑を終了いたします。 今日秋田県の方から成田村長並びに県当局代表として藤肥君の御出席を得ましたが、本件は粗漏工事、自己負担不足という意味におきまして最も悪い例の一例として本委員会が取り上げたわけであります。先ほど来いろいろ事情をお聞きしまして、その間の事情も了解する点もあるのでありますが、これは申すまでもなく、補助金行政におきまして本委員会で一番問題になりましたことは架空工事、あるいは二重査定、あるいは出来高不足工事、あるいは粗漏工事、便乗工事、こういう点がいつも問題になるのであります。なるべく、自分のふところを犠牲にしないで、補助金でまかなっていこう、しかし不幸にして、この点につきましては補助金の約半分くらいの工事をやっているというようなことが、ここに示されているわけであります。かような風潮が強まるということは、国民の、国家予算の執行からみましても、まことに迷惑であります。手抜き工事によって災害は災害を生み、ついに災害亡国になるのじゃないか、いわゆる天災にあらずして人災ではないかということも、本国会におきましてもしばしば論議されている点であります。ごあいさつのときに申し上げましたように、われわれは決して皆さんのおやりになったことを一も二も、情状酌量することなく、悪いことであると言ったような見地から、今日御意見を承わっているのではございません。あくまで大局的見地に立ちまして、この補助金行政を有効にしようという見地から論議いたしておるのであります。今回さらに大水害が不幸にして秋田県下に起ったということであります。これが始末につきましても、今後県はもとより、建設省におきましても有効適切な災害の復旧が行われなくてはならぬと思います。こういうような事例が再び起きないように、十分一つ御注意していただきたいと思います。 なお、藤肥君にお願いいたしますが、今日の本委員会における審議状況につきましては、土木部長並びに知事に対しまして、あるいは県会の責任者に対しましてるる御報告願って、本委員会の今後の活動の上におきまして、やはり直接間接決算委員会の任務を全うし得るように御協力を願いたいということをお伝え願いたいと思います。 それでは本件に関しまする質疑はこれをもって終了いたします、それじゃどうぞ成田村長、藤肥課長補佐の御退席を願います。ありがとうございました。
○委員長(山田節男君) 次は批難事項第二千二百号であります。本件は熊本県阿蘇郡長陽村及び熊本県阿蘇郡白水村、この二件でありますが、同種類のものでありますので、一括して意見を聴取し、質疑を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山田節男君) さよう決定いたします。本日御出席の方は、建設省は先ほど御報告申し上げた通りであります。会計検査院は同じく小峰検査第三局長、現地からは、熊本県阿蘇郡長陽村村長村上恵君、熊本県阿蘇郡白水村村長長尾秋雄君、県当局側から熊本県土木部長佐分利三雄君、農地部長宮内義彦君が出席されております。 参考人に御注意申し上げますが、時間上の都合で、御説明はこの両村合せまして十五分ぐらいな時間で御説明を願いたいと存じます。では最初に熊本県阿蘇郡白水村村長長尾秋雄君の説明を求めます。
○参考人(長尾秋雄君) 一昨年の大災害をこうむりました白水村でございますが、私の村は阿蘇郡阿蘇の山間部にありまして、外輪山の中にありまして、まん中に阿蘇の部落がありまして、その南側にある村の一つでございます。従いましてそのところを南郷谷と申しますが、その南郷谷のまん中にある村でございます。一昨年の水害によりましては非常な難儀をこうむりまして、その当時は政府の方々にいろいろ御同情願ってやや災害の復旧もその緒についたような事情でございますが、何分当時は私災害のために負傷いたしまして、約一カ月半床について、そうして床の中から指揮をしたような事情を御了承願います。 非常な災害でございまして、従来役場の機構の中に、かような災害に対しましていろいろな人員の整理等はできないような状態で、手不足のためにいろいろの手違いをこうむったような次第でございます。第一、この災害の農地の復旧、あるいは土木の復旧等につきましては、従来余り大きな災害をこうむった経験がないために職員が非常に少数でございます。災害の当時はこの人事の拡充に非常に苦慮をいたした事情であります。従って各事務的の手続、あるいはわれわれがふだんから訓練のよろしきを得ない関係で、非常に連絡不十分の点がございました点を御了承を願います。従って今回の三つの川の復旧工事に当りましても、いろいろ農林あるいは建設省の方々に御迷惑をかけましたのですが、両方ともそれぞれの違った課、あるいは人を使ってやった関係で、あるいは両方の連絡はむろんのこと、われわれ幹部に対する連絡も非常にできにくかったのでございます。のみならずあの大災害でございまして、この土木関係の復旧よりも、むしろわれわれとしては食糧の問題、あるいは住宅その他民心安定に関する仕事が速急の場合でございまして、その方に没頭いたした関係で、いろいろ連絡が不十分で、かような御迷惑をかけたことと存じますのでございます。むろんこの重複査定をちょうだいいたしまして、その間におきましていろいろわれわれが何かこの補助金を両方から取るというような意思でもあったようにお見受けになるかもしれませんですが、そういうことは毛頭ございませんで、これが重複をしたことを知りまするや直ちに手続をいたしまして、そうして今日に及んだ事情でございます。何分この金額も大きいし、また災害それ自体もおよそ村内におきましても四十七億九千万の大災害をこうむったような次第でございますからして、かような大きな金となっておりまするが、ただわれわれが大災害の経験のない、しかもいろいろそれ以上の経験がなかった関係で、連絡不十分でいろいろ御迷惑をかけた点をここにおわび申し上げまして、はなはだ簡単でございますが、経過を御報告申し上げます。
○委員長(山田節男君) 次に熊本県阿蘇郡長陽村村長村上忠君の説明を求めます。
○参考人(村上恵君) 村上でございます。 大体の事情は、ただいま白水の村長から申し述べた通りで、隣接の町村でございまして、状況もほとんど同じでございます。私の村の災害に対する機構といたしましては、白水の村長から述べられましたように、今までの経験からいたしましても、そういう非常な場合に対する人的な機構ができておらなかったのでございますが、農業方面に関しましては勧業係、それから土木係が土木の方面を担当いたします。施工計画につきましては、土木方面では土木協会、あるいは農業方面では耕地協会という面から、県におきましても非常に人手不足と思いましたが、他県あるいは他郷から応援に技術者の方が見えられまして、おのおのの関係で仕事を進めておったわけでございます。職員に対しましては、各所管において最善の努力をしてもらいたいということは命じておりましたが、横の連絡、縦の連絡が十分でなくして重複した査定を受けたということになっておりますが、これにつきましては十二月発見いたしますと同時に、辞退することを申し出ております。なお、その後の処置につきましても、重複せないようにいたしております。なお、金額等におきましても農業土木で取り上げておりますが、これは河川の復旧ということになりますけれども、用水関係と、工事の復旧に関しまして不可分の関係にあるわけでございまして、金額の面におきましても相当低い金額でございますけれども、これによって施工するようにいたしておるわけでございまして、決していろいろ含みを持った考えで行なったというようなことではございませんので、さよう御了承お願いしたいと思うわけであります。
○委員長(山田節男君) 本件に関しまして、熊本県土木部長佐分利君並びに熊本県農地部長宮内君から順次御説明を願います。
○参考人(佐分利三雄君) 熊本県の土木部長佐分利でございます。 この昭和二十八年の災害は、従来は熊本県は大体災害が割合に九州におきましては少い県でございまして、一年平均、大体毎年多少ございますが、五、六億といりようなところであります。ところが一十八年におきましては、それが査定の結果から申しましても十倍以上、市町村県工事を入れまして大体七十億というような、非常な従来にない大災害を受けたわけであります。なお、このほかに御承知のように排土の費用十億、それから住宅関係その他がございますが、まあ一切がっさいで八十、五、六億になりますか、非常な大災害でありました。ただ土木関係といたしましては、熊本市を中心にしまして、城北と言っておりますが、北の方に非常に集中して受けたわけであります。そこで町村の仕事その他につきましても、県自体の災害の取りまとめにつきましても、非常に手が不足いたしましたが、幸いに北部に集中いたしましたので、南の方の割合に被害の少なかった県の土木事務所の職員を動員しまして、北部の方の応援をした、そういうような状態でありました。特にその北部におきましても、御承知のように白川を中心といたしまして、この水系が、ただいま申し上げました七十数億のうちの約七割に近い水害は、この白川水系に集中したようなことでございまして、そのときの混乱は非常な混乱をいたしました。そこで私ども市町村の掛算その他につきましても、非常に足りなかった、ただいまから考えまして、その指導が十分でなかったということを感じております。 以上でございます。
○参考人(宮内義彦君) 営内でございます。 県内の状況につきましては、ただいま土木部長からもお話し申し上げた通りでございまして、農地部関係におきましても、当時約一五十億の被害総額を見たのでございます。そのうちで阿蘇郡だけで約二十億円の被害額に上ったわけでございます。従いまして農地部といたしましても、この白川流域関係の災害復旧計画の樹立に最も重点をおきます必要上、県の南部の方、天草方面や人吉方面や八代方面や、これらの方面に駐在しておりました技術者を全部阿蘇郡の方へ、白川水系の方へ集中いたしまして、できるだけ早く災害復旧計画のまとまるように努力いたしましたほかに、さらにそのとき被害が少なかった鹿児島県及び宮崎県にも応援隊をお願いいたしまして、約二十名の方々に熊本県に来援していただきまして、ともどもに力を合わせまして阿蘇郡に重点的に計画樹立に努力したわけでございます。従いまして県といたしましても、これらの多数の人々を一時に阿蘇郡に集中して復旧計画を立ててもらいました関係上、県といたしましては、いわゆる農林省の出先機関でありまする熊本農地事務局の査定にまず間に合わなければならんということのために、夜を日につきまして、文字通り徹夜で、連日連夜調書の作成に努力しなようなわけでありましたので、その間土木部関係でどういう調査をやっておるか、そうした実情についても十分の連絡をとるひまがなくて、農地部は農地部の所管において、ひたすら一カ所でも落ちのないように、一地区でも余計に、漏れなく計上するべく全力を傾注したような次第でありまして、当時といたしましてはできるだけの努力を払い、ひたすら査定に間に合うための調書に忙殺されておったような実情であります。
○委員長(山田節男君) 長尾、村上両村長並びに佐分利土木部長、宮内土木部長は、いつ現職におつきになったか、その年月日並びにその前職を御説明願いたいと思います。
○参考人(長尾秋雄君) 私は前職は、やはり村長をしておったのです。三期目でございます。それから年月日につきましては、大体選挙は無投票でございまして、今回は四月の三十日をもって村長に就任いたしたわけでございます。
○委員長(山田節男君) 前職は、村長の前には何をおやりになったのですか。
○参考人(長尾秋雄君) 前には、私、支那の方にちょっと参って、会社の理事をしておりました。
○参考人(村上恵君) 私は村長といたしましては三期目でございまして、今度の選挙によって就任したわけでございます。前職は百姓をいたしておりました。
○参考人(佐分利三雄君) 昭和二十三年の十一月に三重県の土木部長から現職につきました。
○参考人(宮内義彦君) 私は昭和二十三年四月に県の農地部長になりましたが、その前は県の耕地課長でございました。
○委員長(山田節男君) 本件は二重査定の例となっておりますので、建設省の当局者のほかに、農林省から渡部農地局長、櫻井建設部長、大塚災害復旧課長の出席を求めてあります。では順次御質疑をお願いいたします。
○島村軍次君 二重査定になった事情についてはわかりました。村でお忙しいということもわかり、災害に非常に没頭されたということもわかりますが、現地調査でありましょうから、いずれ両方の査定官が村へ出張されて、それぞれ関係者が案内するとか、あるいは案内ばかりじゃなしに、実地にその実情を説明するとかいうようなことはあったと思うのでありますが、そのときには重複だということはお気づきにならなかったのか、どちらからでも結構です。同じケースであるから……。
○参考人(村上恵君) 村上でございます。 両係にそれに専属的に責任をもって行う事務局長がおりまして、ほとんどその人の責任において案内あるいは職員の指導ということをやっておりましたし、直接事務的な内容、技術方面あるいは設計書の内容とか、そういうものは二百件以上にもなっておりますし、そういう方面も不案内でございまして、内容が重複しておるかどうかということは、この当時は気づいておりません。
○島村軍次君 県のほうでは、応援を求められて、そうしてしかも熊本以南から北の方へ応援に出られたというのですが、これもおわかりにならなかったのですか。どちらからでも結構ですが。
○参考人(宮内義彦君) 農林省の査定が八月の中旬に行われましたので、県の技術者は、あげてその査定に間に合うように調査を作って査定に臨んだわけであります。そういたしまして、大体査定額が決定いたしまして、さらに県議会のほうへ、九月の県議会に予算は計上されたわけですが、もとよりこれは全事業費がそのまま予算に計上されたのではなくて、そのうちの二割くらいだったと思いますが、とりあえず九月県議会に予算の計上を見たのであります。それから直ちに実施設計に移ったわけでありますが、この問題の白水村及び長陽村の実施設計につきましては、たしか十二月になりまして実施設計に入ったわけであります。従いまして、その際に二重査定になっておったということを聞いたわけです。と申しますのは、実施設計をいたしますにつきまして、出先の出張所のほうでは、それぞれ土木関係とも打ち合せをしなければならぬので、協議をいたしました際に、初めて土木のほうからも出しておられたのだなということを気づいたわけであります。
○岡三郎君 これは村長さんのほうに聞きたいのですが、二重の申請をしていたということになるのですが、なぜ二重の申請をしたのですか。
○参考人(長尾秋雄君) 二重の申請をしたことがこちらのほうで連絡不十分でわからなかったのです。われわれ、あとからわかりましたものですから、すぐに辞退の手続をいたして現在に及んでおる状態であります。
○岡三郎君 二重申請をしたことがわからなかったということは、どういうことなんですか。
○参考人(長尾秋雄君) 私のところでは非常に忙しいものですから、印鑑を責任者に渡してありますからして、そのほうでまあ申請をしたものと考えて、その後に連絡もできなかったものですから、非常に不徳のいたすところでありますが、さような事情であります。
○岡三郎君 印鑑をだれに渡しておったのです。
○参考人(長尾秋雄君) 係りのほうです。
○岡三郎君 何という係り。
○参考人(長尾秋雄君) 土木の係りです。
○岡三郎君 何という人ですか。
○参考人(長尾秋雄君) りゅう、笠という字です。
○岡三郎君 名前を言って下さい。
○参考人(長尾秋雄君) 笠伯宏でございます。
○岡三郎君 この係りの者が勝手に村長の判こを公文書につくということができるのですか。あなたのところは……。これは本当のことを聞いておるので、あなたが本当のことを言うならば、私はここでそういうことを問題にするということよりも、こういうことがないようにするために情状酌量することがあるかもわからぬが、言葉が変ですが、もし嘘だったら、詐欺行為で、この笠とか何とかを訴えますよ。
○参考人(長尾秋雄君) これは私がこの本人にまかせておいたのでございまして、私の責任でございますから、どうぞ御了承を願います。
○岡三郎君 だから、日頃あなたの村では村長が判こをついていいとか悪いとかという、そういうことは、はっきりしてないのですか。
○参考人(長尾秋雄君) それは、現在はその後の情勢を考えまして課長制を布きまして、課長におきましては、非常に重要な仕事は別でございますが、自由に――私にあとから承認を求あるような形をとっております。
○岡三郎君 そうすると、あなたは重複申請をしたつもりはなかったのですか。
○参考人(長尾秋雄君) 私は、そのつもりはございませんでした。
○岡三郎君 それならばお伺いしますが、重複申請というものを知らなかった。しかし係は、こういうふうにいたしましたという報告を村長のほうに私はすべきだと思うし、こんな大きな事件を一村の係が勝手に判こをついてやれるとは思わぬし、もしも多忙だったというならば、判こをついたあとから、村長に、こういたしておきましたという報告はございませんでしたか。
○参考人(長尾秋雄君) その報告は、私ちょうど病気で寝ておりしまして、実際の現場に立ち至っていない関係がございまして、非常に本人も多忙でございまするし、そういうことで、結局、私の耳に十一月の末から十二月の初めにようやく入ったような、いわゆる、その間、非常にその時期が長くなっておりますが、あとになってから耳に入ったのであります。
○岡三郎君 あとに入ったというのは、いつ頃、耳に入ったのですか。
○参考人(長尾秋雄君) 十二月の初めでございます。
○岡三郎君 長陽村の村長さんのほうに伺いますが、この二重申請をしたという点について、これは村長さんがしたのですか。
○参考人(村上恵君) 書類を一括して持って参りますので、そう内容を詳しく見るわけでもございませんし、その面もあまりわかりませんので、申請にたくさん判を押すわけでございます。承認したことにつきましては十分責任は感じておりますが、二つ重復しておったということにつきましてはわかりませんでした。
○岡三郎君 どうも、どこか別の国のような御返答ですが、私は、村でも町でも、責任者である方がそういうふうな、まあ、おおらかな精神といいますか、そんなことで、判こを、やたら押すわけなんですか。しかも、これは未曾有の大災害で、額にしても何千万、あるいは億に達する金というものを補助申請するということで、そんなに多くあったわけですか、そういうふうな大災害、大被害が。これは長陽村の村長さんに聞きたい。
○参考人(村上恵君) 大体農業土木と一般土木と二百件ばかりでございます。
○岡三郎君 二百件あったなら二百件あったとしても、この工事は、そうすると、その中でも小さいほうだったわけですか。この被害箇所は問題に事らんと……。
○参考人(村上恵君) 被害額といたしましては大きいほうでございます。
○岡三郎君 そうすると、めくら判を押すほどのこまかい仕事でもないと思うのですがね。日常大体そういうふうにやっているわけですか、判この押し方。どうなんです。
○参考人(村上恵君) 二重の査定ということになっておりまして、計画書であるからというような、その当時はそこまで慎重に考えなかったということについては、今もって申しわけないことと考えております。
○岡三郎君 そうすると、あなたのほうでは、あなたが判を押したわけですね、村上さんが、この場所に。白水のほうの長尾村長のほうは、自分がついたのではないというけれども、この場合は村上さんが押したわけですね。
○参考人(村上恵君) これも内容を一一検討してはおりません。目の前で押してもらっております。
○岡三郎君 これは県のほうに伺いますが、そのような程度のやり方を県のほうではどう考えていますか。これは土木部長、農地部長にお伺いしたいのですが、そんなような状態の判のつき方で、何千万、億に対する査定がされていくということになったら、これでは、いくら国に金があっても間に合わんと私は思う。土木部長と農地部長は、今の両村長の御返答を聞いて、果して実際そうなのか、また、その程度のものについて、あなた方が責任をもってやれるかどうか、これをちょっとお伺いしたいと思う。
○参考人(佐分利三雄君) 町村の申請の内容でございますけれども、実際は、そういった両方の、何といいますか、重複申請その他、そういうことをよく指導審査しなければなりませんが、先ほど申し上げましたように、非常に手が足りませんので、十分なそういう指導ができませんで、こういうような結果を生んだと思います。町村でも、ただいま両村長がおっしゃられるように、そのうち、ある何カ所がダブっていたというようなことは、非常に大災害がございましたからお気がつかなかったのじゃないかと思います。私どもも全く、さっき農地部長が申し上げましたように、農林査定がすみまして、実施設計を作る際に、現地の農地関係、それから土木関係の協議会がありまして、そこで初めてダブっていることに気がつきましたような、そういう次第でございます。その他の事情は御了承願いたいと思います。
○参考人(宮内義彦君) 町村のほうからは災害の申請をして参りましたので、私どもといたしましては、農地部として行うべき事業地区の申請であれば、それはもちろん取り上げるわけでありますが、現地にも参りまして、地元の村の人たちに案内してもらって、そうして一々概算設計、いわゆる査定調書というものを作りましたわけでございますので、同じときに土木部のほうにも同じような申請が出ておったということは、農地部として全然わからなかったわけでございまして、その点はまことに遺憾であったと思うのでございます。先ほど申しましたように、あとで、査定が終りまして実施設計をする段階になって初めてこれは重複していたのだなということがわかったのであります。
○岡三郎君 そうすると、県のほうでも忙しいからわからなかったというのですが、こういうふうな同類の事件が起ったことについて、白水と長陽の両村で自然いろいろとお互いに事情を調べ合い、話し合いをしたようなことがございますか。
○参考人(長尾秋雄君) 全然ございませんでございます。
○岡三郎君 長陽のほうもそうですか。
○参考人(村上恵君) ありません。
○岡三郎君 そうすると、期せずして一致したというわけですな。
○参考人(長尾秋雄君) さようでございます。
○岡三郎君 そうすると、申請の手続の月日はそれぞれどうなっておりますか。つまり、建設、農林と、それぞれ申請した月日は、いつになっておりますか。
○参考人(長尾秋雄君) 農林省の関係が多分七月の終りかと思います。それから建設関係が十一月の終りですか、その頃と思いますが、はっきりはいたしませんが、概略その辺じゃないかと思います。
○岡三郎君 長陽のほうはどうですか。
○参考人(村上恵君) 的確なる日にちは覚えておりませんですが、査定の期日の数日前くらいと思いますが、徹夜から徹夜やって事務局のほうでやっておりましたから、はっきりした時日は覚えておりません。
○岡三郎君 両方一緒にやったのですか。どうなんですか。長陽のほうです。一緒にやられたのですか、どうですか。
○参考人(村上恵君) 農業土木と一般土木とでございますか。
○岡三郎君 両省にやる申請を一緒にやられたかというのです。
○参考人(村上恵君) そういうことはございません。農業土木と一般土木とは期日が違っておると承知しております。
○岡三郎君 会計検査院に伺いますが、いろいろとそういうふうな事情を聞いたわけですが、会計検査院のほうとしては、これは早期検査をやったから、一応この程度にとどまっていると思うのですが、実際にこれを見過ごしてやった場合において、一体これがどういうふうになるのかというふうに、われわれは考えるのですが、今までの当事者の質問に対するに返答の中から、会計検査院のほうとして調べた二重申請をしたその経過ですね。それから、これを取り扱った県の当事者の方法、やり方、こういったものに対する会計検査院の調査のその当時の状況を少し報告してもらいたいと思います。
○説明員(小峰保栄君) これは農林省の関係は二十八年の八月に査定をしております。従いましてその当時申請が出たわけであります。建設省のほうは十月の二十日、二カ月ばかり遅く査定しておるのでありまして、書類は従ってその当時に出たと思います。時期を異にして同じ書類が出ていったわけであります。これはどういうふうに御判断になりますか。ちょっと妙な感じはするわけであります。それから同じ川、水口川というのは、建設省に出た書類では水口川となっております。ところが農林省に出た書類では渋川、名前が違っているのであります。内容はまるきり同じ、こういう事態であります。これは白水のほうであります。私どもこれを見付けましたのが、二十九年の二月の十日頃、現地に行っております。だいぶたってからでありますが、先ほど十二月の実施設計のとまにお直しになったかというふうにおっしゃっていらっしゃいますが、二月の十月頃直っていなかったのであります。私どもが見付けましてあと、たしか日をさかのぼらしてお直しになったはずであります。十二月の日付で査定変更になっておりますので、これはあとで日をさかのぼらして直したというふうに報告を聞いております。この種の案外が、二十八年は、ことに熊本県は非常な大災害であったのでありまして、この白水、長陽に限らず、ほかの村にも重複査定が相当あったのであります。非常に忙しい、そうしてまた非常に早く査定を受けるというような関係で間違いができたのかも知れませんが、どうもあまりに大きなものが、両方に同じような書類が同じ村長さんの判が押されて出ているのでありまして、しかも建設省などは十月であります。もう大体相当落ちついた時期に出ているわけでありまして、当然気付くべき時期、こういうふに私どもは判断するわけであります。
○木内四郎君 両方の村長さんに伺いますが、農林省関係と建設省関係で査定をされるときに現地に来られましたか。
○参考人(長尾秋雄君) 私ちょうど農林省の査定のときには病後でありまして、ようやく床を離れたばかりでございまして、一日だけ御案内をしたわけでございます。それから、その次のときにはちょうど親戚に不幸がありまして、御案内をできなかったわけでございます、土木の閥係は……。
○木内四郎君 細かなことを聞いておるのじゃない。現地調査をされたか、されなかったかということ、現地に来られたわけですな。
○参考人(長尾秋雄君) 農林関係はおいでになりましたけれども。
○木内四郎君 建設はどうです。
○参考人(長尾秋雄君) 建設は、私ちょうどそのときに役場を休んでおったものですから……。
○木内四郎君 いや、あなたは休んでおられても、来たのか来ないのか。
○参考人(長尾秋雄君) 来られたことは来られたように考えております。
○木内四郎君 長陽の村長さんはどうですか。規地調査に農林関係も建設関係も来られましたか、査定のときに……。
○参考人(村上恵君) 査定のときには係りが一緒に案内して回りますし……。
○木内四郎君 いや、そんなことはどうでもいいのですよ、現地調査に来たか来ないかということを聞いているのです。
○参考人(村上恵君) 現地調査には一部回っております。
○木内四郎君 一部でも何でも、来たか来ないかということを聞いているのです。イエスかノーでいいのですよ。
○参考人(村上恵君) よく質問の内容がわかりませんですが……。
○木内四郎君 これだけの大きな工事を現地調査に来なかったのですか。
○参考人(村上恵君) 現地調査には見えられました。
○木内四郎君 来たのでしょう。
○参考人(村上恵君) はい。
○木内四郎君 両方とも……。
○委員長(山田節男君) 村上村長、今の質問の趣旨は、要するにこの災害の復旧査定に建設省と農林省の者が来たか、どうかということを……。
○参考人(村上恵君) 来られました。
○委員長(山田節男君) 両方とも。
○参考人(村上恵君) はい。
○木内四郎君 私の聞くところによれば、農林関係ふるいは建設関係で査定に行かれるときに、行って査定をされるとぎには、災害の何々第何号という札を、棒くいを立てられることになっております。その札は立っておりましたか。
○参考人(村上恵君) 立っておりましたのです。
○木内四郎君 それでは、先に札を立てたものをあとの人が見たのですか。
○参考人(村上恵君) そいうことはよく記憶いたしておりません。
○木内四郎君 だから、あなたの言われるところによると、先に調査に行った人が調査して、災害復旧第何号という札を、農林で先に来たら、農林の札が先に立っていっているわけです。あとから来た人は、その札を見て。今回し所にまた同じ札を立てていくばずはないのです。あなたは今、前の人が札を立てていったと言われる。その札はどうされたのですか。
○参考人(村上恵君) いずれのほうから立ててあるものかどうかということは、いろいろ各方面から、あるいは何カ所も入っておりまするし、そういう重複もあって立っておるもりと考えておりましたし、そういうところまで詳しい事情はわかりません。
○木内四郎君 何カ所かあっても、この個所は一カ所しかないのです。特に農林関係の人が札を立てていけば、第何号という札を立てていけば、その札はある程度まで、その札はあなた方が次の検査のときに取り除いておかなければあるはずだ。それがないというのは、実に私は不思議だと思うのです。あなたは何か釈明することはありますか。
○委員長(山田節男君) 長尾村長、今の質問に対して事情を御報告願いたい。
○参考人(長尾秋雄君) それは、その番号札はそのままになっておったわけです。
○木内四郎君 両方の札が立っておる……。
○参考人(長尾秋雄君) はい。
○木内四郎君 それなら私は県の方に伺いますが、県の方は農地の方に行って災害第何号という札を立てて、建設関係の人が行ってまた同じ札を立てていることを、今、両村長から伺えば、同じ札が立っている、そういうことがあり得るのですか、県で……。そういうことで、あなた方は、県の土木部長、あるいは農地部長としての職責を果し得るのですか。
○参考人(佐分利三雄君) 建設省関係の方は札を立てることになっていると思いますから……、(「もっと大きな声で」と呼ぶ者あり)
○委員長(山田節男君) もっと大きな声で願います。
○参考人(佐分利三雄君) 御質問の内容がちょっと……。
○委員長(山田節男君) 先ほど木内委員の質問に対して、長尾、村上両村長から、建設省並びに農林省の番号札が立ててあったと言われる。それに対して、県のあなたと農地部長に対して、その点が事実かどうかということを聞いているのです。
○木内四郎君 事実かどうかというのではなく、前に立っている所にあなた方が行って査定をして、また札を立てたのかと言っているのです。村長は両方の札が立っていたと言うんです。
○委員長(山田節男君) 佐分利土木部長、質問の要旨がわかりませんか……。それでは宮内農地部長。
○参考人(宮内義彦君) 災害の現場には、それぞれ農地部関係あるいは土木部関係、また土木部の中でも、河川関係、砂防関係、あるいはまた林務関係と、それぞれの査定に必要な棒くいは全部立てているわけであります。で、その村の人は、これがどの工事の関係の「くい」であるかどうかということは、気がつかないかもしれません。私どもとしては、農地部の関係の「くい」はこれだけということは、もちろんはっきりわかっているわけであります。先ほどから申し上げます通り、農地部の方はまっ先に査定がありましたのですから、あとの方のことは、私は、はっきり存じません。
○木内四郎君 それだから、土木部長に、農地部が先に打った所へ、あなたの所は、その場所に、一億五千数百万円という復旧工事としてまた札を立ててきたのかということを、土木部長に聞いているのです。
○参考人(佐分利三雄君) おそらく「くい」を立てることになっておりますから、立てているのじゃないかというふうに考えます。それは現場の河川沿いに立てていると思います。
○三浦辰雄君 一体この二十八年の災害というのは、非常な木曾有の災害ということで、当時自由党吉田内閣のころに、大野国務相だったと思いますが、わざわざ福岡に乗り込んで、いわば政府の出先の特別な機関をもって、そこに農林あるいは建設、運輸、あるいはそれぞれ所要のいわゆる政府の必要な機構というものを一まとめにして対策本部というものを作って、そうして、そこですべて采配をふると、こういうことで、非常な決心でやったのは御承知の通りです。私も当時まあ選ばれて、さっそく二十九日であったと思うが、福岡に着いて、そうして熊本県に私は配属をしまして伺った。そのときは七時か八時であったと思うが、県庁に行ったら、一部の人はわざわざ待っていてくれて、あなたの方にも立派な大きな看板をかけて、災害対策本部というものをかけて、あの程度でおやりになっていた。それほど、国をあげ、県をあげ、しかも町村にいけば、もちろん町村の役場には、大きな災害対策本部、何々町、何々村というふうに災害対策本部を作って、もう血みどろな災害対策をやっておられた。もちろんこれについて、あなた方が、どなたでありましたか、その当時のことを思い出してみてくれといったような意味のことを言っておりました。食糧の問題、医療の問題、寝具の問題、こういったいわゆる直接すなわちその日その日の民生あるいは衛生に関係することがまず第一番大きな問題として浮んでいたことは知っておる。けれども、今問題になっている大きな復旧ですね、これは、問題は、一つの破壊された農地のいわゆる復旧保全という見方、それから河川復旧という見方だと思う。しかし目的は、あの阿蘇の特殊な灰が流れて、あの氷でやられて、一帯が削り取られてしまった。そういう問題に関連していると思うのです。だから私は今までお聞きしていて、ああいった機構のもとに一応あってやっていたのだから、そんな知らないでやったのだというのではなくて、やっぱりこれは何としてでも即急に復活をしなければならない。どこにかじりついてでも住民のためにこれは早く復旧しなければならないということから、どっちの方とも考えられるこの対象の工事であるとするならば、工事の万全のために両方出しておこう、こういうふうに思ったのではないかと、私はあの当時のころの災害の悲惨な有様から見て思ったのです。私はこの事態を通じて、今後災害田日本と言われるこの悲しい今日の治山治水の状況、あるいは日本の一つの宿命からして、今日のような状況では、いつまた、ああいった情ない姿ができるかもしれない。そういった場合に、国費というものを、むだのない、そうしてあやまちのないように使っていくには、どうしたらいいのかということから、今日参考人に来ていただいたその趣旨からみて、あなたは率直に言っていただくのが一番お互いのためになる。私はこう思うのです。どうですか。今「くい」を必ず査定に行った場合には打つのですよ。そうしてやっておくのですから、あとの人かまさか前の「くい」を棄てて投げ込みはしないでしょう。なぜならば、あとから行った建設の方の関係では、工合が悪くなれば、いずれ農地の関係の人によって復旧を急がなければならないのだから、だから二つあったのも無理はないだろうと思う。だから、そのへんのところを、私は、はっきりお述へいただくことでなければ、私ばかりでなくて、皆さんなかなかこの点どうも納得がいかぬと思う。一つこの点率直にお願いします。
○参考人(宮内義彦君) ただいま私が申しましたのに、言いあやまりがありましたので、お許し願います。農林省の査定の当時、農地部関係の「くい」は打ってなかったのでございます。その点、先ほど間違って申し上げたので訂正さしていただきます。
○木内四郎君 しかし村長さんは打ってあったと言うのだから、あなたが打ってないと言われても、地元の村長さんが打ってあると言うのです。今訂正されたからといって、私は直ちに承服できないのですが、私は今三浦さんからも言われたように、私どもは、急いでいる際で、両方で出しておけば、どっちか早く採択された方を取ろうというつもりで、そうしたのだろうということを話し合っておった。ところが、あなたの言われることは支離滅裂だ。役場に何人吏員がいるかしらないが、百人、千人もいるわけではないだろうから、その吏員が寄って連絡がつかないことはない。一体、役場には吏員が何人いるのですか。両方の村長さんに伺いたい。その人々が茶飲み話に、そのくらいのことは、あの大事件だから、連絡ぐらいありそうだ。それをあなた方は、はっきりものを言われないから、私どものほうも、つい、いろいろな疑いを持って伺うようになるのですが、私どもは初め三浦さんと一緒に、皆ここで、これは急いだからこういうふうにやっておいたのだろう、こういうふうに好意に解釈したのです。ところが聞いてみたら小さい、五人か十人か、二十人かしらんけれども、役場の中で横の連絡が何もなかったというような答弁をする。村長は何でも一億何千万円くらいのものは皆めくら判を押す。そんなばかなことは日本じゃ通りしませんよ。ほかの国ならとにかく、日本じゃ通りませんよ。
○参考人(長尾秋雄君) 私のところだけでは災害のために約三十人ばかり特別に入れているのであります。
○三浦辰雄君 どうもだんだん何かこう、せっかく参考のためにわざわざ忙がしいところを来られたのに、どうも大へん、詰問というとちょっとおかしいが、えらい詰め寄ったような形になって、この点は一同恐縮にたえません。ことに私は恐縮にたえないのですけれども、どうも、あなたの方ばかりじゃないのですよ。やはり重複で出しているというのはこういった場合あるのですよ。そのあるたくさんの中から比較的大きいあなたの方を選んで、一体どういうわけでこういう現象ができるのだろう。これはお互いにむだなことであり、お互いにこれはすべからざることなんだから、何とかして、そういったようなことのないようにしていこうということからきているので、まああなたの方はたまたま当てられたから、しかもはるばるこんな忙がしいときにお見えになったのだから、実に御迷惑なことだと思って、この点は私どもに至るまで恐縮しておりますが、そこのところをくいを打つということは、これは測量日誌を査定すれば、概算査定であっても、どこからどこまで入れる、どこからどうしなということば、これはやっているのですよ。トラン・シットを持って行かなくたって、それをやるのがこれは普通なんです。それが村長さんの方で先ほど、両方ありましたというが、それで片一方あなた、農地の方は先にやったのでしょう。先にやったのだから、あなた前に言ったことは取り消しますと言ったって、あなたの方を先にやったのだから、何も先にやった方が取り消さなくたっていい。先にやったら先の方は一本しかないのだから、取り消した真意というのはどこに一体あるのですか。
○参考人(宮内義彦君) 査定の際にくいを打っていなかったということを申し上げましたが、農地の方のくいは実施設計の際に打ちましたけれども、査定当時はくいは打っておらなかったということを申し上げたのであります。
○三浦辰雄君 それは幾ら大へんな際とはいいながら、一応どこを起点にしてどういうふうにやっていくかというくらいなものは、私は何もトラン・シットを持って行ったとか何とかじゃなくてポケット・コンパスでああいう際はいい。それにしても一応どこからどこまでそうすればどうなるということかなければ、概算上メートルも出てきやしないじゃないですか。それを昔のように足ででも歩いたというのですか。
○参考人(宮内義彦君) もちろんおっしゃいました通り起点もはっきりわかっているわけです。それで現地査定を受けまして、そこでテープではったりいろいろして御検査、御調査を願ったわけです。ですからその点は現地でははっきりしておりますが、一々あらかじめくいは打ってなかった、こう申し上げたわけであります。
○委員長(山田節男君) 大谷委員、所定の時間がすでに経過しておりますからなるべく簡単に御質疑願います。
○大谷瑩潤君 ちょっとわからぬのですが、ここに査定技官の福田という人の名前が載っております。これは大体どこに属しておる人で、またそれが両方査定しながら、二重になっておるということがわからないということが、ちょっとわからぬです。県でも本省でもけっこうですから……。
○政府委員(米田正文君) 福田技官と書いてございますのは建設省の技官でございます。
○大谷瑩潤君 それが両方ともに同じ技官がやっておるのですか。そして二重になっておることがわからぬということが私にはわからぬ。
○政府委員(米田正文君) それは長陽村と白水村と両村の検査に行った技官でございます。同じ者が両村に検査に行ったのであります。
○大谷瑩潤君 けれども同じ日に査定をしておる、それにもかかわらず重復しておるということがわからないというはずはないと思うのですが、同じ人ですから。
○政府委員(米田正文君) それは隣村でございますので、同日に検査をいたしておりますが、重複いたしましたのは、そのときに検査したものと二カ月ほど前に農林省で検査したので重複しておったのでございます。
○島村軍次君 大体事情はわかりましたが、ここで照会に対する御回答といいますと、両者間で調整をされておるようであります。ところが一方は一億二千万円、一方は一億三千五百万円、しこうしてそのうちの堤防復旧は建設省の方が延長が少い。それから高木川堤塘復旧は、これは川が違うのだろうと思いますが、メートルも違うし金額も違う。それから同じく一方が八百九メートル、一方が六百三十五メートル、そうして金額においても非常な差異が出ておるのでありますが、そこでこういう問題に対する最後の打ち合せをされる場合に、おのおのの立場でお考えになるということは、国全体から見るというと問題があるのじゃないかと思いますが、そういう問題の調整についてはさらに再査定とか、あるいは農地部から出られて立ち会いの上でおやりになりますか、あるいはまたそういうことなしで、一応査定官が行ってきめられたのだからこれをもとにしてやられるか、そういう問題に対するお打ち合せができておりますかどうか。これはどちらの部長からでもけっこうです。あるいは本省の方からでもけっこうですが、ちょっとお知らせを願いたい。
○政府委員(米田正文君) この問題に関しましては会計検査の事前調査によって重複が指摘されましたので、建設省といたしましては熊本県に命じまして、県の土木部長と県の農地部長と、それから関係の町村とで協議をして最後の設計の決定をするように指示を出したのであります。
○島村軍次君 時間が長くなるようでありますが、工事はすでにお始めになっておるのですか。
○参考人(宮内義彦君) 工事は農地部の事業としてこれはいずれもやっております。従いまして実際の着工は二十九年の三月から着工して現在に及んでおりますが、二十九年度末で大体四割の工事が完了いたしております。あと六割残っております。
○島村軍次君 金額はこのお打ち合せをされた結果、農林省所管の一億三千五百万円の方ですか、この方によって工事が施行しておる、こういうことですか。
○参考人(宮内義彦君) 事業は農林省の査定に基きまして実施設計々いたしました。しかも実施設計をやっていきますのにつきましては、その地区ごとに、河川ごとにそれぞれ地元の農地事務局の綿密な設計審査を受けまして、そのために多少金額が変更いたしておりますが、要するに農林省の御承認を得て、個所ごとにまた年度ごとに工事を施行しておる実情でございます。
○島村軍次君 簡単に、総額はどのぐらいになっておるか、今の実施設計の結果がどうなっておるかということを聞かせて下さい。それを打ち合せの上でそうなったか、農林省と建設省との、そういうことです、そういうことを聞きたい。
○参考人(佐分利三雄君) これは両方の部で調整いたしますときに、建設省で受けました査定を全面的に、地元の希望もございまして取り下げましたから、農林省の査定そのものが生きておることになります。建設省関係は全部一括廃工の申請をいたしました。
○島村軍次君 そこで農林省の今やっておるこの一億三千五百万円の金額は、調整の結果、二十九年の三月にかかられて、その四割が施行しておるというのか、設計金額はこの程度でやっておるのか、変っておればそれを知らせてもらいたい、こういう質問です、変っておりませんか。
○参考人(宮内義彦君) ただいまお尋ねの一億三千万円とおっしゃるのはどこの工事でございましょうか。この仮川、白水村の分だけでございますか、それとも……。
○島村軍次君 白日水村の……。
○参考人(宮内義彦君) 垂玉川は入っておりますか。
○島村軍次君 白水村大字中松の堤塘復旧工事の三カ所分の合計が一億三千五百四十二万円になっておりますか――お調べになるならばけっこうです、だいぶ時間も経過しましたから。
○参考人(宮内義彦君) お答えいたします。一億三千五百四十二万円が実施設計を経て農林省の御認証を得た金額でございます。
○久保等君 時間がないから私も簡単に、先ほど来の御説明とタブらない御説明を伺いたいのですが、まあただいまの御質問の問題は、結論的にはこの白水村の場合については、建設省の査定金額が総額一億二千幾らという査定金額になっておるし、農林省の場合には一億三千五百四十二万円という金額になっておるわけですから、結局建設省関係の力が査定が少なかった、農林省関係の方が査定金額が多かった。従って両方内容はダブっているから、建設省関係は取り下げたということだと思うのですが、そうですか。
○参考人(佐分利三雄君) これはただいまのお話しは、結果においてはそうなっておりますが、たとえば垂玉川、長陽村の方は逆に建設省が五千百四十一万七千円、農林省関係が三千九百三十九万円で、農林省関係を地元として希望されてそっちの方を採用されておりますから、金額が多いから云々という問題ではありません。ただ井堰損、耕地損の復旧、それに合わした護岸をやる、そういう一貫した農地関係の復旧としてやりたい、こういう御希望がありましたので、河川を主とした建設省関係は取りやめにいたしたわけであります。
○久保等君 それから白水村の問題ですが、この中に農林省関係の場合においては渋川といい、それから建設省関係では水口川と、それぞれ川の名前だけは違っておるか、実際は同じものだということなんですが、これは一体どういうことなんですが、同じ川の名前の読み方が二つあるということですか。
○参考人(長尾秋雄君) それはほんとうの名前は水口川でございますが、その川が非常に鉄分の多い関係で、その地元では通称渋川と申しておりますが、実際は同じ川であります。地元では実際の川の名前は水口用で、通称渋川といいますから、案内した人がそういうふうに言ったわけでございます。同じ川でございます。
○久保等君 しかしこれはただ単に案内して、現地でこうだと言っておるという程度のものじゃないと思うのですが、少くとも調書で正式に何か申請されたと思うのですが、単にそういう程度でたまたまこういうふうに非常に違った結果になったというわけですか。
○参考人(長尾秋雄君) その名前と申しますか、結局通称の名前をとってそのままになったものですから、まあこういう場合にはちょっと二つの名前を言っておりますから。
○久保等君 時間がありませんから、いろいろ究明したいこともありまするが、まあ少くとも先ほど来の説明を聞けば聞くほど、ますますどう本よくわからないというのか非常に遺憾でありまするか、私の印象なんです、で少くともまあこういったような事態は、先ほど来の御説明によると、非常にああいう未曾有の災害のあった非常事態であり、非常に忙しかったというお話が言わんとする趣旨であったように思うのですが、しかし非常に忙しかったのであるならば人手不足であったということにもなろうかと思うのですが、非常に忙しかった、実は二重に申請し、それが単に当該町村のみならず、県当局においては県当局でまた同じ個所を二回調査された、札も二回立てたというようなことになる。さらにこれが中央の本省に来ては、建設省においてあるいは農林省において、それぞれ同じ実態のものについて二重査定の結果を招来したということになると、私はその及ぼす影響あるいは結果というものははかり知れない。あらゆる面においてロスを及ぼし、さらに国費の面においては、二重にこれが申請され、またこれが交付せられんとしておったが、幸い会計検査院の事前調査によってそういったことは未然に防いだという結果になったと思うのですが、先ほど来の説明によって、私も当初はそう内容のむずかしい問題ではないと思っておったんですが、説明を伺った限りにおいては非常につじつまの合わない御説明であった。こういったような問題は少くとも絶対、こういった場合は普通忙しければ忙しかっただけにむしろ手が回りかねたということなら話がわかるんだが、全く同じような内容についてその時期を異にして七月ごろに申請され、十月ごろに申請されたという経過等を考えて、何か非常に大きな私どもの理解し得ない点が実はあるわけですが、そういった点についていろいろ御質閲したい点がありますが、私いろいろ御説明を伺っても、もう少し明らかにすることもできかねると思いますが、まあとにかくこういった問題が自後絶対あり得てはならない、このことだけは私はぜひ一つ十分に、先ほど来の私どもの質問の中からもこれは大いに自戒反省してもらわなければならん。それだけを申し上げて私の質問を終ります。
○委員長(山田節男君) だいぶ時間もたちましたので、大体これで終りたいと思いますが、委員長から一口御質問申し上げたいと思います。佐分利土木部長の本籍地はどこですか。
○参考人(佐分利三雄君) 熊本県です。
○委員長(山田節男君) 宮内農地部長の本籍地はどこですか。
○参考人(宮内義彦君) 福岡市でございます。
○委員長(山田節男君) 石破官房長にお聞きしますが、この両君は県の土木部、農地部に昭和二十三年以来足かけ八年間在任しておるわけです。こういったように県の土木、農地という行政に、一県において足かけ八年も同じポストに在職するという例が、全国的に見ましてこれは例外的なことであるか、あるいは五年以上の土木、農地部長というものがざらにあるのか、この点をお伺いいたします。
○政府委員(石破二朗君) 詳しい資料は持っておりませんけれども、相当長い方で、こういう例はあまり全国的に見しましてもそう多くないものと考えます。
○委員長(山田節男君) これはある場所に出張したときに、その地元の人からもわれわれが耳にしたのでありますが、土木行政あるいは農地行政に当る者は大体三年以上同一場所に在職せしむることは、いろいろな問題を惹起する面において望ましくないことである、こういうかなり強い意見を聞いておりますが、これに対する建設省としての見解をお伺いしたいと思います。
○政府委員(石破二朗君) お尋ねでありますけれども、事は地方の公務員でもありますし、また個々具体的の人の問題でもあろうかと思いますので、ごく抽象的に申し上げますれば、やはり長く一カ所におれば事情が詳しくなって、仕事の能率が上るというような見方もありましょうし、また反対に、あより長くおるといろいろ弊害が生じやすいというような見方もございましょう。まあ結局は人の問題でもあろうかと思いますので、ここであまり差し出がましい意見の発表は差し控えさしていただきたいと思います。
○委員長(山田節男君) 本問題の事案に対する質疑はこれで一応終了することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」「時間がないからしようがない」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山田節男君) 時間の関係上これをもって一応終了することにいたします。 なお、今回本委員会のために、遠路わざわざ御出張願った村上、長尾両村長並びに佐分利土木部長、宮内農地部長に対しましては、大へん御迷惑なこともあったと思います。今日、本委員会においていろいろ有益な御説明を伺ったことに対しまして心から感謝いたします。 ただいま議題となっておりまする件に関する昭和二十七年度の九州の大災害の分につきましては、衆参両議院ともこれが対策の特別委員会を設置いたしまして、地元の衆参両議員はもとよりのこと、本日ここに見えておる決算委員諸君も、農林委員会あるいは大蔵委員会、予算委員会等を通じまして、この災害復旧のために政府としては最大の予算を緊急に出すべきだというので非常に心配をされた方々ばかりなのであります。しかるところ、こういったような二重査定というような会計検査院の認定を受けるような事態があった。しかし幸いにしてこれが早期検査によって直接国損を来たさなかったという点においては、不幸中の幸いと申さなくてはならないと思います。 承わるところによりますと、長尾、村上両村長とも三期の村長をお勤めだということを今拝聴いたしました。ことに長尾村長のごときは第三期目に無競争であった。このことは両村長とも地元におきましていかに絶大な信頼を一身に集めておられるかということを私は証明して十分だと思う。それだけに村上、長尾両村長としては、同時にその所管村民に対する重大な責任をお持ちになっておることは申すまでもございません。かような意味合いからいたしまして、私どもが今日議題としております案件も、先ほどあいさつの中に申し上げましたように、その緊縮財政の今日でありながら、一般災害が起きた場合には、すべてを犠牲にしても災害復旧を早急にしかも十分になさしめたいというのが本国会のことごとく熱望しておる点であります。これが乱用されまして、自分のふところをいためない方がいいということになりますと、直正者がばかをみる、こういうような悪い印象を今日全国全般に起しておるのじゃないかというのが、本委員会の最も憂える点であります。どうぞ村長諸君におかれましても、県当局はもとよりでありますけれども、かような不注意な事態の再発に対しましては厳重に一つ注意を促したいのであります。 時間が十分にございませんので、各委員からの御質疑も尽せなかったと思いますし、またせっかくおいで下さった諸君に対しましても、十分な時間がなかったということに対してはまことに申しわけない次第でございまするが、本件に関しましてはこれをもって終了することといたします。重ねて地元からおいでになった県当局、村長の皆さんに対しまして厚く御礼申し上げます。 次に二件ございますが、一五分間休憩いたします。 午後五時十八分休憩 ――――・―――― 午後五時二十五分開会
○委員長(山田節男君) それでは休憩前に引き続いて委員会合を再開いたします。 次に検査報告批難事項第二千百四十五号であります。まず専門員から事案の概要の説明を求めます。
○専門員(池田修蔵君) 御説明いたします。本件は山口県大津郡油谷町が三百四十八万五千五百円で施行しました二十六年災害の渡船災害復旧工事でございますが、これは二十六年十月、在来就航しておりました船が沈没したこととして二十三トンの渡し船を新造したものでございますが、実際は同船は沈没しておりませんで、引き続き海上輸送を行なっておったものでありますのに、沈没したほかの船の写真を出しまして、それによって沈没の査定を受け、この代船として……本船は旅客収容能力が少い老朽した船でありましたので、それにかえて新しい船を建造したものでございます。
○委員長(山田節男君) 本件の参考人として山口一県大津郡、油谷町町長岡崎澗雄君、山口県土木建設部長近藤勇君が出席されております。本件につきましては岡崎町長並びに近藤部長から御説明の御要求があれば許すことにいたします。説明されますか。
○参考人(岡崎澗雄君) ただいま御趣旨にありました通りでありまして、若干敷衍をして申し上げます。御趣旨にありました通り、船が老朽いたしまして、波浪が荷いときには就航ができないので、船を作ることに苦心をいたしておりました。ときあたかもルース台風に遭遇いたしまして、その際若干の被害を受けましたが、大したことはありませんが、就航に困るのと、尊い人命を委託するに不十分であるから、二十六年度の災害復旧事業国庫負担金を申請いたしまして、机上の査定で三百五十万円の査定を受け、二十八年の三月、三百四十八万五千五百円をもって代船を建造いたしました。これは災害復旧事業でなく、維持工事によるべきものでありまして、村自体が当然負担をすべきものであります。しかるにこれを偽わって補助を受けたということは、まことに不法の至りでありまして、ことに道義上から考えましても、まことに残念な仕事でありまして、まことに恐縮をいたしておる次第であります。
○委員長(山田節男君) 岡崎町長はいつ町長に御就任になったかということと、前職は何であられたかということを御説明願います。
○参考人(岡崎澗雄君) 私は元陸軍少将でありまして、昭和二十七年の十月に追放を解除されました。終戦後町長に就職するまでは公職についておりません。農業をいたして暮しておりました。本年の三月二十日に油谷町長に就任をいたしました。
○委員長(山田節男君) 近藤部長、何か補足して説明の必要ありますか。
○参考人(近藤勇君) ただいま油谷町長が申し上げました通りでございまして、私としては別に申し上げることはございません。
○委員長(山田節男君) 近藤部長はいつ現職に就任されたのですか。それから前職は何であったかを御説明願います。
○参考人(近藤勇君) 私は昨年一月末に山口県の土木建設部長になりました。その前は佐賀県の土木部長をやっておりました。
○委員長(山田節男君) そうしますと、あなたの前任者、前任の土木建設部長は今どこにおりますか。
○参考人(近藤勇君) 兵庫県の土木建設部長をしております。
○委員長(山田節男君) 名前は……。
○参考人(近藤勇君) 永井重雄。
○委員長(山田節男君) それでは各委員の御質疑を願います。
○三浦辰雄君 町長さんそれから建設部長さんも最近の方でありまするし、さらにその御説明でも全く申しわけないことをしたということでありまして、お互いこれは同感なのであります。そこで、それについてお聞きしないのでありますが、そういった立場の方として、こういった顕著な、言葉をきたなくして言えば実に悪質きわまることをやったということをお知りになった以上は、一体当時はどういうことでこんな大それたことをやったのだろうということは、これはだれだって人間興味を持たざるを得ないし、ましてやそういった地位から相当に御研究になられたと思うためにお聞きするのでありますが、一体、私はおそらくこういった大それたことは一係の人などのとうてい及ぶところではない、むしろだれか、いわばこういった悪知恵をつけて、そうしてこの際やれやれと、たとえば富山県でありましたか、石川県でだって、サスペンション・ブリッジ、つり橋をどうも自力では作れないから、従ってあの鉄線を、台風被害に乗じてこわれるようにある程度細工をした、そうしてまんまととにかくその橋を復旧したというようなこともあるし、それは見つかったら見つかったで、この際金もない地方財政のことであるしするから、まあ一つどうだというような、いわば教唆扇動といったようなことがなければ、私は一まじめな町の係の方々としては容易にやれるものではないといったような、これは感じがするのです。はなはだ端的な聞き方であり、場合によっては類を他に及ぼすかもしれないようなことを聞くのは恐縮にすぎますけれども、何としても悪質の案件を見ますると、ただ尋常にこんなことを思いつくとは思えないのですけれども、その人の名前はとにかく、そういったようなことがあるようにお聞きになったかどうか、これを一つお聞きしたいのです。大へん失礼なぶっしつけな御質問で恐縮ですが、お聞きします。
○参考人(岡崎澗雄君) ただいまの事柄は、はなはだ悪質でありまして、そういう御感想が出るのはこれはごもっともと思います。しかしながら土地は漁業者の多い所でありまして、船に対する執着というものは、普通の農業者や一般の者よりも非常に強い所であります。私はそのそばに近く住んではおりませんが、前後の事情はよく承っておりまするが、ただいま仰せのようなことは断じてありません。他から教唆を受けたり、入れ知恵をされるようなことはいたしておりません。もし入れ知恵をしてやられることならば、悪い言葉でありますけれども、見つかるような下手はやりません。これだけ申し上げておきます。(笑声)
○三浦辰雄君 ある意味において大へん心強い(笑声)御回答で、まことにその点は意を強くするような点もあるわけでありますが、しかし、こういったことをやったのは事実なんです。しかしその点は断じてないと、それはけっこうでございます。それは一体お調べになられたそうですが、本当にこれを計画し、幼稚な手段かも知れないけれども、事実まんまとやりおおせた。その実際やった企異者でございますね。それは町の、どういう方なんでしょうか、その点はどうでしょう。その企画者……。
○参考人(岡崎澗雄君) それば村の当事者であると思いますが、その細部の詳しいだれがだれだということは私は存じておりませんが、やりくりが下手で、しかも一そう門司で売って、保安庁につかまっているような下手なことをやっております。はなはだ下手な言葉でありますけれども、知恵のあるようで知恵のないことをやっております。それだけははっきり申し上げておきます。
○青柳秀夫君 ちょっとお伺いしたいのですが、町長さんなり県の土木部長、いずれもその出時においでにならない方でございますから、私はただ各委員とともに当時の事情を卒直にお伺いしたいわけなんでございます。 そこで今町長さんのお答えもございましたが私がお伺いしたいのは、こういう町の船を作るというようなことは、町議会に提案されまして議会の議決を経ていると思うのでございますね。その点はどんなふうな、当時の当局が議会に提案をされたときの提案理由、また町議会の議員が議決されましたときのいろいろの質疑の内容等はどうなっているか、おわかりになりませんか。
○参考人(岡崎澗雄君) 町でございません。それは旧村でございまして、今御要求のありましたことは必ずそういうような実行をいたしたことと思います。しかし私はその細部にわたっては存じておりません。ただそこが航路が二つございまして、いろいろ経営上、片一方は黒字、片一方は赤字というような状態でありまして、村議員の中で渡船の委員というものが独立されておったことを仄聞をいたしております。それで、そういうような、これを作るときには必ず村議会にかけたことと存ずるのでありまするか、私はそういうことを、資料を持っておりませず、また聞いておりませんでございます。はなはだ相済まぬことであります。
○青柳秀夫君 その点よくわかりましたが、土木部長も県に当時おいでにならないので同じことになるかと思いますが、県の力ではその当時の村からの申請に対して、どの程度にお調べになったかという点をお伺いしたい、おわかりになっていたら。
○参考人(近藤勇君) 私その当時いないものですから、事実ではありませんが、調査しました結果を申し上げます。御承知のように昭和二十六年のルース台風は全国的にもですが、山口県としても未曾有の大災害があったわけでございまして、全県下におきまして県工事、市町村工事合せまして申請個所が九千八百七十五になっております。査定の結果九千三百二十七となりまして、金額におきまして、査定金額が百三十四億余に上っておるわけでございます。そうしまして、その当時の職員の数を調べましたところが、技術吏員として百五十二人、それに助手が百人ばかり、わずか二百四、五十人の吏員でありまして、しかも十月十四、五日に台風を受けまして、非常に道路河川とも決壊したものを応急復旧するとともに、査定設計に移りまして、わずかな期間におきまして二万個所に及ぶところのものの設計をまとめて十二月の五日から査定にかかっているわけでございまして、実際上申請書を出すときには、おそらく査定官が見たときぐらいにしか間に合っていないような状況でございまして、県工事だけでもなかなか手が回らないところを、市町村工事まではおそらく何らかの確定まではできなかったろうと思います。その点はなはだ遺憾なんでありますけれども、実情を申し上げますとそのようなことでございます。
○青柳秀夫君 今一点町長さんにお伺いしたいのですが、私はこういうことが何か県の理事者の方の単独の契約等でできる場合は、あるいはいろいろの間違いもございますから、起る場合もあるかと思いますが、船を作るというようなことを当時の村議会におかけになって、そして大勢の村会議員の方がその理由なり説明なり聞いて、それぞれの意見を述べられてきめて行くと、これはまあ民主主義の行き方としてその議会の正しい行き方とすればこういうことが……まあこの事案というのが非常にまずい事案だものですから、こういうことが公けの議会に出ても、どなたもそれをとがめだてしないで皆さんがいいのだというふうにして、もし地方議会が進むとすれば、非常にこれはおそろしいことじゃないか、そういうところにかけないで、どなたかが、直接あるいは契約された場合は、その人の落度でありますけれども、理事者と議会と両方が一緒になってこの問題をおきめになったとすれば、何かそれは、目的とすれば、地方財政をやわらかにするとかいろいろ公けの意味におけるお考えがあったと思いますけれども、しかし、いかにもあまりにその行き方が、何といいますか不正なことを平気でやられるという点が想像し得ないのでありますけれども、この点だけ、いま一回お答えを願いたいと思うわけであります。
○参考人(岡崎澗雄君) 今のお尋ねはしごくもっともなことだと拝聴いたします。しかし私はこの旧村には住いをしておりませんけれども、すぐそばの所におりまして、当時の様子なりいろいろそのやり方は多少存じておりますので、その点から申し上げるのでありますが、あのルース台風で渡船がこわれたという名目をとったのは、あの村には漁業組合、ちょうど日本海に直接面しておる方の大きな組合が一つ、それから湾内の方にありますのか二つございます。そこの土地の生業は漁業が非常に盛んでありまして、農業と半々でございます。あのルース台風はこの漁船に非常な損害を与えておる、漁場で。それでありまするから単に船だけをお考えになりますと、そういうようなお感じになるだろうと思うのでありますが、私があのときの現状を見ますると、船を流され、こわされ、港をやられたと、こういうような状態でありまして、現に災害復旧事業もまだ残っておるような状態でありまするので、私がそんたくをいたしまするに、村といたしましては非常に財政に困ったことと思うのであります。現に町が併合のときに引き継いだ財政の状態を見ましても相当に苦しかったと思うのであります。従ってやはり私は議員の、こういうものが、載っても、まあ国から金をもらえというような、当時の損害状況から自然とそういうように傾いたのではないかということを考えるのであります。
○近藤信一君 今の町長さんではわからないかもしれませんが、この沈没したと称せられる船は、これは海上保険に入っておったかどうか、その点わかりますれば……。
○参考人(岡崎澗雄君) 保険には一切入っておりません。
○近藤信一君 この沈没しなかった船が写真によって査定をせられたわけですが、県の方ではこの否定を見られたわけだと思うのですが、はっきりとこの船であるかどうかということの判別がつかなかったんですか。
○参考人(近藤勇君) そこまでの判別はつかなかったわけでございます。
○近藤信一君 判別つかなかったって一体専門的な人が査定したんじゃないんでしょうか、その点どなたが査定されたんでしょうか。
○参考人(近藤勇君) 専門的なという言葉がありましたが、実はわれわれ職掌としまして、道路の付属物であるところの渡船については十分知識を持っていなければならぬわけですけれども、実際は船というものにつきましてはわれわれは事実上何らのあれも持っていないものですからして、その点は町村の設計書通りをしんしゃくしたに過ぎません。
○岡三郎君 どうも町長さんの言葉を聞いているというと、何か災害のときにはやらないと損だというふうな空気が地方にびまんしているようにも、見方によれば、受け取れるわけです。つまりいろいろな損害があったから別の方までも手を出し、足を出して国から金をもらわねば損だというふうな空気があったので、こういうことになったんだろう、こういうふうにお話しになったと取ったんですが、しかし実際問題として国の方から出している補助金というものは莫大なものなんです。それで、それぞれの被害に対しては、それぞれいわゆる申請に対して査定を行なって、これに対して補助金を法律に基いてやっておるということは御存じのことと思うわけなんです。そうするというと、結局法のワクの中において乏しい国家予算というものを被害地にどう均霑してすみやかに復旧をはかるか、こういうふうなことを考えて行けば、こういう事件については二度と繰り返してはならぬし、これは非常に悪賢い事件である、こういうふうにも別に取れるわけなんです。それで岡崎町長が最近において就任をせられたというが、一体このときの当事者は村長であった中谷丈一というものであるかどうか、この点について一つお聞きしたいと思います。
○参考人(岡崎澗雄君) 私の言い方が少し強くてあるいは誤解を受けたかもわかりませんが、ただいま国の補助のことの御説明がございましたが、いなかのすみずみの者までは……ただ自分のことだけを考えるので、取り得というような、そういう意味でなく、こういうような災害に会うたから国の情にすがろうというような心で私は出たことと思うのであります。それからただいまの当時の村長のお話が出ましたが、それは二代にわたっておるのではないかと思うのであります。平岡という村長があり、その次に中谷という村長が継がれたのでありまして、両方に引っかかっているのではないかと思うのでありまするが、確実な資料は今持っておりません。 それからくれぐれも申し上げておきますが、この際国の補助は取り得だと、そうは絶対に考えておりません。もし私の言い方が悪かったならば私が訂正をいたします。
○岡三郎君 いや、訂正されましたが、私もそういうふうな被害にあったとき、あるいはいろいろな災難にあったときに、あれもこれもと思うのも、ある点においては無理はないと思うのです。しかしこのように沈没していないのに沈没したというふうにして出すということは、よほどこれは大胆に災害に便乗してやったということになると思うのですが、一番問題点は、ずいぶんはっきりしているのを、県の方はどの程度この補助申請について関与したかようわかりませんが、土木部長も当事者ではないというので涼しい顔をしておられるようですが、一体県というものは災害がどの程度補助申請なら補助申請というものに関与するのが至当であるのか、やらなければならないのか、こういったようなものを査定するときに、これは中央の方では机上査定をしたのか、写真を見てこれは沈没したんだから金をくれろと、こういうふうに簡単にきめたのか、中央の方でですよ。とにかくこの船はのこのこ相変らず台風のあとで動いているのですからね。海の上を走っているわけです。ということになるというと、一体どの程度まで建設省の方ではこれをやったのか、その点について一応お答えを聞きたいと思うのです。山口県の土木建設部長の近藤さんに、一体当時のことを考えていった場合に、当時の当事者はどの程度までこういう問題についてやったのか。またあなたが現任者として再び台風がくるかもわからぬ現在のような状態の中においてですよ、一体県としてはどの程度まで……、こういうふうな事件というものは珍しいと思うのだが、こういったものを一体どの程度まであなた方は補助申請をするときに関与しているのか。
○参考人(近藤勇君) 二十六年当時のことについてでございますが、これは私の聞いたところでございますけれども、先ほども申し上げましたように、非常に災害が大きかった、非常に件数も多かった、異常の災害であったために、県工事だけすらも手が回りかねておったもので、市町村工事の点までには手が行き届かなかったというわけで、県としましては書類申請のときに経由をしなければならぬことになっておるのでございますけれども、そこまでの確認はできていなかったというように聞いています。 また今後に対してどういうような考えかという御質問でございますが、これは普通の災害でございますれば十分実地も調査しなくちゃならぬのでございますけれども、やはり災害時の大きさその他においていろいろな条件が変ってくるわけでございまして、当然県として経由する意味におきましての一応の確認は必要なのかも知れませんけれども、むしろわれわれは査定を受けたものにつきましてその査定を受けた通りに全般ができているかどうかというようなことの検査その他においては十分なる注意なり監督なりしなくちゃならぬ、またしておるのでございますけれども、災害を受けた申請までにおいてあくまで確認をしてしまへと言われる、ことにつきましては、実際の法律上はどうなっているか知りませんけれども、現実問題としてはなかなかいたしかねる模様であります。それは今後におきましても非常に大きな災害が起きた場合には、市町村工事まで全部一々これを県が確認しなくちゃならぬということになれば、なかなか大へんなことになると思います。
○岡三郎君 本省の方にちょっと聞きたいのですが……。
○政府委員(米田正文君) この復旧工事の査定はその当時の災害の量と査定官の関係上机上査定にいたしたものでございます。机上査定のときに写真で説明を受けて採択をいたしたものでございます。十分な時間があり、査定官かおって現地を確認すればこういう間違いは起きないで済んだであろうということを痛感いたしております。
○岡三郎君 この沈没した船は十四・三一トン、作った船が二十三トン強ですが、十四トンと二十三トンは大分違うと思うのですがね。これは会計検査院の方ではどうしてこれがわかったんですか。
○説明員(小峰保栄君) これは実地検査の際に運航日誌を見たわけであります。災害の翌日にも走っているのであります。災害の日だけ休みまして、翌日はもう走っている。これで疑問を起しまして、中に入ったわけでございます。それから沈没した船でございすまが、これが前回も申し上げました通り、油谷湾で沈没している船ではないのであります。あの隣りの仙崎湾でございます。仙崎湾の全然関係のない沈没した船の写真をつけて査定をパスしたわけでございます。
○岡三郎君 私は今の県の部長さんの答え並びに本省のこういったものに対する査定の状態を見ますと、これは災害のときにこういうことをしなければ損だと思うのですね。われわれはあなた方の答えを聞くとますますそう思う。特に大災害が来ればえらい喜ぶ人か一ぱい出てくるというふうに私は思わせられているわけです。災害が大きくなればなるほど県は何もやれない。市町村の申請をそのままうのみにしなければならない。中央の方はそれをどの写真であろうが何であろうが片端からこれを認めて行く、一体こういうことであれば災害が大きくなればなるほど、一体実際問題としてどこでチェックするのですか。結局会計検査院等が一応検査をしてみて、貯金の問題からわかってきたというふうなことになれば、会計検査院もそれほど手足があるわけではないから、結局見落される部分というものが非常に多いと思われる。見落される部分が多いということになれば正直なものは馬鹿を見るという結論になる。だから災害によって逆にふとるということに結果においてなると思う。そういう点で建設省の方としても十分こういった問題については改善をして、再び災害のたびごとに災害ぶとりになる、災害がくればもうかるのだと、こういうようなことであったならば、まじめに私はやって行く人かだんだん少くなると思う。そういう点で、この金額は政府の説明書によると、二千百四十五号は別表の方で国庫に還付させる、こういうふうにあるのですが、もう国庫の方としてはこれを還付させましたか、どうですか。この点をお伺いしたいと思うのです。
○政府委員(米田正文君) 前段の今後の処置については私どもとしては先ほどもちょっと触れましたが、一番必要なことは全部実地査定をすることだと思います。これをやれば今日いろいろ批難をされておりますことがほとんど解決をするのではないか、こういう信念のもとに実地査定強行の方針をとろうといたしております。 それから還付の問題については、還付の措置はとりましたが、まだ金は現実に国に入ってはおりません。地元の意向は三問ぐらいに分割還付にいたしたいという希望を申し出ておりますか、建設省としては即時金額還付をするように慫慂をいたしております。
○岡三郎君 ちょっとこのケースは、まあいろいろと還付という問題ですが、これについてお伺いしておきたいと思うのですが、一体還付というものを指示して、そうしてそれが実際に国庫に収納されるというのは一体どのくらいかかるのですか。この事例を通して一応具体的に御説明願いたい思います、実際問題として。これはいつ頃実際納まりますか、架空論でなくて。
○政府委員(米田正文君) これはいろいろな事情でそれぞれ違うようでございます。財政的に……。
○岡三郎君 このケースで……。
○政府委員(米田正文君) このケースは四月に命じておりますから、すでに二カ月を経過いたしております。
○岡三郎君 四月に命じてまあ二カ月たっている、これをいつお取り立てになる方針ですか。いつまでにこれが解決しますか。大体こういうことを手ぬるくしているからですよ、結局あとあとまで一つの問題が片づかぬわけです。さっさと片づけて新しい部面に行かなければ役所としたって大へんだと思うのです。それは取られる町の方も大へんでしょうが、やはり信賞必罰といって、査定はするけれども、悪いのが見つかったのにそれを直さない、早く具体的に始末しないということになれば、これはいかぬと思うのです。いつごろこれはおやりになるつもりですか。もしも町の方で三カ月とか何とかの分割ということを言っているけれども、そんなことを言っていたのじゃ間に合わぬと思う、手不足の時代に。とにかく税務署でも延滞利子がつくのですからな。二カ月も三カ月も……、これをいつまでにお取り立てになるのですか。今までどの役所に行っても、還付させるということを言っているけれども、取ったという例は私はあまり聞かないのです。それを返さした、ここに国庫に何月何日に金が収納されたということを聞いたことがないのだ、私は今までにあまりにも。だからそれはいつまでにお取り上げになるのです。還付させるのです。これははっきり言ってもらいたいと思う。
○政府委員(石破二朗君) お話しの通り還付命令を出しますのに、なかなか手数がかかったということがありますが、さらに還付命令を出しました上でも、地方財政の都合等によりまして、なかなか返してこないというのが実情でございます。この点は少しものの性質が違いますけれども、従前直轄工事をやりました際に、それぞれ地方に分担金をつけておった時代かありますが、これもなかなか納まらないというような実情でございます。で、まあこれは今後われわれとしましては、特にこういうケースにつきましては督促を厳重にしまして、早く還付させるように、これは責任を持ってやりたいと思いますが、御参考までに、この間もちょっと御質問がありましたが、昭和二十七年度決算の結果還付せしむべきものというもののその後の措置でございますが、国庫負担金の減額措置として還付命令をいたしましたものが、二十七年度決算についてでありますが、七十六件、この中には手直しを命ずるものと、重複しておるものが三件ございます。その還付すべきものとしました金額が五千九百余万円、そのうちきょうまでに還付――国庫に収納――いたしましたものが二十一件の千三百余万円と相なっております。つまり四千数百万円はまだ国庫に確実に収納という段階に至っておりませんが、このようなことはまことに申しわけない次第であります。私どもとしましては、地方団体の実情もよく考えなければいけませんし、またこの個々の金額の多寡等もよく考えなければいけませんが、こりいうことはまことに相済まぬ次第でありまして、厳重な督促をいたしたいと、かように考えております。
○岡三郎君 地方団体の実情をしんしゃくするのはこれは地方自治庁でやればいい。あなた方がそんなことをしんしゃくしていたら、とてもではないけれども、改善できませんぜ。地方団体の困っておることは地方自治庁がやるべきですよ。それをこういうふうな不当申請をされていいかげんな査定で金を出してしまって、地方団体が困っておるから取りにくい。これではいつまでたったって私は同じだと思う。そこで今官房長が言ったように、一体いつまでにこれを取るのですか。そんなようなことだったから、だから悪いことをし得で結局ぐずぐずしていれば時間がたってしまって、またまた災害があればまた新しい事件が出てきて、またそれが次々に繰り返されて行けば前のものがおぼろになってしまって、いいかげんにそのまま捨ておかれるということになるのではないかと私は思うわけだ。だから、こういった問題については、中央の方でも机上査定をやめて、実地査定にしたというのならば、それと並行的に過去におけるそういう還付すべきものはやはりどしどしと片づけて行くという態度がとられなければ、私はやはり是正される速度がおそいと思う。だからどうもしつこいようですけれども、一体この事案についてはいつまでにあなた方は取ろうとしておるのかどうか、これを聞かしてもらわなければ私は納得できぬと思う。これ、だけに拘泥するようだけれども。
○政府委員(石破二朗君) 建設省のやっております補助金その他特にこの災害復旧事業が適正に行われておらぬという点につきましては、重々の御指摘もありましたし、私どももかくかたい決意をもちまして今後のこういう災害に関連して、いやしくも不正とか不当のないように絶滅を期するかたい覚悟であることば、先ほど来河川局長からもるる申し述べた通りでありますが、さてこの過去の分の処置でありますが、お話しの通り、こういうものこそ一日も早くこれを国庫に返納させるような手続をとるべきものと存じます。ここでこのケースにつきまして、いつ幾日ということはやはり私としてはきょうのところ申し上げかねますけれども、具体的な方法としましては、私の今の腹づもりでは、国会終了後全国の土木関係者の会議もやりたいと思っておりまするし、これまでのようなおざなり……これまでも決しておざなりではないつもりでございますけれども、(笑声)ほんとうに本気でこういうことのないように、二度とこういう不始末をしでかさないようにやりたいと思います。具体的な方法としましては、いろいろ御指摘もありましたし、そういう点を勘案いたしまして、いろいろ新しいことも考えておりますが、もう少し検討さしていたださましたら、具体的な方法等につきましてもあるいは御報告の機会があろうと思います。
○岡三郎君 もうやめますが……。
○委員長(山田節男君) 簡単に願います。
○岡三郎君 二十八年度については、返させる金額と、それから件数はどのくらいあるか、参考にそれを教えてもらって、それからそれに対して措置をとられるそうですから、具体的にこの処置というものをどうするかということを一つ決算委員会の方へ、急速に案を立てて、国会終了後といわず、一つお知らせ願いたいと思います、今の点、二十八年度の……。
○委員長(山田節男君) 今の岡委員からの要求の資料は、国会終了後といわず、開会中でも、なるべくすみやかに……建設省一般会計の審議を、質疑は一応終っておりますが、最後に議決承認をしなければなりませんから、その前に一つお出し願いたい。
○岡三郎君 二十八年度の件数と額をちょっと教えて下さい。
○政府委員(石破二朗君) 金額は二千二十六万円余に上っております。具体的な措置につきましては至急案を立てまして、御報告いたしたいと思います。
○白井勇君 せっかく町長が見えておりますから、地元ではいつまで返すというような御計画を持っておりますか。
○参考人(岡崎澗雄君) 実はこの事件はまことに恐縮に存じておりまするので、早急に返したいと考えておりまして、これの財源が基本財産の売却によるのであります。起債はもちろんできず、それから借入金と申しましても、地方の農協ではそれだけの金はちょっと出さない。しからざれば、本年度の歳入を繰り上げて一部出すか、基本財産――これは主に森林の枝条でございます。これを売却いたしまして、早急に返したいと今計画をいたしております。ところが現状はもう三百万円以上の売買になりますというと、よい商人を選ばぬというと、地方の現状は途中で放棄をいたしましたり、金額を負けることを強制をいたしたり、非常に困るのでありまするので、この売却人を選定するに非常に慎重に考えております。それで今までおそくなってまことに相済まぬのでありまするが、私どもの方はできるだけ早く全額を返還申し上げて、この罪の一端を償うつもりであります。前に、今局長さんから御報告がありまして、三年の分割の申請をいたしておりましたけれども、それはお許しにならぬと、これは当然のことであります。全額をなるべく早く納めるという覚悟で今進めております。
○野本品吉君 これは今の話に関連しておりますが、従来還付命令を出して、還付されたものと命令額との差が相当ある、それが件々累積されていると、会計検査院は還付命令を出したものが果して還付されておるかどうかということのお調べはなさっておりますか。
○説明員(小峰保栄君) 還付命令の問題もございますが、国の債権の収納未済といりのは非常に多いのであります。これは毎年私どもの方としては調査しておりますが、この種のものだけを取り上げて、特に調査ということはやっておりません。これは各省にやっていただくことになっておるわけであります。
○野本品吉君 私は、今の収約未済の分を農林省、建設省、その他にもあるかもしれませんが、一応従来どれだけ累積しておるかということをお調べになっていただきたい。それを委員長の方からお願いいたしたいと思います。
○委員長(山田節男君) 今の野本委員からの要求された資料は、会計検査院で集計になられますか。
○説明員(小峰保栄君) これは私の方で毎年集計しております。一番大きいのは租税であります。租税の収納未済というのは非常に大きいのでありますが、これは総額でございましたら私の方でわかります。お出しいたします。
○委員長(山田節男君) 時間も大分経過いたしましたので、大体この辺で質疑を打ち切りたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山田節男君) 御異議ないものと認めます。 本件は昭和二十八年度決算報告として、会計検査院から国会に提出いたしました報告書の中にある二千二百三十件余の中で、最も遺憾な事態として本委員会では審議いたしたのであります。実はこの件に関しまして、刑法第三十七章のいわゆる詐欺罪が成立するかどうか、このことにつきまして過般来参議院の法制局をして調査せしめましたところ、かような事犯は明らかに詐欺罪を構成するという結論であります。で、これは単独犯であろうとあるいは共謀であろうと……これはこの事例で申しますと、この事業の主体の責任者、県の責任者、建設省の責任者も詐欺罪に問われるということは可能であるという結論に実は到達いたしているのであります。なおこの事件につきまして、会計検査院法第三十三条、すなわちこういう事犯を発見した場合には、検察庁に対してこれを通告をしなければならないという義務規定があるのであります。こういうことに関連いたしまして、かような事態、これのみならず、さらに二重査定、あるいは過大設計、便乗工事あるいは疎漏工事、こういうような、もう広範な地域にわたって正当な詐欺罪が成立するということになれば、これはまことに遺憾な次第であるのであります。本委員会としましては、国民の代表として、国家予算の執行の結果を審査いたしまして、あくまで政治的責任を追及し、かような事態を是正するというのが、本国会決算委員会のこれは最大使命としているのであります。かような事態は昭和二十八年度決算報告書におきましても、まことにこれは白眉的な事例であると申し上げなくてはならないことはまことに残念に存ずるのであります。ことに山口県におきましては、例の山口県出雲村の問題があります。これはすでに当時新聞を賑わしたほどのまことに遺憾な不当事項として、本委員会は各委員とも心に深く銘記しているのであります。かようなことが会計検査院の指摘によって本国会に報告された、しかしてわれわれがこれを審議しなくてはならない。また本日遠路わざわざ岡崎村長並びに県の近藤部長の御出席を願わなくてはならなくなったということは、まことに私どもは遺憾に存ずる次第であります。承わりますと、岡崎村長は元陸軍少将であり、身、長く軍籍にあり、身挺してすべての面に範を垂れられたという御経験の方でありますが、今後かような不名誉なことが再び起きざるべく、多大の御尽力になっていることはもとより私どもの信ずるところでありますが、どうぞなお一層今後留意をされまして、今日の最もわれわれが憂えている補助金行政の乱脈に対しまして、岡崎村長が身を挺して地方財政の健全さと、あるいは災害のあった場合の早期完全な復旧、こういうことにつきましてはわれわれ国会として十分御協力申し上げるものであります。どうぞこのことが再び起らないように厳重な注意を賜わりたいと存じます。 なお近藤建設部長は、今日の各委員の御質問を通じても本委員会が本事案に対しましていかなる意向を持っておるか十分御察知得たと思いまするから、上司、知事にもるる今日の経過を御説明願って全国の中でも山口県の補助金行政は芳ばしい名前をかち得ていないということはまことにこれは恥辱であります。こういうようなことにつきましても本委員会としては非常な決意と期待を持っておることを御報告願いたいと存じます。では時間も経過いたしましたので本件に関しましてはこれをもって質疑終了いたします。 それではどうぞ御両君の御退席を願います。 ―――――――――――――
○委員長(山田節男君) 次に運輸省関係のものであります。検査報告批難事項第一千九百四十号であります。事案の内容について池田専門員をして概略説明いたさせます。
○専門員(池田修蔵君) 本件は島根県簸川郡岐久村が三百七十二万円で施行しました小田東港災害復旧工事でございますが、その工事は防波堤四十メートルの中詰石を千三百六十六立米、被覆石を千九百二十二立米、同ならし工事千三百四十二平米を施行したこととしてありますが、実際は中詰石が七百三十二立米、被覆石が千二百四十四立米、同ならし工事は九百九平米を施行したにすぎないものであります。また、中詰石二百二十七立米、被覆石百九十八立米は在石、その辺にある石を使用することかでまましたので、工事費は国庫負担金を下回る、国庫負担金は、三百二十三万六千円でありますが、それを下回る二百二十九万円で足りたものでありまして、同村は村が負担したとしております四十八万三千六百円を全く負担していないばかりでなく、九十四万六千四百円の余剰金を生じておることとなっております。なお使途ははっきりしておりません。
○委員長(山田節男君) 本件に関しまして参考人として島根県簸川那岐久村の村長伊藤敏夫君、島根県土木部長有馬博雄君が出席されております。なお運輸省からは山内官脚長、梶本会計課長、黒田港湾局長、岡管理課長補佐、有田監督係長が出席されております。なお検査院の方からは小峰検査第三局長が出席されております。 では本件に関しまして村長伊藤敏夫君の説明を求めます。
○参考人(伊藤敏夫君) それではこの問題につきてまして御説明申し上げます。本件の小田東海は今おっしゃいましなように昭和二十五年キジア台風に被災しまして、その年の十月に運輸省の査定を受けまして当初四百九万一千円という復旧工事の査定額でございましたが、その後周囲の状況の変動によりまして一回、二回、三回と三回の再査定を受けました結果、四百七十四万幾らという査定額と相なったわけでございます。で、これの旧復工事につきまして昭和二十七年度に百万円、二十八年度に百五十万円、そうしてさらに二十八年度の仕越し工事としまして百二十二万一千円、こういう一応の認証を受けたわけでございます。ところがこの工事の実際の施行に関しまして申し上げないのでございますが、実はこの工事の性質上、と申しますと、あの日本海の波の荒い海岸におきましての防波堤でございますので、わずか四十メートルの防波堤を二年、三年と区切って施工いたしますと必ずせっかくしたものがまた二年目には御破算になり、三年目にまた元へ戻るというふうに相なりますので、一応村といたしましてはこれは一気に行いたい。しかも私の貧弱な村の一番大きい財源としまして漁港を持っておったわけでございますが、この漁港がこわされましたために村も大きな損害を受けた、従いまして漁民としましても速急に復活してもらいたいという希望もございまするし、特に村議会なり、あるいは漁業関係者が集まりまして何とかしてこれを一気に完成してしまいたいということから、たまたま私の村の隣りにおりました請負者の山下好一というのがおりまして、ちょうど当時仕事がないし、せっかく新しい起重機船をこしらえたのだから何とやらしてくれぬかというお話もあったわけでございます。この工事を、こういった業者を、たとえば山口県あたりから呼びますと相当大きな資金負担もみますし、また一年、二年、三年と分けて工事を行いますと、必ずそこに大きな不必要と思われるような経費が要るというふうに思いましたので、それではせっかく地元の漁民もそういうし、請負者も犠牲的精神を払ってやろう。しかも山下そのものも私の村のこの港を常に避難港として使っているというふうな状態でございまして、地元民も自分の村のことだから一生懸命で奉仕しましょうというふうな非常な強い熱意がございましたので、二十七年度百万円の認証を頂きました、当時二十七年の九月の終りに山下と契約を結びまして、とにかくむずかしかろうけれども、何ぼであるかといって相談しましたところが、二百二十九万円ならやるというふうに言ったものでございますから、非常に無理だなというふうには考えましたが、それではやってくれということで一応の契約を結んだわけでございまして、そうしまして二十七年の十月から二十八年の十一月にかけまして工事を一応完了したわけでございます。しかしあの日本海でございますので、冬季もう十月以降になりますと、とうてい波があって仕事ができない、従って二十八年の十月ころに多少手直しをしなければいかぬという点が残りましたので、この点は翌年度しようというとになって一応二十八年の十月に完了したようなわけであります。従いまして村としましては当初約束しました通り、二百二十九万というものを一応支払いまして、しかしその後どうしても初め申しましたような二度も三度も再査定がありましたような状況でございますので、山下好一もこれじゃとてもやれぬ、何とかしてくれ、というふうな話もあったところへいろいろ村会とも相談しておりましたが、ちょうどその翌年の……昨年の五月に会計検査の方の御指摘を受けまして現在のような状態に立ち至りました。従ってやはりむずかしかったかなと思っておったが、手直し工事として九十七万一千円ばかり仰せつけられまして、これは村費を計上いたしまして二十九年の五月の二十日ころから七月の終りころにかけまして完成いたしたようなわけであります。なお設計過大分として御指摘いただきました四十六万一千円は全工事の完了次第完納するという考えでおります。 なお村は地元負担を決して忌避するというわけではありませず、むしろ当初からこの工事を一気にするとすれば村の負担は、二百二十九万というものは初めから考えなければならないということで、百万円の工事認証、百五十万の工事認証、いろいろありましたけれども、それを村としましてはもらうまで全部立てかえて払っておるようなわけであります。しかも今おっしゃいました三百数十万の補助金とおっしゃいますのは工事が完了したときにいただまましたのは一樹十七万見当しかもらっておらないというふうな実情でございますので、結果におきましてそのようになったというりことはまことに申しわけないと思いますが、決して他意があってやったわけではありません。この点を御了解願いたい、こう思うわけでございます。
○委員長(山田節男君) 有馬土木部長の説明を求めます。
○参考人(有馬博雄君) ただいま伊藤村長からるる説明がありました通りでございまして、私さらにつけ加えることはないのでありますが、ただ一言つけ加えさしていただきたいことは、この工事はまだ工事が完了しておらないのでありまして、その一部防波堤の工事だけが今のような結果で、実は会計検査院の検査を受けたようなわけでございまして、目下それに付随した斜面物揚場が残っておりまして、そういうような関係で私ども県から町村へ流しました金も工事費におきまして二十七年に群万、二十八年に百五十万、合計二百五十万、すなわちこれは工事費でございまして、国庫といたしましてはそれの八割七分の二百十七万五千円が交付をしてある。しかもこれは御承知のように当初の設計に基いた額でございまして、いわゆる概算でございます、概算払いをいたしたようなわけでございます。その点をここにつけ加えさしていただきたいと思います。いずれ詳細はまた申し上げたいと思います。
○委員長(山田節男君) 伊藤村長はいつから村長に就任されたのですか。
○参考人(伊藤敏夫君) 私、昭和二十二年から村長を勤めております。
○委員長(山田節男君) 有馬土木部長はいつから現職に御就任ですか。
○参考人(有馬博雄君) 私は昭和一十四年の四月からでございます。
○委員長(山田節男君) 順次各委員の御質疑をお願いいたします。
○岡三郎君 これは形式的な契約を三百七十二万でして、実際は二百二十九万で山下工務所に請け負わした、なぜこういうことをされたのか、村長……。
○参考人(伊藤敏夫君) これにつきましてお答え申し上げます。私たちはこの工事がああして一回、二回、三回と常に再査定を受けるような世の中の変動期につきまして、とにかく最後はいつ認証をいただくかわからないけれども、とにかく工事を急ごうということで、全村民をあげて工事をやったようなわけでございまして、従って補助金かどうとか、あるいは地元負担がどうとかいうことは、むしろ二の次に考えておったわけでございます。しかもそうかといって書類をこしらえないわけにはいかないということで、一応その年としまして工事したように、認証をしていただきました額に応じまして工事をしたようなことにして、書類を作ったというわけでございまして、この点はまあうそをやったというわけでございまして、申しわけないと思うわけでございます。
○岡三郎君 そのただいまこういうふうな契約の仕方を知っていたのは村長さんだけですか。
○参考人(伊藤敏夫君) これは村議会にも諮り、漁業関係の方とも相談いたしましてやったわけでございます。
○岡三郎君 失礼ですが、そういうとはときどきあるのですか。
○参考人(伊藤敏夫君) ときどきはありません。これはこういった大きな工事は、村としまして初めてやったようなわけでございます。年次にわたるような工事は今まであまりやったことがございませんものでございますから……。
○岡三郎君 そうするというと、このように、二重ということよりも、裏契約したことは一体だれが発議したわけですか。
○参考人(伊藤敏夫君) だれが発議とおっしゃいますとだれとも申し上げませんが、結局私村長といたしまして全責任を負うと考えております。まことに申しわけない……。
○岡三郎君 村長さんがやられたと、まあそうして村議会に諮られて実はこういうふうにするのだとやられたと、まあ聞いたわけですが、これは竣工検査は、二十九年度以降に相当額の補助金をもらっているのですが、現在まだ継続しているわけですか、仕事は……。
○参考人(伊藤敏夫君) 現在工事は進行中でございます。なお二十八年度工事の補助金は国庫補助は二百十七万幾らでございました。二十八年度の検査を受けまして手直し工事として指摘せられました工事に対しましては昨年の七月に工事を完了いたしまして、それに対する地元負担金、国庫補助をいただいております。なおその残余の四十六万幾らの返納金に対しましてはあらためて船引場の認証をいただきまして、それで工事を繰り延べてしているというような実情でございます。
○岡三郎君 県の方の土木部ではこの工事に対してどの程度の相談を受けたか、どの程度の相談を受けたかですね。
○参考人(有馬博雄君) 御質問の要点が少しわかりませんが、私どもの方……。
○岡三郎君 じゃあ言いましょう。つまり県土木部がいろいろと仕事をする場合に、村あたりには設計をする適任君もいない、そういうことで県の方に依頼をするとか、県の方の紹介をもってだれに頼むとか、または補助申請についてどうしたらいいのかといろいろとまあ相談があるもの、あることが普通だと私は思って、それについてどの程度村からいろいろ連絡があった場合にあなた方の方でこの問題にタッチしたかと、こういうことなんです。
○参考人(有馬博雄君) それは当初におきましては災害をこうむりまして、町村におきましては御承知のように技術者が非常におりましても程度の低い方が多いのでございまして、まず設計につきましては、ただいまのこの事例を申し上げますというと、町村に技術表がおられますが、その技術者等に県が助力をいたしまして設計をいたしました。それがまず最初でございます。それから補助金の申請につきましては、これはただいま申しましたように、二回にわたりまして申請がありました。その申請に基いて、その年度の、運輸省から配当のワク内にお丙まして分割しまして二百五十万というものを概算払いといたしまして支払いをした、こういう関係になっております。それから施工の受け入れの問題につきましては、これは全然相談を受けていませんし、あとになって今のような関係がわかったようなわけでございまして、この点は全然依頼はなかったのでございます。大体以上でございます。
○岡三郎君 工事の出来高不足分、工事費九十七万一千円は施行した。「また当初設計に誤測があるにかかわらず、そのまま施行した事実等もあり、受入超過となる負担金四〇一、〇七〇円は精算の際に処理することにいたします。」――これはいつ村長さんなされるわけですか。
○参考人(伊藤敏夫君) 補助金の国庫負担金の返納につきましては、まだ船揚げ場が二十二メートル残っております。その完了をした場合に返納するというふうに考えておるわけでございます。
○岡三郎君 会計検査院の方にちょっと伺いたいんですが、だらだら工事をしているように思えるんですが、一体これは、工事が終ってから返す、こう言っておりますが、会計検査院の指摘では「九四六、四〇〇円の剰余を生ずることになっている。」、こうありますね。一体返還する金としては、この九十四万六千四百円が至当と思うんですが、この村当局は四十万一千何がしの金、こう言っておりますが、この点は一体どうなんでしょうか。
○説明員(小峰保栄君) 出来高不足の分九十七万何がしというものは、これは手直ししたわけであります。それから設計過大の分、これをこれから渡す補助金で相殺する、こういうわけでありまして、出来高不足に対して金を全部返させるべきかどうかということは前回もいろいろ御意見がございましたが、まあ手直しなり、補強なりで認めるという、こういうことにしたわけでございます。
○岡三郎君 そうするというと、四十万一千円何がしの返還、これでいいということになるわけですか。
○説明員(小峰保栄君) そういうことになります。設計過大の分がこれに相当するわけであります。それで、まだ未完成と、こうおっしゃっておりますが、物揚げ場が未完成なのでありまして、これは九十二万ほどの工事でございますが、防波堤の方はすっかりできてしまったわけでありまして、防波堤の方に出来高不足なり設計過大があったわけでございます。
○岡三郎君 村長さんに伺いますが、一応工事は完了したと会計検査院の方ではおっしゃるわけです。どうしてあとの仕事をしなければ精算ができないのか、その間の事情を一つお聞かせ願いたいと思います。
○参考人(伊藤敏夫君) 工事が、完了と言えば完了でございましょうし、私どもは一応防波堤と船揚げは密切不離なものと考えておって、私どもはまだ工事は未完了だと、こう言っておるわけでありますが、しかし今お話の四十六万一千円をすぐにでも返納せいと、こうおっしゃればもちろんすぐにでも返納いたしたいと、こう考えております。
○岡三郎君 そうするというと、運輸省の方では、今、村長さんがああいうふうにおっしゃっておるわけですが、返納させるということについてどうお考えですか。
○政府委員(黒田静夫君) この災害工事は、査定いたしました総額は、四百七十四万何がしでございまして、その内容は、防波堤の三百七十二万と、荷揚げ場の百二万余田でございまして、この両者合わせて二十五年災害八号が四百七十四万何がしになっておるのでございます。防波堤につきましては、先ほど来お話がございましたように、工事が一応でき上りまして、出来高不足は地元が九十七万一千円をもって手直しを完了いたした次第でございます。設計過大に相当いたしまする国庫負担金の四十万円何がしは、今申しました防波堤と物揚げ場災害を一体と見ました国庫負掛額がまだ百九十五万残っておるのでございまして、これは早く国としては地元に交付すべき額なのでございますが、いろいろ財政の都合でそれを早く交付できない関係もありますので、この四十万円何がしは残工事の方へ振り向けさしたような次第でございます。
○岡三郎君 今いったような設計過大の分をそっちへ振り向けさした、これは、当然仕事の性質上一本であるといっても、仕事の内容は二本だと思う。そういう点について会計上まぎらわしくなる点はないでしょうかな。これはやはり運輸当局のこういう都合でいいわけなんですか、会計検査院。
○説明員(小峰保栄君) この工事に限りませんが、先に工事をやってしまうというのが災害に多いのであります。これも補助金の方は若干おくれておるという関係にあるわけであります。今の運輸省の当局の処置はやむを得ないかと思うのであります。
○岡三郎君 そうすると、村長さんに伺いますが、いつごろ残りの工事ができて精算ができる予定ですか。
○参考人(伊藤敏夫君) これは残工事二十二メートルを御認証いただきましたらすぐ行いたい、こう考えております。まだそれだけをやっていいという御通知をいただきませんものですから。
○岡三郎君 通知をもらってないのですか。もう一ぺんその点。
○参考人(伊藤敏夫君) 船揚げ場全体で四十メートルでございます。それは今の四十六万一千、これに対しましては、十八メートルにしようということでございまして、十八メートルだけは完成いたしまして、すでに現在申請をしております。だけれども、残りの二十二メートルはまだでございます。そういう事情でございます。
○岡三郎君 運輸省に聞きますが、残りの二十二メートルは金がないからやるということを許可してないのですか。
○政府委員(黒田静夫君) 運輸省といたしましては、全体の災害費予算からそれぞれの重要度なり緊急度によりまして、各府県に配分いたしておるのでございます。各府県はまた同様の理由によって各災害地に配分をいたしております。そういう関係で、本港につきましては、なお五十万何がしか国が負担すべき額が残っておりますが、これはおおむね本年度の今審議を願っておりまする災害復旧費の方から回し得る見込みでございます。従いまして、事業といたしましては、今年度中に完成できる見込みでございます。
○木内四郎君 一つ伺っておきますが、三百七十万円で契約した。しかし裏の契約は二百二十万円――百五十万円ばりこの工事で村がもうかることになるのですね。この百五十万円をひねり出して何かやろうという計画でもあったのですか。
○参考人(伊藤敏夫君) せっかくそういう御疑念があるだろうと思っておりましたが、実はさっき申しましたように、村としましては、こういうふうな昭和二十五年度からこの方、毎年々々再査定を受ける、再査定によって上って行くという経済状況が、しかも国の予算を一億円に狭めているというふうになりますと、果して全額を何年間で完成するようにお願いできるものかどうか、認証をしていただけるものかどうかというような心配もございますし、ただ私たちといたしましては、補助金でどうであろうとか、あるいはもうけるとかいうようなことは毛頭考えませず、むしろ一生懸命にやろうということでもって、当初から無理であろうと思っておりましたが、二百二十万円で果しているのでございまして、そこで九十七万円の手直しがあったわけでございますが、決して当初から何ぼ何ぼひねり出してどうしようという考えは毛頭持っておりません。いよいよ最後になりますれば、余ったものをお返しをするというきれいな気持でいるわけでございます。これだけは申し上げておきます。
○木内四郎君 契約を三百七十万にされて、一方において表の契約はされておいて、裏では百二十万ということでは、いろいろ理由の説明はありましたけれども、百五十万円ばかり浮いてくることは明らかであります、その通りに行けば……、それは村のほかの目的に使ったんですか。それともみんなで山分けでも……、極端な言い方で悪いけれども、山分けでもするつもりだったんですか、そんなことは聞いちゃ失礼ですが。
○参考人(伊藤敏夫君) 決して山分けなんということは考えておりませんでした。果してできるか、できないか、それを非常に心配しておったようなわけであります。決して百何万余らせる、そういった考えは持っておりませんでございまして、その点だけは重ねて強く申し上げておきます。
○木内四郎君 それじゃ伺いますが、村の歳入歳出にはどれを基礎にしてやっておったんですか、三百七十万円でしょう。
○参考人(伊藤敏夫君) それは一応村の方でも、村会の方でも了解いたしまして、結局できた場合にはまた考えようというふうなことでございまして、とにかく第一番に港の復旧だということでやったわけでございます。もちろん予算面は三百七十万円という予算でやったわけであります。
○白井勇君 さっきの受け入れ超過の四十万円ばかり、これは結局運輸省の今の考えからしますれば、今年なり来年でなければ実際は出せぬわけですね。そうすると、県の土木部長、村長さんの手腕か何かしりませんが、それだけ先取りして使ってしまったわけですね、そういうふうな例というのは運輸省関係で非常に多いのですか。
○政府委員(黒田静夫君) 災害復旧工事は、御承知のように災害を受けました直後応急的に急いでやらなくちゃいかぬような場合があるのでありまして、災害の予算がきまらないうちに、地元の負担において工事を先行する場合がございます。査定を受けてから……。それは仕越し工事と言っておりますが、こういったような仕越し工事は、できるだけあとですみやかに国の負担金を交付するようにしておりますけれども、なおそのときの災害復旧予算がいろいろで、率は各省一律でございますが、十分でないような場合は後年度に持ち越す場合があるわけでございまして、仕越し工事というものは少しづつ毎年あるわけでございます。
○委員長(山田節男君) 伊藤村長にお尋ねしますが、あなたは昭和二十二年来村長の職におられるというわけですが、参考のためにお聞きしますが、この事件発生の当時の昭和二十五年、それから並びに昭和三十年度の岐久村の歳入歳出予算額がおわかりになりますれば、お知らせ願いたい。それから人口、これは村の人口、それから主たる産業、これをあわせてお示し願いたい。
○参考人(伊藤敏夫君) 昭和二十五年度の予算ははっきりは覚えておりません。今から振りかえってみまして、千二百万円見当でなかったかと思っております。なお三十年度の予算は千九百万円でございます。千九百六十万円くらいと思っております。なお村の人口は現在四千百名でございます。主たる産業は、農業が五割くらい、水産業が四割くらい、農林がこれが三割くらい、農水産が二割くらいというふうな事情でございます。
○木内四郎君 さっきのに関連してもう一言だけ……。まあ余り深く私は伺いませんけれども、予算面で三百七十万になっていると、どうしてもそこにやはり始末に困る金が出てくるわけですね。あなたの方の村では予算面にない特別な金というか、機密費みたいなものは別にあるのですか。
○参考人(伊藤敏夫君) 決してそういうものはございません。それで予算面でたとえば三百七十万の予算を組みますと、一応そこに財源としましては村費繰り入れと寄付金と、そういったもので補助金のほかにはまかなっているわけでありますが、その寄付金というものが実際には入ってこないということから、そこには機密費に属するものがなくなってくるわけでありまして、決して機密費というようなものはございません。
○木内四郎君 今の予算と合わないところは、適当に各歳入の力も減らすわけですか。
○参考人(伊藤敏夫君) 結局決算になりますと、その寄付金で受けた寄付金が入ってこなければ、決算で削るということから両々相合うようになるわけであります。
○木内四郎君 決算の方では、そうすると、三百七十万を基礎にしないで、二百二十万を基礎にして決算をやっているわけですか。
○参考人(伊藤敏夫君) そういうことでございます。
○委員長(山田節男君) 有馬土木部長にお伺いしますが、あなたの県の出納長が何している雑部金というのがあるかないか、もしあれば、そういう運輸省、農林省、建設省関係のそういった雑部会がどのくらいあるか、もしおわかりになればお示し願いたい。
○参考人(有馬博雄君) ちょっと記憶いたしませんから、お答えでできませんです。
○委員長(山田節男君) 雑部金が島根県の県庁にありますか、それを御存じですか。
○参考人(有馬博雄君) ちょっと関係の者に尋ねてみましてお答えいたします。
○委員長(山田節男君) あなたは御存じないですか。今まで、二十四年以来……。
○参考人(有馬博雄君) 私はどのくらいそれがあるか、ちょっと記憶していません。
○委員長(山田節男君) 第一に出納長が保管している雑部金がありますか。
○参考人(有馬博雄君) それはあると思います。
○委員長(山田節男君) 金額は今ここでわかりますか、大体……。
○参考人(有馬博雄君) 今ちょっとわからないと思いますが、聞いてみます。
○委員長(山田節男君) それは他の県にも要求したのでありまするが、島根県の場合も雑部会の内容ですれ、運輸、建設、農林関係おのおのどのくらいあって、総計幾らあるかということは、一つできるだけ早く本委員会に資料として御提出をお願いします。 ほかに御質疑ありますか……。それでは本件に関しましては質疑は終了したものと認めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山田節男君) 御異議ないものと認めます。 本日は、本件に関しまして当決算委員会の審議のために、遠路わざわざ伊藤村長並びに有馬土木部長の御出席を得ましてまことに有難うございました。本委員会の今までの各委員会からの質疑の経過からみましても、本委員会は補助金行政、ことに財政支出の一億のうちで三割が補助金に使われた、五百有余のいろいろな名前において使われた、しかもそれが非常な乱脈をきわめているということについて、本決算委員会としては十九国会以来深甚なる関心を持ちまして、本省はもとより、県、市町村に対しましていろいろと調査をいたしておるのであります。それで本件に関しましては、出来高不足あるいは事業主体負担不足の事案として取り上げたわけであります。今まで御両名の説明、御報告を得まして、本委員会としても今後のこの事案審議上非常に有力なものであったということにつきまして、厚くお礼を申し上げる次第であります。 なお、土木部長は、御帰還の上は上司たる知事に対しまして、本国会の決算委員会が、補助金の行政の適正な効率の向上ということについて、いかなる関心を持つておるかということをつぶさに御報告願いたいと存じます。 なお、伊藤村長は昭和二十二年以来すでに三期にわたり村長に在職せられておるように了解いたします。承わるところ、村の財政もきわめて貧弱であり、苦しいこともわかるのでありますが、補助金行政をやめるかどうか、またこれを継続するとすれば、ただいまのような事案が果して詐欺罪になり得るかどうか、参議院の法制局としましては、詐欺罪が成立するという結論に到達いたしておるような次第もありますので、どうぞ今後は、伊藤村長はもとより、県としましても補助金の行政に関しましては十分上司に連絡されるとともに、横の連絡を密にされて、かような事態が再び本委員会に報告されないように切願してやまない次第であります。 わざわざ遠路御出席願った有馬土木部長、伊藤村長に対しまして深くお礼を申し上げまして、この本件に関しまする質問を打ち切ることにいたします。 それでは、最後に和歌山県の事案が残っておりまするが、都合によりまして、三十日午後、和歌山県だけは切り離して審議することにいたします。 本日はこれをもって散会いたします。 午後七時二分散会